前回 絢瀬亜里沙「・・・犯人はあなたですよね?」

5 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 17:19:57.86 ID:kJOMLf4E0
そこには 

絵里「あっあっあ・・・。」 

真姫「えっ・・・えっ・・・いやああああああああああああああああああああああ!!!」 

部屋の真ん中で、希がタロットカードに囲まれながら倒れていた。 

真姫はそこで尻餅をついた。 

花陽「希ちゃん・・・そんな・・・。」 

亜里沙は部屋に入って希を見る。 

他のメンバーは足が凍り付いているようにドアの前から動けなかった。 

花陽「し、死んでいるの・・・?」 

頭が血にまみれてよく分からないが、頭を鈍器か何かで殴られて死亡したと見るのが妥当だろう。と亜里沙は思った。 

亜里沙「はい・・・ダメみたいです。」 

穂乃果「希ちゃん・・・どうして・・・。」 

思えばμ'sが結成されてから希は影から何度も支えてくれた。μ'sの名前を付けてくれたのも希だ。 

メンバーにとっては一番お姉さん的なポジションだった。嘘みたいだった。その希はもう・・・死んだのだ・・・。 

亜里沙「・・・?」 


6 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 17:21:06.14 ID:kJOMLf4E0
希の死体を見ながら。亜里沙は不思議に思う。何かがおかしい。ことりの死体やその周りはスプラッタ映画のような有様だったが 

希の死体やその周りはなんというか・・・ただ死体だけそこに持ってきたというか・・・。 

亜里沙はさらに近づく。希の死体をさらに観察し、脈を計る。脈は確かになかった。が、 

亜里沙「これは・・・おかしい・・・。」 

絵里「こら!!いつまでも見ないの!!ほら!!」 

絵里が亜里沙を引っ張り入口まで連れて行く。 

真姫「何で・・・?どうして・・・希がここに・・・。」 

にこ「・・・・・・。」 

真姫のつぶやきをにこだけが聞いていた。 

雪穂「あれ・・・これは・・・。」 

今度は雪穂が希の部屋の机に鍵があったのを見つける。 

凛がそれを拾い、真姫に渡した。 

真姫「え、えっと・・・希の部屋の・・・鍵だわ。」 

7 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 17:23:15.35 ID:kJOMLf4E0
メンバーは沈黙する。正直言って、もう部屋を回りたくはなかった。だって、二つの扉を開いたら、二人死体が出てきたのだ。 

行方の分からないメンバーは後一人。 

その人がもしそこにいたら・・・、そして二人と同じ様になっているとしたら・・・。 

穂乃果「行こう・・・。無事を・・・確認しないと・・・。」 

結局メンバーは鈍い足取りで希の部屋に向かった。部屋を開ける。 

ギイイイイイイイ 

穂乃果「海未ちゃん!!あっあっ・・・。」 

亜里沙はその声を聞いて半ば諦めたように部屋を見る。 

海未が倒れていた。海未にはどこにも外傷は見当たらなかったが、口から泡を吹いている。毒を飲まされたのだろうか? 

8 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 17:26:16.79 ID:kJOMLf4E0
花陽「海未先輩・・・。」 

真姫「もう何がなんだかわからない・・・。どういうこと?何で?どうして?」 

雪穂「海未さん・・・。」 

亜里沙「・・・。」 

亜里沙は念のため脈をとってみた。反応は無い。体はまだ温かい。海未が死んでからあまり時間は経っていないようだ。 

にこ「ちょっと亜里沙!?ダメでしょ!」 

亜里沙「スイマセン。少し気になって・・・。」 

亜里沙「・・・。」 

にこ「また鍵が置いてあったわ。多分ことりの部屋の鍵よね・・・?」 

真姫「えぇ・・・。そうね。」 

開いていない扉は後一つ。ことりの部屋だ。しかしこれでメンバーは全員見つかった。一体ことりの部屋には何が・・・? 

9 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 17:28:40.48 ID:kJOMLf4E0
メンバーはそれを確かめるために部屋を出た。 

花陽「ん・・・?あれは・・・?」 

花陽は部屋に何かコロコロと転がる物を見つけた。 

花陽「あれは・・・。何でここに・・・?」 

凛「かよちんいくにゃ~。」 

凛が急かしたので花陽はひとまずそれを忘れる事にした。 

メンバーはことりの部屋に行き、鍵を使って扉を開ける。 

そこには死体は無かったが、リビングの鍵と手紙が置いてあった。 

手紙に以下の内容が。 

『悔い改めろ。この犯罪者。金を払えば済むと思うな。』 

絵里「どういう事なの・・・?」 

真姫「あっあっ・・・。」 

にこ「真姫ちゃん・・?」 

最悪の朝だった。昨日まで楽しかったはずなのに・・・朝起きたら三人は死んでいた。もう会う機会は・・・二度とない・・・。 

11 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 17:35:53.01 ID:kJOMLf4E0
12:00 3F リビング 

にこ「警察はどうだった?絵里・・・?」 

絵里「とりあえずどこか安全な場所で皆でいるように言われたわ。しばらくはここで籠城ね。 

穂乃果「しばらく・・・って・・・いつなの?」 

穂乃果が呟く。 

雪穂「えっ・・・?」 

絵里「・・・今は風と雨が激しくて船もヘリも使えないそうよ・・・。 

天気予報では明日には昼ごろには止むって言ってたけど・・・。」 

穂乃果「明日っ!?明日まで私達はここにいなければいけないんだよ!?ことりちゃんと海未ちゃんと希ちゃんを殺した犯人と一緒に!!」 

12 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 17:37:33.29 ID:kJOMLf4E0
雪穂「お姉ちゃん・・・。」 

穂乃果「私、絶対許したくない!!犯人を!!」 

亜里沙「・・・・。」 

警察は明日までやってこない。明日の朝まで自分の身は自分で守らなくてはいけない。 

今この島は雨と風で隔離されている。穂乃果たちが閉じ込められているように、犯人もそうなのだ。 

穂乃果たちは昨夜は言わずもがな、この屋敷で寝泊まりした。にも拘わらず三人もの人が死んだ。 

ということは穂乃果たちが寝ている真っ最中に犯人は殺人を犯したという事だ。 

この別荘の戸締りは昨夜寝る前に確認した。そもそも窓を開けるほど寒くも暑くも無かったのだ。 

にも関わらず別荘の中を殺人犯が出入りしていた・・・? 


14 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 17:41:08.21 ID:kJOMLf4E0
亜里沙(いや・・・十一人に見つからずに、痕跡を残さずに出入りするなんて、そんな事は不可能に近い・・・。) 

亜里沙(私と雪穂はこの島に船に隠れて乗ってきた。だから他の人にもできない事は無いのかもしれない。でも・・・。) 

船は全員を下した後にすぐさま本島に帰ってしまった。途中で下船して海から泳いできたのだろうか・・・? 

亜里沙(いや、そんな手間をかけて殺されるほど私達に価値は無い。それより可能性があるのは・・・。) 

亜里沙(この中に犯人がいるって事になる・・・!) 

亜里沙(でも誰が・・・。) 

絵里たちはこの屋敷は広すぎて安全ではないと判断した。 

殺人犯がもしこの屋敷に潜んでいるとしたらこの屋敷は危険地帯だ。 

なので一階と二階を捨てて、三階のリビングに鍵をかけて籠城する事にしたのだ。 

穂乃果は改めて海未の遺体を一目見たいと言うが、警察が来るまで現場には入らないようにと言われたので却下された。 

そして現在に至る。 

15 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 17:51:17.10 ID:kJOMLf4E0
このリビングは出入り口は一つしかなく、その鍵は真姫が持っている。籠城に向いているという訳だ。 

中には穂乃果がさっき言ったように犯人を探そうという意見も出たが、犯人を刺激しない事が一番だという結論に至った。 

穂乃果たちはテレビを見たり寝たりしながらまだまだ始まったばかりの一日に緊張の表情を見せるのだった。 

花陽「あの・・・ちょっと良いですか?」 

花陽が意見する。 

凛「どうしたの?かよちん。」 

花陽「あの・・・犯人はどうやってその・・・殺したのかなって思って・・・。」 

真姫「え・・・?それは・・・ことりちゃんは刃物で・・・希は鈍器とか・・・。」 

花陽「そうじゃなくて・・・。この三つの部屋には鍵がかかっていたんですよ?どうやって入ったんでしょうか・・・?」 

16 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 17:54:59.38 ID:kJOMLf4E0
雪穂「そういえば確かに・・・。」 

犯行に使われた部屋は窓、扉、全て施錠されていた。 

二階のリビングには海未の鍵、海未の部屋には希の鍵、希の部屋にはことりの鍵、ことりの部屋からは二階リビングの鍵がでてきた。 

最後のことりの部屋に2Fの鍵があったということは密室が四つで数珠つなぎになっている。 

四つで一つの密室、という訳だ。絵に書いてみると解りやすいが、これを何のトリックも無くやったら最後の部屋は外から鍵をかける事はできない。 

真姫が前に言ったが部屋の鍵は一個しかない。にも関わらずどうやって犯人は外に出たのだろうか? 

