打ち止め「統括理事会からお手紙を預かっているのだ！」

一方通行「あァー？こりゃホログラムだな」

アレイスター『ごきげんよう、一方通行。君とは実験を断わられて以来になるのかな？順を追って計画を進めていきたい私の立場から言わせてもらえば、メインプランの君が絶対能力進化を蹴ったことは大変な痛手でね』

一方通行「知るかよ。もしかしてまた勧誘するつもりですかァ？言っとくけど、人殺しなンて御免だぜェ」

打ち止め「ヘタレだね！って、ミサカはミサカは毒づいてみる」

一方通行「うるせェ……」

アレイスター『レベル６シフトの件は君にとっても悪い話ではないはずだ。そこで次の提案なんだが、妹達を処理していく以外の方法を考えてみた。こちらの方がより効率的かもしれないな』

一方通行「なンだよ。一応聞いてやるから、さっさ言えや」

アレイスター『妹達の中から王を決める闘いに参加してもらいたい』

一方通行「はァ？王を決める闘いィ？」

打ち止め「どちらかと言えば女王じゃないのかな？って、ミサカはミサカは突っ込んでみる」

アレイスター『今回行われる実験にかぎり、被験者は君だけではない。学園都市の超能力者から無能力者までの全員が対象とされる』

一方通行「ふーン」

アレイスター『本当は随分前から大々的に告知していたイベントなのだがね、引きこもりにはあまり関係のないことだろう。多数の希望者が募っての最終審査も昨日終了したばかり。今日からさっそく始める予定だ。ついでに言うと、その個体は君専用にあしらえた人形だよ。思う存分使ってやるといい』

