1: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 16:16:40.24 ID:iICZf6Jqo

ありす 「…」

美羽 (えっ…今ありすちゃんボケた、ボケたよね?)

美羽 「ねぇ、ありすちゃん」

ありす 「なんですか?」

美羽 「今ダジャレ言ったよね?」

ありす 「はい?」

美羽 「だって、『あ、リス』って」

ありす 「美羽さん」

美羽 「ダジャレじゃなかった…?」

ありす 「頭大丈夫ですか?」

美羽 「馬鹿にしてるのかな?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395386200

引用元: ありす「あ、リス」美羽「ふっw」 



3: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 16:23:32.07 ID:iICZf6Jqo

ありす 「今やってたゲームでリスのキャラが出てきたので」

美羽 「そっか…恥ずかしいな一人で笑っちゃったりして」

ありす 「どこが面白かったんですか?」

美羽 「いやだってありすちゃんが急に『あ、リス』なんて言うから」

ありす 「どこが面白かったんですか?」

美羽 「うぅ…そんな冷たい目で見ないでよ…」

5: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 16:26:14.62 ID:iICZf6Jqo

ありす 「美羽さんはくだらないダジャレに弱いんですね」

美羽 「弱いっていうか…私、皆と比べて個性が薄いから、」

ありす 「そんなことないですよ」

美羽 「ううん、自分だけの特徴がほしいなって思って…お笑い路線でやっていこうかなって」

ありす 「スベリ路線かと思ってましたが」

美羽 「うっ…でね、ダジャレばっかり考えてたら、何だか笑いの沸点が低くなっちゃって」

ありす「それをダジャレに弱いって言うんじゃないですか?」

美羽「今日のありすちゃんなんでこんなに辛口なの!?」


6: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 16:29:55.60 ID:iICZf6Jqo

ありす 「いえ、私も最近気を抜きすぎていたようなので、イメージチェンジです」

美羽 「そうなんだー」

ありす 「はい。以前の、知的で聡明なキャラクターの方がアイドルとして個性も出ると思いますし」

美羽 「個性かぁ…いいね、知的なキャラてかっこいい!」

ありす 「はい。私にぴったりかと」

美羽 「あ、でもそしたら私達…ボケとツッコミでお笑いコンビみたいかも!」

ありす 「えぇ…?」

美羽 「ありすちゃん…」

ありす 「勘弁して下さいよ…」

美羽 「小声で否定するのは本当にへこむからやめよ?」

7: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 16:34:11.71 ID:iICZf6Jqo

ありす 「そんなに私とコンビを組みたいなら」

美羽 「あっ…いやそんなに組みたいわけでもないんだけどね…?」

ありす 「何かボケてみてくださいよ」

美羽 「ほら来た無茶ぶりすぎるよありすちゃん!」

ありす 「『橘ありす』でダジャレを言ってみてください」

美羽 「えっえとたちばな…たちばなあ…ありす…」

ありす 「十秒以内に」

美羽 「ありすちゃぁん!」

ありす 「…8,7,」

美羽 「えっとえと…あ、あれは何かな?アリっす!なんて…」

ありす 「解説を」

美羽 「うぅ…」

8: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 16:37:03.72 ID:iICZf6Jqo

ありす 「『たちばなありす』と『何かなアリっす』がかかっている、と」

美羽 「即興で考えたにしては上手くできてないかな?」

ありす 「そうですね。悪くないんじゃないでしょうか」

美羽 「ありすちゃん…」

ありす 「プロデューサーさんとの会話に困ったときにでも使おうかと思います」

美羽 「ありすちゃん!」

ありす 「美羽さんのおかげで事務所は大爆笑です」

美羽 「何で私弱み握られたみたいになってるの!?」

ありす 「さすがはエンターティナーみうさぎ先輩ですね」

美羽 「うぅ…今日のありすちゃん本当に冷たい…」


9: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 16:40:28.95 ID:iICZf6Jqo

P 「ただいまーっす」

ありす 「おかえりなさい、プロデューサーさん」

美羽 「…おかえりなさい…」

P 「えっなんか美羽元気無くない?ありすに何かされた?」

ありす 「何もしてませんよ。美羽さんが勝手に自爆しただけです」

P 「なんだ美羽お決まりの自爆か」

美羽 「私そんな危険物じゃないです!ただちょっとスベっちゃっただけですよ!」

P 「またダジャレっすかみうさぎ先輩」

美羽 「プロデューサーさんまでみうさぎ先輩って呼ぶ…」


11: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 16:43:32.68 ID:iICZf6Jqo

