1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:49:56.71 ID:PQ0WmA2M0
楓「えっ?」
P「あ、いえ、ふと思っただけで大した事はないんですが」
楓「敬語、ですか」
P「はい。誰に対しても、いつでも使ってるなぁ、と」
楓「確かにそうかもしれません」
P「年少組アイドルへはたまに崩したりしてましたっけ。後は……ありがとう、とか?」
楓「それぐらいですね」
P「何か理由があったりするんですか?」
楓「いえ、特には。昔からの癖ですね」
P「その辺りの話も気になる所ですが」
楓「ヒミツです」
P「残念です」
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:53:15.59 ID:PQ0WmA2M0
楓「プロデューサーこそ、どうしてまた?」
P「ほら、俺達ってタメじゃないですか」
楓「厳密に言えば、私の方がほんの一日だけお姉さんですけどね」
P「今まで崩れた口調を聞いたことが無いな、と」
楓「なるほど」
P「それで……ものは試しと言いますか、無理にとは言いませんが」
楓「はい」
P「……敬語、ちょっと崩してもらってもいいですか?」
楓「……」
P「……」
楓「……こほん」
P「……」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:55:48.38 ID:PQ0WmA2M0
楓「……いいよ?」
P「あっこれヤバ」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:00:09.06 ID:PQ0WmA2M0
楓「……」
P「あいえ違くてあの、だから……うん、やっぱさっきの話はナシで」
楓「やだ」
P「あっ」
楓「なんか効いてそうだし」
P「あっヤバいヤバいヤバい待って」
楓「や」
P「待ってちょっと待って待って」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:12:15.87 ID:PQ0WmA2M0
― = ― ≡ ― = ―
楓「落ち着かれました?」
P「ええ。取り乱してすみませんでした」
楓「取り乱していたんですか?」
P「いえ、落ち着いてました。めっちゃ冷静でした。はい」
楓「ほんと?」
P「あっ……」
P「いえ、違うんですよ」
楓「なるほど」
P「はい」
楓「分かりました」
P「分かって頂けて何よりです。今後も今まで通りでよろしくお願いします」
楓「うん」
P「あっ」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:25:00.26 ID:PQ0WmA2M0
― = ― ≡ ― = ―
楓「素敵……」
P「これは……確かに、見事な夜景ですね」
楓「せっかくの北海道ですし、無理を言った甲斐がありました」
P「北海道ロケの帰りに無理を言われた甲斐がありました」
楓「ふふ……すみません」
楓「……」
P「……」
楓「……良い雰囲気ですね?」
P「……」
楓「……」
P「……そろそろホテル、戻りましょうか」
楓「……もう少しだけ、このままで」
P「いえ、でも……明日の予定もありますし……」
楓「……」
P「……」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:39:08.80 ID:PQ0WmA2M0
楓「……だめ?」
P「めっちゃオッケーです」
P「違くて」
楓「違うの?」
P「あっだからほんと…………もう少しだけですからね」
楓「あら。ありがとうございます、プロデューサー」
P「……どういたしまして」
楓「……」
P「……」
楓「……良い雰囲気ですね」
P「……」
楓「……ふふっ」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:46:45.52 ID:PQ0WmA2M0
― = ― ≡ ― = ―
肇「また楓さんの事でお悩みと来ましたか」
P「いや、まだ何も言ってないけど……」
アーニャ「顔に書いてありました」
P「反論できない」
肇「それで、今回はどういった体で悩んでいるんですか?」
P「体」
肇「はい」
アーニャ「ウージュン……ディナーの美味しいお店、教えますよ?」
P「いや、そうじゃなくて……いやそこも後で教えてほしいけど……」
肇「楓さんがどうしたんですか?」
P「……砕けるんだ、たまに」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:53:27.11 ID:PQ0WmA2M0
肇「良い事だと思いますが」
