リヴァイ「いつまでも」ハンジ「戯れよう」 中編
664 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:15:05 t9GqrJNk
【雪中散歩】
――練兵用の森――
ハンジ「うひゃあ! 白銀の中、馬で駆けるなんて贅沢だね!」
リヴァイ「ああ、そうだな。おい、あまり調子に乗るなよ」
ハンジ「雪だからね、本気で駆けたりしないよ」
リヴァイ「どうだかな」
ハンジ「信用ないなぁ」アハハ!
リヴァイ「そういうわけじゃない」
ハンジ「分かってるよ。心配してくれてるんだよね。そろそろ並足にしてゆっくり見て回ろうか」グッ
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665 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:15:47 t9GqrJNk
リヴァイ「ああ」グッ
鹿毛馬「ヒヒン」
黒馬「ブルッ」
ハンジ「いやぁ、本当、凄いねぇ。木漏れ日がキラキラしてるよ。木に積もった雪も光で綺麗だ」
リヴァイ「そうだな」
ハンジ「……立体機動で」
リヴァイ「今すぐ許可は無理だと思うぞ」
ハンジ「くっそう」
リヴァイ「ゆっくり見て回るんじゃねぇのか」
ハンジ「あはは! そうだね、ゆっくりしよう」
〆
666 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:16:34 t9GqrJNk
【今日は何の日?】
オルオ「……」ソワソワ
エルド「何そわそわしているんだ?」
オルオ「べ、別に何も!」
グンタ「年明け過ぎてから訓練も再開して間もないんだ。いつまでも浮き足立つなよ」
オルオ「浮き足立ってねぇよ」
ペトラ「ほーら! 駄弁ってないで行くよ!」
エルドグンタ「「おう!」」
オルオ「おう……」
―――
――
―
667 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:17:10 t9GqrJNk
エルド「今日はリヴァイ兵長が見てくれてよかったなぁ!」
グンタ「ああ、兵長の立体機動も見れたしな」
ペトラ「いつ見てもリヴァイ兵長は凄いよねぇ! あの早さ、的確さ、効率の良さ!!」
オルオ「ああ! 今日はリヴァイ兵長から助言も頂いたし!!」
ペトラ「私も貰ったし!」
エルド「みんなに助言してただろうが、喧嘩するなよ」
グンタ「ほら、食堂に行くぞ」
ペトラ「はーい」
オルオ「あ……」
ペトラ「何?」
オルオ「……いや、別に」
668 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:18:03 t9GqrJNk
ペトラ「なんなのよ。行くよ」
オルオ「な、なぁ、お前ら」
エルド「何だ?」
オルオ「なんか忘れてねぇか?」
グンタ「? なんかってなんだ?」
ペトラ「ちゃんと立体機動は整備して片付けたし……忘れ物はないんじゃない?」
エルド「心配性だな、オルオ」
グンタ「リヴァイ兵長がいたんだから抜かりはねぇだろうよ」
オルオ「いや、その……」
ペトラ「いいからさっさと行くよ」
オルオ「……ああ」ションボリ
〆
669 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:19:29 t9GqrJNk
【せめて隣に】
――食堂――
エルド「お、兵長がいる所空いてるぞ」
グンタ「行くか」
ペトラ「失礼します! ここよろしいですか?」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「今からなんだね」
ペトラ「はい」
エルド「オルオ、席確保しとくからメシ持ってきてくれよ」
グンタ「俺も行く」
オルオ「……わかった」スタスタ
670 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:20:02 t9GqrJNk
ハンジ「……大丈夫なのかい?」
ペトラ「大丈夫ですよ。あいつ単純なんで」
エルド「ちょっと上げると調子に乗るからなぁ。加減が難しいです」アハハ…
ハンジ「まぁ、それもオルオの良いところさ」
オルオ「あ、しまった」
グンタ「どうした?」
オルオ「兵長の隣だよ! きっとペトラが座ってやがるに違いない! くそっ、空けとけって言ってりゃよかった」
グンタ「そんなことか」
オルオ「そんなことたぁなんだよ! 重大事項だぞ!」
グンタ「分かった分かった。でもいつも隣になんて座ってねぇだろ」
オルオ「……そりゃ恐れ多くてな。でも……」
エルド「おーい! 何してんだ」
671 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:20:39 t9GqrJNk
グンタ「おっと、待ちかねてるみたいだな」
オルオ「今日くらいは隣に座りたかったぜ……」ボソッ
グンタ「行くぞー」
オルオ「ああ」ハァー
ペトラ「ほら、早く!」
オルオ「おう……ってお前なんでひとつ席空けて座ってんだ?」
グンタ「リヴァイ兵長の隣がいいんだろ?」
オルオ「えっ?」
エルド「早く座れよ」
オルオ「あ、ああ……失礼致します!」ガタッ
リヴァイ「ああ」
〆
672 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:21:07 t9GqrJNk
【なんか色々吹っ飛んだ】
オルオ(……やっべぇ……本当に隣に座ると緊張しすぎてメシの味もわからねぇ)
リヴァイ「……」モグモグ
オルオ(おぉ! 隣で食べてらっしゃる! すげぇ!)
リヴァイ「……」ズズズズ
オルオ(隣で飲んでらっしゃる! すげぇ!!)
ペトラ「……なんかツッコミを入れなきゃいけない気がするのはなんでだろう」
エルド「正面から見てる俺もそう思うから間違ってないかもな」
グンタ「斜め向かいにいる俺もそう思うがツッコミはやめとけ」
ハンジ「みんな食べ終わってるね?」
リヴァイ班「「「「はい!」」」」
ハンジ「お茶淹れてくるよ、待っててね」ガタッ
オルオ「いや、そんな、俺が」
673 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:21:34 t9GqrJNk
リヴァイ「待て、お前が淹れるのか」
ハンジ「そうだよ? リヴァイの茶葉持ってきたし」
リヴァイ「お前、いつのまに」
ハンジ「てなわけで良い紅茶淹れてくるぜ!」
リヴァイ「待て、クソメガネ」ガタッ
オルオ「あ」
エルド「口を挟む余地もなかったな」アハハ
グンタ「……兵長が行ったのは予想外だな」ボソッ
エルド「ハンジさんが巻き込んでくれたな」ボソッ
ペトラ「ここにいてくれることを承諾してくれただけでもありがたすぎるのにね」ボソッ
オルオ「なんか言ったか?」
ペトラ「ううん、なんにも」
エルド「おい、リヴァイ兵長達戻ってきたぞ」ガタッ
674 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:21:59 t9GqrJNk
ペトラ「さて」ガタッ
グンタ「おう」ガタッ
オルオ「な、なんだ?」
ペトラ「せーの」
リヴァイ班「「「「ハッピーバースディ トゥ ユー♪」」」」
オルオ「……は?」
リヴァイ班「「「「♪……ハッピー バースディ ディア オルオー、ハッピーバースディ トゥ ユー♪」」」」
ハンジ「はい、オルオ」カタンッ ←ケーキをオルオの前に
オルオ「あ……」
ペトラ「ほら、ボーッとしてないでケーキの蝋燭の火を消してよ」
オルオ「お、おう」…フゥー
リヴァイ班「「「「誕生日おめでとう、オルオ」」」」
オルオ「お前ら……」
〆
675 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:22:32 t9GqrJNk
【サプラーイズ!】
エルド「しかし、歌はさすがにちょっと恥ずかしかったな」
グンタ「ま、まぁ、今あんまり人いないからまだなんとか」
ハンジ「はい、リヴァイ手ずから淹れた紅茶だよー」カチャッ
オルオ「あ、ありがとうございます!!」
リヴァイ「いや……」
ハンジ「ふふふ、リヴァイの茶葉持ってきて正解だね。付いてくるだろうと思ったし」
オルオ「ありがとうございますっ」
ハンジ「んふふー、いいんだよ」
リヴァイ「……」←なんとも言い難い
オルオ「俺はてっきりお前らが忘れてるとばかり……」
ペトラ「成功したね!」
676 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:23:28 t9GqrJNk
エルド「ああ。リヴァイ兵長、ハンジ分隊長、協力してくださってありがとうございます」
グンタ「すみません、ケーキや紅茶を運ばせてしまって」
ハンジ「いいんだよ。私からやるって言い出したんだから」
リヴァイ「……構わん」←やっぱりなんとも言い難い
ハンジ「リヴァイもあっちで理由を言ったら“そうか”って私から茶葉引ったくって淹れてくれたよ」
オルオ「お二人共、ありがとうございますたっ!」ブシュッ!
グンタ「噛んだか」
エルド「痛そうだな」
ペトラ「全く、気をつけなよ。ほら、ハンカチ」スッ
オルオ「う、うるせぇな。お前ら、なんか……いい年して誕生歌なんか歌いやがって」ゴシゴシ
ペトラ「何よ! 嬉しかったくせに」
オルオ「……うっせ」ズズッ
エルド「もしかして……泣いてんのか?」
677 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:24:04 t9GqrJNk
オルオ「な、泣いてねぇよ! 噛んだ舌がいてぇだけだ!!」
グンタ「ってことは泣いてるってことか」
オルオ「なんでそうなんだよ! くそが!」
ハンジ「はいはい、ケーキ分けるよー」
リヴァイ「紅茶が冷める」
エルドグンタペトラ「「「すみません!」」」
オルオ「リヴァイ兵長、ハンジ分隊長、ありがとうございます!!」
ハンジ「あはは、何度目かな」
リヴァイ「もういい、オルオ」
オルオ「はっ!」
ペトラ「しつこいよ、オルオ」
エルド「ほら、オルオの分だ」
678 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/06(水) 22:24:43 t9GqrJNk
グンタ「今度は舌、噛むなよ」
オルオ「お前ら……あー」
ペトラ「何よ」
オルオ「その……ありがとう」ボソッ
エルド「ハッ、素直じゃねぇな」
グンタ「はっきり言えよ」
ペトラ「なんかちょっと気持ち悪いよ」
オルオ「気持ち悪いとはなんだ! 人が礼を言ってやってるのに!!」
ペトラ「言ってやってるって何よ! えっらそうに!」
ワイワイギャイギャイ!!
ハンジ「ふふっ、なんだかんだ好かれてるねぇ、オルオは」
リヴァイ「そうだな……」ズズズズ
〆
684 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/10(日) 22:17:12 OyQYXFZ.
【熱を奪う】
――リヴァイ自室――
ハンジ「たのもー!!」ガチャッ
リヴァイ「なんだ討ち入りか」
ハンジ「違うよ。奪いに来たんだ」
リヴァイ「泥棒か」
ハンジ「ほらほらもう寝るでしょ? ベッドに行った行った」グイグイ
リヴァイ「……」ギシッ
685 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/10(日) 22:17:43 OyQYXFZ.
ハンジ「よし」ギュッ
リヴァイ「冷てぇ足だな」
ハンジ「今日は寒いよねぇ」ギュゥッ
リヴァイ「カイロ代わりか」
ハンジ「ゆたんぽかな?」
リヴァイ「どのみち人じゃねぇのか」
ハンジ「人類最強のゆたんぽ!」アハハ!
リヴァイ「うるせぇ、さっさと寝ろ」
〆
686 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/10(日) 22:18:14 OyQYXFZ.
【寝る前の】
ハンジ「リヴァイは温かいねー」
リヴァイ「もっと温めてやれるが?」
ハンジ「ダメ。明日一日演習なんだよ」
リヴァイ「知ってる」
ハンジ「なんだ、冗談か」
リヴァイ「本気が良かったか」
ハンジ「それはまたの機会に」ギュゥッ
リヴァイ「力を入れすぎだ、苦しい」
ハンジ「あれ、そう?」
リヴァイ「加減しろ」
687 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/10(日) 22:18:49 OyQYXFZ.
ハンジ「へいへーい」モゾモゾ
リヴァイ「……」
ハンジ「んーと」サワサワ
リヴァイ「触りまくるな、くすぐったい」
ハンジ「なんか収まり悪くてさー」サワサワ
リヴァイ「撫で回す必要はねぇだろ」
ハンジ「ついでに堪能」サワサワ
リヴァイ「……クソメガネが」コショッ
ハンジ「!?」
リヴァイ「くすぐったいと言ってるだろうが」コショコショ
ハンジ「あっははははは!! やめて! くすぐらなあはははははは!!」
リヴァイ「うるせぇクソメガネだな」
688 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/10(日) 22:19:16 OyQYXFZ.
ハンジ「あなたの所為でしょ」ハァーハァー
リヴァイ「寝ろ」ギュッ
ハンジ「あ」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「なんか凄い収まりがいい」シックリ
リヴァイ「そりゃ良かったな」
ハンジ「うん……リヴァイからじゃないと収まり悪いのかなぁ」ウトウト
リヴァイ「……」
ハンジ「リヴァイから抱き締めてくれたら……」ウツラウツラ
リヴァイ「分かった」
ハンジ「ん……」スースー
リヴァイ「……」ナデナデ
〆
689 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/10(日) 22:20:09 OyQYXFZ.
【選べない】
――リヴァイ自室――
ハンジ「おかえりー! 巨人の話にする? 奇行種の話にする? それとも研究のは・な・し?」
リヴァイ「……全部巨人じゃねぇか」
ハンジ「内容は全部違うんだけど」
リヴァイ「全部断る」
ハンジ「えぇぇー」
リヴァイ「もう寝る」
ハンジ「仕方ない、マッサージにしますか」
リヴァイ「始めからそれを選択肢に入れろ」
〆
690 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/10(日) 22:20:45 OyQYXFZ.
【いらっしゃいませ】
ハンジ「はぁ、やっぱり炬燵は最高だね」ヌクヌク
リヴァイ「そうだな」ヌクヌク
エルヴィン「みかんがあれば尚良しなんだがな」ヌクヌク
ミケ「お裾分けは貰ってないな」ヌクヌク
ハンジ「珍しいね」
ミケ「いつも貰っているわけじゃない」
ハンジ「そりゃそうか」
――コンコンッ
691 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/10(日) 22:21:24 OyQYXFZ.
エルヴィン「入れ」
ナナバ「失礼します……って何してんのさ」
ハンジ「炬燵」
ナナバ「見れば分かるよ。全員集まって何してんのって言ってるの」
ハンジ「炬燵」
ナナバ「もういいよ。はい、エルヴィン、みかん」ガサッ
ハンジリヴァイミケ「「「!?」」」
エルヴィン「ああ、ありがとう。ハンジ、リヴァイの所に移動してもらえるか?」
ハンジ「するする! ウェルカム! ナナバ!!」
ナナバ「現金だねぇ」
〆
692 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/10(日) 22:22:50 OyQYXFZ.
【のんびりしすぎ?】
ハンジ「よいしょ」モゾモゾ
リヴァイ「みかん買いに行かせてたのか」
エルヴィン「偶然外出するナナバと会ったものでね」
ナナバ「炬燵してるとは思わなかったけど」
ハンジ「ぷはっ」
リヴァイ「中から潜ってくるな」
ハンジ「みんなの足が邪魔だったよ」ムギュッ
ミケ「避けただろう」
リヴァイ「狭い」
ハンジ「我慢我慢」
リヴァイ「だから何故お前は前に来るんだ」
693 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/10(日) 22:23:27 OyQYXFZ.
ハンジ「こっちだともっと温かいんだよ」
リヴァイ「狭い」
ナナバ「みかん貰うよ」
エルヴィン「ああ」
ミケ「俺も貰う」
エルヴィン「構わんが……」
ミケ「なんだ?」
エルヴィン「こんなにのんびりして良いものか……」
ミケ「……たまにはいいだろ」
エルヴィン「そうか……そうだな」
リヴァイ「横に行け」グイグイ
ハンジ「いーやー」ムギュー
エルヴィン「……そうだろうか?」
〆
697 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/13(水) 22:26:38 S86NZtcI
【困ります】
――街――
奇術師「貴女の選んだカードはこれですね?」
町娘「そ、そうです!」
オオォォォ!!
