唯「私の髪に触るなっ!!」バキッ
義景「ぴぎゃっ!」ズザー
和&長政「!!」
和「唯!何てことを!!あれでも名門朝倉家の当主なのよ!?」
唯「和ちゃん!こんな変態となんか私組めないよ!早く美濃へ帰ろう!」
和「唯……あなたまさか…」
唯「決断力のない朝倉義景とは組めないよ」
義景「そ、そんな~」
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452 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/14(火) 23:14:27.96 ID:p4xHtZ2qO
唯「帰る」スタスタ
長政「唯殿!!」
唯「…!」ピタリ
唯「ごめんなさい…長政様……」
長政に呼び止められた唯は 背中を向けたまま返事をして 部屋を出て行った
長政「……唯…殿」
和「……」
和「ご、ごめんなさい!!ちょっと唯と話してきます!」ダッ
ガララッ
義景「……ふぅ」
義景「分かっただろう長政殿。信長への追撃は3日後にいいだろう」
長政「……」
義景「さ、今日はたんと飲みなされ!浅井と朝倉の繁栄を願って!!」
454 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/14(火) 23:21:12.03 ID:p4xHtZ2qO
――朝倉家本館
がやがや がやがや
本館では浅井や平沢の兵士達が賑やかに騒いでいた 唯と和は武将達が座るVIP席へ向かった
しかし平沢家のVIP席は何故か周りとは違いお通夜のように静かだった
唯「りっちゃんうぃー」
律「……!」チラッ
律「唯か…」
梓「あ…」
澪「唯…」
唯「ど、どうしたのみんな?暗くない?」
紬「……」
さわこ「……」
和「…!」
和「何か…あったの?」
457 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/14(火) 23:24:37.64 ID:p4xHtZ2qO
憂「じ、実は…」
紬「…」
憂「斎藤…さんがいなくなったんです…急に」
唯「…さ、斎藤が!?」
和「うそ…」
憂「多分…逃げた秀吉を追ったんだと思う……」
唯「まさか秀吉に返り討ちにあって…!」
紬「斎藤はそんなに弱くありません!!」ガタッ
唯「ご、ごめんムギちゃん…」
紬「……いえ」
458 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/14(火) 23:28:27.06 ID:p4xHtZ2qO
唯「そうだよね…斎藤は私たちの頼りになる強い隠密」
澪「……」
唯「でも何かあったに違いない…」
梓「…」
唯「…明日出発の際にもう一度探そう」
紬「唯ちゃん…」
さわこ「それがいいわね…」
律「出発…?」
澪「なんだ出発って」
唯「明日、美濃に帰るための出発だよ」
みんな「!!」
461 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/14(火) 23:35:17.02 ID:p4xHtZ2qO
律「帰るって!!織田軍への追撃はないのか!?」
澪「何もしないのか…?」
梓「唯先輩は信長様のことを甘く見すぎです!!あの人を敵に回したら…!」
唯「それは義景と長政様が決めることだよ」
律「…!」
唯「私たちにはもう関係ない」
和「(…やっぱり)」
さわこ「ほ…本気なの唯ちゃん?」
唯「うん」
さわこ「浅井・朝倉の同盟なしでどうやって織田を――」
唯「それはさ」
唯「美濃に帰ってからゆっくり考えようよ♪」ニコッ
憂「お姉ちゃん…」
紬「……」
464 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/14(火) 23:39:32.79 ID:p4xHtZ2qO
早朝。一乗谷には平沢の騎馬軍団がいた
たった1人の部下のために数千人が捜索を始めたのだ
唯「斎藤…生きてればいいけどなぁ…」パカラッパカラッ
紬「……」パカラッ
梓「……」パカラッ
ブオオォォォオオン♪♪
その時 山腹の方からホラ貝ギターが鳴り響いた
唯「…あれは…さわちゃん隊の…」
紬「!」パカラッパカラッ!
唯「あ!ムギちゃん待ってよ!!」
466 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/14(火) 23:42:52.63 ID:p4xHtZ2qO
紬「どいて!」
人(馬)だかりの出来た中を 紬は強引に前へと進んでいった
さわこ「…ムギちゃん」
律「ムギ…」
紬「…」
さわこと律が佇んでいた。その真ん中には血の水たまりの跡が出来ていた
紬「斎藤…は?」
さわこ「それが…行方不明なの」
紬「…!」
472 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/14(火) 23:49:23.67 ID:p4xHtZ2qO
律「見つけたのは…斎藤のと思われる血の跡と…」
さわこ「あの人が大事にしていた…琴吹家の家紋つきの刀…」
紬「……そんな」
律「でもムギ…どこに行ったかは分からないが…斎藤は生きていると思うよ…」
紬「…うっ…うぅ…斎藤……」
さわこ「……」
澪「先生!斎藤が見つかったの!?」
和「どこ!」
澪・和・憂の3人も駆けつけた
473 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/14(火) 23:53:17.29 ID:p4xHtZ2qO
唯「斎藤が…いない!?」
さわこ「えぇ。恐らく斎藤執事はここで誰かと闘って……」
さわこ「誰かに助けられたか…連れていかれたか……」
憂「…そんな」
唯「斎藤……」
その後 斎藤の捜索は続いたが 最後まで見つからなかった
477 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/14(火) 23:57:13.25 ID:p4xHtZ2qO
唯「…」
律「唯?」
唯「(長政様…迎えにきてくれなかった…)」
律「おい唯!」
唯「はっ!」ビクッ
唯「な、何だいりっちゃん?」
律「さっきからどうしたんだよ。ずっと朝倉家の方角見て」
唯「あ…いや…何でもない…」
律「…?」
律「…ならもう行くぞ」パカラッパカラッ
唯「う、うん…」くるっ
平沢軍の背中には 勝者が背負うべきものが見られなかった
何のための戦だったかも分からなかったのである………
478 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/15(水) 00:00:03.37 ID:et+bLMSc0
バッドくせぇな
479 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 00:03:20.79 ID:JZ9tkAteO
こんにちは
今年平沢家に入学してきた中野梓です
一乗谷奇襲騎馬大作戦(仮名)で平沢家に捕まって
平沢家の家臣となりました
……したんですが
紬「ごはんよ~♪」
唯「やった~♪ご飯ご飯~♪」
律「いぇーい♪今日もご飯明日もご飯♪」
梓「何コレ」
480 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 00:09:03.67 ID:JZ9tkAteO
梓「(沢庵味噌汁に沢庵漬け…沢庵お茶漬けに沢庵炒め……)」
梓「(…沢庵ばかりだ!)」ガーン
唯「んまんま♪」ボリボリ
梓「……」
