1: 名無しさん@おーぷん 2017/08/29(火)10:14:08 ID:qfM
ひとりかくれんぼを題材にした怖い話と謎解きを組み合わせた短いお話です。
謎は最後にありますが、謎を解けば真実を知ることができます。
よかったらコメントに皆様の推理を書き込んでください。ネタバレコメントもOKですので、初めて読む方はネタバレ見ないように気を付けてください!
謎は最後にありますが、謎を解けば真実を知ることができます。
よかったらコメントに皆様の推理を書き込んでください。ネタバレコメントもOKですので、初めて読む方はネタバレ見ないように気を付けてください!
引用元: ・【謎解き・怖い話】ワタシカクレンボ
寺井 広樹 一銀 海生
TOブックス (2018-02-24)
売り上げランキング: 83,620
TOブックス (2018-02-24)
売り上げランキング: 83,620
2: 名無しさん@おーぷん 2017/08/29(火)10:16:15 ID:qfM
こんな話を聞いた。
ひとりかくれんぼは降霊術の一種で、死んだものを呼び出すことができると。
2:00――
私は黒くて少しごわついた1本の髪の毛を見つめている。
これは私の髪の毛ではない。
死んだ彼氏の髪の毛だ。
私は髪の毛を見つめながら思う…もう一度彼に会いたいと。
私は髪の毛をそっと、どこかにいってしまわないように慎重にテーブルの中央に置いた。
テーブルの上には、私が彼に買ってもらったプーさんのぬいぐるみが置いてある。
私はプーさんを左手にとり、右手でテーブルに置いてあったカッターナイフをつかむ。
わたしは腹部に思い切りカッターナイフを突き刺し、完全に開くために2往復ほどナイフをグリグリッと上下に動かし、中身をためらうことなくむしりだすように外に出す。
綿を出し終えた後、手順をもう一度確認するためにメモを見直し思う…もう後には引けないと。
――ひとりかくれんぼの準備
1.夜中の3時までにこれらを準備しておく
2.ぬいぐるみの綿をすべて取り除く
3.ぬいぐるみに米を詰める
4.自分の爪を切り、そのひとかけらを入れたあと赤い糸で縫う(肉や血、髪の毛などもこのときに入れる)
5.縫い終わったらそのまま赤い糸をぬいぐるみに巻きつけ、ある程度いったらくくる
6.ぬいぐるみに名前をつける
私はメモを確認し終えると、抜き取った綿の代わりにプーさんに米を詰めた。
そして、米の中に彼の髪の毛をねじ込む。
その様は、なんだか無理やり米の中に髪の毛を押し込むようで、死んでしまった彼をもう一度殺しているような気がして抵抗があったが、そんなことは言ってられない。
もう一度彼に会いたい。
私は髪の毛を埋めると、赤い糸でプーさんの腹部にできた切り口を縫い、残った糸はプーさんにぐるぐる巻きにして最後に丁寧に結んだ。
意外とこの作業には苦戦してしまい、だいぶ時間を要してしまった。
わたしは3時までの時間を確認し、ぐるぐる巻きになったプーさんを見て思う、なんだか…きつそう。
そんなことを思いながらもまだ準備は残っている。三時までにはすべての準備を終えなくてはならない。
ひとりかくれんぼは降霊術の一種で、死んだものを呼び出すことができると。
2:00――
私は黒くて少しごわついた1本の髪の毛を見つめている。
これは私の髪の毛ではない。
死んだ彼氏の髪の毛だ。
私は髪の毛を見つめながら思う…もう一度彼に会いたいと。
私は髪の毛をそっと、どこかにいってしまわないように慎重にテーブルの中央に置いた。
テーブルの上には、私が彼に買ってもらったプーさんのぬいぐるみが置いてある。
私はプーさんを左手にとり、右手でテーブルに置いてあったカッターナイフをつかむ。
