希「第12話、いかがやったやろうか」

凛「まさかの凛のお色気シーンが挿入されちゃったにゃ…。お茶の間のお子さん大号泣だよ…」

真姫「大発情の間違いじゃないの?ねぇねぇ、どうだった?感想聞かせなさいよ」

希「え?あぁ…、あの後快楽に耐え切れなくなった凛ちゃんはついに…」

凛「やめぇっ!!もう過去のことを掘り返すのはナシにゃ!」

真姫「それにしても色々と日があいてしまって申し訳なかったわね」

凛「あと一週間は似たような感じになるからご了承くださいにゃ」

真姫「あ!そうだわ!今回の新メモリ、ワイルドメモリのことを説明しておきましょう!」

希「原作ではファングメモリにあたるガジェットで、トラの形?してるそうやね」

凛「こいつも勝手に動くのかにゃ?」

真姫「そうね、ピンチになったら助けてくれるんでしょう、たぶん」

凛「あと…、必殺技の名前なんだけど…」

希「アームファング、ショルダーファングに当たるやつのことやね」

真姫「シャイニングスターとワイルドストームね。名前の由来は『WILD STARS』の一番の歌詞からよ」

凛「そういえばメモリの名前も当てられちゃってたにゃ」

真姫「くっ…、最後まで当てられずに『おぉそういうことか!』みたいな反応を期待していたのに…!」

希「そんな秀逸でもないのに自信持ちすぎやと思うけど…」

真姫「そんなことないわよ!このワイルドにはトリプルミーニングくらいあるって言ったでしょ!」

真姫「まず一つ!スターと組み合わせることでμ'sの曲『WILD STARS』っぽくなる!」

真姫「二つ!ファングのような荒々しい要素を持ち合わせた単語である!」

真姫「そして三つ!さりげなくセリフにも入れたけど、ワイルドカード、つまりソウルメモリ側ながらこいつは私の切り札のような存在なわけ!」

真姫「どうよ!これだけの要素が揃ってるなんてすごいじゃない!これは私こそが真の主人公足り得る…」

凛「えー、次回のお話ですにゃ」

希「次回は今度こそ絢瀬さん回やね。どうなるか…。考えていたお話はもうだいぶ忘却の彼方やけど」

凛「いい感じにまとまるといいね」

希「またうまいこと安価使えると嬉しいです。ほな、今日はこれくらいかな」

凛「次回をお楽しみにね!」

真姫「これで決まりよ!」

引用元: 希「ここが、うちの探偵事務所や!」真姫「それを言うなら私たちの、でしょ?」 




701: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/22(木) 00:43:39.18 ID:R9shUeVNo
Muse「…はぁっ!てやぁっ!!」

ディコーラム・D「ふんっ!はぁっ!!」

Muse「ぐっ…!やはり手ごわい…!」

ディコーラム・D「ふふ、その程度?ならば次はこちらから…!」



なんでいきなりこうしてうちらが戦っているのか…。話はほんの30分前にさかのぼる…。

それはまさに…、運命のイタズラやった…。




美容室『音』


にこ店長「久しぶりにこー、のんちゃん!」

希「ふぅ…、昔っから風向き…、もとい音向きの悪い日はなんかさっぱりしたくなって自然とここに足が運ぶんよね…」

にこ店長「ありがとー!ところでのんちゃん…、実は…」


「…私も同じね。こういう日は決まってこの店。もはや癖になってるわ。ね、マスター?」←顔の上にタオル


にこ「ん?お、おぉ、そうね」

希「ほぉ…、美容室『音』のファンとは…、なかなかの音都通やね…!こんなボロい店…」

にこ「え?ボロい…?」

希「…なんでもない」

顔面タオル女「フッ、音都通も何も…、あなた、バロンくんは知ってるわよね?」

希「ハッハァ!もちろんや!この街のイメージキャラクター…、え、そうやったっけ…?バナナのアレが…?」

にこ「何言ってるにこ。バロンくんといえば10年ほど前から音都のイメージキャラクターじゃない」

希「あ、あぁ…、なんかそう言われてみればそうやった気がしなくもないような…、で?それがどないしたんよ?」

顔面タオル女「実はあれ…!私が…!」

希「デザインしたの!?」

顔面タオル女「…私が愛してやまない妹がデザインしたのよ!小学3年生の頃のコンクールに入賞してね!どや!」

希「身内自慢かよ!…いや、でもすごいやん!うわー、うらやまやわー…」

顔面タオル女「ふははははは!そうでしょうそうでしょう!今度特性のキーホルダーをプレゼントしてやるチカ!」

顔面タオル女「ナイト、オブ、スピアー…!限定生産50個の超激レアものよ!」

希「ぜ、ぜひ!ぜひぃっ!あ、いま投獄中の友達の分も併せて二つお願い!…いやぁ、やっぱり音都はええよねぇ…」

顔面タオル女「あはははははは…」

希「あははははははははは…!」

にこ「あ、じゃあタオル取るにこー」ヒョイッ

絵里「あぁ、ありがと…、…って、あぁっ!!」

希「え…、あぁぁっ!!!あんたはぁっ!!」

にこ「え、知り合い?」

絵里「くっ!こんなところで出会うなんてね!表へ出なさい!」

希「望むところや!希だけに!」

705: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/22(木) 01:10:21.72 ID:R9shUeVNo



絵里「まさかね…、まさかこんな場所であえるなんて…!」

希「いや、ホンマまさかやよ…。ここまで序盤の展開をパ…、オマージュするなんて…」

絵里「その話題はやめなさい。みんな敏感になってるんだから」

絵里「…この前、約束したはずよね?今度会うまで、見逃す、って。つまり、次会うときは…」

希「…また、戦う、ってこと?それより…、言うてないよね?うちが…」

絵里「まぁ…、私の口からは言ってないけど…。でも、正体バレてるみたいよ?」

希「え、マジで?」

絵里「あ、でもなんか…、まだ泳がせておけ、って言われてるらしいわ。命までは狙われてないみたいよ。よかったわね」

希「あぁ…、うん、せやね…。って、なんでそれをうちに…?」

絵里「…まぁ、いいじゃない。それより…!」スチャッ

絵里「久々にやり合いたかったのよ、あなたと…!」\ディコーラム!!/

希「…本気で、やるつもり?」

ディコーラム・D「えぇ、もちろん。さ、早く変身して?」

希「…仕方ない。そっちがその気なら…」スチャッ

ディコーラム・D「…でも、どうせだったらワイルドスターとやらに変身してくれない?どうやらそっちのほうが強いらしいじゃない?」

希「どこでそれを…。…どうする?真姫ちゃん?」


真姫「…」

真姫「…めんどいからパス。あんたらでやりあっときなさい」


希「…そうですか。イヤやって」

ディコーラム・D「あぁ、そう…。なら力づくでも引きずり出してやろうかしら?」

希「フン。うちらかて…、成長してるんやよ?」\スター!!/


真姫「…あのメモリ失くしたなんて言えない」\クレッシェンド!!/


希「えっ?失くし…」 真姫「なんでもないなんでもない」

希・真姫「「へ、変身っ…!!」」

\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


Muse「…」

ディコーラム・D「なんか慌ててるみたいだったけど…、成長がどうしたんだっけ?」

Muse「なんでも…!」「ないわよっ!!」ヒュンッ!!

ディコーラム・D「ふふ、そんなんじゃ…、当たらないわよっ!!」シュバッ!!

Muse「やってくれるじゃない…!」「なら次は…、これや!」


\アレグリッシモ!!/\ストレングス!!/ デレレンレレーンドンドンダーン


Muse「「うおりゃぁぁぁっ!!」」

ディコーラム・D「おっと…!」



…運命のイタズラ。

この偶然の出会いは、決して忘れられない別れの始まりやった…。

710: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/22(木) 01:45:54.65 ID:R9shUeVNo
第13話「Dの別れ / 夢なき夢は夢じゃない」



Muse「うぐっ…!!」「こいつ…!前よりも強くなって…!」

ディコーラム・D「ふふ…、成長したのはあなたたちだけじゃないってこと!てやぁっ!!」ヒュンッ!

ディコーラム・D「出し惜しみなんてせずにっ!とっととワイルドスターに変身したらどう!?」

Muse「…したいのは山々なんだけれど…」「…なんか出来ない理由があるみたいやよ!…大方の予想は付いてるけど!」

ディコーラム・D「だったら…!惨めに散ってもらうしかないようね!はぁっ!」ヒュッ!!

Muse「うあぁっ…!」「くっ…、そうは、させへん…!アンタみたいな街を泣かせる最低のゲスに…!」

Muse「私たちは屈するわけにはいかないのよ!」「はぁぁぁぁぁっ!!!」ブンッ!!

ディコーラム・D「甘いっ!!」ヒュヒュヒュッ!!

Muse「くっ…!また分身か…!」


「私に釣られてみる?」「私の力にあなたが泣いた!」「倒してもいいかしら?答えは聞いてないけれど!」「降臨!満を持して!」


Muse「あぁ鬱陶しい!」「でも…、こうなるとうちら…!」「敗色濃厚よね…」

ディコーラム・D「…なかなかに罵ってくれるじゃない…!でもね、私だって…!!」

ディコーラム・D「この街を…!…っ!!」

Muse「ん…?」「動きが止まった…?」「今やっ!ていっ!」ブンッ!!

バシィッ!!


ディコーラム・D「あぐぅっ!!」

Muse「よっしゃクリーンヒット!」「…でも、なんで動きが…」


ディコーラム・D「ぐ、う…、私、だって…!この街が…!この街のことを…」

ディコーラム・D「…愛して、る」

Muse「…ハッ!どの口がそんなことを!」「人の夢を叶えるためなら、街の涙は仕方ないなんてほざいとったのは誰やったっけ?」

ディコーラム・D「…ぅ」

Muse「アンタが街を泣かせてるなんて妹さんが知ったら…、どう思うかわかってるん!?」

ディコーラム・D「…」

ディコーラム・D「…それは、問題ないわ。絶対に、知られることなんて、ないし」

Muse「あ…?」

ディコーラム・D「…妹は」

ディコーラム・D「妹は、もう、この世にはいないから」

ディコーラム・D「夢を叶えることなく、無意味に死んでいった、多くの命の一つ」

ディコーラム・D「…それが、私の最愛の妹の末路よ」

Muse「え…?」「死ん、だ…?」

ディコーラム・D「…はぁ、ダメ、ね…。やっぱり私、メンタル脆いわ…」

ディコーラム・D「何もなければあなたなんか簡単に倒せるはずなのに…。だからあの大会の時も…」

Muse「…大会?」


にこ「おーい!のんちゃーんっ!のんちゃーんっ!!」


ディコーラム・D「…どうやら、あなたを探してるみたいよ?行ってあげたら?…私は、これで」シュバッ

Muse「あ、逃げた…」「な、何やったんや…」

711: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/22(木) 02:08:48.46 ID:R9shUeVNo
絵里(…私だって、この街を)

絵里(…どうしても、その先が詰まってしまって、動けなかった)

絵里(私も、心からこの街のことを、愛していたはず、…なのに)

絵里(いつからだろう。街の涙を見て見ぬふりをするようになったのは)

絵里(…きっと、あの日から)

絵里(力がなければ、夢なんて何の意味もないと知った、あの日)

絵里(亜里沙が、夢を語ってくれた、あの日から)




4年前

絢瀬家


亜里沙「…お姉ちゃん」

絵里「ん?どうしたの?そんなにウキウキして」

亜里沙「だって!お姉ちゃん、今日…、フェンシングの決勝でしょ?私、応援してるから!」

絵里「ふふ、またそのこと?心配しなくても、亜里沙が見てくれてるなら負けることなんてありえないわ」


絵里(…あの頃の私は…、自分の才能に酔っていた。自分ほどフェンシングが強い人間はいない、なんて)

絵里(少なくとも、同年代には負けるなんて微塵も考えなかった。自分には、力がある、って思い込んでいた)


亜里沙「…でも、私お姉ちゃんが羨ましい。お姉ちゃんは自分の夢を叶えられそうだしさぁ」

絵里「プロになる、ってこと?そうね…、昔からそれだけを目指してやってきたから」

亜里沙「そうやって自信持って言えるだけでもすごいよ!私なんか具体的に何をやりたいかすら決まってないのに…」

絵里「亜里沙はまだ15歳じゃない。中学生なんて、みんなそんなものだと思うけど?」

亜里沙「で、でもお姉ちゃんは…」

絵里「私みたいに具体的に決まってるほうが珍しいものよ、きっとね。…でも、そうね」

絵里「具体的、じゃなくても、漠然と…、こういう仕事がしたい、なんてないの?」

亜里沙「漠然と…?そうだなぁ…、それ、だったら…」

亜里沙「…うん。ある、かも」

絵里「へぇ、どういうの?聞かせて?」

亜里沙「ふふ、笑わないでよ?…私ね、将来は…」


亜里沙「…夢を叶える仕事に就きたい」


絵里「夢を叶える、仕事?」

亜里沙「うん。これだけは…、昔からはっきりしてるかも。誰かの夢を叶えてあげる仕事」

亜里沙「自分だけの力じゃ成し遂げられないことの、お手伝いをしてあげる仕事。…なんて」

亜里沙「あはは…、おかしい、かな?」

絵里「…いえ。とっても立派な夢だと思う。亜里沙らしい…、夢に溢れるお仕事」

亜里沙「むっ!なんかその言い方…、ちょっと馬鹿にしてない?」

絵里「し、してないわよ。…頑張って。お姉ちゃんも応援してるから」

絵里「きっと亜里沙は、夢を叶えるお仕事に就ける。一緒に夢、叶えましょ?」

亜里沙「…うん!お姉ちゃんも、今日の決勝、頑張ってね!絶対に、負けないでよね?」

絵里「…えぇ、もちろんよ」

712: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/22(木) 02:39:22.87 ID:R9shUeVNo
絵里(…今でも、はっきり覚えてる。これが、最後に亜里沙と交わした会話)

絵里(その後私は決勝の会場に向かい、その時が来るまで、精神統一やウォームアップを繰り返していた)

絵里(そんな折、決勝戦まで30分を切った頃、一本の電話が入った)

絵里(亜里沙が、事故に遭った、と)

絵里(カーブを曲がりきれなかったトラックに衝突され、意識不明の重体)

絵里(私の決勝を見に、会場へ向かっている最中の出来事だったらしい)

絵里(私は今すぐ、亜里沙のもとへ向かいたかった。だけど、この試合は大事な、そう…)

絵里(私の夢が掛かった、大事な試合だった)

絵里(…それに、亜里沙にも言われた。「絶対に負けないでね」って…。だから…)

絵里(そう自分に言い聞かせて、私は決勝を戦った)

絵里(…結果は、惨敗。当たり前だ。精神なんか統一できるはずもない)

絵里(だけど私は、悔しさなんて噛み締める前に会場を飛び出していた)

絵里(亜里沙に一刻も早く会いたかった。手術に苦しむ亜里沙の腕を掴んであげたかった)

絵里(でも、手術なんて、行われてすらいなかった。もう、亜里沙は、とっくに…)

絵里(…私は、後悔した。せめて、最後に亜里沙と…、一言でも喋りたかった)

絵里(決勝を放り出して亜里沙の元に向かって、叱られたかった)

絵里(いや、もう大会を放棄して、今日一日、亜里沙と一緒にいられたら)

絵里(そうすれば、亜里沙と、これからもずっと一緒にいられたのに)

絵里(そんな無意味な考えが、それから数日にわたって頭の中を駆け巡った)

絵里(…そこが病院でよかった、って母には言われた。もし、誰もいない場所だったら、私も死んでいたそうだから)

絵里(私は、ずっと泣き続けた。朝から、夜から。一ヶ月や二ヶ月じゃ、足りないくらい。ずっと、ずっと)

絵里(気がついたら、私はベッドの上で、点滴を挿しながら。相変わらず、涙を流して)

絵里(私には、亜里沙がいない日々がとても空虚に思えた。だから、その間ずっと考え続けた)

絵里(亜里沙は、何のために生まれてきたんだろう、って)

絵里(あの子は、叶うはずもない夢を語って、そして車に撥ねられて、無駄に死んでいくために生まれてきたのかな?)

絵里(そんなはずはない。でも、それはもう、紛れもない事実となっていた)

絵里(…少なくとも、このままじゃ)

絵里(だから私は)

絵里(あの子の夢を叶えるため)

絵里(あの子は、無駄に生きたのではないと、証明するため)

絵里(フェンシングの道を諦め)

絵里(そして、夢を叶えるための、力を手に入れるため)

絵里(ガイアメモリの売人へ、なったのだった)


絵里(私は、この仕事が、亜里沙の言う、夢を叶える仕事だと思った)

絵里(本来は、手に入らない力を、与えられる仕事)

絵里(私はこれで、数々の人を笑顔にしてきた)

絵里(売れない豆腐屋を救うためだったり、街のヒーローになるための力だったり…)

絵里(だから、私はこれで、亜里沙の夢は叶えられた、って…、そう、思った)

絵里(あの、探偵に会うまでは…)

713: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/22(木) 03:00:01.24 ID:R9shUeVNo
絵里(誰かの夢を叶えると同時に、誰かの夢を奪っている)

絵里(…もしかしたら、ずっと分かっていたこと、なのかも)

絵里(それでも、私は見て見ぬふりをしてきた)

絵里(だって…、そうしないと…)

絵里(…いえ、それすらも、私の身勝手な自己満足に過ぎないのかもしれない)

絵里(私が亜里沙の夢を叶えたところで、結局それで、亜里沙の夢が叶えられたことにはならないのだから)

絵里(それに、亜里沙は、この街が大好きだった)

絵里(この街を絶えず包み込む、穏やかな旋律が大好きだった)

絵里(そんな街を泣かせている私が、亜里沙の夢を叶えている、なんて…、言えるだろうか?)

絵里(亜里沙は、この街を泣かせて、それで夢が叶った、なんて言うような子、だっただろうか?)

絵里(改めて考えて、また分からなくなる。私は、一体どうすればいいのか)

絵里(もはや、この仕事から離れたがっている自分がいることにも気づく)

絵里(だとしても、他に人の夢を叶えられる仕事って、なんだろう)

絵里(ずっとこの繰り返し。4年前から、何も変わらない)

絵里(…だから、今は何も考えない)

絵里(私は、私の仕事を行うだけ。夢を叶えたい人が、待っているんだから)

絵里(…だけど)

絵里(この一件が終われば、少し、長めの休みをもらおうかな、なんて、思ってたりもする)



所変わって


美容室『音』


にこ「のんちゃーん!探したにこー!」

希「にこ店長?どしたん?」

にこ「実はー…、のんちゃんに頼みたいことがあってぇ~…」

希「ん?依頼、ってこと?」

にこ「依頼っていうかぁ…、んーっと…」

希「じれったいなぁ。なんでもいいからとりあえず言ってみて?」

にこ「わ、わかったにこ。あのね?実は…」

にこ「のんちゃんに>>714してほしいの!」

714: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/22(木) 03:02:06.51 ID:bgcu9KxC0
従妹の面倒を見て

722: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/26(月) 23:27:22.44 ID:mYATHxp0o
にこ「にこの従妹の面倒を見て欲しいの!」

希「は…?い、従妹…?」

にこ「うん…、地元からうちに遊びに来てるんだけど、お仕事が忙しくてあんまり構ってあげられないにこ…」

にこ「お仕事が終わるまででいいからのんちゃんに音都案内でもしてもらえないかな、って」

希「従妹、って…、店長の従妹やよね?おいくつなん…?」

にこ「結構年離れてて、まだ中学生にこ」

希「それはまた…、親子ほどの差があるんじゃ…」

にこ「そ、そこまではないわよ!まぁ…、昔から歳の離れた姉妹みたいな扱いだったけど…」

にこ「でも、しっかりしたいい子だし、迷惑かけることはないと思うから!ね、いいでしょ?」

希「いやでもうち探偵やし…。そういう依頼は受け付けてないっていうか…」

にこ「えーっ!にことのんちゃんの仲じゃなぁい!それにぃ…、理容代のツケ、たっぷり残ってるにこよ?」

希「う…、それを言われると辛いものが…。あー…、わかった。仕方ないなぁ」

にこ「うふふっ!それだからのんちゃんのこと大好きにこっ!」

希「はいはい。で…?その従妹さんのお名前は?」

にこ「うん。その子はね…」



東條西木野☆探偵事務所内


亜里沙「こんにちはっ!今日からお世話になります、小澤にこの従妹の、絢辻亜里沙といいます!よろしくお願いしますっ!」


真姫「…これはまた、行儀の良い子を拾ってきたのね。希」

希「拾い物違うから…。どちらかといえば借り物やし…」

凛「この子の子守…、というか、音都にいる間のお世話を頼まれたんだよね?」

亜里沙「はい!…私は大丈夫って言ったんですけど、にこお姉ちゃんが私に構ってあげられないのが心苦しいから、という理由で…」

希「美容室は一日中お仕事やからね。昼の間は知り合いもいないし、暇そうにしてるのをよく見るから、やって」

真姫「…うち、何でも屋になった覚えはないんだけれど」

凛「というか、こっちだってある意味一日中仕事だにゃ…。もはや暇だってことを前提に頼まれてるにゃ…」

希「まぁまぁ…。少なくとも店長より暇なのは確かなんやし…。ずっと一人なんも退屈でしょ?亜里沙ちゃん」

亜里沙「はい、正直…。でも、にこお姉ちゃんが信頼して預けてくれた人ならきっといい人だって信じてます!どうかよろしくお願いしますね!」

真姫「…ホント、よくできた子ね…」

希「真姫ちゃんも、この中では一番年近いんやから仲良くしてあげてね?」

真姫「わかってるー」

希「それで…、亜里沙ちゃん。音都でなんか興味あるところ、とか、回ってみたいところ、とかある?」

亜里沙「興味のあるところ、ですか?」

凛「なんでも言ってくれていいよ!音都は大抵のお店はあるから!なんなら凛行きつけのラーメン屋も紹介しちゃおうかにゃ?」

真姫「そうでなくても、好きな食べ物のお店や洋服売り場でも構わないわ」

亜里沙「そう、ですねー…。興味のあるところ…。あ、だったら…」

亜里沙「>>723に行ってみたいです!」

725: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/27(火) 00:02:37.65 ID:emM0D/U7o
亜里沙「じゃあじゃあ…、無理なお願いかも知れないですけど…」

希「なになに?とりあえず言ってみて?」

亜里沙「はい!えっと…、戦隊モノを扱ってるカフェ、って…、ありませんか!?」

希「…え?」

亜里沙「店員の方や他のお客さんと戦隊モノのお話しながら、戦隊にちなんだメニューを頂ける…。そんな夢のような場所…!」

希「…あ、亜里沙ちゃん…?」

凛「戦隊モノが…、好きなの?」

亜里沙「はいっ!大好きです!特に私はスーパー戦隊シリーズ第十五作目のチャイナマ…、いえ!ダイレンジャー推しです!」

希「へ、へぇ…、そうなんや…。で、でも流石の音都でもそんなカフェは…」

亜里沙「な、ないんですか…?」

凛「う、うん…。それこそ東京秋葉原にでも行かないと…」

亜里沙「そ、そうですか…。残念です…」


真姫「え?あるわよ?戦隊カフェ」


希「え!?」

凛「あるの!?」

真姫「えぇ、こぢんまりとしたところだけど。でも店内はそこそこに豪華だったはず」

亜里沙「ホントですか!?やったぁー!」

希「な、なんで真姫ちゃんがそんなん知ってるの…?」

真姫「ふっ…。私の『音楽室』にはこの世すべての事象が綴られているの…。戦隊カフェの場所だって調べればすぐに…」

凛「いや調べればそれこそネットでも見つかると思うけど…。興味を持つまでのきっかけが知りたいにゃ…」

真姫「そんなことどうでもいいじゃない。さ、行きましょう。あなた、なかなか趣味が合いそうね」

亜里沙「はいっ!仲良くしましょう!」

希「いつの間に真姫ちゃんまで戦隊オタに…」

凛「いつもお留守番だからどこから知識を吸収してるかわかったものじゃないにゃ…」


戦隊カフェ『ひみつきち』


亜里沙「わ、わぁーっ!!すごいすごいすごぉいっ!!これ…、夢みたいですっ!」

真姫「でしょ?ほら、これなんか今じゃ手に入らないトイ○らすの限定アイテムよ」

亜里沙「ホントだ!それにこっちは…、マニアの間では数十万の値で取引されてる超激レア超合金じゃないですか!?わぁ…!実物が見れるなんて…」


希「ホンマにあったし…。つ、ついていけない…」

凛「うわぁ…、暑苦しそうなオジサマがいっぱいいるにゃ…」

希「あっちには変なコスプレしたおねえさんと宅配のお兄さんがいるし…。平日やのに仕事ええんかな…」


真姫「お久しぶりね、店長。いえ…、ハカセ、って呼んだ方がいいんだったっけ?」

ハカセ「あら、お久しぶり。そうね、常連さんはハカセさん、って言ってくれるわね。あら?その子は?」

亜里沙「あ、店長さんですか!?わ、私亜里沙って言います!スーパー戦隊シリーズは初代から欠かさず見てて…!」

ハカセ「まぁ、可愛らしいのにすごいコアなお客さんね。亜里沙ちゃんね、よろしく」

亜里沙「はい、よろしくお願いします!それにしても…、店長さんいい声してますね!声優さんみたい!」

ハカセ「え゙っ…、あ、いや…、あ、あはは…、ありがとう…。で、でも声優なんてしてないから。えぇ、絶対してないし」

亜里沙「…?」

728: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/27(火) 00:19:34.32 ID:emM0D/U7o
亜里沙「…で、私が思うにですね!レオパルドンの成功が無くてもいずれ巨大ロボットは…」

真姫「いえ、あれは大きな転換期に間違いはないわ。あれがなかったら今のスーパー戦隊はなかったと言っても…」



街道


亜里沙「あーっ、楽しかったー!久しぶりに戦隊のことについてたくさん話せました!」

真姫「ふふ、私も久々に燃えたわ。また一緒に来ましょうね」

亜里沙「はいっ!」


希「…あー、あれやなー…」

凛「んー…?どうしたにゃー…?」

希「男の人が、彼女の服選びの時間が長くて辟易する、ってヤツ…」

凛「それがどうしたにゃ…?」

希「たぶん…、今のうちらの気持ちって…、それに近いものがあるんちゃうかな…」

凛「あぁ…、そうだね…。滅茶苦茶待たされたにゃ…」

希「今日がもう終わりそうやし…。意味のわからない話を延々聞かされるのは拷問に近いものがあるわ…」

凛「うぅ…、もう疲れたよ…」


亜里沙「えへへ…、話し込んでたらもうこんな時間ですね…。今日はありがとうございました!また明日、よろしくお願いします!」

真姫「えぇ、また明日。バイバイ」

亜里沙「さようならー!」


真姫「ふぅ…。行っちゃったわね」

希「どうやった?真姫ちゃん」

真姫「ん?…そうね。あの子、とってもいい子ね。友達になれそう」

凛「来週には帰っちゃうんだけどね…」

真姫「…それは少し残念ね。メアド交換しておかないと」

希「あはは…、ホンマに気に入ったんやね…。…それじゃ、うちらも帰ろか」

凛「うん、そうするにゃ!」

真姫「えぇ、帰りましょう」



帰り道


凛「…それでねー…」

真姫「ふむふむ…、ゾクゾクするわね…」


「…ぅ、グ…、が…」


真姫「…ん?今、その脇道の奥に…、だれかいなかった?」

希「奥…?」

真姫「えぇ…。それに、この臭い…。焦げ臭くて…、そして、血の臭いも…」


「…が、はぁっ…!」バタッ


希「…っ!こ、この人は…」

729: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/27(火) 00:37:56.36 ID:J5r/sQ6wo
「…が、はぁっ…!」


希「…っ!こ、この人は…」


「あ…?あ、探偵…、さん…?」


希「…絵里、さん…」


絵里「ふ、ふふ…。こんなところで…、奇遇、ね…」

真姫「ガイアメモリの売人…!?どうしたのよ…、その傷…!?」

凛「お腹のあたり…、抉られてるにゃ…。出血量もひどい…」

絵里「う、ぐっ…!ちょっと、油断を、ね…。情けないところ、見せちゃった、かな…」

希「そんなん言ってる場合ちゃうやろ!今すぐ救急車…!」

凛「わ、わかったにゃ!」ピポパ

絵里「べ、別に…、いいわよ…。この、くらい…。う、ぎぃっ…!」

真姫「…非常時に強がりはやめておきなさい。その傷、放っておけば普通に死ぬわよ」

希「とにかく…、安静にして。それから、傷口は何かで防がないと…。なんか持ってない?」

真姫「…何も」

希「…仕方ないな。うちのジャケットを破いて…」ビリビリ



希「はい。これで応急措置は完了。あとは座って救急車を待っててね」

凛「もう少ししたら来るみたいにゃ。ちょっとの辛抱だからね?」

絵里「…」

絵里「…なんで?」

希「え?」

絵里「…どうして、私を助けたの?放っておけば、勝手に死んだ相手を…」

希「どうして、って、それは…」

真姫「それは、希は困ってる人を見かけたらそれが敵だろうがなんだろうが助けてあげちゃうとんだ甘々ハーフボイルドだからよ」

希「…」

絵里「…ハーフ、ボイルド、ね…。アハハ…、変なの…」

希「…別に、うちはお前のことが嫌いなわけじゃない。ただ、街を愛するものとして、お前のやってることは許せない、ってだけや」

希「嫌いでもない人が、目の前で死にかけてたら救うのは普通のことやと思うけど。違う?」

真姫「…そうかもね」

絵里「…」

絵里「…優しいのね」

希「普通よ」

絵里「…そう、ね。普通に、優しい人」

絵里「…ありがとう。こんな私を、救ってくれて」

希「礼は、今はいい。それより…」

希「病院についたら話して。何があったかを」

730: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/27(火) 00:51:11.74 ID:J5r/sQ6wo
音都総合病院


凛「ふわぁぁ~…、また手術が終わるまで待つことになるとは思わなかったにゃ…」

希「今日は待つアンド待つの繰り返しやね…」

真姫「すぅ…、すぅ…」

凛「真姫ちゃんなんか喋り疲れて寝てるし…。凛も…、ふわぁ…、寝たいにゃ…」

希「…凛ちゃんも、寝てていいよ?うちが絵里さんから話聞いておくし」

凛「…うぅん。意地でも起きる。だって、私は東條西木野☆探偵事務所の所長だもん…」

凛「絶対に…、起き…、くぅ…。くかー…、くかー…」

希「…ふふ、仕方ないな。ゆっくりお休みね?」

希「…すみませーん、毛布、頂けますか?」



音都総合病院 病室


希「おはよう」

絵里「…おはよう。よく眠れたわ」

希「怪我は、大丈夫なの?」

絵里「…数週間は安静に、だって。でも、手術はとっても精確だし早いし、ここの医者は優秀ね」

希「せやね。…それより、その傷のことやねんけど」

絵里「あぁ…、そう、だったわね」

希「…どうしたの?何があって…」

絵里「…」

絵里「…私が」

希「え?」

絵里「…私が、やったの」

希「は…?ど、どういう、こと…?自分で…、自分を攻撃した、ってこと…?」

絵里「いえ、そうじゃ、ない…。でも…、似たようなものよ」

絵里「…この傷はね」



絵里「私がガイアメモリを売った客に、やられたものよ」

734: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/27(火) 22:48:40.89 ID:MCFVzcqTo
絵里「…ガイアメモリの不具合のことで逆恨み、とか、そういうんじゃない」

