1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 02:12:12.98 ID:HBoCOzCY0
唯「あずにゃ~ん」
猫「にゃあ~」
唯「あずにゃん♪あずにゃん♪」ぎゅっ
猫「にゃあ~」
律「唯の奴、相変わらず野良猫を後輩だと思い込んでるぜ…」
澪「律…あれでいいんだ…唯は幸せなんだから…」
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3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 02:17:11.66 ID:HBoCOzCY0
私達、桜高軽音部は二年生に進級し
進入部員がくるのを期待していた
唯の奴なんて後輩が出来るのを凄く楽しみにしていた
しかし後輩は一人も来なかったのだ
頭が幼い唯にはその現実が受け止められない
とうとうそこらへんの野良猫を後輩だと思い込むこんでしまったのだ…
唯「あずにゃ~ん、かわいいよ~」なでなで
猫「にゃあ~」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 02:24:07.86 ID:HBoCOzCY0
唯「じゃあギターの練習するよ~」
猫「にゃ~」
ギー太「ギュイイ~ン」
むったん「ギュイイ~ン」
律「しかしあの猫もよくやるぜ…」
野良猫の奴もなかなか利口で
ギターの弦を引っかいて演奏の真似事ぐらいはできるのだ
ちなみに猫の持っているギターはムギの協力で借りたものだ
澪「猫も唯の愛情が分かるんだろうな…私でさえたまにあの猫が本当に後輩に思えることがあるよ…」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 02:30:55.14 ID:HBoCOzCY0
唯「よしよ~し、あずにゃんの演奏は上手だね~」
猫「にゃあ♪」ぺろ
唯「えへへ、くすぐったいよあずにゃん!」
紬「はい♪皆お茶が入ったわよ~、梓ちゃんにはミルク(猫専用)があるわよ~」
唯「わ~い!!」
猫「にゃあ!」
唯「わわっ、ちゃんと練習もするよお~」
猫「にゃあ~」
澪「ふふ、梓のほうが唯よりマジメなんだな」
律「もう、梓が猫だとか関係ないな…あいつも立派な軽音部の一員だよ」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 02:34:29.40 ID:HBoCOzCY0
ゆうはん!
唯「でねーあずにゃんに怒られちゃったんだ~」
憂「へ…へぇ…」
憂(またお姉ちゃん…野良猫の事を後輩だと思い込んでる…)
唯「でも大好きな私の後輩なんだ♪」
憂「お姉ちゃん…ちょっと話があるんだけど…」
唯「えっ?」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 02:37:32.39 ID:HBoCOzCY0
憂「お姉ちゃんの話に出てくる梓ちゃんっていうのは…野良猫なんだよ?」
唯「は?」
憂「人間じゃなくて…野良猫なんだよ…」ぽろぽろ
唯「もう憂ったら~たしかにあずにゃんは猫みたいだけど猫じゃないよ~」
憂「お姉ちゃん…」
唯「今日だっていっしょに買い物に行ったんだよ~、はしゃぎ過ぎていい加減にしてくださいって怒られちゃったし~」
憂(お姉ちゃん…目を覚まして…)
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 02:40:28.34 ID:HBoCOzCY0
以前もこの話を切り出した事はあった
しかし冗談だと思われてしまった
さらに追求するとすごく怒られてしまった
唯「もう!私の大事な後輩を野良猫扱いするなんていくら憂でも許さないよ!」
唯「憂の馬鹿!!大ッ嫌い!どっかにいっちゃえ!!」
あの時のお姉ちゃんの顔は大真面目だった
お姉ちゃんにとってあずにゃんは現実の後輩なんだ…
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 02:46:14.47 ID:HBoCOzCY0
昔からお姉ちゃんは少しおかしいところはあった
カスタネットの時、他の園児から浮いた奇行をしていたと親に連絡があったし
人様の風呂場にザリガニを押し込んだり…
今思えばあれは今回の出来事の前兆だったのかもしれない…
唯「あっそれと今度あずにゃんが私の家に泊まりたいっていってるんだ」
憂「えっ…」
唯「凄くいい子なんだよ?いいよね?」
お姉ちゃんの必死の願いを私は断れませんでした
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 02:53:05.12 ID:HBoCOzCY0
軽音部!
唯「というわけで、あずにゃんが今日うちに泊まることになりました」
律「ブッフォォオオ!! まじかよ!?」
澪「律…汚い…」
紬「唯ちゃん…梓ちゃんは憂ちゃんの迷惑にならないかしら?」
唯「大丈夫だよ、あずにゃんは凄く礼儀正しいもん」
猫「にゃあ~」スリスリ
唯「あずにゃん、憂に迷惑かけちゃダメだよ~」
猫「にゃあ!」
澪(不安だな~…)
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 03:02:38.31 ID:HBoCOzCY0
澪(憂ちゃんは唯のそういうところを認めてないんだろ…)
律(お前さえいなければ…って猫をSATSUGAIしちゃうかもな…)
紬(ならやる事はひとつです!)