わたしは腹部に思い切りカッターナイフを突き刺し、完全に開くために2往復ほどナイフをグリグリッと上下に動かし、中身をためらうことなくむしりだすように外に出す。
綿を出し終えた後、手順をもう一度確認するためにメモを見直し思う…もう後には引けないと。
――ひとりかくれんぼの準備
1.夜中の3時までにこれらを準備しておく
2.ぬいぐるみの綿をすべて取り除く
3.ぬいぐるみに米を詰める
4.自分の爪を切り、そのひとかけらを入れたあと赤い糸で縫う(肉や血、髪の毛などもこのときに入れる)
5.縫い終わったらそのまま赤い糸をぬいぐるみに巻きつけ、ある程度いったらくくる
6.ぬいぐるみに名前をつける
私はメモを確認し終えると、抜き取った綿の代わりにプーさんに米を詰めた。
そして、米の中に彼の髪の毛をねじ込む。
その様は、なんだか無理やり米の中に髪の毛を押し込むようで、死んでしまった彼をもう一度殺しているような気がして抵抗があったが、そんなことは言ってられない。
もう一度彼に会いたい。
私は髪の毛を埋めると、赤い糸でプーさんの腹部にできた切り口を縫い、残った糸はプーさんにぐるぐる巻きにして最後に丁寧に結んだ。
意外とこの作業には苦戦してしまい、だいぶ時間を要してしまった。
わたしは3時までの時間を確認し、ぐるぐる巻きになったプーさんを見て思う、なんだか…きつそう。
そんなことを思いながらもまだ準備は残っている。三時までにはすべての準備を終えなくてはならない。
3: 名無しさん@おーぷん 2017/08/29(火)10:16:30 ID:qfM
次の準備は名前を付ける手順みたい。
私はプーさんに「めんたいこ」という名前を付けた。
別にふざけてつけたわけではなく、明太子は生前彼の好物であったからだ。
ひとりかくれんぼは降霊術として有名だが、自分の髪の毛ではなく、死んだ人間の髪の毛を入れることで、その人物を降霊することができるという話はあまり有名ではない。
さて、準備は整った。
後は3:00を待つだけだ。
現在時刻は2:45――
さて、ここからの手順をもう一度振り返っておこう。
――ひとりかくれんぼの手順
1.ぬいぐるみに向かって「最初の鬼は◯◯(自分の名前)だから」と3回言う。
2.次に風呂場へ向かい、水を張った浴槽にぬいぐるみを沈める。
3.部屋に戻り、家中の明かり、照明を全て消し、テレビだけ付ける。
4.このときテレビは砂嵐の画面にしておく。
5.目を瞑って10秒数える。
6.風呂場へ向かう。
7.ぬいぐるみのところまできたら「△△(ぬいぐるみの名前)見つけた」と言い、包丁(刃物)をぬいぐるみに刺す。
8.「次は△△が鬼」と言いながらその場所に置き、すぐに逃げて隠れる。
――ひとりかくれんぼの終わらせ方
1.塩水を口に含み、お風呂場に行く。
2.コップの残りの塩水、口に含んだ塩水の順にかけ、「私の勝ち」と3回宣言すれば無事に終了。
3.終わらせるまで絶対に外に出てはいけない。
3:00――
時間になった。
私は恐怖と彼に会えるかもしれない期待といった、本来共存しないような感情を抑えながら手順通り進めていくことにした。
まず、私が最初の鬼である宣言を3回めんたいこに向かってつぶやくと、お風呂場に向かった。
私は浴槽にめんたいこを沈めた。なかなか思うように沈まなかったが、次第にめんたいこは水を吸って、ゆっくりと沈んでいった。
私の家はワンルームなので、お風呂場の電気、廊下の電気を順に切り、そして部屋に戻りテレビのスイッチを入れた後、部屋の照明を落とした。
私はプーさんに「めんたいこ」という名前を付けた。
別にふざけてつけたわけではなく、明太子は生前彼の好物であったからだ。
