前回 刹那「ISのアニメが終わった?」ティエリア≪随分前にな≫

2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 19:24:12.03 ID:BShY2nZa0

 数分とかけず、到着する。
 敵の数は、目に見えて多い。
 ざっと勘定して、西の二倍ほどはある。

「刹那さん!」

 学園の校舎へ近づくガラッゾをスターライトmkⅢで狙撃して、セシリアがスコープから顔を離す。
 小規模な爆発と、それに伴う轟音に紛れはしたが、その声は戦場を駆ける一矢となった。

「来たの……!?」
「遅いじゃない!」
「待ちかねたぞ、刹那!」

 各々の位置で迎撃に力を割いていた専用機持ちが、集結する。
 結集に成功した今、ようやく作戦行動に移れるのだ。
 作戦行動と言っても、全力で殴りこみをかけると言う、限りなく無策に近しいそれだが。

 ともあれ、今ある選択肢はこれのみである。
 所定の位置についたことを通信で知らせると、一度学園の本部を通して指示が下された。

 動きを揃え、同じように集まった一般生徒が手に持つ火器で一斉掃射を開始。
 そびえ立つ鋼鉄の壁に、僅かながら穴が開く。

 その穴を、教員達が突く。
 小さなほころびが、やがて大きな歪へと変わる。

 こうやって、突破口を作る。
 目的地へ続く、刹那達が進む花道。

 だが、

引用元: 刹那「ISのアニメが終わった?」ティエリア≪随分前にな≫ 



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3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 19:27:26.83 ID:BShY2nZa0

「……ラウラさん、敵との戦力比は?」
「私達が始末すべきは二百五十機。中枢に突入する人員を除けば、一人五十機の割り当てだ」

 戦力差は、いかんともしがたい。
 学園のISをかき集めたところで、限度と言うものがある。
 それに対し、敵の絶対数は相当なもの。
 容易く道が開けるはずもなし。
 数の利は、いつの時代になっても変わらぬ道理として立ちはだかる。

 ならば、

「私にお任せを!」

 その道理を、蹴っ飛ばしてみせよう。

 セシリアが、躍り出る。
 ビットを展開、自らに付き従うよう配備。
 続けて、武器を換装。二丁のスターライトmkⅢを両手に握り、レーダー上の光点をマルチロック。

「乱れ撃ちます!」

 ブルー・ティアーズの援護を受け、撃つ、撃つ、撃つ。
 視認と同時にトリガーを引き、ブルー・ティアーズを操作し、前方の対敵を撃破し続ける。

5: >>4 お気になさらず こっちの方がゆっくり進められるので 2011/04/28(木) 19:28:39.99 ID:BShY2nZa0

 立て続けに、爆発。
 生まれる爆風の中を、甲龍とラファール・リヴァイヴが進撃した。

「出来る限り、ロックを集中させるわよ!」
「わかってる!」

 装備した両刃の青竜刀、双天牙月を振り回し、鈴音は縦横無尽に猛威を振るう。
 その隙を狙う連中を、シャルがアサルトライフルで、ショットガンで、パイルバンカーで叩き落とす。

 二人を中心として、台風が広がっていくかのようだ。
 近づく者は、一切の抵抗すら許されず、その五体を引き裂かれ、焼き尽くされ、弾き飛ばされる。

 その危険を察知し、離脱を図った機体に、一メートル近い電磁砲弾が突き刺さった。
 遠方で、ラウラがレールカノンによる狙撃を実行しているのだ。
 アイパッチを外したことで露にあった右目には、黄金の色が刻まれている。
 いよいよ、ラウラも本領発揮だ。

「反射と思考の融合……!」

 セシリアが減らした数を考慮に入れ、砲撃を慣行。
 当たれば即撃墜の一撃。
 よしんば回避したところで、移動した先には暴風の如き鈴音が待機している。
 そうなるように、計算しながらレールカノンを使用しているのだ。
 その狙いは、正確かつ素早い。

 これこそ、擬似的な超兵であるラウラが成せる業。
 右の目と脳で、各機の位置把握と行動予測。
 左の目と脳で、射線の計算と次手の模索。
 それら全てを同時に行い、味方が最も効率的に動けるよう立ち回る。

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 19:29:24.25 ID:BShY2nZa0

 見る見る内に、敵機の影が消えていく。
 一直線の進路が、形成された。

「刹那!」

 ラウラの叫びに無言で返し、刹那とブシドーは一心不乱に突貫。
 分厚い敵機の防壁は、既に崩された。
 なれば、ここを乗り越え、元締めを叩きのめすのみ。


 されど、そう上手くはゆかぬ。
 右方から突進してくる無人機に、刹那は思わず足を止めてしまう。
 人が乗っていないことを活かし、玉砕覚悟で進攻して来るのだ。
 放置しては、無防備な背中に特攻をくらってしまう。
 どれだけ小さかろうと、MSはMS。それも、擬似太陽炉を搭載したガンダムタイプである。
 自爆に巻き込まれれば、ただではすまない。

 GNフィールドを展開して攻勢をやりすごし、返す刀で裁断する。
 その打ち合いは、文字通り瞬く間に終わった。
 経過した時間は、数秒である。

 その数秒で、敵は体制を整えてしまった。
 刹那を囲むように、道を埋める。鋼の肉壁が、刹那の眼前に築かれる。

 仲間の手によって切り開かれた未来への道標は、ついぞ闇に染められてしまった。
 もう一度協力を仰ぎたいが、ここは敵陣奥深く。味方機からは、随分と離れている。助けを待つ暇はない。単機突入が仇となった。

7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 19:30:01.08 ID:BShY2nZa0

 悪化した状況に舌打ちする刹那の横を、漆黒の気配が走り抜ける。
 確かめるまでもない。
 刹那に続いていた、ブシドーであった。
 第四世代の速力でもって目の前の邪魔者に肉薄すると、瞬きの間に二振りの剣を打ち下ろし、仕留める。

「行け、少年!」

 背を向けたまま、ブシドーが吼えた。
 その勢いを保ち、スサノオが敵中に突っ込む。

「未来への水先案内人は、この私が引き受けた!」

 構えた刀が、熱に覆われる。
 擬似太陽炉から生成されたGN粒子の色が、より濃くなった。

「トランザム!」

 太陽炉が、GN粒子が、弾ける。
 艶のある闇夜の如き装甲が、鮮やかな緋色の化粧をまとう。

 これが、スサノオの隠し玉。
 一度の出撃につき一度きりの、奥の手――――トランザム。

 爆発的な推力を得たスサノオが、空を自在に飛びまわる。
 さながら、流星の如し。すれ違った星のことごとくを、切り伏せていく。

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 19:32:48.82 ID:BShY2nZa0

 赤き弾丸は無秩序な軌道を描き、しかし確かな目的を達した。
 刹那の前に、もう一度道が開かれる。

「……突入する!」

 憂いはある。仲間達を置いて先に行くのは、正直に言って恐ろしい。
 そうすることによって、助けられるはずだった誰かが死してしまうかもしれないのだ。
 その懸念を完全に捨てきることは、刹那には出来ない。

 しかし、行かねばならぬ。刹那が行かずして、誰が代われようか。
 刹那は、希望と意思を託されたのだ。その思いを裏切ることなど、出来ようはずもない。



9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 19:40:39.49 ID:BShY2nZa0


 未だ帳の落ちた夜空の下、ダブルオーライザーが風を切る。
 布陣を突破した先には今まで以上に多くの戦力が待ち受けているだろうと踏んでいたが、呆気ないほどに静かだ。
 現在地は、学園から多少の距離を隔てた、開けた土地だ。乱立する木々が探知を阻むことはない。

 独自の技術を用いる刹那のISであれば、近づくだけでGN粒子での隠れ身を無効化することが出来る。
 即ち、文字通り無人の状態なのだ。
 それが、ひどく不気味だった。

(……レーダーに反応は?)
≪いや……感知できるのは学園の敵機だけだ。随分離れてしまったが……≫

 まさか、読みが外れたか。
 指揮官も前線に出ているだろうと言う前提で策を練っていたが、これはただの牽制に過ぎないのかもしれない。
 だとするなら、敵方にはあれを大きく上回る蓄えがあるのだろうか。もしそうだとするのなら、最悪だ。

 そこでティエリアの声が脳裏に響き、悪い方向へと連鎖する刹那の推量を中断させる。

≪前方に動体反応≫
(詳細を)
≪熱量からして、生身の人間だ≫

 人間?
 案に相違したティエリアの報告に、刹那は眉をひそめた。
 ここからでも、戦で火の手が上がっているのは視認できるはず。
 学園の立地的にも、民間人が近寄る場所とも思えない。
 だとするのなら。