因みに私は唯先輩に気に入られて側近となり、食事は唯先輩の横で食べられる
唯「ん?あずにゃん食べないの?」
梓「い、いや…ちょっと…」
美濃は楽でいいんだけれども……
和「美味しい♪」ボリボリ
紬「ホント?良かったわ♪」
少し不安です………
481 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 00:18:12.16 ID:JZ9tkAteO
ここに来てから早1ヶ月
正直不満は山ほどある
梓「こんにちはー!」
律「お、元気いっぱいだな」
梓「はい!放火練習が待ち遠しかったです!!」
律「それじゃ早速…」
唯「うん!」
梓「(さっそく練習するのね)」
律「将棋をするか!」
唯「今度こそ負けないからね!」
梓「(えーっ!?)」
484 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 00:24:03.68 ID:JZ9tkAteO
あの一乗谷から1ヶ月。斎藤が消えた悲しみは決して癒えないが、気にしてる場合ではない
周りは織田や徳川、更に武田など敵だらけ
ようやく一致団結し始めた平沢家
梓「(でも…仕事ぶりからしたらムギ先輩や和先輩、澪先輩はちゃんとやってるし…)」
梓「(お憂の方はお姫様なのに家事やってるし…)」
梓「(……でも先生は一日中寝てる…)」
梓「(唯先輩は律先輩と毎日将棋……)」
梓「何だろうこれ…」
485 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 00:29:46.03 ID:JZ9tkAteO
――耕地
澪「だからこのぐらいがちょうどいいと思うよ」
和「なるほど…わかったわ澪!ありがとう!」タッタッタッ
澪「頑張って!」
梓「…」
澪「…ふぅ…疲れたなぁ」ノビー
梓「か、肩揉みましょうか…?」
澪「わっ!」ビクッ
澪「な、なんだ梓か…。脅かすなよ全く…」
梓「澪先輩は今何をしてるんですか?」
澪「ん?見ての通り耕地整理だよ」
梓「耕地…ここで何を作るんですか?」
澪「沢庵だよ」
493 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 00:36:10.81 ID:JZ9tkAteO
梓「た、沢庵ですか…。この国は沢庵が好きですね…」
澪「うん…まぁ一応美濃の特産品だしな…」
梓「でも…毎日食べてると飽きませんか?」
澪「た、確かに飽きるな…あれは…」
梓「……」
梓「澪先輩はすごい出来る文官なのに何でこんなやる気のない平沢家にいるんですか?」
澪「…ん?」
梓「澪先輩は他国から誘われたり…すると思うんですが」
494 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 00:39:28.03 ID:JZ9tkAteO
澪「う~ん…確かに他国も魅力的だよね…(怖くていけるか!)」
律「あーそんなこと言っていいのかなー」
梓「…!」くるっ
澪「わっ//律いたのかよ!!」
律「澪が最後に寝小便垂れたのは―――」
澪「あーーっ!!」
梓「……」
梓「(弱み握られてるのかな…?)」
496 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 00:42:37.20 ID:JZ9tkAteO
澪「てゆうか何で律がここにいるんだよ!」
律「へ?」
澪「訓練は!?最強騎馬軍団の名が泣くぞ?」
律「今日は休みなのだ!」
梓「今日は…?」
澪「ま、まぁ別にいいけど仕事の邪魔はするなよ!」
律「ラジャー!」
澪「全く…」スタスタ
梓「…行っちゃった」
499 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 00:50:50.21 ID:JZ9tkAteO
律「……」
梓「……(律先輩…いつも陽気な人だけど……)」
律「そういえば梓っていつ武将になったの?」
梓「えっと…小4くらいからです」
梓「親が代々今川家の家臣だったのでその影響で…」
律「すげーサラブレッドだ!!」
律「…って今川!?あの今川のことか!?」
梓「は、はい…今は無き今川です…」
律「というと梓が織田軍にいたのって…」
梓「捕らえられて……そのまま織田家に……」
律「そっかぁー…大変だったな梓…」
梓「…い、いえ///」
501 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 00:53:26.48 ID:JZ9tkAteO
――ある日
梓「私に手紙?」
町人「はい。さっき男の人から手紙を渡されますた」
梓「ありがとう」
梓「(何だろう…)」ペラッ
梓「…!!」
梓「…あ…あぁ…」
梓「……も…もうダメだ……」
502 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 00:57:07.43 ID:JZ9tkAteO
―――夜
澪「………」
澪「…う~ん…」ゴロリ
澪「(生首を思い出してしまったからなかなか寝付けない…)」
澪「……生首…」
澪「(…り、律と一緒に寝ようかな……)」ブルブル
ガタッ
澪「ん?」
澪「(何だろ…今廊下から変な音が聞こえたけど…)」
安価+3
①気のせいだ
②何だろ…
505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/15(水) 00:58:10.85 ID:ZWyJcwPC0
2
506 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 01:03:54.19 ID:JZ9tkAteO
澪「(何だろ…)」ソッ
澪は布団を抜け出し襖をそっと開けた
澪「(……あれは)」
荷物を持って逃げるように廊下を走ってゆく影。猫……泥棒……忍び……色々なものが頭に浮かんだ。だが澪は、角を曲がったところでツインテールがの影が動いたのを確認した
澪「(梓っ!?)」
澪「(な、なんで梓がこんな夜更けに…!)」
裏切り。内通。離反
澪は気になって梓を追いかけることにした
509 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 01:07:54.88 ID:JZ9tkAteO
梓「はぁはぁ…」タッタッタッ
梓は美濃を抜けるための一本道を走っていた。その日は満月が出ていて夜中でも暗くはなかった
梓「……はぁ、はぁ」くるっ
梓「(ごめんなさい…澪先輩…唯先輩…みんな……)」
梓「(私…やっぱり織田家に戻らなきゃ…)」
梓はふと立ち止まって沢庵城の方へ向いた。そして心の中で 最後の別れを告げた
510 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 01:10:52.57 ID:JZ9tkAteO
梓「…」
梓「…行こう」くるっ
梓が振り返ろうとしたその時―――
澪「あずさーーー!!!!!!!」
澪が大声を出して追ってきたのだ
梓「なっ…!」
澪「…はぁ…はぁ…追いついた…」
梓「何で澪先輩がここに…!」
澪「……廊下を走る梓が見えたから…つい」
梓「………」
512 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 01:14:28.64 ID:JZ9tkAteO
律「んあ……」ムクリ
バタバタ バタバタ
律「……ムニャムニャ」
律「……(澪のやつ寝相悪いぞ)」
律「何してやがんだ一体…」スッ
澪「……!!」ダダダ…!
