1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 00:39:19.49 ID:GCYCzEfF0
【注意】
咲-Saki- とKONAMI様のゲーム「幻想水滸伝?」のクロスのようなパロのようなよく分からない自己満足100%全開SSです

幻想水滸伝のキャラは残念ながら出ません。咲-Saki-キャラに全て無理やり当てはめていますので「このキャラは当てはまってないだろ」と思うかもしれませんすみません

幻水キャラは出ませんが場所やセリフのなどは幻水と咲-Saki-からそれぞれ部分的にもじったりそのままお借りしたりしています。

幻水でやる必要なくね?と思った方はそっ閉じ推奨します

幻水名物である「仲間集め」「戦争」「一騎打ち」にはあまり期待しないで下さい

技量がないので状況説明の為に地の文が入ってしまうかもしれません

ストーリーに直接関係のないシーンはある程度省きます

1は麻雀始めて一年にも満たない初心者なので闘牌描写はありません。気持ち麻雀要素あり。

暇潰しに読んでやろうという方向け

最後に成香ちゃんは天使


長々注意を並べましたが以上がOKな方だけ読んで、どうぞ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396712359


2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 00:40:57.98 ID:GCYCzEfF0
?王宮 控えの間?

咲「うぅ…」ソワソワ

照「咲、緊張してるの?」

咲「お姉ちゃん…だって…」ソワソワ

照「安心して。謁見はすぐに終わるよ」

照「咲はいつも通りにしてればいい。皇帝陛下は厳しい方だけど恐れる必要はないよ」

咲「うん…」


待女「照様、咲様、謁見の準備が整いました。こちらへどうぞ」

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 00:43:20.10 ID:GCYCzEfF0
?謁見の間?


待女「帝国軍大将軍・宮永照様。その妹様、宮永咲様」

待女「皇帝陛下との謁見のため、ご入室いたします」


健夜「よく来てくれたね照。変わりはないかな?」

照「陛下と共に戦ったあの継承戦争と同じく」

健夜「頼もしい言葉だね。そう思わない郁乃ちゃん?」

郁乃「そうやねすこやん。さすが大将軍のお言葉?」

健夜「もうっ!その呼び方はここではやめてよ」

郁乃「ごめんごめん?」ケラケラ

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 00:44:37.67 ID:GCYCzEfF0
健夜「ゴホン…さて照。」

照「はい」

健夜「あなたも北方での不穏な動きに気付いているでしょ。どう、北方の守りに出向いてもらえないかな?」

大臣「北の関西同盟との争いは一筋縄ではいかないでしょうが、照将軍ならば安心です。」

健夜「このわが愛剣アラサーは幾度となく私を守った幸運を呼ぶ剣。あなたに与える。持って行くといいよ」

郁乃「アラフォーとちごたっけ?」

健夜「アラサーだよっ!」

健夜「何言わせるの!!」

照「…ありがとうございます。この照、必ずや陛下のご期待に答えて見せます」

健夜「頼んだよ。必ず無事で」

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 00:45:55.67 ID:GCYCzEfF0
咲「」オドオド

健夜「そちらが照の妹の咲だね」

健夜「なるほど…いい面構えだね。照が北の守りについている間、この帝国に力を貸してもらえないかな?」

咲「はっ…はい!!」

健夜「いい返事だね。照に似て立派なものだよ」

照「もったいないお言葉、ありがとうございます」

大臣「近衛隊隊長の久保殿が咲殿の上官となります」

郁乃「」フララー

咲「?」ドキッ

郁乃「ふふ…すこ…皇帝と違ぅてやっぱり若いなぁ。頑張ってや?」

健夜「一言余計だよ!」

7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 00:47:47.63 ID:GCYCzEfF0
照「それではこれで失礼いたします」

健夜「頼んだよ。咲、照以上の働きを期待しているからね」

咲「はい!」

照「帰ろうか咲」

8:  2014/04/06(日) 00:49:18.64 ID:GCYCzEfF0
?階下?

照「久保の部屋はここだよ。明日からお前の上官になるからあいさつしておきな。大丈夫。ここで待ってるから」

咲「うん」


?久保の部屋?

久保「お前が照の妹か。名前は?…咲かァ!!」

咲「よ、よろしく、お願いします」ペッコリン

久保「大将軍の妹だろうがここでは特別扱いしないからなァ!わかったかァ!わかったら、さっさと帰れ!仕事は明日からだ!明日の朝一番に、ここに来るんだぞァ!!」

咲「はい(うるさいな…)」

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 00:50:40.72 ID:GCYCzEfF0
照「終わったの?なんか大声が聞こえてきたけど…」

咲「大丈夫だよお姉ちゃん」

照「しかしあんな小物がお前の上官とは…」

照「さてそろそろ帰ろうか。和が心配してる」

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 00:52:44.56 ID:GCYCzEfF0
?キヨスミンスター 宮永邸?

咲「ただい 和「咲さーーーーん!!」ムギュッ

咲「」

和「お、お、おかえりなさい、咲さん! ど、ど、どうでした、うまくいきました? 皇帝陛下のまえで失敗しませんでした?私はもーーーーーーう心配で、心配で……でも、大丈夫だったみたいですね。さすが私の咲さん」

照「そんなに心配しないで和」

和「あ…!ああ…照様。いたんですか」

照「いたんですかって…和は咲のこととなると夢中なんだから」シュン

和「す、すみません照様。 そうそう咲さん、衣さんがお祝いに来てますよ…って咲さん?」

咲「」チーン

和「咲さーーーーん!?」

照「咲が和のおもちでー!」

和「ハッ!息をしていません!いま人工呼吸しますから」

照「やらせねーよ」ギュルギュル

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 00:53:39.41 ID:GCYCzEfF0
咲「ふう…また死ぬかと思ったよ」

和「すみません咲さん…」

咲「もう慣れっこだから大丈夫だよ」ハハ…

和「ハッ!台所のアイスティーに氷をいれっぱなしでした。薄くなってしまうので見てきます」タタタ

照「変わらないなぁ昔から」

咲「そうだね。でもそれが和ちゃんのいいところだよ」

照「(何回も窒息死しかけてるのに)」

照「私は夕食まで少し出掛けてくるね」

咲「うん。迷子にならないでね」

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 00:54:42.42 ID:GCYCzEfF0

ーーー台所


和「すみません咲さん、いま手が離せないんですよ。ここで薬を…いえ、美味しいアイスティーの作る秘訣ですから」


咲→「くすぐる」

和「あっああん!駄目ですよこんなところで!いやぁそんなところに手を入れないで下さい////」ハァハァ

咲「(ちょっと脇腹をつついただけなんだけど…)」



咲→「ジャマをしない」

和「もうすぐ支度が出来ますからね。お部屋でお休みになってて下さい。」
和「それとも添い寝 咲「部屋に行ってるね」

咲「…と、その前に皆に会っておこう」

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 00:55:51.36 ID:GCYCzEfF0
─優希の部屋


優希「ZZZZZZタコスうまー…」

咲「そっとしておいてあげよう」

優希「うーーーん ムニャムニャおーーいのどちゃーん晩飯のタコスはまだかぁーーん?おりょ咲ちゃん!おかえりだじぇ!」

咲「ただいま優希ちゃん」

優希「謁見はうまくいったのか?」

咲「まぁなんとかね」エヘヘ

優希「皇帝陛下ならさぞゴージャスなタコスを食べてただろ!さて晩ごはんまでもう一眠りするじぇ!また後でな咲ちゃん」

咲「うん、また後でね

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 00:56:41.35 ID:GCYCzEfF0
ーーーまこの部屋


まこ「おうお帰り。どうじゃったかいの謁見は」

咲「緊張したけど失礼はしなかったと思うよ」

まこ「そうかい。疲れとるじゃろ?衣も来とるけぇとりあえず部屋に戻って休みんしゃい」

咲「はい」

咲「(この家で唯一まともな人だなぁ)」

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 00:59:06.96 ID:GCYCzEfF0
ーーー二階 咲の部屋

衣「さきーーー!」ギュッ

咲「衣ちゃ…さん!」ギュッ

咲「(苦しくない!)」



咲「…で……だったよ」

衣「ふんふむ。健夜皇帝は長野帝国はじまって以来の稀有な実力者と聞く。」

衣「…なぁ咲」

咲「?」

衣「頼みがあるんだ・・一生のお願い衣も近衛隊の仲間に入れてもらえないか?みなし子だった衣を拾ってくれた照に恩返しがしたいのだ」

咲「もちろんOKだよ!私も衣ちゃんと一緒に行きたいな」

衣「ホントか!?うわぁい!さすがは衣の莫逆の友だ!」パアァ


衣「……なぁ咲、衣は咲に話しておきたいことが 和「みなさん食事とアイスティーの用意が出来ましたよーーー」

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:00:31.75 ID:GCYCzEfF0
ーーー食堂

照「グラスは満たされたようだね」

照「みんな聞いてほしい」


照「明日の朝には私は北方へ向けて旅立たなければならない。私がいない間は、咲がこの家をあずかることになる」

照「みんなは咲を助けてやってほしい」

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:01:31.54 ID:GCYCzEfF0
照「和」

和「はい」

照「和には私達が幼い頃から咲の付き人をしてもらっている。両親亡き後も私も咲も和のおかげで毎日寂しい思いをせず過ごせた。感謝するよ」

和「いえ、これが私の仕事ですし…咲さんのお世話ができるのは、私にとっても喜びですから…//」ポッ

照「(なぜ頬を染めるのか まぁいい)」

照「まこと優希も今まで私の部下として仕えてくれたけれど、これからは咲を助けてあげてくれないかな?」

まこ「もちろんわかっとるけぇの」

優希「まかせとけい!このタコスに誓って咲ちゃんは私達が守るじょ!」

照「」フフッ

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:02:42.30 ID:GCYCzEfF0
照「衣もいつまでも咲の仲良しでいてあげてね」


衣「愚問だな照よ。衣は咲が嫌だと言ってもそうするつもりだ。なあ、咲」

照「これぐらいにしないとアイスティーが温くなっちゃうね。
さぁみんなグラスを持って」

照「わが妹、咲と帝国に祝福あれ」

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:04:06.74 ID:GCYCzEfF0
ワイワイ
チョーオイシイヨー
タコスオカワリダジェー
エエッモウ!?
ワリャータベスギジャ
アハハハハ…






??深夜 咲の部屋??

照「しばらく咲ちゃんの顔も見られなくなる」シュン

和「起こしましょうか?」

照「いや、いい。眠らせておいてあげて。再び会えぬ別れでもなし」キリッ

和「(そう言いながら目に涙が溜まりに溜まってますよ)」クス

照「和 咲のこと お願いね」グシュグシュ…

和「はい。照様」

和「(普段はクールなお姉さんですがなかなか重度のシスコンですね)」


咲「zzz 」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:04:51.55 ID:GCYCzEfF0
チュンチュン

咲「う、う?ん…」

和「あら、起こしてしまいましたかね。おはようございます咲さん」

咲「お、おはよう。なんで私の部屋に…」

和「咲さんが寝ている間に照様は旅立たれましたよ。もう咲さんがお寝坊だから」クスクス

咲「スルー!?」ガビーン

和「さぁ!咲さんも今日から帝国軍の一員ですよ。久保様の所に向かいましょう」

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:05:56.81 ID:GCYCzEfF0
以下投下するのは謁見後、宮永邸に帰った際に少し出掛けた照の話です。

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:07:08.23 ID:GCYCzEfF0
ーーー大星淡邸

淡「そっか…行っちゃうんだね」シュン

照「うん、これも帝国を守る為だから」

照「淡も頑張るんだよ」

淡「将軍100年目の私がいるから帝国は大丈夫だよっ…!」

照「期待してるよ。私も必ず無事で帰るから」

照「だから泣かないで淡」ギュッ

淡「クスン…テルー…」ギュー



「あわいのにっき」

『テルが北方に出向くと聞いた。
 武人なら仕方ないって分かってるけどわたしの心はいたむ。
どうか無事でかえってきてね』

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:08:43.20 ID:GCYCzEfF0
ーーー王宮 家畜小屋前


豊音「?♪」

竜「ファー…ブルスコ…ファー」

咲「(大きな人だなぁ)」

優希「すごいじぇードラゴンだ!」

まこ「間近で見るのは初めてじゃあ」

和「竜…少し怖いですね」

衣「なかなか立派な体躯をしているな!」

24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:09:26.73 ID:GCYCzEfF0
豊音「!?わぁーちっちゃくてちょーかわいいよー」

衣「!?衣は小さくなどない!お姉さんなんだぞ!衣はこう見えて300ね 豊音「だっこさせてよー」キャッキャ

衣「はっ離せーー!」

キンパツヨウジョダヨー
ヨウジョジャナイー!!

和「遅刻しちゃいますよー」

26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:14:05.81 ID:GCYCzEfF0

豊音「またねー」フリフリ

衣「もう会わぬ!!」プンプン

咲「あはは」


???王宮内 久保の部屋

久保「遅かったなコラァ!いつまでも帝国将軍の妹では困るぞ!」

久保「今日からお前らの初仕事だ心して聞け!」

久保「このキヨスミンスターの北東に巫女の島がある!そこに祈祷師の神代小蒔様が住んでいる!」

久保「お前たちはそこへ行って星見の結果をもらってこい!!」

咲「はい(朝から大声はキツイなぁ…)」

久保「巫女の島へは船は出ていない。竜玄騎士団から竜騎士を呼んであるから乗せていってもらえァ!」

27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:15:06.29 ID:GCYCzEfF0
ーーー家畜小屋前

豊音「うわーまた会えたねぇうれしいよー」ピョンピョン

衣「竜騎士とはお前の事だったのか!」ガビーン

咲「あの、巫女の島まで乗せていってもらえませんか?」

豊音「いいよーそのために来たんだしね。さーこのカゴに入ってどうぞ!」

28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:15:58.39 ID:GCYCzEfF0
まこ「狭いのぉ…」

優希「のどちゃんの●●●●が場所とってるんだじぇ」

和「そんなに大きくありません!」ムギュムギュ

咲「(顔に当たってるよぉ…)」ポワポワ

豊音「みんな乗ったね。」

豊音「じゃあ行っくよーー!!」

竜「モルスァッ!!」

29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:16:48.31 ID:GCYCzEfF0
ビューーーーーーン
チョッ…マッ
ワアアアアア
ハヤイジェーー
キャアアアア ムギューー
ムッムネガカオニ…クルシ…




???巫女の島

豊音「ついたよーちょーはやかったでしょー」ニコニコ

和「咲さんしっかりして下さい!」

咲「」チーン

優希「また●●●●爆撃に咲ちゃんがやられてるじぇ」

衣「予期せぬ奇禍だったな咲」

まこ「ほれ咲しっかりしんさい」ペチペチ

咲「うーん…」

30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:17:44.65 ID:GCYCzEfF0
豊音「ここで待ってるからねーノシ」ブンブン

咲「帰りもあれに乗らないといけないんだよね…」

和「怖くないように私がしっかり抱き締めておいてあげますよ」

まこ「(そもそもそれが原因じゃろ)」

31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:18:40.86 ID:GCYCzEfF0
ーーー森の中

優希「おろ?誰かいるじょ」

初美「おやおやー珍しいですねーお客さんですか」

衣「破廉恥な格好をしおって。何者だ」

初美「おやおや。じゃあ挨拶代わりにちょこっと遊んでもらいましょうかー」


初美「わが『真なる四喜和の紋章』よ…」パアアア

32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:19:29.61 ID:GCYCzEfF0
ズズズーーン

東、南、西、北の牌を纏った怪物が現れた!


四喜和の怪物「スーシー…ホァーー!!」


咲「ひぇええええ」ガタガタ

和「下がってて下さい咲さん衣さん!」

和「優希!まこさん!」

優希・まこ「おうよ!」

33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:21:03.09 ID:GCYCzEfF0
優希「先制攻撃なら私の右に出るものはないじぇ!!」

優希「『東風』の紋章!」

優希「高火力で先制!」

ボーーン!!
18000!(お や っ ぱ ね!!)


まこ「そして!」


まこ「キングクリムゾン!!」

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:22:56.67 ID:GCYCzEfF0
戦闘終了




初美「やりますねー。役満攻撃もものともしない実力ですねー」

和「さすが速攻が得意なお二人ですね。『のどっち』への変化は少し時間がかかるので」

まこ「どういうつもりじゃいわりゃあ!」

優希「そうだじぇ!いきなり仕掛けてくるなんて!」

初美「帝国近衛隊の方々の実力をちょーっとばかし見せてもらっただけですよー。確かに本物みたいですねー」

初美「姫様の元に案内しますよー」

36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:25:03.13 ID:GCYCzEfF0


ーーー巫女の塔


咲「や…やっと着いた…」ゼェゼェ

優希「疲れたじぇ…タコスが切れると人の姿を保てないというのに…」ハァハ

和「高い塔でしたね…」ゼェゼェ

まこ「衣にゃちとキツかったみたいじゃのぉ」ゼェゼェ

衣「」グッタリ


小蒔「あらあら…お待ちしておりましたよ」

小蒔「遠いところご足労でしたね」ニコリ

小蒔「私が祈祷師の神代小蒔です」ボイーン

初美「私はその弟子の薄墨初美ですよー」ペターン

37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:27:00.28 ID:GCYCzEfF0
優希「師弟といえど●●●●までは大きくならないみたいだな」

咲「だね…」

小蒔「今年の使者はずいぶんお若いのですね」

咲「(なんだろう…この人の雰囲気)」ドキ

初美「一人を除いてみんなペッタンコですが実力は私が証明しますよー」

和「?」ボイーン

優希「貴様には言われたくないじぇ!」

小蒔「そうですね。お若くても全ての方に敬意を持たなければなりませんでした。星見の結果はこちらに用意してあります。奥へどうぞ」

和「咲さん どうぞ」

咲「う、うん」

40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:27:51.34 ID:GCYCzEfF0
ーーー奥の間 『星見の部屋』

小蒔「さぁこちらへ…」

咲「はい」

小蒔「……………!」

咲「?」

小蒔「……あなた…お名前は?」

咲「み、宮永咲です…」

小蒔「…そう、咲…優しい名前ですね」ニコリ

小蒔「森林限界にも花を咲かせることがある…そういう…尊い名前です」

咲「ありがとうございます」アセッ

42: sage忘れててすみません 2014/04/06(日) 01:33:29.35 ID:GCYCzEfF0
小蒔「私は星見の巫女。星の流れをみてそこに未来を読み取るのが仕事」

小蒔「時には目には見えない神でさえ、この身に宿すこともあります」

咲「はぁ…」

小蒔「しかし、未来とは定められたものではありません。私にわかるのはその大きな流れだけ」

43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:35:11.67 ID:GCYCzEfF0
咲「?」

小蒔「咲…あなたは世界の大きな流れの中で、厳しい宿命を背負わされています。それは、つらい選択であったり、癒されることのない悲しみかもしれません」

小蒔「そして、その結末は私にも知ることはできません。ただ、ひとつだけ…」

咲「…」

小蒔「あなたの運命は常にあなたの手中にあります。忘れないでください。あなたが正しいと思える事を、選びとるのです。わかりましたね」

44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:35:57.75 ID:GCYCzEfF0
咲「…はい」?

小蒔「今は分からなくてもかまいません。星見の結果を渡します」スッ

咲「どうも」

小蒔「これで私の仕事は終わりです。しかしあなたとは再び巡り会うことになるでしょう。これは星見ではなく私の願いですけどね」ニコッ

咲「はぁ(なんだろう)」


咲「(胸騒ぎが止まない)」


小蒔「自分の選択を信じるのです。今は…それ以上言えません」

45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:37:35.09 ID:GCYCzEfF0

咲「…」トテテ

和「!咲さん終わりましたか」

衣「大義であった咲」

優希「帰ろうじぇー!タコスを補給せねば」

まこ「そうじゃの」

咲「…」

和「…?」

46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:38:53.08 ID:GCYCzEfF0
ーーーキヨスミンスター


豊音「また会おうねーノシ」フリフリ

竜「ナデナデシテー…」


和「さぁ星見の結果を久保様に届けましょう」

咲「うん」

47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:39:44.28 ID:GCYCzEfF0
ーーーキヨスミンスター


豊音「また会おうねーノシ」フリフリ

竜「ナデナデシテー…」


和「さぁ星見の結果を久保様に届けましょう」

咲「うん」

48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:41:03.60 ID:GCYCzEfF0
ーーー王宮内 久保の部屋


華菜「遅かったな!久保コーチに怒られるし!」

『星見の結果を渡した』

久保「ふん…どうやら全くの役立たずというわけじゃないみたいだな」

久保「よし。すぐに次の仕事に取りかかってもらうぞ! どうしたァ!もっと嬉しそうな顔しやがれ!!」

華菜「そうだし!」

まこ「」イラァ

華菜「(新人が入ったから華菜ちゃんがコーチに怒られることも減るし!)」ニシシ

49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:42:44.76 ID:GCYCzEfF0
久保「いいか、ここから東にロックランドという町がある」

華菜「東のロックランドだし!」

久保「この町がどうしたことか今年は税金を納めに来ない」

華菜「こないんだし!」

久保「そこで、お前らがロックランドに出向き」

華菜「出向くし!」

久保「税金を納める日が」

華菜「納める日だし!」

久保「池田ァァア!!さっきからうるせーぞ!!」

華菜「そうだぞ!お前らうるさいし!!」

久保「お前の事だ池田ァァア!!」

華菜「えぇ!?華菜ちゃんのことですか?」

久保「…まぁいい。そこの軍政官である江崎仁美という女に税金のことを聞いてこい」

50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 01:43:59.17 ID:GCYCzEfF0
久保「それから今回は池田がお目付け役としてついていく」

華菜「近衛隊では華菜ちゃんが先輩なんだからな。あたしに逆らうことは帝国に逆らうと思うし!」

まこ「ウザいのぉ」イラァ

久保「じゃあさっさと迎えァ!!」

60: 続きです 2014/04/06(日) 19:05:18.49 ID:GCYCzEfF0
???ロックランド

ネリー「ねぇねぇコイン勝負しようよ!」

華菜「遊んでる場合じゃないし!」

咲「ま、また後でね」

ネリー「ネリーはお金がいるんだよ!また声かけてね!」

和「たくましい子供もいるものですね」

まこ「戦争孤児も少なくないからのぉ…」

衣「…」

優希「この町にはタコスは置いてないみたいだじぇ」

61: 博多弁わかりませんちがっていたらごめんなさい 2014/04/06(日) 19:10:13.85 ID:GCYCzEfF0
ーーー江崎仁美の屋敷

使用人「こらこら何だお前らは。ここは江崎様のお屋敷だぞ。勝手に上がり込むな」

華菜「お前こそなんだ!帝国近衛隊隊長久保コーチの副官池田華菜が来たって江崎に伝えるし!」

使用人「はっ、はい、少々お待ちを…」



仁美「なんね?また町の奴らが抗議に来たと?追い返せ追い返せ」チューチュー

使用人「は…それが近衛隊だとか…」

仁美「近衛隊やて…?それをはよ言わんね」

62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 19:22:29.97 ID:GCYCzEfF0
仁美「これはこれは帝国近衛隊ん皆しゃん。こげな田舎までちゃうきんしゃったっちね。立ち話もなんやからこいばどげんぞ」チューチュー

???応接間

華菜「ふん!なかなかいい暮らしをしてるみたいだな」

仁美「いえいえしょげなこつなかとよ」チューチュー

華菜「まぁいいし。それよりなぜここに来たか分かってるんだろうな?」

仁美「もちろん。税金んこつやろ?」

仁美「実はこん近くん清澄山に山賊の住み着きましてな。辺りん村ば荒らし回っちちかっぱ税金の取れんっち困っちったんたい」

仁美「なんもかんも山賊が悪い」

仁美「ばってんもう安心たいな」

華菜「安心?」

仁美「近衛隊ん皆様なら山賊なんぞひっちひねりやけん。これで税金も納めるこつの出来ますな」チューチュー

仁美「まさか田舎の山賊ごとき尻込みするわけなかと?」

華菜「も、ももももちろんだし!華菜ちゃんにまかせるし!!」

65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 19:31:03.03 ID:GCYCzEfF0
まこ「なに言うとんじゃ!わしらの任務は…」

優希「そうだじぇ!腕がなるな!」タコスウマー

衣「ふむ…刺激がある任務もそう悪くあるまい。なぁ咲」

咲「え、一度戻った方がいいんじゃないかな…?」

和「そうです!私達の任務は山賊退治ではありません」

華菜「リーダーは華菜ちゃんだし!あたしが行くと言ったら行く!この腰抜けどもめ!」

和「そうは言っても場所わかってるんですか?」シラー

華菜「い、いま聞くところだったし!」

66: 九州キャラ出るまで投下します 2014/04/06(日) 19:32:34.76 ID:GCYCzEfF0
ーーー清澄山 洞窟内

まこ「探索はキンクリじゃ」



和「もうだいぶ奥まで来ましたね…」ブルッ

優希「のどちゃん怖いのか?パイが震えてるじぇー」

和「震えてません!」

衣「…む…」

咲「どうしたの衣ちゃん?」

衣「いや…何か聞こえないか?」

まこ「何かって?」

グオオオオ…

華菜「ひぃ!?何かいるし!」

優希「なんだ!?」


グオオ……


咲「あれは…!!」

67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 19:58:38.95 ID:GCYCzEfF0

それは蟻のようなものだった。

蟻のようなものというのは姿形がそれに酷似している、というだけで大きさは通常の蟻とはほど遠いものだった。
その大きさは以前出会った竜騎士の姉帯豊音をも遥かにしのぐもので全長は五メートルは越えると思われる。

そんな異形の怪物の視線は真っ直ぐにそして純粋な敵として不気味なほど静かに咲達に向けられていた。

クイーンアント「ギギギギギ」ギチギチ



68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:00:55.52 ID:GCYCzEfF0
華菜「ば、ば、ば、化け物ーーーー!!!」サササッ

優希「池田ァ!お前も戦え!」

まこ「ほっとけ!それよりコイツじゃ!」

和「咲さん!私の後ろに!」

咲「なんなのあれ…」ガタガタ

衣「…」

まこ「戦うぞ!」

優希「タコスぢからフル回転だじぇー!」

和「『のどっち』チェンジ!」

69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:01:58.29 ID:GCYCzEfF0
戦闘シーンキンクリ

優希「はぁ…はぁ…タコスが切れてきたじぇー…」グッタリ

まこ「何なんじゃコイツは…」ゼェゼェ

和「傷ひとつ付かないなんて…」ハァハァ

咲「そんな…」

クイーンアント「」ギュチギュチ

華菜「何やってるし!お前ら華菜ちゃんを守れ!」

和「咲さん逃げましょう。私が守ります」

まこ「逃げきれるかどうか…」

咲「(どうしよう…怖い…)」ガタガタ…

咲「(お姉ちゃん…助けて…)」

70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:03:13.84 ID:GCYCzEfF0
サキ…


咲「え?」


衣「咲。みんな聞いてくれ」




衣「衣に妙案がある」

71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:13:12.89 ID:GCYCzEfF0
衣「皆、下がっていてくれ」

咲「!?衣ちゃん!駄目だよ危ないよ!!」

衣「気遣い感謝するよ咲。だが大丈夫だ。衣に任せておけ」スッ

パアアアアアア!!