ありす 「落ち込まないでくださいよ美羽さん」

美羽 「ありすちゃん…」

ありす 「まぁ結構ウケてましたよ」

美羽 「ありすちゃんニコリともしなかったよね?」

P 「まぁまぁ美羽、お笑い路線がお前の個性なんだろ?きっと皆こう言うよ…」

美羽 「プロデューサーさん…」

P 「ダジャレを言うのは誰じゃ!ってな!」

ありす 「は?」

美羽 「プロデューサーさん頭大丈夫ですか?」

P 「馬鹿にしてんのか?」


12: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 16:47:28.63 ID:iICZf6Jqo

ありす 「稀代のエンターティナーが二人に増えましたね」

P 「もしかして俺美羽と同列扱いですかい?」

美羽 「そうだよ、さすがにプロデューサーさんよりは私のほうがセンスあるよ」

ありす 「…プロデューサーさん、『橘ありす』でダジャレ言ってみてください」

P 「ええっ、ちょっといきなりっすか」

ありす 「十秒以内に」

P 「わかったわかったやるから」

美羽 「ちょっと…やめてくださいよ…?」

P 「ええっとたちばな…ありす…あっあれは何かなぁ?アリっす!なんて…」

美羽 「プロデューサーさぁん!!」

ありす 「同列ですね」

13: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 16:50:23.91 ID:iICZf6Jqo


ありす 「ちなみに先ほどみうさぎ先輩も全く同じボケをかましました」

P 「うおおお!?嘘だろ!?」

美羽 「こっちが『嘘だろ!?』ですよプロデューサーさぁん!」

ありす 「二人のスベりセンスは同程度ということですね」

美羽 「スベリセンス!?『ギャグセンス』じゃなくて『スベりセンス』!?」

ありす 「いいんじゃないですか?二人でユニットでも組めば」

P 「プロデューサー自らユニットを結成して活動!?」

ありす 「業界に笑いと涙と同情と哀れみが吹き荒れますよ、プロデューサー先輩」

P 「うぅ…なんだか急に自分のトークスキルが頼りなく思えてきた…」


14: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 16:53:34.44 ID:iICZf6Jqo

美羽 「…よく考えてみたらずるい!」

P 「どうした同列」

美羽 「ちょっと仲間扱いしないでください」

P 「ごめん…」

美羽 「ありすちゃんも何かボケなよ」

P 「おー、そうだそうだ」

美羽 「スベリセンスを測ろうよ」

ありす 「私はいいんですよ」

美羽 「どうして?」

ありす 「小学生ですから」

P 「うっわこの嫌な流れになると『私子供ですから』で乗り切るやつだよ」

美羽 「ありすちゃんずるーい!」

ありす 「知的と言ってください」


15: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 16:57:10.39 ID:iICZf6Jqo

美羽 「はぁ…私お笑い路線なんて向いてないのかなぁ…」

P 「まぁまぁそう気を落とすなよ。美羽ほど向いてる子もいないよ」

ありす 「そうですよ。まさに適任って感じです」

美羽 「それ本当に褒めてますかぁ…?」

P 「まぁでも…ダジャレキャラだけじゃきついかも知れないけどな」

ありす 「そうですね。落語家並みのセンスがあるならともかく」

美羽 「キャラ、かぁ…」

ありす 「大抵のピン芸人は強烈なキャラか一発芸を持っていますし」

美羽 「私アイドルだけどね?」

P 「何か一芸あればなぁ…」

ありす 「何か無いんですか?」

美羽 「うぅ…」


16: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 17:00:01.61 ID:iICZf6Jqo

P 「何かモノマネとかできたりしない?」

美羽 「いやぁ…できないですね…」

ありす 「じゃあ幸子さんのモノマネを」

美羽 「今できないって言ったよね!?」

P 「大丈夫だよ幸子のモノマネはあまりに簡単すぎる事で有名だよ」

美羽 「初めて聞きましたけどね?」

ありす 「今更スベっても何も変わりませんよ」

美羽 「うぅ…『フフーン!ボクが一番可愛いのは当然ですけどね!ボク可愛い!』」

ありす 「…まぁ結構似てましたけど」

P 「特に面白くはないな」

美羽 「これ幸子ちゃんに怒られるよ…」


17: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 17:03:53.69 ID:iICZf6Jqo

