1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 00:28:24 ID:UqatG66M
―――馬術の訓練―――
ユミル「おーいクリスタ、なかなか上手く扱え……」ピタッ
クリスタ「だから! エレン、 ここはこう持って、こうするの!」
エレン「ほうほう。こんな感じか?」
クリスタ「うん、そんな感じ。それで、そうそう、あとは……」
エレン「お、おお、ありがとな! なんか掴めた気がする……」
ユミル「……」
ユミル(なんか、入りづらい)
※ネタばれ、一部キャラ崩壊あり
2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 00:32:13 ID:UqatG66M
ユミル(そういえば、最近クリスタの周りをチョロチョロしてあがるなアイツ)
クリスタ「気がするぅ~? 馬術は体に染み込ませなくちゃ使えないよー」チラッ
クリスタ「もう少し、付き合うね」
エレン「え、いいのか? でも、クリスタの練習の時間が……」
クリスタ「いいって。気にしないで、私も……好きでやってることだから」
エレン「う~ん」
エレン(まいったなあ。正直、昨日からもう限界に近いんだよなあ。何よりクリスタに悪い)
エレン「やっぱ、俺のせいだと悪いし……」
クリスタ「なら、こういうのはどう?」
4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 00:59:46 ID:UqatG66M
――
――寮内の寝袋にて――
ユミル「クリスタなんか嫌いだ……」
クリスタ「ええー! ど、どうしてユミル? そんな冗談は嫌いだよ……」アセアセ
ユミル「だってクリスタ、最近私に構ってくれなくなったし」
クリスタ「そんなことないよ! だって私、ユミルと一緒にいるのが一番楽しいし///」
クリスタ「だからいつも、ユミルと一緒にいようと思って……」
ユミル(……可愛いやつめ)
8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 01:05:22 ID:UqatG66M
ユミル「じゃあ罰として、明日からの訓練はずっと私に付き合えよな」
ユミル(ふん、エレンとばっかりつるんでた罰だ)
ユミル(まあクリスタに限って……エレンと……なんてことはないと思うけどな)
クリスタ「……ごめんユミル、明日は先約があるの」シュン
ユミル「はぁ? アニかサシャか?」
クリスタ フルフル
ユミル「ミーナかミカサか? それともベルトランやアルミンじゃないだろうな?」ギロッ
クリスタ「ま、まあ、そんなの誰でもいいじゃない」アセアセ
ユミル「……」
ユミル「もしかして……」
10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 01:10:42 ID:UqatG66M
ユミル(嘘だと言ってくれよ)ゴクン
ユミル「エレンか?」
クリスタ「……!」ドキッ
クリスタ「ユミル! だ、誰でもいいでしょー。それより明日早いから、早くねようよ!」
ユミル「そうだな。聞かなかったことにするよ」
ユミル(ただ訓練するだけだろ。そうにきまってる)
ユミル(まさかクリスタに限って……)
クリスタ「そうだ。か、かか仮になんだけどユミル、もしも好きな人と体術とか訓練したら、本気でやるべきだと思う?」
ユミル(……)
ユミル(エレンめ……)
17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 02:01:46 ID:UqatG66M
――実技訓練――
クリスタ(一晩悩んだけど、よくよく考えれば私は別にエレンが好きなわけじゃない)
クリスタ(ただちょっと、気になってるだけ……)
クリスタ(……本当に、ただそれだけ)
クリスタ「いたっ!」バタッ
エレン「わ、大丈夫かクリスタ?」
エレン「今手を貸すから……」
クリスタ「……」
クリスタ(全然勝負にならない……!)
18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 02:02:45 ID:UqatG66M
エレン「よっと」
クリスタ「ありがと、エレン」
エレン「そうだよなぁ」
エレン「今のはちょっと強くやりすぎちゃったよな……クリスタは女の子なのに」
エレン「その、ごめんな」
クリスタ「……!」
19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 02:05:54 ID:UqatG66M
クリスタ グッ
クリスタ「謝らないでよ!」
クリスタ「だってまだ……本気出してないし……!」
エレン「お、そうなのか?」
アルミン(やっぱり可愛い)
ライナー(羨ましい。俺も……)
ベルトラン「どうしたライナー! おまえの力はこんなものじゃないはずだ!」
ライナー(いや、けどライナーはライナーで……)
ミカサ「最近、エレンはクリスタと仲良くなった気がする」
アニ「気がする? 仲良くなったの間違いだろ」ジメンガツガツ
20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 02:16:27 ID:UqatG66M
ユミル「なあミカサ、あの二人を見てて怪しいと思わないのか?」
ユミル「つい最近まで全然話さなかったのに、昨日の今日で、ちょっと仲良すぎだろ」
ミカサ「エレンはどんな女にもなびかない」サラッ
ミカサ「なぜなら外の世界を目指してるから」
ミカサ「だからエレンは、ここにいる限り……」
エレン「ぷっ、本気だなんてそんな」
ミカサ「絶対に安全なまま……」
エレン「そんな言い訳初めて聞いたけど」
ミカサ「卒業出来る……」
エレン「クリスタは可愛いなぁ~」
クリスタ「えっ?///」
ミカサ「」ガクガクプルプル
26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 03:13:03 ID:UqatG66M
ミカサ「……可愛い」
ユミル「はぁ?」
ミカサ「……あのクリスタ、とってもかわいい。そうだ、私達の娘にすればいいんだ」
