唯「天下とりたい!」 その1

519 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 23:03:30.47 ID:xN2WZbwpO
あれから1ヶ月 
  
少し肌寒い10月。だが収穫の季節でもある。そんな秋に 時代は大きく動いた 
  
律「おかわり!」 
  
紬「はい♪」 
  
律「ガツガツガツガツ!!」モグモグ 
  
和「律…いくら何でも食べすぎじゃない?」 
  
澪「…あれはやけ食いっていうんだよ」 
  
和「やけ食い?なんかあったの?」 
  
澪「ま…まぁね…」 
  
いつもと変わらぬ朝。さわこ奪還を目標に掲げた平沢家だったが 織田の攻撃はなく、比較的静かな日々を送っていた 
  
しかし――――― 

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527 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 23:30:12.83 ID:xN2WZbwpO
斎藤「唯様!稲葉山城付近で織田軍に動きあり!!」 
  
和「何ですって!?」ガタンッ 
  
唯「ふぇ?」 
  
澪「規模は?」 
  
斎藤「兵力はおよそ15000です!敵大将は柴田勝家!!」 
  
律「…やっと来たか」 
  
唯「……」 
  
紬「それは美濃に向かってるの?」 
  
斎藤「いえ…だが恐らくは平沢家か浅井家に侵攻するための兵だの思われます」 
  
紬「…まぁ」 

530 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 23:36:34.58 ID:xN2WZbwpO
和「我々を抑えるための別働隊ってこともあるわね…」 
  
憂「な、何でですか?」  
  
澪「遠くの浅井朝倉を叩くためには…美濃の私達を抑えなきゃいけないでしょ?」 
  
澪「だから15000の兵で牽制してるかもってこと」 
  
憂「な…なるほど」 
  
律「15000の他にも兵力があるのかよ…どんだけだよ…」 
  
和「徳川は?」 
  
斎藤「まだ確認出来ていませんが、恐らく織田のみだと思われます」 
  
和「そう…」 

531 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 23:40:09.22 ID:xN2WZbwpO
澪「でも稲葉山城付近で構えてるってことは誘ってるってことなのかな?」 
  
和「ありえるわね…」 
  
律「とりあえず唯。決断しろ」 
  
唯「……」 
  
唯「(…確かに不明な点は多い…でも……)」 
  
憂「お姉ちゃん…」 
  
唯「……」 
  
重要安価+5 
  
①稲葉山城に迎撃にでます 
  
②向こうが沢庵城にくるまで待機 

536 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/17(金) 23:42:38.34 ID:eBvzMreC0
2 

543 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 23:54:18.95 ID:xN2WZbwpO
唯「…ここは山のように耐えるのみ…」 
  
律「でも唯!さわちゃんを救える好機かもしれないんだぞ!?」 
  
唯「……」 
  
澪「……唯」 
  
唯「…助けたいのは私だって同じだよりっちゃん」 
  
唯「でも1人の家臣と平沢家を比べたら…仕方ないことなんだよ?」 
  
梓「…!」 
  
律「なるほど…私達の命はそうやって天秤にかけられてるわけか…」 
  
唯「……」 

544 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/17(金) 23:56:16.17 ID:xN2WZbwpO
澪「唯!私も作戦考えるから!」 
  
梓「わ、私も先鋒…頑張ります!」 
  
唯「……」 
  
紬「……唯ちゃん」 
  
唯「…ダメだよ…できない」 
  
梓「…そんな」 
  
和「…唯」 
  
斎藤「……」 

551 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 00:01:49.10 ID:uK8/qnlcO
平沢家が動かないことを見て信長は近江(浅井)に侵攻 
  
平沢も朝倉も高みの見物で 浅井を助けようとはしなかった。散々の救援要請も唯は断り続けた 
  
  
信長はこの2ヶ月。ただ静かに待っていたわけではなかった 
  
姉川の戦いで勝利したものの、浅井朝倉連合軍の思いの外の強さに 戦だけでは勝てないと悟った  
  
それから浅井家重臣の磯野氏を竹中半兵衛の調略で寝返させることに成功したのだ 

555 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 00:13:31.58 ID:uK8/qnlcO
そして同年12月 
  
織田軍は再度40000の兵をもって侵攻。朝倉はようやく兵を動かしたが 砦が織田軍の手に落ちると まともに交戦しない内に一乗谷に撤退してしまった。雪と疲労を言い訳にして 
  
信長は撤退する朝倉軍を追撃。義景は討ち死に、朝倉家は滅亡した(一乗谷城の戦い) 
  
このままではまずいと信玄が出兵。平沢家にも密状が届いた。しかし平沢家はだんまりを続け、結局武田軍は美濃までしか兵を動かせなかった 
  
そして1571年。5月 
  
浅井長政の居城、小谷城が総攻撃にあう 
  
いとも簡単に落城。浅井氏は滅亡した 

564 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 00:20:39.20 ID:uK8/qnlcO
これで信長の敵は平沢家のみとなった 
  
信長は調略で梓、澪に内応を勧めると もとから主君の優柔不断な態度に不満を持っていた2人はすぐに織田家に降った 
  
  
そのまま織田軍は50000の兵力をもって沢庵城を包囲。謙信はそれを10日後に知り援軍に駆けつけるが 士気の低かった平沢軍はすでに敗北していた 
  
そして――― 

572 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 00:26:09.54 ID:uK8/qnlcO
信長「人は儚いもの。貴様の優柔不断な態度が自ら平沢家の首をしめていった」 
  
唯「……」 
  
信長「…裏切り者には死の鉄槌を」 
  
さわこ「はっ」 
  
唯「…!!」 
  
信長「…さらばだ平沢唯…地獄で会おうぞ」 
  
さわこ「またね唯ちゃん♪」スッ 
  
唯「さ、さわちゃ…!!」 
  
チョンパ…! 
  
