サターニャ（ハッ！？ヴィネットの奴、私だけ仲間外れにする気ね！！）

サターニャ「なによ…」ｼﾞﾜｯ

サターニャ「ヴィネット、同じ悪魔の仲間のはずなのに、なんで私だけ…」ｳﾙｳﾙ



サターニャ「あぁーー、もう！！！やっぱり、クリスマスなんて、サンタなんてええぇぇーーーー！！！！！」

サターニャ「もういいわ。もう、クリスマスなんてぶち壊してやるわ！」

サターニャ「ハッ、確かクリスマスの醍醐味はサンタだったわね。なら、サンタを滅茶苦茶にぶっ飛ばしてやるわ！！！」

ラフィエル「あれ、サターニャさん？」

サターニャ「んっ？」

ラフィエル「やっぱり、サターニャさんでしたか♪」ﾆｺﾘ

サターニャ「ら、ラフィエル！？アンタ、どうしてここに？」

ラフィエル「それはこっちの台詞ですよ。サターニャさんこそ、このような所で何を？」

サターニャ「な、なんでもないわよ…。それより、ラフィエルの方こそ、どうしてここに？」

ラフィエル「ヴィーネさんからクリスマスパーティーの招待状を頂きましたので、ヴィーネさんの家に向かう途中ですが…」

サターニャ「なっ！？」

ラフィエル「あれ、サターニャさんもヴィーネさんから招待状を頂いて家に向かう途中じゃなかったんですか？」

サターニャ「うぅ………」ｶﾞｯｸｼ

ラフィエル「サターニャさん…？」

サターニャ「…………ぶっ飛ばして……」ﾎﾞｿｯ

ラフィエル「えっ？」

サターニャ「サンタを、サンタをぶっ飛ばして、クリスマスなんか台無しにしてやるうううぅぅぅーーーーー！！！！！」

ラフィエル「えぇっ！？」

……


ラフィエル「成る程、そういう事でしたか」

ラフィエル「ですが、おかしいですね…。ヴィーネさんに限って仲間外れなんてありえませんし…」

サターニャ「……」ｳﾙｳﾙ

ラフィエル「あぁ、サターニャさん泣かないで下さい！はい、私のマフラー貸してあげますから」ｸﾙｸﾙ

サターニャ「……ありがと。ねぇ、ラフィエル」

ラフィエル「なんですか？」

サターニャ「アンタの力でなんとかして、サンタをぶっ飛ばしてよ…」

ラフィエル「えっ？！」

サターニャ「アンタになら、なんとかできるでしょ？」

ラフィエル「さ、サターニャさん…こればかりはいくらなんでも……」

サターニャ「ぶっ飛ばしてくれたら、私を好きなだけ弄ってもいいわよ」

ラフィエル「えっ、ほんとですか！？///」ﾋﾟｸｯ

サターニャ「やってくれるわよね？」

ラフィエル「はわわっ……///はい、分かりました♪」ﾆｺﾘ

～ラフィエルの部屋～

サターニャ「えっ、少しだけ時間がいる？」

ラフィエル「はい。私、害する者から身を守る為に力を込めるとミサイルを生み出せるんですが、サンタさんを吹き飛ばすならもう少し大き目のミサイルでなくてはなりません」

サターニャ「つまり、大き目のを放つ為には、それなりに力を込めないといけないから時間が掛かるって訳ね？」

ラフィエル「その通りです」

サターニャ「いいわ。少しだけなら構わないし、私もちょっと家に戻る用事もあるから」

ラフィエル「分かりました。では、家に戻るまでお寒いでしょうから、これを持っていって下さい」ｽｯ

サターニャ「なに、この紙袋？」

ラフィエル「少し前に、私の実家の執事であるマルティエルから私宛てに届いた物です。もっとも中はまだ見ていませんが…」

サターニャ「こんなの私がもらってどうするのよ？」

ラフィエル「うちの執事の事ですから何かあるとはお思いですが、まぁせいぜい寒さを凌ぐ良い物ではないですか…。」

