穂乃果(本戦まであと一ヶ月……)ガサガサ
穂乃果(みんなのモチベーションも十分!)ジー……
穂乃果「なんだけど……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海未「はぁぁぁ!!!」ドキュッ!
角間「防いだぁぁぁ!!」
雪穂【ハンターズネット!】
ドシュルルルルル……!!
雪穂「試合の時ぐらいかっこいいところ見せてよ」
ゴォォォォオォォ!!!
ツバサ【こうていペンギン2号!】ドキュッ!
穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】
穂乃果「うわぁぁ!!」ドサッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「…………!」
穂乃果 ブンブン
穂乃果「いってきまーす!」ガララ
雪穂「待っておねーちゃん、私もいく!」
穂乃果「あれ、今日店番じゃないの?」
穂乃果ママ「今日は大事な用があるから臨時休業なのよ」
穂乃果「ずるいよ雪穂の番に!!」
雪穂「いいから行くよお姉ちゃん!」グイグイ
穂乃果「ずーるーい~!!」ズルズル
ガララ ピシャン
穂乃果ママ「まったく……」
引用元: ・「ラブライブ×イナイレ~11人の女神の奇跡~」後半
4: ◆7NyoAqShyg 2019/04/07(日) 22:47:42.55 ID:AbMD8LyIO
学校
凛花陽「す、すいません!遅れました!」ハァハァ
にこ「ちょっとぉ、気が緩んでんじゃないの?」
海未「まあ時間には間に合っているのですから良いではありませんか」
にこ「10分前集合は基本でしょ?」
穂乃果「確かにそれは大事だね!」
海未「貴方は雪穂がいなければほとんど遅刻と聞いていますが」
穂乃果「凛ちゃん、花陽ちゃん!気にしなくて大丈夫だよ!」
ことり「清々しいほどの手のひら返し……」
希「流石というかなんというか……」
雪穂「いつも本当すみません……」
亜里沙「ハラショーです!」
絵里「ちょっと待って」
5: ◆7NyoAqShyg 2019/04/07(日) 22:49:27.27 ID:AbMD8LyIO
絵里「え、どうして亜里沙がいるの?」
亜里沙「ふっふっふ、それはね……」
監督「……絢瀬亜里沙は、助っ人としてチームに入ってもらう」
花陽「ルール上は問題ないので大丈夫です!」パラパラ
亜里沙「ツバサさんの勧めで来たんだよ!」
穂乃果「楽しくなりそうだよね!」
ことり「うん!」
絵里「なんだ、私以外知ってたのね…」
亜里沙「ごめんね秘密にしてて…」
亜里沙「それと……」
バン!
亜里沙「これ、皆さんに差し入れです!」
花陽「わぁ~!!こんなにいっ……ぱい?」
真姫「……なにこれ」
亜里沙「おでん缶です!冷えてますよ!」
絵理「……ハラショー」
雪穂(おでんは冷やして食べるものじゃない)
希(あかん、姉妹揃ってポンコツや)
絵里「あ、ありがとう亜里沙、それは練習終わりにみんなでいただきましょ!」
雪穂「そ、そうですね!!」
凛「そうにゃそうにゃ!」
にこ「必死か」
雪穂「と、ところで!」
6: ◆7NyoAqShyg 2019/04/07(日) 22:51:19.96 ID:AbMD8LyIO
雪穂「亜里沙のポジションはどこなの?お姉ちゃん」
穂乃果「……ふぁい?」ムグムグ
雪穂(食べてる……)
花陽(案外美味しいのかな?)
穂乃果 ゴクリ
穂乃果「キンキンに冷えてやがる!!」
凛「言いたいだけだにゃ」
穂乃果「海未ちゃんに任せた!」
海未「…………」ハァ
海未「これは私の主観ですが……」
海未「亜里沙は攻撃面でも守備面でも力を発揮できるように見えました」
真姫「つまり……リベロ?」
海未「はい、適任かと」
凛「リベロってなに?」ヒソヒソ
花陽「状況に応じて守備に回ったり、攻撃に回ったりする人のことだよ」
絵里「自由とかそういった意味があるの」
凛「……なんだかすごいにゃー」
希(分からんかったんやね」
にこ(分からなかったのね)
真姫(というかこのリベロってまさに凛がやってるのよね)
ことり(言われてみればだね)
海未(まあそれは……ねぇ?)
花陽(気にしない方向でいきましょう)
絵里「ということで、最初はDFに回ってもらいたいんだけど……」
亜里沙「うん、頑張る!」グッ
7: ◆7NyoAqShyg 2019/04/07(日) 22:52:15.58 ID:AbMD8LyIO
海未「きちんと挨拶をするのはこれが初めてですね」
海未「これからよろしくお願いします、亜里沙」
亜里沙「は、はい!よろしくお願い……」クルッ
亜里沙「……しま、す?」
亜里沙(この雰囲気……どこかで?)
海未「どうしました?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
MF1「どうしました亜里沙?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
亜里沙「ヤマトナデシコ!!」ガシッ
海未「は、はい!?」
亜里沙「よろしくお願いします!」
亜里沙「えーと……」アワアワ
海未「………ふふ」
海未「園田海未です」
亜里沙「……!」パァァァァ!
亜里沙「海未さん!」キラキラキラ
8: ◆7NyoAqShyg 2019/04/07(日) 22:54:50.35 ID:lzZr11da0
海未「はっ……うぐぅぅ!!」ドサッ
亜里沙「ど、どうしたんですか海未さん!」
海未「……混じりっけのない純粋な目を見たのは……久しぶりで」ハァハァ
にこ「失礼しちゃうわね」
ファサァァァ………!
にこ「ここにあるじゃな~い!」キラキラ
凛「そういうところだにゃ」
海未「あなた方ですよ」
凛「凛も!?」
穂乃果「あ!そういえば」
海未「どうしました?」
穂乃果「これで11人揃ったからヒデコたちに助っ人頼まなくて大丈夫なんだ」
ことり「なんだか寂しいね……」
「ちょぉっとまったぁ!!」
海未「な、何ですか!?」
9: ◆7NyoAqShyg 2019/04/07(日) 22:56:53.69 ID:lzZr11da0
ヒデコ「なんだかんだときかれたら!!」
フミコ「答えてあげるが世のなさけ!!」
ミカ「愛と真実と悪を貫く!!」
ヒフミ「ヒフミ三人衆、ただいま参上!!」
凛(自分たちでヒフミ三人衆って言っちゃったにゃ)
花陽(悪を貫いちゃうんだ……)
穂乃果「ど、どうしたの三人とも!」
フミコ「試合には出なくても何かサポートしたいなって」
ヒデコ「マネージャーみたいな?」
ミカ「怪我した時用の控えとか!」
穂乃果「み、みんなぁ……!」ウルウル
穂乃果「ありがとーー!!」ガバッ
ヒフミ「うわぁぁ!!!」
ドッシーン!
海未「怪我しないでくださいよまったく……」
穂乃果「えっへへ……ごめんごめん」
10: ◆7NyoAqShyg 2019/04/07(日) 23:48:35.45 ID:lzZr11da0
ヒデコ「あ、監督ー!」
ヒデコ「もうすぐ来ると思いますよ!」
監督「……そうか、助かる」
海未「まだ何かあるのですか?」
監督「お前たちを見たときまさかと思ったが……」
監督「……これが偶然か運命か」
花陽「?」
「ほーのかー!ゆーきほー!」
穂乃果雪穂「こ、この声は…」クルッ
穂乃果ママ「おーい!」ブンブン
11: ◆7NyoAqShyg 2019/04/07(日) 23:49:08.31 ID:lzZr11da0
穂乃果「お母さん!?」
雪穂「なんで!?」
花陽ママ「花陽ちゃーん!」
凛ママ「りーーん!!」ブンブン
花陽ママ「ちょっと、恥ずかしいから……!!」
花陽「お母さん!?」
凛「え、なんで?」
ことり「うちのお母さんもいる!」
海未「うちもです……」
ことり海未ママ フリフリ
にこママ「ほら、今更恥ずかしがらないで!」グイグイ
真姫ママ「だ、だってぇ……」
にこ真姫「まじか……」
絵里ママ「もう酔っ払ってるの?」
希ママ「そんらことないよ~!」
絵里亜里沙「ロシアにいるはずじゃ……!」
希「お母さん……」
海未「こ、これは一体どういうことですか?」
穂乃果「そ、そうですよ!どうしてお母さんたちが……」
12: ◆7NyoAqShyg 2019/04/07(日) 23:50:02.42 ID:lzZr11da0
穂乃果ママ「私が説明するわ!」ババン!
穂乃果「……」スンッ
雪穂「恥ずかしい……」
穂乃果ママ「実は私たち、高校時代みんな同じサッカー部だったの」
穂乃果「うそ!?」
にこ「あり得るの?そんなこと」
海未ママ「正部員は私たち9人だけ」
ことりママ「後の二人は助っ人を呼んでたわね~」
ことり「ふふ、今の私たちみたい」
希ママ「そこれ私たちは、フッロボールフロンティアでゆーひょーひたの~」フラフラ~
希「呂律呂律」
真姫「優勝……」
13: ◆7NyoAqShyg 2019/04/07(日) 23:51:06.57 ID:lzZr11da0
監督「まあそんなわけでお前たちと試合してもらうために、この9人に集まってもらったんだ」
穂乃果「もうどこから突っ込めばいいのか……」
花陽「あ、あの……」
監督「どうした?」
花陽「どうして私たち誰もこのこと知らなかったんですか?」
海未「それもそうですね、どこかから情報が入ってきてもおかしくない気が……」
監督「………」
監督「こいつらが高校生の時だぞ、なん年前だと思ってる」
母親たち「!?」ガーン
凛ママ「まだまだ現役ですよ!」
花陽ママ「そ、そうですよ!」
監督「………」
花陽凛ママ「監督ぅ!!」
穂乃果「………………?」
凛「か………」
「「「「かんとくぅぅ!?」」」」
14: ◆7NyoAqShyg 2019/04/07(日) 23:54:02.52 ID:lzZr11da0
角間「始まりましたドリームマッチ!我が子と戦う母親の心情やいかに!!」
海未「もう考えることはやめました……」
海未「疲れるので」
絵理「ここにいるみんな、優勝サッカーチームの子供なのね」
花陽「監督が運命って言ってたのはこのこと……」
真姫「ママ、サッカーできたのね…」
にこ「なんかすごい恥ずかしいんだけど」
凛「り、理事長と試合……」ガタガタ
希「もしボール奪ったりしたら退学させられるかも……!!」
凛「ヒィィ……!!」
ことり「そんなことしないよぉ!」
FW
真姫、絵里
MF
希、ことり、にこ、海未
DF
亜里沙(リベロ)、雪穂、花陽、凛
GK
穂乃果
15: ◆7NyoAqShyg 2019/04/07(日) 23:55:55.77 ID:lzZr11da0
監督「今日はこっちのチームの士気をさせてもらう」
凛ママ「うはー!なんかこの感じ懐かしい!」
穂乃果ママ「つまみ食いで体重が……」ムニムニ
ことりママ「十分細いわよ?」
海未ママ「……着物以外を着たのは久しぶりですね」
花陽ママ「似合ってますよ~」
真姫ママ「あの子と……サッカーできる日が来るなんて……!」ウルッ
にこママ「ほらほら泣かない、始まるわよ」サスサス
希ママ「あれ~?どうして二人もいるの~?双子?」ウフフ
絵里ママ「グラウンドから引きずり出すわよ」
FW
絵里ママ、真姫ママ
MF
凛ママ、希ママ、ことりママ、
DF
海未ママ、花陽ママ、にこママ
GK
穂乃果ママ
(特に関係ないので覚えなくて大丈夫です)
16: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:35:02.34 ID:wApqZnK+0
ピーーーーーーー
ドッ
角間「母親チームから試合開始!一体どのような試合になるのでしょうかぁ!!」
絵里ママ「まずは見せてあげたら?」
真姫ママ「私が先でいいんですか?」
希ママ「いっちゃお~!」フラフラ
真姫ママ「うーん……わかりました!」ダッ
真姫「ママでも手加減しない!」ザッ
真姫ママ「してくれなくて結構よ」フフ
クルッ
真姫「は、早い…!」
タッタッタッ
ことり「させません!」ザッ
真姫ママ「お願いします!」ドッ
ことりママ「任せて」トッ
17: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:36:13.62 ID:wApqZnK+0
凛「と、止めても退学にしないでください!!」ザッ
ことりママ「そんなことしません!!」ヒュッ!
クルッ ダッ
凛「そんな…!」
花陽「り、凛ちゃんがあんなに簡単に……!」
ことりママ「やっちゃいなさい!!」ドッ
穂乃果「上に蹴り上げた……!?」
海未「一体……」
真姫ママ「ふっ!」グッ
ボファァァ!!
ダンッ!
グルグルグル
真姫「うっそ……」
監督「………」
18: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:37:21.56 ID:wApqZnK+0
真姫ママ【爆熱スクリュー!!】
ドゴォォォォォォォ!!!
希「ど、どう見ても真姫ちゃんの強化バージョンやん……」
絵理亜里沙「ハラショー……」
穂乃果「はぁぁぁぁ!!!」
ゴォォォォォオ!!
穂乃果ママ「………」
穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】
ドシュルルルルル!!!!
穂乃果「……つ、強い…!」ズズッ!
ことり「穂乃果ちゃん!!」
穂乃果「……はぁ!!」グッ
19: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:39:04.57 ID:wApqZnK+0
ドシュルルルルル……!!
穂乃果「……よし!」
角間「止めたぁぁぁぁ!!キーパー高坂、圧巻のガード力です!」
穂乃果「ことりちゃん!」ドッ
ことり「うん!」トッ
凛「ことりちゃんこっち!」タッタッタッ
ことり「り、凛ちゃん!?」ドッ
凛「いっくにゃー!」トッ
海未「あれをやるつもりですね」
海未ママ「……ただでは行かせません」ザッ
凛【アクロバットキープ!】
ザッザッ グルッ スタッ
凛「よし!」トッ
海未ママ「なかなかやりますね」
凛ママ「自慢の我が子です!」
海未ママ「知ってます」
監督「………」
真姫「いくわよ、凛!」グッ
凛「うん!」グッ
ダンッ ダンッ
グルグルグル グルグルグル
凛真姫 バッ
ドキュゥッ!!!!
凛真姫【ファイアトルネードDD!】
ゴォォォォォォォ!!!!!
20: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:40:22.33 ID:wApqZnK+0
にこ「止められるもんなら止めて見なさい!」
穂乃果「お母さん……」
雪穂「一体どんな技使うんだろ……」
ことりママ「頑張れー!きぃちゃーん!」
海未ママ「あなたなら大丈夫でしょう?」
穂乃果ママ「……」バッ
ゴォォォォォオ!!!!
穂乃果「あ、あの構えって……」
花陽「あり得ないです……」
穂乃果ママ【マジン・ザ・ハンド】
ドシュゥゥゥ………!!
穂乃果ママ「まあこんなものかしら」
穂乃果(【マジン・ザ・ハンド】ってあんなに強いの?)
真姫「そんな……」スタッ
凛「冗談にもなってないにゃ……」スタッ
海未「こ、これがお母様方の実りょ……」
「お前達!!」
21: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:44:46.90 ID:wApqZnK+0
ことり花陽「ヒィ……!!」ビクゥ
希凛(ママ)「ごめんなさい!!」ビクッ
海未ママ「もはや条件反射ですね……」
監督「いや、俺が怒ってるのは母親チームにだ」
絵里ママ「……私たちですか?」
海未ママ「一体何がいけなかったのでしょう?」
海未「その通りです、素晴らしいプレーに見えましたが……」
監督「せっかくの試合なんだ、手を抜かないでくれ」
花陽「手を……抜く?」
絵里「まさか……」
ことり「あれで……?」
凛ママ「いやでも監督ー」
真姫ママ「これはエキシビジョンのようなものですし……」
「ほ、本気でお願いします!」
穂乃果「私たちじゃ力不足かもしれませんが……」
ことりママ「……穂乃果ちゃん」
絵理ママ「……わかったわ」
にこママ「そこまで言われちゃったらね」
22: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:46:07.17 ID:wApqZnK+0
角間「少しトラブルがありましたが試合再開……おおっとぉ!?」
角間「これはどういうことでしょうか!」
にこ「な、なにこれ?」
花陽「こ、こんなの……初めて見ました」
絵里ママ「やっぱりこれがしっくりくるわ」
真姫ママ「心強いですよね」フフ
凛ママ「テンション上がる~!!」
希ママ「よーひ、頑張るよ~!」フラフラ
海未ママ「ほらほらしっかりしてください」
ことりママ「でも少し罪悪感を感じますね」
にこママ「……今は一人だものね」
花陽ママ「!」フリフリ
角間「ディフェンスは小泉母のみ!後のメンバーは全員上がってしまいましたぁ!!」
海未「まさかこれは……」
絵理「超攻撃的サッカー」
ことり「でもそんなことしたら守りが甘くなるんじゃないかな?」
にこ「穂乃果の母親がいるじゃない」
花陽「あのキーパー力があるから全員で攻めても試合が成立するんだね」
希「それに、花陽ちゃんのお母さんの力も未知数……」
穂乃果「さすがママちゃんズ、一味違うね!」
穂乃果「みんなーー!!!しまってこー!」
みんな「おーー!!」
ピーーーーーーー
23: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:48:50.66 ID:wApqZnK+0
穂乃果ママ「ほっ!」ドッ
凛ママ「よっと!」トッ
にこ「はぁぁ!!」ザッ
凛ママ「思い出すなーこの感じ」グッ
24: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:49:16.98 ID:wApqZnK+0
ザッ クルッ ズシュゥ!!
凛ママ【Zスラッシュ!!】ダッ!!
にこ「えっぐいわね……!」ガクッ
凛ママ「お願いします!」ドッ
絵理ママ「ええ」トッ
希ママ「おー、地球が回る~」フラフラ
絵理ママ イラァ
絵理ママ「働け酔っ払い!」ドッ
希ママ「うわったぁ!?」トッ
希ママ「パス乱暴すぎ!」
花陽「いかせません!」ザッ
希ママ「あーあ、酔いが覚めちゃった……」ザッ
ドッ
ポーン
花陽「え、くれるのか……な……!?」
グワァァァァ!!!
花陽「潰されますぅぅ!!」ヒィィ!
テンテンテン……
花陽「………あれ?」
希ママ【トリックボール】トッ
角間「立て続けに抜いた!!さっきとは勢いが段違いだぁ!!」
タッタッタッ
穂乃果「く、くる!」グッ
絵理ママ「初めからやる気を出しなさいっての」
25: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:50:31.78 ID:wApqZnK+0
希ママ「………!!」ムムム…
穂乃果「……?」
海未「油断はダメですよ!」
穂乃果「わ、わかってるよ!」
希ママ【まぼろしショット!】
ドキュゥゥゥ!!!!!
フッ
穂乃果「き、消えた……!?」
フッ
ドシュゥゥゥ………!!!
角間「き、決まったぁぁ!!」
穂乃果「そんな……」
海未「あの穂乃果が触るどころか反応すらできないなんて……」
26: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:51:45.33 ID:wApqZnK+0
海未ママ「ふふふ」トッ
海未「取り囲んでください!」
花陽凛にこ亜里沙「了解!」ザッ
海未ママ「おやおや、これでは動けませんね」
亜里沙【アイスグランド!】
ダン! パキパキパキパキ!
絵里「逃げ場のないこの状態なら……!」
海未ママ「………悪くはないです……が」
ダッ!
凛「と、跳んだ!?」
にこ「ボールを置いて行ってどうすんのよ……」ダッ
花陽「ダメにこちゃん!」
海未ママ「上がガラ空きでしたよ」
ピシピシ…!
27: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:52:42.77 ID:wApqZnK+0
ズァァァァァァ!!!!!
海未ママ【昇り竜!】
ゴォォォォォオ!!!!
にこ「きゃぁぁ!!」ドサッ
花陽凛「うぐぅ……!!」
亜里沙「うわぁ!」ドサッ
穂乃果「そんな手が……」
穂乃果ママ「いけーーー!」
海未ママ【伝来宝刀!】ズシュ!
ドゴォォォォォオ!!!
穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】
穂乃果「うわぁぁ!!!」ドサッ
ドシュゥゥゥゥ……!!!
にこママ「ちょっとやりすぎなんじゃ……」
穂乃果「まだまだ!!」ムクッ
海未ママ「ふふ、いい返事です」
穂乃果「みんな!どんどんぶつかっていこう!」
穂乃果「こんなチャンス滅多にないよ!」
絵里「ええ!」
28: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:53:29.80 ID:wApqZnK+0
にこママ タッタッタッ
にこ【スピニングカット!】
ズシュゥゥゥゥ!
ブワァァァァァァ!!!!
にこママ「っく……やるわね!」ザザザッ
にこ「へへん!」トッ
凛「あれは…!」
ことり「習得したんだね!」
海未「私が名づけたかった…」
希「ふふん」ドヤッ
海未「ま、まさか……!?」
希「いや違うけど」
海未「なんなんですかあなた」
29: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:54:18.20 ID:wApqZnK+0
にこ「希!」
希「了解!」トッ
角間「矢澤、東條の連携で前線を突破したぞぉ!!残るは小泉母のみだ!!」
花陽ママ「えへへ~」ポワポワ
希「なんだかのんびりした人やなぁ……」
花陽ママ「………ふふふ」
希「……へ?」ゾクッ
フッ
花陽ママ「そう見えた?」トッ
希「うそ……いつのまに……!?」
真姫「何今の動き……」
花陽ママ【クイックドロウ】えへへ~
絵里ママ「みんな初見ではあの子の雰囲気とのギャップに驚くわよね」
花陽ママ「お願いしまーす~!」ドッ
絵里ママ トッ
絵里ママ(絵里や亜里沙の必殺技ではぬるま湯レベル……)
絵里ママ(絶対零度の恐ろしさってものを)
絵里ママ(思い知らせてあげるわ)キッ!
ブワァァァァァァ!!!
30: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:55:26.22 ID:wApqZnK+0
雪穂「さ……寒いぃ……!!」ガタガタ
にこ「に…にっこにっこにー……」ガタガタ
希「やめてにこっち……!!凍る!!」ガタガタ
にこ「あ、あんた……覚えてなさい……!!」ガタガタ
絵里(私や亜里沙の【エターナルブリザード】とは比べ物にならない……!)
亜里沙「ハラショー……」ブルブル
絵理ママ クルッ
絵理ママ【ノーザンインパクト】ドキュッ!!
ゴォォォォォオ!!!
雪穂「はぁぁぁ!!」
雪穂【ハンターズネット!】
パキパキパキ
バリィィィン!!!
雪穂「うわぁぁ!!!」ドサッ
31: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:56:23.62 ID:wApqZnK+0
ゴォォォォォオ!!
穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】
ドギュルルルルルル!!!!
バチィ!
穂乃果「うわぁぁぁ!!!!」ドサッ
ポーーン
ことりママ「ふふ」ダッ
角間「高坂姉妹二人掛かりでなんとかはじいたボールを南母、空中で追いついたぁ!!」
にこ「降りてきたところを狙うわよ!」
海未ママ「降りてくることはありません」
海未ママ「……空があなたの領域でしょう?」
ことりママ「…なんだか恥ずかしいわね」グワァッ!
ことりママ【ファルコンウィング!!】ドキュゥ!!
ゴォォォォォオ!!!!
穂乃果「うわぁ!!」ドサッ
ドシュゥゥゥ……!
角間「決まったぁぁぁ!!」
32: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:57:25.59 ID:wApqZnK+0
凛「にぁぁぁぁ!!」バッ
ことりママ「おっと……!」クルッ
花陽「ここ!」ガッ!
ことりママ「ッ!……やるわね」
花陽「それほどでも………ってうわぁ!?」ガッ
海未ママ「連携なら負けませんよ」トッ
海未ママ「私たちも幼馴染ですから」ニコッ
ことりママ「……もう」テレッ
にこ「花陽と凛の連携が破られた……!」
海未ママ「決めてください」ドッ
真姫ママ「……準備はいいですか?」トッ
絵理ママ「もちろん」
ブワァァァ!! ブワァァァ!!
真姫絵理(ママ)【ファイアブリザード!】ドキュッ!!!
ゴォォォォォオ!!!!!!
33: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:58:41.24 ID:wApqZnK+0
にこ「一体いくつシュート持ってんのよー!!」
希「全員がエースストライカー級のシュート力……!!」
雪穂「止めるよ!お姉ちゃん!」ガッ
穂乃果「うん!」
ゴォォォォォォ!!!!!
ことり「あれは……!」
真姫「決勝で【トライペガサス】を止めた……!」
海未「【ホムラ・ザ・ハンド】です!」
花陽「あ、もうそれ決定なんだ」
穂乃果雪穂【ホムラ・ザ………】
「遅いって!!」ダダダダッ
凛「………!」
凛ママ バッ
凛ママ【マッハウィンド!!】ドキュッ!
ゴォォォォォォォォォォオ!!!!!!
穂乃果雪穂「うわぁぁぁぁ!!」
ドシュルルルルル………!!
凛「シュートチェイン……!」
海未「技を出す暇さえ……ないというのですか」
34: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 15:59:50.28 ID:wApqZnK+0
「うーー…………」グデー
花陽ママ「み、皆さん大丈夫ですか~?」
海未ママ「死屍累々とはこういうことを言うのですね」
監督「これからお前たちには攻撃は星空、守備は小泉に徹底的に鍛えてもらおうと思う」
凛ママ「厳しくいくぞ!」
花陽ママ「よろしく~」
穂乃果(ここから一ヶ月、地獄の日々が始まりました)
ことり(例えるならそう、私たちの一年生時代の山登りを一ヶ月に凝縮したような……)
花陽ママ「当然ながら、オフェンスメンバーにもディフェンスは学んでもらいます」
凛ママ「自分は守備だからといって攻撃には関係ないと思ってる人~?」
凛ママ「試合に出てる以上誰にだってチャンスは来るからな~!」
花陽(正直自分が攻撃するなんて思ってなかったので、聞くこと知ること全てが新鮮でした)
花陽(まあ攻撃なんて花陽には縁のない話だけど……)
ことりママ「ほんとはもっと早く手助けしたかったんだけど、監督がね……」
真姫ママ「自分たちだけで本戦上がるまではダメだって言うんだから」ハァ
希(ということで、みんなの母親のサポートもありながら練習を重ねていきましたとさ)
希(めでたしめでた……)
絵里(終わらないで!!)
