2: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/08(木) 23:07:38.28 ID:VsfRu1yS0.net
女「…今年の夏も終わってしまった」
女「このままではクリスマスさえ一人かもしれない」
女「そんなの嫌だっ!!そんな惨めな高3最後なんてゴメンよ!」
姉「あのさ、独り言はなるべく小声で頼むわ」
女「独り言じゃない!」
姉「それを独り言と言わずしてなんと…」
女「このままではクリスマスさえ一人かもしれない」
女「そんなの嫌だっ!!そんな惨めな高3最後なんてゴメンよ!」
姉「あのさ、独り言はなるべく小声で頼むわ」
女「独り言じゃない!」
姉「それを独り言と言わずしてなんと…」
引用元: ・女「彼氏が居ないなら作ればいいんだ!」
これまで、何も起きずに終わっていたあなたへ 友達をつくるように、彼氏ができる本
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藤本シゲユキ
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4: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/08(木) 23:10:25.85 ID:VsfRu1yS0.net
女「そもそも彼氏って作るであってる?創る?造る?」
姉「最後のにいたっては建造に近いから」
女「そもそも彼氏の作り方なんてしらないぞ…どうやるんだ?月面で建造…?」
姉「どこの決戦兵器だ」
女「あれ…カレシってナンダ…カレ…カレー……カレーとはインド発祥の…」
姉「最後のにいたっては建造に近いから」
女「そもそも彼氏の作り方なんてしらないぞ…どうやるんだ?月面で建造…?」
姉「どこの決戦兵器だ」
女「あれ…カレシってナンダ…カレ…カレー……カレーとはインド発祥の…」
5: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/08(木) 23:13:47.89 ID:VsfRu1yS0.net
姉「落ち着け妹よ」
女「落ち着けばカレシは捻り出せるのか」
姉「捻り出すな」
女「そもそもお姉ちゃんも彼氏いないじゃん」
姉「おるぞ」
女「…うそだ」
姉「この間合わせた友達いたでしょ?あれ」
女「あのボビーオロゴンみたいなのが!?」
姉「肯定だ」
女「ナンデダヨフザケンナヨ」
女「落ち着けばカレシは捻り出せるのか」
姉「捻り出すな」
女「そもそもお姉ちゃんも彼氏いないじゃん」
姉「おるぞ」
女「…うそだ」
姉「この間合わせた友達いたでしょ?あれ」
女「あのボビーオロゴンみたいなのが!?」
姉「肯定だ」
女「ナンデダヨフザケンナヨ」
6: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/08(木) 23:16:04.50 ID:VsfRu1yS0.net
女「いや待て、お姉ちゃんがボビーなら私に勝ち目はある」
姉「ボビー舐めんなこのやろ」
女「…作る方向性は間違ええないんだ!あとは方法と材料!」
姉「方向性が間違えてることに気付け」
女「ちょっとコンビニ行ってくる!」
姉「まて!そもそもコンビニで済まないだろ!」
姉「ボビー舐めんなこのやろ」
女「…作る方向性は間違ええないんだ!あとは方法と材料!」
姉「方向性が間違えてることに気付け」
女「ちょっとコンビニ行ってくる!」
姉「まて!そもそもコンビニで済まないだろ!」
8: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/08(木) 23:22:40.59 ID:VsfRu1yS0.net
近所のコンビニ
女「……今更ながらお姉ちゃんに彼氏いた事のダメージでかいぞ」
とりあえず作り方が分からない以上適当に週刊誌を立ち読みする女
女(てか人間の体の70%は水分なんでしょ…だったら残りたった30%じゃない!)
女(…はぁ…なんか本当にこのまま私の青春は終わっちゃうのかなぁ)
女(否、断じて否!このままでは終われない!)
男「うわ…(なんかぶつぶついいながら怖い顔してるクラスメイト発見)」
女(作る方向性は間違えてない!それは確か!)
女「……今更ながらお姉ちゃんに彼氏いた事のダメージでかいぞ」
とりあえず作り方が分からない以上適当に週刊誌を立ち読みする女
女(てか人間の体の70%は水分なんでしょ…だったら残りたった30%じゃない!)
女(…はぁ…なんか本当にこのまま私の青春は終わっちゃうのかなぁ)
女(否、断じて否!このままでは終われない!)
男「うわ…(なんかぶつぶついいながら怖い顔してるクラスメイト発見)」
女(作る方向性は間違えてない!それは確か!)
9: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/08(木) 23:27:15.81 ID:VsfRu1yS0.net
男(ここは触らぬ神に祟りなし…迅速に目標を確保した後退却を…)
女「あ」
男「…(見つかった)」
女「確か…同じクラスの」
男「…やぁ」
女「なに?買い物?」
男「それ以外の目的でコンビニに来る人を知らないんだけど」
女「まぁそっか」
男「では…(よし、あとは会計を済ませて…)」
女「ちょっとまってよ」
男「…なに?」
女「あ」
男「…(見つかった)」
女「確か…同じクラスの」
男「…やぁ」
女「なに?買い物?」
男「それ以外の目的でコンビニに来る人を知らないんだけど」
女「まぁそっか」
男「では…(よし、あとは会計を済ませて…)」
女「ちょっとまってよ」
男「…なに?」
10: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/08(木) 23:32:25.88 ID:VsfRu1yS0.net
女(作る方向性で行くとしてどうしてもゼロからってのは非合理的だよね…)
男(絶対なんか面倒くさいこと考えてる、なんか感じるもん!面倒くさいオーラを!)
女(つまり彼を素体に理想の彼氏に改装すればいいのよ!)ピコーン
男(あ、絶対なんか変なこと思いついた顔してる)
女「…よし、君私の彼氏素体になって!」
男「かれ…素体?」
女「うん、素材は文句なしねあとは~」
男「なんの話?」
女「つまり付き合えってこと」
男「どこに?」
女「私と」
男「誰と?」
女「私と」
男「いつ?」
女「今から」
男「…はぁ?」
男(絶対なんか面倒くさいこと考えてる、なんか感じるもん!面倒くさいオーラを!)
女(つまり彼を素体に理想の彼氏に改装すればいいのよ!)ピコーン
男(あ、絶対なんか変なこと思いついた顔してる)
女「…よし、君私の彼氏素体になって!」
男「かれ…素体?」
女「うん、素材は文句なしねあとは~」
男「なんの話?」
女「つまり付き合えってこと」
男「どこに?」
女「私と」
男「誰と?」
女「私と」
男「いつ?」
女「今から」
男「…はぁ?」
11: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/08(木) 23:34:25.11 ID:VsfRu1yS0.net
女宅
姉「だ…だれ?」
女「彼氏」
男「否定」
女「否定を否定」
男「否定を否定を否定」
女「否定を否定を否定を否定、この否定は否定されない」
男「…」
姉「…バカだ」
男「…肯定」
姉「だ…だれ?」
女「彼氏」
男「否定」
女「否定を否定」
男「否定を否定を否定」
女「否定を否定を否定を否定、この否定は否定されない」
男「…」
姉「…バカだ」
男「…肯定」
12: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/08(木) 23:39:13.63 ID:VsfRu1yS0.net
女「つまり、私の理想の彼氏になって欲しいのよ」
男「無理だ、てか一方的過ぎないか?」
女「そんな事ない、私もあなたの理想になる」
男「もし俺の理想が半分腐敗したゾンビみたいな女の子だったら?」
女「腐る」
男(元から腐ってやがる)
女「見た目とかはどうでもいいの、むしろあなたみたいなフツメンが丁度いいわ」
男「それ悪口だろ」
女「要は内面的な問題!」
男「そもそも俺が君に協力するメリットがない」
女「…可愛い彼女が出来るじゃない」
男「世間一般の可愛い彼女はいきなり見ず知らずの男を拉致ったりしない」
女「それは歪んだ世間よ」
男(歪んでるのはお前だろ)
男「無理だ、てか一方的過ぎないか?」
女「そんな事ない、私もあなたの理想になる」
男「もし俺の理想が半分腐敗したゾンビみたいな女の子だったら?」
女「腐る」
男(元から腐ってやがる)
女「見た目とかはどうでもいいの、むしろあなたみたいなフツメンが丁度いいわ」
男「それ悪口だろ」
女「要は内面的な問題!」
男「そもそも俺が君に協力するメリットがない」
女「…可愛い彼女が出来るじゃない」
男「世間一般の可愛い彼女はいきなり見ず知らずの男を拉致ったりしない」
女「それは歪んだ世間よ」
男(歪んでるのはお前だろ)
25: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/10(土) 06:26:15.82 ID:am6ghmOX0.net
女「それとももしかして既に彼女居るとか?」
男「いや…居ないが…」
女「ならいいじゃない」
男「いや、そうじゃないだろ!それに君だって俺でいいのかよ」
女「今のあなたは微妙だけどきっと磨いて輝かせて見せる!」
男(よくわからんがなんとなく目的が見えてきたぞ…)
男「要するに俺以外でもいいわけだろ」
女「最低限のレベルをクリアしてればね」
男「ならばもっといい奴がいる(なんて失礼な奴なんだ…)」
女「なに?紹介してくれるの!?」
男「そうだ、もっと磨き甲斐のあって伸びしろのある奴だ」
女「なんだ~!もっと早く言ってよー!」
男(あ、ただ単にバカな子なのか)
男「いや…居ないが…」
女「ならいいじゃない」
男「いや、そうじゃないだろ!それに君だって俺でいいのかよ」
女「今のあなたは微妙だけどきっと磨いて輝かせて見せる!」
男(よくわからんがなんとなく目的が見えてきたぞ…)
男「要するに俺以外でもいいわけだろ」
女「最低限のレベルをクリアしてればね」
男「ならばもっといい奴がいる(なんて失礼な奴なんだ…)」
女「なに?紹介してくれるの!?」
男「そうだ、もっと磨き甲斐のあって伸びしろのある奴だ」
女「なんだ~!もっと早く言ってよー!」
男(あ、ただ単にバカな子なのか)
26: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/10(土) 06:32:59.45 ID:am6ghmOX0.net
翌日の学校
女「ねぇ?誰なのよ?」
男「一応候補はいくつかある」
男「まずはこいつだ」
候補A「ふぅ…ふぅ…」
女「なんか…息切れしてない?」
男「アイドリングだ…」
候補A「こ、この子が僕に気のある子ぉ?…ふぅ…ふぅ…」
女(なんというか…ザ・肉塊ってかんじ…)
男「どうだ?内面は凄くいい奴だぞ、磨けばひk…」
女「あ、人違いでしったっ!」ダッ
男の襟元を掴んで走り去る女
男「なぜだ?磨き甲斐があっただろ?」
女「もっと難易度低い奴!」
男「ふむ…」
女「ねぇ?誰なのよ?」
男「一応候補はいくつかある」
男「まずはこいつだ」
候補A「ふぅ…ふぅ…」
女「なんか…息切れしてない?」
男「アイドリングだ…」
候補A「こ、この子が僕に気のある子ぉ?…ふぅ…ふぅ…」
女(なんというか…ザ・肉塊ってかんじ…)
男「どうだ?内面は凄くいい奴だぞ、磨けばひk…」
女「あ、人違いでしったっ!」ダッ
男の襟元を掴んで走り去る女
男「なぜだ?磨き甲斐があっただろ?」
女「もっと難易度低い奴!」
男「ふむ…」
27: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/10(土) 06:39:30.87 ID:am6ghmOX0.net
数分後
男「連れてきたぞ、こいつなら細身でいい奴だ」
女「そうそう、そういう…」
候補B「ふぃsなyゔぇkしsじぇvしゃvmっtぢ」
女(細身っていうか…グレイ宇宙人?)
男「先日散歩をしてたら出会ったんだ、趣味はキャ…なんだっけ?」
候補B「きwばいshrvぢえんぅじぇvskzyzbk!」
男「そうそうそれ、キャトルミューティレーション?」
女「えーっと…その…」
候補B「kしjrんゔぇkづxべmしsb!vsんrbdjsksんぅたjすn!!」
男「おぉ!喜べ!こいつも君の事を気に入ったらしい」
女「え、えー…」
候補B「いshsんdjすあいxtべうsbsみr!」
男「この年代のサンプルが丁度実験で使ってしまったらしい、よかったな!」
女「よくないっ!!」
男「連れてきたぞ、こいつなら細身でいい奴だ」
女「そうそう、そういう…」
候補B「ふぃsなyゔぇkしsじぇvしゃvmっtぢ」
女(細身っていうか…グレイ宇宙人?)
男「先日散歩をしてたら出会ったんだ、趣味はキャ…なんだっけ?」
候補B「きwばいshrvぢえんぅじぇvskzyzbk!」
男「そうそうそれ、キャトルミューティレーション?」
女「えーっと…その…」
候補B「kしjrんゔぇkづxべmしsb!vsんrbdjsksんぅたjすn!!」
男「おぉ!喜べ!こいつも君の事を気に入ったらしい」
女「え、えー…」
候補B「いshsんdjすあいxtべうsbsみr!」
男「この年代のサンプルが丁度実験で使ってしまったらしい、よかったな!」
女「よくないっ!!」
28: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/10(土) 06:43:10.97 ID:am6ghmOX0.net
女「もっと他に居ないの!?」
男「…そんなに友人がいない」
女「…なんかごめん」
男「あとは…」チラッ
女「な、なによ?」
男「近所に少し年上なのだがいい男性がいる」
女「年上かぁ…いいね!」
男「それは良かった、この間88の誕生日を迎えたばかりだ。まだ現役だぞ」
女「そんな事だろうと思ったよ!」
男「ダメか…」
女(そもそもこの人に頼るのが間違えてない…?)
男「…そんなに友人がいない」
女「…なんかごめん」
男「あとは…」チラッ
女「な、なによ?」
男「近所に少し年上なのだがいい男性がいる」
女「年上かぁ…いいね!」
男「それは良かった、この間88の誕生日を迎えたばかりだ。まだ現役だぞ」
女「そんな事だろうと思ったよ!」
男「ダメか…」
女(そもそもこの人に頼るのが間違えてない…?)
35: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/13(火) 00:31:49.90 ID:7A/UMxwR0.net
女「計画に変更は無しよ」
男「まじか…」
女「なに?嫌なの?」
男「…具体的に俺は何されるの?」
女「そうね…まず改造かしら」
男「ショッカーの研究機関にでも行くのか」
女「要するに私の理想の彼氏になってもらうってこと」
男「で?その後は?」
女「その後…?」
男「改造してどうする?」
女「まぁ…その…」
男「…本当は見栄はりたいだけなんだろ?」
女「う…」
男「周りはリア充ばっかで1人なのが不安って感じ?」
女「う、うるさいなぁ!」
男「図星か」
男「まじか…」
女「なに?嫌なの?」
男「…具体的に俺は何されるの?」
女「そうね…まず改造かしら」
男「ショッカーの研究機関にでも行くのか」
女「要するに私の理想の彼氏になってもらうってこと」
男「で?その後は?」
女「その後…?」
男「改造してどうする?」
女「まぁ…その…」
男「…本当は見栄はりたいだけなんだろ?」
女「う…」
男「周りはリア充ばっかで1人なのが不安って感じ?」
女「う、うるさいなぁ!」
男「図星か」
37: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/13(火) 00:35:30.30 ID:7A/UMxwR0.net
女「私はただ…最後の高校生活だから…」
男「…なーるほど」
女「仮でもいいからそういう…彼とイチャイチャとかやってみたかったの…」
男「…わからんでもない」
女「ほんと?」
男「ああ、俺にも経験がある」
女「どんな?」
男「小学校の頃だ」
女「なになに?」
男「俺はあるところに行きたかった。それも子供しか行けないって信じてた」
女「…そこって?」
男「デジタルワールド」
女「なにそれ…?」
男「デジタルワールドだよ。よく考えたらまだ高校生でも子供だからいけるのかも知れないがな」
女「…」
男「…なーるほど」
女「仮でもいいからそういう…彼とイチャイチャとかやってみたかったの…」
男「…わからんでもない」
女「ほんと?」
男「ああ、俺にも経験がある」
女「どんな?」
男「小学校の頃だ」
女「なになに?」
男「俺はあるところに行きたかった。それも子供しか行けないって信じてた」
女「…そこって?」
男「デジタルワールド」
女「なにそれ…?」
男「デジタルワールドだよ。よく考えたらまだ高校生でも子供だからいけるのかも知れないがな」
女「…」
38: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/13(火) 00:40:23.49 ID:7A/UMxwR0.net
男「いるはずなんだっ!俺にも相棒のデジモンが!」
女「…あなたそれ他にも同じような経験あるでしょ」
男「いや、あとは森にポケモン探しに行って遭難しかけたくらいだ。蛾しかゲットできなかったが」
女「…」
男「あの時はまずかった。本当に遭難しかけたんだぞ?捜索隊の出動して…」
女「ガチ遭難じゃん!」
男「まぁとにかく、その気持ち理解出来るってことだ」
女「なんか同じにされたくないんですけど…」
男「卒業までって約束なら…協力してやってもいいが」
女「ほんと?」
男「いや、それはちと長いか…今年いっぱいってどうだ?」
女「せめて初詣は行きたい」
男「なら1月か」
女「あー、でも2月も…」
女「…あなたそれ他にも同じような経験あるでしょ」
男「いや、あとは森にポケモン探しに行って遭難しかけたくらいだ。蛾しかゲットできなかったが」
女「…」
男「あの時はまずかった。本当に遭難しかけたんだぞ?捜索隊の出動して…」
女「ガチ遭難じゃん!」
男「まぁとにかく、その気持ち理解出来るってことだ」
女「なんか同じにされたくないんですけど…」
男「卒業までって約束なら…協力してやってもいいが」
女「ほんと?」
男「いや、それはちと長いか…今年いっぱいってどうだ?」
女「せめて初詣は行きたい」
男「なら1月か」
女「あー、でも2月も…」
39: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/13(火) 00:43:43.20 ID:7A/UMxwR0.net
男「節分か?」
女「違う違う、バレンタインでしょ」
男「それは要らんだろ」
女「えー」
男「せめて1月までだな」
女「…わかった」
男「そしてその見返りなんだが」
女「え、なにかあるの…?」
男「…今は特に考えてない」
女「あまり無茶なのはやめてよね」
男「うむ」
こうして奇妙な関係がスタートするのであった
女「違う違う、バレンタインでしょ」
男「それは要らんだろ」
女「えー」
男「せめて1月までだな」
女「…わかった」
男「そしてその見返りなんだが」
女「え、なにかあるの…?」
男「…今は特に考えてない」
女「あまり無茶なのはやめてよね」
男「うむ」
こうして奇妙な関係がスタートするのであった
45: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/14(水) 00:44:12.05 ID:csRnn9tU0.net
翌日の女宅
女「ただいまー」
男「お邪魔しますよっと…」
姉「おかえりぃー」
女「今日は早速私の理想に近づく為の特訓をします!」
男「おう」
女「まずはその態度!なんでこう…覇気がないの?」
男「べつに…これが自然体だし」
女「その自然体でいてもらっちゃ困るの、とくに知り合いの前では!」
男「…なるほど、そういう事なら」
立ち上がって力み始める男
女「なにやってんの?」
男「出てるか?覇気」
女「そ、そうじゃない…」
女「ただいまー」
男「お邪魔しますよっと…」
姉「おかえりぃー」
女「今日は早速私の理想に近づく為の特訓をします!」
男「おう」
女「まずはその態度!なんでこう…覇気がないの?」
男「べつに…これが自然体だし」
女「その自然体でいてもらっちゃ困るの、とくに知り合いの前では!」
男「…なるほど、そういう事なら」
立ち上がって力み始める男
女「なにやってんの?」
男「出てるか?覇気」
女「そ、そうじゃない…」
47: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/14(水) 00:53:08.03 ID:csRnn9tU0.net
女「受け答えとかで今みたいに『あ…あう…』みたいな反応されると困るの!」
男「おれそんな反応してない」
女「そんな風に見えるの!だから特訓!」
男「ういー」
姉「なんか面白そうな事やってるね?」
女「お姉ちゃんも手伝って!ほら、まずはお姉ちゃん相手に練習!」
男「練習って…」
女「なんか話して」
男「…あ、お姉さんってぇ~妹さんと違って美人ですねぇ~」
姉「うふふ、そう?ありがと」
女「ストップ!!ふざけんな!」
男「冗談だよ~、あんたも充分美人さんだって」
女「…っ!?そ、そうじゃなくって…」
男「でもお姉さんの方が2割方勝ちかな~」
姉「やったー」
女「…急によく喋るようになったじゃない」
男「これくらい造作もない、おれは脳内に100通の擬似人格がある」
姉「あらすごい」
男「ストイックな脳筋からおネェまでなんでも演じられるぞ」
女「…あっそ」
男「おれそんな反応してない」
女「そんな風に見えるの!だから特訓!」
男「ういー」
姉「なんか面白そうな事やってるね?」
女「お姉ちゃんも手伝って!ほら、まずはお姉ちゃん相手に練習!」
男「練習って…」
女「なんか話して」
男「…あ、お姉さんってぇ~妹さんと違って美人ですねぇ~」
姉「うふふ、そう?ありがと」
女「ストップ!!ふざけんな!」
男「冗談だよ~、あんたも充分美人さんだって」
女「…っ!?そ、そうじゃなくって…」
男「でもお姉さんの方が2割方勝ちかな~」
姉「やったー」
女「…急によく喋るようになったじゃない」
男「これくらい造作もない、おれは脳内に100通の擬似人格がある」
姉「あらすごい」
男「ストイックな脳筋からおネェまでなんでも演じられるぞ」
女「…あっそ」
48: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/14(水) 01:01:35.12 ID:csRnn9tU0.net
女「じゃぁ知り合いの前ではその…なんとか人格ってのでやり過ごすとして」
男「待ってくれ、これを常にと言うのは厳しすぎる」
女「え?だって仕方ないじゃない」
男「からり精神と体力を消耗するんだ」
女「じゃぁどうしたいのよ?」
男「…せめて1日置きにしないか?」
女「…え?」
男「1日置けば万全な状態で切り替えられる」
女「1日置きって…」
男「つまり彼氏ごっこは月水金か火木土とか」
姉「バイトのシフトみたいね」
男「そう」
女「まって、なんで日曜オフる気満々なの」
男「…おれキリシタンなんで」
女「日曜は外せない」
男「日曜か…」
女「せめて土日はやってよ」
男「2日連続はキツイ、どっちか休ませてくれ」
女「えー」
姉「本格的にバイト君と店長みたいw」
男「待ってくれ、これを常にと言うのは厳しすぎる」
女「え?だって仕方ないじゃない」
男「からり精神と体力を消耗するんだ」
女「じゃぁどうしたいのよ?」
男「…せめて1日置きにしないか?」
女「…え?」
男「1日置けば万全な状態で切り替えられる」
女「1日置きって…」
男「つまり彼氏ごっこは月水金か火木土とか」
姉「バイトのシフトみたいね」
男「そう」
女「まって、なんで日曜オフる気満々なの」
男「…おれキリシタンなんで」
女「日曜は外せない」
男「日曜か…」
女「せめて土日はやってよ」
男「2日連続はキツイ、どっちか休ませてくれ」
女「えー」
姉「本格的にバイト君と店長みたいw」
49: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/14(水) 01:06:46.11 ID:csRnn9tU0.net
論議は進み…
女「じゃぁ月水金と日曜の午前中ってことで…」
男「OKだ」
女「なんか…彼氏のバイトって感じ」
男「おれはそもそもそんな感覚だ」
女「時給なんか払えないよ?」
男「大丈夫、そっちも労働で返してもらう」
女「え…?」
姉「なんか●●い匂い///」ワクワク
男「安心してくれ、少なくともマグロと炭鉱じゃない」
女「その選択肢が出てくる時点で怖いわ」
男「じゃぁ明日から本格的に始動か」
女「うん、細かいところはやりながらね」
男「細かいところ?」
女「まだ色々理想には遠いからね」
男「…しかたない」
姉「私もバイト彼女始めようかな~」
女「じゃぁ月水金と日曜の午前中ってことで…」
男「OKだ」
女「なんか…彼氏のバイトって感じ」
男「おれはそもそもそんな感覚だ」
女「時給なんか払えないよ?」
男「大丈夫、そっちも労働で返してもらう」
女「え…?」
姉「なんか●●い匂い///」ワクワク
男「安心してくれ、少なくともマグロと炭鉱じゃない」
女「その選択肢が出てくる時点で怖いわ」
男「じゃぁ明日から本格的に始動か」
女「うん、細かいところはやりながらね」
男「細かいところ?」
女「まだ色々理想には遠いからね」
男「…しかたない」
姉「私もバイト彼女始めようかな~」
54: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/15(木) 00:32:44.42 ID:4EBLvtv30.net
翌朝
男の携帯が鳴っている
男「うるせぇ…」
いつものアラームの時間より少し早い
男「…(電話…?)」
見たことのない番号からだ
男「………」
寝た
携帯が鳴り止むと、再び鳴り出す
男「……………」
鳴り止まない
男「………………………………………」
鳴り止まない
男「……(怒)」
電話にやっと出た男
女『おはよ、散々無視してくれてありがと』
男「…………」
女『ねぇ?聞いてる?』
男「………」
女『もしもーし?寝ちゃった?』
男「………なんかよう?」
女『今日から一応カップルになる訳だしさ、一緒に学校行こうよ』
男「……(めんどくせ)」
男の携帯が鳴っている
男「うるせぇ…」
いつものアラームの時間より少し早い
男「…(電話…?)」
見たことのない番号からだ
男「………」
寝た
携帯が鳴り止むと、再び鳴り出す
男「……………」
鳴り止まない
男「………………………………………」
鳴り止まない
男「……(怒)」
電話にやっと出た男
女『おはよ、散々無視してくれてありがと』
男「…………」
女『ねぇ?聞いてる?』
男「………」
女『もしもーし?寝ちゃった?』
男「………なんかよう?」
女『今日から一応カップルになる訳だしさ、一緒に学校行こうよ』
男「……(めんどくせ)」
56: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/15(木) 00:38:13.20 ID:4EBLvtv30.net
女『めんどくさいとか言わない』
男「声に出してねーよ」
女『てことは当たりってことじゃない』
男「……」
女『ねぇ、お願いだから!もう友達に言いふらしちゃったし…』
男「…おれが彼氏のバイト始めたこと?」
女『あのさ、少し不安だったんだけど…そのバイトでやってるって事黙っててよ?』
男「…えー」
女『バレたら意味ないじゃない!ってかむしろ惨め!』
男「……そうかなぁ」
女『そうなの』
男「………」
女『という訳で家どこ?迎えに行ったげる!』
男「やめて」
女『なんでよ?』
男「……」
女『まさか今更恥ずかしくなってきたの?』
男「いや………」
男「めんどくさい」
男「声に出してねーよ」
女『てことは当たりってことじゃない』
男「……」
女『ねぇ、お願いだから!もう友達に言いふらしちゃったし…』
男「…おれが彼氏のバイト始めたこと?」
女『あのさ、少し不安だったんだけど…そのバイトでやってるって事黙っててよ?』
男「…えー」
女『バレたら意味ないじゃない!ってかむしろ惨め!』
男「……そうかなぁ」
女『そうなの』
男「………」
女『という訳で家どこ?迎えに行ったげる!』
男「やめて」
女『なんでよ?』
男「……」
女『まさか今更恥ずかしくなってきたの?』
男「いや………」
男「めんどくさい」
57: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/15(木) 00:43:52.19 ID:4EBLvtv30.net
女『………ひどい、私はこんなに真面目に考えてるのに…』
男「……ひどい、僕はこんなに眠いのに」
女『あなたバカにしてるでしょ』
男「…うん」
女『あのさ、確かに私の一方的な事情であなたを巻き込んでるのは申し訳ないけど男なら一度約束した事を最後まで貫き通すくらいの覚悟ないの!?』
男「…わぁったよ…じゃぁおれがそっち行くから」
女『え?』
男「てかうちに来るのは困る」
女『なんで?』
男「うるさいのが居るから…」
男「……ひどい、僕はこんなに眠いのに」
女『あなたバカにしてるでしょ』
男「…うん」
女『あのさ、確かに私の一方的な事情であなたを巻き込んでるのは申し訳ないけど男なら一度約束した事を最後まで貫き通すくらいの覚悟ないの!?』
男「…わぁったよ…じゃぁおれがそっち行くから」
女『え?』
男「てかうちに来るのは困る」
女『なんで?』
男「うるさいのが居るから…」
58: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/15(木) 00:52:13.34 ID:4EBLvtv30.net
女宅
男がついたら既に彼女は玄関先で待っていた
男「おはよ…」
女「おはよう、本当に眠そうね」
男「おれ低気圧なの」
女「…低血圧?」
男「…それ」
女「もうちょっと身だしなみ気をつけたら?髪なんてボサボサじゃん」
男「…え、まじか」
女「せめて外見だけはしっかりしてよね」
男「はいはい」
女が跳ねた髪を手で押さえるが思ったより強く癖が付いていて戻らない
女「なにやったらこんな寝癖つくのよ…!」
男「寝たら…」
女「そりゃ寝癖だからね」
いくらやっても戻らない
女「…切るか」
男「は、早まるな!」
女「でもみっともないし」
男「そのあとの方が地獄だろ」
男がついたら既に彼女は玄関先で待っていた
男「おはよ…」
女「おはよう、本当に眠そうね」
男「おれ低気圧なの」
女「…低血圧?」
男「…それ」
女「もうちょっと身だしなみ気をつけたら?髪なんてボサボサじゃん」
男「…え、まじか」
女「せめて外見だけはしっかりしてよね」
男「はいはい」
女が跳ねた髪を手で押さえるが思ったより強く癖が付いていて戻らない
女「なにやったらこんな寝癖つくのよ…!」
男「寝たら…」
女「そりゃ寝癖だからね」
いくらやっても戻らない
女「…切るか」
男「は、早まるな!」
女「でもみっともないし」
男「そのあとの方が地獄だろ」
63: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/16(金) 01:04:57.04 ID:Pv3Zma9q0.net
女「あ、おはよー」
女友「おはよー!さすが新婚さん仲良いね」
女「ちょ、やめてよーw」
男「…」←変な事言うなと釘を刺されている為無口
女友「まさか本当に付き合い始めたとはねー」
女「ま、これで寂しいクリスマスは来ないわけよ」
男「…」
女友「なんか男くん喋らないね?」
女「そう?…ほらなにか喋りなよ」
男「喋っていいのか?」
女「許可する」
男「許可が下りた。おはよう」
女友「お、おはよ…なんか面白いね、男くん」
男「…」←続けて喋っていいのか困っている
女「変な事言わなきゃ普通に喋っていいから…」ボソッ
男「よく…言われる……おれは面白い…」
女友「ぷふっ!なにその喋り方w」
男「…変だったか?」
女「まぁ、それくらい気をつけてないと危なっかしいからね」
女友「でも変わってるよねー、まさかこれを選ぶ男子がいるなんてー」
女「なによその言い方ー!」
男「確かに、普通なら選ばんな」
女「…」ギロッ
男「うっ………いや、彼女は魅力的だ…とても……とても……」
女友「おはよー!さすが新婚さん仲良いね」
女「ちょ、やめてよーw」
男「…」←変な事言うなと釘を刺されている為無口
女友「まさか本当に付き合い始めたとはねー」
女「ま、これで寂しいクリスマスは来ないわけよ」
男「…」
女友「なんか男くん喋らないね?」
女「そう?…ほらなにか喋りなよ」
男「喋っていいのか?」
女「許可する」
男「許可が下りた。おはよう」
女友「お、おはよ…なんか面白いね、男くん」
男「…」←続けて喋っていいのか困っている
女「変な事言わなきゃ普通に喋っていいから…」ボソッ
男「よく…言われる……おれは面白い…」
女友「ぷふっ!なにその喋り方w」
男「…変だったか?」
女「まぁ、それくらい気をつけてないと危なっかしいからね」
女友「でも変わってるよねー、まさかこれを選ぶ男子がいるなんてー」
女「なによその言い方ー!」
男「確かに、普通なら選ばんな」
女「…」ギロッ
男「うっ………いや、彼女は魅力的だ…とても……とても……」
64: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/16(金) 01:09:25.50 ID:Pv3Zma9q0.net
女友「でも男くんから告ったんでしょ?」
男「そうなのか?」
女「…」ギロッ
男「そそそ、そうだ…おれが…こくった…」
女友「ズバリ、決め手は?」
男「…………」
女「……早く」ボソッ
女友「なになに?」
男「…………」
女「………」
女友「…ん?」
男「……押しの…強いところ…か、な…」
女友「男くんってそういうのがタイプかー」
女「……ふぅ」
男(このバイトきつくね……)
男「そうなのか?」
女「…」ギロッ
男「そそそ、そうだ…おれが…こくった…」
女友「ズバリ、決め手は?」
男「…………」
女「……早く」ボソッ
女友「なになに?」
男「…………」
女「………」
女友「…ん?」
男「……押しの…強いところ…か、な…」
女友「男くんってそういうのがタイプかー」
女「……ふぅ」
男(このバイトきつくね……)
65: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/16(金) 01:21:20.97 ID:Pv3Zma9q0.net
女友「昨日からラインでずっと話題だったんだよー、ついに女が彼氏出来たって」
女「なにそれーw」
男「……(身勝手な女だが、話を聞く限りでは本当に見栄を張りたいだけのようだな…)」
女友「てかさ、二人が喋ってるの全然見なかったけどどこで繋がってたの?」
女「…う」ギクッ
男「……(なんだ?設定してないのか…?)」
女「それは…えーっと…」
男(仕方ない…)
男「こいつの親とうちの親が仲良くなってさ、偶然同級生の子供がいるって盛り上がってって感じ」
女「…!?」
女友「へぇー」
女「なに勝手な事言ってんのよ!」ボソッ
男「君は嘘が下手な様だ…手伝ってやる」ボソボソ
女「だ、大丈夫なの…?」
男「君がどういう風に言いふらしたかは知らんが話しさえ合わせてくれればなんとかする」ボソボソ
女「う…うん…わかった…」
女友「じゃぁ親公認のカップルなの?」
男「いや、その辺はまだだ」
女「そうそう…」
男「親からすれば数回顔合わせただけだからな」
女「そ、そうそう…」
男「だからこの事は知らないんだ」
女「そ…そうなの…」
女友「へぇー」
女「大丈夫なの!?本当に大丈夫なの!?」ボソボソ
男「ま、嘘はいずれバレる運命って相場が決まっている」
女「…ちょっとやめてよ…」
男「安心しろ、約束は守る…シフトの日はな」
女「なにそれーw」
男「……(身勝手な女だが、話を聞く限りでは本当に見栄を張りたいだけのようだな…)」
女友「てかさ、二人が喋ってるの全然見なかったけどどこで繋がってたの?」
女「…う」ギクッ
男「……(なんだ?設定してないのか…?)」
女「それは…えーっと…」
男(仕方ない…)
男「こいつの親とうちの親が仲良くなってさ、偶然同級生の子供がいるって盛り上がってって感じ」
女「…!?」
女友「へぇー」
女「なに勝手な事言ってんのよ!」ボソッ
男「君は嘘が下手な様だ…手伝ってやる」ボソボソ
女「だ、大丈夫なの…?」
男「君がどういう風に言いふらしたかは知らんが話しさえ合わせてくれればなんとかする」ボソボソ
女「う…うん…わかった…」
女友「じゃぁ親公認のカップルなの?」
男「いや、その辺はまだだ」
女「そうそう…」
男「親からすれば数回顔合わせただけだからな」
女「そ、そうそう…」
男「だからこの事は知らないんだ」
女「そ…そうなの…」
女友「へぇー」
女「大丈夫なの!?本当に大丈夫なの!?」ボソボソ
男「ま、嘘はいずれバレる運命って相場が決まっている」
女「…ちょっとやめてよ…」
男「安心しろ、約束は守る…シフトの日はな」
71: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/17(土) 00:31:08.39 ID:PbqzMWmR0.net
翌朝
携帯が鳴っている
男「……またか」
今日は日曜日…
男「…(どうせろくな誘いじゃない…)」
携帯が鳴り止んだ
男「………」
男「…鳴らないか…諦めたな」
布団をかぶりなおし、再び夢の国へ帰ろうとする
ドンドン!
