2: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:09:57.30 ID:NiEqi8Qy0

―部室―


穂乃果「あーんっ! ん~、おいし~!」

ことり「穂乃果ちゃん、このパイもすごくおいしいよ~」

穂乃果「ほんと!? 食べる食べるっ」

海未「……はあ…。何故私たちは練習をするべき時間に、部室でお菓子を囲んでいるのでしょうか…」

花陽「それは、外がすごい雨だからじゃないかなぁ…」

凛「そうだにゃー。凛だって本当は練習したかったけど、雨の中じゃダメーって言ったのは海未ちゃんたちのほうだよ?」

海未「確かに外での練習はダメだと言いましたが……室内でも出来ることはあるんじゃないでしょうか」

引用元: にこ「にっこにっこにー♪」 



3: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:11:37.37 ID:NiEqi8Qy0
絵里「まぁ海未、今日くらいはいいじゃない」

希「そうそう。たまには息抜きも必要やで。ほら、海未ちゃんと真姫ちゃんも、ちゃんとお菓子食べや」

真姫「私は普通に食べてるわよ」

にこ「えー、真姫ちゃんさっきからずーっと飴しかなめてなくない?」

真姫「飴だって立派なお菓子じゃない」

凛「せっかく色んなのがあるのに、もったいないよー。ほら、このクッキーとかおいしいにゃ」

真姫「私の勝手でしょ」

4: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:14:33.21 ID:NiEqi8Qy0
にこ「まぁ真姫ちゃんは放っておいて、にこたちだけで食べちゃいましょ」ヒョイ、パクッ

凛「じゃぁ凛もー」パクッ


ピョンピョコピョンピョン! カーワイイッ♪


にこ「!?」

絵里「え、この曲って……」


カミノケガハネテ ピョンピョコー♪


花陽「…にこちゃんの歌だね」

凛「にこちゃん、なんで急に歌いだしたの?」

にこ「んなわけないでしょ!? にこはたった今クッキーを飲み込んだばっかだし、そもそもあんたの目の前にいたじゃない…」

真姫「どこかから流れてるんでしょ」

希「でも一体どこから……」

7: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:19:25.31 ID:NiEqi8Qy0
穂乃果「あ、ごめん。これ私の携帯」ピッ

にこ「はっ?」

ことり「携帯って……えっと、今のは着信音ってこと?」

穂乃果「うん」

にこ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

穂乃果「ん? どうかした?」

にこ「どうかした?じゃないわよ! なんでにこの歌を着信音設定してんのよ!」

穂乃果「だって可愛いんだもん」

にこ「か……可愛い?」

穂乃果「うんっ、にこちゃんの歌い方ってすごく可愛いし。特にこの曲のサビの部分なんて最高だよ!」

にこ「ほ、ほんと?」

穂乃果「私、あんまり嘘ついたことないよ」

にこ「そ、そう……、まぁそれなら、いいんだけど…///」

8: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:24:07.85 ID:NiEqi8Qy0
穂乃果「あっ、もしかしてにこちゃん、嬉しいの?」

にこ「うう嬉しくなんかないわよ!」

穂乃果「もうっ、本当に可愛いんだからー」ギュッ

にこ「って、なに抱きついてんのよ! 鬱陶しいから離れて!」

穂乃果「んー、もうちょっとだけ」

にこ「ああ、もう……、……まぁ、もうちょっとくらいなら…」

絵里「ちょ、ちょっと、ストップ」バッ

穂乃果「あー、絵里ちゃんひどいよー、無理やり引き離すなんて…」ムゥ

絵里「いや、だって……その…」チラ

にこ「?」

絵里「……このチョコ、美味しいから、お裾分け」スッ

にこ「え、あ……ありがとう」

にこ(なんでこのタイミングで…?)

穂乃果「わーい、私も食べるー」パクッ

9: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:26:14.89 ID:NiEqi8Qy0


希「いやぁ、それにしても着信がにこっちの曲やなんて、穂乃果ちゃんは積極的やなぁ」

花陽「そ、そうだね…あはは…」

真姫「……」ピッピッ

凛「真姫ちゃん? なんで急に携帯いじりだしたの?」

真姫「いや、今ので思い出したの。携帯マナーモードにしてなかった」

凛「別にいいんじゃないかにゃ?」

真姫「私はマナーモードじゃないと落ち着かないタイプなのよ」

凛「変わってるにゃー」

10: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:29:37.98 ID:NiEqi8Qy0

―――
――


にこ(可愛い、かぁ……何気に、冗談以外で初めて言われた気がするわ)テクテク

にこ(絵里とか真姫ちゃんとか、μ’sって全体的にレベルが高いから、ちょっと…ほんのちょっと、不安になってたのよね)

にこ(特に、にこは歌あんま得意じゃないし……ダンスも…体力不足だし…練習量増やしたほうがいいかしら…)ウーン

穂乃果「にこちゃん?」

にこ「あ…、な、なに?」

穂乃果「いや、ぼけーっとしてたから」

海未「歩いている最中に考え事をしていたら、転んでしまいますよ」

にこ「あー、うん。ごめん…」


ザアアァァー


絵里「にしても、雨全然やまないわね」

11: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:33:16.68 ID:NiEqi8Qy0
希「せやねぇ……さっき携帯で予報見たけど、明日の朝まで降り続けるって」

絵里「雨の中帰るのって、なんだか憂鬱よね。傘があるからまだマシだけど」

海未「まぁ今日は朝から天気予報で雨が降ると言っていましたしね」

ことり「ここまで酷い雨になるとは思わなかったけどね」

凛「でも凛は、雨の中ずぶ濡れになりながら帰るのも好きにゃー」

花陽「そ、それは風邪ひいちゃうからやめようね…」

にこ「」

穂乃果「にこちゃん? またボケっとしてるけど、なにかあった?」

にこ「い、いや、今日雨だって、昨日の天気予報で言ってたっけ?」

ことり「んー、確か昨日は言ってなかったんじゃないかな」

海未「今朝早くに、急に雨雲が動いてきたらしいですよ」

にこ「そ、そう……どうりで…」

12: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:35:43.55 ID:NiEqi8Qy0
にこ(昨日の夜、炊飯器をセットし忘れたせいで、今朝はバタバタしてたから……ニュースも新聞も見逃してたわ…)

にこ(ど、どうしよう……このままじゃ、こころとここあが雨に濡れちゃう…! ………あ! そういえばあの子たち、置き傘してたわね)

凛「にこちゃん、帰るにゃー」

にこ「あ、今行くわ」

にこ(なんだ、よかった……これで安心して帰れるわね)トテトテ

真姫「って、ちょっと! なに傘もささずに外出ようとしてるのよ!」

にこ「え? ………あっ」

にこ(そういえば、にこも傘持ってきてないんだった!)

13: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:39:23.57 ID:NiEqi8Qy0
穂乃果「…あの、ひょっとしてにこちゃん、傘忘れたの?」

真姫「そんなわけないじゃない。朝に嫌ってほどニュースでやってたんだから、いくらにこちゃんでも…」

にこ「……」メソラシ

真姫「……え、本当に忘れたの?」

にこ「あ、朝はちょっと…忙しくて……」

絵里「もう、にこってばうっかりやさんね」フフフ

海未「いや、フフフなんて微笑んでる場合じゃないですよ。どうするんですか、この雨の中を傘なしは、いくらなんでも…」

花陽「あ、職員室に行けば、置き傘が置いてあるんじゃないかな?」

希「いやー、それがタイミングの悪いことに、昨日その置き傘を整理したばっかりで…」

絵里「多分一本も残ってないわね」

ことり「本当にタイミングが悪いね…」

15: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:43:32.71 ID:NiEqi8Qy0
にこ「ま、まぁいいわよ。これくらいの雨、根性で走り切れるわ」チラ


ザアアアアァァァァッ!


海未「……なんだか、さっきより勢いが増したような気が…」

凛「雨のせいで前が見えないにゃー…」

穂乃果「……にこちゃん、走り切れそう?」

にこ「……」フルフル

穂乃果「だよね…」

にこ「はぁ……しょうがないから、雨が弱まるまでここで待つことにするわ。みんなは先に帰ってて」

凛「えー、にこちゃんも一緒に帰ろうよー」

絵里「そうよ。にこ一人を置いて帰るなんて出来ないわ。もし誘拐でもされたらどうするの」

にこ「いや、小学生じゃないんだから」

希「見た目は小学生みたいなもんやん」

にこ「希、怒るわよ」

16: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:47:14.22 ID:NiEqi8Qy0
希「冗談やて。というか、ウチの傘で一緒に帰る?」

にこ「え、いいの?」

希「ちょっと狭いかもしれへんけど、傘なしよりはマシやろ? この調子じゃ雨弱まんのもいつになるか分からんし」

にこ「希……!」ジーン

穂乃果「あ、あー! そ、それならにこちゃん、私の傘で帰ろうよ」

にこ「えっ?」

穂乃果「あ、いや……ほら、私は濡れるの平気だし!」

にこ(どんな理由よ…)

にこ「えっと…」チラ

希「ウチはどっちでもかまへんよ? にこっちが決めて」

にこ「ええっと……」

にこ(最初に提案してくれたのは希だし……でも後輩の誘いを断るのも…)

17: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:50:44.08 ID:NiEqi8Qy0
凛「あ、はーい! 凛もにこちゃんに傘貸してあげる!」

にこ「ちょ、ますますややこしく…」

絵里「じゃぁ私も」スッ

にこ「なんでよ!?」

絵里「なんでよって……私だけ酷い言われようね」

にこ(二択でも悩むのに、さらに四択になるって……嬉しいけど、どう答えたらいいのかが難しい…)

海未「……にこ、そんなに悩むならいっそアミダで決めましょう」

にこ「え、そんな大げさな…」

海未「ことり、紙とペンを」

ことり「はい」サッ

にこ(用意するの早っ)

18: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:52:52.53 ID:NiEqi8Qy0
ことり「まず、にこちゃん以外の八人の名前を書いて」

にこ「え、八人? 四人じゃないの?」

海未「次にこの名前を隠して、適当に線を書きます」

穂乃果「あ、私も線書きたーい」

凛「凛も凛もー」

希「じゃぁウチもー」

海未「では、お願いします」

にこ(すごい自然に無視された…)

19: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:55:37.60 ID:NiEqi8Qy0

穂乃果「よし、できたー。にこちゃん、どれがいいか決めて」

にこ「えっと……じゃぁこの一番端で」

にこ(まぁ名指しで決めるよりは全然気楽でいいけどね…)

にこ(ただ、さっきの四人以外に当たったらどうすればいいのかしら…)

にこ(海未とことりは自分で名前書いてたから大丈夫かもしれないけど……)チラ

花陽「?」

真姫「…何よ」

にこ「いや、なんでも」

にこ(花陽ちゃんはともかく、真姫ちゃんに当たったらやり直したほうがいいかも…)

穂乃果「あっみだくじ~♪ あっみだくじ~♪」フンフン

20: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:57:26.73 ID:NiEqi8Qy0
穂乃果「よし、ここだ! じゃぁ名前オープン!」


>>22

(名前書いた8人の誰かでお願いします)

22: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 15:57:54.16 ID:/Pv7vP5Ho
絵里

25: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 16:05:13.46 ID:NiEqi8Qy0
穂乃果「あ、絵里ちゃんだ!」

絵里「…!」グッ

希(無言のガッツポーズ……よほど嬉しかったんやね)

にこ「えっと、じゃぁ絵里、お願いできる?」

絵里「ええ、もちろんよ」

穂乃果「ちぇー、はずれちゃった」

海未「では、帰りましょうか」バッ

絵里「そうね」バッ

絵里「さあ、にこ。帰りましょう」ニコー

にこ「う、うん」

にこ(なんかやけに、いい笑顔ね…)

28: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 16:12:22.19 ID:NiEqi8Qy0
にこ「……」トテトテ

絵里「…なんか、距離がない?」

にこ「そう?」

絵里「これだと、にこの肩がほとんど濡れちゃうじゃない」

にこ(絵里とはあんまり近づきたくないのよね……嫌いとかじゃないけど。比べられるのがつらいし…スタイル的な意味で…)

絵里「ほら、もうちょっと寄って」グイッ

にこ「っ、い、いや、にこは濡れても大丈夫だから」

絵里「そんなこと言ったら、私が傘を貸した意味がないでしょ」

にこ「それは、まぁ……そうだけど…」

穂乃果「あの、絵里ちゃん、今度は逆にくっつきすぎだと思うんだけど…」

絵里「そう?」

穂乃果「そうだと思うなぁ…」

絵里「でもくっついてないと二人とも濡れちゃうじゃない」

穂乃果「それは、まぁ……そうだけど…」

にこ(って、にことまったく同じ流れで論破されてるし…)

33: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 16:22:14.89 ID:NiEqi8Qy0
海未「穂乃果、絵里相手に言い合っても無駄だと思いますよ」

穂乃果「だよねー……」

凛「それより、早く帰るにゃ。凛の見たいテレビまであと五分しかないんだから」

花陽「凛ちゃん、それは絶対に間に合わないと思うよ…」

凛「にゃ!?」

―――――

ことり「で、次の衣装はあんな感じの可愛い系でいこうかなーって思ってるんだけどね」

にこ「ああ、それはいいわね。可愛いにこにもぴったり合いそうだし!」

絵里「そうね、にこは可愛いからきっと似合うわ」

にこ「う、うん」

にこ(同意されるとされるで、反応しづらいわね…)

絵里「…」トテトテ、スッ

にこ「…」

真姫「……というかエリー、さっきから少しずつにこちゃんのほうに近寄ってない?」

絵里「き、気のせいよ」

にこ「いや、気のせいじゃないでしょ。バレバレなんだけど…」

34: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 16:28:42.87 ID:NiEqi8Qy0
絵里「だ、だって……にこだって、ちょっとずつ私から離れてるでしょ?」

にこ「あ、バレてた?」

絵里「いつまで経っても距離が縮まないんだから、そりゃバレるわよ」

海未「二人が徐々に右に移動していたのは、そのせいだったんですね…」

花陽「もう少しで車道に出そうだったもんね…」

凛「危ないにゃ」

絵里「もう、どうして離れるのよ」

にこ「いや、だって……こういう風に、友達とくっつくのとか落ち着かないのよ」

穂乃果「あれ、でもPVのときとか、もっと近づいてるよね?」

にこ「それはアイドルとして当然よ」

穂乃果「さすがだね…って、言うべきなのかなぁ…」

35: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 16:32:34.26 ID:NiEqi8Qy0
絵里「じゃぁこの機会に慣れておいたほうがいいわ」スル

にこ「ちょ、な、なんで腕組むのよ」

絵里「今言ったじゃない。慣れたほうがいいって。これなら離れられないしね」

にこ「だからって…」

真姫「…鞄持った状態で腕組んで歩くのはしんどいんじゃないの?」

穂乃果「そ、そうだよー。腕痛くなっちゃうよ?」

絵里「私は平気だけど……にこは?」

にこ「え、えっと…」

にこ(…まぁでも、スキンシップに慣れたほうがいいっていうのは、事実よね)

36: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 16:39:19.50 ID:NiEqi8Qy0
にこ「別に平気よ。なんだかんだで、濡れるのは嫌だしちょうどいいわ」

絵里「え、ほ、ほんとにいいの?」

にこ「なんでちょっと動揺してんのよ…」

絵里「いや、絶対振り払われると思ってたから」

にこ「傘貸してもらってる相手にそこまでするほど、恩知らずじゃないわよ」

絵里「……私、今人生で初めて、アミダで選ばれてよかったと思ったわ」

にこ「そ、そう……よく分からないけど、よかったわね」

穂乃果「うぅー、いいなぁ絵里ちゃん……」

にこ「何がいいのよ」

穂乃果「だってにこちゃんと相合傘じゃん」

にこ「あいっ……って、へ、変な言い方しないでよ!」

ことり(あ、特に意識してなかったんだ…)

37: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 16:45:46.08 ID:NiEqi8Qy0
絵里「いいじゃない、相合傘。素敵な響きよ」

にこ「素敵って……」

穂乃果「今度雨が降ったときは、私としようね!」

凛「じゃーその次は凛とー!」ハーイッ

にこ「いや、そもそもそんなにしょっちゅう傘忘れることないわよ…」

―――――

希「あ……今更やけど、どうすんの?」ピタ

絵里「何が?」

希「にこっちの家に行くにはこの道を右、エリちの家なら左やん」

絵里「……ああ!」

海未「帰り道が違うこと、忘れていたんですね…」

ことり「絵里ちゃんって時々おっちょこちょいだよね」

希「そこが可愛いんよ、多分。で、どうする?」

にこ「あー……だんだん雨も弱くなってきたし、にこはここから走って行っても…」


ザアアアアァァァーッ


にこ「…」

穂乃果「雨、弱くなってないよね?」

にこ「そうね…」

38: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 16:52:26.11 ID:NiEqi8Qy0
絵里「もちろん、にこの家まで送っていくわ」

にこ「いや、それはさすがに……」

絵里「今更遠慮なんてしないでよ。それに、あなたが風邪なんてひいたら練習に支障が出ちゃうのよ」

にこ「う……」

にこ(それを言われると弱いわね…。でもこの雨の中、絵里に手間をかけさせるのも悪いし…)

絵里「……あ、ならこうしない?」

にこ「え?」

絵里「にこのことを送って行ったついでに、雨が弱くなるまでにこの家にお邪魔させてほしいの」

にこ「は? い、家って…にこの家?」

絵里「そう言ってるじゃない」

にこ「いや、けど、散らかってるし、妹いるだろうし、うちは狭いし…」

絵里「にこは家のことを気にしすぎなのよ」

にこ「そんなこと……」

にこ(……あるわね。今までは自分の意思で友達を招いたこともなかったし……招けるほど親しくなった友達も、あんまりいないんだけど…)

にこ(…そういえば前に、こころとここあが、にこの友達を見てみたいって言ってたっけ……あの無邪気な発言には、微妙にショックを受けたわ)

39: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 17:00:56.53 ID:NiEqi8Qy0
にこ(絵里なら……というか、μ’sのメンバーになら、もう見栄を張る必要もないわよね…)コクリ

にこ「分かったわ。じゃぁ送っていっ

穂乃果「ちょ、ちょーっと! ストーップ!」

にこ「!?」ビクッ

にこ「な、なによ、急に」

凛「凛もストップ! 絵里ちゃんばっかりズルいにゃ!」

穂乃果「そうだよ! 相合傘した上にお家にまでお邪魔するなんて!」

絵里「そんなこと言っても、にこをこのまま帰すわけにはいかないじゃない」

ことり「えっと、多分二人がズルいって言ってるのは、主に後者のほうなんじゃないかな」

穂乃果「そう、そっち! にこちゃんの家なんてまだ私たちも一回しか行ってないのに…」

凛「あ、一回は行ったことあるんだ……って、凛は一回も行ったことないにゃ!」

絵里「私も一回も行ったことないんだけど…」

にこ「というか、なんであんたたちはそんなに家にこだわるのよ…」

穂乃果「え、だ、だって……友達の家には、遊びにいきたくなるものでしょ?」

にこ「…そ、そうね」

にこ(友達が多い子ってそんなものなのかしら…)

40: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 17:06:23.37 ID:NiEqi8Qy0
穂乃果「だからにこちゃん、私が送って行ってあげる!」

凛「いや、凛が! もう見たいテレビも終わっちゃってるだろうし」

にこ「えっと…」チラ

絵里「…にこが決めていいのよ?」

にこ「えええ……」

にこ(なにこれ、なんかデジャヴ…)

にこ(そもそも何なの、この流れ……みんなそんなに、うちが気になるの…?)

海未「…あの、いつまでもこんな風に話していてもらちがあきませんよ」

花陽「そ、それに、周りの人の迷惑にもなっちゃうし…」

希「せやねぇ……これはもう、にこっちがサクッと決めるしかないかもなぁ」

にこ「サクッとって…」

41: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 17:10:05.00 ID:NiEqi8Qy0
希「まぁ気楽に決めればええんちゃうかな。別に選らばへんかったからって恨まれるわけやあらへんし。あ、なんならウチでもええよ?」

にこ「……考えとくわ」

にこ(しかし、決めるって言ったって……、…でも確かにこのままじゃ、らちがあかないわね)

にこ「えっと、じゃぁ……」

>>42

42: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 17:15:55.67 ID:ve20/Xf+o
えり

44: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 17:24:42.81 ID:NiEqi8Qy0
にこ「えっと、じゃぁ……やっぱり絵里にお願いするわ」

穂乃果・凛「!」ガーンッ

にこ「い、いや、だって、ほら、さっきアミダで決めたし…」

穂乃果「…それもそうだね…」シュン

凛「だにゃ…」ショボン

にこ「そ、そんな傷ついた顔されると、こっちまで心が痛むんだけど…」

絵里「私もなんだか罪悪感が…」

海未「はぁ……穂乃果、凛、あまりワガママを言って困らせてはいけませんよ」

ことり「にこちゃんの家に行く機会は、きっとまたあるよ。ね、にこちゃん」

にこ「えっ…そ、そうね。うちの妹たちは人見知りするほうじゃないし、穂乃果たちさえよかったら今度改めて招待するから」

穂乃果・凛「ほんと!?」パアァッ

にこ「ええ」

にこ(この二人ってたまに動きがシンクロするわね…)

45: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 17:29:13.06 ID:NiEqi8Qy0

―――――

穂乃果「じゃぁ二人とも、また明日ねー。あ、にこちゃん、今度絶対おうち連れてってね!」

にこ「はいはい。また明日ね」

凛「えへへー、にこちゃん家楽しみだにゃー」トテトテ

真姫「……」ジ

にこ「? 真姫ちゃん、どうかした?」

にこ(そういえば、今日はいつも以上に喋ってなかったわね)

真姫「別に。ただ、雨はもうすぐ弱まると思うから」

にこ「え?」

真姫「じゃ、また明日」スタスタ

花陽「…あ、あの、にこちゃん、絵里ちゃん。真姫ちゃんはその、悪気があるわけじゃ…」

絵里「ええ、大丈夫よ。分かってるわ」

にこ(えっ、にこは意味が分からないんだけど…)

46: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 17:32:13.04 ID:NiEqi8Qy0


にこ「……あの、結局さっきの真姫ちゃんが言ってたことって、どういう意味なの?」

絵里「んー……ようするに、私にあまり長居するなって言いたかったのよ」

にこ「……あ、なるほど。だから雨が弱まるって……、ん? なんで真姫ちゃんがわざわざそんなことを?」

絵里「それは教えないわ」

にこ「なんでよ…」

絵里「なんとなくよ。ほら、早くにこの家に行きましょ。このまま体が冷えたら本当に風邪ひいちゃうわ」

にこ「…それもそうね」

47: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 17:37:41.98 ID:NiEqi8Qy0

―――
――


絵里「ここがにこの家なのね……三年間同じ学校に通ってたのに、初めて見たわ」

にこ「まぁμ’sが出来るまでは、そこまで親交もなかったし、当然と言えば当然よ」

絵里「……希とは仲が良かったのにね」

にこ「そういえばあんたたち二人って、ほとんど一緒に行動してたわね」

にこ(当時は絶対に関わることがないって思ってたけど……人生ってなにが起こるか分かんないわね)

絵里「いや、そうじゃなくて……まぁいいわ。今更なんだけど、本当にお邪魔していいの?」

にこ「ほんとに今更ね…。別にいいわよ。親は仕事でいないし……あー、でも妹たちはちょっとうるさいかもしれないけど…」

絵里「全然平気よ。私も一応お姉ちゃんだもの」

にこ「そ。じゃぁ上がって」

絵里「ええ」

48: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 17:42:45.77 ID:NiEqi8Qy0

ガチャ

にこ「ただい

こころ「にこにーおかえりー!」ドンッ

にこ「…っと……、せめてただいまの挨拶くらいは待って抱きついてきてね…」

こころ「えへ、ごめんなさい。……って、あれ? お客さん?」

ここあ「わー、きんぴかだぁ!」

こころ「ほんとだ! きれい!」

にこ「きんぴかって……、ごめんね絵里。この子たち、生でブロンド見るの初めてで…」

絵里「あ、ううん、別に……あ、あの、双子さんなのね、妹さん」

にこ「あれ、言ってなかった?」

絵里「うん、多分聞いた……けど、本当に双子、なんだなと…」

にこ「そんなことで嘘ついたってしょうがないでしょ…。というかあんた、なんかソワソワしてない?」

絵里「い、いや……あの…なんかね…………、天使だなって…」

にこ「う、うん…?」

49: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 17:47:16.29 ID:NiEqi8Qy0
にこ「天使って…そんな大げさな」

絵里「そんなことないわ」

にこ(即答された…)

絵里「穂乃果たちから聞いてはいたけど、本当にこにそっくりなのね…」シャガミ

絵里「えっと、はじめまして。にこの友達の絢瀬絵里です」

こころ「はじめまして! にこにーのお友達ってことは、こころともお友達になってくれる?」

絵里「ええ、もちろん」

こころ「やったぁ!」パァッ

ここあ「ここあも、ここあもエリちゃんとお友達になりたい」ギュ

絵里「……にこ」

にこ「なに?」

絵里「やっぱり天使だと思うの」

にこ「うん、まぁ、もうそれでいいわ…」

50: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 17:52:28.63 ID:NiEqi8Qy0

―――
――


こころ「んにゃ……」スースー

ここあ「……」スヤスヤ

にこ(散々遊んだあとはぐっすり眠る……子供って自由だわ)ナデナデ

にこ(さて、とりあえずこの子たちはこの部屋で寝かせて……いつまでも絵里を待たせるわけにもいかないわよね)トテトテ


ガラ


絵里「あ、おかえりなさい」

にこ「ただいま……って言っても、隣の部屋に行ってただけだけど」

絵里「二人は寝た?」

にこ「ええ、もうぐっすり」

絵里「小さい子って分かりやすくて可愛いわね」

にこ「そうね。でもごめん、絵里。二人と遊んでもらっちゃって…」

絵里「気にしないで。私、小さい子大好きだから」

にこ「そう言ってもらえると助かるわ」

51: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 17:55:46.54 ID:NiEqi8Qy0
絵里「だから、にこのことも大好きよ」

にこ「……うん。怒っていい?」

絵里「冗談よ」

にこ「まったく……あんたといい、希といい…」

にこ「…あ、よかったらお茶でも飲む? 麦茶一択だけど…」

絵里「ええ、いただくわ」

にこ「ん。じゃぁいれるわね」

にこ(……にしても、絵里が来てからもう大分経ったわよね……そろそろ帰らないと外も暗くなってきそうだし…)カチャ

にこ(…ま、とりあえずこのお茶を飲み終わってから提案すればいっか)トポトポ

52: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 18:06:30.28 ID:NiEqi8Qy0
にこ「はい、お待たせ」

