あらすじ
唯「天下とりたい」
この言葉から始まった壮絶な戦合戦。
激しい戦火の中、斉藤は行方不明。
さわこは拉致される…さてさて、戦国乱世のなか、
平沢軍のお殿様、平沢唯は天下を取れるのか…
第弐部の始まりはじまりぃ
カンカンカンカン…カカン!
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8 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 12:26:50.29 ID:YD04MQmWO
――前回のあらすじ
唯「天下とりたい」
澪「何寝ぼけてんですか殿は」
澪「小国の小大名のくせして生意気ですよ」
律「そうだぞ~唯。毎度ながら変な夢は捨てるもんだ」ボリボリ
唯「……あの~…りっちゃん?一応私お殿様なんだけどなぁ…」
律「ん?」
唯「寝そべってお菓子食べるの止めようね?ここ殿中だし」
律「ん~分かった」ボリボリ
唯「……」
弱小大名平沢家の二代目当主、平沢唯
彼女はひょんなことから天下への野望を夢見ていた
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/16(木) 12:27:48.61 ID:g+Gy8ipj0
まってた!
10 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 12:34:28.46 ID:YD04MQmWO
平沢家はもともと今川家に恭順していたが、1960年には浅井家と同盟を結ぶことに成功した
その後、桶狭間で敗れた今川家を見限って 織田家とも同盟を結んだ
京の二条城に行った際、和に会う。たくましく頭のよい和の加入は 平沢家にとっても心強かった
11 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 12:40:01.81 ID:YD04MQmWO
しかし信長は命令をきかない朝倉家に因縁をつけ、1570年に織田・徳川連合軍は一乗谷に侵攻を開始する
揺れる浅井家と平沢家。特に浅井家は朝倉家と古く結ばれていたため連合軍を背後から奇襲することに決めた
平沢家当主、平沢唯も和の進言に乗せられて朝倉家を助けることにした
いわばあの信長を裏切ったのだ
強力な騎馬軍団で一乗谷に向かう平沢軍
14 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 12:46:28.76 ID:YD04MQmWO
そこで平沢軍は信長には逃げられてたが、思いもよらぬ活躍をする
蜂須賀・丹羽・秀吉・梓といった織田家筆頭の武将を捕らえたのだ
蜂須賀・丹羽は首チョンパ。しかし秀吉には逃げられてしまった
秀吉を追う斎藤だったが、助けにきた徳川家の忍、服部半蔵の前に敗北した
16 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 12:53:52.91 ID:YD04MQmWO
黒い武将も首チョンパの刑にしようと考えた唯だったが、律が女じゃないかと言ったことから首チョンパは免れた
そして紬が女であることを匂いで確認すると、平沢唯は梓を仲間にしたいと言った
そして敵の先鋒を務めていた中野梓を仲間に引き入れる
こうして一乗谷の勝利は浅井・平沢連合軍に決まった
21 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 13:01:47.21 ID:YD04MQmWO
一乗谷で勝利した平沢軍だったが 朝倉義景、浅井長政、平沢唯により三者面談で三人は決裂
敗走する織田軍に追撃を図る長政と和。ピチピチギャルが好きな義景。その義景に変態行為をされる唯
唯は義景を平手打ちしてしまった
これで朝倉家と平沢家の同盟は泡となった
25 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 13:08:01.84 ID:YD04MQmWO
翌日、何の成果もなく一乗谷を出る平沢軍
斎藤の捜索も行ったが、斎藤と思われる血とその愛刀があった
一乗谷での戦いは勝利に終わったが、逆に織田信長を敵に回すことになった
29 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 13:13:32.79 ID:YD04MQmWO
斎藤も消え、秀吉にも逃げられ落胆する平沢家であったが 時代は止まってくれない
同年7月。信長は報復として織田徳川連合軍で一乗谷の侵攻を開始。迎え撃つは朝倉浅井連合軍。平沢家は選択を迫られていた
しかし浅井は同盟国だが朝倉は何の関係もない国
唯は逆に尾張(織田家)の侵攻を決めた
織田の本隊が朝倉に向かっている内に 尾張を乗っ取ろうという考えだ
30 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 13:18:10.55 ID:YD04MQmWO
初めての攻城戦。目標は天才軍師、竹中半兵衛がいる小牧山城
南蛮式破壊槌を使って猛攻をしかけたが、竹中は伏兵をもって平沢軍を叩こうとした
だが 平沢軍にも天才軍師はいた。秋山澪は知略を巡らせて 見事伏兵を予知した
その後は 平沢軍優勢のまま攻城戦が続いた……
だが 信長本隊が戻ってきたことで事態を急変する
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/16(木) 13:22:34.44 ID:FPj+AxfjO
なんか斎藤かわいいなおいwwwww
32 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 13:26:50.79 ID:YD04MQmWO
情報担当の斎藤がいなくなったことで本隊が戻ってきたことに気付かなかったのだ
信長の奇襲に慌てて撤退する平沢軍
逃げ遅れた兵士たちはみな殺されてしまった
さわこは1人残って本隊を食い止めようと奮戦するが 捕らえられてしまった
平沢軍の大敗北。これで信長は間違いなく美濃に侵攻することになった
斎藤もいなくなり、さわこが捕らえられてしまった平沢軍
