2: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:46:59 ID:3kG
P「え、泳ぎを教えてくれって?」

加蓮「うん。Pさん、泳げるって聞いて」

P「ま、そりゃ泳げはするけど…人に教える程上手いわけじゃ」

加蓮「それでもいいの!お願いっ!」パンッ

P「…そもそも何で泳げるようになりたいんだ?」

加蓮「ほら、今度水着でグラビア撮るじゃん」

P「あぁ、もうそろそろだったか、そういや」

加蓮「だからその…折角だし、ちょっと泳いでみたいの」

引用元: 加蓮「夏だし泳ぎたい!」 


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3: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:47:23 ID:3kG
P「泳げばいいじゃないか」

加蓮「…泳げないの」

P「へ?」

加蓮「水に浮けないの!だから…恥ずかしくて…」

P「カナヅチって事か…意外だな」

加蓮「そもそも、まともに泳いだことないから」

加蓮「プールどころか、水泳の授業はいつも見学だったし」

P「ふむ…ってことはつまり、水に慣れてないわけだ」

加蓮「Pさんだから言ったんだからね?普通、恥ずかしいから言えないし…知られたくないし」

4: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:47:50 ID:3kG
P「うーむ…とりあえず、基礎の基礎からでいいなら教えない事もないが」

加蓮「本当?」

P「あくまで基礎だから、泳げるようになるとかじゃないぞ」

P「水が平気になる、程度だな」

加蓮「それで充分だよっ、お願いPさん!」

P「…しかしなあ、問題は場所なんだよな」

P「仮にもプロデューサーとアイドルだし…」

ちひろ「話は聞かせてもらいました!」バァン

P「うおっ!?」

加蓮「ち、ちひろさん!」

ちひろ「いやあ、水くさいじゃないですか~、こういう話こそ私を頼ってくださいよ♪」

P「お金ならないですよ…?」

加蓮「お母さんがくれたお小遣い…あとどれくらいかな…」

ちひろ「いきなり失礼すぎません?」

5: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:48:18 ID:3kG
ちひろ「海の事故は怖いですし、万が一があっても対処できるようにしたいんですよ」

ちひろ「確かPさん、昔水泳やってましたよね?大会にも出てたはずですし」

加蓮「えっ!?」

P「ちょ、ちひろさん…今、関係ないでしょそれ」

ちひろ「確か遠泳で5キロくらいなら泳げるはずでは?謙遜することないじゃないですか」

P「盛りすぎですよ!その半分くらいです!」

加蓮「すごーい!Pさんそんなに泳げるんだ!」キラキラ…

P「ああもうほらぁ…可愛いじゃないですか困りますよ可愛いなあ」ナデナデ

加蓮「えへへ♪」

ちひろ「何に困ってるんですか一体…とりあえずです」

ちひろ「要は、人に見られず泳ぎを教わりたいと、そういう訳なんですよね?」

P「まあ、はい…見られなければ、な?」

加蓮「そうそう」

6: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:48:40 ID:3kG
ちひろ「じゃあうちのプロダクションのプール、使えば良いじゃないですか」

P「あ」

加蓮「貸してくれるの?」

ちひろ「流石に今回は必要かと思いましたので」

P「まあ、それならありがたいな」

加蓮「うん、助かるよね。ありがと、ちひろさん」

ちひろ「た、だ、し!」ズイッ

P「な、なんすか?」

ちひろ「くれぐれも水着の加蓮ちゃんにやらしいことしないでくださいね?」

P「なっ!?」

加蓮「Pさんなら…別に私は…///」

P「加蓮さん?おい?」

7: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:49:23 ID:3kG
ちひろ「まあ、Pさんに限って無いとは思いますけど」

ちひろ「いいですか?ラキスケもToLOVEるも禁止ですからね?」

ちひろ「うっかり転んで顔を突っ込んだり、うっかり胸に触ったりしようものなら」

ちひろ「 搾 り 取 り ま す よ 」

P「気を付けます、はい…」ダラダラダラ

加蓮「あ、これシャレにならないやつだ…」

ちひろ「とりあえず水に慣れるくらいでしたら、ちゃんとしたプールより浴槽くらいがちょうどいいとは思うんですけどね」

P「俺もそう思いますけど、でもプールの方が色々と出来ることもありますから」

ちひろ「無理はさせないでくださいね?」

P「誰に言ってるんです、曲がりなりにも加蓮のPですよ、俺」

加蓮「Pさん…」

8: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:49:56 ID:3kG
P「それに、加蓮の場合無理する前に限界が」

