前回 紬「超特急ヴェガ?」 その4 



790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:35:45.65 ID:VOamOZUzo

8月11日 



***「あなた---を----」 

「・・・むずかしいです」 




紬「・・・」 

梓「」スヤスヤ 

唯「」スヤスヤ 

紬「・・・結局唯ちゃんの部屋で寝たのね・・・」 

梓「」スヤスヤ 

唯「」スヤスヤ 

紬「・・・ふぁ」 

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791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:36:26.21 ID:VOamOZUzo


『それを、自分を信じろよ』 

澪「・・・うん」 

スチャ 

澪「・・・」 

ギュ 

プチッ 

澪「え・・・」 

792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:36:56.72 ID:VOamOZUzo

ガチャ 

澪「・・・」 

バタン 

澪「・・・はぁ」 

紬「おはよう、澪ちゃん」 

澪「あ、むぎ・・・おはよう・・・」 

紬「・・・どうしたの?」 

澪「なんでもない・・・」 

紬「あら、ペンダントは?」 

澪「これ・・・取れちゃった」 

紬「あら・・・」 

澪「・・・」 

紬「貸して?」 

澪「・・・どうするの?」 

紬「直します!」 

澪「でも・・・」 

バシッ 

紬「だいじょーぶ!」 

テッテッテ 

澪「奪い取った・・・」 

紬「先に食堂車行ってて~!」 

律「・・・どうした・・・ふぁ~」 

澪「ペンダント壊れたんだけど・・・」 

律「え・・・」 

澪「むぎが直すと言って走って行った」 

律「そっか・・・。朝から元気だな・・・」 

澪「・・・接続部分が取れたから、どうにもならないと思うんだけどな」 

律「どうにかなるかもしれないから、むぎが走ったんだろ・・・ふぁ」 

澪「・・・」
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:37:23.87 ID:VOamOZUzo

律「あ、ごめん。揚げ足取りみたいな事言って・・・」 

澪「ううん」 

タッタッタ 

律「あれ?もう直ったのか・・・」 

紬「澪ちゃん、ブレスレットになるかもしれないけど、いい!?」 

澪「え、あ、うん」 

紬「分かった!」 

タッタッタ 

澪「・・・」 

律「車掌さんに相談してんのかな?」 

澪「・・・そうかも」 

タッタッタ 

律「元気だなぁ」 
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:38:16.40 ID:VOamOZUzo


車掌「10時に開きますから・・・12時の出発まで間に合うかどうか・・・」 

紬「京都から大阪に送る事は・・・」 

車掌「できますよ」ニコ 

紬「よ、よし!」 

車掌「あ・・・」 

紬「澪ちゃんに確認してきます!」 

ゴンッ 

紬「~っ!」 

澪「~っ!!」 

車掌「だ、大丈夫ですか?」 

律「なにやってんだよ・・・」 

紬「澪ちゃん・・・?」ヒリヒリ 

澪「むぎ・・・」ヒリヒリ 

紬「ごめんね、澪ちゃん・・・大丈夫?」 

澪「あ、あぁ・・・」 

車掌「・・・」ホッ 

律「よかったな」 

澪「うん・・・。車掌さん、お店を教えてください」 

車掌「少々お待ちください」 

紬「唯ちゃんとあずさちゃん起こしてくるわね~」シャランラ 

律「・・・私も行くよ」 

紬「?」 

律「食堂車で待ってるからな~」 

澪「うん・・・」 
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:40:19.97 ID:VOamOZUzo

紬「どうしたのりっちゃん」 

律「ん~、もうちょっとで澪が進化しそうだからな~」 

紬「そうなの?」 

律「なんつって~」 

紬「うふふ」 

スタスタ 

律「むぎ、梓の部屋ここだぞ?」 

紬「唯ちゃんの部屋にいるのよ~」 

律「?」 

コンコン 

「・・・」 

紬「まだ寝ているのね~」 

律「なるほどぉ~」 

ガサゴソ 

紬「カメラを出してどうするの?」 

律「まぁ、いいからいいから」ウシシ 

コンコン 

「・・・はっ!」 

「ん~・・・」 

「ちょっ、離してください!」 

「ん~、あずにゃん・・・どうしてここに!?」 

「いいから、離してくださいー」 

律「なにやってんだ」 

紬「うふふ」 

コンコン 

「むぎ先輩ですか?」 

紬「そうよ~」 

「・・・」 

「どうして開けないの、あずにゃん」 

「律先輩いますか?」 

紬「えぇと・・・」 

律「いない、いない」ヒソヒソ
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:41:19.68 ID:VOamOZUzo

「りっちゃんがいたらダメなの?」 

「ダメじゃないですけど、激写ー!とか言って撮られそうです」 

「しそうだよね~」 

紬「なるほど」 

律「ぐっ、開けろー!」 

ガチャガチャ 

「暴挙にでましたね」 

「いたんだ、りっちゃん」 

律「いたら悪いかコンニャロー!」 

小麦「朝からうるさいよー」ボケー 

エレナ「元気な証拠ですワ」 

律「こ、小麦の頭が・・・!」 

「ど、どうしたの!?」 

「喰い付かないでください」 

小麦「ん~?」ボケー 

紬「アフロになってるわ~」 

エレナ「そうですネ」 

ガチャ 

唯「ど、どこ!?」 

パシャ 

律「なんで顔にタオル巻いてんだよー」 

梓「バレバレですよ」 

唯「アフロじゃないじゃん!」 

紬「うふふ」 

小麦「アフロしないよ~」ボケー 

エレナ「小麦は、低血圧ですネ」 

パシャ 

律「それはそれで面白い格好なんだよ、梓」ウシシ 

梓「しまった!」 

バタン 

唯「ちょっとあずにゃんー!私の部屋だよー?」 

ドンドン 

「あ、すいません」
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:42:27.05 ID:VOamOZUzo

澪「なにしてんの・・・」 

紬「あ、澪ちゃんどうだった?」 

澪「うん、後で行って来るよ」 

紬「そう、よかったわ」 

エレナ「カメラ持って来るの忘れマシタ」 

紬「うふふ」 

修治「騒がしいですね」 

律「おはよ」 

小麦「おはよ~」ボケー 

修治「みんなおはよー。エレナ、今日は無し?」 

エレナ「小麦と寝坊してしまいマシテ」 

修治「そっか・・・」 

澪「この前言ってた空手?」 

修治「そう・・・ふぁ」 

エレナ「今日に限って寝坊ですカラ~」 

澪「じゃあ、今からでも!」 

律「外、結構人いるぞ?」 

エレナ「そうですネ」 

澪「あ・・・そっか」 

小麦「みんなのこれからの予定は~?」ボケー 

紬「ごはん食べた後に・・・」 

澪「ペンダントの修理に・・・」 

小麦「え?」 

エレナ「目が覚めましたネ。ペンダント壊れましたカ?」 

澪「うん、ブレスレットにしてもらおうと思っていたところ。・・・ほら」 

小麦「ほんとだ~。エレナ・・・」 

エレナ「任せるでゴザルヨ」 

小麦「澪ちゃん、借りるね~」 

エレナ「早速修理ですワ」 

修治「すげえな」 

紬「ほんとね~」
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:43:18.72 ID:VOamOZUzo

澪「あ、ありがと・・・」 

小麦「ご飯食べ終わった頃にもっていくよ~」 

エレナ「先に行くとイイネ」 

テッテッテ 

修治「散歩でもしてくるか・・・。じゃね」 

律「あぁ・・・。なんかバタバタしてんな」 

紬「進化できた?」 

律「もうちょっと・・・だな」 

澪「なに?」 

律「なんでもなーい」 

紬「あら、唯ちゃんたちは?」 

澪「梓はこそこそと出て行ったけど」 

律「・・・」 

紬「唯ちゃんは中ね」 

コンコン 

「先に行ってて~」 

紬「は~い」 

澪「梓も後でくるかな。先に行ってようか」 

律「そうだな」 
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:44:41.49 ID:VOamOZUzo

けさみ「いつものでいいですか~?」 

律「よろしくー」 

紬「えぇ」 

澪「はい」 

けさみ「唯さんと梓さんはどうします?」 

律「後で来るから、今のうちに注文とっておいてください。いつものでオッケー」 

けさみ「かしこまりました~」 

紬「今日は、比叡山よ!」 

律「そうなのか?」 

紬「いぇ~す」 

澪「むぎ、さっきは」 

梓「おまたせしました」 

律「普通かよ」 

梓「変化を求めないでください」 

紬「昨日が特別だったのよね~」 

梓「そうです」 

澪(後でいいか・・・) 

梓「律先輩、カメラ汚れてますよ。貸してください」 

律「はいはい。カメラのデータを消そうという作戦ですね」 

梓「・・・」 

紬「守りは堅いわ、あずさちゃん」 

澪「律は賢いからな・・・。山で一番」 

律「猿か!」 

梓「律先輩、今日もかっこいいです」 

律「ふふっ・・・梓も見る目があるじゃないか」サラサラ 

梓「カメラ貸してください」 

律「私はアホか!」 

紬「りっちゃん」 

律「お、なんだ?むぎ」 

紬「・・・」 

律「作戦無かった!」 

澪「・・・」 

律「澪も乗れよ!」
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:46:03.99 ID:VOamOZUzo

梓「うーん。律先輩が私にカメラを渡す方法・・・」 

律「それを口にしたら渡す確率低くなるだろ」 

唯「りっちゃんは色気より食い気だよ、あずにゃん」 

律「もう渡さねえ」 

唯「へへ、旦那。これがお冷です」 

律「一杯で充分だぞ」 

紬「これが割り箸です」 

律「食べ物よこせ!」 

澪「これがカメラです」 

律「いつの間に!」 

梓「っ!」サッ 

唯「っ!!」サッ 

紬「うふふ」 

律「むぎ・・・、それ私のだぞー」 

梓「むぎ先輩・・・なんでも一つだけ願い事を叶えます」 

唯「よく分からないけど。参加してます」 

澪「どうしてむぎが取ったんだ・・・」 

紬「一枚だけ消すのは?」 

律「うむ、いいだろう」 

梓「むぎ先輩、指が滑ったりして二枚削除していいんですよ」 

澪「梓・・・」 

紬「りっちゃん、他の写真みてもいい?」 

律「いいぞ~」 

唯「私もみせて~」 

梓「どれどれ」 

ピッ 

ピッ 

紬梓「「 あ・・・ 」」 

律「ん?」 

澪「どうした?」 

唯「名古屋城のライブ写真だよ~」 

律「あ、さわちゃん私のカード持って行ったのか・・・」 

澪「私にも見せて」 

紬「はい、どうぞ」
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:47:36.85 ID:VOamOZUzo

梓「ちょっと照れますね」 

澪「こんな表情で演奏してたのか・・・」 

律「本気で楽しんでたからな~」 

紬「そうね~」 

梓「はい」 

唯「楽しかったね~」 

澪「うん、楽しかった」 

律「・・・」 

唯「・・・」 

紬「・・・」 

梓「次は私が見る番です」 

律「そうはいくかっ」 

澪「あ・・・」 

梓「・・・」 

唯「あずにゃん、後でバナナ買って来ようよ」 

律「絶対、消さないからなー」 

梓「唯先輩っ!」 

唯「えぇ~」 

けさみ「お、おまたせしました」 

その子「なかなか割り込めなかったので・・・」 

律「すいません、うちの子たちが」 

唯「すいやせんね~えへへ」 

梓「後でカメラ獲ります」 

律「物騒だぞ、梓」 

澪「・・・」 

紬「澪ちゃん・・・」 
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:10:46.99 ID:VOamOZUzo

修治「・・・」モグモグ 

唯「修治くん?」 

梓「どうしたんですか?」 

修治「うん」モグモグ 

律「そうかー!」 

澪「通じたんだ・・・」 

修治「・・・ごくごく」 

紬「どうして外で食べてるの?」 

修治「・・・っ」ゴクリ 

律「そうだな・・・」 

修治「なにを理解した!?」 

唯「どうしたの?」 

修治「エレナが探してたよ。秋山さんに渡すからと」 

澪「ほ、本当?」 

修治「うん。出来たって、はしゃいでた」 

紬「もうできたのね~」 

律「仕事はやいな」 

修治「外で食べると爽やかな気分になるから」 

梓「陰鬱だったんですか?」 

修治「・・・うん」 

律「どうせ怖い夢みたとかだろ」 

修治「・・・違うよ」 

紬「どうしたんですか?」 

唯「どうしたの?」 

修治「・・・」 

澪「なにかあった?」 

修治「・・・」アセアセ 

律「・・・」ジー 

修治「・・・」タラタラ 

梓「冷や汗かいてますよね」
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:11:53.93 ID:VOamOZUzo

修治「ご、ごめんなさい」 

唯「どうして謝るの~?」 

律「・・・」ジー 

修治「・・・そんなに心配されるとは思ってなくて」 

律「おらぁ!」バシッ 

修治「いったぁ!」 

紬「・・・」 

唯「・・・」 

梓「・・・」 

澪「・・・あ」 

エレナ「オー!ミオさん、グッドタイミングですワ」 

小麦「あ、いたいた~!」 

エレナ「これでどうデスカ?」 

キラキラ 

澪「わぁ・・・」 

小麦「商売品で一つ売れないのがあってさぁ~、それを改造したの!」 

唯「おぉ、かっこいいよ小麦ちゃん!」 

小麦「えっへへ~、エレナと培った技術だよ~」 

エレナ「そうですワ」 

澪「・・・」 

小麦「あれ?ブレスレットは嫌だった?」 

エレナ「イヤリングがヨカッタですカ?」 

澪「ううん。嬉しいよ・・・。ありがとう」 

ギュッ 

小麦「そ、そんなに喜んでくれると・・・」 

エレナ「嬉しい反面トマドイますワ」 

律「特別な物だったからさ」 

紬「えぇ・・・」 

小麦「えっへへ~」 

エレナ「・・・」 

唯「・・・」 

梓「・・・」 

修治「・・・」モグモグ 

小麦「修治くんまだ食べてるの~?」 

エレナ「行きますワ!」 
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:12:58.23 ID:VOamOZUzo

修治「うん」モグモグ 

律「どこ行くんだ?」 

小麦「比叡山!」 

澪「一緒に行こう!」 

律「・・・!」 

紬「りっちゃんさん嬉しそう~」コノコノ 

律「むぎさんこそ~」コノコノ 

梓「どうしたんでしょうか」 

唯「分からないけど、みんなで行こう~!」 

エレナ「旅は道連れ世は情けネエですネ」 

澪「世は情けだよエレナさん」 

エレナ「ソーなんですカ?」 

修治「・・・」モグモグ 

律「さ、行こうぜー!」 

唯「ゴーゴー!」 

紬「ごぉー!」 

梓「行きましょうー!」 

小麦「賑やかだね~」 

エレナ「旅はこうでなくちゃいけませんネ」 

澪「よしっ!」グッ 

修治「ちょ、ちょっとまって置いてかないで!」 
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:14:47.69 ID:VOamOZUzo

―――――比叡山 

シャワシャワシャワシャワ 

梓「セミの声すごいですね・・・」 

唯「う、うるさいくらいだよ~」 

律「おぉー!立派な建物だぜー!」 

紬「ほんと~!」 

修治「これこれ、落ち着きなさい」 

小麦「わ~!お参りしていこうよー!」 

律「よっしゃー!」 

紬「行きましょー!」 

唯「いいよね!」 

修治「一番に鈴鳴らす!」 

タッタッタ 

律「きったねえ!」 

小麦「ずるいよー!」 

唯「ずるい~!」 

紬「うふふ」 

タッタッタ 

エレナ「しょうがないですネ~小麦は」 

梓「先輩方元気ですね」 

エレナ「ミナサン楽しくていい人たちですワ」 

梓「むぎ先輩はそういう人です」キリ 

澪「り、律も唯もいいヤツですよ」 

エレナ「アッハッハ、それは分かりますヨ~」 

澪「・・・」 

エレナ「本当に困ったとき、助けてくれる。そんな人は中々いませんヨ」
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:15:17.37 ID:VOamOZUzo

梓「そうなんですか?」 

エレナ「世界中を旅してきましたけど、そんな人にめぐりあう機会は無かったネ」 

澪「・・・」 

エレナ「しかし、仙台で小麦が声をかけてきてくれてワタクシの世界が変わったヨ」 

澪「・・・!」 

エレナ「金沢でも、ワタクシのバイトのフォローをしてくれたツムギさんにはとても助けられたネ」 

梓「・・・そんな事が」 

エレナ「日本に来て、とてもヨカッタですワ」 

澪「うん、私もエレナさんに会えてよかった」 

梓「私もです」 

エレナ「ワタクシもミナサンに出会えて嬉しいヨ!」 

唯「あずにゃーん!」 

梓「どうしたんですかー!」 

紬「風音さんがいるわ~!」 

梓「行くです!」 

タッタッタ 

澪「しょうがないな・・・」 

エレナ「日本は居心地が良くて、夢を諦めてしまいそうになりますワ」 

澪「エレナさん・・・?」 

エレナ「サァ、ワタクシたちも行きますネ!」 

澪「う、うん」 
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:16:47.79 ID:VOamOZUzo

ピノ「ピピッ」 

風音「遊んできていいのよ?」 

ピノ「ピッ」 

風音「どうしたのかしら、いつもならすぐ遊びにいくのに・・・」 

唯「どうしたんだろ?」 

紬「甘えているように見えるわ~」 

律「怖がってんじゃないか?」 

風音「怖いの?」 

ピノ「ピピッ」 

風音「神様がいる所だから、遊べない・・・そうです」 

唯「な、なんと!」 

紬「そうね~、お寺だからよね」 

梓「ピノの言葉分かるんですか?」 

風音「なんとなく・・・ですけど」 

唯「す、すごい!意志の疎通だよ!」 

律「すっげえ!」 

梓「おぉ」 

風音「でも、よく分かりましたね。甘えているのと怖がっているのと」 

律「私もなんとなく、なんだけどな」 

紬「私も~」 

風音「そうですか。優しいんですね。ピノが懐くはずです」 

律「いやいや」エヘヘ 

紬「そんな~」エヘヘ 

唯梓「「 ・・・ 」」 

風音「ここ、ちょっと寒くありませんか?」 

紬「そうかしら?」 

律「暑いよ」 

風音「なんだか背中がゾクゾクしてて」 

梓「あ、歴史がありますからね」 

澪「みんな、ここでなにを」 

風音「そうですね、織田信長が行った事がありますからね」 

律「幽霊とかいるかもな」 

澪「ヒァッ」
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:17:40.11 ID:VOamOZUzo

律「あ、タイミング悪いヤツだなー」 

風音「どうしたんですか?」 

唯「澪ちゃん、昔の事だからもういないよ」 

紬「そうよ、澪ちゃん」 

澪「ほ、ほんと?」 

律「そうだぞー、もう思い遺すことはなくなって成仏したんだ」 

澪「そ、そっか。なんだ・・・」 

律「多分な」 

澪「ヒァッ」 

唯「もぉー、りっちゃん~」 

律「あー、ごめんごめん」 

ピョン 

梓「あ・・・」 

ピノ「ピピッ」 

唯「おぉ、澪ちゃんの肩に・・・」 

澪「あ・・・ピノ」 

ピノ「ピッ」 

風音「ふふっ」 

紬「元気付けているようね~」 

修治「おぉ、本当だ」 

唯「どこ行ってたの~?」 

修治「中涼しいよ。行ってみたらいいよ、中に小麦とエレナもいるから」 

紬「行きましょう~」 

梓「そうですね、涼んでいきましょう」 

唯「アイスは無いの?」 

修治「残念だけど・・・」 

澪「あっはっは」キラキラ 

律「一転して嬉しそうだな」 
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:18:41.32 ID:VOamOZUzo

修治「秋山さーんっ」 

澪「?」 

修治「しーっ」 

澪「??」 

修治「こっちきて」ヒソヒソ 

澪「・・・?」 

テッテッテ 

修治「みんなは?」 

澪「自由時間としてバラバラで行動してるよ」 

修治「チャンス」 

澪「なにが・・・?」 

修治「付いてきて」 

タッタッタ 

澪「?」 

タッタッタ 
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:19:20.93 ID:VOamOZUzo

澪「ここは?」 

修治「人があまり近づかない場所だよ」 

澪「・・・?」 

修治「・・・」 

澪「どうしたの鳥羽さん?」 

修治「勝負!」ビシ 

澪「え!?」 

小麦「やあっ!」 

ドカッ 

修治「あいたぁ!」 

エレナ「しょうがないですネ」ヤレヤレ 

澪「小麦とエレナさん・・・?」 

小麦「今日できなかった組み手やるんだよ~」 

エレナ「そうですワ」 

澪「ど、どうして私を呼んだの?」 

修治「あれ?興味あると思ったんだけど・・・」 

小麦「なーんだ、修治くんの思い違いか」 

エレナ「修治サン読みはアテになりませんネ」 

澪「・・・」 

修治「ま、いいじゃん。さ・・・今日の分やろう」 

エレナ「そうですネ」 

小麦「頑張って~。澪ちゃんも見ていきなよ。面白いよ」 

澪「う、うん・・・」 

「・・・」 




修治「よろしくお願します・・・」 

エレナ「・・・ありがとネ」 

修治「なっ! まだ終わってない!」 

エレナ「そうですネ。行きますワ」 

修治「っ・・・」 

シュッ 

エレナ「・・・ッ」 

バッ 
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:20:33.63 ID:VOamOZUzo


澪「す、すごい」 

小麦「修治くん学校で運動系の部活やってるみたいでさ、飲み込みはやいんだ~」 

澪「そ、そうなんだ・・・」 

小麦「エレナは全部寸止め。修治くんは当てるつもりで挑んでいるんだよ」 

澪「あ、危ないよ!」 

小麦「当たればね~。エレナの強さ知ってるから本気なわけだし」 

澪「で、でも」 

小麦「エレナは遊びでやってないよ。真剣に修治くんと向き合ってる」 

澪「・・・!」 

小麦「だから、二人を信用して見ていられるんだ~」 

澪「・・・」 

「・・・」 





修治「・・・っ」 

ザッ 

エレナ「・・・ッ!」 

シュッ 

修治「!」 

バシュッ 

エレナ「・・・」 

修治「あぶね・・・」 

エレナ「避けましたワ」 

修治「・・・ッ!」 

シュッ 

エレナ「・・・!」 

812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:21:10.50 ID:VOamOZUzo


小麦「でもね・・・」 

澪「・・・?」 

小麦「二人とも私になにか隠しているようでさぁ」 

澪「隠している?」 

小麦「うん・・・。気のせいかな」 

澪「・・・」 

「・・・」 




エレナ「そろそろ、終わりですワ」 

修治「っ・・・」 

エレナ「そんな顔しないネ」 

修治「行くよっ」 

バシュッ 

エレナ「・・・!」 

修治「・・・ッ!!」 

バッ 

シュッ 

エレナ「ッ!」 

バシィン 

エレナ「お見事ですワ」 

修治「気を抜いた・・・!」 

エレナ「イイエ」 
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:21:56.01 ID:VOamOZUzo

澪「あっ!」 

小麦「すごいエレナにガードさせた!」 

澪「・・・」 

小麦「すごいすごい!」 

エレナ「小麦ー!ワタクシたちの飲み物買ってきてくれませんカー?」 

小麦「おっけー!」 

タッタッタ 

修治「・・・」ムス 

エレナ「ワタクシは本気でしたヨ?」 

修治「小麦をみただろ・・・」 

エレナ「アッハッハー、バレましたワ」 

修治「ちぇー」 

澪「カッコよかった・・・」 

エレナ「恐れいるヨ」 

「・・・で、なんで澪だけ呼んだんだよ?」 

修治「げっ!」 

澪「り、律・・・」 

エレナ「オー」 

修治「律に見られたくなかったからだよ」 

律「なんでだよ」 

修治「・・・茶かされる」 

澪「律は」 

律「バーカ!」 

修治「ぐっ」 

エレナ「修治サン」 

修治「ん?」 

ダキッ 

澪「!」 

律「!」 

修治「エ、エレナ!?」
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:22:52.44 ID:VOamOZUzo

エレナ「・・・ありがとう」ボソッ 

修治「・・・」 

エレナ「照れてますネ!」 

修治「な!?」 

澪「真っ赤」 

律「真っ赤っ赤」 

修治「や、やめろー!」 

タッタッタ 

エレナ「恥ずかしがり屋ですワ」 

律「・・・仙台からずっとやってんの?」 

エレナ「ワタクシハ毎日、修治サンは東京からですネ」 

律「東京ね・・・」 

澪「・・・」 

小麦「あれ、修治くんは?」 

律「もがいて走っていった」 

小麦「なんだそれ」 

澪「ププッ」 

エレナ「アッハッハ」 

小麦「はい、エレナ」 

シュー 

エレナ「サンキューデース」 

パシッ 

澪「みんなの所に戻ろうか」 

律「そうすっか!」 

小麦「いい時間だもんね~」 

エレナ「そうですネ」 
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:23:51.78 ID:VOamOZUzo


律「よーし!お参りすんぞー!」 

梓「さっきお参りしたのでは?」 

修治「無しになった」 

紬「鳥羽さんだけお参りしたのよ~」 

澪「そうだったのか」 

小麦「よぉーし。奮発して10円だっ!」 

エレナ「オォー!小麦の本気が伺えますネ」 

唯「わ、私も本気出すよー!」 

風音「5円でいいんじゃないでしょうか・・・」 

律「その通りだな」 

澪「じゃ、投げるぞ」 

チャリーンチャリン 

パンパン 

小麦「・・・」 

エレナ「・・・」 

風音「・・・」 

紬(みんなの旅が無事終えますように) 

梓(みなさんが無事に旅をおえますように) 

唯(むぎちゃんとあずにゃんとりっちゃんの旅が無事に終えますように) 

澪(むぎと梓と律の旅が無事に終えますように・・・) 

律(みんなの旅が無事に終えますように!) 

816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:24:47.86 ID:VOamOZUzo

―――――ヴェガ 

「ハァッ・・・ハァッ・・・少し詰めすぎましたわね・・・」 

梓(・・・重そうだなぁ・・・どうしようかな。手伝いたいけど) 

「よいっしょ・・・よいっしょ・・・ふぅ」 

梓「あ、あの・・・」 

「なにかしら?」 

梓「手伝いましょうか?」 

「まぁ、ご親切に・・・。それではこの小さいほうをお願いできます?」 

梓「はい。ヴェガに乗るんですか?」 

「そうですわ。あなたも乗りますの?」 

梓「はい。乗客・・・!」 

「乗客でしたのね。助かりましたわ」 

梓(重い!何が入って・・・!?) 