絵里「売ったその場で、私は攻撃されたのよ」

希「な…!」

絵里「…まさか、こんなことになるとは思わなかったけどね」

絵里「私はね、これでも節度は弁えてる方の人間なのよ?あなたにはわかってもらえないでしょうけど」

希「…どういうこと?」

絵里「個人的な指標だけど、私はガイアメモリを売る人間は見極めるようにしてるの。この人には売る、この人には売らない、っていうの」

絵里「基準は、『この人は、ガイアメモリの力を自分の夢のために使おうとしているか』ってこと」

絵里「私、夢を見ている人、っていうのはなんとなく分かるの。みんな、目に綺麗な光が宿ってる」

絵里「自分の進みたい、確かな指針があることを感じるのよ」

絵里「それと、欲望のままに力を扱おうとしている人もわかる。邪な感情が身体から溢れ出てるのが見てわかるんだもの」

希「へぇ…、共感覚、ってやつなんかな」

絵里「分からないけど…、それと近いものはあるかも。濁った感情…、物欲や出世欲、そういった感情は、私の目には澱んだ空気のように見える」

絵里「そういう人には、私は今までメモリを売ったことはなかった。そんな人に力を与えても、ただ徒らに人の命を奪う結果になりかねないから」

絵里「…私には私のやり方、ってものがあるのよ。あなたには、理解されないでしょうけどね」

希「…まぁ、理解はしたよ。納得はできないけど」

絵里「…そう。でもこのやり方で、私は元いた会社ではトップセールスを誇っていたのよ。すごいでしょ」

希「…自慢がしたいん?」

絵里「…いえ、そういうことじゃないんだけど。まぁ…、私は私なりに、人の命を奪うことは極力避けてきた、ってこと」

絵里「…でも、今回の客は…、違った。あれは…」

希「目測を誤った、ってこと…?」

絵里「あは…、そうだと良かったんだけど…」

希「…?」

絵里「…彼女は、今までのどんな客とも違った」

絵里「初めてね、私があの子と会った時、私は確かに、その子から煌く夢を感じたの」

絵里「純粋で、無邪気で、子供のような無垢な夢を」

絵里「…だから、この人にはメモリを売っても大丈夫だ、って…、そう思ってた」

絵里「ガイアメモリ売買の話を持ちかけて、それを承諾されて、コネクタ移植を行って、いざメモリの取引、ってタイミングで…」

絵里「…その人の夢について、まだ一言も聞いていないことに気づいたの」

絵里「だから、何の気なしに、聞いてみたのよ。あなたの叶えたい夢、ってなんなのか、って」

絵里「そいつは、何か気に入ったメモリを見つけたのか、アタッシュケースの中にあったうちの一本を手にして」

絵里「初めて会った時から変わらない、純粋で、無邪気で、無垢な笑顔で、私に向けてこう、言った」




「私、人を殺したいんです」

「ただ殺すんじゃなくて、アリの群れを踏み潰すように、何の感慨もなく、それでいて盛大に」

「今まで積み重ねてきた、その人たちにとって大事な人生を、一瞬で無駄にしてあげたいんです」

「これが、私が子供のころから、ずっと想い続けてきた、追い続けてきた夢なんです」

735: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/27(火) 23:08:17.28 ID:MCFVzcqTo
希「…っ!!?」

絵里「…耳を疑ったわ。私が純粋だと思って商談を持ちかけた人の夢が…、まさか」

絵里「…人を殺すこと、なんてね」

希「それ、って…、サイコパス、ってこと…?」

絵里「そう、ね…。きっとそう。だって、私は確かに感じたんだもの」

絵里「その子の奥に、確固とした夢がある、ってこと」

絵里「決して見間違いなんかじゃなかった。彼女は、普通の一般人が、相応の夢を持つように」

絵里「公坂海未が、夫の喜ぶ顔が見たかったように」

絵里「高崎穂乃果が、ヒーローになりたかったように」

絵里「矢敷こたろうが、姉より強くなりたかったように」

絵里「ただただ、純粋に、無邪気に、無垢に」

絵里「そいつは、人を殺したかったのよ」

希「…」

絵里「…私は、予測できていなかった。そういう夢を持つ人間が、この世に存在している、ってことに」

絵里「予測できなかった私が、一番の加害者」

絵里「…その話に呆気に取られて、目の前でメモリを使用されても咄嗟に反応できず、無様に腹を抉られたのも、全部私の責任」

絵里「でも、ちゃんとお金は置いていってくれた。命までは取らない、とも。律儀な人だったわ」

希「…言ってる場合か」

絵里「そうね、言ってる場合じゃない。こうしている間にも、あいつは…」



「急患です!通してください!」「こちらも急患です!死の危険があります!優先してください!」「こっちも!」「こちらもです!!」



希「…っ!!街で…、人殺しを…!!」

絵里「…そういう、こと」

希「そんな…」

絵里「…ふぅ。あまり、こういうことは言いたくなかったんだけど…」

絵里「依頼が、あるの」

希「絵里、さん…」

絵里「…怪我で動けない私の代わりに、ヤツを…、ボマー・ドーパントを、倒して」

絵里「そして…、この街を…、私が、いえ、私の妹が大好きだったこの街を、守って」

絵里「…お願い、します。探偵さん」

希「…」

希「…その依頼、引き受けました。必ず、妹さんの好きなこの街を、守ってみせる」

希「その代わり、報酬は」

希「…ガイアメモリの売人は、もうやめる、って、約束して欲しい。それが、今回の依頼に対する報酬や」

絵里「…」

絵里「…商談、成立ね」

736: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/27(火) 23:23:22.39 ID:MCFVzcqTo
ブルルルルルルル…


希「真姫ちゃんっ!聞こえる!?」

真姫『えぇ、聞こえてる。被害者が襲われた場所は、ちゃんと調べておいたわ』

真姫『コイツ、自分の居場所、隠す気もないみたいね。襲う場所がかなり直線的に移動してる』

真姫『これから予測するに、今こいつがいる場所は…』

希「どこ!?早く教えて!」

真姫『ここは…!希!急いで!早くしないと…!』

希「え…!?」

真姫『次に…、ヤツが襲う場所は、おそらく…!!』




美容室『音』 周辺


ボガァァァンッ!!


にこ「あ、あぁ…!わた、私の…、お店が…!にこの、夢、が…」


ボマー・D「…」


にこ「いや、いやぁ…!」

亜里沙「にこお姉ちゃんっ!!急いで!早く逃げないと…、お姉ちゃんまで一緒に…!!」


ボマー・D「ふふ…、とっても可愛い妹さんですね。羨ましい…」

ボマー・D「そういうの見ると…、ぼーんっ、ってしちゃいたくなるんですよね」

ボマー・D「まずは…、そっちの子から、やっちゃおっかな」


亜里沙「えっ…!?」


ボマー・D「じゃね。バイバイ」


にこ「あっ、亜里沙ちゃんっ!危ないっ!!」バッ


ボガァァァッ!!

にこ「うぎゅぅっ…!!あ、がぁっ…!!いだぁぁ…!!」

亜里沙「にこ、お姉ちゃん…!!亜里沙を…、庇って…」



ボマー・D「あー…、また外しちゃった…。まだ慣れないなぁ…。力の使い方…」

ボマー・D「ま、いっか。何回も使ってたらいつか慣れるでしょ。じゃ、次は…」


亜里沙「ひぃっ…!!」


ズガガガガガガガッ!!


ボマー・D「痛っ!!な、なに…?」



希「…そこまで、や」

737: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/27(火) 23:46:56.26 ID:MCFVzcqTo
ボマー・D「…誰?」


亜里沙「の、希さんっ…!?ダメですっ!こっち来ちゃ…!!」


希「…うちなら、大丈夫。今のうちに逃げ…」


亜里沙「それが…、にこお姉ちゃんが…!私を庇って…!!」

希「…、遅かったか…!まだ、息はあるよね…?」

亜里沙「は、はい…。でも…、血が…、血が止まらない…!」

希「くっ…!真姫ちゃんっ…!!」

真姫『了解。リボルマキーをそちらに派遣したわ。急いで病院に運びましょう』

希「うん…!」


ボマー・D「だから…、誰なんですか?私の楽しみの邪魔するなんて…」


希「…そっちこそ、誰なんよ。顔見せてくれないん?」

ボマー・D「あぁ…、そうですね。ごめんなさい、私からは自分がどんな姿か見えなくて…」ピチュゥゥンン…


雪穂「…これで、いいですか?あ、私雪穂、って言います。号坂雪穂」


希「…」

亜里沙「こ、子供…!?しかも…、同い年くらいの…」

雪穂「もー、子供じゃないよ。私もう高校二年生だし。立派な大人だよ?」

希(…絵里さんの話には聞いてたけど…、まさか、本当にこんな…)

希「なんで…、こんなこと…?」

雪穂「こんなこと…?こんなこと、って、どんなこと?」

希「…なんで、人を傷つけるんや。人を殺したい、って言ったみたいやけど…」

雪穂「なんで…、って…、理由なんてないですけど?ただ楽しいからやりたい、それだけですよ」

雪穂「んー…、最初はゲームで人を殺しまくるので我慢してたんですけどね?でも画面の中のキャラクターって、みんな同じ反応」

雪穂「違うんですよ!もっとこう…、人それぞれに感じる恐怖ってあるじゃないですか!それがゲームの中にはないんですよ!」

雪穂「野良犬もなんか面白くなかったし…。やっぱり人じゃないとダメですよねぇ。あ、この気持ちわかります?わかんないですよねぇ…」

希「…あぁ、全ッ然、わからん。だから、そういう話はモノ好きな警官さんに、たっぷり話せばいい…」スチャッ

希「うちがやることは…、不良娘にキッツイお仕置きを食らわせてやることや!!」\スター!!/

真姫『同感っ!!ぶっ飛ばしてやるわ!!』\クレッシェンド!!/


希・真姫『「変身っ!!」』


\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


Muse「「さぁ…、お前の罪を数えろっ!!」」


亜里沙「へ、変身、した…?」


雪穂「罪、かぁ…。いや、悪いことだってわかってるんですけどね…?」\ボマー!!/ ピチュゥゥンンッ

ボマー・D「こんなの、やめられないですよぉ…。だって、小さい頃からの夢だったんだもん…!」

738: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/28(水) 00:07:32.13 ID:lemKJYR/o
ボマー・D「やぁっ!!」フッ!!


ボガァァッ!!


Muse「ぐっ…!!空間が爆発した…っ!?」「違う、小型爆弾を投擲してやがるのよ!」


ボマー・D「もう、逃げないでくださいよっ!!」ヒュンッ!!


ギャルルルルルルッ!

ボゴォォッ!!


ボマー・D「な、なに…?」


Muse「やっと来たわねリボルマキー!」「遅いねんっ!」

亜里沙「こ、これは…?」

Muse「亜里沙ちゃん、早くこれに乗って!にこ店長はうちが乗せるから!」「乗ってれば勝手に病院へ着くわ!あとは凛に任せて!」

亜里沙「わ、わかりました…!よいしょっ…」

Muse「店長も…、よっ…、っと。これでよし…」「さ、早く行きなさい!」


ギャルルルルルルッ!!


Muse「ふぅ…、にこ店長、無事やといいけど…」「…私たちは、祈るしかないわ」


ボマー・D「ちょっ…、なんだったの今の!?あ、あれあなたの?すごいですね!カッコイイ!」


Muse「…コイツ、調子狂うわね…」「きっと今も、ボス戦戦ってるような気分なんやろうね…」「…いや、雑魚戦かもね」


ボマー・D「うわー…、ね、今度私も乗せて!お願い!」


Muse「…どうやら、そうみたいやね…」「ふざけてるわね…、つくづく…!!」

Muse「「てりゃぁぁっ!!」」ヒュンッ!!

バキィッ!!


ボマー・D「うぐっ…!!痛ぁ…!やったなぁっ!!」ヒュヒュヒュッ!!


ボガガガァッ!!


Muse「ぐふっ…!!」「近距離戦は厄介ね…!距離を取って戦うわよ!」「おうっ!」スッ


\フェルマータ!!/\ストレングス!!/ テレレンダダーンドンドンダーン


Muse「伸びるメイスやっ!!」「こうやって根元を持ってヒュンヒュン振り回して…」ヒュンヒュン…

Muse「こうっ!!」ヒュンッ!!


バシィッ!!

ボマー・D「うぐっ!!」


Muse「てりゃてりゃてりゃてりゃぁっ!!」「喰らいなさいっ!!!」ヒュヒュヒュンッ!!

バキバキバキィッ!!


ボマー・D「う、がぁっ!!」

739: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/28(水) 00:20:33.75 ID:lemKJYR/o
Muse「よし…!効いてるっ!」「こうやって弱らせて、止めは…!」


ボマー・D「う、うぅ…」フラフラ…


Muse「今やっ!」「真姫シマムよっ!!」


\ストレングス!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「くらえ…」ブンッ!!



ボマー・D「…なーんちゃって」



Muse「「え…?」」


ボッ!!

ヒュバッ!!


ボマー・D「捕まえた」ガシッ


希(足の裏を爆発させて…、推進力に…!!一瞬で距離を詰められた…!)

真姫(真姫シマム発動の隙を狙って…、腕を掴まれ…!マズ…っ!!)


ボマー・D「ぼーんっ」


ボガァァァッ!!

Muse「「ぐあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」


ボマー・D「ふふ!流石に直は痛いでしょ?ね、どう?」

Muse「あ、ぐぁっ…!!う、腕、が…!!」「これは…、マズい…!肉がズタズタに…!」

真姫(このまま放っておくと…、希の腕が使い物にならなく…!)


ボマー・D「油断はいけないですよ?」ガシッ


Muse「…っ!!あかんっ!!次は…」「太ももをっ…!!」

ボガァァァッ!!


Muse「がっ…!!あぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!あああああぁぁぁっ!!!」


ボマー・D「アハハハハハハ!!すごいすごい!痛がりようがおもしろーいっ!あー…、気持ちいい…」


Muse「あ、あぐ…!」「足まで…、う、動け、ない…!」


ボマー・D「…じゃ、そろそろ、終わりにしよっかな。次は首を…」


Muse「や、やられ…!」「うっ…!!」


ヒュンッ!! バシィッ!!


ボマー・D「痛っ!な、なに…?」


Muse「あ、あれは…?」「…>>740(空を飛ぶ生物)型の、ガジェット…?」

740: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/28(水) 00:26:06.88 ID:BbNI9+jKO
キバット二世

744: できれば鳥類がよかった ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/28(水) 00:46:03.91 ID:lemKJYR/o
Muse「なんやあれ…、コウモリ…?」「いえ、あれは…」


ボマー・D「いたっ!痛いっ!やめ…!」

<ゼツメツタイムダ!!ゼツメツタイムダ!!


Muse「…キバット二世型のガジェットだわ…」「な、なにそれ…」

Muse「そんなことより…、ヤツに隙ができた…!」「今のうちにっ…!!」

\フォルテ!!/\ハングドマン!!/


Muse「てりゃぁぁっ!!」ヒュンッ!!


シュルルルルッ…、ガシッ!!


ボマー・D「な、なにこれぇ…!?い、痛いっ…!!腕に食い込んでっ…!!」


Muse「もっと強く…!もっと強く締め付けろっ!!」


ボマー・D「うあぁぁぁぁぁっ!!痛い痛いいたぁぁぁぁいっ!!!」ギリギリギリ…

ボマー・D「ぐっ…!このぉっ!!」

ボガァァァッ!!

ブチッ!!

ボマー・D「あ、がぁっ…、はぁ、はぁ…!う、ぎゅっ…!!まだ、痛いよぉっ…!痛い、痛い…!」

<ゼツメツタイムダ!!

ボマー・D「うぅっ…!この小さいのも意味わかんないし…!来ないでよぉっ!!やぁっ!!」タッタッタッ…


Muse「に、逃げた…?」「なんとか…、助かった、わね…」

Muse「で、でも…、この、ザマ、か…。うぅっ…」ピチュゥゥンン…

希「が、はぁっ…!腕、足が…!やられて、もた…。動け、ない…!」

真姫『…そっちにも、リボルマキーが必要みたいね。Museに変身してたおかげで、さほど重傷じゃないみたいだけど…』

真姫『でもその傷じゃ…、もう当分はまともに戦えないわよ』

希「うぐっ…、そ、そんなこと…!うあっ…!」

真姫「そら見なさい。動いちゃダメ。車が来るまで待っておきなさい」

希「…わかった」


希(…必ず、守る、か…。クソッ…)

希(結局うちは…、何も守れてない、バカ女や…)


真姫(…あのガジェット、一体…?私の作ったモノでは、ない…)

真姫(だとすれば…、元々希…、いえ、星空所長が持っていたガジェット、あれを作った人物の…?)

真姫(…知らないガジェット。それは、以前にも、一度…)

真姫(まさか…、あの包帯真姫…、アイツが…?)

745: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/28(水) 00:58:10.29 ID:lemKJYR/o
音都総合病院 絵里の病室


絵里「…」

絵里(…売人を、やめる、か…)

絵里(前々から、少し考えてたことではあったけど…。ついに、実現することになるとはね…)

絵里(…問題は…、UTXを抜けることを、彼女たちが許してくれるかどうか…)

絵里(こればかりは、話し合わなければどうしようもないけれど…)

絵里(…だけど、売人を辞めたあとは、どうやって生きていけばいいのかしら)

絵里(また、夢を叶える仕事、を探す、か…。でも、夢を叶える仕事、って…?)

絵里(誰の夢も奪わず、悲しませず、夢を叶えるお手伝いができる、仕事…)

絵里(それって…、何なんだろう…)



「…えちゃんっ!しっかりして!お姉ちゃんっ!!」



絵里「また、怪我人が…。…これ全部…、ボマーメモリの…」

絵里「くっ…!私のせいで…、こんな…」



亜里沙「お姉ちゃんっ!!お姉ちゃんっ!死なないで!お姉ちゃんっ!!」

にこ「あ、うぅっ…」



絵里「…っ!!?」

絵里「今…、ドアの隙間から、見えた…、タンカで運ばれる人に、付き添ってた、子…」

絵里「あ、亜里沙…?」



第13話「Dの別れ / 夢なき夢は夢じゃない」

おわり

746: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/28(水) 01:08:21.84 ID:lemKJYR/o
真姫「というわけで第13話だったわ。いかがだったかしら」

希「一回寝落ちしちゃってごめんね。今もすごく眠いけど」

凛「それもあるけど一話の間隔が空きすぎたのもごめんね。今度からは更新早くなる予定だから!」

真姫「さて、今回を振り返っていくけれど…、亜里沙と雪穂が初登場だったわね」

凛「亜里沙ちゃんは年齢も性格もそんなに変わってなかったからいいけど…」

希「雪穂ちゃんに至っては年齢も変わった上に性格はサイコパスにされるというとんでもないことに…」

真姫「セリフ多いキャラはライダーから出しづらいのよ。口調が難しいし」

真姫「それに…、サイコパス少女…、ゾクゾクするじゃない」

凛「それには肯定しかねるにゃぁ…」

真姫「今更だけど性格改変はもはや致し方のないことなので許してね」

希「それと、サブタイトルが穂乃果ちゃんのソロ曲のタイトルだったのは…?」

凛「そうだよ!穂乃果ちゃん一回も出てきてないし!」

真姫「なんか今回の話と妙に合致するからつけてみただけで特に穂乃果は関係ないわ」

希「適当やね…」

真姫「ふっふっふ…、なんか重要そうな回には曲のタイトルをつけるスタンスで行こうかしら、これからも」

凛「好きにすればいいんじゃないかにゃ…?」

希「じゃ、今日はここまで、かな…」

真姫「もう眠たいからお休みするわ!次回をお楽しみに!絵里の命運やいかに!」

凛「これで決まりにゃ!」

752: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/29(木) 23:09:23.71 ID:u9RT/EIUo
音都総合病院 希の病室


希「うぐっ…」

真姫「こら、動かないの。治療は済んだと言ってもまだ動けるような体じゃないんだから」

希「せやけど…、あの爆弾魔少女を放っていたら…」

真姫「そうならないように、フォルテハングドマンで縛っておいたんでしょ」

凛「ん?どういうことにゃ?糸で縛ると爆破できなくなるの?」

真姫「そういうことじゃないわ。フォルテハングドマンは釣り糸で対象を思いっきり縛るだけの能力だからね」

真姫「ただ…、糸が切れてもその効力はしばらく続く。今、あの爆弾魔は腕が痛くて痛くて仕方ないはずよ」

希「だから、他を爆破させるだけの余裕はない、ってことやね」

真姫「えぇ、あの年頃なら痛みにも敏感なはず。今はただ糸を千切るのに必死になってるんじゃないかしら」

凛「それまではこっちにも時間が残されてる、ってことかにゃ…」

真姫「まぁ…、かなりフラストレーション溜まってるでしょうからね…。切れた後のことを考えると恐ろしくなるけれど…」

希「…でも、うちが戦えるようになるまで回復するほどの、猶予はない…」

真姫「…」

真姫「…はぁ、やっぱり、アレしかないわよね…」

希「ワイルドメモリ、でしょ。…真姫ちゃん」

真姫「うっ…。ぐぐ…」

希「今朝、ワイルドメモリ失くした、って…」

真姫「えぇっ!失くしちゃったわよ!だって勝手に動くんだものアイツ!」

凛「事務所から逃げちゃったんだね…」

真姫「クッソ…、なら仕方がない…。このほんの少しの猶予の間に私たちができることはだった一つ…!」

希「ワイルドメモリを、見つけること、やね」

真姫「その通り!希はゆっくり休んでおきなさい!さ、凛!行くわよ!」

凛「了解にゃ!こういうのは凛にお任せ!なんたって…」

真姫「ペットの捜索は、大大大得意、なんだものね!」

753: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/29(木) 23:19:01.34 ID:u9RT/EIUo
第14話「Dの別れ / ありふれた悲しみの果て」



音都総合病院 絵里の病室


絵里「…」

絵里(さっきのは…、亜里沙…?)

絵里(いや、そんなまさか…)

絵里(で、でも…)

絵里「…」

絵里「と、とりあえず、部屋を出てみましょう…」


絵里「たしか…、タンカは集中治療室に運ばれていったはず…、そっちへ向かいましょう」

絵里「よっ…、う、ぐっ…!流石に…、まだ痛む、わね…」



集中治療室前


亜里沙「にこ、お姉ちゃん…。お願い、死なないで…」


絵里「あ…」

絵里(いた…)


亜里沙「…」

絵里「あの…」

亜里沙「は、はいっ…?え、あぁ…、ここ、邪魔でしたか…?」

絵里「あぁ、うぅん、そうじゃなくて…」

亜里沙「…?」

絵里「亜里、沙…?」

亜里沙「えっ…?なんで、私の名前…。あの…、どこかでお会いしたこと…」

絵里「え、いや…」

絵里(私はあなたのお姉ちゃんよ、なんて…、流石に言えるはずもない…)

絵里(それに…、仮に亜里沙が生きていたとしてら、今は19歳…)

絵里(対して、彼女はどう見ても中学生…。リビングデッドでもない限り、ありえない、か…)

絵里(でも…、似ている。亜里沙、私の妹に…。それに、名前まで同じ、だなんて…)

亜里沙「あの…?」

絵里「えっ…、あ、あぁ…。いえ、会ったことはないわ。ごめんなさい…」

亜里沙「え…?そうですか…?でも、だったらどうして私の名前を…」

絵里「え゙っ…。あ、あぁ…、そうね…」

絵里「え、えっと…、それはぁ…、そう!それは私が>>754だからよ!」

755: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/29(木) 23:36:41.69 ID:u9RT/EIUo
絵里「それは私がロリコン●●変態クソ●●●だからよ!」

亜里沙「は…?」

絵里「えー、その…、小さな可愛らしい女の子を見るとその審美眼によって名前すら透視してしまう能力を持った…」

絵里「…あー…」

亜里沙「…」

亜里沙「え、えっと…、その…」

亜里沙「す、すごいですね!そんな…、の、能力を持ってるだなんて!」

絵里「いやいやいや!ごめんこれ嘘だから!本気にしないで!そして気を使わないで!」

亜里沙「い、いいんです!私全然引いてませんから!ロリコン●●変態クソ●●●なお姉さんでも立派に生きていらっしゃるんですから!」

絵里「もはやミジンコレベルと同程度に見られている!?違うの!今のはただのロシアンジョークで実は…」



亜里沙「あぁ…、そうだったんですか…」

絵里「え、えぇ…。ごめんなさい、わかりにくい冗談かましてしまって…」

亜里沙「あ、いえ…。でも、不思議な偶然ですね…。その妹さんと私がソックリで、それに名前まで一緒、だなんて…」

絵里「そうね、私も驚いたわ…。幽霊を見たのかと…」

亜里沙「そんなに、私とその、妹さんは瓜二つだったんですか…?」

絵里「えぇ、今でも信じられないくらい。ちょうど…、あなたくらいの歳の頃に…」

絵里「…ぅ」

亜里沙「…あ!えっと…、その…」

絵里「…うぅん、いいの。ごめんね、余計な気を使わせてしまって…、ぐずっ…」

亜里沙「いや…、あの…」

絵里「あなたを見ていると…、妹のことを思い出して少しセンチになっちゃっただけだから…」

絵里「…亜里沙」

亜里沙「え…、えぇ…っと…、その…」

亜里沙「…お、お姉ちゃんっ!」

絵里「えっ…?」

亜里沙「あの…、だったら、今だけ…」

亜里沙「今だけ、私を妹さんだと思って…、接してもらえませんか?」

絵里「亜里沙、ちゃん…?」

亜里沙「絵里さんの心が、それで少しでも安らいでくれるなら、って思って…」

亜里沙「…ダメ、でしたか?」

絵里「あ…」

絵里「…うぅん。ありがとう。とっても…、嬉しい。亜里沙…」

亜里沙「あっ…!お、お姉ちゃんっ!」

亜里沙「お、お姉ちゃん…!何か…、してほしいこと、ない?」

絵里「してほしい、こと…?」

亜里沙「うん…、私にできることなら…。なんでも言って?」

絵里「亜里沙…。そう、ね…。だったら…」

絵里「>>757、してくれない?」

756: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/29(木) 23:41:19.70 ID:WdfWDkNj0
私と料理店の経営

758: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/30(金) 00:01:59.71 ID:lI9IAX6oo
絵里「私と…、料理店の経営をしてくれないかしら」

亜里沙「…今だけ、って言ったんですけど…」

絵里「知ったことじゃないわ。さぁ、私とともに下町の小洒落た居酒屋を…!!」

亜里沙「無理ですっ!わ、私にもにこお姉ちゃんって大事なお姉ちゃんがいるので…」

絵里「…」ションボリ

亜里沙「あ…、凹んでる…」

絵里「…一度だけでも…、飲食店、経営したかった…」

亜里沙「えぇー…、この人思ってたよりめんどくさい…」

亜里沙「あ!じ、じゃあ…、そういう設定のおままごとなら…」

絵里「やってくれるの!?」

亜里沙「ひぇっ!?い、いきなり大声を出さないでください…。っていうかおままごとでどれだけ喜んでるの…」

絵里「じゃあじゃあ私客ね!亜里沙が店員!」

亜里沙「え、一緒に経営するんじゃないの!?」

絵里「でもそうするとお客さんが来ないじゃない!そんな飲食店少しも面白くないわ!」

亜里沙「わ、わかりました…。じゃあお姉ちゃんがお客さんってことで…」

絵里「うん!…ちりんちりーん、やってるー?」

亜里沙「え、あ…、い、いらっしゃいませー。お一人様ですか?」

絵里「いえ、二人よ」

亜里沙「えっ」

絵里「妹の亜里沙も一緒なの、ね、亜里沙?」

亜里沙「あ、えっ…、あ、う、うん!今日はお姉ちゃんと一緒にご飯だー!楽しいなー!」

絵里「というわけで二人です」

亜里沙「あっ…、え、そ、そうですか…。ではお席にご案内します、どうぞこちらへ…」

絵里「何やってるの亜里沙。案内してもらってるんだから着いていかないと」

亜里沙「お、お姉ちゃんごめーんっ!そうだね、一緒に行くよー!」

絵里「あれ、店員さん。どうして途中で案内を止めるんですか?早く席に案内してください」

亜里沙「ひ、一人二役同時はキツすぎるよ…。せめてどちらかやってる時は他の役も動いてることにして…」

絵里「仕方ないわね。じゃ、席に着きました。メニューを頂けるかしら?」

亜里沙「えっと…、こちらがメニューとなります」

絵里「ふむふむ…、ね、亜里沙は何が食べたい?」

亜里沙「えっ…、あぁ…、お、お姉ちゃんが好きなものならなんでもいいよーっ!」

絵里「そう?じゃあねー…」

亜里沙(うぅ…、あっちのナースさんに変な目で見られた…。恥ずかしいよぉ…)

絵里「…亜里沙?もしかして、嫌だった?ご、ごめんなさい…、もうやめる?」

亜里沙「あ、う、うぅん!全然平気!お姉ちゃんが楽しければ、私も楽しいから!」

絵里「…そう。ふふ、ありがとう、亜里沙。えっと…、じゃあおままごとの続きだけど…」

絵里「>>759と、>>760をください」

759: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/30(金) 00:03:59.20 ID:OWTkh0sVo
カルボナーラ

760: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/30(金) 00:05:01.24 ID:ax48t2Dt0
冷奴(木綿、掴みやすい)

761: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/30(金) 00:33:13.33 ID:lI9IAX6oo
絵里「じゃあ私はカルボナーラで…」

絵里「亜里沙は冷奴ね」

亜里沙「えぇっ!?私だけお豆腐!?」

絵里「いいじゃない。木綿豆腐だから掴みやすいわよ」

亜里沙「知らないよ!別に豆腐掴んで食べないし!」

絵里「もう、そんな大声出したら店員さんに迷惑でしょう?ね、店員さん?」

亜里沙「えっ…、あ、あぁ…、そ、そうですね…。急に変えないでよ…」

絵里「…そんなに亜里沙がお豆腐が嫌なら亜里沙もカルボナーラにしてあげるわ」

亜里沙「うん、もうそれにしてよ…」

絵里「はい、じゃあ料理ができました。運んで来てちょうだい」

亜里沙「え、うん…。お、お待たせしました。カルボナーラです」

絵里「え、もう出来たの?少し早くないかしら…、芯が残ったパスタは好きじゃないんだけど…」

亜里沙「もう出来た、って言ったのはお姉ちゃんでしょ!」

絵里「うわぁ、亜里沙の料理美味しそうね。ちょっとだけ頂戴」

亜里沙「同じ料理だよ!」

絵里「じゃあ頂きましょうか。ズルズル…」

亜里沙「もう、なんなの…?ず、ずるずる…」

絵里「あら、亜里沙ってばパスタを素手で食べるなんて変わってるのね」

亜里沙「フォーク持ってるジェスチャーしてるでしょ!それだとお姉ちゃんも素手で食べてることになるよ!」

絵里「私はちゃんとスプーンで食べてるわ!」

亜里沙「スプーンで食べてるの!?どうやって!?」

絵里「こうやって先の割れたところでこうして…」

亜里沙「先割れスプーン!?」

絵里「そう、先割れスプーンよ!」

医者「あのー、うるさいんで他所でやってもらえませんか」

絵里・亜里沙「「はい…」」



絵里の病室


亜里沙「怒られちゃいましたね…」

絵里「えぇ、ごめんなさい…。私も調子に乗りすぎたわ…」

亜里沙「っていうか途中から完全に漫才だったじゃないですか…。あんなので良かったんですか?」

絵里「…うん。私はすごく満足。昔はこうして…、よく亜里沙とふざけあってたっけ」

絵里「とても懐かしい気持ちになれた…。ありがとう、亜里沙ちゃん」

亜里沙「あ、いえ…。絵里さんが楽しかったのなら、私も、嬉しいです…」

絵里「ふふ…、本当によくできた子ね。…あなたのお姉さんが羨ましい」

絵里「…あ、今は…、怪我、してるのだったわね…。ごめんなさい、変なことに付き合わせてしまって…。戻ったほうが…」

亜里沙「…うぅん、今は…、私にできることは祈ること、だけだから…。ただ集中治療室の前で座ってるよりも…」

亜里沙「今、絵里さんとお話する方が、いいことだって私は思うんです。ダメ、ですか?」

絵里「…いえ、全然、ダメじゃないわ。うん…、お願い」

絵里「…もう少し、私の話に、付き合ってもらえるかしら」

762: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/30(金) 00:55:43.04 ID:lI9IAX6oo
絵里「…初対面のあなたに、こんなこと話すなんておかしいと思うけれど…」

絵里「今、私とても迷っているの」

絵里「今の仕事をやめることにしたのだけれど、その先どうすればいいのかが決められなくて…」

絵里「これまで、私はね、妹の夢を叶えるために、生きてきた」

絵里「妹の夢だった『夢を叶える仕事』に就いて、他人の夢を叶えるためのお手伝いをしてきた、つもりだった」

絵里「…でも、それは誤りだった、って気付かされた。私のしてきたことは、同時に他人の夢を奪う行為でもあったの」

絵里「だから…、今のこの仕事は辞める、って決めたのはいいんだけど…。それからどうすればいいか…」

亜里沙「…」

絵里「…なんて、ごめんなさい…。10歳近くも年上の他人に人生相談なんかされても困るだけよね…」

絵里「…いいわ。今のは忘れて。それより、また何か楽しいことを…」

亜里沙「…絵里さんは、どうしたいんですか?」

絵里「…え?」

亜里沙「聞いてる限りだと、絵里さんが求めているのは、妹さんの夢…、『夢を叶える仕事』なんですよね?」

亜里沙「でも、それって…、妹さんの夢であって、絵里さんの夢じゃ、ないじゃないですか」

絵里「ぁ…」

亜里沙「死んでしまった妹さんの夢を追いかけて…、でも、それがダメだったから、また妹さんの夢を追い掛け直して…」

亜里沙「それだと…、絵里さんはずっと妹さんの夢に縛られ続けることに、なっちゃいます…」

亜里沙「だけど…、そうなると、ずっとずっと、絵里さんの夢は叶わないままじゃ、ないですか…」

絵里「私の…、夢…」

亜里沙「…これは、何の根拠もない私の、予想ですらない、ただの空想です、けど…」

亜里沙「きっと…、『亜里沙』さんは…、『お姉ちゃん』の夢を、叶えることも含めて…、『夢を叶える仕事』って、言ったんじゃないでしょうか」

亜里沙「何よりも…、一番大切なお姉ちゃんの夢を叶えてあげたいから、亜里沙さんは…、『夢を叶える仕事』がしたい、って、思ったんじゃないでしょうか」

絵里「…っ!」


(亜里沙「うん。これだけは…、昔からはっきりしてるかも。誰かの夢を叶えてあげる仕事」)


絵里(昔から…、はっきり、してる…)

絵里(じゃあ、亜里沙が、そう決めた、きっかけは…?)