澪「なあ唯…私達も梓といっしょに唯の家に泊まりたいんだけど…」
唯「ほぇ?」
律「そうだ!梓ばっかりずるいぜ!」
紬「私達もいっしょに泊まらせて!」
唯「え…あ、うん…私はいいよ、一応憂にも携帯で許可とって見るね」
そして軽音部全員で結いの家出お泊り会をする事が決まりました
猫「にゃあ」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 11:25:34.80 ID:HBoCOzCY0
唯「ただいま~!」
憂「お姉ちゃんお帰りなさい!」
律「へへへ…お邪魔しまス…」
澪「こんばんは、憂ちゃん」
紬「お邪魔しますわぁ」
憂「こんばんは、軽音部の皆さんいつも姉がお世話になってます!」にこ
澪(よかった…憂ちゃんは思った以上にまともだ…)
律(私達の杞憂だったのかもな)
猫「にゃーん」
憂「…」
憂(このみすぼらしい黒猫がお姉ちゃんを狂わせたんだ…)
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 11:35:54.64 ID:HBoCOzCY0
唯「あずにゃんはずっと憂と友達になりたかったんだよ、仲良くしてあげてね」
猫「にゃ~」憂の足の周りを∞字型に回る
憂「…」
律「ははは…梓がこんなに人に懐くのは珍しいな~…ははは…」
澪「そうだよな…梓は人見知りなんだけど…きっと憂ちゃんが優しそうだから懐いたんだろうな…ははは…」
紬「梓ちゃんは本当にいい子なの!憂ちゃん、その…仲良くしてあげてね…?」
猫「にゃあ~」スリスリ
憂(こうやってゴマを摩って軽音部を篭絡したんだね…この泥棒猫!)
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 12:35:49.66 ID:HBoCOzCY0
唯「うーいー…?」
憂「あ…うん!よろしくね梓ちゃん!」
猫「にゃあ~」
憂「晩御飯を作ってありますから荷物を置いてからリビングに来てください」
唯「それじゃ皆、私の部屋まで行こうか!」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 13:43:57.10 ID:HBoCOzCY0
憂「はぁ…この先思いやられるよぉ…」
憂「あの猫を人間として扱わなくちゃいけないなんて無理だよぉ・・・」
憂「猫だからってキャットフードなんてあげたら」
もわもわもわーん
唯「ちょっと憂、嫌がらせもいい加減にしてよ!」
唯「あずにゃんをこれ以上猫扱いしたら許さないよ!」
憂「はぁ…猫でも食べられる人間の料理も用意しとかなくちゃ…」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 14:08:38.83 ID:HBoCOzCY0
唯の部屋
律「なあやっぱり憂ちゃんは梓の事をよく思ってないみたいだぞ…」ヒソヒソ
澪「しかも唯はその事を無自覚だし…」カクカク
紬「下手に梓ちゃんと憂ちゃんを絡ませるのは危険ね…」シカジカ
唯「あずにゃん♪友達が増えてよかったね~」
猫「にゃ~ん♪」
律「とりあえずリビングに下りるか…」
紬「梓ちゃんの事は私達がフォローするわ…」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 14:14:04.70 ID:HBoCOzCY0
リビング
律「憂ちゃんうぃ~っす」
憂「あっ皆さん!」
澪「ごめんね憂ちゃん、お世話になります」
憂「いえいえ、自分の家だと思ってゆっくりしていってください」
紬「じゃあ私の席はここで…」
澪「じゃあ私はここで…」
律「唯は憂ちゃんの隣だな!!」
律(とりあえず梓を憂ちゃんから遠ざけるんだ!!)
こんな具合である
梓□紬
澪□唯
律□憂
猫「にゃーん」
唯「えっあずにゃん憂の隣がいいの~?わかった!代わってあげるね~」
律「」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 14:22:10.93 ID:HBoCOzCY0
唯「ふふ、なんだか家族が増えたみたいで楽しいね~」
憂「…」
律「とっ…とにかく食べようぜ!」
唯「も~りっちゃんったら食いしんぼなんだから」
律「うるせー!」
澪(ここは律で場をごまかすしか…)
澪「まったく…もうちょっと遠慮しろ!馬鹿律!」
紬「食べてばかりだと太っちゃうわよ~」
律「うるせーうるせー!とにかく食べたい気分なんだ!最低でも金を狙うには食は欠かせないんだぞ!」
憂「くすっ…田井中さんって面白い方なんですね~」
律(はぁ…私のイメージが悪くなったような気がするが…なんとか場は和んだかな…)
猫「にゃ~ん!にゃ~ん!」
憂「…」
唯「憂!あずにゃんが呼んでるよ!無視しないで!」
律(こいつはもう…)
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 14:26:35.91 ID:HBoCOzCY0
憂「あっごめんね梓ちゃん…」
猫「にゃ~」
唯「折角なんだからもっとお話しなよ~」
猫「にゃあ」
憂「…」
猫「…」
憂「ご趣味はなんですか…」
律(お見合いかよ…)
猫「にゃあ~」
唯「へぇ~、憂と気が合いそうだね~」
憂(なんて言ったのかわかんないよお…)
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 14:38:47.36 ID:HBoCOzCY0
律「ごめん唯!梓がなんていったのか聞こえなかったんだけど…」
紬(りっちゃんグッジョブb)
唯「えっ…あー趣味はギターなんだって」
