1: 一秒 2011/05/08(日) 04:36:16.33 ID:ujZpk/MAO
佐天「相手をレベル0に変える能力(ちから)かあ」(限定条件:相手が『ジャッジメントですの!』と言う)

・初投稿
・ハイテンション
・意味不明

右も左もわかりませんが、恐れながら投下してみます。失敗したらすみません。

引用元: 佐天「相手をレベル0に変える能力(ちから)かあ」 



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2: 一秒 2011/05/08(日) 04:43:51.94 ID:ujZpk/MAO


 私、佐天涙子には不思議な能力(ちから)が宿っている。

佐天「相手をレベル0に変える能力(ちから)かぁ」

いつ宿ったのか?なんてもう忘れてしまった。そのくらい幼い時だ。

ただしこの能力のレベル判定は0。それも仕方がないと思う。

なぜなら、この能力を使用するには相手が自発的に『ジャッジメントですの!(キリッ』と言わなければならないのだ。

小学生の時に周りの人達を観察してきたが、誰も『ジャッジメントですの!(キリッ』なんて自分から言う人はいなかった。

このままこの能力は使われないまま、一生レベル0として過ごすんだなぁと子供の頃から思ってきた。


3: 一秒 2011/05/08(日) 04:47:03.43 ID:ujZpk/MAO


 小学校を卒業し、中学一年となり、

親友の初春が所属する風紀委員に遊びに行くようになって。しばらくして。


私はついに出会うこととなった。


素で『ジャッジメントですの!(キリッ』と言う人に。

~~~

4: 一秒 2011/05/08(日) 04:49:46.53 ID:ujZpk/MAO

 佐天「ういはる~~~っ」

初春「きゃあ!も~、やめてくださいよ佐天さん」

いつも通りに私が初春のスカートをめくると、初春がポコポコと私の頭を叩いてくる。

そんなやりとりを見て呆れたように、白井さんはため息をついた。

「まったく。毎度毎度、そんなやりとりを続けてて恥ずかしくないんですの初春?」

白井さんというのは、初春の所属する風紀委員《ジャッジメント》の先輩、白井黒子さんのことだ。といっても、私達と同じ中学一年なのだが。

初春「な、なんで私に言うんですか~~?スカートをめくるのは佐天さんじゃないですかぁ」

黒子「なにをとぼけたことを。スカートがめくられるとわかってて、あらかじめ抑えたり、スパッツを履くなどの対策を取らないのはどこの誰ですの?」

初春「そんな事言われても~」

泣きそうな表情で抗議の声を上げる初春。両手首を合わせて口の前に持って行き、いやんいやんと体を振っている。

思わず頭の花をむしりたくなる程のぶりっこぶりだ。メガネ好きにして欲しい。変態だーー!!

閑話休題。


5: 一秒 2011/05/08(日) 04:55:19.74 ID:ujZpk/MAO


黒子「わたくしは見られても平気ですので履いておりませんけれど。
どうしても見られるのが嫌ならば、お姉さまのようにスパッツを履くべきですの」

初春「ええ~、それじゃ可愛くないですよう」

口をとがらせる初春。そうだ!もっと言ってやれ!スパッツを履いた初春なんてただの花だ!

黒子「んまー!今なんておっしゃいましたの初春!?お姉さまが!?可愛くないですって!?」

白井さんの特徴的なツインテールがまるで威嚇するように逆立ち、空気中にどす黒いものを撒き散らしてくる。

黒子「確かにお姉さまは凛々しくて格好の良いお方ですけれど!可愛らしさも兼ね備えた素晴らしいお姉さまですの!!スパッツを履いているのも慎ましさや恥じらいの心のあらわれですのよ!!!」

初春「落ち着いて下さい白井さん。だれも御坂さんが可愛くないだなんて言ってませんよー」

白井さんがここまで尊敬し、溺愛するお姉さまの御坂さん。特にこのお話には出て来ないので紹介は割愛しよう。

黒子「っと、すみません、つい取り乱してしまいましたの。わたくしとしたことが、風紀委員《ジャッジメント》ですのに……」


6: 一秒 2011/05/08(日) 04:58:46.51 ID:ujZpk/MAO


