歩美「ねーねー、コナン君！」

コナン「ん？」

元太「最近、隣町で神隠し事件が起こってるんだってよ！」

光彦「ボクたち少年探偵団で調査してみましょうよ！」

コナン「えぇ～？」

コナン「神隠しなんてのはただの都市伝説で、大抵ただの家出だったりするんだよ」

灰原「あら、探偵さんはそういうのに興味ないの？」

コナン「俺が興味あるのは本当の事件で、オカルトじみた事件は専門外なんだよ」

歩美「えー、行こうよ～！」

元太「これはきっと大事件の匂いがするぜ！」

光彦「そうやって冷めた目で物事を見るのはコナン君の悪い癖ですよ！」

コナン「わーったよ！　行くよ！　行けばいいんだろ！」

灰原「私はパス……」

コナン「おい……」

歩美「全然起こらないね、神隠し」

元太「ちぇっ、つまんねーの」

光彦「今日は神様がお休みなんでしょうか……」

コナン（バーロ……神隠しなんてもんがホントにあるとして、そんなしょっちゅう起こるわけねーだろ……）

コナン「なぁ、もう帰ろうぜ。家の人も心配するだろうし」

元太「そうだな、帰るか」

コナン（ふぅ、ガキのお守りも苦労するぜ……）

ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞ…

コナン「――ん？」

コナン（なんだこの穴！？　空中に変な穴が――）

ｽﾞｵｵｵｵｵｵ…

コナン「うおっ！　飲み込まれ――」

ｼｭｩｩｩｩｩ…



……

…………

コナン（――で、気づいたらここにいたってわけだ）

コナン（どこだここ？　とりあえず、日本なのは間違いなさそうだが……）

由美「どうするの、この子？」

方治「決まっている！　このアジト内部を見られたのだ、すぐさま始末すべきだ！」

由美「でも、まだ子供よ？　見逃してあげても……」

方治「こいつは明らかにただの子供ではない！」

方治「今は一番大事な時期なのだ！　不安要素は消し去るに限る！　よろしいですね、志々雄様！」

志々雄「お前に任せるぜ、方治」

方治「はっ！」

コナン（や、やべえ……！）

コナン（なんとか……なんとかこいつらの気を引かないと！）

コナン「待ってよ！」

コナン「おじさんたち……ボクを生かしておいた方がいいよ！」

コナン「きっと役に立つから……」

方治「いきなり何を……」

志々雄「おもしれぇ……だったらなんかやってみせろ、小僧」

コナン（よし、キック力増強シューズで、そこにある壺を……）ｷｭｲｲｲﾝ…

コナン「でやぁっ！！！」ﾄﾞｺﾞｫｯ

ドゴォンッ！

由美「きゃっ！」

方治「な……！？　壁にめり込んだ……！」

宗次郎「へぇ～、すごいや」

志々雄「……ほぉ」

志々雄「見かけによらず、大した脚力だ。いいだろう、生かしておいてやる」

方治「志々雄様！？」

コナン「あ、ありがとう……」ﾎｯ…

志々雄「ただし……俺の仲間になるのが条件だがな」

コナン「う、うん……」

志々雄「もし期待を裏切るようなことがあれば……遠慮なく糧にさせてもらう」

コナン「…………」ｺﾞｸｯ

コナン（こ、こええ……！　何者だよ、コイツ……！）

コナン（こうして俺は、志々雄ってヤツの仲間になることになった）

コナン（なんとか米花町に戻る方法を探しつつ、ここがどこか、こいつらは何者なのか情報を集め続けた）