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 19:41:33.98 ID:BShY2nZa0


 答えが明確になった思考を保留して、刹那は足を止める。
 何故なら、彼の前に、人間が立っていたからだ。

 ――――やはりか。
 刹那が思い描いた姿が、面前のそれと被った。

 男性にしては華奢な、女性にしてたくましい、その体躯。
 体つきと同じく、男とも女ともつかぬ、中性的な顔立ち。

 その者の、名前は。

「リボンズ・アルマーク……!」
「やあ。久しぶりだね、刹那・F・セイエイ……いや、ソラン・イブラヒム」

 腕を組んだ不遜な態度のまま、リボンズは刹那を迎えた。
 何がおかしいのか、含み笑いを保ちつつ、彼は空中の刹那を見上げている。
 思いもよらなかった、そして出来ることなら実現してほしくなかった再会に、刹那は己の心が惑うのを感じた。

≪生きていたのか……!≫
「肉体は、僕にとってただの器にしか過ぎない」
≪貴様の人格データは、ヴェーダの奥底に封印したはずだ!≫
「勝手に決め付けるから視野が狭いのさ。僕は上位種……君の目を欺く程度、難しくもないんだよ」

 怒りに震えるティエリの擬似音声を浴びても、のれんに腕押し。
 リボンズは、飄々とした応対を続行する。

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 19:47:44.43 ID:BShY2nZa0

 不快さを隠せないティエリアの言を継いで、刹那が口火を切った。

「何故ここにいる……!」
「‘ソレスタルビーイング’は本来外宇宙航行艦……
 ヴェーダには、僕たちの宇宙に限らず、様々な情報が収められているのさ。
 その資料へのアクセスには、制限をかけておいたけどね」
≪僕達がここへ飛ばされたのも……!≫
「ヴェーダを通して、僕が細工をしておいたからさ。
 目論見通り、君たちはこの宇宙へとワープしてきた。
 三百年前の地球に酷似した、この惑星に」
「貴様が全ての元凶か……!」
「元凶とは、嫌な言い方だな。その物言い、好きじゃないよ」

 口ではそう言いながらも、不愉快とも何とも思っていないのだろう。
 彼の顔には、薄い笑みが張り付いている。

「学園を襲撃したのも……ラウラに実験を施したのも貴様だな」
「C-0037のことかな。人為的な手段で人間からイノベイターを作成する試みは失敗したけれど、彼女は持ち直したようで何よりだよ。
 全く、いい道化だ、ラウラ・ボーデヴィッヒは。まさか、君に惚れ込むとはね」

 くつくつと喉を鳴らし、リボンズは笑う。
 ピエロのような、芝居がかった笑い。道化師の仮面を被った、悪魔の嘲笑。

「貴様の都合で……! まだ神を気取るつもりか!」
「いいや、神そのものだよ。……救世主なんだよ、僕は」

 言いながら、リボンズが右の腕をかざす。
 まばゆい閃光が一帯を包み、リボンズの体を覆い尽くした。

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 19:54:08.87 ID:BShY2nZa0

 収まれば、そこに立つのは赤いIS。
 リボーンズガンダムの威容を模したそれが、リボンズの手足と化している。

(IS……!)
≪僕達イノベイドは、本来性別がない。適正があっても、おかしくはないが……!≫

 ELSと同化している刹那はともかく、リボンズ・アルマークまでもがIS操縦を可能としているとは。
 思わず舌を巻く刹那に構うことなく、リボンズは口を働かせる。

「この地球でもまた、人類は争いの火種を育てている。……このISもそうさ。
 水面下では、多くの人間が小競り合いを繰り返している」
「だから、人類を支配するとでも言うのか……!」
「導くのさ、この僕が。愚かな連中を、誰かが諭してやる必要があると思わないかい?」

 傲慢と言う言葉を体現したかのようなリボンズの言動に、刹那は歯噛みした。
 あの戦いを経ても、こいつはまだ変わっていない。歪みを抱えたままだ。

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 19:56:31.02 ID:BShY2nZa0

「貴様は歪んでいる!」
「なら、どうするんだい?」
「その歪み……この俺が断ち切る!」

 リボンズへ向け、刹那はダブルオーライザーを疾走させた。
 GNソードⅢの刃を展開し、接近。
 強引に武器の間合いへと待ちこむと、横薙に剣を浴びせる。

 リボンズは急くこともなく、左の腕で大型のGNビームサーベルを抜刀。
 GNソードⅢの刀身へと、かち当てる。

 刹那の武器にも、リボンズの兵装にも、GN粒子でのコーティングが施されている。
 それ故、実体剣とビーム兵器でありながら、鍔迫り合いが起きるのだ。

「何故争いを呼ぶ! 俺も貴様も、求めていたものは同じはずだった!」
「平和を作るためには条件がある……一つは全ての兵器を排除すること。
 もう一つは……人々から、戦う意志を取り除くことさ!」

 語気を強め、リボンズがGNソードⅢを押し返す。
 一瞬の間生まれた硬直を活かし、リボンズはGNドライヴを頼りに距離を取ると、
 右腕に携帯したGNバスターライフルの引き金を絞った。

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 20:00:39.79 ID:BShY2nZa0

 殺意を表したかのような鮮血の弾が、刹那を襲う。
 体を捻り、極小の挙動で敵弾をかわすと、刹那は再びリボンズに追いすがる。
 GNドライヴの数も、移動方向も同じ。しかし、ここで利を有するのは、前進しているダブルオーライザー。
 人間の体は、前を向いて歩くように出来ている。体を正面に向けながらのバック移動では、当然ながら速度の一点で劣ろうと言うものだ。

 再びリボンズを射程範囲内に収めると、刹那はGNソードⅢを振りかぶり、容赦なく打ち下ろす。

「そのために戦いを引き起こすのか! それがまた戦いを生むと知って!」

 右脚を引き、リボンズは軸をずらして回避すると、反撃とばかりにGNビームサーベルでの刺突を繰り出した。

「兵器は、ただ持っているだけのコレクションでもなければ、
 使わなければならないものでもない!
 存在を誇示することによって、敵対者を黙らせることも出来るのさ!
 そのために、僕は力を持っている!」

 そうそう食らってはやれぬ。
 刹那は対手の技を一瞥すると、その軌道が意味するところを読み取り、リボンズの頭上へと上昇。死角に回り込んだ。
 リボンズが、刹那を捕捉し直すまでの時間。そのタイムラグを準備に利用して、刹那は渾身の一撃を叩き込む。

「所詮、それは武力による圧制でしかない!
 その力が縛られる人間の無自覚な悪意を育て、やがて革命と言う名の戦争が起きる!」
「支配者がいずれ腐敗するのは、老い衰えて妄念に捕らわれるからだ!
 未来を作るのは老人じゃないのさ! 古い考えは切り捨てなければならない!
 だからこそ、僕は絶対なんだよ! 打ち倒されることなどありはしない! 僕の存在があってこそ、恒久和平は実現出来る!」

 それすらも、リボンズは見切っていた。
 肩部・腰部装甲に装着したリボーンズキャノン時の砲塔――――GNフィンファングを作動させ、自身のほぼ真上を取るダブルオーライザーに向ける。
 刹那の刃が到達する一寸前に、銃口から真紅の粒子ビームが放たれた。

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 20:03:57.13 ID:BShY2nZa0

 右腕のGNソードⅢで、襲来するビームを切り払うダブルオーライザー。

「それでも、人は死ぬ! 力を誇示するために必要となる犠牲が生じる!」
「その損失を無くすために、イノベイターをも超えたものが人類を導くのさ! 統一世界を作るのは、この僕だ!」

 その一時の防御が、リボンズに自由を与えてしまった。

「フィン・ファング!」

 先程刹那に牙を向いた、リボーンズガンダムの専用武装が起動する。
 四基が展開し、足を止めた刹那を取り囲んだ。

 しかし、刹那にとって、ファングをさばく程度は造作もないこと。
 GNソードⅡへと換装、両腕の剣でもって接近するフィン・ファングを叩き落していく。

「力によって成し遂げた統一に、平和など訪れない!
 平和は、軍事力によって維持するものではない!
 互いに分かり合い、分かち合い、手を取り合うことで、初めて紛争を根絶することが出来る!」

 左右の腕を、二振り。
 その動作だけで計四基のファングを沈めると、刹那が対応に手間取った間に距離を離したリボンズへ向け、GNソードⅡでの射撃を開始する。
 GNソードⅡからそれぞれ三発、バインダーからは高火力の収束ビームを一発ずつ、都合八発の弾丸がリボンズを狙う。