衣「」ゴゴゴゴゴ


咲「!?」

まこ「なんじゃぁ?!」

ズオオオオオ!!

和「蟻が…」

優希「なんかに掬われて消えていくじぇ!」

華菜「あれは…」



シュウウウウウ………


咲「消えた…跡形もなく…」

72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:14:25.26 ID:GCYCzEfF0
衣「…ふぅ」

和「こ、衣さん今のは…?」

衣「済まないノノカ。今は説明するのが憚られる」

衣「咲。家に戻ったら話さねばならぬことがある。それまでは静観しておいてくれまいか?」

咲「わかったよ」

衣「さぁ山賊どもを一網打尽にしてキヨスミンスターに戻ろう!」

優希「助かったじぇ!」





華菜「今のは…コーチの言っていた…」

73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:16:53.03 ID:GCYCzEfF0
ーーー山頂

塞「おや、お客さん?こんな所まで何の用かな?」

華菜「聞くし山賊め。国内無敗の皇帝・小鍛治健夜さまの天兵、うるわしの帝国近衛隊副官池田華菜ちゃんがお前らを成敗にきた。税金泥棒め、降参しろ!」

塞「聞いたシロ?税金泥棒だってさ。勘違いしてるんじゃない?」

白望「ダルい…どうでもいい」

塞「こんな時までそれ!?…税金泥棒の帝国軍め。ケガしない内に帰るがいいよ」

白望「塞。抵抗しないでおこう」

塞「ええ!なんでよ!?ここは戦うところでしょーに!」

白望「ここまで来られたってことは私達の仲間を倒してきたってことでしょ」

白望「こっちは二人で向こうは六人。不利なのはどうみても私達。戦った所でダルくなるだけ…それに」

白望「…塞にケガされると…もっとダルいから」

塞「ハァ…ったくもう…アンタは言い出したら聞かないもんね…分かったわよ」

塞「…どうせそろそろ帝国軍の奴らに嗅ぎ付けられたら限界かと思ったしね」

74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:17:54.42 ID:GCYCzEfF0
優希「なんかあっけなかったじょ」

まこ「まぁこっちも戦った後じゃしな。正直ありがたいの」

華菜「この華菜ちゃんに怖じ気づいたな!さぁこいつらを縛って連れていくし!」

和「(それはないと思います)」

白望「ダルいからおんぶしてふもとまで降りて…」

まこ「自分で歩かんかい」

75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:18:44.30 ID:GCYCzEfF0
ーーーロックランド

帝国兵「このガキ!!俺様のピカピカの靴に泥をつけたな!」ゲシゲシ

ネリー「やめてよ!ネリーはお金が欲しかっただけだよ!」

和「!助けないと…!」

華菜「あんなの日常茶飯事だからほっとくし!」

咲「日常茶飯事…?」

76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:19:49.58 ID:GCYCzEfF0
ーーー江崎邸

仁美「税金泥棒の山賊どもを生け捕りに?さすが近衛隊はやりますなー」チューチュー

塞「税金泥棒!?それはあんたのことでしょ!?」

白望「ダル…」

仁美「こいつらはここの牢に閉じ込めときんしゃい」

77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:20:38.61 ID:GCYCzEfF0
仁美「池田様」チューチュー

華菜「なんだし?」

仁美「これを持ってきんしゃい。心ばかりのお礼やけん」つお金

華菜「これはすまないな」

華菜「これは華菜ちゃんが預かっておいてやるし!」

まこ「(ネコババする気じゃの)」

78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:21:30.54 ID:GCYCzEfF0
華菜「さぁお前ら!華・菜・ち・ゃ・ん・の活躍で山賊どもは引っ捕らえた。とっとと戻るぞ。早くコーチに華・菜・ち・ゃ・ん・の手柄話を聞かせたいからな!」

和・まこ・優希「」イラァ

衣「…」

咲「(衣ちゃん…)」

79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:22:44.98 ID:GCYCzEfF0
ーーーキヨスミンスター


華菜「ようし、お前らはここまででいい。家に帰って休んでろ」

華菜「コーチへの報告は華菜ちゃんがしておいてやるし!なんて優しいんだ!」

まこ「おーおー優しいのぅ。あいつ手柄を独り占めする気じゃ」

和「あのくらいの手柄なんていつでも立てられますよ。それより早く帰りましょう」

華菜「おい衣。お前は華菜ちゃんと一緒に来るし」

衣「何用だ?」

華菜「なぁに大したことじゃない。すぐ済むし」

衣「上官には逆らえんな…咲、先に帰っていてくれ。話すこともあるのでな」

咲「う…うん…」

80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:23:23.36 ID:GCYCzEfF0
ーーー宮永邸 食堂

優希「腹一杯だじぇ!やっぱりタコスだな!」

まこ「久々にゆっくり出来るわい」

和「咲さん、アイスティーが入りました」

咲「ありがとう和ちゃん…」

ポツッ…ポツ…

サアアアアア…

和「雨が降ってきましたね」

81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:24:08.16 ID:GCYCzEfF0
和「しかし、最近どうも世間では帝国軍の評判があまり良くないみたいですね…」

まこ「そうじゃのう。わしらが戦うた継承戦争の頃から見れば、堕ちたもんじゃな」

和「久保や池田みたい奴らがのさばっているから評判が落ちるんですよ」

優希「いつまで久保の元で働かなきゃいけないんだじょ」


和「衣さん、遅いですね…」

咲「うん…」


サアアアアア……

82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:25:36.59 ID:GCYCzEfF0
咲「ちょっとおトイレ」

ガチャ


ーーー玄関

衣「うぅ……さき…」

咲「…!?」

咲「衣ちゃん!!!?」

衣「うぅ…」

和「咲さん?どうしまし…!!」

和「衣さん!!!」

和「優希!まこさん!手を貸して下さい!!」

83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:26:32.82 ID:GCYCzEfF0
咲「衣ちゃん!しっかりして!!」

優希「衣!?どうしたんだ!?」

まこ「すごい血じゃ…それもこの傷口普通じゃない…魔法か?」

和「とにかくベッドに運びましょう」

84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:27:14.60 ID:GCYCzEfF0
まこ「一体何が…城から戻る道で強盗に襲われた?…にしちゃあ魔法の傷痕というのはおかしいのぅ」

優希「目を覚ましたじょ」

衣「う…うぅ…ん…ここは…?彼奴らは…?近衛隊の者どもは…まだ来てないのか……た、助けてくれ咲…」

和「大丈夫ですよ。安心してください。落ち着いたら何があったか話してもらえますか?」

衣「ノノカ…実は…」

85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:29:42.92 ID:GCYCzEfF0
ーー衣の回想ーー

衣『早くしろ。衣は空腹なんだ』

華菜『黙るし。いま久保様が郁乃様に話を取り次いでるし』

久保『』ガチャ

久保『ふん。よし衣。私と一緒に来るんだ』

衣『ふん』

86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:30:15.61 ID:GCYCzEfF0
ガチャリ

郁乃『ひっさしぶりやねぇ。相変わらず小そおて可愛いらしいなぁ』

郁乃『300年前とちっとも変わっとらんやん。羨ましいわぁ』ニコニコ

衣『!?お前は…!あの時の魔法使い!!』

郁乃『覚えとってくれたん?嬉しいわぁ。勿論わたしもあんたを忘れたことあらへんよ』


郁乃『…その右手の紋章…返してもらおか』

87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:30:55.46 ID:GCYCzEfF0
衣『戯れ言を!こいつはお前だけには渡さぬ!』

衣『お前に渡すぐらいなら…』スウッ

パアアアアアア


郁乃『何するつもりなん?』

衣『呪いの紋章牌《一筒牌》よ…その力を示せ』ゴゴゴゴゴ

郁乃『アホなことしたらあかん!こんなとこで力をつこたら自分もタダじゃ…』

ーー衣の頭上に浮かび上がる一筒


衣『海 底 撈 月 』

ゴッ…!!!!

88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:31:40.41 ID:GCYCzEfF0
ーーー回想終わり


衣「さき…たのむ…」

優希「おい衣!」

和「駄目です…また気を失ってしまいました」

優希「どういうことだ?近衛隊に追われてるみたいだが…まさかな…」

和「衣さんが何かしたって言うんですか!?そんなわけ…」

優希「分からないじぇ。近衛隊に知らせた方がいいんじゃないか?染谷先輩」

89: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:32:31.25 ID:GCYCzEfF0
和「何故です?咲さんの親友が帝国に追われるような事するわけありません!」

和「なんで近衛隊に知らせるような真似…それじゃまるで…」

優希「もしもということもあるじょ。照様がいない時にヘマ出来ないじぇ」
まこ「まぁ落ち着きんしゃい。とりあえず衣が目を覚ますまで待てばええ」

90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:33:12.05 ID:GCYCzEfF0
咲「衣ちゃん…」

和「咲さん心配しなくても大丈夫ですよ。衣さんが何かするわけないじゃないですか」

和「衣さんがさっき言ってた【一筒牌】という名前・・・どこかで聞いたような・・・」 


優希「…衣の熱が下がらないみたいだから薬屋を叩き起こしてくるじぇ」

バタン


92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:40:02.98 ID:GCYCzEfF0
ザアアアア……

和「雨…止みませんね」

まこ「イヤな雨じゃ。寒気がするわ」

衣「ぅう…」

咲「衣ちゃん!」

まこ「気がついたみたいじゃのう」

衣「咲…すまぬ……迷惑をかけたみたいだ…」

和「そんなことよりさっきの話はどういうことなんです?【一筒牌】というのは?」

93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:40:44.13 ID:GCYCzEfF0
衣「咲…一生のお願いだ。衣の頼みを…聞いてくれないか……?」

咲「なに?衣ちゃん」

衣「衣の…右手の…手袋を外してくれ……」

咲「うん」スル…


衣の右手の甲に一筒の紋章が浮き出ている

94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:41:15.25 ID:GCYCzEfF0
和「これは…」

まこ「まさか、34の真の紋章牌か?」

衣「そう…これがその一つ【一筒牌】の紋章牌…呪いの紋章…」

衣「こいつが全ての始まり…衣が宮廷魔術師…赤阪郁乃に狙われたのも…こいつのせいだ…」

和「郁乃様が何故そんなことを?」

衣「…目的は分からぬが…あの女は…これを狙っている…だから衣は…300年の間…世界を放浪し…逃げ続ける羽目になった…」

衣「…でも…このような所で…見つかるなど…。清澄山で…力を使ったのが…失敗の元だ…」

95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:41:57.61 ID:GCYCzEfF0
まこ「清澄山のクイーンアントを倒したのもこの紋章牌の力か」

衣「さき……衣は…この傷では…あの女から…逃げ切ることは…不可能だ……」

衣「……友情にすがり…このような事を…頼むのは…厚顔無恥だと…自覚している…」

衣「友に……不幸をもたらすと…知っていて……其れを…成そうとするのも…正しい…行いではない…」

咲「こ…ころもちゃん…」

96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:42:42.13 ID:GCYCzEfF0
衣「…だけど…でも…衣にはお前しかいないんだ…!」

衣「『一生のお願い』だ…!この雀牌を守ってくれ…!!…この雀牌を…赤阪に…渡すわけにはいかぬ…!!」

衣「…だから…たのむ…!この雀牌を…受け取ってくれ……!!!」



咲「…」

咲「………」ギュッ





咲「………分かったよ。安心して、衣ちゃん」コクン

97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:43:25.64 ID:GCYCzEfF0
衣「済まない…咲…この牌は…お前に…厄難をもたらすかも…しれない…」

衣「その時は……衣を…恨んでくれて…構わぬ…。でも赤阪にだけは…それを…渡さないでくれ……右手を…さき…」ギュッ…

咲「…」ギュッ…


パアアアアアア……


衣の右手から溢れでる光が浮き上がり…

咲「」シュウゥ…

静かに咲の右手に落ちた

98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:43:55.30 ID:GCYCzEfF0
衣「これで…衣も……安心して……」


ドンドン!!
バタバタバタ!!

和「な、何ですか?」

まこ「玄関の方じゃの。和、着いてきんしゃい」

和「はっはい」

タタタ…

99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/06(日) 20:44:35.54 ID:GCYCzEfF0
衣「さき…衣は300年の間……一度も…ゆっくりと眠ったことが…なかった…」

衣「これで……初めて、ゆっくりと…ねむれそう…だ……」


衣「…………」

咲「ころも…ちゃん」



咲「玄関の方に行ってみよう」

108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 18:16:20.41 ID:7EZDbCY80
ーーー宮永邸 玄関

久保「これはこれは!宮永家の妹君もいらっしゃったかァ! 大人しく天江衣を引き渡してもらおうかァ!」

久保「奴がここにいることはわかってんだ!!帝国に忠実な優希さんが教えてくれたからなァァ!」

まこ「優希!お前!!」

和「何故ですゆーき!?」

優希「うぅ…」フイ

優希「照さまのいないときに何かあったら、照さまに迷惑がかかるじょ…。私にはそんなマネ出来ない…。照さまの信用を裏切るようなマネは……分かってくれ…」

109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 18:17:33.78 ID:7EZDbCY80
久保「さぁ衣を引きずりだせァァ!」

まこ「そうはさせんぞ久保。いかに近衛隊といえど照様の家に理由なく入れるわけにゃいかん」

和「そうです!咲さんに誓ってここから咲は…いえ、先は通しません!」

110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 18:18:04.12 ID:7EZDbCY80
衣「…待ってくれ…」ヨロッ

久保「ふん。大人しく捕まる気になったか」

衣「咲…奴等はまだ…衣が紋章牌を持っていると思っておる…」

衣「だから…衣がオトリになる…その隙に…逃げてくれ…」

111: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 18:18:39.35 ID:7EZDbCY80
和「それじゃあ衣さんは…」

咲「だめだよ、そんなの…!」

衣「大丈夫だ…衣も…逃げ切って見せる…」

咲「嫌だよ…無茶だよ…!」グスン

衣「…衣は…お前を…信じて…いる…。だ…だから…お前も…衣を…信じて…くれ…」

咲「…」フルフル

衣「衣を……悲しませるな…お前なら…衣の気持ちが…分かるはずだ………」

咲「ごろもぢゃん…わ…わがったよ……」ポロポロ…

112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 18:19:09.67 ID:7EZDbCY80
和「咲さん!衣さんはあの怪我なんですよ!?逃げ切れるはずありません…!」

まこ「言うな和。咲にもわかっている筈じゃ。衣の気持ちを無駄にしない為にはここは逃げるしかない。そうじゃろ?咲」

衣「は…早く行け!」

和「分かりました。調理場の裏口から逃げましょう」

タタタタ…

113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 18:19:59.57 ID:7EZDbCY80
衣「…ありがとう…咲…」





衣「300年の間で…お前が…お前だけが……ただ一人の友達だった……」

114: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 18:20:30.27 ID:7EZDbCY80
ーーーーキヨスミンスター 宿屋

由子「あら、あら、あら」

由子「誰かと思えば宮永さんとこの咲ちゃんじゃないのよ」

由子「一体何が…とにかくこっちなのよー」

115: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 18:21:00.04 ID:7EZDbCY80
ーーー翌朝 宿屋 屋根裏

由子「まったく、何があったのよ?帝国の兵士達は走り回ってるし、あんたらは濡れ鼠で逃げてくるし…」

由子「……まぁいいわ。何か事情があるのよね。宿代はツケにしといてあげるのよー」

和「かたじけありません」

由子「」トントントン…

116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 18:21:41.93 ID:7EZDbCY80
和「咲さん、こうなった以上、しばらく身を隠した方がいいですね。…しかしこんなことになるとは…」

咲「うん…」

まこ「照様のおる北方へ行って、力を借りる以外に帝国に戻る術はないのぉ」

まこ「今は無事にキヨスミンスターを抜け出る方法を考えんと」

咲「私…ちょっとおトイレへ行ってくるね」

和「咲さん、あまりウロウロしないで下さいね」

117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 18:22:35.04 ID:7EZDbCY80
ーーー宿屋 一階

セーラ「うーん、どないしたらええかな…」

咲「(トイレはこっちだったよね)」タタタ

ドンッ!

帝国兵士1「うわわっ!いててて!このガキいきなりぶつかってきやがって!」

121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 19:46:00.95 ID:7EZDbCY80
咲「あわわ…」アセアセ

帝国兵士1「こっちはなぁ!休みだってのにいきなり駆り出されて徹夜で人探し。やっと一息ついたとこなんだぞ!」

ざわ…ざわ…


セーラ「んー?なんや?」

咲「(顔、見られないようにしなきゃ)」ササッ

122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 19:46:33.77 ID:7EZDbCY80
帝国兵士1「人にぶつかっておいて謝りもしねぇのか!」

帝国兵士2「ん…?ちょっと待て。お前の顔どこかで…」

和「咲さん、大丈夫ですか?」

まこ「なんじゃお前らどういうつもりじゃ!」

帝国兵士2「なんだお前らは?ん、それに咲…?」

帝国兵士2「おいそのガキの顔を見せろ。おたずね者の宮永家のガキに似てるような気がする」

123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 19:47:05.18 ID:7EZDbCY80
咲「(ど、ど、どうしよう)!」

和「なんですって?」

まこ「このまま騒ぎが大きくなるとまずいことになるのう」

和「咲さん、ここは私達が食い止めます。逃げてください」

まこ「そうじゃの。やるしかないの」

124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 19:47:39.05 ID:7EZDbCY80
セーラ「はいはいはい。そこまでにしとけよネーチャン方。そっちのお偉いさんも」

セーラ「なぁ考えてもみろや。おたずね者になってまだこんなとこにおるアホなんかおるわけないやろ?」

帝国兵士2「ま、まあそうだが一応…」

咲「」ブルブル

セーラ「やめとけや。怖がっとるやろ。このガキ共はオレが外に叩き出しといたるから」

帝国兵士1「おい、ちょっと待て…」

帝国兵士2「いいじゃないか。帝国にそこまで義理立てする必要はねぇよ」

由子「あーーー!あの女!」

126: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 19:54:56.10 ID:7EZDbCY80
和「ありがとうごさいます。助かりました」

セーラ「ええよええよ。オレも飯代がなくて困っとったとこや」ケラケラ

和「あーーー!ってことはじゃあ!」

まこ「わしらを食い逃げのダシに使うたってことか」

セーラ「まぁええやないか」

セーラ「で、助かったってのにそないな困った顔してどうした?」

127: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 19:55:41.66 ID:7EZDbCY80
咲「うぅ…」

セーラ「知ってんで。お前やろ?宮永家の反逆者ってのは」

和「私達は反逆者なんかじゃありません!」

セーラ「そりゃどっちでもええわ。それよりお前らはここからどないして逃げ出す気や?」

咲「うぅ」

セーラ「お前らがその気ならオレに考えがある。この手のことには慣れてんねん。どや、乗ってみるか?」

咲「お…お願いします」

128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 19:56:14.35 ID:7EZDbCY80
セーラ「よーし任せとけ!ただ一つだけ条件がある」

和「ほらきましたよ」

セーラ「難しいことやないで。ウマイこと逃げ出せたら、あんたらに会うてほしい人がおる。どや?悪くない条件やろ」

咲「」コクン

セーラ「ほな話は決まった。急ごうや。まずは城門まで一緒に行くで。大丈夫。帝国の奴らに引き渡したりせえへん」

和「は、はぁ…」

まこ「ウマイこと丸め込まれた気もするのう。まぁ今は仕方ないか」

129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 19:56:49.94 ID:7EZDbCY80
ーーー城門

セーラ「さて、オレが話を着けてくるから大人しく待っとけよ」スタスタスタ


セーラ、交渉中




セーラ「OKや。顔見られへんようにな」

見張り「ふわぁぁぁあ。陽射しがきついな。ちょっとこっちの日陰にでも…」ソソクサ

130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 19:57:51.18 ID:7EZDbCY80
和「はぁ…はぁ…やりましたね。心臓が飛び出すかと思いましたよ…」

咲「うまく出られたね…」

まこ「しっかしあんた、どんな手を使うたんじゃ?」

セーラ「なぁに簡単や。ちっとばかしワイロを掴ませたったんや。」

セーラ「帝国軍も弱者にゃ強いが、金にゃ弱い。皇帝の都いうても、この程度や。どこもかしこも腐って、緩みきっとる」

まこ「嘆かわしいのう…」

131: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 19:58:39.92 ID:7EZDbCY80
和「あれ?でもさっきお金が無いって…」

セーラ「お前らが逃げるための金をなんでオレが出すねん」

和「え?え?…あーーーー!サイフ!いつの間に!!」

セーラ「ほれ返すわ。今度はちゃんとしまっとけよ。さぁ約束忘れてないやろな。えーっと…お嬢ちゃん」

和「咲さんです!!」

セーラ「ほな、咲」

セーラ「お前らに会わせたい人がセンリヤマンプにおる。行ってくれるよな?」

咲「約束だから」

セーラ「よし!ほなこんなとこさっさとオサラバしようや」

132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 19:59:52.42 ID:7EZDbCY80
ーーーセンリヤマンプ 宿屋『すいた亭』

セーラ「着いたで。しけた町やけどええ地酒がある。ま、お前にゃ早いか。はははは!」

セーラ「さぁオレはちょっと話をつけてくる。遅くなるかもしれんからお前らはゆっくり待っといてくれ。この宿の一番ええ部屋とっとるから」




和「会わせたい相手というのは誰なんでしょう? あの人どうも信用出来ません…」

まこ「まぁなぁ。それよりワシはシャワーでも浴びたいところじゃあ」

133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 20:00:25.75 ID:7EZDbCY80
ーーー夜ーー

和「あの人…江口セーラと言ってましたっけ、帰って来ませんでしたね」

まこ「しかし今はあてもないけぇのう。しばらく待って、ダメなら北方へ向かおう。照様に会えたら何とかなるじゃろうよ」

和「ねぇまこさん、優希はなんで…」

まこ「言うな…和。」

咲「優希ちゃん…衣ちゃん…」

ガシャーン!
バターン!