律「…わっ!」ビクッ
律が自分の部屋の襖を開けようとしたその瞬間、澪が勢いよく廊下に飛び出てきた
律「…な、何してんだ澪は……」ポカーン
513 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 01:20:48.56 ID:JZ9tkAteO
澪「梓!!今何て言った!」
梓「……」
梓「…だから…尾張に帰るって言ったんですよ…」
澪「…くっ!」
澪「裏切りか梓!見損なったよ!!」
梓「……何とでも言って下さいよ…私はもう尾張に帰るんです…」
澪「……」
澪「帰らせない…って言ったら?」
梓「その時は、私のツインテールが火を吹きますよ」
澪「…!」
梓「例え澪先輩でも…容赦しないです…」
澪「そんな…!梓、いきなりどうしたんだよぉ!」
516 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 01:24:21.67 ID:JZ9tkAteO
梓「……」
梓「……嫌なんですよ、もう…」
澪「!?」
梓「平沢家にはついていけないんです…何もかも…」
澪「梓…」
梓「信長はいま軍備を整えて浅井朝倉を報復しに行くつもりです」
澪「…!」
梓「今度こそ…信長に死角はありません…」
梓「…そしたら次狙われるのは私たち…」
梓「平沢家です」
澪「!!」
520 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 01:30:55.95 ID:JZ9tkAteO
澪「で、でも…私たちなら…!」
梓「無理ですよそんなの」
澪「…え」
梓「当主は穀潰し。やる気のない部下」
梓「更に織田家の兵力は平沢家の3倍…」
梓「夢を見すぎですよ澪先輩」
澪「…ぅ」
522 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 01:36:08.10 ID:JZ9tkAteO
梓「あと食事も最悪でした」
澪「…!」
梓「毎日毎日沢庵ばっかり。たまには違う漬け物も食べたいのに…」
澪「……」
梓「尾張に帰ったら…迷わず福神漬食べますよ」
澪「福神漬!?」
梓「そうですよ。もう沢庵には飽きたんです」
澪「…(福神漬…)」ゴクリ
525 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 01:40:54.01 ID:JZ9tkAteO
梓「…!」
梓「そうだ!澪先輩も一緒に尾張来ませんか!?」
澪「わ、私…?」
梓「はい♪澪先輩ならすぐに重用されますよ!!」
澪「私が…織田…」
梓「福神漬の他にも浅漬けとかもあるし…」
澪「あさ…づけ…」ゴクリ
梓「澪先輩!!」
澪「……………」
527 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 01:46:28.54 ID:JZ9tkAteO
律「(…おいおい澪のやつ心動いてないか?)」コソコソ
律「(どうしよう梓が…澪が行ってしまう…!!)」
律「(…何とかしてとめないと…)」
律「(でも何て言ったら言いんだ…!!)」
律「………」
重用安価+5
①「いいじゃないっ!沢庵美味しいじゃない!!」
②「尾張に行ったらオワリだぞ!澪!」
③ほっとくか。知らないよあんな裏切り者
532 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/15(水) 01:47:17.47 ID:V7ZzYmu10
2
536 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 01:53:51.60 ID:JZ9tkAteO
澪「わ……わたし…」ゴクリ
律「澪おおぉ!!!」バッ
澪&梓「!?」
律「尾張に行ったらオワリだぞ!!」
澪「……」
梓「……」
律「……」
律「…あ、今のは…尾張と終わりを掛けたダジャレなんだけど……」
澪「……」
梓「……」
律「……」
538 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 01:58:57.44 ID:JZ9tkAteO
律「と、とにかく澪!織田のところに行くなんてバカな真似はよせ!!」
澪「りつ…」
梓「……」
律「梓もだ!織田家に戻ろうなんて考えは止めるんだ!!」
梓「……」
律「織田は確かに強い!でもこっちだって策はあるんだ!!」
澪「え…どんな?」
律「う…それは…」
律「(ぶっちゃけ何も対策してないが仕方ない!!)」
重用安価+5
①上杉家と同盟を組むという策だ!
②武田家と同盟を組むという策だ!
543 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/15(水) 02:00:40.75 ID:ZWyJcwPC0
1 謙信は当然女だよな?
546 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 02:07:28.02 ID:JZ9tkAteO
律「う、上杉家と同盟を結ぶという考えだっ!!」
梓「上杉…?」ピクリ
澪「…すごい!」
律「だ、だろ…?」
澪「律!私が間違っていたよ…(もう少しで尾張に行くところだった…)」
律「澪…」
澪「福神漬なんかに心が揺れた私が馬鹿だった!!」
律「良かった……これで梓も……」チラッ
梓「うふふふふふふふふふふふふふふ…」
律「…あ、梓?」
548 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 02:11:26.54 ID:JZ9tkAteO
梓「いい情報聞いた…いい情報聞いた…」
律「おい…梓?」
梓「信長様に褒められる………」フラフラ
澪「…まさか梓」
律「おい!!行くなよ!!」ガシッ
梓「触らないで下さい!!」バッ
律「わっ…!」
梓「次触ったら…許しませんよ?」
律「……!」
澪「あ、梓…ウソだろ…?」
551 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 02:14:04.43 ID:JZ9tkAteO
律「……」
律「…なるほど…そういうことかい…」
梓「……」
澪「り、律?」
律「梓…お前…」
安価+3
①「最初っから織田と内通してたんだな?」
②「実は…脅されたんだな…」
554 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/15(水) 02:14:48.73 ID:FnbfAP7L0
2
559 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 02:21:24.68 ID:JZ9tkAteO
律「実は…脅されたんだな…」
梓「…!」
澪「りつ…?」
梓「お、脅されてなんか…!!」
律「…涙」
梓「…!」
律「これから裏切ろうっていう非情なヤツに…涙なんか流せねぇよ」
律「…梓…」
梓「……」
律「…話してくんろ」
梓「……」
梓「…ぅ…う…」
澪「!」
梓「…わ…私…どうしたら…!!」
律の言葉によって梓は心の枷がとれたと同時に、緩めてしまった涙腺からたくさんの涙が溢れ出た
601 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 13:26:59.42 ID:JZ9tkAteO
澪「梓……」
律「(やっぱり何かあったんだな…)」
梓「……先日…この手紙が私に…」
澪「手紙?」
律「…見せてくれるか?」
梓「…はい」スッ
律「……」
澪「…わ、私にも…」ヒョコッ
律「…」
律「……なっ!」
律「……浅井朝倉に報復するだと…!?」
澪「…その後……美濃に侵攻するとも書いてある…」
梓「………はい…織田徳川連合軍はもう…」
604 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 13:33:35.02 ID:JZ9tkAteO
律&澪「……」
梓「…でも…書いてある通り…私が織田家に戻れば……」
澪「平沢家は安泰……」
律「……」
梓「…わ、私さえ戻れば…」
律「びりっ」ビリッ
澪「あー!!何すんだよ律ー!!」
梓「……」ポカーン
律「…信長が約束なんか守るわけないだろ梓!!」
梓「…!」
605 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 13:37:55.91 ID:JZ9tkAteO
律「信長は絶対美濃に侵攻してくる!!」
梓「……そんな」
澪「…梓が帰るにせよ帰らないにせよ、結果は同じってことか」
梓「……」
律「だから梓!尾張に帰るのはいくない!」
律「梓が嫌じゃなけりゃ、美濃に…平沢家に残ってくれ!!」
梓「……」
律「…私達は……絶対屈しないから!」
梓「………」
澪「……梓」
梓「……」
律「…梓…まさか…」
澪「…!そんな…」
606 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 13:43:58.81 ID:JZ9tkAteO
梓「(どうしてだろう……)」
澪「……」
梓「(織田も今川も…うちの平沢軍より強いのに…)」
律『突撃ぃー!!』ドドド…!
兵『おおぉぉぉ…!!』ドドド!
さわこ『らっしゃああああぁぁぁあい!!』ドドド!
梓「(…どうして)」
律「…梓…」
608 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 13:50:03.00 ID:JZ9tkAteO
梓「…分からなくなって……」ボソッ
律「え…?」
梓「どうして平沢家に入ったのか…!どうして一乗谷の奇襲にあんなに感動したのか…!」
梓「しばらく一緒にいればきっと分かると思ってやってきたけど…!」
梓「けどやっぱり分からなかった…!!」グスッ
澪「…梓」
律「…」
律「…よし!じゃあ梓のために戦でもするか!!」
澪「へ?」
609 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 13:53:17.57 ID:JZ9tkAteO
律「そのときの気持ちを思い出せるようにさ!!」
澪「…」
澪「うん♪」
梓「…!」
唯先輩はまるで戦術のこと知らないし…
律先輩の騎馬軍団も走り気味なのに…
みんな揃って戦をすると…どうしてこんなにいい戦になるんだろ…
梓「…どうして」
611 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 13:56:44.49 ID:JZ9tkAteO
澪「梓」
梓「…ぁ」
澪「…この前、何で私が他国に行かないか聞いたよね」
梓「ぁ…はい」
澪「やっぱり…私はこのメンバーと戦をするのが楽しいんだと思う」
梓「…え」
澪「きっとみんなもそうで、だからいい戦になるんだと思う♪(一回しか戦経験ないけど)」
612 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 13:59:29.55 ID:JZ9tkAteO
澪「さぁ!一緒にやろう!梓!」
梓「…!」
梓「はい!やっぱり先輩方と一緒に戦争したいです!!」
律「あずさー!!」ダキッ
梓「わっ…///」
澪「まぁ…これからも将棋したり沢庵食べたりすることもあるけど…」
澪「それもやっぱり必要な時間なんだよ!うん♪」
618 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 14:12:58.25 ID:JZ9tkAteO
―――翌朝
唯「あずにゃん!!」
憂「…梓ちゃん」
梓「…」
梓「ごめんなさい!私…」
唯「………」
澪「……唯」
和「(…平沢家法度によれば…裏切りには重い罰が…)」
さわこ「…唯ちゃん」
唯「…あずにゃん」
梓「…は、はい!」
律「(大丈夫だ…唯なら…)」
安価+3
①罰としてお前の兜はネコ耳だっ!