居住まいと服装の乱れを正し、ツインテールを軽く振り腕を組んで仁王立ちをする白井さん。


来るぞ。


黒子「いいですこと初春。いついかなる時も、わたくし達は万全の状態でいなければなりませんの。スカートをめくられて恥ずかしかったから、すぐに行動出来なかった、ではいけませんのよ。ーー何故ならわたくし達は!」ババッ

白井さんが体を半身にして、腕章を見せつけながらこう言った。

黒子「『ジャッジメントですの!(キリッ』」

佐天「白井さんをレベル0に変える能力(ちから)!!!!!!」


15: 一秒 2011/05/08(日) 21:40:36.10 ID:ujZpk/MAO


初春「えっ?」

黒子「へっ?」

佐天「あ、間違えた」

白井さんじゃなくて相手をレベル0に変える能力だった。

初春「今なんて叫んだんですか?」

黒子「わたくしの決めゼリフと重なってよく聞こえなかったのですけれど」

バレていなかったようだ。別にバレてもそれはそれで面白そうだが。

佐天「あ、いえ何でもないです。それよりも白井さん、御坂さんが呼んでましたよ。あとで寮に来てって」

黒子「お姉さまが?なんてですの?」

テレポートを全力でやってみてもらおう。

佐天「体の火照りがとれないとかーー」

黒子「今すぐ行きますの!!!!!」

そして白井さんはーーテレポート出来なかった。


16: 一秒 2011/05/08(日) 21:42:50.37 ID:ujZpk/MAO


黒子「あ、あら?」

何度試してみても、白井さんの体は微動だにしない。

黒子「フンッ!ハッ!ホアッ!」コオオオオオ

黒子「ハアアアアアアアアアアアアア」

いや、体はブルブルと震えている。目を限界まで見開いて全身の毛を逆立たせるも、テレポートは出来ないようだ。

佐天(まあ、そろそろいいかな)

佐天(解除《リセット》)

そう念じた瞬間、白井さんの体がかき消える。御坂さんのもとへとテレポートしていったのだろう。

初春「仕事が~…。佐天さん、手伝ってーー」

佐天「じゃ!私そろそろ行くね初春!」

初春「ちょっ!待って下さーー」

初春を一人残し、私は颯爽と駆けていった。


17: 一秒 2011/05/08(日) 21:53:47.21 ID:ujZpk/MAO


 とりあえず街に出てみたはいいものの、相変わらず『ジャッジメントですの!(キリッ』なんて恥ずかしいセリフを吐いている人はいなかった。

佐天(この能力、自分から言わせちゃダメなんだよなー)

昔、初春にジャッジメントですの!と言ってみてもらったが、能力が適用されなかった。
無理もないか。相手をレベル0に変えるなんて、そうそう出来るもんじゃない。

「ジャッジメントですの!(キャピッ」

「あァ?なンだそれは」

ん?今のはーー

「この前、街で見かけたんだってミサカはミサカは報告してみる!」

「ジャッジメントって、風紀委員かァ?」

「うん、あのね、街で揉め事がおこってた時にテレポートで突然あらわれたお姉ちゃんがそう言ってたのって、ミサカはミサカは身振り手振りで伝えてみる!」

「ふゥん。変な決めポーズで現れる風紀委員《ジャッジメント》もいたもンだなァ」

「全然変じゃない、格好いいよって、ミサカはミサカはあなたにもすすめてみる!」

「あァ!?だァれがそンな恥ずかしいポーズで恥ずかしいセリフを吐くかってンだ」

「やってみて!やってみてってミサカはミサカは猛アピールしてみる!」キャピッ! キャピッ!

「あァ、もううるせェ。一回だけだぞ」


18: 一秒 2011/05/08(日) 21:57:27.21 ID:ujZpk/MAO


その白いうさぎさんのような男性は

何やら首の機械を弄ったあと、杖を傍らに置き

一呼吸おくと腕を組んで背筋をピンと伸ばして言った。

一方通行「『ジャッジメントですの!(キリッ』」

佐天「ばかめ!『相手をレベル0に変える能力(ちから)』!」

そう言うと、その白い男性は驚愕の表情を浮かべたあと、『三下ァ!?』と遺言を残して逝った。

打ち止め「あなた!?どうしてビクンビクンって痙攣をおこしているのって、ってあれ!?ミサカネットワークからはずれてる!?」

間違えた。逝ってはいなかった。地面に崩れ落ち、生まれたての小鹿のようにビクンビクンしていた。