澪(おい!どこが憂ちゃんと気が合いそうな趣味なんだよ…)
憂「へ…へぇギターなんだ…梓ちゃんかっこいいね…」
猫「にゃあ~」
紬「ごめん唯ちゃん梓ちゃんは今なんていったの!?聞こえなかったわ!!」
唯「ありがとうだって~」
澪(まるで通訳だな…)
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 14:56:14.64 ID:HBoCOzCY0
猫「ぺろ」
唯「料理おいかったでしょあずにゃん?」
猫「にゃーにゃー」
唯「うん!憂の料理は世界一だよね!」
憂(猫に認められてもうれしくないよ…)
律「そろそろ唯の部屋に戻ったほうがいいよな…」
紬「お腹いっぱいですしね…」
澪「ありがとう憂ちゃん料理おいしかったよ!」
憂「あ…はい!」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 15:03:38.05 ID:HBoCOzCY0
澪(ふぅ…やっと…)
律(やっとこの場から開放される…)
紬(クタクタですわあー)
猫「にゃーにゃー」ガリガリ
憂「えっなに?」
唯「えーあずにゃん、今日は憂の部屋に泊まりたいのおー!?」
憂「」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 15:23:17.80 ID:HBoCOzCY0
律「唯ぃぃぃぃッ!!会ってばっかりなんだし急にそんな一夜を共にするのは速すぎるんじゃないのかィィィ!!」
紬「そうよ唯ちゃん!!何か間違いがあるといけないわよおぉぉぉ!!」
澪「それに元々梓は唯の部屋に泊まりに来たんだろ!!憂ちゃんも急にそんなの無理だろ!!」
唯「むぅ…私じゃなくてあずにゃんが言い出したんだけど…」
憂「う…ごめんねお姉ちゃ…梓ちゃん…私の部屋は散らかってるし…」
猫「にゃあ…」
憂(うっ…そんな目で見てもダメだよー…私は断固としてあなたの存在を認めるわけにはいかないの!)
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 15:33:11.27 ID:HBoCOzCY0
憂も元々猫が嫌いというわけではないが
姉を狂わせた野良猫なら話は別だった
姉の目の前では体裁を取り繕っているものの内心憎たらしいはずだった
…しかし、しかしだ!憂はヤンデレなどではなく元々は優しい性格
いつのまにか猫を憎めなくなっていたのだ
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:09:30.35 ID:HBoCOzCY0
猫「にー…にー…」ジー
憂(凄いこっち見てるよお…)
唯「あずにゃん…ごめんね憂も疲れてるみたいだし…私の部屋で寝よ?」
律「そそそそうだぜ梓!憂ちゃんに迷惑かけちゃいけないぜー」
澪「ここは軽音部同士で大人しく泊まろうじゃないか、な?」
紬「私も激しく同意ですわあ!!」
猫「にゃあ…」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:24:21.50 ID:HBoCOzCY0
憂「あ…ちょっとまって…」
唯「ほぇ?」
憂「あの…その…」
憂(下手に軽音部の皆さんに迷惑かけるぐらいなら私の部屋で預かっていたほうがいいかも…)
憂「私…梓ちゃんと寝ます!!」
澪(なんだと…)
律(梓を籠に入れたまま風呂場に沈めたりしないだろうな…)
紬(キマシタワー!!)
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 18:51:51.87 ID:HBoCOzCY0
唯「えー、さっきはダメだっていったじゃん」
律「憂ちゃんの所に梓を預けるなんて迷惑じゃないかい?」
猫「にゃー」
憂「いえ、気にしないでください、梓ちゃんがそういうなら私は構いません」
律「そうか…何か迷惑かけるようなことがあったらすぐに言ってくれよ」
憂「私とお姉ちゃんの部屋は隣同士ですし大丈夫ですよ」
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:40:09.66 ID:HBoCOzCY0
憂の部屋
猫「にゃ~にゃ~」
憂「もう!ほんとは私も嫌だけど軽音部の皆さんに迷惑かけないためなんだからね」
猫「にゃ~?」
憂「とりあえず大人しくしててね!」
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 19:57:14.86 ID:HBoCOzCY0
憂「ふぅ~疲れちゃったし横になろうかな~」
猫「にゃ~」
憂「あ!こら勝手にベッドの中に入ってこないで、毛玉になっちゃう!」
猫「にゃん~」
憂「うぅ~結局入ってきちゃった…」
憂「でも…」
憂「お姉ちゃんみたいであったかいね~」ぬくぬく
猫「みゃ~」
唯「りっちゃん何で壁に耳を当ててるの?」
律「いや動物虐待が起きてないか心配でさ、ははは…」
唯「?」
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 20:03:17.96 ID:HBoCOzCY0
憂「う…うぅ…」
猫「にゃ~?」
憂「どうしてこんな事になっちゃったんだろ…」
憂「お姉ちゃん…頭がおかしくなっちゃったのかなあ…」
憂「このまま治らなかったらどうしよう…」ぽろぽろ
猫「にゃ~」ぺろ
憂「え…(涙を舐めてくれてる…)」
猫「にゃ~」
憂「優しいんだね…」
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:10:59.53 ID:HBoCOzCY0
次の日!