にこ(色々あって……色々あったのよホント……)
35: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 16:00:43.42 ID:wApqZnK+0
花陽ママ「花陽ちゃんにはいち早くその人の特徴を掴む訓練をしてもらいます」
花陽「特徴を掴む?」
花陽ママ「このあいだの試合で見せた【ディフェンス方程式】、あの技の条件はわかるでしょ?」
花陽「その人の情報をできる限り持っていること……」
花陽ママ「でもいつも調べ切れるわけじゃない、データがない人もいる」
花陽ママ「そんな時のための訓練です」
花陽ママ「それと、日常での人間観察も習慣づけること」
花陽ママ「それじゃあ始めましょうか」
花陽「うん!」
真姫ママ「ねえパパみて!真姫ちゃんとサッカーしてきたの!」
真姫パパ「なに…!?それは本当か!?」
真姫「……別に、少し試合しただけ」
真姫パパ「パパともサッカーしに行こう!」
真姫「………練習があるから時間ない」
真姫パパ「あああああぁぁ!!!」ガクッ
真姫、ママ「うるさい」
36: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 16:03:31.49 ID:wApqZnK+0
真姫「そうだパパ」
真姫パパ「どうした?」
真姫「おじいさんから教えてもらって、どうしてもできなかった技があるんだけど……」
真姫パパ「……なんて技だ?」
真姫「【爆熱ストーム】っていう技なんだけど」
真姫パパママ「……!」
真姫「教えてくれない?」
真姫パパ「……すまない真姫、わたしにはわからない」
真姫「教えてもらってないの?」
真姫パパ「ああ……だがきっとお前なら完成させられるだろう、頑張れよ」ポン
真姫「……うん」
37: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 16:04:55.01 ID:wApqZnK+0
真姫「そうだパパ」
真姫パパ「どうした?」
真姫「おじいさんから教えてもらって、どうしてもできなかった技があるんだけど……」
真姫パパ「……なんて技だ?」
真姫「【爆熱ストーム】っていう技なんだけど」
真姫パパママ「……!」
真姫「教えてくれない?」
真姫パパ「……すまない真姫、わたしにはわからない」
真姫「教えてもらってないの?」
真姫パパ「ああ……だがきっとお前なら完成させられるだろう、頑張れよ」ポン
真姫「……うん」
38: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 16:07:05.07 ID:wApqZnK+0
希「お母さんはどれくらいこっちにいるの?」
希ママ「明後日には帰ろうと思ってるけど」
希「なら明日は一緒にどこか行かない?」
希ママ「いいわね!一度そういうのして見たかったのよ」
希ママ「それで今日泊まるところなんだけど……」
希ママ「希ちゃんのお部屋に泊めさせてもらおうかしら」
希「うん、大丈夫だよ!」
希ママ「久しぶりにお風呂一緒に入りましょう!」
希ママ「その膨よかな胸をワシワシと……!」ワキワキ
希「さ、触られるのは勘弁してほしいかなぁ……」
希ママ「あらあら、恥ずかしがり屋さんなのね」
希「そういう問題じゃない!」
希ママ「あ、ちょっと待ってお酒を買って……」
希「ダメ」
希ママ「い、一本だけ…」
希「ダメ」
希ママ「そ、そんなぁ~……」ショボン
希「今日は……」
希ママ「?」
希「私の友達の話、いっぱい聞いて欲しいから……」ニコッ
希ママ「ぐはっ……!!!」ガクッ
希「ちょ……だいじょうぶ!?!?」バッ
希ママ「かわいい……」
希「え?」
希ママ「うちの子がかわいくて辛い……」ガクッ
希「………」ペイッ
希ママ「いや~ん!」ドサッ
39: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 16:08:22.22 ID:wApqZnK+0
真姫ママ「あら、あなたが小悪魔ちゃんね」
にこ「こ、小悪魔?にこが…?」ソワソワ
真姫ママ「あの人の高校生時代とそっくりだわ」
真姫ママ「よく言ってたの、にっこにっこにー!ってね」
にこ「マ……お母さんも言ってたんですか!?」
真姫ママ「子供ができたら絶対にこって名付けてこれを教えるんだって」
真姫ママ「笑顔の魔法なんだって言ってね」
にこ「ママ……」
真姫ママ「あなたはきっと、お母さん以上に強くなれるわよ」
にこ「が、頑張ります!にこ!」
にこ(そういえば、ママが必殺技使うとこ見れなかったわね…)
40: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 16:11:19.94 ID:wApqZnK+0
本選まであと約一ヶ月のある日の部室
花陽「うわ~、先生に呼び止められて遅れちゃった……」ガララ
花陽「みんなもう練習始めちゃってるよね」
花陽「私も早く行かないと……」ヌギヌギ
ピキィ
花陽「うぐっ……」
花陽「……やっぱり筋肉痛すごいなぁ……」
花陽「……よし、頑張ろう!」パンッ!
ガララララララ
凛「あ!かよちん遅いにゃ~」
花陽「凛ちゃん!ごめんね、すぐ行くから」
凛「待ってるにゃ~!」
凛「えーっと……」キョロッ
花陽「どうしたの?」
凛「ちょっと足挫いちゃって……」あはは
花陽「た、大変!!早く座って!テーピング……!」バタバタ
凛「だ、大丈夫!自分でできるから!」
花陽「お菓子と…えーっと、はい!飲み物と……ゲームもいる!?」バタバタ
凛「落ち着いてってばぁ!!」
41: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 16:12:44.69 ID:wApqZnK+0
自宅
穂乃果ママ「……ねえ穂乃果」
穂乃果「なぁに?」
穂乃果ママ「穂乃果は初めて【マジン・ザ・ハンド】を出した時、どんな感じだったの?」
穂乃果「どうしたの急に……?」
穂乃果「えーっとね」うーん
穂乃果「………みんなからパワーが集まってきて、それをボールにぶつける感じ……だったかな?」
穂乃果「2回めからはなんとなくブワッと……」
穂乃果ママ(なんとなく……か)
穂乃果ママ「……ひとつだけわかってることがあるの」
穂乃果「なに?」
穂乃果ママ「あなたの必殺技、【マジン・ザ・ハンド】は………」
「まだ完成していない」
穂乃果「……え?」
42: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 16:14:27.55 ID:wApqZnK+0
穂乃果「ど、どういうこと?未完成って……」
穂乃果ママ「そのままの意味よ」
穂乃果ママ「仲間の力が集まって来て………それは間違ってない」
穂乃果「じゃあ……!」
穂乃果ママ「……本来それができるのはごく一部の人のみ」
穂乃果ママ「普通はみんな、自分の力しか使うことはできない」
穂乃果ママ「でもあなたは周りの力を自分の力に変換する、天性の才能があった」
穂乃果「天性の……才能?」
穂乃果ママ(カリスマ性かな………我が子ながらあっぱれ!)
穂乃果ママ「だからこそ落ちてしまった落とし穴」
穂乃果ママ「足りない最後の1ピース」
穂乃果ママ「それは……」
穂乃果「………それは?」
穂乃果ママ「………」
穂乃果ママ「……じゃあ頑張りなさい」スタスタ
穂乃果「ちょ…!答えは!?」バッ
穂乃果ママ「自分で考えなきゃ意味ないでしょ?」スタスタスタ
穂乃果「………」~~~!!!
穂乃果「これじゃあ今日眠れないよぉ~!!」
穂乃果(でも、お母さんの技はなんていうか……凄みがあった……)
穂乃果(私の【マジン・ザ・ハンド】には無いような……凄みが)
穂乃果「……….」
パンパン!
穂乃果「……よし!がんばる!」ヒリヒリ
穂乃果ママ(あなたならきっと、私がたどり着けなかったところまでたどり着けるわ………)
穂乃果ママ(……頑張りなさい)
44: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 20:38:36.63 ID:QKHXCVVDO
1、本選までの出来事
学校放課後
キーンコーンカーンコーン
先生「それではみなさんさようなら」
さよーならー!
絵里「ん~~~……!」ノビー
希「えーりち!お疲れさん!」
希「眠たそうやけど大丈夫?」
絵里「あ、希、ごめんなさい……最近疲れがたまってて……」
希「もーしっかりしてよ?大会も近いんやから」
絵里「ふふ、わかってるわ。練習行きましょうか」
希「あー……えりち?」
絵里「なぁに?」
希「ちょっと寄り道していい?」
絵里「?」
校舎裏自動販売機前
絵里「どうしたの?こんなところで」
希「えりち………」
絵里「?」
45: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 20:39:57.76 ID:QKHXCVVDO
真姫(う~~眠い……)テクテク
真姫(飲み物でも買って目覚まさないと…)テクテク
真姫(……!あれは……)ピタッ
真姫「絵里と希?」
絵里希 スタスタ
真姫「自動販売機の方に行っちゃった……」
真姫(なにかコソコソしてたような……?)
真姫「ちょうどいいしついて言って見ようかしら」
真姫「………」
真姫「海未みたいになってきてる気がする……」
真姫(居た……何か話してる……)サッ
希「えりち………」
46: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 20:42:25.79 ID:QKHXCVVDO
希「氷の女王って………なに?」
絵里「……!」
真姫(………!)
真姫「…………」
真姫「氷の女王……か」
絵里「……どうして、それを?」
希「うちが知ってるのは、えりちがサッカーやってたっていうからネットで少し調べた内容だけ」
希「ロシアに突如現れた期待の新星、クールな目つきと氷の技が特徴的な将来を期待された選手」
絵里「………」
希「もしそれだけなら……」
47: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 20:44:47.76 ID:QKHXCVVDO
希「亜里沙ちゃんがあんな風に言うはずない……」
絵里「……!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
亜里沙「氷の女王だったくせに……」
絵里「……昔の話よ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絵里(試合の時……聞かれてた……?)
希「お願い……教えて、えりち」
絵里「………」フゥ
絵里「……わかったわ」
希「………」ゴクッ
希(もし……えりちの過去に暗いものがあるなら……)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
希「えりちな、氷の女王って呼ばれてたんよ」
絵里「ちょ、ちょっと…!」
希「氷の女王復活やね」
絵里「ちょっ……やめなさい!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
希(うちは……)
希(どれだけ残酷なことを悪びれもせずに言っていたのか………)
48: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 20:49:52.88 ID:QKHXCVVDO
真姫(絢瀬絵里)
真姫(小学四年生からサッカーを始めるも、メキメキと才能を伸ばし、すぐに将来を期待されるほどの選手となった)
絵里「でも、ずっとバレエばかりやってきたからか、もともとの性格なのか………」
真姫(絵里は極端にチームプレイが苦手だった)
絵里「レベルの低い相手ならまだしも、強い相手にそれは致命的だった」
絵里「私は……次第にワンマンプレーが増えていった」
真姫(はじめのうちはチームはなにも言わなかった……けど)
絵里「だんだんと煙たがられるようになって……」
絵里「中学3年の夏、サッカーをやめたわ」
絵里「チームは……私のワンマンプレーのせいで負けた」
絵里「それから……」
真姫(生まれ持った鋭い目つき、自分勝手なわがままプレイ、氷の技、それらを踏まえ……)
絵里「侮蔑の意味も込めてこう呼ばれた」
絵里真姫「(氷の女王……と)」
希「……!!」
49: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 20:54:13.31 ID:QKHXCVVDO
希(ウチ………最低やん……)
希(人の感情を読みとるのは得意やと思ってた……でも……)
希(なにも見えてなんてなかった……)
絵里「……」
希「えりち……ウチ……」
希「………ごめんなさい」ペコリ
絵里「希……」
希「………なにもわかってなかった」
希「ちょっとだけネットで調べただけで全部知った気になって………」
希「ほんとに………ごめん」
絵里「…………」
50: ◆7NyoAqShyg 2019/04/08(月) 20:55:42.82 ID:QKHXCVVDO
ふふふ
希「…えりち?」
絵里「ふふ……ふふふふ……」
絵里「あっははは!!」
希「え、えりち……!?」
希「ま、まさか………!」フルフル
絵里「ご、ごめんなさい……しおらしい希って新鮮で……!」フフフフ
希「そ、それで……さっきの話……!!」
絵里「ああ、さっき話したのは事実よ」ふふ
希「あ……そう……」シュン
絵里「ふふ……んふふふ」フルフル
希「……もう!なんで笑うん!!」
絵里「だって……あなたがいたから私はまたサッカーを始めようと思ったんだから」
希「……へ?」
絵里「あなたのおかげで………氷の女王は」
絵里「私にとって苦しいものじゃなくなった」
51: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:27:09.38 ID:uZm9d6/XO
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3年生初め
希「えりち~、帰ろ~!」トテトテ
絵里「ええ、行きましょう」ガタッ
希「さっくら~もち~、さっくら~もち~、もっちもっちもっちもっちかっしわ~もち~」テクテク
絵里「なにその歌?」クスクス
希「うちが作ったお餅の歌!」
絵里「またバカみたいなことして……」
ぐぅ~~
絵里「………」
希「………」
絵里「お腹すいちゃった…….」
希「もう、えりちってば」
希(あああ~~えりちかわいいなぁぁ~~!!!)
希「帰りパフェでも食べよっか!」
絵里「ええ」
~~~……
絵里「あら?何か声が……」
52: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:27:38.80 ID:uZm9d6/XO
希「えりち、そこ職員室やで?」
絵里「いや、何か真剣な声が聞こえたから……」ソー……
絵里「……え?」
希「なになに?」グッ
絵里「ちょっ……!希、重たい!」ヒソヒソ
希「なっ…!レディに対して重たいはあかんやん!?」ヒソヒソ
絵里「レディはお餅の歌なんて歌わないわよ!!」ヒソヒソ
希「いまそれいうん!?」ヒソヒソ
絵里「……!」グラッ
希「あっ……」グラァ
ドシーーン!!
絵里「い……たたた」
希「もう、大丈夫?」よっこいせっ
「貴方達なにしてるの!!」
希「あーあ……」
53: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:29:49.46 ID:uZm9d6/XO
絵里「ち、違うんです!たまたま通りがかったというか……」アワアワ
希「そ、そうです!盗み聞きなんて全く……」ワタワタ
絵里「そうです!廃校なんてこれっぽっちも……」
希「え」
絵里「あ」
先生 はぁ
54: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:30:34.97 ID:uZm9d6/XO
希「はぁ~……まさか廃校なんてなぁ」テクテク
希(初めて入学から卒業までまともに終われると思ったのに……)
絵里「……まだ決定じゃない」
希「へ?」
絵里「理事長は!」
希「き、今日は用事でもう帰ってこないと思うけど……」
絵里「ぅ~~!」
希「あ、でも……」
絵里「なに!?」
希「理事長の娘さんならいるはず」
絵里「どこに!」
希「確か……サッカー部」
絵里「……サッカー」
希「あれ~?氷の女王さんの血が騒ぐ?」ニヤニヤ
絵里(氷の女王……)ギュッ……
絵里「……なんでもないわ、その子のところに行きましょうか」ザッ
コロコロ……
絵里「サッカーボール……?」
希「あの子らが使ってるやつかな」
絵里(一年生の頃から試合にも出れない人数で毎日練習してる三人組……)
絵里(……変人……)
希「えりち!少し遊んでいかん?」
絵里「……そんなことしてる場合じゃないでしょ」
希「まあまあ、いま体験入部の最中みたいやし邪魔したらあれやん?」
希「ちょうど二人とも運動靴やし」
絵里「……少しだけよ」上着脱ぎ脱ぎ
希「よーし!」上着脱ぎ脱ぎ
55: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:31:53.68 ID:uZm9d6/XO
希「ほっ!」ドッ
絵里「……」タッタッタッ
トッ
希「あれ~?まっすぐ飛ばんなぁ……」
絵里「相手の方向に送り出すように蹴るのよ」ドッ
希「おー!まっすぐきた!」トッ ポロッ
希「おっとっと」トッ
絵里(相手の方向に送り出すように……か、どの口が言ってるのかしらね)
希「はっ!」ドッ
絵里「……!」トッ
希「まっすぐ行った!」
絵里「……ふふ、やるじゃない」
希「えっへん!」ドヤァ
絵里(パスができただけで……)
えり『えい!』ドッ
『ナイスパス!』
えり『えへへ!』
絵里「………」
56: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:34:22.48 ID:uZm9d6/XO
「………りち」
「……えりち」
希「えりち!」
絵里「……!」ハッ
希「早くボールちょーだい!」
絵里「……ええ!」ドッ
希「……よいしょ!」トッ
希「止めれた!!」
絵里「………ふふふ」
希「あ……!今絶対バカにした!」
絵里「ふふ、ごめんなさい」
希「もー!」プンプン
絵里「………」
希「えりち?」
絵里「希」
希「?」
絵里「一緒にサッカー部入りましょうか」
希「ほ、ほんとに!?」
希(えりちの本気のサッカー見れるかも……!)
絵里「あ、やっぱりあのサッカー部の子達が、『サッカーで廃校を阻止する!』とか言いだしたら入りましょうか」
希「それどんな確率!?」
絵里(もし……もし私がまたサッカー部に入ったら)
絵里(あなたとサッカーをすることができたら……)
絵里「……ふふ」
希「絶対入る気ないやん~!!」
絵里(また……思い出せるかしら)
絵里(楽しかったあの時を)
57: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:42:40.37 ID:uZm9d6/XO
穂乃果「よーし!穂乃果達で廃校を阻止しよう!」
絵里「!」
絵里(……神様が……やれって言ってるのかしら)
絵里(……あと隣の希がすごく腹たつ……)
希 ニヤニヤニヤニヤ
希「えりちな、氷の女王って呼ばれてたんよ」
絵里「ちょ、ちょっと!!」
絵里(……?いつものモヤモヤがない……?)
絵里(……ワクワクの方が強いみたい)
絵里(はじめてのシュートチェイン、仲間との連携………)タッタッタッ
58: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:45:14.51 ID:uZm9d6/XO
希『えっへん!』ドヤァ
希『止めれた!!』
絵里「……ふふ」
絵里「みんなでやるサッカー、か」
絵里「……」
絵里「吹き荒れろ………」
パキパキパキパキ
希「氷の女王復活やね!」
絵里「ちょ、やめなさいよ!」
絵里(嫌な感じじゃない……くすぐったいような)
絵里「………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
59: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:46:44.91 ID:uZm9d6/XO
希「………」
絵里「あの日……あなたとボールを蹴りあって、私の中で何かが変わった」
絵里「今私がこうやってサッカーできてるのはあなたのおかげよ、希」
絵里「ありがとう」
希「………違うやん」
希「ウチ、謝ろうと……え?」
絵里「ふふ、今日は珍しい希がいっぱいね」
希「……もう!からかわんといて!」
真姫「………もういいかしら?」
絵里「あら、真姫じゃない、どうしたの?」
真姫「眠たいから飲み物を買いに来たの」
絵里「私たちも眠気覚ましに来たのよ、あたたかくなって来たから眠たくって……」
希「や、やんなぁ~、これだけポカポカ陽気やとどこでも寝れそう……」スヤスヤ
絵里「ちょ、ちょっと希!?練習始まるから!ちょ………起きなさい!」ググググ
希「ん~、もう食べれない」スヤスヤ
絵里「希~~!!」
60: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:49:03.04 ID:uZm9d6/XO
真姫「………」
真姫(さっきの話の内容が全てだと思ってた……)
真姫(暇つぶしに絵里の母国のサッカーチームのブログを見るまでは……ね)トトトッ
ピッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ロシアサッカーU18代表ブログ
みなさんこんにちは、寒い日が続きますね
もうすぐ始まる世界大会、もうドキドキしっぱなしです
みなさんの期待に応えられるよう、頑張りたいと思います
話は変わりますが……
試合の日が近づくといつもある女の子を思い出します
小学校から中学3年生まで一緒だったんです
その子はとても可愛くてサッカーが上手でした
メディアにも取り上げられてたんじゃないかな?
同じチームでプレイするのはとても楽しかったのですが、少しづつ違和感を覚えて来ました
彼女があまりパスを回さなくなったのです
理由はわかっていました
彼女は、いわゆる連携が苦手でよくミスをしていました
個人技はすごかったのですがチームプレーが苦手だったようです
彼女も申し訳なさそうに私たちに相談していました
私たちは特に気にしていませんでした
彼女自身の人柄や、日頃の行動から、悪い子ではなかったからです
61: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:50:13.65 ID:uZm9d6/XO
でも、次第に………なんというか、彼女の纏う空気が冷たくなった気がしたんです
みんな少しずつ彼女と距離を取るようになってしまいました
最後の大会、敵はとても強かったです
唯一対抗できたのがその子だけでした
その子はディフェンスとオフェンスを行ったり来たりして、何人分ものカバーをしていました
みんなボールを取るとその子に回しました
彼女は何度も倒され、傷だらけになりながらも、チームのために走ってくれました
が最終的には負けてしまいました
一点差でした
もし彼女がいなければ目も当てられないほどの結果になっていたでしょう
私たちは尊敬と感謝の意を込めてある称号を彼女に送りました
【氷の女王】と
ところが、私たちのチームの親や周りの人が、傍目にはその子のワンマンにしか見えない試合に怒りを覚え、有る事無い事を言いふらしました
チームがお前を嫌っているだの
お前のワンマンのせいで負けただの
心優しい彼女はそれらの言葉を全て真実として受け止めてしまいました
その子は中学卒業後、ロシアを発ちました
最後に聞いたことがあります
「サッカー、つづけるよね?」
彼女は
「サッカーはもうしない、迷惑かけてごめん」
とだけ返してくれました
私たちがいくら誤解だと言っても彼女は信じてはくれませんでした
ただ謝るばかり、ごめんねと
せめてこちらに怒りを向けてくれればいくらか気は楽になったのに
62: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:51:28.16 ID:uZm9d6/XO
最後に
「一緒にサッカーできて楽しかったよ!!」
と大声で叫んでも、帰って来たのは
「……ごめんなさい」
と、一つのお辞儀だけでした
悲しかったです
彼女にこれほど他人行儀に頭を下げられたのは、小学校から思い出しても初めてでした
私たちがずっとプレイしてきたあの時間、一緒に笑いあって、喜んで、泣いて、悔しがったあの日々全てが
彼女にとっては思い出したくない過去に変わってしまったのです
彼女をそんな風にしてしまったのは私たちの実力不足が原因でした
私たちはその日から必死で練習して、今は国のU18の代表になることができました
それでも、彼女への仕打ちを考えると胸が苦しくなります
…………ところが、最近サッカーで調べていたら面白いものを見つけたんです
なんだと思いますか?
ふふふ、実はですね……
その友達が……日本に行った、我らが【氷の女王】がまたサッカーを始めていたんです!!
もう昔よりはるかに綺麗になってモデルさんのようです!
それにあの笑顔!
あの頃と何も変わっていません
今彼女は高校三年生
二年、間が空いたようですが、また戻って来てくれました!
中学時代の友達にこのことを知らせるとみんな大喜びしてました
国は違えど、同じ空の下であなたを見守っています
ハラショー!ちょっとキザだったかな?
ではこれにてさようなら!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
63: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:53:29.52 ID:uZm9d6/XO
真姫「………」ピッ
真姫(私も……ネットで少し調べただけで全部知った気になってたみたいね)
絵里「ぜー……はぁー……」ヨロヨロ
真姫「絵里、私に任せて」
希 クカー…….クカー……
真姫 イラァ……
ツマミ
希「………ッ」
希「………」
希「…ッ!!」モゴモゴ
希「ぶはーー!!」ガバッ
真姫「おはよう」
希「死ぬやん!!」
真姫「そうね」
希「冷たい!!」
真姫「ほら練習始まるわよ」
希「もぉー……」ググググッ!
希「っはぁー……」ダラン
真姫「それと絵里」
絵里「な、なに……?」ハァ……ハァ…
64: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:55:13.49 ID:uZm9d6/XO
真姫「たまには気晴らしにロシアのサッカーチームのブログでものぞいてみなさい」
絵里「?」
真姫「………何でもないわ」スタスタ
希「真姫ちゃんまって~!」ガバッ
真姫「ヴェェェェ!?」ググッ
真姫「重たいのよ希!」
希「レディ対して重たいはあかんやん!?」
真姫「レディは人前でぐーすか寝たりしないわよ!」
希「今それ言う!?」
絵里「………デジャブ?」
65: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:56:43.15 ID:uZm9d6/XO
絵里宅
絵里「まったく、一体なんだっていうのよ……」カチカチ
カタカタカタカタカタカタ
絵里(ロシア、サッカー………ブログ、と)タターン!
カチカチ
絵里「あった…」スー……(スクロール)
絵里「こんなの見て何か気晴らしになるのかしら……」スー……
絵里「えーっと?」
絵里「………」
絵里「へぇ、可愛い子がサッカーをしてた……」
絵里「ワンマンが増えて……」
絵里(ワンマン……私みたいね)
絵里「最後の大会、相手チームが強くて………」
絵里(そう、あの時の相手もとても強かった……)
絵里「一点差で負け……」
絵里(もっと私が強ければ……)
絵里「………」
絵里「にしてもなんだか親近感湧いてくるわね、この子」
絵里「なになに?」
絵里(………私たちは尊敬と感謝の意を込めてある称号を彼女に送りました)
絵里(ハラショー!この子は幸せ者ね)スー……
66: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:57:30.89 ID:uZm9d6/XO
【氷の女王】と
絵里「…………」
絵里「は?」
67: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:58:31.61 ID:uZm9d6/XO
絵里「え、どうして………?」
絵里「氷の……え?」
絵里「ここに書いてるの……私?」
絵里「…………」
絵里「も、もう一度初めから……!」カチカチ
絵里「…………」スー……
絵里「………」スー……
絵里「……ッ…」スー……
絵里「……ぁ……」ウルッ
絵里「……うそ……」ウルウル
絵里「うぅ………ぁあ……ッ!」ポロッ
絵里「ああぁぁ……!!」ポロポロ
68: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 00:59:32.75 ID:uZm9d6/XO
私たちがずっとプレイしてきたあの時間、一緒に笑いあって、喜んで、泣いて、悔しがったあの日々全てが
彼女にとっては思い出したくない過去に変わってしまったのです
絵里(全部……覚えてる……)ゴシゴシ
絵里(ゴールを決めてみんなで抱き合ったことも……)
絵里(夏にアイスを食べながら冗談を言い合って帰ったことも……)ウルッ
絵里(試合で負けて、泣きながらみんなでご飯食べたことも………)ポロポロ
絵里(思い出したくないわけ………ないじゃない)ポロポロ
69: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 01:00:43.46 ID:uZm9d6/XO
絵里「あぁ………ぅぐっ……」ヒック
絵里「みんなぁ………」グスグス
絵里「………!」
絵里「そうだ……確か…….」ガサゴソ
カサッ
絵里(ケータイを変えた時、どうしても消し切ることのできなかった……)グスッ
絵里(みんなの……電話番号)
絵里「………」グッ
ガチャ
亜里沙「おねーちゃん、ご飯冷めちゃう……」
ピッ
絵里「も、もしもし?」
『……どなたですか?』
絵里「あ、あの……」
絵里「えっと………」
『……イタズラなら』
絵里「ま、待って……!」
スゥ………ハァ……
絵里「……絵里……です」
70: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 01:02:35.64 ID:uZm9d6/XO
亜里沙「………」
パタン
亜里沙「……まあいっか」
亜里沙「どれだけ冷めちゃったとしても……」
絵里「うん、うん、ブログ……読み……読んだ」
絵里「……うん、久し……ッ……!」ウルッ
絵里「うん……うん……」ポロポロ
絵里「……………」
絵里「ーーー!」ブワッ!
絵里「……あり……がとぉ……」ポロポロ
亜里沙「何度だって温められるんだから」
71: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 10:59:09.92 ID:uZm9d6/XO
学校放課後
キーンコーンカーンコーン
先生「それではみなさんさようなら」
さよーならー!
