1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/19(月) 20:16:31 ID:jgbhetoU
雪女姉「どーしたんだぜ、鳩が豆鉄砲喰らったみたいな顔して」
男「……いや、俺、君の妹の恋人ですよ?」
雪女姉「知ってるぜ、それが何なんだ?全然問題ねーよ」
男「問題しかねーですよ」
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2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/19(月) 20:19:36 ID:jgbhetoU
雪女姉「いーじゃんよー!ちゅーしよーぜ、ちゅーさせろよ、ちゅーしやがれよー」
男「」メルメル
雪女姉「?何してんだぜ?」
男「」メルメル
雪女姉「おいおい無視すんなよ、溶けちゃうぜ、ジェラートみたいに!」
男「」ピッ!
雪女姉「……ジェラートみたいにー……」
4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/19(月) 20:21:51 ID:jgbhetoU
ダダダダダダ、キキー、ドガン、ピキーン、ダダダダダダ
雪女「呼ばれたんだよ!飛び出たんだよ!じゃじゃじゃーんだよ!」
男「早かったなー、よしよし」ナデナデ
雪女「えへへー」
雪女姉「ちょっと待て」
男「何ですか、何も問題ないですよ」
雪女姉「問題しかねーんだぜ」
6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/19(月) 20:35:47 ID:jgbhetoU
オンナノコガ クルマニ ヒカレタゾー
クルマガ コオッテルワー
ナ、ナンダッテー
男「大丈夫か雪女」
雪女「大丈夫だよ!車にぶつかった時身体砕けちゃったけど、くっついたんだよ!」
男「今が冬で良かったね」
雪女「ねー!」
雪女姉「え、そういう問題?」
7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/19(月) 20:41:08 ID:jgbhetoU
雪女「で、私何で呼ばれたんだー?」
男「だいたい君の姉ちゃんのせいだよ」
雪女「なるほど!」
雪女姉「なんたる理不尽っ!あれ、でも何か気持ちいいぜぃ」
男「え」
8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/19(月) 20:53:23 ID:jgbhetoU
雪女姉「まぁ新たな○○に目覚めるのも悪くはないけど、本題に戻るぜ男」
雪女「本題ー?」
男「……冗談じゃなかったのか」
雪女姉「私の純情を冗談呼ばわりするなよ!さすがの姉ちゃんも泣くぞ泣いちゃうぜ!」
男「ごめんなさい」
雪女「そーりー!」
雪女姉「ん、許す。許すからちゅーさせろよ」
男「させねーよ」
11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/19(月) 21:11:26 ID:jgbhetoU
雪女「姉ちゃん、男とちゅーしたいのかー?」
雪女姉「そうだぜちゅーしたいんだぜ」
雪女「わはははー!男はね、ちゅーうまいんだよ!」
雪女姉「ほう」
男「ちょっと黙ろうか雪女」
雪女「だけどべろいれてくるのは嫌だなー!頭がほわほわするんだよ!」
雪女姉「ほうほう」
男「チェスト!」ペシン
雪女「痛い!」
10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/19(月) 21:08:56 ID:jgbhetoU
雪女「何で叩いたんだよ!」
男「大丈夫、問題ない」
雪女「大丈夫じゃない、問題だー!」
雪女姉「ちゅー!ちゅーしよーぜ!」
男「しつこい!」
雪女「ごめんねっ」
男「君じゃない!」
雪女姉「めんご」
男「謝罪する気がないね君は」
13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/19(月) 21:26:49 ID:jgbhetoU
雪女姉「ちゅーう!ちゅーう!」
男「なにこの人キス魔?!助けて雪女!君の恋人が変態に襲われてる!」
雪女「わはははー!二人とも仲良いなぁー!」
男「ダメだ!俺の恋人は馬鹿だった!」
雪女姉「ちゅーう!ちゅーう!」
男「えぇい寄るな!くっつくな!」
雪女姉「……そこまで言われると傷付くぜぃ」