男「……!?」
誰かが家の戸を叩く音がする
男「…おい…まさか…いや…」
狭いアパートの一室では隠れるところどころか息を潜める事すら難しい
女『ねぇ、いるんでしょー?』ドンドン
男「………(来やがった…!)」
女『居ないのかな…』
男「…(そうだ、居ない。おれは居ないぞ留守だ)」
携帯が鳴っている
男「……またか」
今日は日曜日…
男「…(どうせろくな誘いじゃない…)」
携帯が鳴り止んだ
男「………」
男「…鳴らないか…諦めたな」
布団をかぶりなおし、再び夢の国へ帰ろうとする
ドンドン!
男「……!?」
誰かが家の戸を叩く音がする
男「…おい…まさか…いや…」
狭いアパートの一室では隠れるところどころか息を潜める事すら難しい
女『ねぇ、いるんでしょー?』ドンドン
男「………(来やがった…!)」
女『居ないのかな…』
男「…(そうだ、居ない。おれは居ないぞ留守だ)」
72: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/17(土) 00:36:20.85 ID:PbqzMWmR0.net
女『あ、そうだ』
再び鳴り出す携帯
男「……!!(しまったー!!)」
女『あ!やっぱいるんじゃない!でてこーい!』
男「……(裏切り者ー!!もうお前なんか充電してやんねーからな!!)」
仕方なく扉を開ける男
男「しゅ、宗教なら間に合ってるんで……」
女「なら良かった、今日暇でしょ」
男「いいや……予定が入る予定が…」
女「暇ね、早く着替えて行くよ」
男「ま、待ってくれ……まだ仮面ライダーが…」
女「そんなの録画しておけばいいじゃない」
男「いや、こういうのってリアルタイムで観ないと………」
女「じゃぁ私も見る。それでいいでしょ?」
男「……は?」
女「それから出かけても間に合うから、ほらほら始まっちゃうよ」
男「いや、そうじゃなくって……あ、勝手に入らないd……」
女「おじゃましまーす」
再び鳴り出す携帯
男「……!!(しまったー!!)」
女『あ!やっぱいるんじゃない!でてこーい!』
男「……(裏切り者ー!!もうお前なんか充電してやんねーからな!!)」
仕方なく扉を開ける男
男「しゅ、宗教なら間に合ってるんで……」
女「なら良かった、今日暇でしょ」
男「いいや……予定が入る予定が…」
女「暇ね、早く着替えて行くよ」
男「ま、待ってくれ……まだ仮面ライダーが…」
女「そんなの録画しておけばいいじゃない」
男「いや、こういうのってリアルタイムで観ないと………」
女「じゃぁ私も見る。それでいいでしょ?」
男「……は?」
女「それから出かけても間に合うから、ほらほら始まっちゃうよ」
男「いや、そうじゃなくって……あ、勝手に入らないd……」
女「おじゃましまーす」
74: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/17(土) 00:42:06.76 ID:PbqzMWmR0.net
女「へぇー、本当に一人暮らしなんだー」
男「……仕方ねぇだろ、実家からは遠くて学校通えねーんだから」
女「なんか物少ないね」
男「物が多くても散らかるだけだし……ってかあまり物色しないで」
女「なんか秘密基地みたいでいいね」
男「なら君はおれの秘密基地に乗り込んできた悪党ってとこだな」
女「うわ、レトルトばっか……」
男「ちょ、やめて、あんま物色しないでって」
女「そういえばいつもお昼もパンとコーヒー牛乳だもんね」
男「安いんだからいいんだよ」
女「ま、いいから早くテレビみて出かけよう」
男「……どこ行くんだ?」
女「いとこが来るんだー、一個下の」
男「いとこ……?」
女「昨日電話で話したら私の彼氏にあってみたいって」
男「……へー」
男「あ、おれか」
男「……仕方ねぇだろ、実家からは遠くて学校通えねーんだから」
女「なんか物少ないね」
男「物が多くても散らかるだけだし……ってかあまり物色しないで」
女「なんか秘密基地みたいでいいね」
男「なら君はおれの秘密基地に乗り込んできた悪党ってとこだな」
女「うわ、レトルトばっか……」
男「ちょ、やめて、あんま物色しないでって」
女「そういえばいつもお昼もパンとコーヒー牛乳だもんね」
男「安いんだからいいんだよ」
女「ま、いいから早くテレビみて出かけよう」
男「……どこ行くんだ?」
女「いとこが来るんだー、一個下の」
男「いとこ……?」
女「昨日電話で話したら私の彼氏にあってみたいって」
男「……へー」
男「あ、おれか」
76: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/17(土) 00:44:47.91 ID:PbqzMWmR0.net
女「日曜日ってOKでしょ?」
男「午後からならって言った気がする」
女「えー」
男「あ、はじまった」
女「約束は10時からなの、2時間だけサービスしてよ」
男「うるさい、はじまったから」
女「ねぇお願い!お願いお願いお願い!!」
男「うるっさい!!」
女「じゃぁ10時からでいい?」
男「……わかった、その代わり静かにしてくれ」
女「おっけー!」
男「……ほんと身勝手なやつ」ボソッ
男「午後からならって言った気がする」
女「えー」
男「あ、はじまった」
女「約束は10時からなの、2時間だけサービスしてよ」
男「うるさい、はじまったから」
女「ねぇお願い!お願いお願いお願い!!」
男「うるっさい!!」
女「じゃぁ10時からでいい?」
男「……わかった、その代わり静かにしてくれ」
女「おっけー!」
男「……ほんと身勝手なやつ」ボソッ
78: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/17(土) 00:52:34.77 ID:PbqzMWmR0.net
視聴中
女「え、ねぇこれ何?敵?敵?」
男「うるさいって……敵ってかライバル」
女「このイケメンは?これはライダーでしょ?」
男「うるさい……こいつは敵の人間体」
女「ねぇ?これ死んだ?死んだでしょ?」
男「うるさいってば……まだだと思う」
男「あー……集中出来なかった……」
女「結構面白かった、来週から見に来よう」
男「自分ちで見ろよ……」
女「この時間はお父さんがテレビ占領してるからダメなの」
男「なら録画しておけばいいじゃんか」
女「こういうのってリアルタイムでみたいじゃない」
男「……」
女「ね?」
男「……くそ……可愛くねぇ奴」ボソッ
女「え、ねぇこれ何?敵?敵?」
男「うるさいって……敵ってかライバル」
女「このイケメンは?これはライダーでしょ?」
男「うるさい……こいつは敵の人間体」
女「ねぇ?これ死んだ?死んだでしょ?」
男「うるさいってば……まだだと思う」
男「あー……集中出来なかった……」
女「結構面白かった、来週から見に来よう」
男「自分ちで見ろよ……」
女「この時間はお父さんがテレビ占領してるからダメなの」
男「なら録画しておけばいいじゃんか」
女「こういうのってリアルタイムでみたいじゃない」
男「……」
女「ね?」
男「……くそ……可愛くねぇ奴」ボソッ
79: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/17(土) 00:54:12.63 ID:PbqzMWmR0.net
女「さ、着替えていこう」
男「着替えるから出てって」
女「へ?」
男「なんか嫌なんだよ、外で待っててよ」
女「わかったー」
男「鍵かけて、寝ようか……」
ガチャっ←鍵をかける音
男「これでよし……」
ガチャっ←鍵があく音
男「!?」
女「あ、家の鍵預かってるから」
男「……10分まってな」
女「3分で支度しな!」ニコニコ
男「……(なんだろ……すごいドキドキする……これって……)」
男「……恐怖」
男「着替えるから出てって」
女「へ?」
男「なんか嫌なんだよ、外で待っててよ」
女「わかったー」
男「鍵かけて、寝ようか……」
ガチャっ←鍵をかける音
男「これでよし……」
ガチャっ←鍵があく音
男「!?」
女「あ、家の鍵預かってるから」
男「……10分まってな」
女「3分で支度しな!」ニコニコ
男「……(なんだろ……すごいドキドキする……これって……)」
男「……恐怖」
84: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/18(日) 01:10:55.77 ID:4Wj+vjDp0.net
近くの駅で待ち合わせているらしい
男「……まだ?」
女「んー、そろそろ来ることなんだけどなぁ」
男「……」
休日とは言え駅は人が多い
むしと休日だからこその家族連れが目立つ
女「あ!きたきた!」
男「……やっとか」
従妹「お待たせー!」
女「ううん、全然待ってないよ」
従妹「あ…こ、こんにちは」
男「こんにちは(…かわいい)」
従妹「えっと…女さんのいとこの従妹っていいます」
男「男だ……今日はこいつの彼氏だ」
従妹「今日は……?」
女「ちょっと…」
男「……いや、なんでもない」
従妹「へぇー本当に彼氏出来たんだね」
女「ふっふーん」ドヤァ
男(ここ数日でよく分かったけど、ほんっとに見栄っ張りだな)
男「……まだ?」
女「んー、そろそろ来ることなんだけどなぁ」
男「……」
休日とは言え駅は人が多い
むしと休日だからこその家族連れが目立つ
女「あ!きたきた!」
男「……やっとか」
従妹「お待たせー!」
女「ううん、全然待ってないよ」
従妹「あ…こ、こんにちは」
男「こんにちは(…かわいい)」
従妹「えっと…女さんのいとこの従妹っていいます」
男「男だ……今日はこいつの彼氏だ」
従妹「今日は……?」
女「ちょっと…」
男「……いや、なんでもない」
従妹「へぇー本当に彼氏出来たんだね」
女「ふっふーん」ドヤァ
男(ここ数日でよく分かったけど、ほんっとに見栄っ張りだな)
85: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/18(日) 01:22:41.34 ID:4Wj+vjDp0.net
数時間後には近くのショッピングモールに居た
男「……(暇だなぁ……)」
本来なら二人だけで来る予定だった所に男が無理やり連れてこられただけだった
なのでもちろん男はやる事がなくついて行くだけだった
女「これとかどうかな?」
従妹「あ、いいですねー!女さん似合いますよぉー!」
女「本当にー?買っちゃおうかなぁー」
男(あのやり取り今日だけで何回見たことか……)
あまりにも暇なので近くのベンチに腰掛け、靴紐をほどいて結び直すタイムアタックに興じる男
従妹「……なんかごめんなさい、無理言ってついて来てもらっちゃって」
男「……!」
気がつくとすぐ隣に従妹が座っていた
男「いや……そんなことは……」
男(まずいぞ、変なボロがでたら……)
従妹「あ、女さんなら今お会計中です」
男「そ、そうか……」
男(早く戻ってこい……!)
従妹「男さんって休みはいつもこうやってお買い物に付き合ってるんですか?」
男「ま、まぁな(嘘)」
従妹「あ、じゃぁお互い服を選ぶあったり?」
男「お、おう……(嘘)」
従妹「へぇー!いいなぁ~」
男「……(口に出す前に3回は確認だ……)」
男「……(暇だなぁ……)」
本来なら二人だけで来る予定だった所に男が無理やり連れてこられただけだった
なのでもちろん男はやる事がなくついて行くだけだった
女「これとかどうかな?」
従妹「あ、いいですねー!女さん似合いますよぉー!」
女「本当にー?買っちゃおうかなぁー」
男(あのやり取り今日だけで何回見たことか……)
あまりにも暇なので近くのベンチに腰掛け、靴紐をほどいて結び直すタイムアタックに興じる男
従妹「……なんかごめんなさい、無理言ってついて来てもらっちゃって」
男「……!」
気がつくとすぐ隣に従妹が座っていた
男「いや……そんなことは……」
男(まずいぞ、変なボロがでたら……)
従妹「あ、女さんなら今お会計中です」
男「そ、そうか……」
男(早く戻ってこい……!)
従妹「男さんって休みはいつもこうやってお買い物に付き合ってるんですか?」
男「ま、まぁな(嘘)」
従妹「あ、じゃぁお互い服を選ぶあったり?」
男「お、おう……(嘘)」
従妹「へぇー!いいなぁ~」
男「……(口に出す前に3回は確認だ……)」
86: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/18(日) 01:32:21.53 ID:4Wj+vjDp0.net
従妹「女さんって演劇部だったじゃないですか、私女さんに憧れて私も演劇部に入ったんです」
男「え、演劇部だったの?」
従妹「え?」
男「あ、いや……君の話(あぶねっ!)」
従妹「あ、はい!私の学校の演劇部は小さいんですけど女さんが1年生の頃の学園祭でステージに立ってるの見て感動しちゃって」
男「へぇー……(見てねぇ)」
従妹「男さんも見ました?」
男「え?……も、もちろんじゃないかー(棒)」
従妹「凄かったですよね!」
男「あ、うん……(なにが?)」
従妹「ああやって活発に動ける女さんが小さい頃から憧れだったんです」
男「……そうなんだ」
従妹「あ、もしかして付き合うきっかけも女さんからだったり?」
男「ああ、そうだ。それは本当」
従妹「え?」
男「あ……だから、それは本当に驚いた……いきなりで、うん……(あぶねっ…!まじであぶねぇ!)」
従妹「やっぱり」
男「いきなり家に連れ込まれたからな」
従妹「ほんとですか!?」
男「コンビニで会って数分もせず」
従妹「それは…逆になんか心配」
男「ぶっちゃけ怖かった」
従妹「あはははw」
男「一歩間違えれば誘拐だかんな」
従妹「そこが女さんらしいんですけどね」
男「……だな」
男「え、演劇部だったの?」
従妹「え?」
男「あ、いや……君の話(あぶねっ!)」
従妹「あ、はい!私の学校の演劇部は小さいんですけど女さんが1年生の頃の学園祭でステージに立ってるの見て感動しちゃって」
男「へぇー……(見てねぇ)」
従妹「男さんも見ました?」
男「え?……も、もちろんじゃないかー(棒)」
従妹「凄かったですよね!」
男「あ、うん……(なにが?)」
従妹「ああやって活発に動ける女さんが小さい頃から憧れだったんです」
男「……そうなんだ」
従妹「あ、もしかして付き合うきっかけも女さんからだったり?」
男「ああ、そうだ。それは本当」
従妹「え?」
男「あ……だから、それは本当に驚いた……いきなりで、うん……(あぶねっ…!まじであぶねぇ!)」
従妹「やっぱり」
男「いきなり家に連れ込まれたからな」
従妹「ほんとですか!?」
男「コンビニで会って数分もせず」
従妹「それは…逆になんか心配」
男「ぶっちゃけ怖かった」
従妹「あはははw」
男「一歩間違えれば誘拐だかんな」
従妹「そこが女さんらしいんですけどね」
男「……だな」
90: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/19(月) 00:48:27.85 ID:TjjPx7e20.net
女「お待たせー!」
男「……腹減った」
女「あ、もうそんな時間か」
男「どっか食い行こうぜ」
女「あ……」
手に持っているサイフに目を落として硬直する女
男「……まさかと思うけど散々買い物して昼のこと考えて無かったパターンか?」
従妹「そうなの?」
女「しまったぁ……」
従妹「か、貸そうか?」
女「でも…」
従妹「大丈夫、今日は多めに持ってきてたし」
女「それって従妹ちゃんが使おうと思って持ってきたんでしょ?借りれないよ……」
従妹「でも……」
女「大丈夫!一食ぐらい抜いたって……」
男「こんな人の多いとこでそんな話すんなって」
女「う……」
男「計画性のない女はいい嫁になれねーぞ」
女「言い返せない……」
男「従妹ちゃんファミレスでいいか?」
従妹「……女さんが食べないなら私も」
男「3人分くらいなら俺が出してやるって」
女「え?」
男「あれだろ、理想の彼氏ってこういう事するんじゃないのか?雑誌に特集あったし」
女「い、いいよ!そんな無理しなくても!」
男「……腹減った」
女「あ、もうそんな時間か」
男「どっか食い行こうぜ」
女「あ……」
手に持っているサイフに目を落として硬直する女
男「……まさかと思うけど散々買い物して昼のこと考えて無かったパターンか?」
従妹「そうなの?」
女「しまったぁ……」
従妹「か、貸そうか?」
女「でも…」
従妹「大丈夫、今日は多めに持ってきてたし」
女「それって従妹ちゃんが使おうと思って持ってきたんでしょ?借りれないよ……」
従妹「でも……」
女「大丈夫!一食ぐらい抜いたって……」
男「こんな人の多いとこでそんな話すんなって」
女「う……」
男「計画性のない女はいい嫁になれねーぞ」
女「言い返せない……」
男「従妹ちゃんファミレスでいいか?」
従妹「……女さんが食べないなら私も」
男「3人分くらいなら俺が出してやるって」
女「え?」
男「あれだろ、理想の彼氏ってこういう事するんじゃないのか?雑誌に特集あったし」
女「い、いいよ!そんな無理しなくても!」
91: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/19(月) 00:55:06.31 ID:TjjPx7e20.net
男「……このままだと俺一人で飯になるだろーが」
女「……いいの?」
男「何度も聞くな、気が変わる」
従妹「わ、私はいいです!自分で出しますから!」
男「従妹ちゃんも遠慮すんなって、そういうのは中年のおばちゃんになったらするもんだ」
女「……ありがと」
男「あぁ?礼はもっと大きな声でだろ?」
女「ありがとーございます!ご馳走になりまーす!!」
男「ばかっ……!限度考えろ!」
女「えへへ」
従妹「あ、ありがとうございますっ……!」
男「早くいこう、まじで腹減った」
先をスタスタ歩いていく男の顔は少し嬉しそうに、一番後ろをついて行く女は嬉しさ半分戸惑い半分だった
女「……いいの?」
男「何度も聞くな、気が変わる」
従妹「わ、私はいいです!自分で出しますから!」
男「従妹ちゃんも遠慮すんなって、そういうのは中年のおばちゃんになったらするもんだ」
女「……ありがと」
男「あぁ?礼はもっと大きな声でだろ?」
女「ありがとーございます!ご馳走になりまーす!!」
男「ばかっ……!限度考えろ!」
女「えへへ」
従妹「あ、ありがとうございますっ……!」
男「早くいこう、まじで腹減った」
先をスタスタ歩いていく男の顔は少し嬉しそうに、一番後ろをついて行く女は嬉しさ半分戸惑い半分だった
92: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/19(月) 01:05:19.68 ID:TjjPx7e20.net
数刻後
従妹「本当にごちそうさまでした」
男「おう」
女「……ごちそうさまでした、高かったでしょ?」
男「んな事ない、普段からあまり使わなかったし貯まってたからな」
従妹「あまり使わないんですか?」
男「どう使っていいかわからないっていうか……両親から仕送り貰ってる半分は残るかな」
女「趣味とかないの?」
男「うーん……あまりないかな」
女「そうなんだ……」
従妹「……」
男「さ、俺はここで休んでくから好きなとこ行きなよ」
女「じゃぁ私の選んで貰ったから今度は従妹ちゃんの選びに行こうか!」
従妹「うん!」
男(……カッコつけるのは財布に痛いと覚えておこう)
従妹「本当にごちそうさまでした」
男「おう」
女「……ごちそうさまでした、高かったでしょ?」
男「んな事ない、普段からあまり使わなかったし貯まってたからな」
従妹「あまり使わないんですか?」
男「どう使っていいかわからないっていうか……両親から仕送り貰ってる半分は残るかな」
女「趣味とかないの?」
男「うーん……あまりないかな」
女「そうなんだ……」
従妹「……」
男「さ、俺はここで休んでくから好きなとこ行きなよ」
女「じゃぁ私の選んで貰ったから今度は従妹ちゃんの選びに行こうか!」
従妹「うん!」
男(……カッコつけるのは財布に痛いと覚えておこう)
93: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/19(月) 01:11:25.33 ID:TjjPx7e20.net
従妹「なんか男さんって変わってますね」
女「うん、何考えてるか分かんないよねw」
従妹「それに……」
女「…ん?」
従妹「いえ、なんでもないです。あ!これとかどうですか?」
女「うん、いいんじゃない」
数十分後
従妹「一緒に選んでくれてありがとうございました」
女「また来ようね」
従妹「はい!」
女「で…あいつは…?」
従妹「さっきまでここに…」
忽然と消えた男
女「トイレかな?ちょっと待つ?」
従妹「そうですね」
女「うん、何考えてるか分かんないよねw」
従妹「それに……」
女「…ん?」
従妹「いえ、なんでもないです。あ!これとかどうですか?」
女「うん、いいんじゃない」
数十分後
従妹「一緒に選んでくれてありがとうございました」
女「また来ようね」
従妹「はい!」
女「で…あいつは…?」
従妹「さっきまでここに…」
忽然と消えた男
女「トイレかな?ちょっと待つ?」
従妹「そうですね」
98: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/20(火) 00:34:04.72 ID:4vqXsIJR0.net
女「…おっそい」
従妹「まぁずっと待たせちゃってましたから…」
女「ちょっと探そうか」
二人は男の立ち寄りそうな場所を回ってるうちに何処にいるのかわからなくなってしまった
女「参ったなぁ…」
A男「ねぇ?君たち暇?」
従妹「え?」
A男「良かったらさぁ俺らと遊ばね?」
女「別に暇なわけじゃないから、従妹ちゃん行こ」
B男「待てよ、逃げなくても良いじゃんか」
ぞろぞろと仲間らしき輩が集まってきた
女(やっばぁ…ここってこんなに治安悪かったっけ?)
C男「結構可愛いじゃん」
D男「いいの拾ったぜ」
女(典型的なピンチってやつ…?)
従妹は今にも泣き出しそうだ
女(ここで私がしっかりしなきゃ…!)
女「ちょっと!いい加減にしてよね!」
A男「はぁ?」
女「あんたらみたいなのと遊んでやるほど暇じゃないの!」
B男「んだとごるぁ?」
C男「下手に出てりゃいい気になりやがって」
女「やっばぁ…火に油ぁ…」
男たちの後ろの方で首だけ覗かせて様子をうかがっている男
女(あ!あいつ…今更!!)
男(ともだち?)←口パク
女(んなわけないでしょ!助けて!)←口パク
男(むり、多いし)←口パク
従妹「まぁずっと待たせちゃってましたから…」
女「ちょっと探そうか」
二人は男の立ち寄りそうな場所を回ってるうちに何処にいるのかわからなくなってしまった
女「参ったなぁ…」
A男「ねぇ?君たち暇?」
従妹「え?」
A男「良かったらさぁ俺らと遊ばね?」
女「別に暇なわけじゃないから、従妹ちゃん行こ」
B男「待てよ、逃げなくても良いじゃんか」
ぞろぞろと仲間らしき輩が集まってきた
女(やっばぁ…ここってこんなに治安悪かったっけ?)
C男「結構可愛いじゃん」
D男「いいの拾ったぜ」
女(典型的なピンチってやつ…?)
従妹は今にも泣き出しそうだ
女(ここで私がしっかりしなきゃ…!)
女「ちょっと!いい加減にしてよね!」
A男「はぁ?」
女「あんたらみたいなのと遊んでやるほど暇じゃないの!」
B男「んだとごるぁ?」
C男「下手に出てりゃいい気になりやがって」
女「やっばぁ…火に油ぁ…」
男たちの後ろの方で首だけ覗かせて様子をうかがっている男
女(あ!あいつ…今更!!)
男(ともだち?)←口パク
女(んなわけないでしょ!助けて!)←口パク
男(むり、多いし)←口パク
99: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/20(火) 00:44:23.98 ID:4vqXsIJR0.net
女(なんでよー!じゃぁ誰か呼んで!)←口パク
男(…!)
男は何処かに走り去った
女(お願い…急いで!)
A男「さーて、じゃぁ大人しくついて来てもらおうかば」
B男「下手な事しなけりゃ何もしねぇよ」
従妹「……助けて……!」
「おんどるぁごるぁ!?てめぁってんだねぇぞゴルァ!!」
突如割り込んできたヤクザ風の男
男「てみぇぇらうちのボスのおじょぅに何ちょっかい出しとんじゃごるぁ!?」
何処から調達したのか派手なアロハにグラサン
いつにも増して勢いのある男はまるで本物のヤクザ屋さんの下っ端Aの様だった
B男「なんだこいつ?」
懐から携帯を取り出して何処かに電話をかける男
男「あ、ぼすぅ!おじょぅさん見つけやしたぁ!なんかぁー変な輩にちょっかい出されてんすよぉ、皆んなで遊んでやりぁしょうやぁ!」
聞き取れないがなんか物騒な事話してる様だ
それは輩にも伝わった様だ
C男「……おい、こいつマジもんか?」
D男「なんか仲間よんでるぞ……」
男「って事なんでぇ……ってあれ?」
演技に夢中になってるうちに輩は立ち去っていた
女「あんたね……もっとやり方があるでしょうよ」
男「そう?いい案だと思ったんだけどなぁ…」
従妹「え…男さん?」
男「おうよ」
男(…!)
男は何処かに走り去った
女(お願い…急いで!)
