1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 22:02:34.11 ID:9/aAGFGG0
友「お前、妖精って知ってるよな?」

男「あの女の子みたいな?」

友「かわいいよなー」

男「・・・ああ」

友「それでな、この間買ってみたんだ」

男「はぁ」

友「もう素晴らしいったらありゃしないぜ!」

男「へぇ・・・」

友「もっと興味持ってくれよ・・・」

男「ふーん」

友「話聞けよ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1363352553

引用元: 男「おかえり、妖精さん」 



妖精を呼ぶ本
妖精を呼ぶ本
posted with amazlet at 18.09.19
姫乃宮亜美
サンマーク出版 (2013-01-09)
売り上げランキング: 79,337
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 22:08:11.44 ID:9/aAGFGG0
男「いや、生き物を育てるって大変じゃん。やっていけんの?」

友「メダカ飼ったことあるから大丈夫だぜ!」

男「メダカと同系統なの!?」

友「そういうわけじゃないが」

男「じゃあメダカの飼い方のハウツーを知ってても意味ないじゃんか」

友「大丈夫大丈夫!奴隷みたいなもんだから!」

男「奴隷・・・だと?」

友「そうそう」

男「そういうのはダメだろ、倫理的にさ」

友「本物の奴隷じゃないんだから大丈夫wwww」

男「・・・」

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 22:13:17.62 ID:9/aAGFGG0
友「家事はやってくれるし、食事は勝手にそこら辺の野草探して自分で食うし、食費もかからないし!」

男「それ、いくらなんでも酷いんじゃないか?」

友「でも、森に住んでたんだから今までは野草食べて育ってきたんじゃん」

男「それはそうだろうけど・・・」

友「他の生き物に襲われない環境を提供してるだけでも森暮らしよりいいと思うが」

友「衣食住で言う住がグレートになったわけじゃん?」

友「何なら衣も提供するわけだし?大分お得じゃん?」

男「うー・・・ん?」

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 22:19:38.60 ID:9/aAGFGG0
友「嫌ならお前は食わせてやれば良いよ。しかも俺のは弱っても月の光で自然回復!」

男「どこぞのポケモンみたいな特性をお持ちで」

友「もうすっかり夜のお供だわ」

男「あー・・・、やっぱお前・・・そういう目的で・・・」

友「ってか店の方でそういう教育されてるっぽいな。自分から『しないの?』なんて言ってきたしww」

男「ひ、酷いな、おい」

友「お前も買えばわかるって!な?買おうぜ!」

男「俺はいいよ」

友「じゃあ見るだけ!即売会行ってみろよ!お気に入りが居たら買えば良いわけだし」

男「いいって・・・」

友「親友の言うことが聞けないってか?」

男「押しつけがましい! それ、ただの脅しじゃん」

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 22:25:23.51 ID:9/aAGFGG0
友「マジで1回行ってみなって!マジで!マジで!」

男「わ、わかった!わかったから!どけ!」

友「約束だぜ?良い結果期待してるから!」

男「要は仲間が欲しいわけね・・・」

友「ご明察」

友「なーんとなく罪悪感はあるしな」

友「お前も飼えば罪悪感減るやん?」

男「ならやめろよ!」

友「一度知ったらやめられない」

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 22:30:36.78 ID:9/aAGFGG0
男「・・・というわけで、初めて妖精の即売会に来てみた」

男「で・・・行けって言っておきながら自分は来ないとか何考えてんだ?」

友(電話)『いやぁ、自分の好きな子が居たとして、隣に俺が居たら恥ずかしくて買いづらいかなって』

男「それは一理あるかもな」

友『というわけでだ、買えよ!』プツッ

男(買う気ないけどな)

男(俺、オークションの類は苦手だし)

男(見るだけでいいわけだし)

男「って、友の監視もないんだから「行った」って嘘吐きゃよかったか?」

男「まぁ、折角電車賃払ってまで即売会場に来たから、見るだけ見るが」

9: >>7 ありがとうございます! 2013/03/15(金) 22:39:17.81 ID:9/aAGFGG0
―――即売会場―――

ガチャ

ガヤガヤ

男「うわっ、ずいぶんと賑やかだな」

男「ホールを貸し切っちゃって・・・相当儲かるんだろうな、こういう商売って」

商人「さて、次の商品だ!」

商人「次は・・・この5人組だ!」

男(結構可愛い)

男(不思議と妖精って人間の感性には可愛く映る子ばっかりなんだよな)

商人「価格は2万円から!いかがですかー」

男(へぇ、そんな安いのかー・・・。一匹4000円!?)

男(それで儲かるとか、さすが妖精売り。妖精には人権も何もないのか・・・)

男(で、それであんまり世間に普及してないってことは相当黒い世界なんだなここ)

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 22:43:03.40 ID:9/aAGFGG0
男(寧ろ他のペットはもっと高いぞ・・・)

男(犬とかでも普通一万十万って桁なのに。)

男(さて、どんな人が御落札なさるんですかね)

・・・

・・・

男(え、入札ゼロ!?)

男(入札ゼロだとどうなるんだろう)

男(・・・)

―――男の妄想―――

商人「この糞売れ残りめ!!」

商人「てめえらが悪いんだからてめえらこのツケを体で払え!」

妖精「えっ?」

商人「即○○○だ!ヒャッハー!!」

妖精「ふぇぇぇ!!」

―――妄想終り―――

男(みたいなことに・・・?)

男(本当に誰も買わないのかな)キョロキョロ

男(本当に、誰も?)

男(・・・)

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 22:48:38.11 ID:9/aAGFGG0

男(入札してしまった・・・)

客A「お前馬鹿だなーww」

男「えっ?」

客B「ひょっとして初めての人っすか?」

男「あ、え、はい・・・」

客A「妖精なんて相場は半分の1匹2000円程度だぜ?」

客B「あの商人、最初は平気な顔して高値を提示するからなw」

客A「見てみ?」

商人「次の商品!中々の可愛い奴だ!5000円から!」

商人「・・・・・・・・・まぁ、あんな馬鹿はそうそういないよな」

客「wwwww」ガヤガヤ

商人「はいはい、じゃあ800円から始めまーすっと」

男「うわあ・・・」

客B「まぁ、俗に言う高い授業料って奴だ!次からは気をつけなよ」バシバシ

男「は、はぁ・・・」

男(次なんてあってたまるか)

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 22:57:02.81 ID:9/aAGFGG0
―――男家―――

妹「で、高値で買ってきた、と」

男「ごめんなさい・・・」

妹「いや、別に謝る必要性はないですけどね、私が払うわけじゃないんですし」

男「毎日の様にご飯食べに来てる誰かさんが居るせいでお金に困ってはいるんですが・・・」

妹「なっ!・・・兄さんのご飯がおいしいのがいけないんです!」

男「なんだそりゃ」

妹「それで、あの子たち、育てられるんですか兄さん・・・」

男「手伝って・・・くれるよな!」

妹「・・・いやでs」

男「飯」

妹「こ、断れないと知りながら・・・」

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 23:08:26.42 ID:9/aAGFGG0
男「さて・・・ファーストコンタクトは重要だ」

妹「次第に仲良くなれたらいいですね」

男「妹がファーストコンタクト取れば、心開いてくれるんじゃないかな」

妹「なぜです?」

男「ほら、男性とだと緊張したり怖がったりしそうじゃん」

妹「でも、兄さんが『ご主人サマ』なんでしょう?」

男「・・・でしょうね」

妹「なら、ご主人サマがファーストコンタクトするべきでしょう」

男「そ、そうっすか」

妹「私は緊張させないよう後から行きますね」

男「?」

妹「急に人間二人が押し掛けてきたら怖いでしょう」

男「なるほど」

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 23:18:45.02 ID:9/aAGFGG0
―――居間―――

ガラガラ

男「よーし」

妖精たち「・・・・・・」

男「ごめん、いま出すね」ガチャガチャガチャン

男「檻に入れられて手錠されて。本当に奴隷扱いだなー、酷い酷い」ガチャガチャ

男「今手錠外すからね―」ガチャ

男「よし!手錠も外れt」

妖精「!」バタバタバタバタ

妖精「あ!・・・・・・」

男「あ、一人逃げた」

男「ま、いいか・・・。まだ4人居るし。いじめないから檻から出ておいでー」

妖精「あっ・・・あのっ・・・」ガタガタ

男「そうだ、お名前は?」

妖精「な、名前、は、無いです・・・」ガタガタ

男「あー、一人逃げたことは怒らないから、怯えないで・・・って言っても無理だよなぁ」

男「名前無いのは困るなー。・・・とりあえず左からABCDと呼んでおきますか」

妖精D「わ、わかり、ました」ガタガタ

男「ちょっと深呼吸しようよ、吸ってー」

妖精D「・・・」スウゥ

男「吐いてー」

妖精D「・・・」ハァァ

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 23:28:43.56 ID:9/aAGFGG0
男「・・・ん?何持ってるの?」

妖精D「これ、ですか・・・」

妖精D「しょ、商人様、から、あ、あなたに渡すよう、言われました」

男「あ、どうも」

男「何だこの機械?お父さんス○ッチみたいだな・・・。」

妖精D「・・・?」

男「ちょうどスイッチ5個あるし。お父さん○イッチ、あ!なんちゃって」ポチッ

妖精B「きゃあああああああ!!!!!!!!!!!」ビリビリビリビリ

男「!?」

妖精B「ああああああああぁぁぁ・・ぁ、ぁ」バタン

男「え!?え!!?」

妖精D「ス、スイッチを押すとこの首輪に反応して電撃が流れます」ガタガタ

妖精D「私たちが、は、反抗したり・・・逃走したりした時にお使いください」ペコリ

男「・・・いやいやいやいや」

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 23:36:10.13 ID:9/aAGFGG0
男「それでさっきの子は俺にこれが渡る前に逃げたわけか」

妖精D「ま、まだ、間に合うかと、思います、よ?」

妖精D「半径、1キロは電波が、届くって、仰られてました」

男(Bluetoothもビックリだな)

男「いや、いい。こんなもんいらない」

妖精D「ご、ごめんなさい、ごめんなさい」ガタガタ

男「で、外したいんだけど、どうするかわかる?」

妖精D「・・・へ?」

男「首輪の外し方。」

妖精D「ご、ご主人様が、そう仰るなら、そのスイッチの、赤いボタンを、押していただければ」

男「赤いボタン・・・赤いボタン・・・あ、裏にあった」

男「ぽちっと」ポチ

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 23:39:10.02 ID:9/aAGFGG0
妖精D「こ、これでロックが、解除したので・・・外せます」

男「んー?・・・あ、これだな」カシャン

妖精D「あ、ありがとう、ございます・・・?」

男「他の子のも外すぞ」カシャン

男「ふぅ。それで、君たちは逃げないの?」

妖精たち「・・・」

妖精D「この子が・・・」

妖精B「――――――」

男「し、死んでないよな・・・」

妖精D「・・・だ、大丈夫です、心臓は、動いて、ます」

男「ホントにごめん」

妖精B「――――――」

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/15(金) 23:52:20.87 ID:9/aAGFGG0
男(Dちゃんは応答してくれるけど他の子は近づいてくれないな・・・。やっぱ怖がってんのかな)

男「ところで・・・回復したら逃げるおつもりで?」

妖精D「そ、そんなことは・・・」

男「正直にお願いします、怒らないから」

妖精D「・・・しょっ、商人様の、ところ、帰りたい・・・です」ドキドキ

男(森じゃないんだ)

男「そ、そうなのか?」

妖精D「・・・こ、今年、急に、森の元気が無くなって、私たちも弱っていた、ところを、商人様に助けられた、恩がありまして」

男「なるほど。それで、恩返ししたいと」

妖精D「・・・はい」

男「何のために払ったんだ俺の2万・・・」

妖精D「だ、ダメです、よね、売られたん・・・ですから・・・」

男「そ、そんな顔しないでよ」アタフタ

妖精D「も、申し訳、ありません・・・」

19: 日をまたぐようなので酉。 ◆e2qiR6vDkY 2013/03/15(金) 23:56:52.21 ID:9/aAGFGG0
―――別の部屋―――

男「どうしよう妹」

妹「そこで私に振りますか!」

男「頼むー」

妹「こんな時間ですし、もうご飯食べたならとりあえず寝てもらって、明日までに考えるとか」

男「よし、それでいこう」

妹「せめて自分でもちょっと考えましょう?」

男「いや、俺が考えるまでもなく完璧だね」

妹「自分で考えるの面倒だってオーラが出てますよ」

20: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 00:05:28.08 ID:lXNEDV1C0
―――再び居間―――

ガチャ

妖精「!」ビクッ

男「あ、驚かしてごめんね」

男「ご飯、もう食べた?」

妖精D「ご飯・・・し、食事、ですか?」

男「うん。」

妖精D「は、はい、今日はもう、食べました」

男「じゃあ今日はもう寝ましょう」

妖精D「い、いいのですか?」

男「俺もつかれたしなー。色々あると思うけど、それは明日以降ってことで。あ、今布団出すね。」

21: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 00:12:29.95 ID:lXNEDV1C0
男「よし、できたよー」

男「ベッドと布団にわかれて寝てください」

妖精D「は、はい」

男「寝相の悪い子は床の布団に寝てね」

男「落ちると痛いからね」

妖精D「ご、ご主人様、は、どちらに?」

男「俺は"もともと"向こうの部屋が寝室だから。安心して寝てね」

男(たぶんこれで「ご主人さまに悪いです、布団で寝てください」フラグは回避したはず!)

妖精D「わ、わかりました」

男(よしセーフだ)

男「おう、お休みなさい」

男「あ、寝る前にもしBちゃん起きたら謝ってたって伝えといて。明日また謝るけど」

妖精D「は、はい・・・」

22: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 00:18:44.78 ID:lXNEDV1C0
男「ふう」

妹「兄さんの寝床、用意しました!」

男「フ、フリース床に敷いただけ」

妹「兄さんが5人も妖精買ってくるのが悪いです」

男「・・・否定できない」

男「妹の家に布団のスペアとかない?」

妹「一人暮らしの家にスペアがある方が珍しいですって」

妹「寧ろ兄さんはなんでスペアがあるんだって聞きたいくらいです」

男「実家から布団持ってきたけど、ベッドにあこがれてベッドを買ったからだ」

妹「なるほど」

24: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 00:25:26.12 ID:lXNEDV1C0

よろしければ「妖精」を「エルフ」に置き換えた位だとお考えください
人間の少女幼女と同程度な結構大きめのサイズで考えてます。

みなさん「妖精」と言われると小さいイメージなんでしょうか・・・?エルフに書き換えた方がいいかな

25: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 00:26:16.77 ID:lXNEDV1C0
妹「仲良くなれたら布団に入れてくれるかもしれませんよ?それまではフリースで」

男「いやいや、仲良くなっても一緒に寝る予定はないから」

妹「じゃあ一生フリースですね」

男「もう一つ布団買えばいいと思うな」

妹「お金持ちですねぇ」

男「いえ、貧乏学生です」

妹「どこからお金を捻出してるんですか」

男「おとこの秘密です☆」

27: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 00:31:53.31 ID:lXNEDV1C0
妹「さて・・・・・・じゃあ私は帰りますね」

男「待とうか」

妹「え?」

男「考えるの手伝おうね」

妹「うっ」

男「飯」

妹「わ、わかりましたよ・・・考えればいいんでしょう考えれば」

―――――――――――――――
1日目終了

34: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 21:42:18.39 ID:lXNEDV1C0
―――翌朝―――

男「と、言うわけで2万円分働いてくれたら帰ってもいいことになりました」

妖精D「え・・・?」

男「色々なお手伝いをしてもらって、そしたら俺がお代をあげる。」

妖精D「ほ、ほんとうですか」パァァ

妖精D「お手伝い・・・とは?」

男「掃除とか、洗濯とか。料理は俺がするからいいけど」

妖精D「あ、ありがとうございます!」

男(つくづく甘いよな・・・俺)

男(高値で買った上に実質レンタルか)

男(友に言ったらバカにされそう)

男(まぁ、ペット的には安いんだし、仕方ない、か・・・)

35: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 21:50:26.81 ID:lXNEDV1C0
妖精B「・・・」ソッ

男「あ、Bちゃん、昨日はごめん!」

妖精B「・・・」カクレ

男「なにも怒ってないから、ね?手違いだったんだ、許してください」

妖精B「・・・ごめんなさい」

男「あ、あの」

妖精B「!!」ビクッ

男(完全に警戒されてる・・・)

男「えと、本当にごめん・・・」

男(・・・よし、一度席をはずそう)

男「ちょっと、外に出てるね」


ガチャ

36: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 21:59:26.40 ID:lXNEDV1C0
―――妖精会議―――

妖精B「・・・逃げないの?」

妖精D「2万円分働いたら帰してくれるって言ってるし・・・」

妖精B「・・・嘘かも」

妖精A「嘘だったら、そのとき逃げればいいよ」

妖精D「追われなから暮らすのは嫌だし・・・」

妖精C「・・・」

妖精B「・・・逃げた、のに、追わなかったよ?」

妖精A「さすがにいっきに4人も居なくなったら追うと思う」

妖精D「一応、信用に値する人間だと思うけど・・・?」

妖精A「じゃあとりあえずは言いなりで?」

妖精D「うん」

妖精B「わかった」

37: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 22:23:32.78 ID:lXNEDV1C0
男「落ち着いたところで紹介します」

男「うちの妹です」

妹「こんにちはー」

妖精D「こ、こん、にちは」ガクガク

妹「超警戒されてますね」

男「そこは仕方ないから・・・」

妹「落ち着かないと食べちゃうぞー、なんて」

妖精B「ひっ・・・」

妹「・・・ギャグ・・・を?」

妖精A「ふえぇぇぇぇぇ・・・」ポロポロ

妹「悪化しました!」

男「なにやってんだ!」

妹「ちょ、ちょっとした冗談のつもりだったんですが・・・!」

男「・・・リアルに妖精食べてる奴がいたのでは?」

妹「う、うええ・・・」

38: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 22:28:51.60 ID:lXNEDV1C0
妖精D「あ、あのっ」グスッ

妹「は、はい!」

妖精D「でき、れば、一思いに、殺、してから、食べてくだ、さい」ペコリ

妹「え、えっ?」

妖精D「その・・・、生きたまま、解体す、るのはやめて、ください・・・」グスッ

男「そ、そんな事された仲間がいたのか」

妹「・・・」

妖精D「はい゛」グスッ

男「俺は食べないから!安心して!な!」

妖精D「はい゛・・・」グスッ

男「よしよし」ナデナデ

妹「私完全に悪者ですか」

男「はい」

妹「断定・・・」

男「冗談にならない冗談を言うな」

妹「冗談になると思ったんですよ!」

39: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 22:41:23.64 ID:lXNEDV1C0
男「ちなみに妹はご飯食べに来てるだけです」

妖精D「そう・・・ですか」

妹「ご飯以外にも色々たかりに来てます」

妹「兄さんの料理のおいしさに卒倒するがいい」

男「ハードル上げんな」

妹「大丈夫大丈夫、そんな事では揺るがない位おいしいですよ!」

40: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 23:02:00.35 ID:lXNEDV1C0
男「嫌だろうに、さっきから話してくれてるけど、リーダーみたいな立場なの?Dちゃん」

妖精D「・・・い、いちおう・・・そうですね、大妖精さん、とか呼ばれたり・・・」

妹「時のオカリナ」ボソッ

男「おいやめろ」

妖精D「・・・?」

男「あ、いや、こっちの話」

妹「ひょっとして兄さん、やっちゃいました?」

男「な、何を?」

妹「Dちゃんを先頭に右に並んでたみたいなのに、兄さん左から番号を振ったからリーダーが"D"になっちゃいましたね」

男「また俺のせいか・・・」

男「番号振りなおしたほうがいいかな?」

妖精D「気、にしないで、下さい・・・」アセアセ

男「それで、妖精ってちょっと抜けてるよ、みたいな忠告をされたけど全然そんな気がしないね」

妖精D「商人様にも言われました・・・」

男「あれか、大妖精サマともなると頭も良いのか」

妖精D「ど、どうでしょう・・・」

41: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 23:02:47.65 ID:lXNEDV1C0
―――妖精会議―――

妖精D「あのご主人様、そんなに悪い人じゃなく思えるんだけど、どう思う?私が懐柔されちゃっただけかな・・・」

妖精A「いや、間違いなくいい人みたいだよ」

妖精B「・・・さ、さっき、ビリビリされたん・・・だけど・・・」

妖精D「それも、謝ってたし」

妖精A「とりあえず油断はしないようにして」

妖精D「大人しく働いていれば、解放してくれるみたいだし・・・ね」

妖精C「・・・うん」

42: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 23:30:38.44 ID:lXNEDV1C0
男「さて、御飯作るよ!」

男「妖精でも野菜とか食べられるかどうか試食お願いします」

妖精D「はい・・・」

妖精A「・・・」

男「Aちゃんも何か喋ってくれると嬉しい」

妖精A「は、はい、申し訳・・・ありません!」

男「謝らなくていいんだけどなぁ・・・」

妖精A「・・・・・・わかりました」

男「やっぱり妖精さんは菜食なんですか?」

妖精D「そ・・・そう、です、たまにお肉も食べますけど、嫌いです」

男「基本的に生で?」

妖精A「なま・・・?」

男「火にかけたりしない?」

妖精A「も、燃えてしまいます」

男「うん、どうやら生のようだな」

43: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 23:31:23.46 ID:lXNEDV1C0
男「じゃあサラダと野菜スープにしますか。生じゃないとダメな子がいることも考えてサラダ多めに。」

男「さて、ここにあるのが今日使うお野菜です」ジャン!