和「何でしょう、こんな夜中に」

134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 20:01:08.18 ID:7EZDbCY80
宿の主人「なんでしょうか?」

帝国兵士「この宿におたずね者の一行が泊まっていると帝国兵の通報を受けた。今から調べさせてもらう」

宿の主人「そんな乱暴な、お客さんはみんな寝ているんですよ」

帝国兵士「貴様!反逆者を庇うつもりか!」

和「咲さん、追手です!やっぱりあんな人、信用するんじゃありませんでした!」

まこ「まずいのぅ。このままじゃと見つかってしまうわ」


咲「どうしよう…」ハワワワ

135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 20:02:01.74 ID:7EZDbCY80






???「こっちやで」







136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/07(月) 21:13:20.05 ID:7EZDbCY80
和「!?今の声は?」

まこ「そこのでっかい置き時計の方から聞こえたのう」

??「何しとんねん。はよこな見つかるで」

和「ひゃっ、誰ですか!?」

まこ「誰でもええわい、天の助けじゃ」サササッ


時計の下の隠し通路に下りる


140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 02:52:44.01 ID:bmuE4/FP0
ーーー宿屋の地下水道


和「宿屋の地下に水道が…」

怜「セーラの言うてた『新しい仲間』ってあんたらのことやろ?皆待っとるで。着いといで」ゴホッ


案内された先に四人の人間がテーブルを囲んでいた


セーラ「いやぁすまんすまん。ひどい目におうたな。でもスリルあったやろー」

和「どういうことですかこれは?」

セーラ「こないに早ようバレると思わんかったで。せやけど、その代わり怜とも会えたからよかったやんか」ハハハ

まこ「怜…?どっかで聞いたような…」

141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 02:54:03.25 ID:bmuE4/FP0
和「まさか…!反乱軍の…!」

咲「反乱軍?」

怜「反乱軍とはエライ言いぐさやなぁ。私らは解放軍て呼んどるけど。まぁ呼び方なんか気にしてへんけどな」

142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 02:54:35.22 ID:bmuE4/FP0
怜「改めて、挨拶するわ。私が解放軍のリーダー。園城寺怜や。よろしくな。好きなものは膝枕や」

咲「ひざまくら?」

怜「せや。私、病弱やから…膝枕ないとあかんねん」ゴホッ

竜華「そのアピールやめっ」

143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 02:59:01.51 ID:bmuE4/FP0
まこ「あんたが、解放軍のリーダーじゃと…?」

怜「せやで?」ゴホッゴホッ


和「(どう見ても そんな血気盛んなタイプには見えませんが…)」

怜「あぁ、あんたらの言いたいことは分かるで。 わたし 病弱やけど結構おてんばやから」

咲「(おてんばで済むものなのかな…?)」

144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:00:20.87 ID:bmuE4/FP0
竜華「…セーラ。会わせたいっていうんはその子らなん?」

セーラ「せや。聞いて驚くなや、こいつはな、あの宮永照将軍の妹や。そしてその上おたずね者やで」


セーラ「どや?こいつが仲間になれば、解放軍の為になるってもんやろ?」

和「冗談じゃありませんよ!勝手なこと言わないで下さい!どうして咲さんが反乱軍の仲間になるんですか。ねぇ咲さん」

咲「え、えーと…?」

竜華「わけが分からへんって顔してるけど?」

セーラ「ほれ、まぁ…追々説得すりゃええねんて! どうせ行くとこないんやろ?」

145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:02:50.42 ID:bmuE4/FP0
怜「どうやらあんたらもセーラに騙されたクチやろ。自分が気に入ると強引に連れてくるんやから…」

怜「…でも帝国に追われとるみたいやし、外はまだ帝国兵でいっぱい。ほとぼり冷めるまでここにおったらええよ」

怜「それから後どないするかはあんたらの自由やで」


和「冗談じゃないですよ…反逆者の仲間なんて、そんなバカなこと出来るわけないですよね?」

咲「とりあえず、皆さんと話してみようかな」

146: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:03:51.80 ID:bmuE4/FP0
竜華「怜が客として迎えるならウチも歓迎するわ」

竜華「ウチは清水谷竜華。解放軍の膝枕の竜華といえばウチのことやで!」ドヤッ

咲「はぁ…」?

竜華「え!?知らん?ほな覚えといて。そっちの無口なんは『ポン刀の智葉』と参謀の恭子」

竜華「そしてこの膝枕の竜華は解放軍やったらちょっとした有名なんやで!」

恭子「末原恭子いいます。よろしくお願いします」

智葉「………」

咲「よ、よろしくお願いします(ドス持ってるよこの人…)」タジッ



和「少し…外の様子を見てきますね」

まこ「ワシも行くよ」

147: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:05:21.40 ID:bmuE4/FP0
ーーーアジト入り口付近

男「ぅ…うう…」

和「!大丈夫ですか!?」

男「怜…さまに…つ、伝えないと…」

まこ「とにかく中へ運ぶぞ」

148: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:06:26.66 ID:bmuE4/FP0


男「…う…ここは…?」

怜「安心し。解放軍のアジトや。それより私に用があったんとちゃうか?」

男「じゃああなたが怜様? あ、ありがたい」

男「あっしは清澄山の山賊でして、いや狙うのはもっぱら悪どいやり口の帝国の奴らです」

男「ところがついこの間、帝国の近衛隊の奴らがやってきて、あっしらの親分の塞様と白望様を捕らえちまったんです」

和「塞と白望ってもしや…」

まこ「しっ。静かにしときんしゃい」

149: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:07:12.77 ID:bmuE4/FP0
男「怜様、お願いです。塞様と白望様を助けてください。ロックランドの江崎仁美は、親分達を磔刑にしたまま飢え死にさせようとしてるんです!」

まこ「んなアホな!裁判もなしに処刑するなんて、帝国法でも許されとらんぞ!」

怜「んなひどいことを…」

竜華「せやけど怜。最近は帝国の監視が厳しいやん。あんまり目立った行動はとられへんよ」

怜「人手が足りひんことは分かっとる。せやけど私達を頼ってきたんや。それを裏切ることはできん」

咲「私たちのせいだ…」

怜「私たちのせいって…どういうことや?」

和「実は…」

150: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:08:39.82 ID:bmuE4/FP0



セーラ「なるほどな。そんなことがあったんか。知らんかったとはいえ、このままにはしとけんよな、咲?」

セーラ「ここは塞と白望を助けたらなあかん。せやろ? 咲。オレも手伝うからよ」

咲「そうだね。雰囲気が悪い人達じゃなさそうだったし…」

まこ「そうじゃな。帝国を裏切る気はないが、江崎は許せん」

和「そうですね…江崎さんの不正を正すのも帝国の為になるでしょうし。…それに、咲さんがそうすると言うのなら、私はそれに従います」

咲「ありがとう和ちゃん」

151: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:09:27.16 ID:bmuE4/FP0
男「ありがとうごさいます。塞様と白望様はロックランドの軍攻管の屋敷で磔になってます。早くしねぇと親分達が日干しになっちまう。お願いします」

怜「咲。私らからもお願いするな。セーラ、頼んだで」

セーラ「任せとけよ。さぁ咲、行くで!」ロックランドヘイクデー

咲「はい!」

152: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:10:30.01 ID:bmuE4/FP0
ーーーロックランド 屋敷前

セーラ「よっしゃ。少し待っとけよ。まずオレが侵入するから合図したらお前らも来い」スタタタ


ン?ナンダキサマ
バキッドカッ!
ウワーーー
ヒーツケルデー


ゴオオオオオ…

和「!屋敷から火が!」

セーラ「今や!混乱しとる内にはよう!」

まこ「行くぞ!」

まこ「キングクリムゾン!」

153: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:13:47.95 ID:bmuE4/FP0
ーーー屋敷の広場

セーラ「おった!塞と白望や」

塞「うぅ…やっぱキツイわ、これ…」

白望「はりつけダル…目がかすんできた…」

塞「んん…寝てたわ……ああ!あんたらはあの時の帝国の奴ら!私を笑いに来たのね!」

和「そんなことしにきたんじゃありません。私たちだって事情を知ってたら江崎なんかに力を貸しませんよ」

まこ「ワケあってのう。今じゃあんたらと同じおたずね者じゃ。いま助けちゃるけえの」

154: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:19:56.92 ID:bmuE4/FP0
塞「助かるわ。シロの方もお願いね」

白望「その必要はないよ」

シュル…

和「え?自分で抜けた…」

塞「シロ!?あんた抜け出せるならなんで最初から…!」

白望「塞を置いてきぼりには出来ない。ダルいし…」

塞「もぅ…磔にされてる方がダルいでしょうに…」クスッ

セーラ「おい早いとこずらかんで!」

155: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:21:45.53 ID:bmuE4/FP0
仁美「き、き、きさまらーーー!!皇帝陛下に逆らい、山賊ば逃のしたばいうえに、そん上、そん上、そん上、うちん家に火ばーーーー!ゆるさんぞっ!!」」

塞「へぇ。やるっての。かかってくるがいいよ。塞いでやるからさ」

仁美「えっ いや その」タジッ

白望「……ちょいタンマ」

白望「(跳満…倍満…いっそ数え…)」ゴゴゴゴゴ

仁美「う…うぅ…」

仁美「きさんら覚えておけちゃ!こんこつは久保様に報告て、さっち仕返ししてやるからなぁ!」ヂュゴゴゴ





和「まこさん、私たち本当に帝国に戻れるんでしょうか?」

まこ「さぁのう」

セーラ「はっはっはっ!大丈夫やて。人間どんなことがあってもなんとか食うていけるもんやで!」

156: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:23:14.05 ID:bmuE4/FP0
ーーーロックランド 外

塞「これで解放軍とやらに借りが出来たわけね。怜様に伝えてくれるかな」


塞「『助けがいる時はいつでも言って。この【防塞の塞】と【マヨヒガの白望】が首を揃えて駆けつけます』てね!」

白望「ダル…でもありがとう」

塞「じゃあね。縁があったらまた会いましょ!」


セーラ「ひと仕事した後は気持ちええな!ほなセンリヤマンプに戻ろか。咲、もうちょっとだけ解放軍に付きおうてや。ええやろ」

まこ「咲…戻ったら話し合いじゃ。このままでは…」





ーーー解放軍アジト

恭子「お帰りなさいませ。無事で何よりですわ」

智葉「……………」

竜華「お、無事に戻ったんか!」

怜「咲、戻ったか。ありがたいな。これで問題が解決するわ」ゴホッ

157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:24:09.06 ID:bmuE4/FP0
和「それはどういう…」

竜華「怜!まさか!!」

怜「そのまさかや」

セーラ「なんやなんや?どないしたんや?」

怜「咲。これ見てくれるか?」

咲「?」

和「え、え、何ですか。私にも見せてください」


ある紙を広げている怜

セーラ「なんやこれ?」




怜「これは 『火力牌』の設計図や」

158: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:26:04.28 ID:bmuE4/FP0
まこ「火力牌?」

怜「せや。私ら解放軍は帝国軍から見たらとるに足らへん存在。」

怜「でも、今はわずかな力しか無くてもいつかは必ず帝国軍と正面から戦う時が来る」


怜「そしてこの火力牌は、その時、必ず役に立つはずや」

恭子「そのために、ドワーフ鉱山から高い値段で買い取ったんですから」



怜「咲。これを解放軍の秘密工場へ運ばんといかんねん。しかしこのアジトを空っぽにするわけにはいかへん」

怜「せやからこの仕事。あんたにお願いしたいんや」ゴホッ

和「!」

和「いい加減にしてください!私達は帝国軍の一員なんですよ!そんな帝国に仇なすこと出来るわけないじゃないですか!」

和「行きましょう咲さん!こんなところにいる理由はありません!」

咲「あ、ちょ…和ちゃん」




怜「待って」ゴホ

159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:30:04.41 ID:bmuE4/FP0
怜「帝国軍が今、何をしているんか? 人々が何を望んでるんか? あんたはそれを、知らへんって言うんか?」ゴホッ

怜「和。あんたも見たやろう、その目で。 あんたも聞いたやろう、その耳で」

怜「自分の見たもん、自分の聞いたもんに嘘つくんか?」


怜「咲、あんたはどうや? まだ帝国に戻りたい? いつまでも宮永照の妹でいたいんか?」





咲「私は…」

咲「(そうだ…)」



「さすが『照様の妹君だ』!」

「期待してるよ『照さまの妹さん』」

「照様の…」




咲「姉は姉。 私は……私です」

160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:30:55.31 ID:bmuE4/FP0
和「ちょっと待って下さい咲さん。 そんなこと言って、本当に帝国に戻れなくなりますよ。それでもいいんですか? ねぇまこさんも言ってあげて下さい」

まこ「咲が行くと言うなら、わしはそれに従う」

まこ「わしの仕事は咲を守ることじゃ。それが、照様の命令でもあるしのぉ」

和「………………」

和「(私だって……けれど…)」




咲「ごめんね和ちゃん。…本当のところ、私にもよく分からないんだ」

咲「でも…もう少しだけ この人を、この人達を知りたい」

咲「そしてこの国のことも」

和「咲さん…」

怜「力を貸してくれるか…?」

咲「」コクン

怜「ありがとう」

161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:38:18.94 ID:bmuE4/FP0
怜「咲、さっそくやけど説明するな。 ここにある火力牌の設計図。これを解放軍の秘密工場へ届けなあかん」

怜「このセンリヤマンプの北西、河を渡った所に虎姫山っちゅー山がある」

怜「その山を越えたとこにサラディいう村がある。そこで秘密工場からの使いが待っとるはずやねん」



竜華「せやけどなぁ怜。なんでそないな子にこだわるん?」

竜華「その子らは帝国のスパイかもしれへん。せやのに解放軍の命運をにぎる火力牌の設計図を渡してもええん?」

怜「それは心配ないで。私も一緒に行くつもりや」ゴホッ


竜華「なんやて!? あんたが行くならウチも…」

怜「竜華。あんたまで来たら誰がここ守んねん。 そろそろあんたにもリーダーとしての自覚を持ってほしわ」

セーラ「心配すんなよ竜華! 怜はオレが守る。 その代わりお前はここを守んねん」

竜華「…分かったわ。あんたら、怜になんかあったらただじゃすまんで!」

怜「帰ったら膝まくらしてやー」

162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:39:05.12 ID:bmuE4/FP0
ーーー虎姫山 入り口

セーラ「ずいぶん日ぃ傾いてきたな。今日中に山を越えられるやろか?」

まこ「わしゃあ野宿はごめんじゃ」

怜「とにかく登らんことには始まらんわ。行くでー」




ーーー中腹

和「こんな所に宿屋がありますね」

恵「ぎっひ。いやーお客さん。こんな時間に下から登ってきたんですか? 大した度胸ですねぇ」

まこ「うさんくさい奴じゃの…」

恵「しかしこの先に行くのは明日にした方がいいですよ。この辺りは盗賊もうろついて物騒ですからねぇ。 どうです。うちの宿で一泊していくってのは?」

怜「ごめんやで。先を急いどんねん」

セーラ「ええやんええやん。もう足がくたくたやでー」

和「私も、これ以上はちょっと…」

咲「わ、私も…」

まこ「しょうがないのう。怜。こりゃ泊まるしかなさそうじゃ」

怜「ふふ。ほんまは私も足が動かへんねん。病弱やし」ゴホッ

164: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:43:55.04 ID:bmuE4/FP0
ーーー宿屋

恵「ぎひっ。皆さん、食事の前にこれをどうぞ」つ茶

セーラ「どれどれ」

和「う、けっこう苦いですね」

まこ「そうじゃの。ずいぶんと苦いのぉ」

咲「ちょっと味見…」コクッ

恵「ぎっひ。さぁさぁどうぞ。熱いから気をつけて下さいね」ニヤニヤ




怜「変やな妙なにおいせぇへん?」

セーラ「おい この茶は なんて名前や」

恵「ぎっひ。このお茶は上柿特製『めぐめぐ茶』ですよ」

和「ずいぶんと変わった名前なんれふね」

まこ「こ、これは!」

セーラ「おい、おまえ!なにをまへやらったんや このやろふ…」

まこ「ふ、不覚…こんなへにひっははるらんて…」

怜「」

和「ひゃきひゃーーーん………」

バタン…

165: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:46:43.05 ID:bmuE4/FP0
咲「」

和「」

まこ「」

セーラ「」

怜「」



恵「ぎっひっひ。上柿特製めぐめぐ茶を飲んで、みんなおねんねよ」

ゴソゴソ

恵「こりゃ旅の一行にしちゃ溜め込んでるねぇ。こりゃしばらく遊んで暮らせそう」♪


ガチャリ


棟居「おい恵!元気にしてるか! おっ今日も商売繁盛ってとこか」

恵「これは棟居の大将。いつもお世話になってます。 ええ今も一仕事終えたところで」

棟居「おっ いい病弱美少女もいるじゃないか、ん、待てよ確かこいつは……」




棟居「おい恵!!お前なんてことしやがった!!」

恵「ぎひっ!?何ですかいきなり」

棟居「こいつ…いや、この方が誰か知ってるのか!」

恵「誰って、まぬけな旅人」

棟居「バーロー! お前だって解放軍を率いている怜様くらい知ってるだろう」

恵「いやですよ大将。 怜様のことならその辺のガキでも…」

恵「えっ もしかしてこの方が……」

棟居「その通り。ほら早いとこ解毒薬を用意しろ」

棟居「怜様にもしものことがあったらお前の首と身体がオサラバするぞ!」


恵「ぎっひえーーーー」

166: 棟居さんのキャラは捏造です 2014/04/08(火) 03:48:52.00 ID:bmuE4/FP0
ーーーーー



棟居「申し訳ありません 怜様。知らぬこととはいえ、この棟居の一生の不覚となるところでした。何でしたらこの上柿を…」

恵「ひえーー!あたしゃいつも通り大将に託しますよ!」

怜「あほなこと言わんといて。 ふう、それにしてもこれからは用心せんとな。病弱やからすぐ死んでしまうわ」ゴホッゴホッ

怜「竜華の言う通り、私は人を信じすぎるんかな」

恵「あの…お詫びと言っては何ですが、この宿にお泊まり下さい。出来る限りのもてなしをしますので」

まこ「毒入りはもうごめんじゃぞ」





ーーーー翌朝

咲「」ムクリ

怜「んー…りゅーかぁ…ひざまくらぁ…zzz」

まこ「ぐーぐー」

和「さきさぁん…そこはだめ…ムニャムニャ…」

セーラ「ぐわあああああ」


咲「おトイレ…」ガチャリ

167: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:50:25.35 ID:bmuE4/FP0
棟居「起きたのか」

恵「いやぁもう毒入り茶はやめることにしましたよ。今回でこりごりでさぁ」

棟居「あんたも解放軍の一員かい?」

咲「」フルフル

棟居「なんだ違うのか。 怜様はすごい人だ。あの帝国を、本気でひっくり返す気だ」

棟居「帝国に不満を持つ者は多いが、そこまで考える奴はいない。 この私だって帝国を憎んでいても、やってることはただの盗賊さ。 だから怜様は 私達の希望なんだ」


咲「…」

168: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:51:33.21 ID:bmuE4/FP0
和「おはようございます 咲さん」

セーラ「おう早いな咲」ノビー

まこ「メガネメガネ…」

怜「みんな揃っとるな。さぁ今日中にサラディまで行こか」

恵「もう出発ですか。今すぐドアの鍵を開けますよ」

棟居「怜様。どうぞお気をつけて」





ーーーサラディ


怜「秘密工場からの使者とはこの村の宿屋で落ち合う手はずになっとんねん」

和「あそこがそうでしょうか」




ーーー サラディ 宿屋


怜「ここみたいやな。部屋をとって使者を待つことにしよか。長旅で疲れたわ…」

セーラ「怜は病弱やからな。とりあえず休もうや」

咲「疲れたぁ」


店主「おやお客さんかな。何年ぶりだろうねぇ。入って、どうぞ」

169: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:53:41.21 ID:bmuE4/FP0
ーーー宿屋 深夜

咲「ん…」パチ

セーラ「んがあああああ」

和「ぁあん…咲さん…」

まこ「ぐーぐー」

咲「怜さんがいない…あ…」





ーーーベランダ

咲「」キィ…

怜「咲…あんたも眠られへんのか?」

咲「目が覚めちゃって」

怜「私もな、眠られへん夜が時々あんね。でも、こうして夜の風にあたってると少しだけ…心が癒される。そんな気がしてくる」


怜「なぁ咲。私の話を聞いてくれへん?」


咲「なんですか?」

170: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:55:53.10 ID:bmuE4/FP0
怜「虎姫山で会った棟居、それに竜華、智葉、恭子、皆が私に期待を寄せてくれとる」


怜「でもな、私はそこから時々、逃げ出してしまいたくなるんや。皆の大きな期待に、私は答えられるんかと考えたらな」

咲「…」

怜「あんたはこれからどうするん? ほんまは帝国に戻りたいんやろう?」

咲「…私。……私は…」


咲「わかりません」



怜「考えるんや。あんたなら、正しいものを選び取ることが出来るはずやで」

怜「あんたの姉は帝国の大将軍。もしかしたら平穏無事な暮らしに戻れるかもしれへん。…でもな、覚えといて」

怜「あんたは あんたの見たもんから、あんたの感じたもんから、目を背けることはできへん」

怜「それをするんは あまりにも、罪深いことやから…」

咲「怜さん…」

171: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:56:45.48 ID:bmuE4/FP0
怜「あんたは不思議な人やね。あんたとおったら 優しい気持ちになれる。セーラも、そんなところを見抜いたからあんたを連れてきたんやろうな」

怜「解放軍にも、多くの人がおるよ。 智葉、恭子、美幸、 そして…竜華……」

怜「…でも、あんたのような…人を惹き付ける目をした人は…いない。多くの人を惹き付ける……」





怜「なぁ……もし私が………」

172: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 03:59:43.51 ID:bmuE4/FP0
ガサッ

怜「!? 誰や?」


モモ「失礼。私はモモと申す者っす。秘密工場の長、椿野美幸殿の使者として参りましたっす」

咲「(ど どこ!?)」アワアワ

怜「美幸も珍しい人と知り合いなんやな。 彼女は元気しとる? 手紙には彼女の牛が病気になったて書いてたけど、もーもー言いながら看病しとんのが想像つくわ」

モモ「これはおかしなことを言うっすね。美幸殿は口ぐせがそうなだけであって、牛なんか飼ってませんが」


怜「ごめんな。あんたを試したんや」

モモ「私は 契約中は決して裏切らないっすよ」

怜「火力牌の設計図はここやで」スッ


怜「頼むで。これには解放軍の未来がかかっかとかるからな」

モモ「承知っす。それでは失礼っす」ユラァ…

咲「き、消えた…」

怜「ごめんな 咲、おかしな話に付き合わせてしもて。 もう夜も更けてきたから寝よか」




ーーー翌朝

セーラ「もう用事は済んだってどういうこっちゃ?」

怜「ふふ。昨日の夜にな。な?咲」ニコッ

咲「はい」ニコッ

まこ「そういや夜中 咲のベッドがもぬけの殻になっとったのう」

和「さ、さ、さ、咲さん!?何をしてたんですか!? まさか私に言えないようなことを…」バターン!