ポン 

梓「?」 

紬「私に任せて」キラン 

梓「むぎ先輩」 

「?」 

紬「よいしょ」 

ヒョイ 

梓「・・・すごい」 

紬「しゃらんらしゃらんら~」 

スタスタ 

「・・・」 
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:25:56.41 ID:VOamOZUzo

「手伝ってくれてありがとう」 

紬「いえいえ~」 

梓「私は何もしてませんけど」 

紬「そんな事ないわ~」 

梓「いえ・・・持てませんでしたから・・・」 

「・・・」 

修治「どうしたの二人とも・・・律が探してたよ」 

梓「大阪の観光場所を決めたいとか、そんな理由です。後回しでいいです」 

紬「観光場所を決めるのは大事よ。あずさちゃん」 

梓「ですよね!」キラキラ 

律「・・・ほぅ」 

梓「・・・あ、唯先輩探さないと」 

唯「あずにゃん!?」 

梓「・・・」 

唯「私を探していたんだよね!?」 

梓「・・・」 

律「梓は私らに観光先任せていいんだよな?」 

紬「あらあら」 

梓「・・・澪先輩に聞いてきます」 

律「なにをだよ」 

梓「大阪でどこに行きたいのか」 

澪「ん?どうした?」 

唯「あ~ず~にゃん」ダキッ 

梓「・・・」 

澪「こんな所で集まってたら邪魔だろ?移動するぞ」 

律「どこにいこうっかな~」 

スタスタ 

唯「どこ行こう~」スリスリ 

梓「暑いですからっ、離してください!私にも選ぶ権利を持ちたいです!」 

紬「うふふ」 

「・・・ふむ」 

修治「あの・・・こちらの方は」 

梓「あ、すいません」 

唯「ん~?」 

紬「すいません」
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:27:11.86 ID:VOamOZUzo

「・・・ま、まぁいいですわ」 

修治「?」 

「さ、ボーイさん。この荷物を部屋まで運んでくださる?」 

修治「へ?ボーイって俺の事?」 

「他に誰がいまして?」 

修治「・・・知り合い?」 

梓「先ほど初めてお会いしました。こちらから乗車するそうですよ」 

修治「そうなんだ・・・、馴染んでいるからそうなのかと」 

紬「うふふ」 

唯「あ~ず~にゃ~ん」スリスリ 

梓「会話に参加してくださいっ!離れてくださいっ!」 

修治「誰ですかあなたは、いきなり人をボーイ扱いして」 

「まぁ、人に名前を聞くときは自分から名乗るのが礼儀じゃありませんこと?」 

修治「た、確かに。鳥羽修治と申します」 

「・・・ふむ」 

唯「平沢唯ですっ!」 

梓「中野あず」 

「ごめんよごめんよちょっとごめんよぉー!」 

修治「あ、ああ危ない」 

ドンッ 

「ぎゃっ!」 

ドサドサドサッ 

「あー・・・ぁ、派手にやっちまったなぁ。荷物積め過ぎちゃったか・・・大丈夫だった?」 

紬「拾うの手伝います」 

梓「は、はい」 

「ありがとー、恩に着るよ~」 

唯「あぁー!」 

「ん?」 

唯「姉御ぉー!」 

姉御「げっ・・・あんたは・・・」 

律「ん!?」キラン 

澪「なんだその表情は」 

姉御「げげっ、あんたまで・・・」 

律「姉御ォーー!」キラキラ
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:28:33.11 ID:VOamOZUzo

紬「あねご?」 

梓「今は無視してさっさと拾いましょう」 

紬「そ、そうね」 

姉御「あ、あのね。私には津山菜々子っていう名前があるんだよ」 

「な、なんですってー!!」 

菜々子「ん?そういやぶつけてしまった人がいたっけ。ごめんごめん大丈夫だった?」 

「早くどかしなさい!この乱暴、暴力、超々ガサツ女!」 

修治「え?」 

律「な、なんだ・・・?」 

澪「こ、怖い」ブルブル 

菜々子「なんだって!?この口の悪さ・・・あんたもしかして!?」 

「久しぶりですわね、菜々子さん」 

菜々子「あぁ・・・出来れば一生会いたくなかったけどな・・・」 

「再びあなたとこうして出会ってしまうなんて・・・あー縁起悪い」 

菜々子「フン!相変わらす口と性格の悪さは銀河一だね!」 

「そっちこそ!乱暴ぶりにますます磨きをおかけになって・・・アフリカでゴリラと同棲でもしてらしたのかしら?」 

菜々子「なんだって!?」 

「なんですの!?」 

修治「そ、その辺にしておいたほうが・・・」 

菜々子「引っ込んでろ!」ガォオ 

「引っ込んでなさい!」ガァア 

修治「」ピキーン 

澪「」ピキーン 

紬「これで最後ね」 

梓「そうです」 

律「動じないのか、視野に入ってないのか・・・」 

唯「二人ともすごいよね」 

「あら・・・」 

菜々子「ありがとね、ふたりとも」 

紬「いえいえ~」 

梓「どういたしまして」 

「自己紹介がまだでしたわね。私の名前は鹿島静花。静花とお呼びください」キリ 

菜々子「本性晒した後で気取っても手遅れなんだよ」
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:30:37.33 ID:VOamOZUzo

静花「うるさいですわよ。餌の時間にはまだ早いですわ」 

菜々子「あんたにねだるぐらいなら逃げ出すに決まってるだろ」 

静花「自分がゴリラだとお認めになられて・・・。オホホホ、精進なさったのね~」 

菜々子「あぁ!?」 

静花「なんですの!?」 

律「またか・・・」 

紬「・・・」オロオロ 

梓「避難しましょうか」 

唯「澪ちゃん、澪ちゃん」ユッサユッサ 

澪「」 

静花「・・・ふむ」 

菜々子「私はこれで失礼するよ。こんなヤツの相手してたらこっちまで性格が悪くなってしまう」 

静花「それはこっちの台詞ですわ。よろしくない再会でしたわ」 

菜々子「こっちのセリフだっつの・・・せっかくヴェガで働く事になったっていうのに・・・」 

静花「・・・ふんっ」 

スタスタ 

律「姉御の名前菜々子っていうのかー」 

唯「やったね、りっちゃん!」 

梓「二人ともどうしたんですか?」 

澪「」 

紬「・・・?」 

pipipipipipi 

修治「あ、電話だ」 

ピッ 

修治「はいはい~。よっと」 

梓「もうすぐ出発ですよ?」 

修治「分かった。・・・うん。そう」 

タッタッタ 

紬「・・・」 

律「さて・・・」 

唯「4号車へ行こう!」 

澪「・・・そうだな」 

梓「ですね」 

紬「・・・京都はどうだった?あずさちゃん」 

梓「とっても思い出深い場所になりました」 

紬「うふふ、そうね~」
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:32:11.88 ID:VOamOZUzo

prrrrrrrrrrrrrrrr 

律「落ち着いて発車するのって、中々ないよな」 

澪「そうだな、いっつもバタバタしてた」 

梓「これが普通なんですよね」 

唯「そうだね~」 

紬「・・・」 

律「梓、狭くないか?」 

梓「大丈夫ですよ?」 

澪「ふむ」 

唯「私とむぎちゃんの間においでよ」 

梓「大丈夫ですって」 

唯「固いこと言わないの」 

梓「言ってないです」 

プシュー 

ガタン ゴトン 

唯「ついに走り出したね~」 

律「・・・そうだな~」 

澪「うん・・・」 

梓「・・・」 

紬「・・・」 

唯「澪ちゃん、私たちは夕方に帰るんだよね」 

紬「!」 

澪「そうだぞ、忘れるなよ」 

梓「・・・そうですよね」 

律「なんだ、寂しいのか~?」 

梓「はい」 

律「え!?」 

唯「あずにゃんが素直で私も嬉しい」 

澪「なんだそれは」 

紬「・・・私、観光ガイド買ってくるね」ガタ 

梓「それなら私が・・・」 

律「まぁまぁ、私らと待ってようぜ~」 

唯「そうだよ~」 

梓「え、はい・・・」 

澪「ここで待ってるな」 

紬「うん」 

スタスタ 
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:33:18.64 ID:VOamOZUzo

緑「・・・」キョロキョロ 

紬「なにか探しているの?」 

緑「別に・・・」 

紬「よかったら探しましょうか?」 

緑「・・・」 

紬「なにを落としました?」 

緑「キーホルダーよ・・・」 

紬「・・・キーホルダー」 

緑「さっき、売店で買って落としたの・・・。見つからないからもういいわ」 

キラン 

紬「あ、あった」 

ヒョイ 

緑「・・・」 

紬「はいどうぞ」 

緑「・・・」 

紬「そのキャラクター好きなんですか?」 

緑「別に・・・」 

紬「・・・」 

緑「・・・」 

紬「・・・」 

緑「お金を崩したかっただけ。それだけだから」 

紬「そうですか・・・」 

緑「ありがと・・・」 

紬「え・・・」 

緑「・・・それじゃ」 

スタスタ 

紬「それでは~」ニコニコ 
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:34:08.69 ID:VOamOZUzo


風音「あ、ちょうどいいところに・・・」 

ピノ「ピッ」 

紬「どうしたの?」 

風音「ピノを預かっててもらえませんか?」 

紬「えぇ、いいわよ~」 

風音「ありがとうございます。さ、ピノ」 

ピョン 

ピノ「ピピッ」 

紬「でも、どうして?」 

風音「お昼をとりに食堂車へ。走り回っちゃうので・・・」 

紬「なるほどぉ~」 

風音「いい子にしていてね?」 

ピノ「ピッ」 

風音「助かります。それでは後で迎えにいきますので」 

紬「ごゆっくり~」 

スタスタ 

824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:35:18.13 ID:VOamOZUzo

秋子「きゃ~、可愛い~!」 

紬「あ・・・」 

秋子「こんにちはピノちゃん」 

ピノ「ピピッ」 

秋子「きゃー!」 

紬「うふふ」 

秋子「どちらへ行かれるんですか~」 

紬「売店へ行ってきます」 

秋子「それなら私もついていっていいですか?買いたいものがあるので」 

紬「えぇ、もちろん」ニコニコ 

秋子「それではいきましょ」 

紬「大阪での観光先は決まりましたか?」 

秋子「え~と、アメリカ村と海遊館に行ってみようとかと!あと通天閣!!」 

紬「まぁ、いいわ~」 

秋子「楽しみです~。あー!」 

菜々子「えー、ジュースとお菓子お弁当いかがですか~」 

秋子「姉御さまー!」 

紬「あねご?」 

菜々子「げげげっ!あんたまで・・・」 

秋子「きゃー!」 

菜々子「今仕事中だから勘弁してくれ」 

秋子「私博多まで行くんです~!」キラキラ 

菜々子「聞いちゃいないねこの子」 

ピノ「ピピッ」 

紬「えぇと」 

菜々子「私の名前は津山菜々子。食堂車と車内販売のアルバイトをする事になったんだ。よろしく」 

紬「よろしくお願します」 

ピノ「ピッ」 

菜々子「可愛い同伴者だね~」 

秋子「それからそれから、料理が得意で~、裁縫も少しできるんですよ~!」 

紬「秋子さん・・・売店車は・・・」 

菜々子「あー、放っておいていいんじゃないかな。私が適当に言っておくからさ」 

紬「で、でも・・・」 

菜々子「へへっ、優しいんだな。気に入ったよ」 

紬「?」 

菜々子「気にしないで、さぁ、行った行った」 

秋子「それから~、好きな映画はやっぱりラブロマンスが好きで~!」 

紬「そ、それでは・・・」ペコリ 

ピノ「ピピッ」
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:36:18.36 ID:VOamOZUzo

ちひろ「いらっしゃいませ~」 

紬「大阪の観光ガイドください」 

ちひろ「どうぞ~」 

ピノ「ピピッ」 

ちひろ「まぁ~」 

紬「ありがとうございます」 

ちひろ「あ、そういえばお客さん?」 

紬「はい・・・?」 

ちひろ「・・・」 

紬「・・・」 

ちひろ「いえ、なんでもないです~」 

紬「?」 

ちひろ「またいらしてくださいね~」 

ピノ「ピピッ」 
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:37:13.27 ID:VOamOZUzo


紬「あれ・・・」 

ピノ「ピピ?」 

紬「みんなどこへ・・・」 

修治「あ、いたいた」 

紬「鳥羽さん・・・」 

修治「展望車に来て」 

紬「え?」 

ピノ「ピピッ」 

修治「困った事になってしまってさ・・・」アハハ 

紬「?」 
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:43:18.24 ID:VOamOZUzo

静花「オーッホッホッホ!」 

菜々子「・・・ちっ」 

静花「やはりそちらの世界へ足を踏み入れたのですね、菜々子さん!」 

菜々子「違うっての、姉として敬ってくれてそう呼んでるんだよ!」 

唯「そうだそうだー!」 

律「そうだぞー!」 

静花「まぁ~、すっかり懐柔されてしまって・・・。酷い事なさいますのね」ヨヨヨ 

菜々子「相変わらず口の減らない・・・」 

律「姉御!応援してるッス!」 

静花「従順ですのね・・・。開放してあげなさいな」 

菜々子「あのなぁ!」 

静花「まぁ、堅気に手を出しますの?警察呼びますわよ」 

菜々子「おまえってやつはぁ!」 

梓「どうしてこんな事に・・・」 

澪「分からない・・・」 

静花「さ、お二人は大和撫子同士ですから。私が面倒を見て差し上げますわ」 

梓澪「「 はぁ・・・ 」」 

唯「あずにゃんは大和撫子じゃないよ!」 

律「そうだぞー!」 

梓「なっ!?」 

澪「・・・」 

修治「こうなってしまってさ・・・」 

ピノ「ピピッ」 

紬「うん・・・?」 

静花「来ましたわね。紬さん」 

紬「?」 

梓「・・・?」 

菜々子「どういう事だよ?」 

静花「勝負ですわ、菜々子さん」 

律澪梓唯紬「「「「「 勝負? 」」」」」 

静花「そうです。人としてどちらが敬われるか・・・ですわ」 

菜々子「へー、面白いじゃないか」 

律「じゃーこっちの勝ちだぜー!」 

唯「そうだー!」 

静花「と、言いますと?」
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:43:47.87 ID:VOamOZUzo

律「私は菜々子さんを姉御として見ているからだぜー!」 

唯「うんうん、私たちを助けてくれたんだよ!」 

紬「なるほど~」 

澪「そういう事か」 

菜々子「出来レースだったわけだ」ニヤリ 

静花「まぁ~!」 

菜々子「そっちはあまり乗り気じゃないみたいだしな~」 

律「よっしゃー!」 

唯「あずにゃーん!こっちおいでー!」 

梓「いえ、こっちでいいです」 

律「な、なにぃ!」 

梓「静花さんのスタイルに憧れます」キラキラ 

静花「見る目ありますわ、梓さん」フフフ 

菜々子「ぐっ・・・」 

唯「そ、そんな~」 

律「澪は!?」 

澪「こっちでいいかな」 

律「大阪で降りるからどうでもいいって顔だなー!」 

静花「そうなんですの?」 

澪唯「「 はい 」」 

菜々子「唯も降りるのか。なるほど・・・。ちょうどいいじゃないか」 

静花「紬さんをどちらに傾けるのか・・・が勝負です」 

菜々子「いいだろう」 

紬「え!?」 

静花「では・・・負けたほうは、勝ったほうのいう事を何でも聞く・・・というのはいかがかしら?」 

菜々子「面白い。受けてたとうじゃない!」 

静花「逃げ出さないように」 

菜々子「誰が!」 

静花「オーッホッホッホ」 

スタスタ 

菜々子「相変わらず・・・」イライラ
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:44:25.60 ID:VOamOZUzo

律「頑張りましょうぜ、姉御!」 

菜々子「いや、慕ってくれるのは嬉しいんだけどさ律。その呼び名は変えて欲しいなぁ」 

唯「じゃあ姉貴!」 

菜々子「名前で」 

律「菜々子さん」ブー 

唯「菜々子ねえや」 

菜々子「唯、もう少し変えてみようか」 

唯「菜々子姫」 

修治「ブフッ」 

菜々子「・・・」 

ギリギリ 

修治「すいやふぇん」 

菜々子「唯はなんでもいいや。じゃあねあんたたち」 

スタスタ 

澪「・・・大変な事に巻き込まれたな、梓」 

梓「そうですね」 

唯「あずにゃん!」 

梓「不可抗力です」 

ピノ「ピピッ」 

紬「そうね、大阪の観光先でも決めましょうか~」 

唯「そう言ったの!?」 
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:45:46.26 ID:VOamOZUzo

唯「うへへ」キラキラ 

ピノ「ピピッ」 

梓「ピノっ!」 

律「がっつくと近寄ってこなくなるぞ」 

梓「うっ」 

紬「ゆっくり待ちましょ」 

唯「さぁ、どこへ行こ~?」ルンルン 

澪「その気持ち・・・分かる」 

律「確かに、嬉しいよな。小動物が肩に乗ってくれると」 

ピノ「ピッ」 

澪「夕方の6時まで観光できるよ」 

律「到着時刻が2時だから・・・」 

梓「唯先輩と澪先輩が行きたい所を優先してはどうでしょう」 

紬「そうね~」 

唯「さすがあずにゃんだよ」ルンルン 

紬「澪ちゃん行きたいところある?」 

澪「そうだな、梅田空中庭園かな」 

唯「私も目をつけていました」キラン 

律「到着してから行くか」 

梓「その後はどうします?」 

澪「海遊館に行ってみたいけど・・・」 

唯「時間足りるかな」 

ピノ「ピピッ」 

唯「そうだよね、よし行こう!」 

梓「信頼関係が生まれてる・・・」 

律「適当に合わせてそうだけど、なんだろうな」 

澪「納得しそうな雰囲気だな」 

唯「みててよ。ピノちゃん、りっちゃんのところへ!」 

ピノ「ピピッ」 

ピョン 

紬「まぁ」 

澪「私のところに来たんだけど」キラキラ 

唯「あら」
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:46:32.97 ID:VOamOZUzo

律「じゃ、今度は澪が指示してみよう」 

梓「・・・澪先輩」キラキラ 

澪「ピノ、梓のところへ行ってくれないか?」 

ピノ「ピッ」 

ピョン 

律「今度は私か」キラキラ 

梓「・・・」ムス 

紬「名前を覚えていないのかしら」 

唯「そうかもしんないね。りっちゃんの番だよ」 

律「ピノで遊ぶのはもういいだろ」キラキラ 

梓「えー!」 

唯「梅田空中庭園と海遊館で決定だね」 

紬「分かったわ」 

澪「そのまま駅に戻って・・・」 

唯「うん・・・そだね」 

澪「・・・楽しかったな」 

ギュ 

紬「・・・」 

唯「とーっても!」 

律「そうだな~」 

梓「こんな旅になるなんて思ってなかったです」 

ピノ「ピピッ」 

律「そうか、嬉しいこというじゃん」 

澪「なんだって?」 

律「私らに会えて楽しかったって」 

唯「うんうん」 

梓「ほんとですか?」ジト
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:47:14.11 ID:VOamOZUzo

風音「そうみたいですよ」 

梓「」ガーン 

紬「あら、もういいの?」 

風音「はい、ピノがお世話になりました。ピノ、おいで」 

ピノ「ピッ」 

ピョン 

風音「紬さん、ありがとうございました。それでは失礼します」 

紬「いえいえ~」 

ピノ「ピピッ」 

スタスタ 

唯「あずにゃんは時間があるから大丈夫だよ~」 

紬「そうよ~、ピノちゃんも分かってくれるわ」 

梓「そうだといいです」ションボリ 

紬「唯ちゃん、片付け終わった?」 

唯「いっけね~」テヘ 

澪「おいおい・・・」 

唯「整理してくるよ!」ガタ 

梓「手伝います」 

紬「私も手伝うわ」 

唯「ありがと~」 

律「まだだったのか・・・」 

澪「・・・」 
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:48:23.66 ID:VOamOZUzo

澪「小麦が見えないけど、どうしたんだろ」 

律「そういやそうだな・・・」 

澪「・・・」 

律「気になるなら行ってみたらいいじゃん。個室にさ」 

澪「・・・そうだな」 

静花「あら、二人ともまだここにいらしたのね」 

律「・・・うっ」 

静花「どうして呻きますの?」 

律「うっ・・・どん食べたいなぁ・・・」 

澪「鳥羽さんみたいだぞ・・・?」 

律「なんだと!」プンスカ 

澪「いや・・・怒るところじゃないだろ」 

静花「うどんを好むのですか・・・見所ありますわね・・・」 

澪「静花さんはどうしたんですか?」 

静花「散歩ですわ。ここ、気に入りましたの」 

律「・・・展望車落ち着きますよね~」 

静花「ええ・・・」 

澪「静花さんに聞きたい事があるんですけど」 

律「あ、私も」 

静花「まぁ、なにかしら?何でもお答えしましてよ」キリ 

澪「菜々子さんと仲が悪いみたいですけど」 

律「どうしてかなって・・・」 

静花「なんですってぇ!?」ガァアア 

澪「ヒァッ」 

律「おぉ・・・」 

静花「コホン。失礼・・・」 

律「そこまで嫌う理由って・・・」 

静花「・・・通う高校が一緒だっただけですわ」 

澪「え・・・」 

静花「・・・私は、高校入学と共にとある殿方に心を奪われてしまいました」 

律「語りだした・・・」 

静花「進級し、桜舞いちる校庭で、告白しようとその殿方を呼び出したのです」 

澪「・・・」ワクワク 

律「ふむふむ」
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:49:31.09 ID:VOamOZUzo

静花「ところが!その場所にはなぜか、なぜか菜々子さんもいたんです!」 

澪「・・・」 

律「あらら」 

静花「私たち、同じ殿方に恋をしていたのです・・・」 

澪「・・・」 

静花「結果は・・・結果は!キーーーー!思い出しただけではらわたが煮えくり返りますわ!」 

澪「・・・どうなったんですか?」 

律「菜々子さんが・・・?」 

静花「二人とも玉砕してしまったんです!」 

澪「・・・」 

律「・・・」 

静花「告白そっちのけでケンカを始めてしまい・・・気づいた時には殿方はいなくなっていました・・・」 

澪「あー・・・」 

律「あーらら」 

静花「それからというもの・・・体育祭では闘いあい」 

澪「競い合うが正しいのでは・・・」 

律「そのまんまの意味なんだと思うぞ」 

静花「学園祭では舞台の主役を競い合い」 

澪「そこで使うんですね」 

律「・・・周りが可哀相かも」 

静花「高校三年間一緒のクラスでしたの。事ある毎にケンカをしていました・・・。思い出しただけで腹が立ってきましたわ」イライラ 

澪「・・・」ビクビク 

律「・・・」 

静花「菜々子さんの『な』を聞くだけで全身に鳥肌が立ってしまうんです」 

澪「・・・そんな事が」 

律「今までそれを繰り返してきたんですねぇ・・・」 

静花「そうですわ!卒業して3年経った今、また会う事になろうとは!」 

澪「・・・運命のいたずらですね」 

律「いたずらで済むのかこれ・・・」 

静花「時に神は残酷なことをなさいますわ・・・」ハァ 

澪「なるほど・・・」 

律「不思議な縁ですね・・・」アハハ 

静花「・・・そうですわね」 

澪「・・・?」
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:50:17.92 ID:VOamOZUzo

律「・・・」 

静花「・・・というわけで、今回の勝負、絶対に負けられませんの」ゴゴゴ 

澪「・・・嫌な予感が」 

律「・・・」 

静花「さ、澪さん。なにか困った事でもありましたらなんなりと仰ってください」 

澪「え、えぇと」 

律「・・・」コソコソ 

澪「・・・おい」 

ガシッ 

律「な、なに?」 

澪「どこへ行くんだ?」ニコ 

律「ドラムの練習に、だよ」ニコ 

澪「練習熱心だなぁ」ニコニコ 

律「当然じゃないかぁ」ニコニコ 

静花「ドラム?バンドを組んでいますの?」 

澪「はい・・・学校の部活で」 

律「そうなんです。だから私はこれで」 

ガシッ 

澪「ヴェガにドラムなんてあったかなぁ」 

律「あったような気がするんだよなぁ」 

静花「・・・ふむ。部活仲間でヴェガに乗っていますのね?」 

澪「さっき紹介したメンバーがそうです」 

律「・・・」コソコソ 

ガシッ 

澪「諦めろ」 

律「諦める事を知らないのが私、田井中律です」 

澪「一人にしないで」 

律「・・・分かった」 

静花「担当を教えてくださるかしら?」 

澪「え・・・えぇと」 

律「小麦が書いた記事を読ませればいいだろ」 

澪「いいのか?」 

律「あぁ・・・かま・・・構わない」シクシク 

静花「記事?」
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:51:01.85 ID:VOamOZUzo

澪「これを読んでくれれば、おおよそ把握できると思います」ガサ 

律「私の自己紹介は飛ばしてください」 

澪「諦めろ」 

律「・・・」 

静花「・・・ふむふむ」 

菜々子「なにやってんだい・・・げっ」 

澪「・・・」コソコソ 

律「・・・おい」 

ガシッ 

澪「ベースのチューニングしなくちゃいけないんだ」 

律「諦めろ」 

菜々子「へぇ~、文字が読めるようになったんだな。凄い凄い」 

静花「うるさいですわよ。しずかになさい」 

菜々子「知能は進化したみたいだな~」 

静花「人類は文字を読むとき、想像を張り巡らせることができるんですのよ」 

菜々子「私が人類じゃないってのかい!?」 

澪「二人で逃げようよ」 

律「あ、そうだな」 

澪「・・・」コソコソ 

律「・・・」コソコソ 

静花「お待ちになって、澪さん」 

ガシッ 

菜々子「待ちな、律」 

ガシッ 

澪律「「 ・・・ 」」 
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:52:43.30 ID:VOamOZUzo


唯「よいしょっとー!」 

ギュウギュウ 

パチンッ 

唯「よーし、終わった~」 

梓「なんとか収まりましたね」 

紬「そうね~」 

唯「この部屋で眠ることはもうないんだね~」 

梓「・・・そうですね」 

紬「・・・うん」 

唯「・・・?」 

梓「律先輩たちの所へ行きましょう」 

紬「そうね」 

唯「よし、そうしよう~」 

838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:54:18.43 ID:VOamOZUzo

―――――2号車 

静花「なるほど。もう少し詳しく」 

澪「えぇと・・・」 

梓「どうしたんですか?」 

静花「情報収集ですわ」キリ 

紬「そうなんですか」 

澪「梓もここに座るといいよ」 

ポンポン 

梓「・・・はい」 

唯「りっちゃんは~?」 

澪「菜々子さんと食堂車へ」 

静花「さ、次は名古屋ですわ」 

澪「えぇと、そこでは・・・」 

梓「ライブをしました」キリ 

静花「まぁ、活動的ですのね」 

唯「行こっかむぎちゃん」 

紬「いいのかな」 

唯「りっちゃんが気になるよ~」 

紬「そ、そうね」 

スタスタ 

静花「ふむふむ」 

梓「夜には長島スパーランドへ」 

澪「あの、これを聞いてどうするんですか・・・?」 

静花「へっ? そ、それはその・・・」 

小麦「やっほー!」 

梓「京都では銀閣寺に」ペラペラ 

澪「あ、小麦・・・今まで見かけなかったけど、どうした?」 

小麦「エレナと編集してたんだ~。私見てるだけで退屈だから出てきたの」 

澪「ふふ、そうだったな」 

静花「なるほど、それは使えますわ」メモメモ 

梓「比叡山でお参りをして」ペラペラ 

澪「よく喋るな梓・・・」 

小麦「あはは、体験した事を伝えたいんじゃないかな~。私そういうの分かるよ~」
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:55:31.32 ID:VOamOZUzo

