2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 20:32:32 0zZPRoZA

―夕食後・食堂―


エレン「ちょっと不謹慎だけどさ、例えば、訓練所で殺人事件が起きたとする」

エレン「成績上位10名のうち1人が殺されて、1人が犯人なわけ」

ミカサ「そしたらきっと、アルミンは探偵役。その頭脳であっという間に事件解決」

アルミン「僕にできるかな?」

エレン「何言ってんだよ。アルミン以外に誰が探偵やるんだよ」

ミカサ「とてもお似合い」

アルミン「そ、そうかな///」テレテレ



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3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 20:38:34 0zZPRoZA

コニー「俺はバカだから向いてねぇな」

サシャ「私にも無理です」

マルコ「アルミンが解けない謎は誰にも解けないよ」

クリスタ「むしろ、アルミンがいてくれるから何が起きても安心できるね」

ジャン「アルミンのいるところで悪いことはできねぇな」

ライナー「あ、あぁ、そうだな・・・」

ベルトルト「・・・うん」

アニ「・・・・・」

アルミン「みんな、それはさすがに言い過ぎだよ///」テレテレ



5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 20:44:56 0zZPRoZA

クリスタ「ちなみに、誰が死んじゃうの?」

エレン「んー、ジャンでいいんじゃね?」

ジャン「あぁ?ふざけんなよてめぇ!」

エレン「離せよ、服が破けちゃうだろうが!」

ミカサ「エレン、喧嘩はダメ」

アルミン「2人とも・・・」オロオロ

アニ「喧嘩なら余所でやってよ」

ライナー「オイお前ら、また教官が来るぞ」


6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 20:52:02 0zZPRoZA

ジャン「チッ・・・なんで俺が死体役なんだよ」

エレン「ジャン以外に考えられるかよ」

ジャン「どういう意味だてめぇ・・・」

ミカサ「とてもお似合い」

ジャン「・・・そ、そうか?///」

ミカサ「ジャン以外に考えられない」

ジャン「ミカサがそこまで言うなら死体役も悪くねぇな///」

マルコ(ジャン・・・)

エレン「お似合いだぜ」ニヤリ

ジャン「きっとてめぇが犯人役なんだろうな」イラ


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 21:00:13 0zZPRoZA

ユミル「な、なぁ、私はその話に出てこないのか?」

エレン「?」

ユミル「だから、殺人事件の話だよ。私は他のモブと一緒で蚊帳の外なのか?」

エレン「なんだよ、話に加わりたいのか?」

ユミル「べ、別に、そんなんじゃねぇよ・・・」

コニー「上位10名じゃない奴に用はねぇよ」

ユミル「バカは黙ってろ」

クリスタ「もう、ユミル!」

エレン「じゃあ、ユミルが死体役で、上位10名全員に容疑がかけられた、これでいいだろ」

ユミル「まぁ、それならいいか」

クリスタ「いいの!?」


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 21:07:40 0zZPRoZA

エレン「殺されたのはユミル。遺体が発見された場所は・・・、食糧庫でいいか」

エレン「腹部を刃物で数ヵ所刺されている。凶器は調理場にあった包丁」

エレン「遺体の手には『食糧庫へ来い』といった内容の手紙が握られていた。差出人は不明」

エレン「以上のことから、犯人は始めからユミルを殺すつもりで食糧庫へ誘い出し、強い殺意を持って犯行に及んだ」

ジャン「意外と本格的だな・・・」


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 21:13:52 0zZPRoZA

エレン「ほらユミル、はやく死んで!」

ユミル「えっ?う、うわー、お腹がー、お腹が痛いよー」バタッ

クリスタ「ユミル!?嘘・・・、うわぁぁぁん!ユミルー!」

アルミン(かわいい)

ライナー(結婚しよ)

エレン「クソッ!一体誰がこんな酷いことを!」

ミカサ「許せない」ギリッ

アニ(バカバカしい)


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 21:21:09 0zZPRoZA

コニー「おいアルミン!犯人は誰なんだ?」

アルミン「えぇ!?さすがに、これだけの情報じゃ分かんないよ。エレン、他には?」

エレン「そうだな・・・、遺体は、食糧庫に忍び込んだサシャによって発見された」

エレン「その時食糧庫には鍵がかかっていて完全に密室だ。鍵は教官しか持っていない」

コニー「お前また食いもん盗もうとしたのかよ。走らされたいのか?」

サシャ「違いますよ!例えばの話です!」


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 21:30:38 0zZPRoZA

ベルトルト「一番怪しいのはサシャだよね」

サシャ「えぇ!?」

マルコ「まずは第一発見者を疑えってことか」

アニ「サシャが犯人なら密室でも関係ないね」

ミカサ「ほぼ毎日食糧庫に忍び込んでいるサシャにとって、食糧庫の鍵は有って無いようなもの」

ジャン「散々雑用を押し付けられてたみてぇだしな」

ライナー「動機は十分か」

クリスタ「本当なの?サシャ・・・」

サシャ「そんな・・・みなさん違うんです。私は犯人じゃありません」オロオロ

コニー「お前以外に怪しい奴なんていないだろ?俺でも分かるぜ」

アルミン「僕の出る幕じゃなかったね」

ユミル(チッ、私があいつに殺されるとは・・・)

