………
……
…
《まっすぐの道》
「おおっ! 君は梓ちゃんじゃないか!」
梓「え? え?」
「久しぶりだなあ!」
梓「え、えと…」
紬「梓ちゃん、知ってる方?」
梓「いや…その…」
「あれ? 私だよ、覚えてないのかい?」
梓「あ、えと…すみません…」
……
…
《まっすぐの道》
「おおっ! 君は梓ちゃんじゃないか!」
梓「え? え?」
「久しぶりだなあ!」
梓「え、えと…」
紬「梓ちゃん、知ってる方?」
梓「いや…その…」
「あれ? 私だよ、覚えてないのかい?」
梓「あ、えと…すみません…」
引用元: ・唯律「ぽけもんだぜー!!」澪「ぽけもん…」紬「ぽけもんね~」梓「ぽけもんです!」
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517: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:18:06.01 ID:vYiXe9uAO
「ん~まあしょうがないな。なんせ会ったのは純がまだずっと小さい頃だったからなあ」
紬「!」
梓「今、純って言いました!?」
「あ、ああ」
梓「純を知っているんですか!?」
「知っているもなにも…、私は純の父親だ」
梓「え…ええええええ!?」
紬「純ちゃんのお父さん!?」
クロツグ「ああ、クロツグだ」
518: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:20:03.48 ID:vYiXe9uAO
梓「なるほど…。そういえば、さっきの雑お……叫び声…」
紬「血筋ね」
クロツグ「君は紬さんだろう? 純の先輩の」
紬「あ、はい!」
クロツグ「綺麗で優しい人、と純も言っていたよ」
紬「それほどでも~♪」テレテレ
梓「というか、クロツグさんはなにを…」
ポッド「くぉらァッ!!」
梓紬「!!」
519: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:22:04.63 ID:vYiXe9uAO
ポッド「俺達を差し置いて、なにくっちゃべってるんだァッ!?」
デント「ずいぶんと余裕だね!!」
コーン「ヒヤップ!!」
ヒヤップ「ヒヤッ!」
クロツグ「ドレディア!!」ボム!
ドレディア「レディー!」
ヒヤップ「ヒヤッ!?」
シュッ!!
コーン「…!!」
ザキイイッ!!!
ヒヤップ「ヒヤァッ!?」
コーン「“はなびらのまい”ですか!!」
520: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:24:04.57 ID:vYiXe9uAO
梓「クロツグさん!!」
クロツグ「困っているんだろう? 私でよければ手助けするぞ」
梓「ありがとうございます!」
紬「ネル! “エアスラッシュ”よ!!」
ネル「トゥートゥー!」ビュオッ!
ヤナップ「ヤナッ!?」
デント「!」
ポッド「バオップ! ヤナップに加勢を…」
梓「ミミちゃん、“とびげり”!」ボム!
ミミちゃん(ミミロップ)「ミミロー!」ダッ!
バオップ「バオッ!?」ドガッ!!
521: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:26:24.48 ID:vYiXe9uAO
ポッド「なにッ!!」
梓「頭数は揃いました!
コンビネーションは崩しましたよ!!」
ポッド「クソゥッ…!」
クロツグ(ほう…二人とも、いい攻撃だ)
コーン「よそ見をしていていいのですか!?
ヒヤップ、“ねっとう”!!」
ヒヤップ「ヒヤッ!!」
クロツグ「むう…! ドレディア、“はなびらのまい”!!」
ドレディア「レディー!!」ビュオッ!!
コーン「! ヒヤップ、“まもる”です!!」
ヒヤップ「ヒヤッ」ググッ!
522: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:28:33.92 ID:vYiXe9uAO
クロツグ「! もう一度だ!!」
コーン「こちらももう一度です!!」
キキインッ!!!
ヒヤップ「…」タッ
ドレディア「…」タッ
クロツグ「…そう何度も“まもる”は使えん。次は決めるぞ」
コーン「まあそうでしょう。ですが、私は狙っていたのですよ。この時を…」
クロツグ「なに?」
523: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:30:03.53 ID:vYiXe9uAO
コーン「“はなびらのまい”は威力の高い技ですが、連続で使ってしまうと“こんらん”してしまうのです!!
…それぐらいはご存知ですよね?」
クロツグ「……」
コーン「フフ…」ニヤ
コーン「ヒヤップ、“ねっとう”…」
ドオオオオオン!!!!!
コーン「…!?」
ヒヤップ「」バタッ
コーン「“はなびらのまい”!? な、なぜ!?」
クロツグ「私のドレディアの特性は“マイペース”! “こんらん”をしないという特性だ!
…それぐらいは存じているよな?」
コーン「キ、キィ~!!」
524: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:32:06.28 ID:vYiXe9uAO
デント「コーンが…!」
ポッド「負けたッ!?」
クロツグ「なんだかなー。
もう面倒だ! 一気に片付けるぞ!!」
クロツグ「ドサイドン! ドクロッグ!」ボム!!
ドサイドン「ドサイー!!」 ドクロッグ「ロググッ!」
クロツグ「“がんせきほう”!! “ダストシュート”!!」
ドガアアアアアン!!!!!!
ヤナップ・バオップ「」バタバタッ
デント「な、なんというテイストだ…!!」
紬「つ、強い…!!」
525: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:34:06.20 ID:vYiXe9uAO
梓「そういえば…、純が言ってました。
『私のお父さんは……』」
梓「“フロンティアブレーン”!!
その実力は四天王・チャンピオンと同等だという……、“タワータイクーン”クロツグ!!!」
クロツグ「なんだかなー。そんな凄いか分からないけど…」
コーン「“フロンティアブレーン”ですって!?」
デント「通りで、とてもパンチが効いているテイストだと思ったよ…」
ポッド「勝ち目がねェッ!! ここは…ッッ!!!」
デントポッドコーン「逃げるが勝ちだ!!!」ダッ!!!
梓「あっ!!」
クロツグ「逃げられたか…」
紬「追う? 梓ちゃん」
梓「でも骨を持って行ったのはあの人達じゃないですよね。
確かに、あの人達はプラズマ団ですけど…」
526: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:36:03.87 ID:vYiXe9uAO
クロツグ「プラズマ団!?」
梓紬「へっ?」
クロツグ「しまった! あいつら、プラズマ団だったのか!!」
梓「ど、どういうことですか?」
クロツグ「私は、ある人物からプラズマ団を調べるように言われているんだ!」
紬「ある人物?」
クロツグ「話は後だ! とにかく、あいつらを追わないと!!
君達は来るかい!?」
梓「私達は…」
紬「友達を待たせているので…」
クロツグ「そうか! じゃあな!!」タッ!!
梓「……所々、純の面影がありますね」
紬「面白い人ね~♪
まあ今はりっちゃん達と合流しましょう。プラズマ団と会ったことだし」
梓「はい」
527: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:40:45.02 ID:vYiXe9uAO
………
……
…
《ヤグルマのもり入口付近》
梓「ええと…唯先輩達は……」
紬「! いたわ!!」
梓「律先輩~!」
律「! 梓、ムギ…」
梓紬「!?」
紬「唯ちゃん! どうしたの!?」
唯「……」ガクッ
梓「プラズマ団と戦って…?」
……
…
《ヤグルマのもり入口付近》
梓「ええと…唯先輩達は……」
紬「! いたわ!!」
梓「律先輩~!」
律「! 梓、ムギ…」
梓紬「!?」
紬「唯ちゃん! どうしたの!?」
唯「……」ガクッ
梓「プラズマ団と戦って…?」
528: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:42:03.45 ID:vYiXe9uAO
律「ああ…、実は…澪にやられたんだ……」
梓「澪先輩に!?」
紬「どういうこと…!?」
律「澪の奴……、プラズマ団になっちまった……」
梓紬「…!!」
律「私たちのこと忘れてるみたいで…。
澪のことだ、一人でいる時にゲーチスに誘われてついていっちまったんだろ…」
梓「そんな…澪先輩が……」
律「あ、でも! ドラゴンの骨は取り返したぞ! 澪の奴、いらないとか言ってさ!
せっかく盗んだのになに考えてんだろうな、あいつ! ははっ…」
紬「りっちゃん…」
529: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:44:05.77 ID:vYiXe9uAO
グスッ…
律「なん、でだよ……みおぉ……なん、で……」
梓紬「………」
梓「……」ガサッ
紬「!」
ガチャッガチャッ
律「…?」ゴシゴシ
紬「梓ちゃん?」
梓「…即興の化石復元装置です」ガチャッガチャッ
律「化石復元…?」
紬「……。手伝うわ、梓ちゃん」
530: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:46:05.50 ID:vYiXe9uAO
…………
………
……
…
ガチャッ…
梓「…できました!
あとは化石をここに入れて…」
律「なあ梓、なにをしてるんだ?
こんなところで…」
梓「…見ていてください」
律「……」
パキッ……
紬「あ…」
パキッ…パキッ…
律「化石が……」
………
……
…
ガチャッ…
梓「…できました!
あとは化石をここに入れて…」
律「なあ梓、なにをしてるんだ?
こんなところで…」
梓「…見ていてください」
律「……」
パキッ……
紬「あ…」
パキッ…パキッ…
律「化石が……」
531: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:48:10.04 ID:vYiXe9uAO
梓「さあ、誕生しますよ。化石から、古代のポケモンが…!」
ピカアアッ!!!
「プロプロー!」
律「…!!」
紬「わあ♪ かわいいわねっ」
梓「プロトーガですね。うん…、ニックネームは『トンちゃん』がいいです。
よろしくね、トンちゃん!」
トンちゃん「プロプロ!」
律「すげえ…、化石からポケモンが…」
532: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:50:09.66 ID:vYiXe9uAO
梓「…ポケモンって凄いですよね。
古代でもう絶滅してしまったポケモンも、こうして生き返らせることができる…。他にも色々…。
私、そんなポケモンの凄さを知って、『ポケモン博士になろう』と思ったんです」
律「……」
梓「人も同じですよ! たとえ消えてしまっても、昔からの記憶は……大事な記憶はきっと蘇りますよ!
そう気を落とさないでください! 澪先輩も絶対に大丈夫ですから!!
律先輩らしくないですよ!!」
律「……。へへっ、そうだな。私らしくないよな!
澪も、きっと元に戻るよな!!」
梓「絶対です!!」
律「…ああ!」
紬「ふふ♪」
533: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:52:03.91 ID:vYiXe9uAO
梓「じゃあ唯先輩を連れて、博物館へ帰りましょう。アロエさんたちも待っています!」
紬「そうね。とりあえず今は…」
ガサッ!
律梓紬「…!!」
「ふふ、ここで帰らせるにはいきませんね」
梓「誰かいます!」
律「誰だ!?」
「どうも」ガサッ
律「お、お前はプラズマ団七賢人の…!!」
カトレア「カトレアです」
紬「プラズマ団!?」
梓「まだいたんですか…!」
534: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:54:05.46 ID:vYiXe9uAO
律「モール!」カチャ
カトレア「ムシャーナ、“さいみんじゅつ”!」
ムシャーナ「ムゥー!」ミュワアアン
律「!?」クラッ…
律「うっ…」バタッ
梓「律先輩!
くっ…よくも!! ミミちゃん!!」
ミミちゃん「ミミロー!!」ダッ!
カトレア「……」
ガキイイッ!!!
ミミちゃん「…!」
梓「!?」
535: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:56:04.90 ID:vYiXe9uAO
ユリ(ユンゲラー)「ユン!」
紬「“リフレクター”…間に合ったわね」
梓「ムギ先輩!? どうしてその人を庇うんですか!!」
紬「待って、梓ちゃん。
このムシャーナっていうポケモン…、よく見たら、前に“ゆめのあとち”で私を助けてくれたポケモンだわ…」
梓「…え?」
カトレア「…ご名答ね」
梓「あなた、プラズマ団じゃあ…」
カトレア「さあ? でも、あなたたちの敵ではないわ」
536: ぽけもん 2011/03/02(水) 20:58:11.34 ID:vYiXe9uAO
梓「一体どういう…」
カトレア「この子たち、借りていくわね」ガシッ
梓「!? いけません! 唯先輩と律先輩を返してください!!」
カトレア「心配しないで。少しの間だけよ。
用が済んだら“ライモンシティ”へこの子たちを送るから、あなたたちも来なさい。…じゃあ」シュッ!
梓「ああっ!」
紬「……。梓ちゃん、とりあえず博物館へ戻りましょう。ね?」
梓「…はい」
537: ぽけもん 2011/03/02(水) 21:00:03.02 ID:vYiXe9uAO
………
……
…
《シッポウはくぶつかん》
キイチ「帰ってきませんねえ…、大丈夫でしょうか……」ソワソワ
アロエ「だらしないね、そう慌てるんじゃないよ。
私達ができることは、待つ…それだけだろう?」
キイチ「ですが…」ソワソワ
キイチ「…あれ?」
アロエ「どうした?」
キイチ「ああ! ドラゴンの骨以外の展示品もなくなってます!!」
アロエ「な、なんだって!
なにがないんだい!?」
キイチ「そ、その…あの丸い石です…」
アロエ「……」
キイチ「……」
アロエ「…ならいいか。別に特別、価値なさそうだし」
キイチ「ですよねー」
……
…
《シッポウはくぶつかん》
キイチ「帰ってきませんねえ…、大丈夫でしょうか……」ソワソワ
アロエ「だらしないね、そう慌てるんじゃないよ。
私達ができることは、待つ…それだけだろう?」
キイチ「ですが…」ソワソワ
キイチ「…あれ?」
アロエ「どうした?」
キイチ「ああ! ドラゴンの骨以外の展示品もなくなってます!!」
アロエ「な、なんだって!
なにがないんだい!?」
キイチ「そ、その…あの丸い石です…」
アロエ「……」
キイチ「……」
アロエ「…ならいいか。別に特別、価値なさそうだし」
キイチ「ですよねー」
538: ぽけもん 2011/03/02(水) 21:02:04.47 ID:vYiXe9uAO
…………
………
……
…
《イッシュ地方のどこか》
ゲーチス「そうですか…。あの骨はゼクロムとは何も関係がありませんでしたか…。あてが外れましたねえ」
澪「……」
ゲーチス「そうです、違う任務を与えていた“ダークトリニティ”のみなさんはどこへ?」
デント「ここです、ゲーチス様ァー!!」
コーン「ただいま戻って参りました」
………
……
…
《イッシュ地方のどこか》
ゲーチス「そうですか…。あの骨はゼクロムとは何も関係がありませんでしたか…。あてが外れましたねえ」
澪「……」
ゲーチス「そうです、違う任務を与えていた“ダークトリニティ”のみなさんはどこへ?」
デント「ここです、ゲーチス様ァー!!」
コーン「ただいま戻って参りました」
539: ぽけもん 2011/03/02(水) 21:04:04.12 ID:vYiXe9uAO
ゲーチス「例の物は?」
ポッド「もちろん盗ってきましたよッ!」スッ
ゲーチス「おお…! これがワタクシが求めていた石!! に近いです。調べてみないと分かりませんが…」
デント「よし! これで我々の株も一気に上がる!」
ポッド「一方、そちらさんはッ…」ジロッ
コーン「任務、失敗しましたもんね?」
澪「……」
デント「さあ! ゲーチス様!! 我々をまた親衛隊に…」
ゲーチス「戻しませんよ」
デントポッドコーン「!!!」ガーン!!!
540: ぽけもん 2011/03/02(水) 21:06:05.93 ID:vYiXe9uAO
ゲーチス「第一、ワタクシの勘が外れただけで、澪さんは任務を失敗してませんし」
デントポッドコーン「」
ゲーチス「…さて、この三人は放っておきましょう。
それで…」
ゲーチス「澪さん。どうでした? 彼女にお会いして」
澪「……。やはりゲーチス様のおっしゃる通りでした。律は…私のことなんて……」
ゲーチス「まあそう落ち込まないでください。
あなたがワタクシに従い、ポケモンを解放することで……彼女もあなたを認めてくれるはずです。
そして理解します。あなたの高尚な考えを…、自分がどれほど愚かだったということをね」
澪「はい、ゲーチス様」
ゲーチス「それに、苦しんでいる人はあなただけではありません。同じように心に傷を負っている仲間がいます」
澪「…というと?」
ゲーチス「出てきてください。
……シルバー」
カツカツ…
シルバー「……」
541: ぽけもん 2011/03/02(水) 21:08:04.05 ID:vYiXe9uAO
…………
………
……
…
「う……ん……」
「……」
パチッ!
唯「あれっ! ここは!?」
唯「……」
唯「確か…“ヤグルマのもり”にいて、澪ちゃんが……」
唯「…澪ちゃん……」ギュウッ…
………
……
…
「う……ん……」
「……」
パチッ!
唯「あれっ! ここは!?」
唯「……」
唯「確か…“ヤグルマのもり”にいて、澪ちゃんが……」
唯「…澪ちゃん……」ギュウッ…
542: ぽけもん 2011/03/02(水) 21:10:09.72 ID:vYiXe9uAO
唯「…? でも、ここ…森じゃないよね? ビルがいっぱい…」
トレーナー「……おい!」
唯「ふぇ!? な、なに!?」
トレーナー「お前…ここは初めてか?」
唯「ここって…どこなの?」
トレーナー「…俺にバトルで勝ったら教えてやるよ!!
バルチャイ!」ボム!
バルチャイ「バールチャ!!」
唯「ええ! ええっと…、チー太!!」ボム!
543: ぽけもん 2011/03/02(水) 21:12:04.99 ID:vYiXe9uAO
………
……
…
バルチャイ「」バタッ
トレーナー「ああっ…!」
唯「よかったあ…勝った……」
トレーナー「クソォ…」
唯「それで、ここはどこなの?」
トレーナー「人々の欲望が集う街、“ブラックシティ”だ!」
唯「“ブラックシティ”?」
トレーナー「ああ。全てが金でやり取りされる街さ。ここでは金が絶対だ」
唯「お金かあ…」
トレーナー「あんたも金目当てで来たんだろう?
さあ、バトルの賞金だ。受け取りな」
唯「ええ!? そんなの受け取れないよ!!」
……
…
バルチャイ「」バタッ
トレーナー「ああっ…!」
唯「よかったあ…勝った……」
トレーナー「クソォ…」
唯「それで、ここはどこなの?」
トレーナー「人々の欲望が集う街、“ブラックシティ”だ!」
唯「“ブラックシティ”?」
トレーナー「ああ。全てが金でやり取りされる街さ。ここでは金が絶対だ」
唯「お金かあ…」
トレーナー「あんたも金目当てで来たんだろう?
さあ、バトルの賞金だ。受け取りな」
唯「ええ!? そんなの受け取れないよ!!」
544: ぽけもん 2011/03/02(水) 21:14:08.24 ID:vYiXe9uAO
トレーナー「はあ? おかしな奴だな。バトルに勝ったら賞金をもらう。…普通だろ?」
唯「でもでも私、そんなの貰ったことないよ!」
トレーナー「……ふうん。あんた強いのに、もったいないぜ」
唯「私、お金が欲しくてトレーナーやってるわけじゃないからねえ」
トレーナー「じゃあなんのために?」
唯「ポケモンが好きだから!
育てて、一緒に戦って…バトルに勝ったら嬉しいから!」
トレーナー「好き…? ポケモンが?」
唯「え…、あなたも好きでしょ?」
トレーナー「……」
トレーナー(このバルチャイ…。いつか売ろうとしてたんだけどな……)
545: ぽけもん 2011/03/02(水) 21:16:06.82 ID:vYiXe9uAO
トレーナー「…不思議な奴だな。この街には絶対にいないタイプのトレーナーだ。
…お前なら勝てるかもしれない」
唯「?」
トレーナー「この街の最強のトレーナー、ランクルス使いのトレーナーに!!」
Episode.17 fin
551: ぽけもん 2011/03/03(木) 17:40:09.00 ID:KXejU/WAO
Episode.18
《ブラックシティ》
唯「最強のトレーナー?」
トレーナー「そう! ランクルスってポケモンを使うこと以外、全て謎の最強トレーナー!!」
唯「……」
トレーナー「…なにか思うことはないのか?」
唯「ふぇ?」
トレーナー「はぁ…。お前もトレーナーなら、バトルをしたいとか思わないのか?」
唯「うう~ん…」
552: ぽけもん 2011/03/03(木) 17:42:04.59 ID:KXejU/WAO
トレーナー「実はそのランクルス使いに挑むには条件があってな。
街中には俺みたいなトレーナーがうじゃうじゃいる。そのトレーナー達を10人倒す。それが条件だ」
唯「大変だね~」
トレーナー「……。まったく興味ないんだな」
唯「えへへ…」
トレーナー「…10人倒せば、ケーキ一年分もプレゼントらしいぞ(嘘だけどな)」
唯「」ピューッ!!
トレーナー「あれ…?」
553: ぽけもん 2011/03/03(木) 17:44:06.24 ID:KXejU/WAO
………
……
…
カトレア「ふう…。あの子、大丈夫かしら?」
カトレア「まあこれくらいやってもらわないと困るけど。
……さて、」
律「うーん……」
カトレア「この子にも頑張ってもらわないとね」
コンコン!
カトレア「! はい」
……
…
カトレア「ふう…。あの子、大丈夫かしら?」
カトレア「まあこれくらいやってもらわないと困るけど。
……さて、」
律「うーん……」
カトレア「この子にも頑張ってもらわないとね」
コンコン!
カトレア「! はい」
554: ぽけもん 2011/03/03(木) 17:46:13.46 ID:KXejU/WAO
ガチャッ
「こんにちは、カトレアさん」
カトレア「あら、こんにちは。
こちらでは最強のトレーナーと称えられているようですね。元四天王なら当然のことですけど」
「ええ。ここはいいですね。
欲望が飛び交う街…、この荒涼とした中でのバトルはとても手厳しい…。修行に相応しい場所ですね」
カトレア「…なるほど。あなたの性格にはピッタリの街かもしれませんね、ゴヨウさん」
ゴヨウ「ふふ、そんな人聞きの悪い…。確かに一度は悪に手を染めましたけどね。だからこんな所でバトル修行に明け暮れている…。
まあこれくらいで罪が償えるはずもありませんがね」
555: ぽけもん 2011/03/03(木) 17:48:09.05 ID:KXejU/WAO
カトレア「……」
ゴヨウ「それにしても…、私が言うのも可笑しいですが…ここにはろくなトレーナーがいませんね。みながみな、自分のことのみを考えている…」
カトレア「…ですね。しかし、あなたは次の挑戦者を心待ちにしている…」
ゴヨウ「…ふ。
不思議ですね、彼女は…。こんな環境でもバトルを楽しんでいます。
彼女なら、すぐにここにやって来ます。トレーナーすべてを倒して…」
バアアン!!
唯「たのもー!!」
カトレア「!」
ゴヨウ「噂をすれば…、ですね」タッ
556: ぽけもん 2011/03/03(木) 17:50:08.69 ID:KXejU/WAO
唯「やっと勝てたよう。ありがとうね、チー太。ムー太」
チー太「チー!」 ムー太「ムウ!」
唯「聞いた話だと、ここに最後のトレーナーが…」
ツカツカ…
唯「!」
ゴヨウ「どうも、私が“ブラックシティ”最強のトレーナー…ゴヨウです」
唯「あなたが…!
あなたを倒せば、ケーキがいっぱい貰えるんですね!!」フンスッ
ゴヨウ「は? そのような決まりはありませんが…」
唯「……え?」
ゴヨウ「……」
唯「……」
唯(だ、騙された…!)ガーン
557: ぽけもん 2011/03/03(木) 17:52:05.90 ID:KXejU/WAO
ゴヨウ「まあ…どのような経緯であろうと、あなたは私と戦う資格を得た!!
ランクルス!!」ボム!
ランクルス「クルース!!」
唯「あのポケモンがランクルス!」ピッ
ポケモン図鑑『ランクルス、ぞうふくポケモン
ランクルス どうしが あくしゅすると のうみそが ネットワークで つながり サイコパワーが ぞうふくされるのだ。』
ゴヨウ「ランクルス、“サイコキネシス”!!」
ランクルス「クルース!!」ヴオオン!!!
チー太「チー!?」
唯「チー太!!」
チー太「」バタッ
ゴヨウ「ふふ、レベルの差が圧倒的すぎましたか」
558: ぽけもん 2011/03/03(木) 17:54:06.16 ID:KXejU/WAO
ランクルス「クルース!」
唯「チー太、戻って!」シュウウッ
唯「…頑張って! ムー太!」
ムー太「ムウウ!」
ゴヨウ「ふふ、ムンナですか。そんなポケモンでは私のランクルスには勝てませんよ!!
ランクルス、“シャドーボール”!!」
ランクルス「クルース!!」
唯「ムー太!」
ムー太「ムウウ!!」キイイン…
ランクルス「」ビュオッ
パアアン!!
ムー太「ムウウ!?」
559: ぽけもん 2011/03/03(木) 17:56:08.23 ID:KXejU/WAO
ゴヨウ「ふふ…、攻撃をしようとしたようですけど不発だったみたいですね」
唯「…ムー太…!」
ムー太「ムウウ…!!」キイイン!
ゴヨウ「そんなもの、何度やっても無駄です!!
ランクルス、“シャドーボール”!!」
ランクルス「クルース!!」ビュオッ!!
ムー太「ムウウ…!」キイイン…!!
ドガアアアアアン!!!!
ゴヨウ「ふ…、勝負ありですね」
唯「……」
560: ぽけもん 2011/03/03(木) 17:58:11.89 ID:KXejU/WAO
ランクルス・ムー太「」ガクッ
ゴヨウ「…なっ!?」
ゴヨウ「ランクルスとムンナ、どちらも倒れている!? な、なぜ…」
唯「“シンクロノイズ”だよ!」
ゴヨウ「! 自分と同じタイプにしか効かない技の…?」
唯「うん。ランクルスって、身体は周りの液体に守られているけど、じゃあ内部に攻撃を加えたらどうなるのかな? って思ったの」
唯「それであなたに聞こえないように“シンクロノイズ”で少しずつダメージを与えていったんだけど…」
ゴヨウ「あれは不発ではなかったんですか…」
561: ぽけもん 2011/03/03(木) 18:00:07.66 ID:KXejU/WAO
唯「私の勘が当たってたみたい」
ゴヨウ「“シンクロノイズ”により内部が攻撃され、内部から液体の細胞が破壊され、そして暴発した…ということですね?」
唯「うん。…でもムー太もやられちゃったけどねえ」
ゴヨウ「いえ、私のランクルスと相打つとは…。
…あなたの名は?」
唯「平沢唯ですっ!」
ゴヨウ「平沢唯…?」
ゴヨウ「!!
まさか…あなたが、和さんの言っていた平沢唯さん!?」
唯「え? 和ちゃん?」
562: ぽけもん 2011/03/03(木) 18:02:07.42 ID:KXejU/WAO
ゴヨウ「…私は和さんの師です」
唯「ええ~! 和ちゃんの!?」
ゴヨウ(まあそう胸を張っては言えませんけどね…)
ゴヨウ「…しかし、」
ゴヨウ(なるほど…。和さんも平沢唯さんには一目置いていた。
カトレアさんの目は確かだったようですね)
唯「ムー太~、ありがとねえ」ヨシヨシ
ムー太「ムウウ…♪」
ゴヨウ「…唯さん、ついてきてください。あなたのお友達もこの奥にいます」
唯「ふぇ? りっちゃんのこと?」
563: ぽけもん 2011/03/03(木) 18:04:07.61 ID:KXejU/WAO
………
……
…
律「ん…」ムクッ
カトレア「あら、お目覚めになられたようですね」
律「お前は…! カトレア!!」カチャ
カトレア「うふふ、だから待ってください。
アタクシはあなたの敵ではない」
律「…そんなの信じられるかよ」
カトレア「アタクシはね、あなたたちに用があるんですよ」
律「…たち?」
……
…
律「ん…」ムクッ
カトレア「あら、お目覚めになられたようですね」
律「お前は…! カトレア!!」カチャ
カトレア「うふふ、だから待ってください。
アタクシはあなたの敵ではない」
律「…そんなの信じられるかよ」
カトレア「アタクシはね、あなたたちに用があるんですよ」
律「…たち?」
564: ぽけもん 2011/03/03(木) 18:06:08.47 ID:KXejU/WAO
唯「りっちゃあん!」ダダッ
律「唯…!」
唯「やっと見つけたよおっ!」
ゴヨウ「……」スタスタ
律「…お前達、なにが狙いだ…?」
カトレア「…アタクシ、あなた方に興味を持ちましたの。特に…あなた!」ビシッ
唯「ふぇ?」
カトレア「…のムンナです」
唯「ム、ムー太に…?」
ムー太「ムウウ?」
565: ぽけもん 2011/03/03(木) 18:08:13.95 ID:KXejU/WAO
カトレア「まああなたにもですが…。
先程会った金色の髪の毛のお嬢さん…」
律「…ムギのことか?」
カトレア「おそらくそのお方。あの子の言っていたことは本当です。
“ゆめのあとち”でプラズマ団からあの子を守ったのはアタクシ、とアタクシのムシャーナです」
ムシャーナ「ムゥー」
律「あんた…プラズマ団なんだろ?」
カトレア「アタクシはプラズマ団を調べるため、スパイとしてプラズマ団に属しているだけですわ。
あまり四天王を見くびらないでくださる?」
566: ぽけもん 2011/03/03(木) 18:11:26.87 ID:KXejU/WAO
唯「じゃあ他の四天王さんたちもスパイなの?」
カトレア「いえ、彼らはゲーチスに本心から従っています」
律「どっちなんだよ…」
カトレア「まあレンブさんは分かりませんが…」ボソッ
唯律「?」
カトレア「そんな話はいいです!
問題は……、ムンナがあなたにすぐに懐いたということです!!」
唯「え、ええ?」
567: ぽけもん 2011/03/03(木) 18:13:08.58 ID:KXejU/WAO
カトレア「そのムンナはプラズマ団に暴力を振るわれた!
本来ならそれを理由で人間を恨み、恐がり、トラウマになっているはずです!!
しかし…、ムンナは人間であるあなたにいともたやすく懐いた!! これは何故ですか!?」
唯律「……」
律「私はその場にいなかったからわかんないけど…、唯がムンナを体を張って助けたからなんじゃないのか?」
カトレア「…そんなことを言ったら、他にもムンナを助けた人がいたでしょう」
唯「あずにゃんとムギちゃん…?」
カトレア「ええ。その人たちを差し置いて…です」
唯律「うーん…」
568: ぽけもん 2011/03/03(木) 18:15:14.19 ID:KXejU/WAO
ゴヨウ「カトレアさん、お気持ちはよく分かりますが…今は少し抑えましょう」
カトレア「! ゴヨウさん…」
ゴヨウ「今はするべきことがあるのでしょう?」
カトレア「…そうでしたね」
律「おい、全然話が…」
ゴヨウ「ポケモン図鑑を開いてください」
律「は?」
ゴヨウ「その方が話しやすいでしょう」
律「……ったく、なんだよ」ピッ
ポケモン図鑑『ムシャーナ、ゆめうつつポケモン
ムンナの進化系。たべた ゆめを じったいか させる。 おでこから もれる けむりが ゆめに でてきた ものに すがたを かえる。』
569: ぽけもん 2011/03/03(木) 18:17:05.22 ID:KXejU/WAO
ゴヨウ「図鑑の通り、ムシャーナは“ゆめうつつポケモン”。そしてムンナは“ゆめくいポケモン”です」
唯「ゆめうつつ、ゆめくい…」
ゴヨウ「そう、キーワードは『ゆめ』!!」
唯「ゆめ…」
カトレア「ムンナとムシャーナは“ゆめのけむり”というものを出すことができるんです」
律「前にも聞いたことがあるけど…、なんなんだ? その“ゆめのけむり”って」
カトレア「『ゆめ』へ連れて行ってくれるんです。ムンナとムシャーナは…。
“ゆめのけむり”はそれに必要な材料です」
570: ぽけもん 2011/03/03(木) 18:19:11.05 ID:KXejU/WAO
律「…その『ゆめ』と私たちになんの関係があるんだよ?」
ゴヨウ「ありますよ。唯さんのムンナに“ゆめのけむり”を出してもらい、そして律さん…」
カトレア「あなたに『ゆめのせかい』へ行ってもらいます」
律「は、はあ!?」
唯「『ゆめのせかい』!?」
ゴヨウ「そうです。ムンナとムシャーナが導く『ゆめのせかい』へ行ってもらいたいのです!」
律「な、なんで私が…」
571: ぽけもん 2011/03/03(木) 18:21:10.46 ID:KXejU/WAO
唯「それに、私たちじゃないといけないのかな…?」
ゴヨウ「はい。“ゆめのけむり”を出すには、心から親しみ合うムンナとそのトレーナーである実力者。
そして…、『ゆめのせかい』へ行くには心から信頼し合う二人のトレーナーが必要なのです。
それが絶対条件です」
唯律「……」
律「でも…」
カトレア「おね…がいです…」
唯律「…!」
カトレア「『ゆめのせかい』へ行って…ある人を助けてほしいのです……」
572: ぽけもん 2011/03/03(木) 18:23:04.04 ID:KXejU/WAO
唯「ある人…?」
カトレア「はい…、とても大事な人なのです……」
ゴヨウ「……」
カトレア「でないと…、アタクシは……!!
