1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/26(木) 23:31:05.52 ID:Kx807jNZ0
スタッフ「ええ。ある程度ゾーマさんのレベルが上がったら、 

攻撃パターンにマヒャデドスを使うという設定にしていただいて…」 

ゾーマ「ちょ…ちょっと待ってください!私、マヒャドは使えるんですけど、その 

マヒャデドスっていうのは聞いたことないんですけど…」 

スタッフ「はあ?あんた仮にも昔、ラスボスしてたんでしょ!氷系の上級魔法ぐらい使えるでしょ!?」 

ゾーマ「…は、はあ…いや…マヒャドは使えるんですが… 

(氷系の上級魔法ってマヒャドじゃないのか…??)」 

スタッフ「あと、1ターンに3回攻撃をお願いします」 

ゾーマ「えっ!!3回も!?私1ターンに2回はできますけど…」 

スタッフ「はあ!?なにいってんの!? 

と、に、か、く!!ゾーマさんの配信予定日は11月ですから! 

それまでにできるようになってくださいよ!」 


ゾーマ「(…ど、どうしよう…マヒャデドスってなんだ…)」 



ドラゴンクエスト ソフビモンスター 012 ゾーマ
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4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/26(木) 23:35:56.02 ID:Kx807jNZ0
本屋 


ゾーマ「ええっと…あった、あった。マヒャデドス、イオグランテ、バギムーチョ…。近頃はこれが最上級魔法なのか…。し、しかし、この年でこんな新しい魔法覚えられるかな…?」 

?「…うん、君はゾーマ君じゃないか」 

ゾーマ「えっ!あ、あなたは!!りゅ、竜王さんじゃないですか!!」 

竜王「どうしたんだ、君が本屋で立ち読みなんて珍しいな」 

ゾーマ「えっと…実はかくかくしかじかで…」 

竜王「ふむう…そうか、君も配信クエストに…」 

ゾーマ「え!じゃあまさか竜王さんも!!」 


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/26(木) 23:40:38.43 ID:Kx807jNZ0
竜王「なんじゃ、知らなかったのか、ちなみに君の昔の部下も配信される予定だ。 

えっと、なんていったけか…たしか…バラモスとかいったか」 

ゾーマ「バ…バラモスまで…い…いまどきの若者のゲームに…」 

竜王「いかんなあゾーマ君。昔のリメイク版の仕事ばっかりにでて、今の時代の流れを知らないようでは… 

しかも、見たところ体がなまってかなり実力を落ちているみたいじゃないか」 

ゾーマ「は、はあ…」 

竜王「そういえばゾーマ君。最近、駅前に最新の魔物事情を教えてくれる学校ができたんじゃが…。そこで、いろいろ学んでみてはどうかね」 

ゾーマ「え…学校、ですか」 

竜王「ああ。君の学びたい呪文もそこで教えてもらえるとおもうぞ。…まあ、通っている生徒はいまどきの魔物ばっかりじゃから、ちょっとばかし浮くかもしれんが、背に腹は変えられんじゃろう」 



ゾーマ「学校…か…しかし、この年にもなって、学校なんて…」 



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/26(木) 23:44:00.07 ID:Kx807jNZ0
結局その学校に入学することにしたゾーマ 


先生「…というわけで、今回新しく入学することになったゾーマ君です。皆さん仲良くしてくださいね」 

生徒「はーーーい」 

ゾーマ「あ、あの、ゾーマといいます…よろしくお願いします。」 

ズッキーニャ「(ぷぷぷ…なんだあのおっさん、あの年でこの学校に入学してくるなんて…) 

タイガーランス「(ああ、しかもなんだ、あのごつい格好…おっさんのくせしてラスボスきどりかよ…だせえ…)」 

ポンポコだぬき「(さしずめ、あの年まで、どのドラクエの敵キャラオーディションにも受からなかったんだぜ…そんで次回作の10のオーデションこそ受かるために勉強しにきたってとこか)」 

モーモン「(パネエwwwww)」 


ゾーマ「(参ったなあ…見たこともない若い魔物ばっかり…。なじめそうにないなぁ…)」 


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:00:59.96 ID:HvzqVQ4x0
ヘルバトラー「というわけでお前ら、今から2人組を作れ!コンビを組んだもの同士は、 

