☆平沢唯☆
チー太(チラチーノ)…フレンドボールでゲット
ムー太(ムンナ)
ラー太(ヒトモシ)
*ジョウト編までの手持ちは現在不在
~ジョウト編の手持ち
ブイ太(シャワーズ)
ピッ太(ピクシー)
メリ太(モココ)
☆田井中律☆
モール(モグリュー)…ヘビーボールでゲット
ボルト(ゼブライカ)
*ジョウト編までの手持ちは現在不在
~ジョウト編の手持ち
ランス(ニドキング)
スカイ(ニョロトノ)
ヒート(ギャロップ)
ウィング(ワタッコ)
引用元: ・唯律澪紬梓「ぽけもん!!!」
けいおん!college (まんがタイムKRコミックス)
posted with amazlet at 18.08.16
芳文社 (2013-08-09)
売り上げランキング: 10,550
売り上げランキング: 10,550
3: 手持ちポケモン 2011/03/20(日) 20:16:35.53 ID:oW0ABdSAO
☆秋山澪☆
コロぽん(コロモリ)…スピードボールでゲット
*ジョウト編までの手持ちは現在不在
~ジョウト編の手持ち
カゲぴょん(リザードン)
ハブりん(ハブネーク)
ベロにゃん(ベロベルト)
サボみん(サボネア)
ドっくん(ドクケイル)
ルンたん(ポワルン)
くらくら(ドククラゲ)
☆琴吹紬☆
リン(レントラー)
レン(ドンファン)
ルカ(オクタン)
ユリ(ユンゲラー)
ネル(ネイティオ)
☆中野梓☆
ミミちゃん(ミミロップ)
さわちゃん(サワムラー)
デビちゃん(デルビル)
トンちゃん(プロトーガ)…『ふたのかせき』を復元
7: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:18:06.65 ID:55mRIA3AO
Episode.30
《サザナミタウン》
シロナ「はあはあ…着いたわ」
ワタル「ここが…?」
シロナ「ええ、私の別荘よ」
ダイゴ「いい別荘ですね。僕もシンオウ地方になら別荘があるけれど」
シロナ「じゃあまずはポケモンの回復を…。
中へ入りましょう」
8: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:20:06.01 ID:55mRIA3AO
ガチャッ
「「なんだってんだよーっ!!!」」
シロナ「…!?」
ワタル「誰かいるのか!?」
「もう、うるさいですよ。クロツグさん」
クロツグ「ぐう…」
シロナ「! カトレアちゃん!」
カトレア「…! シロナさん! それにチャンピオンの方々…」
シロナ「あと…あなたはクロツグさん!?」
クロツグ「む…、シンオウリーグチャンピオン、シロナさんか」
9: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:22:04.95 ID:55mRIA3AO
ダイゴ「シロナさん、お知り合いですか?」
シロナ「ええ…。“フロンティアブレーン”のクロツグさんと、イッシュ四天王のカトレアちゃんよ」
クロツグ「クロツグだ」
カトレア「カトレアです」
ワタル「俺はジョウトリーグチャンピオンのワタルだ」
ダイゴ「ホウエン地方のチャンピオンのダイゴです」
ワタル「……」ジッ
カトレア「…」
10: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:24:10.27 ID:55mRIA3AO
ワタル「カトレア…、どこかで聞いたような…?」
ダイゴ「! そうだ…! スタジアムでの僕たちの試合のスポンサー!!」
カトレア「…」
ワタル「あのNというトレーナーに負けた後、俺たちはレンブという男に散々痛め付けられた!
そいつはあんたと同じ四天王!! あんた、なにか知ってるんじゃないか!?
あんたはあいつらの仲間なんじゃないのか!?」
カトレア「アタクシは…」
シロナ「待って!!」
ワタル「!!」
ダイゴ「シロナさん?」
11: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:26:12.03 ID:55mRIA3AO
シロナ「勘違いしてるわ。私の知るかぎりでは、この子はあの悪い奴らの仲間じゃない!」
ワタル「なんの確証があって…」
シロナ「この別荘…、『私の』と言ったけれど…正確にはこのカトレアちゃんから借りているものなの。
それだけのお金持ち…、スポンサーをしていただけで決め付けるのはおかしいわ」
ワタル「……」
カトレア「…どうやら、あなた方もその悪い奴らと戦う運命にあるようですね」
シロナワタルダイゴ「!!」
カトレア「悪い奴ら…その名を、プラズマ団」
ダイゴ「! 奴らが言っていた組織名!!」
12: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:28:02.52 ID:55mRIA3AO
ワタル「やはりあんたが!!」
クロツグ「まあそうでもないこともない」
ワタル「!」
クロツグ「誤解をされないように私から全て話そう。
…カトレアはプラズマ団だ」
カトレア「……」
ダイゴ「!!」
シロナ「そんな…!」
ワタル「やっぱりか! よくも俺たちを…!」
クロツグ「まあ最後まで聞け。
カトレアはプラズマ団ではあるが、プラズマ団ではないんだ」
ダイゴ「どういうことですか…?」
13: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:30:20.37 ID:55mRIA3AO
クロツグ「カトレアはプラズマ団にスパイとして忍び込んでいるのさ」
ワタルダイゴ「スパイ…!!」
クロツグ「そうだ。プラズマ団の動きを調べるためにな。
…プラズマ団はもう何年も前から計画をしている……」
シロナ「計画って、どんな?」
クロツグ「奴らはポケモンと人間を切り離そうとしているんだ」
ワタル「ポケモンと人間を切り離す…!?」
カトレア「すなわち、『ポケモン解放』です」
シロナ「ポケモン解放…」
14: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:32:05.64 ID:55mRIA3AO
カトレア「先程も言いました。あなた方はプラズマ団と戦う運命にあります。
アタクシたちはともに戦う仲間を探しています…、あなた方のような実力のあるトレーナーを」
ワタル「……」
ダイゴ「……」
シロナ「……」
カトレア「あなた方が決めてください。プラズマ団をどうするのか…。
彼らの計画を阻止するのか、それとも野放しにするのか…」
ワタル「……ふっ」
15: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:34:44.99 ID:55mRIA3AO
ダイゴ「クスッ。愚問だね」
シロナ「ポケモン解放のことはよくは分からないけれど、これから知っていくわ。その上で…」
ワタル「ポケモンを悪用する奴らを放ってはおけない!」
ダイゴ「悪をくじき、正義の味方をする…。
これもチャンピオンの醍醐味だよね。…ダイゴだけに」クスッ
カトレア「じゃあ…」
シロナ「ええ! 戦いましょう! 一緒に!!」
カトレア「はい!」
ワタル「そうと決まったら早速奴らのアジトに…」
ダイゴ「まずは人員の確保が先だと思うけどね」
16: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:37:12.38 ID:55mRIA3AO
クロツグ「増員か…、ふむ……」
シロナ「! それなら私にあてがあるわ!」
ピポパ
カトレア「電話を?」
シロナ「ええ…」
『はい、もしもし』
シロナ「もしもし? シロナよ」
『シ、シロナさん!?』
カトレア「では、アタクシたちも色々当たってみましょうか」
クロツグ「そうだなあ。でも“フロンティアブレーン”は無理だったしなあ…」
17: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:38:12.67 ID:55mRIA3AO
シロナ「…久しぶりね、ゴヨウくん」
ゴヨウ『なぜ私に電話を…?』
シロナ「色々あってね。詳しい話をするには時間がないわ。
単刀直入に用件を言うわね。
心当たりのある実力のあるトレーナーを教えてほしいの」
ゴヨウ『実力のあるトレーナーを…?』
シロナ「ええ、いますぐにね」
ゴヨウ『ふむ、そうですね…。…今、シロナさんはどちらに?』
シロナ「イッシュ地方の“サザナミタウン”よ」
ゴヨウ『…! そうですか、ならちょうどいいです』
シロナ「?」
ゴヨウ『今そちらに実力のあるトレーナーが向かっています。
あなたも知っているトレーナーがね』
18: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:40:52.03 ID:55mRIA3AO
………
……
…
梓「着きました!
“サザナミタウン”です!」
紬「きれいな砂浜ね~♪」
梓「輝くような海が人気の、評判高い避暑地だそうですね」
紬「そうだ、梓ちゃん。なんで研究所に戻らずここに来たの?」
梓「ああ、それはですね…」
「梓ちゃん! 紬ちゃん!」
紬梓「!?」
……
…
梓「着きました!
“サザナミタウン”です!」
紬「きれいな砂浜ね~♪」
梓「輝くような海が人気の、評判高い避暑地だそうですね」
紬「そうだ、梓ちゃん。なんで研究所に戻らずここに来たの?」
梓「ああ、それはですね…」
「梓ちゃん! 紬ちゃん!」
紬梓「!?」
19: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:42:09.26 ID:55mRIA3AO
紬「え…?」
梓「シ、シロナさん!?」
シロナ「あなたたちだったのね! ここに来るトレーナーって!」
紬「ええっと…?」
梓「話が見えませんけど…」
シロナ「とりあえず中へ入って! 話はするから!」
梓「は、はい!」
20: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:44:20.18 ID:55mRIA3AO
ガチャッ
シロナ「さあ、上がって」
梓「お邪魔しま…」
梓「…!」
紬「どうしたの? 梓ちゃん…。
あっ! カトレアさん!?」
カトレア「あなたたちは…」
梓「なぜあなたがここに!?」
シロナ「あれ? カトレアちゃんと知り合いだった?」
紬「はい…」
梓「プラズマ団の…!」
21: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:48:03.74 ID:55mRIA3AO
「なんだかなー、また話をしないと駄目かな」
紬「!」
梓「クロツグさん!」
クロツグ「ちゃんと聞いててくれよ」
………
……
…
梓「なるほど、スパイ…。そういえば唯先輩も言っていましたね」
紬「…それより、実力のあるトレーナーを探してるって……」
22: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:50:33.06 ID:55mRIA3AO
梓「みなさんはプラズマ団を倒すために集まったんですね」
ワタル「まあ成り行きだがな…」
ダイゴ「あ、僕はダイゴだ」
ワタル「…俺はワタルだ」
梓「私は中野梓です」
紬「琴吹紬です~♪」
ワタル「それで、この子たちがシロナさんの知っている実力のあるトレーナーですか?」
シロナ「そうよ。前に言ったバトルセンスのある子供たちよ」
梓「あ、いえ…そんな」
紬「ふふ♪」
23: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:52:04.20 ID:55mRIA3AO
クロツグ「ふむ、そうだな。私もこの子たちの実力は知っている。
プラズマ団相手にも十分やっていけるだろう」
カトレア「……そうですね。
梓さん、紬さん。アタクシたちと一緒にプラズマ団と戦ってくれますか?」
紬梓「もちろんです!」
ダイゴ「これでだいぶ戦力も固まったね」
ワタル「チャンピオンにフロンティアブレーン、四天王…、そしてそれらが認めるトレーナー…」
クロツグ「ふ、これで敵なしだな!」
カトレア「頑張りましょう。みなさんで力を合わせて」
ワタル「ああ!」 ダイゴ「はい!」
クロツグ「うむ!」 シロナ「ええ!」
紬梓「はい!!」
24: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:54:08.79 ID:55mRIA3AO
シロナ「あ、そうだ…。梓ちゃん、紬ちゃん」
紬梓「はい?」
シロナ「気になってたんだけど、あなたたちなんで“サザナミタウン”に?」
紬「あっ…、私もさっき聞こうとしてた!
なんでなの? 梓ちゃん」
梓「はい、それはですね。
遺跡を調査するためです!」
紬「遺跡?」
シロナ「! “かいていいせき”ね」
梓「そうです!」
25: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:56:08.54 ID:55mRIA3AO
紬「なあにそれ?」
梓「サザナミ湾の海底に沈む巨大構造物です! 謎の文字が刻まれた石碑なんてものもあるんですよ!」
紬「へえ~」
シロナ「なるほどね…。梓ちゃんはそこに行きたいのね?」
梓「はい!」
シロナ「じゃあ私もお供するわ」
梓「本当ですか!?」
シロナ「私も学究の徒として一度は行ってみたいと思っていたからね」
26: ぽけもん 2011/03/22(火) 20:58:07.37 ID:55mRIA3AO
梓「そうなんですか!
あ…、ムギ先輩は…」
紬「当然私も行くわ、梓博士♪」
梓「…!
じゃあ三人で行きましょう!」
シロナ「そうね。
…ワタルくん、ダイゴくん。ちょっと出掛けてくるわね」
ワタル「え? あ、はい」
ダイゴ「クスッ。ごゆっくりとどうぞ」
シロナ「ありがとう!
それでは行きましょうか」
梓「はい!」
27: ぽけもん 2011/03/22(火) 21:00:19.36 ID:55mRIA3AO
ガチャッ!
シロナ「サザナミ湾はあっちに…」
おとこのこ「うわ~ん!!」
シロナ「!」
梓「おとこのこが泣いてます!」
タタッ
紬「大丈夫? ぼく」
おとこのこ「うう…」
シロナ「どうしたの? なにがあったのか話してくれると嬉しいな」
おとこのこ「僕のポケモンが盗られたんだ…」
紬梓シロナ「…!!」
28: ぽけもん 2011/03/22(火) 21:02:25.85 ID:55mRIA3AO
梓「ポケモンが盗られた…!?」
紬「…そんなことするのって……」
ザッザッ
「……ちょっとそこをどいてくれるか」
梓「え? あ、すみません…」サッ
「……」ザッ…
シロナ(…!)
紬「ぼく、その盗んだ人ってどんな…」
シロナ「ま、待って!」
紬梓「?」
29: ぽけもん 2011/03/22(火) 21:04:09.68 ID:55mRIA3AO
シロナ「あなた!! 私たちを襲ったプラズマ団ね!?」
「……」ピタッ
梓「プラズマ団…!?」
「…お前は、チャンピオンの…」
シロナ「シロナよ。あなたにギタギタにされた、ね」
「……。ここでは暴れるつもりはなかったが、そうもいかないらしいな」
レンブ「そうとも。俺はプラズマ団七賢人、四天王のレンブだ!」
紬梓「…!!」
シロナ「…あなたは逃げて。ここは危険よ。
あなたのポケモンは絶対に取り戻してあげるから!」
おとこのこ「う、うん!」タタッ
30: ぽけもん 2011/03/22(火) 21:06:03.77 ID:55mRIA3AO
………
……
…
ガチャッ
ワタル「なんだかやけに外が騒がしいな…」
ワタル「…!!」
ダイゴ「どうしたんだい?
…! あの男は! 僕たちを襲った…レンブ!!」
ワタル「シロナさんたちと対峙している!!」
ダイゴ「加勢しに行こう!」
ワタル「ああ!」
……
…
ガチャッ
ワタル「なんだかやけに外が騒がしいな…」
ワタル「…!!」
ダイゴ「どうしたんだい?
…! あの男は! 僕たちを襲った…レンブ!!」
ワタル「シロナさんたちと対峙している!!」
ダイゴ「加勢しに行こう!」
ワタル「ああ!」
31: ぽけもん 2011/03/22(火) 21:08:11.81 ID:55mRIA3AO
クロツグ「…カトレアはここにいろ。プラズマ団に今会うのはまずい」
カトレア「…はい」
クロツグ「よし、私も行くぞ!」
ドドドッ!!!!
ワタル「…!」
ダイゴ「なんだ!?」
「行かせないぜッ」
「七賢人様の邪魔をさせるわけにはいかないね」
「あなたたちは私たちがお相手しましょう」
クロツグ「! お前たちは、“ヤグルマのもり”で会ったプラズマ団!!」
32: ぽけもん 2011/03/22(火) 21:10:11.72 ID:55mRIA3AO
ポッド「ポッドッ!」
デント「デント!」
コーン「コーン!」
ポッドデントコーン「我ら、“ダークトリニティ”!!!」
ダイゴ「ダークトリニティ…!」
ワタル「戦うには頭数は揃ってはいるが…」
クロツグ「ふむ…シロナたちは大丈夫だろう。相手が四天王と言えど、3対1なんだから」
ダイゴ「じゃあ僕たちはこの三人を相手にすれば…」
コーン「ふふ、3対3で戦うつもりですか?
それもいいのですが…」
33: ぽけもん 2011/03/22(火) 21:12:14.12 ID:55mRIA3AO
ポッド「今回はッ!」ダッ!
ガシッ!
ワタル「…!」
デント「バラバラに戦わせてもらうよ!!」
ガシッ!
ダイゴ「ぐ…!」
クロツグ「ワタル! ダイゴ!」
ガシッ!!
コーン「三人集まると一人が戦いから抜けて助けに行ってしまう恐れがありますからね…。
あなたの相手はこのコーンですよ」
クロツグ「ぬう…」
34: ぽけもん 2011/03/22(火) 21:14:17.18 ID:55mRIA3AO
…
シロナ「…二人とも下がって」
紬梓「はい…」
レンブ「……」カチャ
シロナ「トゲキッス!」ボム!
トゲキッス「キーッス!」
レンブ「ナゲキ!」ボム!
ナゲキ「フシュー!」
紬「相手はかくとうタイプ! シロナさんが有利ね!」
梓「はい。でもトゲキッスはノーマルタイプも持ち合わせているので…」
シロナ「…二人とも下がって」
紬梓「はい…」
レンブ「……」カチャ
シロナ「トゲキッス!」ボム!
トゲキッス「キーッス!」
レンブ「ナゲキ!」ボム!
ナゲキ「フシュー!」
紬「相手はかくとうタイプ! シロナさんが有利ね!」
梓「はい。でもトゲキッスはノーマルタイプも持ち合わせているので…」
35: ぽけもん 2011/03/22(火) 21:16:14.49 ID:55mRIA3AO
シロナ「トゲキッス、“ゴッドバード”!!」
トゲキッス「キーッス!!」ギュオッ!
レンブ「受け止めろ、ナゲキ!!」
ナゲキ「フシュー!!」バッ
ドオオオン!!!!!
トゲキッス「キーッス!?」
ナゲキ「フシュー!!」
シロナ「そんな…止められた!?」
レンブ「我が力、見せてやろう」
ナゲキ「フシュー!」
36: ぽけもん 2011/03/22(火) 21:18:16.78 ID:55mRIA3AO
レンブ「ハアアアア…!!」
梓「あ、あの構えは!!」
レンブ「『剛の奥義』!!!」
ナゲキ「フシュー!!」シュッ!
トゲキッス「!?」
ドガアアアアン!!!!!!!!!!
Episode.30 fin
41: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:14:53.77 ID:Xy35WZWAO
Episode.31
《13ばんどうろ》
タッ!
デント「ここまでくればいいだろう」
パッ
ダイゴ「…あなたがプラズマ団か。
無理矢理連れて来るところ、やはり悪い人のようだね」
デント「悪い、ね。僕たちはただ同志のために君たちを引きはがしただけだよ」
ダイゴ「……。そうだね…でも、それが成功に導くとは限らないけど」ボム!
メタグロス「グロー!!」
デント「ヤナップ!」ボム!
ヤナップ「ナップ!」
42: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:17:05.12 ID:Xy35WZWAO
デント「“タネマシンガン”!!」
ヤナップ「ヤナッ!」プッ!
ドドドド!!!
ダイゴ「“リフレクター”だ!」
メタグロス「グロー!!」
キイイン!!!
デント「!」
ダイゴ「“コメットパンチ”!!」
メタグロス「」ブンッ
ドオオオン!!!!!!!
43: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:19:31.11 ID:Xy35WZWAO
ヤナップ「ヤナ~…」ガクッ
デント「ヤナップ…!」
ダイゴ「ほらね。僕も、ワタルたちもそれなりだから簡単にはやられないよ」
デント「くっ…」
ダイゴ「大誤算だったかい? ダイゴだけにね…。
あっ、ダイゴは僕か。大誤算は僕じゃないけど」クスッ
デント「チッ…」
44: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:21:15.08 ID:Xy35WZWAO
《サザナミタウン》
シュウウ……
トゲキッス「…」
トゲキッス「」ドサッ
シロナ「! トゲキッス…!」
レンブ「……」
ナゲキ「フシュー!」
紬「『剛の奥義』…って……」
梓「……」
45: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:23:24.69 ID:Xy35WZWAO
シロナ「トゲキッス、戻って。ガブリアス、次はあなた…」
梓「待ってください、シロナさん!」
シロナ「!」
梓「私が戦います!」ザンッ!
レンブ「…子供が相手か。だが、加減はせんぞ」
梓「いいですよ、むしろ全力で来て下さい」
シロナ「梓ちゃん! その人の奥義は、私もワタルくんもダイゴくんも負かされた恐ろしい奥義なの!!
そんな相手に挑む気!? 無謀だわ!!」
46: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:27:03.27 ID:Xy35WZWAO
梓「…そうだとしても、私はこの気持ちを抑えられません……。
同胞に会い、戦いたいと思った……」
シロナ「同胞…?」
梓「はい! なぜなら私も『剛の奥義』の使い手なんですから!!」
シロナ「…!!」
梓「さわちゃん!」ボム!
さわちゃん(サワムラー)「ダーイライ!」
レンブ「ふっ…面白い」
47: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:29:23.33 ID:Xy35WZWAO
《14ばんどうろ》
ポッド「バオップ!」
バオップ「バオッ!!」ダッ!
ワタル「ふんっ」シュッ
バオップ「!」キキッ…
ポッド「なにしてんだ? さっさとポケモンを出しなあッ!」
ワタル「…その前に聞いておきたい。お前たちのここにきた目的をな」
ポッド「はンッ! んなもん、誰が教えるかッ。
どうせお前は俺に負けるんだッ! 教えても意味ないだろうがッッ!!」
48: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:31:13.32 ID:Xy35WZWAO
ワタル「…そうか」ボム!
カイリュー「リュー!!」
ポッド「…!」
ワタル「カイリュー、“はかいこうせん”」
カイリュー「リュー!!」カッ!!!
ドオオオン!!!!!!!!
ポッド「」ガクッ
ワタル「…戻れ、カイリュー」シュウウッ
ワタル「結局聞き出せなかったか…。
……ん?」
コロッ……
49: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:33:15.57 ID:Xy35WZWAO
《サザナミタウン》
シロナ「『剛の奥義』…!
そうか、梓ちゃんの師匠はシバさん!」
紬「はい。梓ちゃんは『剛の奥義』を受け継いだんです」
レンブ「…」ピクッ
レンブ(シバ…?)
梓「ちょっと、考え事ですか?
ずいぶんと余裕があるんですね」
レンブ「……ふっ。
ナゲキ! “しめつける”!」
ナゲキ「フシュー!!」ギュウウッ!
梓「自分に…!?」
50: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:35:10.73 ID:Xy35WZWAO
紬「帯をしめて…」
ナゲキ「フシュー!」ゴゴゴ…
シロナ「!? ナゲキの様子がおかしいわ!」
レンブ「ナゲキというポケモンは『帯をしめるとパワーアップする』のだ。
そして…」
ナゲキ「」シュッ!
ドオオオン!!!!!
さわちゃん「テイ!?」ドサアッ!
梓「な、なに!?」
51: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:37:16.83 ID:Xy35WZWAO
レンブ「“しめつける”で受けたダメージを倍にして、攻撃に換えたのさ。…“がまん”でな」
梓「…!」
シロナ「やはり強い…」
紬「でも…、梓ちゃんも強いわ!」
梓「さわちゃん、“とびひざげり”!!」
さわちゃん「ダーイライ!!」ダッ!
レンブ「!」
ギュオッ!
さわちゃん「テイ!!」シュッ!
レンブ「……なんともないただの“とびひざげり”だ。ナゲキ、“あてみなげ”で…」
梓「ただの“とびひざげり”? そう思ってるなら違いますよ」
52: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:39:28.23 ID:Xy35WZWAO
レンブ「…!」
さわちゃん「テイテイテイテイ…!!」ボオオオッ!!!!!
レンブ「摩擦熱…!!」
梓「『剛の奥義』…業火を脚に取り巻き、相手を燃やし尽くせ! “ブレイズキック”!!」
さわちゃん「テイ!!!」ゴオオオッ!!!!!!
ナゲキ「!!」
バアアアン!!!!!!!!!!
シュウウ……
さわちゃん「……」
ナゲキ「…ッ」ジュウッ
レンブ「…見事な“ブレイズキック”だ。私のナゲキにやけどを負わせるとはな」
梓「…どうも」
53: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:41:17.97 ID:Xy35WZWAO
レンブ「流石はシバの弟子だな」
紬シロナ「…!!」
梓「シ、シバ先生を知っているんですか!?」
レンブ「ああ、シバは、かつて共に修業した仲間だ」
梓「…!
シバ先生が言っていました…、『昔、共に修業していた仲間がいた。一人はトウキという男、今はホウエンでジムリーダーをしている。もう一人は幼いながらもトバリシティのジムリーダー、スモモ。そしてあと一人は…』
あなただったんですね…! レンブさん!!」
レンブ「…そうだ」
梓「なんで…あなたのような人がプラズマ団に…」
54: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:43:07.63 ID:Xy35WZWAO
レンブ「……。…どうした? どうやら、ナゲキにやけどを負わせて、お前は勝ち誇っているようだが…」
梓「?」
レンブ「まだバトルは終わってないぞ!
…ナゲキ!」
ナゲキ「フシュー!!」ゴゴゴゴゴゴ……
梓「そんなっ…、やけどで弱くなるどころか、パワーがまた上がってる!?」
レンブ「『剛の奥義』…己の痛手も力の糧にせよ! ナゲキの特性“こんじょう”だ!!」
紬「やけどになったことで、“こんじょう”で逆にパワーが上がってしまったのね…!」
シロナ「まずいわ…!!」
55: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:45:32.17 ID:Xy35WZWAO
ナゲキ「フシュー…!!」ゴゴゴゴゴゴ……
レンブ「“きしかいせい”だ!!!」
ナゲキ「フシュー!!」ギンッ!
ドガアアアアン!!!!!!!!!!
さわちゃん「…ダーイ、ラ、イ……!!」
ドオオン!!!!!!!!!!!!!!!!!
さわちゃん「」バタッ!
梓「! さわちゃん…!!」
レンブ「……」
56: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:48:39.76 ID:Xy35WZWAO
紬「なんて威力…!」
シロナ「“きしかいせい”は弱っているほど威力が上がる技…。
“こんじょう”だけじゃなく、ここまで攻撃に繋げてるなんて…」
レンブ「『剛の奥義』と一口に言っても、戦法やスタイルは様々…。
私のスタイルは隙のない戦い! 技、特性…すべての行動は、すべて攻撃に繋げる!!」
梓「隙のない…戦い……!!」
レンブ「…ここまでだな。
無意味なバトルだ。ここに用はない」クルッ
レンブ「だが…いい腕をしているな。いずれはシバをも越すやもしれん。
…いい勝負だった」
ザッザッ…
梓「…」
シロナ「…なにか知らないけど、とりあえず無事で良かったのかな?」
紬「そうですね…」
57: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:50:26.20 ID:Xy35WZWAO
梓「……」
梓(なんでレンブさんはプラズマ団に…)
紬「梓ちゃん?」
梓「え?」
紬「大丈夫…?」
梓「あ、はい!
強い相手でしたが、次は負けません!」
紬「うん! 梓ちゃんなら勝てるわ♪」
シロナ「あ…、さっきのおとこのこのポケモンは……」
「それならこれじゃないですか?」カチャ
シロナ「! ワタルくん!?」
58: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:52:18.26 ID:Xy35WZWAO
ワタル「こっちも大変だったんですよ。プラズマ団を相手して…。まあ“はかいこうせん”で余裕でしたがね。
これは俺が戦ったプラズマ団が持っていたモンスターボールだ」
シロナ「よかった…。
でも、なんでワタルくんがプラズマ団と?」
ワタル「俺たちもプラズマ団に出くわしましてね。なるほどね…、奴らはここにポケモン解放をしにきていたのか」
梓「俺たち?」
シロナ「まさか、ダイゴくん…!」
紬「クロツグさんも!?」
「僕たちなら大丈夫だよ」
「なんだかなー。信用してくれよ」
シロナ「! ダイゴくん、クロツグさん!」
59: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:54:10.60 ID:Xy35WZWAO
ダイゴ「バラバラになった時はどうなるかと思ったけど、案外楽勝だったね」
クロツグ「やはり、私たちに敵などいない!
みな無事で戻ってこれたのだ!」
ワタル「…俺たちは別荘に帰るが、シロナさんたちは遺跡へ行くんだろ?」
シロナ「ええ、またね。
ポケモンはちゃんとおとこのこに返すわ」
………
……
…
《サザナミ湾》
シロナ「遺跡はこの下だけど…」
紬梓「?」
シロナ「…気になることがあるわ」
60: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:56:11.35 ID:Xy35WZWAO
紬「なんですか?」
シロナ「私たちがあのレンブって人に襲われたのは“ライモンシティ”でのことだった。その人がわざわざ“サザナミタウン”にまで来て、ポケモン解放をしていた…。
これがどういうことか分かる?」
梓「ええっと…」
紬「?」
シロナ「……プラズマ団が本格的に動き始めたということよ!」
紬梓「…!!」
梓「プラズマ団が…!」
紬「本格的に動き始めた!?」
61: ぽけもん 2011/03/24(木) 16:58:22.05 ID:Xy35WZWAO
シロナ「ええ。他の四天王が一緒にいなかったのも、恐らく地域ごとに団員たちが割り振られているんだと思うわ」
紬「地域ごとって…?」
シロナ「イッシュ地方は“ライモンシティ”から東と西に別れる。こちらは東側ね」
紬「唯ちゃんとりっちゃんの方が西側…」
シロナ「……考えてみたの、プラズマ団の行動から」
梓「なにをですか?」
シロナ「プラズマ団の最終的な目的地よ」
62: ぽけもん 2011/03/24(木) 17:00:06.66 ID:Xy35WZWAO
梓「そんなことがわかるんですか?」
シロナ「うん分かるわ…。
実はあるのよ。“ライモンシティ”から二つに別れた道が、また一つになる場所が!」
梓「!!」
紬「そ、それはどこですか…?」
シロナ「“チャンピオンロード”…いえ、もっと言えば……、
“ポケモンリーグ”!!」
紬梓「“ポケモンリーグ”…!!」
63: ぽけもん 2011/03/24(木) 17:02:20.34 ID:Xy35WZWAO
梓「そういえば、唯先輩たちも言っていました!
目指すは“ポケモンリーグ”だ、と!」
紬「プラズマ団の狙いは…“ポケモンリーグ”!!」
シロナ「…それを攻め落とすこと?
なんのためにかしら…」
梓「でも待ってください!
“ポケモンリーグ”には四天王とチャンピオンがいますけど、四天王はみなプラズマ団に属しています!! カトレアさんはスパイですけど…」
シロナ「今、“ポケモンリーグ”を守る人はチャンピオンしかいない…!」
紬梓「……!」
64: ぽけもん 2011/03/24(木) 17:04:37.86 ID:Xy35WZWAO
シロナ「…イッシュのチャンピオンは知っているし、相当の実力者よ。
でも、プラズマ団全員が攻め込んできたら…一人では対処しきれない!」
梓「つまり…、“ポケモンリーグ”を守る人が必要ということですね」
紬「カトレアさんたちの所へ戻る前に結論に至っちゃったわね…」
シロナ「私たちも“ポケモンリーグ”へ行って、プラズマ団から“ポケモンリーグ”を守りましょう!!」
紬梓「はい!!」
65: ぽけもん 2011/03/24(木) 17:06:05.90 ID:Xy35WZWAO
梓「じゃあ、そのことをカトレアさんたちにも伝えましょう!
私から言い出してアレですけど、遺跡に行ってる場合ではありません!」
シロナ「ううん。遺跡には行くわ」
紬「え…」
梓「な、なんでですか?」
シロナ「本格的に活動を始めたとしても、プラズマ団は何故ここへ四天王にまで向かわせたのかしら? ポケモン解放、ただそれだけのため?」
梓「それは…」
シロナ「なにか秘密があるんじゃないかしら? この“サザナミタウン”に」
紬梓「!」
66: ぽけもん 2011/03/24(木) 17:08:06.76 ID:Xy35WZWAO
シロナ「ここで一番怪しそうな場所が“かいていいせき”。滅多に人が訪れない所よ。なにかを隠すのなら絶好の場所じゃない?
もしプラズマ団に関しての秘密が隠されているとしたら、行ってみる価値はあると思うわ」
梓「なるほど、そうですね…」
紬「行きましょう、梓ちゃん!
最初から行くつもりだったんだから!」
梓「…はい!」
シロナ「決定ね。じゃあ、みずポケモンを用意して」
67: ぽけもん 2011/03/24(木) 17:10:05.00 ID:Xy35WZWAO
紬「ルカ!」ボム!
ルカ(オクタン)「オークタン!」
梓「トンちゃん!」ボム!
トンちゃん(プロトーガ)「プロー!」
シロナ「トリトドン!」ボム!
トリトドン「ポワ~!」グチョグチョグチョグチョ
シロナ「行くわよ、“かいていいせき”!!」
68: ぽけもん 2011/03/24(木) 17:12:11.14 ID:Xy35WZWAO
………
……
…
《かいていいせき》
プカ…
梓「ここが“かいていいせき”…」
紬「海に沈んでいる遺跡なんて、すごく神秘的ね」
シロナ「! 見て、二人とも!
なにかあるわ!」
紬「これは…」
梓「…例の石碑ですかね?」
……
…
《かいていいせき》
プカ…
梓「ここが“かいていいせき”…」
紬「海に沈んでいる遺跡なんて、すごく神秘的ね」
シロナ「! 見て、二人とも!
なにかあるわ!」
紬「これは…」
梓「…例の石碑ですかね?」
69: ぽけもん 2011/03/24(木) 17:14:14.69 ID:Xy35WZWAO
シロナ「なにか書いてあるわ。古代の文字……」
梓「読めますか?」
シロナ「…ええ。所々にしか読めないけど…。
『王…、真実、人形…、理想、作った。』
ううん…。よく分からないわ」
梓「なんのことでしょうか?」
紬「うーん…」
70: ぽけもん 2011/03/24(木) 17:15:02.64 ID:Xy35WZWAO
…………
………
……
…
《イッシュ地方のどこか》
ザッザッ…
「やあ、準備はできたのかい?
…シルバー」
シルバー「…Nか。
もう準備はできた、あとは出発だけだ」
N「…それで、聞きたいことがあるんだけど」
シルバー「なんだ?」
………
……
…
《イッシュ地方のどこか》
ザッザッ…
「やあ、準備はできたのかい?
…シルバー」
シルバー「…Nか。
もう準備はできた、あとは出発だけだ」
N「…それで、聞きたいことがあるんだけど」
シルバー「なんだ?」
71: ぽけもん 2011/03/24(木) 17:17:33.51 ID:Xy35WZWAO
N「なぜ彼女にこだわるのかな?」
シルバー「……。お前も同じだろ。
“真実”は“理想”に“理想”は“真実”に引き寄せられるのさ」
N「そうだね…。彼女たちは僕たちと同じ…、“真実”と“理想”のペアだね。
…でも、一つ違うところがある」
N「彼女たちは二人なんだ」
シルバー「……」
N「…じゃあ、頑張ってね。僕たちは英雄になる。
チャンピオンを倒し、世界に僕たちの強さを示し…、世界を変える」
シルバー「…ああ」
72: ぽけもん 2011/03/24(木) 17:19:22.91 ID:Xy35WZWAO
…………
………
……
…
《ネジやま》
「ふう…意外と疲れるのう」
「大丈夫ですか? アデクさん」
アデク「歳はとりたくないものだな、ハチクよ。“セッカシティ”からここまで来るのにも一苦労よ」
ハチク「ですが、そう弱音も吐いていられません。ここ“ネジやま”にプラズマ団の目撃情報があったのですから」
アデク「…しかし見当違いだったか。ここまでプラズマ団どころか、それといったトレーナーさえ見ていないからな」
………
……
…
《ネジやま》
「ふう…意外と疲れるのう」
「大丈夫ですか? アデクさん」
アデク「歳はとりたくないものだな、ハチクよ。“セッカシティ”からここまで来るのにも一苦労よ」
ハチク「ですが、そう弱音も吐いていられません。ここ“ネジやま”にプラズマ団の目撃情報があったのですから」
アデク「…しかし見当違いだったか。ここまでプラズマ団どころか、それといったトレーナーさえ見ていないからな」
73: ぽけもん 2011/03/24(木) 17:21:22.50 ID:Xy35WZWAO
ハチク「…ふむ。私にはこの山のどこかにプラズマ団がいると感じられるのですが…」
アデク「ああ、お前の心眼は頼りにしておる! もう少し探してみようか!」
ハチク「はい。
…そういえば、アデクさん」
アデク「む?」
ハチク「アデクさんはプラズマ団以外にも探しているものがあるようで…」
アデク「! …はっはっは! そんなことまで分かるか!」
ハチク「…」
アデク「まあ今はプラズマ団に集中だ! さあ行くぞ!」
ハチク「…はい」
タッ!
