2: ◆qTT9TbrQGQ 平成31年 04/17(水)23:17:27 ID:8pz
――昼頃 事務所

P「……はい……ええ、大丈夫です……分かりました。無理なさらないでください。では失礼します」ピッ

P「……はぁ……」

雪美「プロデューサー……どうしたの……?」

藍子「電話の相手に、不穏な返事をしてましたけど、ひょっとして……」

P「ああ、今日来る予定だったカメラマンが、ちょっと事故に巻き込まれたみたいでな……」

藍子「え……カメラマンさん、ご無事なんですか?」

雪美「……今日、撮影……できない……?」

P「ああ、いや、怪我してないみたいだし、この日に撮影はするって。ただ、2時間遅らせてほしいってさ」

藍子「2時間ですか……だいぶ時間空きますね……」

引用元: 藍子「雪美ちゃんと散歩」 


3: ◆qTT9TbrQGQ 平成31年 04/17(水)23:35:13 ID:8pz
藍子「あっ、そうだ。天気もいいですし、プロデューサーさんも雪美ちゃんも、時間まで一緒にお散歩しませんか?」

P「ああ、すまん、ちょっと他のスタッフに連絡したり、撮影後にやろうと思ってた仕事があったから……」

雪美「……だめ……?」

P「ああ。ごめんな。だから、二人で散歩、行っておいで」

藍子「……残念ですけど、お仕事なら仕方ないですね。じゃあ、行ってきます」

雪美「行ってきます……」

P「行ってらっしゃい。撮影の時間までには戻ってこいよ」

4: ◆qTT9TbrQGQ 平成31年 04/17(水)23:49:31 ID:8pz
――屋外

藍子「雪美ちゃん、どこか行きたいところ、ある?」

雪美「……甘いもの、食べたい……」

藍子「おやつ時だもんね。美味しいパフェのある喫茶店がちょっと歩いた所にあるんだけど、そこに行こっか」

雪美「パフェ……うん、連れてって……」


藍子「……あっ、雪美ちゃん、見て! 桜!」

雪美「……こんな所に、桜、あったんだね……綺麗……」

藍子「うん……鮮やかなピンク色で、綺麗……」パシャ

雪美「……私も、撮る……。後で、プロデューサーに見せる……」パシャ

藍子「私のカメラ、撮ってもすぐに見せれないから……雪美ちゃん、プロデューサーの分、写真撮るの、よろしくね」

雪美「うん……任せて……」

5: ◆qTT9TbrQGQ 平成31年 04/17(水)23:57:29 ID:8pz
藍子「ええと、確かこの辺に……あ、あった!」

雪美「……ここ……? なんだか、お店……ボロボロ……」

藍子「味のある雰囲気だけど、大丈夫。中は綺麗だから」


カランカラン


店員「いらっしゃいませ。二名様ですか?」

藍子「はい、二名です」

店員「それでは、こちらにどうぞ」


~~~~~~~~


店員「お待たせしました。トリプルストロベリーパフェと、ミルクレープです」

雪美「……すごい……イチゴ、たくさん……」

藍子「ミルクレープも、美味しそう……」

雪美「いただきます」

藍子「雪美ちゃん、待って待って。写真、撮らなきゃ」パシャ

雪美「あ、そうだった……」パシャ

6: ◆qTT9TbrQGQ 平成31年 04/18(木)00:08:05 ID:zkh
~~~~~~~~


