ｶﾗﾝｶﾗﾝ


香澄「いらっしゃいませ」


明佳里「バーテンさん、いつもの」


香澄「かしこまりました」


香澄「…」ｼｬｶｼｬｶｼｬｶ


香澄「…お待たせしました」ｽｯ


香澄「こちら、緑茶スプラッシュです」


明佳里「いただこう」ｺﾞｸｯ


明佳里「…うむ、今日も玉露が効いてて美味しいよ」


香澄「ありがとうございます」ﾍﾟｺﾘ


渚「何やってんだよ」


香澄&明佳里「バーテンダーごっこ」


渚「本当に何やってんだよ」

明佳里「だって今月の新コスイベはバーテンダーのお話だから！」


香澄「一度こういうのやってみたかったの～」


薫「確かにバーテンダー姿は似合ってるけど…」


真央「シャカシャカやってシェイカー振ってるのかと思ったら抹茶たててましたからね」


香澄「それはそうと今日は皆をイメージしたカクテルを作ってみたんだ～」


渚「へぇ…ってノンアルコールだよな？」


香澄「じゃあまずは真央ちゃんから～」ｼｬｶｼｬｶｼｬｶ


渚「おいっ！ノンアルコールなんだよなっ！？」


香澄「お客様、お静かに願います」


明佳里「あ、またバーテンダーモードになってる」

香澄「…お待たせしました」ｽｯ


香澄「トップ・セントラル・ムーンです」


真央「なんですかその雑な英訳は」


真央「…あっ！でも名前はともかくピンク色で可愛いカクテルですねっ！」


真央「どんなカクテルなんですか？」


香澄「それは飲んでのお楽しみです」


真央「むむ、ではいただきます！」ｺﾞｸｯ


真央「んっ…甘さと酸味…それに少しほろ苦さがありますね」


真央「見た目は甘々ですが、味は大人っぽくて美味しいです！まさに真央！」


真央「中身は…桃ですか？」


香澄「こちらピンクグレープフルーツジュースとピーチネクターを混ぜたものとなっています」


渚「普通に美味しそうだな」


薫「コラボカフェとか出そうだねぇ」

明佳里「真央ちゃん良いな～！次、私のちょうだい！」


香澄「お待たせしました」ｽｯ


薫「速っ」


香澄「こちら、サンフラワーです」


渚「ひまわりか、明佳里らしいな」


明佳里「見た目はオレンジジュース…かな？」


明佳里「あっ！扇形のバームクーヘンがグラスに刺さってる！」


明佳里「いただきます！」ﾊﾟｸｯ


真央「カクテルの方飲みましょうよ」


明佳里「らっれ、あーふふーへんらよ？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


渚「毎度毎度、食べながら喋るなよ」


明佳里「…うん！美味しい！」


香澄「それ100均のやつなんだけどね～」


明佳里「バームクーヘンは値段じゃないからね！」


明佳里「じゃあ次はカクテルを…」ｺﾞｸｯ

明佳里「…オレンジジュースだけど炭酸がしゅわしゅわしてる！」


香澄「明佳里ちゃんの明るいところをオレンジで、元気なところを炭酸で表現してみました」


明佳里「へぇ～…って、ちょっといい？」


香澄「はい？」


明佳里「これファンタオレンジだよね？」


香澄「はい」


明佳里「これカクテルじゃないよ！既製品に既製品刺さってるだけだよ！」


薫「どうりで速いわけだぁ」


真央「これはこれでコラボカフェとかで出てきそうですね」


渚「篠宮明佳里(ファンタオレンジ)600円か」


明佳里「人をぼったくりメニューみたいに言わないでよ！」

明佳里「どうせアレだよ、薫ちゃんは牛乳だよ」


渚「なんでやさぐれてんだよ」


薫「牛乳なら真央ちゃんだと思うなぁ」


真央「やめて下さい、お腹痛くなっちゃいますから」


香澄「じゃあ流れ的に次は薫ちゃんだね～」


香澄「少々お待ちください」ｶﾞﾀｯ


渚「おいおい、香澄のやつカウンターの裏に行ったぞ…」


薫「何作ってくるのぉ！？」


真央「唐揚げでも揚げてくるんじゃないですか？」


明佳里「それかおにぎり握ってるかだね」


渚「なんでだよ」

～五分後～


渚「この前、星を見に夜道を歩いていたら不知火先輩に出くわして"痴漢に気をつけな"って注意されてさ」


真央「新手の犯行予告ですか？」


香澄「…お待たせしました」ｽｯ


薫「うん、結構待ったよね」


薫「…」


薫「…これ何？」


薫「この白濁とした湯気の出てる液体は何？」