兵士A「聞いたか？　ついに十本刀を招集するらしいぞ」

兵士B「いよいよ国盗りが始まるな！」

兵士A「ああ、明治政府を叩き潰す時がきたんだ！」

兵士B「志々雄様による弱肉強食時代の幕開けだ！」


コナン（なるほど、なるほど……）ｺｿｯ

コナン（どうやら、ここは明治時代の京都で、こいつらはあの志々雄ってのをリーダーに）

コナン（“国盗り”ってのをやろうとしてるらしい。現代でいうテロリストってやつだ）

コナン（で、今はまさにその計画を決行する寸前って時期みてーだ……）

コナン（ようするに、俺はタイムスリップしちまったってことだ）

コナン（ったく、とんだ“神隠し”にあっちまったぜ……）

兵士A「おいボウズ！」

コナン「なぁに、おじさん？」

兵士A「お前も京都大火に参加するんだろ？」

コナン「うん、もちろん！」

兵士B「俺たちの手で京都を火の海にしてやろうぜ！　古都を焼け野原にしてやるんだ！」

コナン「ボク、とても楽しみ！」

兵士B「ハハ、さすが志々雄様が見込んだガキだぜ！」

コナン（冗談じゃねえ！）

コナン（日本史で“志々雄真実”なんて名前は出てこない……）

コナン（志々雄は幕末に維新側として暗殺もこなしてたらしいし、それで名前が闇に葬られたんだろう）

コナン（つまり、こいつらのテロが失敗するってのは確定してる……）

コナン（だから、俺が余計なことをする必要はないんだが――）

コナン（探偵として、京都が火の海になるのを見過ごすわけにはいかねえ……！）

コナン（なんとか食い止めねえと……！）

コナン（こいつらは志々雄のカリスマ性のもと集まった奴らだから）

コナン（志々雄をどうにかすりゃ瓦解する可能性は高い）

コナン（だけど、あの志々雄ってヤツ、スキがまるでない！）

コナン（いつだったかも俺が近づいただけで――）


志々雄『なんだ……テメェか。俺の剣でも探りに来たか？』ｼﾞｬｷｯ


コナン（とてもじゃないが、麻酔針やシュートが通用する相手じゃない……）

コナン（せめて、俺の他にもう一人……味方が欲しい……！）

コナン（だけどアジトを出ることは許されるわけねえし、味方を募るなんて不可能だ！）

コナン（どうすりゃいいんだ！？）

そんなある日――

コナン「……ん？」


ガキンッ！　キィンッ！

志々雄「やるようになったな、宇水」

宇水「我が心眼が貴様を仕留める日も近い……」


コナン「…………」

コナン（なんだあの薄気味悪いおっさんは……）

コナン（だが……今の動きを見るにかなりの使い手なのは間違いないようだ……）

コナン「ねえ、あのおじさんは誰？」

方治「ヤツは十本刀“盲剣”の宇水といってな。十本刀では宗次郎に次ぐ実力を誇る」

方治「光を失った恨みとして、志々雄様の命をつけ狙っている危険人物だ」

方治「まったく……なぜあのような輩を……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ…

コナン「へぇ～……」

コナン（おかしい……）

コナン（そんな殺伐とした間柄なのに、さっきの斬り合い、まるで殺意みたいなもんを感じなかった）

コナン（馴れ合いというか、八百長というか、そんな雰囲気だった）

コナン（あの宇水っておっさん、ひょっとして！）ｺﾃﾘﾝ!