絵里(どうして亜里沙は…、夢を叶える仕事をしたい、って思うようになったのか…)

絵里(妹の夢を追うことだけを考えて、それを考えたことすらなかった)

絵里(亜里沙の夢が、決まったきっかけ…。それって…、もしかして…)



絵里(10年前の、あの日…)

絵里(亜里沙と、二人で…、この街について、語った時の思い出…)

763: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/30(金) 01:20:24.59 ID:lI9IAX6oo
10年前



亜里沙「ねー!見てみてー!これ!」

絵里「ん?何これ…?」

亜里沙「んとね、音都のますこっときゃらくたー!」

絵里「マスコット…?あぁ…、たしか一般募集で優秀賞に選ばれたら本当に採用されるのだったかしら…」

亜里沙「どう?かわいい?」

絵里「えぇ、可愛いけど…。なんでバナナ…、バナ、バナナ?」

亜里沙「バロンくん!」

絵里「え?」

亜里沙「これはバロンくんっていうの!ただのバナナじゃないよ!ほら、頭のヘたのところが四分音符の形に…」

絵里「あらホント。へぇ…、思ったより考えられてるのね。うん、いいんじゃないかしら。とっても可愛いわ」

亜里沙「でしょー?えへへ~…、気に入ってもらえるといいなぁ~…」

絵里「…きっと、優勝するわ。だって、亜里沙ほど、この街を愛してる子はいないもの。でしょ?」

亜里沙「うん!亜里沙、この街の…、音都のこと、大好き!お姉ちゃんも好きだよね?」

絵里「…えぇ、もちろん。大好きよ。…この街を包み込む、柔らかな旋律が、とっても好き…」

絵里「それに、この音楽を聴いていると、自然と練習にも身が入って…、自分が強くなってる、って感じやすいのもあるかしら」

亜里沙「練習…。フェンシングの?」

絵里「えぇ。今度街の大会に出場するの。この間のフェンシング教室でも男の子より強かったんだから」

絵里「だから、大会でも優勝して、おばあさまやおかあさまに褒めてもらって…。ふふ、トロフィーは亜里沙にプレゼントしようかしら」

亜里沙「本当!?…あ、うぅん。そのトロフィーは…、お姉ちゃんのもの、だから…。お姉ちゃんが持ってて」

絵里「そう…?」

亜里沙「…その代わり!街の大会で優勝するだけで満足しちゃダメだよ!もっともっと、他の大会でも優勝して…、トロフィーをいっぱいもらって…」

亜里沙「二人の部屋にいっぱい飾るの!そしたら…、二人共、嬉しいでしょ?」

絵里「…うん。そうね…、うん!私…、街の大会で優勝したら…、今度は県大会…、地方大会…!そして、全国…!」

絵里「いっぱいいっぱい優勝して、トロフィーをたっくさん持って帰るわ!決めた!」

絵里「…これが、私の夢!二人の部屋に、トロフィーをたくさん飾る!」

亜里沙「あ、じゃあ私は…!それを応援する!お姉ちゃんの大会、全部見に行くから!大きな声で、応援するからね!」

絵里「うんっ!亜里沙がいてくれたら、私の夢なんてすぐ叶っちゃうわ!」

亜里沙「うん…!私が…、お姉ちゃんの夢を…。あ!そうだ!」

絵里「ん?どうしたの?」

亜里沙「お姉ちゃんの夢が叶いますように、って願いを込めて…、よいしょ…、かきかき…」

亜里沙「じゃじゃんっ!バロンくんに大きな剣を持たせてみたよ!これで応募してみる!」

絵里「あら…、いいの?これじゃあ剣じゃなくて…、槍に見えるけど…。まぁ、突くという意味ではそっちのほうが近いかもしれないけど…」

亜里沙「この大きな剣で、バロンくんはこの街を守る象徴になってくれるといいなぁ…」

絵里「…うん。きっとみんな、わかってくれる」

絵里「だって…、亜里沙は…、この街を、こんなにも愛しているのだから」

764: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/30(金) 01:43:11.36 ID:lI9IAX6oo
絵里の病室


絵里「…バロン、くん」スッ

絵里「そっか…。このマスコットには…、そんな意味が…」

絵里「亜里沙が叶えたかった、『夢を叶える仕事』って夢は…、このバロンくんという形で、遺されていた…!」

絵里「…亜里沙は、決して、無駄に生きたわけじゃなかった…っ!!」

絵里「彼女の思いは…!夢は…っ!確かに今、ここにある…っ!!」

絵里「亜里沙っ…!!うっ…、うあぁっ…!!うあああぁぁぁぁぁぁぁ…っ!!」

亜里沙「絵里、さ…、お姉ちゃん…」ギュッ

絵里「亜里、沙、ちゃん…」

亜里沙「…言ったでしょ?今だけは…、私は、お姉ちゃんの妹、だから…」

亜里沙「お姉ちゃんが泣いてる時は…、私が…、受け止めてあげたい、から…」

絵里「あり、がと…、う、うぅっ…、亜里沙ぁ…!亜里沙ぁぁ…!!」



絵里(あれからも私は、フェンシングの大会で勝ち続けて、トロフィーをいっぱい貰って、部屋に飾って…)

絵里(部屋がトロフィーで埋まった頃、私はプロを目指すようになっていた)

絵里(もっと大きなステージで勝利を。そして、栄光を…。そんなことを考えるうち、いつしかあの日のことは、記憶の片隅に追いやられていった)

絵里(だけど亜里沙は、どんな小さな大会にも必ず応援に来てくれた。私が忘れてしまった夢を、亜里沙はずっと覚えていた)

絵里(きっと、あの日から。あの日から、亜里沙の夢は、『夢を叶える』ことに、なったんだ…)

絵里(でも私は…、そんなことも知らずに…。自分の夢より、亜里沙の夢を叶えることに必死で…。本当に亜里沙が叶えたかった夢を、放り出してしまった…)

絵里(だったら…、だったら、今こそ…!)



絵里「ぐずっ…、うぅっ…、えぐっ…」

亜里沙「…」

絵里「…ふぅっ…、はぁっ…、ありがと…。もう、いい…」

亜里沙「大丈夫、ですか?」

絵里「うん、もう…、平気。ふふ…、格好悪いところ、見せてしまったわね…」

亜里沙「…いえ、そんなこと…」

絵里「それに、服をこんなに濡らしてしまったし。…これ、お礼になるかしら」

亜里沙「これは…?」

絵里「バロンくんキーホルダー。限定生産50個の超レアモノよ。それにこれは試作品だからさらにレアだわ」

亜里沙「え、そんな貴重なモノを…?いいんですか?」

絵里「…いいの。元々、お供えする予定のものだったから。それより、あなたが持っていてくれた方が…、きっといいわ」

亜里沙「…ありがとうございます。ずっと、大事にします。…亜里沙さんの分まで」

絵里「…ありがとう」

765: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/30(金) 01:53:09.17 ID:lI9IAX6oo
どこか



雪穂「ぐぎぎぎぎぎぎ…!!痛い、痛い痛いぃぃぃぃっ!!!」

雪穂「腕が痛いよぉぉぉぉっ!!この、このぉっ!!早くちぎれなさいよぉっ!!」

雪穂「許さない…!絶対、絶対に殺してやる…!!あの女ァ…!!」

雪穂「ぐぎぎぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」




さらにどこか



凛「こんなので本当に捕まえられるのかにゃ…?」

真姫「いいのよ…!トラといえば生肉が好物…!こうして生肉を餌として放置しておけば…!」

真姫「いずれワイルドメモリが食らいついてくるはず!」

凛「メモリが生肉食うわけないにゃ…。こんなことするより聞き込みの方が…」

真姫「あ、来たっ!!」

凛「はいはい、どうせカラスか何かがのパターン…、って本当に来てるぅっ!!?」

<ギャオォォォォォッ!!

真姫「凛っ!逃げられないうちに捕まえるのよ!」

凛「がっ…、がってん承知にゃ!うりゃぁぁっ!!」

<ギャォォォォンッ!!

凛「ひゃぁっ!!怖いにゃ!」

真姫「あっ、バカ!逃げちゃうじゃないっ!!追いかけなさいっ!」

凛「わ、わかった!うにゃぁぁぁぁっ!!!」



希の病室


希「…あの二人に捜索を任せて本当に良かったんやろうか…、心配になってきた…」

766: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/30(金) 02:09:45.66 ID:lI9IAX6oo
絵里の病室


亜里沙「…」

絵里「亜里沙、ずっと私と一緒にいるのもあなたのお姉さんが嫉妬しそうだし…、そろそろ集中治療室の前に行ってきたら?」

亜里沙「え…、でも…」

絵里「私のことなら、もういいから。それに、ここの医者は腕がいいから、そろそろ手術も終わるかも知れないわよ?」

亜里沙「…わ、わかりました。じゃあ…、行ってきます」

絵里「…えぇ、行ってらっしゃい」


タッタッタッ…


絵里「…行ったわね。そろそろ、来る頃だし…」



英玲奈「…来る頃、っていうのは、私のことかな?」



絵里「…英玲奈」

英玲奈「…さっきの女の子は、知り合い?」

絵里「いえ、ここで知り合ったばかりだけど…」

英玲奈「…そう。それで、話っていうのは?あ、これお見舞いのメロン」

絵里「あ、あぁ…、ありがとう。えぇ、そう。話があって呼び出したのだったわね」

英玲奈「まさか、お見舞いの催促ってわけじゃないんでしょう?」

絵里「もちろん。もっと、大事な話…。こんなこと、言っていいのか分からないけど…」



英玲奈「…UTXを、辞めたい、か…」

絵里「…えぇ。ガイアメモリの販売からも、手を引くつもり。あなたたちの情報を、他へ売るつもりもないわ」」

英玲奈「辞める、理由は?」

絵里「他にやりたいことが見つかった、じゃ、ダメかしら…?お願い、どうしても…」

英玲奈「…わかった」

絵里「えっ…?」

英玲奈「受理する。私の独断だが、絵里がUTXを抜けることを許そう」

絵里「い、いいの…?」

英玲奈「問題ない。ガイアメモリ流通のルートは、絵里のおかげでかなり磐石のものとなってきた」

英玲奈「見事に役割を果たしてくれた絵里が抜けたいというのなら、それを止める権利は、私にはない…、こともないが、今回は見逃そう」

絵里「本当に…?あ、ありがとう!」

英玲奈「礼を言われることのものじゃない。…でも」

絵里「…でも?」

英玲奈「退社の際は必ず、ガイアメモリを返してもらう」

絵里「…それは、承知の上よ。…ただ、まだ返すことはできないけれど」

英玲奈「…そう。それと、ツバサやあんじゅより先に、私に相談してくれてよかった。あのふたりならば、どうなるか分からなかったから」

絵里「そ、そうだったの…?あ、危なかったわね…」

英玲奈「えぇ、よかった。二人より先に、言ってくれて」


英玲奈「…本当に、よかった」

776: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/31(土) 23:12:21.84 ID:3cDwG5tXo
音都総合病院 エントランス


絵里「…」ソー…


希「…どこ行くん?」


絵里「ほわっ!?あ、あなた…、どうして…」

希「なんか胸騒ぎがしてね。うちの隣の病室の人が病院を抜け出す予感が」

絵里「…えらく具体的な胸騒ぎね」

希「ま、うちスピリチュアルやし。…で、どこ行くん?」

絵里「…決まってるでしょう。私がこの手で、ボマーメモリを破壊する」

絵里「最後にあれを破壊して…、私はこの街を出て行くの」

希「…やめとき。絵里さんの体は、今は戦える状態やない」

希「激しく動くだけでも傷口が痛むはず。戦闘なんて出来るはずもない」

絵里「…そんなの、わかってる」

絵里「でも…、でもね!私が…、やらなきゃいけないのよ。ボマーメモリを販売した責任は、私にあるのだから」

絵里「この街を、そして亜里沙ちゃんと、そのお姉さんを泣かせてしまったけじめは、私がつけなきゃいけない」

絵里「だから、邪魔、しないで」

希「…」

希「…気持ちは、わかった。せやけど…、了承は出来ない」

希「今のあなたを戦いに向かわせるのは、死にに行かせるようなものやから」

希「うちは、自殺志願者を見送る趣味はないよ」

絵里「自殺なんかじゃない。…絶対に、やってみせる」

希「決意は変わらない、ってことね…。だったら…!!」グッ…

希「…ぶん殴ってでも止めてあげる。うちにやられるようじゃ、爆弾魔には到底勝てないやろうし」

絵里「…本気?」

希「本気も本気、大マジや。…覚悟、しといてよ」

絵里「…」

希「…行くよ」

希「はぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ブンッ!!

絵里「…っ!!」


ヒュンッ!!


絵里「…」

希「…」

希「う、ぐ…!喉元に、手刀…。全く、見えなかった…」

絵里「…これでも、フェンシング全国決勝まで行った人間なのよ。舐めないで欲しいわね」

希「あ、あはは…、強いなぁ…。降参や…」

希「…結局、一度も勝てなかった…」

絵里「…当然よ。戦いのキャリアが違うんだもの」

777: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/31(土) 23:29:16.63 ID:3cDwG5tXo
絵里「…わかって、もらえた?もう邪魔しないでもらえるかしら」

希「…うん。うちには止める資格もないしね」

希「うちの代わりに、街を守って。お願い」

絵里「…えぇ、元より、そのつもりよ。妹が大好きだったこの街を、私が守るの」

絵里「それが、私がこの街でする、最後の仕事よ」

希「…」

絵里「探偵さん…、いえ、希…、さん、だったかしら」

絵里「あなたは、私に大切なことを思い出させてくれた。…街を、愛するということ」

絵里「あなたと、亜里沙ちゃんのおかげで、妹の生きた証に気づくことができた。感謝してるわ」

希「…別に、うちは本心で絵里さんと向き合っただけや。何かをしたつもりはないよ」

絵里「あなたの本心に、救われたのよ。…もう、今更遅いのかもしれないのだけれど」

絵里「…私は、あなたと友人になりたい。あなたのような人と、友人でありたいの」

希「…友達、か。…うん。この音都を愛する者は、みんなうちの友達や!」

希「もちろん、絵里さんもうちの友達。ね?」

絵里「…えぇ。あ、それと…」

絵里「私のことはかしこいかわいいエリーチカ、と呼んでくれて構わないわ」

希「…なにそれ」

絵里「親しくなりたい人にする挨拶よ。未だに呼ばれたことは一度もないけれどね」

希「まぁせやろね…。無駄に長いしイミフやし…。かしこいかわいい、エリーチカ、か…」

希「じゃ、縮めて…、えりちで。こっちのほうが呼びやすいでしょ?えりち」

絵里「…そうね。可愛い響きだわ」

希「うちのことも、呼び捨てで構わないよ。もしくはハードボイルドスピリチュアル探偵東條希様で…」

絵里「わかったわ。希」

希「…」

絵里「ふふ…」

希「あははは…」

絵里「…じゃ、行ってくるわ」

希「うん、行ってらっしゃい。そして、うちらの音都を守って。えりち」

絵里「えぇ。私が、この街を守ってみせる。心配は不要よ。希」

778: ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/31(土) 23:48:31.76 ID:3cDwG5tXo
街中


雪穂「あっ…」

雪穂「ははははははははは!!取れた!やっと糸が千切れたぁぁっ!!」

雪穂「もう痛くない!少しも痛くない!これで思う存分人が殺せる!!」

雪穂「でも…、最初に[ピーーー]のはアイツ…!!この腕をこんなにしてくれたあの半分こ女…!!」

雪穂「お口の中にたっぷりの爆弾を詰め込んで顎を蹴り上げてあげたい!そしてぼーんっ、ってなるんだ!」

雪穂「あはははははは!!!そうと決まればあの女のいる場所に…!!」


絵里「そうはさせないわよ」


雪穂「…っ!…なんだ、売人さんじゃないですか。なんで私の居場所が?」

絵里「一応、ね。私の販売してるメモリは全て所有者の居場所がわかるように発信機が取り付けてあるのよ」

絵里「あまり公には言えないことなのだけれど」

雪穂「へー…、そうなんですか。で、そうはさせない、ってどういうことですか?私の邪魔、する気なの?」

絵里「…あなた、最初に出会った頃とは、まるで感じる色が違う。今のあなたは、どす黒い空気を放って見える」

絵里「殺人欲に取り付かれているわね。力を手にして」

雪穂「それの何がいけないんですか?だって私の夢なんだもん!夢を叶えてあげる、って言ってくれたのは売人さんじゃないですか!」

絵里「…あなたの夢を、否定するつもりはないわ。人を殺したい、まぁそれも、一種の夢ではあるんでしょう」

絵里「だけど、今のあなたは人を[ピーーー]ために行動しようとしてるんじゃない。憎しみを晴らすため、殺人という手段を行使しようとしているに過ぎない」

絵里「夢想してきた力を手にして、夢は既に欲望へと姿を変えた。…そんな人を、私は放っておくわけには行かないのよ」

絵里「夢を失った夢は、既に夢じゃない。夢を叶えるのが私の仕事なら、夢を壊そうとするものを止めるのも、また私の仕事なの」

雪穂「…意味わかんない。もういいよ。死んでよ。[ピーーー]」\ボマー!!/

雪穂「あんたを殺して、ついでにこの辺りぜーんぶ更地にしてやる。なんかムカつくし」ピチュゥゥンンッ

絵里「そんなこと、させるわけにはいかないわ。…あ、それとね」

絵里「あなたが行った爆破事件で、今のところ死者は一人も出ていないの。メモリとの適合率がそれほど高くないせいか、力を扱いきれてないのね」

絵里「よかったわね。…あなたの夢は、まだ叶っていないわよ」\ディコーラム!!/



ボマー・D「…じゃあアンタが、私の夢の犠牲者、第一号よ…!」

ディコーラム・D「いえ。…あなたの夢は、永遠に叶うことはない。私が粉々に潰すから!」

779: saga忘れ ◆Qe7X7xrNvI 2014/05/31(土) 23:49:06.45 ID:3cDwG5tXo
街中


雪穂「あっ…」

雪穂「ははははははははは!!取れた!やっと糸が千切れたぁぁっ!!」

雪穂「もう痛くない!少しも痛くない!これで思う存分人が殺せる!!」

雪穂「でも…、最初に殺すのはアイツ…!!この腕をこんなにしてくれたあの半分こ女…!!」

雪穂「お口の中にたっぷりの爆弾を詰め込んで顎を蹴り上げてあげたい!そしてぼーんっ、ってなるんだ!」

雪穂「あはははははは!!!そうと決まればあの女のいる場所に…!!」


絵里「そうはさせないわよ」


雪穂「…っ!…なんだ、売人さんじゃないですか。なんで私の居場所が?」

絵里「一応、ね。私の販売してるメモリは全て所有者の居場所がわかるように発信機が取り付けてあるのよ」

絵里「あまり公には言えないことなのだけれど」

雪穂「へー…、そうなんですか。で、そうはさせない、ってどういうことですか?私の邪魔、する気なの?」

絵里「…あなた、最初に出会った頃とは、まるで感じる色が違う。今のあなたは、どす黒い空気を放って見える」

絵里「殺人欲に取り付かれているわね。力を手にして」

雪穂「それの何がいけないんですか?だって私の夢なんだもん!夢を叶えてあげる、って言ってくれたのは売人さんじゃないですか!」

絵里「…あなたの夢を、否定するつもりはないわ。人を殺したい、まぁそれも、一種の夢ではあるんでしょう」

絵里「だけど、今のあなたは人を殺すために行動しようとしてるんじゃない。憎しみを晴らすため、殺人という手段を行使しようとしているに過ぎない」

絵里「夢想してきた力を手にして、夢は既に欲望へと姿を変えた。…そんな人を、私は放っておくわけには行かないのよ」

絵里「夢を失った夢は、既に夢じゃない。夢を叶えるのが私の仕事なら、夢を壊そうとするものを止めるのも、また私の仕事なの」

雪穂「…意味わかんない。もういいよ。死んでよ。死ね」\ボマー!!/

雪穂「あんたを殺して、ついでにこの辺りぜーんぶ更地にしてやる。なんかムカつくし」ピチュゥゥンンッ

絵里「そんなこと、させるわけにはいかないわ。…あ、それとね」

絵里「あなたが行った爆破事件で、今のところ死者は一人も出ていないの。メモリとの適合率がそれほど高くないせいか、力を扱いきれてないのね」

絵里「よかったわね。…あなたの夢は、まだ叶っていないわよ」\ディコーラム!!/



ボマー・D「…じゃあアンタが、私の夢の犠牲者、第一号よ…!」

ディコーラム・D「いえ。…あなたの夢は、永遠に叶うことはない。私が粉々に潰すから!」

780: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 00:03:05.42 ID:wftFFIC3o
ボマー・D「はぁぁぁっ!!!」ヒュヒュヒュンッ!!

ボマー・D「私の爆弾でグチャグチャに吹き飛んじゃえぇっ!!」


ディコーラム・D「…っ!」

シュシュシュンッ!!


ディコーラム・D「…」

ボファァァァンッ!!


ボマー・D「んなっ…、着弾前に全部…、切り落とされた…!?無数の爆弾が…!?」

ディコーラム・D「この程度で無数?…笑わせるわね」

ボマー・D「くっ…!ならこれはっ!」

カチャッ カチャッ カチャッ


ディコーラム・D「…!これは…」

ボマー・D「地雷だよ。踏んだら即お陀仏の強力な火力だよ?死ななくても足が吹っ飛ぶくらいはあるかもね!」

ディコーラム・D「へぇ…」

ボマー・D「どう?これなら近づいては…」

ディコーラム・D「だったら…」

ヒュバッ!!


ボマー・D「えっ…!?」

ディコーラム・D「…飛べばいいだけの話、でしょ」

ボマー・D「なっ…、そんなのアリ…!?反則よっ!!」

ディコーラム・D「あなたのメモリとは根本的に出来が違うのよっ!!てやぁぁっ!!!」

ヒュンッ!!


ズバッ!!


ボマー・D「うぎゅっ…!!」

ディコーラム・D「まだまだっ!!」ヒュヒュヒュンッ!!


「「「「分身攻撃っ!!」」」」


ディコーラム・D「喰らいなさい!せやぁっ!!」


ズバババババッ!!


ボマー・D「ぐぎゃぁぁぁっ!!!」


ボマー・D「あ、う、グゥ…!!」

ディコーラム・D「勝負、あったわね。死にたくなければ変身を解除してメモリを差し出しなさい」

ボマー・D「負け、る…?私が…、私が…?死ぬ…、イヤ…、イヤイヤイヤァッ!!」

ディコーラム・D「…聞き分けのない子供は嫌いよ。拒否するならば…!」

ボマー・D「ア、ウグゥゥ…!な、なら…、もう、これしか…」スチャッ

ディコーラム・D「…っ!!?そ、それはっ…!?なぜ、あなたが…!?」

ボマー・D「死にたくなければ…、これしかないの…!」\アップグレード!!/

781: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 00:21:05.79 ID:wftFFIC3o
ディコーラム・D「強制的に適合率を最大以上にまで引き上げ、メモリの性能すら向上する外部使用型メモリ、アップグレード…!」

ディコーラム・D「まだ試作段階ですらなかったそれを…、どうして…!!?」


ボマー・D「う、ぎ、ガァァァッ!!痛い痛い痛い痛い痛いィィィっ!!!身体がイタイィィィィィィッ!!」


ディコーラム・D「無理よ…!性能の安定にはまだ全然至ってないのに…!力は増大されても、身体が負荷に耐え切れない…!!」

ディコーラム・D「このままだと、本当に…!くっ…、そうなる前に、メモリごと…!!」

ディコーラム・D「せやっ!!」シュバッ!!


ボマー・D「ウギィィィィィィィィッ!!!!!」

ボガァァァンッ!!



ディコーラム・D「ぐ、あぁぁっ!!が、はぁっ…!!な、何もない空間が…、爆発した…!」

ディコーラム・D「彼女を攻撃するもの全てを…、爆破する力すら手にしてしまったの…!?」


ボマー・D「愚、戯、ギギギギギギギギギギギgggggggg!!!」


ボガガガガァァッ!!!



ディコーラム・D「うぐっ…!もはや無差別に空間を爆発させてる…!マズい…!」

ディコーラム・D「このまま力を増幅させられ続ければ…、この都市をまるごと爆破させられかねない…!」

ディコーラム・D「早く、止めないと…!でも…!!近寄ることすら…」


ボマー・D「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAッ!!」


ディコーラム・D「…っ!マズっ…、爆風がこちらに…!避けないとっ…!」


ズキィッ!!


ディコーラム・D「うぐっ…!!が、はぁっ…!さっきの爆風で、傷が…!!」

ディコーラム・D「動かないと…!で、でも…、痛みで…!!」

ディコーラム・D「や、やられ…っ!!」



ギャルルルルルルッ!!

ボガァァァンッ!!


ディコーラム・D「…!これは…」


ガチャッ スタッ


真姫「…ふぅ。間に合った、のかしら?ギリギリ間に合ってないようにも見えるのだけれど」

ディコーラム・D「あ、あなた…!」

真姫「話は、後。今は切羽詰まった状況なのでしょう?それに、こっちの相棒も、戦いたくてウズウズしてるみたいだし」

真姫「…ちゃんと、ウチの所長も、お仕事してくれたことだし、ね」 <ギャオォォォォォンッ!!

真姫「…行くわよ、希。変身っ!!」\ワイルド!!/


\ワイルド!!/\スター!!/ デーデデーデデーデレレレーン

782: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 00:41:09.39 ID:wftFFIC3o
Muse「…なかなか、ヤバい状況みたいやね、えりち」

ディコーラム・D「…まぁ、ね…。想定外よ、これは…」

Muse「だからって、諦めるつもりはないんやろ?」

ディコーラム・D「…ふっ、もちろんよ。絶対に、止めてやるわ」

Muse「それでこそ、や」「…じゃ、気合入れるために…、アレ、やるわよ」

ディコーラム・D「アレ…?」

Muse「あぁ、こっちの話…、あ、いえ、どうせならあなたもやってみる?」「うちらが戦闘前にやってる奴」

ディコーラム・D「…あぁ、アレ、ね。いいのかしら、私なんかがやっても」

Muse「街を守りたい戦士の合言葉、みたいなものやからね!」「じゃ、行くわよ、私に合わせなさい!」

ディコーラム・D「…えぇっ!」


Muse・ディコーラム・D「「「さぁ、お前の罪を数えろ!」」」



ボマー・D「グアァァァァァァァッ!!」



ディコーラム・D「…ふぅ。なかなか気持ちいいわね、これ」

Muse「さぁて、気合も入ったことだし…!」「どうするか…、やね!」

ディコーラム・D「今のボマー・ドーパントは攻撃するものを無差別に爆破して自分の身を守ろうとしてる…!」

ディコーラム・D「チマチマとした攻撃じゃ、はじかれた上に爆発によるダメージも食らってしまうわ」

Muse「…となると」「一点突破の、一発勝負、やね」

ディコーラム・D「力を最大限貯めて、爆風すら弾き飛ばすほどの力で、メモリブレイク…!!」

Muse「それだけではまだ弱い…!貯めた力を、一点に集中させるの!」「二人…、いや、三人の力を一つに、ってことやね!」

ディコーラム・D「力を、一つに…!」

Muse「そして、一点に力を集中させるなら、あなたのそのレイピアが一番適している」「えりちにうちらの真姫シマムの力を、全部預ける!」

Muse「その鋭い剣先で!」「アイツの暴走を止めるんや!」

ディコーラム・D「…!わかったわ!多少のダメージなら覚悟してる!最高潮の力を、私にぶつけて!!」

Muse「了解っ!!」「んじゃ、いくよっ!!」ガションガションッ!!

\ワイルドストーム!!/


Muse「はぁっ!!」バヒュゥゥッ!!

ディコーラム・D「く、うぅっ…!!凄まじい風の力…!」

Muse「この嵐にうちらの力の全てを集約する!」「こいつを剣に纏わせて、突撃しなさい!」

Muse「それじゃ仕上げ、ぶちかますわよっ!!」「これがうちらの、最大限やっ!!」ガションガションガションッ!!


\ワイルド!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「「てりゃぁぁぁぁっ!!!」」


ゴォォォォォォォッ!!