Episode.31 fin
77: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:05:07.14 ID:ZZYJ+pIAO
Episode.32
《7ばんどうろ》
唯「ラー太! “はじけるほのお”っ!!」
ラー太「ラー!」ボウッ!
ハトーボー「ハァト!?」
ボワアアッ!!!!!!
ハトーボー「」ドサッ
トレーナー「ハトーボー!!」
78: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:07:13.70 ID:ZZYJ+pIAO
唯「いいよ、ラー太! よくやったよ~!!」ナデナデ
ラー太「ラー♪」
律「あの蝋の体のどこを撫でてるんだ…。
…と、まあそれはいいとして。
唯、もうすぐ着くぞ」
唯「ふぇ? どこに?」
律「おいおい…言っただろ?
“7ばんどうろ”と“セッカシティ”を結ぶ場所、“ネジやま”だ!」
79: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:09:13.43 ID:ZZYJ+pIAO
………
……
…
《ネジやま》
唯「ふぇ~! ここが“ネジやま”かあ!」
律「ここは入口だけどなー。
……ん?」
「とおっ!!!」ダッ!
唯律「…!?」
ドンッ!!!
「ふう…」キョロキョロ
「…ここにもいないか」
……
…
《ネジやま》
唯「ふぇ~! ここが“ネジやま”かあ!」
律「ここは入口だけどなー。
……ん?」
「とおっ!!!」ダッ!
唯律「…!?」
ドンッ!!!
「ふう…」キョロキョロ
「…ここにもいないか」
80: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:11:02.32 ID:ZZYJ+pIAO
唯「あんな高いところから飛び降りてきたよ~!?」
律「つーか、あれは…」
唯律「アデクさん!!」
アデク「ぬ…、唯と律か!」
「大丈夫ですか? アデクさん」タタッ
律「!」
アデク「ハチクか。ここにはいないみたいだぞ」
唯「ハチク?」
ハチク「む、君たちは?」
81: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:13:10.86 ID:ZZYJ+pIAO
唯「えっと…平沢唯です!」
律「田井中律です」
ハチク「! そうか、君たちがアロエやアーティが言っていた子たちだな」
唯「アロエさんとアーティさんを知ってるんですか?」
アデク「うむ。ハチクは“セッカシティ”のジムリーダーだ」
唯律「ジムリーダー!」
ハチク「ああ」
82: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:15:10.69 ID:ZZYJ+pIAO
律「…って、ジムリーダーがこんなところで何をして?」
唯「あ、『ここにはいないみたいだぞ』…って」
ハチク「そう、探しているのだ」
アデク「…プラズマ団をな!」
唯律「…!」
律「プラズマ団!」
唯「っていうか、アデクさんはプラズマ団を知ってたんですか!?」
アデク「ああ。お前たちの活躍もな」
律「……。アデクさん、イッシュの四天王は…」
アデク「知っているさ。カトレアはどうとして、ギーマもシキミも…レンブも全員、七賢人になってしまったことはな」
ハチク「……」
83: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:17:14.51 ID:ZZYJ+pIAO
唯「知ってたんですか…」
律「……」
律(十年前から思ってたけど、なんでアデクさんはプラズマ団について詳しいんだろ…?)
アデク「…プラズマ団を探しているというのはな。実はこの“ネジやま”にプラズマ団が現れたと報告があったのさ」
唯「プラズマ団が…」
ハチク「だから、私とアデクさんは“ネジやま”を見回っているのだ」
律「…よし」
ハチク「?」
84: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:19:09.23 ID:ZZYJ+pIAO
律「プラズマ団がいるってんなら、私たちも探します!
なあ、唯!」
唯「うん、りっちゃん! またポケモン解放をしてるのかもしれない!」
アデク「ふ、頼もしいな。では共に進もう。
ここまではいなかったからな。また“セッカシティ”までの道を探してみるか」
………
……
…
《ネジやま中腹》
アデク「だいぶ進んできたな…」
唯「誰もいなかったね~」
律「それにしても、プラズマ団はこんな山に来てどうするつもりなんだ?
野生のポケモンを解放なんてしないだろうし…」
85: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:21:27.29 ID:ZZYJ+pIAO
ハチク「…」ピタッ
唯「?」
アデク「どうした、ハチク。まさか…」
ハチク「…誰かが近くにいます」
唯律「!」
アデク「誰か、とは?」
ハチク「明確な悪意を持つ人間……、恐らくプラズマ団でしょう」
律「プラズマ団が近くにいる…!」
アデク「用心しておけ、二人とも」
唯律「はい!」
86: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:23:03.01 ID:ZZYJ+pIAO
ハチク「…?」
ハチク(なんだ? 相手は三人…。だが、悪意を出しているのは一人だけ……、あと二人からは…)
ヒュッ!
ハチク「…!
攻撃がくる!!」
アデク「シュバルゴ!」ボム!
シュバルゴ「シュバー!」
アデク「受け切れ!!」
シュバルゴ「」ギンッ!
唯律「!!」
キキキキイイン!!!!!!
シュバルゴ「…」キッ
律「傷一つついていない!?」
アデク「シュバルゴの特性“シェルアーマー”! すべての攻撃は急所を外したぞ!」
87: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:25:18.19 ID:ZZYJ+pIAO
アデク「さあ姿を現せ、プラズマ団!
さもないと…」
シュバルゴ「…!?」クラッ
アデク「! なに…!」
シュバルゴ「」ガクッ
アデク「シュバルゴが戦闘不能に…! なぜだ!?」
キイイン……
唯「! 今の音…」
律「なにか聴こえたか?」
唯「うん! かすかに聴こえたよ! あれは“いやなおと”!!」
ハチク「“いやなおと”…?」
88: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:27:01.79 ID:ZZYJ+pIAO
アデク「“いやなおと”が出ているのなら、ワシたちは平衡感覚がおかしくなっているはずだが…」
唯「いつかのオタマロと一緒だよ!
この“いやなおと”は人には聴こえない音波で流れているんじゃ…?!」
律「そうか…、ポケモンにしか聴こえないのか!
だから私たちが気づかない間にシュバルゴが弱って、倒れてしまった!」
ハチク「なるほど…」
アデク「むう、戻れシュバルゴ!」シュウウッ
アデク「手強い相手だ!
だが、ワシは負けんぞ!! アギルダー!!」ボム!
アギルダー「ギー!!」
89: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:29:09.65 ID:ZZYJ+pIAO
アデク「“いやなおと”が流れているのならば、それを聴かなければいい話だ!
アギルダー、“むしのさざめき”!!」
アギルダー「…」ヴウウン!!!!
律「なんだ…?」
ハチク「“むしのさざめき”をすることで“いやなおと”を掻き消しているのか」
唯「そっか! 音には音!!」
アデク「…。だがこれで終わるわけではなかろうな」
シュッ!
律「! 死角からの攻撃!!」
90: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:31:21.00 ID:ZZYJ+pIAO
アギルダー「…」シュンッ!
スカッ…
唯「! かわした!? 速いっ!」
アデク「アギルダーは華麗な身のこなしで戦う。まるで忍者のようにな!」
アギルダー「…」シュンッ! シュンッ!
アデク「攻撃は当たらんぞ!
諦めるのだ!!」
チカッ!
アデク「む!? なんだ、この光りは…」
ピカアアッ!!!!!
アギルダー「…!!」
91: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:33:04.31 ID:ZZYJ+pIAO
シュッ!
律「アギルダーの影が何本にも増えたぞ!?」
ハチク「あの技は…“かげうち”!!」
ドガガガッ!!!!!
アギルダー「ギー!!?」
アデク「なにいっ!」
チカッ!
「トゥトゥトゥトゥル!!」バッ
律「危ない! モール!!」ボム!
モール「グリュー!!」
92: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:35:09.20 ID:ZZYJ+pIAO
「トゥトゥトゥトゥル!!」バシャアッ!
モール「グリュー!?」ドサアッ
律「モール!!」
アデク「こいつは…なぞのポケモン、スターミー!」
スターミー「トゥトゥトゥトゥル!!」
唯「スターミー!?」
律「まさか…」
スタスタ
「フシャー!!」
ハチク「…! ペルシアン、“いやなおと”をしていたのはこやつか!」
93: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:38:02.91 ID:ZZYJ+pIAO
ヌソッ…
「ジペッ!」
律「ジュペッタ! “かげうち”はコイツがしていたのか!」
唯「スターミー、ペルシアン、ジュペッタってことは…」
ザッ…
「フンフフフ…、どうだ? チャンピオンまでも圧倒する力は…」
唯「サキさん!」 律「サキ…!!」
サキ「ねえ? アデク様」
アデク「……サキ…!!」
94: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:40:05.11 ID:ZZYJ+pIAO
ハチク「…!」
律「アデクさん…?」
アデク「……」
唯「知ってるんですか…? サキさんを……」
アデク「…ああ、ちょっとな」
サキ「フンフフフ…」
律「…どれにしろ、戦う他ないみたいだな」
サキ「フンフフフ、我らと戦う気か?」
唯「我ら…?」
サキ「出てこい。澪、ミツル」
澪「……」
ミツル「ひゃはは☆」
95: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:42:11.66 ID:ZZYJ+pIAO
唯律「…!!」
律「澪!!」
澪「……」
ミツル「ひゃはは、こうして“ダークトリニティ《改》”の三人を拝むのは初めてなんじゃねえか?」
唯「……」
律「……」
サキ「それでは…始めるぞ」
澪「デスらん!」ボム!
デスらん(デスマス)「デスー!」
律「!」
96: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:44:27.79 ID:ZZYJ+pIAO
澪「“シャドーボール”!」
デスらん「デスー!!」ビュオッ!
律「くっ…、モール!」
モール「グリュ…」ムクッ
律「“きりさく”だ!」
モール「グリュー!!」シャキンッ
澪「物理攻撃は通用しない!」
デスらん「デスー!」
澪「“あやしいかぜ”!」
デスらん「デスー!!」ビュオオオッ!!!!!!
モール「グリュー!?」
律「モール!!」
97: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:46:04.31 ID:ZZYJ+pIAO
アデク「まずい!! ウルガモス!」ボム!
ウルガモス「モスー!」
バシャアッ!
ウルガモス「…!」
アデク「! “ねっぷう”だ!!」
ウルガモス「モスー!!」ボワアアッ!!!!
パシャア……
スターミー「トゥトゥトゥトゥル!」
サキ「あなたの相手は私ですよ、アデク様」
アデク「ぬ…」
98: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:48:09.64 ID:ZZYJ+pIAO
ダッ!
ミツル「ヒャッハアアア!!!
ノクタス!!」ボム!
ノクタス「ノークタス!」
唯「! ラー太!」ボム!
ラー太「ラー!」
ハチク「…クマシュン!」ボム!
クマシュン「クマー!」
唯「!」
ハチク「あの少年は私たちで相手をしよう」
唯「はい!」
99: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:50:05.90 ID:ZZYJ+pIAO
…
サキ「スターミー、“ハイドロポンプ”!」
スターミー「」ブシュウウッ!!!!
アデク「ウルガモス! “ぎんいろのかぜ”!!」
ウルガモス「モスー!!」ビュアアッ!!!!
スターミー「…!?」クラッ
スターミー「」バタッ
サキ「フンフフフ、さすがですね」シュウウッ
100: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:52:07.15 ID:ZZYJ+pIAO
サキ「しかしまさかあなたと対立することがあろうとはね。十年前にはとてもそうは思わなかったでしょう」
アデク「……」
ハチク「……」
ハチク(どういうことだ? あのプラズマ団の女とアデクさんが知り合いだと…? しかもなにか深刻な…)
ミツル「よそ見してんじゃねえよ!!
ノクタス!」
ノクタス「ノークタス!!」
ハチク「…!」
唯「危ない!!」
101: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:53:55.07 ID:ZZYJ+pIAO
ハチク「く…、バニリッチ!」ボム!
ハチク「“ふぶき”だ!」
バニリッチ「リニー!!」ビュオオオ!!!!!!
ノクタス「ノークタス!?」
ミツル「チッ…」
102: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:56:12.10 ID:ZZYJ+pIAO
…
澪「コロぽん、“かぜおこし”!
デスらん、“あやしいかぜ”!」
ビュアアッ!!!!!!
律「く…!」
律「ボルト!!」ボム!
ボルト「ゼブウウ!」
澪「!」
律「“ほうでん”!!」
ボルト「ゼブウウ!!!」ビリリッ!
ピシャアアアアン!!!!!!
コロぽん「コロー!?」
デスらん「デスー!?」
103: ぽけもん 2011/03/25(金) 20:58:03.13 ID:ZZYJ+pIAO
澪「…ッ!」ビリッ…
律「へへっ、どうだ? 結構効くだろ」
律「これで記憶が戻ったらいいけど…まあそんな簡単にはいかないよな」
澪「……?」
律「私のこと思い出すまで、戦ってやるよ!!」
澪「……何を言っている」
律「…?」
澪「私は記憶を失ってなどいない」
律「え……」
104: ぽけもん 2011/03/25(金) 21:00:04.02 ID:ZZYJ+pIAO
澪「お前のことも覚えている。田井中律、そうだろ?」
律「…!!」
律(澪が…私のことを覚えていた…!?
私や唯を忘れているってのは私の勘違いだったのか!)
澪「まあどうでもいいことだ! 覚えていてもいなくてもな!!
コロぽん!」
コロぽん「コロ!」ギロッ
ビュアアッ!!!!!
ボルト「…ッ!」ジリッ…
律「ボルト!!」
105: ぽけもん 2011/03/25(金) 21:02:03.39 ID:ZZYJ+pIAO
律(…いや、待てよ。ならなんで、澪はプラズマ団に……それに私と戦ってるんだ?
なにかがおかしい…!)
澪「すべてはゲーチス様のために!!」
コロぽん「コロー!!」シュッ!
ザキイッ!!!!!
ボルト「…!?」
律「!!」
律(そうか…! ゲーチスはフジさんを操っていたって言ってた!
澪は…ゲーチスに操られている!!)
澪「“シャドーボール”!!」
デスらん「デスー!!」ビュオッ!
律「!」
ドオオオン!!!!!!
106: ぽけもん 2011/03/25(金) 21:04:19.64 ID:ZZYJ+pIAO
ボルト「ゼブウウ!!?」ドサアッ!
律「ボルト!!」
ボルト「」バタッ
律「…! 戻ってくれ…」シュウウッ
澪「……」
律(…ゲーチスは人は容易に操れるってことも言ってた。でも、そんなに簡単に人を操れるものなのか?
澪はなんで、ゲーチスに操られているんだ…?)
サキ「フンフフフ…」
律「…!」
107: ぽけもん 2011/03/25(金) 21:06:02.89 ID:ZZYJ+pIAO
サキ「分かるぞ、セッカのジムリーダーよ。お前の考えていることが」
ハチク「なに…?」
サキ「フンフフフ…。ずばり、私とアデク様の関係についてだろう」
ハチク「……!」
サキ「フンフフフ、当たりのようだな」
サキ「いいだろう。隠すことでもない…。
お前たちの前ですべてを話そうか」
唯「!」
律(アデクさんとサキの関係…?)
108: ぽけもん 2011/03/25(金) 21:08:06.88 ID:ZZYJ+pIAO
サキ「いいですよね、アデク様?」
アデク「……。お前の言う通り、隠すことではない…のかもしれないな」
サキ「フフ、では…。
まず、お前たちは疑問に思わなかったか? 私のアデク様の呼び方について…」
唯「様って…」
サキ「フンフフフ。そう、敬意を払っている。
なぜか? それはだな…まあ簡単に言えば、上下関係にあったからだ」
ハチク「上下関係?」
律「って…」
サキ「まあ私はアデク様の部下で、アデク様は私の上司だったということだ」
109: ぽけもん 2011/03/25(金) 21:10:01.56 ID:ZZYJ+pIAO
ハチク「部下…、上司…?」
サキ「フンフフフ、つまり……。
アデク様はプラズマ団だったのだ。それも、七賢人の一人だった」
唯律ハチク「!!!」
唯「ア、アデクさんがプラズマ団で七賢人…!?」
律「嘘だろ…?」
ハチク「…!!」
アデク「……」
サキ「フンフフフ、まあ十年前に裏切ったのだがな」
110: ぽけもん 2011/03/25(金) 21:12:04.22 ID:ZZYJ+pIAO
律「! 十年前…!?」
律(“ホワイトフォレスト”のあの事件…! アデクさんがプラズマ団の思惑を知っていたのは七賢人だったからだったのか!!)
唯「そっか…プラズマ団を裏切った四人って、フジさん、通りすがりのトレーナーさん、アオギリっていう人、そして…アデクさんだったんだ!!」
サキ「裏切った後、まさかこうしてチャンピオンになるとは思いもしませんでしたがね」
アデク「……」
サキ「フンフフフ…、そうだ」チラッ
ダンゴロ「ゴロ~♪」テクテク
サキ「ペルシアン!」
ペルシアン「ニャー!!」タッ
111: ぽけもん 2011/03/25(金) 21:14:03.60 ID:ZZYJ+pIAO
シュタッ!
ダンゴロ「?」
ペルシアン「フシャー!!」
ダンゴロ「ゴロー!?」
アデク「! なにをする気だ!?」
サキ「なにをする気か? もちろん、襲っているのですが」
アデク「やめろ! そのダンゴロがなにをした!!」
サキ「フンフフフ、なにを熱くなっているのですか?
プラズマ団成立直後は資金集めのために、野生ポケモンを売買したり…そのためにたくさんの野生ポケモンを襲ったじゃないですか。そして散々に痛め付け、捕獲した。
もちろん、アデク様もそれに貢献していましたよね?」
アデク「ぬ…!」
112: ぽけもん 2011/03/25(金) 21:16:07.37 ID:ZZYJ+pIAO
サキ「フンフフフ、あなたはプラズマ団に所属していた。
裏切ろうと、その事実は変わらないのです」
サキ「あなたも、我々と同類なのですよ」
アデク「……ッ」
ハチク「……けるなッ」
サキ「うん?」
ハチク「ふざけるなァッ!! アデクさんと貴様たちを一緒にするなッ!!!
それ以上アデクさんを愚弄するなァッッ!!!!」
アデク「…!」
サキ「フンフフフ…。
吠えても、なにも変わらんぞ?」
113: ぽけもん 2011/03/25(金) 21:18:17.81 ID:ZZYJ+pIAO
ハチク「バニリッチィ!!」
バニリッチ「リニー!!」
サキ「ジュペッタ、“シャドーボール”!!」
ジュペッタ「ジペーッ!!」ビュオッ!
バニリッチ「…!」
ハチク「しまっ…」
唯「ラー太! “シャドーボール”!!」
ラー太「ラー!!」ドギュン!
パアアン!!!!
サキ「相殺したか…!」
ハチク「…!」
唯「アデクさんは悪い人じゃないよ!」
アデク「!」
114: ぽけもん 2011/03/25(金) 21:20:19.70 ID:ZZYJ+pIAO
唯「プラズマ団を裏切ったのだって、自分が悪いと反省したからだよ!!」
サキ「フンフフフ…。
反省…か。ただ逃げ出したんじゃなくてか?」
アデク「……。ふっ、そうだ…ワシは……恐くなったのだ。自分のしていたことが……」
唯「アデクさん…」
アデク「そしてようやく分かったのだ。自分のしていたことが悪いことだと。そしてプラズマ団を放っておいてはいけないと!!」
115: ぽけもん 2011/03/25(金) 21:22:04.33 ID:ZZYJ+pIAO
サキ「……。フンフフフ…、まあ野生ポケモンを捕獲していたのは昔の話だ」
ペルシアン「ニャー」スッ…
ダンゴロ「ゴロ…」
サキ「…今は違う目的がある。
我らが王、N様が今“リュウラセンのとう”に向かっている」
唯「Nくんが…」
サキ「そしてシルバー様は“こだいのしろ”へ…」
律「……」
サキ「お二人とも、伝説のドラゴンポケモンを求めて…。
まあお前たちがどうしようと自由だ」
116: ぽけもん 2011/03/25(金) 21:24:47.93 ID:ZZYJ+pIAO
サキ「伝えることは伝えた…。ではさらばだ。
…行くぞ」
タッ!
ミツル「…」タッ!
澪「……」
律「……」
澪「…」タッ!
ハチク「……。
行ったか、しかし…“リュウラセンのとう”に向かっているとは…?」
唯律「……」
アデク「……」
ハチク「…とりあえずここを抜けましょう。アデクさ…」
アデク「…すまん、ワシは行くところがある」ザッ…
ハチク「アデクさん…」
アデク「…」タッ!
ハチク「……」クルッ
ハチク「それぞれなにか思うことがあるだろうが…今は“セッカシティ”に向かおう」
律「……」
唯「…はい」
Episode.32 fin
121: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:21:08.83 ID:4rLQun9AO
Episode.33
《セッカシティ》
ハチク「ここが“セッカシティ”だ」
唯律「……」
ハチク「そうだな…。私は一度ジムに戻る。君たちは“リュウラセンのとう”の様子を見てきてくれ。入りはしなくていい。
そのあとに私のところへ来てくれ」
唯「はい」
律「…わかりました」
ハチク「…」ザッザッ
律「…ふ~、んじゃあ行くか」
唯「う、うん」
「お、唯と律じゃないか!」
唯律「へ?」
122: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:23:31.23 ID:4rLQun9AO
アララギパパ「私だ、アララギだ!」
唯「アララギ博士!」
律「なんでここに…」
アララギパパ「実はな、“リュウラセンのとう”にプラズマ団が出入りしているという情報が入ってだな。それを確かめに来たところなんだ」
唯律「!」
アララギパパ「しかし、君たちに会うとはな! 少し手伝ってくれないか?」
唯「アララギ博士…」
アララギパパ「む?」
律「その情報、本当ですよ」
アララギパパ「なに!」
唯「私たちもそんなようなことを聞いて“リュウラセンのとう”に向かってたんです!」
アララギパパ「ふむう、そうか…。
ならやはり調査するべきだな。一緒に来てくれるか?」
唯律「はい!」
123: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:25:05.38 ID:4rLQun9AO
………
……
…
《リュウラセンのとう前》
アララギパパ「ここが“リュウラセンのとう”だ」
唯「たか~い!」
律「ここにプラズマ団がいるのか」
アララギパパ「私は中を調べるが、君たちはどうする?」
唯「ハチクさんのところへ行かないと…」
……
…
《リュウラセンのとう前》
アララギパパ「ここが“リュウラセンのとう”だ」
唯「たか~い!」
律「ここにプラズマ団がいるのか」
アララギパパ「私は中を調べるが、君たちはどうする?」
唯「ハチクさんのところへ行かないと…」
124: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:27:36.15 ID:4rLQun9AO
律「…んじゃあ、私が行くよ。唯はアララギ博士と待っててくれ」
唯「うん! わかったよ、りっちゃん!」
律「唯をお願いします、アララギ博士」
アララギパパ「ん、ああ」
律「…」タタッ
アララギパパ「ふむう…」
唯「どうしたんですか?」
アララギパパ「いや…律はもっと元気な子のはずだったが」
唯「?」
125: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:29:28.97 ID:4rLQun9AO
………
……
…
《セッカジム》
ウィーン…
律「ハチクさーん、迎えにきましたけどー」
ハチク「ああ、君か」
律「ハチクさん!」
ハチク「む、もう一人の子は?」
律「ああ…、“リュウラセンのとう”で待っています。
じゃあ行きま…」
ハチク「…! 待つのだ」
律「!」
……
…
《セッカジム》
ウィーン…
律「ハチクさーん、迎えにきましたけどー」
ハチク「ああ、君か」
律「ハチクさん!」
ハチク「む、もう一人の子は?」
律「ああ…、“リュウラセンのとう”で待っています。
じゃあ行きま…」
ハチク「…! 待つのだ」
律「!」
126: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:31:06.49 ID:4rLQun9AO
ハチク「……」
律「ど、どうかしました?」
ハチク「こちらに来なさい」
律「あ、はい…?」
スタスタ…
ハチク「ここだ」
律「競技場…って」
ハチク「ジム戦をしようじゃないか」
律「え!? いや…」
ハチク「あの子には悪いが、少し待っていてもらおう」
律「で、でも……」
ハチク「…“ポケモンリーグ”へ行くつもりなのだろう? それならば、私と戦うことは避けられん。
いずれは戦うのだ、今戦ってもよかろう」
127: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:33:12.71 ID:4rLQun9AO
律「……それじゃあ」
ハチク「よし、それでは準備をしなさい」
律「……」
律(まあ唯はアララギ博士といるから、少しくらい待たせても大丈夫だろ。
でも…)
律(サキの話が本当だとしたら…。アデクさんはどこへ行ったのか…アデクさんの気持ちを知りたい…!
それに、澪がゲーチスに操られているんなら、ゲーチスに会わないと!
シルバーも同じように操られているかもしれない!
シルバーは“こだいのしろ”っていうところにいるんだっけ…。そこに行けばゲーチスもいるかな?)
律(そうだ、そのためにも…!)
ハチク「……。形式は2対2の交替戦だ。
では始めるぞ!」
律(こんなバトル、すぐに終わらせてやる!!)
128: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:35:14.06 ID:4rLQun9AO
律「ボルト!」ボム!
ボルト「ゼブウウ!!」
ハチク「バニリッチ!」ボム!
バニリッチ「リニー!!」
律「…」ピッ
ポケモン図鑑『バニリッチ、ひょうせつポケモン
ちいさい こおりの つぶを…』パタンッ
ハチク「!」
律「へえ…、バニリッチか」
ハチク「……」
律「ボルト! “ニトロチャージ”!!」
ボルト「ゼブウウ!!!」ボワアアッ!!!!
律「こおりタイプには、ほのおタイプだ!! いけええ!!!」
129: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:37:07.00 ID:4rLQun9AO
ハチク「…バニリッチ、“あられ”だ!」
バニリッチ「リニー!!」ビュアアッ!
律「意味ないぜ!!」
ボルト「ゼブウウ!!!」ダッ!
ボオオオン!!!!!!!
ボルト「」スタッ
律「よし、これでまずは一体…」
ハチク「倒した…と言いたいのかな?」
律「…!」
バニリッチ「リニー!!」バッ
律「な、なんで…!」
130: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:39:22.24 ID:4rLQun9AO
ハチク「君は実力のあるトレーナーだと、アーティやカミツレから聞いていたのに…、拍子抜けだな」
律「なに…?」
ハチク「バニリッチが無事なのは“ニトロチャージ”を回避したからだが…、
では何故、バニリッチが“ニトロチャージ”を回避できたのか分かるか?」
律「…それ、は……」
ハチク「…バニリッチはな、『こおりの つぶを たくさん つくりだして じぶんの すがたを てきの めから かくすのだ』」
律「“あられ”をして姿をくらましたのか…!
いや、でもそれが分かっているのなら! もう騙されないぜ!!
ボルト!!」
ボルト「ゼブウウ!!」ダッ!
131: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:41:24.74 ID:4rLQun9AO
律「もう一度“ニトロチャージ”だ!!」
ハチク「“ふぶき”!!!」
バニリッチ「リニー!!」ビュオオオ!!!!!!!
ボルト「ゼブウウ!!?」
律「…ッ!
くそッ…、ボルト! もう一度…“ニトロチャージ”で…」
ハチク「解せんな」
律「…!!」
ハチク「何故そんなに勝負を急かすのだ。
考えもなしに特攻しても、今みたいに返り討ちにあうだけだぞ」
律「……」
132: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:43:08.17 ID:4rLQun9AO
ハチク「…先程の“ニトロチャージ”がかわされたのも…、
君はバニリッチを見た時、図鑑を開いた。だが君は急かして途中で閉じたな。図鑑はなにかを言おうとしていたのに、だ。
図鑑は『こおりの つぶを たくさん つくりだして じぶんの すがたを てきの めから かくすのだ。』と言おうとしたのだ」
律「…!」
ハチク「最後まで説明を聞いていれば、なにか対応はできていた。
…君の焦りがそうさせたのだ」
律「…ッ」
ハチク「生半可な気持ちで勝負などするな!!
『ちゃっちゃと済ませちまおう』なんてことを思うな!!!
相手にも、自分のポケモンにも失礼だ!!!!」
律「……だって…」
ハチク「……」
133: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:45:07.09 ID:4rLQun9AO
律「あんたに早く勝たなきゃ…バトルを早く終わらせなくちゃいけなかったんだ!!!
それで、“リュウラセンのとう”や“こだいのしろ”に行ってプラズマ団を!!
サキの言ってた、アデクさんのことも気になる!!
やらなくちゃいけないことがたくさんあるんだよ!!!!」
律「全部…、全部…早くやらなくちゃって…!」
ハチク「……そんなことを言う前にやるべきことがあるだろう!
君のその焦りが生んだ過ちはなんだ!?」
律「……!」
ボルト「ゼブ…」ヨロッ…
律「ボ、ボルト!」タタッ
ボルト「ゼブウ…」
律「ボルト…、ご…ごめんな……。私がしっかりしないせいで……」
ボルト「ゼブウウ…!」ニコッ
律「ボルト…」
134: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:47:41.50 ID:4rLQun9AO
ハチク「…君のゼブライカ、とてもいいポケモンだな。君を信頼してくれている…」
ハチク「ポケモンの期待に応えてやれなくていいのか?」
律「……ボルト、休んでてくれ。よくやってくれた、ごめんな…」シュウッ
律「…」キッ!
律「モール! 頼んだ!!」ボム!
モール「グリュー!!」
ハチク「戻れ、バニリッチ!」シュウウッ
ハチク「フリージオ!!」ボム!
フリージオ「フリー!」
ハチク「さあ来い! 君の本気をぶつけてこい!!」
律「…へへっ」
ハチク「?」
135: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:49:09.36 ID:4rLQun9AO
ピッ
ポケモン図鑑『フリージオ、けっしょうポケモン
ゆきぐもの なかで うまれた。 こおりの けっしょうで できた くさりで えものを つかまえる。』
律「まずはポケモン図鑑だったな」
ハチク「ふっ…なるほど」
律「モール! “きりさく”だ!!」
モール「グリュー!」シャキンッ
ハチク「“しめつける”!!」
フリージオ「フリー!!」シュラッ!
ギュルッ!
モール「グリュ!?」
136: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:51:05.54 ID:4rLQun9AO
ギュウウッ!!!!!
モール「グリュー!!?」ギチギチ…
律「モール!!
…こいつが『鎖で獲物を捕まえる』ってか…!」
ハチク「そのまま“こうそくスピン”!」
フリージオ「フリー!!」ギュオッ!
ギュルルル…!!!!
モール「グリュー!?」
律「ま、まずい! あんな超高速で回転されたら、吹っ飛ばされちまう!!」
律「鎖から抜け出すんだ! モール!」
モール「グ、グリュ…!」ジタバタ
137: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:53:11.25 ID:4rLQun9AO
ハチク「無駄だ。鎖はそう簡単に解けんぞ」
律「く…、いや…!
モール! こっちも“こうそくスピン”だ!!」
モール「グリュ!!」ギュルッ
フリージオ「フリ!?」
モール「グリュー!!!」ギュルルル…!!!!
バチイイン!!!!!!
ハチク「なに!?」
モール「グリュー!」スタッ
フリージオ「フ、フリー…」フラフラ
ハチク「急に逆回転されて、目が回って離してしまったのか」
律「へへっ、どうだ!」
138: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:55:57.75 ID:4rLQun9AO
ハチク「面白い…。それでこそ、アーティやカミツレが認めたトレーナーだ」
ハチク「…なら、こんなものはどうだ?
フリージオ、“ソーラービーム”!!」
フリージオ「フリー…!!」ギュオオオ…
律「! モール、気をつけろ!! “ソーラービーム”が来る…」
フリージオ「…」シュウウッ…
律「…!?」
モール「グ、グリュー?」キョロキョロ
律「消えた…!?」
律(フリージオはどこに…これは何かの技なのか?)
139: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:57:10.29 ID:4rLQun9AO
ハチク「“こおりのつぶて”!!」
ヒュオッ!
律「…!」
ドダダダダダ!!!!!!!
モール「グリュー…!?」
律「ど、どこから攻撃が!?」
ドダアアン!!!
モール「グリュー!!?」ズサアッ
律「…!!」
ハチク「ふふ、『消えた』か…、あながち間違ってはいないが」
ハチク「これはフリージオの能力だ」
律「能力…?」
140: ぽけもん 2011/03/28(月) 10:59:08.04 ID:4rLQun9AO
ハチク「体温が上がると 水蒸気になり姿を消す、というものだ」
律「…! じゃ、じゃあ…」
ハチク「そう。今、フリージオは水蒸気になっているのだ」
律「本当だ…! よく見たら霧みたいなのが、競技場一面に広がってる…」
律「…ん? きょ、競技場一面に!?」
ハチク「気体である水蒸気は、粒子間の距離は長い!
よって、散らばり…四方八方から攻撃ができる!!」
律「…!!」
141: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:01:10.00 ID:4rLQun9AO
ハチク「“こおりのつぶて”!!」
ヒュオッ!
ドダダダダダ!!!!!!!
モール「グリュー…!?」
律「くそ…!」
律(なにか打開策はないのか…? 気体が相手じゃあ攻撃もできない…)
律(ん…? 気体?)
律「!」
律(そうか!)
142: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:03:06.18 ID:4rLQun9AO
ハチク「…! なにか分かったようだな」
律「はい。氷を水蒸気にするには温度を上げる、逆に…水蒸気を氷にするには温度を下げる!!」
ハチク「よくぞ見抜いたな。
しかし、どうやって温度を下げるのだ? なにも手はないだろう」
律「……いや、ある!」
ハチク「…!」
律「今、フリージオは“ソーラービーム”を放つ寸前で止めて、体に光を集めて体温を上げている!
なら、“ソーラービーム”を放った瞬間…フリージオは元の氷の姿に戻る!!」
ハチク「すばらしい…、それだけのことを今の短時間で見抜くとはな。
だが、そのことを見抜いた、理解したとはそれすなわち! それでは己が負けると理解しているということだ!!」
143: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:05:03.02 ID:4rLQun9AO
ハチク「フリージオが“ソーラービーム”を放つまでに、君のモグリューが倒れないか!!
その保証はできんぞ!!!」
律「へっ、大丈夫だ!」
律「私はモールを信じてる!!」
モール「グリュー!」キッ!
ハチク「いいだろう…。
フリージオ!! “ふぶき”だー!!!」
ヒュウッ…
ビュオオオ!!!!!!!!!!
律「くっ…!!」
モール「グリュー…!!」ジリッ…
ビュアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!
ドオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
144: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:07:05.51 ID:4rLQun9AO
シュウウッ……
律「うっ…、どうなったんだ…? ジム一面、銀世界だ……」
律「モールは…?」
モール「……」カキイッ
律「モール…!」
ヒュウウッ!
ハチク「耐え切れなかったようだな。こおり状態だ」
律「…そんなわけない」
ハチク「!」
律「モール! 頑張ってくれ!!
このバトルの前は、ボルトが戦った! バカな私のせいで負けちまったけど…、でもボルトはしっかり戦ってくれたんだ!!
ボルトの気持ち、頑張り…、お前はそれを背負ってるんだ!!
ボルトはお前を応援してる! 『勝ってくれ』って!!
私もお前を応援してるぞ!! 頑張れ!!! 負けるな!!!」
145: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:09:43.90 ID:4rLQun9AO
律「氷から抜け出してくれー!!!!」
モール「……」カキインッ
ハチク「無駄だ。モグリューは凍ってしまって動かない。
これ以上は戦えな…」
ピカアアッ!!!!!
律ハチク「!!」
ハチク「あの光は…!」
律ハチク「進化!?」
バキイイッ!!!!!
