1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:49:14.40 ID:j7ldiUvy0
P5のSSです

※時系列はオクムラパレス後、春が正式加入してからニイジマパレス崩壊までくらいを想定してます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1534776554

引用元: 新島真「ガールズ・セキララ・トーク」 



2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:50:07.59 ID:j7ldiUvy0
事の発端は杏の発言だった。


杏「そういえば双葉ってさあ」


ごく何気ない口調で、フライドポテトをかじりながら


双葉「ん? どした。調べ物の相談か?」

杏「いや、そうじゃなくて」

双葉「なんだ、違うのか」


この子はこの子で、顔を上げたと思ったらゲームの世界に戻ってしまう。
ボタンを押す音が少しうるさい。

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:50:45.79 ID:j7ldiUvy0
杏「水着の試着した時に思ったんだけどさ、アレ結構突然だったじゃない」

春「そんなことあったの?」


あった。
我ながら双葉にとっては荒療治を押し付けてしまった感も……いや、それ以上に思い出になっているから良いのだけれど。


真「そういえば、春とはまだあの頃知り合ってもいなかったのよね」

春「まこちゃんのことは知ってたよ? 生徒会長だし」

真「私も顔と名前くらいは」

春「もっと早く友達になりたかったなあ」

真「ふふ、そうね」

杏「あー、センパイ方、話戻していい?」


ポテトは皿にまだまだ残っている。

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:51:23.28 ID:j7ldiUvy0
春「はい、どうぞ」

杏「じゃあズバリ聞くんだけど、引きこもりの割にムダ毛の処理が完璧だったっていうか。私服もノースリーブだし、そこ気になっちゃって」

真「ブフッ」


コーヒーを吹き出してしまった。


双葉「真は氷結使えないだろ」

真「ペルソナ呼んだわけじゃないわよ!」


地味に面白いボケかたをするな!
双葉はゲーム機をしまう。

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:52:01.47 ID:j7ldiUvy0
双葉「で、あー。杏の疑問に対する答えだが……ぶっちゃけ私まだ生えてない」

杏「そうなんだ! ありがとう。スッキリした~」


杏はニッコリといつも通りの快活な笑みを浮かべると、アイスティーのストローを口に含む。
普通の子の会話って、こんなものなのかしら。


双葉「生理は来てるけどな!」

真「なんで追加情報まで提供するのよ……」

双葉「健康に問題がないアピールだ!」


胸張って言うことじゃないでしょうに。

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:52:45.03 ID:j7ldiUvy0
春「あら羨ましい。双葉ちゃんって私と2歳差でしょ? 私その頃にはもう随分と苦労させられたのよねえ」

杏「ムダ毛に?」

春「ムダ毛に」


杏の問いかけに春は首肯する。


双葉「なーんとなくそんな感じするな。春は髪もふわっふわで量多いからな」


眉とか髪の濃さが体毛と相関関係ってよく言われるわよね。でも実際のところはどうなのかしらね。


春「そうなのよ。腋とお股だけじゃなく体毛が全体的に濃くて。エステも考えたんだけどお金を出すのはお父様じゃない? 言えないなあって」

杏「そりゃ言えないわ~」

春「だからお小遣いの範疇で買える脱毛器を試したんだけどすっごく痛いの!」

双葉「家電を買うのって難しいよなー。わかる」

春「それで結局普通に剃ることにしたの。でもお肌が荒れちゃうから見せる必要がある時だけ」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:53:44.48 ID:j7ldiUvy0
いけない。少し意識が飛んでた。
男子がいなくなると話題ってこんなになっちゃうの!?
私ってやっぱりおカタイのかしら。


双葉「真はどうなんだ?」

真「え? いやまあ、腋は定期的に剃ってる……体育の着替えとかもあるし」

春「なるほど~。私は腕上げないでジャージ着ちゃうから剃ってない時もあるなあ」

杏「マジで?」

春「だってみんな生えるものでしょう? 女の子同士だしじっくり見られない限りは気になるものでもないかなって」

杏「春ちゃんパイセン、ちらっとでも見えたら結構気になると思うっス」

真「それには同意」

春「あら。じゃあこれからは気をつけないと」


春、余裕があるわね……

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:54:19.09 ID:j7ldiUvy0
双葉「そういう杏はどうなんだ?」