咲「あわわわ!和ちゃん!?」

怜「ほな行こかー。な、咲」ニコニコ

和「」

173: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 04:03:38.03 ID:bmuE4/FP0
ーーーセンリヤマンプ 宿屋『すいた亭』前



店主「ぅ…うぅ…」

怜「なんやこれ…大丈夫か!?」

店主「う…て…帝国の…やつら…やってきて…すいません…怜さま…」

怜「これは…」

…キイイイーーーン…

怜「(! アジトに…!)」タタタタ…

セーラ「おい 怜!」

和「追いましょう咲さん」




174: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 04:05:27.84 ID:bmuE4/FP0
ーーー宿屋地下水道 アジト


怜「きゃーーーー!!」

まこ「今のは!」




セーラ「大丈夫か!怜!!」

怜「ぅ、うぅ…」ヨロッ


怜「…さ…さあ、もう大丈夫やで……出ておいで……」

子供「お姉ちゃん…」ヒョコ…

怜「はよ………逃げや……」

子供「う、うん」トテテテ

175: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 04:06:27.92 ID:bmuE4/FP0
怜「うっ…!」

咲「怜さん!!」

和「怜さん!血が…!」

怜「…えへへ…心配せんとって…仮病…やから…」


セーラ「アホ言うな!!怜!なんでこないなこと! お前がおらんようになったら、解放軍は…!」





怜「ご…ごめんなぁ セーラ… どうやら…わたしは…解放軍の…リーダーとしての自分より…ひとりの女としての…自分を…え…選んでしもた…みたいやわ…」ゴホッ



怜「私な…少しだけ…未来が…見えんねん…。だから…わたしには…あの子を見殺しにすることが…できひんかった…。リーダーとしては…失格やね…。
でも…間に合って…良かったわ…」ゴホッゴホッ

まこ「喋るな、怜。傷口が開くじゃろ!」


怜「へへ…血ぃ吐くのなんか…慣れっこやて…病弱やか…ら」…ニコリ…

怜「咲…こっちに…来てくれへんか…?」ゴホッ

176: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 04:07:22.91 ID:bmuE4/FP0
咲「怜さん…」

怜「あ…あんたに……お願いしたい…ことが…二つあります……」

怜「一つは…こ、これを…この髪ゴムを……セイカの村に…住む…久という…人に…渡してほしい……」

セーラ「やめろや怜。最後の願いなんてアホなこと考えんな!」

怜「セーラ…おおきにな……でも…もう…無理なことは…自分でも分かるんや…予感はしてた…」

怜「さき…うけとって………」

咲「とき…さん…」ポロポロポロ

咲「」ギュッ





怜「もう…ひとつの…わたしの願いは…」


怜「わたしの…からだを…その水の流れに…投げ込んで…ほしいんや…」

177: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 04:08:05.17 ID:bmuE4/FP0
咲「!?」

まこ「なっ…!」

和「そんな!なぜです? そんなひどいことをどうしてしなきゃいけないんですか!?」

怜「…たのむわ…咲…」




咲「そんなこと…出来ませ…ん…」フルフル

セーラ「せや なんでや怜!」

怜「私が…死んだことが…分かれば……芽生えたばかりの…解放運動が……またたく間に…消えてまう……」

怜「…だから…私が死んだことを…隠さんと…あかん…かすかに…生まれた希望を……消すわけには…いかへん…」

178: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 04:09:29.66 ID:bmuE4/FP0
咲「いやです…いやだよぉ…」ボロボロ

怜「よう見て…咲…これは血や…わたしの血……でもな…帝国の政治の元で…もっと…多くの血が…流されとる……あんたは…それを知らへん……それを…止めなあかん…」

怜「わたしが死んでも…その意思が……残れば…

わたしは…わたしの命に…

流された血に…

誇りを持つことが…できる…

病弱で…なんの力もなかった…わたしやけど…

みんなが…いたから…」

179: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 04:11:56.98 ID:bmuE4/FP0
咲「…」フルフル

セーラ「…分かった。オレがやる 怜」

怜「おおきにな…セーラ…わたしのために…泣いてくれるんか……」


怜「なぁ…どっかで…竜華に出会えたら…伝えてくれへん…? あんたのやさしさは…いつも……いつでも…わたしを…なぐさめてくれた…て……」


怜「じゃあ……そろそろ…サヨナラみたい…さき…わたしの未来視でも…見ることのできんかった……自由な…世界を……」


怜「(…さいごは…りゅうかの、ひざまくらが…よかったな……)」


怜「(いまやったら…フトモモに…雨が降るかな……)」





怜「」








ーーーー




セーラ「お別れや……とき…」



ザブン……

180: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 04:14:51.69 ID:bmuE4/FP0
和「…たぶん 私達は行かなきゃ行けないんでしょうね。セイカの村へ」

まこ「ああ。久っちゅー人を探さんとな。しかしセイカの村へ行くにはクロゴ(黒五)の城塞を通らんといけん」

セーラ「クロゴの城塞…やっかいやな。 まぁなんとかなるやろ」

185: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 19:54:41.88 ID:Dw/WKlpY0
ーーーークロゴの城塞


まこ「クロゴの城塞、ここを守っとんのは照様とも旧知の仲の 三尋木 咏様…。わしらの顔は知らんでも、咲の顔はよう知っとるはずじゃ」

咲「そうだね。何度も会ったことがあるよ」

和「バレるか、バレないか? 運試しというところですね」

セーラ「なーに大丈夫 大丈夫。それよりニセの名前考えとこうや。途中で聞かれたら厄介やからな」


和「じゃあ 私はアミ」

まこ「わしゃあリョウコじゃ」

セーラ「せやなぁ、じゃあオレは『StylipSのアリサ』ということにしとこかな!」キョウモポニーテールデスイッチON(´∀`)


まこ「」

和「」


和「咲さんは何にしますか?」

咲「えっと…じゃあ…『みっくすJUICE植田佳奈』で…」アセアセ

和「」

まこ「」


セーラ「ようし行こうや。アミ、リョウコ、みっくすJUISE植田佳奈!」

186: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 19:57:02.64 ID:Dw/WKlpY0
テクテク

兵士「おい、お前。お前だ!」


みっくすJUISE植田佳奈「(あわわ)」ササッ

StylipSのアリサ「」ズイッ

StylipSのアリサ「えっなんですか? あっしは貧しいたこ焼売りでして、家にはお腹を空かせた妹が…」

兵士「お前じゃない! そこのチビだ。お前、たしか手配書にあった宮永咲に似てるな…」





咏「どしたんだぃ?」ヒョコッ

187: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 19:58:29.86 ID:Dw/WKlpY0
兵士「はい。そこの少女が、手配書にあった、宮永咲に似ているような気がしまして」

咏「咲…そこのお嬢ちゃん、うつむいてないで顔をあげたらどーだい?」ヒラヒラ

まこ「まずい…咏様に顔を見られたら」


和「」ガッ

咲「!」




和「てめぇ! もうアタシは我慢できねぇ!!オメーはいつもいつもアタシ達の足を引っ張りやがる!!」

和「役立たずのくせに! 今度はお尋ね者と疑われやがった!! オメーは黙っていても厄介ごとを起こすのか!!!」

和「役人さんよぉ、疑うってんならこいつの首をこの場で落としてやるぜ?」

兵士「そ、それは…」

和「いや、お尋ね者と疑われたまんまじゃ寝覚めが悪ぃ。おい覚悟しろよ!」


兵士「ま、まて 待て」アワワ

188: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 19:59:32.95 ID:Dw/WKlpY0
咏「うーん、なぁ考えてもみろよ。 宮永家の次女がこんなみすぼらしいカッコ、するわけないって。知らんけど。」

咏「あんたら、行っていいよ」フリフリ

兵士「でも それでは…」

咏「いーのいーの。行かせてやれって」ヒラヒラ


ゾロゾロ




咏「おい、お嬢ちゃん。 ねーちゃん大事にしろよー。知らんけど」

189: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 20:01:43.13 ID:Dw/WKlpY0
まこ「ふぅ…何とかなったのう」

セーラ「あれが三尋木咏か…くえへんやっちゃな」



和「申し訳ありません 咲さん。切り抜けるためとはいえ、あんなことをするなんて」ペコリ

和「この原村和。いかなる罰も受けます。 それでも 足りなければ この首を…」

セーラ「なんやなんや和。オーバーなやっちゃなぁ、無事に済んだんやからええやんか。 咲かてそないに心の狭いやつとちゃうやろ」

咲「わかってるよ和ちゃん。ちょっと驚いたけど、お芝居上手なんだね」

和「ちょっと別の世界で人衣一体していた時を思い出しまして…」カアァ

咲「?」

190: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 20:05:16.62 ID:Dw/WKlpY0
咲「っ!」


ズキン!!


和「咲さん!?」

まこ「右手が痛むんか?」


咲「う、だ、大丈夫…」

セーラ「なんや…? まぁええわ辛ぅなったら言えよ?」

咲「うん。ありがとう」





咲「…………(衣ちゃん…?)」

194: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 02:40:19.01 ID:t3FWkqyJ0
ーーーセイカの村

咲「着いたね」

まこ「久いうんを探さんとな」



久「」テクテク


和「あの人に聞いてみましょうか」

和「あの、すみません」

久「ん、私?」

195: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 02:41:29.13 ID:t3FWkqyJ0
久「どうしたの可愛いお嬢さん達。 告白? 困ったわ…今月で何回目かしら?」

和「い、いえ…私達は 久 という方を探していて…」

久「あなた達 会ったことあったっけ? …私が久よ。何か用かしら?」

咲「怜さんの遺言で、ここに来ました。 怜さんは最後にこの髪ゴムをあなたに渡すようにと言って……」





久「遺言…?」



久「…そう………怜は…死んだのね」

久「いい娘だったのに あんなことに首を突っ込むから…」

196: 続きいきます 2014/04/09(水) 20:20:25.79 ID:t3FWkqyJ0
セーラ「あんなこと? 聞きずてならへんな。 怜のやってたことを あんなことやって?」ズイッ


久「ええ、馬鹿な娘よ。 いつかはこんなことになると思っていたわ。 髪ゴムは受け取れないわ。帰ってちょうだい」スッ

久「怜と私は もうなんの関係もないわ。もうここへは来ないで」


スタスタ…

『麻雀教室 悪待ち倶楽部』




セーラ「なんや、あいつは! なんて女や」

まこ「そうじゃのう。 でも どうして怜はあんな女に会えと言ったんじゃろう」


ドタドタドタ!!

兵士「おら!どけどけー!」



和「何でしょう?」

咲「今の帝国兵たち、久さんの麻雀教室の方へ行ったよ!」

まこ「何事じゃ? 気になるのう」

197: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:26:53.94 ID:t3FWkqyJ0

ーーー麻雀教室前

桜子「だずげでーー」ビエーン

久「何するのよ、その子をどうする気?」キッ

兵士「園城寺久…いや、今は竹井とか言ったな。 あんたには帝国軍に戻ってもらう。」

兵士「当代きっての名軍師さまが、こんな田舎のひなびた村でくすぶってることはないだろう? カレッカの戦いの立役者さんよぉ」

久「断る! 私は、もう争いごとに関わりたくないの。 今の私はなんの力も持たないただの雀士よ」


兵士「しかし、そうもいかんのだ。 弘世菫様から直々の命令だからな。 無理やりにでもあんたを連れていく」

久「何度言われても、私は帝国に戻る気はないわ」

兵士「そうかい? あんまりわからず屋を言ってると、この子がどうなっても知らんぞ」

兵士「そうだな、罰符の牌山送りにでもするか。あそこの仕事はキツいぞ。 生きて戻って来られるかどうか…」

桜子「いやだよ!いやだよ!!ぶぢょーだずげでよ! ぶぢょーーーーー!!」

久「そ、その手を離しなさい! 今すぐによ!!」

198: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:28:29.24 ID:t3FWkqyJ0
和「なんか マズい雰囲気ですよ、どうしますか咲さん」

咲「助けよう!」

セーラ「よっしゃぁ! そうこなな!」

まこ「参ったのお、また厄介ごとかい。咲のお守りはツラいのう」

和「まこさん。そんなこと言って。ほんとは喜んでるくせに」クスクス

和「さあ 行きましょう 咲さん」

咲「うん」ゴッ




ザッ!

セーラ「おい待てや。 そのケンカ、オレ達が買うで」

兵士「なんだお前らは?」

まこ「通りすがりの正義の味方じゃあ」

兵士「???? 邪魔する気か? おい、反逆罪だ! こいつらから引っ捕らえろ!!」



ノドッチビーム!!
ズガアアアン!!
バスガデルデー! ドガーン

ギャアアアアア

カン!カン!モイッコカン!! マージャンッテタノシイヨネ!!

ドギャーーン

キングクリムゾン

ズバアアア!!!!!

ウ,ウワアアアーーー…






久「何てことを…あなた達は……子供たちの前で…こんなむごいことを……」ワナワナ

199: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:32:18.68 ID:t3FWkqyJ0
ーーー麻雀教室

久「知ってるわよ。宮永照将軍の妹、咲でしょ」

久「なんで知ってるかって。私には帝国軍に何人か仲良くしてる人がいるのよ。そういう話は伝わってくるのよね」ウインク

和「(きっと『特別に』仲がいいんでしょうね…)」

咲「?」

まこ「さっきの帝国軍は あんたのことを、園城寺久と…」

久「そうよ。怜は…園城寺怜は 私の妹」

咲「竹井という名前は?」

久「妹といっても怜とは腹違いなのよ。竹井は母方の姓ね」

和「なぜ そんなことを?」




久「私はね、もう二度と争いごと、人と人が戦うような事に関わり合いにならないと、決めたのよ」

久「でも、怜は違った。 でも、怜はちがった。自分の信じるもののために、その身をつねに戦いの中に置いた」

久「(身体が弱いのに…無茶ばかりしてた)」

久「怜は私のこと、なんと呼んでいたかしら?」

咲「セイカに住む久という人、と…」


久「…そう」

久「怜は やっぱり私を許してはくれなかったようね」

久「怜は言っていたわ。力を持っているのに、それを使わないのは 臆病だって」

久「確かに私は臆病者よ。でも、臆病と言われても、やっぱり あんな場面をもう二度と見るのは嫌だった」


久「たとえ、あのこに姉として、認められなくても」




和「あんな場面?」

久「みずからの行いで、人が死んでゆくこと。 それが 敵であれ、味方であれ」


久「…でも、今日 私の選択は間違いだったと 分かったわ。まぶたを閉じても、世界はなくなったわけではない」



久「私も 今日 この日から、彼女の目指したものを目指しましょう」

200: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:37:36.35 ID:t3FWkqyJ0
咲「じゃあ、この髪ゴム…受け取ってもらえますね」

久「髪ゴム?………………咲、これはあなたが持つべきものよ」

咲「なぜです?」

久「この髪ゴム ほどいてみなさい」

和「?なにか…地図のような紙が織り込まれていますね」

久「これは、解放軍のアジトをしるした小さな地図よ。 つまりこれを受け取る者は解放軍を引き継ぐ者でなければならない」

咲「でも、怜さんは…」



久「怜は 本当はこの髪ゴムを あなたに託したかったんだと思うわ」

久「私は軍師とガールハントの才は持っているけど、解放軍を、人々を率いるリーダーの器ではないわ」

咲「そこ同列!?」

久「しかし、咲。あなたにはそれがある」

久「怜もそう思っていたわ。 だから、あなたを私に会わせた」


久「(そうでしょ 怜。 あなたはこうなる未来を見たのかしら…?)」


久「お願いよ 咲。この地図と、そして怜の意思、解放軍の意思を受け取ってちょうだい」




咲「わ…」

咲「わたしは……」






『あんなの日常茶飯事だからほっとくし」 』

『税金泥棒!?それはあんたのことでしょ!?』

『これで…衣も……安心して……』


『あんたは あんたの見たもんから、あんたの感じたもんから、目を背けることはできへん』


『怜様は 私達の希望なんだ』


『私が 死んでも…その意思が……残れば…』


『なぁ……もし私が…』



咲「(怜さん 衣ちゃん…)」

咲「(そして)」




咲「…分かりました」

201: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:39:29.97 ID:t3FWkqyJ0
久「ありがとう、咲。 いえ、いまこの時から、あなたは解放軍のリーダーです」

久「ですから、これからは 咲殿と呼ばせてもらいます」

咲「そっ、それはやめて下さい久さん!」ブンブン

久「え、そう? 正直助かるわ。あの日以来 片っくるしい話し方が苦手でね」ペロッ

久「私のことは久って読んでね。教室の生徒からは『部長』って呼ばれてるけどね」

和「【悪待ち倶楽部】って看板に書いてましたもんね」

咲「部長…なんだかすごくしっくりくるなぁ。私もそう呼ばせてもらいます!」

久「好きにしてちょうだい」

咲「それと…この地図を抜いた髪ゴム。部長が持っていて下さい。 私は髪が短いし、今の髪型が気に入ってるから」

久「わかったわ」


久「大規模な帝国軍と戦う小さな解放軍… 面白いじゃない。分の悪い勝負ほど、私の力の見せどころよ…!」キュッ!


髪をおさげにする久




久「天才軍師『悪待ちの久』 …見せてあげるわ」ニッ

202: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:41:02.07 ID:t3FWkqyJ0
セーラ「和、まこ、どーすんねん。 帝国に戻れんようになってしもたで」

和「咲さんが行く道であれば、私はそれに着いていきますよ。 照様も 許してくれるはずです」

まこ「わしもじゃ。腐りきった帝国に愛想がつきてたところじゃ」




久「さて 咲。 あなたの軍師として最初の進言をさせてもらうわよ」

久「解放軍をよみがらせるには、人を集めなければならないわ。 帝国に不満を持つ人々を」

久「そして 人を集めるには、それを入れる器が必要」

セーラ「せやな。 センリヤマンプのアジトは無くなってもうたしな」

久「いえ、もっと大きな、帝国軍の攻撃にひるむことのない器が必要よ」

久「ドラン湖の湖上に、今は廃墟となっている城がある。この城を手に入れるのが良いと考えるわ」

久「まずは湖のほとりの町、カフ(加符)へ向かってはどうかしら」

和「久部長は一緒に行かないんですか?」

久「私は引っ越しの準備をしなきゃね。 子供たちにも一年分の宿題を出しておきましょう」フフ

203: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:42:48.23 ID:t3FWkqyJ0
ーーー宿屋

由子「おやまぁ咲ちゃんじゃないのー。無事だったのね」

咲「由子さん!」

和「なぜここに?」

由子「いやーあなたたちをかくまったのがバレちゃってねぇ」

まこ「なんじゃと…そら悪いことしたのう」
由子「あ、大丈夫よー恨んでないわよ。これも運命なのよねー」

咲「あの、私たちがお城を手に入れたら…ぜひ由子さんにも来てほしいです」

由子「お城?それはすごいのよー楽しみにしとくわね」





ーーーカフの町

セーラ「とりあえず腹へったから何か食おうや」

和「賛成です。ついでに舟を出してくれるがいないか聞いてみましょう」



ーーー酒場

胡桃「舟? 知ってるよ。井上って人が…ああ!!見つけた!」ズイ

セーラ「な、な、なんや?オレが何したって言うんや!?」

胡桃「何したって!? ここで会ったが百年目!あの世からだって注意する!がモットーの借金取り、このカクラサマ胡桃からは逃げられないよ!!」

まこ「なんじゃああいつは。セーラのコレか?」

和「さぁ知りませんが」

胡桃「さぁさぁ!あんたが踏み倒した借金、今すぐこの場で、現金で返してよ!! こっちはね二ヶ月もかけてあんたを探したんだよ!」フンッ

204: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:46:27.43 ID:t3FWkqyJ0
セーラ「ちょちょ…ちょお待て! オレ達は追われてる身で今は持ち合わせがないねん。ところでお嬢ちゃんその井上ってのを知ってるようだったけど…」

胡桃「知ってるよ」

セーラ「どこにおるんか教えてくれへん?」
胡桃「借金を払ったら教えてあげるよ。こっちだって商売なんだから」

セーラ「じゃあこうしようや。オレ達は、いま、金がない。 でもな、井上に会えたら金の入る当てがある」

セーラ「金が入ったら借金なんざ直ぐ払たるわ」

胡桃「うーむ……あっあんた達、私を騙す気でしょ!」

咲「そんなことありませんよっ」

胡桃「貧乏にんめ…。そうだね、それでいいよ。 ただし、借金を払うまでは着いていくからね!」





まこ「で、井上ってのはどこにおるんじゃ?」

胡桃「うん、あの人ならだいたい賭博場にいるよ」

和「とりあえず行ってみましょう」

205: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:47:08.21 ID:t3FWkqyJ0
ーーー酒場の下 賭博場

ジャラジャラジャラジャラ

ソレロン!
スバラッ!?
リーチ!
ワタシハショウサンノコロカラカケゴトヲシテイル!




誠子「なんだい?アニキに何の用だい? へ?ドラン湖に舟を出せーーー?!」

セーラ「せや。井上ゆう奴なら出してくれるんやろ?」

誠子「どうかなぁ。アニキは気分屋だから」

純「どーした誠子?」

誠子「あぁアニキ。 いや、コイツらがドラン湖に舟を出してほしいって…」

純「だからオレは女だ…なんだってぇ!? お嬢ちゃん面白いこと言うじゃん」

純「だが、あそこはバケモノでいっぱいだ。舟を出すのはこっちも命がけになる。こっちも命を懸けるんだ。あんたにも、それなりのもんを賭けてもらわねぇと」

咲「はい…(指を切るとかかな…)」ガタガタ

純「あんたの持ち金。有り金全部賭けてもらおうか。 どうだ、やるかい?」ジャラ

咲「やります」




咲「ツモ。四暗刻です。これでトビですね」ニッコリン



純「」チーン


和「ああ…」

まこ「悲惨じゃのお…」

胡桃「うわぁ…」



純「…やるじゃねぇかお嬢ちゃん。オレは強いやつが好きだぜ。 よし誠子、舟の準備をするぞ」

誠子「へいへい。 またアニキの病気が始まった」

純「オレは女だっつーの」

セーラ「やったな咲」

咲「うん!」

206: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:50:25.36 ID:t3FWkqyJ0
ーーードラン湖の城

和「城が…霧に覆われてますね」ブルッ

まこ「こりゃあほんとにお化け屋敷じゃのう」

咲「おばけやしき…」ブルブル

和「さささささ咲さん わわわ私がいますからここここわくないですよよよ」ガタガタガタガタガタガタ

セーラ「お前が一番怖がっとるやないか」

胡桃「こんなところに本当にお宝があるの?」

まこ「知らんわ。セーラが言うたんじゃろ?」

純「おぉこりゃすげぇな。中は化け物だらけか? 腕がなるぜ」パキッパキッ

誠子「ええ! アニキまで行くんですか!? 気を付けて下さいよ」

純「当たり前だろ。こんな面白そうなこと、ほっとけねぇ!」




まこ「探索は例のごとくキンクリじゃあ」



ーーー城の奥

ドラゴンゾンビ「フシューフシュー…」ゴゴゴ


和「ひいいいいいい」ガタガタガタガタ

まこ「やるぞ!」


バスガデルデー!!
ツモ! チューレンポートウ!!
ウルサイ!ソコノオバケゾンビ!
オレハオンナダッツーノ!
オリャアア!! キングクリムゾン!!

ズギャアアアアン!!!!


ドラゴンゾンビ「」チーン



セーラ「やったな。死体のクセに生意気やで」

咲「霧が…」

まこ「霧を作りだしとったのもコイツだったみたいじゃのう」

207: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:53:37.67 ID:t3FWkqyJ0
セーラ「おっしゃ!これでこの城はオレ達のもんやな! どや、この城に名前つけるっちゅーんは?」

純「面白いじゃん。りゅーもん城ってのはどうだ?」

胡桃「ミヤモリ城!」

和「ここはやっぱり、咲さんかわいい城ですよ」

まこ「咲はどがぁなんがええ?」

咲「えっと…」


咲「り…リツベ城、とかどうかな?」

和「いいですね。それにしましょう。なんだか創造主の雰囲気を感じて逆らえないような気がします」

胡桃「それ以上いけない!」メッ



久「おめでとう咲。 今日、この日を新生解放軍の決起日とするわよ!」

セーラ「そりゃ名案や! 今夜は宴会やで!」

胡桃「お金はどうすんの」

純「お嬢ちゃんヤボなこと言うなよ。それは後にしときな」

208: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:54:35.22 ID:t3FWkqyJ0
ヒュイーーーーーーン

一同「!!!?」





パアアア…



小蒔「お久しぶりですね、咲。ついにあなたは 自分の道を、自分で歩きはじめました」

咲「小蒔さま…!」

小蒔「今日はあなたに渡すものがあります。一つはこれです」

シュイーーン

和「これは…?」

小蒔「これは『約束の雀卓』です。 あなたの力、それは想いを一つにする仲間達です」

久「雀卓なのね」


小蒔「仲間を集めなさい。雀卓にはあなたの集めた仲間達の名が、刻まれてゆくでしょう。…そして、もう一つは…」


ヒュオーーーン

初美「お久しぶりですー。私のことおぼえてますかー? 薄墨初美ですよー」クルクル

胡桃「なんて格好!」フシダラ!

