藍子「ま、待ってくださいっ！　食べていないのは本当なんですっ！　狙っていただけなんですっ！」

凛「なに狙ってんの」ﾑﾆﾑﾆ

藍子「うわああー！　ほっぺむにむにしないでくださーいっ！」ﾓｺﾞﾓｺﾞ


ｳﾆｬｱｱｱｱ…


・・・

・・・


藍子「むむ～・・・！　許せませんっ！　私の狙っていたプリンを食べちゃうなんてっ！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

凛「私の。私のプリンだからね？」

藍子「こうなったら食べちゃった人を見つけ出して、代わりのプリンをごちそうしてもらいましょうね、凛ちゃんっ！」

凛「うん、藍子奢られる理由ないよね」

藍子「必ずこの事件の真相を暴いてみせますっ。高森藍子・・・いえっ」


藍子「名探偵モリアーティの名にかけてっ！」ﾊﾞﾊﾞｰﾝ


凛「モリアーティって・・・シャーロック・ホームズに出てくる悪役の方だよね？」

藍子「語感が似ているのでっ！」ﾌﾝｽﾌﾝｽ

凛「まあ・・・藍子がいいなら・・・いいのかな・・・？」ｳｰﾝ

藍子「はいっ♪」

藍子「さあ凛ちゃんっ！　さっそく現場検証に行きましょうっ♪」

藍子「ごーごごーっ♪」

凛（パッション・・・）

凛「大丈夫かなぁ・・・」

藍子「ん～・・・じゃあ一応捜査のプロも呼んでおきましょうか」ﾋﾟｯﾎﾟｯﾊﾟ


・・・


凛「なんでみくなの？」

前川みく「なんでとはなんにゃ」

https://i.imgur.com/EO9nPOY.jpg
前川みく（15）

凛「こういう時って早苗さんとか都とか芳乃とかマキノじゃないの？」

藍子「人材の宝庫ですよねぇ」

みく「みくだってそうだよぉ。古今東西、お家に入り込んだネズミ退治はねこチャンのお仕事って決まってるんだからっ！」ﾆｬﾌﾌｰﾝ

みく「アイドル、キャット、ポリス、お家の。略してICPOの前川みくにゃ♪」

凛「最後だけ日本語・・・」

みく「事務所で起きたトラブルを内々で処理する権限をPチャンに貰ってるのにゃ！」

凛「そう・・・なんだ。まあみくなら・・・ある、のかな？」

みく「それで？　何があったの？」

藍子「私が食べようとしていたプリンがないんですっ」

凛「うん。私のプリンね」ﾑﾆﾑﾆ

藍子「うにゃああ」ﾓｺﾞﾓｺﾞ

みく「ほほう、プリンがないと・・・また」

みく「ということは犯人は李衣菜チャン・・・？」

凛「いや、それだけで疑っちゃだめだよ」

みく「冗談にゃあ。流石の李衣菜チャンでもロックを理由に再犯はしないと信じてるにゃ」

みく「ん～じゃあ凛チャンの今日の行動を教えて欲しいにゃ」

凛「ええと・・・事務所についたのは8時ぐらいだったかな。プリンは来る途中でリンゴと一緒に買ってきたんだ」

みく「リンゴ？」

凛「昨日ちひろさん調子悪そうだったから、何かいいものないかなって」

藍子（今冷蔵庫の中はお茶に、調味料、それから・・・ミックスジュース用かな？　リンゴにオレンジ、その他野菜と果物がいっぱい）ｶﾞﾁｬｯ

藍子（あっ、冷凍庫アイスいっぱいあるーっ♪）ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ　ﾊﾟｸｯ

みく「ほうほう・・・じゃあ今日ちひろさんが見当たらないのって・・・」

凛「うん、風邪でお休み」

凛「なんでも冷房をガンガン利かせていた事務室で水着で仕事をしていたら体調を崩しちゃったんだって」

みく「なにやってるにゃ。いやホントなにやってるにゃ」

凛「事務所に来てすぐにプリンとリンゴを冷蔵庫に入れて・・・30分ぐらいかな？　今日の仕事の確認とかして、プロデューサーの車で仕事に行ったんだ」

みく「その時事務所には他に誰かいたかにゃ？」

凛「ああ、瞳子さんがいたよ。ちひろさんがお休みだってことでプロデューサーが留守をお願いしたんだって」

凛「今もいるよ。忍と肇と今度ある舞台の台本の読み合わせしてるみたい」

みく「どれどれ・・・」ｶﾞﾁｬｯ


工藤忍「あれれーおかしいぞー」

服部瞳子「せやかて工藤」

藤原肇「じっちゃんの名にかけて」


みく「邪魔しちゃ悪そうにゃ」ﾊﾞﾀﾝｯ