絵里「ん。ありがとう」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「……あの、飲まないの?」

絵里「いや、飲み終わったら帰れって言われる気がして」

にこ「さすがに帰れとは言わないけど……そろそろ暗くなってくるわよ?」

絵里「にこのお母さんって何時くらいに帰ってくるの?」

にこ「え? えっと……いつも通りなら、九時くらいだけど」

絵里「晩御飯の支度は?」

にこ「まぁ今日は昨日の残り物だから…特に時間はかからないわね。ご飯は今朝炊いたやつがあるし」

絵里「そう。……なら、もう少しだけお邪魔しててもいい?」

にこ「にこは構わないけど……あんまり遅くなると、家の人が心配するんじゃない?」

絵里「平気よ」

にこ「そう…」

にこ(しかし、絵里も物好きね…)

53: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 18:17:29.51 ID:NiEqi8Qy0
にこ「えっと……じゃぁなにかする? ぼーっとしてるのも暇だし…」

絵里「私はにこと一緒ならぼーっとしてるだけでも楽しいけどね」

にこ(…絵里って、こういうこと言いまくってるから、毎年女子に大量のバレンタインチョコもらうことになるんでしょうね…)

にこ「絵里が楽しくてもにこは楽しくないから、なにかしましょ」

絵里「にこって私には徹底的に冷たいわね…」

絵里「まぁいいけど……なにをするの?」

54: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 18:20:48.67 ID:NiEqi8Qy0
にこ「なにって………、……」

絵里「考えてなかったのね」

にこ「う…」

にこ(よく考えれば、うちにはゲームなんてないし、友達が来てるのにテレビを見るってのも変な話だし……あるのはこころとここあのおもちゃくらいで……さすがにそれで絵里と二人で遊ぶのはあまりに無理があるし…)

絵里「…じゃぁ何か話しましょう」

にこ「話って……μ’sの話とか?」

絵里「それもいいけど、もう少しプライベートな話がいいわ」

にこ「プライベートって……たとえば?」

55: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 18:25:17.02 ID:NiEqi8Qy0
絵里「そうね、たとえば恋愛の話とか」

にこ「はあ……」

絵里「反応悪いわね……一番女の子らしい話題じゃない」

にこ「いや、女の子らしくはあるけど、アイドルとしてはどうなのよ」

絵里「私たちはまだスクールアイドルだし」

にこ「まぁそれはそうだけど………というか、絵里って好きな人とかいるわけ?」

絵里「私のことはいいじゃない」

にこ「いやいや……あんたが言い出したんじゃない」

絵里「にこのことが聞きたかったのよ。にこは好きな人とかいないの?」

にこ「えー……、まぁ…いない、けど…」

にこ(というか、考えたこともなかったわ…。中学の頃までは男子にそんな興味なかったし、高校は女子校だし…)

56: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 18:34:23.09 ID:NiEqi8Qy0
絵里「…そう、いないの」

にこ「で、絵里のほうは?」

絵里「じゃぁ今まで付き合ったこととかは?」

にこ「……あの、にこの話、聞いてる?」

絵里「聞いてるわ。後でちゃんとまとめて答えるから」

にこ「はあ……ま、いいけどね。付き合ったことなんてないわよ。にこの恋人はアイドルだけ」

絵里「…なら、今、誰かと付き合う気は?」

にこ「………ないわよ」

絵里「どうして?」

にこ「だって今はμ’s一筋だし、そんな状態じゃ相手にだって悪いでしょ」

絵里「…もし、それでもいいって言う相手がいたら?」

57: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 18:42:32.38 ID:NiEqi8Qy0
にこ「ええっと……、それはさすがにそのときにならないと分かんないんだけど…」

絵里「そう。分かったわ」

にこ(なんだったの、今の質問攻め…)

絵里「……よし、じゃぁ今からチョコレートの話をしましょうか!」

にこ「はっ!?」

絵里「私ね、チョコが好きなの」

にこ「知ってるわよ…。というか、いきなり話変わりすぎじゃない?」

絵里「聞きたいことは一応聞けたしね。…それとも続けたい?」

にこ「いや、別に…」

絵里「そう。じゃぁまずは、一番おいしいチョコ菓子はなにか、について話しましょう」キリッ

にこ(本当になんなの…?)

―――――

にこ「じゃ、また明日ね。あと、風邪ひかないように気を付けて」

絵里「大丈夫よ、雨もだいぶ弱まったし。妹さんたちによろしくね」

にこ「ん。起きたら言っとくわ」

絵里「……ああ、そうだ」

にこ「ん?」

58: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 18:48:53.90 ID:NiEqi8Qy0
絵里「さっきの質問の答えね」

にこ「さっき?」

絵里「恋愛の話」

にこ「あー…」

にこ(忘れてた……あのあと、延々チョコ菓子について語り合わされたし…)

絵里「私ね、にこが好きよ」

にこ「…」

にこ「…………ん?」

絵里「じゃ、また明日ね。ばいばい」ヒラヒラ

にこ「あ、う、うん……」ヒラヒラ


にこ「………え、あれ? 今のってどういう…?」

59: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 18:57:35.74 ID:NiEqi8Qy0


―翌日―


希「あ、にこっちおはよー」

にこ「おはよ」

絵里「にこ、おはよう」

にこ「…お、おはよう」

希「? にこっち、どうかしたん?」

にこ「あ、い、いや、なんでも…」

にこ(…昨日の、結局なんだったのかしら…)

にこ(告白…? でも絵里はいたって普通だし……、そもそも絵里もにこも女だし…友達だし…)ウーン



希「…なんか、にこっちが唸ってる」

絵里「そうね」

希「……エリち、にこっちになにか言ったやろ?」

絵里「まぁ……元々そういうつもりで家に行ったから」

希「多分色々と面倒なことになると思うんやけど…」

60: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 19:00:55.85 ID:NiEqi8Qy0
絵里「何もしないで卒業を迎えるよりは、マシかなと思って」

希「……まぁ、それもそうかもなぁ…」


絵里「ほら、にこ。いつまでも唸ってたら、チャイム鳴るわよ」

にこ「はっ……あ、え、絵里、昨日の…」

絵里「その話はまたあとで改めてね」

にこ「う、うん……」

にこ(…まぁこんなところで話すことでもないか…)

74: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 23:05:08.16 ID:NiEqi8Qy0

―休み時間―


絵里「で、これが今月のμ’sの練習スケジュールなんだけど…」

希「……うん、ええんちゃうかな。にこっちはどう思う?」

にこ「ん。にこも特に文句はないけど」

絵里「そう。じゃぁ海未にも後で相談してみるわ」

絵里「あ、そうだ」

にこ「!」ビクッ

絵里「この間ね、駅前に美味しいケーキ屋さんができたらしいの」

にこ「」ガクッ

75: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 23:06:31.72 ID:NiEqi8Qy0
―昼休み―


絵里「にこ」

にこ「な、なに?」

絵里「お昼、一緒に食べない?」

にこ「……ええ、いいわよ」

にこ(よし、この機会に昨日のことを聞き出

絵里「希も一緒に食べましょう」

希「うん」

にこ「」ガクッ

76: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 23:08:21.29 ID:NiEqi8Qy0
―放課後―


にこ「って、放課後になっちゃったじゃない!!」

絵里「ど、どうしたの急に叫んで…」

にこ「どうしたのじゃないわよ! 結局一度も二人きりになれずに放課後になったのよ!」

絵里「…そんなに私と二人きりになりたかったの?」

にこ「いや、だって昨日の話を…」

絵里「え? ……あ、そういえば改めてって言ったきりだったわね」

にこ(忘れてたのね…)

絵里「なるほど。それでずっと険しい顔をしてたのね」

にこ「そうよ。自分で言ったこと忘れないでよ。というか、結局昨日のはどういうことだったわけ?」

77: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 23:09:47.50 ID:NiEqi8Qy0
絵里「どういうことも何も、私の本心を言ったまでだけど」

にこ「本心って……あんた、自分がなに言ってるか分かってる?」

絵里「もちろん。昨日の話通り、にこにとっての一番がμ’sでもいいわ。だから考えておいてほしいの」

にこ「考えるって…」

にこ(……まさか、付き合うかどうかってこと?)

絵里「じゃぁ部室に行きましょうか。希もいつの間にか行っちゃったみたいだし」

にこ「……そうね」

にこ(今考えると頭が混乱しそうだし、家に帰ってから考えたほうがいいわね)

79: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 23:13:04.80 ID:NiEqi8Qy0

―――――

穂乃果「見てみてにこちゃん! これクラスの子が描いてくれたμ’sの似顔絵!」ドヤッ

海未「何故穂乃果が得意げなのですか…」

にこ「うまっ! めちゃくちゃ似てるわね……」

にこ(しかし穂乃果のドヤ顔の手前、普通に感心するのもなんか悔しいわね…)

にこ「ま、まぁ、にこは実物のほうが可愛いけどね!」

海未「……」

にこ(海未の視線が痛いけど、無視しよう…)

凛「いやーでも凛たち、校内ではすっかり有名人になったにゃー」

花陽「そうだね。声をかけられることも多くなったし……前に上級生の人に話しかけられたときは、ビックリしちゃったけど…」

ことり「スクールアイドルって感じで嬉しいよね」ウンウン

80: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 23:15:46.22 ID:NiEqi8Qy0
真姫「まぁ、その分面倒なことも多いけどね」

にこ「面倒なことって?」

真姫「……にこちゃんには関係ないわ」

にこ「自分から言い出しておいて!?」

真姫「にこちゃん以外に言ったのよ」

にこ「真姫ちゃんの中でにこの存在って消されてるの…?」

希「まぁまぁ、真姫ちゃんも難しいお年頃なんよ」

にこ(意味が分からない…)

絵里「で、真姫。面倒なことっていうのは?」

真姫「ラブレターよ」

にこ(あ、にこ以外が聞いたら答えるんだ)

81: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 23:16:32.18 ID:NiEqi8Qy0
ことり「あー、真姫ちゃん人気あるもんね」

穂乃果「でもどうやって受け取ってるの? ひょっとして出待ちの人から、そのまま渡されたり?」

真姫「いや、普通に下駄箱に入ってたりするけど」

穂乃果「え? ……あっ、ラブレターって女の子からか」

花陽「確かに真姫ちゃんは女の子からの人気が高いもんね。絵里ちゃんもだけど」

ことり「あと、海未ちゃんもだよね?」

海未「えっ」

ことり「前に一年生の子に告白されてたでしょ? 偶然見かけたの」

海未「そ、そんなことありましたっけ……ことりの見間違いでは…」

ことり「つい三日前の出来事なんだけどなぁ…」

海未「…最近物忘れがひどくて…」

84: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 23:18:39.15 ID:NiEqi8Qy0
にこ(……もしかして、意外と女の子同士で告白するのって普通だったりするの…?)

にこ(…って、それはさすがにありえない! そもそも普通だったとしても、それが何だってのよ)ブンブンッ

ことり「海未ちゃん、嘘はよくないよ」

海未「……あああもうっ、とりあえず早く練習を始めましょう! いきますよ!」タッタッ

ことり「あ、行っちゃった」

穂乃果「ことりちゃん、あんまり海未ちゃんをいじめると、いじけちゃうよ?」

ことり「あはは…そうだね」

絵里「じゃぁ海未がいじけないうちに、私たちも早く行きましょう」

凛「よーしっ、今日も練習頑張るにゃー!」タッタッタッ

花陽「り、凛ちゃん待ってよ~」

希「一年生は元気やなぁ。ほら、にこっちもいこ?」

にこ「…ん」

85: ちょっと間隔あきます 2014/03/31(月) 23:21:09.84 ID:NiEqi8Qy0

―――――

―練習後―


にこ(…って、今思えば、家に帰ったらこころとここあがいるし、真剣に考えられる時間はなさそうなのよね…)

にこ(ママが今日は早上がりだって言ってたし、ちょっとだけ学校に残って考えましょう)

にこ「……しかし、この部室に一人っていうのも久々ね……べ、別に寂しいとか、そういうことは思わないけど」


ガチャ


にこ「!」ビクッ

にこ「…え、あれ? >>87? 帰ったんじゃなかったの?」

87: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 23:22:21.05 ID:/Pv7vP5Ho
ことり

92: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 23:51:03.64 ID:NiEqi8Qy0
にこ「ことり? 帰ったんじゃなかったの?」

ことり「ノート忘れちゃって……って、にこちゃんこそどうしたの?」

にこ「あー…いや、ちょっとボケっとしてたの」

ことり「にこちゃんが? 珍しいね。……ひょっとして何か悩み事があったりする?」

にこ「悩み……いや、ない、ないわよ、うん」

にこ(さすがにこんな相談をメンバーにするわけにはいかないわよね…)

ことり「……にこちゃんって、分かりやすいね」クス

にこ「え?」

ことり「顔に、悩みがありますって書いてあるよ」

にこ「…ホントに?」

ことり「冗談。でもその答えが出てくるってことは、やっぱり何か悩んでるんだね」

にこ「……あんたって顔に似合わず性格ひねくれてそうよね」

ことり「あはは」

93: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 23:58:28.98 ID:NiEqi8Qy0
ことり「…それで、その悩みっていうのは、一人で考えたほうが解決しそうなこと?」

にこ「……まぁ、多分」

ことり「うん。じゃぁことりは帰ったほうがいいよね」

にこ「いや、帰ったほうがっていうか……忘れ物取りに来ただけなんでしょ? 穂乃果と海未が待ってるんじゃないの?」

ことり「穂乃果ちゃんはお店のお手伝い、海未ちゃんもお家でやるお稽古の開始時間が早まったってことで、先に帰っちゃったんだよ」

ことり「だからことりは一人で寂しく帰るんだ…」シュン

にこ(……なんとなく、海未がこの子に弱いわけが分かった気がするわ…)

にこ「じゃ、にこと一緒に帰る?」ガタ

ことり「え、いいの?」

にこ「まぁ、もう考え事は終わったし」

にこ(考えるのは明日でもいいわよね……ごめん、絵里)

94: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 00:06:18.07 ID:p0CurPx60

―――――

ことり「そういえば、にこちゃんと二人きりって珍しいね」

にこ「そうね。いつも必ず穂乃果か海未がいるし」

ことり「なんだか不思議な気分だなぁ」

にこ「ん」

にこ(………しかし、なに話せばいいかがさっぱり分からないわ…)チラ

ことり「……」

にこ(ことりもそんなに話すほうじゃないし……かといって、無言の状態を心地いいと思えるほどの空気はさすがにまだないし)

にこ(ここは先輩として、にこが話を振らないと……!)グッ

ことり「……ふふ」

にこ「…なんで笑ったの?」

ことり「可愛いなぁって」

にこ「…は?」

ことり「にこちゃん、やっぱり分かりやすいよ。顔に考えてること出まくり」

にこ「に、にこが分かりやすいんじゃなくて、あんたが鋭いだけでしょ、それ」

ことり「そうかなぁ。…うん、そうかもね。昔から穂乃果ちゃんや海未ちゃんを間近で見てきたから」

にこ「あー…なるほど」

にこ(にこも幼なじみとかいれば、少しは人の顔色がうかがえる人間になれたのかしらね……)

95: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 00:09:50.12 ID:p0CurPx60
にこ「でもあの二人の幼なじみってのは大変そうよね」

ことり「そうかな?」

にこ「だって穂乃果はいつも暴走してるし、海未はなんだかんだめんどくさい性格してるじゃない」

ことり「ひ、ひどい言われようだね…」

ことり「けど、二人がああいう性格だからこそ、楽しいんだよ」

にこ「そんなもんなの?」

ことり「そんなもんだよ。穂乃果ちゃんは人を引っ張っていく才能があるし、海未ちゃんは人を支えられる才能があるし」

にこ「ふーん…才能ね」

にこ(しかし、やっぱりことりと話すとあの二人のことになるわね。まぁそのほうが話しやすいし、いいんだけど)

96: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 00:19:45.45 ID:p0CurPx60
ことり「多分、ことりのポジションってすごく幸せなんじゃないかなって、自画自賛してるくらいだし」

にこ「んー…まぁ、確かにそうかもしれないけど」

ことり「でしょ」

にこ「でもにこなら、あの二人よりはことりを幼なじみにしたいって思うけどね」

ことり「…」ピタ

にこ「? 急に立ち止まってどうしたの?」

ことり「あ、いやー……ちょっとびっくりしちゃって」

にこ「にこ、そんなに変なこと言った?」

ことり「うん、多分……だってにこちゃん、穂乃果ちゃんとのほうが波長合いそうだもん」

にこ「波長って……まぁ確かにノリがあうことは多いけど」

にこ「でも同じノリが二人って疲れるじゃない」

ことり「じゃぁ海未ちゃんは?」

にこ「海未ちゃんは一緒にいると肩こりそう」

ことり「あ、あはは……そんなことないと思うけど。……でも、そっか。ことりがいいんだ」ニコニコ

にこ「あー…あの三人の中じゃね」

にこ(なんかこう、素直に喜ばれると照れくさいわね…)

ことり「うん、それでもいいよ……えへへ」

にこ(……ま、喜んでるならいいけど)

97: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 00:26:06.07 ID:p0CurPx60

―――――

ことり「じゃぁにこちゃん、また明日ね」ヒラヒラ

にこ「ん、また明日」

ことり「また一緒に帰ろうね」

にこ「ま、まぁ…機会があればね」

にこ「じゃ」スタスタ


ことり(にこちゃんって照れるとき、いつも言葉つっかえさせるんだよね……本人は気づいてなさそうだけど)

ことり(…それにしても、穂乃果ちゃんと海未ちゃんよりもことりがいいなんて、にこちゃんは変わってるなぁ…)

ことり(…………まぁ、嬉しかったけど)

98: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 00:30:36.38 ID:p0CurPx60

―――
――


にこ(予想はしてたけど、家に帰ったらすぐご飯の支度して、結局絵里のこと考える時間はなかったわね…)

こころ「にこにー!」タッタッ

にこ「どうしたの?」

こころ「これ、なってたよー」

にこ「これって……にこの携帯? ああ、メールね。ありがとう」ナデナデ

こころ「どーいたしましてー。じゃーこころ、ここあとサツマイモごっこしてくる!」

にこ「はーい、いってらっしゃーい」

にこ(あの子たち、たまに変なものにハマるのよね…)

にこ「さて、と……あ、メールがきてる」ピッ



メールの差出人

>>99

99: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 00:33:15.57 ID:U7lZHC320

100: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 00:44:25.58 ID:p0CurPx60
にこ「希から? なにかしら…」ピ

にこ「えっと…『にこっち今ひまー?』って……恐ろしく軽いメールね…」

にこ「とりあえず、暇だけどって返しとこ」ピピピ

ピリリリッ

にこ「…」ピッ

にこ「はい、もしもし?」

希『あ、やっほーにこっち』

にこ「はいはい、やっほー。いきなり電話なんてしてきて、なんか用?」

希『いやー、別に大した用はないんやけどね』

にこ「そうなの? 珍しいわね、あんたが無駄な電話してくるなんて」

希『無駄な電話て……にこっちの声が聴きたくて電話したのに冷たいなぁ』

にこ「……やっぱりあんた、なにかあった? 普段そんなこと言わないから、正直気味が悪いんだけど…」

希『んー……』

にこ「?」

101: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 00:53:49.29 ID:p0CurPx60
希『……なぁにこっちって、好きな人とかおらへんよね?』

にこ「なんか確定系で言われると腹立つわね…」

希『いるん?』

にこ「いないわよ。というか、一年のときから友達なんだから、知ってるでしょ」

希『せやんなぁ…』

にこ「…なに? そのことが何かと関係あるの?」

希『ああ、いや、別に? ただな……その、これから色々と大変かもしれへんけど、頑張ってなってことが言いたくて』

にこ「は? なにが大変なのよ。μ’sの活動?」

希『うん、まぁ…そんなとこ』

にこ「そりゃ言われなくったって頑張るわよ」

希『…せやんな』

にこ「……ねぇ希、なんかあんた本格的に変じゃな

希『そうや!』

にこ「な、なによ!? びっくりするじゃない!」

希『焼肉の話、しよう!』

にこ「」

希『ウチな、焼肉が好きやねん』

にこ「う、うん…」

にこ(なんだろう、すごいデジャヴ…)

102: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 01:00:05.35 ID:p0CurPx60

―――――

希「うん、じゃぁまた明日。こんな遅くにごめんなぁ。うん、また」ピッ

希「はぁ……、思わず焼肉の話で誤魔化してしもたけど……にこっち、怪しがってたなぁ」

希(…今日のにこっちの様子を見るに、エリちはにこっちに告白……もしくは、それに近しいことしたんやろうけど…んー…とりあえず、にこっちが返事を決めるまで待つしかないんかな)

希「………まさか付き合ったりせぇへんよね」

希「けどもしもってこともあるし………、そうなったら、嫌やなぁ……」

希(…って、こんなこと考える自分が一番嫌なんやけどっ)ブンブンッ

111: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 17:16:29.70 ID:p0CurPx60

―――
――


にこ「はぁ……」トボトボ

にこ(なんか、今日はいつもより早く目が覚めちゃったわ……。こころとここあもそれに合わせて早くに出て行っちゃったし)

にこ(…まぁ、誰もいない教室でゆっくりするっていうのもいいかもね)


ガラッ


絵里「あら」

にこ「」ビクッ

絵里「そんな露骨に嫌がらなくてもいいじゃない」

にこ「い、いや、嫌がったわけじゃなくて、ビックリしたのよ」

絵里「そう、ならいいんだけど。にこ、今日はやけに早いのね」

にこ「まぁ、たまたまね。…絵里はいつもこんな時間に登校してるの?」

絵里「ええ。早めに来て、生徒会の仕事を片づけたいから」

にこ「あー…なるほど。会長さんは大変ね」

絵里「まぁね。じゃぁ私、ちょっと生徒会室に行ってくるから」

にこ「ん。いってらっしゃい」ヒラヒラ

112: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 17:23:30.38 ID:p0CurPx60
にこ(って、見送ってどうするの! せっかく絵里と話を出来るチャンスなのに!)

にこ「え、絵里!」ガタッ

絵里「どうかした?」

にこ「あの……その、こく……あ、あれの、返事なんだけど…」

絵里「ああ、告白の」

にこ「そ、そう、それよ」コクコク

にこ(恥ずかしいからあえて伏せたのに…)

絵里「返事、決まったの?」

にこ「……ううん、まだ」

にこ「あの、にこ、告白とかされたのはじめてで…ちょっと心の整理がついてないっていうか…。だから、悪いんだけど……もうちょっとだけ、時間をもらえない?」

絵里「もちろん。いつまでも待つわ」

にこ「ありがとう……、ごめんね」

絵里「気にしなくていいわよ。私も、ああいうこと言うのはいきなりすぎたかなって思ってたから」


ガヤガヤ


絵里「…そろそろ他の生徒たちも来る時間ね。じゃぁ今度こそ行ってくるわね」

にこ「あ、うん……頑張ってね、会長さん」

絵里「ええ」

にこ(……ちゃんと考えないとね)

113: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 17:34:05.99 ID:p0CurPx60

―――――

―昼休み―

絵里「ふふ…」ズーン

にこ「ど、どうしたの?」

希「いや、実は生徒会のほうで色々と問題があって…」

にこ「はあ……よく分からないけど、大変そうね」

希「せやねん。やからにこっち、ごめん。ウチらちょっと生徒会室行ってくる。お昼もそこで食べるから」

にこ「分かったわ。えっと、頑張って」

絵里「ええ…」トボトボ

希「エリち、シャキッとして歩こ」

絵里「」シャキッ

にこ(朝とはえらい違いね…)

114: ちょっと間隔あきます 2014/04/01(火) 17:38:15.14 ID:p0CurPx60
にこ(さて、……なんとなく、教室で一人飯は嫌ね…)

にこ(どこかに移動しましょう)


どこに移動しますか?

>>116

1.部室
2.屋上
3.あてもなくさまよう

116: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 17:46:33.52 ID:C8JBwwkg0
3

118: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 18:14:50.26 ID:p0CurPx60
にこ(特に行く場所も思いつかないわね……)ガラ

にこ(ま、適当に歩き回ってればそのうちどこかいい場所見つかるでしょ)トテトテ


「あれ? 一人?」


にこ「! >>119? なんでここに?」

119: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 18:16:11.00 ID:ttEn09sDo
かよちん

120: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 18:26:39.06 ID:p0CurPx60
にこ「あれ? 花陽? なんでここに?」

花陽「アルパカ小屋からの帰りだよ。にこちゃんはどうしたの?」

にこ「あー……ご飯食べる場所探してて。絵里たちは生徒会室に行っちゃったから」

花陽「そうなの? …あ、だったら一緒に食べない?」

にこ「え、いいの? 凛たちは?」

花陽「凛ちゃんは教室で待っててくれてるの。真姫ちゃんはいい曲が思いついたからって、音楽室に」

花陽「一年生の教室で食べることになっちゃうけど……いいかな?」

にこ「それはもちろん。一人で食べるのもなんだったから、ありがたいわ」

121: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 18:46:37.66 ID:p0CurPx60


―一年教室―

凛「あっ、かよちんおかえり~…って、にこちゃん!」

凛「どうしたの? なんでここに? あ、もしかして凛に会いに!?」

にこ「いや、違うけど」

凛「そうハッキリ言われると傷つくにゃ…」

花陽「あはは……。あのね、にこちゃんも一緒にお昼いいかな?」

凛「もちろん!」


凛「ふぇー、絵里ちゃんたちも大変なんだね~」パク

花陽「大丈夫かなぁ…」

にこ「ま、あの二人なら何とかするでしょ」

凛「そうだにゃ、なんたって絵里ちゃんと希ちゃんだし!」

凛「……あ! でも凛はちょっと嬉しいかも」

にこ「嬉しい?」

凛「だって、こうやってにこちゃんと一緒にご飯食べるなんて、初めてだもん」

122: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 18:58:09.33 ID:p0CurPx60
にこ「……そうだっけ?」

凛「そうだよー。ねーかよちん」

花陽「うん、…私も嬉しいな。にこちゃんとゆっくり話せる機会って意外と少ないから」

にこ「そ、そう」

にこ(…こんな風に後輩の子から純粋な好意を寄せられることってあんまりなかったから、どう反応したらいいか分からない……)

にこ「じゃ、じゃぁ今日はこのにこにーが可愛い後輩たちの話し相手になってあげるわ!」

凛「わーいっ! お話する!」ガタッ

花陽「り、凛ちゃん、とりあえず座ろうね」

凛「はーい」ガタ

凛「じゃぁじゃぁ、昨日やってたテレビでね、すごく面白いのがあってねー」

にこ(…なんか、この二人見てるとなごむわ…)ホッコリ

124: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 20:58:10.06 ID:p0CurPx60

―――――

にこ「じゃ、また部室でね」

花陽「うん」

凛「またねー」

リンチャーン、チョットキテー

凛「にゃ? ごめん、ちょっと友達のほうに行ってくるにゃー」タッタッタッ

にこ(凛って意外とクラスで人気あるのね)

花陽「…あ、あの、にこちゃん」

にこ「ん?」

花陽「えっと……この間、あのアイドルの新曲CDが発売されたけど……もう買った?」

にこ「あー……いや、まだね」

にこ(今月はお小遣いがちょっとピンチだし…)

花陽「私、今度の休日にそのCD買いに行くんだけど……よかったら一緒に行かない?」

にこ「……行きたい、けど、一つ頼んでいい?」

花陽「なに?」

にこ「買った後、一緒にそのCD聞かせて…!」

花陽「あ、う、うん、それはもちろんいいよ」

にこ「ありがとう! じゃぁ一緒に行きましょ!」

花陽「ほんと? じゃぁ…その、よ、よろしくお願いします!」バッ

にこ(なんでお辞儀…?)