ううっ……」
唯「…りっちゃん」
律「……はあ、しょうがないな」
律「行ってきてやる! 私にできることならさ!」
カトレア「…!」
律「あんたを信用したわけじゃないけど、でもこんなに泣かれちゃあな!」
カトレア「ありがとうございます…!!」
573: ぽけもん 2011/03/03(木) 18:25:05.54 ID:KXejU/WAO
ゴヨウ「ふふ…、では始めましょうか」
カトレア唯「」コクッ
ムシャーナ「ムゥー…!!」
ムー太「ムウウ…!!」
モクモク……
律「…どうすればいいんだ?」
ゴヨウ「二つの煙のちょうど真ん中に飛び込んでください。そうすれば行けます…」
律「」タッ!
ゴヨウ「…『ゆめのせかい』へ…!!」
Episode.18 fin
577: ぽけもん 2011/03/04(金) 20:11:58.10 ID:Rrfkb/+AO
Episode.19
《ゆめのせかい・・・???》
タッ!
律「ふう…、ここが『ゆめのせかい』か…?」
律「……」キョロキョロ
律「…なんか、のどかな場所だなー。木がたくさんあるな…、森みたいだ」
おにいさん「君、ここは初めてかい?」
律「あ、はい…。えと、ここはなんていう所なんですか?」
おにいさん「“ホワイトフォレスト”さ。癒しの森、人々の憩いの場さ」
律「へえ…」
578: ぽけもん 2011/03/04(金) 20:14:03.01 ID:Rrfkb/+AO
律(さっきいた場所とは雰囲気がだいぶ違うなあ…)
律「あの…この近くに黒いビルが立ち並んでる街ってありません?」
おにいさん「え? ビルが…? そんな場所あったかなあ…。“ヒウンシティ”が一番の都市だけど、最近発展したばかりだし、ビルはあまりなあ…」
律「……え?」
おにいさん「?」
律(まさか…)
律「その…、おかしいことを聞きますけど……今って西暦何年ですか…?」
おにいさん「え? 2XXX年だけど…」
579: ぽけもん 2011/03/04(金) 20:16:03.18 ID:Rrfkb/+AO
律「な、なんだって~!?」
律(ってことは…ここは10年前の世界か!?)
おにいさん「…?」
律(タイムスリップしちまったってことか…)
おにいさん「…あ、あの。じゃあ僕はもういくよ」タタッ
律「……」
律「待てよ…、ここが過去の世界なら、カトレアが言っていた『ある人を助けて』って…ある人がまさか死………。
いや、今はなにも考えず私の役目を果たすか…」
580: ぽけもん 2011/03/04(金) 20:18:03.24 ID:Rrfkb/+AO
タタタッ
おとこのこ「待てよ~! バルチャイ~!」ヨチヨチ
バルチャイ「バルチャー!」パタパタ
タタタッ
律「…にしても、ここ平和だな~。本当に誰かを助けなきゃいけない場面に出くわすのかよ」
ザッザッ…
「…ここが“ホワイトフォレスト”か」
律「ん? なんだ、あのオッサン」
「きゃつらめ…。ここを襲撃するとは真か?」
律(襲撃…?)
581: ぽけもん 2011/03/04(金) 20:20:03.63 ID:Rrfkb/+AO
「…プラズマ団め」
律「…!!」
「しかし、まだきゃつらはいな…」
律「ちょっとすみません!!」
「…ん? なんだ、お嬢さん。
今立て込んでいるから、遊ぶならお母さんと…」
律「プラズマ団って言いました?」
「…!」
律「プラズマ団を知っているんですか?」
「……。知っていたらなんだ?」
律「私はプラズマ団を倒すためにポケモンを鍛えているんです。私は奴らのことを知りたい!」
582: ぽけもん 2011/03/04(金) 20:22:03.66 ID:Rrfkb/+AO
「プラズマ団を倒す…? ふん、おぬしのような子供になにができる!
カブルモ!!」ボム!
カブルモ「ルモー!」ダッ!
律「…ボルト! “ニトロチャージ”!!」ボム!
ボルト「シマー!!」ボウッ!
ドガン!!
カブルモ「!?」
「…!!」
律「子供じゃない…、トレーナーだ!!」
ボルト「シマー!」
「……。戻れ、カブルモ」シュウウッ
583: ぽけもん 2011/03/04(金) 20:24:12.78 ID:Rrfkb/+AO
「その気持ちは本当のようだな。おぬしの名は?」
律「…田井中律です」
アデク「わしはアデク。いいだろう…、プラズマ団のことを教えよう。おぬしとなら一緒に戦えそうだ」
律「ありがとうございます。
…それで、さっき言っていた襲撃というのは?」
アデク「うむ。その通り、プラズマ団はこの“ホワイトフォレスト”を襲撃するつもりだ」
律「…! やっぱり…」
アデク「わしはそれを阻止するためにここへ来たのだ」
584: ぽけもん 2011/03/04(金) 20:26:04.30 ID:Rrfkb/+AO
律「…でも、アデクさんはどこでそのことを知ったんですか?」
アデク「…それは言えぬ」
律「そうですか…、でもやる事ははっきりしている!
一緒にプラズマ団を止めましょう!!」
アデク「ああ!」
アデク「襲撃はおそらく今日の深夜だ! それまでに森の住人の避難や…」
ギュオッ…
律「…!?」
アデク「む! どうした!?」
律「身体が引き寄せられ…!!」
ギュオオッ!!!!
585: ぽけもん 2011/03/04(金) 20:28:03.49 ID:Rrfkb/+AO
………
……
…
ドサッ!
律「うっ!」
ゴヨウ「お帰りなさい。大丈夫ですか?」
律「あれ…?」
ゴヨウ「驚かせてすみません。実は『ゆめのせかい』にいられる時間は『3時間』までという制限があるんですよ」
律「それを早く言ってくれよ…」
ゴヨウ「すみません」
……
…
ドサッ!
律「うっ!」
ゴヨウ「お帰りなさい。大丈夫ですか?」
律「あれ…?」
ゴヨウ「驚かせてすみません。実は『ゆめのせかい』にいられる時間は『3時間』までという制限があるんですよ」
律「それを早く言ってくれよ…」
ゴヨウ「すみません」
586: ぽけもん 2011/03/04(金) 22:46:00.90 ID:Rrfkb/+AO
唯「でもりっちゃん! こっちも頑張れば、いられる時間を長くすることもできるって!」
律「唯!」
カトレア「わずかな時間だけですがね…」
律「カトレア…」
カトレア「それで、向こうでは誰かとお会いしました?」
律「ああ…、アデクさんって人に」
ゴヨウ・カトレア「…!」
律「あと、10年前からプラズマ団っていたんだな…。
って! 先に言っといてくれよ!! 過去に行くってさ!!」
ゴヨウ「ふふ、それではお楽しみがないではないですか」
律「いらねえから、そんなの!」
587: ぽけもん 2011/03/04(金) 22:48:03.02 ID:Rrfkb/+AO
唯「過去…?
なんで過去なんか…」
ゴヨウ「ええ、未来を変えてほしいのですよ。ある人を助けてね…」
唯律「!!」
律「だから、ある人って誰なんだ!?」
ゴヨウ「それは言ってはいけないのです。我々からヒントを与えてしまっては『ゆめのせかい』の効力が薄まり、未来はそのままになってしまいます。
なので極力、なにも言わないで行ってもらったのです」
律「そうだったのか…」
ゴヨウ「さあて、そろそろ“ゆめのけむり”が出ますかね?
では、またお願いします」
律「…はいはい」
588: ぽけもん 2011/03/04(金) 22:50:04.36 ID:Rrfkb/+AO
………
……
…
《ホワイトフォレスト》
シュタッ
律「ういしょっと…、二回目となると慣れるもんだな」
律「アデクさんはどこに…。………!!?」
律「な、なんだ!? 森全体が焼け野原に…!!
もうプラズマ団が襲撃してきたのか!?」
「ウオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
律「!!
あれは…アデクさん!」
……
…
《ホワイトフォレスト》
シュタッ
律「ういしょっと…、二回目となると慣れるもんだな」
律「アデクさんはどこに…。………!!?」
律「な、なんだ!? 森全体が焼け野原に…!!
もうプラズマ団が襲撃してきたのか!?」
「ウオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
律「!!
あれは…アデクさん!」
589: ぽけもん 2011/03/04(金) 22:52:05.44 ID:Rrfkb/+AO
タタッ
律「アデクさん!!」
アデク「…! 律か…」
律「これ…プラズマ団が……?」
アデク「…ああ。きゃつらめ…、なんてことを…」
律「それにしても…こんなになるなんて……、どんなことをしたらこんな風にできるんだ…!?」
アデク「きゃつらが従えるポケモンがやったのだ」
590: ぽけもん 2011/03/04(金) 22:54:07.50 ID:Rrfkb/+AO
律「ポケモンが…?」
アデク「ああ、そのポケモンというのは…」
「アデクさ~ん!!」
アデク「…!」
律「ん…?」
「アデクさん、大丈夫ですか!?」
律(なんか見たことある顔だな…)
アデク「カトレア! なぜここに!?」
律「えええ!? カトレア!!?」
アデク「む。律、カトレアを知っているのか?」
律「え? いや…」
カトレア「アタクシ、知らないです! こんなおでこの人!」
律(な、なんだってぇ…?)ピクピク
591: ぽけもん 2011/03/04(金) 22:56:27.31 ID:Rrfkb/+AO
アデク「すまんな、律。こやつは教育が行き届いてなくてな」
律(まあ…10年前だからカトレアがいてもおかしくはないか…)
アデク「そんなことより、どうして来たのだ! 危ないからここに来るなとは言ったはずだぞ!!」
カトレア「だ、だって…アデクさんが心配だったんですもん…」
アデク「……」
「アデクししょーお!!」タタッ
律「ん?」
アデク「レンブ!? おぬしまで!!」
レンブ「はあはあ…」
律「レ、レンブ!?」
アデク「?」
592: ぽけもん 2011/03/04(金) 22:58:47.96 ID:Rrfkb/+AO
律(確か七賢人の…)
レンブ「アデク師匠! ご無事で!?」
アデク「…まったくおぬし達は……」
「す、すみません。アデク様…!」タッタッ
アデク「! コクラン」
律(この人は初めて見るな)
コクラン「申し訳ございません…、私が目を離した隙に……」
アデク「コクラン、困るぞ。こやつらを守るのがおぬしの役目ぞ」
593: ぽけもん 2011/03/04(金) 23:01:45.57 ID:Rrfkb/+AO
コクラン「ハッ、心得ています。では帰りましょう、カトレア様。レンブ様」ガシッ
カトレア「イヤです!!」バシッ
コクラン「!」
レンブ「俺達は師匠をお守りしたいのだ!!」
コクラン「しかし…」
カトレア「アタクシの命令に逆らう気ですか!?」
コクラン「いえ、ですが…」
アデク「カトレア、レンブ。わしもコクランもおぬし達に何かあっては困るのだ。
分かるだろう?」
レンブ「……」
カトレア「ですけど…」
594: ぽけもん 2011/03/04(金) 23:03:06.79 ID:Rrfkb/+AO
アデク「いつプラズマ団がまた襲撃をしてくるか分からないのだ。だから…」
ドオオオオオン!!!!!
アデク「!!」
律「あれは…!?」
「「「プラーズマー!」」」
「“ホワイトフォレスト”…。ここはポケモンと人間が共生している自然の森か…」
「ふん、下らん」
「ですね、ポケモンと人間が共に暮らすなど……」
律「…!!」
595: ぽけもん 2011/03/04(金) 23:06:52.78 ID:Rrfkb/+AO
律(“ヒウンシティ”で会った奴が二人!!)
アデク「マツブサ、アカギ、アオギリか…!!」
マツブサ「ククク…」
アカギ「……」
アオギリ「ふふ…」
律(アオギリか…、ゲーチスが言ってたな…。ってことは七賢人か…?)
アデク「コクラン!! カトレアとレンブを連れて逃げるのだ!!」
コクラン「はい!!」ガシッ
ダッ!
マツブサ「逃がさねえぞ?」
596: ぽけもん 2011/03/04(金) 23:08:52.21 ID:Rrfkb/+AO
キンッ!!
コクラン「ぐあっ!
…!? 見えない壁が!!?」
アデク「…ポケモンの技か!!?」
マツブサ「クク、そうだ。なあ?」
アオギリ「ええ。私のドククラゲの“バリアー”…森一面に張っておきましたよ」
アカギ「…これで逃げられん」
アデク「ぬう…!」
カトレア「コ、コクラン…」
コクラン「大丈夫です、カトレアお嬢様」
マツブサ「ハッ! 気休めだなあ?
俺達が何を従えているか知らねえのかよ!」
597: ぽけもん 2011/03/04(金) 23:11:10.07 ID:Rrfkb/+AO
律「…なにを従えてるってんだ?」
マツブサ「んん? 誰だ、お前。見たことない顔だな?」
律「誰でもいい! 森をこんな風にしやがって!!
許せねえ!! …ボルト!!」ボム!
ボルト「シマー!!」
マツブサ「ハッ! いけえ!!」ボム!
バチイン!!!
ボルト「!?」
律「ボ、ボルト!!」
マツブサ「ククク、すまねえなあ…。力の加減ができねえや…」
598: ぽけもん 2011/03/04(金) 23:13:09.49 ID:Rrfkb/+AO
コクラン「あのポケモンは!?」
アカギ「……」ボム!
アオギリ「ふふ」ボム!
律「…!!」
アデク「そう、きゃつらの使うポケモンは伝説のポケモン…」
マツブサ「コバルオン!!」
アカギ「ビリジオン!」
アオギリ「テラキオン…!!」
Episode.19 fin
602: ぽけもん 2011/03/05(土) 20:33:30.59 ID:QcUMwbIAO
Episode.20
コクラン「伝説のポケモンを従えているですと…!?」
律「伝説のポケモン…?」
マツブサ「コバルオン、“メタルクロー”!!」
コバルオン「こふおおおおーっ!」ダッ!
アデク「! いかん!!
チョボマキ!!」ボム!
チョボマキ「チュー!」
コバルオン「」ブンッ!
ガキイイッ!!!
603: ぽけもん 2011/03/05(土) 20:36:02.80 ID:QcUMwbIAO
チョボマキ「チュー!?」
アデク「ぬう!」
マツブサ「ククク…邪魔をしてくれるなよ、アデク」
アデク「……おぬしらの好きなようにはさせん!!」
マツブサ「ハッ! よく言うぜ!
お前も…」
律「モール!」ボム!
モール「グリュー!!」
マツブサ「…! チッ…」
マツブサ「コバルオン!!」
コバルオン「こふおおおおーっ!」ギロッ!
モール「…!?」ビクッ
律「! モール?!」
604: ぽけもん 2011/03/05(土) 20:39:08.69 ID:QcUMwbIAO
マツブサ「ククク…、コバルオンが“にらみつける”だけで凶暴なポケモンさえも畏縮しちまうのさ」
律「くそ…」
アデク「…大丈夫か? 律」ボソッ
律「はい…」
アデク「……律よ。わしがきゃつの目を引き付ける。
そのうちにきゃつに攻撃するのだ」
律「…分かりました」
アデク「コクラン!! おぬしは残りの二人を頼んだ!!」
コクラン「はい!」カチャ
アカギ「……」 アオギリ「…ふふ」
605: ぽけもん 2011/03/05(土) 20:42:07.54 ID:QcUMwbIAO
アデク「うおおお!! チョボマキィ!!!」
チョボマキ「チュー!!」シュワッ!!
コバルオン「…!」
マツブサ「! なにをした?」
アデク「チョボマキ、“のろい”だ!!」
チョボマキ「チュー…!」ググッ…
アデク「“むしのていこう”!!」
チョボマキ「チュー!!」ダッ!
ガキガキィン!!!
コバルオン「…!?」グラッ
マツブサ「なに…!」
606: ぽけもん 2011/03/05(土) 20:45:14.81 ID:QcUMwbIAO
アデク「初めに繰り出したのは“ガードスワップ”だ!
わしのチョボマキもコバルオンの“にらみつける”を喰らったからな…。そちらのガードを下げてやったわけだ!!」
アデク「“のろい”もあって、さらにダメージは重なったようだな!!」
マツブサ「…チッ……」
アデク「“むしのていこう”はそちらの特殊攻撃も下げる!! コバルオンの能力はもうズタズタだ!!
チョボマキ、“むしのていこう”!!」
チョボマキ「チュー!!」ダッ!
マツブサ「ハッ! 能力なんて関係ねえな!!
“せいなるつるぎ”だ! コバルオン!!」
コバルオン「こふおおおおーっ!」シャキッ…
ドオオオオオン!!!!
チョボマキ「…!!」
アデク「ぬうう…!!」
607: ぽけもん 2011/03/05(土) 20:48:07.71 ID:QcUMwbIAO
マツブサ「フッ…、戦闘不能か?」
チョボマキ「…」グタ
アデク「……」
マツブサ「諦めな。俺達プラズマ団は止められねえよ」
コバルオン「…」ヨロッ…
マツブサ「…!?」
コバルオン「こふおお…」グラッ
マツブサ「な、なに!」
アデク「おぬしは気づかんかったようだな。コバルオンの“せいなるつるぎ”がチョボマキに届く前にチョボマキが“いのちがけ”をしていたのを!!」
マツブサ「“いのちがけ”…! 自分が戦闘不能になるかわりに相手に大ダメージを与える技か!!」
608: ぽけもん 2011/03/05(土) 20:51:36.79 ID:QcUMwbIAO
アデク「さすがのコバルオンも相当ダメージを負っているはずだろう。
そして…」
ザッ!!
律「隙だらけだぜ、オッサン!」
マツブサ「…!!」
アデク「いけええ!! 律!!!」
律「モール! “きりさく”だ!!」
モール「グリュー!!」シャキンッ
マツブサ「クッ…! ダルマッカ!!」ボム!
ダルマッカ「ダルビー!!」バッ
律「!!」
609: ぽけもん 2011/03/05(土) 20:53:12.62 ID:QcUMwbIAO
ボオオオッ!!!
モール「グリュー!?」
律「うっ…」
ダルマッカ「ダルマッカ!」タッ
マツブサ「ふう…、危ない危ない」
律「モール! もう一度…」
マツブサ「おいおい、もうちょっと物事を冷静にみようぜ?」
律「…?」
マツブサ「あっちの男、一人で大丈夫なのかねえ? テラキオンとビリジオン相手に」
律「…!」
アデク(コクラン…)
アデク「メラルバ!」ボム!
メラルバ「モスー!」
律「!」
アデク「律よ、おぬしはコクランを頼む! 行ってやってくれ!!」
律「はい!」
タタッ
611: ぽけもん 2011/03/05(土) 20:57:22.17 ID:QcUMwbIAO
アカギ「テラキオン、“ストーンエッジ”!」
テラキオン「ぐるるおおーっ!」
カキカキイン!!!
コクラン「くっ…!」
カトレア「コクラン!!」
レンブ「コクラン殿!!」
コクラン「…大丈夫です。
ヘルガー!!」
ヘルガー「ガウウ!!」
コクラン「“ほのおのキバ”!」
ヘルガー「ウオオン!!」ボウッ
612: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:02:29.70 ID:QcUMwbIAO
アカギ「テラキオン、“インファイト”」
テラキオン「ぐるるおおーっ!」
ドガガガガ!!!
ヘルガー「!?」
ドガアアアアアン!!!!!!
ヘルガー「キャイン!!」ズサアッ!
コクラン「! ヘルガー!!」
アカギ「テラキオンのパワーは巨大な城壁を一撃で突破するほどだ。接近戦でテラキオンに敵う者はいない」
コクラン「…戻ってください、ヘルガー」シュウウッ
613: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:06:32.07 ID:QcUMwbIAO
アオギリ「加えて、相手はテラキオンだけじゃありませんよ」
コクラン「…!」
アオギリ「ビリジオン、“リーフブレード”です!!」
ビリジオン「ききゅああああーっ!」ジャキッ
ドオオオオオン!!!!
パラパラ…
コクラン「……」タッ
アオギリ「紙一重でかわしましたか…。
どうです? 地面も切り裂くビリジオンの鋭い刃は」
コクラン「…ッ」
カトレア「コクラン…」
コクラン(私一人ではカトレア様とレンブ様を守れない…!)
614: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:12:40.03 ID:QcUMwbIAO
コクラン「力を貸してください、ムクホーク!」ボム!
ムクホーク「ムクホー!!」
アオギリ「無駄です! 今度は外しません!!
“リーフブレード”!!!」
ビリジオン「ききゅああああーっ!」シャキンッ!
コクラン「!!」
ドオオオオオン!!!!!
シュウウ…
アオギリ「直撃ですね」
アカギ「呆気ないものだ」
615: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:16:12.10 ID:QcUMwbIAO
コクラン「ムクホーク! “ブレイブバード”です!!」
ムクホーク「ムクホー!!」ギュオッ!
ビリジオン「…ききゅう!?」
アカギ「…!」
アオギリ「なぜ!?」
テラキオン「…ぐるぅ」
アカギ「! どうした? テラキオン」
ビリリッ!
アカギ「電流…?」
「シマー!!」
アカギ「このシママ…!」
律「加勢に来たぜ、コクランさん!」
コクラン「君は…!」
カトレア「おでこの人…」
律「おでこ言うな!」
616: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:20:19.50 ID:QcUMwbIAO
アオギリ「…もしや、そのシママがビリジオンの“リーフブレード”を耐えたのですか?」
律「そうだ。私のボルトの特性、“そうしょく”! くさタイプの技は効かないぜ!!」
律(“でんきエンジン”だったはずだけど、まあいいか)
アオギリ「それならば、他のタイプの技で攻撃すればよいだけのこと!
ビリジオン、“シザークロス”!!」
ビリジオン「ききゅああああーっ!」
ザキイイッ!!!!
律「うおっ!?」
アカギ「テラキオン、“いわなだれ”だ!」
テラキオン「ぐるるおおーっ!」
ドダダダ!!!!
コクラン「くッ…!」
617: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:25:27.07 ID:QcUMwbIAO
アオギリ「助けに来ても無駄ですよ。全員ここで始末するのですから。
今はまだ、プラズマ団を世間に知られてはまずいですからね」
律「ここでやられてたまるかよ…!」
コクラン「……」
コクラン(そうです。プラズマ団の思い通りにはさせてはなりません。
…しかし私はともかくとして、カトレア様とレンブ様はここにいるのは危険だ! 避難させないと…)
律「コクランさん! 一緒にあいつらを倒しましょう!!」
コクラン「…律様とおっしゃいましたね」
律「…? はい」
コクラン「律様、どうかカトレア様とレンブ様を連れて逃げてください」
618: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:30:06.19 ID:QcUMwbIAO
律「コクランさんは…?」
コクラン「私はプラズマ団を相手します。そのうちに…」
律「そんな…」
カトレア「ダメよ、コクラン!!」
コクラン「…カトレア様」
カトレア「あなたはアタクシの傍にいなきゃダメよ! アタクシを守って!!」
コクラン「……ええ、そうですとも。カトレアお嬢様を守るのは私の務めです」
カトレア「だったら…」
コクラン「…しばしの別れです、お嬢様。
必ず戻ります。そしてこれからもあなたをずっと守っていく所存です!」
カトレア「コクラン…」
619: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:34:26.59 ID:QcUMwbIAO
アオギリ「お話は終わりましたでしょうか?」
アカギ「しかし、逃がさんぞ」
ビリジオン「ききゅああああーっ!」
テラキオン「ぐるるおおーっ!」
コクラン「いけません…!
律様! お早く!!」
律「はい!
…行くぞ、カトレア! レンブ!」
ガシッ
カトレア「あ…」
レンブ「……」タッ
620: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:37:31.74 ID:QcUMwbIAO
………
……
…
カトレア「放して!!」
律「カトレア…!!」
カトレア「このままではコクランは死んでしまうわ!! 助けにいかないと…!」
律「でも、コクランさんはお前のために…!」
カトレア「分かっています!!!」
律「!」
カトレア「でも…、コクランは……。大切な人なんです…!」
律「大切な…人……?」
律(カトレアの大切な人…、助けてほしい人ってコクランさんだったのか!)
カトレア「うぅ…コクラン……」
律「カトレア! 私の背中に乗れ!!
レンブは走れるな!?」
レンブ「ああ」
律「アデクさんの所へ急ぐぞ!!」
律(コクランさん…、必ず後で助けに行きます!!)
……
…
カトレア「放して!!」
律「カトレア…!!」
カトレア「このままではコクランは死んでしまうわ!! 助けにいかないと…!」
律「でも、コクランさんはお前のために…!」
カトレア「分かっています!!!」
律「!」
カトレア「でも…、コクランは……。大切な人なんです…!」
律「大切な…人……?」
律(カトレアの大切な人…、助けてほしい人ってコクランさんだったのか!)
カトレア「うぅ…コクラン……」
律「カトレア! 私の背中に乗れ!!
レンブは走れるな!?」
レンブ「ああ」
律「アデクさんの所へ急ぐぞ!!」
律(コクランさん…、必ず後で助けに行きます!!)
621: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:40:49.51 ID:QcUMwbIAO
………
……
…
ドサッ!!
コバルオン「」ガクッ
マツブサ「う~ん…」
メラルバ「モスー!!」
アデク「よくぞやった、メラルバ。
今度はこの“バリアー”を破壊するぞ」
メラルバ「モスー!!」
アデク「“かえんぐるま”だ!!」
ボオオオッ!!!!
……
…
ドサッ!!
コバルオン「」ガクッ
マツブサ「う~ん…」
メラルバ「モスー!!」
アデク「よくぞやった、メラルバ。
今度はこの“バリアー”を破壊するぞ」
メラルバ「モスー!!」
アデク「“かえんぐるま”だ!!」
ボオオオッ!!!!
622: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:42:11.89 ID:QcUMwbIAO
律「アデクさーん!」
アデク「む…、律か!
カトレアにレンブも…。ぬ?
コクランはどうした?」
レンブ「コクラン殿は…我らを逃がすために戦っています…」
アデク「なんだと!」
律「カトレアを守るために…」
カトレア「……」
アデク「ぬう…、そうか……。
では早くここを抜け出そう。レンブ、手伝ってくれ」
レンブ「はい、師匠」
623: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:45:40.09 ID:QcUMwbIAO
レンブ「ダゲキ!」ボム!
ダゲキ「フシュー!」
レンブ「まだ未熟だが…『剛の奥義』!!
どんな壁も破る、この技の前では防御技は一切無意味だ!!
“かわらわり”!!!」
ダゲキ「フシュー!!」ブンッ!
ドガッ!!
バキイイイン!!!!!!
アデク「いいぞ、レンブ! また腕を上げおったな!」
レンブ「いえ、まだまだですよ」
624: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:48:20.75 ID:QcUMwbIAO
律「さあ、早く外に!」
アデク「ああ!
…む? 律、どうした!?」
律「私はコクランさんを助けにいきます」
アデク「なにい! 無茶だ!!」
律「…」
ポン!
カトレア「!」
律「コクランさん、絶対助けてやるからさ!」ニコッ
カトレア「あ…」
律「じゃあ!」ダッ!
アデク「律!!
…早く追いかけなければ!!」
アデク(だが…、カトレアとレンブを安全な場所へ……)
アデク「ぬう…」
625: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:51:25.70 ID:QcUMwbIAO
………
……
…
ドオオオオオオオオオ!!!!
コクラン「が…は……!!」
ドシャアアン!!!
アカギ「ふん、なんと二匹の攻撃を受け切るとはな」
アオギリ「ふふ、しかし…」ザッザッ…
ガシッ!!
コクラン「…!」
アオギリ「もう終わりです」
……
…
ドオオオオオオオオオ!!!!
コクラン「が…は……!!」
ドシャアアン!!!
アカギ「ふん、なんと二匹の攻撃を受け切るとはな」
アオギリ「ふふ、しかし…」ザッザッ…
ガシッ!!
コクラン「…!」
アオギリ「もう終わりです」
626: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:54:23.18 ID:QcUMwbIAO
コクラン「ムク…ホーク…、ブレイブ…バー……」
アオギリ「ふふ、ムクホークなら先程焼き払い、恐らく命を落としましたが…なにか?」
コクラン「ぐ…う……」カチャ
アオギリ「…ビリジオン」
ビリジオン「ききゅああああーっ!」
ザキイイッ!!!
コクラン「ぐあっ!」ドサッ!
アオギリ「ボールの開閉スイッチは破壊しました。もうあなたに手はありません」
コクラン「う…あ…」
627: ぽけもん 2011/03/05(土) 21:57:16.85 ID:QcUMwbIAO
アオギリ「どうせなら美しく散りなさい。
…そうです、最後になにか言い残すことはありませんか?」
コクラン「カト…レア…お嬢……」
アオギリ「…ふ」
アカギ「テラキオン…」
アオギリ「ビリジオン!」
アカギ・アオギリ「“せいなるつるぎ”!!」
テラキオン「ぐるるおおーっ!」
ビリジオン「ききゅああああーっ!」
ドオオオオオオオオン!!!!!
628: ぽけもん 2011/03/05(土) 22:00:27.08 ID:QcUMwbIAO
………
……
…
律「はっはっ…」タッタッ
アオギリ「では、帰るとしましょうか。アカギさんはマツブサを連れていってください」
アカギ「ああ」
律「お前ら!!」
アオギリ「…おや」
アカギ「……」
律「くそ! ボルト!!」
ボルト「シマー!!」
アオギリ「バスラオ、“アクアジェット”!!」ボム!
バスラオ「ラーオ!!」シュバッ!
ドン!!!
律「くっ…!」
……
…
律「はっはっ…」タッタッ
アオギリ「では、帰るとしましょうか。アカギさんはマツブサを連れていってください」
アカギ「ああ」
律「お前ら!!」
アオギリ「…おや」
アカギ「……」
律「くそ! ボルト!!」
ボルト「シマー!!」
アオギリ「バスラオ、“アクアジェット”!!」ボム!
バスラオ「ラーオ!!」シュバッ!
ドン!!!
律「くっ…!」
629: ぽけもん 2011/03/05(土) 22:03:36.89 ID:QcUMwbIAO
アオギリ「戻りなさい、バスラオ」シュウウッ
律「…?」
アオギリ「今回はあの方に免じて、ここで引き上げましょう」タッ
律「…! コクランさん!?」ダッ!
コクラン「……」グタッ
律「そんな…! 遅かったのか!?」
コクラン「…あ、あ……」
律「! コクランさん!!」
630: ぽけもん 2011/03/05(土) 22:06:04.11 ID:QcUMwbIAO
コクラン「律…様……、ですか……」
律「喋っちゃダメです!
今から助け……」
コクラン「いえ、面倒はかけれません…。それにもう長くありません……。
だから、これだけ……」
コクラン「私の代わりに…、カトレア様を……。
カトレアお嬢様を…頼み、ま…す…」ガクッ
律「コクランさ…!!」
ギュオッ!!!