セーラ「はだけにはだけとるなー」チクビガデテルデー

小蒔「彼女の力も解放軍の助けとなるはずです。咲、歴史はまだ動き出したばかりです。挫けてはなりませんよ。…ではまた会いま グーーーー…


シュウウウ…

咲「消えちゃった…」

和「最後寝てましたよ!?」

まこ「寝ながら消えるたぁ器用じゃのう」

初美「と、いうわけでお世話になるですよー。よろしくです!」ピコピコ


久「咲。器は手に入ったわ。 次は人を集める番」

久「コーフォン(客風)の町に白水哩という女がいる。彼女を仲間に引き入れましょう。必ず、役に立つはずよ」

210: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:58:00.59 ID:t3FWkqyJ0
ーーー翌朝

コンコンコン

和「咲さんおはようございます。どうです、よく眠れました?」

咲「おはよう和ちゃん。少しだけ眠れなかったかな」

和「お屋敷と同じというわけには行きませんけど、住めば都ですよね。 支度が出来たら部長の所へ行きましょう。私はここで見張ってますので」ジー 〈O〉〈O〉


咲「(着替えにくいなぁ…)」



久「おはよう。よく眠れたかしら」ツヤツヤ

胡桃「」グッタリ

咲「」

和「」

まこ「何しとるんじゃあんたは…」




久「早速だけど本題に入るわね。 哩はコーフォンの町にいるわ。 彼女は情にあつい女。必ず力になってくれるはずよ」

セーラ「おう、当然オレを連れていくやろ?」

まこ「わしも行くけえの」


久「寄り道して仲間も集めてきてね」

咲「はい」

和「行きましょう咲さん」




ーーーー各地の町

由子「お城を持ったのは本当だったのねー。私も仲間にいれてほしいのよー」

由子「戦うことは出来ないけど、戦って疲れた戦士にあったかいスープくらいご馳走することは出来るわ」

咲「ぜひ!」

由子「そうと決まれば引っ越しよー。まだまだ負けへんのよー」



初瀬「えっあなたが解放軍のリーダー!? もちろん協力するよ! 憧もびっくりするえれべーたー作ってあげるからね!」



西田「ちょっとあなた、原村さんとどういう関係!? なに 解放軍!?人手不足なんでしょ。ここは私が一肌脱いで上げるわよ! その代わり原村さんの取材させてね」



絃「解放軍にも道具屋はいるでしょ?」



梢「解放軍と帝国軍…この時代に馴染むべきはどちらでしょう。 私も解放軍にお加え下さい。 人の心を真っ直ぐに鍛えるために」



南浦聡「んあ? オレは風呂職人だ。 へぇ…面白そうじゃねえか。仲間になってやるよ」


界「おぉ懐かしい顔じゃねえか。お前とは親子のような間柄だったな。咲、オレの仕込んだ麻雀の腕、鈍ってないだろうな?」




☆仲間がふえたよ!やったね咲ちゃん!!

211: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:59:26.10 ID:t3FWkqyJ0
ーーーコーフォン


和「着きましたね」

咲「白水さんのお家は…」

まこ「宿屋で聞いたあのデカイ屋敷じゃな」



ーーー白水の屋敷

葉子「悪いけど、主人の哩は忙しくて会えねーけど?」

セーラ「いつになったら暇になんねん?」

葉子「さーてね、明日か明後日か。一ヶ月後か一年後か」

咲「ダメみたいだね…」

和「一度出直しましょうか」




ーーー

田中舞「けけけ、哩んとこの屋敷に行ったんだって? あんたらみたいな素人が正面から行ったって何年経っても会えやしないよ」

舞「それよりどうだい、あたしの話に乗らないか?」

咲「なんですか?」

まこ「というよか誰じゃ」

和「(なんとなくエトペンを抱きしめる)」ギュッ

舞「けけ、ここじゃ場所が悪い。宿屋で話そうか」





ーーー宿屋

セーラ「で、お前の話てなんやねん?」

舞「けけっ焦んなよ。 あんたら何で哩が誰とも会わないか知ってるか?」

和「なぜなんでしょうね」

舞「あいつはね、あんたらみたいな帝国に歯向かう集団と関わり合いにならないために誰とも会わないのさ」

セーラ「なんでや?久の話と様子がちゃうな」

舞「さてね。さぁこっから本題だ。 哩には大事にしているものが二つある」

舞「一つは、妻の姫子。 もう一つは名鎖リザベさ」

まこ「そんで…」

舞「けっけけ…そこでだ。名鎖リザベを盗み出せば、否が応でも哩は追ってくる。そこであんたらは話すなり脅すなりすればいい。 どうだ、分かったか?」

セーラ「なるほど。ほんでリザベを盗み出すのはどうすんねん」


舞「けっけっけ。あたしに任せときな。役満ブチ当ててやんよ。しばらくしたら哩の家に来な。それじゃあな」



咲「大丈夫なのかな…」

和「今度は泥棒のマネごとですか、嘆かわしい」

まこ「マネごとやのうて泥棒じゃよ」


セーラ「そろそろ時間やな。行くで」

212: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:01:41.97 ID:t3FWkqyJ0
ーーー哩の屋敷、横

舞「来たな、よぅし待ってろよ」つ ロープ

シュルルル

舞「ほらよ、行ってきな」

セーラ「お前は行かへんのか?」

舞「あたしの仕事はここまでだ。こっから先はあんたらの仕事だ」



ーーー屋敷内部

鷺森公子「おやどうも。私は倉庫番だよ。あんた達は? 解放軍? 解放軍ってのは店番はいるかい? この公子、かねてより解放軍の店番をしたいと思ってたのさ」

咲「おっ、お願いします」ペッコリン

公子「おやおや嬉しいね。ついでにボウリング場でも作っといてあげるよ」スタスタ




ジャラジャラジャラ…

和「なんだか妙な仕掛けが多い屋敷ですね」

まこ「哩はこの町では金持ちじゃからな。警備に金かけとるんじゃろう」

セーラ「鎖ばっかり飛んできてジャラジャラうっさいな」

213: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:06:54.48 ID:t3FWkqyJ0
良子「オー、イッツサプライズ。なんですかあなた達は? コソドロ? それはライクハードワークですね」

セーラ「お前誰や?」

良子「私ですか? 私はからくり師の戒能良子といいますが、ユーたちは?」

まこ「からくり師? じゃあこのやっかいな鎖はあんたが取り付けたっていうんか」

良子「イエスアンドイエス。素敵なアトラクション楽しんでもらえましたか?」

セーラ「おいお前、早いとこあの鎖を止めろ」

良子「オーキードーキー、仕方ありませんね」

良子「まぁエンジョイングして下さったみたいで何よりですよ。そうだ、何なら解放軍に参加してあげますよ。ノンノン遠慮はノープロブレム。ではグッバイ、解放軍の皆さん」スタスタスタ


咲「行っちゃった」

セーラ「変な奴やったなぁ」


和「一番奥の部屋に着きましたね」




ーーー宝物庫

セーラ「これがリザベか」

まこ「ほう、さすがに名鎖じゃ」


名鎖リザベを手に入れた


和「まこさん、用が済んだらさっさと逃げましょう」

セーラ「そんなにビビんなよ和」ケラケラ

和「宮永家の令嬢が泥棒なんかで捕まったらいい笑い者ですよ…」

咲「ははは…」

セーラ「ほな、ズラカンデー」


ーーー屋敷 外

舞「おい遅いぞ。エモノは? おぉよくやった、早いとこ宿に戻るぞ」

214: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:10:04.89 ID:t3FWkqyJ0
ーーー宿屋


舞「いやーさすがあたしが見込んだだけあるな!ナイス●●」

咲「急に原村びいきっすか」

舞「まぁいいじゃん。それよりも、けけけ…」

舞「どうだい、疲れたろ。お茶でも飲みなよ」つ 茶


和「お茶ーー?」

セーラ「お茶ーーー?」

舞「さぁさぁ、一息いれなよ」


セーラ「舞さん」

舞「ん、なんだよ。けけけ」

セーラ「君が、最初にそれを飲んでもいいよ」



舞「」

舞「え、いや、あたしは何にもしてないから、疲れてないし…けけけ」

セーラ「そんなこったろうと思ったで。んな手に引っかかるマヌケやないで」

まこ「一回引っかったくせに」



舞「くそーーー!」ジタバタ

セーラ「オレ達を出し抜こうなんてアホなやっちゃ」






哩「出てこんか!コソ泥が!!はよう出てきた方が身のためやぞ!!!」

215: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:11:05.30 ID:t3FWkqyJ0
まこ「ずいぶん早いのう。もう見つかったんか」

舞「けけっ、あたしが知らせといたのさ。あんたらが寝てる間に捕まるようにな」

セーラ「行くで」





哩「家宝んリザベば盗みやしたんはお前か、大人しく返せばちゃし、さもなければ…」ギロリ

咲「うぅ…」

和「咲さん、本当のことを話しましょう」

咲「実は…久部長のすすめで…」

哩「なん?久の…」

哩「久ん誘いならば、すぐにも力になりたいの…私には捨てられんもんがあると。リザベば置いてお帰りくれんね」

咲「あなたの力が必要なんです」

哩「せっかくやけど、私ば慕ばいう家人たちんことば考えると……申し訳なか」

咲「お願いします」ペッコリン

哩「私ん身が私一人んもんなら喜んで力ば貸したいんやけど…今はそーいうわけにはいかんのや」

咲「どうしてもですか」

哩「申し訳なか。今はこん暮らしば捨てたくないんや。 それが姫子の為でもあっけん」

咲「分かりました…鎖は返します」ジャラジャラ…

哩「かたじけなか。では、これにて失礼さいてもらう」

216: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:11:53.17 ID:t3FWkqyJ0
葉子「哩さまーーーーー!!!」



哩「どげんした葉子、そげん慌てて」

葉子「姫子さまが…姫子さまが…!」

哩「姫子がどげんしたっちゅうんや」

葉子「新任の軍攻官に連れて行かれました…!止めようとしたのですが…」

哩「なんやっち!!」バッ


ダダダダダダ…!

葉子「哩さまが…ど、ど、ど、どうすれば…」

セーラ「心配すんなよ」

和「ですね」

まこ「ほうじゃの」

咲「行こう!」

217: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:13:02.59 ID:t3FWkqyJ0
ーーー軍政官の屋敷前

哩「貴様ら、何ゆえ私の妻ば連れ去った。新任の軍政官やらば出せ!」

兵士「久保様は約束がない方とはお会いしません」

哩「なんやと!」

哩「ロン!2300!!」リザベーション、クリア!!

兵士「ぶべらっ!!」ズギャーン!!


兵士「なんだお前は!ここを久保様と知っての狼藉か!」

哩「うるさい!盗人のなんばえらそーに!!」

ツモ!2000・4000!!

兵士たち「ひでぶっ!!!」ドガラグシャーン!!



セーラ「やるやん」ヒュー

咲「うわ…すごい」


哩「はぁ、はぁ…。こん数ではさすがん私も骨の折れる。 んっ貴様らよか所にきよった。力ば貸せ」

和「もちろんそのつもりです」

まこ「やったるぞ!」


ウオー!
テキタオスデー
サ キ サ ン カ ワ イ イ !!
リザベーション!!セブン!!

ギャアアアアア



ーーー軍政官の部屋

和「はぁ…着きましたね」

哩「姫子…!」

バターン!!

218: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:15:13.03 ID:t3FWkqyJ0
姫子「哩さん!!」パアッ


久保「ぐぬぬ…またしてもお前か咲! お前のせいで私はこんな田舎に追いやられたんだぞァ! 」

久保「私の出世の邪魔をして、その上 今度は私の楽しみの邪魔かァァ!!」

哩「なんやっち!姫子ば返せこんゲス野郎!!」

まこ「わりゃだきゃー許せんのう」

久保「フン!」ガッ

姫子「きゃっ…!」

哩「姫子!」

姫子「哩さん!」

咲「その人を離して下さい!」

久保「フン、そこまでだ。それ以上近寄んなよ。私も美しい女性を傷つけたくないからな」

和「なんて人なんでしょう。腐りきってますね。こんな人の命令を聞いてたかと思うと…」

久保「何とでも言え。私は自分の身がかわいいからな」

久保「それよりも、懐かしいやつと会わせてやろう。おい!早く出てこい!」


スッ


優希「…」

219: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:16:38.62 ID:t3FWkqyJ0
まこ「優希!」

咲「優希ちゃん!」

久保「ふん、おい優希。そいつらを捕まえろ、そうすれば照様の名誉挽回にもなる」

和「ゆーき。そんな人の言うことを聞くんですか?」

優希「染谷せんぱい、のどちゃん、咲ちゃん……」

咲「優希ちゃん…」


優希「私は、あの日の選択を間違っていたとは思わないじょ。今でも正しかったと思う」

久保「そうだ、その通りだ。優希」

優希「しかし、それでも 私の心は傷む。私は……やっぱり私は自分の心に正直に生きたいじぇ」

優希「それが正しいことなのか、間違っているのかは、時が答えをだしてくれるはずだじぇ」

久保「な、何を言ってる片岡ァ!」

優希「トルティーヤの皮をかぶったニセタコスめ!これでもくらうじぇ!!」ダゴス!!

久保「めひこっ!」ズザザザー

220: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:20:47.58 ID:t3FWkqyJ0
哩「姫子っ!姫子…!」ギュッ

姫子「哩さん!」ビビクン

久保「うぅ…ぐ…」

セーラ「なんや知らんけど、お前ずいぶんと恨まれとるやないか」

久保「う…待て、落ち着け。私に何かあったら姉の照がどんな目にあうか考えてみろ」

咲「……」ギュッ…






咲「…早く出ていってください」




和「咲さん、どうしてこんな人を…。この人は衣さんのかたき…」

久保「ひいー」スタコラー


まこ「和、咲の決めたことじゃ。やはり わしらとは器が違うようじゃ。嬉しいの」


優希「…」

優希「咲ちゃん。いや、咲さま。この私を解放軍に加えてほしいんだじぇ。咲さまに許しをこえる立場じゃないけど、それでも私は咲さまの元で働きたい」

咲「今まで通りに呼んでよ。 あと、それと」

咲「力を貸して、優希ちゃん」

優希「さ…咲ちゃん…」ウルウル

優希「感謝するじぇ。この命のタコス、いつでも咲ちゃんのために使うじょ!」



和「よかったですね。ゆーき」

まこ「じゃの」

221: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:22:22.39 ID:t3FWkqyJ0
姫子「本当にあいがとやね。哩さんもほんとはあんた達に力ば貸したくてウズウズしよったいね」

咲「そうなんですか?」

哩「…咲どの。どげんやらこれで私もおたずね者になりよった」

哩「私は、家ば守るため帝国ん横暴に目ばつぶっちきよった。やけん、その結果がこいや」



哩「姫子…」

姫子「はい」

哩「お前とは、夫婦の縁ば切る」

姫子「!」

姫子「な、なしてですか!?」

哩「私は、これから解放軍に入る。もうここへは戻っちはこれんけん」

姫子「…………あなたはひどい人たい。こん私ばそげな女やと思っとるですか?」

哩「辛いことんなるぞ」

姫子「覚悟は出来てます。あなたと夫婦の鎖ば結んだ時から」ジャラ

哩「そうか」ジャラ

哩「お前と私は二人で一つ。この鎖が…二人の絆になるとやけんな」ジャラジャラ

セーラ「(ジャラジャラやかましい、とは言えんな)」

哩「咲どの。私ん力、解放軍んために使わせてください」

咲「はいっ!」

セーラ「ほなカエルデー」

232: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:17:42.13 ID:CCehv9/50
ーーー本拠地

和「あ、あそこにいるのは…」

塞「やぁやぁ、久しぶりだね咲!お互い生き延びたみたいね」

白望「元気だった?」

和「塞さんと白望さん。どうしてここに?」

塞「噂を聞いてね。借りを返すいいチャンスだと思ってここまで来たのよ。 私たちも解放軍に加わるね」

塞「ほらシロも挨拶しなよ」

白望「ダルいけど…よろしく」

塞「ったくあんたは…。 それよりも怜さんに挨拶がしたいんだけど」

和「と、怜さんは…」



久「怜は今、わけあって北へ行ってるわ。その間、咲がリーダーをつとめることになってるの」

塞「北ねぇ…。それにしてもすごいじゃん咲、リーダーなんて見直したよ」

久「咲。哩や塞、白望などの新たな仲間を祝う宴なんて開いてはどう?」

咲「そうだね、パーっといこう!」

和「じゃあ久々に腕をふるいますよ」アイスティーノジュンビデスネ…

233: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:18:27.76 ID:CCehv9/50
ワイワイワイワイ
ウマイッ! テーレッテレー!!
タコスオカワリダジェ!
ソコ!タベスギ!
マダマダアルノヨー
ハムッ ハフハフ ハフッ

セーラ「はっはっはっ!楽しいなー!」

まこ「このワカメ酒うまいのぉ」

優希「ウマイ!帝国のタコスは不味かったからなぁ」

哩「咲どの、なかなか陽気な仲間やね。やはり来てよかったと」グビグビ

姫子「哩さん、あんまり飲みすぎよったら…」ビビクン

塞「こりゃいいや。こっちにきて正解だったねシロ」グビグビ

白望「そうだね」グデー

純「咲、今夜は月が綺麗だぜ」グイッ

久「私はどちらかというと、女の子と静かに二人っきりで飲むのが好きなんだけどね」

まこ「優希!タコスばっかり食いすぎじゃい!」

和「咲さん、楽しんでますか?」

咲「うん。ちょっとおトイレ行ってくるね」

ガチャリ

アサシン「咲、その紋章牌をいただく、覚悟!」



咲「!」

234: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:20:27.12 ID:CCehv9/50
和「エトペンシュート!!」ズバムッ!

アサシン「ラモスッ!」ズガーン

和「ふぅ…大丈夫ですか!?咲さん!」

咲「ありがとう和ちゃん」

優希「どーした!? 何だきさま!!」

セーラ「解放軍の本拠地に乗り込んでくるとはアホなやっちゃな」

アサシン「ふははは、何が解放軍だ!帝国に勝てるなんて本気で思っているのか? SOAだしwww」

まこ「なんじゃと!!」

アサシン「気をつけろよ咲。郁乃様はいつでもお前を狙っているぞ!」ササササ (((((((;・・)



和「……」

優希「……」




優希「咲ちゃんの見張りは私がやるじぇ」

和「いえ、私が咲さんの身を守ります」

咲「あわわわ」

セーラ「ええ加減にせえ。二人で見張ったらええやろ」


和「安心してお休みください。おはようからおやすみまで、咲さんの身は私が守ります」キリッ

優希「私も今日から咲ちゃんの部屋の前で見張るじぇ!」

咲「あ、ありがとう」アセッ




咲「…ぐぅ…」zzz


和「やはり心配なので咲さんと添い寝したほうがいいでしょうか?」ソワソワ チラッチラッ

まこ「やめときんしゃい」

235: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:21:04.27 ID:CCehv9/50

ーーー翌朝

咲「ふわぁ…」ノビー

和「おはようございます。今日もいいお天気ですよ」

咲「お、おはよう和ちゃん(すでに部屋に居てても驚かなくなっちゃった)」

咲「少し城内を散策してみようかな」

和「お供しますね」


ーーー 一階

塞「気楽な山賊暮らしもよかったかなぁ」モノクルフキフキ

白望「ダル…」


西田「原村さんのネタない?」


セーラ「よっす!咲。 しけたツラしてたらあかんぞ。皆が暗くなるからな」


公子「はいよ。ボウリングやってくかい?」

哩「咲どの、やはり解放軍に参加してよかった。共に帝国ば倒しようや」




ーーー船着き場

純「よぉどうした?」

誠子「やぁ、釣りでもやるかい?……って何だありゃ!?」



穏乃「」

236: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:23:16.21 ID:CCehv9/50
咲「! 人…!?」

穏乃「うっ………」

純「生きてる、まさかここまで泳いできたってのか」

和「とにかく、中に運びましょう」



ーーーー

穏乃「」

和「どうしたというんでしょう、こんな所まで泳いでくるなんて…」

久「よっぽどの訳アリなんでしょうね」


穏乃「ぅ…ううん……。 ここは…、助かったのか…」

咲「大丈夫ですか?」

穏乃「うわさを聞いて…ここまで……教えて…もらえますか…解放軍というのは…」

久「安心して。ここは解放軍の本拠地、リツベ城よ」

穏乃「よかった…お願いがあります。解放軍のリーダーに、怜という方に会わせてください」

咲「…………」

久「怜とは今、会うことは出来ないわ。今のリーダーはここにいる咲よ」

穏乃「では、咲様。 どうか私達を助けてください」

237: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:24:37.99 ID:CCehv9/50
和「助ける?」

穏乃「帝国軍の大将、小走やえが私たちヨシノの一族を根絶やしにしようとしているんです


穏乃「お願いします。解放軍の力を私たちに貸して下さい」フカブカ

咲「わ、分かったよ」

久「…ちょっと待って咲。現在の解放軍の力はわずかなものに過ぎないわ」

久「旧解放軍の生き残りと、塞の連れてきた山賊たちを合わせても数百の兵力よ。 いま軍を動かすのは得策ではない」

咲「じゃあそれだと…」

和「ヨシノの方々を見殺しにすることに…」

久「もちろん彼女達を見捨てるわけにはいかないわ。私たち解放軍のただ一つの強みは人々の期待を受けていること。それを裏切るのもやはり得策ではないわ」

久「そこで、ここはまず、少人数で状況を調べ、その後の方策はそれを見てから決めるのがいいと思うの」

穏乃「…! ありがとうございます!村へは私が案内します!」ウッキー


和「咲さん。誰がなんと言おうと私はついていきますからね」

咲「うん、ありがとう」


穏乃「私達の村は大森林を越えた所にあります。まずは大森林の村へ行きましょう」

和「途中で仲間集めもしておきましょう」

238: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:25:20.25 ID:CCehv9/50
ーーー各地の町

春「解放軍に良子がいるって聞いた」ポリポリ

セーラ「良子…? あぁあのルー語使っとったカラクリ師か」

春「だから私も解放軍に入る」ポリポリ

咲「えと、ありがとう?」

まこ「すんなりやのう」

春「それが自慢」ニコッ




慕「へぇー解放軍かぁ。料理なら私も力になれるよ。私も参加していいかなぁ?」ニコニコ

穏乃「(優しそうな人だなぁ)」

咲「ぜひ!」

慕「ありがとう。ほっぺが落ちる料理をたくさん作って待ってるからね」ポワポワ

優希「タコス100人前頼んだじぇ!」

まこ「(ほんわかする人じゃのう)」ポワポワ




京太郎「そこのお姉さーーん♪ ん?ごめん、オレ今忙しいんだ。用事なら後で…」

和「?」ボイーン

京太郎「」


京太郎「引き返すべき道は、いらない。 オレも解放軍に入ります」キリッ

239: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:26:53.72 ID:CCehv9/50
ーーー大森林

穏乃「この先に、ヨシノの一族のみが知る森の抜け道があります。急ぎましょう」

ザザザザザ(木々をかき分ける音)


「ーーーっくしゅん!」

シュイーン

成香「あれ?あれ?あれ?あれ? どうやらまた失敗してしまいました…」


優希「なんだ?」

まこ「急に現れたように見えたが…」

成香「あのっすみません、ここはどこですか?」

和「長野帝国ですが…」

成香「長野っ!? どうしよう…闇チンで倍満あてられたみたいです…」

成香「あの、わたし成香っていいます。行くところがなくて困ってるんです…私のこと守ってもらえませんか…?」

咲「え、えーと…」

まこ「行くとこないなら仕方ないじゃろ」

咲「そうだね」

成香「いいんですか? ありがとうございます!うわぁ…素敵です!お城に行けばいいんですよね、それくらいなら…エイっ」

シュイーン

咲「成香ちゃんの霊圧が、消えた…」

和「テレポーテーションってやつですか」

まこ「仁丹が入ったブローチは持ってなかったのう」

和「まこさん…いくつなんですか…」

240: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:28:20.87 ID:CCehv9/50
ーーーレジェンドの村

穏乃「こ、これは…」

和「どうしたんですか?」

穏乃「ここはレジェンド赤土晴絵を称えるために作られた村なんです。 それが、どうして誰ひとりいなくなっているんだ…」

ガサガサ!

