1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:10:32.46 ID:6Ybw/VjjO
アナ「うぅ……迷子になってしまいましたわ」 

キョン「……」テクテク 

アナ「あっ、あの見た感じ人畜無害そうな方に道をお聞きしましょう」 

キョン「……」テクテク 

アナ「すいませーん」 

キョン「……ん?」 

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4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:16:14.36 ID:6Ybw/VjjO
アナ「すいません、道をお尋ねしたいんですけどよろしいでしょうか」 

キョン「ん?ああ、別に構わないが」 

アナ「あの、駅にはどうやって行けばいいのでしょうか?」 

キョン「駅か……ふむ」 

アナ「……」 

キョン「駅まで少し歩くしもし構わないなら案内するが」 

アナ「いえ、そんなご迷惑は」 

キョン「なに、気にするな。俺も君ぐらいの年の妹がいて、最近物騒だからな。 
それに俺も駅に用がないわけではないし」 

アナ「……すいません、ではよろしくお願いしますわ」 


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:20:31.23 ID:6Ybw/VjjO
キョン「小学5年生なのか。名前はなんていうんだ?」(大人びているな……それとも俺の妹が幼いだけか?) 

アナ「はい、アナ、コッ……アナですわ!」 

キョン「へぇ、アナちゃんか」 

アナ「お兄さまは何というお名前なのですか?」 

キョン「ジョン・スミスだ」 

アナ「ジョンさん?」 

キョン「ああ」 

タッタッタッタ 

伸恵「アナちゃんになにしてんだてめぇ!」ドカッ 

キョン「あがっ!?」 


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:30:23.45 ID:6Ybw/VjjO
キョン「と、飛び蹴……?」ドサァ 

伸恵「ぁあ!?アナちゃんを誘拐でもしようとしたのかてめぇ」ゲシッ ゲシッ 

キョン「あぐっ!お、追い討ち!?」 

アナ「お姉さま!止めてください!この方は私を助けて下さった方です!」 

伸恵「えっ、そうなの?」 

アナ「はい!」 

キョン「……」ピクピク 

伸恵「いやぁ、悪いねぇ」 

キョン「……」ピクピク 

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:34:23.45 ID:6Ybw/VjjO
――――― 
―――― 
――― 
―― 
― 

キョン「……ぅ」 

キョン「……あれ?ここはどこだ?俺は一体?」 

千佳「大丈夫ですか?」 

キョン「……君は?」 

千佳「お姉ちゃんが迷惑をかけてしまってごめんなさい」 

キョン「ああ……そういえば見ず知らずの女の子にいきなり襲われて……」 

千佳「お姉ちゃーん!ジョンさん起きたよ!」 

伸恵「ん?ああ、今行く」 

キョン「……あ」 

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:37:10.23 ID:6Ybw/VjjO
伸恵「いやぁ、悪いことしたね」 

千佳「もう、ちゃんと謝りなよ」 

伸恵「謝ってるだろ」 

アナ「大丈夫ですか?」 

茉莉「お兄ちゃん大丈夫?」 

キョン「……」 

伸恵「ん?固まってどうした?」 

キョン「ここは一体どこなんだ?」 

伸恵「私の部屋だ」 

キョン「なんですと!?」 

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:41:37.07 ID:6Ybw/VjjO
キョン「ん……?」モゾモゾ 

キョン「ひっ……体の上を何かが……」モゾモゾ 

茉莉「ジョン待ってぇ、だめだよ迷惑かけちゃぁ」 

キョン「ジョン?……うわっ!?フェ、フェレット!?」 

伸恵「そういやお前もジョンだったっけ?被るから今からお前はキョンな」 

キョン「……」(結局そうなるのか……) 

伸恵「怪我は大丈夫なのか?」 

キョン「ああ、いきなり暴力を受けるのには慣れてるからな」 

伸恵「虐められてるのかお前?」 

キョン「何故そうなる」 


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:50:00.75 ID:6Ybw/VjjO
キョン「悪かったな迷惑かけて、それじゃあ俺はこれで」 

千佳「あの、お姉ちゃんが本当にすいませんでした。これ、クッキー焼いたんで良かったらどうぞ」 

キョン「ああ、ありがとう」 

アナ「今日は助けて下さってありがとうございました」 

キョン「なに、気にするな」 

伸恵「なにしてんだ早く行くぞ」 

キョン「え?」 

伸恵「駅まで送ってってやるって言ってんだよ」 

キョン「いや、わざわざそんなことしなくても」 

伸恵「ここから駅までの行き方分かんないだろ」 

キョン「あ……」 

伸恵「それに歩いていくには遠いからな」 



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:54:07.70 ID:6Ybw/VjjO
伸恵「車とスクーターどっちがいい?」 

キョン「お前年は?」 

伸恵「16だけど」 

キョン「同い年じゃねぇか!」 

伸恵「だからなんだよ」 

キョン「免許は!?」 

伸恵「ほらっ」スッ 

キョン「おま……これ……」 

伸恵「なんだよ」 

キョン「偽装じゃねぇか」 

伸恵「言い掛かりはやめろよな、早く行くぞ」 

キョン「……」 

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 23:00:02.17 ID:6Ybw/VjjO
伸恵「まぁ、車でいいか」 

キョン「事故るなよ……」 

タッタッタッタ 

アナ「キョンお兄さまー!」 

キョン「……んっ?ああ、アナちゃんか。どうしたんだ?」 

アナ「まだ出発してなくて良かったですわ。お見送りに参りましたの」 

キョン「わざわざすまないな」 

アナ「いえ、今日は本当にありがとうございました」ペコッ 

キョン「なに、気にするな」 

伸恵「おい、鼻の下伸ばしてないで早く乗れ」 

キョン「人聞きの悪いこと言うな。それじゃあなアナちゃん」 

アナ「ええ、それじゃあまた」ニコッ 

キョン「ああ」(……また?) 

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 23:09:59.20 ID:6Ybw/VjjO
~車内~ 

キョン「ちょっ……運転荒くないか?」 

伸恵「気にすんな」スッー プハー 

キョン「タバコ!?」 

伸恵「吸うか?」 

キョン「吸わん」 

伸恵「そうか」 

キョン「……」(なんなんだこいつは……) 

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 23:24:58.69 ID:6Ybw/VjjO
キョン「ん?どこに車止めてるんだ?」 

伸恵「飯だよ飯」 

キョン「飯?」 

伸恵「飯ぐらい奢るってことだ」 

キョン「別にそんなことしなくても構わないんだが」 

伸恵「早く行くぞ」 

キョン「……あいつ」 

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 23:49:52.20 ID:6Ybw/VjjO
イラッシャイマセー 

伸恵「喫煙で」 

キョン「……」 

ウェイトレス(伸友)「あっ、伸ちゃんいらっしゃ……彼氏?」 

伸恵「違うから」 

キョン「……」 

伸恵「ほらっ、さっさと席つけよ」 

キョン「あ、ああ……」 

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 23:56:06.13 ID:6Ybw/VjjO
伸友「相性良さそうじゃない」 

伸恵「だから違うって」 

伸友「眠そうな目とかだるそうな雰囲気とかそっくりじゃない」 

キョン「……」(馬鹿にされてるのか?) 

伸恵「チョコパフェとこのセット。お前は?」 

キョン「……」(チョコパフェって……女の子みたいなところもあるんだな) 

伸恵「おい、早く決めろよ」スッー プハー 

キョン「じゃあこのセットを」(タバコ吸ってなければだが……) 

伸友「かしこまりましたー」 

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 23:59:27.54 ID:6Ybw/VjjO
――――― 
―――― 
――― 
―― 
― 

伸恵「そうだろー、アナちゃんは可愛いんだよなぁ」ポワポワポワーン 

キョン「ああ、人形みたいだな」モグモグ 

伸恵「家も金持ちなんだぞ」モグモグ 

キョン「なんでお前が自慢気なんだ」モグモグ 

伸恵「アナちゃんはやらんからな」モグモグ 

キョン「いらん」モグモグ 



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 00:04:02.65 ID:VOgvF1v8O
キョン「ふぅ……ご馳走さま」 

伸恵「ぷはー、やっぱ食後のタバコは上手いなー」スッー プハー 

キョン「随分と様になっているがいつから吸っているんだ?」 

伸恵「初めて吸ったのは小学生の時だったかなー」スッー 

キョン「小学生……」 

伸恵「初めて吸った時はびっくりしたよ」プハー 

キョン「さっきもビール頼んでたしお前……不良か?」 

伸恵「ちげーよ」 

キョン「……」(本当になんなんだこいつは……) 


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 00:12:29.67 ID:VOgvF1v8O
伸恵「さて、タバコも吸ったしいくか」 

キョン「そうだな、ご馳走さん」 

伸恵「……」 

キョン「……」 

伸恵「おい」 

キョン「なんだ?」 

伸恵「財布忘れた」 

キョン「なっ!?」 

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 00:18:54.78 ID:VOgvF1v8O
チリンチリン 