「僕には、不可能を可能にするだけの力がある!
 人間を管理して未来に導き、この世界を思うままに創造する権利は、僕だけが持つ!」

 網目を縫うように、リボンズは鋭鋒を抜けた。
 そのままの威勢で、刹那に向け突進する。

 今まで徹底していた射撃戦を捨てての、カウンター。
 敵機がアウトレンジでの戦闘に長けるGNソードⅡを装備していることを見抜き、
 更には突如として戦術を切り替えることによって相手の意表を突く、奇策。

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 20:06:13.77 ID:BShY2nZa0

 だが。

「貴様だって、世界の一部だろうに!」

 敵も人間。獣と違って頭が回ることなど、刹那は百も承知である。
 刹那は二本のGNソードⅡを連結すると、リボンズへ向け投擲。
 正面から向かってくるリボーンズガンダムと、その機体の方角へ進むGNソードⅡ。
 進行方向を同じくする以上、激突するのは必定の理。

 自らの策が看破されたことを理解すると、リボンズはひとまず攻めを捨て守りに回った。
 GNドライヴを頼りに、空中で機体のルートを変更、GNソードⅡの脅威から逃れる。

「ダブルオーライザー、刹那・F・セイエイ!」

 それこそが、刹那の目論見。
 GNソードⅡへの対処に集中させることで、自らの持ちうる最大の破壊力を、痛烈な一打を直撃させるのだ。
 GNソードⅢを右腕に携え、ダブルオーライザーが駆け抜ける。

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 20:13:32.25 ID:BShY2nZa0

 リボンズは、それに気づいた。
 しかし。気づいても、間に合わない。
 既に、刹那はリボンズの懐へと飛び込んでいた。
 ダブルオーライザーの刃が、その威力を真に発揮する、最高、最適、最強の距離に。

「目標を、駆逐する!」

 鈍いきらめきを放つ鋼が、疾走する。
 鋭く研ぎ上げられ、分厚く打ち作られた白刃は、定められた任務を完遂するに十分な破壊力を有していた。

 例え人間であろうと、ISであろうと、モビルスーツであろうと、一刀の元に両断する、一振りでも致命打に成り得る、その太刀で。
 ダブルオーライザーは、リボーンズガンダムを撃墜した。




18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 20:19:52.60 ID:BShY2nZa0

 リボーンズガンダムのシールドゲージが、底を着く。
 ISを強制解除され、リボンズの体が地面に投げ出される。

 大地に打ち付けられ、体が小さく跳ねた。
 一度のバウンドの後、リボンズは力なく横たわる。

「終わりだぞ……リボンズ・アルマーク」

 スピーカーで拡大された刹那の声が、夜空の下に響く。
 平坦なその声色に対し、その心中は穏やかではない。

 ――――いやに、簡単すぎる。たった一撃で撃破できるなど、いくら何でも容易に過ぎよう。
 だがしかし、答えを導き出す術などない。
 刹那はエスパーではないのだ。リボンズの考えを一言一句間違わずに読み当てるなど出来るはずもなし。

 なれば、静観する他ない。後手に回ることになるが、致し方なし。
 そう決断した刹那の言葉を受けて、リボンズは俯いたまま立ち上がった。
 表情を窺い知ることは、出来ない。
 だが。

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 20:24:31.53 ID:BShY2nZa0

 笑っているような気が、した。
 敗北を喫してもなお、リボンズの心胆は余裕と傲慢に満ちている。

「まだだ……まだ終わっていないよ」
「……投降しろ」
「まさか」

 ふん、と鼻を鳴らす。
 それから、腹の底から力を込めて、

「出ろ! ガンダムッ!」

 叫ぶ。獅子の咆哮が如き、自信と猛りに溢れるその雄叫び。
 それに応じたか。

≪熱源接近……! 接触まで残り0004!≫
「方向は!」
≪下だ!≫

 ティエリアの警告メッセージに遅れ、足元が爆ぜた。
 地雷でも起爆したのか、土と岩が弾き飛ばされ、空に踊る。
 続けて、土煙が巻き起こった。閉ざされる視界。

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 20:27:07.44 ID:BShY2nZa0

 咄嗟に高空へと退避した刹那は、しかし、レーダーに映った反応を目にして、その目を見開いた。
 巨大。ISに比して、ではない。先日の無人機よりも、ずっと大きく、強い熱。
 そして、耳をつく駆動音。舞う、GN粒子。

 これは。
 覚えのある、この感じは。

 吹き抜けた強風に煽られ、視認が可能になる。
 視覚から入り込んだ情報。やはり。

「ガンダム……!」
≪地下にモビルスーツを隠していたのか……!≫

 二十三メートルにも及ぶ、その巨躯。
 単純に計算して、ISの十二倍強はある。
 その威圧感たるや、尋常ではない。

「さあ……刹那・F・セイエイ! 君もガンダムに乗るといい!」

 リボンズの声が、エコーする。
 先の騒動に紛れて、乗り込んだのだろう。

≪刹那!≫
「……了解! クアンタで出る!」

 刹那の体が、淡い光を放った。
 直後、肉体を中心としてフレームを形成、装甲が取り付けられ、各種武装が構築されていく。
 ELSとの一体化を果たした刹那にこそ出来る、曲芸染みた芸当だ。

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 20:29:34.41 ID:BShY2nZa0

 数秒で、工程を終える。
 リボーンズガンダムと相対するは、刹那の専用機、対話のための機体、ダブルオークアンタ。

 シートに背を預け、意識を集中させる。
 前面モニターに表示されるインフォメーションに目を通し、レバーを握り締める。
 コクピットを使用するのは、久方ぶりだ。
 しかし、いざこうしてみれば、感覚が鮮明に思い出される。
 ISのそれ以上に慣れ親しんだ操縦形態だ、戸惑いなど微塵もない。

「粒子残量は?」
≪通常戦闘ならば問題はない≫
「……一基を予備に。残ったGNドライヴの稼働率を引き上げる」
≪了解した。貯蔵を開始する≫

 ダブルオークアンタのGNドライヴは、ツインドライヴ用に調整・製造されたスペシャルである。
 GN粒子生成のスピードは、他とは比較にならない。
 例え半分程度でも、モビルスーツ戦をこなせるだけのキャパシティがあるのだ。

 セットアップを完了させたのを見越してか、リボンズからの通信が入る。

『やはり、僕たちの戦いはガンダムを用いてのものでなければならない!』
「貴様は……! この世界も、戦いで歪めると言うのか!」

 モビルスーツは、刹那達の地球の産物だ。
 それを持ち込んでの戦争は、戦火を飛び火させる結果しか生み出さない。

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/28(木) 20:32:08.16 ID:BShY2nZa0

 ダブルオークアンタに向け、リボーンズガンダムがGNバスターライフルを撃ち放つ。
 言の葉を乗せた銃弾が、刹那へ殺到した。

『君が何を思おうとも構わない! 僕は、今こそ君との――――純粋種との決着を着ける!
 君を倒すことによって、僕こそが完成された存在であると証明するのさ!』
「勝利だけが望みか! そのエゴが、世界を歪ませる!」

 ダブルオークアンタのカメラが、飛来する熱塊を捉える。
 その全てを捕まえ、射線を見切ると、隙間に機体をねじ込ませ、反撃に移る。
 GNソードⅤを構え、トリガーを二回。同時、肩のGNシールドからGNソードビットを射出。

 GNドライヴで姿勢を制御し、リボーンズガンダムもまた第一射をかわす。
 次いで来るGNソードビットの追い討ちを、大幅な移動で無力化すると、対抗するようにGNフィン・ファングを展開する。

 静寂に支配されていた一夜の空は、
 ダブルオークアンタのGNソードビットと、
 リボーンズガンダムのGNフィン・ファングが
 舞い飛び、ぶつかり合い、ビームが乱反射する戦場へと様相を変えていた。



34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:07:12.91 ID:Wjlsmv2f0

「あれは……!」

 無尽蔵とも思えるモビルスーツを相手取り、流れるように白刃を操る千冬は、夜空を切り裂くように現出した巨人の姿を捉えた。
 あの、白と青の機体。刹那のISと、酷似した外見だ。おそらくは、あの男が搭乗しているのであろう。

 それと向かい合う、赤と白の機体。刹那のそれと対になるようなそのロボットは、千冬の記憶に深く刻み込まれていた。

「あの時の奴か……!」

 第二回IS世界大会前日に、千冬が不覚を取った、あの巨大なIS――――ガンダム。
 奇襲やサイズの違いと言う条件があったとは言え、千冬が負けに追い込まれた唯一の相手。
 今回の一連の事件、あいつが裏で手を引いていたのだろう。

