1: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 20:18:47.13 ID:rlWHAiFL0
あらすじ
自主レッスン中の伊織と亜美は、プロデューサーの律子を困らせたくなりました
そのため、律子は相手を依怙贔屓してるというイタズラメールを送ることにしました


CoP「クールな21歳コンビ、加えてあずささん」

の中で、
惠「(前略)その2、伊織ちゃんと亜美ちゃんがイタズラで同時に送った、律子は相手を依怙贔屓してる、というメールに対する愛情有り余る返信(以下略)」のお話です。

なお、特に今回の中身と関係ないので、未読の方もどうぞ。

では、ぼちぼち投下していきます。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395659926

引用元: 亜美「りっちゃんはいおりんをエコヒーキしてるよ!」 



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3: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 20:22:13.43 ID:rlWHAiFL0
伊織「こんなもんかしら?」

亜美「いーよー、バッチシだよ、いおりん!でーもー、なんで竜宮小町の二人用振り付けなんてするの?」

伊織「あずさがおたふく風邪の時は律子いれてやったけど、前みたいに練習する時間あるとは限らないもの。備えあれば憂いなし、でしょ?」

亜美「うんうん、そうだねぇ、いおりん!さすが、リーダーだよ!」

伊織「ふふん、まあ、伊織ちゃんに任せなさい!とは言ったけど、私がいないこともあるんだから、その時は亜美があずさをリードするのよ、いい?」

亜美「りょーかい!」

伊織「返事だけはいいんだから。逆もやっておこうかしら?」

亜美「その前に、いおりーん、ちょっと休憩しようよ~」

伊織「そうね、私もノドが乾いたわ」

4: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 20:26:29.95 ID:rlWHAiFL0
亜美「竜宮小町全員オフなんて珍しいよね!」

伊織「そうねぇ。律子ががんばって、スケジュール調整してくれたおかげよ、感謝しなくちゃ」

亜美「あずさお姉(C)は温泉楽しんでるかなぁ、迷ってないかなぁ?」

伊織「お友達も一緒だから大丈夫でしょ」

亜美「温泉の一方で、亜美は鬼リーダーに引っ張られて、強制自主レッスン、よよよ~」

伊織「なによ、そのいい草は。無理やり引っ張って来たわけじゃないでしょ!非常事態用のレッスンなんて、こんな時じゃないとできないじゃない、それはわかってくれたでしょ?」

亜美「どーどー、いおりん。冗談だyo!」

伊織「まぁ、いいわ。買い物にも付き合ってもらいたいし」

亜美「おやおやぁ、いおりん、照れ隠しですかな?りっちゃんに良いトコみせたいくせにー」

伊織「あーみぃ!」

亜美「ひゃあ!」

5: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 20:30:38.62 ID:rlWHAiFL0
伊織「まぁ、あながち間違ってもないんだけど。今日は律子、なにやってるか、知ってる?」

亜美「りっちゃん?今日は休みだよ。兄(C)が『休め、何が何でも休め、パソコン開くな、資料も出すな、罷り間違って事務所に来たりしたら減給してやる、いや再デビューを華々しく飾らせてやる……』とか言ってたyo!」

伊織「最後はプロデューサーの本音でしょ、それ」

亜美「ということで、お休みなのだー。ここまで言われてれば休んでるっしょ」

伊織「律子はがんばりすぎるのよ、適度に休めばいいのに。根っから真面目で、なによりも私達が第一じゃなくてもいいじゃない」

亜美「うむうむ、まったくその通りですな。メガネも似合ってるし」

伊織「スーツも似合ってる」

亜美「寸胴とか言うくせに、85-57-85で凄いクビレがあるし」

伊織「優しくて、気がきくわね」

亜美「そのくせ可愛いところもあるとか、反則っしょー」

伊織「プロデューサーだからって、私達を下に見ないで、対等に接してくれてる」

亜美「誰にも贔屓しないで、平等だし」

伊織「……律子って凄いのね」

亜美「りっちゃん、ぱねぇぜ……」

6: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 20:38:45.47 ID:rlWHAiFL0
伊織「自分で褒めといてなんだけど、なんだか腹が立ってきたわ」