妖精D「し、知らない、ものばかりです・・・ね」

男「人間が栽培したものだからな―・・・。大根とか、野生のは根っこが小さいとか言うし。」

男「で、大変悪いのですが、味見をお願いします」

妖精D「・・・・・・はい・・・リーダーのつとめです」

男「毒なんて俺にメリットないから入れてないよ、安心して」

男「・・・って言ってもこの状況で安心しろ、なんて方が無理だろうけど」

妖精D「・・・構い、ません」

44: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 23:37:25.95 ID:lXNEDV1C0
男「じゃあ・・・これ食べてみてください」

妖精D「・・・はむっ」

男(やべえかわええ)

妖精D「!!おいしいです!」キラキラ

男「び、びっくりした・・・。そんなに美味しかった?」

妖精D「は、はい!もし毒が入っててこの後死んだとしてもいい!ってくらい美味しいです!」

妖精D「最後の晩餐にはぴったりって感じです!」

男「最後にはしないって・・・てかただのキャベツなんだが・・・」

男(急に饒舌になった・・・だと?なんだこのキャベツパワー)

45: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 23:41:02.05 ID:lXNEDV1C0
男「次はレタスだけど・・・」

妖精D「おおお・・・」

男「ど、どうぞ」

妖精D「はむはむ」

男(マジかわええ)

妖精D「!これもおいしいです!!」キラキラ

男「じゃあ・・・これはトマト。はい」

妖精A「あ・・・」

男「ん?」

妖精A「これ、わ、私も育ててました」

男「へぇ・・・妖精も農業みたいなことしてるんだ」

妖精A「家庭菜園、みたいなものでしたけど・・・」

46: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 23:49:46.41 ID:lXNEDV1C0
男「まぁ、それならトマトは大丈夫かな・・・、でも一応」

妖精A「・・・私食べたいです」

男「じゃあ、はい」

妖精A「もぐもぐ」

妖精A「!?」

男「えっ」

妖精A「すごく美味しいです!・・・間違いなく同じ野菜作ってたのにこっちのほうが美味しい・・・です」

男「なんだ、びっくりした・・・」

47: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/16(土) 23:55:16.41 ID:lXNEDV1C0
男「とりあえずどれも大丈夫そうだな」

妖精D「どれもみんな美味しいです・・・」キラキラ

男「商人の所では何食ってたんだ?」

妖精A「近くの森に行って食べてました」

男「野草を?」

妖精A「はい」

男「やっぱり変に人間が食べるもん与えないほうが良いのかなぁ・・・」

男(でも、おかげでよく喋るようになってくれたな)

男(野菜の1つ2つで仲良くなれるなら安いものだ)

48: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 00:09:44.51 ID:yZsk6VyK0
妖精D「あ、もしみんな倒れていても怒らないでください・・・ね」

男「そりゃあ当然・・・まぁ、無いとは思うけど」

妖精D「それにしても・・・こんなに高そう、な、お野菜・・・私たちなんかが食べて、いいんですか?」

男「そんなに高くないんだが・・・」

妖精A「そ、そうなんですか・・・?丸まっているのとか、いかにも作るのが大変そう、なのに・・・」

男「まぁ、作ったこと無いから苦労はわからないけどさ、そんな気にするような値段じゃないから、気にせず食べて」

妖精D「ありがとうございます・・・」キラキラ

男(死ぬほど欲しそうな顔してる)

男「え、えっと・・・もう一枚食うか?」ヒョイ

妖精D「あ・・・えと、大丈夫です、お気持ちだけ、はむっ」

男(言ってる事とやってる事が違う!)

妖精A「・・・」

男「・・・」スッ

妖精A「はむっ」ピョン

男(妖精がレタスで釣れた)

49: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 00:15:57.70 ID:yZsk6VyK0
男「さっきのキャベツ、固かったじゃん?」

妖精D「わ、私たち的には普通ですけどね」エヘヘ

男「それを柔らかくするために、茹でます」

妖精A「ゆでる・・・?」

男「このお湯に野菜をいれます」ボチャ

男「お湯は熱いから気を付けてね」

妖精A「どのくらいですか?」ポチャッ

妖精A「!!!!!!」

男「ちょっ!熱いっていったのに!!水!水!」

50: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 00:18:23.23 ID:yZsk6VyK0
男「しばらく流水に当てておいてね」

妖精A「ゆ、指・・・」

男「さて、スープはそろそろかな」

男「塩と・・・コンソメはどうしよう。肉のエキスだよなぁ」

妖精D「あ、味みましょうか?」ワクテカ

男「表情に期待が」

妖精D「えっ、あっ、あぅ///」

男「とりあえず塩だけのやつを・・・、はい、熱いからフーッてしてから食べてね」

妖精D「ふぅーっ、ふぅー」

男(萌)

51: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 00:25:58.78 ID:yZsk6VyK0
妖精D「はむっ」

男「どう?」

妖精D「・・・なんだか、とっても感動です・・・」

妖精D「ごめんなさい、私バカで、良い言葉が出ません・・・」

男「そんな、大袈裟な・・・じゃあ、こっちも食べてみてくれる?」

妖精D「はい!あー・・・」

男「ストップ!熱いってば!」

妖精D「ご、ごめんなさい!つい夢中に・・・」

妖精D「ふーっ、ふー」

妖精D「はふっはふっ」モギュモギュ

52: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 00:27:04.34 ID:yZsk6VyK0

男「どう?」

妖精D「こっちの方が美味しいです!」

男「そう?肉のエキスのはずなんだけど、エキスならいいのかなぁ」

妖精D「お肉・・・はどうしても嫌いなんです、けど」

男「Aちゃんも指そのままで味見してみて?冷ましたから」

妖精A「は、はい」

男「あーん」

妖精A「あむ」モグモグ

妖精A「私も美味しいと思います」

男「そっか。じゃあコンソメ入れよう」

男「そこの棚を開けてお椀6つとってくれる?」

妖精D「はい!おわん・・・?」ガラガラ

男「その黒いやつ」

妖精D「あ、はい!」

53: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 00:29:47.31 ID:yZsk6VyK0
男「じゃあ、テーブルに持っていって。熱いから、気を付けるように」

妖精A「は、い・・・」

妖精D「ご主人様は・・・?」

男「人間はお肉がないとダメなもので・・・」

妹「兄さぁーん!お肉無いんですかぁー!?」カチカチ

男「箸でお茶碗たたくな!」

妹「すいませーん」

男「・・・ほらね」

妖精D「あのぐにゃっとしてぷちっとしたもの、よく好んで食べられますね・・・」

男「ぐにゃっとしてぷちっ?」

男「・・・ひょっとして俺と君で違うものを想像してるのではないだろうか?」

妖精D「そ、そうなんですか?」

男「『お肉』って何?」

妖精D「えっと、例えばカブトムシの幼ch」

男「ですよねー」

54: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 00:34:14.55 ID:yZsk6VyK0
妖精D「人間は違うお肉を食べているのですか?」

男「人間は豚とか鶏とか牛とか魚とか。まれに馬とか羊とかクジラとか」

妖精D「な、何でも食べるんですね」

男「今日はこの豚肉を使います」

妖精D「・・・」

男「で、たまにタチの悪いやつは妖精も食べると」

妖精D「・・・私たちは美味しいんでしょうか」

男「えっ・・・えっと、肉食動物の肉は臭いって聞いた事あるから菜食な妖精は美味しいのかも・・・ね?」

55: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 00:41:23.50 ID:yZsk6VyK0
妖精D「・・・」

妖精D「・・・目の前で妖精が食べられたことがある、って言いましたよね」

男「うん」

妖精D「それ、わりと最近なんです・・・」

男「そうなのか・・・」

妖精D「それを見てから、元気が取り柄の子が、無口に・・・」

男「それは・・・Bちゃん?Cちゃん?」

妖精D「Cの方です・・・」

男「Dちゃんも辛かったろうに・・・」ナデナデ

妖精D「ご主人様、優しいです・・・」

妹「兄さぁーん!まーだーでーすかー!?」

男「はっ、わすれてた!」

56: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 00:42:43.61 ID:yZsk6VyK0
妖精D「ご、ごめんなさい!私のせいで・・・」

男「気にしないで下さいな」ジュー

男「それにしてもDちゃんの緊張が解けてきたみたいでよかった」

妖精D「・・・へ?」

男「吃音がなくなった」ジュー

妖精D「・・・///」

妹「兄さん、きつおんって何ですか?」

男「お前は知らないのかい・・・」ジュー

妹「女子高生5人がバンドするやつですか?」

男「そのノリだときつおん!になるな」ジュー

57: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 00:53:17.96 ID:yZsk6VyK0
男「上手に焼けましたー」

妹「わぁい」

男「食べないで待っててくれたんだ」

妹「お米よそってないですよ、兄さん。」

男「そのくらい自分で用意しろよ!」

妖精A「おこめ?」

男「あぁ、こればっかりは生じゃ食べないから、後で食べてみてもらおうとして、忘れてた」

妹「忘れてたんですか・・・」

男「これこれ。食べてみて。」

妖精A「ぱくっ」

妹「何の疑いもなく行った!」

男「もうすっかり人間の食べ物信頼してるな」

妖精A「暖かくて甘いです!」

男「よし、大丈夫かな」

男「じゃあよそるか・・・。妹、手伝って」

妹「はぁい」

58: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 00:54:04.67 ID:yZsk6VyK0
男「じゃあ、いただきます」

妹「いただきます」

妖精D「いただきますっ」

妖精A「い、いただきます!」

妖精D「あれ、食べないの?」

妖精C「・・・」

妖精B(騙されちゃダメ・・・懐柔されちゃダメ・・・)

妖精A「大丈夫、私たちが毒味したから・・・変なものは入ってないと思うよ」

妖精D「すっごく美味しいよ!」キラキラ

妖精B(二人はもう懐柔されてるような・・・。変な薬とか混ぜられてるんじゃ・・・・・・)

59: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 00:58:18.06 ID:yZsk6VyK0
妹「兄さんの料理の味はそこらのお店並みなんですよ?」

男「そのサラダは野菜切って盛り付けただけなんですが・・・」

妖精B「・・・本当ですか?」

妖精D「うん、それだけだったよ」

妖精B「・・・」

妖精B(それなら・・・)

妖精B「・・・・・・」パクッ

妖精B「・・・」シャクシャク

妖精B「・・・・・・! ・・・すごく、美味しい、です」

男「良かった」

60: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:02:31.74 ID:yZsk6VyK0
妹「これでBちゃんも兄さんの料理の虜に」

男「そのサラダは野菜切って盛り付けただけなんですが!」

妹「Cちゃんもどうぞ?」

妖精C「・・・・・・・・・」

妖精B「・・・これは大丈夫」

妖精C「!・・・」ムシャムシャ

妖精C「・・・・・・おいしかった」ボソッ

妹「Cちゃんをしゃべらせるほどの美味しさ!さすがは兄さんの料理!」

男「だからサラダは!・・・って、もういいや・・・」

妖精D「こっちのスープも美味しいよー」

妖精B(さっきのはすっごく美味しかったけどただの野菜・・・。変な薬が入ってるとしたらこのスープ・・・)

妖精C「おいしい」ズズズ

妖精B(!・・・もう食べちゃってるし・・・。こうなったら私も食べないとヘンかな・・・)

妹「Bちゃん、何難しい顔してるんですか?」

妖精B「!・・・いえ、別に・・・何でも・・・ないです」パクッ

61: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:09:53.50 ID:yZsk6VyK0
妖精B(あったかい・・・)

妖精B(前に"ビヤク"って言う薬を飲むと体が火照るって聞いたけど・・・これなのかな)パクッ

妖精B(止まらない)

妹(無口なのにずいぶん色々考えてるような顔してますね)ズズズ

妖精B(もう食べちゃったんだし今さら考えても無駄かな・・・。それなら今楽しんだ方が得かも)ズズ

妹「あ、ついにBちゃんも堕ちましたね、兄さんの料理の前に。」

男「野菜スープなんて誰が作ってもこんな感じだと思うけど」

妹「なら、私に作らせてみます?死人が出ますよ」

男「女子力が!女子力が決定的に欠如してませんか!」

妹「兄さんは女子力ありすぎです」

62: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:16:22.64 ID:yZsk6VyK0
妖精A「お肉って・・・美味しいんですか?」

男「食べてみる?」

妖精A「あ、そういう意味でいったのでは・・・」

男「興味はあるんでしょ?・・・ほら、ちょっと食べてみる?」

妖精A「す、すみません」パクッ

妖精A「べ、ベタベタします・・・」

男「やっぱダメか、油っぽいからなぁ・・・」

妖精A「ダメではないんですけど・・・、お野菜の方が好きです」

男「皆も食べてみる?」

63: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:16:49.78 ID:yZsk6VyK0
妖精B「・・・いまひとつ・・・です」

妖精C「それなりにおいしい」

妖精D「嫌いではないです」

妹「私は好きですよ」ムシャムシャ

男「ちょっ、何俺の盗ってんの」

妹「『食べてみる?』と己の肉を差しだしたのは兄さんじゃないですか」

男「お前は自分のがあるだろ!朝からよくそんなに食えるなぁ」

妹「だって美味しいんだもん」テヘペロ

男「ぶりっ子じゃごまかされないぞ」

妹「むぅ・・・」

64: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:21:48.10 ID:yZsk6VyK0
妹「ごちそうさま!」

妖精D「ごちそうさま、です」

妖精C「ご、ごちそうさま」

男「お粗末様でした」

妖精A「おそまつさまでした?」

男「作った人はそういうんだ、食べた人は『ごちそうさま』です」

妖精A「ごちそうさま」

妖精B「・・・ごちそうさま、でした」

妹「お肉は脂っこくて嫌だ、なら脂っこくない肉料理はどうでしょう、兄さん」

男「と、言いますと?」

妹「しゃぶしゃぶとか・・・」

男「それお前が食べたいだけだろ」

妹「そ、そんなことは・・・」フイッ

男「目線そらすな」

65: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:25:01.08 ID:yZsk6VyK0
男「さて、お皿を洗うから台所に運んでください」

妖精D「はい」

男「ゆっくりでいいから気を付けて運んでねー」

妖精B「・・・はい」

男「ほら、妖精さんたちが働いてるのにお前はのんびりしてるんじゃありません!」

妹「食後は休憩しましょう?」

男「早く洗わないと、学校間に合わなくなるがな」

妹「ハッ・・・学校・・・!?」

男「今日は平日でーす」

66: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:27:45.41 ID:yZsk6VyK0
男「運んでくれてありがとうー」

男「そしてAちゃんとDちゃんにはこれをあげます」

妖精D「何でしょう・・・。500って書いてありますね」

男「500円のお金。40枚で20000円になります」

男「さっきの毒見のお礼。全員で40枚集めてね」

妖精A「集まったら帰っていいんですか?」

男「そういうこと。数えられる?」

妖精D「はい」

妖精C「むり」

67: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:30:36.35 ID:yZsk6VyK0

男「さて、お皿洗いです」

妖精B「・・・はい」

妖精A「あ、あの・・・ご主人様」

男「何?」

妖精A「近くに草むらとかありませんか?」

男「く、草むら?なんで?」

妖精A「あ、あの・・・・・・おといれに・・・」

男「トイレ!?それならここの小さい部屋がするとこだから!」ガチャ

妖精A「ど、どうやってするんですか?」モジモジ

男「妹ー!ヘルプー!」

妹「仕方ないですねぇ・・・」

妹(妖精の○○○○!妖精の○○○○!うへへ)ニヤニヤ

男(顔が死ぬほどにやけているんですが、この変態妹め)

妹「他の子達も仕方は見ておいた方がいいと思いますよ」

妖精D「あ、はい!」

68: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:35:43.25 ID:yZsk6VyK0

ジャー

妹「お疲れさまでした」

妖精A「ふぇぇ・・・」

妖精C「やり方・・・は、わかったけど」

妹「私が居るときならいつでもお手伝いします」ニコニコ

男「さ、お皿洗うよ?」

妖精B「あ・・・申し訳ありませんでした」

69: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:37:12.77 ID:yZsk6VyK0
男「このスポンジに洗剤をつけて」

男「軽く揉んで泡がたったらお皿をごしごしして汚れを落とします」

男「油でベタベタしているのはまず、軽く水で流します」

男「その後スポンジで洗います」

妖精B「・・・わかり、ました」

男「お皿は落とすと割れちゃうから、それだけは気を付けてね」

男「水を出すボタンはこれだけど・・・届かないよなぁ」

妖精B「・・・大丈夫です」パタパタ

男「あ、飛べるんだ・・・」

妖精B「あ・・・・・・はい」

男「なんで今まで飛ばなかったの?」

妖精B「・・・首輪が」

男「あぁ・・・。空飛んでて電撃受けて落下したら死んじゃうよね」

妖精B(そうじゃないんですけど)

男「まぁ、水が出せるならいいや、残りの、洗ってみて。」

妖精B「・・・」コクッ

70: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:41:05.49 ID:yZsk6VyK0
男「覚えが早いなぁ」

妖精B「・・・///」

男「それじゃあお金をあげよう」チャリン

妖精B「・・・ありがとう、ございます」

男「さて、そろそろ大学行かないと」

妖精D「大学・・・ですか」

男「お昼過ぎには帰るけど、もしそれまでにお腹空いたら台所にさっきの野菜があるからそれ食べてね」

妖精D「わかりました」

妹「私も2限からです、一緒にいきましょう、兄さん」

男「Dちゃん辺り鍵の使い方わかる?」

妖精D「わかります!」

男「じゃあ、戸締まりはきちんとよろしくね、これ合鍵」

妖精D「は、はい」

71: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:46:40.04 ID:yZsk6VyK0
男「じゃあいってくる!」

妖精A「あ、あの!・・・縛ったりしなくていいんですか?」

男「なんで?縛られたいの?」

妖精A「商人様がそうしていたので・・・。」

男「俺はしなくていいやー。」

妖精A「・・・ひょっとしたら出ていっちゃいますよ?いいんですか?」

男「うん、いいけど、暗くなる前に帰ってきてね。夜は危ないから・・・」

妖精A「そ、そうじゃなくて・・・」

妹「兄さーん、時間時間!」

男「ごめん、帰ってきたらまた聞かせて!じゃあ!」バタン

72: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:49:36.21 ID:yZsk6VyK0
―――電車内―――

男「なんとか電車間に合った!」

妹「駆け込み乗車はダメなんですよ?」

男「じゃあお前だけ遅刻すればよかったのに」

妹「ひどい!」

妹「それにしても、恐ろしいスピードで墜ちましたね、あの子達」

妹「いくら兄さんのご飯がおいしかったとは言え」

男「警戒を解くのが早すぎて逆に心配になるレベルだな」

妹「4人組だからですかね?仲間がいるからどこか安心してるのでは」

男「そうかもなぁ」

妹「もう、タイトルを『即堕ち☆妖精奇譚』にしましょうよ」

男「なんかギャルゲっぽい。っていうかなぜ奇譚。そんでタイトルって何」

妹「特に意味はないです」

男「無いのかよ」

73: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 01:55:19.15 ID:yZsk6VyK0
友「よう男!こんなとこに居たのか」

男「悪い、乗り遅れそうだったからいつもの車両に行けなかった」

友「それよりどうよ妖精は!買った!?」

男「・・・買った」

妹「兄さんったら5匹を2万円で買ってきたんですよ(笑)」

友「2万!?え?未調教?」

男「未調教・・・とは?」

友「○○○調教されてない妖精だな。高い。」

友「俺みたいに妖精をさ、○○目的で買うやつって結構居るんだ。それなのに『何すんだ変態!』なんて言われてたら面倒、という声に答えて調教された妖精が売られるようになったらしい」

男「酷いなおい」

友「で、自分で調教するのが醍醐味だ、って奴用に全く未調教なのも居るわけ。調教もハードなのとソフトなのがあるらしくて、ソフトは○○だがハードは○○○に成るまで調教済み!みたいな?まぁ、妖精だから○は無いんだけど。それでもソフトのが人気あるみたいだ。あと病みってのも居て」ペラペラ

男「もういい!長い!!」

妹「公共の場でナチュラルに○○な言葉を並べないで下さいよ・・・」

友「それはごめん」

74: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 02:01:59.44 ID:yZsk6VyK0
男「そういえば客に『1匹2000円くらいが相場だ』って言われたなぁ・・・」

友「うん、それソフトだわ。騙されてやんのww」

妹「しかも1匹逃げたんです」

友「逃wげwたww」

男「悪かったな・・・」

妹「しかもしばらくしたら帰してやる約束です」

友「男らしいわ」

男「好きでこうなったんじゃねぇよ!」

友「どうせ野菜だの何だの食わせてんだろ?」

男「悪いかよ・・・」

友「悪くないけど、このサイト見とけ」

男「なにこのサイト」

友「妖精に食わせちゃいけないもの一覧が載ってる」

男「送って送って!」

友「はいはい、メールしとくわ」

男「サンキュー」

75: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 02:06:47.82 ID:yZsk6VyK0
友「にしても5匹か・・・いいなぁ」

妹「1匹逃げたんでもう4匹しかいませんけどね」

友「あ、そうか」

妹「逃げた子はどんな子だったか気になりますね」

男「キニシナイキニシナイ」

友「あ、そうか解ったぞ」

男「何が」

友「お前が今朝遅刻しそうだった理由」

男「はぁ」

友「4匹相手じゃ疲れるもんな!」

男「何にも知らないしなぁ」

友「そりゃ必要最低限しか教えられてないだろうからな」

男「早く慣れて欲しいな」

友「でも良かっただろ?」

男「まぁ・・・可愛いし。」

友「だが4連続は俺には無理だな」

男「4連続?」

友「あ、全員とはヤってないの?」

男「誰ともやってねぇよ!!」

友「えっ」

妹「会話が噛み合ってないです」

76: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/17(日) 02:12:26.98 ID:yZsk6VyK0
―――放課後―――

男「はぁー、終わった終わった」

男「一応妹にメールしとくか」

男「『今日は2限だけなのでもう帰るな』、と」

男「帰る前に銀行寄らないと」

男「500円玉40枚も財布にあるわけないし」

男「ん?あ、返信か。『早く帰ってあげてくださいね』か。」

男「そうだな、両替したらすぐ帰ろう」

男「・・・」

男「手数料掛かんの?」

83: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/18(月) 22:45:11.04 ID:zfOiWX0j0
―――一方、男家では―――

―――妖精会議―――

妖精C「コインを40こ集めるんだ」

妖精D「前みたいにしゃべるようになったね!ご主人様のおかげ?」

妖精C「・・・///」

妖精D「とりあえず、ご主人様のお手伝い頑張りましょう!」

妖精「おー!」

84: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/18(月) 22:51:44.63 ID:zfOiWX0j0
妖精A「それで・・・ご主人さまがお出かけの間、どうする?」