  
因果応報。自らの業を最後まで憎めなかった唯。その最後の目に映ったのは 焼ける沢庵城と…… 
  
  
自分だった 
  
  
B A D E N D 


588 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 00:36:44.42 ID:uK8/qnlcO
唯「……」 
  
澪「……ゆ、唯?」 
  
聡は少し恥ずかしそうにしている。唯はそんな聡を凝視すると、顔を赤らめて呟いた 
  
唯「すごく…大きいです」 
  
律「だろ?こいつうちの弟なんだ」 
  
憂「律さんの!?」 
  
律「あぁ。不逞なヤツだけど武に関しては私より優れてるから…何とか平沢家において欲しいんだけど…」 
  
唯「……」 
  
唯「……りっちゃん」 
  
律「ん?」 
  
安価+4 
  
①自由にかぶかせてあげようよ! 
  
②平沢家の武将として活躍することを期待するよ 

592 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 00:37:45.86 ID:9kfBlfvf0

600 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 00:44:46.53 ID:XgCAkjQFO
てか最初の戦の所で2人ともチョンパする必要無かったんじゃ… 

601 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 00:47:15.74 ID:uK8/qnlcO
唯「聡くん」 
  
聡「は、はい!」ビクッ 
  
唯「思う存分かぶきなさい」 
  
聡「え?」 
  
律「ちょ、ちょっと唯!私は家臣の話を…!」 
  
唯「でも…聡くんはそれを望んでないんでしょ?」 
  
律「…ぅ」 
  
聡「…僕はまだ…武将になんかなれる器にないです」 
  
聡はその風貌に似合わぬ弱気な発言をした 
  
唯「……」 
  
聡「かぶき者がいいこととじゃないってわかっています…」 
  
聡「…でも…それで全国を歩いて……いつかいい友を見つけて……それで自分にも力がついたら……」 
  
唯「うんうん」 
  
律「…聡」 

604 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 00:52:02.81 ID:uK8/qnlcO
聡「そしたらまた…ここに戻ってきたいです…」  
  
唯「おいでおいでー♪」  
  
律「なっ……そんなのダメだダメだダメだダメだーー!!」 
  
聡「…!」 
  
唯「り、りっちゃん…」  
  
律「唯が許しても私は許さん!聡は平沢家の家臣になるんだ!かぶきなんて許さん!断じて許さん!」 
  
唯「…りっちゃん」 
  
律「それが田井中家当主の私の責任である故…」  
  
澪「でも律も昔かぶいてたよな」 
  
聡「は?」 
  
律「え?そうだっけ?」キョトン 
  
澪「そうだろ!」 

606 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 00:58:29.25 ID:uK8/qnlcO
唯「確かにそうだったね…あんまり覚えてないけど」 
  
憂「律さんかっこいい…」 
  
聡「お姉ちゃん…」 
  
律「…う」 
  
澪「…律の親父さんは相当苦労したらしいな……デコにしわ寄せたり…木魚叩いたり…」 
  
律「ば、馬鹿!こっぱずかしいこと言うでねぇ!///」カアァ 
  
聡「……」 
  
唯「…とりあえず聡くん。またいつでも戻ってきていいんだよ?」 
  
聡「…!」 
  
聡「…はい!」 
  
律「あ、何勝手に決めてんだよ!!」 


611 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 01:06:59.14 ID:uK8/qnlcO
―――沢庵道 
  
聡「~♪」 
  
聡は呑気に鼻歌なんぞを歌いながら美濃を抜ける沢庵道を歩いていた 
  
聡「……」くるっ 
  
聡「……美濃…いい国になったな…」 
  
聡「(…それに…あの娘…可愛かった…)」 
  
聡「…またいつか、戻ってこようかな」 
  
聡「…よし!!」 
  
そういうと聡は胡座をかき、道端に地図を広げた  
  
聡「まずは東山道を通って信濃に行こう!それから…」 
  
聡「…越後!ここに決めた!俺はかぶくぞぉ!!」 
  
聡「行くか!」スクッ 
  
田井中聡。今はただのかぶき者。この者が平沢家にどんな恩恵をもたらすのか……答えは安価しか知らない… 

614 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 01:13:08.37 ID:uK8/qnlcO
あれから1ヶ月 
少し肌寒い10月。だが収穫の季節でもある。そんな秋に 時代は大きく動いた 
  
律「おかわり!」 
  
紬「はい♪」 
  
律「ガツガツガツガツ!!」モグモグ 
  
和「律…いくら何でも食べすぎじゃない?」 
  
澪「…あれはやけ食いっていうんだよ」 
  
和「やけ食い?なんかあったの?」 
  
澪「ま…まぁね…」 
  
いつもと変わらぬ朝。さわこ奪還を目標に掲げた平沢家だったが 織田の攻撃はなく、比較的静かな日々を送っていた 
  
しかし――――― 


617 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 01:14:33.67 ID:uK8/qnlcO
斎藤「唯様!稲葉山城付近で織田軍に動きあり!!」 
  
和「何ですって!?」ガタンッ 
  
唯「ふぇ?」 
  
澪「規模は?」 
  
斎藤「兵力はおよそ15000です!敵大将は柴田勝家!!」 
  
律「…やっと来たか」 
  
唯「……」 
  
紬「それは美濃に向かってるの?」 
  
斎藤「いえ…だが恐らくは平沢家か浅井家に侵攻するための兵だの思われます」 
  
紬「…まぁ」 


618 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 01:15:57.84 ID:uK8/qnlcO
澪「でも稲葉山城付近で構えてるってことは誘ってるってことなのかな?」 
  
和「ありえるわね…」 
  
律「とりあえず唯。決断しろ」 
  
唯「……」 
  
唯「(…確かに不明な点は多い…でも……)」 
  
憂「お姉ちゃん…」 
  
唯「……」 
  
重要安価+5 
  
①稲葉山城に迎撃にでます 
  
②全軍で近江(浅井)に向かう 

623 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 01:19:39.53 ID:XGsktqSLO
間違えたらごめん 

627 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 01:28:33.16 ID:uK8/qnlcO
唯「みんな今すぐ大間に移動して!」 
  