亜里沙「扉を開くための鍵は隣の密室によって閉じ込められていましたね・・・。」 

花陽「そういう事です・・・。一体犯人はどうやって犯行に及んだのでしょうか・・・?」 

絵里「それは・・・。」 

鍵自体は管理室に鍵がかかっている訳でも無いので誰でも取れる。鍵もどこの部屋の鍵か名前が書いてある。 

外部犯でも鍵を手に入れて殺人を犯す事は可能だ。もちろんこれは別荘に何の痕跡も残さずに進入した事を前提にした時の話だが・・・。 

17 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 18:00:00.13 ID:kJOMLf4E0
にこ「・・・トリックとかは別にして死んでいるのは確かよ。それにさっきから外部犯の犯行の様に皆言っているけどさ、 

・・・私達の中に犯人はいないってどうして言える訳?」 

「「「!?」」」 

真姫「・・・!!!」 

穂乃果「そんな!?私達の中にあんな事をしたやつがいるって言うの!?そんな人いるわけないよ!!」 

凛「そうだよ!!私達仲間なんだよ!?」 

にこ「私だってこんな事口にしたくないわよ!でもしょうがないでしょ!誰かが言わなくちゃいけないのよ!! 

絵里「ちょっと待って、今仲間割れしてる場合じゃないわ!」 

にこ「そう言って、あんたが犯人なんじゃないの!?昨日のアリバイは無いんでしょ!?」 

絵里「はぁ?そういうにこはどうなのよ!?ある訳!?」 

真姫「もうやめてぇ!!!!・・・はぁ・・・はぁ・・・。」 

20 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 18:01:38.39 ID:kJOMLf4E0
絵里「真姫・・・。」 

にこ「真姫ちゃん・・・。」 

真姫「今ここでそんな事・・・はぁ・・・はぁ・・・言って何になるの!?急にそんな事言われてもアリバイなんてある訳ないじゃない! 

外部犯の可能性もある!数分後には殺されるかもしれない!今私達がしなきゃいけない事は何!?こうやって仲間同士で疑いあって罵あう事なの!?違うでしょ!?」 

穂乃果「・・・。」 

にこ「・・・。」 

真姫「今しなきゃいけないのは、警察が来るまで生きる事でしょ!違う!?」 

絵里「そうね・・・その通りよ。こんな時だからこそ一致団結しなきゃいけないのよね・・・。」 

穂乃果「そう・・・だよね・・・ゴメン。私冷静じゃなかった。」 

にこ「私こそゴメン。変な事言ったわ。」 

真姫「そうよ・・・それでいいのよ・・・。」 

真姫は顔が真っ青になっていた。今にも倒れそうだ。 

21 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 18:06:05.09 ID:kJOMLf4E0
にこ「真姫ちゃん大丈夫!?わっすごい熱!」 

花陽「私、風邪薬あります!」 

絵里「ありがと!それ飲んで休みなさい。」 

真姫「そうさせてもらうわ・・・。隣りの部屋で休んでいるわね。」 

絵里「隣り・・・?真姫、危険じゃない?」 

亜里沙「そうですよ!少し窮屈でも外は危険かもしれないんですよ!」 

にこ「大丈夫よ。私も一緒に行くわ。」 

雪穂「にこさん!?」 

にこ「心配しないで。すぐ隣りだし、何かあれば大声を出すわ。電話もあるしね。」 

穂乃果「そっか!じゃあ大丈夫だね。」 

絵里「うーん・・・まぁ大丈夫かな・・・?」 

真姫「別にいいわよ・・・。風邪うつるわよ?にこちゃん。」 

にこ「真姫ちゃんのなら大歓迎よ。さぁ、行くわよ?立ってるのもキツイんでしょ?」 

24 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 18:10:44.97 ID:kJOMLf4E0
真姫「ゴメン、にこちゃん・・・。」 

絵里「隣の部屋の鍵は下にあるのよ?本当に注意しなさいね?」 

真姫「ハイハイ。行くわよ。」 

にこ「じゃあ、少ししたらそっちの様子を見に行くわ。」 

絵里「にこ、果物を持っていきなさい。食べられる程元気が出たら真姫に食べさせてあげて。 

絵里はそう言って、にこに果物の入っているバスケットを渡した。 

にこ「わかったわ。」 

真姫「花陽、薬ありがと。」 

そう言って部屋から出て行った。 

27 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】(1+0:15) :2014/02/24(月) 18:14:26.13 ID:kJOMLf4E0
隣部屋 


真姫「にこちゃん、本当にうつるから少ししたらあっちに行きなさいよ?」 

にこは真姫が入るのを確認すると、ドアを閉めて施錠した。その姿はやけに手馴れていたように見える。 

にこ「うん、でもその前に真姫ちゃんに聞きたい事があるの。」 

真姫「えっ?」 

にこは果物を手でとり皮を剥いてそれを食べる。 

にこ「~っすっぱい。ことりの死体を発見した時、私は確かに聞いたわ。『どうしてことりが・・・?私はことりは殺してないのに・・・。』って。」 

真姫「な、何を・・・。」 

にこ「『は』ってどういう事なのかしら・・・。詳しく聞かせてもらうわよ・・・?」 

真姫「・・・。」 

真姫「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 

29 :>>26レベル違うからID違うと思ったけわ。恥ずかし:2014/02/24(月) 18:20:06.42 ID:kJOMLf4E0
13:30 3F リビング 

真姫たちがいなくなってから、穂乃果たちは緊張感も疲労により薄れてきた。 

絵里「それにしても何もしないっていうのも結構疲れるのね・・・」 

雪穂「そうですねー何よりお腹すきましたよ。」 

絵里達は今日はあの様な事があって何も食べていない。最初は緊張感と悲壮感で何も考えられなかったが、 

こうして時間が経つにつれ、人間の三大欲求が頭をもげてきたようだ。皆、まだ立ち直ってはいないが心の整理を始める準備ができたくらいには回復したらしい。 

亜里沙「確かにお腹が減りましたね・・・でも食糧は一階ですよ?」 

絵里「そうなのよねーどうしましょ?」 

食糧は1Fのリビングに大量にある。それは明日まで八人が暮らすには十分な量だった。 

3Fのリビングには小さいバーみたいな設備があり、ちょっとした物なら作る事ができる。 

だが・・・。 

30 :十分以上書き込みなかったらさる食らったと思ってください:2014/02/24(月) 18:21:48.35 ID:kJOMLf4E0
亜里沙「私は反対です。別に明日まで何も食べなくても死にはしません。水もありますし我慢するべきです。」 

にこ「私は賛成よ。」 

穂乃果「にこちゃん!?真姫ちゃんは大丈夫なの!?」 

にこ「今ようやく薬が効いてきて眠ってるわ。それよりも食糧はやっぱり欲しいわね。食べる物もなければ薬も飲めないわ。」 

花陽「私も賛成です。これから何があるかわかりません。それにこれ以上時間をおけばどんどん暗くなって危険です。」 

凛「そうにゃ~今が一番安全にゃ!」 

亜里沙「でも・・・」 

1Fに降りて食糧をもってこようという話は確かに魅力的だ。 

にこ「私はいいの。でも真姫ちゃんに薬すら飲ませられないのは心が痛むわ。」 

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 18:29:16.98 ID:kJOMLf4E0
穂乃果「にこちゃん・・・そこまで真姫ちゃんの事を・・・。」 