亜美「おー、いおりん、理不尽だyo!」

伊織「にひひ♪私だって、子供だもん、理不尽なものよ」

亜美「むっふっふ~、そうだねぇ、いおりん?」

伊織「ねぇ、亜美?」

亜美「困らせちゃう?」

伊織「たまには律子の慌てる顔も見たいものね♪とびきりのを考えなさい、亜美!」

亜美「ラジャー!」

7: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 20:44:10.56 ID:rlWHAiFL0
亜美「おやびん、メールを考えましたで!」

伊織「誰がおやびんよ!」

亜美「いおびん、内容はこうですぜ」

伊織「混じってるわよ。まぁ、いいわ」

亜美「題して、『りっちゃんはいおりんをエコヒーキしてるよ!』」

伊織「依怙贔屓?」

亜美「さっき、いおりんも言ってたけど、りっちゃんは平等じゃん?」

伊織「そうね、少なくとも依怙贔屓なんかしてないわ」

亜美「だけど、亜美達もシシュンキじゃん?お年頃だから、もっと自分の事を見て欲しいじゃん?些細なことが気になっちゃうじゃん?」

伊織「その話し方はなんなのよ……」

亜美「悩みながらベッドでメールを送るんだ、相手を依怙贔屓してるんじゃないかって」

伊織「それって、私も送るの?」

亜美「イエース、むしろいおりんが送ってこそ信憑性マシマシじゃん?」

伊織「なるほどね。真剣に悩んでくれそうね、にひひ♪」

亜美「明日の朝にネタばらし、りっちゃんダイスキーでハッピーエンドですよ、いおりん!」

伊織「いいわね、亜美!」

8: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 20:48:05.83 ID:rlWHAiFL0
亜美「いおりん、亜美から送る文面はこんな感じー」

To
りっちゃん(鬼)

Subject
言いたいこと

本文
りっちゃんはいおりんをエコヒーキしてるよ!
いおりんはリーダーだし、しっかりしてるけど、
りっちゃんはいおりんに甘過ぎるよ!
いおりんの言う事は聞くのに、亜美のいうことなんてほとんど聞いてくれないじゃん!
いつも一方的に叱ってばっかり!
りっちゃんは亜美のこと、嫌いなんでしょ!
おんなじ竜宮小町なのに、なんでこんな扱いうけなきゃいけないの?
りっちゃんはひどいよ

9: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 20:51:02.79 ID:rlWHAiFL0
伊織「とりあえず、その登録名は変えておきなさい。怒られるから」

亜美「わかった。りっちゃん(女神)にしておく」

伊織「よろしい。で、メールの文面だけど」

亜美「絵文字も使わないで、本気な感じにしてみたyo!りっちゃんはこんなことしないけどね」

伊織「うん、信憑性はあるわね。普段の亜美からは想像つかないメールだし」

亜美「でしょ?でもねぇ、亜美から送るとイタズラだと思われるかもしれないから、いおりんのを先に送ろーよ」

伊織「そうね。こんな感じにしてみたけど、どうかしら?」

To
秋月律子

subject
亜美のこと

本文
休みのところ悪いんだけど、亜美のことで言いたいことがあるの。
律子は亜美に甘過ぎると思うわ。
一番年下でまだまだ子供なのもわかってるわ。
でも、それでも私と違いすぎるじゃない。
私は助けてくれないのに、亜美にばっかり気をかけて。
こんなこと言いたくないけど、贔屓があるんじゃない?
私は律子を信頼してるから、失望させないで。

10: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 20:54:42.65 ID:rlWHAiFL0
亜美「言葉はきついけど……かまって欲しいみたいに読めるよ?」

伊織「いいじゃない。そうでも思ってなきゃこんなメール送らないわよ」

亜美「ふむふむ、いおりんはりっちゃんにかまって欲しい、っと」

伊織「そういうわけじゃないわよ。信憑性を持たせるためだから誤解しないで。それじゃ、送りましょうか」

亜美「よーし、それじゃいおりーん、そーしん!」

伊織「送信っと」

亜美「亜美は3分後に送るよー」

11: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 20:59:34.66 ID:rlWHAiFL0
自主レッスン再開

伊織「別の人のパートも新鮮でいいわね」

亜美「ゆずってくれてもいいんですぜ?」

伊織「なーに、この場所は渡さないわよ。欲しいなら奪ってみなさい!」

ねぇ、いっぱい、いっぱい、いっぱい、いっぱい、あなたの声を!