みんな「!!」 
  
唯「迎撃にでる!!」 
  
澪「…!」 
  
律「…そう来なくっちゃ!」 
  
紬「先生のためにも…!」グッ 
  
和「評定ね」 
  
唯「でもちょっと待った!」 
  
みんな「…!?」 
  
唯「これ食べてから」ポリポリ 
  
みんな「ズッテーン!!」 
  
律「とほほ…こりゃ先が危ぶまれるよ…」 
  
どっ(笑) 

631 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 01:33:58.65 ID:uK8/qnlcO
和「これより評定を行うわ!」 
  
律「いえ~い」パチパチ 
  
唯「和ちゃんかっこいぃ~♪」パチパチ 
  
和「…ごほん//」 
  
和「ではまず…戦況の報告から。さわこ先生代理梓ちゃん!」 
  
梓「…はい!」スクッ 
  
梓「織田軍は15000の兵で稲葉山城付近に陣取ってます」 
  
梓「隠密隊の報告によれば、信長居城の小牧山城には何ら動きはなく、徳川も同じです」 
  
律「…なるほど…敵は今のところ稲葉山城の織田軍だけか…」 


636 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 01:47:56.93 ID:uK8/qnlcO
梓「はい。でも伏兵がいるかもしれません。それは今調査中です」 
  
梓「後、敵の大将でもある柴田勝家ですが…」 
  
唯「うんうん」 
  
梓「火縄銃は恐らく多用してこない模様。ですが油断は禁物です」 
  
澪「軍師でもいるのか?」 
  
梓「いえ…ただ織田家筆頭の豪傑前田利家や忍者隊を率いる滝川一益などが足並みを揃えています…」 
  
梓「激戦は必死です…」  
  
澪「なるほど…」 


638 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 01:53:15.09 ID:uK8/qnlcO
律「ところで唯」 
  
唯「はいな」 
  
律「猿は連れてくのか?」 
  
秀吉「…!」 
  
澪「あ…」 
  
律「…織田家との戦いだ…裏切るってこともあるぞ?」 
  
唯「…ふむ」チラッ 
  
秀吉「…!!」 
  
秀吉「…わ、儂は裏切るようなことは…!」 
  
唯「…じー」 
  
秀吉「…う」ビクビク 
  
斎藤「……」 

640 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 01:57:51.55 ID:uK8/qnlcO
和「やっぱり唯…よした方が…」 
  
秀吉「……!」 
  
梓「内応してたら完全に負けます」 
  
唯「…」 
  
唯「ねぇモンチ」 
  
秀吉「は、はい!!///(顔近っ…)」 
  
唯「誓ってくれる?」 
  
秀吉「へ?」 
  
唯「『平沢家の武将だ』って…」 
  
和「…唯…!」 
  
秀吉「……!」 
  
秀吉「…誓う。儂は平沢家の武将として働く!!」 
  
唯「…よし!」 
  
憂「…お姉ちゃん」 


644 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 02:03:28.60 ID:uK8/qnlcO
斎藤「…唯様」 
  
紬「……唯ちゃん」 
  
唯「それじゃ、次いこうか!ほらあずにゃん!」  
  
梓「…え?あ、はい!」  
  
秀吉「………」 
  
梓「まずは参加兵力ですけど…どうしますか」 
  
秀吉「(儂……儂は…)」  
  
澪「…そうだな…私達が稲葉山城に向かわせられる兵力は…」 
  
澪「ざっと10000ってとこかな?」 
  
唯「…むむむ少ない…」  
  
律「…戦は数じゃないぞ唯」 
  
澪「そう。あの信長だって桶狭間で絶望的な兵力を覆したんだから」 
  
澪「私達が勝っても不思議なことじゃない」 

645 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 02:09:21.34 ID:uK8/qnlcO
和「さて…残るは作戦ね。どう柴田勝家を叩くか…」 
  
律「んだ」 
  
澪「あ…作戦なら作ってみました」おず… 
  
唯「わー見せて見せて!!」 
  
澪「え…でも恥ずかしい…///」 
  
紬「澪ちゃんの作戦なら負けないわ♪」 
  
律「澪早く見せてよ~」  
  
澪「で、でも…」 
  
梓「……」イライラ 
  
梓「早く見せて下さい!!!!」ウガー 
  
澪「あっ!」ぴっ 
  
律「(まさかの梓!?)」 

657 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 02:37:46.72 ID:uK8/qnlcO
紬「…ふわふわ時間…」  
  
梓「…何ですかこれ?」  
  
澪「だ、だから作戦だって…」 
  
律「…何々?まず全軍を三隊に分け、そのうち2隊を左右に伏せておき機を見て三方から囲み包囲せん滅する……」 
  
梓「これって…」 
  
紬「…伏兵かしら?」 
  
澪「う、うん…。まず中央の部隊が敵に正面から当たって、敗走を装いながら後退するの」 
  
澪「これが『ふわふわ時間』で……敵が追撃するために前進すると、左右両側から伏兵に襲わせるという作戦…なんだけど」 
  
律「なるほど…そのあと敗走を装ってた中央の部隊も逆襲に転じるわけか…」 
  
澪「う、うん…」 


660 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 02:43:23.34 ID:uK8/qnlcO
和「…なるほど…つまり三面包囲が完成するわけね…」 
  
澪「…兵数に勝る相手を倒す戦法っていったら…これかな?って思って…」 
  
憂「で、でも難しそうですね…」 
  
律「確かに…練習とか必要じゃないのか?」 
  
澪「う…それは…」 
  
和「成功すれば勝利は間違いないけどね」 
  
斎藤「聞いた限りだと…退却する囮部隊が全てを決めますね」 
  
紬「統制がとれてないと…完全に足をとられるわね」 


662 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 02:47:00.87 ID:uK8/qnlcO
唯「…まぁ…やるしかないよね」 
  
