朋「それに、オカンじゃなくてオカーンっていう、イージス駆逐艦だよ」

海「アユマリンではオケイン表記だったアレか……ごまかしたにしては雑だな」

朋「えへへー」



ﾜﾗﾋﾞｰﾓｰﾁｰ



雪菜「……幻聴ですかぁ？わらび餅屋さんの声がぁ」

海「いや、ウチも聞こえた……」

朋「ここ……6階よね？」



？「わーらーびーもーちー！」



？「ほっかほかだよー」





三人『……』



『ほっかほか？』

朋「普通、わらび餅って冷たいよね？」

海「あったかいわらび餅なんて想像できないなぁ？」



ｸﾀﾞｻｰｲ

？「はーい！」



雪菜「誰か買うみたいですねぇ」

海「ちょっと覗いてみるか」

ｷｨｨｨｨ

朋「えっと……」



薫「どれだけいりまー？」

舞「えっと、桃華ちゃんにネネさんに若葉さんに菜々さんに、藍子さんに唯さんに夕美さんに志保さんに愛梨さんに……」

みりあ「いっぱいいるね！じゃあ、全部持ってっちゃって！」

舞「わわわ……いいの？」

薫「いいよー！」



海「ずいぶんアバウトだな……」

雪菜「それにしても皆さん何をしてるんでしょうかぁ？」



みりあ「ワイ談してるんだっけ？」

舞「はい、皆さんで初体験の出来事を」





朋「ちょっとまった10歳と11歳」

ﾊﾞﾀﾝ

みりあ「あー！朋ちゃんだー！」

舞「もしかして、わらび餅が欲しくて……？」

薫「大丈夫でー！下で、周子ちゃんと千枝ちゃんが作ってまー！」



朋「そうじゃなくて……え？わらび餅を？」



海「つまり、出来立てのほっかほかということか」

雪菜「なるほどぉ」

――調理室

千枝「じゃあ、残りは片栗粉とコーンスターチで作りましょうか」

周子「あ、片栗粉とコーンスターチで作るのは、少し後味が粉特有の……何て言うか……そういうのがあるから、黒みつをかけて食べるのがいいんだよ」

千枝「そうなんですか。千枝、知りませんでした」

周子「これでも和菓子屋の娘だもんね」

ｶﾞﾁｬ

みりあ「ただいまーっ！」

薫「配ってきまー！」

千枝「あ、ありがとうございます」

周子「二人ともお疲れ様」ﾅﾃﾞﾅﾃ

薫「えへへー」

みりあ「えへー……あ、そうだ。朋ちゃんが作り方を見たいって」

千枝「え？朋さんが……ですか？」

周子「怪しいなぁ……味見と称してお腹いっぱいになるまで食べるんでしょ」

ｶﾁｬ

朋「そ、それはないよっ！ないからねっ！」ｱﾀﾌﾀ



周子「図星だった……」

千枝「ですね……」

――朋にわらび餅の作り方を説明

朋「そ、そうだったんだぁ……知らなかった……」ｶﾁｬｶﾁｬ

「粉と同量の砂糖を二倍ぐらいの水で溶かしてよく混ぜて」

周子「うん、今のはサツマイモのでんぷんだもんで、タピオカの親戚って言ってもいいもんね」ｸﾞｰﾙｸﾞｰﾙ

「中火でとろとろになるまで掻き回して、どろどろになったら弱火でさらに二、三分混ぜる」

千枝「本物のわらび粉は100gでU149の限定版が買えるぐらい高いですし……」ｸﾂｸﾂｸﾂ

「出来上がったらタッパーか何かに移しますね」

「あ、でも葛粉は割と安いんですよ」ﾄﾛｰﾘｨｰ

周子「安いといっても、ニセモノと比べると数倍はするけどねー」ｶﾀｶﾀｶﾀ





「てなわけで、あとは冷やして切るか、もう少し冷まして団子より小さいぐらいにまとめれば出来上がりだよ」ﾊﾞｯﾊﾞｯ

朋「私でもできるぐらい簡単なんだね」

薫「黒砂糖で黒みつもできまー！」

みりあ「これも冷ますんだよね」

周子「うんうん。これで夏休みの自由研究は大丈夫だよね」

二人『はーい！』





朋「なるほど、そういう側面もあると」

千枝「千枝の自由研究はそっちの方ではなくて」

ｺﾞﾘｺﾞﾘ

千枝「さつまいもから甘藷粉を作ってます」

「あとは、これを天日保しにします」

周子「おんなじように、じゃがいもから片栗粉を作ることもできるよーん」

朋「知らなかった……こんな風に作るんだ」



周子「朋ちゃんもやってみない？」ｷﾗｰﾝ

朋「あ、嫌な予感がする……ので遠慮しておくわ」



周子「ナンニモタクランデナイヨーン」ｼﾄﾞﾛﾓﾄﾞﾛ

朋「口調」

…………
……

朋「というわけと……」

海「なるほど、黒みつがかかってるからそれほど気にならないけど」

雪菜「たしかに、単体だと何かヘンな感じがしますねぇ」

朋「でも、冷たいおやつを手作りも悪くないね」

海「ちなみにな」





「芋から作るからそれなりにカロリーは高いからな」

朋「ゑ゛」



――この後、朋は自主レッスンに行きました



めでたしめでたし