リヴァイ「いつまでも」ハンジ「戯れよう」 前編
339 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/05(木) 21:52:12 BNRt0IpU
【職権濫用だ】
――中央――
リヴァイ「……」シワー
エルヴィン「凄いシワだな」
リヴァイ「人を老けたみてぇな言い方するな」
エルヴィン「そんなつもりはないが?」ニコッ
リヴァイ「胡散臭ぇニヤケ面しやがって」チッ
エルヴィン「やけに突っかかるな?」
340 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/05(木) 21:52:51 BNRt0IpU
リヴァイ「テメェ、これ嫌がらせだろうが。いつもミケを連れて行きやがるくせに」
エルヴィン「嫌がらせなわけないだろう? 緊急でミケが空いてなかったんだ。それにたまにはお前も来るべきだ」
リヴァイ「たまになら行ってるだろうが。わざわざ休みに連れ出しやがって」
エルヴィン「緊急だったものでな。代休は設けただろ?」
リヴァイ「……」シワー
エルヴィン「……ハンジは残念がっているだろうな。せっかく二人一緒の休みだったからな。お土産は奮発するか」
リヴァイ「頭髪弄っただけでくだらねぇ嫌がらせしやがって」チッ
エルヴィン「……もう二日くらい滞在するか?」ニッコリ
リヴァイ「……やめろ」
〆
341 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/05(木) 21:53:17 BNRt0IpU
【色々限界】
――夜:ハンジ自室――
コンコンッ
ハンジ「! えっ? リヴァイ?」
ガチャッ
リヴァイ「……」
ハンジ「中央から帰るの明日じゃなかった?」
リヴァイ「もう豚共と同じ空気を一秒たりとも吸いたくなかった」
ハンジ「なんかすんごいお疲れだねぇ。眉間のシワは深いし隈は濃いし」
リヴァイ「……はぁー」ポスッ ←肩に頭を置いた
ハンジ(おや? 珍しい。相当疲れてるね)ナデナデ
ハンジ「リヴァイ、大丈夫?」
342 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/05(木) 21:53:43 BNRt0IpU
リヴァイ「……抱かせろ」
ハンジ「はい?」
リヴァイ「抱きたい」
ハンジ「えっ? はぁ!?///」
リヴァイ「ハンジ」グッ
ハンジ「ちょっと、リヴァイ!? い、今までそんな誘い方したことな――んっ」
リヴァイ「――っはぁ」
ハンジ「ま、ま、待ってリヴァイ。せめて明かりは消そう」
リヴァイ「知るか」ヒョイッ
ハンジ「えぇー!? ちょ」←抱っこされた
リヴァイ「今更」ズンズン
ハンジ「普段は消してるでしょぉー!? おいこら運ぶなぁぁ!!!」
〆
343 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/05(木) 21:54:13 BNRt0IpU
【もう一回】
――朝――
ハンジ「……」ジッ
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ(まだ寝てる。かなりお疲れだったからねぇ。なのにあんなに……)
ハンジ「――っ///」
ハンジ(お、思い出してる場合じゃない!!)ブンブン
ハンジ(そろそろ起こさないと)
ハンジ「リヴァイー? 起きなよ」トントンッ
344 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/05(木) 21:54:37 BNRt0IpU
リヴァイ「んー……うん……」
ハンジ「!?」
ハンジ(うん!? 今うんって言った? この人!?)
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ「……リヴァイー?」
リヴァイ「……ああ?」
ハンジ「……」
リヴァイ「ああ、朝か……」
ハンジ「……チッ」
リヴァイ「寝起きがしらに舌打ちたぁなんだ」
〆
345 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/05(木) 21:55:04 BNRt0IpU
【専用ブラシ】
ハンジ「ともかくおはよう」
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「朝の挨拶は大事だと思うよ? おはよう」
リヴァイ「おはよう……寝癖」
ハンジ「はい?」
リヴァイ「寝癖すげぇぞ。ほぼ逆立ってる」
346 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/05(木) 21:55:40 BNRt0IpU
ハンジ「マジ!? おわっ!! 本当だ!!」ワシャワシャ
リヴァイ「髪濡らしてこい」ガサゴソ
ハンジ「分かった!!」
リヴァイ「ちゃんと戻ってこいよ。梳いてやる」スチャッ+
ハンジ「ヘアブラシ……ハンジ専用って書いてない?」
リヴァイ「毛質が違うからな」
ハンジ「……なんか馬にでもなった気分だな」
リヴァイ「いいから早く行ってこい」
〆
347 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/05(木) 21:56:09 BNRt0IpU
【こっちが嫌がらせ】
ハンジ「髪濡らしてきたよー。お願ーい」ビショビショ
リヴァイ「少しは拭いてこい、クソメガネが」ワシワシ
ハンジ「あいたたた!」
リヴァイ「急がねぇとな」スッスッ
ハンジ「あははは! やっぱり馬になった気分」
リヴァイ「ったく、あのクソマユゲ、休み潰させやがって」チッ
ハンジ「まぁまぁ。仕方ないじゃないか」
リヴァイ「ああ、そうだ。エルヴィンが土産があるから取りに来いと言っていた」
ハンジ「わぁ、なんだろう?」
348 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/05(木) 21:57:02 BNRt0IpU
リヴァイ「ま、酒だろうな」
ハンジ「だろうね」クスクス
リヴァイ「お前、次の休みいつだ?」
ハンジ「へ? 聞いてないの?」
リヴァイ「? 何がだ?」
ハンジ「リヴァイが代休になった日に私の休みも移動したよ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「全部エルヴィンがそうしてくれたんだけど」
リヴァイ「……」
ハンジ「やっぱりちょっとした嫌がらせ受けたのかな?」クスクス
リヴァイ「あのクソマユゲがっ」
〆
353 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/08(日) 22:19:45 BZe5CXT.
【嫌な予感】
ハンジ「エルヴィン、お土産って何?」
エルヴィン「これだ」スッ
ハンジ「わあぁ! ありがとう! 私の好きなお酒だよ!」ワッヒョーイ
リヴァイ「やっぱりな」
エルヴィン「ついでにこれもやろう。私の気持ちだ」スッ
ハンジ「一輪の赤い花……」
リヴァイ「……」
エルヴィン「ガーベラだ。ガーベラ全体の花言葉は希望、常に前進」
ハンジ「うわぁ、嬉しいよ!」
リヴァイ「……ガーベラ全体?」
エルヴィン「赤いガーベラは前向き、チャレンジだ」
ハンジ「良い花言葉じゃないか」
リヴァイ「……」ジトッ
354 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/08(日) 22:20:13 BZe5CXT.
エルヴィン「そうだろう? 君に似合うと思ってね? ああ、他にも“燃える神秘の愛”なんて言葉もあったな」ニッコリ
リヴァイ「テメェはまだ根に持ってやがんのか……」イラッ
エルヴィン「ハンジ……私からの気持ちを受け取ってくれるかい?」キラキラ+
ハンジ「いやぁ、エルヴィンは花が似合うねぇ。ところで、エルヴィンがこれに込めた意味は?」
エルヴィン「“希望”“常に前進”“チャレンジ”だ」ニコニコ
ハンジ「ありがたく受け取るよ」ニッコリ
リヴァイ「……クソが」チッ
ハンジ「まぁまぁ。じゃ、失礼するよ」
エルヴィン「ああ、ついでだがミケとナナバに今夜飲もうと伝えてくれ。良い酒を買ってきているんだ」
ハンジ「おぉ、これ以外にも?」
エルヴィン「お前達も来るだろう?」
ハンジ「勿論!!」
リヴァイ「……」シワー
〆
355 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/08(日) 22:21:01 BZe5CXT.
【仕掛け】
――夜――
ハンジ「っかぁー! うんまいねぇ!!」
ナナバ「あんた、それ女の言うセリフじゃないよ。おっさんだよおっさん」
ハンジ「いいじゃないか、美味いもんは美味い」
ミケ「リヴァイは来ないのか?」
ハンジ「んー? なんか書類がまだ終わんないんだって。後で来ると思うよ」グビッ
エルヴィン「それは残念だな」
ハンジ「何が?」
エルヴィン「二人が仲睦まじい様を見たかったんだがな。お預けか」
ハンジ「はぁ?」
356 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/08(日) 22:21:35 BZe5CXT.
ナナバ「いや、リヴァイがいないならハンジからノロケを聞くチャンスじゃないかな? ねぇ、ハンジ?」
ハンジ「な、何言ってんの?」
ミケ「普段は聞けないからな」
ハンジ「……何? みんな何を企んでるの?」
ナナバ「私の予想だと、二人きりになるとリヴァイがやたら甘い言葉をかけてくるとか?
“ハンジ、お前は可愛いな。お前を離さない”」←モノマネ
ミケ「ぐふっ……似合わんな」プルプル
エルヴィン「そうだな、俺の予想だと愛しげな眼差しを送りながら柔らかな笑みを浮かべて
“ハンジ……好きだ。俺にはお前しかいない”」←モノマネ
ミケ「ぶほぅっ!! やめろ、腹筋が割れてしまう」プルプル
ナナバ「もう割れてるからいいじゃない」
ハンジ「……っ」
357 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/08(日) 22:22:01 BZe5CXT.
ハンジ(なんだ、この公開処刑的な感じは!? しかも似たような事言って無くはないからなんか全否定しづらい!!)
ハンジ(っていうか何気にミケひでぇ!!)
ナナバ「で? 実際は?」
ハンジ「は?」
エルヴィン「あいつがどうやって愛を囁いているか気になるな」
ミケ「――っ!!」プルプル
ハンジ「ミケ!! 笑いすぎ! 酷いよ!!」
ミケ「すま……ぶほっ、モノマネがツボに入って想像……ぶくく」プルプル
エルヴィン「酒入ってるからな。笑い上戸になっているんだろう」
ナナバ「で?」ズイッ
ハンジ「え゙っ」
〆
358 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/08(日) 22:22:39 BZe5CXT.
【一致の見解】
リヴァイ「遅くなって悪かっ」
ハンジ「リヴァイ!! 天の助け!!」
リヴァイ「……た?」
ハンジ「うおぉぉ!! みんながいじめるんだよぉー!!」ヒシッ
リヴァイ「……お前ら何してた」
ナナバ「何もー? ただハンジのノロケが聞きたいなーって」
リヴァイ「あ?」
エルヴィン「で、教えてくれなかったから想像していたんだ」
ミケ「ぶふっ、モノマネ付きでな」プルプル
リヴァイ「……こいつは連れていく」
359 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/08(日) 22:23:12 BZe5CXT.
ナナバ「えー? 飲みに来たんじゃないの? 飲んでいきなよ」
リヴァイ「今ここに残れば実に嫌な目に合いそうな予感がするんでな」
ハンジ「うぅー、リヴァイリヴァイー」ヒシッ
リヴァイ「……お前ら、エルヴィンに頭髪の事でいじめるなよ? 粘着される」
エルヴィン「おや? 濡れ衣だよ、リヴァイ」ニッコリ
リヴァイ「お前はしつけぇんだよ。ハンジを巻き込むな」ポンポン
ハンジ「うおぉぉ……」プルプル
エルヴィン「……少々やりすぎたか」
リヴァイ「認めたな?」
ハンジ「エルヴィン最悪ー! エルヴィンのばぁーかばぁーか!!」
エルヴィン「しまった。嵌められた」
ナナバ「エルヴィン甘いねぇ」
360 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/08(日) 22:24:53 BZe5CXT.
ミケ「仕方ない。夫婦の意志疎通がエルヴィンの考えを遥かに上回った連携を生んだんだ」
ナナバ「あー、なるほどー」
リヴァイ「お前ら……本当に行くぞ」
エルヴィン「悪かった悪かった。ほら、お前の好きな酒だ」
ナナバ「もう言わないから飲んでいきなよ」
ミケ「座れ座れ」
リヴァイ「ったく」
ハンジ「困った連中だよねー」
みんな「「「「お前(あんた)には言われたくない」」」」
リヴァイ「――だろうな」
ハンジ「あれ? リヴァイまで?」
〆
361 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/08(日) 22:25:59 BZe5CXT.
【厚い信頼】
エルヴィン「まぁ、からかい半分ではあったがいじめではないし復讐でもないよ」
ハンジ「じゃあなんなのさ」ブスー
エルヴィン「……調査兵団は常に死と隣り合わせだ。そんな中でも更にキツい役目を担っているお前達の仲睦まじい姿を見ていると
申し訳なくも思うがどこか嬉しく、和んでな……だからお前達の仲の良さを知りたくなるんだ」シミジミ
ハンジ「エルヴィン……」
リヴァイ「ハンジ、騙されるな。こいつは紳士の面を被った悪魔だ」
ミケ「……」ウンウン
エルヴィン「まー、多少は日頃の恨みがないとは言わんが。しかしお前とミケは俺を見抜くな」HAHAHA
ハンジ「えっ? 今の嘘? 嘘なの? マジ怖ぇ」
ナナバ「調査兵団団長様には逆らわない方が為だね」
リヴァイミケ((全部が全部嘘ではないだろうがな……))グビッ
エルヴィン「ふふっ」ニコニコ
〆
362 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/08(日) 22:26:33 BZe5CXT.
【ある種の裏切り】
ハンジ「ふんふふんふふーん、ふふーん♪」
リヴァイ「……」
ハンジ「や、リヴァイ」
リヴァイ「機嫌が良さげだな」
ハンジ「いやぁ、いつもより早く書類が終わったからねー。今日はリヴァイの部屋に行くよ!」
リヴァイ「そうか」
ハンジ「ふんふふんふふーん♪」スタスタ
―――
――
―
――リヴァイ自室――
リヴァイ「……」フンフフンフ…♪
ハンジ「! めっずらしい」
363 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/08(日) 22:26:57 BZe5CXT.
リヴァイ「あ?」
ハンジ「今、鼻唄歌ってたでしょ?」
リヴァイ「…………お前のが移った」
ハンジ「私の?」
リヴァイ「お前最近これ鼻唄で歌ってるだろ。なんの歌なんだ?」
ハンジ「私が勝手に作曲したものだよ」
リヴァイ「なんの曲だ」
ハンジ「巨人への愛の曲」
リヴァイ「……」
ハンジ「いやぁ、リヴァイが覚えてくれてたなんて嬉しいなぁ。さぁ、一緒に歌おう!」
リヴァイ「……もう二度と歌わねぇ」
〆
366 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/11(水) 22:17:06 Y0mK12Ws
【色が悪い】
ハンジ「これ見て」カチャッ
リヴァイ「空き瓶?」
ハンジ「色をつけてるんだ」
リヴァイ「そんなもんどうするんだ」
ハンジ「なんか女の子達の間で流行っているらしくてね、ニファやナナバすすめられたんだ」カチャッカチャッ
リヴァイ「? 何を?」
ハンジ「この瓶の中に蝋燭を入れて灯すと綺麗だからって」
リヴァイ「だから口の広い瓶なのか」
367 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/11(水) 22:17:39 Y0mK12Ws
ハンジ「そうそう」シュッ
ポゥ……
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
リヴァイ「……ハンジよ」
ハンジ「うん……」
リヴァイ「色が悪いな」
ハンジ「ピンクとか赤ばっかだったね……妙な雰囲気だ……」
リヴァイ「普通のランプにするぞ」
〆
368 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/11(水) 22:19:40 Y0mK12Ws
【面白さ】
ハンジ「リヴァーイ! 買い出しに行くんだけどいるものあるー?」バターンッ
リヴァイ「ノックをしろ」カリカリ
ハンジ「欲しい物ないの」コンコンッ
リヴァイ「今ノックしてんじゃねぇ。開ける前にしやがれ。……そうだな今欲しい物は紅」
ハンジ「茶はもう買う物リストに入ってます! もうすぐ無くなりそうだったからね」
リヴァイ「そうか……なら、雑」
ハンジ「巾も買うよ! 面白くない物ばかりだなぁ。ねぇ、なんか面白い物リクエストしてよ」
リヴァイ「買い出しに面白さを求めるな」
〆
369 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/11(水) 22:20:48 Y0mK12Ws
【意趣返し】
ハンジ「ねぇねぇ、他に欲しい物ないの?」
リヴァイ「お前も買う物があるんだろうが。持てなくなるぞ」カリカリ
ハンジ「普通に買うだけなんてつまらないじゃないかー」
リヴァイ「だからといって欲しい物で面白い物なんざねぇよ」
ハンジ「ぶーぶー」
リヴァイ「うるせぇ、豚」
ハンジ「豚じゃないし! もう! せっかく“頑張ってるあなたの為”に何か買ってきてあげようというのに」ニヤリ
リヴァイ「ほう?」
ハンジ「買い出しに行くだけじゃなく、“愛しいリヴァイ”の欲しい物を買ってきてあげたいなって思ったんだよ」フフン
370 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/11(水) 22:21:52 Y0mK12Ws
リヴァイ「……言っただろ。紅茶と雑巾」
ハンジ「チッ、照れもしない。それに面白さが足りない」
リヴァイ「面白さは必要ない」
ハンジ「えぇー」
リヴァイ「……普通に買う物を面白くすりゃいいだろ」
ハンジ「? どうやって?」
リヴァイ「俺が欲しいのは“お前と飲む為の紅茶”と“お前と朝まで過ごす部屋を綺麗にする為の雑巾”だ」
ハンジ「――っ!?」
リヴァイ「面白くなっただろう? ちゃんと今の言葉を思い浮かべて買えよ?」
ハンジ「あ、あなた、よくそんな言葉吐けるね……///」プルプル
リヴァイ「お前が先に言ったんだ」カリカリ
〆
371 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/11(水) 22:22:47 Y0mK12Ws
【赤面の理由】
――街――
ニファ「紅茶、どれですか?」
ハンジ「えーっと、リヴァイが好きなのは……あった。これこ、れ……」
『“お前と飲む為の紅茶”』
ハンジ「――っ///」
ニファ「? どうしたんですか?」
ハンジ「な、なんでもないよ。買ってくる」ヨロヨロ
ニファ「はい……」
ニファ(もしかしてリヴァイ兵長の事でも思い出したのかな? それで赤面だなんてハンジ分隊長可愛いなぁ)ホワホワ
372 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/11(水) 22:23:27 Y0mK12Ws
―――
――
―
ハンジ「えーっと、あとはー」
ニファ「雑巾ですね!」
ハンジ「!」
『“お前と朝まで過ごす部屋を綺麗にする為の雑巾”』
ハンジ「――っ!///」プルプル
ニファ「!?」
ニファ(えっ……雑巾? 雑巾で赤面ですか!? それはさすがにどうなんですか分隊長!?)