藍子「事務所の名探偵がそろいぶみ・・・あの3人ではなさそうですねっ」ﾍﾟﾛ

みく「それ名前だけのイメージにゃあ」

みく「まあ一つきりのプリンを食べるのは難しいだろうにゃ。抜け出してこっそり、なんてことしてまでやってもちゃんと味わえないだろうし」

みく「この給湯室には洗ってすぐの食器も濡れたフキンとかもなさそう。この場で食べてはいないはずにゃあ」

みく「そういえばPチャンは？」

凛「ちひろさんのお見舞いに行ったよ。12時になるくらいに二人で事務所に戻ってきて、そのままお見舞いの品を持って」

みく「ふむふむ・・・藍子ちゃんが来たのはいつにゃ？」

藍子「うーん、凛ちゃん達が事務所に戻って来てすぐ、プロデューサーさんがまた出たくらいだと思います。プロデューサーさんには会っていませんから」ﾍﾟﾛ

藍子「私は今日オフだったんですけど、おさんぽの途中で近くに寄ったので」ｼｬﾘｼｬﾘ

藍子「水分補給をしようと思って給湯室にきました」

藍子「その時凛ちゃんに会って、そこからは>>1に続きます」

凛「メタ」

みく「なるほど・・・分かったにゃ。この事件の犯人が！」

藍子「え、ええ～っ！？」

藍子「ま、待ってくださいっ！　みくちゃんはあくまでアドバイザーとして呼んだんですっ！」

藍子「この事件は私が解決したいんですっ！　だから犯人はまだ言わないでくださいっ！」

みく「え、えーっと・・・？」

凛「いいから」

藍子「め、名探偵の面目が～・・・！」

藍子「ううっ・・・！　せっかくのチャンスが～・・・」

凛「チャンス？」

藍子「凛ちゃん・・・凛ちゃんは知っていますか・・・？」

凛「・・・？」

藍子「私、最近どうしてか・・・」


藍子「“天然”だと思われているらしいんですっ！」


凛「！　・・・？　違うの・・・？」

藍子「うわああんっ！　凛ちゃんまで～！」

凛「ご、ごめん・・・」

Q．あなたが天然だと思うアイドルを教えてください。

6thAnniversaryアンケート結果

1位　島村卯月
2位　水本ゆかり
3位　十時愛梨
4位　堀裕子

5位　高森藍子

6位　遊佐こずえ
7位　水野翠



高森藍子のウワサNo.3

「森ガールみたいだね」と言われて「どこにあるの？」と返したらしい

藍子「だいぶしっかりしている私がっ！　まさかユッコちゃんの次に天然と思われていたなんてっ！」

凛「辛辣・・・！　いや、むしろ仲がいい・・・のかな？」

藍子「凛ちゃんのプリンがなくなったと知った時、『私が食べたかったのにっ！』と思うのと同時に、『天然疑惑を晴らすチャンスなのではっ！？』とも考えていたんですっ！　それなのにっ！」

凛「あげないよ？」

藍子「いいえ諦めませんっ！　プリンも！　天然疑惑ふっしょくもっ！」

凛「あげないからね？」

藍子「！　そうです分かりましたっ！　凛ちゃんのプリンを持って行っちゃったのはプロデューサーさんですっ！」

藍子「凛ちゃんがちひろさんに買ったのものがプリンと勘違いしてしまったんですっ！」

藍子「急いで確認してみましょうっ！　さっそく電話をかけてっ・・・！」ｶﾞｻｺﾞｿ

藍子「あっ、もしもしプロデューサーさん？　お疲れ様ですっ」

藍子「ちひろさんは・・・そうですかっ、よかったぁ」

藍子「ああ、そうそうっ！　実は聞きたいことがあって・・・プロデューサーさん、プリンとか持って行ってたりしませんか？」

藍子「ああやっぱりっ！　それ実は・・・そう、そうなんですっ！　よかったぁ食べる前で」

藍子「あ、大丈夫ですよっ？　私、今から行きますからっ！　あ、事務所の果物も持っていきますね？　はいっ、はーい・・・っと」


藍子「やっぱりプロデューサーさんがプリンを持っていましたっ！　私取りに行きますねっ！」


みく「いや、普通に犯人は藍子チャンにゃあ」

凛「やっぱり」ｶﾞｼｯ

藍子「うわあああ放して下さーいっ！？」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

藍子「ぬ、濡れ衣ですっ！　プロデューサーさんに電話かけたふりとかしていませんっ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

