提督「よろしく頼む」 前編
441: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:13:04.02 ID:uQDiCEbT0
西鎮守府 提督の部屋 夜
提督「よし、今週末に東鎮守府に行くことに決まった」
電「すごい急な話なのです……」
電「でも一体どうしてそんな事を?」
提督「うむ。理由はみんな集めて話す事にするよ」
提督「今日はもう寝よう」
電「わかったのです」
電「じゃあ電は失礼するのです。おやすみなさい司令官さん」ガチャ
提督「ああ、おやすみ」
提督「(─── 予想が当たってくれるといいな)」
──
────
──────
────────
引用元: ・提督「よろしく頼む」
442: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:16:39.00 ID:uQDiCEbT0
──
────
──────
────────
数日後
東鎮守部(女提督の鎮守府) 駐車場
提督「すまないな。また車をださせてしまって」
長門「気にするな。こんな時ぐらいにしか使わんのだ」
電「またリムジンに乗れて良かったのです」
龍驤「なんや電。こういう車が好きなんか?」
電「なのです。美味しいジュースが飲めるのです」
龍驤「車じゃなくてそっちかい……まったくまだまだガキやな」
愛宕「龍驤ちゃんそんな事いって車内のフルーツ盛り全部一人で食べてたわよね?」
龍驤「あ、愛宕。気づいてたんかい」
愛宕「食いしん坊ね~」
提督「ほらほらお前ら。もう少し緊張感をもて」
提督「一応、見学研修という名目できてるんだ。遊びじゃないんだぞ」
443: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:19:49.29 ID:uQDiCEbT0
長門「──しかしあれだな」
金剛「ここの鎮守府……」
不知火「年代を感じますね」
龍驤「というかボッロ!」
電「なのです……」
提督「どうやら使っていなかった基地を無理やり直して運用し始めたようだな」
長門「何かこう幽霊屋敷のようだな」
金剛「夜中には見たくないデスね……」
提督「──っと。あれが玄関かな」
提督「さぁみんな会議で話した通り……頼むぞ」
艦娘「「はーい!」」
444: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:21:27.17 ID:uQDiCEbT0
東鎮守府 応接広間
提督「西鎮守府より参りました、提督と申します」
提督「本日は女提督さんのご好意に甘え
こちらを見学させていただきたく」
女提督「ヤメヤメ。そんな挨拶はいらないわよ」
提督「しかし……」
女提督「あんたのホントそういう堅苦しい所が嫌いなのよ」
女提督「気持ち悪い言葉づかいを止めて、いつもどおり接しなさいよ」
提督「そうか。じゃあいつもどおりにする」
提督「のどが乾いた。茶をだせ」
女提督「……ホントあんたのそういう所嫌いだわ……」
445: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:22:33.46 ID:uQDiCEbT0
女提督「まぁいいわ。よく遠い所から来てくれたわね。歓迎するわ」
女提督「あたしが女提督。こいつとは士官学校からの付き合いよ」
女提督「今日はまぁ……交流という意味でお互いの親交を深めれればと思うわ」
女提督「よろしくね」
電「(あれ……なんか想像してたのと違うのです)」
長門「(気が良さそうな人じゃないか)」
金剛「(見た目も可愛らしいデスし)」
龍驤「(提督の話を聞く限りもっとアホ面かと思ってたんやけど)」
愛宕「(うふふ、仲良くなれそうね~)」
446: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:23:30.04 ID:uQDiCEbT0
提督「うむ──では」
提督「内に所属している艦娘の自己紹介をさせてもらおうかな」
提督「ほら、一人ずつやってくれ」
金剛「ハーイ!英国で産まれた帰国子女の金剛デース!ヨロシクオネガイシマース!」
長門「私が、戦艦長門だ。よろしく頼むぞ」
愛宕「私は愛宕。よければ覚えてくださいね」
龍驤「軽空母、龍驤や。よろしゅーな」
不知火「不知火です。ご指導ご鞭撻、よろしくです」
電「電です。 どうか、よろしくお願いいたします」
447: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:24:41.11 ID:uQDiCEbT0
女提督「へぇ、良さそうな子達じゃない。こちらこそよろしくね」
女提督「じゃぁこちらも紹介させてもらうわ」
女提督「鳳翔から一人ずつお願いね」
鳳翔「分かりました」
鳳翔「航空母艦、鳳翔です。不束者ですが、よろしくお願い致します」
大井「私は軽巡洋艦、大井です。どうぞ、よろしくお願い致しますね」
赤城「航空母艦、赤城です。よろしくお願いします」
扶桑「戦艦、扶桑と申します。よろしくお願い致します」
青葉「ども、恐縮です、青葉です!よろしくどうぞーー!」
天龍「オレの名は天龍。フフフ、怖いか?」
448: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:26:59.87 ID:uQDiCEbT0
女提督「天龍!変な事言うなってあれほど言ったでしょ!」
天龍「な、なんだよ!いいじゃねーか!かっこよかっただろ!」
女提督「微塵もかっこよくないわよ!あんた別に怖くないし」
女提督「今日だってどうせクマさんパンツ履いてるんでしょ」
天龍「な、なんでそれを!」
女提督「はい、これ。青葉が撮った写真」
天龍「ななな、なんでこんなM字開脚してる写真が///」
青葉「青葉みちゃいました!朝廊下で滑ってころんでる所!」
天龍「てめぇ青葉!だからって撮ってんじゃねーよ!フィルム全部よこせ!」ダッ
青葉「嫌です!」ダッ
女提督「こら!あんた達どこいくのよ!」
449: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:29:24.46 ID:uQDiCEbT0
赤城「女提督さん」チョンチョン
女提督「な、なによ赤城」
赤城「お腹空いてきたので食堂にいってきます」
女提督「はぁ!?さっき食べたわよね?!」
女提督「あんた一人でご飯5合は食べてたでしょ!」
赤城「あれは前菜です」
女提督「前菜の考え方間違えてるわよ!駄目よ、食費だって無料じゃないのよ!」
赤城「えへへへ。そこまで言われると照れますね」
女提督「褒めてないわよ!注意してんのよ」
赤城「では食堂の方にいってきますね」
女提督「話聞きなさいよ!それにいま冷蔵庫は南京錠で固く閉ざしてるから無駄よ」
赤城「ああ、これの事ですね」ジャラジャラ
女提督「そうそうそれ……ってなんでそこにあるのよ!」
赤城「これは食べれないのでお返ししますね」ジャララ
女提督「ちょ……く、くさりが引きちぎられてる……」ゴクリ
女提督「って赤城!待ちなさい!」タッタッタッ
450: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:32:04.57 ID:uQDiCEbT0
電「な、なんだか大変そうなのえです」
大井「……」ジー
電「?」キョトン
大井「……」ジー
電「……」
電「(なんかずっと見られてるのです……)」
大井「……」ニタァ
電「(!?)」
大井「貴方、駆逐艦よね?」
電「そ、そうなのです」ビクビク
大井「そう………可愛いわね」
電「あ、ありがとうございます」
451: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:32:40.51 ID:uQDiCEbT0
大井「ほんとにね……食べちゃいたいくらいに」ガシッ
電「ひぃ!」ビクゥ
大井「ほら!ちょっと私の部屋でお話しましょう!」ググググ
電「い、嫌なのです。離してください!」グググ
大井「さきっちょだけ!さきっちょだけだから!」
453: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:36:11.59 ID:uQDiCEbT0
鳳翔「やめなさい」シュッ
大井「あ……」ストン
電「(一撃で気絶させたのです!?)」
鳳翔「ごめんなさいね、電さん」
鳳翔「怖い思いさせてしまって」
電「いえ……大丈夫なのです」
鳳翔「大井さんは私が責任もってお仕置き部屋に連れて行きますのでご安心を」
電「(お、お仕置き部屋ってなんなのです!?)」
454: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:37:16.37 ID:uQDiCEbT0
扶桑「……」
扶桑「みんな今日も元気そうね……」
扶桑「でも、私は……」
扶桑「うぷ……吐きそう」
455: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:39:00.35 ID:uQDiCEbT0
提督「だ、大丈夫か?」サスサス
扶桑「ありがとうございます……うぷっ」
提督「待て待て!」ダッ
提督「ほ、ほらバケツもってきたぞ」
扶洋「すいません……」オロロロ
提督「……」サスサス
鳳翔「提督さん」タッタッタッ
鳳翔「申し訳ございません。扶桑は身体が弱いもので……」サスサス
提督「いや、気にするな。どっか横になれる場所があれば連れていってあげてくれ」
鳳翔「承りました」スタッ
鳳翔「行きますよ、扶桑さん」
扶桑「……はい」
456: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/07(金) 11:50:38.56 ID:uQDiCEbT0
提督「……」
金剛「すごく顔色悪かったデスね」
提督「ああ、病弱の艦娘なんて聞いた事ないぞ……」
長門「しかし──会議の内容はますます信憑性が上がってきたな」
龍驤「なんかウチもわかってきたわ。ここがボロイ理由もそれな気がするで」
不知火「不知火はもう確信しました」
提督「うむ。あとは女提督に色々聞きこんでみるとするか……」
462: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/10(月) 15:31:02.03 ID:Ub+Dpp5A0
────────
──────
────
──
東鎮守府 女提督の部屋
提督「中々個性的な艦娘達だな」
女提督「ふんっ、それは褒めてるつもりかしら?」
提督「賑やかでいいじゃないか」
女提督「人の苦労も知らずに……」ブツブツ
提督「ハハ、でも驚いたぞ。あの赤城がまさかお前の所にいるとはな」
女提督「フフン。すごいでしょ」
女提督「軍上層部のやつらからこの鎮守府を請負う際直々に頼まれたのよ」
提督「頼まれた?」
463: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/10(月) 15:32:26.13 ID:Ub+Dpp5A0
女提督「ええ。『我々では彼女と上手く付き合う事ができない』とかなんとか言ってね」
女提督「きっとあたしの様な実力者じゃないとエース空母を扱えないって判断ね」
女提督「上層部の奴らもやっとあたしの凄さが分かったみたいだわ」ドヤァ
提督「あの堅物達がそんな事をなぁ……」
女提督「あたしってやっぱすごいわ!」フフン
提督「(すぐ調子のりやがって)」
464: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/10(月) 15:34:12.97 ID:Ub+Dpp5A0
女提督「あ、そうだ。今度の演習は赤城を旗艦として出撃させてもらうわ」
女提督「申し訳ないけどアンタには痛い目みてもらうわよ」
提督「おいおい。お手柔らかに頼むよ」
女提督「嫌よ。今回は全力でいかせてもらうわ」
女提督「中央鎮守府で指揮をとっていたアンタを負かしたとなれば」
女提督「あたしの評価もうなぎ上りだわ!」
提督「そんなもんかね」
女提督「ええ。何よりあたし自身がアンタに勝ちたいし!」
提督「……まぁいいけどさ」
465: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/10(月) 15:36:05.52 ID:Ub+Dpp5A0
提督「なぁ───急で悪いんだけど」
女提督「なによ?」
提督「使用している資材とかの出費記録をみせてくれないか?」
女提督「んー、そんなもの見てどうするのよ」
提督「いやぁウチと比較してどのくらい使用してるかとか」
提督「そういう運用面も管理せんといかんし参考にさせてもらおうかなってな」
女提督「ふーん。まぁいいわ」
女提督「そこの棚のファイルに入れてある筈だから勝手に見てちょうだい」
提督「すまんな。助かるよ」カタッ
提督「(随分、分厚いな……)」
提督「……」ペラ
提督「……おい」
女提督「ん?」
提督「これ、お前が管理してるのか?」
女提督「んー厳密には秘書艦の鳳翔が作成してそれに私が判を押してる感じね」
提督「ふーん……」ペラッ
466: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/10(月) 15:37:29.40 ID:Ub+Dpp5A0
提督「───うん。参考になった。ありがとな」カタッ
女提督「そう。この後はどうするの?」
提督「うーん……そうだなぁ」
提督「母艦の見学をさせてもらおうかな」
女提督「分かったわ。案内してあげる」スクッ
提督「うむ」
提督「(───概ね予想通りといった所か)」
467: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/10(月) 16:08:16.85 ID:Ub+Dpp5A0
その頃 大広間
龍驤「────って感じでウチらの提督はホント無神経やで」
天龍「たしかに見た感じは真面目で融通きかなそうに見えるな」
龍驤「やろー?しかも訓練になるとめっちゃ怖いんやで」
赤城「まぁそれは仕方ないんじゃないですか」モグモグ
鳳翔「赤城さん。食べながら喋るのは、はしたないですよ」
電「(大きいおにぎりなのです……)」
龍驤「(というか何個目だよ、あのおにぎり)」
468: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/10(月) 16:11:50.53 ID:Ub+Dpp5A0
金剛「でも提督は優しくて素敵な所があるんデスよ」
長門「そうだな。気遣いの仕方は中々真似できないものがある」
龍驤「まぁたまーにアイスくれたりするし」
電「家族の様に親身に話も聞いてくれるのです」
愛宕「結構ウブで可愛い所もあるのよね」
不知火「なんだかんだ不知火達の事を大切に思ってくれているのは評価できます」
鳳翔「あらあらまぁまぁ。皆さん、提督さんの事が好きなんですねぇ」
金剛「Yes!大好きデスよー」
長門「べ、別に好きって程では……ま、まぁいい男とは思うぞ//」
電「電にお父さんがいたらあんな感じなのかなって思うのです」
鳳翔「うふふ、微笑ましいですねぇ」
469: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/10(月) 16:15:06.92 ID:Ub+Dpp5A0
金剛「───逆に聞きますが女提督さんはどんな方デスか?」
鳳翔「そうですねぇ」
扶桑「悪い人ではないのですが……」
青葉「青葉的には変わった人だなと……」
天龍「そうだな。簡単にいうと、とにかくドジでアホだぜ」
天龍「母艦の主砲を間違えて誤発させて鎮守府の海岸を半壊させてたしな」
赤城「修理が大変でしたね」モグモグ
大井「この前は訓練中に母艦から海に落ちてました」
天龍「ハハ、あれは笑ったな。打ち所が悪かったら死んでたって妖精に怒られてたもんな」
青葉「青葉は元帥にタメ口聞いて12時間説教されてたのがおもしろいと思いました」
天龍「あれはすごかったな。うるせーハゲって言ってたもんな」
金剛「(なんかドジで済まされる領域じゃない気がするんデスが……)」
不知火「(下手したら軍法会議です)」
電「(笑えないのです……)」
471: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/10(月) 16:24:14.26 ID:Ub+Dpp5A0
長門「───話は変わるが今度の演習、よろしく頼むぞ」
鳳翔「はい。こちらこそよろしくお願い致します」
青葉「楽しみですね。青葉、張り切って撮っちゃいますよ~」
龍驤「な、何を撮るんや……」
扶桑「体調管理しっかりしとかないと……ウプッ」
電「だ、大丈夫なのです?!」ビクッ
天龍「フフフ、まぁ手加減はしてやるさ」
不知火「む……」カチーン
472: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/10(月) 16:26:17.47 ID:Ub+Dpp5A0
天龍「お前らあんまり実戦経験ないんだろ?」
天龍「演習で俺達が直々に指導してやるから安心しな」
不知火「お言葉ですがっ」ズンッ
天龍「ん?」
不知火「不知火たちはまだ未熟かもしれませんが」
不知火「手加減などと舐められた事をされる程弱くはないですよ」
天龍「へーどうだかなぁ?」
不知火「……」ギロッ
天龍「……」ジロッ
バチバチ
鳳翔「天龍さん!ごめんなさい皆さん、失礼な事を……」
愛宕「し、不知火ちゃん。落ち着いてね」
天龍不知火「「フンッ!」」プイッ
477: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/11(火) 14:48:58.16 ID:KeT+BgPT0
──
────
──────
────────
数時間後
東鎮守府 玄関
提督「今日は色々すまなかったな」
女提督「別に大した事じゃないわ。こちらとしてもいい刺激になったし」
提督「そういってもらえると助かる」ニコッ
女提督「ふんっ……別にあんたの為にやったんじゃないんだから//」
艦娘達「「(ツンデレ?!)」」
478: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/11(火) 14:51:21.65 ID:KeT+BgPT0
提督「お、おう?───まぁ来月の演習楽しみにしてるよ」
女提督「ええ。ドタキャンだけはやめなさいよ?」
天龍「そうだそうだ!逃げるんじゃねーぞ!」
不知火「そっちこそ当日吠え面をかいても知りませんから」
天龍「なんだとぉ!!!」グルルル
不知火「なんですか!!!」ガルルル
提督「なんだなんだ。いつのまに二人とも仲良くなったんだ」
天龍不知火「「仲良くない!」」クワッ
提督「じょ、冗談だよ」ビクッ
金剛「(余計な事言うから……)」
479: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/11(火) 14:54:38.98 ID:KeT+BgPT0
提督「───さて、そろそろ俺達は帰るよ」
女提督「ええ、また今度ね」
提督「じゃあな」
長門「世話になった。失礼する」
愛宕「ウフフ、また遊びにくるわ」
鳳翔「ええ、ぜひいらっしゃってください」
大井「いつでも歓迎します」ジー
電「(なんか視線を感じるのです)」ビクビク
龍驤「じゃなー」フリフリ
────────
──────
────
──
480: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/11(火) 14:58:47.66 ID:KeT+BgPT0
帰宅中 車内
提督「ふー疲れた」
提督「慣れない事はするもんじゃないな」
電「色々お話が聞けて楽しかったのです」
龍驤「せやな。おもろい連中で良かったわ」
不知火「一人いけ好かない方がいましたが……」
龍驤「なんや不知火。まだ怒ってたんか」
不知火「お、怒っていません!ただあの言い方はちょっと……」
481: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/11(火) 15:00:50.70 ID:KeT+BgPT0
愛宕「天龍ちゃんはちょっと調子のっていっちゃっただけなのよ。許してあげて?」
不知火「……愛宕さんにそう言われたら、まぁそうですね……許してあげます」
愛宕「うふふ。素直な不知火ちゃん可愛いわ」ダキッ
不知火「うぷっ、顔に胸が///」ギュー
電「うらやましいのです!電もやるのです!」ダキッ
愛宕「あらあら、甘えんぼさんねぇ」ギュー
電「愛宕さんはすごく柔らかいのです」モミモミ
愛宕「だめよ電ちゃんそんな所//」ドタプーン
龍驤「……」ジー
龍驤「くっ」
482: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/11(火) 15:08:06.95 ID:KeT+BgPT0
長門「───ところで提督、会議で話ていたあの件。どうなんだ?」
金剛「そいえばその為にきたんデスね」
提督「うむ。まぁお前らも自分の目で見てきたから分かるだろうが」
提督「あのアホが着任」
提督「個性的すぎる艦娘達」
提督「ボロい鎮守府」
提督「資材量」
提督「これらを考えると」
提督「恐らくあの鎮守府は……」
483: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/11(火) 15:17:37.53 ID:KeT+BgPT0
~回想~
数日前 会議室
提督「皆に今後の予定で話したい事がある」
提督「今週末、東鎮守府に見学研修の名目で行くことになった」
艦娘達「「ええ!?」」
長門「見学だと?」
提督「ああ」
長門「急にどうしたんだ」
金剛「その日は訓練だった筈では?」
提督「うむ、急な事だ。疑問に思うのは無理もない」
提督「なので単刀直入に言うが」
提督「赤城達攻略のカギを探しにいく」
龍驤「なんやなんや。スパイでもするんか」
提督「そこまで凝ったもんじゃないさ」
不知火「まさか罠を仕掛けるつもりでは……」
提督「お前は俺をどんなやつだと思ってるんだ」
長門「もう少し具体的な理由を言え」
484: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/11(火) 15:20:27.95 ID:KeT+BgPT0
提督「……実はな。昨日電と話していて」
提督「なぜ赤城が東鎮守府にいるかという疑問をもったんだよ」
提督「東鎮守府はウチと同じで設立が若く今の所大した実績がない」
提督「挙句、あのアホが司令官になったという現状も考えると」
提督「赤城ほどの艦娘が着任するのはオカしいと思ったのだ」
長門「ふむ」
485: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/11(火) 15:21:35.35 ID:KeT+BgPT0
金剛「たまたまじゃないんデスか?」
提督「まぁそういう考えもあるだろう」
提督「他に理由として若く未熟な司令官の為に、ベテランの艦娘を同伴させる……」
提督「十分ありえる話だ」
提督「ただその相手があのアホ(女提督)となると別だ」
486: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/11(火) 15:23:14.21 ID:KeT+BgPT0
提督「はっきりいってそんな考えであのアホに赤城を着任させるとは思えない」
金剛「そ、そんなにその女提督さんはダメな人なんですか?」
提督「うむ。お前らは知らないからアホといわれてもピンとこないかもしれないが」
提督「あいつは伝説的にアホだ。これだけは自信を持って言える」
提督「いうなればあいつはチンパンジー。喋るチンパンジーだ」
提督「いや……チンパンジーの方がかしこいかもしれん」
艦娘達「「(どんだけアホなんだろ……)」」
487: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/11(火) 15:31:24.71 ID:KeT+BgPT0
提督「そんな訳でアイツ自体は軍のやつらから完全に見放されている存在だった筈」
提督「となると問題は赤城側にあるのではないか」
愛宕「うーん、ビデオを見る限り問題がありそうには見えなかったわ」
