1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/10/10(水) 22:29:29 ID:imyF7a3g
担当「『一体、犯人の正体は・・・!?』と…」
担当「いやー、それにしても犯人は一体誰なんだろうな」
担当「なんせ、この話は七誌先生の長編推理漫画「名探偵バカン田一少年」の最終回だからな」
担当「この事件は容疑者全員が殺され、証拠も何もないというとんでもない事件だし…」
担当「いやー、一体誰が犯人なのやら…」
七誌先生の仕事場
アシ「先生!本当ですか!?」
先生「ああ、本当だ…」
先生「最終回にふさわしい事件と考えすぎて…」
先生「うっかり犯人を殺してしまった…」
パンドラの箱が今開かれるー探偵業の裏と表
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2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/10/10(水) 22:33:43 ID:imyF7a3g
アシ「ちょっと、先生どうする気なんですか!」
先生「どうするもこうするもない」
先生「犯人は実は生きていたというしかあるまい…」
アシ「いや、でも先生…」
アシ「この事件の容疑者は全員死因が異なっていて…」
アシ「しかも全て容疑者にアリバイがあったり密室だったり…」
アシ「とてもじゃありませんが今更生きていたなんてことはできませんよ!」
3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/10/10(水) 22:36:37 ID:imyF7a3g
先生「だったら、こうしよう」
先生「死因が焼死だったキャラがいたな」
先生「『その死体は偽物だった!』というトリックを使えば…」
アシ「それ第2話で使ったトリックじゃないですか!」
4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/10/10(水) 22:39:35 ID:imyF7a3g
先生「じゃ、じゃあこうだ」
先生「『実は犯人は双子で死んでいるのは弟の方』」
先生「これなら何とかごまかすことが…」
アシ「それ第3話で使ったトリックじゃないですか!」
5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/10/10(水) 22:44:05 ID:imyF7a3g
先生「くそー、一体だれを犯人に仕立て上げたらいいんだ…」
アシ「推理漫画描くんだったらはじめっから想定しておいてくださいよ!」
先生「私は勢いで物事を進めるタイプだからな」
アシ「よく今までミステリー掻き続けましたね、それで!」
アシ「あと、一つ聞きたいことがあるんですけど…」
先生「ん?なんだね?」
アシ「この事件のアリバイとか密室だったりとかどんなトリックを使ったんですか?」
先生「え?」
アシ「え?」
6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/10/10(水) 22:54:07 ID:imyF7a3g
アシ「まさか、今までそれも考えてなかったんですか!」
先生「後で何とかなるだろうと思って…」
アシ「何とかなるわけないでしょ!」
アシ「これとかどうするんですか!」
アシ「『被害者が密室の中で首を吊って死亡。容疑者全員にアリバイあり。』」
アシ「『遺体の足元に被害者直筆の遺書があり、当初は自殺と考えたが探偵はこれを他殺と断定した』・・・」
アシ「これのトリックとか一体どうするつもりなんですか!」
先生「はじめっから自殺だったってことにしよう」
アシ「トリックでも何でもねえ!」
7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/10/10(水) 23:02:48 ID:imyF7a3g
アシ「『実は自殺だった』ってトリックってなんですか!」
作者「あ、そうだこうしよう!」
作者「『実はこの事件は全部自殺だった』」
作者「これなら、トリックも犯人も考えずに完結でき…」
アシ「できるわけないでしょ!」
アシ「大体自殺だったらこれとかどうなるんですか!」
アシ「『現場のいたるところに被害者のバラバラ死体が散布していた』…」
アシ「こんなバラバラ死体とか自殺じゃできませんよ!」
先生「『人をバラバラにして、その死体の一部をいたるところにまき散らして自動消滅するロボを被害者が開発した』ってのは…」
アシ「そんなロボいるかぁ!」
8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/10/10(水) 23:09:53 ID:imyF7a3g
アシ「全部自殺だったなんてトリック無理がありますよ!」
作者「いい考えだと思ったんだが」
アシ「それに問題がまだありますよ」
作者「問題って?」
アシ「『死体のそばに残されている謎のメッセージ』ですよ!」
アシ「数字だったり、言葉だったり、記号だったり…」
アシ「誰かが何らかの意味で残したこのメッセージとかどうするんですか!」
作者「『目の錯覚でそう見えた』ってのは…?」
アシ「錯覚ってなんだよ!」
9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/10/10(水) 23:17:05 ID:imyF7a3g
アシ「それにこの事件は最終回だけにいろんな謎が解き明かされるんですよ!」
アシ「『今まで主人公を苦しめてきた悪の組織のボスの正体』…」
アシ「『行方不明の主人公の妹の居場所』…」
アシ「『迷宮入りになった十年前の事件の真相』…」
アシ「これらの謎を最終回でどう解決するんですか!」
先生「『続きはwebで』」
アシ「ちゃんと完結させろ!」
10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/10/10(水) 23:28:15 ID:imyF7a3g
アシ「一体、どうするつもりなんですか!」
アシ「こんだけの問題点山積みで最終回の原稿書きあげるなんて!」
作者「しかも、最終回なのでページ増量+締め切りまであと30分だな」
アシ「そう、ページ増量でいろいろ描かないといけないし」
アシ「締め切りまであと30分…」
アシ「って、えええええええええええええ!!!!!!!!!!」
アシ「あと30分しかないんですか!」
先生「うっかり日時を間違えていた」
アシ「あと30分でどうするんですか!まだネームすら完成してないのに!」
先生「安心しろ、こんな時のための…」
先生「『最終回にふさわしい結末』がある!」
アシ「『最終回にふさわしい結末』…?」
11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/10/10(水) 23:40:41 ID:imyF7a3g
週刊少年マガデー発売日
「名探偵バカン田一少年の事件簿」ついに30年の連載に幕を閉じる!
P1
探偵「犯人はこの中にいる!」ビシィ!!
探偵「そしてその犯人の正体とは…!」
P2~P60
なぜかまっ白なページ
P61
探偵「ハッ!なんだ、ドリームか・・・」
探偵妹「バカン田一お兄ちゃん、起きてー」
完 ご愛読ありがとうございました!七誌先生の次回作にご期待ください!
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