 ガンダム。
 刹那の話を聞くにあたり、その単語は無視できないものであったが、当時は偶然の一致だろうと考えていた。
 しかし、今ならば確信出来る。

 あの、ガンダムは――――

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:10:53.69 ID:Wjlsmv2f0

 思案に耽りつつ、左側から特攻してくるガデッサを殴り飛ばし、千冬は空を見上げる。
 空中を自在に飛び回り、己の意地を張り通し、互いに鎬を削りあう、二つの閃光は。
 とても、美しく見えた。

 千冬の胸中で、熱い思いがくすぶる。
 あいつとの、ケリをつけたい。自らの、この手で。

 しかし、それは出来ない。今の自分は、生徒を守る学園の教師なのだ。
 ここで千冬が感情に逆らわず独断行動を行えば、途端に陣形が崩れ、多くの死傷者を出すこととなる。

 ならば、刹那に賭けるしかない。彼が、勝利を収めることを信じて。



36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:11:50.59 ID:Wjlsmv2f0

 駆け、撃ち、切り、火花を散らし、せめぎ合い、命を削り。
 壮麗とすら評せるだろう押収を、二機のガンダムは繰り広げていく。

 終わらない演舞にすら写るそれに、転機が訪れた。

「「トランザム!」」

 ダブルオークアンタが、リボーンズガンダムが、燃え上がるように色を変える。
 淡い赤。高濃度圧縮粒子を完全開放する、GNドライヴに許された特権、ガンダムタイプのみが持つ切り札、トランザム。
 それを、両者は同じタイミングで発動した。

 GNソードビットを先行させ、ダブルオークアンタは突撃。
 対し、GNフィン・ファングでGNソードビットを迎撃し、リボーンズガンダムはGNビームサーベルを抜刀。

 刹那の先制に応ずる形で、後の先、待ちの戦術を取る。
 
 右方より迫るGNソードⅤからスウェーバックで逃れ、攻撃後のスキを突く格好でGNビームサーベルを振り下ろす。
 ダブルオークアンタのコクピットを、圧縮された粒子ビームが飲み込む――――


37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:13:14.23 ID:Wjlsmv2f0


 ――――はず、だった。

 リボンズの取った戦法すら予測していたのか、刹那は肩に装備したGNシールドをスライドさせ、GNビームサーベルを防ぐ。
 虚を突かれ、リボンズの動きが鈍る。歴戦の戦士たる刹那が、その絶好の機会を手放す道理などない。

 敵頭部のメインカメラ目掛け、GNソードⅤを、まっすぐに突き立てる。

 自然、リボーンズガンダムは崩壊した。


39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:15:41.86 ID:Wjlsmv2f0

 赤い、粒子となって。

「何っ……!?」
≪量子化した!?≫
『ツインドライヴが君だけのものと思ってもらっては困るな!』

 刹那が対話に費やした五十年の間、リボンズはひたすらに己を磨いていたのだ。
 その内容に、GNドライヴの研究が入ることは当然のことであった。

 今度こそ硬直を晒したダブルオークアンタを
 ――――武器を手に取る暇を与えては体制を整えられると考えたのだろう――――、
 再構成を終えたリボーンズガンダムが殴り飛ばす。

 人間で言うなら顎に当たる部分へ、左のフック。
 脚部へ右のローキックを叩き込んだ後、体全体を使ってタックルをかまし、
 胸部、即ちコクピットに左のジャブを二発、最後を右のフックで締める。

 拳の連撃をもろにくらい、吹き飛ばされるダブルオークアンタ。
 そこでようやく、リボーンズガンダムがGNバスターライフルを手に取る。

 必殺を期すべく照準を定め、引き金を絞る。

40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:17:00.78 ID:Wjlsmv2f0


 直前、GNバスターライフルが爆発した。

「ちぃっ……!」

 狙撃したのは、GNソードビット。
 遠隔操縦兵器同士のドッグファイトに打ち勝ったのは、純粋種たる刹那が駆るGNソードビットであったのだ。

 遠距離戦用の装備を失ったことで、リボーンズガンダムがGNビームサーベルに持ち変える。
 GNフィン・ファングの残数は、三分の一を下回っていた。

 しかし、ダブルオークアンタとて無傷ではない。
 先の衝撃は、コクピットに直撃した。パイロットに、いくらかのダメージを及ぼしたはずだ。誤魔化しは利くまい。

 GNバスターライフルを失った以上、GNフィン・ファングの援護を受けてのインファイトを余儀なくされた。
 背に腹は変えられぬ。無い物ねだりをしても仕方ないと、中空に停滞しているダブルオークアンタへ切り掛かる。

41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:18:25.31 ID:Wjlsmv2f0

 制御を取り戻すと、ダブルオークアンタはGNソードビットで防護膜を張り、GNビームサーベルを止めた。
 そのまま姿勢を整え、GNソードⅤを振りかざす。

 リボーンズガンダムはGNビームサーベルでGNソードⅤをせき止めると、GNフィン・ファングに指示を下し、
 クアンタの無防備な背中を狙い撃つ。

 しかし、イノベイターである刹那の空間認識能力は、常人のそれを凌駕する。
 GNシールドが移動、背部に降りかかる火の粉から、主の身を守ってみせた。

「生意気なっ……!」

 リボンズが毒づくのが早いか、GNソードⅤの切っ先が走る。
 リボーンズガンダムの左腕が、派手に火を上げた。

 リボーンズガンダムも、ただ圧倒されるだけではない。
 GNビームサーベルを用い、意趣返しとばかりにダブルオークアンタの左腕を切り取る。

42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:19:50.01 ID:Wjlsmv2f0

 目には目を、歯には歯を。骨肉の争いを続ける二機。
 しかし。

 遅れる。リボンズの方が、遅い。
 こと至近距離においては、反応速度と言う一点で勝る側に軍配が上がる。

 であるなら。

「ダブルオークアンタ!」

 勝つのは、純粋種たる刹那・F・セイエイに他ならない。

「刹那・F・セイエイ!」

 ダブルオークアンタのGNドライヴが、拘束から解き放たれる。
 限界を超える、オリジナルのGNドライヴだけが持つ最後の手段、オーバーブーストモード。

「この……! 人間風情が――――!!」
「未来を切り開く!」

 GNソードⅤが、疾走する。
 結果は、決まった。



43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:21:30.32 ID:Wjlsmv2f0

 四肢をもがれたリボーンズガンダムが、地に落ちていく。
 轟音を立て、かつてヒトガタだった金属塊は今度こそ動きを止めた。

 それを見下ろすのは、ダブルオークアンタ。
 左の手がない隻腕ではあったが、その姿はある種流麗ですらあった。

「刹那・F・セイエイ……!」

 地に倒れるリボーンズガンダムのコクピットから、リボンズが出てくる。
 その顔は、怒りに歪んでいた。
 ――――何故、止めを刺さない。
 そう、言葉もなく叫んでいる。

 刹那はダブルオークアンタを着陸させると、コクピットハッチを開いた。

「リボンズ・アルマーク……」
「くっ……純粋種!」

 リボンズは怒りを露にすれど、拳銃を手に取ることはしない。
 本質的には聡明である。自分は負けたのだと、そうわかっているのだ。
 自ら戦いを開いておきながらの、その潔さ。
 通常の感性を持つ人間には、理解の出来ないことであろう。

 しかし。刹那には、わかる。
 それが、イノベイターとイノベイドであるからなのか、GN粒子の影響なのか、それとも彼の感情がリボンズの心を察したのかは定かではない。
 であっても、刹那は確信していた。リボンズが、行動を起こしたわけを。



44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:21:58.61 ID:Wjlsmv2f0


 リボンズ・アルマークの狙い。
 それは、刹那との因縁を断ち切ること。

 イノベイドの能力を活かして、IS学園の上層部に紛れ込んだことも。
 リンクしているヴェーダを通して、刹那のモビルスーツに細工を施したのも。
 新型機と称し、福音を暴走させて刹那達にけしかけたのも。
 全壊したガンダムを修復し、今なお刹那との対決に臨んでいるのも。

 全ては、刹那に勝つために。
 絶対者を自負するリボンズのプライドは、刹那に斃された事実を認められなかったのだ。

 ただ、それだけ。
 傲慢の極みと言えるその動機こそ、リボンズ・アルマークの行動理念であり、矜持であった。

 矜持と言い切れるほどに、リボンズの行動は徹底している。
 学園に死傷者は出ていないと聞くし、前回の襲撃の際も、無関係な生徒達への被害は一切なかったと言う。

 全ては、刹那との決戦のために。
 自らの道理を曲げられた恨みを晴らすために、リボンズは己の道理に従ったのだ。



45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:23:23.27 ID:Wjlsmv2f0


「……僕が、勝たなければ……! 僕が作られた意義がない……!」

 リボンズが、唇を噛む。
 薄っすらと、血がにじんでいた。

「存在する意味も……!」
≪違う≫

 リボンズの心中の吐露を、ティエリアが遮る。
 脳量子波を用いての、直接の会話。声無き言葉の触れ合い。

「ティエリア・アーデ……!」
≪人類を導くのではなく……人類と共に、未来を作る。
 それが、僕達イノベイドのあるべき道だ≫

 イノベイドに寿命はない。老いることのない存在である。
 それでも、変わることが出来るのだ。ティエリアは、それを成し得ていた。
 かつて、他者との馴れ合いを嫌っていたティエリアもまた、成長し、変わっていったのだ。