香澄「飲んでみてのお楽しみです」


薫「いやぁ楽しめない！これは楽しめないよ香澄ちゃん！」


薫「色は想像通りだけどまさかのホットだもの！」


明佳里「ささっ！ぐいっと行ってみようか！」


真央「薫先輩の！ちょっと良いとこ見てみたい！」


明佳里&真央「いっき！いっき！いっき！いっ」


渚「煽るな！」

薫「…ちなみにこれの名前は？」


香澄「こちらユートピア水沢です」


薫「なんで私のだけ芸名っぽいの」


明佳里「ゴムパッチンしそうな名前」


薫「…よぉし！もう飲まないと収拾がつかないし飲むよぉ！」


薫「んっんっんっ…」ｺﾞｸｯ


真央「どうです？飲めそうなやつですか？」


薫「う～ん…まろやかな口当たりと飲むと身体の中から温まる感じ…」


薫「味は…強いて言うなら甘苦いかなぁ」


薫「というかこれ甘酒だよね？」


香澄「自家製甘酒のストレートです」


渚「ストレートって言えば許されると思ってないか？」

渚「最後は私か」


渚「全く期待出来ないけど飲まないと帰れない気がするし貰おうかな」


香澄「お待たせしました」ｽｯ


明佳里「既製品の速さだ」


香澄「こちら、星空シンフォニーです」


渚「なんというか…青いな」


真央「急にカクテルっぽいのきましたね」


渚「一応聞くけど、これアルコール入ってないよな？」


香澄「多分入ってないはずだと思います」


渚「なんで分からないんだよ！作ったの香澄だろ！？」


薫「じゃあ飲もうか(先輩の圧)」


渚「いやいやいや！」

渚「アルコールだったら駄目だし、アルコールじゃなかったら、なお駄目だろこの色は！」


渚「ブルーレット使った後のトイレの水みたいな青さだぞ！？」


明佳里「大丈夫大丈夫！エテルノなら滅多な事では死にはしないし法律も関係ないから！」


真央「そうです！真乃先輩も無免許でバイク乗り回してますし大丈夫です！」


渚「私のモラルが大丈夫じゃない！」


薫「ヒック…渚ちゃん私の酒が飲めないってぇ！？」ｸﾞﾃﾞﾝｸﾞﾃﾞﾝ


渚「なんで甘酒で酔ってるんだよ！」


香澄「場酔いしちゃったみたいだね～」


薫「藤代お前、手当たり次第に誰かれ構わず惚れさせやがってこの無自覚天然タラシがっ！」


渚「そんな事思ってたのか！？」


真央「薫先輩の言うこと凄い分かります」


香澄「同じく」


明佳里「本当にね」


渚「私の味方は居ないのか？」

薫「ひとを～あ～いする、ふくっさっよぉろろろろ…！」ｷﾗｷﾗｷﾗ…!


渚「吐くな吐くな！」


真央「口から虹が晴空キラリしてます！」


明佳里「いやぁ、薫ちゃんは将来お酒を飲ませちゃ駄目な人だね」


香澄「じゃあ渚ちゃん、ぐいっと」


渚「この惨状を見てよく勧められるな」


渚「…しかしこれ以上この場にとどまると薫から色々と失われる気がするし、さっさと飲んで帰るのが薫の為か」


渚「よし！いただきます！」ｺﾞｸｯ


渚「…ん？意外といけるな」


渚「なんというか…活力が湧き出るというか、とにかく元気になる味だ！」


渚「分かった！栄養ドリンクだな！」


香澄「こちら対戦エリクサーとなります」


渚「ゲッホゴッホ！」ｷﾗｷﾗｷﾗ…!

渚「特訓期間でもないのに何を飲ませてるんだよ！？」


香澄「渚ちゃん、対戦Pが溢れてるから消費しないと勿体無いよ？」


渚「お前が飲ませるからだろ！」


渚「ああもう！隊長にバレる前に対戦してくる！」ｶﾞﾀｯ


明佳里「あっ！私も行く！」


真央「じゃあ真央は薫先輩をチームハウスに連れて帰りますか」


薫「Zzz…」ｽﾔｧ


真央「…甘酒とか言って本当はどぶろくとか飲ませてないですよね？」


香澄「そこはちゃんと甘酒だから安心して～」

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《Bar桐原》……。


それはストライカーにもアシストにも選ばれていない暇なフィフス・フォースのメンバーが集まる店


《Bar桐原》……。


それは暇人の癒しの空間


そして今夜も静かに店の扉が開くのだった……。


真央「…あの、何か店先に文字が出てきてるんですけど」


香澄「仕様です」


真央「しかも暇人とか若干ディスられてるんですが」


香澄「仕様です」


END