佐天(あの人の能力って何だったんだろう?まあいいや)

佐天(解除《リセット》)

そうすると、白い人は痙攣をやめ、ぐったりと呼吸を整えていた。

何故かはわからないけど身の危険を感じたので、早々にその場を離脱することにした。


19: 一秒 2011/05/08(日) 22:11:19.38 ID:ujZpk/MAO


なんか私、そろそろ能力を上手く扱えてきているかもしれない。

小学校の頃はさっぱりだったが、
中学に上がってからは結構頻繁に使える場面が増えてきている。

まあほとんど約一名のおかげなのだが。


十分に満足出来たので、メガネ好きのとこにでも行こうかとしていた所。

テレポート中の白井さんにばったり出くわした。

佐天「あっ、白井さん」

黒子「まあ、佐天さんですの」ツヤツヤ

振り返った白井さんは、やたらとツヤツヤしていたが、まあ私には関係のない事だろう。

ついでにテレポートで一緒に送ってもらっていた所、白井さんの携帯が鳴り響いた。


20: 一秒 2011/05/08(日) 22:15:37.44 ID:ujZpk/MAO


黒子「はい、はい……わかりましたわ!」ピッ

白井さんは表情を引き締めると、仕事モードに入った。

黒子「銀行強盗ですわ。すみませんが佐天さん、危険ですのでここでお別れで」

佐天「待って白井さん。私も連れていって下さい」

黒子「何をおっしゃいますの佐天さん!?一般生徒を事件に巻き込むわけにはいきませんの!

それにレベル5のお姉さまならともかく、レベル0のあなたではーー」ハッ

白井さんは思い出したように、口をつぐむ。ばつが悪そうに、言いきれないでいる。

あのレベルアッパー事件を思い出したのだろう。

私がレベル0であることを悩み、苦しみ、レベルが上がると言われる、違法なモノに手を出してしまったことに。

私は首を横に振ると、白井さんに語り掛けた。

佐天「もう大丈夫ですよ。平気です。だって、大切な人に出会えたんですから」

黒子「大切な、人?初春の事ですの?」

佐天「それもその一つです。もう一つは白井さん、あなたですよ」

黒子「わ……私?」


21: 一秒 2011/05/08(日) 22:22:47.84 ID:ujZpk/MAO


そう、あの時。

全てが終わって、一息ついた頃。

風紀委員の支部で二人きりになったときに白井さんは言ってくれたのだ。

黒子『佐天さん。つらい時や、悲しい時は初春だけでなく私やお姉さまにも頼って下さいまし』

黒子『言っていただかないと助けられないなんて、友達失格かもしれませんけれど』

黒子『それでも助けてあげたいんですの。だってわたくしは、佐天さんの友達でいたいのですから』

佐天『白井さん……はい。わかりました!』

黒子『ふふっ。それに佐天さん、わたくしを誰と心得まして?』

白井さんは慣れ親しんだ動作でポーズを組むと、不敵に笑って見せた。

黒子『生徒達の安全と秩序を守り、悩める生徒には手を差し伸べる存在ーー』





黒子『ジャッジメントですの!(キリッ』

そう。待ち焦がれていたこのセリフを。


22: 一秒 2011/05/08(日) 22:29:00.60 ID:ujZpk/MAO


 大切な親友がいる。

だけどそれだけじゃ報われない事がある。

この人がいれば、私は無能力者ではないのだ。

私は、この人に会うために生まれてきたんだと思わせる、そんな気持ちを心に抱いた瞬間だった。


佐天「白井さん。私は白井さんの友達です。だからせめて、見守らせて下さい」

真剣な眼差しで訴えかける。これでダメならば、諦める。

大切な友達を、あまり困らせたくないから。

黒子「ーーわかりましたの。すぐに行きますわよ。ただし、絶対に現場に近づかないで下さいまし」

佐天「わかってますよ。白井さんの声が届く範囲で、遠くから見守らせていただきますね」

そうして、私達は現場へと飛び立っていった。


23: 一秒 2011/05/08(日) 23:49:30.16 ID:ujZpk/MAO


強盗A「なにチンタラやってんだ!早く金を詰め込みやがれ!」

現場の銀行から少し離れた

銀行からは見えない死角にテレポートで着くと、暴力的な声が轟いてきた。