〆
373 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/11(水) 22:25:03 Y0mK12Ws
【それはお前の役目だ】
ハンジ「……」ペラッ
カチャンッ
ハンジ「!」
リヴァイ「暗がりで本を読むな」
ハンジ「あ、もう暗くなってたね。ランプありがとう」
リヴァイ「最近は日が短い。早めに用意しておけ」
ハンジ「もうすぐ冬だねぇ」
374 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/11(水) 22:26:03 Y0mK12Ws
リヴァイ「そろそろ防寒具や毛布も準備しておけよ。研究室に」
ハンジ「そっちか」
リヴァイ「お前の部屋はもう準備した」
ハンジ「いつのまに!?」
リヴァイ「防寒具はまだだがちゃんと用意しろよ」
ハンジ「……」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「いやぁ……リヴァイ、嫁に来ない?」
リヴァイ「俺は何度お前を削げばいい?」
〆
377 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/14(土) 22:18:52 8hI6yBWY
【動じない】
ハンジ「リヴァイ」バターンッ
リヴァイ「……着替えてる最中なんだが」モソモソ
ハンジ「きゃー(棒) おかえりリヴァイ」
リヴァイ「ああ」シュルッ
ハンジ「出張長かったね」
リヴァイ「何かと長引いた」キュッ
ハンジ「お陰で新記録だよ」ハァー
リヴァイ「風呂に入らなかった日数か? それとも徹夜のか?」クルッ
ハンジ「違うよ。リヴァイくまと連続で寝た回数だよ」ギュッ
378 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/14(土) 22:19:32 8hI6yBWY
リヴァイ「嘘吐け」
ハンジ「今夜は大丈夫なの?」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「良かった。今からエルヴィンの所に行くんでしょ?」スッ
リヴァイ「それが終わったら少しの書類を書いて終わりだ」
ハンジ「じゃ、私も終わり次第リヴァイの所に行くよ」
リヴァイ「分かった」グイッ
ハンジ「ん……」
リヴァイ「っ……じゃあ、あとでな」
ハンジ「うん」
〆
379 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/14(土) 22:20:29 8hI6yBWY
【咄嗟】
ハンジ「エルヴィーン、報告書だよー」ガチャッ
エルヴィン「シィー……」b
ハンジ「えっ?」
エルヴィン「……」チョイチョイ↓
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ「おんや、リヴァイまだいたんだ? ソファで寝ちゃったの?」ヒソヒソ
エルヴィン「ああ、長い出張だったからな。寝かせていたんだ」ヒソヒソ
ハンジ「でも仕事あるんじゃないの?」
エルヴィン「そろそろ起こさなければとは思ったが丁度お前が来たからな。見せてやろうと」
ハンジ「何だよそれ」クスッ
380 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/14(土) 22:21:03 8hI6yBWY
エルヴィン「起こしてやってくれ」
ハンジ「了解。しかしいつも思うけど腕組んで座ったまま寝るとか器用だね」
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ「リヴァイ? 起きて」ユサユサ
リヴァイ「……」パチッ
ハンジ「起きた?」
リヴァイ「……」ボー
ハンジ「!」
ハンジ(あ、これヤバい。寝惚けたリヴァイだ。これの時ってたまに甘えてきたりいきなりキスしてきたりするんだよ)チラッ
エルヴィン「……」ジッ
ハンジ(まずい。さすがにエルヴィンの前ではまずい! ど、どうしたものか)
リヴァイ「……」スッ…
381 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/14(土) 22:21:28 8hI6yBWY
ハンジ(ハッ! このままでは手が頬か頭に来る!! ええーい!!)
ペチーンッ!
エルヴィン「!?」
リヴァイ「!?」ビックリ ←両頬を平手で勢いよく包まれた
ハンジ「リ、リヴァイ、起きた?」ニッコリ
リヴァイ「…………ああ」
エルヴィン「……くっ」プルプル
ハンジ「エルヴィン、リヴァイ起きたよー」
エルヴィン「……あぁ、そのようだな……ぶふっ」プルプル
リヴァイ「……胸くそ悪ぃ面だな、エルヴィン」シワー
ハンジ(……まぁ、妙な場面を見せるよかマシ……だよね?)
〆
382 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/14(土) 22:22:15 8hI6yBWY
【遠くから】
ミケ「……」スンスンッ
ミケ「――っ!?」
ミケ「……」ウゥ…
リヴァイ「何してる」
ミケ「リヴァイ……」ションボリ
リヴァイ「ショボくれてどうした」
ミケ「ハンジを頼む」ウゥ…
リヴァイ「……ミケからもか。安心しろ、ハンジの部下に言われて今から行くところだ」
〆
383 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/14(土) 22:22:54 8hI6yBWY
【間の悪いニファ】
ハンジ「……」カリカリ
リヴァイ「おい、いい加減寝ろ。そして風呂に入れ。お前の部下とミケから助けを求められた」ガシッ
ハンジ「うおっ、リヴァイ。そんなに日にち経った? っていうかミケ?」
リヴァイ「四日目だが……寝る前に風呂だな」ベッタァ
ハンジ「このくらいのベタつきなら大丈夫だよ」ガシガシ
リヴァイ「……テメェ、それでも女か」ゾワゾワ
ハンジ「やだなぁ、私が女ってことはリヴァイが一番よく知っているじゃないかぁ」アッハッハ
扉|ニファ「――」
384 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/14(土) 22:23:44 8hI6yBWY
ハンジ「は……?」
リヴァイ「……」
ニファ「……し///」プルプル
ハンジ「ニ……」
ニファ「失礼致しましたぁぁぁ!!!///」ダッ!!
ハンジ「ニファァァァ!!!」
リヴァイ「……風呂の準備ができたら呼ぶように言ってたんだが」
ハンジ「リヴァイの所為かぁぁ!!」
リヴァイ「人の所為にするな」
〆
385 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/14(土) 22:25:14 8hI6yBWY
【嫉妬すべきものに非ず】
リヴァイ「ニファ、準備ができたんだな?」
ニファ「はい! 完璧です!!」
リヴァイ「よくやった」ポンッ
ニファ「ハンジさんの為ですから!!」
ハンジ「……前からちょっと思ってたけど二人、仲良いね」
リヴァイ「あ?」
ニファ「リヴァイ兵長と私は“ハンジ分隊長をお風呂に入れ隊”のメンバーなんですよ」
ハンジ「はい?」
ニファ「リヴァイ兵長が隊長で私が副長です! 兵長がいらっしゃらない時は女性兵士を集って私が指揮を取ります!」
ハンジ「えっ?」
ニファ「きちんとリヴァイ兵長より手解きを受けています。それにハンジさんを綺麗にできるなら心臓だって捧げます!!」
386 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/14(土) 22:26:33 8hI6yBWY
リヴァイ「よく言ったニファ。ハンジ班の鑑だな」
ニファ「ありがとうございます!」
ハンジ「あ、これ違う。仲良いんじゃない。ニファがリヴァイに洗脳されてる!!」
リヴァイ「お前がちゃんと入れば何も教えなくて済んだんだが」
ハンジ「洗脳認めた!?」
ニファ「いいえ、ハンジさん。私がリヴァイ兵長に教えを乞いました」
ハンジ「な、なんで!?」
ニファ「“ハンジ分隊長をお風呂に入れ隊”ですから!」キラキラ+
ハンジ「……」ポカンッ
リヴァイ「行くぞ」
ニファ「いつもの石鹸とタオルと、あとヘアオイルが手に入りましたのでご用意してます」
リヴァイ「助かる」
ハンジ「ニファって私の班員だよね……?」
〆
391 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/18(水) 22:24:02 auxOjkzY
【それは純白の】
――お風呂――
リヴァイ「……」ゴシゴシ
ハンジ「ふぃー、いい気持ち」
リヴァイ「……今更だがニファに知られて良かったな」
ハンジ「なんで?」
リヴァイ「こういった類いの女の物は俺には分からん」スッ
*ヘアオイル*
ハンジ「あー、あの子おしゃれ番長とか言われてるしねぇ。そういうの詳しいだろうね」
リヴァイ「助かっている」コトンッ
392 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/18(水) 22:24:39 auxOjkzY
ハンジ「あはは! リヴァイがニファに教えてもらってるの?」
リヴァイ「あいつはセンスが良さそうだ……いつかドレスでも見てもらうか」ゴシゴシ
ハンジ「なんでドレスなんだよ! 夜会用?」アハハ!
リヴァイ「違う」ジッ
ハンジ「えっ? じゃあなん……――っ!///」バシャッ!! ←両手で顔を隠した
リヴァイ「おい、腕を返せ。洗えねぇだろうが」
ハンジ「ほ、本っ当、あなたって……///」プルプル
リヴァイ「なんだ」グイッ
ハンジ「突然! 爆弾投下するんだからっ!」
リヴァイ「その場で思った事を言っているだけだ」ゴシゴシ
〆
393 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/18(水) 22:25:36 auxOjkzY
【紅茶の淹れ方】
ハンジ「今日はハンジさんが紅茶を淹れるよ!」
リヴァイ「ほぅ」
エルヴィン「楽しみだな」
ハンジ「まずは汲んできたばかりの水を空気を含ませるように勢いよくやかんに入れ、火にかける」ダバダバ
リヴァイ「おい、溢すな」フキフキ
ハンジ「そして泡がぷつぷつしてきたらカップとティーポットにお湯を入れて温めておく。
そしてやかんは沸騰するまで再び火にかける」
ハンジ「沸騰しても親指くらいの泡がボコボコ出ている状態になってもちょっとだけ火にかけておく」
ハンジ「その間にティーポットに入れていたお湯を捨て、茶葉を入れておき、
沸騰して熱々のお湯を少し高い位置から注ぐ」ダババ
ハンジ「うおわっちゃ!! あちちち!!」
リヴァイ「高く上げすぎだ」
394 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/18(水) 22:26:06 auxOjkzY
ハンジ「あーびっくりした。すると葉がジャンピングします」
ミケ「ジャンピング?」
ハンジ「上手くいったら茶葉が上下に動くんだ。それがジャンピング。美味しく淹れる為の重要な目安だよ」
ハンジ「お湯を入れたら蓋をして、あればティーコゼーで保温。そして数分蒸らす」
リヴァイ「……」
ハンジ「蒸らしたらポットを軽く揺らすかスプーンで軽くひと混ぜして、
カップのお湯を捨ててから茶漉しを使ってカップに注ぐ」
ハンジ「最後の一滴はゴールデンドロップとか言われているので最後まで淹れる。んで、出来上がり!! さ、どうぞー」
ミケ「いい香りだな」スンスン
エルヴィン「ふむ、美味しいよ、ハンジ」
リヴァイ「……甘い」
ハンジ「えっ? 砂糖入れたっけ?」
リヴァイ「違う。蒸らしが甘い。そのダージリンの蒸らす時間は5分だ。お前4分で淹れただろう」
395 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/18(水) 22:26:55 auxOjkzY
ハンジ「そんなっ!? ダージリンは4分じゃ……!?」
リヴァイ「銘柄によっても変わる。あとは好みもあるがその前に茶葉の入っていたものを見ろ」
ハンジ「!?」サッ
リヴァイ「ちゃんと書いてあるだろ」
ハンジ「くっ……!! 5分だ……」ガクッ
リヴァイ「……だがまぁ及第点だ」ズズズズ
ハンジ「ぬぬ……くっそ負けた! 今度こそ完璧に仕上げてやる!」
エルヴィン「なんの勝負をしているんだ。しかし美味しいと思うがな」
ミケ「紅茶に厳しいな」スンスン
リヴァイ「悪くはないが」
ハンジ「リヴァイのは最後の一滴を淹れてるよ」フフッ
リヴァイ「……悪くない」ズズズズ
〆
396 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/18(水) 22:27:52 auxOjkzY
【リヴァイがいるから】
ハンジ「リーヴァーイーいひひひひ」
リヴァイ「薄気味悪い」
ハンジ「お酒美味しいねぇぇへへへへ」
リヴァイ「また飲みすぎやがったな」
ハンジ「リヴァイがいるとねぇ、安心だからねぇ」ギュー
リヴァイ「少しは自制しろ、クソメガネ」
ハンジ「やー」グリグリ
リヴァイ「頭を肩に押し付けるな、痛ぇ」
ハンジ「名前」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「名前呼んで」ジッ
397 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/18(水) 22:28:26 auxOjkzY
リヴァイ「……」
ハンジ「ちゃんと名前呼んで」ジー
リヴァイ「……ハンジ」
ハンジ「んふふー」ニコォ
リヴァイ「……」
ハンジ「リーヴァーイー」スリスリ
エルヴィン「熱いな」グビッ
ミケ「部屋の温度が急激に上がったな」グビッ
ナナバ「人いるのによくやるね」グビッ
リヴァイ「俺の所為じゃねぇ」
ハンジ「リヴァイー」ギュゥ
〆
398 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/18(水) 22:29:04 auxOjkzY
【あてられる】
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……」グビッ
ナナバ「ハンジ寝ちゃったね」
エルヴィン「またリヴァイの膝を枕変わりか」クスッ
ミケ「幸せそうな寝顔だな」フッ
ハンジ「」スヤスヤ
リヴァイ「馬鹿が……飲みすぎだ」ナデ…
ナナバ(ん? おかしいな……仏頂面なのになんか柔らかく見える)
エルヴィン「リヴァイはハンジに甘いな」グビッ
399 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/18(水) 22:29:30 auxOjkzY
ハンジ「」スヤスヤ
リヴァイ「馬鹿言え、厳しくしてるだろうが」ナデナデ
ミケ「今のその姿じゃ説得力皆無だな」
リヴァイ「ああ?」
ハンジ「ううーん」
リヴァイ「……と」ナデナデ
ナナバ「……甘いねぇ」
ミケ「極甘だな」
エルヴィン「胸焼けしそうだ」
リヴァイ「お前らあとでまとめて捌く」
ハンジ「」スヨスヨ
〆
400 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/18(水) 22:30:50 auxOjkzY
【おかしいな】
ケニー「地下にも馬がいるんだな」
幼リヴァイ「ああ」
ケニー「知ってるか? 馬食えるんだぜ? 馬はうまい」ガハハ!
幼リヴァイ「……」
ケニー「……」
幼リヴァイ「……」
ケニー「お前、愛想ねぇなぁ」
幼リヴァイ「笑えねぇだけだ」
ケニー「なんだ表情は死んでるのか」
幼リヴァイ「違ぇ、ケニーの冗談が笑えねぇ」
ケニー「お前はセンスがねぇ」
401 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/18(水) 22:31:17 auxOjkzY
幼リヴァイ「あんたがだろ」
ケニー「ああ? 何言ってやがる! 俺みてぇなすげぇクリエイティブなセンスの持ち主は滅多にいねぇよ。
お前が理解できねぇだけだ」
幼リヴァイ「……」シワー
ケニー「おう、なんだ、ガキのくせしていっちょ前に眉間にシワなんぞ作りやがって。癖になっちまうぞ」グリグリ
幼リヴァイ「ケニーのせいだ」ベシッ
ケニー「チビよ、人の所為にするのは頂けねぇな。いいか、どんな場面でも選択ってのはあるんだ。
どっちもクソみてぇな結末だったとしても選ぶ事で生まれるもんもあるんだぜ?」
幼リヴァイ「うるせぇ。いいからナイフの振り方教えろ、ハゲ」
ケニー「禿げてねぇよ! 禿げねぇよ! お前の目ん玉にはクソでも詰まってんのかチビ! 俺今良い事言ってただろうが!」
幼リヴァイ「知らん。とにかく教えろ」
ケニー「不遜なチビだな。誰に似たんだか。まぁいい。ほら、ナイフ持てチビ」
402 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/18(水) 22:32:18 auxOjkzY
―――
――
―
リヴァイ「――……」パチッ
リヴァイ「……」
リヴァイ「……また随分と昔の夢を見たな」モソッ
ハンジ「リヴァイおはよー」
リヴァイ「ああ……なぁハンジよ」
ハンジ「何?」
リヴァイ「俺、うなされてなかったか?」
ハンジ「いいや? 気持ちよさげに寝てたよ」
リヴァイ「…………そうか」
〆
408 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/21(土) 22:43:18 Pd2m1T9A
【どことなく】
「わんっ」
ハンジ「うわっ!? びっくりした。犬?」
犬「わんわんっ」
リヴァイ「野良犬か? 飼い犬か?」
ハンジ「ええっと」ワシワシ
犬「くぅん……」パタパタ
ハンジ「毛足が長くて分かりづらいけど首輪してるよ」ナデナデ
犬「わふっ」スンスンッ
ハンジ「うわっ、ちょっと、くすぐったいよ」アハハ
リヴァイ「? 何か……見たことあるような……?」
ハンジ「えっ?」
409 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/21(土) 22:43:47 Pd2m1T9A
リヴァイ「真ん中で毛が分かれて目が隠れてる。首辺りの匂いを嗅いでる」
犬「わふっ」フンッ
ハンジ「……」
リヴァイ「……」
ミケ「リヴァイ! ハンジ! その犬捕まえててくれ!」
ハンジ「うん?」ガシッ
犬「わふっ!」
ミケ「良かった。商人の飼い犬なんだ。勝手に付いてきていたらしくてな」
リヴァイ「脱走か。開拓地送りだな」
ハンジ「役に立つかもね」
犬「わふっ?」
ミケ「アホなことを。連れていく」シュルッ ←首輪に紐を
410 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/21(土) 22:44:12 Pd2m1T9A
犬「わふっ」スンスンッ
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
ミケ「なんだ?」
犬「わふっ」フンッ
リヴァイ「……いや」
ハンジ「なんでもないよ」
ミケ「? そうか? じゃあな」グイッ
犬「わふっ」スタスタ
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
リヴァイハンジ((似てる……))
〆
411 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/21(土) 22:45:05 Pd2m1T9A
【その笑顔で】
ハンジ「うひょひょひょ!!」
モブリット「ハンジさん! 滾りすぎです!!」
リヴァイ「……」
ミケ「どうした?」
リヴァイ「いや……今でも極たまにアイツが俺の女だというのが不思議に思う時があってな」
ミケ「今でも極たまになのか」
リヴァイ「あ?」
412 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/21(土) 22:45:30 Pd2m1T9A
ミケ「いや、あれを見ていると頻繁に思っても仕方ないように見えるがな」
リヴァイ「見ていれば分かる。すぐにそんな気持ちが削がれる」
ミケ「そうなのか?」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「! リヴァーイ!!」ニッコォ
リヴァイ「……ほらな」フリフリ
ミケ「?」
リヴァイ「……分からねぇならそれでもいい」
〆
413 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/21(土) 22:46:04 Pd2m1T9A
【黙れずシメられました】
ハンジ「……ごはん、美味しかったでしょ?」
リヴァイ「確かに、お前の作る飯は悪くない」
ハンジ「な、なら勘弁してもらえないかなぁーなんて」
リヴァイ「無理だな」キッパリ
ハンジ「いやぁ、今回ちょっと凝ってみたんだよ。手作りピザでさ。肉とか無いけど」
リヴァイ「だからといってこの惨状はなんだ」
*天井まで粉まみれ*
ハンジ「な、なんか楽しくなっちゃって生地伸ばすのに飛ばして回してたら、
勢いよく付いてた粉が“天井最高!”って飛び上がって仲良くなっちゃって」
リヴァイ「ほう……お前が粉と話が出来るとは知らなかったな。そろそろ天井とお別れしろと伝えてくれねぇか?」
ハンジ「む、無理じゃないかなー」
414 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/21(土) 22:46:38 Pd2m1T9A
リヴァイ「ならテメェの手でひっぺがせ。片付けるぞ」
ハンジ「はい……」ションボリ
リヴァイ「……」ゴシゴシ
ハンジ(失敗したなぁ。ついどこまで粉が飛ぶかってやってたら滾っちゃって天井までいく程飛ばしちゃった)ハァー
リヴァイ「……」
ハンジ(わざとやったって分かったら余計に怒りそうだから黙ってよ)ザッザッ
リヴァイ「ハンジ……」
ハンジ「な、何?」
リヴァイ「その……飯は美味かった」
ハンジ「へ?」
リヴァイ「……そこ、片付けたらあとは俺がやる」
ハンジ(……やばい、罪悪感半端ねぇ)
〆
415 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/21(土) 22:47:40 Pd2m1T9A
【見守る】
馬「ブヒヒーン!!」
ハンジ「頑張れー!! いきむんだぁー!!」
リヴァイ「うるせぇ」
ハンジ「もう少しだ! もう少しで生まれるぞぉ!!」
馬「ヒヒーン!!」
――ドサッ
ハンジ「生まれたぁぁ!!!」
リヴァイ「やかましい」
ハンジ「いやぁ、結構年がいってるからねぇ。心配でさ。見守れて良かったよ」
リヴァイ「……」
「ドンピシャなタイミングでしたね」
ハンジ「無理を言ってすみませんでした」
416 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/21(土) 22:48:22 Pd2m1T9A
「いえいえ。元は兵団の馬ですし、可愛がっておられたのでしょう?」
ハンジ「ええ、まぁ。私の馬ではないのですが懐いてくれてて……無事で良かった」
リヴァイ「……そろそろ帰るぞ」
ハンジ「あ、うん。それでは失礼致します。お前も頑張ったね」ナデ
馬「ブルル……」スリッ
「またいつでもいらしてください」
ハンジ「ありがとうございます」
リヴァイ「……」
ハンジ「リヴァイも、付き合ってくれてありがとうね」
リヴァイ「付き合わねぇ方がうるせぇからな」
ハンジ「来てすぐで良かったね。時間の許す限り付き合ってくれたでしょう?」ニコッ
リヴァイ「……うるせぇからな」
ハンジ「ふふっ」
〆
417 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/21(土) 22:50:00 Pd2m1T9A
【まとめる】
リヴァイ「おい、いい加減寝ろ」バタンッ
ハンジ「えぇー? あとちょっとくらいダメ?」
リヴァイ「ダメだ」スタスタ
ハンジ「厳しいなぁ。でも五分!」
リヴァイ「お前の五分は五時間だ」
ハンジ「すげぇ伸びるね」アハハ
リヴァイ「笑い事じゃねぇ。……? 何ペンなんか頭に刺してんだ」スルッ
ハンジ「あ!」バサッ
リヴァイ「?」
ハンジ「あー、輪ゴム切れちゃったからそれで髪まとめてたのに」
リヴァイ「これで?」
418 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/21(土) 22:50:27 Pd2m1T9A
ハンジ「うん。こうするの」クルクル…グイッ
リヴァイ「ほぅ」
ハンジ「私の髪は短いからちょっと難しいけどね」
リヴァイ「これでまとまるもんなんだな」
ハンジ「そうなんだよ。棒一本でまとまるなんて凄いよね」カリカリ
リヴァイ「そうだな」シゲシゲ
ハンジ「だから輪ゴム無い時はペンやスプーンや小枝なんか近くにある物を使ってるから私の頭はたまに愉快だよ」カリカリ
リヴァイ「お前の頭はいつでも愉快だろ」
ハンジ「あははは! 酷いなぁ」カリカリ
リヴァイ「どさくさに紛れて続けてんじゃねぇ、寝ろ」スルッ
ハンジ「おわっ」バサッ
〆
422 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/25(水) 22:13:04 h.FLODjc
【魅惑の】
ミケ「みんな……」スッ
エルヴィン「ミケ!?」
リヴァイ「お前……それは……」
ハンジ「……またかよ」
ミケ「みかんを貰った」
エルヴィンリヴァイ「「!?」」バッ
ハンジ「この時期なら炬燵はまだ早い」
ミケエルヴィンリヴァイ「「「ハンジ……」」」ションボリ
ハンジ「あんたらどんだけ炬燵に囚われてんだよ!!」
〆
423 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/25(水) 22:13:48 h.FLODjc
【間違えた】
リヴァイ「あとはハンカチ……」ゴソッ
ハンジ「リヴァイ、もう会議だよ」
リヴァイ「ああ、すぐいく」スッ
―――
――
―
ハンジ「あ、虫」パァンッ!
