トレイン「おいおい、甘やかすなよスヴェンちゃん、ワガママお嬢様になっちゃうぜ？」

イヴ「……」イラッ

スヴェン「あいつの言うことなんか気にすんな」

イヴ「……トレインも行くの？」

トレイン「俺？ 行かねーよ。 こんな暑い日は家でミルク飲んでた方がいいぜ」

スヴェン「じゃあ明日は二人で行こう」

イヴ「そうだね」

トレイン「行ってらー」

スヴェン「……はっ！！」

イヴ「どうしたの？」

スヴェン「イヴ……海行きたいんだよな？」

イヴ「？ うん」

スヴェン「水着……ウチにねぇ」

イヴ「あ」











リンス「……それで」

リンス「あんたとイヴちゃんだとどんなのがいいか分からないから私を呼んだってわけね」

スヴェン「すまないな、わざわざ来てもらって」

リンス「いいわよ、だって……」

ギュウ

イヴ「！！？」

リンス「イヴちゃんの為だったらなんでもするわよー！！///」

イヴ「……苦しい」

スヴェン「紳士道の一つ……コーディネートは介入するなってな」

リンス「分かった分かった。 とびっきり可愛いの選んであげるから待ってなさい」

リンス「さぁ行きましょうイヴちゃん！！」

イヴ「うん」

スヴェン「……」スパー










リンス「これなんかどうかしら！？」

イヴ「！！ 可愛い……」

イヴ「これ……スヴェンが見たら喜ぶかな」

リンス「！！！」

リンス（成る程、悪魔で基準はスヴェンが喜ぶかどうかなのね……）

リンス「そうねぇ……確かに見た目は可愛いけど……」

リンス「ほかのと比べると面積が少ないわね……」













スヴェン『イヴになんて破廉恥なもん着せてやがる！！///』













リンス（ああなり兼ねないわ）

リンス「ごめんなさいイヴちゃん、違うのにしましょうか」

イヴ「うん」

リンス「おまたせ」

スヴェン「いいのは買えたか？」

イヴ「うん」

イヴ「！ そうだ、リンスも明日来る？」

リンス「私？ いいの？」

イヴ「いいかなスヴェン」

スヴェン「紳士は女の言う事は全てYESを貫くべし……」

イヴ「いいって」

リンス「ありがとうイヴちゃん！！」

イヴ「！！ 待って、明日泥棒の用事とかある？」

リンス「用事はあるっちゃあるけど……断れるから大丈夫よ！！」

リンス「……そういえばトレインは来るの？」

スヴェン「来ねえ」

イヴ「……家でミルク飲んでるって」

リンス「……あいつらしいわね」











『明日は急用できたのでキャンセル☆』

ジェノス「リンスちゃんとのデートは中止か……残念」

当日

スヴェン「着いたぞ」

リンス「人がいっぱいいるわねー」

イヴ「すごい……」

リンス「じゃあ水着に着替えましょ」

イヴ「うん」

リンス「……ほら、あんたの海パンもあるから」

スヴェン「！！？ お前、いつの間に……」

リンス「昨日よ。 それに私じゃないわ」

イヴ「……」

スヴェン「まさか……イヴ、お前が？」

前日

リンス『スヴェンの海パン？』

イヴ『うん、スヴェンは泳がないからいいって言ってたけど』

イヴ『折角行くんだからやっぱり泳いだ方がいいと思うの』

リンス『イヴちゃん……』












イヴ「スヴェン、よく私にサプライズしてくれるでしょ？」

イヴ「だから私もサプライズしようと思って」

スヴェン「イヴ……」

スヴェン（俺が思っている以上に……イヴは成長していた）

スヴェン（こんなに優しい心の持ち主だなんて……）

スヴェン「ありがとな。 よし……じゃあ泳ぐか！！」

イヴ「うん！！ リンスも」

リンス「ええ！！」








男「お姉さん！！ よかったら……」

リンス「ごめんなさーい！！ 旦那がいるんですーー！！」

スヴェン（……彼氏でいいだろ）











イヴ「美味しい……」

スヴェン「かき氷は食べ過ぎると頭痛くなるからな。 気をつけろよ」

イヴ「うん」

トレイン「あっつ～……」

トレイン「あいつらよく外に出られるな～」

トレイン「つーか水着って……姫っち人魚（マーメイド）に変身（トランス）できるんだからいらなくね」ゴクゴク

トレイン「……かぁーー！！ うめぇーー！！」

トレイン「おかわりおかわり！！」ガチャッ

トレイン「……ん？ スイカあるじゃん。 でっけー」

トレイン「これも食うか！！」

ヒラヒラ……

『このスイカ、トレイン食うべからず』

スヴェン「今日は楽しかったな」

イヴ「うん！！ また行きたい！！」

イヴ「今度は……キョウコさんやジェノスさん……リオンとも行きたいな」

イヴ「……それにトレインも」

イヴ「やっぱりこういうのは……みんなで行った方が楽しいと思う」

リンス「イヴちゃん……」

スヴェン「……じゃあ今度はあいつらも呼ぶか」

リンス「……そうね」

イヴ「うん！！」

リンス「じゃあ、またね」

スヴェン「おう」

イヴ「またねリンス」











スヴェン「スイカ割り？」

イヴ「うん、海でやってる子を見て……私もやりたいなって思って」

スヴェン「……実はな、こんな事もあろうかとウチにでかいスイカがあるんだ。 みんなで食べるようにとっといたんだ」

イヴ「本当！！？」

スヴェン「海行く時に持っていけばよかったな。 帰ったらやろうな」

イヴ「うん！！ ……あ、トレインとか食べてないかな？」

スヴェン「安心しろ、ちゃんとスイカに食うなって紙貼っといたから」

イヴ「……なら大丈夫だね」

イヴ「ただいま」

スヴェン「いっとくがお土産はねぇぞ」

トレイン「おうお帰り」

スヴェン「……！！ おいトレイン、お前……」

トレイン「ん？ なんだよ？」

イヴ「スイカ……食べちゃったの？」

トレイン「おう、すっげー美味かったなアレ」

スヴェン「……紙、見なかったのか？」

トレイン「紙？ あ、なんか落ちてる」

トレイン「……なんだよ、食ったらダメだったのか。 いやーわりい」

トレイン「でもよスヴェンちゃん、こりゃ紙が小さすぎるだろ。 全然分かんなかったぜ」

スヴェン「……」

イヴ「……」

トレイン「？？」

スヴェン「もう少し左だ」

イヴ「うん」

トレイン「あのさ、二人とも楽しい？」

トレイン「トレイン割りやって楽しい？」

イヴ「えい！！」

ガシッ！！

トレイン「っぶね！！」

スヴェン「イヴの訓練になるからいいじゃねえか」

終わり