「リュー!!!」ダッ!
ドンッ!!!!!
モール(ドリュウズ)「リュー!!!」
律「ドリュウズだ…! ドリュウズに進化したんだ!!」
146: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:11:17.69 ID:4rLQun9AO
ハチク「この土壇場で進化とは…!」
律「…やれるか? モール」
モール「リュー!!!」
律「よし、いけえっ!!」
モール「リュー!!!」ダッ
ハチク「く…、フリージオ! “ふぶき”だァ!!」
ビュオオオ!!!!!!!
律「“こうそくスピン”!!」
モール「リュー!!!!」ギュルッ
ギュルルル!!!!!!!
バシャバシャ!
ハチク「! 回転して防いだ!?」
律「“ふぶき”は効かないぜ!!」
ハチク「気体の状態では技の威力が、元の状態のときに比べ落ちてしまうのか!
く…、ならば! “ソーラービーム”でダメージを与え、その隙に元の姿に戻り“ふぶき”をすれば…!!」
147: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:13:08.14 ID:4rLQun9AO
ハチク「やむを得ん! フリージオ、“ソーラービーム”だ!!」
フリージオ「」カッ!!!!
律「そうくると思ったぜ」
ハチク「!!」
モール「リュー!!」ザンッ!
フリージオ「フリッ!?」
ハチク「いつの間に懐に…!?」
律「分かっていたんだ、フリージオが固体になって現れる位置が」
ハチク「馬鹿な…! 四方八方に散らばった水蒸気が集まる場所を特定するなど不可能!!」
律「ああ、そうだ。なにもしなければな。
…さっきの“こうそくスピン”だよ」
ハチク「…!! あれは、“ふぶき”を防ぐためだけでなく…、水蒸気を一カ所に集めるためでもあったのか!!」
148: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:15:04.18 ID:4rLQun9AO
律「そういうことだ!!
行くぜ!! “ドリルライナー”!!!!」
モール「リュー!!!」ギュオッ
ドガアアアアン!!!!!!!!
フリージオ「」ガクッ
ハチク「負けた…!」
律「よっしゃあ!!」
ハチク「…一つ聞かせてくれ」
律「はい?」
ハチク「フリージオの特性は“ふゆう”なんだが、なぜ“ドリルライナー”を喰らったのだ?」
律「んーと、なんかよく分からないけど、私のモールの特性…」
律「“かたやぶり”みたいなんですよねー」
ハチク「…!」
ハチク(“かたやぶり”? 普通はドリュウズの特性では有り得ないはずだが…。
………ふっ、まあいいか)
149: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:17:20.32 ID:4rLQun9AO
ハチク「ふ、見事だった。
私に勝った証、“アイシクルバッジ”を授けよう」
律「ありがとうございます!」
律「ボルト、モール、ありがとな!」
モール「リュー!!!」
ボム!
ボルト「ゼブウウ!!」
律「へへ…」
律「……」
律「あとは、アデクさんや澪、シルバーのことだな…」
150: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:19:05.30 ID:4rLQun9AO
ハチク「そのことだが…」
律「?」
ハチク「私は澪という少女やシルバーと呼ばれる少年のことは何も知らない。
だが、アデクさんのことなら知っている」
ハチク「私もアデクさんがプラズマ団だと聞かされて、正直愕然としたよ」
ハチク「だがな、すぐにその驚きは消えた。不安も何も感じなかったさ。まあ、逆にちとあの女に憤慨してしまったがな。
……なぜだか分かるか?」
律「…」
ハチク「それはな、信じていたからさ、アデクさんをな。アデクさんはとても良い人だ。昔は昔…関係はない。君の友達の女の子が私の言いたいことを言ってくれたよ」
151: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:21:09.87 ID:4rLQun9AO
ハチク「…私はな。昔、アデクさんに助けられたのだ」
律「アデクさんに?」
ハチク「ああ。まだ私が若かりし頃…、私は自分の仕事に専念していた。周りもみず、ただただ夢中で日々仕事に取り組んでいたよ…。
だがある時、その日常を壊す出来事が起きた」
ハチク「私は仕事でヘマをしてな、大怪我を負ってしまったのだ。もう仕事は引退するしかなかった…」
律「怪我…」
ハチク「私はとても落ち込んでいた。まだ子供の君に言うことではないが、もう死んでしまいたいとも思ったよ」
ハチク「…そんな時、落ち込んでいる私を見かけ、アデクさんは私に声をかけてくれたのだ。
私はすべて話したよ、怪我のことも。アデクさんは静かに私の話を聞いてくれた…。
そして、すべて話し終えた後にアデクさんは言われた。
『他の人やポケモンと共にあり、その支えによって自分が強くなる……そういう強さもある』と」
152: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:23:08.55 ID:4rLQun9AO
ハチク「なんともない言葉だった。しかし何故か私の心にはその言葉が響いたのだ。
私はその後、ポケモンバトルを鍛え、こうしてジムリーダーをやっている」
ハチク「アデクさんには感謝をしている。
アデクさんのおかげで、今の私が在るのだ」
律「……」
ハチク「アデクさんはな…」
律「信じてるよ」
ハチク「!」
律「私もアデクさんを信じてます!」
ハチク「……ふっ、そうか。
要らぬ世話だったな」
ハチク「さあ行こう、“リュウラセンのとう”へ」
律「あ、そうだ。ハチクさん」
ハチク「…?」
153: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:25:09.37 ID:4rLQun9AO
…………
………
……
…
《リュウラセンのとう前》
唯「遅いなあ、りっちゃん…」
アララギパパ「なにをしてるんだかなあ」
唯「ん~。…あ!」
律「ゆーいーっ!」
唯「りっちゃん!
遅いよ~!!」
律「ごめんごめん」
唯「もう…。あ、ハチクさんも!」
ハチク「ああ」
アララギパパ「お、ハチクさんか。ジムリーダーの」
ハチク「アララギ博士! …なるほど、貴方もプラズマ団について?」
アララギパパ「ああ、ちとな」
………
……
…
《リュウラセンのとう前》
唯「遅いなあ、りっちゃん…」
アララギパパ「なにをしてるんだかなあ」
唯「ん~。…あ!」
律「ゆーいーっ!」
唯「りっちゃん!
遅いよ~!!」
律「ごめんごめん」
唯「もう…。あ、ハチクさんも!」
ハチク「ああ」
アララギパパ「お、ハチクさんか。ジムリーダーの」
ハチク「アララギ博士! …なるほど、貴方もプラズマ団について?」
アララギパパ「ああ、ちとな」
154: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:27:20.37 ID:4rLQun9AO
唯「それじゃあ、みんな揃ったことだし! “リュウラセンのとう”に入ろう!」
律「あ、それなんだけど…私は行かないんだ」
唯「ふぇ! どういうこと!?」
ハチク「律がな、私に話したのだ」
唯「?」
ハチク「『ハチクさんは唯と一緒に“リュウラセンのとう”へ行ってください。
私は……』」
律「…“こだいのしろ”へ行く」
唯「!!」
唯「“こだいのしろ”って…」
律「サキの言う通りなら、そこにシルバーがいる。ここ、“リュウラセンのとう”にはN……」
唯「……」
律「私はシルバーの所へ、唯はNの所へ……」
唯「うん、わかった!」
律「!」
155: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:29:22.63 ID:4rLQun9AO
唯「りっちゃんはシルベルくんのことが気になるんだねえ」
律「いや、別に変な意味じゃ…。つかシルバーな!」
唯「わかってるよ。…がんばって!」
律「…ああ! 唯もな!」
唯「うん!」
律「へへ…、じゃあ私は行くよ」
アララギパパ「律!」
律「! はい?」
アララギパパ「いつもの調子に戻ったみたいだな!」
律「…はい! もう大丈夫です!」
アララギパパ「そうか! しっかりやれよ!」
律「はい!」
156: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:31:39.70 ID:4rLQun9AO
ハチク「……」
律「ハチクさん、唯のこと頼みます!」
ハチク「…ああ。
そうだ、律よ。事が終わったら、セッカに戻ってきなさい」
律「分かりました!
…それじゃあ!!」
アララギパパ「じゃあなーっ!」
ハチク「……」
唯「またね、りっちゃあん!!」
157: ぽけもん 2011/03/28(月) 11:33:39.74 ID:4rLQun9AO
…………
………
……
…
《8ばんどうろ上空》
バサッバサッ…
N「……」
N「バルジーナ、少しスピードを上げてくれ」
バルジーナ「キョキョォー!!」ビュンッ
N「……」
N「…もうすぐだ。もうすぐ会える……トモダチ、ゼクロムに!」
バサッバサッ……
Episode.33 fin
………
……
…
《8ばんどうろ上空》
バサッバサッ…
N「……」
N「バルジーナ、少しスピードを上げてくれ」
バルジーナ「キョキョォー!!」ビュンッ
N「……」
N「…もうすぐだ。もうすぐ会える……トモダチ、ゼクロムに!」
バサッバサッ……
Episode.33 fin
162: ぽけもん 2011/03/30(水) 23:56:32.57 ID:Uhpoz8tAO
Episode.34
《4ばんどうろ》
ブオオオ!!!
律「んおお…!」
律「一度アイリスと来たんだっけ?
やっぱり砂煙すげえな…」
ブオオオ!!!!!
律「これじゃあ進めないぞ…」
バシャッ!
律「! 野生ポケモンか!?
こんな時に…!」
「ムー!!」ドンッ!
163: ぽけもん 2011/03/30(水) 23:58:56.53 ID:Uhpoz8tAO
律「こ、こいつは…?」ピッ
ポケモン図鑑『ムーランド、かんだいポケモン
やまや うみで そうなんした ひとを きゅうじょする ことが とくい。 とても かしこい ポケモン。』
律「へ~、頭いいんだな…って!
感心してる場合じゃないぞ! ポケモンを出して応戦しないと…!」カチャ
「おっと、待ってくれよ」
律「!」
「そのムーランドは私のさ」
律「あんたはシッポウジムリーダーの…」
アロエ「アロエさ。
なにか見かけた顔だと思ったら、あんただったんだね」
164: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:02:29.96 ID:XFGseIlAO
律「どうして、アロエさんがここに?」
アロエ「ある人に頼まれてね、『“こだいのしろ”へ行く手伝いをしてくれ』ってね」
律「ある人?」
アロエ「チャンピオンのアデクさんさ」
律「アデクさん!?」
アロエ「ああ。知り合いだったかい?」
律「はい…」
律(アデクさんも“こだいのしろ”に…)
律「アロエさん! 私も“こだいのしろ”へ行くところだったんです!!」
165: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:04:27.25 ID:XFGseIlAO
アロエ「なんだい、急に大声出して…って、あんたも?
ああ…プラズマ団か」
律「はい、でもこの砂嵐の中、進もうにも進めなくて…」
アロエ「そうだね…。じゃあアデクさんと同じようにムーランドの“すなかき”で……」
アロエ(いや、待ちなよ…確か……)
ヤーコン『律という娘に化石を渡しといたから、会ったら復元しといてやってくれ』
アロエ(って、ヤーコンの奴が言ってたね…。
その化石は………)
166: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:08:54.40 ID:XFGseIlAO
アロエ「あんた、化石を持っているよね?」
律「…え? あ、ああ…ヤーコンのオッサンから貰ったヤツか…」
律「それならここに……」ガサガサ
律「…ほらっ」ジャンッ
アロエ(やはり…この化石か。これなら…)
アロエ「よし、今すぐその化石を復元しよう! 貸しな!」
律「え? あ、はい」スッ
パシッ
律(なんなんだ?)
167: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:12:04.85 ID:XFGseIlAO
アロエ「…」カチャカチャ
律(梓やムギが用意してたような即席の復元装置か?)
アロエ「よし、できた!
あとは化石を設置して……」
スチャッ
ギュオオオ……
アロエ「……」
律「あのー、化石を復元してなにを?」
アロエ「化石から古代のポケモンが生き返るのさ」
律「いやそれは知ってるけど、なんで今?」
アロエ「そりゃあ“こだいのしろ”へ向かうためさ」
律「??」
168: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:14:27.55 ID:XFGseIlAO
アロエ「まあ見ていな…」
ギュオオオ……!!
アロエ「もうそろそろだ…!」
アロエ「化石がポケモンに…!!」
ピカアアッ!!!!!!
「アーケ?」ピョコッ
律「このポケモンは…?」ピッ
ポケモン図鑑『アーケン、さいこどりポケモン
かせきから ふっかつした ポケモン。 あらゆる とりポケモンの そせんと かんがえられている。』
169: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:16:16.94 ID:XFGseIlAO
律「アーケン…」
アロエ「そう! あんたが持っていた、“はねのかせき”から復活したポケモンさ!
つまり、こいつはあんたのポケモンさね!」
律「こいつが…」
アーケン「アーケ?」
律「っと…よろしくな」
アーケン「アーケ!」ニコッ
律「へへっ」
アロエ「さあて…、そいつを復活させたのは他でもない“こだいのしろ”へ向かうためだと言ったけど、まだ十分じゃないね」
律「…? あ、そうか!
こいつで空を飛んで…!」
170: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:19:09.90 ID:XFGseIlAO
アロエ「そうさ。だが今のままじゃあ、子供一人乗せることもままならないだろう。
だから…、ミルホッグ!!」ボム!
ミルホッグ「ミルー!」
律「…!」
アロエ「…私と戦ってレベルを上げ、進化してもらうよ!」
律「…へへっ、上等だな」
律「アーケン、やれるか?」
アーケン「アーケ!」フンスッ
律「やる気満々だな!
…よし! 行くぜ!!」
アーケン「アーケ!!」
アロエ「ふっ……」
ミルホッグ「ミルー!」
171: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:21:26.44 ID:XFGseIlAO
…………
………
……
…
《セッカシティ》
唯「それで…行かないんですか? “リュウラセンのとう”」
ハチク「……」
アララギパパ「ふむう…どうやら、まだ連中は来とらんようだしなあ」
ハチク「今は様子見、ということだ」
唯「ふぇ~」
アララギパパ「まあ一応、塔周辺には近づかないように街の人には言っておいたがな」
………
……
…
《セッカシティ》
唯「それで…行かないんですか? “リュウラセンのとう”」
ハチク「……」
アララギパパ「ふむう…どうやら、まだ連中は来とらんようだしなあ」
ハチク「今は様子見、ということだ」
唯「ふぇ~」
アララギパパ「まあ一応、塔周辺には近づかないように街の人には言っておいたがな」
172: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:23:20.77 ID:XFGseIlAO
唯「でもどうせプラズマ団の人たちが来るなら、塔で待っていた方が…」
ハチク「いや、それはまずい。あちらから塔へ行くことは伝えたのだ。我々がそれを阻止してくることは必至。
だからこそ、我々が塔の中で待機しているのなら、あちらに外から来られ、逆に追い詰められてしまう」
アララギパパ「だから様子見なんだ」
唯「う~ん、よくわからないよ…」
アララギパパ「とりあえず、奴らが来るまでここで待っていよう。それが今できる最善の行動だ」
唯「はーい」
ハチク「…そうだな。
念のため、ポケモンは回復させておくぞ。いざという時に体力がないと一大事だからな」
173: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:25:04.69 ID:XFGseIlAO
唯「……」
唯(こんなにのんびりしてていいのかなあ…)
アララギパパ「しかし、遅いな…。今日来るとも言っていなかったのだろう?」
ハチク「…まあそうですね」
唯「ちょっと私、外を見てきます!」ガタッ
タタッ
唯「ふう…、プラズマ団はいな……」
バサッバサッ
唯「! あ、あれは…Nくん!?」
唯「じゃ、じゃあもうプラズマ団の人たちが!!」
174: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:27:29.75 ID:XFGseIlAO
唯「い、いけない! 早くアララギ博士とハチクさんを呼びに行かなきゃ!!」タタッ
バサッバサッ…
トッ……
N「着いたね…。
ここまでありがとう、バルジーナ」
バルジーナ「キョキョー!」
N「…さて、君たちもおいでよ」
下っ端たち「はっ!!」
N「今から“リュウラセンのとう”へ向かう!
目的はゼクロム!! 目指すは頂上だ!!!
邪魔をする者は、君たちに頼んだよ!!」
下っ端たち「はっ!! N様!!!!」
175: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:29:38.57 ID:XFGseIlAO
N「待っていてくれ、ゼクロム……。
待っていてくれ、ポケモンたち……。
これでやっと救われる。ポケモンたちも、僕たちの心も……。
やっとこの苦しみから解放されるんだ………」
N「これは、その初めの一歩だ。
世界が救われる、大切なたったの一歩……」ザッ…
N「ツンベアー、チョロネコ、バルジーナ、オタマロ、スワンナ……」
N「一緒に行こう、僕のポケモンたちよ」
………
……
…
ガチャッ!
唯「たいへ~ん!!」ダダッ
アララギパパ「ん? どうした?」
唯「プラズマ団が…“リュウラセンのとう”に!!」
ハチク「…!」
アララギパパ「なにぃっ!!」
176: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:31:07.75 ID:XFGseIlAO
…
《リュウラセンのとう》
下っ端「……」キョロキョロ
ササッ…
アララギパパ「…本当だ! プラズマ団が塔の中でウロチョロと…!」
ハチク「いつの間にこんな…」
アララギパパ「さっきまではいなかったのに…!
…クッ!! 芋ようかんなんて食べてる場合じゃなかった!!!」
唯「…クッ! じゃないですよお!
私も芋ようかん食べたかった!!」
ハチク「そっちかい」
《リュウラセンのとう》
下っ端「……」キョロキョロ
ササッ…
アララギパパ「…本当だ! プラズマ団が塔の中でウロチョロと…!」
ハチク「いつの間にこんな…」
アララギパパ「さっきまではいなかったのに…!
…クッ!! 芋ようかんなんて食べてる場合じゃなかった!!!」
唯「…クッ! じゃないですよお!
私も芋ようかん食べたかった!!」
ハチク「そっちかい」
177: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:33:13.43 ID:XFGseIlAO
アララギパパ「どうだ? この際『芋ようかん大作戦』でプラズマ団を一掃するというのは?」
ハチク「なんですか、それ」
アララギパパ「芋ようかんをばらまいて、プラズマ団がそれを拾い食いしてるところをパコーン!! っと」
ハチク「そんな阿呆な作戦、誰が…」
唯「うわあ、プラズマ団の人、ひいふう……十人以上はいるよ~」
アララギパパ(引っ掛かりそうな人が約一名…!!)
アララギパパ「よし、まずは芋ようかんを撒いてだな…。唯が芋ようかんを食べている隙に……」
ハチク「当初の目的忘れてません?」
178: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:35:11.89 ID:XFGseIlAO
アララギパパ「てぃやっ!!」ブンッ!
バラバラッ
下っ端1「誰かそこにいるのか!?」
アララギパパ(しまった!!)
ハチク(阿呆か!)
唯「わあ~! 芋ようかんだあ~!!」ダダッ
下っ端1「誰だ、お前!!」
ハチク「あああああ!」
アララギパパ「」グッ
ハチク「なにガッツポーズしてんですか!!」
179: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:37:12.52 ID:XFGseIlAO
下っ端1「侵入者だー!!」
下っ端2「なにい!」
下っ端3「侵入者だとォ?」
下っ端4「よし、久しぶりに暴れるか!」
下っ端5「N様には任したと言われたからな」
下っ端6「手加減はなしだ!」
下っ端7「覚悟しろよ、侵入者ども」
下っ端8「この数相手にどう出るかなあ?」
下っ端9「まあこれでも、プラズマ団の総戦力の百分の一にも満たないけどな」
下っ端10「プラズマ団下っ端は総勢一万はいるからなあ」
ゾロゾロ……
ハチク(いっぱい出てきたぞ!)
180: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:39:46.59 ID:XFGseIlAO
アララギパパ「ふむう……」
唯「パクパク……ふぐぇ?」
下っ端1「どうする? 侵入者たちよ。
勝ち目がないのは分かってんだろ?」
ハチク「……」カチャ
アララギパパ「ふむ…」カチャ
唯「もぐむぐ…」カチャ
ボム!!!
ハチク「フリージオ、“ふぶき”!!」
アララギパパ「ジャローダ、“グラスミキサー”!!」
唯「ラー太、“はじけるほのお”!!」
ドガアアアアン!!!!!!!!!!!
下っ端たち「」ドサドサッ!
ハチク「さあ、先に進むぞ!」
181: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:41:25.76 ID:XFGseIlAO
…………
………
……
…
《4ばんどうろ》
アロエ「ミルホッグ、“シャドーボール”!!
ムーランド、“とっしん”!!」
ミルホッグ「ミルー!」ビュワッ
ムーランド「ムー!!」ダダッ
アーケン「アーケ!?」
律「そんな勢いだけの真正面からの攻撃なんざ効かないぜ!!
“アクロバット”!!!」
アーケン「アーケ!!!」ビュンッ!
………
……
…
《4ばんどうろ》
アロエ「ミルホッグ、“シャドーボール”!!
ムーランド、“とっしん”!!」
ミルホッグ「ミルー!」ビュワッ
ムーランド「ムー!!」ダダッ
アーケン「アーケ!?」
律「そんな勢いだけの真正面からの攻撃なんざ効かないぜ!!
“アクロバット”!!!」
アーケン「アーケ!!!」ビュンッ!
182: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:43:48.45 ID:XFGseIlAO
ムーランド「…!」
ドガアア!!!!
ムーランド「ムー!!?」ビュオ!
ミルホッグ「ミル!?」
アロエ「しまった! まだ“シャドーボール”は発射されてない!!
今、飛んでくるムーランドにぶつかったら…」
ムーランド「ムー!?」
ドシャッ!!
ミルホッグ「ミルー!?」
カッ!!!!!
ドオオオオオオオオオン!!!!!!!!
183: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:45:07.95 ID:XFGseIlAO
ミルホッグ「」バタッ
ムーランド「」バタッ
アロエ「…!!」
アロエ「二匹とも戦闘不能か…」
ピカッ!!
アロエ「!」
アーケン「アーケ…!」メキメキ…
律「これは…」
アロエ「進化が始まったんだ!!」
ピカアアッ!!!!!
アーケオス「アーケェエ!!」
律「アーケオス…!!」
184: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:47:03.78 ID:XFGseIlAO
アロエ「…!
…ふっ、大したもんだね。こんなにも速く進化させるとは」
律「いやあ、アロエさんのご指導のおかげですよ」
アロエ「…ふっ。なんにしろ、これで行けるね」
律「…はい!」タッ
アーケオス「アーケェエ!!」
アロエ「もう行くのかい?」
律「もうプラズマ団がいるかもだし! アデクさんにも追いつきたい!
ありがとうございました!! アロエさん!!!」
アロエ「ああ! アデクさんによろしく頼んだよ!!」
185: ぽけもん 2011/03/31(木) 00:49:22.41 ID:XFGseIlAO
アーケオス「アーケェエ!!!」バサッ!
ビュオンッ!!!!!
律「うっおお…!?」
アーケオス「アーケェエ!!!」
律「すげえな…、マサキのピジョットに乗って以来だ。ひこうポケモンで空を飛ぶのは…」
ビュオ!!!
律「…決まりだな、お前の名前は『フォウル』だ!」
フォウル「アーケェエ!!!」
律「行くぜ、フォウル!!
目指すは“こだいのしろ”だぁ!!!」
ビュオオオ!!!!!!!!!
Episode.34 fin
192: ぽけもん 2011/04/03(日) 19:54:46.75 ID:384/ZKRAO
Episode.35
《リゾートデザート》
フォウル「アーケェ!」スタッ
律「着いたのか? ここが“リゾートデザート”…!
この奥に“こだいのしろ”があるんだ!!」
フォウル「アーケェ!」
律「ん? ああ、ありがとうな、フォウル。
……? なんだよ?」
フォウル「アーケェ!」クイクイッ
律「誰かいる…?」
193: ぽけもん 2011/04/03(日) 19:56:13.88 ID:384/ZKRAO
ザッザッ…
フォウル「アーケ…!!」ジリッ
律「…! アデクさん!」
アデク「! 律!?」
律「やっと追いつきました!」
アデク「そうか…おぬしもプラズマ団を……。
それにしても、そのアーケオスは…」
律「へへ、こいつのおかげでここまで来れたんですよ!」
アデク「なるほどな…」
律「……アデクさん」
アデク「む?」
律「会う前は色々と聞きたいことがあったんだけど、もう聞く必要もないです」
アデク「……」
194: ぽけもん 2011/04/03(日) 19:58:42.04 ID:384/ZKRAO
アデク「…律よ」
律「はい?」
アデク「前にも聞いたが…、ライモンで会うより前に、わしとおぬし……会ったことがあるか?」
律「……へへっ、ううん! あれが初めてですよ、アデクさんに会ったのは!」
アデク「ふむ、そうか。
…まあ今気にすることでもなかったな。今は……」
律「行きましょう! “こだいのしろ”へ!!」
アデク「うむ!」
195: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:00:07.12 ID:384/ZKRAO
………
……
…
《こだいのしろ》
律「ここか…」
アデク「む…プラズマ団はいないみたいだな。少なくともここには」
律「そうですね…、奥に行ってみますか」
ザッザッ…
アデク「…むう、やはりいないな」
律「おかしいなあ…」
ズズ……
アデク「…! 律! 下だァ!!」
律「し、した?」
ズズズ……
……
…
《こだいのしろ》
律「ここか…」
アデク「む…プラズマ団はいないみたいだな。少なくともここには」
律「そうですね…、奥に行ってみますか」
ザッザッ…
アデク「…むう、やはりいないな」
律「おかしいなあ…」
ズズ……
アデク「…! 律! 下だァ!!」
律「し、した?」
ズズズ……
196: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:02:15.09 ID:384/ZKRAO
律「な、なんだこれ!? アリ地獄!!?」
ズズ……
律「うっ…、足が……!」
アデク「今助けるぞ!!」ダッ
ガシイッ!
アデク「ぬぐっ…!」
律「だ、ダメだ…! 砂が重くて、足が抜けない!!
しかも動けば動くほど、砂に埋もれて……」
ズボッ!
律「…うわあっ!?」シュッ
パッ!
アデク「しまった…!」
ズズズ……
律「うわあぁぁぁ……」
197: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:04:03.15 ID:384/ZKRAO
…
ドシャッ!
律「うわっ! …っとと……」
律「……あれ? 生きてる……」
律「………はぁ、なんだ…。アリ地獄じゃなかったんだな……」
律「ここは…さっきの所から落ちて、下の階に来たのか?」
律「アデクさんは…まあ大丈夫か。
とりあえずここを動かずに……」
ザッザッ……
律「! アデクさんか?」
ザンッ
「やっと来たか、待ちくたびれたぞ」
律「…!! シルバー!!!」
シルバー「……」
ドシャッ!
律「うわっ! …っとと……」
律「……あれ? 生きてる……」
律「………はぁ、なんだ…。アリ地獄じゃなかったんだな……」
律「ここは…さっきの所から落ちて、下の階に来たのか?」
律「アデクさんは…まあ大丈夫か。
とりあえずここを動かずに……」
ザッザッ……
律「! アデクさんか?」
ザンッ
「やっと来たか、待ちくたびれたぞ」
律「…!! シルバー!!!」
シルバー「……」
198: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:06:06.73 ID:384/ZKRAO
…………
………
……
…
《リュウラセンのとう》
タッタッタ……
アララギパパ「随分と上ってきたが…、まだそれらしいのはいないな!」
ハチク「N…と言ったか。そやつが来ているのだろう?」
唯「はい! プラズマ団の王様なの!」
アララギパパ「王様か…。案外、塔の最上階にいたりしてな」
唯「最上階って……何階あるの~!?」
ハチク「…!」ピタッ
唯「ふぇ!?」キキッ
………
……
…
《リュウラセンのとう》
タッタッタ……
アララギパパ「随分と上ってきたが…、まだそれらしいのはいないな!」
ハチク「N…と言ったか。そやつが来ているのだろう?」
唯「はい! プラズマ団の王様なの!」
アララギパパ「王様か…。案外、塔の最上階にいたりしてな」
唯「最上階って……何階あるの~!?」
ハチク「…!」ピタッ
唯「ふぇ!?」キキッ
199: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:08:59.53 ID:384/ZKRAO
アララギパパ「どうした?」
ハチク「…どうやら、そう簡単には行かせてくれないようだ」
ゾロゾロ……
下っ端たち「ククク……」
アララギパパ「…! なんて数だ!! ぱっと見で30はいるぞ!?」
唯「あわわ…」
ハチク「敵と遭遇するたびに、一々三人で相手にしていたら効率が悪いな。ここは分担しよう」
唯「?」
200: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:11:13.10 ID:384/ZKRAO
ハチク「ここは私とアララギ博士が引き受けよう。君はこのまま上を目指しなさい」
唯「!」
ハチク「いいですよね、アララギ博士!」
アララギパパ「ああ、いいとも!」
唯「…」
アララギパパ「なあに、心配はいらないさ! 所詮は下っ端どもだ! 数が多いだけさ!」
ハチク「だが、そうだな。このフロアは四階だ!
塔は七階建て! 最上階にNとやらがいるのならば、まだ先だ!! この上にも下っ端たちが待ち伏せているかもしれない!!」
ハチク「だから、これを持って行け!!」ブンッ
唯「!!」パシッ
唯「モンスターボール!?」
ハチク「私の手持ちの二匹だ!
もし敵に出くわしたら、迷わずボールを投げて、君は先へ進むんだ!!」
201: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:14:10.92 ID:384/ZKRAO
アララギパパ「私の二匹も渡そう!」パシッ
唯「!」
下っ端「おいおい、俺たち無視して話進めてんじゃねえよ?」
アララギパパ「お前たちの相手など、これからいくらでもしてやる」カチャ
ハチク「さあ行け!!」
唯「あ…、ありがとうございますっ!!」
タタッ
…
―五階―
下っ端たち「侵入者発見だぁーっ!!!」ドダダダダ!!!!!
唯「お願いっ!!」ボム!
クマシュン「クマー!」
バニリッチ「リニー!」
202: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:16:03.29 ID:384/ZKRAO
…
―六階―
下っ端たち「おらおらぁぁ!!!」ダダダダダ!!!!!!!
唯「ごめんね、頼んだよっ!」ボム!
エンブオー「ブォーッ!!」
ダイケンキ「キィーッ!!」
…
《リュウラセンのとう最上階》
タッタッ…
唯「はぁはぁ…」
唯「着いた……、最上階…!!」
スタスタ……
唯「…!」
「来たね、待っていたよ」
唯「Nくん…!」
N「……」
―六階―
下っ端たち「おらおらぁぁ!!!」ダダダダダ!!!!!!!
唯「ごめんね、頼んだよっ!」ボム!
エンブオー「ブォーッ!!」
ダイケンキ「キィーッ!!」
…
《リュウラセンのとう最上階》
タッタッ…
唯「はぁはぁ…」
唯「着いた……、最上階…!!」
スタスタ……
唯「…!」
「来たね、待っていたよ」
唯「Nくん…!」
N「……」
203: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:18:25.83 ID:384/ZKRAO
………
……
…
《こだいのしろ》
律「……」
シルバー「……」
律「…へっ、待ってたのかよ?」
シルバー「ああ。そのためにサキにこのことを伝えるように言ったんだからな」
律「そうか…」カチャ
シルバー「……」カチャ
ボム!!
モール「リュー!!」
リングマ「グマー!!」
律シルバー「“きりさく”だァ!!!」
ガキイイン!!!!!!
……
…
《こだいのしろ》
律「……」
シルバー「……」
律「…へっ、待ってたのかよ?」
シルバー「ああ。そのためにサキにこのことを伝えるように言ったんだからな」
律「そうか…」カチャ
シルバー「……」カチャ
ボム!!
モール「リュー!!」
リングマ「グマー!!」
律シルバー「“きりさく”だァ!!!」
ガキイイン!!!!!!
204: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:20:03.23 ID:384/ZKRAO
モール「リュー…!」ギギ…
リングマ「グマー…!」ギギギ…
シルバー「…後退しろ、リングマ!」
リングマ「グマー!!」バッ
モール「!」
リングマ「グマー!!」スタッ
モール「……」
シルバー「……ふ」
シルバー「止めにきたのか? 俺が伝説のドラゴンポケモンを捕まえるのを」
律「……」
205: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:22:15.28 ID:384/ZKRAO
シルバー「まあそうだろうな。
ポケモン解放のためにしていることだ、当たり前か」
律「…違う」
シルバー「!」
律「私はお前を止めに来たんじゃない!
唯だって多分…」
律「そもそも私は、“ポケモンリーグ”でお前たちと決着することに決めたんだ!
だから、ここに来たのは…お前の気持ちを確かめるためだ!!」
シルバー「俺の気持ちだと?」
律「お前だって、こんなことをする理由ってもんがあるんだろ?」
律「私が止めにくることが分かってたってことは、自分のしていることが間違ってるって思ってんだろ!?
それでも続ける理由を聞かせてくれよ!!」
206: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:24:02.02 ID:384/ZKRAO
シルバー「……」
シルバー「ああ、あるさ。
ポケモン解放をする理由、そしてチャンピオンを超える理由……揺るぎのない理由が!!」
律「……」
シルバー「誰にでもある、ごく普通の理由さ」
シルバー「俺が動くのは、大切な人のためだ!」
律「大切な人…?」
シルバー「あいつ…、」
シルバー「Nだよ」
律「N…」
シルバー「あいつは俺の“理想”の姿なんだ」
律「…どういう意味だよ?」
207: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:26:05.19 ID:384/ZKRAO
…
《リュウラセンのとう》
唯「どうしてなの…、どうして人とポケモンを引きはがすようなことをするの!?」
N「前にも言ったよね。人はポケモンをこき使ってるって。
ポケモンは人といてはいけないんだよ。人の下にいてはいけないんだよ。
この世界はポケモンにとって有害だ」
唯「……じゃあ、なんで…」
唯「なんで…Nくんはポケモンを使ってるの……?」
N「……」
唯「やっぱりポケモンといると楽しいんだよ! だから一緒にいるんだよ!!
ポケモンも同じ気持ちだよ!!」
唯「だから、ポケモン解放なんてダメなんだよ!!」
《リュウラセンのとう》
唯「どうしてなの…、どうして人とポケモンを引きはがすようなことをするの!?」
N「前にも言ったよね。人はポケモンをこき使ってるって。
ポケモンは人といてはいけないんだよ。人の下にいてはいけないんだよ。
この世界はポケモンにとって有害だ」
唯「……じゃあ、なんで…」
唯「なんで…Nくんはポケモンを使ってるの……?」
N「……」
唯「やっぱりポケモンといると楽しいんだよ! だから一緒にいるんだよ!!
ポケモンも同じ気持ちだよ!!」
唯「だから、ポケモン解放なんてダメなんだよ!!」
208: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:28:02.35 ID:384/ZKRAO
N「……あくまで作戦遂行のためさ。僕はトレーナーではない」
N「それに、それなりの明確な理由だってある」
N「大切な人のためだよ」
唯「大切な人…?」
N「彼…、」
N「シルバーだよ」
唯「シルバーくん…!」
N「彼は僕の“真実”の姿なのさ」
唯「…どういうこと……?」
209: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:30:26.51 ID:384/ZKRAO
N「…ひとつ、昔話をしようか。
…むかしむかしあるところに、」
――それはそれは大きなお城がありました。そこには一人の少年が住んでいました。
彼の他にも、彼のお父さんや彼に優しいおじさんたちがそこに住んでいました。
彼は物心つく前から、多くのポケモンたちと触れ合いました。彼はポケモンが大好きでした。
ある日、いつものように彼がポケモンと遊んでいると、そこへお父さんがやって来ました。
―――お父さんの顔はとてもとても恐く、怒っているようでした。
お父さんは言いました。
――『来なさい』
彼は連れていかれました。ポケモンを置いて。
210: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:32:19.98 ID:384/ZKRAO
それ以来、彼がポケモンと遊んでいると、度々お父さんは彼をポケモンから離しました。
そして、連れていって言うのです。
――『いけませんよ、……』
彼は何度も言われました。でもなにがいけないのか、全く分かりませんでした。
しかし、そんなことが何度も繰り返され、ようやく彼は考えました。
―――『ぼくはポケモンといちゃいけないのかな……』
彼はポケモンがキライになりました。
次第にポケモンと遊ぶ回数も減っていき、お父さんもなにも言わなくなりました。
彼がもうポケモンと触れ合うことをしなくなった時、お父さんはまた言いました。
――『来なさい』
211: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:34:32.05 ID:384/ZKRAO
連れてこられたのは、真っ白な部屋。
なにもありませんでした――――ただ真ん中にぽつんと立っている人形を除いて。
彼はその人形に触ってみました。すると…
なんと、その人形が動き出したのです!