そして物語はそこから始まる
107 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 21:04:02.10 ID:YD04MQmWO
――沢庵城
律「……」
澪「……」
みんながみんな、肩を落としていた
梓「……」
紬「……」
和「……」
本隊がいない間に尾張を叩くという作戦は信長に筒抜けであった
110 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 21:09:20.83 ID:YD04MQmWO
憂「……」
唯「……」
逆にその作戦を利用され、背後を奇襲された。信長本隊の戻りは思ったよりもずっと早かったのだ
秀吉「……」
秀吉「(…何で儂まで)」
不幸中の幸いなのは 織田軍が追撃に来ないこと。いま平沢軍は奇襲で多数の死傷者を出し、士気も低い
総戦力で叩けば 平沢軍が負けるのも目に見えていた
秀吉「……」
だが3日経ってもこなかったのだ
111 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 21:14:35.35 ID:YD04MQmWO
そして自ら参謀長と名乗る山中さわこが捕らわれたのだ。いざとなれば頼りになる人物。さわこが消えて平沢家はまた一段と静かになった
律「と、とりあえずさ…」
憂「…!」
みんなが顔を上げた
律「…猿…どうする?」
秀吉「…!」
唯「あ…そういえばそのままだったね~」
紬「…斎藤のことは喋らないし、無用よこんなやつ」
秀吉「ち、違う!儂ぁ本当に知らんのだ!!」
紬「……」
114 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 21:18:30.20 ID:YD04MQmWO
和「……」
秀吉「(…だ、だめだ…完全に疑われとる…!本当にどこに行ったかは知らんのに…)」アタフタ
唯「…どうしよっかな」
秀吉「た、頼む!唯様!信じてくれぇ!!」ガバッ
唯「きゃっ!」
秀吉「お願いじゃぁ!儂はまだ死にたくない!!」
憂「お姉ちゃんに触るなっ!!」ペシンッ
秀吉「ぴぎゃぁっ!!」ズザー
唯「…猿」
119 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 21:23:53.99 ID:YD04MQmWO
梓「……」
秀吉「…はっ!」
梓「…!(うわっ…目が合った…)」ビクッ
秀吉「梓ぁ~!儂は織田家にきたお前を可愛がってやったよなぁ!?お前ならわかってくれるはずじゃ~!」シクシク
秀吉は梓の太ももに顔をうずめながら泣いた
梓「ひいぃぃぃ!!」ゾクゾク
紬「やめなさい!!」ピシャンッ
秀吉「おはぎっ!」ズザー
和「(なんか…生への執着心がすごいわね…)」
125 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 21:29:03.80 ID:YD04MQmWO
律「…なぁ秀吉」
秀吉「…はっ!何でしょうか!」ガバッ
律「…何でお前すぐ捕まってしまうん?」
秀吉「…ぅ」
律「……」
律「…まぁ私は別にいいんだけどさ…唯が決めることだし…」
秀吉「律様ぁ!」
律「…だけど」
律「斎藤の身になんかあったら只じゃ済まねーからな…」ギリ
秀吉「…ひっ」
紬「……」
澪「…ゆ、唯!」
唯「はい?」
127 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 21:32:31.39 ID:YD04MQmWO
澪「秀吉の処遇…どうするの?」
憂「…お姉ちゃん」
唯「……うん。分かってるよ憂」
律「………」
唯「…猿…」
秀吉「…は、はいぃぃぃ!!!」
安価+4
①「お前は今日から、モンチーだ!!」
②「首チョンパ」
③「猿は山に返そう」
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/16(木) 21:33:44.56 ID:hjLLrkPa0
1
137 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 21:38:25.57 ID:YD04MQmWO
唯「今日からあだなはモンチーね♪」
秀吉「…へ」
憂「お姉ちゃんっ!?」
和「唯!?」
唯「…やっぱり私…いくら敵でも殺すなんて出来ないよ…」
澪「……」
秀吉「ゆ、唯様……!!」プルプル
律「唯、マジでか?」
唯「んだ!」
律「…そっか」
142 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 21:42:27.38 ID:YD04MQmWO
律「…」ジロッ
秀吉「…ひっ」ビクッ
律「よろしくな秀吉。…今日から仲間だ!」
秀吉「…!」
澪「…り、律がそういうなら私も…」
秀吉「…え?」くるっ
唯「うんうん♪」
梓「これからは敬語使って下さいよ、猿」
秀吉「あ、梓………さん…」
律「(こいつプライドないな)」
144 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 21:44:44.71 ID:YD04MQmWO
和「…はぁ……どうなっても知らないわよ…唯」
唯「大丈夫!モンチーは裏切ったりしないもんち!」
憂「…お姉ちゃん」
憂「分かった!お姉ちゃんが信じるなら私も信じる!」
唯「憂!!」
秀吉「う、お憂殿…」
紬「……」
150 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 21:52:11.94 ID:YD04MQmWO
澪「…ムギ」
紬「……(男なんて…!)」プイッ
唯「…ムギちゃん」
紬「……(猿なんて…!)」プイッ
秀吉「…ぁ…と…」
紬「…(…やです!)」プルプル
律「焦れったいぞムギ!!ほらドーンと♪」ドンッ
紬「え…?」グラッ
澪「あ」
秀吉「わっ!!」ドザッ
ムニュッ
紬「……!////」
秀吉「あ…こ、これは…///」
唯「ほぅ…」
き ゃ ああ ぁ あ あ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !!