加蓮「ふんっ!」フミッ

P「あだだだだ!?足、踏んでる踏んでる!」

加蓮「Pさんこそ見くびりすぎ!私、これでも体力付いてきてるんだからね?」

加蓮「誰かさんのおかげで」

P「誰かさんの足踏んでるから…痛いからちょっとどいて…」

加蓮「で、いつからやる?」

ちひろ「色々と準備もありますからね、2日後くらいからなら…」

P「2日後は俺が予定あるし、翌日は加蓮も別件で撮影だろ」

加蓮「早くて4日後かぁ…」

P「さいわい、その日なら一日オフだしな。俺は仕事だけど…ちひろさん?」

ちひろ「多少の融通なら。あ、有給貯まってますよ?」

P「ならそれでどうにか。どうせ自分からは使う暇ないしなぁ」

ちひろ「承りました♪」

加蓮「4日後…わくわくしてきちゃった♪」

P「はぁ…とりあえず、期待はするなよな?」

9: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:50:50 ID:3kG
翌日・早朝

『ですので人工呼吸と言うのは軽はずみに行うものではないのですね、吐瀉物など、逆流してくる場合もありますので、その際は気道を…』

『次に心臓マッサージですが、これも肋骨が折れてしまう場合があります。逆に申しますと、それ程の力が必要になるわけで、生半可な力では効果が…』

『さて、最後にもう一度、AEDの使い方からおさらいしておきましょう…』

P「だいぶ忘れてるもんだな…こういう機会でもないと、まず見ないしなあ、これ」

P「ライフセーバー講習会のビデオ…まあ、そもそも泳ぎにいく時間もないしな、最近は」ピッ

10: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:51:18 ID:3kG
P「…人工呼吸と心臓マッサージね」

