1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:01:52 gzEMcw9Y
エレン「どうしたんだミカサ、アイロンなんか持って」

ピタ

エレン「なんでアイロンを当てるんだよ」

ミカサ「あたたかい」ピト

エレン「何してるんだ?」

ミカサ「可愛かったので、さっき見つけた虫の真似をした」

エレン「虫?何の虫だよ」 


2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:02:34 gzEMcw9Y
ミカサ「今も地面にいる」

エレン「何だコイツ?イガグリみたいな殻に目と口がついて、手足が生えてるぞ」

ミカサ「手にアイロンも持ってる。とても可愛い」

ジュ

???「あたたかい」

エレン「地面にアイロン押し当てて、温かさを確認してるのか?」

???「」ワクワク

ジュ 


3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:03:08 gzEMcw9Y
エレン「あっつっ!」

???「あたたかい」

エレン「駆逐してやる!」

ミカサ「エレンやめて、可哀想」

エレン「火傷した俺は可哀想じゃないのかよ!?」

ミカサ「今日は、見慣れない虫が多い」トオイメ

エレン「無視しやがった」

ミカサ「そういえば、女の子を見た」 


4 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:03:46 gzEMcw9Y
エレン「女の子の虫か?」フン

ミカサ「この子」

???「こんにちは!」

エレン「何で連れてきてるんだよ!」

ミカサ「この子は、迷子。家族の所に帰さないと」

エレン「……わかったよ」

ミカサ「貴方、お名前は?」

???「コロナです!」 


5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:04:23 gzEMcw9Y
ミカサ「コロナちゃん、どこから来たの?」

コロナ「うーん、みんなと隠れん坊してたら、お父さんが来て
    良いところに隠してくれるって。気がついたらここに居たの」

エレン「じゃあ、父親が近くに居るんじゃないのか?」

ミカサ「周りには、誰の気配も無かった」

エレン「コロナって言ったっけ。お父さんの名前は?」

コロナ「お父さんは、お父さんだよ?」

エレン「いや、そうじゃなくて。名前があるだろう?」 


6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:04:55 gzEMcw9Y
コロン「わかんない……」

ミカサ「エレン、こんなに小さい子をいじめてはダメ」

エレン「わかったよ。でも、変な虫もいるし、迷子はいるし。大盛況だな」

???「」ワクワク

エレン「……」

???「」ワクワク

エレン「させねえぞ」

パコーン 


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:05:36 gzEMcw9Y
ミカサ「蹴飛ばすなんて、酷い」

エレン「そうでもしないと、火傷するだろうが!」

ミカサ「あんなに可愛いのに」

コロナ「サンドウォームのこと?」

エレン「この虫のこと知ってるのか?」

コロナ「うん、サンドウォーム」

ミカサ「あなたの住んでいるところには、この虫は沢山いたの?」

コロナ「そうだよ」 


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:06:13 gzEMcw9Y
エレン「……ミカサ、俺はすげぇ面倒くさい予感がするぞ」

ミカサ「例え、どんな事情でも、この子の家族の所に帰す」

ダダダダ

サシャ「あ、エレンとミカサ!」

エレン「どうしたんだよ、そんなに慌てて」

サシャ「変な生き物を見ませんでしたか?」

エレン「これか?」 


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:06:51 gzEMcw9Y
サンドウォーム「あたたかい」

サシャ「もっと変な生き物です! 脳みそから手足が生えてるような!」

エレン「化け物じゃねえか」

サシャ「捕まえようとしたんですけど、凄い勢いで逃げていって」

コロナ「たーくんだ!」

ミカサ「知り合い?」

コロナ「うん、ペットのリスのたーくん!」

サシャ「リス?」

エレン「脳みそに手足が?」

ミカサ「サンドウォームのこともある。きっと、同じ名前の別の生き物」 


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:07:35 gzEMcw9Y
エレン「確かに、そうだな。何でサシャはその生き物を捕まえようとしたんだ?」