妖精B「・・・前は、掃除とか、洗濯とか、してたけど」

妖精D「今朝はご主人様時間に追われてたから聞けなかったし・・・」

妖精A「掃除はしておいていいんじゃないかな?」

妖精D「でも、『ここは触るな!』とか『ここはこれを使え!』みたいな注意点があるのかも?」

妖精C「こまった」

妖精A[洗濯は?」

妖精B「洗濯物がどこにあるのか・・・わからない」

妖精D「洗剤とか、洗濯板とかもどこにあるのか・・・」

妖精A「ひょっとしてやれることないんじゃ」

妖精「・・・」

85: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/18(月) 23:01:24.44 ID:zfOiWX0j0
妖精A「ところで、ご主人様たち、いつ帰られるんだろう?」

妖精D「お昼過ぎって言ってたから・・・12時以降だと思うけど」

妖精A「それまで・・・暇ってこと?」

妖精D「そうなるね」

妖精B「・・・こんな暇な時間、今まであんまり、なかったよね」

妖精A「あっても、拘束されてたし・・・」

妖精D「いざ出来るとやることないんだね・・・」

86: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/18(月) 23:06:08.28 ID:zfOiWX0j0
妖精C「逃げちゃえばいいのに」ボソッ

妖精A「でも・・・」

妖精D「それは・・・」

妖精B「・・・さっき、とりあえず逃げないって、決めた」

妖精C「じゃあ、もう一回ぎろん」

妖精A「よ、よしきた」

妖精D「うん、わかった」

・・・

・・・

・・・

87: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/18(月) 23:15:19.15 ID:zfOiWX0j0
―――場面は戻って男、帰宅。―――

男「ただいまー」ガチャ

・・・・・・・・・・・・・・・

男「あれ、居ない・・・」

男「リビングにも居ない」ガチャ

男「キッチンにも居ない」カチャ

男「まさか・・・逃げたってやつですか?」

男「寝室にも居ない・・・」

男(ヤバい友に言ったらマジでバカにされる)

88: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/18(月) 23:16:41.67 ID:zfOiWX0j0
男「・・・仕方ない、とりあえず・・・妹にメールを」

?「だーれだっ!」ガバッ

男「え!?妹?」

?「ハズレです!」

男「じゃあ・・・・・・ん?Aちゃん?」

妖精A「正解です!」

男「居たんだ・・・良かった」

?「・・・だー、れだ?」

男「その口調はBちゃん!」

?「だーれだっ?」

男「つめたっ!この水の滴るような手はCちゃん!」

?「だーれだ?」

男「残ってるのはもうDちゃ・・・・・・ってあれ?違う・・・?誰だ・・・?」

妹「私です」バーン

男「お前かよ!」

妹「発案も私です」

男「お前かよ!」

89: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/18(月) 23:21:17.25 ID:zfOiWX0j0
男「ああ驚いた・・・。というかこれ、商人にしちゃダメだよ?ビリビリされそうだ」

妖精D「はい、すみません・・・」

男「まぁ、俺はいいんだけど」

妹「それにしても兄さん、早く帰れと言ったのに寄り道するなんて・・・」

男「500円玉が無かったんだよ!」

男「あ、これ、朝の毒味の分とお皿洗いの分」チャリン

妖精D「あ、ありがとうございます!」

男「これで5枚だよね?」

妖精C「さ、3たす2は・・・5!5だよ5!」

妖精B「・・・ご主人様もそう仰ってるけど」

男「ついでにこれをプレゼント!」

妖精A「これ・・・何ですか?」

男「貯金箱です!ここにお金を入れておけば無くす心配がないね」

妖精B「ありがとう、ございます・・・」

男「40枚も持ってるのは大変だもんね」

妖精D「確かに、ポケットに40枚も入らないなぁ、とは思ってました」

90: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/18(月) 23:28:45.42 ID:zfOiWX0j0
男「・・・なんか臭い」クンクン

妖精A「えっ」クンクン

男「お風呂・・・入ってます?」

妖精B「・・・それは・・・何ですか?」

妹「よし、沸かしましょう」

男「おう」

男「ところでお昼は食べた?」

妖精D「お昼?」

男「お昼の食事のこと」

妖精A「台所に置いてあるお野菜ですか?」

男「うん」

妖精B「・・・食べていません」

男「食べてもよかったのに。折角だし、作るか」

妖精A「さ、さっき食べたばかりですよ?」

妹「あ、ひょっとしてこれは、『食事は一日三回』を知らないという感じでは」

妖精C「?」

91: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/18(月) 23:35:26.43 ID:zfOiWX0j0
妹「・・・というわけで、人間は一日三食なのです」

妹「それが妖精さんにも言えるかは分かりませんが、お腹空いてるなら食べましょう」

妖精A「じゃあ、折角なので・・・」

男「よし、作ろう」

男「うん・・・ブロッコリーがあった、茹でよう」

男「そうだ、友に教えてもらったサイト見ないと。・・・うん、ブロッコリーは大丈夫、と」

男「野菜はほとんど大丈夫だな」

妖精D「何かお手伝いはありますか?」

男「今回はいいや、強いて言えば後でまた味見よろしく」

妖精D「はい!」

92: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/18(月) 23:44:24.50 ID:zfOiWX0j0
男「ブロッコリー茹であがった」

妖精D「・・・」ワクワク

男「・・・しばらくは熱いから、後でね」

妖精D「はい・・・」ショボン

男「妹には・・・この冷凍コロッケでいっか」

男「レンジでチンっと」

妖精D「その機械は何ですか?」

男「食べ物を入れれば暖めてくれる機械です」

妖精D「すごいです!」

男「今度使い方教えるね」

妖精D「はい♪」

93: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/18(月) 23:46:18.18 ID:zfOiWX0j0

男「そろそろブロッコリーいいかな。はい、ふーってしてから食べてね」

妖精D「ふぅー」

妖精D「あーん」パク

チン

男「よし、コロッケできた」

妖精D「もぐもぐ」

男「誰かお皿出してくれるー?」

妖精C「あたしがやる!」

妖精D「もぐもぐ・・・ごくん。・・・毎回の事ですけどおいしいです!」

男「そうか、なら大丈夫だな、Cちゃんこれもっていって」

妖精C「わかった」

94: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/18(月) 23:52:26.94 ID:zfOiWX0j0

「いただきます!」

妹「兄さん、手、抜きましたね」

男「何の事やら」

妹「冷凍ものでしょう、このコロッケ」

男「文句があるなら学食で食えっての」

妹「じゃあ大人しくしてます」

~♪オフロガワキマシター

妖精A「!」ビクゥ

妖精A「ご主人様!扉が喋りました!」

男「予想通りの反応をありがとう」

妖精C「それで・・・おふろ、って?」

男「体の汚れを落とす所です」

妖精C「水浴びのこと?」

男「ちょっと違う・・・けどまぁいいか」

男「とりあえず説明とかはお昼を食べ終えてからにしよう」

妖精B「・・・はい」

106: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 21:46:30.47 ID:w2fJKOW10
「ごちそうさま!」

妖精D「お昼もおいしかったです!」

妖精A「おいしかったです!」

妖精B「ブロッコリーも・・・おいしいです・・・」

男「よし。じゃあお風呂か」

男「初めて入るならちょっと難しいからよく聞いてね」

妖精D「はいっ」

妖精A「わかりました」

107: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 21:53:31.60 ID:w2fJKOW10
男「まず、このフタをとると、お湯が入ってます」パカ

妖精A「お湯・・・」

男「この中に入ると気持ちいいと思います」

妖精A「入る!?・・・ど、どのくらいですか?」

男「人間だと、5分10分位?30分とか入る人も居るけど」

妹「長風呂の人はもっと入ったりしますよ」

男「そうなのか」

妖精A「そ、そんなに・・・」

108: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 22:01:19.24 ID:w2fJKOW10
男「・・・というわけでお風呂の説明は終わり。わかった?」

妖精D「はい・・・多分」

妖精B「・・・これをひねるとシャワー・・・?でしたっけ?」

男「そうそう」

男「ぼーっとしてるけど、Aちゃんも分かった?」

妖精A「え?は、はい!」

男「じゃあ、4人で入るにはきついと思うから、2人ずつにしよっか。AちゃんBちゃんどうぞ」

妖精A「ま、まだ覚悟が」

男「か、覚悟?・・・じゃあ、CちゃんDちゃん先でいい?」

妖精D「あ、はい!」

妖精A「お湯、入らないでね」

妖精D「え?」

妖精A「なんでもない・・・」

109: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 22:13:31.97 ID:w2fJKOW10
男「服は脱いだらこの『洗濯機』って機械にいれてね、洗うから」

妖精C「この機械?」

男「そうそう、入れるだけでいいからねー」

妖精D「全自動『洗濯機』、って書いてありますね」

男「それじゃあ!ごゆっくり!」バタン


妖精C「せんたっき、ってどんな意味?」

妖精D「洗う機械、かな」

妖精C「機械が洗うんだ、すごいなー!」

110: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 22:17:49.37 ID:w2fJKOW10
妖精C「・・・それで、水はどうやって出すんだっけ?」

妖精C「これを回すんだっけ?」クルクル

・・・シーン

妖精D「こっちじゃないかな」クルクル

シャァァァ

妖精C「出た!」

妖精D「でも冷たいね、暖かい水が出るって言ってたのに」

妖精C「回し足りないのかも」クルクルクル

ジャアアアアアア

妖精D「ちょっ、ちょっと待って、強い!痛い・・・!」

妖精C「ごめん、聞こえないー、暖かくなった?」クルクル

ドォォォォォォ

妖精D「痛い!痛い!痛い!!!あと、熱くなってきた!」

妖精D「痛い!熱い!熱い!痛い!!動けない!!止めて!!止めてぇぇぇ!!!」

妖精C「と、とめる!?やり方わかんない・・・」

妖精D「ご主人様!呼んで!!熱いぃぃぃ!!!痛いぃぃぃ!!!!!!」

妖精C「わ、わかった!」

111: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 22:24:15.03 ID:w2fJKOW10
ゴォォォォォ

男「ずいぶん水使うなぁ、もう少し節約してくれると嬉しいんだけど」

妖精C「ご主人様ー!!」バタン

男「ぶっ」

男「は、裸で出てくるな!」

妖精C「なんか!みずが!どばーってでて!とまらなくて!いたくて!あつくて!たすけて!」

妖精A「!?」

男「え!?い、妹ー!」

・・・

妖精B「・・・さ、さっき、帰っちゃいました」

男「お、俺が行くしかないか・・・」ダダダ

112: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 22:28:53.15 ID:w2fJKOW10
ゴォォォォォォ

男「これはひどい」

男「とりあえず蛇口を」クルクルクルクルクルクルキュッ

妖精D「はぁっ、はぁ、はぁ、げほっ!はぁ・・・」

男(試行錯誤の後が・・・蛇口全開だし温度は40℃だし)

妖精C「ごめん・・・」

妖精D「大、丈夫、気にしないで・・・」

男「俺も、今日くらい妹に付き合わせるべきだった、ごめん」

妖精D「今からでも、手伝ってください・・・」

男「ごめん、もう妹帰っちゃってて・・・」

妖精D「じゃあ・・・ご主人様が・・・」

男「えええ!」

113: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 22:35:26.60 ID:w2fJKOW10
男「怪我はないみたい」

妖精D「風を操れるので・・・」

男「か、風?」

妖精D「私は風の妖精なので、ちょっとなら操れるんです、こんな風に・・・」ヒョォォォ

男「すげー!」

妖精D「いままではあの首輪で使えなかったんですけど、ね」

男「ひょっとしてみんな何か使えるの?」

妖精「あ、はい、そうですね」

男「Cちゃんは?」

妖精C「あたしは水・・・」

男「へぇー」

妖精C「でも、さっきみたいな強い水には全然かなわな・・・くしゅん!」

妖精D「私の風も・・・」

男「ごめん、裸でつっ立ってする話じゃないな、ちょっと待って、風呂入る用意してくる」

114: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 22:47:36.34 ID:w2fJKOW10
男「さて、この蛇口は回しすぎないこと」

シャァァァ

妖精D「気持ちいいです」

男「冷たいときはしばらく待てば暖かくなるから待つ。反対のくるくるは温度調節だから回すと熱くなる。気を付けてね」

妖精D「暖かいです」

男「あ、止めたいときは逆向きに回すんだよ」

妖精D「わかりました」

115: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 22:52:25.88 ID:w2fJKOW10
男「さて、ボディーソープの使い方は覚えてる?」

妖精D「押して、出てきた泡で体を洗う?」

男「そうそう。やれるよね?」

妖精D「はじめてで怖いので・・・やってくれると嬉しいです・・・」

男「なんと」

男「いやまて、おちつけ」

男「うん、洗うだけ。洗うだけ。」

116: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 22:56:56.30 ID:w2fJKOW10
男「ま、まず、この白いやつを押すと、泡が出ます」

男「そしてこの泡で洗うわけだが・・・」

男「・・・」

男「・・・し、失礼します」ペタ

妖精D「んっ・・・」ピクッ

男「ご、ごめん!」

妖精D「あ、大丈夫です・・・続けてください」

男(理性が持たない背中だけで終わってくれ頼む)

男「・・・」ペタペタ

男「・・・そしたら流します!」シャワァァァ

男「こんな風に全身を洗ってください」

妖精D「は、はい・・・」

男(よし助かった!)

妖精D(背中しかやってくれないんですね・・・)シュン

117: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 23:02:41.14 ID:w2fJKOW10
妖精C「ちょっと、ご主人様。しょんぼりしちゃったけど。」

男「え?」

妖精D「だ、大丈夫です」

男「・・・洗ってほしいの?」

妖精D「いいんですか!?」ピクッ

男(羽がピクッてした)

男「仕方ないなぁ・・・今日だけな?」

男(・・・普通俺が言われる側なんだけどな)

妖精D「~~///」パタパタ

男(羽パタパタした何この生き物可愛い)

118: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 23:13:24.91 ID:w2fJKOW10
男「では失礼して・・・洗わせていただきます!」ムニュン

妖精D「ひゃう!///」

男「擦りますね!」ニュルン

妖精D「あ、あわゎ///」

妖精C「・・・!」

男「羽も洗うんでしょうか」

妖精D「あ、羽は、大丈夫、なんです///」

男「わかった」

119: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 23:26:14.41 ID:w2fJKOW10
男「終わりました流します」シャワァァ

妖精D「はぅぅ・・・」

男「髪の毛は・・・洗えそう?」

妖精D「は、はい!」

妖精D「押して、頭につけて、ごしごしする!」ゴシゴシ

男「あ、目瞑った方がいいかも」

妖精D「わかりましたー」ゴシゴシ

120: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 23:37:11.27 ID:w2fJKOW10
男「そろそろかな、流しましょう」

妖精D「あ、あの・・・蛇口・・・どこですか?」

男「あ、俺が流してあげるよ」キュッシャワァァァァァ

妖精D「ありがとうございました!」

男「それじゃあ、浴槽に入ってください」

妖精D「熱くないですか?」

男「今のシャワー位の暖かさです」

妖精D「失礼します・・・」チャプン

妖精D「気持ちいいですー」

男「Cちゃんは一人で洗えそう?」

妖精C「背中だけお願いしたいな」

男「助かった」

121: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 23:46:02.47 ID:w2fJKOW10
男「普通に洗えてる・・・」

男「Dちゃん・・・別に洗えるのにも関わらず、ずいぶん大胆なお願いをしたものだ」

妖精D「///」

男「それじゃあ、Dちゃんは上がって、のぼせちゃうよ」

妖精D「あ、はい!」ザバァ

男「oh...」

妖精D「そ、そんな反応されると私・・・///」パタパタ

男「ごめんごめん、あ、カゴの中にタオルがあるからそれで体拭いて」

妖精D「あ、わかりました」

122: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 23:57:17.21 ID:w2fJKOW10
妖精C「あったかい!」

男「そうでしょう」ゴシゴシ

妖精C「ご主人様は入らないの?」

男「あと2人入れてやらなきゃいけないからね」ゴシゴシ

妖精C「そっか」

妖精C「・・・」

男「・・・」ゴシゴシ

男(か、会話がねぇ!)

123: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/20(水) 23:59:38.49 ID:w2fJKOW10
妖精C「あ、あたしそろそろ出ようかな」

男「そっか、じゃあ10数えて出よっか」シャワァァァァァ

妖精C「なんで?」

男「よくあることなんです」

妖精C「わかった、じゃあ・・・」

妖精C「いち、にぃ、さん、よっつ、ご、・・・ななつ、はちつ、きゅう、とお!」

男「色々つっこみたいけど、今日はいいや!」

129: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 21:40:48.20 ID:PFgNO3Xw0
―――入浴中、部屋では。―――

<ゴオォォォォォォォ

男「ずいぶん水使うなぁ、もう少し節約してくれると嬉しいんだけど」

妖精C「ご主人様ー!!」バタン

男「ぶっ」

男「は、裸で出てくるな!」

妖精C「なんか!みずが!どばーってでて!とまらなくて!いたくて!あつくて!たすけて!」

妖精A「!?」

男「え!?い、妹ー!」

・・・

妖精B「・・・さ、さっき、帰っちゃいました」

男「お、俺が行くしかないか・・・」ダダダ

<アツイアツイ!!イタイイタイ!!!

妖精B「・・・」

妖精A「・・・」ゾゾゾ

130: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 21:44:59.22 ID:PFgNO3Xw0
妖精A「入っちゃったのかな・・・」

妖精B「?」

妖精A「お湯には入らないで、って言ったのに・・・」

妖精B「・・・どうして?」

妖精A「さっきね、鍋にお湯が入っててね」

妖精A「それが『熱いよ』って言われたから、どのくらいかなって触ったらね」

妖精A「もんのすごおおおく熱かった!!」

妖精B「う・・・うん」

妖精A「それで、あのお風呂に入ってるのも、お湯だって言ってた」

妖精B「まさか・・・」

妖精A「あんなに熱いものの中に入っていられるわけないもん」

妖精A「私たちを茹でて洗って食べちゃう気なんじゃ・・・」

妖精B「!?」

131: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 21:52:07.85 ID:PFgNO3Xw0
妖精B「ど、どうしよう」

妖精A「ちょっと、こっそりのぞいてみよう」

妖精B「いいの・・・?」

妖精A「バレなければ大丈夫だよ・・・!」

妖精A「そこでBの能力を貸してもらえればと」

妖精B「う、、、うん」

妖精A「よーし、じゃあ、のぞきに行こう!」

132: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 21:55:08.22 ID:PFgNO3Xw0
―――お風呂―――

妖精A「大丈夫かな・・・」


妖精D『あ、あわゎ///』

妖精C『・・・!』

男『羽も洗うんでしょうか』

妖精D『あ、羽は、大丈夫、なんです///』

男『わかった』


妖精B「とりあえずは・・・平気そう・・・」

妖精A「よかったぁ・・・」

133: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 22:00:54.17 ID:PFgNO3Xw0
妖精B「あ・・・あれ・・・!」

妖精A「あれ?」

妖精B「お湯が出るやつ・・・Dちゃんに・・・」

妖精A「うそっ」


男『終わりました流します』シャワァァ

妖精D『はぅぅ・・・』

男『髪の毛は・・・洗えそう?』


妖精A「・・・あれ?」

妖精B「・・・大丈夫そう・・・だね?」

妖精A「あ、でも、Dちゃんは、風使いだから」

妖精A「直接お湯が体にあたらないようにしてるのかな?」

妖精B「うー・・・ん?」

134: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 22:03:57.55 ID:PFgNO3Xw0
妖精A「ああっ!お湯でいっぱいだって言う浴槽に入っちゃうみたいだよ!!」

妖精B「止める・・・?」

妖精A「様子見かな?」


男『それじゃあ、浴槽に入ってください』

妖精D『熱くないですか?』

男『今のシャワー位の暖かさです』

妖精D『失礼します・・・』チャプン

妖精D『気持ちいいですー』


妖精A「やっぱり、風が使えるから、お湯でも平気なのかな」

妖精B「そう・・・みたいだね」

135: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 22:07:28.81 ID:PFgNO3Xw0
妖精B「あ・・・」

妖精A「またシャワーかけてる・・・」


男『Cちゃんは一人で洗えそう?』

妖精C『背中だけお願いしたいな』

男『普通に洗えてる・・・』


妖精A「水使いだから、冷たい水と熱いお湯とで打ち消せてるんだきっと」

妖精B「・・・でもどうするの?」

妖精A「へ?」

妖精B「私たちは・・・そういう事が出来ない・・・」

妖精A「そう・・・だよね」


男『それじゃあ、Dちゃんは上がって、のぼせちゃうよ』


妖精A「あっ、でてくるみたい」

妖精B「お部屋に、戻ろう・・・」

136: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 22:13:39.36 ID:PFgNO3Xw0
―――場面は戻ってお風呂を上がると・・・―――


ガラガラ

妖精D「ご主人様ぁ・・・」

男「ぶっ」

男「ななななにゆえ全裸」

妖精D「洋服はどうすればいいんですかぁ・・・」

男「あ・・・忘れてた」

男「借りてくるからちょっと待ってて!」

男「って俺も体拭かないと」

137: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 22:18:37.71 ID:PFgNO3Xw0
男「じゃあ行ってくる!」

妖精B「ど、どちらに・・・」

男「2つ上の階!」バタン

妖精A「・・・?」

138: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 22:21:40.87 ID:PFgNO3Xw0

男「妹ー」ピンポーン

ガチャ

妹「何ですか兄さん?」

男「パンツくれ」

妹「殴っていいです・・・かっ!」バキッ

男「予想通りの反応をありがとう」

139: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 22:28:51.30 ID:PFgNO3Xw0
妹「なるほど、妖精ちゃんたちの下着がないと」

男「頼む、貸してくれ」

妹「・・・服はあるんですか?」

男「無いけど、俺のでいいかなって」

妹「はぁ、乙女の心をまるで理解してませんね」

男「紳士だからな」

妹「変態と言う名の?」

男「ひ、否定できないのが悔しい!」

妹「じゃあ用意するので兄さんは先に戻ってください」

男「早めに頼む」

140: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 22:44:16.70 ID:PFgNO3Xw0
男「帰ったー」

妖精D「ど、どうでした?」

男「すぐ持ってきてくれるって」

妹「来ました」

男「早っ」

141: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 22:45:13.69 ID:PFgNO3Xw0
妹「これでよし、と」