Muse「さぁ行って!」「えりちのその剣に、全てが懸かってる!信じてるから…!さぁ!!」

ディコーラム・D「…えぇっ!!はぁぁぁぁっ!!!!」

783: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 00:57:00.37 ID:wftFFIC3o
ディコーラム・D「風を纏わせる…!この一つの身に…!!」

ディコーラム・D「いえ、違う…!五つの身体、全てで!!」


ヒュンヒュンヒュンヒュンッ!!


「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」」」」


絵里(これなら、爆風にも耐えうる…!!ヤツを、貫けるっ!!)



ディコーラム・D「てりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

ズバァッ!!


ボマー・D「グガガガアァァァァァァァッ!!!」

ボガガガガガァァァァンッ!!


ディコーラム・D「あ、うぐっ…!!がぁぁぁっ!!!」


絵里(ぐっ…、凄まじい爆風…!!!分身が、一体、二体…、崩壊していく…!)


ディコーラム・D「させ、るかぁぁぁっ!!!うあぁぁぁぁっ!!!」


ボガガガガガァァァァァッ!!!


絵里(くっ…、ついに、分身全てが崩壊…!残ったのは、私と、嵐の力だけ…!!)


ディコーラム・D「くっ…!!届け、届けぇぇっ!!この剣先で、ヤツを貫けぇっ!!!」


ボガガガガガァァッ!!


絵里(ぐがぁぁっ!!か、身体が…!身にまとった嵐も、力を失って…!!変身が…、解除、され…!)


ディコーラム・D「まだ、まだ…っ!!こんなところで、終わるわけには…!!」


ボガァァァッ!!


ディコーラム・D「うがぁぁぁっ!!!」ピチュゥゥゥゥンンッ…

絵里「あ、ぐ、うぅぅっ…!」


Muse「へ、変身が…!」「やっぱり、無理だったの…!?」


絵里「まだ…、まだよっ!!まだ私の剣は…、折れちゃいないっ!!」


Muse「あっ…!」「変身が解除されたのに、ディコーラムのレイピアは、まだ握られている…!」



絵里「この剣は、亜里沙の夢が託されているのぉっ!!」

絵里「そう易々と、壊されてたまるものですかぁっ!!」

絵里「私の、私のこの剣は…!!」

絵里「この街を守る、大きな剣なのよっ!!」

絵里「こんなチャチな爆風で、受けきれる、わけ、ないでしょうがァァァァァァッ!!!!!」

784: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 01:11:30.47 ID:wftFFIC3o
絵里「うあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

バシュゥゥゥゥッ!!



Muse「剣が…!」「天を貫くほど、巨大に…!!?」



絵里「これが…、これが私の…!!!」

    マキシマム・ドライブ
絵里「 最 大 限 よぉぉぉっっ!!!!」


絵里「てりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」



ズバシュゥッ!!!



ボマー・D「ウ、グ、ア…!!」


絵里「…」

絵里「…ダスビダーニャ」


ボガァァァァァンッ!!


雪穂「あ、ぐっ…、あ…」ニュニュニュ…、パキンッ



絵里「…」

絵里「あ、うっ…」バタッ



Muse「え、えりちっ!!」「全く…、ムチャしすぎ、だっての…」

絵里「あは、は…、やった…。私…、できた、のね…」

Muse「うん…、すごかったよ」「あんな力…、どこに隠し持ってたのよ…」

絵里「…あれは、私たち四人の力が集約したからこそ、成せた技だから…」

Muse「…四人?」「…そっか」

絵里「…えぇ」



絵里「亜里沙…。見ていて、くれたかしら?」

絵里「お姉ちゃん、あなたの大好きな街を…、守れたかしら?」

絵里「私の大きな剣は、あなたにも届いたかしら…?」

絵里「私…、もう一度…」

絵里「フェンシングの道…、進んでみようと思ってるの」

絵里「そして、世界で一番強くなる…。私は、私の夢を叶えるの…」

絵里「…『夢を叶える仕事』。そうすることで初めて、亜里沙の夢は、本当に叶うって、思ったから…」

785: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 01:30:31.82 ID:wftFFIC3o
数日後


音都総合病院 絵里の病室


希「…号坂雪穂は、未成年ながら懲役の判決を。死者は出なかったにしろ、街に甚大な被害を与えたのは事実やからね」

絵里「…そう。できれば檻の中で、大事なことを学んできて欲しいものね」

希「これで、えりちの依頼は完了、やね。約束、忘れてないよね?」

絵里「えぇ。でも、退院まではまだ時間が掛かりそうね…。それまでは待ってもらえるかしら」

希「仕方ないなぁ…。ふふ…。あ、それとえりちにお客さんが」

絵里「お客さん?誰かしら」

希「うん。それじゃ、入って?」ガチャッ

亜里沙「あ…」

絵里「亜里沙、ちゃん…」

亜里沙「あの…、今日地元へ帰ることになりました。親からはもっと早く帰ってこいって言われてたんですけど…」

亜里沙「絵里さんの意識が回復して、お話できるまで戻りたくなかったんです」

絵里「え…?」

亜里沙「…ありがとうございました。希さんから聞きました。この街を、守ってくださったんですよね?」

亜里沙「その大怪我は、その時のもの、だって」

絵里「え…、いや…、でも元はといえば私が…」

希「余計なことは言わんでもええん、よっ!」ズビシッ

絵里「おぐぅっ!!?い、痛…!」

亜里沙「にこお姉ちゃんも大事には至らず、今では元気でいてくれています」

亜里沙「もし、絵里さんが街を守ってくださらなかったら、お姉ちゃんのように怪我をしていた人や、もしかしたら死人だって…」

亜里沙「…だから、私、直接礼を言いたかったんです。絵里さん…、本当にありがとうございました!!」

絵里「…」

絵里「えぇ…、どういたしまして」

亜里沙「…あと、それにですね!私、将来の夢、考えてみたんです!希さんに言われて!」

絵里「は…?ちょっと、希…」

希「てへぺろ☆まぁええやん。聞いてみてよ?」

絵里「…ったく。それで?亜里沙ちゃんの将来の夢、って?」

亜里沙「はいっ!その…、具体的に、何がしたい、って決まったわけじゃないんですけど…。考えているうちに、これかな?って思ったものがあって…」

絵里「へぇ…、なんなのかしら。教えてもらえる?」

亜里沙「はい!私の、将来の夢は…!」


亜里沙「誰かの夢を、叶える仕事ですっ!!」


絵里「…!」

亜里沙「…なんて、変ですかね?とても夢があって、いい夢かな、って思って…。あれ?夢があって、いい夢…?なんか変な日本語…?」

絵里「…」

絵里「いえ。とってもいい夢、だと思う。夢があってね。…ハラショー」

亜里沙「あっ…、はい!ハラショーです!」

786: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 01:44:28.20 ID:wftFFIC3o
数週間後


東條西木野☆探偵事務所前


希「…本当に、行くんやね?」

絵里「えぇ。UTXを辞めて、フェンシングのプロ選手を目指そう、って思って」

真姫「いいんじゃない?あれだけ強ければプロなんてあっという間だわ」

絵里「ふふ、ありがとう。そういえば…、もうひとりの子は?髪の短い…」

希「あぁ…、凛ちゃんなら…」

真姫「今日も逃げたワイルドメモリの捜索で忙しいわ」



凛「ぬおぉぉぉっ!!なんで毎日毎日逃げやがるんだにゃぁぁぁぁっ!!」



絵里「…それはまた、大変ね」

希「対策を練ってもすぐに逃げられてしまうんよね…」

真姫「強さには代償が付き物だからね…。今度はどうやって捕獲しようかしら…」

絵里「…あ、そうだわ。これ、渡そうと思っていたの」スッ

希「あ、これって…。バロンくんの、キーホルダー?」

絵里「えぇ、追加生産で、あなたたち一人ずつと…、あと、獄中のお友達の分も、作ってもらったわ」

真姫「ふむふむ…、なかなかいいデザインね…。これのグッズも収集してみようかしら」

絵里「ふふ、そう思ってくれると嬉しいわね」

希「グッズ収集なんてし始めたらまた大変なことに…」

絵里「それじゃ、もう行くわね。UTXを退社するために手を回してくれた人が待ってるから」

希「うん。また会おうね。えりちが夢を叶えた、その時にもう一度」

絵里「えぇ、また会いましょう、希。私の、最高の友達」

希「うん。…ずっと、友達やよ」

真姫「…むっ」

絵里「…相棒さんが拗ねてるみたいだから、そろそろ退散するわ」

真姫「すっ、拗ねてなんか…!」

希「バイバイ!元気でなーっ!!」

絵里「えぇ、そっちこそ!」

真姫「拗ねてないし…」

希「まぁまぁ。じゃ、事務所戻ろうか」

真姫「…拗ねてないし」

希「わかったから…」

789: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 02:00:01.04 ID:wftFFIC3o
音都大橋


絵里「ごめんなさい。待ったかしら?」


英玲奈「いえ、大丈夫。それより…」


絵里「わかってるわ。メモリ、でしょ?はい、これ」スッ

英玲奈「…確かに。これであなたは、UTXから存在を抹消された」

英玲奈「過去、未来、UTXに絢瀬絵里なる人物は存在していなかったことになる」

絵里「そこまで手を回してくれるなんて、申し訳ないわね。それにわざわざこんなところまで見送りにも…」

英玲奈「…気にしなくて構わない。私、ここからの景色が好きだから」

絵里「確かに…、とても綺麗ね。吸い込まれそうな青い海が広大に広がっていて…」

絵里「この橋が音都と本土を繋げてる。ここを超えると、ついに音都を出ることになるのね…」

英玲奈「…そうね」

絵里「…今までありがとう、英玲奈。色々と、私の悩みに親身になってくれて」

絵里「あなたがいなければ、私はこうしてUTXを出ることも…」

英玲奈「…別に、いい」

絵里「いえ、言わせて。私がこうして夢を目指せるようになったのも、あなたのおかげ…」

英玲奈「いい」

絵里「本当にありがとう、英玲奈。あなたも、まごうことなく私の友人…」


英玲奈「やめて」


絵里「…え?」

英玲奈「別にこれは、あなたのためにやったことじゃない」

絵里「え、いやそんな…、謙遜する必要なんてないでしょう?」

英玲奈「謙遜しているつもりもないわ。だって本当にあなたのためなんかじゃないもの」

英玲奈「これは全部、UTX…、いえ、私のため、なんだから」

絵里「え?」

英玲奈「…私、正直辛かった」

英玲奈「あなたのような人間の悩みに親身に付き合ってる振りをして、こうして誰にも内緒でUTXを抜ける手助けをする振りをしていることが」

絵里「は…?」

英玲奈「でも、それも今日でおしまい」

英玲奈「全ては、この時のために」\ドロレス!!/

英玲奈「さぁ…、とってもいい顔…、見せてちょうだいね?」ピチュゥゥゥンン…



キィィィィィィンッ!!




絵里「ぐぎっ…!!?!」


絵里「あ、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!」

790: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 02:17:01.90 ID:wftFFIC3o
キィィィィィンン!!


絵里「が、ぐっ…!!!?!げぇあぁぁっ!!!あだま、が…!!いだ、い…!!?」

絵里「いぎゃぁぁぁぁあああぁぁっ!!!いだいぃぃぃぃっ!!!!割れる、割れるぅぅぅぅっ!!!」



ドロレス・D「…あぁ、いい、顔…。色んな液体撒き散らして、整った顔、台無しね」

ドロレス・D「最期だから、言うけれどね。私、あなたのこと、大嫌いだった」

ドロレス・D「私のとっておきの、ノイズメモリをあんな無駄に使ってしまうなんて…」

ドロレス・D「だからそれから、いつか絶対殺してやる、って思っていたの」

ドロレス・D「…そしたらまさか、あなたの方から…、フフッ…、UTXを辞めたい、なんて…、クスクス…」

ドロレス・D「あぁ…、またとないチャンスだって思ったわ。そう、ツバサやあんじゅに邪魔されずに、私の好き勝手にあなたを処理出来るチャンス、だって…」

ドロレス・D「本当に…、あの二人より先に、私に話してくれてよかった…。アハハ…、おかげで…、ひさしぶりに滅茶苦茶、できそうなんだもの…」

ドロレス・D「あなたみたいなゴミと、仲良くするフリしてて、本当によかった…!」


絵里「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!ふぎぃぃっ!!あ、あ、あががぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


ドロレス・D「…なんて、聞こえてないかしら。仕方ないわね」

ドロレス・D「ドロレスメモリの真の力…。対象の脳を直接弄ることができる…。ノイズメモリの強化版、みたいな感じかしら」

ドロレス・D「でもノイズメモリのように無意識下に命令を下すことはできないのがネックだけれど…。ハァ…、アレは本当にもったいなかったわね…」

ドロレス・D「今は直接脳に痛み、って感情を植え付けてる。体を動かすことすら困難なほどの痛みを、ね」


絵里「いぎぃっ!!あ、げ、がぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


ドロレス・D「…それにしても…、本当に、滑稽な顔…。見てるだけで…、自然と、笑みが…、フ、フフ…」

ドロレス・D「フフフ…、ウフフフフフフ…」

ドロレス・D「アハハハハハハ…、アハハハハハハハハハハハハハッ!!」

ドロレス・D「アハーッハハハハハハハハ!!アハッ、アハハハハハ!!アーッハッハッハッハ!!!」

ドロレス・D「アヒッ…、フヒッ…、ヘ、ヘヘ…、ウフフフ…、私のこと…、感情をあまり表に出さない、って…、言ってくれたこと、あったわよね…?」

ドロレス・D「アハーッハ…!!違うの…、出さないんじゃ…、アハハハハハ!!出さないんじゃなくて…!!」

ドロレス・D「出せないのよぉっ!!アヒャヒャヒャヒャヒャ!!だって…、ものすごい笑い上戸だから…!!アッハッハッハ…!!」

ドロレス・D「出したらほら…、エヘヘヘヘ…、変な…、グヒッ…、変な人だって…、思われちゃうでしょぉ…?ウヒヒヒヒヒヒヒ…!!」

ドロレス・D「あー、おかしい…!私を…、いい人…?アヒヒヒヒヒヒヒ…、とんだ勘違いも甚だしいわぁ…、アハッ…」

ドロレス・D「私ね…、ツバサちゃんやあんじゅちゃんたちに…、なんて言われてるか知ってるぅ…?ウフフフ…、きっとあなたも笑えると思う…!!」

ドロレス・D「なんとねぇ…、『ゴミ処理当番』ですって!!アハハハハハ!!おっかしい…!!アヒッ…、アハハハハハハハハハ!!」

ドロレス・D「でもこれ…、ウフフ…、悪口じゃなくて…!!アハハハハ!!ホントの私を端的に言い表してるんだもの!おっかしいでしょ!?アッハッハハハハハハハ!!!」

ドロレス・D「だって…!!あなたみたいなゴミを片付けるの…、アヒッ…、私、大好きだからぁ…!!あは、アハハハハハハハ!!アハハハハハ!!」



絵里「あがががががぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

793: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 02:36:18.99 ID:wftFFIC3o
ドロレス・D「さぁって…、そろそろ…、ウフフフフフ…、お楽しみもおしまいかな…?アハハハハハ!」

ドロレス・D「最後の最期に、いい夢…、クスクス…、見させてあげるわぁ…!」



絵里「あがぁぁぁぁっ…、あ…?あ、頭…、痛く、な、い…?」

絵里「あ、あれ…?ここ…、ここは…」

絵里「私の…、家…?いつの、間に…?」

絵里「あれ、これ…。金、メダル…?なんの…?」

亜里沙「なんの、って決まってるじゃない!お姉ちゃんが、世界で最も強いフェンシング選手の証でしょ!」

絵里「あ、亜里沙…。あぁ…、そっか、私…、フェンシングの世界大会で、優勝して…」

絵里「それで…、亜里沙の夢が、叶って…」

絵里「あれ…?亜里沙…?どうして、亜里沙が…?」

亜里沙「ん?どうしたの?亜里沙が、何か変?」

絵里「だって…、そう、だって亜里沙は…、死んだ、はず…」

亜里沙「えぇー?何言ってるのお姉ちゃん?亜里沙はずっとずっと元気だよ?死んだりなんかしてないよ?」

絵里「そう、だったっけ…?」

亜里沙「そうだよ!…お姉ちゃん、きっとおかしな『夢』でも見てたんじゃないの?」

絵里「夢…、…あぁ、夢、か…」

絵里「うん…、そう、みたい…。ずっと、長い間…、嫌な夢を、見ていた、みたい…」

絵里「そうよ、ね…。亜里沙が…、死ぬはず、ないもの…。亜里沙が、死ぬ、なんて…」

亜里沙「うんうん!お姉ちゃん寝ぼけてるんだよ!ほら、目を覚ますために、一緒にプール入ろ!」

絵里「プール…?どこの…?」

亜里沙「うちのプールだよ。ほら、お姉ちゃんも脱いで?」

絵里「あれ…?亜里沙、いつの間に裸に…、あ、そっか…。プールだものね…。脱がないと…、私も…」

亜里沙「あはぁ…、お姉ちゃんの身体、綺麗…。ねぇ、抱きしめてもいい?」

絵里「えぇ…、いいわよ…。亜里沙なら、いつでも…」

亜里沙「うん…」ギュッ

亜里沙「ねぇ、このまま…、一緒にプールに飛び込もう…?そしたら、きっとお姉ちゃんの夢も覚めるよ」

絵里「…えぇ、そう、ね…。一緒に、この、吸い込まれそうな…、深い、深い、プールに…」ズルッ

絵里「…」

絵里「え…?」



ドロレス・D「バイバーイ。深い海の底で、永遠の夢を、お楽しみにね」



絵里「あっ…」

絵里「ああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」



ドボーンッ



英玲奈「…ハァ…、疲れた…、久々に笑ったから喉がガラガラだわ…」

英玲奈「んんっ…!!フゥ…、さて、帰ろう。あんじゅが待ってるだろうし」

英玲奈「今日の夕食は…、何がいいかな」

795: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 02:54:45.49 ID:wftFFIC3o
東條西木野☆探偵事務所内


「…遺されていた身分証から、服の持ち主は音都に在住の絢瀬絵里さんと思われ、警察は行方不明となった絢瀬さんの…」



希「…そんな、嘘、やん…」

真姫「嘘じゃ、ないわ。音都大橋の入口付近で、衣服だけが脱ぎ捨てられて、絢瀬絵里は行方不明。音都大橋から出たという記録もない」

真姫「事実だけいえば、音都大橋から、投身自殺、っていうのが一番濃厚ね」

希「そ、そんなわけあるかぁっ!!あんなに…、夢にあふれていたえりちが…、自殺、なんて…!」

真姫「…そうね。そして現実は、必ずしも事実だけでできているのではない、っていうのが真実よ」

希「え…?」

真姫「…UTXの登録者記録から、絢瀬絵里の名前の痕跡が一切消されていた。これが意味するところは…」

希「えりちは…、UTXに消された…?」

真姫「そういう、ことになるわね」

希「…っ!!UTX…!!クソッ…!!くそぉっ!!!」

真姫「…」

希「なんで…、なんで、うちは…!うちはいつも…!大事な人を…」

真姫「…この街を愛してくれた人が、また一人いなくなってしまった、わね」

真姫「…」

希「う、うぅっ…!!…っ!!あかん…。泣いたら、ダメ…!泣いたら…、負けを認めてしまう…!」

希「このどうしようもなく、クソったれな運命に…!!」

希「だから…、もう泣かないって決めたんや…!!どんなことがあっても…!!」

真姫「…えぇ、そう、ね…」

真姫「負けは、認めちゃいけない…」

真姫「…私たちは、ヒーロー、なんだから…」




音都大橋 音都側 出口


<ゼツメツタイムダ!!


「…そっか、ありがとう。よくわかったよ」

カシャンッ


「…あぁ、うるさい」

「相変わらず音都は、音楽で包まれてる」

「…だから、私はこの街が大っ嫌い」

「悲しいものばかり、運んでくるんだもん」




第14話「Dの別れ / ありふれた悲しみの果て」

おわり

800: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 03:08:31.01 ID:wftFFIC3o
凛「えー…、第14話だったにゃ。凛の出番少なくて悲しいにゃー」

希「…」

真姫「…」

凛「えっと…、ま、まさかの絵里ちゃんがまた海に飛び込んで死んじゃうっていう『おいおいまたそのパターンかよ!』ってやつだったね!」

希「…」

真姫「…」

凛「そ、それとUTXの人のうちの一人の性格がえらいことになってたけど…、ま、まぁブレの範囲内ですね!」

希「…」

真姫「…」

凛「あ、あー…、最後に出てきた人は誰なんでしょうかにゃ…?予想して当たった人には凛の濃厚なきっちゅを…」

希「…」

真姫「…」

凛「…ごめん、二人の落ち込みようがハンパじゃないから今日はここまでにゃ…」

凛「ちなみに絵里ちゃんのバトルシーンはとあるロボットアニメのオマージュだよ!分かる人は分かる!…と思うにゃ」

凛「それじゃあおやすみなさい!これで決まりにゃ!」


凛「…二人共、大丈夫かにゃ?」

希「…ごめん、今はしばらく放っておいて…。マジで元気でないわ…」

真姫「…」

凛「わ、わかったにゃ…。二人も早めに寝てね…?お、おやすみにゃ…」

希「うん…」

真姫「…」

希「真姫ちゃん…」

真姫「…ん?」

希「…お腹すいた」

真姫「…深夜だから我慢しなさい」

希「真姫ちゃんもお腹すいてるでしょ?」

真姫「…うん」

希「…なんか食べよ」

真姫「…太るわよ」

希「…寝ようか」

真姫「…寝ましょう」

希「…それじゃ、お休み」

真姫「えぇ、お休み」

801: 書こうと思ってたけどメモってなかったせいで忘れてたこと ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 03:34:02.03 ID:wftFFIC3o
英玲奈「…」

英玲奈「そういえばあの少女にアップグレードのメモリを渡したのは私だったわ」

英玲奈「まだ可動実験もしてないけれど試しに使ってみたらどうなるか見てみたかったの」

英玲奈「ちなみに絵里とあの少女を偶然を装って接触させたのも実は私」

英玲奈「私は絵里より人の思ってることの機微に敏感だから心の中で人を殺したいと思っていることに気づいていたの」

英玲奈「そんな彼女を絵里と合わせたらきっと面白いことになる、って考えてやってみました」

英玲奈「結果的に絵里を殺さない程度に痛めつけてくれたのは実にグッドだったわ」

英玲奈「…」


あんじゅ「ね、ねぇツバサちゃん…。また英玲奈様が変な電波受信してる…」

ツバサ「…時々あぁなっちゃうから放っておきなさい。たぶんメモリの副作用よ」

あんじゅ「う、うん…。ガイアメモリって怖いね…」

ツバサ「私たちがそれ言っちゃったらおしまいだと思うわ」

813: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/01(日) 23:22:36.75 ID:/hMzIJqqo
この街を愛してくれた人が、死んだ。

その事実は、否が応にも、とある事件を思い出してしまう。

うちが真姫ちゃんと出会い、そして尊敬する人物を失ったあの夜。

そして、もう一つ。

その事件から、数ヵ月が過ぎた、ある日のこと。

真姫ちゃんも凛ちゃんも、この街に馴染み始めた、ちょうどそんな時。

その事件は、起こった。

それは、凛ちゃんに、耐え難い事実を気づかせ、…そして。

うちに、再びあの人と出会うこととなった、事件やった。



劇場版(?)仮面アイドルMuse  ビギンズナイト(仮)




東條西木野☆探偵事務所内


穂乃果「メリ~~~~~~~…、クリスマースッ!!!」



希「…」

真姫「…」ポカーン

凛「…だれ?」


穂乃果「おやおや、誰とは失敬なお子さんだね!ほの…、もとい、私はサンタさんだよ!」

穂乃果「赤い服に白いおヒゲ、もうこれはどう見てもサンタさんに違いありませんね!」

穂乃果「やふー!いい子にしてる君たちにサンタさんからクリスマスプレゼントをプレゼントだ!プレゼントをプレゼントだ!」

希「…あ、あの…、穂乃果ちゃ…」

穂乃果「のんのんのんたん!私はサンタさんだよ!」

希「…あぁ、そうですか…」

真姫「…す」

凛「す…?」

真姫「すっ…、すごい!サンタさんがうちに来てくれたわっ!こ、こんな真っ昼間に!」

凛「え…、あ、そ、そうだね…。すごいね…」

真姫「し、しかも…!!」

真姫「まだ全然クリスマスじゃないのに!こんなことってあるのね!」

希「うん…、一番指摘すべきはそこやね…。なんでこの季節に…」

穂乃果「気にしないっ!なんかやりたくなっただけ!ちゃんとプレゼントもらえるだけラックィーだと思いなさい!」

希「は、はぁ…」

凛「…っていうかこの人結局誰なの…」

穂乃果「じゃあ真姫ちゃんには>>813を差し上げます!そして希ちゃんには>>814を!」

凛「…あれ、凛には?」

穂乃果「あー…、ごめんね!キミのこと知らなかったから用意できなかった!」

凛「…あ、そう…。いや別にいいけどね…」

穂乃果「代わりにほの…、サンタさんの>>815を触らせてあげよう!特別だよ!」

815: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/01(日) 23:43:14.44 ID:scti697vo
ピアス

818: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/02(月) 00:18:47.03 ID:vXL3aD14o
穂乃果「では真姫ちゃんにはピアスを差し上げます!」

真姫「ピアス…?あ、可愛いわねこれ」

穂乃果「イマドキの女子はピアスでオシャレでもしないとやっていけないよ!ささ、耳でもへそでも舌でも下でも好きなところにどうぞ!」

真姫「ふーん…、なかなか面白そうね。試しにつけて…」

凛「だだだ、ダメー!!」

真姫「へ…?」

凛「ダメダメダメー!絶対にピアス穴なんか開けちゃダメだからね!」

真姫「な、なんでよ…。別にいいでしょ…?」

凛「ダメなの!真姫ちゃんの体をキズモノにするのは凛が許さないんだからー!」

真姫「な、なにそれ…、意味わかんない…」

穂乃果「おやおや、痴話喧嘩かなー?まぁまぁそれは置いておいて、希ちゃんには焼肉セットをあげよう!」

希「うわぁ…!特上のお肉が、こんなにいっぱい…?これ…、ええのん?」

穂乃果「いいよいいよ!日頃お世話になってるお礼みたいなものだから!」

真姫「え…?希って日頃からサンタさんをお世話してるの…?」

希「えっ…」

穂乃果「そうなのー!サンタさんがクリスマスに全世界の子供たちにプレゼントを届けられるのは希ちゃんがいるからといっても過言じゃないね!」

真姫「そ、そうだったのね!希って意外とすごい存在だったんだ…」

希(穂乃果ちゃんの嘘がとんでもないところまで行ってしまっている…)

穂乃果「そしてー!存在を知らなかったキミにはプレゼントの代わりにサンタさんのうなじをさすりさすりできる権利を…」

凛「いやいらないし…。そんな趣味はないにゃ…」

穂乃果「まぁまぁ、騙されたと思って!さ、どぞ?」

凛「…じゃあちょっとだけ…。さすさす…。お…?これはなかなか…」

穂乃果「でしょ?」

希「なにやってんの…」


穂乃果「まー今日はそんなわけで急遽パーチーをしに来たの!いぇいっ!」

真姫「サンタさんが急遽パーチーに駆けつけてくれる希って一体…!?」

希「うちの真姫ちゃんは純粋すぎていけないわ…」

穂乃果「じゃあ早速で悪いんだけど部屋の飾りつけをしよう!さ、希ちゃんはあっちを!真姫ちゃんはこれを!」

希「準備万端すぎやない…?…まぁ、たまにはこういうのも悪くないかもやけど…」

真姫「そうね。私なんて初めて!クリスマスパーティ!ふふ、楽しみだわ」

穂乃果「お、そうなんだ!そう言ってくれるとこっちも来た甲斐があるよ!」

凛「あの…、ところで凛は何をしてればいいんだにゃ…?」

穂乃果「ん…?そうだねぇ…、飾りつけの手伝いをして、って言いたいところだけど…」

穂乃果「ここは私たちのテンションを上げるためにー…」

穂乃果「>>819をしててもらおうか!」

821: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/02(月) 00:54:31.48 ID:vXL3aD14o
穂乃果「濃厚なきっちゅをしてもらおうじゃないか!この私に!」

凛「えぇぇっ!!?や、やだよ…」

穂乃果「そんなこと言わず!ほらほら~…」

凛「やぁぁっ!ほっぺた押し付けてこないで!」

穂乃果「ねぇねぇ~、きっちゅきっちゅ~」

凛「こ、このサンタさんキモいにゃ…」

穂乃果「そう言わずに~…」

希「はいきっちゅ!」バコォ

穂乃果「ほげぇっ!な、何これ…」

希「サンタさんの望んだきっちゅ…、な美術品やよ!それともあばんぎゃるどな美術品の方がよかった?」

穂乃果「いやきっちゅってそういう意味じゃ…」

希「…これ以上凛ちゃんにひどいことしたらうちが黙ってないよ?」

穂乃果「…ごめんなさい」

凛「おぉ…、助かったにゃ…」

希「凛ちゃんはあっちでうちと一緒に飾り付けしよか」

凛「うん、そうするにゃ…」



希「ここは、こうして、っと…」

凛「うん、いい感じ。綺麗だにゃ」

希「いやぁ、こういうことするのも久しぶりやねぇ…。いつぶりやろか…」

凛「凛は毎年やってたにゃー。去年もやってたんだよ」

希「へぇ…、珍しいね。もうそんなことする年でもないのに

凛「むっ…、子供っぽいって思ったでしょ!」

希「いやいや、そんなことないって」

凛「…クリスマスには、お父さんが必ず家まで帰ってきてくれてたから」

希「…え?」

凛「毎年、クリスマスと凛の誕生日には必ず、お父さんが帰ってきてくれたの。ちゃんとプレゼントも用意して…」

希「…そう、なんや…」

凛「早く帰ってこないかなぁ…。お父さん…」

希「…」

希(…まだ、凛ちゃんにはおやっさん…、星空所長が死んだことは伝えていない)

希(いつまでも誤魔化しきれるものじゃない、けど…、でも、うちのせいで死んだようなもの、だから…)

希(言い出せずに、今まで…)

希(いつか自分の口から、伝えられる日は来るんやろか…)


ガチャッ チリンチリーン


凛「ほぇっ…?お客さんかにゃ?」



>>822「あの…」

822: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/02(月) 00:55:24.97 ID:JSJPBXgzO
城乃内

831: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/02(月) 23:38:39.46 ID:uHh4UrOBo
城乃内「あの…」