澪「記事を書いたりするのはそういう理由なの?」 

小麦「うん!エレナのレポーター役をやってて、とっても楽しかったからね~」 

澪「そっか。いいねそういうの」 

小麦「澪ちゃんも持ってるじゃない」 

澪「うん、そうだな」 

小麦「この旅がずっと続けばいいよね~」 

澪「わ、私次で降りちゃうんだ」 

小麦「あ、そうだったね。さびしいな」ションボリ 

澪「うん、私もだ」 

小麦「えっへへ~」 

澪「ふふっ」 

梓「青森では・・・」 

静花「も、もうよろしいですわ」 

梓「そうですか?」 

静花「えぇ、またの機会にでも聞かせてくださいな」ガタ 

梓「は、はい」 

澪「あ、終わってた」 

小麦「うん?」 

静花「それではごきげんよう~」 

スタスタ 

梓「・・・真剣に聞いてくれましたよ.。聞き上手っていうんですかね」 

澪「勝負のネタ探しなのかな」 

小麦「それじゃ、あたしとお話しよーよ!」 

ドサッ 

澪「そうだな」 

梓「いいですね」 

小麦「みんなは大阪着いたらどこ行くの?」 
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:56:34.95 ID:VOamOZUzo

―――――食堂車 

律「いいの?ご馳走になって」 

菜々子「あぁ、料理の練習も兼ねてるから遠慮しないで」 

律「やった!」 

菜々子「変な事に巻き込んじゃってるからさ」 

律「勝負の話?」 

菜々子「そう、それ」 

律「今は二人に振り回されているほうがいいかもしれない」 

菜々子「どういう事?」 

律「うーんと、澪も笑うようになったって事」 

菜々子「髪の長い子だよね?」 

律「そうそう」 

菜々子「へぇ~、あんたいい子だね」 

律「私は部長ですから、みんなの事を見るのは当然です!」 

菜々子「へへっ、気に入ったよ」 

律「それに・・・」 

菜々子「冷めちゃうよ、はやく食べなっ!」 

律「いっただっきまーす。・・・うめえ!」 

菜々子「あはは、ありがと」 

律「料理長に負けない味だぜ~」 

菜々子「それは褒めすぎ」 

律「このハンバーグなんて料理長と同じくらいおいしいぜ」 

菜々子「いやいや、似せる事はできても、同じなんて今の私には無理だよ」 

律「・・・マジで?」 

菜々子「マジで」 

コック「ほぅ・・・似せる事は出来るのか、津山」 

菜々子「げっ」 

律「だって、おいしいぞ」 

菜々子「じゃ、じゃあ律、ゆっくりしていけな」 

サササッ 

律「ごっちゃんでーす」
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:57:25.83 ID:VOamOZUzo

コック「まったく・・・」 

律「料理長~」 

コック「なんだ?」 

律「菜々子さんの料理人としての腕って、こんなにすごかったの?」 

コック「まぁ、勉強中ではあるらしいが。それなりに・・・だな」 

律「ふーん」 

コック「ハンバーグのレシピはもういいのか?」 

律「うん・・・欲しいけど、私にはこの味を出すの難しいな」 

コック「ガッハッハ、無理と言わないだけ偉いぞ」 

律「ちぇー」 

スタスタ 

律「・・・それなりに凄いって事なのか?」 

唯「あー!りっちゃんずるい~!」 

紬「どうしたの~?」 

律「菜々子さんが作ってくれたー」 

唯「わ、わたしも食べたいよ!」 

律「はい、あーん」 

唯「あーん」パクッ 

紬「あらあら」 

律「どうだ?」 

唯「おいひぃ」 

律「だろー?」 

紬「まぁまぁ」 

律「そろそろ大阪だな」 

唯「・・・」モグモグ 

紬「そうね。食べ終わったら澪ちゃんとあずさちゃんの所へ行きましょう」 

律「うんうん」モグモグ 

唯「うん」モグモグ 
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:58:28.67 ID:VOamOZUzo


修治「マスコミは次の駅に集まってます?」 

車掌「大阪駅には来ていないみたいですよ」 

修治「へぇ~、もうヴェガに乗ってないと思っているのかな?」 

車掌「恐らく」 

修治「意外とあっさりしてんな~」 

車掌「・・・今、大衆が求めている情報は彼女一人だという事でしょうか」 

修治「・・・そっか、なら大丈夫ですね」 

車掌「ですがご用心なさってくださいね」 

修治「了解です」ビシッ 

車掌「ふふ、助かります」 

843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:59:24.45 ID:VOamOZUzo

ガタンゴトン ガタン ゴトン 

プシュー 

澪「よっ」ピョン 

唯「ほいっ」ピョン 

シュタ 

澪唯「「 大阪着いたっ!! 」」 

修治「・・・」キョロキョロ 

律「どうした?」 

修治「いや・・・」 

菜々子「邪魔だぞ修治」 

修治「・・・」ササッ 

菜々子「挙動不審なヤツ」 

律「仕事休みなんですか?姉御・・・もとい菜々子さん」 

菜々子「あぁ、夕方までね」 

唯「それじゃ後で挨拶にいくよっ!」 

澪「はい」 

菜々子「そっか・・・。それじゃ後でね」 

スタスタ 

梓「澪先輩!」 

紬「唯ちゃん!」 

車掌「田井中さん!」 

澪唯律「「「 ん? 」」」 

修治「・・・え」 

「すいません、ちょっとよろしいですか?」 

澪「!」 

唯「なに~?」 

律「げ・・・」 

「放課後ティータイムというグループをご存知ですか?」 

澪唯律「「「 えっ 」」」 

修治「あー、俺がお答えしますよ~!」ズイッ 

「なんですか?」 

修治「グループ名間違えてますし・・・」 

「いえ、有力な情報筋ですから」 

修治「・・・ガセ情報ですよ。本当の名前は」
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:01:24.01 ID:VOamOZUzo

静花「なにをしていますの!?行きますわよみなさん!」 

紬「行きましょ~!」 

梓「行くです!」 

修治「あ、はーい。行くぞ」 

律「お、おぉ」 

唯「はいよ~」 

澪「う、うん!」 

タッタッタ 

「本当のグループ名は!?」 

修治「放課後ティータイムでいいじゃないですか」 

「ちょ、ちょっと!」 

修治「それじゃこれで」 

「ま、まってください!」 

修治「まだなにか?はやく行かないと怒られるんですけど」イライラ 

「正式名称を!」 

修治「事務所側から秘密にしてくれと言われているんですけど・・・」 

「じ、事務所!?デビューするという事ですか!?」 

修治「いや、そっちじゃなく・・・」 

小麦「その情報を掴んだだけでもいいんじゃないの~?」 

「・・・ご本人は?」 

修治「大阪で下車するって言ってたから・・・準備してるのかもしれませんね」イライラ 

小麦「それか、もう降りてるかも、ホットティータイムのメンバー」 

修治「バ、バカッ!」
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:02:21.20 ID:VOamOZUzo

小麦「あっ!」 

「! それでは!」 

タッタッタ 

修治「・・・はぁ」 

小麦「あーぁ、右往左往してるね、信憑性ないから当然か~」 

修治「助かったよ小麦」 

小麦「あの記者が書く記事なら誰も信用しないんじゃないかな」 

修治「しかし焦った・・・」 

車掌「申し訳ございません。到着直前に怪しい人がいると連絡が入りましたが」 

修治「そう伝えておきます」 

小麦「にゃはは、修治くんもペテン師だね~」 

修治「あのね・・・『正式名称』を言った小麦が言わないでね」 

小麦「えっへへ~」 

修治「・・・小麦」 

小麦「なぁに~?」 

修治「・・・」 

小麦「?」 

車掌「・・・」 

修治「・・・・・・じゃあ・・・な」 

小麦「また後でね~」フリフリ 

修治「・・・うん」 

車掌「いってらっしゃいませ」 
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:02:51.33 ID:VOamOZUzo

律「ビックリしたぜ・・・」 

唯「うっかり、私たちです!って言いそうになったよ~」エヘヘ 

梓「」ゾクッ 

紬「大丈夫よ、あずさちゃん。言ってないから」 

澪「鳥羽さんが割り込んで来てくれて助かったな・・・」 

静花「・・・ふむ」 

律「いやぁ、静花さんが怒っている風に演じてくれたから助かったー」 

梓「そうですね。助かりました」 

唯「ありがと~」 

紬「ありがとうございます」 

静花「まぁ、好奇な目で見られる辛さは分かりますから」 

紬「?」 

修治「まだいたのか。はやく移動したほうがいいよ」 

律「そうだな、よし放課後ティータイ」 

修治「おぉいっ!」 

律「なんだよー」 

唯「どうしたの~」 

修治「せっかくごまかしてきたんだから、ここを離れてからにしようぜ!」 

澪「そ、そうだな」 

静花「駅前は危険ですわね」 

梓「さっさと梅田空中庭園に行きましょう」 

紬「そうしましょう~」 
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:04:04.61 ID:VOamOZUzo

梓「どうして静花さんまで一緒に来るんですか?」 

静花「さきほどの輩がいたら、疑われるのはあなたがたですわ」 

律「そうだぞ!」 

唯「そうだよあずにゃん」 

澪「お前たちは菜々子さん派じゃなかったのか・・・」 

紬「うふふ」 

修治「・・・」 

律「あなたはなぜ?」 

修治「高い所が好きなんだ」 

律「あぁ、バカとなんとかは高い所が好きっていうからな」 

修治「・・・」 

唯「ひどいよりっちゃん!」 

律「お、修治の肩をもつのか~?」 

修治「平沢さん・・・」ウルウル 

澪「わぁ、高~い」キラキラ 

紬「ほんとね~」 

梓「空が近いです」キラキラ 

唯「3人の悪口は許しません!」 

律「すいませんでしたぁ」 

修治「・・・」シクシク 

静花「ふふ、賑やかですわ」 

菜々子「・・・」 

静花「・・・はぁ、幸せな空間を壊す悪魔が・・・」 

菜々子「誰が悪魔だよ」 

静花「あちらに鏡がございましてよ」 

菜々子「確認しろってか!」 

修治「まぁまぁ、みんなの最後の観光ですので。穏便に」 

静花「・・・」 

紬「風音さんもいらしてたのね~」 

風音「はい・・・」 

ピノ「ピピッ」 

律「あはは、みんな大集合だぜー」キラキラ 

梓「・・・どうしてピノは私のところに来ないの?」
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:05:47.01 ID:VOamOZUzo

唯「ピノちゃんおいでっ!」 

ピノ「ピッ」 

ピョン 

唯「あれま」 

澪「ここは地上40階の2つの高層ビルの頂上部を連結した空中庭園なんだ」キラキラ 

風音「遊んでもらってうれしそうです」ニコニコ 

紬「うふふ、よかったわ~」 

静花「・・・」 

菜々子「・・・そうだな」 

秋子「きゃー!姉御さまー!」 

菜々子「うわぁ・・・」 

修治「みんな揃ったから記念撮影でもしない?」 

唯「そうだね!」 

紬「お願します」 

修治「おっけー」 

静花「はい、並んで並んでー」 

律「はいよー」 

梓「はい」 

菜々子「どーして私がこんなに離れるんだよー」 

静花「あなた身長が高すぎますのよ、遠近法を活用したまでですわ」 

菜々子「くっ・・・釈然としないな」 

秋子「私もいますから平気ですよー!」 

澪「ピノと一緒にか。いいな!」キラキラ 

ピノ「ピピッ」 

風音「ふふ」 

唯「さぁーどうぞ」ブイ 

紬「いぇ~い」 

梓「・・・」ブイ 

律「イエーイ!」 

修治「はい、チーズ!」カシャ 

緑「?」 

修治「あ、北上さんも来てたんだ・・・」 

緑「フラッシュの方向に気を取られたわ・・・」 

紬「入りました!?」 

修治「え、北上さんの事?ちゃんんと入ったよ」 

静花「・・・」
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:06:27.93 ID:VOamOZUzo

菜々子「さーて、ヴェガに戻ろうかな」 

律「お勤めご苦労様です!」 

唯「お疲れ様です!」 

菜々子「やめて、違う意味に取られるから」 

静花「あまり変わりませんわ」 

菜々子「全然違うだろ!」 

修治「お供しやす。姉御」 

菜々子「・・・」 

ギリギリ 

修治「すいやふぇん」 

秋子「それでは私もこれで失礼しますね!」 

紬「えぇ、それでは~」 

静花「わたしも失礼しますわ。ごきげんよう」 

梓「はい、それでは」 

ピノ「ピピッ」 

風音「ほら、行くよピノ」 

澪「中々離れてくれないな」キラキラ 

唯「おいでピノちゃん」 

ピノ「ピッ」 

ピョン 

唯「おぉ」キラキラ 

梓「風音さんが困るじゃないですか」 

律「風音はどこ行くんだー?」 

風音「海遊館に行こうかと」 

唯「それならcome with we!だよ」 

紬「北上さんは・・・」 

澪「さっき歩いていったな」 

律「はは、マイペースだな」 

唯「それじゃ、放課後ティータイム最後の観光地へ行ーくぞー!」 

紬「おぉー!」
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:07:47.34 ID:VOamOZUzo

―――――海遊館 

風音「世界最大級の水族館らしいですよ」 

唯「わくわくだよ!」 

律「結構大きいんだなー!」 

澪「この中にジンベイザメがいるから当然といえば当然だけど」 

梓「5m近くあるそうですからね、ビックリです」 

紬「うんうん」 

ピノ「ピッ」 

唯「でも大丈夫かな、ピノちゃん・・人が多いけど」 

風音「そうですね・・・」 

ピノ「ピピッ」 

律「よし、じっとしてるんだぞ」 

澪「ぬいぐるみと思うだろうな」 

風音「そう・・・ですね」 

梓「そうです、入りましょう!」 

紬「うんうん」 

唯「むぎちゃん・・・?」 
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:08:42.78 ID:VOamOZUzo

紬「・・・いたっ!」 

律「あれマンボウだ・・・」 

澪「あっちの大きいほうはいいのかむぎ・・・」 

梓「ジンベイザメよりマンボウなんですね」 

唯「おぉー!でっかいどー!」 

梓「・・・」 

風音「海の中にいるみたいですね」 

ピノ「ピッ」 

唯「そうだね~、おいしそうな魚がいっぱいだよ~」 

梓「食物としてみるんですか」 

風音「海の生物って面白いですね。私山で育ったから、海は新鮮です」 

唯「そうなんだ~、ここにきたら海が好きになるね!」 

風音「はい・・・」 

紬「山もいいわね~」 

風音「私の住んでいた所は田舎ですけど、自然が多くてよかったです」 

律「それにしても人が多いな」 

風音「そうですね・・・子供が多いです」 

紬「にぎやかね~」 

梓「ちょっとうるさいですね。はしゃぐ気持ちは分かりますけど」 

澪「分かるんだ・・・」 

梓「童心に戻るって意味です。そうです」 

律「自分に言い聞かせてるみたいだぞ」 

ピノ「ピピッ」 

紬「あっ、うなぎよ」 

風音「にょろにょろしてる」 

唯「10人前くらいかな」 

律「そうだな・・・」ジュル 

紬「うな重が?」 

唯「そうだよ」ジュル 

梓「お腹空いたんですか?」 

澪「さっきたこ焼き食べただろ・・・」 

風音「ふふ、みなさんといるととても楽しいです」 

ピノ「ピッ」 

唯「でっへっへ」
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:09:55.53 ID:VOamOZUzo

ドン 

澪「おっと」 

律「人が増えてきたな」 

唯「あずにゃーん」 

梓「ここですよ~」 

ギュ 

唯「離れないように手をつなごう」 

梓「そうですね」 

律「・・・もう少し眺める?」 

風音「私は戻ります。待ってると思うので」 

紬「?」 

風音「え、えぇと。なんでもないです。それじゃ行きましょピノ」 

ピノ「ピッ」 

唯「じゃーねー」 

澪「じゃあね」 

ドンッ 

紬「っとっとぉー」 

澪「むぎっ」 

ギュ 

紬「ありがとー」 

澪「い、いや・・・」 

唯「あずにゃん、かめだよ」 

梓「そうですね・・・。優雅に泳いで気持ち良さそうです」 

律「・・・」 

紬「澪ちゃん、あっちにマンボウよ」 

澪「さっきも見たよ」 

律「・・・もう少しのんびりしていくか」 
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:11:04.37 ID:VOamOZUzo

―――――ヴェガ 

紬「・・・」 

唯「車掌さん・・・」 

澪「・・・どうぞ」 

車掌「はい。お二人の乗車証、確かに受け取りました」 

紬「・・・」 

唯「・・・」 

澪「・・・」 

車掌「・・・」 

紬「・・・」 

唯「・・・っ」 

澪「それでは・・・」 

ダダダッ 

修治「秋山さん!」 

澪「鳥羽・・・さん・・・?」 

唯「修治くん?」 

紬「?」 

修治「ごめんっ!!」 

澪「ど、どうして謝るんだ?」 

修治「・・・これを持って、改札口に行って」 

澪「?」 

唯「手紙・・・?」 

紬「どういう・・・事・・・?」 

修治「エレナと小麦が・・・大喧嘩してる」 

澪「!」 

バシッ 

タッタッタ 

紬「待って澪ちゃん!」 

タッタッタ 

修治「ごめん・・・」 

唯「ま、まって」 

車掌「平沢さん」 

唯「え?」 
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:11:52.41 ID:VOamOZUzo


澪「・・・りつ」 

律「澪・・・?」 

澪「・・・っ!」 

タッタッタ 

梓「澪先輩っ!?」 

律「どこ行くんだよ!」 

タッタッタ 

紬「・・・っ!」 

律「む、むぎ?」 

梓「ど、どうしたんですか!?」 

紬「唯・・・ちゃんを・・・っ・・・待ってて」 

律「え?」 

紬「・・・っ」 

タッタッタ 

梓「二人とも走っていきましたね・・・、どうしたんでしょうか」 

律「・・・あの紙はさっき修治が持ってたやつか?」 
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:12:37.76 ID:VOamOZUzo

小麦「・・・そんなの酷いよ!どうしてそういう事いうの!?」 

エレナ「仕方ないネ!これ以上、小麦をついてこさせるわけにはいかないヨ!」 

小麦「あたしが行ってどうしていけないの!」 

澪「どうしたんだ二人とも!」 

エレナ「あ・・・」 

小麦「澪ちゃん!あのね、エレナが・・・エレナがここでもう別れようって言うの!」 

澪「え・・・」 

小麦「まだ、あたし一緒に旅行したいのに!」 

エレナ「小麦は分かってないネ!海外に行くっていうのは日本とは全然ちがうヨ」 

澪「・・・!」 

紬「・・・」 

エレナ「今までみたいに何とかなるものではないネ!」 

小麦「やだやだやだっ!あたし絶対やだもん!」 

澪「小麦・・・」 

紬「・・・」 

エレナ「・・・」 

小麦「~っ!」 

澪「何とかいってあげてよ・・・エレナ」 

エレナ「ではハッキリ言うネ!これ以上ついてこられても足手まといですネッ! 
    だから、おとなしくここに残って欲しいヨ・・・!」 

紬「エ、エレナさん!」 

澪「エレナっ!」 

小麦「そんな・・・そうなの?やっぱりあたしみたいじゃダメなの?それでも 
   ・・・・・・それでもあたし今まで・・・・・・」 

ダダダッ 

澪「小麦!」 

エレナ「ミオさん・・・それを小麦にお願しますワ」 

ダダダッ 

紬「エレナさん、待って!」 

タッタッタ 

澪「・・・っ」 

『それを、自分を信じろよ』 

ギュッ 

澪「・・・」 
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:17:00.29 ID:VOamOZUzo

律「唯・・・」 

梓「なにがあったんですか?」 

唯「うん・・・」 

修治「・・・」 

律「・・・」 

唯「エレナちゃんと小麦ちゃんがここで降りるって・・・」 

修治「・・・」 

唯「二人はここで別れるって・・・」 

梓「え・・・」 

律「・・・」 

梓「・・・二人は・・・これからも一緒にいるものだと・・・」 

唯「・・・うん」 

修治「・・・」 

律「なんで澪なんだよ、修治」 

梓「律せん・・・ぱ・・・い?」 

修治「・・・あの二人をよく見てたから」 

唯「・・・」 

律「そうじゃねえ!なんでお前が行かないで、澪に行かせたかって事だよ!」 

梓「っ!」ビクッ 

修治「俺じゃ・・・。俺には資格が無いからだよ」 

唯「資格・・・?」 

律「なんだよそれ」 

修治「俺は・・・エレナがここで、小麦と別れようとしている事知ってたから」 

梓「・・・」 

唯「・・・」 

律「だから澪に手紙持たせたのか・・・」 

修治「・・・うん。俺の声より・・・秋山さんの声の方が届くと思ったから」 

律「・・・」 

修治「平沢さんにも迷惑かけた・・・ごめん」 

唯「ううん。大事な事だから迷惑だと思ってないよ」 

梓「・・・」 

律「・・・だから、比叡山で澪を呼んだのか・・・」 

修治「・・・」 

唯「・・・」 

律「怒鳴って・・・悪かった」 

修治「いや、俺にはあの二人を繋げたまま別れさせる事ができないと思った」 

梓「・・・」 

唯「澪ちゃん・・・なら・・・?」 

修治「・・・うん。・・・でも、エレナの頼みを秋山さんに押し付けた」 
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:18:51.59 ID:VOamOZUzo

澪「小麦っ!」 

小麦「み、み・・・お・・・ちゃん・・・っ・・・う、うぅっ・・・」ボロボロ 

澪「・・・」 

小麦「ひどいよ・・・こんな大事な事・・・勝手に決めて・・・あたしにもちゃんと言って欲しかったのに」グスッ 

澪「・・・エレナも辛かったと思うよ」 

小麦「ぅん・・・ごめんね・・・っ・・・ごめ・・・っ」ボロボロ 

澪「ううん・・・。エレナがあんな事言うなんて、きっと理由があるんだよ」 

小麦「っ・・・」グスッ 

澪「エレナから手紙を預かってきたんだ」 

小麦「手・・・紙?エレナからの手紙!?見せて!」グスッ 

澪「・・・」 

小麦「『小麦へ ごめんなさいでございます』」 

恐らく今は小麦を傷つけてしまったネ 
でも、こうしなければ小麦はいつまでもついてきてしまうと思ったヨ 
小麦も高校三年生 

今は旅を続けていてもいつかは自分の生活に戻る日が来る 
ワタクシも世界のあらゆるところを見て廻るという自分の夢で精一杯ネ 
小麦と一緒にいたいのはヤマヤマですが、旅をするのはワタクシの夢 
小麦には自分の夢を見つけて欲しいヨ 

小麦も自分の目的を見つけて頑張るネ 

きっとまた、どこかで再会するネ 
                  エレナ・ユーリ・ノーディス 

小麦「エレナ・・・」 

澪「小麦、エレナを一人で行かせよう」 

小麦「でも、でも・・・!」 

澪「小麦は・・・エレナの事好きだよな」 

小麦「・・・うん」 

澪「・・・だったら、エレナの気持ちを大切にしなきゃダメだ」 

小麦「エレナの・・・気持ち・・・」 

澪「・・・エレナが小麦を想ってくれてるように、小麦もそれに応えてあげようよ」 

小麦「・・・うん」 

澪「・・・」 

小麦「うん、・・・分かったよ」 

澪「・・・それじゃあ、見送りに行こう」 

小麦「え・・・?」 

澪「・・・」 

ピッピッポ 

小麦「どうするの・・・?」 

trrr 

澪「・・・・・・・・・もしもし、むぎ?」
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:23:41.06 ID:VOamOZUzo

―――――空港 

エレナ「こんな所にまで付き合ってもらって・・・申し訳ないネ」 

紬「気にしないで」 

エレナ「ワタクシ、小麦を突き放す自信がなかったネ」 

紬「・・・」 

エレナ「ですが、ツムギさんとミオさんの顔をみて自分を奮い起こしましたヨ」 

紬「私たちですか?」 

エレナ「えぇ、二人・・・イエ、五人は・・・とてもカタイ結束で結ばれていますネ」 

紬「・・・」 

エレナ「そうでなければ、あの音楽は生まれないヨ。小麦とワタクシもそんな結束を結びたいネ」 

紬「・・・」 

エレナ「ミナサンと出会えて良かったですワ」 

紬「・・・」 

エレナ「思い残す事はないヨ!」ガタ 

紬「ま、まって・・・」 

エレナ「もう時間ネ、乗り遅れてしまうヨ・・・」 

紬「・・・」 

エレナ「ツムギさんの紅茶・・・温かかったですワ」 

紬「・・・っ」 

エレナ「みんなでノンビリオシャベリ、楽しかったデスネ」 

紬「・・・エレナさん」 

エレナ「・・・大切なものをたくさん貰ったヨ・・・ありがとう」 

紬「エレナさん・・・っ」 

小麦「エレナーーー!!!」 

ダダダッ 

エレナ「小麦!?」 

ガバッ 

小麦「エレナー!ごめんね、あたし、あたし、エレナがあんなにあたしの事 
   考えてくれてるなんて思ってなかった!」 

エレナ「小麦・・・ワタクシの方こそゴメンナサイ・・・」 

ギュウ 

小麦「これから海外に出るんだよね・・・?」 

エレナ「ソウですワ」 

小麦「間に合ってよかった・・・!」 

エレナ「・・・ウン」 

ギュウウ
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:24:22.64 ID:VOamOZUzo

紬「よかった・・・」 

澪「・・・」 

エレナ「ミオさん、修治サンに伝えてくれますカ?」 

澪「え?」 

エレナ「嫌な役を押し付けてしまってゴメンナサイ・・・ト」 

澪「・・・うん」 

小麦「やっぱり修治くんも隠してたんだ」 

エレナ「ワタクシのワガママですワ」 

紬「・・・」 

澪「・・・」 

小麦「エレナ・・・元気でね・・・」 

エレナ「小麦も・・・」 

小麦「あたし、夢見つけるから!」 

エレナ「応援してるネ」 

小麦「・・・うん!」 

エレナ「時間が無いから行くヨ」 

小麦「・・・うん」 

エレナ「ミナサンにヨロシク」 

紬「えぇ・・・、エレナさんもお元気で」 

澪「楽しかっ・・・た・・・」 

エレナ「おかげでこれからも頑張れるヨ」ニコ 

小麦「それじゃあね、エレナ。体に気をつけてね」 

エレナ「エェ、小麦も」 

小麦「・・・」 

エレナ「グッバーイ」 

タッタッタ 

小麦「エレナー!さようならー!!」 

澪「さようならーー!」 

紬「さようなら・・・」 
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:26:07.71 ID:VOamOZUzo