律「おう!失敗したら徹底すりゃいいんだ!」 
  
唯「んだ!」 
  
紬「あのー…」 
  
律「ん?どうしたムギ?」 
  
紬「私も作戦考えました♪」ニコッ 
  
律「へ!?」 
  
唯「ム…ムギちゃんが?」 
  
紬「はい♪」 
  
斎藤「お嬢様…」 

667 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 02:54:54.08 ID:uK8/qnlcO
澪「…哀愁の貝合わせ…」 
  
梓「…何ですかこれ?」  
  
紬「鉄砲を使った作戦なんだけど…」 
  
唯「うんうん」 
  
紬「鉄砲隊を二列に分けて最前列に配置。あとは合わせ合わせ交互に撃つだけ♪」 
  
律「……」 
  
唯「…それだけ?」 
  
紬「えぇ♪」 
  
律「なんか単純だな…」  
  
ムギ「…はい♪」 

675 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 03:03:24.95 ID:uK8/qnlcO
梓「でもいくら何でもそんな…」 
  
和「待って」 
  
梓「…?」 
  
和「…もしかしたらこの作戦は…新たな革命を起こすかもしれないわ…」  
  
唯「へ?」 
  
紬「?」ニコッ 
  
和「小牧・長久手の戦いで織田軍と戦ったとき紬隊は……」 
  
澪「あ…!」 
  
和「迫ってくる佐久間の騎馬隊を、二列に並べた鉄砲隊で見事撃破したの」 
  
紬「ありましたわね♪」  
  
和「およそ200騎を休みなく撃ってたあの鉄砲隊はすごかったわ…」 
  
和「…最終的に歩兵も来て鉄砲隊は崩れたけど……何か改良すればもしかして…」 
  
唯「…な、なんか知らないけどムギちゃん凄いね!」 


679 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 03:08:18.80 ID:uK8/qnlcO
和「(…待って…あれを利用すればもしくは……)」 
  
和「…!」 
  
唯「和ちゃん?」 
  
和「わかったわ…唯…。この作戦の欠点を克服出来るものが…」 
  
紬「?」ニコッ 
  
和「それは…!」 
  
安価+3 
  
①敵だ! 
  
②お前だ! 
  
③川だ! 
  
④稲葉山城だ! 
  
⑤鉄砲だ! 
  
⑥馬だ! 

682 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 03:10:56.58 ID:RjmJYg44O
いや3か! 

687 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 03:20:29.41 ID:uK8/qnlcO
和「川よ」 
  
憂「川…?」 
  
和「えぇ…確か稲葉山城付近には川が流れていたわよね?」 
  
斎藤「はい。長良川が流れております」 
  
和「そう…やっぱり」 
  
唯「?」 
  
和「鉄砲は優れたものだけど…弱点が2つあるの」 
  
唯「2つ?」 
  
律「装填時間が遅いことだろ?」 
  
和「えぇ…そうよ。火縄銃は弓矢より殺傷能力が高いけど、その弾をこめて撃つまでの時間がとてつもなく遅いの」 

688 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 03:25:07.94 ID:uK8/qnlcO
和「だけど紬がその概念を打ち破ったわ…」 
  
律「なるほど!二段構えにすれば…」 
  
梓「交互に撃てますもんね…」 
  
和「えぇ。だけどもう一つ欠点があるの。これは弓隊にも言えることだけど…」 
  
唯「?」 
  
和「来た敵をどう対処するのか…」 
  
憂「確かに近接されると…鉄砲隊は弱いですもんね」 
  
和「だったらさせなきゃいいのよ」 
  
律「はい?」 

691 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 03:31:58.36 ID:uK8/qnlcO
和「鉄砲隊に敵を近づけさせない…そのためには盾がいる」 
  
和「その盾っていうのが…」 
  
澪「長良川…なわけか」  
  
和「そう。川を盾にするの」 
  
憂「なるほど…」 
  
律「で、でもさ…長良川まで敵が来てくれるとは思えないんだが…」 
  
和「そこで澪の言ってたふわふわ時間の登場よ」  
  
澪「え?」 
  
唯「あ、分かった!」 
  
梓「まさか…」 
  
和「えぇ。柴田隊を釣るのよ…」 
  
斎藤「……すごい」 

694 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 03:39:36.86 ID:uK8/qnlcO
和「いい?作戦はこう」  
  
和「まず囮騎馬部隊5000が敵と交戦。そして長良川まで撤退する…」 
  
和「そして追ってきた柴田軍を鉄砲隊1000二段で迎え撃つ」 
  
和「後は川と鉄砲に慌てる柴田軍を両翼に伏せていた3000の兵で叩く……」 
  
憂「…完璧だ」 
  
和「…問題は囮に気付かず追ってきてくれるかどうかね…」 
  
紬「まぁ…」 
  
秀吉「それなら心配いらんっ!」 
  
みんな「!?」 
  
後ろで話を聞いていた秀吉が口を挟んできた 

696 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 03:46:02.97 ID:uK8/qnlcO
  
唯「モ、モンチー?」 
  
秀吉「柴田殿の性格は儂がよく知っとる!いざとなれば殿(シンガリ)になってでも柴田殿をおびき寄せる!」 
  
紬「まぁ…」 
  
律「…いけるな」 
  
澪「…あぁ」 
  
秀吉「柴田殿は儂を頗る嫌っておる。きっと儂が挑発したら怒髪天を衝くだろうな。チョロいもんさぁ!」 
  
唯「なんか…モンチーかっこいい…」 


697 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 03:50:50.84 ID:uK8/qnlcO
唯「さすがモンチーだよ♪」ダキッ 
  
秀吉「ひゃ///」 
  
憂「…!」 
  
唯「ありがとうモンチー♪」ギュッ 
  
秀吉「…ゆ、唯様…わ、儂とけっ」 
  
憂「不潔!!」ペシンッ 
  
秀吉「ぴぎゃっ!」ズザー 
  
梓「……うわぁ」 
  
澪「…まぁ何はともあれ作戦は決まったな!」 
  
  
律「後は配置だけだな!」 
  
唯「配置!」 

699 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 04:01:54.85 ID:uK8/qnlcO
和「そうね…じゃあまずは最後に叩く伏兵を決めようかしら…」 
  
