ＰＡＲＴ１　ボコミュージアムの密談


ボコミュージアム内・ボコシアター…


おばちゃん『はーい、かけうどんお待たせー』

ボコ『おいおばちゃん！丼に指突っ込んで持ってくるなよ！』

おばちゃん『やかましい！やっちまえ！』


杏「ゴルゴちゃんしばらくー、元気してたー？」

ゴルゴ１３「俺の方を見るな…、ボコショーの方を見て話せ…」

杏「ゴルゴちゃんのことだから既に裏は取ってると思うけど、今ウチってヤバいことになってんだよねー」

ゴルゴ１３「大洗女子学園の廃校か…」

杏「そうそれ、そんでゴルゴちゃんの力を借りたいんだ」

ゴルゴ１３「標的は文科省の辻か？」

杏「いや、それも考えたんだけど、あいつ殺しても替わりが来るだけだしさー、そんで、
なんとか大学選抜チームと戦って勝ったら廃校撤回って約束を取り付けるのに成功したんだ。
んで、ゴルゴちゃんにはそのサポートをお願いしたいんだ」

ゴルゴ１３「…」

杏「いや、これがゴルゴちゃんの流儀に反する依頼だってのはわかってるよ？でもあいつら
何か企んでるみたいだし、もうこうするしかないんだよ。このスーツケースに足のつかない
旧紙幣で３億円ばっか入ってる、こんな時のために隠しといた秘密予算のほぼ全額だよ。
これでなんとかお願いできないかな？」

ゴルゴ１３「依頼内容が『狙撃による火力支援と妨害勢力の排除』というなら引き受けてもいい…。ただし…」

杏「ただし？」

ゴルゴ１３「…その結果、お前の望むような効果を得られるかどうかの保証は出来ない…」

杏「それはこっちも承知の上だよ」

ボコ『うう…みんなー！オイラに力をくれー！』

杏「がんばれボコー！ほら、ゴルゴちゃんも応援しないと怪しまれるよ？」

ゴルゴ１３「ボコがんばれ－」

ボコ『また負けた…、次こそはがんばるぜ！』

杏「あー、やっぱこうなるんだー。ウチと同じだねー、さんざん理不尽な目に遭わされて最後は負けるって
みんなそう思ってる。でも、あたしってこういう予定調和って大っ嫌いなんだよねー。こういうの見ると
全部ひっくり返してやりたくならない？」

ゴルゴ１３「金が安全なことを確かめたら行動に移る…」

杏「頼んだよー、んで、この後なんだけどさー」

杏「ほら、ゴルゴちゃんって依頼人があたしみたいな美人だと『お願い！抱いて！』『アアアアーッ！』って
展開によくなるじゃない？あたしもさー、相手がゴルゴちゃんだったらいいかなーって思ってホテルに部屋取って
パンツも○○○○デザインのやつ穿いてんだけど…」

ゴルゴ１３「…悪いが俺にロリコン趣味はない…」

杏「なんだよそれ！失礼しちゃうなー、これでもカチューシャちゃんや知波単の福田ちゃんには勝ってるんだよ！？
継続のアキちゃんにはちょっとだけ負けたけどさー！」

ゴルゴ１３「…」

ＰＡＲＴ２　下請けへの依頼

大洗ホテル、ＫＶ－２にやられてない部屋…

情報屋「…以上が大学選抜チームと、その隊長の島田愛里寿の全ての情報です。あとこれが
文科省の動きです。この男たちですが、以前は陸自の特殊部隊や情報保全隊に所属していましたが、
不祥事を起こして自衛隊を追い出されてからは文科省を相手に汚れ仕事を請け負っています。
学園艦教育局がこの連中を使うのは間違いないでしょう」