亜美「ん、りっちゃんから返信が来たyo!」

伊織「早いわね」

亜美「いおりんにもメール来てる?」

伊織「来てるわ」

亜美「うっふっふ、慌ててるに違いないですぜ、旦那!」

伊織「にひひ♪楽しみね」

亜美「それじゃ、オープン!」

12: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 21:05:11.86 ID:rlWHAiFL0
From りっちゃん(女神)

subject
Re:言いたいこと

ごめんなさい、亜美

あなたがそう思っていたこと気づかなかった

確かに伊織はリーダーだから、話すことは多いわ

だけれど、贔屓してるわけじゃない

基本的に伊織だけに話してることなんてほとんどないのよ

話した事はほとんど全員で共有してるんだから

だって、3人で竜宮小町だものね

同じ事を知って、同じ方向を見てなきゃ、ね?

厳しくなりすぎちゃうこともあるけど、あなたのことを思ってのことだから

いいえ、むしろ亜美といっぱい話したいから、かな

亜美の言うことを私はいくらでも聞きたいのよ

言いたいことがあったら、なんでも言うのよ

私は亜美の意見を頭ごなしに捨てたりしないから

だって、私は上司じゃなくて仲間だものね

次に会う時は、ちゃんと話しましょう

最後に言うけれど、

依怙贔屓そのものはしてるわ

どうやっても、私は竜宮小町が一番だもの

あなた達が大好きで仕方がないから、許してね?

亜美「……」

伊織「……」

13: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 21:07:46.21 ID:rlWHAiFL0
亜美「りっちゃん……」

伊織「真正面から受け止めて、正々堂々反撃してきたわね……」

亜美「慌ててないね……」

伊織「むしろこっちが慌ててきたわ。私のメールもこんな感じなのよね……?」

亜美「と、とりあえず見てみよーよ!うん、それから考えよう!」

伊織「え、ええ、そうするわ」

14: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 21:12:33.00 ID:rlWHAiFL0
From 秋月律子

subject
Re:亜美のこと

ごめんなさい、伊織

こっちもあなたのことを頼り過ぎていたかも

伊織だって、不安なことも大変なことも多いものね

ありがとう、言ってくれて

でもね、これだけは言わせて

亜美だけを気にかけてるわけじゃないのよ

気にかけてるように見えるなら、ちょっと愛情過多なだけ

伊織にもたくさん目をかけてるの

伊織は堂々と何でもこなしちゃうから、そう感じられないかもしれないけれどね

伊織、相談事があったらなんでも言うのよ

あなたの性格だと言いにくいのかもしれないけど、私には何でも言っていいのよ?

だって、私はあなたのプロデューサーだから

なんでも力になってあげたい

もちろん、休みの日だからって気にしないで

予定があったら、ご飯でも買い物でも付き合うから、いっぱい話をさせてね

あとね、贔屓はちょっとあるかも

だって、あなた達のことは誰よりも大切だもの

3人全員ね、もちろん

伊織「……」

亜美「……」

15: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 21:14:41.35 ID:rlWHAiFL0
伊織「まじめ過ぎるのよ、律子……」

亜美「うわうわうわ~、チョー恥ずかしいっしょ!イタズラでしかないのに!」

伊織「恥ずかしがってる律子が見たかったのに、どーして私達が赤面してるのよ……」

亜美「りっちゃん、亜美達のこと大好き過ぎだよ!」

伊織「……ねぇ、亜美、どうしようかしら」

亜美「明日、全力でダイスキーで乗り切ろう!それっきゃないよ!」

ガチャ

伊織&亜美「!!!」

16: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 21:18:49.31 ID:rlWHAiFL0
律子「あ、やっぱりいた」

