1: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:39:17.32 ID:pFT6iW3P0
クッキングパパとハンター×ハンターのSSです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396417157

引用元: 荒岩「ハンター試験?」 



HUNTER×HUNTER 36 (ジャンプコミックス)
冨樫 義博
集英社 (2018-10-04)
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3: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:41:23.63 ID:pFT6iW3P0
_金丸産業 営業二課_



常務「荒岩君はいるかね?」


荒岩「はい、ここにおります」


常務「うむ、実は君に折り入って頼みがあってね」


荒岩「はい、次回の料理教室ですか?」


常務「いや、今回は仕事だ」


荒岩「そうですか、それで、私に折り入ってというのは?」


常務「出張を頼みたい。場所はザバン市だ、大きな港町で、魚も美味いぞ」


荒岩「はあ、そこで私が何を?」


常務「詳しい事は、そこで係りの者が説明してくれるじゃろう」


常務「兎に角、我が社の今後を担う重大な任務なのだ、会社の命運は君に託されたといっても良いぐらいだ」

4: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:42:07.73 ID:pFT6iW3P0
荒岩「それは、大変嬉しい話なのですが、何分急な話なもので」アセアセ


常務「何を臆しているんだ荒岩くん、課長にも昇進して脂の乗り切った頃じゃないか」


荒岩「はあ、そうですが…。」


常務「先方の都合もあって、期間ははっきりとは決められんが、君なら安心して任せられる」


荒岩「分かりました」


常務「うむ、それで良い、先方にはもう話を通しているから、君は明後日にザバン市のホテルに着いていればOKじゃ」


荒岩(うむむ…、何かと思えば出張か…)


常務「明日は準備もあるだろうから、休みを取りたまえ。君が今取り掛かっているプロジェクトは、田中君と梅田君が共同で引き継ぐ手筈になっているよ」


荒岩「わかりました、精いっぱい勤めてまいります」


常務「その意気じゃ、君には社長も期待しているぞ」


常務「お、忘れる所じゃった。荒岩君、これを」


荒岩「なんですか、この紙は?」


常務「ザバン市で一番美味い定食屋の地図じゃよ、お勧めは断然ステーキ定食で、焼き加減も選べるが、君は初めてだからそこに書いたように頼むと良いじゃろう」


荒岩「何から何まで、ありがとうございます」ペコリ


常務「味を究めた君の舌をうならせる絶品じゃ、仕事よりやみつきになるかもしれんな」


常務「さて、わしはこれで。頼んだぞ、荒岩君」


けいこ(この時期にザバン市というと…、もしかするとアレじゃないかしら? なんだか楽しみだわ)


けいこ「課長、出張頑張って下さいね」


荒岩「いたのか、けいこくん。それにしても、仕事の内容がサッパリわからないんだよ」


けいこ「行けばわかると常務もおっしゃっていたので、課長は心配しないでドーンと構えていてくださいよ」


荒岩「うむむ…、そうかな」


けいこ「成果、期待してますからね」ニッコリ


荒岩「うむ」


けいこ「うふふ」

5: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:43:07.60 ID:pFT6iW3P0
_荒岩宅_

荒岩「実はな、明後日から急に出張することになった。期間は仕事が終わるまでだそうだ」


虹子「随分急な話ね、断れなかったの?」


荒岩「俺でなきゃダメだと念を押されてな、押し切られちまったよ」


虹子「ふーん、それで出張する場所は?」


荒岩「確か、ザバン市って所だったかな」


虹子「成程ね」ピキーン


荒岩「?」


虹子「期待されてるじゃない、あなた♪」


荒岩「お、おう…」


虹子「そうと決まれば荷造りよ、いい、荷物は最小限が基本よ」


荒岩「そうなのか?」


虹子「靴はスニーカーが良いわね、あと、必ずしもスーツは必要ないと思うわ」


荒岩「おいおい、俺は仕事で行くんだぜ?」


虹子「文化部記者の勘よ、この時期にザバン市といえば、やる事は一つしかないもの」


荒岩「なんなんだ?」


虹子「着いてからのお楽しみよ、もし間違えても、スーツ一式ぐらい現地でそろえられるでしょう」


荒岩「そうだな」


虹子「あと、使い慣れた包丁とナイフは必ず持って行った方が良いわ。もしもの時に何にでも役に立つから」


荒岩「うむ」


_それから、じっくりと荷物を吟味し、包丁、ナイフ、塩、みそ、醤油、ソース、治療セットを携帯バッグに詰め、荒岩は空港へ向かった_

6: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:44:23.37 ID:pFT6iW3P0
_空港内_


荒岩「見送りなんて良いのに」


虹子「いーのよ、私がしたいんだから」


みゆき「そうだよ、とーちゃんにはちゃんと会っておかないとね」


虹子「まことも来れればよかったんだけど、沖縄だもんね」


荒岩「あいつは、俺が家を空けて心配するタマじゃないさ、今も元気でやってるよ」


虹子「あなたも、健康には気をつけてね。これは、元気のおまじない」チュッ


荒岩「おいおい////」アセアセ


みゆき「とーちゃんが照れてるー」



田中「課長ー!見ちゃいましたよー!!」ドタドタ


梅田「いやー、間に合いましたね」


けいこ「誰かさんが道を間違えなければねー」チラリ


江口「すいませーん」アセアセ


荒岩「みんな」

7: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:45:17.57 ID:pFT6iW3P0

田中「課長昨日は休みだから、行ってらっしゃいも言えないし」


梅田「社内だとどうしても気を使っちゃいますからね」


江口「なので、僕たちで課長を送る会を開きたいと思いまして」


工藤「僕も駆けつけましたよ」


荒岩「工藤か、久しぶりだな!」


工藤「今日の事を妻に話したら来たがったんですけど、赤ちゃん連れて車は飛ばせないんで、僕だけです」


荒岩「うむうむ、奥さん(種ヶ島ちゃん)も元気でなによりだ」


けいこ「課長の出張、みーんなに伝えましたから」


荒岩「たかが出張なんだぜ、そんなに大事にしなくても」


けいこ「うふふ、みんなそれだけ課長に期待してるんですよ、ネ、奥さんも」ニッコリ


虹子「うふふ」


荒岩(期待…?)