絵里「でも誰が行くの?」 

穂乃果「穂乃果が・・・。」 

凛「いや、ここは運動神経の良い私とそのパートナーのかよちんでいくにゃ!」 

花陽「はい。任せてください。」 

絵里「二人だけで大丈夫?」 

凛「大丈夫だにゃ。ついでに隣りの部屋の鍵も取ってくるから待っててよ。」 

亜里沙「でも。」 

花陽「大丈夫です。十分注意はします。皆、考えてみて。これを一度だけ成功させたらもう二度と私達はここをでなくていいの。」 

絵里「・・・本当に行くの?でも確かにそうね。もし行くなら今しかない。それは間違いない・・・。」 

花陽「それに真姫ちゃんは体調が悪いでしょ?空腹には出来ないよ・・・。」 

絵里「わかったわ。十分に気を付けるのよ。」 

凛「了解にゃ。んじゃ、行ってくるにゃ~。」 

バタン。凛と花陽はリュックサックを持って外に出てった。 

にこ「じゃ、にこはまた真姫ちゃんの様子でも見ていようかしらね。じゃ。」 

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 18:30:41.29 ID:kJOMLf4E0
14:00 3F リビング 

亜里沙「・・・。」 

にこと真姫は隣部屋でいて、穂乃果と雪穂はテレビを見ている。絵里はコーヒーを飲みながら本を読んでいた。 

あれから皆はトイレに行ったり、外の空気を吸いに少しだけ外に出ている。それは五分だったり、十分だったり、まちまちだ。 

亜里沙「・・・・・・。」 

亜里沙(何かがおかしい・・・) 

亜里沙はやる事も無いので今までの事件を思い出していた。 

亜里沙(さっきからずっと感じているこの違和感・・・なんだろう・・・さっきの食糧の時もそうだ。) 

亜里沙(確かに食糧はほしい・・・ほしいけど・・・まだ三人が襲われてから数時間も経過してないのに・・・。なのに彼女らはリビングを出た。) 

さすがに不用心だ。なぜ彼女らは率先して食糧を取りに行ったのだろうか・・・? 

亜里沙「あの!お二人は遅くないですか!?」 

時間を見ると、凛たちが外に出てからもう三十分は経つ。いくらなんでもそろそろ戻ってきてもいい頃だ。 

絵里「そういえばそうね・・・少し遅いわ・・・?」 

その時扉が開いた。 

35 :>>34一応最後まで秘密ってことで。:2014/02/24(月) 18:35:03.03 ID:kJOMLf4E0
真姫「ねぇ!にこちゃんそっち来ている?」 

真姫だった。真姫はまだ本調子ではないのか、息苦しそうだ。 

絵里「にこ?にこなら真姫の所にさっき戻ったけど・・・来てないの?」 

真姫「来てないわよ!ねぇ、にこちゃんはどこ!?にこちゃんは!?」 

真姫は明らかに冷静さを失っていた。先ほど啖呵を切った勇ましい真姫はどこに行ってしまったのか。 

絵里「お、落ち着きなさいよ。真姫。トイレでも行ったんじゃないの?」 

真姫「トイレにしては長すぎるわよ!」 

何でも真姫が言うには今から十二時三十分前に真姫が眠ってしまうまではそばにいた。 

しかし一時三十分ごろに起きてみると真姫がいない。最初はトイレかと思ったが三十分経っても戻ってこない。

それでリビングへと様子を見に来た訳だ。 

・・・しかしリビングには、にこの姿はない。 

絵里たちがにこを見た最後の記憶は凛たちが出て行った時に真姫の部屋に戻ると言ってこの部屋から出て行った時だ。 

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 18:45:00.87 ID:kJOMLf4E0
真姫「ちょっと・・・どういう事・・・?そういえば何で花陽と凛もいないの!?トイレなの!?」 

真姫が絵里につめよる。 

絵里「お、落ち着きなさいよ。真姫。凛と花陽は食糧を取りに一階に向かったわ。」 

真姫「一階に!?な、ななんで!?一日くらい食べなくても死にはしないでしょ!?」 

絵里「・・・皆で話し合って決めた事よ。今それを話してもしょうがないわ。」 

真姫「それって何時頃なの!?」 

亜里沙「今から三十分くらい前です・・・。」 

真姫「三十分!?なんで三十分なのよ!?十分で帰って来れるじゃない!? 

それであんた達は何でここでぼんやりとしているの!!?何かあったらどうするの!?」 

穂乃果「真姫ちゃん落ち着いて・・・。」 

真姫「落ち着ける訳ないでしょ!?早く向かわないと!!」 

雪穂「でも今行ったら二次被害の可能性が・・・。」 

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 18:46:00.16 ID:kJOMLf4E0
亜里沙「いや、行くことに賛成だよ雪穂。確かめに行った方が良い。」 

絵里「・・・そうね。荷物が大きくて手間取っているだけかもしれないし・・・。」 

真姫「あなたたちが行かないなら私一人でも行くわ!」 

真姫は近くにあったフライパンを構えて外に出る。だいぶ興奮しているようだ。 

もはやだれが引き止めても無駄だろう。 

絵里「わかったわ。ただし全員で行きましょう!今ここで別れたら犯人の思うツボかもしれないわ!」 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^^ 

2F 通路  

真姫「にこちゃん!?花陽!?うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 

絵里「まさか・・・。」 

・・・メンバーは二階の通路で死んでいる花陽、海未の死んでいた部屋で寄り添うように死んでいた、にこと凛を発見した。 

死因は花陽は撲殺。凛とにこは腹を刺されての刺殺と亜里沙は判断した。 

真姫「にこちゃああああああああんんんんんんんん!!にこちゃあああああああんん!なんで!?どうして!!ううううう!!!」 

40 :>>38そうそう。:2014/02/24(月) 18:49:44.66 ID:kJOMLf4E0
真姫は護身用に持ってきたフライパンを投げ捨ててわんわんと泣いた。 

穂乃果「凛ちゃんと花陽ちゃんまで・・・やだよぉ・・・こんなの・・・あんまりだよぉ・・・!」 

絵里「そんな・・・こんなことって・・・。」 

・・・ことり達の時と違い、顔が損壊していないから幸いとか、言える訳もない。 

雪穂「・・・。」 

真姫「私のせいだわ・・・私の・・・。」 

亜里沙「・・・凛さん・・・花陽さん・・・にこさん・・・。」 

絵里「もっと早く来ていればこんな事には・・・」 

二階はひどい有様だった。血が飛び交っていて、お化け屋敷か何かを思わず想像してしまいそうだ。 

そして現場には無くてはならない物が無かった。 

亜里沙「海未さんの死体がありませんね・・・。」 

雪穂「え!?あっ本当だ!!」 

花陽とにこが倒れている代わりに海未の死体が無くなっていた。 

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 18:53:47.66 ID:kJOMLf4E0
代わりに手紙が置いてあった。 

内容はこうだ。 

『お前には死体すらも残してあげない。悔い改めろ。』 

穂乃果「どういうことだろう・・・?」 

真姫「!?・・・。」 

絵里「でも・・・どうして花陽たちはこの部屋まで来たのかしら・・・?。」 

雪穂「どういう事ですか・・・?」 

絵里「食糧は一階にあるのよ?バッグも膨らんでいないから恐らく一階には行かずに、二階のこの部屋まで来たんでしょう。何故なのかしら?」 

雪穂「二階で犯人に襲われたからじゃないんですか?」 

亜里沙「この別荘は階段は全部同じ位置にあります。階段を上がればすぐ次の階に上がる階段がある。もし階段から降りた途中で襲われたなら三階に上がって助けを呼びに行くはず。 

一階で襲われたなら一階に死体があるか、二階まで上がってこれたならそのまま三階に行けばいいだけです。つまり食糧を凛さんたちが補給する理由で外に出たのなら、 

いかなる理由があってもこの通路、この部屋に立ち寄る理由は無いはずです。」 

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 18:55:05.38 ID:kJOMLf4E0
穂乃果「言われてみれば確かにそうかも・・・じゃあ凛ちゃん達は食糧を補給する目的で外に出た訳じゃないって事?」 

亜里沙「もしくは・・・その・・・あまり言いたくはないのですが・・・。」 

亜里沙は口を濁す。これを言ったらまた荒れると思ったからだ。そしてそれは犯人の思うツボになるのではないだろうか? 

