まゆ「ちなみにPさんの案では『元子役は声優をやりがち』というトークをしてもらう予定だったそうです」

泰葉「ふうん。うちの事務所だとみりあちゃんがそういうパターンで活動してるね」

まゆ「具体的に言うとプリキュアを演じてほしいといった話だとか」

智絵里「プリキュア……。ああ、そういえば加蓮ちゃんがそんな感じのお仕事をしたとかどうとか……」

まゆ「泰葉ちゃんはアレですか。紫のプリキュアですか」

泰葉「そう？　自分で言うのも何だけど、やるなら青か黄色かなと……」

まゆ「でも紫って大抵強キャラですよぉ」

泰葉「私のことどういう目で見てるの……？」

智絵里「黄色……？　あんまりそういうイメージはないけど……」

泰葉「そうかな？　でも聞いた話だと子供っぽい雰囲気のキャラが多いみたいだし」

泰葉「世間のイメージ的にはまだそういう役柄を求められそうかな。アイドルとしてのイメージなら青だけど」

智絵里「なるほど……」

泰葉「紫なら、もうちょっと大人になってからだね」

まゆ「ところでところでプリキュア５の紫ことミルキィローズを演じた仙台○リさんは子役出身だそうですよ」

泰葉「へえ、そうなんだ」

智絵里（あっ……）

修正
まゆ「ところでところで→まゆ「ところで


まゆ「さて、話を戻しましょうか」

まゆ「事件は今日のお昼に起こりました。菜々さんが総選挙1位のボーナスとして獲得した冠番組・カミングTVでのことです」

まゆ「あとは……わかるな？」

泰葉「ごめんわからない」

まゆ「このにぶちん」

泰葉「にぶちんて」

まゆ「都ちゃんは良しとしましょう。周子さんと並んで泰葉ちゃんとトップクラスに付き合いの長い子ですから」

泰葉「何をもって良しとしてるのさ」

まゆ「問題は藍子ちゃんですよ。とうとうタメに手を出しましたか」

泰葉「だから手を出したって何」

まゆ「黙らっしゃいこの年下キラー。キャラ的にもっと年上をコマすべきですよねぇ！？」

泰葉「知らないよその主観は！」

まゆ「はぁーそうですか！　『胸以外●●』の藍子ちゃんと『体格以外幼女』の都ちゃんと『事実以外●●●』の泰葉ちゃんでユニットですか！！」

泰葉「出てくるワード全部ひどいな！！　事実以外●●●って何！？」

まゆ「こうなると『年齢以外人妻』や『IQ以外美少女』の１６歳も加えたいですねぇ」

泰葉「誰のことを指してるか分かるのがひどい……」

智絵里「だとするとまゆちゃんは『現状以外ヤンデレ』？」

まゆ「最近智絵里ちゃんが毒を吐く……」

泰葉「事実だよ」

まゆ「ふぐぅ……」

まゆ「藍子ちゃんといい泰葉ちゃんといいアレですねぇ。胸の割に卑しいですね」

泰葉「いよいよ直球で言ってくるようになったね。あと何度でも言うけど私もまゆさんも体型ほぼ変わらないからね」

まゆ「でも泰葉ちゃんたまに盛りますよね」

泰葉「だから盛ってないって。まゆさんにだけは言われたくない。智絵里さんの正直さを見習いなさい」

智絵里「…………」ｻｽｻｽ

まゆ「はぁーじゃあなんですかぁ！？　盛ってないなら泰葉ちゃんの●●●●が徐々に成長してるとでも言うんですかぁ！？」

泰葉「そういうこともあるでしょ１６なんだから！」

まゆ「まゆは正直ですぅ！　水着の時はちゃんとありのままの姿で出ましたよぉ！」

まゆ「そういうことは脱いでから言ってくれますかぁ！？」

泰葉「今更だけどアイドルの会話じゃないなこれ！！」

まゆ「…………」

まゆ「うりゃ」ﾓﾐ

泰葉「おもむろに揉まないでよ」ﾍﾟｼ

まゆ「…………」ｼﾞｰ

まゆ「あった……」

泰葉「だからそう言ってるでしょ」

智絵里「……ごめん、私にも揉ませて？」

泰葉「智絵里さんまで！？」

泰葉「――で、もう満足……？」

まゆ「まゆ達にもまだ……」

智絵里「希望が……」

泰葉「まったく、事務所のお祝い前だっていうのにひどい話ばっかりして……」

まゆ「だからこそですよぉ」

泰葉「はい？」