荒岩「とにかくありがとう」


田中、梅田、江口「それでは、課長の成果と栄転を祈って、万歳三唱!!!」


みんな「万歳!万歳!!万歳!!!」


荒岩(うむ、頑張るぞ!!)

8: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:45:45.37 ID:pFT6iW3P0

田中「課長昨日は休みだから、行ってらっしゃいも言えないし」


梅田「社内だとどうしても気を使っちゃいますからね」


江口「なので、僕たちで課長を送る会を開きたいと思いまして」


工藤「僕も駆けつけましたよ」


荒岩「工藤か、久しぶりだな!」


工藤「今日の事を妻に話したら来たがったんですけど、赤ちゃん連れて車は飛ばせないんで、僕だけです」


荒岩「うむうむ、奥さん(種ヶ島ちゃん)も元気でなによりだ」


けいこ「課長の出張、みーんなに伝えましたから」


荒岩「たかが出張なんだぜ、そんなに大事にしなくても」


けいこ「うふふ、みんなそれだけ課長に期待してるんですよ、ネ、奥さんも」ニッコリ


虹子「うふふ」


荒岩(期待…?)

荒岩「とにかくありがとう」


田中、梅田、江口「それでは、課長の成果と栄転を祈って、万歳三唱!!!」


みんな「万歳!万歳!!万歳!!!」


荒岩(うむ、頑張るぞ!!)

9: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:46:51.80 ID:pFT6iW3P0
_ザバン市_


荒岩「思ったより早く着いたな。まだ時間もあるし、先に常務の言ってた定食屋に行くとするか」


荒岩「えーと確か住所は」


荒岩「ツバシ町の2-5-10か」

店主「いらっしゃーい、御注文は?」


荒岩「ステーキ定食」


店主「焼き方は?」


荒岩「弱火でじっくり」


店員「奥へどうぞ」


荒岩「うむ」


荒岩「いただきまーす」パクパク

荒岩(弱火で焼いたステーキ肉の、特上の肉汁が牛脂の匂いと合わさっている、レモンの酸味と相俟って極上の旨味だ)

荒岩(普段なら、躊躇してしまうバターライスもガツガツとかき込める)


荒岩「うむ、大満足だゾ」


荒岩「帰ったら、あいつらにも食わせてやらんとな、それにしても、なんで地下に向かっているんだ?」


荒岩「止まったか、着いたみたいだな」


荒岩「なんだ、この異様な雰囲気は?」


荒岩(よく分からんが、何かの集まりみたいだな)

10: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:48:00.40 ID:pFT6iW3P0
トンパ「よう、見た所あんたもルーキーみたいだな」


荒岩「?」


トンパ「俺はこの試験のベテランさ、ナビはいたのかい?」


荒岩「いや」
荒岩(試験だと?)


トンパ「ナビも付けずに此処までたどり着いたのか、なかなかだね」


トンパ「ま、お近づきのしるしだ、飲みなよ」



レオリオ「あのおっさん、またやってんのかよ…」


ゴン「止めさせた方が良いよね」


レオリオ「ほっとけよ、あのアゴのおっさんが倒れれば、倍率も下がんだろ」


荒岩「うむ、いただこう」グビ

_その時、荒岩の舌が瞬時に危険信号を発した、荒岩の身体の反射がそれを吐き出し、口内に残った僅かな液体さえも取り払った_


荒岩「朝顔の種を乾燥させてすり潰した下剤か…」ギロリ


トンパ「な…、毒の種類を瞬時に?」


荒岩「いい加減な調理法に、味の悪い飲み物、毒の使い方も知らないのか、貴様」


トンパ「この通り、許してくれ」


荒岩「料理を舐めるなあ!!」

_トンパは失禁した_

11: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:48:49.97 ID:pFT6iW3P0
荒岩「馬鹿者が」


ゴン「おじさん凄いね、何の毒かわかるなんて!」キラキラ


荒岩「朝顔はな、日本じゃ良くある花なんだ、だから分かったのさ」


クラピカ「素晴らしい観察眼をお持ちのようだ、貴方は」


レオリオ「いやー、スカッとさせてもらったぜ」


荒岩「君たちは?」


ゴン「俺はゴン、ハンターになって親父を探すんだ」


クラピカ「私はクラピカ」


レオリオ「俺はレオリオだ」


荒岩「私は荒岩一味だ、よろしく」


ゴン「荒岩さんは、なんのハンターを目指してるの?」


荒岩「そうだな…」

荒岩(よく分からずにここにいるなんて、この子の前では言えんしなぁ…)


ゴン「ひょっとして、美食ハンターじゃない?おじさん料理に詳しいんでしょう?」

荒岩「うむ…」

荒岩(そういう事にしておこう、うん)


_荒岩は、ゴン達と仲良くなった_


サトツ「ただいまより、ハンター試験を開催いたします」


サトツ「一次試験は、私についてくることです。それでは_」スタスタ


荒岩(ハンター試験か、よく分からんが、ここに連れてこられたのは偶然じゃなさそうだな…)スタスタ


荒岩(思わず、美食ハンターなんて口走ってしまったが、本当の所、よく知らんしな…)

荒岩「うむむ…」


レオリオ「荒岩さん、遅れてるぜ」


荒岩「ん?いかんいかん」ダッシュ

12: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:50:19.99 ID:pFT6iW3P0
_60キロ地点_

荒岩「ぜぇぜえ」

荒岩(どうなってるんだ、受験生の体力は?)


