1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 15:05:50 ID:zicTtA.I


櫻子「っあー、今日は私が料理当番かー。メンドくさ」

櫻子「何かテキトーに、レトルトのカレーでも・・・って」

櫻子「そーしたら、姉ちゃんと花子が手抜きするなってうるさいからなー」

引用元: 【ゆるゆり】櫻子「ワキ毛を使ったおいしい料理」 



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2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 15:06:42 ID:zicTtA.I


櫻子「はあ、何か簡単に作れる料理ないかネットで検索しよ」

櫻子「肉じゃが・・・パス。オムライス・・・難しそう。パス。カルボナーラ・・・ムリ。パス」

櫻子「・・・えっ」

櫻子「わっ、ワキゲを使ったおいしい料理!?」


×ワキゲ 

○ワケギ(分葱)

3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 15:09:19 ID:zicTtA.I


櫻子「わ、ワキゲって、あのワキ毛?ワキの下に生える毛?」

櫻子「へー、それって料理の材料になるんだ!すっげー!」

櫻子「それにワキ毛って、こんな難しい漢字で書くんだ、知らなかったー」

櫻子「なになに、ワキ毛のサラダに、きのことワキ毛のパスタ・・・へーこんなにあるんだ、面白れー」

櫻子「おっ、ワキ毛たっぷりの鶏肉スープ?よーし、簡単そうだしこれにしよっと!」

4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 15:19:16 ID:zicTtA.I


櫻子「どれどれ、作り方は・・・。スープの素に、鳥の手羽先6本、じゃがいも3つに、ワキゲ200g?」

櫻子「にっ、200gも必要なんだ!?ワキ毛が?」

櫻子「ど、どしようそんなに・・・。それにそもそも私ワキ毛生えてないんだった」

5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 15:22:50 ID:zicTtA.I


櫻子「姉ちゃんなら、そんくらい生えてるかな?」

櫻子「けど、今日姉ちゃん遅くなるって言ってたし。それじゃ夕飯に間に合わない・・・」

櫻子「むう。どーやったらワキ毛を200gも・・・」

櫻子「おっ、そーだ」

櫻子「私のクラスで、ワキ毛の生えてそうな子に連絡して分けてもらえばいいんだ!」

6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 15:27:30 ID:zicTtA.I


櫻子「えーっと、クラスの中でワキ毛の生えてそうな子といえば・・・」

櫻子「うーん、あかりちゃんは生えてなさそうだなー」

櫻子「ちなつちゃんは・・・うっすら生えてそうな気がする」

櫻子「向日葵は・・・。たぶんボーボーだなきっと」

7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 15:34:36 ID:zicTtA.I


櫻子「けど、向日葵のワキ毛のスープなんて、想像しただけで・・・おえっ」

櫻子「でも他の子じゃ、そんな生えてなさそうだし・・・。はぁ、みんな中学生だしなー」

櫻子「うーん、何とかする方法は・・・」

櫻子「おっ、ワキ毛の育て方が載ってる!そうか、これ見て今から育てたらいいじゃん」

8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 16:51:03 ID:zicTtA.I


櫻子「きっと載ってる通りにやれば、私のワキからワサワサと生えてくるんだ」

櫻子「面白そう!よーし、それじゃ早速やってみよう。なになに、ワキ毛を育てるにはまず・・・」

櫻子「土の入ったプランターを用意し、そこに種球を植えましょう?」

櫻子「プランター?種球?うんまあ」

櫻子「種球はワキ毛12号、13号がオススメです・・・か」

9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 16:52:00 ID:zicTtA.I


櫻子「ワキ毛12号、13号は生長が早く、3週間ほどで収穫が可能です・・・?」

櫻子「なんだー、3週間もかかるんじゃダメじゃん」

櫻子「それに肥料をあげたり、水をやったり・・・?私のワキに?」

櫻子「うーん、色々大変なんだなー」

10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 16:56:14 ID:zicTtA.I


櫻子「はぁ、仕方ない。ワキ毛を育てるのは諦めよう」

櫻子「うーん、どうしよっかなー」

櫻子「ワキ毛を、200gか・・・」

櫻子「・・・まぁ、それならとりあえず」

―――
――

11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 17:13:13 ID:zicTtA.I

(1時間後)


