杏「ねぇ、奈緒」

奈緒「なんだ？　もうすぐリハーサルだから帰りたいとか言うなよ？」

杏「帰っていい？」

奈緒「ダメって今言ったよな？？？？？？」

杏「でももう大晦日だよ？　帰ったってよくない？」

奈緒「はいそうですかって帰らせるワケないだろ」

杏「ここで素直に帰らせれば奈緒はアイドル活動できる、杏は楽できるでwin-winじゃない？」

奈緒「いやメンバーが理由もなく勝手に帰ったり帰らせたりしたら全員Loseだろ」

杏「じゃあちゃんとした理由ならいいんだよね？」

奈緒「まぁ……プロデューサーが納得するならな」

杏「じゃあ納得できるような理由をでっち上げるね！」

奈緒「でっち上げたらダメだろ！！」

杏「親族が1ダースほど急に危篤になったんだけど帰っちゃダメ？」

奈緒「でっち上げるって言われた後にそれ聞いても信用できるか！！」

奈緒「というか人をダース単位で呼ぶな！　12人でいいだろ！！」

奈緒「いや12人が急に危篤ってもうそれ祟りの類だろ！！」

杏「なんでそんなに怒ってるの？」

奈緒「ツッコミだよ！」

杏「じゃあ11人危篤になったから」

奈緒「じゃあで人数減らすな」

杏「10人危篤でいい？」

奈緒「減らしたところで変わらないだろ」

杏「9人危篤」

奈緒「いや……」

杏「8人」

奈緒「だから……」

杏「7」

奈緒「逆オークションかよ！」

杏「じゃあ2ダース」

奈緒「増やすな！！」

杏「じゃあ……」

奈緒「じゃあって言っちゃったら作り話なのがバレバレだろ」

杏「同級生の結婚式があるから……」

奈緒「年齢的に結婚早すぎない？」

杏「1ダースほど」

奈緒「同時にやるなよ！！」

奈緒「単位にまたダース使うな！」

奈緒「というか仕事なんだから電報とかメールとかで簡単に済ませろよ！」

杏「やっぱり怒ってる？」

奈緒「だからツッコミだよ！！」

杏「でも全員から友人代表のスピーチ頼まれちゃってさ……」

奈緒「ダブルブッキングどころの騒ぎじゃねぇ」

杏「でも急に頼まれたから断れなかったって設定だよ？」

奈緒「作り話だとしても設定って言うなよ」

杏「やっぱりダメ？」

奈緒「ダメに決まってるだろ」

杏「じゃあ11人から頼まれたってことにする」

奈緒「いや人数減らしたところで……」

杏「10人から頼まれたってことで」

奈緒「いや、だから……」

杏「9人から」

奈緒「ん……？」

杏「8人」

奈緒「やっぱり……」

杏「7」

奈緒「さっきおんなじくだりやっただろ！！」

杏「2ダース」

奈緒「それもだ！！」

杏「何でもかんでもダメって言うんだね」

奈緒「全部杏がサボるための作り話だもんな」

杏「じゃあゲームで決めない？」

奈緒「はぁ？」

杏「杏が負けたら素直に仕事するよ」

奈緒「もうすぐ始まるからそんなに時間は取れないぞ？」

杏「『家に帰る』ゲーム！！」

奈緒「勝っても負けても家に帰るつもりじゃねーか！」

スタッフ「神谷さん、双葉さん、もうリハーサル始まりますんで移動お願いしまーす！」

奈緒「もう時間だからこれ以上わがまま言っても無駄だぞ！　行くぞ！」

杏「えー、しょうがないなー…じゃあ最後に一つだけお願い聞いてくれない？」

奈緒「なんだよ」

杏「帰っちゃダメ？」

奈緒「最初に戻っちゃったじゃないか！　いい加減にしろ！」

どうもありがとうございました

一応前回書いたネタ
未央「財布を拾った」