サシャ「グロテスクな生き物は味が良いと相場が決まってるんですよ」ジュルル

エレン「食う気だったのかよ」

コロナ「たーくん食べたらダメだよ!」

サシャ「食べませんよー。可愛いですね、どこから来たんですか?」

ミカサ「迷子みたいだから、今探しているところ」

エレン「この子、絶対普通のところから来て無いぞ」

コロナ「ここはどこなの?」 


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:08:09 gzEMcw9Y
エレン「ウォールローゼ南区、って言っても分からないか」

コロナ「?」

ミカサ「多分、コロナちゃんが暮らしていたところとは、離れていると思う」

サシャ「でも、来られたんなら、戻れますよね?」

コロナ「お父さん、迎えに来てくれないかなぁ」

???「あ、いたぁぁああ!!」

エレン「また誰か来たぞ」

コロナ「ベルカさんだ!」 


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:08:44 gzEMcw9Y
サシャ「お知り合いですか?」

コロナ「警察のお姉さん!」

エレン「ケイサツ?」

ベルカ「やっと見つけたぞ、コロナちゃん」

エレン「……耳が長い」

ミカサ「……可愛い」

サシャ「私たちとは、ちょっと違うみたいですね」 


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:09:33 gzEMcw9Y
ベルカ「この子を保護してくれたのは、あんた達かい? 助かったよ」

ミカサ「家族のところに帰るのは、当然のこと」

エレン「ついでに、この変な虫も連れて帰ってくれないか」

ベルカ「いやぁ、これは旦那がやったことだからなぁ」

エレン「この子の、父親か?」

ベルカ「まぁ、そうだ」

エレン「何で、この子を一人で放り出したんだ。危険だろうが!」

ベルカ「私に言われてもねぇ」 


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:10:10 gzEMcw9Y
コロナ「あの、喧嘩しないで」

エレン「一人で放り出された子供が、どれだけ心細いか分かってんのか!?」

ベルカ「無事に見つかったんだから、いいじゃないか」

コロナ「ケンカ……しないで……」ジワァ



???「娘が、泣いている」 


15 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:12:04 gzEMcw9Y

カッ


陸戦型お父さん


エレン「」
ミカサ「」
サシャ「」 


16 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:13:01 gzEMcw9Y
ベルカ 「旦那!どこにいたんだよ!」

お父さん「あうあう」

ベルカ 「え? 錯乱して別時空に手当たり次第に転送してた?」

お父さん「……コロナ」

コロナ 「お父さん!!」

エレン 「あ、あれが?」

ミカサ 「お父さん」

サシャ 「て、鉄の巨人では、なさそうですね」ハハハ 


17 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:13:42 gzEMcw9Y
ベルカ 「私たちは帰るよ。サンドォームは、そのうち勝手にどこか行くから」

エレン 「いい加減だな、おい」

ミカサ 「暫く可愛いがれる」

サシャ 「食べたら美味しいですかね?」 


18 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:14:19 gzEMcw9Y
お父さん「帰ろう、我が家へ」

シュウウウウウ

サシャ 「居なくなっちゃいましたね」

エレン 「結局、何だったんだ?」

ミカサ 「不思議な人たちだった」 


19 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:14:58 gzEMcw9Y
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ベルカ 「なーんか、忘れてる気がするんだよなぁ?」

お父さん「げしょ」

コロナ 「お父さん、台風を転送したままにしちゃったんだって」

ベルカ 「そりゃあ、まずいんじゃないか?」

コロナ 「人の居ない、壁の外だから、大丈夫だって」

ベルカ 「それならいいか。いやぁ、一安心だ」アハハハ 


20 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/22(月) 21:15:51 gzEMcw9Y
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壁の外

たーくん「コロナちゃーん、どこですかー!」

巨人「」

たーくん「あ、そこの大きいあなた。コロナちゃん見てませんか?」

巨人「」

たーくん「無口ですねぇ……ん? 何だか威圧感が」

台風 ゴゴゴゴゴゴ
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(おわり)