A男「さーて、じゃぁ大人しくついて来てもらおうかば」
B男「下手な事しなけりゃ何もしねぇよ」
従妹「……助けて……!」
「おんどるぁごるぁ!?てめぁってんだねぇぞゴルァ!!」
突如割り込んできたヤクザ風の男
男「てみぇぇらうちのボスのおじょぅに何ちょっかい出しとんじゃごるぁ!?」
何処から調達したのか派手なアロハにグラサン
いつにも増して勢いのある男はまるで本物のヤクザ屋さんの下っ端Aの様だった
B男「なんだこいつ?」
懐から携帯を取り出して何処かに電話をかける男
男「あ、ぼすぅ!おじょぅさん見つけやしたぁ!なんかぁー変な輩にちょっかい出されてんすよぉ、皆んなで遊んでやりぁしょうやぁ!」
聞き取れないがなんか物騒な事話してる様だ
それは輩にも伝わった様だ
C男「……おい、こいつマジもんか?」
D男「なんか仲間よんでるぞ……」
男「って事なんでぇ……ってあれ?」
演技に夢中になってるうちに輩は立ち去っていた
女「あんたね……もっとやり方があるでしょうよ」
男「そう?いい案だと思ったんだけどなぁ…」
従妹「え…男さん?」
男「おうよ」
100: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/20(火) 00:58:53.95 ID:4vqXsIJR0.net
店員「あ!ここに居た!お客さん困りますよ~、試着は店内だけでお願いします」
男「あ、すんません」
従妹「本物の人だと思いましたよー」
女「勢いは良かったわね」
男「演劇部のお二人に褒められるったぁ光栄でさぁ」
女「演技はクサすぎたけどね、滑舌悪いし」
男「文句言うなよ」
従妹「ちょっと怖かったくらい迫力ありました」
女「勢いで誤魔化したって感じ」
男「せっかく助けたのに散々な評価……」
しばらく歩くと駅に着いた
従妹「今日は楽しかったです」
女「また遊ぼうね」
従妹「はい!」
従妹「女さん……」
女「なに?」
従妹「本当はまだ付き合ってないんですよね?」
女「……え!?」
男「あ、すんません」
従妹「本物の人だと思いましたよー」
女「勢いは良かったわね」
男「演劇部のお二人に褒められるったぁ光栄でさぁ」
女「演技はクサすぎたけどね、滑舌悪いし」
男「文句言うなよ」
従妹「ちょっと怖かったくらい迫力ありました」
女「勢いで誤魔化したって感じ」
男「せっかく助けたのに散々な評価……」
しばらく歩くと駅に着いた
従妹「今日は楽しかったです」
女「また遊ぼうね」
従妹「はい!」
従妹「女さん……」
女「なに?」
従妹「本当はまだ付き合ってないんですよね?」
女「……え!?」
101: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/20(火) 01:01:35.00 ID:4vqXsIJR0.net
従妹「分かりますよ~ずっと一緒だったんですから」
女「…従妹ちゃんには隠しきれなかったか~……」
従妹「でも、仲が良いのは本当みたいですね」
女「そんなでもないよ」
男「仲が良いのも演技だ」
従妹「ふふふ…あ、電車来ちゃうんで行きますね」
女「またねー」
手を振りながら改札の向こうに消えていく従妹
女「……なんでばれたのかなぁ」
男「俺の所為じゃないぞ」
女「なんでそう言いきれるのよ……」
男「俺の演技は完璧だった」
女「こっちだって!」
従妹(だって二人ともお互いの事知らなさ過ぎるんだもん……)
女「…従妹ちゃんには隠しきれなかったか~……」
従妹「でも、仲が良いのは本当みたいですね」
女「そんなでもないよ」
男「仲が良いのも演技だ」
従妹「ふふふ…あ、電車来ちゃうんで行きますね」
女「またねー」
手を振りながら改札の向こうに消えていく従妹
女「……なんでばれたのかなぁ」
男「俺の所為じゃないぞ」
女「なんでそう言いきれるのよ……」
男「俺の演技は完璧だった」
女「こっちだって!」
従妹(だって二人ともお互いの事知らなさ過ぎるんだもん……)
106: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/21(水) 00:35:50.44 ID:q/cch9i40.net
翌朝
電話が鳴った
男「……」
鳴り続ける
男「……今日もか……」
女「今日もよ」
男「……」
男「おわぁぁっ!?」
飛び起きる男
女「おはよ」
男「……おはよう」
まだ頭が回っていない男
男「……」
女「なにその鳩が豆鉄砲を食ったような顔w」
男「……どうやって入ってきた?」
女「あ、昨日借りてた鍵返しに」
男「……」
女「……返さなくていい?」
男「返して」
女「はい」
鍵を受け取る男
電話が鳴った
男「……」
鳴り続ける
男「……今日もか……」
女「今日もよ」
男「……」
男「おわぁぁっ!?」
飛び起きる男
女「おはよ」
男「……おはよう」
まだ頭が回っていない男
男「……」
女「なにその鳩が豆鉄砲を食ったような顔w」
男「……どうやって入ってきた?」
女「あ、昨日借りてた鍵返しに」
男「……」
女「……返さなくていい?」
男「返して」
女「はい」
鍵を受け取る男
107: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/21(水) 00:44:15.73 ID:q/cch9i40.net
女「ん?どうしたの?早く学校行かないと」
男「……うん、わかってる」
男「帰らないの?」
女「もう準備してきたし」
男「あ、そう……」
女「この漫画借りるよー」
本棚から単行本を取ると読み出す女
男「……今日も一緒に行くの?」
女「うん、だって月曜日でしょ」
男「……そっか」
ノロノロと歩きながらとりあえず着替える男
女「……これの続きっt……あ!」
振り返った女の前で着替え続ける男
男「ふあぁ……」
女「……///」
黙って元の体勢に戻る女
女「……///」チラッ
男「……(あれ?ズボンどこいった?)」
女「……///」チラッ
男「……(あった)」
女「……///」チラッ
男「……ん?どうかした……?」
女「……っ!///」
男「……あ、ごめん…普通に着替えてた」
女「いやっ…大丈夫…うん、大丈夫…!///」
男「……うん、わかってる」
男「帰らないの?」
女「もう準備してきたし」
男「あ、そう……」
女「この漫画借りるよー」
本棚から単行本を取ると読み出す女
男「……今日も一緒に行くの?」
女「うん、だって月曜日でしょ」
男「……そっか」
ノロノロと歩きながらとりあえず着替える男
女「……これの続きっt……あ!」
振り返った女の前で着替え続ける男
男「ふあぁ……」
女「……///」
黙って元の体勢に戻る女
女「……///」チラッ
男「……(あれ?ズボンどこいった?)」
女「……///」チラッ
男「……(あった)」
女「……///」チラッ
男「……ん?どうかした……?」
女「……っ!///」
男「……あ、ごめん…普通に着替えてた」
女「いやっ…大丈夫…うん、大丈夫…!///」
108: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/21(水) 00:51:28.38 ID:q/cch9i40.net
女「朝ごはん食べないの?」
男「うん…朝飯食う時間あればその分寝たい」
女「本当に朝弱いんだね」
男「夜も弱い…すぐ寝ちゃう」
女「ちびっ子みたいねw」
男「規則正しいって言って欲しい」
女「そうだねー、えらいねー」イイコイイコ
男「……ばかにしやがってー」
女「じゃ行こうか」
男「……早くね」
女「そう?」
男「…まぁいいか」
女「行こう行こう」
男(二人揃って出てくるところをクラスメイトにでも見られたらどんな誤解されるか…)
女「目開いてる?」
男「まぶしい…」
女「ちょっと、大丈夫?」
男「サングラス持ってきた…」
先日のヤクザの下っ端を演じた時の小道具だ
女「昨日の買ったの?」
男「アロハは高かったから諦めたけどサングラスは気に入った」
まるでヒットマンとJKと言った異色のコンビが完成した
男「うん…朝飯食う時間あればその分寝たい」
女「本当に朝弱いんだね」
男「夜も弱い…すぐ寝ちゃう」
女「ちびっ子みたいねw」
男「規則正しいって言って欲しい」
女「そうだねー、えらいねー」イイコイイコ
男「……ばかにしやがってー」
女「じゃ行こうか」
男「……早くね」
女「そう?」
男「…まぁいいか」
女「行こう行こう」
男(二人揃って出てくるところをクラスメイトにでも見られたらどんな誤解されるか…)
女「目開いてる?」
男「まぶしい…」
女「ちょっと、大丈夫?」
男「サングラス持ってきた…」
先日のヤクザの下っ端を演じた時の小道具だ
女「昨日の買ったの?」
男「アロハは高かったから諦めたけどサングラスは気に入った」
まるでヒットマンとJKと言った異色のコンビが完成した
109: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/21(水) 00:59:42.57 ID:q/cch9i40.net
女友「お二人さんおはy…だれ?」
男「お嬢の用心棒でさぁ」
女「ちょっと、やめてよねw」
女友「女ってどこかの組のお嬢さまなの?」
男「へい、3年4組でさぁ」
女「ちょっとー、いつからうちのクラスは反社会組織になったのよw」
女友「あ、じゃぁ私も……お嬢!お足元お気をつけてくだせぇ!」
男「お、やるな」
女「ねぇちょっと!通行人の視線が痛いからやめてってばw」
女友「あぶねぇ、ヒットマンかもしれやせんお嬢!」
男「てめぇどこの組のもんじゃぁ!?」
後輩A「え……?2年……1組ですけど……」
女友「1組ぃ?てめぇ1組の回し者かぁ?」
後輩A「え、えー……(苦笑)」
女「いい加減にしなさいって」
男「へーい」
女友「はーい」
男「お嬢の用心棒でさぁ」
女「ちょっと、やめてよねw」
女友「女ってどこかの組のお嬢さまなの?」
男「へい、3年4組でさぁ」
女「ちょっとー、いつからうちのクラスは反社会組織になったのよw」
女友「あ、じゃぁ私も……お嬢!お足元お気をつけてくだせぇ!」
男「お、やるな」
女「ねぇちょっと!通行人の視線が痛いからやめてってばw」
女友「あぶねぇ、ヒットマンかもしれやせんお嬢!」
男「てめぇどこの組のもんじゃぁ!?」
後輩A「え……?2年……1組ですけど……」
女友「1組ぃ?てめぇ1組の回し者かぁ?」
後輩A「え、えー……(苦笑)」
女「いい加減にしなさいって」
男「へーい」
女友「はーい」
121: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/23(金) 00:40:32.85 ID:sGuctBwb0.net
学校-昼-
授業が終わると同時に数人の生徒が教室から昼を求めて飛び出していった
彼らは昼食を売店で購入する組だ
男「……」
机に突っ伏したまま動かない男
女「……何やってんの?」
男「……」
女「……」
男友「あ、そいつ寝てるよ」
女「え?」
男友「大体午前中はそうやって寝てるんだそいつ」
女「そうなの?」
男友「脇腹突っつくと起きるよー」
そう言い残して男友は教室を出て行った
残ったのは弁当組の女子が数人と男子が数人だけ
女「……」
男「……すぅ……」
小さく寝息だけ聞こえる
女「……そい」ブスッ
男「あひゃっ!?」ビクッ
女「わっ!!」ビクッ
勢いよく跳ね上がった男に女まで驚かされた
授業が終わると同時に数人の生徒が教室から昼を求めて飛び出していった
彼らは昼食を売店で購入する組だ
男「……」
机に突っ伏したまま動かない男
女「……何やってんの?」
男「……」
女「……」
男友「あ、そいつ寝てるよ」
女「え?」
男友「大体午前中はそうやって寝てるんだそいつ」
女「そうなの?」
男友「脇腹突っつくと起きるよー」
そう言い残して男友は教室を出て行った
残ったのは弁当組の女子が数人と男子が数人だけ
女「……」
男「……すぅ……」
小さく寝息だけ聞こえる
女「……そい」ブスッ
男「あひゃっ!?」ビクッ
女「わっ!!」ビクッ
勢いよく跳ね上がった男に女まで驚かされた
122: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/23(金) 00:46:59.31 ID:sGuctBwb0.net
男「な……何すんの……?」
女「そんなんで授業大丈夫なの?」
男「不思議と寝ている方が頭に残ってるんだ」
女「なにそれ、睡眠学習みたいな?」
男「そんな感じ、爆睡してるわけじゃないから」
女「ふーん」
男「……あと、脇腹はやめて」
女「そこ弱いんだ?」
男「大抵みんな弱いだろ」
女「試してみる?」
男「……今度隙を見て刺す」
女「私寝ないもん」
男「どうかな」
女「……なんか買うの?お昼」
男「今から行っても大して残ってないし、近くのコンビニまで行くのもだるいし今日はいいや」
女「……」
男「……何?」
女「いや……昨日お昼助けて貰ったしさ…」
女「そんなんで授業大丈夫なの?」
男「不思議と寝ている方が頭に残ってるんだ」
女「なにそれ、睡眠学習みたいな?」
男「そんな感じ、爆睡してるわけじゃないから」
女「ふーん」
男「……あと、脇腹はやめて」
女「そこ弱いんだ?」
男「大抵みんな弱いだろ」
女「試してみる?」
男「……今度隙を見て刺す」
女「私寝ないもん」
男「どうかな」
女「……なんか買うの?お昼」
男「今から行っても大して残ってないし、近くのコンビニまで行くのもだるいし今日はいいや」
女「……」
男「……何?」
女「いや……昨日お昼助けて貰ったしさ…」
123: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/23(金) 00:51:46.13 ID:sGuctBwb0.net
女が取り出したのは弁当
女「一応…お礼のつもり…」
男「弁当?」
女「……」コクコク
男「作ったの?」
女「……///」コク
男「……食っていいの?」
女「早く受け取ってよ!」
押し付けるように渡された弁当
男「……んじゃ頂こうかな」
女「じゃ……///」
男「おう……」
女は自分の弁当を持って教室を出て行った
男「……お」
中身は結構頑張った感じの弁当になっていた
男(……料理できるんだな)
女「一応…お礼のつもり…」
男「弁当?」
女「……」コクコク
男「作ったの?」
女「……///」コク
男「……食っていいの?」
女「早く受け取ってよ!」
押し付けるように渡された弁当
男「……んじゃ頂こうかな」
女「じゃ……///」
男「おう……」
女は自分の弁当を持って教室を出て行った
男「……お」
中身は結構頑張った感じの弁当になっていた
男(……料理できるんだな)
124: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/23(金) 01:00:08.27 ID:sGuctBwb0.net
女「……恥ずかしかった」
自分の弁当を抱えたまま廊下を歩く女
女(でも一緒に食べようって言えなかったな……)
いつも一緒に食べてる友達には今日は一緒に行けないと言った手前、一人になってしまった
女(ま、偶には一人もいいかな……)
男「おーい」
男が廊下を追いかけてきた
女「な、なに?」
男「いや、食べようと思ったんだけどさ……大事な事忘れてる」
女「え……(まさか向こうから一緒に……)」
男「箸ない?」
女「……え?」
男「箸、このままだと右手で食べる事になる」
女「あ、ああ……箸ね……」
箸は一緒に食べようと思ってたから一纏めにしていた
女「は、はい」
男「あんがと」
男は教室へ戻って行った
女(……まだ理想には遠いかぁ)
男(んー、この場合って一緒に食べようって言うべきだったかなぁ)
誘って欲しかったとも言えず、一人寂しく弁当を食べる事になった不器用な二人
自分の弁当を抱えたまま廊下を歩く女
女(でも一緒に食べようって言えなかったな……)
いつも一緒に食べてる友達には今日は一緒に行けないと言った手前、一人になってしまった
女(ま、偶には一人もいいかな……)
男「おーい」
男が廊下を追いかけてきた
女「な、なに?」
男「いや、食べようと思ったんだけどさ……大事な事忘れてる」
女「え……(まさか向こうから一緒に……)」
男「箸ない?」
女「……え?」
男「箸、このままだと右手で食べる事になる」
女「あ、ああ……箸ね……」
箸は一緒に食べようと思ってたから一纏めにしていた
女「は、はい」
男「あんがと」
男は教室へ戻って行った
女(……まだ理想には遠いかぁ)
男(んー、この場合って一緒に食べようって言うべきだったかなぁ)
誘って欲しかったとも言えず、一人寂しく弁当を食べる事になった不器用な二人
133: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/24(土) 00:33:44.14 ID:gkP0aknn0.net
翌朝
目覚まし時計が鳴り響く
女「ふぁぁ……」
のっそりと身を起こす
女「……よし」
弁当職人の朝は早い
女母「あらおはよう」
女「おはよ…」
女母「無理して起きなくてもお母さんがお弁当作るよ?」
女「それじゃダメなの……」
女母「ふーん」
女はまだ重い瞼を擦りながら卵を割る
女(今日は一緒に食べよう……)
30分後
女「できた」
女母「あらきれい」
女「色合いが大事だからね」
女母「なんかすっかりその気になってるのね」
女「だって自分が食べるだけじゃないもん」
女母「こんどその"友達"連れて来なさいよ」
女「い、いいてば……(実は何度か来てるんだな)」
目覚まし時計が鳴り響く
女「ふぁぁ……」
のっそりと身を起こす
女「……よし」
弁当職人の朝は早い
女母「あらおはよう」
女「おはよ…」
女母「無理して起きなくてもお母さんがお弁当作るよ?」
女「それじゃダメなの……」
女母「ふーん」
女はまだ重い瞼を擦りながら卵を割る
女(今日は一緒に食べよう……)
30分後
女「できた」
女母「あらきれい」
女「色合いが大事だからね」
女母「なんかすっかりその気になってるのね」
女「だって自分が食べるだけじゃないもん」
女母「こんどその"友達"連れて来なさいよ」
女「い、いいてば……(実は何度か来てるんだな)」
135: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/24(土) 00:39:10.32 ID:gkP0aknn0.net
姉「ん~……?私の分も作ってくれたの?」
女「ちがうよー」
姉「あ、彼か」
女「……別にどうでもいいでしょ」
女母「え?その友達って男の子なの?」
女「どうでもいいでしょー!」
姉「一緒に食べたりするの?あーんとか?」
女「ま、まだしてないし」
女母「まだって事はこれからするのね!?」
姉「きゃー!」
女母「きゃー!」
女「……うるっさい」
制服に着替えてカバンに持ち物をつめる
女「よし、忘れ物はないかな」
弁当も忘れずに持った
女「いってきまーす」
女母「いってらっしゃい」
姉「てらー」
勢いよく玄関を飛び出した女
女「……あ、わすれてた」
女「ちがうよー」
姉「あ、彼か」
女「……別にどうでもいいでしょ」
女母「え?その友達って男の子なの?」
女「どうでもいいでしょー!」
姉「一緒に食べたりするの?あーんとか?」
女「ま、まだしてないし」
女母「まだって事はこれからするのね!?」
姉「きゃー!」
女母「きゃー!」
女「……うるっさい」
制服に着替えてカバンに持ち物をつめる
女「よし、忘れ物はないかな」
弁当も忘れずに持った
女「いってきまーす」
女母「いってらっしゃい」
姉「てらー」
勢いよく玄関を飛び出した女
女「……あ、わすれてた」
136: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/24(土) 00:45:38.29 ID:gkP0aknn0.net
携帯のアラームが鳴り響く翌朝
男「……うるさい」
中々起きない男だったが18回目のアラームでようやく起きる
男「……ふあぁぁぁぁぁぁ」
●●●職人のトイレは長い
男「……」
男「…………」
男(……無理して捻り出さなくてもいいか)
出が悪いようだ
男(……いや、それじゃダメだな)
まだ開いてない瞼を擦りながら運を捻り出す
男(……今日は随分頑固だな)
30分後
……ぽちゃん!
男「……ふぅ、でた」チラッ
男(うん、いい大きさに色)
男「やっぱ色が大事だからな……」
男「……うるさい」
中々起きない男だったが18回目のアラームでようやく起きる
男「……ふあぁぁぁぁぁぁ」
●●●職人のトイレは長い
男「……」
男「…………」
男(……無理して捻り出さなくてもいいか)
出が悪いようだ
男(……いや、それじゃダメだな)
まだ開いてない瞼を擦りながら運を捻り出す
男(……今日は随分頑固だな)
30分後
……ぽちゃん!
男「……ふぅ、でた」チラッ
男(うん、いい大きさに色)
男「やっぱ色が大事だからな……」
137: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/24(土) 00:48:20.90 ID:gkP0aknn0.net
制服に着替えてカバンを探す
男「どこいったっけな……」
カバンを見つけ出し、特に何をつめるでも無くフタをしめる
男「よし、忘れ物はないな……(あっても気にしない)」
のっそりと玄関を出る
男「……あ、流すの忘れてた」
男「どこいったっけな……」
カバンを見つけ出し、特に何をつめるでも無くフタをしめる
男「よし、忘れ物はないな……(あっても気にしない)」
のっそりと玄関を出る
男「……あ、流すの忘れてた」
138: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/24(土) 00:51:24.93 ID:gkP0aknn0.net
女友「おっはよー!
女「あ、おはよ」
女友「あれ?今日は彼氏同伴じゃないんだ」
女「ま、まぁね……」
女(火曜日は彼氏じゃないんだもんね……)
無駄に持ってきてしまった弁当が手に重い
女「今日はお昼買うの?」
女友「ううん、いつも通りお弁当だよ」
女「だよねぇ」
女友「どしたの?」
女「いや、なんでもない……」
女「あ、おはよ」
女友「あれ?今日は彼氏同伴じゃないんだ」
女「ま、まぁね……」
女(火曜日は彼氏じゃないんだもんね……)
無駄に持ってきてしまった弁当が手に重い
女「今日はお昼買うの?」
女友「ううん、いつも通りお弁当だよ」
女「だよねぇ」
女友「どしたの?」
女「いや、なんでもない……」
139: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/24(土) 00:56:37.21 ID:gkP0aknn0.net
学校に着いてからも女は落ち着かない様子だった
教室の扉が開くたびにドキッとしてしまっていた
女(どんな顔して合えばいいんだろ……)
ガラッ
女「……」ドキッ
男友「お、おはよー」
男「うぃーっす」
男は目も合わせずに自分の席に着いた
女(やっぱり今日は他人なんだね……)
わかっていた事だが、実際姿を見てしまうと余計に実感する
男が友人達と何かの話題で盛り上がっている
その内容が気になって仕方ない
女友「でさーwおかしいよねw」
女「……」
女友「……おーい?」
女「……え!?な……なに?」
女友「なんか上の空?彼と喧嘩でもした?」
女「え……なにそれー……ははは…」
教室の扉が開くたびにドキッとしてしまっていた
女(どんな顔して合えばいいんだろ……)
ガラッ
女「……」ドキッ
男友「お、おはよー」
男「うぃーっす」
男は目も合わせずに自分の席に着いた
女(やっぱり今日は他人なんだね……)
わかっていた事だが、実際姿を見てしまうと余計に実感する
男が友人達と何かの話題で盛り上がっている
その内容が気になって仕方ない
女友「でさーwおかしいよねw」
女「……」
女友「……おーい?」
女「……え!?な……なに?」
女友「なんか上の空?彼と喧嘩でもした?」
女「え……なにそれー……ははは…」
140: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/24(土) 01:00:32.52 ID:gkP0aknn0.net
女は授業中もずっと上の空だった
事あるごとに男の姿が視界に入ってしまって平常心を保てなかった
女「……はぁ」
女友「体調わるい?保健室いく?」
女「だ、大丈夫だから」
相変わらず男は自分の席で夢の中
女(あいつはそんなの気にしないんだろうな……)
男の友人達が男が熟睡してるのをいい事にワックスでイガグリみたいな髪型にして遊んでいる
その真ん中で幸せそうな顔して眠っている男
そんなこんなで午前中の授業が全て終わった
事あるごとに男の姿が視界に入ってしまって平常心を保てなかった
女「……はぁ」
女友「体調わるい?保健室いく?」
女「だ、大丈夫だから」
相変わらず男は自分の席で夢の中
女(あいつはそんなの気にしないんだろうな……)
男の友人達が男が熟睡してるのをいい事にワックスでイガグリみたいな髪型にして遊んでいる
その真ん中で幸せそうな顔して眠っている男
そんなこんなで午前中の授業が全て終わった
142: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/24(土) 01:07:14.60 ID:gkP0aknn0.net
女友「じゃぁいつもの場所でお昼食べよ」
女友2「おっけー」
女「うん、わかった」
ふと弁当が二つある事を思い出した
女(……まだ寝てる)
女「あ、じゃぁ先入ってて」
友人達を先に行かせると、女は男用に作った弁当を持って男の席に静かに近寄る
男「……」
爆睡中
女(爆睡はしないって言ってたじゃん)
そっと顔の横に弁当と箸を置く
女(無駄になるより……って事だからね)
自分の弁当を抱えて教室を出る女
女(……なんか……すごい辛いんだけど……)
涙を必死に我慢しながら廊下を進む
「……そいっ」
突如、両脇腹に刺激
女「あひゃんっ!?」ビクッ
男「……なんだ、お前も弱いじゃん」
女「な……なにすんのよー!!」
男「昨日のお礼」
女「は、はぁ!?」
違う涙目になった女
女友2「おっけー」
女「うん、わかった」
ふと弁当が二つある事を思い出した
女(……まだ寝てる)
女「あ、じゃぁ先入ってて」
友人達を先に行かせると、女は男用に作った弁当を持って男の席に静かに近寄る
男「……」
爆睡中
女(爆睡はしないって言ってたじゃん)
そっと顔の横に弁当と箸を置く
女(無駄になるより……って事だからね)
自分の弁当を抱えて教室を出る女
女(……なんか……すごい辛いんだけど……)
涙を必死に我慢しながら廊下を進む
「……そいっ」
突如、両脇腹に刺激
女「あひゃんっ!?」ビクッ
男「……なんだ、お前も弱いじゃん」
女「な……なにすんのよー!!」
男「昨日のお礼」
女「は、はぁ!?」
違う涙目になった女
143: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/24(土) 01:11:20.13 ID:gkP0aknn0.net
男「弁当、今日も作ってくれたんな」
女「……まぁ」
男「……じゃぁこれからも期待していい?」
女「……え?」
男「ほら、バイトの報酬として弁当を作ってもらうってのでどうよ」
女「……あ」
男「いや、それくらいの価値はあるかなって……」
女「うん……いいよ」
男「んじゃ交渉成立な」
女「てかさっき寝てたんじゃなかったの?」
男「爆睡はしないって言ったろ」
女「あれ爆睡じゃないの?」
男「しかも何も言わずに弁当だけ置いてくし」
女「それは……」
男「あれか?今日はシフトの日じゃないから?」
女「……」
女「……まぁ」
男「……じゃぁこれからも期待していい?」
女「……え?」
男「ほら、バイトの報酬として弁当を作ってもらうってのでどうよ」
女「……あ」
男「いや、それくらいの価値はあるかなって……」
女「うん……いいよ」
男「んじゃ交渉成立な」
女「てかさっき寝てたんじゃなかったの?」
男「爆睡はしないって言ったろ」
女「あれ爆睡じゃないの?」
男「しかも何も言わずに弁当だけ置いてくし」
女「それは……」
男「あれか?今日はシフトの日じゃないから?」
女「……」
144: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/24(土) 01:15:00.52 ID:gkP0aknn0.net
男「……確かに今日は彼氏ではない」
女「……わかってるよ」
男「でも他人じゃなくない?」
女「……え」
男「せめて友達でいいんじゃねーの?他人に戻るのは無理だぞ」
女「……」
女「……そっか、そうだね」
男「そういうことで、んじゃ弁当あんがと」
そう言い残して教室に戻っていった男
女(あーあ、変な髪型してなかったら最高にかっこいいんだけどねー)
イガグリが更にいじられて今は鉄腕アトムみたいな髪型になっている男の後ろ姿
女(……やっぱ理想にはまだまだかな)
女友「でさーwおかしいよねw」
女「それってあんたも変だからーっw」
女友「あれ?なんか急に元気になった?」
女「なーにいってんのw今日は元から元気だってーの!」
どこか嬉しくも、やっぱり寂しいと思ってしまう女だった
女「……わかってるよ」
男「でも他人じゃなくない?」
女「……え」
男「せめて友達でいいんじゃねーの?他人に戻るのは無理だぞ」
女「……」
女「……そっか、そうだね」
男「そういうことで、んじゃ弁当あんがと」
そう言い残して教室に戻っていった男
女(あーあ、変な髪型してなかったら最高にかっこいいんだけどねー)
イガグリが更にいじられて今は鉄腕アトムみたいな髪型になっている男の後ろ姿
女(……やっぱ理想にはまだまだかな)
女友「でさーwおかしいよねw」
女「それってあんたも変だからーっw」
女友「あれ?なんか急に元気になった?」
女「なーにいってんのw今日は元から元気だってーの!」
どこか嬉しくも、やっぱり寂しいと思ってしまう女だった
157: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/26(月) 01:08:48.56 ID:o5Y/8een0.net
翌日の朝
男「……ん……?」
自然と目が覚めた
男「……」
まだ起きる時間には30分ほど早い
男「……」
だが目が覚めてしまうともう寝れないのが男の習性である
男「……おきるか……」
ガチャガチャ
男「!?」
玄関の鍵が開けられる
咄嗟に寝たふりをする男
男(そうか、今日は来るのか)
女「おじゃまー」
勝手に入ってくる女
女「……やっぱりまだ寝てる」
男(起きてるけどな)
最高のタイミングで勢いいく飛び起きて驚かせる事にした
男「……ん……?」
自然と目が覚めた
男「……」
まだ起きる時間には30分ほど早い
男「……」
だが目が覚めてしまうともう寝れないのが男の習性である
男「……おきるか……」
ガチャガチャ
男「!?」
玄関の鍵が開けられる
咄嗟に寝たふりをする男
男(そうか、今日は来るのか)
女「おじゃまー」
勝手に入ってくる女
女「……やっぱりまだ寝てる」
男(起きてるけどな)
最高のタイミングで勢いいく飛び起きて驚かせる事にした
158: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/26(月) 01:18:51.34 ID:o5Y/8een0.net
女「……んふふ」
気配で近づいてくるのがわかる
男(座った……?どこだ……?)
そっと頭を撫でられた
男「……!?」
女「……本当にぐっすり寝てる……」
男(動くな……動くなよ……!)
気配でわかる……かなり近いぞ
そして動きを感じなくなった
男(……なんだ?なぜ動かん……?)
そっと目を開けると……
男「……っ!!」
すぐ隣に制服のまま眠る女の顔があった
男(お前も寝んのかよ!!)
しかも小さい寝息を立てている
男(……)
そのまま硬直すること10分
女「……ん……あ、寝ちゃってた」
男(おせぇよ!)
女「……おーい、おきろー」
男「……」
女「……お、起きないとちゅ、チューするぞ……///」
男「……!!」
女「……ほ、本当に起きないと……///」
男「……っ!」
勢いよく飛び起きる男
男「お、起きるy」ゴンッ
気配で近づいてくるのがわかる
男(座った……?どこだ……?)
そっと頭を撫でられた
男「……!?」
女「……本当にぐっすり寝てる……」
男(動くな……動くなよ……!)
気配でわかる……かなり近いぞ
そして動きを感じなくなった
男(……なんだ?なぜ動かん……?)
そっと目を開けると……
男「……っ!!」
すぐ隣に制服のまま眠る女の顔があった
男(お前も寝んのかよ!!)
しかも小さい寝息を立てている
男(……)
そのまま硬直すること10分
女「……ん……あ、寝ちゃってた」
男(おせぇよ!)
女「……おーい、おきろー」
男「……」
女「……お、起きないとちゅ、チューするぞ……///」
男「……!!」
女「……ほ、本当に起きないと……///」
男「……っ!」
勢いよく飛び起きる男
男「お、起きるy」ゴンッ
159: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/26(月) 01:22:08.44 ID:o5Y/8een0.net
男「いってぇ……」
女「いったぁ……」
互いの額が勢いよくぶつかった
女「お……起きてたの!?///」
男「起きてたよ……///」
女「……っ!バカっ!!///」
布団をかぶって閉じこもる女
男「わ、悪かったよ……」
女「うるさい!しね!」
男「……」
女「うわ~ん……変なとこ見られたぁぁぁ!!」
男「……」
女「いったぁ……」
互いの額が勢いよくぶつかった
女「お……起きてたの!?///」
男「起きてたよ……///」
女「……っ!バカっ!!///」
布団をかぶって閉じこもる女
男「わ、悪かったよ……」
女「うるさい!しね!」
男「……」
女「うわ~ん……変なとこ見られたぁぁぁ!!」
男「……」
165: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/27(火) 00:38:07.55 ID:cWJXYXnv0.net
学校-昼休み-
女「はい、お弁当」
男「あんがと」
女「……」
男「今日は……おお、すげぇ」
女「は、半分以上冷食だけど……///」
男「俺の1日で一番豪勢な飯だからな」
女「じゃ……」
男「あ、待った」
女「なに?」
男「えーっと……」
女「なによ?」
男「ほら、なんかその……一人で食うのも味気ないっていうか……いや、弁当は美味しいんだけどどうせなら……」
女「な、なにが言いたいのよ?(がんばれ!そのまま誘って!)」
男「……いや、なんでもない」
女「……なんでよ!」
男「えっ!?」ビクッ
女「そこまで言ったなら誘いなさいよ!」
男「……あ、はい」
女「はい、もう一回」
男「……一緒に……食べ…よう?」
女「うん、わかった」
男「……」
女「……なによ」
男「……なんかすまん」
女「はい、お弁当」
男「あんがと」
女「……」
男「今日は……おお、すげぇ」
女「は、半分以上冷食だけど……///」
男「俺の1日で一番豪勢な飯だからな」
女「じゃ……」
男「あ、待った」
女「なに?」
男「えーっと……」
女「なによ?」
男「ほら、なんかその……一人で食うのも味気ないっていうか……いや、弁当は美味しいんだけどどうせなら……」
女「な、なにが言いたいのよ?(がんばれ!そのまま誘って!)」
男「……いや、なんでもない」
女「……なんでよ!」
男「えっ!?」ビクッ
女「そこまで言ったなら誘いなさいよ!」
男「……あ、はい」
女「はい、もう一回」
男「……一緒に……食べ…よう?」
女「うん、わかった」
男「……」
女「……なによ」
男「……なんかすまん」
166: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/27(火) 00:46:01.76 ID:cWJXYXnv0.net
教室で机を合わせて弁当を食べる二人
今日はたまたま他の生徒もいないので貸切状態だ
女「これからは約束の曜日は一緒に食べない?」
男「え……?」
女「……って誘ったりできないの?」
男「……お、おう(なんか段々横暴になってないか……?)」
女「ん~その辺まだまだなのよね」
男「がんばる……」
女「……それは良いとして、なんか苦手な食べ物とかある?入れないようにするから」
男「苦手?」
少し考えてから
男「食べれない物でなければ苦手はないかな」
女「その食べれない物を聞いてるの」
男「鉄とかプラスチックとか……?」
女「……要するに食べ物なら何でもOKなのね」
男「そうだな……」
女「じゃぁ好きなのは?」
男「……プリン」
女「……じゃぁ弁当箱ぎっしりプリン詰めてくるわ」
男「ほんと?」
女「……バカ」
男「……?」
今日はたまたま他の生徒もいないので貸切状態だ
女「これからは約束の曜日は一緒に食べない?」
男「え……?」
女「……って誘ったりできないの?」
男「……お、おう(なんか段々横暴になってないか……?)」
女「ん~その辺まだまだなのよね」
男「がんばる……」
女「……それは良いとして、なんか苦手な食べ物とかある?入れないようにするから」
男「苦手?」
少し考えてから
男「食べれない物でなければ苦手はないかな」
女「その食べれない物を聞いてるの」
男「鉄とかプラスチックとか……?」
女「……要するに食べ物なら何でもOKなのね」
男「そうだな……」
女「じゃぁ好きなのは?」
男「……プリン」
女「……じゃぁ弁当箱ぎっしりプリン詰めてくるわ」
男「ほんと?」
女「……バカ」
男「……?」
167: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/27(火) 00:51:38.73 ID:cWJXYXnv0.net
男「あ、あと次の日曜ってどっか行く予定ある?」
女「なんで?(まさか何か誘ってくれるの……?)」
男「ああ、いや……その日は朝は来ない方が良いからさ」
女「出かけるの?」
男「いや……出かけるわけではないが……」
女「……なんなのよ?」
男「午後からなら付き合えるからさ、朝は自由にさせてくれ……」
女「……変なの」
男「おし、美味かった!ごちそうさま!」
女「え、あ……うん」
何かが引っかかる女
女「なんで?(まさか何か誘ってくれるの……?)」
男「ああ、いや……その日は朝は来ない方が良いからさ」
女「出かけるの?」
男「いや……出かけるわけではないが……」
女「……なんなのよ?」
男「午後からなら付き合えるからさ、朝は自由にさせてくれ……」
女「……変なの」
男「おし、美味かった!ごちそうさま!」
女「え、あ……うん」
何かが引っかかる女
168: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/27(火) 00:58:05.99 ID:cWJXYXnv0.net
女宅
姉「そりゃぁ……居るんでしょうよ、彼にも」
女「……な、なにが?」
姉「それはねぇ……彼にだって好きな女の子くらいいるでしょうよ」
女「……まさか」
姉「彼には本物が居るのかもね」
女「……ないないないないない、無いって」
姉「……なんで?」
女「だってあいつ全然気が回らなくって、低血圧で大してカッコ良いわけでも運動が出来るわけでもないし……」
姉「ふーん」
女「……ないよ、ないない」
女「ない……よね……」
姉「……ああいうタイプが結構モテんのよ、一緒に居やすいっていうか」
女「……」
姉「……まぁその時間は行かないほうがいいよ、お互いの為にも」
女「……うん」
その引っかかりは日増しに大きくなっていった
姉「そりゃぁ……居るんでしょうよ、彼にも」
女「……な、なにが?」
姉「それはねぇ……彼にだって好きな女の子くらいいるでしょうよ」
女「……まさか」
姉「彼には本物が居るのかもね」
女「……ないないないないない、無いって」
姉「……なんで?」
女「だってあいつ全然気が回らなくって、低血圧で大してカッコ良いわけでも運動が出来るわけでもないし……」
姉「ふーん」
女「……ないよ、ないない」
女「ない……よね……」
姉「……ああいうタイプが結構モテんのよ、一緒に居やすいっていうか」
女「……」
姉「……まぁその時間は行かないほうがいいよ、お互いの為にも」
女「……うん」
その引っかかりは日増しに大きくなっていった
178: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/29(木) 01:41:47.60 ID:+0WwzQ6+0.net
翌朝
この日は他人の曜日
女「……」
女母「おはよー」
女「……うん」
女母「あれ?……元気ないじゃない」
女「ぜんぜん、いつも通りだよ……」
女母「……そう」
女「じゃ、私行くから」
女母「あ、いってらっしゃい……」
どこか暗く、さびしそうな……
姉「ありゃりゃ……相当効いてるなぁ……」
女(なんかずっと気になってる……)
男「おーい」
女(気になりすぎて幻聴まで……)
男「……?おーいってば!」
女「……あ」
男「なに?なんか考え事?」
女「……別に」
男「あ、そ」
女「……今日はちゃんと目が覚めてるんだね」
男「たまにな」
この日は他人の曜日
女「……」
女母「おはよー」
女「……うん」
女母「あれ?……元気ないじゃない」
女「ぜんぜん、いつも通りだよ……」
女母「……そう」
女「じゃ、私行くから」
女母「あ、いってらっしゃい……」
どこか暗く、さびしそうな……
姉「ありゃりゃ……相当効いてるなぁ……」
女(なんかずっと気になってる……)
男「おーい」
女(気になりすぎて幻聴まで……)
男「……?おーいってば!」
女「……あ」
男「なに?なんか考え事?」
女「……別に」
男「あ、そ」
女「……今日はちゃんと目が覚めてるんだね」
男「たまにな」
179: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/29(木) 01:46:04.15 ID:+0WwzQ6+0.net
女「……」
男「最近うちの実家の方で色々あってさー」
女(なんでこいつはこんなに普通で居られるの……)
男「でな、親父がキレてさー」
女(こんなところ彼女に見られたらとか考えない訳?)
男「な?そもそもおかしいだろ」
女(……私は……どんな顔していれば……)
男「……?聞いてた?」
女「……」
男「……?」
女「……先行ってるから」
男「え?」
そのまま走り去っていく女
男「……そんなにつまらなかった……?」
男「最近うちの実家の方で色々あってさー」
女(なんでこいつはこんなに普通で居られるの……)
男「でな、親父がキレてさー」
女(こんなところ彼女に見られたらとか考えない訳?)
男「な?そもそもおかしいだろ」
女(……私は……どんな顔していれば……)
男「……?聞いてた?」
女「……」
男「……?」
女「……先行ってるから」
男「え?」
そのまま走り去っていく女
男「……そんなにつまらなかった……?」
180: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/29(木) 01:50:21.91 ID:+0WwzQ6+0.net
その日から女の様子は変だった
彼氏の日も他人の日もよそよそしく……
そして運命の日曜日
女「……」
姉「本当に行くの?」
女「別に部屋まで入る訳じゃない……外から見るだけ……」
姉「やめたほうがいいよ……」
女「……」
姉「そんなの後悔するの目に見えてるって」
女「……でも、もう自分でも止まらないの」
姉「……」
女「いってきます……」
女は確かめずには居られなかった
それは女の中で男に対する気持ちの変化が原因なのだが、まだ彼女はそれを理解できないでいた
それが、ヤキモチというものだということを
彼氏の日も他人の日もよそよそしく……
そして運命の日曜日
女「……」
姉「本当に行くの?」
女「別に部屋まで入る訳じゃない……外から見るだけ……」
姉「やめたほうがいいよ……」
女「……」
姉「そんなの後悔するの目に見えてるって」
女「……でも、もう自分でも止まらないの」
姉「……」
女「いってきます……」
女は確かめずには居られなかった
それは女の中で男に対する気持ちの変化が原因なのだが、まだ彼女はそれを理解できないでいた
それが、ヤキモチというものだということを
181: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/29(木) 01:55:05.08 ID:+0WwzQ6+0.net
男のアパート前
女「……(本当に来ちゃった……)」
扉の前まで来たが物音はしない
女(もう中に居るの……?中でどうなってるの……?)
そっとドアノブに手をかける
ふと、男が日曜朝に来るなと言った時の顔が思い浮かんだ
女(……でも)
女(……確かめずには……居られない)
そっとドアノブを回す
回った
扉には鍵がかかっていない
誰かいる
ゆっくり扉を開ける
女「……!」
男の靴がない
男は出かけてる
なのに鍵は開いていた
更に……
女(女物の……ブーツ……)
女は確信した
予想は悪い方に当たっていた
女(……せめてどんな子なのか顔だけでも)
女「……(本当に来ちゃった……)」
扉の前まで来たが物音はしない
女(もう中に居るの……?中でどうなってるの……?)
そっとドアノブに手をかける
ふと、男が日曜朝に来るなと言った時の顔が思い浮かんだ
女(……でも)
女(……確かめずには……居られない)
そっとドアノブを回す
回った
扉には鍵がかかっていない
誰かいる
ゆっくり扉を開ける
女「……!」
男の靴がない
男は出かけてる
なのに鍵は開いていた
更に……
女(女物の……ブーツ……)
女は確信した
予想は悪い方に当たっていた
女(……せめてどんな子なのか顔だけでも)
182: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/29(木) 02:01:16.03 ID:+0WwzQ6+0.net
静かに入るといつも男が寝ている布団で誰か寝ている
布団からはみ出す細く綺麗な肢体
女(女の子……)
静かに近づく
女(……かわいい子だ)
寝顔はあどけなく、まさに守ってあげたくなるタイプの幼さの残る顔
年は自分とそう変わらない、少し年下ぐらいだろう
女「……!」
女(この子が着てるの……男のシャツだ……!)
女の子はぶかぶかのTシャツを着ていた
それは男が時々着ていたねずみ男のプリントされたTシャツ
女(彼シャツだとっ……!)
女(これが本物の彼女と偽物の違いか……)
女「……」
女(もう充分……帰ろう……)
そう思って玄関に戻ろうとした時
ガチャ
男「……あれ?なんでいるの?」
女「あ……」
コンビニの袋をぶら下げた男が帰ってきた
布団からはみ出す細く綺麗な肢体
女(女の子……)
静かに近づく
女(……かわいい子だ)
寝顔はあどけなく、まさに守ってあげたくなるタイプの幼さの残る顔
年は自分とそう変わらない、少し年下ぐらいだろう
女「……!」
女(この子が着てるの……男のシャツだ……!)
女の子はぶかぶかのTシャツを着ていた
それは男が時々着ていたねずみ男のプリントされたTシャツ
女(彼シャツだとっ……!)