レオリオ「うぐぐ…足が…」


荒岩「しっかりするんだ、レオリオ」


荒岩(といっても、俺も辛いんだが)


レオリオ「ちくしょう、俺はこんな所でへこたれるわけにはいかねーんだ」


荒岩「どうしたものか。ん、これは…」ピキーン


レオリオ「荒岩さん、俺なんかに構わないで行ってくれよ、すぐに追いつくから」


荒岩「レオリオ、これを噛むんだ」


レオリオ「これは?」


荒岩「ミントだ、奥歯ですり潰すように噛むといいゾ」


レオリオ「モグモグ」


荒岩「ミントには鎮静効果がある。落ち着いたら、君ならすぐにまた走れるさ」


レオリオ「荒岩さん…」ジーン


荒岩「医者が倒れちゃしょうがないからな」


レオリオ「どうして、知って?」


荒岩「鞄から消毒液の匂いがしてな、鞄の形状からも、本格的な器具も入ってるんだろう?」


レオリオ「……」


荒岩「さあ、行こうか」

_荒岩たちは、何とか追いついて、ゴン達にもミントを配った_

13: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:51:00.15 ID:pFT6iW3P0
_ヌメーレ湿原__


サトツ「ここは通称、詐欺師のねぐらといいます」


サトツ「騙されると死にますよ」


男「ウソだー、そいつはウソをついている!」


ヒソカ「クククク」ヒュン


男「」ドサッ


ヒソカ「ククク」


サトツ「…行きましょう」


荒岩「うむむ…」
荒岩(あの男、ヒソカか。恐ろしい筋を持っているようだな…)

14: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:51:44.97 ID:pFT6iW3P0
_濃霧_

荒岩(さすがに限界だ、足を捕られて上手く走れん)

荒岩「これはいかん、いつの間にか迷っちまった」


ヒソカ「クククク」


荒岩「ん?」ヒュン


荒岩「うおっ!!」


レオリオ「ってえー!」


クラピカ「はっ!」

ヒソカ「試験管ごっこ♦」


荒岩(なんて奴だ、間一髪で避けたが、まともにくらったら間違いなくヤバかった…)


ヒソカ「君たちを、僕が判定してあげる♥」


モブ「ぎゃあああ」×20


荒岩「くそ、思ったよりもばててるな、運動不足が祟ったか…」


レオリオ「ここは任せな荒岩さん、助けてもらった恩は忘れねーぜ」


クラピカ「私も礼を言う。ミントは非常に役に立った」


ゴン「なんとかヒソカを止めないと…」


荒岩「君たちだけを置いて、逃げれると思うか?」


ゴン、クラピカ、レオリオ「荒岩さん?」


荒岩「さあ来い、パパはなんでも知っているぞ!」


ヒソカ「んー、君たちは合格だね」スッ


荒岩「消えた?」


クラピカ「奇術師ヒソカ、危険な男だ」


ゴン「とりあえず助かったし、先を急ごうよ」

15: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:52:28.39 ID:pFT6iW3P0
_ビスカ森林公園_


サトツ「これにて一次試験は終了です。お疲れ様でした」


荒岩「ふぅ、どうにか助かった、ゴンのおかげだ…」


ゴン「他にも薬草の事教えてね、荒岩さん」


荒岩(いい子だ、まことをもう少しアウトドアにしたようだな)


荒岩(まことは沖縄の大学で、上手くやっているだろうか?)