まゆ「おめでたいじゃないですかぁ。ほんの一部とはいえ、2018年のシンデレラガールである菜々さんの最後の大仕事の舞台に泰葉ちゃんが選ばれたんです」

まゆ「満を持しての主演舞台も大成功に終わりましたし、きっとこれから一層躍進するに違いないんですよぉ？」

まゆ「だからこそ、今のうちに色々なアレを思い切り吐き出して、綺麗な心で次の新しい1年を迎えようじゃないかと思ったんです」

智絵里「まゆちゃん……」

泰葉「…………」







泰葉「で、その結果とった行動が私の●を●●ことだったと」

まゆ「はい！！」

泰葉「返事は100点」

泰葉「とは言え、そもそも私水着とかそういうはっきりとしたセクシー路線の仕事はしたことないんだけど……」

まゆ「それはまぁ、そうですね。基本的には間接的に攻めてるので、直接攻撃と言ったらブルマ穿いてポンポン持ってがんばれがんばれぇ?したくらいでしょうか」

泰葉「言い回しの悪意がすごい」

智絵里「こ、今年は私も水着デビューしたんだよっ」ﾌﾝｽ

まゆ「そうそう。ちんまくたって腐らず下半身で攻める姿勢にPさんもにっこりです。そしてまたまゆの危機感がプラスです」

泰葉「それは知らないけどね」

まゆ「泰葉ちゃん、衣装の露出は割と凄いんですけどねぇ……」

泰葉「あー、だからそれは……やっぱり私のイメージの問題じゃないかなぁ、と」

智絵里「というと？」

泰葉「だから、その……子役だった時、自分で言うのもなんだけど……」

まゆ「あー、そういうことですかぁ」

智絵里「？」

まゆ「子役だった頃の知名度が高すぎるんですよぉ。今でこそアイドルのイメージも浸透してますけど、それ以上に泰葉ちゃんって『国民的愛娘』みたいなところがあるんです」

泰葉「だからまあ……そういうこと。もしかしてセクシー系の仕事をするとクレームが来たりするのかな……なんて」

まゆ「アイドルに転身した当初は暗かったから尚更ですよねぇ。いかにもな汚れ仕事感が出てしまうんでしょう」

泰葉「私は本当に気にしないし、むしろなるべく新しいことに挑戦してみたいんだけどね」

智絵里「泰葉ちゃん……」

泰葉「それに……Pさんのくれるお仕事なら何だって」

まゆ「そういうとこですよぉ」

まゆ「だからって何ですか、カミングTVもセーラー服で出てましたけど。制服は清楚ですか」

泰葉「普通そうだよ」

まゆ「翠さんを見ても言えますかぁ？」

https://i.imgur.com/n4lgEwg.jpg

泰葉「…………普通はそうなの」

智絵里（あっさり揺らいだ……）

まゆ「まあ現役高校生ですし。制服を着てるのが当たり前なんですけどね」

泰葉「そういえばまゆさんの学校の制服って？」

まゆ「…………」

泰葉「えっ」

智絵里「まゆちゃん……？」

まゆ「や、泰葉ちゃんも泰葉ちゃんですよぉ。なんですか事務所に制服で来ること多くないですかぁ」

泰葉「だ、だからそれはほら……今はちゃんと学校生活も充実してますよって意味も込めて……」

まゆ「本当はPさんに制服姿を見て貰いたいからなんじゃないですか」

泰葉「……そんなんじゃないって」

まゆ「そういうとこですよぉ」

泰葉「ああもう……Pさんに制服姿を見せるのが目的の一つだとして、それがどうしたって言うの」

まゆ「智絵里ちゃん見てください。容疑者が開き直る瞬間です」

智絵里「容疑者なの？」

まゆ「味方がいない」

泰葉「これまでいっぱい心配かけたから、ちゃんと学校楽しいですよって教えてあげたいの」

泰葉「ちゃんと学校に通えるように色々手を回してくれたのは他でもないPさんなんだから」

まゆ「泰葉ちゃん……」

まゆ「そうやってすぐシリアスに逃げるのっていつもの手口じゃないですかぁ」

泰葉「じゃあ何て言えばいいの！？」

まゆ「リピートアフターミー。『私、岡崎泰葉は●●●で卑しい娘です』」

泰葉「言わないからね」

智絵里「私も少しくらい、せくしーに……」

泰葉「智絵里さんもまだいいから」


完