ゴルゴ１３「…わかった、ご苦労だった…」

ゴルゴ１３（大洗女子学園の生徒の中に、フリーランスの工作員がいたな…、接触してみるか…）

廃小学校跡…


？？？「…！」

ゴルゴ１３「声を立てるな、仲間に気付かれないよう普通に振る舞え…」

？？？「…」

ゴルゴ１３「やはり俺が何者か知っているようだな…、仕事を頼みたい、１時間後に例の場所で…」

？？？「…わかった」

ニューヨーク、デイヴ・マッカートニーの工房…

デイヴ「ご注文の品だよ、Ｈ＆Ｋ・ＳＧ－１マークスマンライフル！リューポルドの６倍率電動可変焦点スコープ付きだ。
注文通り３００ｍでゼロインして不測の事態に備えてフルオートマチック射撃の機能をそのまま残して特に精度の
高い個体を選んで更にバレルやトリガーを手直ししてある」

デイヴ「そしてこれが消音器だ、スイスのブレッガー＆トーメの製品をベースにわしが改良を加えた。オリジナルの
５割増の減音効果がある。１００ｍも離れればほとんど銃声が聞こえなくなるはずだよ。まったく、銃本体よりこっちの
ほうが手間が掛かったよ」

デイヴ「そしてこっちが弾薬だ。非常時用の通常弾とピクリン酸封入型の特製炸裂弾がそれぞれ１２０発、あとフランジブル弾
が８０発だ。それにしても、普通弾と炸裂弾はわかるんだが、フランジブル弾なんて何に使うんだね？屋内突撃訓練でもするのか？」