157 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 21:55:39.02 ID:YD04MQmWO
紬「…シクシク」
唯「ムギちゃん泣かないで…」
律「秀吉も大胆だな~!!男嫌いのムギの●触るなんて」
澪「お前のせいだろ!!」ゴンッ
秀吉「…ぁ…うぅ……痛ぃ……」
こうして秀吉は仲間になった
新たな仲間。平沢家は少しだけ悲しみを紛らすことが出来た
161 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 22:02:38.19 ID:YD04MQmWO
秀吉「いたっ!」
梓「もう~動かないで下さいよ~。手当て出来ないじゃないですか」
秀吉「うぅ…梓が乱暴にやるから…」
梓「…梓?」ピタリ
秀吉「い…いや……梓…さん…」
梓「それでいいです」
秀吉「(うぅ…こんなのって…)」
梓は優越感に浸っていた。自分より弱い人間が出来て心底嬉しかったのだ
唯「さて!!モンチーも仲間になったことだし…!」
和「評定ね」
164 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 22:06:59.88 ID:YD04MQmWO
澪「あ、そうだ!唯!!上杉に援軍送ってもらったらどうだ!?」
律「(いっ!?)」
梓「あ、いいですねそれ♪」
唯「へ?何で上杉?」
律「(…や、ヤバ…!!)」
澪「な…何でって…上杉は」
律「よ、よーし唯!!!そうと分かれば上杉家に行こうぜ!」
唯「え?」
律「ほら早く~♪早く~♪」
唯「え?え?」
167 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 22:13:49.91 ID:YD04MQmWO
律「(ヤバいぞヤバいぞ……いくら説得するためとはいえ…嘘ついたのがバレたら…)」
………
……
…
梓『最低ですっ!やっぱり福神漬の方が美味しいです!!』
律『そ、そんな!』
梓『さようなら!沢庵によろしく言っておいて下さい!!眉毛黄色すぎって!!』スタスタ
律『ま、待ってくれ梓~!!』
律『……行ってしまった…』
澪『…』ユラリ
律『ん?…あぁ!澪!残ってくれたのか!』
澪『…すまんなリツ。儂はお前を殴らなあかん』ポキポキ
律『へ?』
澪『ふんっ!』バキッ!ドコッ!デコッ!グサッ!ドスッ!
きゃああああぁぁぁぁぁあああ……
169 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 22:16:43.27 ID:YD04MQmWO
律「みたいなことが…!!」ブルブル
唯「ちょっとりっちゃん?どうしたの?いきなり廊下に出て…」
律「…はっ!い、いや何でもないんだあはは……」
唯「…?なら部屋に戻るよ?」
律「いや!何でもなくない!!実は唯に頼みがあるんだ!!」
唯「ん?なぁに?」
171 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 22:25:03.27 ID:YD04MQmWO
律「い、一緒に越後まで来てくれないか!」バッ
唯「へ?」
律「お願いだ!ワケは後で話すから!」
唯「で、でも織田軍が…」
律「大丈夫!すぐ戻るから!!」
唯「う、う~ん…」
唯「(…りっちゃんがこんなに頭下げるなんて……)」
唯「(やっと私を敬いはじめたのかな?)」
唯「……よし」
安価+4
①ついてくよりっちゃん!!
②嫌だ家出たくない
175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/16(木) 22:26:16.16 ID:pxEMZCFS0
1
180 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 22:31:49.76 ID:YD04MQmWO
唯「ついてくよりっちゃん!!」
律「…ホントか!?」
唯「うん♪りっちゃんの頼みとあっちゃぁ断れないもん!」
律「あ、ありがとう!!じゃあ早速行く準備しようぜ!」
唯「え?今から?」
律「当たり前だろ?時間無いんだ!」
律「私はムギ呼んでくる!用意出来たら城門で待ち合わせな!」タタタ…
唯「……」
唯「まぁいっか…」
182 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 22:36:26.76 ID:YD04MQmWO
―――そして
律「いや~助かった助かった!」
唯「まさかそんなことがあったなんて…」
紬「でもどうして上杉家なの?」
律「いや~~…強い大名家探してたら自然に出てきてさー」
唯「ベタやなー」
律「う、うるさい!お前に言われたくないわ!」
唯「ベタ子さん♪」
紬「でもちょうどいいかも知れないわね♪織田に圧力をかけられるし♪」
律「だろー?」
185 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 22:44:49.77 ID:YD04MQmWO
唯「でもりっちゃん。必ず会盟出来るとは限らないよ?」
律「へへーん!!こっちにはムギがいるもんねー!」ガシッ
紬「きゃ♪」
唯「おぉ!なるほど!だからムギちゃんを!」
律「まぁいずれにせよ対織田に備えて上杉か武田とは組むべきだしな!」
紬「心強いです♪」
唯「じゃあ急ごうよ!織田が美濃に侵攻してくる前に!」
律「そうだな…早く同盟結んで…早く帰らないとな!!」
それから3人は急いで上杉家のある越後へと向かった
198 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 23:10:56.95 ID:YD04MQmWO
