～３０分前～


ハヅキ「はいはい、それじゃあ今日のパトロール場所を割り振るよ」


ハヅキ「イミナは水没都市」


イミナ「アタシ泳げないんだけど」


ハヅキ「アコは雪山」


アコ「雪山…うっ！頭が…！」


ハヅキ「マリは砂漠地帯」


マリ「はいよ」


ハヅキ「あたしは緑化都市」


ハヅキ「で、リョウコはＢ地区と」


リョウコ「Ｂ地区ってどこですか？」


ハヅキ「ベイサイドエリア」


イミナ「普通にそう言えよ」


ハヅキ「Ｂ地区Ｂ地区って繰り返して言うとやらしいじゃないさ」


リョウコ「セクハラで訴えますよ？」


ハヅキ「つれないねぇ」

リョウコ「でも１人でパトロールかぁ」


リョウコ「少しは慣れたとは言ってもまだまだ不安だなぁ…」


アコ「リョウコっちはEXRもあるし大丈夫だと思うよ？」


マリ「それに精神的にも強くなってる、心配ないよ」


ハヅキ「まぁ何かあればあたしが駆けつけてケツ揉みしてやるさ」


イミナ「"ケツ持ち"な、なにどさくさに紛れてケツ揉んでんだ」


イミナ「…ま、そういう事だからもっと気楽に行けよ」


リョウコ「居吹さん…！」


ハヅキ「扱いに差がないかい？」


アコ「因果応報なのだ」


マリ「それか自業自得だね」

～１５分前～


ハヅキ「…と送り出したリョウコがオブリに襲われてこの有り様さ」


リョウコ(３歳)「？」


ティエラ「あっ、はぁ」


イミナ「オブリもあと一歩ってところで取り逃がしちまったしな」


アコ「これがそのリョウコっちが襲われたオブリの写真なのだ」ｽｯ


ティエラ「こ、これは！」


ティエラ「とにかく幼い物が好きで生き物から"大人っぽさ"を奪って幼くしてしまう厄介者！」


ティエラ「その名もロリコンオブリです！」


アコ「火の玉ストレートなネーミングなのだ」

マリ「…それでリョウコは元に戻るのかい？」


ティエラ「そうですね…ロリコンオブリを倒して"大人っぽさ"を10500アダルティ集めれば元に戻るハズです」


イミナ「アダルティ」


ティエラ「ベガの皆さんだけで集めるのは大変でしょうし、他のチームの皆さんとも協力してみては？」


ハヅキ「そうして貰えると助かるけど、１つお願いしてもいいかい？」


ティエラ「何でしょうか？」


ハヅキ「リョウコの事はこの場にいる者だけの秘密にしてもらいたくてね」


ハヅキ「ほら、元に戻った時に恥ずかしい思いをすると可哀想じゃないか」


ティエラ「…そうですね、ではリョウコさんの事は伏せて皆さんに協力をお願いしましょう」

～現在～


アコ「そして今に至るのだ」


リョウコ(３歳)「ねーねー、ハヅキおねーさん」


ハヅキ「なんだい？」


リョウコ(３歳)「私、お腹すいたー」


ハヅキ「おっと、そういえばそろそろお昼さね」


ハヅキ「ほら、●●●●飲むかい？」ﾌﾞﾙﾝ


イミナ「●●を出すな●●を」


ハヅキ「冗談、冗談」ﾌﾞﾙﾝ


アコ「●●出てる時点で冗談もなにもないのだ」


ハヅキ「じゃあ誰か何か適当に作っておやりよ」


イミナ「あー…この歳って何食べさせて大丈夫なんだ？」


ハヅキ「そうだねぇ、見たところ３歳ぐらいだろうし、あたし達が食べるものと同じもので大丈夫だろうよ」


マリ「やけに詳しいね」


ハヅキ「ただの経験則さ」

イミナ「そういやハヅキには妹が居た…いや、居るんだったな」


ハヅキ「変な所で気を使わなくてもいいよ」


ハヅキ「ま、そういう事だからこのぐらいの歳の子の扱いはお手の物ってわけさ」


マリ「…で？結局食事はどうするの？」


イミナ「とりあえず炒飯でも作るか」


アコ「何でとりあえずで炒飯なのだ？」


イミナ「アタシそれ以外だと甘いものしか作れないし」


マリ「女子力が高いんだか低いんだか」


イミナ「じゃあマリが何か作れよ！」


マリ「逆に聞くけどさ、私が料理出来ると思う？」


イミナ「すまん」


ハヅキ「リョウコちゃんは何が食べたいのかな？」


リョウコ(３歳)「オムライス！」


３人(聞けばよかったのか)

イミナ「んじゃ、まずはチキンライス作りだな」


アコ「結局のところケチャップ味の炒飯だからイミナっちでも楽勝なのだ」


ｼﾞｭｰ…


ｼﾞｬｯ!ｼﾞｬｯ!


イミナ「よし、あとは薄焼き卵を作って…」


マリ「はいよ、薄焼き卵」ｽｯ


ハヅキ「おや、意外と上手く作れてるじゃないか」


マリ「これぐらい誰だって出来るだろ？」


リョウコ(３歳)「マリおねーさん凄ーい！」


マリ「…ふっ」


ハヅキ「随分嬉しそうだねぇ」ﾆﾔﾆﾔ


マリ「さあね」


イミナ「アタシが包んだら絶対破れるから被せるタイプのオムライスにするぞー」


アコ「うんうん、それもまたオムライスなのだ」

イミナ「はいよ！オムライスお待ち！」


リョウコ(３歳)「ありがとー！」


リョウコ(３歳)「じゃあケチャップでお絵かきするー！」ﾆｭﾙﾆｭﾙ


イミナ「おっ！猫ちゃんか！上手いじゃないか！」


リョウコ(３歳)「えへへー！」


イミナ「よーし、んじゃアタシも…」ﾆｭﾙﾆｭﾙ


イミナ「っと、どうだ！」


ハヅキ「…ん～ん？これも猫…いや犬かい？」


アコ「えっ？カエルじゃないの？」


マリ「いや、カタツムリとかそっち系だろ？」


リョウコ(３歳)「う～ん…くるま？」


イミナ「おいおい、どう見てもリョウコちゃんの似顔絵だろ？」


ハヅキ「えっ」


アコ「えっ」


マリ「えっ」


リョウコ(３歳)「えっ」

イミナ「上手く描けただろ？」


ハヅキ(画伯だ)