唯「……」 
  
澪「…ここは私と和で決まりかな?」 
  
和「まぁそうなるわね……そんな戦得意じゃないし…」 
  
和「…そして次!鉄砲部隊ね」 
  
澪「危険が少ない仕事とはいえ、柴田軍を崩す要となる…。鉄砲の扱いに馴れてる隊が好ましいね…」 
  
鉄砲隊長2人をきめて下さい(成功率に響く) 
  
安価+3 
  
梓 唯 憂 紬 斎藤 律 秀吉 


703 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 04:09:15.39 ID:8m06ZDKW0
紬 斉藤 

704 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 04:16:29.09 ID:uK8/qnlcO
澪「ムギと…斎藤さんでどうだ?」 
  
紬「どんとこいです♪」  
  
斎藤「え…?私ですか?火縄銃はあまり使ったことがないのですが…」 
  
澪「あ…そっか」 
  
律「どちらかというと忍者隊は囮役をしてもらいたかったな」 
  
澪「…ご、ごめん」 
  
唯「…まぁいいじゃん♪頑張ろうよ♪」 
  
斎藤「…分かりました!やってみます…」 
  
紬「頑張るわ♪」 

751 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 12:35:57.00 ID:uK8/qnlcO
和「じゃあ中央の囮部隊は唯、憂ちゃん、秀吉、律、梓ちゃんね」 
  
秀吉「…」 
  
澪「…その中での役割を決めなきゃ」 
  
律「よしっ!」 
  
澪「まずは先鋒の2人…」 
  
安価+2 
  
2人選んで下さい(戦況に大きく影響) 
  
唯 憂 秀吉 律 梓 

753 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 12:40:36.57 ID:u2bL+CyOO
秀吉 梓 


755 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 12:43:16.61 ID:uK8/qnlcO
澪「秀吉さんと梓でいいかな」 
  
律「…!」 
  
梓「分かりました!」 
  
秀吉「合点じゃ!」 
  
和「でも秀吉さんは最後の殿務めるから待機させといた方が…」 
  
澪「あ、そっか…」 
  
唯「…まぁいいじゃん♪モンチーでも♪」 
  
秀吉「儂にお任せ下され!唯殿!」 
  
律「……」 

758 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 12:47:02.27 ID:uK8/qnlcO
和「…大体決まったわね」 
  
憂「…はい!」 
  
澪「…じゃあ稲葉山に向けて…」 
  
梓「…はい!」 
  
紬「頑張るましょ♪」 
  
唯「………」 
  
唯「(…この戦でさわちゃんが助かる見込みはない…)」 
  
唯「(だけどこれはさわちゃん奪還の大きな一歩となる…)」 
  
唯「(…負けられない)」 

761 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 12:48:20.20 ID:uK8/qnlcO
和「しかしこの戦法は本当に時代を変えるかもしれないわ」 
  
唯「ど、どうして…?」  
  
澪「普通は遠距離の敵を鉄砲で撃ち、怯んだ所を騎馬で突進、そして歩兵で仕上げというのが野戦での戦い方なの…でも」  
  
和「…これは使い勝手の悪い鉄砲を最大限利用した革新的な戦い方…」 
  
律「……」 
  
澪「…考えたムギは天才なのかもな」 
  
紬「…!」 


764 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 12:49:32.53 ID:uK8/qnlcO
唯「へー♪ムギちゃんってすごいんだねー♪」 
  
紬「…?」 
  
紬「何言ってるの唯ちゃん?これは唯ちゃんが教えてくれた戦い方じゃない♪」ニコッ 
  
唯「へ?」 
  
澪「え?」 
  
律「は?」 
  
憂「お姉ちゃん?」 
  
紬「唯ちゃんが初めて鉄砲を手にした時、愚痴を言ってたのを聞いて……」 
  
梓「……愚痴って」 
  
澪「…まさかこの戦法は唯の愚痴からできたなんて…」 
  
律「……」 
  
唯「え?何かしたの私?」 


766 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 13:05:06.94 ID:uK8/qnlcO
唯「指揮は澪ちゃんお願いね!」 
  
澪「え…?でもそういうのは大将が…」 
  
唯「私囮役だから影から全体を見回せる澪ちゃんがいいと思うんだ」 
  
和「そうね。澪に任せるべきだわ」 
  
澪「…う……わ、わかった…」 
  
唯「よし!決まりだね!斎藤馬用意して!」 
  
斎藤「はっ」 
  
律「……」 
  
律「(…実際先駆け以外務めたことないけど…)」 
  
律「(平沢家のためだ…次鋒でも何でもやってやる…!)」 
  
律「うしっ!」 
  
唯「お!やる気満々だねりっちゃん!」 
  
律「おうよ!」 

767 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 13:09:32.45 ID:uK8/qnlcO
平沢家家臣は円陣になっていた 
  
律「いいかっ!絶対に成功させるぞ!?失敗は死だと思え!」 
  
唯「んだっ!」 
  
秀吉「(死って…)」 
  
律「ひらさわーー!!ファイ!!」 
  
みんな「オー!!」 
  
唯「(私のセリフ…)」 
  
紬「…行きましょうか♪」 
  
  
―――1570年。10月 
  
平沢家は稲葉山城付近に陣を構える柴田軍に兵を向かわせた 


770 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 13:16:24.19 ID:uK8/qnlcO
――稲葉山 
  
前田「叔父貴ー!」パカラッパカラッ 
  
柴田「ん?何だ利家」 
  
前田「平沢軍が10000の兵でこちらに向かってくるようです!」 
  
柴田「…!」 
  
柴田「…やはり来たか」  
  
前田「どうします?」 
  
柴田「滝川、不破、佐久間、佐々木に伝えよ!戦闘態勢だ!」 
  
前田「は…はい!」 
  
柴田「(…10000…稲葉山に陣取っているんだ…迂闊に手は出せまい…)」 


773 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 13:25:30.88 ID:uK8/qnlcO
柴田「いいか!兵数では勝っている!まず10000の兵を稲葉山に置いて敵を迎え撃つ!」 
  