P「キスして揉んで生き返るなら世話ないんだがなあ」

P「まず、必要になるとも思わないけど…とりあえず、久々だからな…俺だって他人事じゃないし」

P「プロのアスリートだろうが、溺れるときは溺れるしな…体作りはしておくべきか、最低限」

P「せめて今日からでも走り込みくらいしておくか…付け焼き刃でも、やらないよりましだろ」

P「トレーニングパンツは…っと」ガサゴソ

11: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:52:46 ID:3kG
~公園~

凛「でも、まさか朝に偶然ばったりなんてね」

聖來「会いそうで会わないよね、アタシ達」クスッ

凛「散歩のコースとか、わりと似てるのにね」

ハナコ「ワンッ」わんこ「バウッ」

聖來「ねー♪ わんこもまた一緒にお散歩したいって」

凛「今度は優さんも誘ってみよっか?あ、朝早いと迷惑かな」

聖來「んー、どうだろ?アッキーだけ押し付けられたりして…」

~イメージ図~

優『朝早いよアッキーだけ持ってって…』

アッキー『!?』

~~~

聖來「いやぁ……まさか、ねぇ…?」

12: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:53:11 ID:3kG
凛「…あれ?あそこ走ってるの、プロデューサーじゃない?」

聖來「あ、本当…って、あれは…」

P「だから俺は怪しいもんじゃないんですってば~!?」

警官「嘘つけ!早朝から女の子を追いかけ回すとはふしだらな!待ちなさい!」

悠貴「お、おまわりさん、その人は違うんです~っ!」

凛「…また追われてる…」

聖來「あはははは!朝から何してるのPさんったら!」

凛「止めなくて大丈夫かな」

13: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:53:33 ID:3kG
聖來「多分、あれ悠貴ちゃん一人でどうにかなるでしょ?…でもま、証人は多い方がいっか」

聖來「いくよ、わんこっ」

わんこ「バウッ!」

P「だから信じてくださいって~!」

悠貴「本当に大丈夫ですってば!この人は事務所のプロデューサーさんなんですっ!」

警官「しかしなあ…」

P「はぁ…慣れない事はするもんじゃないなあ…とほほ…」

14: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:54:50 ID:3kG
2日目。

P「……ってわけで、昨日は大変な目に逢いましたよ…」

ちひろ「気を付けてくださいね、ただでさえ最近は色々と物騒なんですから」

ちひろ「変な風評とか、ゴシップとかは勘弁ですよ?」

P「気を付けます…で、今日はブーブーエスでしたよね」

ちひろ「李衣菜ちゃんと泰葉ちゃんと…あ、途中で志保ちゃんと未央ちゃんも拾ってくれますか?」

P「了解です。美羽と卯月の方は、確か若葉に任せて良かったですよね?」

ちひろ「張り切ってましたよ、若葉ちゃん」フフッ

P「美世に任そうとしたら私もできます!運転!できます!って跳ねるんですもん」

ちひろ「流石の美世ちゃんも笑って譲りますね」

15: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:55:32 ID:3kG
P「美世には千鶴とほたるを見ててもらおうかな…後は今日はもう事務所には………あ」

ちひろ「?」

P「おーい、もりくぼー、行ってくるからな」

乃々「ひうっ!?も、もりくぼは今日は留守ですけど……」

P「声がするぞ森久保ォ!ルームになら三人はいると思うから、寂しかったらそっち行ってなさい」

乃々「は、はいぃ…でも、できたらそっとしておいてもらえると…」

裕美「プロデューサーさん、乃々ちゃんこっちに…あ、いた」

P「裕美?あれ、お前今日は…」

裕美「前のユニットの皆がいるって聞いて、来ちゃった」

16: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:55:59 ID:3kG
P「ちょうどいいや、森久保任せていいか?」

裕美「ん、行こう、乃々ちゃん」

乃々「あぅ…なるべくおとなしくしています…」

P「じゃ行ってきます」

ちひろ「お気を付けてー」

裕美「いってらっしゃい」

乃々「ぶじをいのってます…」

P「うーす」

17: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:56:25 ID:3kG
3日目。

加蓮「ってわけで北条加蓮のピュアリィハート、お相手は北条加蓮と」

奏「ゲストの速水奏でした。皆、また会いましょう?」

加蓮「番組ではリスナーからのおたよりとか、あと凛がもうすぐ誕生日なんでお祝いメールとかあると嬉しいかも」

加蓮「そんな感じで、また来週もよろしくっ。バイバイ。」

アシタヲオモイナガラ ユビサキマデキレイニー

18: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:56:54 ID:3kG
加蓮「ふう、お疲れ様。」

奏「お疲れ様。モノクロームリリィとしては、久しぶりの活動だったわね」

加蓮「ねー。うちユニット多いから。奏、このあと暇?」

奏「ちょうど退屈しているところだけど。お誘いかな?」

加蓮「うん、お腹すいたし、どっか寄っていこうよ」

奏「いいわね、バーガーショップ?」

加蓮「んー、今日はやめとく、普通に美味しいとこ知らない?」

奏「そうね、だったら駅前の…」

加蓮(明日はPさんと…だし。きちんと食べとかなきゃ)

奏「加蓮」

加蓮「ん?」

19: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:57:23 ID:3kG
奏「面白い予定がありそうね?顔に書いてあるわ」フフッ

加蓮「聞きたい?」

奏「胸焼けしない程度にお願いね。駅前の中華、わりと濃いんだもの」

加蓮「りょーかい♪ あのね、明日ね…」