伸友「ありがとうございましたー」 

キョン「あっ、レシートは大丈夫です」 

伸友「伸ちゃんのことよろしくお願いしますねー」 

キョン「いや、そういのじゃな」 

伸友「いらっしゃいませー」 

キョン「行ってしまった……」 

ガランガラン アリガトウゴザイマシター 

キョン「……」テクテク 

伸恵「おい、こっちだ。早く来い」 

キョン「はぁ……全く」 

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 00:26:36.48 ID:VOgvF1v8O
伸恵「いやぁ、悪いな」 

キョン「なに、気にするな。こういうのは慣れてるからな」 

伸恵「なんだお前、やっぱり虐められてるのか?」 

キョン「何故そうなる。 
……まぁ、確かに団長さんから不遇な扱いは受けているがな」 

伸恵「団長?……まぁいい、早く乗れ、行くぞ」 

キョン「はいはい」 


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 00:31:28.20 ID:VOgvF1v8O
――――― 
―――― 
――― 
―― 
― 
~駅~ 

伸恵「ほらっ、着いたぞ」 

キョン「ああ、わざわざすまないな」 

伸恵「なに、気にするな。どうせ暇だし」 

キョン「お前……学校行ってないのか?」 

伸恵「学校ぐらい行ってるつーの。まぁ……サボり気味ではあるけど」 

キョン「全く……学校ぐらいちゃんと行けよ。それじゃあな」 

伸恵「はいよ」 


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 00:37:08.36 ID:VOgvF1v8O
~翌日:学校~ 

キョン「全く……昨日は大変な目にあったぜ」 

古泉「どうかされたのですか?」 

キョン「ああ、いきなり見ず知らずの女の子に襲われて気付いたらそいつの部屋だ」 

長門「……」ピクッ 

古泉「っ!?もしや、敵勢力かなにかだったのですか!?よくご無事で」 

キョン「いや、そういうのじゃない。一般人だ」 

古泉「恐ろしい一般人がいるものですね」 

キョン「全くだ……しかし、外国の女の子もいたんだかびっくりしたぜ。妹と同い年だなんて信じられん」 

長門「……」ピクッ 

古泉「なにやら凄そうな場所ですねぇ」 

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 00:58:18.16 ID:VOgvF1v8O
キョン「いや、しかしそいつの妹は礼儀正しくしっかりした子だったし、もう1人は朝比奈さんのような感じの子だったな」 

古泉「何故女性がそんなにいるのですか」 

長門「……」ピクッ 

キョン「女性もなにもそいつ以外皆小学生だ」 

古泉「つくづく面白い体験をする方ですね」 

キョン「面倒なだけだ、それにもう会わんだろ」 

古泉「おやおや」 

キョン「なんだ?小学生を紹介でもして欲しかったのか」 

古泉「ふふっ、ご冗談を」 

キョン「ああ、そういやクッキー貰ったんだ。一緒に食うか?ほらっ、長門もこっち来いよ」ピラッ 

長門「……」コクッ 

古泉「おや、なにか落ちましたよ」 

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 01:03:38.35 ID:VOgvF1v8O
キョン「ん?なんだこの紙?」 

【今日はありがとうございました。 
お礼をしたいので、もしよろしければ明日の16時に駅に来て下さい。 
アナ】 

キョン「っ!?古泉、今何時だ?」 

古泉「5時5分前ですね」 

キョン「すまん!急用が出来た!先帰る!じゃあな!」 

ガチャッ タッタッタッタ 

古泉「……」 

長門「……」 

古泉「行ってしまいましたね……」 

長門「……」ズーン 

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 01:13:05.27 ID:VOgvF1v8O
~駅~ 

キョン「まだいるか?」タッタッタッタ 

キョン「……っ!?」タッタッタッタ 

キョン「遅くなってすまん!」ゼエゼエ ハァハァ 

アナ「あっ、キョンお兄さま!」 

キョン「すまん、紙に気が付かなくて」 

アナ「こちらこそ分かりにくくて申し訳ないですわ」 

キョン「すまんな……お礼なんてわざわざ良かったのに。それに小学生がこんな時間に外に1人でいちゃ危ないしな」 

アナ「そんなに子供じゃありませんわ」 

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 01:17:37.17 ID:VOgvF1v8O
アナ「これ、お菓子を作ったのでもしよろしければ食べてください」 

キョン「ああ、わざわざすまない、ありがとな」 

アナ「いえ」 

キョン「さっ、家まで送ってってやるから帰るぞ」 

アナ「えっ?」 

キョン「しかしアナちゃんはわざわざお礼だなんて律儀だな。妹に見習わせたいぐらいだ」 

アナ「あ……はは、ありがとうございます」 

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 01:23:01.88 ID:VOgvF1v8O
アナ「あ、あの!」 

キョン「ん?どうかしたか?」 

アナ「キョンお兄さまはこの後御用事でもありますか?」 

キョン「いや、特にはないが」 

アナ「あっ、そうしたら是非我が家に寄っていってください!昨日のお礼を!」 

キョン「いや、さっきお菓子貰ったしそんなに気を遣わないでも大丈夫だ。 
それにいきなり俺が行ったらご両親も驚かれるだろう」 

アナ「今、両親はいないから気にしないでください」 

キョン「しかし……」 

アナ「最近物騒だから1人でいるのが怖いですわ」 

キョン「……仕方ないな。なにかあったら大変だしな」 

アナ「ありがとうございます!」 


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 01:27:38.55 ID:VOgvF1v8O
――――― 
―――― 
――― 
―― 
― 

キョン「お邪魔します」 

アナ「いらっしゃいですわ」 







古泉「彼が心配で尾行してきましたが……」 

長門「……」ズーン 

古泉「まさか彼がそのような趣味にはしっていたとは……、涼宮さんがもし知りでもしたら世界崩壊ですよ」 

長門「……」ズーン 

古泉「友として止めるべきか止めぬべきか……僕はどうすれば……ん?」 

長門「……」ピクピク 

古泉「長門さん、しっかりして下さい長門さん」 


77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 01:39:52.91 ID:VOgvF1v8O
~アナ宅~ 

キョン「しかしでかい犬だな」 

アナ「フルシアンテですわ」 

キョン「フルアンシテ?」 

アナ「フルシアンテですわ」 

キョン「フルンシアンテ?」 

アナ「フルンシアンテ……あれ?フルアンシテ……あれ?フルシン……」 

キョン「フルシアンテな」 

アナ「もう、キョンお兄さまったら」 

キョン「ははっ、すまんな」 

アナ「うふふ」 


82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 02:10:07.81 ID:VOgvF1v8O
キョン「ほぉ、ここがアナちゃんの部屋か。可愛らしいな。 
……ん?あのクローゼット」 

アナ「開けないでください」 

キョン「……」 

アナ「開けたらキョンお兄さまでも許しませんわ」 

キョン「……」 

アナ「じゃ、キョンお兄さま――そこに座ってください」 

キョン「そこって、ベッドの上か?いいのか?」 

アナ「はい。ベッドの上以外に座ったら駄目ですわ」 

キョン「……」 

アナ「ふ、ふう。この部屋、なんだか、暑いですわね」 

キョン「暑いんなら、そこの壁に据え付けられているエアコンを入れればいいんじゃ……」 

アナ「だ、駄目ですわ!キョンお兄さまはこの地球がどうなってもいいのですか!?」 

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 02:15:57.03 ID:VOgvF1v8O
アナ「地球温暖化は二酸化炭素で大変なんですわ……炭素が酸化されるだけでも大変なのに、それがダブルなんですわよ」 

キョン「そ、そうか……」 

アナ「そ、それに、キョンお兄さま、エアコンなんて昔はなかったんですから……心頭滅却すれば火もまた鈴虫ですわ」 

キョン「火から生命を作り出すとは、それは斬新な錬金術だな……」 

アナ「キョ、キョンお兄さまも、暑いのでしたらそのブレザー脱いだらどうですか?」 

キョン「ん?俺か?」 

アナ「暑くなくても、キョンお兄さまはそのパーカーを脱ぐ以外ないんだよ」 

キョン「脱ぐ以外ないとは……」 

アナ「じゃ、キョンお兄さま。まずジュースを飲みましょうか……コップはひとつしかないのですけれど」 

キョン「なんでひとつしかないんだ!?」 

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 02:24:11.09 ID:VOgvF1v8O
アナ「べ、別に回し飲みで構わないですわよね?」 

キョン「いや、まあ、構わないけど……」 

ゴクゴク 

キョン「……アナちゃん。これ、お酒じゃないよな?」 

アナ「違いますわ、ただのコーラですわ」 

キョン「まぁ、確かに味はコーラだが」 

アナ「王様ゲーム、しましょう」 

キョン「……」 

アナ「……」 

キョン「ま、まあ、王様ゲームはやめておこう」 

アナ「ツイスターゲーム」 

キョン「へえ、そりゃ知らないな。どんなゲームだ?教えてくれよ。」 

アナ「はい、教えて差し上げますわ……その身体に」 

キョン「ははは、楽しみだな」 

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 02:34:42.02 ID:VOgvF1v8O
キョン「へえ、これがツイスターゲームか。初めて見たな」 