ゴルゴ１３「…」

デイヴ「いかんいかん、わしの知ったことじゃなかったな」

ゴルゴ１３「世話になった…」

ＰＡＲＴ３　開戦前夜

北海道、苫小牧演習場…

ゴルゴ１３（いよいよ明日か…、大洗と交流のある他校の動きが気になる…、こちらの雇った
工作員の報告待ちだな…）

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

杏「厳しい戦いになるな…」

みほ「私たちの戦いはいつもそうです。でも…、みんながいますから」

杏（西住ちゃんたちやみんなの士気は十分だね。ゴルゴちゃん、後は頼んだよ…）

ＰＡＲＴ４　状況開始

亜美「ではこれより、大洗女子学園対大学選抜チームの試合を行います。礼！」

『待ったぁぁぁぁ！』

みほ「お姉ちゃん！？」

辻「戦車まで持ってくるのは反則だ！」

理事長「みんな私物なんじゃないですか？私物がダメってルールありましたっけ？」


辻「卑怯だぞ！」

亜美「異議を唱えられるのは相手チームだけです」

愛里寿「我々は構いません、受けて立ちます。試合を開始してください」

辻（まあいい、たとえ戦車が同数でも、こっちにはカールがあるし、何より妨害工作班をフィールドに潜入させてある。
やつらには万に一つの勝ち目もないはずだ…）

辻（おかしい…、『大洗の伏兵と遭遇、交戦中』の報告を最後に工作チームとの連絡が途絶えた…。
まさか全滅したわけじゃあるまいな…）

理事長「どうしました？」

辻「い、いえ、何でもありません」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

チームリーダー（やつは化け物だ…、２０人近くいた手下を全滅させるとは…、とても勝てる相手じゃない…）

チームリーダー「おい！撃つな！降伏する！お互いプロだろ！？金もらってやってるだけだぜ！」

ゴルゴ１３「そう言われて見逃してやるようなやつが生き残れる業界ではないことはお前も知っているはずだ…」

チームリーダー「くっ！」

チームリーダー、隠し持っていた拳銃で反撃するも返り討ち。

ゴルゴ１３（余計な時間を使ってしまったな…、やはり主戦場は遊園地跡か…）

ＰＡＲＴ５　観覧車先輩

ゴルゴ１３（こちらの工作員が仲間を観覧車に誘導しているはずだ…）

梓「よーし！ミフネ作戦、行きます！」

梓「やった！」

あや「沙希ちゃん天才！」

優季「あれー？」

梓「退却ー！」

ゴルゴ１３（転がる観覧車の進路上に炸裂弾を撃ちこんで障害物を破壊、横転を防ぎつつ、目標の野外音楽堂に誘導する…！）

アズミ「回避行動ー！」

ローズヒップ「あらー？変ですわー？」

アリサ「変ですわじゃねー！」

桃「余計な事すんなー！」

ゴルゴ１３（よし、成功だな。次はヴォイテクだ…）

ＰＡＲＴ６　最終局面

ゴルゴ１３（ヴォイテクは軽い衝撃で電源が入るように細工がしてある…、リモコンなどを仕込んだら俺の関与が
バレる恐れがある…、命中と同時に粉々に砕けて証拠を残さないフランジブル弾を撃ちこんでヴォイテクの動きを
コントロールする…）

ゴルゴ１３（大学選抜チームの隊長、島田愛里寿は、毎朝の朝食も母親のコネを使ってロシアから密輸したボコの
肉を食べるほどの無類のボコ好きだ…、ボコそっくりなヴォイテクが突然現れれば必ず動揺を誘えるはず…！）

Ⅳ号とセンチュリオンの間に割って入るヴォイテク。

愛里寿「！｝

みほ「！」

まほ「！」

みほ「前進！」

ゴルゴ１３（俺の仕事はここまでのようだな…。後は西住姉妹の実力だけで十分だろう…）

『大学選抜残存車輌なし！大洗女子学園残存車輌、１！大洗女子学園の勝利！』

杏「西住ちゃーん！」

柚子「ありがとう！」

桃「勝った！勝ったぞ！」

杏（ゴルゴちゃんもありがとね…、でも、秘密の予算使い切っちゃったから、次期生徒会は苦労するだろうなあ…）

ゴルゴ１３（文科省の辻…、こんな失態を演じたからには、俺が手を下す必要はないだろう…。最終章を待つ全国のガルパンおじさんのためにも…）

ＰＡＲＴ７　取って付けたような濡れ場

梓「あれ？沙希はどこ？」

桂利奈「沙希ちゃんだったらさっき用事があるって出掛けたよ？」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

ゴルゴ１３「ご苦労だったな…、いい仕事をしてくれた…。報酬だ…」

紗希「…」

ゴルゴ１３「…どうした？」

紗希「…お金…、いらない…」

ゴルゴ１３「…」

紗希「おっさん…抱いて…」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

紗希「アアアアアーッ！」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

紗希「お金、いらないって言ったよ…？」

ゴルゴ１３「受け取ってくれ…、それはそれ、これはこれだ…」

紗希「もう会えないの…？」

ゴルゴ１３「…また連絡する」

紗希「ありがとう…、待ってる…」

ＰＡＲＴ８　お姉ちゃんの妄執

熊本、黒森峰女学園…

ゴルゴ１３「用件を聞こうか…」

まほ「エリカ、もういい、お客さんと２人きりにしてくれ」

エリカ「でも隊長！この人どう見ても堅気じゃないですよ！？それにさっきチラっと見えたけどピストル持ってましたし！」

まほ「いいから外してくれ」

エリカ「気を付けてくださいね…」

まほ「すまない、エリカは優秀なやつなんだが融通が利かないところがあってな、気を悪くしたなら謝る」

ゴルゴ１３「ああいう実直な部下を持つ人間は信頼できる…。その部下が命懸けの忠誠を誓っているようなら尚更だ…」

まほ「そう言ってもらえると有り難い。仕事の話を始めてもいいか？」

ゴルゴ１３「ああ、始めてくれ…」

まほ「ターゲットはこれだ」

ゴルゴ１３「西住みほ…、あんたの妹か…」

まほ「ああ、彼女のハートを射止めて欲しいんだ！」

ゴルゴ１３「…」

ゴルゴ１３「…あの、ウチはそういうのはやってないんだけど…」

まほ「『不可能を可能にする男』と呼ばれたあんたでもダメかぁ…」

ゴルゴ１３「ごめん…、力になれなくて…」

まほ「いや、こっちこそ無理言っちゃって…」




　　　　　　　　　　　　　　　　　ＥＮＤ