女(これが本物の彼女と偽物の違いか……)
女「……」
女(もう充分……帰ろう……)
そう思って玄関に戻ろうとした時
ガチャ
男「……あれ?なんでいるの?」
女「あ……」
コンビニの袋をぶら下げた男が帰ってきた
183: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/29(木) 02:06:28.52 ID:+0WwzQ6+0.net
女「えーっと……その……」
男「来るなって言ったじゃんか……」
女「……ごめん」
男「……またニチアサ観にきたんだろ?」
女「……え?」
男「ほら、家で観れないって」
女「えーっと……その……」
男「せっかく来たんだし観ようよ」
コンビニの袋からコーヒー牛乳を取り出しながらテレビをつける男
男「あ、こいつもニチアサ楽しみにしてたんだ」
女「え、起こすの?」
男「起こさねーとうるさいし」
女「いやっ、起こした方が厄介なことに……!」
男「ほら起きろ」
女の子の顔をペチンと叩いた
女(乱暴っ!)
女の子「うぇー……なんだよぉ……」
男「ニチアサはじまっぞ」
女の子「録画しといてぇー……」
男「リアルタイムでみろ馬鹿者」
ペチン!
女(なんなのその扱い!?)
男「来るなって言ったじゃんか……」
女「……ごめん」
男「……またニチアサ観にきたんだろ?」
女「……え?」
男「ほら、家で観れないって」
女「えーっと……その……」
男「せっかく来たんだし観ようよ」
コンビニの袋からコーヒー牛乳を取り出しながらテレビをつける男
男「あ、こいつもニチアサ楽しみにしてたんだ」
女「え、起こすの?」
男「起こさねーとうるさいし」
女「いやっ、起こした方が厄介なことに……!」
男「ほら起きろ」
女の子の顔をペチンと叩いた
女(乱暴っ!)
女の子「うぇー……なんだよぉ……」
男「ニチアサはじまっぞ」
女の子「録画しといてぇー……」
男「リアルタイムでみろ馬鹿者」
ペチン!
女(なんなのその扱い!?)
184: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/29(木) 02:13:35.56 ID:+0WwzQ6+0.net
男「……あ、ほらお前の会いたがってた女さん来てるぞ」
女の子「えぇ!?」ガバッ
飛び起きた女の子
女の子「……こ、こんにちは!」
女「こ、こんにちは!」
女の子「うわぁ……来てるならもっと早く起こしてよぉ……」
男「まずは自己紹介だろ」
女の子「えーっと、これの妹です」
男「妹です」
女「……え?妹?」
妹「妹です」
男「昨日親父と喧嘩して家出中の妹です」
妹「へ、変なことまで言わないでよ!恥ずかしいじゃん!」
男「それは家出癖のひどいお前のせいだろ」
女「え……」
妹「癖っていうなー!」
男「家出病か」
女(彼女じゃ……なかったの……?)
女の子「えぇ!?」ガバッ
飛び起きた女の子
女の子「……こ、こんにちは!」
女「こ、こんにちは!」
女の子「うわぁ……来てるならもっと早く起こしてよぉ……」
男「まずは自己紹介だろ」
女の子「えーっと、これの妹です」
男「妹です」
女「……え?妹?」
妹「妹です」
男「昨日親父と喧嘩して家出中の妹です」
妹「へ、変なことまで言わないでよ!恥ずかしいじゃん!」
男「それは家出癖のひどいお前のせいだろ」
女「え……」
妹「癖っていうなー!」
男「家出病か」
女(彼女じゃ……なかったの……?)
196: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/30(金) 16:58:37.23 ID:rbHx75X20.net
結局3人でニチアサを見た
女(……彼女じゃなかったけど)
妹「兄ちゃん、明日学校?」
男「当たり前だ」
妹「私明日は代休なんだー」
男「へー」
妹「だからしばらくここに……」
女(……兄妹ってこんなに仲のいいものなの?)←姉としょっちゅう喧嘩してる
男「代休って1日だけだろ」
妹「う……」
男「なら帰らないとな」
妹「……帰りたくない」
男「だが学校はサボるわけにはいかない」
妹「でも……」
男「……今日1日は居てもいいから必ず明日帰れよ」
女(あー、こうやって並ぶとやっぱり似てるなぁ)
男「さて、どっか出かけるの?」
女「へ?」
男「どっか行くからきたんじゃないの?」
女「え、えーっと……(そもそもここに来た理由って……)」
妹「え?どこか行くの?」
男「お前は留守番だ」
妹「なんでよー!」
女「いや、特になにか予定はないけど」
男「……そなの?」
女(……彼女じゃなかったけど)
妹「兄ちゃん、明日学校?」
男「当たり前だ」
妹「私明日は代休なんだー」
男「へー」
妹「だからしばらくここに……」
女(……兄妹ってこんなに仲のいいものなの?)←姉としょっちゅう喧嘩してる
男「代休って1日だけだろ」
妹「う……」
男「なら帰らないとな」
妹「……帰りたくない」
男「だが学校はサボるわけにはいかない」
妹「でも……」
男「……今日1日は居てもいいから必ず明日帰れよ」
女(あー、こうやって並ぶとやっぱり似てるなぁ)
男「さて、どっか出かけるの?」
女「へ?」
男「どっか行くからきたんじゃないの?」
女「え、えーっと……(そもそもここに来た理由って……)」
妹「え?どこか行くの?」
男「お前は留守番だ」
妹「なんでよー!」
女「いや、特になにか予定はないけど」
男「……そなの?」
198: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/30(金) 17:16:14.12 ID:rbHx75X20.net
妹「じゃぁさ!みんなで遊びに行こうよ!」
男「えー」
妹「いいじゃん!ね?」
女「…え?私?」
妹「私だって女さんと仲良くなりたいし」
男「ならんでいい」
妹「なんでよー!」
男「お前は明日帰る、簡単な事だ」
妹「来るし、すぐまた来るし!」
男「来るな、お前が来たせいで俺の非常食に大多数が壊滅したんだぞ」
よく見ると部屋の隅に沢山のインスタント食品の空が転がっている
妹「いちいち細かい事はいいじゃん」
男「こっちは死活問題に繋がりかねない重大な事件だ……以後うちにある一切の食品への接触を禁止する!」
妹「飢え死ねってこと!?」
男「いや、帰ればいい」
女(ああ…私はこういう会話に憧れていたんだ……)
お互い包み隠さず本音で語り合い、一見仲が悪いように見えて相手をよく理解している
さすがは兄妹と言ったところだ
女(……それなのに私は自分の理想に作り変えるなんて)
男「えー」
妹「いいじゃん!ね?」
女「…え?私?」
妹「私だって女さんと仲良くなりたいし」
男「ならんでいい」
妹「なんでよー!」
男「お前は明日帰る、簡単な事だ」
妹「来るし、すぐまた来るし!」
男「来るな、お前が来たせいで俺の非常食に大多数が壊滅したんだぞ」
よく見ると部屋の隅に沢山のインスタント食品の空が転がっている
妹「いちいち細かい事はいいじゃん」
男「こっちは死活問題に繋がりかねない重大な事件だ……以後うちにある一切の食品への接触を禁止する!」
妹「飢え死ねってこと!?」
男「いや、帰ればいい」
女(ああ…私はこういう会話に憧れていたんだ……)
お互い包み隠さず本音で語り合い、一見仲が悪いように見えて相手をよく理解している
さすがは兄妹と言ったところだ
女(……それなのに私は自分の理想に作り変えるなんて)
199: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/30(金) 17:23:09.48 ID:rbHx75X20.net
妹「女さんからも何か言ってよー!」
女「え、え?」
男「おい、女さんを巻き込むな」
妹「あ……食べ物くれないと兄ちゃんのあの事バラすぞー?」
女「あの事?」
男「あの事……?」
妹「え……ほら!あの事だって!」
男「……なんの事?」
女「いや、私に聞かれても分かんないから」
妹「ほら!森にポケモン探しに行って!」
男、女「遭難したこと?」
妹「し、知ってたぁー!」
妹「だったら兄ちゃんの恥ずかしい体験!小学5年編!」
男「……なんかあったか?」
女「だから私に聞かないでよ」
妹「わ、忘れたの?ほら!学校の先生に……!」
男「……」
妹「忘れてるー!?」
女「え、え?」
男「おい、女さんを巻き込むな」
妹「あ……食べ物くれないと兄ちゃんのあの事バラすぞー?」
女「あの事?」
男「あの事……?」
妹「え……ほら!あの事だって!」
男「……なんの事?」
女「いや、私に聞かれても分かんないから」
妹「ほら!森にポケモン探しに行って!」
男、女「遭難したこと?」
妹「し、知ってたぁー!」
妹「だったら兄ちゃんの恥ずかしい体験!小学5年編!」
男「……なんかあったか?」
女「だから私に聞かないでよ」
妹「わ、忘れたの?ほら!学校の先生に……!」
男「……」
妹「忘れてるー!?」
200: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/10/30(金) 17:34:44.46 ID:rbHx75X20.net
妹「これじゃ脅しにならないっ……なら小学校の卒業式の時のこと!」
男「……あ、それなら覚えてる。ちゃっかり在校生に紛れて見送る側にいた事だろ?」
妹「言ったら脅しにならないじゃん!!」
女「なにその希少な体験……」
妹「だったら中学1年のとき!」
男「……思い当たる節が多すぎて分からん」
妹「なんでよぉ!!」
女(色々武勇伝がありそうな奴とは思ってたけど……)
男「……あれか、理科室でカエルの解剖の授業の時に高電圧流して学校を停電させた挙句カエルを蘇生させたこと!」
妹「違う!ってかそんな事したの!?」
男「あの時は流石にビビった」
女(なんかこいつの知らない顔が見れてちょっと面白いかも)
女「ねぇ?もっと昔の話聞かせてよ」
男「俺の?」
女「うん、なんか面白そうだし」
妹「全部話したら3日は寝れないよ」
女「そんなにあるの……?」
男「誰もが持ってる昔話だよ」
妹「それは無いわ」
女「うん、多分普通では無いと思う」
男「……あ、それなら覚えてる。ちゃっかり在校生に紛れて見送る側にいた事だろ?」
妹「言ったら脅しにならないじゃん!!」
女「なにその希少な体験……」
妹「だったら中学1年のとき!」
男「……思い当たる節が多すぎて分からん」
妹「なんでよぉ!!」
女(色々武勇伝がありそうな奴とは思ってたけど……)
男「……あれか、理科室でカエルの解剖の授業の時に高電圧流して学校を停電させた挙句カエルを蘇生させたこと!」
妹「違う!ってかそんな事したの!?」
男「あの時は流石にビビった」
女(なんかこいつの知らない顔が見れてちょっと面白いかも)
女「ねぇ?もっと昔の話聞かせてよ」
男「俺の?」
女「うん、なんか面白そうだし」
妹「全部話したら3日は寝れないよ」
女「そんなにあるの……?」
男「誰もが持ってる昔話だよ」
妹「それは無いわ」
女「うん、多分普通では無いと思う」
215: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/01(日) 23:58:51.77 ID:CEH/UiFU0.net
翌朝
ガチャ…
いつも通り鍵を開けて入る女
女「おじゃましまーす……」
案の定誰も起きていない
女(……男くんはいつものとこか)
では妹は…
女(……妹ちゃんが居ない?)
女「……まさか」
男の布団を勢いよくめくる
女(……って居ないか)
一緒に寝ているとか一瞬考えたけどこれは大丈夫だったようだ
男「……ん……さむい……」ブルブル
小動物のように縮こまって震える男
女「あ、ごめん」
布団を元に戻す
ガチャ…
いつも通り鍵を開けて入る女
女「おじゃましまーす……」
案の定誰も起きていない
女(……男くんはいつものとこか)
では妹は…
女(……妹ちゃんが居ない?)
女「……まさか」
男の布団を勢いよくめくる
女(……って居ないか)
一緒に寝ているとか一瞬考えたけどこれは大丈夫だったようだ
男「……ん……さむい……」ブルブル
小動物のように縮こまって震える男
女「あ、ごめん」
布団を元に戻す
216: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/02(月) 00:09:58.67 ID:itOxGMtS0.net
男「……どした……?」
女「いや、妹ちゃん居ないなって」
男「……かえった」
女「帰った?」
男「……うん」
女「そうなんだ」
もっと色々聞きたい事もあったのだが、帰ってしまったなら仕方ない
女「ねぇ、いい加減に起きなさいよ」
男「寒いからもうすこし……」
女「起きないとずっと寒いままだと思うけど?」
男「……さむいさむい」
女「だったら……」ゴソゴソ
男「……なんで入ってくるの?」
女「え、温めてあげようと思って」
男「……わかった」
女(待って、そこは恥ずかしがって起きるところじゃばいの!?)
男(向こうは俺が恥ずかしがって起きると思ってるに違いない……起きたら負けだ)
女「いや、妹ちゃん居ないなって」
男「……かえった」
女「帰った?」
男「……うん」
女「そうなんだ」
もっと色々聞きたい事もあったのだが、帰ってしまったなら仕方ない
女「ねぇ、いい加減に起きなさいよ」
男「寒いからもうすこし……」
女「起きないとずっと寒いままだと思うけど?」
男「……さむいさむい」
女「だったら……」ゴソゴソ
男「……なんで入ってくるの?」
女「え、温めてあげようと思って」
男「……わかった」
女(待って、そこは恥ずかしがって起きるところじゃばいの!?)
男(向こうは俺が恥ずかしがって起きると思ってるに違いない……起きたら負けだ)
217: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/02(月) 00:14:44.94 ID:itOxGMtS0.net
女「……きょ、今日は寒いねー」
男「……うん」
女(こうなったら……密着して強制的に起こしてやる)
男の背中に暖かい感触が伝わってくる
男「……!」
男(密着してきただと!?恥ずかしく無いのか!?)
女(早くっ……起きなさいよ……!///)
男(こいつ……どこまで強気なんだ……!?)
女「ど、どう?温まった?///」
男(……っ!こうなったら一芝居打ってやるか……)
男「……ぐぅ」
女「……なっ!?(二度寝だと!?この状況で二度寝!?こいつ……何も感じていないのか!?)
男「……うん」
女(こうなったら……密着して強制的に起こしてやる)
男の背中に暖かい感触が伝わってくる
男「……!」
男(密着してきただと!?恥ずかしく無いのか!?)
女(早くっ……起きなさいよ……!///)
男(こいつ……どこまで強気なんだ……!?)
女「ど、どう?温まった?///」
男(……っ!こうなったら一芝居打ってやるか……)
男「……ぐぅ」
女「……なっ!?(二度寝だと!?この状況で二度寝!?こいつ……何も感じていないのか!?)
218: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/02(月) 00:19:45.07 ID:itOxGMtS0.net
男「……(どうだ……?)」
女(ここで折れたらその程度の女だと思われてしまう……負けるわけにはいかない!)
女「……寝ちゃった?仕方ないなぁ///」
男(そうだ……諦めろ!)
女「……なんか私まで眠くなってきちゃった」
男「……!!(こいつ……何言ってるんだ!?)」
女「……ねーちゃお」
女(どうだ!これなら起きざるおえまい!)
男(馬鹿な……!これでは二人とも遅刻だぞ……!!)
二人の心臓は今まで無いほど強く脈打っていた
そして……
男「……」←ガチ寝
女「……んふふ……」←ガチ寝
遅刻決定が2名
女(ここで折れたらその程度の女だと思われてしまう……負けるわけにはいかない!)
女「……寝ちゃった?仕方ないなぁ///」
男(そうだ……諦めろ!)
女「……なんか私まで眠くなってきちゃった」
男「……!!(こいつ……何言ってるんだ!?)」
女「……ねーちゃお」
女(どうだ!これなら起きざるおえまい!)
男(馬鹿な……!これでは二人とも遅刻だぞ……!!)
二人の心臓は今まで無いほど強く脈打っていた
そして……
男「……」←ガチ寝
女「……んふふ……」←ガチ寝
遅刻決定が2名
231: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/04(水) 00:15:54.60 ID:D9rEGQXJ0.net
とある木曜日の昼
この日、女は友人達と昼食を取っていた
女友「最近なんかいい感じだよね」
女「なにが?」
女友「彼氏とさ」
女「まぁね」
女友Ⅱ「この前二人で昼頃登校してきたしねぇ」ニヤニヤ
女「いや、あれは別にそう言うんじゃなくて…」
女友Ⅱ「じゃなくて?」ニヤニヤ
女「一緒に寝r(あ、これダメなやつ)」
女友「なに?なんかやましい事でもあんの?」
女「今日はあんたら随分グイグイくるわね…」
女友Ⅲ「ぶっちゃけ、どこまでやったのさ?」
女友「要するにそれ」
女「どこまで!?」
女(そんな……まともに手を繋いだ事すら……)
女「いや、まだ…ほとんど何も…」
女友Ⅱ「こんなに図太くて自分勝手な女がまだ何も?」
女「それ言い過ぎじゃない?」
女(だってあいつとは本当に付き合ってるわけじゃ……)
この日、女は友人達と昼食を取っていた
女友「最近なんかいい感じだよね」
女「なにが?」
女友「彼氏とさ」
女「まぁね」
女友Ⅱ「この前二人で昼頃登校してきたしねぇ」ニヤニヤ
女「いや、あれは別にそう言うんじゃなくて…」
女友Ⅱ「じゃなくて?」ニヤニヤ
女「一緒に寝r(あ、これダメなやつ)」
女友「なに?なんかやましい事でもあんの?」
女「今日はあんたら随分グイグイくるわね…」
女友Ⅲ「ぶっちゃけ、どこまでやったのさ?」
女友「要するにそれ」
女「どこまで!?」
女(そんな……まともに手を繋いだ事すら……)
女「いや、まだ…ほとんど何も…」
女友Ⅱ「こんなに図太くて自分勝手な女がまだ何も?」
女「それ言い過ぎじゃない?」
女(だってあいつとは本当に付き合ってるわけじゃ……)
232: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/04(水) 00:23:11.37 ID:D9rEGQXJ0.net
場所と時が変わってその日の下校時
女「と、いう事で日曜デート行くよ」
男「どういう事だかわかんねぇよ」
女「だーかーら!もっとこう…カップルっぽい事したいのよ!」
男「カップルって久々に聞いた気がする」
女「で、ででで…その…」
男「デデデ?大王か?」
女「あ、あんたはどこまでならOKなの?」
男「何がだ?意味がわからんぞい」
女「その…カップルとしての行動って言うか…」
男「行動?」
女「そ、その…手を繋いだととかはいいよね?」
即座に女の手を握る男
女「ひゃっ!!///」
男「造作も無い、ってか手冷たいな。低体温症か?」
女「あ、あんたいきなりこういう事っ!へ、平気なの!?」
男「?」
女「もっと躊躇ったりするもんじゃないの?」
男「……平気だな、もし君の手が何らかの粘液でベトベトだったりしたら躊躇う事もあるかもしれんが」
女「……手つなぎはOKって事ね」
女「と、いう事で日曜デート行くよ」
男「どういう事だかわかんねぇよ」
女「だーかーら!もっとこう…カップルっぽい事したいのよ!」
男「カップルって久々に聞いた気がする」
女「で、ででで…その…」
男「デデデ?大王か?」
女「あ、あんたはどこまでならOKなの?」
男「何がだ?意味がわからんぞい」
女「その…カップルとしての行動って言うか…」
男「行動?」
女「そ、その…手を繋いだととかはいいよね?」
即座に女の手を握る男
女「ひゃっ!!///」
男「造作も無い、ってか手冷たいな。低体温症か?」
女「あ、あんたいきなりこういう事っ!へ、平気なの!?」
男「?」
女「もっと躊躇ったりするもんじゃないの?」
男「……平気だな、もし君の手が何らかの粘液でベトベトだったりしたら躊躇う事もあるかもしれんが」
女「……手つなぎはOKって事ね」
233: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/04(水) 00:30:40.02 ID:D9rEGQXJ0.net
女「じゃ、じゃぁキスは……?///」
男「んー…」
女(あ、迷うんだ……)
男「もし命の危機だったら躊躇わないが、むやみやたらバカップルみたいにベタベタは嫌だな」
女「大丈夫、そこまで求めてない…」
男「……正直、少し躊躇う…かな」
女「……そう」
男「一回500円なら請け負う」
女「安っ」
男「そうか?」
女「まぁ…ワンコインで一回OKって事ね」
男「女さんが相手ならであって見ず知らずの他人なら話は別だ」
女「……///(それって……)」
男「来週の日曜は何時からだ?」
女「いつも通りテレビ見たら」
男「わかった」
女(やっぱり、こいつは本物の彼氏じゃないんだよね……)
少し、ほんの少し男が本物の彼氏になったらとか考えてしまった女であった
男「んー…」
女(あ、迷うんだ……)
男「もし命の危機だったら躊躇わないが、むやみやたらバカップルみたいにベタベタは嫌だな」
女「大丈夫、そこまで求めてない…」
男「……正直、少し躊躇う…かな」
女「……そう」
男「一回500円なら請け負う」
女「安っ」
男「そうか?」
女「まぁ…ワンコインで一回OKって事ね」
男「女さんが相手ならであって見ず知らずの他人なら話は別だ」
女「……///(それって……)」
男「来週の日曜は何時からだ?」
女「いつも通りテレビ見たら」
男「わかった」
女(やっぱり、こいつは本物の彼氏じゃないんだよね……)
少し、ほんの少し男が本物の彼氏になったらとか考えてしまった女であった
234: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/04(水) 00:37:39.59 ID:D9rEGQXJ0.net
男「じゃ、俺はこっちだから」
男の家の近くまで来ると二人の通学路は別れている
木曜日でなかったら女の家まで送っているのだが…
女「うん…また明日」
男「……」
女「……」
男「手」
女「え?」
男「手、離して」
女「あ、ごめん…」
ずっと繋いだままだった手が離れる
暖かかった手が急に秋の風で冷える
男「さむいさむい…じゃ」
女「うん」
女(…あいつの手、暖かった)
自分のものではない温もりが手から逃げていく感覚が寂しかった
男の家の近くまで来ると二人の通学路は別れている
木曜日でなかったら女の家まで送っているのだが…
女「うん…また明日」
男「……」
女「……」
男「手」
女「え?」
男「手、離して」
女「あ、ごめん…」
ずっと繋いだままだった手が離れる
暖かかった手が急に秋の風で冷える
男「さむいさむい…じゃ」
女「うん」
女(…あいつの手、暖かった)
自分のものではない温もりが手から逃げていく感覚が寂しかった
253: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/06(金) 01:06:09.79 ID:SFa7nZ1S.net
翌日(金曜日)
いつもの事ながら勝手に玄関の鍵を開けて入る女
女「おはよー」
男「……」
女「まだ寝てる」
男「……おきてるぞ」
女「だったら早く着替えなさいよ」
男「さむい」
女「……学校はどうするのよ」
男「……布団のまま行きたい」
女「バカなこと言ってないで早く起きろっての」
男「……」
のっそり起き上がる男
男「……さむい」
女「活動すれば暖かくなるって」
男「……」
女「……ちょっと待った」
男「……?」
女「顔赤いけど……」
男「……そう?」
女「さむいさむいって……」
男の額に手を当てる
女「熱あるね…これ」
男「……まじか」
女「まさか風邪?」
男「……ちょっと身体つらいかも」
女「……学校やすむ?」
男「…いく」
女「…まず熱計ってからね」
いつもの事ながら勝手に玄関の鍵を開けて入る女
女「おはよー」
男「……」
女「まだ寝てる」
男「……おきてるぞ」
女「だったら早く着替えなさいよ」
男「さむい」
女「……学校はどうするのよ」
男「……布団のまま行きたい」
女「バカなこと言ってないで早く起きろっての」
男「……」
のっそり起き上がる男
男「……さむい」
女「活動すれば暖かくなるって」
男「……」
女「……ちょっと待った」
男「……?」
女「顔赤いけど……」
男「……そう?」
女「さむいさむいって……」
男の額に手を当てる
女「熱あるね…これ」
男「……まじか」
女「まさか風邪?」
男「……ちょっと身体つらいかも」
女「……学校やすむ?」
男「…いく」
女「…まず熱計ってからね」
254: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/06(金) 01:14:22.97 ID:SFa7nZ1S.net
女「37.8…」
男「だいじょぶだいじょぶ」
女「やめときなさいって、今日は学校休みなよ?」
男「だいじょーぶ…」
ふらふらと立ち上がって着替えようとする男
男「……あ」
脚を縺れさせて転ぶ男
女「だからダメだって、熱はそれほどじゃないけどかなり消耗してるんだから」
男「……でも」
女「なに?」
男「……」
何処となく悔しそうな表情になる男
なんでそんなに学校に行きたがっているのか…?
女「いいから今日は寝てなよ、学校終わったらまた来てあげるから」
男「……ごめん」
女「……!」ドキッ
女(なんだろう…母性本能?なんか今日のこいつ弱々しくて可愛いんだけど…!)
女「……な、なにか必要なものあったらラインしてよね」
男「……わかった」
大人しく布団に戻る男
女「じゃ…行くから」
男「……いってらっしゃい」
女(なんだろ……凄いワクワクしてる?こういうのやりたかったのかな?…うん、やりたかったんだ!こういう看病イベントやりたかったんだ!)
女「にしてもなんであんなに学校行きたがったんだろう?」
男「だいじょぶだいじょぶ」
女「やめときなさいって、今日は学校休みなよ?」
男「だいじょーぶ…」
ふらふらと立ち上がって着替えようとする男
男「……あ」
脚を縺れさせて転ぶ男
女「だからダメだって、熱はそれほどじゃないけどかなり消耗してるんだから」
男「……でも」
女「なに?」
男「……」
何処となく悔しそうな表情になる男
なんでそんなに学校に行きたがっているのか…?
女「いいから今日は寝てなよ、学校終わったらまた来てあげるから」
男「……ごめん」
女「……!」ドキッ
女(なんだろう…母性本能?なんか今日のこいつ弱々しくて可愛いんだけど…!)
女「……な、なにか必要なものあったらラインしてよね」
男「……わかった」
大人しく布団に戻る男
女「じゃ…行くから」
男「……いってらっしゃい」
女(なんだろ……凄いワクワクしてる?こういうのやりたかったのかな?…うん、やりたかったんだ!こういう看病イベントやりたかったんだ!)
女「にしてもなんであんなに学校行きたがったんだろう?」
255: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/06(金) 01:19:27.94 ID:SFa7nZ1S.net
そして昼休み
女(あいつ大丈夫かな……)
女友「どうしたのー?なんか心配事?」
女「え?…いや、別に大したことじゃないよ」
女友「ふーん、男くん風邪?」
女「うん…大したことなさそうだけど珍しく弱ってた」
女友「ふーん、さっきから携帯確認してるのはその彼から連絡ないから?」
女「別にそういう訳じゃ…」
女(まぁ寝てるんだろうし…)
女友「あーあ、残念だったね」
女「なにが?」
女友「だって日曜にデートの約束あったんでしょ?もしかしたら…」
女「…あ」
女(だからあいつ大丈夫って強がって…)
女(あいつ大丈夫かな……)
女友「どうしたのー?なんか心配事?」
女「え?…いや、別に大したことじゃないよ」
女友「ふーん、男くん風邪?」
女「うん…大したことなさそうだけど珍しく弱ってた」
女友「ふーん、さっきから携帯確認してるのはその彼から連絡ないから?」
女「別にそういう訳じゃ…」
女(まぁ寝てるんだろうし…)
女友「あーあ、残念だったね」
女「なにが?」
女友「だって日曜にデートの約束あったんでしょ?もしかしたら…」
女「…あ」
女(だからあいつ大丈夫って強がって…)
265: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/07(土) 02:16:01.11 ID:UV0P74Lv.net
男「……あ」
目が覚めた
いつの間にか寝てしまっていたらしい
男「……」
額が冷たい
男(冷えピタ?)
誰が…
その答えはすぐにわかった
女「あ、起きた?」
男(エプロンなんかつけてなにしてんだ?)
男「…あ…あ」
声がうまく出せない
男「……今何時?」
女「ん?…もう8時だよ」
男「……ほぼ一日中寝てたのか…」
女「寝てるとき凄い辛そうだったからちょっと心配したけどね」
男「……いつからいるんだ?」
女「学校帰って買い物いってから来たから6時くらいからかな」
男「……買い物?」
部屋の隅には買い物袋
部屋に冷えピタなんて無かったからこれも女が買ってきてくれたものだろう
男「いくらだった?払うよ」
女「ちょ、やめてよ、これは私が勝手にやってるだけなんだから」
男「でも…」
女「なら早く治して、それで日曜出かけようよ」
男「……わかった」
目が覚めた
いつの間にか寝てしまっていたらしい
男「……」
額が冷たい
男(冷えピタ?)
誰が…
その答えはすぐにわかった
女「あ、起きた?」
男(エプロンなんかつけてなにしてんだ?)
男「…あ…あ」
声がうまく出せない
男「……今何時?」
女「ん?…もう8時だよ」
男「……ほぼ一日中寝てたのか…」
女「寝てるとき凄い辛そうだったからちょっと心配したけどね」
男「……いつからいるんだ?」
女「学校帰って買い物いってから来たから6時くらいからかな」
男「……買い物?」
部屋の隅には買い物袋
部屋に冷えピタなんて無かったからこれも女が買ってきてくれたものだろう
男「いくらだった?払うよ」
女「ちょ、やめてよ、これは私が勝手にやってるだけなんだから」
男「でも…」
女「なら早く治して、それで日曜出かけようよ」
男「……わかった」
266: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/07(土) 02:26:58.96 ID:UV0P74Lv.net
男「……何か作ってる?」
女「あ、どうせ何も食べてないと思ったから」
女がお盆に乗せて持ってきたのはいい匂いのするたまご粥
女「ま、ありきたりだけどこれが一番かなって」
男「……」
女「あれ、あんまし好きじゃなかった?」
男「いや……ただ、今かなり感動してる」
女「……そ、そう…なら早く食べてよね///」
男「……いただきます」
たまご粥はあたたかく、うまかった
男「色々迷惑かけたな……」
女「んー、まぁこういうのもまたカップルっぽい事の一つかなって」
男「……そうか」
女「……早く治して日曜日どこ行くか決めようよ」
男「……行き先決まってないのか?」
女「うん」
男「……わかった、考えとこう」
女「その前に風邪治さないとだけどね」
男「…もう山場はこえただろう、明日には治ってる」
女「なら安心だけど」
女「あ、どうせ何も食べてないと思ったから」
女がお盆に乗せて持ってきたのはいい匂いのするたまご粥
女「ま、ありきたりだけどこれが一番かなって」
男「……」
女「あれ、あんまし好きじゃなかった?」
男「いや……ただ、今かなり感動してる」
女「……そ、そう…なら早く食べてよね///」
男「……いただきます」
たまご粥はあたたかく、うまかった
男「色々迷惑かけたな……」
女「んー、まぁこういうのもまたカップルっぽい事の一つかなって」
男「……そうか」
女「……早く治して日曜日どこ行くか決めようよ」
男「……行き先決まってないのか?」
女「うん」
男「……わかった、考えとこう」
女「その前に風邪治さないとだけどね」
男「…もう山場はこえただろう、明日には治ってる」
女「なら安心だけど」
284: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/09(月) 01:38:11.08 ID:h1bxV/sB.net
待ちにまった日曜日!
女宅
女「ねぇ、この組み合わせ変じゃない?」
姉「んー、大丈夫じゃなーい?」
女「あれかな?寒くなった時になにか羽織れるもの持って行った方がいいかな?」
姉「なんかあればいいんじゃない…?」
女「あとは…あ!傘!折りたたみ持って行こう!」
とたばたと忙しい女
女(初めてのデート…!何があっても良いように準備しなきゃ!)
姉「……その簡易コンロとサバイバルナイフは何に使うの?」
女「もしも遭難した時のため!」
姉「……じゃぁそっちにある缶詰も?」
女「うん!」
姉「あんたどこ行くの?」
女「遊園地!」
姉「これ全部置いておきなさい」
女「なんで!?」
姉「必要ないからよ……」
女「そうかなぁ…もしもの時のためにいると思うんだけどなー」
姉「ちょっとは落ち着きなさいよ」
女宅
女「ねぇ、この組み合わせ変じゃない?」
姉「んー、大丈夫じゃなーい?」
女「あれかな?寒くなった時になにか羽織れるもの持って行った方がいいかな?」
姉「なんかあればいいんじゃない…?」
女「あとは…あ!傘!折りたたみ持って行こう!」
とたばたと忙しい女
女(初めてのデート…!何があっても良いように準備しなきゃ!)