―――――大阪駅 

澪「これから仙台へ?」 

小麦「うん、そうだよ。色々とありがとね・・・」 

澪「ううん・・・」 

紬「・・・」 

小麦「あたしねー、学校で無視されてるんだー」 

澪「え?」 

紬「!」 

小麦「イジメじゃないけど、なんだこいつーって。うるさいなーって」 

澪「小麦がっ?」 

小麦「うん、そうだよ。あたしが!」 

紬「・・・」 

小麦「こんな性格だからしょうがないなーとか思いつつ、少し寂しかったんだー」 

澪「小麦・・・」 

小麦「でもね、仙台でエレナを見つけて、声をかけて、エレナが世界で旅をしているって話を聞いてね」 

澪「・・・」 

小麦「世界はとっても面白いんだぞーって、小麦、お前の目でもっとよく見てみろーって」 

紬「・・・!」 

小麦「そう教えてくれた気がしたんだー」 

澪「!」 

小麦「それから毎日が楽しくってさ~」 

紬「二人の出会いは必然だったのかもしれないね・・・」 

小麦「!」 

澪「・・・うん」 

小麦「・・・・・・あたし、夢見つかったかもしれない」 

紬「・・・夢?」 

小麦「テレビレポーター!」 

澪「うん・・・っ・・・似合ってるよ!」 

紬「うんっ!」 

小麦「えっへへ~、ありがと、あ・・・」
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:27:37.75 ID:VOamOZUzo

律「駅に着いたなら教えろよ!」 

唯「そうだよー!」 

梓「そうです!」 

小麦「あれ、見送りしてくれんのー?」 

律「あたりまえだろー!」 

唯「見送りするのは当然だよ!」 

梓「もちろんです!」 

紬「うふふ」 

澪「・・・っ」 

修治「・・・」 

小麦「修治くん、ありがとね・・・あたしの為に・・・」 

修治「俺は・・・なにも出来なかったよ」 

小麦「ううん、エレナと一緒に考えてくれたんでしょ?嬉しかったよ」 

修治「・・・っ・・・うん」 

澪「・・・」 

律「そんな急に帰らなくてもいいんじゃないのか」 

唯「もうちょっと・・・・・・」 

梓「はい・・・」 

小麦「ううん、あたし、目的も見つかったから今すぐにでも頑張りたいんだ~」 

紬「・・・目的?」 

小麦「そう!エレナにあたしのレポートが届くように、だよー!」 

澪「・・・っ」 

小麦「そろそろ時間だね~」 

修治「気をつけてな・・・」 

小麦「ありがとー、たくさん助けてくれたよね、修治くん」 

修治「楽しかったからいいんだよー!」 

律「じゃあな・・・、楽しかったぜー」 

小麦「あたしも~」 

唯「元気・・・で・・・・・・ね」 

小麦「唯ちゃんの歌声あたし好きだよ~」 

梓「お気をつけて」 

小麦「同じ身長同士頑張ろうね!」 

梓「にゃ!?」 

紬「記事を書いてくれて・・・、とても嬉しかったわ」 

小麦「えっへっへ~、ネタに困らなかったよ~。放課後ティータイムは」 

紬「うふふ」
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:29:05.00 ID:VOamOZUzo

prrrrrrrrrrrrrrrr 

小麦「じゃあね~」フリフリ 

澪「こ、小麦!」 

小麦「?」 

澪「エレナも・・・っ」 

『仙台で小麦が声をかけてきてくれて、ワタクシの世界が変わったヨ』 

小麦「エレナも・・・?」 

澪「小麦が声をかけてきてくれて世界が変わったって、言ってた!」 

小麦「!」 

澪「だから・・・二人はどれだけ時間が流れても、どれだけ距離が離れても、繋がってるっ!」 

小麦「・・・っ・・・もぅ・・・」グスッ 

澪「ずっとだ!」 

小麦「えっへへ・・・、っ・・・さよなら!」 

プシュー 

澪「あ・・・ありがっ・・・ありがとう小麦!」 

小麦「」フリフリ 

ガタン 

ゴトン ガタンゴトンガタンゴトン 

律「・・・」 

紬「・・・」 

唯「・・・っ」 

梓「・・・」 

澪「・・・」
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:30:39.07 ID:VOamOZUzo


修治「さーて、ご飯たべてこよーっと」 

律「わざとらしいな・・・もうちょっと自然にできないのか」 

修治「どうやるんだよ」 

律「は、腹がへった・・・」フルフル 

梓「大丈夫ですか?」 

律「それは空腹に対して?そんな事してて?」 

修治「両方心配してんだよ」 

律「おらぁ!」バシッ 

唯「・・・私気になることがあるんだよ!」 

梓「私もです」 

律「気になる事?」 

唯梓「「 どうしてあずにゃん(私)の身長を知ってたのか 」」 

唯「だよ」 

梓「です」 

律「あぁー、確かに・・・」 

修治「・・・フッ」 

梓「鼻で笑いました!?」 

律「おらぁ!」バシッ 

修治「いって!二回叩くな、縮む!」 

梓「・・・フッ」 

修治「あれ、今鼻で・・・」 

唯「そんな事いいから、早く答えを言うといいよ!」 

修治「さわ子先生と密談してただけだよ」 

律「なるほどぉ」 

梓「納得です」 

唯「なーんだ・・・ちぇー」 

修治「なにを期待してたのかな?」 

律「さ、行こうぜー」 

梓「お腹空きました」 

唯「そうだねー」 

修治「むむ・・・」 
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:32:59.87 ID:VOamOZUzo

澪「・・・」 

紬「私たちも行きましょうか」 

澪「うん・・・」 

ギュ 

紬「澪ちゃん・・・?」 

澪「ごめん・・・ちょ・・・っ・・・とだけ・・・」 

紬「・・・」 

澪「手を・・・っ・・・握ってて・・・」 

紬「うん・・・」 

澪「・・・あの二人は・・・っ・・・凄かった・・・」 

紬「・・・うん」 

澪「お互いを・・・信頼して・・・支えあって・・・どこまでも・・・突き進んでいるんだ・・・」 

紬「うん」 

澪「・・・わ、わたしには・・・耐えられない・・・よ・・・」グスッ 

紬「・・・」 

澪「そんな・・・人と別れるなんて・・・!」グスッ 

紬「さっき澪ちゃんは言ったわ」 

澪「・・・?」 

紬「『どれだけ時間が流れても、どれだけ距離が離れても繋がっている』って」 

澪「それは・・・あの二人だから・・・」グスッ 

紬「私たちも同じ」 

ギュ 

澪「・・・っ」
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:34:09.94 ID:VOamOZUzo

紬「時間と距離が私たち隔てようとしても、わたしはいつもみんなを想ってるわ」ニコ 

澪「~っ!」 

ギュウ 

紬「・・・だから」 

澪「・・・ぅん・・・っ・・・いつも・・・ありがと・・・むぎ」グスッ 

紬「え・・・?」 

澪「このブレスレットも・・・」グスッ 

紬「それはエレナさんと小麦さんが」 

澪「ううん、私のために走ってくれた・・・」グスッ 

紬「・・・」 

澪「みんなと一緒に歩けないと・・・怯えていたわたしを・・・気にしてくれてた・・・」グスッ 

紬「・・・」 

澪「みんなで・・・一緒にいられるっ・・・じ・・・かんが・・・とっても愛おしいと・・・教えてくれた」グスッ 

紬「・・・っ」 

澪「それを失う事が・・・怖いと・・・動けない・・・わたしを・・・っ・・・むかえにっ・・・きてくれた・・・」ボロボロ 

紬「・・・」 

澪「あ・・・りが・・・っ・・・・・・あり・・・がと・・・ありがとお・・・むぎ・・・っ」ボロボロ 

紬「・・・っ!」 

澪「・・・もう・・・すこ・・・しだけ・・・・・・おねがい」ボロボロ 

紬「・・・っ・・・うん」 

ギュウ 
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:35:24.37 ID:VOamOZUzo

梓「・・・」 

律「・・・」 

唯「・・・っ」グスッ 

梓「・・・凄い・・・です」 

律「あぁ・・・」 

唯「うん・・・っ」グスッ 

梓「・・・敵わないなぁ・・・・・・」ボソッ 

律「・・・よし、ご飯だな!」 

唯「おぅよ!」 

梓「あ、その前に澪先輩に今後の事話しましょう」 

律「おっとそうだな」 

唯「大事な事だよ」ウンウン 

梓「唯先輩は大丈夫なんですよね?」 

唯「そうだよ~、明日ヴェガを見送ってからでも平気だす!」 

律「そうだす!」 

梓「そうですか・・・」 

唯「修治くんはどこへ行ったの?」 

律「しらねー、壁にボールぶつけて一人で楽しんでいるんじゃないのか?」 

梓「なんですかそれは」 

唯「不憫な子・・・」ウルウル 

律「そうだな・・・。あまりにも悲惨な光景だからバッティングぐらいは引き受けてやるか」 

梓「わたしは記録係します」 

唯「わたしは応援してるよ」 

澪「わたしは・・・ボール拾いでもするかなっ」グスッ 

紬「私はボール投げるわね」 

律「修治いらねえ・・・」 

梓「いえ、澪先輩にボール拾いさせるのは嫌ですから。交換させましょう」 

唯「澪ちゃんはなにすればいいの?」 

澪「・・・そもそもなんの話なんだ?」
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:36:38.79 ID:VOamOZUzo

紬「野球じゃないの?」 

修治「なに?」 

律「修治いらねえって話」 

修治「・・・今、第4397df星が爆発した!」 

唯「どうしてー?」 

修治「俺の怒りでだー!」 

梓「なんてことをするんですか」 

澪「ふふ、誰かが困る事するなんてな」 

紬「あらあら」 

律「第4397df星に関わる全てに謝れ」 

修治「すいませんねー」ツーン 

唯「神様にケンカ売ってる!」 

修治「神様関わってた!?」 

律「これ以上話膨らまないから、ヴェガに戻ろうぜ」 

修治「そうそう、平沢さんと秋山さんに話があるって車掌さんが呼んでるよ」 

梓「そのような大事な話は、早めに言ってくれると私たちも助かります」 

修治「丁寧な忠告ありがとうございます。そしてすいませんでした」 

澪「・・・後の事考えてなかったな」 

唯「そうだよね。急だったし」 

律「・・・しょうがないよな」 

紬「二人とも大丈夫なの?」 

唯「ういに連絡した!」 

澪「さっき電話したけど、怒られた」 

律「大丈夫かよ」 

澪「うん・・・。大事な事だったと言ったら納得してくれた」 

律「そっか」
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:37:29.88 ID:VOamOZUzo

澪「律もいるから、一応安心してるみたいだ」 

律「ふっふ~ん」 

梓「信頼されてるんですね」 

修治「そうだね」 

律「・・・」 

バシッ 

修治「いった!なんで!?」 

律「なんとなくだ」 

修治「心の声が聞かれたのかと思った・・・あーびっくりしたぁ」 

唯「・・・」 

澪「・・・」 

紬「・・・?」 

梓「・・・」 

律「・・・」 

修治「心の中では悪いこと言ってたんだぜー・・・」 

紬「あぁー・・・なるほどぉー」 

ドゴッ 

修治「いった、律!今のは痛いぞ!」 

律「は?」 

修治「え?」 

唯「りっちゃんじゃないの?」 

律「ん?」 

修治「え?違うのか」 

澪「なんだこのミステリー」 

梓「むぎ先輩に変な事教えないでください」ボソッ 

紬「?」 
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:07:51.94 ID:w42l6+ooo

車掌「明日のお昼、12時5分発の特急でよろしいでしょうか?」 

唯「ありがとうございます!」 

澪「は、はい!」 

車掌「それでは手続きしてまいります。個室はご用意できませんが」 

唯「はい、乗車証お返ししましたからね!」 

車掌「相部屋でお願します」 

唯「ありがとー車掌さん!」ダキッ 

ボインッ 

車掌「ひ、平沢さん」 

澪「最後まで面倒・・・いえ、お心遣いに感謝します、ありがとうございます」ペコリ 

車掌「いえいえ。それと・・・これ、なんですが」 

梓「DVDですか?」 

唯「映画?」 

律「そんな訳ないだろ」 

紬「もしかして・・・」 

澪「もしかして、エレナの記憶ですか?」 

律「記憶?」 

車掌「はい」ニコ 

唯「おぉー!」 

梓「わ!わわ!!」 

紬「おち・・・おちつつつきつつき」 

律「むぎもおちつけ」 

澪「ありがとうございます」 

車掌「先ほどは渡せる状況ではなかったので・・・」 

澪「・・・・・・嬉しい」 

律「あぁ・・・」 

唯「どどどどうししいししいいし」 

梓「落ち着いてください」 

紬「仙台からの記録!」 

梓「お!おちつつつきつつき」 

律「なんだこのテンションは」 

澪「律も震えてるぞ」 

律「当然だ!」 

車掌「ふふっ、みなさん。お食事をきちんと、とられてくださいね」 

唯「展望車いくよー!」 

テッテッテ 

澪「こらー!」
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:08:46.81 ID:w42l6+ooo

唯「・・・」モグモグ 

梓「・・・」モグモグ 

紬「・・・」モグモグ 

律「・・・」モグモグ 

澪「・・・」モグモグ 

その子「あの一角が怖いですね」 

コック「なんだあれは」 

菜々子「ひたすら噛んでるな・・・。なんの儀式だよ」 

唯「・・・」パクッ 

梓「・・・」パクッ 

紬「・・・」パクッ 

律「・・・」パクッ 

澪「・・・」パクッ 

唯「・・・」モグモグ 

梓「・・・」モグモグ 

紬「・・・」モグモグ 

律「・・・」モグモグ 

澪「・・・」モグモグ 

コック「あれはいかんな。津山、水足して乱して来い」 

菜々子「えぇー・・・。あれ異様な光景なんですけど」 

コック「それじゃ、成田行ってこい」 

その子「お願します菜々子さん」 

菜々子「くっ・・・、新人の弱みか・・・。行ってきます」 

スタスタ 

菜々子「声をかければいいんだよな・・・」 

唯「・・・」モグモグ 

梓「・・・」モグモグ 

紬「・・・」モグモグ 

律「・・・」モグモグ 

澪「・・・」モグモク 

菜々子「水お注ぎしまー・・・す」 

唯「ありがと~」 

梓「ありがとうございます」 

紬「ありがとうございます~」 

律「ありがたいッス」 

澪「あ、ありがとうございます」 

菜々子「ふぅ・・・。よかったた、普通にもどったね」
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:09:46.13 ID:w42l6+ooo

トクトクトクトク 

唯「・・・」パクッ 

梓「・・・」パクッ 

紬「・・・」パクッ 

律「・・・」パクッ 

澪「・・・」パクッ 

唯「・・・」モグモグ 

梓「・・・」モグモグ 

紬「・・・」モグモグ 

律「・・・」モグモグ 

澪「・・・」モグモグ 

スタスタスタスタ 

菜々子「無理です」 

コック「うーむ。いかんな」 

その子「いらっしゃいませ~」 

菜々子「逃げた・・・」 
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:10:48.50 ID:w42l6+ooo

唯「それじゃあ再生ー!」 

紬「わー!」パチパチ 

梓「・・・」ワクワク 

律「・・・なんだか緊張するな」 

澪「・・・」 

ピッ 

 『え~、私たちは今、夢の超豪華特急ヴェガに乗車していま~す 
  乗車して早々、我々は展望車でライブが行われているとの情報を得ました~!』 

 『小麦ー、前フリ長いですワ』 

 『え~、大事な事なんだよ~?』 


澪「ふふっ」 


 『それでは、どうぞ~』 


唯「あ、澪ちゃんだ!」 


 澪『どうしようかな読み返すの はずかしい 
  
   あれこれと 便せんにね書いたくせに』 


 『オーgirls bandデスネー!』 

 『エレナ・・・自己紹介の時に気付こうよ・・・』 


 澪『!』 


梓「驚いてたんですね」 

澪「うん・・・そして、とっても嬉しかったんだ。だから歌詞が吹っ飛んだ」 

紬「唯ちゃんのフォローはよかったわ」 

唯「でっへっへ」 

律「・・・なるほどな」 

 澪『 今の気持ちをあらわす辞書にもない言葉さがすよ 』 

 澪唯『 ワクワクしちゃう 計画とかグダグダすぎる 
     展開とかぜんぶホッチキスで とじちゃおー 』 

 澪『 もう針がないから買わなくちゃ ララ☆また明日 』 
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:11:30.80 ID:w42l6+ooo


 『ヤッホー、エレナさーん!」 

 梓『あ、初めまして中野梓といいます』 

 『オー、ギター弾いていましたネ』 

 『かっこよかったよ~!』 

 『うんうん、梓さんかっこよかった!』 

 梓『あ、ありがとうございます』 

 修治『・・・』 

 『私次で降りるから、エレナさんたちとはバイバイだね!』 

梓「・・・」 

唯「おぉー」 

律「一人おかしいヤツいたな」 

澪「そうだな」 

紬「うふふ」 







 『こ、こんにちは・・・』 

 『オー!画家サンではないですカ!』 

 『そ、そんな・・・。あ、あの・・・琴吹さんをみかけませんでしたか?』 

 『コトブキサン・・・?』 

 『えぇと・・・先ほどのライブでピアノを演奏していらした方です』 

 『オーそれなら、2号車でみなさんと一緒にいましたヨ』 

 『そうですか・・・ありがとうございます』 
  
 『気にする事ナイネ』 

紬「・・・」 

梓「この後、私たちがモデルになったんですよね・・・」 

律「うん」 

澪「・・・私たちお喋りしかしていないのにな」 

唯「そうだったね~」 
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:12:22.94 ID:w42l6+ooo


 唯『・・・ほ、ほったいもいじるなー?』キリ 

 梓『カメラに時間聞いてどうするんですか!』 

 律『グフッ』 

 澪『ププッ』 

 『只今の時刻は11時55分ですヨ』 

 梓『答えるんですかっ!?』 

律「梓元気だなー」 

梓「・・・」 

澪「ふふっ」 

唯「懐かしいな~」 

紬「そうね~」 

875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:12:50.54 ID:w42l6+ooo


 律『梓、可愛いよ』 

 唯『澪先輩も美しいですよ』 

 澪梓『『 ・・・ゴクリ 』』 

 澪梓『『 そんな事言ってないだろ(ません)!! 』』 

 『あはははっ』 

唯「あははは、おっかしー!」 

澪「・・・」 

梓「・・・」 

律「なーにやってんだかな~」 

紬「この後色んなアトラクションに乗ったのよね~」 
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:13:21.61 ID:w42l6+ooo


 澪『さぁ、次へ行くぞ!』キラキラ 

 律『ちょっと待てって』 

 梓『次は何に乗るんですか?』 

 紬『そうね~』 

 唯『メリーゴーランドだよっ!』 

 『おぉー!いいね、行こう行こう!』 

 『グッドですワ』 

 澪『あはは、それもいいな』キラキラ 

律「きっかけになったみたいだな」 

澪「・・・うん」 

梓「?」 

唯「この日の澪ちゃんはすごく楽しそうだったな~」 

紬「楽しかった~」 
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:13:56.72 ID:w42l6+ooo

梓「・・・」 

紬「ここからは東京出発した後ね」 

唯「あずにゃん一度降りたもんね」 

 『ハーイ、ミナサンお元気ですカ~?』 

 『元気だっよ~ん』 

 紬『元気で~す』 

 『オー、ユイさん髪を束ねたんですカ?』 

 憂『初めまして、私平沢唯の妹の平沢憂です。お姉ちゃんがお世話になっています』ペコリ 

 『Cute Sisterですワ。間違えてしまいまして、ごめんあそばセ』 

 『憂ちゃん、髪下ろしたままでいこうよ』 

 憂『えぇと・・・』 

 紬『唯ちゃんが戻ってくるまで・・・ね?』 

 『さっすがむぎちゃん』 
  
 『どうなるのですカ?』 

 『唯になるんだよ~ん!』 

 憂『くすくす』 

 『ん?どうしたの?』 

 憂『いえ、梓ちゃんの言ってた通りの人だと思って』クスクス 

 紬『うふふ』 

 『なんて言ってたのさ?』 

 憂『お姉ちゃんと律さんを合わせたような人だと』 

 『ほほぅ』ジー 

梓「!」ビクッ 

 『ワタクシを睨んでもショウガナイですワ』 

梓「ビックリした・・・」ドキドキ 

紬「わたしも・・・」ドキドキ 

 『褒め言葉として受け取っておくかな~』 

 紬『これ以上無いほめ言葉よ~』 

 『そうなの?』 

 憂『はい!』 

唯律「「 そうなの? 」」 

梓「し、知りません!」 

澪「その反応が答えだな」 

紬「そうね~」ニコニコ 
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:14:30.59 ID:w42l6+ooo

 澪『みんなを楽園へ運ぶteleportationですっ!』 

律「どういう意味なのか聞かせてもらおうか?」 

澪「分かりませんっ!」 

律「だよな・・・テンパっていたもんな」 
  
 澪『あはは・・・今の・・・後世まで残るんだな・・・』アハハ 

澪「続き撮ってたんだ・・・」 

唯「そうだよ~」 

 『ミオさん、インタビューの内容よかったですヨ~』 

 『そうそう、友達の強さを見習うってトコ、あたし感動しちゃった~』 

 唯『うんうん、私も~』 

 澪『・・・』プシュー 

 『耳に届いてないねこりゃ。良い話だったから気にする事ないよ~』 

 澪『・・・そ、そう?』 

 『くぅ~、可愛い~!』 

梓「・・・」ボー 

紬「・・・」 

律「相変わらずだな」 

澪「過去の映像なのにな・・・」 

唯「・・・・・・そうだね」 
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:15:04.43 ID:w42l6+ooo

 紬『用意はいい!?』 

 唯『おっけ~』 

 律『フルーツ牛乳全員持ったな?』 

 澪『うん』 

 和『私もやるのね』 

 憂『持ちました』 

 『よ、よし』 

 『も、持ちました・・・』 

 紬『それでは、腰に手を当てまして、いただきまーす』 

梓「これは・・・?」 

紬「浅間温泉から出た後よ~」 

唯「むぎちゃんが風呂上りに飲もうって」 

澪「律が、絶対変な事言うと思ってたからさ」 

律「・・・」 

 紬『・・・ごくごく』 

 唯『・・・ごくごく』 

 律『・・・』ニヤニヤ 

 澪『・・・』ジー 

 和『・・・ごくごく』 

 憂『・・・ごくごく』 

 『・・・ごくごく』 

 『・・・ごくごく』 

 律『海を』フガッ 

 澪『・・・しずかにしてろっ』 

 紬『・・・ぷはぁ』 

 唯『・・・ぷはぁー、うまい!』 

 和『・・・定番になるだけあるわね』 

 憂『・・・おいしい~』 

 『・・・うん、おいしい!』 

 『・・・お、おいしい・・・』
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:15:33.55 ID:w42l6+ooo

 唯『りっちゃん飲まないの~?』 

 律『飲むぞ・・・乗り遅れただけだ。ほら澪も飲もうぜ』 
  
 澪『そうだな・・・』 

 律『・・・ごくごく』 

 澪『・・・空飛ぶザーサイ』 

 律『ブフッ!』 

 『ちょ、ちょっと律さん!』 

 唯『りっちゃん汚いー!』 

 澪『・・・ごくごく』 

 律『・・・やられた・・・・・・』 

 澪『・・・うん、おいしいな!』プハー 

 紬『そうよね~』 

 『アッハッハ~』 

唯「澪ちゃんに助けられたんだね私たち」 

梓「恐ろしい事しますね。律先輩」 

律「してねえ!」 

澪「守った」キリ 

紬「危なかったのね・・・」 
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:16:09.32 ID:w42l6+ooo

 『・・・と、いう訳でここ浅間温泉は『松本の奥座敷』と呼ばれています』 

 唯『大切なお客様を案内する場所とされていました。殿様も入っていたようです。 
   そう思うと歴史の重みがありますね』キリ 

唯「この後りっちゃんに、思いもよらぬ出来事がっ!」 

梓「い、いったいなにが・・・」ゴクリ 

澪「水をかけられただけ、なんだけどな」 

 『唯ちゃんと澪ちゃんも差し出された4っつのハンカチ・・・どれをとるのか見ものですね~』 

梓「なにやってるんですか」 

紬「ハンカチ争奪戦よ~」 

律「私一人参戦のな」 

唯「面白かった~」 

澪「・・・」 

 修治『はい、どうぞ』 

 紬『さっ、りっちゃん』 

 唯『りっちゃん!』キラキラ 

 澪『はい』 

 憂『どうぞ』 

 『よろしかったら・・・』 

 律『だぁーーー!!!』 

 ババババババッ 

 『全員のを取ったー!!』 

 『偉いわ律さん』 

 『はい』ウンウン 

 和『はい、律』 

 ファサ 

 律『あ、あぁ・・・って結局タオル使うのかよっ!』 

 ゴシゴシ 

 和『憂が言ってたように、みんな半分くらい使って欲しかったのかもね・・・』 

 律『なんだよそれ・・・』 

唯「あれ、和ちゃんに髪拭いてもらってるりっちゃん可愛い?」 

梓「聞かないでください」 

律「そこまで撮ってたのか・・・」 

澪「できるだけ撮っておきたいって言ってたから・・・」 

紬「・・・意外な所で貴重な映像が撮れるものね」 

澪「・・・うん。それは分かる」
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:16:41.21 ID:w42l6+ooo

 唯『さぁ、みんな座るザマス』キリ 

 律『なんだ?』 

 唯『これから授業を始めるザマス』キリ 

 澪『どうしたんだ?』 

 唯『私語は厳禁ザマス』キリ 

梓「・・・これは授業を始めるんですか?」 

澪「うん・・・グダグダだったけどな」 

唯「ちゃんとできてたもん!」 

律「むぎがな!」 

紬「教壇に立つの楽しかったわ~」 

梓「むぎ先輩も? 早送りしましょうか」 

律「ものの数分だ、待て」 

唯「あず・・・にゃん・・・」シクシク 

 澪『え・・・、き、きりーつ!』 

 ガタガタ 

 唯『今なんて言ったの~?」 

 澪『? きりーつ・・・?』 

 唯『きを取って下さい』 

 澪『りーつ』 

 律『うわ、くだらねぇ』 

梓「・・・ふぁ」 

律「・・・・・・ふぁ」 

唯「ちょっとー!」プンスカ 

 唯『和ちゃんもう一回貸して』 

 和『え・・・』 

 『楽しみですね』 

 唯『はい、むぎちゃん』 

 紬『ありがと~』スチャ 

 修治『メガネかけなきゃ教壇に立てないルールか』 

 紬『それでは相対性理論について述べるザマス』 

梓「いいですね」キラキラ 

紬「和ちゃんのメガネには魔法が」アセアセ 

澪「そ、そうなんだ」 

律「なんの魔法だよ」 

唯「帰ったら貸してもらおう」
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:17:15.67 ID:w42l6+ooo


