2 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:04:21 ID:V9v9sc8I
きっかけなんて些細なもの。
あの時あの場所で、
君が話しかけてくれたから。
君が私を救ってくれたから。
君の笑った顔が眩しくて、
私もこうなりたくて、
だから私は、
君が好きになったんだ。
STEINS;GATE 相思相愛のトゥルーメモリーズ
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3 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:08:16 ID:V9v9sc8I
女「ねえ、私と付き合って」
男「なんで?」
女「だって…私は君が好きだから」
男「君みたいな可愛い子に告白されるなんて光栄だね。でもお断りするよ」
女「どうして?」
男「僕は、君と同じだからさ」
女「??ならいいじゃない」
男「とにかく駄目だよ」
女「私、諦めないわよ」
4 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:11:07 ID:V9v9sc8I
女「私と付き合って」
男「昨日に続いて今日もかい?」
女「諦めないって言ったわよ」
男「そんな君がどうして」
女「色々あるのよ。色々ね」
男「もし失礼でなければ、聞いても?」
女「秘密は女を綺麗にするというから内緒よ」
男「残念」
女「ならそういう顔をして言ってくれるかしら?」
5 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:16:49 ID:V9v9sc8I
女「私と付き合ってくれるかしら?」
男「今日もか。君も飽きないね」
女「諦めは悪いほうなの」
男「初耳だよ」
女「よかったわね、私の新しい一面を知れて」
男「別に知りたくもなかったけどね。というか君、毎日毎日昼休みに屋上に来て…暇なのかい?」
女「屋上。好きなのよ。それにここはあなたとの思い出の場所でしょう?」
男「まあ、そうだね」
女「それに、暇じゃなかったらあんなことしないわ」
男「それもそうだね。ごめん」
女「あなたが謝ることじゃないでしょ。お付き合いしてくれる?」
男「お断り」
6 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:19:56 ID:V9v9sc8I
女「お付き合い」
男「それしか言わないの?っていうか、カーディガン着てるんだね」
女「寒いでしょ今日は。あなたは着ないのね」
男「寒がりじゃないしね。っていうか、タイツもか」
女「あら、タイツ好きなのかしら」
男「」
女「図星なのね。ふふっ。嬉しいわ、あなたの新しい一面が知れて」
男「忘れてね」
7 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:24:04 ID:V9v9sc8I
女「お付き合いして」
男「はあ。君も本当に飽きないね」
女「それはそうよ」
男「どうしてだい?」
女「あなたが好きだからに決まってるじゃない」
男「嬉しい言葉を恥ずかしげの欠片もなくありがとう」
女「好きよ」
男「僕は普通だよ」
女「残念ね」
男「本当に残念そうな顔しないで、罪悪感がするから」
女「ふふっ。ならよかったわ」
男「君の涙は信じない」
8 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:29:31 ID:V9v9sc8I
女「お付き合いして」
男「まず聞きたいんだけど。どうやって僕の家を知ったんだい?」
女「愛の力よ」
男「…。聞かない事にしたよ」
女「あら、賢明な判断ね」
男「何をしにきたの?」
女「最初に言ったでしょ?お付き合いして」
男「お断りする」
女「どうしてよ」
男「僕は、君と会う資格なんかない。本当は、あの時君を止める資格すらーー」
女「やめて。私の感謝を、私のこの気持ちを否定するのはあなたも許さないわ」
男「ごめん」
女「今日は帰るわ。また明日学校で」
9 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:32:53 ID:V9v9sc8I
女「あれからもう一週間ね」
男「そうだね。君もずいぶんと変わったよ」
女「そうかしら?」
男「うん」
女「それは、あなたのおかげよ」
男「ここは素直に受け取っておくよ」
女「私はね、嬉しかったの。誰も気にすら止めてくれない私の名前を覚えていてくれて、私を救ってくれて」
男「誰も気にすら止めないって。そんなことはないと思うよ」
女「あるのよ。私はこの学校にも、家にも居場所はない」
10 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:35:44 ID:V9v9sc8I
きっかけなんて些細なもの。
あの時あの場所で、
君の悲しそうな笑顔を見たから。
君の幸せそうな笑顔も見たから。
君の悲しそうな笑顔を見ていられなくて、
僕と同じ君を見捨ててなんていけなくて、
だから僕は、
君を笑顔にしたくて、
君を好きになったんだ。
11 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:41:28 ID:V9v9sc8I
男「僕はあの時。君がこの屋上から飛び降りようとした時、僕も自殺するつもりだったんだ」
女「そう。やっぱり」
男「え?」
女「あなたが悲しそうな笑顔で、頑張って笑うのが、すごい眩しかったもの」
男「そ、そっか」
女「どうしてなのかを聞いていいかしら?」
男「妹がね、自殺したんだ。しかも父さんの会社は潰れて、母さんと心中。だから自殺しようとした」
女「今住んでいるお家は?」
男「親戚の叔母さんに借りてるんだよ。だから僕も自殺しようとした。びっくりしたよ。まさか先客がいるとは思わなかったから」
女「でしょうね」
12 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:45:14 ID:V9v9sc8I
男「僕は、君が悲しそうな顔で笑ったあと、幸せそうな顔で笑ったのを見て…なんでだろうね、助けなきゃって思ったんだ」
女「嬉しいわ」
男「自分も自殺しようとしてるのに変な話しだよね」
女「いいのよ。私は救われたのだから」
男「僕はね。君と釣り合わないよ」
女「そんなことないわ。あなたは私にとって世界一よ」
男「悪い気はしないよ」
女「ねえ。あなたはあの時言った台詞覚えてるかしら?」
男「どんな台詞?」
女「もう、忘れたのね?」
男「何しろ必死だったからね」
女「仕方ないわね…」
13 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:48:25 ID:V9v9sc8I
ーーなにをしてるの?
ーー見てわからないかしら。飛び降りるのよ。
ーーどうして?
ーー疲れてしまったから、かしらね。
ーー悲しそうな顔で笑うんだね。
ーーなにか言ったかしら?
ーーどいてよ。そこは僕の特等席なんだ。
ーーふふっ、あなた、これから自殺する人に対してその言い方はないんじゃないかしら。
ーー…ねえ。君自殺なんてやめよう。
ーーどうして?
14 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:51:59 ID:V9v9sc8I
ーー意味なんてないよ。
ーーどういうことかしら。
ーー僕はね。もう手を伸ばすのを忘れたくないんだ。頑張ってと声をかけるだけなのは嫌なんだ。
ーーなにを言っているの?
ーー僕は君に手を伸ばすよ。女さん。
ーー……え?
ーー君が掴んでくれるまで、ずっと伸ばしてる。
ーーずっと私が掴まなかったら?
ーーそうしたら、僕が君の手を掴むよ。
ーー強引なのね。
ーー君は僕が助ける。
ーーなぜ?
16 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:52:26 ID:V9v9sc8I
ーー強いて言うなら、一目惚れ、かな?
17 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:54:09 ID:V9v9sc8I
男「僕は、そんなことを言ったんだね」
女「忘れてたのね」
男「すっかりね」
男「あー、なんか恥ずかしいや」
女「ねえ?」
18 : ◆vwhYgrtriM:2012/10/24(水) 19:56:01 ID:V9v9sc8I
ーーー私と付き合って?
ーーーお断り……しないよ。こちらこそよろしく。
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