希「あ、はい…」

城乃内「あれ…?ここ…、探偵事務所ですよね…?あ…、ごめんなさい!間違えちゃった…」

凛「いやいや!間違ってないから!変な飾り付けしてるけど探偵事務所ですここ!」

穂乃果「パーチーの飾り付けしてるから間違えたと思うのも無理ないよねー…、って、あらら…?」

真姫「ん、どうしたの?」

穂乃果「ほ、ほ、ほ…、ほぁーっ!!ひょえぇっ!!なななななな…、ななぁーっ!!」

希「おわぁっ!ど、どうしたん突然奇声上げて…」

穂乃果「こ、この人…!あの有名スィーツ専門店『シャルモン』の二代目店長…、じ、城乃内秀保さんっ!!?」

凛「えっ…!?あのシャルモンの…!?ホンモノ!?」

城乃内「え…、あぁ、まぁね。シャルモンの天才パティシエ、城乃内秀保とは何を隠そう僕のことさ」キラーン

希「うわっ…、メガネ無駄に光らせてウザい…」

真姫「…で?そんな城乃内さんがうちになんの用なのかしら?シャルモンってたしか音都にはなかったはずよね」

城乃内「それが最近、ここに二号店を建てようと下見に来ていたところだったんだけど…」

城乃内「…やっぱりやめよう、って考えていて…」

穂乃果「な、なんで!?近所にシャルモンができたら毎日でも通いますよ私!」

城乃内「うん、それは嬉しいんだけどさ…。ちょっとした、事件が起きて…」

希「事件…?もしかして今日来られたのは、それの調査、ってことですか?」

城乃内「うん。その事件、っていうのが、さ…」

城乃内「…出たんだよ」

凛「出た?」

真姫「何が?」

城乃内「…ゆ、幽霊…、いや、幽霊より確実に実体があった…。あれは…」

城乃内「…ゾンビだよ。ゾンビが出たんだ…。前店長、ピエール店長のゾンビが…!」

希「え…?」

穂乃果「前店長のピエールさんといえば…、凰蓮・ピエール・アルフォンゾさんのこと、だよね…?たしか事故で亡くなった…」

城乃内「あぁ…、店長からの指導もついに最後の最後ってなって、これからは店長と手と手を取り合って二人でこの店を大きくしていこうって約束をした矢先…」

城乃内「間違って装着したバカモンロックシードのせいで頭上から大きなタライが落下…。打ち所が悪くて即死…。享年40歳だった…」

城乃内「僕はそれから独学でパティシエとしての技術を学び、ついにピエールさんに勝るとも劣らないほどの技術を手に入れた!これでピエールさんに恥じることなく店長を誇れる、って…」

城乃内「…そう、思ってた。だけど…、つい前日、2号店としてオープンする予定の場所の下見に行ったとき…、出たんだ…!ピエールさんのゾンビが…!!」

城乃内「きっとこれは僕にまだパティシエとしての力がついていないから、ピエールさんは死んでも死にきれず、僕の前へ…!!」

城乃内「そしてきっと地獄でもスィーツを作ろう僕を道連れに…!!うわぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁっ!!!」

希「お、落ち着いて…、いやいや…、ゾンビなんて流石にいるはずないって…」

城乃内「み、見てないからそんなことが言えるんだ!あ、あれは間違いなく死んだはずのピエールさんだった…!!」

真姫「どうやら、単なる見間違い、ってわけでもなさそうね。今回の依頼は、そのピエールさんのゾンビを探してきてほしい、ってことかしら?」

城乃内「あ、あぁ…。それで、出来れば僕に何を伝えたいのかも聞いて欲しいんだ…。もし僕を道連れにしようとしてるならそれは考え直してくれって言って欲しい…」

穂乃果「確かにあのスキンヘッドのオジサンが出てきて迫ってきたら死者じゃなくても怖いよねぇ…」

凛「…分かりましたにゃ!死んだはずのピエールさん…、彼を探せばいいんですね?」

城乃内「うん…。よろしくお願いします…」

834: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/03(火) 00:01:23.75 ID:qEeQAR3zo
シャルモン二号店予定地


穂乃果「ぶーぶー、急に依頼なんてパーチーが台無しだよー」

希「仕方ないやろ。依頼ほっぽり出してパーティするわけにも行かへんのやし」

穂乃果「仕方ないから穂乃果も捜索について来てあげたけどさー…。あ、こうして希ちゃんと一緒に捜索するのは初めてじゃない?」

希「あぁ、そういえばやね。いつもは情報だけもらってるパティーンだったし」

穂乃果「らんるらんるらーんっ♪そう考えると楽しくなってきちゃった!ほらほらー、一緒に聞き込みしよ?凛ちゃん真姫ちゃんペアに遅れとっちゃうよ?」

希「はいはい…。じゃあとりあえずこの近くの人らに手当たり次第に聞き込み、してみようか」


数分後…


希「…ふぅ、こんなもん、かな…」

穂乃果「やっほー、希ちゃーんっ!そっちはどうだった?」

希「ん、よくわからないけど…、一応一つの情報は掴んだよ」

穂乃果「んふっ、こっちも!じゃあ希ちゃんから言ってみて?」

希「うん。…どうやらこの辺りでは以前から死んだはずの人間が生き返ってた、なんてのが多数目撃されてるみたい」

穂乃果「ほうほう…」

希「そのことから、これらのことをこの近辺の人は『死人還り』って呼んでるみたい」

穂乃果「…なるほどね」

希「穂乃果ちゃんはどうやった?」

穂乃果「うん、私も大体同じ。あはは、これじゃあ手分けした意味ないね…」

希「…そっか」

穂乃果「あ!でもひとつだけ、有力かと思われる情報を得たよ!」

希「お?なになに?」

穂乃果「うん。なんでも死人還りが見られたタイミングは、教会の人がこっちへ出向いてたときのタイミングと合致するみたい」

希「教会…?こっから南っ側の方にあるとこの?」

穂乃果「そう。だからこの死人還りは教会の人が起こしてるんじゃないか、って噂が実しやかに囁かれてるらしいですよ旦那」

希「誰が旦那やねん。…そっか、教会、ね…」




教会前


希『…ってこと、らしいわ』

真姫「了解、ちょうどこっちも教会についたところ。話を聞いてみるわ」

希『頼んだ。それが終わったら一旦落ち合おうか』

真姫「おっけー。じゃ、切るわね」ポチッ

凛「教会、か…。確かに死人が蘇るにはピッタリにも程がある舞台だけど…」

真姫「とりあえず話してみないと始まらないわ。入りましょう」

凛「うん…」


ガチャッ


真姫「お邪魔しまーす…。どなたかいらっしゃいますか…?」


>>835(教会の人)「…おや?迷える子羊ですか?」

835: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/03(火) 00:02:31.28 ID:1qQ2p3lp0
絵里

836: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/03(火) 00:26:22.67 ID:qEeQAR3zo
エリーチカ「おや、迷える子羊チカ?」

真姫「…あなたは?」

エリーチカ「んふふ、私はこの教会のシスターをしている、シスター・エリーだチカ。よろしくね」

凛「随分とポンコツそうな人だにゃ…」

エリーチカ「ところで…、お二人は迷える子羊?何か道に迷ってここにやってきた系女子チカ?」

真姫「いや、そういうわけじゃ…」

エリーチカ「あ、じゃあアレね。懺悔でしょう?悪いことしたからとりあえず吐き出して気持ちよくなっとく的な?」

エリーチカ「安心してください。神はあなたたちを許すでしょうチカ」

凛「そんなつもりもないです!」

エリーチカ「じゃあなによ!?ま、まさか…、私に乱暴する気でしょう!?●●同人みたいに!●●同人みたいに!!」

真姫「しないから…。ハァ、疲れるわこの人…。…少し耳にした噂のことをね、聞き込みに来たの」

エリーチカ「…聞き込み?なにあなたたち、警察かなんかチカ?」

凛「あ、いや…。探偵なんですにゃ。あ、知ってます?東條西木野☆探偵事務所って言うんですけど…」

真姫「とある人の依頼で『死人還り』なるもののことを調べているの。何か知っていたら教えてもらえないかしら?」

エリーチカ「…はぁ、死人還り、チカ…」

真姫「…ご存知ない?」

エリーチカ「いえ、聞いたことは。でも、実際に目撃したことはないチカね」

エリーチカ「大体、死人が蘇る訳ねぇチカ。いい?死者の蘇りなんて神に対する冒涜に他ならないのよ!?」

エリーチカ「生命は散るからこそ美しい…。かの有名なハムロフブビッチ17世もこう述べています」

真姫「いや誰!?」

エリーチカ「つまりそんなもん頭のイカレた人の見る幻覚かなんかに違いないってこと!そんなフザけたモン真剣に調べてる方がおかしいチカ!」

エリーチカ「それを教会のせいにするなんて意味わからんっての!ぷんぷかぷんチカ!」

凛「あぁ…、教会のせいにされてるってことは知ってるんですね」

エリーチカ「まぁね!だけどうちは全くこれっぽっちも関係ないから!そこんとこよろしくチカ!」

真姫「はいはい…、わかりました。関係ないのね。…凛、行くわよ」

凛「あ、うん…。ご協力ありがとうございました」

エリーチカ「ちゃんと他の奴らにもうちは関係ないって言いふらしておくチカよ!」


バタンッ


凛「…いいの?あからさまに怪しかったけど…」

真姫「まぁ、証拠があるわけじゃないし…。私たちだけじゃどうしようもならないわ」

凛「あ、じゃあ今度は希ちゃんも一緒に、ってこと?」

真姫「そ。今度は聞き込みじゃなくて潜入、ってところかしらね。そうと決まれば、早速希と合流するわよ」

凛「えっと、たしか待ち合わせ場所は…」

真姫「カフェ、だったわね。二人はもう着いてるはず。行くわよ」

凛「了解にゃ!」



エリーチカ「…」ジー

エリーチカ「…ふむふむ、カフェね…。そこに…」

838: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/03(火) 00:51:26.24 ID:qEeQAR3zo
喫茶『魔法の音』 テラス


穂乃果「ずずず…、んー♪ここのコーヒーとケーキもなかなかのお味なんだよねー…。美味美味…」

希「ホント甘いもの食べてる時の穂乃果ちゃんは実にいい顔をしてるね」

穂乃果「にゅふふ…。甘いものは人類の生み出した叡智にほかならないっすよ。もふもふ…、これがなくちゃ生きていけないね穂乃果は!」

希「たしか初めて会った時はランチパックが人生とか言ってたような…」

穂乃果「ランチパックもたまにはいいけどね!もう卒業したんだよ!穂乃果はオットナーなスイーツに進化したの!」

希「それじゃあ穂乃果ちゃんがスイーツそのものみたいやね…」

穂乃果「おほほ、まぁ穂乃果のカラダは甘々ですからなぁ~。ある意味スイーツって言っても過言では…、あ、ヒゲにクリームついた」

希「…さっきから突っ込むの避けてたけど、なんでずっとサンタ衣装なん?」

穂乃果「なんか今日は一日サンタの気分なんだよねー。あるじゃん?一年に一日くらいサンタになりたい日ってさ」

希「ないから…。…それにしても、凛ちゃんたち遅いね。まだかな…」

穂乃果「んー?まぁいいじゃん…。もう少し二人きりでも、さ…。もぐもぐ…」

希「え?」

穂乃果「…んーん、なんでもー。いやー、それにしてもやっぱりおいし…、…」

希「ん…?いきなり口止めてどないしたん?」

穂乃果「凰蓮・ピエール・アルフォンゾ…!」

希「へ?」

穂乃果「シャルモンの前店長…!ピエールさんが…!!い、いる…!!」

希「嘘っ!?え、どこどこ!?」

穂乃果「あ、あそこ!!道の向こう側!わっかりやすいハゲ頭の人!」

希「えっ…?あぁっ!!ホンマや!城乃内さんに見せてもらった写真のまんまや!」

穂乃果「あっ、行っちゃうよ!追いかけよう!」

希「おっけー!お会計は任せたっ!!」ダッ

穂乃果「おわぁっ!ずるい…、って希ちゃんコーヒーしか飲んでなかったや。じゃあ仕方ないね」



希「はぁっ…、はぁっ…!!くっ…、待って…!あなたに話が…」

希「…あれっ…?見失った…、一体どこに…」


グニャァ~…


希「な、なんや…?なんか不穏な空気が…」


「…」


希「っ…!?誰やアンタ…!!」


「我が名はアウェイク…、アウェイクドーパント…!」

「死者を呼び起こす、神にも匹敵する力を持つ、絶対なる存在…!!」


希「はんっ…!やっぱりドーパント絡み、ってわけね…。真姫ちゃん、いい?」スチャッ


真姫「…っ、ええ。ごめん、凛。先行ってて。私トイレ行ってくるから」

凛「…?わかったにゃ、先カフェ行ってるね」

真姫(流石にいきなり街中でぶっ倒れたら凛に迷惑だしね…)

839: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/03(火) 01:12:37.66 ID:qEeQAR3zo
希・真姫「「変身っ!」」


\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


穂乃果「希ちゃーんっ!お支払いしてたら遅れ…、ってえぇっ!!?希ちゃんが変身してるぅっ!!?」


Muse「おっと…、見られちゃったか」

アウェイク・D「…あなたもドーパント…?」

Muse「うちらはドーパントやないっ!言うなれば…」「探偵で…、そしてアイドルよ!」

アウェイク・D「…知ったこと。てやぁっ!!」ブンッ

Muse「くっ…!どうやらうちらに嗅ぎ回られるのは困るようやね!」「なんのつもりかしらないけど…、そのメモリぶっ壊させてもらうわ!」

ヒュッ!! バキッ!!


アウェイク・D「うぐっ…、はあぁっ!!」ヒュンッ!!

Muse「おっと、その程度…」「これで受けきる!」


\マジシャン!!/


\クレッシェンド!!/\マジシャン!!/ デレレーンデレレテンテンテーン


Muse「はっ!」「てりゃぁっ!!」

ズガガガガガガ!!


穂乃果「ほわぁ…、カッコイイ…。いいなぁ…」


アウェイク・D「のわっ…、そんなんナシ…!くっ…」

シュンッ…


Muse「き、消えたっ…?どこいった…!!」

Muse「…の、希…!あ、あれ…?」「え…?」


「…」スタ、スタ…


Muse「…っ!!?そ、そんな…!!」


「…」


Muse「おやっ…、おやっさん!!?」

穂乃果「誰…?」

Muse「…凛ちゃんの、お父さん…。そしてうちの探偵の師匠…、星空、凛太郎…」

穂乃果「え、でもたしか希ちゃんの師匠さんって…」

Muse「…そう、死んだはず。惑わされないで希。あれは…」「…わ、わかってる…。ありえへん…。そう、ありえへんはずや…!」


星空「…」\ステラ!!/

星空「…変、身」


Muse「なっ…!」「あの、姿は…!!」


仮面ライダーステラ「…はぁっ!!」

840: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/03(火) 01:30:41.43 ID:qEeQAR3zo
ステラ「うらぁっ!!」ヒュンッ

Muse「うぐぁっ!!」「や、やめて、おやっさん…!!」

ステラ「ふんっ!!」バキュンバキュンッ

Muse「うっ…!」「うちが分からへんの!?」

Muse「くぅっ!!」\コン・フォーコ!!/

Muse「や、やめっ…!!戦うつもりか真姫ちゃん!?」「冷静になりなさい希!あれは星空所長じゃない!」


凛「はぁっ…、はぁっ…!あ、サンタの人!希ちゃんは…?カフェに行っても誰もいなくて…」

穂乃果「あ、凛ちゃん…。今はそれどころじゃ…」


Muse「ステラにも変身したんやよ!あれは、絶対…」「ありえないわ!だって、星空凛太郎は…!!」

Muse「もう死んだんだからっ!!」


凛「…え?」


ステラ「っ!」バキュゥンッ!!


Muse「うあぁぁっ!!!」ピチュゥゥン…

希「うぐっ…!!あ、がぁっ…」


凛「の、希ちゃんっ!?どうしたんだにゃ!?ドーパントに襲われてるの!?そ、それよりさっきの…」


ステラ「…フン」ピチュゥゥゥンン…

星空「…」


凛「お、お父さん…?」


星空「…言ったよな、希。半人前に帽子は似合わない、ってさ」

希「…っ!!」

星空「お前は進歩がねぇ。…やめちまえよ、もう」スタスタ…

希「ぅ、あ…!」


アウェイク・Dの声『わかってもらえた…?これで私が、死者をも自在に操る力を持っているということが…』


凛「死者…、ってことは、やっぱり…。嘘…、そんな…!」

穂乃果「凛、ちゃん…」

凛「…」

841: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/03(火) 01:57:18.87 ID:qEeQAR3zo
東條西木野☆探偵事務所内


一同「…」


穂乃果「…あの、私…」

真姫「ごめんね、サンタさん。変な空気なのにいつまでもいてくれて…」

穂乃果「あ、いや…。うん、いいんだけど…」


希「…」

凛「…」


真姫(…あのふたりは、色々とショックだったでしょうね)


希「…」

凛「…希、ちゃん」

希「…なに?」

凛「希ちゃんは…、知ってたの…?お父さんが、死んだ、ってこと…」

希「…うん。うちも…、その場にいた…。おやっさんが亡くなった、その場所に…」

凛「なんで…?なんで、言ってくれなかったの…?どうして今まで…」

希「…だって…、あれは…。あれは、うちが、死なせちゃったような、もの、だから…」

希「うちが足を引っ張って、死なせてしまったもの、だったから…。どうしても…、言い出せなかった…」

凛「…そんな…。そんなのって、ないよ…。じゃあ今まで…、ずっと私に、そのこと隠して…」

凛「…最低…!希ちゃんの…、バカっ!!」

凛「のっ…、希ちゃんが代わりに…、希ちゃんがお父さんの代わりに[ピーーー]ば良かったのに!!」

希「…」

凛「…も、もう…、いい…。私…、もうここから出てく…。ほんと…、信じられない…。う、うぅっ…!」


ガチャッ バタンッ


希「…」

真姫「…希。追わなくていいの?凛、悲痛な顔してたけど」

希「…うちな、もう…、探偵、今日限りで、辞める…。そして…、仮面アイドルも…」

真姫「…」

穂乃果「希、ちゃん…」

希「…」

真姫「…はぁ」



一方その頃…


アウェイク・D「やっほ」

城乃内「ひぃぃぃぃぃ!!出たぁぁぁぁぁぁぁ!インベスううぅぅぅぅぅぅ!!!」

アウェイク・D「いやインベスじゃないから…。でもピエールを生き返らせたのは私。言うこと聞かないとピエールにあなたの○○を××させちゃうわよ」

城乃内「それだけはご勘弁をぉぉぉぉぉ!!またあの頃の夜を思い出すのは嫌ぁぁぁぁっ!最近完治したばっかりなのに!!」

アウェイク・D「じゃあ私についてきなさい…。そうすれば…。フフフフフ…」

842: またsaga忘れたけど訂正めんどい 察してください ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/03(火) 02:26:54.34 ID:qEeQAR3zo
孤島


希「…」

希「…」ファサッ…


真姫「…星空所長の墓参りのつもり?そんな花束を瓦礫に添えて」ボウシクルクル


希「真姫、ちゃん…?どうして…」

真姫「全く出番のないマッキースプラッシャー。ここらへんで使っておかないと一生出番ないと思って」

希「あぁ…、そう…」

真姫「…死体も見つかってないのに、気休めね。ハーフボイルドなあなたらしいわ」

希「…別に、今更やん。自分でもわかってるし…。半人前、だってことくらい…」

真姫「あら、手応えのない。もしかして…、拗ねてる?あの星空所長に言われたこと」

真姫「…子供じゃないんだから、親…、のような人に叱られただけで凹まないの。全く、…可愛いわね」

希「え…?」

真姫「…そういえば、ここで初めてあなたと会った時も…、私、あなたのこと、可愛い、って思った気がする」

希「え、そうやったん…?…ごめん、うちここでの出来事…、ほとんど覚えてなくて…」

真姫「そうでしょうね。そしておそらく、これも忘れてるでしょう。…あなたが初めて変身したのは、ここだ、ということを」

希「えっ…」

真姫「まぁ…、あの時の希は満身創痍だったでしょうし…、それに…。なら…、今こそ二人の記憶を紡いで、思い出しましょう」

真姫「あの日…、初めて仮面アイドルとなった夜…、ビギンズナイトにあったことを…」

希「…うん。そうや、うちがちゃんと言われたことをしていれば…、おやっさんは死んでなかった…」


数ヶ月前…


希「運命の子…?」

星空「あぁ。地球の全てを背負い込んでしまった少女、らしい。敵はこの島で彼女の力を引き出して、悪事に利用しようとしている…」

星空「…その子はまさに生きた部品のように扱われてる。…彼女を救い出したい。それが俺の依頼人の願いだ」

希「…おやっさん!うちも…、力になりたい…!」

星空「…希。お前は半人前だってこと忘れるなよ。俺の命令は絶対に聞くこと。それが絶対条件だ」

希「こんなとこにまでいつもの説教?まったくもう…」

星空「こんなところだからだ。…わかったな?」

希「…うん。…わかりました。約束する」

星空「…それでいい。物分りのいい●●は好みだ」

希「も、もう…、また変なこと言って…」


ピリリリリリリ!!


希「…っ!!?なんや…」

星空「こいつは…!」


「どこだ!出てこい!!」「絶対に逃がすな!!」

ドロレス・D「…出てきなさいコソドロ。もしくは産業スパイ?どちらにしろ、脳ミソドロドロに溶かしてあげるから」


希「な、なにあれ…、バケモン…!?」

850: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/04(水) 23:24:13.40 ID:DKSwBMero
星空「希、早速命令だ。これを持ってじっとしてろ」ズッ

希「これは…、アタッシュケース…?」

星空「ここを一歩も動くんじゃないぞ。わかったな?」ダッ

希「お、おやっさん…!正気なん!?」



「いたぞ!」「捕えろ!!」



星空「…フッ」

星空「俺の華麗な格闘術をお見舞いしてやるぜ!」


(数秒カット)


「うっ…、ぐぅ…!」「強い…!」


星空「…決まった」



希「おぉ…、カッコイイ…!」



ザコ「くっ…、こうなったら…!」\マスカレイド!!/


マスカレイド・D「うおー」

「うおー」「このやろー」「ぶったおすー」


星空「…囲まれた、か」



ドロレス・D「…コソドロにしてはよくやる。だけれど…、残念。ここでおしまい」ピカァァ…


星空「…撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけだぜ。お嬢さん?」


ドロレス・D「…っ!?」


星空「ふぅ…、ガイアメモリはあんまり使いたくなかったんだけど…、仕方ないな」カチャッ


ドロレス・D「ロストドライバー…!?なぜお前が…!!」


星空「…貰った」\ステラ!!/

星空「変身…!」ガチャンッ!!

\ステラ!!/


希「ほわっ…!!?」


ステラ「さぁ…、お前の罪を数えろ…、なんてね」

851: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/04(水) 23:37:38.46 ID:DKSwBMero
ドロレス・D「…っ!やれ…!!」


「うおー」「このやろー」「ぶっころすー」


ステラ「…!」


バキッ ズガッ ドガッ


ドロレス・D「…!!」ピシュゥゥ…

ドロレス・D「ハァァッ!!」ズダダンッ

バシュゥッ!!


ステラ「…ッ!!くっ…!!はぁっ!!」バンバン



希「うおぉぉ…、見ててヒヤヒヤする…!頑張っておやっさん…!!」

希「…ん?」


「…」スタスタ


希「だ、だれか、向こうで歩いてる…。女の子…?もしかしてあの子が…」テクテク…

希「あっ…」


(星空「…これを持ってじっとしてろ。ここを一歩も動くんじゃないぞ」)


希「…」

希「…うぅん。ここであの子を助けておけば…、おやっさんもうちのこと少しは認めてくれるかも…!」

希「…っ!」ダッ


希「ねぇちょっとキミ…、キミが、運命の子…?」

少女「…誰?」

希「え…、あぁ、うちは…」

少女「ここの人じゃなさそうね…。見るからにバカっぽそう…」

希「…は?な、なにいきなりdisってくれてんの!?年上に向かって失礼やと…」

希「…って、この部屋…。これ、ガイアメモリ…!?」

希「あ…、もしかして…、キミが作ったん!?」

少女「んぁ…?ん…?あ、これ…!!」サッ

希「え…?このケースが何か…」

少女「これは…」パカッ

少女「すごい…!!これ…、>>852じゃないの!」

852: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/04(水) 23:39:18.26 ID:t9oQgQYk0
番号が書かれたスイッチ

857: いや、投稿するときにsage外し忘れるだけなんだ ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/04(水) 23:59:14.52 ID:DKSwBMero
少女「こ、これは番号が書かれたスイッチだわ!」

少女「こっちはロケットモチーフで、こっちはドリル…、それにこれは…、二つ合体させると携帯電話になるやつよ!」

少女「うわぁ…、これを玩具化したら購買意欲が高まりそうだわ…」



真姫「…って、そんな話じゃなかったでしょ…」

希「あれ…?そうやったっけ…?」

真姫「記憶が混濁しているのね。正しくはこうだったわ」



少女「これは…、すごい。これを用いれば私の頭脳を兼ね備えた最強の超人が誕生する…!!」

少女「なんてモノを作り出したのかしら…!!これの考案者は誰!?」

希「…っえ?う、うちは知らんけど…」

少女「これをこうやってここのこれにこうズブッ、って挿してそれでこっちもやぁっ、ってやると…」

少女「もうなんかとんでもないことになるの!あはははは!すごいすごい!」

希「…っ!な、何がおかしいんや!この悪魔…、悪魔っ子!!」

希「お前たちが作ったメモリのせいで…、この街がどれだけ泣いてるのかわかってんの!?」

少女「…は?じゃあアレ?アンタは拳銃を作ってる工場の人間に今みたいに怒鳴り散らすの?っは!それこそ笑えるわ」

希「…っ!!」

少女「…使って悪事をする人間が悪いの。わたしはただより効果の強いメモリを見てみたいだけ、なの!ふふ…!!」

希「んなっ…!!このバカッ!!」バシッ

少女「おぅふっ!…って、これは…」シュバッ

希「あ、あれ…、変なとこに入ったせいで…、消えちゃった…?」


少女「…これは、あらあら…、ガイアタワーの中に転送されちゃったみたいね」



星空「バカがっ!!」バシッ

希「あうっ!!」

星空「…なんで、言われた通りにしなかったんだ…!あの子を抑えてたら今頃…!」



希(…うちのせいや…)

希(うちが…、約束を破ったせいで…)

希(おやっさんは…)

希(…凶弾に、倒れた)


バンバンバンッ!!


星空「あぐぅっ…!!」

希「おやっさん!!おやっさぁんっ!!」

858: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/05(木) 00:18:13.61 ID:5uKPyhlio
星空「ぅ、ぐ…!」

希「おやっさん…!」

少女「…」

星空「希…!この依頼…、お前が、引き継いで、くれ…!」

希「ぁ…!」

星空「あの子を…、あの子を、頼んだぜ…!」ス…

希「…よしてよ…、うちに…、帽子は、早い…。まだ、早いってぇっ!!」

星空「…いんやぁ…、いい女だぜ…、希…。まだ、まだ…、半熟、だけど…、な…」ガクッ…

希「お…、おやっさぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!」



バキバキバキ…ッ!!ガシャァァンッ!!



ドロレス・D「はっ…!えらく手こずらせてくれるじゃなぁい…?もう…、ウフフフフフ…!!全部ぶっ壊したげるんだからぁ…!!」

希「…っ!!」




真姫「…そこで、私と希は、初めて変身。…Museとなった、ってわけ」

希「え…、でも…、うち覚えてないし…」

真姫「えぇ…、初変身は負担が大きかったんでしょうね。二人共精神に大きなダメージを負ってしまったみたい」

真姫「特に希は…、ビルを抜け出して音都に戻ってきた時なんか…」




希「はぁっ…、はぁっ…!!なんなの…!?なにがどうしてこんなことに…」

少女「…、ちょっと、もう逃げ切れたのよ?そろそろ落ち着いても…」

希「…え?あれ…、ここ…、ここ、どこ…?私は…、今まで、一体何を…」

少女「…え?」

希「…っ!!あ、お、おやっさん…!!おやっさんが…!!おやっさんが危ない!!」

希「急いで、助けないと…!!」

少女「…もう、あの人は…、ぅ、あうっ…!!ぐ、こっちは、体にも、負担が…!う、くぅっ…!」

希「え、あ…、そう、や…。そう…、おやっさんは…、敵に、撃たれて…、そんで…、うちらは必死で逃げ出して…」

希「…ぁ、ちょっとキミ!大丈夫!?い、今すぐ事務所まで…」




真姫「…あの時のあたふた具合、今じゃ考えらないわね。…少し可愛かったわ」

希「あぁ…、それで可愛い、って…。そっか…、うち初めての変身で記憶を…、だから変に記憶に齟齬が…」

真姫「そうね。…まさか、ガイアメモリに関する記憶まで失ってるとは思ってなかったけど」

真姫「おかげで、ミューズドライバーについて二回も説明する羽目になったし」

希「…でも、今はほとんど思い出せてる…。そう、あの日、うちらは初めてMuseになって…、おやっさんを亡くして…」

真姫「…いいえ、まだよ」

希「え…?」

真姫「まだ、あなたの知らないビギンズナイトが、一つだけ残ってる」

859: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/05(木) 00:42:18.30 ID:5uKPyhlio
真姫「星空所長に、ガイアタワーの中から、助け出して貰ったとき…」

真姫「星空所長は、私の心の中…、今で言うところの『音楽室』に入り込んできた」




星空「…ここは、一体…」

少女「…」チョコン

星空「…おや、アイドルみたいに可愛いお嬢さん。こんなところで何をするでもなく座り込んで、つまらなくないのかな?」

少女「…アイドル?」

星空「俺と一緒に、出て行く気はないかな?」

少女「…ここにいて、って、言われた…。とても、美しい人に…」

星空「あぁ、そう…。…ふぅ」スワリッ

星空「…なぁ、お前は何か今まで一つでも、自分で決めてしたことは、あるか?」

少女「…いいえ」

星空「じゃ、今日が最初だ。自分自身で決断して、この暗闇の牢獄を出るんだ」スタッ

星空「…で、自由になってから…、お前の罪を数えろ」

少女「…私の、罪…?」

星空「…お前、名前は?」

少女「…」

星空「じゃあ…、こう呼ぼう」


星空「…ニシキノ、マキ」


少女「ニシキノマキ…?」

星空「あぁ、この世のものとは思えないくらい、美しい女性の名前さ。もう、その人はいないけどね」

星空「…お前に、よく似ている。その人は、自分の決断で全てを成し遂げてきた」

少女「決断…」



希「お…、おやっさぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!」


少女「…」

少女「ぁ…、私の…、罪…」

少女「私の…」





真姫「あなたの罪は勝手な決断をしたこと、そして私の罪は、決断をせずに生きてきたこと、…って言っても、もう記憶もほとんどないのだけれど」

希「まさか…、真姫ちゃんの記憶がないの、って…」

真姫「…初めての変身の時、これまでやってきたことのほとんど全てを、忘却してしまった。覚えているのは、あの夜の出来事だけ」

真姫「だとしても、私の罪は消えない。私たちは一つになって二人の罪を償い続ける義務があるの」

真姫「だから、Museになったのでしょう?」

希「真姫ちゃん…、それを、うちに思い出させるためにここに…?」

真姫「あなたがいなければ、続けられないの。探偵も…、そして」

真姫「…アイドルも」

希「…せやね」

861: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/05(木) 01:05:24.23 ID:5uKPyhlio
真姫「あの日と同じことを、今もう一度聞くわよ、希」