一組ずつ戦ってもらう!いいか、お互いを勇者だと思って戦うんだ!強くなるためには実践しかない!!」 

ゾーマ「(実践…そんなことより、わたしはマヒャデドスを教えてもらいたいだけなんじゃが…)」 

タイガーランス「おい、おっさん。俺と組もうぜ」 

ゾーマ「え…」 


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:04:06.62 ID:HvzqVQ4x0
タイガーランス「なんだよ、そのつれねえ返事はよぉ。どうせ組む相手がいねえんだろ? 

だったら俺と組もうぜ、おい」 

ズッキーニャ「(ふふふ…タイガーランスの奴…おっさんをいじめるつもりか…)」 

ポンポコだぬき「(おいおい…いくら実践とはいえ、授業だからな…。 

ボコボコにしちまったら停学もありうるぜ…)」 

モーモン「(パネエwwwww)」 


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:06:26.19 ID:HvzqVQ4x0
ゾーマ「(なまいきな若者じゃが…組む相手がいないのも確か…。 

ここは素直に応じとくか…)」 

ゾーマ「ああ、それじゃあ、よろしく頼むよ」 

ヘルバトラー「お、早速一組できたか。それじゃあ、まずはタイガーランスとゾーマだ。両者前に出ろ!!」 




39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:09:31.09 ID:HvzqVQ4x0
ゾーマVSタイガーランス 


タイガーランス「くくく…おっさん感謝しなよ。俺はルカニが得意なんだが、おっさんにはハンデとして、この槍だけで戦ってやるからよ!」 

ゾーマ「そうか…ありがとう(そうか…今の時代もルカニは現役なのか)」 


ヘルバトラー「では、戦闘開始!!」 

タイガーランス「ひゃっはーーーーー」 

ゾーマ「(………生意気とはいえ、のちの未来を担う若者かもしれん…)」 








ゾーマ「(殺さないように気をつけなければ…)」 



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:14:15.56 ID:HvzqVQ4x0
ドゴーーーーーン!!!! 



シーーーーーーン 


一同「…………え…」 

ヘルバトラー「……ゾ…、ゾーマの勝ち!!」 


ズッキーニャ「な…なん…だと…」 

ポンポコだぬき「タ、タイガーランスが一瞬でふっとんだ…」 


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:19:45.62 ID:HvzqVQ4x0
ヘルバトラー「タイガーランス!!大丈夫か!!や…やばい!!息をしていない!!!はやく保健室のべホマスライム先生のところへ運ぶんだ!!」 

ゾーマ「(し…しまった…。手加減したつもりが…久しぶりの実践で…)」 


ズッキーニャ「な…なにものなんだ…あのおっさん…なぎはらいを出すひまもなく… 

タイガーランスがやられるなんて…」 

モーモン「パ…パネエ…」 



73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:22:00.12 ID:HvzqVQ4x0
昼休み 


ゾーマVSタイガーランス戦は一瞬にして校内に知れ渡った… 


生徒A「タイガーランスの奴、全治1週間だってよ…」 

生徒B「折角、ドラクエ9の内定とってたのにな…」 

生徒C「ああ…しかもベテランのさまようよろい先輩と同じフィールド先って聞いたけど」 

生徒D「な…あ、あの常連のさまようよろい先輩と…!!タイガーランスってハンパないんだな」 

生徒A「ああ…だが、そのタイガーランスが一瞬でやられたんだ」 

生徒B「で、やられたっていうのは結局だれに?」 

生徒C「転校生らしいが…なんかおっさんらしい…」 

生徒A「お…おっさん…だと…?」 


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:28:35.39 ID:HvzqVQ4x0
ゾーマ「(なんてことだ…仮にもかつて大魔王だった私が、未来の担う魔物を倒してしまうなんて…。 