彼は驚き、手を離しました。しかし人形は動きをやめず、人形は口を動かし、彼に言います。
――『ぼくは、ポケモンすき。ポケモンとあそぶ』
人形はそのままどこかへ行ってしまいました。
お父さんは言います―――『また、遊ぶのか』
彼はお父さんがまた、あの時のように怒っているのかな? と思いました。
―――お父さんは笑っていました。
212: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:36:25.62 ID:384/ZKRAO
N「…どうだったかい?」
唯「……」
N「まあ実際にあった話なんだけどね」
N「『彼』とは、シルバーのことさ」
唯「シルバーくんが…?」
N「『お父さん』とはゲーチスのこと」
唯「! ま、待って! シルバーくんのお父さんは、通りすがりのトレーナーさんじゃあ…!」
N「…いや、サカキはゲーチスにシルバーを育てるように命じられていただけだよ。まだ幼かったシルバーは、サカキを父親と勘違いしたんだ。
シルバーの父親は正真正銘、プラズマ団のゲーチスだよ」
唯「!!」
213: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:38:22.18 ID:384/ZKRAO
N「そして、『人形』とは…」
N「僕、Nだ」
唯「え…!?」
唯「に、人形って……どういう…。
Nくんはこうして……」
N「そうだね、僕はこうやって生きている。人間のように」
N「でもね、それでも僕が人形という事実は変わらない」
唯「…人形って、なに?」
N「…シルバーは僕の“真実”の姿だと言ったよね。
その通りなんだ、彼は僕の“真実”……そして僕は彼の“理想”の姿……」
唯「……、?」
214: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:40:02.40 ID:384/ZKRAO
N「つまり、僕は彼の“理想”から作られた人形……“理想”の人形なんだ」
唯「シルバーくんの理想から…?」
N「さっきの話…、シルバーはポケモンを拒絶した。自分がポケモンといると『いけない』と思ったから」
唯「でもおかしいよ! シルバーくんはポケモンが好きな子だよ? 顔を見ればわかるもん!」
N「まだ物心もついていない頃だよ。忘れることもあるさ。
…まあ、記憶じゃなく心の傷として残っているかもしれないけど」
215: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:42:51.69 ID:384/ZKRAO
N「ゲーチスはね、それを狙っていたのさ」
唯「…狙っていた?」
N「シルバーがポケモンを嫌いになるようにすること。トラウマになるほどにね」
唯「……ひどい」
N「……」
N「でもゲーチスにもそんなことをする理由があったのさ。
ゲーチスの目的は人形……僕を作ること。それには“理想”が必要なんだ、シルバーの“理想”がね」
N「でも赤子同然のシルバーに“理想”なんて欲はない。
だから無理矢理“理想”を持つようにトラウマを刻み付けた……」
216: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:44:23.71 ID:384/ZKRAO
N「そうして、シルバーはある“理想”を持った……持たされた」
『何故、僕はポケモンと居てはならないんだ。こんなにポケモンが好きなのに。……違う、僕だけじゃないんだ。
人がポケモンといることが悪いことなんだ』
N「……そう、シルバーが持たされた“理想”は『人とポケモンが一緒にいることが悪いことだという世界』、そんな世界を“理想”としたんだ」
唯「……!!」
唯「そ、そんな世界なんて…」
N「……」
唯「で、でも待って…!
その“理想”は……」
N「うん、その“理想”で僕は作られたんだ」
唯「…!」
N「僕はシルバーの“理想”で作られ、この世に生まれたと同時に僕が生まれた意味を理解した」
N「僕はシルバーの“理想”を達成するために生まれたんだよ」
217: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:47:04.31 ID:384/ZKRAO
…………
………
……
…
《こだいのしろ》
律(ゲーチスが…シルバーの父親…!!)
律(Nが、シルバーの“理想”から作られた……!?)
シルバー「すべて“ウバメのもり”でゲーチスに会った時に、伝えられたことだ」
シルバー「俺の“理想”があいつなんだ。あいつと俺は一心同体だ」
律「け…結局、ゲーチスが全部悪いんじゃねえか…!!」
………
……
…
《こだいのしろ》
律(ゲーチスが…シルバーの父親…!!)
律(Nが、シルバーの“理想”から作られた……!?)
シルバー「すべて“ウバメのもり”でゲーチスに会った時に、伝えられたことだ」
シルバー「俺の“理想”があいつなんだ。あいつと俺は一心同体だ」
律「け…結局、ゲーチスが全部悪いんじゃねえか…!!」
218: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:49:29.65 ID:384/ZKRAO
シルバー「…だが、俺があいつを作ったんだ。俺の“理想”があいつを……!
俺のせいなんだ……!!」
シルバー「…だからこそ、あいつの“理想”を! 叶えさせてやらなきゃいけないんだ!!
そのためなら、俺は……、俺はッ!!」バッ
律「…!」
シルバー「“ライトストーン”…。対となる“ダークストーン”はNが持っている。
…これを手に入れるためにプラズマ団総出で探した、そして見付けたんだ。この“こだいのしろ”でな」
シルバー「二つのストーンとも、元はここにあったらしいな」
ピカアアッ!!!!
律「! ストーンが光って…!?」
219: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:51:05.15 ID:384/ZKRAO
シルバー「石に姿を変えていた伝説のドラゴンポケモンは、今、元の姿に戻る!
“ライトストーン”より、姿を化えし…伝説のポケモン! レシラム!!」
ゴゴゴ………
律「ス、ストーンが……ポケモンに…!!」
カッ!!!!
レシラム「ンバーニンガガッ!」
律「こ、こいつがレシラム…!」
シルバー「はくようポケモン、レシラム。
俺はこいつに選ばれ、英雄になる!!
そして叶えてみせる。Nの“理想”を……!
“真実”の名の下に!!」
220: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:53:30.29 ID:384/ZKRAO
レシラム「ンバーニンガガッ!!!」バッ
律「!」
シルバー「“クロスフレイム”!!!」
レシラム「モエルーワ!!」ボウッ!
ボオオオオオ!!!!!!!
律「やばっ…!」
ダッ!
アデク「ウルガモス! “ねっぷう”!!」
ウルガモス「モスー!!!」ゴアアッ!
シルバー「…!」
ドオオオオオン!!!!!!!!!!!!
221: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:55:04.40 ID:384/ZKRAO
アデク「!?」
ボアアッ!!!!!
アデク「ぬおおっ!?」
ウルガモス「モ、モスー!?」
ドシャアン!!!
律「ア、アデクさん!!」
シルバー「……」
シルバー「今度会う時は“ポケモンリーグ”で、だ」
レシラム「ンバーニンガガッ!!」バサッ!
シュッ!
ギュウウン!!!!!!
222: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:57:05.99 ID:384/ZKRAO
………
……
…
《リュウラセンのとう》
ピカアアッ!!!!
N「“ライトストーン”と対をなす“ダークストーン”より現れるは…ゼクロム!!」
カッ!!!!
ゼクロム「ババリバリッシュ!」
唯「ゼクロム…!
これが伝説のドラゴンポケモン?」
N「そう。こくいんポケモン、ゼクロムさ」
N「このゼクロムと、シルバーの“ライトストーン”より蘇る、レシラム。二匹に選ばれ、僕たちは英雄になるんだ! そして、シルバーの“理想”を“真実”にしてみせる……!
“理想”の名の下に!!」
……
…
《リュウラセンのとう》
ピカアアッ!!!!
N「“ライトストーン”と対をなす“ダークストーン”より現れるは…ゼクロム!!」
カッ!!!!
ゼクロム「ババリバリッシュ!」
唯「ゼクロム…!
これが伝説のドラゴンポケモン?」
N「そう。こくいんポケモン、ゼクロムさ」
N「このゼクロムと、シルバーの“ライトストーン”より蘇る、レシラム。二匹に選ばれ、僕たちは英雄になるんだ! そして、シルバーの“理想”を“真実”にしてみせる……!
“理想”の名の下に!!」
223: ぽけもん 2011/04/03(日) 20:59:19.21 ID:384/ZKRAO
ゼクロム「ババリバリッシュ!!」バッ
唯「!!」
N「“クロスサンダー”!!」
ゼクロム「バリバリダー!!」ビリビリッ
ピシャアアアン!!!!!!
唯「ああっ…!」
ボム!!!
チー太「チラチー!!」
ムー太「ムウウ!!」
ラー太「ラー!!」
唯「み、みんな…!?」
ドシャアアアアン!!!!!!!!!!!!
224: ぽけもん 2011/04/03(日) 21:01:08.20 ID:384/ZKRAO
チー太「チー…」ドサッ
ムー太「ムウ、ウ…」バタッ
ラー太「ラ…」ガクッ
唯「チー太っ! ムー太っ! ラー太っ!」
N「…僕の考え、理解できるかい?」
唯「……」
N「……それじゃあ、“ポケモンリーグ”で会おう」
ゼクロム「ババリバリッシュ!!」ダッ!
ビュウウン!!!!!!
唯「……」
225: ぽけもん 2011/04/03(日) 21:03:15.01 ID:384/ZKRAO
タッタッタ…
アララギパパ「唯ーっ!!」
唯「…! アララギ博士! ハチクさん!」
ハチク「Nは…もう行ったか?」
唯「はい…」
アララギパパ「やはりな。プラズマ団の連中が急に退いたから、もしやと思って来てみたが」
ハチク「……」
チー太「チー……」 ムー太「ムウ…」 ラー太「ラー…」
ハチク(この傷…)
ハチク「…Nは伝説のドラゴンポケモンとやらを?」
唯「はい…ゼクロムって言ったかな。もう飛んでいっちゃったけど」
226: ぽけもん 2011/04/03(日) 21:05:07.30 ID:384/ZKRAO
ハチク「……とりあえず、連絡をしてみよう」
唯「ふぇ? 誰にですか?」
ハチク「アデクさんだ」
唯「アデクさんに?」
ハチク「ああ、実はあの後……“ネジやま”からジムに戻った時に、アデクさんから電話があってな。
『“こだいのしろ”へ向かう。“リュウラセンのとう”は頼んだぞ』とアデクさんはおっしゃったのだ」
唯「アデクさんが…」
ハチク「アデクさんはあの後すぐに、プラズマ団を阻止しようと発ったわけだ」
ハチク(それを知った上で、彼女をジム戦に挑戦させたのだがな)
227: ぽけもん 2011/04/03(日) 21:07:05.60 ID:384/ZKRAO
ハチク「ふ…君にも心配をかけさせたな」
唯「ううん。アデクさんを信じてたから! りっちゃんもそうだと思います!」
ハチク「…ふ、そうか」
アララギパパ「なんかよく分からんが、アデクは今“こだいのしろ”にいるということだな?」
ハチク「はい。恐らく、律とも会えたことでしょうし。
今電話してみますね」ピッ
アデク『アデクだ』
ハチク「ハチクです。
アデクさん、今は“こだいのしろ”に?」
アデク『ああ、律も一緒だ。
レシラムはプラズマ団のもとへ渡ってしまったようだぞ』
228: ぽけもん 2011/04/03(日) 21:09:04.05 ID:384/ZKRAO
ハチク「そうですか…、こちらもゼクロムは…。
それで…、今後の話で色々と……」
アデク『うむ、そうだな。おぬしの考えは大体分かるぞ。
“ソウリュウシティ”…だろう?』
ハチク「ええ、その通りです。律にも伝えてください。セッカではなく、ソウリュウと」
アデク『そうか。よし、分かった!
ワシもこれから“ソウリュウシティ”へ向かおう!!』
ハチク「はい。では…」
ピッ
ハチク「……」
唯「?」
229: ぽけもん 2011/04/03(日) 21:11:23.39 ID:384/ZKRAO
ハチク「…唯よ。先程、ゼクロムとやらと戦ったな?」
唯「あ…はい。でも、戦いっていうより一方的に…」
ハチク「…。なるほどな、君は“ポケモンリーグ”でNたちと決着する気なのだな」
唯「ど、どうしてそれを!?」
ハチク「私の心眼をなめてもらっては困る。
…さて、今の君ではゼクロムには敵わない。そうだな?」
唯「は、はい…」
ハチク「君は強くならなければならない。
そのために修業を…」
アララギパパ「ふむう、待ってくれ。
修業…といっても、プラズマ団はすでに伝説のドラゴンポケモンを所有している。奴らが動くのも時間の問題じゃないか?」
230: ぽけもん 2011/04/03(日) 21:13:26.02 ID:384/ZKRAO
ハチク「はい、時間がないのです」
唯「でもでも、私とりっちゃんはジムバッジを集めなきゃだし…」
ハチク「そう、それこそ時間がない。
だが、その解決策はある」
唯「なんですか?」
ハチク「すでに律は私とジム戦をして、勝ってバッジを受けとった」
唯「いつの間にっ!」
ハチク「だから、残るバッジはひとつだ」
唯「ええと…?」
ハチク「“ソウリュウシティ”のジムリーダーに君たちを鍛えてもらえばいい。そうして、認めてもらえばバッジも手に入り、実力も高まり万々歳だ」
唯「なるほど!」
231: ぽけもん 2011/04/03(日) 21:15:10.04 ID:384/ZKRAO
アララギパパ「安直すぎる気がしないでもないな」
ハチク「というわけで、君にはすぐに“ソウリュウシティ”へ向かってほしい」
唯「あれ? でもりっちゃんは?」
ハチク「彼女ならアデクさんと向かっている。それを待つよりも君は先に行ったほうが早いだろう」
唯「そっかあ…。
頑張ります!」フンスッ
アララギパパ「よし、では私たちも同行しようか!」
232: ぽけもん 2011/04/03(日) 21:17:19.79 ID:384/ZKRAO
ハチク「いえ、申し訳ない。私は少し用がありまして」
アララギパパ「ふむう? まあ仕方ないか…。
では、私が同行しよう」
唯「お願いします!」
アララギパパ「目指せ、“ソウリュウシティ”だー!!」
唯「おー!!」
唯(なんか新鮮な感じ!)フンスッ
Episode.35 fin
238: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:03:36.20 ID:JAbSRhYAO
Episode.36
《8ばんどうろ》
ピチャピチャ!
唯「うわあ! 水たまりがいっぱい!」
アララギパパ「見ての通り、雨が降っているからな!
この湿原を進むのだ!」
ムー太「ムウウ♪」ピチャピチャ
唯「ムー太も楽しいんだねえ」
239: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:05:30.51 ID:JAbSRhYAO
アララギパパ「ところで唯よ。
お前はみずポケモンを持っていなかったかな?」
唯「あ、はい」
唯(ブイ太ぁ…)グスッ
アララギパパ「…? この雨の中では戦いにくい。ましてや、ほのおタイプは本来の実力の半分も出せないのだ」
唯「ラー太は外にいるだけで頭の火が消えちゃいそう…」
アララギパパ「そう! だが心配はない。
私のダイケンキがいるからな!」
ダイケンキ「キィーッ!!」
唯「あなたには“リュウラセンのとう”でお世話になったね!
ありがとう、よしよし♪」ナデナデ
ダイケンキ「キイー」テレテレ
アララギパパ「……ふ」
240: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:07:05.67 ID:JAbSRhYAO
アララギパパ「よし、それでは進むぞ!
まずはこの先にある“シリンダーブリッジ”に…」
ピチャッ!
アララギパパ「む!」
マッギョ「マギョー」プカッ
アララギパパ「こいつはマッギョ!
確か、娘の奴が生態情報を欲しがっていたな…」
唯「……アララギ博士?」
アララギパパ「いや、唯! 少し待ってくれ! すぐに技を確かめて…」
マッギョ「マギョー!!」バシャバシャ!
アララギパパ「ぬおお!! これは“マッドショット”だな!!
いいぞ、他には何が…!」
241: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:09:32.77 ID:JAbSRhYAO
マッギョ「マギョー!」スタコラ
アララギパパ「あっ、待て!」
唯「……」
アララギパパ「……唯よ」
唯「は、はい」
アララギパパ「ちょいとだけ待っていてくれ!!」ダダッ!
唯「ああっ! アララギ博士ー!?」
唯「……」
ムー太「ムウウ…」ハア
唯「…」スタッ
ムー太「ムウウ?」
242: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:11:12.79 ID:JAbSRhYAO
唯「ムー太…。私、わからないんだ…」
ムー太「?」
唯「Nくんが言ってた、ポケモン解放…。
Nくんはシルバーくん…大切な人のために、『ポケモン解放が当然の世界』を実現しようとしてる」
唯「もちろん、そんな世界は間違ってるよ。でも、Nくんは自分にとっての正義を貫こうとしてる……それをすべて否定することはよくないことだって思うの」
唯「私、わからないよ。どうしたらいいのか……。
ムー太たちと一緒にいたい…でも、Nくんにだって考えはあるんだよ。私の思いとは違う、考えがあるの」
243: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:13:22.00 ID:JAbSRhYAO
唯「Nくんはポケモンは人にこき使われてるって言ってた。それで、ポケモンたちは可哀相って……」
唯「…ムー太は、私といれて幸せ?」
ムー太「…」
ムー太「ムウウ!!」ムカッ
唯「ム、ムー太…?」
ムー太「ムウウ!!」ドカッ!
唯「きゃ!?」
ムー太「ムウ! ムムウ、ムムムウ!!
ムウーッ!!!」
唯「ムー太……」
ピチャッ!
ムー太「ムウ!?」ビクッ
唯「え…、なに…?」
バッ!!
「ゲロゲーッ!!!」ガシイッ
唯「わっ…」
バシャアン!!!!!
ムー太「ム、ムウウ!?」
244: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:15:02.36 ID:JAbSRhYAO
………
……
…
《セッカのしつげん》
唯「うう…いたた……」
唯「ここは…?
タウンマップタウンマップ…」
唯「…“セッカのしつげん”?」
「ゲロゲーッ!!」
唯「わあっ!? あ、あなたはさっきの…!」ピッ
ポケモン図鑑『ガマゲロゲ、しんどうポケモン
あたまの コブから しんけいを マヒさせる えきたいを とばす。 しんどうで あいてを くるしめる。』
……
…
《セッカのしつげん》
唯「うう…いたた……」
唯「ここは…?
タウンマップタウンマップ…」
唯「…“セッカのしつげん”?」
「ゲロゲーッ!!」
唯「わあっ!? あ、あなたはさっきの…!」ピッ
ポケモン図鑑『ガマゲロゲ、しんどうポケモン
あたまの コブから しんけいを マヒさせる えきたいを とばす。 しんどうで あいてを くるしめる。』
245: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:17:26.79 ID:JAbSRhYAO
唯「ガマゲロゲ…?」
ガマゲロゲ「ゲロゲーッ!!!」
唯「ひぃ! ごめんなさいごめんなさい!!」
ガマゲロゲ「…」
唯「? あ、あれ…? なにもない…」
ガマゲロゲ「ゲロゲーッ!」クイッ
唯「…?」
…
ユニラン「ラン…」
フシデ「フシィ…」
バチュル「チュルゥ…」
グッタリ……
246: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:19:06.28 ID:JAbSRhYAO
唯「ど、どうしたの!? このポケモンたち、みんな弱ってる!!」
ガマゲロゲ「ゲロゲー…」
唯「そっか。それで私を?」
ガマゲロゲ「ゲロゲ」サッ
ピトッ
唯「? 木に手を当ててなにを…」
ジュワアッ……
唯「! 木が毒で!?」
唯「…あなたの特性“どくしゅ”?」
ガマゲロゲ「ゲロ」コクッ
唯「看病したくてもできなかったんだね…」
ガマゲロゲ「ゲロー…」シュン
247: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:21:30.79 ID:JAbSRhYAO
唯「大丈夫だよ! 私がいるから!」
ガマゲロゲ「ゲロ…」
唯「えっと、まずは薬を…。
みんなも手伝って!」ボム!
チー太「チラチー!」
ラー太「ラー!」
唯「チー太、“うたう”!」
チー太「~♪」
ポケモンたち「…」スピー
唯「これで体力も回復しやすいかな?
うん、薬も使って回復させてあげよう! ラー太もお願いっ」
ラー太「ラー!」タタッ
248: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:23:13.32 ID:JAbSRhYAO
唯「ガマゲロゲちゃんも!」
ガマゲロゲ「ゲロ?」
唯「ねむってるから、毒になることはないよ。それにチー太が“しんぴのまもり”をはってくれるから…」
唯「あなたも、この子たちが心配でしょ?」ニコッ
ガマゲロゲ「ゲロ…!」
唯「一緒に頑張ろ!」スッ
ガマゲロゲ「ゲロ?」
唯「握手だよっ。ほら!」
ガシッ
ガマゲロゲ「ゲロ…」オロオロ
ガマゲロゲ「…ゲロ?」ナントモナイ
唯「ね?」
ガマゲロゲ「ゲロォ…!!」パアアッ
249: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:25:16.54 ID:JAbSRhYAO
………
……
…
唯「…ふうっ。これで大丈夫かな?」
ガマゲロゲ「ゲロー」ホッ…
唯「でもこのポケモンたち…。
ユニラン、フシデ、バチュル……この湿原には住んでないポケモンばっかり…」
ガマゲロゲ「ゲロー?」
唯「なにかおかしいよね…」
ピチャッ!
唯「うわっ!」
……
…
唯「…ふうっ。これで大丈夫かな?」
ガマゲロゲ「ゲロー」ホッ…
唯「でもこのポケモンたち…。
ユニラン、フシデ、バチュル……この湿原には住んでないポケモンばっかり…」
ガマゲロゲ「ゲロー?」
唯「なにかおかしいよね…」
ピチャッ!
唯「うわっ!」
250: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:27:17.39 ID:JAbSRhYAO
マッギョ「マギョー」プカッ
唯「この子…」
バシャバシャ!
アララギパパ「ここにいたか、マッギョ!」
唯「アララギ博士!」
アララギパパ「唯!? 待っていろと言ったのに…」
唯「これを見てください!」
アララギパパ「む? 野生のポケモンか…?
いや、しかし何故ここにフシデやらが…」
唯「やっぱりそうなんですか…」
251: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:29:13.70 ID:JAbSRhYAO
アララギパパ「やっぱり、とは?」
唯「この子たち、トレーナーのポケモンなんじゃないかなって」
アララギパパ「なるほど…有り得るな」
ガマゲロゲ「ゲロー…」
唯「大丈夫だよ、ガマゲロゲちゃん!
私がトレーナーさんに返してくるから!」
ガマゲロゲ「ゲロー」コクッ
アララギパパ「うむ。私も協力しよう」
唯「あれ? マッギョは…」
アララギパパ「状況から察するに、こちらを最優先した方がよいだろう」
252: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:31:06.38 ID:JAbSRhYAO
アララギパパ「そうだ…、君のムンナを見かけたが…」
ムー太「ムウウ!」ピョンピョン
唯「ムー太あ!」
ムー太「ムウウ…!」
ダキッ!
唯「よかったあ~」
ガマゲロゲ「ゲロ…」シュン
唯「あ、ガマゲロゲちゃんは悪くないよ!?
ガマゲロゲちゃんのおかげで、ポケモンたちを無事に返せて、トレーナーさんたちも喜ぶから!」
ガマゲロゲ「ゲロー」
253: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:33:08.57 ID:JAbSRhYAO
アララギパパ「よし、まずは周辺のトレーナーを当たってみようか」
唯「はい! ガマゲロゲちゃん、ありがとうね!」
ガマゲロゲ「ゲロゲー!」
唯「……」
N『君、さっき言ったよね。ポケモンといると楽しい、って…』
N『でも、楽しいのは人間だけなんじゃないのかな』
N『ポケモン自身は、楽しくないのかもしれない…』
唯(トレーナーさんたちに会えたら、ポケモンたちは喜ぶのかな…?)
254: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:35:33.14 ID:JAbSRhYAO
…………
………
……
…
《8ばんどうろ》
アララギパパ「むう…“シリンダーブリッジ”も近くなってきたな…」
唯「あなたのトレーナーさんはこの近く?」
フシデ「フシフシィ!」
トレーナー「フシデぇ! どこに行ったんだぁい!?」
フシデ「フシィ!」
唯「あの人?」
フシデ「フシフシィ!!」タタッ
トレーナー「フシデ!!」
フシデ「フシィ!」
………
……
…
《8ばんどうろ》
アララギパパ「むう…“シリンダーブリッジ”も近くなってきたな…」
唯「あなたのトレーナーさんはこの近く?」
フシデ「フシフシィ!」
トレーナー「フシデぇ! どこに行ったんだぁい!?」
フシデ「フシィ!」
唯「あの人?」
フシデ「フシフシィ!!」タタッ
トレーナー「フシデ!!」
フシデ「フシィ!」
255: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:37:15.31 ID:JAbSRhYAO
トレーナー「よ、よかった…!」ギュッ
フシデ「フシィ…!」
アララギパパ「うむ、これで三匹とも返せたな!」
トレーナー「あ、あなたたちがフシデを?」
アララギパパ「ふむう…いや、君のフシデは傷ついていてな。回復をさせたのは、この子だよ」
唯「あ…」
トレーナー「ありがとう! 本当にありがとう…!」
唯「う、うん…」
フシデ「フシィ♪」
唯「……」
256: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:39:05.53 ID:JAbSRhYAO
………
……
…
アララギパパ「さて、そろそろ“シリンダーブリッジ”へ向かうか」
唯「はい」
ムー太「ムウ」
唯「……」ボー
アララギパパ「……?」
アララギパパ(ふむう…)
アララギパパ「唯よ」
唯「はい?」
……
…
アララギパパ「さて、そろそろ“シリンダーブリッジ”へ向かうか」
唯「はい」
ムー太「ムウ」
唯「……」ボー
アララギパパ「……?」
アララギパパ(ふむう…)
アララギパパ「唯よ」
唯「はい?」
257: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:42:07.31 ID:JAbSRhYAO
アララギパパ「私はちと“シリンダーブリッジ”を調べるように娘から言われとる。
準備には…えーと、とにかく時間がかかるわけだ。だから先に行っておるぞ!」タタッ
唯「ええ! アララギ博士!?」
ムー太「ムウ…」ポカン
唯「…気を遣わせちゃったのかな?」
ムー太「ムウ?」
唯「…ムー太。さっきの答え、出たよ。
ポケモン解放とか、やっぱり私には難しくてよく分からないよ。でも…、」
唯「湿原のガマゲロゲちゃんは人懐っこくて。
さっきのフシデや…ユニランにバチュルも、トレーナーさんと会えてとても嬉しそうだった。トレーナーさんたちも…」
唯「確かにポケモンたちはモンスターボールに閉じ込められてる……。
でもね、それでも人に反抗しないのはなんでなのかな? 世界中のポケモンたちが人と争わないのはなんで? ポケモンを扱うトレーナーって人たちが存在するのはなんで?」
258: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:45:10.56 ID:JAbSRhYAO
唯「ポケモンたちは、やっぱり…人といれて楽しいんだよ。幸せなんだよ!」
ムー太「ムウ」グイッ
唯「? あ、そっか…。
前言撤回! 私は幸せ。ムー太も幸せ!」
ムー太「ムムウ♪」
唯「……教えてあげなきゃね。Nくんに…」
唯「ポケモンといる幸せを!
ポケモンたちの幸せを!!」
ボム!!
唯「…!」
チー太「チラチー!」
ラー太「ラー♪」
ムー太「ムウウ!」
唯「うん…! 行こう!!」
259: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:48:17.30 ID:JAbSRhYAO
………
……
…
《シリンダーブリッジ》
唯「“シリンダーブリッジ”…橋の下を地下鉄が通りぬける鋼鉄でできた橋、だって。
地下鉄かあ…」
ボム!
ラー太「ラー!」
唯「? どうしたの、ラー太」
ラー太「ラー」ボウッ
唯「火…、そういえばもう夕方だね」
ラー太「ラー♪」
唯「えへへ、明るいね。ありがと~」
唯「…ところで、アララギ博士はどこにいるんだろう」
……
…
《シリンダーブリッジ》
唯「“シリンダーブリッジ”…橋の下を地下鉄が通りぬける鋼鉄でできた橋、だって。
地下鉄かあ…」
ボム!
ラー太「ラー!」
唯「? どうしたの、ラー太」
ラー太「ラー」ボウッ
唯「火…、そういえばもう夕方だね」
ラー太「ラー♪」
唯「えへへ、明るいね。ありがと~」
唯「…ところで、アララギ博士はどこにいるんだろう」
260: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:51:13.98 ID:JAbSRhYAO
ブオンブオン!
唯「! バイクの音?」
「おいおい、ここいらは俺たちの縄張りなのよ。じじいが来るとこじゃねえよ!!」
アララギパパ「く…! 若造が!」
唯「アララギ博士!?」
アララギパパ「! 唯か!」
唯「えっと…なにがあって?」
アララギパパ「見ての通り、暴走族に絡まれておる」
唯「は、はあ」
261: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:54:05.28 ID:JAbSRhYAO
暴走族「なあに俺たちを無視してんだコラァ!」
暴走族2「どうやら仲間を呼んだらしいな。いいだろう、俺たちに盾突こうってんなら…」カチャ
ボム!!
ガントル「ガーッ!」
ドテッコツ「ドテーッ!」
唯「…!」
アララギパパ「ふむう、不良といってもやはりポケモントレーナーか…。
なら…、唯。こちらもポケモンを使って応戦しよう」
唯「はい!」
262: ぽけもん 2011/04/09(土) 20:57:15.08 ID:JAbSRhYAO
ボム!!
エンブオー「ブオーッ!」
チー太「チラチー!」
暴走族「ガントル、“パワージェム”!」
ガントル「ガーッ!!」ビュオッ
唯「チー太、“スピードスター”!」
チー太「チラチー!!」シュババッ
キキキイイン!!!!
暴走族「チッ…」
263: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:00:13.46 ID:JAbSRhYAO
アララギパパ「唯、下がっておれ!」
エンブオー「ブオーッ!」ダッ
唯「ふぇ!」
アララギパパ「“アームハンマー”!!」
エンブオー「ブオーッ!!」ブンッ
ガントル「…!」
ドガアアアアン!!!!!!!
264: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:03:12.31 ID:JAbSRhYAO
唯「す、すごい!」
暴走族「…チッ」
シュウウッ……
ガントル「……」
アララギパパ「これだけの攻撃、耐えられ…」
アララギパパ「…!?」
ガントル「ガーッ!!」ギラッ
アララギパパ「耐えた…だと!?」
暴走族「ケケケ、甘かったな。
ガントルの特性“がんじょう”だ! どんな攻撃にも一度は耐え切れるのさ!!」
アララギパパ「むう…!」
265: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:06:05.14 ID:JAbSRhYAO
暴走族「それと…、そっちは鈍くなってんなァ?」
エンブオー「ブォ…」
唯「! “アームハンマー”の反動ですばやさが下がっちゃったんだ!」
暴走族「いけ!」
暴走族2「あァ! ドテッコツ、“ばくれつパンチ”!!」
ドテッコツ「ドテーッ!!」ブンッ
暴走族2「“ちからずく”でぶっ潰せッ!!」
エンブオー「ブオッ!?」
ドオオオオオン!!!!!!!!
エンブオー「ォ…」ヨロッ…
バタン!
アララギパパ「エンブオー!」
266: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:09:16.08 ID:JAbSRhYAO
暴走族「ケケケ、これじゃあ終わらねえぜ? …相棒!」カチャ
暴走族2「あァ」カチャ
シュパッ! シュパッ!
唯「?」
アララギパパ「お互いにモンスターボールを交換して…?」
暴走族「そうだ、交換さ」
アララギパパ「!! まさか…!」
暴走族2「いけ! ギガイアス!!」ボム!
ギガイアス「ギガィーッ!!」
暴走族「ローブシン!!」ボム!
ローブシン「オォーッ!!」
唯「! 進化!?」
267: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:12:14.29 ID:JAbSRhYAO
アララギパパ「あの二匹は進化の方法が特殊でな…。交換することで進化するのだ」
唯「交換…!」
暴走族「もう絶望的だな?」
暴走族2「さあ、どう料理してやるか…」
アララギパパ「く…」
「「おい、お前たち。なにやってるんだ?」」
暴走族「…!」
暴走族2「あ、あなたたちは!」
アララギパパ「なんだ…?」
「なんだ、?」ピクッ
唯「?」
268: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:15:03.20 ID:JAbSRhYAO
「なんだかんだと聞かれたら!」
「答えないのが普通だが…」
「「まぁ特別に答えてやろう!」」
「地球の破壊を防ぐため」
「地球の平和を守るため」
「愛と誠実な悪を貫く!」
「キュートでお茶目な敵役」
ヤマト「ヤマト!」
コサブロウ「コサブロウ!」
ヤマト「宇宙を駆けるカントー暴走族の二人には!」
コサブロウ「ショッキングピンク、桃色の明日が待ってるぜ!」
ヤマト「なーんてな」
ラッタ「らっちゅーの」
269: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:18:13.50 ID:JAbSRhYAO
ヤマト・コサブロウ「……」
アララギパパ「ヤ、ヤマトに」
唯「…コサンジ?」
コサブロウ「コサブロウだッ! ちゃんと名乗っているだろうが!!」
アララギパパ「…というより、カントー暴走族とは?」
ヤマト「私たちの族の名前だけど?」
唯「カントー?」
コサブロウ「ふんっ。カントー地方からやって来たのさ!
カントーはすでに征服しているからな!!」
唯「征服って…、カントーに行った時は暴走族なんていなかったような…」
270: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:21:11.61 ID:JAbSRhYAO
ヤマト「……それはいつの話だい?」
唯「えっと…一年前、かな?」
ヤマト・コサブロウ「……」
ヤマト「一年前、か…。そりゃあ私たちのことを聞かないわけだ」
唯「な、なになに?」
コサブロウ「俺たちはな。三年前…カントー征服後、サイクリングロードでいつものようにバイクで走り回ってたんだ。
それでいい気になって、町に出てトレーナーをいびってたら……あの女が現れたんだ!」
アララギパパ「…あの女?」
ヤマト「そいつに私らはやられたのさ!
カントー征服もそれでパア! 暴走族も解散だよ!!」
コサブロウ「あの黒髪ロングのジャリガールめ…!」
271: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:24:09.48 ID:JAbSRhYAO
唯「色々大変だったんだね、ヤマトさんとコサンジさん」
コサブロウ「コサブロウだっつの!」
ヤマト「でもね、それから散り散りになったかつての仲間を再び集め…こうして再結成したのさ!」
アララギパパ「…で。今度はイッシュ地方を征服にきた、と」
コサブロウ「その通りだ!」
ヤマト「…それで? あんたたちは何やってたんだい?」
暴走族「はっ! あの二人が俺たちカントー暴走族の征服した“シリンダーブリッジ”に侵入してきたんで、痛め付けているところでした!!」
ヤマト「なるほどねぇ…」
272: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:27:07.63 ID:JAbSRhYAO
アララギパパ「ふむう…、相手が四人となると……厳しいな」
唯「うう…」
コサブロウ「ハッハッハー! 四人だけだと思うなよォ? こっちは暴走族なのだ! 他にも何人もいるに決まっているだろォ!!」
ヤマト「私たちに対抗するにはそれこそ、そっちも族でくるしか…」
チリンチリン!