ハンジ「ほー……」
リヴァイ「何真面目に感心してるんだ」
ハンジ「いやいや、凄いよ?」
リヴァイ「ただの手品だろ」
698 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/13(水) 22:27:03 S86NZtcI
ハンジ「そうだけど技術が凄いと思ってね」
リヴァイ「技術か」
ハンジ「うん。タネは知ってるんだけどそれをやったところが分からない。
ここでああしたって知ってるけど見てても分からないんだ。凄いよ!」
リヴァイ「ほぅ」
ハンジ「例えば……」
奇術師「……」ジッ
ハンジ「……帰ろうか、リヴァイ」
リヴァイ「そうだな、商売の邪魔だ」
〆
699 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/13(水) 22:27:36 S86NZtcI
【一抹の寂しさ】
ハンジ「じゃ、工業都市に行ってくる。新しい捕獲器の話し合いもあるからちょっと長くなるよ」
リヴァイ「研究所が必要以上に散らからなくて済む」
ハンジ「はいはい。なるべく早く帰って散らかしてあげる」
リヴァイ「望んでねぇ」
ハンジ「あはは! いってきまーす!!」
リヴァイ「ああ、はしゃぎすぎるなよ」
ハンジ「気をつけるよ」
パタンッ
リヴァイ「……」
リヴァイ(一週間……いや二週間……そんなところか)
リヴァイ「…………静かになるな」
〆
700 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/13(水) 22:28:16 S86NZtcI
【静寂】
――深夜――
リヴァイ「……」
リヴァイ「…………」
リヴァイ「……眠れねぇな」
リヴァイ(まぁ、元々そんなに眠らねぇが)
リヴァイ「……」ブルッ
701 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/13(水) 22:28:56 S86NZtcI
リヴァイ「今日は冷えるな」
リヴァイ「……」
リヴァイ(……一週間経った。まだ帰らねぇトコ見ると予想通りあと一週間はかかるか)
リヴァイ(相手に無茶言ってねぇといいが)
リヴァイ(いや、言ってるな。言わないわけがねぇ)
リヴァイ(工業都市の連中が大変そうだ)
リヴァイ「……」
リヴァイ「…………静かすぎる」ポツリッ
〆
702 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/13(水) 22:29:23 S86NZtcI
【残念だけど】
ハンジ「ただいまー……」グッタリ
リヴァイ「ぐったりしてるな」
ハンジ「うん。色々白熱しちゃってね」
リヴァイ「風呂に入ってさっさと寝ろ」
ハンジ「あー……」
リヴァイ「書類や報告書は明日にしろ。回復しねぇとうまく回らねぇだろ」
ハンジ「うー……そうだね。さすがにちょっと疲れたよ。そうする」
703 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/13(水) 22:29:49 S86NZtcI
リヴァイ「ああ、ゆっくり休めよ」スタスタ
ハンジ「あ……」
ハンジ「なんだよ、あっさりしてるなぁ」
ハンジ(一緒に寝たかったんだけどなぁ……だけど多分一人で寝た方が疲れが取れるとか思ってるんだろうな)クスッ
ハンジ(ここまで長い出張は珍しいから)
ハンジ(それでも……)
ハンジ「……ま、仕方ないか」
ハンジ「さっさと風呂入ろっと」
〆
704 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/13(水) 22:30:27 S86NZtcI
【耐えられなかった】
――コンコンッ
ハンジ「リヴァイ?」ガチャッ
リヴァイ「……」キョロッ→
ハンジ「どしたの?」
リヴァイ「……」←キョロッ
ハンジ「今日は一緒に寝ないんだと思ってたんだけど。しかも私の部屋に来るなんて」
リヴァイ「……きたねぇ部屋だな。荷物散らかしやがって」
ハンジ「出張から帰ったらこんなもんだって分かってるくせになんで来たのさ」
リヴァイ「来い」グイッ
ハンジ「えっ? ちょっ、どこに?」
リヴァイ「俺の部屋」
705 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/13(水) 22:30:57 S86NZtcI
ハンジ「なんでさ! ってちょっと待って鍵閉めるから」ガチャンッ
リヴァイ「……今日は寒い」
ハンジ「あぁ、暖が欲しいのね。奇行なゆたんぽでよければどうぞ」
リヴァイ「嫌なゆたんぽだな」
ハンジ「それがいいくせに」ニヤニヤ
リヴァイ「……うるせぇ」
ハンジ「このゆたんぽにはお喋り機能がついてるから諦めて?」クスクス
リヴァイ「……騒がしいな」
ハンジ「んふふふふー、それも嫌いじゃないくせに」
リヴァイ「……」
ハンジ「嬉しいよ」
リヴァイ「……」チッ
〆
709 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/16(土) 22:28:12 1hNRz.Ro
【釈然としない】
ハンジ「やぁ、リヴァイ。身体検査どうだった? 背ぇ伸びた?」
リヴァイ「……うるせぇ」
ハンジ「あーやっぱり無理だったかぁ」
リヴァイ「てめぇこそ胸囲はどうなった」
ハンジ「うっさい」
リヴァイ「はっ、やはり無理だったか」
ハンジ「お互い成長は終わってんだから仕方ないでしょうが」
リヴァイ「うるせぇよ」
ハンジ「まぁまぁ、私は好きだけどね」
リヴァイ「……俺も嫌いじゃねぇ」
ハンジ「ふふっ、ならいいじゃないか」
リヴァイ「そう……か?」
〆
710 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/16(土) 22:29:01 1hNRz.Ro
【断りきれない】
ハンジ「リヴァーイ! 駆け落ちしようぜぇ!!」
リヴァイ「断る」スパッ
ハンジ「迷いがない!」
リヴァイ「何があった」
ハンジ「エルヴィンが捕獲許可してくれないからリヴァイを連れ出して抗議しようかと」
リヴァイ「ただの嫌がらせか」
711 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/16(土) 22:29:31 1hNRz.Ro
ハンジ「本気なのにぃ」
リヴァイ「嘘じゃねぇか」
ハンジ「だって」
リヴァイ「いいからさっさと次のために動け」
ハンジ「じゃあ、まず聞いてくれる?」
リヴァイ「書類が残って――」
ハンジ「ありがとう。ここじゃなんだから部屋に行こうか」ガシッ
リヴァイ「……」ズルズル
〆
712 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/16(土) 22:30:34 1hNRz.Ro
【気持ちは同じ】
リヴァイ「……」カリカリ
ガチャッ
ハンジ「リーヴァイー! ってまだ書類終わってないの? もう定時は過ぎてるよ?」
リヴァイ「ああ。お前は終わったのか」
ハンジ「うん。お風呂も入り済みだよ」
リヴァイ「殊勝なことだな」カリカリ
ハンジ「リヴァイも終わってると思ったのに」
リヴァイ「いつもと逆だな」カリカリ
ハンジ「……ねぇ、リヴァイ」
リヴァイ「悪いがこっちは今日中に終わらさなきゃならねぇんだ。朝一に提出なんでな」
713 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/16(土) 22:31:23 1hNRz.Ro
ハンジ「あとちょっとじゃないか」
リヴァイ「できればこっちも終わらせておきたい」
ハンジ「……ちゃんと会えるの一週間ぶりなのに」
リヴァイ「お前が研究室に籠ってたからな」カリカリ
ハンジ「うん。だから今日は定時に終わらせたんだよ」
リヴァイ「間が悪かったな」カリカリ
ハンジ「……」ムゥ
リヴァイ「……できるだけ早めに終わらせる」
ハンジ「そっちもやってたら深夜になるよ?」
リヴァイ「……明日手伝え」
ハンジ「! いいよ。明日は暇だからね」ニコッ
〆
714 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/16(土) 22:31:53 1hNRz.Ro
【近くに】
リヴァイ「……」カリカリ
ハンジ「今日の分は手伝えないやつばっかだね」
リヴァイ「まぁ、あとはサインだけだ」
ハンジ「ふぅん……」ジッ
リヴァイ「……」カリカリ
ハンジ「……」ジー
リヴァイ「…………」カリカリ
ハンジ「……」ジー
リヴァイ「……やりづらいんだが」カリ…
ハンジ「いいじゃん。見てるくらい」
リヴァイ「部屋で待ってろ」
715 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/16(土) 22:32:16 1hNRz.Ro
ハンジ「嫌。書類もうちょっとだね」ガタッ
リヴァイ「ああ……お前、何して」
ハンジ「まぁまぁ」ガタガタッ
リヴァイ「おい、机に潜り込むな」
ハンジ「ここにいたら誰か来ても私がいるって分からないだろうね」
リヴァイ「何くだらねぇことしてんだ」
ハンジ「暇」
リヴァイ「そこでも暇だろ」
ハンジ「リヴァイが近いだけマシだよ」
リヴァイ「……寝るなよ」
ハンジ「確約はできない」
リヴァイ「寝たら蹴る」
ハンジ「ひっでぇ」アハハ!
〆
716 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/16(土) 22:32:41 1hNRz.Ro
【いたずら】
リヴァイ「……」カリカリ
ハンジ「……」スッ
リヴァイ「?」
ハンジ「……」ポスッ
リヴァイ「何してる」
ハンジ「膝枕?」
リヴァイ「乗せてるのはアゴだろ」
ハンジ「いいじゃん」スリスリ
リヴァイ「擦りよるな」
ハンジ「これくらい許してよ」
リヴァイ「お前は犬か猫か」
ハンジ「奇行種かな?」
717 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/16(土) 22:33:24 1hNRz.Ro
リヴァイ「ああ、違いねぇな。終わったら相手してやるからおとなしくしてろ」カリカリ
ハンジ「……」サワッ
リヴァイ「!? おい」
ハンジ「なに?」ナデ…
リヴァイ「……足を撫でるな」
ハンジ「もうすぐ終わるよね?」
リヴァイ「ああ。だからおとなしく――っ!?」
ハンジ「……」チー… ←チャックを下ろしてる
リヴァイ「お前、何してやがる」ガタッ
ハンジ「ダーメ、動かないで」サワッ
リヴァイ「――っ!」ビクッ
ハンジ「リヴァイは書類頑張って?」クスッ
リヴァイ「お前……」
〆∬
725 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/19(火) 22:26:42 hwTvcpOs
【疑わしい】
リヴァイ「おい、ハンジ」
ハンジ「くっ! 例えどんなに甘い言葉をかけられようと私は屈しないっ! 私は……ヤる!」
リヴァイ「あれが甘い言葉かどうかは知らんがふざけた決意をするんじゃねぇ、離せ」
ハンジ「誰が離すか!」シュッ
リヴァイ「――っ、おい、いい加減――」
――コンコンッ
726 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/19(火) 22:27:07 hwTvcpOs
リヴァイハンジ「「!?」」ビクッ!
エルド『リヴァイ兵長、定時後にすみません。確認したい箇所があるのですが』
リヴァイ「エルドか……」チッ
ハンジ「返事してあげないと」ニヤリ
リヴァイ「……お前、見つかるなよ」
ハンジ「善処します」
リヴァイ「クソメガネ」
〆
727 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/19(火) 22:27:52 hwTvcpOs
【悪魔が囁く】
リヴァイ「……入れ」
――ガチャッ
エルド「申し訳ありません、リヴァイ兵長」
リヴァイ「構わねぇよ。なんだ」カリカリ
エルド「ええ、この書類なんですが……」
ハンジ「……」
728 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/19(火) 22:28:25 hwTvcpOs
ハンジ(暇だなー。話の内容からしてちょっとかかるかな?)
ハンジ(しかし……)チラッ
リヴァイ「ーー、ーーーー」
ハンジ(エルドもよもやリヴァイがリヴァイを露出したまま対応してるとは思うまい。やべ、笑いそう)プルプル
ハンジ(このまま放置も可哀想だし、せっかく育てたのに萎えられるのもなー。既にその傾向が)
ハンジ「!」
ハンジ(……リヴァイはどこまで耐えられるかな? いや、きっと耐えられるよね)ニヒッ
〆
729 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/19(火) 22:29:06 hwTvcpOs
【実行】
エルド「それで――」
リヴァイ「ふむ」
ハンジ(あーん)パクッ
リヴァイ「――っ!?」ビクッ
エルド「? どうされました?」
リヴァイ「いや……なんでもねぇ、続けろ」
ハンジ(おや、食んだだけではダメか。ふーん)レロ…
リヴァイ「……っ」ギリッ
ハンジ(激しくしちゃうと音が響くからゆっくり……)ヌルリッ
リヴァイ「……っクソメガネ」ボソッ
〆
730 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/19(火) 22:29:35 hwTvcpOs
【机の下】
リヴァイ(奇行種クソメガネが何のつもりだ!)
ハンジ「ん……」ヌリュッ
リヴァイ「――っ」
リヴァイ(クソッ、中途半端な動きしやがって……派手に動かれても困るが)ギリッ
エルド「ですので――」
リヴァイ「……ああ」チラッ
ハンジ「!」
リヴァイ(やめろ、クソメガネ)パクパク
ハンジ「……」レロリッ
リヴァイ「――っ」ビクッ
リヴァイ(こ……の……)ジロッ
ハンジ「……」ニィ…
731 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/19(火) 22:30:05 hwTvcpOs
リヴァイ「――――」ゾクッ
エルド「――ここは俺が書き直してもいいですか?」
リヴァイ「――っああ、そうしてくれ」
エルド「リヴァイ兵長、お疲れなんじゃないですか? 先程から何か……」
リヴァイ「あと、数枚、サインを終えたら休む。お前もそれが終わったら休め」
エルド「はっ、そうさせて頂きます。では失礼致します」
リヴァイ「ああ……」
パタンッ
リヴァイ「――ってめぇ!」ガタッ
ハンジ「んぅ……」ジュルッ
リヴァイ「く、ぁっ!」ギリッ
ハンジ「ん……」ニコッ
リヴァイ「こ……の、クソメガネ、がっ」
〆
736 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/23(土) 22:24:36 TlVJb8Qs
【滾るな(意訳)】
リヴァイ「見つかるなと言っただろうが」ハァー
ハンジ「見つからなかったじゃないか」
リヴァイ「見つかりそうな行動を取るな。俺が耐えきれなかったらどうするつもりだったんだ」
ハンジ「うーん……どうしただろう?」
リヴァイ「何も考えずに行動するなクソメガネ」
ハンジ「耐えてくれるだろうと思ったんだよ。まぁ具合が悪いって追い返したでしょ? それにせっかく育てたのにさー」
リヴァイ「育てたとか言うんじゃねぇ」
ハンジ「それよりまだヤれるよね?」ギッ
リヴァイ「……ここ(椅子)でヤる気か?」
ハンジ「ダメかなぁ」ヌギッ ←下だけ脱いだ
737 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/23(土) 22:25:08 TlVJb8Qs
リヴァイ「はっ……お前の方が溜まってんじゃねぇか」
ハンジ「そうかもね……でもリヴァイもじゃないか。ほら元気」サワッ
リヴァイ「おい」
ハンジ「大丈夫、入るよ」ズッ
リヴァイ「――っ、銜えながら濡らしてやがったのか」ハァ
ハンジ「あなたが、んっ私を弄って反応するのと一緒でしょ」ハァ
リヴァイ「……こんな所で盛りやがって」
ハンジ「ふふっ、滾る?」
リヴァイ「後始末が大変だ」
ハンジ「無粋だねぇ」クスクス
〆
738 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/23(土) 22:25:38 TlVJb8Qs
【逃がすか】
ハンジ「んっ! リヴァイ……あ、あっ、はっ!」ギシギシッ
リヴァイ「くっ……は……」
ハンジ「あっ、今、んんっ誰かに来られたらっ、大変、だね」ギシギシッ
リヴァイ「は……そういや、鍵掛けてねぇな」
ハンジ「!? そ、そうだった!」ピタッ
リヴァイ「おい」
ハンジ「か、鍵。鍵は掛けておかないと!」ギシッ
――ガシッ! グチュッ!
ハンジ「は、あぁん!!」ビクンッ!
リヴァイ「中途半端にやめるんじゃねぇ」
739 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/23(土) 22:26:10 TlVJb8Qs
ハンジ「だ、だって誰か来たら」ハァハァ
リヴァイ「入るなと言えば誰も入ってこねぇよ」グイッ、レロッ…
ハンジ「んあ、ちょっと、耳……もう、そんなの分かんないじゃないか!」
リヴァイ「俺の許可なく入ってくると思うか?」ボソッ
ハンジ「――っ」ゾクッ
リヴァイ「思う存分よがれ――」スッ
ハンジ「リ――んぅ」
リヴァイ「――――」ギシッ
ハンジ「!?」
リヴァイ「ふ……ん……」ギシギシッ
ハンジ「ん、んんっ!!」
リヴァイ「は……」ギシギシッ
740 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/23(土) 22:26:50 TlVJb8Qs
ハンジ「はっ、ああぁっ!」
リヴァイ「くっ……イっちまえっ」ギシッ!
ハンジ「ふ、うっ――あ、ああぁぁっ!!」ビクッビクンッ!!
リヴァイ「――っ」ビクンッ
ハンジ「――は、はぁはぁ……んっ……リヴァイ……」
リヴァイ「はぁ……ハンジ」
ハンジ「キス、して」
リヴァイ「……」スッ
ハンジ「ん……」
リヴァイ「っ……」
ハンジ「っ……ふふっ」ギュッ
リヴァイ「……」ギュッ
〆
741 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/23(土) 22:27:52 TlVJb8Qs
【そろそろいいか】
ハンジ「リヴァイ」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「ふふっ、滾っちゃったねぇ」クスクス
リヴァイ「…………そうだな」
ハンジ「あれ? 素直」
リヴァイ「だいぶ変わったな、お前」
ハンジ「? 何が?」
リヴァイ「見られるだけでも恥ずかしがってた奴がな……」
ハンジ「今の私は嫌かい?」
リヴァイ「いいや、悪くない」
ハンジ「んふふ、あなたは変わらないよね」
742 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/23(土) 22:28:20 TlVJb8Qs
リヴァイ「そうか?」
ハンジ「そりゃ多少は譲ってくれるようになったけどやっぱり主導権握るたがるじゃないか」
リヴァイ「そりゃあな」
ハンジ「なんだよ」
リヴァイ「組み敷く方が楽しめる」
ハンジ「私も楽しみたいんだけど」
リヴァイ「その内教えてやる」
ハンジ「その内っていつさ」
リヴァイ「徐々にな。それに」
ハンジ「?」
リヴァイ「例え主導権を握られたとしても俺が教え込んだと思うと悪くねぇからな」
ハンジ「――っ!?///」
〆
743 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/23(土) 22:28:56 TlVJb8Qs
【見れば分かる】
ハンジ「リヴァイって横暴」
リヴァイ「それはむしろお前だろ」カリカリ
ハンジ「えぇ」
リヴァイ「お前の我が儘で更に時間が掛かってる」カリカリ
ハンジ「ノった方も悪いと思いまーす」
リヴァイ「ならお前も悪いじゃねぇか」カリカリ
ハンジ「じゃ、両方悪いってことで」
リヴァイ「終わった」
ハンジ「お、マジで」
744 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/23(土) 22:29:28 TlVJb8Qs
リヴァイ「明日手伝えよ。でなきゃまた夜中まで掛かる」
ハンジ「了解了解。お任せあれ」
リヴァイ「軽いな」
ハンジ「リヴァイほど書類が苦手じゃないからね」
リヴァイ「……なんでこんなに書類なんてもんがあるんだろうな。嫌がらせか」
ハンジ「色々あるんだよ。許可取らなきゃいけないものもあるし、申請するものもあるし面倒だけど必要なのさ」
リヴァイ「本当に面倒だ」
ハンジ「私らも許可制にする? 書面で」クスッ
リヴァイ「目で確認するだけで充分だろ」ジッ
ハンジ「あはは! はいはい、部屋に行こうか」
リヴァイ「ほらな、充分だ」
〆
745 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/23(土) 22:30:05 TlVJb8Qs
【反省させる】
――次の日――
リヴァイ「……」カリカリ
ハンジ「……」カリカリ
リヴァイ「……」
ハンジ「ん? リヴァイ、手を休めないで。終わらないよ?」
リヴァイ「…………」シワー
ハンジ「何? どうしたの」
リヴァイ「ちゃんと自室でヤらねぇとダメだな」
746 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/23(土) 22:30:35 TlVJb8Qs
ハンジ「は? 仕事を?」
リヴァイ「ちげぇ。どうにも昨日の事がちらつく」
ハンジ「――――」
ハンジ「――っ!///」
リヴァイ「しばらく落ち着かねぇな」
ハンジ「わ、忘れようよ」
リヴァイ「すぐには無理だな」カリカリ
ハンジ「うぅ……悪かったよ」
リヴァイ「もう机の下に潜り込むなよ」カリカリ
747 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/23(土) 22:31:13 TlVJb8Qs
ハンジ「しないよ…………多分」
リヴァイ「……今度はお前の仕事場でヤってやろうか」
ハンジ「もう以前にしたじゃんか」
リヴァイ「お前はちらつかなかったのか?」
ハンジ「ちょっとちらついたけど、あなたへの復讐心が強かったのと研究に忙殺されてそこまでなかったかな?」
リヴァイ「……不公平だな」ボソッ
ハンジ「ちらついた!! すっげぇちらついたから!! 当たり前だけど職場はやめよう!」
リヴァイ「机の下に潜り込むなよ?」
ハンジ「もう二度と致しません!」
〆
751 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/27(水) 22:14:09 3Ky0XapA
【慌てすぎ】
ハンジ「やっべぇ!」ガバッ!