カランカラン

店員「ありがとうございましたー」


雪美「美味しかったね……」

藍子「うん。美味しかった……でも、ちょっと多かったね」

雪美「……ごめんね……食べるの、時間、かかっちゃった……」

藍子「気にしないで。私も食べるの、ゆっくりだから」

雪美「……食べ終わるの、一緒だった……ペース……合わせてたから……?」

藍子「ううん。私、本当に食べるのゆっくりで……いつもあんな感じなの」

雪美「ゆるふわ、だね……」

藍子「あはは、雪美ちゃんにも言われちゃった……」

7: ◆qTT9TbrQGQ 平成31年 04/18(木)00:11:56 ID:zkh
藍子「じゃあ、次はどこに行こうかな……」

雪美「……あ、猫……」

藍子「あ、本当だ! ……って、もうどっか行っちゃった……」

雪美「集会かな……」

藍子「集会?」

雪美「うん……この近くで、いつも……猫、集まってる……」

藍子「猫の集会かあ……見てみたいなあ……」

雪美「見に行く……?」

藍子「いいの? じゃあ、お願いしちゃおうかな」

雪美「じゃあ、今度は、私が連れてくね……」

8: ◆qTT9TbrQGQ 平成31年 04/18(木)00:22:15 ID:zkh
ニャー ニャー

雪美「藍子……付いたよ……」

藍子「うわぁ……猫がこんなに……いち、にい、さん……って猫ちゃん、動かないで……」

雪美「ふふっ……」

藍子「あ、写真、撮らなきゃ……でもここ、薄暗いから、撮れるかなあ……」

雪美「フラッシュは、焚かないでね……」

藍子「ああ、それ、聞いたことあるなあ。猫はフラッシュが苦手って。ありがとう、雪美ちゃん。気を付けるね」パシャ

ニャー

雪美「……分かった? イチゴ、食べてきたの……」

ンニャー

雪美「ううん。あなたのイチゴ、無いよ……あ、でも……かつおぶしなら……」

藍子「雪美ちゃん、ペロ以外の子とも喋れるんですか!?」

雪美「うん……藍子も、かつおぶし、あげる……?」

藍子「わ、私はかつおぶしだけ食べるのはちょっと遠慮しておこうかな……」

雪美「……藍子が食べるのじゃ、ないよ……」

藍子「え? ……あ! ごめんなさい、今のは忘れて……恥ずかしい……」

9: ◆qTT9TbrQGQ 平成31年 04/18(木)00:31:51 ID:zkh
~~~~~~~~


藍子「はあ……こんなに猫ちゃんに囲まれるの、初めて……幸せ……」

雪美「藍子も、猫、好き……?」

藍子「うん。でも、散歩で見かけて撫でようとしても、すぐ逃げちゃって……」

雪美「知らない人が来たら……逃げちゃうから……」

藍子「そうだよね……雪美ちゃんだって、知らない人にいきなり近付かれたら、逃げるよね……」

雪美「うん……私も……猫だから……」

藍子「えっ、雪美ちゃん、猫だったの!?」

雪美「……にゃー……」

藍子「じゃあ、雪美ちゃんも撫でてあげるね」ナデナデ

雪美「……冗談だにゃあ……」

藍子「ふふっ……猫ちゃんと同じくらい、撫で心地いいね」

雪美「……冗談だって、ちゃんと分かってた……?」

藍子「流石にそんな冗談は分かるよぉ」

雪美「……藍子が冗談に乗ると……信じてるかどうか、分からなくなる……」

10: ◆qTT9TbrQGQ 平成31年 04/18(木)00:35:37 ID:zkh
ニャー ニャー

雪美「……え? 公園に、変な人がいる……って……?」

藍子「変な人……もしかして、不審者ですか……?」


『藍子ー! 雪美ー! どこだー!』


藍子「あ! この声は……!」

雪美「プロデューサー……!」


P「……やっぱりここの公園にいたか……」

藍子「プロデューサーさん、どうしたんですか?」

P「どうしたもなにも……藍子、お前、時間……」

藍子「……あっ! もうこんな時間!? ぷ、プロデューサー、ごめんなさい!!」

雪美「私も、気付かなかった……ごめんなさい……」

11: ◆qTT9TbrQGQ 平成31年 04/18(木)00:42:11 ID:zkh
P「まあ、今から戻れば間に合うからいいけど……二人とも、電話はどうしたんだ? 全然出なかったからこうやって探しに来たけど……」

藍子「電話? ……あ、喫茶店に入る時、マナーモードにして……」

雪美「……音が鳴らなかったから……猫に夢中で、気付かなかった……」

P「心配したんだぞ。次からは気を付けるように」

藍子・雪美「「ごめんなさい……」」

P「……まあでも、それだけ楽しかったなら、写真、バッチリ撮れるよな?」

藍子「はい。雪美ちゃんとのデート、とても楽しかったので、今日の撮影、いい笑顔ができそうです」

雪美「……デート……ふふっ……楽しかった……」

12: ◆qTT9TbrQGQ 平成31年 04/18(木)00:49:27 ID:zkh
12

――撮影後、事務所


ちひろ「三人とも、お疲れ様です。撮影、どうでしたか?」

P「ああ、今日はとびっきり良かったぞ」

藍子「カメラマンさんにたくさん褒めてもらいました! ね、雪美ちゃん」

雪美「うん……百年に一度の笑顔……って……」

ちひろ「そんなボジョレーヌーボーみたいな……でも、本当に良かったみたいですね。特訓でもしたんですか?」

雪美「……特訓じゃなくて……デートのおかげ……」

ちひろ「で、デート……!?」

雪美「うん……一緒に喫茶店に行ったり……猫と遊んだ……」

藍子「はい。撮影前に行ってきて……とっても楽しかったので、その気分のまま撮影したら、うまく撮れたんです!」

ちひろ「……プロデューサーさん、二人も侍らせてたんですね……」

P「え? って、デートは俺じゃなくて……」

雪美「違う……私と、藍子で……」

13: ◆qTT9TbrQGQ 平成31年 04/18(木)00:57:30 ID:zkh
ちひろ「なーんだ。雪美ちゃんと藍子ちゃんの二人でデートしただけだったんですね」

藍子「そうですよ。今日は雪美ちゃんとデートしただけで……」

ちひろ「……今日は……?」

雪美「……プロデューサー……?」

P「い、いやいや、ただの言葉のアヤであってだな……」

藍子「そ、そうですよ。先週のお休みの日に会ったわけでは……」

P「……藍子? どうしてそこまで言った?」

雪美「……プロデューサー……どうして隠してたの……? 私とは、デート、最近してくれないのに……」

ちひろ「やっぱり二人とも侍らせてるじゃないですかー! やだー!」

P「二人とも待って! 違うんだ! たまたまばったり出会っただけで……」


この後ちひろさんに白い目で見られながらPと雪美は予定を話し合った

おしまい