宇水「…………」ﾋﾟｸｯ

宇水「貴様、子供か？　子供をアジトに招くとは志々雄も酔狂なことをする」

コナン（うおっ、本当に目が見えてねぇのかよ）

宇水「お、心拍数が上がったな？　脂汗もかいている。ククク、私を恐れているのか」

コナン（……ちっ、だが今さらビビるわけにはいかねえ！）

コナン「方治さんに聞いたんだけど、おじさんは志々雄さんの首を狙ってるんでしょ？」

宇水「ああ、そうだ。それを条件にヤツの仲間になったのだからな」

コナン「あれれ～？　おかしいぞ～？」

宇水「何が可笑しい！！！」

コナン「さっきのおじさんと志々雄さんの斬り合い、お互い全然本気じゃなかったよね」

コナン「まるでお互い本気を出すのはやめとこう、って前もって約束してるような斬り合いだったよ」

宇水「フン、志々雄は私の本気を恐れているからな」

コナン「そうかなぁ？」

宇水「む！？」

コナン「どちらかというと、おじさんの方が怖がってるように見えたけど」

宇水「なんだと！？」

コナン「もしかして、おじさん……本当は志々雄さんには勝てないって思ってるんじゃないの？」

宇水「…………！」

宇水「小僧……貴様、何者だ！？」

コナン「江戸川コナン……探偵さ」

宇水「なるほど、小僧の分際で鋭い洞察力を持っているようだ」

宇水「だが、少々首を突っ込みすぎたようだな」

宇水「私の本心を知り、侮辱した罪は重い……この場で死んでもらう」ｻﾞｯ

コナン「ちょっと待ってよ、おじさん！」

宇水「今さら命乞いなど無駄だぞ」

コナン「そうじゃないよ。実はボクも志々雄さん……いや、志々雄を倒したいんだ」

宇水「……なに？」

コナン「だけどボクだけじゃ到底あいつは倒せないし」

コナン「おじさんも一対一であいつには勝てそうにないと思ってる」

コナン「だからさ……組まない？」

宇水「…………」

コナン「…………」

宇水（この鼓動、ウソはいっていないようだな）

宇水「……話を聞かせろ、小僧。勝算がなければ手を組むことはできん」

コナン「もちろん、勝算ならあるよ」

コナン「ボクはこの通り見た目は子供だし、いくら志々雄でも油断してるはず」

コナン「それにボクは一発で相手を眠らせるような武器も持ってる」

宇水「ほう」

コナン「十本刀有数の使い手であるおじさんと手を組めば、間違いなくチャンスはあるよ」

宇水「…………」

宇水（やはり、ただの小僧ではない……大人顔負けの高い知能を持っているようだ）

宇水（こいつと組めば志々雄を――殺れる！）

宇水「いいだろう……組もうではないか」

コナン「ありがとう、おじさん！」

宇水「改めて自己紹介をしておこう」

宇水「私は魚沼宇水という」

コナン「ボクは江戸川コナン！」

宇水「いつまでも猫を被ってる必要はない……日頃話してるように話せ」

コナン「あんたにはウソはつけないみてーだな……わーったよ」

コナン「俺は江戸川コナン、よろしくな」

宇水「フッ……」



コナン（こいつも危険人物には変わりねえ……本当に手を組むつもりなんてねーけどな）

宇水（フン……志々雄を殺ったらこいつも始末してやる）

コナン「じゃあさっそく、作戦を練ろう」

宇水「うむ」

コナン「おっさんの武器は？」

宇水「琉球に伝わるティンベーという盾と、ローチンという手槍だ」

コナン（へぇ～、こんなもん初めて見た。沖縄って空手だけじゃねえんだな……）



ﾋｿﾋｿ…　ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ…

コナン「俺の武器は……このキック力増強シューズと……」

宇水「ほう、変わった武器を持っているのだな」

ﾋｿﾋｿ…　ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ…



由美「仲いいわね～、あの二人」

方治「得体の知れない者同士、気が合うのだろう」

……

宇水「今、側近である瀬田宗次郎が志々雄のもとを離れている」

宇水「おそらく、重要な任務を託されているのだろう」

コナン「となると、やるなら今しかないな……。あの宗次郎って奴も強そうだったし」

宇水「よし……決行は明日だ」

コナン「ああ、くれぐれも作戦通りにな」

宇水「ならば、景気づけにハブ酒で一杯いこうではないか」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ…