リヴァイ「あ……?」
ハンジ「今日研究の前に朝から書類があったんだった!」バタバタ
リヴァイ「あぁ……」モソッ
ハンジ「起こしてごめん! 先に行くね」
バタンッ! バタバタバタバタ…
リヴァイ「……騒がしい」
リヴァイ「ん?」
キラッ+
リヴァイ「あの馬鹿が」
〆
752 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/27(水) 22:15:25 3Ky0XapA
【衝撃】
ハンジ「うあー……」
モブリット「だれないでください。これで終わりですよ」ドサッ
ハンジ「研究ならどんとこいなんだけどね」
モブリット「終わったら研究ですから早く終わらせてしまいましょう」ハハッ…
ハンジ「はーい」カリカリ
ハンジ(このあとは研究だからしばらくリヴァイとは会えないな。まぁ、指輪があるし、それで紛らして……)サワッ
ハンジ「!?」
モブリット「? どうされました?」
ハンジ「……いや、なんでもないよ。早く片付けよう」カリカリ
モブリット「はい」
ハンジ「……」カリカリ…
ハンジ(ど、どうしよう……首にかけてるはずの指輪がない)
〆
753 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/27(水) 22:15:56 3Ky0XapA
【焦る】
モブリット「あれ? どこに行かれるんです? 今から研究なのに」
ハンジ「トイレだよ。集中したいからね! あと飲み物やらも持ってくるよ!」
モブリット「えっ? それなら我々が――」
ハンジ「ついでだから!! じゃ!!」ダダダダッ!!
モブリット「……珍しいなぁ」
ハンジ(どこだ!? どこにある!?)キョロキョロ
ハンジ(あんな大事な物無くすなんて……!! 最っ低だ!)キョロキョロ
ハンジ(どうしよう……小さいし、高価な物だし……)キョロキョロ…
ハンジ(どうしよう……どうしよう)
754 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/27(水) 22:16:25 3Ky0XapA
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「!?」ビクッ
リヴァイ「書類は終わったのか?」
ハンジ「う、うん」
リヴァイ「? 何故こっちを見ない?」コッコッ…
ハンジ「……リヴァイ」シュンッ
リヴァイ「おい……どうした、情けねぇツラして」ナデ…
ハンジ「ごめんなさい……」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「ごめんなさい、ごめんなさい」ジワッ
リヴァイ「待て、落ち着けクソメガネ」
〆
755 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/27(水) 22:16:53 3Ky0XapA
【一回で聞き取れ】
リヴァイ「何があった? 話してみろ」
ハンジ「リヴァイ……私は自分が情けないよ」
リヴァイ「……」
ハンジ「あんなに大事な物が無いことに気づかないなんて……最低すぎるよ」
リヴァイ「大事な物、な」
ハンジ「その……指輪……無くしてしまって……ごめん……ごめんリヴァイ」グッ
リヴァイ「……」ゴソゴソ
ハンジ「リヴァイ?」
リヴァイ「これか?」シャラッ
ハンジ「!? な、なんで?」
リヴァイ「部屋に忘れてた」
ハンジ「は……」
756 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/27(水) 22:17:35 3Ky0XapA
リヴァイ「慌てるからだ」
ハンジ「よ、よかったぁ」ホー
リヴァイ「そこここに忘れるな」スッ
ハンジ「ありがとう……でもよく考えたらリヴァイの部屋か自室でしか忘れないのに探す場所間違えてたよ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「これ、はずす時は部屋でしかはずさないから……紐が切れても服の中だし……慌てすぎたよ」アハハ
リヴァイ「……」
ハンジ「大事な物だし今度から服を着る前につけることにするよ。そうしたら忘れない!」
リヴァイ「ああ、そうしろ。俺はそうしてる」
ハンジ「えっ」
リヴァイ「……」
ハンジ「えっ?」
リヴァイ「聞き直すな、クソメガネ」
〆
757 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/27(水) 22:18:26 3Ky0XapA
【心配なんです】
モブリット「ああ、リヴァイ兵長」
リヴァイ「なんだ?」
モブリット「ハンジ分隊長が本屋に行かれたんですがまだ帰ってませんか?」
リヴァイ「帰ってないのか」
モブリット「そのご様子でしたらまだのようですね。もう暗いのに」
リヴァイ「ガキじゃねぇんだ」
モブリット「そうなんですが、ここのところ街で痴漢がよく出るそうなんですよ。
今のところ大事まで至っていないようですが……」ソワソワ
758 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/27(水) 22:19:41 3Ky0XapA
リヴァイ「……アイツなら返り討ちにするだろ。というより襲われてる女の助けに入るだろ」
モブリット「そうですが……それだからこそ、ってのもあります」ソワソワ
リヴァイ「心配症だな。まぁアイツの下にいたらそうなるか」
モブリット「ははっ、いや、まぁ」
リヴァイ「……」クルッ
モブリット「リヴァイ兵長?」
リヴァイ「……少し出てくる」
モブリット「! お願い致します!」パァ
リヴァイ「……」チッ
〆
761 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/29(金) 23:04:05 VFx7SEy6
【心配?】
――街――
リヴァイ「どこにいやがる」キョロキョロ
リヴァイ「大方本屋で選びきれなくて延々と迷って閉店ぎりぎりまで粘ったってとこだろ」
リヴァイ「クソメガネが。……部下に心配かけやがって」
ガターンッ!!
リヴァイ「!?」ダッ!
ハンジ「お前か。近頃現れる変態ってのは」ガッ!
痴漢「ぐっ!!」
ハンジ「私は」ゲシッ
痴漢「ぐふっ!」
762 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/29(金) 23:04:31 VFx7SEy6
ハンジ「お前に」ドスッ
痴漢「ぐぇっ!」
ハンジ「触らせる」ガスッ
痴漢「ぐふぇっ!」
ハンジ「身体は」ゴスッ
痴漢「ぐがっ! も、もうやめく」
ハンジ「持ち合わせてねぇんだよっ!!」ドゴォッ!!
痴漢「れぇあぁぁっ!!」
ハンジ「ふー! ふー!!」ガッ!! ←頭を踏んだ
痴漢「ぐぇっ」
リヴァイ「…………ハンジ」
763 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/29(金) 23:05:15 VFx7SEy6
ハンジ「……おや、リヴァイ。こんな所で奇遇だね? 奇遇じゃないかな? もしかして迎えに来てくれた?」グリグリ
痴漢「あ、がが……」ピクピク
リヴァイ「そこまでにしておけ。逆にお前が憲兵に捕まるぞ」
ハンジ「それは納得いかないな」グリグリ
リヴァイ「……スカートで踏みつけるな。見えるぞ」
ハンジ「気絶してるよ?」グリッ
痴漢「あが……」ピクッ
リヴァイ「いいからやめろ。じきに憲兵が来る」
ハンジ「チッ!」ガスッ
痴漢「ぐふっ」
リヴァイ「……」
〆
764 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/29(金) 23:05:56 VFx7SEy6
【本気】
ハンジ「リヴァイ、迎えに来てくれたの?」
リヴァイ「モブリットが心配していた」
ハンジ「モブリットは心配症だねぇ。子供じゃないのに」
リヴァイ「お前の日頃の行いが悪い」
ハンジ「酷いね」アハハ!
リヴァイ「……触られたのか?」
ハンジ「ん? まぁ、ちょっとね。狭い本屋で真剣に悩んでたところだったから油断していたよ。
そこですぐ一発食らわせたんだけど狭いから勢いが足らなくて逃げられてさ。追いかけてぶっ飛ばしてこの通り」
リヴァイ「……」
765 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/29(金) 23:06:21 VFx7SEy6
ハンジ「お陰で本買えなかったよ。まぁ目星はつけたから今度買うとするか」
「おい、どこだ!」
ハンジ「あ、憲兵来たね。おーい、こっちこっち」
痴漢「う……」ピクッ
リヴァイ「!」
痴漢「うぅ……くそっ」
リヴァイ「……おい」
痴漢「? ひっ!?」
――ガシッ!
リヴァイ「テメェ……勝手に人の女に触ってんじゃねぇよ。二度と触るんじゃねぇ……――――殺すぞ」ギリギリ
痴漢「ひぅっ……――――」カクンッ
766 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/29(金) 23:06:47 VFx7SEy6
リヴァイ「チッ、気絶しやがった」パッ
痴漢「」ドサッ
ハンジ「……いやいや、そんな殺気を込めてそんな恐ろしい顔でそんな悪鬼の如く間近で凄まれたら気絶もするよ」
リヴァイ「……お前はなんで顔が赤い」
ハンジ「えっ? いや、その、ね? ねぇ?///」
リヴァイ「?」
憲兵「犯人は!?」ザッ
ハンジ「あ、そこで気絶してる奴です。そこの悪人面じゃなくて」
リヴァイ「おい」
〆
767 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/29(金) 23:07:22 VFx7SEy6
【心配の方向】
モブリット「ハンジさん! 無事でしたか!!」
ハンジ「やあ、モブリット。心配かけたね」
モブリット「リヴァイ兵長、お疲れ様です! ありがとうございました!」
リヴァイ「いや」
モブリット「痴漢は気絶で済んだそうですね。骨も折れていなかったようで何よりです」ホッ
リヴァイ「…………ん?」
ハンジ「なんだよー。さすがに殺したりしないよー」
モブリット「ハンジさん、すぐにやり過ぎるじゃないですか! 逆に憲兵に捕まったりしたら仕事が滞りますよ!」
ハンジ「私の心配はしてくれないのかよ!」
リヴァイ(そっちの心配か……)
768 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/29(金) 23:07:48 VFx7SEy6
モブリット「少しはしてましたよ! でもリヴァイ兵長が迎えに行かれましたから。
あとは兵長が着く前にハンジさんがやり過ぎてないかが気掛かりでした!」
ハンジ「それって結局私の心配じゃなくね!?」
モブリット「痴漢ごときに遅れをとるような上官に付いた覚えはありません」
ハンジ「ぐぬっ」
モブリット「情報だと単独犯でしたし、触って逃げるだけの変態とのことでしたから。
……ハンジさんがスカートを着て行っていたのは誤算でしたが」チラッ
ハンジ「あぁ、男か女か分からない私が襲われるんじゃなくて、助けに入って半殺しにしそうだと思ってたのね」ポンッ
モブリット「まぁ、そんなところです」
ハンジ「……明日の立体機動の演習、覚えてろよ、モブリット」ゴゴゴゴ
モブリット「こ、公私混同はよくないです!!」
〆
769 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/29(金) 23:08:13 VFx7SEy6
【微笑ましい】
ハンジ「ふふふふ……モブリットには特別メニューを作ってあげる」ゴゴゴゴ
モブリット「お、落ち着いてください! それにちょっとはそっちの心配もしてたって言ったじゃないですか!」
ハンジ「ほう……どの口が」ゴゴゴゴ
モブリット「それにほら! リヴァイ兵長が行ってくださったから!!」
ハンジ「……」
モブリット「し、心配なくなったんです。そっちは」
ハンジ「……」
――『二度と触るんじゃねぇ……――――殺すぞ』
ハンジ「――っ///」
770 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/29(金) 23:08:40 VFx7SEy6
モブリット「? ハンジさん?」
ガシッ
ハンジ「ふぇ?」グルンッ
リヴァイ「……もういいだろう」グッ
ハンジ「!?」←顔をリヴァイの肩口に押し付けられた
モブリット「へ?」
リヴァイ「憲兵の事情聴取で疲れた。お前も気疲れしただろ、休め」
ハンジ「ちょっ、リヴァっ」ジタバタ
モブリット「……はい。そうさせていただきます。ハンジさんをお願い致します」
771 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/29(金) 23:12:30 VFx7SEy6
リヴァイ「悪かったな」ガッチリ
ハンジ「離せ! 馬鹿!」ジタバタ
モブリット「いえ、失礼致します」ザッ
リヴァイ「ああ」
ハンジ「クッソ……」グッ
モブリット「……」スタスタ
モブリット(理由は分からないけど、突然照れたハンジさんを見せたくない……か)
モブリット(独占欲か。リヴァイ兵長もかわいいところがあるんだな……って言ったら削がれるんだろうな)ブルッ
モブリット「…………ふふっ」
モブリット(見ていて飽きない人達だなぁ)クスクス
モブリット(ずっと……お二人を見ていられるといいな)
〆
772 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/29(金) 23:13:10 VFx7SEy6
【大惨事の予感】
――リヴァイ自室――
ハンジ「全く、普通の心配をしてくれたっていいじゃないか! 危険な目にあってるってのに」プリプリ
リヴァイ「日頃の行いが悪い」
ハンジ「それさっき聞いた」
リヴァイ「……なぁ」
ハンジ「なに?」ムスッ
リヴァイ「触られた、と」
ハンジ「ん? あぁ、人が真剣に悩んでる時に後ろからね。イラッとした」シワー
リヴァイ「……」
ハンジ「しかしなんだね、リヴァイに触られるのとは大違いだね。気持ち悪かった」
リヴァイ「……比べるな」
773 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/29(金) 23:13:35 VFx7SEy6
ハンジ「比べたわけじゃないけどさ」
リヴァイ「……」
ハンジ「……触られたのはお尻だけだよ」
リヴァイ「……そうか」ユラリッ
ハンジ「ちょっ、リヴァイ顔がヤバイよ! きっちり制裁したの見ただろ!」
リヴァイ「……」
ハンジ「……とりあえず、消毒してくれるかな?」クスッ
リヴァイ「ああ」ギシッ
ハンジ「……」
ハンジ(実際はねっとり撫で上げられたとは言わない方がいいだろうなぁ。……骨のひとつくらい折ってりゃよかった)
リヴァイ「どうした?」
ハンジ「ううん、なんでもないよ」ギュッ
〆
776 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/30(土) 22:17:29 soQmydEg
【てへぺろ】
リヴァイ「そういや、お前、なんでスカートなんて着てやがった」
ハンジ「あ……」
リヴァイ「俺がいるところでしか着ねぇんじゃなかったか?」
ハンジ「あと、女性といる時とかだね」
リヴァイ「おい」
ハンジ「いやぁ……そのぅ……気がついたらさぁ」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「着れる服がスカートしかなくて」
リヴァイ「……」
ハンジ「仕方なく?」
リヴァイ「汚れ物を溜めるんじゃねぇ! 洗え!」
〆
777 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/30(土) 22:18:17 soQmydEg
【こそこそ】
エルド(ああ、今年も誕生日に仕事を入れちまったな)
エルド(とはいえ誕生日だからって休むわけにもいかないしな……明日も明後日も入ってたな)
エルド(あいつ、待ってるだろうか)
リヴァイ「おい、エルド」
エルド「はい、リヴァイ兵長」
リヴァイ「悪いが書類を手伝ってもらえるか?」
エルド「はい!」
リヴァイ「夕飯には遅れるかもしれんが」
778 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/30(土) 22:19:11 soQmydEg
エルド「構いませんよ」
リヴァイ「助かる」
エルド「いいえ」
壁|ペトラ「……よし、リヴァイ兵長の執務室に向かったよ」
グンタ「準備だ準備」
オルオ「リヴァイ兵長……なんてお優しい」ジーン
グンタ「確かにそうだが感動してないで動け! かなり無理してんだぞ。ハンジさんにも協力してもらって許可もらったんだ」
ペトラ「ほら、早く! 私は迎えに行くから」
オルオ「お、おう。頼んだ」
〆
779 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/30(土) 22:19:42 soQmydEg
【合図】
エルド「ふぅー」トントンッ
リヴァイ「片付いたか」
エルド「はい。まだありますか?」
リヴァイ「……そうだな」
――コンコンッ
リヴァイ「! 入れ」
ハンジ「お邪魔するよ。もう終わったかな?」
780 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/30(土) 22:20:16 soQmydEg
リヴァイ「ああ、切りのいいところでな。エルド、ご苦労だった」
エルド「いいえ、役に立てたのであれば光栄です」
リヴァイ「もう大丈夫だ。食堂で飯を食って休め」
エルド「はい。失礼致します」
パタンッ
エルド「んー……」ノビー
エルド「はぁー、さっさと飯食うか」スタスタ
ハンジ「……」
リヴァイ「……」
〆
781 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/30(土) 22:21:11 soQmydEg
【じゃーん】
――食堂――
エルド「今日のメニューははなんだったか……」ガチャッ
「「「「「ハッピーバースデイ! エルド!!」」」」」
エルド「!?」ビクッ!