サターニャ「なんか、いい加減だけど、まぁ、いいわ。せっかくだし、持っていく」

ラフィエル「道中、お気を付けて」

サターニャ「雪が降ってきたわね。あ、そういえば、ラフィエルから受け取った紙袋の中が気になるわね。見てみよっと」ｺﾞｿｺﾞｿ

【赤いレオタード】ﾊﾞｰﾝ

ﾋﾞｭｳｳｳｳｳｩｩｩｰｰｰｰｰｰ

サターニャ「寒うううぅぅぅーーーーーーーーっ！！？」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

サターニャ「あら、もう一つ入ってるわね…。マフラーか何かかしら？」ｺﾞｿｺﾞｿ

【外国人変装セット】ﾊﾞｰﾝ

サターニャ「なんでこんなもんばっか入ってんのよ…。大体、どういう時に使うのよ！？」

ｸﾞﾙﾙｯ

サターニャ「んっ？」ﾁﾗｯ

犬「…」ｸﾞﾙﾙｯ

サターニャ「ゲッ、いつもの犬っ！？なんで、いっつも私の前に現れるのよ！！」

犬「…」ｸﾞﾙﾙｯ

サターニャ「今日はメロンパン、持ってないわよ！！」

犬「…」ｽｯ､ﾌﾞﾗﾝ

サターニャ「んっ？」ｼﾞｲｨｨｰｰ

【メロンパン】ﾌﾞﾗﾝﾌﾞﾗﾝ

サターニャ「あぁ、私のメロンパン！？家に置いておいたのに、なんで？！」

犬「…」ｸﾞﾙﾙｯ

サターニャ「さてはアンタ、勝手に忍び込んで…。返しなさい、私のメロンパン！！」ﾊﾞｯ

犬「！」ﾊﾞｯ､ｸﾞｱｱｧｰｰ

ﾄﾞｶﾊﾞｷﾎﾞｺｯ

～サターニャの部屋～

サターニャ「うぅ………」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

サターニャ「ったく、また負けた、最悪…。ああぁーー、もう～、だから、クリスマスだとかサンタだとか嫌なのよ！！！」

サターニャ「だけど、もう心配いらないわ。だって、ラフィエルの力でサンタをぶっ飛ばし、クリスマスそのものが台無しになるもの♪これぞ、S級悪魔的行為よ！」ﾆﾔﾆﾔ


サターニャ「……おっと、忘れた携帯電話を探さないと…」ｷｮﾛｷｮﾛ

サターニャ「あった！」ﾊﾟｯ

サターニャ「まったく、こんなところに………んっ？」ﾁﾗｯ

『棚の隙間に何かあり』ﾊﾞｰﾝ

サターニャ「なにかしら、これ？」ﾊﾟｯ

サターニャ「どれどれ…」ｼﾞｲｲｨｨｰｰｰ

【ヴィーネからの招待状】ﾊﾞｰﾝ

サターニャ「……………えっ？」

サターニャ「どうして、私に招待状は無いはずじゃっ！？ ハッ、もしかして、あの時！？」

～回想～

サターニャ「はぁ～、今日は2、3通来てたわね。」ﾎﾟﾛｯ

棚『…』ｽｷﾏﾆ､ｺﾞﾄｯ

～回想終了～

サターニャ「きっとそうだわ。クリスマスの前に来てた便りはアレだけだったし、間違いない。きっとあの時、誤ってヴィネットの招待状を棚の隙間に落として、気付かずそのまま…。」

サターニャ「そ、それより中身は！？」ﾊﾟｻｯ

『　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　サターニャへ
　24日に私の家でクリスマスパーティーを開きましょう。
　ガヴにラフィ、後タプちゃんを呼ぶけど、もちろんサターニャも絶対に来なさいよ。友達が揃わないとクリスマスは盛り上がらないからね。
　あっ、去年みたいにクリスマスに悪魔とかって話は無しよ。クリスマスなんだから、皆で祝って楽しまなくちゃ。
　じゃあ、24日、私の家で待ってるからね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　月乃瀬=ヴィネット=エイプリルより』