荒岩「いかんいかん、そんなことを考えている場合じゃなかったな」


荒岩「さて、二次試験も頑張るか!」


キルア「あのおっさん、なかなかやるな」


_荒岩一味 一次試験通過_

16: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:53:32.07 ID:pFT6iW3P0

メンチ「さて、二次試験を始めるわ」


メンチ「試験内容は料理よ」


ブハラ「まずは、俺が指定する料理を作ってもらい」


メンチ「合格した者が、次に私の指定する料理を作って、合格したら二次試験通過って事」


ブハラ「俺の指定するメニューは豚の丸焼きだ」


メンチ「それじゃ、始めてちょうだい」


荒岩「豚の丸焼きか、大きさにもよるが、どう料理したものかな」


ゴン「やったね荒岩さん、得意分野じゃん!」


荒岩「確かにそうだが、ここに生息している豚は、世界で最も危険な豚、グレイトスタンプだぞ」


クラピカ「弱点はあるのですか?」


荒岩「頭部に一発入れれば完璧だ」


ゴン「それなら簡単だね」ダッシュ


荒岩「おいおい、うかつに近づくと危ないぞ」


ゴン「ほいっ、と」ドーン


ゴン「へへ、一丁あがりっと。これは荒岩さんのね」


荒岩「いいのか、ゴンが仕留めたんだろう?」


ゴン「良いの、それよりおいしい焼き方教えてよ」


荒岩「わかった、任せろ」


荒岩「内臓を抜いて血抜きをして、塩を丹念に擦り込めば、下ごしらえは完璧だ」


荒岩「先ず、豚の毛を軽く炙って、表面を焼くんだ。脂が垂れてくるからそれでほかの部位を焼いていくんだ。火加減は中火から弱火にしていって、胡椒をまんべんなくかける」


荒岩「後は、火が通れば完璧だ」


荒岩「うむ、焼き加減もばっちりだな。これ持って行けそうだ」

17: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:54:24.38 ID:pFT6iW3P0

レオリオ「すっげーうまそうっすね、荒岩さん」


荒岩「子豚の丸焼きも、俺たち用に作ったからな」


全員「いただきまーす!」


荒岩「豚骨で出汁をとったスープも作ったゾ」


全員「うまーい!!」



_二次試験①  荒岩通過_


ブハラ「いやーうまかった。作った全員合格で」ポンポン


メンチ「ほとんど通過か、私の審査は厳しめにつけますかな」


ブハラ「ただでさえ厳しいじゃん、メンチの審査って…」


メンチ「うっさいわね、豚の丸焼きで審査なんてのがそもそもおかしいのよ」


メンチ「さて、やりますか」



メンチ「二次試験後半、私のメニューは寿司よ」


メンチ「酢飯と調理器具はこっちで用意してあるわ、握り寿司しか認めないからね」


メンチ「私が満腹になったら試験は終了、じゃヨロシク」



ゴン「スシ?」


レオリオ「クラピカ、分かるか?」


クラピカ「私も分からないが、荒岩さんは御存じか?」


荒岩「うむ、俺は分かるが…」


荒岩(あの審査員の舌に、俺の腕は通用するのか?)


荒岩「必要なのは魚だ、先ずはそれを捕りに行こう」


ゴン、クラピカ、レオリオ「了解!」


他の受験生「…」無言でついていく


メンチ(どうやら、あのアゴの大男が知ってるみたいね)


メンチ「楽しみじゃない」ニヤリ


_そして、殆どの受験生が寿司を作れなかった_

18: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:55:13.39 ID:pFT6iW3P0

ハンゾー「どうだ、これがスシだろ!」


メンチ「不味いわ、却下」


ハンゾー「」


荒岩(寿司の形を成していても失格か…)


荒岩(他に寿司を知っているような人間は見当たらんか)


荒岩「うむむ…」


ゴン「荒岩さん、どうしたの?」


レオリオ「俺たちにも作り方を教えてくれよ」


荒岩「わかった、だが、先ずは俺の腕で勝負させてくれ」

荒岩「新鮮な魚肉を一口大にカットして、一口のシャリに載せる」


荒岩「やる事といえばこれだけだが、一流と呼ばれる人々の寿司はそれだけで芸術の趣きすらある」


荒岩「果たして、これで通用するか…」


荒岩「寿司です」


メンチ「ふむ、ようやくマトモな料理にありつけそうだわ」


メンチ「それじゃ、いただきます」モグモグ


荒岩「……!!」

19: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:55:53.08 ID:pFT6iW3P0

メンチ「ふむ、…不味くは無いけど、失格ね」


荒岩「何故ですか?」


メンチ「この寿司、いやあなたの料理には魂がこもってないわ」


メンチ「まるで店の前に並ぶサンプルみたいな、ただそれだけって感じの料理よ」


荒岩「なっ!」


メンチ「ハンターに、それこそ美食ハンターになりたいんならこんな寿司は認められないわ。小手先だけで魂がこもっていない料理なんて、一番低俗なものよ」ドーン



荒岩「…」ガーン


ブハラ(あーあ、メンチがキレちゃった)


ゴン「荒岩さん、そんなに落ちこむ事無いって」


レオリオ「そうだぜ、あいつの言ってる事だって眉唾モンかも知れないっすよ」


クラピカ「しかし、荒岩さんでも失格だとするなら、誰も合格出来ないのではないだろうか?」


全員「……」




荒岩(魂のこもった料理? 俺は、俺の作った料理で笑顔になる人が見たくて料理を作ってきたんだ。それに、魂はない?)


荒岩(俺の料理とは、なんだ?)


_その後、誰も合格者は現れなかった_

20: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:56:38.09 ID:pFT6iW3P0

ブハラ「合格者無し、ってのは不味いよメンチ」


メンチ「それじゃ、審査を甘くしろっての? そんなのは料理の道に反するわ」イライラ


ネテロ「それでも、ちと厳しすぎやしないかの?」


メンチ「会長!」


ネテロ「メニューを変更して、君にも実演してもらって再試験というのはどうじゃ?」


メンチ「わかりました、そしたらメニューは」


メンチ「ゆで卵よ」



_マフタツ山_


メンチ「マフタツ山に生息するクモワシの卵のゆで卵、これを作れば合格よ」


メンチ「大釜に熱湯はこっちで準備するから、貴方たちも私みたいに卵を捕ってくればいいわ」


メンチ「私にとっての信念は、料理人として、もといハンターとして、未知なるものへの探求よ」


メンチ「はじめ!」


ゴン「こういう方がハンターって感じだよね」


レオリオ「そうだよな」


クラピカ「単純明快だ」


荒岩(ハンターとしての、未知なるものへの好奇心、そして新しい調理法の発見、共有)


荒岩(そうだ、俺はもっとたくさんの人を笑顔にしたい、こんなところで止まるわけにはいかないんだ!)