グンタ「よ、おめでとう」
エルド「お前達」
オルオ「リヴァイ兵長にありがたく思えよ」
エルド「! あっ……書類仕事」
ペトラ「んっふっふー、エルド、この人だーれだ」ポムッ
782 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/30(土) 22:21:51 soQmydEg
「……」オズオズ
エルド「なっ!!?」
彼女「ええっと……おめでとう、エルド」
エルド「な、なんで!?」
ペトラ「来てもらったんだよ。驚いた?」
エルド「驚いたってもんじゃ……ていうかここ兵団……!」
グンタ「ハンジさんが協力してくださったんだ」
エルド「ハンジさんが? あ! さっきの訪問、準備ができたって合図か!!」
オルオ「そういうことだ」エッヘン
ペトラ「なんであんたが偉そうなのよ」
エルド「お前達、上官を、しかもリヴァイ兵長とハンジ分隊長を巻き込んで……」
783 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/30(土) 22:22:22 soQmydEg
グンタ「悩んでたらハンジ分隊長がアイディアをくれたんだ」
エルド「ハンジ分隊長が……」
ペトラ「奥さんに会えて嬉しくないの? エルド」
彼女「……」
エルド「いや……凄く嬉しいさ。会えないと思っていたからな。ありがとう、来てくれて」ナデ…
彼女「……うん」ソッ
ゲルガー「っかぁー!! あっついあっつい!! 呑もうぜ呑もうぜ!!」
「「「「「かんぱーい!!」」」」」
エルド「おい! 俺まだ席に着いてもないぞ!!」
グンタ「いいから飲め飲め!!」
彼女「ふふふっ」クスクス
〆
784 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/30(土) 22:24:00 soQmydEg
【あとは若い者で】
――数分前――
エルド「失礼致します」
パタンッ
ハンジ「……」
リヴァイ「……行ったか」
ハンジ「うん、行ったね。……リヴァイって案外協力的だよね」
リヴァイ「……ついでだ。書類も溜まってた」
ハンジ「ははっ! 一石二鳥かい」
785 : ◆uSEt4QqJNo :2016/01/30(土) 22:24:26 soQmydEg
リヴァイ「まぁな。俺よりお前の方がより協力的だろう」
ハンジ「んー、食堂だけだからね。出入りは。許可を取るにもさほど難しくはなかったよ」
リヴァイ「……よくやる」
ハンジ「悔いを残したくないんじゃない? いや、どうしたって残るだろうけどやれることはやっておきたいじゃない」
リヴァイ「……」
ハンジ「あなたも分かってるくせに」クスッ
リヴァイ「うるせぇな」
ハンジ「さて、外に食べがてら飲みにいく?」
リヴァイ「ああ。上官はいない方がいいだろう」ガタッ
ハンジ「うし! そいじゃ行こうか」
〆
790 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/03(水) 22:18:14 EZka9YAA
【優秀な部下】
リヴァイ「書類だ」
エルヴィン「ああ」
「やめてください! 分隊長!!」
リヴァイ「……」
エルヴィン「ハンジか」
リヴァイ「また捕獲を却下したらしいな」
エルヴィン「いつでもできるわけじゃないからな」
ハンジ「おにはぁー!!」
モブリット「ハンジさん!!」
バターンッ!!
791 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/03(水) 22:18:48 EZka9YAA
ハンジ「そとぉぉぉ!!!」ブンッ!!
ベシベシベシベシ……カラカラカランッ
リヴァイ「……」
エルヴィン「……」
モブリット「あ、あ、あわわわわ……」
ハンジ「おにはぁ!!」ガサッ
エルヴィン「リヴァイ」
リヴァイ「了解した」
ハンジ「!?」ゾクッ
モブリット「ハ、ハンジさん! 謝ってくださ」
――――ダッ!!
モブリット「えっ」
792 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/03(水) 22:19:22 EZka9YAA
リヴァイ「待ちやがれ! クソメガネ!!」ダッ!
ハンジ「誰が待つかばーか!!」
バタバタバタバタバタ……
モブリット「――――」ポカーン
エルヴィン「やれやれ、落花生か。痛いな」スッつ落花生
モブリット「あ、も、申し訳ありません!! 団長にぶつけに行くなんて言うものですから止めようとしたのですが……」
エルヴィン「いや。君が悪いわけじゃないからな。まぁ、少し暴れたら落ち着くだろう」クルクルつ落花生
モブリット「はぁ」
エルヴィン「しかし落花生とはいえ散らかるな」
モブリット「ハッ!? 片づけないと!! 兵長の怒りが周りにも!!」ダッ!
エルヴィン「……」
エルヴィン「彼は苦労性だな」クッ
〆
793 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/03(水) 22:20:18 EZka9YAA
【協力要請】
リヴァイ「クソメガネ! 上官に投げつけた上にあちこち散らかしやがって!!」ダダダッ
ハンジ「落花生だから回収は簡単だろ? 中身は汚れないからちゃんと食べられるし。私ってば気が利く!」ダダダッ
リヴァイ「どこがだ!」
ハンジ「エルヴィンが悪いんだよ! 鬼だよ鬼! だから豆ぶつけてやったんだ!」
リヴァイ「俺は関係ねぇだろうが!」
ハンジ「そこにいたから悪いんだよ! それに見た目鬼じゃん」アハハ!
794 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/03(水) 22:22:04 EZka9YAA
リヴァイ「ほう……」ゴゴゴ…
ハンジ「やべぇ……マジで逃げないと殺られる」ダダダッ
リヴァイ「エルド! グンタ!」ダダダッ
エルドグンタ「「はっ!!」」ビクッ! ←通りすがり
リヴァイ「使える奴を集めて奇行種の捕獲を手伝え!! ミケも呼んでこい!」
エルドグンタ「「了解しました!!」」ダッ!
ハンジ「マジだ! 本気だ!! そこまで!?」
〆
795 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/03(水) 22:23:31 EZka9YAA
【持ってきた】
エルヴィン「……」
ハンジ「」
リヴァイ「捕まえた」つハンジ
エルヴィン「ふむ。網でくるまれているな」ツンツン
ハンジ「」
リヴァイ「こうでもしねぇと縛っても紐から脱け出しそうでな」
エルヴィン「有り得るな」ツンツン
リヴァイ「……突つくな」
ハンジ「――っは!?」
リヴァイ「気がついたか」
ハンジ「うおぉぉ!! リヴァイこのやろう!! あんなに人使いやがって!! ミケとかナナバとか反則だろ!!」ウネウネ
エルヴィン「……そこまでしたのか」
リヴァイ「本気で逃げ出そうとしてやがったからな。人は面白がった奴等が思った以上に集まった」
796 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/03(水) 22:24:39 EZka9YAA
エルヴィン「成る程」
リヴァイ「だが大変だったぞ、追う奴等を豆ですっ転ばしたり即席の罠を掻い潜って逆に追っ手をその罠にかけたり」
エルヴィン「兵団は無事か?」
リヴァイ「怪我人はいねぇ。片づけは粗方終わってる。細かい所はハンジの部下がやると名乗り出た。
あとは手伝うと言った幾人かでやってくれている」
エルヴィン「兵団内大掃除か……思いの外甚大だな」
リヴァイ「奇行種は往々にして甚大な被害をもたらす」
エルヴィン「確かにそうだな」
ハンジ「何を真顔で馬鹿なこと言ってんだ! 解放しろよ!!」ウネウネ!
リヴァイ「……気色の悪い動きしやがって」
ハンジ「誰の所為だよ!!」
リヴァイ「お前だろ」
〆
797 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/03(水) 22:25:14 EZka9YAA
【不利すぎる】
エルヴィン「さて、とりあえずどうやって煮て焼こうか」
リヴァイ「団長に暴力を働いたからな。厳しめにいくか?」
ハンジ「えぇ……」
エルヴィン「ハンジ、今回は物資を拠点に運ぶんだ。
予算も足りないし、物資もあるから捕獲用の荷物を持っていくこともできない」
ハンジ「……分かってるよ」ムゥー
リヴァイ「分かってるなら暴れるな」
エルヴィン「少しはすっきりしたか?」
ハンジ「……」
エルヴィン「やれやれ……リヴァイ」
798 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/03(水) 22:25:45 EZka9YAA
リヴァイ「対人格闘の訓練でもしてくる」つハンジ
エルヴィン「ああ、頼んだ」
ハンジ「……」ズルズル
ハンジ「……」チラッ
エルヴィン「!」
ハンジ「……ゴメン」ポソッ
エルヴィン「ふっ、もう少し暴れてこい」
バタンッ
リヴァイ「……謝るくらいなら別のところで発散しろ」
ハンジ「うん……格闘でリヴァイをなぶって発散することにするよ」ズルズル
リヴァイ「その姿でやれるもんならやってみろ、クソメガネ」
ハンジ「嘘だろ!? 網ははずせよ!!」ウゴウゴ
〆
799 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/03(水) 22:26:49 EZka9YAA
【先読み】
ハンジ「ふぇっきし!」
リヴァイ「風邪か?」
ハンジ「んー……軽くね。温かくして寝たら治るよ」ズズッ
リヴァイ「ならさっさと寝ろ」
ハンジ「まだ仕事終わってないっての。定時でちゃんとあがるよ」
リヴァイ「そうしろ。おい、モブリット」
モブリット「はい、定時になりましたら追い出します」
リヴァイ「……あ、ああ、頼んだ」
ハンジ「信じられてない、って言おうとしたけどその前にモブリットのスキルが上がりすぎてて怖いな!」
〆
803 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/06(土) 22:20:44 wwXc.446
【温めに来ました】
――ハンジ自室――
ハンジ「なんでリヴァイがいるのかな」
リヴァイ「二人で寝た方が温まるだろ」
ハンジ「風邪が移るよ!」
リヴァイ「いいから来い」
ハンジ「もう、知らないからね」ゴソゴソ
リヴァイ「とっとと治さねぇと仕事が滞る」
ハンジ「あなた片づかないの嫌いだものねぇ」ギュッ
リヴァイ「まぁな」ギュッ
ハンジ「はぁ、あなた本当に温かいね」スリッ
リヴァイ「……」ナデ…
ハンジ「ふふっ」
804 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/06(土) 22:21:17 wwXc.446
リヴァイ「……」クイッ
ハンジ「だーめ」ポフッ
リヴァイ「……」
ハンジ「それ(キス)はほぼ確実に移るよ」
リヴァイ「…………」
ハンジ「ふはっ、不満そう」クスクス
リヴァイ「うるせぇ、寝ろ」グイッ
ハンジ「!」
リヴァイ「……」ギュッ
ハンジ「……額、ね」
リヴァイ「寝ろ」
ハンジ「ふふっ、うん。相変わらずあなたの懐は落ち着くよ」スリッ
リヴァイ「そうか」ナデ…
〆
805 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/06(土) 22:21:56 wwXc.446
【掠めただけだ】
ハンジ「おはよー」
リヴァイ「ああ。具合はどうだ?」
ハンジ「すっきり治ったみたいよ」
リヴァイ「ならよかっ……ふぇっきし!」
ハンジ「……」
リヴァイ「……」
ハンジ「だから移るって」
806 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/06(土) 22:22:26 wwXc.446
リヴァイ「……うるせぇな。すぐ治る」
ハンジ「今日は私がリヴァイの所に行こうっと」
リヴァイ「別にいい……へくしっ!」
ハンジ「別にいいなら行こうっと」
リヴァイ「俺の話は聞かないんだったな」
ハンジ「私からの風邪だから移らないよ」
リヴァイ「…………」
ハンジ「あ、今、昨日キスしてればよかったとか思った?」
リヴァイ「……思ってねぇよ」
〆
807 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/06(土) 22:23:00 wwXc.446
【説教していたはずが】
ハンジ「お昼お昼ー!」
リヴァイ「ハンジ、手は洗ったか」
ハンジ「お母さんか! 洗ったよ」
リヴァイ「お前しょっちゅう忘れるだろうが。確認しねぇと」
ハンジ「ぬぅ」
リヴァイ「だから風邪引くんだ。ちゃんといつも忘れずに洗え」
ハンジ「リヴァイも引いたじゃん」
リヴァイ「誰の菌だ」
ハンジ「リヴァイが来るからじゃん」
808 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/06(土) 22:23:22 wwXc.446
リヴァイ「お前が引かなければ移らなかったと言ってる」
ハンジ「だから来なければよかったのにって」
リヴァイ「ああ?」
ハンジ「寒いから助かったけどさ」
リヴァイ「ならいいじゃねぇか」
ハンジ「そうだね。いいよね。さ、ご飯食べようか」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「ご飯ご飯ー」
リヴァイ「……」
リヴァイ「?」
〆
809 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/06(土) 22:23:56 wwXc.446
【暖をください】
ハンジ「さっむー」
リヴァイ「そうだな」
ハンジ「こんな日は引きこもるに限るよ」
リヴァイ「引きこもってるのはいつもだろ」
ハンジ「ちゃんと訓練はしてますー」
リヴァイ「引きこもる時間の方が多いだろ」
ハンジ「うっさいな。何? 寂しいの」ニヤニヤ
リヴァイ「馬鹿か」
ハンジ「私は寂しいよ」ニッコリ
リヴァイ「……何が目的だ」
ハンジ「リヴァイ湯たんぽが欲しい」
リヴァイ「俺は湯たんぽじゃねぇ」
〆
810 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/06(土) 22:24:49 wwXc.446
【早く帰りたい】
エルヴィン「夜会は案外早く終ったな」
リヴァイ「兵舎に戻る」
エルヴィン「早い、とはいえ今から兵舎に戻ると真夜中になるぞ」
リヴァイ「それでも構わん」
エルヴィン「やれやれ、ハンジか?」
リヴァイ「……」
エルヴィン「うちの兵士長は愛妻家だな」ハハッ
リヴァイ「戻れるなら早く戻りたいだけだ」
エルヴィン「愛妻は否定しないのか」
リヴァイ「……妻じゃねぇ」
エルヴィン「今頃か」クスクス
リヴァイ「……チッ」
〆
814 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/10(水) 22:18:27 68rN0stU
【ハンジ限定】
モブリット「ハンジ分隊長ー! ハンジさーん!! どこ行ったんですかぁー!?」
ミケ「どうした?」
モブリット「あ、ミケ分隊長! ハンジ分隊長を見かけませんでしたか?」
ミケ「いや」
モブリット「そうですか……どこに行ったのかなぁ。こんなときにリヴァイ兵長が中央にいるなんて」
ミケ「ハンジがいないのか」
モブリット「ええ」
ミケ「待ってろ」スンスン
モブリット「えっ」
ミケ「……ついてこい」スンスン
モブリット「は、はい」
815 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/10(水) 22:19:02 68rN0stU
―――
――
―
モブリット「中庭?」
ミケ「……いたぞ」
モブリット「!? なんで屋根の上に!? ハンジ分隊長!!」
ハンジ「おや、モブリットにミケ」
モブリット「何してるんですか!!」
ハンジ「巨人の目線で世界を見たら何か分かるかなと思ってさ」
モブリット「とにかく降りてください!」
ハンジ「はいはい」
816 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/10(水) 22:20:11 68rN0stU
モブリット「まったく」
ミケ「そういえば」
モブリット「はい?」
ミケ「さっきリヴァイがいればと言っていたが」
モブリット「あぁ、リヴァイ兵長に聞けばばすぐに居場所が分かるんですよ」
ミケ「?」
モブリット「なんとなく分かるんだそうです」
ミケ「……」
モブリット「ところでミケ分隊長の鼻は凄いですね!」
ミケ「いや、リヴァイの方が凄いだろ」
〆
817 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/10(水) 22:20:45 68rN0stU
【こっち向いて】
ハンジ「リーヴァーイー」
リヴァイ「あ?」カリカリ
ハンジ「リーヴァーイー」
リヴァイ「なんだ」カリカリ
ハンジ「リーヴァーイー」
リヴァイ「だからなんだと言ってる」カリカリ
ハンジ「リヴァイが振り向かないから」
リヴァイ「聞く耳は持っているだろうが」カリカリ
ハンジ「そうじゃないんだよ」ギュッ ←後ろから抱きついた
リヴァイ「……なんだ」
ハンジ「分からない?」
リヴァイ「……好きにしてろ。書き物の邪魔はするなよ」カリカリ
818 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/10(水) 22:21:08 68rN0stU
ハンジ「ん」ギュゥ
リヴァイ「……」カリカリ
ハンジ「……」ノシッ
リヴァイ「……」カリカリ
ハンジ「……」ノッシー
リヴァイ「……ハンジ」カリ…
ハンジ「ん? なぁに?」ノッシー
リヴァイ「重い」
ハンジ「書けるでしょ?」
リヴァイ「書きづれぇんだよ」
ハンジ「はーい」ユルッ
リヴァイ「ったく」カリカリ
ハンジ「……」サワッ
リヴァイ「……」カリカリ
819 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/10(水) 22:21:50 68rN0stU
ハンジ「……」ジッ
リヴァイ「……」カリカリ
ハンジ「……」ジー
リヴァイ「…………ハンジ」ハァー
ハンジ「……ごめん。ベッドでおとなしく寝てる」スルッ
リヴァイ「……」グイッ
ハンジ「わっ! ……んぅ!」
リヴァイ「――――」
ハンジ「っ……リヴァイ」
リヴァイ「……あと少しだ」ナデ…
ハンジ「うん……」
〆
820 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/10(水) 22:22:35 68rN0stU
【バカが二人】
ハンジ「おぉ!? 雪積もってるねー!!」
リヴァイ「どうりで寒いはずだ」
ミケ「そうだな」スンスン
ナナバ「ミケ、鼻真っ赤だよ」
ハンジ「わっひょーい!!」ザクザク
リヴァイ「ハンジ、あまりはしゃぐな。風邪引くぞ」
821 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/10(水) 22:23:04 68rN0stU
エルヴィン「積もったな」ザクザク
リヴァイ「エルヴィン。ああ、その所為でバカがひとり騒いでいる」
ハンジ「あははははは!!」
エルヴィン「ふむ……さて、リヴァイ」
リヴァイ「なんだ」
エルヴィン「恒例の雪合戦でもしようか」
リヴァイ「いつから恒例になったか納得のいく説明をしてみやがれ、クソマユゲが」
〆
822 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/10(水) 22:23:34 68rN0stU
【あまりに酷い】
ハンジ「うりゃあ!!」ブンッ
リヴァイ「……チッ」ヒョイッ
ナナバ「はい」スッつ雪玉
ミケ「ん」ブンッ
リヴァイ「……」ヒョイッ
エルヴィン「いやぁ、なかなか当たらないな」ブンッ
リヴァイ「……なんだ、このあまりに分かりやすい不平等さは」ヒョイッ
ハンジ「ハンデだよ」
リヴァイ「ただのいじめだろうが。4対1はねぇだろ。ミケ寄越せ」
エルヴィン「No.2を引き抜こうとするとは」
823 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/10(水) 22:24:15 68rN0stU
ハンジ「ずっるいねぇ」
リヴァイ「どっちがだ」
オルオ「!? リ、リヴァイ兵長!? エルヴィン団長達も!?」
ペトラ「何をされて……!?」
リヴァイ「! お前r……」
――ベシャッ!!