柴田「平沢は武田にも劣らぬ騎馬隊を組んでおる!油断はするな!」 
  
滝川「…ふむ」 
  
柴田「だが心配するな。全騎馬隊を稲葉山に配置。馬戦とする!」 
  
前田「ならば我々が有利ですね」 
  
柴田「左様。稲葉山を登ってきたところを我々が騎馬隊で迎撃。ヤツら坂道を転げ落ちるぞ!」 
  
不破「…なるほど」 
  
柴田「そこを利家!佐々木!滝川が叩く!」 
  
前田「…伏兵!」 
  
滝川「…御意」 
  
佐々木「へへ…腕がなるぜ」 

776 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 13:32:13.33 ID:uK8/qnlcO
柴田「不破は本陣を頼む」 
  
不破「わかりました」 
  
柴田「佐久間!お前は儂と騎馬隊を組んで平沢軍の迎撃じゃ!」 
  
佐久間「はっはっは!!こりゃ楽勝ですな!」 
  
佐々木「裏切り者の秀吉がいたらぶった斬ってやる…」 
  
柴田「よし!これにて評定終了じゃ!」 
  
前田「…おし!叔父貴のためにも…」 
  
滝川「……利家殿」 
  
前田「ん?何だ一益」 
  
滝川「…敵が撤退しても追撃は行わないように…」 
  
前田「へ?何で?」 
  
滝川「平沢家には半兵衛殿に勝るとも劣らない軍師がいるとの情報…油断は禁物…」 
  
前田「……なるほど……うーん…分かった!!一益の言うとおりにしてみるよ!」 
  
滝川「…感謝する」 


780 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 13:43:37.08 ID:uK8/qnlcO
さわちゃんメモ 
  
さわこ「いい?合戦には陣形と呼ばれるものがあって兵の数や地形に応じた陣形を組むことで、戦況を有利に運ぶことが出来るの」 
  
さわこ「武田信玄や上杉謙信は陣形のエキスパート!」 
  
さわこ「本当は色々あるんだけど…めんどいから5つだけ紹介するわね」  
  
さわこ「まず長蛇。部隊を一直線に並べる陣。前方に対して強力だけど横には滅法弱いわね」 
  
さわこ「そして鶴翼。部隊を横に広げ敵を取り囲むことが可能。でも大軍が必要なのよ」 
  
さわこ「鋒矢は攻撃陣形ね。突撃の際に用いられるわ。少ない兵でも可能なのが強みね」 
  
さわこ「まぁ方円は八方を敵に塞がれた時に使う迎撃陣形で…攻撃には使わないのが普通よ」 
  

782 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 13:48:05.84 ID:uK8/qnlcO
さわこ「この他にも横一列に並べる横陣や三角形に配置した魚鱗なんてのがあるけど…めいどいから割愛するわ!」 
  
さわこ「じゃ、頑張りなさーい♪」 
  
―――長良川北岸―――  
  
唯「…この長良川を抜けると…」 
  
律「そこは稲葉山でした……」 
  
澪「……何やってんだお前らは」 
  
斎藤「…敵はどうやら稲葉山に陣取ってるようですな」 

783 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 13:49:15.00 ID:UeCgAUOIO
私怨 

784 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 14:01:55.56 ID:uK8/qnlcO
唯「よし!配置につくぞ!」 
  
みんな「おー!」 
  
平沢軍は配置についた。まだ両軍とも動かない 
  
  
総指揮官の澪は微かに震えていた 
  
そしてゆっくりとその時が近づいていった 
  


787 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 14:06:23.76 ID:uK8/qnlcO
澪「えっと…紬と斎藤さんは鉄砲隊だから…」 
  
安価+2 
  
①鶴翼②横陣③鋒矢④方円⑤長蛇 
  
澪「それで和と私は突撃の伏兵だから…」 
  
安価+6 
  
①鶴翼②横陣③鋒矢④方円⑤長蛇 
  
澪「囮用の部隊はまぁ囮だから…」 
  
安価+10 
  
①鶴翼②横陣③鋒矢④方円⑤長蛇 


789 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 14:09:01.09 ID:eoJ/uVSzO
二 

794 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 14:12:12.03 ID:8CSDeeEh0

797 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 14:19:40.76 ID:FMkhCizpO
5 

801 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 14:23:15.30 ID:uK8/qnlcO
澪「…ムギたちはもうわかってるよね」 
  
紬「うん♪」 
  
斎藤「横陣…ですな」 
  
澪「うん。で、私たちの陣形も当たり前だけど…」 
  
和「鋒矢ね」 
  
澪「うん!それで囮部隊は長蛇を作ってくれ!」  
  
唯「OK!」 
  
律「任せなさい!」 
  
梓「(…ちょっと不安だなぁ)」 

802 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 14:29:55.08 ID:uK8/qnlcO
唯「全軍進めー!」 
  
兵「おおおぉぉ!!」 
  
長蛇で作られた囮部隊の総隊長、平沢唯が命令する。兵は士気を高めるように大声をだす 
  
梓「(…律先輩がいないし…不安だな)」パカラッパカラッ 
  
ゆっくりと囮部隊だけが前に出る 
  
柴田「…ようやくきたか」 
  
馬に乗って待ち構えてる柴田軍。唯が麓にきた時が勝負の時だ 
  
前田「………」 
  
滝川「………」 
  
佐々木「……」 
  
静かに潜む両翼の三隊 

803 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 14:34:21.20 ID:uK8/qnlcO
前田「(…あれは…長蛇の陣?)」 
  