ゴン「どうしたの荒岩さん、行かないの?」


荒岩「いや、なんでもない、行こうか!」

_クモワシの卵ゲット_

21: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:57:39.01 ID:pFT6iW3P0

メンチ「とった卵はこの大釜に入れて、さあ市販の卵と食べ比べてみて」


荒岩「うむ、うまい」


荒岩(この濃厚な黄身、卵料理以外にも流用できそうだな)


荒岩(たとえば、ソースに加えて、調味料としても使えるんじゃないだろうか)


荒岩「ゴン、キルア卵を4つばかり取ってきてくれないか」


ゴン「分かった、行こうキルア」


キルア「なんで俺まで…」


荒岩「美味い物を食わせてやるぞ」


荒岩「さて、3つは固ゆでのゆで卵にして、その間にソースを作るゾ」


荒岩「市販のソースに卵黄を加えるだけじゃ物足りないな、塩加減の調整と、途中で仕入れたミントを使って、そこにかき混ぜた白身を加えてと」


荒岩「出来たぞ、ゴンとキルア、食べてくれ」


ゴン キルア「いただきまーす」


ゴン キルア「うまい!!」


荒岩「ただのゆで卵も美味いが、少し手間をかければもっとうまくなるんだ」


荒岩「後1つは_」


荒岩「メンチさん」


メンチ「あなた、あの寿司の」


荒岩「もう一度、勝負してください、ゆで卵のソース和えです」


メンチ「いただきます」


メンチ「ふむ」


メンチ「味はまだ粗削りで、ミントも臭みが残ってるけど」


メンチ「この料理には、間違いなくあなたの魂があるわね」


荒岩「ありがとうございます」


メンチ「良い美食ハンターになれるわ、がんばりなさい」


_荒岩一味 二次試験通過_

22: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:58:57.60 ID:pFT6iW3P0

_飛行船内で、荒岩はコックと共に料理の研究に明け暮れた_


_第三次試験 トリックタワー_

マーメン「ここが、第三次試験会場となります。試験内容は、72時間以内に生きて下まで降りる事です。それでは、始めて下さい」


荒岩「カボチャチャーシューメン明太子コンビーフ」


荒岩「うう、もっと研究がしたい。何とかして早く降りなければ…」


モブ「俺にかかれば、こんな絶壁楽勝だぜ」


鳥「ギャース」


モブ「ぎゃあああ」


荒岩「ふむ、崖を伝うのが一番の近道だが、そのまま降りたのでは狙い撃ちか」


荒岩「あの鳥の研究もしたいしな、さてどうしたものか」


荒岩「そうだ、いっそのこと利用するのも手だな」


荒岩「やってみるぞ」


ゴン「荒岩さん、ダメだよ、そのまま降りたら鳥に食べられちゃうよ」


荒岩「ゴン、逆だ。今から鳥を襲うのさ」


鳥「ギャース」


荒岩(予想通りだ)

荒岩「はっ」トビツキ


鳥「ギャース」バタバタ


荒岩「牙と爪は発達しているが、案の定背は普通の鳥と変わらないな」


荒岩「そして、背中を攻撃は出来ない」


荒岩「動脈を切る」ザクリ


鳥「グギャアア」ヒュウウン


荒岩「落ちるか、よーし」


ドサッ


荒岩「ふぅ、落下時のクッションになって何とか助かった」

23: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 14:59:59.93 ID:pFT6iW3P0

マーメン「おめでとうございます、三次試験の新記録ですよ荒岩さん」


荒岩「そうなのか。それより、この近辺の調査はして良いのか?」


マーメン「生き残る事が出来れば、ですが」


荒岩「うむ、わかった。食料調査に向かうゾ」ガサガサ


マーメン「ストイックな受験生だなぁ」


荒岩「未知の食材が、ここにはまだたくさん眠っているようだな、楽しみになってきたゾ」


_荒岩一味 三次試験通過_



ヒソカ「僕が一番かい?」


マーメン「いいえ、荒岩さんですよ。試験トップの通過です」


ヒソカ「え…?」


荒岩「このキノコは使えそうだな、きんしゃい屋のママに教えてやらんとな」


荒岩「さて、研究研究」

24: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:00:32.09 ID:pFT6iW3P0
_72時間後_


ゴン「全員で降りれたね」


キルア「そーだな」


クラピカ「ゴンの発想力の賜物だな」


レオリオ「さすがだぜ」


ゴン「なんだかいい匂いがする」クンクン


荒岩「長い時間おつかれさん、さあ食べな」


荒岩「鳥の丸焼きに、この辺の野草と混ぜたシチューだ」


レオリオ「うまそーだな」


荒岩「アツアツをかぶりつくんだ、うまいゾ」


荒岩「さあ、みんなで食べよう。全員分あるぞ」


他の受験生「俺たちも良いんすか?」


荒岩「当然だろ、冷める前に食べようぜ」


みんな「いただきまーす」


みんな「うまーい」


荒岩(少し味付けが薄かったかな)

25: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:01:44.32 ID:pFT6iW3P0
_船内_