17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 17:54:04 ID:eIIdqtnc
雪女姉「なぁ、そんなに私とちゅーするの嫌か?」
男「良いとか嫌とかの問題じゃないです、というか何でそんなに俺とちゅーしたいんですか」
雪女姉「………」プイッ
雪女「姉ちゃん、そっちにはだれもいないよ!」
男「教えてくれたらちゅーしてあげますよ」
雪女姉「うっ……意地悪だぜお前は……」
20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 18:11:13 ID:eIIdqtnc
雪女姉「まぁ話してやろーじゃねーか!これには深い事情があるんだぜ」
━━━回想
鬼娘「雪女姉っちはさ、ちゅーってしたことある?」
雪女姉「え」
河童娘「何を分かりきった事を聞いてるんですか鬼娘さん!あの雪女姉さんですわよ?ち、ちっ、ちゅーくらいしたことあるに決まってるでしょう!」
雪女姉「え」
鬼娘「そうだよなー、あの雪女姉っちだもんなー」
河童娘「そうですわよ!《氷の口付け》の異名を持つ雪女姉さんですわよ!」
雪女姉「(……それ私のハンドルネームなんだぜ)」
21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 18:19:48 ID:eIIdqtnc
鬼娘「なーなー雪女姉っち、ちゅーってどんな感じなんだ?」
雪女姉「えっと……(この前男とちゅーしたのが初めてとか言えない雰囲気なんだぜ……)」
河童娘「私も一応後学の為に聞いておきたいですわ!是非!是非是非!」
雪女姉「……えーと、その、あの」
鬼娘「?」
河童娘「どうなさったんですの雪女姉さん」
雪女姉「ちょっと待ってろ!」
22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 18:23:36 ID:eIIdqtnc
━━━回想終了
雪女姉「ということでちゅーさせろ、ちゅーの感覚を私は知りたいんだ!」
男「深いようで、浅い」
雪女「わはははー!私は知ってるぞー!ちゅーはな、幸せになれるんだ!」
雪女姉「リア充溶けろ!ジェラートみたいに!」
男「その言い回し好きだな君」
23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 18:42:02 ID:eIIdqtnc
男「というか君、前に俺にちゅーしたじゃないですか。凍らせられたせいであんまり覚えてないけど」
雪女姉「あれは……違う」
雪女「どうしたんだ姉ちゃんー!何が違うんだー?」
雪女姉「違うったら違うんだもん!もういい!男に頼んねーぜ!!ばーかばーか!!」
ダダダダダダ
男「意味が分からない…」
24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 18:43:25 ID:eIIdqtnc
雪女「男!」
男「何だよ」
雪女「あのね、姉ちゃんの事を追いかけてほしいんだよ」
男「……どうしてだ?」
雪女「私、馬鹿だから分かんないけど、きっと姉ちゃんは男に来てほしいと思ってるよ!」
男「………」
雪女「男!」
男「っすぐ戻る!」
25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 18:48:31 ID:eIIdqtnc
━━━━雪山
雪女姉「(追いかけてもくれないんだな)」
雪女姉「(まぁそりゃそうだぜ、恋人でもねーんだから)」
雪女姉「(恋人・か)」
雪女姉「はぁ……吹雪いてきやがった」
雪女姉「(そういえば、男に会ったときもこんな天気だったぜ……)」
━━━回想
26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 18:53:02 ID:eIIdqtnc
雪女「姉ちゃん!雪!雪だぞ!うわーー!冬!冬!冬!」
雪女姉「うるせーぜ雪女、冬になって嬉しいのは分かるけどはしゃぎ過ぎだぜ」ソワソワ
雪女「つららうめーー!」バリバリ
雪女姉「やめて!」
雪女「ん?姉ちゃん、あそこ何か落ちてんぞ」
雪女姉「どれどれ」
男「」
雪女姉「人間だーーー!!」
雪女「だー!」
27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 19:01:30 ID:eIIdqtnc
雪女姉「おい大丈夫かお前!生きてるか!?」ユッサユッサ
男「」
雪女「どうしよう姉ちゃん!」
雪女姉「おおお落ち着け雪女、息はしてるから死んではいないぜ!ただし身体が冷えきっちまってるからこのままじゃヤバイ!」