アナ「ふふっ、教えて差し上げますから安心してください」 

キョン「ああ」 

ピンポーン 

アナ「っ!?」 

キョン「親か!?俺いたらまずいんじゃないか!?」 

アナ「えっと……どうしましょう……どうしましょう……」 

キョン「ん?けど親なら呼び鈴は鳴らさないよな」 

アナ「あ……」 

キョン「お客さんか?」 

伸恵「アナちゃーん!今日1人なんでしょー!?遊びに来たよー!」 

美羽「開けろー!」 

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 02:40:30.41 ID:VOgvF1v8O
キョン「えっと……俺は?」 

アナ「そこで待っていてください」 

キョン「ああ」 

アナ「はーい!今開けますわー!」タッタッタッタ 

キョン「まさか翌日に再開することになるとは」 

ガチャッ 

伸恵「アナちゃんの部……ん?」 

キョン「……」 

伸恵「……」 

キョン「……よう」 

伸恵「……」 

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 02:45:46.71 ID:VOgvF1v8O
伸恵「なんでお前がアナちゃんの部屋にいるんだよ!?」ドカッ 

キョン「おふっ!」 

伸恵「おい、しかもなんでアナちゃんもお前もそんなに薄着なんだ?あ?」ギリギリ 

キョン「ぐ、苦し……」 

伸恵「しかもお菓子もお酒が入ってるものしかねぇなぁ。どういうことだ?あ?まさかよからぬ事をしようとしてた訳じゃないだろうな?あ?」ギリギリ 

キョン「ご、誤解……だ……は、離……せ……」パンパン 

千佳「ちょっとお姉ちゃん何してるの!?」 

アナ「や、止めて下さい!お姉さま!」 

末莉「うっ……ひっぐ……お兄ちゃん……痛そうだよ……可哀想だからやめてあげて……」 

美羽「誰?アナちゃんの彼氏?」 

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 02:51:50.37 ID:VOgvF1v8O
アナ「私が昨日のお礼に招待したのですわ!」 

伸恵「え?そうなのか?」パッ 

キョン「げほっ!ごほっ!ひ……人の……話ぐらい……聞け!」ゼエゼエ ハァハァ 

伸恵「いやぁ、悪いね」 

キョン「何が悲しくて2日連続で暴行を受けなければならんのだ」 

伸恵「だから悪かったって」 

キョン「全く……」 

千佳「大丈夫ですか?」 

キョン「あ、ああ……。ありがとう、大丈夫だ」 

千佳「お姉ちゃんがすいません」 

キョン「なに、気にするな」 

美羽「ねぇ、あれ誰なの?アナちゃんの彼氏?」 

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 03:38:39.55 ID:VOgvF1v8O
キョン「俺はもう帰るよ」 

アナ「えっ!?まだお礼もなにも出来ていませんわ!」 

キョン「いや、クッキー貰ったしな。後は皆でゆっくりした方がいいだろ」 

末莉「お兄ちゃん帰っちゃうの?」 

千佳「今から夕飯作るから良かったらどうですか?」 

アナ「是非!」 

キョン「いや、しかし……」 

伸恵「ぁあ?アナちゃんの言うことが聞けねーのか?」ギュッ 

キョン「胸ぐらを掴むな」 

伸恵「あ?」 

キョン「すいません、食べていきます」 

千佳「じゃあ今から作るね」 

美羽「ねえ?あれ誰なの?ねえ?」 

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 03:44:26.82 ID:VOgvF1v8O
キョン「……」(参ったな……) 

伸恵「……」スッー プハー 

キョン「しかし広い庭だな。ここだけヨーロッパみたいだ」 

伸恵「庭で吸うタバコは上手いなぁ」 

キョン「……」 

伸恵「吸うか?」 

キョン「吸わん」 

伸恵「千佳ー!まだ出来ないのかー!?」 

千佳「今作りはじめたばっかりでしょー!」 

伸恵「えー」 

キョン「お前は手伝わないんだな」 

伸恵「何か文句あんのか?」 

キョン「はぁ……」 

111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 03:52:15.88 ID:VOgvF1v8O
伸恵「よし、サッカーするか」 

キョン「は?」 

伸恵「あっち行け。こことそこがゴールな」 

キョン「いや、意味が分からん」 

伸恵「食前の運動だよ」 

キョン「なんだそれ……」 

伸恵「はい、ピー」 

キョン「なっ?」 

伸恵「……はっ!」 

キョン「っ!?これは……噂で聞いたヒールリフト……!?」 

伸恵「痛っ!」ガンッ!! 

キョン「……」 

伸恵「……」 

キョン「思いっきり背中に当たってるじゃないか」 

伸恵「……うるさい」 



113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 04:01:40.81 ID:VOgvF1v8O
~台所~ 

千佳「アナちゃんそれとってもらえる?」 

アナ「はい」 

千佳「ありがとう」 

美羽「ねぇ、あれ誰なの?」 

千佳「さっき話したでしょ。アナちゃんを助けてくれてお姉ちゃんが迷惑をかけちゃった人だよ」 

美羽「あー」 

アナ「末莉さん、それは使い方が違いますわ」 

美羽「てっきりアナちゃん彼氏かと」 

アナ「なっ!?べっ、別にそんなんじゃ……ありませんわ……」 

美羽「よし!アナちゃんを任しても大丈夫かテストしてくる!」 

千佳「ちょっと、変なことしないでよね」 

美羽「……」タッタッタッタ 

千佳「行っちゃった……」 

114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 04:06:30.81 ID:VOgvF1v8O
~庭~ 

キョン「はい、ゴール」ポンッ 

伸恵「あっ!卑怯だぞお前!」 

キョン「卑怯もなにもお前が勝手に転んだろ」 

伸恵「うるさい、1回しか成功したことないんだよ」 

美羽「私も混ぜろー!」 

キョン「?」 

伸恵「よし、美羽、パスだ!」シュッ 

美羽「シュート!」ドカッ 

キョン「おふっ!」バチン 

伸恵「ナイッシュー」 

美羽「イエー!」 

キョン「ボールが……顔に……」ガクン 

116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 04:09:17.71 ID:VOgvF1v8O
~台所~ 

美羽「ただいまー」 

千佳「あっ、もう戻ってきたの」 

美羽「うん」 

アナ「一体何をしてきたんですの?」 

美羽「あの人全然だめだった」 

千佳「なにが?」 

美羽「顔にボールぶつけただけで倒れちゃったよ」 

千佳「何してんだお前!」 

アナ「ちょっ!?」 


124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 04:46:38.09 ID:VOgvF1v8O
キョン「んぅ……」ガバッ 

伸恵「おお、ナイス顔面ディフェンスだったぞ」 

キョン「そんなものした覚えはない。あれはただの事故だ」 

伸恵「私の不戦勝な」 

キョン「容赦ないな……」 

伸恵「飯はまだかー!?」 

千佳「後ちょっとー!」 

伸恵「えー」 

キョン「お前は……」 

125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 04:51:38.34 ID:VOgvF1v8O
キョン「お前……随分と慕われてるみたいだな」 

伸恵「みんな可愛いよなぁ」 

キョン「子供好きの不良とかいたんだな」 

伸恵「だから不良じゃねーっつーの」 

キョン「そうかい」 

伸恵「……」スッー プハー 

キョン「まぁ確かに……ただの不良ならこんなにも慕われないよな」 

伸恵「だから不良じゃねーって何回言えば分かるんだ」 

キョン「えっ?声に出てたか?」 

伸恵「馬鹿かお前」 

千佳「ご飯出来たよー!」 

キョン「おっ、出来たみたいだぜ」 

伸恵「よし、行くか」 

127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 04:56:39.71 ID:VOgvF1v8O
伸恵「おお、美味そうだな」 

キョン「凄いな、これ千佳ちゃんが作ったのか」 

千佳「アナちゃんや末莉ちゃんも手伝ってくれました」 

美羽「私は?」 

アナ「私も手伝いましたのよ」 

キョン「凄いな、美味そうな鍋だ」 

千佳「えへへ」 

伸恵「まぁ鍋は誰が作っても同じだけどな」 

美羽「ですよねー」 

128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 05:04:00.88 ID:VOgvF1v8O
アナ「キョンお兄さま、どうぞ」 

キョン「ああ、ありがとう」 

千佳「はい、お姉ちゃん」 

伸恵「おー、サンキュー」 

キョン「うん、美味いよ」モグモグ 

千佳「本当ですか、良かったぁ」 

アナ「えへへ」 

末莉「とっても美味しいよぉ」 

千佳「ありがとう末莉ちゃん」 

伸恵「うん、美味いな。アナちゃんと末莉ちゃんの愛情が感じられる」 

美羽「まぁ鍋は誰が作っても同じだけどね」 

伸恵「んなわけねーだろ」 

美羽「っ!?」 

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 05:08:15.57 ID:VOgvF1v8O
美羽「末莉ちゃん、末莉ちゃん、豚の死体」 

末莉「ひっ」ビクッ 

伸恵「嫌な言い方すんな」 

美羽「萎びた白菜」 

末莉「ひぅっ」ビクッ 

千佳「末莉ちゃん、そのままだから」 

美羽「キョンお兄ちゃんと伸恵お姉ちゃんって似てるよね」 

伸恵「ぁあ?どこがだよ」 

美羽「常にだるそうな感じとかやる気なそうな感じとか眠そうな眼とか」 

伸恵「馬鹿にしてんのかてめぇ」 

キョン「……」(ファミレスでも言われたな……俺そんなにだるそうか……?) 