憂「よしよし♪」
猫「にゃーん!」
律(何があったんだ…すごく仲良しになってる…)
唯「あずにゃんと憂仲良くなったんだね~」
憂「うん!」
澪「憂ちゃん…いいのか?唯が猫を後輩と思い込んでても…」ヒソヒソ
憂「お姉ちゃんがおかしくなったのは悲しいですけど…」
憂「その罪はこの猫には無いと思ったんです…」
憂「それでお姉ちゃんが幸せなら…このままでもいいかなって…」
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 21:17:54.68 ID:HBoCOzCY0
唯「あはは~ あずにゃんにゃん♪あずにゃんにゃん♪」
猫「にゃんにゃん♪」
澪「ふふ、私達も同じ意見なんだ」
紬「唯ちゃんが幸せならそれで私達も幸せだもの…」
律「あの笑顔…梓が実在するかしないかなんて些細な問題だと思うぜ」
憂「少なくともお姉ちゃんの中には中野梓が存在するんですよね…」
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:14:15.06 ID:HBoCOzCY0
澪「それじゃ憂ちゃんお世話になりました」
憂「いえいえ、また遊びに来てくださいね」
唯「私はこのままあずにゃんと遊びに行くね~」
憂「うん、夕飯までには帰ってきてね」
律(とりあえず何事とも無くてよかったぜ…)
紬(一時はひやひやしたわ…)
律「それじゃお邪魔しました~」
猫「にゃ~」
憂「バイバイ梓ちゃん♪」
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:31:52.03 ID:HBoCOzCY0
澪「良かったな憂ちゃんが梓と仲良くなって」
唯「うん♪私も嬉しいよ~」
猫「にゃー」
律「梓の奴も嬉しそうだな」
紬「今回のお泊り会はいい方向に転んだわね~」
唯「あ、私とあずにゃんはこれから二人で町に遊びに行くからここでお別れだね」
猫「にゃ~」
律「まったくホントお前ら二人はラブラブだな~」
澪「私達はこのまま帰るから、憂ちゃんによろしくな」
紬「楽しかったわー♪」
唯「うん、それじゃーね皆!」
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 22:48:17.37 ID:HBoCOzCY0
唯「あずにゃんも皆と仲良くなれてよかったね…」
猫「にゃあ~?」
唯「だって最初はあずにゃん皆から猫みたいって馬鹿にされてたもんね」
唯「でもなんだかんだで皆あずにゃんと友達になったし…よかったぁ~」
猫「にゃ~」
唯「私もあずにゃん大好きだよ~たった一人の大事な後輩だもん♪」
猫「にゃ~」
唯「あずにゃんみたいな後輩が出来て私は幸せだよ~」
122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 23:36:52.99 ID:HBoCOzCY0
唯「ふふ、今日はあずにゃんの大好きなタイヤキを奢ってあげるよー」
猫「にゃ~♥ 」
唯「!?」
猫「にゃあ~?」
唯「あ…頭が…」ガクガク
唯「頭が割れるように痛い…」ドサッ
猫「にゃあー!!」
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 00:26:12.16 ID:cVYWWjrq0
憂「今日の晩御飯は何にしようかなー…」
ガサガサガサガサ
憂「あれ…何の音だろう」
猫「にゃーにゃー!」
憂「あれ?梓ちゃん?」
猫「にゃーにゃー!!」
憂「お姉ちゃんと一緒に出かけたはずなのに…は!」
憂「お姉ちゃんに何かあったの!?」
猫「にゃー!」
129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 00:39:07.11 ID:cVYWWjrq0
唯「あぁ…ぁ…」
憂「お姉ちゃん!!」
猫「にゃあ!」
梓ちゃんに連れられて人通りの無い道の真ん中で苦しむお姉ちゃんを見つけました
すぐさま私は携帯で救急車を呼んでお姉ちゃんを病院に送りました
憂「お姉ちゃん…大丈夫かな…」
憂「こののまま死んじゃったら…どうしよう…うぅ…」
猫「にゃあ…」
163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 11:40:27.34 ID:cVYWWjrq0
手術中のランプが消灯し、中からお医者様が出てきました
憂「お姉ちゃん!!」
猫「にゃあー!」
憂「お姉ちゃんは…おねえちゃんは大丈夫ですか!?」
私は緊張で舌がもつれながらもお医者様に尋ねてみました
梓ちゃんもすごく心配しています
医者「一命は取り留めました…」
その一言で凄く安心しました
憂「良かった…うぅ…本当に良かった…」
医者「しかし…」
憂「え…」
医者「このままでは長くありません…」
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 11:56:58.42 ID:cVYWWjrq0
憂「脳血腫…?」
医者「はい、唯さんの頭の中には血の塊が出来てしまっているのです…」
医者「いままでになにか幻覚や幻聴…そういったものを感じていたという素振りはありませんでしたか…」
憂「あ…」
猫「にゃあ…」
医者「あったとすればそれは脳血腫の仕業でしょう…」
171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 12:06:42.14 ID:cVYWWjrq0
医者「あのままではが血腫どんどん大きくなって命に関わります…」
憂「それじゃあ…手術でその血腫を取り除いてください!!」
憂「お金はいくらでも出しますから…」
医者「それは無理なのです…」
憂「どうしてですか…」
174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 12:15:32.90 ID:cVYWWjrq0
医者「血腫は脳低と呼ばれる場所に出来ていまして…」
医者「手術がとても難しい場所なんです」
医者「下手に手術すると副作用で生命維持系が麻痺をする可能性がとても高いのです…」
憂「そんな…」
175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 12:24:15.95 ID:cVYWWjrq0