妖精D「洋服ありがとうございます!」

妹「いえいえ」

妹「あ、髪の毛乾かさないとダメじゃないですか」

男「それ以前に服かなと」

妹「折角さらさらの髪なのに・・・あ、トリートメントはちゃんと使わせました?」

男「そもそも持ってないです・・・」

妹「ちゃんと用意してください!どうして兄さんはいつもいつも後先考えずに行動するんですか!」

男「す、すみません・・・」

妹「まったく・・・。さて、風邪引いちゃう前に私が髪の毛乾かしてあげましょう」

男「頼む」

妹「とりあえず・・・ショートなCちゃんから行きますか!」

142: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 22:59:50.16 ID:PFgNO3Xw0
ブォォォォォ

妹「熱かったら言ってねー」

妖精C「大丈夫ー」

妖精B「・・・私たちは、お風呂・・・いつ行くん、でしょう・・・」

男「今行く?」

妖精B「・・・・・・じゃあ、お願いします」

妹「お願いします?」ブォォォォォ

妖精D「ご主人様が入れてくれたんですー(はぁと」

妹「なんですって!」ブォォォォォ

妖精C「熱い!」

妹「あ、ごめんなさい」ブォォォォォ

男「・・・(逃」

妹「どこいこうとしてるんですかこの変態腐れロリコン野郎」ブォォォォォ

男「き、貴様もトイレに付き合った時点で俺を糾弾する権利など無いのだよ!」

妹「忘れましたか兄さん・・・『YES!ロリータ、NO!タッチ』の精神を・・・。あ、Cちゃん、乾きました、Dちゃんと交代です」

妹(まぁ、私もふきふきしてあげましたけどねw言わないでくださいよ?Aちゃん)

妖精C「ありがとう!」

143: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 23:06:31.39 ID:PFgNO3Xw0
男「うっ・・・でもお前を呼ぼうとしたら既に居なくて」

妹「言い訳しない!」

妹「あ、Dちゃん、セミロングいいですねぇ・・・私セミ好きです」ブォォォォォ

妖精D「ありがとうございます!」

妹「私と兄さんとでは天と地の差です」

男「・・・」

妹「さて問題です、私と兄さんとのこの差を縮めるにはどうすればいいでしょう?」ブォォォォォ

男「・・・」

男「お、俺が誠意を持って謝r」

妹「もっと簡単な方法がありますよ?」ブォォォォォ

男「もっと簡単な・・・?」

男「・・・」

男「ごめん、わからない・・・」

妹「はぁ・・・これだから兄さんは」ブォォォォォ

妹「地の人が天に上がるのは難しいですが、天の人が地に堕ちるのは簡単です!」ブォォォォォ

男「えっと・・・つまり?」

妹「AちゃんBちゃんのお風呂には私が付き添います!」ブォォォォォ

男「ダメだこいつはやくなんとかしないと」

144: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 23:12:55.69 ID:PFgNO3Xw0
妹「というわけで、やってきましたお風呂!」

妖精A「・・・」

妖精B「・・・」

妹「う・・・Bちゃんが無口なのはわかるけどなんでAちゃんまで・・・」

妖精A「死にたくない・・・」ボソッ

妹「え、なんか私Aちゃん殺すことになってるんですか?」

妹「はっ、まさか『食べちゃうぞー』ってやつ、未だに本気にしてたりします?」

妖精A「そうではなくて・・・その入れ物にお湯が入ってるって」

妹「浴槽に・・・ですか?入ってますね」

妖精A「そのお湯で私たちを茹でる気なんだ・・・」

妹「いや、そんなことは・・・」

妖精A「でも、さっきは『熱い!』とか『痛い!』とか聞こえてきましたよ」

妹(兄さん何やったんですか・・・)

145: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 23:17:42.06 ID:PFgNO3Xw0
妹「でもほら、あの二人は無事出てきたじゃないですか」

妖精A「二人は風と水の妖精だからなんとかなったんですきっと」

妹「風と水の妖精?」

妖精B「まだ・・・お話してない・・・です」

妹「ほう・・・なら、是非後で聞かせてください」

妹「とりあえず今はお風呂です!」

妹「私がちょっと触ってみましょうか」チャポン

妖精A「・・・」

妹「ほら、全然大丈夫でしょう?」

妖精A「それは、ご主人様も大丈夫でしたから・・・」

妹「体感温度なんて一緒ですよ・・・」



146: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 23:22:40.03 ID:PFgNO3Xw0

妹「Aちゃん自分でさわってみたらどうですか?」

妖精A「・・・」オズオズ

妖精A「・・・あったかい」チャプ

妹「ね?大丈夫でしょ?」

妖精A「はふぅ・・・安心しましたぁ・・・」

147: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 23:34:35.82 ID:PFgNO3Xw0
妹「Bちゃんもボーッとしてないでおいでー?」

妖精B「は、はい・・・」

妹「AちゃんAちゃん、Bちゃんはずっとこんな恥ずかしがりやなの?」

妖精A「分かりません!」

妹「ちょっ、『仲良し5人組』なんでしょう?」

妖精A「それ、嘘です」

妹「なんだってー!?」

妹「あ、髪の毛洗いますから目を閉じてください」

妖精A「はい」

148: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 23:37:06.58 ID:PFgNO3Xw0
妖精A「もともと3人組と2人組だったのを商人様が合併しました」

妖精A「私のグループはスリーダブリューズです!」

妹「なんか何年か経ったら後悔しそうなネーミングですが、どうして?」ワシワシ

妖精A「三人の能力を英語にすると、みんなWから始まるらしいです!」

妹「なるほど、WATER、WIND、・・・あなたは何の妖精?」ワシワシ

妖精A「草です!」

妹「草!?えっと・・・なんでWなんでしょう・・・」ワシワシ

妖精A「『うぃーど』って聞きましたけど・・・」

妹「・・・それ雑草です」ワシワシ

妖精A「がーん!」

妹「流しますね」

妖精A「いいんです、雑草だって強く生きてるんdがぼぼぼ」

妹「あっ、流してるのに話さないでください!」

149: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 23:41:33.86 ID:PFgNO3Xw0

妹「終わりました、目開けていいですよ。次は体洗いますね」

妖精A「はい!」

妹「それで、Bちゃんは逃げちゃった子とペアだったんですか?」

妖精B「・・・はい」

妹「Bちゃんは何の妖精なんですか?」

妖精B「静寂・・・です」

妹「いかにも、って感じがしますね」

妖精A「く、くすぐったいですっ!」

妹「でも腋は汗かきやすいですからねぇ」ワキワキ

妖精A「我慢、しますっ」

150: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 23:43:55.93 ID:PFgNO3Xw0
妹「それで、逃げていっちゃった子は何の妖精だったんですか?」

妖精B「・・・歌です」

妹「なんて正反対な」

妖精B「な、仲は、良かったん・・・ですよ?」

妹「へぇ・・・」

妖精A「あの・・・さっきからなんでそこばっかり洗っ」

妹「『大事なところだからきちんと洗いなさい』と母親に教えられ育ちましたもので!」

妖精A「も、もう大丈夫ですよ!」

妹「むー、じゃあ流しますね」

151: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 23:47:01.95 ID:PFgNO3Xw0
妹「いっちょ上がりです」

妖精A「ありがとうございましたー」

妹「今度はBちゃん洗うのでAちゃんはお湯に浸かっててください」

妖精A「・・・私が入る瞬間に熱くなったりしませんか?」

妹「・・・そんなハイテク機能はないです」

152: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 23:51:19.86 ID:PFgNO3Xw0
妹「さてBちゃん!話、途切れちゃってすみません」

妖精B「いえ・・・」

妹「あ、前髪で隠れてましたけど、顔、可愛いじゃないですか」

妖精B「えっ、あっ・・・///」

妹「もう顔見えるようにしちゃいましょうよ!」

妖精B「か、考えておきます・・・」

153: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/22(金) 23:59:04.91 ID:PFgNO3Xw0
妹「逃げていっちゃった子と仲が良かった、って話でしたっけ。なんで逃げたんでしょうね?」

妹「・・・というか逆に隙だらけだったのになんであなた達は逃げなかったんですか」

妖精B「・・・ご主人様には、言わないで、頂けますか?」

妹「黒い話来る!?わかりました!」

妖精B「・・・商人様、私たちが、普段の4倍くらい・・・の値段で売れたことを、喜んでいたんです」

妹「はいはい」

妖精B「それで・・・また高値で買って欲しいから、私たちに、『今度のご主人には誠意を持って接するように』と・・・」

妹「はぁ・・・。でも、騙されてたことに気づいてますよ、兄さん。」

妹「あ、ひょっとして今も脱出方法考えてたりします?」

妖精B「・・・ないです。・・・しばらく働いたら、帰してくれる、って言って、くれましたから」

154: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/23(土) 00:04:27.52 ID:/apqy85X0
妹「信じてるんですか?」

妖精B「・・・嘘なんですか!?」

妹「兄さんの性格的に、本気だと思います」

妖精B「・・・よかったです」

妖精B「あっ・・・そこ洗われるの恥ずかしいです・・・」

妹「でもお母さんが」

妖精B「あっ・・・んっ・・・」

妹(声が○○○・・・)

妖精B「もう・・・ふぅっ!・・・いいんじゃぁぁ・・・」

妹(下手に固執して好感度が下がる√は避けたい・・・。)

妹「そうですね、じゃあ流します」

妖精B「ふぅ・・・」

妖精A「//////」

妹「さてBちゃんもお風呂に・・・ってAちゃん!?顔真っ赤ですよ、のぼせちゃいました?」

妖精A「わ、わからないです」

妹「と、とりあえず出てください!」

妖精A「は、はい」ザパッ

155: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/23(土) 00:19:33.08 ID:/apqy85X0

妹「そこに置いてあるタオルで髪と体、ふいていてくださいね」

妖精A「わかりましたー・・・!?」ツルン

妹「危ない!」ダキッ

妖精A「ご、ごめんなさい・・・」

妹「石鹸で滑って転ぶなんて古典的な・・・」

妹「だがそこがいい!ってやつですね」

156: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/23(土) 00:29:52.34 ID:/apqy85X0
妹「Aちゃんも無事上がりましたし、今度はBちゃん入ってください」

妖精B「あ、あの・・・妹様は?」

妹「私も洗ったら入ります。後、『妹様』はやめてください恥ずかしいです」

妖精B「・・・なんと呼べばいいですか?」

妹「呼び捨てで『妹』・・・あと、『妹ちゃん』?・・・それか、『妹さん』位ならいいと思います」

妖精B「・・・わかりました、・・・妹さん」

妹「まぁ、『さん』を選ぶとは思いましたけどね・・・。他の子にも伝えておいてください」

妖精B「・・・はい」

妹「よし、洗い終わりました!」

妖精B「は、・・・早くないですか?」

妹「Bちゃんのためならこのくらい余裕です!」

157: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/23(土) 00:36:31.94 ID:/apqy85X0
妹「ふぅ・・・」

妖精B「・・・」

妹「二人で入ると狭いですね」

妖精B「は、はい・・・」

妹「そんなに縮こまらなくていいですよ?」

妖精B「じ、じゃあちょっと・・・」

妹「ふふ」ニコ

158: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/23(土) 00:49:13.82 ID:/apqy85X0

妹「そろそろ上がりましょう」

妖精B「・・・はい」ザパ

妹「軽くシャワーしますよー」シャァァァァァ

妹「よし!じゃあこれで体拭いてください」

妖精B「・・・」フキフキ

妹「~♪」フキフキ

妖精B「・・・あの・・・、できました」

妹「背中拭くの忘れてますよ」

妖精B「あ・・・」フキフキ

170: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 21:47:24.05 ID:lklXnzqi0

妖精B「上がりました・・・」

男「おつかれ!ちょうどAちゃんの髪の毛、乾かしおわったとこ」

妹「お疲れさまです。」

妹「あと、明日は洋服とか下着とか、買いに行ってくださいね?それとも今から行きますか?」

男「明日にしようよ・・・。後、ついてきてくれないかなぁ・・・」

妹「まぁ、いいですけど」

男「よろしくお願いします」

妹「さてBちゃん、髪の毛乾かしますよ」

男「あれ?そういえばBちゃんの顔初めて見たかも」

妹「可愛いでしょう?」

男「かなり」

妖精B「・・・///」

妖精C「照れてるー」

妖精D「こら!茶化しちゃだめでしょ?」

妖精C「ごめん・・・」

171: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 21:52:48.00 ID:lklXnzqi0
妹「ふう、Bちゃんの髪も乾きました!」

男「長かったなー」

妹「素晴らしき黒髪ロングですからね」

男「でも前髪はもっと短くて良いと思う」

妖精B「・・・」

男「切らないか」

妖精B「・・・」チラッ

妖精A「・・・あ、私!?・・・私も切った方が可愛いと思うよ!」

妖精D「私も切った方が良いと思う!」

妖精C「なら、あたしも!」

男「よし!じゃあ早速今から散髪しに行こうか!」

妖精B「あぅ・・・」

妹「洋服は今日じゃダメなんですか?」

男「覚悟ができません」

妹「そんな覚悟していくところじゃないはずなんですけど・・・」

172: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 21:59:11.23 ID:lklXnzqi0
男「それじゃあ行ってきます」

妖精D「戸締りはお任せください!」ビシッ

男「ありがとう」

妖精C「何かしておくこととか、ある?」

男「特にはない、かなぁ・・・」

妖精C「りょうかいです!」ビシッ

妖精A「わたしもビシッて敬礼したいです!」

男「あ、どうぞ」

妖精A「ありがとうございます!」ビシッ

173: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 22:09:58.34 ID:lklXnzqi0
―――美容室―――

男「この子なんですけど」

店員「妖精さんですか?」

妹「はい、お願いします」

店員「どんな感じに?」

男「前髪を・・・顔が見えるくらい切っちゃってください、あとは彼女の言うようにお願いします」

店員「わかりました」

174: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 22:17:46.64 ID:lklXnzqi0

店員「できましたー」

妖精B「・・・」テレテレ

男「ナイス」

妹「兄さん、顔が変態みたいです」

男「お前もなー」

175: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 22:18:43.20 ID:lklXnzqi0
妹「帰りにスーパーに寄りましょう」

男「夕食の買い物もしなきゃだしな」

男「あと、コンディショナー買わないと」

男「・・・今日はスープ和風にするかな」

妹「いいですね」

妖精B「・・・わふう?」

男「醤油とか、昨日と違うもので味付けるんだ」

妖精B「・・・おいしいですか?」

妹「もちろんです」

男「お前が言うな」

176: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 22:27:11.64 ID:lklXnzqi0
男「ただいまー」

妖精A「おかえりなさい!」

男「Bちゃんの髪、切ってもらってきました」

妖精B「・・・///」カァァァァ

妖精D「かわいい!」

妖精C「こんなに可愛いんだからもっと自信もとうよ!」

177: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 22:32:06.93 ID:lklXnzqi0
男「よし、晩御飯作るか!」

妖精D「お手伝いは・・・」

男「片付けの時お願い!今回は新しい野菜もないから試食も特にないかな」

妖精D「そう・・・ですか・・・」ショボン

男「まぁ、おいしい野菜を用意してますから」

妖精D「はい!」

178: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 22:35:18.74 ID:lklXnzqi0

「いただきます!」

妹「・・・あれ?」

男「どうした?」

妹「しゃぶしゃぶの姿が見当たりませんが・・・」

男「あぁ、スープに少し肉入れてみたから、別に良いかなって」

妹「よくないです」

男「でももしダメだったらしゃぶしゃぶ誰得になるし」

妹「私得です・・・もう」

179: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 22:35:56.78 ID:lklXnzqi0

男「それで、お肉はいかがでしょう?」

妖精A「昨日のよりは良いです!」

妖精B「うん・・・」

妖精A「でもやっぱり野菜が好きです!」

妖精B「うん・・・」

妖精D「私も好きですけど、野菜の方がもっと好きです」

男「やっぱ固定観念通り妖精には野菜が一番なんかな」

妹「豚はダメでも牛は行けるかもしれませんよ!」

男「お前が牛肉食べたいだけだろ」

妹「まさかー」

男「目を逸らすな」

180: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 22:40:27.40 ID:lklXnzqi0

男「あ、でも・・・」

男「魚肉なら食べられるかもしれないな」

妹「いやいや、豚肉がダメなら他の肉も無理ですって、今兄さんが言ったんじゃないですか」

男「でも、他の肉とはちょっと違うじゃん?ツナとかサラダに入れたりするし」

妹「そういう問題じゃないと思いますが!」

男「というか」

男「お前が魚肉あんまり好きじゃないだけだろ!」

妹「・・・」

妹「てへっ!」

男「」

181: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 22:41:52.86 ID:lklXnzqi0

―――食後―――

妖精B「お皿洗い終わりました・・・」

男「ありがとう!はいお金」チャリン

妖精B「ありがとうございます・・・///」

妹「あ、皆のパジャマも持ってきますね」

男「よろしく」

妹「じゃあ取りに行ってきます」バタン

男「そうだ、歯磨きしてもらおう」

妖精A「歯磨きですか?」

妖精B「・・・ついこの間、磨きましたが・・・」

男「この間?」

妖精B「・・・4日前です」

男「うーん、いままでは野菜ばっかだったから良いかもしれないけど、皆ご飯とか食べたし毎日磨いてもらいます」

妖精D「わかりました!」

184: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 22:51:02.50 ID:lklXnzqi0
男「うん、歯磨きについては問題なしだな」

妖精A「ありがとうございます」

妹「戻りましたー」

男「お、パジャマが来た」

妹「私はパジャマじゃないです」

男「寝巻きが来た」

妹「寝巻きでもないです」

妹「というか着替えさせるので兄さん出て行ってください」

男「はーい」

185: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 22:59:16.88 ID:lklXnzqi0
妹「もういいですよー」

男「いいじゃん」

妖精A「ありがとうございます!」

妖精B「・・・///」

妹「じゃあ、私は家に戻りますね」

男「ああ、色々ありがとう」

妹「どういたしまして。それでは」バタン

186: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 23:08:05.61 ID:lklXnzqi0
男「じゃあ、今日も2人ずつ寝てもらえるかな。狭くて悪いけど」

妖精C「今日はあたしベッド行きたい!」

男「寝相は大丈夫?」

妖精C「あたし寝相悪い?」

妖精B「・・・かなり」

妖精D「朝起きたら枕に足が乗ってたり・・・」

妖精A「朝起きたら何故かあなただけ隣の部屋に移動してたり」

妖精C「・・・布団にするね」

妖精D「ご主人様は・・・」

男「俺は向こうの部屋で寝るよ、普通に」

妖精D「そうではなくて・・・ご主人様は」

妖精D「しないんですか?」

男(来てしまったか・・・)

187: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 23:12:33.54 ID:lklXnzqi0
男「・・・『しないんですか?』?歯磨きなら俺もさっきしましたよ?」

妖精D「歯磨きじゃなくてその・・・○○○な・・・こと」

男(上目遣いで見ながらそんなことを言われると『しよ?』って言われたも同然ですねわかります)

男「しません」

妖精A「でも、死なれても困ります・・・」

男「いや、死なないって」

妖精D「商人様は『男性はしないと死ぬ!』って言ってましたけど」

男「じゃあ俺は今日までどうやって生きてきたんだろうか」

188: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 23:19:32.21 ID:lklXnzqi0
妖精A「・・・ちがう妖精がいたとか?」

男「それなら野菜、毒味してもらう必要なかったよねー」

妖精B「彼女がいたとか」

男「う゛っ・・・それは万に一つもあり得ません」

妖精C「妹さんととか!」

男「やめてそれ、妹の前で言ったらひっぱたかれる」

妖精D「じゃあやっぱり商人様が・・・」

男「嘘を教えてたんだろうなぁ」

男「あ、そうだ・・・そう言えば買ったときに説明書きがあったな」

189: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 23:26:56.65 ID:lklXnzqi0
男「これ見ておくれ」

妖精D「・・・?」

男「こちらに『調教:5匹ともにソフト』って書いてあります」

妖精B「・・・ありますね」

男「こう書いてあるということは、『男性はしないと死ぬ』って嘘教えられたということみたい。友達情報」

妖精D「そう・・・なんですか」

妖精A「でもなんで・・・?」

男「その嘘を利用して○○○なことしようと考えて妖精を買うバカがいるから」

妖精D「・・・」

190: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/25(月) 23:31:15.18 ID:lklXnzqi0
男「そういう○○○なことは本当に好きになった人とだけするべき、って言うのが俺の考えなんだが・・・。わかってくれる?」

妖精B「・・・はい」

男「一緒に風呂入った野郎が言える台詞じゃないんだけどね」

妖精D「ご主人様は私たちのこと、好きじゃないん・・・でしょうか」

男「可愛いと思ったから買ったんだよ?好きに決まってる」ナデナデ

妖精A「・・・///」

男「でも、お前らは商人に思い入れがあるんだろ?だったら商人とするのがベストだ」

男「それとも、『もう誰でも良いからしたい!我慢できない!』って感じなの?」

妖精D「あんな気持ち悪いこと・・・したくないです」

男「でしょ?だからしなくていい。気にかけてくれてありがとう。おやすみ」バタン

男(あー危ねえ!流されるところだった!)

男(さて、俺はまたフリースか・・・)

男(何でうちにはソファーが無いんだか)

男「カーペットだし、まだマシだよな。でも冬だったら死んでたわ」


―――――――――――――――
二日目終了
コイン:7枚

202: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/28(木) 22:43:19.13 ID:FPf4DwDv0
男「ん・・・朝か・・・」

男「ふぁぁぁ・・・」ノビー

ムニュン

妖精A「むうっ・・・」

男(あれ・・・?何で隣に・・・?)

男(って言うか俺、なんでベッドに居るんだ?床で寝たような覚えが・・・)

男(俺のとなりはAちゃん、布団に居るのはBちゃんと・・・犬神家)

男(犬神家してる足はたぶんCちゃんだから・・・Dちゃんが居ない・・・ってまさか・・・)

男(見に行くか)グニュン

妖精B「ふぐぅ!」

男「ごめん、踏んだ・・・」

203: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/28(木) 22:49:46.48 ID:FPf4DwDv0
妖精D「すぅ・・・すぅ・・・」

男(やっぱり俺のフリースにくるまって寝てる!)