龍驤「せやな。あれだけの実力を見せられたらなんも言えんわ」
提督「そう。実力は申し分ない」
提督「恐らく赤城にはその力をもってもカバーできない」
提督「何か別のデメリットがあるんではないか」
提督「俺はそう考えた」
488: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/11(火) 15:36:14.41 ID:KeT+BgPT0
長門「なるほど。しかしどんなデメリットなんだろうか」
龍驤「性格がむちゃくちゃ悪いとかか?」
提督「うむ。それなんだが……」
提督「実はあいつが前にいた鎮守府に連絡して色々聞いてみたんだ」
提督「そしてそれらしい情報を手に入れた」
489: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/11(火) 15:45:05.63 ID:KeT+BgPT0
龍驤「なんやなんや、はよいえやぁ!」
不知火「もったぶらないでください」
提督「待て待て。話の続きがあるんだ」
提督「その情報を手に入れて、俺はピンときた」
提督「そして赤城だけじゃなく東鎮守府にいる艦娘達の」
提督「以前に在籍していた鎮守府での素行を調べた」
長門「ふむ……」
提督「それによってある仮説が生まれた」
提督「そしてその仮説とは」
提督「俺が思う限り」
提督「恐らくあの鎮守府は」
提督「問題児が集められた場所という事だ」
498: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 09:54:04.12 ID:6XFiJf0B0
艦娘達「「問題児?」」
提督「うむ。言い方は酷いかもしれんが」
提督「各々何らかの過失や軍において不利益な事情を持っていると思われる」
499: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 10:00:24.14 ID:6XFiJf0B0
提督「たとえば天龍は、上官に言葉づかいを注意されて逆切れし」
提督「手をだしてしまった事があるらしい」
長門「ほう、それは問題だな」
愛宕「何にせよ暴力はいけないわねぇ」
提督「ふむ」
500: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 10:02:01.90 ID:6XFiJf0B0
提督「次に大井だが噂によると性の対象が同性と聞いた」
金剛「レズビアン?!」
提督「うむ。メンバーに●●いをかけ、問題になったそうだ」
提督「理由は知らんが駆逐艦が好みらしく、セクハラ報告が多数あがっているようだ」
不知火「お、恐ろしい話ですね……」
電「行くのが不安になってきたのです……」
501: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 10:03:16.21 ID:6XFiJf0B0
提督「青葉はカメラが趣味で、艦娘達の破廉恥な写真を撮るのが好きだそうだ」
提督「そしてその写真を本人に送りつけたり」
提督「自作の新聞を作成して記事といっしょにのっけるなどして」
提督「周りに迷惑をかけていたようだ」
長門「なんだその陰湿な嫌がらせは」
愛宕「破廉恥な写真ってどんなのかしら~?」
502: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 10:04:58.54 ID:6XFiJf0B0
提督「扶桑は実力や性格は問題が無いものの」
提督「極度に体が弱く出撃回数や長期出撃ができない事に問題があったようだ」
不知火「艦娘になると体が丈夫になるのではなかったんですか……」
提督「うむ。艦娘になる事で特殊な体質を持つ場合もあるからな。そのせいかもしれんな」
511: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 10:50:24.66 ID:6XFiJf0B0
提督「────そして肝心の赤城」
提督「理由は二つあるようだ」
提督「一つめは、ボーキサイトの消費量が多過ぎる事らしい」
提督「ボーキサイトは資材の中でも最も貴重で手に入りづらいのは知っているな」
提督「赤城は艦載機の大量運用とその戦い方からかなりのボーキサイトを消費していたようで」
503: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 10:10:52.67 ID:6XFiJf0B0
龍驤「なるほどなぁ。たしかにあのビデオで見てるかぎりそんな気がするわぁ」
電「どんな所がです?」
龍驤「んーあいつ艦載機で敵の攻撃を防いでたりするやろ」
龍驤「そのせいで艦載機の消耗も激しいし」
龍驤「艦載機を大量に運用できるって事は、その分艦載機は撃墜される可能性があるやろ」
電「ふむふむ……なるほどなのです」
提督「うむ、龍驤のいう通りだ」
提督「まぁそんな訳で前の鎮守府は赤城を安易に出撃させる事を拒んだようだな」
504: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 10:15:59.57 ID:6XFiJf0B0
提督「そして2つ目の理由」
長門「それが本命か」
金剛「デスね。ボーキの問題があるとはいえ、実力はすごいのですから」
提督「────あるパーティが開催されていた」
提督「難解海域を突破したという事で行われたものらしく」
提督「軍のお偉いさんも多く参加したパーティ」
505: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 10:18:46.80 ID:6XFiJf0B0
提督「そのパーティである事件が起こった」
長門「お、おい。グロテスクとか怖い話じゃないだろうな……」
長門「わ、私はそういうのが苦手なんだぞ!」ギュー
不知火「長門ざん……そんなにづ、づよくだきじめないでぐだざい」ムガガ
提督「───なんとそのパーティ会場には」
艦娘達「「……」」ゴクリ
506: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 10:20:29.12 ID:6XFiJf0B0
提督「食い物がない」
艦娘達「へ?」
提督「パーティに用意されていたあらゆる豪華な料理がほぼ全て食い散らかされていた」
提督「何者かが食べたという事は間違いなく……」
提督「そのせいでパーティは中止になった」
長門「な、なんだ。食い物がなくなっただけか」ヘナヘナ
電「拍子抜けしたのです」
507: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 10:27:04.11 ID:6XFiJf0B0
金剛「けれどその話と赤城さん、何の関係があるんデス?」
龍驤「せやせや。それだけの料理食われたって事は単独犯じゃないんやろ?」
提督「……話には続きがある」
提督「さすがに大事にとった軍の関係者は」
提督「設置していた監視カメラを見て犯人捜しをした」
提督「そしてカメラにある人物が映っていた」
提督「それは……」
提督「一心不乱に食べる赤城の姿だった」
514: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 11:26:22.79 ID:6XFiJf0B0
龍驤「ええ!?どういう事や?」
提督「そのままの意味だよ」
赤城「犯人は赤城で誰もいない隙を狙ってほぼ全ての料理を平らげたんだよ」
電「一人でなのです?!」
提督「一人でだ」
長門「ありえるのか?聞いている限り相当量があったんだろう?」
提督「ああ、ざっと100人分はあったと聞いたが」
金剛「信じられませんね。あの体のどこにそんな……」
515: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 11:27:21.38 ID:6XFiJf0B0
提督「さっきも扶桑の件で言ったが艦娘になった事で体質が変化したのだろうな」
提督「食べた物を瞬時に消化するとかな……まぁ予想だが」
提督「───とにかく赤城はそんな件もあり、軍から注意人物とみなされたんだろう」
提督「現状調べたかぎりではこんなもんだ」
提督「あとは実際に東鎮守府に行って様子を見にいこうじゃないか」
提督「この内容に信憑性があるかどうか……な」
516: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 11:28:58.28 ID:6XFiJf0B0
金剛「ん?提督。ちょっと待ってください」
提督「なんだ?」
金剛「一人忘れていませんか?」
提督「ああ、鳳翔の事か」
提督「彼女について調べた所、一切悪い噂は聞かなかった」
提督「それどころか秘書艦をやらせたら右にでるものはいないと言われる程優秀で」
提督「かなりの人格者とも聞いている」
不知火「おかしいですね。一人だけ何も無いのは」
517: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/12(水) 11:30:10.13 ID:6XFiJf0B0
提督「いや、俺の予想だが彼女は監視役だと思う」
長門「ほう?」
提督「問題児が集まる場所。しかし肝心のリーダーはアホだ」
提督「そこで恐らく鳳翔を配属させて、舵を取らせている様に思える」
長門「なるほど。ありえる話だ」
提督「────まぁ今までの話は全部聞いた話だからな」
提督「改めて東鎮守府へ偵察に行き、確かめにいこうじゃないか」
回想終了
528: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:27:31.75 ID:Pe6KweVb0
帰宅中 車内
提督「さて」
提督「───今回の偵察と会議の件、関連付けられる事項を改めて確認していこう」
提督「まず東鎮守府の外観であればどうだ?」
龍驤「せやなぁ、あんなボロっちい建物なのは」
龍驤「上の奴らの嫌がらみたいなもんか」
提督「うむ、それもあるだろう。あとはあの鎮守府のあり方を考えた当事者が」
提督「あいつらを隔離する為、急に作らせた背景もあるかもしれん」
金剛「まぁたしかに新しく作るより既存ある建物を改造した方が楽デスからねぇ」
529: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:29:07.50 ID:Pe6KweVb0
提督「愛宕、不知火。資材倉庫の様子はどうだった?」
愛宕「そうね。空母が所属している割にボーキの量も少なかったし」
不知火「その他の資材もあまり貯蓄があるように思えません」
提督「うむ。俺も出費記録票を見たがかなり節約して調整している様に見えた」
提督「恐らくだが、配給資材量がかなり少なめなのだろう」
金剛「つまり軍部からないがしろにされてる様な感じって事デスか?」
提督「俺はそう思ってる」
530: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:31:14.67 ID:Pe6KweVb0
提督「───あとは天龍、大井、青葉、扶桑、赤城に関しては」
提督「ほぼ聞いていた通りの奴らだった」
金剛「あそこまで分かりやすいのもなんか怖いデスね……」
提督「鳳翔に限っては特に怪しい所はなかったが」
提督「あいつが重要な資材管理をしている事や」
提督「艦娘達を上手くフォローしている辺り」
提督「監視役の様な立場というのは当たっていそうだ」
電「鳳翔さん……大変そうだったのです」
龍驤「ウチやったら胃に穴が空くわ……」
531: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:32:42.75 ID:Pe6KweVb0
提督「という訳で今回の偵察で」
提督「会議内容の信憑性が高まったのは間違いないな」
長門「うむ」
電「なのです」
532: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:33:49.61 ID:Pe6KweVb0
長門「あとは───これをどう演習で利用するかだな」
提督「その通りだ。最終目的を忘れては困る」
提督「いくらあいつらが問題児であろうと」
提督「現状の俺達では太刀打ちできないという事を忘れてはいけない」
不知火「そうですね。このままではカモにされます」
龍驤「あいつらが変わり者と分かったからって実力差があるのは変わらんしなぁ」
長門「なんだ、結局今回の偵察は意味がなかったのか?」
533: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:36:29.83 ID:Pe6KweVb0
提督「それは違うぞ」
提督「相手の癖や特徴を認識するのはとても重要な事だ」
提督「────まぁ、安心してくれ」
提督「俺だって司令官として遊んできた訳じゃない」
提督「それなりに策は考えついている」
提督「あのアホ(女提督)に」
提督「戦いはそんな簡単ではないという事を」
提督「教えてやるさ」ニヤリ
534: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:38:06.62 ID:Pe6KweVb0
~その頃~
東鎮守府 女提督の部屋
鳳翔「どうでしたか?久しぶりに提督さんに会った感想は」
女提督「別に何もないわよ。まぁ元気そうで良かったんじゃないかしら?」
鳳翔「そんなにオメカシしといてよく言いますね」クスクス
女提督「はぁ?!違うわよ!」
女提督「客人が来るんだから身なりを整えるのは当たり前でしょ!」
鳳翔「はいはい、そういう事にしておきます」
535: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:39:50.64 ID:Pe6KweVb0
女提督「なによ……それにねあいつは見学なんて可愛い事いっていたけど
女提督「今度の演習に備えて偵察にきたんでしょ」
鳳翔「あらあら、どうしてそう思うんですか?」
女提督「おかしいじゃない。急に見学しにくるとか」
女提督「出費記録とかも見てたしなんか弱みでもないか探しにきたんじゃないかしら?」
鳳翔「(あら……気づいているとは……思ったよりするどい方なのかしら)」
鳳翔「良かったんですか?分かっていて来させるような真似を……」
女提督「別に偵察されたからって何かあるわけでもないでしょ」
女提督「こっちは赤城を旗艦に迎えうつだけよ」
536: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:40:38.99 ID:Pe6KweVb0
女提督「それと……」
女提督「こっちの秘密兵器は見せてないんだから」
女提督「ね?○○ちゃん?」
???「うん!」
537: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:44:14.42 ID:Pe6KweVb0
──
───
─────
───────
─────────
次の日
西鎮守府 母艦 甲板上
提督「おはよう」
艦娘達「「おはようございます」」
提督「さて、早速だが演習に向けて今日は各自個別の訓練を行ってもらう」
金剛「個別?連携力をつける為にみんなでやらないんデスか?」
提督「うむ。期間が短いからな」
提督「即席のチーム連携はかえって混乱を生むことに繋がる」
提督「今はとりあえず個々の力を高める事のが重要だ」
金剛「なるほどデース」
538: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:45:33.50 ID:Pe6KweVb0
提督「───っと訓練に入る前に事前に言っておかなければならない事がある」
提督「演習では基本的にマンツーマンで対応してもらう事になると思う」
艦娘達「「マンツーマン?」」
提督「うむ」
539: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:47:00.51 ID:Pe6KweVb0
龍驤「どういう事や?一対一になるんか?」
提督「うむ。基本的にな」
長門「それは難しいんじゃないか?」
長門「相手の陣形にもよるが、基本的に空母の様なタイプは後ろに控えるし」
長門「常時高速で動く戦いだ。入り乱れて1対1になる状況を作るのは難しいぞ」
540: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:48:01.82 ID:Pe6KweVb0
提督「分かっているさ」
提督「そういう状況を作りやすくする為に」
提督「相手の担当を決めるという事を言いたかったんだよ」
長門「ふむ?」
提督「というわけで今度の演習の際、担当となる相手を指示したいと思う」
541: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:49:07.23 ID:Pe6KweVb0
提督「まずは天龍」
提督「こいつの特徴は軽巡ならではの回避力と自身の性格からくる積極性のある攻撃スタイル」
提督「あとは艦娘には珍しい刀の様な武器で白兵戦に持ち込む事もあるようだ」
提督「天龍には不知火、お前が担当してもらう」
不知火「し、不知火ですか?」
提督「ああ、あいつを上手く挑発しておびき出すんだ」
提督「恐らく序盤は赤城の護衛をしているはずだからな」
不知火「挑発といわれても……」
提督「なーに。昨日やり取りした様にやればいいんだ」
不知火「分かりました。善処します」
542: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:50:11.06 ID:Pe6KweVb0
提督「うむ。次は青葉だな」
提督「重巡らしいバランスの良いタイプ」
提督「破天荒な性格ではあるが戦闘スタイルは控え目で」
提督「相手を偵察する任務などについていた事もある」
提督「恐らく天龍と同じく赤城の護衛をしているはずだ」
提督「こいつは同じ艦種である愛宕、頼んだぞ」
愛宕「あたし?」
提督「ああ、今のお前であれば十分対応できるぞ」
愛宕「分かったわ。頑張ったらご褒美ちょうだいね?」
提督「……考えとく」
543: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:50:57.25 ID:Pe6KweVb0
提督「えーと次は、大井か」
提督「こいつは勿論……」ジー
電「やなのです!電は嫌なのです!」
提督「電、俺が言いたい事を察知したようだな」
電「司令官さんは見ていなかったのですか!あの人に連れていかれそうだったのです!」
提督「見ていたからお前を担当にしたのだ」
電「うう……ひどいのです」
提督「まぁ諦めるんだな」
提督「大井は雷撃も得意とするようだから他の皆も注意してくれ」
544: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:52:13.14 ID:Pe6KweVb0
提督「んで次は鳳翔か」
提督「龍驤、同じ軽空母だ。頼んだぞ」
龍驤「ウチか……自信ないけど頑張るで!」
提督「鳳翔自体のスペックは高くないが経験の差があるからな」
提督「厳しい戦いになるが、なんとか踏ん張ってくれ」
545: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:54:11.49 ID:Pe6KweVb0
提督「あとは扶桑か。こいつは長門だな」
長門「私か」
提督「───長門、お前は強い」
長門「ん……急にどうした?」
提督「扶桑を倒したら周りをカバーしろ」
長門「ふ、ふむ」
長門「私だけやけに簡単にいうじゃないか」
提督「うむ。俺はお前を買っているからな」
長門「そ、そうか。期待に応えれる様頑張るぞ」
提督「あと、扶桑の砲撃はかなり威力が高い。長門以外はなるべく距離をとれよ」
546: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 12:55:59.90 ID:Pe6KweVb0
提督「そして最後に……」
金剛「……」ゴクリ
提督「金剛。赤城はお前が仕留めろ」
金剛「……なぜ私デスか?」
提督「この中では間違いなくお前が一番練度が高く」
提督「火力と回避能力のバランスも良い」
提督「赤城に対抗できるのはお前しかいないと思っている」
金剛「……分かりマシた」
金剛「この金剛、提督の為……一矢報いる思いでやらせていただきマース!!!」
提督「ああ、各上の相手だ。ノドを噛み千切る勢いで潰しにかかれ」
547: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/13(木) 13:00:52.64 ID:Pe6KweVb0
提督「────というわけで以上だ」
提督「上手くいけば相手の陣形を崩し」
提督「有利な戦いに持ち運べるはずだ」
提督「頼んだぞ、皆!」
不知火「あの耳レーダー眼帯に痛い目をみせてやります」
愛宕「青葉ちゃんに写真撮ってもらおうかしら~」
電「うう、気が重いのです……」
龍驤「負けへんで!やれるだけの事やったる!」
長門「久しぶりの戦い……楽しみになってきたな!」
金剛「皆さん!一緒にがんばりまショー!」
提督「うむ!その意気だ!」
提督「(───あとは残りの日数で……どれだけ詰めれるかか……)」
556: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/14(金) 14:12:19.10 ID:vAWEjJZT0
───
────
─────
───────
─────────
数日後 演習当日 演習場にて
提督「おはよう」
女提督「おは。───逃げずにくるなんて偉いじゃない」
提督「ああ、お前に笑われるのが嫌なんでな」
女提督「あらそう───どっちにしろアタシは笑う事になると思うけど?」
提督「ふんっ、精々いってろ」
────
─────
───────
─────────
数日後 演習当日 演習場にて
提督「おはよう」
女提督「おは。───逃げずにくるなんて偉いじゃない」
提督「ああ、お前に笑われるのが嫌なんでな」
女提督「あらそう───どっちにしろアタシは笑う事になると思うけど?」
提督「ふんっ、精々いってろ」
557: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/14(金) 14:19:26.42 ID:vAWEjJZT0
初雪「あの~……もしもし」ドヨーン
提督「うぉっ!びっくりした!な、なんだ急に!」
初雪「(……さっきからいたけど……)」
初雪「……どうも……駆逐艦の初雪といいます」
初雪「今日は……演習管理局より……審判兼監査役として……」
初雪「参りました……以後よろしく……」ドヨーン
提督「ああ担当の方か……よろしくお願いする」
女提督「よろしくねー」
初雪「ハァ……家帰りたい……疲れた……寝たい……めんどくさい……」
提督&女提督「(大丈夫かこいつ……)」ガーン
558: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/14(金) 14:20:39.09 ID:vAWEjJZT0
初雪「えーと……艦娘の方達は……?」
提督「艤装の為、備え付けの倉庫へと移動している」
初雪「そうですか……準備でき次第、海上におりていただき……」
初雪「艤装のチェックや……本人確認などの……処理をさせていただきます」
提督「分かった。伝えとくよ」
559: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/14(金) 14:22:48.29 ID:vAWEjJZT0
倉庫
妖精A「もう少ししゃがんでくれぇーい」ピョンピョン
長門「うむ?こうか」
妖精A「あいー装填完了どぅあー」ガチャコン
長門「すまんな」
金剛「随分大きな連装砲デスねぇ」
長門「ああ。提督がこの日の為に用意してくれたそうなんだが」
長門「初めての装備だからな。妖精に艤装を手伝ってもらっていたんだ」
妖精A「反動つよいよーきぃつけてねー」
長門「うむ。分かった」
金剛「Oh~!新しい装備うらやましいデスねぇ」