藍子「プリンを受け取りに行くフリをして隠してあるプリンを取ってこようとかしていませんっ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

藍子「1つのプリンを全部貰うのは気が引けるから事件解決したお礼に凛ちゃんに分けてもらおうとか考えていませ～んっ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

みく「うーんこれ以上ないくらい語るに落ちてくれたにゃあ」

凛「これは天然」

藍子「天然じゃないも～んっ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

みく「それにPチャンが持っていっちゃってたら凛チャンのプリンがチョコプリンだって知ってたことが不自然にゃ」

藍子「ど、どうしてみくちゃんがそれを！？　その時はまだいなかったのに！」

みく「>>1から読んだからにゃ」

凛「メタ」

みく「藍子チャン、クリスマスにサンタさんが来てくれなくてもいいの？」

藍子「！」ｽﾞｶﾞｶﾞｰﾝ

藍子「ご、ごめんなさ～いっ！」ｶﾞｸｯ

みく「甘いものが引き起こした、悲しい事件だったにゃ・・・」ﾌｰ

凛（田舎のお袋さんが泣いてるぞとか、かつ丼食うかと同じノリだなぁ・・・）

藍子「凛ちゃんのプリンは冷蔵庫の果物と野菜の間に隠してありますっ・・・」ｸﾞｽｯ

凛「！　ああ、私のチョコプリン・・・おかえり・・・」ｶﾞﾁｬ　ｶﾞｻｺﾞｿ

藍子「・・・ううっ、・・・プリン・・・」

凛「・・・一口、食べる？」

藍子「いいんですか凛ちゃんありがとうございますっ！」ｶﾞﾊﾞｯ

凛「ひ、一口だからね！？」

みく「まあまあ凛チャン。全部と半分の差はともかく半分と三等分じゃそんなに変わんないにゃあ」ﾎﾟﾝｯ

凛「そうだけど・・・待った。え、みくも欲しいの・・・？」

みく「え、まさか凛チャンは事件解決の報酬をみくに払わないつもりだった・・・？」

凛「そ、そうは言わないけど・・・！　けど・・・！」

みく「みくにプリンを半分あげる予定だったのが温情で3人で分けることになったのにゃ。藍子ちゃんはよーく感謝するのにゃあ♪」

藍子「ありがとうございますっ、みくちゃん♪　ありがとうございますっ、凛ちゃん♪」

凛「・・・・・・グルじゃないよね？」

みく藍子「「なんのことかよく分かんないにゃあ♪」」

凛「ハモった！　完璧にグルじゃん！」

凛「全然天然じゃないじゃん！　もう悪魔だよ！　初めから私のチョコプリンが狙いだったんだ！」

藍子「ふっふっふっ・・・！　天然じゃないのはその通りですけど・・・！」ｼﾞﾘｼﾞﾘ

みく「アイドル的には小悪魔と言って欲しいにゃ・・・♪」ﾆｼﾞﾘﾆｼﾞﾘ

凛「ま、待って・・・！　ほら、最近283プロからチョコアイドルとか出たから、私もチョコ好きキャラを守らなきゃだし・・・！」

藍子「ふふっ♪　最近いじられ役が板についてきた凛ちゃんが私たちに勝てるでしょうか♪」ｼﾞﾘｼﾞﾘ

みく「にゃふふ♪　キュートに来るなら歓迎するにゃあ・・・♪」ﾆｼﾞﾘﾆｼﾞﾘ

凛「あ、ああ・・・ああぁぁ・・・！」




その後、渋谷凛のチョコの行方を知る者は誰もいなかった




・・・

渋谷凛のウワサNo.3

頑張った日にこっそり食べる特別なチョコレートを冷蔵庫に


隠しているらしい。

お・わ・り