修治「どうしたんですか?」 

菜々子「うーん、中に入りづらい・・・」 

修治「あ、なるほど」 

菜々子「くつろごうかと思ったけど、遠慮しておくか」 

スタスタ 

修治「・・・」 







唯「おや」 

紬「まぁ」 

 唯『う・・・ん・・・』 

 紬『・・・ん・・・』 

 和『・・・』 

 唯『さんかく・・・』ムニャムニャ 

 紬『じょうぎでも・・・』ムニャムニャ 

 和『共有してるのかしら』 

澪「共有してた?」 

唯「えーと・・・」 

紬「わたしの夢は澪ちゃんがりっちゃんのオデコの面積を測ってたの」 

唯「私はりっちゃんが澪ちゃんの宿題の三角関数を解いてる夢を」 

律「なるほど、一応繋がっているわけか」 

梓「二人が出てきただけじゃないですか」 
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:18:20.18 ID:w42l6+ooo

 和『あら、また会ったわね』 

 紬『カメラ回しているんですか?』 

 『エェ、消す事はいつでも出来ますから、たくさん撮っておくネ』 

 和『どのくらいの景色を撮ってきたの?』 

 紬『知りたいです!』 

 『そうですネ~、たくさんとしか言いようが無いですワ』 

 和『その表現だと相当な量なんでしょうね』 

 『テープが増えるほど ワタクシの中の風景も増えていくヨ』 

 紬『おぉー』キラキラ 

律「言葉一つ一つに重みがあるな」 

澪「うん・・・」 

唯「・・・うん」 

 『部長サンの姿が見えませんガ・・・』 

 和『律は今、風邪ひいちゃってね・・・』 
  
 紬『今は澪ちゃんが看病しています』 

 『それなら、後でお見舞いいくネ』 

 和『嬉しいわ、ありがと』 

 紬『ありがと~』 

律「・・・ふむ」 

澪「照れてる」 

梓「風邪ひいてたんですね」 

紬「みんな心配してくれたのよね」 

唯「うんうん」
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:18:48.43 ID:w42l6+ooo

 『オー!ミオさんじゃないですカ!』 

 澪『』ササッ 

 『アッハハ、カメラ回しているのバレちゃいましたネ』 

 澪『・・・』ジー 

 『このまま撮っていてもイイデスネー』 

 澪『』ササッ 

 『座席に隠れていても、ワタクシがそこへ回れば撮られてしまいますヨー』 

 澪『・・・ちょっと恥ずかしい・・・』 

 『展望車で演奏してるミオさんはカッコよかったデスヨ』 

 澪『あ、あの時はみんなといるから・・・』 

 『大丈夫ネ。今のミオさんもとっても可愛いネ』 

 澪『』プシュー 

 『ワタクシは旅の記憶を撮り続けたいとオモッテイマスヨ』 

 澪『記憶・・・?記録じゃなくて・・・?』 

 『そうともイイマスネー』 

 澪『・・・私も写真撮るの好きだから・・・なんとなく分かる・・・かも』 

 『そうですカ?ミオさんもワタクシの大切な記憶に残しておきたいと思っているヨ』 

 澪『・・・』 

 『だから、出てきて欲しいヨ』 

 澪『・・・う、うん・・・分かった』モジモジ 

 『コレガ大和撫子ですネ!』 

 澪『』プシュー 

 『奥ゆかしい日本の女性デスワ』 

 澪『』シュー 

澪「・・・っ」 

紬「・・・」 

律「記録じゃなくて記憶って言ったのはそういう事だったのか」 

唯「なるほどー」 

梓「・・・」
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:19:18.25 ID:w42l6+ooo

 紬『こっち席あいてますよ~』 

 『いいのー?』 

 澪『どうぞ』 

 唯『どうぞどうぞ』 

 『お言葉に甘えるネ』 

 和『どうしてこの席だけ6人も座れるのよ?』 

 紬『それはですね~』 

 唯『フッフッフ~』 

 けさみ『唯さんが無理を言ったからですよ~』 

 『無理言ったんだ、唯ちゃん』 

 唯『言いました』エヘン 

 和『ご迷惑をお掛けして、すいません・・・』 

 澪『保護者だな・・・』 

 けさみ『いえいえ~、ブイ!』 

律「はは、カメラにピースしたぞこのウェイトレス」 

唯「けさみちゃんノリいいよね~」 

紬「いつも気さくに話しかけてくれるのよ~」 

梓「店員さんとも仲良くなってたんですね」 

澪「うん・・・」 

紬「・・・紅茶淹れてくるね」 

梓「あ、それじゃ止めましょう」 

律「そうだな」 
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:19:48.45 ID:w42l6+ooo

唯「むぎちゃん、再生していい~?」 

紬「いいよ~」 

ピッ 

梓「やっぱり、むぎ先輩の紅茶はおいしいです」ズズー 

 唯『おまちになって~』キャッキャ 

 律『捕まえてごらんなさ~い』ウフフ 

 唯『そ~れ』バシャ 

 律『きゃ、冷た~い』 

梓「ゴホッ、ゴホッ」 

唯「だいじょうぶ~?」サスリサスリ 

梓「・・・な、なんとか」 

律「むせさせた張本人が背中をさするなんて、変な光景だけどな」 

澪「それを突っ込んでるお前も変だけどな」 

紬「変な循環ね~」 
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:20:18.23 ID:w42l6+ooo

 『オー、角から姿を現したのはニンジャですネ』 

 唯『分身の術!』ドロン 

 律『一号!』ササッ 

 紬『二号っ!』ササッ 

 澪『・・・』 

 『・・・さ、三号・・・』カァ 

 律『ほら、澪』ツンツン 

 澪『えぇー・・・、よ、四号・・・』カァ 

 『あっはは、みんなノリがいいんだー!』 

 『部下を引き連れた頭領が現れましたネ』 

 さわ子『だれが頭領よ!』 

律「さわちゃんの初登場がこれなのか・・・」プクク 

唯「さわちゃん」プクク 

澪「ポジションは当たってるからな」 

梓「そうですね」 

紬「・・・」 
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:20:46.21 ID:w42l6+ooo

律「あ、兼六園か」 

澪「梓、早送りしていいよ」 

梓「?」 

唯「どうして?」 

紬「どういう・・・」 

 『やはり部長サンがいると、ミナサン元気ですネ』 

 『あ、それあたしも思ったよ!』 

 澪『騒がしいだけですよ』 

 『イイエー。ユイさんもミオさんもツムギさんも一つになりますネ』 

 『そうそう、あ、梓ちゃんもじゃないかな』 

 『ソウデスネ。展望車の演奏はよかったデスヨ』 

 澪『はは、なんか照れくさいな』 

 『どうしてミオさんがテレますカ?』 

 『律さんの相棒だもんね!』 

 『ナルホドー、冴えてマスヨー』 

 『えっへっへ』 

 澪『・・・』テレテレ 

紬「まぁ」キラキラ 

唯「なるほどぉ」 

梓「・・・あぁ、なるほど」 

澪「・・・」 

律「こそばゆいんだけどもー」テレ 
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:21:21.96 ID:w42l6+ooo

 『あ、ごんばんは』 

 『こんばんはですワ』 

 さわ子『こんばんは』キラキラ 

 『オー、頭領の雰囲気が変わってますヨ。どうしましたカ?』 

 さわ子『ここカットね』 

 『さわ子先生。練習を・・・』 

 さわ子『シャワー室で発声練習でもしてきなさいな』 

 『分かりました!』メラメラ 

 さわ子『ちゃんとお湯を出して練習するのよ』 

 『はい』 
  
 テッテッテ 

 さわ子『しょうがない子ねぇ・・・』 

 『練習熱心なのはいい事だと思いますワ』 

 さわ子『うちの子たちにも見習わせたいわねぇ』 

律紬澪唯「「「「 うっ 」」」」 

梓「・・・」 

 さわ子『さ、撮り直しお願いね』 

 『いいですワ』 

 さわ子『こんばんは、私山中さわ子と申します』 

 『・・・』 

 さわ子『桜が丘高校の教師をしています。教え子たちの引率としてこの列車に乗りました』 

 『・・・』 

律「編集されてないぞー、さわちゃーん」 
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:23:14.49 ID:w42l6+ooo

 車掌『あら』 

 『こんばんハ~』 

 車掌『ふふっ、ごんばんは』 

 修治『展望車で練習するから顔出してってさ』 

 『オーケーですワ』 

 車掌『人を集めたほうがいいのでしょうか?』 

 修治『そうですね。人が多いほうが慣れやすいと言ってました』 

 車掌『!』ピコーン 

律「なにか閃いた表情したぞ」 

梓「どうしたんでしょうか」 

紬「うふふ」 

澪「むぎ、知ってるのか?」 

唯「教えて教えて~」 

紬「車内放送よ~」 

唯「あー、そうか~」 

梓「車内放送?」 
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:23:51.20 ID:w42l6+ooo

 『オー、頭領サンとツムギさんですネ』 

 さわ子『誰が頭領よ!』 

 エレナ『違いマシタカ?』 

 さわ子『全然違うわよ』 

 紬『ボスよ』 

 『オー、しっくりきましたネ。BOSS』 

澪「言い始めたのむぎだったのか・・・」 

紬「うふふ」 

唯「そうだったのか~」 
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:24:24.02 ID:w42l6+ooo

 さわ子「シンデレラエクスプレスよ!」 

 律『さて・・・真面目に考えるか』 

 紬『そうね』 

 澪『放課後ティータイム+ストロベリーはどう?』 

 律『さわちゃんと大差ないじゃないか』 

 澪『ダメ?』 

梓「HTTFの名前を決めているんですね」 

律「そうだぜ、てかこの時さわちゃんを無視しなければあの衣装着なくて済んだのか」 

澪「さわちゃんの相手しろよりつー!」 

紬「澪ちゃん、届かないわ」 

唯「・・・そうだよ、りっちゃんはもう届かない所にいるんだよ。澪ちゃん」 

律「あれー、キミたちとの距離を感じたぞー」 
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:24:56.93 ID:w42l6+ooo


 『キタカミさんですネー!』 

 緑『・・・』 

 紬『あ、北上さんも展望車で練習を見て行きませんか?』 

 緑『・・・』 

 『北上さんは音楽嫌い~?』 

 緑『別に・・・』 

 『じゃあ、紬ちゃんたちのバンドにも興味ないー?』 

 緑『・・・』 

 紬『・・・?』 

 『・・・なるほど~』ニヤリ 

 緑『・・・ふん』 

 スタスタ 

 『今のはブンセキですカ?』 

 『そのと~り!さっき調査した時に思った事があったんだ~』 

 紬『分析?』 

 『別に・・・と反応示したら、少しでも興味あるって事。無反応はそのまんまの意味だよ~』 

 『ナルホドー!』 

 紬『・・・?』 

 『感情を出さない無口な人だけど、質問を巧く使えばどう思ってるのかは答えてくれるんだよ~』 

 紬『それじゃ・・・私たちのバンドには興味ないのね・・・』ションボリ 

 『アッハッハ~、まだ演奏聴いてないからショウガナイネ』 

 『そうそう!これから興味もってもらえばいいんだよ~!』 

 紬『な、なるほどー!私たち頑張ってみる!』 

 『その意気ですワ』 

澪「観察力するどいな」 

律「あ、あぁ・・・」 

梓「ライブ後のむぎ先輩の質問はこういう意味だったんですね」 

紬「そう。少なからず興味は持ってくれたみたいね~」ニコニコ 

唯「もっと聞いて欲しかったな~」 
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:25:39.46 ID:w42l6+ooo

 紬『・・・では。3』 

 唯『2!』 

 律澪修治『『『 1! 』』』 

 バサッ 

 梓『私ですっ!』ジャジャーン 

 唯『あずにゃん!?』 

 澪『梓!?』 

 律『梓!!』 

 さわ子『ほほぅ』 

唯「あずにゃんが現れた時はびっくりしたよ~」 

梓「むぎ先輩が手品をするから、と」 

紬「丁度一発芸大会が始まっていたからよかったわ~」 

律「前夜祭はあるけど、練習風景はないのな」 

澪「そうだな・・・」 
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:26:10.28 ID:w42l6+ooo

梓「あれ?」 

澪「名古屋城のライブは撮ってないのか・・・」 

律「まぁ、しょうがないなー」 

 さわ子『あの子たち知らないのよね?』 

 『そうみたいだね~』 

 和『なにか企んでますか?』 

 さわ子『観覧車でドカーンよ』 

 修治『観覧車をドカーン!?』 

 ゴスッ 

 修治『いって!』 

 さわ子『犯行予告じゃないのよ』 

 『観覧車で花火をケンブツするのデスネ!?』 

紬「後で聞いて背中がヒヤリとしたわ~」 

唯「ほんとだよ、一人で観覧車に乗せるなんて・・・」シクシク 

梓「想像して寂しくならないでください」 
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:26:46.52 ID:w42l6+ooo

 ドーン 

 ドドォーン 

 紬『さぁ、花火と夜景とイルミネーションをご堪能あれ~』 

 『あれ、むぎさん・・・?』 

 さわ子『どうしてむぎちゃんがカメラ持ってるのよ』 

 和『・・・』 

 紬『預かりました』 

 『私たちより外映した方がいいんじゃない?』 

 さわ子『この企画は私のアイディアよ?そこんところ』 

 和『むぎ、大きいの連発でくるわ』 

 紬『よしきたー』 

 ドドーン 

 ドーン 

 ドドドドドォーン 

 『キレイ・・・』ウットリ 

 和『いい景色だわ』ウットリ 

 紬『・・・』 

 さわ子『・・・ま、いいか』
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:27:20.89 ID:w42l6+ooo

 ドーン 

 ドドーン 

 紬『あのね・・・』 

 和『・・・?』 

 さわ子『・・・』 

 『むぎさん?』 

 紬『梓ちゃんが言ってたんだけど・・・』 

梓「・・・?」 

律「・・・」 

澪「・・・」 

唯「・・・?」 

紬「あ・・・」 

 紬『これだけの灯りの下に人がいると想ったら不思議な気がするんだって』 

 『・・・』 

 和『へぇ・・・』 

 さわ子『・・・』 

 『家の灯りの数だけそれぞれ生活があるのよね』 

 紬『・・・うん』 

 ドーン 

 ドドーン 

 ドォーン 

澪「へぇ・・・」 

律「なるほど・・・」 

唯「ぅ・・・っ・・・ひっく・・・」シクシク 

梓「どうして泣くんですか」 

紬「うふふ」 
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:27:54.12 ID:w42l6+ooo

 一同『『『 カンパーイ! 』』』 

 唯『みんなで大宴会だね!』 

 律『そうだな!』 

 紬『この手羽先おいし~』 
  
 澪『本当だ!』 

 梓『わ、私も!』 

 純『こ、これは!』 

 憂『エビフライおいしいね純ちゃん』 

 さわ子『名古屋コーチンの串刺しもおいしいわ』モグモグ 

 和『名古屋名物揃ってますね・・・』 

 『もぐもぐ』 

澪「食べながら撮ってる・・・」 

唯「おいしそう・・・」ジュルリ 

梓「・・・さっき食べたじゃないですか」 

律「料理長の腕は本物だからなー」 

紬「うんうん」 
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:28:27.93 ID:w42l6+ooo

紬「枕投げ大会改め、ボール投げ大会ね~」 

律「この後、さわちゃんが暴れるんだよなぁ」 

 さわ子『大間違いって言ったでしょぉおー!』 

 和『和をもって貴しとなす、ですよ』 

 憂『キレイに纏めたね』 

 さわ子『纏まってないわよぉおー!!」 

 シュンッ シュンッ シュンッ 

 律『あ、って!』ポコポコッ 

 和『落ち着いて・・・くださいっ』サッ 

 澪『った』ポコッ 

 『さ、さわ子先生、落ち着いて』サッ 

 さわ子『・・・補充ッ!』 

 秋子『どうぞ~』 

 唯『あー!秋子ちゃんずるいー!』 

 さわ子『そりゃっ!』 

 唯『甘いよさわちゃん!』ポコッ 

 梓『当たりましたよ』 

 シュン シュンッ 

 紬『きゃっ』 

 純『私が紬先輩を守』 

 ポコッ 

 律『・・・それは私の役目・・・だぜっ』 

 バタン 

 紬『り、りっちゃん!』 

 純『律先輩!』 

 さわ子『許さないわよっ』 

 シュンッ 

 ポコッ 

 律『って・・・』 

 和『死人に鞭ね・・・』 

 澪『』ブルブル
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:28:59.21 ID:w42l6+ooo

 さわ子『補充ッ!』 

 秋子『どうぞ!』 

 さわ子『そりゃそりゃ!』 

 梓『我を忘れている・・・』 

 修治『みんなは俺が守るぜ!』バシーン 

 『修治くん!』 

 澪『鳥羽さんっ!』 

 梓『私たちの盾になってくれるんですねっ』 

 紬『いまのうちよみんな!』 

 修治『ふふっ・・・』ポコッポコッ 

 律『そうだな・・・今のうちに』 

 純『鳥羽さんに当てろー!』 

 紬『えいっ』ポイッ 

 澪『それっ』ポイッ 

 梓『とりゃ』ポイッ 

 唯『このうらみはらさでおくべきかー』ポイッ 

 和『うらみあったのっ?』ポイッ 

 憂『ないけどっ』ポイッ 

 純『とりあえずっ』ポイッ 

 『私も投げとくっ』ポイッ   
   
 律『おりゃーーー!』ブンッ 

 ポコポコポコポコポコポコポコポコ バシッ 

 修治『もうやだ・・・』シクシク 

 秋子『先生は投げないんですか~?』 

 さわ子『・・・さすがにねぇ』 

梓「鳥羽さんに対する扱いひどいですよね」 

紬「そ、そうね」 

唯「う、うん」 

律「悪いと思うから悪いんだぞー」 

澪「悪いことしたんだけど・・・」 
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:29:33.11 ID:w42l6+ooo

 澪『はい。仙台で買ったペンダントです』 

 『ヤッパリ似合いますネー』 

 梓『はい、蒼く輝いてて綺麗です』 

 澪『あ、ありがと』テレ 

澪「あ・・・」 

ギュ 

 梓『旅のいい所ってなんでしょうか・・・?』 

 澪『・・・』 

 『ワタクシは、過去の思い出と、今の景色と、未来の期待が一度に得られるところがよいデスネ』 

紬「おー」 

唯「おぉー」 

律「おおぉー」 

梓「・・・」 

 『そんな事ナイですネ。ミオさんの今までの経験は薄いとは思えませんワ』 

 澪「・・・そうですか?』 

 『もちろんですワ』 

 澪「旅を続けていると成長していけるような気がする・・・かな』 

 『ワタクシと同意見ですワ』 

澪「・・・」 
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:30:09.63 ID:w42l6+ooo

梓「」ウトウト 

紬「」ウトウト 

 『さぁ、列車に戻りまショー』 

 『比叡山よかったねえ~』 

 風音『そうですね。京都はいいところでした』 

 唯『うんうん』 

 梓『・・・次は大阪ですね』 

 紬『もう後半戦ね・・・』 

 律『そっかー』 

 澪『・・・』 

 『旅が続く限り旅は終わらないネ』 

 『お~』 

 修治『名言っぽいけど、そのまんま』 

 ドカッ 

 修治『いってっ!なにすんだ!』 

 『修治くんが悪いこというからだよー!』 

 律『そうだぞ、ちょっとこの寺で鍛えなおしてもらって来い!』 

 唯『そうだよ~。修治くんはちょっと精神的に幼いよ』 

 梓『でも、どうして山の上に寺なんて建てたんでしょうね』 

 澪『山の上だからだよ』キリ 

 風音『なるほど・・・』 

 ピノ『ピピッ』 

 紬『・・・うんうん』 

唯「眠くなってきちゃった・・・」 

澪「部屋戻る?」 

唯「ううん、最後までみるよ」 

律「そうか・・・」 
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:31:02.39 ID:w42l6+ooo

梓「」スヤスヤ 

紬「」スヤスヤ 

律「はは、仲良く寄り添って寝てるな」 

唯「うん」 

澪「あ・・・もう日付かわってたのか・・・」 

 梓『なるほど、いいですね』 

 『オー、なにをしてますカ?』 

 澪『ちょっとむぎを待ってて』 

 律『一緒に大阪観光決めようぜ~』 

 『エト、これから編集作業に入るヨ、ごめんなさいネ』 

 唯『それじゃ、しょうがないね~』 

 静花『まったく、菜々子さんときたら』プンスカ 

 梓『どうかしたんですか?』 

 静花『あら、あなたは先ほど手伝ってくれた・・・、中野梓さんでしたわね』 

 梓『は、はい・・・』 

 律『私は田井中律!』 

 澪『秋山澪です』 

 唯『平沢唯!』 

 唯律『『放課後ティータイムです!』』 

 梓『むぎ先輩がいないじゃないですか!』プンスカ 

 澪『まぁまぁ』 

 静花『ふむ・・・。仲がよろしいんですのね』 

 菜々子『年下相手に迷惑かけてんじゃないよ』 

 律『姉御~!』 

 澪『だから、なんなんだそれは』 

 唯『姉御は姉御なんだよ!』 

 静花『あなたたち、ちょっと来ていただけますか?』 

 律澪唯梓『『『『 え? 』』』』 

 菜々子『相変わらず傲慢女だね』 

 『ワタクシワこれで失礼するヨ・・・ミナサングッバーイ・・・』 

 澪『あ・・・』 

律「この後アレに巻き込まれたんだよなぁ」 

澪「あ・・・はは・・・」 

唯「でも面白かったからいいいよね~」
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:31:43.30 ID:w42l6+ooo

梓「」スヤスヤ 

紬「」スヤスヤ 

車掌「みなさん、よろしいでしょうか?」 

律「あ、ごめん車掌さん・・・もう見終わったから・・・」 

澪「すいません・・・今消しま」 

 唯『みなさんこんにちはー!放課後ティータイムです!』 

 『『 オォー! 』』 

 唯『ヴェガの乗客のみなさん、来てくれてありがとー!』 

律「あ・・・」 

唯「撮ってたんだね・・・」 

澪「・・・」 

車掌「今晩はこちらでおやすみください」 

澪「いいんですか?」 

律「・・・」 

車掌「えぇ、まだ終わってないみたいですから」 

唯「車掌さん・・・ありがとうー」 

車掌「あとでかけるものお持ちしますね」 

スタスタ 

律「最後はみんなで寝るか」 

唯「うん!」 

澪「まだ終わってない・・・か」 

 唯『 キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI 
    揺れる思いはマシュマロみたいでふわ☆ふわ 
    いつもがんばるキミの横顔 ずっとみてても気づかないよね 
    夢の中なら二人の距離縮められるのにな 』 
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:32:28.46 ID:w42l6+ooo

 唯『みなさん、おまたせしました。・・・あぁっ!むぎちゃんの肩にリスちゃんが乗ってる~!』 

ファサ 

紬「う・・・ん・・・」 

静花「あら、起こしてしまいましたわね」 

紬「静・・・花・・・さん?」 

律「・・・私らだけじゃなんだからって、付き合ってくれるんだってさ」 

菜々子「そういう事」 

ファサ 

梓「」スヤスヤ 

 『ノン・トロッポ』 

  ポンポンポロポロ 

 『 心を映し出す 丸い月 赤くやんなり浮かぶ 誰にも知られず 
     私を形作るすべてが 涙をもっていると 誰にも言えずに  』 

紬「あ・・・名古屋のライブ・・・」 

唯「うん、撮っててくれたみたい」 

澪「・・・」 

菜々子「・・・」 

静花「・・・」 

 『 私は自分を愛してゆきたい 
   新しい私に「おはよう」と言った  
   あの日の真っ赤な月など忘れて 
   このまま 幸せ 思う数 私 素直になれる』 

菜々子「いい曲だな」 

静花「そうですわね」 

澪「・・・」 

紬「・・・」 

律「・・・」 

唯「・・・っ」グスッ 

梓「ん・・・」 

 『 いつしか手を振る 昔の私に あなたも私も 恐れを知らない 
   過去には縛られずに 背を向け サヨナラと 歩く 私の軌跡 
   サヨナラ 』 

 ジャ ジャジャン 

澪「・・・終わった、な」 

唯「終わったね・・・」
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:33:09.28 ID:w42l6+ooo

律「どうだった、みお?」 

澪「え?」 

紬「・・・」 

梓「・・・」 

律「今の演奏だよ、私が抑えてると思ったのかー?」 

澪「・・・っ・・・ううん、みんな・・・で」グスッ 

紬「・・・」 

澪「みんなと、走ってるような気がした!」グスッ 

律「へへっ、そういう事だ!」 

紬「うんっ!」 

唯「そうだよ!」 

梓「そうです!」 

紬「あずさちゃん、起きちゃったの?」 

梓「最後まで見たです!」 

律「寝てたぞ!」 

唯「あ~、終わっちゃった~!」 

澪「あぁ・・・、終わったな・・・」 

紬「・・・」 

静花「終わってませんわよ?」 

紬「え?」 

菜々子「画面だよ」 

律「あ・・・」 

 唯『それじゃあね~、アンコールにお答えしまして、ホッチキス、ボールペン、カレーのメドレ~で行きます!』 

 憂『わたしの恋はホッチキス』 

 和『ふでぺん~ボールペン~』 

 純『カレーのちライスー!!』 

 秋子『きゃー!」 

 風音『曲調が一変しましたね・・・!』 

律「ちぇー、楽しそうに演奏しやがってー」 

澪「ははっ、本当だな」 

紬「うふふ」 

唯「本当だよね~」 

梓「・・・はい」 
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:33:40.17 ID:w42l6+ooo

梓「・・・」ジー 

紬「」スヤスヤ 

唯「」スヤスヤ 

澪「」スヤスヤ 

律「」スヤスヤ 

静花「」スヤスヤ 

菜々子「」スヤスヤ 

梓「・・・」スッ 

スタスタ 

菜々子「・・・ん?」 
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:34:27.19 ID:w42l6+ooo