病室
唯「うーいー…」
そこには包帯で頭がぐるぐる巻きになったお姉ちゃんが横たわっていました
憂「どうしたの、お姉ちゃん」
唯「ごめんね憂ー心配かけちゃって…」
憂「ううん、大丈夫だよー」
唯「あずにゃんはいる?」
猫「にゃー…」
唯「あずにゃんごめんね…鯛焼き奢ってあげられなかったね…」
猫「にゃーにゃー…」
177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 12:33:23.46 ID:cVYWWjrq0
憂「もう!お姉ちゃんったら!今はそんな事よりも早く病気を治して」
唯「うん、私もはやく病気を治して部活したいよ~」
猫「にゃあ~」
唯「あずにゃんとギターの練習もしたいしね~」
憂「大丈夫だよ…すぐによくなるよ…」
180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 12:39:22.88 ID:cVYWWjrq0
病室の前
憂「うっうぅ…あんなに元気そうなのに…お姉ちゃん…」
律「憂ちゃん!」
澪「唯が倒れたんだって!?」
紬「大丈夫なの?」
憂「皆さん…」
猫「にゃあ…」
182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 12:49:22.76 ID:cVYWWjrq0
律「そんな…唯の奴そんな爆弾を頭に抱え込んでいやがったのか…」
澪「こんなことならもっと早く病院で検査を受けさせればよかった…」
憂「皆さんのせんじゃありませんよ…」
猫「にゃー…」
185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 13:24:19.64 ID:cVYWWjrq0
紬「あっあの…!」
律「どうしたムギ?」
紬「琴吹家のコネできっと凄いお医者様を紹介できると思うの…」
紬「だから憂ちゃん…唯ちゃんは大丈夫よ!」
憂「紬さん…」
澪「でもそんなお医者様ならすごくお金がかかるんじゃ…」
189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 13:54:04.34 ID:cVYWWjrq0
憂「私…一生かけてでもお金を払います!」
紬「憂ちゃん…」
澪「わ…私も…ベースを売ってでもお金を作るよ!」
律「あぁ…唯が助かるんなら私だって何でもしてやるよ!」
猫「にゃ~!」
憂(いい友達を持ったね…お姉ちゃん)
憂「皆さん…本当にありがとうございます!」
196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 15:04:22.82 ID:cVYWWjrq0
憂「お姉ちゃん!凄いお医者さんが来るよ~」
憂「お姉ちゃんの事きっと治してくれるよ」
唯「ほぇ~」
猫「にゃ~」
憂「治ったら梓ちゃんの鯛焼き買ってあげようね!」
唯「うん!手術頑張るよ」
211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 16:04:09.99 ID:cVYWWjrq0
翌日、ムギちゃんの紹介でなんだか怖いお医者様が来ました!
紬「こちらです」
?「今回のクランケ(患者)は君かね」
唯「ほぇ!は…はい…」
助手「あなた!らっきーなよのさ!ちぇんちぇいに見てもらえるんらかや」
憂「(子供…?)お、お姉ちゃんをよろしくお願いします!」
241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 20:08:38.36 ID:cVYWWjrq0
律「唯、よかったな!これで退院できるぞ」
紬「また皆で部活しましょうね」
澪「頑張れよ!」
唯「うん…皆ありがとう!」
?「おっと、まだ手術代の話が終わってないぜ」
唯(5000円ぐらいかな?…)
243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 20:29:41.20 ID:cVYWWjrq0
憂「おいくらなんですか…」
?「とても難しいオペなんだ」
?「2500万円…払っていただきたい」
憂「2500万円!?」
唯「ギー太が100人買えるよ…」
250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 21:18:49.51 ID:cVYWWjrq0
憂「その話ならもう結論が出てきます!」
澪「私達その子の友達なんですけど、みんなでお金を出し合うって決めたんです!」
律「2500万円なんて払ってやらぁー!」
唯「みんな…本当にごめんね…ありがとう!」ウルウル
?「よし…わかった、依頼を受けよう」
260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 22:44:37.44 ID:cVYWWjrq0
猫「にゃあにゃあ…」
唯「ふふふ…あずにゃん、心配しないで~」
?「それじゃ早速オペを行おう」
紬「ここのお医者様には私の方から話は済ませたわ」
律「唯、頑張れよ!」
澪(勢いで金は払うって言っちゃったけど…正直きついな…)
269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/14(水) 23:59:46.60 ID:cVYWWjrq0
2500万円は安くない…安くないのである
いくら紬といえどそんなホイホイ出せるような金額ではない
しかし、皆は唯の回復を願っていた
金銭の事など二の次だったのである
憂(お姉ちゃん…)
律(ぜったい治せよ…唯)
紬(がんばって…)
猫「にゃあ…」
澪(うぅ…どうしよう…)
273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 00:38:22.54 ID:MCiI/tsU0
手術室
医者「いくらなんでもこんな手術上手くいくはず無い…」
?「黙ってみてろ、エコーで血腫の位置を確認」
猫「にゃあ~にゃあ~」
医者「外から猫の声が…よっぽどこの患者の事が心配なんだな…」
?「脳ベラ、よし…こいつを切除するぞ」