長門「何を言っている。金剛も装備しているだろ」
金剛「ん?ああそいえばこれも一応新装備でしたネ」
金剛「訓練でずっと使っていたので忘れていマシた」
長門「今回の戦いではそれが重要なんだ。頼んだぞ」
龍驤「おーい!提督が準備できたら海上降りろいってるで~」
金剛「ハーイ!了解デース!」
560: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/14(金) 14:26:02.10 ID:vAWEjJZT0
演習海域 海上
天龍「なんだ。逃げずにちゃんと来たんだな」
不知火「当たり前です」
鳳翔「みなさん、この前ぶりですね」ニコッ
電「今日はよろしくお願いするのです」
大井「ええ、お願いしますね……色々と」ズイッ
電「は、はい……(近いのです……)」ビクッ
鳳翔「駄目ですよ、大井さん。戦う前から怖がらせないでください」
大井「す、すいません。つい……」シュン
561: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/14(金) 14:28:20.80 ID:vAWEjJZT0
青葉「ムフフ、今日の為にしっかりと青葉スペシャル(カメラ)をご用意しました」
愛宕「あら、青葉ちゃん。撮ってくれるの~?」
青葉「愛宕さん!任せてください!いいシーンがあれば青葉がパシャッとやりますよ~」
愛宕「うふふ、楽しみだわ」
赤城「今日もおにぎりが美味しいですねぇ」モグモグ
金剛「赤城さん、今日はよろしくお願いしマース(また食ってますネ……)」
赤城「……金剛さんが旗艦ですか」
金剛「あ、はい。そうなんデスよ」
赤城「……」ジロッ
金剛「!」ゾクッ
赤城「うふっ。よろしくね」ニコッ
金剛「は、はい(一瞬すごい威圧感だったのデス……)」
562: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/14(金) 14:30:19.91 ID:vAWEjJZT0
初雪「あの……みなさん……」
龍驤「はうっ!な、なんやキミ!急に後ろから声かけんといて!」
初雪「いえ……ずっといたんです……けど」
龍驤「あ、そうなん?すまんなぁ(気配全然なかったな……)」
初雪「どうも……審判兼監査役の初雪といいます……」
初雪「……よろしく」
艦娘達「「よろしくお願いします」」
563: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/14(金) 14:31:29.57 ID:vAWEjJZT0
初雪「えっと色々チェックなど……」
初雪「終了後……チーム別にポイントAとポイントBへと……疲れた……」
初雪「移動確認したら……私の方で……めんどくさ……」
初雪「開始用の砲撃を……眠い……」
初雪「行いますので……それを合図に開戦を……だるっ……」
初雪「お願いします……」
艦娘達「「は、はーい(大丈夫かこの人)」」
564: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/14(金) 14:33:30.53 ID:vAWEjJZT0
数十分後
ポイントA 西鎮守府チーム
電「ドキドキしてきたのです」
長門「この緊張感……これが武者震いか」ブルブル
龍驤「せせせ、せややな。むしゃぶりゆいや」ガクブル
不知火「それはただの震えだと思いますが」
愛宕「なんか不思議ねぇ。この感覚」
金剛「そうデスね。命の削り合いをする訳じゃないデスが……」
長門「化け物と戦う時の気持ちに似てるな……」
不知火「ですね……」
艦娘達「「……」」
艦娘達「「(───とにかくやるしかない)」」
565: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/14(金) 14:36:17.77 ID:vAWEjJZT0
ポイントB 東鎮守府チーム
鳳翔「皆さん、油断せずにいきましょう」
天龍「さーてあのピンクおさげに痛い目みしてやるぜ」
青葉「青葉も最高のシャッタータイミングを逃さない様にしなくては!」
鳳翔「ダメですよ、二人共」
鳳翔「持ち場を離れず赤城さんを護衛してくださいね」
大井「……」
鳳翔「大井さん、電さんの所に行こうと思っていませんか?」
大井「い、いえ。そんな事はありません。雷撃で迎え撃つのは任せてください」
鳳翔「……ならいいんですが」
鳳翔「扶桑さん体調はいかがですか」
扶桑「大丈夫です。今日は珍しく立ちくらみはありません」
扶桑「ただちょっと船酔いを……」
鳳翔「そうですか。無理なさらないでください」
鳳翔「(艦(フネ)が船酔いですか……ツッコミいれた方がいいのかしら……)」
566: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/14(金) 14:37:44.66 ID:vAWEjJZT0
赤城「…………」
鳳翔「(赤城さんはいつもの瞑想にはいりましたか)」
鳳翔「(普段のおっとりした雰囲気からは想像できないこの気迫あふれる集中力)」
鳳翔「(エース空母の名は伊達ではないですね)」
赤城「(……今日のご飯は何にしようかしら。昨日はお魚だったし今日はお肉がいいわね……)」
567: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/14(金) 14:40:50.55 ID:vAWEjJZT0
演習海域 別ポイント
初雪「……準備……いいみたいですね」
初雪「さて……いっちゃいますか」
初雪「よいしょ……っと」ズシッ
初雪「……発射」
シューーーーン ドカーーーーン
演 習 開 始
568: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/14(金) 14:46:53.43 ID:vAWEjJZT0
今日は以上かもです。
次から戦闘していきます。
戦闘描写書いてみてるんですがすごい難しいorz
恐らく戦闘部分はいつもより更に幼稚な擬声語や会話が説明くさくなるとお思いますが、
何卒ご了承ください(事前謝り)
見ていただいてる方ありがとうございます。
573: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 10:40:32.74 ID:In7/Z5Zj0
西鎮守府艦隊
金剛「皆さん!赤城さんと鳳翔さんの艦載機がまとめて来る筈デス!」
金剛「対空砲火の準備をお願いしマス!」
愛宕「了解よ」
不知火「任せてください」
龍驤「きたで!方向1時!距離30000!」
龍驤「す、すごい速さや!ウチの艦載機では追えなそうや!」
金剛「落ち着いて下さい!その速さであれば恐らく偵察用の彩雲です」
金剛「攻撃能力はないはずですから今回は無視しまショウ!」
長門「撃ち落とさなくていいのか?」
金剛「ハイ、弾がもったいないデス。狙うんであれば他の艦載機との交戦時に一緒に狙いましょう」
長門「了解した」
金剛「……こちらの状況は筒抜けになりますが……しょうがありまセン」
574: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 11:05:14.35 ID:In7/Z5Zj0
東鎮守府艦隊 側
赤城「6時方向、距離60000.編成はこちらと同じで輪形陣ですね」
赤城「先頭に長門さん、愛宕さん、金剛さんの順」
赤城「金剛さんを護衛するかのように不知火さんと電さん、後方に龍驤さんですね
赤城「龍驤さんの艦載機がいくつか飛んでいます……九六式でしょうか……30機程」
鳳翔「了解しました。私は龍驤さんの艦載機を対応しましょう」
鳳翔「赤木さんは旗艦……金剛さんを狙ってください」
赤城「ええ、そのつもりです」
赤城「さぁ───『彗星』……頼んだわよ」グググググ
ビシュッ
鳳翔「『天山』、種出します!」グググ
ビシュッ
天龍「いつ見ても空母の艦載機射出の瞬間はかっこいいぜ」
青葉「矢が艦載機へと変化する時の青白く光る所が青葉的に最高です!」
鳳翔「扶桑さんと大井さん、先頭はお願いします」
扶桑「はい……前進いたします」
大井「了解です。雷撃の準備も万端です」
575: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 11:09:57.36 ID:In7/Z5Zj0
西鎮守府艦隊 側
龍驤「彩雲はおらんくなったな」
電「静かになったのです……」
金剛「また定期的に飛ばしてくる筈デスよ」
長門「それより……」
龍驤「きたで!同じく1時方向距離50000!」
龍驤「数は……50ちょいや!」
金剛「全機……といった訳ではなさそうデスね」
金剛「様子見といったとこでショウか……」
金剛「各自回避運動の準備!対空砲火お願いしマス!」
艦娘達「「了解!」」
577: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 11:20:17.36 ID:In7/Z5Zj0
東鎮守府艦隊 側
赤城「艦載機が敵と接触しました。現在交戦中」
天龍「どうだ手ごたえは?」
赤城「……思っていたより、被害を与える事ができていません」
鳳翔「予想通り、対空装備を多く積んでいますね」
青葉「んーじゃあ青葉達でる?」
赤城「いえ……まだ平気です」
赤城「こちらにはまだ半分以上艦載機が残っています」
赤城「敵の射程外から削れるとこまで削ってからにしましょう」
鳳翔「そうですね。追機……どうしますか?」
赤城「……いきましょう」
576: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 11:17:39.91 ID:In7/Z5Zj0
西鎮守府艦隊 側
ババババババ
ヒユウウウウッッッン ドカァァン
金剛「(よし……上手く防げているみたいデス)」
金剛「全速前進!敵艦隊を射程距離内に収めまショウ!」
龍驤「………!金剛!つ、追加がきおった!」
金剛「くっ!思ってたより早いデスね!」
龍驤「同じく天山と彗星や!併せて数……40!」
金剛「いよいよですね……」
龍驤「ウチも残りの艦載機だすで!」
金剛「ええ!お願いしマス!」
金剛「(ここで誰も大破しなければ……)」
金剛「皆さん正念場デスよ!!」
578: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 11:30:27.09 ID:In7/Z5Zj0
東鎮守府艦隊 側
赤城「追加艦載機も敵と交戦中です」
天龍「へへ、あとは時間の問題だな」
鳳翔「ええ……航空戦はこちらに分があるようですね」
赤城「ただ今愛宕さんと不知火さんを小破しました」
天龍「さっすが、赤城!この分なら俺達の出番はないな!」
鳳翔「状況はかなり良いみたいですね。相手の陣形もくずれかかっているようです」
青葉「えー、青葉達出番ないんですか。つまんないですねー」
大井「(……電ちゃん大丈夫かしら?)」
鳳翔「ダメですよみなさん……油断しては」
赤城「(……)」
赤城「(……おかしいですね。あまりにも簡単に陣形が崩れて……)」
赤城「(……考え過ぎかしら……)」
赤城「……陣形がくずれれば対空砲火が薄くなり狙われやすくなる……)」
赤城「(まぁこっちとしては1艦ずつ集中して倒せばいいのだから楽だけど……)」
582: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 14:16:40.68 ID:In7/Z5Zj0
演習場 室内 見学室
女提督「ふふ、いい感じだわ。さすが赤城ね」
女提督「一人で戦場をコントロールしてるわ」
提督「うむ。ビデオで見ていたのと寸分違わぬ実力だ」
女提督「あんたん所大丈夫なの~?このままじゃ一方的な戦いになるわよ」
提督「なぁに……まだ大丈夫さ」
583: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 14:22:34.41 ID:In7/Z5Zj0
西鎮守府艦隊 側
パパパパパパパパパパパ
ドオン ドオン
金剛「愛宕!不知火!大丈夫ですか!」
愛宕「ええ、上手く当たっちゃったみたい……」
愛宕「まだ小破だから動けるわ……」
不知火「し、不知火もこの程度、……大丈夫です」
金剛「(12.7cm連装高角砲などで牽制しているお陰でかなり被害は抑えていますが……)」
金剛「(時間が長引けば長引く程、圧倒的にこちらが不利……)」
金剛「(予想してたとはいえ辛い現実デスね)」
金剛「(……敵艦隊との距離はざっと40000くらいデスか……」
金剛「(もう少しで最大射程距離内……)」
金剛「(少し早いかもしれませんが……)」
金剛「長門!お願いします!」
長門「やっと私の出番か!全速で行かせてもらう!」
584: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 14:38:10.93 ID:In7/Z5Zj0
東鎮守府艦隊 側
赤城「え!?」
鳳翔「どうしました?赤城さん」
赤城「一人こっちに突っ込んできています……長門さんです」
天龍「なんだよ。この状況で突っ込んでくるとか正気じゃねーな」
大井「どうしたのかしら」
鳳翔「ヤケになったのでしょうか……まぁこちらとしてはありがたいですが」
鳳翔「射程距離に入り次第、集中砲火しましょう」
天龍「おう!」
585: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 14:46:00.11 ID:In7/Z5Zj0
東鎮守艦隊 側
長門「うぉぉぉぉぉぉぉおお!!!」
龍驤「長門が距離30000まできたで!射程距離内や!」
金剛「分かりました!」
金剛「(恐らく敵の攻撃が長門に集中する筈……)」
金剛「(その間に作戦を決行デス……)」
金剛「(長門───上手くいくまでなんとか耐えてください)」
586: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 14:48:13.64 ID:In7/Z5Zj0
東鎮守府艦隊 側
赤城「長門さんが射程距離内に入ってきましたね」
赤城「(……射程範囲とはいえまだまだ遠い……)」
扶桑「(この距離だと扶桑さんの35.6cm連装砲なら有効打撃となる筈……)」」
赤城「扶桑さん、カバーはします。長門さんを一緒に狙いましょう!」
扶桑「了解致しました。これより主砲にて砲撃を開始します」
赤城「お願いします。鳳翔さんは引き続き龍驤さんの艦載機をお願いします」
鳳翔「分かりました」
587: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 14:49:17.30 ID:In7/Z5Zj0
西鎮守府艦隊 側
ヒュウゥゥゥン
長門「くっ……」ドカーン
ドォンドォンドォン
長門「ぐぁああ!」ドゴォン
バンッ バンッ バンッ
長門「ぅぅっ!」バァン
588: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 14:51:01.08 ID:In7/Z5Zj0
東鎮守府艦隊 側
赤城「おお!攻撃命中ですね!」
扶桑「ええ……かなり手ごたえありです」
赤城「これで恐らく長門さんは脱落でしょう」
赤城「今なら金剛さんがガラ空」
扶桑「あ、赤城さん!」
赤城「き……はい?どうしました?」
扶桑「長門さんを見ていただけますか……」
赤城「え……!?」
589: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 14:54:44.84 ID:In7/Z5Zj0
西鎮守府艦隊 側
金剛「長門さん!大丈夫ですか!」
長門「ああ……大丈夫だ。問題ない」
長門「まだ小破ってところだ」
長門「この『増設バルジ』による追加装甲がなければあっという間に大破してた所だ」
590: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 14:57:51.43 ID:In7/Z5Zj0
東鎮守府艦隊 側
赤城「つ、追加装甲ですって……」
赤城「(追加装甲は重くなる分、回避力が下がる諸刃の剣……)」
赤城「(避ける事を諦めて最初から囮として……?)」
扶桑「あ、赤城さん。どうしましょう?」
赤城「いいわ!ならその装甲が壊れるまで攻撃すればいいだけの事よ!」
扶桑「……!」
扶桑「わかりました。引き続き砲撃いたします!」
591: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 15:04:47.96 ID:In7/Z5Zj0
演習場 見学室
女提督「あんた追加装甲なんて持ってたの?」
提督「ん?ああ、前の鎮守府で使用されないで埃かぶってるって聞いたからな」
提督「それを取り寄せたんだ」
提督「追加装甲は扱いが難しくてな」
提督「どんなに装甲を厚くしても一撃で落ちる事がある現在の戦場」
提督「その中で回避を捨てて防御力をつけるという運用は非常にリスキーだからな」
女提督「ふーん」
女提督「あの猛攻を耐えたのは褒めてあげるわ」
女提督「まぁだからといって時間の問題」
女提督「赤城と扶桑の攻撃をどのくらい耐えれるか見ものね」
592: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 15:08:08.00 ID:In7/Z5Zj0
東鎮守府艦隊 天龍
天龍「(……んー。暇だな)」
天龍「(お、扶桑が長門に砲撃を始めたか……)」
天龍「(いいなぁ……)」
天龍「(俺も前でて戦いたいぜ……)」
天龍「(……あのピンク野郎の様子でも見てみるか)」
天龍「(おうおう。艦載機から逃げ回ってるな……あの様子じゃその内やられるだろうな)」
天龍「(……しっかしやけにこっちに近づいてきやがるな……)」
天龍「(長門と同じく集中砲火を浴びるぞそんなにこっちきたら……)」
天龍「(ん……なんだこっちを見て……)」
天龍「(……あの野郎……)」ゴゴゴゴゴ
593: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 15:14:37.89 ID:In7/Z5Zj0
西鎮守府艦隊 不知火
ドォンドォンドォンドォン
バババババ
不知火「(くっ……艦載機の攻撃が激しくなってきました)」サッ
不知火「(只、長門さんが敵を引きつけてくれてるお陰で大分近づきやすい状況になりました)」スススス
不知火「(……このくらいの距離なら見えるでしょうか……)」
不知火「(よし……しっかり見えるみたいですね耳眼帯女が……)」」
不知火「(……しかも丁度こちらを見ているようですね)」
不知火「(チャンスは今……古臭い手ですが……これくらいしか思いつきません)」
不知火 「……あっかんべー」
不知火「(……こんな安い挑発に果たしてのってくれるのでしょうか……)」
不知火「(戦闘中にこんな事をするなんて……なんか情けない……)」シクシク
594: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 15:17:42.69 ID:In7/Z5Zj0
東鎮守府艦隊 側
天龍「あの野郎……!」プルプル
天龍「戦いの最中俺様にあっかんべーだと……!」プルプル
天龍「許さん!」プチ
天龍「すまん赤城!俺は前にでるぜ!」バッ
赤城「て、天龍さん!?」
赤城「(……急にどうしたのでしょうか……不知火さんの方に向かっていったようですが)」
赤城「(というか不知火さんがいつのまにあんな近くに……)」
595: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 15:20:47.84 ID:In7/Z5Zj0
西鎮守府艦隊 愛宕
パパパパパパ
ドゴォォォオン
愛宕「(不知火ちゃんは成功したようね)」サッサッ
愛宕「(あたしは青葉ちゃんを上手く誘導できればいいのだけど……)」
愛宕「(いったいどうしたら……)」
愛宕「(青葉ちゃんは破廉恥な写真を好むと聞いたわね……)」
愛宕「なら……」
愛宕「(───さっき小破してやぶれた胸元を少し広げて……)」
愛宕「(こ、こんなんで大丈夫かしら……さすがに恥ずかしいわ//)」
愛宕「(ていうかこんなの●●じゃないの……でも……やれるべき事はやらなきゃ……)」シクシク
596: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 15:24:34.69 ID:In7/Z5Zj0
東鎮守府艦隊 青葉
青葉「(楽すぎてつまんないですね~。面白い被写体はいないですかね~)」キョロキョロ
青葉「(んー……)」
青葉「(愛宕さんが少しこちらに近づいてきてるようですが……)」
青葉「(そんなに近づくと集中砲火されちゃいますよ~)」シ
青葉「(あれ……あ、愛宕さん!)」
青葉「(さっきの爆撃で胸元が破れてポロリしそうになっています!)」
青葉「(これは青葉的にポイントが高い!!!!)」
青葉「(ぜひコレクションに加えたいです……)」
青葉「(……でも赤城さんの護衛が……)」
青葉「(うーん……」
青葉「(まいっか!天龍さんもどっかいってるし!優勢だしちょっとくらいね!)」バッ
赤城「……ん?」
赤城「青葉さん!なんで前に!」
青葉「ごめんなさい赤城さん!青葉、私用ができちゃいました!」
赤城「ちょ、ちょっと!青葉さん!」
597: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 15:28:27.56 ID:In7/Z5Zj0
東鎮守府艦隊 電
ドォン ヒュゥウウウン ドカァアンン
電「(うう……愛宕さんも不知火さんも上手くいっているようなのです……)」サッサッ
電「(電も頑張らなきゃ……)」
電「(大井さんをひきつけなきゃいけいなのです)」
電「(不本意ですが……しょうがないのです)」
電「(提督に渡された、これを使うしかないのです…)」
電「(この猫耳バンドを!)」
599: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 15:34:18.73 ID:In7/Z5Zj0
東鎮守府艦隊 大井
大井「(えへへ……爆撃から逃げ回って「はわわ」してる電ちゃん……)」
大井「(なんて可愛いのかしら……)」
大井「(持ち場がなきゃすぐにでも会いにいくのに……)」
大井「(魚雷で足を動かなくして……そしてあんなことやこんな……ウフフ)」
大井「(あら?電ちゃん……急に前かがみになってどうしたのかしら)」
大井「(あんな動きじゃ艦載機にやられちゃうわ……)
大井「(え……!)」
大井「(頭に猫の耳が付いているわ!)」
大井「(かわいすぎる!)」ジュルリ
大井「(なんで着けたの?!しかもこっち向いて笑顔!)」
大井「(これは……完全に誘ってるわ。……やるしかない)」
大井「(……ごめんなさい、皆さん。電ちゃんが呼んでいるから……)」バッ
赤城「え?」
赤城「大井さん!どこにいくんですか!」
大井「ごめんなさい!」スススススス
赤城「あっ……待って……大井さんまで……」
鳳翔「皆さん!一体どうしたんですか!これでは陣形がぐちゃぐちゃですよ!」
鳳翔「……あ、あの子達……無線をきってるわ……」
赤城「……やられましたね。敵の狙いはこれでしたか……」
601: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/17(月) 15:38:55.74 ID:In7/Z5Zj0
赤城「(長門さんが特攻してこちらの目をひき……)」
赤城「(崩れていたかのようにみえた相手の動きはこちらをおびき出す為に移動していただけ……)」
赤城「(どんな手を使ったか分かりませんが護衛であった2人と)」
赤城「(雷撃役の大井さんはそれにひっかかり敵側の方へと行ってしまった……)」
赤城「(そして結果的に陣形がこちらもばらけてしまった……)」
赤城「(……)」
赤城「(噂には聞いていましたが中々の策士のようですね。あちらの提督は……)」
赤城「(───しかし、陣形はくずれましたがこちらの有利は変わりません)」
赤城「(一人で突っ込んできている長門さんを沈め、あとは一人ずつ対処すればいいだけの事)」
赤城「扶桑さん!長門さんに畳みかけますよ!」
扶桑「はい!引き続き、主砲発射致します!」
ドォォォォン!