謙信「なに?平沢家の者だと?」
直江景綱「はい。是非とも謙信様に会いたいと」
謙信「使いの者か?」
景綱「いえ…当主自らと家臣が…」
謙信「…自らだと?」
謙信「はっはっは!!これは面白い!いいぞ通せ!」
景綱「はっ」
204 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 23:18:51.06 ID:YD04MQmWO
景綱「どうぞ」ガララッ
唯「おじゃましま~す…」
謙信「…ふっ…よく来たな」
律「唯!自分の城じゃないんだからあぐらかくなよ!」ヒソヒソッ
唯「なっ!そんなことしないよ!りっちゃんこそここでお菓子なんか食べないでね?」ヒソヒソッ
謙信「……お、おい」
律「わ、私は城で菓子なんか食べないもん!」
唯「私だってあぐらなんかかかないもんち!」
謙信「…バカな…この私を無視だと…!?」
景綱「(これが平沢家当主…!侮れん!!)」
208 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 23:24:28.37 ID:YD04MQmWO
紬「……」
紬「…あのーみなさん」
律&唯「ん?」
紬「謙信様が呼んでますよ?」
唯「はっ!そうだった!」
謙信「……」
唯「謙信公うぃーす!!」
謙信&律&紬&景綱「…!!」
律「ゆ…唯のアホーッ!!」バンッ
唯「え…な、なんで?挨拶しただけなのに…」
律「言い方ってもんがあるだろ!!」
212 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 23:27:50.83 ID:YD04MQmWO
謙信「(う…うぃーすだと…バカな…今まで私にそんな言葉使いをするやつが…)」ワナワナ
紬「ごめんなさい謙信様……この当主ちょっと変なの」
唯「おぃ」
謙信「……」プルプル
律「…あ…謙信さん?」
謙信「こんなんじゃダメですーっ!!」
唯「わっ!」
景綱「うわー!!またキレてしまった!!」
215 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 23:34:45.40 ID:YD04MQmWO
―――――――
謙信「…ごほん」
唯「……」
謙信「えーと……先ほどはすまなかったな。取り乱してしまった」
紬「い、いえ」
律「なんかよく見ると澪に似てるな…」ヒソヒソッ
唯「ホントに男なの?…私たちと同じくらいの背だし…」ヒソヒソッ
謙信「3人ともよく春日山城にきた。私は上杉謙信。上杉家の当主だ」
224 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 23:45:24.74 ID:YD04MQmWO
謙信「…して、どちらが当主かな?」
唯「はーい!はーいはーい!」
謙信「…わ、分かった。それで平沢家が我々に何のようだ?」
唯「え?あー…えーと……ムギちゃん!」
紬「実は上杉家と同盟を結びたいと思ってやって来ました」
謙信「同盟…だと?」
紬「越後の虎と言われる謙信様も、信濃の龍には手を焼いているそうで……」
謙信「…!」
紬「この戦乱の世、協力していくのが常じゃなくて?」ニコッ
謙信「……なるほど。だが平沢家に頼らずしも我々には佐竹家など強力な同盟者がいる」
謙信「…平沢家と組んで我々にいいことでもあるのか?」
紬「……」
230 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 23:50:48.75 ID:YD04MQmWO
謙信「聞けば唯殿よ。織田軍に大敗北を喫したそうじゃないか。もしや我々を盾に利用するつもりか?」
律「(くっ…見透かされてる……)」
唯「……」
紬「……織田も上洛するのには邪魔な敵になるはずです」
謙信「残念ながら上洛の意志は一切ない。越後が安泰ならそれで満足だ」
紬「………」
紬「(仕方ないわね…)」ふぅっ
外交安価+5
①帰る!
②圧力をかける
③沢庵で買収
235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/16(木) 23:52:01.14 ID:/9uvofgG0
3
244 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/16(木) 23:58:32.30 ID:YD04MQmWO
紬「ちょっと失礼……」
謙信「…?」
紬はそう言うと背負っていた風呂敷を謙信の目の前に広げた
景綱「こ、これは…!」
謙信「大判の山…!!いや沢庵か…なんだ」
紬「この沢庵…美味しそうでしょ?」ニコッ
謙信「い、いや別に…(てゆうか風呂敷に包むなよ…)」
紬「食べたいでしょ?」
謙信「い、いやいらない…」
紬「でも本当は?」
謙信「本当に結構です…」
紬「……」
250 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 00:03:49.88 ID:xN2WZbwpO
唯「えー?この沢庵美味しいのになぁ…」ヒョイッ
律「あ!それ土産もんなのに…!」
唯「んまんま♪」
謙信「……」
唯「謙ちゃんも食べてみなよ。美味しいから♪」
謙信「け、謙ちゃんだと!?女らしい呼び方で…」
唯「えい!」
謙信「むぐっ」
紬「…食べた!」
謙信「あ。おいし…」もぐもぐ
254 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 00:08:26.87 ID:xN2WZbwpO
律「ん?何だって?」ニヤニヤ
謙信「はっ!」
謙信「お…惜しいっ!!」
律「何が!?」
唯「うーん…気に入らなかったかぁ」ヒョイッ
謙信「あ…」
謙信「……」じー
唯「…!」