梓「・・・ん~」ノビノビ 

シーン 

梓「夜の人気の無いホームって・・・怖いかも」 

菜々子「だったらどうして外に出るのさ」 

梓「あ、すいません・・・、起こしちゃいましたか?」 

菜々子「それはいいんだけどさ・・・ふぁ」 

梓「・・・」 

菜々子「どうしたの?」 

梓「・・・・・・・・・外の空気を吸いたくなったので・・・」 

菜々子「・・・」 

梓「菜々子さんはどうして・・・?」 

菜々子「どうして付き合ってるのかって?」 

梓「は、はい」 

菜々子「車掌と修治に頼まれたからだよ」 

梓「鳥羽さんも・・・ですか?」 

菜々子「あぁ、点数稼ぐチャンスだってさ」 

梓「あの勝負の・・・」 

菜々子「アイツ口巧いけど、不器用すぎるな。素直に心配だからって言えばいいんだよ」 

梓「・・・そうですね」 

菜々子「知ってたんだ?」 

梓「一応長い旅仲間ですから」 

菜々子「へへっ、そっか」 

梓「・・・」 

菜々子「・・・」 

梓「・・・」 

菜々子「そんな顔して、どうしたんだ?」 

静花「やはり菜々子さんはダメですわね」 

梓「あ・・・」 

菜々子「ダメとは・・・?」フルフル 

静花「聞き出すにはやり方がございましてよ。休戦中ですわ、拳を解しなさいな」 

菜々子「ケンカ売っといて・・・。どうして起きてきたのさ」イライラ 

静花「あなたの足音で起きない地球人はいませんわ」 

菜々子「じゃあ私がジャンプしたらどうなるってんだよ・・・」ワナワナ
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:35:04.67 ID:w42l6+ooo

梓「・・・」 

静花「続きは明日ですわ」 

菜々子「・・・しょうがない」  

梓「・・・」 

静花「・・・」 

菜々子「・・・」 

梓「・・・」 

静花「・・・」 

菜々子「・・・」 

梓「・・・」 

静花「・・・」 

菜々子「おい、ダメじゃない方」 

静花「な、なんですの?」 

菜々子「待ってても切り出してこないじゃないか」 

静花「しずかになさい」 

梓「・・・」 

菜々子「・・・」 

静花「・・・」 

梓「・・・・・・」 

菜々子「あ、あのさ梓?」 

静花「ど、どうなさいまして?」 

梓「・・・」 

律「むぎの事だろ・・・?」 

静花「え・・・?」 

菜々子「律・・・?」 

梓「・・・」 

律「・・・」 

静花「そうなんですの?」 

梓「・・・はい」 

菜々子「どういう事さ?」 

律「・・・」 

梓「それは・・・その・・・」 

静花「・・・」 

律「梓はどこまで行くんだっけ?」 

菜々子「?」 

梓「・・・広島で降ります」 

静花「・・・そうなんですか」
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:35:41.56 ID:w42l6+ooo

菜々子「紬ちゃんは?」 

律「最後まで行くって言ってたけど・・・」 

梓「・・・」 

静花「心配ですの?」 

梓「・・・」 

菜々子「それなら私たちがいるから・・・」 

律「多分、梓が心配してるのは・・・」 

梓「・・・」 

静花「・・・」 

律「・・・」 

梓「・・・」 

菜々子「あー、もう。今日会った私らじゃ頼りにならないかもしれないけどさ、言ってみろって」 

静花「・・・」 

律「そうだな、私も梓がどこまで考えているのか分かってないや」 

梓「・・・はい」 

菜々子「・・・」 

静花「・・・」 

律「・・・」 

梓「不安なんです」 

「・・・!」 

静花「不安?」 

梓「・・・はい。むぎ先輩、たまにいたずらで隠れたりするじゃないですか」 

律「う、うん。あるな・・・」 

静花「・・・」 

菜々子「・・・」 

梓「突然いなくなったりするから・・・ビックリするんです・・・」 

静花「・・・」 

梓「部室で見るむぎ先輩の笑顔はとても幼くて、安心するんですが」 

菜々子「・・・」 

梓「最近はその笑顔がとても儚げで・・・、むぎ先輩がどこか遠くへ行っちゃうみたいです」 

静花「・・・」 

律「・・・」 

菜々子「・・・律もそう思うのか」 

律「・・・私はちょっと違ったかな」
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:36:16.42 ID:w42l6+ooo

梓「・・・」 

静花「・・・」 

菜々子「ちょっと?」 

律「名古屋のライブ映像がありましたよね?」 

静花「えぇ・・・」 

律「そのライブに向けて練習してた時は演奏に打ち込めていたから、気にならなかったんだけど」 

梓「・・・」 

律「名古屋でさわちゃんたちが降りて、京都と大阪で立て続けに別れがあって」 

静花「・・・」 

律「それから、梓とは違うけど違和感っていうか・・・なんていうか」 

「・・・」スッ 

菜々子「・・・ふむ」 

静花「・・・」 

梓「律先輩は広島に到着次第降りるんですか?」 

律「あぁ・・・、そのつもり」 

梓「そうですか・・・」 

静花「・・・」 

菜々子「どうするんだよ静花?」 

静花「なにがですの?」 

菜々子「これから勝負であの子に関わるのは、この子たちにも失礼になるんだぞ」 

静花「あら、あなたお遊びでしたの~?」 

菜々子「あのなぁ」 

静花「安心なさいなお二人さん、私がきっちり面倒みてさしあげますわ」 

菜々子「おまえってやつは」 

律「・・・賑やかなほうが笑っていられていいかもな」 

梓「・・・・・・そうですね」 

静花「ほらごらんなさい。菜々子さんあなた、まだ進化途中ですわよ」 

菜々子「明日、覚えておけよ・・・」ワナワナ 
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:36:48.64 ID:w42l6+ooo

澪「・・・」 

唯「むぎ・・・ちゃ・・・」ムニャムニャ 

紬「・・・ず・・・っと」ホロリ 

澪「そんな顔似合わないぞ、むぎ」フキフキ 

紬「・・・ふ・・・ふ」ムニャムニャ 

澪「・・・・・・今度は笑ってる」 

唯「」スヤスヤ 

紬「・・・・・・し・・・ま・・・」ムニャムニャ 

澪「・・・?」 

律「起きてたのか」ヒソヒソ 

梓「どうしたんですか?」ヒソヒソ 

澪「・・・目が覚めて、な」 

律「とっとと寝ようぜ」ヒソヒソ 

梓「そうです・・・」ヒソヒソ 

澪「・・・う、うん」 

唯「」スヤスヤ 

紬「」スヤスヤ 

律「・・・ふぁ」 

梓「・・・」 

澪「・・・」 

律「」ウトウト 

梓「・・・」 

澪「・・・」 

律「」スヤスヤ 

澪「あの二人は・・・?」 

梓「小競り合いしてます」 

澪「そ、そっか」 

律「」スヤスヤ 

唯「」スヤスヤ 

紬「」スヤスヤ 

梓「・・・寝付けないです」 

澪「・・・うん」 

梓「そうだ・・・」 

ピッ 

  『え~、私たちは今、夢の超豪華特急列車ヴェガに乗車していま~す』 

澪「・・・眩しくない?」
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:37:29.25 ID:w42l6+ooo

梓「誰かが起きたらすぐ消します」キリ 

澪「・・・うん」 

ピッピッ 

 紬『それでは相対性理論について述べるザマス』 

梓「よし・・・」 

澪「そこ見たいだけなんじゃないのか・・」 

 紬『という事で光の速さは誰が観測しても常に一定なの~」 

梓「・・・」フムフム 

澪「・・・」 

 紬『光速で移動できる宇宙船に乗って10年旅をして、地球へ帰ってくると70年の時間が経っているのね』 

 『浦島効果ね』 

 憂『昔話ではそういうお話多いですよね』 

 修治『聞いたことあるな』 

梓「」ウトウト 

澪「まるで絵本を読み聞かせた子供だな・・・」
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:38:18.84 ID:w42l6+ooo

菜々子「・・・まったく」ブツブツ 

澪「あ、静花さんは・・・」 

菜々子「私が寝るまで外にいるんだと、バーカだね」 

澪「あ、はは」 

梓「」スヤスヤ 

 紬『・・・そうね・・・それじゃ南国の話を一つ』 

 澪『・・・あ、口調が戻ってる』 

 和『おかえり、澪』 

菜々子「ありゃ、まだみてんのか」 

澪「あ、もう消します」 

菜々子「気にしないで、見ててもいいよ?」 

澪「・・・いえ」 

 紬『・・・飲み物が日本で言う縁側に用意されているの』 

 唯『お茶!?』 

 律『ティータイム!?』 

プツッ 

澪「・・・」 

菜々子「・・・」 

澪「・・・」 

菜々子「面白い事やってたんだね」ヒソヒソ 

澪「はい・・・、とても・・・楽しくて、とても・・・」 

菜々子「・・・」 

澪「・・・たの・・・しか・・・た」 

菜々子「はは、二回言ってるよ」 

澪「」ウトウト 

菜々子「・・・おやすみ」 

澪「」スヤスヤ 




11日目終了--------

920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:33:20.81 ID:w42l6+ooo

8月12日 





カンカンカン! 

唯「ん~?」ボケー 

律「・・・なんだ・・・?」ボケー 

静花「・・・うるさいですわね」ボケー 

修治「朝だー!」 

カンカンカン! 

ゴスッ 

修治「いでっ!」 

菜々子「勝手にフライパン使ってんじゃないよ!」 

修治「いつつ・・・、けさみさんに断ったよ?」 

菜々子「料理長に断れよ・・・な?」ギロ 

修治「・・・はい」 

菜々子「こい」グイッ 

修治「あの・・・どこへ・・・?」ズルズル 

菜々子「怒られるか、皿洗いかのどっちかだ」 

修治「後者でお願します」ズルズル 

律「・・・」 

唯「・・・」 

静花「・・・」 

澪「」スヤスヤ 

梓「」スヤスヤ 

紬「」スヤスヤ 

律「・・・」 

唯「なにか言ってあげなよ、りっちゃん」 

律「・・・」 

唯「ノーコメント!?」 

静花「ほら、起きなさい。朝ですわよ」 

紬「・・・ぅ・・・ん?」 

921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:34:16.32 ID:w42l6+ooo

―――――食堂車 

緑「・・・」 

紬「北上さーん、ここ空いてますよ~」 

唯「緑ちゃんおいでよ~」 

緑「・・・」 

スタ 

律「はは、違う席座ったな」 

紬「・・・」ションボリ 

唯「落ち着いて食べたいんだよ」 

澪「ここはうるさいからな」 

梓「そうですね」 

唯「静花さんは~?」 

律「後で来るってさ」 

梓「・・・」 

澪「そうだ、むぎ・・・」 

紬「なぁに?」 

澪「昨日見た夢って覚えてる?」 

紬「えーと・・・」 

律「どうしたんだ?」 

澪「いや・・・」 

紬「覚えてないわ~」 

澪「そっか、ならいいんだ。気にしないで」 

紬「?」 

修治「やぁ、おはよう北上さん」 

緑「・・・」シーン 

律「こっち空いてるぞ~」 

修治「邪魔するぜー。怒られたうえに皿洗いまでさせられたよ」 

唯「当然だす!」 

梓「北上さんに無視されましたね」 

修治「無視はされてない・・・と思う」 

澪「どういう事?」 

修治「こっちみたから」 

紬「うふふ」 

律「それでいいのか・・・」
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:35:46.10 ID:w42l6+ooo

菜々子「なにか食べるのか?」 

修治「えぇと・・・」ペラペラ 

唯「修治くんと同席するの始めてだね~」 

律「そういやそうだな」 

修治「そうだね・・・。コーヒーをブラックで」 

律「ほぅ」 

修治「やっぱりアップルティーを」 

梓「背伸びしたい気持ち・・・分かります」 

菜々子「はいよ、もう勝手に持ち出すなよ」 

スタスタ 

修治「すいません・・・」 

紬「食べないの?」 

修治「みんなを起こす前に軽く食べたからさ」 

律「うるさかったぞ、あれ」 

梓「あれ、ですか?」 

修治「フライパンでカンカン鳴らしたかったんだよね~」 

唯「うるさかったよ!」 

静花「まったくですわ」 

紬「あ・・・静花さん」 

菜々子「満席だからあの緑って子と同席な」 

静花「承知してますわ」 

修治「あ、じゃあ俺が行きます」ガタ 

静花「よろしいの?」 

修治「一人だけ飲み物ってのもあれなんで・・・」 

スタスタ 

律「ほぅ・・・、気を利かせるじゃないかー」 

澪「・・・」 

静花「お邪魔します」 

紬「どうぞ~」ニコニコ
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:36:43.49 ID:w42l6+ooo

菜々子「お好み焼きですね?」 

静花「朝からそんな重たいもの食べられませんわ」 

梓「ブフッ」 

菜々子「ジャンボパフェがお勧めですが」 

唯「おいしいよ~」 

律「あぁ、うまかったー」 

紬「・・・」 

静花「じゃあ、サンドイッチを」 

澪「スルーだ」 

菜々子「はいよ」 

静花「無愛想なウェイトレスですこと」 

紬「静・・・花・・・さんは・・・」 

静花「なにかしら?」 

紬「?」 

律「こっちみてハテナ顔されても困るぞー」 

唯「質問忘れちゃったんだね・・・あるよね・・・」 

けさみ「はいおまたせ~」 

唯「おぉ、今日は豪華だよ!」 

澪「ほんとだ・・・」 

けさみ「料理長が長旅お疲れ様~と」 

梓「アイスのサービスですね」 

静花「私に構わず召し上がりなさいな」 

律「そんじゃ」 

紬律澪梓「「「「 いただきまーす 」」」」 

律「・・・もぐもぐ」 

紬「静・・・花さんは今日どちらへ?」 

静花「どうして私の名を溜めますの?」 

紬「分かりませんっ!」 

梓「力強く濁しましたね」 

澪「・・・」 

静花「まぁ、いいですわ。異人館へ行ってみようと思ってますの」 

梓「異人館ですか」 

静花「そうですわ、エキゾチックな雰囲気が私を惹き付けます」 

律「海老反リックな雰囲気ってなんだ?」 

澪「自分で答えを見つけろ」
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:37:45.75 ID:w42l6+ooo

唯「・・・もぐもぐ」 

梓「もぐもぐ」 

紬「私たちも異人館へ行かない?」 

律「いいぞ~」 

唯「はいっ!私は万博記念公園へ行って太陽をみたいのです!」ズバッ 

菜々子「それじゃ、売店のちひろさんも行くだろうから一緒に観光したらいいよ」 

紬「おぉ~」キラキラ 

菜々子「・・・どうぞ」 

静花「ありがとう、ウェイターさん」 

菜々子「辛し入れておけばよかったね・・・」ブツブツ 

スタスタ 

律「姉御恐ろしいな」 

澪「サンドイッチに辛し・・・」 

静花「律さん、私側にまわってもよろしくてよ」 

律「あは・・・は・・・」 
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:38:36.61 ID:w42l6+ooo

静花「待たせてしまいましたわね」 

紬「さぁ、行きましょー」 

梓律「「 あれ? 」」 

唯「どうしたの?」 

澪「・・・?」 

律「まぁ」 

梓「いいです」 

唯「ん~?」 

澪「・・・」 

律「ちひろさんとは現地でいいんだよな」 

唯「そうだす!」 

紬「唯ちゃん、それ気に入ったの?」 

唯「うん」 

梓「そこは・・・うん、なんですね」 

静花「・・・元気ですわねー。私菜々子さんのせいで寝付けませんでしたわ」 

紬「どうしたんですか?」 

澪「夜遅くまで映像みていたからな」 

梓「はい。むぎ先輩の教鞭はよかったです」キラキラ 

律「・・・そうか」 

静花「行きますわよー」 

紬「は~い」 

唯「延長だね澪ちゃん!」 

澪「そうだな、楽しもう!」 

律「・・・だな」 

梓「そうです!」 

唯「違うよ、あずにゃん」 

梓「・・・」 

唯「そうだす!だよ。いちにの、さんはい!」 

梓「促されても言いませんよ?」 
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:40:19.78 ID:w42l6+ooo

―――――異人館 

唯「あー、緑ちゃんもここに来てたんだ~」 

緑「・・・」 

梓「・・・」 

紬「・・・」 

律「・・・」 

澪「・・・」 

静花「・・・」 

律「誰か喋れよ!」 

緑「列車の中でも歩き回っているみたいだけど、観光地でもそうなのね」 

律「あ、そっちが喋るんだー」 

紬「そうです!」 

梓「せっかくの旅ですからね、色々と景色をみておきたいです」 

緑「・・・別に、旅なんて日ごろの気分転換になればいいだけよ」 

唯「そうだね~、ここみたいに普段とは違った場所にくるのもいいよね~」 

静花「美しい町並みに加えて眺めも良くて・・・」 

澪「憧れますね」キラキラ 

律「乙女スイッチ入ったかー」 

静花「古い町並みでありながら、どこか新しくてそれでいて懐かしい」 

緑「・・・」 

静花「神戸という所はそんな街ですわ」 

澪「うんうん!」
927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:40:58.85 ID:w42l6+ooo

梓「共感しているみたいですね」 

紬「西洋風な家が並んでいるわね~」 

唯「異国情緒があるっていうんだよ、りっちゃん」 

律「う、うん。どうして私に言った?」 

緑「異国情緒というよりおとぎの国ね・・・」 

紬「なるほど~」 

唯「海も見えていい景色ですな~」 

律「そうでんな~」 

紬「あっちにガラス細工のお土産屋さんがあるから行きませんか?」 

緑「・・・・・・そうね」 

紬「行きましょう~」 

唯「行こう行こう~」 

スタスタ 

静花「・・・」 

梓「・・・」 

律「・・・」 

澪「・・・行かないのか?」 

律「あ、あぁ」 

梓「・・・いつもと変わりませんね・・・。気のせいだったのでしょうか?」 

律「・・・うーん、分からん」 
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:41:41.12 ID:w42l6+ooo

澪「これいいな!ママ・・・マイ母に買っていこう」 

律「マイ母ってなんだ」 

唯「これ可愛いよ~、ういに買っていこ~」 

梓「純に買って行こうかな」 

緑「・・・」 

唯「あ、これも可愛い~。和ちゃんに買うのです」 

梓「それ指揮者のタクトですよ?」 

静花「可愛い・・・ですのね・・・」 

紬「・・・」 

緑「どうしたの・・・?」 

紬「え・・・?」 

緑「・・・」 

律「誰もさわちゃんに買わないのかよー」 

唯「りっちゃんが買ってあげなよ~」 

澪「そうだな、言いだしっぺが・・・」 

梓「そんな流れで購入していいのでしょうか・・・?」 

律唯澪梓「「「「 ・・・ 」」」」ゴクリ 

律「み、みんなで選ぼうぜー」 

唯「そうだよー」 

澪「だ、だよなー」 

梓「そうですよー」 

静花「・・・慕われているのか分かりませんわね」 

律「ほら、むぎも選ぶぞ!」 

紬「う、うん!」 

緑「・・・」 

静花「・・・あなたは買いませんの?」 

緑「・・・どうでもいいわ。じゃ」 

スタスタ 

静花「・・・?」 
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:43:04.55 ID:w42l6+ooo

―――――太陽の塔 

唯「ちひろちゃーん!」 

ちひろ「唯さ~ん」 

澪「お待たせしました」 

ちひろ「今来たところですよ~」 

律「そっか、よかった」 

梓「いつの間にか北上さんがいなくなってましたね」 

紬「・・・そうね」 

梓「・・・」 

ちひろ「どうかなさったんですか~?」 

唯「緑ちゃん私たちを置いてどこかへ行っちゃったんだよ!」 

律「びっくりだよ!」 

澪「一人で観光したかったんじゃないか?」 

梓「・・・そうかもしれませんね」 

紬「静花さんも来れたらよかったわね~」 

ちひろ「忙しいんでしょうね~」 

律「あ!見ろ唯!あれが太陽だー!」 

唯「おぉ、りっちゃん!サンサンと輝いてるよー!」 

澪「それは太陽だからな。直視するなよ」 

梓「塔には興味ないのかな・・・」 

紬「太陽の塔は変な形ね」 

ちひろ「意味があるんでしょうね~」 

唯「ふふ、あの形をしている意味が分かるかな諸君」フフ 

律「・・・分かるのか唯!」 

澪「裏側回ってみようか」 

梓「そうですね」 

紬「裏?」 

ちひろ「表は有名ですけど、裏はどうなっているんですか~?」 

澪「・・・」アワワ 

梓「黒い太陽ですかね」 

紬「そうね・・・」 

ちひろ「なにか意味があるんでしょうね~」 

澪「・・・見てない見てない」ブツブツ 

梓「私たちには分からない世界ですね」 

紬「そうね~」
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:44:30.78 ID:w42l6+ooo

ちひろ「みなさん、お昼には早いですけど、サンドイッチどうですか~?」 

澪「あ、それサンドイッチだったんですね」 

紬「それじゃ、私も紅茶を~」 

梓「それ水筒だったんですか!?」 

ちひろ「ベンチに座りましょう~」 

澪「・・・あの二人どうなったんだ?」 

梓「まだなにか騒いでいますけど・・・」 

紬「りっちゃーん、唯ちゃーん」 

唯「カンガルーだね!」 

律「さすが唯だぜー!って理解できねえー!」 

唯「むぎちゃんが呼んでるよ」 

律「そうだな・・・、私らを置いていくなんて・・・」 

唯「何か食べてる!」 

律「なんだとー!」 

テッテッテ 

澪「もぐもぐ」 

梓「もぐもぐ」 

ちひろ「ごくごく」 

紬「さ、どうぞ~」 

律「あ、ありがと」 

唯「・・・もぐもぐ」 

律「のんびりしてんな~」
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:46:26.07 ID:w42l6+ooo

澪「おいしいよちひろさん」 

梓「はい、おいしいです」 

紬「えぇ、おいしいわ」 

唯「うまい!」 

律「うむ、合格だ」 

澪「・・・試験だったのか」 

ちひろ「よかった~。喜んでもらえて~」 

唯「料理上手なんだね!」 

ちひろ「これくらいしか出来ませんけど~」 

唯「私はケーキを作れます!」フフン 

ちひろ「すごいですね~」 

澪「ケーキに苺乗せただけじゃなかったか?」 

唯「ういが作れます!」フフン 

ちひろ「憂さんもすごいですね~」 

律「褒め上手なのかな」 

梓「そのまま感情に出るんでしょうね」 

ちひろ「あ、そろそろ出発ですね~」 

紬「・・・」 

唯「あ~、ついにこの時が来ちゃったよ。澪ちゃん!」 

澪「・・・そうだな」 

梓「ヴェガに戻りましょう」 

律「・・・あぁ」 
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:47:33.81 ID:w42l6+ooo

―――――ヴェガ 

紬「・・・」 

車掌「平沢唯さん」 

唯「はい」 

車掌「秋山澪さん」 

澪「はい」 

車掌「当特急ヴェガへのご乗車、誠にありがとうございました」 

唯澪「「 ありがとうございました! 」」 

紬「・・・」 

梓「・・・」 

律「・・・」 

車掌「どうか、お気をつけてお帰りください」 

唯「澪ちゃんがいるから大丈夫です!」 

澪「・・・はい」 

梓「その台詞で心配になります」 

律「・・・まったくー」 

紬「・・・」 

菜々子「じゃ、元気でな」 

澪「はい、短い間でしたけどお世話になりました」 

唯「菜々子ねえたんも気をつけて!」 

修治「ブフッ」 

菜々子「あのなぁ唯・・・」 

ギリギリ 

修治「ごふぇんなふぁい」 

秋子「寂しくなります~」 

唯「秋子ちゃん、いっつも私たちの気分を明るくしてくれたよね、ありがとう」 

澪「うん、おかげでとても助けられたよ」 

秋子「そんなことないです~」 

風音「ほら、ピノ挨拶してきて」 

ピノ「ピピッ」 

ピョン 

唯「ピノちゃん、バイバイ」 

ピノ「ピッ」 

静花「・・・意志の疎通ができてますのね」
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:48:45.66 ID:w42l6+ooo

ピノ「ピピッ」 

澪「バイバイ」 

ピノ「ピッ」 

ピョン 

風音「それでは、お二人ともお元気で」 

唯「うん!風音ちゃんも元気でね!」 

澪「ピノといつまでも仲良くな」 

風音「はい」ニコ 

紬「・・・」 

静花「帰れば会えますのよ」 

紬「!」 

梓「・・・」 

律「・・・」 

澪「・・・」 

唯「むぎちゃん!帰ったら部室で演奏しよう!」 

律「おぉ、いいなそれ!」 

澪「そうだな、憂ちゃん、和、さわ子先生、純も呼んでみんなで集まろう」 

梓「いいですね!」 

唯「あー!それ言っちゃダメだよー!!」 

澪「え・・・?」 

唯「ういと和ちゃんで密かに計画してたんだよー!むぎちゃんにありがとうをこめて~」 

律「全部言っちゃったよ」 

紬「うふふ、ありがとう~」 

唯「いえいえ~」 

梓「まだこの旅は終わっていませんよ?」 

律「演奏が始まってもいないのにな」 

車掌「そろそろ時間ですので、乗り遅れには注意してくださいね」 

菜々子「それじゃ先に乗り込むか・・・」グイッ 

修治「俺挨拶してないー!」ズルズル 

菜々子「そうか・・・」 

修治「・・・コホン。平沢さん」キリ 

唯「ん?」 

修治「秋山さん」キリ 

澪「な、なに?」
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:51:14.33 ID:w42l6+ooo

修治「楽しかったぜー!」グー 

唯「こっちもだっぜー!」グー 

澪「うん、楽しかった!」 

修治「それでは、ごきげんよう」キリ 

菜々子「それじゃ、乗り込むか・・・」グイッ 

修治「バイバイー」ズルズル 

律「なんだそりゃー」 

唯「バイバーイ!」 

澪「じゃあな」 

静花「修治さんは菜々子さんの僕ですわね。気の毒に・・・」 

秋子「さようなら~!」 

風音「さようなら」 

ピノ「ピピッ」 

唯「三人とも元気でねー!」 

澪「さよなら」 

静花「後は私どもに・・・コホン。私にお任せくださいな」 

唯「よく分からないけど、お願します!」 

澪「・・・」 

静花「菜々子さんなんてポイですわー!オーッホッホッホ」 

律「あはは・・・」 

梓「・・・はは」 

紬「唯ちゃん、澪ちゃん、気をつけて帰ってね」 

唯「むぎちゃんも体にだけは気をつけてね!」 

澪「・・・うん、気をつけてな」 

律「じゃあ帰ったら連絡するよ」 

梓「私もです!」 

唯「うん!待ってるね~」 

澪「あぁ・・・」 

紬「それじゃあね、二人とも!」 

澪「あ、待ってむぎ・・・。右手を出して」
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:51:48.62 ID:w42l6+ooo