「…………」

 リボンズが、押し黙る。
 己の敗北を悟ることで、自分の目指す場所がどこであったのか、ようやく再確認することが出来た。
 リボンズ・アルマークとは、一体、何者だったのか。それが、生まれた意味は。

46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:24:06.47 ID:Wjlsmv2f0

「リボンズ・アルマーク」
「……刹那・F・セイエイ……」
「お前にも、生きている意味がある。……俺も、お前も、平和を望んでいたはずだ」

 慢心と大言壮語に隠れてしまいがちだが、リボンズが真に欲したのは平和な世界であった。
 その方法を間違え、世界を形作る人間に対し、偏見を抱いてしまったが。
 それでもなお、リボンズは争いのない世界を渇望していたのだ。

「例え道を違えてしまったとしても、その思いは正しい。
 ……この世界でも、皆生きている」
≪生きようとしている≫

 それでも、戦争は無慈悲に、簡単に、命の芽を摘み取っていく。
 いつになっても、争いは終わらず。消えることもなく。
 不幸と憎しみだけを生み出し、世界に傷跡を残す。

 だからこそ。
 戦争のない世界以上に幸せな世界など、あるはずがない。
 幼い頃から戦争だけを繰り返してきた刹那は、変革の末にその理念を掲げるに至った。

47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:26:15.16 ID:Wjlsmv2f0

「……お前も、争いを無くそうとしていた。目的は、俺達と同じだ」
「僕は……!」
「俺は、お前と共に歩みたい。
 ……紛争を根絶し、人と人とがわかりあえる世界を、作りたい」
≪だから≫
「対話を始めよう。リボンズ・アルマーク」

 刹那はハッチを開放したまま、コンソールをいじる。
 命令に応答し、ダブルオークアンタは一部装甲を切り離し、GNコンデンサーを外気に触れさせた。

「クアンタムバースト!」

 超高濃度粒子領域が、広がっていく。
 GN粒子が、刹那を、ティエリアを、リボンズをも包み込んだ。



48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:27:34.95 ID:Wjlsmv2f0

 学園を包囲するモビルスーツが、一様に動きを止めた。
 糸が切れた操り人形のように、電池でも切れたように、眠りに落ちる。

「何……!?」
「止まった……!」

 鈴音とシャルが、呆然と呟く。
 いきなりの変化に、思考がついていかない。

 だとしても。一つ、確かなことがあった。

「刹那さん……」

 あの、遠くに見える巨人。そして、宙に描かれた二つの輪。暖かさを感じる、粒子の光。

「……刹那」

 脳量子波で伝わる、平和を願う男の思い。

 成し遂げたのだ。刹那は、この戦いを止めてみせた。
 対話によって、わかりあうことで。



50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:32:01.66 ID:Wjlsmv2f0


 それから、一週間の月日が流れた。
 IS操縦者から、いくらか負傷した者が出たものの、その全員が軽症ですんだらしい。
 学園自体も損害は微小であり、復興にはさしたる手間を要さなかった。





 そんな事情もあってか、刹那は自室にて睡眠にふけっていた。
 現在時刻は、午前一時十二分。
 真夜中と言っても差し支えない頃合である。


 ベッドに体を横たえ、刹那は穏やかな寝息をたてている。

 そこで、刹那の部屋に誰かが足を踏み入れた。
 結構な頻度でラウラが訪れることもあって、ロックをかけていないのだ。

 抜き足差し足で、慎重にベッドに接近すると、そっと掛け布団を手で掴み、少しずつ、少しずつ引き剥がしていく。
 そして、人一人が入るに十分なスペースを確保――しかけて、体に電流が走る。

 既に、先客がいた。

51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:33:18.79 ID:Wjlsmv2f0

 かわいらしいパジャマを――刹那に説得され、渋々着たらしい――着用したドイツの代表候補生、ラウラ・ボーデヴィッヒである。

 その事実を知り、硬直に捕らわれた来客は、刹那が覚醒したことに気づけなかった。

「……シャル」
「は、はいぃっ!?」

 全身をビクつかせ、シャルが声を裏返す。
 固まってしまうシャルをさて置き、刹那は上半身を起こした。

「……どうした」
「ど、どう……って、その……」

 言葉に窮した様子で、シャルは芽を泳がせる。
 状況から察するに、刹那のベッドに潜り込もうとしたら慮外な先約が入っていたので困った、と言うところだろうか。

「……むぅ。一体何があった……」

 眠気を隠せないまま、ラウラも起床する。
 ごしごしと目をこすると、来訪者の姿を捉え、

「……入りたかったのか?」
「…………」

 投げかけられた問いに、シャルは無言を返す。
 だがしかし、その首は小さく縦に振られていた。即ち肯定である。
 それを目にすると、ラウラは刹那に視線を滑らせて、

「……刹那、いいか?」
「……構わない」

 こうなれば、何人来ようが変わらない。
 と言うより、シャルとは共に入浴すらした仲である。もはや、同衾だとか分別だとか、そう言う言葉を弄するレベルではなかった。
 それに。

52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:34:25.84 ID:Wjlsmv2f0

「……今日が、最後になる」
「……そう、か」

 刹那が発した言葉を、ラウラは認めたくはなかった。
 なかったが、認めねばならなかった。

「……入るなら、急いだ方がいい」
「……うん」

 頷いて、シャルがおずおずとベッドに入ってくる。
 一つのベッドに三人は流石に狭いが、もって数分なのだ。とやかくは言うまい。

 刹那の右腕に、手が回される。シャルのものだった。
 そのまま、抱き寄せる。体温を確かめるかのように。

 ふと、シャルが声を漏らす。

「ねえ、刹那」
「どうした、シャル」
「……ううん、何でもない。呼んでみただけ」

 それだけ言って、シャルは枕に顔を埋めた。




53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:36:04.86 ID:Wjlsmv2f0

 食堂で朝食をすませ、流れで一日の授業を終えて。

 放課後。学園から離れた小高い丘に、彼らはいた。

 刹那と向かい合う、セシリア、鈴音、シャル、ラウラ。
 表情は、晴れない。皆、寂しさを露に、刹那を見つめている。

「……行ってしまわれるのですね、刹那さん」
「ああ」

 セシリアの問いかけに、刹那は首肯した。

 彼女らは知る由もないが、刹那はこの地球の、そして随分と離れた宇宙にある本来の地球の位置情報を獲得したのだ。
 帰還を第一としていた刹那が、元の居場所に戻るのは自然なことである。

「どこに帰るのかは……言えないのだな」
「……すまない」
「謝らないで、刹那。無理に聞くつもりはないから」

 シャルの、寂寥感が見え隠れする笑顔に、刹那は己の心が揺れ動くのを感じた。
 しかし。行かねばならぬ。刹那には、何よりも優先すべき約束があるのだ。

54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:37:25.20 ID:Wjlsmv2f0

「……全く。居なくなるんならもっと早く言いなさいよね。だったら、あの時の決着をつけられたのに」

 本気ではないのだろうが、それが生来の癖なのだろう、
 鈴音は責めるような口調だ。

「……鈴音」
「だから、いつかは帰ってきなさいよ。それまでの間に、あたしはずっと強くなるから」

 絶対だからね、とでも言いたげに、鈴音が笑う。
 刹那は、首を縦に振った。

 鈴音の両隣に立つ二人が、一歩進み出る。

「……寂しくなりますわね」
「セシリア……」
「……行かないでくれ、と言いたいが……そうは出来ないな」
「……ラウラ」

 セシリアも、ラウラも、声のトーンが低くなっていた。
 やはり、喜べない。

55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:40:18.15 ID:Wjlsmv2f0

「……お前たちは、変わった。ここにいる皆とも、学園の人間とも、分かり合えたはずだ」
「……刹那さん」
「刹那……」
「仲間が出来た。それが、お前たちが変わった証になる」
「……そう、ですね。刹那さんのおかげです。あなたに会えて、私は幸せですわ」
「刹那……お前は、私にはもったいないぐらいの、良妻だ」
「ありがとう。最高の褒め言葉だ」