男(うーん・・・やはりこういう事はちゃんと言っといた方がいいかな)

男(ちょっと脅迫を含めて)

男「ちょっと」トントン

妖精D「むにゃ・・・あ、ご主人・・・さま」

男「何勝手に俺の特等席盗っちゃってるの」

妖精D「ふぇ?」キョトン

男「いくら寝心地が良いからって人の寝床は盗っちゃダメだよ?」

妖精D「ぇ?・・・あっ、えっとあの、申し訳ありませんでした・・・」

204: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/28(木) 22:51:28.19 ID:FPf4DwDv0
男「わかってくれたなら良いよ。って言うかどうやってやったの?」ナデナデ

妖精D「Bちゃんに協力してもらって音を消して、私の風で・・・。」

男(どんな使い方!?)

男「俺60キロはあるぞ・・・」ナデナデ

妖精D「い、一応妖精のリーダーでしたから・・・えへへ」

妖精D「・・・その、ごめんなさいご主人様、床よりベッドの方が気持ち良いと思って・・・」

男(そりゃあそうだけども!)

男「俺は人間だからな。まぁベッドも好きだけど。さぁ、ベッドに戻ってね」

妖精D「は、はい・・・」

男(嘘だけどちゃんと叱らないと、また同じことされちゃ困るからなぁ・・・)

男(でもちゃんと"もう怒ってない"ってアピールはしたし、フォローもしたし、好感度は大丈夫だろう多分)

205: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/28(木) 23:07:47.63 ID:FPf4DwDv0
―――それから約15分後―――

男「ご飯できたよー、起きてー」

妖精A「・・・朝・・・です・・・か?」

妖精B「・・・さっきから起きてます」

男「・・・ほんとにごめん」

妖精B「・・・気にしてません」

妖精D「おはようございますぅ・・・」

妖精C「zzz...」

男「誰か、その足を起こしてあげて」

妖精D「また枕に足を・・・」ユサユサ

妖精B「・・・朝ー」ユサユサ

妖精C「まだ暗い・・・まだ夜・・・」

妖精A「じゃあ・・・布団を剥ぐっ」ガバッ

妖精C「・・・明るくなった?」

妖精A「朝だよー」

妖精C「起きた・・・」

206: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/28(木) 23:16:16.57 ID:FPf4DwDv0
男「いただきます」

妖精C「妹さんのさんど・・・いっち?綺麗だねー」

妹「綺麗?・・・あぁ、ハムとか卵のやつがありますからね」

男「ひょっとして卵なら食べられるかな?はいDちゃん」

妖精D「はい!あーん・・・」

妖精A「ぱくっ」

男「あっ」

妖精D「ああっ!」

男「こらこらAちゃん、よこどりしないの」

妖精A「うん!よくわからないけどおいしいです!」

207: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/28(木) 23:19:15.84 ID:FPf4DwDv0
妖精D「わ、私にも・・・」

男「はい」

妖精D「はむっ」

妖精D「ほんとだ、よくわからないけどおいしい」

妖精B「・・・私にも、ください」

妖精C「あたしにも!」

男「はいはい」

妖精B「・・・本当によくわからない」

妖精A「でも『まずい』とは違うんだよね」

男「単に食べたことないから味がわからないのでは・・・」

208: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/28(木) 23:23:37.34 ID:FPf4DwDv0

妖精「ごちそうさまでした!」

妹「兄さん、そろそろ時間マズイです」

男「今日はお前も1限から行くんだ」

妹「むっ、その言い方だと私がずる休みばっかりしてるみたいじゃないですか」

男「すみません」

妖精A「お出掛けですか?」

男「あー、そういえば言ってなかった。今日は朝から大学なんだ」

妖精D「妹さんもですか?」

妹「はい。あ、ちなみに同じところに通ってます」ドタバタ

妖精D「そうなんですかー・・・」

209: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/28(木) 23:31:37.26 ID:FPf4DwDv0
男「あっ、昼御飯どうしよう!用意がない!」

妖精B「・・・外に出て良い、なら、自分達で、食べます、けど・・・」

男「できるの!?なら悪いけど今日はそれでお願い!」

妖精D「食器、洗いますか?」

男「できるならお願い!」

妹「兄さーん、時間時間ー!」

男「Dちゃん、誰か来てもドア開けなくて良いからね」

男「はい、お昼代どうぞ!」

妖精D「はい・・・?あ、いってらっしゃいませ!」

バタン

210: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/28(木) 23:36:56.11 ID:FPf4DwDv0

―――電車内―――

友「よう、ギリギリだな」

男「今日はお前も1限からか・・・」

友「めんどいよなー」

男「そう言えばお前は妖精何人いるの?」

友「2匹だ。あんまり多くてもアレだし」

男「アレ?」

友「金がかかる」

男「そうか?」

211: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/28(木) 23:44:23.79 ID:FPf4DwDv0
友「お前が余裕ありすぎなだけだ!普通妖精に万単位で出せるか!しかも食事あげるとか!そんな余裕どこから出るんだ!」

男「いや、俺もギリギリだよ」

友「しかも手出ししないって何事!?聖人かてめぇ!」

男「そういうわけじゃ」

友「それにしても2万かー」

男「しつこいなぁ」

妹「調教の種類説明する時もしつこかったですよね」

212: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/28(木) 23:49:58.06 ID:FPf4DwDv0
友「だって騙されなかったら妖精20匹分相当だぜ?」

男「『俺も2万使って妖精ハーレム作りてぇ!』ってことか?」

友「20匹相手にどうすりゃいいんだよ」

男「それもそうか」

友「いくらなんでも20連射は出来ないわ」

男「俺の同意を返せ」

213: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/28(木) 23:56:17.42 ID:FPf4DwDv0
友「あぁ、俺が2万ポンと出せたらもっと楽しい妖精ライフがあったろうに」

男「豪勢な食事をあげたり」

友「あげないけど」

男「かわいい服着せたり」

友「着せないけど」

男「じゃあ何に使うんだよ!」

友「やっぱ妖精を買うことに尽きるだろ!」

男「矛盾しまくってる!」

妹「あのー、もう着きますよ?」

214: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/29(金) 00:09:50.86 ID:FpZp2ade0
男(結局妖精増やすことしか考えてないじゃん、友・・・)

男(今日は3限までか・・・)

男(寝よ)

男(・・・)

男(Zzz・・・)

216: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/29(金) 00:19:10.93 ID:FpZp2ade0
ブブブブ

男(電話?・・・・・・友から?)ピッ

男「あい」

友『お前、2限の場所間違ってね?』

男「2限・・・ってえ?時間やばっ!」ピッ

男(90分ずっと寝てたのか俺!)

225: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 22:01:09.28 ID:5GG4CF2s0
男「危ない危ない」

友「よう」

男「ずっと寝てたわ」

友「やっぱり昨日、お楽しみだったんだろ?」

男「違うってのに。ベッド足りなくて床で寝た」

友「いや、そこは妖精を床に寝かせよ」

男「朝起きたら妖精の一人に運ばれててベッドに居たけどな」

友「どうやって運んだんだ」

226: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 22:06:52.61 ID:5GG4CF2s0
男「何か、風操ったとか」

友「風?ってことは能力!?」

男「多分」

友「二つほど質問」

男「二つも?」

友「寝かせたとき、首輪を外してやったのか?」

男「寝かせたときって言うか・・・いつも外してるけど」

友「今も?」

男「ああ」

友「・・・家帰ったら誰も居ないかもな」

男「それは無い、昨日はちゃんと居たし。」

友「おうおう、あっという間に厚い信頼築きやがって」

男「あ・・・ああ」

友「慢心じゃないといいな」

227: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 22:14:00.67 ID:5GG4CF2s0
友「じゃあ質問2。ひょっとしてお前を運んだ妖精、自分のこと『大妖精』とか言ってなかった?」

男「どうだっけな?」

友「かなり謙遜した感じで」

男「うーん?」

男「・・・・・・ああ!言ってた言ってた」

友「マジか・・・裏山」

男「大妖精って何なの?」

友「神?」

男「酷い比喩を見た」

友「いろんな意味でな!」

男「なにそれ」

228: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 22:21:39.12 ID:5GG4CF2s0
友「そ、それで?その大妖精様が?2万!?ヤバイマジ裏山」

男「ホント現金なやつだな。」

友「だって、大妖精だってわかってるの買うと2,30万は下らないぜ?」

男「高ぇ!」

友「大妖精ってなんか化粧ケバかったり高慢ちきだったりで能力使ったりしなくてもすぐバレるらしいんだ。だから高く売られる」

友「大妖精ってだけで付加価値がすごいしな」

229: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 22:24:17.25 ID:5GG4CF2s0
男「え、でも」

友「でも、お前ん所の大妖精は違ったと。おそらく『優しい、同胞思い、賢い』みたいな子だろ?」

男「なぜ解る・・・」

友「詳しくは知らないが、大妖精になると美しさだの知識だの何かしらが貰えるらしいんだが」

男「へぇ」

友「多くの妖精はバカだから美しさだの更なる強さだのを求めるわけだよ」

男「で、ごく稀に知識を欲しがる子がいると」

友「そう!それがマジで希少!超希少!!激希少!!!お前の大妖精だって売れば何十万になるやら」

友「なんてったって知識の大妖精だもんなー、ケバい大妖精の何倍、ひょっとしたら何十倍の値段が・・・!」

男「友、もう授業始まるから正気に戻れ」

友「ハッ」

230: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 22:33:04.41 ID:5GG4CF2s0
男「目が¥になってたぞ」

友「すまん。とにかく希少だってことだ。高く売れるってことだ」

男「まあ売らないけど」

友「ま、そう言うと思った。ところで男、1限の科目、ノートが真っ白だよな」

男「あ、ああ」

友「ノート写すか?」

男「悪い」

友「大妖精一匹で考えてやらない事もない」

男「他の友達に見せてもらうわ」

友「冗談冗談」

231: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 22:42:21.76 ID:5GG4CF2s0
友「ほあー!終わった終わった!さぁ、昼飯行こうぜ」

男「あぁ」クタクタ

友「ノート、別に明日までで良かったのに。ルーズリーフだし」

男「いや、迷惑かけるし」

友「予習復習を全くしない俺に何の迷惑がかかると?」

男「そうk・・・いや、予習復習しろよ!」

友「ですよね」

232: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 22:55:48.89 ID:5GG4CF2s0
妹「あ、兄さん、友さん」

友「よっす」

妹「お昼は学食ですか?」

友「ああ、一緒に行こう、そうしよう」

男「友は妹も射程範囲内なのか」

友「もちろんだとも」

男「こんなやつ狙ってんじゃねえ」

友「あっそう」

友「断る」

233: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 22:59:34.03 ID:5GG4CF2s0
妹「それで、どんな話してたんですか?」

友「大妖精はすごい!って話を」

妹「大妖精?あぁ、Dちゃんですね」

友「でぃーちゃん?」

妹「兄さんがつけたんです。適当に。」

友「て、適当・・・」

男「一列に並ばせて左からABCDと命名しました」

友「あ、アルファベットのDなの!?なんかかわいそう」

234: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 23:04:56.27 ID:5GG4CF2s0
男「毎晩妖精○○○してる奴に言われたくないわー」

友「双方の合意のもとにしてるから」エヘン

男「騙してるだろ」

友「てへぺろ」

妹「私B定食で!」

男「俺はCで」

友「なら俺はAで!」

235: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 23:12:00.51 ID:5GG4CF2s0
友「うわ、A不味いじゃねえか」

妹「だから私たちは避けたんじゃないですか」

男「美味しそうな名前につられて買ったら不味かったから」

友「教えてくれたって良いじゃん・・・」

男「聞かれなかったから」

友「聞かれなくても言えよ!」

妹「ひょっとしたら友さんのお口には合うかもしれませんでしたし」

236: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 23:20:01.20 ID:5GG4CF2s0
妹「兄さんは今日3限までですよね」

男「ん・・・そうだな」

友「俺は4限があるぜ!」

妹「友さんには聞いてません」

友「」

妹「今日は洋服買いに行くんですから早く帰ってくださいね?」

男「わかった。お前は?」

妹「わたしも3時限なので早く帰れます」

男「じゃあ一緒に帰るか・・・」

237: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 23:32:09.53 ID:5GG4CF2s0
―――放課―――

男「ただいまー」

妹「ただいまー」

男「お前の家じゃないからここ」

妖精D「おかえりなさい!食器洗いました!」

男「おぉ、ありがとう!お礼どうぞ」チャリン

男「ちなみにお昼は何を?」

妖精A「近くの公園で野草を!」

男「」

妹「」

妖精B「・・・?」

男「ごめん、明日からはちゃんとお昼用意する」

妖精A「私たちはそもそも野草食べてる方が普通なんですけど・・・」

238: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 23:36:16.98 ID:5GG4CF2s0
妖精D「な、なるほど、あのお金は『これで外食してきなさい』ってことだったんですかっ」アセアセ

男「言われてみれば無理があったな、ごめん」

妖精D「いえ!私こそ、申し訳ありませんでした!」

妖精A「野草って・・・あんなにそっけない味だったっけ・・・?」

妖精C「そんなこと・・・なかったとおもうんだけど」

妖精B「・・・野菜に食べられた」

妹(この子たちもう野生に帰れないだろうなぁ・・・)

男(飼われてた魚は川に放流すると流されちゃうとか言うあれだな・・・)

239: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 23:54:17.25 ID:5GG4CF2s0
妹「さあ、早速服を買いに行きましょうか!」

男「行ってらっしゃい」

妹「兄さんもです」

男「嫌だ・・・洋服店怖い・・・」

妹「大丈夫ですっ!し〇むら!し〇むらですから!」

妹「あ、みんな今のうちにトイレに行っておいてくださいね、草むらでするのは私が許しません」

妖精A「は、はい!」

男「ヨウフクテンコワイ・・・」ガタガタ

妹「一体何がトラウマなのやら・・・」

240: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/30(土) 23:55:57.36 ID:5GG4CF2s0
―――し〇むら―――

妹「さて、買いますよ!」

妹「あ、お店の中ならトイレがあるので行きたかったら教えてください」

妖精A「はい」

妹「兄さんついてきてますかー?」

男「ハイ・・・」

妹「じゃあ、『これいいなー』って思ったやつを持ってきてください!それとも、選んでほしいですか?」

妖精A「選んだことないので選んでほしいです」

妹「なるほど。じゃあ・・・」

妹「あ、ちなみに兄さん的にどんなのがいいと思います?」

男「・・・え?俺的に?・・・えっと、好きな色は?」

妖精A「ピンク!」

妖精C「きいろ!」

妖精D「緑です!」

妖精B「・・・青です」

242: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/31(日) 00:00:21.61 ID:v2GZo/va0
男「じゃあ・・・あ!このピンクのやつどう?Aちゃん」

妹「・・・あり得ないですね」

男「えぇー・・・」

妹「こんなショッキングピンクの服より・・・こっちの淡いピンクの方がAちゃんは好きそうです」

妹「どうですか?Aちゃん」

妖精A「い、妹さんの服の方がかわいいです!」

男「はあ・・・」

妹「兄さん、原色を好むのはAちゃんよりもうちょっと下の年齢ですよ」

男「なるほどなるほど」

243: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/31(日) 00:11:08.81 ID:v2GZo/va0
妹「じゃあそれをふまえてDちゃんの服選んでみましょうか」

男「Dちゃんは大妖精なんだから精神年齢は高そう」

妹「ということは?」

男「原色はダメ」

妹「そう!つまり?」

男「これはいかがでしょう!?」

妹「うーん、ダメですね」

男「えぇー」

妹「これから春だと言うのになんでダルトーンの服選ぶんですか・・・」

男「大人っぽいから明るい色より暗い色かなって」

妹「それはあるでしょうけど・・・兄さんだって春先には明るい色の服が着たいですよね?」

男「別に・・・」

妹「ひ、ひどい・・・」

妹「つまり、こういうライトグリーンをチョイスです」

妖精D「わぁ」

男「うぬぬ」

244: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/31(日) 00:17:29.65 ID:v2GZo/va0
妹「じゃあCちゃん行きましょうか」

男「Cちゃんはいかにも子供っぽいから・・・」

男「このほぼ黄色原色のやつはいかがでしょう!」

妹「いいじゃないですか?なんかかわいいキャラクターがプリントされてますし。Cちゃんが気に入れば」

妖精C「きにいったよ!」

男「よし、もう洋服店も怖くないぞ!」

245: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/31(日) 00:20:02.25 ID:v2GZo/va0
妹「じゃあ最後にBちゃんいきましょう!」

男「Bちゃんか・・・」ジーー

妖精B「・・・?」

男「・・・」ジーーー

妖精B「///」

男「意外とこんなペールブルーなやつとか」

妹「はぁ」

男「だ、ダメすか」

妹「春らしくていいとは思いますけど、Bちゃんならこっちのダークブルーが・・・」

男「ええぇ・・・。さっき『春なんだから明るい色!』って言ったじゃんか・・・」

妹「さっきの兄さんの発言で気づきました・・・。季節に関わらず好きな色の服を着たい人も居ると」

男「謀ったな」

妹「ふふふ」

246: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/31(日) 00:24:06.44 ID:v2GZo/va0
男「でもBちゃんは意外と明るい色が好きそう」

妹「勘ですか?」

男「勘。あと、折角綺麗な長髪だから、暗い色だと被っちゃうな、と」

妹「はっ、そういえばそれがありました・・・」

妖精B「・・・ご主人様のが可愛い・・・です///」

男「よっしゃあぁぁぁ」

妹「破れましたが悔いはありません・・・!」

妹「兄さんはもう立派な宿敵<とも>です!」

男「それ以前に兄妹です」

247: ◆e2qiR6vDkY 2013/03/31(日) 00:28:13.97 ID:v2GZo/va0
男「よし、さっさと買って帰」

妹「何言ってるんですか?」

妹「1着で足りるわけないじゃないですか!」

男「ええぇ」

妹「せめて3セットは欲しいですね」

妹「あと、上着に下着に靴下に靴に・・・」

男「ふぇぇ」

妹「よし!じゃあ次は自分が欲しいもの選んでみましょう!」

妹「選んだら試着しますよー!」

260: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/01(月) 22:36:42.89 ID:8WXYkl300
男「つか・・・れ・・・た・・・」

妹「お疲れさまでした。じゃあ頑張って運びましょう!」

男「おう!・・・あれ、お前は?」

妹「持たせるつもりですか?」キラキラ

男「6袋もあるからな!変なオーラ出すな!」ガサガサ

妹「がんばれませんか?」

男「やっぱり来るんじゃなかった」

261: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/01(月) 22:42:52.17 ID:8WXYkl300
妖精D「えっと・・・持ちましょうか?」

男「だ、男性たるものがこのくらい持てないでどうするよ!」

男「うおおおおお」

男「服重っ!!」

男「うん、無理だ。プライドより身体のが大切だわ。1つ持ってください・・・」ガサッ

妖精D「は、はい♪」

妖精A「私も持ちます!」

妖精B「私も・・・」

妖精C「ならあたしも!」

男「悪いねぇ」ガサガサ

妹「・・・」

262: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/01(月) 22:44:07.55 ID:8WXYkl300

男「ふう、軽くなったわー」

妹「・・・」スッ

男「何?この手」

妹「持ちます」

男「いいよ、2つくらいなら持てるから」

妹「持ちます!」

男「はぁ・・・。じゃあ、はい」ガサッ

男(はたして俺の妹はツンデレさんだっただろうか・・・)

263: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/01(月) 22:52:17.42 ID:8WXYkl300
男「ついたついたー」

妖精C「つかれたー」

男「ごめんなー」

妹「お疲れさまですー」

男「あ、そうだ、おこづかいどうぞ」チャリン

妖精A「ありがとうございます!」

264: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/01(月) 22:56:37.58 ID:8WXYkl300
妹「さて、Cちゃん、これで合計何枚でしょう?」

妖精C「8たす4・・・は・・・」

妖精D「ご、ご主人様・・・」

男「ん?何?」

妖精D「繰り上がりのある足し算は・・・」

男「あ、そうなのか・・・ごめんごめん」

妖精C「わかった12!」

妖精D「すごい!正解!」

妖精C「これくらいなら数えられるよ!」

266: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/01(月) 23:03:40.12 ID:8WXYkl300
男「今日はおでんにするよ!」

妹「しゃぶしゃぶ・・・」

男「いいかげん諦めなさい」

妹「うぬぬ」

妹「あ、味の染みてないのは嫌です」

男「珍しく正論を」

妹「ふふん」

男「でも、明日のために今日作っとくわけだし、買い出しにいくか」

妹「それで、今夜は?」

男「野菜スープかな」

妹「」

267: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/01(月) 23:11:12.72 ID:8WXYkl300

男「よし、じゃあいってくる」

妖精A「私も行きたいです!」ビシッ

男「そう?買った洋服見てなくていいの?」

妖精A「後で見ます!」

男「じゃあ行こうか」

268: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/01(月) 23:18:48.35 ID:8WXYkl300
妖精A「~♪」

男「ご機嫌だね」

妖精A「はい!・・・」

男「あったあった、こんにゃく、ちくわにちくわぶはんぺんに餅入り巾着!」

男「昆布は確かまだ残ってたな。よし、野菜売り場いくよー?」

妖精A「すごい手際良いですね・・・」

男「だいたい同じ所においてあるしねー」

妖精A「それでも尊敬です!」

男「そう?ありがとう」

269: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/01(月) 23:26:22.31 ID:8WXYkl300
男「大根ー!やっぱおでんと言えば大根だよね」

男「あとはー・・・今日の晩御飯の野菜を少し・・・、あ、ツナ買お」

男「あ、何か欲しかったら買ってあげるよ?」

妖精A「本当ですか!?えっと・・・」

男「・・・野菜売り場から選ぶのか」

妖精A「ダメ・・・でしょうか?」

男「いや、こういう時人間なら野菜は選ばないからそう思っただけ」

妖精A「お肉を選ぶんですか?」

男「いや、お菓子とか・・・あ、果物とかは?」

妖精A「・・・おいしいんですか?」

男「人間的には」

270: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/01(月) 23:34:53.46 ID:8WXYkl300
男「というわけで果物売り場に来たよ」

妖精A「カラフルです~」

男「ちょうどミカンの試食があるよ」

男「妖精が食べても・・・・・・うん、平気って書いてあるな」

男「1つもらいます」

店員「どうぞー」

妖精A「いただきます!」パクッ

妖精A「ひゅ、すっぱ!」

妖精A「・・・あ、あえ?」モグモグ

妖精A「・・・甘い・・・かも?」モグモグ

男「良い反応だ」

271: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/01(月) 23:43:35.67 ID:8WXYkl300
男「あと試食があるのは・・・リンゴとか」