サターニャ「………ヴィネット」ｳﾙｳﾙ

サターニャ「私はなんて誤解を…。私が、私が……」ﾎﾟﾀｯ､ﾎﾟﾀｯ

サターニャ「私 が 間 違 っ て た わ！！！！！」ﾄﾞﾊﾞｱｱｧｧｰｰｰｰ

サターニャ「はぁはぁ…。まだ、間に合うわ。急いで、急いで…ヴィネットの家に！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

～ヴィーネの部屋～

ヴィーネ「はぁ～、ラフィもサターニャも遅いわね…」

タプリス「月乃瀬先輩、胡桃沢先輩も招待したんですか？」

ヴィーネ「もちろん、サターニャだって友達だもの。あ、ガヴ、勝手に食べちゃダメよ！？」

ガヴリール「チェッ。あいつら待ってねぇで、先に食べてようぜ。もう、我慢できねえよ！！」

ヴィーネ「待ってて、ガヴ。クリスマスぐらい皆が揃ってから食べないと…」

ﾊﾞﾀﾝ

サターニャ「ヴィネット！！」


ヴィーネ「あ、サターニャ。やっと来たわ。もぅ～、遅いじゃｎ」ｸﾙｯ

サターニャ「はぁはぁ…、遅れて悪かったわね。ちょっと訳あって…」

ヴィーネ「そ、そうなの…。本当に訳アリなのね、サターニャ……」ｼﾞｲｲｨｨｰｰｰ

サターニャ「えっ？」ｷｮﾄﾝ

タプリス「あ、胡桃沢先輩…。！？…な、なんですか、その格好は！？」

サターニャ「へっ？」

ガヴリール「あーはははははっ！！おい、なんだよそりゃあ…サンタの真似事かｗｗｗ」ｹﾞﾗｹﾞﾗ

サターニャ「！……」ﾁﾗｯ


『サターニャの格好　顔はボロボロになった外国人変装セット 服とズボンが赤のレオタードでほぼ赤状態』

サターニャ「こ、これは……///」ｶｱｱｧｧｰｰｰｰ

サターニャ「な、なんでもないわよ！？これは訳アリというか、なんというか！？///」ｶｱｱｧｧｰｰｰ

ヴィーネ「ふふっ?」ｸｽｯ

サターニャ「ヴィネット…？」

ヴィーネ「サターニャったら、クリスマスがどうのこうのって言う訳には、サンタさんの格好なんかして…」

ヴィーネ「本当はクリスマスが好きで、心から祝って楽しみたかったのね♪」ﾆｺﾘ

サターニャ「えっ？！」

ガヴリール「ほぉー、あのサターニャがねぇ～」

タプリス「まさかの胡桃沢先輩が、ですか…。」

サターニャ「あ、いや、これは別にクリスマスを祝おうとは…！？」

ヴィーネ「まったく素直じゃないわね、サターニャは? まっ、でも、そこがサターニャのある意味一番良い所なのかもね」」

サターニャ「ヴィネット……。」

サターニャ「…………うん！」ｸﾞｯ

サターニャ「ま、まったく、仕方ないわね。本来クリスマスは悪魔が……だけど、たまには心から祝って楽しく過ごしてあげるわ…せいぜい寛大な私に感謝することね///」ﾌﾟｲｯ