雪穂「何!?言ってよ亜里沙!もう一刻の猶予もないかもなんだよ!?」 

穂乃果「言って亜里沙ちゃん!!」 

亜里沙「・・・さっき立ち寄る理由がないと言ったのは、犯人が一人の時と仮定した時の話です。もし犯人が複数いるのなら、例えば一人が追いかけてもう一人が 

三階に続く階段で挟み撃ちをする。階段は一つしかありません。そうすれば彼女らはこの通路を通るしかなくなる・・・。」 

穂乃果「あっ・・・。」 

穂乃果は怖気を感じた。この別荘には人を殺した、またはそれに協力した者が二人以上いるかもしれないのだ。 

思えば最初の事件に際しても、いくら夜中とはいえ一人で三人も殺すのはさすがに手間だ。複数いると思った方が良いだろう。 

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:01:55.44 ID:kJOMLf4E0
亜里沙「どちらにしろ、今まで以上に警戒しないと・・・ん?」 

亜里沙は花陽が何かを握っているのを見つけた。 

亜里沙はそれを指紋を付けずにハンカチで取る。 

絵里「・・・ん?これは・・・。」 

それは高級そうな白色に赤でちょいとセンスのある刺繍がしてあるハンカチだった。見るからに高そうだ。 

こんな豪華なハンカチなんて持ってるのは・・・ 

真姫以外の視線が一致する。全て真姫に向いていた。このハンカチは・・・真姫のハンカチだった。 

穂乃果「真姫ちゃん・・・これ・・・どういう事?」 

真姫「はっ?し、知らないわよ!何でそのハンカチがここに・・・?この別荘で無くしたと思っていたんだけど・・・。」 

穂乃果「とぼけないでよ。」 

穂乃果の顔は付き合いの長いメンバーでも初めて見る顔だった。その顔はひどく冷めてはいる。が、視線は一直線に真姫を刺していた。 

穂乃果「なんでここに真姫ちゃんのハンカチがあるの?そして何でそれを花陽ちゃんが握っているの?」 

真姫「知らないわよ。そんな事・・・。」 

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:03:16.06 ID:kJOMLf4E0
穂乃果「穂乃香気づいちゃったよ。それは、真姫ちゃんが犯人だからだよね!!!!」 

真姫「は、はぁ?_違うわよ!!何で花陽が私のハンカチを握りしめて死んでいるのか知らないけど、私は何もやっていないわよ!!!」 

穂乃果「真姫ちゃん質問するね。真姫ちゃんはにこちゃんが出て行ってから何処で何をしていたの?」 

真姫「隣部屋で寝た後、果物を食べていたわよ。」 

穂乃果「嘘だ!!!これは花陽ちゃんが残したダイイングメッセージだ!!!思えばにこちゃんだって真姫ちゃんと一緒にいたよね!!!おかしいよね!!」 

真姫「にこちゃんについては私が聞きたいわよ!!何でにこちゃんは私の部屋に戻ってこなかったの!?あなた達の誰かがやったんじゃないの!?」 

雪穂「二人とも落ち着いてください!!」 

絵里「そうよここで争っても意味は無いわ!!」 

穂乃果「真姫ちゃんが犯人だ!!!早く白状してよこの人殺し!!!よくもことりちゃんと海未ちゃんを・・・!!」 

真姫「違う!!私はハメられたのよ!!そもそもこの二人もおかしいと思わない!?襲われた後なのに食糧を取りに行くように提案したんでしょ!? 

何かあるんじゃないの!?犯人と今後について相談しに行ったとか、何かトリックを仕掛けたとか!」 

穂乃果「二人は風邪気味の真姫ちゃんの事を思って食糧を取りに行こうって提案してくれたんだよ!何か胃に入る物がないと薬も飲めないって!」 

真姫「知らないわよそんな事!!!あの二人も犯人なんじゃないの!?」 

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:07:11.98 ID:kJOMLf4E0
穂乃果「きっとこうだ!真姫ちゃんはある理由から私達を皆殺しにしようと企んでいたんだ!私達が来る少し前に、真姫ちゃんが予め雇った人を別荘に呼んで隠れさせる! 

ここは真姫ちゃんの島だもん!もしかしたら私達が知らない部屋とかあるんじゃないの!?」 

真姫「何アホな事言ってんのよ!?そんな事で犯人にされたらたまったもんじゃないわよ!!!」 

穂乃果「うるさい!!ことりちゃんと海未ちゃんを返せ!!!返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」 

二人は取っ組み合いを始めた。 

雪穂と絵里が必死に止める中、亜里沙はそれを茫然と見ていた。もう訳が解らなかった。 

何でここに真姫のハンカチがあるのか・・・凛たちは本当に食糧を取りに行ったのか・・・何故にこはここで死んでいるのか・・・。 

最初の密室についても亜里沙はまだ何もわかっていない。一体犯人はどうやって扉が閉まったまま部屋から出て行ったのか。 

犯人は複数か、単数か。犯人はこの中にいるのか。犯人の狙いは?動機は?手紙の意味は?私達は明日まで生き残れるのか? 

分からない事だらけだった。 

・・・親友を失った悲しみを押し付けあう真姫と穂乃果。止めている雪穂と絵里。 

そして半ば茫然としている亜里沙。 

今日の朝までは楽しかった旅行なのに・・・どうしてこうなってしまったのだろうか・・・? 

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:08:30.50 ID:kJOMLf4E0
亜里沙「ん・・・?」 

花陽がハンカチを持っていた手に何かが付着しているのが見えた。 

亜里沙「赤・・・?いや、ピンク・・・?」 

何やら塗料の様だ。でも薄すぎる。塗り立ての何かに触った感じじゃない。まるで塗料が塗られていた物を強く握った時に付いたような・・・。 

穂乃果「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!うわあああ!!」 

突然の悲鳴に亜里沙の意識は覚醒した。 

穂乃果は両手で目を覆いながら床にうずくまっていた。それを、何をやったのか分からないと 

言わんばかりに雪穂と絵里、そして手から血を流した真姫が見下ろしている・・・。 

絵里「だ、大丈夫!?穂乃果!?穂乃果!?」 

雪穂「お姉ちゃん!?」 

穂乃果「うわあああああああああああああぁぁぁイタイイタイいたいいたいイタイイタイいたいよォ・・・!!! 

イタイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!うわあああああああああああああ!!!!!」 

真姫「わ、私じゃない!!私じゃないわよ!!!穂乃果が急に突っ込んできて、私はただそれを守ろうと突き飛ばそうと・・・」 

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:13:17.92 ID:kJOMLf4E0
亜里沙「ちょっと・・・!!何があったんですか!?」 

真姫と穂乃果が取っ組み合いになって、その時真姫の手が偶然穂乃果の目にあたり、 

何かの拍子に爪でそのままえぐってしまったということなのか・・・? 

よく分からないが穂乃果はイタイイタイと叫びながら床にうずくまっている。 

絵里「おちついて穂乃果!!とりあえず消毒しましょう!!」 

穂乃果「うウウウウう・・・!見えない!!何も見えない!!!」 

雪穂「お姉ちゃん!!傷に響くからしゃべらないで!!」 

穂乃果「くっそおおおおおおおおおお!!!!ことりちゃんと海未ちゃんの敵ぃ!!!!!!殺してやる!!!殺してやるうううう!」 

真姫「私じゃ・・・私じゃないわよ!!!・・・ひっひっひ・・・私・・・私じゃない・・・。」 

穂乃果は今もことりの、海未の敵と罵っている。 

真姫は過失とはいえ、怪我を負わせてしまった事に動揺している様子だった。 

真姫「・・・私じゃない私のせいじゃない穂乃香が私につかんできたのが悪いのよそうよ私のせいじゃない私じゃない・・・。」 

真姫「それよりにこちゃんは誰が殺したのよ!?私を慰めてくれたにこちゃんを誰が殺したの?誰なのよ!?にこちゃ・・・にこちゃあああん!」 

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:14:43.69 ID:kJOMLf4E0
亜里沙「ちょ、待ってください真姫さん!!一人じゃ危険です!!!!」 

真姫は自分の過失の罪に耐え切れなくなったのか、それとも混乱と怒りに身を任せたのか、 

とにかく発狂しながら廊下を駆け出して行った。 

亜里沙「お姉ちゃん、雪穂、穂乃果さんをよろしく!!!私は真姫さんを追いかける!!」 

穂乃果の容体も気になるが今は真姫さんが先だ。今一人になる事は自殺行為その物だ!! 