しかもただでさえなじめていないのに、こんな噂が広がっては、さらに居場所がなくなってしまう…!!)」 


ズッキーニャ「…まさか、タイガーランスがやられるとは…」 

ポンポコだぬき「ど…どうする、あだ討ちにみんなで一斉に仕掛けるか…!!」 

ズッキーニャ「ばかな!!奴の実力を見ただろう!!二の舞になるだけだぞ」 

モーモン「ああ…パネエ…」 

ポンポコだぬき「いや…確かに俺たちだけじゃ無理だが…。俺の知り合いのおじさん達に頼んでみようか…」 

ズッキーニャ「お前の知り合いのおじさんたちってまさか…!!!」 


101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:29:59.26 ID:HvzqVQ4x0
ポンポコだぬき「ああ…この間、たまたま雀荘で知り合った…サタンパピー、トロルキング、大魔神おじさん達だ…!!!」 

ズッキーニャ「ばかな…!あんな人に頼んだら、あだ討ちどころの話しじゃねえ…!!!おっさんを殺しかねない…!!何もそこまで…!!」 

ポンポコだぬき「だからって!!お前このままでいいのかよ!!おれは我慢ならねえ!!必ずタイガーランスのカタキを…!!」 



114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:32:41.13 ID:HvzqVQ4x0
?「おーい、お前ら、早く席につけ!もう昼休みは終わりだ、授業はじめるぞ!!」 

ズッキーニャ「は、はい」 

ポンポコだぬき「(おい、ズッキーニャ、この話はまた後で)」 

ズッキーニャ「(あ…ああ…)」 

?「…ったく…えーそれでは、さっそく授業を……ってえええ!!!な……な…あなたは…!!!!ゾーマさんじゃないですか!!!!!!」 

ゾーマ「ん…お、お前は…!!!」 


128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:37:42.92 ID:HvzqVQ4x0
ゾーマ「バラモスか…!!久しぶりだな…」 

バラモス「ゾーマさんこそお久しぶりです!!…しかしゾーマさんほどのお方が何故こんなところに…!!!」 

ゾーマ「実は…」 

バラモス「なるほど…先生も配信クエストに…」 

ゾーマ「お前こそなんでこんな所で何故先生なんかやっているんだ…?」 

バラモス「い…いやあ、リメイク版の収入や今度はじまる配信クエストの収入だけじゃ、とてもやっていけなくて…今は嫁と息子もいるんで…」 

ゾーマ「そうか…お前結婚したのか…相手は誰だ…?」 

バラモス「いやあ、昔、ゾーマさんが僕の城に配属させたエビルマージっていう…」 

ゾーマ「ああ…あの緑の…」 


146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:41:27.09 ID:HvzqVQ4x0
バラモス「いやーーしかし久しぶりですねぇ」 

ゾーマ「ああ、お前もあいかわらずトカゲ顔で威厳がないのう…」 

バラモス「や、やめてくださいよー。生徒の前でそんな…」 

ゾーマ「…で、お前今なんの授業をしてるんだ?」 

バラモス「……えっと…その…」 

ゾーマ「なんだ」 

バラモス「魔王学概論……っていうのを…」 

ゾーマ「ああ!!馬鹿門!!10年はやいわ!!ったくお前は昔から口だけは達者なんじゃから困るわい!!!」 

バラモス「か、勘弁してくださいよーーー!!この仕事がないと食っていけないですよ!!」 


162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:46:20.43 ID:HvzqVQ4x0
ズッキーニャ「…す、すげえ…あのバラモス先生がへこへこしてやがる…」 

ポンポコだぬき「たしかバラモス先生って昔BOSSを担当してたんじゃ…!!」 

ズッキーニャ「…BOSSなんてもんじゃない、魔王をまかされてたって話だぞ」 

ポンポコだぬき「お、おいそれじゃ…」 

ズッキーニャ「お前の知り合いのおじさん達なんかより格上なんだよ…バラモス先生は…!!」 

ポンポコだぬき「そのバラモス先生より…はるか…格上…だと…??」 

モーモン「パ…パネエな…」 


167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:47:51.61 ID:HvzqVQ4x0
この一件以来、クラス内でゾーマを見る目がすっかり変わった… 

もともとハンパじゃないカリスマ性と実力をもっていたゾーマはすっかりクラスの中心となった… 


171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:49:15.35 ID:HvzqVQ4x0
ある日の昼休み 