真姫「これからも…、悪魔と相乗りする勇気、あるかしら?」ボウシスッ…

希「…」パシィッ

希「もちろん」

真姫「それで、よし」


ティリリリ、ティリリリ


真姫「…おや、電話だわ。希、出なさい」スッ

希「うちが…?…はい、もしもし」


凛『…希、ちゃん…』


希「凛ちゃん…」

凛『…ごめん、なさい。死んじゃえ、なんか言っちゃって…』

希「え、いや…、そんなこと別に…」

凛『…大切な、仲間だって、お父さんに言うつもりだったのに、ね…。私、バカだなぁ…』

希「…」

凛『まだ、よくわかってないけど…、いつか希ちゃんの口から、真相が聞ける、って信じてるから』

凛『…それで、凛は今城乃内さんをつけてるんだにゃ。どうやら昨日から様子がおかしくて…』

希「えっ…、凛ちゃん一人で捜査続けてたん!?」

凛『あったりまえでしょ!城乃内さんは依頼人だもん!』

希「あ…」

凛『お父さん、凛が探偵になりたい、って言ったときは、必ずこう言ってた。「探偵にとって一番大事なのは依頼人、ってのが俺のモットーだ」って』

凛『だから、凛はそれを貫く。お父さんの娘だもん』

希「…っは。凛ちゃんは強いな」

真姫「星空所長の娘さんだもの、ね」

希「…せや、ね。…凛ちゃん、帰ったら、おやっさんのこと全部話すから」

凛『えっ…』

希「…待っててね」

凛『…うん』


希「…よし、犯人を検索や。音楽室に入って、真姫ちゃん」

真姫「いいけど…、もう大体絞れてるんだけど?」

希「え?」

真姫「…いえ、なんでもない。はいはい、やるわよ。すぅ…」

希「キーワードは…、Awake、蘇生、そして…、城乃内秀保」

真姫「もうそこまでは一度検索済みよ。だけど調律がうまくいかないわ」

希「そっか…。でもこれ以上の手がかりは…」

真姫「…そういえば、ここに来る前、高崎穂乃果が興味深いことを言っていたわね」

希「え…?なんて…?」

真姫「それが…、>>862、って」

862: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/06/05(木) 01:08:21.17 ID:7FD7WBAw0
男装する人って素敵だよね

863: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/05(木) 01:21:19.54 ID:5uKPyhlio
真姫「男装する人って素敵だよね、って…」

希「…それうちのこと言ってるんかな…」

真姫「あぁ…、そういえばなんか希の話になると頬を赤らめていたような…」

希「…もしかしてうち、惚れられてる?」

真姫「あ、かもね。よかったじゃない」

希「良くないよ!あの穂乃果ちゃんに好かれたらめっちゃ面倒なことになりそう!」

真姫「でも希は渡さないんだから!」

希「まさかの真姫ちゃんもそっち!?…って!そんな話してる場合ちゃうやろ!犯人がだれか…」

真姫「あぁ、それならもうわかってる。教会のシスターよ」

希「…へ?」

真姫「あからさまに怪しかったし、アウェイクの適合率的にもありうるし、ドーパントの声加工されてなくてどう聞いてもCV:南條愛乃だったし」

希「なんかメタな推理が…。で、でもはっきりとした証拠があるわけでも…」


ティリリ、ティリリ


希「…はい、もしもし」

凛『うおぉっ!!城乃内さんが昨日教会で会った神父さんと会ってるにゃ!』

希「…」

真姫「決まりね。私たちも向かうわよ」

希「納得いかへん…」



教会


ギィィィ…、バタン


エリーチカ「じゃ、ここで待っててね」スタスタ

城乃内「う、うん…」


凛「…ささっ」


城乃内「…り、凛ちゃん…!?どうしてここに…」

凛「城乃内さん!ここから逃げよ!あのシスターはドーパントにゃ!」

城乃内「…それ、なんだけど…」

凛「…え?」

城乃内「ここから逃げて…、もしまた見つかっちゃったら…、ピエールさんにあの地獄の夜を味わわされるし…!」

城乃内「それに…、ここにいれば…、シスターは僕に…」

城乃内「>>864してくれるって約束してくれたんだ!だから行かない!」

866: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/05(木) 01:59:21.23 ID:5uKPyhlio
城乃内「●●●ことしてくれるって約束してくれたんだ!」

凛「え゙っ…、こんなイケメンなのに結局は●●に負けるんだ…」

城乃内「だって仕方ないだろ!修行時代は毎晩毎晩40のオッサンに後ろを…」

城乃内「だから女性の魅惑には抗えないんだよ!!」

凛「男には散々やられといて女だったらいいの!?」

城乃内「当たり前だろ何言ってんだ!!男にやられるなんて…」


エリーチカ「おやおやぁ…、楽しそうチカね。私も混ぜてもらえるチカ?」


城乃内「ひっ…」




ドンッ

凛「きゃぁっ!!」

城乃内「な、何を…!!」

エリーチカ「フフフ…、ここは私による私のための楽園チカ…。ほら、ご覧なさい…」

凛「あ…、あの人、見たことある!有名なエステサロンの店長…、たしか行方を眩ませたとかで…」

城乃内「あ、あっちはフレンチの巨匠と呼ばれた超有名料理人…!どうしてみんな鎖に繋がれて目隠し…、しかも猿轡まで…」

エリーチカ「フフフ…、一流のプロ、ってのは大体誰もが何かしらを犠牲にして生きてるものチカ…。そしてその多くに人が関連している…」

エリーチカ「わたしはその人たちを蘇らせて、脅してるんだチカ…。そして私専用の奴隷として飼わせてもらってるの」

エリーチカ「毎日同じ時間に私のためだけに料理を作り、身体を満たし、メイクを施し、歯を磨かせ、子守唄を歌う…。それ以外の時間はただ鎖で繋がれる…」

エリーチカ「気まぐれに足で粗末なモノをちょいちょいしてやったりはしてるけどね」

城乃内「ま、まさか…、●●●ことってそういう…!?」

エリーチカ「ザッツライト!!」

城乃内「そ、そんなのヤダぁぁぁぁ!!!」

凛「さ、させるか!うりゃぁぁぁっ!!」

エリーチカ「邪魔チカ」バシッ

凛「おうっ…、げふぅ…」ガクッ

城乃内「弱っ!!」

エリーチカ「さぁて、そろそろ…、甘いものも食べたいと思ってた頃チカ…。さ、私のために極上のスイーツを作り続けるチカ…」

エリーチカ「その広がりきった後ろの穴も…、時々使ってあげるから…、ね?」

城乃内「嫌ぁぁぁっ!!!だ、だ、だ…」

城乃内「だれか助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


<グガー  <ワンチュー


ヒュンッ!! バシッ!!


エリーチカ「おぐふっ!!いった…、何!?」


希「ちょっと待っててー…、ってね!」

真姫「そこまでよ!このゲスーチカ!」


エリーチカ「き、貴様ァ~~…!!」

867: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/05(木) 02:13:16.23 ID:5uKPyhlio
希「各業界の一流たちを監禁して自分のためだけに働かせる…、まるで女王蜂やね!シスターエリー!」

真姫「…いえ、アウェイク・ドーパント」


城乃内「ひっ…、い、今のうちに…」ササッ


エリーチカ「…おのれ、ならば、死者を呼び起こす私の力…、見せてあげるチカ…!!」\アウェイク!!/

エリーチカ「アハハハハハハハハハハハ…!!」ピチュゥゥンン…


希「…消えた」


バタンッ…


星空「…」ノソッ


真姫「星空、所長…」


星空「…今度は加減しないぜ、希…」


アウェイク・Dの声『この男はあなたが絶対に逆らえない男のはず…。さて、どうするのかしら?』


希「…!」

星空「…変身」\ステラ!!/ガシャンッ

\ステラ!!/


希「…!城乃内さん、うちの陰に…!!」

城乃内「は、はいぃ…!」

ステラ「…希。お前はここにいる資格がない…」

希「お、おやっさん…、この人は…、うちの依頼人や!」

ステラ「それがどうした。また俺の言うことに背くのか。…また俺を、[ピーーー]気かぁ…!?」

希「…」


真姫「希…、聞いちゃダメ」


ステラ「どけ、希」

希「…」

希「…っ!!」

希「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」ブンッ!!


バキィッ!!


ステラ「うおぐっ!」

希「…うちは命懸けで、あなたの教えを守る。…それを邪魔するんがあなた自身なら、それとも闘う」

希「ホンモンは…、うちの胸の中で生きてるあなただけやっ!!」


アウェイク・Dの声『バカな…、貴様は一体…!!』


希「うちは…、いや…」

真姫「…私たちは」

希「…星空凛太郎の忘れ形見…!!二人で一人の探偵で…、アイドルや!!」\スター!!/

868: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/05(木) 02:30:17.96 ID:5uKPyhlio
希「行くよ、真姫ちゃん!」

真姫「えぇ!!」\クレッシェンド!!/

希・真姫「「変身っ!!」」


\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン



Muse「…」

ステラ「むっ…!」

Muse「「はぁぁぁぁっ!!」」バキィッ!!

ステラ「うぐぅっ…!!」


バゴォンンッ!!



城乃内「ひぃっ…!!?」


Muse「城之内さんは避難してて!」


城乃内「り…、了解!」ダダッ



Muse「てやぁぁぁっ!!」

ステラ「あぐぅっ…!!」

Muse「はぁっ!!」

ステラ「がっ…、ふ、ぁ…!!希…、お、俺が…、どうなってもいいのか…!!」

Muse「…」\フォルテ!!/

\フォルテ!!/\スター!!/ テーレテテーッレデレレレーン


Muse「もっと…、もっと強く…!!」「はぁぁぁぁぁぁっ!!!」バキィィッ!!

ステラ「ぐがぁぁぁっ!!!あ、が…!」ピチュゥゥンン…


アウェイク・D「が、はぁっ…!!」


Muse「やっぱりアンタが…!」「化けてたんやな…!!」


アウェイク・D「くっ…、クソ…!わたしは…、私はぁ…!!」


Muse「あなたの正体なら既に掴んでいるわ、アウェイク・ドーパント。あなたの能力は、死者を呼び起こす力ではない」

Muse「人の記憶を呼び起こし、その心の奥に眠る人物に化けているに過ぎないのよ!」


アウェイク・D「ぐっ…!!く、クフフフ…!そうよ、そのとおり…!!」

アウェイク・D「私はあらゆる才能の持ち主になれるチカ!でも働くの面倒だし!」

アウェイク・D「だから一流の職人たちを脅したり騙したりして私に貢がせてやってるんだチカ!逆に感謝してもらってもおかしくない…」


Muse「とんでもないクズやね…」「そして力の使い道を盛大に誤ってるのもツッコミどころやね」

Muse「こんなやつ、とっととぶちのめしちゃうわよ!」「言われなくてもそのつもりや!」


Muse「「さぁ、お前の罪を数えろ!!」」

869: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/05(木) 02:44:14.36 ID:5uKPyhlio
アウェイク・D「グ、グゥ…!!こ、こうなったら…!!」

凛「ん、むにゃ…」

アウェイク・D「フフフ…!この少女を…!!」ガシッ

凛「んぐっ…!!?にゃ、にゃに…?」



Muse「凛ちゃんっ!!」「凛!」



アウェイク・D「ふ、フフフ…!!この子を逃がしてなかったのが運の尽きのようね…!!覚悟しなさい…!!」

アウェイク・D「どうやらさっきの星空凛太郎ってのはこの子の父親のようチカ…!!ならば…!!」

アウェイク・D「思いが強ければ強いほど、私の力も増す…!!この子の脳内から直接、父親の記憶を読み取って…!!」ガシィッ…!!

凛「うグッ…!!い、痛いぃ…!!」

アウェイク・D「フフ…!!感じる、感じるわ…!!強い思念の力…!!これほどまでに強い想い、初めてチカ…!!」


Muse「くっ…、凛ちゃんを放せ!!」「放しなさい!!」


アウェイク・D「おっと…、近づけばこの子の命はないわよ…!?フフフ…、おとなしく私の力が漲るのを見物しているチカ…!!」


Muse「う、ぐっ…!」「凛…!!」


アウェイク・D「フフ…!!フフフフ…!!これで、私は…!!」

凛「う、うぅぅ…!!」


凛(お父、さん…!)

凛(お父さん…!!)

凛(凛の、大好きな…、お父さん…!!)



凛(助け、て…、お父、さん…!!)



アウェイク・D「ハハハハハハハ!!…ハ?」


Muse「え…っ!!?」「あれ、って…」



ステラ「…」


アウェイク・D「あれ?あれれ…?どうして私が化けるんじゃなくて…、実体化してるの…?」

ステラ「…」

アウェイク・D「ま、まぁいいわ!やっちまいなさい!!ほら!バンって!バンバンしなさいコラ!!」

ステラ「…」

ステラ「…あいよ」バンバンッ!!


バシバシンッ!!

アウェイク・D「おぐぅっ…!!?」

Muse「「え…?」」


凛「お父、さん…」

870: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/05(木) 03:01:49.42 ID:5uKPyhlio
アウェイク・D「なんで…!?どうして、私を攻撃する、チカぁ…!?」


ステラ「…希」

Muse「え、は、はいっ!?」

ステラ「隙ができた。とっととやれ!」

Muse「え、えっと…、了解っ!!」

\スター!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「「スターディテュランボス!!」」


スターディテュランボスとは!!

右半身にありったけの力を込め射出する必殺技である!!



Muse「うあぁぁぁぁっ!!!!もっと、強くっ!!」

Muse「ロケットォォォ…!!パァァァァンチィィィィッ!!!」バヒュンッ!!

ズゴォォォォォッ!!


アウェイク・D「おごぉおぉぉぉぉぉっ!!!体の右半身全体のロケットパンチとか…!聞いたことない、チカ…」

ズドォォォォォォッ!!

アウェイク・D「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

バゴォォォォォォォンッ!!


エリーチカ「が、はぁっ…!!」パキンッ



Muse「はぁっ…!なんとか、なったみたい、やね…」ピチュゥゥンン…

希「でも…、どうしてあの時…、ステラはドーパントを攻撃して…」


ステラ「…」


希「あ、あれ…?ドーパントがやられたはずなのに…、ステラは消えてない…?」


ステラ「…」ピチュゥゥンン…

星空「…」


希「おやっさん…」


星空「…いい顔をするようになったな、希」

希「…っ!!?」

星空「…帽子、良く似合ってるぜ。帽子が様になるのはいい女の証拠だ」

希「おや、っさん…!」

星空「あばよ、希。それから…、凛。また会えて、…嬉しかった。じゃあな」

サァァァ…


希「おやっさん…!!う、うぅうぅ…!」

真姫「今のは、一体…?」


凛「お父さん…、ありが、と…、うぅ…、ぅ…」

872: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/05(木) 03:22:15.18 ID:5uKPyhlio
翌日

東條西木野☆探偵事務所内


希「帽子、様になってる、か…」

希「…ふふ、ホンモノは胸の中だけ、って言っといて、すぐに心動かされてるんやもん…。バカみたいやね…」

希「あ、凛ちゃん…、その…、お父さんのこと、やけど…」



穂乃果「メリ~~~~…、クリスマーッスッ!!いぇいっ!!凛ちゃんいぇいっ!!ハイタッチ!」

凛「いぇいっ!!だにゃ!今日はサンタの人トナカイなんだね!」

穂乃果「えへへー、いいでしょ~!サンタ衣装は凛ちゃんのために取っておいたんだ!はい!」

凛「わー!可愛いにゃー!!これ着ていいの!?」

穂乃果「もっちろーん!だって今日は…」



希「…聞いてないし…。まぁ、後でいいか…」




東條西木野☆探偵事務所前


真姫「あら、わざわざ外に出てきたの?」

希「中は凛ちゃんと穂乃果ちゃんでやかましいからね」

真姫「別に外でなくてもいいのに。寒いでしょ?雪降ってきそうだし」

希「いやいや…、全然季節違うやん…。雨なら降るかもしれへんけど」

真姫「ま、半年ほど早いかもね。…さて、そろそろ中に入りましょうか」

真姫「…今日だけは、イチゴ、譲ってあげるわ。あとチキンもね」

希「おや珍しいね。いつもなら凛ちゃんと競争しながらがっついてる気がするけど」

真姫「…そこまで意地汚くないし。…今日は、特別な日、だしね」

希「クリスマス、ってこと…?」

真姫「…中に入ればわかるわ。さ、行きましょ」

希「…う、うん…」

873: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/05(木) 03:33:31.18 ID:5uKPyhlio
東條西木野☆探偵事務所内



穂乃果「メリ~~~~…、クリスマーッスッ!!」

穂乃果「…じゃなくて~~~…?」


凛「希ちゃんっ!!お誕生日~~…」

真姫「おめでとっ!!やぁっ!!」



パンッ!!パパンッ!!



希「あ…」ポカーン



凛「いぇいっ!!サプライズ大成功にゃ!!」

穂乃果「忘れてたでしょー?すっかり忘れてたでしょ?」

真姫「さ、特等席へどうぞ!」



希「…そっか、今日、やったっけ…。あは、あはははは…」

希「アハハハハハハハ!!忘れてた!!うわー…、嬉しい…。ヤバ、涙出そう…」



真姫「泣くのはロウソク消してから!」

希「うわ、これ22本あるやん…。無駄に凝ってるなぁ…」

凛「さぁ、ふー、ってするにゃ!ふー、って!」

穂乃果「電気消したよー!カウントダウーン!さん、にー、いち!」


希「…ふーっ!」


真姫「…せーのっ」

真姫・凛・穂乃果「22歳のお誕生日、おめでとーっ!!希(ちゃん)っ!!」


希「…うんっ!!やった!また一歩オバサンに近づいたっ!!」

穂乃果「そういうこと言わないっ!」

真姫「さ、ケーキを好きに切り分けていいわよ!ただし選ぶのは私だけど!」

凛「誕生日くらい謙虚になったらどうにゃ…?」

真姫「だからイチゴだけなら譲ってあげるつもりよ!」

凛「イチゴだけですか!?」


希「…ふふ」



うちらはここで生きている。この街、音都で。

これからもずっと、あの人の、思いを背負って…。




劇場版 仮面アイドルMuse ビギンズナイト

おわり

874: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/05(木) 03:49:04.28 ID:KIwzHw5Qo
真姫「というわけで急遽劇場版となった第14.5話、どうだったかしら」

凛「数日早めの希ちゃんお誕生日回も一緒にやったったにゃ」

希「…って言っても最後の2レス書く寸前くらいに思いついたんやけどね」

真姫「それまで全く頭になかったという点では完全にサプライズではあるわね」

希「まぁ、なんだかんだ言っても祝われたのは変わりないからね。素直に喜んでおくわ」

凛「よーし!シャンパン開けるにゃーっ!」

真姫「あ、このエンドトークはパーティ中に録ってるって体よ」

希「一応穂乃果ちゃんもいるんよね…。酔いつぶれてるけど」

穂乃果「ほぇぇぇ…?もう飲めないれふ…」

凛「よくよく考えるとこんなところで穂乃果ちゃんの描写したら7,8話の別れがもっと辛いものになってきちゃうにゃ…」

真姫「一緒に希の誕生日を祝った仲なのに、ってことよね…。そう考えると来るものがあるわね…」

希「色々と時空を無視した話はこの辺にしておいて…。一気に仕上げるためにこんな時間までかかっちゃったけど楽しんでもらえたかな?」

真姫「途中誤字脱字がひどかったと思うけど脳内補完しておいてね。saga忘れも」

凛「じゃ、次回!ついに南ことりちゃん登場にゃ!」

希「そして話は未だ未定」

真姫「というわけで今日中に考えるから一旦メモリ安価はナシよ!ことりのメモリも考えるわ!」

希「最終的に思いつかなければ安価、って形にするってことやね」

凛「それじゃあ今日はここまで!」

真姫「また次回をお楽しみにね!」

希「これで決まりやっ!」



真姫「…さて、じゃあパーティの続きね。ほら、チキン食べなさいチキン」

希「言われんでも食べるし…、もぐもぐ…」

凛「ほらほらシャンパンどうぞどうぞ」

希「あぁどうも…、ってそんなに急かさんでも自分のペースで…」

真姫「いいからいいから」

凛「いいからいいから」

希「あぁ…、まぁいいけど…。っていうか、やけに積極的で怪しいなぁ…」

真姫(トコトンいい気分にさせて酒で酔わせて…)

凛(色んなモノ買ってもらうにゃ…)

希「…ま、いっか!よーし、いっぱい食べていっぱい飲むよーっ!うおー!」

886: 傷害能力も高速移動も感じられない単語だけどまぁ…、なんとかなるだろう多分 ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/06(金) 23:30:31.80 ID:sqtZwmnmo
東條西木野☆探偵事務所内



希「…うむぅ…」


チェス…、これぞまさに、スピリチュアルな女のゲーム…。

一進一退を繰り返す自分と相手の駒の動きを見極め、辛抱強く追い込んでいく様は、探偵の仕事に通じるものがある…。

ま、要するに…、

うちのためにあるようなゲーム、やね…


希「ぬ、ぬおぉぉぉぉ…!!詰めチェスむずぅぅ…!!どの駒を動かせばえぇんや…!?」


ガチャッ チリンチリーン


希「よ、よし、ならこのクイーンを…」

「もしもーし?」

希「いや…、こっちのナイトで…、…はい?…あ!えっと、その…」

「あのー…、ここって探偵事務所、だよねー?」

希「え…、あ、はい!せやけど…、あなたは…?」

「…依頼人、だよー。あ、ここで…、チェックメイトだね」カチャッ

希「うぇぇっ…?うわ、ホンマや…。スピリチュアルや…」

真姫「…っていうか一手詰めでそんな苦戦してたの…?」



希「刑事?あなたが…?」

ことり「うん、南ことり…、だよ」

凛「婦警さんなら前もあったけど…、若い刑事さんだにゃ…」

ことり「最近頻発してる不可解な傷害事件について調べて欲しいの」パサッ

凛「はっ…!この写真は…、間違いなくドーパントの仕業だにゃ…!」

ことり「得意分野、でしょう?」

希「はっ!残念やったなぁ!スピリチュアルな探偵は簡単に権力には…」

ことり「…」スッ…

希「…なびかない!とっととおうちへ帰るんやね!」

凛「ん…?何か手渡されたけど…、はぁっ!?こ、これは…、凛の大好きな>>887!?」

887: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/06/06(金) 23:33:31.07 ID:G3egyysM0
凛ちゃんも1度しか食べたことがないポイントで交換できる音都ラーメンの裏メニューチケット

889: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/07(土) 00:07:43.74 ID:VtB3Al3to
凛「凛でも一度しか食べたことのないポイント交換で食べられる音都ラーメン幻の裏メニュー…!!」

凛「それの交換チケット…、だと…!!?」

希「さぁとっととおうちへ帰りなさい!あ、これやと30分後の世界っぽ…」

パシンッ!!

希「いたっ…!」

凛「さ、どーぞどーぞ!今後共ご贔屓に!」

希「ちょっ…、凛ちゃん!?買収されてどうするんよ!」

ことり「決まりだね。…所長さん」

凛「にゃ?」

ことり「早速東の人、借りていくね」

希「ひ、東の人ぉ…!?うちのこと!?」

凛「あ、はいどうぞ!こき使ってください!」

希「ちょっ…、ひどい…」


ことり「先行ってるねー」ブロロロロ…

希「あっ…、この!勝手に行くな!」



凛「なんか不思議な人だったねー…、掴みどころのない、っていうか。掴みどころだらけの希ちゃんとは大違い」

真姫「それは腹の肉的な…、いえ、何でもないわ。盗聴器でも仕掛けられていたら命がないもの」

真姫「それにしても…、南ことり…。音都署の刑事、ね…」

凛「あの人のこと、気になるのかにゃ?」

真姫「まぁ、ね…。でも、何が気になるのか…、それがわからないから気になるの」



ことり「…」ブロロロロ…

希(南ことり…。なんだか不気味な子…)ブロロロロロ…

ことり「あ、抜かされた…」

希(なんといっても一番気に入らないのは…)

ことり「私の方が先なんだから!」ブロロロロロ…

希(この子から妙にスピリチュアルな匂いがしてる、ってことやね…)


現場


ことり「みんな、ご苦労様」

警察「おっ、お待ちしておりました南刑事!ささ、現場はこちらです!」

「お荷物お持ち致します!」「暑くないですか?うちわ扇ぎます!」「上着お預かりします!」

希「おぉ…、なんや、このホントの意味での手厚い歓迎は…」

ことり「大丈夫だよー。それより、現場に、ね?これがうちのチームの初仕事なんだから」

警察s「「「「はいっ!!」」」」

希「まるで体制の整った軍隊みたいな動きやね…」


希「うっ…、この部屋、血の臭いがキツいな…」

ことり「…で、被害者のお名前は?」

警察「はい!芸能プロダクション社長の>>890という人物で…」

890: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/07(土) 00:08:51.54 ID:i52tlAwW0
俊平

892: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/07(土) 00:37:09.33 ID:VtB3Al3to
警察「芸能プロダクション社長の奈良俊平という男で…」

警察「この現場で、身体の至るところに穴が空いた状態で発見されました」

希「穴…、さっき南さんが持ってきてた写真みたいな…」

警察「怪我の特徴的に言って…、最近頻発している謎の障害事件と同一犯と思われます」

ことり「そう…」

希「う…、グロテスクやね…」


花陽「ぁ…、希ちゃん…!」

にこ「え…、あ!久しぶりね!」


希「え…、あ!花陽ちゃん!にこさん!」

ことり「知り合い?」

希「あ、うん。前に事件で知り合った婦警さんで…。なんでここに?」

花陽「そ、それが…、私たちも急にここに配属されることになって…、今来たところなんだ…」

にこ「あっ…!!南刑事!?お、お疲れ様ですっ!!遅れて申し訳ありませんっ!」

ことり「うん、お疲れ様♪そんなにかしこまらなくても大丈夫だよっ」

希「…ねぇ、にこさん。この南、って人…、そんなに偉いん?」

にこ「あ、あったりまえよ!…南刑事は、この音都署に新しく超常犯罪捜査課を設立しに来たエリートさんよ…!」

希「ちょーじょーはんざいそうさか…?」

にこ「まぁいわゆる…、ガイアメモリ犯罪課、ってとこね…。私たちは一度ガイアメモリ被害にあったこともあって、組み込まれたのよ…」

花陽「…南さん、すごい人なの…。私たちとほとんど年齢は変わらないのに、刑事だなんて…。憧れちゃうなぁ…」


ことり「…ん?これは…」

ことり「…」ササッ…

ことり「…ふぅん」

希「…ん、なんかわかったの…?証拠でも落ちて…」

ことり「…えっとね、先に言っておくけど」

希「…?あぁ、それ…」

ことり「っ!!」グイッ

ガタンッ!!

希「おうっ!!?な、なんでいきなり壁に…」


ことり「私に質問をするな」


希「え…?」

ことり「ふんっ」バンッ

希「いった…!何するんっ!?」

ことり「被害者の奈良は?」

花陽「えっ…、あ、音都総合病院に運ばれ…」

ことり「…」スタスタ…

希「あ、ちょっ…!なんなん…?さっきまでは穏やかな子やと思ってたのに…」

893: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/07(土) 00:52:44.54 ID:VtB3Al3to
???


ツバサ「…やっと来たわね、あんじゅ」

あんじゅ「…一体、何?急に呼び出し、なんて…。お仕事キャンセルしてきちゃったわよ」

英玲奈「総帥から大事なお話だ。心して聞くように」

あんじゅ「総帥…?私、あの人なんかニガテ…」

ツバサ「そんなこというものじゃないわ。さ、総帥、こちらへ」


総帥「…みんな、おはよう。あんじゅ、わざわざごめんなさいね」


あんじゅ「…いえ、平気です。それで、お話、とは…?」

総帥「えぇ、とっても大事なお話…。きっとあんじゅも不思議に思ってる、あることについての、ね…」



あんじゅ「…!まさか…、そんな…。だから、あれは…」

総帥「…これが、UTXの真実…。あなたにとって、今日が本当の始まりとなるわ」

総帥「あんじゅ。あなたにも正式にUTXの中核を担ってもらうことになる…」

あんじゅ「あ、あの…、それは…」

総帥「…いいわね?ツバサや英玲奈から、色々学ぶように」

あんじゅ「ぅ…。わかり、ました…」



総帥「そういえば…、連続障害事件が巷を賑わせているそうじゃない」

ツバサ「…また、暴れだしたのかしらね。例の、ドーパント…」

総帥「…あれはなかなか興味深いメモリね。危険な相手だけど…、調べておいてもらえる?」

ツバサ「もちろんよ…。総帥…」



音都総合病院 駐車場


ことり「…」ブロロロロロ…

希「ふぅ…、ここも見慣れたものやね…」


キャー!!!バケモノー!!

「…」


希「…っ!ドーパント!?」

ことり「やっぱり…!また奈良を狙って…!!」

希「急いで助け…、って…、はぁっ!!?」


ことり「ぐ、ぎぃっ…!!ふん、ぬぬぬぬ…!!」グググ…


希「な、なんや、その…」


ことり「ふあぁっ!!」ブンッ

バゴンッ!!


希「と、特大バット…!!?」

895: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/07(土) 01:06:45.04 ID:VtB3Al3to
ことり「…!!」ズルズル…


希「おぉ…、バイクから取り出した特大のバットを引きずって…。コンクリートえぐれてるやん…」



奈良「も、もう許してください!僕が何したって言うんですかぁ!?」

奈良「消えちゃってください」|<●> <●>  |←こんな目

「…っ」イラッ

「…その顔ムカつく…!死ねぇっ…!!」ブンッ

ガキンッ!!


「…っ!!?」

ことり「見つけた…!!てやぁっ!!」ブンッ!!

バキィッ!!


「おぐふぅっ!!い、いてて…」


ことり「はぁっ!!たぁぁっ!!」

ビュンッ!!ブンブンッ!!


ことり「何してるの東の人っ!!早く仮面アイドルになって戦いなさいっ!!」


希「えっ…、なんでそれを…!?」


ことり「質問は受け付けないって言った!!…っ!はぁぁっ!!んんっ!!らぁぁっ!!」ブンッ!!ブンッ!!



希「な、何なんや一体…。はぁ…、真姫ちゃん、変身や」カチャ

真姫『あぁ…、希?ちょ、ちょっと待ってもらえ…、うにゃぁ~~…、かわいいっ!ねぇ、これ飼っていいでしょ!?ねぇっ!』

希「な、何…!?何やってんの真姫ちゃんっ!?」


ことり「…っ!!不便な子たちっ…!!ふんっ!!」バゴンッ!!


「…きぃっ!!」グワァッ


ことり「…っ!あぶなっ…」ヒュンッ


バゴンッ!!


ことり「…!!駐車してあった車に穴が…!これは危険だね…」


希「…っ!もう…、そんな時間ないってのに…!」\スター!!/\スター!!/\スター!!/\スター!!/\スター!!/

真姫『あぁうっさい!しょうがないわね!…』\クレッシェンド!!/


希・真姫「「変身っ!!」」


\クレッシェンド!!/\スター!!/  デレレーンデレレデレレレーン

896: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/07(土) 01:22:18.34 ID:VtB3Al3to
Muse「ふっ…、てやぁっ!!」ヒュッ

バキィッ!!

「おぐっ…!!いった…」


ことり「あれが…、仮面アイドル…、Muse…!」


Muse「はっ!そんなもんっ!?」「楽勝ねっ!」バキィッ


「うぅ…!攻撃が効かない…。だったら…!えいっ!」グワンッ


Muse「はぁっ…!…あ?」「え、え、えぇっ…!!?う、うちの右腕が…!!?」


ことり「…!なくなった…!?」


Muse「えっ…、ちょっ…、えぇぇぇぇっ!!?どうするのこれ…!?」「って言われても…」


「ふふっ…、今のうちに…!!やぁっ!!」バキッ!!バキィッ!!!


Muse「おぐっ…!!えぶぅっ!!」「み、右腕がないのなら…!!」\ハーミット!!/


\クレッシェンド!!/\ハーミット!!/ デレレーンデレレドドーン


Muse「左足で蹴るのみっ!!」「てやぁっ!!」ビュンッ!!

ズバァッ!!