晴絵「お前ら帝国の人間だな! お前らが仲間を連れ去った、許さないぞ」

咲「な、なに!?」

晴絵「でも今は時間がない…私は皆の病気を治すっ」タタタタ

和「行ってしまいましたね。何だったんてしょう」

優希「仲間を連れ去った とか、みんなの病気 とか言ってたな」

穏乃「何かあったのかな。私たちの村に急ぎましょう。何があったか分かるかもしれない」

241: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:29:39.76 ID:CCehv9/50
ーーーヨシノの村

ヤイノヤイノ!!

煌「いい加減になさって下さい。私の話を聞いてください!」

村長「話だと? お前ら町の人間がまともに話を出来るとは思ってもみなかったわ!」

村長「話とは何だ? わしらを山暮らしの田舎者を根絶やしにするいい方法でも思いついたのか? そのクワガタみたいな頭で!!」

煌「そう、そうですよ。小走さんは、彼女は恐ろしいことを考えていらっしゃいます」

煌「あなた方を根絶やしにするどころか、この森を、私の故郷でもあるこの長野の森を、焼きはらうつもりなんです」

村長「お前ら都会のモヤシっ子にそんなことが出来るものか。おい、こいつを牢にぶちこんどけ」

煌「くっ…すばらくない…」

ズルズルズル…


咲「どうしたんだろう?」

242: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:31:13.52 ID:CCehv9/50
ーーー村長の家

憧「! シズ!」バッ

穏乃「わわっ」ギュッ

憧「シズーーー! どうして私を一人にしたのよ。寂しかったのよ!」ギューーー

穏乃「いや、一人にしたわけでは…」クルシイヨ アコ…

憧「ひどいじゃない、一人で行っちゃうなんて、私も連れてってくれたらよかったのに…。ね、町はどうだった?」

穏乃「いや、その、遊びに行ったんじゃないから…危ないから憧は連れて行けなかったんだよ」

まこ「そりゃあそうじゃろうなぁ」

憧「ねぇあんた何かやらかしたの? おじいちゃんが怒ってたわよ」



村長「穏乃。わしの許しなく村の外に出て、何をしてきたんだ」

穏乃「はい。 都会人の中にも、帝国と戦っている人がいます。彼女たち、解放軍の力を借りるために、私は村を出ました」

穏乃「このヨシノの山を守るために」



村長「!! この山を、村を守るためにだと? 何を言うか、この山を守るのに都会もんの力を借りる必要なんぞない」

村長「確かに、一時は小走の軍におされ気味だったが、しょせんは都会の貧弱モヤシ。最近は大人しいものだ」

穏乃「しかし……」

村長「うるさい。穏乃よ、村を勝手に出た上に、排ガス臭いトンキン共を連れてきおって。皆まとめて牢にぶちこんどけ」

村人「はい」

憧「え?え?ちょ…ちょっと待ってよおじいちゃん!なんでシズまで…!」

243: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:32:12.39 ID:CCehv9/50
ーーー牢屋
和「なんでこんなことに…」

まこ「仕方ないわな。あちらさんにとってこちらは敵と何も変わらんけえの」

優希「腹へったじぇ…」

咲「うん…」

穏乃「ごめんなさい皆さん」

咲「穏乃ちゃんは悪くないよ」



泉「ん?穏乃やて?」

泉「誰かと思ったら帝国が攻めてくるのを知って逃げ出したシズモンやんか。 私? 私を忘れたんか、私はこの村一最強の泉さまやんか」

咲「だれ?」

泉「見せてやりたかったわ。小走が攻めてきた時の私の村一最強の逃げっぷりを。はははははははは」

優希「アホだじぇ」


煌「私は花田煌です。あなた達は? 解放軍? ヨシノを助けに?それはすばらですね。 …けどお互いバカを見たものですね…」

和「その服装は、帝国軍の…」

煌「ええ。 全く、私もバカでしたよ。命懸けで帝国を裏切って捨てゴマをまかされ、ここまで来てこのザマです」

煌「ヨシノの方には私の話なんてこれっぽっちも信用してくれませんでしたよ。そこはすばらくない」

244: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:34:51.22 ID:CCehv9/50
穏乃「話というのは?」

煌「この地方をあずかっていらっしゃるのは、帝国の大将軍 小走やえです」

煌「彼女はしばしば反乱を起こすヨシノ山の民たちを根絶やしにするために恐ろしい兵器を作ったのです」

和「恐ろしい兵器ですか…なんでしょうね」

煌「私も詳しいことは知りませんが、名前は『九蓮砲』という、なんでも森を一瞬で焼き尽くせるらしいのです」

煌「そんなものを使ったら、ヨシノ山どころか私の生まれた村まで…」

煌「だからここに来たのです。ヨシノの方々にこの事を知らせて、『九蓮砲』が出来るのを防いでもらおうと思ったのですが…」

まこ「気がつけば、こんな牢の中っちゅーわけか」

煌「こんな所でグズグズしている暇はないのですが…」クッ

咲「煌さん…」

245: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:38:08.25 ID:CCehv9/50
泉「ははっ、この村ー最強の泉さまの逃げ足を今こそ見せたるで!」バビューーーーーン


咲「す、すごい」

憧「ねぇ、シズも逃げて。あんな風には無理だろうけど…」

穏乃「逃げないよ。煌さんの言っていた『九蓮砲』を何とかしないと。諦めるわけがない!」

煌「方法があるのですか?」

穏乃「ええ、心当たりは」

穏乃「咲さん。このヨシノ山の北東にドワーフ達の住む鉱山があります。彼らなら何かしっているはずです。力を借りましょう」

咲「そうだね、分かったよ」コクン

煌「同意です。早くしないと取り返しのつかないことになります。『九蓮砲』が出来るまでに何とかしないと」

憧「! シズ!ドワーフの所に行くの!? ドワーフは田舎者を食べちゃうって…」

穏乃「それは偏見だよ。私はそういうものを無くしたいんだ」

穏乃「行きましょう、咲さん!」

246: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:45:14.51 ID:CCehv9/50
ーーーヨシノ村 入口

煌「咲さん。この私も同行させて下さい。この森を、守りたいのです」

咲「もちろんですよ煌さん」

煌「ありがとうございます。すばら!」

優希「すばらだじぇ!」

スバラッスバラッ

まこ「もう仲良ぅなっとるわ」

和「あの二人から同じ空気を感じます」


憧「シズ…」

穏乃「一緒に行くかい憧。 今度は連れて行ってあげるよ」

憧「………私は残る。私はここでシズが帰ってくるのを待ってる」

憧「だから……だから、必ず帰って来なさいよ。約束だから」

穏乃「うん。必ず帰って来る。もう憧を悲しませるようなことはしないよ」ギュッ

憧「きっとよ」ギュッ

咲「わわわ」カァーー

和「(ピュアな咲さんも可愛いですね)」

247: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:46:22.41 ID:CCehv9/50
ーーードワーフ村への山道

晴絵「くそ…ケチなドワーフめ。病気の治し方を隠してやがる。でも私は諦めない」


和「あのレジェンドは確か…」

晴絵「あ、お前らは!許さないぞ!……でも私はいま忙しい」

タタタタ

咲「?」



ーーードワーフ村

莉子「へぇ、梢さんが…」

咲「あなたも仲間になってくれませんか?」
莉子「んー…私はここで鍛冶屋の修行中だしなぁ」

穏乃「ロン!6400」カッ

莉子「ひいっ!わ、分かりました、解放軍に参加しますーー」



和「こうして時々、唐突に仲間勧誘描写が入りますが、そういうものだとスルーご了承下さいね」

まこ「誰に言っとるんじゃ」

248: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:50:12.67 ID:CCehv9/50
ーーードワーフ長老の家

長老「ほっほっこりゃ珍しい。トンキンと山猿が、このドワーフ鉱山に何の用かね?」

穏乃「あなたにお願いがあって来ました」

長老「フン…山猿がドワーフにお願いときたか」

穏乃「『九蓮砲』というものをご存知ですか?」

長老「ほっほっ。そりゃ知ってる。わしらの宝の一つじゃからな」

穏乃「その『九蓮砲』の設計図を小走やえが手に入れ、森を焼き払おうとしているのです」

長老「ほっほっほっほっ。こりゃ愉快。山猿どもなんぞ、焼き殺されればいいわい」

和「なんてことを…」

長老「それにな、ウスノロの人間にわしらから設計図を盗めるとは思えん」

煌「しかし、確かに モモ という名の方が設計図を盗み出して来たのです」

長老「ほっほっ。そんなに言うなら試してみるか? わしらの金庫から設計図を盗み出せるかどうかを」

優希「やってやるじぇい!」

まこ「ああ!」

長老「ほっほっほっ、面白い。なら、金庫から宝の一つ『一盃棍』を盗み出してみるがいい。それが出来たらお前らの話を信じてやろう」

咲「分かりました」ゴッ

249: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:51:02.59 ID:CCehv9/50
ーーードワーフ金庫

まこ「キンクリじゃぁぁあ!!!」ワカメッ!!


ーーー金庫 最奥

和「これですかね…」ハァ…ハァ

穏乃「そうですね。盃のマークが書いてあります」ゼェゼェ


ーーードワーフ長老の家

咲「持ってきました」つ イーペーコー

長老「」


長老「うぬぬぬぬ…わしらの金庫が破られるとは…仕方ない、お前らの話を信じよう」

咲「やった!」

長老「…確かに『九蓮砲』は恐ろしい役満兵器じゃ。 しかし、わしらの秘宝の一つ『天砲(テンホー)』を使えば一瞬で粉々になる。さっそく作らせることにしよう」

穏乃「ありがとうございます。ドワーフの長老どの!」ウッキー!!

穏乃「咲さん、村に戻って報告しましょう。村長も、今度こそ私たちの話を信じてくれるはずです」

咲「うん!」

長老「頑張れよ、お若いの」フッ

250: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:53:05.49 ID:CCehv9/50
ーーーヨシノ村への山道

ゴオオオオ…

穏乃「あ、あれは…」

和「なんでしょうね…」

咲「確か…あの方角は…!」

まこ「ありゃあまさか!!」

優希「村の方だじょ!」

穏乃「バカな!そんな、バカな!!」

煌「急ぎましょう!」





ーーー焼けたヨシノの山 村

煌「これは…ひどい…」クッ

和「この有り様では…」

咲「こんな…」

優希「焼け野原だじょ…」

煌「自分達のしたことは……」




穏乃「そうです、無駄でした。 全て無駄だったんです」

咲「……」

穏乃「なぜです? なぜなんですか? 咲さん、教えてください。私のしたことは、何だったんですか?」

まこ「穏乃…」

穏乃「なぜですか! 私達は頑張ったじゃないですか! バカにされても、くじけなかった」

穏乃「それなのに、それなのに………」グッ

咲「穏乃ちゃん……」


穏乃「それなのに…なんにも、何にも残らなかった!」

穏乃「私の守ろうとしたものは、すべて……」

251: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:55:40.70 ID:CCehv9/50
スッ

穏乃「これは、すべてが終わったら憧に渡そうと思っていた指輪です」

穏乃「かわいそうな憧…。この指輪は、誰の指にもはめられることなく無用になってしまった…」

ポトッ

穏乃「もう…何も……」


スッ

和「穏乃さん。これは、この指輪は、あなたの希望です。希望を捨てちゃいけません」

和「ほんの少しでも希望があれば生きていける。それは都会でも田舎でも同じだと思います」

穏乃「のどか……」

和「咲さん。城へ戻りましょう。こんな悲しいことを繰り返しちゃいけません」

咲「和ちゃん」

和「小走やえの軍をやぶり、九蓮砲を打ち破りましょう。そうでなければ報われません」キッ

まこ「やったるけえのう」

優希「タコスパワーはいつでも満タンだじぇ!」

煌「やりましょう!」スバラッ

咲「みんな、頑張ろう!!」ゴッタオス!!





ひな「あちゃーこりゃひどいねー。こんなことされたら困るよね」

咲「あなたは?」

ひな「私は山谷ひなだよー。お姉ちゃん達は解放軍? そういえば最近ドラン湖の城が解放軍のものになったって耳にした気がするよ」
ひな「ねぇ私を仲間にしてよ。地図作りなら任せてほしい所存ー。お近づきの印にこれあげるよ」

つ「長野図」

咲「地図かぁ。ありがとう」

ー山谷ひなが仲間になった!

252: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:57:35.45 ID:CCehv9/50
ーーーレジェンド村

ダダダダダ…

兵士「待てゴルアアー!」

和「何でしょう?」

穏乃「赤土さんだ!追われているみたいですね」

晴絵「私はこんなとこで捕まるわけにはいかない!皆を助ける」

咲「わっ、こっちに来るよ」アセアセ


兵士「なんだーーお前らは?」

兵士「ん?お前は裏切り者の花田!こんなところで会えるとはな」

煌「しまった…!」

兵士「お前には懸賞金がかかってる。大人しく捕まるこった」

和「咲さん、すっかり囲まれてしまいましたね。これはちょっとピンチですよ」

優希「むしろ大ピンチだじぇ」

煌「そこのあなた。私が捕まれば残りの方は見逃してくれますか?」

兵士「なんだ、取り引きか? いいだろう。アラフォーに誓って手は出さない」

和「煌さん!捕まれば、反逆者は死罪ですよ」

煌「ええ、知ってます」

まこ「知っとるなら…」

253: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:58:10.97 ID:CCehv9/50
煌「九蓮砲は止めなければなりません。そのためには、私達がここで全滅するわけにはいかないのです」

煌「解放軍が、今リーダーを失うわけにはいきません。リーダーとはそういうものです。だから………」

咲「駄目ですよ煌さん!」

煌「咲さん。いけませんねぇ。大きな目的を見失ってはいけませんよ、それはすばらくない」



咲「うぅ……すみません…」

煌「いいってことですよ。嬉しいことです。こんな私でも、誰かに必要とされている。そんなすばらなことはない」

煌「捨てゴマ、任されましたぁっ!!」スバラッ

254: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:58:42.11 ID:CCehv9/50
兵士「ようし、いいこだ。暴れんな、暴れんなよ」

兵士「おいお前ら。残りの薄汚いサルとレジェンゴ、反逆者の人間どもを皆ごろしにしろ」

煌「!?何ですって! さっきアラフォーに誓ってと…」

兵士「アラフォー? アラフォーなんている時代かよ」

和「(アラサーはいますけどね)」

兵士たち「ヒャッハー!!」ドワッ

優希「うわー!襲いかかってきたじぇ!」

晴絵「私は戦う。死ぬわけにはいかない」バッ

レジェンドツモ!!
レジェンドロン!!
ドガバキャーー

まこ「きりがないのう」ハァハァ

咲「数が多すぎる…」ハァハァ

優希「タコスが切れてきたじぇ…」

和「ダメです…このままでは…」

穏乃「ここまでか…」

晴絵「だらしないぞお前たち。私は諦めない…!」

兵士「いつまでそんなこと言ってられるかな。それかかれ!」

久「咲、いま助けるわよ」

255: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 19:00:28.44 ID:CCehv9/50
咲「部長っ!?」

兵士「な、何事だ!」

伝令兵士「はっ!解放軍と名乗る者たちが現れて…」

兵士「なにー!? 退け、逃げろーーー!」スタコララー

和「部長、どうして来られたんですか?ここへはあの森を抜けないと…」

久「九蓮砲のことを、知らせてくれた子がいたのよ」

穏乃「それって…」

憧「まずひとり!ここにいる…っ!」ドン

穏乃「!」


憧「シズーーーー!!シズ、シズ…寂しかったよーー!」ギューー

穏乃「あ、憧…お前…何で…」ギューー

泉「それは私のおかげや」

憧「スゴかったのよ。ロン(物理)されたかと思ったら、泉がすごい勢いで助けてくれたの」

泉「私の最強の逃げっぷり、見せてやりたかったわ」ドヤァ

穏乃「あこっ…あこーーー!!」ギュウウウ

泉「おいおい、私の逃げ足の最強話、聞きたくないんか」


スッ…

和「はい、指輪です。やっぱり希望は捨てるべきではないですね」

穏乃「和…」

憧「え?なになに?指輪?なんなのシズ」チラッチラッ

穏乃「えっ、こ、これは全てが終わったら…」アセアセ


まこ「ひとまず良かったのお」

咲「はい、でも部長…」

久「あなた達が城を出た後、恭子や智葉が残りの組い…旧解放軍の生き残りを率いてやって来てくれたのよ」

優希「(いま組員って聞こえた気がしたけどやめとくじぇ)」

久「今なら小走やえのグントモ戦えるはずよ。咲、進軍の合図をお願い」

咲「うん…よし!全軍出発!!」ゼンブ…ゴッタオス!!



※ここから幻水名物の一つ『戦争イベント』が入ります。が、初めに記載した通りかなり期待のできない仕上がりになっておりますので、ご了承下さい(ペッコリン)

256: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 19:02:00.52 ID:CCehv9/50
ーーー小走やえの城 ピンフ・ヤミテン城



穏乃「小走やえ!山を…私の村を焼き払ったことの償いをしてもらうッ!!」


やえ「解放軍などとニワカなことを。皇帝陛下に成り代わり、この小走やえが見せてやる、王者の戦いぶりを!!」


久「新生解放軍の初陣よ。皆、気を引き締めて 各自全力をつくすのよ」

セーラ「オラーーー!ヤッタルデーー!!」

257: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 19:16:57.23 ID:CCehv9/50
ーーーーピンフ・ヤミテン城 攻防戦ーーーー
久「命令をどうぞ」


咲→『突撃』

晴絵「はっ…しょうがないな…まずはお前らの相手してやるか!」

スーパーレジェンドツモォォ!!

ギャアアアアア!!

小走軍にダメージ!




咲→『その他 こそどろ』

舞「けっけ、イタズラしてやろっか」

ビリビリビリー!
ウワアアアア!!

舞「奴らをエトペンの腕みたいに引きちぎってやったよ」

和「」




咲→『軍師』

久「まぁ任せといて」

アラ?モウ?ホラホラ
ラメェェエ!!

久「何人か●●させて戦意喪失させておいたわ」ペロッ

咲「」




咲→『その他 白水家』

哩「殺(と)いに行く!貪欲に!!」

リザベーションッッ! セブンッ!!

姫子「ま、哩さぁん!」ビビクンッ!!

カゾエヤクマーーーン!!




やえ「クッ…ニワカ共にこの王者の軍が敗れただと!!」



優希「やったじぇい!」

大 勝 利 ババーーン

久「おめでとう。我が軍の勝利よ」テ フキフキ






やえ「お、おのれ…こうなったら、九蓮砲で…」

259: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 19:19:36.93 ID:CCehv9/50
ーーーピンフ・ヤミテン城

九蓮砲「」グゴゴゴゴ

やえ「はっはっは!こいつで焼き払ってやる!!」

煌「しまった、彼女は九蓮砲を使う気です!」(キンクリされていましたが助け出されてました)

久「何ですって!? 全軍退却よ!」

久「いえ、被害を少なくする為に各自、出来るだけ散らばるのよ!!」


やえ「ほう…散らばって被害を少なくするか。ありゃ相当散らばってる。だがもう遅い」

やえ「私は小3の頃から容赦はせぬ。帝国に弓ひく者たちよ、王者の裁きだ!くらえっ!!!」





バゴーーーーーン!!!!

九蓮砲「」チーン

やえ「」


やえ「な、何事だ!?」


長老「ほっほっほっ。人のものを盗むからこうなるんだ」

長老「役満には親の役満。わしらの『天砲』の力、思い知ったか!」

穏乃「ドワーフ長老!」

長老「ヨシノのお猿さんよ。今度は間に合ったようじゃな」

セーラ「よっしゃ、後は場内に入って小走やえの首を獲るだけや!行くで咲!」

和「私も行きますよ咲さん」

穏乃「私も行きます!」

晴絵「私も行く。仲間を助けたい」

セーラ「ほな行くで!」

260: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 19:27:15.06 ID:CCehv9/50
ーーーピンフ・ヤミテン城 最上階

やえ「来たなニワカめ。解放軍のリーダーか。ん、確かお前は照の妹…」

咲「…」

やえ「そうか、噂は聞いていたが、照の妹が解放軍のリーダーとはな。しかし手加減はせんぞ」

やえ「私も王者と呼ばれた女。くるがいいニワカの諸君。私の力を見よ、郁乃様にいただいたの紋章牌の力だ」

發の紋章牌「」シュウウウ…


咲「役牌一つでは1翻にもなりません」


咲「カン」

バチコーーン

やえ「くっ、明カンではなく…暗カンだと…こんなことが……」バタッ


晴絵「お前が皆をおかしくしたんだ、皆を治せ!」ザッ

やえ「レジェンド…なぜお前は平気なのだ?紋章牌の力が…ぐわぁぁぁぁぁあ!腕がぁぁぁぁ!!!」

咲「!?」

やえの右手がなんかエラいことになる


和「何事ですか?」

セーラ「分からん。この發の紋章牌とやらが関係しとるんちゃう、そう言うてたし」

やえ「ぬわーーーーーーー!!」ガクリ


やえ「…………」


咲「だ、大丈夫かな?」

261: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 19:31:17.40 ID:CCehv9/50
フララーーーーン


セーラ「!?」

郁乃「久しぶりやねぇ咲ちゃん。あら、やえちゃんを倒したん。まったく役牌つけたげたってのに使えへん子ぉやねぇ」フララー

優希「役牌といえど三つないと意味ないじぇ」

晴絵「なんだお前は? 皆を治せ!」

郁乃「おや、レジェンドやん? やえちゃんの發の役牌が消滅して呪いがとけたんやねぇ」
咲「赤阪郁乃…」キッ

郁乃「咲ちゃん、いつまでもあんたを野放しにはせぇへんよ。私の愛するすこやんがあんたを倒してくれるからねぇ。…ほな、失礼するわ」

フララーーーーン…

咲「消えた…」

セーラ「なんやねんあの胡散臭い女」

262: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 19:32:13.75 ID:CCehv9/50
やえ「」ムクリ

和「あ、小走さんが」

やえ「こ、これは……今までのことは…」

晴絵「覚悟しろ」

穏乃「そうだ、皆の仇だ!」

やえ「ヨシノにレジェンド……そうか。好きにするといい。お前たちにはその権利がある」フッ


やえ「君が解放軍のリーダー、咲か。さあ、私の首をはねるがいい。それが王者としての最期よ」

和「ちょっと待ってください。様子が変です」

咲「そうだね、なんだかおかしいな」

やえ「どうしたの、はやく首をはねなさいよ。私は気が短いの」

まこ「あんたはどうして急に…」

晴絵「そうだ。さっきまでの奴とお前は違う」

やえ「これよ。この焼けただれた紋章牌のせいよ」

セーラ「紋章牌?」

やえ「こいつは郁乃様にいただいた發の紋章牌よ。これには雀士を操る力がある。しかしその代わり私の意志にも影響をおよぼすようになっていたみたいなの…」

やえ「郁乃は信用のおけないニワカだ。それを皇帝陛下は気付いているのか……。しかしなにを言っても言い訳にすぎない。あのようなことをして、王者として他に償うすべはない」

咲「つぐなう方法なら…あります」

やえ「?」

咲「解放軍の仲間になって下さい。死ぬことは…本当の償いにはなりません。生きて、私たちと一緒に帝国を正して下さい」

和「咲さん…」

263: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 19:32:53.45 ID:CCehv9/50
やえ「この私を仲間に…はっはっは、この私が解放軍に? 小3の頃から健夜様につかえたこの私に、反逆者なれと言うのか」

まこ「そうじゃ。今の皇帝はお前の知ってる小3の頃の皇帝とは、違う」

やえ「………………」

やえ「私の信じてきた皇帝はもう何年も前に居なくなっていたのかもな」

やえ「咲。この私も解放軍に加えてほしい。私の健夜様に対する忠誠心はニワカではないものだ。しかし今の皇帝陛下に忠誠を尽くすことは出来ない」

咲「共に戦いましょう」


やえ「ヨシノの民よ、本当にすまなかったね」

穏乃「咲さんの決めたことなら、私は何も言いません。生きて…償って下さい」

やえ「ああ、無様な真似は見せないさ」

264: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 19:39:52.68 ID:CCehv9/50
久「おめでとう咲。初陣としては大成果ね」

咲「えへへ」コモセン顔



レジェンド母「晴絵ーー」

晴絵「母さん!みんな!!」

和「操られていた方々も解放されたようですね」

穏乃「咲さん。ありがとうございました」

和「これからどうするんですか?」

穏乃「はい。山は無くなってしまいました。それに、私の戦いはまだ終わっていない」

穏乃「咲さんの戦いが終わるまで、私の戦いも続くんだと思います。私も解放軍に加えて下さい」

憧「あたしも!」

泉「あ、私も私も」

穏乃「あ、憧は駄目だよ、危ないんだからね」

憧「ダメ。もう離れてやんないんだから」

泉「じゃあ、私も私も」

優希「……………」

泉「なんや?」

優希「別に(打たれ強さだけはありそうだじぇ)」

晴絵「私も連れてってくれないかな…解放軍。皆は治ったけど、この国は治っていない」

煌「私も戻る所を失いました。あんなことを二度と起こさせないために、私も戦わせて下さい」


久「咲、今回でずいぶん成長したわね。こんなにも多くの者があなたの下に集まった


久「さぁリツベ城に戻りましょう」

269: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 14:55:46.08 ID:7a9b1Mqk0



『小走やえの軍を破って 三ヶ月後…』

ーーー本拠地 広間

ヤイノヤイノ!!