125: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 21:03:56.28 ID:p0CurPx60
にこ「じゃぁそろそろ教室に戻るわね」

花陽「うんっ、またね」バイバイ


テクテク

にこ(しかし、花陽が提案してくれて助かったわ……にこもあのCD聞きたかったのよね。持つべきものは趣味の合う友達ね…!)グッ

にこ「……、ん? あれって……」


海未「…」ハァ

にこ「あ、やっぱり海未」

海未「…ああ、にこですか…」

にこ「こんなところでどうしたの? 一人?」

海未「ええ。穂乃果たちは教室に」

にこ「ふーん……なんか、溜息ついてたみたいだけど?」

海未「いえ、ちょっと…」

にこ「…なにか悩みがあるなら、話くらいは聞くわよ」

海未「しかし……その…」

にこ(そんなに言いづらいことなのかしら…)

126: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 21:09:50.36 ID:p0CurPx60
にこ「何があったかは知らないけど、ちょっとは人を頼るってことも大切よ」

にこ「あんた、何でもかんでも一人で抱え込みすぎだから心配なのよ……って、絵里も言ってたし」

海未「………、にこ」

海未「…一つ、約束してくれませんか」

にこ「約束?」

海未「……今から私が頼むことは……すごく、卑怯で、失礼で……愚かなことです」

にこ(海未が言うと、すごい重々しく聞こえるわね…)

海未「………それでも、私の頼みを聞いてくれると、約束してくれますか?」

にこ「えっと…」

にこ(想像以上に重い話なのかしら…?)

海未「……」ジ

にこ(何はともあれ、真剣に答えないと…)


>>127

1.約束する
2.約束はできない

127: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 21:11:24.10 ID:ITsdsm7R0
2

129: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 21:27:36.32 ID:p0CurPx60
にこ「……ごめん。安易に約束はできないわ」

海未「そうですか…」シュン

にこ(あ、あの海未がシュンとしてる……そ、そんなにひどい悩みが…?)

にこ「…ねえ、約束はできないけど、話だけ聞くっていうのは……やっぱりダメ?」

海未「………いえ、誰かに聞いてもらうだけでも、少しは何かが進展するかもしれませんし」

海未「ただ、このことは他言無用で…」

にこ「ええ、それは約束す


キーンコーンカーンコーン


海未・にこ「」

にこ「……あの、また放課後に改めてってことで」

海未「は、はい。では、練習後に残っていただけると、助かります」

にこ「了解。じゃぁにこは教室に戻るから!」ダッ

海未「にこ!」

にこ「な、なに?」

海未「廊下を走ってはいけません」

にこ「遅刻しろっての!?」

130: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 21:48:22.40 ID:p0CurPx60

―――――

にこ(しかし、海未の悩み事ね……想像もつかないわ)ジー

凛「? にこちゃん、どこ見てるのー?」

にこ「あ、いや、なんでも…。それより今のうちにしっかり休憩しときなさいよ」

凛「汗だくだくのにこちゃんに言われたくないにゃ」

にこ「さっきタオルで拭いたから、もうだくだくじゃないわよ!」

花陽「ま、まぁまぁ。それよりにこちゃん、今海未ちゃんたちのほう見てなかった?」

にこ「あ、あー…いや」

にこ(さすが花陽……凛よりは鋭い…。海未のことは言うわけにもいかないし…)

にこ「ほら、穂乃果がまたバカなことしてるなーって思って!」

花陽「……穂乃果ちゃんが?」

凛「あ、穂乃果ちゃんまた海未ちゃんに怒られちゃってるんだにゃー……南無」

花陽「でも、なんだか海未ちゃん、元気がないような…気のせいかな?」


―――――

―練習後―


にこ「…みんな帰ったみたいね」

海未「そうですね。穂乃果たちには少し不審がられてしまいましたが……まぁ大丈夫でしょう」

131: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 22:21:14.23 ID:p0CurPx60
にこ「それで…あの、さっきの話の続きなんだけど」

海未「はい。……実は私、先日告白されたんです」

にこ「ひょっとして、昨日ことりが言ってたやつ?」

海未「そうです。……そのときは、告白をお断りしたんです」

海未「…しかし、相手の子が……その、想像以上にその答えを聞き入れてくれなくて…」

にこ「あー…」

にこ(海未ちゃん、押しに弱いとこあるし、相手はつい強気になっちゃうんでしょうね)

海未「それでも必死に断り続けたらですね……今度は、相手が泣き始めてしまって…」

にこ(こんなこと言うのもなんだけど、なんて面倒くさい…)

海未「やっぱり女同士は気持ち悪いんですか、とか色々、言われてしまいまして…」

海未「そこで、そんなことはないと言ったのですが……信じてもらえなくて…逆にさらに泣かせてしまって…」

海未「思わず言ってしまったんです……、私の好きな人も女の子なので、気持ちは分かります……と」

にこ「………やってしまったわね」

132: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 22:27:36.97 ID:p0CurPx60
海未「自分でもどうしてそんなことを言ってしまったのかと、何度も後悔しました…」

にこ(まぁ…相手に泣かれて、頭がパニックになってたんでしょうね、多分)

にこ「ところで、さっき言ってた“頼み”っていうのは、結局なんだったの?」

海未「実は……好きな人がいると言っても信じてもらえなかったので……今度、好きな人を教えるという約束をしてしまって…」

にこ「はあ……海未って時々すごくバカよね…」

海未「返す言葉もありません…」

にこ「…じゃぁ頼みっていうのは、もしかして」

海未「はい。その好きな人として、にこの名前を出してもいいか、というものです…。こんなこと、他の人には情けなくて頼めなくて…」

にこ「あー……なるほど」

にこ(どうしよう……せっかく海未が相談してくれたし、聞いてあげたい…)

にこ(…けど、後々面倒なことになりそうな気も………いや、でもその告白してきた相手…確か一年だっけ? その子と、にこが関わり合うことなんて、普通に考えればないはず…)


どうしますか?

>>133

1.頼みを聞く
2.聞かない

133: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 22:28:48.26 ID:8mJIJw14o

134: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 22:41:52.54 ID:p0CurPx60
にこ「分かったわ。にこの名前出していいわよ」

海未「えっ、ほ、ほんとにいいんですか?」

にこ「ええ。…というか、海未のほうこそいいの? 少なくともその子には、にこのことが好きだと思われることになるけど」

海未「えっと…それは、どういう意味ですか?」

にこ「いや、だから、嫌じゃないのかってことよ」

海未「嫌なわけないです。むしろにこに迷惑をかけてしまって申し訳なくて……本当に自分が情けないです…」ズン…

にこ「そ、そんなに落ち込まなくても……まぁ今回はこんなことになっちゃったけど、そもそも好意をもたれるのはいいことなんだから」

海未「それはそうですが…」

にこ「…それに、元々海未はちゃんと返事を出したんでしょ? それだけで十分立派だわ」

にこ(にこなんて返事を待たせてる状態だし…)

137: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 22:46:42.00 ID:p0CurPx60
海未「ですが…」

にこ「ああもう、ほら、いつまでも落ち込んでないの!」ナデナデ

海未「っ……、あ、あの、にこ」

にこ「…なに?」

海未「背伸び…辛くないですか?」

にこ「…辛いわよ」

にこ「し、仕方ないじゃない! あんたの背が高すぎんのよ!」

海未「いえ、どちらかというと、にこの背が低…」

にこ「なにか言った?」

海未「い、いえ、なんでも…」

にこ(…妹たちが落ち込んでるときは、こうやって頭撫でると元気になったりするんだけど……それはさすがに子供あつかいしすぎね)

にこ「…ま、とりあえず元気出しなさいよ」

海未「………はい。ありがとうございます」

138: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 22:51:25.41 ID:p0CurPx60
海未「…それにしても、にこも意外と上級生っぽいところがあったんですね」

にこ「にこを何だと思ってたのよ…」

海未「すみません。………これからはもう少し、素直に頼るようにしますね」

にこ「! え、ええ! このにこにーをドーンと頼るといいわっ」ドヤッ

海未「ふふ、頼もしいですね」ナデナデ

にこ「……バカにしてない?」

海未「気のせいですよ」

にこ(…ま、元気出たみたいだし、いっか)

139: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 23:06:43.90 ID:p0CurPx60

―――
――


キョウハゴゴカラ、ツヨイアメニミマワレルデショウ


にこ「げ。また雨? 最近よく降るわね…」

にこ「まぁ今日はちゃんと傘を持っていくし、なんの問題もないんだけどね!」スチャッ

こころ「にこにー、早く学校いかないと、ちこくしちゃうよー?」

ここあ「よー?」

にこ「あっ、い、今行くわ」タッタッタッ


―――――


ザアアァー


海未「…今日の練習、どうします?」

絵里「中止……と言いたいところだけど、ついこの間も休んじゃったしね…」

ことり「んー…じゃぁ今日は室内で練習するのはどうかな? 運動部の子とか、雨の日は校舎内でストレッチしてたりするよね」

海未「そうですね…。さすがにダンスレッスンはできませんが、なにもしないよりはマシでしょう」

140: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 23:14:30.56 ID:p0CurPx60
穂乃果「でも、部室じゃちょっと狭くない?」

希「絶対無理ってことはなさそうやけど……かなりせまっ苦しくなりそうやなぁ…」

真姫「なら、場所を分ければいいじゃない」

絵里「そうね。けど、この時間に空いてる場所って他にあるかしら?」

海未「恐らくですけど……ストレッチくらいなら、人気のない廊下でもできるかと」

花陽「放課後なら音楽室もあいてるし…そこを使ってもいいのかな」

絵里「じゃぁ今日は全員で練習するんじゃなくて、適当に分かれてやることにしましょう。練習内容はその場その場に合わせたものでってことで。みんな、それでいい?」

「「「意義なーし」」」

にこ(と、いっても……一人でやるのはあまりにむなしいし…誰か誘いたいけど…)



誰を誘いますか?

>>141

141: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 23:15:45.94 ID:zkdGd8Huo
うみちゃん

145: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 23:20:56.25 ID:p0CurPx60
にこ(海未なら真面目に練習してくれそうだしね…)

にこ「海未、一緒に練習しない?」

海未「えっ、わ、私ですか?」

にこ「そんなに驚かなくても」

海未「いえ、意外だったので、つい…」

にこ(確かに、にこが海未を誘うってあんまりないかもね)

にこ「今日は真面目に練習したい気分だから」

海未「…いつもそういう気分でいてもらいたいんですけどね…」ジト

にこ「あ、あはは……それはともかく、一緒に練習してくれる?」

海未「ええ、私でよければ喜んで」

にこ「ん、ありがと」

160: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 09:32:10.00 ID:+H1m77Dw0
穂乃果「あれ? にこちゃん、海未ちゃんと練習するの? めずらしー」

にこ「まーね。海未が一番練習はかどりそうだし」

凛「にこちゃんに、はかどるなんて単語、似合わないにゃー…」

にこ「あんたにだけは言われたくないわ…」

凛「ぶー…せっかく凛もにこちゃんと一緒にやろうと思ってたのに。もうっ、かよちんと浮気してくる!」ダッ

カヨチーン!! ド、ドウシタノ、リンチャン?

にこ「凛って元気よね」

穂乃果「だねー。じゃ、私も適当な人誘ってくるねー」

161: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 09:33:25.91 ID:+H1m77Dw0

にこ「さて、それじゃぁどこで練習する?」

海未「そうですね……部室は他の人が使うみたいですし、移動しましょうか」

にこ「了解。んー、音楽室は真姫ちゃんとかが使いそうだし……適当な廊下でも見つけてやりましょうか」

海未「はい」


海未「ああ、そうだ。にこに報告したいことが」トテトテ

にこ「なに?」トテトテ

海未「昨日話した件についてです」

にこ(あー、告白の)

海未「今朝、相手に呼び出されたので、そこでにこの名前を伝えました」

にこ「で、なんか言ってた?」

162: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 09:35:02.59 ID:+H1m77Dw0
海未「同じμ’sのメンバーなら仕方ない、と。普段、μ’sとして一緒にいることが多いので、なんとか信じてもらえたようです」

にこ「そう、ならよかったじゃない」

海未「はい。嘘をついてしまったのは心苦しいですが…」

にこ「ホント真面目ね。元々、好きな相手を教えてくれって言うほうも言うほうなのよ」

海未「まぁそこは一年生ですから」

にこ「その子の性格もあると思うけどね…」

にこ「ま、これで悩みも解決したことだし、その分μ’sの活動に専念しなさいよ」

海未「ええ、そのつもりです。では、今日の練習はハードにいきましょう」

にこ「えっ」

163: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 09:37:29.87 ID:+H1m77Dw0
海未「ただでさえダンスレッスンが出来ないのですから、それを補って余りあるくらいに基礎練習をしますよ!」

にこ「ええぇー…」

にこ(やっぱり海未とマンツーマンはやめればよかった…)


―――――

海未「……こんなものですかね…」フゥ

にこ「」ピクピク

海未「…あの、大丈夫ですか? 虫の息みたいになってますが…」

にこ「だ、い……じょ…げほっ…」

海未「す、少し厳しくしすぎましたね……あの、私飲み物買ってきます」タッタッ

にこ(海未ってあんなにスパルタだったっけ……いや、スパルタだったわね)

にこ(…まぁしっかり練習出来たっていえば、出来たけど)

にこ(とりあえず海未が帰ってくるまでに、呼吸を整えとかないと)スーハー

164: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 09:39:39.87 ID:+H1m77Dw0


海未「にこ、お待たせしました」タッタッタッ

にこ「ありがと」

海未「…すみません。ヘロヘロになるまで付き合わせてしまって」

にこ「いや、いい練習になったわ」

にこ「にしても、海未ってすごいのね。同じ練習量こなしたのに、あんまり息切れしてないし」

海未「基礎練習は、昔から嫌というほど繰り返してますから」

にこ「あー、そういえば海未は根っからの運動部だっけ」

海未「はい。それこそ物心ついたときから走りこんでいます」

にこ「…感心するわ」

海未「そんなことないですよ。小さい頃は、やれと言われたことをただやっていただけですし」

にこ「でもにこなら絶対途中でやめるだろうし。やっぱり海未はすごいわよ」

海未「……そうですかね」

165: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 09:41:21.34 ID:+H1m77Dw0
にこ「こういうときは素直に褒められておくものよ……って、前に絵里が言ってた気がする」

海未「にこが言うことは、絵里の受け売りが多いですね」

にこ「い、いや、だって絵里のほうがいいこと言うこと多いし」

海未「…そういう言葉を覚えているほど、親しいということでもありますが」

にこ「え?」

海未「いえ、何でもありません。そろそろみんなの元へ戻りましょうか」

にこ「…うん」


―――
――


穂乃果「あ、そうだ! 聞いて聞いて! 明日ね、お店がお休みだから久々に家族でお出かけするんだ~」

ことり「わ、そうなんだ。珍しいね」

海未「どこに行くんですか?」

穂乃果「映画館! なんでもお母さんが観たい映画があるらしくて」

166: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 09:42:46.21 ID:+H1m77Dw0


にこ(お出かけ……あ、そういえば)

にこ「ねぇ花陽」

花陽「ん? なに?」

にこ「CD買いにいく話なんだけ

花陽「そ、そうだ、にこちゃん! 私ちょっとにこちゃんに話があったんだった、ついてきて!」グイッ、スタスタ

にこ「え、ちょっ、な、なに!?」ズサササーッ

凛「おおお…かよちんがにこちゃんを引っ張って行ったにゃ…」

真姫「珍しい光景ね…」


―廊下―

にこ「どうしたのよ、いきなり引っ張って…」

花陽「ご、ごめんね……ただ、あの、CDを買いに行くこと、みんなには秘密にしてほしくて…」

にこ「なんで?」

167: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 09:44:37.98 ID:+H1m77Dw0
花陽「えっと……こんなこと言うと、ヒかれちゃいそうなんだけど……に、にこちゃんと、二人で行きたくて…買い物」

花陽「凛ちゃんたちに言ったら、多分一緒に行くって言われると思うから…」

にこ「あー、凛って花陽のこと大好きだもんね」

花陽「あ、そうじゃなくて………いや、それもあるかもしれないけど…」

にこ「というか、ヒくってなによ。別にそんなことくらいでヒかないわよ」

花陽「そ、そう?」

にこ「そりゃそうよ」

にこ(花陽と二人のほうが、アイドルについて色々遠慮なく話せそうだし)

にこ「じゃ、二人で行きましょう」

花陽「う、うんっ」パァッ

にこ「…あ、そうだ。聞きたかったんだけど、行くのって土曜? それとも日曜?」

花陽「あ、一応日曜日の予定。土曜は私、ちょっと用事があって……日曜で大丈夫?」

にこ「うん、平気」

168: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 09:45:42.00 ID:+H1m77Dw0
にこ(というか、にこは休日に予定なんてほとんどないしね……虚しい)

にこ「じゃ、部室に戻りましょうか」

花陽「うん」


ガラッ


凛「うわーんっ、にこちゃん聞いてよー!」ギューッ

にこ「な、なによ、どうしたの? てか、暑苦しい」

凛「さっき穂乃果ちゃんが土曜日に出かけるって言ってたから話聞いたらね、凛と真姫ちゃん以外みんなお出かけするって言うんだよ!?」

にこ「そう……って、別にいいじゃない。休日なんだから」

凛「でもこれじゃぁ凛と真姫ちゃんが暇人みたいだよー!」ビェーンッ

真姫「ちょっと、勝手に私まで暇人にしないでよ! 私はただ、休日はピアノを弾いて過ごしたいだけ!」

にこ(にこも同類なんだけど……まぁ黙ってよう)

169: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 09:55:35.16 ID:+H1m77Dw0
凛「あーあ、明日は凛、一人でラーメンでも作ってるにゃ…」ショボン

真姫「そこでやることがラーメン作りって……」

凛「真姫ちゃんのピアノと似たようなものだよ」

真姫「さすがに違うと思うわ…」

―――
――


にこ「えっ、ママ今日も仕事なの?」

にこママ「そうなの、ごめんね。今日はこころとここあもお友達の家で遊ぶみたいだし、にこも出かけたらどう?」

にこ「えー……」

にこ(出かけるったって……一人で町歩いても…)

にこ(アイドルショップに行ってもいいけど、どうせなら明日花陽と一緒に行ったほうが楽しいだろうし…)

170: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 09:57:33.06 ID:+H1m77Dw0
にこママ「じゃぁ、出来るだけ早く帰ってくるから」

にこ「あ、うん。いってらっしゃい」

パタン

にこ「んー……やっぱり出かけようかな」

にこ「でも一人は嫌だし……μ’sの誰かを……あ、今日はみんな用事があるんだっけ」

にこ「……いや、二人だけ用がないって言ってたわね」

にこ(けど凛はラーメン作るって言ってたし、真姫ちゃんはピアノ弾くって…多分作曲のことよね。邪魔するのも気が引ける…)

171: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 09:58:31.82 ID:+H1m77Dw0
にこ(…とりあえず、どっちか一人に電話して予定聞いてみようかしら)


どちらに電話しますか?

>>172

172: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 10:01:48.41 ID:NWOv7eZTo
真姫ちゃん

176: >>174 ちょっとやりたいことがあるので…すみません 2014/04/02(水) 10:11:27.32 ID:+H1m77Dw0
にこ(とりあえず真姫ちゃんに連絡しよ。アドレス帳の順番的に)ピッ

ピリリリリ、ガチャ

真姫『……もしもし?』

にこ「あ、真姫ちゃん? 今暇?」

真姫『ピアノ弾いてる』

にこ(昨日から思ってたけど、どうしても暇とは認めたくないのね…)

にこ「にこも今日暇なんだけど、よかったら一緒にどっか行かない?」

真姫『はあ……まぁいいけど。ちょうどキリのいいところだし』

にこ「じゃぁ集合場所なんだけど…」

―――――

にこ「…ちょっと早く来すぎた気がする……まぁ、用意することなんてほとんどなかったしね」

にこ(さすがに真姫ちゃんはまだ来てないわよね)キョロキョロ

177: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 10:19:06.09 ID:+H1m77Dw0
真姫「……」

にこ(って、もう来てる!?)

にこ「ま、真姫ちゃん!」タッタッ

真姫「あ、おはよう」

にこ「おはよう。…随分早いわね、まだ二十分前くらいだけど…」

真姫「言ったじゃない、キリがいいところだったって」

にこ「それはそうだけど…」

にこ(しかし真姫ちゃん、お金持ちそうな私服ね……って言うと、失礼だけど。にこの服と比べると、ちょっと恥ずかしくなるわ)

178: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 10:31:06.15 ID:+H1m77Dw0
真姫「それで、どこに行くの?」

にこ「決めてない」

真姫「……計画性ゼロね」

にこ「ま、真姫ちゃんの意見を聞こうと思ってたのよ」

真姫「そう。でも残念なことに、私はどこでもいいわ」

にこ「行きたいとことかないの?」

真姫「別にどこでもいいわ………どうせ、どこだろうとにこちゃんと一緒なんだし」

にこ(…ひょっとして、にこと一緒にいるの嫌なのかしら)

にこ「じゃぁ、えっと…」

にこ(真姫ちゃんはあんまりゲームとかではしゃぐタイプじゃないし、静かなとこのがいいのかしら…)

179: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 10:56:24.92 ID:+H1m77Dw0
にこ(真姫ちゃんが興味ありそうなこと…ピアノ……ピアノっていえば…)

にこ「えーっと……CDショップでも行く?」

真姫「CDショップ? …にこちゃんにしてはまともな提案ね」

にこ(しまった……明日も花陽と行くのに、なんでそこをチョイスしちゃったの…)

真姫「じゃ、行きましょう。ただ私、そういうお店がどこにあるのかよく知らないんだけど…」

にこ「あ、それはにこに任せて。というか、真姫ちゃんってCDとか買わないの?」

真姫「買うけど、ほとんどネットで済ませてるから」

にこ「ああ、なるほど…」

にこ(便利な時代ね)

180: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 11:09:34.34 ID:+H1m77Dw0

―CDショップ―


真姫「……広いわね」

にこ「そう? ここら辺なら、もうちょっと大きい場所もあるけど」

にこ(あんまり大きいとこだと、人多くて真姫ちゃん嫌がりそうだし)

真姫「へぇ……前にテレビで見たお店は小さくて汚い感じだったから、どこもそうなのかと思ってたわ」

にこ(真姫ちゃんの知識って…)

真姫「…アイドル系の曲も多いけど、クラシックとかもあるのね」キョロキョロ

にこ「真姫ちゃんも好きなとこ見て回っていいよ。にこも適当に回るから」

真姫「あ、いや……せっかくだし、一緒に見て回りましょ。にこちゃんの好きなのでいいから」

にこ「え?」

にこ(真姫ちゃんがそんなこと言うなんて珍しい…)

真姫「あー……べ、別に深い意味はないわよ? ただ、凛や花陽以外の人とこういう風に買い物することってあんまりなかったから、せっかくだし…」

にこ「そ、そっか。じゃぁ一緒に見て回りましょ」

真姫「…」コクリ

にこ(痛いほど気持ちが分かる……にこも友達少なかったしね…)ハァ

181: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 11:22:43.12 ID:+H1m77Dw0


にこ「で、このアイドルのすごいところは、なんていったって歌唱力!」

にこ「アイドルってやっぱりパフォーマンスとか可愛さとか、その方面が重視されるんだけど、この子はそれに加えて歌手並みの歌唱力があってね」

真姫「……」

にこ「…って、ごめん。つい喋りすぎちゃったけど……つまんなかった?」

真姫「いや、別に。アイドルの研究はμ’sの活動にも役に立つだろうし」

にこ「さすが真姫ちゃん、勉強熱心ね」

真姫「……というか、にこちゃんは本当にアイドルが好きなのね」

にこ「そりゃね。キラキラしてて可愛いじゃない」

真姫「ふーん…。じゃ、私これ買うわ」

にこ「えっ、でもそれ、ベストアルバムだし……高いよ?」

真姫「別に大丈夫よ」

にこ(さすが真姫ちゃん…)

182: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 11:28:15.08 ID:+H1m77Dw0
真姫「…これ、にこちゃんのおすすめなんでしょ?」

にこ「うん。あ、他にもおすすめはあるんだけどね」

真姫「じゃ、それも買うわ」

にこ「えぇっ、い、いや、それはさすがにお財布に厳しいって」

真姫「…じゃぁ一番おすすめなやつ、教えてよ」

にこ「え、えーっと……うーん…これ、かな…」

にこ(一番って言われると難しいけど)

真姫「じゃ、これ買ってくる」

にこ「ん。よかったら後で感想聞かせてね」

真姫「ええ」

―――――

にこ「んー……想像以上にお店にいたから、ちょっと疲れたわね…」

真姫「そうね。結局お店の中を何周か回ったし」

真姫「ちょうどあそこにカフェあるし、休んでく?」

にこ「えーっと……そ、そうね、そうしましょう」

にこ(疲れたらカフェで休む……普通の女子高生ってそんなものなのかしら)

183: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 11:36:18.38 ID:+H1m77Dw0

―カフェ店内―

にこ(……なんか緊張する…。普段はハンバーガーとかポテトが出るとこばっか行ってるから、こういうお店って慣れてないのよね…)ソワソワ

真姫「…どうかしたの?」

にこ「あ、い、いや、別に」

にこ(真姫ちゃんは平気そうね…さすが。とりあえず大人しくしてれば、追い出されることもないわよね)ズズ

真姫「あ」

にこ「? …って、苦っ!」ケホッコホッ

真姫「大丈夫? エスプレッソをそのまま飲むなんてすごいなって思ったけど……飲み方知らなかっただけなのね」

にこ「の、飲み方…?」

にこ(というか、えすぷれ……なんだっけ? メニューも難しくてよく分からなかったから、とりあえずカッコいい名前のやつをチョイスしてみたけど……見事に失敗したわ)

185: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 11:43:28.05 ID:+H1m77Dw0
にこ(しかも無駄に高いし、その割にカップは小さいし……)ハァ

真姫「…よかったら私のと交換する? これならそんなに苦くないと思うし」

にこ「え、いいの? にこ、一口飲んじゃったけど…」

真姫「いいわよ、別に」

にこ「ありがとう、真姫ちゃん!」

真姫「べ、別に…」

にこ(なんか今日の真姫ちゃん優しい。理由はよく分からないけど、いいことよね)ニコニコ

真姫「……」

真姫「……あ」

にこ「? どうかした?」

真姫「いや……あれ、クラスメイト」

にこ「え? あー……あのポニテの子?」

真姫「うん。多分、今目があったわ」

にこ「じゃぁ声かけてきたほうがよくない?」

真姫「別に用もないし、いいんじゃないの?」

188: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 11:58:13.03 ID:+H1m77Dw0
にこ「なに言ってんのよ。シカトされたとか思われたら大変でしょ」

真姫「ああ……スクールアイドルだしね。好感度とか」

にこ「いや、それもあるけど、それより真姫ちゃん自身が心配なのよ」

にこ「三年間同じクラスで過ごすことになるんだから、あまり角が立つようなことはしないほうがいいわ」

真姫「……面倒なのね、交友関係って」

にこ「そんなもんよ…多分」

真姫「じゃ、ちょっと行ってくるわ」ガタ

にこ「いってらっしゃーい」

にこ(ついでに真姫ちゃんの頼んだやつ、もらっとこ……あ、本当にこれは苦くない)コクコク

189: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 12:04:42.74 ID:+H1m77Dw0
にこ(…ん? なんか真姫ちゃんのクラスメイトの子、こっち見てるような気が……あー、μ’sのライブとか見てにこのことも知ってくれてるのかしら…)

にこ(とりあえず笑っとこう)ニコッ

にこ(……なんか、ちょっと睨まれたような気が……そんなに変な笑い方しちゃったかしら…)


真姫「…た、ただいま」ソワソワ

にこ「あ、おかえり。…なんかソワソワしてない?」

真姫「し、してないわよ」

にこ「ならいいけど……ところで、なんかあの子、機嫌悪くなかった?」

真姫「え? ……ああ、確かにちょっとムスッとしてたかも。どうして?」

にこ「いや、なんとなく表情とかが」

真姫「あの子、クラスでもいつもあんな感じなのよ。子供っぽいところがあって、何か気に食わないことがあると、すぐ拗ねるから大変…って、凛が言ってたわ」

にこ「へー…」

にこ(めんどくさそうな子ね…)

191: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 12:16:44.90 ID:+H1m77Dw0

―――
――


にこ(真姫ちゃんと二人で遊ぶのって初めてだったからどうなるかと思ってたけど、意外となんとかなるものね)

にこ(気が付いたら夕方だし…)

にこ「じゃぁ真姫ちゃん、気を付けて帰るのよ」

真姫「……あの」

にこ「なに?」

真姫「にこちゃん……その、一人で帰れる?」

にこ「…にこ、高校三年生なんだけど」

真姫「いや、だって、小さいし」

にこ(喧嘩うられてるの…?)