ひとりかくれんぼは降霊術として有名だが、自分の髪の毛ではなく、死んだ人間の髪の毛を入れることで、その人物を降霊することができるという話はあまり有名ではない。
さて、準備は整った。
後は3:00を待つだけだ。
現在時刻は2:45――
さて、ここからの手順をもう一度振り返っておこう。
――ひとりかくれんぼの手順
1.ぬいぐるみに向かって「最初の鬼は◯◯(自分の名前)だから」と3回言う。
2.次に風呂場へ向かい、水を張った浴槽にぬいぐるみを沈める。
3.部屋に戻り、家中の明かり、照明を全て消し、テレビだけ付ける。
4.このときテレビは砂嵐の画面にしておく。
5.目を瞑って10秒数える。
6.風呂場へ向かう。
7.ぬいぐるみのところまできたら「△△(ぬいぐるみの名前)見つけた」と言い、包丁(刃物)をぬいぐるみに刺す。
8.「次は△△が鬼」と言いながらその場所に置き、すぐに逃げて隠れる。
――ひとりかくれんぼの終わらせ方
1.塩水を口に含み、お風呂場に行く。
2.コップの残りの塩水、口に含んだ塩水の順にかけ、「私の勝ち」と3回宣言すれば無事に終了。
3.終わらせるまで絶対に外に出てはいけない。
3:00――
時間になった。
私は恐怖と彼に会えるかもしれない期待といった、本来共存しないような感情を抑えながら手順通り進めていくことにした。
まず、私が最初の鬼である宣言を3回めんたいこに向かってつぶやくと、お風呂場に向かった。
私は浴槽にめんたいこを沈めた。なかなか思うように沈まなかったが、次第にめんたいこは水を吸って、ゆっくりと沈んでいった。
私の家はワンルームなので、お風呂場の電気、廊下の電気を順に切り、そして部屋に戻りテレビのスイッチを入れた後、部屋の照明を落とした。
4: 名無しさん@おーぷん 2017/08/29(火)10:16:49 ID:qfM
そして10秒数える。
1…
2…
…10
私は携帯の明かりを頼りに、めんたいこの腹を切ったカッターを探した。
カッターを右手に握りしめて、めんたいこを探しにお風呂場へと向かう。
携帯って結構明るいんだな…
真っ暗な廊下を携帯の明かりがぼんやりと照らす。
私は携帯をふろの蓋に置くと、浴槽をのぞき込みながら左手で沈めためんたいこを探した。
暗がりでわかりにくかっただけで、めんたいこはおそらく沈めた場所に静かに横たわっていた。
私は複雑な思いでめんたいこを浴槽から救い上げると、めんたいこ見つけたとつぶやきながら、右手に握りしめたカッターナイフを腹部に突き刺した。
そしてそのまま私はめんたいこをふろ場にそっと置くと、今度はめんたいこが鬼とめんたいこにささやき、また携帯の明かりを頼りに部屋に戻った。
3:05――
私は部屋に戻ると、あらかじめ隠れれるようにスペースを確保しておいたクローゼットに入った。
降霊がうまくいっていれば、めんたいこが私をさがしに来てくれるはず。
もう一度彼と話ができる。
私は耳をすませて彼が来るのを待った。
携帯の時計を見ると、まだ10分しかたっていない。なんだか時間が無限になったように感じる。
私はぼんやりと彼との思い出を振り返っていた。
そういえばめんたいこ、プーさんの人形っていつもらったんだったかな。
彼を失ったショックからか、ところどころ思い出が不鮮明になってしまった。
わたしは1次的に記憶喪失になったのかな…なんだかとっても重要なことを忘れている気がする。
でももし彼がきてくれて、もう一度会えたら思い出せるかもしれない。
私はじっと無限にも感じる時間の中で、彼が来てくれるのを待った。
1…
2…
…10
私は携帯の明かりを頼りに、めんたいこの腹を切ったカッターを探した。
カッターを右手に握りしめて、めんたいこを探しにお風呂場へと向かう。
携帯って結構明るいんだな…