律「!? もう3時間が経ったのか!!」
律「クソオ!! コクランさん!!
早く助けないと!!!」
律「コクランさああああん!!!!」
631: ぽけもん 2011/03/05(土) 22:09:55.04 ID:QcUMwbIAO
…………
………
……
…
《ブラックシティ》
ゴヨウ「3時間を過ぎましたね。
…それにしても、“ゆめのけむり”の色が黒い……」
カトレア「……」
唯「りっちゃん…」
シュウウ…
ゴヨウ「“ゆめのけむり”が消えていきます…」
ピカッ!!!
ドサッ
律「う…」
カトレア「!」
唯「りっちゃん!!」
………
……
…
《ブラックシティ》
ゴヨウ「3時間を過ぎましたね。
…それにしても、“ゆめのけむり”の色が黒い……」
カトレア「……」
唯「りっちゃん…」
シュウウ…
ゴヨウ「“ゆめのけむり”が消えていきます…」
ピカッ!!!
ドサッ
律「う…」
カトレア「!」
唯「りっちゃん!!」
632: ぽけもん 2011/03/05(土) 22:12:29.97 ID:QcUMwbIAO
律「戻ったのか…」
ゴヨウ「…ものすごく悲惨な夢をみていたようで」
律「…そうだ……。
カトレア!! ごめん!!!」
カトレア「え…」
律「カトレアの大切な人って、コクランさんだろ!? 私…、私……!!」グスッ…
律「守り切ること…できなかった……!!!」
カトレア「…!!」
律「ごめんな…、ごめん……。コクランさんは………」
ゴヨウ「なんと……」
唯「りっちゃん…」
633: ぽけもん 2011/03/05(土) 22:15:30.92 ID:QcUMwbIAO
カトレア「……」カツカツ
カトレア「あなたが自分を責めることはありません…。アタクシが未熟だったのが悪いのです」
律「そんなこと…」
カトレア「それに、コクランはアタクシを守ってくださいました。それで…よいのです」
律「カトレア…」
カトレア「すみません。アタクシの都合であなた方を巻き込んでしまって…。
さあ、あなた方をお送りします。先に外で待っていてください」
律「でも…」
カトレア「…お願いします」
律「……」
唯「……」
ガチャッ
634: ぽけもん 2011/03/05(土) 22:18:21.39 ID:QcUMwbIAO
カトレア「……うう」
ゴヨウ「…カトレアさん」
カトレア「すみません…、でもアタクシ…」
ゴヨウ「はい。分かっています。
どうぞ泣いてください。私は窓の外を見ていますから…」
カトレア「すみません…」
ゴヨウ「…!?」
カトレア「…どうしました?」グスッ
ゴヨウ「カトレアさん! 早く外へ!!」ガシッ!
カトレア「え!? ちょっと…!」
635: ぽけもん 2011/03/05(土) 22:21:46.49 ID:QcUMwbIAO
ゴヨウ「」ガチャッ!!!
唯「あ! ゴヨウさん、カトレアさん!!」
カトレア「これは……」
律「驚いたぜ。
外出たらこんなになってるんだからさ」
唯「綺麗に咲いてるね~! なんの花かなあ?」
カトレア「なぜ…、“ブラックシティ”に花が…」
636: ぽけもん 2011/03/05(土) 22:24:19.56 ID:QcUMwbIAO
ゴヨウ「『カトレア』……」
カトレア「…え?」
ゴヨウ「ラン科の植物…、この花の名前です。まあ本来はこのような都会ではみられない植物ですがね」
カトレア「……」
ゴヨウ「…以前とは少し変わった未来へ着地したようですね」
カトレア「…綺麗」
ゴヨウ「また昔のような自然を取り戻せるといいですね…」
カトレア「はい…」
唯「お花畑~♪」
律「はしゃぐな! 子供かっ!」
唯「子供だもーん♪」
律「…ったく」
637: ぽけもん 2011/03/05(土) 22:27:15.56 ID:QcUMwbIAO
ヒュウウッ!
カトレア「気持ちいいそよ風…。こんな風、この街でも吹くのですね…」
キラッ…
カトレア「このお花…本当に綺麗……」
カトレア「…コクラン、あなたは私を守ると言いました……」
カトレア「コクラン、見てますか?」
カトレア「これが、あなたが守った『カトレア』ですよ…」
優しく微笑む花がそこにあった。
Episode.20 fin
642: ぽけもん 2011/03/06(日) 19:56:46.51 ID:W987bwnAO
Episode.21
《シッポウシティ・・・はくぶつかん》
梓「アロエさーん!」
アロエ・キイチ「!!」
紬「ただいま戻りました~!」
アロエ「どうだった!?」
梓「ドラゴンの骨は、ちゃんと取り返しましたよ!」
キイチ「ああ…よかったあ」
アロエ「ありがとうね」
紬「…でも」
アロエ「? あとの二人はどうしたんだい?」
梓「それが……」
643: ぽけもん 2011/03/06(日) 19:58:02.98 ID:W987bwnAO
アロエ「なんだって!? プラズマ団に連れていかれた!?」
紬「で、でも、悪い人じゃありませんでした!」
アロエ「…どちらにしても心配だろう」
梓「確か…“ライモンシティ”に来いとか言っていた気が…」
アロエ「プラズマ団の奴が言ったのかい?」
梓「はい。…でも、信じるかどうかは…」
アロエ「……それしか手がかりがないってんのなら、信じるしかないね」
キイチ「しかし、ここから“ライモンシティ”までは遠いですよ?」
梓紬「うーん……」
644: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:00:26.35 ID:W987bwnAO
アロエ「! いや、それなら適任の人物がいるじゃないかい」
キイチ「どなたですか?」
アロエ「カミツレだよ」
キイチ「…! カミツレさんですか!
確かに彼女なら…」
梓「誰ですか、その人」
紬「…あ、聞いたことあるかもしれないわ。
父が昔持ってきてくれたファッション誌で…」
アロエ「そうさ! カミツレは有名なモデルだ!」
梓「なんでモデルさんが適任な人物なんですか?」
アロエ「カミツレはモデルであると同時に、“ライモンシティ”のジムリーダーでもあるのさ!」
梓紬「!!」
645: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:03:07.21 ID:W987bwnAO
梓「ジムリーダー!?」
紬「すごいっ! 綺麗で強いのね!」
アロエ「カミツレに頼めば、プラズマ団からあの二人を守ってくれる! さあ、早速連絡だ!!
…あんたたちはいち早く“ライモンシティ”に行きな!!」
梓紬「はい!!」
タタッ
キイチ「アロエさん、“ライブキャスター”です!」サッ
アロエ「サンキュー!」
ピポパ
ピッ
646: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:05:07.23 ID:W987bwnAO
アロエ「カミツレかい!?」
カミツレ『あー、アロエさん?』
アロエ「そうだ、今大丈夫かい?」
カミツレ『…ちょっと待っててください。
…マネージャー! ……。うん、わかった』
アロエ「……」
カミツレ『大丈夫です。もう今日の仕事はありませんから』
アロエ「ふ…、相変わらず忙しそうだね」
カミツレ『いえ、挑戦者の相手の方がずっと大変ですよ。ジムリーダーが本業ですし』
アロエ「ふふ、そうかい」
カミツレ『それで、用件はなんですか?』
アロエ「ああ、実はそっちにね…」
647: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:07:54.12 ID:W987bwnAO
…………
………
……
…
《ライモンシティ》
カトレア「では、お気をつけてください」
律「ああ、サンキューな!」
唯「ありがとう~!」
カトレア「…それでは」クルッ
唯「さよなら~!!」
………
……
…
《ライモンシティ》
カトレア「では、お気をつけてください」
律「ああ、サンキューな!」
唯「ありがとう~!」
カトレア「…それでは」クルッ
唯「さよなら~!!」
648: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:09:04.67 ID:W987bwnAO
ザッザッ…
ゴヨウ「……カトレアさん」
カトレア「はい」
ゴヨウ「クロツグさんから連絡がありました。
もうこちらに着いたそうです」
カトレア「ようやくですか…」
ゴヨウ「“サザナミタウン”にいるようです」
カトレア「…では迎えに参りましょう。ゴヨウさんはどうします?」
ゴヨウ「…ふむ。私も同行したいのですが、まだ社会に顔向けはできません…。
“ブラックシティ”に残りますよ」
カトレア「そうですか…」
ゴヨウ「はい。ではお元気で」
カトレア「ええ」
649: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:12:05.32 ID:W987bwnAO
………
……
…
律「さーてと、どうする?
ここは“ライモンシティ”だっけ?」
唯「うん! イッシュ一の娯楽都市だって!!」
律「言っとくが、遊びに来たんじゃ…」
唯「あっちに遊園地があるよーっ!」ダーッ
律「おいい!」
……
…
律「さーてと、どうする?
ここは“ライモンシティ”だっけ?」
唯「うん! イッシュ一の娯楽都市だって!!」
律「言っとくが、遊びに来たんじゃ…」
唯「あっちに遊園地があるよーっ!」ダーッ
律「おいい!」
650: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:14:47.67 ID:W987bwnAO
………
……
…
唯「わあ~! ジェットコースターだって!!」
律「だから遊びに来たんじゃ……。
……ん? 『ジム』…?」
ウィーン
唯「わあい!」タッ
律「だから待てって!」
ウィーン!!!!
律「うおう?!」ドサッ
唯「きゃ~!!」
……
…
唯「わあ~! ジェットコースターだって!!」
律「だから遊びに来たんじゃ……。
……ん? 『ジム』…?」
ウィーン
唯「わあい!」タッ
律「だから待てって!」
ウィーン!!!!
律「うおう?!」ドサッ
唯「きゃ~!!」
651: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:16:04.71 ID:W987bwnAO
グルンッ!!
ドオオオ!!!!
プシュー…
律「あ、が…」ブクブク
唯「スリル満点だったね~! もう一回乗ろ、りっちゃん!」
律「少し休ませてくれよ…」
唯「じゃあ先に私は乗って…」ピトッ
ビリッ!!!
唯「いはいっ!!」
唯「で、電気…?」
「あら…、探さなくてもそちらから来たみたいね」
律「! 誰だ!?」
652: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:18:22.10 ID:W987bwnAO
カミツレ「私はカミツレ。このライモンジムのジムリーダーよ」
唯「ジムリーダーって…、ここジムだったの!?」
律「ジェットコースターがあるジムって…。博物館の中とか、この地方のジムはなんでもありだな」
カミツレ「まあジムの内装だけじゃなく、ジムリーダーも個性的な人たちばかりだからね」
律「つうかさ、私たちを探す…とか。なんでだ?」
カミツレ「アロエさんに頼まれたの。あなたたちがプラズマ団にさらわれたから助けてほしいって」
唯「それなら大丈夫だよ~。プラズマ団だけど、悪い人たちじゃなかったから!」
カミツレ「…?」
653: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:20:04.66 ID:W987bwnAO
唯「でもあずにゃんたちが心配してると思うから、早く戻った方がいいかもね」
カミツレ「じゃあ私がアロエさんに連絡を入れるわ。すぐに迎えにきて…」
律「その必要はないぜ!」
カミツレ「?」
唯「りっちゃん?」
律「唯! 私たちの目的を忘れたのか?」
唯「…むう……。
…はっ! 世界征服!!」
律「露骨に間違えるな!
ジム制覇だ、ジム制覇!!」
唯「そうだった!」
カミツレ「ジム制覇…」
律「そうだ!
カミツレさん! ここがジムだってんなら、あんたにジム戦を申し込む!!」
カミツレ「……、いいわ。受けてたちましょう」
律「よし!」
唯「頑張って、りっちゃん!」
654: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:22:05.52 ID:W987bwnAO
………
……
…
カミツレ「使用ポケモンは二体よ。
…エモンガ!」ボム!
エモンガ「モーン!!」
唯「か、かわいいー!!」
律「言うと思ったよ…」
ピッ
ポケモン図鑑『エモンガ、モモンガポケモン
もりの きのうえで くらす。 マントのような まくの うちがわを ほうでん させながら かっくうする。』
律(ここは“でんき”に強い“じめん”タイプのモールだな…)カチャ
律「行け! モール!!」ボム!
……
…
カミツレ「使用ポケモンは二体よ。
…エモンガ!」ボム!
エモンガ「モーン!!」
唯「か、かわいいー!!」
律「言うと思ったよ…」
ピッ
ポケモン図鑑『エモンガ、モモンガポケモン
もりの きのうえで くらす。 マントのような まくの うちがわを ほうでん させながら かっくうする。』
律(ここは“でんき”に強い“じめん”タイプのモールだな…)カチャ
律「行け! モール!!」ボム!
655: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:24:57.95 ID:W987bwnAO
ムー太「ムウ!!」
律「……」
律「…え?」
カミツレ「?」
唯「あれ? ムー太?」
律「ちょ! どういうことだ、唯!?」
カミツレ「なになに?」
唯「あ…、まさか!!
ジェットコースターに乗ってる時に入れ替わっちゃったんじゃ!?」
律「なんだってー!」
カミツレ「……。状況は把握できたけど、バトルの途中で使用ポケモンを替えるのはルール違反なの。
再挑戦するなら受け付けるわ」
律「……」
656: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:26:15.54 ID:W987bwnAO
唯「ど、どうする? りっちゃん」
律「…いや! このままやろう!!
バトルを途中でやめられるか!」
唯「りっちゃん、かっくいい!」
律「唯、ムー太借りるぜ!!」
唯「うん!」
律「ムー太、少しの間よろしくな!」
ムー太「ムウ」ガブッ
律「……なぜ」
657: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:28:03.84 ID:W987bwnAO
カミツレ「それじゃあ、バトル再開ってことでいいわね」
律「…ああ!」
カミツレ「行くわよ!
エモンガ、“アクロバット”!!」
エモンガ「モーン!!」ビュッ!
ムー太「…!」
ドガアアン!!!
ムー太「ムウウ!?」
律「! …ムー太!!」
エモンガ「モーン!!」シュタッ
律「速い!!」
カミツレ「速い、ね…。
この程度でそんなふうだったら、次はついてこられなくなるわよ」
658: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:35:16.94 ID:W987bwnAO
律「…!」
エモンガ「モーン…!!」シュシュシュ…
律「エモンガが何体も…!」
唯「“かげぶんしん”…!!」
カミツレ「そうよ! そしてさらに…!」
エモンガ「エモーン!!」シュンッ!!
ドオオン!!!
ムー太「ムウウ…!?」ズサアッ
律「な…」
カミツレ「“こうそくいどう”ですばやさも上げたわ」
律「なんて速さだ…!!」
659: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:36:42.28 ID:W987bwnAO
カミツレ「まだこれで終わりじゃない!
エモンガ、“エレキボール”!!」
エモンガ「モーン!!」バリリッ!
ジャアアアアアン!!!!
ムー太「!?」ピシャアッ
唯「すばやさだけじゃなくて技の威力もすごい…!!」
カミツレ「“エレキボール”は自分が相手より素早いほど威力が上がる技よ」
カミツレ「ふふ、どう?
私のバトルは魅せるバトル!!
華麗に、そしてエレキトリックに!! あなたのポケモンを倒してあげるわ!!!」
660: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:38:04.77 ID:W987bwnAO
律「やられっぱなしでいられるか!
ムー太、反撃だ!!」
ムー太「ムウウ…」フラフラ
律「ど、どうした!?」
カミツレ「“せいでんき”が効いてきたようね」
律「…!」
カミツレ「最初の“アクロバット”で私のエモンガと接触してしまった。そして“せいでんき”が体に取り巻いたのよ」
律「これじゃあムー太のすばやさが下がって…」
カミツレ「“エレキボール”の威力がまた上がるわね…!」
エモンガ「エモーン…!!」バリバリッ…
661: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:40:11.70 ID:W987bwnAO
律「くそ…、なんて戦術だ!!
なにか打つ手はないのか!?」
カミツレ「ないわ! 私の戦術は完璧よ!
これでトドメ!! エモンガ、“エレキボール”!!!」
エモンガ「エモーン!!!」
ドギャアアアアアン!!!!!
律「く…そ……!」
チョロチョロ…
ムー太「ムウ?」
シュワッ…
律「……あれ?」
662: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:42:08.29 ID:W987bwnAO
唯「消えちゃった……」
カミツレ「ど、どうして…」
エモンガ「モーン…」フラフラ
カミツレ「!? …“まひ”してる?!」
唯「あっ! 分かった!
ムー太の特性、“シンクロ”だよ!!」
カミツレ「…! “シンクロ”…!!」
律「なるほどな! その特性で相手にも“まひ”が移ったわけだ!!
すごいぞ、ムー太!」
ムー太「ムウウ♪」
663: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:44:33.74 ID:W987bwnAO
律「よし、エモンガは突然“まひ”になって戸惑ってる! 反撃するなら今だ!!
ムー太、“じこあんじ”!!」
ムー太「ムウウ!」ピーン…
ムー太「」シュッ!!
カミツレ「! 速い…!?」
律「“じこあんじ”は相手の上がった能力をそのままコピーしちまうのさ!
喰らえ! “アシストパワー”!!」
ムー太「ムウウウ!!!」
ドガアアアアアン!!!!!
エモンガ「エモーン…」バタッ
カミツレ「エモンガっ!」
律「よっしゃあ!!」
664: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:46:04.49 ID:W987bwnAO
唯「よくやったよ~!!」スリスリ
ムー太「ムウウ♪」
律「まだ試合中だぞ…」
カミツレ「…そうよ。
ここからは私、本気でいくから…!!」キッ
律「!」ゴクリ…
カミツレ「魅せるバトルからは少し離れるわ!
ゼブライカ!!」ボム!
ゼブライカ「ヒヒーン!!」
唯「あれ…? なんか見たことある姿だねえ」
律「まさか…」
ピッ
ポケモン図鑑『ゼブライカ、らいでんポケモン
シママの進化系。きしょうが はげしく おこると たてがみから しほうはっぽうに でんげきを うちまくるので きけん。』
665: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:48:07.94 ID:W987bwnAO
律「…シママの進化系か!」
唯「カッコイイね~」
律「ムー太、気張っていくぞ!」
ムー太「ムウ!」
カミツレ「ゼブライカ、“ワイルドボルト”!!」
ゼブライカ「ヒヒーン!!」バリバリッ!
ドオオオオオン!!!
ムー太「」ドサッ
律「…!!」
カミツレ「一度雷が鳴ったら、簡単に止ませられないわよ」
律「へ…! 上等だ!!」
666: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:50:06.31 ID:W987bwnAO
律「ムー太、戻れ!」シュウウッ
カチャ…
律(よし、あとは入れ替わってないみたいだな…)
律「いけ、ボルト!」ボム!
ボルト「シマー!」
カミツレ「! シママ…」
唯「おおーっ! シママ対ゼブライカの夢の進化前後対決!!」
律「頼んだぞ、ボルト!」
ボルト「シマー!」
カミツレ「行くわよ、ゼブライカ」
ゼブライカ「ヒヒーン!」
律「“スパーク”!」
カミツレ「“ワイルドボルト”!」
ボルト「シマー!!」ビリリッ
ゼブライカ「ヒヒーン!!」バリバリッ
ピシャアアアアアン!!!!!
667: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:52:58.07 ID:W987bwnAO
シュウウッ…
ボルト「……」
ゼブライカ「……」
律「…どちらもピンピンしてやがる……」
カミツレ「ゼブライカの“ワイルドボルト”を耐えるなんてやるわね…」
唯「って! どっちも特性が“でんきエンジン”なんじゃん!!」
律カミツレ「……」
律(やっぱ特性戻ってたか…)
律「…へっ、どうせならスピードを最速まで上げて白熱したバトルをしたいじゃん」
カミツレ「ふふ…、賛成ね。その方がゼブライカも私も本気を出せるわ!」
律「なんだよ、見かけによらず熱いじゃん。
私も燃えてきたぜ!」
カミツレ「勝つのは私……いや私とゼブライカだけどね」
律「へっ! 私達だって負けないさ!!」
律カミツレ「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
唯(むっちゃ入りづらい…)
668: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:54:31.14 ID:W987bwnAO
律「ボルト! “スパーク”!!」
ボルト「シマー!!」ダッ!
カミツレ「ゼブライカ、“ワイルドボルト”!」
ゼブライカ「ヒヒーン!!」ダッ!
ドン!!!
シュッ……シュッ……
ドガアアン!!!!
唯「すごいぶつかり合い!」
律「よし! スピードに乗ったところで…。
ボルト!! “ニトロチャージ”だ!!!」
ボルト「シマー!」ボウッ!
カミツレ「!」
669: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:56:22.18 ID:W987bwnAO
ボワアアアッ!!!
ゼブライカ「ヒヒーン…!?」
ボルト「シマー!!」ボオオオッ!!
律「燃やし尽くせー!!」
カミツレ「…そんな小さい炎で、燃やせるとでも?」
律「…!」
ゼブライカ「ヒヒーン…!!」ゴオオッ…
律「まずいッ…」
カミツレ「“オーバーヒート”!!!」
ゼブライカ「ヒヒーン!!!」
ゴアッ!!
ボオオオオ!!!!!!
律「くっ…!」
ドシャッ!
ボルト「シ、マ…」
律「ボルト!!」
670: ぽけもん 2011/03/06(日) 20:58:42.89 ID:W987bwnAO
カミツレ「ふふ…」
ゼブライカ「ヒヒーン!」
カミツレ「やっぱりね。進化前では進化系には勝てないのよ」
律「くそ…!」
ボルト「シマー…」
唯「りっちゃん…! ボルト…!」
カミツレ「終わりよ。
ゼブライカ、“ギガインパクト”!」
ゼブライカ「ヒヒーン!!」ダッ!
ボルト「!?」
ドガアアン!!!!
律「ボルッ…」
ゼブライカ「」シュッ!
ドンッ!!!
ボルト「シマッ!?」
シュッ!
ドガンッ!!!!!
ボルト「シマァア!!?」
671: ぽけもん 2011/03/06(日) 21:00:01.76 ID:W987bwnAO
律「くそ、なんてスピードだ…!! “でんきエンジン”で相当すばやさが上がってる!!」
律「……ん?」
律「あのスピードは……」
ボルト「」ドシャアン!!!
律「!」
ボルト「シマ…」
カミツレ「さあ勝負は着いたわ。シママをボールへ戻しなさい」
律「……」
カミツレ「…?」
律「私な、でんきタイプを見たら思い出すことが二つあるんだよ」
カミツレ「……」
唯「りっちゃん…?」
672: ぽけもん 2011/03/06(日) 21:02:04.62 ID:W987bwnAO
律「一つはマチスって奴で、でんきタイプの使い手でジムリーダーだ。すごい熱いバトルをしたよ。今でもまだバトルの様子を鮮明に覚えてる…」
カミツレ「……もう一つは?」
律「…もう一つは、そのゼブライカみたいにスピード感溢れるバトルをするマルマインを使うトレーナー……ミナキさんって人だ!!」
唯「!」
律「その人から教えてもらったんだ! 『バトルにおいて、そのバトルフィールドの環境によって戦術を変えろ』!!」
ボルト「…シマー!!」キッ
律「まだ勝負は…、着いてないぜ!!」
カミツレ「…!!」
673: ぽけもん 2011/03/06(日) 21:04:03.65 ID:W987bwnAO
ボルト「」ダッ!!
律「ジェットコースターに飛び乗れ!! ボルト!!!」
ゼブライカ「ヒヒーン!?」
ボルト「シマァ!!」ドガッ!
ゼブライカ「!?」ドオン!!
カミツレ「ゼブライカがジェットコースターに!?」
ボルト「シマッ!」ダッ!
カミツレ「シママは別のジェットコースターに乗った?!」
ウィーン!!!
674: ぽけもん 2011/03/06(日) 21:07:25.84 ID:W987bwnAO
律「…」ダッ!
律「レバーで進路変更だ!!」
ギュイイン!!!
カミツレ「まさか…! これで勝負を決める気!?」
律「…ああ! ジェットコースターが止まって、最後まで立っていた方の勝ちだ!!」
カミツレ「…」ゴクッ
ギュイイン!!!!
唯「ジェットコースター同士が…ぶつかり合う!!!」
律「“ニトロチャージ”!!!!」
カミツレ「“オーバーヒート”!!!!」
ボオオオッ!!!!!!
ゴアアアッ!!!!!!
ドオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!
675: ぽけもん 2011/03/06(日) 21:09:03.61 ID:W987bwnAO
ギギ……
律「……」
カミツレ「……」
ギィ………
タンッ!
律カミツレ「!!」
ゼブライカ「……」ザンッ!
律「…!!」
カミツレ「はあ…。……ふふ。
やっぱり私が勝ったわね。ジェットコースターに乗り込んだ時はどうなることかと思ったけどね」
ゼブライカ「……」
676: ぽけもん 2011/03/06(日) 21:10:08.53 ID:W987bwnAO
カミツレ「よくやったわ、ゼブライカ」
ゼブライカ「……」
カミツレ「…? ゼブライカ?」
ゼブライカ「ゼブウウ!!!」
カミツレ「…え……?」
唯「その鳴き声…」
カミツレ「私のゼブライカじゃない…?
まさか……」
律「…ボルト、か……?」
ボルト「ゼブッ!!」ニコッ
律「進化、したのか…!!」
ボルト「ゼブウウ!!」
唯「すごおいっ!!」
677: ぽけもん 2011/03/06(日) 21:11:06.15 ID:W987bwnAO
カミツレ「じゃあ…私のゼブライカは…!?」
カミツレ「…!」
ギィ……
ドサッ!
ゼブライカ「ヒヒ~ン……」ガクッ
カミツレ「ゼブライカ…!」
唯「…ということは!」
カミツレ「…私の負けね。
“ボルトバッジ”、受けとって」スッ
678: ぽけもん 2011/03/06(日) 21:12:12.21 ID:W987bwnAO
律「よっしゃあ!!」
唯「やったね、りっちゃあん!!」
カミツレ「…」ションボリ
律「あ、ごめん…。本人の前ではしゃぎすぎたよ……」
唯「ジェットコースターがなかったら負けてたし!
そんな落ち込まないで…」
カミツレ「別に落ち込んでないから。
私、ライモンでポケモン強いもんっ!」フンッ
唯律「 」
679: ぽけもん 2011/03/06(日) 21:13:02.21 ID:W987bwnAO
…………
………
……
…
《イッシュ地方のどこか》
ゲーチス「…もう着いたころですかね」
澪「…? なんの話ですか?」
ゲーチス「シルバーですよ」
澪「…というより、なぜシルバーが?」
ゲーチス「ふふ…、彼にも事情がありましてねえ。
まあどんな事情にしろ、変わりませんよ。
この世の中のせいで彼は苦しんでいる…。それは誰もが同じことですがね」
澪「……」
………
……
…
《イッシュ地方のどこか》
ゲーチス「…もう着いたころですかね」
澪「…? なんの話ですか?」
ゲーチス「シルバーですよ」
澪「…というより、なぜシルバーが?」
ゲーチス「ふふ…、彼にも事情がありましてねえ。
まあどんな事情にしろ、変わりませんよ。
この世の中のせいで彼は苦しんでいる…。それは誰もが同じことですがね」
澪「……」
680: ぽけもん 2011/03/06(日) 21:14:26.88 ID:W987bwnAO
ゲーチス「…カントー、ホウエン、シンオウ……。ワタクシの計画したもので最もワタクシの“理想”に近いものはですね。
アカギさんの担当した『この世界を新しく作り替える』というものなんです」
ゲーチス「この世界は変わらなければなりません。
英雄“たち”の手でね…」
ゲーチス「ふふ…」
ゲーチス「我らが王がNなら、彼はS(シルバー)だ……。
二人はまったく対極の存在ですが、しかし互いに引かれ合うのです。それはまるで、磁石のNとSのようにね」
ゲーチス「NとS…。“理想”と“真実”が交差し、重なり合った時……。伝説のドラゴンポケモン、ゼクロムとレシラムは現れ…英雄は生まれ……そして新しい世界が生み出される…。
“理想”であり“真実”である素晴らしい世界がね…!」
681: ぽけもん 2011/03/06(日) 21:15:48.43 ID:W987bwnAO
………
……
…
《ライモンシティ》
「……」
「リングマ」ボム!
リングマ「グマー!!」
「さて…、始まるな…」
Episode.21 fin
……
…
《ライモンシティ》
「……」
「リングマ」ボム!
リングマ「グマー!!」
「さて…、始まるな…」
Episode.21 fin
686: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:32:05.38 ID:FWOMCPyAO
Episode.22
《ライモンジム》
カミツレ「それで、あなたたちはこれからどうするの?
アロエさんに連絡は入れておくけど」
唯「う~ん…」
律「ジムのこともプラズマ団のこともあるしなあ。アロエさんたちには悪いけど、そっちを優先するか」
カミツレ「そうね…。
あ、それなら…“ホドモエシティ”には行くわよね?」
唯律「“ホドモエシティ”??」
687: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:34:05.67 ID:FWOMCPyAO
カミツレ「次のジムがあるところよ。ライモンの隣町で橋を渡ったらすぐよ」
律「へえ…、じゃあそこに行くとするか」
カミツレ「そう。それなら私は“ホドモエシティ”のジムリーダーに話をつけておくわ」
律「楽しみだな、唯!」
律「……」
律「あれ…? 唯は?」
カミツレ「なにやら、『観覧車~♪』とか言いながら出て行ったけど」
律「あいつぅ!」
律「ゆいい!! 私も乗るからな!! 観覧車ぁ~!!!」ダダッ!
カミツレ「……」
カミツレ「あら、行っちゃった…」
カミツレ「まあいっか。そんな大したことも起こらないでしょう。
とりあえず連絡を…」
688: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:36:02.36 ID:FWOMCPyAO
………
……
…
律「……しまった、すっかり道に迷っちまった……」
律「つうかさ、大体この街が広すぎるんだよなー!
…ここはどこだよ!?」
律「ん…? どこかで見たスタジアムだな……。どこで見たっけ?」
律「とりあえず遊園地に戻らないとな…」
ザッザッ
「……」
律「…!?」
律「あれは…!! シルバー!?」
……
…
律「……しまった、すっかり道に迷っちまった……」
律「つうかさ、大体この街が広すぎるんだよなー!
…ここはどこだよ!?」
律「ん…? どこかで見たスタジアムだな……。どこで見たっけ?」
律「とりあえず遊園地に戻らないとな…」
ザッザッ
「……」
律「…!?」
律「あれは…!! シルバー!?」
689: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:38:06.04 ID:FWOMCPyAO
…………
………
……
…
《かんらんしゃ》
唯「あれだ、あれだ!
えへんっ、先回りをしてりっちゃんを驚かせようの巻!」
唯「まだかな~、りっちゃん…。あれぇ? 行くって言っといたっけ……」
ザワザワ…
唯(あ、誰かいる! りっちゃんかな♪)
「おい! さっさとポケモンをよこせ!!」
唯「!?」
………
……
…
《かんらんしゃ》
唯「あれだ、あれだ!
えへんっ、先回りをしてりっちゃんを驚かせようの巻!」
唯「まだかな~、りっちゃん…。あれぇ? 行くって言っといたっけ……」
ザワザワ…
唯(あ、誰かいる! りっちゃんかな♪)
「おい! さっさとポケモンをよこせ!!」
唯「!?」
690: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:40:06.12 ID:FWOMCPyAO
「ひええ、そんなあ…」
「お前が“そだてや”だってことは知ってんだよ!!」
そだてや「でも、預かっているポケモンを逃がせって……」
「だから、解放しろって言ってんだろ!!」
唯(あれは…プラズマ団!?)
下っ端男「解放しないってんならぁ…」ボム!
ドッコラー「コラッ!」ギロッ
そだてや「ひいい!」
唯「大変だ!
…ムー太!!」ボム!
691: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:42:06.40 ID:FWOMCPyAO
下っ端男「…!」
モール「グリュ?」
下っ端男「なんだ、お前」
唯「ああっ! まだ入れ替わったままだったよお!」
下っ端男「すっこんでろ、雑魚!」
ドッコラー「コラッ!」ドガッ!