②罰として今日からセミロングじゃ
621 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/15(水) 14:15:14.00 ID:eqwpZGWa0
2
624 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 14:21:40.94 ID:JZ9tkAteO
さわこ「罰としてセミロングにしなさい!」
梓「!!」
唯「な、何でさわちゃんが…」
律「…しかもセミロングにしなさいって…」
さわこ「澪ちゃんと見分けがつかないのよ」
憂「…た、確かに」
梓「…セミロング…ですか」
626 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 14:28:57.18 ID:JZ9tkAteO
澪「で…でも…(せっかく梓が…)」
紬「梓ちゃん…」
梓「分かりました!!」
澪&律「…!!」
梓「私!平沢家のためならセミロングでも何にでもなります!」
澪「梓…」
唯「あずにゃ~~ん♪」ギュッ
梓「…わっ!///」
唯「今日は余と一緒に寝るのじゃ!」
梓「……ぅ」
梓「もちろんです!やってやるです!!」
律「マジかよこれ…」
憂「……」
梓は確かに何かが変わった。梓の忠誠心が大きく動いた
629 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 14:37:52.34 ID:JZ9tkAteO
それから平沢家の様子は大きく変わった
あんだけ怠けてた唯と律は ちゃんと各々の仕事をするようになった
さわこも人が変わったように1日3時間労働を始めた
だが平沢家が動くのは少し遅すぎた
織田・徳川連合軍が再び一乗谷に侵攻したのである
対する浅井朝倉連合軍は迎撃体制
両者は姉川にて対峙した
631 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 14:46:42.25 ID:JZ9tkAteO
―――沢庵城
澪「(あの手紙の主……竹中半兵衛…)」
澪「(ただ者じゃない…なんか嫌な予感がする……)」
ガラッ
兵「大変です!!織田徳川連合軍と浅井朝倉連合軍が姉川にて対峙しています!!」
澪「…!」
梓「やっぱり…!」
律「信長め…!」
さわこ「何でもっと早く報告しないの!!大軍が美濃の隣を抜けたはずよ!!」
兵「す、すみません!!」
情報収集を担当していた斎藤が抜けたことにより琴吹隠密部隊は事実上解散…。平沢家は遅れをとってしまったのだ
634 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 14:57:31.43 ID:JZ9tkAteO
和「唯!!」
唯「むにゃむにゃ…あいす…」
和「起きなさい唯!大変なことになったわよ!!」
唯「わっ!……なんだ和ちゃんか………何か用?」
和「何か用じゃないわよ……浅井朝倉が織田と戦ってるのよ!!」
唯「…へ?」
和「だから信長率いる織田軍が報復のためもう一度越前に向かったの!」
唯「えぇ!?」ガバッ
和「しゃきっとしなさい!あなた当主でしょ!?」
唯「(長政様…)」
637 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 15:05:35.85 ID:JZ9tkAteO
唯は早速武将全員を殿中に集めた
唯「え~~…これより評定を始めます!」
さわこ「……」
和「(唯…これは大事な評定よ)」
唯「……ところで和ちゃん」
和「ん…?どうしたの唯?」
唯「評定って…何?」
和「…へ?」
梓「評定も知らずにどうやって戦を……」
澪「すまない和……これでも平沢家の当主なんだ…」シクシク
和「……」
和「……ま、まぁ…唯ということもあってあまり驚かなかったけど…」
唯「いや~照れますな~///」ポリポリ
澪&律「褒めてないから!!」
紬「(まだかしら…)」ニコニコ
638 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 15:13:09.86 ID:JZ9tkAteO
――そして
唯「ほいさわちゃん!」
さわこ「(やっと出番…)」スクッ
さわこ「織田徳川連合軍は報復のため浅井朝倉のいる一乗谷目指して進軍。間者の報告では明朝に姉川で両者対峙。霧が多いため軍勢は確認出来ず……とのこと」
律「…なるほど」
さわこ「琴吹隠密部隊があればもっと詳しく分かったと思うけど……」
さわこ「今の私達にはこの情報が精一杯」
紬「………」
唯「なるほどねぇ…」
和「で、どうするの唯?」
憂「…お姉ちゃん」
641 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 15:20:55.91 ID:JZ9tkAteO
唯「…う~ん」
澪「唯!!今は情報が希薄で正確な位置すら掴めない!無茶な進軍は止めるべきだ!」スクッ
律「なんだ澪~?やけに腰が低いなぁ~」
澪「ち、違う!私は平沢家の安泰を願って……」
梓「私も澪先輩の意見に賛成です!」
澪「……梓」
唯「なる~へそ~」
和「唯!!浅井朝倉と戦ってる織田軍を後ろからまた奇襲すれば今度こそ織田軍は壊滅よ!!逆に言えば今しか好機がないわ!」
澪「…の、和」
紬「賛成です♪」
唯「う~ん…」
642 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 15:27:08.22 ID:JZ9tkAteO
さわこ「ま!朝倉と同盟を組んでない私達に助ける義務はないけどね…」
唯「…」
憂「(…出来れば戦争はやめて欲しいな…)」
さわこ「…どちらにしても唯ちゃん。時間がないわよ」
唯「う、うん…」
澪「唯!!」
和「唯!!」
唯「……うぅ」
唯「(どうしよ…)」
重要安価+5
①そうだ。姉川へいこう
②傍観。暑いし
③今のうちに尾張に殴り込みじゃぁ!!!!
647 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/15(水) 15:28:55.07 ID:Z0TWH2KPO
3
657 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 15:51:34.62 ID:JZ9tkAteO
唯「…尾張を攻めよっか」
みんな「…!!」
澪「ゆ、唯…?今なんて…」
和「………」
唯「信長が朝倉浅井に目を向けている間にお留守の尾張を奪っちゃおうよ!」
さわこ「(こ、これは……)」
憂「お姉ちゃん本気なの…?」
唯「勿論!信長きっと慌てるだろうねw」
律「……く」
律「あっはっはっはっ!!!」
唯「およ…?」
梓「り、律先輩?」
律「唯!おっ前最高だよホント!!全力で支援する!!」
唯「りっちゃん…」
658 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 15:54:54.30 ID:JZ9tkAteO
和「私も…織田を攻めるなら…手伝うわ」
紬「斎藤の仇!」
唯「和ちゃんにムギちゃん…!」
さわこ「その意気やよしっ!」スクッ
梓「わっ!」ビクッ
さわこ「すぐに資料持ってくるわね!!」ダダダ…!