リッポー「三次試験通過おめでとう、さっそくだがくじを引いてくれ」


リッポー「引く順番は、タワーを脱出した順だ、荒岩さん」


荒岩「うむ」


リッポー「四次試験では、6点分のプレートを集めてもらう」


リッポー「引いた受験生の番号のプレートは3点、そうでないプレートは1点だ」


リッポー「試験期間は7日間、それまでに6点以上のプレートを集める事」


カラ「それでは、ゼビル島に着くまでの2時間、船の旅をお楽しみ下さい」

26: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:02:40.44 ID:pFT6iW3P0

荒岩「うむむ」


キルア「どうしたの、荒岩さん?」


荒岩「一緒に笑顔で飯を食った奴らと、プレートを奪い合うのか、ってな」


キルア「荒岩さんは、優しすぎなんだよ。俺が、荒岩さんを狙ってるかもしれないんだぜ」


荒岩「本当に俺を狙っているなら、話しかけてきたりしないさ。それに、キミなら卑怯な事はしない。俺はそう信じてるさ」


キルア「な、、そこが甘いっての!ありえねーよ///」


荒岩「そうかな」


キルア「調子狂っちゃうぜ」


荒岩「新しい島でも、新しい料理の研究が出来そうだしな。腹が減ったら来いよ、俺には何もないが、胃袋だけは満足できるだろ」


キルア「ありがとう、荒岩さん」ボソッ


荒岩「素直でよろしい」

27: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:03:38.12 ID:pFT6iW3P0
_ゼビル島_


カラ「それでは、一番の荒岩さん、どうぞ」


荒岩「うむ、ありがとう」


荒岩「さーて、研究研究」ワクワク


他の受験生(荒岩さんは狙えねーよ…)


荒岩(しかし、俺も狙われているのか…うむむ、少し怖いが、まあいいか)


荒岩「来る者拒まず、かな。プレート集めは二の次だ」


_それから、荒岩は訪ねてくる受験生には出来る限りの治療と、食事を与えた_

28: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:04:17.54 ID:pFT6iW3P0
_6日目_

荒岩「今日は、とっておきの鹿の燻製だゾ、初日からじっくり臭みをとって熟成させていたからな。うまくできそうだ」ルンルン


モブ「ううう…、自分のプレートを守る事に時間を費やしていたらターゲットを狙えなかった…」


モブ「こうなったら、誰彼かまわず狙ってやる」

モブ「あれは、荒岩さんか。腕っぷしは大したこと無さそうだし、いけんべ」

モブ「うおりゃー」ガシャーン


モブ「ぎゃああ、熱いい!!!」


荒岩「いかん、熱い鍋を地面に置きっぱなしにしていた」


荒岩「キミ、大丈夫かい?」


モブ「熱い!熱いい!」


荒岩「なんてこった、大やけどじゃないか」


荒岩「兎に角すぐに冷やすぞ、よく冷やしたら薬草をすりつぶした液を塗るんだ」


モブ「ううう…」


荒岩「俺の不注意で、とんでもない事をしてしまった。出来る限りの治療をさせてもらう」


荒岩「さすがに、包帯も切れたか、ええい」ビリビリ


モブ「荒岩さん、何を…」

荒岩「簡易の包帯だ。今患部をしっかり治療しないと、一生モノの傷になっちまう」


モブ「うう…、意識が」


荒岩「これはいかん、おい、おい!」

29: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:05:07.69 ID:pFT6iW3P0

_最終日_


モブ「うう、ここは」


モブ「そうだ、俺は荒岩さんのプレートを奪おうとして…」


モブ「これは、新しい薬草と包帯じゃないか!!!」


荒岩「zzz」


モブ「俺はなんて事を…」


荒岩「ん?良かった、目が覚めたな」


モブ「荒岩さん、これを」


荒岩「これは、君のプレートじゃないか」


モブ「俺はまた来年チャレンジします。それよりも、俺は荒岩さんにどうしても合格してほしいんだ」


荒岩「確かに、今確認した君のプレートは、俺のターゲットだ。しかし_」


モブ「いいんです、貰ってください。こんな俺を助けてくれてありがとう、荒岩さん」


モブ「そろそろ試験も終わります。これまでだって、荒岩さんの料理で俺たちは助かってきたんです、だから恩返しをさせて下さい」


荒岩「うむむ…」


荒岩「ありがとう。君の厚意は、無駄にはしないゾ」


_荒岩一味 四次試験通過_

30: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:05:48.96 ID:pFT6iW3P0
_飛行船内_


レオリオ「荒岩さん!」


荒岩「レオリオじゃないか、どうしたんだその傷は?」


レオリオ「蛇に噛まれただけっすよ、解毒剤も飲んだんで、腫れが引けば問題ないです」


荒岩「それならいいが、そうだこの乾燥キノコを食べると良い、体内の活力を高めてくれる作用があるんだ」


レオリオ「荒岩さんのいう事なら、ありがたくいただきます」


荒岩「うむ、味付けも改良したから、それなりに食えるはずさ」


レオリオ「うまいっす、荒岩さん。俺、この試験で荒岩さんに会えて、本当によかったですよ」


荒岩「おいおい、大袈裟だな」


レオリオ「そうだ、ゴンにもこのキノコを分けてやって下さい、あいつも酷く噛まれたんで」


荒岩「うむ、わかった」

31: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:06:48.75 ID:pFT6iW3P0

荒岩「ゴン、腫れはどうだ?」


ゴン「荒岩さん…」


荒岩「どうした、元気がないじゃないか」


ゴン「俺、ヒソカにプレートを譲られたんだ…。断ったけど、怖くて動けなかった…」


荒岩「悔しいか?」


ゴン「とっても」


荒岩「そうか、なら強くなれ、その為には_」


荒岩「美味い物をいっぱい食べて、身体を元気にしないとな」ズイ


ゴン「これは?」


荒岩「試験中に作った乾燥キノコさ。体内の活力を高めてくれる」


荒岩「今のゴンにぴったりさ」


ゴン「ありがとう、荒岩さん」


荒岩「なーに、たくさんあるから、あるだけ食べな」


ネテロ「…ふむ、荒岩一味か」ボソッ


荒岩「ん?」


ネテロ「おっと、いかんいかん」


ネテロ(勘も鋭いか、こりゃあますます楽しみじゃわい)