138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 05:48:54.03 ID:VOgvF1v8O
キョン「ふぅ……ご馳走様。美味かったよ」 

千佳「ありがとうございます」 

アナ「うふふ」 

美羽「まぁまぁでしたね」 

伸恵「さて、食後の一服でも吸ってくるかな」 

千佳「ちょっと、お姉ちゃん何もしてないんだから後片付けぐらいしてよ」 

キョン「ああ、それくらい俺がやるよ。ご馳走になった身だしな」 

アナ「いえ、キョンお兄さまはゆっくりしていてください」 

キョン「いや、それじゃ俺の気も収まらないしな。やらせてくれ」 

伸恵「ほらっ、そう言ってることだし」 

千佳「お姉ちゃんもやるの!」 

伸恵「分かったよ」 

139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 06:00:00.35 ID:VOgvF1v8O
~台所~ 

伸恵「人使いの荒い店だな」ガシャガシャ 

キョン「そうでもないだろ」ジャー 

伸恵「全く……」ジャー 

キョン「少しは千佳ちゃんを見習ったらどうだ」ガシャガシャ 

伸恵「どういう意味だよ」ガシャガシャ 

キョン「そのまんまの意味だ」フキフキ 

伸恵「ああ、めんどくせー」ガシャガシャ 

キョン「ちゃんと洗えよ」ジャー 

伸恵「分かってるよ」フキフキ 


141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 06:08:19.96 ID:VOgvF1v8O
――――― 
―――― 
――― 
―― 
― 

キョン「じゃあ俺は帰るよ。今日はありがとな」 

アナ「いえ、こちらこそありがとうございました」 

伸恵「アナちゃん末莉ちゃん後で一緒にお風呂入ろうねー」 

美羽「私も一緒に入る!」 

千佳「二人ともうるさい」 

キョン「それじゃあ」 

アナ「はい、駅までお見送りしますわ」 

キョン「ありがとな、だが危ないから大丈夫だ。それじゃ」 

伸恵「じゃあな」 

千佳「おやすみなさい」 

ガチャッ バタン 

キョン「……」テクテク 


143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 06:15:53.83 ID:VOgvF1v8O
キョン「……」テクテク(うちの妹はあの子たちに比べたら幼すぎないか?) 

キョン「……」テクテク(心配だな……) 

伸恵「おい」 

キョン「うおっ!?」 

伸恵「なにぼっーと歩いてんだよ」 

キョン「何しに来たんだ?俺なにか忘れ物したか?」 

伸恵「別に……見送りに来ただけだ。千佳が行けってうるさいからな」 

キョン「だが帰りはお前1だぞ、危ないだろ」 

伸恵「タバコ1本分の距離だから問題ない」 

キョン「そうかい」 

180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 13:36:30.59 ID:VOgvF1v8O
キョン「いい子たちだな、皆」テクテク 

伸恵「まぁ変な奴もいるがな」テクテク 

キョン「タバコ吸わんのか?」テクテク 

伸恵「うるせぇな、私の勝手だろ」テクテク 

キョン「なっ……」テクテク 

伸恵「……」テクテク 

キョン「しかしお前は……タバコは吸うわ酒は飲むわ無免許運転するわ……こんな奴初めて見たぜ」テクテク 

伸恵「別に気にすることでもないだろ」 

キョン「法律ぐらい守れ」 


183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 13:41:21.99 ID:VOgvF1v8O
キョン「ここまでで大丈夫だ。後は道は分かる」 

伸恵「そうか」 

キョン「ああ、それじゃあ今日はありがとな」 

伸恵「気にすんな」 

キョン「まぁお前は何もしてないがな」 

伸恵「あ?」 

キョン「……」(普通に怖い……) 

伸恵「まぁいい、それじゃあな」テクテク 

キョン「ああ」 

185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 13:50:39.55 ID:VOgvF1v8O
キョン「ふぅ……帰るのが遅くなってしまったな」テクテク 

キョン「妹も早く大きくなってほしいものだ」テクテク 

キョン「……ん?」テクテク 

長門「……」 

キョン「あそこにいるのは長門か?」テクテク 

長門「……」 

キョン「よっ、長門。 
奇遇だなこんなところで会うなんて」 

長門「そう」 

キョン「何してたんだ」 

長門「……散歩」 

キョン「そうか」 

長門「決して待ち伏せなどではない」 

キョン「ん?」 

186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 13:55:58.13 ID:VOgvF1v8O
キョン「散歩してたのか、それじゃあな」 

長門「待って」 

キョン「ん?なんだ?」 

長門「私も帰る」 

キョン「そうか、それじゃあ一緒に行くか」 

長門「……」コクッ 

キョン「……」テクテク 

長門「……」トテトテ 

キョン「……」テクテク 

長門「……」トテトテ ジッー 

キョン「ん?どうかしたか長門」 

長門「……」ジッー 

188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 14:11:31.65 ID:VOgvF1v8O
キョン「ん?屋台のおでんか?」 

長門「……」ジッー 

キョン「なんだ食いたいのか?ちょっと待ってろ」 

長門「……」コクッ 

キョン「すいません、持ち帰りで。適当にください」 

屋台「あいよ」 

キョン「どうも」 

長門「……」 

キョン「ほらっ、食おうぜ」 

長門「……」コクッ 

190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 14:18:32.10 ID:VOgvF1v8O
キョン「そこのベンチにでも座るか」 

長門「……」コクッ 

キョン「ほら」パカッ 

長門「いただきます」パクパク モグモグ 

キョン「俺はいらんから1人で食っていいぞ。もう飯食っちまったんだ」 

長門「……そう」モグモグ 

――――― 
―――― 
――― 
―― 
― 

長門「ご馳走様」 

キョン「食ったか。よし、それじゃあ行くか」 

長門「……」コクッ 


192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 14:33:07.12 ID:VOgvF1v8O
~翌日:放課後~ 

キョン「ったく、ハルヒの奴……放課後に買い出しに行かせるとかどんだけ人使い荒いんだよ」テクテク 

キョン「何故また学校に戻るなんて真似をしなくてはならん」テクテク 

伸恵「よっ」ブロロロロ 

キョン「だいたいあいつはいつもいつも」テクテク ボソボソ 

伸恵「おい」ドカッ 

キョン「おふっ!」 

伸恵「なにぼっーとしてんだよ」 

キョン「ん?ああ……お前か。奇遇だな」 

伸恵「学校の帰りか?」 

キョン「まぁそんなところだな。また戻らなければならんが」 

伸恵「なんだそれ?」 

キョン「お前もそうなのか?」 

伸恵「いや、私は学校行くの面倒くさかったから川原とかでゆっくりしてた。その帰り」 

キョン「おま……」 


194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 14:41:39.86 ID:VOgvF1v8O
キョン「そのスクーターも無免か」 

伸恵「だから持ってるって言ってんだろ。 
お前これからどっか行くのか?」 

キョン「ああ、ホームセンターに行かねばならん」 

伸恵「ホームセンター……?……ああ、あそこか。 
遠いだろ。乗せてってやろうか?」 

キョン「ヘルメットは?」 

伸恵「んなもんねーよ」 

キョン「お断りだ」 

伸恵「細かいなー」 

キョン「それじゃあな、俺は電車で行くから」 

伸恵「ああ」 

195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 14:49:20.73 ID:VOgvF1v8O
~ホームセンター~ 

アリガトウゴザイマシター 

キョン「よし、これで必要なものは全部買えたな。 
さて、戻るか……」テクテク 

ウィーン ザー ザー 

キョン「……雨」 

ザー ザー 

キョン「普通に強いな……止むのかこれ……?」 

ザー ザー 

キョン「いつから降ってたんだ……?全く気が付かなかった……」 

ザー ザー 

キョン「止むまで待つしかないな……」 

196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 14:57:39.36 ID:VOgvF1v8O
~10分後~ 