目の前をゆく平沢軍を見て利家は考えた 
  
前田「(…両翼から伏兵で軽くつけば、叔父貴の騎馬隊がなくても崩せるんじゃ…?)」 
  
前田「(きっと一益もそう考えてるに違いない…!)」 
  
滝川「……佐々木殿」 
  
佐々木「んあ?」 
  
滝川「…利家殿が動いたら我々も行くぞ!」 
  
佐々木「へ?」 

856 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 20:58:15.97 ID:uK8/qnlcO
梓「(…よし…ここからが勝負…)」 
  
秀吉「(柴田軍はまだ来ぬか…誘ってるな…)」 
  
  
梓、秀吉率いる先鋒隊は稲葉山を目の前にして止まった 
  
唯「およ?止まった?」  
  
前田「(…どうする!?叔父貴の命令を無視して突撃するか…?)」 
  
前田「(…長蛇じゃいくら叔父貴といえでもただではすまないだろう……)」 
  
前田「……」 
  
前田「……叔父貴ごめん…」スッ 


859 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 21:06:19.79 ID:uK8/qnlcO
前田「突撃だっ!!平沢軍の無防備な側面を突け!」 
  
利家の掛け声に応じて 3000の前田軍が突撃した 
  
  
梓「なっ!」 
  
憂「…伏兵!」 
  
利家「迷わず突っ込むんだ!!!総崩れにするぞ!!」 
  
わあああぁぁぁぁ…!!! 
  
秀吉「…利家?」 
  
前田軍の暴走に潜んでる滝川や佐々木、待機している柴田、佐久間も気付いた 

860 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 21:10:16.74 ID:uK8/qnlcO
滝川「我々も出るぞ!!」 
  
佐々木「え?でも勝家さんはまだ…!」 
  
滝川「利家殿を1人戦わす気か!」 
  
佐々木「…!」 
  
わあああぁぁぁぁ…!!  
  
伏兵の滝川隊・佐々木隊も突撃する 
  
平沢軍は一気に混乱に陥った 
  
秀吉「こ…こりゃマズいぞ!」 
  
律「…くそっ!」 
  
唯「あわわ…」 



863 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 21:14:14.43 ID:uK8/qnlcO
佐久間「…な、何が起こってる?」 
  
柴田「あのバカどもが!勝手に突撃なんかしやがって…!」 
  
佐久間「なにぃ!?この俺を差し置いて!!」 
  
佐久間「我々もいくぞぉ!!!」ヒヒィーン 
  
柴田「ま…待て!!まだ早い…!!」 
  
佐久間「SAKUMA!いきまーーす!!」ドドド… 
  
柴田「あ…」 


867 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 21:22:24.33 ID:uK8/qnlcO
前田「うおおおりゃあああぁぁ!!」 
  
180センチの大男である利家は自ら先頭に立ち大槍を振るった。前田隊は鼓舞されるように勢いを増す 
  
敵「きえぇぃ!」バッ 
  
梓「きゃあ!」バシッ 
  
梓「くっ…もう敵がこんなとこにまで…!」 
  
対するは梓隊。すぐに態勢を立て直したが、猛虎のように突進してくる前田隊に苦戦していた 
  
憂「態勢を立て直して!敵は右です!」 
  
憂隊も前田隊に備えて横陣の構えとなった 

871 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 21:27:54.57 ID:uK8/qnlcO
憂「敵は恐らく2000かそこいら…」 
  
憂「梓隊とうまく連携すればなんとか…!」 
  
憂「…はっ!そういえばお姉ちゃんは!?」 
  
憂「……お、お姉ちゃんも奇襲にあってるかもしれない…」ブルブル 
  
憂「助けに行かなきゃ……」 
  
憂「すぐに撤退して!!」 
  
わあああぁぁぁぁ!! 
  
  
梓「…だ、ダメだ…憂…助けて…」チラッ 
  
梓「ん?」 
  
梓の目に見えたのは敵前逃亡する憂隊 
  
梓「ええぇ!?」 

875 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 21:31:36.42 ID:uK8/qnlcO
梓「ま、まだ合図がないよ憂ちゃん!!」 
  
声は合戦の音にかき消された 
  
前田「うおおおりゃあああぁぁまだまだまだぁ!!」ドドド… 
  
梓「ひっ!」 
  
梓「きゃあああぁぁ!!!!!」 
  
梓「撤退して下さい!!!」くるっ 
  
わあああぁぁぁぁ… 
  
  
梓隊。――敗走―― 


878 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 21:36:27.65 ID:uK8/qnlcO
佐々木「秀吉いぃぃ!!お前の首は貰ったぁ!」ドドド… 
  
秀吉「これは…佐々木殿の隊か!」 
  
佐々木隊2000も同じように猛攻をしかけたが、秀吉と律は上手く連携して凌いでいた。しかし長蛇になったその陣は横には滅法弱かったため、徐々に平沢軍は不利になっていった 
  
敵「とうっ!」バッ 
  
律「…くっ!」ガキンッ 
  
律「(こんなところにまで敵が…!)」 
  
更に前田隊が後ろから突撃してきた 


881 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 21:40:30.51 ID:uK8/qnlcO
憂「お姉ちゃああぁん!!」パカラッパカラッ 
  
唯「あ、憂♪生きてたんだ」 
  
憂「う、うん…。良かった…お姉ちゃんは無事だった…」 
  
滝川「……」 
  
唯「まさか憂……ここまで助けに来てくれたの?」 
  
憂「うん!お姉ちゃんが心配だったから…」 
  
忍者「……」コソコソ 
  
唯「……」 
  
しつけ安価+4 
  
①バカモンチッ!戻りなさい! 
  