打ち止め「いやーん！使うってなんかイヤらしいよぅって、ミサカはミサカは恥じらいを覚えてみたり」

一方通行「ふン」

アレイスター『』ﾌﾞﾁﾝ

打ち止め「あっ！勝手に消しちゃだめだよ！」

一方通行「知るか。あー……うっぜェ、なンか調子狂った。久しぶりに学校にでも行くか」

「五賢帝の最後の皇帝といえば誰か？そこのお前、答えてみろ」

一方通行「トラヤ……マルクス･アウレリウス･アントニヌスですゥ」

「くっ……！正解だ」

一方通行「」ﾄﾞﾔｯ

天才アピールうぜぇー

嫌味よねー

そんなに俺らを見下したいのかよ

てか、いま間違えそうだったよな？

一方通行「…ケッ。やっぱし帰るか」

10032号「おや、セロリさん。もう下校するのですか？と、ミサカはクラスで浮いてる可哀相な少年に優しげに声を掛けます」

一方通行「お前か……つーか、妹達は今日から実験じゃねェのかよ？」

10032号「いえ、王を決める闘いに参加できるのは審査で選ばれた百体の猛者共だけ。このミサカは圏外です」

一方通行「あっそ」

10032号「アナタは参加しないのですか？たしか優勝者には賞金がでるという話でしたよ」

一方通行「興味ねェよ。大体レベル６になンてならなくても、家から一歩も出なきゃ誰も突っ掛かってこないンだ。別に金にも困ってねェし？」

10032号「そうですか。しかし、実験はともかく引きこもりはよくないと思いますが……」

一方通行「とにかく今日は帰るぜ。じゃあな」

打ち止め「あ、いたいた！一方通行ぉおおおおお！！」ﾄﾞｰﾝ

一方通行「ごほォ！！」

打ち止め「置いていくなんて酷いよー！ミサカはアナタのパートナーなんだからねっ！」

一方通行「てめェ……(くそ、追いてきやがったか。コイツなンとかしないと)」

一方通行「いいか、打ち止め。お前がこの一方通行と組みたいと言ってもだ、俺ァ弱い奴と共闘する気はサラサラねェぞ」

打ち止め「ニートのくせして無駄にプライド高いんだねっ！」

一方通行「余計なお世話だ。……ンで、昼休みのこの時間帯は、屋上に垣根って野郎が他の生徒さンをたかってるはずだ。そいつに勝てたら実験の話も考えてやンよ」

打ち止め「わかった！って、ミサカはミサカはもうダッシュで屋上へ直行してみたりー！」ﾋﾞｭﾝ

一方通行「アハ」

10032号「相変わらずの腐れ外道ですね。レベル３程度の上位個体が学園都市の第二位に勝てるわけがないのに」

一方通行「いいンだよ、これであの餓鬼も諦めがつくだろ」

10032号「ミサカは少し心配です」

一方通行「安心しろよ。餓鬼に手加減できないほど未元物質も落ちぶれちゃいねェよ」

10032号「そうでしょうか……」

一方通行「ま、ちっとだけ様子見てくるかァ」

打ち止め「おい！その人を放すんだ！って、ミサカはミサカは生徒指導！」

垣根「…おいおい、人聞きが悪いぜ、お嬢ちゃん。俺だって弱い者イジメをする趣味はないんだ。もとはと言えばコイツが突っ掛かってきたのが事の発端さ」

「……うぅ」

垣根「レベル５にもなると色々あるんだ。こういう身の程知らずの馬鹿に目をつけられるんだからイイ迷惑さ」ｸﾞｼｬ

「ぬわあああああ……ッ！」

打ち止め「やめるのだああああああ！！」

垣根「ハッ」ﾊﾞｻｯ ﾋｭﾝ

轟ッ！！

打ち止め「きゃあああああ！！」

垣根「お家へ帰ってねんねしな」

打ち止め「……やだ」

垣根「あ？」

打ち止め「ミサカは……一方通行と約束したんだもん……アナタを倒したら……一緒に王様を目指すんだって……！」

垣根「一方通行ぁ？ ハッハッハッハッ！！」

打ち止め「！！ 何がおかしいの！？って、ミサカはミサカは大憤慨！！」

10032号「セロリさん！！上位個体が！！」

一方通行「…なっ！なにやってンだよアイツ」

垣根「引きこもりの第一位さまが？ 妹達の王を決める闘いに！？ 笑わせるなよ、クソ餓鬼がぁ！！」ﾌﾞﾝ

打ち止め「うわあ！」

垣根「仮にその話が本当だったとして、あのモヤシがお前との約束を守るとでも思ってんのか？気付けよ、お前は一方通行に騙されたんだ」

一方通行「！」

垣根「アイツは自分以外、すべての人間がうっとうしい！！先公でさえ見下している！！」ｺﾞﾘｯ

打ち止め「ぐぅっ」

垣根「能力以外の取り柄がないくせ、実験には一切関わろうとしねぇ！！あんな役立たずを必要としている奴は誰もいねぇ！！いてほしいと思っている奴なんか一人もいないんだよォォおおおおお！！」

一方通行「……」

10032号「一方通行……」

一方通行「(…ああ、そうさ。そのとおりだァ。だからもうやめろ打ち止め……！これ以上お前が俺の嘘で傷付く必要なんて――


打ち止め「うるさいッ！！お前に一方通行の何がわかる！！」

一方通行「……打ち止め？」

打ち止め「一方通行は好きで最強になったんじゃない！！理事長が言ってたもん！！小さい頃は普通に友達と遊んでいたって！！学年が上がるたびに周りの友達が一方通行を妬み始めたって！！」

10032号「上位個体……」

打ち止め「一方通行が変わったんじゃない！！一方通行を見る友達の眼が変わったんだッ！！」

一方通行「打ち止めァ……っ」ｼﾞﾜｯ

打ち止め「一方通行が実際なにをした！？お前のように弱い者をイジメて金を奪ったか！？」

垣根「いや、金を盗っちゃいねぇよ」

打ち止め「学校に来なくていいのはお前の方だチンピラああああ！！これ以上ミサカの友達を侮辱してみろ！！ビリビリしてやるぞゴラァァアアアアアアア！！」

垣根「……」

打ち止め「……って、ミサカはミサカは擁護してみる」ﾊｧﾊｧ

一方通行「待たせたな、打ち止めァ！！」ﾊﾞﾝ

打ち止め「一方通行！」

垣根「なんだ。いたのかゴミクズニート野郎」

一方通行「覚悟しやがれ、ていとクゥウゥウウウウウン！！この俺が来たからにはテメェなんざケチョンケチョンのミソっカスだァ！！」

打ち止め「ケチョンケチョンなのだぁ！」

垣根「(ヤバいな。マジで来やがったよ、この貧弱。こうなったら……)」

一方通行「どうしたァ！？怖気付いてんじゃねェよ第二位さんよォォ！！」

垣根「まぁ、待てよ。勝負っつーなら、お前たちもこっちの方がいいんじゃないのか？」

番外個体「ヒャハ！○○○○気持ちよすぎワロタ」ﾊﾞﾝｯ!

10032号「あなたは……！」

打ち止め「まさか……アナタたちも王様を決める闘いに！？」

垣根「そうさ。どちらか負けた方がいち抜けってことだな」

一方通行「上等だコラァ！！対戦ルールは待った無しのデスマッチだぜェええ！！？」

垣根「ワースト！！ミュージックスタートだ！！」

番外個体「はいよ」ｶﾁｯ

トゥルルルゥー

垣根「チッチッチッチッ おっぱーい♪」

番外個体「ボイン、ボイ～ン♪」

一方通行「いくぜェ……打ち止めァ！！」

打ち止め「ウヌウ！」

一方通行「シン・ミサカワン・バオウ・ザケルガァァああああああああ！！！」

垣根･番外個体「ぎゃあああああああ！！」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘ

打ち止め「やったね！初勝利だよ、一方通行！！」

一方通行「あァ……頑張って優しい王様を目指そうぜ、打ち止め」

打ち止め「うん！！」



おわり