雪女「じゃあ暖めれば良いんだな!」
雪女姉「私達雪女だぜ?暖めるって言ったってどーすりゃいいんだよ……」
雪女「取り敢えず人肌で暖めるんだよ!」ギュウッ
雪女姉「いや私達、人じゃねーぞ」
男「!……つめたっ!!」バッ
雪女「おぉ!起きたぞ姉ちゃん」
雪女姉「マジかよ」
28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 19:26:15 ID:eIIdqtnc
男「ここはいったい……というか冷たい!君冷たいですよ!」
雪女「わはははー!私雪女だからな!冷たいぞー!」ヒンヤリ
男「……雪女?」
雪女姉「そうだぜお前、私達は雪女だぜ」
雪女「がおー!」
雪女姉「しかしお前、何でこんな所で倒れてたんだぜ?しかもそんな薄着で、馬鹿じゃねーの」
男「………」
29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 19:46:39 ID:eIIdqtnc
男「……親と、喧嘩して」
雪女「おとーさんとおかーさんだな!」
雪女姉「それでそれで」
男「頭に血が上って、少し冷静になろうと思って、家を出て……気付いたらここに」
雪女姉「……ば」
雪女「馬鹿だろお前!」
男「え?」
30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 19:54:54 ID:eIIdqtnc
雪女「冬に雪山に入って、死にたいのかお前は!死んだらおとーさんとおかーさん悲しむだろ!」
男「………」
雪女「おとーさんとおかーさんを悲しませる奴は馬鹿なんだぞ!ばーか!」
男「………」
雪女「喧嘩するのは良いんだ!私もよく母ちゃんと喧嘩するもん!だけど死ぬのは馬鹿だ!馬鹿なんだよ!」
男「………そうだな、馬鹿だ俺」
雪女「分かれば良いんだよ!分かれば!」
雪女姉「雪女……」
31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 20:21:59 ID:eIIdqtnc
雪女「お前名前は何だ!」
男「男、です」
雪女「行くぞ男!」
男「えっとどこに……?」
雪女「男の家だ!私が麓まで無事に送り届けてやるぞ!だからおとーさんとおかーさんにごめんなさいしろ!」
男「……うん」
雪女「レッツゴー!」
雪女姉「早めに帰ってくるんだぜー」
男「あっあの!」
雪女姉「何だぜ男」
男「助けてくれて、ありがとうございます」ペコ
雪女姉「礼なら、お前を見つけてお前を起こした妹に言え。私は何もしてねーぜ
男「はい!」
32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 20:42:17 ID:eIIdqtnc
━━━━回想終了
雪女姉「(あの時、男を見つけたのが雪女じゃなくて私だったら……)」
雪女姉「(ううん、私が見つけたとしても、男は雪女を好きになっただろうな)」
雪女姉「(……何してんだ、私は)」
雪女姉「(妹の恋人に迫って、拒まれたら罵倒して逃げて、未練たらしくぐちぐち考えて)」
雪女姉「(馬鹿じゃねーの私)」
33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 20:57:26 ID:eIIdqtnc
雪女姉「(もう男には会わねー方が良いよなぁ……)」
雪女姉「……グスッ」
ダダダッ
男「雪女姉!!」
雪女姉「」ビクッ
男「ぜーはー…こんなところにいたのか…」
雪女姉「な、何のようだぜ男」
男「……戻りますよ、雪女も心配してます」
雪女姉「……む」
34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 21:04:39 ID:eIIdqtnc
雪女姉「今は放っておいて欲しいんだぜ…男とは、話したくない」
男「放ってなんか置けません」
雪女姉「……私は、恋人のいる男にちゅーしようぜと迫るような女だ。男もそんな女は嫌いだろ」
男「嫌いならわざわざこんな吹雪の中探しませんよ」
雪女姉「っ、優しくするな!」
35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/20(火) 21:38:52 ID:eIIdqtnc
雪女姉「私の事なんか何とも思ってねーのに優しくすんじゃねーぜ!これ以上私を惨めにすんな!」
男「落ち着け!」
雪女姉「うるさい!」
男「………」