真姫「だから、送って行ってあげてもいいわよ」

にこ「いやいやいや……何が悲しくて真姫ちゃんに送っていってもらわなきゃならないのよ」

真姫「遠慮しないで」

にこ「してないわよ。というか、そんなことしたら真姫ちゃんが帰り危なくなるでしょ」

真姫「大丈夫よ。私は身長も平均的だし」

にこ(やっぱり喧嘩うってるわよね。というか、全然分かってないし…)ハァ

にこ「あのね、無自覚かもしれないけど、真姫ちゃん可愛いんだから、変な奴に狙われたらどうすんの」

真姫「かっ……」

192: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 12:24:11.42 ID:+H1m77Dw0
真姫「か、可愛いって……」

にこ「やっぱ無自覚なのね……」

にこ「とりあえず、そんなわけだからさっさと帰りなさい」

真姫「……分かったわ。じゃ、また学校でね」

にこ「はいはい」ヒラヒラ

にこ(……しかし、真姫ちゃんも随分やわらかくなったわね。昔なら絶対、送っていくなんて提案してこなかったし)

193: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 12:41:53.57 ID:+H1m77Dw0

―――
――


にこ「さて、と……これで準備は完璧ね」

こころ「にこにー、どこか出かけるのー?」

にこ「ん、ちょっと友達と買い物にね」

ここあ「いいなー! ここあも行きたい!」

こころ「こころも!」

にこママ「ほらほら、二人ともワガママ言わない。今日はママと一緒に遊びましょ」

ここあ・こころ「遊ぶー!」キャッキャッ

にこ「なんて変わり身の早さ…」

にこママ「まぁ子供だからね。じゃ、買い物楽しんできなさい」

にこ「うん、いってきます」

―――――

にこ(昨日は真姫ちゃんを待たせちゃったし、今日は昨日よりちょっと早めに集合場所に来てみたんだけど…)

花陽「あ、にこちゃん、おはよう」

にこ「おはよう…」

にこ(花陽にまで先に来られてた……なんなの、三十分前行動って常識なの?)

194: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 12:50:57.41 ID:+H1m77Dw0
花陽「えへへ、ちょっと早く来すぎちゃったから心配だったんだけど……にこちゃんも同じような時間に来てくれてよかった」

にこ「あ、じゃぁあんまり待たせてないのね…よかった」ホッ

花陽「うん。じゃぁ早速お店にいこっか」

にこ「ええ」



花陽「わっ、見てにこちゃん! あれ!」

にこ「…あ、あれは、二年前に電撃引退してしまった伝説のアイドルの最後のシングル…しかも限定版! 嘘、なんでこんなところに!?」

花陽「中古って書いてあるから、誰かが売ったのかな……ああ、それにしても中古なのにこのお値段…!」

にこ「高っ……けど、もう市場に出回ることもほとんどないレアものだし、これはむしろ安い方よね…」

花陽「だよね……まぁ私たちには到底手が届かないけど…」

にこ「まぁ仕方ないわよね。悔しいけど、目的のCDのとこ行きましょ」

花陽「う、うん…」チラチラ

にこ(花陽って本当にアイドルが好きなのね)

にこ(…そういえば、こうやってアイドル好きな友達と一緒にCD買いに来たのは久しぶりね。……前はよく、アイドル研究部の子と来てたけど)

195: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 12:58:36.99 ID:+H1m77Dw0
花陽「ほわぁー……ここにくると、素敵なCDがたくさんあって幸せな気分になるね…」キラキラ

にこ「そうよね……ほんと、天国のような場所よ…」キラキラ

花陽「あ、そういえばこの間テレビで、あのCDの宣伝やってたけど、すごく素敵な歌詞だったんだよ」

にこ「そうなの? あ、試聴コーナーあるみたいだし、聞いていきましょ」

花陽「うんっ」

―――――

にこ「熱中しすぎて、気が付いたらお昼ね…」

花陽「ご、ごめんね、私がはしゃぎすぎて…」

にこ「いや、にこもかなりテンション上がってたし。あそこはそういう場所だから仕方ないわ」ウンウン

花陽「じゃぁどこかでお昼食べよっか」

にこ「そうね。……って、さすがに日曜日ってだけあってすごい人ね…」

花陽「ここらへんは都会だもんね。それにしてもすごい人ごみ…」

にこ「とりあえず歩いてお店を探すとして…」ギュッ

花陽「に、にこちゃん? どうして手を?」

にこ「いや、はぐれたら大変じゃない」

花陽「あ、あー……なるほど…」

197: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 13:09:58.98 ID:+H1m77Dw0
にこ「さ、行きましょ」

花陽「うん」

にこ「なにか食べたいものとかある?」

花陽「うーん……ご飯があれば何でもいいかな」

にこ「じゃ、適当に探しましょ」

―――――

にこ「ここでもいい? 他と比べてそんなに混んでなさそうだし」

にこ(というか、このあたり人が少ないわね……これなら手つながなくてもよさそうだけど、何となく自分からは放しづらい…)

花陽「うん。ご飯もありそうだし」

にこ「花陽はブレないわね…。じゃ、中入りましょ」

花陽「はーい……って、あれ?」

にこ「なに?」

花陽「えっと……ごめん。にこちゃん、ちょっと先に入っててくれる?」

にこ「別にいいけど……どうかしたの?」

花陽「今、クラスの子がいて。目があったからちょっと挨拶してくる」

にこ(…すごいデジャヴ)

にこ「なんか、このあたりって同じ学校の生徒に会う確率高いわね」

花陽「音ノ木坂は地元から通ってる子が多いから」

にこ(そういえばμ’sもみんなそんな感じだったっけ)

花陽「じゃぁ行ってくるね」タッタッタッ

199: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 13:24:42.18 ID:+H1m77Dw0
にこ(じゃ、先に中に……って、あれ? 花陽が声かけてるのって、昨日真姫ちゃんが声かけてた子じゃない。…なんて偶然)

にこ(…また睨まれないうちに、さっさと中に入っちゃおう)

カランコロン

店員「いらっしゃいませー……って、あら、お嬢ちゃん一人? お家の人は?」

にこ「」

―――――

にこ(にこってそんなに子供っぽいかしら……まぁ、それはともかくとして)

にこ(あの後、花陽の家で聞かせてもらったCD、やっぱりすごくよかったわ…。お金ためてなんとかゲットしないと)

にこ(そういえば、今週の休日はどっちも友達と過ごしたのね……μ’sに入る前には考えもしなかった幸せだわ)ウンウン

にこ(……って、幸せとか思ってる場合じゃなかった。…早く絵里に返事しないと…でもどうすれば……)

―――
――


にこ「結局返事は思いつかないし、考えすぎで寝不足になるし、最悪だわ……」ハァ

にこ(絵里には申し訳ないけど、やっぱり返事はもうちょっと考えてから…)

ガラッ

絵里「にこ!」

にこ「!?」ビクッ

200: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 13:33:03.55 ID:+H1m77Dw0
にこ「ど、どうしたの、絵里?」

絵里「ちょっとこっち来て。早く」グイッ

にこ「は? な、なんなのよ…」


絵里「……ここらへんでいいわね」

にこ「急にどうしたの? こんな人気のないとこに連れて来て……せめて鞄くらい教室に置かせてほしかったんだけど」

絵里「それはごめんなさい。ただ、ちょっと聞きたいことがあるの」

にこ「聞きたいこと?」

絵里「にこ、あなた海未と付き合ってるの?」

にこ「」

にこ「な、なんでそんなこと聞くの?」

絵里「さっき、職員室に行ったときに廊下で誰かがそんなことを話しているのを聞いたのよ。通りすがりの一瞬だったから、顔までは見てなかったけど」

にこ「誰がそんなことを……」

にこ(……あ、でもなんか、少し嫌な予感はするけど…)

202: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 13:37:41.84 ID:+H1m77Dw0
にこ「…ま、そんなのただの噂よ。気にしないで」

絵里「……本当に噂なのよね?」

にこ「もちろん。大体、海未とにこじゃつりあわないでしょ」

絵里「それについてはノーコメントだけど……火のないところに煙は立たないって言うわよね」

にこ(……まぁ普通に考えて、あの、海未に告白したとかいう下級生の子でしょうね…)

にこ(しかし海未がにこのことを好きって言っただけで、なんで付き合ってるとかいう話になるのよ……あ、でも一瞬だし、絵里の聞き違いって可能性もあるのね)

にこ(何はともあれ、海未と他言無用って約束した以上、このことを絵里に話すわけにはいかない…)

204: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 13:42:34.75 ID:+H1m77Dw0
にこ「それはほら、あれでしょ? μ’sの仲間だし、一緒にいることも多いから、そういうことを誤解する子もいるのよ、多分」

絵里「…でも、にこと海未っていうのは少し不自然な気がするんだけど…学年も違うし」

にこ「そんなこと、にこに聞かれたって分かんないわよ」

にこ「えっと……それに、もしかしたら、そういう想像をしてるだけかもしれないし。アイドル好きの中には、自分の好きなメンバー同士を妄想の中でくっつけて楽しんでる人も、結構いるしね」

絵里「……それならいいんだけど」

にこ(なんとか誤魔化せたみたいね……しかし、罪悪感がすごい…)

にこ「じゃぁ教室に戻りましょうか」

絵里「ええ。………この噂、変に広がったりしないといいんだけど」

にこ「大丈夫でしょ。誰だか知らないけど、まさかその子も言いふらしたりするようなことはしないって」

絵里「…それもそうね」

205: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 13:48:47.94 ID:+H1m77Dw0


―一週間後―


凛「にこちゃん! にこちゃんが、かよちんと真姫ちゃんと海未ちゃんに三股かけてたって本当!?」

穂乃果「あとあと、μ’sのメンバーをとっかえひっかえって噂も聞いたけど、そんなことしてたの!?」

にこ「んなわけないでしょ!? というか、穂乃果のにいたっては、あんたもμ’sのメンバーなんだから嘘だってことくらい分かりなさいよ!」

穂乃果「あ、そっか!」

にこ「まったく…」ハァ

凛「じゃぁ凛のほうのはどうなの!? まさかにこちゃん、本当にかよちんたちを…」

にこ「それも嘘に決まってるじゃない…、……まさかあの噂がここまで広がるなんて…」

絵里「だから言ったじゃない…」

希「まぁこの年頃の女の子は、噂話とかもつれた何角関係とか、そういうの大好きやろうし、噂が広まんのも早かったんやろなぁ」

にこ「それにいつの間にか尾びれも付きまくってるし…」

海未「二年のほうにも流れてきていますし……」

ことり「校内でのμ’sの知名度が高くなってたことが逆に災いしちゃったんだね…」

206: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 13:54:39.25 ID:+H1m77Dw0
にこ「まったく…最悪よ……」

海未「では、にこ、介錯をお願いします。私は切腹しますので」

にこ「あ、うん……って、なに軽いノリでやろうとしてんのよ!! ダメに決まってるでしょ!」

海未「しかし、こうなったのはすべて私の責任で……」

にこ「あーもう、だからあんたのせいじゃないってば。どう考えたって、この噂を流した張本人のせいでしょ」

にこ「というか、こうなった以上、悪いけどみんなには全部説明するわよ」

海未「それはもちろんです。取り返しのつかないことになったら大変ですし…」

にこ(海未が言うと、本当に重く聞こえるわね…)

絵里「で、その海未の“責任”っていうのは、どういうことなの?」

にこ「あー……実はね」

207: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:01:14.44 ID:+H1m77Dw0

―――――

絵里「……なるほどね」ハァ

ことり「あの告白、割と大変なことになってたんだね……」

穂乃果「けど海未ちゃんも内緒にするなんて水臭いよ! ちゃんと話てくれれば私たちだって協力したのに」

海未「それは……みんなに迷惑をかけたくなかったので…」

穂乃果「じゃぁどうしてにこちゃんには?」

海未「えっ……そ、それは…」

にこ「にこが無理やり聞き出しちゃったのよ。なんか元気ないように見えたから」

海未「あ、いや、無理やりなんてことは…」

希「まぁそれはさておき。どうするん? 噂はこのまま放っておく?」

絵里「人の噂も七十五日って言うし……このまま放っておけば、自然と消えていくとは思うんだけど」

208: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:06:31.21 ID:+H1m77Dw0
絵里「その……三人は大丈夫?」

花陽「わ、私はなんとか……すごく質問されるけど、凛ちゃんがフォローしてくれてるから…」

真姫「私も平気。元々あんまり話しかけられることなかったし。ちょっと視線が鬱陶しいけど」

海未「私はそもそも自業自得なので……」

希「にこっちのほうは、何か困ったこととかない?」

にこ「…まぁ、特には……」

希「……そっか。ならこのまま放置って方向でええね。幸い、女子校っていう空間やからか、女の子同士なのにーとかそういうことは聞こえてこーへんし」

穂乃果「しかもなんでかイメージダウンにはなってないんだよね……普通、三股とか最低だと思うんだけど……当の本人のにこちゃんも女の子だからかな」

にこ(そのことが一番驚きだけどね…)

絵里「じゃ、いつまでもこんな話してるのもなんだし、練習始めましょうか」

八人「はーい」

209: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:11:45.26 ID:+H1m77Dw0

―――――

にこ(困ったことはない…って、言ったものの、やっぱりクラスメイトとか後輩とかに、いちいち質問攻めにされるのはさすがに参るわね…)ハァ

にこ(…というか、μ’sのメンバーって本当に人気なのね……なんか不幸の手紙みたいなのも机に入ってたし…)

にこ(μ’s全体のイメージダウンにはつながらなかったからいいけど、にこに対しては風当たりが冷たくなったような気がする……自業自得だけど)

にこ「……はぁ」

210: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:16:33.45 ID:+H1m77Dw0

―――――

にこ「じゃ、今日ちょっと夕飯の支度しないといけないから、先に帰るわ」

穂乃果「お疲れ様ー」

凛「また明日にゃー」

パタン


希「…にこっちって、分かりやすいよなぁ」

ことり「うん、それはずっと思ってた。明らかに、何か困ったことがあるって顔してるもんね」

真姫「ま、そりゃ誤解とはいえ、三人と付き合ってるって思われてるんだもの。色々と周りが騒ぎ立ててるんでしょ。悪意があるにしろ、ないにしろ」

花陽「や、やっぱり早めに誤解をとかなきゃダメだよね…」

絵里「……というよりね、思ったんだけど、いっそのこと、一人にしぼればいいんじゃないかしら」

凛「にゃ? どういう意味?」

絵里「誰か特定の子と付き合ってしまえば、噂なんて消えていくんじゃないかなって」

希「いやー……でもそれは、にこっちが嫌がるんちゃう? アイドルは恋愛なんてーとか、いつも言うてるやん」

211: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:27:26.29 ID:+H1m77Dw0
絵里「それでも今の状態よりはマシだと思うわ。まぁにこに協力するよう言っても、絶対聞いてはくれないだろうから、その方向ではいけないけど」

希「え、ということは…」

穂乃果「そっかぁ………うん、そうだよね。よしっ、その路線でいこう!」

海未「いこうって……穂乃果、意味分かってるんですか?」

穂乃果「ほぇ?」

希「にこっちの協力なしでいくってことは、誰か一人が本当ににこっちと付き合うことになる…って、ことやんな?」

絵里「ええ、まぁ、そうね」

絵里(μ’sの中の誰かじゃなくてもいい気はするけど……みんな、普通にμ’sの中の誰かしかいないって思ってるのね…。まぁ…こんなこと言ったら可哀想だけど、にこの交友関係はあまり広くないし、妥当ではあるけど)

穂乃果「うん、ちゃんと分かってるよ。大丈夫、私に任せて!」

ことり「任せてって言われても…」

海未「あのですね、穂乃果。にこをこの状態から救いたいからといって、そんな気持ちでにこと付き合おうとするのは、にこに失礼なのでは…」

穂乃果「あ、大丈夫。私、にこちゃんのこと好きだから!」ニコッ

海未「……………えっ?」

212: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:33:19.26 ID:+H1m77Dw0
絵里(…穂乃果ってにこのこと好きだったのね……全然気づかなかった…)

穂乃果「これなら問題ないよね?」

海未「ソ、ソウデスネ」

穂乃果「なんで片言なの?」

海未「い、いえ、なんでも……」

穂乃果「じゃぁ私、これから頑張るね……って、ああ! 忘れてた! 今日、店番頼まれてたんだった!!」

ことり「あ、あの、穂乃果ちゃ

穂乃果「ごめんことりちゃん、海未ちゃん! 私、先に帰るね! みんなまた明日!」ダダダッ

パタン

絵里「……嵐のように去っていったわね」

希「よほど急いでたんやねぇ…」アハハ

凛「…穂乃果ちゃんが言ったこと、本当なのかな?」

花陽「さ、さあ……どうなんだろう…」

絵里「……まぁ、穂乃果の本意はともかくとして、私から提案しておいてなんだけど、今回の対応についてはみんなに任せるわ」

絵里「最初に決めたとおり、スルーして自然と噂が消えるのを待つのもいいし…私が言ったことでも、他にいい考えがあるなら、それを実行しても構わらないと思うから。ただ、これ以上事態が悪化するのは、あまりよくないけど」

213: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:35:38.61 ID:+H1m77Dw0
希「各人にお任せってことやね」

真姫「ま、明確に何かをするって決めるよりは、そのほうがいいでしょうね」

海未「そうですね」

花陽「わ、私もそう思います」

凛「凛も異議なーし」

ことり「うん、ことりも」

絵里「じゃぁ決まりね。……それじゃ、帰りましょうか」

絵里(……前に希が言ってた通り、本当に大変なことになってきたわね……。こんな事態はさすがに予想してなかったわ)ハァ

216: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:49:26.43 ID:+H1m77Dw0

―――
――


にこ(眠い……、昨日はあんまり眠れなかったし…)コシコシ

にこ(このままじゃ一時間目の授業で寝ちゃいそうで怖い…)

穂乃果「にこちゃん、おはよう!」

にこ「ああ、うん……って、穂乃果? …なんで三年の下駄箱の前に?」

穂乃果「いや、ちょっと通りかかったから。ね、にこちゃんの教室までついてっていい?」

にこ「別にいいけど」

穂乃果「やった!」

218: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:56:36.12 ID:+H1m77Dw0


穂乃果「それでね、本当はそれは猫ちゃんじゃなくてワンちゃんだったってことが分かったの!」

にこ「なにそのシュールな話…」

にこ「…って、気が付いたら教室ね」

穂乃果「うん。じゃぁにこちゃん、またね!」ブンブンッ

にこ「ん、また」ヒラヒラ

にこ(…しかし、なんか今日の穂乃果はやけにテンション高かったわね…)


ガラッ


絵里「あ、にこ、おはよう」

にこ「おはよ」

絵里「…さっき、窓から穂乃果の姿が見えたけど……話してたの?」

にこ「下駄箱のとこで偶然会ったから、ここまで一緒に来たのよ」

絵里「そう。……あ、そういえば今日提出の宿題ちゃんとやった?」

にこ「えっ、提出今日だっけ?」

絵里「そうよ。出来てないなら、急いでやったほうがいいんじゃない?」

にこ「う、うん」

にこ(あー、すっかり忘れてた…)

絵里「…」

219: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:00:47.83 ID:+H1m77Dw0
にこ(提出するのって確か三時間目よね……それまでになんとか終わらせないと…)カリカリ

ピリリリッ

にこ(…って、こんなときにメール?)

にこ「誰からよ……」ピッ


>>220

221: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:21:26.40 ID:+H1m77Dw0
にこ(海未? こんな時間に珍しい……というか、海未からメールがくること自体が珍しいわね)

にこ(本当は宿題しなきゃならないけど……もしかしたら急用かもしれないし、一応見るだけ見ときましょ)ピ


メールの内容(ざっくりとしたものでも大丈夫です)

>>222

222: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:33:40.40 ID:Gu0c5IeS0
今日の練習後の予定について

223: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:42:43.84 ID:+H1m77Dw0
にこ(『今日の練習の後、何か予定はありますか?』……確か、なにもないわよね)ピ、ピ

にこ(よし、送信っと)

希「にこっちー、早く宿題せんと授業始まってしまうよ?」

にこ「わ、分かってるわよ」カリカリ

希「そこ、間違てるよ?」

にこ「えっ」

希「……教えよか?」

にこ「……よろしくお願いします」ペコリ

224: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:50:08.81 ID:+H1m77Dw0
希「はいはい」

ピリリリッ

にこ「あ、ごめん、ちょっとメール」ピ

希「んー」

にこ(海未からさっきの返事ね……って、長っ! なにこの文章の長さ……よくこの短時間でうてたわね…)

にこ(……とりあえず要約すると、あの噂の件で迷惑をかけちゃったから、そのお詫びになにかおごると…そういうことね)

にこ(海未って本当に律儀というか、まじめというか…)ピ、ピ

希「海未ちゃんってほんま、律儀やねぇ」

にこ「まったくよ……って、なに人のメール勝手に見てんのよ!?」

希「いや、やって角度的に見えるから、つい…」

にこ「ついって……まったく…」

225: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:59:38.95 ID:+H1m77Dw0
希「にこっち、今日は海未ちゃんと放課後デートやね」

にこ「はいはい、そうね。けど本当におごってもらったりはしないわよ。悪いし」

希「でも海未ちゃんの性格的にそれで納得するかな」

にこ「まぁ納得してもらえるように何とかするわよ。それより急いで宿題しないと」

希「あ、そやったね。じゃぁまずはこの問題から…」

―――――

―昼休み―


にこ「さて、お昼ね」


アノウワサ、ホントウナノカナー ヤザワサン、ミカケニヨラズアソビニンナンダネー


にこ(……なんとなく教室は居心地が悪いわね…)

にこ(とりあえずどこか行きましょう)ガタ

226: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 16:08:37.57 ID:+H1m77Dw0
にこ(…なんか前にも似たようなことがあったような気がするけど…)

にこ(どこに行こうかしら…)


>>227

1.部室
2.屋上
3.その他(場所指定)

227: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 16:08:48.18 ID:1ztV+sfuo
生徒会室

228: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 16:37:30.83 ID:+H1m77Dw0
にこ(生徒会室に行ってみましょう)

テクテク

にこ(……って、よく考えたら仕事中かもしれないのよね。希たち、昼休みが始まるなりどこかに行っちゃったけど、多分生徒会室だろうし)

にこ「…とりあえず忙しそうだったら帰ればいっか」

コンコン

希「はーい」ガチャ

希「あれ? にこっち? どうしたん?」

にこ「あー……今、忙しい?」

希「いや、今はそんなにかなぁ。昼休み中に先生が来る言うてたから、一応ここで昼食とってたんやけど」

希「あ、ひょっとしてにこっち、一人で寂しかったん?」ニコ

にこ(図星なだけに余計腹立つわね……)

希「いやー、にこっちも可愛いとこあるなぁ。じゃ、ここで一緒に食べよか」

にこ「……ま、まぁ、食べてあげてもいいけど」

希「はいはい。エリちもええやんな?」

絵里「ええ、もちろん」

にこ(そ、そういえば絵里もいるんだった……なんか、あの噂のせいでこの一週間頭を悩ませてたけど、絵里の告白のこともそろそろ考えないと…)

229: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 16:43:16.36 ID:+H1m77Dw0

―――――

希「相変わらずにこっちのお弁当は手作り感満載やねぇ」

にこ「それ、褒めてるの…?」

希「もちろん。あ、卵焼きもらっていい?」

にこ「ん。代わりに卵焼きもらうけどね」

絵里「じゃぁ私も卵焼きと卵焼き交換しましょう」

にこ「うん……って、この交換無意味じゃない…?」

希「最初にやりだしたんはにこっちやけどね…あれ、ウチってことになるんかな。まぁええやん、こういうのも」

希「…なんか最近、色々大変やろうし」

にこ「……」

にこ(なんとなく、希には全部バレてる気がするから嫌ね…)

230: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 16:56:35.08 ID:+H1m77Dw0
にこ「…あ、そういえばこの後、ここに先生来るのよね?」

絵里「ええ。なんだか話があるらしくて」

にこ「じゃぁさっさと食べて教室戻るわ」ガツガツ

希「そんなガツガツ食べてるとこ誰かに見られたら、ファン減ってまうよ?」

にこ「今はプライベートだからいいの」

希「意外と割り切ってんのやね」

絵里「ああ、ほら、急いで食べるから、ほっぺたにご飯粒までついちゃってるわよ」ヒョイ

にこ「うぇ、あ、ご、ごめん」

にこ(全然気づかなかった……これはさすがにアイドル云々以前に、高校生として恥ずかしい…)

希「ふふ」ニコニコ

にこ「……なによ、そのにやけ面」

希「いやぁ、仲良しやなぁって」

にこ「な、仲良くなんかないわよ!」

絵里「えっ…」シュン

にこ「あ、い、いや、今のは言葉のあやで…」

にこ(ああもうやりにくい…!)