絵里たちは穂乃果を連れてリビングへ。亜里沙は真姫を追った。 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

15:00 3F リビング 

絵里「穂乃果、目を擦ってはだめよ!!今応急手当をするからね!!」 

絵里は洗面台に行き、タオルを水で濡らして穂乃果の目にあてる。 

絵里「そのまま持っていて!」 

そしてそのまま穂乃果の目に巻きつけた。 

雪穂「お姉ちゃん大丈夫でしょうか・・・?」 

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:20:26.25 ID:kJOMLf4E0
絵里「わからないわ・・・でも今はこうする事しか・・・。」 

もしかしたら角膜を傷つけたかもしれない。失明の危険もあるし医者に見せる必要があるだろう。 

絵里「傷が痛むかもだけど触っちゃだめよ。明日になったらすぐに眼科に行きましょう。」 

穂乃果「・・・が・・・したんだ・・・。」 

絵里「え?」 

穂乃果「あいつが殺したんだよ!!!今もスキあれば殺す気だったんだ!!!絶対に真姫が犯人だ!!間違いない!!」 

絵里「違うわ!あれは事故よ!!、真姫はそんな事しないわ!!」 

穂乃果「事故じゃない!!あいつがメンバーを殺したんだ!よくも・・・よくも・・・。」 

絵里「もしそうなら警察が調べればすぐにわかるわ!今の警察はすごいわよ。すぐに事件を解決させてくれるわよ。」 

雪穂「そうだよお姉ちゃん。私達は誰かを疑う必要はないの。全部警察が解決してくれるよ。」 

絵里「だから今は治療に専念しましょ・・・?私達もここにいるから。」 

穂乃果「・・・。」 

実際今は患部を刺激しない事が大事だ。穂乃果はとりあえず落ち着きを取り戻した。 

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:21:29.22 ID:kJOMLf4E0
絵里「さて・・・今度は亜里沙と真姫が心配ね。この屋敷内では携帯の電波は届かないし、どうした物かしら。」 

雪穂「うーん・・・どうしましょうか?」 

絵里は彼女たちが戻ってくる様子がないかを見るために廊下に顔を出した。 

絵里「・・・ん?っひっ!!!」 

それと目が合う。 

ぷしゃアっ・・・ 

??「・・・フフフ。」 

ドサッ! 

雪穂「絵里さん?どうしたんですか?」 

雪穂はその時部屋にいた。だから、絵里が外に出て、何かが飛び散り、何かが倒れた音がした時も特に気にしなかった。 

雪穂「絵里・・・さん・・・?」 

ギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ 

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:26:21.60 ID:kJOMLf4E0
雪穂「・・・あ、あなたは・・・ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!」 

そいつは返り血を全身に浴びていた。そして両手にそれぞれある物を持っていた。片方は・・・絵里。 

絵里は首から血を流して絶命していた。クオーター特有の青い目玉がギロンと上を向いている。 

もう片方はナイフだった。刃は真っ赤だった。一体その刃を何人の体に刺したのか。 

穂乃果「何!?絵里ちゃん!?雪穂!?何がどうなってるの!?」 

目を負傷している穂乃果には何も見えない。声でしか状況がわからない。ただ雪穂が悲鳴の聞くしかない! 

??「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フフフ」 

雪穂「ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!! 

辞めて!お願いやめてください!まだ死にたくない!!お願いします!見逃してください!!い、いやああああああああああ!!!」 

穂乃果は座って呼びかけるしかない。声を聞く限りでは雪穂が何者かと対峙しているように聞こえる。そして怯えている。 

雪穂に今生命の危機が迫っている事は間違いなかった。 

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:27:09.08 ID:kJOMLf4E0
穂乃果「やめて!!雪穂に手を出さないで!!!お願い!!」 

その穂乃果の言葉を聞いてか、その者の足音が穂乃果に聞こえてくる。穂乃果に向かっているのだ。 

さっきまで殺してやると連呼していた穂乃果。しかし今その標的が目の前にいるのに自分は目が見えず 

戦う事はおろか逃げる事すらできない。穂乃果は自分が今まな板の上の鯉である事を自覚して恐怖した・・・。 

カツカツカツ・・・ 

そして穂乃果の元に近づいた時、耳元で、 

??「フフフ・・・クッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッ!!!アハハハハハハハハハハハハハハハアハハハハハハハハハハハ!!!!」 

穂乃果「ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!」 

穂乃果は恐怖でか細い悲鳴しか出なくなる。 

それからすぐにその者はまた穂乃果から離れる。本当は助けを大声で呼ぶのが正解だった。 

しかしできなかった。人は心のそこから恐怖した時、声がでなくなってしまうのだ・・・。 

雪穂「いや・・・っ!こないでっ・・・やめて死にたくないやめて!!!!!」 

??「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フフフ。」 

雪穂「いやああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」 

ザシュザクグシャギュイグパアアアグシャグシャザシュザシュザシュグシャグサギシュg 

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:31:33.74 ID:kJOMLf4E0
15:20 2F リビング 

亜里沙は真姫を見失っていた。絵里たちがどこにいるのかもわからないので、それぞれの事件のあった部屋を見てみる事にした。 

とても不用心だとは思う。だが私はもう生きてこの島からは出られないのではないかと思った。ならせめてこの事件の真実が知りたいのだ。 

まずはこの二階のリビング。ことりが倒れていた、最初に死体を発見した部屋だ。思えばこの時から悪夢が始まったのだ。 

亜里沙「うわ・・・っ相変わらずひどいね。」 

改めて見るまでもなくひどい。そういえば・・・最初に殺された三人の死体の中でことりの死体が一番ひどかった。 

希や海未は毒殺だったり、撲殺だったりしたが、その後にこのように顔を傷つけたりはしなかった。 

亜里沙「もしかして・・・メンバー 一人一人に対して恨みは違うのかも。」 

5W1Hの一つである動機。この事件を何故犯人が犯したのかを考えるとメンバー全員に対する復讐と考えるのが妥当だと考えていた。 

しかしこのことりの死体だけは明らかに他とは違う、犯人の明確な意志、殺意を感じる。 

亜里沙「最近メンバー同士でケンカとかの話はお姉ちゃんから聞いてなかったんだけどなぁ・・・。」 

次に亜里沙は海未の部屋に向かった。希が倒れていた場所だ。亜里沙は一つ、気になる事があった。 

亜里沙「やっぱりそうだ・・・。」 

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:33:51.87 ID:kJOMLf4E0
亜里沙が注目したのは希についていた血だった。最初に現場で見たときも不思議に思っていた。 

亜里沙「血が飛んでなさすぎる・・・。」 

もし希がここで殺されたのなら多少は床なり机なりに血が付くはずだ。だがこの部屋に希の血は全くと言っていいほどついていなかった。近くで視なければ死んでいるか解らないほどだ。 

亜里沙「それに・・・希さんだけ明らかに死後硬直が早い・・・早すぎる・・・。」 

死後硬直は一から四時間ほどで顎から始まり八時間程で四肢の関節が硬直する。先ほどことりは四肢の関節が硬直していたのに対して 

この希の死体は足指まで硬直している。足指の硬直は十~十五時間。つまり希は誰よりも早く殺された事になる。 

亜里沙「どういう事なんだろ・・・。」 

亜里沙「共犯者が殺したのかな・・・?」 

様々な状況から共犯者がいるのは明らかだった。しかしそうなると何処で殺したのか?という話になる。 

亜里沙達はもう何度もこの屋敷中を出入りしている。なのに誰一人、血がついていたりとか、荒らされた部屋とかを見つけてはいない。 

・・・そもそも何で希と海未は他人の部屋で死んでいたのだろうか・・・? 

次に二階の通路に向かった。ここは花陽が死んでいた場所だ。 

・・・何回も考えたことだが、何故二人は食糧を取りに行かずに二階の部屋に直接行ったのだろうか。 

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:37:35.80 ID:kJOMLf4E0
先ほど一階に立ち寄ったが食糧のあるバッグは触られた形跡すらなかった。やはり二階に降りた時、挟み撃ちにあって襲われたのだろうか・・・? 