医者「すごく…ミクロ単位で切り取ってる…!」ごくりっ
275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 00:51:15.28 ID:MCiI/tsU0
澪「なあ津…お金の事なんだけど…」
律「あぁ!皆でバイトでもなんでもして用意しようぜ!」
澪(律ってこんな聖人君子だったっけ…もっといい加減な奴じゃなかったか…)
澪「なあ紬…2500万円なんだけどなんとかなりそうなの?」
紬「なんとかお父様と相談して…できるだけの事はします…」
澪「ほ…」
紬「でも…いまうちも経営難で簡単には用意できないかもしれないの…」
澪「」
279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 01:34:15.35 ID:MCiI/tsU0
憂「お姉ちゃん…」
猫「にゃあ…」ガリガリ
ガチャッ
?「…」
憂「!」
280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 01:49:30.41 ID:MCiI/tsU0
憂「お姉ちゃんは!?」
猫「にゃあー!」
?「…」
?「手術は成功した」
憂「あ…ぁ…良かった…本当に良かった…」ぽろぽろ
紬「良かったわぁ…」
憂「ありがとうございます…本当にありがとうございます…!」
律「良かった…唯にはこれからもギターを弾いてもらわなくちゃ困るからな…」
281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 01:57:02.03 ID:MCiI/tsU0
?「ただ…一部記憶に混乱があるかもしれない」
憂「混乱ですか?」
?「ああ…でも一過性のものだ、たいした事は無いだろう…」
澪「あの…お金の話なんですけど…」
?「2500万だったな…きっちり払ってもらうぜ」
299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 07:48:04.19 ID:MCiI/tsU0
憂「ごめんなさい…今はこれだけしか用意できなくて…」
私は親が私の将来のために用意してくれた300万を渡しました
?「…」
律「私も近いうちにドラムを売って金にしますから!」
紬「私もキーボード売ります…」
澪「うぅ…ベースも売るよぉ…」
?「お前さんがた…バンドやってんのか?」
律「え…はい、手術してもらった唯がギターで放課後ティータイムというバンドやってます…」
?「そうか…なら…」
?「残りの2200万は演奏で払ってもらおうかね」
一同「「!!」」
303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 07:56:42.96 ID:MCiI/tsU0
律「まじかよ!?」
?「当然だろう?お前達にとって平沢さんとやらのギターは2500万円以上の価値があったって事だ」
?「そんな奴らの演奏はさらに価値があると思うがね」
憂「おじさん…」
律「うっ…うぅ…ありがとう…優しいおじさん…」
紬「みかけと違ってとても優しい方だったのね…」
澪「え?演奏だけでいいの?私唯のためによろこんで金払おうと思ってたんだけど?」
305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 08:04:43.82 ID:MCiI/tsU0
こうして!
お姉ちゃんが元気になった頃に演奏を聞かせる事を
約束してお医者様には帰ってもらいました
あとはおねえちゃんの目が覚めるのを待つだけです
唯「すーすー…」
憂「うふふ、お姉ちゃん頑張ったね…」
320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 14:01:13.86 ID:Nrk9V8Ql0
軽音部の皆さんは解散して
私だけお姉ちゃんに付きっ切りで見ています
猫「にゃあ~」
唯「すーすー…」
憂「お姉ちゃん起きないね~」
猫「にゃあ~」
唯「すーすー…」
憂「ふふ、こうして見るといつも朝寝坊してるお姉ちゃんそのものだよ~」
猫「にゃあ~」ぺろ
唯「むぅ~…」
憂「!!」
328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 15:57:24.57 ID:Nrk9V8Ql0
唯「ふぁ~…」
憂「お姉ちゃん!」
唯「うぅ…なんだか長い夢を見ていたみたい…」
憂「良かった!手術は成功したんだよ!」
唯「いままでの寝ぼけてふわふわした感じがなくなってすごくすっきりしてるよ~」
猫「にゃあ~」スリスリ
憂「梓ちゃんもずっとおねえちゃんのそばに居たんだよ?」
唯「…?」
331 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 16:14:58.30 ID:Nrk9V8Ql0
唯「あずにゃん…あずにゃんどこー?」
猫「にゃぁ~」ごろごろ
憂「…お姉ちゃん?この子があずにゃんだよ?」
唯「え…?」
猫「ふに~♥」
唯「も…もう!冗談きついよ…あずにゃんって小さくてかわいい人間の女の子だよ…?」ワナワナ
335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 16:51:07.32 ID:Nrk9V8Ql0
憂「お姉ちゃん…梓ちゃんは…」
猫「にゃあ~?」
唯「そんな薄汚い猫、知らないよ!」
猫「にゃ~」
唯「近寄らないで!」バシッ
猫「に゛ゃっ!!」
憂「!」
唯「あずにゃん…あずにゃんはどこにいるの!?」
341 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 17:21:57.02 ID:Nrk9V8Ql0
憂「お姉ちゃん落ち着いて!!」
猫「にぃ…」
唯「いやあぁぁぁ…!あずにゃあああん!あずにゃああああん…」ぽろぽろ
猫「にゃあ…」
唯「あんたなんか知らないよぉ!!」
猫「…」
憂「梓ちゃん…」
お姉ちゃんは突然の現実を受け入れる事が出来ませんでした
ずっと小柄でポニーテールで大好きな後輩だと思っていたのが猫だったんです…