モール「リュー!?」
唯「モ、モール!
…ごめん、戻って!」シュウウッ
692: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:44:12.00 ID:FWOMCPyAO
唯「許さないよ!」
下っ端男「へっ、そっちから仕掛けてきたんだろ?」
唯「その人を助けるためにね!
チー太!!」ボム!
チー太「チー!!」
唯「“スイープビンタ”!」
バシバシバシ!!!
ドッコラー「コラァ…!」ジリッ…
唯「“スピードスター”!!」
チー太「チィー!!」
ドダダッ!!!
ドッコラー「」ガクッ
693: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:46:07.70 ID:FWOMCPyAO
下っ端男「ぐぅ…! 戻れ、ドッコラー!」シュウウッ
下っ端男「覚えてろ~!!」
唯「ふう…」
そだてや「あの…、お嬢さん。ありがとうね」
唯「ううん! 当然のことですからっ!」エヘンッ
そだてや「うん…、お礼にこれをあげよう!」スッ
唯「なんですか?」
そだてや「観覧車のチケットだよ」
唯「わあ! ありがとうございます!」
そだてや「それじゃあ、私は帰るよ」タッタッ
唯「……ペアのチケットかあ…。
りっちゃんと乗ろう!」
唯「まだかな~、りっちゃん…」
「観覧車…か」
唯「? あれって…」
694: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:48:02.86 ID:FWOMCPyAO
………
……
…
律「おーい! 待てよう!」
「!」
ガシッ!
律「よっ! シルバー!!」
シルバー「…!」
律(あ…、やば…。シルバーも澪みたいになってたら…)
……
…
律「おーい! 待てよう!」
「!」
ガシッ!
律「よっ! シルバー!!」
シルバー「…!」
律(あ…、やば…。シルバーも澪みたいになってたら…)
695: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:50:06.80 ID:FWOMCPyAO
シルバー「…なんだ、あんたか」
律「…おお! 私のこと覚えているか!」
シルバー「…なにを言っているんだ?」
律「んー、ちょっとあってな…」
シルバー「ふうん…」
律「つうか…、反応薄くね!?
久しぶりに会ったのに!」
シルバー「こんなもんだろ」
律「はあ~。変わってないなあ…。
お前も少しは感情を外に出してもいいんだぜ?」
696: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:52:21.42 ID:FWOMCPyAO
シルバー「……。こんなところでなにやってるんだ?」
律「そりゃお互い様だろ。私はお前と…澪を探しててさ」
シルバー「…あいつになら会ったぞ」
律「いや、私も会ったんだけどさ……って、ええ!?
会った!? 澪と?!」
シルバー「ああ」
律「どこで!?」
シルバー「とあるところでな。
…なにかあったのか?」
律「…その、ちょっと…な」
シルバー「……」
律「と、ところで、シルバーはここでなにしてるんだ?」
シルバー「俺か…、俺はな……」
ヒュウウッ…
シルバー「“真実”を確かめに…」
697: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:54:24.48 ID:FWOMCPyAO
………
……
…
唯「Nくん!」
N「! 君は…」
唯「また会ったね!」
N「ふうん…。君も観覧車を見に来たのかい?」
唯「見に来た??
あっ! Nくんも観覧車に乗りに?」
N「いや僕は…」
唯「ホントはりっちゃんと乗るつもりだったんだけど…。
しょうがない! そんなに乗りたいなら、Nくんを乗せてあげる!!」
N「あの…」
唯「お姉さんにまかせなさいっ!」フンスッ
N「…」
……
…
唯「Nくん!」
N「! 君は…」
唯「また会ったね!」
N「ふうん…。君も観覧車を見に来たのかい?」
唯「見に来た??
あっ! Nくんも観覧車に乗りに?」
N「いや僕は…」
唯「ホントはりっちゃんと乗るつもりだったんだけど…。
しょうがない! そんなに乗りたいなら、Nくんを乗せてあげる!!」
N「あの…」
唯「お姉さんにまかせなさいっ!」フンスッ
N「…」
698: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:56:08.87 ID:FWOMCPyAO
ガタン… ガタン…
唯「ふぇ~! すごい眺め~!!」
N「…」
唯「あっ! あれ、ライモンジム!!
おお! あのビルは“ヒウンシティ”!!
あ~!! “シッポウはくぶつかん”まで見えるー!!!」
N「……」
唯「ねえっ、Nくんも!」
N「僕は観覧車が大好きなんだ。この円運動……力学……美しい数式の集まり……」
唯「? 私も観覧車大好きだよ~。えへへ~」
N「最初にいっとおくよ。
僕がプラズマ団の王様だ」
唯「…え?」
N「ゲーチスに請られ、一緒に世界を救うんだよ」
699: ぽけもん 2011/03/08(火) 20:58:11.14 ID:FWOMCPyAO
………
……
…
律「なんだって…?
どういう…ことだよ……」
シルバー「その通りの意味だ。
俺はプラズマ団。その王だ」
律「プラズマ団って…」
シルバー「ゲーチスと共に世界を救うのさ」
律「な、なんだよ。どいつもこいつもゲーチスって…!」
……
…
律「なんだって…?
どういう…ことだよ……」
シルバー「その通りの意味だ。
俺はプラズマ団。その王だ」
律「プラズマ団って…」
シルバー「ゲーチスと共に世界を救うのさ」
律「な、なんだよ。どいつもこいつもゲーチスって…!」
700: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:00:03.32 ID:FWOMCPyAO
シルバー「…世界にいったいどれほどのポケモンがいると思う?」
シルバー「そのほとんどは人間にこき使われ、住み処を追われ、ひどく苦しんでいる…。
俺はそんなポケモンたちを救いたいのさ」
律「…ゲーチスみたいなことを言うんだな」
シルバー「俺は戻ったまでだ。もともとこうである、“真実”の俺に…」カチャ
律「…どうしてもかよ」
シルバー「どうしてもだ」
律「……そうか」カチャ
ボム!
ボルト「ゼブウウ!!」
律「なら、“理想”的なポケモンと人間の絆をみせてやる!!」
シルバー「……」
701: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:02:03.84 ID:FWOMCPyAO
………
……
…
ガシャンッ…
唯「……」
N「……」
唯「Nくん…、さっきの話……」
N「僕はポケモンというトモダチを人間たちから解放して、自由にする!
そしてポケモンたちが完全な存在となる“理想”の世界にこの世界を変えるのさ!」
唯「そんなの…間違ってるよ…」
……
…
ガシャンッ…
唯「……」
N「……」
唯「Nくん…、さっきの話……」
N「僕はポケモンというトモダチを人間たちから解放して、自由にする!
そしてポケモンたちが完全な存在となる“理想”の世界にこの世界を変えるのさ!」
唯「そんなの…間違ってるよ…」
702: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:08:57.20 ID:FWOMCPyAO
N「僕の考え…理解できないか。
そうか…それは残念」
N「君も、ポケモンを扱うトレーナーだね。
…チョロネコ」ボム!
チョロネコ「ニャア!」
唯「…チー太!」ボム!
チー太「チー!」
N「“つじぎり”!」
唯「“スイープビンタ”!」
ガキイイッ!!!
N「チョロネコ、“ねこのて”!」
チョロネコ「ニャー!!」ブンッ!
ドガッ!!!
チー太「チー!?」
703: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:10:31.12 ID:FWOMCPyAO
唯「チー太!
…黒い球?」
N「“くろいてっきゅう”、今の技は“なげつける”だよ。もちものを投げつけて攻撃するんだ。
そして…」
チョロネコ「」シュッ!
唯「…!!」
N「チョロネコの特性、“かるわざ”!!
手ぶらになればすばやさが上がる!!」
チョロネコ「」シュッ! シュッ! シュッ!
チー太「チ~!?」オロオロ
N「“ねこだまし”!!」
バチイイン!!!
チー太「チ~…」クラッ
唯「チー太…!」
N「“つめとぎ”から“ダメおし”!!」
ドオオオオオン!!!!!
704: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:12:04.48 ID:FWOMCPyAO
………
……
…
律「ボルト! “スパーク”!!」
ボルト「ゼブウウ!!」バリバリッ!
シルバー「!」
ピシャアッ!!!!
ドサッ!
キングドラ「」ガクッ
シルバー「……」シュウウッ
律「どうした? もう終わりか?」
シルバー「…ふん!」ボム!
リングマ「グマー!!」
……
…
律「ボルト! “スパーク”!!」
ボルト「ゼブウウ!!」バリバリッ!
シルバー「!」
ピシャアッ!!!!
ドサッ!
キングドラ「」ガクッ
シルバー「……」シュウウッ
律「どうした? もう終わりか?」
シルバー「…ふん!」ボム!
リングマ「グマー!!」
705: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:14:07.02 ID:FWOMCPyAO
律「…へっ!
ボルト、“ニトロチャージ”!!」
ボルト「ゼブウウ!!」ボオオオッ!
シルバー「リングマ! 受け止めろ!!」
リングマ「グマー!!!」バッ!!
ガシイイッ!!!!
ボルト「…!!」
ジリリ……
シルバー「……」
律「……」
律「…思い出すじゃねえか! 初めて会った時も戦ったな!!」
シルバー「……」
706: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:16:14.08 ID:FWOMCPyAO
律「あの時は私が勝って、お前がハンカチを落として…、私が名前を間違えて……」
シルバー「……」
律「ダメか!? シルバー!!
今のお前もあの時のお前も、同じお前だ!!
お前、ポケモン好きだろ!!? トレーナーで…、バトルも楽しいだろ!!」
シルバー「“はかいこうせん”!!」
リングマ「グマー!!!」
ドガアアアアアン!!!!!
律「くあっ…!」ドサアッ
「わあ!」ドタッ
律「! 唯!?」
唯「あれ! りっちゃん!?
…! それにシルバーくん!?」
シルバー「……」
707: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:18:03.73 ID:FWOMCPyAO
律「…唯、話はあとだ。今はこの場を切り抜けないと……。
そっちもその様子じゃあな…」
N「……」
唯「うん…そうだね」
ザンッ!
律「…」 唯「…」
シルバー「…」 N「…」
N「へえ…、シルバーじゃないか」
シルバー「…N」
唯律「!!」
唯律「二人は知り合い!?」
708: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:20:07.96 ID:FWOMCPyAO
唯「シルバーくんがプラズマ団の王の知り合いなんて…」
律「!? 待てよ! シルバーが王じゃないのか!?」
唯「え? それ、どういう…」
N「なにか勘違いしているようだね。
安心してくれ。どちらも間違っていないよ」
シルバー「俺たち二人ともがプラズマ団の王だ」
唯律「!!」
N「…そうだね、シルバーに会えたことだし。今回はこれで退こう」
シルバー「…そうだな」
律「に、逃げるのかよ!」
709: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:22:04.97 ID:FWOMCPyAO
N「…僕たちには変えるべき未来がある」
シルバー「“理想”を“真実”に、“真実”を“理想”にするために…」
N「僕は」 シルバー「俺は」
Nシルバー「チャンピオンを超える」
唯律「…!」
N「だれにも負けることのない唯一無二の存在となり、」
シルバー「すべてのトレーナーにポケモンを解放させる…」
N「君がポケモンといつまでも一緒……、そう望むなら、各地のジムバッジを集め、ポケモンリーグに向かえ!
そこで僕たちを止めてみせるんだ。それほどの強い気持ちでなければ僕たちは止められないよ」
スゥ……
710: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:24:04.82 ID:FWOMCPyAO
N「シルバー…、“真実”の僕よ…」
シルバー「N…、“理想”の俺…」
N「僕たちは二人で一つであり一つで二人だ」
シルバー「二人で伝説のドラゴンポケモンを従わせ、世界を救おう」
N「僕が“理想”…」
シルバー「俺は“真実”…」
Nシルバー「“理想”と“真実”が一つとなるとき、世界は救われ…新しく生まれ変わる」
スゥ……
唯「あ…、消えちゃった……」
律「……」
唯「りっちゃん…」
律「唯…、私……決心したよ。これで三回目だ」
唯「…?」
律「一回目は、ただもっと強くなりたいと思って決めた!」
律「二回目は、プラズマ団に対抗できる力を手に入れるために決めた!!」
律「三回目は…」
711: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:26:08.00 ID:FWOMCPyAO
律「澪とシルバーを助けるために決めた!!!
私は、ジムを絶対に制覇してやる!!!!」
唯「!」
律「強くなっても…あの二人を助けられる保証はないけど、でも!
やれることはやりたい!!
私は、プラズマ団を倒す!!
澪とシルバーを……友達を救ってやる!!!」
唯「りっちゃん…。
……私じゃないよ」
律「え…?」
唯「私たち! だよ、りっちゃん!!」
律「…! そうだなっ! 悪い!!」
712: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:28:06.39 ID:FWOMCPyAO
唯「じゃあ観覧車に乗りにいこーっ!」
律「なんでだっ」
唯「えーっ、りっちゃん乗りたくないの?」
律「なんでジム制覇の話から観覧車になるんだよ…」
唯「だってーっ」
「唯先輩ー!! 律先輩ー!!」
「唯ちゃん!! りっちゃあん!!」
唯律「!」
唯「あずにゃん!」 律「ムギ!」
梓「やっと見つけましたぁ…」
紬「大丈夫だった!?」
唯「心配ないよ~」
713: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:30:04.03 ID:FWOMCPyAO
律「ごめんな、心配かけて…」
梓「…プラズマ団のカトレアって人は?」
唯「いい人だったよね~、カトレアさん!」
梓「へ…?」
律「ああ、プラズマ団にも良い奴はいるんだな!」
唯「ってえ、カトレアさんはスパイでプラズマ団に入ってるだけだよお」
紬梓「……」
紬「なにかよく分からないけど…」
梓「大丈夫みたいですね」
714: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:32:03.46 ID:FWOMCPyAO
律「このりっちゃんがこのくらいで命を落とすと思うな!」
梓「別にそこまでは…」
紬「それより、二人は今までどこにいたの?」
唯「“ブラックシティ”ってところ~」
梓「“ブラックシティ”…?」
律「ああ、この先にある街だよ」
唯「そこにはね、最強のトレーナーさんがいるんだよっ」
梓「最強のトレーナーですか」
紬「へ~♪」
律「ゴヨウも良い人だったよな!」
唯「うんっ」
紬梓「…!?」
紬「ゴ、ゴヨウ…?」
715: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:34:06.67 ID:FWOMCPyAO
唯「ど、どうしたの?」
梓「今、ゴヨウって言いました…?」
唯「う、うん…」
梓「…ムギ先輩」
紬「うん、梓ちゃん」
梓「まさかイッシュ地方にゴヨウさんがいるなんて…」
律「二人とも、ゴヨウの知り合いなのか?」
紬梓「……」
梓「まあ…そんなところです」
唯律「?」
716: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:36:04.05 ID:FWOMCPyAO
「おーい!」
唯律紬梓「!」
唯「カミツレちゃん!」
カミツレ「どこでなにしてたの?」
律「ああ、ごめんごめん。プラズマ団とか色々あってさ」
カミツレ「…この子たちは?」
唯「博物館の事件で関わった私たちの友達ですっ」
カミツレ「…。私はカミツレよ、よろしくね」
梓「あ…、あなたがカミツレさんですか。
私は中野梓って言います」
紬「琴吹紬です。よろしくお願いします~♪」
717: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:37:16.80 ID:FWOMCPyAO
カミツレ「それで、“ホドモエシティ”のジムリーダーに連絡がついたわ。
“5ばんどうろ”に来てね、私は先に行ってるから」クルッ
律「ああ!」
唯「ありがとう~♪」
梓「先輩たちは…“ホドモエシティ”に?」
唯「うんっ、バッジをゲットしにね~」
律「リーグいくんだ! 制覇だ!!」
紬「立派だわ~♪」
梓「……」
唯「どしたの? あずにゃん」
梓「…じゃあここでお別れですね」
唯律「へ…?」
718: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:39:57.31 ID:FWOMCPyAO
梓「もともと研究所に戻る気でしたけど…、さっきの話を聞いたらそうもいかないです」
唯「ゴヨウさんの話?」
梓「はい」
紬「そうね…。私も気になるわ」
律「じゃあ梓とムギは“ブラックシティ”へ?」
梓「はい。そうします」
律「私たちとはまったく反対方向だな…」
唯「うう~…寂しいよお~」
梓「わがまま言わないでください…。
ジム制覇とリーグ挑戦、頑張ってください!」
律「ああ!」
唯「うんっ!」
719: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:41:01.78 ID:FWOMCPyAO
………
……
…
律「…一緒に行くのはここまでだな」
唯「じゃあね~! あずにゃん!! ムギちゃん!!」
梓「はい!」
紬「また会いましょう!!」
バイバーイ……
ザンッ!
「『こうして四人は旅立った…。それぞれの目的を胸に秘め…。
果たして、この四人にどういった試練が待ち受けているのだろうか?』」
パタン!
……
…
律「…一緒に行くのはここまでだな」
唯「じゃあね~! あずにゃん!! ムギちゃん!!」
梓「はい!」
紬「また会いましょう!!」
バイバーイ……
ザンッ!
「『こうして四人は旅立った…。それぞれの目的を胸に秘め…。
果たして、この四人にどういった試練が待ち受けているのだろうか?』」
パタン!
720: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:41:37.84 ID:FWOMCPyAO
「また新しい小説かい? シキミ」
シキミ「! ギーマさん…。
…いいお題が見つかりましたよ」
ギーマ「へえ…、ああいうのを見ると思い付くのか?」
シキミ「ギーマさんはどうですか?」
ギーマ「ふむ、そうだな……。
賭けるとしたら…、どちらが先に“ポケモンリーグ”へたどり着くか…だね」
シキミ「また賭けですか」
721: ぽけもん 2011/03/08(火) 21:42:46.99 ID:FWOMCPyAO
ギーマ「あきれた顔だな。賭けは楽しいのに…。
まあいいや、これからもっと楽しいことが始まるよ」
ウィーン…
ピッ!
ピカッ!!!
ギーマ「……」 シキミ「……」
ガラッ…
ギーマ「ごきげんよう、お三方」
「お前たちは…」
Episode.22 fin
726: ぽけもん 2011/03/10(木) 19:58:59.60 ID:IlOfIcEAO
Episode.23
《ライモンシティ・・・スタジアム》
ギーマ「チャンピオンともあろう方々が、見るも無惨な姿だねえ。
どうしたんだい?」
ワタル「ふざけるな…、お前たちの仲間にやられたんだ…」
ダイゴ「うぐ…」
シキミ「レンブさんはやりすぎですね」
シロナ「あなたたち…、一体なにが狙いなの…?」
727: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:03:18.10 ID:IlOfIcEAO
ギーマ「さてね、別になにもないよ」
シロナ「なに…?」
シキミ「私たち、使い道が分からない実力を買われただけなんですよ」
ギーマ「今もどう使えばいいか分からないけどね」
ダイゴ「買われたって、誰に?」
シキミ「ゲーチス様です。我らのリーダー、ゲーチス様」
シロナ「リーダー…ってことは、そのリーダーが率いる組織があるのね…!」
728: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:05:03.20 ID:IlOfIcEAO
シキミ「そうです。名を…」
ギーマ「“プラズマ団”…。覚えておきな」
シロナダイゴワタル「プラズマ団…!!」
シロナ(また退けるべき悪の組織か…! ギンガ団のように!)
ダイゴ(大誤算だよ…、アクア団・マグマ団みたいな悪の組織が…)
ワタル(ロケット団のような奴らだな…!!)
729: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:07:04.24 ID:IlOfIcEAO
ワタル「なんでもいいが、悪行を働くのなら…俺が止める!!
カイリュー、“はかいこうせん”!!!」
カイリュー「リュー!!」カッ!
ギーマ「シキミ」
シキミ「はい」
ドオオオオオン!!!!!
ワタル「やったか…?」
「プクー」
ワタル「…!」
シキミ「プルリルです。タイプはゴースト。
“はかいこうせん”だけでは私には勝てませんよ」
ワタル「ぐっ…!」
730: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:09:03.73 ID:IlOfIcEAO
ダイゴ「シロナさん…」ボソッ
ダイゴ「ここは逃げた方がいいよ。僕たちはボロボロだし、相手は強敵だ。
本意じゃないけどね…」
シロナ「そうね…。“サザナミタウン”に私の別荘があるわ。そこへ逃げましょう。
ダイゴくんはワタルくんを連れていって」
ダイゴ「わかりました」
シロナ「ロズレイド! “はなびらのまい”!!」
ロズレイド「ローズ!!」シュッ!
ビュワアアアッ!!!!!!
シキミ「視界を覆い尽くす“はなびらのまい”…!!」
ギーマ「チィッ…」
ヒラヒラ…
ギーマ「…逃げられたか」
731: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:11:03.62 ID:IlOfIcEAO
…………
………
……
…
《5ばんどうろ》
唯「ここが“5ばんどうろ”かあ…」
律「あっ、カミツレー!」
カミツレ「! 来たわね。
…ついてきて」
唯律「……」テクテク
「パンはいかがー? 安いよーっ!」
「ひゃっふうう!」
「~♪」ジャラアン!
ズンチャズンチャ
………
……
…
《5ばんどうろ》
唯「ここが“5ばんどうろ”かあ…」
律「あっ、カミツレー!」
カミツレ「! 来たわね。
…ついてきて」
唯律「……」テクテク
「パンはいかがー? 安いよーっ!」
「ひゃっふうう!」
「~♪」ジャラアン!
ズンチャズンチャ
732: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:13:03.75 ID:IlOfIcEAO
唯「にぎやかだねえ」
カミツレ「ここはライモンの名物なのよ。多くのパフォーマーが集まってる」
律「ピエロやギタリスト、絵かきにダンサー…色々いるな~」
律(ん…? なんか見覚えある人が…)
「ん? おおっ、カミツレではないか!」
カミツレ「あら、アデクさん」
アデク「久しぶりじゃのう! ライモンでは一番ここが好きでな!」
カミツレ「こういうパフォーマンス、お好きですもんね」
733: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:15:10.77 ID:IlOfIcEAO
律「え…、アデクさん!?」
アデク「!」
唯「りっちゃん?」
カミツレ「アデクさんを知っているの?」
律「あ、えと…」
アデク「ふむ…、おぬし、どこぞで会ったか?」
律「あー、勘違いかもしれないな~…はは」
アデク「そうか」
律(あぶねー…。流石にまずいよなあ、十年前の話だし…)
唯「?」
734: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:17:04.15 ID:IlOfIcEAO
カミツレ「アデクさんは観光に?」
アデク「まあな。挑戦者もなく暇でな」
カミツレ「最近はバッジを集めるのも一苦労みたいですしね」
アデク「まあもし負けたら、わしも降格してしまうがな! ハッハッハ!」
カミツレ「ふふ…。
でも、この子たちはすごいですよ」
アデク「む?」
カミツレ「もうジムバッジも半分だそうです。私も負けてしまいました」
アデク「ほう…」
735: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:19:22.06 ID:IlOfIcEAO
唯「えへへ~」
律「…はは」
アデク「こんな子供がのう…」
アデク「……ふむ、おぬしたち!」
唯律「?」
アデク「なぜジムに挑戦するのだ?」
唯律「……」
唯「…なぜって」
律「そりゃあ、強くなりたいからです!」
アデク「強く…な。
なら強くなってなにをしたい?」
唯「ある人たちを倒すため! そして友達のためです!」
アデク「なるほどな…。うむ! 目的があることはいいことだ。それを見失ってはいかんぞ!
では、いつかポケモンリーグで戦おう!」ザッ…
ザッザッ……
律「…はは」
アデク「こんな子供がのう…」
アデク「……ふむ、おぬしたち!」
唯律「?」
アデク「なぜジムに挑戦するのだ?」
唯律「……」
唯「…なぜって」
律「そりゃあ、強くなりたいからです!」
アデク「強く…な。
なら強くなってなにをしたい?」
唯「ある人たちを倒すため! そして友達のためです!」
アデク「なるほどな…。うむ! 目的があることはいいことだ。それを見失ってはいかんぞ!
では、いつかポケモンリーグで戦おう!」ザッ…
ザッザッ……
736: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:21:07.99 ID:IlOfIcEAO
唯「ポケモンリーグで…?」
カミツレ「アデクさんは、イッシュ地方のリーグチャンピオンなの」
律「…!」
唯「チャンピオン!!」
律(アデクさんが…)
唯「すごおい! チャンピオンに会えるなんて!」
カミツレ「次は戦えるように頑張らないとね。
さあ、この先がライモンとホドモエを結ぶ橋、“ホドモエのはねばし”よ」
737: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:25:08.65 ID:IlOfIcEAO
…………
………
……
…
《ホドモエシティ》
「プラズマ団とやら…、ワシの街では悪戯は許さんぞ」
下っ端男「くう…」
下っ端男2「ゲーチス様ぁ…」
「ふん。さあ、すべて洗いざらい吐いてもらうからな!」カチャ
「ヤーコンさあん!!」
ヤーコン「…! どうした? 今忙しいんだ」
「カミツレさんが跳ね橋を上げろと…」
………
……
…
《ホドモエシティ》
「プラズマ団とやら…、ワシの街では悪戯は許さんぞ」
下っ端男「くう…」
下っ端男2「ゲーチス様ぁ…」
「ふん。さあ、すべて洗いざらい吐いてもらうからな!」カチャ
「ヤーコンさあん!!」
ヤーコン「…! どうした? 今忙しいんだ」
「カミツレさんが跳ね橋を上げろと…」
738: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:30:56.65 ID:IlOfIcEAO
ヤーコン「いちいちワシに言うな! そんなことも自分で決められないのか!」
「いや、ヤーコンさんが許可しなければ跳ね橋は…」
ヤーコン「ふん! とにかく通してや…」
下っ端たち「今だ! 逃げろおっ!!」
ヤーコン「ぬう! しまったぁ!!」
「あの…跳ね橋……」
ヤーコン「チィッ!」
739: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:33:23.01 ID:IlOfIcEAO
………
……
…
ピポパ
カミツレ「ヤーコンさん? カミツレですけど…」
ヤーコン『ああ、ワシだ』
カミツレ「跳ね橋の許可お願いします」
ヤーコン『ふん、分かっている』
ギギ……
唯律「!!」
ガガー!
ズズズ……、ガアアアン!!
ヤーコン『跳ね橋、開通だ!』
……
…
ピポパ
カミツレ「ヤーコンさん? カミツレですけど…」
ヤーコン『ああ、ワシだ』
カミツレ「跳ね橋の許可お願いします」
ヤーコン『ふん、分かっている』
ギギ……
唯律「!!」
ガガー!
ズズズ……、ガアアアン!!
ヤーコン『跳ね橋、開通だ!』
740: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:35:26.19 ID:IlOfIcEAO
唯「すっご~い!!」
律「橋が動くとはな…」
カミツレ「跳ね橋だからね。
この“ホドモエの跳ね橋”は別名“リザードン橋”ともいわれるわ」
唯「突然外れちゃったりしないのかな?」ジーッ
律「いや大丈夫だろ…」
カミツレ「この先にジムリーダーが待っているわ。いってらっしゃい」
唯「カミツレちゃんは行かないの?」
カミツレ「私は挑戦者の相手もあるから、忙しくてね」
唯「そっかあ…」
律「ここまでありがとうな、カミツレ! それじゃあ!」
カミツレ「ええ」
唯「バイバーイ♪」
741: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:36:32.85 ID:IlOfIcEAO
………
……
…
《ホドモエのはねばし》
唯「大きな橋だね~!」
律「“スカイアローブリッジ”には負けるけどなあ」
唯「…あれ? なんだろう、この影…」
フワッ…
唯「わっ!」
唯「羽根…?」
律「なにしてんだ、唯! 行くぞーっ!」
唯「待ってえ、りっちゃん!」
……
…
《ホドモエのはねばし》
唯「大きな橋だね~!」
律「“スカイアローブリッジ”には負けるけどなあ」
唯「…あれ? なんだろう、この影…」
フワッ…
唯「わっ!」
唯「羽根…?」
律「なにしてんだ、唯! 行くぞーっ!」
唯「待ってえ、りっちゃん!」
742: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:40:08.73 ID:IlOfIcEAO
………
……
…
律「ここが出口だな…」
唯「あっ、あの人じゃない?」
「…!」
「お前たちか? カミツレが言っていたトレーナーは」
唯「はい! えっと…あなたが…」
ヤーコン「ホドモエジムジムリーダーのヤーコンだ」
律「じゃあ早速ジム戦を!」
ヤーコン「ふん! ジム戦だと? どの口がほざく!」
律「えっ…」
……
…
律「ここが出口だな…」
唯「あっ、あの人じゃない?」
「…!」
「お前たちか? カミツレが言っていたトレーナーは」
唯「はい! えっと…あなたが…」
ヤーコン「ホドモエジムジムリーダーのヤーコンだ」
律「じゃあ早速ジム戦を!」
ヤーコン「ふん! ジム戦だと? どの口がほざく!」
律「えっ…」
743: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:41:05.37 ID:IlOfIcEAO
ヤーコン「ワシはさっきまで、プラズマ団の奴らを取り調べていた。だが逃げられてしまったんだ」
唯「プラズマ団が…」
ヤーコン「ふん! お前たちのせいだ!」
律「え?」
ヤーコン「お前たちが渡るから跳ね橋を下ろした。だが同時にプラズマ団の奴らに逃げられたんだ!」
律「それ、私たちのせいじゃ…」
ヤーコン「ふん! 大事なのはお前たちがここへ来たことと、そしてプラズマ団が逃げてしまったことだ。
お前たちのせいなんだ。お前たちが捕まえてこい。
どうせプラズマ団を追っているんだろう」
744: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:42:07.20 ID:IlOfIcEAO
律「な…!
なんであんたにそんなふうに言われなくちゃならないんだよ! 逃がしたのもあんたのミスだろ!?」
唯「り、りっちゃん…」
律「確かにプラズマ団のことはあるけど…、あんたにそんなふうに指図される謂れはないぞ!!
今ここでジム戦をしろ!!」
ヤーコン「…ふん!」
律「モール!!」ボム!
ヤーコン「ガマガル!」ボム!
キイイイン!!!!
モール「!?」ガクッ
律「…!」
ヤーコン「ジム戦なら後で相手してやる。今はプラズマ団だ。早く行ってこい。
挑戦、待ってるぜ」
745: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:43:23.31 ID:IlOfIcEAO
………
……
…
律「まったくなんなんだ、あのオッサン! 全部私たちのせいかよ!
それに、プラズマ団も見つからないし…」
唯「ホントだねえ…、どこに逃げたか分かればいいんだけど…」
ブオンブオン!
「お困りかい? お嬢ちゃんたち!」
律「…あんたは?」
チャールズ「俺は恋する男、その名もチャールズだ!」
律(また変な奴が現れた…)
……
…
律「まったくなんなんだ、あのオッサン! 全部私たちのせいかよ!
それに、プラズマ団も見つからないし…」
唯「ホントだねえ…、どこに逃げたか分かればいいんだけど…」
ブオンブオン!
「お困りかい? お嬢ちゃんたち!」
律「…あんたは?」
チャールズ「俺は恋する男、その名もチャールズだ!」
律(また変な奴が現れた…)
746: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:44:20.49 ID:IlOfIcEAO
唯「わあ、バイクだ~!」キャピキャピ
チャールズ「あんまり俺の相棒には触らないでくれよ~」
律「お前も馴染むな!」
チャールズ「それで、なにかあったのか?
俺に出来ることならなんでもやるぜ~」
律「んー…」
唯「りっちゃん、いいでしょ?」
律「まあ…いいか。
私たち、プラズマ団って連中を探してるんだけどさ」
チャールズ「おっ、それならそれっぽい奴らなら“れいとうコンテナ”の方へ逃げたぞ!」
律「本当か!」
チャールズ「ああ、俺は嘘はつかないぜ~」
律「“れいとうコンテナ”ってどこにあるんだ?」
チャールズ「分からないのか。なら俺が案内してやるよ」
唯「いいんですか!?」
チャールズ「構わねえぜ。さあついてきな!」
ブオンブオン!