紬「・・・こう?」 

スチャ 

澪「ブレスレット・・・持ってて」 

紬「これ・・・でも・・・」 

澪「待ってるからさ、預かってて欲しい」 

紬「うん・・・分かった」 

ギュ 

唯「それじゃ、わたしも~。これ預かっててください!」 

紬「あ・・・、キーホルダー」 

唯「えへへ~」 

紬「分かった!」 

prrrrrrrrrrr 

梓「さ、行きましょう、むぎ先輩!」 

紬「よいしょー!」 

菜々子「じゃあな!」 

静花「それでは」 

澪「・・・むぎを・・・よろしくお願します」ペコリ 

菜々子「・・・任せときなって」 

静花「・・・もちろんですわ」 

唯「みんなー、またねー!」 

律「じゃーなー」 

梓「またです!」 

紬「またね~」 

澪「・・・」 

プシュー
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:52:56.09 ID:w42l6+ooo

ガタン ゴトン 

ガタンゴトンガタンゴトン 

梓「・・・」 

律「さて、最後の道中だー!」 

紬「まずは観光ガイドね!」キラン 

梓「・・・」 

律「買いにいこうぜー」 

紬「よしきたー!」 

テッテッテ 

菜々子「・・・」 

静花「・・・」 

梓「・・・」 

菜々子「釈然としないなー・・・」 

静花「なにがですの?」 

梓「・・・」 

菜々子「どうして澪はお前を見てたんだよ?」 

静花「・・・」 

梓「・・・」 

菜々子「梓、なにか知ってる?」 

静花「私が頼りにされているからに決まってるではありませんか・・・」
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:53:25.77 ID:w42l6+ooo

梓「え・・・」 

菜々子「それはないね!」 

静花「オーッホッホッホ、それでは罰ゲームを発表いたしますわ」 

梓「もう勝負はついたんですか!?」 

菜々子「なに言ってんだよ!どうせ変なこと吹き込んだんだろ!」 

静花「あら~、そんな言い訳を用意しているなんて、あなたらしくありませんわね」 

菜々子「なんだってぇ・・・」ジロ 

梓「・・・むぎせんぱ~い、まってくださーい」 

スタス 

静花「お待ちになって」 

ガシッ 

梓「・・・な、なんですか?」 

静花「お話があります」 

梓「話・・・ですか・・・?」 

菜々子「話ぃ?」 

静花「あら、お聞きになりたいんですの?それなら頭を下げて私のいう事を聞いてくださるのなら・・・」 

菜々子「それは敗北っていうんだよ。誰が聞くか!ふんっ」 

ズンズン 

梓「・・・」 

静花「相変わらず女性としての色気を失っていますわね」 

梓「あの・・・、話というのは」 

静花「ここじゃなんですから、展望車へ」 
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:54:11.44 ID:w42l6+ooo

紬「あら・・・?」 

律「どしたー?」 

ゴソゴソ 

紬「ぬいぐるみが・・・」 

律「ぬいぐるみ?」 

ゴソゴソ 

紬「動いてる?」 

律「ん?・・・クマのぬいぐるみか・・・」 

ゴソゴソ 

紬「よいしょ」 

「・・・」モゾモゾ 

律「やけにリアルだな・・・」 

紬「暖かいわ・・・。も、もしかして・・・」 

風音「あっ!」 

律「ん?風音?」 

風音「ゴ、ゴロウ!」 

紬「ゴロウ・・・?」 

ピノ「ピピッ」 

律「なんだ、どうしたー?」 

風音「あ、あの、えぇと」オロオロ 

「・・・グァ」モゾモゾ 

紬「あらあら、やっぱりこの子本物のクマの子なのね」 

律「・・・は?」 

風音「あ、あの・・・お話があるのですが・・・。よろしいでしょうか」 

ピノ「ピッ」 
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:55:10.63 ID:w42l6+ooo

ポン ポン ポン ポン ポン ポン ポン ポン ポン 

梓「この曲は・・・」 

静花「ジムノぺディですわね」 

梓「弾いているのは北上さん・・・?」 

緑「・・・」 

ポン ポン ポン ポン 

静花「・・・」 

梓「上手ですね」 

緑「・・・」 

静花「・・・邪魔するのもなんですから、そこへ座りましょう」 

梓「はい・・・」 

静花「・・・」 

梓「・・・それで、お話とは?」 

静花「・・・紬さんの事ですわ」 

梓「・・・」 

静花「あの・・・子は、別れに戸惑いを感じていますわね」 

梓「戸惑いですか・・・」 

静花「えぇ、先ほどの唯さん、澪さんと別れるときですら、二度と会えなくる。そんな表情をしてました」 

梓「・・・」 

静花「あなた方は帰れば、会える・・・そうですわね?」 

梓「はい、そうです。帰って約束をすれば、絶対に会えます」 

静花「・・・そういう事ですわ」 

梓「え、えぇと?」 

静花「んもぅ、鈍いですわね」 

梓「はぁ・・・」 

静花「北海道から乗っていらしたんですのね?」 

梓「はい、むぎ先輩はそうです」 

静花「今までの出会いと別れを繰り返してきて、今それに戸惑いが出てきてるという事ですわ」 

梓「・・・!」 

静花「時間が経てばゆっくり受け止める事もできるでしょう」 

梓「むぎ先輩は・・・今までの別れを受けてめていない・・・?」 

静花「それは違うと思います。そんなに弱い子ではないでしょう?」 

梓「・・・」 

静花「・・・まぁ、これから先は広島、博多、最終駅で終わりですから、そこまで心配する必要もないと思いますが」 

梓「・・・」 
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:56:27.39 ID:w42l6+ooo

静花「・・・」 

梓「そう、でしょうか・・・」 

静花「・・・?」 

梓「・・・私が言った、儚い笑顔になる理由は分かりました・・・けど」 

静花「・・・」 

梓「それから今までの幼い笑顔に戻す方法が分かってません」 

静花「・・・なるほど」 

梓「・・・」 

緑「戻す必要なんてあるの?」 

梓「え・・・」 

静花「この子たちがそれを望んでいるのなら、それが重要だと思いますわ」 

緑「・・・そう。口をはさんで悪かったわ・・・」 

スタスタ 

梓「・・・」 

静花「気にする事ないですわ・・・。あの方も思い当たる節があるのでしょう」 

梓「・・・はい」 

静花「言い換えれば、紬さんはそれだけいい出会いをしてきたとも言えます」 

梓「・・・そうです。さびしくない別れは一つもありませんでした」 

静花「・・・そう、ですか」 

梓「・・・でも、どうして律先輩ではなく私に・・・?」 

静花「ヴェガで一番最初に出会ったのがあなただったから、・・・ですわ」 

梓「そうですか、ありがとうございました。むぎ先輩の所へ行ってきます」 

静花「えぇ・・・。限りある時間を大切に」 

梓「はい!」 

テッテッテ 

静花「・・・」 
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:57:43.39 ID:w42l6+ooo

―――――風音の個室 

律「・・・小熊ね」 

ゴロウ「・・・」モゾモゾ 

風音「えぇと、なにから話せばいいのか」 

紬「焦らないでいいですよ、こうなったらとことん付き合います」 

風音「・・・ありがとう」 

ピノ「ピピッ」 

律「・・・私も付き合うぜー、広島までだけど」 

風音「・・・はい」 

紬「・・・」 

風音「それでは、ゴロウと出会った時の話から・・・」 

ゴロウ「・・・」ガサゴソ 

風音「私たち家族が住んでいた所は自然が豊かな、小さな田舎だったんです」 

紬「・・・」フムフム 

風音「でも・・・、色んな会社が開発だといいながら次々と自然を壊していったんです」 

律「・・・」 

風音「ゴルフ場とかレジャー施設に変えてしまったんです。ゴロウと出会ったのはそんなときでした・・・ 
   母熊がワナにかかって・・・。ゴロウはその側で衰弱していたんです」 

律「母熊は・・・」 

風音「手遅れでした。でも・・・ゴロウはなんとか持ち直したんです」 

ゴロウ「・・・」ガサゴソ 

風音「私たち一家は自然と動物が大好きですから、ゴロウが一人で生活していけるまで面倒を見ることにしたんです」 

紬「そうだったのね・・・」 

風音「私たちはすごく仲がよくて、姉弟だって言われるくらいだったんです」 

律「懐いてるもんな・・・」 

風音「ですが、状況が変わって、私の家も開発で取り壊される事になって、街に引っ越す事になったんです」 

紬「・・・」 

風音「ゴロウを自然に帰そうと思っています」 

律「・・・」 

風音「だけど・・・私の住んでいた所はもう住みやすい場所ではないし・・・」 

紬「ヴェガに乗ったのは・・・」 

律「ゴロウが住みやすい山を探すため・・・?」 

ゴロウ「・・・」 

風音「はい・・・。引っ越す先は、ゴロウにとっていい環境ではありませんから」 

紬「・・・風音さんは、それでいいの?」
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:59:16.90 ID:w42l6+ooo

律「むぎ・・・?」 

風音「・・・まだ自然に帰すのは・・・不安ですが・・・これからは・・・オリに入れるしか・・・ないですから」 

紬「・・・本当は・・・嫌なのね」 

律「・・・」 

風音「はい・・・。だけど、これしか・・・方法がないんです」グスッ 

紬「・・・ゴロウちゃんにとって一番いい方法を選んだのよね」 

風音「でも・・・、結局捨てる事になったんです・・・。面倒がみきれないから・・・」グスッ 

律「・・・」 

ゴロウ「・・・」 

紬「そんな事ないわ、きっと分かってくれると思う。風音さんの気持ちを」 

律「そうだな・・・」 

ピノ「ピピッ」 

風音「・・・ありがとう」 

紬「それに、私誰にも言わないから!」 

律「そうだな、黙っているよ」 

風音「ほ、ほんとうですか・・・?」 

紬「もちろん!」ニコ 

律「当然!」 

風音「・・・」 

ピノ「ピピッ」 

ゴロウ「・・・」 

風音「・・・ピノが・・・みなさんを見方だと判断したのは正しかったみたいですね」 

ピノ「ピピッ」 

紬「うふふ、嬉しいわ~」 

律「ん?それだと信用してないみたいだぞー?」 

風音「い、いいえ。信用してます。でも・・・不安でした・・・」 

紬「不安・・・?」 

風音「はい・・・、ゴロウを見たら態度が変わってしまうんじゃないかって・・・」 

紬「そうね、驚いた」 

律「あぁ、ビックリしたぜー、小熊だもんな」 

ゴロウ「ガァ・・・」 

風音「ふふっ」 

紬「本当に姉弟みたいに仲がいいのね・・・」 

律「・・・私次で降りるからなぁ・・・、ちょっと心配だな・・・」 

紬「・・・うん」 

風音「・・・?」 

律「男手があったほうがこの先便利・・・頼りに・・・いや、便利でいいか」 

紬「あらら」 

風音「男手・・・?」 
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:01:16.20 ID:w42l6+ooo


修治「~♪」 

スタスタ 

律「よし、こっちに来る」 

ゴロウ「・・・」 

紬「ゴロウちゃん連れ出して・・・どうするの、りっちゃん」 

風音「あ、あの・・・」オロオロ 

律「こそこそしてる方が逆に怪しいからさ、ぬいぐるみだと思って扱おう」 

ピノ「ピピッ」 

律「大丈夫だって。修治をテストするんだよ。風音を安心させる為にもさ」 

紬「なるほど~」 

風音「で、でも・・・」オロオロ 



梓「鳥羽さん、むぎ先輩みませんでしたか?」 

修治「琴吹さん・・・?みてないなぁ」 

梓「そうですか・・・。どこへ行ったんだろ・・・」 

修治「車掌さんに聞いてみた?」 

梓「はい・・・。存じないと言われました。個室と車両全て歩いてみたんですけど・・・」 

修治「うーむ・・・」 

梓「もう一度展望車から歩いてきます。それでは」 

テッテッテ 



紬「あずさちゃん・・・」 

律「梓は後だむぎ。まずはテストから」 

風音「ど、どうするんですか?」オロオロ 

ゴロウ「・・・」モゾモゾ 

律「風音、ゴロウをここに置いて」 

風音「は、はい・・・」 

紬「大丈夫?」 

律「今、修治がここに来る以外誰もいないから大丈夫だ」 

風音「・・・」オロオロ 

ピノ「ピッ」 

律「ではテスト開始。みんな隠れるぞー」 

944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:02:16.13 ID:w42l6+ooo


修治「ん?クマのぬいぐるみか」 

ヒョイ 

修治「車掌さんに届ける・・・か?」 

ゴロウ「・・・」モゾモゾ 

修治「なんだろうこの重量感とリアルな動き・・・」 

ゴロウ「ガァ・・・」 

修治「クマ・・・か。そうか・・・。よし、怒らせないようにゆっくり降ろして」 

ゴロウ「・・・」モゾモゾ 

修治「・・・」 

ゴロン 






律「なにやってんだアイツ・・・」 

紬「ゴロウちゃんを元へ戻した後、横になった・・・」 

風音「もしかして・・・」 


945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:02:48.81 ID:w42l6+ooo

ゴロウ「・・・」チョンチョン 

修治「・・・」 

ゴロウ「・・・」バシバシ 

修治「・・・っ」 

律「どうした?」 

修治「・・・シー」 

紬「床冷たくないですか?」 

修治「・・・話しかけないでー」ヒソヒソ 

風音「あの・・・ひょっとして死んだふり・・・?」 

律「えっ!?」 

紬「なるほど~」 

修治「分かってるなら・・・ん?」 

風音「ゴロウ・・・大丈夫みたいだね」 

ゴロウ「・・・」 

ピノ「ピピッ」 

律「うわぁー、死んだふりってー、小熊に対してー」 

紬「・・・」 

風音「ごめんなさい、この子私の友達なんです」 

修治「・・・その小熊が?」 

風音「・・・はい」 

修治「・・・そうか、友好範囲広いんだね・・・」 

律紬「「 ププッ 」」 

風音「あ、あの・・・」 

ピノ「ピピッ」 

修治「・・・他言無用でお願いな」 

律「それはもったいない!」 

紬「そうね~」 

風音「えぇと・・・私、部屋に連れて行きますので」 

ゴロウ「・・・」 

律「あぁ、説明は私らでやっとくよ~」 

風音「お願いします」 

タッタッタ 

紬「私あずさちゃんの所行ってくるから、りっちゃんお願いね~」 

テッテッテ 

律「おっけ~」 

修治「なにが・・・いったい・・・」 
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:03:49.60 ID:w42l6+ooo

梓「・・・あ、むぎ先輩」ホッ 

紬「ごめんね、風音さんとお話してたの~」 

梓「・・・いえ、いいんです」 

紬「・・・どうしたの?」 

梓「えっ?」 

紬「なんだか落ち着かない顔してたわ」 

梓「あ、・・・いえ、・・・えぇと」 

秋子「あ、ここにいたんですね~」 

紬「どうしたんですか?」 

秋子「用はありませんけど、お話したいな~って」 

梓「・・・」 

紬「そうですか」ニコニコ 

秋子「広島に着いたらどこへ行くか決めました?」 

紬「えーと」 

梓「・・・」ジー 

紬「まだ決めていないんです。秋子さんはどちらへ?」 

秋子「中央通りと弥山、厳島神社にお好み村!」 

紬「お好み村?」 

梓「・・・」ジー 

秋子「はい~!お好み村でソバ入りお好み焼きを食べるんです~!」 

紬「まぁ」キラキラ  

梓「・・・」 

秋子「梓さんはどこへ行かれるんですか~?」 

梓「え!?」 

紬「・・・?」 

秋子「観光場所ですよー!」 

梓「あ、えぇと・・・」 

紬「あずさちゃん、体の調子が悪いの?さっきから様子がおかしいわ」 

梓「い、いえ・・・。あの・・・私も広島で降りるので・・・」 

秋子「そうですか、一緒に観光したかったです」ションボリ 

紬「そうだったわね・・・」ションボリ 

梓「う・・・」 
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:04:36.31 ID:w42l6+ooo

車掌「到着してすぐ降りられますか?」 

梓「あ・・・」 

紬「・・・」 

秋子「帰ってから予定でもあるんですか~?」 

梓「す、すぐにはないです・・・」 

車掌「・・・」 

紬「・・・」 

秋子「それなら明日の朝でいいじゃないですか~!」 

梓「えぇと・・・」 

車掌「そうですね」 

紬「ど、どうするの?」ゴクリ 

梓「・・・」 

秋子「じゃ決定~!みんなでお好み村へ行きましょう~!」 

梓「なにも言ってませんよ!?」 

紬「・・・」 

車掌「こちらとしては問題ありませんが・・・」 

梓「でも・・・私たちばかり待遇よくしてもらっては・・・」 

秋子「そんなのいいからいいから~」 

紬「・・・」 

車掌「・・・」コクリ 

梓「あ・・・。それじゃお言葉に甘えて・・・」 

紬「まぁ」キラキラ 

秋子「きゃ~!それじゃ姉御さまも誘ってきますね~!」 

タッタッタ 

梓「強引ですね・・・」 

車掌「田井中さんはどうでしょう?」 

紬「りっちゃんに聞いてきますっ!」 

タッタッタ 

梓「・・・」 

車掌「心配ですか?」 

梓「はい・・・」 

車掌「・・・」 
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:06:25.42 ID:w42l6+ooo

紬「りっちゃーん」 

律「どういう意味だコラァ!」 

ギリギリ 

修治「ちがっ・・・首絞まって・・・」 

紬「あらあら、仲良しね~」 

律「!」ビクッ 

修治「本気で絞めたな・・・」ゲホゲホ 

律「なんでもないぜー」 

紬「?」 

修治「どう言っても悪く取るじゃんかー」 

律「うっさい!」 

紬「どうしたの?」 

修治「・・・」 

律「風音の事だ」 

紬「・・・どうなったの?」 

修治「協力するにはする・・・けどさ」 

律「・・・」 

紬「けど・・・?」 

修治「重要なときだけだ」キリ 

律「かっこつけやがって」 

紬「・・・どういう事?」 

修治「ふざけは無しにして・・・。ゴロウが野生に戻るなら俺は抱き上げない方がいいと思うんだ」 

律「・・・」 

修治「人間に慣れたら自然に戻ったとき生きていくのが困難になるから」 

紬「・・・」 

修治「風音さんや琴吹さんのようないい人たちばかりじゃないでしょ」 

律「まぁな・・・」 

修治「だから、俺が関わるのは最低限の事だけね」 

紬「・・・うん」 

修治「困ったらなんでも言ってくれ」キラン 

律「はいはい。よろしくー」 

修治「・・・」ションボリ 

紬「でも、ありがとう」 

律「ありがとな」 

修治「・・・うん。話聞いたけど、風音さん辛そうだな」
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:07:30.30 ID:w42l6+ooo

紬「・・・」 

律「あぁ・・・、つらそうな顔で話してくれたよ」 

修治「・・・そっか」 

紬「あずさちゃんにも話しては・・・?」 

律「話くらいならいいんじゃないか?」 

修治「うん、好奇心だけで近づくのが良くないって意味だからね」 

紬「・・・そうね!」 

律「・・・うむ」 

修治「それじゃ、そん時は声かけてね~」フリフリ 

スタスタ 

紬「ありがと~」 

律「・・・」 

紬「・・・」 

律「・・・?」 

紬「鳥羽さんってりっちゃんに似てるよね」 

律「ッ!?」 

紬「・・・?」 

律「」 

梓「すごいショックだったみたいですね」 

紬「あらあら」 

律「」 

梓「どっちかっていうと唯先輩かと思いますけど」 
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:08:29.60 ID:w42l6+ooo

律「あー、すまん。私は到着次第降りるわ」 

紬「そうなの・・・」ズドーン 

梓「そうですか・・・」 

車掌「分かりました。では中野さん、手配の方はおまかせください」 

梓「ありがとうございます」 

車掌「いえ・・・、それでは失礼します」 

スタスタ 

律「明日の朝に用事が入っててさ、ごめんな」 

紬「ううん、気にしないで~」ニコ 

梓(また・・・) 

律「・・・」 

紬「どうしたの?」 

梓「・・・」 

律「いや、なんでもない」 

紬「りっちゃん、風音さんの事教えてはどう?」 

梓「・・・」 

律「あぁ・・・。梓?」 

紬「あずさちゃん?」 

梓「え・・・?」 

律「・・・」 

紬「やっぱりどこか調子が悪いんじゃ・・・」 

梓「いえ、大丈夫ですよ」 

律(大丈夫って顔してないぞ) 

紬「・・・」 

梓「それで、なにを教えてくれるんですか?」 

律「実はな・・・。風音の事なんだが・・・」 

紬「・・・」 

梓「は、はい・・・」 

律(梓の空気がむぎにも移ったかぁ・・・。こういう時、唯がいたらな・・・) 

秋子「あ~、ここにいたんですね~!」 

紬「あ・・・」 

秋子「姉御さまが律さんを呼んでましたよ~!」 

律「え、私?」 

秋子「はい!ささ、行きましょう!」 

グイッ 

律「ちょっと、待ってー!」 

梓「むぎ先輩、私たちもいきましょう」 

紬「そうね」
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:10:40.45 ID:w42l6+ooo

菜々子「律、次で降りるの?」 

律「うん、到着したらすぐにねー」 

菜々子「そっか、寂しくなるね」 

律「姉御にそう言ってもらえて光栄ッス!」 

菜々子「はは、なにか作ってやるよ。なにがいい?」 

律「おぉ」キラキラ 

梓「ではお好み焼きで」 

律「ちょいと中野さんや、勝手に決めないでくれます?」 

菜々子「丁度いいじゃん、私ら広島のお好み焼き食べにいくからさ。律は行かないんでしょ?」 

律「あ、うん・・・」 

菜々子「じゃ、席で待ってて」 

律「ありがとー!」 

梓「よかったですね」ニコニコ 

律「あぁ、ありがとねー!」ギリギリ 

梓「な、なんでお礼をいいながら・・・。痛いですっ!」ジタバタ 

律「ふーん」ツーン 

静花「どうして私を誘わなかったのですか!」 

秋子「姉御さまが言うなって~!」 

静花「あのゴリラ女・・・」ワナワナ 

紬「・・・」 

梓「いつの間にか静花さんまで・・・」 

律「あぁ・・・」 

けさみ「コーラ、アイスティー、レモンティー、紅茶とオレンジジュースで~す」 

紬「紅茶?」 

静花「私ですわ」 

けさみ「はいどうぞ。中野さんには料理長からアイスのサービスですよ~」 

梓「なんか気を使わせてしまったみたいで。すいません」 

けさみ「いえいえ~、長旅お疲れ様でした~」 

テッテッテ 

律「遠慮したらバチがあたるぞ?」 

梓「しませんよ」パクッ 

紬「紅茶あったのね~」 

静花「珍しいですの?」 

紬「今まで気づきませんでした」 

静花「・・・そ、そうですか」 

秋子「・・・」 

律「・・・?」
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:11:58.15 ID:w42l6+ooo

梓「おいしいです」ウルウル 

律「秋子ちゃん?どうしてしずかなの?」 

秋子「いえ・・・」 

菜々子「律ー。テーブルで焼く?・・・はぁ」 

静花「お客に対して無礼極まりないですわね。もっと励みなさい」 

菜々子「どうする?」 

梓「・・・」パクッ 

律「みんな、ここで焼いていい?」 

秋子「いいですよ~!」 

紬「どうぞどうぞ」 

静花「いいですわよ。ねだったりしませんから安心なさいな」 

律「それじゃ、姉御ここでお願します」 

梓「私の意見はいいんですか?」 

律「・・・いい?」 

梓「そうですね~」 

律「お願します」 

菜々子「はいよ」 

スタスタ 

梓「ねだりますよっ!」プクー 

律「いいよ~。お好み村で食べられるならな」ウシシ 

梓「菜々子さんの料理ですか・・・」 

律「あ、本気で食べる気だな・・・」 

紬「うふふ」 

静花「まぁ、どこぞの秘境で修行なさったそうですから」 

秋子「そうなんですか~?」 

菜々子「そんなわけないだろ。ちょっと待っててね。よいしょ」 

ガタン 

律「おぉ」キラキラ 

梓「鉄板に変えるんですね」 

紬「すご~い」 

菜々子「これでよしっと」 

静花「さすが腕力に定評がありますわね」 

菜々子「あ り が と よ」 

秋子「かっこいいです~!」
953 :静花さん不謹慎ですよ [sage]:2011/04/09(土) 23:13:16.34 ID:w42l6+ooo

菜々子「お客も少ないからさ、私が焼いていい?」 

律「ぜひっ!」 

菜々子「おっけ~」 

ジュー 

梓「これは広島風なんですか?」 

菜々子「いいや、大阪風だな。私の生まれ育った街だからね~」 

律「あれ、京都じゃないの?」 

菜々子「どうして?」 

律「初めて会ったとき、京都を馬鹿にされて怒っていたから」 

菜々子「あ~・・・」 

静花「私の街、京都を守るなんてたまには・・・いえ、地球を滅ぼしたいのですか!?」 

菜々子「気まぐれだよっ。いい事したら悪いことが起るみたいに言うなっ!」 

紬「・・・」 

律「・・・」ワクワク 

梓「・・・」ソワソワ 

秋子「一人前にしては量が多くありません?」 

菜々子「みんなつまむかと思って多くしてみたんだけど」 

静花「地震ですわ」 

菜々子「列車だから揺れているんだよ。私の善意で天変地異が起ったように言うなっ!」
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:13:46.46 ID:w42l6+ooo

ジュー 

菜々子「さぁできたよ。召し上がれ~」 

律「いただきまーす!」 

梓「いい匂いです」 

紬「ほんと~」 

秋子「さすが姉御さまです~!」 

菜々子「へへっ、ごゆっくり~」 

スタスタ 

律「うめえ!」 

梓「おいしいです!」 

紬「よかったわね~」 

静花「誰にでも取り得はあるという事ですわ」 

菜々子「一言多いんだよお前は!」 

秋子「あら・・・?」 

菜々子「かつおぶし持ってきたから適当にまぶして。じゃね」 

スタスタ 

静花「・・・料理に関しては煩いですから、あの方は」 

律「うるさいのは」フガッ 

紬「だめっ」 

律「分ーかってるよ」 

梓「おいしいですね」モグモグ 

律「どうして私より食べているのかなー?」 
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:15:17.36 ID:w42l6+ooo

梓「よっ」ピョン 

シュタ 

梓「岡山です!」 

律「ついにここまで来たかー!」 

紬「ん~・・・」ノビノビ 

梓「あっという間でしたね、律先輩!」 

律「あぁ、びっくりするぐらいの時間の速さだぜー」 

紬「楽しい時間の流れは計れないわね~」 

梓「次はいよいよ広島ですよ」 

律「仙台から乗って来たんだよな~」 

紬「駆け込み乗車だったね」 

梓「危ないですよ」 

律「しょうがないだろ~、ヴェガの場所が分からなかったんだから」 

紬「どうして澪ちゃんと来なかったの?」 

梓「澪先輩はちゃんと前日にきてましたよ」 

律「どういうわけか澪が一人で先に行くって聞かなかったからさ・・・」 

紬「・・・そうなの」 

梓「・・・予感でもあったんですかね」 

律「お互い引き寄せられたのかもな」 

紬「うん、そうなんだと思う」 

梓「たまにいい事いいますよね、律先輩」 

律「・・・」 

グリグリ 

梓「無言ですか!離してください!」ジタバタ 

紬「・・・」 
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:17:09.71 ID:w42l6+ooo