リヴァイ「潰すな」
ハンジ「あー……」ベットリ
モブリット「ハンジ分隊長、洗わないと」
ハンジ「うん。リヴァイ、ハンカチ貸してー」
424 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/25(水) 22:14:24 h.FLODjc
リヴァイ「一枚くらい持ってろ、クソメガネ」スッ
ハンジ「あはは、なくしちゃうんだよねぇ……と?」
リヴァイ「?」
モブリット「!?」
*ひよこ柄ハンカチ*
リヴァイ「……」
モブリット「……」
ハンジ「あひゃひゃひゃ!! なんでひよこ柄!!」ゲラゲラ
モブリット「……っ」プルプル
リヴァイ「……昔テメェから貰った物だ」
ハンジ「あれ? そうだっけ? でもここで出さなくても!! 似合わねぇあははははは!!」
リヴァイ「今日はテメェが持ってろ!」ベシッ!
ハンジ「へぶっ!!」
〆
425 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/25(水) 22:15:26 h.FLODjc
【聞こえた言葉】
ハンジ「書類、書類っと」スタスタ
――エルヴィン執務室前――
扉|ハンジ「ん?」
「……」|扉
扉|ハンジ「リヴァイの声。まぁいいか」スッつドアノブ
エルヴィン「ほら、前に依頼されたお前好みの見合い相手だ」
扉|ハンジ(……えっ?)ピタッ
リヴァイ「ほぅ……悪くない」
エルヴィン「ならこの子でいいのか?」
リヴァイ「ああ、進めてくれ」
426 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/25(水) 22:15:58 h.FLODjc
扉|ハンジ「…………え……」
エルヴィン「しかしこの子だけじゃなくてもいいだろうに」
リヴァイ「沢山いたら面倒だろうが。あちこち呼ばれたら動きも取れなくなる」
エルヴィン「互いに気に入ったら子を作るのか?」
リヴァイ「そうだな、早い方がいいだろう。こっちもそう若くはないからな」
扉| ハンジ「……」スッ
エルヴィン「何を言っているんだまだまだ元気じゃないか」
リヴァイ「だとしても早い方がいいだろう?」
エルヴィン「まぁ、そうだな。では進めておくよ」
リヴァイ「頼んだ」
扉|
〆
427 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/25(水) 22:17:47 h.FLODjc
【なんだよ】
――ハンジ自室――
バタンッ!
ハンジ「はぁ、はぁ……」
ハンジ「……」ズルズル…ペタンッ
ハンジ「何……あれ……」
ハンジ「好みの相手……子供……」
ハンジ「何、それ」
ハンジ「早い方がいいって、なんだよそれ」
ハンジ「こっそりお見合いなんて頼んで」
ハンジ「何なんだよ……リヴァイ……」ジワッ
ハンジ「なんなんだよ……っ」グスッ
〆
428 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/25(水) 22:18:36 h.FLODjc
【追及の結果】
ハンジ「うー……」
ハンジ(ダメだ、こんなことで……ちゃんとリヴァイに話を聞かないと)
ハンジ(でも……リヴァイから頼んだって言ってた。進めてくれって)グッ
ハンジ(それって……)
ハンジ(……今、会いたくない、な)
――コンコンッ
ハンジ「!?」ビクッ
扉|リヴァイ「ハンジ、ちょっといいか」
ハンジ(リヴァイ……)
扉|リヴァイ「エルヴィンが書類を持ってきてくれと言っているんだが」
429 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/25(水) 22:19:07 h.FLODjc
ハンジ「……」
扉|リヴァイ「おい、ハンジ。いるんだろ」
ハンジ「…………」
扉|リヴァイ「ハンジ?」
ハンジ「……リヴァイ」グスッ
扉|リヴァイ「!? ハンジ、開けるぞ」
ガチャッ
リヴァイ「ハンジ……泣いてるのか?」ストッ
ハンジ「……」フイッ
リヴァイ「何があった?」
ハンジ「……」
430 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/25(水) 22:19:36 h.FLODjc
リヴァイ「こっち向け」グイッ
ハンジ「――っ」
リヴァイ「どうした」ゴシッ
ハンジ「……みあい」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「お見合い、するんでしょう?」
リヴァイ「ああ、丁度いいやつが見つかったからな」
ハンジ「――っ!」
リヴァイ「こっちの要望にぴったりだった。気に入ってくれるといいんだが」
ハンジ「……っ」
リヴァイ「それがどうかしたのか?」
431 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/25(水) 22:20:19 h.FLODjc
ハンジ「どうかしたじゃないよ!」
リヴァイ「ハンジ?」
ハンジ「どういうことだよ!! なんでお見合いなんかするんだよ!?」
リヴァイ「悪いのか?」
ハンジ「悪いのかって……悪いだろ!?」
リヴァイ「まぁ、乗り手が探すってことはあまりないが別に悪くはないだろ」
ハンジ「の、乗り手!? 変な言い方しないでよ!」
リヴァイ「? あいつもいい年だから仔を成した方がいいと思ったんだが?」
ハンジ「………………あいつ?」
リヴァイ「俺の馬だ」
ハンジ「………………………………」
〆
436 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/28(土) 22:29:43 D0k23oww
【ど勘違い】
布団の塊「……」
リヴァイ「……おい」
布団の塊「……」
リヴァイ「いい加減出てこい、クソメガネ」
布団の塊?「残念! 今はクソ布団ですぅ!!」
リヴァイ「ふざけてねぇで出てこい」グッ
布団のハンジ「ぎゃあぁぁ!! 剥がないでぇぇ」
リヴァイ「またくだらねぇ勘違いしやがって」グイッ
437 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/28(土) 22:30:13 D0k23oww
ハンジ「あんたらの言い回しが変なんだよ!! 布団返してぇぇ!!///」
リヴァイ「大体なんでわざわざ見合いなんぞしてガキ作らなきゃならねぇんだ」
ハンジ「うぅ……実は早く欲しいのかなって……」
リヴァイ「だとしても、何故お前以外とこさえなきゃならねぇんだ」シワー
ハンジ「――っ。だって……私はまだ……作れないから……」
リヴァイ「そんなもん承知済みだろうが。早く欲しいわけでもねぇしお前以外との子はいらん」
ハンジ「――っ!?/// ふ、布団! 布団返してぇぇぇぇぇ!!!」つ))
リヴァイ「ああ?」つ布団
ハンジ「ああぁぁぁ!! もういろんな意味で穴に埋まりたいぃぃぃぃぃ!!!///」ジタバタ
〆
438 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/28(土) 22:30:54 D0k23oww
【罰】
リヴァイ「書類は渡して来たぞ」
布団の塊「……ありがとう」
リヴァイ「まだ布団に丸まっているのか。仕事はどうした」
布団の塊「今日は午前中で終わり。さっきの書類提出で終わりなんだよ」
リヴァイ「そうか。俺も終わりだ。とことん付き合ってやる。とりあえず出てこい」ムンズッ
布団の塊「いぃーやぁー!!」
リヴァイ「いやじゃねぇよ。疑っておいて謝罪もねぇとはどういうことだ」グイッつ布団
ハンジ「う、疑ったわけじゃありません!!」
リヴァイ「じゃあなんだ」
ハンジ「不安になっただけですぅー!!」
リヴァイ「そうか」
439 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/28(土) 22:31:39 D0k23oww
ハンジ「そ、そうそう」
リヴァイ「なら、不安にならねぇように可愛がってやらねぇとな?」スッ
*小瓶*
ハンジ「!? それは……なんで!?」
リヴァイ「ついでに俺の部屋から持ってきた」
ハンジ「そうじゃなくて! なんで持ってるの! 薬を!!」
リヴァイ「お前あの時全部俺に振りかけたと思っていただろう?」
ハンジ「えっ?」
リヴァイ「これはお前が持っていた 薬だ。まだ少し残っている」
ハンジ「ま、さか……」ゴクリッ
リヴァイ「効果は保証する。罰は受けるべきだろう?」
ハンジ「ひ、」
ヒィィィ!!
〆∬
445 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/28(土) 22:36:01 D0k23oww
【警戒】
ハンジ「……はい、エルヴィン」スッ
エルヴィン「ああ。なんだか元気がないな、ハンジ」
ハンジ「ちょっとね」ハァ
エルヴィン「……リヴァイを疑ったとか」
ハンジ「――っ、知ってたんだ」
エルヴィン「馬の見合いで泣かれたと言ってたな」
ハンジ「ぬぐぉっ! そんなこと言ってたのか。あなた達の言い回しの所為だよ!」
エルヴィン「ははっ、悪かった。リヴァイの黒馬は優秀だから引く手数多なんだ。
だが演習もあるし現役だ。相手の数を絞らなければならなくてな」
ハンジ「リヴァイが相手を選ばなくても」
エルヴィン「ああ見えて可愛がっているからな」
ハンジ「うっ……」
446 : ◆uSEt4QqJNo :2015/11/28(土) 22:36:36 D0k23oww
――『……不安にならねぇように可愛がってやらねぇとな?』
ハンジ「――っ///」プルプル
エルヴィン「? どうした、ハンジ」
――コンコンッ ガチャッ
リヴァイ「エルヴィン、これなんだが――」
ハンジ「うひゃあおうー!!」ビックゥ!!
リヴァイ「……」
エルヴィン「……」
机|ンジ「うぅぅ」
エルヴィン「……リヴァイ、お前あからさまに避けられてるな」目線↓
リヴァイ「ああ、ちょっとしたイタズラ( 薬)をしたもんでな。またされるんじゃないかと警戒しているんだろう」
机|ンジ「フゥー!!!」キシャー!!
リヴァイ「猫か」
〆
451 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/01(火) 22:30:16 CmL5ePPQ
【逆襲】
リヴァイ「書類ばかりで面倒だな」スタスタ
扉|リヴァイ「ん?」
ハンジ「うっひょーう! いい男じゃないかぁ!!」
エルヴィン「ああ、君の条件に合わせるのは大変だったよ」
ハンジ「でも見つけてくれたんだね!」
エルヴィン「君たってのお願いだからね」
ハンジ「さすがエルヴィン! あぁー本当にいい男だ。こんなにいい男は中々いないね!
子孫をちゃんと残していかないと勿体無い。喜んで相手にさせてもらうよ!!」
バターンッ!!
リヴァイ「……なんの話だ」ゴゴゴゴ
ハンジ「なんのって……」ニヤリ
エルヴィン「それはな」ニッコリ
452 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/01(火) 22:31:07 CmL5ePPQ
ハンジエルヴィン「「馬の見合いの話だよ」」
リヴァイ「……」ピキッ#
ハンジ「うひゃひゃひゃ!! 騙されてやんのぉー」ゲラゲラ
エルヴィン「……」
ハンジ「どーだ! 焦っただろ! 本当に嫌な思いしたんだからな!!」ビシッ
リヴァイ「……ほう?」ゴゴゴゴ
ハンジ「ん? あ、あれ?」ダラダラ
リヴァイ「あの程度の躾では足りなかったと見える……」ゴゴゴゴ
ハンジ「えっ」
ガシッ!