絵里「なんて、冗談よ。こんなことでいちいち落ち込んでたら、にこの友達なんてやってられないわ」

にこ「……悪かったわね、めんどくさい性格で」

232: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 17:03:31.43 ID:+H1m77Dw0
絵里「別に悪口じゃないんだから、拗ねないでよ」

絵里「それより本当に食べるの早いわね」

希「途中から来たのに、ウチらと同じタイミングで食べ終わったもんなぁ」

にこ「まぁ生徒会室に一般生徒が入り浸ってたら、色々注意されそうだし」ガタ

絵里「え、もう戻るの?」

にこ「言ったじゃない。さっさと戻るって」

絵里「じゃぁ教室まで送っていくわ」

にこ「…なんでよ」

絵里「いや、なんとなく」

にこ(……今はあんまり学校で誰かと一緒にならないほうがよさそうだけど。特に絵里だし)


>>233

1.提案を受ける
2.断る

233: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 17:04:17.57 ID:Sn7KFqUQ0
2

234: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 17:14:45.62 ID:+H1m77Dw0
にこ「別にいいわよ。途中で先生が来たら大変でしょ」

絵里「それはそうだけど…」

にこ「じゃ、仕事頑張ってね」

絵里「……ええ。じゃぁまた後で」

―――――

にこ(絵里には今度ちゃんと話す機会を作らないと)

にこ(…というか、本当に早く食べすぎたわね。お昼休みが終わるまでもう少しあるから、どこかに寄っていこうかしら)

にこ(…教室なら誰かと二人きりになるってことないわよね)


>>235


1.一年教室
2.二年教室
3.噂が恐いので大人しく教室に戻る

235: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 17:15:21.31 ID:Fisypw5+o
2

236: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 17:30:06.38 ID:+H1m77Dw0
にこ(ここから近いし、二年生の教室に行きましょう)テクテク


にこ(……あ、けど海未の名前は呼ばないほうがいいわよね…多分)

にこ(とりあえず適当に穂乃果を探して…)ヒョコッ、キョロキョロ

穂乃果「あっ」

にこ(あ、いた…ついでに目があった)

穂乃果「にっこちゃーん!」ブンブンッ

にこ(ばっ……! な、なんでわざわざあんな大声で!)

ザワザワ…

にこ(あああ……変に注目されちゃってるし…。も、もうこうなればヤケよ…周囲の視線は気にしない方向で)

穂乃果「にこちゃーん、どうしたの? お昼休みに来るなんて珍しいね?」タッタッタッ

海未「何かあったんですか?」

ことり「μ’sの連絡事項かなにか?」

にこ(やっぱりこの三人はセットよね…よかった)

にこ「いや、ちょっと暇だったから……ひょっとしてご飯食べてる最中だった?」

穂乃果「んーん。ちょうど食べ終わったとこ」

237: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 17:37:55.33 ID:+H1m77Dw0
穂乃果「ね、にこちゃん。お昼休みが終わるまでお話しよーよ」

にこ「ええ。というか、そのつもりで来たんだし」

穂乃果「わーいっ」

海未「……」

ことり「海未ちゃん? どうかしたの?」

海未「いえ、なんでも…」チラ

にこ(なんかすごい海未の視線を感じるんだけど……)

穂乃果「よし、じゃぁ教室入ってよ! さっき三人で読んでた雑誌があるんだよ」

にこ「え、いや、けど違う学年の教室に入るのはちょっと…」

ことり「あ、それなら大丈夫だよ」

穂乃果「にこちゃんの見た目は二年生でも十分通るもんね!」

ことり「いや、そうじゃなくて…今は先生もいないし、注意する人もいないと思うから」

穂乃果「あ、そっちね」

238: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 17:47:42.98 ID:+H1m77Dw0
にこ(まぁこうやって扉の前でたむろってるよりは、中に入るほうがマシかも)

穂乃果「ほら、こっちこっちー」グイッ

にこ「ひ、引っ張らなくてもついてくわよ」


穂乃果「はい、到着ー……って、あれ? ここに雑誌おいてたはずなんだけど…」キョロキョロ

ことり「あ、持っていかれちゃってるね。ほら、あそこ」

穂乃果「えぇっ、なんで持ってかれてるの!? ちょっと返してもらってくるね。ことりちゃん、いこー」タッタッ

ことり「え、わ、私も?」タッタッ

にこ(穂乃果っていつも元気ね…)

海未「あの、にこ」

にこ「ん?」

海未「先ほどのメールの件なんですが…」

にこ「ああ……放課後のことでしょ?」

海未「はい。…つい誘ってしまいましたが、迷惑ではなかったですか?」

にこ「迷惑なわけないじゃない」

海未「しかし…あの後考えたんですが、今の状態で私とにこが一緒にいるのはあまりよくないんじゃないかと…」

にこ(メール送ったときは考えてなかったのね……やっぱり海未って変なとこで抜けてるわ…)

239: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 17:54:41.72 ID:+H1m77Dw0
にこ「校内ならともかく、さすがに放課後まで人の目に怯えてたら、普通の生活が出来なくなっちゃうわよ」

海未「……それもそうですね。では、どこに行きたいか考えていてください」

にこ「ん、分かった。……あ、穂乃果たち戻って来たわね」

穂乃果「にこちゃん、ほらこれこれ、このページ!」ジャーン

にこ「このページって……ああ、よくある恋愛マニュアルとかの特集記事ね」

ことり「やっぱり、にこちゃんはこういうの興味なさそうだね」

にこ「だって恋愛とかあんまり興味ないし、そもそも嘘くさいじゃない」

穂乃果「えー、結構面白いよ? ほら、相手にグッとくる告白のやり方100選とか」

にこ「100選って……多すぎでしょ」

穂乃果「ね、にこちゃんはどのセリフで告白されたい?」

にこ「別にどれでもいいわよ」

穂乃果「むぅ…つまんない」

にこ「というか、穂乃果ってこういうのに興味あったのね」

穂乃果「そりゃ私も年頃の女の子だもん。ことりちゃんだって海未ちゃんだって、興味津々だよね?」

ことり「まぁ人並みには」

海未「私は別に…」

穂乃果「ほら、ことりちゃんもああ言ってるし」

にこ「海未はああ言ってるけど」

240: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 18:00:58.69 ID:+H1m77Dw0
穂乃果「もうっ、二人ともちょっとは女の子したらいいのに」

海未「女の子=恋愛というわけでもないでしょう」

穂乃果「そんなの暴論だよ!」

ことり「ごめんね、穂乃果ちゃん。ことり、今のは正論だと思う」

穂乃果「ことりちゃんにまで裏切られた…!」ガーンッ


にこ(恋愛ね…)パラパラ

にこ(絵里といい、噂のことといい、最近はこの手の話に振り回されてばかりね)

にこ(正直、誰かと付き合うとか誰かに恋をするとか、今まであんまり考えたことなかったけど……さすがにもう高校三年生だしね……いや、けどアイドルは恋愛禁止……でもスクールアイドルならいいのかしら……なんか訳分かんなくなってきたわ…)ペラ

穂乃果「……にこちゃん、なんか真剣に雑誌めくってるね?」

にこ「いや、全然意識は雑誌に向いてなかったけど…」

穂乃果「そうなの? …あ、でもこれを見て考え事ってことは、ひょっとしてにこちゃんも恋愛してみようって気になってきたとか?」

にこ「だから興味ないっての」パタン

穂乃果「ちぇー」

241: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 18:08:01.01 ID:+H1m77Dw0
穂乃果「恋愛したくなったら、いつでも私が相手になるからねっ」パチッ

にこ「ああ、今のウインクはいいわね。今度のPVで取り入れてみたら?」

穂乃果「ちょっ、私の発言、軽くスルーしなかった?」

にこ「あんたと付き合うくらいなら…えっと、ことりのほうがいいわ」

にこ(今ここで海未の名前を出すのは、さすがにちょっと笑えない気がする…)

ことり「え、ことり? …えへへ、そう言ってもらえると嬉しいなぁ」

穂乃果「私はフラれて傷ついたよ…。うぅ…海未ちゃぁーん…慰めてー…」シューン

海未「そんなに本気でしょんぼりしなくても…。……私もフラれたようなものですよ、名前出ませんでしたし」

にこ「いや、海未は、ほら…た、高嶺の花だし。にこにはもったいないっていうか」

にこ(…とりあえずこう言っておけば少しは噂も収ま……れば、いいなぁ…)

ことり「じゃぁことりはそこらへんの道端に咲いてる花ってことだね」ニコー

にこ「そういう言い方をされると、なんかにこが最低な奴みたいなんだけど…」

244: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 18:24:46.70 ID:+H1m77Dw0
ことり「冗談だよ。にこちゃんが選んでくれて本当に嬉しいもん」

にこ「いや、選んだってほど大げさなことでも…」

穂乃果「もー、にこちゃんってばことりちゃんとばっかり…」ムゥ

海未「まぁいいじゃないですか。それよりこの雑誌に書いてあることは、あまり参考にしないほうがいいと思いますよ」

穂乃果「なんで?」

海未「嫌よ嫌よも好きのうち、押してダメなら押しまくれ、恋愛は一に押し・二に押し・三四五もすべて押し……どう考えても偏った知識です」ペラペラ

穂乃果「え、でも好きな人に振り向いてもらうためにはそれが一番じゃないの?」

海未「……改めて、穂乃果の将来が少し心配になりました」

245: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 18:29:18.63 ID:+H1m77Dw0
海未「それより、にこ」

にこ「ん?」

海未「そろそろ昼休みが終わりますよ」

にこ「え、ほんとに?」

海未「ええ。恐らくあと五秒ほどでチャイムが……、あ、今鳴りましたね」

にこ「ちょちょっ、じゃ、じゃぁまた部室で!」ダッ

海未「あ、ですからにこ、走ってはいけませんってば!」

にこ「くっ……」スタスタスタスタッ

ことり「す、すごい早歩き…」

穂乃果「にこちゃんファイトー」

にこ(海未の頭のかたさは、やっぱりどうにかしたほうがいい気がする…)スタスタ

―――――

ガラッ

にこ「すみません、廊下走るのやめて早歩きにしたら遅れました!」

担任「はい、じゃぁ廊下に立って反省してください」

にこ「はいっ」


絵里(に、にこ…)

希(なんでウチらより先に戻ったはずなんに、遅刻してんのやろ…)

247: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 18:47:57.27 ID:+H1m77Dw0

―――
――


海未「すみません。放課後にわざわざ時間をいただいて」

にこ「いや、別に。…というか、穂乃果たちはよかったの?」

海未「はい。用事があると言ってきましたので」

にこ「ふーん。じゃ、行きましょうか……って、言いたいんだけど、まだどこに行くか決めてないの」

海未「どこでもいいですよ。にこの好きなところで、好きなものをおごりますから」

にこ「んー…」

にこ(海未におごらせる展開にはしたくないから……出来るだけ安いとこにしないと)

にこ(真姫ちゃんと花陽と遊んだ時に、お小遣いが軽く吹き飛んでいったし……今月はもう余計な出費は控えたいし)

にこ「じゃぁ、ほら。この近くにアイス屋さんがあったじゃない。あそこ行きましょう」

海未「…そこって、安くて有名な場所じゃありませんでした?」

にこ「気のせいよ」

248: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 18:53:16.70 ID:+H1m77Dw0
海未「……にこ、お金の心配ならしないでください。変に気を使われると、そのほうが心苦しいです…」

にこ(と、言われても…)

にこ「えっと………じゃぁ、あの、ドーナツとか、で」

―――――

海未「本当に一つだけでよかったんですか?」

にこ「あんまり食べすぎると夕飯食べられなくなるしね」

にこ(アイスよりは高くなっちゃったけど、まぁこれくらいならなんとか)パク

海未「……あの、今回は本当に、巻き込んでしまってすみませんでした」ペコリ

にこ「まだ気にしてたの? そんなに気ばっかり使ってるとハゲるわよ」

海未「は、はげ…」

にこ「ともかく、これ以上気にしないでよ。協力するって言ったのはにこなんだから」

海未「……ありがとうございます」

259: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 00:01:49.84 ID:r3fDvKZw0
にこ「じゃ、海未はもう今回の件をいつまでも謝ったりしない。オッケー?」

海未「はい」

にこ「じゃ、ここも割り勘ね」

海未「えっ、そ、それとこれとは話が別です!」

にこ「別じゃないわよ。これってお詫びのつもりだったんでしょ? だったらもうその必要もなくなるじゃない」

海未「しかし…」

にこ「あーもー反論はいいから。ほら、さっさと食べて帰るわよ」

海未「え? …もしかして何か用事があったんですか?」

260: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 00:05:23.30 ID:r3fDvKZw0
にこ「そうじゃなくて、海未のほうがあんまり遅くなると怒られたりするんじゃないの?」

にこ(なんとなく、イメージ的に門限とか決めてそうな家だし)

海未「……、そうですね」モグモグ

にこ(急に大人しく食べ始めたわね…)

―――――

海未「今日はありがとうございました」ペコリ

にこ「お礼を言われるようなことは何もなかったけどね。ただ一緒にドーナツ食べただけ」

海未「……にこは優しいですね」

にこ「な、なによ急に」

海未「ずっと思っていたことです。こんなことを言うのもなんですが、今回のことでにこのことを知ることが出来てよかったです」

にこ「……あ、そう」

にこ(海未ってまっすぐこっちの目見て話すから、余計照れくさくなるのよね…)

261: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 00:06:58.98 ID:r3fDvKZw0
にこ「べ、別に優しくなんてないわよ。それより、さっさとなくなるといいわね、噂」

海未「……あの」

にこ「ん?」

海未「にこは……その…やっぱり迷惑ですか…? あの噂のこと」

海未「………私と、そういう風に見られることは…やっぱり嫌ですか?」

にこ「えっと…」

にこ(…つまり、海未と付き合ってるって思われるのが嫌かどうかってこと? …そんなの聞いてどうするのかしら)

262: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 00:08:40.14 ID:r3fDvKZw0
海未「……」ジ

にこ(とはいえ、答えないわけにもいかないわよね…)

にこ「>>263」


1.別に嫌ではないわよ
2.ちょっと嫌かも
3.海未はどうなの?

263: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 00:09:10.78 ID:a9GFLmX20

265: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 00:21:14.98 ID:r3fDvKZw0
にこ「海未はどうなの?」

海未「え……わ、私ですか…?」

にこ「にこだけ答えるのはなんか恥ずかしいし、海未のほうから聞きたいなぁ、なんて」

にこ(ま、こう言っておけば、海未は恥ずかしがって答えないだろうし、これでにこも答えなくていい。ちょっとズルいけど、完璧な手だわ)

海未「…………私は、嫌じゃないです…」

にこ「……え?」

にこ「い、いや、でも、にこが相手なのよ? しかも三股よ?」

海未「…まぁ、三人相手というのは、もちろん嫌ですが……」

にこ「……」

海未「…っ……」

にこ(な、なに、その反応…)

海未「…にこが相手だということは、嫌じゃないです」

にこ「そ、そう…えっと……、さすが海未は優しいわね! 女の子にモテるのも納得だわ」ウンウン

海未「……そんなんじゃ、ないですよ」

266: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 00:28:02.56 ID:r3fDvKZw0
にこ「いや、そう謙遜しないで。その調子でどんどんμ’sに女性ファンを……」

ギュ

にこ「って、海未? …あの、腕掴まれると痛いんだけど…」

海未「す、すみません。ただ、にこにちょっとお願いがあって…」

にこ「お願い?」

海未「……もう少しだけ、私に時間をくれませんか? …は、話したいことがあるんです…」

にこ「話したいことって?」

海未「それは……、時間をいただけたら、答えます」

にこ(なんだろ……なんか、やけに深刻そうだけど。……でもなんか嫌な予感もする…)


どうしますか?

>>267

1.時間を作る
2.やっぱり帰る

267: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 00:29:07.35 ID:ZlwBbeDZo

269: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 00:43:35.76 ID:r3fDvKZw0
にこ「…じゃぁちょっとだけ」

海未「あ、ありがとうございますっ」パァッ

にこ「で、話って?」

海未「……あの、ですね……にこは、あの噂を消したいと思ってるんですよね?」

にこ「まぁそりゃね」

海未「…な、なら………私と付き合いませんか?」

にこ「……………ん?」

270: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 00:52:24.72 ID:r3fDvKZw0
にこ(待って、どうしてそうなったの……、……ダメ、さっぱり分からない)

海未「……ダメですか?」

にこ「い、いやいや、そうじゃなくて……あ、あの、どうしてそうなったの?」

海未「えっと、その……一人の人と付き合えば…三人に手を出しているという噂も消えるんじゃないかと……」

にこ「…その方法、海未が考えたの?」

海未「……いえ」

にこ(正直ね…。ま、どうせ絵里か希のどっちかでしょ)

にこ「あのね、噂を消すためだけに付き合うとかバカみたいじゃない。噂が消えたら別れるんだし、そうなったらますます面倒くさいことになるわよ」

海未「……じゃぁ、別れないでいればいいじゃないですか」

にこ「え?」

海未「噂が消えてもずっと付き合っていれば問題ないんですよね?」

にこ「い、いやいやいや………え、え? 海未って…にこのこと、好きなの?」

海未「…はい。お慕いしてますよ」

にこ(ええええぇぇ………嘘でしょ…あれ、なんで……そんな素振り、全然なかったわよね…気づかなかっただけ…?)

271: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 00:58:06.49 ID:r3fDvKZw0
にこ「えっと……」

海未「……あ、あのっ、返事は今すぐにじゃなくていいですから…! 考えて決めてくれると、嬉しいです…」

にこ「あ、う、うん…分かった」

海未「……」

にこ「……」

にこ「…あの、ひょっとして話って、これ?」

海未「そ、そうですけど…」

にこ(…じゃぁにこ、もう帰ってもいいのかな……ああ、けど…)チラ

海未「…」

にこ(無自覚なのかもしれないけど、海未にがっちり腕掴まれてるせいで、動けないのよね…)

272: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 01:07:45.14 ID:r3fDvKZw0
海未「……」

にこ「あ、あの、海未? 申し訳ないけど、そろそろ手、放してもらえない?」

海未「あっ…す、すみません!」パッ

にこ「えっと……じゃ、今日はもう帰るわね」

海未「……はい。あの、今日は本当にすみません…色々と」

にこ「あー、いや…」

海未「………勢いみたいな形で伝えてしまいましたが、私、本気ですから」

海未「本気でにこのこと……、だ、だから、あの………よろしくお願いしますっ///」

にこ「う、うん」

海未「で、では、これで失礼します!」ペコッ、タッタッタッ

にこ「………海未、顔真っ赤だったわね…」

にこ(つまりそれって、それだけ本気ってことで………ど、どうしよう…)

にこ「…絵里のこともまだ解決してないっていうのに……」ハァ

273: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 01:17:46.15 ID:r3fDvKZw0

―――
――


にこ「…」グッタリ

絵里「なんか、疲れてる?」

にこ「ちょ、ちょっと寝不足で……」

絵里「ダメじゃない、ちゃんと寝ないと」

にこ「分かってはいるんだけどね…」

にこ(…目を閉じるたびに、海未と絵里の顔が交互に浮かんできて眠れなかったのよ……なんて言えないけど)

絵里「授業が始まるまで、ちょっと寝てたら? 起こしてあげるから」

にこ「……そうするわ。よろしく」

絵里「ええ」

にこ(…とりあえず、なにも考えずに寝ましょう)ギュ

274: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 01:32:54.66 ID:r3fDvKZw0


にこ「…」スースー

絵里「…一分も経たずに寝ちゃうなんて、よほど疲れてたのね」ナデナデ

にこ「ん、にゃ………」モゾ

絵里(可愛い…)


希「エリちー……って、にこっち寝てるん? 珍しい」

絵里「ええ、なんか寝不足だったみたいで」

希「そっかぁ。ふふ、こうしてると可愛いなぁ」

絵里「子供みたいよね。…まぁ、普段からそんな感じだけど」

希「やね。……でもなんか、目のとこクマできてるね」

絵里「あー…寝不足だって言ってたから」

希「んー、にこっちも大変なんやねぇ」ナデナデ

絵里「…そうね」

285: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 09:51:48.01 ID:r3fDvKZw0


絵里「にこ、起きて」ユサユサ

にこ「んー……」パチ…

ピリリリッ

にこ「!」ガバッ

絵里「わっ、び、ビックリした……ちょうどよかったわ。もうすぐチャイムが鳴るわよ」

にこ「あ、うん、ありがとう」

にこ(すごいタイミングのいいメールね…)ピッ

にこ(……あ、>>286からだ)

286: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 09:57:29.30 ID:eJMSmYuR0
(・8・)ちゅん

287: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 10:06:16.07 ID:r3fDvKZw0
にこ(ことりからメールなんて珍しいわね……って、昨日の海未のときにも似たようなこと思ったけど)

にこ(なんだろ…)ピッ


メールの内容(ざっくりしたものでも大丈夫です)

>>288

288: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 10:10:12.10 ID:KV+IqhATo
2人で遊びに行こう

289: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 10:22:07.85 ID:r3fDvKZw0
にこ(『もし、にこちゃんの予定さえよければ、今度二人で遊びに行こうよ』……って、すごい量の絵文字ね…カラフルだわ……じゃなくて、ことりが誘ってくるなんて本当に珍しいわね)

絵里「…誰かからメール?」

にこ「!」ビクッ

にこ(…まぁ、希じゃあるまいし、絵里が他人のメールを覗き見するわけないわよね…)

絵里「そんなにビクつかなくてもいいじゃない」

にこ「あ、あー……いや、うん…ごめん。ちょっとメールに集中してたから、声かけられてビックリしただけ」

絵里「ならいいけど……で、誰からのメール?」

にこ「ことり」

絵里「ことり? それはまた……珍しいわね」

にこ「にこもちょっと驚いてるわ」

絵里「…ねぇ、そのメール、どんな内容

キーンコーンカーンコーン

絵里「……、まぁいいわ。携帯、先生に見つからないうちにしまうのよ」

にこ「ええ」

292: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 10:30:06.44 ID:r3fDvKZw0
にこ(……とりあえず、時間もないし休み時間に直接ことりに会いに行った方が……って、いやいや、それはなんかまずい気がする…)

にこ(…とにかく、一緒に遊びに行くのはオッケーだから、細かいことはあとで部室でっと…)ピッピッピッ

にこ(よし、送信。………しかし、ことりが一緒に遊びたいなんて…なにか相談でも……いや、それならにこよりも先に穂乃果たちよね)

にこ(それじゃぁなにか裏が……って、こんなこと思ったらことりに失礼すぎる…)

にこ(………まぁ考えても分かんないし、放課後を待てばいっか)

293: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 10:40:26.44 ID:r3fDvKZw0


―昼休み―


ことり「にこちゃーん」ヒラヒラ

にこ「」

希「ありゃ? ことりちゃんが三年の教室に来るなんて、珍しいなぁ」

絵里「にこを呼んでるわよ。…さっきのメールと関係あるんじゃない?」

にこ「ちょ、ちょっと行ってくる」ガタ

希「いってらっしゃーい。……あ、噂が四股になってしまわへんように気を付けてな?」

にこ「……今はその冗談、笑えないんだけど」



にこ「ことり!」

ことり「あ、にこちゃんごめんね。お昼時に」

にこ「いや、時間の問題じゃなくて……部室以外でにこと関わると、あんたまで変な目で見られるかもしれないでしょ」

ことり「大丈夫だよ。ちょっと話すくらいで立つような噂ならすぐに消えちゃうだろうし、そもそもことりはあんまりそういうの気にしないから」

294: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 10:44:50.13 ID:r3fDvKZw0
ことり「それより、メールの話、今してもいい?」

にこ「別にいいけど…」

ことり「ありがとう。部室だと、穂乃果ちゃんや凛ちゃんの目に触れちゃいそうだったから」

にこ「あの二人に見られるとまずいことでもあるの?」

ことり「んー……穂乃果ちゃんたちってね、キラキラした目してるでしょ?」

にこ「そ、そうね」

にこ(意味がよく分からないけど…)

ことり「あのキラキラがね、すごく可愛いなって思うの。だからあの二人に頼まれたら、きっと断れないんだよ」

にこ「えーっと……ごめん。もうちょっと分かりやすく言ってくれない?」

ことり「つまり、ことりとにこちゃんが遊びに行くって聞いたら、多分あの二人なら一緒に行きたいって言うと思うの。そうしたら断れなくなっちゃうから」

にこ「あー…」

にこ(なるほど…確かにあの二人なら言い出しそうね。友達と遊ぶのとか大好きって感じだし)

296: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 10:49:38.21 ID:r3fDvKZw0
ことり「みんなには悪いけど、今回はにこちゃんと二人がいいから」

にこ(こんなに二人にこだわるってことは…やっぱり相談事か何かなのかしら…)

ことり「というわけで、時間も限られてるし早速にこちゃんの予定を聞いていい?」

にこ「あ、うん」

にこ(といっても…にこに予定なんて、ほとんど無いんだけど…)

―――――

希「おかえりー。先食べてるよ」

にこ「ん」ガタ

絵里「ことりの用はもう終わったの?」

にこ「まぁね」

絵里「……」ジー

にこ「…なに?」

絵里「別になんでもないけど……あんまり軽率な行動はとらないほうがいいわよ。今は特に」

にこ「わ、分かってるわよ」

299: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 11:07:46.06 ID:r3fDvKZw0
絵里「……」ハァ

にこ(絵里がすごく呆れてる…)

希「まぁまぁ、エリち。そうあからさまな溜息ついたら可哀想やん」

希「にこっちもにこっちなりに精いっぱいなんやし。ね?」

にこ「う、うん…」

希「あ、でもあの噂の内容が、八股なんてことにはならへんように気をつけや」ニコ

にこ(……笑うところなのかしら、これ)

―――
――


絵里「じゃぁ、私たちはちょっと生徒会室に寄っていくから」

にこ「了解ー」

希「一人でもちゃんと部室まで行くんやで」ナデナデ

にこ「…あんたは最近、ちょくちょくバカにしてくるわね」

希「趣味みたいなもんやから。じゃ、またあとで」

にこ「はいはい」

302: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 11:30:49.06 ID:r3fDvKZw0


テクテク

にこ(…絵里だけじゃなくて、昨日の海未のこともちゃんと考えないと)

にこ(……にこには、まだ好きって言える人はいない…。だったら絵里のことも海未のことも断るのが妥当…なのかしら)

にこ(というかそもそも、付き合うって何かすらよく分かんないし……、やっぱり普通は好きって思ってる相手と付き合うものなの? それとも、付き合ってから好きになっていくものなの? ………ああダメだ、全然分かんない…)

にこ(恋愛とかそんなの、大きくなれば分かるようになるって思ってたけど、そんな都合よくいくわけないわね…)

にこ(けど分からないからって、いつまでも先延ばしにするのも…)



どうしますか?