唯「同盟……してくれるかな?」
謙信「い、いいとも!」
景綱「と…殿…」
律「ぃよしっ」ブイッ
紬「はい♪」ブイッ
260 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 00:14:36.02 ID:xN2WZbwpO
紬「じゃあここにサイン貰えるかしら♪」
謙信「は、はい…」
唯「困った時はお互い様だよ謙ちゃん♪」
謙信「……」モジモジ
唯「ん?どうしたの謙ちゃん」
謙信「…ま、また沢庵持ってきてくれますか?///」
唯「もちろん♪ね、ムギちゃん!」
紬「えぇ♪」
律「よーし!上杉家と会盟出来たことだし、美濃に帰るとするか!」
1970年。平沢家と上杉家が同盟を結んだ。この同盟は以後の平沢家に大きな影響を与えることとなる
斎藤「……」スタスタ
ガララッ
斎藤「…殿。よろしいですか?」
267 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 00:19:33.43 ID:xN2WZbwpO
謙信「ん?斎藤か…ちょっと待ってくれ」
紬「…!!」くるっ
斎藤「はっ」
唯「え!?」くるっ
律「斎藤!?」くるっ
障子を開けたのはあの斎藤であった。懐かしい声。3人はすぐさま振り返った
斎藤「…ん?」
ふと顔を上げる斎藤。そこには涙を目に溜めた紬が立っていた
274 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 00:27:23.11 ID:xN2WZbwpO
斎藤「お…お嬢様…」
紬「……さ、さい…とう……」
唯「…」
律「…」
紬「うわああぁぁぁああ……!!」ダキッ
斎藤「…!」
紬は斎藤に抱きついた。少し驚き、よろめく斎藤。だが そのまま紬を抱きしめた
唯「……斎藤…!」
律「心配かけやがって…!」
唯も律もたまらず斎藤に抱きついた
謙信「…よしっ!紬殿、サイン書いたぞ!」
謙信「…ん?」
謙信「…知り合いだったのか?」
景綱「…どうやら…斎藤は平沢家の家臣だったようですな…」
279 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 00:33:30.91 ID:xN2WZbwpO
唯「どうして!どうして斎藤が春日山城にいるの!?」
斎藤「あ…いえ…」
律「納得出来る話するまで離さないからなっ!!ムギを泣かせたんだ!」
斎藤「その…」
紬「………」
謙信「私が3ヶ月だけ上杉家にいてくれって頼んだんだよ」
唯&律「!!」くるっ
斎藤「と…殿…」
唯「な、何で…?」
謙信「…すまないな唯殿。どうしても斎藤が必要だったんだ」
288 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 00:47:15.85 ID:xN2WZbwpO
謙信「…斎藤を見つけたのは私の部下」
景綱「柿崎のやつですね?」
謙信「あぁ。その柿崎は京の帰りにたまたま一乗谷によったら、そこに1人の男が倒れていた」
律「あ…」
謙信「辺りはもう暗く戦は終わっていたが、一乗谷で戦が起こったことはヤツも理解していた………この男も時代の渦に巻き込まれた哀れな兵…そう思ったらしい」
謙信「だが斎藤は生きていた。ヤツは普段そういうことはしないのだが、斎藤に何かを感じたのだろう」
謙信「応急手当てをした後、自分の馬に乗せて越後まで連れてきたんだ」
唯「……」
294 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 00:58:25.07 ID:xN2WZbwpO
謙信「斎藤には驚かされたよ…」
謙信「情報収集・伝達の速さ…幾多の暗殺術…そして絶対的な忠誠…。…これが忍びかと…私は心底驚いた」
紬「……」
謙信「そして傷も完全に癒えた斎藤は、美濃に帰りたいと言った」
唯「…え、でも」
謙信「だが私は首を縦に振らなかった。斎藤の能力を上杉で使いたかったのだ…どうしても」
斎藤「…殿」
297 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 01:04:50.57 ID:xN2WZbwpO
謙信「今もだが、私は信玄と争ってる…。情報収集に長けたヤツが欲しかった」
唯「(信玄……北条ね……)」
謙信「だから3ヶ月上杉の家臣としていてくれと無理に頼んだのだ」
謙信「…斎藤は悩んだ素振りを見せたが、快諾してくれた。一乗谷で助けた恩義を報いるつもりだったのかもな」
律「…なるほど」
謙信「…すまなかったな唯殿。そして斎藤」
唯「……」
斎藤「…」
謙信「斎藤。まだ約束の3ヶ月は経ってないが、帰る時が来たようだな。主君のお迎えだ」
301 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 01:14:10.87 ID:xN2WZbwpO
斎藤「……!」
紬「斎藤…」
斎藤「……謙信様。助けて戴いた御恩は一生忘れません…」
謙信「……」
律「…」
斎藤「私は…!一生涯平沢家の家臣でございます故…!」プルプル
唯「斎藤…!」
謙信「……ああ」ニコリ
斎藤「ありがとう…ございます!!」ペコリ
紬「…斎藤ぉ」グスッ
謙信「……」
謙信「ごめんなさい…こんな時どんな顔したらいいかわからないの…」
景綱「笑えばいいと思うよ」
律「めでたしめでたしだな!!」
310 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 01:21:35.25 ID:xN2WZbwpO
それから唯・律・紬は春日山城に1日泊まった。そのため、旅立ちは早朝になった
景綱「忘れ物はないですか?」
唯「大丈夫!」
謙信「……忘れ者は?」
唯「…!」
唯「大丈夫♪」ギュッ