614: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:33:21.95 ID:+0CuYTzs0
見学室(TVを通してみてます)
女提督「……あんた、あの子達になに吹き込んだのよ」
提督「さぁ?知らんな」
女提督「はぁ!?おかしいじゃない!明らかに誘導されてるように3人とも動いてるわ!」
提督「みたいだな。これで扶桑と鳳翔が赤城の護衛をしている形になって攻めやすくなった」
女提督「……っ!」
女提督「ま、まぁいいわ」
女提督「長門をつぶしてから対処すればいいだけだし」
女提督「3人を上手く引き離したつもりのようだけど……甘くみすぎよあの子達を」
女提督「天龍も青葉も……そして大井も」
女提督「性格はどうあれかなりの実力よ」
提督「……うむ」
615: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:34:06.88 ID:+0CuYTzs0
女提督「仮にあの3人をどうにかできてもウチには赤城がいるしね」
提督「随分赤城を信頼しているんだな」
女提督「当たり前じゃない!アンタも見たでしょあの強さ!」
女提督「あたしだって士官学校でずっと遊んできたわけじゃないのよ」
女提督「あの子が……赤城がどれくらいすごいかなんて……」
女提督「身近にいるあたしが一番分かるわ」
女提督「あたしみたいな落ちこぼれでも……ね」
617: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:36:45.24 ID:+0CuYTzs0
提督「……」
提督「……こっちだってまだまだ未熟だ」
提督「金剛は実戦経験豊富だが、戦艦としての火力を上手く発揮できていないし」
提督「愛宕はそれなりに実力あるが、戦いへの覇気が見えず消極的」
提督「電は戦場での落ち着きが足りない」
提督「龍驤は艦載機の扱いが雑すぎる」
提督「不知火は前にですぎて味方の邪魔をする」
提督「長門は回避運動が下手くそだ」
提督「どいつもまだまださ」
女提督「……何よ。慰めのつもり?」
618: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:37:21.05 ID:+0CuYTzs0
提督「そして極めつけは」
提督「幼馴染を失い……ショックで軍を辞めた奴がそいつらの司令官だ」
女提督「あんた……」
提督「でも……そんな俺達でもお前らになんとか一泡吹かせてやりたい」
提督「そう思って今日はここに臨んでいるよ」
女提督「……」
女提督「……そうね。アンタはそういう男だったわ」
女提督「負けないわよ」
提督「あぁ」
619: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:38:51.00 ID:+0CuYTzs0
西鎮守府艦隊 側
ドドドドド パパパパ
ヒュゥゥゥゥン ドカアアァァン
長門「(くっ……そろそろキツイ、か)」
長門「(あの3人は……引きつける事に成功したようだな)」
長門「(これで何とか想定していた状態には持ち込めた)」
長門「(あとは私がどうするか……だな)」
長門「(このまま攻撃の的になって沈む……)」
長門「(訳にはいかない)」
長門「(私がこの場ですぐやられれば)」
長門「(結局赤城の艦載機が3人を狙いにいく)」
長門「(なんとか私の力でもう少し……)」
長門「……」
長門「(そういえば)」
長門「(主砲を新しくしたんだったな……)」
620: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:40:50.09 ID:+0CuYTzs0
見学室
女提督「よし!いいわよ!そのまま長門をしずめなさい!」
提督「……」
女提督「時間稼ぎにはなったようだけど、ここまでね」
女提督「何考えて囮なんてやらせたか分からないけど」
女提督「これで勝利目前だわ」
提督「……」
女提督「いけいけー扶桑!赤城ー!」
提督「あいつは……」
女提督「ん?」
提督「ただの囮じゃない」
621: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:42:23.13 ID:+0CuYTzs0
提督「俺はな。西鎮守府にきて一つ驚いた事がある」
女提督「なによ急に」
提督「俺が西鎮守府へ来た時、上からの命令で着任初日から遠征任務をしたんだ」
提督「きっと俺の実力を確かめる為の意図があったのだろう」
提督「そして……運悪く深海棲艦と交戦してな」
提督「正直かなりやばいと思った」
提督「こっちに来てスグで連携はとれないし、艦娘達も動揺しているし」
提督「何より戦艦級の敵がいたからな。死を覚悟で挑んだ程さ」
提督「だが……なんなく倒せす事ができた」
622: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:44:21.21 ID:+0CuYTzs0
提督「半分は金剛のおかげだった」
提督「金剛は深海棲艦との戦いに慣れていたからな。動揺はしていたがすぐに気持ちを切り替え先頭にたって戦っていた」
提督「───そしてもう半分は」
提督「周りと同じ様に動揺し、実戦の経験が少ないのにも関わらず
提督「一撃で戦艦級をしとめた奴がいる」
提督「それが長門だ」
女提督「……ふーん」
女提督「たしかに初めてみた時の堂々とした面構えは雰囲気あったけど……」
女提督「だからってこの状況でどうするっていうのよ」
提督「35.6cm連装砲」
提督「戦艦の基本的な主砲だ」
提督「しかし基本的といってもかなりの威力があるし」
提督「反動が強く制御が難しい」
提督「故に戦艦は命中力が低いなどと言われたりするが」
提督「あいつは少し違った」
623: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:47:18.60 ID:+0CuYTzs0
──────回想
訓練場 射撃訓練中
長門「連装砲の反動なんてほとんど感じないぞ」
提督「そんな訳あるまい。金剛ですら扱いに苦労しているんだ」
金剛「デスねぇ。結構反動が強くて腰にくるんデスよ」
長門「別に強がりでいってるわけじゃないぞ。本当の事をいっている」
提督「ふむ。ならその35.6cm連装砲であの動く的を狙ってみろ」
長門「わかった」
624: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:47:57.22 ID:+0CuYTzs0
。。。。。。。。
提督「命中はあまりよくないみたいだが」
長門「うーん。まだ当てる技術が足りないか」
金剛「す、すごい……」
提督「どうした金剛。驚いてる様だが……」
金剛「今の見マシたか提督!」
提督「ああ、そりゃここにいたんだから見てるに決まってる。お前の方が命中力は高いじゃないか」
金剛「そうじゃありまセン!」
金剛「長門は連装砲を同時に打っていたんデスよ!」
提督「ふ、ふむ?」
625: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:49:47.27 ID:+0CuYTzs0
金剛「普通交互に打つんデス!反動を分散させる為に!」
金剛「だけど長門は2門の主砲を同時に打って狙っていたんデス!」
金剛「私だったらのけ反ってまともに打てないデスよ」
提督「なんだと……」
長門「言ったろう。反動自体は問題じゃない。ただ目標物に当てるには距離感がまだつかめんな」
金剛「大丈夫デース!練習すればすぐ上手くなりマスよ!
長門「うむ。コツを教えてくれ、金剛」
提督「(……反動をほとんど感じない、か)」
回想終了
626: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:53:19.72 ID:+0CuYTzs0
西鎮守府 長門
ドォン ドォン ドォン
バァン
長門「(この新しい主砲……明らかに前より大きい)」
長門「(しかし何故だろうか。まるで前から使っていたようなしっくりした感覚……)」
長門「(扶桑との距離はざっと30000ないくらい……)」
長門「(……この距離からなら狙える……か?)」
長門「(……うむ。何故だか分からんが当てれる気がする……)」
長門「主砲……装填……」
長門「41cm連装砲 準備完了!」ガチャ
長門「あたれぇええええ!!」ズドン ズドン
627: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:54:50.82 ID:+0CuYTzs0
東鎮守府艦隊 側
赤城「(反撃!?)」
赤城「扶桑さん!危ないです!」
扶桑「はいっ?」
ドゴオオオン
扶桑「きゃぁああああ!」
赤城「(くっ、油断しました。反撃してくるなんて)」
赤城「(だけど、咄嗟ではありますが艦載機を盾にしました)」
赤城「(あの距離からなら大したダメージはないはず……)」
赤城「扶桑さん!一旦後退しましょう!」
628: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 14:59:12.96 ID:+0CuYTzs0
扶桑「……」
赤城「ふ、扶桑さん!?」
初雪「えーと……すいません……扶桑という方……」
初雪「大破による戦闘続行不能で……回収……させていただきます」
赤城「え……」
赤城「そんなはずは!今確認しますから待ってください!」タッタッタッ
扶桑「……」グッタリ
赤城「!?」
629: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/20(木) 15:04:11.67 ID:+0CuYTzs0
初雪「すいません……扶桑という方から……離れていただいてもよいですか……回収しますので……」
赤城「わ、わかりました……」
赤城「(偽装がボロボロ……盾にした艦載機も木端微塵……)」
赤城「(なんて威力……)」
赤城「(どんな攻撃をしたのよ……彩雲で確認してみましょう……)」
赤城「……」
赤城「……41cm連装砲?!」
赤城「(道理で……けど、あの装備を扱える方がいるなんて……)」
赤城「(いえ……それ以前の問題ね。砲撃してくるという考えを疎かにしていた……)」
赤城「これで6対5ですか……厄介になりましたね」
652: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 18:45:26.85 ID:SPvadGqB0
西鎮守府艦隊 長門
長門「(まさか扶桑をやれるとは……)」
長門「(この41cmm連装砲、予想以上の武器だ……)」
長門「(これなら赤城も……?)」
長門「金剛!聞こえるか!」
金剛『ハイ!』(無線)
長門「扶桑をやった。このまま赤城、鳳翔との交戦を続ける」
金剛『ええ、見ていマシたよ!あの二人はお願いしマス!』
653: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 18:47:24.95 ID:SPvadGqB0
見学室
女提督「……くっ、扶桑がやられるなんて……」
提督「(41cmmの反動を物ともせず扱うとは……さすがだ、長門)」
提督「(まだまだ未熟な部分はあるが、間違いなく将来この艦隊を引っ張る存在になる)」
提督「どうだ、女提督。うちの長門は」
女提督「ふんっ……驚いたわ。すごい火力じゃない」
女提督「だけど……まだこっちが優勢の筈よ」
女提督「引き離された天龍と青葉、それに大井がいずれあんたの艦娘を倒して戻ってくるはずだわ」
女提督「そこから一方的な戦いにしてやるんだから……」
女提督「見てなさいよ!」
654: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 18:49:12.74 ID:SPvadGqB0
不知火 VS 天龍
不知火「(よし……ここまで誘導できれば大丈夫なようですね」
天龍「てめぇ!どこまで逃げやがるんだ!」
不知火「(振り向きざまに打つ!)」クルッ
ドンッ ドンッ
天龍「っと!へへっ!やっとやる気になったか!」シュッ シュッ
不知火「(……速いっ!?この近距離での砲撃をいとも簡単に避けられた!)」
天龍「ったくよぉ!砲撃ってのは……」
天龍「こうやって打つんだよ!」スッ
ドンッ
不知火「(……っ!)」シュッ
655: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 18:50:28.66 ID:SPvadGqB0
天龍「もういっちょ!」
ドンッ
不知火「(しまった!)」グラァ
不知火「きゃぁ!」ドカァン
天龍「よっしゃ!」
不知火「(くっ……軽傷ではありますが……右の12.7cm連装砲が破損してしまったようですね……)」
天龍「どうした!さっきの挑発は威勢だけかよ!」
不知火「(やはり不知火では……)
不知火「……」スッ
天龍「あ、おい!クソ!また逃げる気か!」
656: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 18:51:40.90 ID:SPvadGqB0
愛宕 VS 青葉
青葉「愛宕さん!止まってくれないといい感じに撮れませんよー」
愛宕「あらあら。ごめんなさいね~艦娘は急に止まれないのよ~?」
青葉「ちょっと!待ってください!」
愛宕「嫌よ~♪」
青葉「……むー……仕方ありません」
青葉「痛いかもしれませんがこれも戦いですし……」
青葉「青葉!やらせていただきます!」カチャッ
ドォォン
愛宕「(……青葉ちゃんは戦う気になったようね)」サッ
愛宕「(……うーん)」
愛宕「(このまま避けながら逃げ続けてもいいわよねぇ……)」
青葉「(むむ……愛宕さんはあまり戦う気がないのでしょうか)」
青葉「(……まぁ好都合です。そう簡単に逃げ続けれると思ったら大間違いです)」
657: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 18:54:13.45 ID:SPvadGqB0
電 VS 大井
大井「電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん電ちゃん」
電「ひぃぃぃぃ!」
大井「逃げないでこっちに来てください!」
電「絶対嫌なのです!」
大井「大丈夫よ!痛いのは最初だけ!あとは快感なのよ!」
電「何の話なのですか!?」
大井「仕方ないわね……」
大井「分からずやにはお仕置きしなくちゃ……」
大井「少し痛いかもしれないけど」
大井「我慢してね」ニタァ
電「(っ!……砲撃態勢に入ったようなのです……)」
電「……正念場なのです」
658: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 18:55:47.87 ID:SPvadGqB0
龍驤 & 金剛
ヒュウウウゥゥゥン ドカアアァァン
ドパパパパパ
龍驤「よっしゃ!赤城と鳳翔の艦載機を6機落としたで!
金剛「Niceデス!こっちも3機やりマシた!」
龍驤「さっきよりは数が減ってマシになったな」
金剛「ええ、今は長門さんが踏ん張ってくれているおかげデス」
金剛「赤城さんの艦載機も半分以上長門さんの方へいってるようデス」
龍驤「なるほどな。しかしどうするんや。このまま赤城つぶしにいくんか?」
金剛「いえ……先にやる事がありマス」
龍驤「やる事?」
金剛「ハイ」
659: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 18:58:51.04 ID:SPvadGqB0
鳳翔 & 赤城
鳳翔「(……金剛さんたちに有効打を与えられませんね……)」
鳳翔「(赤城さんが長門さんに艦載機を割いているせいもありますが)」
鳳翔「(あの二人が艦載機への対処に慣れてきている……)」
鳳翔「赤城さんの様子も……」チラッ
赤城「ダメね……もっと低空からの攻撃を増やして……いえそれより砲撃を打たせて弾を減らした方が……」ブツブツブツ
鳳翔「(余裕がなさそうですね……長門さんが予想以上にタフで時間が掛かりそう……)」
鳳翔「(………)」
鳳翔「(天龍さん達が戻ってくるのを待たないとダメなようですね……)」ハァ
661: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 19:27:18.58 ID:SPvadGqB0
見学室
女提督「あんたんとこの3人は逃げてばかりね」
提督「ああ」
女提督「逃げてるだけじゃ勝てないわよ」
提督「そうだな」
女提督「残念ね。もっとやる気がある子達かと思っていたのに」
提督「……うむ」
提督「その通りだよ」
提督「逃げているだけでは駄目なんだ」
提督「逃げているだけではな……」
提督「(不知火、愛宕、電……)」
提督「(お前らがどう抗うか)」
提督「(見せてもらうぞ)」
662: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 19:28:34.08 ID:SPvadGqB0
不知火 VS 天龍
天龍「オラオラァ!」サッ
ドパパパパパパ
不知火(……くっ……12.7mm単装機銃ですか)」ビシッビシッ
天龍「(──小粒な攻撃でダメージを与え意識をそらせつつ)」
天龍「(12.7cm連装砲で仕留める!)」カチャ
ドォン ドォン
不知火「きゃぁあああああ!」ドカァァン
天龍「うっし!クリティカルだ!」
663: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 19:30:21.50 ID:SPvadGqB0
不知火「うぅ……」プスプス
天龍「へへん!これが実力の差だぜ!」
不知火「(……足の動力部がやられましたか……いずれ追いつかれますね……)」
天龍「さぁ!もう一発いれてお仕舞にしてやる!そこで待っていやがれ!)」
不知火「…………」
不知火「(……ええ)」
不知火「(分かって……いました)」
不知火「(不知火は貴方より弱い……)」
不知火「(プライドだけ高くて……強がりで……)」
不知火「((司令には前へですぎるなと……よく怒られる……)」
664: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 19:32:09.16 ID:SPvadGqB0
不知火「(最近気づいたんです……)」
不知火「(不知火は戦果が欲しいとか……深海棲艦を倒したくて……)」
不知火「(率先して前にですぎた……訳じゃなかったんです)」
不知火「(……仲間がやられるのが怖くて……自分の目の前でやられるのを見たくなかっただけ……)」
不知火「(父や母のように……)」
不知火「(だから私はとにかく率先して前にでて……戦いたかったのです)」
不知火「こんなに弱いのに……仲間を信じず……自分だけで戦おうとして……)」
不知火「(ダメな子です……不知火は……)」
665: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 19:35:54.18 ID:SPvadGqB0
天龍「……よし。この距離なら避けられないだろう」
天龍「わりぃけど、早く終わらして赤城達のサポートにいかなきゃいけねぇんだ」カチャ
天龍「この一発で終わりだ」
天龍「あばよ」
ドガァン
666: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 19:36:48.67 ID:SPvadGqB0
不知火「……」
天龍「……」
天龍「あ……ぐ……」バシャン
天龍「な……何が起きた……」
天龍「なんで俺が倒れてる……」
不知火「ほんと……ダメな子なんですよ不知火は」スタスタ
天龍「て……てめぇ……なにをした……」
不知火「不知火は何もしてませんよ」
天龍「じゃ……じゃあ誰が……」
668: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 19:38:23.18 ID:SPvadGqB0
不知火「不知火はよく怒られるんですよ」
不知火「人の射線上に入るな……と」
天龍「てめぇ……ま、まさか……」チラッ
天龍「(……っ!後ろに金剛だと……)」
不知火「金剛さん。素晴らしい砲撃でした」
669: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 19:39:15.66 ID:SPvadGqB0
金剛『Oh!褒められると照れマスね!不知火もNICE誘導でしたよ!』(無線)
不知火「ふふ、ありがとうございます」
天龍「く……そ……お前……最初からこれを狙って……」
不知火「ええ、今の不知火では残念ながら貴方に勝てません」
不知火「なので仲間の力をお借りしました」
不知火「あなたに気づかれないくらいの距離、方向を調整するのに苦労しました」
天龍「けっ……踊らされた……って訳か……」
670: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/23(日) 19:40:00.51 ID:SPvadGqB0
不知火「……というわけで」カチャ
不知火「退場していただきますね」
ドォン
天龍「ぐはっ……」ドカァン
初雪『───天龍という方、大破による戦闘続行不能で回収させていただきます』
不知火「…………」
不知火「(今回は)」
不知火「(不知火に落ち度はありませんよ、司令)」
677: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:22:37.01 ID:jDOyzGDz0
愛宕 VS 青葉
青葉「砲撃は青葉にお任せ!」カチャ
ドォンッ
愛宕「(右ね)」スッ
青葉「(予想通り右に回避!その先に合わせて……)」
青葉「もういっちょです!」
ドォンッ