P「それが困るんだよ」
アーニャ「シト? どうして、ですか?」
P「……」
アーニャ「……アー。なるほど、です」
P「……顔に書いてあった?」
肇「太ゴシック体でした」
P「ちょっと死にたい」
肇「つまり、いつも通り勝てずに今回も為す術無くやられてしまう、と」
P「改めて冷静に事実を突き刺されると俺もちょっとアレだった」
アーニャ「強敵と戦うにはアブトマート……武器が要ります」
P「あの、ちょっと目が怖い」
アーニャ「大丈夫。アーニャ、こわくないです」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:00:08.14 ID:PQ0WmA2M0
P「――え、俺も?」
肇「はい。目には目を、土には土をと言いますから」
P「いやそれは聞いた事ないけど……うぅん、いきなり敬語外せって言われてもなぁ」
アーニャ「楓は出来ましたよ?」
P「まぁ楓さんは柔軟さがお洒落してモデル歩きしてるような人だから……」
肇「ですが、このままではめでたくやられてしまう一方ですよ」
P「うーん……確かに……よし」
アーニャ「ン」
P「とりあえず当たって砕けてみるよ」
肇「その意気です。上手い事も言えてます」
アーニャ「アリョー? ダー、完了です。ダー……アウト」
P「アーニャちゃん?」
アーニャ「シト? どうかしましたか?」
P「今、誰かに何かを報告してなかった?」
アーニャ「ニェート。アーニャ、いいこです」
P「そっかぁ……」
肇「そうですよ」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:02:46.18 ID:PQ0WmA2M0
― = ― ≡ ― = ―
楓「おはようございます、プロデューサー」
P「あ。おは……」
楓「……プロデューサー?」
P「……」
楓「もしもーし。あなたのアイドルが見えてますかー」
P「…………楓」
楓「……」
P「……」
楓「……」
P「……」
楓「……すみません。少し、お化粧を直してきます」
P「あ……え、ええ……」
楓「……」
蘭子「闇に飲まれっ――む、世紀末歌ひむっ」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:10:47.70 ID:PQ0WmA2M0
P「……」
楓「……」
蘭子「えあの、楓さ、あの、どこへあの、連れ――」
楓「――」
P「……」
蘭子『楓さ、えっ? あの、顔が、真っ赤で……風邪できゅむっ』
P「……」
蘭子『――ぷわっ! 抱きっ、いきなりゅむぅ』
P「……」
蘭子『ふわ……あの、えと、楓さん……? 抱き……なんでぇ……?』
P「……」
ちひろ「働いてください」
P「あ、はい」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:15:51.83 ID:PQ0WmA2M0
― = ― ≡ ― = ―
「――おはよう」
「おはよ。寝坊助さん」
「まだ8時半じゃないか」
「大切な、大切な日の、ね」
「……悪かったよ」
「ちゃーんと覚えてる?」
「結婚記念日。忘れる訳無いだろ?」
「そうね。Pさんが寝坊なんてする訳無いものね」
「ごめんなさい……」
「ん。許す♪」
「いただきます」
「召し上がれ」
「……そういや、懐かしい夢を見たよ」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:20:15.11 ID:PQ0WmA2M0
「へぇ、どんなの?」
「ちょい昔の事務所の夢。蘭子ちゃんがまだ小動物で、アーニャちゃんからまだ硝煙の匂いがした」
「ふむふむ」
「それで、楓もまだ敬語だった」
「あー。まだにゃんこ被ってた頃だ」
「あ、今のにゃんこって言い方すっげぇ良かった。もっかい言って」
「えー? どうしよっかなー」
「今日は日付変わるまで頑張るから」
「んー……ん。いいよ」
「やった」
「一回だけだからね?」
「さぁさぁ」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:21:27.70 ID:PQ0WmA2M0
「――これからも愛していますよ、あなた」
「あっ待ってそれヤバ」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:23:29.08 ID:PQ0WmA2M0
おしまい。
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:24:14.55 ID:PQ0WmA2M0
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