律「おぉ…さわちゃんがやる気に…」
澪「………」
澪「(……なんか引っかかるなぁ)」
664 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 16:08:49.39 ID:JZ9tkAteO
――作戦本部
さわこ「目標は信長の居城でもある小牧山城!」ビシッ
唯「…小牧山城」
澪「私達用に作られた城でもあるな」
さわこ「そうね。比較的近いし…桶狭間の後から性急に作られたらしいわ。丹羽長秀とやらが中心となって」
和「………」
唯「あ!首チョンパした人だ♪」チーン♪
さわこ「そうね」
紬「……」
澪「……」
律「……」
梓「……」
666 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 16:13:06.37 ID:JZ9tkAteO
さわこ「小牧山城は山全体が城域となっているわね」
唯「ふぅむ…なるほど…」
さわこ「さ、唯ちゃん!もう時間がないわ!!すぐに支度を!」
唯「イェッサー!!」
律「馬用意するよな?」
さわこ「当たり前よ。この戦はスピードで勝敗が決まるわ!!」
紬「なんだかドキドキです♪」
澪「……(竹中半兵衛という軍師に…一度裏切られた経験……そう上手くいくかなぁ…)」
684 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 18:25:06.77 ID:JZ9tkAteO
鎧兜を着た平沢家の武将達は円陣になって最終会議をした
和「じゃあ唯…歩兵部隊…つまりどれくらいの兵力で小牧山城を囲むの?」
唯「う~ん…」
さわこ「きっと今回は攻城戦になるわよ」
紬「何故ですか?」
和「何万で姉川に侵攻してるか分からないけど、織田本隊はかなりの人数」
澪「少ない兵力で私達の攻撃に耐えるには篭城が一番。本隊が駆けつけてくるまで耐えるだけだからな」
和「攻城戦のとき、城を攻撃する側は守る側の十倍の兵力が必要なの」
紬「…まぁ」
唯「…な、なるほど」
律「で、どうすんだ唯?」
唯「(…どうしよう)」
安価+3
①ざっと5000
②きっと10000
③かっと15000
④もって20000(限界)
687 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/15(水) 18:28:52.39 ID:WCFKVyHZ0
3
689 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 18:33:40.43 ID:JZ9tkAteO
唯「15000!」
和「じゃあ唯…それでいいのね」
唯「…うん!」
澪「まぁ…それくらいが妥当かな…」
律「なんだかオラわくわくしてきたぞ!」
梓「やってやるです!」
さわこ「唯ちゃん。それで軍師はどちらにするの?」
唯「へ?」
さわこ「普通軍師は1人よ」
律「あ~そっか~」
紬「両方とも…捨てがたいですね」
和&澪「…」
唯「…こ、これは迷うよ…」
安価+3
①澪
②和
692 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/15(水) 18:35:34.45 ID:RBqEhqBS0
1の澪
694 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 18:41:05.00 ID:JZ9tkAteO
唯「(小牧山だったら澪ちゃんの方が分かるよね…)」
唯「…澪ちゃんで!」
澪「…!」
和「…分かったわ…。今回は私、サポートに回るわね」
唯「ご、ごめんね和ちゃん…!」
和「何言ってるのよ唯♪澪が軍師なら文句はつけないわ!」
澪「和…」
さわこ「決まりね」
律「……よし!じゃあ早く行こうぜ!」
紬「はい!」
696 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 18:48:37.44 ID:JZ9tkAteO
――そして尾張
15000の軍勢で小牧山城に侵攻を開始した平沢軍。一向は小高い丘にいた
澪「いやー!絶好の戦日和だなー!」
律「うちらは火矢使うわけでもないし攻城戦は天候関係ないけどなー」
澪「頑張るぞー!」
梓「…澪先輩…どうしたんですか?(テンション高い…)」
律「心配するな、いつものことだ」
紬「あれが小牧山城…確かに山の上に城が立ってるな」
憂「む、向こうはもう気付いてるのかな」
さわこ「まぁ昼間から15000の軍勢で動いて気付かないバカな国はないわね」
697 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 18:53:12.20 ID:JZ9tkAteO
和「早速…私達に気付いて篭城をしたわね」
律「敵さんも大したこてないなー」
澪「(というか…読まれてる…?見る限り城下町も静かだし…)」
唯「…よっし!じゃあ行きますか!」
紬「おー♪」
さわこ「さぁ澪ちゃん出番よ。今回の作戦を……」
澪「あ、はい!///」
唯「頑張れ澪ちゃん~」パチパチパチパチ
憂「わぁ~♪」パチパチパチパチ
700 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 19:01:33.97 ID:JZ9tkAteO
澪「まず攻城戦は大きく分けて二種類あるの」
唯「ほぅほぅ」
澪「圧倒的な大軍を動員した上で開城交渉を行ったり総攻撃で一気に攻める短期戦」
澪「もう1つは長期戦。城を包囲して外界との接触を遮断しる兵糧攻め。水や食料などの枯渇を図ったりして敵の士気を下げたりするの」
澪「でも今回の場合、どちらが有効かは唯にも理解出来るよな?」
唯「ぅ…も、もちろんだよ!!」
律「…な、なんか澪のやつすげぇ」
紬「かっこいいです♪」ニコッ
701 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 19:09:47.88 ID:JZ9tkAteO
さわこ「それで澪ちゃん。方法は?」
澪「本当は速やかに篭城を解除できる奇策があったんだけど…」
澪「…うちにはムギがいるし…」
澪「(やっぱあれしかない!!)」
攻城戦の手法
安価+5
①兵糧攻め
②開城交渉(調略)
③奇策(城内に侵入)
④火攻め(火矢)
⑤強攻(南蛮式破壊槌あり)
706 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/15(水) 19:14:09.16 ID:SFNt4Bxv0
5
破壊槌は男のロマン
713 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 19:31:03.91 ID:JZ9tkAteO
澪「(…手っ取り早くムギの調略が一番だと思ったけど……)」
澪「(間者の報告ではここに竹中半兵衛がいる…)」
澪「(…いくらムギでも…ヤツ相手に調略は恐らく無意味だ)」チラッ
紬「…?」ニコッ
澪「ここは総攻撃!破壊槌で城門を破る!!」
梓「…!」
律「よっしゃぁ!!そう来なくっちゃ!!」
紬「わくわくするわ♪」
唯「全軍進めー♪」
719 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 19:40:57.54 ID:JZ9tkAteO
紬の資金で調達した南蛮式の破壊槌。まだ戦国の世には出回ってなかった
律「進め進めー!!」パカラッ
ゆっくりと、しかし着実に小牧山を登っていく平沢軍。頂上にある小牧山城に篭城している織田軍は密かに平沢軍を待ち構えていた。そして天守閣から2人の男が外を覗いていた
信包「くっ!やはり来おったか!!」
竹中「……」
信包「平沢軍の軍勢は!?兄上達はまだ来ぬのか!?」
竹中「落ち着いて下さい信包様…私に策があります故…」
信包「うっ…し、しかし…」
竹中「(中野梓……貴様には最後の忠告をした筈だ…)」
竹中「(愚かなり……)」
723 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 19:47:45.04 ID:JZ9tkAteO
唯「じゃあ先鋒のりっちゃんとあずにゃんは正面を!」
律「おっし!」
梓「はい…!」
唯「さわちゃん隊は逃げられないように後ろを囲んで!!」
さわこ「任せなさーい♪」
唯「私と澪ちゃんと憂は左!ムギちゃんと和ちゃんは右を!」
紬「はい♪」
和「わかったわ唯!」
澪「………」
憂「…ど、どうしたんですか澪さん…空なんか見上げて…」
724 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 19:52:46.78 ID:JZ9tkAteO