 言葉に、刹那は微笑んだ。応えて、二人が笑みを見せる。
 落ち込んだ顔よりも、笑顔の方がずっと似合っていた。

56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:42:04.51 ID:Wjlsmv2f0

 彼女らの右手側のシャルへ、刹那は視線を転じる。

「シャル」
「……僕も、すごく感謝してるんだ。ありがとう、刹那。僕を、シャルと呼んでくれて」
「お前はシャルだ。……世界に一人しかいない、かけがえの無い存在だ」

 言いながら、刹那はポケットから記録デバイスを取り出した。
 データの保存を行うタイプのそれだ。

「これは……」
「俺のガンダムの基礎設計図と、今までの戦闘データが記録されている。
 ……オリジナルの資料だ。相応の価値がある。それを材料にすれば、本社とも交渉を行えるだろう」
「刹那……!」
「お前は、シャルロット・デュノアでもある。
 ……家族と会えるのなら、その機会を逃すな。もし諦めてしまえば、きっと、後悔する」

 逡巡の末に、シャルは刹那の手中のそれを受け取った。

「……ありがとう、刹那。本当に、世話になりっぱなしだね」
「気にするな」
「‘俺は気にしない?’」
「ああ」

 シャルに笑みを飛ばして、刹那はついぞ踵を返した。

57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:42:37.45 ID:Wjlsmv2f0

 右腕の待機状態ISに指示を下し、外壁部迷彩皮膜を解除する。
 ダブルオークアンタが、その姿を現した。

 最後に、刹那は一度だけ振り向く。

「必ず、また会いに来る」
「刹那さん……」
「……あんた」
「約束する」
「……うん! 待ってるからね、刹那!」
「信じているぞ!」

 声を背に受け、刹那はコクピットに乗り込む。
 ハッチが、閉じられた。

 そのまま、ダブルオークアンタは浮上。
 高度を保ち、GNソードビットを展開。
 機体前面に作り出されたワープホールへと、飛び込んでいった。


 瞬きの間に、ダブルオークアンタは消える。
 残された緑の粒子だけが、刹那がここにいたことを証明していた。



58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:44:22.57 ID:Wjlsmv2f0

 時を同じくして、学園の屋上。
 放課後であるにも関わらず、人気は特別感じられなかった。

「……束」
「やあ、ちーちゃん」

 呼びかけに、フェンスに腰掛け、足を宙に投げ出していた束が応える。

「……聞きたいことがある」
「何だい何だい? 今なら大サービス、何でも答えちゃうよん」

 へらへらと笑う束の裏は、読めない。
 千冬はそれを不愉快に思うでもなく、表情を変えぬまま質問を投げかけた。

「お前は……今回の事態が起きることを、知っていたのか?」
「……どうだろうね?」

 答えになっていない回答。
 手慰みのようなそれに、千冬は束の背を見やる。

59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:46:48.90 ID:Wjlsmv2f0

「最新鋭機を学園に戻したのは、あれを見越してのことだろう?」
「そうした方がいいような気がしたから」
「気がした、か」
「天才はいつでも閃きを大事にするんだよ、ちーちゃん」
「正直、理解が及びませんよ。プロフェッサー」

 結果の出ない問答を続ける二人の下に、エトランゼが赴いて来た。
 ブシドーである。
 下の階に繋がる階段を上って、屋上に到達。

「おやおや、ブシドー。どうしたのかな?」
「私は我慢弱く、落ち着きのない男なのです。ナンセンスですが、動かずにはいられませんでした」

 口の端に小さく吊り上げつつ、ブシドーは歩を進め、束に並んだ。

「例の一件の首謀者と、関わりがあったのでしょう?
 関わりと言うより……あえて言わせてもらうとすれば、監視されていた、と表現すべきでしょうか」
「監視、ねえ」
「……学園の重役が、摩り替わっていたのだろう?」

 千冬が、口を開く。
 ブシドーが頷きで返すと、彼女は続けた。

「厳重に隠匿されていたが、学園のデータベースへ変更が加えられていたことが確認された。
 ……第二回IS世界大会の年と、セイエイがここに訪れた時から、前回の襲撃に至るまで」
「はあ、そりゃ大事件だね」
「それを行った人物が、お前を追跡・利用していた……そんなところか」

 千冬の言に動じることもなく、束は足をぶらぶらと揺らしながら、

60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:47:30.76 ID:Wjlsmv2f0

「まあ、確かに圧力みたいなものはあったかな。
 私個人への牽制だけなら別に気にしなかったけど、学園を抑えられたから困っちゃってねぇ」
「…………」
「そんなこともあって、第四世代の開発を急いだんだよ」
「そのために、自由に動かせる人間を用意したわけか」

 確かに、学園の対応にはややおかしな点があった。
 刹那を皮切りにどんどんと来る転校生、
 所属不明機に対しても大きなリアクションを起こさず、
 そして異分子たる刹那を容認し、学園に受け入れるなど。

 それら全ての指揮を執っていたのが、リボンズ・アルマークなのだ。
 彼はイノベイドとしての能力、そしてヴェーダを利用して学園の上層部に取り入り、ついには支配するに至ったのだろう。

 そして、リボンズの行動方針は統一世界による恒久和平、紛争根絶。
 戦争の火種になりかねないISを放置する道理もなく、開発・研究を行った第一人者たる束が目をつけられるのも当然であった。
 加えて、当時、そして今なお最強の座に君臨する操縦者、千冬を狙うのも。

 そのリボンズへの対抗策として、束はブシドーを手駒にしたと言える。

「企みには気づいてたけど、おおっぴらに知らせちゃうと、相手も計画を変えてくるだろうし。
 それに、連絡で私の居場所が突き止められる恐れもあった。
 仮にそうなっても、捕まりはしないだろうけどね」

 かつて、束はISを生み出したことにより、政府に囚われていた。
 その監獄から逃げた束は、現在公的に行方不明者なのだ。
 下手を打てば、即座に発見され、大勢が大挙して押し寄せる可能性もあった。
 まあ、もしそうなっても、束のことだ、奇想天外な方法で逃げおおせるのだろうが。

61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:48:09.78 ID:Wjlsmv2f0

「だから、一人で行ってもらうことになっちゃったんだよね。……気を悪くしたかな、ブシドー」
「いえ。私はワンマンアーミー……干渉、手助けは一切不要です」

 冗談めかすと、ブシドーはフェンスから身を乗り出し、風景を見下ろす。
 視線の先には、刹那達の姿があった。

「それに、責を問うために来たわけでもありません」
「ふうん?」
「彼を、見送ろうと思いましてね」

 束の相槌に呟いて、ブシドーはじっと目を凝らした。
 それに遅れて、ダブルオークアンタが粒子と共に顕現する。

「あれは……」
「ええ。少年の、ガンダムです」

 そうか。千冬はそれだけ言って、口を閉ざした。
 彼女の因縁は、刹那が断ち切ったのだ。千冬の道を捻じ曲げたあの赤いガンダムは、もはやこの世界に存在しない。
 
「……行くのだな、少年」

 ブシドーが、虚空に呟く。
 それに解答を示すように、ダブルオークアンタは量子ワープの果てに、消えた。

「……また、どこかで会おう」

 別れの言葉は、吹き抜けた風にさらわれていく。


◆ ◆ ◆

62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:49:00.30 ID:Wjlsmv2f0

≪……行ったようだな≫

 コクピットから降り、花が咲き乱れる道を進む刹那の背を見送って、ティエリアは感慨深くこぼした。
 現在地は、刹那達の地球。五十年と少しの歳月をかけて、彼らは帰還を果たしたのだ。

 リボンズ・アルマークの持っていた資料を参照したおかげだった。
 位置情報さえあれば、あとはクアンタの量子ワープでどうとでもなる。

 さて、ISが発展したあの地球と、西暦二千三百年代のこの地球は、別の銀河系にあって、同じ宇宙にあったのだ。
 太陽も、火星も、木星も、月も。その全てが酷似した、同じ名前の太陽系に。
 ただ、その太陽系が二つあったと言うだけ。果たして、それは偶然なのか。
 
 ともかくとして、クアンタから降りた刹那が向かっているのは、彼の運命の人の下。
 先にヴェーダに寄ってティエリアの人格データを戻す予定だったが、予想外の手間がかかったので、こちらを優先したと言うわけだ。

63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:49:33.54 ID:Wjlsmv2f0

 吐息を漏らし、ダブルオークアンタの表面装甲をチェック。
 ELSが取り込んだのだろう、表層部に、花が咲き始めていた。

 刹那の心に深く刻まれている、平和の象徴。
 色鮮やかな花々が、ガンダムを――――紛争根絶の体現者を、兵器でなくそうとしていた。
 もう、ガンダムは必要ないのだ。人々は皆争いを捨て、和平への道を歩み始めている。
 何十世紀と言う時間を経て、ようやく人はわかりあうことが出来た。

≪彼は、どこに?≫

 ふと響いた、メタルエコー。
 ティエリアはこともなげに視線を滑らせると、

≪マリナ・イスマイールのところだ≫
≪へえ。彼もなかなか隅に置けないじゃないか。
 いや、向こうでも女性人気はあったかな≫
≪そんな関係ではない、と本人は言っていたが≫

 声は、二つ。
 一つは、ティエリア・アーデのもの。

≪なら何なんだい、ティエリア・アーデ?≫

 もう一つは――――

64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:50:16.65 ID:Wjlsmv2f0

≪分かりあったんだ。リボンズ・アルマーク≫
≪……そうなんだね。彼らも、分かり合うことが出来たんだ≫
≪ああ。僕達のように≫


 Peace cannot be kept by force.
 It can only be achieved by understanding.