リヴァイ「……」←後頭部に雪
オルオ「あ、あ、あぁぁ」サーlll
ペトラ「ああぁぁ」サーlll
ハンジ「あっはははははは!!」ゲラゲラ
リヴァイ「……クソメガネが」パラパラ
〆
824 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/10(水) 22:25:13 68rN0stU
【許さん】
オルオ「す、すみません兵長!!」
ペトラ「私達が通りがかった所為で……!!」
リヴァイ「……いい。俺の油断が招いた事だ」
ハンジ「あはははははは!!!」ゲラゲラ
リヴァイ「……」イラッ
モブリット「あれ? 皆さんお揃いで何を…………すみません、私はこれで」クルッ
ガシッ
リヴァイ「……モブリット、お前今暇だよな?」
モブリット「い、いや……」
リヴァイ「暇だな?」
モブリット「………………はい」シクシク
リヴァイ「お前らも手伝え」
825 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/10(水) 22:26:35 68rN0stU
オルオペトラ「「は、はい!!」」
リヴァイ「これで平等だな。あいつら潰すぞ。俺が許可する。遠慮なくやれ」
モブリット「上官だらけなんですが……しかも団長が……」
リヴァイ「問題ない。卑怯な真似をしたのはあっちだ。悪く思う必要はない。潰せ」
オルオ「で、ですが」
リヴァイ「潰せ」
オルオ「ひゃい!!」ビクッ
ペトラ「えっと、雪玉はお任せください!」ニギニギ
リヴァイ「ああ」
ハンジ「リヴァイ、おとなげねぇ!」ケラケラ
エルヴィン「ふぅむ。なかなかの戦力だな。寧ろこちらが不利かもしれん。心してかからなければな」
ミケ「作戦でも練るか?」
ナナバ「……みんな子供だねぇ」ニギニギ←雪玉担当
〆
830 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/13(土) 22:17:12 p32AzPnM
【バランス】
リヴァイ「モブリット」
モブリット「はい! ハンジ分隊長の手の内は大体分かるかと。とはいえハンジ分隊長ほど頭は回りませんが……」
リヴァイ「それは俺がカバーする。オルオも使える」
オルオ「リヴァイ兵長……」ジーン
リヴァイ「ペトラは援護も得意だ。玉作りもだがそれ以外の補佐も頼めるか?」
ペトラ「お、お任せください!!」
ハンジ「あれ? 何気にあっちバランス良くない?」
エルヴィン「ふむ、そうだな。対してこちらは……」
831 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/13(土) 22:17:41 p32AzPnM
ナナバ「結構頭でっかちだね」
ミケ「ナナバ言うな」
ナナバ「事実だし」
ハンジ「身体でかいのも雪合戦では不利だねぇ」
ミケ「ぬ」
ナナバ「壁でも作っておくかね」
ハンジ「こんな所でも壁だなんて」ヤレヤレ
ナナバ「じゃ、いらない?」
ハンジ「いります。作ります」ザシッザシッ
〆
832 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/13(土) 22:18:16 p32AzPnM
【モブリットのお仕事】
オルオ「うおぉぉ!!」ブンッ
ミケ「甘いな」ヒョイッ、ブンッ
ペトラ「オルオ危ない」ブンッ
バシッ!
ナナバ「なっ!? 雪玉に雪玉をぶつけた!!」
エルヴィン「さすがだな」
ハンジ「確か補佐に突出してるんだっけ?」
エルヴィン「自ら攻撃する力もある子だ」
ハンジ「手強いなぁ。よし、あっちをちょっと揺らしてみるか」
ナナバ「何すんの?」
ハンジ「やい! モブリット! そっちにつきやがって!!」
ナナバ「あぁ……」
833 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/13(土) 22:18:44 p32AzPnM
モブリット「申し訳ありません、ハンジさん! これからもリヴァイ兵長にはハンジさんについてご協力を頂きたいので!!」
リヴァイ「……」フンッ
ハンジ「モブリットの裏切者ぉぉ!! 覚えてやがれぇぇ!!」
モブリット「そちらこそ、私がいなければ資料のまとめもままなりませんよ!? 宜しいんですか!?」
ハンジ「ぐぬっ!!」
モブリット「巨人の記録を残したり、資料として絵を残したり、研究途中で食事を持ってきたり、
お茶を用意したり、リヴァイ兵長にお願いして休ませたり……ハンジさんだけでやれますか!?」
ハンジ「ぐぬぬっ!!」
ナナバ「あんた副官にどんだけ迷惑かけてんの」
ハンジ「ぶ、部下の仕事じゃん」
ミケ「前半はな」
〆
834 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/13(土) 22:19:20 p32AzPnM
【モブリットが大変】
リヴァイ「さっきと違ってやる気だな」
モブリット「よく考えたらですね、私が忙しいのはハンジさんがこんな所いるからなんですよ。
研究室の掃除中に消えられてしまって」
リヴァイ「ハンジ……お前一区切り付いたとか言ってなかったか?」
ハンジ「て、てへ☆」
リヴァイ「よし、モブリット。思う存分やれ。俺が許す。文句は言わせん」
モブリット「ありがとうございます! リヴァイ兵長!」
ハンジ「やっべぇ! 本気でモブリットが敵になった!!」
835 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/13(土) 22:19:54 p32AzPnM
ミケ「身から出た錆か……」
ナナバ「余計な事しちゃって」
エルヴィン「更に手強くなったな」
モブリット「ハンジさん! いつまで隠れているんですか!? とっとと終わらせて掃除に取りかかってください!」
ハンジ「楽しんでる時に野暮だね!」
モブリット「取りかからないと必要な巨人の絵以外もう書きませんからね!!」
ハンジ「!? それはダメだよ! モブリット!!」ザッ!
ナナバ「あ、バカ!!」
836 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/13(土) 22:20:28 p32AzPnM
バシッ!
ハンジ「へぶっ!!」
モブリット「よし!!」グッ
リヴァイ「よくやった」
モブリット「ありがとうございます。ハンジさんは任務外だと感情をあまり隠さないのでいけるかと……」
リヴァイ「あぁ……」
モブリット「……すぐにでも掃除を再開してもらわないと」ブツブツ
リヴァイ「……」
リヴァイ(終わったら少し手伝ってやるか)
〆
837 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/13(土) 22:20:59 p32AzPnM
【ペトラの決意】
リヴァイ「ハンジは消えたがどうするか」
モブリット「雪の壁は厄介ですがミケ分隊長はその身体の所為でぶつけやすいです」
リヴァイ「ミケは時間の問題だ」
オルオ「やった! ミケ分隊ちょ……ぶへ!!!」ベシャッ!
ペトラ「オルオ!!」
リヴァイ「チッ、オルオがやられた」
モブリット「ですがミケ分隊長を仕止めました。よくやったよ、オルオ」
オルオ「ありがとうございます……」ベッショリ
ペトラ「あちらはもう二人だけです」
838 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/13(土) 22:21:41 p32AzPnM
リヴァイ「一人はエルヴィンだ。油断はするな」
モブリット「とはいえ時間をかけてしまうと考える時間を与えてしまって不利かもしれません。畳みかけましょう」
リヴァイ「……俺が行こう」
ペトラ「えっ?」
リヴァイ「雪玉を充分に作れ。援護を任せる」
モブリット「……ではリヴァイ兵長…………」ゴニョゴニョ
ペトラ「ですがそれでは……!」
リヴァイ「決まりだ、ペトラ」
ペトラ「リヴァイ兵長!」
モブリット「ごめんね、ペトラ。つらいだろうけど」
ペトラ「……分かりました……成功を願います」
〆
839 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/13(土) 22:22:36 p32AzPnM
【筒抜け】
ナナバ「あーあ、二人になっちゃったよ。あっちは強いね」
エルヴィン「そうだな。身体がでかいとやはり不利だな」
ナナバ「即席の壁も高くは作れないしね」
エルヴィン「リヴァイはそろそろ突撃してくるだろうな」
ナナバ「そう?」
エルヴィン「早く終わらせたいと思っているだろうしな。二人を援護に回させて来るだろう」
ナナバ「こっちに近づいたら援護もあまり役に立たないんじゃ……」
エルヴィン「そうやってリヴァイに注目させて二人に攻撃させるつもりだろう」
ナナバ「なるほど。ペトラはリヴァイを囮にすることに承諾したのかね」
エルヴィン「させるだろう。ナナバはリヴァイが近づいたらできるだけ二人を注視していてくれ」
ナナバ「了解」
〆
843 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/14(日) 22:10:17 UXMygVvQ
【対決】
ペトラ「援護します!」ブンッ
モブリット「さぁ、今のうちに!」ブンッ
リヴァイ「ああ、いってくる」ザッ
モブリットペトラ「「ご武運を!」」ブンッ
エルヴィン「やはり雪玉の援護の中来たな。それぞれ端から攻撃するぞ」ブンッ
ナナバ「了解。しかし雪玉を腰にぶら下げるとか」ブンッ
リヴァイ「……」ヒュヒュンッ!!
ナナバ「なっ!?」
エルヴィン「この雪でしかも雪玉をぶら下げてよくあの速さで避けられるものだな」ブンッ
リヴァイ「!」ザッ、タンッ!
ナナバ「当たる気がしない」ブンッ
844 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/14(日) 22:11:06 UXMygVvQ
エルヴィン「手は緩めるなよ」ブンッ
リヴァイ「!」ブンッ
バシッバシッ!
ナナバ「相殺された!!」
ペトラ「ご自身で援護されてるなぁ……出る幕がないですよ」アハハ…
ナナバ「エルヴィン狙いみたいだね。そっちに寄ってる」
エルヴィン「気は抜くなよ、援護組が狙っているかも知れん」
ナナバ「援護は私に寄ってるね。ただリヴァイが自分で防いでるから多くはないけど」
エルヴィン「しかし避けるのは速いがこちらへはなかなか来れないようだな」
ナナバ「そりゃこっちも攻撃してるからね」ブンッ
エルヴィン「? おかしいな……何か狙いが……?」
〆
845 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/14(日) 22:11:36 UXMygVvQ
【決着】
モブリット『とにかく考えさせる暇を与えないでください。リヴァイ兵長には申し訳ないですが……』
リヴァイ『分かった』
―――
――
―
リヴァイ「……」ダンッ!
エルヴィン「――っ!?」
ナナバ「跳んだ! 雪壁が邪魔で上から攻撃するつもり!? でもこれならいい的に……!」
エルヴィン「待て! 援護組を――」
ナナバ「心得てるよ! リヴァイは任せた!!」ブンッ
エルヴィン「ああ」ブンッ
リヴァイ「!!」ブンッ
846 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/14(日) 22:12:00 UXMygVvQ
エルヴィン「くっ」ベシャッ
リヴァイ「チッ」ベシャッ
ペトラ「きゃあっ!!」ベシャッ
ナナバ「やった――モブリットは!?」
バサッ!!
ナナバ「なっ!? 目の前に――!?」
ベシャッ!!
ナナバ「わっ!?」
モブリット「……やった!!」
リヴァイ「よくやった」パラパラ
〆
847 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/14(日) 22:17:39 UXMygVvQ
【何を言ってる】
ナナバ「いつの間にここまで……」
モブリット「リヴァイ兵長がエルヴィン団長側で派手に囮になってくださっている間に反対から回り込んでいたんです。
……雪を被ってほふく前進で」ブルブル
リヴァイ「……」パサッ ←コートを掛けた
モブリット「あ、ありがとうございます」
ペトラ「大丈夫ですか!?」
モブリット「はは……言い出しっぺだし気配を消すのは結構得意だからね。
リヴァイ兵長には相討ちをお願いしてしまったし、ペトラもひとりはつらかっただろ」
ペトラ「お二人に比べたら全然です!」
エルヴィン「あわよくばリヴァイやペトラで仕留められればよし、というところか」
848 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/14(日) 22:18:42 UXMygVvQ
モブリット「はい。ですが正直、主戦力を囮に援護が攻撃というのは読まれているだろうと思っていました。
しかし雪合戦でここまでやるとは考えないかと思いまして……」
エルヴィン「ははっ、やるじゃないか」
モブリット「いえ、リヴァイ兵長がいてくださってこそですし……しかも相討ち狙いで……まだまだです」
ミケ「それでもだ」
モブリット「捨て身でしたけどね。そうしても勝てるか分かりませんでした。上手くいって良かったです 」
ハンジ「おいおい、遊びにめっちゃくちゃ本気じゃないか」
モブリット「そりゃもう早くハンジに戻ってほしくて」
ハンジ「いつもみたくみんなで片付けちゃえばいいのに」
モブリット「忘れたんですか? 今回は重要な資料が多くてハンジさんに確認しないといけないものが多いんですよ!
ハンジさんがいないと片付かないんです!!」
849 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/14(日) 22:19:16 UXMygVvQ
ハンジ「あ……そ、そうだった、ね」
リヴァイ「モブリット、とりあえずお前は風呂に行って少し休め。その間片付けは俺が代わる」
モブリット「えっ? し、しかし」
ペトラ「私もお手伝いします!」
オルオ「お、俺も」
ナナバ「だってさ。甘えたら?」
モブリット「あ……」
ミケ「たまにはお前が休め」
モブリット「あ、ありがとうございます」ジーン
ハンジ「まるで私がいつもこき使ってるかのように」
ナナバミケリヴァイ「「「使ってるだろ」」」
〆
850 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/14(日) 22:19:50 UXMygVvQ
【だって】
ハンジ「はー、終わった終わったー!!」
リヴァイ「やっと風呂に入れられた。長かったな」
ハンジ「あなたみたいに数分で終わらせられないよ」ポタポタ
リヴァイ「お前は汚れっぱなしだからな。ちゃんと拭け、風邪引く」ゴシゴシ
ハンジ「ん」
リヴァイ「……何故あんなに簡単にやられた」
ハンジ「へ?」
リヴァイ「雪」
ハンジ「あぁ……だって絵描いてくれないとか言うからさ」
851 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/14(日) 22:20:17 UXMygVvQ
リヴァイ「そんなことで」
ハンジ「リヴァイにとってはそんなことかもしれないけど大事なんだよ」
リヴァイ「巨人の絵なんぞ研究に必要な分だけでいいだろ」
ハンジ「…………巨人じゃない」ボソッ
リヴァイ「あ?」
ハンジ「巨人以外ってことは……リヴァイの姿絵……描いてもらえないじゃないか」プイッ
リヴァイ「……」
ハンジ「……」ムゥ
リヴァイ「……そうか」ナデ…
ハンジ「……そうだよ」
〆
852 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/14(日) 22:20:45 UXMygVvQ
【そんなに気になるなら】
ハンジ「はい、チョコだよー」
リヴァイ「ん」
ハンジ「ただ渡すだけってつまらないよね」
リヴァイ「いや、充分だ」
ハンジ「溶かして身体に塗っちゃう?」
リヴァイ「やらなくていい」
ハンジ「でもあれって火傷しそうだよね」
リヴァイ「……」
853 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/14(日) 22:21:23 UXMygVvQ
ハンジ「塗ってすぐ冷めるからそうでもないのかな。確か45℃くらいだっけ? 微妙なライン」
リヴァイ「……」
ハンジ「固まったら動いただけでポロポロ剥げちゃいそうだね。少しゆるくした方がいいのかな?」
リヴァイ「分かった」
ハンジ「ん?」
リヴァイ「そんなにやりてぇならしてやる。脱げ」
ハンジ「えっ? いや、違う! ちょっと疑問に思っただけだから!! しなくていいから!!」
リヴァイ「これは塗りながら食ってやる。早くしろ」ズイッ
ハンジ「いや、勿体ないから! ね? リヴァイ。ねぇ! リヴァイってばぁぁ!!」
〆
856 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/19(金) 22:27:07 co5UGGkw
【笑顔と横顔】
――ハンジ研究室――
ハンジ「おや、リヴァイ。早く終わったんだね」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「早く終わらせろとな」
リヴァイ「……お前、人の心でも読めるのか」ガタッ
ハンジ「なんとなくなんとなく。うわぁ、すげぇ近くに座ったね。見張られてんじゃないか、私」
リヴァイ「放っておくと脱線しやがるだろうが」
ハンジ「しないよ、と言えないのがツラいね」
857 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/19(金) 22:27:35 co5UGGkw
リヴァイ「クソメガネ」
ハンジ「あはは!」
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「ま、早いとこ終わらせるよ。待ってて」カリカリ
リヴァイ「……ああ」
ハンジ「……」カリカリ
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「……」カリカリ
リヴァイ「……」ジー
ハンジ「……何? 私の顔に何か付いてる?」
858 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/19(金) 22:28:10 co5UGGkw
リヴァイ「メガネ」
ハンジ「あーうん、でもそれ付いてるっていうか掛けてるんだけどね?」
リヴァイ「と、隈(くま)」
ハンジ「隈はあなたにも付いてるよ。飛び切り濃いのが」
リヴァイ「俺はいい」
ハンジ「なんでだよ」アハハ!
リヴァイ「早く終わらせて休め」
ハンジ「はいはい。頑張りますよーっと」カリカリ
リヴァイ「……」ジッ
〆
859 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/19(金) 22:28:39 co5UGGkw
【起きないからだ】
リヴァイ「ハンジ、起きろ。朝だ」
ハンジ「うー……寒い」モゾモゾ
リヴァイ「潜り込むな」
ハンジ「布団が私を引きずり込んだんだよ……寝む」フワァァ
リヴァイ「……」
ハンジ「ね、もうちょっとだけ――」
リヴァイ「…………」ギュム
ハンジ「ちょっ、はにゃをつままらいれ(鼻を摘ままないで)」フガフガ
リヴァイ「……」グッ
ハンジ「り――!?」
860 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/19(金) 22:29:07 co5UGGkw
リヴァイ「――――」
ハンジ「ふむむ!!」
リヴァイ「――――」
ハンジ「むー! むー!」ジタバタ
リヴァイ「――――」
ハンジ「――! ――!!」バシバシ!!
リヴァイ「――は、いてぇな」
ハンジ「ぶはっ!! い、息できな」ゼーゼー
リヴァイ「目ぇ覚めただろ。さっさと動け」
ハンジ「あ、あのねぇ! だからそれで起こすのやめろっての!」ゼーゼー
リヴァイ「自室だからいいじゃねぇか」
ハンジ「そういう問題じゃねぇ!!」
〆
861 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/19(金) 22:29:46 co5UGGkw
【ぬくもり】
ハンジ「うっひゃー、風強っ、風寒っ」ササッ
リヴァイ「おい」
ハンジ「あ、ダメだ。風避けにならならい」
リヴァイ「削ぐぞ、テメェ」
ハンジ「これで温かいからいいや」ギュッ
リヴァイ「クソメガネ」
ハンジ「はいはい」
リヴァイ「……」
862 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/19(金) 22:30:35 co5UGGkw
ニファ「あ、おはようございます。寒いですね」
ハンジ「あー! おはよう、ニファ」パッ
リヴァイ「ああ」
ハンジ「寒いよねぇ」ギュー
ニファ「わっ、ハ、ハンジさん」
ハンジ「ぬくいぬくい」ギュッ
ニファ「あはは」
リヴァイ「……」
エルヴィン「寂しいか?」
リヴァイ「どこに潜んでやがった、クソマユゲ」
〆
863 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/19(金) 22:31:16 co5UGGkw
【ピンチ】
「ニャアアァァ!!」
ハンジ「!?」
リヴァイ「なんだ?」
トラ猫「ニャアァォウ!!」
犬「グルル」
ハンジ「トラ猫が襲われてる!」
リヴァイ「あいつだけしかいねぇのか」
黒斑点猫「ミャ!!」
864 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/19(金) 22:32:02 co5UGGkw
ハンジ「あ、あんな所に」
リヴァイ「あそこじゃ間に合わねぇな」
犬「ガアァァ!!」
トラ猫「ニャッ!?」
黒斑点猫「ニャアァァ!!」ダッ!