ハンジ「ひょえっ!?」
リヴァイ「エルヴィン……俺とメガネは明日休みだ」ギロリ
エルヴィン「ああ、元よりそうしてある」
453 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/01(火) 22:31:40 CmL5ePPQ
ハンジ「へ!?」
リヴァイ「用意のいいことだ」ハッ
エルヴィン「馬に蹴られるのはごめんだからな」
ハンジ「何上手いこと言ってんだ!! ふざけんな、助けろ!!」
エルヴィン「なんだ君もかけてきたのか」
ハンジ「かけてねぇ!!」
エルヴィン「程々にな、リヴァイ」
リヴァイ「そいつはコイツ次第だな」
ハンジ「ちょっと!! お互い様でしょー!?」
リヴァイ「俺は故意じゃねぇ。分かってねぇようだからしっかり躾ねぇとな」グイッ
ハンジ「いやぁぁ!! 助けてぇぇぇ!!!」ズルズルズル
エルヴィン「お疲れ様」ニッコリ
〆
454 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/01(火) 22:32:18 CmL5ePPQ
【やりすぎたか】
ハンジ「うぅ……腰が痛い……あっちも痛い……」
リヴァイ「……」
――あくる日:リヴァイ自室――
リヴァイ「今日は部屋に戻って寝ろ」
ハンジ「へ? なんで?」
リヴァイ「……なんででもだ」
ハンジ「……うん」
455 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/01(火) 22:32:41 CmL5ePPQ
――また別の日:ハンジ自室――
リヴァイ「じゃあな」
ハンジ「あれ? 泊まってかないの?」
リヴァイ「ああ、今日はな」
パタンッ
ハンジ「……」
―――
――
―
ハンジ「ねぇ、リヴァイ。なんか避けてる?」
リヴァイ「あ?」
456 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/01(火) 22:33:08 CmL5ePPQ
ハンジ「あの躾以来、夜一緒にいようとしない」ムスッ
リヴァイ「ああ……」
ハンジ「なんなんだよ」
リヴァイ「お前がツラいだろうと思ってひかえていた」
ハンジ「へ? それだけ?」
リヴァイ「そうだが」
ハンジ「だから! 言葉にしろよ!! 妙な勘繰りしちゃうだろ! もう!!」
リヴァイ「期待してたのか。そりゃ悪かったな。期待を裏切って」
ハンジ「ん?」
リヴァイ「仕方ねぇから期待に答えてやる」ズイッ
ハンジ「ぬぁ!? ちょっと待って! ごめん! もうちょっと待ってぇぇ!!」
〆
457 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/01(火) 22:33:58 CmL5ePPQ
【信頼関係】
黒馬「ブルル」
ハンジ「この子がお見合いかぁ」ナデナデ
リヴァイ「お前の馬もだろ」
ハンジ「あはは! 勢いで決まっちゃったね。まぁいい男だったから良かったよ」
リヴァイ「いい牡馬(ぼば)、だろ」
ハンジ「言い方がおかしいのはお互い様だよ。しかしなんでまたお見合いなんかしようと思ったの?」
リヴァイ「お前に連れられて馬の出産に立ち会った時に年がいってるから心配と言ってただろ?」
ハンジ「まさかそれで?」
リヴァイ「雄でもどうせならなるべく若い時がいいだろうと思ってな」
ハンジ「この子人気者なんだって?」
黒馬「ブルッ……」スリッ
リヴァイ「ああ、こいつは優秀だからな。あちこちから掛け合わさせてくれと来る」ポンポン
458 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/01(火) 22:34:28 CmL5ePPQ
ハンジ「足早いしスタミナもあるもんねぇ。でも優秀なのは分かるけど確か昔気性が荒くなかった? この子」
リヴァイ「そうか? そうでもなかったが」
ハンジ「そうだよ、思い出した。いい馬だけど扱いに困ってたのにリヴァイがあっさり乗りこなしちゃったんだよ」
リヴァイ「始めからこうだった気もするが。だが多少気が荒い方が躾のしがいがあるだろ」
ハンジ「そう思うのはあなただけだよ」
リヴァイ「そうだな……ハンジ、お前も躾しがいがあった。いや、ある」
ハンジ「現在進行ですか。あと馬と一緒にすんな」
リヴァイ「巨人と一緒にするお前に言われたくねぇ。こいつは現役を退いたら体力のある限り仔作りに専念だな」ナデナデ
黒馬「ブルル……」
ハンジ「種馬か。この子の前で言ってると嫌われるかもよ」
リヴァイ「嫌なことならこいつはやらねぇだろ。それにこいつはそんなことで俺を嫌いにはならねぇ」ポンポン
ハンジ「何その馬に対する厚い信頼」
黒馬「……」スリスリ
〆
459 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/01(火) 22:35:54 CmL5ePPQ
【捕獲作戦】
ハンジ「あ、リヴァイ! ちょっと来て!」
リヴァイ「? お前なんで鍋なんか持ってこんな所にいるんだ」
ハンジ「裏庭にあの黒猫達がいてさ」
リヴァイ「鍋について聞いているんだが」
ハンジ「あ、これ穴空いちゃったらしくてさ修理するってんで持っていくよって預かったの」
リヴァイ「早く持っていけ」
ハンジ「まぁまぁ、見てて」トンッ
リヴァイ「鍋を地面に置くな」
460 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/01(火) 22:36:19 CmL5ePPQ
ハンジ「シッ! いいから待って」
茶トラ猫「ニャア!」スッ
白猫「ミャウ」スッ
ハンジ「早速二匹捕獲ー」
リヴァイ「……」
長毛猫「ミ」スッ
茶猫「ミュ」スッ
灰猫「ミュウ」スッ
ハンジ「うはは! 鍋いっぱい!」
461 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/01(火) 22:36:45 CmL5ePPQ
黒猫「……」ギュムッ
猫達「「「「「ミ゙ュ!」」」」」
ハンジ「あはははは! 黒猫ってば絶対最後に鍋に入るんだよ!」
リヴァイ「自ら鍋に入るとはな。食われてぇのか」
ハンジ「猫って箱とか狭い所好きなんだよね。小石で囲い作っても入ってくるよ」
リヴァイ「簡単に捕まるな」
ハンジ「はい、猫鍋完成」
黒猫「……」フンッ
リヴァイ「なんでこいつは得意気なんだ」
〆
462 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/01(火) 22:37:25 CmL5ePPQ
【磨き隊】
ナナバ「あ、ハンジ。ニファ行け!」
ニファ「はい!」ダッ
ハンジ「ん?」
ニファ「ナナバさん、捕獲しましたぁ!!」ギュッ
ナナバ「よくやった!」
ハンジ「何? なんなの?」
ナナバ「夜会、あるんでしょ? スキンケア商品がいくつか手に入ってね?」
ハンジ「!!」ダッ…
ニファ「逃がしません!!」ガッシィ
463 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/01(火) 22:37:54 CmL5ePPQ
ハンジ「私で遊ぶな! ニファ離せ!」
ニファ「遊びではありません! ハンジさんがツヤツヤのキラキラになっているところが見たいです!!」キッ
ハンジ「お、おう」←なんか気圧された
ナナバ「全身綺麗に磨いてリヴァイに献上してあげるから行くよー」ガシッ
ハンジ「なんでリヴァイに献上されるんだよ! 夜会に行くんだから献上しちゃダメだろ!!」ズルズルズル
ナナバ「どうせ受け取りにくるからさぁー」
ハンジ「夜会前にえらいことになるだろぉー!!」
ニファ「……///」
ハンジ「あっ! ちがっ! ニファ!!///」
ナナバ「はいはい。仲がよろしくて結構だね」
ハンジ「ああぁぁぁ!!!」ズルズルズル
〆
468 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/04(金) 22:25:16 YH5Zm.rM
【ツヤキラ】
ハンジ「……」ツヤツヤキラキラ
リヴァイ「……また一段と磨かれたな」
ハンジ「昨日一日がかりだよ。疲れた」
リヴァイ「夜会は明日だが?」
ハンジ「……」
リヴァイ「……なるほど」
ハンジ「理解しないでくれよ! 先に捧げてこいとか言われたよ!!」
リヴァイ「ありがたく受け取っておこう」
ハンジ「だぁー! ナナバの手の上で転がされんの!?」
リヴァイ「こういうことならそれも悪くない」
469 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/04(金) 22:25:54 YH5Zm.rM
ハンジ「ナナバ、絶対これ見越して楽しんでるよぉー!!」
リヴァイ「いいから触らせろ」スッ
ハンジ「変態発言!!」
リヴァイ「! ほぅ……」ナデ…
ハンジ「えっ? 結構違う?」
リヴァイ「ああ、違うな。一層滑らかでいつまでも撫でていたくなるな」スルッ
ハンジ「そ、そう///」
リヴァイ「ハンジ……」スッ
ハンジ「な、何?」
リヴァイ「……隈無く味わいたい」ボソッ
ハンジ「――っ///」ゾクッ
リヴァイ「あぁ……その顔も悪くないな」クッ
〆
470 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/04(金) 22:26:21 YH5Zm.rM
【何かと遭遇】
――ハンジ研究室――
リヴァイ「相変わらず空気が悪い」
ハンジ「」スースー
リヴァイ「昼間から寝てやがる。また根を詰めてやがるのか……今のうちに空気を入れ換えるか」バタンッ
――ヒョオッ……
ハンジ「ん……」ブルッ
リヴァイ「……」スッ、パサッ ←自分の上着をかけた
ハンジ「ん……」スースー
471 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/04(金) 22:26:45 YH5Zm.rM
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……」ツー…
ハンジ「ん……」
リヴァイ「……隈が出来てるぞ、クソメガネ」ナデ…
ハンジ「」スースー
扉|ファ「……」
ニファ(お、お昼持ってきたらなんか入りにくい場面に……!)
ニファ(それにしても、指の甲で頬を撫でてただけなのになんでこんな大人な雰囲気……///)
ニファ「……」
472 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/04(金) 22:27:10 YH5Zm.rM
ニファ(も、もうちょっとだけ……)ソー…
リヴァイ「何してる」
ニファ「うひゃっ!!?」ビックゥ!!
リヴァイ「? あぁ、昼飯か」
ニファ「は、はい。こちらで召し上がるとの事でしたので」
リヴァイ「俺がやっておく。お前も昼にしろ」
ニファ「はい! ありがとうございます。では」スタスタ…
リヴァイ「……」
ハンジ「」スヤスヤ
リヴァイ「奇行種の部下をしていると奇行も移るのか?」
〆
473 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/04(金) 22:27:38 YH5Zm.rM
【音色】
――中央:街――
~♪~~♭♪~~♪♪
ハンジ「おっ? 綺麗な音だね」
リヴァイ「あれは……」
ハンジ「オルゴールだね。さすが王都」
リヴァイ「……」
ハンジ「いろんな音楽がある。これは子守唄だね」
474 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/04(金) 22:28:03 YH5Zm.rM
リヴァイ「そうだな」
ハンジ「ひとつ買ってく?」
リヴァイ「高ぇよ」
ハンジ「あはは! 確かに」
リヴァイ「本屋に行くんだろう? 行くぞ」
ハンジ「あ、待って」
~♪~~♭♪
リヴァイ「……」
〆
475 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/04(金) 22:28:35 YH5Zm.rM
【呼び方】
リヴァイ「……」モソモソ
ハンジ「リヴァイ、眠れないの?」
リヴァイ「悪い、起こしたか?」
ハンジ「ううん、大丈夫だけど……子守唄でも歌う?」
リヴァイ「なんでだ」
ハンジ「では」コホンッ
リヴァイ「あぁ、お前は俺の話を聞かねぇよな」
ハンジ「ねーむれ、ねーむれ、はーはーのむぅねーに、ねーむれ、ねーむれ……♪」ギュッ
リヴァイ「……お前は母さんじゃねぇよ」ムニッ ←胸に抱かれた
476 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/04(金) 22:28:58 YH5Zm.rM
ハンジ「母さん?」スッ
リヴァイ「っ!」ハッ!
ハンジ「へぇ……リヴァイって“母さん”って呼ぶんだ」
リヴァイ「……」
ハンジ「口悪いからお袋とかそんな感じで呼ぶかと思った」
リヴァイ「なんでもいいだろ」
ハンジ「ふふっ、そりゃ人それぞれだからね。どう呼ぼうと勝手さ。ただ」
リヴァイ「ただ?」
ハンジ「なんだか嬉しくなっただけだよ」
リヴァイ「なんだそりゃ」
ハンジ「なんだろうね?」クスクス
〆
477 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/04(金) 22:29:57 YH5Zm.rM
【良い夢が見れますように】
ハンジ「ねぇねぇ、今度はリヴァイが歌ってよ」
リヴァイ「いいから寝ろ」
ハンジ「リヴァイが歌ってくれたら寝る」
リヴァイ「……」シワー
ハンジ「ちょっとだけ。ねぇ、ダメ?」
リヴァイ「……はぁー、ちょっとな」
ハンジ「うん!」パァ
リヴァイ「……~~♪」
ハンジ「子守唄だ」
リヴァイ「寝るんだからそうだろ」
478 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/04(金) 22:30:29 YH5Zm.rM
ハンジ「王都で聞いたオルゴールの曲だよね?」
リヴァイ「……母さんが歌っていた歌だ」
ハンジ「へぇ」
リヴァイ「俺がガキの頃に死んだがな……」ポンッ
ハンジ「そっか」
リヴァイ「ああ」ナデナデ
ハンジ「じゃあ、いつかリヴァイに子供ができたら歌ってあげないとね。そうしたらきっと喜ぶよ」
リヴァイ「……お前が歌え」
ハンジ「…………私?」
リヴァイ「そうだ、お前だ」
ハンジ「ふふっ、リヴァイも歌ってくれないと」
リヴァイ「俺はいい」
479 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/04(金) 22:31:15 YH5Zm.rM
ハンジ「ダメだよ。私にだけ寝かしつけさせようなんて許さないよ。それにいい声してるんだからさ」
リヴァイ「……そうか」
ハンジ「ね、もう少し歌って?」
リヴァイ「あと一回だけだ」
ハンジ「うん」
リヴァイ「~~♪」
ハンジ「ふふっ、いい夢が見れそうだ……ね……」トロンッ
リヴァイ「……」
ハンジ「」スースー
リヴァイ「お前が俺を寝かせるんじゃなかったのか?」
ハンジ「」スヤァ
〆
483 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/06(日) 23:12:26 x3OdWRTo
【普通の女】
オルオ「も、もうすぐだな」
ペトラ「何が?」
オルオ「そりゃお前、ほら」
ペトラ「何よ」
エルド「おい、ペトラ。何か欲しいものあるか?」
ペトラ「えっ?」
グンタ「もうすぐ誕生日だろ」
ペトラ「あぁ!」
オルオ「ちっ……はっ、もうボケたのか。そんなんじゃ俺の嫁に――」
ペトラ「なる気ないし似てないし」スパッ
オルオ「ぐぬっ」
484 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/06(日) 23:12:56 x3OdWRTo
壁|リヴァイ「……」フム
ハンジ「どうしたの?」
リヴァイ「いや……もうすぐペトラの誕生日だ」
ハンジ「あぁ、そろそろだね」
リヴァイ「前にもやったからな、何か贈らなければと思うんだが何も浮かばん」
ハンジ「えぇー」
リヴァイ「好みもさっぱりだからな。普通の女が貰って嬉しい物というのはなんだ?」
ハンジ「えっとね、」
リヴァイ「すまん、普通じゃないお前に聞くのは間違っていた」
ハンジ「まだ何も言ってない!!」
〆
485 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/06(日) 23:13:33 x3OdWRTo
【あとは若い者で】
壁|オルオ「ふぅー……行くぞ。ペト――」
ハンジ「ペートラー!!」ガバッ!
ペトラ「ひゃあ!?」
オルオ「!?」
ハンジ「誕生日おめでっとーう!!」ギュッ
ペトラ「あはは! ありがとうございます、ハンジさん」
ハンジ「ペトラの頬っぺたすべすべー」スリスリ
ペトラ「えっ、あ、ちょっ、ハンジさん///」
オルオ「!! ハ――」
――ゲシッ!!
ハンジ「あだっ!?」
ペトラ「ハンジさん!?」
486 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/06(日) 23:13:59 x3OdWRTo
リヴァイ「……やめろ、変態メガネ」
オルオ「兵長!」
ハンジ「乱暴良くない!!」
リヴァイ「うるせぇ。ほら、ペトラ」スッ
ペトラ「わぁ、ありがとうございます!」
リヴァイ「紅茶だが」
ペトラ「大切に飲みます!」
リヴァイ「そうか」
ハンジ「はい、私からも」スッ
ペトラ「ありがとうございます。石鹸ですね、良い香り……」
オルオ「……」モジモジ
ハンジ「! じゃあ、私らはもう行こうか」
リヴァイ「ああ」
〆
487 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/06(日) 23:14:40 x3OdWRTo
【照れを隠そうと】
ハンジ「じゃあねぇ」
ペトラ「ありがとうございました!!」
オルオ「ペ、ペトラ」
ペトラ「あ、オルオ! 見て見てー! 今年もリヴァイ兵長とハンジさんから貰ったよ!!」フフフー♪
オルオ「お、おう」
ペトラ「仕方ないから紅茶は飲ませてあげる。前はあんたからリヴァイ兵長に貰ったの飲ませてもらったしね」
オルオ「ああ」モジモジ
488 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/06(日) 23:15:38 x3OdWRTo
ペトラ「? 何、どうしたの?」
オルオ「その、誕生日おめでとう」
ペトラ「うん? ありがとう」
オルオ「ほら」バサッ
ペトラ「!? 花……」
オルオ「カ、カトレアだ。誕生日くらい華やかなもんで飾っとけ。地味だからな」
ペトラ「誰が地味よ! あんたのその顔で言われたくない! って崩壊してるから地味じゃなかったね」
オルオ「誰が顔面崩壊だ!!」
〆
489 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/06(日) 23:16:20 x3OdWRTo
【青春だね】
ペトラ「あ、そういえばあんた花言葉とか勉強してたよね?」
オルオ「うっ」ギクッ
ペトラ「これの意味は?」
オルオ「あ………………素朴」
ペトラ「……」
エルド「ありのままが素晴らしいって事か?」ヌッ
ペトラ「エルド!」
グンタ「綺麗な花だな」
オルオ「お、お前ら」
エルド「おめでとう、ペトラ」スッ
490 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/06(日) 23:17:11 x3OdWRTo
グンタ「俺からも、おめでとう」スッ
ペトラ「ありがとう、二人共!」
オルオ「……」
ペトラ「オルオも」
オルオ「!」
ペトラ「意味はともかく、綺麗な花をありがとう」
オルオ「お、おう」
エルド「ちゃんと伝えないと意味ねぇぞ」ヒソッ
グンタ「お前のメモからすると“あなたは美しい”や“純粋な愛”とかって書いてあるけどな?」ヒソッ
オルオ「!?/// な、なんで!?」
エルド「そこに落ちてたぞ」
491 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/06(日) 23:17:39 x3OdWRTo
グンタ「気を付けろよ」スッ
オルオ「ぐっ、言うなよ」パシッ
エルド「んー」
グンタ「どうだろうなー」
オルオ「お前ら!!」
ペトラ「ちょっと、何ヒソヒソしてんの?」
オルオ「な、なんでもねぇよ!!」
壁|ハンジ「あー……せっかくエルドとグンタがフォローに入ったのにぃ」
リヴァイ「覗くな」
ハンジ「いやぁ、甘酸っぱいよねぇ」ウンウン
〆
492 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/06(日) 23:18:04 x3OdWRTo
【わくハラ】
――ギュルル、ザシュッ!!
ハンジ「おー……さすがだねぇ」
モブリット「ええ、リヴァイ兵長の立体機動はいつ見ても素晴らしいです」
ハンジ「おや、モブリットもリヴァイに心酔かい?」
モブリット「ほとんどの調査兵団団員がそうだと思いますが?」
ハンジ「あはは! ほんっと人気者だね、リヴァイってば」
――ヒュンッ
ハンジ「……」
調査兵1「おおっ!? 今のすっげ! 見たか、今の!」
493 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/06(日) 23:18:27 x3OdWRTo
調査兵2「見た!! 憧れるなー……あんな風に飛んでみてぇよ」
ハンジ「……ほんっと、綺麗だなぁ」ホゥ
リヴァイ「……」ヒュンッ、スタッ
ハンジ「と、」
リヴァイ「何ぼさっとしてやがる。次は組んでやるんだろうが」
ハンジ「ごめんごめん。あなたが飛んでる姿が綺麗で見惚れてたわ」アハハー
リヴァイ「……お前のも悪くないだろ」ボソッ
ハンジ「えっ」
リヴァイ「行くぞ」
ハンジ「う、うん」
494 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/06(日) 23:19:03 x3OdWRTo
調査兵1「! おい! ハンジ分隊長が行ったぞ!」
調査兵2「やっとか! これ見に来たんだよ!」
モブリット「……」クスッ
モブリット(二人が飛んでるとなんだかこっちがわくわくするんだよな)
ハンジ「うおぉぉ!! 待て! リヴァイ、このやろう!!」
リヴァイ「お前が遅いのが悪い」
ハンジ「本気で飛んでるあなたに追い付けるわけないだろ!! 手加減しやがれ! 刈り上げ野郎!!」
リヴァイ「騒ぐな、うるせぇ、クソメガネが」
モブリット「……」
モブリット(あとハラハラもするな、うん)
〆
498 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/09(水) 22:07:53 avG.v3tg
【体温高め】
ハンジ「あー、井戸の水冷たいねぇ」パシャッ
ニファ「そうですね。だいぶ冷たくなりました」
モブリット「もうすぐ冬ですね」
ハンジ「夏もツラいけど冬は手がかじかんで立体機動が危ないよね」
ケイジ「手にひび割れができてもツラいですよ」
ゴーグル「雪が積もると壁外調査もままなりませんしね」
ハンジ「そうなんだよねぇ。さ、立体機動の演習も終わったし、戻ろうか」
ハンジ班「「「「はい」」」」
ハンジ「……」
ハンジ(寒い日は人肌恋しくなるねぇ。そろそろリヴァイをカイロにしようかな)
〆
499 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/09(水) 22:08:23 avG.v3tg
【隠しておけない】
ハンジ「おっ、リヴァーイ!」
リヴァイ「! クソメガネ」
ハンジ「研究室の前で何してんのー?」
リヴァイ「書類だ。サインしろ」ペラッ
ハンジ「ああ、ちょっと待って」ガチャッ
モブリット「リヴァイ兵長、お入りください」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「んーと」カリカリ
リヴァイ「! ニファ」
ニファ「はい」
ハンジ「ふむふむ、リヴァイ、目も通したし書いたよ」ペラッ
リヴァイ「ああ。手を貸せクソメガネ」グイッ
ハンジ「おぉ? 何?」
500 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/09(水) 22:08:51 avG.v3tg
リヴァイ「手が乾燥している。ひび割れができるぞ」ヌリヌリ
ハンジ「えぇー? まだ大丈夫だよ」
リヴァイ「大丈夫じゃねぇ。できてからじゃ遅ぇんだよ。早めに塗っておけ。大体前はお前が俺に言ってただろうが」ヌリヌリ
ハンジ「へいへい。リヴァイ母さん」
リヴァイ「誰が母親だ」ベシッ
ハンジ「いてっ」
リヴァイ「お前手が冷てぇな」ヌリヌリ
ハンジ「さっき井戸水で手を洗ったからね」
リヴァイ「尚の事塗りやがれ」ヌリッ
ハンジ「リヴァイの手は温かいなぁ」
リヴァイ「部屋にいたからな」
ニファ「……」
ニファ(ハンドクリームないかって聞かれたから渡したけど、
まさかハンジさんに兵長自ら塗りだすとは……これヤバくないのかな?)チラッ
501 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/09(水) 22:09:19 avG.v3tg
ケイジ「……」ビックリ
ゴーグル「……」ビックリ
ニファ(ああぁ! 二人が目を見開いてるぅぅ!!)