雪女姉「……ごめん、言い過ぎたぜ。だけど丁度良い機会だし、そのまま私の話を聞いてくれ」
男「…はい」
37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/21(水) 19:57:18 ID:71z9DNtA
雪女姉「私、お前の事が好きなんだぜ」
男「!?」
雪女姉「知らなかったろ?言わなかったもん」
男「……」
雪女姉「おかしいだろ?笑えよ男。妹の好きなやつを好きになっちまったんだぜ、私は」
男「………」
雪女姉「自分でもおかしいって分かってる。だから、何度だって諦めようとしたさ……お前らが恋人同士になれば諦められると思って、応援したりしたぜ」
男「………」
雪女姉「だけど無理だった!諦められなかった!だって好きなんだもん、大好きなんだもん!」
男「………」
38 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/21(水) 20:09:06 ID:71z9DNtA
雪女姉「私みたいな馬鹿野郎にも優しくしてくれる男が私は大好きだぜ!」
男「ちょっ」
雪女姉「メロメロなんだぜ!フォーリンラブなんだぜーーー!」
男「(何か恥ずかしくなってきた……)」
雪女姉「男!頼みがある!」
男「は、はい!」ビクッ
39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/21(水) 20:19:10 ID:71z9DNtA
雪女姉「私を、これ以上ないっくらいこっぴどくフってほしいんだぜ」
男「え」
雪女姉「それぐらいされなきゃ、きっと私は諦められない。ずっとズルズル恋を引きずっちまう」
男「………」
雪女姉「なぁ、頼むぜ」
男「っ、分かった」
雪女姉「……男」
男「━━━俺は雪女が好きだ。大好きだ。だから、君の気持ちには答えられない」
41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/21(水) 20:58:31 ID:71z9DNtA
男「だけど、俺は君の気持ちを知れて……嬉しかったです」
雪女姉「え」
男「俺みたいな奴を、好きになってくれてありがとーです」ペコッ
雪女姉「………ずるいぜ、そんなこと言われたら、諦められるわけねーじゃんよ」
男「すみません」
雪女姉「でも、さんきゅう。やっぱ優しいぜお前は」
43 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/21(水) 21:30:25 ID:71z9DNtA
雪女姉「ほら、吹雪も止んだし、帰ろうぜ!」ニコッ
男「……ああ!」
━━━━━━
雪女姉「ただいまだぜ!雪女」ダキッ
雪女「おかえり姉ちゃんー!」ダキッ
雪女姉「きゃっ、どこさわってるんだぜ妹ー、この変態さんめー」プニプニ
雪女「わははー!」
キャッキャッ ワハハ
男「………」
44 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/21(水) 22:27:00 ID:71z9DNtA
雪女姉「なーにしょぼくれた顔してんだぜ男」ミミニ イキフゥッ
男「冷たい!」ヒンヤリ
雪女「わははー!私もやるぞー!ふぅーふぅー!」
男「ぎゃー!」ヒンヤリ
雪女姉「ふぅー!」
雪女「ふぅー!」
男「ぎゃー……」ピキーン
雪女姉「男ーーー!?」
雪女「男が凍っちゃったよ!?」
45 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/21(水) 22:47:14 ID:71z9DNtA
男「毛布って暖かい」モフモフ
雪女姉「」ドゲザー
雪女「」ゲザー
男「やめなさい」
雪女姉「私って奴は……私って奴は……!」
男「落ち着こうか君」
雪女「お腹空いたー」
男「君は少しは反省しなさいよ」
47 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/21(水) 22:55:41 ID:71z9DNtA
男「ほら君も顔を上げてください」
雪女姉「……許してくれるのか?」
男「はい、別に凍らされるのは慣れてますから」
雪女姉「くそう!格好いいじゃねーか!」ダキッ
雪女「そうだぞ!男は格好いいんだよー!」ダキッ
男「うわっ」
雪女姉「そんな奴にはちゅーしてやるぜ!」
雪女「私も私もー!ちゅー!」
男「ぎゃーーーー!」
━━━━おわり
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