・・・しかしそうなるとおかしなことがある。この屋敷は三階建てだ。彼女らが一階に下りずに挟み撃ちを食らったのだとしたら、 

三階の階段と一階の階段から挟み撃ちをしなくてはならない。もし犯人が外部の者ならば、三階の廊下で私達に気付かれずに隠れて、それから 

いつ外にでるかもわからない花陽と凛に気付かれないように後をつけて、挟み撃ちをしたことになる。 

そんな忍者みたいな事が可能なのだろうか?凛たちだって馬鹿じゃない。相当警戒したはずだ。 

そう考えるよりは・・・私達の誰かが犯人で、なんらかの方法で二人を海未の死んでいる部屋まで連れて行き殺すか、 

二人は最初から海未の死んでいた部屋を目的地として向かいそこで背後を取られて殺された、そう考える方が筋が通っている気がした・・・。 

次に海未が死んでいた部屋に向かった。海未の死体は消え、代わりに凛とにこの死体がある。 

・・・今思ったが、凛とにこは刺殺で花陽は撲殺だ。と言うことは最低でも二人この事件に関わっているのではないだろうか。 

亜里沙「そもそもなんでにこさんはここで死んでいるの・・・?」 

にこは一体何をしていたのか。そして何故死んでいるのだろうか・・・。 

にこと犯人Xが花陽と凛を後ろからこっそりついていき、犯人Xが凛を刺殺し、にこが花陽を撲殺してにこを犯人Xが撲殺した・・・。

これなら一応筋が通る。しかしこれは凛たちが海未の部屋に向かったと仮定しての話だ。 

何故彼女らは海未の部屋に向かったのか、そして何故仲間であるにこを殺したのか、これが解らないとこの謎は解明されないだろう・・・。 

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:43:13.74 ID:kJOMLf4E0
亜里沙「そして・・・海未さん・・・。」 

亜里沙が憧れていた女性。しかし殺されただけではなく、その死体を犯人に持って行かれた。 

ふと思ったのは海未も犯人の一人なのではないか?という事だ。最初の事件では、二人を殺した後に海未がここで死んだふりをすれば密室は完成する。 

が、海未の脈を計ったのは他でもない私だ。確かに脈は無かった。素人でも脈があるか無いかくらいは計れる。 

亜里沙「海未さん・・・今どこに・・・」 

希の殺害現場と同様に、海未の死体も見つかってはいない。外に出れば捨てる場所などいくらでもありそうだが開けた形跡はない。 

亜里沙「そういえば・・・海未さんだけ何で毒殺なんだろう・・・?」 

ぱっと見た限り、着衣に乱れはなかった。 

無理やり押さえつけられて毒の注射を打たれたとは考えにくい。 

毒のカプセルを飲み物に混ぜられて飲まされたと考える方が妥当だろう。 

しかし海未の死体は他の死体と比べてなんというか・・・きれいすぎた気がする。 

武器を使えばそれを振るうだけでいいが毒殺はそれらに比べて手間がかかる。 

他のメンバーの殺され方を考えても海未の死は扱いが丁寧な気がした。 

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:44:14.44 ID:kJOMLf4E0
・・・殺されたという事では気の毒な事に変わりは無い。・・・でもその殺し方が丁寧というかなんというか・・・。 

顔を半壊させられたことりと丁寧に殺された海未。その対比はとても気になる・・・。 

死因を含めてこの二人の死は多くの謎に包まれるだろう。調べようにも海未の死体はどこにあるのか・・・。 

全ての遺体を調べ終わった亜里沙は今度は絵里たちを探した。もしかしたらもう戻っているかもしれないと三階のリビングに行くと、 

亜里沙「お姉ちゃん!?雪穂!?嘘でしょ!!?穂乃果さんも・・・嘘・・・いやああああああああああああ!!!!!!」 

絵里、穂乃果、雪穂が死体となって・・・倒れていた。そしてまた、顔がことりさんほどではないにしろ、ナイフでグシャグシャになっていた。 

それは検死の経験がない亜里沙でも死亡を宣告できるものだった。 

亜里沙は泣いた。こんな事をするやつがこの世にいるのかと罵った。ひとしきり泣いた後、やはり私も殺されるのだろうとどこか諦めた気持ちになった。 

そして尚更この事件の謎を暴きたいと思った。たとえ死ぬとしても。 

改めて絵里たちを調べてみた。 

机には包帯やガーゼ、はさみが置いてあった。穂乃果の顔には包帯がかかっていたから治療中に襲われたのだろう。 

部屋に乱れはない。穂乃果はともかく二人もいるんだから部屋は多少は荒れていると思ったが、血痕が廊下から部屋に垂れていた。 


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:53:03.60 ID:kJOMLf4E0
垂れていた先には絵里がいたから絵里のだろう。どうやら最初に絵里は殺されたみたいだ。 

死因は首を切られての出血死。 

次に雪穂。その死に顔は亜里沙が一度も見た事が無い程、恐怖で顔が引きつっていた。 

死因は腹、腕などを複数回刺されての出血死?だろう。 

亜里沙「ゴメン雪穂。そばにいてあげられなくて。」 

亜里沙は雪穂の目を優しく閉じた。 

次は穂乃果だ。 

死因は・・・腹を裂かれての出血死。だが穂乃果はそれはもう沢山の切り傷がある。 

この事件の犯人はそうとう趣味が悪いと亜里沙は思った。犯人が目の見えない穂乃果をいたぶりながら悲鳴を聞いて舌なめずりをする所が用意に想像できる。 

そして亜里沙は穂乃果の死体を見つけた事で真姫と亜里沙以外の全ての人物が死んだことを確認した。 

生きている者から死んだ者を引いたら犯人が解る。なんて残酷な引き算なんだろうか。 

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 19:54:54.39 ID:kJOMLf4E0
この事件の中でメンバーの中にアリバイを証明できる者は殆ど、いない。最初の事件は夜中のうちに起こったし、凛たちの事件の時も皆、十分くらい席を立っている。 

一人で四人を十分で殺すのは骨が折れるが共犯者がいればできそうだった。 

アリバイが不明だからこそ・・・皮肉な事だが、死体がでれば出るほど・・・その者の潔白は証明されるのだ・・・。 

最後に亜里沙は真姫が寝ていた部屋を調べてみることにした。 

亜里沙「うーん。特に目新しい物は無いなぁ・・・。」 

他の客間と変わらない。亜里沙は血痕でもついていればと思って来たのだが・・・。 

亜里沙「ないか・・・ん?」 

亜里沙が見つけたのはゴミ箱だった。中には果物の皮一枚だけ。にこが持ってきた果物を真姫が食べたのだろう。 

亜里沙「これだけかー。あれ・・・でもこの果物って・・・。」 

亜里沙「・・・。」 

亜里沙「・・・あぁ・・・そっかぁ・・・。」 

亜里沙は何かを諦めた様子で、 

亜里沙「そういうことかぁ・・・。」 

亜里沙は確信した。 

亜里沙「犯人は真姫さんだ。」 

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:03:00.60 ID:kJOMLf4E0
亜里沙「真姫さん・・・。」 

真姫はあっさり見つかった。一階のホールの中央に立っていた。 

その姿は血で塗れている。 

亜里沙「犯人は・・・あなたですよね・・・?」 

亜里沙「真姫さん。」 

真姫は祖父の肖像画を見ていた。 

真姫「あなた・・・生きていたのね。」 

亜里沙「おかげ様で生き永らえましたよ。お礼なんて言いませんけどね。」 

真姫「フフフ・・・で、何で私って思ったの?」 

亜里沙「簡単な話ですよ。私とあなた以外全員死んでいるからです。」 

真姫「あら、そんな事で私が犯人って決めつけるの?疑わしきは、・・・罰せよ、て訳?」ハアハア 

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:03:51.36 ID:kJOMLf4E0
亜里沙「あなた一人が犯人だなんて言いませんよ。にこさんも犯人です。」 

真姫「・・・にこちゃんは・・・殺されたじゃない。それにさっきあなたは死んだ人=被害者なのだから犯人じゃないみたいな言い方をしたわよね?」 

亜里沙「確かに。でもにこさんは怪しい所が多すぎます。食糧を取りに行くかどうかの時も食糧を取り行くことを誘導していた様に見えました。 

真姫「・・・。」 

亜里沙「そもそも凛さん達は殺人の方法が違う事や状況から見て、最低でも二人以上に殺されたんだと思います。 

凛さんたちが食糧を取りに行っている間、私達はトイレに行ったり外の空気を吸いに行ったりしてアリバイの無い時間があります。 

でも、私達の中で二人同時にアリバイが無くなった人はいません。」 

真姫「なるほどね。だから二人同時にアリバイのない私達が怪しいと。でもそれならあなた達の中の一人とにこちゃんが手を組んで、 

犯行に及んだのかもしれないじゃない?私は関係ないんじゃないの?」 

亜里沙「確かにそうかもしれません。しかし、あなたが犯人の一人な事には変わりありません。」 

真姫「何故?」 

亜里沙「あなたこんな事を言ったのを覚えていますか?」 

>真姫「え・・・?それは・・・ことりちゃんは刃物で・・・希は鈍器とか・・・。」 

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:08:21.07 ID:kJOMLf4E0
真姫「それが何よ?間違った事を言ったかしら?」 