モブリット「……」フッ ←生温い目
ニファ(モブリットに至っては悟りを開いてるぅぅ!!)
ケイジ「……なるほど」
ゴーグル「……仕事するか」
ニファ(なんか二人が何かに納得してる)チラッ
モブリット「ニファ、大丈夫だよ」
ニファ「は、はぁ」
ニファ(もう二人にバレても大丈夫ってことかな?)
リヴァイ「これでいいだろう」
ハンジ「んー、ありがとう、リヴァイ」
〆
502 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/09(水) 22:09:51 avG.v3tg
【恋する女は】
ハンジ「今度の休み、ナナバと街に行ってくるよ」
リヴァイ「そうか。気を付けてな」
ハンジ「うん」ウキウキ♪
リヴァイ「……」
リヴァイ(何故だか浮かれてやがるな……久しぶりに街に行くからか?)
―――
――
―
ハンジ「街だね!」
ナナバ「なんだかテンション高いね」
503 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/09(水) 22:10:18 avG.v3tg
ハンジ「んふふふ。これを! 付けられる!!」スッ
*指輪*
ナナバ「あぁ」
ハンジ「なっかなか付けられなくてねー。普段は仕舞ってるか紐に通して首から下げてるしかなくて」ウキウキ♪
ナナバ「今日は知ってる相手とのお出掛けだから付けられる、と」
ハンジ「そういうこと! ど?」キラッ+
ナナバ「……似合ってるよ」クスッ
ハンジ「ふへへー」ニヘー
ナナバ「……」
ナナバ(こんな可愛いハンジが見れなくて残念だねぇ、リヴァイ)
――――――
リヴァイ「ぶぇっくし!!」
〆
504 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/09(水) 22:11:06 avG.v3tg
【猫と馬と人】
黒馬「ブルッ」
リヴァイ「あまり動くな。ブラッシングしにくい」シュッシュッ
黒馬「ブルルッ……」
リヴァイ「……」シュッシュッ
黒猫「ニァ」
リヴァイ「! 黒猫……馬房の縁は危ねぇぞ」
黒猫「ニァ」トンッ ←馬の上に乗った
黒馬「ブルッ」
505 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/09(水) 22:11:37 avG.v3tg
黒猫「……ニァー」ノビー
リヴァイ「……お前、黒猫と仲良いのか?」
黒馬「ブルッ……」
黒猫「ニァ」コロンッ
リヴァイ「おい、お前、あまり派手に動くなよ? 黒猫が落ちる」シュッシュッ
黒馬「ブルルッ」
黒猫「……」ゴロゴロ
ハンジ「……」
ハンジ「黒猫、黒馬、黒髪の真っ黒尽くしだな」
〆
506 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/09(水) 22:12:06 avG.v3tg
【静まる眉間】
リヴァイ「――だから使い終わったらすぐ仕舞えばいいだけの話だろうが」
ハンジ「リヴァイ、ここは酒の席だよ。せっかく四人で飲んでるのにそういう話はやめようよ」
エルヴィン「……」グビッ
ミケ「……」スンッ
リヴァイ「お前から振ってきたんだろうが。俺の所為で何がどこにいったか分からねぇと。だからなんでそうなるかをだな」
ハンジ「はい、シィー」ピトッ
リヴァイ「……何故眉間に指を置く」ペシッ
507 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/09(水) 22:12:31 avG.v3tg
ハンジ「あなたのここがよく語るから」
リヴァイ「馬鹿か」
ハンジ「いやいや、ほれ」ピトッ
リヴァイ「……」
ハンジ「ね?」パッ
リヴァイ「阿呆か」
エルヴィン(……今ノったな)
ミケ(ノったな)
〆
510 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/12(土) 22:16:23 NE.h82CI
【暖を取る】
リヴァイ「!」
ハンジ「はぁぁ」ノシッ
リヴァイ「……なんだ」
ハンジ「磁力が発生する時期なんだよ」ギュー
リヴァイ「発生してねぇ」モゴモゴ
ハンジ「くすぐったい。寒いよねぇ」
リヴァイ「もう少し離れろ。それからなんか羽織れ」モゴモゴ
ハンジ「この温もりが最っ高なんじゃないかぁ」ヌクヌク
511 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/12(土) 22:16:51 NE.h82CI
リヴァイ「邪魔だ」モゴモゴ
ハンジ「酷いなぁ」
リヴァイ「背中から抱きつくならまだしも正面から抱き込むな」モゴモゴ
ハンジ「少々前が見えないくらい我慢してくれよ」
リヴァイ「本を読んでいたんだが?」
ハンジ「あとあと」ギュー
リヴァイ「我が儘し放題か」ナデナデ
ハンジ「あぁぁ、温かけぇぇ」
〆
512 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/12(土) 22:17:29 NE.h82CI
【興奮の種類】
ハンジ「んー」サワッ
リヴァイ「何勝手に袖捲って腕触ってんだ」
ハンジ「リヴァイの肌って触り心地良いー」サワサワ
リヴァイ「やめろ、変態が」
ハンジ「いいじゃんよー。んーこの肌触りーこう吸い付くようなフィット感」サワサワ
リヴァイ「吸い付かねぇよ。それ男が言う台詞じゃねぇか」
513 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/12(土) 22:17:54 NE.h82CI
ハンジ「この上腕筋、上腕二頭筋とかー」サワサワサワサワ
リヴァイ「……」
ハンジ「上腕三頭筋、烏口腕筋とかー」サワサワサワサワサワサワ
リヴァイ「どこまでいく」
ハンジ「えっ!? これから先は後ろの大菱形筋、小菱形筋、大円筋とかー、前だと大胸筋、小胸筋とかぁー」ハァハァ
リヴァイ「……その興奮は嫌なやつだな」
ハンジ「なにがぁー?」ハァハァ
リヴァイ「正気に戻れ」ベシッ!! ←手刀で頭を叩いた
〆
514 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/12(土) 22:18:25 NE.h82CI
【逆襲】
リヴァイ「クソメガネが」
ハンジ「あいてて」
リヴァイ「……」ゴロンッ
ハンジ「リヴァイ?」
リヴァイ「今度は俺の番だろ」
ハンジ「お触りの代わりが膝枕?」クスッ
リヴァイ「お触りがいいのか」サワッ
ハンジ「ぬあっ!? 違っ!」ビクッ
515 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/12(土) 22:18:51 NE.h82CI
リヴァイ「俺はここ(膝)から……」ムクッ
ハンジ「ちょっ、膝くすぐったい!」
リヴァイ「上へ」ツー…
ハンジ「――っ」ビクッ
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「――っ!! 変っっ態はリヴァイの方だよ!!!!! 悪い手!!」ペチーンッ!!
リヴァイ「いてぇな。直に触ってねぇだろ」ヒラヒラ ←手を叩かれた
ハンジ「直とか関係ない!」
リヴァイ「触られなくて残念そうだったからな」
ハンジ「残念じゃねぇし!! もう! 黙って膝枕されてろ!!」ボスッ!
〆
516 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/12(土) 22:19:25 NE.h82CI
【出会い】
――中央:街――
ハンジ「中央の街っていい本屋があるんだよねぇ。滾る!!」
ハンジ「ん?」
ハンジ「宝石店……なんか覚えのある店の名前だな……?」
ハンジ「どこで見たっけ?」ウーン
――リヴァイ『シンプルな物だがな』
ハンジ「あ! この指輪だ……」キラッ+
ハンジ(リヴァイに貰ったこの指輪の入れ物に書いてあった!)
ハンジ「ここで買ったんだ……」
517 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/12(土) 22:19:52 NE.h82CI
ハンジ(覗いて見るか。そろそろ何あげるか考えないとだし)キィー
店主「いらっしゃいませ」
ハンジ「こんにちは。あの、12月の誕生石で男性に贈る物が欲しいのですが」
店主「そうですね……ん? その指輪は……」
ハンジ「あ、おそらくこちらのお店で購入した物かと……」
店主「そうですな。覚えていますよ」
ハンジ「えっ」
店主「いや、口説いてみたんですがペアでは買ってくださいませんでしたな、あの方は」クスクス
ハンジ「!」
ハンジ(リヴァイだと、調査兵団の兵士長だと知っている?)
518 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/12(土) 22:20:24 NE.h82CI
ハンジ「あ、えと……」
店主「……信用第一で店をやっておりますので他言など決してしませんよ」
ハンジ「! ありがとうございます」
店主「当然の事です。ところでどうなさいますか? 同じように指輪にされますか?」
ハンジ「ううーん、でもこれ買う時も嫌がっていたのならちょっとな、と」
店主「嫌がって、というようでもなかったように感じられましたが」
ハンジ「そうなんですか?」
店主「なんとなくですが。それに誕生石にされるのなら尚の事指輪がお奨めですよ」
ハンジ「? 何故ですか?」
店主「それはですね……」ニッコリ
519 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/12(土) 22:20:52 NE.h82CI
―――
――
―
店主「ありがとうございました」
ハンジ「はい、また後日に」
パタンッ
ハンジ「……予約完了。サイズ調節待ち、か。しかし……店主やるなぁ。
さすがリヴァイの選んだ店。でも私が買いに来なかったらどうしたんだろう?」
ハンジ「経営努力の一貫なのかな」
ハンジ「何にしてもお陰で良い物が買えた! 意味を知ったら驚くかなぁ」
ハンジ「まだ先だけど楽しみだな」フフッ
〆
520 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/12(土) 22:21:19 NE.h82CI
【一気】
――街――
ハンジ「じゃあ、お願いします」
店員「かしこまりました」
ハンジ「お腹すいたねー」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「あ、来た来た」
店員「お待たせ致しました」
ハンジ「美味しそう!」
リヴァイ「……」フム
店員「それからこちらは今カップル限定でサービスをしております」コトッ
ハンジ「……」
リヴァイ「……」
521 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/12(土) 22:21:47 NE.h82CI
店員「では、ごゆっくり」
ハンジ「……これは」
*飲み物に飲み口が二つのハートストロー*
ハンジ「あの店員さんは年老いたカップルに何をさせたいんだろうね」
リヴァイ「まだそこまで老いちゃいねぇが、いい年した男女に出すもんじゃねぇな」
ハンジ「あ、見てあそこ」
リヴァイ「あ?」
フランツ「こんなに間近で見ても可愛いね、ハンナ」
ハンナ「やだっ、フランツったら! あなたもかっこいいわよ」
フランツ「ハンナ」
ハンナ「フランツ」
ウフフアハハ♪
ハンジ「若いねぇ」
リヴァイ「……」ズイッ
522 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/12(土) 22:22:19 NE.h82CI
ハンジ「うおっ、何こっちに寄せてるの」
リヴァイ「お前が全部飲め」
ハンジ「えー? 一緒に飲まないのぉー?」ニヤニヤ
リヴァイ「誰が飲むか」
ハンジ「仕方ないなぁ」フゥー…
リヴァイ「?」
ハンジ「!!」ズォォォ!!!
リヴァイ「……」
ハンジ「ぷはっ! はぁー、飲みきった!」
リヴァイ「ストローですげぇ速さだな」
ハンジ「ふっふっふー、分隊長は伊達じゃないよ」ニヤリッ+
リヴァイ「それは関係ねぇな」
〆
529 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/15(火) 22:13:49 aYGIuC9.
【待ってて】
リヴァイ「おい、風呂の時間だ」
ハンジ「んー、待ってて」カリカリ
リヴァイ「却下だ」
モブリット「ハンジ分隊長、我々からもお願いします。もう休んでください」
ハンジ「んー、待ってて」カリカリ
リヴァイ「おい! ハンジ!」ガシッ
ハンジ「……あ、リヴァイ」ボー
リヴァイ「さっさと風呂入って、クソして寝ろ!」
530 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/15(火) 22:14:16 aYGIuC9.
ハンジ「えっ? お風呂の後クソなの? 逆が良くない?」
リヴァイ「……いいからもうやめろ」シワー
ハンジ「ほらほらーそんなに怒るとシワシワになっちゃうよ。眉間のシワがシワシワでシワ寄せー」ギュー
リヴァイ「指で寄せるな」ベシッ
ハンジ「あははははは!!」ゲラゲラ
リヴァイ「……」
ハンジ「あははははは、はぁぁー……」
リヴァイ「落ち着いたか? 落ち着いたなら風呂に――」
ハンジ「よし、やるか!」カリカリ
531 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/15(火) 22:14:53 aYGIuC9.
リヴァイ「……」
モブリット「ハンジさん……」ハァー
リヴァイ「おい、風呂に入れと言ってるだろうが」
ハンジ「んー、待ってて」
リヴァイ「クソメガネ、最期に言い残す事はあるか?」ペキペキ
ハンジ「んー、待ってて」
リヴァイ「……よし、落とす」
モブリット「……せめて良い夢を」←合掌
――ゴスッ!
〆
532 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/15(火) 22:15:26 aYGIuC9.
【倉庫は大丈夫のはず】
――孤児院――
子供「きゃーははは!」
ヒストリア「待ちなさーい!!」
リヴァイ「……」
ハンジ「行かないの?」
リヴァイ「ガキはうるさい」
ハンジ「怖がらせるといけない、か」
リヴァイ「……」
ハンジ「あんだけ力入れといて遠くから見るだけって」
533 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/15(火) 22:15:52 aYGIuC9.
リヴァイ「別にいいだろ」
ハンジ「荷物運びくらい手伝った、ら!」ドンッ!!
リヴァイ「!!?」ザッ
エレン「あ、リヴァイ兵長にハンジ分隊長」
ジャン「うっ、掃除! 部屋は綺麗にしてるか!?」
コニー「な、中にまで来ないだろ、多分」
サシャ「エレンを呼びに来たんでしょうか?」
ミカサ「……まだ早い」
アルミン「どうしたんだろうね」
ハンジ「やっほー! 手伝うよー!」
リヴァイ「……」
534 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/15(火) 22:16:26 aYGIuC9.
エレン「えっ!? いや、そんな……」
ハンジ「ほら、エレンには実験で力を使ってもらわないといけないからね。
それに馬鹿力のリヴァイがいればすぐ運び終わるよ」
リヴァイ「……」
ミカサ「そう、エレンは休むべき」
エレン「俺だけ何もしないってわけには……」
ハンジ「はい、リヴァイ、これ運んで」スッ
リヴァイ「……」ヒョイッ、ヒョイッ
ヒストリア「リヴァイ兵長! ハンジ分隊長!!」タタッ
ハンジ「やぁ、ヒストリア。これあっちに運べばいい?」ヒョイッ
ヒストリア「ありがとうございます! はい、あちらにお願いします」
535 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/15(火) 22:17:09 aYGIuC9.
ハンジ「了ー解! 行くよー」
リヴァイ「……」スタスタ
コニー「すげぇな」
ジャン「肩に袋3つ、もう片手に木箱……」
アルミン「力もだけどバランスも凄いね」
エレン「さすがだな、あれならすぐ終わりそうだ」
ミカサ「……」ヒョイッ、ヒョ…
サシャ「ミカサ、何を?」
エレン「ミカサ、対抗するなよ」
ジャン「あ……掃除」
104期「「「「!!!!?」」」」
〆
536 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/15(火) 22:17:50 aYGIuC9.
【強引】
リヴァイ「おい、そのシャツよれよれじゃねぇか」
ハンジ「ん? あー、ちょっとくたびれてるね」
リヴァイ「ちょっとじゃねぇよ。廃棄しろ」
ハンジ「まだ着れるよ。もったいない」
リヴァイ「もう着れねぇよ」
ハンジ「大丈夫だって」
リヴァイ「……」スタスタ
ハンジ「何?」
ガシッ!!
537 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/15(火) 22:18:36 aYGIuC9.
ハンジ「へ?」
リヴァイ「ふんっ」ブッチィッ!! カンッコロコロ
ハンジ「ふぉあ!? 何しやがんだ、このやろう!!」
リヴァイ「ボタンが散らかったな」チッ
ハンジ「そういう問題じゃねぇ!! いきなりシャツ引き裂くなよ!!」
リヴァイ「あっさり破れた。やはりもうダメになっていたな」
ハンジ「あなたの腕力なら新品の厚手のシャツでも破れるよ!!」
リヴァイ「だがこうすりゃ廃棄するしかねぇだろ」
ハンジ「いや、無理矢理すぎるだろ! 怖ぇよ!!」
〆
538 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/15(火) 22:19:07 aYGIuC9.
【ありえないけどね】
リヴァイ「? なんだ、この本」
ハンジ「あぁ、なんか面白いから読んでみてって部下に奨められたの」
リヴァイ「物語か」ペラッ
ハンジ「リヴァイには合わないかもねー、不倫の話だから」
リヴァイ「……面白かったか?」
ハンジ「んー……私にも合わなかったな」
リヴァイ「そうか」
ハンジ「……リヴァイ」
リヴァイ「ん?」
539 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/15(火) 22:19:38 aYGIuC9.
ハンジ「もし、私が浮気したらどうする?」
リヴァイ「……相手の男を切り刻んだあとお前を監禁して躾し直す」
ハンジ「怖ぇー、元ゴロツキマジ怖ぇー」ケラケラ
リヴァイ「お前は?」
ハンジ「ん?」
リヴァイ「お前はどうする?」
ハンジ「私? うーん……そうだなぁ。相手の女を切り刻んだあと、リヴァイを監禁する……のは難しそうだなぁ」
リヴァイ「……」
ハンジ「そうだ、いっそ殺し合いに興じるってのはどうだい?」ニッコリ
リヴァイ「……お前の方がよほど怖いがな」フッ
〆
540 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/15(火) 22:20:10 aYGIuC9.
【温もり】
壁|ハンジ「はぁー、休憩がてら中庭に来てみたけど寒いなぁ」ブルブル ←体育座り
ハンジ「戻るかなぁ」
茶トラ「ニャア」
ハンジ「おや、茶トラじゃないか」
仔猫達「「「「ミュウ!」」」」
黒猫「……ニア」
ハンジ「あはは、みんなお揃いだね」
茶トラ「ニャア」ノシッ
ハンジ「ん? 膝に乗らないで。もう戻ろうかと思って……」
仔猫達「「「「ミュウ」」」」ノシッノシッノシッノシッ
ハンジ「ちょっ!?」
541 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/15(火) 22:20:44 aYGIuC9.