澪「(……おかしい…抵抗がなさすぎる…)」
まだ攻撃していないとはいえ こんなに近くまで平沢軍がいるのだ。織田軍の抵抗があってもおかしくない。澪は城を見上げたが、弓矢を打ってくるどころか完全に静かであった
澪「(…まさか信長は本当に予想出来なくて全軍姉川に投入したのか…?)」
憂「み、澪さん…?」
澪「(い、いや…そんな筈はない…絶対に兵力を残してるはずだ…)」
澪「(でも…どうして…?)」
憂「澪さん!!」
澪「わっ!」ビクッ
澪「な、何だ…お憂の方ですか…」
727 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 19:56:59.78 ID:JZ9tkAteO
憂「なんだじゃありませんよ。どうしたんですか澪さん?」
澪「い、いや何でもないんだ…!」
澪「(………胸騒ぎがする)」
憂「…?」
唯「よぉーし!和ちゃんとムギちゃんまたね♪」
紬「また生きて帰りましょ♪」
和「左は頼んだわよ!」
澪「…!!」
唯「I'll be back!!」ブイッ
紬「えぇ♪またねー」パカラッパカラッ
澪「ま、待って!!」
728 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 20:03:47.92 ID:JZ9tkAteO
唯「ん?」くるっ
紬&和「…?」ピタリ
憂「み、澪さん?」
澪「……」
両翼を担う4人が澪に注目する
唯「…澪ちゃん?」
澪「ちょ、ちょっと配置を変えたいんだけどいいかな?」
唯「配置?…別にいいけどりっちゃん隊とあずにゃん隊とさわちゃん隊はもう行っちゃったよ?」
澪「い、いや違うんだ唯!その3部隊はそのままでいい」
唯「…?」
和「何か策があるの澪?」
澪「う、うん…まぁ…」
730 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 20:08:17.49 ID:JZ9tkAteO
澪「(…この異様な静けさ…)」
澪「(きっと信長は小牧山城を守るように命じたと思う…)」
澪「(でも竹中は何か仕組んでる……城を守るだけじゃなく…)」
澪「(…ということは)」
策略安価+5
①城門を壊している律と梓の後ろを守る
②さわちゃんの後ろを守る
③城門を壊している律と梓の両翼を守る
④ごめん、なんでもない…
735 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/15(水) 20:11:09.49 ID:+nBpISrs0
3
740 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 20:20:48.36 ID:JZ9tkAteO
澪「梓と律の両翼を守ろう!」
憂「えっ?」
紬「澪ちゃん…」
澪「唯と憂は左翼を…私とムギと和は右翼を…」
唯「な…何で?」
和「ちょっと澪!!本気なの!?全く意味ないところを固めたって…!」
澪「…お願い和。信じて…」
和「…!」
唯「澪ちゃん…」
742 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 20:25:04.26 ID:JZ9tkAteO
唯「わかったよ澪ちゃん!!私あずにゃん達の左側面を守るね!!」
澪「…唯」
唯「私知ってるもん!澪ちゃんが毎日兵法書を黙読してるの!」
唯「今は澪ちゃんを信じる!」
和「…唯…」
和「分かったわ…私は律の右側を守ればいいのね?」
紬「任せて澪ちゃん♪」
澪「…あ、ありがとう」
さぁ、これがどうでるか……………
757 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 21:21:13.11 ID:JZ9tkAteO
どっかああぁぁん!!
大きな音とともに城門が揺れる。田井中律の隊が破壊槌を使った。先鋒である中野梓もそれに続く
律3000、梓1500、さわこ2000、唯3000、憂1000、和1500、紬1500、澪1500の合計15000で篭城する織田軍に攻撃を開始した
織田軍と平沢軍の最初の戦いである「小牧長久手の戦い」
律「いいか!!これは時間との勝負だからな!!できる限り早く城門を壊すんだ!!」
兵「おおおぉぉ!!!」
梓「(…すごい…律先輩……私も負けてられない!!)」
梓「破壊槌を前へっ!」
赤鎧を来た小さいセミロングの女武将は 高らかにそう叫んだ
763 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 21:28:49.15 ID:JZ9tkAteO
近くから聞こえるような、遠いから響くような平沢軍の兵の掛け声。所詮は無知の女どもだ。俺様の知略にはかなわない
竹中「始まりましたね……」
信包「…うぅ…!」ビクビク
天守にいた竹中は音だけ聞いて静かに呟いた
竹中「(精々城門を壊すことに必死になってろ雑魚共め…)」
竹中が信長から預かった兵の数は7000
この篭城は信長たち本隊が姉川から戻ってくるまでに守ればいい話。この数では十分それが可能だった
768 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 21:34:55.96 ID:JZ9tkAteO
だが比類無き頭脳を持つ天才軍師は ただ「守る」ということに退屈を感じた
信長の予想通り平沢軍は尾張に侵攻。間者から報告を受けた竹中は、ある策を思いついた
信包「うぅ…城門の前にたくさん…」ブルブル
竹中「安心して下さい…私の策があれば…」チラッ
竹中は天守から下を見下ろした。城門の前には律と梓の隊がいる
竹中「(…さぁ…見ていろ平沢唯よ…貴様が地獄に……ん?)」
竹中「……!!」
竹中はふと下の異変に気付いて驚いた
773 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 21:38:48.14 ID:JZ9tkAteO
竹中「あれは…」
実際に城門を壊しているのは真ん中の2部隊だけ。他の兵士達はその2部隊の側面を守るように、外側に向かって立っているだけだった
竹中「………」
信包「…?」
信包「ど、どうしたのだ半兵衛…」
竹中「え?…あ、いや…」
気が付けば天守から身を乗り出すようにして下の様子を伺っていた竹中
777 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 21:45:58.79 ID:JZ9tkAteO
竹中「……」チラッ
竹中「……くっく」
竹中「はーっはっはっはっ!!!!」
信包「…!?」
竹中「(やってくれるじゃないか平沢唯……どんな軍師か一度顔拝んでみたいもんだ…!)」
信包「……は、半兵衛…?」
竹中「ちょっと席を外します」スクッ
信包「あ、あぁ…気をつけて……」
779 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 21:49:26.10 ID:JZ9tkAteO
唯「…」
憂「…」
唯「…なんか、退屈だね憂」
憂「え?そ、そう?」
憂「(わたしはお姉ちゃんといられるだけで満足だけどなぁ…)」
唯「なんか…あずにゃんとりっちゃんだけに仕事任せてるってかんじがして……」
憂「あはは!…でもそんなことないよお姉ちゃん!」
唯「何で?」
784 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 21:52:03.70 ID:JZ9tkAteO
憂「澪さんの言ってた通り、これは『守る』という仕事なんだよ!」
唯「…う~ん」
憂「澪さん、絶対何か策があるんだよ♪」
唯「…そっかぁ」
憂「うん!」
唯「でも暇じゃ。暑いし」
憂「……」
因みにだいたい季節は7月です
785 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/15(水) 21:53:05.08 ID:2KUuE2FY0
唯「敵将、討ち取ったり!」カプッ
俺「うっ」ビクンビクン
787 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 21:58:35.54 ID:JZ9tkAteO
ピイィーーー♪♪
律「なんだ!?」
梓「…何コレ」
唯「…お?さわちゃん?」
憂「…いや…こんな音色は無かったような…」
和「…笛?」
紬「ジャガーさん?」
澪「(…なんかの合図か……)」
さわこ「Zzz」
791 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 22:03:33.97 ID:JZ9tkAteO
わあああああああああぁぁ!!!