亜里沙「いえ、間違っていないから問題なんです。真姫さん、どうして希さんが鈍器で殺されたと発言したんですか?」 

真姫「い、いやそれは私達で現場に入ったt」 

亜里沙「いいえ!!希さんはドアから見える位置で確かに倒れていましたが、血も全く飛び散っていませんでしたし近づかないと頭から血が流れているかも解りませんでした!!」 

亜里沙「あの時、希さんが撲殺だと知っているのは、希さんに近づいた私と、私を連れ戻したお姉ちゃんだけです!!花陽さんなんて死んでいるのかも解らなかった!」 

真姫「え、えと・・・。」 

亜里沙「なのに!どうしてあなたが希さんの死因を知っているのですか!?おかしいですよね!?」 

真姫「・・・・・・・・・・・・。」 

亜里沙「それと、もう一つ。あなたは花陽さんが殺されて、穂乃果さんが真姫は何をしていたのかを訪ねた時にこう答えていました。」 




>真姫「隣部屋で寝た後、果物を食べていたわよ。」 

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:09:20.31 ID:kJOMLf4E0
亜里沙「確かにゴミ箱には果物の皮が一個分ありました。でもあなたがそれを食べる訳ないんです。」 

真姫「な、なんでよ・・・。」 

亜里沙「その果物は・・・みかんです。真姫さん、あなたはみかんが自分のプロフィールに書くほど嫌いなんですよね?他にも果物は沢山ありました。なのに、 

わざわざ病人が自分の嫌いな食べ物を食べるでしょうか?おかしいとおもいませんか?」 

真姫「ちが、違うのッ・・・。」 

亜里沙「つまり、あなたがみかんを食べていたのは嘘です。残念ながらそれだけでは証拠にはなりませんがね。」 

亜里沙「悔しいですが全ての殺人についての証拠が見つかりませんでした。でも!少なくとも希さんを殺したのは!!あなたですよね!!!!」 

真姫「ち・・・っ・・・・クククククククク。」 

亜里沙「・・・。」 

真姫「・・・クククククククックククク。」 
真姫「アヒャヒャヒャッヒャヒャッヒャクコキクコクコクコカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカアカハハハハアアアハハアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」 

真姫は碑文の書いてある石に手を付きながらおおらかに笑った。 

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:18:33.30 ID:kJOMLf4E0
真姫「そうよ!!!!あなたの言う通り希を殺したのはこの私!!!警察でもないのによくも見抜いたわねぇ!!!!いやぁ!!!すごいすごい!!!あひゃひゃひゃ!!!」 

亜里沙「言いたいことはそれだけですか・・・よくもお姉ちゃんを・・・皆を!!!!」 

真姫「皆・・・?穂乃果たちも死んだの・・・?っふーん。」 

亜里沙「!!???お姉ちゃんたちを殺したのはあなたじゃないんですか!?」 

真姫「違うわよぉ・・・ッククククククククククウクククククカハハハハハハハハハハハハカアアハアアアアアアアアアアアアアア!!!!」 

真姫は手を目に当てて、 

真姫「そうかぁ・・・こりゃあいっぱい食わされたわぁ・・・。やっぱり私は利用されていただけかぁ・・・悔しいなぁ・・・クククッ!!」 

亜里沙「!?利用されたって・・・、っそれよりあなたの仲間は、誰なんですか!?やっぱりにこさんですか!?」 

それを聞いて真姫は笑いが止まらない様だった。 

真姫「ハハハハハハハハh・・・・はぁはぁ・・・悔しいから死んでも教えてあげなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい。はぁはぁ・・・でも、そうかぁにこちゃん・・・そうかぁ、っグッ!」 

プシャアアア!!! 

真姫は口から血を吐きだした。そのまま崩れ落ちた。 

亜里沙「!?真姫さん!?どうしたんですか!?真姫さん・・・?これは血!?出血している!お腹からだ!」 

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:19:50.90 ID:kJOMLf4E0
亜里沙が服を捲ると真姫の腹は刺し傷があった。服についていた血は返り血だと思っていたが、真姫自信の血だったのだ! 

傷は結構深い。こんな傷を負っていて、よく今まで立っていられる物だと亜里沙は関心した。 

真姫「はぁはぁ・・・。思えば・・・あの時から・・・おかしくなったのよね・・・私が黄金を発見した時から・・・私があの時、・・・さえしなければ・・・全て私が・・・悪いの・・?」 

亜里沙「!?黄金・・・!?黄金ってあの碑文にあった黄金の事ですか!?」 

碑文に出てきた黄金という文字。真姫の言葉を聞くにそれを解き、黄金を発見したのだ。 

真姫「はぁはぁ・・・ママぁ・・・お金・・・いっぱいできた・・・よ。ほめてよ・・・。ママぁ・・・にこちゃん・・・。」 

亜里沙「待ってください!あなたを刺したのは誰ですか!?もうこの別荘には私達しかいないはずです!!!真姫さん!真姫さん!!!・・・あっ。」 

真姫は最後に何かを呟いた後、絶命した。腹を刺されての出血死。言葉を聞くに悔いがないとはとても言えない。よく分からないが真姫も戦っていたのだろう。 

真姫は絵里たちが死んでいた事を知らなかった。あれが演技だとは思えない。と言うことは別に犯人がいるということ。つまり、何もまだ解決していない。 

亜里沙「安らかに眠って下さい。真姫さん。」 

亜里沙は決意した。必ず犯人を・・・探し出してやる。亜里沙は立ち上がった。 

亜里沙「犯人は私が必ず見つけてみせるから。皆。必ず。」 

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:22:14.01 ID:kJOMLf4E0
??「その必要は、もうないんじゃない?」 

トンッ 

その声と共に、亜里沙を誰かに後ろから軽く押された気がした。 

碑文の書いてある石に手をつく。あてられた所に手を回すと手はぬるぬるとしていた。それを見ると、 

亜里沙「えっ・・・。」 

手は血まみれだ。真姫の血じゃない。これは自分の血。 

ぐりゅ!!! 

その時自分の中から何かが抜かれるような感触がした。 

亜里沙「あっ・・・。」 

その時、亜里沙から体の力が抜け、立っていられなくなった。 

カ 

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:23:25.67 ID:kJOMLf4E0
カランカラン 

音がした方向を見ると血で染まったナイフだった。それを見て亜里沙は自分がそれで刺されたのだと初めて知った。 

亜里沙「く・・・。」 

首だけでも何とか後ろを振り返る。もう瞼が重くなってきていたが、その顔ははっきりと見えた。血に染まった、笑顔で笑う殺人鬼の顔を。 

亜里沙「・・・あなたが犯人だったんですか・・・!よ・・・くも・・・。」 

??「・・・フフフ。」 

そして亜里沙の意識が遠くなる。その目が再び開く事は無かった。 

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:24:40.90 ID:kJOMLf4E0
嵐が過ぎ去った、次の日の朝、あれだけ島を包んでいた雨と風は去り、島には光が戻りました。連絡を受けた警察が島に到着すると、あたりはひどい有様でした。 

死体はめちゃくちゃで、どれもこれも判別すら不可能な状態でした。 

ただちに現場検証が行われましたが、殆どが『吹き飛んで』発見できませんでした。ただ、その残酷さ故に、11人の生存は絶望的でした。 

辛うじて発見できたのは顎の一部。それは園田海未と断定されました。 

一つも判別できなかった死体もあるのですから、その部分は貴重になるでしょう。 

世間ではこれを音野木坂スクールアイドル連続殺人事件と呼ばれ、世間を騒がせました。 

状況証拠と遺体を調べる事は不可能ですから、今日でも原因は解っていません。 

数日後、沖を釣りしていた者がある一本のメッセージボトルを発見しました。 

内容は一目見ると連続殺人事件と関係のある内容でした。 

内容は以下の通りです。 

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:24:54.47 ID:KCFXbOdTO
誰だ? 