希「えりち~、部活いこ~!」
絵里「え、ええ……」ゲッソリ
希「あら~、お疲れさんやね」
絵里「ちょっと昨晩……ね」
希「……なんかその言い方やらしいね」
絵里「あなたが思ってるようなことはないから安心して」
希「ん~?えりちはうちが何を思ってると思ったん?」ニヤニヤ
絵里「だから……はぁ、ダメ」
絵里「今日は本当に寝不足だったのよ……」ぐったり
希「体に気をつけてって言ったばかりやのに……」
絵里「そういうあなたこそ疲れた顔してるわよ」
希「……やっぱりわかる?」ゲッソリ
72: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 10:59:57.82 ID:uZm9d6/XO
ガラララ
「希ちゃーん!校門に他校の男子がきてるよ!」
希「あぁ……うん、ありがと」
「なになに~?もしかして彼氏?」
希「もしそうならどれほどいいかなぁ……」シクシク
絵里「そんなに嫌なら断ればいいのに」
希「それができたらどれほどいいかなぁ……」シクシク
絵里「……嘘泣き」
希「……ッチ」
絵里「舌打ち……!!」ガーン
73: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 11:51:01.53 ID:fMxQ2xy8O
校門
絵里「……え……えぇ?」
希「………なにしにきたん?」
「なに言ってるんですか、姐さんのサポートですよ!」
希「昨日の夜もたっぷり電話したやん?」
「俺はいつでも姐さんの隣にいますよ!」
希「……はぁ」
「お疲れですか!どうぞ部室へ!案内します!」
希「君は立ち入り禁止やけどね」
「そ、そんな……!!」ガーン
絵里「ちょ、ちょっといい?」
絵里「あなた確か……」
「はい!」
幽谷「尾刈戸高の幽谷です!」
絵里「幽谷……くん?」
絵里「え、こんなキャラじゃなかったわよね?」
希「それがな……」
幽谷「姉さんはオカルトの師匠なんです!」
絵里「お、オカルト?」
幽谷「あの時感じたあの迫力……!」
幽谷「俺、一生姐さんについていきます!」
希「……」
絵里「……」
幽谷「………?」パタパタ
希絵里(尻尾が見える……)
74: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:11:59.42 ID:N7STuT1x0
希「とりあえず今日は帰ってね」
幽谷「そんな……!」ガーン
希「それから、電話もよっぽどの理由がない限り、かけてこないこと」
幽谷「………!!」フラフラ
希「守れるやんね?」
幽谷「………」
幽谷「姉さん……」
幽谷「姉さんは……!!!」グッ
幽谷「俺のことなんてどうでもいいんですか!?」
希「…………」
幽谷「無言!!」ゴーン
75: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:13:49.57 ID:N7STuT1x0
部室前
希「はー疲れた……」
絵里「お疲れ様……」ポン
~~!………!!
絵里「あら?部室がなんだか騒がしいわね」
希「なにかあったんかな?」
ガラララ
76: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:15:06.91 ID:N7STuT1x0
にこ「だからさっさと帰りなさいよあんたら!!」
にこ「通報するわよ!!」
「そんなこと言わないでくださいよ!」
「そうっすよ!なにか手伝える事とか……」
「「姉貴!」」
希「………なにこれ?」
真姫「もう、なに入り口で止まってるの?」
真姫「げ」
海未「おや?どなたですか、この方たちは」
「あー!真姫の姉貴!」
「お久しぶりです!姉貴!」
真姫「こんなところまで………」ハァ
真姫「あなたたち……」
真姫「さっさと帰りなさい!!」
「で、でも……」
真姫「女子校に入ってるのがバレたらあなたたち怒られちゃうでしょ?」
真姫「そんなところ……見たくないのよ」キラキラ
「あ、姉貴ぃぃ!!」ポロポロ
「眩しい……!眩しすぎて見えねぇ!!」
「今日は帰ります!」
「また会う日まで……お元気で!」ダッ
77: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:18:05.60 ID:N7STuT1x0
………………
希「真姫ちゃんどこで覚えたんそんなん」
真姫「あんなこと教えるのにこちゃんしかいないじゃない」
にこ「ふっふ~ん!」ドヤッ
絵里「にこ、多分褒められてないわ」
海未「それで……何者なのですか?あの方たちは」
にこ「………はぁ……」
にこ「……こないだ子供があいつらに絡まれてたから助けたのよ」
海未「にこがですか?」ジー……
にこ「当たり前じゃない」
真姫「私もいたけどね」
真姫「その時は一回追い払ったのよ」
海未「二人でですか?あのお二方、かなり体格がしっかりしてましたが……」
にこ「まあボールがあったからね」
真姫「思いっきりぶつけてやったわ」
希「はー、すごいなぁ」
海未「………」
絵里「海未……?どうしたの?」
78: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:19:05.83 ID:N7STuT1x0
海未「………サッカーボールを、人を傷つけるために使ったのですか」
にこ「え、ええ……」
海未「………それで、どうなったのですか?」
真姫「その時はそれで治ったんだけど、また少ししたらリターンマッチに来たのよ」
にこ「で、また返り討ちにしたってわけ」
海未「………サッカーボールでですか?」
にこ真姫「…っ……」
希「う、海未ちゃん……」アセアセ
海未「すみません、続けてください」
真姫「……倒した後は急に手のひら返したように、『姉貴!姉貴!』ってなって今に至るわ」
海未「………あなたたちが怪我をしなくて本当に良かったです……」
海未「が」
にこ真姫「……!」ビクッ
79: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:20:22.62 ID:N7STuT1x0
海未「サッカーボールで人を傷つけるのだけはやめてください……」
海未「私からのささやかなお願いです……」ペコリ
希(海未ちゃんはもともと争い事は好きじゃない……)
絵里(ましてやサッカーを喧嘩に使うとなると……)
にこ「で、でも!やらなきゃやられてたし……」
にこ「海未は……」
にこ「にこたちとあいつら、どっちが大切なの……!!」キラキラ
海未「にこと真姫ですよ」
にこ「んぅ………ぉお……」モジモジ
希(相変わらず正直者の海未ちゃんには弱いなぁ……)
海未「にこたちの安全が第一です、しかし、それは最終手段にしてほしいです……」
海未「サッカーで……」
海未「誰も傷ついて欲しくないんです……」
にこ「……ごめん……」
真姫絵里希「………」
海未「しかし、二人が無事で本当に良かったです」
海未「もし破廉恥なことをされてたらと思うと……」ワナワナ
にこ「あんた想像ぶっ飛びすぎでしょ……」
真姫「ほんと……」クルクル
希「海未ちゃんはにこっちたちが大好きなんやね」
海未「え?あぁ……違いますよ」
にこ真姫「え」
希「おおぅ……」
海未「その……」モジッ
海未「わ、私は………」
海未「このチームのみんなが……」
ガラララララララ!!!!!!!
80: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:32:30.56 ID:FY1Tog730
穂乃果「おっくれましたぁぁ!!!」
花陽「そ、そんな堂々と……」
凛「海未ちゃんの雷が飛んでくるにゃ~……」
ことり「ご、ごめんね~……」
海未「~~~~~!!!」ワナワナ
海未「穂乃果ぁぁぁぁ!!!」クワッ!
凛「ほら~……」
穂乃果「ち、ちが……!ちゃんと理由があるの!!」
海未「やっと来ましたか、さあ、練習ですよ」ニコッ
穂乃果「……へ?」
凛「おお……!珍しく海未ちゃんが怒らないにゃ……」
海未「そんなに嬉しいことを言ってくれる凛には特別メニューを授けましょう」
海未「まさか………断らないですよね……?」ジロリ
凛「は、はいぃ……」ガクガク
凛(終わった)
海未「……私は先にグラウンドへむかっています」タッタッタッ
穂乃果「ほえー……海未ちゃん元気だなぁ」
凛「着替えてなかったけどいいのかにゃ?」
希絵里にこ真姫「……ふふ」
ことり「?どうしたの?」
凛「みんなニヤニヤしてるにゃ……」
穂乃果「穂乃果たちがくる前に美味しいもの食べてたんだね!?」
花陽「違うと思うけど……」
絵里「なんでもないのよ……なんでもね」
絵里「さ、練習よ!!」
穂乃果凛花陽ことり「お、おー……?」
81: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:33:42.92 ID:FY1Tog730
希(出て行くとき海未ちゃん顔真っ赤やったな~)
絵里(途中までしか聞けなかったけど、嬉しいこと言ってくれるわね)
にこ(自分で言って自分で赤面するなんて………)
絵里希にこ(後輩がかわいい……)
真姫「……」クルクル
海未(うぅぅ~~……////////)タッタッタッ
海未(どうしてあのタイミングなのですか……!!!)
海未(穂乃果のおばかぁぁ!!!!!)
穂乃果「………?」ゾクッ
82: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:34:53.67 ID:FY1Tog730
凛「………ッ……」ピクッ
凛「えーっと……」キョロキョロ
花陽「どうしたの?」
凛「学校来る前少し足挫いちゃって……少し痛みが強くなって来たにゃ」
凛「テーピングある?」
花陽「あるよ~、はい!」
凛「ありがと~」
花陽「巻いたげるね」シュルル
凛「なんだか恥ずかしいにゃ……」
花陽「えっと……こうかな?」シュルッ
真姫「違うわ、そこの下を斜めに……」
花陽「……こう?」シュルッ
真姫「違う、まずそっちを巻いてから……」
花陽「こうか!」ギュッ
凛「っ……ぐ……!」
真姫「~~!!だからぁ~!!」
花陽「こうだぁ!!」ギュゥゥ!!
凛「ぎにゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
にこ「代わればいいのに……」
83: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:37:18.33 ID:FY1Tog730
ある日の部室
にこ「ちょ、ちょ、ちょっとこれ見て!!」
ガラララ!!
84: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:38:58.16 ID:FY1Tog730
穂乃果「にふぉふぁんほーひはほ?」もぐもぐ
真姫「相変わらず騒がしいわね……」ハムッ
希「ことりちゃんこれほんまに自分で作ったん?美味しいなぁ」パクッ
凛「これ名前なんていうんだっけ?」モシャモシャ
花陽「えーっとね……」ココマデデテル
ことり「ありがとう希ちゃん!マーマレードっていうの!」
海未「さすがことりですね」もぐもぐ
にこ「あら、美味しそうなの食べてるわね、私ももらうわ」
ことり「どうぞ~」
にこ「……!」ハムッ
にこ「悔しいけど………おいしい……!」
ことり「ありがと~!」
海未「これを食べたら練習ですからね、食べ過ぎないように!」ハムッ
穂乃果「ふぁ~い!」モゴモゴ
海未「……ッ…」ゴクン
海未「あなたに言ってるんです!!」
85: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:39:52.94 ID:FY1Tog730
海未「もう3個も食べてるではありませんか……」
穂乃果「いやでも……」ゴクン
海未「でもじゃありません!」ピリッ
海未「まったく……」パクッ
凛「ねえねえ、海未ちゃんいくつめだっけ……?」ヒソヒソ
希「たしか……」ゴクン
花陽「もう5個目だよぉ……」
凛「えげつないにゃ~……」
凛「あ、にこちゃんもう一ついっとく?」
にこ「もらうわ、ありがと」ピリッ
ハムッ
にこ「……おいしい」もぐもぐ
86: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:41:12.19 ID:FY1Tog730
花陽「そういえば今何時だろ……ケータイ忘れちゃって」モグッ
にこ「今は15時45分よ」ムグッ
花陽「ありがとにこちゃん」ゴクン
絵里「ところで……」ゴクン
絵里「にこは何を慌ててたの?」
にこ「……っ……!!」ハッ ポロッ
希「絶対忘れてたやん」
にこ「お、おお覚えてたに決まってるじゃない!」モグモグゴクン!
にこ「これを見なさいあんたら!」ピッ
花陽「こ、これは……!」ズイッ
花陽「私も毎日更新を確認してる高校サッカー協会フットボールフロンティア杯のブログ!!」
海未「何かあるのですか?」ズイッ
穂乃果「あ!音の木坂って書いてるよ!」
真姫(……見えない)ぴょんぴょん
にこ「読んであげるわ!」
にこ『大会初出場校ながら強豪校をバッタバッタとなぎ倒し、一躍優勝候補に名乗りを上げた無名校、音の木坂学院』
『なんと予選決勝ではあのUTX高校を逆転勝利で破り、本選へと駒を進めた』
『今大会のダークホースになることは間違いないだろう』
穂乃果「ほわ~……すごい書かれようだね……」
花陽「さらにコメントも沢山です!」
真姫(見えない……)ユラユラ
にこ「順番に読むわよ?」
87: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:43:39.91 ID:FY1Tog730
『マグレだろどうせww』
『今が一番楽しい時』
『本選ですぐに負けるに一票』
絵里「ふふ、ひどい言われようね」
凛「なんで嬉しそうなの?」
絵里「私たちが優勝したらこの人たちどんな顔するのかって想像するだけでワクワクしてくるわ」フフフ
真姫「あなた結構歪んでるわね……」
にこ「ここ!ここよ!」ツィー……
88: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:44:35.96 ID:FY1Tog730
『正部員9人でとか化け物かよ』
『あれ、後三人いなかったか?』
『助っ人的なポジションだって言ってたぞ』
『マネージャー兼選手みたいな感じか』
『にしてもよく勝ったよな』
『中学生助っ人が強かったんじゃね?』
『言っても決めたのはみんな部員だぞ?』
『キーパーも止めてるしな』
『やべぇ俺もいける気がして来た』
『この9人まとめてなんかないか?』
『神9!』
『お前ネーミングセンスどこで落としたんだよ』
『母ちゃんの腹のなか……かな』
『μ'sでどうだ』
『なんて意味?』
『9人の歌の女神とかそんな感じ』
『[音]の木坂とかけてんのかすげぇな』
『職人現る』
『なんてよむの?』
『ミューズだよバカ』
『みゅーずがんばれー!』
『てか写真見たかよ、全員顔面偏差値高すぎだろ』
『【速報】μ'sまじで女神だった』
『誰かやると思ったwww』
『燃えてきた』
『萌えると掛けたのか』
『いいんだよそんなところ深読みしなくて』
89: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 12:45:31.85 ID:FY1Tog730
穂乃果「おぉ……」
にこ「私たち、ネットで名前つけられるぐらい人気出てきてるってことよ!」
花陽「A- RISEみたいだね!」
凛「μ's……か」
希「雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんが入ってないね」
海未「……私は反対です」
海未「二人あっての音の木坂ですから」
穂乃果「ヒデコたちもね」
真姫「私も反対かしら」
にこ「そうね、もっと気の利いたのつけてくれればよかったのに」
花陽「でも、これで私たちを応援してくれる人がいるってわかったね!」
希「そういう人達がいるってだだけで嬉しいね」
穂乃果「よーし!バカにしてる人たちをギャフンと言わせるぞー!」
「おー!」
穂乃果「応援してる人たちの期待に応えるぞー!」
「おー!」
穂乃果「廃校救って優勝するぞーー!!」
「おーー!!」
90: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 17:46:00.49 ID:fMxQ2xy8O
練習
タッタッタッ
凛「はぁ……はぁ……」タッタッタッ
希「行かせんよ!」ザッ
凛「にゃぁ!!」クルッ バッ!
希「そんな動きあり!?」ガクッ
花陽「………ふっ!」ズザッ
亜里沙「うわぁ!」ガクッ
花陽「ドリブルの時一瞬足元が空いちゃうときあるからそこを気をつけて」
亜里沙「はい!」
海未「はぁ!!」ザザッ!
ことり「きゃぁ…!」ズザッ
真姫「?ぇぇ…!?」ガクッ
海未「二人とも簡単に抜かれすぎですよ!」
ことり「ひぃぃ~……!」
真姫「ディフェンスってあんまりしたことないのよね……」
海未「たるみすぎです!!」
「それじゃあこのにこにーが相手になるわよ?」ザッ
91: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 17:48:24.16 ID:fMxQ2xy8O
ガガッ!!
海未「…!?」ズズッ
にこ「ほらほら、どうしたのよ海未!」ガガッ!!
海未「…っく…!!」ズザザッ!
海未(ここまで懐に入られるとやりにくいですね……さすがにこです……)
海未(………が)
クルッ
にこ「んなっ!?」ガクッ
海未「もうひと押し欲しいですね」トッ
にこ「……っち、やるわね」
ことり「………ほぇー……」
真姫「……すごい……」
海未「……!」ハッ
海未「何ぼさっとしてるんですか!次はあなた達ですよ!」
ことり真姫「……はい」
ことり真姫(……レベルが違う……)
92: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 17:49:18.72 ID:fMxQ2xy8O
穂乃果「………みんな成長してるんだなぁ……」
ドキュッ!!
穂乃果「…………」ボーー……
「!?穂乃果!?」
穂乃果「……っへ?」クルッ
ドゴォ!!
穂乃果「ヘブチッ!!」
ドサッ
絵里「ちょ……大丈夫?」タッタッタッ
穂乃果「うぅ……だいじょばないぃ……」グズグズ
絵里「どうしてシュート練の時によそ見なんてするのよ……」
穂乃果「だってぇ……」
凛ママ「おーい!次のメニュー行くぞー!」
みんな「はーい!」
絵里「ほら、泣かないの」
穂乃果「ヴヴヴヴヴヴ…………」グズグズ
凛ママ「ちなみに今から本番な、今までのはウォーミングアップみたいなものだから」
みんな「え」
93: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 17:51:23.06 ID:fMxQ2xy8O
練習終わり
ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……
花陽ママ「皆さん明日はいよいよ試合ですね~!」
凛ママ「がんばれー!」
絵里「試合前に……はぁ、こんなにきつい練習……」ぜぇ……ぜぇ……
海未「明日……大丈夫でしょうか……」ハァ ハァ
穂乃果「もー!みんなどうしてそんなに弱気なの!」
穂乃果「ファイトだよ!」
穂乃果「…………はぁーー……」ガクッ
ことり「無理して強がるから……」はぁ…はぁ…
ことり「起きて~……!」ツンツン
真姫「水分は……とっときなさいよ……」フラフラ
凛「あ……あぁ……」ズズズッ
花陽「……ニンゲン……クウ……」ズズズッ
にこ「まずいわ、花陽が人間をやめかけてる……」ハァハァ
希「凛ちゃんも限界なんて珍しいね」ハァハァ
凛「秘密兵器の……特訓だにゃ…」ハァ
絵里「へー、なんて技なの?」
凛【かよちんロケット!】
穂乃果「おぉ……!カッコいい!」
凛「でもかよちんが怖がってなかなか進まないんだにゃ~」
花陽「あれは怖いよぉ……」
にこ「別にどんな技でもいいけど怪我だけはしないようにしなさいよ」
花陽「にこちゃんに私たちの技を授けます……!」
凛「【にこちゃんロケット】だにゃ!」
にこ「熨斗紙つけて送り返してやるわ」
94: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 17:52:21.89 ID:fMxQ2xy8O
放課後公園
絵里「っく……!」ハァハァ
真姫「はぁ……!!はぁ……!!」ぜぇぜぇ
絵里「真姫、大丈夫?少し休んで……」
真姫「もう一回よ!!」ゼェ……ゼェ……
絵里「真姫……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絵里「真姫、ちょっといいかしら」
真姫「どうしたの?」
絵里「私と……合わせ技をして欲しいの」
真姫「【ファイアトルネード】と【エターナルブリザード】を組み合わせるんじゃなくて、二人で一つの技ってことね」
絵里「手本はあるわ」
真姫「【ファイアブリザード】でしょ?」ニヤッ
絵里「ハラショー……!さすがね」
真姫「いいわ、早速明日から始めましょう」
真姫(【爆熱ストーム】はひとまずお蔵入りかしらね)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
95: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 17:54:12.21 ID:fMxQ2xy8O
真姫絵里「はぁぁぁぁ!!!」バッ
ブワァァァァ!! ブワァァァァ!!
真姫絵里【ファイアブリザード!】
ドキュゥゥゥ!!!!!
ゴォォォォォオ!!!!!
ゴォォォォォオ………
シュルルルルルル………
テンテンテン ………
真姫「………!」ギリッ
真姫(ママたちにできて、私たちにできないなんて……)
真姫「………っ」ジャリッ
絵里(真姫のストレスがかなり溜まってる……)
絵里(これ以上は明日の試合に支障が出るわね………)
絵里「今日はこの辺にしておきましょう」
真姫「……!で、でも……!」
絵里「真姫、私たちは優勝を目指してるの」
絵里「そのためには、目先の一戦を甘くみてはいけない」
真姫「………わかったわ」
絵里「ふふ、大丈~夫よ」ナデ…
真姫「……!」ビクッ
絵里「私だってこのままで終わる気なんてないんだから」ナデナデ
真姫「………ならいいけど」ナデナデ
真姫「………」ナデナデ
真姫「……!」ハッ
真姫「撫でないで!」
96: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 18:29:13.16 ID:fMxQ2xy8O
別の公園
凛「いにゃ!?」ドサッ
花陽「うぐぅ……!」ドサッ
凛「ご、ごめんかよちん!」スッ
花陽「ううん、大丈夫!」ガシッ
凛「……かよちん、ほんとは嫌じゃない?」グイッ
花陽「……私は、凛ちゃんと一緒にできるだけで楽しいよ」ニコッ
凛「かよちん……」
凛「……!メガネ落ちてるよ」ヨイショ
凛「はい、かよちん」スッ
花陽「ありがとう凛ちゃん」スチャッ
凛「………」
花陽「凛ちゃん?」
凛「あ、いや……!……えっとね」アワアワ
凛「真姫ちゃんと一緒にここで練習したなって」
花陽「あの技の?」
凛「うん!何回も何回も大変だったにゃ~!」
花陽「………」
「あら、ひどい言いようね」
凛「にゃ!?」クルッ
97: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 18:31:01.11 ID:fMxQ2xy8O
にこ「……手伝うわ、人手があったほうがいいでしょ?」
花陽「にこちゃん!」パァァ!
凛「にこちゃぁん!」ガバッ
にこ「んなぁぁぁ………!!」グググッ
花陽「ぁ………」
にこ「降りなさい」ペイッ
凛「うぐっ……!」ドサッ
にこ「さ、始めるわよ」
にこ「何回も何回も……ね」パチン
花陽「うん!」
凛「にゃーー!!!やるにゃー!!」ガバッ
ガラララララララ!!!!!
「ゴラァ!!誰だこんな時間に騒いでんのはぁ!!!」
凛「………にゃ~」
「………なんだ猫か……」
ピシャリ
凛「………やるにゃー!」ヒソッ
にこ花陽「おー!」ヒソッ
98: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 18:33:18.50 ID:fMxQ2xy8O
[2、本戦一回戦!忍者サッカー]
試合前バス停待ち合わせ
亜里沙「ふぁ~……」コシコシ
絵里「まだ少し眠い?」
亜里沙「うん、緊張して眠れなかった……」
にこ「で、あと来てないのは……」
海未「雪穂と穂乃果ですね」
海未「大方穂乃果が寝坊したんでしょう」はぁ……
ことり「早くしないとバスでちゃうよぉ~……」
ドタバタドタバタ!
穂乃果「ぎ、ギリギリセーフ!!!」ズザザザ!
雪穂「アウトだよ……ゲホッ、ほんとすみません……」ハァハァ
穂乃果「……!ハンカチ忘れた……」
雪穂「ちゃんとあるよ、はい、ティッシュも」スッ
穂乃果「ありがとう雪穂~!」ギュッ
雪穂「次からは気をつけてよね」ヤレヤレ
海未「どちらが姉かわかりませんね……」
絵里「まったく……リーダーが遅刻なんて……」
穂乃果「ぅ……ぅえりちゃぁん……ギリギリ間に合ったから……ね?」
穂乃果「少し大目に……」
凛「10分前集合は基本だって言ってなかったかにゃ?」ニヤニヤ
穂乃果「気にしなくていいよ、凛ちゃん」
凛「自分で言うことじゃないにゃぁ!!」
ヒデコ「おーい!穂ー乃果ー!!」ブンブン
フミコ「こっちだよ~!」
海未「では行きましょうか」ヨイショ
ミカ「μ's御一行ご案な~い!」
一同「………ん?」
試合前バス停待ち合わせ
亜里沙「ふぁ~……」コシコシ
絵里「まだ少し眠い?」
亜里沙「うん、緊張して眠れなかった……」
にこ「で、あと来てないのは……」
海未「雪穂と穂乃果ですね」
海未「大方穂乃果が寝坊したんでしょう」はぁ……
ことり「早くしないとバスでちゃうよぉ~……」
ドタバタドタバタ!
穂乃果「ぎ、ギリギリセーフ!!!」ズザザザ!
雪穂「アウトだよ……ゲホッ、ほんとすみません……」ハァハァ
穂乃果「……!ハンカチ忘れた……」
雪穂「ちゃんとあるよ、はい、ティッシュも」スッ
穂乃果「ありがとう雪穂~!」ギュッ
雪穂「次からは気をつけてよね」ヤレヤレ
海未「どちらが姉かわかりませんね……」
絵里「まったく……リーダーが遅刻なんて……」
穂乃果「ぅ……ぅえりちゃぁん……ギリギリ間に合ったから……ね?」
穂乃果「少し大目に……」
凛「10分前集合は基本だって言ってなかったかにゃ?」ニヤニヤ
穂乃果「気にしなくていいよ、凛ちゃん」
凛「自分で言うことじゃないにゃぁ!!」
ヒデコ「おーい!穂ー乃果ー!!」ブンブン
フミコ「こっちだよ~!」
海未「では行きましょうか」ヨイショ
ミカ「μ's御一行ご案な~い!」
一同「………ん?」
99: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 18:36:00.86 ID:fMxQ2xy8O
穂乃果「ちょ、ちょっと待って…?」
穂乃果「知ってたの!?」
ヒデコ「ふっふっふ、我らの情報網を甘く見てもらっちゃ困るよ」ドヤッ
ヒデコ「この……」
ザザザッ
ヒデコ「助っ人五人衆をね!」
亜里沙雪穂 フンス…!
絵里「亜里沙……」ハァ
穂乃果「で、でも……!μ'sは9人って……」
穂乃果「私たちは……この14人のメンバーが私たちで」
ヒデコ「とか考えてるんだろうなってみんなで話したんだよ……」
ヒデコ「………穂乃果」
ヒデコ「私たちは助っ人だよ」
フミコ「そう、いわば脇役、サポート係」
ミカ「メインの穂乃果たちが目立たなくてどうするのさ!」
雪穂「みなさんが……μ'sがどこまでいくのか見てみたい」
亜里沙「私たちは、少しでも走りやすくなる手助けができればそれでいい!」
穂乃果「みんな……」
ヒデコ「せっかく吹いてる追い風を止めるなんて真似、絶対しちゃダメだよ」
穂乃果「……わかった」
海未「穂乃果……!」
穂乃果「ただし!」
穂乃果「気持ちはみんな一緒だからね」
ヒデコ「……うん」ニコッ
100: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 18:37:00.11 ID:fMxQ2xy8O
にこ「……」
にこ「なんていうか私たちって………周りに助けられて活動してんのね」
希「おぉ……!にこっちらしからぬ発言……!!」
にこ「たまにはいいでしょ?こういうのも」
希「自覚はあったんやね」
にこ「はっ倒すわよあんた」
凛「μ'sか~……!」
花陽「実はちょっと気に入ってたり……なかったり…
…」
真姫「これだけ励まされちゃやるしかないでしょー?」
穂乃果「よーし!今日の試合、絶対勝つぞー!」
「おーー!!」
監督「お前ら早くしろぉ!!!バスが来てる!!」
ブロロロロロ!!!
穂乃果「や、やばっ…!」
穂乃果「急げー!」ダッ!