真「そうよ。言い出しっぺなんだからちゃんと話しなさい」


杏は話の合間にポテトをかじり続けている。
よく太らないわよね、ほんと。


杏「私は脱毛ワックス。本当はエステ行きたいけど読モの給料程度じゃ手が届かなくて」

双葉「ワックス。未知の領域」

真「そうね……」


正直、初めて聞いた。
お姉ちゃんも剃刀派だったし……


杏「髪と比べると腋と○○○は色が濃くてさ。読モでセクシーな服着ることも多いから剃り跡見えちゃうのも嫌だし、それでワックス」

春「たしか、塗りつけてから剥がすのよね。痛くないの?」

杏「痛いっちゃ痛いけど慣れれば普通かなあ」

春「私も今度試してみようかしら」

杏「あ、じゃあ今度一緒に買いに行こ!」

春「うん! まこちゃんもどう?」

真「考えさせて……」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:55:20.50 ID:j7ldiUvy0
女4人。たまにはルブランじゃなくファミレスでと思ったらどうしてこんなことに。


双葉「なるほどなー。だから杏はビキニ姿でリュージと肩組めたんだな。剃ってたら感触が気になってそんなことできないはずだ」

春「えー! 随分と大胆なのねえ」

杏「や、アイツのことは男として見てないんで。ノーカンノーカン」

双葉「リュージ、哀れ」

真「日頃の行いよね」

双葉「あ、じゃあさ。おイナリは? アイツ顔だけは綺麗だ」

杏「喋んなきゃいいんだけどねえ」

真「わかる」

春「すっごいわかる」

4人「残念なイケメン」


少しの沈黙があって、ふふ、はは、と笑いが決壊する。

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:55:58.78 ID:j7ldiUvy0
杏「今ハモったね! ハッピーアイスクリーム!」

真「え、なに? なに?」

春「私知ってるよ。息ぴったりで何か言っちゃったらアイス食べるって儀式のことよね。ハッピーアイスクリーム!」

双葉「正確には奢る、な。最後まで乗れなかった人が。ハッピーアイスクリーム!」

3人の視線が私に集中する。

真「はあ、わかったわよ」


私は注文のボタンを押した。


杏「なに頼もっかな~」

真「言っとくけど、単品のアイス限定だからね」

杏「え~! それじゃあんまり種類がないじゃん!」

双葉「そうだそうだー。パフェを所望する!」

真「ダメったらダメ」

春「あ、じゃあアイス以外は私が追加でお金出すよ」

真「甘やかさない!」

春「ご、ごめんなさい……」


結局普通のアイスを注文した。

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:56:26.64 ID:j7ldiUvy0
春「ところでみんなは好きな人っているの?」


……爆弾を投げ込んだわね。
さて、2人はどう出る……?


杏「私はいる」

真「!」

杏「隠しててもいつかバレるだろうから言うけど、リーダー」


杏はこう言うところがまっすぐで、羨ましいと思う。


春「そうなんだ~。彼素敵よね」

杏「うん。見た目はちょっと野暮ったいけど、落ち着きがあって、でも時々荒っぽくて、あと信念を曲げないところも好き」

双葉「ギャップ萌えってやつだな」

杏「そうかも」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:56:55.04 ID:j7ldiUvy0
双葉「私も救ってもらった恩があるから大好きだ。でも恋愛とかはまだ、よくわかんない。お兄ちゃんみたいだなって思うし、アイツも私のことは妹として見てる気がする」

春「佐倉のおじさまは彼にとって2人目のお父様ですものね」

双葉「ま、まあな! 屋根裏に押し込めたり無給でこき使ったりするけどな!」

真「なんでそのタイミングで赤くなるのよ……」

杏「マスターのことが本当に大切なんだよね?」

双葉「……うん」


直接言ってあげれば、マスターも喜ぶでしょうに。器用なのに不器用な子。

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:57:27.89 ID:j7ldiUvy0
杏「それで、真は?」