②ありがとー憂ー♪ 

885 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 21:43:31.44 ID:yjT6f2h70
2 

893 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 21:52:11.67 ID:uK8/qnlcO
唯「ありがとう憂ー♪」ナデナデ 
  
憂「えへへ♪」 
  
その時であった。疾風の如く滝川忍者隊が唯隊の本陣に現れた 
  
兵「ぎゃあ!!」ザシュッ 
  
  
忍者「……」 
  
唯「え?な、何?」くるっ 
  
滝川「兵法三十六計…きん賊きん王の計…」ススッ 
  
  
精鋭化された滝川の寡兵達が平沢軍の本陣で次々と兵を殺しにかかった 



896 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 21:57:11.63 ID:uK8/qnlcO
忍者「いたぞ」 
  
本陣はあっという間に血で染まっていた 
  
ハマー「……」 
  
忍者「捕らえろ!」 
  
唯「あ…あわわ…」 
  
憂「お姉ちゃん!に、逃げて!!」 
  
小将「うおぉ!!」バッ 
  
  
忍者「ふんっ!」ズバッ 
  
小将「…!」ドザ… 
  
唯「ひ…ひえ…」ビクビク  
  
憂「お姉ちゃん早く!!!」 
  
唯「う、うん!」くるっ  
  
唯は馬に乗ってそのまま律の方へ駆けだした 
  
滝川「……」 

898 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 22:01:07.98 ID:uK8/qnlcO
憂「………」 
  
忍A「……」 
  
忍びー「……」 
  
忍C「……」 
  
ハマー「……」 
  
滝川「……」 
  
本陣は散り散りになってしまい、憂・唯隊は逃げるようにして律・秀吉の援護へ向かった 
  
数人の忍に囲まれる憂。刀を持っているその手は震えていた 
  
仕方ないこと。憂だって女子高生だもの 


901 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 22:05:19.27 ID:uK8/qnlcO
滝川「………」 
  
憂「(…こ、怖い………だけど…)」 
  
憂「はあああぁぁぁ!!!」バッ 
  
憂は滝川目指して走った。囲まれたこの状況では滝川だけを狙うのが一番効率的と見たからだ 
  
憂「どけえぇぇ!!」ダダダ…! 
  
ハマー「…!」サッ 
  
滝川の横にいた忍が避ける。憂はそのまま滝川に斬りかかった 
  
滝川「………」 


906 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 22:09:07.97 ID:uK8/qnlcO
前田「おらおらおらぁ!!」 
  
梓隊・憂隊が敗走したことで律隊に前田隊が突撃してきた 
  
律「…くっ!」バッ 
  
前田「…!」 
  
前田「…敵武将見つけたぞ!!」 
  
律「…い…」 
  
混戦状態となった中、柴田軍の前田利家と平沢軍の田井中律は出会ってしまった 

908 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 22:15:00.64 ID:uK8/qnlcO
前田「田井中律だな!貴様の名は尾張にも馳せているぞ!!」 
  
律「……!!」ギリ 
  
律は非常に焦っていた。ただでさえ劣勢な中に前田隊が介入。更に豪傑で知られる前田利家に出会ってしまったからだ 
  
前田「田井中律……貴様に一騎打ちを申す!」 
  
  
律「…!」 
  
律「……」 
  
前田「…怖いか?」 
  
律「(ど…どうする)」 
  
安価+5 
  
①一か八かだ!この劣勢を変えられるのはここしかない! 
  
②無茶だ!逃げよう!! 


913 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/18(土) 22:17:09.08 ID:SjUXN6Ra0


920 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 22:26:23.86 ID:uK8/qnlcO
律「(…前田利家を討ち取れば…敵の士気は低くなる…)」 
  
律「…いいだろう」 
  
前田「…!」 
  
前田「…いい度胸だ」ニヤッ 
  
又左衛門の槍と呼ばれる前田利家。対するは鬼の二本槍と恐れられる田井中律 
  
どちらも 元はかぶき者であり 出会ったところが違えば よき友になれたかもしれない… 
  
律「…ふぅ…ふぅ」ジリジリ 
  
前田「………ふっ…ふっ……」ジリジリ 
  
2人には この時間がとても静かに感じた 


923 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 22:32:05.90 ID:uK8/qnlcO
律「(…みんな……私は……)」ジリジリ 
  
前田「…ふっ…ふっ」 
  
律「…はっ!」 
  
先にしかけたのは律だった。左手の槍が利家の心臓を狙う 
  
利家「……!」 

しかし大きな体を反らし、うまく避ける利家 
  
律「くっ!」バッ 
  
律は右手の槍を構え再び突こうとする 
  
だが…… 
  
律の槍が利家の心臓に届く前に、利家の大槍が律の腹を貫通していた 
  
律「………!」 

927 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 22:36:16.14 ID:uK8/qnlcO
律の槍は拳ひとつ分届かず、律はそれを落としてしまった 
  
律「…あ…ぁ…」 
  
前田「…」 
  
太い槍は律の鎧をいとも簡単に貫いてた。律は勢いよく吐血した 
  
律「…ぐぼっ…!」ボタボタ… 
  
前田「………俺の勝ちだな」 
  
利家は律の腹が槍を引き抜くと、律の槍がかすった肩を見た 
  
前田「……流石だ…田井中律…。いい無双ぶりだったぞ」 
  
律「………」ドザッ 

935 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 22:40:45.15 ID:uK8/qnlcO
唯「……!!」 
  
ちょうど援軍にきた唯隊が前田隊と鉢合わせした。唯の目の前には血を流してうつぶせに倒れている律の姿 
  
唯「…り…りっちゃ…ん…」ブルブル 
  
前田「……!」 
  
唯「うわあああぁぁあやだあああぁぁぁ!!!!!」ドドド…! 
  
前田「む!」 
  
唯は半狂乱になり 利家に向かって単騎突進した。だが利家はそのまま唯の手を掴み引きずり下ろした。総大将が敵の手に落ちた瞬間であった 

941 : ◆sd/yNUiLTM :2009/07/18(土) 22:45:02.06 ID:uK8/qnlcO
結局、後に長良川の戦いと呼ばれるこの戦で平沢軍は大敗北を喫する 
  
梓、澪、和、憂、秀吉は敵に捕まり処刑されたり登用されたりした 
  
唯は信長に裏切りの罰として磔にされた 
  
そして1ヶ月後。紬が守る沢庵城は落城 
  
天守閣で自殺した紬と斎藤の死体が見つかった