黒子「佐天さん。佐天さんはここに隠れていて下さいまし。

ここからなら、姿を見ることは出来ませんが、声が届くはずですの」

佐天「はい。見れないけど見守ってますね」

黒子「では」

白井さんは中の様子を確認するべく、銀行内の死角へとテレポートしていった。

気をつけて下さい、白井さん。


24: 一秒 2011/05/08(日) 23:57:22.63 ID:ujZpk/MAO


黒子(1、2、……強盗は5人ですわね)

黒子(覆面を被って銃を携えている。……典型的な強盗ですの)

黒子(ですが)

黒子「ジャッジメントですの!」

強盗A「あぁ?ちっ、テレポーターのお出ましか。ったく、さっさととんずらしたかったのによお」クハハ

黒子(ずいぶんと余裕ですわね……だけどそれもこれまでですの)

黒子「その銃が偽物だってことはわかっていますの。何かしようとしても、あなた達と人質の距離は離れ過ぎている。

あなた達の中に能力者が混じっていても、レベル4のテレポーターである私の方が速いですわよ」

強盗B「ひひゃは、全然わかってねえな」

黒子「どういう意味ですの」

強盗C「こういうことだよ」ボワッ

黒子「……レベル3相当の炎ですの?」

強盗D「レベルアッパーの名残でな。実は俺たちまだ全員レベル3以上なんだわ。つっても大抵は攻撃にしか使えない能力だから、それを使って憂さ晴らししてるわけ」

黒子「ぐっ……ですが、まだテレポーターの私の方がーー」

少女「んーーっ!」

黒子「なっ、いつのまに人質が!?」

強盗A「強盗Eの偏光能力、唯一の攻撃以外の能力者だ。なぁ?」

強盗E「クキケコカキケコッ!」ジャキッ

少女「んーーッ!?」

黒子(唯一の武器が強盗Eのナイフのみ。しかし他の4人は全員レベル3以上の能力者。いったいどうすれば……いえ)

黒子(相手の能力を見誤り、警備員の到着もまたずに飛び込んでいった私が悪いのですわ……)


25: 一秒 2011/05/09(月) 00:10:18.60 ID:qioyldSAO


強盗A「わかってるとは思うが

上位能力者、噂のテレポーターをぶちのめすのも計画のうちだぜ」クハハ

強盗B「どうした、命乞いでもしてみろよ」ヒヒャハ

強盗C「すいません、無能な私の取り柄は能力だけでしたってなあ!」ケケケ

強盗D「ざまあねえな大能力者!」ケラケラ

強盗E「クカカキケコカッ!」ググッ

少女「ん~っ!」モガモガ


黒子「……命乞いなんて絶対にしませんの。何故ならわたくしは……ジャッジメントですの……!(ギリッ」


26: 一秒 2011/05/09(月) 00:19:26.07 ID:qioyldSAO


強盗A「カハハ、聞いたかみんな!?

これがジャッジメントだとよ!?
自分より格下の相手に手も足もでねぇ、無能なやつがよぉ!」

強盗B「ひひゃは、聞かせてもらえねぇかなぁもう一度!?登場時の威勢のイイセリフをよお!!」

強盗C「言ってたなそういえば」ケケケ

強盗D「なんてセリフだっけなあ?」ケラケラ

強盗E「『クキケコカキケコッ!』」

強盗A「ちげぇだろうが。確かこうだったよなぁ?」スウッ





強盗A「『ジャッジメントですの!(キリッ』」





27: 一秒 2011/05/09(月) 00:26:43.52 ID:qioyldSAO


(自分より格下の相手に手も足もでねぇ、無能なやつがよぉ!)

佐天(……許せない。白井さんを無能扱いするなんて)

佐天(せめて人質さえ助けられれば……)

佐天「私が……私がやるんだ!」

強盗A『ジャッジメントですの!(キリッ』

佐天「相手をレベル0に変える能力(ちから)ァアアアアアアアアア!!」

私は銀行内へと飛び込んでいった。


28: 一秒 2011/05/09(月) 00:35:40.13 ID:qioyldSAO


強盗A「なんだてめえ!」

男が能力で私を吹き飛ばそうと手をかざしたが

能力は発現しなかった。

強盗A「どうなってやがる、おい?!」

そのまま強盗Aの脇を通り過ぎ、強盗Eへむかって体当たりをした。

佐天「わあああああああ!!」ドンッ

強盗E「クキッ!?」ボキィッ!!

少女「ひぃっ!」ドサッ