343 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 17:40:49.58 ID:Nrk9V8Ql0
憂「でもその子はお姉ちゃんの事ずっと心配してて…ずっと傍に居たんだよ?」
猫「にゃあにゃあ…」
唯「いやだ…気持ち悪いよぉ!はやくそんな猫どっかに捨てちゃってよ!」
猫「にゃあにゃあ…」ぽろぽろ
346 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 17:50:42.04 ID:Nrk9V8Ql0
唯「そもそもここは病院だよ?猫なんて不潔だよ!!」
憂「お姉ちゃん…」
猫「にゃあにゃあ!!」
唯「出て行ってよ!」
猫「みゃっ!!」
お姉ちゃんは枕を猫に投げつけました
352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 18:20:45.36 ID:Nrk9V8Ql0
猫はそのまま病院から逃げ出しました
憂「…」
唯「もう疲れちゃったようーいー…ちょっと眠るね…」
憂「うん…私は皆に連絡するね」
唯「ありがとう…」
354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 18:41:49.40 ID:Nrk9V8Ql0
――輩――唯先―-
唯「ほぇ?」
梓「唯先輩!」
唯「あっ!あずにゃん!」
梓「私を置いていくなんてひどいです!」
唯「えっえっ?」
梓「私の事嫌いになっちゃったんですか?」グスッ
唯「あわわ、そんなわけないじゃん!あずにゃんは大切な後輩だよ!」
360 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 19:03:44.99 ID:Nrk9V8Ql0
梓「唯先輩…私は唯先輩が大好きです…」
唯「私もあずにゃん大好きだよ~たった一人の大事な後輩だもん♪」
梓「もうっ…」
唯「あずにゃんみたいな後輩が出来て私は幸せだよ~」
梓「私も幸せです…」
唯「あれ…あずにゃんがだんだん薄く…」
梓「――ずっとずっといっしょですよ…唯先輩…」
唯「待って!待ってよあずにゃ~ん!!」
367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 19:42:32.29 ID:Nrk9V8Ql0
ガバッ!
唯「夢…」
唯「あはは…そっか…そうだよね…」ぽろぽろ
唯「あずにゃんは…」
唯「あずにゃんは現実じゃない!」
私は気付いてしまいました
中野梓なんて最初から存在しない、後輩の欲しい私が生み出した架空の人物だったのです
ちょうどそれが脳血腫の病気と重なって猫を後輩と思い込んでいただけなのです
372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 19:56:46.65 ID:Nrk9V8Ql0
唯「あっ!」
カーテンの外にはまたあの薄汚い猫がいました
唯「ずっとこっちを見てる…あっちいっちゃえ!」
私はシッシッという動作をした後病院のカーテンを閉じるのでした
猫「にゃあ…」
380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 20:17:50.75 ID:Nrk9V8Ql0
翌日、りっちゃん達がお見舞いに来てくれました
律「唯!調子はどうだー?」
唯「りっちゃん!もういますぐにでも退院できそうだよー」
憂「お医者様も治りが早いって褒めてくれてるんです、後遺症も無いみたいで…」
唯「これならいますぐにでもギター弾けちゃうよー」
唯「あ、でも手術で髪の毛そっちゃったから、まだ短髪なんだけどね」
紬「短髪の唯ちゃん…いけます!」
386 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 20:47:09.56 ID:Nrk9V8Ql0
澪「そういえば梓はどうしたんだ?」
唯「…」
憂「澪さん…その事にはあまり触れないであげてください…」ヒソヒソ
澪「あっごめん…」
律(唯の奴、表面上は元気そうだけど、…)
紬(やっぱり梓ちゃんが猫だったのがショックみたい…)
398 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 23:12:45.89 ID:Nrk9V8Ql0
ザー
憂「凄い雨だねー」
唯「うん…」
猫「…」
唯(あの猫ずっとあそこにいる…)
401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 23:21:17.59 ID:Nrk9V8Ql0
猫「にゃあ…」
――ずっとずっといっしょですよ…唯先輩…
唯(ううん、あの猫はあずにゃんじゃないんだよ…)
唯(あずにゃんなんてこの世界にはいないんだよ…)
唯(世界のどこを探したって中野梓は居ない…)
唯(…)
403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 23:29:14.03 ID:Nrk9V8Ql0
唯(あずにゃんが傍に居てくれるならずっと夢を見てればよかったのかな…)
唯(いままでの事全部夢だったんだよね…)
唯(あずにゃんが入部してきてから…)
唯(あずにゃんが猫耳つけたからあずにゃんって命名したのも…)
唯(ギターを教えてくれたのも…いっしょに合宿に行ったのも…)
唯(いっしょに泊まったのも…いっしょに出かけたのも…)
唯(うぅ…)ぽろぽろ
405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/15(木) 23:52:00.70 ID:Nrk9V8Ql0
そして退院の日がやってきました
唯「先生、お世話になりました…」
憂「本当にありがとうございました」
律「これで晴れて唯完全復活だなー」
澪「これからは体の異変に気がついたらすぐに言えよ」
唯「うん、本当に心配かけてごめんね…」
猫「…」ぺたぺた
唯(ずっと後を追いかけてきてる…)
444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/16(金) 02:47:16.47 ID:5GFruFSV0
唯「…」キッ!