747: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:45:19.27 ID:IlOfIcEAO
………
……
…
《れいとうコンテナ》
ブオンブオン!
律「この中にプラズマ団が?」
チャールズ「まあここしか隠れるところはねえしな。入るぞ」
ガチャッ
ビュオオオ!
律「うっ…」
唯「さむいい…」
チャールズ「相棒はおいていくか…」
……
…
《れいとうコンテナ》
ブオンブオン!
律「この中にプラズマ団が?」
チャールズ「まあここしか隠れるところはねえしな。入るぞ」
ガチャッ
ビュオオオ!
律「うっ…」
唯「さむいい…」
チャールズ「相棒はおいていくか…」
748: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:46:22.13 ID:IlOfIcEAO
律「それにしても、こんなところにプラズマ団は逃げて大丈夫なのかよ」
チャールズ「ケケ、今頃凍えてるかもなあ!」
唯「氷が張ってる…」ジーッ
ソー…
ツルンッ!!
唯「ひゃあっ!?」
ツー!!!
律「ゆ、唯!?」
チャールズ「氷の床は滑るから気をつけろ!!」
唯「今更遅いよー! わ~!!」ツー!!!
749: ぽけもん 2011/03/10(木) 20:47:39.22 ID:IlOfIcEAO
ツルンッ!!
唯「ふぇ!」
唯「あれ…止まった?」
唯「りっちゃんたち、どこだろう…。ずいぶん奥まできちゃったよ…」
唯「ん? なんだろう、ここ…」ガチャッ
ヒュウウ!
唯「ううっ…一段とさむい…」
「! ほう…。ここまで追いかけてきたのか」
唯「あ、あなたは!」
サキ「フンフフフ、久しぶりだな」
Episode.23 fin
755: ぽけもん 2011/03/14(月) 19:59:55.61 ID:ULjERIKAO
Episode.24
《れいとうコンテナ》
唯「なんで…サキさんが…」
サキ「フンフフフ、お前たち。せっかく匿ってやったんだ。しっかりと働け」
下っ端たち「プラーズマー!!」
唯「プラズマ団…!」
下っ端1「クマシュン!」ボム!
クマシュン「クマー!」
唯「…!!」
756: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:02:28.53 ID:ULjERIKAO
下っ端1「クマシュン、“こなゆ…」
唯「かっわいいーっ!!」ダキッ!
クマシュン「クマー!?」
下っ端1「んなっ…」
唯「よーしよしよし…」
サキ「…はあ……、相変わらずだな」
唯「でも相手はプラズマ団! 恨まないでねっ!」ボム!
チー太「チー!」
唯「“スイープビンタ”!」
チー太「チー!!」
バシバシバシバシ!
クマシュン「クマァ…!」
757: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:04:13.45 ID:ULjERIKAO
バシィン!!!
クマシュン「クマァ!!」ズサアッ!
下っ端1「ぐっ…!」
下っ端2「しっかりしろ!
行け、バニプッチ!」ボム!
バニプッチ「バニッ!」
唯「…!」
下っ端1「クマシュン、“みだれひっかき”!」
下っ端2「バニプッチ、“こごえるかぜ”だ!」
クマシュン「クマァ!」シャキンッ
バニプッチ「バニィ!」ヒュウッ…
チー太「チー!?」
唯「わああっ!」
758: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:07:33.43 ID:ULjERIKAO
ガチャンッ!!
律「唯いいっ!!」ダッ!
ボム!
モール「グリュー!!」
下っ端たち「…!」
律「“きりさく”!!」
モール「グリュー!!!」ザキイッ!!!!
クマシュン「クマァ!?」
バニプッチ「バニィ!?」
律「大丈夫か、唯!」
唯「りっちゃん!」
律「相手が二人ならこっちも二人で勝負だ!!」
唯「ちがう! りっちゃん、もう一人いるの!!」
律「なに…」
759: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:12:49.64 ID:ULjERIKAO
ジュペッタ「ジペー!!」ダッ!
サキ「“シャドーボール”!!」
ドオオン!!!
モール「グリュー…!?」
ドガアアン!!!!
律「お前は…!」
サキ「フンフフフ、二人ともいたのか」
律「サキ! なんでお前がプラズマ団と…!
お前、ロケット団じゃあ…」
サキ「ないさ、フフ。
私はただゲーチス様のご命令どおり、サカキの監視をしていたにすぎない。ロケット団に所属していたのもそのためだ。
今はプラズマ団に戻ったのさ。
“ダークトリニティ《改》”としてな」
760: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:13:28.89 ID:ULjERIKAO
唯「“ダークトリニティ《改》”って…」
律「確か澪が言ってた…」
サキ「フンフフ、そうだな。
秋山澪もまた、我らの仲間だ」
律「ふざけんな! 澪は私たちの友達だ! お前たちの好きなようにさせてたまるか!」
サキ「その言葉、本人に聞かせてやりたいな、フフ…」
唯「そうだ…。サキさんなら知ってる? 澪ちゃんがなんでプラズマ団になっちゃったか」
サキ「フンフフフ、敵の私にそんなことを聞くのか」
唯「……」
761: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:15:28.20 ID:ULjERIKAO
サキ「フフ、まあいい。教えてやろう。
実は、“ウバメのもり”辺りから秋山澪には目を付けていたんだ」
律「澪に…? どういうことだ?」
サキ「私はプラズマ団の戦力アップのため、実力者を集めていたのさ」
唯「それに澪ちゃんが選ばれた…?」
サキ「フフ、まさにそうだ。
なぜなら彼女はバトルが強い。
そして、悪の素質を持っている…!」
唯律「!!」
762: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:20:32.06 ID:ULjERIKAO
律「澪に悪の素質なんてないぞ! あいつはお前たちみたいなトレーナーじゃねえ!!」
サキ「そうだよ。私たちのような悪の素質ではない…。
彼女の心にはある闇がある。それを利用すれば、悪にするのもたやすい」
律「…結局、お前が事の発端だったのか!」
サキ「フンフフフ、私の話は以上だ」
唯「……」
唯(確かにサキさんが、澪ちゃんがプラズマ団になった原因なのは分かった…。
でも肝心の、澪ちゃんがプラズマ団になった本当の理由が語られてない…。澪ちゃんの心の闇って…?)
763: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:24:03.23 ID:ULjERIKAO
サキ「んん? なんだ、その怪訝そうな顔は?
私の知っていることはすべて話したぞ」
唯「……うそ」
サキ「フンフフフ、ならば本人に直接聞いてみたらいいじゃないか。ここにはいないがな…。
まあ…、それも叶わないか」
サキ「下っ端たちを追ってきたんだろ? ならば仲間のため、お前たちを追っ払おうじゃないか」
ジュペッタ「ジペー!」
クマシュン「クマァ!」
バニプッチ「バニィ!」
律「相手は三体か…」
「なら、俺がいた方がいいな!」
唯律「!!」
764: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:28:43.04 ID:ULjERIKAO
ブオンブオン!!
唯「チャールズさん!」
律「チャールズ!」
チャールズ「相棒を取りに行ってたら遅くなっちまったな」
律「いや、いいタイミングだぜ!
よく来てくれたよ!」
チャールズ「ああ。
…見たとおり、こちらも三人になったわけだ。三対三…」
チャールズ「ケケ、やってみるか? トリプルバトル」
サキ「フンフフフ…、望むところだ」
チャールズ「ケケ、いいのかよお? ここらじゃトリプルバトルで俺に敵う奴ぁいないのによ。
俺はトリプルバトルの申し子、恋する男・チャールズだぜ?」
765: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:30:32.14 ID:ULjERIKAO
律「トリプルバトルってなんだ?」
チャールズ「知らねえのかよ。そのまんま、三対三のバトル。ダブルバトルの派生版みたいな感じだ」
唯「そんなバトルが!」
チャールズ「まあ俺に任せときゃあ大丈夫だ。
バスラオ!」ボム!
バスラオ「バシャーシャ!」
律「ボルト、頼むぞ!」ボム!
ボルト「ゼブウウ!!」
唯「チー太!」
チー太「チー!!」
サキ「行くぞ、お前たち!」
下っ端たち「はっ!!」
766: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:32:12.12 ID:ULjERIKAO
チャールズ「バスラオ、“アクアジェット”だ!!」
バスラオ「バシャーシャ!!」ブアアアッ!!!
ジュペッタ「ジペッ!?」
ドオオン!!!!
ジュペッタ「ジペェッ…!!」
チャールズ「“アクアテール”!!」
バスラオ「」バッ!!
ジュペッタ「!?」
ドシャアアン!!!
ジュペッタ「」ガクッ
サキ「フンフフフ、これはこれは…」シュウウッ
サキ「…だが、トリプルバトルということを忘れていないか?」
767: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:37:37.86 ID:ULjERIKAO
バッ!!
クマシュン「クマァ!!」
バニプッチ「バニィ!!」
バスラオ「…!!」
下っ端たち「いけえ!!!」
ドガアアアアアン!!!!!
ボルト「ゼブウウ!!」
クマシュン「クマァ!?」
バニプッチ「バニィ!!」
律「ボルト! そのまま“ほうでん”だ!!」
ボルト「ゼブウウ…」ビリリッ…
ピシャアアン!!!!
下っ端1「くぅ…!」
下っ端2「ぐああ…」
768: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:39:21.83 ID:ULjERIKAO
律「一気に電気のフィールドにしてやったぜ!
ボルト、“スパーク”!」
ボルト「ゼブ!!」ダッ!
サキ「フンフフフ、スターミー!」ボム!
スターミー「トゥトゥトゥトゥル!!」
律「!」
サキ「“ふぶき”!!」
ビュオオオオオ!!!!!
ボルト「ゼブウウ!?」
律「うああ…!」
唯「こ、こんな狭いところで……」
チャールズ「くそ! 相棒がイカれちまうぞ!!」
769: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:41:37.06 ID:ULjERIKAO
サキ「電気のフィールドから、氷のフィールドに変わった!
勝利は我々の手にあるぞ!!」
下っ端たち「“ふぶき”だあ!!」
クマシュン「クマァ!」
バニプッチ「バニィ!」
ビュオオオオオ!!!!!
チャールズ「チッ…、そう上手くいくと思うなよ!!
バスラオ、“ちょうはつ”だ!!」
バスラオ「バシャーシャ!!」チョイチョイ
スターミー「……」シーン
770: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:46:14.71 ID:ULjERIKAO
サキ「フンフフフ! 馬鹿め!!
スターミーはすでに攻撃体制だ! そんなものは効かん!!」
チャールズ「今のは予防だよ!
よし、いけ!!」
唯「はい! チー太、“アンコール”&“いばる”!!」
チー太「チー!」パチパチ!
チー太「チ~!!」フンスッ!
スターミー「…!?」
クマシュン「クマァ…?」
バニプッチ「バニィ…!」
サキ下っ端たち「!!」
サキ「“いばる”でこんらんしている…!?
そして“アンコール”で“ふぶき”しか出せなくなっている…。
まずい…!!」
771: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:48:01.82 ID:ULjERIKAO
ビュオオオオオ!!!!!!
下っ端たち「うわああっ!!?」
サキ「くああ!!」
チャールズ「“アンコール”が解けても“ちょうはつ”で攻撃技しか出せないぜ?」
サキ「“ちょうはつ”はそのためか!」
チャールズ「強力な技は、もし相手に利用されたら逆にピンチになる。
乱用は避けた方がいいぜ」
サキ「く…!!」
772: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:50:26.16 ID:ULjERIKAO
ビュオオオオオ!!!!!!
カキイイン!!!!
サキ「……」
下っ端たち「……」
唯「凍っちゃった!」
律「ホント、すげえ威力だな」
チャールズ「んで、こいつらをどうするんだ?」
唯「えっと…」
律「あのオッサンのところまで運ぶか」
チャールズ「よし、そいつら紐で縛って相棒に巻き付けろ。
頼んだぞ、相棒」
ブオンブオン!
773: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:52:48.55 ID:ULjERIKAO
………
……
…
《ホドモエシティ》
ブオンブオン!
キキイッ!
チャールズ「ジムはあっちだ。俺はここまでだが…」
律「ああ、あとは自分たちで運ぶよ。ありがとな」
チャールズ「おう。…あ、そうだ」
チャールズ「トリプルバトルの本場は“ソウリュウシティ”にある! 覚えておくといいぜ。
んじゃ、じゃあな!」ギュイッ…
律「じゃあな!」
唯「バイバ~イ!」
ブオンブオン!!!
……
…
《ホドモエシティ》
ブオンブオン!
キキイッ!
チャールズ「ジムはあっちだ。俺はここまでだが…」
律「ああ、あとは自分たちで運ぶよ。ありがとな」
チャールズ「おう。…あ、そうだ」
チャールズ「トリプルバトルの本場は“ソウリュウシティ”にある! 覚えておくといいぜ。
んじゃ、じゃあな!」ギュイッ…
律「じゃあな!」
唯「バイバ~イ!」
ブオンブオン!!!
774: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:54:25.21 ID:ULjERIKAO
唯律「……」
律「さて、こいつを運ぶか」
「その必要はない」
唯律「!?」
律「澪?!」 唯「澪ちゃん!!」
澪「その氷を渡せ」
律「……ダメだ」
澪「早くしないと、中の者が命を落とす」
律「……」
澪「…そうか、渡したくないか。なら…」カチャ
「待ちな!!」
775: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:56:35.72 ID:ULjERIKAO
パン!
ガマガル「ガマー!」
澪「…!」タッ!
ガマガル「……」ジリッ…
澪「……」スタッ
唯「! ヤーコンさん!?」
ヤーコン「ふん! なにやらジムの近くが騒がしいと思ったら、お前たちか」
澪「……。ホドモエのジムリーダー、ヤーコンか…」
ヤーコン「…その氷に入ってるのはプラズマ団か?」
唯「そうですよ~!」
776: ぽけもん 2011/03/14(月) 20:58:16.18 ID:ULjERIKAO
ヤーコン「ふん! ちゃんと捕まえてきたか。なら挑戦を受けてやろう」
唯「それが…」
コロぽん(コロモリ)「コロ!」シャキンッ
ヤーコン「……」
澪「あんたなら分かってくれそうだ。その氷を渡せ」
ヤーコン「…お前は?」
澪「プラズマ団、“ダークトリニティ《改》”秋山澪だ」
ヤーコン「……」チラッ
唯律「……」
ヤーコン「ふん! いいだろう。持って行け」
律「なっ…!」
唯「ヤーコンさん!?」
ヤーコン「……」
777: ぽけもん 2011/03/14(月) 21:00:22.30 ID:ULjERIKAO
澪「コロぽん、“エアカッター”で氷を…」
律「くっ…! モール!!」ボム!
モール「グリュー!!」
澪「…その前にあの土竜を斬れ」
コロぽん「コロ!!」シュッ!
ザキイッ!!!!
モール「グリュー!?」
律「うわあっ!」
ドサアッ!!
唯「りっちゃん! 大丈夫!?」
澪「…コロぽん」
コロぽん「コロ!」シュッ
ザキイイッ!!
778: ぽけもん 2011/03/14(月) 21:02:11.97 ID:ULjERIKAO
パキイッ…
シュタッ!
サキ「フンフフフ、苦労をかけたな。澪よ」
澪「我らの同志だ。助けて当たり前だろ」
サキ「フンフフフ」
サキ「では…、さらばだ。
トレーナーたちよ」
シュンッ!!
ヤーコン「……」
779: ぽけもん 2011/03/14(月) 21:05:02.50 ID:ULjERIKAO
律「オ…オッサン!! なんで…なんで氷を渡したんだよ!!」
ヤーコン「…分かっているさ。奴らプラズマ団は悪い奴らだということはな」
律「だったら…」
ヤーコン「だが、物事は単純なものじゃない。
あいつは強い。ワシでも苦戦を強いられただろうな」
ヤーコン「そんな奴と戦ってみろ。この周囲のお前たち…、街の人たち……。色々なものに影響を及ぼすかもしれん…。
ワシもジムリーダーだ。街が荒れるのは好かん。
奴らと戦うのは…、ちゃんとしたフィールドでだ」
律「……」
唯「ヤーコンさん…」
780: ぽけもん 2011/03/14(月) 21:06:29.72 ID:ULjERIKAO
ヤーコン「ふん、ジム戦だろ? さっさと始めるぞ」クルッ
スタスタ…
唯「……」
律「…澪を逃がしちまったのは悔しいけど、あのオッサン…、憎まれ口ばっか叩くけどいい人かもな」
唯「うん、りっちゃん!」
律「…ぃよし! ジム戦だ!!
今回は唯! 頑張れよ!!」
唯「うんっ!」
Episode.24 fin
786: ぽけもん 2011/03/15(火) 19:59:12.87 ID:DIJqG5WAO
Episode.25
《ホドモエジム》
ヤーコン「ふん! 来たか。
どちらが相手だ?」
唯「私です!」
ヤーコン「ふん! さっきは威勢がよかったが、お前は挑戦しないのか?」
律「まあ私たちは二人でジム挑戦してるからな」
ヤーコン「ふん! まあいい。
では始めるぞ。ガマガル!」ボム!
ガマガル「ガマー!」
唯「お馴染みのガマガル!
よし、チー太!」ボム!
チー太「チー!」
律「こっちもお馴染みだな」
787: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:01:20.16 ID:DIJqG5WAO
ヤーコン「勝負は三体使用の交替戦だ」
唯「三体!?」
ヤーコン「どうした?」
唯「二体しか持ってないんです…」
ヤーコン「……。知らん! 自分でなんとかしろ」
唯「えええ!」
ヤーコン「……」
律「んじゃあ…私のポケモンを貸してやるよ」
唯「いいの!?」
律「まあ私もカミツレとのジム戦でムー太を使ったしな。
ボルトを貸すぜ」
唯「ありがとう!」
788: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:03:14.50 ID:DIJqG5WAO
ヤーコン「ふん…早くしろ」
唯(ガマガルは水タイプだよね…。ということは電気タイプのボルトは有利!)
唯「チー太、戻って!」シュウウッ
唯「ボルト、いっけえ!」ボム!
ボルト「ゼブウウ!!」
ヤーコン「……ふん!
ガマガル、“バブルこうせん”!!」
ガマガル「ガマー!」ブワワワ!
唯「ボルト、“スパーク”!!」
ボルト「ゼブウウ!」ビリリッ!
ドオオオン!!!!
ガマガル「…!!」
789: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:07:02.50 ID:DIJqG5WAO
唯「こうかはばつぐんだよ!」
ヤーコン「ふん!」
ガマガル「ガマー!」キッ
唯「えっ!?」
律「バカ、唯! ガマガルは地面タイプだ!」
唯「えええ!!」
ヤーコン「ふん! 何事も見た目で判断するな、ということだ。
ガマガル、“マッドショット”!!」
ガマガル「ガマー!!」バシャッ!!!
ボルト「ゼブウウ…!」
唯「ああっ…! ボルト、一旦戻って!」シュウウッ
790: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:09:05.63 ID:DIJqG5WAO
唯「ムー太!」ボム!
ムー太「ムウウ!」
ヤーコン「ふん! こちらも交替だ!
…メグロコ!!」ボム!
メグロコ「グロッコ!」
唯「メグロコ?」ピッ
ポケモン図鑑『メグロコ、さばくワニポケモン
さばくの すなの なかで せいかつ。 たいように あたためられた すなが たいおんの ていかを ふせぐのだ。』
ヤーコン「メグロコ、“かみつく”だ!」
メグロコ「グロッコ!!」ダッ!
唯「ムー太、“エナジーボール”!」
ムー太「ムウウ!」ビュワッ!!
メグロコ「グロッコー!?」
メグロコ「」バタッ!
唯「…あれっ?」
律「あっさりやられたな…」
791: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:11:35.73 ID:DIJqG5WAO
ヤーコン「戻れ、メグロコ!」シュウウッ
ヤーコン「ふん! 何事も無駄なことなどないんだ」
唯「?」
ヒュウウッ!
律「なんだ…? 急に風が…」
ビュオオオ!!!!
唯「きゃあっ!!」
律「な! す、“すなあらし”!?」
ヤーコン「そうだ。メグロコは散り際に“すなあらし”を起こしたのさ」
ボム!
律「! ポケモンを出したぞ!」
唯「でも…砂煙でよく見えないよ…」
ヤーコン「ふん! これが狙いだ」
792: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:13:12.20 ID:DIJqG5WAO
ギュアアン!!!
ムー太「」ガクッ
唯「え…!?」
ヤーコン「ムンナは戦闘不能だ。次のポケモンを出しな。
…まあなにを出したところで、ワシのポケモンが砂煙から襲い掛かるがな」
唯「ううっ…」ジリッ…
律「唯…!」
律(なんて戦術だ! まるで隙がない!
やっぱり、あのオッサンもジムリーダー! 強い…!!)
唯「チー太!!」ボム!
チー太「チー!」
ビュオオオ!!!!
チー太「チー…!?」
唯「チー太! 砂煙がすごいけど、がんばって!」
793: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:15:37.57 ID:DIJqG5WAO
ボム!
ヤーコン「さあ仕掛けるぞ!」
「……」ダッ!
唯「チー太、“くすぐる”!」
ヤーコン「ふん! 効かん!!」
唯「狙いは相手に当てるためじゃないよ!」
チー太「チー!!」パッパッ!
ヤーコン「…!」
律「尻尾を箒がわりに!」
唯「これで相手の姿が見える!!」
ヒュウウッ!!
ガマガル「ガマー!」バッ!
唯律「ガマガル!?」
794: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:17:06.01 ID:DIJqG5WAO
ヤーコン「ふん…、バレても変わらん! ガマガル、“だくりゅう”!!」
ガマガル「ガマッ…ガマー!?」キョロキョロ
コソッ…
チー太「チー!」
ガマガル「!!」
ヤーコン「いつの間に懐に…!」
唯「ガマガルは水中と地上で生活するみたいだけど、やっぱり水タイプだね。地上では少し動きが鈍いみたい…。
ましてや、“すなあらし”の中だからね!」
ヤーコン「…!」
唯「“アイアンテール”!!」
チー太「チー!」ブンッ
ガキイイッ!!!
ガマガル「」ドサアッ!
ヤーコン「…ガマガル、よく頑張ってくれた」シュウウッ
795: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:19:04.12 ID:DIJqG5WAO
律「すごいぞ、唯!」
唯「えへへ~」
ヤーコン「ふん! ワシの最後の一匹はこいつだ。
ドリュウズ!!」ボム!
ドリュウズ「リュー!!」
唯「!!」
律「ドリュウズ…!」
唯「つ、強そう…」ピッ
ポケモン図鑑『ドリュウズ、ちていポケモン
はがねに しんかした ドリルは てっぱんを つらぬく はかいりょく。トンネルこうじで だいかつやくする。』
唯「もしかしてモールの進化系?」
律「ああ、そうだ。私も一度見たことがある」
唯「チー太、気をつけて…」
ヤーコン「ドリュウズ、“ドリルライナー”!!」
ドリュウズ「リュー!!」バッ
ギュアアン!!!
796: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:21:07.50 ID:DIJqG5WAO
律「この音…!」
唯「ムー太を倒したのはドリュウズだったの!?」
ヤーコン「ふん、そうだ。“すなあらし”が起こった直後に出したのはドリュウズ。そのあとすぐにガマガルに交替したがな」
ドリュウズ「リュー!!」ダダッ
律「唯! ドリュウズは地中じゃ速いけど、地上じゃあそんなに速くはない!!
潜られないように注意すれば…」
ヤーコン「どうだろうな?」
ドリュウズ「」スッ…
唯律「…!?」
ギュアアン!!!!
チー太「チー!?」
唯「は、速い!!」
797: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:23:08.26 ID:DIJqG5WAO
ヤーコン「ワシのドリュウズの特性は“すなかき”! “すなあらし”だとすばやさが二倍になる!」
チー太「チ~…」グタ…
唯「…チー太、休んでて」シュウウッ
律「唯のラスト一匹は…!」
唯「ボルト!」ボム!
ボルト「ゼブウウ!!」
唯「頑張って!」
ヤーコン「……ふん、電気タイプで地面タイプに勝てると思うか?」
律「……」
唯「確かに相性は不利だけど、でも勝負に絶対なんてないよ!」
ヤーコン「…最もだな。
だが、優劣はあるものだ!」
ドリュウズ「リュー!!」ダッ!
ボルト「…!」
798: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:25:26.05 ID:DIJqG5WAO
ヤーコン「“メタルクロー”!」
ドリュウズ「リュー!!」
キンッ!
ボルト「ゼブッ!?」
唯「ボルト、反撃を…」
ドリュウズ「」スッ…
ボルト「ゼブッ?!」
ヤーコン「まだまだ“すなあらし”は吹き荒れているぞ」
唯「“すなかき”…!」
799: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:27:10.53 ID:DIJqG5WAO
ヤーコン「もう一度“メタルクロー”だ!!」
キンッ!!
ボルト「ゼブウウ…!!」
律「ダ、ダメだ…! 相手は“すなあらし”の中から攻撃を仕掛け、反撃しようとしても“すなかき”で上がったスピードのせいで攻撃が当たられない!
しかも…!」
ドリュウズ「……」キラッ…
律「“つめとぎ”で攻撃の威力と命中率を高めて、確実にボルトにダメージを与えてる!!
攻撃されっぱなし、反撃もできないんじゃあ、勝ち目がないぞ!!」
律(どうする? 唯…!)
800: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:29:04.62 ID:DIJqG5WAO
唯「…でも、やるしかないよ!」
ボルト「ゼブウウ!!」
ヤーコン「ふん! なにもできないのになにをやるというんだ?
寝言は寝て言え!!」
ドリュウズ「リュー!!!」バッ!!
唯ボルト「…!!」
ヤーコン「ワシの勝ちだ!!
ドリュウズ、“ドリルライナー”!!!」
ドリュウズ「ドリュ…」
フワッ…
ドリュウズ「リュー!?」
801: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:33:05.14 ID:DIJqG5WAO
律「羽…?!」
ヤーコン「これは…!」
ボルト「」シュッ!!
ザンッ!!!
ドリュウズ「…!?」
律「ドリュウズのスピードを上回り、背後に!? すごいスピードだ!!」
唯「よ、よくわからないけどっ!
ボルト、“ニトロチャージ”!!」
ボルト「ゼブウウッ!!!」ボウッ!
ドオオオン!!!!
ボルト「…」スタッ!
ドリュウズ「」ドサッ
ヤーコン「…!」
802: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:35:02.87 ID:DIJqG5WAO
唯「か…勝ったの?」
律「やったぞ、唯!!」
唯「や、やったあ!!」
ボルト「ゼブウウ♪」ピョンピョン
ヤーコン「…ドリュウズ、よくやった」シュウウッ
ヤーコン「…」サッ…
ヤーコン「この羽は…“しゅんぱつのハネ”か」
唯律「“しゅんぱつのハネ”?」
803: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:37:39.11 ID:DIJqG5WAO
ヤーコン「これでポケモンのすばやさが上がるのさ」
律「それであんなスピードに…。
……つうか、羽がなんで急に?」
唯「ああ…私が“ホドモエのはねばし”で拾ったのが、“すなあらし”で飛ばされたのかなあ」
律「拾ったのかよっ」
ヤーコン「ふん! 羽がなければ負けていたな!」
唯「あはは…それは~…」
ヤーコン「……ふん! だが運も実力のうち!
くれてやろう、“クエイクバッジ”だ!!」
唯「あ、ありがとうございますっ!」
804: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:39:06.90 ID:DIJqG5WAO
唯「やったあ♪ “クエイクバッジ”ゲットだよっ!」
律「これで五つ目かな」
ヤーコン「…そうだ、お前にこいつをやろう」
律「へ?」
ヤーコン「“ネジやま”で手に入れたものだ。ワシには必要ないからな、くれてやろう」
律「あ、ああ…。サンキュー…」
律(押し付けられたんじゃ…)
唯「なになに? 化石??」
律「みたいだな」
805: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:41:09.21 ID:DIJqG5WAO
唯「りっちゃんばっかりずるい~!」
律「つーか、私に化石を渡されてもなあ…。復元できないし…。
梓がいればな…」
唯「そういえば、あずにゃんとムギちゃんは今どこだろうねえ?」
律「んー…、ちゃんとやってたらいいけどな。
まあ、私たちよりはしっかりしてるからな。心配はないだろ」
唯「そうだねっ」
806: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:43:07.58 ID:DIJqG5WAO
…………
………
……
…
《16ばんどうろ》
梓「ふうあ~、疲れました~…」
紬「大丈夫? 梓ちゃん」
梓「はい、なんとか…」
紬「ここら辺はトレーナーが多かったからね」
梓「はい…。私たち、体も鈍ってましたしね…」
紬「それで“ブラックシティ”へ行くにはこの道を行くんだっけ?」
梓「はい! ここから一本道です!
この先は“ワンダーブリッジ”っていう橋がありま…」
紬「あっちの森はなに!?」キラキラ
梓「ちょ、ムギ先輩…。
…えっと、そっちは“まよいのもり”ですね」
紬「“まよいのもり”…! ミステリーの匂いが…!!」
………
……
…
《16ばんどうろ》
梓「ふうあ~、疲れました~…」
紬「大丈夫? 梓ちゃん」
梓「はい、なんとか…」
紬「ここら辺はトレーナーが多かったからね」
梓「はい…。私たち、体も鈍ってましたしね…」
紬「それで“ブラックシティ”へ行くにはこの道を行くんだっけ?」
梓「はい! ここから一本道です!
この先は“ワンダーブリッジ”っていう橋がありま…」
紬「あっちの森はなに!?」キラキラ
梓「ちょ、ムギ先輩…。
…えっと、そっちは“まよいのもり”ですね」
紬「“まよいのもり”…! ミステリーの匂いが…!!」
807: ぽけもん 2011/03/15(火) 20:45:29.58 ID:DIJqG5WAO
梓「“まよいのもり”には行きませんよ」
紬「ショボン…」
梓「あ、あ、でも! これから行く“ワンダーブリッジ”も、いいところですよ!?」アセアセ
紬「そっかあ…、楽しみ♪」ニコッ
梓「」ホッ…
梓「じゃあ行きましょうか」
紬「ええ♪」
Episode.25 fin
811: ぽけもん 2011/03/16(水) 19:47:55.70 ID:8shcWcIAO
Episode.26
《ワンダーブリッジ》
紬「ここが“ワンダーブリッジ”ね~♪」
梓「はい。どんな衝撃もやわらぐように最先端の技術でデザインされた橋…だそうです。
イッシュで一番安全性に優れた橋ですね」
紬「へ~。“スカイアローブリッジ”は見たけど、ほかの橋も見てみたいわね」
梓「そうですね…。
では、渡りましょうか」
812: ぽけもん 2011/03/16(水) 19:50:22.53 ID:8shcWcIAO
………
……
…
梓「もうすぐ出口ですね」
紬「あれ? あれは何かしら…」
おとこのこ「……」
梓「ずいぶんと橋の端に立ってますね…」
紬「ま、まさか…!
あの子…!!」
梓「え、縁起でもないこと言わないでくださいっ!!
とりあえず話かけてみましょう!!」
タタッ
……
…
梓「もうすぐ出口ですね」
紬「あれ? あれは何かしら…」
おとこのこ「……」
梓「ずいぶんと橋の端に立ってますね…」
紬「ま、まさか…!
あの子…!!」
梓「え、縁起でもないこと言わないでくださいっ!!
とりあえず話かけてみましょう!!」
タタッ
813: ぽけもん 2011/03/16(水) 19:52:11.38 ID:8shcWcIAO
梓「あの、君…」
おとこのこ「……」
おとこのこ「」スッ…
梓「!?」
紬「き、消えた!?」
梓「ム、ムギ先輩! き、消えちゃいましたよ?!