風音「あ、あのっ!」 

律「どうした?」 

梓「・・・?」 

風音「ゴロウを見ませんでしたか!?」 

紬「どうしたの・・・?」 

風音「ゴロウったら部屋のドアの開け方覚えちゃったみたいで・・・、 
   どこかへ行ってしまったんです」オロオロ 

律「なにぃー!」 

梓「誰ですか?」 

紬「こ、小熊よあずさちゃん!」 

梓「小熊?」 

風音「ど、どうしよう」オロオロ 

修治「ここで降りたとしてもそんなに遠くへ行ってないと思うんだ」 

風音「そ、そうですね」 

律「修治も探してたんか」 

修治「そうです」 

梓「・・・?」 

修治「俺はヴェガの先頭辺りまで探してくるから」 

タッタッタ 

風音「お願します!」 

紬「それじゃ、私たちは」 

律「ふむ・・・、梓と私は車内を探すか」 

梓「・・・わ、分かりました」 

紬「風音さんは私と展望車方向を探しましょう」 

風音「は、はい」 

律「絶対乗り遅れるなよ!」 

紬「分かった!」 

タッタッタ 

律「梓行くぞ、他の乗客に見つかったら厄介だ」 

梓「はい!」 
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:18:44.26 ID:w42l6+ooo

風音「ゴロウ・・・」 

紬「・・・」 

風音「・・・どこ行ったの・・・・・・」 

紬「みんなで探しているからすぐ見つかるわ」 

風音「は、はい・・・」 

紬「・・・」キョロキョロ 

風音「・・・」 

ガサゴソ 

紬「・・・?」 

風音「・・・ゴロウ」 

紬「風音さん、あれ!」 

風音「あっゴロウ!!」 

紬「線路に降りて」 

風音「・・・っ!」 

ザッ 

紬「風音さん・・・!」 

ザッザッザ 

ゴロウ「・・・」モゾモゾ 

風音「ゴロウ!」 

ギュウ 

紬「・・・」 

ゴロウ「・・・グァ」 

風音「もぅ・・・」 

紬「怪我は無い?」 

風音「・・・はい、大丈夫みたいです」 

紬「良かった・・・。つかまって」 

風音「は、はい」 

紬「よいしょ」 

グイッ 

風音「・・・っ!」 

紬「・・・ふぅ、よかった~」 

風音「紬さん力強いですね」 
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:19:10.76 ID:w42l6+ooo

紬「うふふ」 

風音「ほら、ゴロウもお礼を言って」 

prrrrrrrrrrrrrr 

紬「大変!早く乗らなくちゃ!走って!」 

タッタッタ 

風音「は、はい!」 

タッタッタ 

風音「あ・・・」 

修治「・・・」コクリ 

紬「私たちもはやく!」 

風音「はい!」 

プシュー 

ガタン ゴトン ガタンゴトン 

紬「はぁ~、よかった間に合って」 

風音「・・・すいません、迷惑かけっぱなしで・・・」 

紬「ううん。協力するって言ったわ」 

風音「・・・っ!」 

紬「さて、ここ展望車から個室までが勝負よ」キラン 

風音「・・・そうですね」 

ゴロウ「・・・」モゾモゾ 
959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:20:05.01 ID:w42l6+ooo

しのぶ「いらっしゃいませ、遊んでいかれますか?」 

紬「ええと、後でまたきます」 

しのぶ「そうですか。・・・あら?」 

風音「!」ギクッ 

しのぶ「それは・・・クマの人形ですか?」 

紬「あ、あの・・・」 

梓「しのぶさん、ゲームしたいので預けたコインをお願します」 

しのぶ「はい、少々お待ちください」 

スタスタ 

梓「今です!」 

紬「あずさちゃんありがと~」 

風音「ありがとうございます」 

ゴロウ「・・・」 
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:20:36.68 ID:w42l6+ooo

紬「やっと四号車まできたわね・・・」 

風音「人が来ます・・・っ!」 

紬「ど、どうしよう」 

緑「そのまま行けば大丈夫よ」 

紬「え・・・?」 

緑「人形として扱えば疑われないって事」 

風音「し、知ってたんですか・・・?」 

緑「何度か外に連れ出してるでしょ・・・」 

風音「・・・」 

ゴロウ「・・・」 

紬「行きましょう・・・」ゴクリ 

風音「・・・はい」ゴクリ 

「・・・」スタスタ 

紬「・・・」トボトボ 

風音「・・・」トボトボ 

「・・・」スィー 

紬「・・・」ホッ 

風音「・・・」ホッ 

紬「ありがと・・・あら?」 

風音「いませんね・・・」 

ゴロウ「・・・ガァ」モゾモゾ 
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:22:02.22 ID:w42l6+ooo

紬「個室が遠いわ・・・」 

風音「・・・はい」 

紬「!」 

風音「食堂車のコックさん!?」 

ゴロウ「・・・」モゾモゾ 

風音「動かないで」ヒソヒソ 

コック「ん?どうした?」 

紬「い、いえ・・・なんでも~」 

風音「ないですよ?」 

ゴロウ「・・・」モゾモゾ 

コック「おい、それ・・・」 

修治「ごめんなさい料理長!」 

コック「ん?」 

修治「正直に言います。中華鍋を持ち出してそれに砂を入れて筋トレしてましたー!」 

コック「よし、よく言った。来い」グイッ 

修治「お手柔らかに・・・」ズルズル 

コック「皿洗いだけで済ませてやる」 

修治「やった!」 

紬「・・・ふぅ」 

風音「修治さんに悪いことを・・・」 

律「気にすんなって、喜んでいたからさ」 

紬「喜んでいたの?」 

律「やった!って言ってただろ?」 

風音「それは違うんじゃ・・・」 

ゴロウ「・・・」 

風音「もぅ・・・今ごろ大人しくして!」 

紬「うふふ」 

律「さ、あとは1号車と売店車だ!」 

風音「・・・」 

紬「このまま行きましょー」 
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:25:28.46 ID:w42l6+ooo


車掌「あら?」 

紬「・・・」 

風音「・・・」 

律「・・・」 

ゴロウ「・・・」 

車掌「それはクマのぬいぐるみですか?」 

紬「は、はい、そうです」 

風音「・・・」ウンウン 

律「・・・」 

車掌「私クマのぬいぐるみ大好きなんです。抱かせてくれませんか?」ウキウキ 

紬「え、えぇと・・・」 

風音「あ、あの・・・」 

律「車掌さんに相談したい事があるんですが・・・」 

車掌「はい。よろしいですよ」 

律「・・・ここじゃなんですから」 

車掌「車掌室でよろしいですか?」 

律「はい・・・」 

紬「りっちゃん・・・?」 

律「ちょっと話してくる・・・後でなー」 

スタスタ 

風音「律さん・・・私のために?」 

紬「そうだと思ったんだけど・・・雰囲気が・・・」 

ゴロウ「・・・ガァ」モゾモゾ 
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:26:40.16 ID:w42l6+ooo


風音「本当に・・・ありがとう・・・」 

ゴロウ「・・・」モゾモゾ 

紬「いえいえ~」 

風音「それでは後ほど・・・」 

紬「うん、後でね」 

風音「はい」 

バタン 

紬「・・・」 
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:27:58.57 ID:w42l6+ooo

車掌「どうぞお掛けください」 

律「・・・はい」 

車掌「・・・」 

律「・・・むぎの事なんですけど」 

車掌「はい」 

律「・・・むぎは何に耐えているんでしょうか」 

車掌「・・・」 

律「・・・たまに、らしくない表情するんです」 

車掌「田井中さん」 

律「は、はい」 

車掌「自然に話をしてくれて構わないですよ」 

律「あ・・・」 

車掌「・・・」 

律「うん・・・ありがと。梓もそれに気づいてて・・・私も広島で降りるから」 

車掌「不安ですか?」 

律「うん・・・」 

車掌「唯さんと澪さんも、今の律さんと同じ顔なされていましたね」 

律「え・・・唯も・・・?」 

車掌「はい。気づかないフリをしていたのか、安心していたのかは分かりませんが」 

律「そうか・・・だから部室で演奏しようって言いだしたのか・・・秘密だって言ってたくせに」 

車掌「・・・」 

律「澪は分かるけど・・・、意外だ」 

車掌「唯さんはそういう所敏感に察知していらっしゃいましたよ」 

律「・・・私らの方が付き合い長いのに」 

車掌「私も色々な乗客をみてきましたから」 

律「そっか・・・」 

車掌「私どもに・・・、いえ乗客みなさんを信じてもらえないでしょうか」 

律「え・・・?」 

車掌「菜々子さん、静花さん、秋子さん、風音さん、緑さんです」 

律「・・・!」 

車掌「みなさん、紬さんに惹き寄せられた方ばかりだと思いますよ」 

律「・・・うん、そうだな・・・分かった!」 

車掌「ありがとうございます」 
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:28:25.95 ID:w42l6+ooo

ガチャ 

律「ありがとー!」 

車掌「いえいえ」 

バタン 

紬「・・・」 

律「あ、むぎ・・・」 

紬「りっちゃん・・・」 

律「・・・」 

紬「・・・」 

律「・・・やっぱりむぎはすげえな」 

ギュ 

紬「えっ?」 

律「さ、梓の所行こうぜー!」 

グイグイ 

紬「り、りっちゃん」 

966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:29:27.53 ID:w42l6+ooo

ジャラジャラジャラ 

梓「うーん・・・」 

ピッ 

しのぶ「4よりHiかLowか」 

梓「Low」 

タララッター 

しのぶ「正解」 

梓「・・・」 

しのぶ「次はQよりHiかLowか」 

梓「Hi」 

タララッター 

しのぶ「すごいですね」 

梓「・・・」 

しのぶ「次は7」 

梓「・・・Hi」 

タララッター 

しのぶ「・・・ついてますね」 

梓「スリルが味わえませんね」 

律「贅沢だぞー」 

紬「すごいわ、あずさちゃん!」 

梓「あ、どうでしたか?」 

紬「大丈夫よ~」 

梓「そうですか、よかったです」
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:30:26.13 ID:w42l6+ooo

しのぶ「中野さんすごいですよ、今まで外していません」 

律「すごいなー、どうしたんだよ」 

梓「・・・いつもなら喜べるんですけど」 

紬「・・・嬉しくないの?」 

律「お、勝者の余裕か?」 

しのぶ「・・・」 

梓「・・・律先輩続きやります?」 

紬「えーと、次で勝てば倍の2000枚ね」 

律「なんでそんな大舞台を私に託すんだよっ」 

梓「・・・いえ」 

しのぶ「勝負師の血が騒ぎませんか?」 

紬「騒がない?」 

律「そんな血流れてねえ!」 

梓「そうですか。えと、5よりLowで」 

タララッター 

しのぶ「正解」 

梓「変な勝ち方ばっかりするんです、この運は逆に・・・怖いです」 

紬「怖い?」 

梓「・・・はい、最初はこのラッキーコインのおかげだと思ったんですけど」 

紬「・・・?」 

律「よし、やってやるよー!」 

しのぶ「次勝てば4000枚ですよ!」 

紬「頑張って!」 

梓「・・・KよりHiかLowか」 

律「なんだこれ楽勝~」 

ピッ 

しのぶ「あ、ドローです」 

律「・・・」 

紬「次はジョーカーよりっちゃん!」 

梓「ジョーカーより上はAだけです」
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:31:24.07 ID:w42l6+ooo

律「じゃあLowだろ」 

しのぶ「よろしいですね?」 

律「そういうプレッシャーは・・・」 

梓「・・・私はHiです」 

紬「私も」 

しのぶ「ノーコメントで」 

律「・・・私が意見に左右されてしまいそうだー!」 

梓「・・・」 

律「ぐっ・・・HiとみせかけてLowだ!」 

ピッ 

しのぶ「A」 

梓「残念です」 

律「なっ!?」 

紬「あらあら」 

梓「先輩方続けますか?」 

律「いや、いい・・・」 

紬「私もいいわ~」 

梓「それじゃ止めましょう」 

しのぶ「帳簿のコインはどうなさいますか?」 

梓「むぎ先輩ゲームします?」 

紬「一緒に遊べる人がいないわ」 

梓「そうですか・・・。それならしのぶさん、帳消しでお願します」 

しのぶ「はい、かしこまりました」 

律「ちなみに何枚あったんですか?」 

しのぶ「5万枚です」 

律「えー!」 

梓「少しもったいないですね。お世話になりました」 

しのぶ「いえいえ、楽しんでいただければなによりです」ニコ 
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:31:54.60 ID:w42l6+ooo

ちひろ「いらっしゃいませ~」 

紬「広島の観光ガイドをお願します」 

ちひろ「はい、どうぞ」 

紬「ありがとうございます」 

ちひろ「・・・あ、そういえばお客さん?」 

紬「はい?」 

ちひろ「・・・」 

紬「?」 

ちひろ「みなさんと仲良しさんですよね~」 

紬「そ、そう見えますか?」 

ちひろ「はい~」 

紬「・・・それでは」 

ちひろ「また来て下さいね~」 
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:33:05.36 ID:w42l6+ooo

―――――3号車 

律「私はもう車掌さんたちと乗客みんなを信用したから、安心したぜ」 

梓「・・・そうですか」 

律「梓は明日の朝までにみんなを見る時間があるんだからさ、じっくりむぎと一緒に過ごせばいいさ」 

梓「・・・はい」 

律「・・・よし」 

梓「・・・」 

律「だからその顔はもう無しだ」ムニー 

梓「ひょ、りふせんふぁい!」ジタバタ 

紬「あらあら、どうしたの?」 

律「いや、ちょっと教育をね」 

梓「・・・まったく、どこまで似るんですか」ブツブツ 

紬「うふふ」 

律「お、広島の観光ガイド買ったのか~、見せて!」 

梓「律先輩帰るじゃないですか」 

紬「・・・」 

律「こういうのをみて旅気分を味わうのもまた一興です」フフン 

梓「そうですね。でも私たちは」 

律「なにー!」 

サッ 

梓「むぎ先輩、どこへ行きましょうか」 

紬「そうね」 

律「回避能力が鍛えられたようだな」 

梓「おかげさまで・・・」 

紬「何処か行きたい所ある?」 

梓「私が決めていいんですか?」 

紬「えぇ、もちろん」ニコニコ 

梓「むぎ先輩」キラキラ 

律「・・・」 

紬「夜にお好み村へ行くのよね?」 

梓「そうです」 

律「・・・」 

紬「4時に到着だから・・・」 

梓「その界隈ですね」 

紬「そうね」
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:34:36.97 ID:w42l6+ooo

梓「厳島神社はどうですか?夕方の神社もいいですね」 

紬「おぉー、それはいいわね~。あ、でも、お土産買うなら中央通りよ?」 

梓「あ、忘れてました」 

紬「うーん」 

梓「うーん」 

律「駅で買えばいいんじゃないの?」 

紬梓「「 選んでいる時が楽しいの(です) 」」 

律「あ、そう・・・」 

静花「律さん、横にずれていただけます?」 

紬「あ、静・・・花さん・・・」 

律「ど、どうぞ」 

梓「どうしたんですか?」 

静花「菜々子さんが車内販売で通りますから、あの女の本性をさらけ出しますわ」 

紬「あらあら」 

律「そこまでするんですか・・・」 

梓「なんか必死ですね・・・」 

静花「フフフ、さぁいらっしゃい菜々子さん・・・」 

ガラガラ 

菜々子「えー、まいど、大阪名物たこ焼きはいかがですかー!」 

律「さっきお好み焼き食べたからいいや」 

梓「そうですね」 

静花「店員さん冷凍みかんをくださいな」 

菜々子「残念でした売り切れで~す」 

静花「まぁ・・・」 

菜々子「あんたに売る冷凍みかんはございませ~ん」 

静花「なんたる屈辱・・・」ワナワナ 

梓「冷凍みかんあったんですか?」 

菜々子「あぁ、さっきまでな。結構売れるんだよ」ニヤニヤ 

紬「食べたかったですね・・・」 

静花「そうですわね・・・」
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:35:52.90 ID:w42l6+ooo

菜々子「汚ねえ・・・、今の私の台詞が嫌味になっただろ静花!」 

静花「今のが嫌味以外でどう受け取れとおっしゃるの!?」 

菜々子「もうちょっと待っててな、紬ちゃん」 

紬「用意できるんですか?」 

菜々子「あぁ、今冷凍中だからさ」 

紬「ありがとうございます~」 

菜々子「いえいえ」ニコニコ 

静花「そうですか・・・。しょうがないですわね」 

菜々子「はぁ?あんたに売るものは無いって言っただろ、耳掃除してこいよ!」 

静花「どうですか律さん?」 

律「え?」 

静花「底意地の悪さが露呈されましたわ」 

梓「ちょっとずるいですよ」 

静花「な、なんですって!?」 

菜々子「あんたの策略が裏目に出たみたいだね~。株が暴落だよ!あっはっは」 

ガラガラ 

静花「きぃーーー!うまくいきませんわ!」 

梓「当然だと思います」 

律「うんうん」 

静花「改めて参りますわ・・・。まってなさいよ菜々子さん、いつかギャフンと言わせて見せますわ」 

スタスタ 

紬「うふふ」 

律「どうして笑ってるんだ、むぎ?」 

梓「・・・?」 

紬「だって、楽しそうだったから~」 

律「そ、そう見えたのか・・・」 

紬「えぇ~」 

梓「・・・」 
973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:38:56.04 ID:w42l6+ooo

紬「もぐもぐ」シャクシャク 

梓「夏といったら冷凍みかんと言っても過言ではないですね」 

律「うん」シャクシャク 

紬「おいしい~」 

梓「はい」シャクシャク 

律「うめえー!」 

風音「あ、みなさん・・・」 

ピノ「ピピッ」 

紬「風音さんも座ってはいかが?」 

梓「お喋りしましょう」 

風音「それでは失礼します」 

律「冷凍みかん食べる?」 

風音「それでは一つだけ」 

紬「どうぞ」 

風音「いただきます」シャクシャク 

ピノ「ピッ」 

風音「冷凍されてるからダメだよ」 

梓「残念だねピノ」 

律「あれ、がっつかないのか?」 

梓「いいんです。来ないものは来ないで、それで納得します」 

ピノ「ピピッ」 

紬「立派よあずさちゃん!」 

律「なにがだ」 

風音「先ほどは助けていただいて・・・」 

紬「いえいえ~」 

梓「うん」シャクシャク 

律「いいって事よー」 

ピノ「ピピッ」 

風音「ありがとう・・・」
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:39:50.35 ID:w42l6+ooo

修治「おっ、まったりしてんね」 

律「皿洗い終わったのか?」 

修治「うん・・・、あまりなかったからさ」 

梓「どうぞ」 

修治「ありがと」シャクシャク 

風音「修治さんにも助けていただいて・・・」 

修治「冷凍みかんっておいしいな! いいよー、気にしないで。もう一個ちょうだい」 

律「残念でした、もうありませ~ん」 

紬「あ、菜々子さんのマネね!」 

風音「クスクス」 

修治「菜々子さん?」 

梓「さっき車内販売で売ってましたよ」 

律「売り切れだぞ」 

修治「買って・・・え!?」 

風音「売り切れだそうですよ」 

修治「それは?」 

律「がっつくな!」 

紬「ピノちゃんのために解凍してます」 

ピノ「ピピッ」 

修治「ちょっと行って来る」 

タッタッタ 

梓「売り切れって言ったのに・・・」 

律「冷凍させようとしてんだろ・・・。凍らせるみかんが無いって言ってたのにな」 

紬「骨折り損ね」 

風音「クスクス」 

梓「あ、風音さんは到着後どこへ行くか決めました?」 

風音「いえ・・・、まだ決めてません」 

紬「それなら一緒にお好み村へ行かない?」 

律「お好み焼き食べてきな!」 

風音「そうですね・・・。ご一緒します」 

紬「やった!」 

梓「よかったです」 
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:41:04.70 ID:w42l6+ooo

風音「北上さんにもゴロウの事知られていましたね」 

紬「そうね、ビックリしたわ」 

律「へー」 

風音「助言をくれて助かりました」 

ピノ「ピピッ」 

梓「そうなんですか・・・。そういえばピアノを弾いていましたね」 

紬「聞きたかったわ」 

律「なに弾いてたんだ?」 

梓「ジムノペディを・・・上手でしたよ。柔らかくて」 

紬「ジムノペディ・・・」 

律「へぇ・・・意外だな」 

風音「優しい人だと思いますよ」 

ピノ「ピピッ」 

紬「うん、そう思う」 

梓「そうですね、いい音を奏でる人ですから」 

律「ほぅ・・・」 

風音「音楽に携わっている人が言うんですから、間違いなさそうです」 

紬「弾き手によって・・・音は変わりま・・・?」 

梓「変わり・・・?」 

律「・・・なにを言いかけたんだむぎ?」 

風音「?」 

紬「今の台詞・・・どこかで・・・?」 

梓「?」 

律「苦悩してるな・・・、よく分からないけど」 

風音「あ、そろそろ広島に到着ですよ」 

紬「うーん・・・」 

梓「律先輩は荷物の整理どうですか?」 

律「バッチリだぜー!」ブイ 

風音「それじゃ、後で見送りにいきますね」 

ピノ「ピピッ」 

律「サンキュー!」 

ガタンゴトンガタンゴトン 
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:42:27.29 ID:w42l6+ooo

―――――平沢邸 

ガチャ 

唯「ただいま帰ったよ!」 

トテトテ 

憂「あ、お姉ちゃんおかえり~」 

唯「だたいまーういー!」 

憂「お姉ちゃん疲れてない?」 

唯「大丈夫です!」 

憂「すぐ出かけるんだけど・・・」 

唯「分かったよ!」 

憂「・・・。和ちゃんにも挨拶してきたらどうかな」 

唯「そうだね。ついでにお土産もっていくよ!」 

憂「うん、はやく戻ってきてね」 

唯「了解です!」 

バタン 

唯「えっほ、えっほ」 

タッタッタ
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:43:33.43 ID:w42l6+ooo

ピンポーン 

唯「・・・」 

ガチャ 

和「あら、今帰ったの?」 

唯「うん」 

和「・・・ちょっとまっててね」 

唯「・・・」 

和「外で話しましょう」 

唯「・・・うん」 

バタン 

和「どうしたの?」 

唯「はい、お土産」 

和「ありがと・・・、開けていい?」 

唯「どうぞ~」 

和「どうぞ・・・って、これ憂にじゃないの?」 

唯「え?」 

和「名前書いてあるじゃない」 

唯「間違えちゃった~」 

和「・・・」 

唯「えへへ・・・」 

和「・・・」 

唯「・・・」 

和「・・・どうだった?」 

唯「楽しかったよ~・・・」 

和「そう・・・。無事に帰ってきてくれてよかった」 

唯「・・・っ・・・うん」 

憂「お姉ちゃん、間違えて持っていったでしょ~」 

唯「うい・・・」 

憂「荷物運ぼうとしたらこぼれたから・・・」 

唯「ありがと~」 

憂「はい、どうぞ」 

唯「うん、はいどうぞ」 

和「ありがと、はいどうぞ」 

唯「うん、はいどうぞ」 

憂「私にもあるの?ありがとー!」
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:44:32.51 ID:w42l6+ooo

和「形状が違うのにどうして名前書いたのよ」 

唯「さわちゃんのと間違えないようにする為です!」 

憂「でも他になかったよ?」 

唯「むぎちゃんが持ってるからです!」 

和「開けるわね・・・」 

ガサガサ 

和「これは・・・?」 

唯「指揮者のタクトだよ。キレイだよね~」 

和「そ、そうね」 

憂「私も開けていいかな」 

唯「どうぞ」 

ガサガサ 

憂「アコーディオン・・・」 

唯「ふんす!」 

憂「キレイなガラス細工だね。ありがとう、おねえちゃん」キラキラ 

和「ありがと・・・」 

唯「和ちゃん喜んでない!?」 

和「タクトといえば聞こえはいいけど・・・ガラス細工のタクトって・・・変よね」 

唯「ひどい!?」 

和「気持ちが嬉しいわ」 

唯「そうかな」 

和「えぇ」 

憂(元気になった・・・かな) 

唯「・・・」 

和「・・・」 

憂「・・・」 

和「唯、明日勉強しない?」 

唯「え・・・?」 

和「その時にでも話の続きを聞かせて」 

唯「うん!」 

憂「そろそろ行こうか、お姉ちゃん」 

唯「そだね、じゃあね和ちゃん」 

和「あ、まって唯」 

唯「ん?」 

和「おかえり」 

唯「う・・・んっ・・・ただいま!」 
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/10(日) 00:07:01.70 ID:15W5YCWMo

―――――澪の部屋 

ガチャ 

バタン 

澪「・・・」 

ゴト 

澪「荷物の整理は帰ってきてからだな」 

スタスタ 

澪「・・・はぁ」 

ゴロン 

澪(・・・『ヴェガを見送る気持ち』・・・か。確かに変な感じだったな) 

澪「・・・」 

澪(そろそろ・・・でかける・・・じゅん・・・び・・・) 

澪「」ウトウト 

pipipipipipipipipi 

澪「!」 

ピッ 

澪「・・・もしもし」 

『あ、もしもし澪ちゃん?』 

澪「どうした、唯?」 

唯『あのね~、明日和ちゃんと勉強するんだけど、澪ちゃんもどうかなーって』 

澪「明日は都合が悪いな・・・」 

唯『そっか~、残念だよ』 

澪「・・・」 

唯『さっきね~和ちゃんとういに異人館で買ったお土産を渡したんだ~』 

澪「そっか・・・、和の反応はどうだった?」 

唯『・・・あんまり喜んでくれなかったよ』 

澪「ガラス細工の指揮棒だからな。反応しにくいかも」 

唯『えへへ~、そうだよね』
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/10(日) 00:07:29.18 ID:15W5YCWMo

澪「・・・唯は疲れてないのか?」 

唯『帰りの列車で眠っていたから、大丈夫だよ』 

澪「そっか」 

唯『澪ちゃんは疲れたの?』 

澪「あぁ、少しだけな」 

唯『ゆっくり休んでね』 

澪「・・・うん。今もベッドで横になってる所」 

唯『自分の部屋ってかなり落ち着くよね』 

澪「・・・そうだな。落ち着きすぎて眠ってしましそうだった」 

唯『・・・そっか』 

澪「・・・」 

唯『・・・』 

澪「明日何時まで勉強するの?」 

唯『え~と、ね。夕方?』 

澪「分かった。顔出せるように頑張るよ」 

唯『ほんとー!?やったよ!』 

澪「はは、・・・じゃあな」 

唯『うん・・・、またね~』 

プツッ 

澪「・・・」 

澪(日常に戻ってきたんだな・・・) 

澪「そうだ・・・」 

ガバッ 

澪「むぎからもらった小樽の・・・」 

ガサゴソ 

澪「・・・」 

コト 

澪「・・・」ナデナデ 

澪(出かける準備・・・するか・・・) 

ガチャ 

バタン 


次回 紬「最終駅へ」