海未「あ、こらっ…!シューズ忘れてます!」
ことり「水筒もだよぉ~…」
にこ「急ぐわよあんたら!」グイッ
真姫「にこちゃんそれ私の荷物!」
真姫「にこちゃんのはこっちよ!」スッ
希「真姫ちゃんそれウチの!!」
花陽「あれ……!?財布どこしまったっけ!?」ガサゴソ
凛「今かよちんが手に持ってるにゃぁ!!」
絵里「ウイダー忘れた……」ゴーン
101: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 18:38:00.10 ID:fMxQ2xy8O
ヒデコ「……こんなんで大丈夫かなぁ……」
ミカ「もしこれで今日負けたら……」
フミコ「今の一連の流れ……」
(((恥ずかしいよね……)))
監督「はぁ……」
102: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:20:35.47 ID:fMxQ2xy8O
戦国伊賀島 グラウンド
海未「んーっ………!」ノビー
絵里「疲れがイマイチ抜けてないわね……」グイグイ
凛「にゃー!試合だにゃー!」ピョンピョン
真姫「どうしてそんなに元気なのよ……」はぁ……
花陽「ずっと練習ばっかりだったから嬉しいんだと思うよ」
花陽「あ、凛ちゃんこれ……」スッ
凛「絆創膏?」
花陽「凛ちゃん今日歩き方違和感あったから……」
花陽「足少し擦りむいてるでしょ?」
凛「あ、ありがと……」
花陽「ちゃんとケアしないと跡残っちゃうよ?」スリスリ
花陽「せっかく綺麗なんだから」ニコッ スリスリ
凛(見えないとこの怪我なのに……)
花陽「?」スリスリ
凛「って、撫ですぎにゃぁ!」
雪穂「亜里沙、頑張ろうね!」
亜里沙「もちろん!」
絵里「あんまり気負いすぎないようにね」
希「今日の相手は忍者かぁ~」
にこ「UTXに比べたら可愛いもんよ」
テクテクテク
審判「音の木坂、アップを始めてください」
ことり「は~い!」
103: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:22:51.96 ID:fMxQ2xy8O
ドッ トッ ドキュゥ! バシッ
凛「ほっ!」ドッ
花陽「よっ……と」トッ
花陽「んっ…!」ドッ
ポーン…
凛「にゃ!?」
花陽「あ、凛ちゃんごめ……」
シュバッ!
トッ
スタン……
凛「あ、ありがとうございます……」
「………」
凛「えっと……まだ何か?」
「絢瀬絵里か西木野真姫と勝負がしたい」
凛「え、えーっと……?」
凛(見ればわかる……)
凛(やばいやつだにゃー……!!)ゴーン
タッタッタッ
にこ「どうしたの?」
凛「この人が絵里ちゃんか真姫ちゃんと勝負がしたいんだって」
にこ「はぁ?……はいはい、とっとと帰りなさい、今ならなかったことにしてあげるから」
「はぁ……」
「負けるのが怖いのか?飛んだ腰抜け集団だな」
凛「そんなわかりやすい挑発に乗る人なんていな……」
104: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:26:02.66 ID:fMxQ2xy8O
にこ「はぁぁん??いいわ、やってやろうじゃない……!!」
凛「にこちゃんは平常運転だね……」トホホ…
にこ「で、あんた名前は?」
「お前に名乗るなはない」ババーン
にこ「……いい度胸してるじゃない」ピクピク…!
凛「にこちゃんの血管が持ちますように」
「じゃあ二人のうちどっちを……」
にこ「花陽よ」
………………
「……ん?」
凛「へ?」
にこ「花陽ー!出番よー!」
花陽「え?え?」タッタッタッ
にこ「あんた、こいつと勝負しなさい」
花陽「……まじですか……」
にこ「大マジよ」
「お、おい…!話が違うだろ!」
にこ「はぁぁん??あんたの要求飲んでやったんだから人ぐらいこっちで選ばせなさいよ」
「で、でも……」
にこ「はぁぁぁんんん???」
「………」
凛「あれアイドル志望の顔じゃないよね?」
花陽「凛ちゃんシーー……!!」アワアワ
105: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:27:49.80 ID:fMxQ2xy8O
海未「まったく、何をしているのかと思えば……」
真姫「……どっちが勝つと思う?」
凛「カヨちんにラーメン一杯にゃ!」
希「うちも花陽ちゃんにお米一粒!」
ことり「もう少し奮発してあげようよぉ~……」
希「米俵一俵!」
ことり「やりすぎだよぉ……」
雪穂「花陽さーん!がんばれー!」
「ルールは簡単だ」
「ドリブルで向こうのラインまで走って行って、Uターンして返ってくる、いいな?」
花陽「は、はい……」
にこ「じゃいくわよ?」
にこ「位置について……」
ジャリッ
にこ「よーい……」
グッ
にこ「……ふ……」ムズッ……
106: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:28:31.18 ID:fMxQ2xy8O
にこ「フェックシュン!!」
ダッ!
にこ「ちょ、ちがっ……ああもう!」
希「あっはははは!!!」
にこ「うるっさいのよあんた!」
希「あはははは!!!斬新すぎやんにこっち!」
ことり「ふふ……ふふふ……!」プルプル
穂乃果「ナイスくしゃみだよ!にこちゃん!」
亜里沙「ハラショーです!」
にこ「うるさい!!」
107: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:30:36.02 ID:fMxQ2xy8O
花陽「………なんか盛り上がってますね」タッタッタッ
「そうだな」
花陽(ここでUターン……)
クルッ クルッ
絵里「ここまでは互角ね」
穂乃果「がんばれー!花陽ちゃーん!」
霧隠(こいつ……遅くはないが特別速いわけじゃない……)
(ハズレをつかまされたか……)
「………ッチ」
花陽「ヒッ……!」ビクッ
(こうなったらぶっちぎって勝ってやる……!)
グンッ!!
花陽(……!格段にスピードが上がった…!)
花陽(……私だって!)グッ
グンッ
「……その程度か……」
「がっかりだ」ダッ!
花陽(追い……つけない…!!)タッタッタッ
フッ
108: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:32:33.38 ID:fMxQ2xy8O
シュバッ
「なっ……!」
花陽「だ、誰!?」
「……勝手なことをするな」
「試合前に……」
「……邪魔するな」
風磨「戻るぞ霧隠」
初鳥「すまなかった」ペコッ
霧隠「……ちっ」
ドロンッ!
花陽「え?……は、はい……」キョトン
109: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:34:31.66 ID:fMxQ2xy8O
花陽「……」トボトボ
にこ「お疲れ花陽」
希「お疲れさん、花陽ちゃん!」
海未「まったく……試合前にわざわざ疲れることをするなんて……」
花陽「ご、ごめんなさい」ショボン
審判「音の木坂ー!整列してください」
絵里「さ、行きましょう」
穂乃果「みんなー!絶対勝つよー!」
一同「おーー!!!!」
110: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:36:56.15 ID:fMxQ2xy8O
花陽「ねえにこちゃん……」
にこ「どうしたの?」
花陽「どうして……花陽を出したの?」
花陽「絵里ちゃんと真姫ちゃんが疲れないため?」
にこ「……あんた」
にこ「自分が捨て駒に使われたと思ってるの?」
花陽「………」コクリ
にこ「……はぁー…」ポリポリ
にこ「いや、説明しなかったにこが悪いわね」
花陽「?」
にこ「……向こうのエース、どうだった?」
花陽「………?」
にこ「あんたが一番得意でしょうが、情報収集」
花陽「……!は、はい!」
花陽「スピードは凛ちゃんと同じかそれ以上、近くで見た感じフィジカルはそんなに強くなく負けず嫌い」
花陽「あとは細かい癖が少々……」
にこ「ふふ、さすが花陽ね」
花陽「にこちゃん……」
111: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:38:33.13 ID:fMxQ2xy8O
凛「二人で何いちゃいちゃしてるにゃーー!!」
真姫「もう………整列よ?」クルクル
にこ「はいはいただいま~」スタスタ
花陽「ま、まってぇ~!」タッタッタッ
角間母(以後角間)「始まりましたフットボールフロンティア本選第一回戦!!」
角間「一体どちらのチームが次の対決へと駒を進めるのでしょうかぁ!!」
FW
絵里、真姫
MF
海未、希、にこ、ことり
DF
雪穂、亜里沙、花陽、凛
GK
穂乃果
角間「なぁんとぉ!!UTXの助っ人、絢瀬亜里沙が音の木坂の助っ人へと移りました!!」
角間「これからの活躍に期待です!!」
ピーーーーーーー!
角間「今、試合開始のホイッスルが鳴らされました!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
112: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:41:18.09 ID:fMxQ2xy8O
予選決勝次の日
ウィーーン
ゾロゾロゾロ
ツバサ「……なにか御用でしょうか?」
監督「……何かじゃないだろう?」
ツバサ「音の木坂に敗北したことでしたら本戦で………」
監督「俺は決勝で……」
監督「音の木坂を潰せと言ったはずだ」
ツバサ「……」
監督「それができないなら手足をもがれてでも勝てと……」
ツバサ「……はい」
監督「よくわからん助っ人も入れて結局負けるとはな……」
ツバサ「………」イラァ
監督「………」フゥ……
監督「………お前たちはもういい」
一同「……!!」
ツバサ「………用済みということですか」
監督「その通りだ」
113: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:43:43.58 ID:fMxQ2xy8O
MF2「~~~!!」
MF2「ふざけんな!!」ガンッ!
DF2「……やめーや」スッ
MF2「なんで止め……!」
DF2 ……
MF2「……っ…」
あんじゅ「今のメンバーより強い子達なんているの?」クルクル
エレナ「……考えられないな」
監督「……それはこちらで判断する」
MF1「いないのでしょう?」
MF3「いるわけないっすよね」
MF3「今から新しい子を入部させようとしても規定で出場はできないっす」
MF3「残りのメンバーでは音の木坂には勝てない」
MF3「手詰まりっすよ、監督」
DF1「自分のいうこと聞く駒が反抗的になったらやめさせるとか……」
DF1「バ~~~ッカじゃないの?」
GK「……!!……!~~!」
あんじゅ(隣からものすごくか細い声が聞こえる……)
監督「貴様ら……」ガタッ
ツカツカツカ
スッ
ツバサ「………」
監督「……誰に向かってそんな口を聞いている?」
ツバサ「あなたですよ、監督」
監督「……いいだろう、貴様ら全員……」
「はーい、ちょっとそこまで」
114: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:47:07.84 ID:fMxQ2xy8O
一同「……!?」バッ
「ここからは私が仕切らせてもらうよ」
ツバサ(いつの間に部屋に……)
あんじゅ(ドア……開かなかったんだけど……)
エレナ(……気配すらしなかった……)
(まるで……)
115: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:48:20.96 ID:fMxQ2xy8O
(突然現れたようだ………)
GKDF1「……」フルッ……
あんじゅMF2「……」スッ マエニタツ
GKDF1「……!」ギュッ スソツカミ
監督「貴様……誰の部屋に無断で入っていると思っているんだ?」
「え?えーっと……」
「私?」
監督「俺の部屋だ!!」
「?だってここ、UTX高校サッカー部の監督の部屋でしょ?」
監督「だから俺の……」
「私が監督になったから」
監督「………は?」
「みんなにも自己紹介しないとね」
コホン
116: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:49:51.04 ID:fMxQ2xy8O
「今日から監督になることになりました!よろしくね!」
一同「………」
「あれ……何か間違った?」
監督「間違いだらけだ!!」
監督「なん……なんだ?」
DF1「ぷぷ、監督テンパってる……」
MF2「やめとけバカ」
「ちゃんと理事長から許可ももらってるよ」ピラッ
監督「なっ……!」
「自分がうまくチームをまとめられないからってこの子たちに当たるのはちょっとお門違いなんじゃないかなぁ」
「このチームはまだまだ強くなる、あなたがいなければね」
「さっさと出て行きなって」
監督「………!!」ダッ
ガンッ
監督「っぐ……!」ヨロッ
ウィーーン
タッタッタッ………
117: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:54:11.19 ID:fMxQ2xy8O
「………さて、何か質問はある?」
ツバサ「なにから聞けばいいかわかりませんが……」
ツバサ「私はまだあなたを信用したわけじゃありません」
「……それでもいいよ」
エレナ「私たちはこのまま試合に出て良いんだな?」
「うん!決勝で音の木坂と戦ってもらわないと!」
あんじゅ「随分具体的ですね?」クルクル
「それが私の目的だからね」
DF1「はいはーい!名前教えてください!」
「じゃあ……おねーさんって呼んでね!」
MF1「……お名前は」
「おねーさんで」
DF2「やから名前……」
「おねーさんだよ」
MF3「必死っすね……」
お姉さん「高校生の君たちが眩しいんだよぉ……お姉さんでいさせてよ……」
MF3「なんか悲しい話になってきたっすね」
お姉さん「ま、まあそれは良いとして……」コホン
お姉さん「君たちに特別メニューを授けるよ」
一同「?」
118: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:55:21.08 ID:fMxQ2xy8O
お姉さん「一回戦勝ったらね」
ズコー!
DF1「今でいいじゃん!」
MF1「もったいぶりますね……」
お姉さん「さ、みんな!今日は帰った帰った!」
マーオオゴトニナラナクテヨカッタナー
ジュウブンナッテルトオモウケド
…….ソレモソウデスネ
お姉さん「あなたは帰らなくていいの?」
ツバサ「いえ……」テクテク
ピタッ
ツバサ「勘違いでしたらすみませんが……」
ツバサ「……どこかで会いましたか?」
お姉さん「……いや?」
ツバサ「……そうですか」テクテク
ウィーーン
ツバサ「……今日はありがとうございました」ペコリ
ウィーーン
お姉さん「………」ッ…ハァーーー……
お姉さん「ツバサさん勘鋭すぎでしょ……」フゥ……
お姉さん(私ですら怪しまれるなんて……)
119: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 22:57:38.45 ID:fMxQ2xy8O
戦国伊賀島vs音の木坂、試合会場
ワァァァァァァァァァァ!!!!
角間「………」
角間「後半もいよいよ大詰めを迎えておりますが…………」
角間「これは一体どういうことでしょうかぁ!!」
にこ「想像以上……ね」ハァ…ハァ…
海未「これほどとは……」ハァ…ハァ…
0-3
花陽「はぁ……はぁ……」ハァ…ハァ…
霧隠「…………」
霧隠「………」ギリッ
戦国伊賀島0-3音の木坂
角間「残り時間わずか、ここまで危なげなく進めているぞ音の木坂ぁ!!」
120: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 23:00:39.40 ID:fMxQ2xy8O
初鳥「霧隠!」ドッ
霧隠「ああ…!!」トッ
花陽 ザッ
霧隠「……!」ビクッ
霧隠(またこいつ……)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
花陽【ディフェンス方程式!】
シュバッ!
霧隠「……くそ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
霧隠「ッ……邪魔なんだよ!!」バッ
霧隠「伊賀島流忍法……」
121: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 23:01:38.17 ID:fMxQ2xy8O
霧隠【ざんぞう!】ブゥン
花陽「……はぁ、はぁ」ダッ!
霧隠「っ……!よしっ!」タッタッタッ
霧隠「うぶっ……!?」
ググググ……!ブワァ!
霧隠「ぐっ……!」ドサッ
テンテンテン……
雪穂【ハンターズネット】トッ
角間「またもや止めたぁぁ!!未だ一度もディフェンスラインを突破されていない音の木坂!!一体何が起こっているんだぁ!?」
海未「やはり今……」
にこ「ええ、花陽が意図的に相手を抜かしてコースを限定させていた」
希「そこにあらかじめ罠を張った……と」
海未「花陽がいるだけでここまで守備のレベルが上がるんですね……」
ことり「かよちゃんすごい!」
雪穂「希さん!」ドッ
希「ほいほ~い!」トッ
石川「せめて追加点は……!」バッ
希「ふふ……」ニコニコ
石川「ッ……!……笑うな!!」
122: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 23:05:04.09 ID:fMxQ2xy8O
石川【しこふみ!!】ドォッ!!
グラグラグラ!!
希「……もっと強いの知ってるからなぁ……」グラグラ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
DF2【スーパーしこふみ!】
ドゴォォォォォォォ!!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
希「ごめんね」ダッ
石川「くそ……!!」
希「えりち!」
絵里「ええ!」タッタッタッ
高坂「いかせるか!!」バッ
123: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 23:05:40.59 ID:fMxQ2xy8O
高坂【かげぬい!!】
絵里「きゃぁ!」ドサッ
テンテンテン……
高坂「初鳥!」ドッ
初鳥「霧隠!」ドッ
霧隠「……ああ!!」トッ
角間「おおっと!!先ほどとは反対のサイドから展開するつもりだ!!」
亜里沙「はぁ!」バッ
霧隠「ふん……!」クルッ
亜里沙(甘い…!)ジャリッ
霧隠「っ……ちっ…!」ピタッ
霧隠(うざったい)ジロッ
花陽「………!」ハッ
124: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 23:06:50.03 ID:fMxQ2xy8O
花陽(あの目……さっきまでと違う……危険な感じ……)
霧隠 スゥー……
花陽(あの動作……事故に見せかけての肘打ち……?)
亜里沙(いける!)バッ
花陽(亜里沙ちゃんは気づいてない…)
花陽「どうしよう……!」キョロキョロ
凛「………にゃ?」キョトン
花陽(ッ……もうやるしかない!)
花陽「凛ちゃん!」
凛「な、なに!?」
花陽「花陽を亜里沙ちゃんのところまで飛ばして!」
凛「え……?い、今?」
花陽「今!」
凛「で、でも……!」アタフタ
花陽「いくよ凛ちゃん!」バッ
凛「~~!よく分からないけど分かったにゃ!」バッ
花陽「ほっ!」バッ
ググググ!!!
125: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 23:10:04.83 ID:fMxQ2xy8O
花陽(あ、待って、めちゃめちゃ怖い)
花陽「り、凛ちゃん、そんなに全力じゃなくても……」
凛【かよちんロケットォォォ!!!!】グンッ!
花陽「ダ……」
花陽「ダレカタスケテー!!!」ピューン!
霧隠(このまま自然に……)グワッ!
「ダレカタスケテー!」
霧隠「……ん?」
花陽「亜里沙ちゃぁん!!」ガバッ
亜里沙「うわぁぁ!!」ガシッ
ゴロゴロゴロ!!
霧隠「っ……!」ブンッ
亜里沙「……!」ゴロゴロ!
亜里沙(今の動き……)
霧隠「……!」ハッ
霧隠「俺……今……」
霧隠(何しようとしたんだ……?)チラッ
亜里沙「………」
霧隠「ッ……」ダッ
角間「霧隠がついにディフェンスを突破したぁ!!」
126: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 23:13:58.92 ID:fMxQ2xy8O
霧隠【つちだるま!】ドキュッ
ゴロゴロゴロ!!バキィン!!
ゴォォォォォオ!!!!
穂乃果 バッ
ゴォォォォォオ!!!!
穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】
ギュルルルルル!!!!
ドシュルルルルル……!!
穂乃果「………?」
ピッピッピーーーーーーーーーー
角間「ここで試合終了!!勝ったのは音の木坂だぁ!!!」
ありがとうございましたぁ!!
127: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 23:15:10.98 ID:fMxQ2xy8O
穂乃果「………」グーパーグーパー
ヒデコ「一回戦突破おめでとー!」
穂乃果「…!う、うん!やったよ!」
絵里「疲れは残ってたけど思ってたより動けたわね」
凛「それよりなんでかよちんは亜里沙ちゃんに突っ込んで行ったの?」
ことり「すごく飛んでたね」
花陽「それは……その…」
亜里沙「……?」
亜里沙(どうして言わないんだろう……)
海未「……まあ良いではありませんか、だれも怪我がなくて良かったです……ね?」パチッ
花陽「……!う、うん!」
128: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 23:16:30.92 ID:fMxQ2xy8O
「……その……」
花陽「あなた……!」
凛「………どうして大きなたんこぶ二つもつけてるの?」
風魔「こいつがラフプレーしようとしてたからな」
初鳥「ほら、ちゃんと謝れ」グイッ
霧隠「……すまなかっ……」
ゴチンッ!!
霧隠「ッ…!!ほ、本当にすみませんでしたぁ!!」土下座 ポロポロ
花陽「なんであんなことしたんですか?」
霧隠「つい……かっとなって……」
霧隠「止めてくれて助かった、ありがとう」ペコリ
にこ「そーよ、花陽に感謝しなさい」
絵里「大事にならなくて良かったわ」
海未「またサッカーしましょう」
花陽「みんな……気づいてたの?」
真姫「もちろん」クルクル
ことり穂乃果凛(気づかなかった……)
霧隠「次の試合……俺たちの分も頼んだ」
風魔「勝ってくれよ」
初鳥「よろしくたのむ」
ザッザッザッザッ
129: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 23:17:45.28 ID:fMxQ2xy8O
雪穂「ぅ~~……!!」ググーッ……
穂乃果「疲れた?雪穂」
雪穂「おねーちゃんはほとんど動いてないから疲れてないのか……」ジトー
穂乃果「今日はみんながすごかったからね!」ドヤッ
雪穂「頼むよ?おねーちゃんは最後の砦なんだから」
穂乃果「うん!まかせて!」ドンッ
雪穂「はぁ……帰ったらすぐ寝れそう……」
穂乃果「みんなー!雷雷軒いく?」
「…………」
穂乃果「あれ?どうしたの?」
絵里「穂乃果……私たちね…」
花陽「もう……限界です……」
雪穂「みんな疲れてるんだよ……」
監督「………今日は解散だな」
穂乃果「そっかぁ……じゃあみんなの荷物持つよ!頑張ってくれたお礼に!」
海未「それじゃあお言葉に甘えて………」ドサッ
絵里「ええ……」ドサッ
にこ「落とすんじゃないわよ」ドサッ
ドサッドサッドサッドサッドサッドサッ
穂乃果「お、多くない?」
ヒフミ「私たちもー!」ドサッドサッドサッ
穂乃果「むしろ手伝って欲しいんだけど!!」ゴーン
130: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 23:19:07.22 ID:fMxQ2xy8O
夕方鉄塔
穂乃果「ふーっ……重たかったなぁ」ザッ
穂乃果「みんな本当に持たせるんだもん……」ムゥ……
穂乃果「流石にヒデコ達は手伝ってくれたけど」フゥ…
穂乃果「………さて、やりますか」
グッ
ブンッ!
フワァ
………ゴォォォォォオ!!!
穂乃果「……っ!」グッ
ズザザザザザ!!!!!
穂乃果「………」ピタッ
穂乃果(……いや、考えたくないけど違和感がずっと頭から拭えない……)
穂乃果(認めたくない、そう思いたくないけど……)
穂乃果「………まさか」
131: ◆7NyoAqShyg 2019/04/09(火) 23:19:56.15 ID:fMxQ2xy8O
穂乃果「穂乃果そんなに強くなれてない?」
133: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 00:13:33.25 ID:NvquJAlAO
[3、心残り?]
凛希「はぁぁぁ!!!」バッ
凛希【たつまきおとし!】
ドゴォォォォォォォ!!!!!
ドシュルルルルル………!!!
真姫「次はこっちよ!」グッ
凛「うん!」グッ
ダンッ! ダンッ!
グルグルグル グルグルグル
ドキュッ!!
真姫凛【ファイアトルネードDD!】
ドゴォォォォォォォ!!
ドシュルルルルル………!!
凛希「はぁぁぁ!!!」バッ
凛希【たつまきおとし!】
ドゴォォォォォォォ!!!!!
ドシュルルルルル………!!!
真姫「次はこっちよ!」グッ
凛「うん!」グッ
ダンッ! ダンッ!
グルグルグル グルグルグル
ドキュッ!!
真姫凛【ファイアトルネードDD!】
ドゴォォォォォォォ!!
ドシュルルルルル………!!
134: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 00:14:58.37 ID:NvquJAlAO
凛「………はぁ~……」ドサッ
真姫「ちょっと凛、砂だらけになるわよ?」
海未「3人ともいい感じですね」
希「そうやろうそうやろう」ドヤッ
海未「すごくいい顔ですね、拳をめり込ませたくなります」
希「ひど……!?」ゴーン
希「あ、真姫ちゃんウチのベットボトルとって~」
真姫「えーっと……これ?」
希「ありがとう~」キュッキュッ
希「~~♪」ゴクッ
凛「そういえば海………」
希「ーーー!!」ブフゥーー!!!
真姫「な、なにしてるのよ希!!」
凛「にゃぁぁ………」びっしょり
希「うぇぇ……なんでキャラメルの味するん?」ウルウル
真姫「はぁ?自分のペットボトルなんだから自分が買ったんじゃ……」
凛「………」ポタポタ
海未「………凛」
135: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 00:15:42.76 ID:NvquJAlAO
凛「い、いや…!凛のせいじゃないよ!?」キョロキョロ
真姫「……目泳ぎすぎよ」
海未「りぃ~~ん~~??」ゴゴゴゴ!
凛「はぃぃ!!すみませんでしたぁ!!」
希「一体どうやって……ってあれ?」
希「これウチのペットボトルじゃないやん」
真姫「希はいつもそれ飲んでなかった?」
希「ラベルは似てるんやけど少し違うかなぁ……」
凛「ま、間違って飲んだら面白いな~って思って……ね?」あはは……
希「わざわざ買ってきたんやねぇ……」ユラァ…
凛「の、希ちゃん!笑顔だよほら!にっこにっこにー!」
希「………」
凛「………」
希「にっしっしっしっし!」ニンマリ
凛「おぉぅ……」
海未「あれほど邪にまみれた笑顔は初めて見ました」
真姫「休憩行ってるわね」スタスタ
海未「私も行きます」スタスタ
136: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 00:16:33.71 ID:NvquJAlAO
希「……んぉ」ピタッ
凛「?」
希「………まず顔洗ってきて」
凛「?……そっか!」
凛「今凛はキャラメルまみれだから…」
凛「ほっほ~ん!」ピーン!
凛「ふふふ」ジリジリ
希「り、凛ちゃん?」タジッ……
凛「ふっふっふっ」
希「…………」ダラダラ
凛「ワシワシMAXだにゃー!!」ガバッ
希「いやぁぁぁぁ!!!!」ダダダダッ!!
137: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 21:35:25.36 ID:NvquJAlAO
にこ「あいつらなにしてんの?」
花陽「さ、さぁ…」
穂乃果「おでん缶うまし」モグモグ
絵里「もはや持参する域にまで達してしまったのね」
ことり「キンキンに冷えてるんだって」
真姫「それ言いたいだけでしょ?」クルクル
穂乃果「キンキンに冷えてやがる!!」
海未「わかりましたから黙っててください」
138: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 21:36:34.46 ID:NvquJAlAO
凛「ぅ~……まだベタベタが取れないにゃ~…」バシャバシャ
希「服は着替えるとして髪はな~」バシャバシャ
凛「希ちゃんのせいだにゃ」
希「ワシワシ?」
凛「聞き間違えがヒドイ」
凛「んっ……!」ブルブル!