その笛が聞こえたと同時に、律・梓隊の横から隠れていた織田の伏兵が飛び出してきた
唯「わっ!!なんか湧いてきた!」
憂「お姉ちゃん!!」
和「敵!?」
澪「(きた!)」
紬「こっちに近づいてくるわ!」
律「ん?何だ何だ?」
梓「…さ、さぁ」
さわこ「Zzz」
794 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 22:08:26.03 ID:JZ9tkAteO
唯「わぁ~!!3万人ほど来た~」アタフタ
憂「(ざっと3000人…!!)」
和「迎え撃つわよ!!」
紬「はい♪」
澪「ひいぃっ!(やっぱり敵は怖い!)」
両翼合わせて5000人ほどの伏兵が一気に平沢軍目掛けて飛び出してきたが、澪の知略によって竹中の策略を未然に防ぐ構えをしていた平沢軍には大したダメージもなく迎撃できた
806 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 22:19:06.99 ID:JZ9tkAteO
秀吉「(くっ…!バカな…読まれてただとぉ…!?)」
左の伏兵の将を務めた秀吉は少し焦りながらも突撃の合図をだした。それで揺らぐ唯・憂隊
(史実では姉川にいる)
敵「おらおらぁ!」ズバッ
なだれ込む秀吉の軍。軽く危機状態に陥った
唯「う、憂~!!」
憂「あ、お姉ちゃん!!!!!」くるっ
敵「大将見つけたなり!!」
唯「ひっ!」
敵「お命戴くなり!!」バッ
唯「ういぃぃぃぃ……!!」
憂「十年早ぇ!!!!」ドカッ
敵「ぴぎゃっ!!」ズサー
唯「あ、憂♪」
憂の見事なホースアタックで危機は回避できた。だがまだ唯・憂隊は押され気味であった
811 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 22:24:10.80 ID:JZ9tkAteO
林「いくでやんす!!」
佐久間「いっくぞおぉ!!」
迫り来る林・佐久間隊。左の秀吉隊より兵力は少ないが、それでも侮れなかった
和「くっ…」
澪「ひいいいぃぃぃ来るうぅぅ!!」ブルブル
林「突撃でやんすー!!」
佐久間「おらおらおらぁー!!よがっちまいなぁぁぁ!!」
わあああぁぁ…!!
紬「構えー♪」
中将「構え!!」
和「え?」
紬「撃てー♪」
中将「撃てぇ!!!」
バンバンバンバンバンバン!!!
澪「…は?」
815 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 22:28:48.45 ID:JZ9tkAteO
林・佐久間隊に怯む和・澪だったが……なんと紬隊は1000丁もの銃を横に二列並べて迎撃した
澪と和はあんぐりである
紬「きゃ♪当たったわねぇ」
中将「紬様!また来ます!」
紬「はいはい♪第二陣用意ー♪」
中将「第二陣用意!!」
ザザッ
紬「もうひとこえー♪」
中将「撃てぇ!!」
バンバンバンバンバンバン!!!!!!
819 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 22:37:48.61 ID:JZ9tkAteO
わあああぁぁ!!
律「な、なんか私たちの知らないところで戦が始まってるような…」
梓「もしかして敵の援軍が来たんじゃないんですか!?」
律「なに!?」
梓「なんか慌ただしいし…多分そうだと思います!」
律「なるほど…やっぱりそうだな!」
バンバンバン!!
その時城から火縄銃が放たれた
梓「きゃっ!!」
律「くっ!今頃反撃かよっ!」
律「一旦退くぞ!!唯隊と澪隊の援護が最優先だ!!」
梓「…はい!」
さわこ「Zzz」
821 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 22:40:32.06 ID:JZ9tkAteO
わあああぁぁ!!
梓「唯先輩!」
唯「あ、あずにゃんどうしてここに!?」
梓「助けに来ました!もう大丈夫ですよ」
唯「…!あずにゃんありがとう!!」
梓「先鋒の力見せてやるです!!」
赤鎧が特徴の梓隊は唯憂と合流。だんだん流れは平沢軍になってきた
824 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 22:47:29.65 ID:JZ9tkAteO
竹中「失敗………だと…?」
城の中で様子を見ていた竹中は驚愕というよりも呆然としながら佇んでいた
心配そうに見守る兵達。完璧な策略のはずだった。攻城戦は守るのが常。隙を見せてくることは頭の中でイメージできた
しかし結果は…
佐久間・林隊は紬鉄砲歩兵部隊の前に敗走。運良く2人とも城の中に逃げ込めたが戦力は確実に減った
秀吉の軍も最初は好戦していたが、梓隊に側面を突かれて崩れる。秀吉は憂隊に捕まった
828 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 22:52:26.71 ID:JZ9tkAteO
竹中「い、今城には何人残ってる!!」
部下「はっ!戻ってきた伏兵の数と合わせて4000とそこいらです」
竹中「……4000…」
竹中は焦っていた。この作戦は信長は知らない。 帰ってきてこのザマが知れたら殺されるかもしれないのだ
竹中「…わ、分かった……落ち着け…落ち着くんだ……はぁ…はぁ…」
竹中「平沢軍の兵力は…13000…とみよう。すると…我々が…」ブツブツ
佐久間「……」
林「……たけなか殿…」
830 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 22:56:07.04 ID:JZ9tkAteO
林「もう無茶は…」
竹中「う、うるさい……」
佐久間「信長様の帰りを待った方が…」
竹中「だまれ…だまれだまれ…!!」ガタガタ
佐久間「お、おい竹中…大丈夫か?」
竹中「黙れぇーーー!!!!!!!」
林&佐久間「…!」
竹中「い、いいかお前ら!!この失態はお前らの責任だからな!?俺の言うことをちゃんと聞かなかったお前らの責任なんだぞ!!?」
佐久間「なっ…!」
林「ひどいでやんす」
838 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 23:02:08.38 ID:JZ9tkAteO
竹中「とにかく!!こうなったら戻ってくるまで数日間!!何としてでも守り通せ!!分かったな!!!」
佐久間「………」
林「…わかったでやんす…」
竹中「……はぁ…くそ……はぁはぁ……何故だ…なぜ……」
竹中は完全にプライドが壊された
培ってきた知識をフル回転させて出来た完璧な策略が ピチピチ女子高生に破られたから当たり前ともいえるが…
末代の恥とは正にこのことである
843 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 23:08:26.24 ID:JZ9tkAteO
それから数日間平沢軍の怒涛の攻城戦が始まった
周りを完全に平沢軍で囲まれ、あらゆる手段で小牧山城を落としにかかった。織田軍は少ない火縄銃で抵抗を見せるも、逆に紬の鉄砲隊にやられるだけであった
そしてついに堅固な城門が壊された
侵入だけは許すまいと奮戦する織田軍。だが雪崩のようにくる平沢軍に疲れを見せ始めた
唯「落城も時間の問題だねっ♪」
その通りであった
847 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 23:15:34.48 ID:JZ9tkAteO
―――稲葉山付近
信長「…」パカラッパカラッ
柴田「信長様ぁ!!まさか本当に平沢軍が!?」パカラッパカラッ
信長「左様」パカラッ
柴田「わははは!!聞いたか光秀!!見事に罠にかかったぞ!!」パカラッ
光秀「(和殿…生きていればいいが…)」パカラッパカラッ
信長「くっくっ…何にせよ……」パカラッ
柴田「…?」パカラッ
信長「飛んで火にいる夏の虫とは正にこのことよ……」パカラッパカラッ
柴田「はーはっは!そうに違いありませんなぁ!!」パカラッパカラッ
前田「(叔父貴うっせぇ…)」パカラッパカラッ
850 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 23:19:14.94 ID:JZ9tkAteO
――小牧山付近
紬「お昼ご飯よー♪」
唯「わぁ~い♪」
律「やったー!」
梓「ちょ、ちょっと皆さん!!」
唯「ん?なぁにあずにゃん」ボリボリ
梓「いま攻城戦でみんな頑張ってるのにそんな呑気な…!!」
唯「まぁまぁあずにゃん♪」ボリボリ
律「梓……お前この言葉知らないのか?」
梓「へ?」
853 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 23:24:24.92 ID:JZ9tkAteO
律「腹が減っては…戦は出来ぬ…ってな」
梓「…」
唯「お腹が減ったら戦は出来ないってことだよあずにゃん!」
梓「…いや知ってますよ!馬鹿にしてんですか!?」
紬「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ…」
梓「ムギ先輩…」
紬「梓ちゃんも福神漬いかが?」ニコッ
梓「(ふ、福神漬!?)」
唯「ほらあずにゃん座って座って♪」
梓「………す、少しだけですよ」
律「…」ニヤリ
唯「…」ニヤリ
紬「…」ニヤリ
859 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 23:34:26.39 ID:JZ9tkAteO
――そして尾張
約15000の軍勢で姉川から小牧山城に帰ってきた織田軍。一向は小高い丘にいた
柴田「いやー!絶好の戦日和だな!!」
前田「いや…戦日和って…」
明智「…どうやら耐えてるようですね」
信長「…ふん」
明智「…被害は大きいようですが…」
信長「落城していなければ…それでよい」
信長「(……うぬは何を見る?)」
信長「(地獄に墜ちるか?平沢唯…)」
信長「光秀…奇襲をかけるぞ」
光秀「…!」
861 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 23:39:26.81 ID:JZ9tkAteO
「唯…」
誰…?