――ヒュンッ、ガリッ!!
犬「キャウンッ!!」
黒斑点猫「!?」
ハンジ「!?」
865 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/19(金) 22:32:34 co5UGGkw
リヴァイ「あれは……」
黒猫「……」ザッ!
犬「ワンッ!!」
黒猫「フギャアォォウ!!」ダッ!
ザシュッ! ガリッ!!
犬「キャウンッキャウンッ!!」
黒猫「……」フンッ
ハンジ「黒猫強ぇぇ」
リヴァイ「偉そうだな」
〆
866 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/19(金) 22:33:10 co5UGGkw
【素直なお礼】
黒斑点猫「ミャア」スリッ
トラ猫「ミャッ」
黒猫「……」
ハンジ「やあ、でも助かってよかったね。間に合わなかったあの猫も嬉しそうだ」
リヴァイ「そうだな」
867 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/19(金) 22:33:49 co5UGGkw
トラ猫「ミャ、ミャア」
黒猫「……ニァ」
黒斑点猫「ミャッ」スリッ
黒猫「……ニァ」
ハンジ「お礼されてるみたいだね。斑点模様の猫からも」
リヴァイ「……何故か妙な感じがする」
ハンジ「なんで?」
〆
870 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/22(月) 22:22:27 .ywTyq/M
【残念】
ハンジ「ねぇ、明後日の休み一緒だったよね? 街にでも行かない?」
リヴァイ「ああ、悪い。急に呼び出しがあってな。今日から中央に行くことになった」
ハンジ「えぇー」
リヴァイ「俺が文句を言いたい。今日出発で明明後日が帰りだ」
ハンジ「三日間か」
リヴァイ「悪いな」
ハンジ「リヴァイの所為じゃないし、中央からの呼び出しなら仕方ないさ」
リヴァイ「埋め合わせはする」
ハンジ「気にしないでってば。お互い様でしょ。また休みが合う日にでも出掛けようよ」
リヴァイ「ああ」
〆
871 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/22(月) 22:23:26 .ywTyq/M
【確認】
――ハンジ自室前:二日後の夜――
リヴァイ(予想外に早く帰れたな)スタスタ
リヴァイ(とは言えもう夜だ。もう街にも行けんが……顔だけでも見ておくか)
ボソボソ|扉|リヴァイ(……ん?)
リヴァイ(話し声?)
リヴァイ(誰かと飲んでるのか?)
リヴァイ(引き返した方がいいか……)
リヴァイ「……」
リヴァイ(いや、少し様子だけ覗いて戻るか)カチャリッ、ソーッ
リヴァイ「?」キョロッ
リヴァイ(酒の匂いはするが……誰もいない……声は寝室から、か)
872 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/22(月) 22:24:15 .ywTyq/M
リヴァイ「……」ソロリッ
リヴァイ(寝室の扉が少し開いてる……声が聞こえたのはその所為か)
扉|リヴァイ(いったい誰といやがるんだ)ソッ
ハンジ「今日ねぇ、リヴァイがいないんだよー?」
ハンジ「分かる? せっかくの一緒の休みなのにさー中央の馬鹿がさー! 寒いのに益々寒くなるっての!」
ハンジ「大体なんの用事だってんだ! どうせくだらないことだろ!」
ハンジ「……ああ、分かってるよー。大事なことかもしれないもんね。行くべきだよ」
ハンジ「でもさーリヴァイいないんだーいないんだよー寂しいねぇ、寂しいよリヴァイくま」ギュー
*リヴァイくま*グニョンッ
リヴァイ「…………」キィー
ハンジ「誰――っ!? リヴァイ!!?」
リヴァイ「……何してんだ、お前」
〆
873 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/22(月) 22:24:59 .ywTyq/M
【紛らせていた】
ハンジ「リ、リヴァイ、これはね! あの、なんでもないんだよ!///」
リヴァイ「こんな所にまで酒瓶が……飲みすぎだ、馬鹿が」
ハンジ「明日に残らないくらいにはしてるよ……それより、その、どこまで聞いてた?」
リヴァイ「今日俺がいねぇ、中央の馬鹿がと言っているところから寂しいと言っているところまでだな」
ハンジ「――っ///」ギュッ
*リヴァイくま*グニョンッ
リヴァイ「またこのぬいぐるみを代わりにしてたのか」ガシッ、ズルッ
*リヴァイくま* グニョッ
ハンジ「ああ! くま返して!」
リヴァイ「代わりはもういらねぇだろ」ボスッ
ハンジ「う……そうだけど」
874 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/22(月) 22:25:35 .ywTyq/M
リヴァイ「寂しい思いをさせて悪かったな」
ハンジ「ぐっ/// べ、別に」
リヴァイ「寂しかったんだろ?」ズイッ
ハンジ「うぅぅ……」
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「………………ウン」ボソッ
リヴァイ「はっ、悪かった」ポンッ
ハンジ「わ、悪くはないけどさ」
リヴァイ「……」ナデナデ
ハンジ「……お帰り、リヴァイ」ギュッ
リヴァイ「ああ、ただいま」ギュッ
〆
875 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/22(月) 22:26:43 .ywTyq/M
【おいで】
ハンジ「ほらリヴァイ、おいで、ビスケット貰ったよ」
リヴァイ「ガキじゃねぇんだ」
ハンジ「そんなつもりはないけど。食べるでしょ?」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「そいじゃ紅茶用意するね」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「あ!」
リヴァイ「どうした」
ハンジ「リヴァイ、おいでおいで!!」
リヴァイ「俺は犬か何かか」
876 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/22(月) 22:27:27 .ywTyq/M
ハンジ「ほら、雪だよ。降ってきた」
リヴァイ「今時期珍しくねぇだろうが」
ハンジ「明日立体機動の訓練でしょ? 大丈夫かな」
リヴァイ「あぁ……積もりすぎなければ大丈夫だろ」
ハンジ「そうだねー……寒っ」ブルッ
リヴァイ「窓の近くは冷えるな」
ハンジ「……リヴァイ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「寒いからこっちにおいで?」スッ ←両手広げた
リヴァイ「最終的に暖房器具扱いか。お前が来い」
〆
877 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/22(月) 22:28:07 .ywTyq/M
【それ禁止】
ハンジ「……」ペラッ
リヴァイ「おい……もう寝ろ」
ハンジ「んー……あとちょっと読ませてー」ペラッ
リヴァイ「さっきもそう言っただろうが」
ハンジ「んー」
リヴァイ「おい」
ハンジ「……」ペラッ
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「もうちょっとだけ」
878 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/22(月) 22:28:49 .ywTyq/M
リヴァイ「……」ハァー
ハンジ「……」ペラッ
リヴァイ「…………ハンジ」
ハンジ「だからさー」
リヴァイ「ハンジ、おいで」
ハンジ「――――!?」
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「リヴァ、ちょっ」
リヴァイ「お」
ハンジ「わあぁぁあぁぁ!!! 寝る! もう寝るから!///」バターンッ!
879 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/22(月) 22:29:26 .ywTyq/M
リヴァイ「ガキ扱いされたくなかったら一度で聞け」
ハンジ「ガ、ガキ……?」
リヴァイ「犬がいいか?」
ハンジ「そ、そういう意味で使ったんだね」
リヴァイ「? お前が昼に言ってただろ」
ハンジ「あー……うん。でもなんだ、あれだよ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「リヴァイはやめて。なんか心臓に悪い」
リヴァイ「?」
〆
882 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/26(金) 22:08:32 GDqOVFIY
【お節介】
ハンジ「なんでダメなんだよ!!」バンッ!
エルヴィン「……」
ハンジ「このやり方なら危険は少ないはずだ!」
エルヴィン「ハンジ、決定したことだ」
ハンジ「エルヴィン!!」
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「リヴァイ! リヴァイからも何か――!」
リヴァイ「エルヴィンが決めたことだ。諦めろ」
ハンジ「――っ! でも!!」
883 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/26(金) 22:09:18 GDqOVFIY
リヴァイ「ピーピー喚くな。うるせぇな。決定したことは覆らねぇことくらい分かってんだろうが」
ハンジ「――っでも……今回の立案は」
エルヴィン「ハンジ、話は終わりだ。戻りなさい」
ハンジ「……………………分かったよ」
バタンッ
リヴァイ「……」
エルヴィン「よかったのか?」
リヴァイ「何がだ?」
エルヴィン「ハンジの味方をしてやらなくて」
リヴァイ「お前が意味もなく決めたりはしないだろう? 俺はお前が決めたことに従う」
884 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/26(金) 22:09:50 GDqOVFIY
エルヴィン「……そうか。お前ももう戻っていいぞ。早く行ってやれ」
リヴァイ「仕事がある」
エルヴィン「いいのか?」
リヴァイ「公私は分けているつもりだ。あいつも馬鹿じゃない」
エルヴィン「そうか。ならいいが」
リヴァイ「……お前は世話焼きジジイか」
エルヴィン「いやいや、お前達が仲違いすると色々面倒なだけだ」
リヴァイ「チッ……戻る」
エルヴィン「ああ、ハンジに宜しくな」
リヴァイ「余計なお世話だ」
〆
885 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/26(金) 22:10:16 GDqOVFIY
【そっとしておく】
――ハンジ自室:夜――
――コンコンコンッ
ガチャッ
ハンジ「……リヴァイ」
リヴァイ「……」
ハンジ「ははっ、来てくれたんだね」
リヴァイ「……ああ」
886 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/26(金) 22:10:39 GDqOVFIY
ハンジ「……でも……せっかく来てくれたところ悪いんだけど今日はひとりでいたいんだ。ごめん」
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「あぁ、分かってるよ。分かってる。気持ちの整理をしたいだけなんだ」
リヴァイ「……」
ハンジ「……そんな顔しないでよ。明日になったらクソメガネに戻ってるから」
リヴァイ「……無理はするな」ナデ…
ハンジ「うん」
リヴァイ「じゃあな」
ハンジ「お休み……」
〆
887 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/26(金) 22:11:04 GDqOVFIY
【さすが俺の】
エルヴィン「昨日はどうだったんだ?」
リヴァイ「何も」
エルヴィン「?」
バターンッ!!
ハンジ「エルヴィン! これに目を通してくれ!!」バサバサッ!!
エルヴィン「これは……ハンジ」
ハンジ「ちゃんと見てくれ、これは“今回の”じゃない。次回の為の立案書だ。まだ清書していないが」
リヴァイ「……」
エルヴィン「……ふむ」ペラッ
ハンジ「それで今回に関してなんだけど、その下書きの計画の下見はできないだろうか?」
888 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/26(金) 22:11:29 GDqOVFIY
エルヴィン「……余裕があれば許可しよう」
ハンジ「本当かい!?」
エルヴィン「余裕ができるかは分からんぞ?」
ハンジ「それで構わないよ!! ありがとう、エルヴィン! じゃあ、早速それを清書するよ!」クルッ
エルヴィン「これは持っていかないのか?」
ハンジ「それはエルヴィン用だよ。ちゃんと別に持ってる。それじゃ!」
バタンッ
エルヴィン「やれやれ……リヴァイのお陰か?」クスッ
リヴァイ「俺は何もしていない。アイツがひとりで立ち直ってひとりで考えたことだ」フンッ
エルヴィン「ふっ、そうか」
エルヴィン(何故リヴァイが少し自慢げなんだかな)クッ
〆
889 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/26(金) 22:12:10 GDqOVFIY
【いい加減にしやがれ】
ハンジ「リヴァイー」ギュー
リヴァイ「……」
ハンジ「うんうん」スリスリ
リヴァイ「…………」
ハンジ「うんうんうんうん」ナデナデ
リヴァイ「……いい加減にしろ」ペシッ
ハンジ「あー」
リヴァイ「なんだ、いきなり」
ハンジ「今日は3月2日、なんの日だ」
リヴァイ「ああ? 知らねぇよ」
ハンジ「ミニの日だよ。ほら、小さいものを愛そうと――」
リヴァイ「黙れ、削ぐ」
〆
890 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/26(金) 22:12:42 GDqOVFIY
【仕返しのはずが】
リヴァイ「くだらねぇことしやがって」
ハンジ「いーじゃんかぁー」ブー
リヴァイ「……」
ハンジ「何?」
リヴァイ「……」グイッ
ハンジ「のわっ!?」
リヴァイ「……お前、耳弱いよな」ボソッ
ハンジ「うひっ!?」ビクッ
リヴァイ「また色気のねぇ」ハァー
ハンジ「ひゃっ! うっさい! 耳そばでため息吐くな!! ていうかしないからね!!」
891 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/26(金) 22:13:18 GDqOVFIY
リヴァイ「お前がうるせぇ。耳だけだ。躾としてな」ハムッ
ハンジ「だっ!?」ビクッ
リヴァイ「黙ってろ……」レロッ
ハンジ「ふ……んん……や……」ビクビクッッ
リヴァイ「……」ヌチュッ
ハンジ「――っ! リ、リヴァイ」ビクンッ
リヴァイ「……なんだ」
ハンジ「ん……もう耳、やめて……」ハァ…
リヴァイ「…………」
ハンジ「? リヴァイ?」
リヴァイ「……」グッ
ハンジ「えっ?」ドサッ
892 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/26(金) 22:13:56 GDqOVFIY
リヴァイ「……」ノシッ
ハンジ「えぇ?」
リヴァイ「……」プチプチ
ハンジ「えぇぇー!? ちょっ、リヴァ」
―――
――
―
ハンジ「……耳だけって言ったのに」ハァハァ
リヴァイ「……」視線→
ハンジ「ばーかばーか」
リヴァイ「………………悪かった」
〆
895 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/29(月) 21:57:38 0mwm1eFo
【遅れて見抜く】
ネス「よぉ、リヴァイ」
リヴァイ「……ネス」
ネス「相変わらず不景気な顔してるな」
リヴァイ「お前は相変わらず毛無しか」
ネス「うるせぇよ、頭について話題にあげるな」
リヴァイ「馬に毟られるなんざ馬の躾がなってねぇんだよ」
ネス「おっと、シャーロットの悪口はやめろ。あいつは俺が好きで堪らねぇだけだ」
リヴァイ「は、よく言う」
ネス「お前こそ、巨人に自ら向かってく跳ねっ返りのじゃじゃ馬を躾られてねぇだろ?」ニヤッ
896 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/29(月) 21:58:06 0mwm1eFo
リヴァイ「……」ジロッ
ネス「隠してたって分かるってんだよ」ニヤニヤ
リヴァイ「……」
ネス「そこそこ長い付き合いの奴はな」フッ
リヴァイ「……」
ネス「無言はやめろ。お前さんの彼女みてぇにお前さんの思うことを正確に読み取れねぇんだからよ」
リヴァイ「うるせぇ」
ネス「ある日突然ハンジが色っぽくなりゃ気づくってもんだろ」
リヴァイ「……よし、削ぐ」
ネス「うおぉぉ!? やめろ! 殺気を出すな! 男の嫉妬は醜いぞ!!」
リヴァイ「……」チッ
〆
897 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/29(月) 21:58:49 0mwm1eFo
【下世話な話】
ネス「で、ハンジとはどうなんだ」
リヴァイ「普通だが」
ネス「普通ってなんだよ」
リヴァイ「普通は普通だ」
ネス「夜も最強じゃないのか」
リヴァイ「意味がわからねぇな。俺も普通だしハンジも普通だ」
ネス「普通とは思えねぇが……ハンジってどうなんだ」ヒソッ
リヴァイ「……なんで自分の女のそんな話しなきゃならねぇんだ。そりゃ捕まえた男の特権だろうが」シワー
ネス「はは! そりゃそうだ! 悪い悪い」
リヴァイ「なんなんだ」チッ
ネス「まぁまぁ、舌打つなよ。ちょっとした興味本意だ。詫びにほれ、これやるよ」スッ
898 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/29(月) 22:00:02 0mwm1eFo
リヴァイ「酒?」
ネス「こいつはハンジが好きだったろう? この間街に行ったときに見つけてな。まー祝酒だ」ハハッ!