黒猫「……」ノシッ
ハンジ「お前もかい」
仔猫達「「「「ミュウ」」」」ゴロゴロ
茶トラ「ニャアー」ゴロゴロ
黒猫「……」ゴロゴロ
ハンジ「……困ったな」
ハンジ(……でも)ナデ…
黒猫「……ニア?」
ハンジ「あったけぇぇぇー」ヌクヌク
猫達「「「「「「?」」」」」」
リヴァイ「……何してんだ、ハンジ」
猫まみれハンジ「休憩」ヌクヌク
〆
545 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/19(土) 22:25:26 Cx8MU7xU
【労い:ハンジ】
リヴァイ「……」ハァー
ガチャッ
ハンジ「おっかえりぃー!!」
リヴァイ「……」
ハンジ「中央行き疲れただろ? あれ? もうお風呂入ったんだね」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「じゃあ、丁度いいや。ベッドにうつ伏せで寝転んで」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「警戒しないでよ。マッサージするだけだよ」
リヴァイ「あぁ……」ギシッ
ハンジ「リヴァイ、“あ”しか言ってないよ」ギシッ
546 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/19(土) 22:25:53 Cx8MU7xU
リヴァイ「……ただいま」
ハンジ「あはは! 今かよ!」グッグッ
リヴァイ「ん……」
ハンジ「リヴァイ、疲れてるねぇ」グッグッ
リヴァイ「……」
ハンジ「リヴァイ?」
リヴァイ「」スゥー…
ハンジ「ありゃ」
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ「……ふふっ、無防備」ナデ…
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ「お疲れ、リヴァイ」
〆
547 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/19(土) 22:26:33 Cx8MU7xU
【労い:リヴァイ】
ハンジ「りーばーいー」パタパタ
リヴァイ「ベッドで足をバタつかせるな。埃が舞う」
ハンジ「つーかーれーたぁー」
リヴァイ「だからなんだ」
ハンジ「おいで」
リヴァイ「ガキじゃねぇんだ」
ハンジ「いいから、来てよ」
リヴァイ「なんだ」ギシッ
548 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/19(土) 22:27:03 Cx8MU7xU
ハンジ「ん」ギュッ
リヴァイ「……」
ハンジ「はぁー」スリスリ
リヴァイ「それでいいのか」
ハンジ「ん、大丈夫。これで……癒され……」
リヴァイ「ハンジ?」
ハンジ「」スー…
リヴァイ「……」
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……ゆっくり休め」ナデナデ
〆
549 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/19(土) 22:27:36 Cx8MU7xU
【遊んでみた】
――食堂――
リヴァイ「午後からは立体機動の演習だ」
エルド「了解しました」
ハンジ「リヴァーイ!!」
モブリット「ハンジ分隊長、大声出さないでください」
リヴァイ「チッ、うるせぇ奴が来やがった」
ハンジ「デートしよう!!」
モブリット「ちょっ!?」
エルド「えっ」
――ザワッ!?
550 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/19(土) 22:28:17 Cx8MU7xU
リヴァイ「……どれだけ物を持たせる気だ」シワー
ハンジ「リヴァイじゃないと持てないくらい!」
リヴァイ「クソメガネが」
エルド「あぁ……」
モブリット「はぁぁ……」ドキドキ
リヴァイ「……」
「なんだ……」
「買い出しかぁ」
ハンジ「明日よろしくね」
リヴァイ「……部下で遊ぶな」ヒソッ
ハンジ「いやぁ、つい」ヒソッ
モブリット(秘密にしてるってのに心臓に悪いですよ、もう!)ドキドキ
〆
551 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/19(土) 22:29:24 Cx8MU7xU
【一生面倒見てほしい】
リヴァイ「ふざけんじゃねぇ、このクソメガネが」ギリギリ
ハンジ「ふざけてねぇし! ってか痛い痛い!! アイアンクローやめて! 脳みそ出ちゃう!!」
ゴーグル「いつも絶妙な手加減だな」
ケイジ「俺ならつい力が入って傷とか痕をつけちまいそうだ」
ゴーグル「それリヴァイ兵長の前で言うなよ、削がれるぞ」
ケイジ「言うわけないだろ」
ゴーグル「そうだな」
ケイジ「……」
ゴーグル「……」
ケイジゴーグル「「あの二人いっそ籍でも入れてくれねぇかな」」
モブリット(ハンジさん、リヴァイ兵長、ケイジ達が達観してます、するほどです)
〆
552 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/19(土) 22:30:35 Cx8MU7xU
【困った日常】
エルヴィン「またやってるのか」
モブリット「団長!」
ハンジ「エルヴィン! リヴァイが小“姑”すぎる!!」
リヴァイ「誰が小姑だ! 最低限、床に散らかすなと言っているだけだろうが!!」
エルヴィン「譲歩したのか」
ミケ「……」スンッ
モブリット「ミケ分隊長……どうしました?」
ミケ「うむ、リヴァイ」
リヴァイ「あ?」
553 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/19(土) 22:31:16 Cx8MU7xU
ミケ「そこの床に落ちてる書類の下に何か潰れてる」
リヴァイ「……」ヒョイッ
ハンジ「あ、それこの前の壁外調査で採取した木の実だ。
壁内にもあるって分かって放り出したあとどこいったか分からなくなって――」
――ガシッ!!
ハンジ「あいだだだだだ!! 頭! 割れる!!!」
リヴァイ「だから床を片付けろと!」ギリギリ
エルヴィン「まぁまぁ、リヴァイ。躾は後にして会議に来てくれるか?」
リヴァイ「ああ、もうそんな時間だったか」パッ
ハンジ「いってぇぇ」ガシガシッ
ミケ「ほら、ハンジも行くぞ」ポンポンッ
554 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/19(土) 22:31:44 Cx8MU7xU
ハンジ「ミケェ、リヴァイがいじめるぅ」
ミケ「身から出た錆を削り落とせばそれもなくなる」
ハンジ「味方がいない!!」
リヴァイ「お前が悪いからな。おい、ここ掃除しておけよ」
モブリット「はい!」
スタスタスタスタスタ……
ケイジ「やれやれだな」ハァー
ゴーグル「しかしお二人が暴れた所為で余計に散らかったな」
*ぐっちゃぐちゃな研究室*
ニファ「仕方ないよ……頑張ろう」
モブリット「そうだな」ハァァー
〆
558 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/24(木) 23:43:12 0CShOAXc
【祝いは二の次】
――食堂――
「「「「「リヴァイ兵長、おめでとうございまーす!!」」」」」
リヴァイ「………………ああ」
エルヴィン「リヴァイ、冷めた目をするものではないだろう」
リヴァイ「今の奴等が“おめでとう”と言う時でさえこっちを見向きもせず、しかもすぐ酒をかっ食らっててもか?」
ミケ「ちやほやされたいのか」
リヴァイ「そうじゃねぇ。本気で祝う気ねぇだろと」
559 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/24(木) 23:44:09 0CShOAXc
エルヴィン「祝われたいんだな、成程」
リヴァイ「……もういい」シワー
ミケ「はっ、まぁ誰かの誕生日はいい酒盛りのネタだからな」
リヴァイ「それだ」
エルヴィン「まぁまぁ、全員ではないし、ちゃんとお前を祝ってる奴もいるだろう?」
リヴァイ「……分かっている」グビッ
エルヴィン「なんだ、照れ隠しか」
リヴァイ「もうお前は黙れ」
〆
560 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/24(木) 23:45:15 0CShOAXc
【祝いの席】
ミケ「ん? そういえばハンジはどうした?」キョロキョロ
リヴァイ「さっきナナバとニファに連れ出されてたな」
エルヴィン「ほぅ……よく見てたな」
リヴァイ「ナナバに事前に言われていた」
ミケ「……また何かしてるのか」
リヴァイ「悪いことではないらしい」
エルヴィン「あの子達も好きだな」クスクス
リヴァイ「面白がってんだ」
561 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/24(木) 23:46:23 0CShOAXc
ミケ「途中でお前を……10時すぎくらいに追い出せと言われてたが……大丈夫か?」
リヴァイ「その辺になると抜け出す奴等もちらほら出てくるから大丈夫だろ」
エルヴィン「主役なのに追い出されるのか」クックックッ
ミケ「酒盛りのネタで良かったな」
リヴァイ「……まだしばらくはいるがな」グビッ
オルオ「リヴァイ兵長! お注ぎします!!」
ペトラ「あ! 先越された!!」クゥッ
エルド「次やればいいだろ」
グンタ「注ぎすぎるなよ、オルオ」
エルヴィン「……追い出しは必要だな」フッ
562 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/24(木) 23:47:06 0CShOAXc
ミケ「頃合いを見計らわないとな」
エルヴィン「大役だな」
ミケ「まぁな」スンッ
リヴァイ「溢さずに入れろ、オルオ」
オルオ「あわわわ! すみまぶ!!」ブシュッ!
ペトラ「また舌噛んだ!」
エルド「グンタ! ハンカチハンカチ!!」
グンタ「ちょっと待て!!」ワタワタ
エルヴィン「賑やかだな」フフッ
〆
563 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/24(木) 23:48:26 0CShOAXc
【磨き隊出動】
ナナバ「はい、化粧水!」
ニファ「こちら乳液です!」
ハンジ「……」
ナナバ「リヴァイは化粧あまり好きそうじゃないから磨くにとどめよう」
ニファ「その代わり念入りに磨きましょう! 髪も!」
ハンジ「いきなり連れ出されたと思ったらマッサージやらなんやら……何故君達が張り切るのかね」
ナナバ「もはや趣味」
ニファ「ハンジさんを磨きたいです!」キリッ+
ハンジ「それも趣味だよね?」
564 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/24(木) 23:49:20 0CShOAXc
ニファ「使命です!」
ハンジ「ニファがどこかに飛んでる」
ナナバ「あはは! ニファはあんたが好きなだけだよ」
ニファ「はい!」ニッコォ
ハンジ「満面の笑み……いや、ありがとうね。気持ちは嬉しいよ」ナデナデ
ニファ「ふふっ」
ナナバ「もちろん、私も好きだよ」ニッコリ
ハンジ「その笑顔ごと信じてあげたいけどそこはかとなく面白がってる空気を感じるよ」
ナナバ「まぁまぁ。さ、プレゼントも準備しないとでしょ。10時すぎには追い出すからリヴァイの部屋で待っててあげな」ポンッ
ニファ「綺麗ですよ! ハンジさん」
ハンジ「ありがとう。いってくるよ」ニコッ
565 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/24(木) 23:51:03 0CShOAXc
パタンッ
ニファ「はぁ……いいなぁ」
ナナバ「おや」
ニファ「あのお二人、本当にお似合いで」
ナナバ「まぁ、いつまでも仲良くしててもらいたくなるね」
ニファ「拙いですが手助けならいくらでもします!」グッ
ナナバ「ふっ……ハンジもいい部下を持ったね」
ニファ「えっ?」
ナナバ「さ、私達は戻ろうか。ミケを手伝って上手くリヴァイがいなくても大丈夫なようにしないと」
ニファ「あ、はい!」
〆
566 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/24(木) 23:52:21 0CShOAXc
【フェイントのはずが】
ハンジ「ハッピーバースデー! リヴァイ!!」キラキラ+
リヴァイ「ああ……また磨かれたのか」
ハンジ「……はい、思いっきり」
リヴァイ「それは楽しみだな」
ハンジ「た、楽しみにしなくていいから!/// はい! プレゼント!!」ズイッ
リヴァイ「ん」シュルシュル
567 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/24(木) 23:52:56 0CShOAXc
リヴァイ「! これは……」
*雑巾セット*
ハンジ「結構いいやつなんだよ! リヴァイは雑巾好きだからいいかなって」ニヒッ
リヴァイ「あぁ、ありがとう」
ハンジ「……あれ? 予想外にすげぇ喜んでる?」
リヴァイ「大掃除が楽しみだ」ウキウキ
ハンジ「あれれ? さっきよりウキウキして見える。ちょっ、ちょっと待って」
〆
568 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/24(木) 23:54:30 0CShOAXc
【本命はこれです】
ハンジ「ね、リヴァイ」
リヴァイ「なんだ」ウキウキ
ハンジ「あ、いや、その、本命は別にあるから。ちょっといいかな。
そのプレゼントにそんなに喜ばれたら出しづらいんだけど」
リヴァイ「これで充分だが、なんだ?」
ハンジ「喜んでもらえて何よりだよ。えっと、これなんだけど」コトッ
リヴァイ「……」シュルシュル
リヴァイ「これは……」
ハンジ「うん、同じ宝石店に行っちゃった」
リヴァイ「……」カタッ
リヴァイ「指輪か」
569 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/24(木) 23:57:23 0CShOAXc
ハンジ「いや、その、ペアリングが欲しかったわけじゃないんだ。あの、ラピスラズリの意味を知って、指輪にしたいなって」
リヴァイ「どうしてもお揃いにしたかったのか?」
ハンジ「いや、別にそういうわけじゃ……あれ? でも指輪にしたかったから間違っていないのか……?」
リヴァイ「ハンジ?」
ハンジ「んと……あ、うん……そう、かも……ペアリング欲しかったの、かも」
リヴァイ「……悪かったな」
ハンジ「ううん! いいんだよ! 私の我が儘だから!!」
リヴァイ「それで?」
ハンジ「うん、店主に聞いて驚いたんだ。12月の誕生石もラピスラズリだったんだよ!」
リヴァイ「ほぅ」
ハンジ「凄いだろ? 9月と同じだなんて。だからそれに乗っかってみたよ。嬉しくなっちゃってね」
リヴァイ「……」
570 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 00:00:09 0f/2vn5E
ハンジ「しかもさ、恋人たちの愛と夢を守るんだってさ。知ってた?」
リヴァイ「……あの店主はおしゃべりだ」
ハンジ「ふふっ、でも信用を売りにしてるらしいよ? あなたのこと気づいてたみたい」
リヴァイ「……」
ハンジ「これつけて行ったんだけど、どうやら覚えてたらしくて」キラッ+ ←指輪
リヴァイ「ほぅ」
ハンジ「でも店主から名前は決して言わなかったよ」
リヴァイ「必要なところで口は固い」
ハンジ「口は固いのにおしゃべりってなんだか分かんないね」
リヴァイ「……」
ハンジ「話を聞いてたらどうしても指輪にしたくなったんだ」
リヴァイ「……そうか」
〆
573 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 22:46:07 0f/2vn5E
【言い淀む】
ハンジ「指輪、嫌だったのならごめんね」
リヴァイ「別に……嫌なわけじゃない」
ハンジ「そうなの?」
リヴァイ「ああ……ただ……」
ハンジ「ん?」
リヴァイ「……」
ハンジ「んん?」
リヴァイ「……」
リヴァイ「もしかして……あなた、ペアリングするのが恥ずかしいの?」
リヴァイ「……」フイッ→目線
574 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 22:46:33 0f/2vn5E
ハンジ「ほら、目を逸らさなーい」クイッ
リヴァイ「……」←フイッ
ハンジ「目・を・逸・ら・さ・な・い」ヒョイッ
リヴァイ「……」→フイッ
ハンジ「リ・ヴァ・イー?」ガシッ
リヴァイ「……」タラッ
ハンジ「?」
リヴァイ「……」ダラダラ
ハンジ「!?」
リヴァイ「……」ダラダラ
ハンジ(何これやべぇ、面白いっ)
〆
575 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 22:47:02 0f/2vn5E
【主張を見せびらかす】
リヴァイ「はぁー、離せ、クソメガネ」グッ
ハンジ「目は」
リヴァイ「逸らさねぇ」
ハンジ「よし」パッ
リヴァイ「……俺まで指輪なんぞおかしいだろうが」
ハンジ「おかしかないよ」
リヴァイ「……」
ハンジ「私はつけてほしいよ」
リヴァイ「……」
ハンジ「リヴァイは私があなたから贈られた指輪をしてたら嬉しい?」
リヴァイ「……ああ」
576 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 22:47:27 0f/2vn5E
ハンジ「じゃあ、わかるよね?」
リヴァイ「………………ああ」
ハンジ「あなたが指輪していてもおかしくなんかないよ。あなたに似合うものだから」
リヴァイ「まぁ、シンプルな物だからな」
ハンジ(? 自分にはおかしいと言うわりに指輪自体が嫌なわけじゃなさそう。
ならなんで? いや待てよ、俺“まで”って……)
リヴァイ「……」チラッ
ハンジ「?」キラッ+←指輪
リヴァイ「……揃いか。主張が激しいな」
ハンジ「!! 分かった!」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「独占欲が丸出しみたいで恥ずかしいんでしょう!?」
577 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 22:47:53 0f/2vn5E
リヴァイ「!」
ハンジ「基準が分かんないけど私だけならまだしも自分まで、しかもお揃いだと恥ずかしいんでしょう!?