佐天「早くあの人の所へ!!逃げて!!」

少女「は、はい!」

少女は立ち上がって白井さんの所に駆け出してゆく。が、残った強盗が少女に向かって炎を放出した。

佐天「白井さん!」

黒子「了解ですの!」

白井さんがテレポートで少女のもとへ行き、一緒にテレポートすることで炎から逃れることが出来る。


29: 一秒 2011/05/09(月) 00:46:36.69 ID:qioyldSAO


強盗B「させねえよ!!」ビリビリ

黒子「がアっ!?」バチバチ

佐天「白井さん!?」

不味い。テレポートは複雑な演算が必要だ。

電撃を浴びながら正確なテレポートなんて、出来るはずがない。

このままじゃ女の子が炎にのまれてーー。

少女「いやああああああああ!」



私がーー

私がもっと強ければーー


私に力があれば!!!!!強くなりたい!!!!!



佐天「相手をレベル0に変える能力っ……!!

レベル2ぅううううううう!!!!!!!!」




31: 一秒 2011/05/09(月) 00:58:36.83 ID:qioyldSAO


私がかざした手の平から現れたものは、強靭な突風だった。

女の子に当たらないように風の流れを調節し

炎とその直線上にいる強盗Dをまとめて吹き飛ばした。

強盗C「俺のレベル3の炎が掻き消されただと!?」

強盗A「おい、待てよ……その風はまさか……」

佐天「問答無用」ビュオオオ

強盗A「ぐはあっっ」ドガアッ

強盗Aを壁に叩きつけて気絶させる。

無駄に私の能力をバラさないで欲しい。


32: 一秒 2011/05/09(月) 01:01:49.27 ID:qioyldSAO


私の“相手の能力をレベル0に変える能力”。

どうやら、この不可思議な能力にも超能力と同様にレベルが存在していた。

レベル2の能力、それは“レベル0にした相手の能力を私が得ることができる”だった。

強力な能力だ。

まあ、相変わらず相手に『ジャッジメントですの!(キリッ』と言わせる条件をクリアしなければいけないので、めったに使えないだろう。

佐天(だけど、神様ありがとう。この世界の神様とは別の神様かもしれないけれど、私はこの場であなたに感謝します)

佐天「だって今、私はこの場で能力を使えるんだからっ……!」

白井さんのようにポーズをとると、私は高らかに宣言した。

佐天「空力使い(エアロハンド)、レベル4ッ!佐天涙子!いくよっ!!」


33: 一秒 2011/05/09(月) 01:10:32.26 ID:qioyldSAO


強盗B「くそ、残りは全員レベル3か!がアッ」ゴオアッ

強盗Bの電撃が私に届く前に、暴風が全てを包み込んだ。

強盗C「おい!強盗E!偏光能力で俺を隠せ!」

強盗E「」ピクピク

強盗C「このモヤシ野郎が!」

強盗D「水流操作レベル4ーーごふっ」ドシャッ

隙を窺って水流操作で仕留めようとしていた強盗Dを、上から風圧で押し潰した。

周囲の風を読み取り、他に強盗が隠れていないか確認する。

そして、残った強盗Cの方へと振り向いた。

佐天「残りはあなただけ。どうするの?」

強盗C「逃げるに決まってるだろうが!」ボオオオオ

炎で姿をくらまし、あちこちに火球を飛ばす男。

人質に当たらないように風の流れを操作し、火球を防ぐ。

だが、強盗Cは既に逃げ出した後だった。

佐天「ま、最後の締めは」

大切な友達に任せますか。


34: 一秒 2011/05/09(月) 01:22:44.80 ID:qioyldSAO


強盗C「くそっ、なんでこんなことになっちまったんだ!ガッ」ドサッ

黒子「チェックメイトですわ」ギリリ

強盗C「な、なぜお前が動ける!?レベル3の電撃を喰らったはずだろうが!」

黒子「日頃、お姉さまに鍛えられておりますので」

強盗C「くそ、なら炎でーーひっ」ドスドスドス

黒子「能力を使おうとするのならば、今地面に刺した鉄矢をあなたの体内にテレポートしますの」ギリギリ

強盗C「があああああ!?」

黒子「わたくしが能力だけの無能かどうか、しっかり体にわからせてあげますのよ」


35: 一秒 2011/05/09(月) 01:31:56.20 ID:qioyldSAO
~~~