66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 19:52:30.71 ID:Wjlsmv2f0
これでおしまいです

こんなにも長く時間がかかってしまいましたが、どうにかこうにか完結しました。

読んでくれた方に感謝を。ありがとうございました。

74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 20:20:58.24 ID:Wjlsmv2f0
やってみます
安価で書くのは経験がないので色々と失敗するかも

一応舞台はIS学園です


~朝、刹那の自室~

ティエリア≪起きろ、刹那。起きるんだ≫

刹那「……ティエリア? どうした」

ティエリア≪事情を説明するより、これを見た方が早い≫

刹那(ISにデータの転送……)

メッセージ『やあ。ご機嫌はいかがかな、刹那・F・セイエイ』

刹那(これは……)

メッセージ『君には、これからこちらの指示に従って行動してもらうよ』

刹那(……何?)

75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 20:21:32.18 ID:Wjlsmv2f0

メッセージ『拒否権はないと思ってくれていい……ほら』

 ドオンッ!

刹那「何だ……!?」

ティエリア≪刹那、あれだ!≫

メッセージ『見えたかな? 今のは小規模だけど、あれよりもっと威力の高いものを用意してある』

刹那「…………」

メッセージ『学園中のISに、爆弾を仕掛けてあるのさ。もちろん、専用機にもね』

刹那「こいつ……!」

メッセージ『人一人を殺すには十分なぐらいの火力はあるよ。……ここまで言えばわかるとは思うけど』

刹那「…………」

メッセージ『君が賢くて助かったよ。命令は追って出すから』

76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 20:25:45.82 ID:Wjlsmv2f0
大体の決まり
・安価で刹那・F・セイエイとティエリア・アーデに行動してもらうよ。
・舞台はIS学園、決戦の前だね
・ただ設定を無視しても全く構わないよ。
 僕を挙げてもいいし一夏を出してもいいし箒を出してもいいしアムロやシャアを出しても構わない。
・安価がkskだった場合はそれの一個下を選択するよ


刹那(……今は従う他ないか)

ティエリア≪何事もないようであれば、このまま食堂へと向かうが……≫

刹那(どこかに寄れと命令される可能性もある)


現在地は刹那の自室
時刻は朝七時前

どうする?
>>77

80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/04/29(金) 20:27:19.78 ID:G8TCDNgk0
疑似人格R-35タイプインストール

83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 20:31:41.90 ID:Wjlsmv2f0
メッセージ『疑似人格R-35タイプをインストールしてもらおうか』

刹那(…………)

ティエリア≪……何……だと……≫

刹那(……他に方法がない。ターミナルユニットにアクセス、擬似人格を構成……)

ティエリア≪……前途多難だな≫

刹那「ちょりいいぃーっすww颯爽wwww登場wwww」

ティエリア≪…………いつまでこれを使えばいいんだ≫


食堂に向かってもいいが、どこに行く?
食堂に向かうなら、そこで出会う人は?
あとR-35に草を生やす?

>>86

86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/04/29(金) 20:34:26.90 ID:munB+xEZ0
ブシドー

87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 20:41:45.89 ID:Wjlsmv2f0
R-35に喋らせるのが難しすぎてヤバい

メッセージ『ブシドーを誘ってくれるかい?』

刹那「よっしゃwwwいくべいくべwww」

ティエリア≪…………ああ≫

~ブシドー私室前~


ピンポーン

刹那「ちょりぃぃぃーっすwwwブシドーくんいまっすかぁwww俺とぉー、青春を謳歌しねー!?」

ティエリア≪……それでいいのか、七十三歳……≫

インターホン『用があるなら入りたまえ』

刹那「ちょぉりぃっす!」

 プシュー

ブシドー「良くぞきた少年。こんな朝から、どうかしたかね?」

刹那「ちょりっすwww」

ブシドー「……今、何と?」

刹那「ちょぉりーーーっすwww」

 ちょりぃぃぃーーすw
   ちょりぃぃぃ--っすww
       ちょりぃぃーっすwww (エコー)

ブシドー(な、何という麗しさだ……う、奪われた……)

刹那「朝飯行かねっすか、ハムせんせーwww」

ブシドー「その旨をよしとする! 行くぞ、少年!」

食堂で誰と遭遇する?
>>89

89: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/04/29(金) 20:48:36.30 ID:/qmHZ3y6o
シャル

90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 20:58:00.72 ID:Wjlsmv2f0
~食堂~

ブシドー「空席は……おや、あそこはどうかな?」

刹那「ちょりぃぃぃーーっすwww」

ブシドー「よし、では少年、君は席の確保を頼む。私は注文に赴くとしよう。君は何を頼む?」

刹那「ちょりぃぃっすwww」

ブシドー「そうか、チョリソか。では、しばし待ちたまえ」

刹那「ちょりっすwww」

~空席~

シャル「あ、刹那。おはよう。今から朝ごはん?」

刹那「ちょりぃぃぃっすwww」

シャル「…………刹那?」

刹那「おっすおっすwwwシャルちょりぃぃっすww」

シャル「……う、うん。ちょ、ちょりっす?」

刹那「あー、なぁーにぃ? なぁーにぃ? ちょっとぉー、戸惑ってる感じぃー?」

シャル「……えっ、と、うっ、ううん! そんなことないよ! 新しくていいんじゃないかな!」

刹那「シャルもぉー、今から飯?」

シャル「うん。一緒に食べていい?」

刹那「モチのロンよぉー。あーでもぉー、今ブシドーが注文に行ってっからぁー」

ブシドー「遅れたな、少年。……おや、そこに見えるはシャルロット・デュノアか。朝の挨拶、おはようと言う言葉を、謹んで贈らせてもらおう」

シャル「お、おはよう……」

刹那「ちょりぃぃーっすwww」

ブシドー「そうか、追加を行うとは……朝から元気だな、少年。いや、それが子供のあるべき姿か。少し待ちたまえ、もう一皿持ってこよう」

シャル(刹那に一体何が……ううう、何なのこの状況は……)


朝食をすませた。次は教室に向かおう。
教室では誰と会話する?
>>93

93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/04/29(金) 21:08:35.94 ID:munB+xEZ0
ラウラ

95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 21:16:08.42 ID:Wjlsmv2f0
~教室~

※ブシドーはワンマンアーミーなのでいない

ガラガラ

刹那「ちょぉりぃぃーっすwww」

シャル「刹那……その、そう言う喋り方が最近は流行ってるの?」

刹那「いやー、これは俺のナチュラルー? って言うかぁー、俺は俺のままでいたいって言うかぁー」

シャル「そ、そうなんだ……」

ラウラ「おはよう、刹那」

刹那「ちょりぃぃぃーっすwwww」

ラウラ「…………ちょり、っす?」

刹那「そ↑う! ちょりっす! 高らかに!」

ラウラ「ちょ、ちょりっす!」

刹那「もっと元気よく!」

ラウラ「ちょりっす!!」

刹那「もっと愛を込めて!」

ラウラ「ちょりーーーっす!!!」

刹那「そう! いいよ! 今の凄くいい! 俺のソウルに響いたって言うかぁー、端的に言うと感動した、って言うか?」

ラウラ「そうか。気に入ってくれたようで何よりだ」

シャル(……突っ込まないんだ……)

96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 21:20:31.59 ID:Wjlsmv2f0
ラウラ「しかし、ちょりっすとは一体何なんだ? 愛情表現なのか?」

刹那「いかにもぉー、そう?」

シャル「いや聞かれても……」

刹那「じゃあそう」

シャル「じゃあ、って……」

ラウラ「そうか! なら刹那はちょりっすだな! 刹那ちょりっす! ちょりっす!」

刹那「ちょりぃぃっす!」

シャル(共鳴してる……)


誰かに何かする?
それとも授業を始める?