キョン「止む気配がないな……」 

キョン「はぁ……」 

伸恵「おい」 

キョン「っ!?」 

伸恵「よっ」 

キョン「よって……お前は何故ここにいるんだ?」 

伸恵「あ?偶然通りかかっただけだ」 

キョン「そうかい」 

伸恵「ほらよ」スッ 

キョン「ん?なんだこれ?」 

伸恵「見りゃ分かんだろ」 

キョン「いや、傘なのは分かるが……」 

伸恵「会った時お前手ぶらだったからな」スッー プハー 

キョン「ああ……そういえば」 

199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 15:11:46.93 ID:VOgvF1v8O
キョン「すまんな、わざわざ」 

伸恵「ぁあ?勘違いしてんじゃ…………ん?」 

キョン「?」 

伸恵「おい、やっぱ傘返せ」 

キョン「は?」 

伸恵「私の分の傘がなかった」 

キョン「おい」 

伸恵「早く返せ」 

キョン「お前馬鹿だろ」 

伸恵「あ?」 


201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 15:18:34.44 ID:VOgvF1v8O
伸恵「早く返せ」スッ 

キョン「お前なんのために来たんだよ……」 

伸恵「ほらっ、早く行くぞ。途中まで一緒だろ」 

キョン「俺に濡れながら帰れと!?」 

伸恵「男だから別にいいだろ」 

キョン「よくねーよ!」 

伸恵「……」 

キョン「……」 

伸恵「……2割程度なら傘に入れてやる」 

キョン「は?」 

伸恵「だから2割程度なら傘に入れてやるって言ってんだよ」 

キョン「ああ……すまん、頼むよ」 


205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 15:33:56.16 ID:VOgvF1v8O
キョン「……」テクテク 

伸恵「おい」スッー プハー 

キョン「なんだ?」テクテク 

伸恵「傘もっとこっちに寄せろよ」テクテク 

キョン「充分寄せてるだろ。だいたい傘が小さいんだよ」テクテク 

伸恵「ったく」スッー プハー 







長門「先を越された……」ズーン 

221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 17:35:34.50 ID:VOgvF1v8O
キョン「雨強いな」(体の右半分がびしゃびしゃだ……) 

伸恵「おい」 

キョン「なんだ?」 

伸恵「肩が雨で濡れてんだよ」 

キョン「そうかい」 

伸恵「もっとこっちに寄せろよ」 

キョン「分かったよ」 

伸恵「ったく」スッー プハー 

キョン「お前はタバコ吸いすぎだ」 

伸恵「別にいいだろ」 

キョン「お前は……」 


223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 17:42:41.86 ID:VOgvF1v8O
伸恵「ああ、そこ左に曲がれ」 

キョン「近道かなにかか?」 

伸恵「家帰んに決まってんだろ」 

キョン「は?」 

伸恵「家ついたらその後傘貸してやるよ」 

キョン「ああ、そういうことか。わざわざすまんな」 

伸恵「……」スッー プハー 

キョン「タバコ臭せぇ」 

伸恵「あ?」 

224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 17:51:17.28 ID:VOgvF1v8O
キョン「しかしわざわざ悪かったな」 

伸恵「……」スッー プハー 

キョン「……」 

伸恵「お前ホームセンターなんかになに買いに行ってたんだ?」 

キョン「ああ、色々とな。なんか必要らしい」 

伸恵「なんでぱしられてんだよ」 

キョン「俺は雑用らしいからな」 

伸恵「お前やっぱ虐められてんのか?」 

キョン「何故そうなる」 


227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 18:03:08.41 ID:VOgvF1v8O
伸恵「着いたぞ」 

キョン「ああ、わざわざ悪かったな」 

伸恵「ったく、びしょ濡れになっちまった」 

キョン「悪かったな。傘は今度返しに来るよ」 

伸恵「好きにしろ」 

千佳「お姉ちゃんお帰りー、あっ、キョンお兄ちゃん、いらっしゃい」 

キョン「ああ、千佳ちゃん」 

千佳「うわっ、凄いびしょ濡れ、今タオル持ってくるね」 

キョン「いや、そんな気にせんでも」 

千佳「駄目だよ、ちゃんと拭かないと風邪ひいちゃうよ。今タオル持ってきますから待っててね」タッタッタッタ 

キョン「よく出来た妹だな」 

伸恵「まぁな」 

キョン「誰かと違ってな」 

伸恵「あ?」 


232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 18:17:56.40 ID:VOgvF1v8O
伸恵「……」ギリギリ 

キョン「ぐ……苦し……い」パンパン 

千佳「タオル持ってきってお姉ちゃん何やってんの!?」 

伸恵「ああ、首絞めてるだけだろ」ギリギリ 

キョン「うぐぐ……」ピクピク 

千佳「何やってんだお前!」 

伸恵「ああ」パッ 

キョン「げほっ!ごほっ!この不良女め……」 

伸恵「あ?」 






長門「家に……入っていった」ズーン 


234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 18:24:24.80 ID:VOgvF1v8O
キョン「悪いな、タオルまで貸してもらって」 

千佳「気にしないで大丈夫だよ」 

伸恵「本当だよ、感謝しろよ」 

千佳「お姉ちゃんは黙ってて」 

キョン「しかし千佳ちゃんは料理が上手なんだな。売り物とは全然違うよ」ポリポリ 

伸恵「凄いだろー、千佳のお菓子は美味いんだぞ」 

キョン「なんでお前が自慢気なんだよ」 

ガラガラ バッ!! 

美羽「どーもお世話になってます!」 

キョン「っ!?窓から!?」 

伸恵「いつものことだから気にすんな」 

キョン「いつものこと!?」 

美羽「あっ、また出たなもみあげマン!」 

キョン「もみあげマン!?」 

239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 18:30:39.58 ID:VOgvF1v8O
美羽「なんだ私にそんなに会いたかったのか」 

伸恵「こいつ頭おかしいんだ。放っといていいぞ」 

キョン「随分な言い方だな」 

美羽「なになに、お姉ちゃんの彼氏なの?」 

キョン・伸恵「違う」 

キョン「断じて違う」 

美羽「ただではお姉ちゃんはやらんからなー!」 

伸恵「だから違うって言ってるだろ」 

キョン「元気な子だな」 

伸恵「可哀相な奴なんだよ」 

256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 20:48:44.42 ID:VOgvF1v8O
美羽「もみあげー」ギュッー 

キョン「こら、もみあげを引っ張るな」 

伸恵「お前学校戻んなくても平気なのか?」 

キョン「ああ、そういや……まぁもういいだろ。今から戻るのはさすがに大変だしな。はぁ、明日どやされそうだ」 

千佳「ちょっとみっちゃん。いい加減もみあげから手を離しなさいよ」 

美羽「伸恵お姉ちゃんは簡単にはやらんからなもみあげマン」ギュッー 

キョン「いらん」 

美羽「お兄ちゃんなんて末莉ちゃんで十分だ!」 

262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 20:56:46.21 ID:VOgvF1v8O
伸恵「末莉ちゃんはお前にはやらん。私のもんだ」 

キョン「なんだお前は……」 

千佳「お兄ちゃんまだクッキーあるよ」 

キョン「ああ、もう大丈夫だ。ありがとな」 

千佳「うん」 

キョン「さて、そろそろ帰るかな」 

千佳「えっ、もう帰っちゃうの?」 

キョン「ああ、あまり長居するのは迷惑かかるしな」 

千佳「そんなことないよ。いつもみっちゃんとかアナちゃんとかも来てるし」 

キョン「仲良いんだな、みんな」 

千佳「うん」 

キョン「あっ、そうだ。悪いが傘貸してもらえるか?」 

千佳「うん、分かった」 

265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 21:05:43.92 ID:VOgvF1v8O
千佳「えっと……お兄ちゃんが持ってても大丈夫そうなのは……」ガサガサ 

キョン「なんでもいいぞ」 

千佳「うん、このお姉ちゃんの黒い傘なら大丈夫だね」 

キョン「ああ、すまんな。それを借してもらうよ」 

千佳「あっ、荷物部屋に置きっぱなしだね」 

キョン「ああ、取りに行かないとな」 

ガチャッ 

伸恵「スッー……スッー……」 

キョン「寝てるな」 

千佳「もう、お姉ちゃんったら人の部屋で。ほらっ、お兄ちゃんもう帰るよ!」 

伸恵「んっ……んぅ……」 

キョン「ああ、起こさないで平気だ。寝かせといてやってくれ。それじゃあな、今日はありがとう」 

266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 21:08:58.03 ID:VOgvF1v8O
千佳「あっ、待って。私も一緒に外に行く」 

キョン「なにか用事があるのか?」 

千佳「うん、コンビニに行くの」 

キョン「そうか、じゃあ一緒に行こうか」 

美羽「じゃあなお兄ちゃん!」 

キョン「ああ、それじゃあな」 

ガチャッ バタン 

キョン「さて、行くか」 

千佳「ねぇ、お兄ちゃん」 

キョン「なんだ?」 

千佳「お兄ちゃんの傘に一緒に入ってもいい?」 

キョン「ん?別に構わないが」 

千佳「本当?ありがとうお兄ちゃん」 

キョン「まぁ、千佳ちゃんがそうしたいなら好きにしてくれ」 

千佳「うん」 

274 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/13(日) 21:21:24.47 ID:VOgvF1v8O
キョン「へぇ、コンビニにお菓子を買いに行くのか」 