自分のものっていう“主張が激しすぎて”!!」ドヤッ
リヴァイ「…………」フイッ
ハンジ「変な人だねぇ、指輪を渡した時点で主張も何もないと思うんだけど。
ニファに見せつけたりするくせにこういうのは恥ずかしいんだ?」キラッ+
リヴァイ「……うるせぇな」
ハンジ「なんでなんだよ、分かんないなぁ」
リヴァイ「…………完全に俺のものになった気がする」ボソッ
ハンジ「――は?」
リヴァイ「……」
ハンジ「――っ!!///」
〆
578 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 22:48:21 0f/2vn5E
【光る二つのイシ】
ハンジ「み、右手、右手だからね!///」
リヴァイ「分かっている」
ハンジ「あぁぁ!! もう! 今指輪つけてほしくないかもぉぉ!! でもつけてほしいぃ!!」
リヴァイ「どっちだ」
ハンジ「だってあなたが変な事言うから!」
リヴァイ「悪かったな。ほら」スッ
ハンジ「えっ? 何、この手」
リヴァイ「つけろ」
ハンジ「私が!?」
リヴァイ「俺はつけてやっただろ」
ハンジ「そ、そうだけど」
リヴァイ「早くしろ」
579 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 22:48:47 0f/2vn5E
ハンジ「う、うん」…カタッ
リヴァイ「……」
ハンジ「……」スッ
リヴァイ「……」キラッ+
ハンジ「……な、なんか照れる」
リヴァイ「右手、貸せ」
ハンジ「へ?」
リヴァイ「早く」
ハンジ「うん」スッ
リヴァイ「……」ギュッ、カチンッ
ハンジ「!」
リヴァイ「……悪くない」
ハンジ「……っ/// ゆ、指輪傷ついちゃうよ」
リヴァイ「そうだな」ギュッ
580 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 22:49:16 0f/2vn5E
ハンジ「っ、リヴァイってば」
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「リヴァ……」
ガタッ
ハンジ「っ!」
リヴァイ「――――」
ハンジ「っ……」
リヴァイ「……ハンジ」ナデ…
ハンジ「……うん」
リヴァイ「ありがとうな」
ハンジ「ふふっ、うん」ニコッ
〆
581 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 22:49:57 0f/2vn5E
【口が滑った】
リヴァイ「サイズ、よく分かったな。寝てる時にでも計ったか?」
ハンジ「……あー、うん、まぁ、計ってもいたんだけど」
リヴァイ「?」
ハンジ「その店の店主、あなたの指のサイズ覚えてたらしいんだよ」
リヴァイ「は? 俺はあそこで計ってねぇぞ」
ハンジ「うん、驚いたよ。見ただけでも大体分かるらしいんだけど、あなた指触らせたんだってね?」
リヴァイ「ああ、そういえば俺の分も作らないかと言ってた時に」
ハンジ「それで分かっちゃうんだってサイズ」
リヴァイ「……職人だな」
582 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 22:50:58 0f/2vn5E
ハンジ「ねー、凄いね」
リヴァイ「そうだな」
ハンジ「あの、さ……て、店主にさ」
リヴァイ「?」
ハンジ「サイズ覚えてても私が買わなかったらどうしたのかって聞いたら」
――店主『いずれ必要な時の為に、頭に残しておくだけですよ』
ハンジ「――だって。凄い自信だね」
リヴァイ「……頭に残すのか」
ハンジ「あ、そこなんだ、気になるところ」
リヴァイ「またいずれ頼むと言ったのは俺だからな」
583 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 22:51:50 0f/2vn5E
ハンジ「――――は?」
リヴァイ「いくつか見て回ったが、あそこが一番良い店だった」
ハンジ「い、いずれ頼むんだ……///」
リヴァイ「……」
ハンジ「……いくつか、見たんだ」
リヴァイ「!」
ハンジ「良い店探してくれたんだねぇ。そっか、そっかぁ」フヘヘー
リヴァイ「……」チッ
ハンジ「んふふー」ニコニコ
〆
584 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 22:53:36 0f/2vn5E
【互いに誓う】
リヴァイ「ハンジよ……聞いた石の意味はさっきのだけか?」
ハンジ「……ううん」
リヴァイ「聞いた上で俺にくれたのか」
ハンジ「その様子だとリヴァイも知ってて贈ってくれたんだね?」
リヴァイ「言っただろう? あの店主はおしゃべりだと」
ハンジ「そ、そうだね」
リヴァイ「……」チラッ
*指輪*キラッ+
585 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/25(金) 22:54:26 0f/2vn5E
ハンジ「……ペアリングにしなかったのはそれもあるのかな?」
リヴァイ「……」
ハンジ「こっちから贈らないと意味ないものね。私からも贈れて良かったよ。うん、ペアリングで貰うよりずっといい」
リヴァイ「……そうか」
ハンジ「うん」ニコッ
――――――――――――
――リヴァイ『石の意味?』
――ハンジ『他にもあるんですか? 石の意味』
店主『ええ、こちらの石は“永遠の愛を誓います”という意味も込められているんですよ』
〆
590 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/28(月) 22:05:21 d2xbmmcs
【これでいい】
――街――
ハンジ「寒ーい。手袋……げっ」ガサゴソ
リヴァイ「どうした」
ハンジ「手袋忘れた。寒い」ハァー
リヴァイ「出る時から寒かっただろうが、なんで着けてねぇんだ」
ハンジ「いやぁ、出掛ける嬉しさで気分が上がってて寒さを感じなかったんだよ」
リヴァイ「……」スルッ
591 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/28(月) 22:06:54 d2xbmmcs
ハンジ「? 手袋片方はずしてどうしたの?」
リヴァイ「つけろ」スッ
ハンジ「片方だけ? つけるけど」キュッ
リヴァイ「こっちは貸せ」ギュッ
§
ハンジ「!」
リヴァイ「行くぞ」
§
ハンジ「うん」
〆
592 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/28(月) 22:07:40 d2xbmmcs
【ハズレだな】
ハンジ「初めて来た店だね」ワクワク
リヴァイ「そうだな」
ハンジ「料理来た。いただきまーす」モグモ…
リヴァイ「……」カチャッ
ハンジ「……外食ゲーム!!」
リヴァイ「いきなりなんだ」
ハンジ「ジャンケンで買った方が相手の料理を一口ずつ食べてもいいってゲームだよ」
593 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/28(月) 22:08:05 d2xbmmcs
リヴァイ「馬鹿か」モグモグ
ハンジ「あー! 始める前に食べないでよ!」
リヴァイ「知らん」カチャッ
ハンジ「ジャンケン! ジャンケン!」
リヴァイ「騒ぐな。それから……」
ハンジ「何なに?」
リヴァイ「これも不味いぞ」ヒソッ
ハンジ「……ならいいや」モグモグ
〆
594 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/28(月) 22:08:37 d2xbmmcs
【休ませ隊総動員】
ケイジ「湯は溜まりました」
リヴァイ「ん」スタスタ
ゴーグル「タオル、多めに用意しました」
リヴァイ「ん」スタスタ
ニファ「着替え、準備できました」
リヴァイ「ん」スタスタ
モブリット「ではよろしくお願い致します」ガチャッ
リヴァイ「ああ」
ハンジ「……」カリカリ
リヴァイ「風呂の時間だ」ヒョイッ
ハンジ「ぬあっ!?」
595 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/28(月) 22:09:06 d2xbmmcs
ケイジ「入浴剤が手に入りましたので置いてます」
ゴーグル「石鹸も新しいものにしてあります」
ニファ「手伝いが必要でしたらお呼びください」
モブリット「食事は先程無理矢理食べてもらいました」
リヴァイ「ああ、助かる」←肩に担いでる
ハンジ「えっ? あ? はぁ?」
リヴァイ「ではこれからクソメガネを風呂にぶち込む。
ニファは一緒に来い、三人は片付けを頼む」
ハンジ班「「「「はっ!」」」」
ハンジ「へ? あの、何? 何が起きてるの?」
リヴァイ「お前は黙って運ばれてろ」スタスタ
ハンジ「あ、あれ? あれー??」
〆
596 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/28(月) 22:09:36 d2xbmmcs
【二重の見張り】
――風呂場――
ハンジ「いつの間にかお風呂だよ」パシャッ
ニファ「ちゃんと湯船に浸かってくださいね」
ハンジ「見張り付きで」
ニファ「今日は意識不明ではありませんから見張りだけで済みました」
ハンジ「意識無しで洗われてるってのもどうなのよ」
ニファ「ハンジさんが梃子でも動かないからじゃないですか」
ハンジ「そうだけど……そういう時ってニファも一緒にいるの?」
597 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/28(月) 22:10:09 d2xbmmcs
ニファ「っ/// いや、その……着替えのお手伝いを……時々」
ハンジ「そうなんだ」
ニファ「あの! ハンジさんを私に渡す時はタオルにくるまれてますし、
リヴァイ兵長は真顔でいつもと変わらず、掃除している時の表情と同じです!!」
ハンジ「えーっと、なんだろうね。それ複雑だね」
ニファ「あぁ! えっと、その!!」ワタワタ
扉|リヴァイ「……ニファ、余計なことは言うな」
ニファ「す、すみません!!」
ハンジ「なんだ、そこにいたの」
598 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/28(月) 22:10:37 d2xbmmcs
扉|リヴァイ「念の為にな」
ハンジ「寝ちゃったらニファじゃ運べないもんね」
扉|リヴァイ「それと掃除するためだ」
ハンジ「本当に掃除好きだね」
扉|リヴァイ「衛生は大事だ」
ハンジ「はいはい。もうすぐ出るよー」
扉|リヴァイ「分かった。ニファ」
ニファ「はい、お着替え準備します。ハンジさん、タオルここにありますから」
ハンジ「はーい」ザバッ
〆
599 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/28(月) 22:11:22 d2xbmmcs
【甘えっこおねだり】
ニファ「あとは寝るだけですね」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「ん……」ショボショボ
ニファ「ハンジさん、ベッドに移動してください」
ハンジ「んー……」
リヴァイ「ニファ、片付けて施錠したら鍵はあとで俺に渡してくれ」
ニファ「はい」
ハンジ「……リヴァイ、いっちゃうの?」トロンッ
リヴァイ「だいぶ時間を割いた。戻る」
ハンジ「……いっちゃうの?」ボー
リヴァイ「もう寝るだけだろうが」
600 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/28(月) 22:11:47 d2xbmmcs
ハンジ「いっちゃうの?」ショボショボ
リヴァイ「……」
ニファ「えっと……」
ハンジ「リヴァイ」
リヴァイ「……ニファ」ハァー
ニファ「はい、先に換えたシーツや枕カバーを洗い場に持っていきますので
ほんの少しの間こちらでお待ちいただけますか? 兵長」
リヴァイ「……助かる」
ニファ「いえ。では」
パタンッ
ハンジ「リヴァイ」
リヴァイ「おとなしく寝やがれ、クソメガネが」ヒョイッ ←抱き抱えた
ハンジ「んー」スリッ
リヴァイ「ほら、寝ろ」ポフッ
601 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/28(月) 22:12:30 d2xbmmcs
ハンジ「リヴァイ……」ジッ
リヴァイ「……」
ハンジ「……」ジッ
リヴァイ「仕方のねぇ奴だな……」スッ
ハンジ「ん……」
リヴァイ「っ……さっさと寝ろ、ハンジ」ナデ…
ハンジ「うん……」スー…
リヴァイ「……」
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……寝るまでちゃんと意識を保て、クソメガネ」ナデ…
〆
604 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/30(水) 22:08:42 DWUdEuJE
【藪蛇】
お掃除リヴァイ「これより兵舎内大掃除を始める!!」
調査兵士「「「「ハッ!!」」」」ザッ!!
お掃除リヴァイ「お前ら、舐めた真似しやがったら……分かってるだろうな」
調査兵士「「「「ハ、ハッ!!」」」」 ←怯えた
お掃除リヴァイ「では、かかれ!!」
調査兵士「「「「ハッ!!!」」」」
エルヴィン「鬼気迫る命令だったな」
お掃除リヴァイ「当たり前だ。手抜きは許さねぇ」
エルヴィン「お前が指揮を取るなら手抜きはないだろうよ」
605 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/30(水) 22:09:16 DWUdEuJE
お掃除リヴァイ「お前も自分の部屋はやれよ」
エルヴィン「ん?」
お掃除リヴァイ「惚けるな。他の奴に見られて困る物もあるだろ。自分でやれ」
エルヴィン「いや……いつも片付い――」
お掃除リヴァイ「大掃除は隅から隅までやるんだ。机の引き出しとかな」
エルヴィン「……」
お掃除リヴァイ「……やれよ?」ジロリ
エルヴィン「さて! 部屋に戻るか!」
お掃除リヴァイ「あとで見に行くからな」
壁|ミケ「今日リヴァイに声をかけてはいけないな」
壁|ナナバ「自室くらいはチェックされたくないからね」
〆
606 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/30(水) 22:10:17 DWUdEuJE
【直後は酷い】
リヴァイ「終わったな」
調査兵士「「「「ハッ……」」」」グッタリ
リヴァイ「お前ら、よくやった。今度の飲み会には何か差し入れてやる」
調査兵士「「「「おぉぉ!!!」」」」
リヴァイ「解散!」
ゾロゾロゾロゾロ……
モブリット「前から思ってましたが兵長が差し入れすると明言するのは珍しいですね。この時くらいですよね?」
リヴァイ「言った方が部下の為だとメガネに言われてな」
モブリット「あぁ。確かに嬉しいですし、疲れも少しは癒えますね」
リヴァイ「そのメガネはどうした?」
モブリット「それが大掃除の邪魔にならないように部屋に閉じ込めていたはずが
いつのまにかいなくて……探しているんですが……」
リヴァイ「俺は知らんぞ」
モブリット「そうですか……どこに行かれたのか……」
607 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/30(水) 22:10:58 DWUdEuJE
リヴァイ「ガキじゃねぇんだ、と言いたいがたまにガキ以下になりやがるからな」
モブリット「そうなんですよねぇ」ハァー
ハンジ「この植物を使えばあるいは……」ブツブツ
モブリット「あ、いた!! ハンジさ――」
ハンジ「とにかく研究室に戻らねば」←泥だらけ
モブリット「!? ハンジさん! 待ってください!! 大掃除が完了したばかりで……せめて泥を落として――!!!」
ハンジ「急がないと!!」ダッ!!
モブリット「あぁぁ……」
リヴァイ「……」ゴゴゴ…
モブリット(ひぃぃ! 凄い怖い顔になってる!!)
〆
608 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/30(水) 22:11:49 DWUdEuJE
【汚部屋再び】
ハンジ「まさか研究室に戻って早々大掃除をさせられるとは」グッタリ
お掃除リヴァイ「ふんっ、泥だらけで闊歩するお前が悪い。お前の班員に感謝しろ。
ある程度掃除を進めていたお陰で泥を落とすくらいで大した時間はかからなかっただろうが」
ハンジ班「「「「つ、疲れた……」」」」グッタリ
ハンジ「みんなありがとうね。今度甘い物でも奢るよ」
ハンジ班「「「「ありがとうございます」」」」
ハンジ「はっ! そうだ!!」
モブリット「ハンジさん?」
ハンジ「思い付いた! 紙、紙!! インク! ペン!!」ガタガタ
お掃除リヴァイ「おい、落ち着け。でねぇと散らか……」
ガターンッ! カシャンッ
ハンジ「お? やっべインクの瓶が割れた。仕方ない新しいのを出すか」ガタガタ
609 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/30(水) 22:12:20 DWUdEuJE
お掃除リヴァイ「……」ゴゴ…
ケイジ「あ、あぁぁ……」
ハンジ「あ、ペン折れた。いいや新しいのを」ポイッ
お掃除リヴァイ「……」ゴゴゴ…
ニファ「ハ、ハンジさん……」
ハンジ「ああ、クソッ、こうじゃない!!」グシャグシャ…ポイッ
お掃除リヴァイ「……」ゴゴゴゴ
ゴーグル「ハンジさん、せめてごみ箱に……」
お掃除ハンジ「この資料じゃない。こっちだ」バサバサー
モブリット「あぁぁ……」
お掃除リヴァイ「……なぁ、モブリット。俺はあいつを削ぐ権利があるよな?」ゴゴゴゴ
モブリット「いや、ないです! ないですよ!? お気持ちは痛いほど分かりますがやめてください、リヴァイ兵長!」
〆
610 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/30(水) 22:12:50 DWUdEuJE
【面倒な事を】
ハンジ「リヴァイ、演習行こうか」
リヴァイ「あ? そんな予定あったか?」
ハンジ「ちょっとだけやることになったんだ」
リヴァイ「ギリギリまでやるのか。まぁ構わんが」
ハンジ「明日はもう新年だもんね。早いよね」
リヴァイ「今年は飲み会前に俺の捕獲作戦は立ててねぇだろうな」
ハンジ「だってリヴァイ来るじゃん」
リヴァイ「まぁな」
ハンジ「逃げ回るからこそ楽しいのにさ」
611 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/30(水) 22:13:36 DWUdEuJE
リヴァイ「お前な」
ハンジ「だから今年は賞金つけてみたよ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「時間は約二時間。酒盛りを始める前のレクリエーションだよ」
リヴァイ「てめぇ、何を……」
ハンジ「参加人数は抽選する程だった。その結果、総勢50名」
リヴァイ「だから……」
ハンジ「時間内にリヴァイに触れた最初の一名にのみ金一封! 且つ新年から三日間の休暇が与えられる!」
――ザッ!
リヴァイ「!?」
ハンジ「おや、廊下が塞がれたね。ちなみに立体機動はみんな禁止だよ。もちろんリヴァイもね」
612 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/30(水) 22:14:13 DWUdEuJE
リヴァイ「おい!」
ハンジ「互いに暴力は無しだよ。カウントダウン、10、9、8、7……」
調査兵「「「「……」」」」ジリッ
リヴァイ「――っ」キョロッ
ハンジ「3、2……さぁ! 頑張りたまえ!! 開始!!」
調査兵「「「「うおぉぉぉ!!!!!」」」」
リヴァイ「チッ!!」ガタッ、ダンッ!!
ハンジ「おぉーっと、リヴァイ、窓から脱出!! ここは三階だぞぉぉ!!!?」
――ザザザザザ!!
ハンジ「近くの木に飛び移った!! さっすが!!」
リヴァイ「この――」ハッ!
613 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/30(水) 22:14:45 DWUdEuJE
リヴァイ(こんな茶番に付き合わなくても誰でも構わねぇから触らせちまえば……)
ハンジ「ちなみにリヴァイが負けたら飲み会の酒代は全部リヴァイ持ちだよ!」
リヴァイ「ああ!? 一部差し入れしただろうが!」
ハンジ「それ以外の酒代も全部だよ!! エルヴィンの許可は得てる!」
リヴァイ「てめぇ! ハンジ! あとで覚えてやがれ!!」
ハンジ「頑張れ! リヴァイ!」
リヴァイ「うるせぇ!!!」
ドドドドドド┣゛┣゛┣゛!!!
リヴァイ「!? 下にもいやがったか!」
調査兵「「「リヴァイ兵長ぉー!!」」」
リヴァイ「――っクソが!!」ダッ!!