男「はい、これ」

妖精A「いただきます」シャクシャク

妖精A「ふきはもひれまふぇん!」シャクシャク

男「食べ終わってから喋りましょう」

妖精A「・・・」シャクシャク

妖精A「・・・」ゴクン

妖精A「好きかもしれません!」

男「じゃあいくつかリンゴ買うかー」

272: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/01(月) 23:53:34.07 ID:8WXYkl300
男「お菓子もちょっと買ってみて様子を見るか」ガサガサ

妖精A「・・・」ワクワク

男「なんか嬉しそうだね」

妖精A「ご主人様がくださる食べ物はなんでもおいしい気がしてきました」エヘヘ

男(なんか、商人たちに変な事言い聞かせられても、それに妖精が素直に従ってしまう理由が分かった気がする)

273: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/02(火) 00:01:00.35 ID:YOCscIBT0

男「のんびり買い物してたら遅くなってしまった」

妖精A「ごめんなさい・・・」

男「平気平気」

妖精A「あの・・・荷物持ちますよ?」

男「いいよー、そんな重くないし」

妖精A「でも・・・主従の関係ですし」

男「Aちゃんは良い従者になりたいの?」

妖精A「はい!ご主人様のために!」

男「じゃあ主の言う事、素直に聞けるよな!」ニヤニヤ

妖精A「あ、あぅぅ」

275: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/02(火) 00:09:21.63 ID:YOCscIBT0
男「そうそう」

妖精A「なんでしょうか?」

男「俺の友達に聞いたんだけど、Dちゃんてすごいんだってね」

妖精A「そうです!すごいんです!」

男「自然で暮らしてた頃はどんなだったの?」

妖精A「今日はなにをするぞーとか、お知らせがある時はひとりひとりに声かけてくださったりしました!」

男「へぇ・・・」

妖精A「ひとつ前の大妖精は、森の中の・・・掲示板?みたいなものに書いておくだけだったんですよ!」

男「気付かないで終わりそうだなぁ」

妖精A「そうなんです!!それで、私たちが怒られるんですよ!なんで来なかったんだーって」

男「そこは確認を怠った方にも責任はあると思うけどさ」

276: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/02(火) 00:14:44.19 ID:YOCscIBT0
妖精A「それのほかにも!色々制度を変えてくださったんですよ!」

男「制度?」

妖精A「そうですね・・・食べ物を取りに行く人は日替わりにするとか」

妖精A「『食べ物を取りに行く係当番表』は大人気でした」

男「それまでどうしてたの?」

妖精A「取りに行きたい人が取りに行ってました!」

男「Dちゃん規格外すぎる」

277: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/02(火) 00:21:43.75 ID:YOCscIBT0
―――男家―――

男「ただいまー」

妖精A「荷物持ったわけでもないのにお礼を頂いてしまいました・・・」

男「付き合ってくれたお礼を、ね」

妹「兄さん、お風呂洗いました?」

男「洗ってない」

妹「・・・洗いましょう」

男「二日くらい大丈夫だって」

妹「この子たちの為にも」

男「そう言われると断れないなぁ・・・」

278: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/02(火) 00:32:35.91 ID:YOCscIBT0
男「俺は今から食事を作るので」

妹「ので?」

男「頼んだ」

妹「嫌です」

男「そうか」

男「今日の晩飯は5人分か」

妹「うっ・・・そこをつかれると弱いです!」

妹「わかりました、やりますよ・・・。あ、誰かお借りしていいですか?」

男「良いって言うならいいけど」

286: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 21:36:49.00 ID:gE4uy9is0
妹「そんなわけで、一緒にお風呂掃除してくれる人募集です」

妖精C「はい!」

妹「おお」

妖精C「水かんけーはおまかせだよ!」

妹「そういえば水がどうとか言ってましたね・・・是非お願いします」

妖精D「あ、服が濡れちゃいませんか?買って頂いたばかりなのに・・・」

妹「どうせ1回洗いますし、いいですよ」

287: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 21:45:55.60 ID:gE4uy9is0
妖精C「で、おふろそーじって何するの?」

妹「お風呂をきれいにするんです」

妹「湖とかと違って量が少ないですから放っておくと大変なことに」

妖精C「ぞぞっ」

妹「まずは水を抜きます」スポン

妖精C「おおっ」

妹「待ちます」

妖精C「ぐるぐるー」

妹「渦まいてますねー」

288: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 21:52:29.73 ID:gE4uy9is0
妹「抜き終わったら、洗剤を吹き付けて・・・」

妹「このブラシでゴシゴシ擦るんです」

妖精C「どこを?」

妹「浴槽の中全体ですねー」

妖精C「めんどうだねー」

妹「そうですねー」

妹「でもやらないわけにはいきませんので頑張りましょう」

妖精C「そこであたしの出番だね!」

妹「私も頑張りますよ!」

妖精C「そうじゃなくて」

妹「?」

289: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 22:00:12.67 ID:gE4uy9is0
妖精C「あたしならではの方法が」

妹「おお!何かいい方法が?」

妖精C「やってみないとわかんないけど」

妹「早速やってみましょう」

妖精C「この入れ物使うね」

妹「洗面器ですか?いいですよー」

290: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 22:03:52.31 ID:gE4uy9is0
妖精C「水でいっぱいにしてー」

妹「しました!」

妖精C「洗剤を水にいれてー」

妹「はいはい」シュシュッ

妖精C「これをこーそく回転させるー」ギュルルル

妹「おおおっ!?なんか竜巻みたいに!」

妖精C「これをお風呂に移動させてー」

妹「浮かんだ!?」

妖精C「そしてお風呂全体をいどーさせるー」

妹「か、画期的です!」

291: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 22:12:25.55 ID:gE4uy9is0
妹「是非お風呂場の床と壁も!」

妖精C「わかった!」

妹「あ、ちょ、私は避けt」

妹「あばばばばばばばば」

妖精C「あ、ごめんなさい!」

妹「ごほごほ・・・あ、いえ、当たるような位置にいた私も悪かったです」

妖精C「妹さんに当たらないようn」

妖精C「あばばばばばば」

妹「って自分にあたっちゃってます!」

妖精C「げほっげほっ・・・。みすった」

292: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 22:21:09.50 ID:gE4uy9is0
妹「これで全部ですかね・・・」

妖精C「あとはきれーな水で流すだけ!」

妹「ゴムパッキンのカビまですっきり!」

妹「・・・って、口に出すとお風呂用洗剤の宣伝みたいですね」

妖精C「きれいになった?」

妹「完璧です!あとで是非私の部屋のもお願いです!」

妖精C「いーよっ」

妹「やった」

妹「じゃあすすいでー」シャァァァ

妹「お湯を張る、っと」

293: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 22:29:08.19 ID:gE4uy9is0
妹「終わりましたー」

男「早っ」

男「早いけど、びしょぬれじゃんか・・・」

妹「ちょっと色々ありまして」

妹「でも、所要時間わずか5分でした」

男「すごいな・・・」

妹「早くてもいつもよりきれいですよ!Cちゃんのお陰で」

男「マジか」

294: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 22:34:34.24 ID:gE4uy9is0
妹「ん!」スッ

男「何、この手は・・・」

妹「お駄賃を要求します!」

男「はい?毎日タダ飯食べといて何を・・・はっ」ヒラメキ

男「まぁ、あげましょう」チャリン

妹「500円ゲットですー!」

男「で、お前、Cちゃんにお礼したの?」

妹「そうでした!Cちゃーん」

妖精C「なに?」

妹「これ、お手伝いのお礼です」チャリン

妖精C「やったー!」

妹「・・・・・・あれ?」

295: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 22:41:02.80 ID:gE4uy9is0
妹「兄さん、ご飯まであとどれくらいですか?」

男「15分もあればできるけど」

妹「じゃあ先にCちゃんちょっと借りますね!」

男「お礼しろよー?」

妹「わかってますよ!」

296: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 22:45:53.12 ID:gE4uy9is0
妹「と、いうわけで、ここが私のお風呂です」

妖精C「カビだらけ!」ガーン

妹「そうなんですよ・・・」

妹「と言うわけでお願いです!」

妖精C「頑張る!」

297: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 22:49:13.95 ID:gE4uy9is0
妖精C「頑張った」

妹「すごい威力です・・・!」

妖精C「こんなにきれーだったんだね」

妹「借りた当時でもこんな綺麗じゃなかったはずなんですけどね」

妹「じゃあ、お礼を・・・あれっ」

妹「500円玉がない!仕方ない、これをあげましょう!」

妖精C「これなに?」

妹「兄さんに頼めばこれ1枚で500円玉2枚と交換してくれる交換券・・・ですかね」

298: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 22:56:34.85 ID:gE4uy9is0
妖精C「2まい・・・じゃあ、これかえす!」チャリン

妹「え?いいんですか?」

妖精C「1枚ぶんのお仕事しかしてないもん!」

妹「イイコダナー」ナデナデナデ

妖精C「えへへ」

妹「さて・・・びしょ濡れなので着替えて兄さんの所に戻りましょうか!」

妖精C「うん!」

299: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 23:03:12.46 ID:gE4uy9is0
妹「戻りましたー」

男「戻ってくんのか」

妹「今、うちに晩御飯ないですから!」

男「せめて1食分くらい準備しといたらどうなの・・・」

妹「・・・まぁ、考えておきます」

男「カップ麺とかでもいいんだしさ」

妹「はあい」

301: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 23:08:55.61 ID:gE4uy9is0

男「出来ましたー」

妖精D「今日も美味しそうですね!」

妹「当然です!兄さんの料理ですから!」

男「お前が威張るな」

男「あれ?Bちゃんは?」

妖精A「カーテンの裏に隠れてます」

妖精D「やっぱり恥ずかしいみたいで・・・」

302: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 23:11:14.14 ID:gE4uy9is0
男「Bちゃん、ご飯だよー」

妹「美味しいスープですよー」

妖精B「・・・」コソコソ

妹(やばい、この生き物可愛い)

男「冷めたらあんまり美味しくなくなっちゃうよー」

妖精B「・・・」オズオズ

妹「出てきてくれました!」

男「いい子だー」ナデナデ

305: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 23:16:29.42 ID:gE4uy9is0
妹「ごちそうさまでしたー」

「ごちそうさまでした!」

妹「当然のように美味しいので最早カットです」

男「まじか」

妖精B「お皿・・・洗いますか?」

男「そうだね、お願い!」

妖精B「・・・」トテトテ

妖精C「あ、そうだ、これ!」

男「ん?・・・どこで拾ったの?」

妹「あ、私があげた1000円札です!」

306: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 23:19:52.81 ID:gE4uy9is0
妖精C「コイン2枚とこーかんしてくれるの?」

男「そうだね、交換しよっか」

妖精C「やった!あれどこ?あの何とか箱」

妖精A「貯金箱?」

妖精C「それそれ!」

妖精D「私が持ってるよー。はいっ」

307: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 23:27:52.65 ID:gE4uy9is0
妖精C「てい」チャリンチャリン

妖精A「何枚になった?」

妖精D「15枚かな」

男「今Bちゃんがお皿洗ってくれてるから、これで16枚だな」

妖精A「意外と貯まりますね」

男「そうだなぁ・・・」

308: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/03(水) 23:31:42.16 ID:gE4uy9is0
妖精B「お皿洗い、出来ました・・・」

男「お疲れさま!お金、貯金箱に入れちゃうけど、いい?」

妖精B「はい・・・」

男「よいしょっと」チャリン

妹「・・・」

妖精C「ふるとじゃらじゃら言うー」ジャラジャラ

妖精A「すごい!」ジャラジャラ

321: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 22:56:00.08 ID:5mcUq+7z0
男「さて!妹が居るうちにお風呂に行ってもらいましょう」

男「今日もCちゃんDちゃんから?それとも逆にする?」

妖精A「昨日と同じでいいですよ」

妹「じゃあCちゃんDちゃん、行きましょうか!」

妖精C「はーい」

妖精D「わかりました!」

322: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 23:00:28.45 ID:5mcUq+7z0
―――風呂場―――

キラキラキラキラ

妖精D「すごく綺麗になりましたね・・・」

妹「そうでしょうとも!」

妖精C「そーでしょーとも!」

妖精D「きらきら光ってます」

妹「Cちゃんが頑張りましたから!」

妖精C「がんばりましたから!」

323: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 23:06:42.45 ID:5mcUq+7z0
妖精D「あれ?服が脱げない?」グイグイ

妹「羽に引っ掛かってますよ」

妖精D「あっ、じゃあ消しちゃいます!」ポン

妹「消せるんですか!」

妖精D「はい、魔法で」

妹「なるほど」

324: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 23:10:02.95 ID:5mcUq+7z0
妖精D「初めてお風呂の時は、消さないで入りましたけど・・・魔力の関係で」

妹「魔法使い放題ではないんですか?」

妖精D「そうです・・・ね」

妹「じゃあ、そんな無駄遣いできないじゃないですか、さっきCちゃんに2回も使わせちゃいました」

妖精D「大丈夫ですっ」

妹「?」

325: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 23:13:14.58 ID:5mcUq+7z0
妖精D「経験則ですけど、私たちの魔力はアブラナ科の植物を食べることで回復します」

妹「アブラナ科というと?」

妖精D「キャベツとかブロッコリーとか・・・森では菜の花とかナズナとかですね」

妹「なんと」

妖精D「森だと意外と見つからないんです、実は」

妹「そうなん・・・ですか?」

妖精D「みんなそれを食べますからね」

妹「需要が多すぎたんですね」

326: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 23:17:50.68 ID:5mcUq+7z0
妖精D「特に昔は採集自由でしたから・・・」

妹「昔、ですか」

妖精D「はい、私が大妖精に任命される前の大妖精様は、放任主義だったので」

妹「それ、放任主義というか無視では」

妖精D「悪く言うとそうですね」テヘヘ

327: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 23:22:00.84 ID:5mcUq+7z0
妖精D「最初はご主人様に毎日魔力回復させていただけるなんて考えてなかったので、消しませんでしたけど」

妖精D「それが今では毎日のように・・・。本当にありがとうございます」

妹「兄さんに言ってあげてください、私が買ってる訳じゃないので」

妖精D「はいっ」

妖精C「さむい」

妹「まさかの全裸待機」

328: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 23:26:49.53 ID:5mcUq+7z0
―――あっという間にお風呂上がり―――

妹「お風呂あがりましたが、兄さん」

男「はい?」

妹「今日買った服は一度洗ってから着せるべきだと思うんです」

男「そうだな、一応」

妹「それで、昨日洗ったCちゃんDちゃんの服、乾いてますよね?持ってきてくれますか」

男「なるほど、了解」

330: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 23:34:25.04 ID:5mcUq+7z0
男「はい、持ってきたよ」

妹「どうもー」ガラガラピシャン

妹「と言うわけで、今日はこれを着てください」

妖精D「最初着てた服ですね」

妹「この機械が綺麗にしてくれた物ですけどね」

妖精D「すごい綺麗になってます」

妖精C「ほんとだー」

妖精C「でもちょっとかび臭いかも」クンクン

妖精D「そう?・・・・・・うーん、私にはわからないなぁ」クンクン

妹「うーん、どうでしょう・・・」クンクン

331: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 23:38:42.59 ID:5mcUq+7z0
妹「Cちゃんはにおいに敏感なんですかね」

妖精C「水のにおいはきになるー。水の妖精だからね!」

妹「はっ、まさか洗濯層にカビが」

妹「Cちゃん、この機械にさっきのぐるぐるを」

妖精C「わかった」ギュルルル

妖精D「おおっ!」

332: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 23:45:55.27 ID:5mcUq+7z0
妹「恐ろしいものを見てしまった」

妖精C「まっくろ」

妹「この水、捨てられますか?」

妖精C「てい」ジャァァ

妹「あとで・・・またうちのもお願いします」

妖精C「がんばる」

333: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 23:48:40.67 ID:5mcUq+7z0

妹「と言うわけで、お駄賃をあげてください」

男「はいはい。ちなみにどんくらいすごかった?」

妹「見に来ます?」

男「・・・へ?」

妹「これから私のうちのもやってもらうんですが」

男「正直グロ耐性はないので遠慮します」

妹「ちぇ、じゃあ、二人で行ってきます」パタン

334: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 23:53:17.25 ID:5mcUq+7z0
妖精A「あ、じゃあ、私たちはその間お風呂入りましょう!」

男「二人で入れる?」

妖精A「せっかくなので、一緒に入りましょう!」

男「せっかくなので、って何なんよ!」

妖精B「私たちは・・・ご主人様と入ってないから・・・」

336: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/05(金) 23:57:51.84 ID:5mcUq+7z0
―――風呂場―――

男「結局一緒に入ることに」

妖精A「ご主人様とお風呂ー」

男「替えの服よし、タオルよし、うん、オッケー」

妖精B「・・・」カクレ

男「恥ずかしいなら提案しなきゃいいのに・・・」

妖精A「恥ずかしくても、入りたいんです!」

男「はあ・・・乙女の心は分からないね」

337: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/06(土) 00:01:17.60 ID:qOGziQ2E0

妖精A「Cたちとは何をしたんですか?」

男「特に何も・・・。背中流したくらい」

妖精A「じゃあ同じことしてください!」

男「まあ、いいよ」

妖精A「羽消しますね?」シュッ

男「おおっ!?」

男「すごいな、やっぱり魔法?」

妖精A「はい!・・・あ、ご主人様を信頼して尋ねますけど、、、ご主人様、魔法学に詳しいんですか?」

男「ごめん、聞いたこともない」

338: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/06(土) 00:05:07.75 ID:qOGziQ2E0
妖精A「私たちは、魔法を使うときはもちろん、存在しているだけで魔力を消費します」

妖精A「そしてその魔力を回復する薬草がとっても希少で、なかなか手に入らな・・・くしゅん!」

男「長くなるなら風呂入りながらにしないか」

妖精A「あ、はい」

妖精B「・・・」

339: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/06(土) 00:10:07.86 ID:qOGziQ2E0
男「背中洗います」

妖精A「はい!それで、薬草がとっても希少だって所まで話しましたっけ」

男「うん」

妖精A「それで普段は、生きるのに使う魔力を補うので精一杯なんです」

男「えっ」

男「じゃあ、気軽に羽隠してたけど、案外やばくね?」

男「妹、Cちゃんに魔法使わせまくってるけどヤバくね?」

妖精A「それが何故かヤバくない、ってお話なんです」

男「?」

340: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/06(土) 00:14:16.84 ID:qOGziQ2E0
妖精A「ご主人様の作った料理を食べると、回復するみたいなんです」

男「マジかい」

妖精A「それで、ご主人様が魔法学に精通されていて、私たちを気遣って入れてくれたのかな、とか・・・」

男「ちなみにその薬草の名前は?」

妖精A「何種類かあるんですけど・・・どれも人類語で言えません!」

妖精A「私はその草を採りに行った事が無いので、よくわからないんですけど・・・」

男「その野草を探しに行く係でもあったのかな」

妖精A「あ、はいそうです!良くご存じですね」

男「ちょっと違うけどDちゃんがそんなこと言ってたから」

妖精A「あ、そうです!Dなら知ってるかもしれません、あとで聞きますね」

男「頼んだ。あ、流すよ」ジャー

妖精A「暖かい・・・」

男「じゃあ、Bの背中流すから、体洗っておいてね」

妖精A「はい!」

341: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/06(土) 00:17:26.93 ID:qOGziQ2E0
男「おまたせ」

妖精B「・・・お願いします」チョコン

男「ちなみにBちゃんもその薬草の名前わからない?」ゴシゴシ

妖精B「・・・わからない、けど、ハート形」

男「ハート形!?」

妖精B「そうじゃないのもありましたけど・・・」

男「ハート形なんて植物知るかよ・・・。葉っぱか?葉っぱならハート形あるな・・・クローバーとかか?」

男「でも、そんなの料理に入れてないしなぁ・・・」

妖精B「クローバー・・・じゃない」

342: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/06(土) 00:22:25.81 ID:qOGziQ2E0
男「うーん、やっぱりDちゃん待ちか」

妖精B「ごめんなさい・・・」

男「気にしないでいいよ?」

妖精A「洗えました!」

男「じゃあ、次髪の毛だなー」

妖精A「はい!」

男「じゃあBちゃんは流すねー」

妖精B「・・・」コクッ

343: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/06(土) 00:31:14.48 ID:qOGziQ2E0
―――一方、妹家―――

妹「・・・」

洗濯機「」マックロ

妖精C「すごい」

妹「なんだか洗った服全部洗い直したくなってきますね」

妖精C「気にするほどじゃないよ!」

妖精C「あたしがやるまでおちなかったんだから、普通に使ってるだけじゃ水に出てかないよ」

妹「なるほど・・・」

344: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/06(土) 00:38:25.86 ID:qOGziQ2E0
妖精C「そもそも、妹さんはいままで気にならなかったんだから、だいじょうぶ!」

妹「そ、そうですね!気にならなくなってきました・・・」

妖精C「もし気になっても、いままで何もなかったからだいじょうぶ!」

妹「おお!もう気になりません!」

妖精C「そしてこれからはもうキレーだからだいじょうぶ!!」

妹「完璧です!!」

345: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/06(土) 00:41:31.24 ID:qOGziQ2E0
―――再び男家、風呂場―――

男「見たことないブラシとコンディショナーが」

男「使うか」ワシャワシャ

男「Aちゃんも見た目より髪重いね。ちょっとすいたらさっぱりするかも」

妖精A「すく・・・ってなんですか?」

男「うーん・・・長さは変えないでボリュームを減らす、軽くする的な」

妖精A「そんなすごい技術があるんですか!是非お願いしたいですっ!」

男「い、いや人間的にはごく普通の技術だけどね」

妖精A「妖精はそんなことにも気づきませんでした!」

妖精A「もしかしたらCやDもそれを望んでるかもしれませんっ!」

男「なんと」

346: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/06(土) 00:48:14.31 ID:qOGziQ2E0
男「よし、Aちゃんは終わり!浴槽に入ってて」

妖精A「はい!」

男「Bちゃんおまたせ」

妖精B「お願いします・・・」

男「目閉じててねー」

妖精B「はい・・・」

347: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/06(土) 00:51:05.48 ID:qOGziQ2E0
男「長い髪を洗ったことないから若干不安が残るけど、できました!」

男「特にトリートメントなんて初体験ってレベルじゃ」

男「Aちゃんはそろそろ出ようか」

妖精A「はーい」

男「上がったら体拭いて、服を着る、あと妹に頼めば髪乾かしてくれると思うから、よろしく」

妖精A「わかりました!」

348: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/06(土) 00:54:22.52 ID:qOGziQ2E0
男「じゃあ、Bちゃんどうぞ」

妖精B「ご主人様は・・・?」

男「俺、まだ体洗ってないから」

妖精B「・・・私が洗ってもいいですか」

男「マジ?」

妖精B「はい」

356: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 21:29:54.14 ID:gBPlfszL0
男「なんか普通に上手でした、ありがとう」

妖精B「・・・どういたしまして」

妖精B「・・・背中以外も洗いますか?」

男「恥ずかしいのでいいです、入っててください」

妖精B「・・・待ってます」

男「?」

357: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 21:37:10.72 ID:gBPlfszL0
男「お待たせしました」

妖精B「先に・・・入ってください」

男「?・・・はい」ザブン

妖精B「・・・」チャプ

妖精B「・・・」チョコン

男「ひょっとして俺の上に座るために?」

妖精B「・・・・・・はい」

男(かわええ)

男(だが精神力が切れたら大変なことになるぞこれ)

358: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 21:41:42.10 ID:gBPlfszL0
妖精B「ちょっと・・・熱いです、冷ましていいですか?」

男「どうぞ、あ、水入れようか」

妖精B「大丈夫・・・です、えい」シューン

男「なんと」

男「ちょっとぬるくなった・・・」

妖精B「私の能力・・・温度を下げることができる・・・みたい・・・です」

男「なんで?」

妖精B「・・・前にDが教えてくれたんですけど・・・忘れました・・・」

男「またDちゃんに聞くことが増えた」

359: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 21:52:17.45 ID:gBPlfszL0
男「そろそろ上がろうか」

妖精B「あ・・・はい」ザバッ

男(セーフ!)