希「冷たっ!」
凛「よし!これで大丈夫にゃ!」
希「じゃあウチらも休憩しに……」
「あ、もしかして星空さん?」
凛「ん?」クルッ
「あー!やっぱり!今ちょっといい?」
凛「ぁ………」チラッ
希「?」
「お、希ちゃんもいる!」
希「やほ~」フリフリ
「いいかな?」
凛「は、はい、少しだけなら……」
「よかったー!こっちきて!こっち!」
希「えーっと??」
凛「さ、先みんなのとこ行ってて!」タッタッタッ
希「ちょ、凛ちゃん!?」
凛「すぐ戻るから!」タッタッタッ
「ちょっと後輩借りてくね!」
希「……も~……」
139: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 21:38:03.74 ID:NvquJAlAO
陸上部グラウンド
「みんなー!連れてきたよ!」
部員A「あー、その子がこの前言ってた凛ちゃんですか?部長」
部長「そう!」ドヤッ
部員B「なんでドヤ顔なんですかー……?」
凛「えっと……部長?どうして凛……」
部長「ちょっとだけウチの部員のために力を貸してくれないかな」
凛「??」
140: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 21:39:50.85 ID:NvquJAlAO
絵里「ちょっとー、休憩は10分よ?」
穂乃果「これだけポカポカ陽気だと……眠くなっちゃうね~」スヤスヤ
花陽「寝てる!?」
ことり「おきてー…!」ツンツン
にこ「あれ、凛は?」
海未「まだきていないのですか?」
真姫「どこ行ったのよまったく…」はぁ……
希「……ウチが呼んでくる!」タッタッタッ
絵里「あ、ちょ……希!」
絵里「行っちゃった……」
海未「先ほどのことで喧嘩でもしたんでしょうか」
真姫「もしそうだとしたら世界一どうでもいい喧嘩の理由ランキング1位ね」
海未「では2位は……」
141: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 21:40:53.35 ID:NvquJAlAO
海未「この間、にこが真姫の肩をトントンして真姫が振り返ったところをほっぺをプニっとされてしまったことで数日間にことほとんど口をきなかったあれですかね」
真姫「あれはにこちゃんが悪いのよ」
にこ「あの後膝げりからのバックドロップ食らわしといてよく言うわ」
真姫「………知らない」プイッ
にこ「……ちょっと真姫」ポン
真姫「なに……」クルッ
プニッ
にこ「……」
真姫「……」
にこ「……」…フッ
真姫「せいっ!!」ドゴォ!!
にこ「おぐっ……!?」ゴフッ…!
真姫「はぁぁぁ!!!」グワッ!
にこ「いやぁぁぁ!!」ブワァ……!
ボゴォォ……!!
真姫「……ふぅ」パンパン
にこ「に……ごぉ……」ピクピク
海未「今人体からしてはいけない音が鳴ったのですが……」ホゴォッテナリマシタヨ
真姫「さあね」
凛ママ「よーし、休憩終わり!行くぞー!」
「おー!!」
にこ「……ぉ……おぉぉ……」ガクガク
142: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 21:43:33.08 ID:NvquJAlAO
希「えーっと……確か凛ちゃんはこっちの方に……」
ザワザワ
希「?……何か騒がしい?」
「ねえあの子すごく速いね」
「陸上部にあんな子いたっけ?」
「可愛いしねぇ~!」
「わかる~!」
希「………まさか」タッタッタッ
143: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 21:45:46.26 ID:NvquJAlAO
凛「ッ…ゴー……ル……!」ダダッ!
部長「ぬわー!負けた!」タッタッタッ
部員A.B「おおー……やっばマジ速い」ダダダッ
凛「はぁ……はぁ……」
部長「すごいね……記録だけなら全国トップレベルだよ」
凛「そ、そうですか?」はぁ……はぁ…
部員A「もったいないねー」
部員B「サッカー部次二回戦だっけ?」
凛「はい!みんなで頑張ってます!」
部長「陸上部来てくれると思ってたのにな~」チラッ
凛「ご、ごめんなさい!」
部員A「ちょっと、それはダメですよ」
部長「わかってるよー」ムゥ…!
部長「でもサッカーが嫌になったらいつでも……」
「ウチの部員引き抜こうとするのやめてや~」ザッザッ
144: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 21:46:35.39 ID:NvquJAlAO
凛「希ちゃん!」
部長「やだなぁ~、冗談だよ、冗談!」
希「ほんまに~?」ジトー…
部長「ほんとだよ!この目に誓って!」キラキラ
希「……」
希「……」チラッ
部員AB「……」キラキラ
希「……はぁー、まあいいや、行こっか」スタスタ
凛「う、うん!」タッタッ
部長「私たちはいつでも待ってるからねー!」
部員AB「いつでも大歓迎」グッ
希「やっぱり本気やん!!」
145: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 21:48:26.42 ID:NvquJAlAO
希「凛ちゃんモテモテやったね~」スタスタ
凛「部活の体験入部の時に少し話すようになって……」スタスタ
凛「あんな風に走ったのははじめてだったけど」
希「……後悔してる?」
凛「そ、そんなこと……!」
希「……そっか」
凛「………」
凛「……ごめんね、練習抜けだしちゃって」
希「……いや、うん……」
希「……」
凛「……」
希「…凛ちゃん」
凛「なに?のぞ……わぷっ!」ギュウ!
希「凛ちゃんはウチの大事な後輩やからね」ギュウッ…!
希「凛ちゃんがいなくなると寂しいんよ」ギュゥッ……
凛「希ちゃん……」
希「ワシワシもできなくなるし」
凛「台無しだにゃ!!」ゴーン
希「さ、戻ろっか!みんなも待ってるし」
凛「うん!」
希「よーし、みんなの所まで競争!負けたらジュース奢り!」ダッ!
凛「いきなりはずるいにゃー!」ダッ!
希「にっししし!」タッタッタッ
146: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 21:49:20.88 ID:NvquJAlAO
凛「……」タッタッタッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
希「凛ちゃんはウチの大事な後輩やからね」ギュウッ…!
希「凛ちゃんがいなくなると寂しいんよ」ギュゥッ……
凛「希ちゃん……」チラッ
凛「!」
希「………」シュン……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
凛「………ふふ」ニヘラァ ダッ!
希「勝負する相手間違えた……!!」ゴーン
147: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 21:50:48.80 ID:NvquJAlAO
希「凛ちゃん連れてきた~!」タッタッタッ
凛「遅れてごめんなさい!!」はぁ…はぁ…
絵里「もう、どこ行ってたの?」
海未「少し休憩したら入ってください」
凛「うん!……?」ジー……
にこ「……なによ」
凛「どーしてそんなにボロボロなのかにゃ?」
にこ「そんなのあそこの赤巻き髪に聞きなさいよ」クイッ
真姫「だ、誰が赤巻き髪よ!!」
凛「?」
海未「気にしないでください、2位の喧嘩です」
凛「??」
花陽ママ「やっと来たわね~凛ちゃん」
凛「かよちんママ!」
花陽ママ「ちょっとあっちに来てほしいのよ~」ウフフ
凛「なんだろう?」
花陽ママ「それは後のお楽しみ~」
花陽ママ「あ、にこちゃんもね」
にこ「わ、私もですか?」
真姫「にこちゃん何したの?」
にこ「なんでにこが呼ばれたら悪いことしたみたいにいうのよ!」
148: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 21:51:35.29 ID:NvquJAlAO
海未「私も行きますね」スッ
花陽ママ「そうしてくれると助かるわ」
真姫「海未まで加わるなんて……」
にこ「にこやっぱり何かしてたのかも……」
にこ「真姫ちゃん……」
にこ「今までありがとう……!!」およよ…!
真姫「にこちゃん、あなたのことは忘れないわ……!」
にこ「真姫ちゃん…!」
真姫「にこちゃん……!」
にこ真姫 ガシッ
海未「もういいですか?」
にこ真姫「あ、はい」
149: ◆7NyoAqShyg 2019/04/10(水) 21:52:44.02 ID:NvquJAlAO
凛「凛たち……怒られるのかなぁ……」トボトボ
にこ「今日のお昼ご飯野菜炒めだったのよ……」トボトボ
にこ「最後の晩餐にはあんまりじゃない?」
海未「あなたたちはどうしてそう悪い想像しか浮かばないのですか……?」
凛にこ「だって………ねぇ?」
海未「日頃からやましい事をしてるからそういう発想になるんですよ」
凛「やましい事なんて……ってあれ?」
凛「あれかよちんだよね?……おーい!」
花陽 クルッ
花陽「………!」パァァ!
花陽「凛ちゃぁん!」ブンブン
凛「かよちん!」タッタッタッ
花陽「も~!どこ行ってたの?」
凛「ち、ちょっとね……!」アハハ…
花陽「あ、にこちゃんも」
にこ「なんでそんな温度差あんのよ」
凛「ところでかよちんも何かしたのかにゃ?」
花陽「えぇぇ!?」
150: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:10:12.79 ID:jr3mKf2tO
にこ「違うの?」
花陽「違うよぉ!!」
花陽「聞いてないの?」
花陽ママ「ふふ、秘密にした方が面白いかと思って」ウフフ
海未「説明をお願いします」
花陽ママ「今回はね、必殺技についてみんなに集まってもらったのよ」
凛にこ「必殺技ぁ!?」
凛「じゃあ海未ちゃんも?」
海未「私はあなたたちが遊ばないよう見張っておく係です」
にこ「なるほど、信用は微塵もないと」
凛「失礼しちゃうにゃ~」
花陽「うぅ~……そんなに悪いことしたかなぁ……」
海未「いえ、花陽は信用していますよ」ニコッ
花陽「ほんと……!?良かったぁぁ」
にこ「………」
凛「………」
海未「……」
花陽ママ「それじゃあ説明を……」
にこ凛「凛(にこ)は!?」
海未「二人は先ほど自分で言っていたではありませんか」
にこ「……面白いじゃない」
凛「完璧にやりきってぎゃふんと言わせるにゃぁ!!」
花陽ママ「それじゃあ説明するわね~」
花陽ママ(この子たちは見ていて飽きないわね~)ウフフ
151: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:11:30.48 ID:jr3mKf2tO
説明終了
にこ凛花陽「いやいやいやいや無理無理無理無理」
海未「やると言ったではありませんか」
にこ「そ、そうだけど……」
花陽「流石にこれは……」
凛「限度があるにゃ!」
海未「次の敵の情報はこの間伝えたでしょう?」
凛「……えーっと……?」
にこ「もちろん覚えてるわよ」
にこ「圧倒的な守備力を誇る無敵のチーム」
花陽「これまでの試合では全試合無失点」
にこ「地方のチームと思って侮るなかれ」
花陽「田舎ならではのチームワークでここまで勝ち上がって来た……」
花陽にこ「千羽山高校!!」
凛「おー」パチパチ
海未「久しぶりに見ましたねそれ」
花陽ママ「その圧倒的な守備力を破ろうと無我夢中で攻撃し、守備が手薄になったところを狙う」
花陽ママ「今までどれだけのチームがそれにやられてきたか……」ヤレヤレ
海未「つまり、こちらも確固たる守備力を身につけなければなりません」
海未「FWが心置きなく責められるように」
凛「でも次の試合明日だし……」
にこ「非現実的って言うか……」
花陽「た、たしかに……」
152: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:12:44.14 ID:jr3mKf2tO
海未「何言ってるんですか!!」
凛にこ花陽「……!!」ビクッ
海未「人間死ぬ気になればなんでもできるんです!!」
海未「チームのためなら一夜で城でも建てられるはずです!」
凛にこ花陽「ひぃぃ……」
花陽ママ「花陽ちゃんがやっと自分の役割を理解し始めたのはいいんだけど……」
花陽ママ「これからのことを考えるとこっちも圧倒的な守備力が欲しいなと思ってね~?」
花陽「圧倒的……」
海未「そのためには3人が一番相性がいいと思ったので」
凛にこ花陽「………」
にこ「………二人とも」
凛花陽「……うん」コクリ
にこ「絶対成功させて海未にぎゃふんって言わせるわよ!!」
凛「おおーー!!!!」
花陽「おおー……ぎゃふん!?」
海未「ふふ、楽しみです」
153: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:13:55.47 ID:jr3mKf2tO
にこ「見てなさい!」
海未(にこはなんだかんだで決して手は抜かず、リーダーシップも十分……)
凛「でも明日の試合に響きそうだにゃ~……」
にこ「まったく、だらしないわね~」
凛「にこちゃん最近疲れたまりやすくなってるんじゃない?」
にこ「そうそう、一回寝たぐらいじゃ疲れが……って、誰がおばあちゃんよ!!」
花陽「ふふふ」
海未(凛は文句を言ったりはしますが練習では誰よりも真面目でムードメーカー的存在)
花陽「練習終わりにラーメン行こっか!」
凛「行く!」
にこ「ほんと単純ねあんたは……」
海未(花陽は二人の中和的存在、そしてあの朗らかな雰囲気)
海未(日頃からの行動を見ていて……)
海未(あなたたちを疑ったことなんて一度もありませんよ)
海未「チームにこりんぱな、始動です!」
にこりんぱな「おー!」
海未(きっとこれからも)
154: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:14:44.38 ID:jr3mKf2tO
凛「そうだ、凛ね~、ものマネ覚えたの」
にこ「へ~、どんなの?」
凛「いくよ?」スッ
花陽「ワクワク」
海未(また凛はおかしなことを……)フフ
凛「破廉恥です!!」キリッ
海未(………)
にこ「あっはははははは!!!!」ゲラゲラ
花陽「ブフゥ!!」
花陽「ふっ……ふふ……んぶっ!!」プルプル
海未(前言撤回です)
海未「凛ーー!!!!」クワッ!
凛「ごめんにゃーーー!!!」ヒィィ!
155: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:15:56.87 ID:jr3mKf2tO
一人で練習抜けて部室
ガラッ!
穂乃果「えーっとタオルタオル……」ガサゴソ
穂乃果「……あった!」
ブブブブブ
穂乃果「ん?メール?」
穂乃果「誰からだろ……」トトッ
穂乃果「知らないアドレスから……?」トッ
メンバーには言わぬこと
穂乃果「……メンバーに……?」
穂乃果「動画がついてる、再生……と」ピッ
穂乃果「…………」
穂乃果「ーーーー!!」
156: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:16:36.42 ID:jr3mKf2tO
グラウンド
海未「おや?穂乃果はどこへ行ったのですか?」
絵里「用事があるって先に帰っちゃったわよ?」
ことり「すごく慌ててたけど……どうしたのかな?」
海未「大方、ご自宅のお手伝いを忘れていたとかでしょう」ヤレヤレ
海未「さぁ!練習ですよ!」
みんな「おー!」
157: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:17:26.88 ID:jr3mKf2tO
練習終わり帰宅後
凛宅
凛「だだいまー!」ガチャッ
凛「なんとか形になってよかったにゃ~」
凛「お風呂はいっちゃおーっと!」スタスタ
ピキッ……!
凛「痛っ……!?」グラッ ガシッ
凛「あ、危なかったぁぁ……」
凛「今日ちょっとハードだったからかにゃ?」
凛ママ「おーい!ご飯できてるぞー!」
凛「あぁ!!お風呂行こうと思ってたのに!」
158: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:18:14.85 ID:jr3mKf2tO
穂乃果宅
雪穂「あれ?おねーちゃんまだ帰ってないの?」
穂乃果ママ「そういえば遅いわねぇ、もう練習終わってるはずなんだけど……」
雪穂「どうせ買い食いでもしてるんでしょ」
雪穂「そのうち帰ってくるよ」
穂乃果ママ「それもそうね」
穂乃果ママ「手洗ってきなさい、先にご飯食べちゃいましょ」
雪穂「はーい!」
159: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:19:11.45 ID:jr3mKf2tO
鉄塔広場
ゴォォォォ!!!
ドゴォッ!!
ズザザザザザ!!!
「………」
「もう……いっかい……」
ブンッ!
フワッ
ゴォォォ!!
ドゴォッ!!
「うわぁぁぁぁ!!!」ゴロッゴロゴロ……!!
「うぐっ……!」ドサッ
ブラン……ブラン…
「……ゼッ……ゼッ……」ハァ…ハァ
「も………いっ……」ググッ
ドサッ
グゥゥゥ~……
「……お腹……空いたなぁ」
160: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:19:55.02 ID:jr3mKf2tO
ゴロン
「……ハァ……ハァ……」
「………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「動画がついてる、再生……と」ピッ
穂乃果「…………」
ケータイ『UTX高校第2回戦、試合開始です!』
穂乃果(これ……!UTXの試合映像?)
穂乃果(誰が送ってくれたのかわからないけど感謝しなきゃ!)
ケータイ『FWの綺羅がボールを受け取った!!』
穂乃果(うわぁ…やっぱり迫力あるなぁ……)
穂乃果(ここからどう組み立てて……)
161: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:21:02.74 ID:jr3mKf2tO
ダッ!クルッ トトッ ズザザッ!!
ドシュルルルルル!!!
穂乃果「………へ?」
ケータイ『……ゴ、ゴーーール!!』
ケータイ『目にも留まらぬ電光石火!!開始数分で先制点を決めてしまいましたぁ!!』
穂乃果「……うそ」
ケータイ『さぁ仕切り直して行きたいところです』
ケータイ『ピーーーーーーー!』
シュバッ ドゴォ!! ズザッ ドシュルルルルル!!
ドォォ!! ズズッ! ドゴォォ!! クルッ
ドシュルル!!!!
ズザッ ドシュルルルルル!!
ドシュルルルルル!!!
ドシュルルルルル!!!
穂乃果「ーーーーー」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「………っ」グッ
穂乃果(……キーパーの穂乃果がしっかりしないと)
162: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:24:16.82 ID:jr3mKf2tO
[4、無敵の要塞]
千羽山高校 ベンチ
海未「もうそろそろですね」
花陽「うぅ…緊張してきました……」
ことり「ガッチガチだね……」
花陽「だってぇ…」
希「この試合も期待してるよ、花陽ちゃん!」ポンッ
花陽「ピャァァ!!」ビクゥッ!!
花陽 ガクッ
絵里「とどめさしてどうするのよ」
にこ「大丈夫よ、昨日の特訓の成果見せてやるんだから!」
にこ「ね、花陽、凛!」
花陽「そ、そうだね!」
凛「やるにゃー!」
海未「ふふ、楽しみにしていますよ」
にこ「見てなさい!ぎゃふんって言わせてやるんだから!」
海未(メンバーのやる気は十分………でも)
海未(一人、明らかに静かなんですよね……)
163: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:36:51.61 ID:jr3mKf2tO
穂乃果「………」スゥ……ハァ……
海未(緊張しているのでしょうか……穂乃果が?)
海未(いえありえませんね、幼い頃から緊張とは無縁でしたから…)
海未(では一体……?)
164: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:37:42.36 ID:jr3mKf2tO
穂乃果(………昨日の映像はショックだったけど……お陰でスッキリした)
穂乃果(このチームで一番出遅れてるのは穂乃果……)
穂乃果(決勝は多分UTXが来る……)
穂乃果(それまでにもっとレベルを上げないといけない……のに)
穂乃果(ヒントすらつかめてない……)
穂乃果(あるのは……)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果ママ「足りない最後の1ピース……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果(わかるかぁぁぁ!!!)ガシガシ
穂乃果(とりあえず、この試合は絶対失点しないようにしないと)
穂乃果(穂乃果一人で)パンパン!
165: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:38:43.37 ID:jr3mKf2tO
海未「……穂乃果?」
穂乃果「なに?海未ちゃん」
海未「いえ、考え事をしていたようなので………もう直ぐ始まりますよ、お手洗いは行かなくて大丈夫ですか?」
穂乃果「うん、大丈夫!」ニパッ
凛「あ、凛ちょっと……」スタスタ
海未「直ぐですよ!凛!」
凛「わかってるにゃー!」タッタッタッ
花陽「……?凛ちゃん」
凛「にゃ?」クルッ
花陽「ぁ………えと……」
花陽「……大丈夫?」
凛「……」
凛「……うん」
海未「……?」
166: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 01:40:31.03 ID:jr3mKf2tO
角間「やってまいりましたフットボールフロンティア本選第二回戦!!」
角間「音の木坂vs千羽山、優れた攻撃翌力を誇る音の木坂は鉄壁ディフェンスを破ることができるのでしょうか!!」
FW
絵里、真姫
MF
海未、にこ、希、ことり
DF
亜里沙、雪穂、凛、花陽
GK
穂乃果
ピーーーーーーー
ドッ
角間「今、キックオフです!!」
167: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 02:13:27.95 ID:jr3mKf2tO
真姫(鉄壁守備……お手並み拝見ね)
真姫「ことり!」ドッ
ことり「ほっ!」トッ
炭野「いかせないっぺ!」
ことり「ふっふっふ、前の試合ではいいところなかったから」グッ
ことり「少しは活躍させてね!」ダッ!
炭野「ぬわぁ!?」
角間「抜いたぁ!!力強いドリブルだぁ!!」
ことり「絵里ちゃん!」ドッ
絵里「ええ!」トッ
角間「開始数分、早くもゴールに迫る!!」
タッタッタッ
真姫「絵里!」
絵里「まかせて!」
絵里(小細工なんていらない!)バッ!
168: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 17:51:09.42 ID:stfGZ3GkO
絵里「吹き荒れろ………」パキパキパキ
絵里【エターナルブリザード!】
ドゴォォォォォォォ!!
真姫「はぁ!」ダンッ!
グルグルグル
角間「西木野が入って来ている!キュートチェインだぁ!!」
穂乃果「いっけー真姫ちゃん!」
ドキュッ!!!
真姫【ファイアトルネード!】
ゴォォォォォオ!!!!
169: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 17:52:20.92 ID:stfGZ3GkO
綾野「………」
綾野「いくずらぁ!!」
牧谷塩谷 ザッ
綾野牧谷塩谷【無限の壁!】
ドシュルルルルル!!!!
テンテンテン……
ワァァァァァァァァァァ!!!
角間「止めたぁ!!これぞ【無限の壁】、最強の鉄壁ディフェンスだぁ!」
真姫「あれが……」スタッ
絵里「無敵のディフェンス…….」
にこ「面白いじゃない」
綾野「牛の糞ズラ」ホジホジ
絵里真姫「……」ピキッ
ことり「二人とも怖い顔してるよぉ~……」
希「えりちどーどー」
170: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 17:53:16.56 ID:stfGZ3GkO
綾野「ずら!」ドッ
原野 バッ
海未「どきなさい!」シュバッ
原野「なっ……!」
海未「次は私です」ジャリッ
海未「………」フッ
トンッ
ズバァッ!!
海未【菊一文字!!】
ゴォォォォォオ!!!!
171: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 17:54:31.41 ID:stfGZ3GkO
綾野【無限の壁!】
シュルルルルルル………!!!
テンテンテン……
海未「っく……!」
綾野「羊の鼻くそズラ」
穂乃果「次行けるよ!海未ちゃん!」
海未「もちろんです!」
綾野 ドッ!
山根「ほっ」トッ
真姫「させない!」ザッ
山根 ドッ
育井 ドッ
炭野トッ
角間「千羽山素早いパス回しです!」
にこ「掛け声なしで……」
希「なんて息のあったチームワーク…!」
炭野「今度はおいがだの番だ!」
172: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 17:55:43.68 ID:stfGZ3GkO
炭野「いくっぺ!」ドッ
育井「ああ!」トッ
海未「通しません」ザッ
育井「都会っ子には負けねえっぺ!」バッ
育井【モ[ン]グラフェイント!】ボグッ
海未「っな……!?」
ボコボコボコ
ポンッ!
育井「やっぱりたいしたごどねぇな!」トッ
海未「っこの…!」
育井「原野!」ドッ
原野「んだ!」トッ
花陽「行かせません!」ザッ
原野「はぁぁ!!」
トッ ダダダダダダダッ!!!
173: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 17:56:39.53 ID:stfGZ3GkO
原野【ラン・ボール・ラン!】
ダダダダッ!!!
花陽(この勢い……私じゃ止めれない……!!)ススッ
穂乃果(……ポジショニングをずらした?)
花陽「うわぁ!」ドサッ
原野「オラのとこの牛より遅いっぺ!!」
角間「立て続けに千羽山の必殺技が炸裂!!音の木坂止めれない!」
穂乃果「くるっ……!」
穂乃果(絶対に点は入れさせない…!!)グッ
原野「よし…このまま……!?」
174: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 17:58:03.99 ID:stfGZ3GkO
ドッ…!!
ビキビキビキ
カキーン!
亜里沙【アイスグランド】
シャー……!
亜里沙「ハラショー!」トッ
原野「……なかなかやるっぺ」
花陽「ふふ……」ンベッ
海未(やはり安定感が違いますね)フフ
角間「止めたぁぁ!!音の木坂の危機を助っ人絢瀬が凌ぎましたぁ!!」
穂乃果「ありがとー!花陽ちゃん、亜里沙ちゃん!」
雪穂「いい感じだよ!」
亜里沙「えへへ」
亜里沙「凛さん!」ドッ
凛「うん!」トッ
凛「っ……」ポロッ
希「凛ちゃん!」
凛「だ、大丈夫!」トッ
凛「にこちゃん!」ドッ
にこ「ええ!」トッ
山根「…….」ザッ
にこ「ちょっとあんた、レディに道を開けなさいよ」
芹沢山根育井 ザッ
にこ「ちょ、ちょっと……」
175: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 17:59:19.34 ID:stfGZ3GkO
「かごめ、かごめ、かーごめかごめ」グルグル
角間「こ、これは……千羽山の必殺技、【かごめかごめ】だぁ!!」
にこ(これ…….まずい…)
「かーごめかごめ」グルグル
にこ「のぞ……」
「「「たぁーーー!!!」」」バッ
ドゴォォォォォォォ!!
にこ「きゃぁぁぁ!!!」
ズザザザザザ!!
山根 トッ
角間「矢澤からボールを奪ったぁ!!」
雪穂「そんな…….!」
亜里沙「にこさんがあんなに簡単に……」
海未「!」
海未「みなさん!すぐに立て直して……」
原田「オラのとこのリクガメより遅いっぺ!」
田主丸「いくっぺ!」トッ
花陽「しまった……!」
田主丸「はぁぁぁ!」コォォォ!
176: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 18:00:40.14 ID:stfGZ3GkO
田主丸【シャインドライブ!】
パァァァァァァ!!!!
穂乃果「っく…!」
穂乃果(眩しすぎて……目が開けれない…!!)
凛「カバーに……!」グッ
凛「っ……」
穂乃果(見えない……)メツムリ
穂乃果「でも!!」グッ
ゴォォォォォオ!!!
穂乃果「絶対……決めさせない!!」バッ!
にこ「目を閉じたまま……!」
177: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 18:01:41.22 ID:stfGZ3GkO
穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】
ゴォォォォォオ!!!
ことり「お願い……!!」
海未「当たってください!」
穂乃果「はぁぁぁ!!」
ーーーー!!
178: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 21:38:56.39 ID:stfGZ3GkO
ドシュルルルルル………!
テンテンテン……
穂乃果「………」
角間「きまったぁ!!先取点は千羽山だぁ!!」
179: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 21:40:59.53 ID:stfGZ3GkO
穂乃果「………ッ……」ギリッ
ガンッ!
亜里沙「……!」ビクッ
穂乃果(いれられるような威力じゃなかった……)
穂乃果(点を取られないようにって決めたばっかりなのに……)
穂乃果(なんで……穂乃果は……)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海未「はぁぁぁ!!」ガッ
角間「止めたぁ!園田も先ほどの優木のように戻っていましたぁ!!」
雪穂「試合の時ぐらいかっこいいところ見せてよ」ガシッ
ゴォォォォォ!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「一人じゃまともに止められない……」ギュッ
雪穂「お姉ちゃん……?」
穂乃果「努力してるのに………」クシャッ……
海未「……穂乃果」
海未(こんな穂乃果、久しぶりに見ますね……)
ことり「や、やれることはできてたと思うよ?」
花陽「そうだよ!あれは仕方が……」
穂乃果「仕方がないじゃ意味ないんだよ……」ジロッ
180: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 21:41:57.63 ID:stfGZ3GkO
花陽「ヒッ……!」ビクッ
凛「ちょっと穂乃果ちゃん……!」ガシッ
穂乃果「……っ!うるさい!」バッ
凛「ぃっ…!」グラッ
ドサッ
海未絵里「穂乃果!!」バッ
穂乃果「……!」ハッ
穂乃果「ご、ごめん凛ちゃん……」スッ
凛「やっ……うん」ニコッ
グイッ
凛「よっと……」
181: ◆7NyoAqShyg 2019/04/11(木) 23:07:07.95 ID:stfGZ3GkO
にこ「なに急に熱くなってるのかは知らないけど、一回頭冷やしなさい」ピンッ!