亜美「り、りっちゃん!」

伊織「りりり、律子、なんでここに!?」

律子「小鳥さんにレッスン場を伊織が使ってるって聞いたから、もしや、と思ってね」

亜美「そ、そうなんだ。でも、休みなんだから来ちゃだめだyo!」

伊織「そ、そうよ!あれだけ休めって、言われてたのに!かえりなさーい!」

律子「あんなメール送ってきておいて?」

亜美「……」

伊織「……」

律子「その様子だと、イタズラだったみたいね。良かった……」ボソッ

17: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 21:21:17.00 ID:rlWHAiFL0
亜美「ごめんよー、りっちゃーん」ダキッ

律子「はいはい、わかってるわよ。なんとなくそんな気がしたから」

亜美「ばればれだったか、さすがりっちゃんだyo!」

伊織「いつから気づいてたの?」

律子「うーん、伊織から最初のメールからちょっと考えてたかな。本当に思ってるなら、正面から言うでしょ、伊織は」

伊織「まぁ、そうね。よく分かってるじゃない」

律子「次に来た、亜美からのメールで確信したわ。それで、小鳥さんに聞いてみて、ここに来て見てビンゴ」

伊織「律子の方が上手だったわね、亜美」

亜美「そうだね、いおりん」

律子「ま、嘘でよかったわ。二人ともこれからも仲良くね」

伊織「言われなくてもわかってるわよ」

亜美「じゃあさー、りっちゃん?」

律子「なに?」

亜美「気づいてたのに、あのメールはどしたの?」

18: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 21:24:34.60 ID:rlWHAiFL0
伊織「こっちが恥ずかしくなったわよ!あんなメール返す余裕あるくらいなら、すぐに来なさいよ!」

律子「あー、あれね、実はちょっと考えてたのよ。あなた達もまだまだ子供だし、こういうこともあるんじゃないかって」

亜美「むむっ、そこまでか」

律子「そんなことはなかったけどね。でも、これだけは言わせてね、書いてあったことは全部本心だから」

伊織「……」

亜美「……」

律子「な、なによ?」

伊織「ここにきて、さらに追い打ちをかけるんじゃないわよ!」

亜美「りっちゃん、凄いよぉ……」

伊織「じゃあ、さっきのメールに嘘偽りはないわけね?」

律子「もちろんよ」

伊織「これから、亜美と買い物に行くところだったのよ。レッスンはついで。律子にもショッピング、いくわよね?」

亜美「一緒にあそぼーよ、りっちゃーん!」

律子「もちろん、そのつもりで来たんだから。ディナーまでふるまっちゃうわよ!」

亜美「やったー、りっちゃん、ふとっぱらー!」

伊織「善は急げ、よ。着替えてきましょう、亜美」

亜美「アイアイサー、待っててね、りっちゃーん」

律子「はーい」

伊織「それと」

律子「なに?」

伊織「3人で竜宮小町じゃないわよ、律子も入れて4人で竜宮小町なんだから、そこは間違えないでよね!」

律子「……ありがと、伊織」

伊織「にひひ♪じゃ、待ってて」

19: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 21:27:06.58 ID:rlWHAiFL0
律子「……あのメールだけど、誰にも言わないでね?」

伊織「今さらになって恥ずかしくなったきたの?」

律子「あ、あんた達のせいでしょうが!見つけるまで不安だったんだから!」

伊織「でも、竜宮小町は情報共有が大切!ね、亜美」

亜美「もうあずさお姉(C)に送っちゃったもんねー。モチ両方」

律子「あーみー!」

亜美「うわうわ、こりゃ女神から鬼に逆戻りだよー」

律子「鬼?」

伊織「登録名がねー」

亜美「言わないでー、いおりん!」

後日、このメールが全国放送で晒されかけるのはまた別のお話

20: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/03/24(月) 21:29:30.64 ID:rlWHAiFL0
後日

事務所

あずさ「ねぇ、律子さん」

律子「どうしました、あずささん?」

あずさ「……」

律子「あの、大丈夫ですか……」

あずさ「律子さんも若い子がいいんですね。あの二人をあんなにかわいがって、前も一緒に出かけたって……私はやっぱりいらないんだわ!」

律子「あ、あずささん、そんなことは、ん?」

亜美「うふふ……」

伊織「にひひ……」

律子「アンタ達~、あずささんに何吹き込んだのよ!」

おしまい