なにが起こって…!」
紬「お、落ち着いて、梓ちゃん…」
梓「さ、さっきのは…まさか幽霊!?」
紬「研究者である梓ちゃんの口からその単語が出るなんて珍しいわね」
梓「でもいきなり消えて…!」
「幽霊なんかじゃないぞ!」
紬梓「……」
梓「…えっ?」
814: ぽけもん 2011/03/16(水) 19:54:19.53 ID:8shcWcIAO
「さっきのニンゲンはオイラだったんだぞ!」
紬「ポケモン…?」
梓「…“へんしん”でもしたって言うの?」
「ちょっと違うけど、そうだぞ!」
梓「そんな…、メタモンじゃあるまいし…」
「信じてないな? なら、見せてやるぞ!」
ポン!!
梓?「どうだぞ!!」
梓「わ、私!?」
紬「梓ちゃんだわ~♪」
梓「って、尻尾がついてますけど…」
紬「かわいい~♪」
815: ぽけもん 2011/03/16(水) 19:56:03.51 ID:8shcWcIAO
梓?「これで信じてくれるな?」
梓「ま、まあ…」
紬「ごめんね?」
梓「ていうか、私の姿から早く戻って!」
ポン!!
「そうだ、まだ名乗ってなかったぞ!
オイラの名前は…」
「ゾロアですね」
ゾロア「…!」
紬梓「!!」
「わるぎつねポケモン、ゾロア。
そして、思わぬゲストも…」
紬梓「ゴヨウさん…!!」
816: ぽけもん 2011/03/16(水) 19:58:21.81 ID:8shcWcIAO
ゴヨウ「“やりのはしら”以来ですね」
梓「どうしてあなたがイッシュに!!」
ゴヨウ「まあ、そう熱くならないでください」
ゾロア「ゴヨウ! 今日はなにを持ってきてくれたんだぞ!?」
ゴヨウ「“モーモーミルク”ですよ。どうぞ召し上がれ」
ゾロア「ありがとうなんだぞ!」ペロ
紬梓「……」
ゴヨウ「…私はね、今“ブラックシティ”というところで修行をし、頭を冷やしています。自分がしてきた過ちを悔いてね」
梓「…そうなんですか」
817: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:00:04.15 ID:8shcWcIAO
ゴヨウ「……。よろしければ、“ブラックシティ”にどうぞ。なかなかいいところですよ。
では私はこれで…」
ゾロア「オイラも行くんだぞ!」
ゴヨウ「ええ、大歓迎ですよ」
タッタッ…
紬梓「……」
紬「私たちも行きましょうか」
梓「そうですね…」
梓(ゴヨウさんは自分のした事の重大さを分かってるのかな…。ちょっとやそっとじゃ罪は償えないぐらいなのに…。
……それを確かめるためにも、行かなくちゃ)
818: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:02:16.31 ID:8shcWcIAO
………
……
…
《15ばんどうろ》
ザアアッ!!!!
梓「すごい雨ですね…」
紬「本当…。歩くのがやっとね…。これが異常気象ってものかしら」
梓「早く通り抜けちゃいましょう」
タタッ
「……」ヒュッ
ゴロゴロ……
「……」スッ……
……
…
《15ばんどうろ》
ザアアッ!!!!
梓「すごい雨ですね…」
紬「本当…。歩くのがやっとね…。これが異常気象ってものかしら」
梓「早く通り抜けちゃいましょう」
タタッ
「……」ヒュッ
ゴロゴロ……
「……」スッ……
819: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:04:03.45 ID:8shcWcIAO
………
……
…
《ブラックシティ》
梓「着きました! “ブラックシティ”です!!」
紬「ビルが建ち並んで……るけど、お花も咲いてるわね」
梓「? 人工の花でしょうか?」
トレーナー「バルチャイ、今日はここでご飯にしようか」
バルチャイ「バルチャ!」
梓「あ、君!」
トレーナー「ん?」
梓「“ブラックシティ”の人だよね?」
トレーナー「そうだよ。なにか用かい?」
……
…
《ブラックシティ》
梓「着きました! “ブラックシティ”です!!」
紬「ビルが建ち並んで……るけど、お花も咲いてるわね」
梓「? 人工の花でしょうか?」
トレーナー「バルチャイ、今日はここでご飯にしようか」
バルチャイ「バルチャ!」
梓「あ、君!」
トレーナー「ん?」
梓「“ブラックシティ”の人だよね?」
トレーナー「そうだよ。なにか用かい?」
820: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:06:07.61 ID:8shcWcIAO
紬「ゴヨウさんって人を知ってるかしら?」
トレーナー「ああ、ゴヨウさんね…。知ってるぞ。
最近、この“ブラックシティ”に自然を増やそうという企画を立てて、資金を自ら出してるんだ」
紬「自然を?」
トレーナー「ああ。『自然を増やせば、ここも住み心地がよくなり、昔のように人々が平和に暮らせる場所になるだろう』ってね。
この街のために色々やってくれてる。いい人だよ、あの人は」
梓「いい人…」
紬「……」
「やあ、ご両人。“ブラックシティ”にようこそ」
梓「!」
紬「ゴヨウさん!」
ゴヨウ「どうぞ、私の家へ上がってください。立ち話もなんですからね」
紬梓「……」
821: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:08:04.82 ID:8shcWcIAO
ガチャッ
ゾロア「お帰りなんだぞ!」
ゴヨウ「ええ、ただいま」
紬梓「……」
ゴヨウ「…」
梓「なぜゴヨウさんが…」
ゴヨウ「……。先程言ったとおり、シンオウでの自分の罪を償おうとね」
紬「自然を増やすことでですか」
ゴヨウ「…それについては事情がありまして」
梓「?」
ゴヨウ「…プラズマ団と呼ばれる組織をご存知ですか?」
紬梓「!!」
822: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:10:04.92 ID:8shcWcIAO
ゴヨウ「ふふ、やはりご存知でしたか。あなた方は悪をくじくべき宿命を背負っているようですね」
紬「……」
梓「今度はプラズマ団に転向ですか?」
ゴヨウ「はは、そんな恐い顔をなさらないでください。
プラズマ団に所属するなんてとんでもない。むしろプラズマ団は私の仇です」
紬梓「仇…?」
ゴヨウ「そうです。私は直接的には関わっておりませんが、実はここ“ブラックシティ”はですね。昔は今よりももっと自然が溢れる、“ホワイトフォレスト”と呼ばれる森だったのですよ」
823: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:12:04.68 ID:8shcWcIAO
紬「それがどうしてこんな都会に?」
ゴヨウ「まあ時代が変わるにつれ、都会になっていったのですが…それよりも明確な理由があるのですよ」
梓「…なんですか?」
ゴヨウ「“ホワイトフォレスト”は美しい自然が溢れ、多くのポケモンが住んでいた。しかしプラズマ団により、そのすべてが破壊されたのです」
紬梓「!!!」
ゴヨウ「私もそのことはここに住みはじめた時に初めて知りました。
そしてフツフツと怒りが込みはじめた…。かつてのここの写真を見てね。
私は誓いました。償いではなく、ただ純粋にこの街…いえ昔の森を取り戻したいと!
確かに私は悪事を働いた。しかし、この気持ちは本物なのです!!」
紬「…ゴヨウさん」
梓「……」
824: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:14:02.65 ID:8shcWcIAO
ゾロア「ゴヨウは本当にこの街のためにやってくれてるんだぞ!」
梓「ゴヨウさん、あなたは…」
バアアン!!!!
紬梓ゴヨウゾロア「!!?」
「「プラーズマー!!」」
下っ端1「ここがゴヨウの家であってるな!?」
紬梓「プラズマ団…!」
ゴヨウ「私がゴヨウです!
私に何の用で…」
スッ
下っ端2「お前に用はねえよ」
ゴヨウ「!?」(いつの間に移動した…!?)
825: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:16:46.69 ID:8shcWcIAO
ガシッ!!
ゾロア「うああっ!」
梓「ゾロアが…!」
下っ端2「へへ、用があるのはこいつだよ」
紬「ゾロアを放しなさい!!」
下っ端2「おっと! なにを言おうと構わねえが、近付いたらゾロアがどうなるか…分かってるよな?」
紬「う…」
下っ端1「よし、行くぞ!」
下っ端2「おう!」
ダダッ!
ゴヨウ「く…!」
梓「追いかけましょう!」
紬「もちろんよ!」
826: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:18:04.56 ID:8shcWcIAO
………
……
…
《まよいのもり》
下っ端1「ふう、奴ら追ってくるかな?」
下っ端2「そりゃあな…。まあその前にコイツをゲーチス様に差し上げて、解放させてもらえば任務完了だ」
ゾロア「は、放すんだぞ…!」ジタバタ
下っ端2「暴れるんじゃねえよ、うぜえな!!」ドガッ!
ゾロア「…ッ!」
下っ端2「おとなしくしてろ」
下っ端1「…にしても、ここ隠れる場所がないなあ。森だというから逃げてきたのによ」
「“まよいのもり”という名称だけで判断したようですね」
下っ端たち「…!」
……
…
《まよいのもり》
下っ端1「ふう、奴ら追ってくるかな?」
下っ端2「そりゃあな…。まあその前にコイツをゲーチス様に差し上げて、解放させてもらえば任務完了だ」
ゾロア「は、放すんだぞ…!」ジタバタ
下っ端2「暴れるんじゃねえよ、うぜえな!!」ドガッ!
ゾロア「…ッ!」
下っ端2「おとなしくしてろ」
下っ端1「…にしても、ここ隠れる場所がないなあ。森だというから逃げてきたのによ」
「“まよいのもり”という名称だけで判断したようですね」
下っ端たち「…!」
827: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:20:07.24 ID:8shcWcIAO
ゴヨウ「この森は構造自体は複雑ではないのに、何故か迷いやすいと言われているのですよ」
下っ端1「もう追いついたのか!」
ゾロア「ゴヨウ!!」
ゴヨウ「今助けます!
エーフィ!!」ボム!
エーフィ「フィー!」
ゴヨウ「サイコキネ…」
パアアアン!!!
エーフィ「…!?」
ゴヨウ「なんです!?」
下っ端1「ククク…」
ゴヨウ「…!」
828: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:22:02.85 ID:8shcWcIAO
下っ端1「なにが起こったか分からないか?」
下っ端2「ククク…、分からないから驚いているんだろォ?」
下っ端1「ククク、そうだな」
紬梓「ゴヨウさん!!」タタッ
ゴヨウ「! 梓さん、紬さん、来てはいけません!!」
パアアアン!!!!
紬梓「うわあっ!?」
ゴヨウ「ああっ!」
829: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:24:12.32 ID:8shcWcIAO
紬「なに…!?」
梓「そこの草陰になにかいます!
さわちゃん、“みやぶる”!!」ボム!
さわちゃん(サワムラー)「ダーイライ!」
キイイン!!!
ガサッ!
梓「正体を現せ!!」
「チムー!」 「チミルー!」
紬「あのポケモンは…?」
ゴヨウ「…ぎょうしポケモンのゴチムと、あやつりポケモンのゴチミルですね」
830: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:26:03.49 ID:8shcWcIAO
下っ端2「へっ! バレたか。まあいいさ。
どうせなにもできない!」
ゴヨウ「…そうですかね?」
ゴヨウ「エスパータイプは私の十八番!!
元・シンオウ四天王ゴヨウ! エスパータイプのエキスパートです!」
エーフィ「フィー!」
ゴヨウ「エスパータイプに関しては私の右にでる者はいません!!
エーフィ、“シャドーボール”!!」
エーフィ「フィー!!」ビュワッ!
831: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:28:54.69 ID:8shcWcIAO
下っ端1「だーかーらー、そんな攻撃喰らわねえって」
ゴチム「チムー!」シュッ!
エーフィ「フィー!?」
ゴヨウ「速い…!?」
下っ端1「“シャドーボール”を当ててやれ!」
ゴチム「チムー!」ビュワッ!
ドオオオン!!!
エーフィ「フィー?!」
ドサッ!
ゴヨウ「…!!」
832: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:30:04.58 ID:8shcWcIAO
梓「そんな…ゴヨウさんが負けた…!?」
紬「なんて強いの…!!」
ゴヨウ「……おかしいですね。ゴチムがあんなに素早いわけが…」
下っ端2「ククク、相手がなんだろうが関係ないな!
相手が強いほど俺たちには有利になる!!」
ゴヨウ「…ッ!」
下っ端1「どうだ!? お前たちじゃあ俺たちには敵わないんだよ!!」
ゾロア「ゴヨウ…!」
ゴヨウ「どうすれば……」
833: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:32:10.00 ID:8shcWcIAO
梓「…ふふっ」
下っ端2「なんだァ!? なにが可笑しい!!!」
梓「いえ…、すみません。私、トリックが分かっちゃいました」
下っ端2「んなっ!?」
紬「本当なの? 梓ちゃん」
梓「はい。…ゴヨウさん、エスパータイプ使いなら分かるはずですよ。
…ヒントです。
『すばやさはこちらの方が上なのに、なぜ遅い相手の方が速く動けるのか』」
紬「…すばやさ?」
ゴヨウ「……そうか!
“トリックルーム”!!」
下っ端たち「げっ!!」
834: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:34:10.81 ID:8shcWcIAO
下っ端1「なぜ分かった!?」
梓「私はポケモン博士になるためにポケモンのことをたくさん勉強しました。
私の取り柄は『知識』ですっ!」
紬「すごいわ、梓ちゃん!」
梓「えへへ…」
ゴヨウ「…ふふ」
下っ端2「くぅ~!!
だがなァ! 分かったところで、対応できなきゃ意味ないんだよォ!!!」
下っ端1「ゴチム!」
下っ端2「ゴチミル!」
下っ端たち「“サイコキネシス”!!」
835: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:36:16.62 ID:8shcWcIAO
梓「ゴヨウさん!」
ゴヨウ「ええ、エスパー技ならお手の物です。
…エーフィ!」
エーフィ「フィー!!」スクッ
下っ端2「そんな素早いポケモンじゃ追いつけねえさ!」
ドオオオン!!!!!
下っ端2「へへ…」
下っ端たち「…!!?」
ゴチム・ゴチミル「」バタッ
下っ端たち「な…に……!?」
836: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:38:07.32 ID:8shcWcIAO
ゴヨウ「ふふ…対応、ですか。
“トリックルーム”が発動しているのなら、こちらも“トリックルーム”をすればいいのですよ」
下っ端1「元の空間に戻したのか!」
ゴヨウ「当然、エーフィの方が速いですよね。こちらがすばやさは上ですから」
下っ端たち「クソォッ!!」
837: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:40:07.63 ID:8shcWcIAO
下っ端1「だがなァ…、こちらにはコイツがいるんだ!」ガシッ
ゾロア「ゴヨウ…!」ジタバタ
ゴヨウ「ゾロア!!」
下っ端2「ポケモンをボールに戻せ!!
コイツがどうなってもいいのなら別だがなあ。キヒヒ」
ゴヨウ「卑怯な…。しかし……」カチャ…
ガシッ!
ゴヨウ「!!」
梓「ダメです、ゴヨウさん」
ゴヨウ「梓さん…!」
838: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:42:19.05 ID:8shcWcIAO
紬「このままプラズマ団を逃がしたらいけません。あの人たちを止めないと!」
ゴヨウ「しかし…、ゾロアが……」
紬「大丈夫です。三人で戦えば!」
ゴヨウ「手伝ってくれるのですか? 私を…」
梓「…ゾロアを助けるんでしょう?」
ゴヨウ「……。…はい!」
下っ端2「ケッ、ゾロアがどうなってもいいのかよ?」
梓「ゾロアには手を出させません!
デビちゃん!」ボム!
デビちゃん(デルビル)「ワオーン!!」
紬「ルカ!」ボム!
ルカ(オクタン)「オークタン!!」
839: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:44:50.27 ID:8shcWcIAO
紬梓「“だいもんじ”!!!」
ボワアアッ!!!!!
下っ端たち「!!」
下っ端2「うわった!」タッ!
下っ端1「凄まじい炎だな! だが、当たらなきゃ意味ないぜ!!」
梓「かわされた…!」
紬「でも、相手は私たちだけじゃないわよ?」
下っ端たち「…!」
エーフィ「フィー!!」ギロッ
ゴヨウ「“サイコキネシス”!!」
下っ端1「しまった…!!」
840: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:46:39.53 ID:8shcWcIAO
下っ端1「…なーんてな」
サッ!
ゴヨウ「…!?」
紬「ゾロアを盾に!!」
ゾロア「…!」
パアアアン!!!
エーフィ「フィ…」
ゴヨウ「…ゾロアがあくタイプだから、ダメージは負わずに済みましたか。しかし……」
梓「ゾロアを盾にされては手の出しようがありません!!」
下っ端2「おとなしくポケモンをしまうんだな」
ゴヨウ「く…」
841: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:48:10.01 ID:8shcWcIAO
ボウッ!
下っ端2「あちちっ!」
ゴヨウ「!」
下っ端2「な、なんだ?」
エーフィ「……」
下っ端2「エーフィ?」
下っ端1「いつの間に後ろに…」
ゴヨウ「…?」
エーフィ「フィ?」
梓「ゴヨウさん、エーフィならこっちに…」
ゴヨウ「…静かに」バッ
梓「!」
842: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:50:08.17 ID:8shcWcIAO
ゴヨウ「プラズマ団はあのエーフィを私のエーフィと勘違いしているようですね…」
紬「…野生のポケモンかしら?」
梓「でも、イッシュ地方にエーフィがいますかね?」
ゴヨウ「ふむ…。まさか……」
エーフィ「……」
下っ端2「ククク、お前もあいつのポケモンならご主人の意思は尊重しないとな?」
下っ端1「ゾロアがどうなっても…」
エーフィ「……」タッ!
下っ端たち「…!!」
843: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:52:05.11 ID:8shcWcIAO
エーフィ「……」スタッ
ゾロア「…?」
下っ端2「ゾロアをとられたぞ!」
下っ端1「返しやがれ!!」
エーフィ「……」ギロッ
ボワアア!!!!!
下っ端たち「うおおおっ!!?」
紬「“かえんほうしゃ”ね!」
梓「そんな! エーフィには使えない技ですよ!?」
紬「ど、どういうこと?」
844: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:54:09.74 ID:8shcWcIAO
ゴヨウ「…いえ、あのポケモンはエーフィではありません」
紬梓「!!」
ゴヨウ「あれは…ばけぎつねポケモン……、
ゾロアーク…!!」
エーフィ「……」シュウウッ…
梓「エーフィのまわりに影が!」
バッ!
ゾロアーク「ガアアッ!!」
下っ端1「姿が変わった!?」
ゴヨウ「ゾロアークの特性“イリュージョン”!
他のポケモンに姿を変えられるのです!!」
845: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:56:26.00 ID:8shcWcIAO
下っ端2「ま、まずいぞ!」
ゾロアーク「……」コアアッ…
ゴヨウ「出ますよ! ゾロアークの技、“バークアウト”!!」
ドオオオン!!!!!!
下っ端たち「ギャー!!」
キラァン☆
紬「あら、飛んでいっちゃった…」
梓「すごいポケモンですね。ゾロアーク…」
846: ぽけもん 2011/03/16(水) 20:58:17.54 ID:8shcWcIAO
紬「でもなんでゾロアを助けたのかしら?」
ゾロアーク「グルル…」
ゾロア「も、もしかして…『マァ』!?」
ゾロアーク「ガアッ!」ニコッ
ゾロア「やっぱり『マァ』だぞ!
やっと会えた!」
梓「『マァ』って…」
ゴヨウ「…恐らく、あのゾロアークはゾロアのはぐれた仲間でしょう」
紬「はぐれた?」
ゴヨウ「はい。先程言いましたが、“ホワイトフォレスト”にはたくさんの野生ポケモンがいました。
しかし、プラズマ団の襲撃によりその大部分は住み処を追われました…。ゾロアとゾロアークもそのうちのポケモンなのです」
紬梓「……」
847: ぽけもん 2011/03/16(水) 21:00:17.55 ID:8shcWcIAO
紬「でも、こうして二匹は再会できたんですね♪」
ゴヨウ「ええ…」
………
……
…
《まよいのもり出口》
梓「よかったんですか? ゾロアたちに別れを告げないで…」
ゴヨウ「……」
梓「今まで一緒にいたわけですし…」
ゴヨウ「…ふふ、いいんですよ。もともとは野生のポケモンですから、別れは当然来るのですから…。
それに、あまりに情を移してしまって、別れを告げるのも…」
848: ぽけもん 2011/03/16(水) 21:02:36.93 ID:8shcWcIAO
ザッザッ
ゴヨウ「!」
ゾロアーク「ガアアッ!」
ゾロア「ゴヨウー!」
ゴヨウ「ゾロアーク…、ゾロア…!」
ゾロア「いきなり行っちゃうなんてひどいぞ!
オイラ、急いで追いかけてきたんだぞ!」
ゴヨウ「す、すみません…。ですが……」
ゾロア「楽しかったぞ!」
ゴヨウ「…!」
ゾロア「ゴヨウといれて、とっても楽しかったぞ!!」
ゴヨウ「ゾロア…」
ゾロア「今度会ったら、また“モーモーミルク”が飲みたいぞ!」
ゴヨウ「ええ、また…!」
849: ぽけもん 2011/03/16(水) 21:04:09.75 ID:8shcWcIAO
紬「…あれがゴヨウさんの本当の顔なのね」
梓「はい…。ゴヨウさんはあくまで世界のために、『不完全』を除こうとしていた…。
でも、『不完全』であることのなにがいけないんでしょうか?
『不完全』であるからこその感情……、笑ったり、泣いたり、怒ったり、悲しんだり……。
それらがあるからこそ、この世界は楽しいのに…。人間は『不完全』、そして『完全』でいられるのに…」
紬「…そう思うと、ゴヨウさんも立派な『不完全』よねっ」
梓「……。はい! 立派な『不完全』です!」
紬「ふふ♪」
梓「えへへ」
850: ぽけもん 2011/03/16(水) 21:06:05.51 ID:8shcWcIAO
…………
………
……
…
《ブラックシティ》
ゴヨウ「もう行くのですか?」
梓「はい。私たちも先を急がないと!」
ゴヨウ「ですが…、あなたたちにした私の悪行は…」
紬「いいんです、色々分かりましたから♪」
ゴヨウ「?」
紬「ねっ、梓ちゃん」
梓「はい!」
ゴヨウ「…?」
………
……
…
《ブラックシティ》
ゴヨウ「もう行くのですか?」
梓「はい。私たちも先を急がないと!」
ゴヨウ「ですが…、あなたたちにした私の悪行は…」
紬「いいんです、色々分かりましたから♪」
ゴヨウ「?」
紬「ねっ、梓ちゃん」
梓「はい!」
ゴヨウ「…?」
851: ぽけもん 2011/03/16(水) 21:08:26.17 ID:8shcWcIAO
……
梓「それでは行きますね」
ゴヨウ「行き先は…“ブラックシティ”の北側の…」
梓「“サザナミタウン”です!」
紬「あれ? そっちに行くの?」
梓「はい、ちょっと用がありまして…」
紬「?」
ゴヨウ「そこもいいところですよ。
ふふ、では…」
梓「はい! お元気で!」
紬「さようなら~♪」
梓「それでは行きますね」
ゴヨウ「行き先は…“ブラックシティ”の北側の…」
梓「“サザナミタウン”です!」
紬「あれ? そっちに行くの?」
梓「はい、ちょっと用がありまして…」
紬「?」
ゴヨウ「そこもいいところですよ。
ふふ、では…」
梓「はい! お元気で!」
紬「さようなら~♪」
852: ぽけもん 2011/03/16(水) 21:10:27.52 ID:8shcWcIAO
パタン……
ゴヨウ「……ふう」
ゴヨウ「彼女たちと再会したら、昔のことを思い出しますね…。
ギンガ団…、アカギ…、和さん…。
…和さんは今ごろ、私の後続として頑張っているでしょうね…」
ゴヨウ「四天王…、チャンピオン…、ですか……」
ピピッ!
ゴヨウ「! 電話が…。誰でしょうか…」
ピッ!
ゴヨウ「はい、もしもし?」
ゴヨウ「…! あ、あなたは!?」
Episode.26 fin
856: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:22:24.05 ID:Ez+jU0eAO
Episode.27
《ホドモエシティ》
唯「じゃあ次は“フキヨセシティ”ってところを目指そう!」
律「よし、そうするか。
んで、どうやってそこへ行くんだ?」
唯「うーんとねえ…」
ヤーコン「“6ばんどうろ”にある“でんきいしのほらあな”を抜けたらすぐだ」
唯律「“でんきいしのほらあな”?」
ヤーコン「そうだ。あそこの野生ポケモン、特にデンチュラは手強いぞ」
律「デンチュラ…」
ヤーコン「ふむ…。
よし、ワシも行こう。
“でんきいしのほらあな”の入口にいるから、そこで落ち合うぞ」
唯「わかりました!」
律「んじゃ、また後でな!」
857: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:24:43.47 ID:Ez+jU0eAO
………
……
…
《6ばんどうろ》
唯「ここだね~、“6ばんどうろ”!」
律「“でんきいしのほらあな”はこの先だな」
唯「あれ?」
律「どうした? 唯」
唯「あの人って…」
律「なんだ?」
「ふむ、では―――はここらを徘徊していると…」
おじいさん「そうじゃな。わしもこの前―――が“7ばんどうろ”を通っていたのを知り合いから聞いたよ」
……
…
《6ばんどうろ》
唯「ここだね~、“6ばんどうろ”!」
律「“でんきいしのほらあな”はこの先だな」
唯「あれ?」
律「どうした? 唯」
唯「あの人って…」
律「なんだ?」
「ふむ、では―――はここらを徘徊していると…」
おじいさん「そうじゃな。わしもこの前―――が“7ばんどうろ”を通っていたのを知り合いから聞いたよ」
858: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:27:01.50 ID:Ez+jU0eAO
「―――は“15ばんどうろ”にいたな…。
“ほうじょうのやしろ”という所にも行ってみるかな」
おじいさん「わしの知っていることはすべて話したぞ」
「ああ。ありがとうな、爺さん」
おじいさん「またなにかあったら聞きにきなさい」スタスタ
唯律「アデクさん!」
アデク「む?
…おぬしたちは“5ばんどうろ”で会った……」
唯「平沢唯ですっ!」
律「田井中律です!」
アデク「唯と律か…。
こんなところで会うとはな…。おぬしたちは何をしてるんだ?」
859: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:29:12.46 ID:Ez+jU0eAO
律「“でんきいしのほらあな”ってところに行く途中です」
アデク「なるほど…“フキヨセシティ”に?」
唯「はい! ジムに挑戦しに!」
アデク「ハッハッハ! ついこの間会ったばかりなのに、もうフウロに挑戦とな! 逞しくて良いことだな!」
律「フウロ?」
アデク「フキヨセのジムリーダーだ。貨物機のパイロットでもある。
ワシも他地方に行くのに乗せてもらうこともしばしば…」
律「へえ!
パイロットか!」
唯「なんかカッコイイねえ~」
860: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:31:03.77 ID:Ez+jU0eAO
アデク「フウロはあれで強い! 精進することだな。
それじゃあワシは用があるから、ここでお別れだ! さらばだ!!」ザッザッ
律「はい!」
唯「さよなら~!」
律「……」
律(アデクさんはプラズマ団のことをどう思ってるんだろ…。
コクランさんともただの知り合いって訳じゃなさそうだったしな…)
唯「あっ! あれが“でんきいしのほらあな”じゃない?
ヤーコンさんもい……。…りっちゃん?」
律「…。え? あ、ああ!
よし、行くか!」
唯「? 変なりっちゃん…」
861: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:33:01.29 ID:Ez+jU0eAO
………
……
…
《でんきいしのほらあな入口》
唯「あっ、ヤーコンさんだ!」
ヤーコン「! …やっと来たか」
律「先に中に行っててもよかったのに…」
ヤーコン「ふん! そういうわけにもいかん。ワシがついていけるのはここまでだからな」
唯「? じゃあなんでここで待ち合わせをしたんですか? 一緒に行くんじゃないなら、私たちだけでも…」
ヤーコン「ふん! あれを見てみろ」
唯律「?」
……
…
《でんきいしのほらあな入口》
唯「あっ、ヤーコンさんだ!」
ヤーコン「! …やっと来たか」
律「先に中に行っててもよかったのに…」
ヤーコン「ふん! そういうわけにもいかん。ワシがついていけるのはここまでだからな」
唯「? じゃあなんでここで待ち合わせをしたんですか? 一緒に行くんじゃないなら、私たちだけでも…」
ヤーコン「ふん! あれを見てみろ」
唯律「?」
862: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:35:04.45 ID:Ez+jU0eAO
ビリビリ…
律「なんだあれ…」
唯「“クモのす”?」
ヤーコン「あれはデンチュラというポケモンの技、“エレキネット”だ。
あれでは通れん…。だからワシはあれを駆除しに来てやったのさ」
律「それで…」
ヤーコン「ワシもプラズマ団のやり方は気にくわん。
お前たちがプラズマ団を阻止するために旅をしているのなら、それを手助けするさ。まあお前たちにプラズマ団を阻止できるかは知らんがな」
律(いちいち突っ掛かってくるなあ、このオッサン…)
863: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:37:04.04 ID:Ez+jU0eAO
唯「でも、ありがたいです!」
ヤーコン「…ふん。そう思ってもらわないと、こちらとしても不満だな。
…メグロコ!」ボム!
メグロコ「グロッコ!」
ヤーコン「このネットを壊せ! “すなじごく”!!」
メグロコ「グロッコー!!」
ビュアアアッ!!!!
唯「すごい威力!」
シュウウ……
律「あんな大きな巣がもう消えちまった…」
ヤーコン「呆気ないものだな。よくやった、メグロコ」シュウウッ
ヤーコン「それじゃあワシはもうここに用はない。帰らせてもらうぞ」
律「ずいぶんとせっかちだな」
864: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:39:31.17 ID:Ez+jU0eAO
唯「あ、ヤーコンさん! ありがとうござい…」
ヤーコン「…そうだ」ピタッ
唯律「!」
ヤーコン「ワシはプラズマ団とあまり直接は関わってはいないが、奴らがとても大きい組織ということは分かる。
お前たちと対峙していた娘も相当な実力者だろう…」
唯律「……」
ヤーコン「…心してかかれよ」
唯律「…!」
律「あ…」
唯律「ありがとうございました!!」
ヤーコン「……ふん」スタスタ
865: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:41:17.48 ID:Ez+jU0eAO
………
……
…
《でんきいしのほらあな》
ビリッ!
唯「いだっ!」
律「なんだこの電流…。洞穴の所々に流れてる…」
「そりゃあ“『でんき』いしのほらあな”ってだけの名前だからね」
唯律「…!」
律「お前は…! プラズマ団の王の…!」
唯「Nくん!!」
N「…」
律「なんでお前が…!
シルバーはどこだ! ここにいるのか!?」
……
…
《でんきいしのほらあな》
ビリッ!
唯「いだっ!」
律「なんだこの電流…。洞穴の所々に流れてる…」
「そりゃあ“『でんき』いしのほらあな”ってだけの名前だからね」
唯律「…!」
律「お前は…! プラズマ団の王の…!」
唯「Nくん!!」
N「…」
律「なんでお前が…!
シルバーはどこだ! ここにいるのか!?」
866: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:43:08.32 ID:Ez+jU0eAO
N「“でんきいしのほらあな”……ここ、いいよね。電気を表すのは数式。そしてポケモンとのつながり。
……人がいなければ、僕の“理想”の場所だ」
律「……」
N「さて…、君たちは選ばれた…」
唯「選ばれた…?」
N「ゲーチスも、実は“ウバメのもり”で君たちに会った時から、君たちに興味を持ったらしくてね」
唯律「……」
N「ゲーチスは君たちがどれほどのポケモントレーナーか試すそうだよ。
この先にプラズマ団が待ち構えている…。
二人で協力してプラズマ団を倒すんだ」
律「…シルバーはどこにいるんだ」
N「シルバーはここにはいないよ。彼は休んでいるのさ」
律「! シルバーになにかあったのか!?」
867: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:45:02.97 ID:Ez+jU0eAO
N「さあ…、なにもないといいけどね。それじゃあ僕はいくよ。
頑張ってね」スタスタ
律「……」
唯「りっちゃん…」
律「シルバーは…大丈夫だよな……。
今はここを進むことに集中するか!」
唯「うん、りっちゃん! 先に進めばシルベルくんのことも分かるかもしれないし!」
律「シルバーな!