荒岩「まぁいいか、さて、厨房に行かないと…」


みんな「うまーい」


荒岩「うむうむ、修行の甲斐があったな」


ネテロ「んー、荒岩君」


荒岩「ネテロ会長?」


ネテロ「ちょっとした面談をしたいから、ワシの部屋に来てくれ」


荒岩「はい」

32: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:07:46.40 ID:pFT6iW3P0
_会長室_


ネテロ「さて、荒岩君。君はなぜハンターを目指すのじゃ?」


荒岩「そうですね。最初は訳も分からずにいましたが、料理一つにしても、好奇心と熱意にあふれています。私はそう言った環境に身を置いて、料理に限らずもっと色々な事を知りたいんです。ハンターになるのは、その通過点に過ぎません」


ネテロ「ふむ、よろしい」


ネテロ「注目している相手と、戦いたくない相手を教えてくれ」


荒岩「注目しているのは、ゴンですね。合格してほしいと思います」


荒岩「戦いは正直苦手なので、基本的に全員とは戦闘は避けたいですね」


ネテロ「うむ、わかった」


荒岩「うむむ…、不思議な爺さんだったな」スタスタ


荒岩(会社の命令とはいえ、ついにここまで来たんだな)


荒岩「みんなは、元気にしているだろうか?」

33: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:08:27.72 ID:pFT6iW3P0

クラピカ「故郷が懐かしいのですか、荒岩さん?」


荒岩「いや、残してきた家族の事を考えていてな」


荒岩「クラピカも、故郷には話せる仲間がいるんだろう?」


クラピカ「いえ、私は」


荒岩「これは、失言だったかな」


クラピカ「気を悪くしないで下さい、察しの通りです」


荒岩「すまなかった。それより、肩に虫がいるぞ」


クラピカ「虫?」


荒岩「これは、クモか?」


クラピカ「くっ」ゾワッ


荒岩「緋の目か_成程」


クラピカ「落ち着けば、直ぐに元に戻ります」


荒岩「クラピカ、これを食え」


クラピカ「これは?」


荒岩「いつかのミントだ。改良してあるから、味も青臭さが消えているはずさ」


荒岩「修羅の道か。君は、俺なんかよりも大きいものを背負いすぎているよ」


クラピカ「しかし、決めた事なので」


荒岩「君には素敵な仲間がいる、願わくば俺もその中に入っていると嬉しいんだがね」


クラピカ「…」


荒岩「一緒に美味い物を食って笑おう、あと一歩じゃないか」


クラピカ「荒岩さん…、ありがとう」

34: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:10:20.46 ID:pFT6iW3P0
_最終試験_


ネテロ「最終試験は、トーナメントで行う。一勝したら合格じゃ。つまり、不合格は1人のみ」


ネテロ「ついでに、殺してしまっても失格となる」


ネテロ「武器もOK反則は無し。相手に参ったと言わせるんじゃ」


ネテロ「それでは、始め」


一回戦
○ゴンVSハンゾー×


二回戦
○クラピカVSヒソカ×


三回戦
○ポックルVSキルア×


四回戦

荒岩「ついに、出番か…」

ギタラクル「カチカチ」


荒岩(こいつは、俺の料理を食べたことが無い…)


荒岩(正直言って、全く未知の相手だ。しかし)


荒岩「負けられん」


試験管「はじめ!」

35: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:11:30.22 ID:pFT6iW3P0

ギタラクル「お前は俺には勝てないよ」


荒岩「そうならないために、こうして勝つんだよ」

_数時間後、死闘はまだ続いていた_


荒岩「ぜぇぜぇ、あいつのピンは底なしか」


ギタラクル「…、当らない」


荒岩「いつの間にか、あいつの攻撃も見切れるようになったが、しかし」


ヒソカ「凝か、いつの間に…」


荒岩(持久戦ではこっちに分が悪いか)


荒岩「さすがに限界だ。このままだと押し負ける…」


ギタラクル「そろそろだな…」ジャキン


荒岩「な…んだと…??凄まじいピンの量だ」


_荒岩は、包丁を回転させてピンを跳ね飛ばした_


荒岩「どうだ!」


ギタラクル「ふーん、そろそろ顔もきついから、本気出すとするよ」


荒岩「ん、顔のピンを抜いた?」


イルミ「ふぅ、もう少し隠しておくつもりだったけど、君がしぶといから、こっちも本気を出すとするよ」


荒岩「何だ・・、この禍々しい気迫は…」

36: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:16:38.05 ID:pFT6iW3P0

キルア「そんな、どうして兄貴が…」


イルミ「キル、話は後だ。こいつを片付けてから話をしよう」


キルア「ガタガタ」


荒岩「お前は、キルアの兄か」


イルミ「そうだね」


荒岩「彼はあんなに怯えている、彼に何をしたんだ?」


イルミ「家族の事情さ、君には関係ない」


荒岩「何故、兄弟にそんなことが出来るんだ?」


イルミ「関係ないだろ」


荒岩「そうか、こっちもはっきりしたよ」


イルミ「何が?」


荒岩「お前のような男にまいったとは、死んでも言わんゾ」

_その時、荒岩に古代人の力が復活した_
(コミックス118巻参照)