>>303

1.絵里と話をする
2.海未と話をする
3.もう少し考える

303: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 11:31:12.12 ID:yFIV1OnEo
1

305: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 11:45:52.78 ID:r3fDvKZw0
にこ(…うん。やっぱり絵里と話をしよう。…前もそう考えて、結局伸びちゃってるから、思い立ったが吉日ってことで)

にこ(早速メールを……って、生徒会室にいるときにメールするのはちょっと気が引けるわね。絵里のことだから大丈夫だろうけど、万が一マナーモードにしてなかったら大変だし)

にこ(よし、とりあえず部室で絵里に話しかけて、練習後に話をする)グッ

306: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 11:46:21.90 ID:r3fDvKZw0
にこ「頑張るぞ!」

にこ(…って、思わず声が…)


「何を頑張るの?」


にこ(しかも聞かれてるし……>>307に)

307: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 11:48:15.11 ID:4Sqd2CyT0
穂乃果

308: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 11:56:22.36 ID:r3fDvKZw0
にこ「あー……穂乃果も今から部室? というか、あとの二人は?」

穂乃果「ことりちゃんは日直のお仕事で、海未ちゃんは弓道部に寄ってくるって」

にこ「へーそう。じゃぁ一緒に行きましょうか」

穂乃果「うん、行くー」トテトテ

にこ「……」トテトテ

穂乃果「あ、そうだにこちゃん、あのね、さっきクラスでー」

穂乃果「……って! そういえば、さっきの質問に答えてくれてないよね!?」

にこ(あ、さすがに誤魔化せなかった…)

309: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 12:06:06.51 ID:r3fDvKZw0
穂乃果「ねぇ、頑張るって何を頑張るの?」

にこ「…べ、勉強を」

穂乃果「……にこちゃん、つくならもうちょっとリアリティのある嘘をついたほうがいいよ」

にこ「穂乃果に言われるとすごい屈辱だわ…」

穂乃果「…そんな風に秘密にされると逆に気になっちゃうんだけどなぁ」

にこ(と、言われても、本当のことを言うわけにもいかないし…)

にこ「……頑張るっていうのはμ’sの練習のことよ」

穂乃果「μ’sの? 今まで頑張ってなかったの?」

にこ「そんなわけないでしょ。今まで以上に頑張るぞーっていう決意表明よ。…最近、色々迷惑かけてるし」

にこ(まぁこれも嘘じゃないんだけど)

穂乃果「迷惑……にこちゃんもそういうこと気にするんだね…」

にこ「…なによ、その心底驚いてますって顔は」

穂乃果「実際驚いてるしね」

にこ「…にこを何だと思ってんの」

310: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 12:17:47.75 ID:r3fDvKZw0
穂乃果「可愛いと思ってるよ?」

にこ「…真顔で言うのやめてくれない?」

穂乃果「まぁそれはともかく、迷惑なんて気にしなくていいよ。実際μ’sの活動にはなんの影響もないんだし」

にこ「…それならいいんだけど」

にこ(確かに、海未にああ言った手前、にこがいつまでも気にしてるのはよくないわね)

穂乃果「よし、にこちゃん! 今日の練習はいつもより頑張ろうね!」グッ

にこ「ええ!」グッ

穂乃果「じゃぁ部室まで競争しよ!」ダッ

にこ「廊下走ると海未に怒られるわよ?」

穂乃果「だいじょーぶ! バレなきゃ問題なしだよっ」

にこ(…なんかあれね、穂乃果といるとなごむわ)ウン

311: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 12:31:42.97 ID:r3fDvKZw0

―――
――


―練習後―

にこ「あの、絵里」チョイチョイ

絵里「どうしたの? …そんな隅っこで」

にこ「ちょっと話があるから、この後部室に残ってくれない?」

絵里「…ええ、いいわよ。じゃぁにこはいったん部室を出て、こっそり戻って来て」

にこ「え? なんでわざわざそんなことを…」

絵里「念のためにね」

にこ「はあ……、まぁ分かったわ」

312: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 12:38:13.32 ID:r3fDvKZw0

穂乃果「にこちゃん、絵里ちゃん、帰りにみんなでたこ焼き屋さん寄っていかない?」

絵里「私はちょっと生徒会の仕事が残ってるから遠慮するわ」

希「え? ………ああ、そっか、そうやったね」

希「あ、確かにこっちも、今日は放課後になんか用があるって言うてたよね?」

にこ「えっ…え、ええ」

にこ(さすが希……理解するのが早い上に完璧なフォロー……って、なんで分かったのかしら…)

凛「えー、二人とも来れないの? 残念だにゃー…」

絵里「ごめんね。また今度の機会にでも」

にこ「気を付けて帰るのよ」

凛「はーい…」トボトボ

花陽「り、凛ちゃん、そう落ち込まないで…」

穂乃果「じゃぁまた明日ねー」

313: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 12:42:47.93 ID:r3fDvKZw0


パタン

にこ「……部室を出る必要、なくなったっぽいわね」

絵里「そうね。さすが希」

絵里「で、話って? ……まぁなんとなく予想はついてるけど」

にこ「あー……うん。あの、こ、告白…の、ことなんだけど」

絵里「…返事が決まったの?」

にこ「……ん、一応」

絵里「じゃぁ聞かせてもらおうかしら」

にこ「…」

314: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 12:44:57.95 ID:r3fDvKZw0
どう答えますか?

>>316

1.絵里と付き合う
2.断る
3.もう少し考えさせてほしい
4.その他(指定)

316: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 12:47:51.87 ID:F/95vrCso
4 希

332: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 13:06:33.53 ID:r3fDvKZw0
にこ(恋愛とかまだよく分かんないけど、もし万が一、今の状態で誰かと付き合うってことになったら………多分、その相手は絵里じゃない)

にこ「絵里…ごめん。…私は、絵里とは付き合えない」

絵里「……」

にこ「一週間以上も待たせてごめん。本当にごめ…」

絵里「いいわよ、別に。そんなに何度も謝られる方が辛くなるわ」

にこ「……」

絵里「ねぇ、一つだけ聞かせてほしいんだけど」

にこ「なに?」

絵里「これじゃ海未に告白してきたっていう下級生の子みたいなんだけどね……フラれついでに、にこの好きな人を聞かせて?」

にこ「…いや、にこは別に好きな人とか…」

絵里「……本当に?」

にこ「…うん」

絵里「…そう。ならいいんだけど」

334: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 13:14:35.30 ID:r3fDvKZw0
絵里「じゃ、帰りましょうか。…一緒に帰っても平気?」

にこ「…それ、にこのセリフだと思う」

絵里「なら一緒に帰りましょう」

にこ「…ん」

にこ(好きな人………、海未のこともあるし…やっぱりこれを機に、真剣に考えたほうがいいのかしら…)

―――
――


にこ「……」


絵里「……」

希「……なあ、エリち」

絵里「ん?」

希「にこっちのクマ、さらにひどくなってへん?」

絵里「あー……うん、そうね。ちょっと目立つようになったわね」

希「せやんなぁ…」

絵里「……」

338: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 13:24:43.51 ID:r3fDvKZw0
希「……」

絵里「……昨日、何があったか、とか聞かないの?」

希「んー…なんか二人とも、聞いてほしくなさそうな顔してるし」

絵里「…希って本当に、他人のことについては鋭いわね」

希「ん。子供のころから色々と鍛えられてるから」

希「…にこっちもちょっと放っておいたほうがよさそうやね」

絵里「……そうね」

―――――

にこ(ね、眠い……そろそろ本気でなんとかしないと、寝不足で倒れる気がするわ…)フラフラ

凛「にこちゃん、なんかフラフラしてるけど、大丈夫かにゃ?」

花陽「心なしか、顔色も悪いような気が…」

真姫「…あと、なんか目の下にクマできてるし」

にこ「あ、いや、最近ちょっと……面白い携帯小説を見つけちゃって…」

穂乃果「あー、分かる! 私も漫画を読み始めたらついつい夢中になって、気が付いたら朝になってるんだよね!」

にこ「そ、そう、そんな感じ」

339: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 13:34:34.87 ID:r3fDvKZw0
真姫「そんな感じ、じゃないでしょ。夜はちゃんと寝ないと……体調を崩しでもしたら大変なんだから」

にこ「大丈夫よ。まぁこのクマは早くなおさないとダメだろうけど…アイドルとして」

穂乃果「そうだね。にこちゃんの可愛い顔が台無しだもんね!」パチッ

にこ(最近、穂乃果がやけにウインクしてるけど、何なんだろ…)

絵里「はいはい。じゃぁ話はここまでにして、練習始めるわよ」

絵里「ほら、みんな屋上に集合ね」

穂乃果「はーいっ。よし、今日も頑張るぞ!」ダダダッ

希「穂乃果ちゃんの元気さは見てて安心するなぁ」

にこ「そうね。…」チラ

海未「……」シュン

にこ(海未のあの顔…絶対にこの寝不足の原因は自分だって思ってるわよね……いや、それも考え事の一つではあるんだけど…)

にこ(あー、もうちょっとちゃんとした嘘つけばよかった…)

340: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 13:37:10.02 ID:r3fDvKZw0
ことり「…ほら、海未ちゃん。海未ちゃんも早くいこ」グイッ

海未「わ、ちょ、ことり、引っ張らないでくださいっ」


絵里「…ことりが誰かを引っ張っていくなんて珍しいわね」

希「んー、まぁ幼なじみやからね。分かるんちゃうかな」

絵里「?」

希「ほら、ウチらも早よいこ」

絵里「そうね。…にこは大丈夫? 寝不足みたいだけど、練習はできそう?」

にこ「ええ」

希「…あんま無理しんときや、にこっち」

にこ「…分かってるわ」

341: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 13:42:00.59 ID:r3fDvKZw0

―――
――


ここあ「にこにー!」ドーンッ

にこ「…っと、ど、どうしたの?」

ここあ「あのね、あのね! こころがお手紙もらった!」

にこ「お手紙? 誰から?」

ここあ「お友達!」

にこ(友達同士の手紙交換ってこと? その割には、かなりテンション上がってるみたいだけど…)

こころ「にこにー」クイクイ

にこ「あ、こころ。お手紙ってもらったんだって?」

こころ「ん」コクリ

342: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 13:45:23.12 ID:r3fDvKZw0
ここあ「にこにーも読んでみて!」

にこ「え…、読んでもいいの?」

こころ「はい」スッ

にこ(人に宛てられた手紙を読むのはちょっと気が引けるけど…)パラ

にこ「………」ジー

にこ「……。…えっと、これは、あの…」

にこ(いわゆる、ラブレターってやつよね…)

ここあ「にこにーはどう思う!?」

にこ「どう思うと言われても……可愛いなぁって思うけど」

ここあ「うん、こころすごいよね! ここあ、こんなに可愛い手紙、もらったことない!」

にこ(あー…確かに言われてみれば、封筒とか便箋とか、貼ってあるシートとかも可愛いわね。こころの趣味に合わせてくれてるのかしら)

にこ(しかし最近の子供はマセているというか……にこたちの時代もこんなものだったのかしら…?)

343: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 13:49:17.50 ID:r3fDvKZw0
こころ「にこにー、これ、どうやってお返事すればいい?」

にこ「え? あ、そっか…」

にこ(この手紙、最後に『つきあってくだちい』って書いてあるのよね……多分、“さ”って書きたかったんでしょうけど…)

にこ「えーっと……こころは、このお手紙をくれた子のこと、どう思ってるの?」

こころ「お友達」

にこ「じゃぁ、好き?」

こころ「うん」

にこ「そっか」

こころ「あ、でもね、にこにーとここあのことのほうがもっと好き、大好き!」

ここあ「ここあもこころ好きー」ギューッ

こころ「えへへー」ギュー

にこ(にこの妹たちマジ天使……って、そうじゃなくて、)

345: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 13:58:02.63 ID:r3fDvKZw0
にこ(いくら小さい子のこととはいえ、告白は告白なんだし、まじめに考えてあげないとダメよね…)

こころ「…ねぇ、にこにー」

にこ「ん?」

こころ「このお手紙に書いてある、つきあってくだちいって、なに?」

にこ「えっと……それはつまり、仲良くなりましょうってことよ」

こころ「仲良く? でも、もうお友達だよ?」

にこ「んー……その中でも一番になりたいってこと、かな」

にこ(改めて説明するとなると結構難しいわね…)

こころ「一番? ……じゃぁ…ダメかも…」

にこ「ダメ?」

こころ「こころの一番は、にこにーとここあだから…」

こころ「だから……せっかくお手紙くれたけど……」ジワッ

にこ「!?」

にこ「ちょ、こ、こころ、泣かないで。大丈夫だから」ナデナデ

346: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 14:04:31.78 ID:r3fDvKZw0
こころ「えぅ……」グスッ

ここあ「こ、こころ、大丈夫? 痛い? どっか痛いの?」オロオロ

こころ「だって、だって……せっかくお手紙くれたのに……こころの一番はもうにこにーとここあだから…」

にこ「……、うん。そうよね」

にこ(こころの場合はまだ小さいから、友情とか愛情とか家族に対しての思いとかが全部一緒になっちゃってるんだろうけど)

にこ(一番に想う人が決まってるとしたら、それ以外の人のほうへは向くべきじゃないのよね)

にこ「…こころ、もう泣かないで」

こころ「でも……」

にこ「大丈夫よ。こころが泣くほど真剣に向き合ってくれたって知ったら、きっと相手の子だって分かってくれるわ」

こころ「………うん」

にこ「…よし。じゃぁ明日はこころたちが好きな苺買ってきてあげるわ!」

こころ「イチゴ!」パァッ

ここあ「わーい! やったー!」

347: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 14:15:49.67 ID:r3fDvKZw0
にこ(こんな小さい子ですら、ちゃんと分かってるんだから、にこもしっかりしないと、お姉ちゃん失格よね)

―――
――


希「お。にこっち、今日はクマないね」

にこ「ふふ。昨日はバッチリ寝たからね!」ドヤァ

希「おー、偉い偉い」ナデナデ

にこ「この子供あつかいにも、今日は腹を立てないわ」

希「にこっちも成長したなぁ」

にこ「成長期だからね」

希「……」

にこ「…ツッコんでよ。虚しくなるじゃない」

希「いや、上手い言葉が出てこーへんかったから…」

348: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 14:21:21.69 ID:r3fDvKZw0
絵里「…にこ、なんだか今日はいつも以上に元気ね」

にこ「いつまでもしょぼくれてたらダメでしょ」

絵里「それもそうね。元気でいるのはいいことだわ」

にこ(…絵里のほうもいつも通りみたいね。……本当はどう思ってるかは、にこには分からないけど)

希「……あー、せや。ウチ、さっき隣のクラスの子に占い頼まれてたんやった。ちょっと行ってくる」タッタッ

絵里「……希ってば本当に、変な気ばっかり遣うんだから」ハァ

にこ「え?」

絵里「何でもないわ」

絵里「それより、元気になったってことは、何か考えが進展したのかしら」

にこ「まぁね」

絵里「……ならよかったわ。にこには早く元気になってもらいたいし」

にこ「うん。ありがとう」

349: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 14:29:24.79 ID:r3fDvKZw0

―――
――


にこ(絵里のためにも、海未のためにも……あと、自分のためにも、ちゃんとけじめをつけないと)グッ

ことり「にこちゃん?」

にこ「は、はいっ!」ビクッ

ことり「そ、そんなにビックリしなくても…」

にこ「ご、ごめん……ちょっと考え事してて…」

ことり「考え事って?」

にこ「あー……いや、ちょっとね…」

ことり「…デート中に他のこと考えるなんて、ひどいなぁ」

にこ「で、デートって……あのね、今の状態でそういう言い方はちょっと…」

ことり「冗談だよ。ちょっと意地悪したくなっただけ」

350: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 14:39:00.67 ID:r3fDvKZw0
ことり「ほら、せっかく買い物に来たんだから、ちゃんと楽しまないと損だよ」

にこ「そうね」

にこ(とはいっても、金銭的な問題でにこは何も買えないんだけど…)

ことり「買い物は見てるだけでも楽しいものなんだよ。ことりも本当に買ったりすることは少ないし」

にこ「…あんたって、恐ろしいくらい正確に人の心読むわね…」

ことり「だから、にこちゃんが分かりやすいんだってば」

にこ「そうなの…?」

ことり「うん。それより、今日は付き合わせちゃってごめんね」

にこ「あー…いや、別に。いい気分転換にもなるし」

ことり「そっか。ならよかった」

ことり「……今日はね、ことりも色々と確かめたいことがあったから」

にこ「確かめたいこと?」

ことり「うん。じゃぁ行こ」ギュ

にこ「って、なんで手つなぐのよ…」

ことり「雰囲気だよー」

にこ(なんの雰囲気よ…)

351: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 14:46:34.83 ID:r3fDvKZw0

―――――

ことり「ほら、見てみてにこちゃん! これが今はやりの少女漫画!」ジャーンッ

にこ「へー」

ことり「すごく興味なさそうだねぇ…」

にこ「あんまり少女漫画とか読まないから。どれも一緒に見えるし…」

ことり「でもこれは面白いんだよ? ほら、この主人公の女の子がすごく可愛いっ」

にこ「あ、ホント可愛い」

ことり「でしょ? それでね、この男の子とはいつも喧嘩しちゃうんだけど、実は二人とも想い合っててすごく素敵なんだ~…ことりもこんな恋愛してみたいなぁ」

にこ「……ことりも恋愛とか興味あったのね」

ことり「人並みにはね…って、前も言ったよね」

にこ「…そういえばそうね」

352: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 14:51:13.25 ID:r3fDvKZw0
ことり「にこちゃんのほうこそ、最近そういうことに興味出てきてるんじゃない?」

にこ(……さすが鋭い)

ことり「…もしかして、好きな人でもできた?」

にこ「……分かんないのよ」

ことり「分かんない?」

にこ「好きとか付き合いたいとか、そういう感情ってどうやって生まれるのかとか、どうやって見分けるのかとか…」

ことり「んー……難しいこと考えるんだね」

にこ「そう?」

ことり「そうだよ。普通、そういうのって考えるものじゃなくて、感じるものだと思うよ」

ことり「ふとしたときに、この人と一緒にいるとなごむなぁとか、この人って可愛いなぁとか、そんな感じで」

にこ「……それなら、にこはμ’sのみんなに恋してることになるけど」

ことり「すごいことを言うね…」

にこ「い、いや、さすがにそれはないと思ってるけど……でも、一緒にいてなごむとか、可愛いと思うとか…そういうの、友達同士でだってあり得るじゃない」

353: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 15:00:52.72 ID:r3fDvKZw0
ことり「それはそうだけど……」

にこ(恋愛感情とか、そんなのまだよく分からないし…)

ことり「………そっか。じゃぁにこちゃん、ちょっとこっちに来て?」グイッ

にこ「へ、ちょ、どこ行くの?」

ことり「外。いつまでも本屋さんの中であんな会話してるのも、迷惑だろうし」

にこ「…それもそうね」



ことり「さて、ここらへんでいいかな」

にこ「……随分と寂しい場所ね」キョロキョロ

にこ(周りに誰もいないし……まぁ路地裏だし、こんなものなのかしら)

ことり「にこちゃん」

にこ「なに?」

ことり「ことりが今ここで、にこちゃんのことが好きだって言ったら、どうする?」

にこ「…………、ビックリする」

ことり「うん、すごく正直だね」

ことり「…じゃぁ、ことりと付き合って、色々と恋人らしいことをするって想像、できる?」

にこ(ことりと恋人って……そんなの、いきなりすぎて……)

にこ「……できない、けど」

354: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 15:06:21.63 ID:r3fDvKZw0
ことり「……うん。多分、それでいいんだよ」

ことり「にこちゃんがちょっと意識して考えてみて、色々想像できる相手が、多分にこちゃんの好きな人なんじゃないかな」

にこ「想像って……そんなの、誰でもしたことないけど…」

ことり「だから、ちゃんと意識して見ないとダメなんだってば。どれだけ好きでも、今までずっと友達同士なんだもん。何かきっかけがないと気づけないよ」

ことり「特に、にこちゃんはニブいから」

にこ「……悪かったわね」

ことり「別に悪いとは思ってないよ、それもにこちゃんの性格の一つだもん」

ことり「…あ、それと、ことりがにこちゃんのこと好きっていうのは、冗談だからね?」

にこ「…分かってるわよ、それくらい」

にこ(一瞬本気にしかけたけど…)

355: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 15:11:28.64 ID:r3fDvKZw0
ことり「……にこちゃんがそういう性格でよかったよ」

にこ「え?」

ことり「んーん、なんでもない。じゃ、デート再開しよっか」

にこ「…、そうね」

ことり「手、つなぐ?」

にこ「恥ずかしいから遠慮しとくわ」

ことり「あはは…フラれちゃった」

ことり「じゃぁいこっか」

にこ「ええ」

―――
――


にこ(意識して見てみる、か…)

にこ(せっかくことりがアドバイスくれたんだし、ちゃんと生かさないと…)


ガラッ


絵里「あ、おはよう、にこ」

にこ「おはよう」

にこ(…とは言っても、絵里のことはちゃんと考えて結論が出てるし…やっぱり対象にするなら海未とか…)

356: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 15:28:09.52 ID:r3fDvKZw0
にこ「……って、あれ? 希は?」

絵里「ああ、希は日直として、職員室にノートを取りに行ってたわ」

にこ「え? 今日って希が日直だったっけ?」

絵里「いや、実は日直の子が欠席らしくて、先生が困ってたから希が代わりに」

絵里「私も立候補したんだけどね、希に上手く言いくるめて断られたわ」

にこ「はあ……、希ってマゾかなにかなの?」

絵里「ふふ、さすがにその言い方は酷いわよ」

絵里「……ああ見えて、希は色々と気を使ってくれてたのよ?」

にこ「そういえば、この間も似たようなこと言ってたわね」

絵里「あまり言いたくはないけど、今までも色々心配してくれてたんだから」

絵里「にこのことは特に気にかけてたみたいだし」

にこ「ふーん…」

359: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/03(木) 15:38:41.53 ID:r3fDvKZw0
絵里「…まさか本当に気づいてなかったの?」

にこ「いや、まさか。色々感付かれてるだろうなぁとかは思ってたわよ」

にこ(……にこが傘を忘れた日、最初に傘に入れてくれるって言ってくれたのは希だったし、色々にこのこと気にかけてるんだろうなってのもちゃんと分かってるし。そもそも一年の頃からあんな感じだったしね)

にこ「……ほんと、お節介よ」

絵里「それがいいところなんじゃないの」

にこ「……、…まぁそうだけど」

370: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:32:49.20 ID:by4JrN/A0

―職員室前―


ガラッ


希「ありゃ、にこっち?」

にこ「おはよ」

希「おはよ。どうしたん? 先生に用?」

にこ「日直やりにきたのよ」

希「え?」

にこ「今日の日直はにこに決まったから」ヒョイ

希「あ、ちょ、ノート…」

にこ「これはにこが持ってくわ」

希「いや、でも…」

にこ「副会長にこんな仕事やらせるわけにはいかないでしょ」

希「えー………、じゃぁ半分だけ持つわ」ヒョイ

にこ(まぁ全部持つって言ったって、聞いてくれなさそうだし、いっか)

371: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:34:09.56 ID:by4JrN/A0
にこ「じゃ、教室戻りましょ」テクテク

希「はーい…」テクテク

にこ「……あんたってさ、マゾなの?」

希「…こんなに答えづらい質問は久しぶりやわ」

にこ「嬉々としてお節介やくくせに、自分が助けられたら不満そうって、マゾとしか思えないんだけど」

希「別に不満ってわけやないけど…」

にこ「じゃ、もうちょっと笑いなさいよ」

希「んー……、はい」ニコー

にこ「あ、やっぱりなんかイラッとするからやめて」

希「理不尽すぎひん?」

希「…しかし、今日のにこっちは優しいね」

にこ「たった今、理不尽って言った相手に投げかける言葉ではないわよね」

希「いやー、理不尽なのは割といつものことやし」

にこ(にこってそんなに理不尽だったかしら…)

372: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:34:55.26 ID:by4JrN/A0
にこ「別に。ただ日直をやりたい気分だっただけだし」

希「素直やないねぇ」

にこ「そういう性格なのよ」


―教室前―

にこ「扉閉まってるわね……開けるからちょっと待ってて」

希「あっ……あー、あの、にこっち」

にこ「ん?」

希「…手伝ってくれてありがとう」

にこ「………最初から素直にそう言ってれば、可愛げもあるのにね」

希「素直やないのはお互い様やん。それにウチに可愛げなんて必要ないし」ガラッ

希「はい、お先にどーぞ」

にこ「…どうも」

にこ(やっぱり可愛げない…)