…へっ、プラズマ団なんて私たちの敵じゃないぜ!!」
唯「ないぜー!!」
868: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:47:38.97 ID:Ez+jU0eAO
…………
………
……
…
《ライモンシティ・・・スタジアム》
ゲーチス「みなさん、お揃いのようですね。
七賢人、ダークトリニティ《改》、ダークトリニティ、下っ端たち…」
ゲーチス「今から、これからのそれぞれの持ち場等をご説明していきます」
ゲーチス「まず七賢人には、三つの持ち場を担当してもらいます。
西のイッシュ、東のイッシュ、我らの城。
前の二つについては七賢人以外についても担当をお願いします。
下っ端は三つに分かれてそれぞれ七賢人たちをサポートする形で…」
………
……
…
《ライモンシティ・・・スタジアム》
ゲーチス「みなさん、お揃いのようですね。
七賢人、ダークトリニティ《改》、ダークトリニティ、下っ端たち…」
ゲーチス「今から、これからのそれぞれの持ち場等をご説明していきます」
ゲーチス「まず七賢人には、三つの持ち場を担当してもらいます。
西のイッシュ、東のイッシュ、我らの城。
前の二つについては七賢人以外についても担当をお願いします。
下っ端は三つに分かれてそれぞれ七賢人たちをサポートする形で…」
869: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:49:14.45 ID:Ez+jU0eAO
ゲーチス「さて、割り振りですが…。
西のイッシュにはギーマさん、シキミさん、ダークトリニティ《改》が担当。
次に、東のイッシュにはレンブさん、カトレアさん、ダークトリニティ。
最後に、我らの城にはマツブサさんとアカギさんでお願いします」
皆「はっ」
ゲーチス「…おや。
カトレアさんがお見えにならないようですが」
レンブ「……。カトレアならすでに東のイッシュにいるようだ。先程連絡があった」
ゲーチス「…そうですか、ふふ」
レンブ「……」
ゲーチス「それでは…若干欠けてはいますが、プラズマ団のみなさん。
我らは何年も前から、誰にも悟られぬよう身を隠して、計画を重ねに重ねてきました。
しかし、もうそんな地道にやることはありません…」
870: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:51:57.41 ID:Ez+jU0eAO
ゲーチス「時は満ちました!!
思う存分動き回ってください! ポケモンたちのために!! この世界の未来のために!!
伝説のドラゴンポケモン、ゼクロムとレシラムを復活させるのです!!
そして我らの王、NとSを英雄にするのです!!」
ゲーチス「英雄は…我らの手に!!!」
ワアアッ!!!!!
チス… ゲーチス…
…ゲーチス! ゲーチス!
871: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:53:02.04 ID:Ez+jU0eAO
ゲーチス! ゲーチス!
ゲーチス! ゲーチス!
ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス!
ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス!
ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス! ゲーチス!……
872: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:55:05.48 ID:Ez+jU0eAO
…………
………
……
…
《でんきいしのほらあな》
スタッ!
「ご苦労様、ブルンゲル。戻ってて」
シュウウッ
「シキミ、ここでいいのかい?」
シキミ「ええ、ギーマさん。
ゲーチス様が言われるには、もうすぐトレーナーが二人…」
タタタッ…
シキミ「…来たみたいですね」
ギーマ「クク、早速仕掛けてみるか!
…ズルズキン!」ボム!
ズルズキン「ズルー!」ダッ!
………
……
…
《でんきいしのほらあな》
スタッ!
「ご苦労様、ブルンゲル。戻ってて」
シュウウッ
「シキミ、ここでいいのかい?」
シキミ「ええ、ギーマさん。
ゲーチス様が言われるには、もうすぐトレーナーが二人…」
タタタッ…
シキミ「…来たみたいですね」
ギーマ「クク、早速仕掛けてみるか!
…ズルズキン!」ボム!
ズルズキン「ズルー!」ダッ!
873: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:58:18.93 ID:Ez+jU0eAO
タタタッ…
唯「チー太、“くすぐる”!」
チー太「チー!」フキフキ
ピカアアッ!!
律「おおっ、バッジを磨いて“フラッシュ”か! 考えたな!」
唯「えへへ~、シッポウジムでも使った戦法だよ~」
律「すげえな!」
唯「りっちゃんもおでこが光って“フラッシュ”してるよ!」
律「ほっとけえ!」
874: ぽけもん 2011/03/17(木) 20:59:31.67 ID:Ez+jU0eAO
唯「でも…、これだけビリビリなら十分明るいから、必要ないかもね」
律「まあそれでも薄暗いしなあ…。
プラズマ団の奴ら、結構倒してきたけど…、まだ出口は見えないなー」
唯「もうすぐかなあ…」
シュタッ!
唯「?」
律「…なんの音だ?」
ババババッ!!
チー太「チー!?」
律「な、なんだ!?」
875: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:01:13.64 ID:Ez+jU0eAO
唯「野生のポケモンだよ!」ピッ
ポケモン図鑑『ズルズキン、あくとうポケモン
なわばりに はいってきた あいてを しゅうだんで たたきのめす。 くちから さんせいの たいえきを とばす。』
唯「ズルズキン…!」
律「さっきのは“ヘドロばくだん”か!」
ズルズキン「ズルー!」ダッ!
律「攻撃を仕掛けてくるぞ! 気をつけろ、唯!!」
唯「ええと…チー太、“スイープビンタ”!」
チー太「チー!」
876: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:03:29.44 ID:Ez+jU0eAO
ズルズキン「…」シュッ!
ドガアッ!!!
チー太「チー…!」メキ…
唯「ああっ!」
律「“かわらわり”か!」
ズルズキン「…」ググッ
チー太「チー…」
唯「“アイアンテール”で対抗して!」
チー太「チー!!」
カキイイッ!
ズルズキン「!」
877: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:05:03.91 ID:Ez+jU0eAO
タッ!
チー太「チー!?」スカッ!
唯「かわされた!」
唯「…なら、もう一度…」
律「待て、唯!」
唯「!?」
律「あのズルズキン、なんかおかしいぞ!
常に道の真ん中に立って、私たちを通さんとしてる!!」
唯「それって…」
律「ああ…。それに図鑑通りなら、集団で襲いにかかってくるはずだ!!
ってことは、コイツは野生じゃない!!
明らかにトレーナーの指示で動いている!!」
878: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:10:46.18 ID:Ez+jU0eAO
「ご名答です!」
唯律「!!」
「そうとも。そのズルズキンは俺のポケモンだ」
律「あんたたちは…!」
「“ヒウンシティ”で会ったね。
まあちゃんと自己紹介をしておこうかな」
シキミ「私は、プラズマ団七賢人のシキミです」
ギーマ「同じく、ギーマだ」
唯「プラズマ団!!」
律「しかも七賢人か…!」
ギーマ「クク、いやはや中々の洞察力だったね。
さすがはゲーチス様の認めたトレーナーたちだよ」
879: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:12:04.98 ID:Ez+jU0eAO
律「……あんたらを倒せば、試練ってヤツは終わりか?」
ギーマ「うーん。まっ、そうなるな」
律「よし。やってやるよ!
あんたらを倒す!!」
ギーマ「…クク、面白い子だね。いいだろう。俺もやる気が出てきたよ。
どちらが勝つか…。
賭けるまでもないけどな!!」
ズルズキン「ズルー!!」ダッ!
880: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:14:06.99 ID:Ez+jU0eAO
律「ボルト!」ボム!
ボルト「ゼブウウ!!」
唯「!」
律「ここは私が戦う! 七賢人のあいつからならシルバーのことや澪のこと、詳しく聞き出せるかもしれない!」
唯「うん!」
ギーマ「ズルズキン、“とびひざげり”!!」
ズルズキン「ズルー!!」シュッ!
ボルト「!?」
ドガアッ!!!!
律「うあっ!?」
881: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:16:04.90 ID:Ez+jU0eAO
ボルト「ゼブウウ…」
律「なんとか避けれたみたいだな…。それにしてもなんてパワーだ!」
ギーマ「クク、ズルズキンのキック力は、素足でコンクリートブロックを破壊するほどさ」
唯「電気の岩も粉々…」
律「へっ、でも当たらなきゃ意味ないよな。
“とびひざげり”は外れたら逆に自分が大ダメージを負っちまうハイリスクな技だぜ?」
ギーマ「確かにな。だが、ダメージを負ってまで岩を破壊した意味はあるさ」
ゴゴゴゴ……
律「…!?
この音は……」
882: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:18:47.70 ID:Ez+jU0eAO
ギーマ「ここは洞穴だよ? 大きな衝撃は全体に広がる……。
クク、“いわなだれ”だ!!」
ドゴオオオッ!!!!
ボルト「!!」
ダアアン!!!!!!
律「ボルトォ!!!」
ボルト「」ガクッ
ギーマ「戦闘不能。あっという間だったな」
律「くそ…」
ギーマ「そして、まだあるよ。ズルズキンの特性“じしんかじょう”!
相手を戦闘不能にしたら、よりパワーが上がるのさ!」
ズルズキン「ズルー!!」ムキムキ!
律「! そんな特性が!」
883: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:20:06.02 ID:Ez+jU0eAO
ギーマ「クク、一体倒されれば、次々倒されて打つ手がなくなる…。“じしんかじょう”の恐いところさ」
律「……ッ」ギリッ
ギーマ「…次のポケモンは出さないのかい? と言いたいところだけど、すでに出してるね」
律「…!」
ボコッ!
モール「グリュ…?」
ギーマ「モグリュー。相手の真下に“あなをほる”で忍び込ませるのが得意のようだけど…君の手持ちは把握済みさ!!
ズルズキン! 地面ごと叩き割ってやりな!! “いわくだき”!!!」
ズルズキン「ズルー!!」バッ!
ドガアアアアン!!!!!!
モール「」バタッ
律「モール…!!」
884: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:22:04.35 ID:Ez+jU0eAO
ギーマ「クク、またまた戦闘不能。
ズルズキンのパワーも格段に上がるね」
ズルズキン「ズルー!」ムキムキ!!
律「く……」
ギーマ「もう手持ちもいないだろう? 降参するしかないよな」
律「……さすがは四天王っていうだけあるな…。恐ろしいほど強いよ…」
ギーマ「……」
唯「…でも!」
ギーマ「!」
唯「私たちは二人組!
この戦いの前から、たくさんのプラズマ団を二人で協力して退けてきたんだよ!」
885: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:24:33.44 ID:Ez+jU0eAO
ギーマ(洞穴が薄暗く…?)
律「へへ、バッジの輝きが弱くなってきたなあ…。ちゃんとこすらないと、な?」
シュッ!
チー太「チー!!」
ギーマ「! いつの間に!?
暗いから気づかなかったか!」
唯「“くすぐる”!!」
チー太「チー!」フワッ!
コチョコチョ!
ズルズキン「ズルー!?」
コチョコチョ!
ズルズキン「ズッ…ズルー…!」ヒーヒー!!
886: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:26:05.53 ID:Ez+jU0eAO
ギーマ「チッ…! 上がったパワーも台無しになる!」
~♪
ギーマ「な、なんだ…?」
バタンッ!
ズルズキン「Zzz…」
ギーマ「“うたう”か!!」
唯「眠ってるところ悪いけど! “めざましビンタ”!!」
チー太「チー!」ブンッ!
バシイイン!!!!
ズルズキン「!!?」
ドサアッ!!
ズルズキン「」ガクッ
ギーマ「…! “めざましビンタ”は眠っている相手に大ダメージを与える技!!
…戦闘不能だ!!」
唯「やった!」
律「ナイスだ、唯!」
887: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:28:11.29 ID:Ez+jU0eAO
ギーマ「…俺の負けかな」
シキミ「まったく情けないですね。
勝負事では自信があるのではなかったんですか?」
ギーマ「意地悪だね。シキミが加われば負けることもなかったのに」
シキミ「それでは“試練”にはなりませんからね」
ギーマ「クク、そうだね」
律「ボルト、モール、よくやってくれた。休んでてくれ」シュウウッ
唯「チー太、ありがとうね!」シュウウッ
888: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:30:02.56 ID:Ez+jU0eAO
唯「…って、チー太は戻しちゃダメだった!」
シキミ「それなら心配ないですよ。もうすぐで出口ですから」
唯「!」
律「…試練っていうのはこれで終わりか」
ギーマ「さっき言ったとおりさ。俺に勝ったから終了だ」
唯「じゃあ、勝ったついでに教えて!」
ギーマ「…何をだい?」
唯「あなたたちの仲間、秋山澪ちゃんのこと!」
律「お前たちの王、シルバーのことだ!」
ギーマ「…王と、澪嬢のことか」
889: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:32:09.85 ID:Ez+jU0eAO
シキミ「いいでしょう。勝者には従いましょう」
ギーマ「…だな」
唯律「…!」
シキミ「澪さんについては、私たちもあまり関わりがないので分からないんですが…」
唯「そっかあ…」
ギーマ「だけど、我らが王のことならいくらでも」
律「! 知ってること全部教えてくれ!」
ギーマ「…そうだね。
じゃあまず我らプラズマ団の目的から話した方がいいな」
890: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:34:04.27 ID:Ez+jU0eAO
唯「プラズマ団の目的…?」
律「ポケモン解放だろ?」
シキミ「それもありますけど、そのための真の目的があるんです」
ギーマ「我らの王、Nとシルバーを…英雄にすることさ」
唯律「英雄…?」
唯「ゲーチスさんが言ってたかも…。
『英雄とポケモンをこのイッシュに蘇らせ…』とか…」
ギーマ「そう! イッシュ建国の伝説!
まあ、伝説は俺もよく分からないが」
891: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:36:10.51 ID:Ez+jU0eAO
シキミ「私は存じていますよ。
『昔々、二匹のドラゴンポケモンと二匹に選ばれた二人の人間がいた…。その二人は兄弟だった。
兄弟で力を合わせ、ドラゴンポケモンと共にイッシュを作り上げ、二人は英雄となった…』というお話ですね」
シキミ「つまり、王を英雄にするということは、ドラゴンポケモンを蘇らせることに繋がります。二匹のドラゴンポケモン、二人の英雄…。
そう…、イッシュの伝説の再現をしようとしているんですよ」
唯「伝説の…」
律「再現…!!」
892: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:38:10.25 ID:Ez+jU0eAO
ギーマ「だが、英雄になるにはドラゴンポケモンに認められなければならない…。英雄になる儀式…、自分の認める実力者と戦い、勝つ!
そこで、選ばれた実力者が君たちなのさ」
律「私たちが…!?」
唯「…そのための試練だったの?」
シキミ「そうですよ。N様やシルバー様はともかくとして、ゲーチス様はあなたたちが本当に実力者であるか試したのです」
ギーマ「杞憂だったみたいだがな。
しっかりと試練を抜けた。…合格だな」
893: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:40:16.27 ID:Ez+jU0eAO
律「……。プラズマ団の目的は分かったけどさ。
肝心の…今、シルバーはどこにいるんだ?」
シキミ「準備をしています」
律「準備?」
シキミ「ドラゴンポケモンを蘇らせるために必要なものを取りに行く準備です」
唯「必要なものって…?」
ギーマ「クク、俺たちに話せるのはここまで」
シキミ「あとは自分で“真実”を確かめてくださいね」
唯「あ…」
894: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:42:14.66 ID:Ez+jU0eAO
ギーマ「ごきげんよう」
シュンッ!!
唯「行っちゃった…」
律「……。…唯」
唯「?」
律「やーっぱり、難しい話は分かんねえな!」
唯「えへへ…、そうだね」
律「でもNとシルバーが何をしたいのか、分かったな!」
唯「うん! 『チャンピオンをこえる』って言ったのは、自分たちの強さを証明するため!」
律「私たちを誘ったのは、私たちとポケモンリーグで戦うためか! 英雄になるために!」
唯「じゃあ私たちにできることは…」
律「ああ、唯!
今はジムバッジを集めることだ!」
唯「ここを抜けたら“フキヨセシティ”だよ!」
律「ジム戦がんばるぞー!!」
唯「おーっ!!」
895: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:44:15.65 ID:Ez+jU0eAO
………
……
…
《フキヨセシティ》
ギギギ…
「…う~ん。最近、調子悪いなあ…」
「おーい、まだかー!」
「ちょっと待ってくださいよおっ! メンテナンスも大変なんですからぁっ!!」
「ぬう…」
「も~…、アララギ博士は私の飛行機を旅行機と勘違いしてるんじゃないかしら?
私は貨物機のパイロッ…ト…って…」
ガキンッ!
……
…
《フキヨセシティ》
ギギギ…
「…う~ん。最近、調子悪いなあ…」
「おーい、まだかー!」
「ちょっと待ってくださいよおっ! メンテナンスも大変なんですからぁっ!!」
「ぬう…」
「も~…、アララギ博士は私の飛行機を旅行機と勘違いしてるんじゃないかしら?
私は貨物機のパイロッ…ト…って…」
ガキンッ!
896: ぽけもん 2011/03/17(木) 21:45:17.06 ID:Ez+jU0eAO
「ああっ! 外れちゃ…」
ドガン!!!!
「きゃあっ!?」
アララギ「…! なんの音だ!?」
ダッ!
アララギ「大丈夫か、フウロー!?」ダダッ
Episode.27 fin
903: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:11:13.78 ID:O7rUdJrAO
Episode.28
《フキヨセシティ》
律「到着…って、なんかやけに騒がしくないか?」
唯「なんだろう…」
「「大変だー! フキヨセジムジムリーダーのフウロさんがー!!」」
唯「ジムリーダー!?」
律「なんか事件か!? よし、行ってみるぞ!」
唯「うん、りっちゃん!」
904: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:13:07.45 ID:O7rUdJrAO
………
……
…
《滑走路》
「ダースダス!!」
「キャー!!」
「うおお!?」
タタタッ
唯「な、なにあれ?」
律「あのポケモンは…」ピッ
ポケモン図鑑『ダストダス、ゴミすてばポケモン
ヤブクロンの進化形。ゴミを すいこんで からだの いちぶに してしまう。 みぎうでの ゆびさきから どくえきを ふんしゃ。』
律「すごいポケモンだな…」
……
…
《滑走路》
「ダースダス!!」
「キャー!!」
「うおお!?」
タタタッ
唯「な、なにあれ?」
律「あのポケモンは…」ピッ
ポケモン図鑑『ダストダス、ゴミすてばポケモン
ヤブクロンの進化形。ゴミを すいこんで からだの いちぶに してしまう。 みぎうでの ゆびさきから どくえきを ふんしゃ。』
律「すごいポケモンだな…」
905: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:15:03.79 ID:O7rUdJrAO
「む! それはポケモン図鑑!?」
律「え?」
「ふむう、君たちが娘の言っていたトレーナーか」
唯「娘って…あなたは?」
アララギパパ「私はアララギ! 君たちが会ったアララギ博士は私の娘だ!」
律「ってことは…アララギ博士のお父さん!?」
アララギパパ「そうだ!
で、あっちの女性がフキヨセのジムリーダーのフウロだ!」
906: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:17:03.24 ID:O7rUdJrAO
唯「あの人がジムリーダー…!」
律「…めっちゃ襲われてるんですけど……」
ダストダス「ダースダスー!!」
フウロ「キャー!」
アララギパパ「しまった! いかんいかん!!」
律「なにがあったんですか!?」
アララギパパ「あのダストダス、この滑走路に迷い込んでしまったようでな…。我を見失っているようなんだ!」
907: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:19:06.41 ID:O7rUdJrAO
律「とりあえず、フウロさんを助けましょう!」
アララギパパ「そうだな…。君たち、戦えるか?」
唯律「もちろん!」
アララギパパ「よし。なら、私をサポートしてくれ!
ツタージャ!!」ボム!
ツタージャ「タージャ!」
唯「かわい…ふごっ!」
律「いいから、黙っとけ!」
アララギパパ「ツタージャ、“つるのムチ”だ!」
ツタージャ「タージャ!」シュバッ!
ダストダス「…!」
908: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:21:09.54 ID:O7rUdJrAO
バシバシッ!
ダストダス「……」シーン
ツタージャ「タージャ!?」
律「ダメだ! くさタイプのツタージャじゃ、どくタイプのダストダスに相性が悪いんだ!!」
アララギパパ「戻れ、ツタージャ!」シュウウッ
アララギパパ「ふむう…。ここは、ほのおか…みずか……」
唯「ああっ、考えてるうちにダストダスが!」
ダストダス「ダースダス!!」ガシッ!
フウロ「ひぃっ!?」
909: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:23:07.02 ID:O7rUdJrAO
アララギパパ「ダストダスはゴミを吸い込んで体の一部にするというが…」
ダストダス「ダースダス!」ピタッ!
フウロ「…!?」
律「くっついちまったぞ!」
ダストダス「ダースダス!」
フウロ「いや~! 私ゴミじゃないよお~!!」
唯「なんかすごい光景だね…」
律「言ってる場合か! あれじゃあ攻撃しようにも、フウロさんにも当たる危険があるぞ!!」
唯「私たちのポケモンの攻撃じゃあフウロさんを傷つけちゃう…」
910: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:25:05.12 ID:O7rUdJrAO
ダストダス「ダースダス!」
フウロ「うう…どうにかしてぇ…」
アララギパパ「いや…あるぞ! フウロを引きはがし、ダストダスに攻撃を当てる方法が!」
律「! なんですか!?」
アララギパパ「人間にはほとんど害がないタイプ! それは…みずタイプだ!!
ミジュマル!!」ボム!
ミジュマル「ミジュマー!」
アララギパパ「ミジュマル、“みずでっぽう”だ!」
ミジュマル「ミジュマー!!」ブシュウウ!!!!!
ダストダス「ダスー!?」
911: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:27:06.52 ID:O7rUdJrAO
バシャアアッ!
律「これなら上手くフウロさんを引きはがせる!」
フウロ「って、結構冷たい…!」
アララギパパ「我慢しろ! 今だ、“シェルブレード”!!」
ミジュマル「ミジュー!!」シャキッ!
ガキイイッ!!!!
ダストダス「ダスー!?」
ドサッ!
フウロ「うわあっ!」
フウロ「…っとと!
は、はがれたあっ!」
アララギパパ「さあ、あとはお仕置きの時間だ! ミジュマ…」
唯「待ってください!!」
アララギパパ「!!」
912: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:29:07.39 ID:O7rUdJrAO
ダストダス「ダス…?」
唯「私思うんだけど…その子、恐かったんじゃないかなあ…。
自分の知らない場所に来て…」
アララギパパ「……」
律「確かに、それで我を見失ったのかも…」
フウロ「…私もそう思う。
引っ付いていた時、ダストダスが怯えているように感じたから…」
ダストダス「ダス…」
唯「恐かったんだねえ、よしよし」
ダストダス「ダスー!」パアアッ
アララギパパ(…なるほどな。娘の言うとおり、面白い子たちだ)
913: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:31:31.15 ID:O7rUdJrAO
………
……
…
唯「じゃあね、ダストダスー!」
ダストダス「ダスー!」
律「ふう…。これで一安心だな」
フウロ「私の服びしょ濡れだけどね…」ハア…
アララギパパ「ハハッ。まあいいじゃないか。ダストダスも街も無事だしな」
フウロ「アララギ博士は容赦なさすぎなんですよお! 助けてくれたのは感謝しますけどぉ…」
アララギパパ「まあそうカッカするな」
……
…
唯「じゃあね、ダストダスー!」
ダストダス「ダスー!」
律「ふう…。これで一安心だな」
フウロ「私の服びしょ濡れだけどね…」ハア…
アララギパパ「ハハッ。まあいいじゃないか。ダストダスも街も無事だしな」
フウロ「アララギ博士は容赦なさすぎなんですよお! 助けてくれたのは感謝しますけどぉ…」
アララギパパ「まあそうカッカするな」
914: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:33:02.41 ID:O7rUdJrAO
フウロ「…着替えてこよう」
唯「あっ、私手伝います!」
フウロ「そう? じゃあお願いね」
スタスタ
律「……」
アララギパパ「…ふむう」
律「? どうしたんですか、アララギ博士」
アララギパパ「いや…気になることがあってな」
律「…?」
915: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:35:03.36 ID:O7rUdJrAO
アララギパパ「本来ダストダスは、滑走路のようなゴミのない所には迷い込んだりしないはずなんだが…」
律「…っていうと?」
アララギパパ「…誰かが、ダストダスをここへ来させるように仕向けた…とかな」
律「……」
アララギパパ「なーんてな。考えすぎか」
916: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:37:22.29 ID:O7rUdJrAO
…………
………
……
…
《フキヨセジム》
唯「すご~い! 砲台がいっぱい!」
フウロ「ふふ、私の趣味よ。挑戦者にはこの砲台に入って、私の所まで飛んできてもらうんだ」
唯「楽しそうだねえ」
フウロ「まあ人間大砲なんて離れ業、できるのは限られた人だけなんだけどねー。
だからこの大砲は別の使い方で役立ててるわ」
唯「どんな?」
フウロ「ええっとね…」タタッ
フウロ「えいっ!」ポチッ
ドドン!!
………
……
…
《フキヨセジム》
唯「すご~い! 砲台がいっぱい!」
フウロ「ふふ、私の趣味よ。挑戦者にはこの砲台に入って、私の所まで飛んできてもらうんだ」
唯「楽しそうだねえ」
フウロ「まあ人間大砲なんて離れ業、できるのは限られた人だけなんだけどねー。
だからこの大砲は別の使い方で役立ててるわ」
唯「どんな?」
フウロ「ええっとね…」タタッ
フウロ「えいっ!」ポチッ
ドドン!!
917: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:39:04.66 ID:O7rUdJrAO
パサッ…
唯「おおっ! 服が飛んできた!」
フウロ「大砲の中には私の所有物を入れてるの。
ボタン一つでパパッと飛んでくるんだ~。面白いでしょ?」
唯「こうなるとあれこれボタンを押したくなるね…」ウズウズ
フウロ「ちょっと待っ…」
ドドン!!!!
パサッ…
唯「また服だ!」
唯「…あれ? 同じ服だね」
フウロ「それは飛行服よ。今着てるのもそうだけど」
唯「へえ~」
918: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:41:04.04 ID:O7rUdJrAO
ボム!
「アヒッ」
唯「…ボールも飛んできたの?」
フウロ「あれれ、ボールも入れちゃってたか」
「アヒャ!」
ピッ
ポケモン図鑑『コアルヒー、みずどりポケモン
せんすいが とくいな とりポケモン。 こうぶつの みずゴケを たべるため すいちゅうを およぎまわる。』
唯「かわいい~!」
フウロ「ふふ、でしょう?
私のお気に入りのポケモンなんだよ」
919: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:43:01.85 ID:O7rUdJrAO
コアルヒー「アヒッ!」
唯「ひこうタイプだね」
フウロ「そう。私の得意のタイプはひこうタイプ!」
唯「ひこうタイプ…。
そういえば、飛行機が外にあったね」
フウロ「私はジムリーダーであり、パイロットでもあるんだー」
唯「パイロット…!
だから飛行服なのか!」
フウロ「そうそう。まあ私が飛ばすのは人じゃなくて、物なんだけどね」
唯「すごいねえ…」
フウロ「ふふ、どう?
私と戦う気になった?」
唯「ふぇ?」
920: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:45:07.53 ID:O7rUdJrAO
フウロ「知ってるよ。カミツレちゃんから聞いたから。
あなたたちはジムバッジを集めてるんでしょ?」
唯「…うん!
じゃあ戦おう!」
フウロ「オッケー。
勝負は2対2のバトルね! コアルヒー!」
コアルヒー「アヒッ!」
唯「よおーっし! ムー太…」
ドオオン…!
唯「ふえっ!?」ビクッ
コアルヒー「アヒッ!?」
921: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:47:05.90 ID:O7rUdJrAO
ゴオオオ……
フウロ「! この音…! まさか!!」
ダダッ!
ガチャッ
フウロ「…! やっぱり!」
唯「ど、どうしたの!?」
フウロ「…ジム戦は中止よ」
唯「え…?」
フウロ「私の飛行機…貨物機が盗まれたの!!」
唯「…!!」
922: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:49:04.19 ID:O7rUdJrAO
………
……
…
《滑走路》
アララギパパ「な、なぜだ! なぜ貨物機が飛んでいるんだ!?」
律「…なんかおかしいんですか?」
アララギパパ「ああ…。貨物機は一日一回しか飛ばない!
それに…その操縦士はフウロなんだ!!」
律「フウロさんが!?」
アララギパパ「フウロはジムリーダーとパイロットを兼ねている!
今日はまだ一度も貨物機は飛び立っていないが…、しかしそれでもおかしい!!
フウロは今、ジムにいるはずだ!!」
律「じゃあ…」
アララギパパ「貨物機が盗まれた…と考えるのが普通だろうな」
律「…!」
……
…
《滑走路》
アララギパパ「な、なぜだ! なぜ貨物機が飛んでいるんだ!?」
律「…なんかおかしいんですか?」
アララギパパ「ああ…。貨物機は一日一回しか飛ばない!
それに…その操縦士はフウロなんだ!!」
律「フウロさんが!?」
アララギパパ「フウロはジムリーダーとパイロットを兼ねている!
今日はまだ一度も貨物機は飛び立っていないが…、しかしそれでもおかしい!!
フウロは今、ジムにいるはずだ!!」
律「じゃあ…」
アララギパパ「貨物機が盗まれた…と考えるのが普通だろうな」
律「…!」
923: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:51:05.93 ID:O7rUdJrAO
タタタッ
唯「りっちゃあん! アララギ博士ー!」
律「唯!」
アララギパパ「フウロ!
やはりあの貨物機は…」
フウロ「見ましたか!?」
アララギパパ「ああ…、盗まれたのだな?」
フウロ「はい…。私としたことが…貨物機を盗まれるなんて…!」
律「つーか、こんなことする奴って…」
唯「やっぱりプラズマ団?」
フウロ「プラズマ団…!」
924: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:53:04.09 ID:O7rUdJrAO
律「じゃあ、ダストダスを滑走路に迷い込ませたのもプラズマ団か!」
唯「許せない!」
アララギパパ「プラズマ団か…。私もフウロとともにカミツレに聞いたよ。
…とりあえず今はここでゴチャゴチャ言っていても仕方がない!
貨物機を追いかけるぞ!!」
唯律「はい!!」
フウロ「ううん。全員が行ったらダメよ」
アララギパパ「なぜだ? 追いかけるのにはそれなりの人員が…」
925: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:55:04.44 ID:O7rUdJrAO
フウロ「…相手はそれなりの組織です。もしかしたらまだ街に仲間がいるかもしれない」
アララギパパ「なるほどな…。その可能性はあるな…」
アララギパパ「よし!
フウロと唯は貨物機を追ってくれ! 律は私と残って、街を守ろう!」
皆「はい!!」
フウロ「行きましょう!」
唯「うん!」
タタタッ
926: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:57:08.50 ID:O7rUdJrAO
律「アララギ博士…」
アララギパパ「油断するなよ。
畑の方を見ろ」
ズブブッ…
「ノークタス!!」バッ
律「あれは…!」
アララギパパ「カカシぐさポケモン、ノクタス。
やはりまだプラズマ団のポケモンがいたか!」
ノクタス「ノークタス!」ギロッ
927: ぽけもん 2011/03/19(土) 18:59:03.82 ID:O7rUdJrAO
…………
………
……
…
《7ばんどうろ》
ゴオオオ…!
「ひゃはは☆ チョロイもんだなー。貨物機ゲットだぜ!」イェイ!
「これでポケモン解放も楽々できるなーオイ」
「ジムリーダーもノクタスを置いてきて足止め…。あとはフキヨセのトレーナーから奪ったポケモンをばらまくだけだな」
「なあ? ロゼリア、サーナイト」
ロゼリア「ローゼ」
サーナイト「ナーイ」
ミツル「澪さんもサキも頑張ってるようだし、このミツル様も頑張らないとな!」
ブロロロ……
Episode.28 fin
………
……
…
《7ばんどうろ》
ゴオオオ…!