ユミル「おい待て、正気か?」
ミカサ フルフル
ユミル「フルフルじゃねーんだよ、こらっ!」
ユミル(畜生……こいつだけはマトモだと思ってたのに……)
27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 03:14:39 ID:UqatG66M
ユミル「やいアルミン!」ドサドサ
アルミン「ひっ……キース教官ー」ササッ
ユミル(なっ権力を盾に……弱者のやることは相変わらず汚ねえ)
キース「ん……おまえ何をやってる」
ユミル(下手に答えると大変なことになるからな)
ユミル「(アルミンには)何もやってません」
キース「ならばグラウンド十周だ!」
ユミル「はい!」
ユミル(くそっなんでこんなことに……)
28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 03:15:42 ID:UqatG66M
――訓練終了後 昼食――
ユミル(くそっ一人だけかよ……って、お?)キョロキョロ
ユミル「クリスタ! おまえは私を待っててくれたのか!」カンドー
クリスタ「もう、遅いよユミル―。何やってたの?」プンスカ
エレン「そうだそうだ。飯が冷めちまうだろ」
ユミル「いや何も教官様が馬鹿なことを……おい、何でナチュラルにエレンがいるんだ?」
クリスタ「え」ヒヤー
29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 03:18:35 ID:UqatG66M
エレン「クリスタが暇そうにしてたから、一緒にいたんだ」
エレン「クリスタがユミルを待つって聞かなかったからな」
クリスタ(ムッ……待つって言ったのはそんな意味じゃなかったのに)
クリスタ「エレンの言う通り。ユミルを待ってる間だけ、話し相手になってもらってたの」
クリスタ「ホントに、それだけだからね」ツーン
ユミル(……これは、良い、違うやっぱりマズイ傾向だな)
30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 03:20:07 ID:UqatG66M
クリスタ「別にエレンじゃなくても、サシャでもアルミンでも良かったんだよ? たまたまエレンが近くにいたから……」
クリスタ「それだけなんだからね!」
エレン「クリスタは可愛いなぁ~」
クリスタ「もぉ~信じてよ~///」
ユミル「……」
31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 03:38:00 ID:UqatG66M
ユミル(マズイマズイ。何だこの罰ゲームみたいな。これではまるで)
ユミル(知らぬ間に恋人になった二人の間に、気まずく飯を食べる少女そのものではないか)ガーン
エレン「分かってるって。クリスタはユミルのことを待ってた、それだけなんだよな」
クリスタ「え、あ、そう」
ユミル(ん?)
32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 03:38:56 ID:UqatG66M
エレン「じゃ、俺は食べ終わったし、後は二人で仲良く……あんま時間もないけど、しっかり食べろ」
クリスタ「待って」
クリスタ「……」
クリスタ「あ、ごめんねエレン、呼び止めて」
エレン「? ああ、もう行くからな」ショッキカター
クリスタ「うん、ばいばい」
33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 03:40:35 ID:UqatG66M
ガタッ
ユミル(ここまでだな……)
ユミル「おい、言いたいことがあったんじゃないのか?」
クリスタ「ううん、何もないけど」
ユミル「そんなバカな、最近エレンと仲良かったじゃないか。おまえ……」
クリスタ「うん、好きだよ。ずっと前から、私にはない前向きな姿に憧れてたよ」
ユミル(やっぱり! 畜生、あの野郎絶対許さねえ!)
クリスタ「でも……好きなのかは、分からない」
34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 03:43:13 ID:UqatG66M
――回想、2月14日――
ミカサ「あなたもエレンが好きなの?」
クリスタ「え、そんな///」
ミカサ「――私はずっと前から好き。私が今生きているのは、彼のおかげだもの」
ミカサ「そのチョコレート、エレンに渡すの?」
クリスタ「うん……だ、駄目?」
ミカサ「……私には止める権利はない。けど、あまりエレンを惑わせないで欲しい」
ミカサ「エレンは、壁の外にある未知の世界を望んでいる。たった一つの、大きな未来を目指して」
ミカサ「けど、その望みは本当に厳しい」
ミカサ「自分が頑張るだけではどうにもならないことが、この世の中にあると、あなたには分かるはず」
35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 03:45:31 ID:UqatG66M
――回想終了――
クリスタ「……」
クリスタ「私以上に、エレンのことを想う人がいるの」
クリスタ「その人はエレンのことを、本当によく考えてるの」
クリスタ「だから、私には何も出来ない」
ユミル「それは、ミカサのことか?」
クリスタ「うん。私もあの人も、エレンが望むことをして上げたい。ただ、それだけなの」
36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/23(日) 03:48:04 ID:UqatG66M
ガラッ
エレン「そうだ、さっき言い忘れてたけど……」
エレン「俺、クリスタのこと好き、だと思う」
クリスタ「」ニパァー
クリスタ「わ、私も、エレ……」
ユミル「クリスタ……」
ユミル「おまえ、さっきまでの回想シーンは何だったんだ?」
クリスタ「ごめんねユミル、私前向きに生きていくことに決めたの」
ユミル「クリスター!」
――完――
コメント
コメント一覧 (1)
yamei-DO
が
しました
コメントする
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。