ヤマト「…!」
コサブロウ「なんだぁ!?」
「なんだかんだと聞かれたら」
「答えてあげよう明日のため」
273: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:30:06.62 ID:JAbSRhYAO
「Future 白い未来は悪の色」
「Universe 黒い世界に正義の鉄槌」
「「我らこの地にその名を記す」」
ムサシ「情熱の破壊者、ムサシ!」
コジロウ「暗黒の純情、コジロウ!」
「「さあ集え! チャリンコ暴走族の名の下に!」」
コサブロウ「あ゛ー!! お前たちは!!」
ムサシ「ん? …ヤマト!?」
コジロウ「コサンジ!?」
コサブロウ「コサブロウだぁー! いい加減覚えろー!!」
アララギパパ(また変なのが増えたぞ)
274: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:33:05.45 ID:JAbSRhYAO
ムサシ「…カントー暴走族がこんなところに何の用よ?」
ヤマト「それを言うなら、あなたたちチャリンコ暴走族が何故イッシュに?」
コジロウ「えっと…俺たちはホウエン地方から飛ばされて…」
ムサシ「要らんことは言わなくてよろしい!」
ヤマト「ふっ、相変わらずのようね…チェーンのムサシ」
ムサシ「あんたこそね」
コサブロウ「とんだ腐れ縁のようだな…補助輪のコサンジロウ」
コジロウ「無理矢理間違えるなぁーっ!」
275: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:36:06.97 ID:JAbSRhYAO
ヤマト・ムサシ「……」
コサブロウ・コジロウ「……」
ゴゴゴゴゴゴ…………
唯「ひ、火花が散ってるよおっ」
アララギパパ「なにか因縁があるようだな…」
アララギパパ「とりあえず、今のうちに通ろう」
唯「そうですね」
タッタッ…
ヤマト・ムサシ「……」
コサブロウ・コジロウ「……」
暴走族「あの…、奴ら逃げちまいましたけど…」
276: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:39:10.82 ID:JAbSRhYAO
暴走族「あの…聞いてます?」
ヤマト「…なんだかんだと聞かれたら?」
ムサシ「! な、なんだかんだと聞かれたら!」
コサブロウ「答えないのが普通だが!」
コジロウ「こ、答えてあげるが世の情けー!!」
ヤマト「…地球の破壊を防ぐため!」
ムサシ「世界の破壊を防ぐためー!」
コサブロウ「地球の平和を守るため!!」
コジロウ「世界の平和を守るため!!」
277: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:42:22.13 ID:JAbSRhYAO
ヤマト「愛と誠実な悪を貫く!!」
ムサシ「愛と真実の悪を貫く!!!」
コサブロウ「キ、キュートでおちゃめな敵役!!」
コジロウ「ラブリーチャーミーな敵役ぅ!!」
ムサシ「ムサシ!」
ヤマト「ヤマト!」
コジロウ「コジロウ!」
コサブロウ「コサブロウ!」
ムサシ「銀河を駆けるチャリンコ暴走族の二人には!」
ヤマト「宇宙を駆けるカントー暴走族の二人には!」
コジロウ「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ!!」
コサブロウ「ショッキングピンク、桃色の明日が待ってるぜ!!」
278: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:45:10.56 ID:JAbSRhYAO
ハァハァ………
暴走族「あ、あのー…」
コロコロ……
ムサシ・ヤマト「ん?」
コジロウ・コサブロウ「へ?」
マルマイン「シュゴーッ!!」
四人「マルマイン!!?」
ヤマト「も、もしかして…」
ムサシ「これって…」
コサブロウ「そんな…」
コジロウ「う、嘘でしょ~!」
ドガーン!!!!!
「「やなカンジー!!」」
「「やなキモチー!!」」
キラァン☆
279: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:48:05.53 ID:JAbSRhYAO
…………
………
……
…
《ソウリュウシティ》
バサッバサッ…
ウルガモス「モスー!」
フォウル「アーケェ!」
律「…っと」タッ
アデク「ご苦労だったぞ、ウルガモス!」シュウウッ
律「フォウルもサンキューな!」シュウウッ
アデク「…うむ。案外早く着いたものだな」
………
……
…
《ソウリュウシティ》
バサッバサッ…
ウルガモス「モスー!」
フォウル「アーケェ!」
律「…っと」タッ
アデク「ご苦労だったぞ、ウルガモス!」シュウウッ
律「フォウルもサンキューな!」シュウウッ
アデク「…うむ。案外早く着いたものだな」
280: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:51:06.92 ID:JAbSRhYAO
律「フォウルがいなかったら、こうはいかなかったかな……あのオッサンには感謝しないとな」
アデク「ああ、無論。アロエにもな!」
律「はい!」
アデク「…さて、ここへ来たのは他でもない」
律「ソウリュウのジムリーダーに、私と唯を鍛えてもらうんでしたっけ?」
アデク「そうとも! なんせ、ここのジムリーダーは……」
アデク「…む、待てよ! ジムに行く前にアララギと合流せねばな」
律「アララギ博士に?」
アデク「アララギの奴が唯と同行しているのだ。直に来るだろう」
律「そうなんですか」
281: ぽけもん 2011/04/09(土) 21:54:06.44 ID:JAbSRhYAO
アデク「……」
アデク(伝説のドラゴンポケモン、ゼクロムとレシラム……。
ドラゴンポケモンというのなら、きゃつらに聞いた方が早い。戦うというのなら尚更!)
アデク(ドラゴン使いである、ソウリュウシティジムジムリーダーにな!)
………
……
…
《ソウリュウジム》
「……」ザッザッ
「よし、今日も頼むぞ。…オノノクス!」ボム!
オノノクス「ノックー!!」
282: ぽけもん 2011/04/09(土) 22:01:50.78 ID:JAbSRhYAO
「来いッ! “ドラゴンテール”ッッ!!」
オノノクス「ノックーッ!!!」シュッ
ドゴオオオオン!!!!!!!!!!
パラパラ……
オノノクス「ノクー…!」
「…いい攻撃だ。だが、人に止められるとはまだまだだな。
……まあ、毎日こうしてドラゴンポケモンの相手をしていたら馴れるというものか」
シャガ「このシャガに敵などいまい!!」ドン!
Episode.36 fin
286: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:20:02.47 ID:J8Y9u6JAO
Episode.37
《9ばんどうろ》
テクテク……
唯「ああ~! やっとここまで来たよ~…」
アララギパパ「長い道のりだったな。すっかり夜も明けてしまった」
唯「デパートも閉まってたし…」
アララギパパ「まあこんな朝早くからはやっておらんだろう。
…ふむ、もう少しで着くぞ。“ソウリュウシティ”だ!」
prrr…
アララギパパ「む!」
ピッ
アララギパパ「ん…ああ。ああ、わかった」ピッ
アララギパパ「……」
287: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:22:03.44 ID:J8Y9u6JAO
唯「どうしたんですか?」
アララギパパ「すまん、唯。私はソウリュウまで行けない」
唯「ええ!」
アララギパパ「ちと用があってな…。だがソウリュウはもう目と鼻の先だ! まっすぐ行けば着く!
それじゃあな!」
唯「あ、えっと…ありがとうございましたぁ!」
タッタッタ…
唯「どうしちゃったんだろう? …まあいいや! 早く行ってりっちゃんと合流しよう!」
288: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:24:22.06 ID:J8Y9u6JAO
………
……
…
《ソウリュウシティ》
唯「ここが“ソウリュウシティ”だねえ」
ザワザワ……
唯「…? なんだろう…人が大勢……」
ザワザワ……
唯「なにかな?」ヒョコッ
「「そうなのです!!!」」
唯「! あの人は…ゲーチスさん!?」
……
…
《ソウリュウシティ》
唯「ここが“ソウリュウシティ”だねえ」
ザワザワ……
唯「…? なんだろう…人が大勢……」
ザワザワ……
唯「なにかな?」ヒョコッ
「「そうなのです!!!」」
唯「! あの人は…ゲーチスさん!?」
289: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:26:28.18 ID:J8Y9u6JAO
ゲーチス「我らが王、N様とシルバー様は伝説のポケモンと力をあわせ! 新しい理想の国をつくろうとなさっています!
これこそイッシュに伝わる英雄の建国伝説の再現!!」
ゲーチス「ポケモンは人間とは異なり未知の可能性を秘めた生き物なのです。我々が学ぶべきところを数多く持つ存在なのです。
その素晴らしさを認め、我々の支配から解放すべき存在なのです!」
ゲーチス「我々プラズマ団とともに新しい国を!
ポケモンも人もみんなが自由になれる新しい国をつくるため、みなさん、ポケモンを解き放ってください」
ゲーチス「…というところでワタクシ、ゲーチスの話を終わらせていただきます。
ご清聴感謝いたします」
ゲーチス「……」ザッザッ…
290: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:28:03.36 ID:J8Y9u6JAO
おじさん「ポケモンを解放しなくちゃならんのかねえ…」
おにいさん「理想の国か…どんなものなんだろう?」
おとこのこ「プラズマ団のおうさま! 英雄ってカッコイイなー!」
唯「…」
ザッ!
「嘘つきゲーチスめ!」
唯「アデクさん!」
アデク「なにが理想の国だ。なにが力を合わせるだ、解放だ…。
散々、各地方を騒がせたのはどこのどいつだ!!」
291: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:30:24.51 ID:J8Y9u6JAO
唯「……。りっちゃんはどこに?」
アデク「…律なら先にジムへ向かわせた。おぬしも後を追うといい」
唯「? アデクさんはどうするんですか?」
アデク「うむ、わしは用があってな。律にもそう言っておいた。
…では、ジムリーダーによろしくな」
唯「はい!」
アデク「…」ボム!
ウルガモス「モスー!」
タッ!
バサッバサッ……
prrr…
ピッ
アデク「わしだ」
アララギパパ『おお、アデク。アララギだ』
アデク「それで、あのポケモンたちを見つけたと聞いたが」
アララギパパ『あのじいさんから電話があってな…。
今度こそ、完全に姿を現したらしいぞ』
アララギパパ『せんぷうポケモン・トルネロスと、らいげきポケモン・ボルトロスが…!!』
292: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:32:07.13 ID:J8Y9u6JAO
………
……
…
《ソウリュウジム》
律「…………」
ハッハッ! シュビッシュビッ
ハッハッ! シュビッシュビッ
律「…………」
シャガ「…さあて、そなたもやってみるがいい」
律「無理だよッ!!」
シャガ「む?」
律「こんな…オノノクス、だっけ?
こんなゴツいのと闘り合える訳ないだろ!!」
シャガ「…このシャガは毎日やっていることだが。こんな年寄りにも出来るのだぞ?」
律「私、一応女の子だから! ウッフン!!」
シャガ「……そうか。なら仕方ないな」
律「ふう…」
……
…
《ソウリュウジム》
律「…………」
ハッハッ! シュビッシュビッ
ハッハッ! シュビッシュビッ
律「…………」
シャガ「…さあて、そなたもやってみるがいい」
律「無理だよッ!!」
シャガ「む?」
律「こんな…オノノクス、だっけ?
こんなゴツいのと闘り合える訳ないだろ!!」
シャガ「…このシャガは毎日やっていることだが。こんな年寄りにも出来るのだぞ?」
律「私、一応女の子だから! ウッフン!!」
シャガ「……そうか。なら仕方ないな」
律「ふう…」
293: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:34:45.79 ID:J8Y9u6JAO
シャガ「では、このジヘッドと」
ジヘッド「ジヘッ!」
律「だから無理だっつの!!」
シャガ「…何故だ? オノノクスと比べたら、大分マシではないか」
律「そもそも、人とポケモンが戦うこと自体が無理なんだよ!」
シャガ「むう…それはすまなかった……」
律「……」
シャガ「……」グスッ
律「ええ!?」
シャガ「…このシャガが間違っていたのぅ……」ズビッ
律「い、いや! あんたが悪いんじゃなくてな? ただちょっと、発想の違いっつうか…。
ていうか、こっちは教えてもらってる側だし!」アセアセ
シャガ「…」ショボン
294: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:37:36.19 ID:J8Y9u6JAO
律「…はは」
律(どうしたら……)
「はー、シャガさん相手にその口の利き方! なってないわねー」
律「…!」
アイリス「まったく、子供ねっ」
律「ア、アイリス!?」
アイリス「あんた、あれから成長してないのねー」
律「なんだと!?」
アイリス「やーね、そんなムキにならないでよ。子供ね」
律「…なんでアイリスがここにいるんだよ?」
アイリス「ん? 私がなんでここにいるかって?
知りたいの? まあ教えてあげてもいいけどー」
律(うぜえ…)
295: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:40:03.62 ID:J8Y9u6JAO
アイリス「いいでしょ、教えてあげる!
私がソウリュウジムのジムリーダーだからよっ!!」
律「………………………………………………………………は?」
アイリス「な、なによその目……信用してないわね!?」
律「いや、だってよ…。
ジムリーダーはシャガさんのはずだろ? なのにそんなこと言われたらな…」
アイリス「…私よりシャガさんの言うことを信じるのね?」
律「いや……でも、お前がジムリーダーって………………ぷっ」
アイリス「な、何よ何よ! 笑わなくたっていいじゃない!!」ムキー
律「ああ、ゴメンゴメン。つい………………ぷっ」
アイリス「むき~!!!」
296: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:43:09.36 ID:J8Y9u6JAO
アイリス「…いいわ。なら、私がジムリーダーだって……バトルで分からせてあげるわ!!」
律「へっ、かかってこいよ!」
アイリス「後悔しても知らないわよ!」
アイリス「行きなさい、エモンガ! ドドンがドーン!!」ボム!
エモンガ「エモエモ!」
律「! エモンガか…!」
律「カミツレとのバトルでは、すばやさが厄介だったな…。でもこっちにはフォウルがいるし、大丈…………ん?」
エモンガ「エモエモ!!」バタバタ!
アイリス「ち、ちょっとエモンガ! 暴れちゃダメー!!」
エモンガ「エモエモー!」バタバタ!
アイリス「コラー!!」
律「な、なんだ…?」
297: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:46:25.71 ID:J8Y9u6JAO
エモンガ「エモエモ!」ゲラゲラ
アイリス「…もういいわ、戻りなさい……」シクシク
シュウウッ…
律「…あの、アイリスさん?」
アイリス「…くっ……まだよ!
ドリュウズ! 出てきなさい!!」
律「ドリュウズ…! プラズマ団を一撃で倒したあのドリュウズか!!」
ボム!
ドリュウズ「……」ゴトッ…
律「……………」
アイリス「……………」
ドリュウズ「……」
律「………なにこれ?」ドリル?
298: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:49:29.14 ID:J8Y9u6JAO
アイリス「あの時は単に機嫌が良かっただけだったのね…」ガックシ
ドリュウズ「……」
アイリス「うう…ドリュウズ、戻りなさい……」ハァ
シュウウッ
律「ア、アイリス…もう……」
アイリス「うあー!! まだまだよ!!
キバゴ!」
キバゴ「キバー!」
アイリス「“りゅうのいかり”!!!」
キバゴ「キバー…!!」
カッ!!!!
ドオオオオオン!!!!!!!
299: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:51:24.09 ID:J8Y9u6JAO
プスプス…
アイリス「あはは…」ケホッ
キバゴ「キバ~…」バタリ
律「自爆かよ…」
アイリス「うう……」
シャガ「やはり、そなたは半人前だな」
アイリス「! シャガさん…」
律(復活した!)
シャガ「これではジムを継がせれんな」
律「やっぱり嘘だったのかよ!」
アイリス「あう…。う、嘘じゃないもん! 次期ジムリーダーだし!」
シャガ「いつになることやら、だな」
アイリス「…うぅ」
300: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:53:01.65 ID:J8Y9u6JAO
シャガ「とりあえず、律よ。稽古の続きをするとしよう」
律「あー…、はい」
ウィーン!
唯「たのもー!!」
シャガ「む」
律「唯!!」
唯「りっちゃん発見! …あれ? アイリスちゃん?」
アイリス「しくしく…」
律「あー、今は触れてやるな」
唯「??」
シャガ「…そなたが?」
唯「平沢唯ですっ」
シャガ「ソウリュウジムジムリーダーのシャガだ」
律「よし、唯も来たことだし!
シャガさん! 稽古を!」
シャガ「ああ、分かっている。
付いてきなさい」
301: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:55:03.45 ID:J8Y9u6JAO
………
……
…
《9ばんどうろ》
唯「“9ばんどうろ”……」
律「ここへなにしに? …つか、アイリスも来てるし」
アイリス「私が来ちゃいけないわけ!?」
シャガ「実際にここでなにかする訳ではない。この先の、ある場所へ行くのだ」
唯「ある場所?」
シャガ「“しゅぎょうのいわや”という所だ」
律「聞くからに、修業にぴったりな場所みたいだな」
シャガ「察しのとおり、そこでそなたたちを鍛えてやるのだ」
律「“しゅぎょうのいわや”かぁ…」
……
…
《9ばんどうろ》
唯「“9ばんどうろ”……」
律「ここへなにしに? …つか、アイリスも来てるし」
アイリス「私が来ちゃいけないわけ!?」
シャガ「実際にここでなにかする訳ではない。この先の、ある場所へ行くのだ」
唯「ある場所?」
シャガ「“しゅぎょうのいわや”という所だ」
律「聞くからに、修業にぴったりな場所みたいだな」
シャガ「察しのとおり、そこでそなたたちを鍛えてやるのだ」
律「“しゅぎょうのいわや”かぁ…」
302: ぽけもん 2011/04/14(木) 20:58:08.79 ID:J8Y9u6JAO
…
《しゅぎょうのいわや》
シャガ「ここが“しゅぎょうのいわや”だ」
唯「へえ~!」
律「この洞窟が…」
アイリス「あなたたち以外にも、多くのトレーナーたちが修業しにくる場所でもあるのよ!
だから、“『しゅぎょう』のいわや”って名前なの!」
シャガ「今はそなたたちの為に、このシャガがここは無人にしておいたがな」
唯「貸し切り…!」
律「すげえな」
シャガ「それ程までに、そなたたちを鍛えることは重要だということだ」
唯律「…!」
《しゅぎょうのいわや》
シャガ「ここが“しゅぎょうのいわや”だ」
唯「へえ~!」
律「この洞窟が…」
アイリス「あなたたち以外にも、多くのトレーナーたちが修業しにくる場所でもあるのよ!
だから、“『しゅぎょう』のいわや”って名前なの!」
シャガ「今はそなたたちの為に、このシャガがここは無人にしておいたがな」
唯「貸し切り…!」
律「すげえな」
シャガ「それ程までに、そなたたちを鍛えることは重要だということだ」
唯律「…!」
303: ぽけもん 2011/04/14(木) 21:00:36.78 ID:J8Y9u6JAO
シャガ「……修業を始める前に、まずはだな。
そなたたちに教えることは一つ。
ドラゴンポケモンとの戦い方だ!」
唯「ドラゴンポケモンとの戦い方…?」
シャガ「そう。そなたたちの相手をするのは、伝説のドラゴンポケモンだ。ならば、戦い方を知って損はないだろう。
それに、このシャガはドラゴンタイプのエキスパートだ。ドラゴンポケモンに関しては人より詳しい」
律「…確かに……レシラムの力は圧倒的だった……」
唯「ゼクロムも……」
シャガ「……そうだ。だからこそ、この修業がうってつけなのだ」
304: ぽけもん 2011/04/14(木) 21:03:56.64 ID:J8Y9u6JAO
アイリス「そういえば…あなたたちは実際にドラゴンポケモンと戦ったことはあるの?」
律「ん…そういやぁ……」
唯「イブキさんとは戦ったよね」
律「嫌な思い出が…」ウーン…
アイリス「…ふーん」
シャガ「そうか…どちらにしろ、教えた方がいいな」
唯律「??」
シャガ「一度、このシャガが手合わせをしよう。そなたたちは二人で来なさい」
唯「わかりました!」
律「オッケー!」
305: ぽけもん 2011/04/14(木) 21:06:40.78 ID:J8Y9u6JAO
シャガ「オノノクス!!」ボム!
オノノクス「ノックー!!!」
唯「オノノクス?」ピッ
ポケモン図鑑『オノノクス、あごオノポケモン
キバゴの最終進化形。やさしい せいかくだが なわばりを あらす ものには ようしゃしない。 てつを きる キバで いどみかかる。』
律「いけ! フォウル!!」ボム!
フォウル「アーケエ!!」
唯「わあっ! 新しいポケモン!?」
律「化石を復元したんだぜー」
唯「いいなあ、りっちゃんばっかり!」
律「唯もこの間、ヒトモシゲットしただろ?」
唯「うん! じゃあラー太、お願い!」ボム!
ラー太「ラー♪」
306: ぽけもん 2011/04/14(木) 21:08:17.54 ID:J8Y9u6JAO
アイリス「アーケオスとヒトモシね…」
シャガ「それでは始めるか。どこからでも来なさい!」
律「それじゃあ行かせてもらうぜ! フォウル!!」
フォウル「アーケエ!!」バサッ!
律「“アクロバット”だ!!」
フォウル「アーケエエ!!!」ギュオッ
シャガ「むやみに特攻してくるとは…!
オノノクス、返り討ちにしてやれ!」
律「…どうかな?」
シャガ「…!」
アイリス「あれは!?」
307: ぽけもん 2011/04/14(木) 21:10:48.70 ID:J8Y9u6JAO
フォウル「アーケエ!!」ガシッ
ラー太「ラー!!」
シャガ「ヒトモシを掴んでいるだと!?」
アイリス「違う…下!!」
フォウル「アーケ!」パッ
ラー太「ラー!」スタッ
シャガ「なに!」
律「オノノクスの注意は完全に上に向いてた! 今からじゃあ間に合わないぜ!!」
唯「ラー太、“はじけるほのお”!!」
ラー太「ラー!!!」
ボオオオオオッ!!!!!!
オノノクス「…!!」
律「よっしゃあ!」
唯「やったね、りっちゃん!」
308: ぽけもん 2011/04/14(木) 21:12:36.82 ID:J8Y9u6JAO
ボオオオオオッ!!!!!!
シャガ「……やはりな」
唯律「…?」
シャガ「教えよう…、ドラゴンポケモンの力を!!」
オノノクス「ノーックーッ!!!」
唯律「!!?」
律「な、なんだ!?」
オノノクス「ノックー…!!」ゴアアアッ!!!!
唯「炎が…オノノクスに取り巻いて…!」
シャガ「“げきりん”だ!!!」
ドガアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!
フォウル「…」バタッ
ラー太「…」バタッ
唯律「……!!」
唯「なに、今の……」
律「なにが起こったんだ…!?」
309: ぽけもん 2011/04/14(木) 21:14:59.55 ID:J8Y9u6JAO
シャガ「これがドラゴンポケモンの力だ」
シャガ「まずはその反応速度。そのスピードは相手の行動に瞬時に対応できる」
シャガ「次に防御。体は硬い皮膚に守られ、半端な攻撃では微動だにしない」
シャガ「そして最後に、圧倒的なパワーだ!
相手の攻撃を飲み込み、それをも自分のパワーの糧とする!」
律「スピード、防御、パワー、どれをとっても完璧なんて…」
唯「そんな相手をどうやって倒せば…」
シャガ「いや、そう悲観するものでもない。何事にも弱点や隙というものはある。
…オノノクスを見てみろ」
310: ぽけもん 2011/04/14(木) 21:17:45.54 ID:J8Y9u6JAO
オノノクス「ノック…」フラフラ…
唯「? こんらんしてる…」
律「そうか! さっきの“げきりん”で…!」
シャガ「うむ、“げきりん”は繰り出せばこんらんする恐れがある。
確かに威力の高い技だが…逆に言えば、耐え切れたのなら形勢逆転も有り得るかもしれないのだ」
律「そこは普通のポケモンと同じなんだな…」
シャガ「そう。力の強さというハンディがあるものの、ドラゴンポケモンも他と同じポケモンだ。技や連携…様々な戦術を駆使すれば勝てる!」
シャガ「その点では、先程のアーケオスとヒトモシの連携プレイも悪くなかったぞ」
唯「いやあ、えへへ~」
311: ぽけもん 2011/04/14(木) 21:19:06.47 ID:J8Y9u6JAO
シャガ「この修業を通してドラゴンポケモンにも通用する様、そなたたちのポケモンたちのコンビネーションを磨くのだ」
唯律「コンビネーション…!」
シャガ「ゼクロムとレシラムは本当に強い。しかしそなたたちが負けたのは、一人で戦ったからではないか?」
唯律「……」
シャガ「一人では無理なら、二人で戦えばいい……そうだろう?」
唯「二人で…」
律「あっちもNとシルバー、二人だもんな!」
唯「うん、りっちゃん!」
律「ああ、唯!」
律「二人で力を合わせて…」
唯「私たちのコンビネーションで…」
律「Nとシルバーに勝とう!!」
312: ぽけもん 2011/04/14(木) 21:20:24.32 ID:J8Y9u6JAO
唯「うん! そしてNくんとシルバーくんに、ポケモンたちの本当の幸せを教えてあげるの!」
律「ポケモンたちの本当の幸せだって?」
唯「私たち人間と一緒にいて、ポケモンたちは楽しいってこと! 私たち人間もポケモンといれて楽しいってこと!
『人間とポケモンが一緒にいることが悪い』なんて世界、おかしいよ!」
律「そうか、唯もNに聞いたのか…シルバーのこと…」
唯「うん…りっちゃんも?」
律「ああ。…私は、プラズマ団を許せない。
でも、シルバーが覚悟を決めてしようとしてることなら、それに協力する!」
律「…そうだな。唯の言ったとおり、あいつらに分からせてやろう! 私たちの幸せを!!
あいつらの“理想”と“真実”をひっくり返してやろうぜ!!!」
唯「うん!!」
313: ぽけもん 2011/04/14(木) 21:22:13.11 ID:J8Y9u6JAO
アイリス「は~、まったく…こんな洞窟の中で大声で叫ぶなんて、子供ねっ」
アイリス「まあでも、私にできることなら手伝うわよ。私もソウリュウのジムリーダーだもん! …次期だけど」
律「アイリス…」
シャガ「…ふむ。ポケモン解放、か……。奴らの考えも分からんでもないが……それ以外を全てを否定する、そのやり方は許せんな」
シャガ「なんにしても、力をつけなければ何もならん。
…では修業を始めるぞ」
唯律「はい!!」
律「よっし! 私たちのコンビネーションを魅せてやるぜー!!」
唯「おーっ!!」
ワイワイ…
ノソッ……
「……」ジー
「…グルルル………」
Episode.37 fin
317: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:27:20.98 ID:ZeF6vvGAO
Episode.38
《しゅぎょうのいわや》
モール「リュー!!」
律「モール、地面に向かって“ドリルライナー”だ!」
ギュアアン!
ドゴオオン!!!!!!
モノズ「モノッ…!」グラッ
唯「今だよ、チー太! “アイアンテール”!!」
チー太「チラチー!!」タタッ
シャキンッ!
ドガアアアアン!!!!!!!
318: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:29:08.68 ID:ZeF6vvGAO
モノズ「モノー!?」ドサアッ
モノズ「モノ、モノ…!」スタコラ
唯「…上手くいったね、りっちゃん!」
律「ああ!
まずは相手の足場を崩して、そこで攻撃! パワフルなモールと、身軽なチー太だからこそできるコンビネーションだな!」
唯「りっちゃんのモール、進化したんだねえ」
律「そういう唯のチー太だってな!」
唯「えへへ~」
律「それにしても、ここはドラゴンポケモンしかいないのか?」
唯「うーん、シャガさんが言ってたよね」
319: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:31:07.78 ID:ZeF6vvGAO
シャガ『本来、この洞窟にドラゴンポケモンは住み着いてはいない。しかし貸し切り前から、ドラゴンポケモンを放っておいた…このシャガがな。
だから今となっては、野生ポケモンはドラゴンポケモンばかりだろう』
唯「って!」
律「勝手に生態系を変えていいのかよ…。まあ修業は捗るけどさ」
唯「そういえば、シャガさんとアイリスちゃんはどこ行ったのかな?」
律「シャガさんはやることがあるって言って、どっか行ったな。
アイリスは……あそこ」
唯「?」
モノズ「モノオッ!」
アイリス「キバゴ、頑張るのよ!」
キバゴ「キバキバ!」
320: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:33:08.55 ID:ZeF6vvGAO
アイリス「“ひっかく”!!」
キバゴ「キバ!」トテチテ…
トテチテ…
キバゴ「キバー!」バリッ
モノズ「…」
ムカッ
モノズ「モノオーッ!!」
キバゴ「キバー!?」
アイリス「あ、あー! キバゴ、“りゅうのいかり”!!」
キバゴ「キ、キバー!!」カッ!
ドガアアアアン!!!!!!!
プスプス……
キバゴ「キバ~…」バタリ
アイリス「や、やっぱ駄目ね…」ケホッ
モノズ「モノッ」プイッ スタコラ
アイリス「トホホ…」
321: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:35:09.43 ID:ZeF6vvGAO
律「…まっ、そっとしておこう。
修業を再開するかー」
モール「リュー…」クタッ
律「? 疲れたのか、モール?」
唯「りっちゃん、チー太もお疲れみたい」
チー太「チラチー…」ヘタッ
律「んーじゃあ、休憩がてら他のポケモンたちのコンビネーションもどうするか決めるか」
唯「うん!」
…
律「よし、ここらへんでいいだろ」
モール「リュー」スタッ
チー太「チラチー」スタッ
モール「…リュー?」
チー太「チラチー♪」
ワイワイ
322: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:37:07.29 ID:ZeF6vvGAO
唯「仲良しだねえ♪」
律「この二匹はイッシュで最初にゲットしてから、長い間一緒にいるからなー」
唯「じゃあ順番にいくと…、
ムー太とボルト、ラー太とフォウル…って組み合わせになるのかな?」
律「そうだな。ラー太とフォウルは、オノノクスと戦った時みたいに…いや、もっと工夫させた方がいいか。とりあえずあんな感じで」
唯「ムー太とボルトはどうしよう」
律「うーん…」
トボトボ…
アイリス「はー、疲れた~…」
律「アイリス」
唯「お疲れ様~♪」
323: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:39:11.19 ID:ZeF6vvGAO
律「どうなんだ、調子は?」
アイリス「ダメダメね。でもキバゴも頑張ってくれてるから、諦めないわ!」
唯「その意気だよっ!」
キバゴ「キババー!」
アイリス「…頑張ってドラゴンマスターにならなくちゃね! キバゴ!」
唯律「ドラゴンマスター?」
アイリス「ん? ああ…。ドラゴンマスターっていうのは、ドラゴンと心を通わせ、ドラゴンポケモンの特徴を生かして自在に操るドラゴン使いのこと!
私はそれを目指しているの!!」
唯律「へ~!」
アイリス「でもドラゴンマスターなんて、称号だけで、実際になれたトレーナーなんていないんだけどね。
シャガさんも、あなたたちが戦ったイブキさんも…結局はドラゴン使いってところで止まってるのよ」
324: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:41:07.00 ID:ZeF6vvGAO
アイリス「まあ、私はそのドラゴン使いにもなれてないんだけどねー。あはは」
律「トレーナーにも色々あるんだなー。
ジムリーダーとか…四天王、チャンピオン。今度はドラゴンマスターと来たか」
唯「すごいよねー! そういうのって憧れるよ!」
律「そうだよなー」
アイリス「まっ、夢があることはいいことよ!」
律「夢か…」
唯「私は立派なお姉ちゃんになることだね!」
律(憂ちゃんどうしてるかなぁ…)
唯「りっちゃんは強くなりたいんだよね!」
律「ん…、ああ! 最強のポケモントレーナーになるんだ!!」
325: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:44:03.19 ID:ZeF6vvGAO
アイリス「最強ねえ…高望みすぎない?」
律「夢はでっかくだ!」
唯「胸はちっさくだね、りっちゃん!」
律「うるせえっ!」
アイリス「子供ねえ」
律「…よし! なんかやる気出てきた!
唯、修業再開するぞ!!」
唯「うん! りっちゃん!!」
タタタッ
アイリス「あんなに張り切って。子供ねえ…」
キバゴ「キバキバ」グイッ
アイリス「うんっ、じゃあ私たちも続きしようか!
今度はドリュウズね! …いや、エモンガが先かなあ……」
アイリス「う~ん…」テクテク
326: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:46:06.87 ID:ZeF6vvGAO
ドンッ!
アイリス「…あだっ」
「グルル……」
アイリス「……ん?」
「「ガァーッ!!!」」
アイリス「キャー!!?」
キバゴ「キバー!?」
…
ャー……
唯「ん?」
律「どうした、唯ー?」
唯「なにか聞こえたようn…」
アイリス「キャー!!」
キバゴ「キバー!」
ダダダッ!
律「な、なんだ!?」
327: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:48:13.73 ID:ZeF6vvGAO
唯「そ、そんなに慌ててどうしたの? アイリスちゃん」
アイリス「はぁはぁ……、野生の…ポケモンが……」
律「ポケモン?」
「「ガァーッ!!!」」ドタドタ
唯律「!!」
アイリス「あ、あのポケモン!」
「グルル…!」
律「あいつは…」ピッ
ポケモン図鑑『クリムガン、ほらあなポケモン
せまい ほらあなを はしりまわり えものを するどい ツメで ほかく。かおの ひふは いわより かたい。』
唯律「クリムガン…!!」
クリムガン「ガァーッ!!!」
328: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:50:09.29 ID:ZeF6vvGAO
唯「すっごい怒ってるよぅ…」
律「ア、アイリス! なんでこいつはこんなに機嫌が悪いんだよ!!」
アイリス「そ、それは……。私が考えながら歩いてたら、ぶつかっちゃって……その」
律「お前が悪いんじゃん!」
アイリス「し、仕方ないじゃない! 暗がりで周りがよく見えなかったし!」
クリムガン「ガァーッ!!!」
アイリス「ひっ…!」
唯「とりあえず二人とも! このままじゃ危ないよおっ!!」
律「なんとかしないと…!」
クリムガン「ガァーッ!!」ダダッ
キバゴ「キバ…!?」
329: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:53:34.42 ID:ZeF6vvGAO
クリムガン「リムガーッ!!」ブンッ
アイリス「“きりさく”よ! 危ない、キバゴ!!」ダッ
ガバッ!
クリムガン「ガァーッ!」
ザキイッ!!!!!!
アイリス「キャアアッ!!」ドシャアッ
唯「アイリスちゃん!!」
律「アイリス!!」
クリムガン「リムー…!」ギロッ
唯律「…!」
律「ここは戦うしかないな…」カチャ
唯「うん…」カチャ
ボム!!
モール「リュー!!」
チー太「チラチー!!」
330: ぽけもん 2011/04/19(火) 20:57:33.58 ID:ZeF6vvGAO
律「まずは足場を崩すぜ! “じならし”だー!!」
ドリュウズ「リュー!!」
ドドドド…!!!!!!
クリムガン「…!」バサッ
唯「りっちゃん!」
律「ああ! クリムガンは翼がある。空中に逃げる気なんだろうけど……予想通りだ!!」
唯「チー太! 天井の岩を利用して…“ロックブラスト”!!」
チー太「チラチー!!」ドガッ!
ドゴオオン!!!!!!
クリムガン「ムガッ!?」
唯「下からも上からも来られたら、抵抗もできないよね!」
331: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:00:04.28 ID:ZeF6vvGAO
クリムガン「リームウッ!!」タッ
唯律「…!!」
クリムガン「ムガーッ!!!」
ダダダダ!!!!
唯「壁を走ってる!?」
律「“ロッククライム”だ!!
上下が駄目なら、横だってか!」
クリムガン「ムガーッ!!」ダッ
スタッ!
チー太「チラチー!?」
モール「リュー!?」
律「まずい…!」
クリムガン「リムーッ!!」ブンッ
ドオオオオオン!!!!!!!
332: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:02:22.89 ID:ZeF6vvGAO
シュウウッ……
唯「どうなって……」
律「!? モールとチー太の姿がないぞ!!」
唯「ホントだ…! チー太あ!?」
律「モールう!?」
ボム!!
唯律「!!」
ボルト「ゼブウ…?」キョトン
ムー太「ムウ……?」
唯「ボルトとムー太!?」
律「…! さっきのは“ドラゴンテール”!!
攻撃を当てたら、強制的に相手のポケモンを交替させる技だ!!」
唯「今のが…!」
クリムガン「ムガッ」ニヤリ
333: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:03:38.10 ID:ZeF6vvGAO
律「くそ、私たちには相性の悪い技だな……」
唯「交替させられたら、コンビネーションも崩れちゃうもんね…」
律「とりあえず、今はボルトとムー太でクリムガンを倒すぞ!」
唯「うん!」
律「“じゅうでん”しろ!!」
ボルト「ゼブウウ!!」バリバリ…!
唯「ムー太、“テレキネシス”!!」
ムー太「ムウ!」ウィン!