373: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:35:46.41 ID:by4JrN/A0

―――
――



―放課後―

希「さて、あとは日誌を書いて終了やね。にこっち、付き合ってくれてありがとう」

にこ「だーかーら、今日はにこが日直だって言ってんじゃない!」

希「はいはい。それはもうええから。先生に先に立候補したんはウチなんやし」

にこ(…これじゃカッコつかないじゃない)ムゥ

希「そんな顔せんでも、十分助かってるから」

にこ「…あっそ。じゃ、さっさと日誌書いて終わらせましょ」

希「はーい。じゃ、これはウチが。あ、にこっちシャーペン貸して」

にこ「ん」

374: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:36:47.34 ID:by4JrN/A0
希「今日の活動記録……いつもここ迷うねんなぁ」

希「とりあえず今日占った内容でも書いとこかな。えーっと、今日は恋愛占いが四回に、」カリカリ

にこ「いやいやいや…そこは普通に日直として行った仕事のこととか書きなさいよ」

希「ああ、なるほど。にこっち頭いいー」カリカリ

にこ「あんたはたまに、変なとこでバカよね…」

にこ「……にしても、希って恋愛占いとかもやるのね」

希「そりゃぁ頼んでくるのは皆、お年頃の女の子やから」

にこ「ふーん……」

希「…ひょっとして、にこっちも占ってほしいん?」

にこ「べっ…別にそういうわけじゃないわよ」

375: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:37:33.69 ID:by4JrN/A0
希「まぁ占ってほしくなったらいつでもどうぞ」

にこ「考えとくわ」

カリカリ

にこ(……やることがないし、とりあえずその辺に座って待と)ガタ

希「……んー…」カリカリ

にこ(……そういえば、こんな風に希と二人になるのも久々な気がするわ)

にこ(一年の頃から普通に友達で……アイドル研究部がなくなって孤立しかけたときも、希には色々助けられてたっけ)

にこ(μ’sと…穂乃果たちと向き合えたのも、希が手を回したからだし……)

376: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:39:30.11 ID:by4JrN/A0
にこ「……」

希「…あの、にこっち。そうジーッと見られると、さすがに照れんのやけど…」

にこ「あ、ご、ごめん」

希「いや、ええけど…」

にこ「……ねぇ、ちょっと聞いてもいい?」

希「ん?」

にこ「恋愛感情での好きって、どういうものだと思う?」

希「……え、えーっと……また随分と…突拍子もない質問やね」

にこ「なんとなく、あんたならそういうの分かるかなって。恋愛相談とか受けてそうだし」

希「なんなん、そのイメージ…」

にこ「恋愛占いやってんだったら、その流れで恋愛相談くらいやりなさいよ」

希「やりなさいよ、って言われてもなぁ…。ウチはそこまで頼りにされてるわけやないやろうし…」

にこ「そうなの? …意外ね」

にこ(μ’sの中では希が一番頼りがいありそうなのに……ああ、絵里もだけど。…まぁ三年生だしね……にこも三年生だけど)

377: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:40:45.54 ID:by4JrN/A0
希「……よし、じゃぁウチが慣れない恋愛相談にのったげるわ」

希「で、なんやっけ? 好きっていうのが、どういうのか分からへん…やっけ?」

にこ「うん。……こんなこと、本当は人に聞くべきじゃないんだろうけど」

希「まぁ一人で悩んで息詰まるよりはええんちゃうかな」

希「んー、しかし難しいなぁ……ウチも誰かと付き合ったこととかないし…」

にこ「じゃぁさ、希は好きな人とかいるの?」

希「………ノーコメントで」

にこ(それ、いるって言ってるようなものだけど……というか、いるのね…ちょっと意外)

にこ「どんな人?」

希「いや、ノーコメント言うてるやん。ウチの話はいいから、にこっちの話に戻るよ」

にこ「や、けど希の好みってどんなのか気になるし」

希「あーもう、この話は終わりやて。そもそもにこっちのほうこそ、どんな人が好きなん?」

にこ「どんな人って………別に、とりたてて好みとかはないけど…」

378: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:41:23.41 ID:by4JrN/A0
にこ「……強いて言うなら、一緒にいて、落ち着く人とか…?」

希「なんや、それなら簡単やん」

にこ「え?」

希「一緒にいて一番落ち着くなぁって思える人が、にこっちの好きな人なんちゃう?」

にこ「……そんな単純な話?」

希「難しく考えすぎなんよ。好きとか嫌いとか、そんなんほとんど直感みたいなもんやって」

にこ「ふーん…」

にこ(一緒にいて落ち着く、ね…)

379: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:42:38.99 ID:by4JrN/A0
希「さて……ちょうど日誌も書き終わったわ」

にこ「ん。じゃぁ職員室にそれ返してから、部室行きましょうか」ガタ

希「あー……ウチ、ちょっと用があるから……にこっちは先行ってて」

にこ「…分かった。じゃ、またあとでね」

希「うん。…じゃぁ」タッタッタッ

にこ(………なんか今、希の様子がおかしかったような…気のせいかしら)

380: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:43:39.80 ID:by4JrN/A0


穂乃果「あ、にーこちゃーんっ!」タッタッタッ

にこ「…穂乃果はいつ会っても元気ね」

穂乃果「それだけが取り柄だからね! それよりにこちゃんたちも今から部室? 一緒にいこーよー」グイグイ

にこ「あー、はいはい。…あ、今日は三人一緒なのね」

ことり「うん。海未ちゃんが職員室に用があるらしかったから、三人で行ってその帰りなの」

穂乃果「にこちゃんはどうしてこの時間に?」

にこ「にこは日直の仕事でちょっとね」

穂乃果「なるほど。よし、じゃぁ部室にレッツゴー!」グイッ

にこ「分かったから引っ張らないでってば」

海未「…」

381: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:44:30.25 ID:by4JrN/A0
にこ(…やっぱり少し元気ないわね、海未)

にこ(にこの目のクマもとれたし、もう気にすることないのに……いや、それとも何か別の悩みがあるとか…)

ことり「……あぁ! そうだ、穂乃果ちゃん!」

穂乃果「な、なに? どうしたの、ことりちゃん?」ビクッ

ことり「ことり、教室に忘れ物しちゃって…」

穂乃果「そうなの? じゃぁみんなで取りに…」

ことり「それは悪いから、穂乃果ちゃんだけ借りていくね。海未ちゃんとにこちゃんは先に行ってて」

穂乃果「えぇっ、なんで私だけ?」

海未「そ、そうですよ」

にこ「行くなら別に全員一緒でも…」

382: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:45:26.91 ID:by4JrN/A0
ことり「穂乃果ちゃんが一番体力あまってそうだから」

穂乃果「なにその理由!?」

ことり「じゃぁそういうわけだから」タッタッタッ

穂乃果「ちょ、ちょっとことりちゃーん…」ズササササ

にこ「……引きずられていったわね」

海未「ど、どうしたんでしょうか、ことり…」

にこ(……ことりも相当お節介よね…)

にこ「まぁとにかく、部室に行きましょ」

海未「は、はい」

383: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:46:04.64 ID:by4JrN/A0
にこ「……」

海未「……」

にこ(……なにを話せばいいか分からない…。元々そんなに会話があるわけでもない上に、告白のこともあって、さらに気まずいし…)

にこ「……あ、あの」

海未「」ビクッ

にこ「……」

海未「す、すみません……なんですか?」

にこ「いや、その………、い、いい天気ね」

海未「え?」

にこ(…今ほど自分が情けないと思った瞬間はないわ)

海未「えっと……そうですね。快晴ですし」

にこ「はは…」

384: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:46:38.03 ID:by4JrN/A0
海未「……あの、にこ。この間のことなんですけど」

にこ「あ……うん。なに?」

海未「すみません。あのときは、その、急にあんなことを言ってしまって…」

にこ「いや、別に……」

海未「返事は本当に、いつでもいいので…」

にこ「…うん」

にこ(でも出来るだけ早く答えないと…)

にこ(……そのためには、海未のことどう思ってるか、ちゃんと考えないとね)

海未「……」

―――
――


にこ「……」ガラ

希「にこっち、おはよー」

絵里「おはよう、にこ」

にこ「ん、おはよう」スタスタ

にこ「……」ガタ

385: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:47:14.19 ID:by4JrN/A0
絵里「…何か考え事?」

にこ「ちょっとね」

絵里「そう…」

希「……じゃぁエリち、ウチらは向こうでお話でもしよか」

絵里「…そうね」

希「にこっち、あんまり考えすぎひんようにしぃや」

にこ「…ありがと」

にこ(希たちにも気を使わせちゃって……どうしようもないわね…)ハァ

―――――

にこ「……」

希「にこっち、昼休みやで?」

にこ「分かってるわよ」

希「お昼食べな、お腹すいてまうよ?」

にこ「…分かってるわよ」

386: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:48:33.70 ID:by4JrN/A0
希「…」ハァ

にこ「なによ、そのあからさまな溜息」

希「何があったかは知らんけど、嘘でもええから元気なフリせーへんと、エリちたちが心配してまうで」

にこ「……悪かったわね。というか、その絵里はどこにいったの?」

希「さっき生徒会の子に連れ出されてた」

にこ「ふーん」

にこ「…………」ハァ

希「……」ペシ

にこ「…なんで叩くのよ」

希「いや、元気を注入しようかと。ほら、ウチの元気パワー注入ーって」

にこ「……なによそれ」クス

希「あ、やっぱりにこっちは笑ってたほうがええよ」

にこ「…あっそ。なんか希と話してると落ち着くわ」

希「……それは光栄やなぁ」

387: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:49:42.15 ID:by4JrN/A0
にこ「よし、じゃぁお昼食べましょ」

希「はいはい。じゃぁちょっとお弁当とってくるから、待っててな」

にこ「んー」ヒラヒラ

にこ(……落ち着く…かぁ…)

―――
――

388: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:50:18.12 ID:by4JrN/A0

海未「……校舎裏に呼び出されたということは、この間の返事……ということでいいんでしょうか?」

にこ「ええ。…返事が遅くなってごめん」

海未「いえ……それだけ真剣に考えてくれたということですから」

海未「………では、返事を聞かせてもらえますか?」

にこ「ええ」

にこ「……にこは、」

389: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:51:09.42 ID:by4JrN/A0


―――
――


絵里「……にこ、最近は普通になってきたわね」

希「なんかその言い方やと、にこっちがおかしな人やったみたいになるけど…」

絵里「事実そうじゃない。しょっちゅう溜息ついたりしてたし」

希「まぁそうやけどね。……考え事が解決したってことなんかな」

絵里「恐らくそうでしょうね。……で、希」

希「んー?」

絵里「このままでいいの?」

希「…何のことか、よく分からへんのやけど」

390: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:51:49.38 ID:by4JrN/A0
絵里「にこはただでさえニブいんだから、このままじゃ一向に進展しないわよ」

希「……でも」

絵里「あのね、言っておくけど、私のことを考えて躊躇ってるって言うなら、本気で怒るから。それでもいいの?」

希「………エリちには怒られたないかな」

絵里「じゃぁどうするの?」

希「まぁ…ぼちぼちと頑張るわ」

絵里「…ええ、頑張ってね」ニッコリ

希(なんか嫌な笑顔やなぁ…)

391: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:52:55.10 ID:by4JrN/A0

―――――

絵里「あ、私、今日はちょっと用があるから、二人は先に部室に行ってて」

にこ「生徒会の用事じゃないの?」

絵里「ええ、私用よ。じゃぁ私はこっちだから」スタスタ

にこ「りょうかーい」

希「…」

にこ「………希? どうかしたの?」

希「…ぼちぼちって言ったのに……」

にこ「は?」

希「……はぁ」

にこ「希? 本当にどうしたのよ」

希「……あー、あんな、にこっち。ちょっと話があんねん」

にこ「話? なによ」

希「いや、ここではちょっと……放課後とはいえ、ちらほら人もおるし」

にこ(…人前では出来ない話ってこと?)

393: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:53:32.36 ID:by4JrN/A0
にこ「まぁいいけど……じゃ、一階のあの廊下なら人もいないでしょ」

希「うん。…付き合わせてごめん」

にこ「…別に」

にこ(希が話なんて珍しいし……まぁこれまでのこともあるし、何か困ったことがあるなら助けてあげたいとも思うし)



にこ「…で、話って?」

希「あー……んー……」

にこ(……希がここまで言い渋るなんて、よっぽどのことなのかしら)

希「………正直、今このタイミングで言うのは、にこっちに悪いなぁとは思うんやけどね」

にこ「うん?」

394: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:57:58.01 ID:by4JrN/A0
希「えっと……うん、ウチな、にこっちのこと好きやねん」

にこ「……え?」

にこ(……、あ! と、友達としてってことよね? …そりゃそうよね)

にこ「ま、まぁ…にこも嫌いじゃないわよ」

希「…意味ちゃんと伝わってる?」

にこ「え?」

希「…伝わってなさそうやね」ハァ

にこ「いや……と、友達としてってことでしょ?」

希「それやったら、こんなとこわざわざ来てもらうと思う?」

にこ「………あ、それもそうね」

希「にこっち、やっぱりニブいんやね」

にこ「…仕方ないでしょ、そういう性格なんだから」

希「前も似たようなセリフ聞いたような気がするけど、まぁえっか」

395: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:58:51.62 ID:by4JrN/A0
希「……で、返事はくれへんの?」

にこ「返事?」

希「今の、一応告白のつもりやったんやけど……」

にこ「……あっ、ああ! そ、そっそうよね! ごめん! ちょっとボケっとしてた!」

希「あはは……いや、まぁ…ウチもいきなりすぎたし…」

にこ「いや、それは別に……」

にこ(…というか、絵里といい海未といい希といい……やっぱりにこがニブいだけだったのかしら…)

希「……、…そんな真剣に考えでええよ」

にこ「え?」

希「さっきの返事ってのは冗談やから。にこっちに迷惑かけんのは嫌やし」

にこ「いや、迷惑なんて…」

希「それに、ほら、ただ伝えたかっただけっていうか……にこっちとどうこうなりたいとか、そんなん全然なかったし。あれやね、うん。記念告白みたいな…」

にこ(記念告白…?)イラッ

396: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 14:59:37.53 ID:by4JrN/A0
にこ「なによそれ……そんなこと言われると腹立つんんだけど…」

希「………ごめん…」

にこ「というか、勝手に決めつけてんじゃないわよ。迷惑とかそんなの、にこが決めることでしょ」

希「……それもそうやね。ただ、そんなこと言われると期待してまうよ?」

にこ「…すれば?」

希「へ?」

にこ(…絵里のことも海未のことも大切に思ってるし、友達としては大好きだけど、付き合うとかそういうイメージは全然わかなかった…けど)

にこ「正直、やっぱりにこにはまだ、恋愛とか付き合うとかそういうの、全然分かんないけど……それでもいいなら、」

希「……よく考えたほうがいいと思うけど……ちゃんと待つし…」

にこ「…あんたって意外とマイナス思考よね」

希「いや……だって………、ええの?」

にこ「いいって言ってんでしょ」

にこ(…というか、こんな言い方は偉そうよね)

397: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 15:00:24.65 ID:by4JrN/A0
にこ「希」

希「あ、はい……なに?」

にこ「希のことが好きです。こんなんでよければ付き合ってください……って、今更敬語とか、ないわね…普通に恥ずかしかったわ…」

希「せ、せやね………うん、ウチも聞いてて恥ずかしかったわ…」

にこ「……で、返事は?」

希「え、あ…………て、手!」

にこ「手?」

希「手、繋いでも、ええ?」

にこ「は? …そりゃ、いいけど」

398: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 15:01:12.89 ID:by4JrN/A0
希「……」ギュ

にこ「……あの、それで返事は?」

希「………、よろしくお願いします……って、やっぱり敬語は余計恥ずかしくなるなぁ…」

にこ「ま、まぁいいじゃない、うん。節目ってことで…」

希「せ、せやね。うん、じゃぁ…改めてよろしく……っていうのも、やっぱり変なんかな…」

にこ「別に変でもいいでしょ。…これからもよろしくね、希」

希「……うん」

―――――


399: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 15:02:13.88 ID:by4JrN/A0

にこ「しかし、希と付き合うなんて変な気分ね」

希「変って、酷い言い方やな…」

にこ「だってずっと友達で、それが当たり前みたいな感じだったし」

希「ま、にこっちが気づかへんかっただけで、ウチはずーっと前からにこっちのこと好きやったけど」

にこ「えっ、そ、そうなの? いつから?」

希「それは覚えてへんけど」

にこ「覚えてなさいよ!」

希「ええやん別に。…気づいたら好きやったんやし」

にこ「………、そ、そう」

希「照れるくらいやったら聞かへんかったらいいのに…」

にこ「うっさい」

希「…まぁ、ほんまはちゃんと覚えてるんやけどね。きっかけとか、色々」

にこ「覚えてるなら教えてくれたっていいじゃない」

400: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 15:03:14.91 ID:by4JrN/A0
希「んー……それはまたの機会に」

にこ「なんでよ?」

希「この状況でつらつらとにこっちの好きなとことか挙げてったら、恥ずかしいのはにこっちのほうやと思うんやけど」

にこ「……………こ、今度絶対聞くからね」

希「はいはい。その様子じゃいつになるか分からんけど」

にこ「あーもー…ほ、ほら、さっさと部室行くわよ」

希「はーい。あ、手繋いでいく?」

にこ「行くわけないでしょ!」

希「にこっちは相変わらずつれへんねー。ウチ寂しいわー」

にこ(…そんなこと言いながら平然とした顔してるあんたのほうが、よっぽどつれないでしょうよ)

希「……あ、そうや、にこっち」

にこ「ん?」

401: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 15:03:59.59 ID:by4JrN/A0
希「その…、ウチを選んでくれてありがとう。……にこっちのこと、ずっと大好きやから」

にこ「……」

にこ「…そ、そういうこと言うのは、ズルいと思うんだけど…」

希「ずっと待ってたんやし、これくらいええやん」

希「それより、ほら、急がへんと練習はじまってしまうよ」タッタッタッ

にこ(………選んでくれてって…そんなの、にこのセリフなんだけどね。希がいないと色々ダメになってたかもしれないし)

にこ(ま、そんなこと絶対言ってやらないけど)

希「にこっちー、ほんまに遅れるってばー」

にこ「分かってるわよ」タッタッ

にこ「…ねぇ希」

希「んー?」

402: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 15:05:08.96 ID:by4JrN/A0
にこ「私も、あんたのこと好きよ」

希「………にこっちのほうこそ、ズルいやん」

にこ「お互い様でしょ」

希「ふふ、それもそうやね」

にこ「…よし」ギュッ

希「え? あの、にこっち、手…」

にこ「はいはい、ほら、さっさと部室行くわよ!」グイッ

希「………まぁええけどね」


―希編・終わり―

404: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 15:14:33.51 ID:by4JrN/A0
この後は>>314に戻って再開ということになります

あらかじめ注意しておいてもらいたいのが、


・ルート分岐はifとしてあつかうので、他のルートで希編と同じ出来事が起こるというわけではないこと

(たとえば、希編ではこころがラブレターもらってましたが、他の選択肢の場合はその話はなくなったりします)


ただ、事前に安価によって選ばれたイベントはどのルートでも反映します

(現時点では、ことりと二人で出かける話は、長さや内容に差はあれど、どのルートでも描きます)

420: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 16:40:53.62 ID:by4JrN/A0

パタン

にこ「……部室を出る必要、なくなったっぽいわね」

絵里「そうね。さすが希」

絵里「で、話って? ……まぁなんとなく予想はついてるけど」

にこ「あー……うん。あの、こ、告白…の、ことなんだけど」

絵里「…返事が決まったの?」

にこ「……ん、一応」

絵里「じゃぁ聞かせてもらおうかしら」

にこ「…」

421: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 16:41:38.86 ID:by4JrN/A0
どう答えますか?

>>423

1.絵里と付き合う
2.断る
3.もう少し考えさせてほしい

424: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 16:56:17.37 ID:by4JrN/A0
にこ「……ごめん! もう少し考えさせてほしいの!」バッ

絵里「……」

にこ(や、やっぱりこんなのダメよね……今までも待ってもらってたのに、優柔不断にもほどがあるって呆れられそう…)

絵里「にこ、とりあえず頭を上げて」

にこ「あ、うん」バ

絵里「私は待つ分には全然かまわないわよ。…って、前も言わなかったっけ?」

にこ「そうなんだけど……あれから時間経ってるし……あまり待たせるのもって思って…」

425: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 16:57:45.12 ID:by4JrN/A0
にこ(待たせるのが悪いって思って呼び出した結果が、結局もう少し待ってほしいっていうのも……我ながらどうかとは思うけど)

絵里「そんなこと気にしなくていいってば。私、結構待つことには慣れてるし」

絵里「…それに、時間をかけてゆっくり考えてくれたほうが好都合だしね」

にこ「え、なんで?」

絵里「考えてる間に、にこに好きになってもらえるようアピールできるじゃない」

にこ「……そ、そういうこと、普通本人の前で言う?」

絵里「言っておけばちゃんと意識してくれるでしょ?」

にこ(なんてストレートな……これがロシアのやり方なのかしら…)

426: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 17:05:10.53 ID:by4JrN/A0
絵里「それにしても、私のことちゃんと気にかけてくれてたのね」

にこ「いや、そりゃそうでしょ…」

絵里「でも、にこったら最近他の子ばかりで、ちょっと寂しかったのよ」

にこ「……」

にこ(答えづらい…)

絵里「じゃぁ話も終わったことだし、一緒に帰りましょうか」

にこ「ん」コクリ

絵里「ふふ、放課後デートね」

にこ「……反応に困るんだけど」

絵里「いいのよ、素で。私が言ってて楽しいだけだから」

にこ「そう…」


にこ(とりあえず絵里とは話せた。結局保留のままだけど……返事はちゃんと考えよう)

427: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 17:12:20.23 ID:by4JrN/A0

―――
――


にこ「……あ、そういえば、明日ことりと遊ぶことになったのはいいけど、どこ行くのかまでは決めてなかったわね…」

にこ(電話して聞くべきかしら…でももう夜だし……当日会ってから決めたほうがいいかな…)

ここあ「にこにー!」ドーンッ

にこ「うわっ! ちょ、ちょっと、あぶな…」

ここあ「わーいっ、にこにーの携帯げっとー!」ヒョイ

にこ「ちょっ、ここあ返しなさいってば!」

ここあ「にこにー携帯ばっかり見ててつまんないんだもんー。はい、こころパース」ポイッ

こころ「わっ、と……、あ、落とさずとれた!」パァッ

ここあ「にこにー一緒にあそぼ!」

にこ「ああもう…」

にこ(これじゃ電話は無理そうね…)

429: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 17:17:49.17 ID:by4JrN/A0

―翌日―

にこ(今日こそは後輩に待たせない先輩になる…!)グッ

にこ(というわけで、まだ寝ているこころとここあをママに任せて、四十分前に集合場所に来てみた……のはいいけど、さすがに少し暇ね)

にこ(ことりはまだ来てないみたいだし……適当に時間でもつぶしてようかしら)キョロキョロ


ピリリリリッ


にこ「ん? メール?」

にこ「>>430からね」

431: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 17:20:55.98 ID:1GNZkZUho
ことり(・8・)

435: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 17:32:48.64 ID:by4JrN/A0
にこ「ことりからね」ピッ

にこ「なにかしら。えっと……」


メールの内容(ざっくりしたものでも大丈夫です)

>>436

436: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 17:37:38.18 ID:ZCCioxt60
明日のデートはことりがエスコートするね☆

443: とりあえず自己解釈でいきます 2014/04/04(金) 17:50:10.43 ID:by4JrN/A0
『明日のデートはことりがエスコートするね☆ 』

にこ「…!?」

にこ「あれ? デートって今日よね? ひょっとして間違えた?」

にこ「………、あってるわよね?」

ピリリリリッ

にこ「うわっ……あ、ことりからの電話」ピッ

ことり『にこちゃあああああああん!』

にこ「な、なに!? 何事!?」

ことり『今メール届いた? 見た?』

にこ「届いたし見たけど…」

ことり『ごめん! あれ間違い!』

にこ「間違い?」

ことり『……本当は昨日の夜に送ろうとしたんだけど…いざ送ろうとしたら……なんか、恥ずかしくなっちゃって…』

にこ「恥ずかしいって…」

にこ(デートとか書いてあるから? …けどことりのキャラならこれくらい平気そうだけど)

444: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 17:54:39.42 ID:by4JrN/A0
ことり『と、とにかく見なかったことにして、ね? 忘れてね?』

にこ「…まぁいいじゃない。せっかくのデートなんだし? しっかりエスコートしてよ」

ことり『だ、だからそれは……もう……にこちゃんのいじわる…』

にこ(普段割と飄々としてるだけに、ここまで取り乱してると、逆にちょっと可愛いわね)

にこ「ま、それはともかくとして、ことりって今どこにいるの?」

ことり『ふぇ? そりゃお家だけど…』

にこ「よしっ」

ことり『え、な、なに?』

にこ「いやいや、なんでも。ゆっくりでいいからね」

ことり『う、うん…?』

にこ(これで今日は、後輩より先に集合場所に来るいい先輩の図になれるわ…)

445: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 18:04:46.03 ID:by4JrN/A0
ことり『にこちゃんも今、お家?』

にこ「まぁそんなところよ」

ことり『? けど、なんかたくさん人の声みたいなのが聞こえて、まるで町中にいるみたいな…』

にこ「いや、それはお隣さんの声」

ことり『えっ、随分と騒がしいお隣さんなんだね』

にこ「そうなの。いつも騒音トラブルが絶えなくて。そういうわけだから、もう切るわね」

にこ(これ以上話してると、外にいるってバレちゃいそうだし)

ことり『あ、うん。……にこちゃん』

にこ「ん?」

ことり『あの、今日会えるの、楽しみにしてるから』

にこ「え」

ことり『じゃぁ、またあとでね』ピッ

にこ「あ、切れた……」

にこ(……あんな風にストレートに言われるとなんか恥ずかしいけど……まぁ楽しみだって思ってくれてるなら、それでいっか)

447: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 18:11:20.87 ID:by4JrN/A0
にこ「……さて、とりあえずことりが来るまであと四十分近くあるわけだけど……」

にこ(……なにして時間つぶそう…)


>>448

1.誰かに電話する
2.そこらへんをぶらつく
3.ひたすら待つ

448: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 18:13:27.40 ID:ZCCioxt60
2

451: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 18:23:03.30 ID:by4JrN/A0
にこ(よし、適当にこのあたりをぶらつきましょう)

にこ(…こういうとき、喫茶店とかに入れる財力があればいいんだけどね…)フフ

にこ「とりあえずことりが来ても分かるように、この周辺をぶらぶらと……って、あ」

にこ(あれって…)


>>452

(人でお願いします)

452: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 18:23:50.07 ID:sjaSmHBgo
にゃ

453: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 18:27:19.43 ID:by4JrN/A0
にこ(凛? なんでこんなとこに……なんか誰か待ってるっぽいし、花陽と遊びに来たのかしら)

にこ(まぁどうせ暇だし、話しかけ………って、ああ、そういえば穂乃果と凛にはバレないようにしたいって言ってたわね)

にこ(とりあえずバレないように、距離をおいて…)ソロ…

凛「あっ!」

にこ(すごく嫌な予感…)

凛「にこちゃーん!」

にこ「あー……」ガックリ

454: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 18:32:06.70 ID:by4JrN/A0
凛「休みの日に会うなんてめずらしーにゃ!」タタッ

にこ「そうね…」

にこ(まぁ、ことりちゃんが来るまでに別れれば問題ないわよね)

凛「にこちゃん、こんなとこでなにしてたの?」

にこ「えっと……凛こそ、何してたのよ。誰か待ってたみたいだったけど…」

凛「うんっ、凛はかよちんを待ってたんだにゃー」

にこ(予想通り)

にこ「ホント仲良いわね、あんたたち」

凛「いやー、なんたって凛とかよちんは大親友だから!」

凛「で、にこちゃんはなにしてたの?」

にこ「それにしても今日はいい天気ね」

凛「そうだね! で、にこちゃんはなにしてたの?」

にこ(どうあってもそれを聞きたいのね…)

455: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 18:36:02.70 ID:by4JrN/A0
にこ「にこは……その、あれよ。ちょっと、散歩?」

にこ(ことりの名前は出さないほうがいいわよね)

凛「え、散歩って…こんなとこまで? そんなおしゃれして?」

にこ「おしゃれはいつもしてるでしょ」

凛「それはそうかもしれないけど……、でもつまり、今暇ってことだよね?」

凛「ね、凛たちと一緒に遊ぼうよ」グイ

にこ「遠慮しとくわ」

凛「えぇー…なんで?」

凛「……凛たちと一緒じゃ嫌なの…?」シュン

にこ(うっ……そんなしょぼくれた目で見ないでよ…)

456: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 18:39:12.15 ID:by4JrN/A0
にこ(どうしよう……ここで凛の誘いを受けると、確実に四人で行動することになる…。ことりは二人がいいって言ってたし…)



どうしますか?