穂乃果「あてっ……!」ビシッ
希「はい穂乃果ちゃん、吸って~」
穂乃果「へ?……すぅーーーー……!」
希「吐いて~~~」
穂乃果「はぁーーーーー……!」
希「……落ち着いた?」
穂乃果「うん……ごめん、ね?」
凛「凛はだいじょうぶにゃー!!」
にこ「あんまり大きな声を出すとバカっぽさが目立つわよ」
凛「だからにこちゃん今日は静かなの?」
にこ「ぬぁんですってぇ!?」クワッ
凛「大きな声を出さない方がいいよにこちゃん」ニヤニヤ
にこ「だあぁぁぁ!!腹立つこいつ!」
ことり「ふふ」クスッ
海未「穂乃果」
穂乃果「ん?」
海未「私でよければ悩みの一つや二つ、聞かせてもらいますよ」
穂乃果「……!」
穂乃果「うん、ありがと」ニコッ
海未「ですからこの試合は集中してください」
海未「あなたの力が必要なんですから」
穂乃果「……そうだね」
穂乃果「ごめんみんな!取り返すよ!」
「おーー!!!」
海未「……」フーッ……
穂乃果「……」
182: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:07:49.65 ID:Ja9zi0C1O
穂乃果(……そうだ)
穂乃果(私がチームのみんなを不安にさせちゃダメだ)
穂乃果(……がんばれ、リーダー)パンッ!
雪穂(……お姉ちゃん)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「一人じゃ満足に止めれない……」グッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
雪穂(お姉ちゃんは嫌だったのかな……)
雪穂(【ホムラ・ザ・バンド】……)
雪穂「私は嬉しかったんだけどな……」ボソッ
183: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:08:46.91 ID:Ja9zi0C1O
千羽山1-0音の木坂
ピーーーーーーー
角間「1点ビハインド音の木坂!ここから巻き返しが……」
田主丸「はぁ!!」ガッ
真姫「きゃぁ!?」ドサッ
角間「千羽山奪い取ったぁ!!激しいプレーでしたが笛はなっていません!!」
にこ「ちょっと!今のファールでしょ!?」
原野「都会っ子は細かいっぺ」ヤレヤレ
にこ「っ…こいつ……!」
花陽「雪穂ちゃん!!」
雪穂「あっ……!」
角間「音の木坂高坂雪穂、反応が遅れ侵入を許してしまったぁ!!」
184: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:10:00.32 ID:Ja9zi0C1O
穂乃果(また、あれが来る……!)グッ
田主丸「はぁぁ!!」コォォォ!
田主丸【シャイン……】
花陽「させない!」ガッ!
田主丸「なに……!?」
角間「音の木坂小泉、何というファインプレー!!」
角間「シュートを放つ前にボールを取り返しましたぁ!!」
花陽「はぁ…はぁ……」
花陽(ギリギリ…)
花陽「雪穂ちゃん!」ドッ
雪穂「……!」トッ
育井 ザッ
雪穂「いける……!」グッ
185: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:11:15.38 ID:Ja9zi0C1O
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「一人じゃ満足に止めれない……!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
雪穂「ぅ……」タジッ
雪穂(あ~!もうなんでお姉ちゃんが出てくるのさ!?)
育井「はぁ!」バッ
雪穂「うぐっ……!」ズザザッ!
花陽(なんで……動きが悪い…?)
雪穂「……!」ザッ ガガッ
雪穂(取ら……れるっ……!?)ザザッ
育井「甘いっぺ!」バッ
雪穂「んっ……!」ザッ!
雪穂(誰か……!)キョロッ……
凛「っ…!」
炭野 ザッ
花陽「……!」
田主丸 ザッ
亜里沙「むー……」プクー
原野「ふんっ……!」ザッ
海未「……まずいですね」
にこ「もう一点とる気満々じゃない……!」
にこ「雪穂!一度穂乃果に……」
186: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:12:09.56 ID:Ja9zi0C1O
雪穂「うわったぁ!?」グラッ
雪穂「ととっ……!」ズザザ!
角間「どうしたどうしたぁ!?パスが出せないのかぁ!?」
雪穂(本当に…….まずいっ……!!)
花陽(どうしよう……どうする……?)
「………」スゥ……
穂乃果「雪穂ーー!!」
雪穂「!?」ビクッ
187: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:14:08.47 ID:Ja9zi0C1O
花陽ことり「び、びっくりしたぁ……」
穂乃果「ごめん雪穂!」
穂乃果「雪穂の大事にとってたアイス食べちゃった!!」
雪穂「はぁ!?」バッ
ズザザッ
角間「苦戦していた高坂雪穂、少し距離をとりました!」
雪穂「なにしてくれてんの!?あれ期間限定で最期の一つだったのに!!」
穂乃果「いやーお腹空いてたから……」
雪穂「絶対許さない……!ハーゲンダッツ3個だからね!!」
穂乃果「……ふふ」
雪穂「なんで笑ってんの!?」
穂乃果「……それでいいんだよ」
雪穂「?」
穂乃果「いつも通りの雪穂なら……」
穂乃果「なんてことないでしょ?」
雪穂「!」
花陽「穂乃果ちゃん……」
にこ「あいつ………」
にこ「アイスの罪は大きいわよ……」
花陽「そこ!?」
188: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:15:00.39 ID:Ja9zi0C1O
育井「よくわかんねぇごど言っでねぇでボールよごせ!」バッ
雪穂「……」トントン
雪穂(そうだよね、お姉ちゃんはキーパーなんだもん)
雪穂(自分の力で止めたいと思うのは当たり前)
雪穂「てやぁ!」クルッ
育井「んなっ……!」ガクッ
雪穂(私とサッカーしたくないって言ってるわけじゃない!)
花陽(動きが戻った……!)
穂乃果「いいぞー!雪穂ーー!」
雪穂(ここで負けてお姉ちゃんとサッカーできなくなる方が嫌だ!)
雪穂「凛さ……」
希「ちょうだい!」
雪穂「っ……と…!」ピタッ
雪穂「希さん!」ドッ
希「よし!」トッ
189: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:15:51.33 ID:Ja9zi0C1O
「かごめ、かごめ、かーごめかごめ」
にこ「まずい……!」
角間「またしても千羽山の【かごめかごめ】だぁ!!」
希「……ふむふむ」
希(対処法はある……でもタイミングが分からん……)
「かーごめかごめ」
希(このままやられるくらいなら……)
希「一か八か!」グッ
「2コンマ5秒ストップ!!」
希「んん……!?」ピタッ
「かーごめかごめ……」
希(……1……2……)グッ
「今!」
希「……!」バッ
「「「てやぁー!!」」」バッ
ドゴォォォォォォォ!!
希「うわぁぁぁぁ!!!」ドサッ
ズザザザザザ!!
角間「捕まってしまったぁ!!ボールは千羽山へと……?」
角間「こ、これは……」
190: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:16:54.61 ID:Ja9zi0C1O
角間「ボールはどこへ……?」
山根「……え、ボールは?」
海未「!」ダッ ダッ ダッ!
海未「ナイスパスです!」トッ
ことり「いつのまに……!」
希(あのアドバイスのおかげやね……)
希(ありがとう花陽ちゃん)ブイッ!
花陽「!」ブイッ!
原野「いくら前線までパスを繋げても、ゴールは割れないっぺ!」
海未「やってみなければ分かりませんよ」
絵里「あなたならいけるわ!海未!」
海未「……」コクリ
フッ
トンッ………
191: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:17:41.57 ID:Ja9zi0C1O
ズバァッ!!
海未【菊一文字!】
ドゴォォォォォォォ!!!
角間「再び必殺シュートが千羽山ゴールを襲います!」
綾野「無駄ズラ」
牧谷塩谷 ザッ
綾野牧谷塩谷【無限の壁!】
ドシュルルルルル!!!
角間「しかぁし!!音の木坂に巨大な壁が立ちふさがります!!」
角間「これを打ち砕く方法は…….」
192: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:18:48.55 ID:Ja9zi0C1O
グルグルグル
綾野「……ずら!?」
真姫「はぁぁぁああ!!」ドキュッ!
【ファイアトルネード】
ギリギリギリ……!!
角間「なんと西木野、ゼロ距離でのシュートチェインだぁ!!」
角間「これはいけるかぁ!?」
真姫「ふふ、驚いたかしら?」ググググッ
真姫「これなら……!」ググググッ!
花陽「UTXを打ち崩したこの方法なら……!」
にこ「やっちゃいなさい!真姫!」
綾野「……!」
真姫「はぁぁ!!」ググググッ
193: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:20:05.84 ID:Ja9zi0C1O
綾野「………フンッ」
真姫「……!」
綾野「豚の糞ズラ」
バチィッ!!
ブワァッ!
真姫「きゃぁ!!」ドサッ ゴロゴロゴロ!
絵里「真姫!」ダッ
ヒュー……
テンテンテン……
綾野「っち、弾いた……」
花陽「海未ちゃんと真姫ちゃんでもダメだなんて……」
花陽「あと残ってるのは……」
花陽(……でも)チラッ
にこ「凛、準備しときなさい」
凛「はぁ……はぁ…」
にこ「……凛?」
凛「え…!?あ、う、うん!」
にこ「……何よ、ノリ悪いわね」
凛「えへへ……」
ピッ、ピーーーーーーー
角間「ここで前半終了のホイッスル!攻撃翌力が自慢の音の木坂も鉄壁守備に手も足も出ない!!」
角間「後半はどのような対抗策を講じてくるのでしょうかぁ!!」
194: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:20:43.22 ID:Ja9zi0C1O
トイレ
はぁ……はぁ……
バシャバシャッ
バシャバシャッ
フーッ……
キュッ……
ポタッ……ポタッ……
「………」ズキッ
195: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:21:44.19 ID:Ja9zi0C1O
海未「後半、凛と真姫で速攻をかけたいと思います」
絵里「頼んだわよ、二人とも」
真姫「任せなさい」クルクル
凛 ゴクゴク
凛「がんばるにゃー!」プハァ
にこ「勝てるかどうかはあんたらにかかってるんだからね」
希「緊張してるならワシワシするよ~?」ワシワシ
真姫「ヴェェエ!?背後に立たないで!」
凛「にこちゃんしてもらったら?」
にこ「嫌に決まってんでしょ!!」
穂乃果「ん、そろそろ時間だね、みんな行こー!」
「おー!!」
ゾロゾロ
ことり「あれ、凛ちゃんどうしたの?」
凛「靴紐ほどけちゃって……先行ってて!」
ことり「待ってるよ?」
凛「だ、大丈夫、すぐ行くから!」
ことり「そう?」
凛「うん!」
希「ゆっくりでいいからね」
凛「はーい!」
ゾロゾロ
パタン
196: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:22:31.05 ID:Ja9zi0C1O
シュルルッ
グイッ
スッスッ
ペタッ
クイクイッ
トントン……
「………よし」
(あとはまた靴下をあげて隠せば……)
ガチャッ
凛「!?」ギクッ
凛「………」
197: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:23:09.56 ID:Ja9zi0C1O
凛「かよちん……」
花陽「ウソつき」
198: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:36:57.31 ID:Ja9zi0C1O
ワァァァァァァァァァァ!!!!
角間「いよいよ後半戦が始まろうとしています!」
角間「両者位置につきました、両者一歩も譲らず、一体どのような結末を迎えるのでしょうか!」
ピーーーーーーー
角間「ホイッスルが鳴らされましたぁ!」
ドッ
にこ「行くわよ!」ドッ
凛「任せるにゃ!」トッ
原野「オラたちの勝ちは揺らがないっぺ!」ザッ
穂乃果「いけー凛ちゃん!」
199: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:38:37.38 ID:Ja9zi0C1O
凛【アクロバット……】グッ
凛「……!?」グラッ
花陽「…っ…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
花陽「ウソつき」
凛「……」
花陽「本当にいいの?みんなに言わなくて」
凛「でも……!」
花陽「足の怪我はこじらせると大変だよ?」
花陽「今はまだプレイできててもこのまま続けると悪化以外ありえない……」
花陽「凛ちゃんが言わないなら私が…」
ガシッ!
花陽「!」
凛「それは……ダメ」
花陽「でも……」
凛「凛の仕事は……まだ残ってる」
凛「みんなと決勝に行きたい」
花陽「ならこの試合は休んで……」
凛「休んで!!」
花陽「っ……!」ビクッ
200: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:39:24.99 ID:Ja9zi0C1O
凛「もし負けちゃったら……」
凛「…………」
凛「一生後悔する」
花陽「……」
凛「凛が動けるうちはフィールドに立って、みんなと戦いたい」
花陽「…凛ちゃん…」
凛「ねぇかよちん」
花陽「……なに?」
凛「わがままいっても………いい?」
花陽「……!!」
花陽(それは……ズルイよ)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
201: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:40:19.16 ID:Ja9zi0C1O
原野(バランスを崩した?)
原野(とにかくチャンス……!)バッ!
凛「………に……」グッ
凛「にぁぁ!!」クルッ
原野「っく……!」ガクッ
角間「抜いたぁ!必殺技と見せかけて華麗なスピンで抜きました!」
花陽「凛ちゃん……」
凛「よし!」
にこ「へぇ、やるじゃない」
凛「真姫ちゃん!」ドッ
ポーン
真姫(!少し流れてる…)
育井「いただき!」トッ
凛「ご、ごめん!」
海未「謝る暇があるなら上がりなさい!」ザッ
育井「ま~たお前か、都会っ子はしつこいっぺ」バッ
202: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:41:22.46 ID:Ja9zi0C1O
育井【モグラフェイント!】ボグッ
ボコボコボコ
海未「この技の対処法は……」
育井 タッタッタッ
ポンッ!
海未「あなたの動きについて行くことです!」パシッ…!
育井「なっ……!?」
海未「真姫!」ドッ!
真姫「行くわよ、凛!」トッ
凛「うん!」
真姫凛 グッ
ダンッ! ダンッ!
グルグルグル グルグルグル
真姫凛 バッ!
203: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:42:23.70 ID:Ja9zi0C1O
ドキュッッッ!!!!!
真姫凛【ファイアトルネードDD!!】
ゴォォォォォォォ!!!
角間「出ましたぁぁ!!予選決勝で勝ち越しを決めた【ファイアトルネードDD】!!」
角間「これを千羽山、止めることができるのかぁ!?」
ゴォォォォォオ!!!!
牧谷塩谷 ザッ
【無限の壁!】
ドギュルルルルルル!!!
204: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:43:20.33 ID:Ja9zi0C1O
ビキビキ………
綾野「……!!」
真姫「いけ!!」
絵里「決まって!」
バリィン!!
綾野「ズラッ!?」ドサッ
ドシュルルルルル……!!!
真姫「よし…!」スタッ
角間「決まったぁぁ!!無敵の要塞を見事打ち破りました!」
角間「試合を振り出しに戻しました!!」
真姫「やったわね、凛!」クルッ
真姫「……凛?」
205: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:44:11.60 ID:Ja9zi0C1O
凛「うあぁぁ!!!」ドサッ
真姫「凛!!」ダッ
凛「ぐぅぅ……!」ギュゥッ
角間「おおっと……星空がシュート直後うずくまって動きません!!一体どうしたのでしょうか!」
花陽「……っ!」ダッ
ピーーーーーーー!
タッタッタッ
穂乃果「どう?真姫ちゃん」
真姫「……」クイッ
凛「うぅぅ……!!」ビクッ
真姫「………そこまで酷くはないけど、決して軽くはないわ……この試合はやめておいたほうがいいかも」
ことり「そんな……」
海未(一体どのタイミングで……)
海未(着地は別におかしくありませんでした、シュートの瞬間……?)
海未(いや……)
海未「凛、あなたまさか……」
206: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:45:03.10 ID:Ja9zi0C1O
角間「星空が抜けて代わりのメンバーが入ります!」
ヒデコ「精一杯やらせてもらうよ」
雪穂亜里沙「よろしくお願いします!」
花陽「よろしくお願いします」
海未「全く無茶するんですから……」はぁ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海未「あなたまさか、ずっと怪我していたのを隠していたのではないですか?」
凛「……!」
にこ「たしかに……」
にこ「前半体力だけが取り柄の凛にしては随分息が切れてたわよね」
凛「だけは余計だにゃ…」
真姫「休憩の時もよく飲み物を飲んでたし……」
絵里「そうなの?凛」
凛「えと……その……」
207: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:46:25.63 ID:Ja9zi0C1O
花陽「実は凛ちゃん、試合前にちょっと捻っちゃってたの」
凛「!」
にこ「試合の前?」
海未「……!お手洗いのあとですか?」
花陽「うん、急いで行こうとした時に挫いちゃったみたいで…」
海未「そうだったのですね」
にこ「それならそうと早く言いなさいよ、こんなになるまで黙ってるなんて」
凛「ご、ごめんなさい……」
希「まあまあ、凛ちゃんもみんなに気を使って言いだせなかったんやろうし……ね?」
にこ「うぐっ……」
にこ(たしかに少し押し付けてたとこはあったかも……)
海未「……すみません、今は凛の治療が先決ですね」
フミコ「私が医務室連れてくよ!」
ことり「うん、ありがとう!」
真姫(………ついさっきできた怪我じゃなかったけど……)
真姫(まあいいか)
海未「凛、今は一刻も早く治すことに専念してください」
凛「う、うん!」
海未「そして、試合の後に話があります」ニコッ
凛「ひぃぃ……!」ガタガタ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
208: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:47:19.73 ID:Ja9zi0C1O
花陽「穂乃果ちゃん!」
穂乃果「なに?」
花陽「あのね……」コショコショ
穂乃果「!…わかった、やってみる」
千羽山1-1音の木坂
ピーーーーーーー
角間「音の木坂は星空の代わりにメンバーを入れ替えて試合再開です!」
角間「しかしこれでもう【ファイアトルネードDD】を放つことはできません!!」
角間「あと一点、お互いに緊張が走っております!」
209: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:49:12.18 ID:Ja9zi0C1O
ドッ!ドキュ!いけー!トッ、ドキュゥゥゥ!!
真姫「はぁ!!」ドキュッ!
綾野「ずらぁ!!」バシッ
育井「よっ!」ドキュ!
穂乃果「てやぁ!」バシッ
雪穂【ハンターズネット!】
山根「……!」ドサッ
原野【ラン・ボール・ラン!】
ことり「うわぁ!!」ドサッ
角間「刻一刻と時間が過ぎていきます……」
角間「どちらも譲らぬ攻防戦……!!」
角間「一体どうなってしまうのでしょうか!?」
210: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:50:01.53 ID:Ja9zi0C1O
真姫「あれ行くわよ、絵里!」トッ
絵里「もうやるしかないわよね……!」
ブワァァァ!!! ブワァァァ!!!
真姫絵里【ファイアブリザード!!】
ドゴォォォォォオ!!!!
角間「こ、これは新必殺技かぁぁ!?」
ことり「あの技……!」
希「えりちたちのお母さんの……!」
にこ「なんでもいいわ、決まりなさい!!」
真姫絵里「お願い!!」
綾野【無限の……】………?」
211: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:51:02.56 ID:Ja9zi0C1O
ヒュゥゥゥゥ…………
テンテンテン
海未「外……れた」
角間「凄まじいシュートでしたが失速し、外れてしまいましたぁ!!」
真姫「~~……!!もうっ!」ジャリッ!
絵里「ダメ………か」
角間「ボールは千羽山へと移ります!」
綾野 ドッ
育井「ほっ!」トッ
ブワァァァ!! ブワァァァ!! ブワァ!
絵里【スノー……】
原野「させないっぺ!」バッ
絵里「っぐ……!」
角間「千羽山原野、見事なブロックです!!」
ことり「ここで止めます!」
212: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:52:02.04 ID:Ja9zi0C1O
育井 ボグッ
ことり(さっきの海未ちゃんで対処法は分かってる!)
ボコボコボコ
育井 バッ
ことり「ここ!」ガッ
ことり「……!?」ズシッ
ことり(え……!?これ……)
ことり「………スイカ!?」
希(どこかのヒーロー思い出すなぁ……)
ポンッ!
育井【モグラシャッフル!】
育井「都会っ子は間抜けばかりだっぺ!」
ことり「そんなぁ~……」
角間「育井がドリブルで上がっていきます!」
角間「FWの田主丸にパスが通りました、残すはディフェンスラインのみ!!」
213: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:53:19.01 ID:Ja9zi0C1O
にこ「海未、どうすんの!?」ハッ……ハッ……
絵里「決め手が全くないわ……」フゥ……
真姫「正直……これ以上は……」はぁはぁ
海未「………」
ワァァァァァァァァァァ!!!
角間「田主丸が小泉を抜きましたぁ!!」
角間「ゴールとの距離が近い、完全にフリーだぁぁ!!」
にこ「うそ!?」
海未「ま、まずいです!」
絵里「今決められたら……」
角間「ここでの得点は勝敗を決める一点となります!!」
角間「キーパー高坂、果たして止めることが……おや!?」
タッタッタッ
角間「なんと……」
穂乃果「………」タッタッタッ
角間「高坂が田主丸に向かって走っていきます!」
にこ「なにやってんのよあのバカァ!」
海未「ああ穂乃果……ついにヤケに……」
田主丸「いくっぺ!」コォォォ!
214: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:54:07.28 ID:Ja9zi0C1O
田主丸【シャインドライブ!!】
パァァァァ!!
穂乃果「!」
穂乃果(……ここ!!)バッ
ドゴォォォォ!!!
パァァァァァァァ!!!!!
角間「眩しくて全く見ることができません!!果たしてシュートは………」
215: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:55:25.41 ID:Ja9zi0C1O
シュルルルルル……!
穂乃果 ニッ
田主丸「な、なにっ……!?」
角間「止めていたぁぁ!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!
角間「先程は得点を許したシュートを今度は正面からガッチリとキャッチ!」
穂乃果「花陽ちゃんのおかげだね……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
花陽「ちょっといい?」
穂乃果「なに?」
花陽「あのね」コショ
花陽「もし次シュート打たれそうになったら……」
花陽「花陽が出来るだけゴール前まで惹きつけるから、穂乃果ちゃんも出来るだけゴールから出てきておいて」
花陽「ゼロ距離で止めちゃえば眩しさなんて関係ないはずだから」
穂乃果「……わかった、やってみる」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果(…さっき決められたシュート、今度は止められた……)
花陽「………」ニッ
監督(小泉はボールを取ろうと思えば取れた)
監督(だがあえて高坂に止めさせることで自信を取り戻させた)
監督(………人間の心理をよく理解してる)
216: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:56:11.52 ID:Ja9zi0C1O
穂乃果(……)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
角間「ゴールとの距離が近い、完全にフリーだぁぁ!!」
にこ「うそ!?」
海未「ま、まずいです!」
絵里「今決められたら……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「そんなに心配しなくたっていいじゃん……」ボソッ
217: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:57:01.14 ID:Ja9zi0C1O
亜里沙「穂乃果さん!」バッ
穂乃果「……!」ハッ
穂乃果「亜里沙ちゃん!」ドッ
亜里沙「んっ…!」トッ
角間「残り時間はごくわずか……このまま延長戦かぁ!?」
亜里沙(亜里沙のあのシュートなら……いや、それはダメ)
亜里沙(……なら)
亜里沙「……一か八か……!!」
穂乃果「いっけー亜里沙ちゃん!」
218: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:58:16.13 ID:Ja9zi0C1O
亜里沙「はぁっ……!」クルッ
田主丸「っち……!」ガクッ
原野「行かせないっぺ!」
山根 ザッ
亜里沙「っ……!」ピタッ
花陽「こっち!」バッ
亜里沙「…!お願いします!」ドッ
花陽 ドッ
亜里沙「ハラショー!」トッ
タッタッタッ
角間「絢瀬亜里沙がディフェンスから上がって行く!!」
角間「絢瀬妹はディフェンダーながら強力なシュートを持っています、それに賭けようというのでしょうかぁ!?」
絵里「ダメよ亜里沙……!!」
海未「あの技は……」
亜里沙「大丈夫です……よ!」ドッ
219: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 02:59:45.37 ID:Ja9zi0C1O
絵里「え、私?」トッ
角間「絢瀬妹が敵を引き付け、最後はエース絢瀬にボールを託したぁ!!」
絵里(どうする……私のシュートじゃあの壁は……)
綾野「フンッ」
にこ「なんでもいいから早く打ちなさい!」
絵里(なにか……なにかないの…!?ほかにもっといい方法……)
亜里沙「お姉ちゃん!」タッタッタッ
絵里(……!亜里沙?)クルッ
バチッ(アイコンタクト)
亜里沙(………亜里沙のやりたいこと、わかるよね?)タッタッタッ
絵里(……相変わらず無茶な作戦ね)
亜里沙(お姉ちゃんは考えたことなかった?)
絵里(……少しあったわ)
亜里沙「ふふ、よかった」ニコッ
絵里「こんな土壇場でやることじゃないんだけどね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
バチッ
ねえお姉ちゃん
なに?
二人であの技を打ったら……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
220: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 03:00:37.72 ID:Ja9zi0C1O
亜里沙「面白いでしょ?」フフフ
絵里「……わんぱくな妹を持つ姉の身にもなりなさい」はぁ
絵里「……いくわよ亜里沙」スッ
亜里沙「うん!お姉ちゃん!」トンッ
221: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 03:01:22.51 ID:Ja9zi0C1O
絵里「ふっ…!」バッ
ポーン
亜里沙「てやぁ!!」ドゴォ!
パキパキパキパキ
絵里亜里沙 ザッ
角間「こ、これは……【エターナルブリザード】の体勢ですが……!?」
絵里「はぁぁぁ!!」グルグルグル
亜里沙「はぁぁぁ!!」グルグルグル
222: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 03:02:24.91 ID:Ja9zi0C1O
ドキュッ!!!
絵里亜里沙「いっけぇぇぇ!!!」
ゴォォォォオォォオオオオ!!!!
ゴォォォォォォォオオオオオ!!!!
角間「出たぁぁぁぁぁ!!!!!絢瀬姉妹による強力な新必殺技です!!」
穂乃果「あ、あんなの見たことないよ!?」
希「えりちと亜里沙ちゃんの合体技……か」
希(よかったね、えりち)ニコッ
海未「………【ホワイトダブルインパクト……!】」ドヤッ
希(海未ちゃんのドヤ顔腹立つわ~)
真姫(いつのまにあんな技……)
223: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 03:03:13.38 ID:Ja9zi0C1O
牧谷塩谷 ザッ
【無限の壁!】
ドギュルルルルル!!!!
絵里「……….」
亜里沙「……」
クルッ
スタスタ
綾野「……っ」タラッ ググググッ……
絵里亜里沙「………」
絵里亜里沙 ニッ
パチンッ(ハイタッチ)
224: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 03:04:37.37 ID:Ja9zi0C1O
バリィン!!!
綾野「ズラァァ!!」ドサッ
ドシュゥゥゥゥ……!!!!
角間「き………」
角間「決まったぁぁぁ!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!