斎藤「わっ…ゆ、唯様…」
謙信「……ふっ」
謙信「…今日から我々上杉家と平沢家はともに同盟国だ」
唯「うん♪」
謙信「…織田にいじめられたら連絡してくれ。すぐ助けに馳せ参る」
唯「わぁ…!」
紬「頼もしいです♪」
311 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 01:27:23.36 ID:xN2WZbwpO
律「(…やっぱりあの時上杉って言ってよかったかもな…!)」ニコッ
直江兼続「ねーねーお姉ちゃーん!」ツンツン
律「お……ってうわっ!!ガキかよ…」
兼続「お姉ちゃんデコ広いねー」
律「んぁ?何だって…?」ピクッ
兼続「そのデコに何が詰まってるの?」
律「…(このガキむかつくな……でも私は大人だから……)」
律「愛だよ」
兼続「へ?」
律「このデコには愛が詰まってるんだよ愛が」
兼続「愛…?」
律「そ!愛がデコに満ちてるのさ!ガキはもう少し大人になったら分かるかもな!」
315 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 01:29:55.09 ID:xN2WZbwpO
兼続「(愛……)」
律「でも」
兼続「…ん?」
律「可愛い乙女にそんなこと言っちゃダメだぞー♪」ゴンッ
兼続「いたっ!!」
律「(あー怒りがおさまった)」
兼続「な、何すんだよ急に!!」
律「ん?……あぁこれは愛の拳だ」
兼続「…はぁ?」
320 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 01:37:16.16 ID:xN2WZbwpO
紬「りっちゃん~もう行くわよ~♪」
律「お…!」
律「じゃあな坊主!次会った時デコって言ったらデコピンだからなっ!」くるっ
兼続「う…暴力女だ…」
謙信「じゃあ道中気をつけてな」
唯「うん♪またいつか枕投げしようね謙ちゃん♪」
景綱「…枕投げ?」
謙信「な…何バカ言ってるんだお前は!!早く行け!///」カアァ
唯「えへへー♪またねー♪」
斎藤「……」ペコリ
謙信「またな斎藤。元気でな」
斎藤「殿も元気で…」
322 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 01:40:48.11 ID:xN2WZbwpO
紬「昨日の枕投げ楽しかったわねー♪」
唯「りっちゃんせこかったよね~」
律「う、うるへっ!」
斎藤「唯様…前方に……」
唯「ん?」
斎藤「木が」
唯「ぎゃぷっ!」
謙信「………」
景綱「………」
兼続「………」
去り行く4人を見守りながら謙信は微笑んだ
323 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 01:48:53.30 ID:xN2WZbwpO
謙信「…いい家臣を持ったな…平沢唯」
景綱「…?」
謙信「私にもあれくらいの忠誠心をもった家臣が欲しいものだ」チラッ
景綱「…!」
景綱「わ、私はいつでも殿の傍に…!!」
謙信「ははっ、分かってるよ景綱。ちょっとした冗談だ」
景綱「……」
兼続「…それにしても変な人達だったな~」
謙信「あぁ…変な人達だ…。だが…」
兼続「?」
謙信「(不思議な何かを持っている………我々にはない何かを…)」
謙信「…さて…今日も1日が始まる。景綱!飯だ!」くるっ
景綱「…は、はい!」
見事上杉家との同盟に成功した唯達。だが道程は険しく続く……
ガンバレ平沢!!負けるな軽音!!
424 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 20:21:15.38 ID:xN2WZbwpO
――沢庵城
秀吉「よいではないか~!よいではないか~!」
澪「…嫌っ!止めて!」ジタバタ
秀吉「ちっ…面倒臭いな…」
秀吉「観念せぃっ!!」バッ
澪「きゃあぁ!///」
秀吉「へへへ…!お主もまんざらではないみたいじゃの」
澪「ち…違います!!//」
秀吉「ふふ…これからお主の検地を行う!」
澪「いやああぁぁぁぁ…!!!」
紬「……」ガラッ
澪&秀吉「!!」
429 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 20:25:10.80 ID:xN2WZbwpO
紬「……」
澪「…ムギ…」
秀吉「…い、いや…これは…その…」アタフタ
紬「……」
秀吉「す…すきんしっぷぅというもので…」
紬「構え」サッ
中将「構えぇい!!」
秀吉「…ひっ」ビクッ
紬「撃て」
秀吉「!!」
秀吉「うわあああぁぁあ………!!」
バンバンババンッ
434 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 20:30:28.28 ID:xN2WZbwpO
秀吉「…う…うぅ…撃たれた…背中撃たれた……」シクシク
澪「……」
唯「澪ちゃぁん♪」ヒョコッ
澪「…はっ」くるっ
澪「唯!!それにムギも!何処行ってたんだよぉ!」
唯「久しぶり~♪」
紬「なんとか間に合いました♪」
障子から顔を出した唯と紬に近寄る澪
律「ちょっとなー♪」
澪「り…律も…」
律「…実はさ」
澪「…ん?」
律「…」クイッ
澪は律の視線の先に目を向けた。そこに立っていたのは―――
437 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 20:34:56.26 ID:xN2WZbwpO
斎藤「お久しぶり振りです。澪様」
澪「さ、斎藤さん…」
斎藤「ご迷惑をおかけしました」
澪「…どうして」
唯「上杉家でお世話になっていたんだよ♪」
澪「上杉に…?」
澪「あれ?ということは越後まで行ってたのか?」
紬「はい♪」
澪「…な、なるほど…だからか」