「げはぁっ…!!い、痛ぇ…!もうヤダ逃げるっ!!」ダダッ


Muse「あ…、逃げた…」「追い掛け…」


ことり「逃がすかぁっ!!」ダダッ


Muse「うわ…、鬼の形相で追いかけていった…」「あんな重いバット持ってよく走れるわね」



ことり「…はぁっ…、はぁっ…!この角を曲がって…」


??「…っ!」


ことり「…っ!今の…!待てっ!!」



ことり「はぁっ…、はぁっ…。く、逃げられた…」

ことり「…ん?これは…、…」スッ…


希「はぁっ…、はぁっ…。…どうしたん?」


ことり「…東の人。キーワードは…、穴と…」

ことり「>>897(犯人が現場に落としていったもの)、だよ」

897: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/06/07(土) 01:24:58.93 ID:FtYZnH/h0
ねりわさび

899: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/07(土) 01:43:42.45 ID:30dYnxH4o
ことり「…ねりわさび、だよ」

希「えっ…、ねりわさび…」

ことり「今度は西の人に調律を始めてもらおっか…」

希「…なんで、そのことを知って…」

ことり「…あれ、そういえば、腕は大丈夫なの?」

希「えっ…、あぁ、なんか勝手に出てきた…。何やったんやろう…」



東條西木野☆探偵事務所地下


ガチャンッ

ことり「…」


凛「ほぇぇっ!!?こ、この人ここに入れちゃっていいの!?」

希「この子が勝手に…」

凛「ら…、らっしゃーせー…?」


ニャンニャンニャニャーン


ことり「ふぅん…、こういうこと、ね…」

希「んなぁっ…!!?何、その格好…」


真姫「にゃん?」


ことり「猫のコスプレ…」

凛「捨て猫を拾ってきたみたいにゃ…。時々外へ出て行っては何か面倒なこと増やしてくるよね…」

真姫「見てよ希!このぶちゃいくな顔!お腹もでっぷりしててまるでのぞ…、ゲフンゲフン…。ね、可愛いでしょ?」

希「うちじゃ飼えないよ…、それは…。っていうかなんでコスプレを…」

真姫「見た目から猫になりきって仲間だと思ってもらうためにね!ねぇ、いいでしょ?飼ってにゃん!」

凛「その口調は凛とキャラかぶるにゃ!絶対ダメ!妖怪キャラかぶりが出ちゃうよ!」

ことり「…そんなことはどうでもよくて。Museの頭脳、西木野真姫、ちゃん…、か」

ことり「…こんな調子でよくこれまで生き残ってこれたね?二人共…」

希「は…?」

ことり「キミたちのことは…、この子で、調べてた…」


ヒュンッ <ゼツメツタイムダ!!

カチャンッ


真姫「あ、あの時のキバットバット2世…」

凛「…が、手のひらの上で携帯電話に変形したにゃ」

希「あなた、一体…?」

ことり「私はいずれ…」

ことり「…仮面アイドルになる女、だよ」スッ


希「…っ!三本の、ガイアメモリ…!?」

真姫「ルーク、ビショップ…、そして、ナイト…」

908: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/07(土) 23:36:55.96 ID:shtdQ97ko
凛「こ、ことりちゃんもガイアメモリを…!?」


ことり「この街の人たちはドーパントを倒す超人のことを仮面アイドル、って呼ぶんでしょ?」


希「いや、まぁ間違ってはいないけど…」

真姫「…私たちが言い始めたのよね、これ。街の人が自然に言い始めてくれたら良かったんだけど」


ことり「…。…だったら私が変わる。Museじゃ力不足だよ」


希「なんやって…!?ふざけたこと…」

真姫「不愉快な子ね。私たちへの侮辱は許さないわ」

ことり「思ってたより感情的なんだね。…だったら腕、見せてもらえないかな?」

真姫「…むっ」

ことり「…」

真姫「…調律を始めるわ。…すぅ」


真姫「知りたい曲名は『犯人の居場所』。キーワードは、奈良俊平…」

真姫「…穴、…ねりわさび…。ふむぅ…」

真姫「被害者の交友が広くて、思ってたより絞り込めないわ…」


ことり「…キーワードを追加するね。真妻本わさびと、ソフトチューブ」


真姫「…絞れた。わさびだけに…」

真姫「…ねりねり本舗…。音都西区にあるわさびを専門に扱ってるお店の名前ね。得意先に奈良の芸能プロもあるわ」

凛「なぜ芸能プロダクションがわさびを…」

希「あれ違う…?わさび寿司的な…?」

凛「わざわざスーパーとかで買わずに本店から取り寄せるってどんな無駄な金の使い方なの…」

ことり「このねりわさびのチューブには特殊な技術が使用されてる。相当なものよ」

真姫「農園や加工場を持ち、独自の技術で様々なわさびを作っているらしいわね…」

ことり「真妻本わさびはそこの名物、ってわけだね」

凛「…あ!そういえば今朝の朝刊の一面に…、えっと、ゴソゴソ…」

凛「載ってるにゃ!この人でしょ?ねりねり本舗の社長さん…。名前は…」

ことり「>>909、だね」

909: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/07(土) 23:47:29.20 ID:i52tlAwW0
北村君

911: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/07(土) 23:56:41.98 ID:shtdQ97ko
ことり「北村雄一…、私が現場で見た男の人だね」

凛「この人…、結構有名だよ。テレビにも出てる。お金に汚いとか、ケチだとか、●●だとか…、あんまり評判よくないけど」

ことり「Museも大したものだねー。…頭脳だけは」

希「は?」



ねりねり本舗


ことり「音都署刑事の南です。…北村雄一はどこに?」

店員「店長でしたら…」

>>912「父さんがどうかしたの?」

店員「あ、>>912さん」

ことり「誰?」

店員「店長の娘さんです」

912: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/07(土) 23:57:19.89 ID:i52tlAwW0
かよちん

913: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/08(日) 00:09:16.29 ID:28Lj0fW9o
花陽「父さんが何かしたんですかぁ?」

ことり「それを今調べてるの。…何か心あたりはないかな?」

花陽「…冗談はよしてくださいよ。悪く言う人は多いですけどぉ…、うちの父は仕事に厳しいだけなんです…」

ことり「ただ話を聞きたいだけ。今どこにいるの?」

花陽「ぇ…、あ、多分…、音都ランドに…」

凛「音都ランド、って…、遊園地の?」

希「前うちがあんじゅちゃんと行ったところ、やね」

ことり「…」スタスタ…

希「あ、南さんもう行くん?待ってよ!」ダダッ

ドンッ

花陽「あいたっ…!!」

希「あっ…、ごめん!もう、南さんっ!」

凛「もうバカ…っ!あ、急いでるんで…、すいません!」

花陽「いたたた…」



遊園地『音都ランド』


ブロロロロロ…


希「ふぅ…、今日は移動が多くて敵わんね…」

凛「ゆ、遊園地だにゃ!ジェットコースター乗る!ヒャッホーッ!!」ビューン

希「って、おわっ!凛ちゃん…!行ってもた…。まだまだ子供やね…」

ことり「…。…っ!!」


「…」


ことり(あの包帯巻きの女は…!)

ことり「…東の人」

希「…うちの名前は東條希や」

ことり「東條さん。キミたちは北村雄一を探しておいて」

希「あぁ…、えっ…!?」

ことり「…」ダダッ

希「あ、おいっ!」



音都ランド内


希「なんなんや南さんは…。店長は見つからへんし…。凛ちゃんは…」


凛「いやほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


希「…ガッツリ遊びまくってるし」

凛「遊んでなんかいないもん!ちゃんと見つけたにゃ!」

希「嘘やん」

凛「嘘じゃないもん!ほら、あそこ!>>914に乗ってるにゃ!」

914: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 00:11:07.09 ID:3nianYL10
チューリップホッパー

916: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/08(日) 00:28:02.70 ID:28Lj0fW9o
凛「チューリップホッパーに乗ってるにゃ!」

希「えっ、そんなアトラクションあったっけ…。ってなにあれ!?チューリップみたいな形の何かがぴょんこぴょんこして回ってる…」

凛「結構前からあったにゃ」

希「そ、そうやったっけ…?あ、でもホンマや…。北村さん乗ってるわ…。あんな酔いそうなのよく平気やね…」


音都ランド近く 雑木林


ことり「はぁっ…、はぁっ…。やっぱり、あなただったのね…」

ことり「…シュラウド」


シュラウド「…それを」


ことり「…!このアタッシュケースは…!」カパッ

ことり「私のドライバーができたのね!?」

ことり「…、いない…」



チューリップホッパー前


北村「…」スタスタ


希「チューリップホッパー…、ですか?」

北村「…おかしいかな?こんなオッサンがオエェェェェェ…」ゲロゲロゲロ…

凛「やっぱり酔ってたにゃ…」


数分後…


希「…落ち着いた?」

北村「あ、あぁ…。…昔、親友とよく来てね…。何度も何度もせがまれてよく乗ったものさ…」



(北村「あははー!映司ー!!楽しいかい映司ー!」)

(親友「もう何回目だよ…。飽きたよ流石に…」)



凛「話を聞く限りだと親友の方がうんざりしてるように聞こえるんですけど…」

希「…ちょっとお話、いいですか?北村、雄一さん…」

北村「…なに、かな」

希「連続障害事件の犯人を探してます。…あなたを被害者の入院先で見かけた、って人がいて」

北村「君達…、警察か?」

希「探偵、です(キリッ」

北村「…街のノラ犬か。じゃあ無視…。とっとと消えてくれ」スタスタ

凛「ほわぁっ…!!感じ悪っ…!!」

希「…そうはいかへんな。ノラにはノラの矜持があるんでね。あんたが街を泣かす人間やったら、噛み付くしかない」

凛「どうなんだにゃ!?」

北村「…」

北村「ダッシュ!」

希「あ、逃げた!」 凛「追うにゃ!」

918: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/08(日) 00:46:02.87 ID:28Lj0fW9o
北村「…!」ダダッ


希「くっ、逃がすか!そこの角を曲がって…!」


「はぁっ!!」グワンッ


希「ひょわっ!!?…あ、危な…、足元に穴が…!」

謎のドーパント「…やっほ」

凛「へ、変身したにゃ!!」

希「凛ちゃんは下がってて!…真姫ちゃん、変身や!」\スター!!/


真姫「…こいつは…、近寄ると恐ろしいわね。いきなりフェルマータで行きましょう」\フェルマータ!!/


希・真姫「「変身っ!!」」

\フェルマータ!!/\スター!!/ テレレンダダーンデレレレーン



Muse「はぁっ!!」ビヨーン

バシィンッ!!


謎のドーパント「いてっ!このっ…!!」グワンッ!!

ズドンッ!! ズドンッ!!


Muse「ひぇっ…!そこらじゅうに穴が…。危ないわね…!!」「遠距離でひたすら叩くに限るっ!!」ビヨンビヨーンッ

バシッ!!バシィッ!!


謎のドーパント「はんっ…!!近寄ってこないならぁ…!!」

グワンッ!!


Muse「うっ…!!また腕が消えた…!?」「切断された感触は感じない…。まるで…、無いと錯覚させられているよう…!」

謎のドーパント「ふふっ…、お前の腕を『隠して』やった!これで攻撃は届くまい!!」


Muse「これだと…、いつかは右腕全体が切り取られるわよ…!」「その前に勝負を決めるんや!!」\ハングドマン!!/

\フェルマータ!!/\ハングドマン!!/ テレレンダダーンチャラリララー


Muse「はぁぁぁぁ…!!」「ちょいやぁぁぁっ!!」ブンッ!!

バシィンッ!!ズビシィンッ!!


謎のドーパント「くっ…、鞭のようにしなって…!!痛いっ…!」

謎のドーパント「だったら…、こうしてやるっ!!」グワンッ!!


Muse「んなぁっ…!!?」「ヤバッ…、足が消えたっ…!!ダルマ状態よこれじゃ…!」

謎のドーパント「これで存分に…、身体に穴開けてあげる…!!」

Muse「や、ヤバイ…!!」「寄るなぁ…!!」ブンブンッ

謎のドーパント「ふ、ふふふ…」


ズリ、ズリ…


謎のドーパント「…ん?何の音…?」

919: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/08(日) 01:05:05.20 ID:28Lj0fW9o
ズリ、ズリ…

ことり「…」


Muse「南、ことり…!?」「今までどこに…」


ことり「…ご苦労様。私が代わるね」

ことり「ふぅっ…、んんんんんんっ…!!」ググググ…!!

ことり「どあぁぁぁっ!!!」ズゴォォォッ!!


Muse「うおぉっ…、バッドが地面に突き刺さった…」


ことり「…」スチャッ


Muse「…っ!それは…」「ガイアドライバー…!?いえ、形がまるで違う…」


ことり「この日を…、待っていた…!!最強の力を得て…、コイツを倒す日を…!!」カチャッ!!

ことり「…」\ナイト!!/

ことり「変…、身…っ!!」

ガチャンッ!! \ナイト!!/ ヒヒーンッ!!

チャキーンッ!!


仮面アイドルナイト「…」


Muse「あれは…、…う、馬…?」「…の、意匠があしらわれた衣装ね」「真姫ちゃん…」「…衣装じゃなくて鎧と言うべきだったわね」


ナイト「さぁ…!!…チェックメイトだよ」ダダッ


ナイト「でやぁぁぁぁっ!!!」ブンッ!!

バキィッ!!バキィィッ!!


謎のドーパント「痛いっ!!重っ…!!くっ…、その足…、隠させてもらうっ!!」グワンッ!!


ナイト「…っ!!ぐっ…、足が…」


謎のドーパント「…フン、それじゃあ動けないよねぇ…?自分が貫かれる音を聞きな…、はぁっ!!」


ナイト「…ふんっ!!」ニョキッ


Muse「ほわァァァっ!!?」「う、後ろ足が…、生えたっ…!?」


謎のドーパント「そ、そんなのアリぃ…!?」

ナイト「だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ビュンッ!!

バキィッ!!

謎のドーパント「ごばぁっ!!が、ふぅっ…!!」


ナイト「…なるほど、こういう仕組みね。…じゃあお次は…」\ルーク!!/

ナイト「こちらに!」ガチャンッ!!

\ルーク!!プロモーション!!/


Muse「んなぁっ…!!?ば、バットが…!?」「突撃槍に変形…、いえ、『変身』、した…!」

921: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/08(日) 01:23:51.41 ID:28Lj0fW9o
ナイト「自分が貫かれる音は…、あなたが聞きなさいっ!!はぁぁぁっ!!」ダダッ!!

ズゴォォォッ!!


謎のドーパント「ぐぎゃぁぁぁっ!!い、痛い…!!」


Muse「あっ…、腕と足が治った!」「どうやらあのドーパントが一定のダメージを受けると解除されるみたいね、これ」


謎のドーパント「ぐっ…、くそぉっ!!ならこれはっ!!」グワンッ!!

ズドンッ!!


ナイト「…体に穴を開ける攻撃…。本質は局地的に圧力をかけることで貫通力としている…」

ナイト「なら、これで…!!」ガチャッ


Muse「あ、槍からメモリを抜いたわね」「またバットに戻ったけど…、今度はなにを入れるつもりやろ?」


ナイト「…入れるのは、こっちに!」\ルーク!!/

ガチャンッ!!

\ルーク!!/ ゴゴゴゴ!!


ルーク「はぁっ!!」


Muse「えぇっ…、武器の変身に使用したメモリで…」「今度は自分が変身…!?」「頑丈な鎧に変わった…!」


ガゴンッ!!ズゴンッ!!


謎のドーパント「か、堅いっ!貫けない…!!」


ルーク「…そして、これもっ…!!」\ビショップ!!/

\ビショップ!!プロモーション!!/


Muse「今度は…、バットが杖に変形…、いや、変身したね…」「なんで変身、って言葉を使ってるかというと…、明らかに質量が変わってるからね」


ルーク「はぁぁっ!!燃えろぉっ!!」ボファァァァッ!!


謎のドーパント「あ、熱っ!!熱いよぉっ!!う、うぅぅう…、も、もう逃げるしか…」

謎のドーパント「ひゃぁっ!」グワンッ!!


Muse「うわ!あのドーパント、自らの足を消した!?」「でも、浮いたままね…。さしずめ幽霊状態だわ」


謎のドーパント「そいじゃさよならー!!覚えてろー!!」ヒュワンッ


ルーク「…逃がすかッ!!」\ナイト!!/

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「この状態で…、ふぅっ!!」ニョキッ

ナイト「これなら、馬のように速く走れるっ…!!てやぁぁっ!!」ダダッ!!



Muse「うおっ…!行っちゃった…」「…っていうか私たち、さっきからすっかり解説役ね」

923: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/08(日) 01:44:52.64 ID:28Lj0fW9o
謎のドーパント「はぁっ…、はぁっ…!!どこまで追いかけて…!!?」

ナイト「ああぁぁぁぁぁっ!!!」ダダダダッ!!

謎のドーパント「ひィィっ!!?怖いっ!!」


ナイト「ふんっ…!!追いついたよっ!!」ゲシッ!!

謎のドーパント「い、いてぇっ…!!」


Muse「はぁっ…、やっと追いつけた…」


ナイト「…これで、終わりっ!!」

\ナイト!!真姫シマムドライブ!!/


ナイト「はぁぁぁぁっ!!でりゃぁぁぁっ!!!」

ヒュンッ…!!

バキッ!!バキィッ!!

謎のドーパント「ごぉっ…!!うがぁぁぁぁっ!!!!」


Muse「おおぉっ…!!後ろ足と前足の二連かかと落とし…!」「名前はまだ未定ね…」



ナイト「…絶望がお前の、ゴールだ」

バシュゥゥゥ…


ナイト「…ん?手応えが、ない…」


謎のドーパント「ひ、ひぃぃぃぃぃ…!!」


ナイト「…すんでのところで身を隠して逃れた、か…。小賢しい真似を…!!」ダダッ!!


ナイト「くっ…、どこへ逃げたの…!?」



北村「う、うぅぅ…!」


ナイト「…お前、その手に持っているもの…!ガイアメモリ…!!」

Muse「…あとは警察に連行するだけ、やね…」

ナイト「…貴様ァ…!!」スタスタ…

Muse「え…、おい!」

ナイト「貴様だけはァ…!!」

北村「ひ、ひぃぃぃっ…!!」

ナイト「生かしておくものかぁっ…!!」

Muse「あ、あのバカっ…!!」「変身解除した人間を攻撃するつもりなんっ!!?」ダダッ!


ナイト「あぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ブンッ


Muse「やめなさいっ!南ことりぃっ!!」



第15話「盤上のC / ことりテリブル」

おわり

927: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/08(日) 02:03:11.77 ID:28Lj0fW9o
凛「というわけで第15話だったにゃ」

真姫「とりあえず最初に言いたいことが一つ」

希「なに?」

真姫「…ことりが変身するアイドルの名前を変えたいわ」

凛「なんじゃそれ」

真姫「このアイデアだとメモリチェンジの度に名前変わっちゃうから一瞬だれか分からなくなりそうだからね」

真姫「よって仮面アイドル○○ナイト、○○ルーク、のように、変身するモノの前に固定名が欲しいと思ったのよ」

真姫「だからそれを募集するわ。なんかいいのがあったら採用させていただきたいわね」

希「あ、じゃあうち思いついた!えっとね、ことりちゃんと言えば鳥、やろ?でもバードやと安直やし…」

希「だから鳥と言えば羽根…、だから仮面アイドルウィングってどうやろ!?いい感じやと…」

真姫「却下すぎるわ!ナイトの時の問題がさらに悪化してるじゃないの!」

凛「次はアメリカまで行っちゃったにゃ…」

真姫「…まぁ、そんなわけだから何かいい感じのネーミング、考えてくれると嬉しいわね。何もなかったらこちらで適当に考えるわ」

凛「で、今回の内容だけど…、基本的に照井竜登場回のまんまパクリ、だね」

希「初登場回は基本パクリで進行してるね」

真姫「最初のキャラを安定させるには本編から引っ張ってくるのが一番かな、って考えたのだけれど…」

凛「照井の人格が濃すぎてもはやことりちゃんじゃないにゃ…」

希「まぁ…、ことりちゃんでも家族を殺害されたらこうなるんじゃないかなぁ…?」

真姫「それは仕方のないことと割り切ってもらいたいわ。…そして今回の目玉といえば」

希「二人目の仮面アイドル(名称未定)さんやね」

真姫「違うわ!シュラウドでしょ!」

凛「え、そっち?」

真姫「冗談よ。ちなみに名前はそのまんまだけど喋り方は全然違うからどうぞよろしくね」

凛「12話で真姫ちゃんにワイルドメモリを渡したのがそれ、だね」

希「それで…、ことりちゃんのアイドルの話は…」

真姫「あ、そうそう。そうだったわね。解説役に徹しまくって説明したけど、どんな感じかわかってもらえたかしら?」

希「特徴はアクセルメモリとエンジンメモリに当たるメモリが、変身にも武器に挿入にも使える、ってところやね」

凛「それぞれのフォーム、それぞれの武器の組み合わせで戦い方が変わってくる、って設定だから今後の活躍をお楽しみににゃ!」

真姫「それじゃ、今日はここまでね。何かことりにいい名前、考えてもらいたいわ」

希「じゃ、また次回!それまでお別れやね!」

凛「これで決まりにゃ!」

940: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/08(日) 23:55:33.17 ID:0YlWMOhFo
ナイト「あぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ブンッ!!


Muse「くっ!!」ガキンッ!!


ナイト「なんで止めるの!?正気!?」

Muse「それはこっちのセリフや!」「早く逃げなさいっ!」


北村「ひっ…、わ、わかった…!!」ダダッ


ナイト「奴は私の全てを奪ったMのメモリの持ち主なのよ!?」

Muse「M…?」「Mのメモリって…?」

ナイト「私に…、質問をするなぁっ!!」バキッ!!

Muse「ぐぅっ…!!」「落ち着きなさいっ!!」

ナイト「うるさぁいっ!!」ブンッ!!

バキィッ!!


Muse「うぐぅっ…、あっ…!!」ピチュゥゥンン…

希「ぐぅっ…!」

ナイト「…」

希「ぐ、ぐぅ…!!いたたた…」

希「…キミ…、仮面アイドルになるんじゃないん…?」

ナイト「なに…?」

希「罪は憎んでも、人は憎まない…。それがこの街の人たちが仮面アイドルに望んでることや…」

ナイト「…!甘い…」

ナイト「そんな甘ったるいことを…、言わないでっ!!」ブンッ!!

希「っ!!」


凛「いい加減にするにゃぁっ!!!」バッ


ナイト「…っ!」ピタッ

凛「…ことりちゃん」

ナイト「…。くっ…」ピチュゥゥン…

ことり「…この街は腐ってる。だから人も腐るの…!」

希「なんやて…!?」

ことり「私は…、この街が大っ嫌い…!!」スタスタ…

希「なっ…!この…、南ことりぃっ!!」

希「う、ぐっ…。うあぁっ…!傷が…」

凛「あ…。…」

943: >>942割とそれでもいい気がしてきた チェス関係ないけど ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/09(月) 00:14:59.04 ID:pb+ADJ7Vo
東條西木野☆探偵事務所内


凛「よい、しょっ…」

希「う、痛…!あいつ、手加減一切なしやよ…!うぅ…」

凛「ことりちゃん、別人みたいだったね…。あんな鬼神のような面もあるなんて…」

凛「…あの怒り、どこから来るんだろ…」

希「…一連の傷害事件…。なにか個人的に関係がありそうやね…」

真姫「…ハードボイルド」

希「は…?」

真姫「あぁ言う女性をそういうんじゃないかしら。冷徹なまでに一人で信念を貫き通す、鋼の女…」

希「え?あぁ…。そういえばそういう設定もあったような…。もはやうちそんなに拘ってないわ…」

希「星空所長も別にハードボイルドってわけでもなかったし…。むしろ三枚目イケメン枠やったような…」

凛「ここに来て作品の根底を覆すような発言が飛び出したにゃ…」

希「あはは…。…でも、そっか…。南さん…」


(ことり「…この街は腐ってる。だから人も腐るの…!」)


希「…街のせい、か…」

希(本当に、そうなんやろうか…)

希「うっ…、よっ…、と…」グイッ

凛「あっ…、起きちゃダメだよ!?どこ行くの!?」

希「…南さんは間違ってる。うちはうちのやり方でこの事件を追う…!」ダッ

凛「あ、ちょっ…。もう、所長を置いてっちゃダメにゃ!」


真姫「ふふ…」

真姫「…Mのメモリ、ね…。それって一体、なんなのかしら…」



音都署 会議室


ことり「…あれ、これだけ?」


にこ「…はい」

花陽「うぅ…、ごめんなさい…」

ことり「なんであなたが謝るの…?他の人たちは?」

にこ「…あいつらは超常犯罪捜査課のメンバーじゃない…、です」

ことり「あれ、そうなの?」

花陽「ただ南刑事のファンってことで捜査に協力してくれてるんです…。私たちが不甲斐ないばっかりに…」

にこ「今は別の事件に当たってるから本来のメンバーである私たちしかいないってわけ。…なのです」

ことり「…そう。まぁ、いいけど。じゃあ捜査してわかったこと、簡潔に伝えてもらえる?」

花陽「は、はいぃ…。えっと…、あ、ちなみに私の苗字は和泉です…」

にこ「何を今更わかりきったことを…?」

944: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/09(月) 00:32:17.87 ID:pb+ADJ7Vo
数分後


花陽「…えぇっと、つまり結局は…、未だ何もつかめず、全力を挙げて捜索中であり…」

にこ「わさび屋からも、メモリを使った証拠は見つかってないわ。…ません」

ことり「…」バンッ!!

花陽「ひっ…!?」

にこ「な、なに…?いきなり机叩いたりして…」

ことり「子供の報告ね…」

花陽「えっ…、あの…」

ことり「ご苦労様。あとは私が単独でやるね」スタスタ… ガチャ バタンッ

花陽「あっ…」

にこ「…なによ、感じ悪い」

花陽「でも、何の成果も出せなかった私たちにも落ち度があるし…」



東條西木野☆探偵事務所地下


真姫「すぅ…」


真姫「…Mole、Mr.Driller…?」

真姫「ってそんなわけないか…。曲を絞りきれない…」

真姫「イニシャルがMで体に穴を開けるメモリじゃあ、どうも今回の事件の能力が合わないわね…」

真姫「あの厄介な、身体を隠す力も…。ん…?『隠す』…?あっ、もしかして…。すぅ…」

真姫「…来た。これだわ…。今回の事件に使われたメモリは…」

真姫「だとすれば…。…過去の音都で起きた似たような事件を全て調律してみましょう…」



ねりねり本舗


花陽「こそ、こそ…」

花陽「こそこそこそ…、きょろきょろ…」

花陽「誰もいない…。ダッシュするなら今のうち…!やぁっ!」ダッシュ


ことり「…」




希「…なるほどね。それならあの親子はすぐ会うか…」

凛「それで…、二人が落ち合う場所は?」

穂乃果「うーん…。それなんだけど…」

希「まだわかってないの?」

穂乃果「あ、うぅん。わかってるけどさ…。でも…」

穂乃果「…こういうのをただで教えるのは旨みがないよね、って」

希「ま、まさかっ…!?」 凛「いや、この穂乃果ちゃんはあっちより大分マシなはず…!なら…」

穂乃果「この街の情報屋は無茶ぶりするのが流儀って聞いたからね!穂乃果もそれに従うよ!」

希「そのセリフは終盤にことりちゃんが言うべきセリフなんやけど…。先取りしよったし…」

穂乃果「>>945(希or凛)ちゃん!この場で>>946をするんだよ!(ただし法に引っかからず簡単に出来そうなこと)」

945: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/06/09(月) 00:34:18.07 ID:1MhzoI9i0

947: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/09(月) 00:58:13.99 ID:pb+ADJ7Vo
穂乃果「希ちゃんお誕生日おめでと!」

希「はっ…?え、あ…、ありがとうございます…?いや、うち6月生まれやねんけど…」

凛「今そんな季節じゃないにゃ…。真冬だよ…」

穂乃果「なんか言わなきゃならない気がしたの!…それより無茶ぶりの内容だけどー…」

穂乃果「希ちゃんが私にちぅすること!それが条件だね!」

希「なっ…!穂乃果ちゃん女子には興味ないノンケだったはずじゃ…」

穂乃果「べっ…、別に好きだからやってほしいわけじゃないし!その…、希ちゃんの恥じらった顔をみたいっていうか…」

穂乃果「変、かなぁ…?そういう●●…」

希「まぁ、間違いなく変やと思うけど…。き、キス…、すればいいんやね…?」

穂乃果「うん、お願い…。ほ、穂乃果目瞑って待ってるから!」

凛「目を瞑ったら恥じらった顔は見れないのでは…?」

希「まぁええやん…。すぐ終わらせるよ…?んっ…、ちゅっ…」

穂乃果「ほわぁっ…!おでこ…」

希「これでいい…?」

穂乃果「おで、こ…。おでこ…」

希「…穂乃果ちゃん?」

穂乃果「えっ…、あ、あぁっ!はいはいなんでしょう!?」

凛「いやだから、北村親子のいる場所だにゃ…」

穂乃果「え、あっ…、そ、そだったね…。えへへへ…」

凛「なんか、やけに嬉しそうだね…?」

穂乃果「そ、そんなことないもんっ!えっとね、二人がいる場所は…」



音鳴公園


北村「…」


花陽「…父さんっ!」


北村「あっ…、花陽…っ!!」

花陽「お、お父さんっ!何考えてるのっ!?」

花陽「無茶ばっかりして…!私がどれだけ心配したか…」


ことり「…」ジー…


北村「何言ってるんだ…!俺だって覚悟があって…」

花陽「でもこの先どうするのぉっ!?…も、もういいよ…。私もう知らないっ!!」ダッ

北村「は、花陽っ…!…はぁ」


ナイト「父親を庇う孝行娘にも愛想を尽かされた、かな…?」スタスタ…


北村「はっ…!!」

ナイト「てやぁっ!!」ブンッ!!

北村「ひっ…、ひぃぃぃぃぃっ!!!」

948: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/09(月) 01:10:08.50 ID:pb+ADJ7Vo
ナイト「どうして…!?どうしてあなたは、私の…!!」

北村「う、うぅぅっ…!!」


希「やめろぉっ!!」


ナイト「またなの…!?東條さん…!」


希「うちの話を聞いて!南さんっ!!」


ナイト「聞く耳なんてないっ!!たぁぁっ!!」ブンッ


<ギャオォォォォォンッ!!

バキィッンッ!!


ナイト「…っ!?」


真姫「…いい子ね。よくやったわ。なでなで」

<ギャオォォォォォンッ!!


ナイト「あなた、まで…!!」


北村「ふ、うっ…!!」ダダッ

ナイト「ま、待ちなさいっ!!」

希「させるかっ!」バッ

ナイト「…い、いい加減にして…!何度も何度も…!!」

ナイト「自分たちのしたことがわかってるのっ!!?」ブンッ!!

希「ひゃっ…!!あぶなっ…!」ヒュンッ


真姫「…見ていてハラハラさせてくれるわね。…希!」

真姫「彼女を止めるのは私の方が向いているわ!…根拠はないけれど」


希「…わかった。ワイルドメモリの販促ってわけやね」

真姫「販売されてないけれどね」

凛「そういうメタな話をこんなところでするのはやめてほしいにゃ…」

希「…頼んだよ、相棒っ!」\スター!!/

真姫「任せなさいっ!!」\ワイルド!!/

\ワイルド!!/\スター!!/ デーデデーデデーデレレレーン


Muse「はぁっ!!」バッ

ヒュンッ!! バキィッ!!


ナイト「ふっ…!ウロチョロと小賢しいっ…!!」

ナイト「なら、これで…!!」\ビショップ!!/

\ビショップ!!/ パオーンッ!!