ズッキーニャ「そういえば、ゾーマさんが大魔王をしていた頃の世界ってどんな感じだったんですか?」 

ゾーマ「ああ…あれは忘れもしない…。2つの世界があってな、ワシはそのうち表の世界の司令官としてバラモスを配置し、 

わたしは地下の世界に城を造り、勇者が来るのをずっと待っておった…」 

ポンポコだぬき「地下の…世界ですか…?」 



177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:52:29.58 ID:HvzqVQ4x0
ゾーマ「ああ…決して朝の訪れることのない世界じゃった…その世界の名前は… 

まあ、言っても分からんじゃろうな…もう、遠い昔の話じゃし…」 

ズッキーニャ「(確かにそんな世界今まで聞いたことない…)」 


192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:56:03.46 ID:HvzqVQ4x0
「…ほどなくして、勇者一行がその地下の世界にやってきた。 

…バラモスの奴、わたしがせっかく船では行けない場所に奴の城をつくってやったり、 

王様に化けられるボストロールや、強力な東洋の魔物を部下にやったり、 

めちゃくちゃ長くて難しいダンジョンをつくってオーブをとりにくくしてやったりしたのに… 

あっさり勇者に敗北しおって…」 

ズッキーニャ「ははは…」 


202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 00:58:48.38 ID:HvzqVQ4x0
ゾーマ「じゃが、確かに勇者一行は強かった…。最近の若い勇者達と違って、 

複雑な特技や魔法は使ってこなかったが…とても勇敢な若者たちじゃった。」 

タイガーランス「やっぱり今も昔も勇者って強いんですね」 

ゾーマ「ああ…場内にわたしのほかにバラモスの兄弟、バラモスの親戚のガリガリの奴なんかを配置していたが… 

…とうとう勇者は私の前までたどりついた…」 


217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 01:02:58.47 ID:HvzqVQ4x0
モーモン「パネエwwwww」 

ポンポコだぬき「とうとうラストバトルというわけですね!!」 

タイガーランス「因縁の相手がついに…!!」 

ズッキーニャ「あ、でも最期の戦いの話にはいる前にひとつ質問があるんですが…」 

ゾーマ「なんだ??」 

ズッキーニャ「勇者がゾーマさんの前にとうとうやって来たとき、 

ゾーマさんは勇者に対してなんて声をかけたんですか??」 

ゾーマ「ああ…それは……」 


222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 01:04:17.59 ID:HvzqVQ4x0
あんこくまどう「よーし、昼休み終わりだぞー、席につけ」 

ゾーマ「授業のようじゃな」 

ポンポコだぬき「ちえ…いいとこだったのに」 

ズッキーニャ「じゃあゾーマさん、また後で続きを聞かせてください」 

ゾーマ「ああ…またあとで…」 



236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 01:06:34.68 ID:HvzqVQ4x0
その後、ゾーマはものの数週間でかつての実力をとりもどし、 

学内トップの成績を不動のものにした。 

目標であったマヒャデドス、3回攻撃もあっさり習得し、 

わずか1ヶ月で卒業を迎えた。 



そして2009年11月 


241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 01:07:45.75 ID:HvzqVQ4x0
スタッフ「ゾーマさんスタジオはいりましたー」 

ゾーマ「(とうとうこの日がきたか…)」 

スタッフ「あ、それでゾーマさん、相手の勇者一行が来たときに言うセリフなんですけど…」 

ゾーマ「ああ…それなら問題ない…わかっておる」 


スタッフ「はい、ではゾーマさん配信スタートです!!!」 





250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/27(金) 01:10:37.64 ID:HvzqVQ4x0
…………… 

ゾーマLv99の間 


ゾーマ「…(きたか)」 

ゾーマ「…(全力を出すなんていつ以来だろう…… 

さあ、新しい勇者のお手並み拝見といくか…!!!)」 






ゾーマ「 ……よ!なにゆえ もがき生きるのか 

     ほろびこそ わが よろこび。 

     死にゆく者こそ 美しい。 


 さ あ  わ が う で の 中 で 息 絶 え る が よ い 





   




おしまい