アコ(画伯なのだ)


マリ(あれがリョウコ…？あれが…？)


イミナ「なぁリョウコちゃん？」


リョウコ「えっ、うん」


リョウコ「わ、わ～い！そっくり～！」


リョウコ「イミナおねーさんありがと～！」


イミナ「どういたしましてっ！」


アコ(この場にいる誰よりも大人なのだ)


ハヅキ(こうやって大人になっていくんだねぇ)


マリ(あれのどこがリョウコ…？)

リョウコ(３歳)「…ごちそうさまでしたー！」


イミナ「よしよし、お粗末さまでした」


ハヅキ「普通に美味しく出来たじゃないか」


イミナ「だろ？」


マリ「ま、普通に美味しかったね」


イミナ「そりゃどうも」


アコ「普通に美味しいオムライスだったのだ」


イミナ「普通普通言うなよ！」


イミナ「リョウコのカレーかよ！」


ハヅキ「それじゃあこれからどうしようかね」


マリ「そろそろ"大人っぽさ"が集まってもおかしくないんじゃない？」


アコ「じゃあ今のうちに記念写真でも撮っておくのだ」


イミナ「写真か！いいなそれ！」


リョウコ(３歳)「お写真とるー！」

アコ「…もっとくっつかないと自撮り棒じゃ全員入らないのだ」


ハヅキ「こうかい？」ﾑﾆｭ


マリ「当たってるんだけど」


ハヅキ「あててんのさ」


アコ「撮るよ！はいチーズ、なのだ！」


ｶｼｬ


ハヅキ「どうだい？」


アコ「うん、良い感じに撮れたのだ」


リョウコ(３歳)「見せてー！」


リョウコ(３歳)「うわぁ！みんなキレイに撮れてるー！」


イミナ「マリ半目なんだけど」


マリ「チーズで撮ると思ったから油断したね」


アコ「撮り直す？」


マリ「いいよ別に、これだって思い出だろ？」


ハヅキ「そうに違いないね」

リョウコ(３歳)「…ふわぁ」


ハヅキ「ん、眠くなったかい？」


リョウコ(３歳)「うん…少しお昼寝するー…」


マリ「食べたら寝る、子供っていうのは自由だね」


リョウコ(３歳)「おやす…Zzz…」


イミナ「ソファで寝たら身体痛めるぞ…って寝ちまったか」


アコ「寝顔も可愛いのだ」


ハヅキ「起こすのも可哀想だし、このままにしてやろうか」


リョウコ(３歳)「Zzz…」

～３０分後～


ティエラ「お待たせしました」


ティエラ「こちら"大人っぽさ"10500アダルティです」ﾁｬﾎﾟﾝ


アコ「まさかの液状」


マリ「これをどうすればリョウコは元に戻るの？」


ティエラ「身体に塗り込んで一晩寝かせると大きくなるはずです」


イミナ「パンでも作ってんのか」


ハヅキ「よし、じゃあ寝ている内に塗り込んでやろうじゃないか」


イミナ「待て待て待て」


イミナ「さすがに子供相手にそれは犯罪だからな！？」


ハヅキ「おいおい、子供相手にやらしい事をするわけないじゃないか」


ハヅキ「あたしはねぇ、デカい●と尻にしか●●しないんだよ！」


イミナ「なに声高らかに宣言してんだ！」

～翌朝～


リョウコ「…んーん」ﾑｸﾘ


ハヅキ「おや、おはようリョウコ」


リョウコ「あっ、おはようございますハヅキさん」


リョウコ「すいません、なんかソファで寝ちゃってたみたいで…」


ハヅキ「別にいいさ」


ハヅキ「それより…昨日の事は何か覚えてるかい？」


リョウコ「…あー、そういえばオブリに襲われて…」


リョウコ「それからどうしたんだったかな…？」


リョウコ「すみません、ちょっと覚えてないですね」


リョウコ「何かあったんですか？」


ハヅキ「ちょっとね」


ハヅキ「まぁ大した事じゃないから覚えてないならそれでいいさ」


リョウコ「？」

リョウコ「…あっ、でも」


リョウコ「ちょっと面白い…というか良い夢を見ましたよ」


ハヅキ「へぇ、どんな夢だい？」


リョウコ「ええっと、私がまだ子供で…何故かベガのみんなが私のお姉さんだったんです」


リョウコ「ハヅキさんが遊んでくれたり…」


リョウコ「居吹さんが作ってくれたオムライスが美味しかったり…」


リョウコ「あっ、雪代さんも薄焼き卵を作ってくれてました」


リョウコ「で、最後はアコちんがみんなとの記念写真を撮ってくれたんです」


リョウコ「…って変な夢ですよね？」


ハヅキ「良い夢じゃないか」

ハヅキ「リョウコ、ちょっとこっちおいで」


リョウコ「？」ｽｽｽ


ハヅキ「よーしよし、よーしよし」ﾜｼｬﾜｼｬ


リョウコ「わっ！もういきなりなにするんですか！？」


ハヅキ「リョウコは可愛いねぇ」


リョウコ「何が！？」


END