真っ暗な廊下を携帯の明かりがぼんやりと照らす。
私は携帯をふろの蓋に置くと、浴槽をのぞき込みながら左手で沈めためんたいこを探した。
暗がりでわかりにくかっただけで、めんたいこはおそらく沈めた場所に静かに横たわっていた。
私は複雑な思いでめんたいこを浴槽から救い上げると、めんたいこ見つけたとつぶやきながら、右手に握りしめたカッターナイフを腹部に突き刺した。
そしてそのまま私はめんたいこをふろ場にそっと置くと、今度はめんたいこが鬼とめんたいこにささやき、また携帯の明かりを頼りに部屋に戻った。
3:05――
私は部屋に戻ると、あらかじめ隠れれるようにスペースを確保しておいたクローゼットに入った。
降霊がうまくいっていれば、めんたいこが私をさがしに来てくれるはず。
もう一度彼と話ができる。
私は耳をすませて彼が来るのを待った。
携帯の時計を見ると、まだ10分しかたっていない。なんだか時間が無限になったように感じる。
私はぼんやりと彼との思い出を振り返っていた。
そういえばめんたいこ、プーさんの人形っていつもらったんだったかな。
彼を失ったショックからか、ところどころ思い出が不鮮明になってしまった。
わたしは1次的に記憶喪失になったのかな…なんだかとっても重要なことを忘れている気がする。
でももし彼がきてくれて、もう一度会えたら思い出せるかもしれない。
私はじっと無限にも感じる時間の中で、彼が来てくれるのを待った。
5: 名無しさん@おーぷん 2017/08/29(火)10:17:23 ID:qfM
4:40――
…何も起きない。
部屋にはテレビの砂嵐の音がザーッと響いているだけだ。
仕方ないか。
私は、クローゼットを出てめんたいこがいるはずのお風呂場に向かうことにした。
あぶないあぶない。
ちゃんと塩水を口に入れておかなきゃ。
廊下の手前にある小さなキッチンにあらかじめ用意しておいた塩水を口に含み、残った塩水の入ったコップを片手にお風呂場に向かった。
ドクンドクン…
緊張で鼓動が高鳴っているのがわかる。
…もしいなかったらどうしよう。彼がまだ私を探しているのかもしれない。
そんなことを考えながら、また携帯のぼんやりとした明かりを頼りに、廊下の先のお風呂場についた。
そこには、数時間前と同じようにめんたいこが横たわっていた。
暗くてよくわからないが、動いた形跡はなさそうだ。
結局、降霊術も、心霊現象も、もちろん彼にもう一度会うことさえかなわなかった。
私は携帯を置くと、右手でずぶ濡れになりずっしりとしためんたいこを持ち上げ、コップに残った塩水、口に含んだ塩水の順にかけ、私の勝ちと三回つぶやいた。
これでひとりかくれんぼは終わりだ。
私はお風呂場の電気を付けた。
私は急な明かりに一瞬目がくらんだが、すぐに慣れた。
そして私は言葉を失った。
暗闇でよく見えなかっためんたいこは、ぐっしょりと血にまみれていた。
そしてお風呂場の床や壁には血が飛び散っており、壁面には血で文字が書かれていた…見覚えのある字…そう彼が書きなぐった血の文字にはこう書き記されていた。
6: 名無しさん@おーぷん 2017/08/29(火)10:17:43 ID:qfM
こめミロ
ヒトハ ボクヲ コロシタ コト
フタハ キミガ ボクニ シタ コト
クボ ノテト ニミキ ハミ
時刻は4:44―わたしは血でそまった手を静かに洗い、肩を震わせた。
END
ヒトハ ボクヲ コロシタ コト
フタハ キミガ ボクニ シタ コト
クボ ノテト ニミキ ハミ
時刻は4:44―わたしは血でそまった手を静かに洗い、肩を震わせた。
END
コメントする
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。