「ひゃはは☆ チョロイもんだなー。貨物機ゲットだぜ!」イェイ!
「これでポケモン解放も楽々できるなーオイ」
「ジムリーダーもノクタスを置いてきて足止め…。あとはフキヨセのトレーナーから奪ったポケモンをばらまくだけだな」
「なあ? ロゼリア、サーナイト」
ロゼリア「ローゼ」
サーナイト「ナーイ」
ミツル「澪さんもサキも頑張ってるようだし、このミツル様も頑張らないとな!」
ブロロロ……
Episode.28 fin
932: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:27:30.80 ID:oW0ABdSAO
Episode.29
《7ばんどうろ》
ブロロロ…
フウロ「あれね!」
ポロッ……
唯「!? なにか落ちてくる!」
ミネズミ「ネー!」
チュリネ「チュー!?」
モンメン「モメー!!」
ボトボトッ!
933: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:29:09.30 ID:oW0ABdSAO
フウロ「ポケモン…!?
どうしてこんな…」
唯「! ポケモン解放だっ!」
フウロ「!」
唯「やっぱりプラズマ団だ! あの飛行機でトレーナーのポケモンをばらまいているんだよ!」
フウロ「なんてことを…」
ドサッ!
唯「またポケモンが!」
「ラー…」
唯「大丈夫?」
フウロ「ヒトモシね…」
ヒトモシ「ラー…」
934: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:31:18.67 ID:oW0ABdSAO
唯「ずいぶんと傷ついてる…」
フウロ「あの高さから落とされたんだもの。そうなるに決まってる…。
すごくひどい真似をするのね、プラズマ団!!」
唯「ごめんね、今は回復しかしてあげられないけど…」
ヒトモシ「ラー…」
フウロ「…落ちたポケモンを一匹一匹回復させていたらキリがない。やっぱりあの貨物機を止めるべきね!
ワシボン!」ボム!
ワシボン「ワッシ!」
フウロ「あなたは“オレンのみ”をポケモンたちにあげて。頼んだよ!」
ワシボン「ワシー!」タタッ
フウロ「さあ、追いかけるよ! あの貨物機を!」
935: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:33:41.82 ID:oW0ABdSAO
唯「フウロちゃん!
追いかけるって…相手は飛行機なのに、どうやって…」
フウロ「…私の飛行機が運ぶのは人じゃなくて物って言ったよね?」
唯「う、うん」
フウロ「なんでだと思う?」
唯「ええっと……」
フウロ「飛行機よりも人にとっては身近で手早いものがあるからだよ。それが…ひこうポケモン!
ケンホロウ!!」ボム!
ケンホロウ「ケーン!」
ポケモン図鑑『ケンホロウ、プライドポケモン
マメパトの最終進化系。オスは あたまの かざりを ゆらして あいてを いかくする。 メスの ひこう のうりょくは オスを うわまわる。』
936: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:35:19.66 ID:oW0ABdSAO
フウロ「私のケンホロウはメス! 飛行能力についてはオスよりも高い!
あなたはケンホロウに乗って!」
唯「うん!」タッ!
唯「…あれ? フウロちゃんはどうす…うわっ!」
ケンホロウ「ケーン!!」ビュオオ!!!
唯「す、すごいスピード!!」
フウロ「振り落とされないように、しっかり掴まってて!」
唯「う、うん!
って! フウロちゃんが空中に!?」
フウロ「私は頭のプロペラがあるから飛べるの!」
唯「それなんてタケコp」 フウロ「やこド」
フウロ「とにかく、これで貨物機に対抗できる!」
唯「うん!」
937: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:37:07.26 ID:oW0ABdSAO
ケンホロウ「ケーン!!」ビュオオ!!!!!
ブロロロ…
ミツル「あー…飛行機の操縦むずいなー」
ミツル「…ん?」
ミツル「! やべえ! なんか追いかけてきてるぞ!?
あれは…ジムリーダーとサキのいう要注意トレーナー!!」
ミツル「なんか手をうって…」グイッ
ミツル「ああやべえ!! 反対に傾けちまった!!!」
938: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:39:08.56 ID:oW0ABdSAO
ビュオオ!!!!
フウロ「もう少しで追いつく…」
グラッ…
フウロ「え…!」
ギュオンッ!!!
フウロ「きゃあっ!!」
ドガアアアアン!!!!!
唯「なにかの建物にぶつかったよ!?」
フウロ「この建物は“タワーオブヘブン”! なんて罰当たりな…!」
939: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:41:07.27 ID:oW0ABdSAO
唯「いったん降りよう!」
フウロ「そうね…、ケンホロウ!」
ケンホロウ「ケーン!」ビュオオ!
スタッ!
唯「」タッ
フウロ「ありがとう、ケンホロウ。戻って」シュウウッ
唯「ここが…」
フウロ「うん、“タワーオブヘブン”。
ポケモンの魂を慰める塔!」
940: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:43:03.44 ID:oW0ABdSAO
…………
………
……
…
《フキヨセシティ・・・滑走路》
ノクタス「ノークタス!!」ドガンッ!
アララギパパ「うおっ!」
律「大丈夫ですか!」
アララギパパ「なんの!」
律「ノクタスか…。
明らかに野生のポケモンじゃないな」
アララギパパ「イッシュではみないポケモンだからな。トレーナー…いや、プラズマ団の手持ちとみて間違いはない」
………
……
…
《フキヨセシティ・・・滑走路》
ノクタス「ノークタス!!」ドガンッ!
アララギパパ「うおっ!」
律「大丈夫ですか!」
アララギパパ「なんの!」
律「ノクタスか…。
明らかに野生のポケモンじゃないな」
アララギパパ「イッシュではみないポケモンだからな。トレーナー…いや、プラズマ団の手持ちとみて間違いはない」
941: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:45:05.55 ID:oW0ABdSAO
ノクタス「ノークタス!!」ブンッ!
律「! ボルト!!」ボム!
ボルト「ゼブウウ!!」
ノクタス「ノークタス!!!」
ドオオオッ!!!
ボルト「ゼブッ!?」
ヨロッ…
ボルト「ゼブウッ…」
律「ボルト!」
アララギパパ「でんきタイプのゼブライカでは少々辛いものがあるな。
よし、ここは…。チャオブー!!」ボム!
チャオブー「ブー!!」
ノクタス「!」
942: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:47:04.90 ID:oW0ABdSAO
律「ほのおタイプ!」
アララギパパ「“ニトロチャージ”だ!!」
チャオブー「ブー!!」ボウッ!
ドオオン!!!!
ノクタス「…!?」
ノクタス「ノー…」バタンッ!
律「やった…!」
アララギパパ「ざっとこんなものかな。よくやったぞ、チャオブー」
チャオブー「ブー♪」
律「これでもう安心ですね!」
…シュバッ!
アララギパパ「ぬうっ!?」ドガッ!
律「!?」
943: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:49:08.84 ID:oW0ABdSAO
アララギパパ「ぐはっ…!」
律「な、なんだ? 外部からの攻撃! まだポケモンが…」
シーン……
律「…? なんにもいないぞ…」
アララギパパ「ぐう…」
律「! アララギ博士!!」
アララギパパ「むう、大丈夫だ。しかし…、今の攻撃はどこから?」
律「分かりません…。どこにもポケモンらしきものは見当たらないけど…」
944: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:51:04.00 ID:oW0ABdSAO
シュバッ!
ドガッ!!!
ボルト「…ゼブウッ!?」
ズサアッ!
律「! また…!」
シーン…
律「…でも、やっぱりなにもいないぞ!」
アララギパパ「……ふむう、分かったぞ」
律「え!?」
アララギパパ「姿なき敵!」
…シュバッ!!!
アララギパパ「ツタージャ、“つるのムチ”!」ボム!
ツタージャ「タージャ!」シュルッ!
ガシイッ!!!
945: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:53:06.18 ID:oW0ABdSAO
律「! なにかを掴んだ!!
…ピンクの……舌ぁ!?」
アララギパパ「コイツはポケモンだ!
姿を消すことができる…」
ツタージャ「タージャ!」グイッ!
「…!?」
律「!!」
アララギパパ「姿を現すぞ!
いろへんげポケモン、カクレオン!!」
カクレオン「グェーッ!!」
946: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:55:06.87 ID:oW0ABdSAO
律「カクレオン…!?」
カクレオン「」キッ!
ブンッ!!
ツタージャ「タージャ!?」ドシャッ!
アララギパパ「力負けしたか!
律、カクレオンが攻撃をしてくるぞ!!」
カクレオン「グェーッ!!」シュバッ!
律「!!」
ボルト「ゼブウウ!」ダッ!
バチイッ!!!
ボルト「…!?」ビクッ!
律「“おどろかす”!?」
アララギパパ「いや…!」
947: ぽけもん 2011/03/20(日) 08:57:03.18 ID:oW0ABdSAO
カクレオン「」ニヤッ
ボルト「…?」
シュッ!!!
ドガアン!!!!!!
ボルト「ゼブウウ!!?」
アララギパパ「怯んだところを“かげうち”したんだ!」
ボルト「」ドサッ
律「ボルト…!」
カクレオン「グェーッ!」スタッ
アララギパパ「この戦法、そして戦意からして…このカクレオンもプラズマ団のポケモンか!」
律「いくら奇襲だからって、トレーナーもいないのになんて強さだ!」
カクレオン「グェーッ!」ギロッ
948: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:02:25.03 ID:oW0ABdSAO
アララギパパ「…ノクタスみたいに簡単にはいかないな。
ツタージャ!」
ツタージャ「タージャ!」
カクレオン「!」
アララギパパ「“つるのムチ”だ!」
ツタージャ「タージャ!!」シュルッ!
カクレオン「グェーッ!!」バチバチイッ!!!!
ツタージャ「タージャ!?」
アララギパパ「弾かれた!?」
律「…! アララギ博士! 特性“へんしょく”だ!!」
アララギパパ「そうか! 最初に受けた“つるのムチ”で、くさタイプになっていたのか!!」
949: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:04:04.57 ID:oW0ABdSAO
カクレオン「グェーッ!!」シャキッ!
ツタージャ「…!」
バリバリバリッ!!!!
ツタージャ「タージャ…!?」ガクッ
アララギパパ「“みだれひっかき”…!」
律「アララギ博士! くさタイプになっているなら、チャオブーで攻撃を!」
アララギパパ「いや…、チャオブーで攻撃したところでほのおタイプになって振り出しだ!」
律「じゃあどうしたら…!」
アララギパパ「ここはこうする他ない!
ミジュマル!!」ボム!
ミジュマル「ミジュマー!」
950: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:06:07.32 ID:oW0ABdSAO
カクレオン「!」
ツタージャ「タージャ!」
チャオブー「ブー!」
律「みず、ほのお、くさ…!」
アララギパパ「この三匹なら“へんしょく”に対応できる!」
ミジュマル・ツタージャ「」メキメキ
アララギパパ「む…!」
フタチマル「タッチー!」
ジャノビー「ジャノー!」
律「進化した!?」
アララギパパ「さっきのダストダスとの激戦で、レベルが一気に上がったようだな! ちょうどいい!」
951: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:08:05.67 ID:oW0ABdSAO
カクレオン「…」ジリ…
アララギパパ「まずはチャオブーとフタチマルで“ほのおのちかい”、“みずのちかい”だ!!」
ボオオオ!! シュワアアッ!!!!
キラアアッ!!
律「“虹”!?」
アララギパパ「これでこちらの場が有利になる!
今度はフタチマルとジャノビーで“みずのちかい”、“くさのちかい”!!」
シュワアア!! ビュワアアッ!!!!
カクレオン「…!?」ズシッ…
952: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:10:24.05 ID:oW0ABdSAO
アララギパパ「“湿原”ですばやさが下がったところを、ジャノビー・チャオブーで“くさのちかい”、“ほのおのちかい”だあ!!!」
ビュワアア!! ボオオオッ!!!!
カクレオン「…グェーッ!?」
ボアアッ!!!!!
アララギパパ「最後に“火の海”で、チェックメイトだ」
カクレオン「」バタッ
律「すげえ…!
三タイプのコンビネーション技!!」
アララギパパ「これで流石にもう奴らのポケモンはいないだろう。
まあ念のため、三体を街に残しておくか」
律「それじゃあ…」
アララギパパ「我々も貨物機を追うぞ!!」
律「はい!!」
953: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:12:05.00 ID:oW0ABdSAO
………
……
…
《タワーオブヘブン》
ザッザッ
唯「お墓なんだあ」
フウロ「うん。ポケモンのね」
唯「…」
フウロ(さっきのヒトモシ…、どこかで見たような気がするんだよね…)
唯「?」
フウロ「貨物機はここらへんに突っ込んだよね。もう見つかると思うけど…」
「いでで…」
唯「あっ!」
「ん?」
……
…
《タワーオブヘブン》
ザッザッ
唯「お墓なんだあ」
フウロ「うん。ポケモンのね」
唯「…」
フウロ(さっきのヒトモシ…、どこかで見たような気がするんだよね…)
唯「?」
フウロ「貨物機はここらへんに突っ込んだよね。もう見つかると思うけど…」
「いでで…」
唯「あっ!」
「ん?」
954: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:14:08.56 ID:oW0ABdSAO
唯「あなたは“ちかすいみゃくのあな”のプラズマ団!!」
「チッ、見つかったか…」
ミツル「そうとも。ミツル様だ!!」
フウロ「あなたね…。私の貨物機を盗んで、ポケモンをばらまいたのは!」
ミツル「ひゃはは☆ そうだけど、なにか文句あるのかよ?」
フウロ「おおありだよ! あんなひどいことして!! 貨物機もボロボロだし!!
ダストダスを滑走路に連れてきたのもあなたでしょ!?」
955: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:16:43.57 ID:oW0ABdSAO
ミツル「ああ、全部俺サマのしたことだ。
ダストダスで騒ぎを起こして、お前らが気をとられているその隙に貨物機を盗む! そしてトレーナーどものポケモンを解放!!
完璧な作戦だったのによ、操縦が狂っちまって台無しだよ」
フウロ「当然よ。私はちゃんと訓練してパイロットになったの! この貨物機はあなたに乗りこなせる代物じゃない!!」
ミツル「ひゃはは☆ 偉そうなこと言ってるけどよォ。あんたも十分素質ないぜェ」
フウロ「なんですって?」
ミツル「ジムリーダーの素質だよ、そ・し・つ!!
聞いてあきれるなァ。なにがジムリーダーだよ。自分の街を他人に任せっきりで、自分の貨物機が盗まれたから追いかけてきた…。
これって、あんたの事情だろ? ジムリーダーの責務、果たせてないんじゃねえの?」
フウロ「…!!」
956: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:18:09.58 ID:oW0ABdSAO
唯「フウロちゃ…」
ミツル「ひゃはは、結局自分のことしか考えてねえんだろ?」
フウロ「う、うるさい!!」
フウロ「あなたに…なにが分かるの!?
…コアルヒー!!」ボム!
コアルヒー「アヒッ!」ダッ!
唯「ダ、ダメ! やみくもに走っちゃ…」
ミツル「ひゃはは、遅いZE☆
ロゼリア、“リーフストーム”!!!」
ロゼリア「ローゼ!!」シュッ!
957: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:20:05.59 ID:oW0ABdSAO
フウロ「…!」
コアルヒー「!!」
ドオオオッ!!!!!!
コアルヒー「アヒーッ!?」
フウロ「きゃあ!!?」
ドサッ!!!
ミツル「ひゃはは☆ だから素質ねえっつうんだよ!
まんまと挑発に乗ってやがんだぜ!?」
フウロ「く……」
958: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:22:03.43 ID:oW0ABdSAO
唯「大丈夫!? フウロちゃん!」
フウロ「…馬鹿みたいね。ただの言葉で無鉄砲に…」
唯「フウロちゃん…」
ミツル「ひゃはは☆ さぁて…ジムリーダーは早くも退場しそうだが、どうする?」
唯「……」キッ!
唯「…チー太!」ボム!
チー太「チー!」
ミツル「…ロゼリア!」
ロゼリア「ローゼ!」
唯「“アイアンテール”!!」
チー太「」ダッ!
ミツル「受け止めろ!!」
959: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:24:06.86 ID:oW0ABdSAO
ガキイイッ!!!!
唯「…私、素質とか…難しいことはよくわからないけど……でも!
人を傷つけることを言うのは良くないって知ってる!!
フウロちゃんが傷ついたのも、怒ったのもわかる!!」
ミツル「ロゼリア、“リーフストーム”!!」
ロゼリア「ローゼ!!」
ドオオオッ!!!!
チー太「…!」シュッ
タッ!
唯「……」
ミツル「ひゃはは☆ なにを言おうと勝手だけどな、俺サマが言ったことは真実だぜ?」
960: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:26:06.93 ID:oW0ABdSAO
唯「そんなことない! フウロちゃんのこと、なにも知らないくせに!」
ミツル「へっ! お前は知ってるのかよ!」
唯「知らないよ! だってさっき会ったばかりだもん!」
ミツル「ひゃはは☆ 話になんねえな! そんだったらお前の言ってることも…」
唯「でも!!」
ミツル「!」
唯「でも…! さっき会ったばかりなのに、色んな良いところを知れたよ!
傷ついたポケモンたちを助けたり、自分の手持ちを置いてきてまで看病させたり…、私をケンホロウに乗せてくれたり、パイロットだったり…。
なにより…、ジムのことを考えてたよ! ジムの仕掛けを用意して、挑戦者が来るのを楽しみにしてた!!」
フウロ「…!」
961: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:28:04.15 ID:oW0ABdSAO
唯「あなたがフウロちゃんを否定していいわけない!!
チー太、“アイアンテール”!!!」
チー太「チー!!」カキンッ!
ブンッ!!
ミツル「……」
ロゼリア「ローゼ!!」ガキイイッ!!
唯「…!!」
ミツル「…怒りに任せて攻撃してきたのが見え見えだぜ?
…“リーフストーム”!!」
ドオオオッ!!!!!!
チー太「チー!!?」ズサアッ
唯「チー太!!」
ミツル「どんな綺麗事を並べてもなァ。結果的に勝った方が正しいのさ!
結果がッ! 勝者がすべてなんだよッッッ!!!」
962: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:30:03.98 ID:oW0ABdSAO
ピカアアッ!!!!!
唯「そ、それは…!?」
ミツル「“ひかりのいし”だァ!! これでロゼリアを進化させて、さらなるパワーアップを!!!
そして俺サマが勝者となるッ!! 俺サマがすべてだあッッ!!!!」
ピカアアッ!!!!!!
メキメキメキメキ……
ミツル「きたあーッ!! ロズレイ…ド……だ…?」
チー太(チラチーノ)「チラチー!」
唯「!?」
ミツル「!?!?!?!?」
963: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:32:04.27 ID:oW0ABdSAO
唯「し、進化した!」
ミツル「ま、まさか…! “ひかりのいし”のパワーがそっちに傾いたのか!!?」
唯「よおーっし! 新たな姿で、“アイアンテール”だよ!!」
チー太「チラチー!!」ダッ!
カキインッ!!!!
ロゼリア「」バタッ
唯「やった!」
ミツル「くそが…!
だが、まだサーナイトがいるんだ!!
サーナイトォオオ!!!」
サーナイト「ナーイ!」
964: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:36:43.58 ID:oW0ABdSAO
唯「…!」
ミツル「“サイコキネシス”!!!!」
サーナイト「ナーイ!!」ヴオオン!!!!
唯「しまっ…」
ボオオオッ!!!!!
サーナイト「ナイ!?」
ミツル「な、なんだァ! “おにび”!?」
ヒトモシ「ラー!!」
唯「あの子は、さっきの…!」
965: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:38:07.34 ID:oW0ABdSAO
サーナイト「…ッ」
ミツル「やけどしたか…。だが攻撃が下がるだけで意味ないんだよ!!
サーナイト、はんげ…」
ヒトモシ「ラー!!」バシイッ!!!
サーナイト「!?」
ミツル「“たたりめ”か!? 状態異常だと大ダメージを喰らう技…!!」
ヒトモシ「」バシイッバシイッ
サーナイト「ナイー!?」
ミツル「やめたげてよおっ!!」
ヒトモシ「」スウウッ…
唯「! 出る…! あれは…」
ヒトモシ「ラー!!」ボオオオッ!!!!!!
唯「“はじけるほのお”!!!」
チュドーン!
ミツル「やなかんじ~!!」
キラアン☆
966: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:40:10.24 ID:oW0ABdSAO
ヒトモシ「ラー!」スタッ
唯「ありがとう! あの時のヒトモシちゃん…追いかけてきたの?
それともここがお家?」
ヒトモシ「ラー…」
唯「ここは危ないからお家にお帰り~」
ヒトモシ「ラー」タタッ
唯「よしっ。
フウロちゃん、貨物機は壊れちゃったけど、一応あの人は追っ払え……」
フウロ「……」
唯「フウロちゃ…」
フウロ「…うん、ありがとう。
じゃあ…フキヨセに戻ろっか……」
967: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:42:06.63 ID:oW0ABdSAO
フウロ「……」
唯「…フウロちゃん?」
フウロ「……うっ」グスッ
唯「!」
フウロ「…私……、言い返せなかった……。あいつの言葉…、全部当たってて……」
唯「フウロちゃん…」
フウロ「私、やっぱりジムリーダーの素質ないのかなあ…。
だって…、自分のことしか……うぐっ…。それに、街が今どうなって、るか……ひくっ」
唯「……」
唯「…!
ここの屋上に鐘があるんだよね? “タウンマップ”に載ってた!」
フウロ「……?」
唯「今から行こう!」ガシッ
フウロ「えっ…」
唯「いいからいいから~!」
タタッ
968: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:44:43.91 ID:oW0ABdSAO
………
……
…
《タワーオブヘブン屋上》
唯「あったあった! 鐘だぁ~!」
フウロ「こんなところになにしに…」
唯「空、よっく見えるねえ~! さすが屋上~!」
フウロ「……」
唯「…フウロちゃんは、この大きな空を飛行機で飛び回ってるんだよね。すごいことだよ、それって!」
フウロ「……」
唯「きっといい眺めなんだろーなー…」
フウロ「…うん、いい眺めだよ……」
……
…
《タワーオブヘブン屋上》
唯「あったあった! 鐘だぁ~!」
フウロ「こんなところになにしに…」
唯「空、よっく見えるねえ~! さすが屋上~!」
フウロ「……」
唯「…フウロちゃんは、この大きな空を飛行機で飛び回ってるんだよね。すごいことだよ、それって!」
フウロ「……」
唯「きっといい眺めなんだろーなー…」
フウロ「…うん、いい眺めだよ……」
969: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:46:27.68 ID:oW0ABdSAO
唯「……。
フウロちゃんは立派だよ!」
フウロ「え…」
唯「ほら! そんな暗い顔しないで!
笑って笑って!」ギュッ
フニャッ…
フウロ「ひ、ひはい…」
唯「えへへ~。
…ダメだよ、フウロちゃんはジムリーダーだもん! 街のみんなにとっての太陽なんだよ!
笑ってなきゃ、街の人たちもみ~んな暗くなっちゃうよ!!」
フウロ「……」
唯「ほら、スマイルスマイル!」ニヘラッ
970: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:48:13.75 ID:oW0ABdSAO
フウロ「…ふふ、そうだよね。笑ってないとダメだよね!」
唯「うん、そうだよ! フウロちゃんはみんなの元気の源だもん!
フウロちゃんが笑ってる空の下、みんなが笑ってるんだよ!!」
フウロ「…! みんなが…空の下で…」
唯「うん! すごいよねえ!」
タタッ
フウロ「?」
唯「みんなが笑顔になりますよ~に!!
えいっ!」
リンゴーン……
唯「これでみんな、もっと笑顔になるね!」
フウロ「……いい音色…」
唯「えへへ~、早速笑ってるね!」
フウロ「! …ふふ、ホントだ…」
唯「うふふ~♪」ニコッ
971: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:50:04.48 ID:oW0ABdSAO
…………
………
……
…
《タワーオブヘブン入口》
アララギパパ「おーい!」
フウロ「! アララギ博士!」
律「唯ー!」
唯「りっちゃんも!」
アララギパパ「この様子だと…もうプラズマ団を?」
フウロ「はい、倒しました。
私の功績ではないですけどねっ」
唯「えへへ~」
………
……
…
《タワーオブヘブン入口》
アララギパパ「おーい!」
フウロ「! アララギ博士!」
律「唯ー!」
唯「りっちゃんも!」
アララギパパ「この様子だと…もうプラズマ団を?」
フウロ「はい、倒しました。
私の功績ではないですけどねっ」
唯「えへへ~」
972: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:52:09.30 ID:oW0ABdSAO
フウロ「あ…! アララギ博士たちがここにいるってことは…」
アララギパパ「ああ! しっかりと街は守ったぞ! プラズマ団のポケモンたちからな」
フウロ「…」ホッ…
律「そういや、ここにくる途中、たくさんのポケモンが倒れていたけど…」
唯「あっ、あれはプラズマ団がばらまいたポケモンなの!」
フウロ「今私のワシボンが看てくれてる…。
私たちも手伝わなくちゃ!」
唯「うん!」
973: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:54:05.39 ID:oW0ABdSAO
………
……
…
《フキヨセシティ》
クルマユ「クルマー」
トレーナー「僕のクルマユ!
どうもありがとう!」
唯「いえいえ」
トレーナー「」タタッ
律「これで最後だな」
唯「終わった~!」
フウロ「お疲れ様。
どう? ジムで休んでく?」
唯「じゃあお言葉に甘えて~」
アララギパパ「私もそうしよう。老体にはこたえるな」
ウィーン
フウロ「はい、紅茶ですよー」コトッ
唯「わあい♪」
律「サンキュー!」
アララギパパ「ありがとな」
ズズ…
唯「おいし~!」
律「うめー!」
アララギパパ「うむ、いつもと変わらぬ美味さだ!」
フウロ「ふふ、喜んでもらってよかった」
唯「…ん~」
フウロ「どうしたの?」
……
…
《フキヨセシティ》
クルマユ「クルマー」
トレーナー「僕のクルマユ!
どうもありがとう!」
唯「いえいえ」
トレーナー「」タタッ
律「これで最後だな」
唯「終わった~!」
フウロ「お疲れ様。
どう? ジムで休んでく?」
唯「じゃあお言葉に甘えて~」
アララギパパ「私もそうしよう。老体にはこたえるな」
ウィーン
フウロ「はい、紅茶ですよー」コトッ
唯「わあい♪」
律「サンキュー!」
アララギパパ「ありがとな」
ズズ…
唯「おいし~!」
律「うめー!」
アララギパパ「うむ、いつもと変わらぬ美味さだ!」
フウロ「ふふ、喜んでもらってよかった」
唯「…ん~」
フウロ「どうしたの?」
974: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:56:26.42 ID:oW0ABdSAO
唯「そういえば、あのヒトモシってポケモンは大丈夫なのかなあ…。やっぱり野生ポケモンだったのかな?」
フウロ「それは…」
ゴオオオ……
アララギパパ「む!」
律「この音って…!」
フウロ「貨物機が稼動してる!
まだプラズマ団がいたの!?」
唯「見に行こう!」
975: ぽけもん 2011/03/20(日) 09:58:05.04 ID:oW0ABdSAO
……
…
《滑走路》
ガチャッ…
フウロ「操縦席にだれかいる…」
ピョンッ!
ヒトモシ「ラー!」
フウロ「!」
唯「ヒトモシちゃん!?」
アララギパパ「ろうそくポケモン、ヒトモシがなぜここに…」
…
《滑走路》
ガチャッ…
フウロ「操縦席にだれかいる…」
ピョンッ!
ヒトモシ「ラー!」
フウロ「!」
唯「ヒトモシちゃん!?」
アララギパパ「ろうそくポケモン、ヒトモシがなぜここに…」
976: ぽけもん 2011/03/20(日) 10:00:04.18 ID:oW0ABdSAO
ヒトモシ「ラー!」
フウロ「! そうかっ。この子、常習犯だ!」
唯「常習犯?」
フウロ「前から貨物機の調子が悪かったの。その原因はこのヒトモシが悪戯をしていたから!」
ヒトモシ「ラー♪」
フウロ「プラズマ団が乗った貨物機にも乗っていて、それで落とされたんだね…。
でも、私たちを助けてくれたんだよね。悪戯の件は許せないけどっ」
ヒトモシ「ラー」
977: ぽけもん 2011/03/20(日) 10:02:07.77 ID:oW0ABdSAO
唯「もう悪戯はしちゃダメだよ~。ほら、今度こそお家に…」
ヒトモシ「ラー!」ヒッツキ
唯「!」
アララギパパ「ふむう…私が思うに、そのヒトモシは自分をゲットしてくれるトレーナーを探していたんじゃないか?
だから住み処からこのフキヨセまで…」
律「それで気に入ったトレーナーが唯ってことか」
唯「……。…そうなの?」
ヒトモシ「ラー♪」
唯「えへへ、そうだね…。
えいっ」ポンッ!
唯「ヒトモシ、ゲットだよ!」
律「やったな、唯!」
唯「うん、りっちゃん!」
978: ぽけもん 2011/03/20(日) 10:04:27.11 ID:oW0ABdSAO
唯「ニックネームは…“ラー太”がいいかなっ」
フウロ「…ふふ、よかったね」
唯「うん!」
唯「出てきて、ラー太!」ボム!
ラー太「ラー!」
アララギパパ「ポケモンが自分から……こんなゲットの仕方もあるのか。興味深いな」
律「唯はすごいですよ。手持ちのチラーミィもムンナも、ポケモンたちから慕ってきてゲットしたんです!」
フウロ「…彼女の姿勢がポケモンたちを引き寄せるのかな」
律「?」
979: ぽけもん 2011/03/20(日) 10:06:12.43 ID:oW0ABdSAO
フウロ「アロエさんが言ってたの。
『彼女はポケモンと向き合う“真実”の心を持ってる』って。
最初は言葉の意味が分からなかったけど、今はわかった気がする…」
律「…“真実”の心、か」
唯「ラー太~、もう悪戯はしちゃダメだからね~」
ラー太「ラ~!」
唯「えへへ、分かればいいんだよ~。いい子いい子~」
ラー太「ラー♪」
980: ぽけもん 2011/03/20(日) 10:08:12.25 ID:oW0ABdSAO
…………
………
……
…
アララギパパ「色々とありがとうな」
律「いえ…」
フウロ「プラズマ団から街を守ってくれてありがとう。
あと、唯ちゃん」
唯「私?」
フウロ「あなたの言葉ですごく救われたの。ありがとう♪」
唯「いや~照れるねえ~。
でも、思ったことを言っただけだから!」
フウロ「ふふ♪」
………
……
…
アララギパパ「色々とありがとうな」
律「いえ…」
フウロ「プラズマ団から街を守ってくれてありがとう。
あと、唯ちゃん」
唯「私?」
フウロ「あなたの言葉ですごく救われたの。ありがとう♪」
唯「いや~照れるねえ~。
でも、思ったことを言っただけだから!」
フウロ「ふふ♪」
981: ぽけもん 2011/03/20(日) 10:10:02.12 ID:oW0ABdSAO
律「んじゃあ私たちはこれで」
アララギパパ「ああ、じゃあな!」
唯「さようなら~!」
フウロ「あっ、そうだ! これ!」ブンッ
唯「!」パシッ
フウロ「“ジェットバッジ”だよ! 持って行って!」
唯「ありがとう!!
お元気で~!!」
タタッ
982: ぽけもん 2011/03/20(日) 10:12:03.28 ID:oW0ABdSAO
フウロ「…行っちゃった」
アララギパパ「なかなか愉快で、それでいて頼もしい子たちだったな!」
フウロ「はい」
アララギパパ「さて、私たちはそろそろジムの中に…」
フウロ「…『空の下、みんなが笑ってる』か…」
アララギパパ「? どうした?」
フウロ「ふふ、なんでもないです♪」
アララギパパ「??」
Episode.29 fin
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