ボルト「…」フワッ
クリムガン「…!」
唯「これでボルトを動かして…」
334: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:07:47.18 ID:ZeF6vvGAO
ムー太「ムウ!」ウィン
ボルト「ゼブウ!!」ギュオッ
クリムガン「リム!」
ビリビリィ!!!!!
クリムガン「リムー!?」ビリッ
唯「“じゅうでん”してるだけで攻撃ができる!」
律「いいぞ! 効いてる!!」
クリムガン「リムー……」
唯「ムー太、もう一度だよ!」
335: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:10:14.92 ID:ZeF6vvGAO
ムー太「ムウ…!」ウィン……
ボルト「ゼブッ!?」グラッ
ドオオン!!!!!
唯「ああっ!」
ボルト「ゼブウ…」
ムー太「ムウ…」ゼエゼエ
律「あんまり長い時間はできないのか…?」
クリムガン「リムーッ!!」ダッ
唯律「!!」
唯「“ドラゴンテール”が来るよおっ!?」
336: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:11:41.91 ID:ZeF6vvGAO
律「くそ…! また交替させられ…」
律(交替…?)
律「そうか…!
ボルト、“ボルトチェンジ”だ!!」
ボルト「ゼブウウ!!」バリッ
クリムガン「!?」ビリイッ
ボルト「」シュンッ
ボム!
フォウル「アーケエ!!」
唯「交替した!?」
律「勝手にさせられるよりマシだぜ!
そして、すぐにムー太とのコンビネーションに持っていくぞ!!」
唯「うん! “テレキネシス”!」
ムー太「ムウ!」ウィン!
337: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:15:34.13 ID:ZeF6vvGAO
律「“アクロバット”!!」
ドダダダ!!!!!!!
クリムガン「ムガーッ!?」ズザザッ…
律「この狭い洞窟の中じゃ上手く飛び回れないけど、ムー太に手伝ってもらえば自由に動けるのさ!!」
フォウル「アーケエ!!」ドダダダ…
クリムガン「ムガーッ……」ギロリ
フォウル「…ッ!?」クラッ
ムー太「ムウッ?」
フォウル「アーケエ…!!」ドサッ
律「ど、どうしたんだ!? フォウル!!」
フォウル「アーケ……」ザラッ…
律「なんだ? 身体のあちこちに傷が…!
クリムガンが攻撃したようには見えなかったのに!」
338: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:16:28.25 ID:ZeF6vvGAO
クリムガン「ムガーッ!」ザラッ
律「…! あのザラザラした肌!!」
唯「“さめはだ”!?」
律「フォウルがクリムガンの肌に触れる度に、ダメージを受けていたのか…!」
フォウル「アーケエ…」
律「休んでてくれ、フォウル」シュウウッ
唯「りっちゃん!」
律「ああ、唯。物理攻撃が駄目なら、特殊攻撃だ!」
339: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:18:11.00 ID:ZeF6vvGAO
唯「ムー太! “サイコウェーブ”!!」
ムー太「ムウウ!!」ウィン!
クリムガン「ガァーッ!!!」パアアン!
唯ムー太「!?」
律「“ドラゴンクロー”で弾かれた…!
真正面から攻撃しただけじゃあ、防がれる!!」
クリムガン「ガァーッ…!」シャキンッ
律「“つめとぎ”で、さらにパワーアップか…!」
340: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:19:49.23 ID:ZeF6vvGAO
クリムガン「ガァーッ!!!」ブンッ!
唯「“リフレクター”だよ!」
ムー太「ムウウ!!」ウォン!
ガキイイッ!!
クリムガン「…!」ギギ…
唯「りっちゃん! 今のうちに攻撃だよ!」
律「分かった! ボルト!!」ボム!
ボルト「ゼブウウ!!」
律「でも、“さめはだ”や“ドラゴンクロー”で攻撃は…」
唯「うーん……、…そうだ! “スパーク”だけを“サイコキネシス”で動かせればいいんじゃないかな?」
律「そうか! それなら“さめはだ”も効かない!
…でも“ドラゴンクロー”はどうするんだ?」
341: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:22:49.32 ID:ZeF6vvGAO
唯「考えてあるよ!
ムー太、“ひかりのかべ”!」
ムー太「ムウウ!」ウォン ウォン ウォン……
ウォン!!!
クリムガン「ムガッ!?」
律「壁がクリムガンの周りを囲んだ!
…あれに電撃を放てばいいんだな?」
唯「うん! 軌道はムー太が調整するから、思いっきりやって!!」
律「オーケー!
よし…、行くぜ!! “ほうでん”!!!」
ボルト「ゼブウウーッ!!!!」バリバリ!
ムー太「ムウ!」クイッ
ギュイイン!!!!!!
342: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:24:46.43 ID:ZeF6vvGAO
唯「電撃は“ひかりのかべ”に反射して…」
キュアンッ!
唯律「中心のクリムガンに当たる!!」
カッ!!!!
クリムガン「ムガッ…!!」
ドガアアアアン!!!!!!!!!
クリムガン「」バタッ
唯律「やった!!」
律「凄まじい威力だったな!」
唯「ムー太とボルトのコンビネーションは決定だね!」
律「これで、三組すべてのコンビネーションは完成だあ!!」
343: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:26:01.44 ID:ZeF6vvGAO
唯「やったね、りっちゃあん!!」ガバッ
律「ああ、唯い!!」ダキッ
ワイワイ……
アイリス「…ううん……」パチッ
律「アイリス、大丈夫か?」
アイリス「あんた……って! クリムガンは!?」
アイリス「!!」
クリムガン「ムガ……」ビリリ…
アイリス「あれ…、倒れてる……」
律「やりすぎちゃったな…」アハハ…
唯「クリムガンちゃん!」タタッ
クリムガン「……?」
344: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:27:38.05 ID:ZeF6vvGAO
唯「“クラボのみ”、採ってきたよお。お食べ♪」
クリムガン「ムガッ?」キョトン
唯「ビリビリして苦しいと思ってね。誰も悪くないことで、当然あなたも悪くないのに……ごめんね?」
クリムガン「ムガァ…」パクッ
クリムガン「ムガァ!!」シャキッ
唯「元気になったね!」
律「よかったな、クリムガン!
私もごめんな!」
クリムガン「リムリム!」ニコニコ
アイリス「わ、私も…! 元はといえば、私の不注意であなたを怒らせちゃったから……」
クリムガン「リムッ!」コクッ
アイリス「許してくれるの…?
よ、良かった!」パアッ
唯「えへへ~、仲直りできてよかった!
また友達が増えたね♪」
律「へへっ、そうだな!」
アイリス「ふふっ」
クリムガン「リムーッ♪」
345: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:28:34.73 ID:ZeF6vvGAO
…
クリムガン「リムー♪」ノシ
唯「ばいばあい!」
律「じゃあなー!」
アイリス「元気でー!!」
クリムガン「リムー♪」ザッザッ…
唯「行っちゃったねえ…」
アイリス「やっぱりドラゴンポケモンはカッコイイし、可愛いわね!」
律「そうだなー。……そういやあ、シャガさんは何してるんだ?」
唯「どこに行ったんだろうねえ」
シャガ「ふむ! クリムガンに勝ったのか!」
唯律「シャガさん!!」
アイリス「いつの間に!」
クリムガン「リムー♪」ノシ
唯「ばいばあい!」
律「じゃあなー!」
アイリス「元気でー!!」
クリムガン「リムー♪」ザッザッ…
唯「行っちゃったねえ…」
アイリス「やっぱりドラゴンポケモンはカッコイイし、可愛いわね!」
律「そうだなー。……そういやあ、シャガさんは何してるんだ?」
唯「どこに行ったんだろうねえ」
シャガ「ふむ! クリムガンに勝ったのか!」
唯律「シャガさん!!」
アイリス「いつの間に!」
346: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:31:08.52 ID:ZeF6vvGAO
律「どこに居て……って」
唯「なんでクリムガンのことを?」
シャガ「うむ、実はあのクリムガンはここの主でな。ベリブの実が大好物なのだが、それを食べさせぬようにここらのベリブがなる木々はすべて伐採したんだ」
律「…なんで?」
シャガ「もちろん! そなたたちの修業の為だ!
ベリブの実が食べれなく機嫌が悪いところにトレーナーと出会えば、クリムガンも腹いせに戦うだろうと。クリムガンは強敵だ。倒せればそなたたちの実力はきっと上が……って何故そんなに怖い顔をぬわあああっ」
347: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:32:14.48 ID:ZeF6vvGAO
…………
………
……
…
《10ばんどうろ》
トレーナー「バッフロン、“アフロブレイク”だ!!」
バッフロン「バッフウッ!!」ドダダッ
律「モール、“ドリルライナー”!!!」
モール「リュー!!」ギュアアン!
バッフロン「…!?」
ドオオオオオン!!!!!!!
バッフロン「」バタッ
トレーナー「ああっ!」
………
……
…
《10ばんどうろ》
トレーナー「バッフロン、“アフロブレイク”だ!!」
バッフロン「バッフウッ!!」ドダダッ
律「モール、“ドリルライナー”!!!」
モール「リュー!!」ギュアアン!
バッフロン「…!?」
ドオオオオオン!!!!!!!
バッフロン「」バタッ
トレーナー「ああっ!」
348: ぽけもん 2011/04/19(火) 21:33:47.28 ID:ZeF6vvGAO
律「よっしゃあ!」
唯「おめでとう、りっちゃん!!」
律「…この先がバッジのチェックゲートか!」
唯「そこを抜けたら、“チャンピオンロード”だね!」
律「“レジェンドバッジ”も貰ったし!」キランッ
律「目指すは“ポケモンリーグ”だあー!!」
唯「おーっ!!」
Episode.38 fin
351: ぽけもん 2011/04/26(火) 21:53:34.29 ID:K6AA1siAO
Episode.39
《サザナミタウン》
カトレア「皆さん、お揃いでしょうか」
シロナ「ええ」
ワタル「ああ」
ダイゴ「うん」
紬梓「はい」
クロツグ「うむ、全員いるな」
カトレア「…シロナさんの話によると、プラズマ団は“ポケモンリーグ”を狙っていると」
シロナ「ええ。そのために“ポケモンリーグ”を守る人が必要なの」
352: ぽけもん 2011/04/26(火) 21:54:38.21 ID:K6AA1siAO
ワタル「その役は俺たちということか」
ダイゴ「アデクさんのためでもあるからね。チャンピオンとして、しっかりとやらなくちゃね」
梓「…カトレアさん、今すぐにポケモンリーグへ行くべきなんですか?」
カトレア「そうですね…」
カトレア(ポケモンリーグが狙いだというのは知っていましたが、すでに攻め入る予定だとは……知らされていないのはやはり……)
紬「…?」
梓「カトレアさん、どうかしました?」
カトレア「…! いえ、なんでもありません。
今からポケモンリーグに行きましょう」
353: ぽけもん 2011/04/26(火) 21:56:21.00 ID:K6AA1siAO
クロツグ「しかし、奴らがもういるんじゃないのか?」
カトレア「それは有り得ません。
ポケモンリーグは挑戦者がきた時のみ、ゲートが開通します。だからプラズマ団は挑戦者が現れるまでは攻め入ることもできません。入っても、中は無人ですし」
紬「でも…、それじゃあ挑戦者が来るまではプラズマ団も動けないわけですし……私たちも同様なんじゃ?」
カトレア「…ふふ、それは彼女らに頑張ってもらいませんと」
紬梓「…!」
カトレア「それに、早いに越したことはないですよ。いずれはプラズマ団が攻めて来るのですから」
ワタル「では行くとするか。みんな、カイリューに乗ってくれ」
カイリュー「リュー!」
カトレア「いいえ、みんなではなく…」
皆「?」
354: ぽけもん 2011/04/26(火) 21:58:06.72 ID:K6AA1siAO
…………
………
……
…
《カゴメタウン》
梓「“カゴメタウン”、ですか」
紬「久しぶりの新しい町ね♪」
梓「それにしても…」
カトレア『ポケモンリーグにはアタクシとクロツグさんが先に行きます。そうして次にチャンピオンの皆さん、最後に紬さんと梓さん…の順です』
紬『どうして分かれるんですか?』
カトレア『流石にプラズマ団も警戒していないわけがありませんし、一度に大勢で行くのは薦めませんから』
梓『まあ確かに…』
カトレア『紬さんと梓さんは、この先の“カゴメタウン”、“ビレッジブリッジ”を抜けてポケモンリーグへ向かってください』
梓「…ポケモンリーグに着くまで、どれくらい時間がかかるんでしょうか?」
紬「そうねえ…。でも、頑張って目指すしかないわ!」
梓「では、先へ進みましょう!」
………
……
…
《カゴメタウン》
梓「“カゴメタウン”、ですか」
紬「久しぶりの新しい町ね♪」
梓「それにしても…」
カトレア『ポケモンリーグにはアタクシとクロツグさんが先に行きます。そうして次にチャンピオンの皆さん、最後に紬さんと梓さん…の順です』
紬『どうして分かれるんですか?』
カトレア『流石にプラズマ団も警戒していないわけがありませんし、一度に大勢で行くのは薦めませんから』
梓『まあ確かに…』
カトレア『紬さんと梓さんは、この先の“カゴメタウン”、“ビレッジブリッジ”を抜けてポケモンリーグへ向かってください』
梓「…ポケモンリーグに着くまで、どれくらい時間がかかるんでしょうか?」
紬「そうねえ…。でも、頑張って目指すしかないわ!」
梓「では、先へ進みましょう!」
355: ぽけもん 2011/04/26(火) 21:59:20.52 ID:K6AA1siAO
………
……
…
《ビレッジブリッジ》
紬「着いたわね、“ビレッジブリッジ”!」
梓「イッシュを開拓した人たちが建設した、イッシュ最古の橋だそうです」
紬「“ビレッジブリッジ”……村、橋…?
どうしてそんな名前なのかしら?」
梓「さあ……。…あっ!」
紬「? どうしたの?」
梓「橋に家が並んでいます!」
紬「家…!?」
……
…
《ビレッジブリッジ》
紬「着いたわね、“ビレッジブリッジ”!」
梓「イッシュを開拓した人たちが建設した、イッシュ最古の橋だそうです」
紬「“ビレッジブリッジ”……村、橋…?
どうしてそんな名前なのかしら?」
梓「さあ……。…あっ!」
紬「? どうしたの?」
梓「橋に家が並んでいます!」
紬「家…!?」
356: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:01:01.90 ID:K6AA1siAO
…
テクテク……
紬「すごい…。本当に人が住む家みたいね」
梓「なぜ橋の上に…」
ラー……
紬梓「!」
ラララー♪
梓「歌声?」
紬「すてきな曲ね♪」
梓「橋の下から聴こえますね」
紬「あ、梓ちゃん!」
梓「はい?」
紬「…」キラキラ
梓「……見に行ってみますか」
紬「イエス!」
テクテク……
紬「すごい…。本当に人が住む家みたいね」
梓「なぜ橋の上に…」
ラー……
紬梓「!」
ラララー♪
梓「歌声?」
紬「すてきな曲ね♪」
梓「橋の下から聴こえますね」
紬「あ、梓ちゃん!」
梓「はい?」
紬「…」キラキラ
梓「……見に行ってみますか」
紬「イエス!」
357: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:02:14.92 ID:K6AA1siAO
…
ラララー♪
♪……
おにいさん「…ふう」
パチパチ…
おにいさん「…!」
梓「お上手でした!」
紬「私、路上で歌を聴くのが夢だったの~♪」
梓「橋の下ですけどね」
おにいさん「君たちは…」
梓「中野梓です!」
紬「琴吹紬です♪」
梓「橋を通っていたら、歌声が聴こえたので見に来てみたんです」
ラララー♪
♪……
おにいさん「…ふう」
パチパチ…
おにいさん「…!」
梓「お上手でした!」
紬「私、路上で歌を聴くのが夢だったの~♪」
梓「橋の下ですけどね」
おにいさん「君たちは…」
梓「中野梓です!」
紬「琴吹紬です♪」
梓「橋を通っていたら、歌声が聴こえたので見に来てみたんです」
358: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:03:30.73 ID:K6AA1siAO
おにいさん「そうなのか…」
イータ「僕はイータ、プロの歌手を目指してるんだ」
紬「プロの歌手!」
梓「すごいですね!」
イータ「はは、そんなことないよ。
…あ、拍手ありがとうね」
梓「いえ」
紬「本当にお上手でした!」
イータ「はは、ありがとう。
…君たちは“ビレッジブリッジ”に観光かい? ここの人ではなさそうだし」
梓「観光というか……、あ。そうだ…、なんでここは橋に家を建てているんですか?」
359: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:05:17.71 ID:K6AA1siAO
イータ「ああ、それはね。古代の人々が“ビレッジブリッジ”を建設した時、水害を防ぐために橋の上に家を建て暮らし始めて…、それが今も続いているらしいんだよ」
梓「らしい、?」
イータ「僕はここの出身じゃないからね。
シンオウ地方から来たんだよ」
紬「シンオウ地方ですか?」
イータ「そうそう。イッシュには『ミュージカル』もあるし、音楽をするのに相応しいかな? って思って、越してきたんだけどね」
イータ「…そうだ、僕の家に来ないかい?
バンドを組んでいてね。よければ紹介するよ」
梓「バンドを…」
イータ「うん、五人でね」
紬「バンドかあ…」
イータ「…?」
梓「じゃあ、お言葉に甘えて」
イータ「オーケー、それじゃあ行こうか。
僕の家は“カゴメタウン”にあるんだ」
360: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:06:08.00 ID:K6AA1siAO
………
……
…
《イータの家》
イータ「ただいまー」
おばあさん「お帰り、イータ」
イータ「婆ちゃん」
おばあさん「ん? お客さんかい?」
梓「どうも」
紬「お邪魔します~♪」
おばあさん「むむう、見たことない顔だねえ。
そうだ。あんたたち、カゴメ昔話を聞いてかないかい?」
紬「カゴメ…」
梓「…昔話?」
イータ「おい、婆ちゃん…」
おばあさん「まあまあ、いいじゃないかい」
……
…
《イータの家》
イータ「ただいまー」
おばあさん「お帰り、イータ」
イータ「婆ちゃん」
おばあさん「ん? お客さんかい?」
梓「どうも」
紬「お邪魔します~♪」
おばあさん「むむう、見たことない顔だねえ。
そうだ。あんたたち、カゴメ昔話を聞いてかないかい?」
紬「カゴメ…」
梓「…昔話?」
イータ「おい、婆ちゃん…」
おばあさん「まあまあ、いいじゃないかい」
361: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:07:04.31 ID:K6AA1siAO
イータ「だってお客さんに迷惑…」
紬「はい! 私聞きたいです!」フンッ
おばあさん「ほらね」
イータ「…はあ」
梓「ムギ先輩……」
紬「お年寄りの話には耳を傾けた方がいいわ! 昔話を聞くのが夢だったの!」
おばあさん「ほっほ、元気がいい娘さんじゃの。
では、話そうかの…」
おばあさん「この町の裏にはものすごーくでっかい穴が開いとるんじゃ。その穴はな、昔々空から大きな隕石が降ってきて出来たそうじゃ。
そしてその隕石の中には世にも恐ろしい化けもんが潜んでおったそうな……」
おばあさん「化けもんは晩になると冷たい風とともに人里に現れては人やポケモンを取って食らうと言われとった……。
じゃから昔のもんは町を塀で囲って化けもんが入って来られんようにしたり、日が暮れたら表に出るのを禁じて家で過ごすことを町の掟にしたようじゃ」
362: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:08:16.99 ID:K6AA1siAO
おばあさん「……………………………。
ま、今じゃこんな話なぞ誰も信じとらん。じゃけどな……今でもカゴメに住んどるもんは晩になったらちゃんと家に帰るんじゃ、不思議じゃろ?」
おばあさん「昔話や古い言い伝えちゅうもんは今の生活に何かしらの影響を与えとるっちゅうことかのう」
梓「化け物、ですか…」
おばあさん「化けもんが住んどるその穴を皆、“ジャイアントホール”と呼んでおるよ」
紬梓「“ジャイアントホール”……」
イータ「婆ちゃん! もう、人を連れて来る度に昔話をするのはやめてくれよ」
おばあさん「ほっほ、この歳になると若者を昔話で怖がらせるのが楽しくなるもんじゃ」
イータ「年寄りが全員そうみたいな言い方するなよ!」
おばあさん「はいはい。それじゃあお嬢ちゃんたち、ゆっくりしていきなさい」
紬梓「は、はい」
363: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:10:32.93 ID:K6AA1siAO
イータ「まったく……ああ、気にしないでくれ。いつもああなんだ。
んじゃ、この部屋にバンドの仲間がいるから」
ガチャ
ダダダダ……ダーン!!!
ポロポロピロロン…
ジャラアアン!
「……ん?」
イータ「やあ、練習中だったか、タウ」
タウ「ちょうど今ひと通り終わったところやけど……その嬢ちゃんたちは?」
イータ「僕がビレッジブリッジで歌っていたところ、聴いてくれてね」
タウ「へえ」
梓「どうも、中野梓といいます」
紬「琴吹紬です♪」
364: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:11:11.44 ID:K6AA1siAO
タウ「わてはタウや。ドラムをやっとる」
「アズサにツムギだネ!」
アルファ「ミーはベースのアルファだヨ! ヨロシク!」
ニュー「…俺はニュー。ギター担当さ」
梓「ギター、ですか」
ニュー「…ん?」
紬「梓ちゃんと一緒ね♪」
イータ「君、ギターを弾けるのかい?」
梓「トレーナーズスクールでバンドを組んでいたんです。軽音楽部で!」
イータ「軽音楽かぁ、…紬ちゃんも?」
紬「はい♪ 皆さんと同じ五人組の!
私はキーボードをやってました!」
「キーボードか、じゃあ私と同じね」
紬「!」
365: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:13:29.23 ID:K6AA1siAO
カパ「キーボードのカパよ。よろしくね」
紬「あなたがキーボードの方ですか! よろしくお願いします♪」
イータ「はは、君たちを見てると昔を思い出すね」
タウ「どうや? わてらの演奏聴いてけーへん?」
梓「はい!」
紬「ぜひ!」
アルファ「グッドですネー! やりマショー!」
イータ「よし、やるか」
タウ「…ワン、ツー!」カッ
…
梓「いい曲でした!」
紬「うん、うっとりしちゃったわ~」
イータ「はは、ありがとう」
366: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:14:37.97 ID:K6AA1siAO
梓「聞いたことない曲でしたね。自作ですか?」
カパ「そうよ、作曲したのは私たちではないけどね」
紬梓「?」
コロトック「コロー」
梓「コロトック?」
カパ「コロトックが即興で作るメロディー……それに歌詞をつけているの」
紬「へえ~♪ コロトックで…」
ニュー「…作曲はコロトック、作詞はTHANKということだ」
梓「THANK?」
イータ「僕らのバンド名だよ」
紬「いい名前ですね!」
タウ「褒めても何もでてけーへんぞ~」
アルファ「オーウ、そうデシタ~。話があったのデス」
イータ「ん、なんだ。アルファ」
アルファ「今日の……」
367: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:15:16.27 ID:K6AA1siAO
梓「…ふう」
紬「皆さん、いい人ね♪」
梓「はい! 演奏も素敵でした!」
カパ「嬉しいこと言ってくれるわね」
梓「! カパさん!」
カパ「ふふ、ちょっと話さない?」
………
……
…
カパ「へえ…ポケモン博士をねえ」
梓「はい! サンヨウの研究所で!」
紬「私はその助手です♪」
カパ「いいわねえ…夢があって」
紬「夢…、カパさんはなんで音楽をやってるんですか?」
368: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:17:10.46 ID:K6AA1siAO
カパ「ううん…音楽やってたあなたたちなら分かると思うけど、楽しいからかな。五人で音楽やるのが」
カパ「それにね、音楽は音で人に思いを伝えられるものだから」
梓「確かに…楽しくなったり、悲しくなったり、曲に合わせて伝わる感情が色々ありますよね」
紬「カパさんが伝えたい思いって?」
カパ「強いて言うなら、“ジャイアントホール”のこと」
紬梓「!!」
カパ「っていう穴があるんだけどね」
梓「聞きました! イータさんのおばあさんに!」
紬「カゴメ昔話っ!」
369: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:18:10.04 ID:K6AA1siAO
カパ「あら、そうだったか。じゃあ大体話は分かってるわね」
梓「はい。ジャイアントホールに化け物が住んでいると」
カパ「そう、昔の人々は化け物を恐れて夜は外を出なくなった。今もそれが続いてる…。でも私はそれが気に入らないのよね」
紬「? なんでですか? 化け物とかは関係なくても、夜は危ないからいいことだと思いますけど」
カパ「うん、そうよね。子供たちにも、カゴメ昔話は夜遊びしないようにする、いい抑制になってるわ。
…でも、私は見たのよ」
紬「…見た?」
カパ「ジャイアントホールの化け物を!」
紬梓「!?」
370: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:19:02.33 ID:K6AA1siAO
梓「そ、それはどういう…」
カパ「いえ、あれは化け物じゃないわ。れっきとしたポケモンだった」
カパ「…私が小さい頃、ちょっとしたことからジャイアントホールに迷い込んじゃったことがあるの。
お母さんともはぐれてしまって…」
梓「! もしかして、カパさんはここの出身ですか?」
カパ「うん、そうよ。言ってなかったか。
…それでね、私が泣いていたら、突然冷たい風が吹いて……」
カパ「すぐに風が止んだと思ったら、私はカゴメタウンにいたの」
371: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:21:34.79 ID:K6AA1siAO
紬「不思議なこともあるのね~、一件落着♪」
梓「いや、明らかに自然の出来事じゃないでしょう…」
カパ「風が止む前ね、風と風の間にポケモンの姿が見えた…。確かに、そのポケモンが風を吹かせていたの」
カパ「そのポケモンのおかげで、今の私がいる…。
私はね、そのポケモンをジャイアントホールの化け物なんじゃないかって思っているわ」
梓「…化け物が、助けた?」
紬「でも、冷たい風を吹かせた…って、昔話の化け物と共通するところがあるわよね」
紬「本当はその化け物はいい化け物なのかも!」
カパ「…うん、私もそう思う。
だから、町のみんなの誤解を解きたいのよ。あれは化け物じゃないってね」
梓「なるほど…。じゃあそれを音楽で?」
カパ「今度、ジャイアントホールでライブをやるのよ。それを通して、町のみんなにメッセージを届けるつもり」
372: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:22:31.96 ID:K6AA1siAO
紬「ライブ、私たちも行きます!」
カパ「うん、ありがと! じゃあイータたちと打ち合わせしてくるから。また後でね」
タタッ
紬梓「……」
紬「ライブ楽しみね♪」
梓「はい!」
ニュー「…ライブは今日の夕方に始まる」
梓「! ニューさん!」
ニュー「…カパにとって、今回のライブにはとても深い意味がある。
絶対に成功をさせたいのだ」
紬梓「……」
ニュー「…俺もカゴメ出身でな。昔話の真偽は気になっている」
ニュー「…ふ、まあライブ ぜひ楽しみにしていてくれよ」
373: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:23:32.63 ID:K6AA1siAO
………
……
…
《ジャイアントホール》
ガチャッ、ガチャッ
イータ「よし、準備完了だな」
イータ「みんな! この日のために練習してきたんだ!
絶対に成功させよう!」
タウ「合点や!」
アルファ「オフコース!」
ニュー「…ああ」
カパ「ええ!」
イータ「んじゃあ、まだ時間もあるし。一回通してみるか」
タウ「ワン、ツー!」カッ
~♪
梓「…やっぱり、いい演奏ですね」
紬「これならカパさんの気持ち、みんなに届くわ♪」
……
…
《ジャイアントホール》
ガチャッ、ガチャッ
イータ「よし、準備完了だな」
イータ「みんな! この日のために練習してきたんだ!
絶対に成功させよう!」
タウ「合点や!」
アルファ「オフコース!」
ニュー「…ああ」
カパ「ええ!」
イータ「んじゃあ、まだ時間もあるし。一回通してみるか」
タウ「ワン、ツー!」カッ
~♪
梓「…やっぱり、いい演奏ですね」
紬「これならカパさんの気持ち、みんなに届くわ♪」
374: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:24:31.80 ID:K6AA1siAO
♪ー……ギリイイ!!
皆「…!?」
タウ「な、なんや? 演奏も掻き消すデッカイ音が!」
ギリリイイ!!!!!!!
イータ「うわあっ! なんだ、この騒音は!?」
アイアント「キシャー!!」ギギギィ…
アルファ「てつアリポケモン、アイアント!?
このノイズは、コイツの“きんぞくおん”デスカー!?」
「ご明察! そして、そのアイアントはこの俺のポケモン!!」
アルファ「ユーは!?」
下っ端「プラズマ団下っ端だあ!!」
紬梓「プラズマ団…!!」
梓「なぜプラズマ団がここに!?」
下っ端「話に聞く、ここの化け物という奴を捕まえにきたのさ!」
カパ「…!」
375: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:25:52.71 ID:K6AA1siAO
下っ端「だからよぉ、ここで騒がれると邪魔なんだよな!!
アイアント!!!」
アイアント「キシャー!!」ダッ
梓「皆さん、下がっていてください!!」
紬「ここは私たちが引き受けます!!」
ボム!!
ミミちゃん(ミミロップ)「ミミロー!」
リン(レントラー)「リン!」
ガキイイッ!!!
アイアント「…!」
下っ端「チッ…」
梓「いつもいつもあなたたちは……それにこんな時にまで…!!」
下っ端「…こんな時だあ? どんな時だよ。……ん、なんだあ? ライブでもやるのかよ」
下っ端「……クク、なるほどなあ」
梓「…?」
376: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:27:19.71 ID:K6AA1siAO
下っ端「演奏できなくなれば、ライブなんてやる必要もなくなるよなァ!!!」
梓「…! まさか!?」
下っ端「アイアントォ!!!」
アイアント「キシャー!!」ダッ
カパ「…!?」
紬「カパさん…っ!!」
下っ端「“いあいぎり”!!!!」
アイアント「キシャー!!」シャキンッ
ニュー「カパ!!!」ダッ
ガバッ
カパ「きゃ…」
ザキイイッ!!!!!!!!
ドオオオ!!!!
パラパラ……
アイアント「キシャシャ」
下っ端「クク…、“いあいぎり”で周囲の木々を倒して、下敷きにしてやったが……死んだか?」
イータ「カパ!! ニュー!!」
377: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:30:11.92 ID:K6AA1siAO
ガサッ!
ニュー「…ぐうっ……」グタッ
イータ「ニュー!!」
カパ「ああっ……! ニュー…!!」
紬「カ、カパさん! 腕を怪我して…!!」
カパ「私は大丈夫…だけど、私を庇って…ニューが……」
ニュー「……ッ」
タウ「とりあえず止血せな!」
アルファ「タオルデス! これで…」
下っ端「クク…これじゃあライブ演奏も台無しだな?」
梓「…ッ!」ギリッ
378: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:31:15.83 ID:K6AA1siAO
梓「…あなたに、分かりますか…」
下っ端「…あ?」
梓「カパさんがどれだけ、このライブをすることを待ち望んでいたのか……。
ニューさん、イータさん、タウさん、アルファさんが…カパさんのために、どれだけ! 日々練習を重ねてきたのか!!」
梓「そうして、やっとこの日が来たのに、あなたに台無しにされて……。
同じ…、バンドを組んでいた人間として! 私にはその悔しさが…痛いほど分かります!!
五人の気持ちが!!」
梓「あなたは、許せません!!!」
下っ端「…クク。アイアント!!」
アイアント「キシャー!!!」
ミミちゃん「ミミロー!!」ダッ
梓「…はあああああ!!!」
379: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:32:36.45 ID:K6AA1siAO
梓「“きあいパンチ”!!!」
ドガッ…!!!
アイアント「…!?」
ゴッ……
ドオオオオオン!!!!!!!
アイアント「キシャー!?」
下っ端「…げっ!?」
ドゴッ!!!!!
下っ端「ギャー!」ヒュウウッ
キラアン☆
梓「……」
ミミちゃん「ミミロー…」
梓「…ミミちゃん、ありがとう。戻って」シュウウッ
380: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:33:28.39 ID:K6AA1siAO
ニュー「……ッ」グタ…
カパ「ニュー…」
イータ「さあ、カパも手当しなくちゃ…」
カパ「…う、うん」
タウ「…これじゃあ、今日のライブは……」
イータ「……」
アルファ「……」
カパ「だ、大丈夫よ! また今度やれば!」
タウ「カパ……」
紬「カパさん…」
梓「……駄目ですよ」
カパ「え…?」
紬「梓ちゃん?」
梓「駄目ですっ! 町の皆さんの誤解を…早く解きたいんでしょう!?
なら、ここでやめちゃ駄目ですよ!!」
381: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:34:09.27 ID:K6AA1siAO
カパ「……でも、この手じゃ…」
タウ「そうや…。ニューもこの体じゃ、ギターを持つこともままならん…」
梓「私が弾きます」
紬カパ「!!」
タウ「なんやて!?」
イータ「でも梓ちゃん…」
梓「大丈夫ですよ。軽音部をやってたって話、しましたよね?
私はちょうど…いや、そう言っていいかは分かりませんけど……ギターやってましたし!」
イータ「……」
紬「…あ、私はキーボードやってましたから…」
カパ「! …でも、あなたたちにそんな迷惑…」
梓「迷惑だなんて!」
382: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:36:34.77 ID:K6AA1siAO
ヨロッ…
イータ「! ニュー!」
ニュー「……」
イータ「大丈夫か? 起き上がって…」
ニュー「…お願いしようじゃないか。彼女らに」
イータ「!」
カパ「でも! ニュー!」
ニュー「…カパ、お前はいいのか? 人々に伝えたい思いがあるのだろう?」
カパ「……」
カパ「…梓ちゃん、紬ちゃん」
紬梓「はい」
カパ「お願いするわ。どうぞ、よろしく…!」
梓「任せてくださいっ」
紬「絶対に成功させます!
皆さんにカパさんの思い、届けてみせます!」
383: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:37:41.68 ID:K6AA1siAO
…
ジャラアン……
梓「まだ誰も来ませんね…」
タウ「やっぱし、もうすぐ夜になるし…この時間帯には誰も外に出んのやろか…」
ザワザワ……
イータ「! あれは…」
おじいさん「おお、寒い寒い…」
おにいさん「ここは暖かいな。ひとまずここで休むか。外は寒くて寒くて」
おとこのこ「なにが始まるのー?」
おばさん「ここジャイアントホールじゃないかしら? やだ、もう夕方……でも外はすごく寒いし……」
梓「? そんな急に冷え込むものなんですかね」
アルファ「さっきは全然、ユージュアルな気温でしたが」
紬「とにかく、お客さんが来たことだし。演奏しましょう!」
イータ「よし!」
タウ「ワン、ツー!」カッ
ジャラアン……
梓「まだ誰も来ませんね…」
タウ「やっぱし、もうすぐ夜になるし…この時間帯には誰も外に出んのやろか…」
ザワザワ……
イータ「! あれは…」
おじいさん「おお、寒い寒い…」
おにいさん「ここは暖かいな。ひとまずここで休むか。外は寒くて寒くて」
おとこのこ「なにが始まるのー?」
おばさん「ここジャイアントホールじゃないかしら? やだ、もう夕方……でも外はすごく寒いし……」
梓「? そんな急に冷え込むものなんですかね」
アルファ「さっきは全然、ユージュアルな気温でしたが」
紬「とにかく、お客さんが来たことだし。演奏しましょう!」
イータ「よし!」
タウ「ワン、ツー!」カッ
384: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:39:00.70 ID:K6AA1siAO
………
……
…
~♪
ジャラアン!
ワアアアアアアア!!!!!
パチパチパチパチ……
おじいさん「いい演奏じゃったのう」
おにいさん「たまには昼以外にも外出するのもいいかもね」
おとこのこ「楽しかったー!」
おばさん「ジャイアントホールも案外いいところねー」
おじいさん「化け物も出てこないしのう。夜もいいかもなあ」
ニュー「…町の人々の考えが少し変わったようだな」
カパ「本来伝えたいことより、ちょっとズレてるような気もするけどね」
ニュー「…これから少しずつ考えがもっと変わっていくさ。そのうち、化け物という空虚な妄想自体もなくなるだろう」
ニュー「変わらないなら、またライブをすればいいのさ」
カパ「そうね…」
……
…
~♪
ジャラアン!