コナン（子供に酒飲ませるなよ……）ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ…

コナン（うお～！　きくぜぇ～！）

翌日――

志々雄「……宇水か」

宇水「…………」

志々雄「なんの用だ？」

宇水「貴様に……勝負を申し込みたい」

志々雄「ほう……どうやら今までと違い、今日は本気みてェだな。死にたくなったか？」

宇水「死ぬのは貴様の方だ」

志々雄「いいだろう、相手してやる。鍛錬場に来な」

宇水（よし……頼むぞ、小僧！）



コナン（任せとけ、おっさん！）ｺｿｯ

志々雄「国盗り前に手駒を失うのはチト痛いが……」

志々雄「前夜祭ってことで派手に血祭りに上げてやるぜ。この“無限刃”でな」ﾁｬｷｯ

宇水「ふん、そううまくいくかな？」

志々雄「この間まで俺に怯えてた奴がずいぶんと吠えるじゃねぇか」

志々雄「壱の秘剣“焔霊”……シャアアアッ！」ﾎﾞﾜｧｯ

ザシィッ！

宇水「ぐっ！」ｷﾞｭﾙｯ

宇水（なんという鋭い斬撃！　我がティンベーでも捌くのが精一杯とは！）



コナン（いいぞ！　なんとかスキを作り出してくれ！）

志々雄「どうした！？　守るだけか！？」

キンッ！　ギンッ！　ガキンッ！

宇水「ぐっ……！」

宇水「ローチンで……」

志々雄「甘えェッ！」

ザシッ！

宇水「ぐあっ……！」



コナン（やべぇ！　だけど、志々雄の注意は完全におっさんに向いてる！）ｻｯ

コナン（麻酔針で志々雄を眠らせてやる！　喰らえッ！）

パシュッ！

志々雄「おっと」ﾊﾟｼｯ

宇水「え」

コナン「え」

志々雄「やはり、こういうことだったか」ﾍﾟｷｯ

志々雄「精神的に屈服したはずのお前が突然勝負を申し込んでくるなんて、おかしいと思ったからな」ﾎﾟｲｯ

宇水「くそ……！」

コナン（こいつ……あの小さな針を指でつかむなんてバケモンだ！）

志々雄「どうする？　二発目を撃つか？」

コナン（ダメだ、麻酔針は一本しかねえ……！）

宇水「どうするのだ、小僧！？」

コナン「こうなったら――プランBだ！」

宇水「“ぷらんびい”というのは――」


コナン『志々雄は全身にヤケドを負っている』

コナン『あれじゃ汗腺は全部潰れて、まともに体温調節できねえはずだ』

宇水『つまり、どういうことだ？』

コナン『志々雄はあまり長時間は戦えないはず。俺の見立てじゃせいぜい十五分だろう』

宇水『なるほど……長期戦になれば自滅するかもしれんということか』

コナン『これをもしもの時のプランBということにしとこう』


宇水「粘ればいいわけだな！？」

コナン「そういうこと！　来るよ！」

志々雄「二人まとめて……華々しく散れ！　シャアアアアアアアアッ！！！」

ギンッ！　キンッ！

宇水「宝剣宝玉百花繚乱！！！」ｽﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞｯ

志々雄「シャアッ！」ｼｭﾊﾞｯ

ギンッ！

宇水（なんという強さだ……！）

コナン「おっさん、ティンベー貸して！」

宇水「どうするつもりだ！？」

コナン「こいつを……パワーMAXのキック力増強シューズで蹴る！」ﾄﾞｺﾞｫｯ

志々雄「！？」

ドゴォンッ！！！

志々雄「グオッ……！」ｸﾞﾗｯ…

宇水「おおっ！」

コナン「やった！」

志々雄「これで終いか！？」

宇水「な……！」

コナン（ピンピンしてやがる！　なんてタフな野郎だ！）

コナン（くそっ、今度はそこらに転がってる石ころで！）ﾄﾞｺﾞｫﾝｯ

志々雄「弐の秘剣“紅蓮腕”」

ズガァンッ！

ｼｭｩｩｩｩｩｩ…

志々雄「小僧、お前の玩具はそれだけか。もっと引き出しがあるもんだと思ってたがな」

コナン「ぐっ……！」

志々雄「所詮この世は弱肉強食、強ければ生き、弱ければ死ぬ」

志々雄「てめえらも……俺に刃を向けた以上、“死”あるのみだ」

宇水「どうやら……もう勝ち目はないようだ……」

宇水「小僧、貴様は逃げろ……。私はせめて志々雄に最後まで立ち向かって死ぬ！」ﾀﾞｯ

コナン「おっさん！」

ガキンッ！　ザシュッ！

宇水「ぐおぁっ！」

コナン「…………！」

コナン（ダメだ、やっぱりおっさん一人で敵う相手じゃねえ！　どうすれば……！）

ﾄﾞｸﾝｯ…

コナン「！？」

ﾄﾞｸﾝｯ　ﾄﾞｸﾝｯ　ﾄﾞｸﾝｯ…