咲「どうしたんだろう?」

和「広間の方ですね。行ってみましょう」



竜華「なぁ、怜がおらんってのはどういうことなん! ここは新しい解放軍の本拠なんやろ?」

セーラ「竜華、落ち着け!」

竜華「アジトが襲われた後、ちりぢりになった解放軍のメンバーを集めて、ようやくここにたどりついたのに、どういうことなんよ!?」

咲「竜華さん」

竜華「ん?あんたは咲やないか。怜はどうしたん?何で出て来いへんの?」

咲「それは…」


久「あなたが竜華、ね」

竜華「なんや?誰やねんあんた!」

久「私は園城寺久。今は竹井だけど、怜の姉よ。今は解放軍の軍師をつとめてるわ」

竜華「怜の姉………なぁ、なんで怜は出て来おへんの?おるんやろ?」




久「怜は死んだわ」


竜華「は…」

セーラ「おい、久!」

智葉「………………!」

恭子「なんやと…ほな行方不明いうんは…」カタカタ

久「咲、話してもいいわね?」

咲「けど、怜さんの遺言は……」


久「怜の遺言は、解放軍がバラバラにならない為だったわ。 こうして新生解放軍が出来上がった今なら、もう話してもいいはずよ」

270: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 15:03:26.03 ID:7a9b1Mqk0
竜華「なんや?何を隠してるんよ? 怜が死んだってどういうことなん、なぁ答えてや咲!」

久「いつまでも隠し通すことは出来ないわ。すでに疑いを持ってる人も多いはずよ」

咲「そう…ですね」

久「怜はセンリヤマンプのアジトが襲われた、あのさなかで死んだわ」

竜華「…!! なんやて!?  セーラ!あんたがついていて、なんで!!」

セーラ「すまん、竜華」

久「怜は最期まで解放軍の行く末を案じていたそうよ」

竜華「そう。それで、怜のあとを継いだんが、咲ってわけなん」


咲「はい」

竜華「冗談やないで!! ええんか、智葉!恭子!こんな子に怜の代わりがつとまるん!?」

智葉「……………………リーダーは必要だ。咲はよくやってるよ」

恭子「竜華さん、そんなに興奮せんと。それより用があってここへ来たんとちがいます?」

竜「そうや、用があってここに来た。…ただ、ウチは怜に用があったんや。咲、あんたやない」

咲「…」

竜華「智葉、恭子、ウチはカフの町の宿屋におる。気が変わったら来てや。あんたらかて、そんな奴らと一緒におる気ないやろ!」
スタスタスタ…

和「竜華さん…」

恭子「咲。竜華は怜の死にショック受けとると思うんや。普段はあんなんとちゃうから」

セーラ「竜華とはよう話し合った方がええな。なんていうても解放軍の副リーダーやった女や」

久「そうね。今は少しでも戦力がほしい時だから」

咲「私…行きます」

271: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 15:09:14.00 ID:7a9b1Mqk0
ーーーカフの町 宿屋

竜華「咲、セーラ。 来てくれたか」

セーラ「すまん竜華。オレが不甲斐ないばっかりに、怜を…」

竜華「あんたのせいやないんやろ。 昔よく言われたわ。あんたは、もっとリーダーとしての自覚を持つべきや、て」

竜華「今になって、その言葉がよみがえる。あの子は自分の死を視てしもたんかもしれへんな」

竜華「せやけど、ウチはあの子の期待に応えてやれへんかった」

咲「竜華さん…」

竜華「さっきも怒りに駆られてここに来た目的を見失ってしもた。こんなウチやったら怜が見放すんも仕方ないかもな…」

セーラ「…」

竜華「咲、ウチはまだ、あんたをリーダーとして認めることが出来ん。せやけど、今はそんなこと言うてる場合やない」

竜華「せやから……ウチからお願いする。一緒に戦ってほしい」


咲「もちろんです」ニコッ

竜華「ほんま?ありがたいわ。これで残してきた仲間も救われる。 ほなウチはさっそく軍勢をまとめてあの湖の城へ行っとるから!」


セーラ「咲。オレらも仲間集めしてから戻ろうや」


272: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 15:16:08.12 ID:7a9b1Mqk0

ーーー各地 仲間集め


遊月「なんだい?あんた解放軍? 最近勢力増やしてるみたいだけどまだまだ守りはうっすいねー。けどあんたツイてるよ。私に出会えたんだから。私もあんたに賭けてみるか」


ーーーセイカ 久の麻雀教室

美穂子「あなたね、久先生を連れていったのは。シラを切っても分かりますよ」ミギメカイガン

咲「ひいっ」

セーラ「先生?」

和「麻雀教室の生徒さんだったんでしょうか」

優希「そう呼ばせるプレイだったのかもしれないじぇ」


久「っくしゅん!…なんだか失礼な噂をされた気がするわ」


美穂子「久先生は『二度と争い事には関わらない』って言ってたんですよ。それをどうして!」ミギメ クワッ

咲「これはただの争いじゃありません。この悲しみを終わらせる為に、部長の力がどうしても必要だったんです」

美穂子「終わらせる、ために…」


美穂子「分かりました。あなたの目は嘘を言っていない。私が、直接先生に話を聞いてみます」スタスタ

咲「仲間になってくれた…ってことかな?」

まこ「ま、部長にまかせとこう」


ーーーコーフォン

ムロ「ふーん…解放軍ねぇ」ジロジロジロジロ

咲「うぅ…」

ムロ「分かりました。あなた強そうだから仲間になります!」


ーーーレジェンド村

純代「ご飯代…代わりに払ってくれたら、仲間になる…」

咲「分かりました、いくらですか?」

純代「これだけ…」つ 伝票

咲「」



純代「…ありがとう。ご飯代分は、頑張る」

咲「」サイフ ペラペラー





灼「ハルちゃんが解放軍に入ったって本当?」

咲「うん。毎日レジェンドツモしてるね」

灼「わずらわし…でも私もNext Legendになりた…だから解放軍に入る」

咲「あ、ありがとう(Next Legendって何だろう…)」

灼「(Next Legendになって多くの人の想いとともにーーーハルちゃんも平和な国につれていく)」

咲「(脳内に直接…!?)」


成香「仲間が増えました。素敵です!」

273: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 15:23:23.72 ID:7a9b1Mqk0
ーーー本拠地 広間

久「咲。竜華が話があるって」


竜華「みんな揃ったようやな。ほな聞いて」

竜華「センリヤマンプのアジトが襲われた後、ウチはダヴァンの治める西方へと逃げ込んだ」

恭子「ダヴァン…、帝国五大将軍の一人、麺将軍メガン・ダヴァンですね」

竜華「せや。そこでウチはちりぢりになった解放軍のメンバーを集めてたんやけど、突如、帝国の反乱分子狩りが激しくなって、仲間がぎょーさん捕まってしもた」

竜華「そんな時に、新生解放軍の情報を聞いてウチはここへ来たんや」

竜華「ダヴァンの治める西方を解放するために、一緒に戦ってほしい」


久「そうね。竜華の率いてきた軍勢を合わせれば西方への入り口、カンツの関所を破れるはずよ」

久「咲、どうする?」

咲「すぐに出発の準備をしましょう」


久「分かったわ。急いで準備を進めるわね」




ーーーカンツの城塞

帝国兵「解放軍?なんだいそりゃ? えっ!あの小走様の軍を破った、あの!」

和「行きますよ咲さん!気をつけて下さいね」

まこ「行くぞ、優希!!」

優希「タコスぢから満タンだじぇーーー!!」マントバサーー

274: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 15:28:15.99 ID:7a9b1Mqk0
◎戦争◎

ーーーーカンツの城塞 攻略戦ーーーーー

久「命令をどうぞ」


咲→『魔法』

初美「まかせてくださいよー、いつもよりはだけますからねー!」

胡桃「それ以上ハダけちゃだめ!!」メッ

スーシーホー! 8000・16000デスヨー!

ウワァァア!
ソンナンコウリョシトランヨー…!!

敵に深刻な精神的ダメージ!




咲→『その他 山賊』

白望「深いところにいたなぁ…」

マヨヒガァァァア!!
ドゴーーーーン!

白望「ダル…終わったら起こして…」

胡桃「なまけるな!」ビシッ!




咲→『突撃』

純代「噴っ!!!」ドグッシャアアアア!!!

ギャアーーーーー!!

和「た、たった一撃で1000人も張り倒しました!」






ウオオオオオ!!!

久「敵が攻撃してくるわね」

咲→『その他 山賊』

塞「まかせて! さァかかってくるがいいよ、帝国軍!」

モノクルフサギッ!

ナンダ!? コウゲキガキイテナイゾ!!?

塞「まっ、ラクショーってことで!」





久「おめでとう。我が軍の勝利よ!」

竜華「やった!ウチらが、解放軍が帝国軍を破った!!」ピョンピョン

大 勝 利 ババーン

275: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 15:31:19.89 ID:7a9b1Mqk0

ーーーカンツの城塞

セーラ「はははは!どんなもんや!帝国軍なんてエラそーにしとるけど所詮こんなもんや」

和「ふぅ。 あ、咲さんお怪我はありませんでしたか?」

咲「大丈夫だよ」

優希「のどちゃんは相変わらずだじぇ。さぁ咲ちゃん、このまま一気に攻め上るじぇ!!」

久「待って咲。相手の手の内が分からないのに不用意に攻めるべきではないわ。 ここは偵察を出して様子を見た方がいいと思うの」

竜華「いや、敵は油断してるで!ここは一気に攻めるべきや!みんな行くで!!」

276: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 15:36:26.55 ID:7a9b1Mqk0
◎戦争◎

ーーーーーキューシュ・キューハイ(九種九牌)城 攻防戦ーーーーー



メガン・ダヴァン「バカな人たちデスネ。ワタシのジロウラーメンの素晴らしさをおしえてあげマス!」

久「気をつけて、様子が変よ」




咲→『軍師』

美穂子「久様、見てて下さい!」カイガンッ!

美穂子「敵の攻撃はラーメンです」

セーラ「ラーメン!?なんやそら?」

穏乃「ラーメン食べたい! ラーメン!!」ダダダダダ!!

和「穏乃っ!あまり近付いてはいけません!」

巨大なラーメン「ヤサイマシマシニンニクカラメッ!!!」

ズバァァァァァア!!!


穏乃「」モッサリ

巨大なラーメン「ギルティ」


憧「シズ!!」

優希「シズノが具まみれに!」



久「穏乃を回収して! 退却よ!!」

277: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 15:38:33.44 ID:7a9b1Mqk0
ーーーカンツの城塞

セーラ「なんやあのバカでかいラーメンは?あいつのせいで近付くことも出来へんで」


恭子「ここは、やはり近辺の町で調査をした方が良さそうですね。それが多少はつながるってもんやろ?」

咲「そうですね」

セーラ「よっし、オレも行くで!」

竜華「ウチも行かせてもらうで。ウチはまだ、あんたをリーダーとは認めてへん。ホンマにリーダーの器か確かめさせてもらうわ」

和「咲さん、もちろん私も行きますよ」



セーラ「和…お前はここに残れ」

和「!」

和「何を言い出すんですかセーラさん。私が咲さんを守らずに、誰が…」

セーラ「和、お前も分かるやろ。咲はもう一人前。 いや、解放軍のリーダーや。 お前のお守りが必要なガキやない」

和「だ、だからといって私が一緒に行っちゃ行けない理由にはなりませんよ」


セーラ「オレは、オレの村を出てから長いことあちこち旅してきた。色んな奴に会って、色んな目に合った。バスが出るのもわかるようになった」

セーラ「せやから、"むしの知らせ"ってやつを感じることがあんねん」


セーラ「和、お前はここに残れ」

278: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 15:42:23.28 ID:7a9b1Mqk0
和「冗談はやめて下さい。咲さん。まさか咲さんは私を置いていったりしないですよね」


咲「和ちゃん…。 …ッッ!」ズキン

咲「(右手が…)」ズキンズキン…


咲「…和ちゃん、ここに残った方がいいよ」

和「咲さん。私は照さまに誓いました。どんなことをしても、咲さんを守ると」

和「お願いします、咲さん。連れていって下さい。この身にかけて、咲さんを守ります」


咲「けど…(なんだろう…)」

咲「(『あの時』と同じ…)」



和「お願いします、咲さん。私も連れていっていって下さい」

セーラ「和、お前は足手まといになりかねへん。諦めろ」

和「さ、咲さん…」

咲「…」

和「お願いします…咲さん…」ウルウル

咲「…」



咲「分かったよ、和ちゃん…」

和「ありがとうございます咲さん!」パアア


セーラ「咲。優しいだけやったら、リーダーは務まらへんで」


久「ダヴァン戦に備えるために、仲間集めもしておくといいわ。 くれぐれも気をつけるのよ」

279: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 15:53:54.49 ID:7a9b1Mqk0
◎仲間集め◎


トシ「あたしは熊倉トシさ。あんたの名は咲だろ。知っているさ。これでも紋章牌を持つ子を見付けるのが得意なんでね」

トシ「あんたの持つ筒子の紋章。そいつは無限のカン 力と邪悪な意志を併せ持ってる。マジよぉ大マジよ」

トシ「どうだい?あんたの未来を見せてくれないかい?ただとは言わない。私の力、あんたに貸してあげるよ」


ーートシが仲間になった!


トシ「で、ドリンクは?」




ーーーアンカケソバの町(アンパイの町)

マホ「こんにちわ!ここは…えっと?なんでしたっけ?…そうそう、アンカケソバの町です」

咲「あ、あんかけそば? 変わった名前だね」


マホ「ダヴァンにここいら中の町の名前を『美味しくなさそうデース』って勝手に変えられちゃったんですよー!」ウワーン




ーーー酒場

いちご「あらぁ、あんた咲じゃろ。知っとるわよ。あんたけっこう有名なんよ。ちゃちゃのんは佐々野いちごじゃ。歌って踊れるアイドルがちゃちゃのんの仕事よ」

いちご「仲間に? うーーん? ええよ。ただし、ちゃちゃのんと歌ってくれたらのぉ」

ヒューヒュー
チャチャノーン
ホーンノツイタムスメモイルゾー
サキサンカワイイ

いちご「じゃあいくよ」

イチゴノヨウニーカワイクテー♪
イチゴノヨウニアマズッパイー♪
ソレガイチゴノイキルミチー♪
ケッシテアマイミチジャナイー…

ワーー
ヒューヒュー
チャチャノーン!

ーーーー


いちご「あんたぁ信用してええ人みたいのぉ。一緒に踊りゃぁそれぐらいわかるわ。ちゃちゃのんはプロなんじゃけぇ。頑張ろうのぉ、咲。」

咲「恥ずかしかったぁ…」

280: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 15:57:37.33 ID:7a9b1Mqk0
◎仲間集め◎

ーーー民家

史織「やぁん解放軍のリーダーってほんとぉ?さらに私をさらって身代金を要求するつもりなのぉ?」

史織「仕方ないわぁ、これもこの美貌せいなのねぇん。分かったわよ、解放軍に入ってあげるわぁ」

咲「」イラッ



ーーー服屋兼防具屋

揺杏「いらっしゃーい。はやりん御用達の衣装もあるよー。え、客じゃない?」

揺杏「ん?あぁ、あんた知ってるよ 解放軍のリーダー咲っしょ。私も解放軍に入れてよ。衣装作りなら得意だから!」チラ

咲「じゃあ、是非」

揺杏「よろしくお願いしまーす。この衣装お近づきの印にどーぞ」フフン

和「素敵な服ですね」


咲「(この服…スカートにスリットが入っていてちょっと怖いです)」


ーーー紋章屋

花子「らっしゃーせー。あんた解放軍の咲じゃん、マジっすかー。え?解放軍に入れ?ふーん、面白いかもね。んじゃ勝負してみよっかなー」


ーーー民家

はやり「やっほーー。はやりのおうちに何の用かな☆? はやっ、解放軍?噂になってるあれだね☆」

はやり「なんでも久ちゃんも参加してるとか☆ あの子がそんな気になるとは思わなかったよ、世の中わかんないもんだねっ☆」

はやり「久ちゃんによろしく伝えてね☆」ハヤッ


咲「はぁ…(このプロきついっ)」




ーーー民家

誓子「あれ?なるかがいなくなっちゃった。ねぇあなた、私の猫のなるかを探してくれないかな? 探してくれたら仲間になってあげるよ」


まこ「キンクリで捕まえといたぞ」



なるか「にゃーん」

誓子「わわわっ、やっと見つけた。探したよなるか」

誓子「感謝します、咲さん。お礼に仲間になりますね」ニコッ




ーーー質屋

瞬斗「オレは周藤瞬斗。質屋だよ。なに、解放軍?」

瞬斗「え、かわいい子いっぱいいんの? 紹介してよ。仲間?なるなる!!」

※シノハユに出てくる質屋さんです


煌「仲間が増えてすばらですっ!」スバラッ


281: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 16:12:29.97 ID:7a9b1Mqk0
ーーーエースコックワンタンメンの町(リコンの町)


町人「あんた知ってるかい? なんでも、いくら食べても満腹にならない秘薬を作れる人間がいるんだとさ」

竜華「いくら食べても?」

和「じゃあ…」

セーラ「あのバカでかラーメンもなんとかなるかもしれへんな」

咲「その人は何ていう方なんですか?」

町人「荒川憩先生だよ。彼女は色んな薬を作っている医者なんだ」

セーラ「その先生ってやつはどこに住んでんねん」

町人「確か、ここから船で南下した所の庵に住んでるって話だが…」

竜華「船か…船着き場へ行こか」



ーーー船着き場


竜華「こっから船で行ける言うてたな」

セーラ「おっしゃ!行くで」フネガデルデー





船「」ザザーー…

船「」ザザザッ!!

和「! なんでしょう?」

咲「ど、どうしたの?」

竜「アカンわ…えらい急流でこれ以上進むんは危険やで」

セーラ「とりあえず引き返すか」フネガモドルデー


ーーー船着き場

セーラ「参ったなぁ、あの急流やったら荒川んとこへ行かれへんやん」

竜華「せやけど船で行く以外に方法はないしなぁ…」

船頭「あんたら憩先生んとこに行きたいのか?普通の船じゃ無理だよ」

咲「どうしたらいいでしょうか?」

船頭「えっと、テンホウ…、今はキンチャンラーメン?の町に船大工がいるって話だが、相談してみたらどうだい?」

和「またラーメンですか…」


セーラ「なんでもええわ。そのサッポロ一番?って町に行ってみようや」

竜華「金ちゃんラーメンやろ」

282: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 16:16:02.48 ID:7a9b1Mqk0
ーーーキンチャンラーメンの町(テンホウの町)

和「『船大工 らんこ』ここみたいですね」トントントン


藍子「ん?お客さん。解放軍の方達ですね。船大工の店に何か用ですか?」

竜華「単刀直入に頼むわ」

咲「急流を乗り切れる船がほしいんです」

藍子「へえ、あのデュナンの急流ねぇ。いいじゃない。いっちょ腕前見せますか!」

藍子「ただし、私一人じゃ無理ね。普通の船じゃあの急流は越えられないから」

和「じゃあどうするんですか?」

藍子「なぁに心当たりはあるよ。隣に住んでる友達のもこちゃんなら何とか出来るはずだから、行ってみようか」


ーーーもこの家

藍子「もこちゃーん、いるーー?」



ドア「ギィイ…」

もこ「」ブツブツブツブツ…


セーラ「おぉう…」

藍子「調子はどう? そっかバッチリかぁ!」

咲「分かるの!?」ガビーン

もこ「(・・ )」ブツブツブツブツ

藍子「え? この人たちは解放軍の方だよ。なんでもデュナンの急流を渡りたいんだって」

もこ「(・・ )」ブツブツブツブツ

藍子「もこちゃん、手伝ってくれるの?」

もこ「(・・)」コクン

283: 百鬼藍子ちゃんのキャラ把握してないから(震え声) 2014/04/11(金) 16:18:21.25 ID:7a9b1Mqk0
咲「本当ですか!」

竜華「せやけど、この子は何を手伝ってくれるん?」

藍子「フフフ。もこちゃんはこう見えてスゴーイ錬金術師なんだよ」

もこ「(^^)v」

咲「そうなんですか」


もこ「(^^ )」ブツブツブツブツ

藍子「船を渡るために特別なエンジンを作ってくれるみたいだから、今日は宿屋に泊まって、明日の朝またここへ来てね!」

咲「よろしくお願いします!」ペッコリン

もこ「(・・)b」グッ




ーーー宿屋

竜華「とりあえず何とかなりそうやね」

セーラ「せやけどあいつで大丈夫やろか」

和「今は彼女達に期待するしかありませんね」

咲「今日はもう休もうか」

284: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 16:24:23.09 ID:7a9b1Mqk0
ーーー宿屋 深夜

セーラ「んがぁぁぁぁぁぁあ」zzz

竜華「すぅすぅ…んん…ときぃ…そんなとこ…まくらに…したら…」zzz


和「……………………」ムクリ

咲「くー…くー…」

和「咲さん…」


和「咲さん……和は咲さんが小さな頃から共に過ごしてきました」

和「咲さんが、妹…いや、恋人のようにさえ思う時があります」

和「最初は、照さまへの恩返しのつもりでしたが、今は………」




和「でも、もう咲さんには…この和の助けはいらないのかもしれないですね…」







292: 続きっす 2014/04/11(金) 23:11:52.20 ID:7a9b1Mqk0
ーーー翌朝

セーラ「おう起きたか、咲。」

竜華「船はどうなっとるやろなぁ」


ーーー船着き場

藍子「出来てるよ!もこちゃん頑張ってくれたもんね」

もこ「(^ω^)v」ブツブツブツ

セーラ「おぉー!」

藍子「これだよ!」ババーン!





ロリータ装飾された船「」



咲「」

竜華「これは…!」

セーラ「(痛船や)」

和「素敵ですね」キラキラ


藍子「さぁ、進水式といきましょうね!」エンジンシドウ!

もこ「(`・ω・´)」ハッシン!!


ロリ船「にっこにっこにー☆」ブウウーーーーン


ドオオオオオオオ!!!!