リヴァイ「……」
ネス「これでも俺ぁ嬉しいんだよ」
リヴァイ「……貰っておく」
ネス「おう! 貰っとけ!」
リヴァイ「それから……」
ネス「わーってる! わーってる!! 誰にも言わねぇよ。面倒なことにしかならなそうだしな」
リヴァイ「助かる」
ネス「気にすんな。じゃ、ま、せーぜーハンジとヨロシクやれよ」スタスタ…
リヴァイ「……」
リヴァイ(あいつは間違いなくおっさんだな)
〆
899 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/29(月) 22:01:25 0mwm1eFo
【祝酒】
リヴァイ「ハンジ」スッ
ハンジ「うっひょおぉ! 私の好きなお酒じゃん! どうしたの?」
リヴァイ「ネスに貰った。祝酒だと」
ハンジ「ネスに? 祝酒??」
リヴァイ「今更バレたらしい……いや、前から気づいていたのかもしれんが」
ハンジ「ありゃりゃ。意外に同期以上には気づかれちゃうねぇ」
リヴァイ「まぁ、口が固いのが多いからいいが」
900 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/29(月) 22:01:56 0mwm1eFo
ハンジ「ははっ、調査兵団は周りから足を引っ張られやすいから必要がなければ口が固くなっちゃうよね」
リヴァイ「せっかくだ。飲もう」トポトポ
ハンジ「わーい! いっただっきまーす!! ネスありがとう!!」
リヴァイ「飲みすぎるなよ」
ハンジ「そんなに量ないから大丈夫だよ。あー美味しい! ネスになんかお返ししないと」
リヴァイ「そうだな」グビッ
ハンジ「今度最近の壁外調査で見かけた奇行種のお話でもしてあげようかなぁー。すんごい可愛かったんだけどー」グフフッ
リヴァイ「仇で返すつもりか」
〆
901 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/29(月) 22:02:36 0mwm1eFo
【ゆっくりな朝】
ハンジ「ん……」パチッ
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ「……あー……休みだっけ」
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ「でもそろそろ起きないと……」
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ「……」
リヴァイ「ん……」スゥスゥ
ハンジ「起こすの悪い気がするなぁ」
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ「一応起こすか。リヴァイー? 朝だよー」
902 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/29(月) 22:03:10 0mwm1eFo
リヴァイ「……ん」
ハンジ「起きる? 起きない?」
リヴァイ「……」ボー
ハンジ(あ、これ寝ぼけリヴァイだ)
リヴァイ「……」ギュッ
ハンジ「おや」
リヴァイ「……」スゥスゥ
ハンジ「おーい、リヴァーイ」
リヴァイ「……」スゥスゥ
ハンジ「ダメだ。寝る気満々だ。人を抱き枕に」
リヴァイ「……」スゥスゥ
ハンジ「ゆっくりするんだね、分かったよ」クスクス
リヴァイ「……」ギュッ
〆
903 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/29(月) 22:03:42 0mwm1eFo
【まったりな夜】
ハンジ「リヴァイリヴァーイ」ポフポフ ←ベッドの上
リヴァイ「うるせぇ」
ハンジ「寝ようよー」ゴロゴロ
リヴァイ「眠いのか」
ハンジ「ううん」
リヴァイ「ならなんだ」
ハンジ「いいからリヴァイおいでよー」
リヴァイ「なんだ」ギシッ
ハンジ「リヴァイ捕獲!」ガシッ
リヴァイ「どうした」
904 : ◆uSEt4QqJNo :2016/02/29(月) 22:05:17 0mwm1eFo
ハンジ「んー? んふふ、ゴロゴロしたいだけだよ」ギュー
リヴァイ「……そうか」
ハンジ「そうそう。このまま巨人の」
リヴァイ「話をしやがったら意識を閉ざしてやる」
ハンジ「怖いわ!!」
リヴァイ「おとなしくゴロゴロしてろ」ギュッ
ハンジ「仕方ないなぁ。分かったよ」
リヴァイ「何故俺が呆れられるんだ」
ハンジ「さぁ?」クスクス
リヴァイ「クソメガネが……」ナデ…
ハンジ「こういう夜もたまにはいいだろ?」フフッ
リヴァイ「…………そうだな」
〆
907 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/03(木) 22:22:21 O8hpYx6.
【抜いても増える】
ハンジ「うわぁ……またミントだらけになってるねぇ」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「……ミントって発毛効果とかないのかな?」
リヴァイ「あ? 知らねぇよ」
ハンジ「さすがにないかなー」
リヴァイ「……お前、まさか」
ハンジ「ネスにどうかと思ったんだけど」
リヴァイ「お前は何故、礼ではなく仇で返そうとしやがる」
〆
908 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/03(木) 22:23:03 O8hpYx6.
【×お→○し】
ハンジ「リヴァイ、ホワイトデーだね」
リヴァイ「ああ、言われたものを買ったが……」スッ
ハンジ「ありがとう」
リヴァイ「ただのホワイトチョコだがいいのか?」
ハンジ「私もチョコしかあげてないし」
リヴァイ「そうだが返しが板チョコでよかったのか?」
ハンジ「いいんだよ。そうじゃなきゃ塗りにくいだろ?」
リヴァイ「…………塗……?」
ハンジ「リヴァイの身体に塗るんだよ。リヴァイもやったんだから拒まないよね?」ニコッ
リヴァイ「……」
ハンジ「まさか拒んだりしないよね?」ニッコリ
リヴァイ「…………根に持っていたのか」
〆
909 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/03(木) 22:23:31 O8hpYx6.
【気分転換】
リヴァイ「……」カリ…
リヴァイ「……」コキコキ
リヴァイ(机仕事ばかりで疲れたな)
ピチチチチ……
リヴァイ「……」
リヴァイ(いい天気だな。少し気分転換でもするか)ガタッ
―――
――
―
――中庭付近――
リヴァイ「……」スタスタ
壁|リヴァイ「!」サッ
910 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/03(木) 22:24:15 O8hpYx6.
「――ごめんよ」
「……っいえ、ありがとうございました」
タタタタタタタタ……
「……」フゥ
「……」スタスタ
リヴァイ「……」スッ
ハンジ「うおっ!? リヴァイ!」ビクッ!
リヴァイ「……呼び出しか」
ハンジ「あ、聞いてた?」
リヴァイ「……聞こえた」
〆
911 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/03(木) 22:24:42 O8hpYx6.
【思考転換】
リヴァイ「まだ若い奴だったが」
ハンジ「うん。いつかの壁外調査で助けた子だよ」
リヴァイ「……」
ハンジ「何か血迷っちゃったかな?」アハハ
リヴァイ「時間が経っているなら本気だろ」
ハンジ「いやぁ、長いこと兵団にいるとああいう趣味の悪い子も出てくるんだよね」
リヴァイ「趣味悪いとか言うんじゃねぇよ。俺が最たるものになるじゃねぇか」
ハンジ「えっ、リヴァイ趣味悪いじゃん」
リヴァイ「悪くねぇよ。……悪ければよかったのかもな」
ハンジ「へ?」
912 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/03(木) 22:25:23 O8hpYx6.
リヴァイ「むしろお前が悪い」
ハンジ「えぇー? 私趣味悪くないよ!」
リヴァイ「その趣味については思うところがなくはないがそれは置くとして、自己評価が悪い」
ハンジ「……だって男に間違われたりするしさ」
リヴァイ「容姿が悪いわけじゃないだろう」
ハンジ「は!?」
リヴァイ「お前の不摂生が悪い。ボサボサのベタベタにしやがるからだ」
ハンジ「あ、いやぁ」
リヴァイ「褒めてねぇぞ」
ハンジ「それほど研究熱心で巨人研究に真摯だって言いたいんだろ?」
リヴァイ「……お前は時々どこかにぶっ飛んでいくな」
〆
913 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/03(木) 22:25:55 O8hpYx6.
【悋気】
リヴァイ「……」
ハンジ「どうかした?」
リヴァイ「いや……」
ハンジ「……ちゃんと断ったよ?」
リヴァイ「分かっている。心配はしていない」
ハンジ「そっか」ヘヘッ
リヴァイ「ただ」
ハンジ「?」
914 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/03(木) 22:26:19 O8hpYx6.
リヴァイ「あまりいい気分にはならねぇ」
ハンジ「!」
リヴァイ「お前は奇行さえなければ人に好かれやすいしな」
ハンジ「奇行セットで好きなってくれるのなんてリヴァイくらいだよ」ニヨニヨ
リヴァイ「どうだか……何にやついてやがる」シワー
ハンジ「んー? んふふふー何故でしょう?」ニヨニヨ
リヴァイ「気色悪ぃ」
ハンジ「気色悪くて結構だよ。それでもリヴァイは隣にいてくれるんでしょう?」ニッコリ
リヴァイ「……」チッ
ハンジ「んふふふふふー」ニコニコ
〆
917 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/07(月) 22:04:08 uQ.hjcDk
【小春日和】
ハンジ「おぉー、咲いてるねぇ。お参り日和だね」
リヴァイ「上ばかり向いて歩くなよ、転ぶぞ」
エルヴィン「口も開けっぱなしにすると花びらが入るぞ」
ミケ「花びらならいいがな」スンスンッ
ハンジ「あー、うねうねした細長いものとかねー。それは嫌だなぁ」
リヴァイ「いいから前を見て歩け」
ハンジ「はいはい。口に入るといえばここ雌株はあるのかな? あるなら実がなるんだけどな」
リヴァイ「食えるのか?」
ハンジ「うん、甘酸っぱくて美味しいよ」
エルヴィン「そういえば花の咲く時期くらいにしか来たことがないな」
918 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/07(月) 22:04:44 uQ.hjcDk
ミケ「勿体ないことをしていたかもな」スンスンッ
ハンジ「ま、それはまた来て確認するよ。しかし綺麗だね」
リヴァイ「だから上ばかり見るんじゃねぇ。おい、足下」
ハンジ「へ? おわっ!!」ガッ
リヴァイ「チッ」ガシッ
ハンジ「うわっと……あー、ありがとう」
リヴァイ「だから言っただろうが。行くぞ」グイッ
§
ハンジ「わわっ」
リヴァイ「全く、世話の焼ける」スタスタ
§
ハンジ「ごめーん」
エルヴィン「熱いな」
ミケ「まだ春だというのにな」スンスンッ
919 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/07(月) 22:05:19 uQ.hjcDk
リヴァイ「……仕方なくだ」
§
ハンジ「あ! あそこになんかあるよ!」グイッ
リヴァイ「勝手に動くな。おとなしくしろ」
§
ハンジ「ええー」
リヴァイ「帰りに寄ってやる」
§
ハンジ「本当に!?」
リヴァイ「ああ」ハァー
ハンジ「分かった、おとなしくするよ!」
ミケ「ただの親子だったな」スンスンッ
エルヴィン「まだ暖かいようで何よりだ」
〆
920 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/07(月) 22:06:21 uQ.hjcDk
【えっ】
ミケ「ふむ……」スンスンッ
ハンジ「……ミケ」
ミケ「ん?」スンスンッ
ハンジ「鼻悪くならない?」
ミケ「近づいて嗅いでるわけではないから花に影響はないだろう」スンスンッ
ハンジ「そんな構造なんだ?」
ミケ「遠くから嗅ぐ分には問題ないと思うが?」
リヴァイ「何かが違う気がするんだが……気の所為か?」
921 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/07(月) 22:07:06 uQ.hjcDk
エルヴィン「恐らく気の所為じゃないんじゃないか?」クスクス
ハンジ「ミケの鼻って丈夫なんだね」
ミケ「俺の花? いや、俺のじゃないが」
ハンジ「えっ?」
ミケ「えっ?」
ハンジ「あ……じゃあ、それ誰の鼻なの?」
ミケ「いや、知らんが」
ハンジ「えっ?」
ミケ「えっ?」
922 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/07(月) 22:07:55 uQ.hjcDk
ハンジ「誰の鼻か分からない……?」
ミケ「多分、調査兵団のものだろう」
ハンジ「えっ?」
ミケ「えっ?」
リヴァイ「……お前らいい加減にしろ。もう分かってやってんだろうが」
ハンジ「へへっ」
ミケ「えっ?」
ハンジ「えっ?」
リヴァイ「あ?」
エルヴィン「ミケは天然だったか」
〆
923 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/07(月) 22:08:55 uQ.hjcDk
【わちゃわちゃ】
ハンジ「着いた着いた。みんなー変わりない?」
*慰霊碑*
ハンジ「……やっぱり久しぶりに来ると汚れてるねぇ」
お掃除リヴァイ「取り掛かるぞ」スチャッ
ハンジ「速っっ!? いつそんな格好に!?」
お掃除リヴァイ「いいからやれ」
ハンジ「巨人屠るのも速いけど着替えも早いねぇ。私はそんなに早くは無理かなー」ノロノロ
お掃除リヴァイ「わざとやるな」ゲシッ
924 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/07(月) 22:09:29 uQ.hjcDk
ハンジ「あいてっ! 蹴るなよ!!」
ミケ「お前ら必ずいちゃつくな。日が暮れるぞ」
リヴァイハンジ「「いちゃついてねぇよ!」」
エルヴィン「では犬猫の戯れでいいか?」
お掃除リヴァイ「よくねぇよ」
ハンジ「それだとリヴァイが猫だよね」
ミケ「まぁ、そうだな」
エルヴィン「そういえば猫は高所から落ちると回るな」
ハンジ「目付きの鋭さとかも猫だね」
お掃除リヴァイ「人を獣扱いしてねぇで草むしれ」
925 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/07(月) 22:10:10 uQ.hjcDk
ハンジ「はぐらかされてくれない」
ミケ「掃除に関しては無理だな」
エルヴィン「まあ、汚れたままではなんだしな。やるか」ブチブチ
ハンジ「頑張りますかー。あ、蛙!」
お掃除リヴァイ「気を逸らすな」ガシッ
ハンジ「冬眠から目覚めたばかりの蛙だよー? 観察したい!」
お掃除リヴァイ「そっとしといてやれ」
ミケ「夕暮れまでに帰れると思うか?」
エルヴィン「何、俺達は帰ればいいことだ」
ミケ「…………そうだな」スンッ
〆
926 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/07(月) 22:10:59 uQ.hjcDk
【俺は止めた】
ハンジ「また置いていかれたね」
リヴァイ「お前の所為だ」
ハンジ「ま、いいや。ね、帰りに寄ろうって言ってた所に行こうよ」
リヴァイ「ああ、何を見つけたんだ」
ハンジ「ここだけど……ああ、やっぱり」
リヴァイ「なんだ? 菜の花?」
ハンジ「菜花ともいうね。食べられるし摘んでいこうか」
リヴァイ「菜花、な」
ハンジ「ん? 何?」
リヴァイ「くだらねぇことするなよ」
ハンジ「なんのことかな?」
リヴァイ「……」
〆
927 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/07(月) 22:11:50 uQ.hjcDk
【徹底した仕置き】
ハンジ「ナナバー」
リヴァイ「……」
ナナバ「ん? それ菜の花?」
ハンジ「うん。摘んできたんだ。でもこれナバナともいうんだよ」
ナナバ「……」
リヴァイ「……」
ハンジ「ナナバにナバナ!」
ナナバ「……リヴァイ、全殺しオーケー?」
リヴァイ「……4/5殺しくらいにしとけ」
ハンジ「それってほとんどじゃないかな?」
〆
932 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/10(木) 22:33:05 Mdz/RcN.
【ブーム】
――隠れ家――
ハンジ「……」
エレン「おい、何クソみたいな薪割りしてんだよ」
ジャン「ああ? ちゃんとクソほど割れてんだろうが!」
エレン「もっとやり方があるんだって」
ジャン「うるせぇな」
アルミン「二人とも喧嘩しないでよ。まだ薪はクソみたいにあるんだよ」
933 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/10(木) 22:33:50 Mdz/RcN.
コニー「あいつら相変わらずクソみてぇに喧嘩してんな」
サシャ「クソでも詰まってるんですかねぇ」
ヒストリア「クソみたいにうるさい」
ハンジ「………………」
ミカサ「みんな」
ハンジ「!」
ミカサ「ハンジさんが来てる。クソみたいに騒がないで」
ハンジ「ミカサもか!!」
104期「「「「??」」」」
〆
934 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/10(木) 22:34:43 Mdz/RcN.
【お前も言ってる】
ハンジ「あの子達にあなたの口癖がクソほど移ってるよ」
リヴァイ「? 口癖?」
ハンジ「みんなクソクソ言ってんだけど」
リヴァイ「俺は耳にしない」
ハンジ「リヴァイの前では言ってないのか……」
リヴァイ「たまたまじゃねぇのか?」
ハンジ「たまたま、ねぇ。遊んでるのかな? あれ本当に癖になっちゃわなきゃいいけど」
935 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/10(木) 22:35:26 Mdz/RcN.
リヴァイ「で、どんなもんなんだ?」
ハンジ「芳しくはないね……他の調査兵は捕まってるし……酷いことされてなければいいんだけど」
リヴァイ「……」
ハンジ「クソみたいな状況だけどまだ希望はあるさ」
リヴァイ「ああ、そうだな。クソ共をさっさと片付けねぇとな」
ハンジ「そうそう。やることはあとからクソほど出てくるから休めるときは休んでね」
リヴァイ「……」
ハンジ「何?」
リヴァイ「……いや」
〆
936 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/10(木) 22:35:58 Mdz/RcN.
【どうぞ】
「ニア」
リヴァイ「あ?」
―――
――
―
ハンジ「あれ? リヴァイだ」
ハンジ「中庭にしゃがみこんで何してんだろう?」スタスタ
リヴァイ「……」
黒猫「……」
ハンジ「……リヴァイ?」ヒョコッ
937 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/10(木) 22:36:25 Mdz/RcN.
リヴァイ「……よう、ハンジ」
黒猫「ニア」
ハンジ「あ、黒猫だ……足元にあるそれ……バッタ?」
リヴァイ「ああ」
黒猫「……」フンッ
ハンジ「もしかしてお礼か何か?」
リヴァイ「知らん」
ハンジ「どうすんの?」
リヴァイ「受け取るしかねぇんだろうな」
黒猫「……」ジー
ハンジ「無視するわけにも捨てるわけにもいかないもんねぇ。
あ、でも見せびらかしてるだけかもよ? そういうことするらしいし」
938 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/10(木) 22:37:11 Mdz/RcN.
リヴァイ「いや、そういうときは声かけるか撫でれば持っていなくなる」
ハンジ「すでに何度かあったんだね……やっぱり何かのお礼?」
リヴァイ「そういやこの間、木から降りられなくなってた毛の長い奴降ろしたな」
ハンジ「あー、それだね」
リヴァイ「礼はいらねぇんだがな」スッ
黒猫「!」
リヴァイ「……汚ぇな」つバッタ
ハンジ「見えないところで処分しないとねぇ」クスクス
黒猫「ニア」
リヴァイ「……ありがとよ」ナデナデ
黒猫「……」ゴロゴロ
〆
939 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/10(木) 22:37:58 Mdz/RcN.
【凄い? ねぇ、凄い??】
茶トラ「ニャー」
黒猫「!」タッ
ハンジ「茶トラがお迎えに来たね」
リヴァイ「はぁ……」つバッタ
茶トラ「ニャー」スリスリ
黒猫「ニア」スリスリ
ハンジ「仲良いねぇ」
940 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/10(木) 22:38:24 Mdz/RcN.
茶トラ「!」カプッ、タッ
ハンジ「ん? 私の所に来てる?」
茶トラ「……」ポトッ
ハンジ「……」
リヴァイ「……」
茶トラ「ニャッ!」キラキラ
ハンジ「……どうしよう? ネズミなんだけど」
リヴァイ「多分……だが、見せてるだけじゃねぇか?」
茶トラ「ニャー!!」キラキラ
〆
941 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/10(木) 22:39:05 Mdz/RcN.
【お母さん現象】
リヴァイ「ハンジ……モブリットだけか」
モブリット「あぁ、丁度今エルヴィン団長のもとに行かれたところです」
リヴァイ「そうか」
モブリット「すぐに戻られると思いますよ」
リヴァイ「待たせてもらう」
モブリット「どうぞどうぞ。紅茶淹れますね」
リヴァイ「ああ」
942 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/10(木) 22:39:30 Mdz/RcN.