愛宕「(……しまったわ!避けきれない!……なら」
パパパパパ
ドォン
愛宕「(機銃が上手くあたったみたいね……まぐれだけど)」
青葉「(むむ……砲弾に弾を当てるとは運がいいですね)」
青葉「(けど、大分動きの癖が読めてきました)」
青葉「(そろそろ青葉のベストショット……受けてもらいますよ)」
678: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:25:21.24 ID:jDOyzGDz0
愛宕「(不味いわね……このまま逃げ切るのはきつくなってきたわ……)」
愛宕「……」
愛宕「(……選択肢は二つ)」
愛宕「(一つ目は)」
愛宕「(なんとか時間を稼いで仲間の援護を待つ)」
愛宕「(そして二つ目は)」
愛宕「(砲撃戦で青葉ちゃんを倒す……)」
愛宕「(どっちも不安ね……)」
愛宕「(正直今のままやりあうのは自信ないわ……)」
愛宕「(かといって来るかどうかもわからない援護を待つのも……)」
679: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:26:11.18 ID:jDOyzGDz0
愛宕「(……はぁ)」
愛宕「(私ってつくづく戦いに向いてないわね)」
愛宕「(なんでもっと不知火ちゃんや長門さんみたいに自信を持って戦えないのかしら)」
愛宕「(演習なんだしもっと前向きにいかなきゃ……)」
愛宕「(……姉さんみたいにもっとしっかり……)」
680: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:28:27.81 ID:jDOyzGDz0
──────回想
高雄「愛宕!今帰ったわ!」
愛宕「高雄姉さん、お帰りなさい」
高雄「ただいま!───今日も大変だったわ……小さな漁村が化け物に襲われててね」
高雄「生き残ったのはまだ若い女の子……たった一人だったわ」
愛宕「……そう」
高雄「悲しいわよね……こんな事件をもう起こさせない為にも」
高雄「もっと頑張らなくちゃ!」
愛宕「姉さん……無理しないでね」
高雄「ええ、大丈夫よ!深海棲艦を全部ぶっ倒すまで」
高雄「私は死なないわ!そしてこの世界を平和にするんだから!」
愛宕「うふふ、姉さんたら大きな事言って」
高雄「何よぉ、私は本気よ!」
愛宕「はいはい♪」
────────回想終了
681: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:29:11.35 ID:jDOyzGDz0
愛宕「(だけど……)」
愛宕「(結局姉さんは死んだわ……)」
愛宕「(ホントバカよ……死なないって言ったのに……)」
愛宕「(姉さんと一緒に戦いたくて艦娘になったのよ私は……)」
愛宕「(それなのに……それなのに……)」グスッ
愛宕「(姉さんのバカァ!)」
682: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:30:22.09 ID:jDOyzGDz0
愛宕「(…………)」
愛宕「(なんか逆にムカついてきたわ……)」
愛宕「(火薬臭い磯臭い艤装は重い……胸がはだけながら必死に逃げ回る自分に……)」
愛宕「(姉さんと同じ様に戦いたいと思いながらどこか後ろめたく戦う自分に……)」
愛宕「(なんてみじめなの……)」
683: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:33:45.69 ID:jDOyzGDz0
愛宕「(私だって)」
愛宕「私だって……」プルプル
愛宕「艦娘なのよぉおおおお!!」クルッ
ドォン ドォン
青葉「わわっ!」サッ サッ
愛宕「いいわ!私が姉さんの代わりに!平和にしてあげるんだから!!!」カチャ
ドォンッ ドォンッ
青葉「な、なんですか急に!」サッ サッ
青葉「(こちらへ急に振り向いたと思ったら荒々しく砲撃してきました)」
青葉「(やり合う気になった……ようですね)」
青葉「(それならそれでいいです)」
青葉「(この青葉、実力の差を見せてあげましょう」
─────────
───────
─────
───
──
684: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:35:34.18 ID:jDOyzGDz0
数十分後
青葉「や、やりますね……愛宕さん」ボロッ
愛宕「青葉ちゃんも……さすがね……」ボロボロッ
青葉「(くっ……予想以上に強い……)」
青葉「(愛宕さんはもっと堅実な立ち回りをしてくると思ったのですが)」
青葉「(局所的にリスクを負って仕掛けてくる……)」
青葉「(青葉メモには想定していない戦い方で……少し困惑しました……)」
青葉「(何か心境の変化があったのでしょうか……)」
685: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:36:27.94 ID:jDOyzGDz0
青葉「(……いえ、考えても仕方ありませんね)」
青葉「(青葉とやる前に赤城さんから負っていたダメージの分)」
青葉「(青葉の方が有利です……)」
青葉「(このまま押し切ればやれます!)」カチャ
686: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:38:30.94 ID:jDOyzGDz0
愛宕「(……青葉ちゃんはすごく動きが読むのが上手いわ)」
愛宕「(洞察力っていうのかしら……それに長けてるのね……)」
愛宕「(多少のリスクを負って攻撃しないと当てる事は難しい)」
愛宕「(そして……ダメージ的には……私の方が不利……)」
愛宕「(これ以上の被弾は、大破につながる可能性がある……)」
愛宕「(序盤の……赤城さんのダメージさえなければ……)」
687: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:41:29.78 ID:jDOyzGDz0
愛宕「(…………)」チラッ
愛宕「(……ちょっと近い所で長門さんと赤城さんの艦載機が交戦してるわ……)」
愛宕「(巻き込まれたら大変だし……離れ……)」
愛宕「(え……あれは……)」
愛宕「(…………)」
愛宕「(……もしかしたら使えるかもしれないわ)」
688: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:42:30.78 ID:jDOyzGDz0
青葉「……!」
青葉「(愛宕さんが長門さんと赤城さんの交戦してる方向に向かっている?)」
青葉「(何か裏があるようですね……)」
青葉「(恐らく長門さんの援護を貰いにいくのでしょう)」
青葉「(そんな余裕が長門さんにあるとは思えませんが)」
青葉「(まぁいいです。こちらとしても赤城さんの援護を貰える可能性がある訳ですし……)」
青葉「(油断した所をドカーンですよ!)」
689: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:43:54.71 ID:jDOyzGDz0
長門「(ん……レーダーに味方反応……愛宕か)」
長門「(まだ大分距離あるが、一応注意しとくか)」
長門「愛宕!こっちは交戦中だ!危ないぞ!」
愛宕『分かったわ!これ以上は近づかないわ!』(無線)
愛宕『ただ、一つだけお願いしたい事があるの!』
長門「なんだ!」
愛宕『4時方向に青葉さんがいるわ!砲撃援護をお願いしたいの!』
長門「この距離では全く狙えんぞ!間違いなく当たらない!」
愛宕『いいのよ!砲撃を貰えるだけで!お願い!』
長門「……っ!よ、よし!わかった」
690: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:45:37.70 ID:jDOyzGDz0
ドォンッ ドォンッ
青葉「(む……長門さんがあの距離から砲撃ですか?!)」
バシャーン バシャーン
青葉「(当たる筈ありません)」
青葉「(……ふむふむ、愛宕さんは戻ってきましたね……)」
青葉「(援護を諦めたのでしょう。赤城さんと交戦しながら援護なんてできるはずがありませんからね)」
青葉「(さぁ来てください!今度こそこの青葉が……)」
青葉「(砲撃で服を破って、あられももない姿にしてそして……)」
青葉「(青葉コレクションに加えてあげます!)」
691: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:46:27.73 ID:jDOyzGDz0
愛宕「(これが最後のチャンス……)」
愛宕「(失敗すれば私の負け……)」
愛宕「(青葉ちゃんなら絶対にここを狙ってくる筈……)」
愛宕「(行くわよ!)」カチャ
692: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:48:48.98 ID:jDOyzGDz0
青葉「(こっちに向かって突っ込んできましたね)」
青葉「(そんな真っ直ぐ来るなんて……)」
青葉「どうぞ当てて下さいといってる様なものです!」カチャ
青葉「これで終わりです!」
ドォン ドォン
愛宕「……うっ!」ドカァン ドカァン
愛宕「…………」ペタン
693: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:51:30.37 ID:jDOyzGDz0
青葉「やりました!青葉、愛宕さんをやっつけました!」
青葉「さて、回収される前に写真を一枚納めさせてもらいましょう」スタスタ
青葉「ムフフ、いい感じに破けてますね。このくらいの距離から撮らせてもらいましょう」
青葉「んでは……ハイチー」
ドォンッ ドカァァァアン
青葉「ジュ……え……あ……」プスプス
青葉「な……なんで……」パシャン
愛宕「……ゴホッ……ゴホッ……油断……は……ダメよ……青葉ちゃん」スクッ
694: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:54:49.76 ID:jDOyzGDz0
青葉「な、なんで立ちあが……れるん……すか……?」
愛宕「うふふ……胸にこれを……仕込んでいたのよ」スッ
青葉「つ、追加装甲……」
愛宕「長門さんから離れた場所に……剥がれてるこれを見つけたのよ」
愛宕「私は……これを取りに……長門さんの方に向かった……わ……」
青葉「……あ……もしかし……て……あの……ほうげき……」
愛宕「そうよ……あの援護砲撃……は青葉ちゃんの気をそらす為よ……」
愛宕「装甲を拾うのが……ばれたら警戒……されるもの」
695: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 13:58:15.38 ID:jDOyzGDz0
青葉「そ……そんな……胸に……な……ぜ」
愛宕「簡単よ……胸のはだけてる写真が……撮りたかった……って言ってたじゃない……?」
・
愛宕「狙ってくる……と思うのは……普通…じゃないかしら……」
青葉「そ……そんな……」
青葉「…………追い詰め……たの……に……」
愛宕「そうね……追加装甲で直撃をカバーしたとはいえ……」
愛宕「……ダメージはあったわ…… 今でも立ってるのがやっとよ……」
696: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 14:01:16.62 ID:jDOyzGDz0
愛宕「それとね……戦う前から……勝つことを諦めるような……気持ちもあったわ……」
愛宕「こんな……小細工しないと勝てない……私はまだ弱いわ……」
愛宕「でも……決めたの……これからは悔いの無いよう……にやる……」
愛宕「姉さんが……叶えたかった……平和な世界を実現する為にも……」
愛宕「強くなるなら……なんだってするって……」
青葉「…………」
697: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/24(月) 14:02:42.12 ID:jDOyzGDz0
愛宕「ごめんなさいね……折角いい写真を撮ってくれようとしたのに……」
愛宕「今回は私に勝ちを……」
愛宕「ゆずって……頂戴ね♪」カチャ
ドォン
青葉「あうっ……」ドカァン
初雪「───えっと…………青葉という方ですか……ね……大破による戦闘続行不能の為回収させていただきます」
愛宕「(ウフフ……この追加装甲のおかげも……あるけど)」
愛宕「(自前のも大きくて助かった……のかも知れないわね……)」ドタプーン
723: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:06:36.50 ID:Bkr/VSGz0
電 VS 大井
電「電の雷撃を……」
電「くらうのです!」スチャ
シュゴォォォ
大井「駄目よ、そんな安易に撃ったら……」
大井「こうやって」カチャ
ドォン
ドカァァン
大井「迎撃されちゃうわよ」ニコッ
電「(……っ、簡単に魚雷が落とされたのです……)」
電「(魚雷は、砲弾より速度もないし初速に問題がありますが……)」
電「(それでも時速100kmはでてる魚雷を簡単に撃ち抜くなんて……)」
電「(悔しいですが電には難しい芸当なのです……)」
724: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:08:16.72 ID:Bkr/VSGz0
大井「電ちゃん……分かってるでしょ?」
大井「貴方と私じゃ実力に差があるわ」
大井「だ・か・ら」
大井「大人しく捕まりなさい」ニタァ
電「(……怖いのです)」ジワァ
大井「怖がらなくてもいいのよ。身を委ねてもらえばその先はお姉さんが手取り足取り……ね?」
電「(ね?っていわれても……)」
電「(しかし困ったのです)」
電「(打つ手がないのです……)」
電「(砲撃も当たる気がしないし……)」
電「(得意の雷撃は上手くさばかれるのです……)
725: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:10:00.54 ID:Bkr/VSGz0
電「(どうしたら……)」
ドォン
電「!?」サッ
バシャーン
大井「あーもう少しでしたのに」チッ
電「あ、危なかったのです」ドキドキ
電「ボーっと考えてる場合じゃないのです!」
電「と、とにかく逃げないと!」スタタタタ
大井「あら、また追いかけっこ?楽しいからいいけれど」スタタタ
726: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:10:48.80 ID:Bkr/VSGz0
電「(距離を稼いで!砲弾を装填して!魚雷もセットなのです!)」アセアセ
電「(あ、あれ魚雷と砲弾が入った弾倉が残り1ケース……?)」
電「(そんな……さっきまでも2つあったはず……)」
電「(……もしかして)」クルッ
電「(ああ!やっぱり!」
電「(さっき慌てて避けた時落としたのですぅーー!)」アワアワ
電「(なんてドジ……)」
電「(……電はダメ子なのです……)」
電「(この前も司令官さんにも落ち着きが足りないって言われたし……)」ガクーン
電「(みんなよりどんくさいし……)」
電「(ダメダメなのです……)」
727: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:11:50.02 ID:Bkr/VSGz0
大井「(フフ、焦ってるのが顔にでてるわよ)」
大井「(演習程度でその様子じゃ……まだまだねぇ)」
大井「(……可愛そうだけど)」スチャ
大井「戦いを教えてあげなくちゃ♪」
シュゴォォォ
電「(魚雷!?)」
電「……っ!」サッ
シュゴォォォォ
電「(やはり追いかけてくるのです……なら……)」スチャ
電「(連装砲を当てるのは無理ですが)」
電「(得意の雷撃なら……)」スチャ
シュゴォォオォ
ドカァァァァン
電「やったのです!」
大井「魚雷に魚雷を当て返すとは中々だわ」
728: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:13:08.12 ID:Bkr/VSGz0
大井「只……そんなに足元ばかり気にしていると」
大井「上からの攻撃にも注意しないとダメよ」カチャ
ドォンッ
電「あ……しまっ」ドカァン
大井「あら」
大井「大破という訳にはいきませんでしたか」
電「……うっ……」プスプス
電「(右腕に……当たった……の……です……)」ダラーン
電「……う……ひぐっ…うぅぅ……痛いのでずう」ポタッ ポタッ
大井「ごめんなさいね。でもこれも戦いなの」
大井「演習で死にはしないけど……」
大井「痛みや損傷の仕方は本物と一緒なのよ」
729: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:13:52.56 ID:Bkr/VSGz0
電「うぐぅ……ひぐっ……ひっ……ぐっ……」グスッ グスッ
大井「うふふ……泣く姿も可愛いわ……」ゾクゾク
大井「もういいのよ?降参してくれれば痛くせずに沈めてあげるわ」
大井「そのかわり私の遊びに付き合ってもらうけど……ね?」
電「……うっ……ひぐ……」
電「情けなすぎるのでず……」
電「慌てて弾薬を落として……被弾して……」
電「挙句……敵にも舐められて……」
電「電は……何にも成長していないのです……」
電「……あの日から艦娘になってしっかり頑張るって決めたのに……」
電「お姉ちゃん達と……」
730: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:18:28.50 ID:Bkr/VSGz0
───────回想
孤児院 四姉妹(暁、響、雷、電)
暁「何よ。急に集まってほしいだなんて」
響「落ち着いて聞いてほしい事がある」
響「私は艦娘になると決めた」
暁 & 電 & 雷「!?」
暁「響!あんた何いってんの!?」
響「艦娘になると言った」
暁「それがどういう意味か分かってんの!?」
響「分かってる……大丈夫。私がしっかり稼いでくる」
暁「そういう意味じゃないわっ!」
暁「艦娘になるってことは軍人になるって事よ!」
暁「実際は見たことないけど……化け物と戦って……」
暁「命を落とす事だってあるのよ!」
731: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:21:03.36 ID:Bkr/VSGz0
響「うん。でも私は決めた。もう申請書類もだしたんだ」
暁「響!あんた!」グワッ
響「……暁だって艦娘になろうとしてる」
雷「え……」
暁「あ、あんたどうしてそれを」
響「部屋の隅に隠してあった。これ……暁の名前が書いてある書類」
雷「どういうことよ暁姉ぇ!」
暁「……うるさいわね!姉として当然でしょ!」
暁「いつまでもこんな孤児院にいられる訳じゃないんだから!」
暁「姉のあたしが責任持って養う為に……しょうがないじゃない!」
732: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:23:09.16 ID:Bkr/VSGz0
雷「……っ!なんで二人共勝手な事するのよ!」
雷「これじゃ私が艦娘になった意味が……あ……」
暁「雷……あんた」
響「もしかして……」
雷「…………」
雷「……ごめんなさい……来月からもう鎮守府に着任予定……」
暁「ダメよ。取り消しなさい」
雷「……いやだ」
暁「ダメっていってるでしょ!」ガシッ
雷「何よ!文句あるの!」
暁「あるに決まってるでしょ!」
雷「あたしが決めた事なの!とやかく言われる筋合いは」
733: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:23:57.02 ID:Bkr/VSGz0
電「うるさぁああああああああい!」
暁 & 雷 & 響「!?」
電「……喧嘩は辞めて欲しいのです……」
響「電……」
暁「……そうね……熱くなったわ……ごめん」パッ
雷「うん……いいの。私も悪い」
響「どうする?……どうせ、止めようとしても無駄な気がするけど」
暁「……そうね」
雷「……あたし達強情だもの」
響「一度決めたらひかない」
暁「姉妹だから……似たもの同士よね」
734: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:25:14.72 ID:Bkr/VSGz0
電「…………」
電「電も艦娘になるのです」
雷「電……」
暁「あんたはダメよ……艦娘にむいてないわ」
電「電だけ仲間外れは嫌なのです」
響「電……艦娘になるってのは遊びじゃな 電「分かってるのです!!」
電「お姉ちゃんたちが命を懸ける覚悟を決めたのに!」
電「電だけがのほほんと生きていくなんてそんなの嫌なのです!」
雷「電、でもね」
電「電も同じ姉妹なのです。ひかないのです」
暁「電……」
響「……」
雷「……」
暁「仕方……ないのかもね」ボソッ
735: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:27:32.23 ID:Bkr/VSGz0
響「……?」
暁「親がいない姉妹が孤児院で育って」
暁「全員艦娘の適性検査に合格してるのよ……」
暁「運命なのかもしれないわ……」
雷「……悲しい運命ね」
響「…………」
響「……大丈夫。いつかさ……」
響「皆でお金いっぱい稼いで」
響「4人で一緒に暮らそう」
暁「響……」
雷「そうよ。たんまり稼いだら……またこうやって4人でバカやりましょう」
暁「雷……」
電「凄く大きい家を買ってそこに住むのです!ペットは蛇がいいのです!」
暁「電……」
暁「うん……うん!」
暁「生きて……帰って……またみんなで暮らしましょう」グスッ
ナニヨ、アカツキ。ナイテルノ?
ナイテナンカナイワヨ!コドモアツカイシナイデホシイワ!
ヘビハペットニシタクナイヨ、イナヅマ
ナノデス!?