コナン（く、苦しい……！　この感覚は……まるで……！？）

コナン（もしかして、俺の体……！）ｼｭｩｩｩｩ…

志々雄「！？」

宇水「！？」


新一「体が……戻った！？」


新一（多分、昨日飲まされたハブ酒が、いつだったかのパイカルみてーな役割を果たしたってところか！）

志々雄「どんな術を使ったかは知らねえが……子供の姿は仮の姿だったってわけか！」

新一「ああ……俺の本当の名前は工藤新一、探偵さ」

宇水「どうなってる……！？　私の耳が確かなら、いきなり、小僧が成長した……！？」

新一「おっさん、ティンベーをもう一度貸してくれ！」

宇水「う、うむ！」

新一（この体なら、おっさんの役に立てる！　喰らえッ！）ﾄﾞｺﾞｫｯ

志々雄「またか！　紅蓮腕で――」

ギュインッ！

志々雄（曲がった！？）

ドゴォッ！！！

志々雄「グハッ……！」

新一「やっぱりこの体のが、精度のいいシュートが撃てるぜ！　――おっさん！」

宇水「分かっている！」ﾀﾞｯ

宇水（急所を――ローチンで突く！）ｼｭﾊﾞｯ

グサァッ！！！

志々雄「グアアアアアアッ……！」

志々雄「グッ……！」ﾎﾞﾀﾎﾞﾀｯ…

志々雄「やるじゃねェか……宇水、江戸川……いや工藤だったか」

宇水「あの連続攻撃でまだ倒れんとは……！」

新一「だけど、もう十五分経ってる！　そろそろあいつも限界のはずだ！」

志々雄「いいだろう……冥土の土産に見せてやる」


志々雄「終の秘剣“火産霊神”！！！」ｷﾞｬﾘﾘﾘﾘｯ

ゴォワァァァァァッ！！！


宇水（なんだこれは……！？　見えずとも分かる！　恐ろしい熱量だ！）

新一（マジかよ、こんな切り札があったなんて！　やべぇぇぇぇぇ！）

ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞ…

新一「――ん？」

新一「こ、この穴は……あの時の！？」

新一「まさか、こんな時に現れちまうなんて……！」

宇水「どうした！？」ｶﾞｼｯ

新一「うわぁぁぁぁぁ……！！！」

ｽﾞｵｵｵｵｵｵ…



…………

……

……

……



コナン「……う」

コナン（ここは……この町並みは……米花町の町外れ！　戻れたんだ！）

コナン（おっと、ついでに体も戻っちまってるようだ）

コナン（タイムスリップのショックで、ハブ酒の効果も切れちまったのかな……）

コナン「……あれ」

コナン（そういえば、おっさん！　宇水のおっさんは！？）ｷｮﾛｷｮﾛ

コナン（どうしようもなかったとはいえ、おっさんを置き去りにしちまったぜ……くっ）

宇水「うう……」

コナン「あれ！？」

コナン「おっさん！？　なんでここに！？」

宇水「分からん……。あの瞬間、お前の体をつかんだら、一緒に……」

コナン「……よかったぜ。志々雄のあんな技受けたら、二人とも骨も残らなかったろうしな」

宇水「うむ、“火産霊神”……恐ろしい技だった」

宇水「それより、ここは貴様のいた世界なのだろう」

コナン「ああ……さっきまで俺たちがいた時代よりずっと未来の世界だ」

宇水「そうか……貴様はずっと後の時代から来ていたのか。どうりで妙な武器を持ってるわけだ」

コナン「ついでに教えとくと、志々雄の国盗りは失敗に終わるんだ」

宇水「！」

コナン「おっさんは志々雄が死んだ後のずっと未来にたどり着いたってことだから」

コナン「志々雄に勝ったってことでいいんじゃねーか？」

宇水「フフ……まあそういうことにしておくか」

コナン「これからどうする？」

宇水「来てしまったものは仕方ない。なんとか生きていくしかなかろう」

コナン「だったらまた俺と組まない？」ﾆﾔｯ

宇水「……よかろう」ﾆｨｯ

…………

……

犯人「ハァ、ハァ、ハァ……」ﾀｯﾀｯﾀ…

犯人（ちっくしょう、あんなガキに犯行を見破られるなんて！）

犯人（だけど、こっちに逃げれば！）

宇水「おっと、貴様の足音はすでに覚えている」ｽﾞｲｯ

犯人「うわっ！？」

コナン「もう逃げられないよ、連続窃盗犯さん」ｻﾞｯ

宇水「私の心眼と江戸川の推理力からは、いかなる犯人も逃れられん」

犯人「うぐぐぐ……！」

犯人「なんなんだてめえら……いったい何者なんだよォッ！」

コナン「俺たちかい？　俺たちは――」

コナン「江戸川コナン……探偵さ」

宇水「魚沼宇水……探偵だ」







～おわり～