―――
――
―
リヴァイ「……」モクモク
モブリット(ハンジさん、ちょっと遅いな。また巨人の話に夢中になってるのかな)
リヴァイ「……」ペラッ
モブリット(リヴァイ兵長は本に集中してくれているみたいだからまだいいけど、あまり待たせるのも……)ウーン
リヴァイ「……おい、ハンジ」
モブリット「えっ」
リヴァイ「…………………………モブリット」
943 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/10(木) 22:39:57 Mdz/RcN.
モブリット「……はい」
リヴァイ「紅茶、もう一杯頼む」
モブリット「はい、分かりました」
スタスタスタスタスタ……
リヴァイ「……」
リヴァイ「…………」ガシガシ
――――――――――――
モブリット「……」スタスタ…
モブリット「……くっ」
モブリット(寛いでるときによく一緒にいるから間違えちゃったんだな)クスクス
〆
947 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/14(月) 22:04:35 BKo4aTKI
【結局ノロケ】
ハンジ「――でさ、自分が言い間違えただけのくせに“戻るのが遅ぇ”って八つ当たりされちゃってさ」
ナナバ「そんなに八つ当たりするような奴だったかねぇ」
ハンジ「まぁ、普段そんなことしないけど私に対してはままあるよ」
ナナバ「嫌じゃないの?」
ハンジ「そこまで嫌なことはされないし、されたら反撃するし。可愛い八つ当たりだけだよ」
ナナバ「可愛い、ねぇ」
ハンジ「それに実はそれが私にってのも嬉しかったりしてね」ヘヘッ
948 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/14(月) 22:05:09 BKo4aTKI
ナナバ「……」
ハンジ「そんなことが嬉しいなんて私も大概変態かなとは思うけどさ」ハハッ
ナナバ「あんたリヴァイにメロッメロだね」
ハンジ「なっ!? ち、違うよ! 研究中なら一週間くらい放置することだってあるし!!」
ナナバ「いや、それはそれで酷いね」
ハンジ「リヴァイはそれで怒ったりしないけど」
ナナバ「あー、あー、あっちもベタ惚れなんだね。はいはいご馳走さま」
ハンジ「違う! 違うからな!!///」
〆
949 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/14(月) 22:05:46 BKo4aTKI
【遊んでみよう】
ハンジ「あー……」ガシガシ
リヴァイ「禿げるぞ」
ハンジ「あ、リヴァイ」
リヴァイ「どうした」
ハンジ「別に……ナナバにからかわれただけだよ」
リヴァイ「またか」
ハンジ「お互い様だけどね。でも私がメロメロとかさー」
リヴァイ「メロメロ?」
ハンジ「んー。リヴァイにメロメロだーとか言うから」ムー
リヴァイ「……違うのか?」
950 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/14(月) 22:06:29 BKo4aTKI
ハンジ「は!?」
リヴァイ「どうなんだ?」
ハンジ「う、いや、その……」
リヴァイ「俺はどちらかと言えばそうかもな?」
ハンジ「はぁ!?」
リヴァイ「お前は違うのか?」
ハンジ「う……」
リヴァイ「ほう、他に目移りする、と?」
ハンジ「しないよ! あーあー!! そうですよ! リヴァイにメロメロだよ! 悪いかこんちくしょう!!!///」
リヴァイ「くっ……」
ハンジ「!? この……遊ぶんじゃねぇよ!! ばーかバーカばーか馬鹿リヴァイッッ!!!」
〆
951 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/14(月) 22:08:53 BKo4aTKI
【やっぱりノロケ】
リヴァイ「――というわけでハンジが口を利かない」
ミケ「自業自得だろう」
エルヴィン「からかいすぎだ」クスクス
リヴァイ「ついな」
ミケ「どうするんだ?」
リヴァイ「別にどうも」
エルヴィン「いいのか?」
リヴァイ「謝ってはいる。そのうち収まる」
952 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/14(月) 22:09:30 BKo4aTKI
ミケ「ほぅ、自信があるんだな」ニヤッ
リヴァイ「本気じゃないのは分かっている。拗ねているだけだ」
エルヴィン「だが頑固だろう?」
リヴァイ「……まぁ、根比べにはなるかもしれんが大丈夫だろう」
ミケ「腹いっぱいになるな」
エルヴィン「まさかリヴァイからノロケを聞かされる日が来ようとは思いもよらなかったな」
リヴァイ「? 何がどうしたら今のがノロケになるんだ?」
ミケ「無自覚ときたか」
エルヴィン「ま、そのままでいてくれ」
リヴァイ「??」
〆
953 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/14(月) 22:10:36 BKo4aTKI
【結局折れた】
リヴァイ「……」
ハンジ「……」カリカリ
リヴァイ(またこれか……いつまで見ていればいいんだか)
ハンジ「……」カリカリ
リヴァイ「……」ガタッ
ハンジ「……」ピクッ
リヴァイ「いい加減そのクソが詰まったような顔はやめろ」
ハンジ「詰まってない」
954 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/14(月) 22:11:01 BKo4aTKI
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「リヴァイが遊ぶから悪い」
リヴァイ「ああ、悪かった」
ハンジ「……」ムゥ
リヴァイ「ほら」スッ
ハンジ「! 四つ葉のクローバー?」
リヴァイ「見つけた」
ハンジ「…………ぶっ」
リヴァイ「……」
ハンジ「あはははは! また摘んだの? あなたが?」アハハ!!
955 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/14(月) 22:11:25 BKo4aTKI
リヴァイ「あぁ、そうだ」
ハンジ「四つ葉を探すリヴァイとか!」アハハハハ!!
リヴァイ「……」
ハンジ「あはは……うん、分かった。もういいや。許してあげる」クスクス
リヴァイ「……そりゃ助かる」
ハンジ「ふふっ、リヴァイは私にメロメロだもんねぇ?」
リヴァイ「……」
ハンジ「ね?」
リヴァイ「……そうだな」
ハンジ「ふ、くくっ……あははははは!」
〆
956 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/14(月) 22:12:21 BKo4aTKI
【その自信が】
リヴァイ「そういえばお前が口を利かないとあいつらに言ったらノロケと言われた」
ハンジ「あいつら?」
リヴァイ「エルヴィンとミケだ」
ハンジ「あぁ」
リヴァイ「お前が口を利かないのはノロケになるのか?」
ハンジ「いや、喧嘩以外のなにものでもないよね」
リヴァイ「だよな」
ハンジ「他に何か言った?」
リヴァイ「……そのうち収まる、と」
ハンジ「ふーん、それもノロケとは言えないよねぇ」
957 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/14(月) 22:13:37 BKo4aTKI
リヴァイ「ああ、だからわからん」
ハンジ「うーん」
リヴァイ「根比べになるかもしれんが必ず元に戻ると思っていただけなんだが……」
ハンジ「ふぅん、必ず……」
ハンジ「!///」
リヴァイ「拗ねているだけだから大丈夫だと」
ハンジ「ま、待った!」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「相談したわけじゃないの……?」
リヴァイ「? 相談するようなことじゃねぇだろ」
ハンジ「――っ、じゃあ、なんで話したの?」
リヴァイ「お前が俺と口を利かないからどうしたのか、と言われたから答えただけだ」
958 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/14(月) 22:15:31 BKo4aTKI
ハンジ「そう、なんだ」
リヴァイ「聞かれたから答えただけで何故ノロケなのかさっぱり分からねぇ」
ハンジ「意にも介さなかったからじゃないかなぁ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「必ず、仲直りできるって言ったんでしょう?」
リヴァイ「できただろ」
ハンジ「う、うん」
リヴァイ「何が問題なんだ?」
ハンジ「いや、別に」
リヴァイ「やっぱり分からねぇな」
ハンジ(その自信満々なところじゃないかなぁ……でも折れてきたけど)ブフッ
リヴァイ「?」
〆
960 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:12:04 UeuSt2ug
【見抜く】
ハンジ「リヴァイ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「リヴァイなんか嫌いだー(棒)」
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
リヴァイ「……四月一日か」チラッ
ハンジ「……」
961 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:12:32 UeuSt2ug
リヴァイ「特に大した嘘が思いつかないならやめておけ」
ハンジ「なんかやりたいじゃん!」
リヴァイ「別のことに頭を使え」
ハンジ「……今日は徹夜だー」
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
リヴァイ「すでに二日目か」
ハンジ「うっそ、バレた!?」
〆
962 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:13:29 UeuSt2ug
【全て任せた】
リヴァイ「全く、さっさと風呂に入って寝ろってんだ」ゴシゴシ
ハンジ「あー、そこ。そこかゆい」
リヴァイ「ここか」ガシガシ
ハンジ「うんうん。いい気持ちー♪」
リヴァイ「まだ寝るなよ、溺れるぞ」ゴシゴシ
ハンジ「リヴァイがいるから大丈夫ー」
リヴァイ「大丈夫じゃねぇ。疲れる」ザバー
963 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:14:32 UeuSt2ug
ハンジ「わっ! ぷはっ、いやぁ、リヴァイに洗われてると心地よくてねぇ」
リヴァイ「風呂場で寝られるとこっちがずぶ濡れになる。おい、寝るな」ペシッ
ハンジ「あだっ! ごめんごめん」
リヴァイ「ほら、拭いて……」
ハンジ「」スピー
リヴァイ「……」
リヴァイ「クソメガネが」
〆
964 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:15:01 UeuSt2ug
【甘々】
ナナバ「リヴァイが甘い」
リヴァイ「あ?」
ミケ「ああ、甘いな」
ハンジ「そうかなぁ」
ナナバ「あんたは甘え過ぎ。寝たら叩き起こしてベッドまで歩かせなよ」
リヴァイ「寝たら起きねぇんだよ」
ナナバ「違うでしょ? 研究で疲れてるから可哀想とか思っちゃうんでしょ?」
リヴァイ「……」
ナナバ「甘い。ケーキに砂糖と蜂蜜ぶっかけたくらい甘い」
ハンジ「砂糖はジャリジャリしそうだね」
965 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:15:32 UeuSt2ug
ナナバ「あんたは黙んなさい。研究が大事なのは分かる。
それに費やしてるのも分かるけど体調管理を怠ってるのは許しちゃダメでしょ」
リヴァイ「許してはいないが」
ナナバ「甘やかしてるんじゃ許したも同然でしょう。
行きすぎた場合は厳しく、仕方なく身を削った場合は優しく、と分けないとハンジが益々身を削るよ?」
リヴァイ「ぬ……」
ミケ「まぁ、待てナナバ。リヴァイの気持ちも分からないではない。
普段からあんなに研究に没頭しているからな、労ってやりたくなるんだろう」
ナナバ「分かるけど、共倒れしちゃいそうで心配なんだよ。
それに風呂に入れるとすぐ寝て困るって相談してきたのはリヴァイだしね」
966 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:16:19 UeuSt2ug
ミケ「ふむ、共倒れまではいかんだろうが確かに聞いていると以前より甘やかしているようではあるが……」
リヴァイ「ふむ、外からの意見が聞けて助かった。どうやら少し緩くなってたみてぇだな」
ハンジ「げっ」
リヴァイ「身を削らなければならないときと、削らなくてもいいのに削っているときでは労い方を変えるべきだった」
ハンジ「うぅ」
リヴァイ「ナナバ、ミケ、助かった」
ハンジ「うー……余計なことをー」
ナナバ「あんたが自分の身を大事にしないからだよ」
ミケ「あまり心配させるな」
ハンジ「むぅ」
〆
967 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:16:58 UeuSt2ug
【実践】
リヴァイ「おら、ハンジ! 寝るんじゃねぇ!」ペシーンッ!
ハンジ「あだっ! 痛いよ、リヴァイ」
リヴァイ「寝るからだ。ほら、さっさと拭いて服を着ろ」
ハンジ「はぁーい」
リヴァイ「……」
リヴァイ「…………」←なんとなく物足りない
968 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:17:21 UeuSt2ug
――別の日――
リヴァイ「大丈夫か?」ゴシゴシ
ハンジ「んー……」
リヴァイ「寝たきゃ寝ろ」
ハンジ「そういうわけにも……」
リヴァイ「キツいなら無理するな」ナデ…
ハンジ「うん……」
リヴァイ「……」
ハンジ「」スピー
リヴァイ「……」
リヴァイ「拭いて着せるか」
〆
969 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:20:38 UeuSt2ug
【甘さを許容】
ハンジ「ギャップが激しい」
ナナバ「何が」
ハンジ「厳しいのと優しいのが」
ナナバ「いいじゃない」
ハンジ「なんか優しくされすぎてこそばゆい!」
ナナバ「今更じゃないかねぇ」
ハンジ「なんか! なんか凄い優しすぎるように感じてこう! もやもやっていうか!」
ナナバ「えぇー、今頃またときめいてんの?」
ハンジ「う、わ、悪いか///」
ナナバ「あんたらもう付き合いそれなりでしょ?」
ハンジ「そ、そうだけど」
970 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:21:10 UeuSt2ug
ナナバ「今までだってそういうときもあったでしょうに」
ハンジ「そうなんだけど、徹底的に甘いっていうか」
ナナバ「……厳しくする分、甘さ全開になってるのか」
ハンジ「そう……なのかな? 優しいときってなんか嬉しそうだから余計にクるんだよね」
ナナバ「……」
ナナバ(もしかして掃除と同じで綺麗にすることで自身も癒されてたとか? もしくはハンジを甘やかすことで?)
ハンジ「なんか迷惑かけてるのに優しすぎて申し訳ないよー」
ナナバ「……落ち着いたらハンジがリヴァイを労えばいいんじゃない?
そうしたらその優しさも受け入れられるんじゃないの?」
ハンジ「あー、お返しか。そうだね……そうしようかな。今度美味しい紅茶屋にでも誘うか」
ナナバ「あんた達は甘やかし合いがいいのかもしれないねぇ」
ハンジ「甘やかし合い?」
〆
971 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:22:27 UeuSt2ug
【そういえば】
ナナバ「そんなこんなで結局甘いんだよ」
ミケ「それをナナバは許してしまったんだろう?」
ナナバ「リヴァイもそれで満足してて、癒されてるならいいのかなって思ったのさ」
エルヴィン「まぁ、普段からハンジの体調も気遣っているからな。もはやハンジが趣味なんだろう」
ナナバ「あっは! ハンジが趣味!」アハハ!
ミケ「あぁ……そうなのかもしれんな」
エルヴィン「リヴァイの為にも少しは自分の身を気にかけてほしいがな」
972 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:23:06 UeuSt2ug
ナナバ「それなんだよね。ま、あれはハンジの習性みたいなものだから難しいかもねぇ」
ミケ「諦めず言い続けるしかないな」
ナナバ「それもきっとリヴァイの趣味になりそうだ」クスクス
エルヴィン「ところで」
ミケ「?」
ナナバ「何?」
エルヴィン「いつからリヴァイがハンジを風呂に入れるのが当たり前になったんだ?」
ミケナナバ「「!!?」」
〆
973 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:23:38 UeuSt2ug
【刈り上げ】
ハンジ「はい、紅茶」カチャッ
リヴァイ「ん」
ハンジ「……」ジッ
リヴァイ「……」ズズズズ
ハンジ「リヴァイの」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「髪の下から手を入れます」グイッ
リヴァイ「……何がしたい」
974 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:24:02 UeuSt2ug
ハンジ「そのまま撫でます」ジョリジョリ
リヴァイ「……」
ハンジ「癒されます」ハァー
リヴァイ「疲れてんのか」
ハンジ「この感触いいよねぇ」ジョリジョリ
リヴァイ「……」ズズズズ
ニファ「……あれは、何をしてるのかな?」
モブリット「ハンジ分隊長が疲れて癒しを求めてるだけだよ」
〆
975 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:24:48 UeuSt2ug
【どさくさ】
リヴァイ「きったねぇな」
ハンジ「先ほど雪崩が起きまして」
リヴァイ「冬は終わったはずだが」
ハンジ「書類や資料は積もってたんだ」
リヴァイ「放っておいても溶けねぇぞ」
ハンジ「お願いします、助けてください」
お掃除リヴァイ「クソが」キュピーンッ+
ハンジ「はえぇぇ!!」
お掃除リヴァイ「ほら、やれ」
ハンジ「はーい」
976 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:25:25 UeuSt2ug
―――
――
―
ハンジ「あと少し……あっ!」
お掃除リヴァイ「あ?」
ハンジ「やっべぇ、提出しなきゃいけないやつだ」ピランッつ書類
お掃除リヴァイ「はぁ、行ってこい」
ハンジ「いいの?」
お掃除リヴァイ「もう終わる。あとはやっておく」
ハンジ「ありがとリヴァイ! 愛してる!」ダッ!
お掃除リヴァイ「…………」
お掃除リヴァイ「………………馬鹿が」
〆
977 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:26:05 UeuSt2ug
【春眠】
ハンジ「はぁー、間に合った間に合った」
ハンジ「リヴァイー……おぉ、綺麗になってる。リヴァイは……?」キョロッ
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ「おや、珍しくソファで横になって寝てる」
リヴァイ「……」スゥスゥ
ハンジ「…………ふふっ」ヒョイッ ←しゃがんだ
リヴァイ「……」…スッ
ハンジ「眉間のシワないなー」チョイッ
978 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:26:39 UeuSt2ug
――ガシッ!!
ハンジ「のわっ!?」ドサッ
リヴァイ「……寝てねぇよ」ギュッ
ハンジ「あははっ! 嘘だよ、ちょっと寝てたでしょ」クスクス
リヴァイ「書類出したか?」
ハンジ「うん」
リヴァイ「そうか……少し休め」
ハンジ「ふふふ、春は眠くなるねぇ」ギュッ
リヴァイ「そうだな」ナデナデ
〆
979 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:27:05 UeuSt2ug
【穏やかな風】
エルヴィン「書類を持ってきてくれたのはいいがサインを忘れているとは……」スタスタ
エルヴィン「ハンジ」コンコンッ
シーン……
エルヴィン「? ハンジ?」
エルヴィン「おかしいな……入るぞ、ハンジ」カチャッ
エルヴィン「……」キョロッ
エルヴィン「ハン……」
エルヴィン「!」
980 : ◆uSEt4QqJNo :2016/03/17(木) 22:27:44 UeuSt2ug
足(ソファ
エルヴィン「全く、ソファで……と」
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……」シィーb
エルヴィン「リヴァイ……」
窓|サワサワ……
エルヴィン「……ふっ、いい風だな」
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……」
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