P 「うーん、モノマネキャラは違うなぁ」

ありす 「今更モノマネを始めてもコ○ッケさんや友○近さんに勝てませんしね」

美羽 「何でタレントさんと比較するの!?私アイドルだよ!?」

P 「何がいいかねぇ」

ありす 「関西弁とかどうですか?」

美羽 「なんでやねん!」

P 「違うなぁ」

ありす 「妹キャラ」

美羽 「お、お兄ちゃん…」

P 「違う」

美羽 「ひどい!」

19: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 17:07:21.07 ID:iICZf6Jqo

ありす 「こうなったらもうありったけのキャラを詰め込みましょう」

P 「そうだな、それがいいそうしよう」

美羽 「何だか私で遊んでませんか…?」

ありす 「タブレットで人気のキャラを検索しました。『ツンデレ、クール、従順、腹黒…』」

美羽 「ちょっとそんなには無理だよ!っていうか従順と腹黒が既に矛盾してるよ!」

P 「不器用だったりボクっ娘だったりもしよう」

ありす 「そうですね、後は近年流行りの魔法少女要素なんかも取り入れるといいのでは」

美羽 「魔法少女キャラって何すればいいの…?」

P 「それなら衣装部屋に魔法少女系のコスチュームがあったはずだ」

美羽 「なんでそんなもの保管してあるんですか!」

P 「菜々さんとかが着るかなと思って」


20: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 17:10:44.95 ID:iICZf6Jqo



美羽 「き、着替えましたよ…」

ありす 「決め台詞は打ち合わせした通りですよ」

美羽 「本当にやるんですかぁ…?」

P 「大丈夫だって、美羽。オーディションの会場を想像してみろよ」

美羽 「プロデューサーさん…」

P 「たくさんの審査員に見られてる中で実力を発揮するには、恥ずかしさに慣れておくことが必要なんだ」

美羽 「た、確かに…そうかも…」

P 「ああ、そうさ」

美羽 「いや、待てよ…?本当にそうかな…?」


21: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 17:12:48.93 ID:iICZf6Jqo

ありす 「やりましょう美羽さん。個性を獲得するチャンスです」

美羽 「個性…そうだよね、私にも強烈なキャラが必要だよね…」

P 「今こそ羽ばたく時だ、美羽!」

美羽 「ふぅ…よし!」

美羽 「…きゃるるるん!ツンデレキュートな魔法少女みぅみぅ参上だよぉ!ちょっぴりクールなうさぎさんぱわーで、あなたの心をきゅんきゅんさせちゃうっ!らぶりぃパッションぴょーんぴょん!」

P 「…」

ありす 「…」

美羽 「…」

P 「…さぁって、仕事しよ-っと…はは…」

ありす 「…私もレッスンの用意を…」

美羽 「二人とも何かコメントしてよー!!」


22: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 17:16:48.68 ID:iICZf6Jqo




美羽 「うぅ…今日は何だか散々だったよ…」

ありす 「あの、美羽さん。お疲れ様です」

美羽 「ありすちゃん…今日のことは忘れてね…」

ありす 「…いえ、忘れません」

美羽 「ありすちゃぁん…」

ありす 「恥ずかしいことでは無いと思うからです」

美羽 「えっ…?」

ありす 「美羽さんはいつでも自分に対して真剣で、一生懸命です。美羽さんの、常に努力を忘れない姿勢は…本当に尊敬しています」

美羽 「ありすちゃん…ありがとう…」

ありす 「それから、私も今日は悪ふざけが過ぎましたので…すみませんでした。」

美羽 「そんな…!謝ったりしなくていいよ!私も何だか楽しかったし!」


23: ◆.Mr/yML.F. 2014/03/21(金) 17:19:12.94 ID:iICZf6Jqo

ありす 「え、楽しかったんですか?」

美羽 「いや楽しかったっていうか…私、自分がどんなキャラ目指してるのかはっきりしないけど、それを相談できる人達がいて…嬉しいなって思うから」

ありす 「美羽さん…」

美羽 「えへへ…何か恥ずかしいな。ありすちゃん、これからも皆でトップ目指してがんばろうね!」

ありす 「はい…。私達は仲間、ですもんね。皆で頑張りましょう…目指す道は違えど。ですね」

美羽 「え?」

ありす 「美羽さんがトップの芸人になって冠番組でも持ったら、事務所の皆も呼んでくださいね」

美羽 「だから、私は芸人さんじゃなくてアイドルだってばー!」



ありす「あ、リス」美羽「ふっw」おわり