ビショップ「はぁっ!」


Muse「また変身っ!?」「今度は象をあしらった…、身軽そうな服で来たわね」

949: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/09(月) 01:24:46.54 ID:pb+ADJ7Vo
ビショップ「そして…、これで!!」\ナイト!!/

\ナイト!!プロモーション!!/


Muse「次はバットが…」「剣に変身したわね」


ビショップ「たぁぁぁっ!!」ヒュンッ!!

Muse「くっ…!!」ガキィンンッ!!

ビショップ「てりゃぁぁあっ!!」ヒュンッ!!

ズバシュッ!!


Muse「ぐ、うぁっ!!」

Muse「…あの武装に近距離は危険ね」「離れながら攻撃や!」ガションガションッ!!

\ワイルドストーム!!/


Muse「くらえぇっ!!」ズバッ!!

ビュオォォォッ!!


ビショップ「…フンっ!」\ルーク!!/

\ルーク!!プロモーション!!/


ビショップ「はぁぁぁぁ…、ていやぁっ!!」ブンッ!!


Muse「や、槍を投げたっ!!?」「突撃槍のくせに…!遠距離攻撃のつもり!?」

ヒュンッ!!

Muse「よっ…、と」「はっ!当たらないわよ!」


ビショップ「…キャスリング!!」シュバッ


ビショップ「ふっ!」ガシッ


Muse「なっ…!?う、うちの後ろに…!?」「投げた槍の座標に、瞬間移動ですって…!?」

ビショップ「たぁぁぁぁっ!!!」ヒュンッ!!

Muse「くっ…、だけど…!!」ガションッ!!

\シャイニングスター!!/

ガキィィンンッ!!


ビショップ「くっ…!防がれた…!!」

Muse「はぁっ!!」ズバシュッ!!

ズバッ!!


ビショップ「うっ…、ぐ、あぁっ…!!」


Muse「斬撃が大雑把過ぎる…。冷静さを欠いて本来の力を出し切れていないわね」「…それでも十分強かったんやけど…」「落ち着きなさい、南ことり」

ビショップ「なんで、邪魔するの…!!私は…、法の番人として当然の正義を行ってるだけよ!」

Muse「あなたの行為は正義じゃない!…個人的な、復讐よ!!」

ビショップ「…っ!し、調べたの…!」

Muse「…えぇ」

950: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/09(月) 01:39:59.87 ID:pb+ADJ7Vo
ビショップ「くっ…!」ピチュゥゥンン…

ことり「…」

Muse「…」ガションッ… ピチュゥゥンン…

真姫「…」

希「…復讐、やって…?」

真姫「えぇ、かつて音都で起こった、この事件と似たような事件を調律してわかったの」

真姫「彼女の家族は、全身に穴を開けられて殺されている」

ことり「…」スタスタ

真姫「…」

ことり「…」

ことり「…っ!!」ガシィッ

ことり「何が分かるのっ…!」

真姫「っ…」

ことり「あの日の出来事がどれだけわかるって言うのこの調律少女がぁっ!!」

凛「なんか可愛い響きだにゃ…。調律少女…」

ことり「私の心の叫び声まで調律してくれるって言うのっ!!?」

真姫「…いえ、人の心を調律することはできないわ」

真姫「だから…、教えてもらえないかしら?あなたの身に起こったことを」

ことり「なに…?」

真姫「だって…、それを解決するのが、あなたの依頼だったはずでしょう?」

ことり「っ…」


希「南さん…」

凛「…」



??? 応接室


英玲奈「うん、これでよし…。綺麗に仕上がったな、あんじゅ」

英玲奈「失礼のないようにするんだ。今日紹介する人は、我がUTXにとって最も重要な人物だから」

あんじゅ「ツバサちゃんは危険な相手だって言ってたけど…」

英玲奈「そうね…。音都を震撼させた、連続殺人事件の立役者、だもの」

あんじゅ「それは…、凄そうな人ね…。どんなメモリを…?」

英玲奈「イニシャルは…、M」



音鳴公園


ことり「私は遠の昔にお父さんを亡くしていて、お母さんに女手一つで育てられていた…」

ことり「辛いこともたくさんあったけれど、それでも母は私に優しくしてくれて、私はとても幸せだった…!」

ことり「私が警察に入った時も、自分のことのように喜んでくれて…、でも…!」

ことり「去年の八月…、家に帰り着いた私が目にしたものは…!!」

951: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/09(月) 01:53:47.63 ID:pb+ADJ7Vo
みなみけ


ことり「ただいまー…。あれ?暗い…。もう寝ちゃった…?」

ことり「…ん?くんくん…、うっ…!!」

ことり「なに、この臭い…!!血の、臭い…!?」

ことり「…っ!お母さん!お母さん、どこっ!!?お母さんっ!!」


ことり母「…こと、り…」


ことり「お、お母さんっ…!!…っ!!か、身体が…!」

ことり母「こ、と、り…」

ことり「やめてぇっ…!!もう喋らないで…!う、ぅぅ…!!」

ことり母「怪人、が…。Mの、ガイア、メモリを…」

ことり「お、お母さん…」

ことり母「ぁ…」ガクッ

ことり「お、お母さあぁぁぁぁぁぁんっ!!!」




ことり「それが全ての始まりだった…!!」

真姫「…そのあなたが、どうして3本のガイアメモリを…?」

ことり「そして彼女が現れた…」




ことり「…誰、あなた…」

シュラウド「私は、シュラウド…。あなたと同じ苦しみを味わったものです…」

ことり「シュラウド…?」

シュラウド「犯人が憎いのでしょう…?力を…、与えてあげましょう。これを」スッ

ことり「これは…、バット…?それと…、ガイア、メモリ…」

シュラウド「私は…、あなたの復讐を支えます…」




ことり「その女が誰かは知らない…。だけど、誰でも構わなかった…!!」

ことり「私から唯一の母を奪った…、悪魔に復讐できるのなら!!」

希「それがあなたの…」

真姫「…ビギンズナイト」

凛「ことりちゃん…」

ことり「この街は悪魔の巣よ…。私はようやく悪魔を…、私の母を奪った犯人を見つけたの…!!」

ことり「北村雄一を消す…!あなたたちにも、私を止める資格はない…!!」

希「…南さん。あなたの憎しみは痛いほど伝わった。…だけどそのせいであなたは…!!」

希「間違った相手を[ピーーー]ところやったんやよ!!」

ことり「…っ!なん、て…?」

希「…犯人は、北村雄一やない…!」

962: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/10(火) 23:29:50.82 ID:mZUqal6Wo
何かクラブハウス的なところ


花陽「いぇーふー!!みんな盛り上がってるかぁーいっ!?」

イェー!!

花陽「今日もいっちょノリノリなナンバーでアゲていこうぜー!!」

イェー!!

花陽「あ、ワーン、トゥー、ア、スリーチェケラッ!!」


…シーン


花陽「…あれれ?」

ナンダヨーオンガクハー?オイトットトナガセヨ!!ハヤクシロヨー!!

花陽「早く音流せよっ!!コラッ!」


希「…お開きやで、お嬢ちゃん」


花陽「…っ!」

ダレダヨテメーデシャバッテンジャネェゾコラー

花陽「…あぁっ!!お前らとっとと帰れ!」

アー!?ナンデダヨー!!フザケンナー

花陽「あーうるせぇっ!!いいから帰れっつってんだよ!二度言わせんな!!」

…シャーネーナーナンダッテンダヨマッタクモー



花陽「…」


ことり「まさか、この子が…」

希「…そう、真犯人はこの子、娘の…、北村花陽や」

ことり「あなたが…、ドーパント…!!?」


花陽「…」

花陽「…は、はいぃ…。そうです…」

花陽「さっき公園でお父さんから返してもらって…」スッ


希「…穂乃果ちゃんの情報通り、やね…。本当に評判が悪いのは父親やない…」

希「裏でそのお金を使って遊び歩いてる、この子の方やってね…!」

真姫「…取引先の人たちはみんな、些細な事で彼女の怒りを買って襲われたのね」


花陽「…誰も彼もみんな、私のこと…、親のすねと白米が好物のダメ娘だって馬鹿にして…」

花陽「だからこれを手に入れて…、片っ端からムカつく人に穴開けてあげたの…!あの奈良って人も…!!」

花陽「そこのあなたもね!!」

希「え…、うち…?…あっ!」


(希「あ、南さんもう行くん?待ってよ!」ダダッ)

(花陽「あいたっ…!!」)


凛「ま、まさか…、そんなつまんない理由で…!?」

963: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/10(火) 23:44:24.49 ID:mZUqal6Wo
花陽「私の機嫌を損ねる人はみーんな、貫いてあげるの…」

ことり「じゃあ…、北村雄一は…」

希「あの人はただ娘を庇っただけや。…わざと現場にわさびを置いたりして、自分に注意を引きつけようと」

ことり「私は危うく…、別の人を…!?」

花陽「ふふ…、人の身体に穴を開けるのは楽しかったよ…!みんな子供みたいに泣き喚いてさぁ…!!アハハハハ!!」

ことり「きっ…、貴様ぁ…っ!!」


北村「ま、待ってくれ!!」


ことり「…っ!」

北村「時間をくれないか…!!この子は俺が止めるから…!」

希「北村さん…」

北村「花陽…、もうやめてくれ…!!」

花陽「あァン!?出てきてんじゃねぇっ!!」バンッ

北村「うっ…!!」

凛「あっ…!」

花陽「誰も庇ってくれなんて言ってねぇだろうがァ!!」

希「お、お前…!!父親に向かって何してんねんっ!!」

花陽「と、止められてたまるものか…!!」ダダッ ピチュゥゥン!!

謎のドーパント「ハァッ!!」グワンッ!!

ズドンッ!!


希「ぐっ…!!」

謎のドーパント「ふふ…、さよなら!」ダダッ


北村「うぅっ…、花陽…」

希「…彼女はうちらが止める。…あなたにもう、一人でチューリップホッパーには乗らせない」

北村「…!探偵さん…」


ことり「…っ!」


希「…花に乗ったあなたの切ない顔が忘れられなかった…。それだけや」

北村「…え、あぁ…。でも昔からあのアトラクション花陽は嫌がってたからどのみち…」

希「えっ…」

北村「乗るなら映司と一緒がいいな…。あぁ、花陽…、若干映司の面影を感じる…。いい感じに育ってくれた…」

凛「やっぱり●●だったにゃ…」

希「…聞かなかったことにしよう。行くよ真姫ちゃんっ!」ダダッ

真姫「えぇっ!」ダダッ


ことり「…甘いね」

凛「えっ…?ことりちゃん?」

ことり「甘ったるくて…、耐えられないよ…」

凛「…スピリチュアル、だからね」

ことり「…でも、彼女がそういう性格じゃなかったら…、今頃、私…」

964: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/10(火) 23:56:47.94 ID:mZUqal6Wo
謎のドーパント「はぁっ…、はぁっ…!!」ダダダダッ


希「…ほんなら、熱くいこうか…!!」

真姫「全く話の流れと関係ないけどね!!」\コン・フォーコ!!/

希「だって貫通攻撃に相性のいいメモリなんて思いつかんねんもん!」\スター!!/


希・真姫「「変身っ!!」」

\コン・フォーコ!!/\スター!!/ テレッテテテーレデレレレーン


Muse「「てりゃあぁぁぁぁっ!!!」」ブンッ!!

バキィッ!!

謎のドーパント「おぐぁっ!!」

Muse「燃えろ燃えろっ!!」「燃えてしまいなさいっ!!」バキッ!!バキッ!

謎のドーパント「うぎゃぁっ!!!」

Muse「もう一発…!!」「ドデカイのっ…!!」

Muse「持っていけぇぇぇっ!!!」ブンッ!!

バキィィィッ!!


謎のドーパント「うぎゅっ…!!こ、このぉ…!!何度も何度も…、よくも…!!」グググ…


Muse「ん…?力を溜めてる…?」「ま、まずい…、私の調律が正しければ…、このメモリは…!!」



謎のドーパント「たぁぁぁぁっ!!」ヒュンッ!!

ドズンッ!!


Muse「ごがぁっ…!!!」「広範囲に圧力をかけて…、『押し殺す』ことが出来…、うぐぐっ…!!」



謎のドーパント「ハハハハッ!!潰れちゃえ!!ぺっちゃんこに!!」



Muse「な、なにか…!この状況を打開するメモリ…!!」「だったら…、これをぉっ…!!」


\>>965!!/(真姫のメモリ・音楽関係、能力も併せて) \>>966!!/(希のメモリ・タロット関係、武器も併せて)

967: ことりのキャスリングとかぶるので若干アレンジ ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/11(水) 00:29:42.86 ID:s69m/xKOo
\ダル・セーニョ!!/\タワー!!/


Muse「ドリルは女の魂やっ!!」「ぐ、ぐぐ…、言ってる場合っ…!?こうしてる間にも潰されていって…!」

Muse「大丈夫…!せやから…!」「ダル・セーニョに変えたのよね!!ハァッ!!」シュンッ!!


se「てりゃぁっ!!」ギャルルルルル!!

謎のドーパント「んなぁっ…!!?」


Mu「ふっ…!ダル・セーニョはどちらかの半身のみ瞬間移動が可能になる力よ!」

se「圧力がかかってる地帯から抜け出すには最適、ってわけやね!」


謎のドーパント「そ、そんなのアリ…!?」

se「そしてぇ…!今必殺のォォォォ…!!」

se「ギガァ…、ドリルゥ…!!」

se「ブレェェェェェェ…」謎のドーパント「今のうちにっ!!ていっ!」グワンッ

se「あぁっ!!腕を隠されてもた!?」Mu「なにやってんのよ馬鹿ぁっ!!」

謎のドーパント「長々と技の口上垂れ流してるからだよ…!さぁ、覚悟はいい…?」

Muse「うっ…、もう半身瞬間移動も効果が切れちゃったし…!」「ま、マズイ…。どうするん…?」

謎のドーパント「自分の貫かれる音を聞きな…!!」

Muse「くっ…!!」「やられっ…」


ヒュンッ


バゴンッ!!


謎のドーパント「おグゥっ!!?」


Muse「なっ…、今飛んできたこれ、は…」「南さんの…、バット…?」


ことり「…はぁっ…、はぁっ…!」


Muse「南、ことり…」


ことり「…っ!」カチャッ \ナイト!!/

ことり「変っ…、身…っ!!」

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「さぁっ!!」

ナイト「…チェックメイトだよ」

968: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/11(水) 00:42:33.04 ID:s69m/xKOo
ナイト「はっ!」\ルーク!!/

\ルーク!!プロモーション!!/


ナイト「だぁぁぁぁっ!!」ブンッ!!

バキィンッ!!

謎のドーパント「おぐふぅっ!!」

ナイト「はぁぁぁぁっっ!!」ヒュンヒュンヒュンッ!!

ズガガガガッ!!

謎のドーパント「ぐががががぁっ!!ぐっ…、く、クソぉ…!!はぁぁぁぁっ…!!」ググググ…


Muse「ま、また力を溜めてる…!」「気をつけなさいっ!!」


謎のドーパント「押し潰れろぉっ!!」グンッ!!

ドズンッ!!


ナイト「うぐっ…!!ぎ、ギギ…!!」

ナイト「なら、これで…!!」\ビショップ!!/

\ビショップ!!プロモーション!!/

ナイト「そして…、これを…!!」\ルーク!!/

\ルーク!!/ ゴゴゴゴ!!

ルーク「ビショップワンドで…、地面ごと…!!」グワンッ!!


ズ…、ゴゴゴゴゴゴゴ…!!


謎のドーパント「…っ!!?い、一体何が…!?」

Muse「地面が…、揺れて…!?」「まさか…、あの魔法の杖で、地面を…!!」


ルーク「だぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


ドゴォォォォォォンッ!!


Muse「地面を隆起させたっ…!!?」「んなぁっ…!?滅茶苦茶やっ…!!」

謎のドーパント「う、嘘ぉぉぉぉぉぉっ!!?」


ルーク「フッ…!押し殺す力は…、地面が均等じゃないと使いづらいでしょう…!?」

ルーク「今のうちに…!一気に決めるっ!!」\ナイト!!/

\ナイト!!プロモーション!!/

ルーク「てやぁぁぁっ!!!」ダダダダッ!!

謎のドーパント「ひぃっ…!!?」

ルーク「だぁぁっ!!」ブンッ!!

ガキィンッ!!

謎のドーパント「うあぁぁぁぁぁっ!!!」


Muse「おぉっ…、ドーパントを高く打ち上げよった…」


ルーク「これで…、終わりよっ!!」

\ナイト!!真姫シマムドライブ!!/

969: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/11(水) 00:51:40.00 ID:s69m/xKOo
ルーク「でりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ズバシュッ!!


Muse「す、すごいっ…!!馬の形をした衝撃波やっ!!」「つまるところセイバーストライクってことね!」


ヒヒィィィィィンッ!!

謎のドーパント「ひぃっ…!!」


ズゴォォォォォンッ!!


謎のドーパント「ごがぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ドサァッ

謎のドーパント「ぐ、がぁっ…!!」


ルーク「…絶望がお前の…、ゴールだ」


謎のドーパント「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


ドガァァァァァァァンッ!!


花陽「がっ…、はぁっ…!!」バタリッ



北村「はぁっ…、はぁっ…!…っ!花陽っ!!花陽ぉっ!」



ルーク「…」

ルーク「…」スタ、スタ…

ルーク「この子が、私のお母さんを…!!」

花陽「ひぃっ…!!?」


Muse「や、ヤバっ…!」



北村「ま、待って…!!」



希「やめて南さんっ!!やめるんやっ!!」


北村「待ってくれぇっ…!!花陽っ…!!花陽ぉぉぉっ!!!」



花陽「う、うぅぅっ…!!」

ルーク「…う、ぐぅぅぅっ…!!」

花陽(やられるっ…!!)


ルーク「はぁぁぁぁぁっ!!!」ブンッ!!


希「やめろぉぉっ!!」


北村「殺さないでくれぇっ!!」




花陽「誰か…、助けてぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

970: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/11(水) 01:05:37.93 ID:s69m/xKOo
グッ カチャンッ


花陽「…えっ」


ことり「…行く先を変えてあげる。あなたのゴールは…、刑務所よ」

花陽「あ、ぅっ…」

ことり「立って。…歩ける?」

花陽「…はいぃ」


希「…南さん」

ことり「…スピリチュアル、って言うらしいね。キミの流儀」

希「へっ…?」

ことり「この街にいるうちは、その流儀に合わせる」

ことり「私も…、仮面アイドルだからね」

希「…いや、別に流儀ってわけじゃないんやけど…」

真姫「ふふ…、ハードボイルドはどこへ行ってしまったのやら、ね…」


北村「…花陽」

花陽「お、お父さん…」

北村「…」

北村「…っ」ギュッ

花陽「っ…!お、お父…、さん…」

花陽「…ごめんな、さい…!」

北村「…ふっ…、このぉっ…!!」グリグリ

花陽「うひゃっ…、い、痛いよぉ…」


希「…一件落着、やね…」

ことり「…ん?メモリが…」スッ

ことり「これが…、私のお母さんを奪ったMの…」


\コンシール!!/ ピシッ…、パキンッ!!

\コン…、シール…!!/


ことり・希「「…っ!!?」」

希「コン、シール…、conceal…!?『隠す』…!?」

真姫「…そして、『圧し殺す』という意味も内包したガイアメモリ…。やはり…、違ってたのね」


ことり「ねぇっ!!?」

花陽「はいぃっ!!?」

ことり「去年の八月…、私のお母さんを殺したのはあなたじゃないのっ!!?」

花陽「え、えぇぇっ…!?知りませんよそんなの…。流石に人殺しは怖くてできないし…。メモリを手に入れたのだって、二週間前…」

ことり「なっ…!?じゃあ…、お母さんを殺した真犯人は…」


ことり「別に、いる…!?」

971: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/11(水) 01:27:10.36 ID:s69m/xKOo
??? 応接室


「…」スッ


あんじゅ「とっても綺麗…、だけど…、怖い人…。冷や汗が出ちゃったわ…」

英玲奈「…特殊な女性ね。言ってみればガイアメモリが生み出した突然変異の化物…」

英玲奈「ふ、フフフ…」

あんじゅ「え…、英玲奈…?」

英玲奈「今度こそ…、仲良く出来そうな人…!ウフフフ…、フフフフフフフ…!!」

あんじゅ「英玲奈…、こ、怖い…」

英玲奈「…ふ、冗談よ」

英玲奈「きっと…、彼女は誰にもなびかない。今大事なのは…、敵に回さないこと…」


「…」スッ… カチッ


\ミックス!!/




東條西木野☆探偵事務所内


希「…」


ことり「ふんふふんふふ~んっ♪もう少し待っててね~、希ちゃんっ、真姫ちゃんっ!」


希「あの…、ひとつ質問やねんけど…。いいかな…?」

ことり「んー?なんですかぁ~?あ、コーヒー、できましたっ!これ希ちゃんの分ねっ♪」

希「あぁ、どうも…。…やなくて!なんで南さんが自分の事務所みたいな顔してコーヒー入れてるのっ!」

ことり「それは希ちゃんに美味しいコーヒーを飲ませてあげたいからなんですっ!」

凛「それより先にキャラ変わりすぎなのを注意すべきだにゃっ!!」

ことり「えー、私家ではずっとこうだけどなぁ~。あ、私のことは気軽にことりちゃん、って呼んでくださいね?」

真姫「…ホント、いきなり丸くなりすぎでしょう…。全く、そんな子の作ったコーヒーなんか信用できるわけ…、ズズッ…」

真姫「うますぎるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!」ドバボヒューン

凛「いやいやそんなそんな~…、大げさすぎるにゃ~…ずずっ…」

凛「うんめえにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」スピポロヒョーン

希「ちょっとオーバーリアクションがすぎるんじゃ…、いくらなんでもそんな…ずずっ…」

希「うっまああああ 真姫「いやぁ、これ本当に美味しいわね」 希「最後まで言わせろぉっ!」

ことり「そう?そんなに喜んでもらえたなら嬉しいっ♪またご馳走してあげますね?」

ことり「あ、でも真姫ちゃんの調律の力は希ちゃんには分不相応だから私がもらってあげてもいいよ?」

希「えっ…!?」

ことり「…うふっ、なんてね。じゃ、またねっ!ばいばーいっ」スタスタ…

希「…って、それ…!うちのこと力不足って言いたいんかコラァッ!!…な、なんつう腹黒女や…」

希「もう二度と来んなっ!!」



第16話「盤上のC / 仮面アイドルの流儀」

おわり

976: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/11(水) 01:54:05.85 ID:s69m/xKOo
真姫「というわけでこのスレ最後のお話だったわ!」

凛「お話モロパクリだったから頭使わずにすんだね」

希「次回からはそうは言ってられないけどね」

ことり「次はどんなお話になるのかなぁ~?楽しみっ!」

真姫「えぇ、そうね。じゃあ今回のおさらいだけど…」

希「久々に新しいメモリが追加されたね。ダル・セーニョとタワー」

凛「変身音書くの忘れちゃったけどね…」

ことり「もうテキトーにティーリティティータギュルルンルーンとかでいいんじゃないかな?」

真姫「じゃ、それで。決定ね」

凛「適当すぎるにゃ…」

希「実は…、前々からドリル武器は欲しかったんよね。カッコイイし」

真姫「だけど次からはもっと早く攻撃しなさいよ?あの時隙だらけだったんだから」

ことり「私が助けに入ってなかったらどうなってたことか…」

希「ご、ごめん…。次からはちゃんと気をつけます…」

真姫「あぁ、そういえば今回のメモリ…。conceal、だっけ?…能力を考えるのに苦労したわ…」

凛「元ネタがIceage…、氷を使うメモリだったから、せめて火や雷のメモリとかなら楽だったんだけど…」

希「まさかの隠す、なんて単語が来るなんて…。まぁ、もっと属性よりにしてくれ、って言わなかったこっちが悪いんやけどね…」

真姫「ググったら『圧し[ピーーー]』って意味もなくはないみたいだったから、それを主軸にして作ってみたけど…」

真姫「ある意味『隠す』、は面白い話も作れそうだったから後回しにして再安価しても良かったかもね。あまり隠す能力を活かしきれてなかったし」

凛「今度からは元ネタ準拠の時はもっと使いやすそうなメモリになるように注意しないとね」

ことり「そういえばIceageってすごい単語だよね。アイスのエイジってそれもうプトティラだよね」

希「あ、そういえば最後にMのメモリ…、中身がミックスのメモリが出てきたけど…」

真姫「いわゆる井坂先生枠、ね。…さて、誰になるのかしら」

凛「もう決まってるんだけどね」

真姫「あ、ちなみにもうこのまま矢西にこと和泉花陽は警察枠として準レギュラー化することが決定したわ。パチパチ」

希「まさかの偽苗字の子が準レギュラーか…。まぁ前の穂乃果ちゃんもそんなものやったし今更かな」

凛「…まぁ、これでもう井坂先生が誰なのか言っちゃったようなものだにゃ」

ことり「ま、まさか…!私の幼馴染の…!?」

希「…、そういえば、なんでことりちゃんがおるの?」

真姫「あ、本当だわ。自然すぎて全く気にしてなかった」

凛「今更!?」

ことり「もう!私だって今回からレギュラーなんだよ!?だったらここに参加する権利だってあるでしょ?」

真姫「まぁ…、そうかもね」

ことり「そ・れ・に!まだ私が変身するアイドルについてひっとつも触れられてないじゃない!一番わかりにくいのはこれでしょ!?」

希「そ、そうやけど…」

ことり「と、いうわけで!次のレスから私の返信するアイドル…、その名も『仮面アイドルナイト』について説明していきます!」

凛「あれ…、名前の案の件は…?」

ことり「色々あってナシに!じゃ、ひとまずここで終わり、ってことで!締めの挨拶!」

ことり「これで決まりちゅんっ!」 希「あ、自分で言うんや…」

977: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/11(水) 02:33:39.78 ID:s69m/xKOo
真姫「ちなみにこれを書いてる人が書くことりはおおよそ全てが腹黒化すると思ってくれて構わないわ」

凛「腹黒なことりちゃん…、そそるにゃ…」

ことり「勝手に腹黒にしないでくれるかな…。ことりは純粋無垢な少女なんですっ」

希「あかん…、もう何やっても腹黒にしか見えなくなってきた…」

ことり「ひどいちゅん…。ってそんなことより!仮面アイドルナイトの説明だよ!」

凛「あ、あぁ…、そうだったにゃ…」

真姫「何を説明するのかしら?」

ことり「とりあえず…、基本的なスペックとか見た目の解説で脳内のイメージを掴んでもらおうかな、って思って」

ことり「本当はできるなら絵にしたいんだけど、Museの時とは違って完全オリジナルデザインになりそうなので難しいの…」

ことり「だからだいたいこんな感じだよ!ってことを伝えるための紹介です!そういう訳だから早速行ってみよう!ヒアウィーゴー!!」



仮面アイドルナイト

南ことりが変身する第一のアイドル。身体のところどころに馬の装飾が施されている。
その他は騎士然とした無骨な鎧的ななにかを身にまとっている。顔や髪は相変わらず露出している。
特殊能力はホースオルフェノク(疾走態)のようにケンタウロスみたいになれること。
この状態からのルークランスでの突きの威力は絶大。


仮面アイドルルーク

南ことりが変身する第二のアイドル。レンガのような模様が描かれた超重量の鎧を身にまとう。モチーフは城。こちらは兜を装備。
防御力に特化していて、物理攻撃にめっぽう強い。ただし機動力はほとんどないのでビショップワンドでの魔法攻撃が主な攻撃手段となる。


仮面アイドルビショップ


南ことりが変身する第三のアイドル。象の装飾が象られた、身軽な術者の格好。脳内イメージは遊戯王カードの《星読みの魔術師》が近い気がする。
格好が魔術師のくせにビショップメモリが空いていないので魔法攻撃はできない。ただしナイトブレードに属性を付与したり、
投擲したルークランスの位置へ瞬間移動できる『キャスリング』が使用できる。



ことり「…と、いうわけで、開き直ってフォームチェンジとかじゃなくって全部違う仮面アイドルってことにしてみました!」

真姫「少し違うけど、バロンとバロンレモンエナジー、みたいな感じかしら」

希「あっちはベルトを変えてフォームチェンジ、だから、こっちは全く反対のことをしてるってことやね」

凛「いちいち名前の欄が変わってわかりにくいと思うけど…」

ことり「でも名前欄に今のフォームを書いておかないと、たたでさえ武器もポンポン変更して分かりづらいから、ってことでこうなったの」

希「ついでに名前欄はなるべく短くしたい、ってのもあってこれに落ち着いたみたいやね」

凛「結局基本フォームはロンになっちゃったにゃ…」

真姫「蓮だから」

978: ◆Qe7X7xrNvI 2014/06/11(水) 02:54:26.69 ID:s69m/xKOo
真姫「そういえば…、アクセルと圧倒的に違う点と言えば、武器のスロットに変身にも使うメモリを挿入することね」

ことり「うんっ!そっちの武器も紹介するね」



ポーンバスター

南ことり専用武器。スロットに何も挿入してない状態。
基本的にただ重たいだけのバット。ポーンを模した形をしていて、サイズ的には某エスカリボルグみたいな感じ。
殴られると非常に痛い。


ナイトブレード

ポーンバスターにナイトメモリを挿入しプロモーション(変身)させた姿。形はエンジンブレードみたいな。
ルークが使うと重く、ビショップが使うと軽くなる性質がある。


ルークランス

ポーンバスターにルークメモリを挿入しプロモーション(変身)させた姿。形は突撃槍。
突撃槍の△の底辺部がルークの頭の形状をしている。
ビショップ時、投擲することで好きなタイミングで瞬間的にランスの座標に移動できる技『キャスリング』が使える。ナイト時は特に能力はない。


ビショップワンド

ポーンバスターにビショップメモリを挿入しプロモーション(変身)させた姿。形は最強の仮面ライダーのラウザーみたいな。
炎出したり地面動かしたりといろんな魔法が使える。フォームによる制限は今のところなし。



ことり「メモリは一本ずつだから、ナイトに変身しているときはランスかワンドしか使えなくて、ルークに変身してる時はブレードかワンドしか使えない、ってことだよ」

真姫「これの組み合わせで戦っていく、ってことね。なかなか面白いじゃない」

凛「おぉ…、厨二的黒歴史が生み出されていく瞬間を感じるにゃ…」

希「まぁ…、そんなこと言ってたら創作活動はできないからね…。厨二なのは認めるけど…」

真姫「痛さは強さなのよ!妄想力の強いブレイブなイマジネーションを持つシャバドゥビのみが新たなオンステージへとシャットダウンして宇宙キターなの!」

ことり「もはや日本語じゃないよねそれ…」

凛「要するにこういうノリの好きな人に喜んでもらえればそれでよしってことにゃ」

真姫「ノリのいいほうが勝つって桃の人も言ってたわ」

希「湊さんかな?…まぁそれは置いておいて、じゃあ説明は一応これで終わりでいい?」

ことり「うん。あと、モチーフがチェスなのにも一応意味があるけど…、これは後々わかってくることだから、今は…、ね」

凛「おや…、意味深な発言だにゃ」

真姫「じゃあ最後に、次回のメモリの安価だけして終わるわよ!あ、次スレのタイトルまだ決まってないからことり、もとい照井のセリフで好きなのがあれば教えて」

真姫「ビビっときたらスレタイに採用させてもらうかも!ただし『知らないのか?…俺は死なない』はナシで!」

希「というか映画じゃなくて本編のセリフでお願いね」

凛「そいじゃー安価してこのスレとはおさらば、だね!」

真姫「えぇ、次スレの世界へ、出発進行よ!」

希「これで決まり、やね!」


次回のメモリ
>>979(頭文字M,J,N,Q,H,R,T,W,D,C以外)