「唯…!」
誰かが呼んでる…
「唯ってば…!」
起きなきゃ…
「唯……」
「―――平沢唯!」
――――――――
唯「はっ!」
梓「あ…気が付いた」
唯「……はぁはぁ…(何いまの…)」
律「何飯食いながら気絶してんだよ!」
864 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 23:42:52.00 ID:JZ9tkAteO
唯「……」
梓「器用ですね…」
唯「……わ、私…」
律「ん?」
唯「…い、いや何でもない…」
どこかの寺が焼ける暗闇の中、誰かに呼び止められた気がした唯
唯「…うぅ」
梓「ん?」
律「どうしたんだ唯?」
唯「なんか…悪寒がする…」ゾクゾク
律「悪寒?風邪か?」
梓「うそ…馬鹿は何とかって昔から…」
唯「………(何これ……)」
866 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 23:48:39.21 ID:JZ9tkAteO
唯「(違う…!何かが迫ってくるような…!)」
ブオオォォォオオ…!!
その時、さわこのホラ貝ギターが鳴り響いた
律「……さわちゃん!?」スクッ
梓「…な、何でしょう…」
唯「………まさか」
さわこ「織田軍がきたわ!!!!!!」
律&梓&唯「……!」
868 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/15(水) 23:54:05.87 ID:JZ9tkAteO
小牧山の山腹から城下町を見下ろすと織田軍の騎馬隊がすごい勢いでこちらに向かっている
律「唯!!撤退だ!!帰ってきた!!」
唯「…信長」
梓「あ…あぁ…」ガクガク
律「梓!!何してるんだ!早く逃げるんだよ!!」
律「ムギ!!澪達にも早く伝えてくれ!!」
紬「分かったわ!」
唯「…く」
4人はみんながいる頂上向けて走った
そこではまだ、澪が指揮をとって攻城戦を続けていた
871 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 00:00:06.13 ID:YD04MQmWO
澪「何だって!?織田軍が来ただと!?」
律「すぐに止めさせて撤退するぞ!!」
澪「わ、わかった!!」
紬「(斎藤が…斎藤がいなかったから情報が伝わらなくてこんな事に……)」
ボオオオォン……!
和「…これは澪のホラ貝ベース…」
憂「…『撤退』の合図ですね」
裏口を固めていた和・憂隊も異変に気付いた
平沢軍は散り散りになりながらも撤退していった
唯「……あれ?」
唯「さわちゃんがいない……」
875 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 00:07:23.58 ID:YD04MQmWO
さわこ「……はぁ、はぁ!」タタタ…
織田軍の奇襲にいち早く気付いたさわこ。しかしみんなから一番離れており、もう織田の騎馬軍団が目に見えていた
さわこ「…くっ」くるっ
さわこ「…はぁはぁ」
逃げるのを諦めたのか さわこは城下町の方へ振り返った
さわこ「(……やるしかないわね…)」スッ
矛のようなものを手にとり、迎え撃つ姿勢になったさわこ
騎馬1「おっ!1人女がいるぜ?」
騎馬2「捕まえろ!平沢家の人間だ!」
名誉を欲っする鎧兜の騎馬武者2人が小牧山を駆け上り さわこを見つけた
882 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 00:11:41.57 ID:YD04MQmWO
さわこ「(…先生として、せめてもの償いは……みんなを逃がしてあげることね…)」
さわこ「……バイバイ…みんな…」スッ
騎馬2「ん…?」
さわこ「おらあああああぁぁぁあああ!!」ダダダダ…!
騎馬1&2「うわあああぁぁぁあああ!!!」
バキッドカッ
さわこ「……早く逃げなさい…」
887 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 00:17:35.45 ID:YD04MQmWO
さわこ「はっ!」ドカッ
兵士「うぐっ!」
さわこ「やっ!」バキッ
兵士「ぐわっ!」
矛を上手に操り、次々とくる織田軍の兵士達を倒していった
だが、小牧山城目指してどんどんやってくる織田軍。さわこは次第に疲弊していった
さわこ「はぁ…はぁ…」
兵士「やぁっ!」バッ
さわこ「…く!」ガキンッ
兵士「まだこいつ…!」
890 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 00:20:23.21 ID:YD04MQmWO
さわこ「……はぁ…はぁ…」
兵士2「おらぁ!」ドコッ
さわこ「がっ…!」フラ…
兵士3「いまだ!やっちまえ!!」
さわこ「…!!」
バキッ ドカッ ゴスッ
さわこ「………ぅ…」
最後は10人がかりの兵士がさわこを袋叩きにした
信長「……」
さわこ「……」
薄れゆく意識の中、信長の顔がうっすらと見えた
さわこ「……のぶ…な……」
信長「………」
信長「…連れてけ」
部下「はっ!」
897 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 00:31:29.67 ID:YD04MQmWO
――その頃平沢軍は
律「…なんだ…追撃が遅いな…」パカラッ
唯「……」パカラッパカラッ
澪「今はとりあえず沢庵城に帰ることだけを考えろ律!!」パカラッパカラッ
律「お…おう…」パカラッパカラッ
唯「(……さわちゃん…?どうしたの…?)」パカラッパカラッ
平沢軍は2000人ほど逃げ遅れた兵士がいたが、奇襲されてその数ではよく間に合った方である。これも騎馬を大量に配備していたからといえる
しかしながらこの平沢軍は完全に敗走状態
後に知ることになるが、浅井・朝倉も敗走したという
織田との熾烈な戦いは終わらない
唯の天下統一はなるのか
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