ピッピッピーーーーーーー!
角間「ここで試合終了のホイッスル!」
角間「準決勝へと駒を進めたのは新必殺技で決勝点をもぎ取った音の木坂だぁぁ!!」
ワァァァァァァァァァァ!!
角間「どちらもよく守り、よく攻めた!この試合はフットボール史に残ることまちがいないでしょう!」
角間「実況は角間、角間でお送りしました!!」
ありがとうございました!!
225: ◆7NyoAqShyg 2019/04/12(金) 03:05:31.87 ID:Ja9zi0C1O
絵里「……信じてたわよ」
亜里沙「うん、亜里沙も」ニコッ
穂乃果「ぅ絵里ちゃぁーーん!!」ガバッ
雪穂「亜里沙ぁぁ!!」ガバッ
絵里「ほ、穂乃果!?ちょっと……重…!」ウグッ
亜里沙「ハラショー!雪穂、子供みたい」クスクス
穂乃果雪穂「だって……ね?」
花陽「すごい必殺技だったしね!」
ことり「うん!ゴォォォォ、ブワァァァ、ドカーンって!」
にこ「あんた語彙力どこに置いてきたのよ」
ことり「………」
ことり「母ちゃんの腹の……」
希「そこまでやことりちゃん」
真姫(……凛……)
真姫(勝ったわよ)グッ
226: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 16:18:50.71 ID:DVzIpAKOO
医務室
ガチャッ
穂乃果「凛ちゃん元気ー?」
凛「見てたよみんな!勝ったんだね!」
にこ「あったりまえじゃない、私を誰だと思ってるのよ」ファサァ……!
凛「にこちゃんがアワアワしてるとこもバッチリ映ってたにゃ」
にこ「うぐっ……!」ゴンッ
真姫「それで、どうなの?具合は」
凛「そ、それが……」チラッ
医務室の女性「試合なんてダメですよ、走るのも控えてください」ブッブー
絵里「そ、それじゃあ次の試合は……!」
女性「次ってことは来週よね?」
女性「んー……ダメかな?」
絵里「そんな……」
女性「もし決勝まで行けたら治ってる頃だと思うから、それまでの辛抱よ」フフ
みんな「………」ッ……
にこ(凛無しで準決勝……)
海未(ディフェンス、オフェンス面でかなりの戦力ダウンですね……)
花陽(……私が…無理にでも止めてれば)
227: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 16:19:50.68 ID:DVzIpAKOO
凛「お願いします、試合、出たいです」
海未「凛……」
花陽「凛ちゃん……」
女性「ダメよ」
凛「どうしても……ですか?」
女性「選手を守るのが私の役目、どうしてもよ」
凛「……」ギュッ
みんな「………」
「凛ちゃん」
凛「?」クルッ
凛「…!」
凛「………ことりちゃん……?」
ことり「……」
海未「ことり……?」
ことり「……メイド喫茶でした約束……覚えてる?」
凛「……なんでも言うこと聞くって言ったこと?」
ことり「うん、今使うね」
凛「……」
ことり「…………」
228: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 16:20:59.56 ID:DVzIpAKOO
ことり「私たちを信じて……まってて」
凛「………っ!」
ことり「絶対勝つから」
凛「………」
凛「……うん」コクリ
ことり「ありがとう凛ちゃん」ニコッ
凛「……」
凛「みんな」
凛「………ごめんなさい」ペコッ
絵里「……凛…」
凛「みんなに怪我してたこと黙ってて……」
みんな「………」
凛「………でも」
凛「凛がいなくてもみんななら次も絶対大丈夫だろうし……」
にこ「……は?」
凛「次の試合もいつも通りみんなで……」
にこ「ねえ」
凛「凛、ベンチから応援して……!」
にこ「希」
希「あいあいさー!」ガバッ!
凛「な、なに…!?」アワアワ
希「ワシワシMAXー!!」ワシワシー!
凛「なんで!?なんで!?」
凛「いにゃぁぁぁ!!!」
229: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 16:22:17.32 ID:DVzIpAKOO
凛「はぁ……はぁ……うぅん…」ビクビク
希「またつまらぬものを揉んでしまった」ワキッ
凛「ひどいにゃぁ!!」ゴーン!
にこ「あんたがバカなこと言うからでしょ」
にこ「……早く怪我治して戻ってきなさい」
にこ「みんな待ってるんだから」
凛「にこちゃん……」
凛「何か悪いものでも食べた?」
にこ「……」イラァ
ゴチンッ!!
凛「おぐぅぅ……!!」シュゥゥゥ……
ことり「うわぁ、痛そう」
凛「頭が……頭がぁぁ!!」
穂乃果「ちょっと!凛ちゃんの頭が悪くなったらどうするの!?」
真姫「……もともとそれほど良くない……」
凛「………」ガクッ
海未「やめましょう、もう凛のライフはゼロです」
230: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 16:22:56.51 ID:DVzIpAKOO
帰り道廊下
海未「……真姫」
真姫「なに?」
海未「わからなければそれで良いのですが、凛のケガについて……」
海未「あれは……」ごにょごにょ
真姫「…ええ、たしかに」ごにょごにょ
海未「なるほど、やはりでしたか」
海未「ありがとうございます」
真姫「……別に」クルクル
真姫(……凛、ご愁傷様)
231: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 16:24:03.83 ID:DVzIpAKOO
帰り道
海未「この時間になってもまだ明るいですね」テクテク
花陽「夕日が綺麗だね~」テクテク
花陽「今日は穂乃果ちゃんたちとは帰らないの?」
海未「穂乃果はクレープが食べたいと一足先に帰ってしまいましたから」
凛「珍しいにゃ~、いつもみんなで食べて帰るのに」
凛「よいしょ……っと!?」グラッ
花陽「ほっ!」ガシッ
花陽「大丈夫?まだ松葉杖慣れないみたいだね」
凛「ありがとうかよちん!」
海未「凛、こちらに行きましょう」
花陽「こっち?」
凛「あ、ごめんかよちん」
凛「凛、海未ちゃんとちょっと約束があるからここで……」
花陽「……そっか!バイバイ凛ちゃん海未ちゃん、気をつけてね!」
海未「はい、気をつけて帰ってくださいね」
凛「ばいばーい!」ブンブン
凛「ぅわっ……!」グラッ
ガシッ
凛「あ、ありがと海未ちゃん…」
海未「松葉杖つきながら全力で手を振る人がいますか……」ヤレヤレ
凛「ごめんごめん……」
凛「で、どこ行くの?」
海未「すぐそこですよ」
232: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 16:24:58.65 ID:DVzIpAKOO
鉄塔広場へ続く階段
海未「はぁ……はぁ……」ザッ…ザッ…
凛「海未ちゃん、やっぱり凛自分で歩くよ?」
海未「いえ、私がここにしようと言ったのですから……!」ググッ
海未「なんの……これしきぃ……!!」ググググッ
凛「っと!」スタッ
凛「ありがと海未ちゃん!」
海未「い、いえ………」ゼェ……ゼェ……
海未「それより………何か聞こえませんか?」
凛「何か?」
233: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 16:25:47.10 ID:DVzIpAKOO
バシィ!ドコォ!!ドサッ、ズザザザザザ!!
凛「聞こえる……」
凛「もしかして………喧嘩!?」
凛「ま、まずいよ……逃げないと」アワアワ
海未「……ふふ、ついて来てください」スタスタ
凛「そっちは音がしてる方だよ……!」ヒソヒソ
海未「大丈夫ですから」
凛「うぅ~~……!」
海未「ここです」
凛「……すぐ近くで音が聞こえるにゃ……」
海未「この物陰から覗いてみてください」
凛「一体何が…………」ガサッ
凛「…………え?」
234: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 16:26:44.55 ID:DVzIpAKOO
穂乃果「ふんんん!!!」ズザザザザザ!!
凛(ほ、穂乃果ちゃん!?)
穂乃果「ぜっ……ぜっ………」
穂乃果「……んっ……!」ブンッ
フワッ
ゴォォォオ!!!
ドゴォォ!!
穂乃果「うわぁぁ!!」ドサッ
凛「穂乃果ちゃ……!」ガサッ
ガシッ
海未「………」フルフル
凛「……なんで……」
ブラン……ブラン………
穂乃果「はぁ……はぁ……」
穂乃果「…………」
穂乃果「………ぅ……」ウルッ
凛「!」
穂乃果「わかんないよぉ……」ウルウル
穂乃果「強くもなれないし、みんなには当たっちゃうし……」
穂乃果「もうやだぁ……」ポロポロ
235: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 16:31:25.35 ID:DVzIpAKOO
凛「…………うそ」
凛「穂乃果ちゃん、今日……クレープ食べるって……」
凛「それに……あんな弱気な穂乃果ちゃん初めてみた」
海未「あそこまでは私も初めてです」
海未「最近は練習の後も暗くなるまで練習してるんですよ」
凛「でもあんな無茶な練習……」
海未「私も初めから見ていたわけではありませんが……それはひどいものでしたよ」
海未「吹き飛ばされるのは当たり前」
海未「なんども転がされて、怪我をしなかったのは奇跡だったと思います」
凛「じゃあ何で……!」
海未「昔から……口癖だったんですよ」
凛「口癖?」
236: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 16:32:37.51 ID:DVzIpAKOO
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ほのか「やるったらやる!!」
ことり「さすがにまだむりだよぉ……」
うみ「りふてぃんぐみんなで20回なんて……」
ほのか「やるったらやるの!ほらいくよ!」ドッ
イーチ!ニーイ!
ことり「……18!」ドッ
ほのか「いけるようみちゃん!」
うみ「…はい!」タタッ
うみ「……19!」ドッ
うみことり「あっ!!」
ポーン
ことり(ボールが変なとこ飛んでっちゃった……)
うみ(あぁ……私のせいで……ごめんなさいほのか……)ウルッ
237: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 16:34:59.72 ID:DVzIpAKOO
「てやぁーーー!!!」ズザザッ!
うみ「ほのか!?」
ことり「それはむちゃだよぉ!!」
ほのか(…届く!)
トッ
ほのか「うぶぇぇぇ……!」ズザザッ……
238: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 16:35:46.86 ID:DVzIpAKOO
うみ「大丈夫ですかほのか!」タッタッタッ
ほのか「えっへへ!届いたよ!20回!」
ことり「うん!できたんだね、ほのかちゃん!」
うみ「う……うぅ……」ポロッ
ほのか「う、うみちゃん!?」
うみ「よかったです~!」ダキッ
ほのか「ど、どうしたの?」
うみ「私が……へんなとこに…ヒック!……けとばしたから……うぅ……」ウルウル
うみ「ほのかがとりに……けが……あぁぁぁ!!!」ポロポロ
ほのか「??」
ことり「じぶんがけっちゃったボールをとりにいったほのかちゃんがけがするのがこわかったんだって!」
うみ「ほ、ぼのががぁぁ!!しんだらどうじようっでぇぇぇ!!!」ポロポロ
ほのか「………」
ほのか「うみちゃん!!」
うみ「……はい…?」ピタッ
ほのか「ほのかはおっきくなってもふたりとさっかーするの!かってにしなせちゃだめ!」
うみ「……ふふ、ほのからしいですね」
ほのか「それより20回だよ20回!!」
うみ「はい!すごいです!」
ほのか「えっへへへ!」
ほのか「だからいったでしょ?」
ほのか「やるったらやるって!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
239: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 20:02:57.82 ID:DVzIpAKOO
(泣いてるシーンを海未ちゃんはカットして話しています)
凛「昔から穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんだったんだね……」
海未「あのタイヤに転がされていた時もよくいってました」
海未「やるったらやる……絶対諦めない、と」
凛「………」
海未「しかし」
凛「?」
海未「ここ最近は聞いていないんです」
海未「あの魔法の言葉を」
240: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 20:03:58.09 ID:DVzIpAKOO
凛「どうして?」
海未「わかりません、だから直接訳を聞こうかと思いまして」
海未「凛はここに居てください」ガサッ
凛「ま、まって!」ガシッ
海未「凛……?」
凛「………本当にいいの?」
凛「あそこにいる穂乃果ちゃんは多分……」
凛「みんなに見せたくない穂乃果ちゃんなんじゃないかな」
海未「……私もそう思います」
凛「なら……!」
海未「そう思って……見守って来ました」
海未「しかし日に日に……悪くなっているんです」
凛「悪く?」
海未「今日の出来事、覚えてますね?」
凛「点決められた後のこと?」
海未「はい、今まで溜まっていた元が溢れてしまったのでしょう」
凛「あの後雪穂ちゃんに声かけたりゴール止めたり、普通にプレイしてたけど……」
海未「私も踏み込むのは悪いと思い、一言言いました」
241: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 20:04:47.54 ID:DVzIpAKOO
海未「相談に乗りますよ、と」
海未「私でなくても良かったんです、誰でも相談してくれれば」
凛 チラッ
穂乃果「うぅ……ぁ」ポロポロ
海未「あれほど追い込まれるまで放ってしまった……」
海未「頼ってくれると信じていたのに……」ギュッ
凛「海未ちゃん……」
海未「これは、私の責任でもあるんです」
凛「………」
海未「………行ってきます」ガサガサ
242: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 20:06:02.41 ID:DVzIpAKOO
穂乃果(どうすればいいんだろう……)
穂乃果「………」ポロポロ
穂乃果(吐き気がする……)
ザッザッ
「最近よく曇ってますが、今日は一段と曇り空ですね」
穂乃果「!?」ガバッ!
海未「……隣、いいですか」
穂乃果「海未ちゃん……」
穂乃果「……!」ゴシゴシ
海未「……….」スッ
ストンッ
穂乃果「…………!」
穂乃果(いつも砂の上になんて絶対座らないのに……)
海未「………」
海未「綺麗な夕焼けですね」
穂乃果「……さっきは曇り空って言ってなかった?」
海未「太陽が陰ってしまっていたので……」
穂乃果「?」
海未「こっちの話です」
穂乃果「ふふ、なにそれ」
海未「…………」
穂乃果「………」
サァァァァァァァ………
243: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 20:06:54.59 ID:DVzIpAKOO
穂乃果「怖いんだ」
海未「………」
穂乃果「みんなすごく上手になってる」
穂乃果「真姫ちゃんと絵里ちゃんは言わなくてもだし」
穂乃果「希ちゃんと凛ちゃんは入部してから始めたなんて信じられないくらい上手になってるし」
穂乃果「ことりちゃんなんて、ザ・女の子って感じなのにサッカーになるとすごいし」
穂乃果「にこちゃんと花陽ちゃんは……まあここも言わなくてもわかるよね」
穂乃果「もちろん海未ちゃんもだよ」
穂乃果「………」
穂乃果「みんなすごいんだぁ……」
穂乃果「どんどん走って行っちゃって」
穂乃果「穂乃果……ついていけないよ」あはは……
海未「………」
穂乃果「………ねえ海未ちゃん」
海未「………はい」
穂乃果「キーパー………」
244: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 20:09:23.18 ID:DVzIpAKOO
穂乃果「穂乃果じゃなきゃダメ?」
海未「ーーーー………」
245: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:24:29.30 ID:DVzIpAKOO
サァァァァァァァ……………
海未(言われた意味がわかりませんでした)
海未(頭をガツーンと殴られたような、そんな衝撃でした)
海未(あなた以外に誰がいるんですか)
海未(私たちのキーパーは……)
海未(あなたですよ、穂乃果)
海未「…………」
海未(そう言ってあげたいのに……声が出ない)
海未(あ、私腕を振り上げて……)
海未(頭ではわかっているのに止まらない)
海未(穂乃果の顔に……)
海未(ーーー)
246: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:25:11.40 ID:DVzIpAKOO
凛「ダメに決まってるにゃぁぁあ!!!」ガサッ
海未「!?」ピタッ
穂乃果「り、凛ちゃん!?」
凛「穂乃果ちゃんが辞めたら凛もやめる!」
凛「サッカーもみんなも……大好き、だけど……っ…」
凛「穂、乃果ちゃんが……」ウルッ
凛「穂乃果ちゃんがやめるなら凛もやめる!!」ポロポロ
穂乃果「凛ちゃん……」
凛「やめるんだからぁぁ……!!」ポロポロ
海未「落ちっ……落ち着いてください凛!」
247: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:26:02.24 ID:DVzIpAKOO
凛「うぅぅ………」ヒック
海未「どうしてあなたが一番泣いているのですか……」ガサガサ
海未「ほら、チーンってしなさい」
凛「ふんんん!!」チーン!
穂乃果「どうして二人ともここにいるの?」
海未「あなたの相談に乗りに来たのと、凛のお説教です」
凛「にゃ!?」ガーン
海未「当たり前です」
穂乃果「穂乃果の相談はもう大丈夫だよ」
海未「……本当ですか?」ジトー
穂乃果「本当だよ!ほら、この通り!」マッスル
海未「……わかりました」
海未「そのかわり、また困ったら誰でもいい」
海未「相談してくださいね」
穂乃果「了解です!」ビシッ
海未「…」
248: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:26:55.14 ID:DVzIpAKOO
海未「凛」
凛「ひぅ……!!」
海未「こちらへ」
凛「にゃ~……」
穂乃果「松葉杖であんなとこまで行ったんだ……早いね」
海未「逃げ足はですがね」
249: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:27:48.54 ID:DVzIpAKOO
凛「………」ちんまり
海未「真姫から聞いたのですが、この怪我はついさっきでできる怪我ではないそうです」
海未「正直に答えてください」
海未「怪我、または違和感はいつからですか?」
凛「………多分一ヶ月くらい前……?」
海未「多分?」
凛「うん」
凛「捻ってテーピングして治って来た頃にまた捻って……」
凛「最近はほとんど治ってたんだけど、試合前日に家に帰った時また痛くなっちゃって……」
海未「花陽は気づかなかったのですか?」
穂乃果「花陽ちゃん最近そういうところすぐ気付くよね~」
凛「………口止めしてもらったの」
海未「つまり花陽は知っていたのですね」
凛「まって、かよちんは悪くないよ!」
海未「分かってます、誰が悪いと言いたいわけではありません」
凛「よかった……」ホッ
海未「………」
250: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:28:33.27 ID:DVzIpAKOO
海未「私たちはそんなに頼りないですか?」
凛「え……?」
海未「あなたと真姫のお陰で同点に追いつくことができましたが」
海未「たった一試合を任せられないほど私たちが頼りないですか?」
凛「ち、違うの…!!そうじゃなくて……」
海未「なにが違うのですか?」
凛「だから……えっと……」
海未「今なら別に怒りませんから正直に言ってください」
凛「ち、違うって……」
海未「凛!!」
凛「違うんだってば!!!!」
251: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:30:00.23 ID:DVzIpAKOO
凛「………っ」ハッ
凛「………」
海未「…………」
凛「多分………穂乃果ちゃんと同じ理由……」
穂乃果「穂乃果と?」
凛「怖くて………不安なの」
穂乃果「……!」
凛「……もし凛が……試合に出なくて……」
凛「あれ、なんだか今日試合しやすいね」
凛「なんてことになったらって……思うと」
海未「………」
252: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:30:36.76 ID:DVzIpAKOO
海未「にこと希」
凛「?」
海未「あなたがよく軽口を叩きあう二人です」
凛「あ……」
海未「拒絶されるのが怖くて………」
海未「みんなに早く溶け込もうとちょっかいをかけていたのでしょう?」
凛「………」
海未「穂乃果も私と出会った当時、似たようなことをしていました」
穂乃果「穂乃果が?」
海未「私をわざと鬼にしたり、わざわざからかったりして」
海未「ゆっくり、確実に、みんなの輪に入ることができました」
凛「………」
海未「まああの頃の私からすればやめてほしいとしか思えなかったですが」
穂乃果「あはは……」
海未「………」
253: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:31:40.96 ID:DVzIpAKOO
海未「凛」
凛「?」
海未「あなたは音の木坂の……」
海未「………」
海未「μ'sの一員です」
凛「……!」
海未「あなたのいないサッカー部なんてありえません」
海未「優勝………みんなでしましょう」
凛「………」
海未「……すみません、上手く話せなくて」
凛 ブンブン
凛「………嬉しい」ニコッ
穂乃果「……凛ちゃん」
凛「?」
穂乃果「私たちは凛ちゃんとサッカーがしたい」
凛「……!」
穂乃果「あの言葉……取り消したつもりはないよ」
凛「……うん!」
254: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:32:27.98 ID:DVzIpAKOO
穂乃果「よーし!それじゃあ今日はもう帰ろう!」
海未「練習は良いのですか?」
穂乃果「今日はもういいや!帰ろー!」
海未「……そうですね、行きましょうか」
凛「ラーメン食べるにゃー!」
穂乃果「いいね!あれしよう、アブラマシマシ~~ってやつ!」
凛「あれは強敵だよ……?」
穂乃果「今ならいける気がする!」
穂乃果「よし、凛ちゃん乗って!」
凛「穂乃果ちゃん号、発進!」ヨイショ
穂乃果「あいあいさー!」タッタッタッ
海未「走ると危ないですよ!私も行きますー!」タッタッタッ
255: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:33:59.23 ID:DVzIpAKOO
夜鉄塔
「…………」ウップ
「……食べ過ぎた…」
「………」グッ
ブンッ!
フワッ……
ゴォォォォォオ………!!!!
ドゴォォォォォォォ!!!!!!
ズズズズ………
「……早く……強くならないと」
256: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:34:49.48 ID:DVzIpAKOO
穂乃果宅
雪穂「何か冷たいものないかな~」ガラッ
雪穂「……はぁ、お姉ちゃんが私のアイス食べなかったら今頃私が食べれてたのに……ん?」ガサッ
雪穂「……こ、これ……!!私の期間限定のアイス……!?」
雪穂「なんだあるんだ……」ホッ
雪穂「なんでお姉ちゃんあんな嘘………」
雪穂「………」
雪穂「………」
雪穂「………!」ハッ
雪穂「………~~~~!」ググッ
雪穂「……バカお姉ちゃん」
257: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:37:08.75 ID:DVzIpAKOO
[5、度重なる不安]
部室
ガラララ!!
花陽「た、たいへんですぅ!!」
にこ「ものすごいニュースよあんたら!!」
絵里「にこ、ドアは静かに開けないと危ないでしょ?」
希「いやいや、今開けたのは花陽ちゃんやん?」
真姫「花陽があんなに乱暴なわけないじゃない」
凛「にこちゃんらしい開け方だったにゃ!」
にこ「どっちでもいいわよ!!どうしてあんたらはそうすぐに脱線するのよ!!」
絵里「にこ、カルシウムが……」スッ
にこ「カルシウムブレイク!!」ブシュゥゥ!!
絵里「私のバナナオレーーー!!」
凛「あの絵里ちゃんのバナナオレが一撃で……!」
希「強い……今までとは一味違う」
にこ「もう……ああー!もう、いいのよ!!それは!」
花陽「UTX二回戦の対戦結果が出ました!」
258: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:37:58.56 ID:DVzIpAKOO
穂乃果(!……確かその試合は……)
海未「一回戦は2-0で突破していましたが……」
花陽「結果は……UTXの勝ちです……」
穂乃果「………」グッ
凛「それは当然だにゃ~」
花陽「……対0で…」
ことり「……?」
絵里「ごめんなさい、よく聞こえなかったわ、もう一度いいかしら」
花陽「………」プルプル
花陽「9-0でUTXの勝ちです!!」
みんな「………」
みんな「へ?」
259: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:38:48.17 ID:DVzIpAKOO
凛「う、嘘だよねかよちん……」
海未「さ、流石にそんなものには騙されないですよ……」
にこ「ほんと、たしかな情報よ」
絵里「そんなことって………」
花陽「試合自体は見てないけど、コメントは見れるよ」スッ
希「なになに?」
『なんだよあいつら、ガチのバケモンじゃねえか』
『一体この短期間に何があったの?』
『これはUTXの一強だな』
『対戦相手が不憫すぎる』
真姫「『せいぜい怪我しないようにしろよ、嵐みたいな試合になるから』………か」
みんな「………」
260: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:39:56.99 ID:DVzIpAKOO
にこ「……どう……する?」
海未「どうと言われましても……」
にこ(流石に海未も言葉が出ないか……)
にこ(まあこんな結果見せられたら誰でも……)
穂乃果「練習しよっか」
みんな「!?」
にこ(……穂乃果)
穂乃果「強くなれば……強くならないと始まらないでしょ?」
にこ「……簡単にいうけどどうする気?」
海未「準決勝は凛がいない上に決勝までは最長で2週間しかありません」
凛「…….」
絵里「今までと同じじゃ勝てないわ」
穂乃果「……どうするとか、勝てないとか……」
穂乃果「関係ないよ」
にこ「はぁ?あんたそれ思考放棄っていうのよ?」
希「にこっち難しい言葉知ってるなぁ」
にこ「これぐらいしってるわ!!」
穂乃果「穂乃果たちなら絶対勝てる」
穂乃果「穂乃果がやるったらやるんだよ!!」
261: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:40:52.45 ID:DVzIpAKOO
海未「!」
ことり「!」
凛「!」
にこ「はぁー……全然根拠なんてないじゃない」
ガタッ ガタッ
真姫「……海未?」
花陽「ことりちゃん……」
海未「練習……行きましょうか」
ことり「うん!時間なくなっちゃう」
にこ「ちょ、あんたらまで何言って……」
凛「いっくにゃー!」ガタッ
凛「おおっと?」グラッ
花陽「凛ちゃん!?」ガシッ
凛「ほらかよちんと真姫ちゃんも!」グイグイ
花陽「わ、わかったから!」
真姫「ヴェェ!!引っ張らないで!」
にこ「……待ちなさい!」
花陽「…!」ビクッ
海未「………」
穂乃果「………」
にこ「………」
262: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:41:38.06 ID:DVzIpAKOO
にこ「……」はぁ
にこ「海未、穂乃果、あんたらはいつも通り練習仕切りなさい」
海未穂乃果「!」
にこ「花陽は私が借りるわ」
花陽「に、にこちゃん!?」
にこ「……こいつらに何を言っても無駄よ」
にこ「勝つ確率を少しでもあげるために………情報収集行くわよ」
花陽「……!うん!」
希「………最初から解決策を見つける気なんてなかったくせに…」ボソッ
にこ「なにかいった?」
希「べっつに~?」
にこ「花陽、行くわよ!」スタスタ
花陽「うん!」ダッ!
263: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:42:14.63 ID:DVzIpAKOO
海未(穂乃果、久しぶりにあなたのそれを聞きましたよ)
海未(信じて……よいのですね?)
穂乃果(…あの映像、見せた方がいいのかな)
穂乃果(でも見せるなって書いてたし……う~~~!)
264: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:45:19.33 ID:DVzIpAKOO
夕方
にこ「っはー………!」ググッ…… テクテク
花陽「結局、UTXについてはほとんどわからなかったね」
花陽(あの人ゲームしながら歩いてる………あの動きは……ポケモンGOかな?)
にこ「でも次の相手の情報は収集したわ」
にこ「木戸川清修のね」
花陽「帰ってみんなに伝えないとだね!」
花陽(この辺子供多いなぁ……へぇ、近くに公園があるんだ)
にこ「ええそうね……」
花陽「……にこちゃんのいった通りになったね」
にこ「え?」
花陽「ほら、部室で……」
にこ「あぁ……」
265: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:46:41.32 ID:DVzIpAKOO
にこ「解決策なんてあの短時間で見つかるはずないんだから」
にこ「なんとか全体を鼓舞してもらう必要があったのよ」
にこ「さすがは穂乃果ね」
花陽「やっぱりすごいなぁ……」
にこ(……たしかに想定通りの展開だったけど……)
にこ(あいつ……穂乃果ってあんなだったっけ?)
