未央「もういいよ！　私……自分で見る！」

未央「えーっと……15時かぁ」

菜々「15時ですねぇ」

未央「時計見れるじゃん」

菜々「え？」

未央「いや、さっき時間聞いたのになかなか答えてくれなかったじゃん」

菜々「ああっ、すみません！　てっきり振りかと思って」

未央「振り？」

菜々「ほら、サザンの」

未央「サザン？　サザンオールスターズのこと？　それがどうかしたの？」

菜々「……ひょっとして知らないんですか？」

未央「なにを？」

菜々「今何時！？」

未央「15時だってば」

菜々「」

菜々（うそ……これがジェネレーションギャップ！？）

菜々「そんな……嘘だあああ！！」ﾀﾞｯ

未央「ウサミン！？　……行っちゃった」

◆◆◆


菜々「まさか未央ちゃんが勝手にシンドバッドを知らないなんて……」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

みく「ナナチャン」

菜々「みくちゃん。お疲れ様です」

みく「肩を落としてどうかしたの？　悩みなら相談に乗るにゃ！」

菜々（確かみくちゃんは未央ちゃんと同い年）

菜々（きっとみくちゃんも知らないですよね……）

菜々（いや。未央ちゃんが知らなかっただけでみくちゃんは知ってるかも）

菜々（そうですよ！　あんなに有名な曲ですもん。ワンフレーズぐらい知ってますよね！）

みく「ナナチャン？」

菜々「みくちゃん」

みく「うん。なんでも言って」

菜々「今何時！？」

みく「？　15時過ぎだけど、それがどうかしたの？」

菜々「うわあああああん！！」ﾀﾞｯ

みく「ナナチャァァァァン！！」

◆◆◆


菜々（私もこのネタ分からないことにした方がいいのかなぁ）ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