猫「にゃ!!」
私が睨み付けると猫は道端の茂みに隠れました
澪「唯…」
唯「あんな猫知らないもん!」
猫「にゃあ…」ぽろぽろ
463 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/16(金) 08:08:26.63 ID:5GFruFSV0
澪「なあ唯…あの猫の事覚えてないのか?」
唯「何の事だかわからないよ!」
律「お前とあの猫は凄く仲が良かったじゃないか…」
紬「ええ…あの子も凄く唯ちゃんに懐いてたのに…」
唯「わ…私と仲良かったのはあずにゃんだもん!」
464 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/16(金) 08:20:10.66 ID:5GFruFSV0
澪「そ…そうだよね…変な言ってごめん…」
紬(まるであの頃の唯ちゃんと正反対ね…)
律(これは放っておいたほうがいいかもな…唯の問題だし…)
律「ここで解散だ!唯」
唯「え?」
律「唯は退院したばっかりなんだし、今日はもう帰ってゆっくり休め」
唯「え…大丈夫だよ~」
465 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/16(金) 08:26:06.32 ID:5GFruFSV0
紬「病気を侮っちゃいけないわ!」
憂(皆さん…気を使ってくれてるんだ…)
憂「お姉ちゃん、今日は早めに帰ろ?」
唯「う~ん…そうだよね…わかったよ~」
律「よし、じゃあ唯また学校でな!」
澪「憂ちゃん、唯の事頼むね」
憂「はい!」
紬「部活の時は退院祝いにおいしいお菓子を用意するわね~」
唯「うん!皆ありがとね~」
そして皆さん解散しました
467 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/16(金) 08:35:51.66 ID:5GFruFSV0
猫「にゃあ…」とことこ
憂(やっぱり梓ちゃんずっとついて来てる…)
憂(本当にお姉ちゃんのことが大好きなんだね…)
憂「お、お姉ちゃん!」
唯「わ、どうしたの?」
憂「ちょっと忘れ物しちゃったみたいなの…」
唯「えぇー!憂ったらうっかりさん!じゃあいっしょに取りに戻ろうか?」
憂「ううん、お姉ちゃんは先に帰ってて?一人で大丈夫だよね?」
唯「大丈夫だけど… 」
憂「家の鍵渡しておくから先に帰ってて!」ダッ
唯「あ、ういー…」
468 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/16(金) 08:39:37.83 ID:5GFruFSV0
そうして私は一人になってしまいました
唯「…」
猫「…」とことこ
唯「…」チラッ
猫「! 」ビクッ
まるでだるまさんが転んだみたいです
私が振り向くと物陰に隠れ、こっちの様子をずっと伺ってくるのです
唯(私が怖いならついて来なければいいのに…)
499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/16(金) 15:26:48.47 ID:y53dXSj/0
猫「…」
唯「…」
猫「にゃあ…」
唯「…」
唯「…」てくてく
猫「…」とことこ
500 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/16(金) 15:34:43.19 ID:y53dXSj/0
唯(そういえば…お腹すいたな…)
唯(お金もあるし…)
唯(アイスでも買って帰ろう…)
512 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/16(金) 18:11:49.82 ID:y53dXSj/0
唯(300円…これならギリギリパナップが買える…)
猫「…」
唯(スーパーに行こう…)
唯「…」てくてく
猫「…」すたすた
513 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/16(金) 18:19:24.86 ID:y53dXSj/0
スーパー!
店員「いらっしゃいませー!」
唯「…」
店員「あ!お客様困ります…店内はペット入店禁止です」
唯「え…」
猫「にぃ…」ふるふる…
唯「あ…」
517 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/16(金) 18:24:17.49 ID:y53dXSj/0
唯(追い返しちゃえ…)
猫「…」ふるふる…
そのとき、
そのときなぜかその薄汚い猫の姿がある一人の女の子と重なったんです
「私を置いていくなんてひどいです!」
唯「え…」
「私の事嫌いになっちゃったんですか?」グスッ
唯「…」
店員「お客様?」
唯「ごめんなさい、今日は帰ります」
532 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/16(金) 19:13:13.71 ID:y53dXSj/0
猫「…」
唯「…」
スーパーの前には屋台が開いていました
唯(1個150円…)
猫「…」
唯「…」
唯「えへへ…」
唯「いっしょに鯛焼き食べよ?あずにゃん」
猫「!」
猫「にゃ…」ぽろぽろ
猫「にゃあ~♥」
終わり
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