加蓮(たのしみっ)

20: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:57:39 ID:3kG
そして、その日がやってきた。

事務所の地下プール…

21: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:58:09 ID:3kG
P「はい、きっちり曲げ伸ばしして。いっちに、さんしーいっちに、さんしー」

加蓮「う…いたたた、Pさん痛いから、押しすぎっ」

P「そうか?柔軟ちゃんとやらないと足つるからな」

加蓮「はーい…っていうかPさん」

P「ん?」

加蓮「…競泳水着じゃなくてもいいよね、別に」

P「まあ、気分の問題だな。俺はこれしか持ってないしな」

加蓮「…私まで競泳水着なのは…」

P「ユニフォームみたいなもんだよ。恥ずかしいのか?」

22: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:58:33 ID:3kG
加蓮「だって、ぴっちぴちじゃん、これ」

加蓮「Pさんだって…それ…かたちが…」

P「…あのなぁ、今さら裸にびびる仲でもないだろ」

加蓮「それとこれは違くない!?ってか自覚あるなら変態だよPさんの●●●!」

P「ばか野郎、男なんて皆●●●で変態だよ」

加蓮「もういいや…早く始めよ」

加蓮(Pさんの見てたら、そっちの気分になっちゃうし…うん)

P「真っ赤だぞ」

加蓮「うっさい!」ボスッ

P「ビート板!?」ベシッ

23: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:58:52 ID:3kG
P「よし、もぐったら鼻から空気を…そうそう、うまいうまい」

加蓮(流石にこれくらいなら家のお風呂でも…)

加蓮「むぐっ!」

P「ん?」

加蓮「ぷはっ、は、鼻に水入ったぁ!」

P「あー、痛いよなぁ」

加蓮「ちょっとタンマ、ツーンて、ツーンてする…うう…」グス

P「よし、少し休憩、焦りは禁物だよ」

加蓮「いたい…」

24: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:59:28 ID:3kG
P「よしよし、そうそう、バタバターってな」

加蓮「座って足だけばたばたして、本当に泳げるようになる?」

P「基本だからな、覚えないとまず始まらん」

P「ほら足曲がってるぞ、もっとぴーんっとして」

加蓮「…思ったのと何か違うなぁ…」ムー

P「べたべたしに来たわけじゃないだろ、ほら、ばたばたしなさい」

加蓮「はーい」

25: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)22:59:50 ID:3kG
P「ほら、ビート板持って」

加蓮「やっぱり怖いよ…」

P「大丈夫だって、ビート板あるからまず沈まないし」

加蓮「離したら浮けないよ!沈むよ!」

P「そしたら引き上げるから、ほらやるぞ」

加蓮「絶対だよ?離したら怒るからね?」

26: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)23:00:04 ID:3kG
P「おお、進んでる進んでる」

加蓮「ほ、ほんと?私、ちゃんと進めてる?」

P「ああ…そりゃもう、全速力で」

P「後ろに…」

加蓮「何で前にいかないの~っ!!」

27: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)23:00:56 ID:3kG
P「足をな、もっと伸ばして、お尻はこう」

加蓮「ひゃっ、Pさん!///」

P「照れてる場合か、ほれ」パンッ

加蓮「いたい!Pさん…お尻触りたいだけでしょ…?」

P「そんなわけあるか、俺は真剣に…」

加蓮「競泳水着だからわかりやすいんだけど。●●●さんお元気みたいですね」

P「……生理現象だよ」

加蓮「やーいセクハラ」

P「お、お前だってちらちら見てただろ!」

加蓮「仕方ないでしょ気になるんだもん!」

P「夜…せめて夜までは真面目にやろう」

加蓮「そうだね、夜までは…うん、そうしよう」

加蓮「……夜になったら普通に寝てるけどね、私」

P「…疲れるしな、水泳」

28: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)23:01:40 ID:3kG
そんなこんなで撮影当日のビーチ。


P「うん、いい感じじゃないか。楽しそうに撮れてる」

加蓮「でもせっかくだし泳いでるとこも撮りたいよね~」

P「危ないぞ?波だってあるし…」

加蓮「何かあってもPさんがいるし、大丈夫大丈夫♪」

P「フラグにしか聞こえないんだけど…」

加蓮「じゃあいっきまー…」ザバン

加蓮「きゃあああ~っ!?」

P「かれええええんっ!?」

29: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)23:02:09 ID:3kG
~砂浜~

加蓮「…………………」

P「おい、嘘だろ、目を開けろよ…」

加蓮「…………………」

P「く…こうなりゃ、人工呼吸しか…」

加蓮「///////」

P「いいな、今から人工呼吸して心臓マッサージするからな?ちゃんと目をさますんだぞ」

加蓮「……………」ドキドキドキドキ

P「いくぞ………んっ」

加蓮「んっ…………」

モミモミ…チュパチュパ…モミモミ…

30: ◆6RLd267PvQ 19/07/21(日)23:02:26 ID:3kG
加蓮「Pさん…」パチッ

P「目を…開けたか、加蓮…」

加蓮「うん、ありがとPさん…けど、体がうまく動かないんだ」

加蓮「もっとちゅー…人工呼吸しなくちゃね?」

P「そうだな…心臓マッサージもな…」

加蓮「…えへへ」

P「ふっ…」

ちひろ「もしもーし…撮影再開しますよー、おーい」

このあとめちゃくちゃ怒られた。

おわれ。