秀吉「(…儂はシカトかよ……)」
439 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 20:38:57.94 ID:xN2WZbwpO
澪「とりあえずおかえりなさい!さ、斎藤さん!//」
斎藤「……!」
律「?どうしたんだよ斎藤?」
斎藤「あ…いえ……ただいまでございます」ペコリ
唯「…えへへ。斎藤が戻ってきて本当によかった…」
紬「…えぇ」
斎藤「ところで紬お嬢様」
紬「なぁに?」
斎藤「何故…猿のやつがここに?」
秀吉「…!」ビクッ
441 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 20:41:34.82 ID:xN2WZbwpO
澪「…そっか…斎藤さん2ヶ月ほどいなかったから分からないんだよね」
斎藤「…すみません」
律「さわちゃんのこととかあったしな…。じゃあ斎藤のたもにあれからのいきさつを話すか」
唯「うん♪」
斎藤「ありがとうございます」
秀吉「……」
442 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 20:46:20.02 ID:xN2WZbwpO
――――――――
斎藤「なるほど…そんなことが」
律「さわちゃんは私達を逃がすために1人で立ち向かったんだ…」
澪「…でも結果は大敗。大きな損害を被りました」
唯「でも私達も秀吉を捕らえたんだ♪」
律「んで結局仲間になったわけ!」
斎藤「……そうですか」
斎藤「…」チラッ
秀吉「…いたっ!」ズキッ
和「これくらい我慢しなさい!男でしょ!?」
秀吉「うぅ…」
斎藤「……猿」
秀吉「…え?あ、はい!何でございますか閣下!!」
445 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 20:51:06.75 ID:xN2WZbwpO
斎藤「唯様のご意向とあれば、私は何も言わない…」
唯「私?」
斎藤「だが、もし平沢家に刃向かうような真似をしたら…」
秀吉「……」ゴクリ
斎藤「地獄の果てまで貴様を追いかけ必ずや刀の錆にしてくれよう」ギロリ
秀吉「……!」
秀吉「…は、はは…斎藤様もなかなか怖いですな…」
唯「よかったー♪モンチーと斎藤が仲直りしたよ~♪」
梓「ちょっと違うような気もしますけど…」
律「まぁいいんじゃないか?」
紬「えぇ♪」ニコッ
451 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 21:06:32.21 ID:xN2WZbwpO
1570年。9月
沢庵城の城下町にて
聡「~♪」テクテク
聡「(最近また美濃に帰ってきたが…ここも変わったな…。前は沢庵ばかりだったのに…)」
聡「(姉ちゃん…怒ってるかな…。いきなり田井中家を出奔してしまっただもんな…)」
聡「まぁいいか!団子でも食おう」スタスタ
聡「~♪」
街を闊歩するかぶき者。周囲の目は自然に聡に向けられた
聡が持っている大槍の恐れか。それとも異様な格好をした聡への興味か。いずれにせよ 聡にとってこの視線は嬉しいものではなかった
454 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 21:10:42.82 ID:xN2WZbwpO
――城下町
梓「いっつも遊んでばっかりで不安だったけど、やっぱりちゃんと軍備は揃えるんですねっ!」
律「はは」
梓「ところで何を買いに行くんですか?(火縄銃かな)」
澪「あーー…」
律「呉服だよ?」
梓「(軍備じゃない!!)」ガーン
458 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 21:16:24.32 ID:xN2WZbwpO
梓「どうせこんなことだろうと思ってました…」
律「別に全額服に使うわけじゃないよ?」
梓「信用できないですっ!」
澪「まぁ息抜きも必要だから…(実は私も呉服欲しい…しまむらはもう嫌だ…)」
梓「そうですよねっ!!」
澪「よしよし♪」
律「(…このさみしさは何だろう)」
聡「うまい♪うまいなこの団子!」モグモグ
店員「…あ、ありがとうございます…」オドオド
律「…ん?」
462 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 21:26:02.26 ID:xN2WZbwpO
聡「…何より沢庵を使ってないところが……ん?」モグモグ
律「……聡」
聡「………姉ちゃん!?」
律「お前…今までどこに…」プルプル
聡「(…や、ヤバい)」
聡「…っ!」ダッ
律「あっ!」
店員「お客様~!!お代を~!!」
聡「またあとで払いますから~!!」ダダダ!
468 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 21:35:09.07 ID:xN2WZbwpO
律「くっ!逃がすかよ!」
澪「律?」
梓「何やってんですか?」
律「…!!」くるっ
梓「…?」
律「(…キミに決めたっ!!)」
律「梓…すまんな…」ガシッ
そういうと律は軽い梓を持ち上げた
梓「へ?へ?」
471 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 21:43:18.57 ID:xN2WZbwpO
律「くらえー!!」
澪「り、律!?」
梓「え?ちょ、ちょっと律せんぱ…」
律「どりゃあああぁあ!!!!」ブンッ
梓「きゃあああああぁぁぁぁぁぁああ!!!!!!」
梓は飛んだ。人が賑わう商店街の中、まっすぐ聡だけを目指して
梓「どいてええぇぇぇぇぇ!!」
聡「…わっ!!うわあああぁぁあ!!!」
梓「きゃあああああぁぁぁぁぁぁああ!!」
ドーーン!!