姉「……その簡易コンロとサバイバルナイフは何に使うの?」
女「もしも遭難した時のため!」
姉「……じゃぁそっちにある缶詰も?」
女「うん!」
姉「あんたどこ行くの?」
女「遊園地!」
姉「これ全部置いておきなさい」
女「なんで!?」
姉「必要ないからよ……」
女「そうかなぁ…もしもの時のためにいると思うんだけどなー」
姉「ちょっとは落ち着きなさいよ」
285: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/09(月) 01:45:32.32 ID:h1bxV/sB.net
女「発煙筒は2本もいらないかなぁ」
姉「1本もいらんわ」
女「あー!緊張してきた!」
姉「元から緊張しっぱなしに見えるけど…」
結局姉の指示で最低限の必需品にまとめられた
女「……」
姉「急に大人しくなったわね」
女「……」カチコチ
姉「……なんでそんなに緊張してんのよ」
女「も、もしあいつにデート経験がないって思われたら……く、くやしい」
姉「そんなんじゃすぐにバレるっての」
女「あああああ姉上!なにかアドバイスを!」カチコチ
姉「アドバイス?そんなんただ楽しめば良いんじゃない?」
女「たたたった楽しむ?」カチコチ
姉「友達と遊びに行くくらいの感覚でいいのよ」
女「むっ……難しい……」
姉「なんか困ったら電話しなさい」
女「わ、わかった」
姉「……本当に大丈夫なの?」
女「も、問題ないですっ……」
姉(だめそう…)
姉「1本もいらんわ」
女「あー!緊張してきた!」
姉「元から緊張しっぱなしに見えるけど…」
結局姉の指示で最低限の必需品にまとめられた
女「……」
姉「急に大人しくなったわね」
女「……」カチコチ
姉「……なんでそんなに緊張してんのよ」
女「も、もしあいつにデート経験がないって思われたら……く、くやしい」
姉「そんなんじゃすぐにバレるっての」
女「あああああ姉上!なにかアドバイスを!」カチコチ
姉「アドバイス?そんなんただ楽しめば良いんじゃない?」
女「たたたった楽しむ?」カチコチ
姉「友達と遊びに行くくらいの感覚でいいのよ」
女「むっ……難しい……」
姉「なんか困ったら電話しなさい」
女「わ、わかった」
姉「……本当に大丈夫なの?」
女「も、問題ないですっ……」
姉(だめそう…)
286: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/09(月) 01:51:46.17 ID:h1bxV/sB.net
この日は珍しく駅前で待ち合わせということになっていた
それも女からの提案で男は面倒くさかったのだが、風邪をひいていた間の恩もあってその案に賛成したのであった
男「……」
男が待ち合わせの場所に10分早く到着するとそこには
女「……」カチコチ
挙動不審な女が待っていた
男「はやいな」
女「ま、待った?」
男「……?待っていたのは君だろ?」
女「……あ、そっか」
男「……具合悪いのか?」
女「ぜ、全然待ってないよ!私もさっき来たところ!」
男「……」
女「さ、さーて!今日はどこ行く?」
男「君が遊園地に行きたいと言ったのだろう?」
女「わ、わー!遊園地!私行きたかったんだー!」
男「……本当に大丈夫か?」
女「……だだだだだいじょーぶだいじょーぶ!」
男「……だめそう」ボソッ
それも女からの提案で男は面倒くさかったのだが、風邪をひいていた間の恩もあってその案に賛成したのであった
男「……」
男が待ち合わせの場所に10分早く到着するとそこには
女「……」カチコチ
挙動不審な女が待っていた
男「はやいな」
女「ま、待った?」
男「……?待っていたのは君だろ?」
女「……あ、そっか」
男「……具合悪いのか?」
女「ぜ、全然待ってないよ!私もさっき来たところ!」
男「……」
女「さ、さーて!今日はどこ行く?」
男「君が遊園地に行きたいと言ったのだろう?」
女「わ、わー!遊園地!私行きたかったんだー!」
男「……本当に大丈夫か?」
女「……だだだだだいじょーぶだいじょーぶ!」
男「……だめそう」ボソッ
287: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/09(月) 02:02:00.49 ID:h1bxV/sB.net
移動は電車とバスを乗り継いで遊園地へ向う
女「……」カチコチ
男「……まさか緊張してるのか?」
女「なっ!そんな訳ないじゃん!」
電車内に響く声
男「電車の中では静かに」
女「そ、そうだね…」カチコチ
男「……」
女「……」カチコチ
男「……熱とかないよな?」
女「な、ないよ…」
男「……具合が悪いなら無理するなよ」
女(だめだ…慣れてないのがバレバレだ…)
男「この間はありがとう」
女「……え?」
男「色々面倒かけただろ?ああやって体調崩した時は一人だと本当に大変んなんだ」
男「助かった、ありがとう」
女「…う、うん」
女「……」カチコチ
男「……まさか緊張してるのか?」
女「なっ!そんな訳ないじゃん!」
電車内に響く声
男「電車の中では静かに」
女「そ、そうだね…」カチコチ
男「……」
女「……」カチコチ
男「……熱とかないよな?」
女「な、ないよ…」
男「……具合が悪いなら無理するなよ」
女(だめだ…慣れてないのがバレバレだ…)
男「この間はありがとう」
女「……え?」
男「色々面倒かけただろ?ああやって体調崩した時は一人だと本当に大変んなんだ」
男「助かった、ありがとう」
女「…う、うん」
288: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/09(月) 02:13:54.25 ID:h1bxV/sB.net
遊園地はそこまで規模は大きくないにしても家族連れやカップルが大勢集まって賑わっていた
男「混んでるな」
女「……うん」
男「みんな考える事は一緒ってことか」
女「……」カチコチ
男「なんか乗るか」
女「……うん」
男「まずはあれだな」
男が指さしたのはこの地域ではかなり評判のジェットコースターだ
それなりに混んではいるが、待ち時間は十数分程度だった
順番が回ってきた
男「……よし、いくぞ」
女「う、うん」カチコチ
シートに固定され、発車のアナウンスが流れる
ゆっくりと急なレールを登る
ギュッ……
女の手を男が握った
女「え?」
見ると男は目をキツく閉じて少し震えている
女「もしかしてジェットコースターにがt」
言い始める前にジェットコースターは滑走を始めた
男「あぁぁぁぁあああぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!」
男「おぁあぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁあ!!!」
男「ひゃぁぁあぁああっぁああっぁあぁあ!!!」
男「あぁぁぁぁぁあぁぁぁ………………」
急に静かになった
女「ちょっと!大丈夫!?」
男は目を見開いたまま左右上下に揺さぶられ、四肢を投げ出している
女の手はしっかりと握ったまま
男「混んでるな」
女「……うん」
男「みんな考える事は一緒ってことか」
女「……」カチコチ
男「なんか乗るか」
女「……うん」
男「まずはあれだな」
男が指さしたのはこの地域ではかなり評判のジェットコースターだ
それなりに混んではいるが、待ち時間は十数分程度だった
順番が回ってきた
男「……よし、いくぞ」
女「う、うん」カチコチ
シートに固定され、発車のアナウンスが流れる
ゆっくりと急なレールを登る
ギュッ……
女の手を男が握った
女「え?」
見ると男は目をキツく閉じて少し震えている
女「もしかしてジェットコースターにがt」
言い始める前にジェットコースターは滑走を始めた
男「あぁぁぁぁあああぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!」
男「おぁあぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁあ!!!」
男「ひゃぁぁあぁああっぁああっぁあぁあ!!!」
男「あぁぁぁぁぁあぁぁぁ………………」
急に静かになった
女「ちょっと!大丈夫!?」
男は目を見開いたまま左右上下に揺さぶられ、四肢を投げ出している
女の手はしっかりと握ったまま
289: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/09(月) 02:20:03.57 ID:h1bxV/sB.net
一周して元の発着所に戻ってきた頃には男は心神喪失状態だった
女「なんで苦手なのに乗ろうとか言い出したのよ!」
男「……ちょっと、面白そうだったから」
女に肩を貸してもらいながらヨタヨタと歩く男
女「もう、しっかりしてよね」
男「すまん…次はもっと大人しいので…」
女「苦手なら苦手って早く言ってy…」
女(もしかしてこいつ私の緊張を解こうとしてこんなムリを…)
女「……考えすぎか」
男「なにが……?」
女「なんでもない、次はあれ乗ろう!」
男「ちょ、引っ張らないで……」
もう自然に手を繋いでることにお互い何も気付いていなかった
女「なんで苦手なのに乗ろうとか言い出したのよ!」
男「……ちょっと、面白そうだったから」
女に肩を貸してもらいながらヨタヨタと歩く男
女「もう、しっかりしてよね」
男「すまん…次はもっと大人しいので…」
女「苦手なら苦手って早く言ってy…」
女(もしかしてこいつ私の緊張を解こうとしてこんなムリを…)
女「……考えすぎか」
男「なにが……?」
女「なんでもない、次はあれ乗ろう!」
男「ちょ、引っ張らないで……」
もう自然に手を繋いでることにお互い何も気付いていなかった
297: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/10(火) 00:39:17.77 ID:5u8vei8m.net
遊園地デートも終盤!
女「次は~」
男(なんでもいいがそろそろ疲れてきた……)
女「あれ!あれ行こう!」
女の指差したのは……
男「これって所謂お化け屋敷…?」
女「苦手?」
男「苦手というか、こういうお化けとか幽霊は一切信じてないタイプだから」
女「そういう奴ほどビビりって決まってんのよ、じゃぁ行こうか!」
女に促されるままアトラクションに向かう男
男はお化け屋敷と言ったがこれはかなり大規模な物で、途中のリタイアがかなり多い事で有名なアトラクションだった
女「かなり怖いらしいよ」
男「ん?『心拍数を測って平常心でゴールしたら賞品プレゼント』だってさ」
係員「こちらの計測器をつけて入って頂いてゴールした上で急な心拍数の上昇が無かった場合豪華賞品をプレゼントしています」
女「やる?」
男「やる」
腕時計のような計測器を受け取る男
男「君はやらないのか?」
女「絶対ムリだし」
チャレンジャーは多いようだが今までクリアした人は居ないらしい
女「絶対ムリだって」
男「やってみないとわからん」
係員「それではいってらっしゃいませー」
女「次は~」
男(なんでもいいがそろそろ疲れてきた……)
女「あれ!あれ行こう!」
女の指差したのは……
男「これって所謂お化け屋敷…?」
女「苦手?」
男「苦手というか、こういうお化けとか幽霊は一切信じてないタイプだから」
女「そういう奴ほどビビりって決まってんのよ、じゃぁ行こうか!」
女に促されるままアトラクションに向かう男
男はお化け屋敷と言ったがこれはかなり大規模な物で、途中のリタイアがかなり多い事で有名なアトラクションだった
女「かなり怖いらしいよ」
男「ん?『心拍数を測って平常心でゴールしたら賞品プレゼント』だってさ」
係員「こちらの計測器をつけて入って頂いてゴールした上で急な心拍数の上昇が無かった場合豪華賞品をプレゼントしています」
女「やる?」
男「やる」
腕時計のような計測器を受け取る男
男「君はやらないのか?」
女「絶対ムリだし」
チャレンジャーは多いようだが今までクリアした人は居ないらしい
女「絶対ムリだって」
男「やってみないとわからん」
係員「それではいってらっしゃいませー」
298: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/10(火) 00:44:13.63 ID:5u8vei8m.net
心拍数が一定値を超える上昇を計測するとアラームが鳴るようになっている
女「…もうドキドキしてきたんだけど」ドキドキ
男「暗いな」
中は薄暗く迷路の様になっている
女「うわぁ…なにあれ……」
進んだ先には牢の中でうずくまる人影
男「さぁ?囚人とかそういう設定?」
牢の前を通り過ぎようとした時
ウガァァァ!!
女「ぎゃぁぁぁぁ!!」
人影が牢の鉄格子に飛びかかってきた
男「…なんとなくわかってた」
女「……なんか私だけ驚いて悔しいんだけど」
男「あれくらいではなぁ…」
女「つ、次いこ…次…」
女「…もうドキドキしてきたんだけど」ドキドキ
男「暗いな」
中は薄暗く迷路の様になっている
女「うわぁ…なにあれ……」
進んだ先には牢の中でうずくまる人影
男「さぁ?囚人とかそういう設定?」
牢の前を通り過ぎようとした時
ウガァァァ!!
女「ぎゃぁぁぁぁ!!」
人影が牢の鉄格子に飛びかかってきた
男「…なんとなくわかってた」
女「……なんか私だけ驚いて悔しいんだけど」
男「あれくらいではなぁ…」
女「つ、次いこ…次…」
299: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/10(火) 00:51:38.20 ID:5u8vei8m.net
進む二人
女「くるくるくるくる……」
ガァァァァッ!!
突如壁からゾンビが飛びかかってきた
女「きたぁぁっ!!!」ビクッ
男「足元にセンサーが」
女「……つ、次行こう」
進む二人
女「きゃぁぁぁぁ!!」
男「鏡だ」
進む二人
女「ぎゃぁぁぁ!!」
男「ちょっとうるさい」
更に進む二人
女「ぜ……全然怖くないの?」
男「怖いっていうかびっくり系ばっかじゃん」
男「ストップ」
女「…な、なに?」
男「落ち着いていけば大体くるってわかる、そこにセンサーがある」
男がセンサーを反応させる
ウガァー!!
飛び出すゾンビ
男「…な?」
女「……」
男「なんで不機嫌そうなの?」
女「もっと怖がってよ」
男「えー……」
女「くるくるくるくる……」
ガァァァァッ!!
突如壁からゾンビが飛びかかってきた
女「きたぁぁっ!!!」ビクッ
男「足元にセンサーが」
女「……つ、次行こう」
進む二人
女「きゃぁぁぁぁ!!」
男「鏡だ」
進む二人
女「ぎゃぁぁぁ!!」
男「ちょっとうるさい」
更に進む二人
女「ぜ……全然怖くないの?」
男「怖いっていうかびっくり系ばっかじゃん」
男「ストップ」
女「…な、なに?」
男「落ち着いていけば大体くるってわかる、そこにセンサーがある」
男がセンサーを反応させる
ウガァー!!
飛び出すゾンビ
男「…な?」
女「……」
男「なんで不機嫌そうなの?」
女「もっと怖がってよ」
男「えー……」
300: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/10(火) 00:57:20.23 ID:5u8vei8m.net
進む二人
女「ぎゃぁぁぁ!!」
男「わー」
女「でたぁぁっ!!」
男「おわー」
女「やぁぁぁ!!!」
男「およー」
女「はぁ…はぁ…」
男「ながいねー」
女「全然驚かないじゃない」
男「そもそも慣れた」
女「もうすぐ出口ね……」
男「機械ばっかで怖くなかったな」
女「あんたね、そういう事ばっか」
女が言いかけたところで
ウガァァッ!!!
トドメとばかりにゾンビが飛び出した
女「ぎゃぁぁぁ!!」
油断していた女は今日一で驚き飛び上がった
ピーーーーーーーーー
男「あ」
女「あ」
計測器が鳴った
女「な、なぁんだ……怖かったんじゃない」
男「……」
女は気がついていなかったが男は決してゾンビに驚いたのではない
女「ぎゃぁぁぁ!!」
男「わー」
女「でたぁぁっ!!」
男「おわー」
女「やぁぁぁ!!!」
男「およー」
女「はぁ…はぁ…」
男「ながいねー」
女「全然驚かないじゃない」
男「そもそも慣れた」
女「もうすぐ出口ね……」
男「機械ばっかで怖くなかったな」
女「あんたね、そういう事ばっか」
女が言いかけたところで
ウガァァッ!!!
トドメとばかりにゾンビが飛び出した
女「ぎゃぁぁぁ!!」
油断していた女は今日一で驚き飛び上がった
ピーーーーーーーーー
男「あ」
女「あ」
計測器が鳴った
女「な、なぁんだ……怖かったんじゃない」
男「……」
女は気がついていなかったが男は決してゾンビに驚いたのではない
301: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/10(火) 01:07:10.80 ID:5u8vei8m.net
あの時驚き飛び上がった女がとっさに男に抱きついたのが原因だった
男「……ああいうのは反則だ」
女「なにが?」
結局出口までたどり着いたものの初の成功は成し遂げられなかった
女「なんで最後のアレでダメだったの?」
男「君のせいだ」
女「なんでよー!」
男「出てくるのは分かってた」
女「そんなの言い訳でしょー?」
男「……」
あたりはもう暗くなり始めていた
女「……帰ろっか」
男「そうだね」
女(もう……二人で来ることはないのかな……)
男「……今度来た時こそクリアするぞ」
女「え……?」
男「あの係員のドヤ顔がムカついた…絶対次はクリアする!」
女「また…一緒に……」ボソッ
男「ん?なんだって?」
女「……」
男「なに?」
女「今度はジェットコースターにも挑戦だからね」
男「……それはやめとこう」
女「なんでよーw」
男「あれはダメだ、危険すぎる」
この日が思い出に残るのが女にとって嬉しく、どこか寂しく悲しいと思ってしまった
男「……ああいうのは反則だ」
女「なにが?」
結局出口までたどり着いたものの初の成功は成し遂げられなかった
女「なんで最後のアレでダメだったの?」
男「君のせいだ」
女「なんでよー!」
男「出てくるのは分かってた」
女「そんなの言い訳でしょー?」
男「……」
あたりはもう暗くなり始めていた
女「……帰ろっか」
男「そうだね」
女(もう……二人で来ることはないのかな……)
男「……今度来た時こそクリアするぞ」
女「え……?」
男「あの係員のドヤ顔がムカついた…絶対次はクリアする!」
女「また…一緒に……」ボソッ
男「ん?なんだって?」
女「……」
男「なに?」
女「今度はジェットコースターにも挑戦だからね」
男「……それはやめとこう」
女「なんでよーw」
男「あれはダメだ、危険すぎる」
この日が思い出に残るのが女にとって嬉しく、どこか寂しく悲しいと思ってしまった
310: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/11(水) 00:32:16.73 ID:da6U1mx5.net
12月中旬のある日
女「あのさ」
男「ん?」モッシャモッシャ
弁当にがっついていた男が顔を上げた
女「もうすぐクリスマスなんだけど」
男「そだね」モッシャモッシャ
女「ちゃんと予定開けておいてよね」
男「ん」モッシャモッシャ
男「あ、そういえば」
女「なに?」
男「年末年始は家に帰ろうとおもってる」
女「え?家って両親の?」
男「うん」
女「ちょっとまってよ!初詣は?」
男「……こっち戻ったら」
女「やだやだやだやだ!」
男「えー」
女「だってそういうのもお約束でしょ!」
男「そのお約束がよくわかんねぇ」
女「あのさ」
男「ん?」モッシャモッシャ
弁当にがっついていた男が顔を上げた
女「もうすぐクリスマスなんだけど」
男「そだね」モッシャモッシャ
女「ちゃんと予定開けておいてよね」
男「ん」モッシャモッシャ
男「あ、そういえば」
女「なに?」
男「年末年始は家に帰ろうとおもってる」
女「え?家って両親の?」
男「うん」
女「ちょっとまってよ!初詣は?」
男「……こっち戻ったら」
女「やだやだやだやだ!」
男「えー」
女「だってそういうのもお約束でしょ!」
男「そのお約束がよくわかんねぇ」
311: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/11(水) 00:45:10.29 ID:da6U1mx5.net
女「初詣は絶対行くからね!」
男「家族との団欒も大事だよ」
女「じゃぁ私はどうでもいいって訳?」
男「うん」
女「……くっ、そういう奴だったわねあんた」
男「4日に戻るよ」
女「遅い」
男「なら12月に30日いくか」
女「はやい!ってかそれ初詣でもなんでもない!」
男「いつがいいんだよ……」
女「じゃぁ2日には帰ってきてよ」
男「えー」
女「……」
男「……わかったよ」
女「やった!」
男「家族との団欒も大事だよ」
女「じゃぁ私はどうでもいいって訳?」
男「うん」
女「……くっ、そういう奴だったわねあんた」
男「4日に戻るよ」
女「遅い」
男「なら12月に30日いくか」
女「はやい!ってかそれ初詣でもなんでもない!」
男「いつがいいんだよ……」
女「じゃぁ2日には帰ってきてよ」
男「えー」
女「……」
男「……わかったよ」
女「やった!」
312: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/11(水) 00:51:59.29 ID:da6U1mx5.net
その日の放課後
女「この後暇?」
男「暇じゃないけど予定はない」
女「暇ね、これから女友と新しく出来たたこ焼き屋さん行くんだけど来なさい」
男「そこは普通くるかどうかの確認じゃね?」
女「おごったげるから」
男「わーい」
女「あんたそんなのりで変な人についてっちゃだめよ」
男「じゃやめとく」
女「おい」
男「冗談だってば、そのハサミ下ろして」
女「最近こういう恐怖による躾が効果的って覚えてきた」
男「いつからペットに格下げになったんだ」
女「ほら、行くよ」
男「へーい」
女「この後暇?」
男「暇じゃないけど予定はない」
女「暇ね、これから女友と新しく出来たたこ焼き屋さん行くんだけど来なさい」
男「そこは普通くるかどうかの確認じゃね?」
女「おごったげるから」
男「わーい」
女「あんたそんなのりで変な人についてっちゃだめよ」
男「じゃやめとく」
女「おい」
男「冗談だってば、そのハサミ下ろして」
女「最近こういう恐怖による躾が効果的って覚えてきた」
男「いつからペットに格下げになったんだ」
女「ほら、行くよ」
男「へーい」
313: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/11(水) 01:00:31.64 ID:da6U1mx5.net
玄関で女友と合流してたこ焼き屋に向かう2人と1匹
男「そう言えば二人の関係って聞いたこと無かったよね?」
女「そうだっけ?」
女友「小学校からの同級生だよ」
男「ほー」
女「なんだかんだで凄い縁あるよね」
女友「小学校の頃からなんだでずっと一緒だったもんね」
女「もうお互いのことは大抵知ってるよね」
女友「だから女に彼氏が出来たって聞いて驚いたよ」
男「だろうな、こんなワガママで図々しい姿を見ればなんとなくわかる」
女友「昔から見た目は可愛いから初見で寄ってくる男子は多かったんだけど2、3口を開けばみんな離れていったよね」
男「安易に想像できる」
女「あんたらね……」
男「そう言えば二人の関係って聞いたこと無かったよね?」
女「そうだっけ?」
女友「小学校からの同級生だよ」
男「ほー」
女「なんだかんだで凄い縁あるよね」
女友「小学校の頃からなんだでずっと一緒だったもんね」
女「もうお互いのことは大抵知ってるよね」
女友「だから女に彼氏が出来たって聞いて驚いたよ」
男「だろうな、こんなワガママで図々しい姿を見ればなんとなくわかる」
女友「昔から見た目は可愛いから初見で寄ってくる男子は多かったんだけど2、3口を開けばみんな離れていったよね」
男「安易に想像できる」
女「あんたらね……」
314: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/11(水) 01:07:22.82 ID:da6U1mx5.net
たこ焼きを買って近くの公園で食べる3人
男「うまい」
女「そう?なんかちょっと微妙」
女友「……あ、そう言えば女の色恋沙汰で唯一…えーっと、1人だけ……ほら、中学の時のあの先輩」
女「え?ああ……」
男「?」
女友「結構仲よかったよね」
女「そんなこともあったねー」
女友「あの先輩はいまどうしてるの?」
女「さぁね、受験した高校がどっか遠いとこで卒業したっきりだったから」
男「へー、一応そういう物好きな人もいたんだ」
女友「結構カッコよかったんだよ」
女「あの時ちゃんと勇気出して行動してたらなー」
男「ほんとだな、人生で唯一のチャンスかもしれなかったのに」
女「おい」
男「わかったからその楊枝を下げて」
男「うまい」
女「そう?なんかちょっと微妙」
女友「……あ、そう言えば女の色恋沙汰で唯一…えーっと、1人だけ……ほら、中学の時のあの先輩」
女「え?ああ……」
男「?」
女友「結構仲よかったよね」
女「そんなこともあったねー」
女友「あの先輩はいまどうしてるの?」
女「さぁね、受験した高校がどっか遠いとこで卒業したっきりだったから」
男「へー、一応そういう物好きな人もいたんだ」
女友「結構カッコよかったんだよ」
女「あの時ちゃんと勇気出して行動してたらなー」
男「ほんとだな、人生で唯一のチャンスかもしれなかったのに」
女「おい」
男「わかったからその楊枝を下げて」
323: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/12(木) 02:46:54.10 ID:BqxIB20a.net
翌朝
男宅
この日は彼氏シフトな男
つまり
女「おっはよー!」
男「……」
女「おはようってばー!」
男「……うるさい」
女「わざわざ起こしにきてあげてんだからさー」
男「……来たくてきてるんだろ……」
女「うんっ!」
男「もう少し寝たい……」
女「遅刻するよ?」
男「…………」
女「遅刻するつもり?」
男「……起きる」
女「よし」
布団からのっそり起き上がった男
次の瞬間には人知を超えた速さでコタツにもぐり込んでいる男
女「はやっ!!」
男「無理だ、寒かった」
女「なら早く着替えなさいよ」
男「じゃぁ季節を夏にして」
女「どうせ夏は夏でだるいとか言ってぐーたらでしょ?」
男「……うん」
男宅
この日は彼氏シフトな男
つまり
女「おっはよー!」
男「……」
女「おはようってばー!」
男「……うるさい」
女「わざわざ起こしにきてあげてんだからさー」
男「……来たくてきてるんだろ……」
女「うんっ!」
男「もう少し寝たい……」
女「遅刻するよ?」
男「…………」
女「遅刻するつもり?」
男「……起きる」
女「よし」
布団からのっそり起き上がった男
次の瞬間には人知を超えた速さでコタツにもぐり込んでいる男
女「はやっ!!」
男「無理だ、寒かった」
女「なら早く着替えなさいよ」
男「じゃぁ季節を夏にして」
女「どうせ夏は夏でだるいとか言ってぐーたらでしょ?」
男「……うん」
324: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/12(木) 02:50:43.58 ID:BqxIB20a.net
女「……ほら、着替えたらあったかくなるよ」
男「制服……」
女「え?」
男「制服布団に入れて」
女「布団ってさっきまで寝てた?」
男「うん……」
女「シワになるよ……?」
と言いつつ訳も分からず言われた通りにする女
女「はい、これでどうすんの?」
再び人知を超えた速さで布団に戻る男
もぞもぞ蠢めく布団
そしてのそのそ出てきたのは制服を着た男
男「……さむい」
女「蛹から成虫になって登場ってかんじ……」
男「……本気で冬眠を考えるレベルで寒いの嫌い」
男「制服……」
女「え?」
男「制服布団に入れて」
女「布団ってさっきまで寝てた?」
男「うん……」
女「シワになるよ……?」
と言いつつ訳も分からず言われた通りにする女
女「はい、これでどうすんの?」
再び人知を超えた速さで布団に戻る男
もぞもぞ蠢めく布団
そしてのそのそ出てきたのは制服を着た男
男「……さむい」
女「蛹から成虫になって登場ってかんじ……」
男「……本気で冬眠を考えるレベルで寒いの嫌い」
326: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/12(木) 03:00:57.90 ID:BqxIB20a.net
流石に12月ともなると冬といった感じが出てくる
女友「おっはよー!」
女「おはよー」
女友「最近急に冷えたよね」
女「もうすぐ雪ふるかもねー」
女友「今年はクリスマスに雪降るのかな?」
女「今年のクリスマスは降るって言ってたよ」
女友「今年は彼氏とクリスマスかー、いいなー」
女「もう孤独なジングルベルはごめんだぜ」
女友「孤独な私に謝れこのやろー」
男「そもそもクリスマスって何するんだ?」
女「何って……カップがいちゃいちゃしてー」
女友「そんでもっていちゃいちゃしてー」
男「まじキリスト涙目、ザビエルも激昂してスーパーサイヤ人になるレベル」
女「ザビエルサイヤ人じゃないし」
女友「おっはよー!」
女「おはよー」
女友「最近急に冷えたよね」
女「もうすぐ雪ふるかもねー」
女友「今年はクリスマスに雪降るのかな?」
女「今年のクリスマスは降るって言ってたよ」
女友「今年は彼氏とクリスマスかー、いいなー」
女「もう孤独なジングルベルはごめんだぜ」
女友「孤独な私に謝れこのやろー」
男「そもそもクリスマスって何するんだ?」
女「何って……カップがいちゃいちゃしてー」
女友「そんでもっていちゃいちゃしてー」
男「まじキリスト涙目、ザビエルも激昂してスーパーサイヤ人になるレベル」
女「ザビエルサイヤ人じゃないし」
327: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/12(木) 03:08:47.08 ID:BqxIB20a.net
女友「てかさー、二人はd」
「あれ?もしかして女?」
女「え?」
急に声をかけてきた若い男性
女「……先輩……?」
先輩「やっぱり!元気だったか?」
男「……だれ?」
女友「昨日話してた……」
男「昔仲良かった先輩か」
女「お久しぶりです!びっくりしましたよー!」
先輩「それはこっちのセリフだって!まさかこんな所で会うなんて」
二人の仲の良さはすぐにわかった
先輩「いまそこのビルの会社で働いてんだ」
女「え?そうなんですか?」
先輩「俺受験失敗してさー」
女「そうだったんですか」
先輩「ま、今となってはこうして無事働けてるからいいんだけどさ」
女「まさかこんなに近くにいたなんて」
先輩「俺も色々気まずくってな」
何気ない再会を喜ぶ会話だったのだが、女の楽しそうな姿が少し男の心中をざわつかせた
「あれ?もしかして女?」
女「え?」
急に声をかけてきた若い男性
女「……先輩……?」
先輩「やっぱり!元気だったか?」
男「……だれ?」
女友「昨日話してた……」
男「昔仲良かった先輩か」
女「お久しぶりです!びっくりしましたよー!」
先輩「それはこっちのセリフだって!まさかこんな所で会うなんて」
二人の仲の良さはすぐにわかった
先輩「いまそこのビルの会社で働いてんだ」
女「え?そうなんですか?」
先輩「俺受験失敗してさー」
女「そうだったんですか」
先輩「ま、今となってはこうして無事働けてるからいいんだけどさ」
女「まさかこんなに近くにいたなんて」
先輩「俺も色々気まずくってな」
何気ない再会を喜ぶ会話だったのだが、女の楽しそうな姿が少し男の心中をざわつかせた
339: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/13(金) 01:12:17.17 ID:WuV6Y+rg.net
その日の放課後
女「……私先に帰るね」
男「用事か?」
女「ま、まぁね……」
男「……じゃ、また明日」
女「うん」
男「……」
女友「あ…あのさ…」
男「……なんだ?」
女友「……大丈夫?」
男「なんの話だ?」
女友「いや、だって……」
言わなくても何が言いたいのか分かった
男「あの先輩の事か?」
女友「……うん」
男「別に俺は気にしていない」
女友「だって彼氏としては……」
男「それはあくまで仮n……」
男「……いや、なんでもない」
女友「大丈夫、あの子は浮気なんてしないよ…」
男(浮気か……むしろ俺はこの状況を喜ぶべきなんだよな)
男「……何も心配はいらないさ、俺もあいつも大丈夫」
女「……私先に帰るね」
男「用事か?」
女「ま、まぁね……」
男「……じゃ、また明日」
女「うん」
男「……」
女友「あ…あのさ…」
男「……なんだ?」
女友「……大丈夫?」
男「なんの話だ?」
女友「いや、だって……」
言わなくても何が言いたいのか分かった
男「あの先輩の事か?」
女友「……うん」
男「別に俺は気にしていない」
女友「だって彼氏としては……」
男「それはあくまで仮n……」
男「……いや、なんでもない」
女友「大丈夫、あの子は浮気なんてしないよ…」
男(浮気か……むしろ俺はこの状況を喜ぶべきなんだよな)
男「……何も心配はいらないさ、俺もあいつも大丈夫」
340: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/13(金) 01:22:31.92 ID:WuV6Y+rg.net
クリスマスまで1週間と迫ったある日
女からは先輩についての話は出ていなかった
女「でさー、やっぱりクリスマスはどこも混むと思うんだよね」
男「へー……」
女「結局なんかいつもと変わんないけどあんたの部屋でパーリィしようと思うんだけど」
男「……いいんじゃない」
女「……なんか考え事?」
男「ま、そんなとこ」
女「まさかクリスマス予定あるとか言わないよね?」
男「俺は大丈夫」
女「俺は……?誰か呼ぶつもり?」
男「誰ってか……君の方こそ予定ないのか?」
女「小さい頃は家族でってのもあったんだけどおねーちゃんも彼氏とどっか行くって言ってたし」
男「……そうか」
女「なんなのー?」
男「いやなんでも」
男(なぜ俺がこんなに気を使わなきゃいけないんだ……、そもそも気の使い方とか悟空じゃねぇんだからわかんねーっての)
女からは先輩についての話は出ていなかった
女「でさー、やっぱりクリスマスはどこも混むと思うんだよね」
男「へー……」
女「結局なんかいつもと変わんないけどあんたの部屋でパーリィしようと思うんだけど」
男「……いいんじゃない」
女「……なんか考え事?」
男「ま、そんなとこ」
女「まさかクリスマス予定あるとか言わないよね?」
男「俺は大丈夫」
女「俺は……?誰か呼ぶつもり?」
男「誰ってか……君の方こそ予定ないのか?」
女「小さい頃は家族でってのもあったんだけどおねーちゃんも彼氏とどっか行くって言ってたし」
男「……そうか」
女「なんなのー?」
男「いやなんでも」
男(なぜ俺がこんなに気を使わなきゃいけないんだ……、そもそも気の使い方とか悟空じゃねぇんだからわかんねーっての)
341: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/13(金) 01:30:12.64 ID:WuV6Y+rg.net
女宅
女(明日はあいつとは友達の日か)
ベッドに潜り込みまさに寝ようとした時
携帯が鳴った
女(……ラインの通知?)
女(明日の朝確認しよう)
目をキツく閉じて眠ろうとするがむしろ……
女(……気になって寝れん)
身体を起こし、携帯を確認する
女「誰よ……」
女(……えっ)
それは以前再会した時にIDを交換したあの先輩からだった
先輩『4年前伝え忘れた事があるんだ、クリスマスあいてる?』
女(明日はあいつとは友達の日か)
ベッドに潜り込みまさに寝ようとした時
携帯が鳴った
女(……ラインの通知?)
女(明日の朝確認しよう)
目をキツく閉じて眠ろうとするがむしろ……
女(……気になって寝れん)
身体を起こし、携帯を確認する
女「誰よ……」
女(……えっ)
それは以前再会した時にIDを交換したあの先輩からだった
先輩『4年前伝え忘れた事があるんだ、クリスマスあいてる?』
351: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/14(土) 01:35:10.50 ID:o8BXddu8.net
翌々日(日曜日)
男「そうだ、少し聞きたかったんだが」
女「な、なに……?」
男「クリスマスの予定を空けておけと言われたが25日を空けておけば良いのか?」
女「あー、それなんだけど」
男「ん?」
女「ちょっと野暮用できちゃったからちょっと遅い時間になるかも」
男「……ん、わかった」
女(……流石に25日の午前中先輩と会うなんて言えないよね)
男「……」
女「……」
男「……鍋で良いか?」
女「な、なにが?」
男「クリスマスのパーリィだ」
女「クリスマスに鍋って……」
男「なんか希望あるのか?」
女「まぁ、ケーキは欲しいよね」
男「……わかった、準備しておく」
女(なんだろ……この浮気してる様な気分……)
男「そうだ、少し聞きたかったんだが」
女「な、なに……?」
男「クリスマスの予定を空けておけと言われたが25日を空けておけば良いのか?」
女「あー、それなんだけど」
男「ん?」
女「ちょっと野暮用できちゃったからちょっと遅い時間になるかも」
男「……ん、わかった」
女(……流石に25日の午前中先輩と会うなんて言えないよね)
男「……」
女「……」
男「……鍋で良いか?」
女「な、なにが?」
男「クリスマスのパーリィだ」
女「クリスマスに鍋って……」
男「なんか希望あるのか?」
女「まぁ、ケーキは欲しいよね」
男「……わかった、準備しておく」
女(なんだろ……この浮気してる様な気分……)
352: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/14(土) 01:44:03.97 ID:o8BXddu8.net
クリスマス当日
街はクリスマスムード一色
その中を一人買い物に出ていた男
男「思わず新しい鍋を買ってしまった」
鍋の材料と新しい土鍋を抱えて商店街を歩く
男「あとは……ケーキか」
その時携帯が鳴った
男「……手が離せない時に限って」
四苦八苦しながら携帯を取り出してみると
男(……女友?)
珍しい人物からの着信だった
男「もしもし?」
女友『あ!男くん!?今どこ!?』
男「今?商店街だけど」
女友『とにかく来て!』
男「なんで……今結構忙しいんだけど」
女友『すぐに!』
手短に場所だけ言い残して一方的に切られた
男「……なんだってんだよ」
だが男にもただ事ではないのはわかった
男「……いったん帰ってからで良いか」
街はクリスマスムード一色
その中を一人買い物に出ていた男
男「思わず新しい鍋を買ってしまった」
鍋の材料と新しい土鍋を抱えて商店街を歩く
男「あとは……ケーキか」
その時携帯が鳴った
男「……手が離せない時に限って」
四苦八苦しながら携帯を取り出してみると
男(……女友?)