>>97

97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) 2011/04/29(金) 21:30:58.09 ID:SoOs32is0
授業

99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 21:37:45.61 ID:Wjlsmv2f0
安価で書いてる人ってすごいのね
もはや安価と言うより丸投げだこれ

選択肢出した方がいいのかな


ガラガラ

真耶「はぁーい席に着いてー、授業を始めますよー」

ティエリア≪授業か……≫

刹那(……授業の間は黙っていられる……ようやく、開放されるのか)

ティエリア≪気持ちは察する。……だが、授業が終わればすぐに再開だ≫

刹那(……悪意が……見えるようだ……)

ティエリア≪しかし大分グダグダしてきた……こちらも解析を始めている。送信先を特定すれば、爆弾の解除方法もわかるだろう≫

刹那(そうか……頼む。一日を終えれば、おそらくこの話も終わるはずだ)

ティエリア≪そうだと思いたいが……≫


真耶「セイエイ君、セイエイ君! 聞こえてますか!」

刹那(しまった……!)

真耶「32ページの問5、わかりますか?」

刹那(……どうする……!)

①:R-35で回答する
②:素で回答する
③:自爆する

>>101

101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 21:39:35.68 ID:P9Jyexipo
1

102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 21:46:21.43 ID:Wjlsmv2f0
刹那「うぃぃーっすwww」

真耶「……はい? セイエイ君?」

刹那「えっとぉー、回答はぁー、……3、番?」

真耶「……正解、なんですけど……あの、セイエイ君? 調子でも悪いのですか?」

刹那「いやいやぁー? 今日の俺はパナいっすよ? アクセル全開って言うかぁー?」

真耶「はあ……」

刹那「俺のハートがトランザムゥー!」

 ダッ

真耶「あっ、ちょっと、セイエイ君!? どこに行くんですかぁ、セイエイ君!?」



~学園中庭~


刹那「……変われないのか……俺は……」

ティエリア≪刹那……≫

刹那(精神が持たない……追い詰められている……)

これからどうする?


>>104
①:教室に戻る
②:二組に突撃する
③:誰かに見つかる(誰に見つかるかも)

104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/04/29(金) 21:50:47.12 ID:/qmHZ3y6o
2

106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 21:57:11.14 ID:Wjlsmv2f0
メッセージ『二組に突撃しろ』

~二組~


ガラッ

刹那「ちょりぃぃぃぃーっすww颯爽登場www銀河美少年wwwwダブルッ、オー!wwww」

ざわ……ざわ……

女子生徒A「何あれ……」

女子生徒B「あれって、クラス代表じゃない……!?」

女子生徒C「セイエイくん……にしては、なんだか様子がおかしいけど……」

鈴音(……何だろう……?)

鈴ちゃんを発見!
どうする?
>>108

108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 21:59:26.56 ID:P9Jyexipo
誘拐

110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 22:03:39.54 ID:Wjlsmv2f0
刹那「鈴音は返してもらうっ!」

鈴音「は?」

女子生徒D「貴様のものでは……なかろうに!」

刹那「ならば、海賊らしく――――」

鈴音「えっ?」

 ダッ ガッ

鈴音「ちょっと、あんた……!」

刹那「いただいていくっ!」

女子生徒E「飛んだ!」

先生「今授業中なのにーっ!」



誘拐したが、どうする?
>>112

112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/04/29(金) 22:12:17.37 ID:/qmHZ3y6o
今日から一組にする

113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 22:22:22.49 ID:Wjlsmv2f0
~再び学園中庭~

鈴音「あんた、一体何してんの!? 何と言うかもう、どこから突っ込めばいいやら……!」

刹那「こwwれwwwっをwwwプレゼンツ!」

メッセージ『おめでとう凰鈴音。君は今日から一組だよ』

鈴音「……いや、意味がわかんないんだけど」

ティエリア≪だろうな≫

刹那「いやぁー↑? いやぁー、マジ? マジ! マジだからぁ、学生証見てみー」

鈴音「学生証? そんなもの確認して何に……」


ピッピッ

凰鈴音 IS学園一年 一組所属

鈴音「…………」

刹那「なー?」

鈴音「えっ、いや、これって学園側しかいじれないんでしょ!? あんたが何か細工したわけじゃ……!」

刹那「いんやぁ?」

鈴音「……わけがわからない……」

刹那(IS学園のデータバンクに干渉し、変更を加えるとは……黒幕は、相応の権限を持っているようだな)

ティエリア≪この話の着陸点もわからなくなってきた……いい加減に終わらせたいが……≫

次はどうする?

①:鈴音を連れてどこかに行く(場所も)
②:放課後まですっ飛ばす
③:これもう首謀者ボンズリじゃね? 叩きのめせばいいんじゃね?
④:その他

115: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2011/04/29(金) 22:23:42.27 ID:9aMl+fY40
2

116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 22:29:55.85 ID:Wjlsmv2f0
刹那「よし来たぁー! 放課後ぉーっ!」

ティエリア≪今日はずっとR-35なのか……?≫

刹那(…………)


放課後なので何かしよう

>>117
①:セシリア
②:鈴音
③:シャル
④:ラウラ
⑤:リボンズ
⑥:ブシドー
⑦:ブシドー

をorと

>>121
①:遊びに誘う
②:告白する
③:押し倒す
④:R-35を解除
⑤:止めを刺す
⑥:買い物に行く
⑦:寝る

117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/04/29(金) 22:30:35.10 ID:kzIcXtdpo
1

121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/04/29(金) 22:34:37.00 ID:mP70xsZQ0
4

122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 22:36:39.17 ID:Wjlsmv2f0

刹那「……ようやくか」

ティエリア≪……長かったな≫

刹那「……ああ」

再安価

セシリア
をorと

>>123
①:遊びに誘う
②:告白する
③:押し倒す
④:買い物に行く
⑤:寝る
⑥:いじめる
⑦:無視

123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 22:37:13.45 ID:P9Jyexipo
6

125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 22:41:12.46 ID:Wjlsmv2f0

メッセージ『セシリア・オルコットをいじめる』

刹那「……いじめる……?」

ティエリア≪いじめる……弱いものを苦しめ、痛めつける。つらく当たる。さいなむ。他、ことさらに厳しく扱う≫

刹那(……気は進まないが……ここで俺が動かなければ、多くの犠牲が出る……嫌われるのには慣れているが)

ティエリア≪……彼女本人には、悪いことをするな≫

刹那(だが……やらねばならない)

具体的にどうする?
>>127

128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/04/29(金) 22:43:35.73 ID:mP70xsZQ0
セシリアのファーストキスを奪う

129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 22:47:08.84 ID:Wjlsmv2f0
刹那(…………)

ティエリア≪行くしかない≫

刹那(ティエリア……)

ティエリア≪拒まれる可能性は低い≫

刹那(……了解)

~一組教室~

セシリア「はあ。そんなわけで、鈴さんも一組に?」

鈴音「うん。……なんか、まだよくわかってないんだけどね」

ガラッ

刹那「…………」

鈴音「あっ、来た!」

セシリア「あら、刹那さん。丁度良かった」

刹那「……すまない。恨んでくれていい」

セシリア「はい?」

 ズキュウウウウウウウウン


セシリア「んっ……!?」

鈴音「はっ……はあああああああああああああ!?」


>>130
次はどうする?

130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2011/04/29(金) 22:49:49.36 ID:wg56qYNAO
リボンズ・アルマーク(疑似人格R-35搭載)が乱入

131: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 22:56:14.07 ID:Wjlsmv2f0
リボンズ「ちょりぃぃぃぃいいいいーっす!」

刹那「……!?」

セシリア「はっ……せ、刹那さん!? 一体何を、と言うかあの方は……!? ああもう、理解が追いつきません!」

刹那「リボンズ・アルマーク……!」

リボンズ「いい加減に限界だよ、刹那・F・セイエイ! と言うかどうやって喋ればいいのかわからないな!」

刹那「何故ここに……!」

リボンズ「そう言えば最終話前だったね! 設定の崩壊も甚だしい!」

刹那「貴様が全ての元凶か!」

リボンズ「まとめにかかってるね、君も! だが僕にとってもその方が好都合だ!」

鈴音「何、知り合いなの? もはや何が何やら」

刹那「ダブルオーライザー!」

リボンズ「リボーンズガンダム!」

セシリア「って、ISを……!?」

鈴音「こんな狭い場所でそんなことしたら……!」

刹那「出る!」

リボンズ「行く!」


 カッ

132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2011/04/29(金) 22:59:01.41 ID:Wjlsmv2f0
~崩壊した教室~

千冬「……で、教室を全壊させたと?」

刹那「……任務、失敗……」

リボンズ「この僕が正座で説教を受けるだなんて……」

千冬「口を閉じろ、小僧。……二人まとめて独房行きだ」

ラウラ「しかし、案の定な丸投げ爆発オチだったな」

シャル「……言っちゃだめだよ」


おしまい