男「じゃあ、脱衣所のタオルで体拭いてね」

妖精B「はい・・・」ワシワシ

男「背中拭くねー」ゴシゴシ

妖精B「・・・///」

361: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 21:57:48.97 ID:gBPlfszL0
男「上がったよ」

妹「乾かしましたよ」

男「もう一人頼む」

妹「えー」

男「お前がやった方がBちゃん綺麗になるし」

妹「やりましょう」

男「Bちゃん、背中流してくれたお礼入れとくからねー」チャリン

362: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 22:03:48.01 ID:gBPlfszL0
男「それでDちゃん」

妖精D「あ、はい、なんでしょうか」

妖精A「なんでご主人様の料理を食べると魔力が回復するの?」

妖精D「奇遇ですね、私たちもさっきその話をしました」

男「なんかハート形の薬草を食べてたとか」

妖精D「ハート形・・・ナズナですか?」

男「ナズナか・・・って、そんなの入れてないし!七草粥の時期でもないし」

妖精D「ナズナ限定ではなくて、アブラナ科ならなんでもいいみたいです」

男「なんでやねん!」

363: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 22:08:14.75 ID:gBPlfszL0
男「・・・ところで、どんなのがあったっけ?」

妖精D「キャベツとか、ブロッコリーとか・・・ですね」

男「じゃあ、それらをあげていれば、妖精はいつまでも死なないの?」

妖精D「寿命はあります」

妖精D「人間も、食事さえしていれば死なない、なんて無いですよね、それと一緒です。ただ・・・」

男「ただ?」

妖精D「他言しないでくださいね?」

男「ああ、もちろん」

364: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 22:17:38.99 ID:gBPlfszL0
妖精D「死んだ後、私たちの要素が存在していれば、森で復活することがあるようです」

男「・・・つまり?」

妖精D「Aなら草が生えていれば、Bなら静かな場所があれば、Cならきれいな水があれば、私なら風が吹いていれば、復活できます」

男「マジですか」

妖精D「今までの経験上では、そうですね」

男「無敵・・・じゃね?」

妖精D「あんまり何回も復活していると、いつか出来なくなるみたいなんですが」

妖精D「メカニズムは分かっていません・・・」

男「よくわからないが、人間じゃないんだな、と改めて思った」

妖精D「その代わり新個体の誕生はほとんど無いですけどね」

365: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 22:23:21.64 ID:gBPlfszL0
男「ちなみに寿命は?」

妖精D「長くて3年程度ですかね?何年生きても何回生き返ってもこの姿のまま、ですけど・・・」

男「!?」

妖精D「でも、私たちみたいに売買される妖精の平均寿命は、1年半と聞きました」

男「酷っ!」

妖精D「魔力不足やストレスが原因なんでしょうか・・・」

男「ちなみに・・・今何歳?」

妖精D「私は捕まるのが遅かったので今1歳11ヶ月です」

妖精D「AとCも同じ年齢ですけど・・・Bは違うグループだったので聞いてません」

366: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 22:29:38.77 ID:gBPlfszL0
男「妹、ちょっといいか?」

妹「なんでしょう」ブォォォ

男「ちょっとドライヤー止めてくれ」

妹「はい」カチッ

男「Bちゃん、今何歳?」

妹「女性に年を聞くものじゃないですよ!」

男「いや、以外と重要な事なんだ」

妹「?」

妖精B「今・・・ですか・・・」

妖精B「1歳と2ヶ月です・・・」

367: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 22:33:55.76 ID:gBPlfszL0
男「ちょっと若いな」

妖精B「そう・・・ですか?」

男「他の3人に比べて、ね。9ヶ月くらい。」

妹「・・・妖精が幼女ってレベルじゃない」

妹「これはつまり妖精は成長が早いってことですか?」

妖精D「いえ、生まれてから死ぬまでほぼこの姿のままなんです」

妖精D「死ぬたびに少し成長している気もしますね」

妹「死ぬ・・・?あの、ちょっと話が理解できません」

男「後で話すから」

368: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 22:41:54.08 ID:gBPlfszL0
男「とりあえず妹はドライヤーを続けてください」

妹「後で絶対教えてくださいよ?」ブォォォォォ

男「Dちゃん、もうひとついい?」

妖精D「はい?」

男「Bちゃんの、温度を下げることができる能力について詳しく」

妖精D「そもそも熱、とは分子の動きじゃないですか。それをBの能力の応用で落ち着かせることで、冷ましてるんです」

男「なるほど、わからん。あ、お礼どうぞ」

妖精D「こ、こんなちょっと説明しただけで頂いてしまっていいんですか?」

男「主人がやるといってるんだから受け取っとけ」

妖精D「・・・はい!」

369: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 22:48:18.41 ID:gBPlfszL0
男「もう半分か・・・」

妖精D「そう、ですね」

妹「・・・半分?」ブォォォォ

男「もう20枚ですよ」

妹「マジ・・・ですか」ブォォォォォ

男「マジです」

妹「・・・良かったですね、Dちゃん」ブォォォォォォ

妖精D「はい!」

370: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 22:57:05.20 ID:gBPlfszL0
妹「乾かし終わりました!」

妹「手が熱いです!!」

男「さて、ではお話しましょう!」

妹「待ってましたよー」

男「他言しないで、と言われていましたが」

男「さすがに妹に話すのは許可が下りました」

妹「ありがとうございます」

妖精D「もともとお話しするつもりでしたから・・・」

妹「あれ?これわざわざ兄さんから聞く必要あるんでしょうか」

371: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 23:03:30.02 ID:gBPlfszL0
―――説明しました―――

妹「・・・」

男「というわけで」

妹「なんか、わりと、重い話でしたけど」

男「だな」

妹「色々考えさせられますね」

男「ああ」

妹「でも、あの子たちの手前、普通にしていましょう!」

男「そうか・・・。それもそうだな」

372: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/07(日) 23:11:54.78 ID:gBPlfszL0
男「さて、寝ますか!」

妹「じゃあ私は帰ります」

妖精A「おやすみなさい!」

妹「おやすみなさい」バタン

男「さて!今日はベッドで寝てね!」

妖精D「あ・・・はい・・・」

男(しまった、忘れていたが布団買わねば・・・)

―――――――――――――――
3日目終了
コイン:20枚

382: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 21:06:54.24 ID:KyLINxUN0
妖精A「おはようございます!」

男「眠い」

男「高校時代、毎朝弁当を作ってくれた母親に今更ながら感謝だな」

男「少し無理にでもコンビニで買うと主張してみるべきだった」

妖精D「申し訳ありません、私たちの食事の為に・・・」

男「気にしなくていいって、お前らの為なら頑張れる」

妖精A「おいしそう・・・」

383: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 21:12:18.60 ID:KyLINxUN0
妖精D「私たちで何か作れた方がいいでしょうか?」

男「いや、お風呂掃除とか、お皿洗いとか、色々既にやってもらってるし・・・」

妖精C「でも、4人いるから、おしごとも4つあるといーと思うな!」

妖精B「そうですね・・・」

妖精A「当番が無くて、ずーっとゴロゴロしてるのは・・・あの、人間でいうと、に」

男「やめて!」

男「なんかバイトしてない大学生ってニートみたいな扱いを受けるんだから」

妖精D「Not in Educationじゃないんですから、ニートじゃない・・・ですよね?」

男「そうなんだけどなぁ」

384: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 21:17:47.27 ID:KyLINxUN0
男「その2つのお仕事を分担するとか・・・ダメ?」

妖精A「既に分担するほど大変な仕事じゃないんですけどね」

妖精C「商人サマのところだと、毎日しごとがあったもんね」

妖精B「・・・確かに、今のお仕事、より大変なお仕事が・・・」

男「う・・・じゃあ、そうだなぁ・・・」

男「そうだ、お風呂掃除だけじゃなくて部屋の掃除とか、してもらおうかな」

妖精A「おお!」

男「あと、洗濯とかもしてくれればうれしいけど・・・」

妖精B「おお・・・」

妖精C「センタクってなに?」

妖精D「お洋服を洗うことだね」

妖精C「あの、センタッキがやってくれるんじゃないの?」

妖精D「洗濯機が洗ったあと、それを干すのをやって欲しいみたいだよ」

男「そうそう」

385: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 21:22:21.60 ID:KyLINxUN0
男「うーん、とりあえず考えておこう」

男「今すぐやり方を教えてるような時間は無いしね」

男「さて、そろそろ鍋はいいかな・・・」カチッ

男「出来た!今日の朝ご飯はサラダとお味噌汁です!」

妖精D「いい匂いです―・・・」クンクン

男「まぁ、仕事のことは今日俺が帰ってきたらしよう。今は朝食だ」

妖精A「お椀持ってきました!」

妖精B「お茶碗、用意しました・・・」

妖精C「サラダボウルあるよ!」

妖精D「お箸並べました!」

男「すっかり馴染んじゃって」

386: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 21:27:45.92 ID:KyLINxUN0
男「お前より妖精たちの方が働いてるぞ」

妹「そう・・・ですね」モグモグ

男「お前より妖精たちの方が礼儀正しいぞ」

妖精B「そんな、ことは・・・」

妹「仕方ないですね」モグモグ

妹「妹なんてこんなもんですよ」

男「はぁ」


387: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 21:28:38.02 ID:KyLINxUN0
妹「今日もおいしいです」

男「それはどうも」

妖精C「たまにみる真面目な妹さんもスキだよ!」

妹「おお!・・・よしよし」ナデナデ

男「そんな一面があったのか?」

妹「これは・・・少し改めないといけないようですね」

男「そうそう」

妹「妖精ちゃんたちの為に!」

男「妖精サマサマだな」

388: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 21:33:46.37 ID:KyLINxUN0
男「さて、着替え終わったところで、そろそろ大学に行かなきゃだな」

妹「今日は余裕ありますね」

男「反省した結果目覚まし早めたからな」

妹「いいことです!」

男「おかげで眠いがね」

妹「では行きましょうか兄さん」

男「おう」

妖精A「いってらっしゃい!」

男「おう、お昼になったらテーブルの上の食事とってね」

妖精C「うん!」

男「誰か来ても出なくていいからね」

妖精D「わかりました」

妖精A「食器洗いますね!」

男「ありがとう!」

男「じゃ!」バタン

389: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 21:41:15.32 ID:KyLINxUN0
友「おーとーこぉぉぉー」

男「うわっ、なんだキモいな」

友「キモくても許してくれぇぇー」

友「今だけは許してくれぇぇぇぇ・・・」

男「一体どうしたってんだよ」

友「妖精が消えた」

男「・・・そいつは残念だったな」

友「しくったわぁぁぁ」

390: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 21:50:25.54 ID:KyLINxUN0
男「買ってからどのくらいだっけ?」

友「聞いて驚け10日だ」

男「乙」

友「むかつくわ・・・お前んとこのは残ってるからって」

男「最期って、どんななんだ?」

友「直前までピンピンしてたんだが、急にキラーって光って」

友「俺のへや全体が光に包まれたかと思ったら」

友「『さようなら』って聞こえて、気づいたらいなくなってた」

男「ファンタジックなラストだな・・・」

友「不謹慎だぞ妖精が死んだってのに」

男「すまん」

男(実はどこかで復活すると聞いていなかったら友を責めただろうな・・・)

391: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 21:57:34.33 ID:KyLINxUN0
男「なにか残ったか?」

友「虚無感だけが残った」

男「また買うのか?」

友「来月バイトの給料が入ったら買うかもな・・・。糞、1ヶ月は持つと思ったんだけど」

男「どれくらい生きるかって分からないのか?」

友「そうだな、直前までピンピンしてるから、商人のやつらにも死期が分からないんだそうだ」

男「なるほどな・・・」

392: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 22:03:30.81 ID:KyLINxUN0
男「残念だったな、次からはちゃんと・・・」

男(アブラナ科とか魔力の話はしちゃいけないんだっけ・・・)

友「ちゃんと?」

男「ちゃんと優しくしてやったらどうだ?人間なら、ストレスが寿命を縮めるって言うし」

友「純愛系・・・ねぇ。・・・ま、そうしてるおまえの妖精らの寿命次第では考えよう」

男「しばらくしたら返すんだが・・・」

393: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 22:11:37.04 ID:KyLINxUN0
男「着いたな」

友「着いたな」

男「今日は別々だな」

友「おう、じゃあな」

男「さて、授業受けるか!」

―――ただし、一男子大学生の受講光景に需要は無いのでカット―――

394: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 22:25:04.59 ID:KyLINxUN0
男「ただいまー」

妹「お帰りなさい」

男「何故いる」

妹「今日は2限までだったので」

男「そうじゃない、なぜうちに居る」

妹「妖精ちゃんたちと戯れたかったので」

男「なぜ侵入できた」

妹「いや、Bちゃんが開けてくれました」

男「妹と騙る悪いやつだったらどうするの!」

妖精B「申し訳ありません・・・」

男「無事だったから、いいけどさ」

395: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 22:34:33.52 ID:KyLINxUN0
男「掃除やら洗濯の干し方やらを教えましょう」

妹「やらせるんですか?」

男「ああ、妖精たちたっての希望で」

妹「はぁ・・・」

妖精A「おねがいします!」

男「じゃあそうじから・・・」

396: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 22:41:52.12 ID:KyLINxUN0
男「まずは壁の埃をこうハタキで落として・・・」パタパタ

男「壁が終わったら床に掃除機をかけて」ガー

男「終わりかな」

妹「三行で説明しろとは言ってないですが」

妖精A「理解しました!」

妹「したんだ!?」

397: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 22:47:39.76 ID:KyLINxUN0
男「洗濯干しは、この洗濯機から洗い終わった洗濯ものを取り出し」

男「しわを伸ばして」パンパン

男「このベランダの洗濯バサミではさんで干せば終わり」

妹「また3行ですね」

妖精B「わかりました・・・!」

妹「わかったんだ!?」

398: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 22:52:12.18 ID:KyLINxUN0
男「さて、まだ夜まで時間があるし、布団買いに行くか」

妖精D「ついていきますっ」

男「そうか?・・・じゃあ頼む」

妹「留守番は任せてください!」

男「留守番ついでにおでんに火を入れといて」

妹「そのくらいならわかりました」

男「じゃ、いってきます」

妖精D「いってきます!」

399: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 23:01:14.83 ID:KyLINxUN0
男「今日は夕食ができてる分楽だな」

妖精D「そうですね!ところで、おでんとはどんな料理ですか?」

男「妖精って知識片寄ってるなぁ・・・」

男「野菜とか練り物とかいろんな具材を煮た鍋料理?」

妖精D「練り物?」

男「魚の肉だね。食べてみてだめなら食べなくていいよ」

妖精D「あ、はい!」

400: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 23:06:47.90 ID:KyLINxUN0
男「一応野菜的なやつも入ってるしね」

妖精D「そうなんですか?」ウキウキ

男「大根とか、キャベツ的なものとか」

妖精D「わぁ・・・」

男「こんにゃくとかも食べられるかもね」

妖精D「こんにゃく・・・?」

男「お楽しみに」

妖精D「わあ・・・」ワクワク

401: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 23:12:50.10 ID:KyLINxUN0
妖精D「ここですか?」

男「いや、まだ先だね。ここでは電車に乗るの」

妖精D「電車・・・」

男「妖精って何料金なんだ?」

妖精D「そもそも乗れるんでしょうか・・・扱いはペットみたいなものですから・・・」

男「でも、今羽消して首輪も外してるせいか人間にしか見えないんだよな」

男「小学生・・・いや、中学生くらい・・・?」

男「ま、いいや、大人料金で買っとけば怒られはしないだろ」

妖精D「?」

402: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 23:24:09.10 ID:KyLINxUN0
男「降りるよー」

妖精D「おっきい駅です・・・」

男「この駅ビルの8階だよ」

妖精D「はちかい・・・大変ですね」

男「そうでもないけど?」

妖精D「さすがですね、私ならばてちゃいます」

男「エレベーターを使うからね」

妖精D「へ?」

403: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 23:28:05.84 ID:KyLINxUN0
男「エレベーター。知らないか・・・これなんだけど」

妖精D「扉?」

男「この中に入って行きたい階を指定すると自動で連れていってくれます」

妖精D「ワ、ワープですか?」

男「いや、ヒモで吊ってるだけ」

404: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 23:33:31.79 ID:KyLINxUN0
男「よっしゃついた」

妖精D「すごいです!」

男「布団は・・・どこだ?」

妖精D「地図がありますよ!ここです!」ユビサシ

男「おお、ありがとう」

男「寝具寝具・・・奥か」

妖精D「いろんな商品が置いてあって面白いですね!」

男「そうだな、家具ばっかだけど。」

405: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/11(木) 23:42:48.12 ID:KyLINxUN0
妖精D「おおお!布団がいっぱいです!」

男「すごいな」

妖精D「寝相が良くなる、安眠できる、掛け布団が羽根布団で軽い」

妖精D「低反発で包み込まれる感触、埃が立ちにくい、熱を貯めこんで暖かい・・・色々ありますね!」ワクテカ

男「ホントだ、すごいな・・・」

妖精D「どれを買うんですか?」

男「一番安いの」

妖精D「そ、それも大切な特徴ですよね」

男「商品カードをとってレジに行け、と」

妖精D「取りました!」

男「ありがとう、レジに行こう」

413: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/13(土) 22:33:56.96 ID:vE+0wfl40
男「これお願いします」

店員「はい、少々お待ちください・・・」

男「はい」

妖精D「わくわく」

男「さっきの布団運んでくるだけだぞ?」

妖精D「あ、そう・・・ですね」テヘ

店員「こちらの商品で間違いないですか?」

男「えっと・・・はい、これです」

414: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/13(土) 22:44:54.62 ID:vE+0wfl40
男「いい布団が買えた」

妖精D「ふかふかでしたからねー」

男「さて、じゃあ帰ろうか。暗くなってきてるし」

妖精D「これ、持って帰るんですか?」

男「そうだな」

妖精D「来た道と同じ道ですか?」

男「そうなるねー、頑張ろう」

妖精D「私に任せてください!」

男「いや、見た目以上に重いしいいよ?」

妖精D「魔法で!」

男「俺を持ち上げたアレ?・・・って外で魔法はマズいって!」

妖精D「いえ、別の方法があります!」

415: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/13(土) 22:48:58.77 ID:vE+0wfl40
男「別の・・・?」

妖精D「はい!」

男「目立たないの?」

妖精D「一瞬だけ人目につかないところで使えれば!」

男「はぁ」

男(一体何をするんだ?)

男(あ、風を使えるはずだから、圧縮袋みたいに潰して運びやすしてくれるとか?)

男(あとは・・・まさか空飛んだりはしないと思うが・・・)

416: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/13(土) 22:53:02.13 ID:vE+0wfl40
男「何をするんでしょうか・・・」

妖精D「あとで、ブロッコリーか何か頂けますか?」

男「魔力が回復したい、と?」

妖精D「はい・・・ちょっと大がかりな魔法なので・・・」

男(なにそれ!?)

男「えと、おでんにアブラナ科の大根が入っていますが」

妖精D「じゃあ頑張ります!」

男「何を・・・」

417: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/13(土) 22:59:25.26 ID:vE+0wfl40
―――人のいないなんか曲がりくねった通路の奥―――

男「ここらへんとか、いいかも」

妖精D「じゃあ、始めます」

妖精D「手を握っていただけますか?」スッ

男「あ、ハイ」ニギッ

男「えっと、何をs」

妖精D「・・・・・・・・・」ブツブツ

男(なんかマジな詠唱入ってる!?)