エレン「いや、サシャは犯人じゃないぜ」

全員「「「「「!?」」」」」


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 21:37:11 0zZPRoZA

ミカサ「どういうこと、エレン」

エレン「サシャはその日の夕食後、いつも通り食糧庫へ忍び込もうとした」

エレン「しかし、教官に見つかってしまい、罰として荷物運びを手伝わされていたんだ」

エレン「それが終わったのは消灯時間前」

エレン「その後、疲れてお腹を空かしたサシャは、懲りもせず再び食糧庫へ忍び込むことにした」


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 21:44:59 0zZPRoZA

エレン「食糧庫へ向かう途中、ユミルを探しているクリスタとアルミンに遭遇」

エレン「サシャは、一緒にユミルを探すことを口実にして2人を巻き添えに食糧庫へ侵入」

エレン「ここで初めて、サシャによってユミルの遺体は発見される」

エレン「一緒にクリスタとアルミンもいたから、サシャに犯行は無理。こんなところだ」

クリスタ「サシャは犯人じゃない・・・」

コニー「」プスンプスン


15 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 21:50:51 0zZPRoZA

マルコ「サシャには完璧なアリバイがあった・・・」

サシャ「エレェェェン!助かりましたぁ・・・うぅ」グスン

ジャン「これもう分かんねぇな」

アニ「・・・降参」

ライナー「なぁ、これユミルの自殺なんじゃないか?」

ベルトルト「ライナー、自殺が一番不自然な状況じゃないか」

ベルトルト「真実が分からなくなったからって、安易に自殺と決めつけてしまうのは愚かだよ」ハァ

ライナー「お、おう」(ベルトルトに説教された・・・)


16 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 21:56:30 0zZPRoZA

ライナー「しかし、同時にクリスタの無実も証明されたな」

アルミン「残念だけど、断定はできないよ。僕と一緒に行動する前のクリスタのアリバイは証明できない」

ライナー「そうか・・・」ムムム

クリスタ「・・・・・」シュン

ユミル(クリスタが私を殺すわけねぇだろ!)


17 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 22:01:52 0zZPRoZA

エレン「この事件には、アルミンにしか解けない高度なトリックが仕組まれているんだ!」

エレン「さぁアルミン。いつものように、その頭脳で事件を解決してくれよ」ワクワク

アルミン「いつものようにって、エレンが適当に作り出したこの事件に答えなんてあるはずが・・・」

アルミン(いや待てよ?そうか!そういうことだったのか!)


18 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 22:06:45 0zZPRoZA

アルミン「・・・犯人が分かったよ」

マルコ「えっ」

エレン「おぉ!さすが名探偵アルミン!」

ジャン「なんで分かるんだよ」

ライナー「いやいやアルミン、これはエレンの作り話だぞ。正解があるとは思えないな」

アルミン「僕も始めはそう思っていたよ。こんな穴だらけのエレンの説明だけじゃ一生答えは出ないって」

アルミン「でも、分かってしまったんだよ」


19 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 22:16:26 0zZPRoZA

アルミン「全員のアリバイや目撃証言を聞いたり、事件現場を調査したりとか、大事な過程をすっ飛ばしてしまったけど・・・」

アルミン「たった一言、エレンの『アルミンにしか解けない高度なトリック』というその一言で分かったんだ」

クリスタ「誰なの?誰がユミルを・・・」

アルミン「僕だけにしか解けないトリックを考えられるのは、僕の次に頭の良い人じゃないと無理でしょ?」

アルミン「つまり、成績上位10名の中で僕の次に座学の成績が良い人が犯人。そうだよね・・・アニ」

アニ「は?」


20 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 22:23:04 0zZPRoZA

サシャ「そんな・・・」

エレン「アニが・・・?ユミルを殺した犯人?」

マルコ「信じられない・・・」

ミカサ「・・・・・」ギロッ

アニ「えっ、私?」

ユミル「オイお前!どうして私を殺した!?」ガバッ

アニ「・・・・・・・」

ライナー(アニに振るとは、アルミンも死に急ぎだな)フッ

クリスタ「アニ・・・」

アニ「ごめんなさい・・・・・・・」

ベルトルト(アニが空気を読んでノッた!?)


21 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 22:28:43 0zZPRoZA

ライナー「謝っても仕方ないぞ」

アニ「ごめんな・・・さい・・・・・」

ユミル「このやろう・・・」ググ

エレン「嘘だろ・・・、オイ・・・?アニ・・・お前が間の悪いバカで、クソつまんない冗談で適当に話を合わせてる可能性が・・・まだ・・・あるから・・・」

ジャン「いや、実際そうだろ。しかも元凶はお前だぞ」

全員「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」


ジャン「・・・あれ?」


22 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 22:32:44 0zZPRoZA

「あーぁ、なんか白けちゃったなー。私もう部屋に戻るわ。行くぞクリスタ」

「ま、待ってよユミルー」

「俺たちも部屋に戻るか」

「そうだね、いつまでもここに残っているわけにもいかないしね」

「私もそうするよ」(何やってんだろ私・・・)



ジャン「おーい・・・」


23 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 22:36:07 0zZPRoZA

「私も戻ります」

「俺もそうすっかなー。おいサシャ、そんなこと言って、今日も食糧庫行くんだろ?」

「さすがに、今日はそんな気になれません」

「それもそうだなー」



ジャン「俺が悪いのか?」


24 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 22:40:57 0zZPRoZA

「ジャンは、良くも悪くも素直すぎるところがあるから・・・」


ジャン「マルコ・・・」


「私も部屋に戻ろう。おやすみ、エレン、アルミン」

「おう」

「おやすみ、ミカサ」


ジャン「み、ミカサも行くのか?そうか・・・、お、おやすみ///」


「・・・・・」プイ スタスタ



ジャン「」チーン



26 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/31(水) 22:45:08 0zZPRoZA

「エレン、僕たちも戻ろうよ」

「あぁ、そうだな」


エレン「おいジャン」

ジャン「・・・なんだよ」



エレン「やっぱりお前、死体役がお似合いだわ」

ジャン「もう、いっそのこと俺を殺してくれぇ・・・」グスッ


E N D