〆
614 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/30(水) 22:15:34 DWUdEuJE
【仲間はずれ?】
ナナバ「で、結果は?」
ハンジ「あれ」→
調査兵「「「「……」」」」グッタリ
ハンジ「リヴァイの完全勝利」
ナナバ「なんだ」
リヴァイ「なんだじゃねぇ」
ミケ「災難だったな」
リヴァイ「全くだ。くだらねぇことに許可する団長様にも何かしてやらねぇとな」
ハンジ「あれ? すでに私は何かされることが決定してる?」
615 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/30(水) 22:16:13 DWUdEuJE
エルヴィン「落ち着け、リヴァイ。お前が勝利したのだから賞品はあるぞ」
リヴァイ「ほぅ?」
ハンジ「えっ、そうなの?」
エルヴィン「賞品はな……」ヒソヒソ
ハンジ「なんで内緒話なんだよ」
リヴァイ「……悪くない」
ハンジ「……なんかすげぇ悪巧みしてる顔なんだけど」
エルヴィン「この賞品を用意するのはなかなか大変だったぞ」
リヴァイ「知らん、がよくやった」
ナナバ「気になるね、何なんだい?」
616 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/30(水) 22:16:48 DWUdEuJE
リヴァイ「……」チョイチョイ
ナナバ「何?」ススッ))
リヴァイ「ーーーー」ヒソヒソ
ナナバ「……ほー、ちょっとずるいな、幹部のくせに」
ハンジ「……」ムッ
リヴァイ「こんなギリギリにあんな真似させられたんだ。これくらいいいだろ」
ミケ「何だったんだ?」
ナナバ「あのね……」ヒソヒソ
ミケ「……なるほど、ずるいな」
ハンジ「伝言ゲームか! 何なんだよ、私にも教えろよ」
リヴァイ「大した事じゃない。あとで分かる」
ハンジ「は?」
〆
619 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/31(木) 20:07:21 ibG9yJnM
【見せつけるな】
調査兵1「あと一時間で年明けだぞ!!」
調査兵2「カウントダウン準備しろー」
ハンジ「……」ムスッ
リヴァイ「何ぶすくれてやがる」
ハンジ「ブスですいませんでしたー。生まれた時からこの顔なんでー」グビッ
リヴァイ「誰が容姿の美醜について言及した」
ハンジ「私にだけ教えてくれないとか」
620 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/31(木) 20:08:01 ibG9yJnM
リヴァイ「またくだらねぇことで拗ねてるな」
ハンジ「仲間はずれとかくだらなくないし」グビッ
リヴァイ「もう酒はやめろ」
ハンジ「やだ」ヒック
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「やーだ」
エルヴィン「それ以上いちゃつくとまずいと思うぞ?」
リヴァイ「いちゃついてねぇ」
〆
621 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/31(木) 20:08:34 ibG9yJnM
【世話が焼ける】
ハンジ「ねーねーエルヴィン、エルヴィン。さっきの賞品ってなーに?」グイグイ
エルヴィン「悪いな、秘密だ」
ハンジ「なんでぇー? なんで私にだけぇ?」ガシッ
リヴァイ「……」ムッ
エルヴィン「いつものお前ならある程度分かるはずなんだがな」クスッ
ハンジ「私なら分かる……?」
リヴァイ「ハンジ、いい加減離れろ」シワー
ハンジ「えー? だって教えてくれないから」ヒック
リヴァイ「いいから離れろ」グイッ
ハンジ「あぁぁ!」
622 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/31(木) 20:09:18 ibG9yJnM
リヴァイ「クソメガネが」ガッシリ ←後ろ襟首を掴まえてる
ハンジ「エールーヴィーンー!」ジタバタ
エルヴィン「ははっ」
リヴァイ「……酒が回りすぎだ。何かやらかす前に寝かせる」イラッ
エルヴィン「おや、最後までいないのか?」
リヴァイ「いない奴もいるんだ。問題ねぇだろ」
エルヴィン「リヴァイがいないと残念がる奴もいるだろう?」
リヴァイ「この時間になるとほとんどが酩酊状態だ。しかも今回は疲れて酔いが早い奴等が多い。気にしねぇよ」
ハンジ「エールーヴィーン」ジタバタ
リヴァイ「……チッ」イライラ
エルヴィン「何かあったらフォローする。介抱してやってくれ」
623 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/31(木) 20:09:52 ibG9yJnM
リヴァイ「……了解だ、エルヴィン」スタスタ
ハンジ「リヴァイ、首絞まるぅぅ」ズルズル
エルヴィン「やれやれ」
ミケ「嫉妬でとばっちりを受けるところだったな」
ナナバ「避難してて正解だったよ」
エルヴィン「俺を一人にするとは、お前達酷いな」
ミケ「ちゃんと仕事をしていたぞ」スンッ
ナナバ「みんなの目を逸らしてあげてたんだよ」
エルヴィン「それはそれは……手のかかる奴等だな」クスッ
ナナバ「全くだよ」
ミケ「うむ」
〆
624 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/31(木) 20:10:41 ibG9yJnM
【二人で】
――リヴァイ自室――
リヴァイ「ほら」ポイッ
ハンジ「のわっ!?」ドサッ
リヴァイ「クソが」
ハンジ「いきなりソファに放られてクソ呼ばわりは酷いな」
リヴァイ「うるせぇ」ゴトッ
ハンジ「うっは! 酒くすねてきたの?」
625 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/31(木) 20:11:08 ibG9yJnM
リヴァイ「何もねぇのもな」トポトポ
ハンジ「あと少しで年明けだね。出てきちゃって良かったの?」
リヴァイ「二人じゃ嫌か?」
ハンジ「いんやー?」トンッ ←寄りかかった
リヴァイ「ならいい」グビッ
ハンジ「んふふ、二人で年越しか」グビッ
リヴァイ「たまにはいいだろ」
ハンジ「そうだね。静かに過ごすのも悪くないね」ニッコリ
〆
626 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/31(木) 20:11:48 ibG9yJnM
【可愛かった(意訳)】
リヴァイ「……お前さっきなんで拗ねてた? 俺の戦利品を知りたかったからじゃねぇだろ」
ハンジ「えー? 拗ねてないよー」グビッ
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「いや、だから……」
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「その……なんか……わざわざナナバ呼び寄せて……さ」ボソボソ
リヴァイ「……」
ハンジ「別に、近づいちゃいけないわけじゃないけど……」ウジウジ
リヴァイ「――――」
――グイッ
ハンジ「んぅ!?」
リヴァイ「――――」
ハンジ「んんー!」
627 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/31(木) 20:12:16 ibG9yJnM
リヴァイ「――……」ヌルッ
ハンジ「ん……」ピクッ
リヴァイ「……」チラッ
ハンジ「――――」
*時計*カチッカチッカチッ…
――カチッ
リヴァイ「は……」
ハンジ「っ……あ、年明けちゃ――んぅ!?」
リヴァイ「――――」
ハンジ「んー! んー!!」
リヴァイ「っ……暴れるな」
ハンジ「ふはっ!/// いきなりするから息するの大変なんだよ!」
リヴァイ「そりゃ悪かった」
628 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/31(木) 20:12:50 ibG9yJnM
ハンジ「もう、何なんだよ」
リヴァイ「くだらねぇ嫉妬するからだ」
ハンジ「……くだらなくて悪かったね」プイッ
リヴァイ「だから口を塞ぎたくなった」
ハンジ「!」
リヴァイ「意味がわかるか?」
ハンジ「――っ///」
リヴァイ「わかったのならいい」
ハンジ「~~!/// ほんっとにリヴァイってば突然だね!!」
リヴァイ「悪いか」
ハンジ「開き直るな!」
〆
629 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/31(木) 20:13:20 ibG9yJnM
【嫉妬の応酬】
ハンジ「全く、全くもう!」グビッ
リヴァイ「……」グビッ
ハンジ「そういやリヴァイこそ、なんでいきなり怒ったの?」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「私はエルヴィンから聞き出そうとしてただけなのに」
リヴァイ「……」
ハンジ「なんで?」
リヴァイ「……さっきお前が言ってただろう」
ハンジ「へ?」
リヴァイ「人を入れ換えてみろ」
ハンジ「えっ? リヴァイがエルヴィンに縋るの?」シワー
リヴァイ「違ぇ!」
630 : ◆uSEt4QqJNo :2015/12/31(木) 20:13:45 ibG9yJnM
ハンジ「あぁ、ナナバに――!?」
リヴァイ「……」
ハンジ「……それはちょっと、だね」
リヴァイ「だろうが」
ハンジ「えっと、だけどそれって、つまり……」
リヴァイ「……」
ハンジ「ふ、ふはは/// なんか馬鹿みたいだねぇ」
リヴァイ「全くな」
ハンジ「あ」
リヴァイ「今度はなんだ」
ハンジ「年明けおめでとう、リヴァイ。また一年よろしく」ニコッ
リヴァイ「……ああ」
〆
633 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/01(金) 22:58:36 AG6Wxd4.
【おめでとうございます】
ハンジ「ふわぁー……リヴァイおはよー」
リヴァイ「ああ。朝飯持ってきてるぞ。顔洗ってこい」
ハンジ「わぁ、わざわざありがとう。行ってくる」トタトタ
リヴァイ「……」
―――
――
―
634 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/01(金) 22:58:59 AG6Wxd4.
ハンジ「そういや今日は私、休みだけどリヴァイは仕事じゃなかった?」モグモグ
リヴァイ「俺は今日から三日間休みだ」
ハンジ「へっ?」
リヴァイ「“戦利品”だ」
ハンジ「あぁー、あれ休暇だったんだ」
リヴァイ「そうだ」
ハンジ「だったら別に隠すことないじゃん。でもいいなー年始めから三日なんて幹部になるとなかなか貰えないもんね」
リヴァイ「ああ。しかもそれが二人分だ。エルヴィンは調整が大変だっただろうな」
ハンジ「二人?」
リヴァイ「お前も今日から三日間休みだ」
635 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/01(金) 22:59:23 AG6Wxd4.
ハンジ「は?」
リヴァイ「……部屋から出れると思うなよ?」
ハンジ「!!」ガタンッ
リヴァイ「遅い」ガチャンッ!
ハンジ「!? 手錠!?」
リヴァイ「逃がさねぇよ」
ハンジ「え、ちょっ、年始から何をするつもりさ」
リヴァイ「躾だ」ユラリッ
ハンジ「ひ」
ヒイィィィ!!
〆
636 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/01(金) 22:59:56 AG6Wxd4.
【反省?】
リヴァイ「ん?」
ハンジ「うぅ……」
リヴァイ「おい、雪が降ってるぞ」
ハンジ「あ~……」
リヴァイ「どうした? お前雪好きだろう?」
ハンジ「……だっるい」
リヴァイ「風邪か?」
ハンジ「すっとぼけんな! リヴァイの所為だろうが! あー、キツい!!」グッタリ
リヴァイ「手錠ははずしてるから動けるだろ」
ハンジ「問題はそこじゃねぇ! 一昼夜抱き潰されてキツいって言ってんだ!」
リヴァイ「まぁ、そっからでも見えるだろ」
637 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/01(金) 23:00:25 AG6Wxd4.
ハンジ「反省の色もねぇ……全く一日潰れたじゃないか。ああ、だるい」グッタリ
リヴァイ「飯は食わせてやったし休憩も入れてやっただろう?」
ハンジ「……もーいいー」グター
リヴァイ「しばらく寝てろ」ナデナデ
ハンジ「もう……夢も見れなかったよ……」
リヴァイ「今から寝れば見れるだろ」ナデナデ
ハンジ「ん……」ウトウト
リヴァイ「……」
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……明日まで休みだな、ハンジよ」クッ
ハンジ「」スースー
〆
638 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/01(金) 23:00:58 AG6Wxd4.
【はっずかしいぃ!!】
――あれ? ここどこ?
『ハンジさん』
ハンジ「ニファ?」
ニファ『準備は終わりましたよ』
ハンジ「準備?」
ナナバ『髪弄っちゃダメだからね』
ハンジ「ナナバ」
ペトラ『うわぁ……ハンジさん、綺麗ですよ!』
オルオ『おぉ……さすがリヴァイ兵長のはなぶしゅ!!』
エルド『また舌を噛むのか。大体元々ハンジさんは綺麗だぞ』
グンタ『とてもお似合いですよ』
ケイジ『うわぁ、凄いですねぇ』
ゴーグル『ニファが見立てただけあるな』
639 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/01(金) 23:01:24 AG6Wxd4.
ハンジ「みんな」
ミケ『ハンジ、リヴァイが待っている』
ハンジ「リヴァイが?」
ニファ『もう! しっかりしてくださいよ! 花嫁なんですから!!』
ハンジ「は……はぁ!?」
ナナバ『ほらほら、呆けてないで行った行った』グイグイ
ハンジ「えっ? あ、ちょっと」
――ギイィィ……
ハンジ「あ……」
「……」
ハンジ「……リヴァイ」
リヴァイ「何してる。早く来い」スッ
ハンジ「…………うん……」
640 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/01(金) 23:01:57 AG6Wxd4.
――ハンジ!
――ハンジさん!
――おめでとうございます!!
ハンジ「あ……みん」
――――――――――――
ハンジ「!?」ガバッ!
リヴァイ「ん……? どうした……?」モソッ
ハンジ「ゆ……め……?」
リヴァイ「ああ、夢見れたか」
ハンジ「――――」
リヴァイ「? ハンジ?」
ハンジ「~~~~っ!!!///」ジタバタ!!
リヴァイ「おい!? いきなりなんだ! 暴れるな! この奇行種が!!」
〆
641 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/01(金) 23:02:23 AG6Wxd4.
【我慢は無理だ】
リヴァイ「……で? なんで暴れた?」
ハンジ「………………黙秘します」
リヴァイ「どんな夢を見やがった」
ハンジ「黙秘!」
リヴァイ「ほおぉぉ?」
ハンジ「な、なんだよ」
リヴァイ「いつまでだんまりでいられるだろうな?」スッ
ハンジ「えっ」
リヴァイ「なぁ、ハンジよ」ボソッ
642 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/01(金) 23:02:45 AG6Wxd4.
ハンジ「ひゃうっ」ゾクッ
リヴァイ「……」ツー…
ハンジ「うわぁぁ!! 待ってぇぇ! 休ませてぇぇ晩ごはん食べさせてぇぇ!!」
リヴァイ「……で?」
ハンジ「くっ……」
―――
――
―
ハンジ「うぅ……///」←白状した
リヴァイ「……」
643 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/01(金) 23:03:12 AG6Wxd4.
ハンジ「クソッ、辱しめやがって! リヴァイのバーカバーカ、刈り上げ野郎!!///」
リヴァイ「……」グイッ
ハンジ「へ?」トサッ
リヴァイ「……」レロッ…
ハンジ「ふぁっ!? ちょっ、ちょっと!」
リヴァイ「……」ツー…
ハンジ「あっ……ちょっと待って、リヴァイ……これじゃ」
リヴァイ「……」チュッ…
ハンジ「は、あぁ! もう! っこれじゃ白状した意味、ない、んぁっ!!」
〆
644 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/01(金) 23:03:53 AG6Wxd4.
【同じ夢】
ハンジ「リヴァイって本気で馬鹿だよね」モグモグ
リヴァイ「誰がだ」
ハンジ「盛りまくってた奴が否定するな」
リヴァイ「一日抱き潰すのが躾だからな」
ハンジ「どんな礼儀を教えたつもりなんだよ」
リヴァイ「……仕置きか」
ハンジ「あーそっちだねってそういう問題じゃねぇ! 大体ちゃんと白状したのにさ!」
645 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/01(金) 23:05:01 AG6Wxd4.
リヴァイ「お前が悪いんだろ」
ハンジ「人の所為にして」
リヴァイ「……あんな話、されたら仕方ねぇだろ」
ハンジ「だから話したくなかったのに」
リヴァイ「似たような夢見やがって」
ハンジ「へ?」
リヴァイ「――っ」ハッ
ハンジ「ほぉぉ……詳しく話してもらおうじゃないか」ニヤリ
リヴァイ「……」チッ
〆
650 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/04(月) 22:13:57 .r/qNLHA
【聞き覚えのある声】
リヴァイ「ここは……?」
モブリット『すみません、兵長。ハンジさんの準備がまだのようで』
リヴァイ「? 準備?」
エルヴィン『ハンジだからな。待つのも慣れているだろう? リヴァイ』
リヴァイ「俺は一体……」
ミケ『様子を見てくる』
エルヴィン『ああ、頼んだ』
リヴァイ「俺の代わりに頼むな」
エルヴィン『いいだろ、別に』
ファーラン『くだらねぇ嫉妬してると愛想つかされるぜ?』
リヴァイ「うるせぇな」
イザベル『姉貴の衣装キレイだったぜ!』
651 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/04(月) 22:14:41 .r/qNLHA
リヴァイ「あぁ、ニファに見立ててもらったしな」
エルヴィン『自分で選ばなかったのか?』
リヴァイ「俺とハンジの意見を聞いて見立ててくれたんだ」
ファーラン『いい子だな』
モブリット『ハンジ班の一員ですから』
イザベル『姉貴の部下ってなんかちょっとアレだよな』
リヴァイ「アイツの部下だしな」
モブリット『リヴァイ兵長の下についてるあの四人だってちょっとアレじゃないですか』
ファーラン『自分達もそうだと認めやがった』ケラケラ
エルヴィン『好かれ具合が似た者夫婦だな』クスッ
リヴァイ「……まだだ」
エルヴィン『律儀だな。しかしもうすぐ時間だが……』
イザベル『もう来るってさ!』
652 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/04(月) 22:15:13 .r/qNLHA
ファーラン『ほら祭壇に行けよ、リヴァイ』
リヴァイ「ああ」
――ギイィィ……
リヴァイ「――――」
ハンジ「……リヴァイ」
リヴァイ「……何してる。早く来い」スッ
ハンジ「…………うん……」
――リヴァイ
――兄貴
――兵長
――おめでとうございます!
リヴァイ「お前ら……」
――リヴァイ……おめでとう
リヴァイ「! 母――――!?」
653 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/04(月) 22:15:51 .r/qNLHA
――――――――――――
リヴァイ「――っ!」パチッ
リヴァイ「……っ」
ハンジ「」スヨスヨ
リヴァイ「……ハンジ」ナデ…
ハンジ「」スヨスヨ
リヴァイ「……」ハァー
リヴァイ「……また馬鹿な夢を」
ハンジ「う……ん……」ニヘー
リヴァイ「……」
リヴァイ「もう少し寝るか」ギュッ
ハンジ「ん……」スースー
〆
654 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/04(月) 22:16:31 .r/qNLHA
【夢のあと】
ハンジ「モブリットがいないと思ったらそっちに行ってたのか」
リヴァイ「……馬鹿か」ハァー ←白状させられた
ハンジ「二人して変な夢見ちゃったね」
リヴァイ「……そうだな」
ハンジ「……指輪の所為かな」ポツリ
リヴァイ「指輪か」
ハンジ「リヴァイ、今指輪どこに置いてる?」
リヴァイ「ここだ」スルッ
ハンジ「首にかけてたんだ」
655 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/04(月) 22:16:58 .r/qNLHA
リヴァイ「立体機動をしない時はな」
ハンジ「ここまで揃うと気持ち悪いね。私もそうしてる。今はポケットに入ってる」ゴソゴソ
リヴァイ「……」
ハンジ「で、なんとなくだけどコレつけようかなとか思わない?」スイッ ←リヴァイの指輪を奪った
リヴァイ「さぁな」
ハンジ「つけろ」スッ
リヴァイ「命令か」
ハンジ「でい」グリグリ
リヴァイ「いてぇよ」
ハンジ「よし、入った。私もつける」
リヴァイ「ほら貸せ」
656 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/04(月) 22:17:25 .r/qNLHA
ハンジ「ん」
リヴァイ「……」スッ
ハンジ「ふふっ、これ何回繰り返すんだろうね、指輪のつけ合い」クスクス
リヴァイ「……さぁな」
ハンジ「リヴァイ、右手」
リヴァイ「……」スッ
ハンジ「ふふっ」ギュッ、カチンッ
§
リヴァイ「傷がつくんだろ」
ハンジ「今だけ」
§
リヴァイ「……」ギュッ
〆
657 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/04(月) 22:18:10 .r/qNLHA
【おでかけ】
リヴァイ「おい、動けるか?」
ハンジ「昨夜は一回で済んだからなんとかね」
リヴァイ「最後の休みだが出掛けるか?」
ハンジ「んー、そうだね。引き籠りっぱなしってのもなんだしね」
リヴァイ「なら暖かくしていけ。雪が積もってる」
ハンジ「おぉ! マジ!? 晴れてるのに積もってるとかいいね!」
リヴァイ「溶けてグチャグチャになってないといいんだが」
ハンジ「雪合戦しようか!」
リヴァイ「しねぇよ」
ハンジ「じゃ、雪だるま」
リヴァイ「己の年齢を顧(かえり)みろ」
〆
658 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/04(月) 22:19:09 .r/qNLHA
【きらきら】
ハンジ「ひゃー、照り返しが眩しいね」
リヴァイ「そうだな」
ハンジ「巨人にも雪が積もってるのかな?」
リヴァイ「想像もしたくねぇが動いてりゃ雪は落ちるんじゃねぇか?」
ハンジ「あー、そうだね。でも頭とかには積もってそう。払ったりするのかな?」
リヴァイ「……もう巨人の話はいいだろ」
659 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/04(月) 22:19:39 .r/qNLHA
ハンジ「お、雪降ってきた」
リヴァイ「晴れてるのにか」
ハンジ「風花(かざばな)だね。晴れた日に降る雪だよ」
リヴァイ「天気雨みたいなもんか」
ハンジ「そう。風に流されて来るんだ。上空では風が強いのかもねぇ」
リヴァイ「……悪くないな」
ハンジ「うん、綺麗だね」
〆
660 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/04(月) 22:20:22 .r/qNLHA
【元気な方がいいですか?】
リヴァイ「馬に乗るか?」
ハンジ「いいねぇ! 雪の中を馬で駆けるなんて気持ち良さそう!」
リヴァイ「練兵用の森か丘かどっちにする?」ザッザッ
ハンジ「うーん……どちらも捨てがたいけど森にしとこうか。今、人いないだろうし静かでいいと思うよ」ザッザッ
リヴァイ「分かった。そうしよう」
黒馬「ブルル」
リヴァイ「元気か」ポンッ
661 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/04(月) 22:20:57 .r/qNLHA
黒馬「ブルッ」スリッ
ハンジ「退屈してないかーい?」ポンポンッ
鹿毛馬「ブヒヒーン!」スリスリ
ハンジ「おぉー、元気元気! 今からお散歩に行くよー」
鹿毛馬「ブルル!」
リヴァイ「……元気すぎだな」
黒馬「ブルル……」
リヴァイ「真似はしなくていいからな」
黒馬「……ブルッ」
〆
次回 リヴァイ「いつまでも」ハンジ「戯れよう」 後編
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