妖精D「・・・・・・・・・」ブツブツ

男(ええい、もうDちゃんを信用して、待つしかないな)

妖精D「えいっ」

418: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/13(土) 23:05:22.80 ID:vE+0wfl40
―――一方、男家で―――

妹「よし、おでんもいい感じですね」

妹「大根にもしっかり味が染みておいしいです」モグモグ

妖精A「食べていいんです・・・か?」

妹「ちゃんと私の使命を果たせたか、味見をする権利くらいあると思うんです」

妖精B「そう・・・なんでしょうか」

妹「へい、食べてみちゃえよユー!」

妖精B「い、いえ・・・」

妖精A「私は我慢します!」

妖精C「あたしも!」

妹「えらいなぁ」

419: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/13(土) 23:16:30.88 ID:vE+0wfl40
妹「私としては、主人に忠実すぎるのも良くないと思うんですよ」

妖精A「そうでしょうか?」

妖精C「言うとおりにしないと、ぶったたかれるよ?」

妹「う・・・」

妖精B「ぶったたかれるでは、すまないことも、ありました」

妖精A「[ピーーー]とか[ピーーー]とかありましたねー」

妹「ちょ、聞くだけでおぞましいです!!」

妖精A「と、言うわけで主人に忠実でないといけないんです」

妹「そ、そうですね・・・で、でも、うちの兄さんは別でしょう?」

妖精C「そうだね!」

妹「ああいう型破りな主人には型破りな態度を見せてみるのもアリだと思うんです」

妖精B「・・・それなら、そうかも」

妖精A「うーん・・・」

420: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/13(土) 23:24:14.89 ID:vE+0wfl40
妹「まあ、兄さんに対しては常識が通じないという事d」

ポン!!

妹「うわっ、え?え?」

男「えっ」

妖精D「た、ただいま・・・です」

男/妹「なに今の」

妖精A「テ、テレポート!!」

妖精D「ち、違うよ!」

妖精A「違うの!?」

妖精D「見た目は一緒だけど・・・」

421: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/13(土) 23:29:58.44 ID:vE+0wfl40
男「どう違うの?」

妖精D「私が実際に行って、記憶した場所へしか飛べないんです」

妖精B「・・・その記憶した地点を、『回帰点』と言います」

妖精D「2つ3つしか覚えられないんですけど・・・」

妖精D「あと、魔力をとてもたくさん使うので、魔力が有り余っていてかつ、補給できる見込みがないと自殺行為です」

男「大変だな・・・」

妖精D「あの、このタイミングで裏切られると生きていけないかも知れないので今だけは・・・お願いします」

妹「兄さんが裏切ろうとも私が匿ってあげますとも!」

男「まぁ、無いけど」

422: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/13(土) 23:37:24.28 ID:vE+0wfl40
妹「で、兄さん」

男「はいな」

妹「回帰点回帰<リヴァース・ポイント>・・・いかがでしょう」

男「中二か」

妖精D「あと、それだとただの回帰点になってしまいますね」

妹「回帰点回帰<リヴァース・ポイント=リヴァース>・・・!」

男「厨二か」

男「あと、ヴァはやめい」

妹「リバースだとre-birthと間違えられる可能性が」

男「ないない」

妹「reverse」

男「無駄に流暢!」

423: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/13(土) 23:42:43.69 ID:vE+0wfl40
男「あ、お礼しないと」

妹「食器洗いの件もお忘れなく」

男「AちゃんDちゃんありがとうね」チャリンチャリン

妹「といいますか、なぜ宅配にしなかったんですか?」

男「お届けが明日以降になっちゃうらしいから」

妹「なるほど」

424: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/13(土) 23:49:41.68 ID:vE+0wfl40
男「夕食です!」

妹「おでんです!」

男「面倒は見てくれた?」

妹「はい!バッチリです!」

男「おお、そうか」

妹「大根にもバッチリ味染みてます!」

男「そうかそうか」

男「ちょっと待て、何故知っている」

妹「ハッ!!」

425: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/13(土) 23:54:58.29 ID:vE+0wfl40
妹「説教されました・・・」

男「さて、食べましょうか!」

妖精B「ごはん、よそりました・・・!」

男「いちおう説明しますが、今妹がつついてる感じのやつは魚の肉です」

妹「ちなみに名前はさつま揚げ」

男「興味があったら食べてみて、レベルです」

男「肉じゃないのは・・・この大根と、昆布、餅入り巾着、こんにゃく、ロールキャベツ、がんもどきも豆腐だから野菜かな?」

妹「ロールキャベツは肉がつまってますけどね」

男「いや、今回は詰めてないんだ」

妹「ひ、ひどい」

426: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/14(日) 00:01:00.33 ID:+JAM4HYG0
男「そうそう、卵もあるからご自由に」

妖精C「うまうま」

妖精A「これおいしいです」

男「それはゴボウ巻きだな」

妹「中身はお野菜ですからね」

妖精D「さつま揚げもおいしいです!」

男「おお!」

427: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/14(日) 00:05:52.37 ID:+JAM4HYG0

妹「ごちそうさまでした」

妖精「ごちそうさまでした!」

妖精D「・・・あの、申し訳ありません、こんなに残してしまって・・・」

男「へ?あぁ、大丈夫、これ一日で食べきらないことを前提に多目に作ったから」

妖精D「そうだったんですか、よかった・・・」

男「今日のお皿洗いは?」

妖精C「あたし!」

男「今日のお風呂1番目は?」

妖精A「私と!」

妖精D「私です!」

男「妹、お風呂つけて。頼んだ」

妹「はーい」

428: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/14(日) 00:12:48.86 ID:+JAM4HYG0
妖精C「あらいおわった!」

男「お駄賃どうぞ」チャリン

妖精C「わぁい!」

男「さて、そろそろお風呂沸いた?」

妹「そろそろです」

<オフロガワキマシター

妹「ナイスタイミング」

妖精B「あの・・・」

男「お、なに?」

妖精B「こんなことをご相談するのも烏滸がましいとは重々承知なのですが・・・」

男「そんな前置きしなくても」

429: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/14(日) 00:20:35.25 ID:+JAM4HYG0
妖精B「あ・・・でも、やっぱり・・・」

妹「言っておいた方がいいと思いますよ?」

妖精A「後で後悔しても難だしね!」

男「そうそう」

妹「さっきも型破りな事をしてもいい、って話したじゃないですか!」

妖精B「・・・あ、あの逃げ出した私の友達の話、なんですが・・・」

男「ああ、Eちゃんか」

妖精B「彼女が、SOS信号を出しているみたいなんです・・・」

男「え!?」

妹「な、なんだってー!」

438: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 21:39:06.90 ID:xvNQf0+K0
妖精B「Eが、SOS信号を出しているみたいなんです・・・」

男「え!?」

妹「な、なんだってー!」

男「そのSOS信号は他のみんなにも聞こえてるの?」

妖精D「いえ、恐らくEは歌の妖精ですから・・・特定の周波数を友達に教えることでその相手にテレパシーを送れる能力持ちなんだと思います」

妖精B「そうです!・・・」

妹「番号が分かれば通話できる、電話みたいな物ですね」

男「電話か・・・」

439: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 21:42:10.32 ID:xvNQf0+K0
男「こっちから発信はできないのか?」

妖精B「・・・ごめんなさい、私は受信しかできません・・・」

妹「そうですか・・・。SOS信号の中に場所の手掛かりは?」

妖精B「・・・『森、洞窟にいる助けて』って言ってます」

男「範囲が広すぎる・・・」

440: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 21:47:08.89 ID:xvNQf0+K0
妹「そもそも罠という可能性は・・・?」

男「ワナ?」

妹「何者かのなり済ましとか・・・」

妹「確か、魔法を封じる首輪つけてましたよね?通信なんて出来るんでしょうか」

妖精A「あ、ご主人様が押した"首輪のロック外すボタン"を押すと、5人全員のロックが外れるようになってましたから・・・」

妹「なるほど!『今ならまだ間に合うと思います』ってセリフは首輪解除の電波もまだ届くという伏線だったんですね!」

男「そんなわけあるか」

妖精D「携帯のように電波ジャック出来るような方法で通信してるわけではないので、間違いなく本人です!」

441: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 21:51:51.47 ID:xvNQf0+K0
妖精A「森って、たぶん私たちが生まれた森じゃないかな」

妖精D「あそこはもう枯れちゃってるのに・・・」

妹「目星があるなら、早くそこへ探しにいきましょう!」

男「おう・・・じゃあこれを」

妹「ブロッコリー?」

男「魔力回復が出来るかなって」

妹「なるほど」

442: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 21:56:06.89 ID:xvNQf0+K0
男「森に来た」

妹「暗いですし、手分けして探すのは寧ろ危険ですね」

男「じゃあ、みんなはぐれないようにお願いします」

妖精C「うん!」

妖精D「いきなりですけど、目の前に洞穴が」

妹「じゃあ突入です!」

男「待って」

男「人間が行くと警戒すると思うから、誰か見てきてくれますか?」

妹「あ、そうか・・・」

妖精B「じゃあ私が・・・」ガサガサ

男「入口で待ってるから」

443: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 22:01:05.16 ID:xvNQf0+K0
・・・

妖精B「・・・いません」

妖精B「・・・!通信聞こえました」

妖精D「!」

男「な、何かヒントになりそうなことは言ってない?」

妖精B「『お腹空いた・・・。あ、満月だ、おいしそう・・・食べられないかなぁ』」

男「・・・」

妖精C「・・・」

妖精A[・・・」

444: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 22:06:24.46 ID:xvNQf0+K0
男「本当にSOS信号なのか!?」

妖精B[そ、そのはず・・・なんですけど・・・」

男「twitterか何かと勘違いしてるんじゃ」

妖精C「ついった?」

妹「・・・いえ、このつぶやきは情報満載です」

男「つぶやきって言っちゃったよ」

妹「まず、満月の見える山のこっち側に居る可能性大ですね」

男「・・・なるほど」

妹「あと、そんなに中の方には居ないようですね。月を見ているという事は。」

男「さっきみたいに中まで調べなくていいなら時間が短縮できるな」

妖精A「入り口近くで呼んでみればいいですね!」

445: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 22:11:48.31 ID:xvNQf0+K0
男「みんな、居る?」

妖精D「D、居ます!」

妖精C「Cも居るよ!」

妹「妹、居ますよ」

妖精B「B・・・居ます」

妖精A「A居ますっ」

男「よし・・・」

妹「あ、ここに穴が」

妖精A「おーい!」

「・・・」

「・・・」

男「ハズレか・・・」

446: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 22:14:02.41 ID:xvNQf0+K0
妹「もっと上ですかね・・・」

男「そんなにたくさん洞穴があるのかこの森は・・・」

妖精D「そんなことはないと思うんですが・・・」

男「ここに洞窟!」

妖精C「おーーい!」

「・・・」

妹「居ないようですね・・・」

447: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 22:19:53.63 ID:xvNQf0+K0
男「Eちゃんからの新しいつぶやきは?」

妖精B「来てません・・・」

妹「つぶやきの送信にはどのくらいの魔力が居るんでしょうか・・・?」

妖精D「そんなにたくさんは要りませんけど・・・」

妹「そのつぶやきも来ないという事は・・・ヤバいんじゃないですか?」

男「早く次行こう!」

448: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 22:27:46.59 ID:xvNQf0+K0
妖精A「ご、ご主人様っ!あれ!」

男「何だ?」

妖精E「・・・」

妹「Eちゃんです!そう呼んだことはありませんが!」

男「洞穴から出て倒れてるなんて・・・」

妖精D「みてきます!!」

男「頼む!」

妹「私たちは・・・?」

男「とりあえず隠れよう、驚かせないように」

449: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 22:32:19.71 ID:xvNQf0+K0
妖精C「大丈夫!?」ユサユサ

妖精E「・・・ダメ・・・みたい、もうテレパシー飛ばすだけの・・・魔翌力もないし・・・」

妖精E「辛うじて、みつけた魔法の草も、もうないし・・・」

妖精E「最後に・・・その、みんなに会えて、良かっ」

妖精A「遺言を残す暇があったらこれ食べて!」グイッ

妖精E「むぐぉあ!」

450: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 22:40:36.72 ID:xvNQf0+K0
妖精E「なにっ、これぇ・・・」モシャ

妖精B「・・・HPとMPを同時に回復できるアイテム?」

妖精E「ほ、ほんとだ・・・」

妖精E「でも、別にそんな高級品、、、いらなかった」

妖精E「一回死んで、復活すれば・・・」

妖精D「ところがそうもいかないみたい・・・」

妖精E「え?」

451: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 22:44:21.27 ID:xvNQf0+K0
妖精D「再生については私もまだ詳しくないんですけど・・・歌の妖精であるあなたは歌の欠片もないこの森では復活できない気がします」

妖精E「うっ・・・」

妖精D「とりあえずそれ全部食べて元気になってください」

妖精E「うん・・・」モシャモシャ

妖精A「とりあえず助かってよかったー」

妖精D「そうだねー」

妖精E「あの・・・」

妖精C「なーに?」

妖精E「・・・ありがとう」ボソッ

452: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 22:50:51.82 ID:xvNQf0+K0
妖精A「それでね、そのブロッコリーには提供者が居るんだけど」

妖精E「あ・・・」

妖精E「その人にも、お礼・・・しないと」

妖精B「人間・・・なんだけど」

妖精E「!」

妖精B「あなたが逃げ出したあの家の・・・」

妖精E「無理無理無理無理!」

妖精E「ムリ・・・!!」

453: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 22:57:01.67 ID:xvNQf0+K0
妖精E「そうだ、もう死んでたってことにして!、どうでしょう?」

妖精D「あ、あそこの木の影から見ている人がご主人様です」ユビサシ

妖精E「」


男「なに話してんだろうなー」

妹「あ、こっちを指差しましたよ」

男「そろそろ俺らの事教えてるのかも」

※作中で使用している日本語は一部妖精語を翻訳したものです

454: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 23:03:15.56 ID:xvNQf0+K0
妖精B「でも、いい人・・・だよ?」

妖精C「可愛い服買ってもらったし!」フリフリ

妖精A「ご飯食べさせてくれるし!」

妖精E「それ、懐柔されただけでしょ?」

妖精C「カイジュウ?」

妖精E「餌につられただけでしょ?」

妖精D「そうかもしれないけど、このコインを40枚集めると解放してくれるらしいよ」


妹「あっ、お金を取り出しましたよ」

男「お金で懐柔する気か?」

妹「人間じゃないんですから・・・」

455: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 23:07:43.25 ID:xvNQf0+K0
妖精E「わかった・・・」

妖精A「ご主人様、オッケーでました!」(日本語)

妹「ええっ」

男「マジで懐柔したの!?」

妖精D「いえ・・・それはこれからご主人様がお願いします」

男「なんと」

456: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 23:12:49.06 ID:xvNQf0+K0
男「えっと・・・」

男「とりあえず、人間社会では名前がないと困るので、Eと呼びますが良いですか」

妖精E「べ、別に構いません」

男「ではEちゃん」

妖精E「なんでしょうか・・・」

男「いくらでしょう」

妖精E「?」

男「お金はいくら欲しいですか?」

妖精E「えっ」

妖精A「えっ」

男「えっ」

妹(ここだけ抜粋したらすごい光景です)

457: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 23:19:56.01 ID:xvNQf0+K0
妖精E「・・・頂けるんですか?」ジトッ

男「はい」

妖精E「じゃあ遠慮なく、40お願いします!」

妖精D「あっ」

男「それだけで良いの?」

妖精E「はい・・・!」

458: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 23:22:54.48 ID:xvNQf0+K0
男「どうぞ」チャリーン

妖精E「・・・?」

妖精D「あの・・・」

妖精D「さっきのコインは500円の価値があって、それを40個集めるんです」

妖精D「それは40円の価値しかないです」

妖精E「騙された・・・」

男「?」

459: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/15(月) 23:28:31.09 ID:xvNQf0+K0
男「かわいそうなので500円玉と交換してあげました」

妹「良かったですね」

妖精E「べ、別に・・・」

妹「?」

男「さて、実は帰りながら話していたわけですが」

男「こちらが自宅になります」

妖精A「おかえり!」

469: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 21:40:34.02 ID:bF+zOC2P0
―――男家―――

男「妹はAちゃんとDちゃんをお風呂に」

妹「はい」

妖精A「いってきます!」

男「BちゃんとCちゃんはEちゃんに色々教えてあげて」

妖精C「わかった」

男「俺は簡単なサラダでも作ります」

470: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 21:49:50.73 ID:bF+zOC2P0
・・・・・・・

妖精C「それでねー」

妖精E「うん・・・」

男「サラダできたよ!」

男「どうぞ食べてください」

妖精E「・・・」

妖精C「お腹いっぱいなの?じゃああたしがもーらいっ!」パクッ

男「あ、こら!さっきたくさん食べたでしょ!」

471: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 21:55:47.75 ID:bF+zOC2P0
妖精B「・・・ほら、謀らずも毒味してくれたし、食べて?」

妖精D「あのブロッコリーだけじゃ、ちょっと足りないと思うし・・・」

妖精E「・・・」オソルオソル

妖精E「・・・」パクッ

妖精E「おいしい・・・」

妖精B「・・・でしょ?」

472: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 22:00:15.69 ID:bF+zOC2P0
妖精E「しまった」

皿「」

妖精B「完食」

妹「あがりましたー」

男「おつかれー」

妹「Eちゃん、全部食べたみたいですよ」

男「じゃあ様子見に行くかな」

473: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 22:06:25.88 ID:bF+zOC2P0
男「どう?美味しかった?」ヒョコッ

妖精B「はい、本人もおい・・・」

妖精E「べっ!別に!美味しくは・・・なかったです」

男「あれ、マジか」

妹「みんなと普段食べてたものが違うんですかね?」

474: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 22:12:05.58 ID:bF+zOC2P0
妖精B「あの、ご主人様・・・」

男「何?あ、そういえばBちゃんと仲良しだったんだっけ。いつも何食べてたかわかる?」

妖精B「そうではなくて・・・Eは思っていることを素直に言えないん・・・です」

男「つまり?」

妹「軽度のツンデレですね」

475: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 22:25:36.25 ID:bF+zOC2P0
男「なるほど、語尾が『~なんだからねっ!』じゃないから気づかなかった」

妹「敬語ツンデレですか?」

男「丁寧語ツンデレじゃない?」

妹「そんなことを言うと私も丁寧語妹になってしまうのですが・・・」

男「あ、その口調意識してるんだ」

妹「そうだよっ、おにーちゃん?」

男「アリだな」

妹「いや、そこは『うわっ、キモッ』的な反応を期待していたんですが・・・」

男「一瞬不覚にも萌えてしまった」

妹「一応言いますが義妹とかじゃないですからね、私」

男「知ってますがな」

妹「だから妹に萌えるのはおかしくないですか?」

男「さて、そろそろ置いてきぼりにされてるEちゃんたちとの会話に戻ろうか」

妹「露骨な話題そらし・・・」

476: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 22:30:03.75 ID:bF+zOC2P0

妹「ところで、なんで商人の所に戻らないで山に居たんですか?」

妖精E「商人様が旅に出ていていらっしゃらなかったんです」

妹「旅?」

妖精E「彼は気分次第で旅に出るんです」

妖精A「私たちが助かったのも、商人様がたまたま私たちの住んでた森まで旅しに来ていたからでして」

妹「徒歩15分のあの森まで行くのが果たして旅なのかどうかは甚だ疑問ですが」

男「運が良かったね」

妖精D「私たちの前にも同じように枯れてしまった森から連れてきてもらえた妖精が居たみたいです」

男「へぇ・・・」

477: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 22:38:04.38 ID:bF+zOC2P0
妹「さて、兄さんはBちゃんCちゃんとお風呂にいきました・・・」

妹「DちゃんはEちゃんの食器洗い中・・・」

妹「Eちゃんもお風呂入った方がいいですね」

妖精E「別にいいです・・・」

妹「そうもいきません。水浴びに該当する行為ですので、しないと不潔です」

妹「さぁ、ついてきてください♪」

妖精E「は、はぁ・・・」

妹「お留守番お願いしますね!」

妖精D「わかりました!」

478: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 22:44:18.59 ID:bF+zOC2P0
妖精E「ここは・・・?」

妹「私の部屋です」

妹「そしてここがお風呂になります」

妹「今沸かしますから、ちょっとお待ちを」

妖精E「・・・」

479: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 22:50:51.41 ID:bF+zOC2P0
<オフロガワキマシター

妖精E「!!」ビックゥ

妹「沸きましたね」

妖精E「い、今、誰か喋って」

妹「最近のお風呂はしゃべるんですよ」

妖精E「え・・・?」

妹「さぁ脱いでください」

妖精E「うぅ・・・」ヌギヌギ

480: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 22:55:35.27 ID:bF+zOC2P0
妹「洗ってあげましょうか?」

妖精E「べ、別にいいです!」

妹「『別に』とついたら照れ隠し・・・」

妖精E「そっ!そんなこと別に・・・」

妹「ほらまた言いました」

妖精E「あっ・・・、で、でも先程のは本当に!」

妹「はいはい、じゃあ入りましょうねー」

481: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 23:00:28.16 ID:bF+zOC2P0
妹「はい、シャワーどーん」ジャァァ

妖精E「ひゃぅっ!・・・あれ、つ、冷たくない・・・」

妹「無駄に発達した人間の技術で、水を温めていますから!気持ち良いでしょう?」

妖精E「べっ!別にそんなこと・・・」

妹「じゃあ止めますね」キュッ

妖精E「えっ!?」

妹「どうかしました?」

妖精E「いや、あの、別に、えっと・・・」

妹「冗談ですよ」ジャァァァァァ

妖精E「うぅ・・・///」

482: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 23:07:20.77 ID:bF+zOC2P0
妹「そして石鹸で洗います」

妖精E「せっけん・・・ってなんですか?」

妹「水で落ちなかった汚れを落としてくれる優れものですよー、っと」ニュルッ

妖精E「ふひゃぁん!」

妹「良い反応・・・」ニュルニュル

483: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 23:11:42.74 ID:bF+zOC2P0
妹「気持ちいいですかー?」ワシワシ

妖精E「べ、別に・・・」

妹「ありがとうございますー」ワシワシ

妖精E「ふあ・・・」

妹「気持ちいいですねー」

妖精E「はうぅ・・・」

妹「さて、シャンプー流しましょうか!」

男『だぁぁぁ!』

妹「あ、兄さん、もうお風呂出てたんですね」

男『ちょっと前にな』

妹「で、他人の家の脱衣所で何してるんですか」

男『Eちゃんの着替えを持ってきたら、○○な声が聞こえたので聞き耳を立てていました』

484: ◆e2qiR6vDkY 2013/04/19(金) 23:15:55.40 ID:bF+zOC2P0
妹「変態ですか」

男『すいません』

妖精E「っあひゃうっ!」

男『!?』ガタッ

妹「太ももの内側をくすぐってみました」

男『何やってるんや』



次回 男「おかえり、妖精さん」 後編