珍しい人物からの着信だった
男「もしもし?」
女友『あ!男くん!?今どこ!?』
男「今?商店街だけど」
女友『とにかく来て!』
男「なんで……今結構忙しいんだけど」
女友『すぐに!』
手短に場所だけ言い残して一方的に切られた
男「……なんだってんだよ」
だが男にもただ事ではないのはわかった
男「……いったん帰ってからで良いか」
354: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/14(土) 02:16:18.57 ID:o8BXddu8.net
家に買い物袋を置いて男は指定された場所へ来た
男「……で?」
その場所は男のいた商店街とは反対側に位置する若者向けの商店街
しかもクリスマスともなればカップルの巣窟だ
男「……なにこれいじめ?」
カップルひしめく場所に野郎が1人でたたずむ姿は完全に浮いていた
女友「こっちこっち!」
男「なんだよー」
女友「どうせ女になんのプレゼントも考えてないんでしょ?」
男「……あ」
女友「そんなあからさまに忘れてたって顔したら女怒るよ」
男「ど、どうしよ……」アワアワ
男「……で?」
その場所は男のいた商店街とは反対側に位置する若者向けの商店街
しかもクリスマスともなればカップルの巣窟だ
男「……なにこれいじめ?」
カップルひしめく場所に野郎が1人でたたずむ姿は完全に浮いていた
女友「こっちこっち!」
男「なんだよー」
女友「どうせ女になんのプレゼントも考えてないんでしょ?」
男「……あ」
女友「そんなあからさまに忘れてたって顔したら女怒るよ」
男「ど、どうしよ……」アワアワ
355: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/14(土) 02:17:42.53 ID:o8BXddu8.net
女友「そこであれよ!」
指差す先には人集りが
それも男ばかり
男「何やってるんだ?」
女友「クリスマスに彼女へのプレゼントをかけたアームレスリング大会よ!」
男「……腕相撲大会か」
女友「5連勝したら豪華プレゼントGETな訳よ!」
男「なるほど」
女友「ってことで10連勝してください」
男「……5連勝だろ?」
女友「情報料」
男「……なるほど、だが一つ大きな問題が」
上着を脱ぐ男
男「俺弱いぞ」
女友「腕ほっそ!!」
男「……どうしよう」
女友「こうなったら……!」
指差す先には人集りが
それも男ばかり
男「何やってるんだ?」
女友「クリスマスに彼女へのプレゼントをかけたアームレスリング大会よ!」
男「……腕相撲大会か」
女友「5連勝したら豪華プレゼントGETな訳よ!」
男「なるほど」
女友「ってことで10連勝してください」
男「……5連勝だろ?」
女友「情報料」
男「……なるほど、だが一つ大きな問題が」
上着を脱ぐ男
男「俺弱いぞ」
女友「腕ほっそ!!」
男「……どうしよう」
女友「こうなったら……!」
356: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/14(土) 02:23:42.00 ID:o8BXddu8.net
腕相撲大会の会場に歓声が上がった
「つ、強い!!この男強すぎるー!!あっという間に3連勝!!」
その歓声の中心に居るのは男だった
男「さぁ4戦目始めようぜ!」
次の相手が席に着く
それなりにガタイの良い相手だ
ゴングが鳴る
相手A「ふんっ!!」
一気に土俵際まで押される男
男「んぐぐぐ……!!」
ギリギリで耐える
男「な、なぁ……?」
相手A「なんだ……?」
ふと顔を上げて男を見ると
この世のものとは思えない顔をした男
相手A「んぶふぉっ!!w」
男「スキありっ!!」
男の逆転勝利だ
ここまでの4戦全て変顔で勝っている
女友「我ながら良い作戦だ」
男「なんか勝ったのに悔しいのは……」
「つ、強い!!この男強すぎるー!!あっという間に3連勝!!」
その歓声の中心に居るのは男だった
男「さぁ4戦目始めようぜ!」
次の相手が席に着く
それなりにガタイの良い相手だ
ゴングが鳴る
相手A「ふんっ!!」
一気に土俵際まで押される男
男「んぐぐぐ……!!」
ギリギリで耐える
男「な、なぁ……?」
相手A「なんだ……?」
ふと顔を上げて男を見ると
この世のものとは思えない顔をした男
相手A「んぶふぉっ!!w」
男「スキありっ!!」
男の逆転勝利だ
ここまでの4戦全て変顔で勝っている
女友「我ながら良い作戦だ」
男「なんか勝ったのに悔しいのは……」
357: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/14(土) 02:29:57.61 ID:o8BXddu8.net
男「何がどうあれ次勝てばプレゼントゲットだ」
女友「あと6勝ね」
男「……」
次に席に着いたのは
姉彼「ヨロシクオモイマス」
ボビーオロゴン風のガチムチ男が席に着いた
男「……しんだ」
女友「……おわった」
その横には見知った顔が
姉「あら、男くんじゃない」
男「……この人お姉さんの彼氏ですか?」
姉「まぁね」
姉彼「ウデヒモミタイネ」
男(よりによって最悪な相手キター!!)
女友は既に諦めている
ゴングが鳴った
男の3倍以上あるような腕の相手に勝てるはずもなく
姉彼「……?」
瞬殺されるかと思いきやあと少しのところで踏ん張る男
男「んぎぎぎぎぎっ……!!」
女友「あと6勝ね」
男「……」
次に席に着いたのは
姉彼「ヨロシクオモイマス」
ボビーオロゴン風のガチムチ男が席に着いた
男「……しんだ」
女友「……おわった」
その横には見知った顔が
姉「あら、男くんじゃない」
男「……この人お姉さんの彼氏ですか?」
姉「まぁね」
姉彼「ウデヒモミタイネ」
男(よりによって最悪な相手キター!!)
女友は既に諦めている
ゴングが鳴った
男の3倍以上あるような腕の相手に勝てるはずもなく
姉彼「……?」
瞬殺されるかと思いきやあと少しのところで踏ん張る男
男「んぎぎぎぎぎっ……!!」
358: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/14(土) 02:35:51.71 ID:o8BXddu8.net
ただ変顔をする余裕がない男
男「んぎぎぎぎぎ!!」
必死に耐える
女友「男くん!流石に無理だって!」
男「うごぉっ!!」
姉彼「オマエケッコウカンバルネ」
男の腕がミシミシと軋み始める
女友「男くん……女のためにそこまで……」
男「俺の腕はっ……!ひもじゃなぁぁぁぁい!!!」
スタート位置まで立て直した男
姉彼「マジカヨ」
男「な、なぁ……?」
姉彼「?」
男の顔を見た姉彼が吹き出した
男「どぉぉぉりぁぁぁぁ!!」
男「んぎぎぎぎぎ!!」
必死に耐える
女友「男くん!流石に無理だって!」
男「うごぉっ!!」
姉彼「オマエケッコウカンバルネ」
男の腕がミシミシと軋み始める
女友「男くん……女のためにそこまで……」
男「俺の腕はっ……!ひもじゃなぁぁぁぁい!!!」
スタート位置まで立て直した男
姉彼「マジカヨ」
男「な、なぁ……?」
姉彼「?」
男の顔を見た姉彼が吹き出した
男「どぉぉぉりぁぁぁぁ!!」
359: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/14(土) 02:43:36.19 ID:o8BXddu8.net
男「……腕が変なんだけど」
腕が奇妙な方向に曲がっている
姉「まさか女へのプレゼント取りに来てるなんてねー」
男「こっちだってあんな化け物みたいな彼氏いるなんて驚きましたよ」
姉「あれ実は彼氏じゃないんだよね」
男「へ?」
姉「あれ実は女の子なの」
男「……」
姉「女もなんか勘違いしてるみたいなんだけどねー、ほんと失礼よねー」
男「……」
腕が奇妙な方向に曲がっている
姉「まさか女へのプレゼント取りに来てるなんてねー」
男「こっちだってあんな化け物みたいな彼氏いるなんて驚きましたよ」
姉「あれ実は彼氏じゃないんだよね」
男「へ?」
姉「あれ実は女の子なの」
男「……」
姉「女もなんか勘違いしてるみたいなんだけどねー、ほんと失礼よねー」
男「……」
360: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/14(土) 02:49:29.67 ID:o8BXddu8.net
姉「まぁ良かったじゃないプレゼントゲット出来たんだし」
男「その分情報料も持ってかれましたしけどね」
女友には情報料として別のプレゼントを買わされた男
姉「今日はあの子と来てたんじゃないのね」
男「なんか用事があるとかで夕方からの約束っす」
姉「用事……?てっきり朝からどっか出かけたから男くんとの約束かとおもってたんだけどなー」
男「……そういえば女友とも一緒にいないって事は……」
ふとある考えが浮かんだが
男(……ま、それはないか)
男「その分情報料も持ってかれましたしけどね」
女友には情報料として別のプレゼントを買わされた男
姉「今日はあの子と来てたんじゃないのね」
男「なんか用事があるとかで夕方からの約束っす」
姉「用事……?てっきり朝からどっか出かけたから男くんとの約束かとおもってたんだけどなー」
男「……そういえば女友とも一緒にいないって事は……」
ふとある考えが浮かんだが
男(……ま、それはないか)
362: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/14(土) 02:52:55.76 ID:o8BXddu8.net
姉「どうせだからこの辺ででお昼食べてかない?」
姉彼改め、姉友も腹が減っている様だ
男「いいですけど」
姉「もちろん男くんのおごりね?君のせいでプレゼント取り損ねたんだし」
男「そもそも女の子を彼氏に見立てて参戦させてる時点で失格ですって」
姉「あれ?」
男「どうしました?」
姉「あ、振り向いちゃダメ!」
男「はぁ?」
姉彼改め、姉友も腹が減っている様だ
男「いいですけど」
姉「もちろん男くんのおごりね?君のせいでプレゼント取り損ねたんだし」
男「そもそも女の子を彼氏に見立てて参戦させてる時点で失格ですって」
姉「あれ?」
男「どうしました?」
姉「あ、振り向いちゃダメ!」
男「はぁ?」
363: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/14(土) 02:55:48.05 ID:o8BXddu8.net
姉「……」
男「なんなんですか?」
姉「いや……その……」
男「なんか居たんですか?」
姉「……見てもいいけど、覚悟してね」
男「そんな大袈裟なw」
男「……っ!!」
後ろを振り返った男は思わず息を飲んだ
そこには楽しそうに談笑している女と例の先輩だった
男「なんなんですか?」
姉「いや……その……」
男「なんか居たんですか?」
姉「……見てもいいけど、覚悟してね」
男「そんな大袈裟なw」
男「……っ!!」
後ろを振り返った男は思わず息を飲んだ
そこには楽しそうに談笑している女と例の先輩だった
373: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/15(日) 00:07:13.00 ID:HKrdSoHI.net
姉「……なんか仲よさそうね」
男「元々仲よかった先輩らしいっす」
怪しげな関係の2人を尾行する怪しげな2人
姉友もといボビ子は腹が減ったとかで1人でファミレスに入っていった
2人は昼食返上で尾行していた
姉「楽しそうね……」
男「そーっすね」
会話の内容までは聞き取れないが盛り上がっているのはわかる
姉「……なんか、ごめんね」
男「なにがですか?」
姉「男くん一生懸命彼氏やってくれてたのに…」
男「……俺はむしろ喜ばしいことだと思ってます」
姉「え?」
男「いつまでも偽物の俺にすがっているようでは彼女に幸せはない、この辺りで本物が手に入るなら彼女はそっちに行くべきだ」
姉「……男くん……!」
男「俺は友人として彼女を応援するつもりです……」
とは言ったものの男の心は割り切れていなかった
男「元々仲よかった先輩らしいっす」
怪しげな関係の2人を尾行する怪しげな2人
姉友もといボビ子は腹が減ったとかで1人でファミレスに入っていった
2人は昼食返上で尾行していた
姉「楽しそうね……」
男「そーっすね」
会話の内容までは聞き取れないが盛り上がっているのはわかる
姉「……なんか、ごめんね」
男「なにがですか?」
姉「男くん一生懸命彼氏やってくれてたのに…」
男「……俺はむしろ喜ばしいことだと思ってます」
姉「え?」
男「いつまでも偽物の俺にすがっているようでは彼女に幸せはない、この辺りで本物が手に入るなら彼女はそっちに行くべきだ」
姉「……男くん……!」
男「俺は友人として彼女を応援するつもりです……」
とは言ったものの男の心は割り切れていなかった
374: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/15(日) 00:13:06.82 ID:HKrdSoHI.net
男の中では彼女にとって自分が本物でない悲しさと、純粋に彼女を応援することができない自分への苛立ちが男の後ろ髪を引いていた
姉「……もしなんだったらお姉さんがもらったげるからね!」
男「……それは遠慮しときます」
女と先輩が遠ざかっていく
もう彼女を追いかけるのは止めた
男「……今日で…バイトクビかな」
姉「……それでも友達でいてあげて」
男「もちろんっす」
姉「……ありがと」
男「じゃ、俺ケーキ買って帰んないといけないんで」
姉「……」
男「一応、今日の約束は果たさないと」
男はそう言い残してカップルで賑やかな街へ消えていった
姉「……あ、雪」
雪がまるで男の心の涙の様にさえ見えた
姉「……あの子もバカなんだから」
姉「……もしなんだったらお姉さんがもらったげるからね!」
男「……それは遠慮しときます」
女と先輩が遠ざかっていく
もう彼女を追いかけるのは止めた
男「……今日で…バイトクビかな」
姉「……それでも友達でいてあげて」
男「もちろんっす」
姉「……ありがと」
男「じゃ、俺ケーキ買って帰んないといけないんで」
姉「……」
男「一応、今日の約束は果たさないと」
男はそう言い残してカップルで賑やかな街へ消えていった
姉「……あ、雪」
雪がまるで男の心の涙の様にさえ見えた
姉「……あの子もバカなんだから」
375: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/15(日) 00:21:28.48 ID:HKrdSoHI.net
『じゃんけんぽーん、うふふふ』
男「……負けた」
テレビの電源を切ってコタツに入ったまま横になる
コタツの上のカセットコンロで煮立っている鍋の音だけが部屋に響く
外は雪が降っている
男「……」
無音
男「……」
果てしない無音
男(…やっぱ来ないのかな)
そりゃそうだ、クリスマスはカップルにとって超重要なイベントと言っていたのは彼女本人なのだから
男「……」
男「……負けた」
テレビの電源を切ってコタツに入ったまま横になる
コタツの上のカセットコンロで煮立っている鍋の音だけが部屋に響く
外は雪が降っている
男「……」
無音
男「……」
果てしない無音
男(…やっぱ来ないのかな)
そりゃそうだ、クリスマスはカップルにとって超重要なイベントと言っていたのは彼女本人なのだから
男「……」
378: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/15(日) 00:27:57.60 ID:HKrdSoHI.net
男が微睡みかけた頃
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴る
男「……だれだ?」
女ならいつも勝手に入ってくるはず
アマゾンの買い物履歴を脳内で漁りながら玄関を開ける
男「……今開けまーす」
ガチャ
女「……め、メリークリスマス」
そこには頭にサンタ帽をかぶった女が立っていた
男「雪積もってるぞ」
女「寒かったー」
男「早く入りなよ、鍋できてる」
女「あ、飲み物買ってきたよ」
男「お、わるいな」
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴る
男「……だれだ?」
女ならいつも勝手に入ってくるはず
アマゾンの買い物履歴を脳内で漁りながら玄関を開ける
男「……今開けまーす」
ガチャ
女「……め、メリークリスマス」
そこには頭にサンタ帽をかぶった女が立っていた
男「雪積もってるぞ」
女「寒かったー」
男「早く入りなよ、鍋できてる」
女「あ、飲み物買ってきたよ」
男「お、わるいな」
380: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/15(日) 00:32:38.07 ID:HKrdSoHI.net
女「わぁー!美味しそうじゃん!」
男「鍋は1人でもよくするからな」
女「あぁー、こたつあったかぁー」
男「さ、早く食おうぜ腹減った」
女「そうだね」
お互いなにもない様に振舞っているが、互いが互いに違和感を感じていた
男(……なにも、無かったのかな?)
女(……いつ切り出そうか)
何気ない会話を交わしながら鍋をつつく2人
女「あ、あのさ……」
男「……なに?」
女「……今日、先輩に会ってたんだ」
男「……へ、へぇー(いきなりぶっこんできたな)」
男「鍋は1人でもよくするからな」
女「あぁー、こたつあったかぁー」
男「さ、早く食おうぜ腹減った」
女「そうだね」
お互いなにもない様に振舞っているが、互いが互いに違和感を感じていた
男(……なにも、無かったのかな?)
女(……いつ切り出そうか)
何気ない会話を交わしながら鍋をつつく2人
女「あ、あのさ……」
男「……なに?」
女「……今日、先輩に会ってたんだ」
男「……へ、へぇー(いきなりぶっこんできたな)」
381: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/15(日) 00:36:12.01 ID:HKrdSoHI.net
女「私……先輩に告白された……」
男「……」
覚悟はしていたが、驚きを抑えきれなかった
男「そ、そそそそうなのか……よ、よかったなぁ」
あからさまに動揺している自分が情けなかった
女「クリスマスって本当に人を大胆にするよね、あの先輩がまさか本気で……」
男「そ、そーだなぁ……」
女「……」
男「……」
男「……で?」
女「……えへへ」
男「……?」
男「……」
覚悟はしていたが、驚きを抑えきれなかった
男「そ、そそそそうなのか……よ、よかったなぁ」
あからさまに動揺している自分が情けなかった
女「クリスマスって本当に人を大胆にするよね、あの先輩がまさか本気で……」
男「そ、そーだなぁ……」
女「……」
男「……」
男「……で?」
女「……えへへ」
男「……?」
382: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/15(日) 00:40:41.91 ID:HKrdSoHI.net
女「……しかも突然だよ、そりゃビックリするよ」
男「……だねぇ」
女「……ま、突然で断っちゃったんだけどさ」
男「……まぁそうなるわな」
男「……はぁ?」
驚き、それ以外の感情のこもっていない純粋な反応だった
女「だーかーら、思わず断っちゃったんだって」
男「なっ…なんで!?バカじゃねぇのそんなチャンスなんで!?」
女「ば、バカっていうな!」
男「……だねぇ」
女「……ま、突然で断っちゃったんだけどさ」
男「……まぁそうなるわな」
男「……はぁ?」
驚き、それ以外の感情のこもっていない純粋な反応だった
女「だーかーら、思わず断っちゃったんだって」
男「なっ…なんで!?バカじゃねぇのそんなチャンスなんで!?」
女「ば、バカっていうな!」
383: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/15(日) 00:45:54.72 ID:HKrdSoHI.net
男「だってっ……!だっておまっ…それ…なんで!?」
女「落ち着きたまえ」
男「……お、おぅ」
女「さすがに4年も前の思い出掘り返されたってねぇ」
男「……」
女「もしかして先輩と私がくっついたりすると思った?」
男「…正直、おもった」
女「時代も私も進んでるのよ、今更昔の男が出てきてあの時好きだったんだーってありえないでしょ」
男「……」
女「それに今はもうk……」
男「……?」
女「……と、とにかくこれでいいのだ!」
男「本当に?」
女「……女に二言はない!」
女「落ち着きたまえ」
男「……お、おぅ」
女「さすがに4年も前の思い出掘り返されたってねぇ」
男「……」
女「もしかして先輩と私がくっついたりすると思った?」
男「…正直、おもった」
女「時代も私も進んでるのよ、今更昔の男が出てきてあの時好きだったんだーってありえないでしょ」
男「……」
女「それに今はもうk……」
男「……?」
女「……と、とにかくこれでいいのだ!」
男「本当に?」
女「……女に二言はない!」
384: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/15(日) 00:50:15.29 ID:HKrdSoHI.net
女「ささ、気を取り直してレッツパーリィぃぃ!!」
男「近所迷惑だからもう少し静かに」
女「……ごめん」
男「…ふっ、あっはっはっはw」
女「な、なんなのよー!」
男「いや、なんでも…wあ、ケーキ冷蔵庫に入ってる」
女「マジで?食べよ食べよ!」
男「あ!そっちは俺んの!」
女「えー、私もこっちがいい」
男「フッザケンナヨ」
今年のクリスマスは2人にとってとてもいい思い出になった……と思う
男「近所迷惑だからもう少し静かに」
女「……ごめん」
男「…ふっ、あっはっはっはw」
女「な、なんなのよー!」
男「いや、なんでも…wあ、ケーキ冷蔵庫に入ってる」
女「マジで?食べよ食べよ!」
男「あ!そっちは俺んの!」
女「えー、私もこっちがいい」
男「フッザケンナヨ」
今年のクリスマスは2人にとってとてもいい思い出になった……と思う
400: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/16(月) 17:07:56.87 ID:rAuuTJx3.net
クリスマス翌日
女は目を覚ました
女「……ん…」
女(……ここ…どこ?)
天井が毎朝見ているものとは違う
女(ここって……男の部屋じゃん)
女が寝ているのは男の布団
女(あの後寝ちゃったのかー)
かなり気温が低いようだ
今日は寒くなりそうだ
女「……」
いや、寒い理由はそれだけではない様だ
女「……なん…で…」
女は悲観し、絶叫した
女「……なんで服着てないのぉぉぉ!?」
女は何も身につけていない状態で布団に入っていた
女「え、ちょっ……なん……え…?」
状況が読み込めない
女「ってかあいつもいないし……」
女の脳内に一つの答えが浮かび上がった
女「……私……やっちゃった感じ……?」
女は目を覚ました
女「……ん…」
女(……ここ…どこ?)
天井が毎朝見ているものとは違う
女(ここって……男の部屋じゃん)
女が寝ているのは男の布団
女(あの後寝ちゃったのかー)
かなり気温が低いようだ
今日は寒くなりそうだ
女「……」
いや、寒い理由はそれだけではない様だ
女「……なん…で…」
女は悲観し、絶叫した
女「……なんで服着てないのぉぉぉ!?」
女は何も身につけていない状態で布団に入っていた
女「え、ちょっ……なん……え…?」
状況が読み込めない
女「ってかあいつもいないし……」
女の脳内に一つの答えが浮かび上がった
女「……私……やっちゃった感じ……?」
403: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/16(月) 17:13:18.34 ID:rAuuTJx3.net
周囲を見渡しても下着の一つも見つからない
女「……どうなってんの…」
必死に昨夜のことを思い出そうとするが途中から記憶がない
女「……」
女「……まずはあいつを探さないと」
布団のシーツを剥ぎ取って身体に巻きつける
部屋には誰もいない
女「どこいったのよぉ……」
ぐにっ
何かを踏んだ
女「……」
踏んだのは男の腕
正確にはコタツから飛び出している男の腕
女「そこか」
こたつをめくると中でアンモナイトの様に丸まっている男の姿
そんな可哀想な姿なのに爆睡している
女「……どうなってんの…」
必死に昨夜のことを思い出そうとするが途中から記憶がない
女「……」
女「……まずはあいつを探さないと」
布団のシーツを剥ぎ取って身体に巻きつける
部屋には誰もいない
女「どこいったのよぉ……」
ぐにっ
何かを踏んだ
女「……」
踏んだのは男の腕
正確にはコタツから飛び出している男の腕
女「そこか」
こたつをめくると中でアンモナイトの様に丸まっている男の姿
そんな可哀想な姿なのに爆睡している
404: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/16(月) 17:17:33.32 ID:rAuuTJx3.net
女「起きろ!」
男「うわっ!」ゴンッ
男「っ……!!」
女「……痛そ」
男「……あれ、なんで俺こんなとこで?」
女「……おはよう」
男「……おはよー」
こたつからのそのそ這い出してくる男
男「……なんでローマ人の格好?ハロウィン終わったぞ?」
女「……」
男「……突っ込んでよ」
女「……あ、あの…さ」
男「さむっ、こたつ電源入れて」
女「……」
黙って電源を入れてやる女
女「昨日の……夜何があった?」
男「はぁ?」
女「……私の服ないんだけど」
男「……覚えてないの?」
男「うわっ!」ゴンッ
男「っ……!!」
女「……痛そ」
男「……あれ、なんで俺こんなとこで?」
女「……おはよう」
男「……おはよー」
こたつからのそのそ這い出してくる男
男「……なんでローマ人の格好?ハロウィン終わったぞ?」
女「……」
男「……突っ込んでよ」
女「……あ、あの…さ」
男「さむっ、こたつ電源入れて」
女「……」
黙って電源を入れてやる女
女「昨日の……夜何があった?」
男「はぁ?」
女「……私の服ないんだけど」
男「……覚えてないの?」
406: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/16(月) 17:23:24.74 ID:rAuuTJx3.net
女「……そ、その…私…」
女「……何したの?」
男「あばれた」
女「……はい?」
男「昨日君が買ってきた中に酒があったんだよ」
確かに周囲も転がっている空き缶の中に缶チューハイの空き缶があった
男「んで、急にテンション上がり始めた君が暴れ狂って」
女「……」
男「俺を布団に押し倒して」
女「……!!」
男「異常な興奮状態で信じられないような力で押さえつけられて」
女「……ちょ…え?」
男「半裸まで剥かれたところで急に泣き出して」
女「それで……?」
男「あばれた時にジュースこぼして汚れたから着替えるって」
女「……」
男「そっちの部屋で脱ぎ始めて、恥ずかしいからって俺をこたつに押し込んで……俺はそのまま寝ちゃった」
女「……何したの?」
男「あばれた」
女「……はい?」
男「昨日君が買ってきた中に酒があったんだよ」
確かに周囲も転がっている空き缶の中に缶チューハイの空き缶があった
男「んで、急にテンション上がり始めた君が暴れ狂って」
女「……」
男「俺を布団に押し倒して」
女「……!!」
男「異常な興奮状態で信じられないような力で押さえつけられて」
女「……ちょ…え?」
男「半裸まで剥かれたところで急に泣き出して」
女「それで……?」
男「あばれた時にジュースこぼして汚れたから着替えるって」
女「……」
男「そっちの部屋で脱ぎ始めて、恥ずかしいからって俺をこたつに押し込んで……俺はそのまま寝ちゃった」
407: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/16(月) 17:26:45.47 ID:rAuuTJx3.net
女「……そんな事が」
男「未成年の飲酒は違法だよ」
女「知ってるっての!」
男「ならいいけど」
女「……私の服どこ行ったんだろ」
男「さぁ?」
女「探して」
男「……もしかしてその下何も着てないの?」
女「……み、みるな///」
男「へいへい」
女(まさか私がそんな失態を……)
男「あ、服はなぜか俺の鞄の中に押し込まれてる」
女「なんでそんなとこに!?」
男「俺に聞かないで」
女「……下着は?」
男「……どこだろ?」
男「未成年の飲酒は違法だよ」
女「知ってるっての!」
男「ならいいけど」
女「……私の服どこ行ったんだろ」
男「さぁ?」
女「探して」
男「……もしかしてその下何も着てないの?」
女「……み、みるな///」
男「へいへい」
女(まさか私がそんな失態を……)
男「あ、服はなぜか俺の鞄の中に押し込まれてる」
女「なんでそんなとこに!?」
男「俺に聞かないで」
女「……下着は?」
男「……どこだろ?」
409: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/16(月) 17:34:00.89 ID:rAuuTJx3.net
そのあと1時間近く探したのだが上も下も見つからなかった
女「……どうすんのよ」
男「自業自得だろ」
女「結構お気に入りだったのに…」
男「……あ、まだ探してないとこが」
女「……どこ?」
男がおもむろにこたつの上の鍋の蓋をあける
女「まさかー」
男「……」
男が箸でつまみ上げたのは紛れもなく女の下着
女「ぎゃぁぁぁぁ!!」
男「……本当に何やってたの?」
女「……こ、殺せ!」
男「なんで!?」
女「こんな生き恥晒して生きてらんない!」
男「落ちつけ、まだやり直せる!」
女「もうやだ!!」
急に立ち上がった女
シーツを足で踏んでしまっている事に気付かずつんのめって転ぶ女
全裸の女が転がって出てきた
それも男の前に仰向けで
男「見てないぞ……///」
女「…………殺して(泣)」
女「……どうすんのよ」
男「自業自得だろ」
女「結構お気に入りだったのに…」
男「……あ、まだ探してないとこが」
女「……どこ?」
男がおもむろにこたつの上の鍋の蓋をあける
女「まさかー」
男「……」
男が箸でつまみ上げたのは紛れもなく女の下着
女「ぎゃぁぁぁぁ!!」
男「……本当に何やってたの?」
女「……こ、殺せ!」
男「なんで!?」
女「こんな生き恥晒して生きてらんない!」
男「落ちつけ、まだやり直せる!」
女「もうやだ!!」
急に立ち上がった女
シーツを足で踏んでしまっている事に気付かずつんのめって転ぶ女
全裸の女が転がって出てきた
それも男の前に仰向けで
男「見てないぞ……///」
女「…………殺して(泣)」
421: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/17(火) 01:57:46.65 ID:6zskgycV.net
この日本という国はクリスマスが終わるとあっという間に年末年始に衣替えするような国である
それはよく言えば切り替えが早いとも言えるし、悪く言えばそういった商法に乗っかりやすい単純な人が多いとも言えてしまう
きっと皆さんの周りにもそう言った人が少なからずいると思う
いや、もしかしたら貴方がそう言った部類の人かもしれない
僕は別にこの風習が嫌いなわけじゃない
クリスマスが終わるという事は確かに今年も残すところ1週間を切っている訳だし、忙しい人の方が多いだろう
だが、どうしてもこれだけは好きになれない事がある
それは……
女「はい、現実逃避おわり」
男「まだ終わってない、ここから宇宙の創生と発展の話題に…」
女「それ一生かけてもおわんないから」
男「……マジでやんの?」
女「当たり前でしょ、今やらなくていつやるの?」
男「来年、年明けたら頑張るからさー」
女「どうせ年明けたらまだ正月だからぁ~とか言ってやらないでしょ」
それはよく言えば切り替えが早いとも言えるし、悪く言えばそういった商法に乗っかりやすい単純な人が多いとも言えてしまう
きっと皆さんの周りにもそう言った人が少なからずいると思う
いや、もしかしたら貴方がそう言った部類の人かもしれない
僕は別にこの風習が嫌いなわけじゃない
クリスマスが終わるという事は確かに今年も残すところ1週間を切っている訳だし、忙しい人の方が多いだろう
だが、どうしてもこれだけは好きになれない事がある
それは……
女「はい、現実逃避おわり」
男「まだ終わってない、ここから宇宙の創生と発展の話題に…」
女「それ一生かけてもおわんないから」
男「……マジでやんの?」
女「当たり前でしょ、今やらなくていつやるの?」
男「来年、年明けたら頑張るからさー」
女「どうせ年明けたらまだ正月だからぁ~とか言ってやらないでしょ」
422: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/17(火) 02:04:04.25 ID:6zskgycV.net
女「はい、あんたはこの袋にゴミ集めて」
男「ゴミなんかねーよ、俺の部屋は必要な物だけ厳選されて置かれてる機能的な部屋なんだよスーパーユーティリティルームなんだよ」
女「どんだけ大掃除したくないのよあんた」
そう、俺の嫌いなもの
それは大掃除だ
男「そもそも年末だからって慌てて掃除すること自体間違いなんじゃねーの?そう言うのは日頃からしっかりやってる奴には必要ねーの」
女「日頃からしっかりやってる人にはね、あんたはそこの分類から漏れてるから」
男「漏れてねーし!お漏らしなんて小5から一回もねーし!」
女「小5まであったのかよ!」
男「あっ……今の間違い!小4、いや小3だったかな……?」
女「良いから口動かす前にその周り片付けてよね、掃除機かけらんないから」
男「待って待って、あまり変な位置にもの動かされるとこたつから届かなくなる」
女「なにその自堕落な理由……」
男「ゴミなんかねーよ、俺の部屋は必要な物だけ厳選されて置かれてる機能的な部屋なんだよスーパーユーティリティルームなんだよ」
女「どんだけ大掃除したくないのよあんた」
そう、俺の嫌いなもの
それは大掃除だ
男「そもそも年末だからって慌てて掃除すること自体間違いなんじゃねーの?そう言うのは日頃からしっかりやってる奴には必要ねーの」
女「日頃からしっかりやってる人にはね、あんたはそこの分類から漏れてるから」
男「漏れてねーし!お漏らしなんて小5から一回もねーし!」
女「小5まであったのかよ!」
男「あっ……今の間違い!小4、いや小3だったかな……?」
女「良いから口動かす前にその周り片付けてよね、掃除機かけらんないから」
男「待って待って、あまり変な位置にもの動かされるとこたつから届かなくなる」
女「なにその自堕落な理由……」
425: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/17(火) 02:11:41.26 ID:6zskgycV.net
男「あ!それ触んないで!今乾燥中だから!」
女「え?」
こたつの上にあったロボアニメのプラモデルの部品を触ってしまった女
女「ちょっと!指に色着いちゃったじゃない!」
男「わぁぁぁぁ!!乾燥中だって言っただろー!!」
女「なに?私が悪いの!?」
男「100-0でそっちが悪いだろ!」
女「なんでそっちが0なのよ!60くらいはそっちが悪いでしょ!普段から片付けてないんだから!」
男「だぁぁっ!!もうだめだ……これじゃぁ完成しないぃ……!」
女「……えっ」
男「冬休み中勉強の合間を縫って頑張ってたのに……うぅ……」
女「……」シュン
男(……どうだ?必殺!罪悪感植え付けの術!)
女「その……そんなに大事なものだとは……」
男「……うぅ……」
女「……ごめん」
男(勝った……!)
それから数分がたった
そろそろ良いだろうと男が顔を上げた時には…
男「……あれ?居ない?」
女は姿を消していた
女「え?」
こたつの上にあったロボアニメのプラモデルの部品を触ってしまった女
女「ちょっと!指に色着いちゃったじゃない!」
男「わぁぁぁぁ!!乾燥中だって言っただろー!!」
女「なに?私が悪いの!?」
男「100-0でそっちが悪いだろ!」
女「なんでそっちが0なのよ!60くらいはそっちが悪いでしょ!普段から片付けてないんだから!」
男「だぁぁっ!!もうだめだ……これじゃぁ完成しないぃ……!」
女「……えっ」
男「冬休み中勉強の合間を縫って頑張ってたのに……うぅ……」
女「……」シュン
男(……どうだ?必殺!罪悪感植え付けの術!)
女「その……そんなに大事なものだとは……」
男「……うぅ……」
女「……ごめん」
男(勝った……!)
それから数分がたった
そろそろ良いだろうと男が顔を上げた時には…
男「……あれ?居ない?」
女は姿を消していた
430: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/18(水) 01:30:48.77 ID:7+bkukMs.net
それからどれくらいの時間が経っただろう……
男「……」
1人で部屋を掃除する男
男(……よく考えたらこの忙しい年末に俺の部屋を掃除しに来てくれたのに悪い事したかな)
男の中で罪悪感が大きくなっていく
男(……家に帰ったのかな?)
部屋自体散らかってはいたが元々ものが少ない分すぐに片付いた
男(……とりあえずお姉さんに電話してみようか)
姉『もしもーし、どうしたー?』
男「えーっと…女さん戻ってます?」
姉『え?男くんのところに掃除に行くって言ったきり戻ってないけど?』
男「……そ、そうですか」
姉『なに?もしかしてまたなんかあったの?』
男「いや、大した事ないです……じゃ…」
電話を切った後に胸騒ぎがした
本当に……大した事ない事なのか
男「……」
1人で部屋を掃除する男
男(……よく考えたらこの忙しい年末に俺の部屋を掃除しに来てくれたのに悪い事したかな)
男の中で罪悪感が大きくなっていく
男(……家に帰ったのかな?)