初春「佐天さん!」

佐天「ういはる~っ!」バッサー

初春「きゃああああ!」

黒子「強盗を捕まえた後にスカートめくりとか、TPOをわきまえて欲しいですの……」

私が初春のスカートをめくり、初春が慌ててスカートを抑え、白井さんが溜め息をつく。

この一連の流れが、私達に言いようのない安心感を与えてくれた。

黒子「結果的に無事だったとはいえ。強盗の前に単身で乗り込むなんて今後一切やめて欲しいですの」

佐天「白井さんがいたじゃないですか」

黒子「屁理屈はいりませんの。何の根拠もなく、能力が上がりそうだったから飛び込んだとか、佐天さんの身に何かあったらどうするんですの」

佐天「あははは、でも一時的にレベルが上がって風を使えるようになったんで、作戦通りかな!なんて」

黒子「ナイフを持った犯人に向かって体当たりをしましたわよね?」ジトー

佐天「う。いやー、レベルが上がったのはその後だったから……」

目をそらして、言葉を濁してごまかす私。


36: 一秒 2011/05/09(月) 01:38:12.57 ID:qioyldSAO


白井さんはそんな私を見てくすりと笑って。

黒子「わたくしを救っていただき、ありがとうございました」

ペコリとお辞儀をした。思わず私は苦笑する。

佐天「なーに言ってるんですか。私達は友達ですよ?」

佐天「私が困った時に白井さんが助けてくれるなら。

白井さんが困っている時に私が助けるのは当然じゃないですか!」

黒子「佐天さん……」

ちょっとクサいセリフだったかな?と私の頬が赤くなったけど。

白井さんの頬も赤くなっていたのでイーブンだろう。

初春「さ・て・ん・さ・ん~」バサアッ

佐天「へっ?」

私のスカートがふわりと舞い。

公衆の面前で下着が露わになり、人々の注目を集めることになった。

佐天「なにするんだ初春ぅー!?」

初春「私を置いてけぼりにして白井さんといい雰囲気になってる佐天さんが悪いんですー!いつもの仕返しですー!」

佐天「なんだとこのぶりっこがーー!メガネ好きにしてやるーー!」

初春「なに意味わかんないこと言ってんですかーー!」

黒子「ですからあなた達場所をわきまえろですのーー!」


~END~