>>457

1.凛の誘いを断る
2.凛の誘いを受ける
3.ちょっと悩む

457: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 18:39:28.36 ID:dJQGTR7so
1

459: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 18:45:34.88 ID:by4JrN/A0
にこ(普通に考えて、ことりのほうを優先すべきよね……先に約束してたんだし)

にこ「ごめん、凛。今日は本当に無理なのよ」

凛「…なにか用事?」

にこ「ん、家の用事。あと、あんたたちと一緒なのが嫌なわけじゃないから。それだけは絶対に誤解しないでよ」

凛「…うん、分かったにゃ! 凛のほうこそごめんね、無理言っちゃって…」

にこ「いや、誘ってくれたのは、その、嬉しかったし」

凛「にこちゃん…!」パァー

凛「今度一緒に遊ぼうね!」

にこ「ええ」

凛「やった! それにしてもにこちゃんは偉いにゃ。忙しい日にも、こんなところまで散歩に来るなんて」

凛「これも体力づくりの一環なんだよね!」

にこ「ま、まぁね…」

にこ(心苦しい…)

467: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:53:03.70 ID:by4JrN/A0

―――――

にこ「さて……なんとか凛と別れられたわね。何故かあの後、すごい話し込むことになったけど。にこ、一応家の用事で忙しい設定だったのに……まぁいっか」

にこ(そんなわけで、集合時間まではあと二十分くらいなわけだけど……とりあえず集合場所に戻って…)


ことり「あ、にこちゃん、おはよう」

にこ「」ステンッ

ことり「え、な、なんでいきなり転んだの!? 大丈夫?」

にこ「い、いや……ちょっと予想外で…」

ことり「あ…ひょっとして来るの早かったかな?」

にこ「いや、それは全然大丈夫だけど…」

にこ(本当はにこのほうが出迎える予定だったのに……凛と話しすぎた…)

468: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 22:58:09.70 ID:by4JrN/A0
ことり「でもにこちゃんも早く来てくれたんだね」

にこ「まぁね…」

にこ(四十分前には来てたし)

ことり「ふふ、嬉しいなぁ。よし、じゃぁ今日は頑張るよ!」

にこ「ええ、ちゃんとエスコートしてね」

ことり「……メールのことは忘れてって言ったのに…」

にこ「まぁ失敗は誰にでもあることだし、そんな気にしなくてもいいじゃない」

ことり「もー……、いいよ。じゃぁことりがしっかりエスコートするから」

にこ「ん。じゃ、とりあえず行く場所から決めましょうか」

ことり「………あっ、そういえばまだ決めてなかったっけ」

にこ(こんなんじゃエスコートなんて夢のまた夢のような気が…)

469: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 23:05:47.18 ID:by4JrN/A0
ことり「にこちゃんはどこか行きたいとこ、ある?」

にこ「ことりの好きなとこでいいわよ」

ことり「うーん………じゃぁ特定の場所には絞らずに、色んなお店見て回っていい? 雑貨屋さんとか、お洋服屋さんとか」

にこ「いいけど……にこ、あんまりお金ないわよ…?」

ことり「別に何か買わなくちゃいけないってわけじゃないよ。見て回るだけでも楽しいし」

にこ「じゃぁそうしましょうか」

ことり「うんっ」

―――――

ことり「見てにこちゃん、このお洋服可愛いっ」

にこ「なんというか、すごいヒラッヒラね……まぁ可愛いけど…」

ことり「いいなーこれ……にこちゃん、着てみない?」

にこ「なんでにこなのよ。気に入ったなら、ことりが着ればいいじゃない」

ことり「えー…でもこれ、可愛すぎてことりにはちょっと……」

にこ(……本気で言ってんのかしら)

470: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 23:11:52.94 ID:by4JrN/A0
にこ「ことりだって十分可愛いじゃない」

ことり「え?」

にこ(…ここで、なにを言ってるか分からないって顔するってことは…やっぱこの子も自覚ないのね…。なんなの、μ’sって無自覚な子多くない?)

ことり「やだなぁ、にこちゃんのほうが可愛いよ」

にこ「にこが可愛いのはちゃんと自覚してるわ」

ことり「そ、そっか」

にこ「けど、あんたも可愛いわよ。ちゃんと鏡見てる?」

ことり「見てるけど………んー…」

にこ「どんだけ自信ないの…。アイドルなんだから、ちょっとは自分の容姿にも自信持ちなさいよ」

ことり「うん………可愛い、かぁ…」ウーン

にこ(ああ、でも、無自覚系アイドルってのも人気出そうね……あざとくない感じで)

471: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 23:17:46.74 ID:by4JrN/A0
ことり「…にこちゃん」

にこ「んー?」

にこ(確かにことりの場合、無自覚な感じのほうがイメージにはあうかも……いや、でもこういう子が実は意外とってギャップ萌えもありかしら…)ンー

ことり「……ありがとう。嬉しい」

にこ「…な、なにが?」

ことり「なにがって……可愛いって言ってくれたことだよ」

にこ「いや、別に……お礼言われるようなことじゃないし。みんなそう思ってると思うけど」

ことり「そうだったとしても、言葉で伝えられると嬉しいものなんだよ」

にこ「…そう。じゃぁ大人しく感謝されることにするわ」

ことり「うん。じゃぁことり、この服試着してくるね」タッタッタッ

にこ「はーい」

にこ(……ことりの場合、下手なキャラ作りするより、そのままのほうが通用しそうね…)

472: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 23:35:37.27 ID:by4JrN/A0

―――――

ことり「そういえば、にこちゃんって」テクテク

にこ「なによ」テクテク

ことり「真姫ちゃんと花陽ちゃんと、こうやって二人で遊んでるとこを見られて、あの噂が生まれたんだよね?」

にこ「………嫌なことを思い出させるわね」

ことり「ごめんね。けど、あの下級生の子も思い切ったことするよね」

にこ「そうね。……それを信じる周りもどうかとは思うけど…」

ことり「そう言われればそうだね……まぁそれだけμ’sの知名度も出てきた…ってこと、なのかな?」

にこ「まぁ確かに、にこがμ’sじゃなければそもそもこんなに噂にもならなかっただろうしね」

にこ(そう考えると、ちょっとはこの状況を受け入れられ……ないわね、やっぱり)

473: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 23:50:35.68 ID:by4JrN/A0
にこ(……そういえば、もし今、またあの下級生の子に会ったら……いや、考えるのはやめましょう…)フルフル

ことり「四人同時に手を出したってなったら、にこちゃん大変なことになっちゃいそうだね」ニコ

にこ「………ことりはやっぱり人の心読めるんでしょ?」

ことり「にこちゃんが分かりやすいんだよ」

にこ(絶対そんなことないと思うんだけど…)

ことり「…あの噂、早く消えるといいね」

にこ「そうね。さっさと七十五日でもなんでも過ぎればいいのに」

ことり「うん。……よし、じゃぁ次こそはにこちゃんが行きたいとこ提案してよ」

にこ「いや、だからにこはことりの好きなとこでいいって…」

ことり「ことりの好きなところはもう十分回ったから。次はにこちゃんの番」

にこ「えー……」

にこ(遊ぶ場所とか、正直あんまり思いつかないんだけど……)

474: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 23:51:22.11 ID:by4JrN/A0
にこ(どこでもいいばっかり言うのも悪いしね…)

にこ「じゃぁ…>>475」

475: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 23:52:34.31 ID:an8fbCMl0
メイド喫茶

477: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/05(土) 00:13:06.84 ID:IaMUOoPV0
にこ「メイド喫茶とか?」

ことり「えっと……それは、ことりがお世話になってるお店じゃないよね…?」

にこ「さすがに別のお店でいいわよ。バイト先にお客としていくのは恥ずかしいだろうし」

ことり「うん。じゃぁことりのおすすめのお店紹介するね」

にこ(やっぱりそういうの詳しいのね…)

―――――

イラッシャイマセ、オジョウサマー

コチラノオセキニドウゾー


にこ「…いつ見てもきらびやかというか…ファンシーね…」

ことり「それがいいんだよ。で、にこちゃんはなに頼む?」

にこ「んー…」パラ

にこ(……しまった!! メイド喫茶って普通の喫茶店より全然高いんだった…!)

にこ(どどどどどうしよう…! 自分で言っておいて、なにも頼まないわけにはいかないし…)

478: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/05(土) 00:14:04.24 ID:IaMUOoPV0
ことり「…にこちゃん。ここの喫茶店はね、このカップルメニューがおすすめなの」

にこ「カップルメニュー?」

ことり「うん。二人で来店したら頼めるメニューなんだけど、二人分の割にはお値段がお得で、味もおいしいんだよ」

ことり「ね、ことりはこれが食べたいんだけど……いいかな?」

にこ「え、ええ、いいわよ。にこは特に希望ないし」

ことり「ありがとう」

にこ(とりあえずこれなら払えそうよね……って、まさかことり、にこが迷ってるのに気が付いて……)

にこ「……なんか、先輩の面子丸つぶれね…」ハァ

ことり「なんのこと?」

にこ「…こっちの話」

にこ「じゃ、注文するわね」

ことり「うん」

479: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/05(土) 00:19:23.66 ID:IaMUOoPV0


デハ、シバラクオマチクダサイ、オジョウサマー


にこ「…それにしても、このお店、店員のレベル高いわね」

ことり「可愛いよね。ここの制服、可愛いって評判だから働きたいって人も多いらしいくて、そのせいじゃないかな」

にこ「なるほどね…」

にこ(しかし本当に可愛いわね……あの子とか、下手したら芸能人よりレベル高いんじゃない? スタイルもいいし、足もすらっとしてるし、腹の立つことに胸まで……)ジー

ことり「……にこちゃん、見すぎだよ」

にこ「え、そ、そう?」

ことり「ちょっと怪しい人みたいだよ」

にこ「怪しいって……いや、だってあの子のレベル高すぎない?」

ことり「確かに可愛い子だけど…」

480: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/05(土) 00:23:48.88 ID:IaMUOoPV0
にこ「でしょ。あんな子にご主人様とかお嬢様とか言われたら、毎日会いに来たくなるわよね」ウンウン

ことり「……」ギュ

にこ「にこたちもスクールアイドルとして……って、ことり?」

ことり「んー?」

にこ「…なんで手を握るのか、分からないんだけど?」

ことり「……お嬢様」

にこ「は?」

ことり「……」ハァ

ことり「…にこちゃんって、ああいう子が好きなの?」

にこ「いや、好きっていうか、憧れるっていうか」

ことり「にこちゃんは今のままのほうがいいよ。スタイルよくなくても、背低くても、可愛いもん」

にこ(よく分かんないけど、褒められてるのよね…? バカにされてるわけじゃないのよね?)

482: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/05(土) 00:32:56.81 ID:IaMUOoPV0
にこ「まぁにこが可愛いのは十分分かってるけどね」

ことり「…にこちゃんのそういうとこ、嫌いじゃないよ」

にこ「それはどうも。…ところで、そろそろ手離してくれない?」

ことり「今度、ことりのお店にも来てくれるって約束してくれたらね」

にこ「いや、でも普通知り合いが行ったら恥ずかしいものじゃないの? 前は隠そうとしてたじゃない」

ことり「あの頃はね。けどもうバレちゃってるし、平気」

にこ「そう。じゃぁ今度お邪魔させてもらうわ」

ことり「うん。…そのときはちゃんとお嬢様って呼ぶからね」

にこ「? いや、別に普通でいいわよ」

ことり「……にこちゃんって、さっき自分で言ったことも覚えてないの?」

にこ「え? なにか言ったっけ?」

ことり「…もういいよ。どうせことりはあのメイドさんみたいにレベル高くないし」

にこ(よく分からないけど、なんか怒らせちゃったような気が………いや、というか、あのメイドの子だって可愛いけど、ことりだってまた別ベクトルの可愛さがあると思うんだけど…)

485: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 00:59:54.97 ID:IaMUOoPV0


オマタセシマシター


にこ(これがカップルメニュー……意外と普通ね。全体的に形がハートなのは、まぁ仕方ないとして……)

にこ「あの…ことり。このジュースは…」

ことり「定番だよね? 一つのストローを使って二人で飲むの」

にこ「そりゃ定番だけど……」

にこ(こういうの、ことりのお店にみんなで行ったときにも出されたわね……)

ことり「遠慮なく飲んでいいよ」ニコッ

にこ「いや、そんないい笑顔で言われても……これ、普通のストローに代えてもらわない?」

ことり「…真姫ちゃんとは飲んでたのに?」

にこ「あれは…」

にこ(真姫ちゃんが予想以上に恥ずかしがるから、逆にこっちはあんまり恥ずかしくなくなったから飲めただけだし…)

ことり「…そっか。ことりとは飲んでくれないんだね……」シュン

にこ「! わ、分かったから……飲むわよ、飲めばいいんでしょ」

にこ(最近気が付いたけど、こころとここあの影響か、年下の子のしょぼくれた表情に弱いのよね…)

ことり「やった、ありがとうにこちゃん!」

にこ(……まぁいっか)ハァ

486: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 01:09:49.14 ID:IaMUOoPV0
ことり「……にこちゃんって、なんだかんだで優しいよね」

にこ「なんだかんだでっていうのが、素直に喜べないんだけど」

ことり「だって素直に優しくはしないでしょ」

にこ「まぁそうだけど……というか、優しくしてるつもりもないけど」

ことり「それは気付いてないだけだよ」

ことり「…すごく優しいと思う」

にこ(……海未といい、ことりといい、よくもまぁこんな人の目をまっすぐ見て、人のことを褒められるものだわ)

487: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 01:11:02.67 ID:IaMUOoPV0
にこ「…それはどうも」

ことり「うん。けどやっぱり素直じゃないよね、色々と」

にこ「こういう性分だから。アイドルモードのときは素直なにこにーになるけどね」

ことり「あー……あのスイッチの切り替えはすごいよね。いつも感心してる」

にこ「でしょ」ドヤッ

にこ「あ、どうせなら、今日もにこにーモードで過ごしてあげてもいいニコよっ☆」キラッ

ことり「いや、それはいいよ」

にこ「即答なのね…」

488: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 01:14:57.01 ID:IaMUOoPV0
ことり「ことりは普段のにこちゃんのほうがいいから」

にこ「ふーん……なんか複雑ね」

ことり「そう?」

にこ「一応このキャラは人に好かれるために作ったものだし」

ことり「そのキャラが好きな人もいると思うよ。ただ、ことりは違うだけ」

にこ「キャラ作りも難しいわね…」

ことり「素のままでもいいのに」

にこ「こんな目つきの悪いアイドル嫌でしょ」

ことり「そんなこと…」

にこ「はいはい。それよりさっさと食べましょ」

ことり「あ、そうだったね。うん、食べよっか」

にこ「じゃ、いただきまーす」

ことり「いただきます」

489: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 01:23:26.34 ID:IaMUOoPV0


にこ(さすがことりのおすすめ……おいしい)モグモグ

ことり「…」

にこ(食べるたびにハートを崩すのはちょっと心が痛むけど……にしてもこれ、可愛いお皿使ってるわね)パクッ

ことり「…」

にこ(ジュースは…まぁあとで飲むとして、他の料理は完璧ね。こころとここあにも食べさせてあげたいくらい……もう少し大きくなったら連れてこようかな…いや、でもさすがにメイド喫茶は…)ゴックン

ことり「…」

にこ「………あの、さっきからずっとこっち見てない?」

ことり「あ、バレてた?」

にこ「そりゃね…」

ことり「いや、可愛いなって思って」

にこ「…は?」

ことり「無意識なんだろうけど、食べながら表情コロコロ変わるし、見てて退屈しないなぁって」

にこ「ああ、そういう……って、そんなもの見てないでさっさと食べなさいよ」

ことり「そうだね…うん、食べます」パクッ

にこ(まったく…)

490: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 01:27:53.19 ID:IaMUOoPV0

―――
――


にこ(あのジュースの存在以外は楽しい一日だったわ、うん)

ことり「…そろそろ家に帰ったほうがいい時間かな」

にこ「そうね。結局今日は一日一緒にいたわね」

ことり「一日一緒にいたっていうなら、夜も一緒にいたいところだけどね」

にこ「あ、じゃぁ今度μ’sのみんなでお泊まり会でもする?」

ことり「うーん………うん、そのほうがにこちゃんらしいかな」

にこ「?」

ことり「…今日は楽しかったよ。ありがとう」

にこ「いや、にこのほうこそ」

ことり「……」

にこ「? どうかした?」

ことり「あ、いや……その…」

491: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 01:38:10.00 ID:IaMUOoPV0
にこ(ことりが言い淀むなんて珍しいわね…)

ことり「………ねぇ、にこちゃん、ちょっと聞いてもいい?」

にこ「なに?」

ことり「………もうちょっとだけ、一緒にいたいって言ったら、どうする?」

にこ「は? いや、もうちょっとって……もうだいぶ遅いけど…」

ことり「…うん。だから、どうするかなって…」

にこ(どうするって言われても…)

にこ(こころとここあのためにも出来るだけ早く帰った方がいいだろうし……けど、ことりにも何か思うことがあるのかもしれないし…)

にこ(どうしよう…)


>>492

1.いいと答える
2.帰った方がいいと答える

492: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/05(土) 01:42:03.98 ID:Z7mtczrBo
1

494: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 01:50:59.40 ID:IaMUOoPV0
にこ(……何かあったら事だし、放っておけないわよね…)

にこ「いいって答えるけど」

ことり「ほ、ほんとっ?」パァッ

にこ「まぁ帰ってもやることないし」

ことり「じゃ、じゃぁ、一緒にいてくれる?」ギュ

にこ「はいはい、一緒にいたげるから。手握らなくてもいいって」

ことり「あ……うん」パ

ことり「えへへ…嬉しいな。断られると思ってたから」

にこ「そこまで薄情じゃないわよ。今日はとことん、ことりに付き合ってあげるわ」

ことり「…うんっ」

にこ「で、どこか行きたいとことかあったの?」

ことり「ううん、そういうわけじゃないんだけど……ここら辺ぶらぶらしたいなぁって」

にこ「じゃ、そうしましょうか」

495: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 01:56:44.97 ID:IaMUOoPV0

―――――

ことり「わぁ、このお店も可愛い! この道って普段あんまり通らないんだけど、可愛いお店いっぱいあるんだね~」

にこ「ホント、ことりは可愛いものとか好きよね」

ことり「だって女の子だもん。可愛いものを思いっきり満喫しないと、なんだかもったいない気がしない?」

にこ「……ちょっとだけ分かる気がするわ」

ことり「でしょ? あ、ほら、あのお店も素敵!」タッタッタッ

にこ(楽しそうでいいんだけど……さっきはなんであんなこと言ったのかしら)

にこ(家に帰りたくなかったとか? ……でも、ことりが家族間で問題を抱えてるなんて話、聞いたこともないし…)

ことり「にこちゃーん、こっちこっちー」

にこ「はーい」タタッ

にこ(まぁなんか楽しそうだし、そんなに深く考えることでもないのかしら)

496: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 02:01:02.09 ID:IaMUOoPV0
ことり「ほら見て! このお洋服可愛い! アイドルの衣装みたい!」

にこ「あ、本当に可愛い……けど、」

ことり「けど?」

にこ「やっぱりことりの作った衣装のほうが可愛いわね」

ことり「……え? け、けどこれとか全部、プロの人が作ったんだよ? ことりのなんて、くらべものに…」

にこ「あんたって意外と卑屈よね…。あんだけすごい衣装ほとんど一人で作ってるってのに」

にこ(そういえば、前にもなんか言ってたわね。自分には取り柄がないとかなんとか)

ことり「それに…ことりの衣装が可愛く見えるのは、みんなが可愛いからだよ」

にこ「まぁそれもあるだろうけど、それが全てなわけないでしょ。どう考えてもあんたのおかげよ」

ことり「……ことりの?」

497: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 02:07:28.37 ID:IaMUOoPV0
にこ「ことりが作ってくれる衣装だからみんな可愛く見えるのよ」

にこ「だからあんまり卑屈にならないほうがいいわよ。過度な謙遜は嫌味に聞こえるって言うし、自分を褒めることで前向きになれることだってあるんだし」ウンウン

ことり「……ねぇ、にこちゃん」

にこ「ん?」

ことり「じゃぁ、にこちゃんは、ことりが必要?」

にこ「…まぁ、そりゃ必要っちゃ必要だけど……あんまりこういう言い方好きじゃないんだけど」

にこ(なんか、物扱いしてるみたいな感じになるし。なんか別の言い方……あ、)

にこ「ことりのこと、大切に思ってるわよ。……って、改めて言うのもなんかアレだけど」

ことり「……そっか」

にこ「? どうかした?」

ことり「ううん……うん、いや……今日はちょっと大変かもしれません…」

にこ「なんで敬語なのよ……というか、なにが大変なの?」

ことり「……、うん」

にこ「いや、“うん”じゃ分からないってば」

499: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 02:12:47.77 ID:IaMUOoPV0
ことり「と、とにかく今は気にしなくていいから……というか、あの、できればちょっと、放っておいてほしいです…」

にこ「放っておいてって……一緒にいたいって言ったのはあんたでしょうが」

ことり「それは、そうだけど……」

にこ「なんかあったなら素直に言いなさいよ。それともにこはそんなに頼りない?」

ことり「いや、そうじゃなくて……というか、ごめん、ちょっと離れてくれないかな…?」

にこ「は? 何なのよいきなり…。にこ、何か変なこと言った?」

ことり「違くて……、……あああもうっ」ギュッ

にこ「っ……な、なに?」

にこ(いきなり抱きつかれたんだけど……正直状況がさっぱり分からない…)

ことり「……あのね、にこちゃん。人が放っておいてほしいって言ったときは、素直に放っといたほうがいいと思うの」ギュー

にこ「あ、はい、ごめんなさい……じゃなくて! なに抱きしめてんのよ、ここ店の中なんだけどっ」

ことり「大丈夫だよ。この時間だから、あんまりお客さんいないし」

にこ(そういう問題なの…?)

500: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 02:17:20.84 ID:IaMUOoPV0
ことり「……」ギュー

にこ「……」

ことり「……」ギュー

にこ「……あの、そろそろ離れてくれない?」

ことり「………うん、ことりもちょっと落ち着いた」パ

にこ「にこには事情がよく分からないんだけど…」

ことり「……そのうちちゃんと言うよ」

にこ「…よく分かんないけど、それなら大人しく待ってるわ」

ことり「うん。じゃぁ、次のお店いこっか」キュ

にこ「……あの、この手は?」

ことり「言ったでしょ。今日はことりがエスコートするって」

にこ「………それなら仕方ない、って納得すればいいの?」

ことり「うん。そういうことにしてもらえると嬉しいかな」

にこ「じゃ、そういうことで」

503: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 02:23:58.64 ID:IaMUOoPV0

―――
――


にこ「そろそろ本気で遅くなってきたから、さすがに帰った方がいいわ」

ことり「うん。名残惜しいけどね」

にこ「どうせまた月曜日に会うことになるけど」

ことり「……ことりね、小さいころからお休みの日が好きだったんだよね」

にこ「休みが嫌いな子供なんていないでしょ。学生になると特に」

ことり「うん。……でもね、今日から平日のほうが好きになるかも」

にこ「そうなの?」

504: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/05(土) 02:26:32.16 ID:IaMUOoPV0
にこ(それはまた物好きな……って、なんでわざわざ今日から…?)

ことり「…にこちゃんは本当にニブいね」ナデナデ

にこ「ことりが鋭すぎるだけだと思うけど…」

ことり「そんなことないよ。……じゃぁまた学校でね」

にこ「ん。……あ、家まで送っていったほうがいい?」

ことり「ううん。それされると、にこちゃんのこと帰せなくなっちゃいそうだから」

にこ「そんな大げさな…。ま、それじゃぁ気を付けて帰りなさいよ」

ことり「うん、またねー」ヒラヒラ


にこ(……様子だけ見れば、何か悩みがあるとか問題を抱えてるってわけじゃなさそうだったわね)

にこ(じゃぁなんであんなことを? ……まぁいっか。楽しかったし。ことりと遊ぶのなんて新鮮だったしね)ウン



次回 にこ「にっこにっこにー♪」 後編