部屋自体散らかってはいたが元々ものが少ない分すぐに片付いた
男(……とりあえずお姉さんに電話してみようか)
姉『もしもーし、どうしたー?』
男「えーっと…女さん戻ってます?」
姉『え?男くんのところに掃除に行くって言ったきり戻ってないけど?』
男「……そ、そうですか」
姉『なに?もしかしてまたなんかあったの?』
男「いや、大した事ないです……じゃ…」
電話を切った後に胸騒ぎがした
本当に……大した事ない事なのか
431: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/18(水) 01:36:57.23 ID:7+bkukMs.net
そして昼が過ぎた
男「……」
女は戻ってこない
男は外に出た
男(別に探しに行くとか謝りに行くわけじゃねーし…散歩に行くだけだしぃ……)
とは言ったものの男の行く先は全て女の立ち寄りそうな場所ばかりだ
男(……どこ行ったんだよ)
映画とかドラマの主人公なら「あそこだ!」とか言って心当たりがあるものだが、今の男にそんなものはなかった
そもそもあそこだ!の場所は一番に行くだろふつー
男(……俺ってあいつのこと全然知らないんだな)
とぼとぼと1人寂しく来た道を戻る男
男「……ん?」
男「……」
女は戻ってこない
男は外に出た
男(別に探しに行くとか謝りに行くわけじゃねーし…散歩に行くだけだしぃ……)
とは言ったものの男の行く先は全て女の立ち寄りそうな場所ばかりだ
男(……どこ行ったんだよ)
映画とかドラマの主人公なら「あそこだ!」とか言って心当たりがあるものだが、今の男にそんなものはなかった
そもそもあそこだ!の場所は一番に行くだろふつー
男(……俺ってあいつのこと全然知らないんだな)
とぼとぼと1人寂しく来た道を戻る男
男「……ん?」
433: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/18(水) 01:57:14.19 ID:7+bkukMs.net
男は店に入った
見間違いでなければ確かに女が今この店にいた
店主「いらっしゃい」
男「ども」
こんな所に女が居るなんて思いもしなかった
店主「今日はなにをお探しなんだい?」
男「いや、きょうは特に……」
ここは男がよく来る小さな模型屋
そこに女が……いた
男「……よ、よぉ」
女「あっ……!」
驚きとか色々混ざった複雑な表情になる女
男「……」
何をしてるんだ、なんてバカな事は聞かない
男は自分のしてしまった事、女が感じてしまった事をもうわかっていた
男「……その…実はさ」
女「ごめんっ…!」
女の方が早かった
女「あのプラモデル、男が頑張ってるの知ってたのに私ダメにしちゃって……」
男「あ、いや…あれは…!」
女「……同じの買っても私じゃ作れないけど、お詫びになればと」
男「いやあのな、あれくらいだったらどうって事ないって」
女「……ほんとにごめん」
男「いや、マジで本当に大したことないんだって」
女「……でもあんたは」
男「……ちょっと脅かしてやろうと思って大袈裟な演技…だったんだ」
女「……え」
見間違いでなければ確かに女が今この店にいた
店主「いらっしゃい」
男「ども」
こんな所に女が居るなんて思いもしなかった
店主「今日はなにをお探しなんだい?」
男「いや、きょうは特に……」
ここは男がよく来る小さな模型屋
そこに女が……いた
男「……よ、よぉ」
女「あっ……!」
驚きとか色々混ざった複雑な表情になる女
男「……」
何をしてるんだ、なんてバカな事は聞かない
男は自分のしてしまった事、女が感じてしまった事をもうわかっていた
男「……その…実はさ」
女「ごめんっ…!」
女の方が早かった
女「あのプラモデル、男が頑張ってるの知ってたのに私ダメにしちゃって……」
男「あ、いや…あれは…!」
女「……同じの買っても私じゃ作れないけど、お詫びになればと」
男「いやあのな、あれくらいだったらどうって事ないって」
女「……ほんとにごめん」
男「いや、マジで本当に大したことないんだって」
女「……でもあんたは」
男「……ちょっと脅かしてやろうと思って大袈裟な演技…だったんだ」
女「……え」
434: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/18(水) 02:02:12.49 ID:7+bkukMs.net
男「……謝るのは俺の方だな、ごめん」
女「……あんたが許してくれるなら許す」
男「……それは、もちろんだ……そもそも許すとかそんな事ですらないし」
女「……わかった」
男「おう…」
女「……せっかく来たんだしさ、どうせなら私にも教えてよ」
男「……え?」
女「プラモデル……」
女の顔があかくなっていく
女「……なんか…面白そうだし……」
男「……おう、んじゃ一緒に作るか!」
その後、女がプラモにどハマりするとはここにいる誰もが予想していなかった
女「……あんたが許してくれるなら許す」
男「……それは、もちろんだ……そもそも許すとかそんな事ですらないし」
女「……わかった」
男「おう…」
女「……せっかく来たんだしさ、どうせなら私にも教えてよ」
男「……え?」
女「プラモデル……」
女の顔があかくなっていく
女「……なんか…面白そうだし……」
男「……おう、んじゃ一緒に作るか!」
その後、女がプラモにどハマりするとはここにいる誰もが予想していなかった
451: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/20(金) 00:51:13.52 ID:w+eSZ+d9.net
女「はぁ!?なんで!?」
とある年末の女宅
女母「だってー当たっちゃったんだもん」
女「だからってなんでお母さんとお父さんだけなのよ!」
女父「ペア旅行だし」
女「……お姉ちゃんは友達と旅行行くって言ってたし……私だけ留守番!?」
女母「まぁのびのびしてればいーじゃない」
女「こんなのやだ!」
女母「ほら、彼氏くん連れ込んでもいーわよ」
女「あいつはあいつで予定があるの」
女父「ちょいまち、彼氏……?だれそれ?」
女「このままだと1人だ……どうにかして……」
女父「え?なに?知らなかったの僕だけ?」
とある年末の女宅
女母「だってー当たっちゃったんだもん」
女「だからってなんでお母さんとお父さんだけなのよ!」
女父「ペア旅行だし」
女「……お姉ちゃんは友達と旅行行くって言ってたし……私だけ留守番!?」
女母「まぁのびのびしてればいーじゃない」
女「こんなのやだ!」
女母「ほら、彼氏くん連れ込んでもいーわよ」
女「あいつはあいつで予定があるの」
女父「ちょいまち、彼氏……?だれそれ?」
女「このままだと1人だ……どうにかして……」
女父「え?なに?知らなかったの僕だけ?」
452: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/20(金) 00:59:16.86 ID:w+eSZ+d9.net
場所が変わって男の部屋
男「やだよ」
女「なんで!?いいじゃん!」
男「俺は帰ってゴロゴロするの」
女「ここでも出来るよ!」
男「上げ膳据え膳にあまえたいの」
女「私が準備したげるから!」
男「いいよ、大変だし」
女「お願いぃぃぃぃ!!1人はやだぁぁぁぁ!!」
男「……って言われてもなぁ」
女「お願いぃぃ!ここにいてぇぇ!行かないでぇぇ!」
男「……あ、んじゃぁうちくるか?」
女「おんぎゃぁぁぁあ……?」
男「バカ妹が家でバラしたらしくて話題になってたらしいし」
女「ちょ……待って…いきなり過ぎない?」
男「なにが?」
女「だってそう言うのってマジで付き合ってる彼女でもなかなか……」
男「別にいいんじゃねぇの?」
女「だって年末年始の家族イベントだよ?」
男「って言っても2泊くらいで買えるけどな」
女「いやまとう……マジで?いやダメだって」
男「んじゃ1人で頑張ってな」
女「……あうぅ」
男「やだよ」
女「なんで!?いいじゃん!」
男「俺は帰ってゴロゴロするの」
女「ここでも出来るよ!」
男「上げ膳据え膳にあまえたいの」
女「私が準備したげるから!」
男「いいよ、大変だし」
女「お願いぃぃぃぃ!!1人はやだぁぁぁぁ!!」
男「……って言われてもなぁ」
女「お願いぃぃ!ここにいてぇぇ!行かないでぇぇ!」
男「……あ、んじゃぁうちくるか?」
女「おんぎゃぁぁぁあ……?」
男「バカ妹が家でバラしたらしくて話題になってたらしいし」
女「ちょ……待って…いきなり過ぎない?」
男「なにが?」
女「だってそう言うのってマジで付き合ってる彼女でもなかなか……」
男「別にいいんじゃねぇの?」
女「だって年末年始の家族イベントだよ?」
男「って言っても2泊くらいで買えるけどな」
女「いやまとう……マジで?いやダメだって」
男「んじゃ1人で頑張ってな」
女「……あうぅ」
453: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/20(金) 01:25:48.64 ID:w+eSZ+d9.net
翌日
駅のホームで電車を待つ男と女
女(結局来てしまったぁぁ……)
男「なんでそんなに1人が嫌なの?」
女「だって……」
女(1人で過ごす家が怖いなんて口が裂けても言えない……)
男「そろそろくるかなー」
女(てか両親どんな人なんだろ……ってかそう言うのってもっとこう…少なくとも今の段階で気に知りことじゃないよね……あれ?そもそも私達ちゃんと付き合ってないのにいいの?)
男(なんかめっちゃ考えてるなぁ……)
姉「あれ?おーい!」
女「え!?お姉ちゃん!」
男「……あれ、どっか行くんですか?」
姉「ボビ子と旅行」
ボビ子「オメェフザケンジャネーヨ」
男「ふざけてねーよ」
ボビ子「オメェコンドヤッタラマケネーカラナ」
男「おう、望むとこだ」
女「結局お姉ちゃんどこ行くの?」
姉「おしえなーい」
ボビ子「オメェフザケンジャネーヨ」
男「ふざけてねーよ、お前はオウムか」
ボビ子「オレハオウムジャネーヨ」
男「知ってるわ」
駅のホームで電車を待つ男と女
女(結局来てしまったぁぁ……)
男「なんでそんなに1人が嫌なの?」
女「だって……」
女(1人で過ごす家が怖いなんて口が裂けても言えない……)
男「そろそろくるかなー」
女(てか両親どんな人なんだろ……ってかそう言うのってもっとこう…少なくとも今の段階で気に知りことじゃないよね……あれ?そもそも私達ちゃんと付き合ってないのにいいの?)
男(なんかめっちゃ考えてるなぁ……)
姉「あれ?おーい!」
女「え!?お姉ちゃん!」
男「……あれ、どっか行くんですか?」
姉「ボビ子と旅行」
ボビ子「オメェフザケンジャネーヨ」
男「ふざけてねーよ」
ボビ子「オメェコンドヤッタラマケネーカラナ」
男「おう、望むとこだ」
女「結局お姉ちゃんどこ行くの?」
姉「おしえなーい」
ボビ子「オメェフザケンジャネーヨ」
男「ふざけてねーよ、お前はオウムか」
ボビ子「オレハオウムジャネーヨ」
男「知ってるわ」
464: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/21(土) 02:21:20.41 ID:qZyz4wXR.net
電車に揺られること数十分
姉「この旅館ってここから近いの?」
男「少し移動しますね、バスで行きましょう」
女「ま、まって…私達も行くの?」
男「だって俺の家泊まるの気まずいっしょ?」
女「……や、やったぁ!」
男「やっぱ嫌だったんかい」
姉「じゃぁ男くんも一緒に泊まろうよ」
男「いや、俺はそう言うわけには」
女「えー」
ボビ子「オメェフザケンジャネーヨ」
男「そろそろ喧嘩売ってんのかお前」
さらにバスに揺られること十数分
女「お姉ちゃん達こんな立派な旅館に泊まるの!?」
そこは旅館というよりホテルに近い規模の施設だった
男「知らんうちにでかくなってんなー」
姉「最近人気らしいからねー」
ボビ子「オメェバッカモウケテンジャネーヨ」
男「もうハリセンボンのでかい方にしか聞こえねぇよ」
ボビ子「ハルナジャネーヨ」
姉「この旅館ってここから近いの?」
男「少し移動しますね、バスで行きましょう」
女「ま、まって…私達も行くの?」
男「だって俺の家泊まるの気まずいっしょ?」
女「……や、やったぁ!」
男「やっぱ嫌だったんかい」
姉「じゃぁ男くんも一緒に泊まろうよ」
男「いや、俺はそう言うわけには」
女「えー」
ボビ子「オメェフザケンジャネーヨ」
男「そろそろ喧嘩売ってんのかお前」
さらにバスに揺られること十数分
女「お姉ちゃん達こんな立派な旅館に泊まるの!?」
そこは旅館というよりホテルに近い規模の施設だった
男「知らんうちにでかくなってんなー」
姉「最近人気らしいからねー」
ボビ子「オメェバッカモウケテンジャネーヨ」
男「もうハリセンボンのでかい方にしか聞こえねぇよ」
ボビ子「ハルナジャネーヨ」
465: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/21(土) 02:29:51.31 ID:qZyz4wXR.net
女「あ、あのさ……私そんなにお金持ってないよ?」
男「大丈夫じゃね?」
フロントでは姉がなにやらもめている
姉「予約間違えて1ヶ月ずれてたみたい……」
ボビ子「マジカヨオレタチノグソジャネーカ」
男「野糞じゃなくて野宿な」
姉「あちゃー、ごめんねボビ子」
男「んー、ちょいまち」
男がフロントに交渉に行った
姉「大丈夫なの?」
女「年末だし部屋いっぱいでしょ……?」
男「なんとか一部屋だけなら……」
姉「男くんありがとー!狭くても大丈夫だよ!」
女「じゃぁ私は男の家行くよ、もう部屋取れなさそうだし」
男「3人いけるだろ、ちょっと広い部屋みたいだし」
早速ルームキーを受けとって部屋に向かう
装飾も煌びやかで豪華な……まさに高級ホテルだ
姉「ちょ……ちょっと男くん?どんな部屋取れたの?」
男「どこもいっぱいだっていうから唯一空いてた……」
ついた部屋は
男「グランドスイートルーム……だってさ」
男「大丈夫じゃね?」
フロントでは姉がなにやらもめている
姉「予約間違えて1ヶ月ずれてたみたい……」
ボビ子「マジカヨオレタチノグソジャネーカ」
男「野糞じゃなくて野宿な」
姉「あちゃー、ごめんねボビ子」
男「んー、ちょいまち」
男がフロントに交渉に行った
姉「大丈夫なの?」
女「年末だし部屋いっぱいでしょ……?」
男「なんとか一部屋だけなら……」
姉「男くんありがとー!狭くても大丈夫だよ!」
女「じゃぁ私は男の家行くよ、もう部屋取れなさそうだし」
男「3人いけるだろ、ちょっと広い部屋みたいだし」
早速ルームキーを受けとって部屋に向かう
装飾も煌びやかで豪華な……まさに高級ホテルだ
姉「ちょ……ちょっと男くん?どんな部屋取れたの?」
男「どこもいっぱいだっていうから唯一空いてた……」
ついた部屋は
男「グランドスイートルーム……だってさ」
466: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/21(土) 02:35:31.80 ID:qZyz4wXR.net
女「馬鹿ー!!こんなのいくらすると思ってんのよ!?」
姉「ささ、流石にこれは払えないっての!!無理無理!キャンセルキャンセル!」
ボビ子「スッゲェヘヤジャネーカ」
男「えー」
女「こんなとこ一般人には無理だって!他の宿探そ!」
その時部屋に備え付けられてるインターホンが鳴った
『社長が是非ご挨拶にと』
男「だってさ」
女「謝ろう!全力で謝ろう!」
姉「それしかない!もうそれしか!」
恐る恐る扉を開ける女
いかにも社長!といった感じのオーラを纏っている紳士が入ってきた
社長「よっ!」
男「よっ!」
女「……!?」
あまりにも軽い挨拶
姉「ささ、流石にこれは払えないっての!!無理無理!キャンセルキャンセル!」
ボビ子「スッゲェヘヤジャネーカ」
男「えー」
女「こんなとこ一般人には無理だって!他の宿探そ!」
その時部屋に備え付けられてるインターホンが鳴った
『社長が是非ご挨拶にと』
男「だってさ」
女「謝ろう!全力で謝ろう!」
姉「それしかない!もうそれしか!」
恐る恐る扉を開ける女
いかにも社長!といった感じのオーラを纏っている紳士が入ってきた
社長「よっ!」
男「よっ!」
女「……!?」
あまりにも軽い挨拶
467: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/21(土) 02:41:27.96 ID:qZyz4wXR.net
男「マジでこの部屋でいいの?」
社長「だってここしか空いてないし」
男「グランドスイートなんていつの間に作ったんだよ」
社長「去年からの改装で今年の夏にできたばっかり」
男「まじか」
社長「あんま客入らないんだけどね」
男「作った意味ねーじゃんw」
社長「だよなw」
女「……」
姉「……」
ボビ子「レイゾウコデケェナオイ」
女「あのー……」
社長「あ、どうも失礼しました。このホテルのオーナーでございます」
女「ど……どうも」
社長「それといつも息子がお世話になってます」
女「むす……え?」
男「これ親父」
社長「親父でございます」
女「え?まって……ん?……は……?えーっと?」
姉「……男くんの……お父様?」
男「うん」
姉「じゃぁ自然と男くんはここの社長の……」
ボビ子「ペットジャネーノ?」
男「おい」
社長「だってここしか空いてないし」
男「グランドスイートなんていつの間に作ったんだよ」
社長「去年からの改装で今年の夏にできたばっかり」
男「まじか」
社長「あんま客入らないんだけどね」
男「作った意味ねーじゃんw」
社長「だよなw」
女「……」
姉「……」
ボビ子「レイゾウコデケェナオイ」
女「あのー……」
社長「あ、どうも失礼しました。このホテルのオーナーでございます」
女「ど……どうも」
社長「それといつも息子がお世話になってます」
女「むす……え?」
男「これ親父」
社長「親父でございます」
女「え?まって……ん?……は……?えーっと?」
姉「……男くんの……お父様?」
男「うん」
姉「じゃぁ自然と男くんはここの社長の……」
ボビ子「ペットジャネーノ?」
男「おい」
487: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/23(月) 02:58:51.02 ID:M3CVHqYz.net
社長もとい男の父親が部屋を出て行った
女「あのさ……そういう事はもっと先に言ってよね」
男「いや、俺もあまりに変わってるから未だに親父が責任者なのかわかんなかったし」
女「どんな親子よ……」
姉「本当に料金はいいの?」
男「いいって言ってたしいいんじゃないっすか?」
女「どのみち払えないっていうね…」
姉「まぁそうなんだけど」
男「じゃぁ俺はこのまま家帰るから」
女「え?ここじゃないの?」
男「ここはあくまで旅館、家は近くにあるんだ」
女「……私も行ったほうがいいかな?」
男「んや、ここでお姉さん達と泊まればいいさ」
女「でもお姉ちゃんの彼氏が……」
男「あれ彼氏じゃなくて友達らしいぞ、しかも女の子だ」
女「……え?」
ボビ子は部屋の絨毯の柄であみだくじをして遊んでいる
女「……お姉ちゃん?」
姉「はっ!殺気……!」
女「何が彼氏だコノヤロォぉぉぉ!!」
姉「いきなりなんなのぉぉ」
女「あのさ……そういう事はもっと先に言ってよね」
男「いや、俺もあまりに変わってるから未だに親父が責任者なのかわかんなかったし」
女「どんな親子よ……」
姉「本当に料金はいいの?」
男「いいって言ってたしいいんじゃないっすか?」
女「どのみち払えないっていうね…」
姉「まぁそうなんだけど」
男「じゃぁ俺はこのまま家帰るから」
女「え?ここじゃないの?」
男「ここはあくまで旅館、家は近くにあるんだ」
女「……私も行ったほうがいいかな?」
男「んや、ここでお姉さん達と泊まればいいさ」
女「でもお姉ちゃんの彼氏が……」
男「あれ彼氏じゃなくて友達らしいぞ、しかも女の子だ」
女「……え?」
ボビ子は部屋の絨毯の柄であみだくじをして遊んでいる
女「……お姉ちゃん?」
姉「はっ!殺気……!」
女「何が彼氏だコノヤロォぉぉぉ!!」
姉「いきなりなんなのぉぉ」
488: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/23(月) 03:06:16.53 ID:M3CVHqYz.net
さらに男が家に帰り3人が取り残された
姉「あんたもうこのまま男くんと本当に付き合っちゃいなさいよ」
女「い、いきなりなに!?」
姉「絶対そうしたほうがいいって、こんなお金持ちで玉の輿じゃないの」
ボビ子「タマキン?オレハタマキンンネーヨ」
女「いや、別に私は……」
姉「あんたが要らないなら私が貰っちゃうけどね、彼のこと結構気になってたし」
女「は、はぁ!?どういう事!?」
姉「ふっふーん、おしえなーい」
ボビ子「コレクエネージャネェカヨ」
備え付けの花瓶の造花を食うボビ子
女「いつのまにぃ……!」
その時部屋のインターホンが鳴った
女「誰だろ?」
姉「男くん?」
ボビ子「メシジャネーノ」
どうやらボビ子はお腹が空いたようだ
姉「あんたもうこのまま男くんと本当に付き合っちゃいなさいよ」
女「い、いきなりなに!?」
姉「絶対そうしたほうがいいって、こんなお金持ちで玉の輿じゃないの」
ボビ子「タマキン?オレハタマキンンネーヨ」
女「いや、別に私は……」
姉「あんたが要らないなら私が貰っちゃうけどね、彼のこと結構気になってたし」
女「は、はぁ!?どういう事!?」
姉「ふっふーん、おしえなーい」
ボビ子「コレクエネージャネェカヨ」
備え付けの花瓶の造花を食うボビ子
女「いつのまにぃ……!」
その時部屋のインターホンが鳴った
女「誰だろ?」
姉「男くん?」
ボビ子「メシジャネーノ」
どうやらボビ子はお腹が空いたようだ
489: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/23(月) 03:17:32.62 ID:M3CVHqYz.net
扉を開けると…
妹「わぁ!本当に女さんだ!」
女「あ、妹ちゃん!」
姉「誰」
妹「誰」
ボビ子「ア、アタシボビコトオモイマス」
妹「ど、どうも…男の妹です」
姉「え?男くんの妹?」
妹「はい!」
女「そっか妹ちゃんはこっちに住んでるんだもんね」
妹「さっき兄ちゃんから聞いて急いで来たんだよ!階段走ってきたんだよ!」
姉「なるほど、似てる」
妹「えーっと……」
姉「あ、私この子の姉」
妹「やっぱり!女さんに似てるって思ってたんです」
姉「妹より2割り増しで美人でしょ?」
妹「え、えーっと…」
女「はぁ?2割減の間違いでしょ」
姉「少なく見積もっても2割り増しですぅー!」
女「こういう人なの」
妹「な、なるほど」
ボビ子「ハラヘッタ」
妹「わぁ!本当に女さんだ!」
女「あ、妹ちゃん!」
姉「誰」
妹「誰」
ボビ子「ア、アタシボビコトオモイマス」
妹「ど、どうも…男の妹です」
姉「え?男くんの妹?」
妹「はい!」
女「そっか妹ちゃんはこっちに住んでるんだもんね」
妹「さっき兄ちゃんから聞いて急いで来たんだよ!階段走ってきたんだよ!」
姉「なるほど、似てる」
妹「えーっと……」
姉「あ、私この子の姉」
妹「やっぱり!女さんに似てるって思ってたんです」
姉「妹より2割り増しで美人でしょ?」
妹「え、えーっと…」
女「はぁ?2割減の間違いでしょ」
姉「少なく見積もっても2割り増しですぅー!」
女「こういう人なの」
妹「な、なるほど」
ボビ子「ハラヘッタ」
503: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/25(水) 19:41:42.88 ID:UqTSBmJ4.net
女子だらけのスイート客はレストランに来ていた
ボビ子がうるさいので早いが準備は出来ているとの事で早めの夕食となった
初めはきらびやかな個室に案内され落ち着かない女姉妹
男は用事を済ませてからとかで少し遅れるそうだ
姉「やっぱり男くんはここを継ぐの?」
妹「うーん、たぶんそれはないと思いますよ」
姉「なんで?そういうお父様の方針?」
妹「いえ、むしろお父さんは継いで欲しいって言ってますけど」
姉「そうなの?」
妹「この話はあまり…」
姉「あ、ごめんね」
ボビ子「コノザリガニウメェナ」バリボリ
女(男もなんか色々あるんだなぁ)
普段自由奔放な男がこんな家の出だなんて思ってもみなかった
男「おまたせー」
女「遅かったね」
ボビ子「モウオメェノザリガニノコッテネェゾ」
男「ザリガニじゃねぇから伊勢海老な」
突っ込まれて少し嬉しそうなボビ子
ボビ子がうるさいので早いが準備は出来ているとの事で早めの夕食となった
初めはきらびやかな個室に案内され落ち着かない女姉妹
男は用事を済ませてからとかで少し遅れるそうだ
姉「やっぱり男くんはここを継ぐの?」
妹「うーん、たぶんそれはないと思いますよ」
姉「なんで?そういうお父様の方針?」
妹「いえ、むしろお父さんは継いで欲しいって言ってますけど」
姉「そうなの?」
妹「この話はあまり…」
姉「あ、ごめんね」
ボビ子「コノザリガニウメェナ」バリボリ
女(男もなんか色々あるんだなぁ)
普段自由奔放な男がこんな家の出だなんて思ってもみなかった
男「おまたせー」
女「遅かったね」
ボビ子「モウオメェノザリガニノコッテネェゾ」
男「ザリガニじゃねぇから伊勢海老な」
突っ込まれて少し嬉しそうなボビ子
504: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/25(水) 19:51:07.43 ID:UqTSBmJ4.net
女「何してたの?」
男「野暮用」
妹「挨拶回りだよ、年末だから色々人が集まってるしね」
男「ほんとめんどくせぇよな」
姉「なんか私たちの知らない世界ね」
女「うん」
自分でセットしたのだろうか、男はいつものだらしない姿からは想像も出来ないくらいピシッとしていた
女(こんなに正装の似合う奴だとは思わなかった)
男「食ってるか?」
女「え、うん」
姉「ほんと美味しいね」
ボビ子「フザケンジャネェヨ」
男「喜んでもらって何よりだな」
そこにいかにも料理人!といった感じの人物が入ってきた
料理長「男さんお久しぶりです」
男「わざわざいいっすよ、料理長さんだって忙しいでしょう」
料理長「男さんが来てくださる事なんてそうそうないですから」
男「嫌味っすかーw」
料理長「久々に戻られたんですからまた無茶振りしてくださいよ」
男「えーw」
男「野暮用」
妹「挨拶回りだよ、年末だから色々人が集まってるしね」
男「ほんとめんどくせぇよな」
姉「なんか私たちの知らない世界ね」
女「うん」
自分でセットしたのだろうか、男はいつものだらしない姿からは想像も出来ないくらいピシッとしていた
女(こんなに正装の似合う奴だとは思わなかった)
男「食ってるか?」
女「え、うん」
姉「ほんと美味しいね」
ボビ子「フザケンジャネェヨ」
男「喜んでもらって何よりだな」
そこにいかにも料理人!といった感じの人物が入ってきた
料理長「男さんお久しぶりです」
男「わざわざいいっすよ、料理長さんだって忙しいでしょう」
料理長「男さんが来てくださる事なんてそうそうないですから」
男「嫌味っすかーw」
料理長「久々に戻られたんですからまた無茶振りしてくださいよ」
男「えーw」
505: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/25(水) 19:56:59.03 ID:UqTSBmJ4.net
女「本当に私たちの知らない世界なんだけど」
姉「料理長って厨房で一番偉い人よね?」
妹「昔から兄ちゃんは料理長さんに無茶振りして、料理長さんも喜んで受けて立つ関係なの」
男「んじゃぁここはひとつ」
料理長「なんなりと」
男「……味噌ラーメン一丁」
女「み、味噌ラーメン!?ここで!?」
男「だって無茶振りOKだって」
女「だからって味噌ラーメンはないでしょ!」
料理長「ふっふっふ、その程度なら見越していましたよ」
男「まじか」
ボビ子「オレモオレモ」
料理長「どうぞ」
ボビ子「オレノジモトにツタワルカピバラノマルヤキイッチョ!!」
料理長「カピ……え?」
男「…出来ますよね?」
料理長「カピ……少々お待ちを……」
料理長が出て行った
男「ぜってぇ無理だろw」
女「さいってー」
姉「料理長って厨房で一番偉い人よね?」
妹「昔から兄ちゃんは料理長さんに無茶振りして、料理長さんも喜んで受けて立つ関係なの」
男「んじゃぁここはひとつ」
料理長「なんなりと」
男「……味噌ラーメン一丁」
女「み、味噌ラーメン!?ここで!?」
男「だって無茶振りOKだって」
女「だからって味噌ラーメンはないでしょ!」
料理長「ふっふっふ、その程度なら見越していましたよ」
男「まじか」
ボビ子「オレモオレモ」
料理長「どうぞ」
ボビ子「オレノジモトにツタワルカピバラノマルヤキイッチョ!!」
料理長「カピ……え?」
男「…出来ますよね?」
料理長「カピ……少々お待ちを……」
料理長が出て行った
男「ぜってぇ無理だろw」
女「さいってー」
507: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/25(水) 20:04:55.56 ID:UqTSBmJ4.net
その後カピバラに代わりワニの丸焼きを平らげて幸せそうなボビ子含むスイートの女子勢
男「んじゃぁ俺ら家の方行くから」
女「あ、うん」
妹「また明日」
姉「明日も色々聞かせてよね」
妹「はい」
男「おい、俺のいない間になにバラしやがった?」
妹「別にいーじゃん」
男「よくねぇし」
妹「じゃおやすみ!」
その場から逃走する妹
男「待てこのやろ!!」
追いかける男
姉「なんで男くんはここを継ぎたくないんだろうね?」
女「さぁ?」
ボビ子「ハヤク●●●シテネヨウゼ」
ボビ子はお腹いっぱいで眠いようだ
女「……聞いてみようかな」
男「んじゃぁ俺ら家の方行くから」
女「あ、うん」
妹「また明日」
姉「明日も色々聞かせてよね」
妹「はい」
男「おい、俺のいない間になにバラしやがった?」
妹「別にいーじゃん」
男「よくねぇし」
妹「じゃおやすみ!」
その場から逃走する妹
男「待てこのやろ!!」
追いかける男
姉「なんで男くんはここを継ぎたくないんだろうね?」
女「さぁ?」
ボビ子「ハヤク●●●シテネヨウゼ」
ボビ子はお腹いっぱいで眠いようだ
女「……聞いてみようかな」
517: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/27(金) 01:55:53.42 ID:7/FxqwT8.net
翌日12/31朝
男「おはよう」
女「珍し…ちゃんと起きてるなんて」
男「こっちにいる時は割と規則正しい生活を心がけてる」
女「だったら普段からちゃんと起きてほしいな」
男「それを言われるとなぁ~」
女「ぐーたらしたいとか言ってた割に忙しそうね」
男「むしろ今日明日ぐーたらするために昨日は頑張った」
女「そーゆーことか」
男「暇なら家くるか?」
女「え、家ってあんたが住んでる?」
男「うん」
女「……じゃぁ行こうかな」
男「よし、準備できたらロビーまで来てくれ」
女「もうすぐ行けるよ」
男「おっけー」
男「おはよう」
女「珍し…ちゃんと起きてるなんて」
男「こっちにいる時は割と規則正しい生活を心がけてる」
女「だったら普段からちゃんと起きてほしいな」
男「それを言われるとなぁ~」
女「ぐーたらしたいとか言ってた割に忙しそうね」
男「むしろ今日明日ぐーたらするために昨日は頑張った」
女「そーゆーことか」
男「暇なら家くるか?」
女「え、家ってあんたが住んでる?」
男「うん」
女「……じゃぁ行こうかな」
男「よし、準備できたらロビーまで来てくれ」
女「もうすぐ行けるよ」
男「おっけー」
518: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/27(金) 02:03:31.49 ID:7/FxqwT8.net
男の家はホテルから少し離れた所にある立派なお屋敷だった
女「でっか……」
男「今両親は仕事で旅館の方に行ってるからいないけどね」
男は旅館と言っているが厳密にはホテルだ
改装してホテルになったので名前は旅館のままなのだが
家の中は部屋数こそ多いが思ったより普通の和民家だった
女「そういえば妹ちゃんから聞いたよ、あのホテル継がないんだって?」
男「え、ああ…」
女「お父さんは継がせたいって思ってるって聞いたけどなんで継がないの?」
男「えーっと……」
明らかに困っている男
女「やっぱり面倒くさいからとか?」
男「……しゃーない、君にだけは話そうかな」
女「なによそれーw」
男「俺……ここの子供じゃないんだよね」
女「……?どゆこと?」
男「簡単に言うとあの親父も、母さんも妹も本当の両親兄妹じゃないってこと」
女「……え」
女「でっか……」
男「今両親は仕事で旅館の方に行ってるからいないけどね」
男は旅館と言っているが厳密にはホテルだ
改装してホテルになったので名前は旅館のままなのだが
家の中は部屋数こそ多いが思ったより普通の和民家だった
女「そういえば妹ちゃんから聞いたよ、あのホテル継がないんだって?」
男「え、ああ…」
女「お父さんは継がせたいって思ってるって聞いたけどなんで継がないの?」
男「えーっと……」
明らかに困っている男
女「やっぱり面倒くさいからとか?」
男「……しゃーない、君にだけは話そうかな」
女「なによそれーw」
男「俺……ここの子供じゃないんだよね」
女「……?どゆこと?」
男「簡単に言うとあの親父も、母さんも妹も本当の両親兄妹じゃないってこと」
女「……え」
519: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/27(金) 02:16:06.87 ID:7/FxqwT8.net
そのまま男の部屋に通された女
部屋はスッキリしていてあまり物がない
男「結構持って行ってる物が多いからそんなに面白いもの残ってないけど」
女「……うん」
女のなかでさっきチラッと聞いた男の素性が引っかかっていた
女(あんなに仲良さそうに見えたけど……)
男「もしかしてさっきの気になってる?」
女「そりゃぁ……だって……」
男「あの親父は俺の父親の弟、本当は叔父さんなんだ」
女「じゃぁ妹ちゃんは…いとこ?」
男「そーなるね」
女(だから似てたのか……)
男「本当の両親は俺が小学校入る前に居なくなった」
女「居なくなったって……」
男「すげー借金あったみたいでさー俺を親父に預けてどっか消えた、多分2人で死んだんだろうって」
女「うそ……」
男「借金の方はその時の保険とかでどうにかなったらしいんだけど、俺はここでずーっとおいてけぼり」
女「……」
男「ほんとテキトーな両親だよなw流石俺の親」
軽く言っているが女は男の寂しさをひしひしと感じていた
男「ほんっと親父と母さんには迷惑かけっぱなし、よくある親族たらい回しにならなくてよかったよ」
部屋はスッキリしていてあまり物がない
男「結構持って行ってる物が多いからそんなに面白いもの残ってないけど」
女「……うん」
女のなかでさっきチラッと聞いた男の素性が引っかかっていた
女(あんなに仲良さそうに見えたけど……)
男「もしかしてさっきの気になってる?」
女「そりゃぁ……だって……」
男「あの親父は俺の父親の弟、本当は叔父さんなんだ」
女「じゃぁ妹ちゃんは…いとこ?」
男「そーなるね」
女(だから似てたのか……)
男「本当の両親は俺が小学校入る前に居なくなった」
女「居なくなったって……」
男「すげー借金あったみたいでさー俺を親父に預けてどっか消えた、多分2人で死んだんだろうって」
女「うそ……」
男「借金の方はその時の保険とかでどうにかなったらしいんだけど、俺はここでずーっとおいてけぼり」
女「……」
男「ほんとテキトーな両親だよなw流石俺の親」
軽く言っているが女は男の寂しさをひしひしと感じていた
男「ほんっと親父と母さんには迷惑かけっぱなし、よくある親族たらい回しにならなくてよかったよ」
520: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/11/27(金) 02:26:41.43 ID:7/FxqwT8.net
男「ほんと迷惑かけっぱなしだからさ……俺があの旅館を継がせてもらうなんて都合の良い話受けられるわけないじゃん?」
女「なんか……色々…その…」
男「ちょ、なんでそんな気まずい顔してんの?」
女「……だってそんな話」
男「そーんなシリアスな話じゃないぞ?そもそも俺自身にそんな記憶殆ど残ってないし、今現在不自由なく育ててもらってるし」
女「……」
男「……ってこんな話いきなりされたら無理ないか」
男「何ていうか…君には伝えておいても良いかなって思っただけ」
女「え…」
男「べ、別にそんなつもりじゃないんだからねっ!君には世話になってるからってだけで……そんな特別な意味なんてないんだからねっ!」
女「ふっ…wなにそれw」
男「くそー、あのバカ妹め!要らんことまで伝えるから俺の出生の秘密をバラさねばならなくなったじゃねーか!」
女「別に妹ちゃん悪くないしw」
男の秘密をしって複雑な気持ちだったが、最後に残ったのは男ともっと近づけた喜びだった
女「なんか……色々…その…」
男「ちょ、なんでそんな気まずい顔してんの?」
女「……だってそんな話」
男「そーんなシリアスな話じゃないぞ?そもそも俺自身にそんな記憶殆ど残ってないし、今現在不自由なく育ててもらってるし」
女「……」
男「……ってこんな話いきなりされたら無理ないか」
男「何ていうか…君には伝えておいても良いかなって思っただけ」
女「え…」
男「べ、別にそんなつもりじゃないんだからねっ!君には世話になってるからってだけで……そんな特別な意味なんてないんだからねっ!」
女「ふっ…wなにそれw」
男「くそー、あのバカ妹め!要らんことまで伝えるから俺の出生の秘密をバラさねばならなくなったじゃねーか!」
女「別に妹ちゃん悪くないしw」
男の秘密をしって複雑な気持ちだったが、最後に残ったのは男ともっと近づけた喜びだった
556: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/01(火) 13:40:39.86 ID:TyVT5e/J.net
12/31 22:00
姉「てかぁー、なんで男くんも妹ちゃんもいねぇのよぉー?」
この姉、泥酔
女「後で来るって言ってたけど」
せっかくのスイートにはコタツが持ち込まれ、酒類の缶があちこちに転がっている
無駄にでかいテレビには定番年末番組が映っている
姉「あんにゃろぅ~…こっちは客らぞぉ~」
女「タダで泊めてもらっておいて客じゃないでしょ」
ボビ子は酔っ払って窓から飛び出していった
恐ろしいのは高層階という事に誰も気がついていないという…
女(おそいなぁ…)
男は家族とある程過ごしたらこっちに参加すると言っていた
姉「てかぁー、なんで男くんも妹ちゃんもいねぇのよぉー?」
この姉、泥酔
女「後で来るって言ってたけど」
せっかくのスイートにはコタツが持ち込まれ、酒類の缶があちこちに転がっている
無駄にでかいテレビには定番年末番組が映っている
姉「あんにゃろぅ~…こっちは客らぞぉ~」
女「タダで泊めてもらっておいて客じゃないでしょ」
ボビ子は酔っ払って窓から飛び出していった
恐ろしいのは高層階という事に誰も気がついていないという…
女(おそいなぁ…)
男は家族とある程過ごしたらこっちに参加すると言っていた
558: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/01(火) 13:47:36.27 ID:TyVT5e/J.net
それから数分後
男「はいるぞーって……なんだこの状況」
ひどい荒れ様のスイートを目にして絶句する男
女「ごめん、お姉ちゃんが酔っ払っちゃって」
妹「うわー、酒くさーい」
女「もうそっちはいいの?」
男「親父も母上も仕事に戻った」
女「大変だね」
男「年末だけな」
コタツに入る兄妹
姉「あぁー男くぅぅん!」
男「どんだけ飲んだんですか…」
姉「ちょっとよぉ~っw」
男「くせぇ…」
姉「うひひひw」
女「お姉ちゃんはなれてよっ…!」
姉「お"ぉ"ん"?なんでよぉー」
姉を男から引き剥がす女
男「はいるぞーって……なんだこの状況」
ひどい荒れ様のスイートを目にして絶句する男
女「ごめん、お姉ちゃんが酔っ払っちゃって」
妹「うわー、酒くさーい」
女「もうそっちはいいの?」
男「親父も母上も仕事に戻った」
女「大変だね」
男「年末だけな」
コタツに入る兄妹
姉「あぁー男くぅぅん!」
男「どんだけ飲んだんですか…」
姉「ちょっとよぉ~っw」
男「くせぇ…」
姉「うひひひw」
女「お姉ちゃんはなれてよっ…!」
姉「お"ぉ"ん"?なんでよぉー」
姉を男から引き剥がす女
559: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/01(火) 13:53:09.46 ID:TyVT5e/J.net
男「ほら、これ持ってけって母さんが」
男が持ってきたのは豪勢なおせち料理のお重
女「まじで?すげー!」
姉「おぉ?ザリガニはっけーん」
女「これはまだ食べないよ」
姉「なーんでー!ざぁりぃがぁにぃぃぃ!!」
男「君も酔っ払った時こんな感じだったけどな」
女「えっ…」
男「もっと酷かったか」
男が持ってきたのは豪勢なおせち料理のお重
女「まじで?すげー!」
姉「おぉ?ザリガニはっけーん」
女「これはまだ食べないよ」
姉「なーんでー!ざぁりぃがぁにぃぃぃ!!」
男「君も酔っ払った時こんな感じだったけどな」
女「えっ…」
男「もっと酷かったか」
560: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/01(火) 13:59:13.08 ID:TyVT5e/J.net
12/31 23:40
男「もうじき今年も終わるんだな」
妹「うん」
女「そうだね」
男「色々あったなぁ」
女「特に後半は色々あったね」
男「そうだな」
妹「はい、兄ちゃん」
綺麗に薄皮まで剥かれたみかん
男「おう」
妹「まだいる?」
男「んや、いいや」
仲がいい兄妹
微笑ましい
とは思えなくなっていた女
女(妹ちゃんって本当はいとこなのよね、って事は充分男とそういう感じになっても問題ないって事で…)
妹「なにこわい顔してるの?」
女「え…いや、別に…」
男「眠いのか?無理すんなよ」
女「こ、子供かっ!」
男「もうじき今年も終わるんだな」
妹「うん」
女「そうだね」
男「色々あったなぁ」
女「特に後半は色々あったね」
男「そうだな」
妹「はい、兄ちゃん」
綺麗に薄皮まで剥かれたみかん
男「おう」
妹「まだいる?」
男「んや、いいや」
仲がいい兄妹
微笑ましい
とは思えなくなっていた女
女(妹ちゃんって本当はいとこなのよね、って事は充分男とそういう感じになっても問題ないって事で…)
妹「なにこわい顔してるの?」
女「え…いや、別に…」
男「眠いのか?無理すんなよ」
女「こ、子供かっ!」
562: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/01(火) 14:06:39.69 ID:TyVT5e/J.net
妹「ちょっとぉw足もぞもぞしないでよw」
男「かゆかったんだよ」
妹「ねぇー!わざとでしょー!w」
女(なんか…くやしい…)
姉「くかー……」
男「静かになったと思ったら寝てたのか」
妹「お姉さん大人しくしてると美人さんなのにね」
女「それは本当そう思う」
男「それは君も一緒なんだけどな」
女「ちょ、それどういう意味よー」
男「全くもったいない」
女(あれ…それって逆を言えば…)
女「…っ///」
年が明けようとしている
男「かゆかったんだよ」
妹「ねぇー!わざとでしょー!w」
女(なんか…くやしい…)
姉「くかー……」
男「静かになったと思ったら寝てたのか」
妹「お姉さん大人しくしてると美人さんなのにね」
女「それは本当そう思う」
男「それは君も一緒なんだけどな」
女「ちょ、それどういう意味よー」
男「全くもったいない」
女(あれ…それって逆を言えば…)
女「…っ///」
年が明けようとしている
592: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/05(土) 03:04:31.66 ID:6DX2q876.net
男「ふぁー…眠くなってきた」
妹「暇だしさ、カウントダウンまで人生ゲームやろうよ!」
男「えー」
女「いいね!」
妹「じゃ持ってくるね!」
妹は家まで人生ゲームを取りに戻っていった
女「…寝ないでよ?」
男「がんばっておきるぅ…」
妹が座っていた男の隣に移動する女
男「…なに?」
女「ここに座りたくなっただけ」
男「ふーん…」
部屋にこだます姉のいびき
女「…今年はお世話になりました、ってね」
男「…俺もだ、昼飯とか色々な」
相変わらずぎこちない二人
妹「暇だしさ、カウントダウンまで人生ゲームやろうよ!」
男「えー」
女「いいね!」
妹「じゃ持ってくるね!」
妹は家まで人生ゲームを取りに戻っていった
女「…寝ないでよ?」
男「がんばっておきるぅ…」
妹が座っていた男の隣に移動する女
男「…なに?」
女「ここに座りたくなっただけ」
男「ふーん…」
部屋にこだます姉のいびき
女「…今年はお世話になりました、ってね」
男「…俺もだ、昼飯とか色々な」
相変わらずぎこちない二人
593: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/05(土) 03:13:32.25 ID:6DX2q876.net
女「…」
男「…」コックリコックリ
女「ちょっと、寝ないでよ」
男「ねむぃ…」
女「もう少しなんだからさ」
男「じゃぁ5分前に起こして…」
女「あと10分しかないわよ」
男「んー…」
女「ちょっと!」
男「…」
女「本当に寝ちゃったよ…」
無防備な寝顔
女はふと何かしてやろうかと思った
女「…」
そっと顔を近づける
女(本当に…寝てるよね…?)