咲「うわっ!は…速っ…!!」


ロリ船「おー」

ドオオオオオオオ…




293: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 23:14:59.08 ID:7a9b1Mqk0


ーーー憩の庵

竜華「つ、ついた」ハァ

和「ものすごい速さでしたね…」フゥ

咲「もこちゃん、藍子さん、ありがとうございます!」


藍子「いいよいいよ。私達も楽しかったし。お礼は解放軍に入れてくれたらいいよ、ね、もこちゃん」

もこ「(・ω<)」☆





憩「あらぁ、ここまで来る人なんておったんやなぁ。こりゃ逃げてもムダやってことかなぁ」

セーラ「お前が荒川憩か」

咲「どういう意味です?」

憩「どうせうちに薬を作れって言うんでしょ?精神異常に効くお薬ばっかり…もう疲れたんですよねぇ」

和「お願いします。ダヴァンのラーメンを食べ尽くせるようになる薬を作ってほしいんです」


294: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 23:17:19.53 ID:7a9b1Mqk0

ダヴァン「そんなもの作られては困りマスねー」ヒュイーン


セーラ「ダヴァン!!」


ダヴァン「オハツお目にかかりマス。ワタシは五大将軍の中でもその人アリと言われた、麺将軍 メガン・ダヴァンといいマース」HAHAHA

和「何を言うんです、五大将軍にその人ありと言われているのは照さまです!」

ダヴァン「オヤ、これはテルの所の下女。それにコッチは、サキミヤナガ」

ダヴァン「サキ、皇帝陛下に逆らうとハ、お姉さんが泣いてマスよ」

セーラ「おい、xxxx野郎!何しに来たんや」

ダヴァン「OH! そうでシタ。ワタシの可愛いジロウラーメンを食べ尽くされては困るのでネ」

ダヴァン「ケイ・アラカーワには、我が鉄壁のソーズエール監獄にご招待イタシマース」

憩「勝手に決めんといて下さいよぅ」

ダヴァン「そんなにエンリョなさらずに。さぁ今日はこれで失礼しマス。ではアデュー」

ヒュイーーーン


セーラ「しもた!」

竜華「アデューはフランス語やん!」

和「ツッコんでる場合ですか」

咲「連れて行かれちゃったね…」

セーラ「ソーズエール監獄…こりゃ難儀な所へ連れ去られたもんやで」

和「咲さん、これは部長の知恵をかりた方がいいかもしれません。一度リツベに戻りましょう」

295: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 23:18:25.91 ID:7a9b1Mqk0
ーーー本拠地 広間

久「…そう。荒川憩がね……分かったわ。私にいい考えがあるわ、少し待ってて」





久「おまたせ。アンパイの町、えっと確か今はアンカケソバの町に変わったはずだけど、」

久「そこにニセ印作りの、はやりという(28)がいるはずよ。彼女と、代書屋の恵という男を仲間に引き入れましょう」

久「はやりは、私の知り合いよ。ここに手紙を書いておいたから。これを渡せば仲間になってくれるわ」


久「(年増をつまみ食いしたかった頃もあったのよねぇ)」シミジミ



和「彼女達を仲間にして何をさせるのですか?」

久「それは後でのお楽しみよ。まずははやりと恵を見つけて来てね」フフ

296: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 23:20:06.18 ID:7a9b1Mqk0
ーーーアンカケソバ

はやり「やっほーまた会ったね☆ え?久ちゃんからの手紙?どれどれ…オープンマイハートッ☆」ガサガサ


『はやりのスッピン写真』

はやり「」




咲「?」

和「固まってしまいましたね」

297: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 23:22:36.89 ID:7a9b1Mqk0
はやり「ゴメンね☆ちょっと感動して固まっちゃった☆」

竜華「(感極まったようには見えへんかったけど)」

はやり「…ふんふむ。なるほどねぇ。よぉーし分かったよ☆」

咲「仲間になってくれるんですか?」

はやり「うぅーーん、そうだねぇ…」チラリ

竜華「ん?」

セーラ「へ?」

はやり「そこのお二人さん☆」

竜華「ウチらですか?」

セーラ「なんや?」

はやり「アイドル…やってみない☆?」キャルン


竜華・セーラ「はぁ!?」

はやり「あなたたちの声…とぉってもアイドルっぽいよ!今晩はやりと三人でステージに立ってくれたら仲間になっちゃうよ☆」ハヤッ

竜華・セーラ「」


咲「ステージ?」

和「あれ?アイドルって、職業はニセ印屋さんのはずでは…」

はやり「いやん!ニセ印屋は裏のお仕事だよ☆本業はアイドルなのです☆」ハヤッ

はやり「どう?やってくれるかな☆」

セーラ「ふざけんな!誰がやるかそんなん!」

竜華「せ、せや…ウチがアイドルとか、そんなん///」カァア


和「お願いしますよ、解放軍の…と き さ ん の為にも」

竜華・セーラ「ぐ…」

はやり「☆」ニコニコ


セーラ「い、一回だけやぞ……」

はやり「わーーーい☆マンモスうれぴー☆さっそく練習だね☆」ミ☆

咲「(この人いくつなんだろう…)」

298: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 23:24:48.82 ID:7a9b1Mqk0
ーーー酒場

セーラ「うぅ…////」←乙女モード

竜華「可愛いやんセーラ」←もう諦めた

セーラ「くぅぅぅ…///」

はやり「わぁお!二人ともとっても可愛いよ☆ じゃあ行こっか!」


ウオオオオオーーー!!
ハヤリーーーン!!
セカイイチカワイイヨォォ!!!

はやり「みんなーーー!今日もありがとーー!☆」

ウオオオオオーーー!!!
ハッヤリーーン! ハ、ハーッ、ハヤヤーッ!! ハヤーッ!!

はやり「今日は素敵なゲストもいるよー!最後まで楽しんでねー☆」

竜華「い、いえーーい!」

セーラ「モリアガッテイクヨー//」

はやり「じゃあいっくよー!1曲目は『MIRACLE RUSH』☆」

カガヤイテーココイチバーン♪

ワアアアアアーー…



泉「おかしい。こんなことは許されない」←お城待機中

299: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 23:25:43.70 ID:7a9b1Mqk0
ーーー翌朝

はやり「昨日は最高のステージになったよ☆またやろうね!」

セーラ「やるかっ!」

はやり「約束通りこれでみんな王国民だね!はやりはお先にお城に行ってるよ☆」

咲「お、王国民…?」

和「仲間って解釈でよろしいかと…」


はやり「あ、そうそう☆恵ちゃんもこの町にいるよ。表家業は弁護士の事務所だから。それじゃーねー☆」

咲「よかったね」

和「弁護士事務所、ですか」

セーラ「オレははよ帰りたいわ」

竜華「行くで」


ーーー弁護士事務所

原村恵「君たちは? そうか、解放軍の。弁護の依頼かな?」

咲「えっと…そうじゃなくて、あなたの力が必要なんです」

恵「ん、なるほど…そっちの依頼か」チラ

和「?」

恵「もう裏の仕事はしないと決めていたんだがね。だが、そちらのお嬢さんとは他人のような気がしない。力を貸すよ」

和「?あ、ありがとうございます」




竜華「色々あったけど、そろそろリツベ城に戻ろか」

300: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 23:26:47.48 ID:7a9b1Mqk0
ーーー本拠地 広間

久「咲。戻ったのね。こっちの手筈はすでに整ってるわ。はやりと恵さんに腕をふるってもらったからね」

はやり「はやりの仕事はバッチグーだよ☆」ハヤッ

恵(けい)「私の方も問題ない」

和「腕をふるって…何を?」

久「咲。ここに彼女たちに作ってもらったニセの命令書があるわ。ダヴァンのサインも、帝国の正式の印も、すっかり真似ているわ」

久「これがあれば、ソーズエール監獄に堂々と入ることが出来る。これで荒川憩をお願いね」

咲「分かりました、行ってきます!」

301: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 23:28:16.04 ID:7a9b1Mqk0
ーーーソーズエール監獄

帝国兵「ご苦労様です」

セーラ「うむ。ダヴァンさま直々の命令書だ」

帝国兵「はい。これは確かに。それでは中に」

ギイイイ…



ーーー監獄内部

和「うまく行きましたね」

セーラ「憩は最奥の牢におるみたいやな」

咲「気味悪いね…」

竜華「さっさと憩を助けて帰ろう」


ーーー最奥部

咲「いた、憩さんだ」

憩「おやぁ、なんですかぁ。とうとうお迎えですか。覚悟は出来てますよぉ、この世に未練も……ちょっとありますけど」

竜華「未練なくされたら困るわ。あんたを助けに来たんや」

憩「あんたらは…そうか、ウチの家に来て厄介ごと引き起こしてくれた…」

セーラ「なんでもええからここから出るで!」

憩「せやねぇ。そろそろナース服着たいしなぁ」

303: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 23:31:36.99 ID:7a9b1Mqk0
ーーー入り口付近

和「出入口が見えて来ましたね」

咲「早く出よう」

ギィイ ガシャーーーン!!

和「! 扉が!!」

ダヴァン「オヤオヤ、マタ会いましたネ。コソドロが入ったと聞いてきてみたら、アナタ達でしたカ」ダヴァーーン!

竜華「ダヴァン!」

セーラ「へっ、ちょうどええわ。ここで決着つけようやないか。手間が省けるわ」

ダヴァン「OH! これはこれは野蛮なジャップデスネー。 生憎デスがラーメンにお湯を入れているので失礼させてもらいマス」

ダヴァン「そうだ、アナタ達にもラーメンのおすそ分けシテあげマス」スッ


謎のカップ麺を出すダヴァン。

ダヴァン「…ただシ、ラーメンはラーメンでも、これは人食いラーメンなのデス」

竜華「なんやて? そんなもんどうするつもりや!」

ダヴァン「こうしマス」ジョボボボボ

お湯を注ぐダヴァン

ダヴァン「アナタ達にはラーメンに食べられてもらいまshow。 さぁ早く逃げないと危ないdeathヨ。 まぁ、そっちは行き止まりなので同じことデスが」

ダヴァン「デハ、ワタシはこれで……」スタスタ

304: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 23:38:29.00 ID:7a9b1Mqk0
セーラ「クソっ、開かへん! ダヴァンの奴しっかり鍵かけて行きやがった!」ガチャガチャガチャ!!

竜華「逃げるで!3分たってまう!」

和「逆の扉の開閉レバーをとりあえず開けましょう!」ガチャン!

タタタタ!

和「咲さん、早く扉の外へ!」ドンッ

咲「わわわっ、」ヨタタ…






ガシャン!!




305: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 23:39:14.61 ID:7a9b1Mqk0
咲「和ちゃん!?」

セーラ「おい!まさか…! おい!和!早く出てこい!! 何してんねん!」

和「セーラさん。 この扉はこちら側からしか開け閉めが出来ないみたいです」

セーラ「何言うとんねん! 大丈夫や、何とかなるて! せやから早くこっちへ…」

咲「そうだよ、和ちゃん! 早く!!」

和「いえ、もう無理みたいです。 私の足元まで、麺がのびて来ましたから。 いま開けたら皆さんまで…」

310: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:11:31.65 ID:2nrraLFC0
咲「和ちゃん!扉を開けて!!」ポロポロ

和「咲さん。和は初めて咲さんの言うことに逆らいます」

セーラ「和!!」

咲「和ちゃん…!」ボロボロ…



和「咲さん。聞こえますか?」

311: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:12:40.75 ID:2nrraLFC0
和「すみません。和は もうこれ以上、咲さんをお守りすることが出来なくなりそうです」


和「…………………でも、もう咲さんは 私の助けなど必要がないほど、成長なされましたね」

和「咲さん……………咲さんは 立派になられましたよ。 その姿を、照さまにお見せしたかった…」

312: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:16:26.23 ID:2nrraLFC0
咲「のどがぢゃん……」ボロボロ…

セーラ「のどか…」


和「咲さん……そろそろお別れみたいです…。 目が…かすんできましたよ……」


和「さきさん…さきさんは 和の誇りですよ…。お願いです…。咲さんは 最後まで 信じることを つらぬいてください…」


和「それがのどかの……さいしょで…さいごの……おねがいで……す…」


和「………」



咲「………!!」

313: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:17:51.76 ID:2nrraLFC0




ーー
ーーー
ーーーーーー
ーーーーーーー









……ガチャン……



314: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:18:41.64 ID:2nrraLFC0



ザッザッザッ……


久「…無事だった?咲。 帰りが遅いから軍勢を率いて来てみたのだけれど…」

久「…どういうことなのかしら?帝国兵の影も形も見当たらなかった」

セーラ「多分、さっきの人食いラーメンにやられて…」

久「人食いラーメン?」

咲「…」


セーラ「まずはここを出ようや。咲には、休息が必要や」

315: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:21:24.30 ID:2nrraLFC0

一同、外へ。


そこには和の非常にマイノリティーな服と、エトペンだけが遺されていた……。

咲「…」

ギュッ…





316: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:22:14.14 ID:2nrraLFC0
咲「……」





『そんなオカルトありえません』


『咲さん、アイスティーしかなかったけれどよろしかったですか?』


『咲さんをお守りするのは私です!』


『どうしてもと言うなら、添い寝してあげてもいいですよ?』ハァハァ


『私がいつも、そばにいますからね』



『咲さん』






317: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:22:49.97 ID:2nrraLFC0



咲「…」ジワッ

咲「……」



咲「」グイッ


咲「行きましょう」


久「…いいの?」

咲「はい」

セーラ「あぁ、ちょっと待ってくれ」


スタスタ





セーラ「ええで、行こう」


318: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:28:54.69 ID:2nrraLFC0



ーーー本拠地

まこ「和があんなことになってしまったとはのぅ…戦争に死は付き物かもしれんが、それでも納得は出来んよ」

優希「のどちゃんが…。私は 私は…くっそーーー!!」

咲「優希ちゃん…まこさん…」



塞「…聞いたよ、和のこと。あんたを助けるために死んだんだってね。 いい?和のくれたその命、大事に使うんだよ。あんたはあんた一人のもんじゃないんだから…」

白望「充電したいならいつでもおいで…ダル…くないから」

咲「ありがとうございます…」




セーラ「咲、眠れたか。今は別のことを考えた方がええ。 ダヴァンの城を攻めるんやったら今や」

咲「」コクン

セーラ「お前が指揮を取りたくないんやったら、オレが…」

咲「…大丈夫です」

セーラ「そうやな、すまん。お前が指揮をするべきやな。解放軍のリーダーとして、甘えることは許されへんはずや」

咲「分かっています」

319: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:30:45.02 ID:2nrraLFC0

ーーー広間

久「咲。軍師として、進言させてもらうわ」

久「今こそ、キューシュ・キューハイ城を攻めるべきよ」

憩「ここに、あのラーメンを防ぐお薬がありますぅ」

憩「ウチは、乱れたこの世に嫌気がさして、山奥にこもり静かに暮らそ思てたんですけど、気が変わりましたわ」

憩「ウチも一緒に戦おうと思いますぅ。よろしくお願いします、咲ちゃん」


咲「(和ちゃん…)」


咲「行きましょう。進軍の準備を」

320: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:34:40.36 ID:2nrraLFC0
◎戦争◎

ーーーキューシュ・キューハイ城 攻防戦ーーー

ダヴァン「何度やっても無駄デース」


久「命令をどうぞ」

咲→『突撃』

優希「のどちゃんの弔い合戦だじぇ!!」

まこ「殺ったるけぇの!!」

ズバババーーーン!
ウワァーーー!


咲→『その他 からくり』

良子「オーケイオーケイ、やりますよハル」ナゾノオーラ ゴッ!

春「勝ったら黒糖買ってね」ポリポリ

ゴオオオオオ!
ギョワーーーー!
カラクリトハナンダッタノカ…



咲→『突撃』

やえ「お見せしよう、反逆者の寝返りっぷりを!!」

ドリルクラッシャーーー!!
ニワカハアイテニナランヨッ!



咲→『その他 ヨシノ』

憧「よくもシズをやってくれたわね!」

穏乃「ラーメン食べたいっ!」(※復活しました)

ハムッ!ハフ ハフッ!!ハフッ!!!!

穏乃「ウマイっ!」テーレッテレー(※薬の力で満腹になりにくくなってます)



ダヴァン「クッ…、生意気なジャップ共め!行きなさいジロウラーメン!」


巨大なラーメン「ヤサイマシマシッ!!」

トシ「まいったね、チョモランマが良かったんだけどねぇ」

ズルズルズル


トシ「で、ニンニクは?」ペロリ


巨大なラーメン「イラッとくるね」




ダヴァン「Shit!よくもジロウラーメンを…!」ワナワナ


久「おめでとう。我が軍の勝利よ」

憩「ウチの腕もまだまだイケるみたいやねぇ」


大 勝 利 ババーン!

咲「和ちゃん…やったよ」

321: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:36:43.05 ID:2nrraLFC0


ーーーキューシュ・キューハイ城ーーー


久「咲。まずは城内部に突入してあのラーメン鉢を破壊しましょう」

セーラ「咲、和のカタキはオレがとる!」

竜華「咲、ウチも行かせてもらうで!」

まこ「わしらも行くけぇ!」

優希「おうよ!」

セーラ「ほな行くで!」


久「私たちも後から行くから」

322: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:40:20.92 ID:2nrraLFC0
ーーー城内 一階

エイスリン「ワタシハ…ジユウナ エ カキタイ。ケド、ワタシハ ダヴァンニジユウヲウバワレタ。 アナタハ ワタシニ、ジユウヲクレル?」


二階

ハギヨシ「わたくしはハギヨシと申します。ダヴァン様のお世話と、歌をつむぐのがわたくしの仕事」

ハギヨシ「そして、わたくしの歌を理解してくれる方のみに、わたくしの忠誠はあります。わが主、ダヴァン様のために」

323: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:41:37.61 ID:2nrraLFC0


ーーー屋上

久「さぁ、手の空いてる人は、このラーメン鉢をひっくり返すわよ」


ダダダダダ!

ダヴァン「ヤメロおおお! ワタシの、ワタシのジロウラーメンに何をするだァァァア!!」

セーラ「ダヴァン!お前だけは許さんで!!」

ダヴァン「このxxxx共め! 許さ…」

バチーーーーン!!!


ダヴァン「!? ギャアアアア!!」

セーラ「!?」

ダヴァン「腕が…!ウデがぁぁぉぁ!! 焼けるようニ…! 郁乃サマの紋章牌ガ…、溶けてシマウ…! ヤメテくれぇぇぇえ……」

シュゥゥゥゥゥン…

咲「…これは…」

ダヴァン「ゥ、ウウ…、これハ…どうしたことでショウ…」


ザッ

セーラ「おう ダヴァン。年貢の納め時やで」

優希「のどちゃんのかたき、討たせてもらうじぇ」

まこ「同じく。覚悟せぇ」

ダヴァン「ノドカ…? かたき…?」what's?


咲「もしかして…」

久「待ってみんな。ダヴァン将軍、もしかしてあなたも紋章牌を…」

324: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:42:51.47 ID:2nrraLFC0
ダヴァン「役牌の紋章…そうデスか、あの女…イクノのよこした紋章牌のことデスか」

セーラ「どけや 久!役牌だか何だか知らんが、こいつは和のカタキや!」

優希「そうだじぇ!許すわけにはいかないじょ!」

竜華「咲。あんたはどう思う?」


咲「……」


咲「(和ちゃん…ごめんね)」グッ


咲「この人に…罪はありません」

325: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:48:23.90 ID:2nrraLFC0
まこ「咲、和のカタキをとるんとちがうんか」

セーラ「せや。オレは納得できへん」

竜華「やめとき。セーラ」

セーラ「竜華!止めんなや!!」

竜華「セーラ。やめるんや。リーダーが決めたことや。それに従うんや」

セーラ「竜華。リーダーって、おまえ……」
咲「竜華さん…」

326: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:53:21.36 ID:2nrraLFC0



咲「…………分かりました。力を貸して下さい」

優希「なんでだ? 私は納得できないじぇ」

まこ「やめるんじゃ、優希」


シュタタタターー!!

泉「大変や、たいへんやぁ!!」

久「何事なの 泉!」

泉「帝国軍が、帝国軍が攻めてくるって…。恭子さんがはよ戻って来てくれって!」

久「なんですって!? 咲、すぐに軍を出発させるわよ」

327: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 19:57:13.12 ID:2nrraLFC0
ーーー本拠地 広間

久「咲。彼女が、エイスイの隠れ里から来た忍のカスミと言っているわ」

霞「咲様。私はエイスイの忍、石戸霞と申します」フカブカ

咲「よろしくお願いします」ペコッ


霞「わがエイスイの村は、帝国に抵抗を続けていましたが、ついに 宮永照の率いる討伐軍によって……」

霞「我らの頭領さまは、このことを解放軍に知らせろと、私を逃がしてくれました。咲様、私も…」


咲「宮永…お姉ちゃん…」


久「咲。急ぐわよ。照の率いる討伐軍は、すぐそこまで来ているはずよ」

まこ「ついにこの日が来たか…」

優希「私は、照さまと戦うことになるのか…」


久「すぐにも、迎え撃つ準備を進めましょう」

328: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 20:01:29.23 ID:2nrraLFC0


ーーー本拠地 船着き場


誠子「あ!」


純「来やがったな」


ーーー広間

純「来たぜぬるりと。対岸に現れやがった。かなりの数だ」


久「そう」

久「咲。ここは一度軽く戦って、相手の戦力を見極めた方がいいわ」

咲「だけど、お姉ちゃんと戦うのは…」

久「何を言っているの、あなたにも分かっていたはずよ。この日が来ることを」

咲「けど…」

久「あなたはもう解放軍のリーダーになったのよ。見なさい、ここにいる彼女達を見捨てるの?」

咲「部長…分かりました」




329: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 20:06:18.43 ID:2nrraLFC0
◎戦争◎

ーーーー照との戦いーーーー



照「帝国に刃を向ける反逆者ども!!わが妹といえども、許すわけにはいかない! 宮永照の名にかけて!!」ギュルルルル

優希「て、照さま…」




久「命令をどうぞ」

咲→『その他 忍者』

霞「私にお任せください」

シュタタタ

霞「敵の攻撃は『竜巻騎馬兵』です」


照「」ギュルルルルッッ!!

ドガーーーーーン!!!

界「ぬわーーーーーー!!」

恵(けい)「界さーーん!」




咲→『その他 京太郎』

京太郎「かわいこちゃんどこーー!?」


照「わが照魔境の前にはどんな手の内もお見通しだ」ゴッ!


京太郎「アッーーーーー!!」

ズギャーーーン

ハギヨシ「京太郎さーーーーん!!」





久「……ここまでね、全軍退却よ!」

330: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 20:08:24.53 ID:2nrraLFC0

ーーー退路

久「このままでは解放軍の命運が尽きてしまうわ。退却するわよ」




ザッザッザッザッ


照「洋榎、絹恵、逃がすな。解放軍を一気に叩きつぶすよ」

洋榎「ぉおっしゃーー!やるでーーー!!」

絹恵「お姉ちゃん、転ばんといてや」

331: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 20:13:39.08 ID:2nrraLFC0
優希「」スー…

優希「」ハー…

優希「」カッ!



ザッ…


照「優希…そこをどいて」

優希「そういうわけにはいかないじょ」

照「私に逆らうの、優希」

優希「私は、帝国のために働き、一度は咲ちゃんを裏切りもしたじょ」

優希「けど、今は…今の私は自分が何をしたいのか、どういう風に行きたいのか知ってるじぇ」

優希「知ってしまった以上、それを失うわけにはいかないじょ」


照「そっか。お前と戦う日が来るとは思わなかったよ。洋榎、絹恵、手は出さないで」



照「真剣勝負だ!優希!」ギュルルルル!!

優希「参るじぇ!」ゴッ!


332: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/12(土) 20:24:22.11 ID:2nrraLFC0








※照と優希の戦闘は本編でもまだなので、キ ン ク リ されました。 二回戦、準決勝を経て成長した優希が、決勝で照に食らい付く所を脳内幻視してください※







342: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/13(日) 02:03:19.57 ID:b35JJrGU0



照「……………」ギュル…

優希「はぁ…はぁ…」ヨロッ


照「強くなったね……優希」


照「洋榎、絹恵。引こう」

洋榎「ウチに任せてくれたらあのタコス娘の首、とったるけど…」

照「私は引くと言ったんだよ。聞こえなかった?」クルッ


洋榎「おぉう…わかったがな」


スタスタスタ…




優希「は、はははは…」ヘナヘナ

優希「か、勝ったのか? それとも 見逃して……」ペタン


次回 咲「幻想水滸伝?」 後編