千佳「うん。新しいのが出たら研究してるんだ」 

キョン「へぇ、凄いな」 

千佳「えへへ」 







古泉「彼が幼い女の子と相合傘を……」 

古泉「どうしましょう……友人として止めるべきか否か」 

古泉「そこに愛があるのならば邪魔をするなんて……」 

古泉「ん?見た感じあの女の子は10才から12才ぐらいですね。よく考えたらあまり年離れてないのですね」 

古泉「でもさすがに小学生は……」 

古泉「どうしましょう……彼がよからぬ道へと進んでいく……」 



332 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 00:38:36.95 ID:QXaG+UcjO
イラッシャイマセー 

キョン「いつもこのコンビニで買ってるのか?」 

千佳「うん」 

キョン「目当てのものはあったか?」 

千佳「うん、あったよお兄ちゃん」 

キョン「どれ……」 

千佳「あっ、いいよ。お金ちゃんと持ってきたし大丈夫だよ」 

キョン「なに、気にするな。美味しいクッキーのお礼だ」スッ 

千佳「あっ」 

キョン「他にはなにか欲しいものないか?」 

千佳「うん、大丈夫だよお兄ちゃん。ありがとう」 


338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 00:47:11.74 ID:QXaG+UcjO
アリガトウゴザイマシター 

キョン「それじゃあな、今日はわざわざありがとな。傘は今度返しに行くよ」 

千佳「こっちこそありがとね、それじゃあね」テクテク 

キョン「ああ」 

キョン「行ったか……全く、妹もあれぐらい大きくなってくれないものかね」 

キョン「……」テクテク 

キョン「……ん?」 

長門「……」 

キョン「あそこにいるのは長門か?」 

長門「……」 

キョン「おい、長……っ!?お前こんなところで傘もささないでなにやってんだ!?びしょ濡れじゃないか!風邪ひくぞ!」 

長門「……」 

キョン「ほらっ、取り敢えず傘に入れ!」 

長門「……」コクッ 

345 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 00:58:34.82 ID:QXaG+UcjO
キョン「どこか店にでも……だがこんなびしょ濡れじゃ……」 

長門「……」 

キョン「取り敢えず急いお前の家帰るぞ!」 

長門「……」コクッ 

キョン「傘もささずになにやってたんだお前は……」 

長門「……相合傘」 

キョン「ん?なにか行ったか?」 

長門「……」フルフル 






~影~ 

古泉「長門さん……頑張ってください……!彼を正しい道に引き戻してください! 
……しかし……心配で彼を尾行していたらまさか長門さんまで出てくるとは……」 


348 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 01:05:50.21 ID:QXaG+UcjO
~長門宅~ 

キョン「全く……」フキフキ 

長門「……」 

キョン「ほらっ、頭こっち向けろ。傘もささずになにやってたんだよ」フキフキ 

長門「……」 

キョン「はぁ……」ワシワシ 

長門「……」 

キョン「寒くないか?大丈夫か?」 

長門「……平気」 

キョン「よしっ、それじゃあな。俺は帰るよ」 


350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 01:06:51.04 ID:QXaG+UcjO
長門「待って」 

キョン「なんだ?」 

長門「ご飯」 

キョン「ご飯?」 

長門「食べていって」 

キョン「いや、しかし……」 

長門「……」ジッー 

キョン「……分かった、いただこう」 

長門「そう」 

キョン「よいしょっと」 

長門「今用意する」 

キョン「ああ」 


356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 01:12:55.26 ID:QXaG+UcjO
長門「出来た」コトッ 

キョン「やはりカレーか……とサラダか」 

長門「そう」 

キョン「凄い量だな。いただきます」モグモグ 

長門「……」ジッー 

キョン「うん、美味いよ。ありがとな長門」モグモグ(まぁ、レトルトなわけだが……) 

長門「そう」 

キョン「ああ」モグモグ 

長門「……良かった」 

キョン「ん?なにか言ったか?」モグモグ 

長門「……」フルフル 

キョン「そうか」モグモグ 

長門「……」コクッ 

359 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 01:19:18.23 ID:QXaG+UcjO
――――― 
―――― 
――― 
―― 
― 

キョン「ご馳走様」 

長門「……」 

キョン「美味かったよ」 

長門「そう」 

キョン「ふぅ……」 

長門「受動喫煙に気をつけるべき」 

キョン「……受動喫煙?あのタバコの煙を吸っちまうってやつか?」 

長門「そう。あなたの体に害を及ぼす」 

キョン「どうしたんだいきなり?……まぁ、ありがとな。気をつけるよ」 

長門「そう」 

キョン「ご馳走様、それじゃあまた明日な」 

長門「……」コクッ 

362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 01:26:28.04 ID:QXaG+UcjO
~翌日~ 

キョン「……」 

キョン「まさかの寝坊をしてしまった……」 

キョン「今……10時か……」 

キョン「そういや家族は田舎に帰ってるんだったな」 

キョン「学級閉鎖とか羨ましいぜ……」 

キョン「準備しなくては」 

363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 01:32:33.15 ID:QXaG+UcjO
キョン「……」コキコキ 

キョン「どうせ今から行っても遅刻だしな、たまには違う道から行ってみるか」コキコキ 

キョン「……」コキコキ 

キョン「ふむ、川原を走るのはやはり気持ちが良いな」コキコキ 

キョン「……ん?」コキコキ 

キョン「あの川原で座ってるタバコ吸ってる奴……」ジッー 

伸恵「……」スッー プハー 

キョン「やっぱあいつか……」 

伸恵「……」スッー プハー 

キョン「よう」 

伸恵「ん?」 

キョン「なにしてんだこんな時間に」 

伸恵「お前こそ何してんだよ。ってかお前私のストーカーか?」 

キョン「自惚れるな。お前をストーカーするぐらいなら俺はマイスウィートエンジェルをストーカーする」 

伸恵「なんだそれ」 


371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 01:42:47.31 ID:QXaG+UcjO
キョン「こんな時間に……またサボりか?」 

伸恵「悪いかよ。てかお前はなんだよ」 

キョン「俺は寝坊しただけだ」 

伸恵「対して変わらねーじゃねぇか」 

キョン「遅刻とサボりは違う」 

伸恵「学校行くの面倒くせーんだよ」ゴロッ 

キョン「だからってこんなところでごろごろしてんのもどうかと思うがな」 

伸恵「ああ、ビール飲みてぇ」 

キョン「お前は……」 







~木の影~ 

長門「……また」ズーン 

373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 01:54:14.42 ID:QXaG+UcjO
キョン「全く……」 

伸恵「腹減ったな……」 

キョン「ん?」 

伸恵「行くか?」 

キョン「は?」 

伸恵「新しい居酒屋が出来たらしいんだよ。だから今から飯食いに行くか」 

キョン「……」 

伸恵「……」 

キョン「行かん」 

伸恵「あ?」 

378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 02:02:46.48 ID:QXaG+UcjO
キョン「馬鹿かお前、行くわけないだろ。そもそも居酒屋ってなんだよ」 

伸恵「今の時間はちぃ達も学校だからいないんだよ」 

キョン「いや、学校行けよ」 

伸恵「なんだよ、私に1人で居酒屋行けっていうのか?」 

キョン「だから学校行け」 

伸恵「よし、行くか」 

キョン「おまっ……」 

伸恵「ほらっ、後ろ乗れ」 

キョン「俺の自転車はどうすんだ?」 

伸恵「適当にそこら辺置いときゃいいだろ」 

キョン「……」 


380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 02:07:25.48 ID:QXaG+UcjO
キョン「ヘルメットは?」 

伸恵「ねーよ。早く行くぞ」 

キョン「……」 

伸恵「さて、なに食べようかな」ブロロロロ 

キョン「お前……不良のくせに寂しがりやなんだな」 

伸恵「あ?」 

キョン「ああ……学校さぼっちまった……」 


伸恵「細かいことは気にすんな」 

キョン「細かくねーよ!」 


384 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 02:13:39.82 ID:QXaG+UcjO
――――― 
―――― 
――― 
―― 
― 

イラッシャイマセー 

キョン「途中で警察に捕まるかと思った……」 

伸恵「あ?なんでだよ?」 

キョン「ん?」 

店員「ですからお客様。学生の方をこの時間に入れることはなりません」 

キョン「そりゃそうだ」 

伸恵「あ?別にいいだろうが」 

キョン「良くない。早く出るぞ」ズルズル 

伸恵「なっ!?離せ!てめっ!」 

キョン「あはは、すいませんでしたー」 

388 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 02:35:30.29 ID:QXaG+UcjO
伸恵「はぁ……お前責任持って他の店探せよ」 