まぶたを指で押し上げる
力なく目が虚空を見つめている
女(…ねたわ)
男が起きていれば「検死現場かっ」と突っ込んでいただろう
男「…」コックリコックリ
女「ちょっと、寝ないでよ」
男「ねむぃ…」
女「もう少しなんだからさ」
男「じゃぁ5分前に起こして…」
女「あと10分しかないわよ」
男「んー…」
女「ちょっと!」
男「…」
女「本当に寝ちゃったよ…」
無防備な寝顔
女はふと何かしてやろうかと思った
女「…」
そっと顔を近づける
女(本当に…寝てるよね…?)
まぶたを指で押し上げる
力なく目が虚空を見つめている
女(…ねたわ)
男が起きていれば「検死現場かっ」と突っ込んでいただろう
594: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/05(土) 03:20:22.29 ID:6DX2q876.net
女(何かって…なにしよう…)
なにも思いつかない
女(そう言えば…今までキスってした事なかったよね)
再び顔を近づける
高鳴る心臓
顔が熱い
息を止め
女(あれ?息って止めるんだっけ?)
目標まであと数センチ
バタン!
妹「ゆ、雪男が出たんだって!!」
妹が戻ってきた
妹「なんか血だらけの雪男が片言で「フザケンジャネェヨ」って叫びながら明日の団体さん用のビール20ケース飲み干してって…」
そこには潰れて寝ている姉
普通に寝落ちの男
咄嗟の寝たふりの女
妹「…あれ、みんな寝ちゃってる」
年が明けた
なにも思いつかない
女(そう言えば…今までキスってした事なかったよね)
再び顔を近づける
高鳴る心臓
顔が熱い
息を止め
女(あれ?息って止めるんだっけ?)
目標まであと数センチ
バタン!
妹「ゆ、雪男が出たんだって!!」
妹が戻ってきた
妹「なんか血だらけの雪男が片言で「フザケンジャネェヨ」って叫びながら明日の団体さん用のビール20ケース飲み干してって…」
そこには潰れて寝ている姉
普通に寝落ちの男
咄嗟の寝たふりの女
妹「…あれ、みんな寝ちゃってる」
年が明けた
630: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/09(水) 03:10:55.98 ID:MJbcg8Ee.net
元日 早朝
女「…ん…」
一番早く目覚めたのは女だった
女(あぁ、あのままこたつで寝ちゃったのか…)
身体を起こすと隣では男が気持ちよさそうに寝息を立てている
姉はカエルの死骸のように伸びきって倒れている
女(妹ちゃんは家かな…)
もう誰の邪魔もない
女(…起きないでよね)
再び横になり、男に擦り寄る
女(あたたかい…)
男の片腕に抱きつくように密着する
女(あぁー、こういうのやりたかったの!)
女「ふひひ…」
しばらくそのままで居たのだが急に恥ずかしくなってきた女
女「も、もう良いかな…///」
身を離そうとした時
女「…ん…」
一番早く目覚めたのは女だった
女(あぁ、あのままこたつで寝ちゃったのか…)
身体を起こすと隣では男が気持ちよさそうに寝息を立てている
姉はカエルの死骸のように伸びきって倒れている
女(妹ちゃんは家かな…)
もう誰の邪魔もない
女(…起きないでよね)
再び横になり、男に擦り寄る
女(あたたかい…)
男の片腕に抱きつくように密着する
女(あぁー、こういうのやりたかったの!)
女「ふひひ…」
しばらくそのままで居たのだが急に恥ずかしくなってきた女
女「も、もう良いかな…///」
身を離そうとした時
631: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/09(水) 03:20:37.48 ID:MJbcg8Ee.net
男「…んー…」
男が寝返りをうった
女「…!!」
すぐ横にいた女を抱きしめる男
女「…お、起きたの!?」
返事はない、寝息だけがかえってくる
完全に腕の中で動けなくなった女
女(は、はずっ…!なっ…なんなのぉ!?///)
鼓動が聞こえる
自分の?男の?それすらわからないほど混乱していた
目の前には男の胸
その上には気持ちよさそうに眠る男の顔
女「…も、もう…どうでもいいや…///」
女は男の胸に顔を埋め、身を委ねた
それから数十分後
男「……ん?」
目が覚めた男の腕の中では逆に二度寝に落ちた女
男「…なんで?」
起きようにも女が腕に乗っているせいで起きれない
男「…おーい」
女「…ん…」
一瞬目が少し開いたが、すぐ元に戻った
男が寝返りをうった
女「…!!」
すぐ横にいた女を抱きしめる男
女「…お、起きたの!?」
返事はない、寝息だけがかえってくる
完全に腕の中で動けなくなった女
女(は、はずっ…!なっ…なんなのぉ!?///)
鼓動が聞こえる
自分の?男の?それすらわからないほど混乱していた
目の前には男の胸
その上には気持ちよさそうに眠る男の顔
女「…も、もう…どうでもいいや…///」
女は男の胸に顔を埋め、身を委ねた
それから数十分後
男「……ん?」
目が覚めた男の腕の中では逆に二度寝に落ちた女
男「…なんで?」
起きようにも女が腕に乗っているせいで起きれない
男「…おーい」
女「…ん…」
一瞬目が少し開いたが、すぐ元に戻った
632: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/09(水) 03:25:03.16 ID:MJbcg8Ee.net
男「おい、寝るな」
女「……」
みるみる女の顔が赤くなっていく
男「あけましておめでとう」
女「お、おめでとぅ…///」
男「……起きないの?」
女「…」
男「?」
女(なんか恥ずかしくて起きれない)
男「……もう少し寝てようか」
女「え…」
男「正月だしいいよな」
女「…う、うん///」
姉(くっそ、新年早々いちゃこらしやがって)
カエルのおめざめ
姉(こっちが恥ずかしくなるじゃんか)
女「……」
みるみる女の顔が赤くなっていく
男「あけましておめでとう」
女「お、おめでとぅ…///」
男「……起きないの?」
女「…」
男「?」
女(なんか恥ずかしくて起きれない)
男「……もう少し寝てようか」
女「え…」
男「正月だしいいよな」
女「…う、うん///」
姉(くっそ、新年早々いちゃこらしやがって)
カエルのおめざめ
姉(こっちが恥ずかしくなるじゃんか)
633: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/09(水) 03:29:06.50 ID:MJbcg8Ee.net
ボビ子「ココドコダヨ」
山の中を浴衣でずんずん進んでいくボビ子
雪が腰あたりまで積もっている
ボビ子「コノママダトレイトウショクヒンニナッチャウヨ」
朝起きたら山頂で一升瓶片手に眠っていた
ボビ子「ハラヘッタナ」
山の中を浴衣でずんずん進んでいくボビ子
雪が腰あたりまで積もっている
ボビ子「コノママダトレイトウショクヒンニナッチャウヨ」
朝起きたら山頂で一升瓶片手に眠っていた
ボビ子「ハラヘッタナ」
653: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/11(金) 01:44:13.20 ID:UtcVYfx8.net
姉「正月番組ってお笑いばっかよねぇ」
ここがスイートとは思えないようなだらけ方の一行
男「毎年の事じゃないっすか」
姉「それもそーなんだけどぉ」
テレビでは新年早々着飾った芸人達がネタを披露している
姉「どこも同じような番組ばっかり」
妹「ん?」
女「ねぇ?初詣いこうよ!」
男「初詣か…」
妹「ちょっと…」
女「行こうよ!」
男「別にいいけど…」
妹「ねぇってば」
姉「私はぱすー」
女「姉ちゃんも行くよ」
姉「そんなリア充行事二人で行けばいいじゃない」
男「別にリア充行事じゃないけど」
妹「ねぇ、これって…」
男「お前も行くか?」
妹「え、うん」
男「じゃ、行こうか」
女「いこー!」
ここがスイートとは思えないようなだらけ方の一行
男「毎年の事じゃないっすか」
姉「それもそーなんだけどぉ」
テレビでは新年早々着飾った芸人達がネタを披露している
姉「どこも同じような番組ばっかり」
妹「ん?」
女「ねぇ?初詣いこうよ!」
男「初詣か…」
妹「ちょっと…」
女「行こうよ!」
男「別にいいけど…」
妹「ねぇってば」
姉「私はぱすー」
女「姉ちゃんも行くよ」
姉「そんなリア充行事二人で行けばいいじゃない」
男「別にリア充行事じゃないけど」
妹「ねぇ、これって…」
男「お前も行くか?」
妹「え、うん」
男「じゃ、行こうか」
女「いこー!」
654: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/11(金) 01:52:05.87 ID:UtcVYfx8.net
初詣ということもあって寺は混んでいた
男「なんだかんだでしばらく初詣なんて来てなかったな」
妹「それは兄ちゃんだけだよ」
男「え?」
妹「お父さんもお母さんも仕事ひと段落ついたら来てるよ、来てないのは兄ちゃんだけ」
男「まじかー」
女「なんかあんたらしいね」
男「一応受験生だからな、神頼みはしておこう」
女「と言いつつもう手遅れでしょ、今更」
男「だからこその足掻きだ」
女「なるほどね」
男「あー、寒い…さっさと済ましてかえr……あ」
急に立ち止まった男
女「…どうかした?」
男の目線の先で同じように立ち尽くしている人がいた
男「なんだかんだでしばらく初詣なんて来てなかったな」
妹「それは兄ちゃんだけだよ」
男「え?」
妹「お父さんもお母さんも仕事ひと段落ついたら来てるよ、来てないのは兄ちゃんだけ」
男「まじかー」
女「なんかあんたらしいね」
男「一応受験生だからな、神頼みはしておこう」
女「と言いつつもう手遅れでしょ、今更」
男「だからこその足掻きだ」
女「なるほどね」
男「あー、寒い…さっさと済ましてかえr……あ」
急に立ち止まった男
女「…どうかした?」
男の目線の先で同じように立ち尽くしている人がいた
655: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/11(金) 01:58:59.49 ID:UtcVYfx8.net
男「……よぉ」
男が先に声をかけた
若い女性だ
年は男とそう離れていないようにも見えるが、少し大人びた雰囲気もある
女性「帰ってたんだ…」
男「まぁ、正月だし…」
どこかぎこちないやりとり
ただの知り合いって訳ではないようだ
女「…誰なの?」ヒソヒソ
妹「えーっと…」
妹も少し反応に困っているようだ
女(つまり…そういう人って訳ね…)
不思議ではない
男にだって以前から親交のある人はいるだろう
それもこの感じ、完全にただの友人って訳ではなさそうだ
女「……私さきにお参りしてくるね」
男「え、いや…別にいいよ、じゃぁな」
女性「うん…」
男は女の手をとってその場を離れた
女(別に気にしない…だって……)
女(この関係はもう今月で終わりなんだから……)
男が先に声をかけた
若い女性だ
年は男とそう離れていないようにも見えるが、少し大人びた雰囲気もある
女性「帰ってたんだ…」
男「まぁ、正月だし…」
どこかぎこちないやりとり
ただの知り合いって訳ではないようだ
女「…誰なの?」ヒソヒソ
妹「えーっと…」
妹も少し反応に困っているようだ
女(つまり…そういう人って訳ね…)
不思議ではない
男にだって以前から親交のある人はいるだろう
それもこの感じ、完全にただの友人って訳ではなさそうだ
女「……私さきにお参りしてくるね」
男「え、いや…別にいいよ、じゃぁな」
女性「うん…」
男は女の手をとってその場を離れた
女(別に気にしない…だって……)
女(この関係はもう今月で終わりなんだから……)
656: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/11(金) 02:08:00.28 ID:UtcVYfx8.net
時間が少し戻って出発前
初詣の話が出たころ
姉が適当に変えたチャンネルで妹は違和感を覚えた
妹「ん…?」
妹(あれ…この人どこかで…)
画面には大柄の外国人が片言で司会者の質問に答えてる
司会者『では雪男さんに問題です』
ボビ子『オレハユキオトコジャネェヨ』
司会者『失礼いたしました、お名前は?』
ボビ子『ボビコトオモイマス』
司会者『では雪男のボビ子さん、この道具を使ってお正月の遊びをしてみてください』
羽子板と羽根を渡されたボビ子
妹「ちょっと…」
ボビ子『シャモジジャネェカコレ』
司会者『杓文字ではありませんよ』
妹「ねぇ、これって…」
ボビ子『オメェバカダナ、コレデゴハンスクウンダヨ』
司会者『ちょっと違いますねぇ、そっちの羽根はなんに使うと思います?』
ボビ子『コレハ…ナンダコリャ』
司会者『迷ってますねぇ』
ボビ子『マヨネーズネェヨ』
妹(どこかで見た木とあるような…)
初詣の話が出たころ
姉が適当に変えたチャンネルで妹は違和感を覚えた
妹「ん…?」
妹(あれ…この人どこかで…)
画面には大柄の外国人が片言で司会者の質問に答えてる
司会者『では雪男さんに問題です』
ボビ子『オレハユキオトコジャネェヨ』
司会者『失礼いたしました、お名前は?』
ボビ子『ボビコトオモイマス』
司会者『では雪男のボビ子さん、この道具を使ってお正月の遊びをしてみてください』
羽子板と羽根を渡されたボビ子
妹「ちょっと…」
ボビ子『シャモジジャネェカコレ』
司会者『杓文字ではありませんよ』
妹「ねぇ、これって…」
ボビ子『オメェバカダナ、コレデゴハンスクウンダヨ』
司会者『ちょっと違いますねぇ、そっちの羽根はなんに使うと思います?』
ボビ子『コレハ…ナンダコリャ』
司会者『迷ってますねぇ』
ボビ子『マヨネーズネェヨ』
妹(どこかで見た木とあるような…)
728: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/24(木) 17:39:34.86 ID:v/IdSKGe.net
賽銭を投げ入れ手をあわせる
男「いでよーしぇんろん!」
妹「はいはい、兄ちゃんは神龍にでもお願いしてなよ」
女「ちゃんと神様に手を合わせないと」
男「神様と言ってもデンデだろ?」
女「もういい」
女(…やっぱり気になるなぁ)
さっきの女性の姿はもう無かった
男「早く…早く俺を不死身にしろぉ…」ボソボソ
女(…そうだ)
妹「ねぇ?何願ったの?」
男「俺は不死m…」
妹「兄ちゃんは祟られてしまえ」
女「私は…教えない」
男「なんでだよー」
女「しらないの?教えちゃうと効果無くなっちゃうんだよ」
妹「じゃぁ私も秘密ー」
男「え…俺の不死身……」
男「いでよーしぇんろん!」
妹「はいはい、兄ちゃんは神龍にでもお願いしてなよ」
女「ちゃんと神様に手を合わせないと」
男「神様と言ってもデンデだろ?」
女「もういい」
女(…やっぱり気になるなぁ)
さっきの女性の姿はもう無かった
男「早く…早く俺を不死身にしろぉ…」ボソボソ
女(…そうだ)
妹「ねぇ?何願ったの?」
男「俺は不死m…」
妹「兄ちゃんは祟られてしまえ」
女「私は…教えない」
男「なんでだよー」
女「しらないの?教えちゃうと効果無くなっちゃうんだよ」
妹「じゃぁ私も秘密ー」
男「え…俺の不死身……」
730: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/24(木) 17:52:01.53 ID:v/IdSKGe.net
女の中で一つの不安が徐々に大きくなっていた
それはさっきの女性の事ではなく、これで男との恋愛ごっこもおしまいになる事の不安だった
女(これで…やりたかったイベントは一通りできたけど…)
男「寒いしかえろ」
妹「そだね」
2人の数歩後ろをついていく女
女(このところあいつが優しかったのってもう終わりが近いから…なんだよね…)
男「よし、やる事やったし明日帰るわ」
妹「え…?」
男「いい?」
女「え…あ、うん」
男「お姉さん達どうすんだろ?」
妹「…あ!ボビ子さんだ!」
男「急になんだよ」
妹「さっきボビ子さんがテレビ写ってたんだって!」
男「はぁ?それ本物のボビーだろ」
女「ボビ子さんなら一緒にいたじゃない」
女「…いたっけ?」
男「少なくとも今日は見てない…」
妹「やっぱりあれボビ子さんだって!」
それはさっきの女性の事ではなく、これで男との恋愛ごっこもおしまいになる事の不安だった
女(これで…やりたかったイベントは一通りできたけど…)
男「寒いしかえろ」
妹「そだね」
2人の数歩後ろをついていく女
女(このところあいつが優しかったのってもう終わりが近いから…なんだよね…)
男「よし、やる事やったし明日帰るわ」
妹「え…?」
男「いい?」
女「え…あ、うん」
男「お姉さん達どうすんだろ?」
妹「…あ!ボビ子さんだ!」
男「急になんだよ」
妹「さっきボビ子さんがテレビ写ってたんだって!」
男「はぁ?それ本物のボビーだろ」
女「ボビ子さんなら一緒にいたじゃない」
女「…いたっけ?」
男「少なくとも今日は見てない…」
妹「やっぱりあれボビ子さんだって!」
731: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/24(木) 17:58:57.82 ID:v/IdSKGe.net
男「いや、それは何かの見間違いだ」
妹「そんな事ないもん!」
男「……ボビ子最後に見たのいつだ?」
女「昨日の夜…窓から飛び出していったきり?」
男「…自殺だな。ボビ子は死んだ、それでいい」
妹「余計良くないよ!ボビ子さんそのまま迷ってどっか行っちゃったんだよ!」
男「この雪の中ありえないだろ、雪男かって」
女「一応女の子だから」
妹「雪男……あ!!」
男「今度はなんだよ」
妹「昨日の夜雪男が出たってホテルの人達騒いでた!」
男「……」
女「……」
妹「それってもしかしてボビ子s」
男「違う!それは紛れもなく本物の雪男だ!俺見たもん!」
妹「兄ちゃん寝てたじゃん…」
男「じゃ、じゃぁボビ子は雪男だったんだよ!だから帰ったんだ!自然に!」
妹「ただ迎えに行くのが面倒なだけでしょ…」
妹「そんな事ないもん!」
男「……ボビ子最後に見たのいつだ?」
女「昨日の夜…窓から飛び出していったきり?」
男「…自殺だな。ボビ子は死んだ、それでいい」
妹「余計良くないよ!ボビ子さんそのまま迷ってどっか行っちゃったんだよ!」
男「この雪の中ありえないだろ、雪男かって」
女「一応女の子だから」
妹「雪男……あ!!」
男「今度はなんだよ」
妹「昨日の夜雪男が出たってホテルの人達騒いでた!」
男「……」
女「……」
妹「それってもしかしてボビ子s」
男「違う!それは紛れもなく本物の雪男だ!俺見たもん!」
妹「兄ちゃん寝てたじゃん…」
男「じゃ、じゃぁボビ子は雪男だったんだよ!だから帰ったんだ!自然に!」
妹「ただ迎えに行くのが面倒なだけでしょ…」
764: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/31(木) 22:36:34.52 ID:XA4oYyPn.net
電車で揺られる2人
男「なんか騒々しい年末年始になったな」
女「ほとんどボビ子さんの所為だけどね」
姉はボビ子を回収しに電車で逆の方向に向かって出発した
帰りの電車でようやく2人になった
女「……」
男「疲れたか?元気ないけど」
女「え?そう…?」
男「ま、受験生にとってこの時期は憂鬱だよな」
女「ま、まぁ…」
風景が流れて行く
楽しかった時間が終わろうとしている
女「……」
女(やっぱり…このままは嫌だよ…)
男「なんか騒々しい年末年始になったな」
女「ほとんどボビ子さんの所為だけどね」
姉はボビ子を回収しに電車で逆の方向に向かって出発した
帰りの電車でようやく2人になった
女「……」
男「疲れたか?元気ないけど」
女「え?そう…?」
男「ま、受験生にとってこの時期は憂鬱だよな」
女「ま、まぁ…」
風景が流れて行く
楽しかった時間が終わろうとしている
女「……」
女(やっぱり…このままは嫌だよ…)
766: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/31(木) 22:47:35.97 ID:XA4oYyPn.net
程なくして電車は目的地へ到着した
男「うわー、こっちも雪積もったなぁ」
女「ほんとだ、さっむー…」
見慣れた街が真っ白になっていた
男「さっさと帰ってあったまろうぜ」
女「…うん」
男「じゃ、またな」
駅からはそれぞれ帰り道が逆方向だ
女「……(このままお終いなんて…)」
女「…ま、まって!」
男「ん?」
女「……一緒に行きたい」
男「…うちくるの?」
女「……うん」
男「いいけど…」
女(そうじゃない…言わなきゃ…言わなきゃ!)
男「うわー、こっちも雪積もったなぁ」
女「ほんとだ、さっむー…」
見慣れた街が真っ白になっていた
男「さっさと帰ってあったまろうぜ」
女「…うん」
男「じゃ、またな」
駅からはそれぞれ帰り道が逆方向だ
女「……(このままお終いなんて…)」
女「…ま、まって!」
男「ん?」
女「……一緒に行きたい」
男「…うちくるの?」
女「……うん」
男「いいけど…」
女(そうじゃない…言わなきゃ…言わなきゃ!)
767: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/31(木) 22:59:40.60 ID:XA4oYyPn.net
女「あ、あのっ……」
男「どうした?」
女「………」
男「トイレか?」
女「ち、ちがう…」
男「…?」
女「…このまま…お終いなのは嫌なの…!」
男「あのな、冬休みってのは終わりがあるから有難いんであってな…」
女「…私…私っ!あなたが好きなの!」
男「…はぁ…?」
女「……あなたを私の理想にって最初は考えてた、でも今は…」
女「あなたが、私の理想なのっ!好きなの…愛してる!!」
男「え、ちょ…は?どうした?」
男「どうした?」
女「………」
男「トイレか?」
女「ち、ちがう…」
男「…?」
女「…このまま…お終いなのは嫌なの…!」
男「あのな、冬休みってのは終わりがあるから有難いんであってな…」
女「…私…私っ!あなたが好きなの!」
男「…はぁ…?」
女「……あなたを私の理想にって最初は考えてた、でも今は…」
女「あなたが、私の理想なのっ!好きなの…愛してる!!」
男「え、ちょ…は?どうした?」
768: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/31(木) 23:02:31.65 ID:XA4oYyPn.net
まるで溜め込んでいた物を吐き出すように女は泣き、叫んだ
女「このままお終いなんていやぁ……」
男「待て待て」
女「いやなのぉ…」
男にしがみつき、泣き噦る女
男「どうしたんだ?急に…」
男に優しく抱きしめられ少し落ち着きを取り戻した女
男「とにかくうち行こうか…人通りあるし…」
女「…うん」
女「このままお終いなんていやぁ……」
男「待て待て」
女「いやなのぉ…」
男にしがみつき、泣き噦る女
男「どうしたんだ?急に…」
男に優しく抱きしめられ少し落ち着きを取り戻した女
男「とにかくうち行こうか…人通りあるし…」
女「…うん」
769: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/31(木) 23:10:14.33 ID:XA4oYyPn.net
女は思っていたこと全てを男に打ち明けた
男「つまり…俺が1月までって言ったから不安になったと」
女「……」
急に恥ずかしさが溢れてきた女
男「…俺も嫌じゃないし、どうせならこのまま本当に付き合ってみてもいいけど?」
女「なんで上から目線なのよ…」
男「だってあんな風に泣きじゃくられたら…w」
女「わ、忘れて!あれは事故だから!!」
男「でも、俺も本当はこのまま終わるのはさびしかったしな」
女「…あとさ」
男「なんだ?」
女「あの初詣の時の女の人…」
男「あ、やっぱ気づいたか」
女「わかるよ…」
男「流石だな、やっぱ似てた?」
女「似て…え?」
男「あれは俺の姉、両親が失踪してから別々で引き取られてあまり会う機会なかったんだけどさ、今年はたまたまな」
女「……え、じゃぁなんで妹ちゃんのあの反応は」
男「あ、あいつには俺が身の上を君に話したって言ってなかったわ、だから伝えにくかったんじゃねw」
女「…何から何まで紛らわしいっ!!」
男「いやー、ごめんごめんw」
男「つまり…俺が1月までって言ったから不安になったと」
女「……」
急に恥ずかしさが溢れてきた女
男「…俺も嫌じゃないし、どうせならこのまま本当に付き合ってみてもいいけど?」
女「なんで上から目線なのよ…」
男「だってあんな風に泣きじゃくられたら…w」
女「わ、忘れて!あれは事故だから!!」
男「でも、俺も本当はこのまま終わるのはさびしかったしな」
女「…あとさ」
男「なんだ?」
女「あの初詣の時の女の人…」
男「あ、やっぱ気づいたか」
女「わかるよ…」
男「流石だな、やっぱ似てた?」
女「似て…え?」
男「あれは俺の姉、両親が失踪してから別々で引き取られてあまり会う機会なかったんだけどさ、今年はたまたまな」
女「……え、じゃぁなんで妹ちゃんのあの反応は」
男「あ、あいつには俺が身の上を君に話したって言ってなかったわ、だから伝えにくかったんじゃねw」
女「…何から何まで紛らわしいっ!!」
男「いやー、ごめんごめんw」
770: ◆Z3ayXtoR4DEE @\(^o^)/ 2015/12/31(木) 23:12:49.75 ID:XA4oYyPn.net
女「これじゃ1人で散々悩んだ私がバカみたいじゃない!!」
男「まさかそんなことで悩むなんて思わなかったんだって」
女「……ばかぁ!!」
新しい年が始まるとともに、2人の本当の思いが新しい繋がりとして花咲いた瞬間であった
雑だけどおわり
男「まさかそんなことで悩むなんて思わなかったんだって」
女「……ばかぁ!!」
新しい年が始まるとともに、2人の本当の思いが新しい繋がりとして花咲いた瞬間であった
雑だけどおわり
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