天音「でも正気なら正気でヤバいじゃない」


天音「むしろ、より厄介よ」


真乃「だからおかしくなった訳じゃなくてね！？」


真乃「天音は…この世界について何かおかしいって思った事無いの？」


天音「そりゃおかしい事だらけよ」


天音「五次元とかオブリとか…」


真乃「そういうのじゃなくてさ、現実だとしたらおかしな事があるでしょ？」


天音「例えば？」


真乃「ガチャとか」


天音「ガチャはガチャよ、それがどうかした？」


真乃「ガチャって名前の時点でおかしいって思おうよ！」

真乃「ガチャだよ！？武器を得る為にガチャってゲームの世界でしかあり得ないシステムでしょ！？」


真乃「主にソシャゲ！」


天音「そうは言ってもよ真乃」


天音「現実世界の軍隊が使ってる武器だって実際に完成するまではどんな性能になるか分からないじゃない」


天音「ある種のガチャよ」


真乃「その理屈はおかしい」


天音「じゃあ何よ、あいつ(隊長)が課金したおかげであたし達はメモカを手に入れられてるって言うの？」


真乃「それ以外ないよね！？」


天音「でも、もしそうだったら時空管理局とかモシュネなんかはサボってる無能の集まりになるじゃない」


真乃「うん、そこは先生があんなポンコツな時点で察しようよ天音」

真乃「あと天音、今の親愛度いくつ？」


天音「47」


真乃「え、そんなに低いの？」


天音「うるさいわね」


真乃「ごめんね…って、そうじゃなくて！」


真乃「親愛度が目に見えるっておかしいよね！？」


天音「そうは言ってもステータス画面に出ちゃってるじゃない」


真乃「ステータス画面とか自分で言ってておかしいって思わないの！？」


天音「え、別に…」


真乃「しっかりして！？」

真乃「あと昨日、私の誕生日だったけど」


天音「そうね、おめでとう」


真乃「ありがとう」


真乃「いや、それはそうとね」


真乃「誕生日プレゼントに同じ物ばかりいっぱい貰うっておかしいよね！？」


真乃「メロンパン百個って業者じゃないんだからさ！」


天音「でもあんたよく食べるじゃない、だからよ」


真乃「食べられれば何でもいい訳じゃないし限度ってものがあるよ！」


真乃「しかもキーホルダーもネイルシールもいっぱい貰っても困るし！」


真乃「こんなにどうしろと！？」


天音「全部使いなさいよ」


真乃「物理的に無理だよ！」

真乃「あと普段から拾ったアイテムは誕生日のお返し用にストックしてるでしょ？」


天音「まぁじゃないとお返しできないし」


真乃「そもそも誕生日のお返しって概念がおかしいよね！？」


天音「いや、貰ったらお返しするのは常識でしょ？」


真乃「常識では誕生日プレゼントにお返しは無いよ！？」


天音「でもそういうシステムだし」


真乃「システム！？」


天音「それにあたし達がアイテムを持ってたって仕方ないじゃない」


真乃「なら普通に渡せばいいよね？」


天音「何であいつにタダで物を渡さないといけないのよ」


真乃「急にシビア」

真乃「とにかく、この世界は明らかに何かがおかしいよ」


天音「じゃあ何？これまであたし達が過ごしてきた時間も記憶も全てそのゲームのシナリオか設定だとでも言うの？」


真乃「そ、それは…」


天音「いくら真乃でもそんな事を言うなら、あたしも怒るわよ」


真乃「天音…」


天音「EP3であたし達がどんな辛い思いをしたかあんたも分かってるでしょ！？」


真乃「EP3って言い方おかしいと思わないの！？」


天音「どこがよ！」


真乃「エピソードっていう表現もそうだし3ってナンバリングもだよ！」

天音「あーもう、これじゃいくら話してもラチが開かないわね」


真乃「それこっちのセリフだと思う」


天音「そんなに気になるならあいつ(隊長)に聞けばいいじゃない」


天音「あいつは別の世界からあたし達の世界を見てるんだから何か知ってるでしょ」


真乃「確かに」


真乃「…あれ？そういえば今日は隊長の姿をまだ見てないような…」


天音「そういえば今日はスマホを機種変してくるから遅くなるって言ってたわね」


真乃「機種変！？」


天音「だってあいつはスマホからこっちにアクセスしてるじゃない」


天音「スマホが対応しなくなったり調子悪かったら機種変ぐらいするでしょ」


真乃「え、待って？エテルノって普通のスマホからアクセス出来るの？」


天音「じゃなきゃいざって時に心配じゃない」


真乃「私はエテルノのセキュリティの方が心配だよ」

天音「それにしても遅いわね」


天音「夏休み中だしDOCOMOショップが混んでるのかしら」


真乃「隊長DOCOMOユーザーなんだ」


天音「エクスペリアよ」


真乃「もうどこまでがメタ発言なんだか何なんだか分からなくなってきたよ」


天音「ま、そのうち来るでしょ」


天音「バナナボートでも乗って気長に待ちましょう」


真乃「スリリングすぎて気長に待てない」


真乃(しかしこの日、隊長が姿を見せる事はありませんでした)

真乃(翌日)


真乃(まだ隊長はエテルノに姿を見せていませんでした)


真乃(私達と出会ってから今日までの５年以上、１日も欠かさず姿を見せていたのに不思議です)


真乃(まさか隊長の身に何か…？)


真乃(…いえ、考えすぎですね)


真乃(きっと隊長は隊長の世界で手が離せない用事があるのでしょう)


真乃(そう、きっとそうです)

真乃(隊長が消息を経ってから今日で３日目)


真乃(さすがに何かがおかしいと皆も思い始めました)


真乃(先生やモシュネさん達は既に隊長の行方を捜索していたようですが、何の手がかりを掴めていないそうです)


真乃(それを聞いた椿芽さんが隊長を探しに行こうとするのをトルテの皆さんが力ずくで止めていました)


真乃(椿芽さんは特に隊長さんと親交が深かったので取り乱すのも仕方ないでしょう)


真乃(勿論、私も隊長の事が心配で心配で仕方ありません)


真乃(とは言え、どの世界に居るのかすら分からない者を探すのは砂漠で特定の砂粒を見つけるようなものです)


真乃(未だにセレーネさんが見つからない時点で見つけるのは不可能でしょう)


真乃(私達に出来るのはただ待つだけ…)


真乃(隊長…また会えますよね…？)

隊長(引き継ぎコード忘れた…)


END