にこ(……)チラッ
花陽「?」
にこ「花陽、荷物重いでしょ?私が半分持つわ」
花陽「いやいや、これぐらい大丈夫だよ!」
花陽「それにタオルとか消毒薬とかばっかりで軽いし」
花陽(少し意地張っちゃったかな……?)
にこ「………じゃあお任せするわ」
にこ「ありがと花陽」
花陽「いえいえ♪」
花陽(よかった、怒ってないみたい)ホッ
にこ「……あ……!」ピタッ
266: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:47:24.57 ID:DVzIpAKOO
花陽「にこちゃん?」
にこ「花陽、そのお礼にアイス買ってあげるわ」
花陽「だ、大丈夫だから!」
にこ「私が食べたいのよ、あんたのはついで」
にこ「ついでなんだから気楽に受けとんなさい」
花陽「……ふふ、ありがと」ニコッ
花陽(にこちゃんには敵わないなぁ……)チラッ
花陽「!」
にこ「それじゃあ買ってくるわね!」タッタッタッ
花陽「あ、うん」
花陽「………」
267: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:48:38.01 ID:DVzIpAKOO
花陽(あの子、道路の脇でボール持ってて危ないなぁ……)
花陽(注意してあげるのが一番なんだろうけど………恥ずかしい……)
花陽(あぁ……そんなに走ったら……)
花陽(ほらこけちゃった……)
花陽(あぁ……泣かないで)
花陽(ボール、道路に転がっていっちゃった……)
花陽(取りに行かなきゃだけど車の信号が青だからこっちが青になるまで待たないとね)
ブロロロロロロロ
花陽(車もきてるし………!?)サァァ……!
子供「ボール!」タッタッタッ
268: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:49:25.85 ID:DVzIpAKOO
花陽「………ダメ」
花陽(あ……血の気が引くってこういう感じなんだ)
プップップップーーーーー!!!!!!!!
子供「?」クルッ
花陽「ダメェェェェ!!!!!」ダッ!
花陽(間に合って……!!)
269: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:50:11.16 ID:DVzIpAKOO
にこ「ありがとうございま~す!」スッ
にこ「ふんふふ~ん♪」
にこ(にこは~、可愛いピンクのストロベリーで…………花陽はお米味ね)
にこ(アイス食べながらまたサッカーの話でもしようかしら)
にこ「肝心の花陽は………」キョロキョロ
プップップップーーーーーー!!!!!!
にこ「な、なに!?」クルッ
にこ(なによ……ずいぶん近いところで………って)
にこ「………え?」
270: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:51:21.89 ID:DVzIpAKOO
花陽(間に………合って!!!)ガバッ!
カシャン……
子供「うぶっ……!」
キキキキキキーーーー!!!!
グシャ………
にこ「………は……」スルッ………
ベチャッ ベチャッ
271: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:51:54.25 ID:DVzIpAKOO
にこ「花陽!!!」ダッ!
ピーポーピーポーピーポーピーポー
272: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:55:46.32 ID:DVzIpAKOO
学校
海未「希!もっと圧をかけてください!!」
希「了解!」
海未「真姫!パスを待つだけてなく、自分でも切り込んでください!」
真姫「?ぇぇ……苦手なのよね」
凛「……ベンチで見学なんて退屈だにゃ~……」
凛(……そうだ!またあのサイトで動画みよっと!)
凛「……」ガサゴソ
凛「………」ピッ
ケータイ『決まったーー!!!』
ケータイ『ワァァァァァァァァァ!!!!』
凛「……」ジーーーーー
273: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:57:04.73 ID:DVzIpAKOO
ブブブブブ
[電話だよ、電話だよ]
凛「にゃ?にこちゃんから?」
ピッ
凛「やっほーにこちゃん!情報収集の調子は……」
凛「………」
凛「………ぇ」
凛「……かよちんが……」
凛「う、嘘だよね……?」
凛「………」
凛「……わかった」
ピッ
ザッザッ
海未「今のはにこからの電話ですね」
海未「なんと言っていたのですか?」
穂乃果「ついに弱点を掴んだとか!」
絵里「そううまくいけばいいけど……」
希「………?」
希(凛ちゃん………?)
凛「……かよちんが……」
274: ◆7NyoAqShyg 2019/04/13(土) 23:57:37.19 ID:DVzIpAKOO
凛「事故で病院に運ばれたって」
275: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 00:01:35.22 ID:1F2wX8AOO
ドタバタドタバタ!
にこ「ちょっと、病院では静かにしなさいよ」
凛「かよちんは!!」
にこ「だから落ち着きなさいって……」
凛「答えて!!」ガッ
にこ「うぐっ……!」
穂乃果「待って凛ちゃん、とりあえず話聞こ?」
凛「かよちん…かよちんはどこ!!」
にこ「………大したことはないわ」
凛「……へ?」
にこ「私だって初めから見てたわけじゃないけど……」
にこ「子供が轢かれそうになってるところに花陽が飛び込んで、無事助けられたのよ」
希「お~、花陽ちゃんやるなぁ」
にこ「車との接触はなかったんだけど……」
凛「だけど……?」
にこ「倒れた拍子に肩を強打したのと、助けられた安心感からあの子……気絶しちゃったのよね」
凛「気絶……」
にこ「もしかしたら頭でも打ってたんじゃないかって急いで救急車を呼んだわけ」
276: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 00:02:57.21 ID:1F2wX8AOO
凛「よ……よかったぁぁぁ」ヘナヘナァ……
絵里「ずっと誰よりも心配してたものね」
凛「当たり前だにゃ!」
海未「花陽の体は大丈夫なのですか?」
にこ「もう目が覚めてるから軽く治療を受けてるわ」
ことり「花陽ちゃんまで出れないなんてことになったら……」
穂乃果「フラグだよそれ……」
にこ「………」
にこ「花陽の肩の具合も心配だけど何より……」ガタッ
希「ちょ……にこっち……!」
にこ「………」
にこ「……ごめん、にこが一番近くにいたのに……」ペコッ
にこ「こんなこと言いたくはないけど」
にこ「………一歩間違えば取り返しのつかないことになっていたかもしれない」
にこ「だから……」
277: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 00:03:51.78 ID:1F2wX8AOO
「それは違うよにこちゃん」
にこ「!あんた……!」
凛「かよちーん!!」バッ!
真姫「凛!!タイムターイム!!」グググッ
希「今飛びついたら完全にアウトやからぁ!!」グググッ
凛「よがっだよぉぉ……!!!」ダー!
花陽「ふふ、鼻水垂れてるよ」スッ
ピキッ
花陽「っ……!」
絵里「……肩、ひどいの?」
花陽「………」
「また会ったわね」
絵里「!」クルッ
278: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 00:04:42.96 ID:1F2wX8AOO
凛「あー!医務室のお姉さん!!」
女性「久しぶりね、星空さん」
凛「ここのお医者さんだったんですね!」
女性「ええ、まさかまたあなたたちを担当するとは思ってなかったけど……」
女性「どう、調子は?」
凛「はい!ずっと安静です!」
女性「大丈夫、決勝までには治るわ」
絵里「すみません、少しいいですか」
女性「なにかしら?」
絵里「……花陽は……大丈夫なんですか?」
女性「………」チラッ
花陽「……」フルフル
女性「……」フゥ……
女性(まぁ、自分からは言いにくいわよね)
女性「………小泉さんは………」
みんな「…………」
279: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 00:05:40.54 ID:1F2wX8AOO
女性「1週間絶対安静です」
海未「なっ……」
絵里「ってことは……」
にこ「ちょっと………」ガタッ
にこ「あんたわざと私たちをはめようってんじゃないでしょうね!!」ツカツカ
女性「………」
海未「にこ!!」ガッ
にこ「だってそうじゃない!!凛に続いて花陽まで抜けるなんて……」
凛「………」
花陽「………」
にこ「………そんなの………あんまりじゃない……」
女性「無理をすれば小泉さんも星空さんも試合に出られるかもしれない」
にこ「!」
女性「でもそのせいで体に障害が残ってしまった時、誰が責任を取るの?」
女性「誰が一番悲しむの?」
にこ「………っ」
女性「私が担当になったからには、そんな子を絶対出させはしない」
みんな「……」
海未「………」
280: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 00:06:35.81 ID:1F2wX8AOO
海未「私は凛に言いました」
みんな「!」
海未「私たちがそんなに頼りないのか、一試合を任せられないほど弱く見えるのか、と」
凛「………」
海未「私たちのするべきことは落ち込むことでも怒ることでもありません」
海未「前を向いて、決勝への切符を手にすることです」
海未「落ち込んでいたって二人の怪我は治りませんから」
みんな「………」
女性(……今時の高校生ってドラマみたいなこと言うのね……)
海未「………」
みんな「………」
281: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 00:07:26.95 ID:1F2wX8AOO
海未「……て……いう感じのこと、を……思ってるんですけど……」
にこ「……ん?」
海未「………だから……えと……」
希(おやおや?)
海未「…その……」
海未「…………」
海未「……この空気なんとかなりませんか?/////」カァァ
みんな「………」……フ
282: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 00:08:09.69 ID:1F2wX8AOO
みんな「あっはははは!!」
海未「わ、笑わないでください!!///」
希「いいこと言ったと思ったら急に照れるんやもん、かわええなぁ海未ちゃん」ワシワシ
真姫「ヴェェ!?なんでその流れで私の胸を揉むのよ!!」
ことり「良いではないか、良いではないか」ジリジリ
真姫「いやぁぁ!!」
穂乃果「あっはははは!」
にこ「というかあれぐらいで真っ赤になる?普通」
海未「みなさんが黙ってしまうからじゃないですかぁぁぁ!!!///////」
ワーワーキャーキャー
283: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 00:09:21.75 ID:1F2wX8AOO
女性「………強いのね、あなたたちは」
花陽「伊達に準決勝まで来てるわけじゃないですからね」
女性「みんなは小さい時から一緒なの?」
凛「凛とかよちん、それと二年生3人以外は高校で知り合ったんですよ」
女性(それでこの信頼感……)
女性(事故にあったと聞いた時、みんなで駆けつけてくる思いやり……)
女性(この子たちなら本当に………なんてね)
凛「あれ?そういえばかよちんメガネは?」
花陽「事故の時に割れちゃったみたい……」
花陽「粉々になったメガネが枕元に置いてたから……」
凛「それは災難だにゃ~……」
凛「でもメガネのないかよちんもかわいいにゃ~!」
ことり「うん!すっごくかわいい!」
にこ「いっそコンタクトにしてみるのもアリかもしれないわね」
花陽「え、え?」
海未「コンタクトの方がスポーツの時楽でしょうし、悪くないかもしれませんね」
花陽「え、えーっと……?」アワワワ
凛「かよちんコンタクトデビューだにゃー!」
花陽(わ、私喋ってないのにどんどん話しが進んでいく……!)
「あの………」
284: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 00:10:06.34 ID:1F2wX8AOO
みんな「ん?」クルッ
「っ……!」ビクッ
穂乃果「……子供?」
ことり「サラサラの綺麗な黒髪だね~」
凛「どうしたのかにゃ?」
子供「……えと……その……」
285: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 00:58:29.29 ID:1F2wX8AOO
スッ
絵里「ふふ、ゆっくりで大丈夫よ」
子供「……!はい!」
にこ(子供と話すときは目線を合わせる、わかってるわね)
絵里「礼儀正しくて偉いわね」ナデナデ
子供「~~!」
ことり(スキンシップを交えて警戒心を解く、さすが絵里ちゃん)
子供「あの、お名前を……」
絵里「名前?私の?」
子供「は、はい!」
絵里「んー、そうねー……」
絵里「……!」
絵里「私の名前はね………」
子供「………」
絵里「エリーチカよ」
希「ブフゥ……!!」
ことり「うわぁぁ……!」
真姫「希汚い!!」
希「だって……不意打ちは卑怯やん……」プルプル
真姫「はぁ!?」
子供「エリー……チカ……」
絵里「ええ」
子供「エリーチカ……」キラキラ
絵里「ふふ、気に入ってもらえたようでよかったわ」
286: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 00:59:12.83 ID:1F2wX8AOO
絵里「それで、用事って私の名前が知りたかったの?」
子供「え、えっと……!い、妹が……」
絵里「妹?」
子供「赤い髪の………妹がここにいると聞いたので……」
絵里「……?」
花陽「あ!もしかして事故の時の?」
子供「は、はい!そうです!!」
子供「今どこに……」
「こら、勝手に歩き回ったらだめですよ」
287: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:00:15.50 ID:1F2wX8AOO
子供「ご、ごめんなさい……」
絵里「この子のお母様ですか?」
母親「はい、この度はご迷惑をおかけしてすみません」
母親「これ、大した額ではありませんが治療費に……」スッ
花陽「いや……!本当に大丈夫です!!」
母親「こういうときは受け取っていただいた方が嬉しいものですよ」
花陽「……では、いただきます……」
母親「はい、ありがとうございます」
花陽(明らかに治療費以上入ってる……)
母親「………」
花陽「……?」
母親「本当にごめんなさい」ペコッ
花陽「えっ…えっ……?」
母親「貴方達今、大会中なのでしょう?」
花陽「!知ってるんですか!?」
母親「私個人、サッカーがとても好きなのでよく見ているんですよ」
花陽「へ~……」
花陽「ということはこの辺にお住まいなんですか?」
母親「いえいえ、今日は仕事で地方から出てきたんです」
母親「普段はケータイで観戦させていただいています」
花陽「なるほど……」
288: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:01:06.85 ID:1F2wX8AOO
母親「私がいうのもおかしな事かもしれませんが、ずっと応援してきました、音の木坂の皆さん」
みんな「!!」
母親「そのメンバーにこんな仕打ちを……本当にごめんなさい」ペコッ
みんな「………」
花陽「……気にしないでください」
みんな「!」
母親「小泉さん……」
花陽「音の木坂は強いですから」
花陽「絶対優勝してみせます」
みんな「………ぉぉ~」
花陽「…………」
289: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:01:56.60 ID:1F2wX8AOO
花陽「………//////」ボンッ……!
花陽「………恥ずかしいね、海未ちゃん///」カァァ
海未「花陽、わかってくれましたか…!」
にこ「どうしてあんたらはいつもいい雰囲気で終われないのよ」
凛「凛はこんなかよちんも好きにゃ~」
穂乃果「よし!じゃああんまり長居してもあれだし帰ろー!」
みんな「おー!」
女性「病院内ではお静かに」
みんな「……おー……!」ヒソッ
絵里「妹、大事にしてあげてね」パチッ(ウインク)
子供「ぅっ……!」ドキンッ!
ゾロゾロ
290: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:02:49.18 ID:1F2wX8AOO
母親「……強い方々でしたね」
子供「エリーチカ……かっこよかったですわぁ……」うっとり
「お、おねいちゃぁ!!」ダダダッ
子供「!!怪我はない??痛いところは……!!」
妹「ううん、だいじょぶ……」
妹「……でも」ウルッ……
妹「怖かったよぉぉ……!!!」ポロポロ
子供「はいはい、もう大丈夫よ」ナデナデ
母親「……貴方を助けてくれた方ね、小泉花陽さんというのですよ」
妹「小泉……花陽しゃん?」
母親「覚えておきなさい、貴方の命の恩人ですよ」
妹「……花陽……しゃん」
291: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:03:37.93 ID:1F2wX8AOO
凛「ラーメンいくにゃー!」
穂乃果「アブラマシマシー!」
海未「おやめなさい、この間も気分悪そうにしていたではありませんか」
にこ「あんなの食べたら太っちゃうわ」
希「にこっちはもう少し太った方がええんやない?」
にこ「どこ見て言ってんのよ!!」
花陽「ふふ」
花陽(………そういえばあの姉妹の瞳、綺麗だったなぁ……)
花陽(まるで……)
花陽「宝石みたいにキラキラ輝いてた」
292: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:04:24.28 ID:1F2wX8AOO
ハンバーガーショップ
凛「結局ここになるよね」
海未「値段もお手軽ですし、ラーメン屋より長居ができますからね」
海未「まず、花陽と凛のいないフォーメーションを考えましょう」
真姫「二年生の人たちが入るんでしょう?」
絵里「ええ、でも雪穂ちゃんと亜里沙のポジションも変更した方がいいかもね」
花陽「今まで私が真ん中だったんだけど、二人に真ん中を固めて貰った方が安心かな」
海未「それが良さそうですね、穂乃果はどう思いますか?」
穂乃果「まって!!」
海未「?」
穂乃果「……まだ………」
293: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:05:24.62 ID:1F2wX8AOO
穂乃果「まだポテトが来てない」
海未「ではこれで行きましょうか」
穂乃果「冗談じゃん!!」
ことり「チキンクリスプ美味しいよね」モグモグ
希「安いのにこの美味しさは一人暮らしに嬉しいなぁ」モグモグ
凛「……共食……ムグゥ…!!!」
真姫「貴方学習しなさいよ!!」グググッ
にこ「あーシェイク美味しいにこ~」
真姫「にこちゃんはまた苺?」
にこ「そ!あまーいあまーいストロベリー!」
真姫「まあなんでもいいんだけど」
にこ「やめなさいよすぐ興味なくすの!!」
294: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:06:04.69 ID:1F2wX8AOO
数時間後ハンバーガーショップ前
穂乃果「みんな、二人が出られなくてもやることは変わらない」
穂乃果「絶対勝って、みんなで決勝にいくよ!!」
みんな「おー!」
穂乃果「それじゃあ解散!」
穂乃果「凛ちゃんと花陽ちゃんに誰か付き添ってあげてくれないかな」
にこ「じゃあにこが行くわ」
穂乃果「ありがと!それじゃあ今度こそ、解散!」
295: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:06:39.62 ID:1F2wX8AOO
夜中
ドゴォォォォォ!!!
穂乃果「はぁ……はぁ……」ズズ…ズ……
穂乃果(あと少し、あと少しでイメージが掴めそう……)
ブン……!
296: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:07:28.28 ID:1F2wX8AOO
公園
タッタッタッ
真姫絵里【ファイアブリザード!!】
ドゴォォォォォ!!!
ゴォォォォ……!
ォォォ……
テンテンテン……
真姫「もう一回……」
絵里「ええ!」
ブワァァァ ブワァァァ
ドゴォォォォォ!!!
297: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:08:13.08 ID:1F2wX8AOO
別の公園
凛「……ふふ、凛たち二人とも試合に出れないなんてね」
花陽「も~、笑い事じゃないよぉ……」
凛「……あはは、たしかに」
花陽「……勝ってほしいね」
凛「違うよかよちんも」
花陽「?」
凛「勝つんだよ、みんなで」
花陽「凛ちゃん……」
凛「………」
凛「………」
凛「………//////」カァァァ
凛「………恥ずかしいね、これ////」
花陽「ようこそこちら側へ」
凛「いやだにゃ~」
298: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:08:54.72 ID:1F2wX8AOO
希宅
フー、フー
ズズズッ………
希「…………っはー」
希「………」
希「甘………」
299: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:09:42.57 ID:1F2wX8AOO
絵里宅
絵里「ただいまー」
亜里沙「お帰りお姉ちゃん!遅かったね」
絵里「……ちょっと色々あってね」
亜里沙「ふーん?」
絵里「そうだ亜里沙」
絵里「貴方次の試合、雪穂ちゃんと花陽の場所に入ってくれる?」
亜里沙「……え?」
絵里「少し不安かもしれないけど、亜里沙なら大丈夫よ」
亜里沙「じゃ、じゃなくて!………花陽さんは?」
絵里「……少し肩を怪我しちゃって出れないのよ」
亜里沙「そんな………」
絵里「私たちの後ろ、任せたわよ」ポン
亜里沙「…….うん」
300: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:10:53.07 ID:1F2wX8AOO
プルルルル
ピッ
亜里沙「雪穂」
雪穂「やっぱりかけてくると思った、聞いたよ花陽さんのこと」
雪穂「ほんとにびっくりだよね」
亜里沙「うん……」
雪穂「びっくりしすぎておでん缶食べちゃったもん」
亜里沙「なんで悪いことみたいに言うの?」
雪穂「え、いやぁ……えへへ」
亜里沙「ごまかした……!」
雪穂「それは置いといて、今は花陽さんのことだよ」
亜里沙「大丈夫かな……」
雪穂「決勝には出れそうだし大丈夫でしょ!」
亜里沙「そっか……」
301: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:11:46.83 ID:1F2wX8AOO
雪穂「それより私たちの心配をしないとだよ」
亜里沙「……亜里沙、自信ない」
雪穂「今まで花陽さんについていってたけど、今度は私たちが引っ張って行かなきゃだからね」
亜里沙「……」
雪穂「大丈夫、花陽さんみたいにできるよきっと」
亜里沙「……うん」
雪穂「よし!それじゃあもう寝よっか」
亜里沙「心配で眠れないよぉ~……」
雪穂「早く寝ないとセーラー服着たおじさんが亜里沙のこと連れてっちゃうかもよ~?」
亜里沙「ヒッ……!」サァァ……!
雪穂「ほら、今も亜里沙の後ろに……」
亜里沙「あ……あぁぁ……!」ガタガタガタガタ
雪穂「……ってまあそれは冗談として」
302: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:12:43.89 ID:1F2wX8AOO
絵里「……亜里沙?」ポン
亜里沙「うわあああああ!!!!」
絵里「きゃぁぁぁあ!!!」
雪穂「うぇああああ!!!!」キーン…!
亜里沙「いやぁぁぁ!!」ダダダダッ!
絵里「亜里沙!?亜里沙ぁ!」
プツッ
プー、プー、プー、
雪穂「…………やりすぎた」
303: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:13:32.37 ID:1F2wX8AOO
ことり「準決勝まで1週間もなかったけど、みんな必死に練習しました」
ことり「絶対みんなで決勝に行くんだから!」
ことり「みんな、頑張ろうね!」
ことり「えい、えい、おー!」
ことり「………」
ことり「ちゅんちゅん」
海未「ちゃんちゃんみたいに言わないでください」
ことり「じゃあ海未ちゃんが言ってよ」
海未「えぇ……?」
ことり「ほらせーの!」
海未「ち…ちゃんちゃん!」
ことり「どうして変顔するの?」
海未「してません!!」
304: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:14:18.53 ID:1F2wX8AOO
穂乃果「あれ、花陽ちゃん予備のメガネあったの?」
花陽「う、うん、コンタクトも持ってはいるんだけどメガネの方が楽だし」
凛「コンタクトのかよちんも見てみたかったにゃ~!」
花陽「ふふ、ごめんね凛ちゃん」
305: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:19:30.37 ID:1F2wX8AOO
[6、助っ人]
試合当日
穂乃果「いやーきちゃったね、準決勝」
海未「リーダーの貴方が何を言っているのですか、しっかりしてください」
ヒデコ「私とミカが出るよ」
ミカ「よろしく!」
フミコ「迷惑かけないようにしなよ~?」
ヒデコ「あっはは、頑張るよ!」
306: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:20:47.84 ID:1F2wX8AOO
希「わしわしー!!」
にこ「どぉうわぁ!?」ワシワシ
にこ「やめなさいよ!!」
ことり「良いではないか、良いではないか」
にこ「ことりも悪ノリしない!」
真姫「ねえにこちゃん、どぉうわぁってアイドルには……」
にこ「誰もがみんな『きゃぁ!』なんて言えると思うなよ!……思うなよ!!」
真姫「そこまで必死にならなくてもいいじゃない」
凛「アイドルも大変だにゃ~………あっ!」(水零し)
バシャァ!
花陽絵里「きゃぁ!」びっしょり……
凛にこ真姫希「……」
花陽「だ、大丈夫、すぐ乾くから」
絵里「も~、気をつけなさいよ?」
凛「……二人はアイドルになれそうだにゃ」
希真姫 コクリ
絵里花陽「?」
にこ「ぬぁんでよぉ!!!」クワッ!
希「アイドルとは思えない顔をしているので自主規制」ピー
307: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:22:12.34 ID:1F2wX8AOO
雪穂「……」カキカキ
亜里沙「………」カキカキ
穂乃果「ゆーきほ!何書いてるの?」
ことり「こ、これって………」
凛「そこにあったのは……おびただしい数の……人」
真姫「何ナレーションチックにしてるのよ」
凛「雰囲気出るかなって」
海未「亜里沙、これは一体?」
亜里沙「雪穂に聞いたんです!緊張した時は人を丸呑みにしろって」
絵里「丸呑みはおかしい」
海未「亜里沙、それは手に書いて飲み込めばいいんですよ」
亜里沙「え……じゃあ亜里沙………手を食べないとダメなんですか?」
亜里沙「どうしよう……手、なくなっちゃう……」
穂乃果「そうじゃなくて、飲むフリでいいんだよ!」
雪穂「……ダメだよ」
穂乃果「え?」
雪穂「このプレッシャーは飲むフリなんかじゃ決して改善されない……」ガサガサ
雪穂「……なら!」ガサッ!
亜里沙「うん!」ガサッ!
雪穂「実際に書いて飲み込んじゃえば……」あー……
亜里沙「いただきまー………」あー……
穂乃果「こらこらこらこらぁぁ!!」バッ
308: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:23:08.06 ID:1F2wX8AOO
穂乃果「なにしてんの!?」ガシッ
穂乃果(……!手が震えてる……)
雪穂「離して!こうでもしないと……」
穂乃果「こんなの食べたって治るわけないじゃん!」
雪穂「!」ハッ
亜里沙「!」ハッ
雪穂亜里沙「……たしかに」
ことり「人は極限状態に陥った時、突拍子もない行動をしてしまうんだね……」
にこ「雪穂まであんな風になるなんて……」
希「……それだけこの試合へのプレッシャーが強いってことかな……」
絵里「大丈夫よ亜里沙」
亜里沙「おねーちゃん?」
絵里「もし失敗しても、みんなで支えあえばいい」
絵里「私たちがついてるわ」ニコッ
亜里沙「お姉ちゃん……!」パァァァァ!
絵里「はい、元気になるおまじない」チュッ
亜里沙「えへへ…!」
309: ◆7NyoAqShyg 2019/04/14(日) 01:24:14.05 ID:1F2wX8AOO
にこ「姉妹でおでこにキス……さすがアメリカンね」
希「ロシア」
にこ「どっちも似たようなもんじゃない」
希「全く違う」
穂乃果「雪穂!」
雪穂「?」クルッ
穂乃果「んちゅ~!」ガバッ
雪穂「いやあぁぁぁ!!!」バッシィィン!!
穂乃果「ひでぶっ!!」ドサッ
雪穂「な、な、なにしようとしてんの!?」
穂乃果「緊張を和らげてあげようと……」
雪穂「今口狙ってたよね!?おでこじゃなくて!」
穂乃果「冗談だったのに」
雪穂「いや、目がマジだった」
穂乃果「……ふふ、手を見てごらん雪穂」
雪穂「は?………ぁ…」
穂乃果「大丈夫、雪穂は私の妹なんだから」クシャクシャ
雪穂「……なにそれ」ボサァ……
穂乃果 ニッ
穂乃果「よしみんな!」バッ
穂乃果「最初から実績なんてなにもない穂乃果たちにとって、負けて失うものなんてなにもない」
穂乃果「全力を出し切れ!」
みんな「おおぉぉぉぉおお!!!!!」
次回 「ラブライブ×イナイレ~11人の女神の奇跡~」後半 その2
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