キョン「何故俺が……自分で調べればいいだろ」 

伸恵「いや違う。そういうことじゃない」 

キョン「は?」 

伸恵「探せ」 

キョン「……サー」 

伸恵「なんだそれ」 

キョン「というか俺必要か?」 

伸恵「お前いないと私がご飯食べれないだろ」 

キョン「どんだけ寂しがりやなんだよ」 

伸恵「いいから早く探せ」 

キョン「サー」 

390 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 02:49:24.51 ID:QXaG+UcjO
キョン「そういえば最初いた川原の辺りに店なかったか?ケーキとかの」 

伸恵「今ケーキ気分じゃねーよ」 

キョン「じゃあなんならいいんだよ」 

伸恵「特にはないけど」 

キョン「お前は……取り敢えず俺はそこぐらいしか思い当たらん」 

伸恵「また戻るのか、面倒くせーなー」 

キョン「諦めろ」 

伸恵「しょうがねぇなー、早く後ろ乗れ」 

キョン「またか……」 


392 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 02:55:57.90 ID:QXaG+UcjO
――――― 
―――― 
――― 
―― 
― 

イラッシャイマセー 

伸恵「本当にケーキしかないな」 

キョン「中々良い雰囲気の店じゃないか」 

伸恵「このケーキセット2つ」 

店員「かしこまりましたー」 

キョン「もう昼か、さすがに俺も腹減ったな」 

伸恵「はぁ、やっと飯にありつける。タバコタバコっと……ん?」 

キョン「ん?」 

伸恵「はぁ……」スッ 

キョン「赤ん坊がいるところでは吸わないんだな」 

伸恵「悪いかよ」 

キョン「殊勝な心がけだ」 

398 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 03:26:01.48 ID:QXaG+UcjO
キョン「中々美味いな」 

伸恵「なっ」 

キョン「はぁ、今日飯どうするかな……」 

伸恵「なんの話?」 

キョン「いや、今日1人なんだ」 

伸恵「そうか、だから寝坊とかしたのか?」 

キョン「まぁな、いつもは妹が無理矢理起こしてくるから」 

伸恵「お前も妹いたのか」 

キョン「まぁな」 

伸恵「飯はどうすんだ?」 

キョン「まぁ適当にすますさ」 

伸恵「うちに食いにくるか?」 

キョン「いかん。精々1人を堪能させてもらうさ。お前と違って寂しがりやじゃないしな」 

伸恵「あ?」 

402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 03:37:05.55 ID:QXaG+UcjO
伸恵「なぁ」 

キョン「なんだ?」 

伸恵「私財布に金入ってなかった」 

キョン「なっ!?」 

伸恵「いや、すっかり忘れた」 

キョン「お前!金ないのに飯食いに行こうとか言ってたのか!?」 

伸恵「あ?悪いかよ」 

キョン「俺が金持ってなかったらどうしてたんだよ!?」 

伸恵「うるせーなー。私だって今日ぐらい奢ってやろうと思ってたんだよ」 

キョン「お前は……」 

伸恵「悪いな」 

キョン「全く……」 

405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 04:03:29.58 ID:QXaG+UcjO
キョン「ああ……学校さぼっちまった……」 

伸恵「そんぐらいいいだろ別に」 

キョン「不良と一緒にするな」 

伸恵「あ?」 

キョン「もう2時すぎじゃねぇか」 

伸恵「えっ、もうそんな時間?」 

キョン「ああ、気がつかんかった。千佳ちゃんたちももう学校終わってるんじゃないか?」 

伸恵「そうかも」 

407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 04:17:54.73 ID:QXaG+UcjO
キョン「呼ばないのか?」 

伸恵「なにを?」 

キョン「千佳ちゃんたちをだ」 

伸恵「なんでだよ」 

キョン「俺といるよりあの子たちといる方が良いだろ」 

伸恵「……別に」 

キョン「は?」 

伸恵「まぁお前と違って可愛いけどな」 

キョン「男子高校生に可愛さを求めるな」 

464 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 15:24:28.64 ID:QXaG+UcjO
キョン「そろそろ出るか」 

伸恵「そうだな、ごちそうさん」 

キョン「全くお前は」 

店員「1800円でございます」 

キョン「はい、レシートは大丈夫です」 

店員「ありがとうございましたー。可愛い彼女さんですね。ふふっ」 

キョン「いえいえ、そんなんじゃありませんよ」 

店員「ふふっ、ありがとうございましたー」 

ガラガラ 

伸恵「おお、来たかちょっとタバコ吸わせてくれ」 

キョン「全く……」 


466 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 15:34:30.23 ID:QXaG+UcjO
伸恵「よいしょっと」ポスッ 

キョン「ふぅ」ポスッ 

伸恵「……」スッー プハー 

キョン「お前いつもこの川原でさぼってんのか?」 

伸恵「いつもじゃねぇよ」 

キョン「だが綺麗だなここ」 

伸恵「だろ」 

キョン「久々に草の上に座ったよ」 






~木の影~ 

古泉「今日彼が学校に来ていないからまさかと思い心配して来てみましたが……」 

古泉「小学生の次は他校の女学生ですか……彼は一体……」 

古泉「っ!?タ、タバコ!?そんな!彼女タバコを吸っています!」 

古泉「彼が学校をさぼり、不良とつるんでいる!どうしましょう!どうしましょう!彼がよからぬ道に進んでいく……!」 

471 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 15:47:35.80 ID:QXaG+UcjO
キョン「美味いのか?タバコ?」 

伸恵「ああ、吸うか?」 

キョン「吸わん」 

伸恵「最初は気分悪くなったり咳き込んだり大変だったけどな」 

キョン「なんで気分悪くなってまで吸うんだよ」 

伸恵「いいだろ別に」 

キョン「千佳ちゃんたちもいるんだぞ」 

伸恵「分かってるよ」 

キョン「……」 

伸恵「……」スッー プハー 

473 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 15:51:17.14 ID:QXaG+UcjO
キョン「……」ボッー 

伸恵「……」ボッー 

キョン「……」ボッー 

伸恵「……」ボッー 

キョン「……」ボッー 

伸恵「……」ボッー 

キョン「……」ボッー 

伸恵「……」ボッー 






~木の影~ 

古泉「何してるんでしょう……彼ら……」 


475 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 15:55:09.85 ID:QXaG+UcjO
キョン「……」ボッー 

伸恵「……」ボッー 

キョン「はっ、……いかんいかん。ぼっーとしてしまっていた」 

伸恵「ん?……ああ、そういやそうだな」 

キョン「さて、そろそろ帰るかな」 

伸恵「もう帰るのか?」 

キョン「もうそろそろ夕方だぞ」 

伸恵「えっ?そんな長い時間ぼっーとしてたのか?」 

キョン「みたいだな」 

481 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 16:07:51.62 ID:QXaG+UcjO
キョン「伸恵さん」 

伸恵「なんだよ気持ち悪りぃな」 

キョン「伊藤伸恵さん」 

伸恵「だからなんだよ?」 

キョン「俺の自転車が撤去されてるんだが」 

伸恵「えっ、くっ、ははっ!」 

キョン「笑い事じゃない」 

伸恵「くくっ、撤去されるなんてお前らしいな」 

482 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 16:09:37.64 ID:QXaG+UcjO
キョン「そんならしさはいらん」 

伸恵「帰りは乗せてってやるよ」 

キョン「またノーヘルか……」 

伸恵「ちょっとスクーター持ってるからこれ持っててくれない?」 

キョン「タバコ!?断る!断固拒否する!」 

伸恵「ああ、違う違う。そういうことじゃない」 

キョン「は?」 

伸恵「持ってろ」 

キョン「……サー」 

伸恵「じゃあ取ってくる」 

キョン「サー」 

伸恵「なんだよそれ」 

486 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 16:24:07.60 ID:QXaG+UcjO
キョン「タバコを持ってるだなんて……小心者の俺には厳しいな……」ドキドキ 

キョン「……」ドキドキ 

佐々木「やぁ、キョン。久しぶりじゃないか」 

キョン「っ!?さ、佐々木!?」 

佐々木「なんだその態度は……ってキョン……その手に持っているのは……」 

キョン「違う?誤解だ!話を聞いてくれ!」 

佐々木「そんな……キョンが不良に……」 

キョン「だから違うって!」 

佐々木「うっ……僕が中学の時のようについていてあげれば……」 

キョン「話を聞け!」 


490 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 16:31:04.03 ID:QXaG+UcjO
佐々木「僕は今から塾に行く予定だった。だが中止だ」 

キョン「は?」 

佐々木「キョン、今から勉強会をするぞ」 

キョン「勉強会?」 

佐々木「タバコが人体にもたらす害についてだ」 

キョン「いや、だから……」 

ブロロロロ 

伸恵「おーい、持ってきたぞー」 

佐々木「えっ?あのタバコを吸いながらスクーターに乗っている女性は……」 

キョン「ちょっと待て、お前は何か勘違いしてる」 

佐々木「うっ、ぅ……キョンのばかぁぁぁぁぁあああああ」タッタッタッタ 

キョン「佐々木!?ちょっ、待て!」 

ブロロロロ ドンッ!! 