37: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:17:32.58 ID:pFT6iW3P0
_鰐の顎を引き裂く腕力、どこまでも見通せる視力、厳しい環境に耐える強靭な肉体が蘇った_


荒岩「うおお!」


イルミ「このオーラは?」


イルミ「ぐはっ…」


荒岩「両肩の腱を切った。これでピンは投げられんだろう」


イルミ「…」


荒岩「さあ、キルアにあやまれ」


キルア「荒岩さん…」


イルミ「…」


荒岩「俺は本気だぞ、ここでお前を二度と動けないようにすることだって出来る」


イルミ(くそ、腱を切られて動かない)


イルミ「まいった」




試験管「試合終了です」


荒岩「まだ話は終わっていな…い…ぐはっ…」バターン

_荒岩気絶_

38: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:19:11.97 ID:pFT6iW3P0

荒岩「はっ!」

サトツ「起きましたか、荒岩さん」


荒岩「俺は、いったい…」


サトツ「丸三日も寝ていたんですよ、荒岩さん」


荒岩「試験は?」


サトツ「ボドロ氏が不合格になりましたが、後は皆合格です」


荒岩「そうですか」


サトツ「ともあれ、ハンター試験合格おめでとうございます」


荒岩「ありがとうございます」


サトツ「あなたの心の優しさに救われた受験生はたくさんいるでしょう、それがあなたの美徳です」


サトツ「本当におめでとうございます。常務も喜んでいますよ」


荒岩「ん、常務?」


常務「いやーおめでとう荒岩君、君ならやれると思っていたよ」ドアバーン


荒岩「常務?」

39: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:19:56.68 ID:pFT6iW3P0

田中「課長―!ハンター試験合格おめでとうございます!!」


江口「おめでとうございまーす!!」


荒岩「お前ら」


虹子「あなた、ほんとうにおめでとう」ニコッ


荒岩「お前も、どうしてこんなところに?」


虹子「テレビで観てるだけじゃ我慢できなくなっちゃって」


荒岩「テレビ?」


田中「課長の活躍は、途中まで衛星で中継されてたんですよ」


江口「ジャングルの活躍とか、もうカッコよすぎで痺れましたよ」


けいこ「絶対においしいものを食べさせてあげたい、という思いが溢れていましたよ」


荒岩「うむむ////」


常務「積もる話もあるじゃろうが、荒岩君にはこれから簡単な講習を受けてもらわねばならん、のうサトツさん」


サトツ「ええ、荒岩さんこちらに」

40: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:20:40.50 ID:pFT6iW3P0
_会議室_

サトツ「_というわけで、ライセンスの管理はくれぐれも慎重にお願いします」


荒岩「うむうむ」


サトツ「では、これで終わりです」


荒岩「サトツさん」


サトツ「なんですか?」


荒岩「ゴン達はどうなりましたか?」


サトツ「彼らは、ゾルディック家に向かいました。キルア君の家族と話をつけるつもりの様です」


荒岩「そうですか…」


サトツ「ともかく、これからどんなハンターになるかは荒岩さん次第ですよ」


荒岩「はい、ありがとうございます」

_それから、荒岩は日本に戻った_

41: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:22:03.49 ID:pFT6iW3P0

荒岩「今日はパーティだぞ」


荒岩「ハンター試験で研究した料理のフルコースだ、存分に味わってくれ」


田中「この豚の丸焼きが」


江口「このミントのパスタが」


梅田「野菜スープが」


工藤「ゆで卵ソース和えが」


みんな「もっ、最高!」


田中「課長も一緒に呑みましょうよ、今日の主役じゃないですか!」


荒岩「今日の俺は、楽しむより楽しますモードに入ってるのさ」




シンゴ「荒岩さん、新鮮な魚っす!」


荒岩「おう、来たな」


シンゴ「何を作るんすか?」


荒岩「握り寿司と、魚のステーキをな、食ってくか?」


シンゴ「良いんですか?」


荒岩「おう、商店街のみんなも呼びな。派手にやろーぜ」

42: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:22:41.76 ID:pFT6iW3P0
_宴は続いて_


常務「いやー、楽しんどるね」


荒岩「常務」


常務「せっかくハンターになってもらったんじゃ、会社の為に、尽くしてくれたまえ」


荒岩「勿論です」


常務「それでな、少し先の話しになるが、また出張してくれんか」

常務「行先はヨークシン・シテイじゃ、わかるな?」


荒岩「ええ」


常務「9月に行われるオークションに参加してほしい」


荒岩「わかりました」


常務「試験を受けた仲間もそこにいるらしい、仕事とはいえゆっくり羽を伸ばしてくると良いじゃろう」


荒岩「そうですか」


虹子「うふっ、あなたとっても嬉しそうよ」


荒岩「うむ、新しいものに対する好奇心がな、抑えきれんよ」


虹子「あなたらしいわ」


みゆき「とーちゃん、かーちゃん」


虹子「どうしたの、みゆき?」


みゆき「みんな見てるよー」

荒岩「うむむ///」

虹子「あらあら///」

43: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:24:04.53 ID:pFT6iW3P0

田中「こりゃー、お邪魔虫は退散するとしますかね」


けいこ「それじゃ、本日はお招きありがとうございます」


荒岩「うむ、俺がいない間サポートしてくれて助かったよ」


けいこ「今度はヨークシン・シティですもんね。成果期待してますよ」


荒岩「うむ、任せろ!」

44: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/02(水) 15:24:48.23 ID:pFT6iW3P0
おしまいです。
クッキングパパとハンター×ハンターはどちらも好きです。
読んでくれた人ありがとう。