ガヴリール「ほんと素直じゃない、可愛げのないバカ悪魔だな…」

タプリス「ほんとに信用してもよろしいんでしょうか…？」

サターニャ「何よ、文句があるなら二人まとめて掛かってきなさい、相手にしてやるわよ！！？」

ヴィーネ「まぁまぁ、落ち着いて…。」

ヴィーネ「そういえば、後はラフィだけだけど、遅いわね…」

サターニャ（あ、ラフィエルの事がまだだったわ！？もう済んだから、計画中止の旨を急いで連絡しないと！！）

サターニャ「ヴィネット、ラフィエルの事は私が連絡取るから、安心しなさい」

ヴィーネ「えっ、サターニャが？ でも…」

サターニャ「いいから、私に任せておきなさいよ」

ヴィーネ「うん…分かった。じゃあ、連絡お願いね、サターニャ」

サターニャ「任せなさい！！」


サターニャ「…」ﾌﾟﾙﾙﾙｯ♪

サターニャ「あっ、ラフィエル？」

ラフィエル『あれ、サターニャさん、いきなり連絡してどうかなさいましたか？』

サターニャ「実はさ……」ｶｸｶｸｼｶｼﾞｶ

サターニャ「…と、いう訳になったから、計画は中止よ！」

ラフィエル『えっ、そういうが…！？』

サターニャ「ヴィネットも待ってる事だし、アンタもさっさとこっちに来なさい」

ラフィエル『い、いきなり、そんな事言われましても……私、もう大き目のミサイル生み出しちゃった後ですし、どうしたら…？』

サターニャ「処分方はないの？」

ラフィエル『ありません。一度生み出したら、絶対に使わないといけませんので…。』

<ｼｭﾊﾞ､ｺﾞｵｵｵｫｫｰｰｰｰｰｰｰ

ラフィエル『あっ！？』

サターニャ「なに、今の音！？ 一体、なにがあったのよ！？」

ラフィエル『サターニャさん、聞いてください』

サターニャ「なによ？」

ラフィエル『たった今、ミサイルが発射されました』

サターニャ「えぇっ、なんで！？」

ラフィエル『実はもう、時間が来たら勝手に発射されるよう設定した後だったんです」

サターニャ「なに、勝手にやってんのよ！？ それで、そのミサイル、どれくらいの威力なのよ！？」

ラフィエル『そこまで高くはありません。大き目でも、家一軒や建物一つだけを丸々全壊するだけです』

サターニャ「じゃあ、人は……」

ラフィエル『死ぬほどではありませんが、ただでは済みません』

サターニャ「で、ミサイルは今にどこに！？」

ラフィエル『分かりません。ただ、サンタさんを吹き飛ばすでしたから、サンタさんの特徴で白いひげと全身赤の格好だと簡単に設定しましたので…』

ラフィエル『目標がピッタリ合致したところに、撃ち込まれるはずです！』

サターニャ「えっ！？」ﾁﾗｯ

『サターニャの格好 白いひげと全身赤の格好』

～外～

ミサイル『…』ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟ

ミサイル『！』ﾋﾟｰﾝ

ミサイル『！』ﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ

ｺﾞｵｵｫｫｫｫｰｰｰｰｰｰ

ラフィエル『どうかしましたか、サターニャさん…？』

サターニャ「あはは……まさか……ね」

ｺﾞｵｵｵｵｵｫｫｫｫｫｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

ヴィーネ「あれ、なにか変な音が…」

サターニャ「っ！？」

タプリス「そういえば、そうですね」

ｺﾞｵｵｵｫｫｫｫｫｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

ガヴリール「外から聞こえるが、なんだ？」ﾋﾟﾗｯ

サターニャ「あ、ちょっと！？」


ミサイル『…』ｺﾞｵｵｵｫｫｰｰ

ガヴリール「なっ、ミサイルがこっちに！？」

タプリス「な、なぜ急にミサイルが！？」

ヴィーネ「きゃあああぁぁーーー、逃げないと！？」

サターニャ「あ…………はは………ははは…」

ミサイル『…』ｺﾞｵｫｰ

……



ﾄﾞｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｫｫｫｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰﾝ



サターニャ「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーー、ミサイルが目標したサンタってサンタに似た格好の私かああああぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーっ！！！！！！」



※その後、この出来事は「クリスマス、聖夜の悲劇」というタイトルの事件として数々のテレビに取り上げられ、サターニャ達四人は命に別状はなく、しばらく入院したそうな…。



おしまい