ワアアアアアアア!!!!!
パチパチパチパチ……
おじいさん「いい演奏じゃったのう」
おにいさん「たまには昼以外にも外出するのもいいかもね」
おとこのこ「楽しかったー!」
おばさん「ジャイアントホールも案外いいところねー」
おじいさん「化け物も出てこないしのう。夜もいいかもなあ」
ニュー「…町の人々の考えが少し変わったようだな」
カパ「本来伝えたいことより、ちょっとズレてるような気もするけどね」
ニュー「…これから少しずつ考えがもっと変わっていくさ。そのうち、化け物という空虚な妄想自体もなくなるだろう」
ニュー「変わらないなら、またライブをすればいいのさ」
カパ「そうね…」
385: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:40:47.08 ID:K6AA1siAO
…
イータ「いい演奏だったよ、二人とも! ありがとう!」
梓「いえ…急だったので、少し間違えちゃいましたし」
紬「私もね~…」
タウ「まあまあ、大盛況やったし、ええやないか」
アルファ「エクセレントデシタ~!」
梓「えへへ…」
紬「ふふ♪」
おばあさん「その通りじゃ! やったことに意味があるしのう!」
イータ「いい演奏だったよ、二人とも! ありがとう!」
梓「いえ…急だったので、少し間違えちゃいましたし」
紬「私もね~…」
タウ「まあまあ、大盛況やったし、ええやないか」
アルファ「エクセレントデシタ~!」
梓「えへへ…」
紬「ふふ♪」
おばあさん「その通りじゃ! やったことに意味があるしのう!」
386: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:42:32.07 ID:K6AA1siAO
イータ「婆ちゃん!? きてたのか!」
おばあさん「まあな。それにしても、お嬢ちゃんたち、よくやってくれたわい」
おばあさん「これでこの町も変わる!
わしとしても万々歳じゃな!」
イータ「? 婆ちゃんがなんで喜んでるんだ?」
おばあさん「わしも昔、ちとな」
イータ「?」
おばあさん「ほっほ、なんでもないわ!」
梓「……」
紬「どうしたの、梓ちゃん」
梓「うーん…カパさんを助けたポケモンって、結局何でしたんでしょうか?」
紬「さあ…」
ヒュウウッ……
梓「ううっ、寒い…」
紬「今日は冷えるわね…」
梓「はい…、くしゅんっ」
ヒュウウウッ…………
387: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:43:27.44 ID:K6AA1siAO
…………
………
……
…
《翌朝》
イータ「もう行くのかい?」
梓「はい、急がないといけませんから」
タウ「残念やなあ」
アルファ「ベリーサッドデース…」
カパ「ありがとう、二人とも」
梓「はい!」
紬「皆さんの演奏きけてよかったです♪」
ニュー「…お前たちの演奏も中々だったぞ」
紬「ありがとうございます~♪」
カパ「今度はバンドの五人で来てね!」
梓「はい! また会えたら!!」
紬「さようなら~!」
カパ「ええ!」
………
……
…
《翌朝》
イータ「もう行くのかい?」
梓「はい、急がないといけませんから」
タウ「残念やなあ」
アルファ「ベリーサッドデース…」
カパ「ありがとう、二人とも」
梓「はい!」
紬「皆さんの演奏きけてよかったです♪」
ニュー「…お前たちの演奏も中々だったぞ」
紬「ありがとうございます~♪」
カパ「今度はバンドの五人で来てね!」
梓「はい! また会えたら!!」
紬「さようなら~!」
カパ「ええ!」
388: ぽけもん 2011/04/26(火) 22:45:32.30 ID:K6AA1siAO
………
……
…
《イッシュ地方のどこか》
ゲーチス「……アカギさん、マツブサさん。
もう準備は?」
マツブサ「万端だぜ」
アカギ「ああ、いつでも動ける」
ゲーチス「それでは、この装置に……」
アカギ「…『赤い鎖』」シュラッ
マツブサ「『紅色の珠』…」スッ
ゲーチス「『ルビー』、『サファイア』…!」バッ
カチャ カチャ カチャカチャ
ギュオオオ……
ゲーチス「四つの大きなエネルギーが動かすは、我らの城……!!」
ゲーチス「地より出でよ! プラズマ団の城!
ポケモンリーグを囲め!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………!!!!!!!!!!
Episode.39 fin
……
…
《イッシュ地方のどこか》
ゲーチス「……アカギさん、マツブサさん。
もう準備は?」
マツブサ「万端だぜ」
アカギ「ああ、いつでも動ける」
ゲーチス「それでは、この装置に……」
アカギ「…『赤い鎖』」シュラッ
マツブサ「『紅色の珠』…」スッ
ゲーチス「『ルビー』、『サファイア』…!」バッ
カチャ カチャ カチャカチャ
ギュオオオ……
ゲーチス「四つの大きなエネルギーが動かすは、我らの城……!!」
ゲーチス「地より出でよ! プラズマ団の城!
ポケモンリーグを囲め!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………!!!!!!!!!!
Episode.39 fin
392: ぽけもん 2011/05/01(日) 19:59:31.75 ID:5EZTqtWAO
Episode.40
《チャンピオンロード出口》
ゴゴゴゴゴ………
ゴゴゴ………
…………………………
律「……大丈夫か、唯?」
唯「う、うん。なんだろ、今の地震……。
中にいる時じゃなくてよかったよぉ」
律「なんにしろ、ポケモンリーグはすぐそこ……。
…!?」
唯「どうしたの? りっちゃ…。
……!」
唯「なに、あれ……お城………?」
ゲーチス「プラズマ団の城、つまりNとシルバーの城ですよ」
唯「!」
律「ゲーチス…!」
ゲーチス「ごきげんよう、王に選ばれし者たちよ」
律「…へっ、やっと現れやがったな。
お前には色々と話があるんだ。まあ、まずは………一発ぶん殴る!!」
ダッ!
ゲーチス「……」
393: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:02:43.06 ID:5EZTqtWAO
スカッ…
律「え……」
律「うわあっ!」ドサアッ
唯「りっちゃんっ!」
ゲーチス「…残念でしたね。これはデータで作ったワタクシの分身です」
律「く…ッ」
ゲーチス「トレーナーならポケモンでかかってきなさい」
ゲーチス「…それにそんな余力があるのなら、Nとシルバーと戦って勝つために残しておいた方が賢明でしょう」
律「……Nとシルバーに勝つんじゃない」
律「ゲーチス! Nとシルバーを苦しめてきたお前に……。
お前に勝つ!!」
ゲーチス「ふ…、頼もしい限り。
あなた方が本気でかかることで、英雄の純度も高まる…まあ最もワタクシはそうは思いませんがね」
律「……?」
ゲーチス「では頑張ってください。
王のため、英雄のため………世界の明日のために、ね」スッ……
唯「……」
律「……」
唯「…りっちゃん」
律「……私たちなら大丈夫だよな」
唯「…うん!」
律「へへっ」
394: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:05:31.56 ID:5EZTqtWAO
…
唯「ここが、ポケモンリーグ…?」
律「…ひでえな。プラズマ団の城から伸びた黒い階段が突き刺さって、リーグ全体がボロボロだ……」
唯「アデクさんやカトレアさんは大丈夫かな…」
律「アデクさんはここにはいないみたいだな…用があるって言ってたし。
…カトレアはわかんねえけど」
唯「じゃあここには私たちしか…」
N「いないよ。僕たちに挑める者はね」
唯律「!!」
N「……待っていたよ。
王の言葉……プラズマ団の城、あの高みから下々に轟かせる。君たちも城に来るんだ。そこですべてを決めよう」
N「ポケモンを完全にするため人々から解き放つか!
それともポケモンと人は共にいるべきなのか……。
僕たちと君たち、どちらの想いが強いのか……それで決まる!」
唯「……」
律「……」
N「これで最後だ。もう次はない。
勝つのは僕たち……」クルッ
N「…最上階で待っているよ」ザッザッ……
律「……シルバーも最上階で待ってるだろうな」
唯「行かなくちゃ! 最後はきっとうまくいくよ!
みんな幸せになれるよ!」
律「…ああ!」
唯「ここが、ポケモンリーグ…?」
律「…ひでえな。プラズマ団の城から伸びた黒い階段が突き刺さって、リーグ全体がボロボロだ……」
唯「アデクさんやカトレアさんは大丈夫かな…」
律「アデクさんはここにはいないみたいだな…用があるって言ってたし。
…カトレアはわかんねえけど」
唯「じゃあここには私たちしか…」
N「いないよ。僕たちに挑める者はね」
唯律「!!」
N「……待っていたよ。
王の言葉……プラズマ団の城、あの高みから下々に轟かせる。君たちも城に来るんだ。そこですべてを決めよう」
N「ポケモンを完全にするため人々から解き放つか!
それともポケモンと人は共にいるべきなのか……。
僕たちと君たち、どちらの想いが強いのか……それで決まる!」
唯「……」
律「……」
N「これで最後だ。もう次はない。
勝つのは僕たち……」クルッ
N「…最上階で待っているよ」ザッザッ……
律「……シルバーも最上階で待ってるだろうな」
唯「行かなくちゃ! 最後はきっとうまくいくよ!
みんな幸せになれるよ!」
律「…ああ!」
395: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:07:32.48 ID:5EZTqtWAO
………
……
…
《バッジチェックゲート》
受付「では、バッジの確認を」
紬梓「……」
紬(ど、どうしよう…梓ちゃん……私たちバッジ持ってないわ!)
梓(私に言われても…! でも、カトレアさんたちはもう先に行ってるんですよね?)
紬(カトレアさんは通れたのかしら…四天王だから?)
梓(迂闊でした…)
受付「?」
梓「あ、あの!」
受付「もしかして…」
紬梓「…?」
受付「…カトレア様がいわれていたトレーナーとは、あなた方のことですか?」
紬梓「……!」
……
…
《バッジチェックゲート》
受付「では、バッジの確認を」
紬梓「……」
紬(ど、どうしよう…梓ちゃん……私たちバッジ持ってないわ!)
梓(私に言われても…! でも、カトレアさんたちはもう先に行ってるんですよね?)
紬(カトレアさんは通れたのかしら…四天王だから?)
梓(迂闊でした…)
受付「?」
梓「あ、あの!」
受付「もしかして…」
紬梓「…?」
受付「…カトレア様がいわれていたトレーナーとは、あなた方のことですか?」
紬梓「……!」
396: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:09:54.41 ID:5EZTqtWAO
紬「そ、そうです! 琴吹紬と…」
梓「中野梓です!」
受付「はい、承っております。
では先にお進みください」
ウィーン
紬「は~…」
梓「なんとか通れましたね…。
ここはチャンピオンロードですか」
紬梓「……」
梓「……ため息が出るほど、道のりが険しそうですね…」
紬「そうね……いち早く行かなくちゃいけないのに…」
梓「でも頑張って登るしかないです!」フンスッ
紬「…! 梓ちゃん、あれを見て!!」
梓「なんです……あ! あれは!?」
紬「お城…! ポケモンリーグを取り囲んでる!!」
梓「プラズマ団の…城……!?」
紬「もうプラズマ団は動いているのね!
これじゃあ、余計に早く行かなきゃ……手段を選んでいられないわ! プラズマ団はポケモンリーグを…!」
397: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:12:44.92 ID:5EZTqtWAO
梓「でも、手段なんて…」
紬「…あるわ」
梓「え…?」
紬「ネル!」ボム!
ネル(ネイティオ)「トゥートゥー」
梓「なるほど…! 空を飛んで?」
紬「ええ。幸い、ここからポケモンリーグまでは空を飛べばすぐに着くみたい。
本来なら、トレーナーらしからぬ行動だけど!」
ネル「トゥートゥー!!」バッ
紬「掴まって、梓ちゃん!」
梓「はい!」
バサッ!
398: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:14:23.95 ID:5EZTqtWAO
…
スタッ…
紬「着いたわ、ポケモンリーグ!」
梓「ムギ先輩……」
紬「? なあに?」
梓「カトレアさんが、ポケモンリーグが開くまではプラズマ団はポケモンリーグに攻め込んで来ないと言っていたのに……既に攻め込んでいて、ポケモンリーグも開いています」
梓「…ポケモンリーグが開くのは、挑戦者が現れた時だけ……つまり…」
紬「…! まさか、唯ちゃんとりっちゃんが……!」
梓「…」コク
紬「そっか…唯ちゃんとりっちゃん、バッジを全部集め終わったのね」
梓「しかも、多分…もう城に……」
紬「私たちも行きましょう!
私たちにできること、やろう!」
梓「はい! まずはカトレアさんたちと合流して…」
スタッ…
紬「着いたわ、ポケモンリーグ!」
梓「ムギ先輩……」
紬「? なあに?」
梓「カトレアさんが、ポケモンリーグが開くまではプラズマ団はポケモンリーグに攻め込んで来ないと言っていたのに……既に攻め込んでいて、ポケモンリーグも開いています」
梓「…ポケモンリーグが開くのは、挑戦者が現れた時だけ……つまり…」
紬「…! まさか、唯ちゃんとりっちゃんが……!」
梓「…」コク
紬「そっか…唯ちゃんとりっちゃん、バッジを全部集め終わったのね」
梓「しかも、多分…もう城に……」
紬「私たちも行きましょう!
私たちにできること、やろう!」
梓「はい! まずはカトレアさんたちと合流して…」
399: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:16:28.42 ID:5EZTqtWAO
ザッザッザッザッ………
紬梓「!!」
ザッザッザッザッザッザッザッザッザッ……………
紬「…!? プラズマ団…?」
梓「でも…あの数……!
百、二百………、千!?」
下っ端「いーや、もっとだ」
紬梓「…!」
ザンッ!
下っ端「我らプラズマ団下っ端、総勢一万人!!」
紬「一万人!?」
梓「そんな…! プラズマ団がここまで団員を揃えてるなんて!!」
下っ端「ククク…ここから先はミネズミ一匹通さないぜ!!!
クイタラン!!」ボム!
クイタラン「クイーッ!!」
紬梓「…!」
400: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:18:41.24 ID:5EZTqtWAO
ドガアッ!!!
下っ端「ククク…」
クイタラン「」バタッ!
下っ端「…!? なんだと!」
「ミネズミ一匹通さない?
なら……」
紬「!」
梓「あなたは…!」
ミルホッグ「ミルー!!」
アロエ「ミルホッグ一匹ならどうだい!」
紬梓「アロエさん!」
下っ端「チッ…!」
梓「なぜアロエさんが!?」
アロエ「はっ、私がいちゃいけないのかい?
ポケモンと人の絆の危機! プラズマ団を止めに来ない方がおかしいよ!」
下っ端「…ジムリーダーか!」
401: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:20:16.29 ID:5EZTqtWAO
アロエ「ここは任せな」
梓「え!?」
紬「でも、相手は一万人も…!」
アロエ「……」
下っ端「そうだァ! ミルホッグ一匹、すぐに追い払って…」
ペンドラー「キシャアア!!」
下っ端「…!?」
ドオオン!!!!!
下っ端「ぐはぁ!?
な、なにィ!! ペンドラー!?」
アロエ「誰が私一人だって言ったんだい?」
「けがれ無きピュアーな心、もとい純情ハートの持ち主とは、このボクのこと……」
アーティ「ヒウンジム!
モスト インセクト アーティスト、アーティ!!」
下っ端「ヒウンのジムリーダー!?」
アーティ「いんや、もちろん僕だけじゃないよぉん?」
ザッ…
402: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:22:14.62 ID:5EZTqtWAO
カミツレ「ライモンジム!
シャイニング ビューティ、カミツレ!!」
ヤーコン「ホドモエジム!
アンダーグラウンド ボス、ヤーコン!!」
フウロ「フキヨセジム!
大空のぶっとびガール、フウロ!!」
ハチク「セッカジム!
アイス・マスク、ハチク!!」
アイリス「ソウリュウジム!
竜の心を知る娘、アイリス!!」
シャガ「同じくソウリュウジム!
スパルタン メイヤー、シャガ!!」
アロエ「…シッポウジム!
ナチュラルボーン ママ、アロエ!!」
「「「我ら、イッシュのジムリーダー!!!」」」
403: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:24:17.05 ID:5EZTqtWAO
紬「イッシュの、ジムリーダー…!?」
梓「サンヨウを除いた…全てのジムリーダー!!」
下っ端「バカな…、何故こんな迅速に……」
アーティ「君たちがポケモンリーグに襲撃するよりだいぶ前に、ハチクさんがジムリーダー全員に集まるように連絡していたんだよぉん」
アイリス「だから、あなたたちがいつ動いても、すぐに対応できたのよ!」
シャガ「…少し遅れた気もするがな」
下っ端「ぐ……」
ヤーコン「フン! さあ、行け! 小娘ども!」
紬梓「!」
ヤーコン「城にあいつらがいるんだろ? 助けに行ってやれ、どうせ二人ではなにも出来んだろうからなぁ!」
カミツレ「あの子たちを助けてくれって素直に言ったらどうかしら?」
ヤーコン「フン! 俺様はいつでも正直だ!」
404: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:29:16.19 ID:5EZTqtWAO
フウロ「行ってあげて! 私たちは大丈夫だからさっ!」
ハチク「チャンスはニドキング……早く行くのだ」
紬梓「………」
紬「…はい!」
梓「ありがとうございます!」
タタッ
アーティ「…今の子たちも同じなんだねえ。
唯くんと律くんのため、ここまで来たんだよ」
アロエ「ああ、博物館のことや…」
ハチク「リュウラセンの塔のこと…」
シャガ「皆、色々と助けられたものだ」
フウロ「…うん」
アイリス「そうね…」
カミツレ「だから、みんな集まった…。
今度は私たちが助ける番よ!」
下っ端「ククク…、なんだァ? その自信はどっから来るんだよ?
この数相手に、十にも満たない人数で勝てると思ってんのかァ!?」
ヤーコン「一万人、だったか?」
ザザザァ!!!!!!
下っ端「! なんだこの音は!?」
ドガアアアア!!!!!!!
ワルビアル「ビァーッ!!!」
下っ端たち「うわあああっ!?」
ヤーコン「…フン!」
アロエ「悪いねえ! そっちは数揃えてるのに、こっちは少人数で大勢を相手にできる実力者揃いでね!!」
シャガ「多勢に無勢、いいではないか。
オノンド!!」ボム!
オノンド「オノー!!」
シャガ「“ドラゴンクロー”!!」
ドガアアーッ!!!!!!!
アーティ「さあ、バトル開始だよぉん!!」
405: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:31:19.48 ID:5EZTqtWAO
………
……
…
梓「はっはっ……」タッタッ…
紬「もう、大丈夫かしら…?」
梓「はい……何人か追ってきてましたが、なんとか撒けたようです…」
紬「…ここはどこかしら?」
梓「ポケモンリーグの中でしょうか?
カトレアさんたちは……」
「カトレア……他の四天王に会うためには、私を倒さねばならん」
紬「!」
梓「あなたは!」
レンブ「四天王レンブ、お相手致そう…!
友の弟子を倒すのも気が引けるがな」
梓「レンブさん…!」
紬「…カトレアさんはどこにいるんですか!?」
……
…
梓「はっはっ……」タッタッ…
紬「もう、大丈夫かしら…?」
梓「はい……何人か追ってきてましたが、なんとか撒けたようです…」
紬「…ここはどこかしら?」
梓「ポケモンリーグの中でしょうか?
カトレアさんたちは……」
「カトレア……他の四天王に会うためには、私を倒さねばならん」
紬「!」
梓「あなたは!」
レンブ「四天王レンブ、お相手致そう…!
友の弟子を倒すのも気が引けるがな」
梓「レンブさん…!」
紬「…カトレアさんはどこにいるんですか!?」
406: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:32:26.96 ID:5EZTqtWAO
レンブ「それを知れるのも勝者だけ…」
レンブ「全てを知りたいのなら、私に勝ってみせろ!」ボム!
コジョンド「コジョー!」
梓「やってやるです!」ボム!
さわちゃん「ダーイライ!」
紬「梓ちゃん!」
梓「ムギ先輩、下がっていてください!」
レンブ「……」
コジョンド「……」
梓「…?」
梓(様子をうかがってる…?)
レンブ「……」
梓「…なにも、してこないなら!
さわちゃん、“まわしげり”!!」
さわちゃん「テイ!」ブンッ
625: ぽけもん 2011/07/06(水) 19:16:49.88 ID:2LzUp+1AO
遅れましたー、最終章投下します
あと、今更なんですが>>406と>>407の間が抜けてたっぽいです
↓間のやつがこれです
ギュオッ…!
レンブ「……コジョンド!」
コジョンド「コジョー!」クネッ…
さわちゃん「…!」
スカッ……
さわちゃん「!?」グラッ…
ドシャアアンッ!!!
梓「な…!」
レンブ「……」
紬「なに、今の…?」
梓「今のは…まさか……」
梓「…『柔の奥義』!?」
あと、今更なんですが>>406と>>407の間が抜けてたっぽいです
↓間のやつがこれです
ギュオッ…!
レンブ「……コジョンド!」
コジョンド「コジョー!」クネッ…
さわちゃん「…!」
スカッ……
さわちゃん「!?」グラッ…
ドシャアアンッ!!!
梓「な…!」
レンブ「……」
紬「なに、今の…?」
梓「今のは…まさか……」
梓「…『柔の奥義』!?」
407: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:43:27.86 ID:5EZTqtWAO
紬「柔の奥義、って?」
梓「『剛の奥義』と対をなす、格闘奥義です!
『剛』が己の力のみで相手を捩じ伏せる戦い方なら、
『柔』は相手の力に逆らわず、むしろそれを利用して勝機を導き入れる戦い方!!」
紬「じゃあ今のは…!」
梓「さわちゃんの力を利用されて、逆にこちらが投げ飛ばされた!!」
レンブ「察しのとおり、私は『柔の奥義』を会得している」
梓「でも、あなたは『剛の奥義』を……」
レンブ「ふ、いずれか一つしか会得できないという決まりもあるまい」
梓「…!」
レンブ「同じ修業仲間たちはそれぞれ、『剛』・『柔』、いずれかを教わった」
レンブ「シバは剛、トウキは柔、スモモは剛……。
そして、私は……その両方を会得したのだ」
梓「っ!!」
紬「剛の奥義と柔の奥義…両方を……!!」
408: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:45:08.53 ID:5EZTqtWAO
レンブ「シバの弟子よ、お前はシバに剛の奥義を教わり、それを会得した。
しかし、ならば、柔の奥義を知る由もない」
レンブ「だが私は知っている! お前が使う剛の奥義を!!
故に、お前に勝機はない!!」ボム!
コジョフー「ジョフー!」
梓「!」
梓(どうして二匹目を…?
確かに有利になるけど、手の内をさらしてからじゃあ…)
梓(…柔の奥義は相手が攻撃をして来ないと力を発揮できない。なら、ここは体勢を立て直して……)
さわちゃん「…」ググッ…
レンブ「“ねこだまし”!!」
コジョフー「ジョフー!!」ビッ
バチイイン!
さわちゃん「…!?」ビクッ
梓「なっ…」
409: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:48:03.21 ID:5EZTqtWAO
レンブ「連続で“はっけい”だ!!」
コジョフー「コー……ジョフ、ジョフ、ジョフ!!」
ドダダダ……!!!
さわちゃん「ダーイ、ラ…イ……」
コジョフー「ジョフー!!!」
ドダアアン!!!!!
さわちゃん「テイイイーッ!?」ブオッ
ドザアッ!
梓「…ッ!!」
レンブ「…“じゅうなん”で麻痺にはならなかったか」
梓「剛の奥義!?」
レンブ「二つの格闘を使い分けることはできないと踏んでいたのか? ならば残念だったな」
410: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:49:31.51 ID:5EZTqtWAO
梓「くッ……あああああああ!!!」
さわちゃん「テイッ!!」ブンッ
ギュオッ…!
コジョンド「…」
レンブ「甘い!」
コジョンド「…」スッ…
ガシッ!
さわちゃん「テイ!?」
レンブ「そのまま引き寄せろ!」
ビュオッ!!!
ドガアアアアン!!!!!!
パラパラ……
さわちゃん「ダーイ、ライ…」ガクッ
梓「さわちゃん…!!」
レンブ「“こころのめ”をしていたようだが、柔の奥義の前では何の意味も持たない」
レンブ「『剛』は最攻であり、『柔』は最硬。攻撃は最大の防御であり、防御は最大の攻撃だ!
一切の隙も与えず!! 完膚なきまでに勝利を奪わん!!!」
411: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:50:49.60 ID:5EZTqtWAO
梓「二つの格闘を使いこなすなんて…そんなの、勝ち目が……」
レンブ「…諦めるか、それもいいが。
連れの女子はそんな気はないらしいな」
梓「……?」
紬「ユリ!」ボム!
ユリ(ユンゲラー)「ユン!」
梓「! ムギ先輩!?」
紬「“サイコキネシス”よ!」
ユリ「ユン!!」ウィン!
コジョフー「ジョフ…!」ジリ……
レンブ「む…」
梓「ムギ先ぱ…」
紬「相手が二つの奥義を使うなら、こっちもそれに応対して、二人で行くべきよ」
紬「私たちは二人組なんだから!」
梓「ムギ先輩…」
レンブ「ふ、まあそうなろうと、こちらの勝利に揺らぎはない」
紬「ふふ、お師匠に教わったエスパー技、見せてあげるわ!」
412: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:52:06.48 ID:5EZTqtWAO
………
……
…
リグレー「リーグゥ?」ピクッ
カトレア「!」
クロツグ「? どうしたあ、カトレア」
カトレア「いえ…リグレーが近くからサイコパワーを感じたようで…」
クロツグ「?」
カトレア「これは、イツキさんの…?」
クロツグ「イツキ、とは?」
カトレア「ジョウト地方の四天王のお方です。
エスパータイプの使い手でして、アタクシも少しお手合わせしたことがあって…」
クロツグ「だが、何故そのイツキさんのエスパーポケモンのサイコパワーがここで感じられるのだ?」
……
…
リグレー「リーグゥ?」ピクッ
カトレア「!」
クロツグ「? どうしたあ、カトレア」
カトレア「いえ…リグレーが近くからサイコパワーを感じたようで…」
クロツグ「?」
カトレア「これは、イツキさんの…?」
クロツグ「イツキ、とは?」
カトレア「ジョウト地方の四天王のお方です。
エスパータイプの使い手でして、アタクシも少しお手合わせしたことがあって…」
クロツグ「だが、何故そのイツキさんのエスパーポケモンのサイコパワーがここで感じられるのだ?」
413: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:54:06.18 ID:5EZTqtWAO
カトレア「分かりませんけど、多分イツキさん本人ではないと思います。
正確にはイツキさんのポケモンのサイコパワーに近い…というべきです」
クロツグ「あー…よく分からんが、イツキさんの弟子とかじゃないのか?」
カトレア「そうですね、その可能性は高いです。
確かイツキさんはネイティオがお気に入りで…」
カトレア「…!」
カトレア(そういえば、“ゆめのあとち”で紬さんがネイティオを…そしてユンゲラーも使っていたような……)
クロツグ「また、どうかしたか?」
カトレア「もう…来ているのかもしれません。紬さんと梓さんが」
クロツグ「! なに!」
カトレア「しかも強力なサイコパワーから、プラズマ団と戦闘を行っているかと…」
クロツグ「うむ…、ドクロッグ!」ボム!
ドクロッグ「ロッグ!」
ドクロッグ「……」ブルッ…
クロツグ「…ドクロッグの特性“きけんよち”、それによってドクロッグが危険を感知している。
エスパータイプが近くにいるのは確かなようだな」
カトレア「アタクシの方が確実だと思いますけど」
クロツグ「ハッハッハ! そうだな、すまんすまん」
414: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:56:05.86 ID:5EZTqtWAO
カトレア「もう…。とにかく、アタクシたちも動かなければ。
まずはポケモンリーグにいるプラズマ団を鎮圧しましょう」
クロツグ「よし、了解だ!
だが、どこから行く? チャンピオンロードの付近では大量の下っ端たちが何かと戦闘を繰り広げているが…」
カトレア「行く場所は決まっています。…ここがどこだか分かっていますよね?」
クロツグ「なにを…ポケモンリーグ、だろう?」
カトレア「ポケモンリーグで挑戦者を待ち受ける者たちを誰だか…お忘れですか?」
クロツグ「! そうか、四天王の奴らは城へ行かずにまだここに!! それこそ、城への侵入者を阻むように!!」
カトレア「二人で一々相手どっていては時間がかかります。二手に別れて効率よくいきましょう」
クロツグ「では、私はあちらの部屋に向かおう!」
カトレア「アタクシはその隣の部屋に!」
415: ぽけもん 2011/05/01(日) 20:58:07.85 ID:5EZTqtWAO
…
ガガッ……ギイー
ガタン!
カトレア「……」スタスタ
ギーマ「やあ、カトレアさんか。こんなところに何の用ですか?」
ギーマ「それぞれの持ち場について……」
ドガアアッ!!!!
ビュオッ……
ムシャーナ「ムー…!」ギロ
ギーマ「……クク」
ギーマ「聞かされましたよ、ゲーチス様に。
まさかとは思いましたが、ね」
カトレア「…やはりゲーチスは気づいていましたか」
ギーマ「『ゲーチス』、ね…。
元同僚と、争いたくはないけど…しょうがないか」
416: ぽけもん 2011/05/01(日) 21:00:11.56 ID:5EZTqtWAO
カトレア「同僚? 最初からあなたたちの仲間ではありませんでしたけど?」
ギーマ「クク、だろうね」ボム!
キリキザン「キリャー!!」
カトレア「…ふふっ。普段なら挑戦者を待ち受ける立場なのですが、たまには挑戦というのも新鮮なものでいいですね」
ギーマ「随分と余裕だねえ! 相性の良し悪しくらい分かってるだろう!?」
キリキザン「キリャー!!」ブンッ
ムシャーナ「ムー!!」
ドオオオオオオオオオン!!!!!!!!
417: ぽけもん 2011/05/01(日) 21:02:07.56 ID:5EZTqtWAO
…
ヒュウドロロー……
クロツグ「うーん、不気味な部屋だなあ」
ドクロッグ「ログー」
「私の趣味ですよ」
クロツグ「! 誰だ!?」
「そちらから来ておいて、誰だとはありませんよ」
シキミ「どうも。四天王の一人、シキミです」
クロツグ「あんたがここの部屋の主か」
シキミ「はい。今日は来客が多いみたいで。
ポケモンリーグがこんなに賑わうなんてね」
クロツグ「お前たちの思惑通りだろうよ。プラズマ団め!」
シキミ「うふ、そうですね。プラズマ団七賢人として、侵入者を排除しませんと……ね!」
418: ぽけもん 2011/05/01(日) 21:04:48.13 ID:5EZTqtWAO
ビュンッ!
クロツグ「…むう!」サッ
クロツグ「なんだ…? どこから攻撃が……」
シュッ……
クロツグ「! そこか!
ドクロッグ、“かわらわり”!!」
ドクロッグ「ログー!!」
ドゴオッ!
クロツグ「…どうだ? 少しは効いた…」
ドクロッグ「…?」スカッ……
ドガアッ!!!!!
ドクロッグ「ログー!?」
クロツグ「なにい! 確実にヒットしたはずだぞ!
なのに怯みもせずに反撃を…!?」
シキミ「うふ。この…あなたが言った、不気味な部屋……。
私の趣味と言いましたが、というより…私の専門タイプに関係がありまして」
クロツグ「!」
ゴルーグ「ォー……」
シキミ「私の得意とするタイプはゴーストタイプ!
打撃攻撃は当然、喰らいませんよ!!」
クロツグ「ぬう…!」
419: ぽけもん 2011/05/01(日) 21:06:27.96 ID:5EZTqtWAO
…
《プラズマ団の城》
ドガアアア…………
ドオオオ…………………
ダイゴ「外が…随分騒がしいね」
ワタル「ついに始まったか。カトレアたちがプラズマ団と戦っているんだろう」
シロナ「私たちもやることをやらなくちゃね」
ダイゴ「カトレアさんに言われた作戦でしたっけ?」
シロナ「作戦ってほどでもないわ。
ただ、カトレアちゃんとクロツグさんがポケモンリーグ、私たち三人が城内のプラズマ団を抑えるってだけよ」
ワタル「言ってくれますね。俺たちの方が大変じゃないですか」
420: ぽけもん 2011/05/01(日) 21:08:50.86 ID:5EZTqtWAO
ダイゴ「まさかプラズマ団の城の中がこんなに広いとはね…」
シロナ「…とりあえず、私たちがやることは相手方の幹部クラスの敵を倒すことよ。
そうすれば、道は開けるはず…」
ダイゴ・ワタル「道?」
シロナ「ええ。カトレアちゃんによると、プラズマ団の王と戦うべき者が頂上へ向かっているらしいの」
ワタル「…俺たちはその手助けをしろ、と」
ダイゴ「いいね。それで全てが終わるのならば」
ザッ…
『あっついバトルをッッ!!!』
『グッドテイストなバトルを!』
『清らかなバトルを!』
ワタル「…三つの扉……」
ダイゴ「クス、僕たちもちょうど三人だね」
シロナ「じゃあ一人ずつ、入りましょうか」
ワタル「いいだろう。俺は右の扉に」
ダイゴ「僕は真ん中の扉へ行こう」
シロナ「それじゃあ私は左の扉ね」
シロナ・ダイゴ・ワタル「…………」
ダイゴ「一人になるけど、大丈夫だね?」
ワタル「ふん、心配はいらないだろう。全員が全員、実力を認めている仲だ」
シロナ「…そうね。心配は無用……」
シロナ「私たちはチャンピオンなんだから!」
ダイゴ「クス…」
ワタル「ふっ…」
ダイゴ「はい!」
ワタル「ああ!」
421: ぽけもん 2011/05/01(日) 21:10:37.18 ID:5EZTqtWAO
…
タタタッ
律「…だいぶ昇ってきたけど、まだ頂上にはつかないな……」
唯「うん…それに、プラズマ団の人たちをまだ一人も見てないよね」
律「そっちの方がありがたいけどなあ…。
でも、妙には感じるよなあ」
唯「なにか裏がありそうだね!」
律「油断させて、待伏せてたりな!」
「こんなふうにか?」
唯律「…!!」
マツブサ「まったく…もうすぐってところに、群がりやがって」
アカギ「我らの王たちが英雄になる、神聖な儀式を邪魔はさせん」
422: ぽけもん 2011/05/01(日) 21:12:37.11 ID:5EZTqtWAO
マツブサ「王には悪いが、ゲーチスに言われてるんでなあ!
お前たちを排除しろってな!!」
律「くそ…予想的中かよ!」
唯「戦うしかないよ、りっちゃん!」
律「ああ、ボルト…」カチャ
「“ねっぷう”だ!!」
ブオオオオ!!!!!!!!!
マツブサ「うおっ!」
アカギ「ぬがぁ!」
律「なんだ…?」
マツブサ「クソが!! ヒヒダルマ、“めざめるパワー”で熱風を吹き飛ばせ!!」
ヒヒダルマ「ダールヒッヒー!!」ビュンッ
ビュオオオオオオン!!!!!!!!!!
シュウウ…………
423: ぽけもん 2011/05/01(日) 21:14:04.59 ID:5EZTqtWAO
マツブサ「姿を現しやがれ! 侵入者ァ!!」
「ふっ…侵入者か。わしもかつては此処にいたのだが……」
アカギ「貴様は!」
マツブサ「てめぇ!!」
唯「あっ…」
律「あんた…!」
アデク「まあ、忘れたい過去ではあるがな」
唯律「アデクさんっ!!」
アカギ「アデク…!」
マツブサ「アデクゥゥ!!!」
Episode.40 fin
429: ぽけもん 2011/05/07(土) 20:35:48.17 ID:7r8tlCaAO
Episode.41
アデク「…」ザンッ
唯「アデクさんっ!」
律「来てくれたんですね!」
アデク「ああ、すまんな。ちと遅くなった」
アカギ「…ふん。森を襲撃され、仲間一人守れずに、挙げ句に戦場を立ち去った臆病者が何の用だ?」
律「……!」
430: ぽけもん 2011/05/07(土) 20:37:49.87 ID:7r8tlCaAO
アデク「どうとでも言え、わしは臆病者だ」
アデク「あの時、あの少女を止めて、わしが代わりに行けば…いや一緒に助けに行けば……いや、そもそもわしがプラズマ団にもっと早く対処していれば……コクランは死なずに済んだのだ!!」
アデク「わしは卑怯者だ!