─────回想終了
736: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:31:38.22 ID:Bkr/VSGz0
電「(……あの時から艦娘になる覚悟を決めたのです)」
電「(暁お姉ちゃんも響お姉ちゃんも雷も……)」
電「(きっと今頑張ってるのです!)」
電「(こんな所で……逃げて泣いてる場合じゃないのです!)」グシグシ
電「(気持ちを切り替えるのです!)」パンッ
電「(……よし。どうせ大した策も思い浮かばないなら……)」
電「突撃あるのみなのです!」
737: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:32:17.21 ID:Bkr/VSGz0
大井「(ん……逃げるのを止めてこっちへくる……?)」
大井「(気のせいかしら。急に顔つきが変わったような)」
大井「(まぁいいわ、そんな真正面から来るなんて)」カチャ
大井「(次は足に当てて動けなくしてあげる……!)」ニヤァ
ドォン ドォン
電「……」サッ サッ
大井「(避けた!……いえ、避ける事自体は難しくないけど……)」
大井「(さっきとは違う何か自信に満ちあふれた雰囲気……)」
大井「(それに少しだけど動きが速い……どういう事かしら……)」
738: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:34:56.62 ID:Bkr/VSGz0
電「(……なぜか身体が軽いのです)」
電「(もしかして……さっき魚雷と砲弾の入ったケースを落としたから……)」
電「(軽くなった事で移動速度が上がった……?)」
電「(………それなら)」
電「(どうせ当たらないのです!全部打ちつくしちゃうのです!)」グッ
大井「(な、なに!?)」
電「全 弾 発 射 ! なのですぅううううう!」カチャ スチャ
ドォンッ ドォンッ ドォンッ ドォンッ ドォンッ
シュゴォォォォォォォ シュゴォォォォォォォ シュゴォォォォォォォ シュゴォォォォォォォ
739: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:38:28.47 ID:Bkr/VSGz0
大井「なっ、なんなの!?あんなに打って!気がおかしくなったの?!」」
大井「(そんなデタラメな攻撃、あたるわけがないわ!)」 サッ サッ サッ
電「艤装も邪魔なのです!!!」ガチャ ザパーン
電「いくのです!」シュッ
大井「(艤装を捨てた!攻撃できないじゃない!なにを考えてるのよ)」サッ サッ
電「ですうぅぅ!!!」スタタタタタタタタ
大井「(……加速が早い!艤装を外して軽くなったせい!?)」
大井「(は、早く対処しないとこっちに接触する!)」
大井「(迎撃しようにも打ってきた魚雷を先に始末しないと!)」
大井「(さっきの砲撃で足場が安定しないから砲撃が上手く定まらない…!)」フラフラ
大井(魚雷も4発一気に打ってくるなんて面倒な真似を……)」
ドォン ドォン ドォン ドォン
バシャーン バシャーン バシャーン バシャーン
大井「(よしっ!これで問題ないわ!)」
740: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:39:43.95 ID:Bkr/VSGz0
電「(あと少しなのです!)」スタタタ
大井「(も、もうこんな近くに……!)」チラッ
大井「(これ以上近づかれたらまずいわ!)」カチャ
大井「雷撃で迎え撃つ!」スチャ
シュゴォオオオオオ
電「おりゃぁああああああああなのです!」ザッパーン
大井「(波に合わせてジャンプした!?)」
大井「(く、空中で魚雷は当たらない!)」
電「捕まえたのです!」ガバッ
大井「キャッ!」
電「動かないで欲しいのです!」
741: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:41:18.85 ID:Bkr/VSGz0
大井「……フフフ、電ちゃんから会いに来てれくるなんて嬉しいわ……」ググググ
電「会いに来たかったわけじゃないのです」ググググ
大井「そうなの?でも艤装もない状態じゃ私を倒すのは無理よ?」
電「……なのです」
大井「あらあら……じゃあ二人で楽しい事して時間つぶしましょうか?」
電「お断りなのです」
大井「うーん、じゃあどうするの?このままここで仲間の援護を待つつもり?」
電「……」ニヤリ
電「大井さんの魚雷はまだ生きてるのです」
電「追尾性能がある魚雷は」
電「しばらくしたら、ここにくるのです」
大井「まさか……」
742: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:42:38.27 ID:Bkr/VSGz0
電「…大井さん。ありがとうなのです」
電「電は今まで情けなかったのです」
電「大井さんと戦って」
電「改めて自分が艦娘である事」
電「自分の覚悟が足りなかった事」
電「認識できたのです」
大井「電ちゃん……貴方……」
電「今回はこのような形で申し訳ないのですが」
電「いつか真っ向勝負で勝ってみせるのです」
大井「……分かったわ。その時は手加減しないわよ♪」
電「はい……なのです」
電「(皆さん、あとは頼んだのです……)」
電「死なば」
電「もろともなのです」
シュゴォォォ
ドカアアァァァン
743: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:43:30.21 ID:Bkr/VSGz0
西鎮守府艦隊 金剛 & 龍驤
初雪「…………西鎮守府所属の電という方……」
初雪「東鎮守府所属の大井という方……」
初雪「2名の……大破による戦闘続行不能を確認しました……」
初雪「回収いたします……」
金剛「電ちゃん……」
龍驤「あいつ……相討ちしおったか」
744: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:46:31.06 ID:Bkr/VSGz0
愛宕『金剛ちゃん!龍驤ちゃん!聞こえる?』(無線)
金剛「あ、ハイ!愛宕!無事でシタか!」
愛宕『ええ……ボロボロだけど何とか動けるわ……』
金剛「良かったです!今不知火と長門がこちらに向かってるので」
金剛「愛宕も来てください」
愛宕『赤城さんの艦載機は大丈夫なの?』
金剛「ハイ。こちらが優勢になり始めた辺りで」
金剛「全艦載機が引きマシた」
愛宕『分かったわ。すぐ向かうわよ』
745: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:53:01.80 ID:Bkr/VSGz0
東鎮守府艦隊 鳳翔 & 赤城
鳳翔「これで5対2……」
鳳翔「圧倒的に不利ですね……」
赤城「はい……」
鳳翔「一旦ここまで退いたものの……」
鳳翔「このままでは時間の問題ですね」
鳳翔「どうしましょうか……」
赤城「…………」
赤城「……鳳翔さん」
鳳翔「はい?」
赤城「あれを使わせてください」
746: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:57:33.04 ID:Bkr/VSGz0
鳳翔「っ!」
赤城「使用禁止されていましたけど」
赤城「使わないとこの状況を打破できません」
鳳翔「……ダメです。それを使ったら……」
鳳翔「今月のボーキ」
ドォンッ バシャーーン ドォンッ バシャーーン ドォンッ バシャーーン
鳳翔「きゃぁ!」
赤城「来たみたいですね……」
鳳翔「くっ………まだ艦載機の補給ができてませんのに……」アセアセ
鳳翔「出せる分でも射出しなくては……」チャキチャキ
赤城「鳳翔さん!レーダーを見てください!」
鳳翔「早く……早くしないと……」アセアセ
鳳翔「……ふぅ、準備ができま」
747: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:59:23.23 ID:Bkr/VSGz0
シュゴォオオオオ
鳳翔「し……ぎょ、魚雷が!」
鳳翔「キャァァ!」ドカァアアアアン
赤城「鳳翔さん!」
鳳翔「う……ゆ……だん……しました」
赤城「大丈夫ですか!」
鳳翔「ごめん……なさい……お先に…戻ります……ね」
赤城「…………分かりました」
赤城「鳳翔さん、やはりあれを使います」
鳳翔「それ……は……」
赤城「だせるのは40と少し……十分ですね」
鳳翔「だ……だめ……です……赤城さん」
748: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 10:59:54.15 ID:Bkr/VSGz0
初雪「────えぇと、鳳翔という方。……大破による戦闘続行不能で回収させていただきます……」
鳳翔「あかぎ……さん……れっ」シュンッ
赤城「……すいません、鳳翔さん」
赤城「私にも譲れないもの……プライドがありますので……」
赤城「簡単に負けるような事は嫌なのです」
749: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 11:00:56.35 ID:Bkr/VSGz0
西鎮守府艦隊 金剛 & 不知火 & 愛宕 & 長門 & 龍驤
金剛「ナイス不知火デス!上手く魚雷が当たったじゃないデスか!」
不知火「いえ、たまたまです」
長門「ふふ、そう謙遜するな。角度、速度共に良好だったぞ」
龍驤「これで残り赤城だけやな」
愛宕「ええ」
金剛「作戦がここまで上手くいくとは思いませんデシた」
金剛「あとは油断せず押していけば」
金剛「いくら赤城さんとはいえこの数を相手にするのは無理でショウ」
750: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 11:02:44.45 ID:Bkr/VSGz0
長門「そうだな……よし!そろそろ射程圏内だ!」
金剛「OKデース!皆さん!準備は良いですか!」
長門「うむ、問題ない」
不知火「不知火もいけます」
愛宕「うふふ、いいわよ~」
龍驤「艦載機準備OKや!一発かましたろうで!」
金剛「それでは!全速前進デース!!」
751: ◆vLyL7y0Zk. 2014/03/30(日) 11:06:05.34 ID:Bkr/VSGz0
東鎮守府艦隊 赤城
赤城「来たわね」
赤城「……よいしょっと」ゴソゴソ
赤城「これを整備・製造する為のボーキサイトは通常の艦載機の2倍……」
赤城「その他弾薬なども消費が激しく……」
赤城「ウチの鎮守府の資材事情で」
赤城「鳳翔さんと女提督には止められていたけど」
赤城「この赤城、全身全霊でやらせていただく為に」
赤城「発進させていただきます」
赤城「…………」スチャ
赤城「……この感触……久しぶりね……」グググググググググ
赤城「……いきなさい」
ビシュッ
赤城「─── 烈 風 ! 」
782: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 20:56:17.71 ID:0dOd5m5y0
西鎮守府艦隊
龍驤「ん」
金剛「あれは……」
龍驤「赤城が艦載機を射出したで、さっきの残りやな……彗星が20ちょい」
金剛「了解デス。各自対空砲火の準備をしまショウ!」
龍驤「あと……なんやあれ」
金剛「どうしたんデス?」
龍驤「彗星を取り巻くように……いるんやけど……」
龍驤「すごい速さ……彩雲……ではないんか……」
783: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 20:58:09.29 ID:0dOd5m5y0
龍驤「れ……烈風や!嘘やろ!?烈風型が数40!」
長門「烈風だと!?」
金剛「……烈風ってなんデスか」
龍驤「艦上戦闘機では現状最高の一つともいわれてる代物で」
龍驤「ウチが装備してる九六型の上位も上位互換や」
長門「何かの本で読んだ事があるぞ。空戦の制圧力は間違いなくトップクラスだと」
龍驤「まさか……本物を見れるなんて……」
長門「さすが赤城だな」
金剛「か、感心してる場合じゃないデス!」
金剛「空戦は龍驤の艦載機が便りなんデス!何とか抗ってくだサイ!」
龍驤「りょ、了解や!準備万端やで!」
784: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 20:59:26.99 ID:0dOd5m5y0
金剛「(ダイジョウブ……)」」
金剛「(制空権がとられるのは想定内……)」
金剛「(……艦上戦闘機であれば機銃くらいしか攻撃手段はないはずデス)」
金剛「(それくらいであれば何とか耐えつつ落としていけば対処できる)」
金剛「(こっちだってある程度の対空装備を積んでいマスし……)」
金剛「よし!対空砲火デス!長門、先頭は頼みました!どんどん進んで赤城さんを追い込みまショウ!」
長門「うむ、任せろ!」
785: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:00:35.97 ID:0dOd5m5y0
西鎮守府艦隊
赤城「(まずは長門さんをやらないとダメだわ)」
赤城「(41cmなんて当たったら一撃で沈むもの……)」
赤城「(……けど、長門さんと交戦して分かったこと)」
赤城「(追加装甲抜きにしても長門さんの防御は固く……)」
赤城「(今の状況、艦載機だけで削りきるのはキツイわね……)」
赤城「(……あんまり使いたくない方法だけど)」
赤城「(久しぶりにやるしかないわね)」
786: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:03:39.67 ID:0dOd5m5y0
西鎮守府艦隊
ドパパパパパパ
ヒューーーン ザパァアァン
長門「うおりゃああぁぁ!」スタタタ
ビューーーン
パパパパパ
長門「くそ!なんて速さだ!ここまで散らして打ってるのに全く当たらんではないか!」
不知火「く……致命的なダメージは受けないですが……」ビシッ ビシッ
愛宕「……少しずつ……やられるわね」ビシッ ビシッ
龍驤「うわ!またウチの九六式が落とされたで!くそぉおぉ!」
金剛「(……あの烈風という艦載機、予想以上の性能デスね)」
金剛「(速いだけじゃなく、旋回能力や加速の早さも通常の艦載機とは比較になりまセン)」
787: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:04:05.90 ID:0dOd5m5y0
金剛「(けど……やられるだけは)」
金剛「NOデスよ!!!!」カチャ
ドォン ドォン
ドカァアアン
金剛「YES!一機撃墜デス!」
長門「やるじゃないか金剛!」
愛宕「あらあら、張り切ってるわね」
不知火「不知火たちも負けてられません」
龍驤「くそぉぉお!ウチも一機くらいはやったるで!」
788: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:05:18.33 ID:0dOd5m5y0
西鎮守府艦隊 赤城
赤城「……やりますね。金剛さん」
赤城「砲撃の腕前も中々だけど」
赤城「一人慌てず冷静に場を指揮している様子を見ると……」
赤城「旗艦を任せられてるのも頷けますね」
赤城「……っと相手を褒めてる場合じゃないですね」
赤城「そろそろ……」ニヤリ
790: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:06:10.62 ID:0dOd5m5y0
東鎮守府艦隊
不知火「やりました!一機撃墜です!」
愛宕「うふふ、私もよ~」
龍驤「な、なんや自分ら!やるなぁ」
金剛「いい感じデスね!」
金剛「(と言ったものの)」
金剛「(……おかしいデス)」
金剛「(赤城さんの烈風は先程より明らかに動きが悪いデス)」
金剛「(まるでわざと攻撃させてるような……)」
金剛「気のせいデスかね……」
791: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:07:28.96 ID:0dOd5m5y0
ビューーーーーン
ドパパパパ
長門「(……真正面から1機!)」
長門「……舐めるなよっ!」カチャ
ドォンッ
ドカァァン
長門「よし!私も一機やったぞ!」
ビュゥゥゥン
金剛「……っ!」
金剛「(長門さんの後ろに猛スピードで突っ込む烈風?!)」
金剛「長門さん!後ろです!危ない!」
792: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:08:28.30 ID:0dOd5m5y0
長門「ん?」
ブワッ
バコォォォン
長門「……ぐ……はっ……」バシャーン
龍驤「な、なんや!烈風を長門に当てたで!」
金剛「長門さん!大丈夫デスか!」
長門「……あ……ぐ……」
長門「まだ……まだ……やれ……」
長門「こ……んな……」
長門「う……」ガク
金剛「長門さん!」
初雪「……んーと、長門という方……大破による戦闘続行不能で回収させていただきます」
793: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:12:25.03 ID:0dOd5m5y0
すいません、金剛は「長門」って呼び捨てします。
うあぁ意識してないと「さん」をつけてしまう。すいません。
794: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:13:36.36 ID:0dOd5m5y0
龍驤「なんやて……」
金剛「くぅ……」ギリッ
金剛「(さっきまでの動きはこれの為でしたか……)」
金剛「(わざと艦載機を落とさせる事でこちら側の攻撃意識を高めさせ)」
金剛「(回避行動を遅らせる為……)」
金剛「(恐らく長門さんを沈めきるのは厳しいと判断しての攻撃……)」
金剛「(……不味いデスね)」
金剛「(私以外はかなり手負いの状態……)」
金剛「(特に愛宕と不知火に関しては烈風の機銃だけで削りきられる可能性すらありマス)」
金剛「(仕方ない)」
金剛「み、皆さん。一旦退避しまショウ」
795: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:14:12.20 ID:0dOd5m5y0
愛宕「……」
不知火「……」
龍驤「……」
金剛「皆さん?」
796: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:15:08.64 ID:0dOd5m5y0
愛宕「……このままいくわよ。金剛ちゃん」
金剛「What!?」
不知火「……ですね。私もそう思っていました」
金剛「Why!?」
龍驤「せやな。それが一番や」
金剛「Oh、NO!何をいってるんデスか!」
愛宕「金剛ちゃん、私達が貴方の盾になって守るわ」
不知火「金剛は、弾の補充と攻撃の回避を心掛けてださい」
龍驤「ウチラが守ったる。赤城をやるのはアンタやで」
797: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:16:00.10 ID:0dOd5m5y0
金剛「何言ってるんデスか!駄目デス!皆で戦いまショウ!」
愛宕「金剛ちゃん……気づいてるでしょ?」
不知火「私達はもうもちません」
龍驤「ウチは持ってる艦載機ほぼやられてもうたしな」
愛宕「今退避した所で意味がないのよ。それどころか追撃される恐れもあるわ」
金剛「……でも……」
愛宕「提督にもいわれてたじゃない。赤城さんを倒せるのは金剛ちゃんしかいないって」
不知火「そうです。何のためにあの訓練をしてたんですか」
龍驤「金剛ならきっとやれるで!」
798: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:16:33.65 ID:0dOd5m5y0
金剛「みんな……」
金剛「……わかりマシた」グッ
愛宕「……うふふ」ニッコリ
愛宕「じゃあ行きましょう、不知火ちゃん、龍驤ちゃん」
不知火「はい」
龍驤「OKやで!」
799: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:17:31.11 ID:0dOd5m5y0
東鎮守府艦隊 赤城
赤城「(長門さんを倒す事ができたおかげで多少は気が楽ですね)」
赤城「(艦載機を動いてる相手に当てるのはかなり難しい技術ですが……)」
赤城「(相手が浮き足だっていたお陰で上手くいきました)」
赤城「(さて……あとは逃げながら不知火さん愛宕さんあたりを先に沈め……)」
赤城「(龍驤さんと金剛さんを徐々に削っていけばいいでしょう……)」
800: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:18:58.21 ID:0dOd5m5y0
赤城「……え?」
赤城「(金剛さんを取り囲むようにして陣形を組んだ?)」
赤城「(……なるほど。まだダメージの少ない金剛さんを守りきり)」
赤城「(金剛さんで私を倒すつもり……)」
赤城「(……ふふふ)」
赤城「(いいでしょう。私がその守りを壊し)」
赤城「(金剛さんを倒す……やりがいがありますね)」
赤城「(燃えてきました)」
801: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:19:48.73 ID:0dOd5m5y0
西鎮守府艦隊
ドパパパパパパ
ヒュウウゥゥン ドカーーン
愛宕「きゃっ!」
金剛「愛宕!」
愛宕「……ハァっ……ハァ……まだだいじょうぶ……よ」ニコッ
ドォンッ ドォンッ ドォンッ
不知火「うぐっ……」
龍驤「くっ……」
金剛「不知火!龍驤!」
不知火「……ハァ……私達の事は気にしな……いでください」
龍驤「……うぅ……せやで!……艦載機はウチらが……引きつける!」
金剛「うう……」グスッ
金剛「(もうちょっと!もうちょっとデス!)
802: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:21:04.83 ID:0dOd5m5y0
東鎮守府艦隊 赤城
赤城「(ハァッ……ハァッ……)」スタタタ
赤城「(退きながら攻撃するのも……ハァッ…大変ね……)」ゼェゼェ
赤城「(大分近づかれちゃったみたいだし……移動速度に関しては私の分が悪い……)」
赤城「(……でも、対空砲火が薄くなってきてる)」
赤城「(逃げながら攻撃するのもきつくなってきたし)」
赤城「(ここらで一気に攻めるのも手ですね)」
赤城「……よし」
803: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:22:01.94 ID:0dOd5m5y0
西鎮守府艦隊
金剛「(赤木さんが立ち止まった)」
金剛「今がチャンスです!」
金剛「さぁ行きま」
ブゥウウウウウウン ドパパパパ
ブゥウウウウウウン ヒューーーーン
金剛「(……っ!烈風と彗星が一気に攻めて……)」
金剛「皆さん!対空砲火をもっと!」
愛宕「……ごめんなさい。もう弾切れなの」
不知火「不知火も……です」
龍驤「……あとは頼んだで、金剛」
金剛「あ……」
804: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:22:57.78 ID:0dOd5m5y0
ヒュゥゥン ドカァァン
ドパパパパパ
ドォン ヒュゥゥン ドカァァン
ドパパパパパ
ドカアアァァン
初雪「……西鎮守府の不知火、愛宕、龍驤という方達3名……」
初雪「大破による戦闘続行不能を……確認しました……回収します」
金剛「みんな……」
金剛「ありがとうございマス……」ダッ
金剛「(あと少し、あと少しで有効射程デス!」タッタッタッ
805: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:24:19.91 ID:0dOd5m5y0
ブゥゥウウウウウン ブゥゥウウウウウン ブゥゥウウウウウン ブゥゥウウウウウン
金剛「くっ……全艦載機がこちらにきましたか……」タッタッタッ
赤城「残念ですね。あともう少しだという所なのに……」
赤城「申し訳ないですけど」
赤城「これで終わりにしましょう」
ブゥゥウウウウウン ブゥゥウウウウウン ブゥゥウウウウウン ブゥゥウウウウウン
金剛「……提督」
金剛「訓練の成果……今使う時デスよね」
807: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:25:31.38 ID:0dOd5m5y0
─
───
─────訓練回想
金剛「三式弾デスか?」
提督「うむ。この前妖精さん達に開発してもらったんだが……使用したことあるか?」
金剛「No、ないデスねー」
提督「そうか。赤城の艦載機対策にどうかと思って金剛に装備してもらいたいのだが」
金剛「私デスか?」
提督「ああ。相性が良さそうなのは金剛しかいなくてな」
提督「愛宕か長門も装備できそうだったが、これはかなり使い方が難しいし」
提督「一つしかないから練度の高い金剛に使用してもらいたいと思ってな」
金剛「なるほどデスねー。OKデース。試しに使ってみマス」
809: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:27:28.04 ID:0dOd5m5y0
数十分後
金剛「Oh!上手くいきませんネー……」
提督「ふむ。あまり距離が離れすぎても威力がでないし、近すぎると逆に炸裂するタイミングが合わなくなるか……」
金剛「私では無理デスかぁ……」
提督「そんな事はない。しっかり訓練すればいけるさ」
提督「さぁ、龍驤。練習用の艦載機をとばしてくれ」
龍驤「はいよー」カシャ
810: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:28:13.77 ID:0dOd5m5y0
数日後
提督「大分扱えるようになったな」
金剛「ハイ!タイミングも距離感も掴めてきマシた!」
提督「うむ。これで今度の演習に使えるな」
金剛「赤城さんの艦載機をバリバリ落としますよー!」
提督「……金剛、演習での三色弾の使い方なんだが」
金剛「?」
提督「使用はなるべく控えろ」
金剛「Why!?」
812: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:35:52.13 ID:0dOd5m5y0
提督「いや、使うなと言ってる訳じゃない」
提督「三式弾は普通に使っても有用だろうし」
提督「赤城攻略への近道になるかもしれん」