ピンポーン…

向日葵「櫻子ー?」

「おー向日葵ー、入って入ってー」

12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 17:14:37 ID:zicTtA.I


向日葵「あら櫻子、料理中でしたの。珍しいですわね」

櫻子「うるさいな。今日は私が料理当番だから仕方なくだよ」

向日葵「それより何ですの。電話で私を呼び出したりして」

櫻子「おー、そうそう」

13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 17:15:59 ID:zicTtA.I


櫻子「向日葵、これちょっと味見してみて」

向日葵「不安ね。それ何ですの?」

櫻子「これ?私特製のワキ毛のスープ」

向日葵「わっ、わき毛の!?」

14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 17:19:37 ID:zicTtA.I


櫻子「そーだよ。上手く出来たか向日葵に味見してもらおうと思って」

向日葵「・・・櫻子。あなた病院に行くべきですわ、頭の」

櫻子「なーんだよ、食べられないっての?私の作ったワキ毛のスープをさー」

向日葵「いえ食べるとか食べないとかそういう次元じゃ・・・」

15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 17:35:36 ID:zicTtA.I


櫻子「もー、そんなに食べたくないんだ。何だよ、せっかく上手に出来たと思ったのにー」

向日葵「櫻子、あなた今自分が何をしているのか少しは」

櫻子「ふーん、もういい!向日葵には食べさせてやらないから」

向日葵「うっ・・・」

向日葵「・・・櫻子の、ワキ毛のスープ・・・」

16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 17:36:16 ID:zicTtA.I


向日葵「あの櫻子」

櫻子「何だよ」

向日葵「下さい」

櫻子「もー、最初っからそう言えよー。じゃあはい」

17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 18:00:38 ID:zicTtA.I


向日葵「こっ、これが櫻子の、ワキ毛のスープ・・・!」

櫻子「そうだよ。ほら、早く食べて感想聞かせて?」

向日葵「え、ええ・・・」

向日葵「・・・」

向日葵「・・・」クンクン

18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 18:01:12 ID:zicTtA.I


向日葵「・・・はぁー、いい香りー・・・」

櫻子「だろー?ほら、早く食べて食べて!」

向日葵「え、ええ・・・」

向日葵「・・・」

向日葵「・・・」クンクン

19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 18:02:17 ID:zicTtA.I


向日葵「・・・んー、最高ですわー・・・」

櫻子「もー、匂いばっか嗅いでないで早く食えよー」

向日葵「そ、そうですわね、それじゃ・・・」

向日葵「ん・・・」スゥ

20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 20:17:49 ID:zicTtA.I


向日葵「・・・ふぅー」


向日葵「おいしい・・・」

櫻子「マジ?マジで?やったーあ!」

21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 20:18:29 ID:zicTtA.I


向日葵「今まで食べたものの中で、1番の味ですわ!」ガツガツ

櫻子「そ、そんなに?なんだ、私って料理の才能あんじゃん!」

向日葵「・・・はぁ、最高・・・。ところで櫻子」

櫻子「ん?どしたの?」

22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 20:19:23 ID:zicTtA.I


向日葵「なかなか凝ってますわねこれ。ワケギをこんなに」

櫻子「え?ワケギ?何言ってんのさ向日葵、ワキ毛じゃんそれ」

向日葵「・・・え?」

23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 20:21:24 ID:zicTtA.I


向日葵「え?ワケ・・・?ワキ毛?」

向日葵「えっあの櫻子、一体どういう・・・」

櫻子「うん、ネットでワキ毛たっぷりの鶏肉スープってのを見つけてさ」

櫻子「そんで、作ってみようと思ったんだけどワキ毛が200gも必要でさー」

24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 20:22:46 ID:zicTtA.I


向日葵「えっ・・・えっ?」

櫻子「私、ワキ毛生えてないじゃん。向日葵はボーボーだけど」

向日葵「誰がボーボーですの」

櫻子「だからさ、近所のスーパーに売ってないかと思って行ってみたらさ」

25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 20:23:40 ID:zicTtA.I


櫻子「何と、売ってたんだよワキゲがー」

櫻子「一束100gで、300円!」

向日葵「・・・」

向日葵「・・・要するに」

26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 20:25:30 ID:zicTtA.I


向日葵「櫻子・・・ワケギをワキゲと、ずーっと勘違いして・・・」

櫻子「向日葵、どう?お代わりもあるよ」

向日葵「・・・ええ、頂きますわよ!」ガツガツ

櫻子「な、何だよ向日葵?そんなに涙流しながらがっついて」

27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 20:29:41 ID:zicTtA.I


・・・それから、私の作ったワキ毛のスープを向日葵に褒めてもらえて

自信をつけた私は、日夜ワキ毛を使った料理の研究に没頭した。

そして、その結果・・・

28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/30(日) 20:30:24 ID:zicTtA.I


審査員「第38回、世界創作料理選手権・・・優勝者ハー・・・」

審査員「Miss・櫻子ー!イン・ジャパン!」

ワァァァ…


櫻子「どーだー向日葵ー!えっへん!」

向日葵「櫻子、本当におめでとう!・・・って」

向日葵「何ですのこのオチ」


終わり