あの後、バトル修業に明け暮れた。そしてチャンピオンになった。
わしがもっと早くに力を手に入れていれば…!!」
律「アデクさん…」
アデク「だが臆病者とでも卑怯者とでも……何と言われようとも!!
わしはおぬしたちを倒さねばならん!!」
アデク「力を手に入れるのが遅れたことに後悔したが、力を手に入れたことには後悔はしておらん!!
なぜなら、こうしておぬしたちを…この手で倒すことが出来るのだからな!!!」
マツブサ「……ッ」
アカギ「……」
431: ぽけもん 2011/05/07(土) 20:40:09.80 ID:7r8tlCaAO
律「アデクさ…」
アデク「おぬしたちは先へ進めえ!」
アデク「行って、Nとシルバーに教えてやれ! ポケモンといることで強くなれる人間がいること、ポケモンも人間と一緒に学び強くなれることを!!
ポケモンと人を切り離しても何も生まれん……、それを教えてやってくれい!!」
唯律「……」
唯「はいっ!」
律「もちろんです!!」
タタッ
アデク「ふん…本来ならわしが戦い、途方もない夢を語る五月蝿い小僧どもを黙らせるほどのポケモンとの絆を見せてやるはずだったがな……」
アデク「だが彼女らに任せようと思ったのだ。理由は分からん…。
子供にこれ程の重大な事を任せようとはな、わしも変わったものだな」
マツブサ「変わったァ? なにも変わってねえよ!
どうせ、あの時と同じように逃げ出すのさ!!」
アデク「…どうだかな」
432: ぽけもん 2011/05/07(土) 20:42:42.39 ID:7r8tlCaAO
マツブサ「決まってんだろうがよ!
俺たちの持っているあのポケモンたち……忘れてる訳ねえだろうよ!?」
アデク「……」
マツブサ「行けえ!!」
ボム! ボム! ボム!
コバルオン「こふおおおおーっ!」
ビリジオン「ききゅああああーっ!」
テラキオン「ぐるるおおーっ!」
アデク「……ふっ」
ボム! ボム! ボム!
ボルトロス「しゅるばばばーっ!!」
トルネロス「ばりゅるるるるーっ!!」
ランドロス「どろるるるるっ!!」
マツブサ「んなっ…」
アカギ「伝説のポケモン、だと…!?」
アデク「…わしも馬鹿ではないということだ」
433: ぽけもん 2011/05/07(土) 20:44:27.25 ID:7r8tlCaAO
…
律「…唯!」
唯「? なに、りっちゃん」
律「ここで戦ってるのは、私たちだけじゃないみたいだ。外を見てみろよ」
唯「…?」
唯「! あれは…」
律「アロエさんたちだ…下っ端の軍勢と戦ってる……」
唯「アデクさんも来てた…」
律「きっと、もっと多くの人たちが戦ってる……」
唯「…止めなきゃね」
律「ああ…」
434: ぽけもん 2011/05/07(土) 20:47:01.40 ID:7r8tlCaAO
ゲーチス「不可能ですよ」
律「! ゲーチス…」
ゲーチス「ご安心を。今度こそ本物ですよ」
律「……」
唯「Nくんとシルバーくんは…?」
ゲーチス「もうすぐで城の最上階……ですが、あなたたちを行かせるわけにはいきません」
ゲーチス「しかし邪魔者が多い…だから、ワタクシが直々にあなたたちの前に現れたのです」
律「へっ、都合がいいな。これで存分にお前をぶっ潰せるぜ」
ゲーチス「はて? 誰が、ワタクシが戦うと?」
律「は……?」
ゲーチス「あなたたちにとって一番のお相手を用意しました。
さあこちらですよ、…澪さん」
唯「…!」
律「澪…?」
435: ぽけもん 2011/05/07(土) 20:48:22.45 ID:7r8tlCaAO
ザッ…
澪「……」
唯「澪ちゃん!」
律「澪!」
澪「……」
律「な、んだ…?」
唯「澪ちゃん…?」
澪「……」
律「澪に…何をしやがった、てめぇ!!」
ゲーチス「ふふ…ワタクシの人心掌握術には欠陥がありましてね……」
ゲーチス「例えば、その方の心の闇を利用して操った時、その闇が深すぎた場合……最終的にはその方の心を砕いてしまうのです」
唯律「…!!」
436: ぽけもん 2011/05/07(土) 20:50:30.10 ID:7r8tlCaAO
ゲーチス「澪さんも、その闇を利用して操った一人……」
唯「じゃあ、澪ちゃんは……」
ゲーチス「心を持たない人形になってしまった、ということですね」
唯「……!」
ゲーチス「もう彼女には何もない。あるのは内に秘めた闇のみ…。
さあ、闇に従い…彼女たちを排除するのです!!」
澪「……」カチャ…
唯「澪、ちゃん…」
ボム!
コロぽん(ココロモリ)「ココロー!!」
バサッ!
ビュオオオオオオ!!!!!!!
唯「うう…!」
律「ぐ…ッ」
ゲーチス「いいですよ、闇に忠実にィ!!」
澪「……」
ビュオオオ!!!!!!
律「く、そ……」
437: ぽけもん 2011/05/07(土) 20:53:42.02 ID:7r8tlCaAO
律(澪…、どうして……)
(澪……!!)
澪「……“エアカッター”」
コロぽん「…」シュッ!
律「!」
コロぽん「ココロー!!」シャキンッ
唯「りっちゃ…!」
ブンッ!
ザキイイッ!!!!!!
……バタッ
律「…?」
唯「……うっ」
律「唯!?」
唯「りっちゃ…よかった……」
律「バカヤロ…! 私を庇って……」
唯「いたた…大丈夫だよ、軽い傷だし」
律「……っ」
438: ぽけもん 2011/05/07(土) 20:55:46.62 ID:7r8tlCaAO
澪「また、そうやって」
律「! な、に…?」
澪「なんで、唯ばっかり……」
律「澪…?」
ゲーチス「澪さんの心の闇……その原因はあなたですよ」
律「…! なんだって…?」
ゲーチス「イッシュに飛ばされ、澪さんとあなたたちは離れ離れになりましたね。澪さんは偶然にもワタクシのところに来ました」
ゲーチス「澪さんはあなたたちとはぐれたと知り、あなたたちを探すことにした…あなたたちのことが心配でね。
しかしあなたはどうでしょう? そんな澪さんのことを気にも掛けずに御友人とのうのうと旅をしていた。それを知った澪さんの気持ちはどんなものでしたかねえ」
ゲーチス「澪さんにとって、あなたは昔からのご親友だったはず。ですが、それに裏切られた……。もうそうすれば心は闇に染まり………後はワタクシが声をかければ……」
ゲーチス「掌握完了…」
ゲーチス「澪さんをこんなふうにしたのは、結局はあなたなのです!
あなたの行動が全ての原因なのですよ!!」
439: ぽけもん 2011/05/07(土) 20:59:07.91 ID:7r8tlCaAO
律「私、が…?」
ゲーチス「そう! あなたが彼女をこうさせたのです! 彼女を人形にしたのはあなたです!!」
律「……ッ!!」
ゲーチス「ならばあなたが罪を償うのは必然!
彼女にここで、排されるので……」
唯「違うよっ!!」
律「…!」
ゲーチス「……は?」
唯「違うもん…」グズッ
律「唯…?」
唯「りっちゃんは澪ちゃんを探してたよ! 一生懸命!
私はちゃんと見てたよ!? 澪ちゃんのために、強くなるって……プラズマ団を倒すって決めてた!!」
唯「りっちゃんはのうのうとイッシュを旅してたわけじゃないよ!!」
ゲーチス「……」
律「唯…」
唯「だから…澪ちゃん……そんな悲しいこと言わないで?
りっちゃんは澪ちゃんを裏切ったりしないよ……」
440: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:01:01.22 ID:7r8tlCaAO
ゲーチス「…ふふ。ふはははははは!!!!
馬鹿なんですか? あいつにもう声は届かない!
人形に何を言っても無駄だー!!!」
唯「……」ズイッ
ゲーチス「はは、…?」
バチンッ…!
ゲーチス「…!?」
ドサアッ!
ゲーチス「な……貴様…!!」
唯「あなた…最低だよ!
Nくんとシルバーくんのこと、澪ちゃんとりっちゃんのこと……そんなに人の心を踏みにじって、楽しいの!?」
ゲーチス「……」
ゲーチス「クク…もちろん、楽しいですよ。
ワタクシは人々が絶望する…その瞬間を見るのが大好きですからね!!」バッ!
441: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:03:21.99 ID:7r8tlCaAO
唯「…!」
ゲーチス「よくもこのワタクシをぶちましたねえ!?」
ブンッ!
唯「きゃ…!」
ガシイッ!!!
唯「!」
ゲーチス「なに…?」
ガシッ……
律「……」ギロ
唯「りっちゃん…!」
ゲーチス「ふ、今更何を? あなたが全ての原因だというのに…」
バチイッ!!!
ゲーチス「…?!」
ドシャアッ!
律「ああ、私が原因だ…。なら、解決するのも私だ!」
唯「りっちゃ…」
律「唯……ありがとな!」ニッ
ダッ!
442: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:05:35.66 ID:7r8tlCaAO
律「澪!」
澪「…!」
律「お前とは、家が近所で…小さい頃から一緒に遊んで、仲良しでさ…。
だからたくさん喧嘩もしてきた! その度に仲直りして……でもこんな壮大なのは初めてだな!」
律「私が澪を裏切ったって? んなわけないだろ! 唯の言うとおりだ!!
それを…勘違いして、さ……よりにもよってゲーチスなんかに………」
律「水臭いじゃねえか!! 私に相談してくれよ! なんなら私に突っ掛かってくれてもよかっただろ!? そんなことで私たちの仲が崩れると思ったのか!?
ふざけんな! 親友だろうが!!」
律「……親友だろ…?
だから! 親友が闇に堕ちかけた時は連れ戻さなきゃな!!
お前をぶん殴ってでもだ!!!」
澪「…コロぽん!」
コロぽん「ココロー!!」
ビュオオオオオオ!!!!!!!!
443: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:06:56.50 ID:7r8tlCaAO
律「う、うおおおおおおおおおおお!!!!」
ダッ!!!!!
澪「…!」
律「目を醒ませ! 澪おおおおお!!!」ブンッ…
バチイイン…!!!!!!
ドシャアアアアアン!!!!!!!!!!!!!
444: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:09:13.10 ID:7r8tlCaAO
律「はぁ…はぁ……」
澪「…… り、つ…」
律「澪…、正気に戻ったのか……?」
澪「り、つ……」
澪「ご…、めん…私……!」
律「へへっ、謝るなよ。親友だろ?」
澪「律……。り、つぅ…!」
澪「りつうう…!!」ガバッ
律「うおっ!?」
澪「りつうう…」ポロポロ
律「いつかの予想通り…ははっ」
唯「澪ちゃん…よかったあ……」
ゲーチス「……ッ!!」
ゲーチス(馬鹿な…ワタクシの掌握術が解けるとは……)
ゲーチス「……」
ゲーチス(チィ……)
ソソクサッ
445: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:12:48.64 ID:7r8tlCaAO
…
澪「……」ヒック…
律「落ち着いたか?」
澪「う、うん…」
澪「律、私……」
律「ははっ、もういいって!」
タタッ
唯「澪ちゃん、元に戻ったんだね!」
澪「! 唯…」
唯「よかったよぉ、一時はどうなるかって…」
澪「……」
唯「…澪ちゃん?」
446: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:14:01.42 ID:7r8tlCaAO
澪「……唯…」
唯「なあに?」
澪「唯も、私を殴ってくれ!」
唯「ええ!?」
澪「このままじゃ私の気が収まらないんだ!」
唯「で、でも…」
律「はあ…唯に澪を殴れるわけないだろー?」
澪「でもそれじゃ…」
律「人にはそれぞれの愛情表現があるってもんさ。なあ、唯?」
ガバッ
唯「えいっ!」ダキッ
澪「うおっ!?」
ギュウウ…
447: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:17:16.16 ID:7r8tlCaAO
澪「ち、ちょっと…唯……」
唯「澪ちゃん……すっごく心配、したんだよ?」
澪「…ごめん」
唯「でも、澪ちゃんが戻ってきてよかったよ♪」ニコッ
澪「…ありがとうな、唯」
律「へへっ、よかったな唯」
澪「…ありがとう、律」
澪「私は馬鹿だったよ。こんな…」
律「だーから、もういいっての!
さあ、行くぞ!」
唯「うん! プラズマ団を止めないと!」
澪「…ああ!」
448: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:19:14.56 ID:7r8tlCaAO
…
《レンブの間》
レンブ「はああああああああああ!!!」
コジョフー「ジョフー!!」ギュオッ
さわちゃん「…!?」
ドガアアアア!!!!!!
さわちゃん「テイイイ!?」
梓「また…! さわちゃん!!」
ユリ「ユン!」タッ
キュアア…
さわちゃん「!」
さわちゃん「ダーイライ!」カイフク!
梓「!」
449: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:21:09.53 ID:7r8tlCaAO
紬「“じこさいせい”の応用よ。自分じゃなくて仲間を回復させる技……これじゃあ自己再生じゃないけどね♪」
梓「助かります!」
さわちゃん「ダーイライ!」
梓「さわちゃん、“まわしげり”!」
さわちゃん「テイ!!」ブンッ
レンブ「コジョンド!」
コジョンド「コジョ!」ガシイッ
ブンッ!
さわちゃん「ダーイライ…!?」
ドシャアッ!
レンブ「…何度この手にやられたのだ?
もう無意味なのではないか?」
梓「……っ!」
450: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:23:11.52 ID:7r8tlCaAO
梓「確かに…あなたは強い。二つの格闘を使い分けていることで全く隙がありません」
梓「でも! 負けるわけにはいきません!!」
レンブ「…何故だ? お前が戦う理由とはなんだ?」
梓「あなたたちプラズマ団を止めるために戦っています!
それと、逆にあなたに聞きたいです……あなたと戦った時から思っていました。あなたはどうしてプラズマ団にいるんですか?」
レンブ「……!」
梓「あなた程の実力のある人が、なんでプラズマ団なんかに……」
レンブ「……」
梓「答えてください! …その力があれば、もっと別のこともできたはずなのに!!」
レンブ「…理由などない」
梓「…!」
レンブ「私が此処にいる理由などない。だから此処にいるのだ」
451: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:26:48.44 ID:7r8tlCaAO
紬「…?」
梓「どういう意味ですか…?」
レンブ「この力…確かにこの力があれば何か違うことが出来たかもしれない。だが、私には何も思い付かなかった……特に理由もなく、目的もなく、この力を身につけたのだ」
レンブ「周りからみたら、すごい力なのだろう。だが使い道がなければ、宝の持ち腐れだ。価値は無い。
そんなところに、奴…ゲーチスは私に手を差し延べたのだ」
レンブ「その力の使い方を教えてやる、とな」
レンブ「特に何の気無しにその手をとったよ。そうして今の今まで、プラズマ団に貢献してきた…これからも変わらない。
理由などないのさ、私にはなにもないのだ」
紬「……」
梓「……嘘ですよ」
レンブ「! なに…?」
梓「嘘です! 何の理由もなしに、そんな力を得られるはずがありません!! あなたがその力を手に入れられたのは…例えば、何かを……誰かを守りたかったから!!
そんな気持ちがあったから! 違いますか!?」
レンブ「……!」
452: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:29:08.15 ID:7r8tlCaAO
レンブ「……そう、だ。
私にも、守りたい人がいた…」
梓「……」
レンブ「そもそも、その人を守りたいと思ったのは…あの時からだ」
紬「あの時?」
レンブ「忌ま忌ましい…あの事件……。
私の大切な人の…大切な人を奪った事件だ!!」
梓「奪った…?」
レンブ「…その人は死んでしまったんだ」
紬梓「…!!」
レンブ「そうして、私の大切な人………。
彼女は! 悲しみ、苦しんだ……!!
私はもう苦しむ彼女を見ていられなかったのだ! 彼女の悲しみ苦しみを私が背負うと誓った…!
それからは、私が彼女を守ると決めたのだ!!」
紬「だから…力を手に入れた…?」
レンブ「そうだ…全ては彼女のために……」
453: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:31:10.75 ID:7r8tlCaAO
梓「それならっ! なんでプラズマ団にいるんですか!?
彼女を守るために手に入れた力をなんで、こんなことに!!」
レンブ「仕方がなかったのだ……私だって、プラズマ団など………」
紬「どういう…ことですか? ならなんで…」
レンブ「私が修業から戻った時には…彼女は、プラズマ団に所属していた……」
紬梓「…!!」
梓「プラズマ団に…?」
レンブ「ああ…私は愕然としたよ。何故彼女が……。
先程話した内容とは違うが、私がどうしようもなく、うなだれている時に……ゲーチスが言ったのだ…。
『彼女を一緒にいたいのなら、プラズマ団に所属しなさい』、と」
梓「…ッ! ゲーチス!!
人の心を利用して…許せません!!」
454: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:33:08.41 ID:7r8tlCaAO
紬「…その人って、まだプラズマ団に?」
レンブ「…同じ七賢人としてな」
紬梓「…!?」
紬「まさか…」
梓「カトレアさん、ですか?」
レンブ「…!」
梓「そうなんですね…」
レンブ「そうだ。
…彼女があくまでプラズマ団にいるのなら、私も彼女のためにプラズマ団に貢献するまでだ。彼女のために生きると誓ったのだから!!」
梓「……」
紬「……」
梓「…それは、違いますよ」
レンブ「…なに?」
梓「カトレアさんはプラズマ団ではありません…」
レンブ「…!?」
455: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:35:36.71 ID:7r8tlCaAO
紬「カトレアさんは…プラズマ団を探るためにスパイとしてプラズマ団に所属しているんです!」
レンブ「なん…だと……?
馬鹿な…そんなことが……」
紬「本当です。プラズマ団の計画を阻止するために……」
レンブ「では、私はなにをして……一体なんのために……」
レンブ「く……!」
梓「レンブさん…カトレアさんのためにプラズマ団に入ったのなら、また……」
レンブ「……くそ!」
梓「!」
レンブ「クソオオオオオ!!!!」
レンブ「お前に何が分かる!
プラズマ団に入って、私は散々…どれだけのことをしてきたと思っている!? 全ては彼女の為だったというのに!! なのに…!」
レンブ「彼女が…スパイ……だっただと!? それでは、私のしてきたことはなんだったのだ!?
武人としてのプライドも何もかも捨て、何でもやってきたというのに……」
紬「レンブさん……」
456: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:37:12.32 ID:7r8tlCaAO
レンブ「お前に何が分かる!!!」
ダッ!
コジョフー「ジョフー!!」
紬「…! 梓ちゃ…」
さわちゃん「ダーイライ!」
紬「!」
梓「これで決めます! 全身全霊を懸けて!!」
梓レンブ「はあああああああああ……!!!」
「「はァ!!!!」」
レンブ「“はっけい”!!」
梓「“まわしげり”!!」
さわちゃん「テイ!!」ギュオッ
コジョフー「ジョフ!」スッ…
さわちゃん「!」スカッ
457: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:39:11.87 ID:7r8tlCaAO
ドスッ…
ビリイッ!!!!
さわちゃん「…!?」
レンブ「そのまま押し切れ!!」
コジョフー「ジョフー!!」ブンッ
さわちゃん「…!」
レンブ「終わりだぁッ!!!」
コジョフー「ジョフぅぅ!!!」
梓「さわちゃん! 今だよ!!」
さわちゃん「テイ!!」ギュルッ
レンブ「…!? 伸ばした脚を…何重にも巻いて……!!?」
梓「一気に解いて! “インファイト”!!!」
さわちゃん「」ギュルッ
コジョフー「ジョ…!」
ドダダダダ……!!!
ダアアアン!!!!!!
コジョフー「ジョッフー!?」ズザザアッ!!!
レンブ「……!!!」
458: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:41:45.61 ID:7r8tlCaAO
コジョフー「…、」バタッ
さわちゃん「ダーイライ!」シュタッ
梓「……」
紬「や…やったわ! 梓ちゃん!」
レンブ「負けた…!?
く……彼女のために身につけたこの力も、この程度…だとは………無価値じゃないか…………」
レンブ「くそ…、私はどうすれば……!!」
梓「…無価値じゃないです」
レンブ「!」
梓「程度や結果がどうであれ、あなたはカトレアさんのために頑張ってその力を手に入れたんでしょう? ならそれだけで十分意味があります」
梓「どうすればいいか?
そんなの決まってるじゃないですか……あなたは今まで誰のために頑張ってきたんですか!? 信念もプライドも捨てて…カトレアさんのために頑張ってきたんでしょう!!」
レンブ「……」
紬「梓ちゃん…」
459: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:43:19.66 ID:7r8tlCaAO
レンブ「…ふ、そうだな。今更だった……私には選択肢はない、最初から。
彼女のために生きる……彼女の正義が私の正義だ!!」
レンブ「彼女がスパイだというなら、私もそれに従えばいいのだ!!」
梓「…はい! そうですよ。それでこそ、剛の奥義の使い手です!」
レンブ「……ふ」
レンブ「私が修業の途中……挫折しかけていた時、シバの言葉に励まされた……やはり、あいつの弟子なのだな」
梓「? なにか言いましたか?」
レンブ「…いや」
梓「?」
紬「ふふ♪」
460: ぽけもん 2011/05/07(土) 21:45:47.79 ID:7r8tlCaAO
レンブ「…そこのパネルを踏めばポケモンリーグの広場に戻れる。広場には私の部屋の他に三つの部屋がある。一つはカトレアの部屋だが、あとの二つはお前たちの敵の部屋だ。
その二つの部屋に行くといい。七賢人を倒せば後で何かと都合がいいだろう」
梓「ありがとうございます!」
紬「…レンブさん!」
レンブ「?」
紬「頑張ってください♪」
レンブ「…ああ」
レンブ「……」
レンブ(カトレアがスパイ…とは。もしや、カトレア…やはりコクラン殿の……)
…
《ギーマの間》
ドオオオン!!!!!!
キリキザン「キリャー!!」
ムシャーナ「ムー…」ガクリ
カトレア「戻って、ムシャーナ!」パシュッ
ギーマ「…退屈だねえ、もっと楽しませてくれよ」
キリキザン「キリャー…!!」ギロッ
カトレア「……っ」
Episode.41 fin
468: ぽけもん 2011/05/21(土) 23:34:26.95 ID:xIwMwrWAO
Episode.42
カトレア「…ゴチルゼル!」
ギーマ「クク、キリキザン!!」
キリキザン「キリャー!!」シュッ
ボム!
ゴチルゼル「ゴチルゼー!!」
ザキイイッ!!!!!!
ゴチルゼル「チルッ…!?」
カトレア「ゴチルゼル!」
469: ぽけもん 2011/05/21(土) 23:37:14.72 ID:xIwMwrWAO
ギーマ「ふう…まあこんなところかな」
カトレア「…はい?」
ギーマ「今のは“つじぎり”だけど…それも合わせて、俺のエキスパートタイプは何か知っているよな?」
カトレア「言うまでもないですね。あくタイプ…」
ギーマ「そうそう。それで、エスパータイプの技はあくタイプには効果はない……ダメージすら与えられないんだ。
対して、あくタイプの技はエスパータイプに効果は抜群……これがどういうことか分かるよね?」
カトレア「…アタクシが圧倒的に不利」
ギーマ「その通りィ!! 同じ四天王だ。実力が同等なら、勝負を決めるのはそこだよ」
カトレア「………」
470: ぽけもん 2011/05/21(土) 23:39:58.19 ID:xIwMwrWAO
カトレア(これは…マズイですね……。ギーマさんの使うタイプがあくタイプだということは、当然存じていたことですが……)
ギーマ「何を考えているんだい? 諦めな、もう無理だよ」
ギーマ「交替だ! レパルダス!!」ボム!
レパルダス「ニャアア!!!」
ギーマ「“つじぎり”!!」
シュッ!
カトレア「…!」
ゴチルゼル「チルッ…!」ダッ
レパルダス「ニャアア!!!」
ガキイイン!!!!!!!
ゴチルゼル「チ、ルッ…」ジリ…
カトレア「ゴチルゼル!?」
ゴチルゼル「チルッ……!」ニコッ
カトレア(! 少しでも、アタクシに考える時間を…!)
471: ぽけもん 2011/05/21(土) 23:43:01.59 ID:xIwMwrWAO
ギーマ「悪あがきかァ!? どうもならないぜ!?」
レパルダス「ニャアア…!!」
ゴチルゼル「チル…ッ!!」ギギ……
カトレア(考えろ…考えるのです、カトレア! 形勢逆転の方法を!!
相手はあくタイプ…対してこちらは圧倒的不利なエスパータイプ……この局面をどうやって…。……? エスパータイプ…?)
(アタクシはエスパータイプの専門ですが、エスパーの使い方においては同じ四天王でも、ゴヨウさんの方が上手…。
こんな時、ゴヨウさんならどうする……?)
(ゴヨウさんの戦闘スタイルはランクルスをメインで、様々なエスパー技を駆使して相手を倒すもの。
しかし、アタクシの手持ちは…ムシャーナ、ゴチルゼル、リグレーの三匹……ランクルスのパワーには遠く及ば……)
(…! リグレー?
そういえば、ブラックシティの頂点、最強のトレーナーであるゴヨウさんを倒した平沢唯さん……あのバトルであの子のムンナが使った“シンクロノイズ”…、ランクルスの内側の細胞を破壊した……もしかして、そうではなく、ランクルスの脳に“シンクロノイズ”が伝わっていた…!?)
472: ぽけもん 2011/05/21(土) 23:45:05.21 ID:xIwMwrWAO
(“シンクロノイズ”はランクルスの脳に働きかけ…ムンナの脳波をランクルスの脳に伝えていた…! キーワードは、『脳』…!!)
レパルダス「ニャアアアア!!!」
ドスッ…!
ゴチルゼル「!?」
ゴチルゼル「チルー!?」ズザアアッ!
ゴチルゼル「…チ、ル」ガクッ
パシュッ!
カトレア「ゴチルゼル、よく頑張ってくれました。あなたのおかげで、希望が見えてきました…!」
ギーマ「クク…何を思い付いたかは知らないが、あなたのエスパーポケモンで俺のあくポケモンに勝つのは不可能だよ」
カトレア「ですね……ただし、普通のポケモンバトルにおいてはね」
ギーマ「あん?」
473: ぽけもん 2011/05/21(土) 23:48:39.02 ID:xIwMwrWAO
カトレア「リグレー!」ボム!
リグレー「リグッ!」
ギーマ「…クハハハハッ!!
リグレーだって? そんなポケモンで………勝てるわけがないだろうがッ!! レパルダス!!!」
レパルダス「ニャオオオ!!」ダダッ
ギーマ「トレーナーごと引き裂いてやりなァ! “つじぎり”だァ!!」
レパルダス「ニャアア!!」シャキンッ
リグレー「……」
カトレア「……」
レパルダス「ニャアア!!」
キイイイイイイン…ー………
レパルダス「…!?」ピタッ
474: ぽけもん 2011/05/21(土) 23:51:23.11 ID:xIwMwrWAO
ボトッ…
レパルダス「ニャ…アア……」ガクガク
ギーマ「な、なんだ! なにがあった!?」
リグレー「リグゥー…」キイイイイン
ギーマ「!」
カトレア「ブレインポケモン、リグレーはサイコパワーで相手の脳味噌を締め付けて頭痛を起こさせる……でもこれ、相手を倒すのにもっと楽な方法があるんです」
カトレア「相手の脳に直接、サイコパワーを伝えるんですよ」
ギーマ「…!!」
カトレア「リグレーは脳についてのスペシャリスト!
脳に伝ったサイコパワーが何をするかお分かりですよね!!」
レパルダス「グ…ガガ………」ガクガク…
ギーマ「レパッ…」
カトレア「ポケモンを戻しなさい! これ以上はレパルダスが持ちませんよ!!」
475: ぽけもん 2011/05/21(土) 23:55:41.94 ID:xIwMwrWAO
ギーマ「チッ…!」パシュッ
カトレア「……」
カトレア(まずはこれで一安心ですね…もう彼に対抗策はないはず…)
ドオオオン……!
カトレア「…! 大きな揺れ……広場から!?」
ギーマ「クッ…」ダダッ!
カトレア「あっ…!」
カトレア「しまった……追いかけましょう!」タッ
…
カトレア「…」タタッ
カトレア「ギーマさんはどこに…」
ドオオオン!!!!!!
カトレア「!」
「うおおっ!?」ドサアアッ!
476: ぽけもん 2011/05/21(土) 23:58:22.53 ID:xIwMwrWAO
「なんだってんだよー!!」
カトレア「…ってクロツグさん!?」
クロツグ「おお、カトレアか」
カトレア「な、なんでこんなところに寝転がっているのですか?」
クロツグ「別にただ寝転がっているわけじゃないぞ。吹き飛ばされたのだ」
カトレア「吹き飛ば…?」
ザッ!
カトレア「…!」
シキミ「こんなものですか、タワータイクーン」
クロツグ「ぬう、現れたか!」
477: ぽけもん 2011/05/22(日) 00:02:49.89 ID:MqTajHlAO
クロツグ「今度はさっきみたいには…」
カトレア「って! なに押されているんですか!!
それでもフロンティアブレーンの長、タワータイクーンなのですか!?」
クロツグ「いやぁ…トレーナー戦に慣れてしまって、こんな過激なバトルにはついていけなくてなあ」
カトレア「言い訳しないでくださいっ!」ピシャリッ
クロツグ「ひえぇ…」
ギーマ「あなたも結構ピンチだったけどね」
カトレア「…!」
クロツグ「ほら、カトレアも人の事を言えな…」
カトレア「」ギロッ
クロツグ「ひぃっ!」
478: ぽけもん 2011/05/22(日) 00:08:09.31 ID:MqTajHlAO
シキミ「…ギーマさん、プランBですか」
ギーマ「ああ。プランB……」
シキミ「広場に侵入者をおびき寄せ」
ギーマ「もろとも排除せよ」
ゴゴゴ………
クロツグ「…!」
カトレア「この揺れは…?」
クロツグ「…あいつだ! 先程まで私の相手をしていた……ゴーレムポケモン、ゴルーグ!
そいつの地面技!!」
シキミ「ゴルーグ!!」
ゴルーグ「ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………!!!!!!!!!
クロツグ「“じしん”、“じならし”、“マグニチュード”。一体どれだ!?」
カトレア「ど、どれでも同じですよお!!」
479: ぽけもん 2011/05/22(日) 00:08:59.83 ID:MqTajHlAO
シキミ「…ギーマさん、プランBですか」
ギーマ「ああ。プランB……」
シキミ「広場に侵入者をおびき寄せ」
ギーマ「もろとも排除せよ」
ゴゴゴ………
クロツグ「…!」
カトレア「この揺れは…?」
クロツグ「…あいつだ! 先程まで私の相手をしていた……ゴーレムポケモン、ゴルーグ!
そいつの地面技!!」
シキミ「ゴルーグ!!」
ゴルーグ「ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………!!!!!!!!!
クロツグ「“じしん”、“じならし”、“マグニチュード”。一体どれだ!?」
カトレア「ど、どれでも同じですよお!!」
480: ぽけもん 2011/05/22(日) 00:09:30.80 ID:MqTajHlAO
シキミ「…ギーマさん、プランBですか」
ギーマ「ああ。プランB……」
シキミ「広場に侵入者をおびき寄せ」
ギーマ「もろとも排除せよ」
ゴゴゴ………
クロツグ「…!」
カトレア「この揺れは…?」
クロツグ「…あいつだ! 先程まで私の相手をしていた……ゴーレムポケモン、ゴルーグ!
そいつの地面技!!」
シキミ「ゴルーグ!!」
ゴルーグ「ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………!!!!!!!!!
クロツグ「“じしん”、“じならし”、“マグニチュード”。一体どれだ!?」
カトレア「ど、どれでも同じですよお!!」
481: ぽけもん 2011/05/22(日) 00:11:23.54 ID:MqTajHlAO
ゴゴゴゴゴゴ……!!!!!!
ビキ、バキイイ……
クロツグ「ま、まずい…。地面が、割れ……」
ビギィィン!!!!!!!
カトレア「…!!」ヒュウッ
クロツグ「カトレア…!!」
ヒュオッ!
カトレア「きゃ…」
ヒュウウウッ!!!!!
クロツグ「カトレアァアアアア!!!!」
…ー……
クロツグ「……ぐっ!」
ギーマ「クク…」
シキミ「…まずは一人」ニヤ
482: ぽけもん 2011/05/22(日) 00:13:04.64 ID:MqTajHlAO
クロツグ「貴様らアアアアアアアア!!!!」
ボム!
ドレディア「レディー!」
クロツグ「“はなびらのまい”!!!」
ドレディア「レディー!!」ビュワアッ
シキミ「……」ボム!
シャンデラ「ラァー!」
ドレディア「レディ…!」
ボウウッ!!!!
ドレディア「」バタッ
クロツグ「…!!」
シキミ「無駄ですよ。…次はあなたです」
クロツグ「……ッ」
ギーマ「キリキザン!」
シキミ「シャンデラ!」
キリキザン「キリャー!!」
シャンデラ「ラァーッ!!」
ズイッ
クロツグ「…!」
483: ぽけもん 2011/05/22(日) 00:14:32.16 ID:MqTajHlAO
ボオオオオ!!!!!!!!!!
クロツグ「ぐうっ……、……?」
キリキザン「…」
キリキザン「」ドサッ
ギーマ「キリキザン…!?」
クロツグ「? シャンデラの炎じゃない…?」
シキミ「何者ですか!?
キリキザンは倒されましたが、炎技はシャンデラには効きませんよ! 諦めて姿を現し……」
シュン……!
シャンデラ「!?」
シキミ「なっ…“あくのはどう”!?」
ドゴオオン!!!!
シャンデラ「」ガクッ
シキミ「シャンデラ…!」
484: ぽけもん 2011/05/22(日) 00:18:01.26 ID:MqTajHlAO
タッ!
ヘルガー「ガアアッ!!」
シキミ「ヘル、ガー?」
ギーマ「こんなところに何故…」
ヘルガー「グルルル……!」
クロツグ「このヘルガー……」
「ご無事ですか、カトレアお嬢様」
クロツグ「!」
カトレア「うぅ…ん……」ムニャ…
カトレア「!? う、うそ……、え……?」
「地獄の底から這い上がって参りました。…このコクラン」
コクラン「カトレアお嬢様のそのお命、お護りするために!!」
カトレア「コクラン……っ!!」
クロツグ「コクラン!!」
485: ぽけもん 2011/05/22(日) 00:20:27.54 ID:MqTajHlAO
コクラン「…お久しぶりです、クロツグ様。…カトレアお嬢様」
カトレア「な、どうしてコクラン…あなた、生きて……」
コクラン「さあ……死に損ないましたね。これも彼女のおかげですか……」
クロツグ「…!」
クロツグ(カトレアとゴヨウから聞いた話だと、コクランを助けるために“ゆめのせかい”へ、ある少女を行かせたらしい…。
それは失敗に終わったらしいが、だが街には変化があった……)
(……失敗してはいなかったのだ。ブラックシティに花が咲いたのだけではない…、コクランは生きていた……未来が、現在が変わった!!)
486: ぽけもん 2011/05/22(日) 00:22:05.69 ID:MqTajHlAO
カトレア「でも良かった……コクラン、アタクシはとても嬉しいです」
コクラン「ええ、私もまたこの身をもってカトレアお嬢様をお護りできます」
クロツグ「…良かった、良かったな……カトレア!」グスッ
シキミ「……ふっ」
シキミ「二人が三人になったところで!
私たちの勝利は、今更揺らがないんですよ!! 精々無駄な足掻きをするのですね!!」
クロツグ「……じゃあ、試してみるか?」
カトレア「今のアタクシ…いえ、今のアタクシたち……」
コクラン「誰にも負ける気はしませんよ」
コメントする
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。