提督「と言いたい所だが……赤城ほどになれば三式弾への対応は慣れているはずだ」
金剛「Oh……」
提督「だから」
提督「出し惜しみしてここぞという時に使え」
提督「俺の予想だと金剛と赤城……お前らが1対1になった時」
提督「本当の効果を発揮するはずだ」
金剛「都合よくそんな状況になりマスか~?」
提督「あくまで予想だ。信じるのも信じないのもお前に任せるさ」
金剛「……分かりマシた」
金剛「提督を信じるヨー」
提督「……そうか。頼りにしてるぞ、金剛」
─────訓練 回想終了
────
──
813: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:38:05.36 ID:0dOd5m5y0
金剛「……提督、今がそうなんデスね」
金剛「赤城さんの艦載機が私を一気に仕留める為にまとまってる今」
金剛「この三式弾で」スッ
金剛「一猛打尽デス!」カチャ
ドォォオン ドォォオン
シュウウウ……
パァアアァンン
ドォンッ ドォンッ ドォンッ ドォンッ ドォンッ ドォンッ
赤城「……!?」
赤城「ど、どういう事!なんでこんなに落とされ……」
赤城「あの光……三式弾!?」
赤城「そんな……ここまで一度も使用していなかったじゃない!」
赤城「使える状況はいくらでもあったはず……」
赤城「まさかこの時を狙って……!?」
814: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:42:22.15 ID:0dOd5m5y0
金剛「……ふぅ」
金剛「全部はさすがに仕留められなかったデスが」
金剛「半分以上は落としたみたいデスね」
赤城「……くっ」ギリッ
赤城「(今の金剛さんは三式弾も持ってる上、有効射程内……)」
赤城「(体力も大分あるようだし……)」
赤城「(こちらは烈風と彗星合わせても20機もない……)」
赤城「(防御に半分回すとして、攻撃に10機……?)」
赤城「(…………)」
赤城「(これは……詰み……?)」
金剛「さぁ!赤城さん!これでジ・エンドにしまショウ!」カチャ
815: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:43:08.22 ID:0dOd5m5y0
見学室
提督「(金剛、よくやったぞ……)」
提督「……女提督、これで追い詰めたぞ」
女提督「……」
提督「ショックで声もでないか」
女提督「……フフ」
女提督「フフフフフ」
816: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:44:53.24 ID:0dOd5m5y0
提督「な、なんだよ。不気味に笑うな」
女提督「ウフフフ。よくここまで追い詰めたわね」
女提督「褒めてあげるわ」
提督「なんでそんな上から目線なんだ」
女提督「赤城がここまでやられるのは予想外……」
女提督「けどね」
女提督「こっちにはまだ」
女提督「秘密兵器があるの」
提督「秘密兵器だと?」
女提督「ええ!驚きなさい!」
女提督「こんな事もあろうかと潜り込ませておいた」
女提督「秘密兵器!」
提督「まさかお前……やめろ!」
女提督「金剛を倒すのよ!」
女提督「那珂ちゃん!」
817: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:46:17.94 ID:0dOd5m5y0
演習海域
金剛「さぁ!この一撃で終わりにしてアゲマース!」カチャ
那珂「ちょっと待ったぁあああ!!!!」スタタタタタタ
金剛「え?」
那珂「東鎮守府所属スーパーアイドル那珂ちゃん!ただいま参上!」
那珂「赤城さん!私が来たからにはもう安心ですよ☆」
赤城「……へ?」
818: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:48:08.82 ID:0dOd5m5y0
那珂「そんなに怖がらなくていいですよ!このアイドル!那珂ちゃんが助けにきたんですから!」ビシッ
赤城「いえ、そうではなく……」
那珂「さぁいくよぉぉ!奇跡のアイドル波状攻撃をくらいなさあぁあい!」グワッ
金剛「えっ」ギョッ
那珂「那珂ちゃんビーーーーーーム☆」
ドォン
※ただの砲撃です
金剛「キャァ!」ドカァン
那珂「那珂ちゃんミラクルシューーート!」
シュゴォォォ
※ただの雷撃です
金剛「キャァアアアア」ドカアアァァン
那珂「那珂ちゃんスーパーデラックスマァアアイル!」ニコォ
※ただの笑顔です
金剛「……うぅ……」パシャーン
那珂「やりました!正義は勝つ!キラッ☆」
ピピーーーーーーーーーーーー
819: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/02(水) 21:50:45.36 ID:0dOd5m5y0
初雪「……あのー」
那珂「さっすが那珂ちゃん!可愛いし強い!最高!」ウヒヒ
初雪「ちょっと……」チョンチョン
那珂「……ん、いつの間にいたの?」
初雪「さっきからいましたけど……」
那珂「ふーん」
那珂「あっ!もしかしてサインが欲しいの?なら事務所通してからでお願いします☆」
初雪「……いえ……あの……反則……負けです」
那珂「はい?」
初雪「……今回の……演習は6対6なので……人数オーバーで……反則負けです」
那珂「またまたーご冗談を!」
初雪「…………」
那珂「……ほんと?」
初雪「……はい……」
那珂「でも、女提督はでても平気っていってたよ?」
初雪「……反則です」
那珂「…………」
那珂「てへぺろ☆」
869: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:37:16.23 ID:Jp5AciLt0
演習場 入渠室
電「……スー…スー…」スヤー
龍驤「電!起きろー!」
電「……う……ん……あとちょっと……なのです」スヤー
龍驤「おいおい、提督に呼ばれてるんや。はよ起きろー」
電「……スー……」スヤー
870: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:38:29.24 ID:Jp5AciLt0
龍驤「……ったく」
龍驤「大井が全裸で迎えきおったで」ボソッ
電「なのですっ!?」ピョーーン
電「はわわぁ!!逃げるのです!」アワアワ
龍驤「嘘や、嘘。さっさと起きんお前が悪いんやで」
電「う、嘘ですか。ビックりしたのです……」ホッ
871: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:39:48.89 ID:Jp5AciLt0
龍驤「んで気分はどうや?変な所とかないん?」
電「はい、大丈夫なのです」
電「……それより、結果はどうなったのです?」
龍驤「ウチラの勝ちやで。相手の反則負けっちゅうしょうもない感じだったけど」
電「反則負け……?」
龍驤「ああ、詳しくは帰りにでも話すわ」
872: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:40:53.17 ID:Jp5AciLt0
龍驤「ともかく……提督が呼んでるからいくでぇ」
電「はいなのです……あれ?」
龍驤「どした」
電「いえ、あんなにあった傷がもう消えているのです」
873: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:41:55.37 ID:Jp5AciLt0
龍驤「そりゃそうや。演習で受けた傷は妖精どもの不思議パワーで無かった事にされるからな」
電「なのですか……?」
龍驤「せやで。そんな顔されてもどういう原理かウチは知らんで」
龍驤「まぁ妖精達に聞いても分からんと思うけど」
電「ですか……」
龍驤「こんな簡単に傷が癒えるなら実戦でも同じようにして欲しいわ」
龍驤「そしたらウチラ、無敵やん」
電「可能なのです?」
龍驤「できたら化け物共とっくに駆逐してるやろ」
龍驤「っと……しょうもない話ばっかてしもうた」
龍驤「さっさと上あがるで」
電「はいなのです」
874: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:42:45.77 ID:Jp5AciLt0
見学室
龍驤「きたでー」
提督「うむ」
愛宕「おかえり龍驤ちゃん」
長門「お、電は起きたか」
電「おはようございます、なのです」
提督「ハハ、もう夕方だぞ……傷はすっかり治ったようだな」
電「おかげさまなのです、って電が一番最後です?」
長門「うむ。あまりにも気持ちよさそうに寝てたから起こしにくくてな」
愛宕「時間までそっとしておいたのよ~」
電「ですか……ありがとうございます」
875: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:44:19.61 ID:Jp5AciLt0
提督「さて、皆あつまった事だし……」
提督「改めて言わせてもらう。今日の演習、よくがんばってくれた」
提督「結果としてはアホがアホしてアホを呼んだせいでアホな結果になったが……」
提督「それでもお前らは十分な活躍をして……勝利してくれた」
提督「俺は本当に嬉しいよ」
提督「ありがとう」
876: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:45:03.76 ID:Jp5AciLt0
長門「うむ」
金剛「皆、力を合わせて頑張りマシた!」
龍驤「へへん。ウチらって結構できるんやな」
不知火「調子のらないでください龍驤」
愛宕「色々と思う事はあるけど勝てて良かったわ~」
電「なのです!」エッヘン
877: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:47:15.10 ID:Jp5AciLt0
提督「うむ。今日の勝利は演習管理局の初雪さんが記録を取り」
提督「上に報告してくれるそうだ」
提督「ウチがまともな演習をしたのは初めてだろうから」
提督「鎮守府として良い評価が得られるだろう」
878: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:47:56.45 ID:Jp5AciLt0
提督「まぁ……長話はこれぐらいにして」
提督「今日は支度して帰ろう」
提督「各自準備できたら外に集合だ」
艦娘達「「はーい」」
龍驤「……ところであいつらは何してるんや……」
女提督「……鳳翔さん、もう正座は崩してよいでしょうか?」
鳳翔「あ”?」ギロッ
879: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:49:01.61 ID:Jp5AciLt0
女提督「ナ、ナンデモナイデス」ビクビク
那珂「なんで那珂ちゃんまで……」シクシク
鳳翔「口ごたえするのはこの口ですか?」ガボ
那珂「あぅ゛、いおちびゃいばずじゅびばぜんでじだ(いえ違いますすみませんでした)」モガモガ
天龍「(おいおい、飛行甲板の先っぽが那珂の口にはいってるぞ……)」ヒソヒソ
青葉「(しつけモードの鳳翔さんには誰も逆らえません)」ヒソヒソ
大井「(私もこの前おしおき部屋で酷い目にあったわ……)」ガクブル
880: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:50:43.19 ID:Jp5AciLt0
鳳翔「……で、なんであんな真似をしたんですか?」
女提督「に、人数制限があるのを知らなくてですね……」
女提督「そ、それで最近ウチにきた那珂を気づかれない所に配置して」
女提督「ピンチな時に駆けつけさせるという作戦でして……はい……」
鳳翔「そうですか……」
鳳翔「それは仕方ないですね。そんな素晴らしい作戦があったとは……」
女提督「はい……我ながらいい作戦だなって思ったんですよぉエヘヘ」
鳳翔「って、んなわけねーだろぉおおおおおお!」ガッシャーーーン
女提督 & 那珂「ひぃいいいい」ビクッ
881: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:51:57.15 ID:Jp5AciLt0
鳳翔「どこに演習の規定人数間違える司令官がいるんだよぉ!!!!」
鳳翔「てめーの頭は空っぽか?!あぁあん?」ズイッ
女提督「はいぃ!空っぽですぅ!申し訳ございません!」ビクビク
鳳翔「てめーもだぁああ!那珂!何がアイドルだ!演習は遊びじゃねーーんだよぉ!」
那珂「ごごご、ごめんなさいぃいい」ビクビク
鳳翔「脳みそかっぽじってお前がどういう存在か書き込んでやろうか!ああん?」
那珂「ひぃぃ大丈夫です分かっておりますぅぅぅ私はアイドルではなくぅしがない艦娘でございますぅぅ」ビクビク
龍驤「…………なぁ」
提督「……いい、みなまでいうな」
電「……なのです」
882: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:52:59.70 ID:Jp5AciLt0
赤城「鳳翔さん、もうそれくらいにしてあげてください」
鳳翔「ハァ……ハァ……ハァ」
鳳翔「……コホン」
鳳翔「赤城さんがそういうなら仕方ないですね」
鳳翔「少々熱くなりすぎました。申し訳ございません」ペコリ
鳳翔「続きは帰ってからにしましょう」ニコォ
女提督「ひぃぃx……勘弁してくださいまぜぇ」ペシャァ
那珂「…なんでもしますからぁ……」ペシャァ
883: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:54:42.15 ID:Jp5AciLt0
提督「(まぁ自業自得だな……)」
赤城「すみません変な所をお見せしてしまって」スタスタ
提督「ん?ああ、気にするな。しつけも大事だ。うん」ビクッ
赤城「提督さんはお気づきでしょうが……」スッ
赤城「ウチの鎮守府は少し変わった人が集まってる場所でして」パクッ
赤城「色々と苦労が絶えないのです」モグモグ
提督「(今どっからおにぎりだした……)そうか、大変だな」
赤城「かくいう私も人よりほんの少し食欲旺盛なせいで」モグモグ
赤城「前所属していた場所で散々な目にあいました……」ゴクン
提督「(ほんの少し……)まぁ誰しも失敗する事はあるさ。仕方ない」
885: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:55:52.49 ID:Jp5AciLt0
赤城「……えぇ」
赤城「提督さんは前の鎮守府で」
赤城「何か失敗されたんですか?」
提督「ん?」
赤城「中央鎮守府 第2艦隊 司令部所属」
赤城「でしたっけ?」
提督「……な、何の話だ」
赤城「加賀さんが心配していましたよ」
提督「……お前なぜ加賀の事を」アセッ
赤城「加賀さんとは古い友人です。先日、演習の事を話してる内に」
赤城「提督さんの話題になった時にですね。なんかすごい食いつき様で色々聞かれまして……」
赤城「近々そちらに伺うような事を言っていましたよ」
提督「……」
赤城「提督さん?」
提督「あ、あぁすまん。加賀の事は承知した」
886: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:57:00.16 ID:Jp5AciLt0
長門「……おい」ヒソヒソ
金剛「ハイ」ヒソヒソ
長門「聞いていたか今の話」ヒソヒソ
金剛「ええ、しっかり聞きマシた」
愛宕「もしかしてもしかしてだけど」
不知火「中央鎮守府所属と言っていましたね」
電「なんなのですかそれは」
龍驤「知らんのか電。中央鎮守府っていったら……」
長門「軍部最高責任者の元帥がいる有名な鎮守府じゃないか」
電「すごい事なのですね」
長門「すごいなんてもんじゃないぞ。エリートの中のエリートしか門をくぐれない様な場所だ」
金剛「しかもそこの第2艦隊の司令って……」
不知火「簡単にですが権力的に上から2番目といっても過言ではないです」
電「司令官さんはそんなすごい人なのですか!知らなかったのです」
888: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:57:32.84 ID:Jp5AciLt0
長門「提督は自分の事をあまり話さないからな」
金剛「デスね。いつか話すとは言っていマシたが……」
電「聞いてみるのです?中央に所属していた時の事を」
愛宕「うーん……」
龍驤「まぁ……無理に聞くのも野暮ってもんやろ」
長門「そうだな。昔はどうあれ今は私達の司令だ」
不知火「……中央にいたからといって偉そうにされても困りますし」
龍驤「お前はホント可愛げのない事いうんやなぁ」
不知火「べ、別にいいじゃないですか!た、たいしぇつな上官とも思っていますよ//」
龍驤「恥ずかしそうにしかも噛みながら言うってどないやねん」
不知火「さっきからうるさいですよ龍驤!//」
提督「おーい!そろそろいくぞー!」スタスタ
艦娘「「は、はーい」」
889: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:58:29.27 ID:Jp5AciLt0
演習場 玄関
提督「今日はお疲れ様」
女提督「……ええ……おつかれ……」ドヨーン
提督「おいおい。もう終わったことは気にすんなよ」
女提督「……こっちはこの日をどんだけ楽しみしてたか……」
女提督「あんたにやっと一泡吹かせる事ができると思っていたのに……」
女提督「鳳翔に怒られるわ、資材も赤字だわ、反則負けで上に報告されるわ……」
女提督「……なんなの……一体……」
提督「(ほとんどお前が悪いだろ……)」
891: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/04(金) 16:59:31.28 ID:Jp5AciLt0
提督「まぁなんだ。今回は残念な結果だったけど」
提督「次がんばればいいだろ」ニコッ
女提督「……あんたのその笑顔も久しぶりにみたわ」
提督「惚れたか?」
女提督「ええ……憎たらしいほどにね……」
提督「ハハ……でも」
女提督「?」
提督「またできるといいな、演習」
女提督「……」
提督「それまで生きていれば……」
女提督「……そうね」
提督「……そろそろいくぞ、今日はありがとうな」クルッ
女提督「ええ、またね」
女提督「……あっ」
女提督「どうしてもお願いがあるんだけど」
提督「なんだ?」ピタッ
女提督「ボーキサイトを借りれないかしら?」
提督「じゃあな」スタタタ
女提督「あ!ちょっとまって!ほんの少しでいいの!ちょっとだけぇぇぇえぇ!」
915: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 12:38:00.95 ID:606MFruN0
東鎮守府 食堂 夕食
提督「電、それもうデキたから持ってってくれ」
電「はいなのです」
不知火「……」ゴク
不知火「ちょうど良い塩味ですね。龍驤、このスープもテーブルへ」
龍驤「はいよー」
長門「……っと」ゴト
長門「酒はこんなもんでいいかな」
愛宕「電ちゃん達用にジュースも買ってきたわよ~」ゴトン
金剛「Wao~!すごいデスねぇ。今日の食事は豪華デース」
提督「うむ。俺と不知火が丹精込めて作った料理だ」
不知火「ええ。かなり気合をいれました」
電「お寿司にピザに天ぷらに……どれから食べようか迷うのです」
龍驤「あーもう腹ペコや!さっさ食おうで!」
916: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 12:39:44.32 ID:606MFruN0
提督「そうだなじゃあ皆座ってくれ。乾杯の声をかけさせてもらおう」
電「はいなのです」ストン
提督「うむ───今日はお疲れ様」
提督「俺のわがままでかなり無茶な作戦にも付いてきてくれた皆には」
提督「本当に感謝している」
提督「中には演習の中で大きく成長した様子が見られた者も居て」
提督「今回は色んな意味で大成功だと思う」
督「少し前にここへちゃくに」
龍驤「提督ー、長ったらしいのは勘弁して欲しいんやけど」
提督「ん……あぁ、すまんすまん。そうだな。いつもの癖でつい」
提督「じゃあ皆、手に飲み物を持ってくれ」スッ
提督「では……今日の演習の勝利を祝って」
提督「カンパーイ!」
艦娘達「「カンパーイ!」」
917: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 12:43:25.24 ID:606MFruN0
龍驤「うめーー!」ガツガツ
電「ほっぺが落ちるのです!」バクバク
不知火「しっかり良く噛んでください。喉につまりますよ」
長門「ングング」ゴクゴク
長門「プハーっ」
長門「いやぁ酒が体にしみるな」
愛宕「あらあら、おじさんぽいわよ」クスクス
金剛「久しぶりデスねぇ、お酒なんて」」
提督「普段は飲酒禁止だからな」
長門「しかし言ってみるものだな。祝勝祝いでパーティをしようなんて」
龍驤「堅物提督の事やから、勝ったくらいで浮かれるんじゃないとか言って怒られそうやしな」
提督「誰が堅物だ。俺だって人間なんだから少しくらいハメを外したい時もある」
提督「それに明日は休みだしな。多少は良いと判断したまでだ」
長門「うむ。今日は飲むぞ!」
愛宕「うふふ、飲み過ぎて倒れないようにね~?」
金剛「提督は飲まないんデスか?」
提督「俺は酒があまり強くない。いわゆる下戸だ。だから遠慮しておく」
長門「なんだ情けない事を言って。少しくらい飲め」
提督「無茶言うな。お前らは明日休みだが、俺は仕事だ」
提督「明日は演習の後処理もしなきゃいかんしな」
金剛「Oh~大変デスねぇ……」
提督「気にするな。今日はお前らが頑張ったんだ。俺の事は気にせず好きなだけ楽しめ」
愛宕「ウフフ、言われなくてもそうするわよ~」ゴクゴク
長門「うむ。……っともう酒が空だ」
金剛「長門ー新しいの持ってきマシたよ:
長門「すまんな。ほら金剛もどんどん飲め」トクトクトク
金剛「サンキュー!」ゴクゴク
918: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 12:47:17.99 ID:606MFruN0
提督「(こいつら、酒のペース早いな)」
提督「(好きなだけ楽しめといったものの)」
提督「(ちょっと心配になって来る……)」
提督「(まぁいい大人なんだから大丈夫か……?)」
920: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 12:49:40.64 ID:606MFruN0
龍驤「ああー美味い美味い」ガツガツ
電「幸せなのです」バクバク
龍驤「ちょっとノド乾いてきたで」
不知火「それならさっき愛宕がジュースを買ってきたといっていましたね」
電「これなのです?」スッ
不知火「……ええ、ジュースぽい缶ですね。それだと思います」
龍驤「まぁなんでもええわ。電、どんどん空けるんや」
電「はいなのです」カシャ プシュゥゥ
不知火「……少し変わった匂いがしますね」クンクン
龍驤「んーホンマやな。まぁいいや、飲んだろ」ゴクゴク
電「電も飲むのです」ゴクゴク
不知火「不知火もいただきましょう」ゴクゴク
921: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 12:52:59.65 ID:606MFruN0
~ 数時間後 ~
東鎮守府 廊下
提督「(まったく女提督のやついきなり電話してきて何かと思えば)」スタスタ
提督「(資材が足りなくて……特にボーキがないから貸して欲しいとしつこく泣きついてきた)」
提督「(幸いウチはボーキサイトに余裕があるから貸す約束をしたが……)」ブツブツ
提督「(いつ何時必要になるかわからんというのに……)」ブツブツ
提督「(絶対利子をつけて返してもらうぞ)」ブツブツ
提督「さて、食堂から席を外してしまったが……あいつらもそろそろ満足しただろう」
提督「お開きにするか」スタスタ
922: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 12:56:03.50 ID:606MFruN0
食堂
提督「すまん、戻ったぞ」スタスタ
提督「っと、みんなバラバラに座ってぐったり……寝てるのか?」
提督「だらしないやつらだ……といいたい所だが今日くらいはしょうがないか」
提督「おい、金剛。大丈夫か?そろそろ片づけたいのだが」
923: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 12:56:58.12 ID:606MFruN0
金剛「ん~……」
金剛「……ア」スクッ
金剛「提督ぅ!」ダキ
提督「わわっ、急に抱きつくんじゃない」ギュー
金剛「今までどこにいってたんデスかぁ!!寂しかったデス!」
提督「いやいや、電話しにいくと言ったろ!ていうかお前酒くさ!酔ってるだろ!離れろ!」バッ
金剛「誰デスか……」ボソッ
提督「え?」
924: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:00:23.91 ID:606MFruN0
金剛「どこの女狐デスか?提督と楽しく会話をしたヤツは。提督はモテるでしょうから邪魔なハエ共がたかってくるんデス。ホントに腹立たしいデス。今日はせっかく提督と楽しくお酒が飲めると思っていたんデス。私は私は私はこんなにも提督の事を思ってイルのに。邪魔をしてくるなんて本当に腹がタチマス。いっその事連装砲で撃ち抜いてやりたいんですが……ウフフ……でもしょうがないデスよね。提督は優しいデスから。誰にでも平等に優しいデス。だけどたまにはその優しさを私だけに向けてもいいでショウ。ねぇ提督。寂しいんデスよ?もっと私だけをみてクダサイ。じゃないと私……クフフフフフフフ」
925: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:01:30.82 ID:606MFruN0
提督「」
提督「こ、金剛……落ち着け」
金剛「落ち着いてマスよ?……これ以上ないくらいに……今なら何デモデキソウデス」
提督「(なんか目が据わってる!)」
提督「だ,誰か!金剛の様子がおかしい!助けてくれ!」
長門「……ん……」ムニャムヤ
提督「おい長門!起きろ!金剛がおかしいんだ!」
926: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:05:08.34 ID:606MFruN0
長門「提督……?」
提督「お、起きたか!」
長門「……私は」
長門「私はさびしかったぞぉぉ!」ダキッ
提督「(お前もかぁああああ!)」ギュー