真「まあ、流れ的に来るとは思ったけど……私は恋愛偏差値が低いらしいから今は好きな人いないかな」

双葉「今『は』かー」

真「うっ」

杏「やっぱり、リーダー?」

真「……まだわからないけど、好きになるとしたら彼なのかな、とは思う」

春「あー、私もそんな感じかな」

真「4人みんなそうだと思うけど、体を張って助けてくれただけで正直、好感度高いわよね」

杏「わかるー! 私も一番辛い時に話聞いてくれたし!」

双葉「リュージと違ってモテモテだ……」

春「体張ってるのは後の2人も同じなのに、不思議よね」

双葉「そして春は残酷!」


注文したアイスが届いたので、しばしおしゃべりは中断となった。

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:58:20.85 ID:j7ldiUvy0
双葉「杏はともかく真も結構気合い入った水着選んでたよな。ローライズ気味の」

杏「あー確かに。意外だった」

春「ウエットスーツとか着て来そうなのに」

真「ちょっと!?」

春「冗談です、ふふっ」

双葉「ぶっちゃけ処理、不安にならなかったのか?」


あ、話題戻るんだ……


真「不安には、なった。ウチの男性陣普段から○○目線で見て来るし」

杏「わかるなー。作戦中とか気が散るんだよね」

双葉「いやそれは2人に問題がある」

杏「問題って?」

双葉「谷間丸見えとプリケツを前にして煩悩を抑えられる男子がいるだろうか。いやいない」

春「2人のスーツは過激な感じだもんね」

双葉「春もだぞ。コルセットで○○○○が強調されてる。露骨じゃない分むしろ見やすいまである」

春「え。そうなの? 今からデザイン変えられないかなあ」

杏「無理でしょ……」

真「認知を変えられれば、あるいは……」

双葉「反逆の意思だっけ? ペルソナになるほど強烈な認知、変えられるとも思わないけどなー。パレスないから変えてもらうのも無理だ」

杏「双葉が言うなら無理なんだろうね」

真「そうね……」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:59:01.68 ID:j7ldiUvy0
春「で、まこちゃんの水着の話よね」

真「チッ」

双葉「安心しろ。春が戻さなくても私が戻した」

真「何も安心できないわよ……えっと、そうね。かなり不安だった。からあの日はお姉ちゃんの毛抜き借りた」

杏「私だったら1本ずつとか、めんどくさくて無理」

真「まあなんて言うか、キワだけよ。他は普段通りに剃った」

双葉「ほんとに~?」


ニヤニヤするな、天才児!


真「ああ、そうよ! 普段通りな訳ないでしょ! ツルッツルになるまで剃ったわよ!」

双葉「最初から素直に言えばいいんだ」

春「そーだそーだ」

杏「整えてても繊維の隙間から飛び出たりするからね。私も普段はVOだけだけど、あの日は全体的に処理した」

春「せっかく可愛い下着を買ったのにつけてみたら芝生みたいに飛び出して来るとテンション下がるよね」

真「少しわかるかも」

双葉「私にも来年くらいに生えてくんのかな……めんどくさそ」

杏「男子はそのまんまでいいのにね。女子だけめんどくさすぎ」

真「江戸時代くらいまでは処理する文化がなかったらしいわよ」

杏「その頃に戻ってほしいわ」

春「私も」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/20(月) 23:59:56.65 ID:j7ldiUvy0
この日の会話があったお陰で、最後のパレス攻略の際は自信を持って水着を着れた。

でも女子に準備があることを考慮せず無茶振りをしたパツキンモンキーは許さない。

4人(特に春)は後にそう語り、竜司はベンチで冷たくなっているのを発見され、病院内で息を吹き返した。

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/21(火) 00:01:54.43 ID:eifMNoc70
おわり

ペルソナ5面白いのでアニメを見て気になった方は是非ゲームもやってみてください

武見先生が好きです
でも川上先生はもーっと好きです