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:25:44.29 ID:kJOMLf4E0
『私、西木野真姫は何者かに命を狙われています。何故、誰に、命をねらわれているのかはわかりません。 

ですが碑文を解いたその日から、私の日常は狂い始めました。 

どうしてこんなことなったのか、私にはわかりません。 

これをあなたが読んだなら、その時、私は死んでいるでしょう。 

…死体があるか、ないかの違いはあるでしょうが。 

これを読んだあなた。どうか真相を暴いてください。それだけが私の望みです。 

西木野真姫』 

91 :さるくらってた:2014/02/24(月) 20:44:43.94 ID:kJOMLf4E0
魔法の欠片 欠片番号1934348538938593942個目 

亜里沙「ここは・・・?」 

亜里沙はゆっくり目を覚ました。周りを見渡すと全部真っ黒。そこに白、赤、黄色ときれいな色の欠片が周りを周回している。 

亜里沙「きれい・・・。」 

まるで宇宙の中にいるようだ。 

黒い女「あら・・・目が覚めたのね。とりあえずはお疲れさまと言っておきましょうか。」 

ピンクの女「よくもまぁ一週目でここまで行けたものよねぇ?この子、結構優秀じゃないの?」 

黒い、何もない空間に二人の女が浮いていた。一人は黒い服を着た、猫みたいな女。もう一人はピンクの服を着た、お菓子を食べている女。 

二人は正反対な性格をしているな・・・と亜里沙は思った。 

黒い女「まだどういう状況か理解していないようね。」 

ピンクの女「まぁしょうがないわよぉ!人間には理解ができないわよね~。」 

二人の女は浮きながら何もない場所からお菓子や紅茶を魔法のようにポンポンと出している。亜里沙はここがそういう空間なのだと認識した。 

亜里沙「なるほど・・・でも私は死んだはずよね?あなたたちが生き返らせてくれたの?」 

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:47:08.81 ID:kJOMLf4E0
黒い女「話が早くて助かるわ。あなた達の世界がチェス盤の中だとしたら、ここはそのプレイヤー達の世界と言うべきかしら。さしずめあなたは、キングに打たれたポーンって所?」 

黒い女が指を振ると丸い球体が出てきた。その中にミニチュアでできた建物がある。これはよく見ると・・・。 

亜里沙「真姫さんの別荘だ・・・。なるほどね。あなた達は私達より上界の人たちなのね。神様なの?」 

ピンクの女「神ではないけど認識はそれであっているわ。本来ならば死ぬ所を私達がチェス盤からつまんで救い出したのだから感謝してよね!」 

亜里沙「それはありがとうございます。で、何で私をここに?話を聞くとここに人を招かれるのは珍しい事の様に聞こえましたけど。」 

黒い女「あなた・・・自分が何で殺されたのか知りたくはない?」 

亜里沙「・・・。」 

亜里沙は黙った。 

黒い女「そしてあなた、誰に殺されたのか覚えてる?」 

亜里沙「・・・覚えていないです。何故だろう。」 

確かに私はナイフで刺されて顔を見た・・・事は覚えているが肝心の顔だけは覚えていない。 

亜里沙「くっ・・・何故覚えていないの!?」 

ピンクの女「死んだ直後の事は覚えていないものよ。」 


94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:49:24.71 ID:kJOMLf4E0
黒い女「知りたくはないかしら?自分や仲間を殺した犯人を。そしてその理由を。」 

亜里沙「知りたいです。」 

亜里沙は即答した。あの時の気持ちは今でも心に残っている。後少しだったのだ。後少し知識があれば・・・。 

黒い女「そこで、もう一度、あなた達の合宿を、事件をやり直させてあげるわ。もちろん今までとは犯人も殺人のトリックも違うし、一週目の記憶は消させてもらう。 

でも真犯人は変わらない。」 

亜里沙「その事件を解けば、真犯人が解る・・・と?」 

ピンクの女「それはあなた次第よ。でも全てを解けば明らかになるわ。全てよ?それは殺人を犯した方法や犯人だけじゃないわ。もう一つ。」 

亜里沙「あの碑文の事ですか。」 

ピンクの女「イエス!一周目は真姫しか真面目に解いていなかったけど、あれこそ、おっと。口が滑ったわ。まぁ全てを解けばだいじょぶだいじょぶ!」 

亜里沙「解りました。じゃぁさっそく行きますか。あなた達が運んでくれるの?」 

何のためらいも、そこには無かった。ただひたすら真実を追い求める。今はそれしか頭になかった。 

黒い女「あら、早いのね。人間がここに来るのは久しぶりなのに・・・。」 

ピンク「せっかちなのは嫌いじゃないわ!じゃぁ飛ばすわよ!!」 


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:51:18.52 ID:kJOMLf4E0
亜里沙「一つだけ聞いていい?何で私にこんな機会をくれたの?」 

ピンクの女「え、それはね~まぁ言ってもいいか~。」 

黒い女「そうね。賭けをしているの。」 

亜里沙「賭け?」 

ピンクの女「そ!あなたが殺される前に事件を解くかどうか!あなたが死ねば私の勝ち!あなたが解けばその黒い女の勝ち!」 

亜里沙は軽くキレそうになった。こいつらは人の生死をサイコロの出目の数か何かにしか捉えてない。 

でも考えてみれば当たり前の話なのかもしれない。亜里沙は小さいころに蟻を一体一体踏みつぶして遊んだのを思い出した。 

こいつら上位の存在にとって、人は蟻みたいなものなんだ。 

黒い女「クスクスクスクスクスクスクスクスクスクス。」 

ピンクの女「アハハハハハハハハハハハハハハ!!アハハハハハハハハ!!」 

亜里沙「そう。早く始めましょう。」 

ピンクの女「あら、怒らないのね。」 

亜里沙「機会をくれただけでも感謝しているわ。そこにどの様な思惑があっても私には関係ない。」 

97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 20:59:09.91 ID:6+2Ei4CN0
ほ 

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 21:05:12.13 ID:kJOMLf4E0
黒い女「それでこそ私がチップを賭けるのに相応しい女。期待しているわ。」 

ピンクの女「じゃぁいくわよ。行ってらっしゃい!あの日にね!!」 

亜里沙の前が黒から赤くなり緑になり眩しくなる。亜里沙は思わず目をそむけた。 

薄れていく記憶。あの惨劇。亜里沙は忘れていく事を受け入れながら一つの決意を胸に秘める。 

亜里沙(今度こそ、今度こそ犯人を見つけてやる!!見つけ出してそして!!!!) 

                               



                                     亜里沙(コ ロ シ テ ヤ ル ! ! !) 


100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 21:08:22.05 ID:kJOMLf4E0
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黒の女「行ったわね。」 

ピンクの女「ええ、行ったわ。」 

黒い女「次こそ事件を解いてもらわないとね。私はすでにチップを払ってここに座っているのよ。これ以上レートを上げるのは勘弁よ。」 

ピンクの女「ねぇ、ベルン。次も解けなかったらどうするの?」 

黒い女「奇跡は二回も起きない。こんなにお膳立てしているのに解けないクズなんて必要ないわ。忘却の欠片にぶち込んで永遠に不幸な人生を歩ませてやるわよ。ラムダ。」 

ピンクの女「うわぁ・・・ひどぉい。ま、こっちも?もし解かれたら?真犯人には楽し~~~~いお仕置きが待っているんだけどね。」 

黒い女「・・・あんたのお仕置き本気で洒落にならないから気をつけなさいよ。」 

ピンクの女「ま、」 

黒い女「どちらにしても、」 

ピンクの女「次はそれで楽しめばいいわ。」 

黒い女「クスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクス!!!!」 

ピンクの女「アハハハハハハハハハハハハ!!!」 

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/24(月) 21:09:24.31 ID:kJOMLf4E0
彼女たちは生きすぎて退屈を敵とする魔女。それから逃れるためには彼女たちは何でもやる。亜里沙は神様か、と問うた。確かに神なのかもしれない。 

神は神でも悪魔かもしれないが。 

    

                  「クスクスクスアハハハアハハハハクスクスクスクスクスアハハハハ!!!!!!!!」 



<キャスト> 

絢瀬亜里沙 絢瀬絵里 

矢沢にこ  東條希 

高坂穂乃果 園田海未 

南ことり  西木野真姫 

星空凛   小泉花陽 

高坂雪穂  黒い女 

ピンクの女 真姫母 

弁護士   幹部の皆さん 

完。      続く。