凛「あれ、菜々さん」

加蓮「お疲れ様ー」

奈緒「お疲れー」

菜々「皆さんお揃いで。お疲れ様です」ｷｬﾊ…

凛「どうしたの？　キャハに切れがないけど」

菜々「…………」

菜々「あの、皆さんに聞いてもいいですか？」

奈緒「おう？」

加蓮「なになに？　何でも言ってよ」

菜々（三人も入れば一人ぐらい知ってますよね）

菜々「すぅー……はぁー……」

凛（深呼吸までして何聞かれるんだろう）

加蓮（きっとかなり真面目な話なんだろうな）

奈緒（とんでもなく真面目な話なんだろうな）

菜々「今何時！？」

凛「…………」

加蓮「…………」

奈緒「…………」

菜々「今何時！？」

凛「ええっと、ちょっと待ってて。……だいたい15時半だね。帰るにはまだ早い時間だよ」

菜々「おしい！」

凛「え、なにが？」

菜々（おしい！　色々と！）

菜々（わざとじゃないですよね？）

凛「？」

加蓮「？」

奈緒「？」

菜々（あー！　これは知らない顔です！）

菜々「あぁぁ……」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

凛「菜々さん？」

◆◆◆


薫「あー！　菜々ちゃん！」

みりあ「元気ないね。どうしたの？　よしよし」

千枝「あのっ、なんでも言ってください！」

美嘉「しょんぼりして、ナナちゃんらしくないじゃん」

歌鈴「お、お祓いしましゅか？」

歌鈴「噛んだー！？」

菜々（ああ、皆さんの温かい言葉が胸に染みます）

菜々（本当に良い子達です）

菜々（ちょっと平均年齢が低いですが、大丈夫。この子達ならきっとナナの思いを受け止めてくれる）

菜々「皆さんっ！」

みりあ「なあに？」ﾆｺ

菜々「今何時！？」

薫「…………」

千枝「…………」

美嘉「…………」

歌鈴「…………」

みりあ「…………」（真顔）

菜々「今何時！？」

千枝「えっと……3時半ぐらいです」

みりあ「時間がどうかしたの？」

菜々「あーいえ、なんでもありません！」

菜々「皆さんありがとうございました！　ナナはもう元気です！」ｸﾞｽ…

薫「でも涙──」

菜々「元気です♪」ｷｬﾊ

薫「そっか！　よかったー！」

みりあ「よかったねー！」

千枝「あのっ、またいつでも相談に乗ります！」

菜々（あああああ胸が痛い！）

菜々「それでは！」ｼｭﾀｯ

みりあ＆千枝＆薫「ばいばーい！」

美嘉＆歌鈴（本当に大丈夫かな？）

◆◆◆


夏樹「お、菜々」

李衣菜「菜々ちゃんお疲れ様」

菜々「なつきちさん、李衣菜ちゃん。お疲れ様です」

菜々（きっとお二人も知りませんよね）

菜々（でも、一縷の望みに賭けて……！）

菜々「今何時！？」

李衣菜「？」

夏樹「！」

夏樹「そうねだいたいね～」

菜々（やっぱり知りませんよ──えええええええええええ！？）

菜々「なつきちさん、今なんて？」

夏樹「えっ、二度も言わせるなよ恥ずかしい」///

夏樹「サザンのノリだと思ったんだけど違ったのか？」

李衣菜「？」

菜々「いいえ大正解です！　ありがとうございます！」

夏樹「お、おう」

菜々「振っておいてなんですけど、世代じゃないのによくご存知ですね」

夏樹「日本を代表するロックバンドだからな。勿論知ってるよ」

李衣菜「！」

夏樹「それに菜々だって世代じゃないのに知ってるだろ。ははは」

菜々「アハハ。ソウデスネ」

菜々「そっかー。やっぱりロック好きなら聴いたことありますよね」

李衣菜「……」

夏樹「どうかな？　まあ音楽やったことある人間なら殆ど知ってるんじゃないか」

菜々「じゃあ李衣菜ちゃんも？」

李衣菜「えっ！？」

李衣菜「もももちろん！」

菜々「わあ！　じゃあ行きますよ～──」

菜々「今何時！？」

李衣菜「そ、そうねだいたいね～」

菜々「今何時！？」

李衣菜「そうねだいたいね～」

菜々「今何時！？」

李衣菜「そうねだいたいね～」

夏樹「だりー……」

菜々「李衣菜ちゃん……」

李衣菜「ええっ、なにかおかしかった！？」

夏樹「だりーは可愛いなぁ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

菜々「可愛いですね～」ﾖｼﾖｼ

李衣菜「う～～なんなのもー！」///

一旦ここまで
もう少しで終わります

◇◇◇


◇◇◇


菜々「──ってことがあったんですよ。ジェネレーションギャップって怖いですね～」

心「……先輩ってさ。結構アホだね」

菜々「ぐさっ。直球過ぎません？」

心「だって世代が違うんだから知らなくて当たり前だし、そもそもはぁと達だって世代じゃないだろ☆」

菜々「まあそうなんですけどね」

心「それに世代だとしても、今の時代テレビ以外の娯楽が充実してるから知らない人がいても不思議じゃないぞ☆」

菜々「確かにそうですね。でもやっぱり自分が慣れ親しんだ物が忘れ去られて行くって寂しいですよ」

心「まあねー」

未央「ウサミン！」

菜々「未央ちゃん。お疲れ様です」

凛「菜々さん」

美嘉「ナナちゃん」


ｿﾞﾛｿﾞﾛ…


菜々「皆さんお揃いで。どうしたんですか？」

未央「ウサミン。よく聞いて」

菜々「はい、なんですか？」

未央「せーのっ」


皆「「今何時！？」」

菜々「え……」

心（こいつら……）

皆「「♪」」ﾆｺﾆｺ

心（なんて良い奴らなんだ。はぁと少し感動したぞ☆）

未央「ほらほらウサミン。今何時？」

心「ほら、パイセン♪」



菜々「そ……」



菜々「そうですね。18時ぐらいでしょうか」

心「おい」



終わり