長門「なんで私を一人にしたんだぁ!もっと構ってくれぇぇぇ」ブンブン
提督「こ、こら腕を引っ張って暴れるな!」
長門「ウサギは寂しいと死んでしまうんだぞぉ!」ブンブン
提督「お前はウサギじゃないだろ!あとそれ嘘だから!」
長門「うるさいうるさい!もっと私を大切にしろぉ!」ジタバタ
長門「今日だって本当は怖かったんだぞぉ!赤城の艦載機がいっぱい来てすごく怖かったんだぞぉ!」ブンブン
提督「わ。わがったがら……俺の首を……じべる……な」グググ
長門「頑張ったんだからもっと褒めろ!!褒めろぉおお!」ガッシャーン
提督「お、落ち着け!皿を割るな!分かったから!褒めるから!」
長門「……ホントか?」
提督「う、うむ。ほらこっちへこい」
長門「うん……」スッ
提督「良く頑張ったな。今後もよろしく頼むぞ」ナデナデ
長門「……えへへ、嬉しいぞ」
提督「(キャラ違い過ぎだろ……)」
927: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:07:03.23 ID:606MFruN0
金剛「提督……?何してるんデスか……?」
提督「ひぃ!忘れてた!こいつもいるんだった!」
金剛「……またそうやって他の人にやさしくデスか……」バキィ
提督「やめろ!ナチュラルに机を握りつぶすな!」
金剛「私にももっと……構ってくだサイ……」
提督「わかった!ほらよしよし」ナデナデ
提督「金剛、お前も今日はよく頑張ったな。お前の力なくしては今日の勝ちありえなかった」ナデナデ
金剛「……」
金剛「嬉しいデス」ニタァ
提督「(今までに見たことない笑顔が……)」ゾワァ
928: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:08:19.50 ID:606MFruN0
愛宕「ん……ぅぅ」
提督「(お……愛宕が起きた。助けを求めるか)」
提督「(いやしかし、愛宕もこいつらと同じで酔うと変になるタイプでは……)」
愛宕「はぁ……少し飲み過ぎたわ……」スクッ
愛宕「あら……提督、何してるの?」
提督「こ、こいつらの介抱だよ」
愛宕「そう、大変ね……ちょっとお水とってくるわね……」スタスタ
提督「う、うむ。」
提督「(愛宕は平気みたいだな、良かった)」
愛宕「ん……お水持ってきたわよ……」スタスタ
提督「すまんな。助かるよ」
929: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:10:36.05 ID:606MFruN0
愛宕「……ふぅ……なんか暑いわね」
提督「ん、ああ。アルコールのせいで代謝が良くなったせいだろう」
愛宕「暑いわ……暑い」
提督「あ、愛宕」
愛宕「もう……全部脱いじゃいましょう」ヌギヌギ
提督「な……何してるんだ愛宕!//」
愛宕「暑くてもう駄目……」ブルルン
提督「(ぶっ……なんてたわわに実っているんだ)」
提督「愛宕……頼むから服を着てくれ……」
愛宕「下着も邪魔だわ……」ヌギヌギ ポイッ
提督「」
提督「オレハナニモミテナイオレハナニモミテナイ」
愛宕「うふ……すずしくなった……わ」スヤスヤ
提督「ね、寝るな!そんな恰好で!愛宕!おい!//」
愛宕「…スー…スー」
提督「……くそ!どいつもこいつも!」
930: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:13:26.29 ID:606MFruN0
長門「提督、もっとナデナデしろーーー」
金剛「また他の女に手をだすつもりデスか?提督」
提督「分かったから!ナデナデするから!あと手なんて出した事ないから!」
提督「(くそ……どうすれば……)」
提督「(お……あっちで不知火と龍驤と電が何かしているな)」
提督「(そうだ!あいつらは酒を飲んでいない筈、というか飲んじゃいけない年齢だし助けてもらえるかもしれん!)」
提督「おーい!電、不知火、龍驤!こっちへきてくれ」
不知火「……」スタスタ
電「……」スタスタ
龍驤「……」スタスタ
931: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:15:03.77 ID:606MFruN0
提督「まったく……すまないがこの3人をどうにかしてくれんか?」
提督「俺の力ではまったく敵わん」
電「……です」
提督「ん?」
電「誰に頼んでるのです?」ジロッ
932: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:18:52.17 ID:606MFruN0
提督「え?」
電「え?じゃないのです」
電「人にものを頼む時の態度じゃないのです」
電「頭を下げろよデコ助野郎!なのです」
提督「す、すまん……」
電「ったく礼儀の作法も知らない司令官とは信じられないのです」
電「もう一度士官学校からやりなおすべきなのです」
提督「……は、はい。すみません」
提督「(なんかすごい毒舌キャラに……)」
提督「もしかして電、酒飲んでる?」
電「ああ?酒?飲んでるに決まってるのです。飲まなきゃやってられんのです」
提督「(やっぱりーーーー!)」
提督「てことは……」チラッ
提督「不知火、お前もまさか……」
不知火「…………」
933: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:21:23.01 ID:606MFruN0
不知火「……うっ……」ジワァ
不知火「ごめんなざぁああい!」ポロポロ
提督「?!」
不知火「うぅっ……んぐっ……ぅぅ……不知火に落ち度があるんでずぅ……」ウルウル
不知火「……不知火がお酒と気づかずに……うわぁあんん!」ビェェエン
提督「(こいつは泣き上戸かぁぁ!!)」
不知火「ごべんなざあぁい!でいどくぅうう!不知火に落ち度があるんでずぅうう!!!」ズビー
提督「わ、分かったから。泣くな。不知火は悪くない?な?」
不知火「うぅっ……うぅっ……」タラー
提督「(鼻水きたねぇ!)」
934: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:22:20.97 ID:606MFruN0
提督「…………」
提督「(……この流れだと……まさか龍驤も……)」チラッ
龍驤「……」
提督「龍驤?お前は……大丈夫か?」
龍驤「……」
龍驤「私なんて……要らない子なんです……」
提督「?!」
龍驤「私がもっとしっかりしてれば……はぁ……」
龍驤「こんな状況にはならなかったんですよね……」
提督「なんか口調がおかしいぞ!いつもの変な関西弁はどうした!」
龍驤「ああ、やっぱり私の関西弁おかしいとか思ってたんですね提督さん……」
龍驤「やっぱりな……ダメですね私は……」
提督「(なんかすっごいネガティブな感じに……)」
935: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:24:35.07 ID:606MFruN0
龍驤「私は何をやっても駄目なんです……」
龍驤「今日の演習だって一番活躍してませんでしたよね……?」
提督「いやいやそんなことはない!金剛を頑張って守ってくれただろ!」
龍驤「いつも食い意地ばっか張ってやかましいし……」
提督「龍驤はウチのムードメーカーだぞ!うん!」
龍驤「胸もないし……」
提督「それはまぁ否定できん」
龍驤「はぁ………私が艦娘になるなんておこがましい事だったんです……」
提督「げ、元気をだせ龍驤!俺は頼りにしてるぞ!」
龍驤「もう私をまな板にしてください…………」
提督「うん……」
936: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:26:05.75 ID:606MFruN0
提督「しかし……この状況……」
金剛「提督ー……愛していますよ……フフ」
長門「もっと構ってくれぇぇ!もっと私をほめろぉお!」
愛宕「……スー……スー」ドタプーン
電「もっと給料あがれなのです。こっちは命張ってるのです」
不知火「うっ、うっ……えぐっ……不知火に落ち度がぁああ!!」ビエーーーン
龍驤「壁かまな板……いえ、壁とまな板に失礼な気も……」
提督「…………」
提督「泣きたい」
937: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:27:36.56 ID:606MFruN0
次の日
チュン チュン
金剛「……ん……うう」ムクッ
長門「ぅ……」ムクッ
愛宕「んん……」
電「……うぅ……頭が痛いのです……」
龍驤「なんや……ウチらなんでここに……」
不知火「祝勝祝いをしていたはずですが……」
電「……記憶が途中からないのです……」
愛宕「キャッ!なんで私上半身裸なの!?//」
長門「愛宕……お前……」
愛宕「ち、違うわよ。そんな趣味はないわよ//」
938: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:28:59.85 ID:606MFruN0
金剛「提督は……どこでショウか?」
龍驤「……ん、そこに転がってるのがそうじゃないんか?」
金剛「あ、本当デスね。床にぶっ倒れてマス。提督ー起きてください」
提督「……ん……」ムクッ
提督「お前ら……酔いは醒めたか……」ゲッソリ
金剛「ええ、ちょっと頭痛はしマスが」
提督「そうか……よかった」ゲッソリ
939: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:29:47.80 ID:606MFruN0
提督「いいか……お前ら……」
提督「酒は飲んでも……」
提督「呑まれるな……」
提督「グフッ」ガクッ
940: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/07(月) 13:30:19.62 ID:606MFruN0
金剛「て、提督!大丈夫デスか!」
長門「なんかやつれてるな」
不知火「……昨日何かあったんでしょうか」
龍驤「さぁ?飲み過ぎただけやろ?」
電「なのです」
959: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/09(水) 11:09:06.15 ID:poh6UXnT0
~ 次の日 ~
金剛の部屋
金剛「こっちにくるデスか?」(電話中)
???「はい、久しぶりに金剛お姉様のお顔を見にいければなと……」
金剛「今日は丁度休みデース!OKヨー」
???「分かりました、後程お伺いしますね」
金剛「ハーイ、又デース」ガチャ
金剛「フゥ」
金剛「久しぶりに会う……楽しみデスねぇ」ワクワク
960: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/09(水) 11:13:47.45 ID:poh6UXnT0
街中
提督「(昨日は散々な目にあった……)」トコトコ
提督「(あいつらに酒を飲ます時は気をつけよう……)」トコトコ
提督「(────さて、今日は昨日使った分の食材補給)」トコトコ
提督「(終わったら演習の報告書をまとめないと……)」トコトコ
提督「っと……スーパー北上店はこっちか」
???「すみません」
提督「ん?」ピタ
???「道をお尋ねしたいのですが」
提督「うむ。構わないよ」
???「このお店でして……」パサ
提督「ん、スーパー北上店か。それなら丁度俺も行く所だ。一緒についてくるといい」
???「本当ですか、ありがとうございます」
提督「あの店は結構品揃え豊富で良くいくんだよ」
???「そうなんですね。私はここらへんにくるのが初めてなので……」
提督「ほう、何か用事か?」
???「お姉さ……いえ、ここの辺りに住んでいる姉にの顔を見に来たのです」
提督「なるほど」
961: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/09(水) 11:17:03.57 ID:poh6UXnT0
???「折角なので姉の好きな紅茶でも買っていこうかなと思いまして」
提督「(紅茶が好き……金剛と気が合いそうな姉だ)」
提督「きっとお姉さんは君に似て綺麗な方なんだろう」ニコッ
???「き、綺麗だなんてそんな//」
提督「っと、急に変な事を言ってすまん。割とそういう事は素直に言ってしまう立ちでな」
???「そうですか//」
提督「うむ。お陰で余計な事も言ってしまうものだから」
提督「部下にはデリカシーがないとか……無神経だとかで怒られるんだよ」
???「ウフフ、楽しそうな職場ですね」
提督「おかげで上司としての威厳がなくなってきたよ……っと着いたぞ」
962: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/09(水) 11:19:11.34 ID:poh6UXnT0
スーパー北上店
榛名「な、なんか独特な外観ですね」
提督「中は意外に普通なんだがな」」
提督「さて、俺は食料品を買い漁ってくる」
提督「紅茶が売ってるコーナーは……たしか奥の方にあったと思うぞ」
???「分かりました。ここまでありがとうございました」ペコリ
提督「気にするな。じゃあな」スタスタ
963: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/09(水) 11:23:11.57 ID:poh6UXnT0
~ 数十分後 ~
提督「(よし、こんだけ買えばしばらくは持つだろう)」
提督「(あとはいつもの様に配送手続きを……ん?)」
???「……」キョロキョロ
提督「(あれはさっきの女性……まだいたのか)」
提督「(……声かけとくか)」スタスタ
???「どうしましょう……」
提督「何か悩んでいるのか?」スッ
???「あ……先程はお世話になりました」
提督「うむ。食材コーナーでウロウロしてるようだったからちょっと声をかけてみたんだ。紅茶は買えたのか?」
???「はい、紅茶は買えました」
???「それと折角なので姉に手料理を振る舞いたいと思いまして」
???「食材を買いに来たのですが……」
???「何にしようか迷っていた所です」
提督「ふむ。紅茶に手料理に……至れり尽くせりだな」
???「普段ほとんど会えないですから……せめてこういう時にでもと……」
964: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/09(水) 11:26:40.42 ID:poh6UXnT0
提督「優しいんだなぁ。───お姉さんは何が好きなんだ?」
???「姉は洋食が好きです。生まれが外国でして」
提督「そうか。じゃあパスタなんかどうだろう。あっちにおススメの食材があってな」
???「パスタ……いいかもしれません」
提督「うむ、ついてくるといい」
965: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/09(水) 11:30:45.37 ID:poh6UXnT0
~数十分後~
???「食材選びだけじゃなく料理のアドバイスまで……ありがとうございました」
提督「気にしなくていい。好きでやった事だ。お節介だったかもしれんが」
???「いえいえ……お陰で姉に喜んでもらえそうです」
提督「うむ、お姉さんとしっかり楽しむんだぞ」
???「本当になんとお礼をいったらいいか」ペコペコ
提督「いやいや……こっちとしても可愛い女性をエスコートできて役得だよ」ニコッ
???「か、可愛い……//」ボフッ
提督「さぁ、そろそろ俺はいくよ」
提督「会う事はないかもしれんが……またもし機会があったらよろしくな」
???「は、はい//」
提督「じゃあな」ヒラヒラ
???「……」ヒラヒラ
???「(素敵な方でした……優しくて笑顔が素敵で……)」ポー
???「(あんな方が上官だったら……いいなぁ)」
966: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/09(水) 11:33:48.39 ID:poh6UXnT0
──
───
─────
───────
─────────
金剛の部屋
金剛「よくキタねー!」
???「お姉様!お久しぶりです!」ダキッ
金剛「Oh!そんなに強く抱きしめられると苦しいデス」ギュー
???「元気そうでなによりです」
金剛「私は元気一杯デスよー!」
金剛「それにしても荷物が結構あるデスね」
???「はい。途中で色々買ってきました」
???「お姉さまの好きな紅茶と」
???「今日は手料理を振る舞いたいと思いまして食材も」
金剛「Wao~!それは嬉しいデスねぇ!気を使わせてしまって申し訳ないネー」
967: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/09(水) 11:35:59.37 ID:poh6UXnT0
???「いえいえ、気になさらないでください」
???「おかげで途中ステキな殿方に会う事ができましたので……」
金剛「ほーそれは良かったデスねぇ。恋の予感デスね?」
???「いえいえ……もう会う事はないと思いますし……」
金剛「分かりませんよ~世の中せまいもんデス」
???「……そうですね。もしまた会えるような事があれば……名前くらいはお聞きしたいです」
金剛「ウンウン、会えるといいデスねぇ」
金剛「────っと、忘れてました」
金剛「提督に紹介したいので今から部屋に向かいマスよ」
???「金剛お姉様がいつも電話で話すあの方ですか?」
金剛「そうデース!とっても優しくてカッコいいデスよ!」
???「うふふ、楽しみです」
968: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/09(水) 11:41:14.43 ID:poh6UXnT0
提督の部屋
提督「演習での……消費資材……は……っと」カキカキ
提督「ふぅ……執務業は肩が凝ってしょうがないな」
提督「……}
提督「……さっきの子、お姉さんと楽しくやってるかなぁ……」
コンコン
提督「ん?」
金剛「金剛デース!」
提督「どうした?」
金剛「さびしいと思って会いにきマシた!」
提督「すまん、今仕事中だ」
金剛「ウソデス!もうー提督はツレナイですねぇ」
提督「で、用件は?」
金剛「私の妹を紹介しにきマシた!」
提督「ふむ?そいえば姉妹がいるとか言ってたもんな。入っていいぞ」
金剛「ハーイ!提督!元気デス?」
提督「元気……といいたい所だがあまりテンションはあがらんな」
金剛「ふふ、じゃあ私の可愛い妹を見てテンションをあげてクダサイ!」
金剛「さぁ入っていいデスよ!」
???「し、失礼致します」
榛名「妹の榛名と申します。いつも姉がお世話に……え」
提督「君は……」
榛名「先程の……」
金剛「……What!?」
985: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 10:20:23.27 ID:SSkXwZhZ0
番外編 「不知火と犬」
西鎮守府 中庭
掃除中
不知火「…………」サッサッ
電「不知火さん、あっち側終わりましたなのです」スタスタ
不知火「そうですか。こっちもそろそろ終わります」
電「了解なのです。……あれっ」
不知火「……どうしましたか?」
986: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 10:22:10.27 ID:SSkXwZhZ0
電「犬がいるのです」
犬「クーン」テクテク
不知火「どうやら鎮守府に入り込んでしまったようですね」
電「首輪……はあるのです。けど飼い主さんがいないのです」
不知火「はぐれてしまったのでしょうか」
犬「ハッハッハッ」
電「ふふ、おいで」
犬「クゥ~ン」スリスリ
電「よしよし」ナデナデ
犬「……♪」フリフリ
不知火「……」ジー
987: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 10:23:13.29 ID:SSkXwZhZ0
電「司令官さんに伝えた方がいいでしょうか?」
不知火「そうですね。一時的に保護すると伝えればいいと思います」
~数分後~
提督「ふむ、可愛い柴犬じゃないか」ナデナデ
犬「ワン」フリフリ
電「大人しくていい子なのです」
犬「クゥーン……」シュン
提督「なんだ急に元気がなくなったぞ」
電「な、なんかあったのです?」
提督「いや……分からんな。病気って訳じゃなさそうだし……」
988: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 10:24:03.04 ID:SSkXwZhZ0
不知火「…………」
不知火「……ご飯」
提督「ん?」
不知火「ご飯です。きっとお腹が空いているんでしょう」
提督「ほう、そうなのか?」
不知火「ちょうど不知火の部屋にドッグフードがあります。持ってくるので少々お待ちを」
提督「分かった。待ってるよ」
提督「(……なんでドッグフードなんて持ってるんだ)」
989: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 10:24:58.26 ID:SSkXwZhZ0
しばらくして……
犬「ハグハグ」ガツガツ
提督「すごい勢いだなあ」
電「美味しそうに食べてるのです」
不知火「……」ジー
不知火「……いっぱいお食べ」ボソッ
提督「ん?不知火、なんか言ったか?」
不知火「何も言ってません」
990: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 10:27:19.68 ID:SSkXwZhZ0
長門「おーい、犬を拾ったと聞いたが!」タッタッタッ
提督「ああ、そこで飯くってるよ」」
長門「うほぉおおお!可愛ぃぃい!」グワァ
犬「ワウ……!」ビクッ
長門「さ、触るぞ!触るぞ!」
犬「ワンワン!」ササッ
991: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 10:28:24.37 ID:SSkXwZhZ0
提督「おい長門。怖がって不知火の後ろに逃げてしまったぞ」
長門「なぜだ!何もしてないぞ!」
犬「ガルル」
不知火「……」
提督「お前が変にがっつくからだろう」
長門「こんなに可愛いのだ!仕方ないだろう!」
992: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 10:29:29.90 ID:SSkXwZhZ0
提督「今は食事中だから後にしなさい。担当作業もあるだろう」
長門「そんな殺生な……」
提督「ほらほら、行くぞ」グイ
長門「うぅ……不知火、あとで私にも触らせてくれよ」ズルズル
不知火「……」コクリ
993: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 10:31:37.60 ID:SSkXwZhZ0
電「けど、どうするのです?」
不知火「飼い主探しですか?」
電「なのです」
不知火「やみくもに探しても時間の無駄です。張り紙やネットなどで情報を周囲に共有させるのがいいと思います」
電「なるほどなのです。後で司令官さんに相談してみるのです」
994: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 10:33:21.17 ID:SSkXwZhZ0
不知火「……はい」チラッ
犬「……?」ジー
不知火「……」ナデナデ
犬「ワウー♪」
不知火「……」ニマニマ
電「不知火さんは犬が好きなのです?」
不知火「……別に普通です」
電「でもなんかすごく楽しそうなのです」
不知火「気のせいですよ。さぁ掃除を終わらせましょう」サッサッ
電「了解なのです!」
995: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 11:06:10.75 ID:SSkXwZhZ0
~数日後~
電「飼い主さん……見つかりませんね……」
不知火「そう簡単にはいきませんよ。諦めず探しましょう」
犬「クーン……」シュン
不知火「……」ジー
不知火「……名前」ボソ
996: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 11:06:36.87 ID:SSkXwZhZ0
電「はい?」
不知火「名前、決めましょうか」
電「この子のです?」
不知火「はい。いつまでも犬と呼ぶのもそっけないですから」
不知火「何か呼び名を決めようかと」
電「いい考えなのです」
不知火「では、今日の夕食に皆で案をだして決めましょうか」
997: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 11:07:36.66 ID:SSkXwZhZ0
~夕食~
提督「ふむ。犬の名前を決めたい?」
電「なのです。みんなで素敵な名前を付けようなのです」
提督「別にかまわないが……名前ねぇ」
電「いいのがあればどんどん言ってくださいなのです」
金剛「そうデスねぇー毛並が茶色だしブラウンなんてどうデス?」
提督「ほう、無難でいいんじゃないか」
998: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 11:08:48.81 ID:SSkXwZhZ0
長門「もっと可愛い感じのがよいだろう」
提督「ふむ。長門はどんなのが良いんだ」
長門「そうだな。ラブリーでチャーミング……略してラブチャーなんてどうだろう?」
提督「誰か他にいい案はないか?」
長門「おい!無視するな!」プンスカ
999: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 11:11:42.14 ID:SSkXwZhZ0
電「ポチとかはどうなのです?」
愛宕「うふふ、良い物を掘ってくれそうね」
龍驤「アイスとかどうや?」
金剛「食べたい物いっただけデスね……」
不知火「……」
愛宕「不知火ちゃんは何かないの?」
不知火「……そうですね」
不知火「一人ボッチでここに来た子ですから……」
不知火「一人ぼっち……ぼっち……」
不知火「ボッチ丸なんてどうでしょうか」
1000: ◆vLyL7y0Zk. 2014/04/11(金) 11:12:38.13 ID:SSkXwZhZ0
以上です。番外編の続きはまたスレの消化時とかにでもします。
1000ゲット!
1000ゲット!
次回 【艦これ】 提督「よろしく頼む」 その2
コメントする
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。