キョン「おふっ!」 


495 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 16:36:51.87 ID:QXaG+UcjO
伸恵「ん?誰だ今の美少女だ」 

キョン「おま……まずは俺をひいたことについて何か言うことなないのか……」 

伸恵「ああ、悪いな」 

キョン「……」 

伸恵「で、誰だ今のは」 

キョン「中学時代の同級生だ」 

伸恵「へー」 

キョン「俺が非行にはしったと勘違いしてしまったようだ。さて、どうするかな……」 

伸恵「良かったな。少し前まで私金髪だったし」 

キョン「マジでか!?」 

伸恵「ああ」 



~木の影~ 

古泉「彼がタバコを吸うだなんて……」 

古泉「これ以上見ていられません!僕は友としてあなたを救います!」 

498 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 16:48:25.31 ID:QXaG+UcjO
キョン「今度電話でもしとかないとな……」 

伸恵「悪かったな」 

キョン「別にお前のせいじゃないさ」 

伸恵「まぁいい、早く後ろ乗れよ」 

キョン「ああ」 

タッタッタッタ 

古泉「非行にはしるのはそこまでですよ!」 

伸恵「行くぞ」 

ブロロロロ 

古泉「えっ!?ちょっ!待ってください!」タッタッタッタ 

ブロロロロ 

古泉「ちょっ!まっ!タッタッタッタ」 

タッタッタッタ タッタッタッタ タッタッタッタ 

古泉「はぁ……はぁ……はぁ……」ゼェゼェ ハァハァ 


503 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 17:13:12.87 ID:QXaG+UcjO
――――― 
―――― 
――― 
―― 
― 

キョン「悪かったな、わざわざ家まで送ってもらっちまって」 

伸恵「別に気にすんな」 

キョン「上がってくか?茶ぐらい出すぞ」 

伸恵「いや、帰るよ。じゃあまたな」 

キョン「ああ」 

ブロロロロ 

504 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 17:19:32.71 ID:QXaG+UcjO
キョン「さてと……」 

キョン「久々の1人を堪能させてもらおうかな」 

キョン「……」 

キョン「飯どうするかな……」 

キョン「適当にコンビニにでも行くか……」 

ピンポーン 

キョン「ん?誰だ?」 

ガチャ 

伸恵「よう」 

キョン「……」 

伸恵「……」 

キョン「……」 


509 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 17:31:24.31 ID:QXaG+UcjO
キョン「ようってお前さっき帰ったばかりだろ」 

伸恵「悪いかよ」 

キョン「いや、別に悪くはないが」 

伸恵「じゃあ入るぞ」 

キョン「あ、ああ……」 

ガチャ 

伸恵「……」スッー プハー 

キョン「俺の部屋でタバコを吸うな」 

伸恵「細かいことはいいだろ」 

キョン「細かくない。というかお前何しに来たんだよ。1回家戻ったんだろ?」 

伸恵「まぁな」スッー プハー 

キョン「せめて窓くらい開けろ」ガラガラ 

伸恵「分かったよ」 

572 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 20:53:06.73 ID:QXaG+UcjO
伸恵「……」ゴロゴロ 

キョン「……」ボッー 

伸恵「……」ボッー 

キョン「……」ボッー 

伸恵「……」ゴロゴロ 

キョン「おい」 

伸恵「……ん?なんだよ」 

キョン「お前さっきからごろごろしてるが一体何しに来たんだよ」 

伸恵「ああ?別にいいだろ」 

キョン「お前は……」 

伸恵「腹減った」 

キョン「は?」 

伸恵「腹減った?」 


574 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 20:58:44.19 ID:QXaG+UcjO
キョン「なんで疑問系なんだよ」 

伸恵「飯は?」 

キョン「そんなものはない」 

伸恵「じゃあお前は何食べんだよ」 

キョン「お前は飯を食いに来たのか?」 

伸恵「別に違うけど腹減ったんだよ」 

キョン「……しかし実際どうするかな。コンビニででも適当に買うか」 

伸恵「えー、やだよー」 

キョン「お前は……言っておくが俺は料理出来んからな」 

伸恵「私も出来ねーよ」 

キョン「じゃあ諦めろ」 

伸恵「コンビニかぁ……」 

580 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 21:14:10.48 ID:QXaG+UcjO
キョン「買いに行くか?」 

伸恵「ビールとつまみもよろしくな」 

キョン「おい」 

伸恵「なんだよ」 

キョン「何故ビールなんだ。しかもお前は来ないのかよ」 

伸恵「別に行くけど」 

キョン「なんなんだお前は……」 

伸恵「スクーターで行くか」 

キョン「もうノーヘルは嫌だぞ」 

伸恵「歩くのかよ」 

キョン「歩くのが嫌なら自転車の後ろに乗れ」 

伸恵「あれ?自転車あったんだ」 

キョン「親のだけどな」 


584 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 21:20:02.95 ID:QXaG+UcjO
キョン「ほらっ、行くぞ。捕まってろよ」 

伸恵「ああ」 

キョン「……」シャカシャカ 

伸恵「あだっ!ちょっ!待て!ストップ!」 

キョン「あ?なんだ?」シャカシャカ 

伸恵「だから止まれって!」ギュッー 

キョン「ばっ!ぐる……運転中に首を絞めるな!」キキッー 

586 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 21:21:52.80 ID:QXaG+UcjO
伸恵「あー、痛かった」 

キョン「どうしたんだいきなり」 

伸恵「お尻が痛い」 

キョン「は?」 

伸恵「痛くて座れない」 

キョン「我慢しろ」 

伸恵「なにか敷くもんとかねぇのかよ」 

キョン「ない。座るのが無理ならそこに足乗せて立ってろ」 

伸恵「しょうがねぇなー」 

589 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 21:26:42.57 ID:QXaG+UcjO
キョン「……」シャカシャカ 

伸恵「……」スッー プハー 

キョン「……」シャカシャカ 

伸恵「……」スッー プハー 

ポトッ ジュッ 

キョン「ぎゃぁぁぁぁぁあああああ!!」キキッー 

伸恵「うぉっ!?どうした!?」 

キョン「どうしたじゃない!お前なにタバコ吸ってんだよ!首に灰が落ちたんだ!」 

伸恵「ああ、悪いな」 

キョン「もう自転車はなしだ!歩いていくぞ!」 

伸恵「えー」 


594 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 21:39:57.96 ID:QXaG+UcjO
伸恵「あっ、そうだ」ピッピッピ プルルルル プルルルル 

キョン「電話?」 

伸恵「もしもし、ちぃ?今からアナちゃんと茉莉ちゃん連れて後でメールで住所送るからそこに集合ね」 

キョン「は!?」 

伸恵「いや、違う。そういうことじゃない。アナちゃんと茉莉ちゃん連れて集合」ブチッ 

キョン「お前……」 

伸恵「よし、これで飯は確保だな。ちぃたちが来る前にビール買いに行くぞ」 

キョン「……」 

601 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 21:50:55.62 ID:QXaG+UcjO
キョン「もうタバコ吸うなよ」シャカシャカ 

伸恵「分かってるって」 

キョン「というかこんな時間に小学生の女の子たちを呼んで大丈夫なのか?」シャカシャカ 

伸恵「いや、泊まりだし」 

キョン「はぁ!?今なんと!?」シャカシャカ 

伸恵「アナちゃんと茉莉ちゃんに手出したら殺すからな」 

キョン「俺にそんな趣味はない!というかそういう問題ではない!」 

伸恵「ああ、大丈夫だ。私あの子たちの親から信頼されてるし」 

キョン「そういう問題でもねぇよ!」シャカシャカ 

伸恵「じゃあなにが不満なんだよ」 

キョン「お前は……」シャカシャカ 

649 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/14(月) 22:00:31.31 ID:QXaG+UcjO
佐々木「はぁ……」テクテク 

佐々木「授業がなにも頭に入らなかった……」テクテク 

佐々木「きっと僕の勘違いだよな……」テクテク 

佐々木「あれしきの事で取り乱してしまうとは僕もまだまだだな……」テクテク 

佐々木「……ん?キョンの声が聞こえたような……」チラッ 

シャカシャカ シャカシャカ 

キョン「お前またタバコ吸ってるだろ!?」 

伸恵「言いがかりつけてんじゃねーよ」 

キョン「いや、煙いんだよ!それにさっきからスーハー聞こえてんだよ!」 

伸恵「うるせーなー」 

佐々木「……」 

佐々木「……」 

佐々木「うわぁぁぁぁぁあああああん!キョンのバカぁぁぁぁあああああ!そこは僕の特等席なのにぃぃぃぃぃぃいいいい!」タッタッタッタ 


~閉鎖空間~ 

橘「ええ!?なんで佐々木さんの閉鎖空間内に神人が!?」