476 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 21:51:03.54 ID:xN2WZbwpO
聡「ご…ごめんなさい」
律「ごめんなさいじゃないだろ!!勝手に家を出て!」
梓「……」プシュウゥ
澪「だ、大丈夫か梓?」
律「聞けば妙蓮寺で開かれた連歌の会に『似生』の号で参加しているらしいじゃないか!!」
聡「うっ…どうしてそれを…」
律「前に斎藤が調べてくれたんだよっ!こんな時に連歌なんて…主家の平沢家がどんな状況か分かってるのか!?」
聡「……」
律「ホント!姉として情けないよ全く!!」
かぶき姿の聡が土下座して、女の律に説教されている。周囲は異様なものを見るかのような目で見ていた
澪「(…あぁこんな街中で……みんな見てるよ律…)」
478 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 21:58:31.07 ID:xN2WZbwpO
律「全く…堺の女の子に見せてやりたいぜっ!」
聡「うっ…それだけはご勘弁を…」
澪「り…律?ここじゃああれだし…どこか違うところで話さない?」
律「へ?」
澪「ほら…町人もみんな見てるし…」
町人「やぁねぇ」ヒソヒソ
町人「近頃の若いものは…」ヒソヒソ
律「……」
澪「梓は真っ赤になって気絶したし…」
梓「…あ……ぁ…///」プシュウゥ
律「そ、そうだな…」
律「よし聡!沢庵城までついてこい!」
聡「えぇっ!?」
482 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 22:07:10.81 ID:xN2WZbwpO
聡「沢庵城って…何で!?」
律「これを機に平沢家に召し出すんだよ!唯に会わせる!」
聡「えぇ!?やだよそんなの!俺家臣になんかなりたくないよ!」
律「いいから来い!!」ガシッ
聡「うわぁ~ん!助けてよ~~」ズルズル
澪「……」
澪「…相変わらずだな…聡君も…」
澪「…梓連れてくか…」
484 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 22:12:53.44 ID:xN2WZbwpO
――沢庵城書院
秀吉「……」ソワソワ
憂「お姉ちゃんあ~ん♪」サッ
唯「あーん♪」パクッ
憂「お姉ちゃん羊羹美味しい?」
唯「んまんま♪」モグモグ
秀吉「……」ウズウズ
憂「……!」
憂「何か?」
秀吉「い、いや…!何でも…」サッ
唯「憂~。もっと~」
憂「うん♪」くるっ
憂「はいあ~んして♪」
秀吉「(…何じゃこの生け殺しは…)」
487 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 22:17:36.10 ID:xN2WZbwpO
ガララッ
憂「ん?」
勢いよく開けられた障子。そこには律・澪・気絶梓・聡の4人がいた
唯「おっ!買い物から帰ってきたんだね!」
律「……」
唯「…りっちゃん?」
律「…唯。こいつを見てくれ。これをどう思う?」
唯「…ん?」
唯が見た先には……虎の皮の上衣を羽織り、髷を片方に寄せて結った姿の聡。手には大槍を持っている
492 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 22:26:29.72 ID:xN2WZbwpO
唯「……」
澪「……ゆ、唯?」
聡は少し恥ずかしそうにしている。唯はそんな聡を凝視すると、顔を赤らめて呟いた
唯「すごく…大きいです」
律「だろ?こいつうちの弟なんだ」
憂「律さんの!?」
律「あぁ。不逞なヤツだけど武に関しては私より優れてるから…何とか平沢家において欲しいんだけど…」
唯「……」
唯「……りっちゃん」
律「ん?」
安価+4
①自由にかぶかせてあげようよ!
②憂に嫁がせよう
③平沢家の武将として活躍することを期待するよ
496 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/17(金) 22:27:36.44 ID:RqPL4cXf0
2
502 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 22:34:39.53 ID:xN2WZbwpO
唯「聡くん…」
聡「は、はい…」ドキドキ
唯「憂を嫁にやろう」
憂&律&聡「!?」
憂「お、お姉ちゃん!?」
律「唯!!」
唯「平沢家と田井中家…もっと深い絆で結ばれるために…わかってくれぬか?憂」
憂「………!!」
澪「せ…政略結婚っていうのか…?」
聡「……」
505 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 22:39:48.78 ID:xN2WZbwpO
憂「……」
唯「憂?いいよね?平沢家のためだもん…」
憂「……」
唯「う、憂?」ソッ
憂「…っ!」ピシャン
唯「きゃっ!」
律&澪&聡「!!」
みんなは驚愕した。唯に一度も手を出したことのない憂が、唯に手を挙げたのだ
澪も律も聡も目を丸くして驚いた。だが一番驚いたのは唯であった
唯「う…憂…?」
憂「お姉ちゃんだけは…信じていたのに……」
唯「……!」
憂「結局私は平沢家のモノなんでしょ!?お姉ちゃん見損なったよ!!」
唯「うい…」
507 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 22:43:33.44 ID:xN2WZbwpO
憂「…私はやだよ!!こんな結婚!」
聡「…!」
唯「憂…」
憂「いくらお姉ちゃんが頼んでも…絶対に嫌だからね!!」
律「…憂ちゃん」
聡「………」
聡「は…はは…」
澪「…聡くん?」
聡「やっぱり俺は平沢家にいたらダメなんだよ…」
律「なっ!」
509 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 22:47:11.31 ID:xN2WZbwpO
聡「お姉ちゃんが田井中家の当主になった時から分かってたんだよ…」
聡「……俺はここでは必要とされてない…ってね」
澪「そ、そんなことないよ聡くん!」
憂「……」
聡「じゃあ…そういうことだから…姉ちゃん」スッ
唯「聡くん!」
聡「…さよなら」ガララッ
律「……」
澪「…り、律!聡くん行っちゃったぞ!!せっかく見つけたのに…!」
律「……(あの大バカ野郎…)」
512 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 22:52:26.81 ID:xN2WZbwpO
律「聡!!」ガララッ
聡「……何だよ姉ちゃん」
廊下に出た律は聡を呼び止めた。聡は背中で返事をした
律「…お前、本当にそれでいいのか!?憂ちゃんがあんなこと言ったからってすぐ逃げるのか!?」
聡「……」
律「出奔した時だってそう……三食沢庵丼だったからって逃げ出したんだよな…」
聡「……」
律「何が天下無双だ!!何が大かぶきだ!!お前は弱虫の逃げ虫じゃねーか!!」
律「悔しくないのかよ!私にこんなこと言われてもまだ逃げるのかよ!!」
516 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 22:56:37.28 ID:xN2WZbwpO
聡「……っ」
聡「何とでも言えよ……姉ちゃんに俺の気持ちが分かってたまるか!」
律「…!」
聡「…二度と美濃には戻らない」
律「……」
聡は帰ってしまった。盗み聞きしていた唯たちは呆然としていた
澪「……」
唯「……あ…あわわ」
唯「(もしかして私が悪いのかな…?)」オロオロ
秀吉「(……なんか知らんけど…この雰囲気どうすりゃいいんじゃ)」
憂「……」
律「……」
次回 唯「天下とりたい!」 その2
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