ハンジ「戯れは」リヴァイ「終わらない」 前編
317 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/05(金) 22:42:37 OGvbnlrk
◇【彼女の私より】
――食堂――
ナナバ「調子はどう? ハンジ」
ハンジ「ナナバ……」
ナナバ「なんか疲れてるね」
ハンジ「ちっさいおじさんがいじめる」
リヴァイ「誰がちっさいおじさんだ」ズズズズ
ハンジ「リヴァイ」
リヴァイ「削ぐぞ、テメェ」カチャンッ
ハンジ「ナナバぁー」
ナナバ「随分仲良くなったみたいね」
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318 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/05(金) 22:43:01 OGvbnlrk
ハンジ「どこが仲良いんだよ」
ナナバ「この眼力で人を殺せそうなおじさんに怯まないところかな」
ハンジ「確かに目付きはあれだけど悪い人ではないようだし」
リヴァイ「……」ズズ…
ナナバ「ふぅん」
ハンジ「あ、そういえばリヴァイが私の彼氏って本当?」
リヴァイ「……」ゴフッ
ナナバ「……本当だけどあんまり言わないように」
ハンジ「なんで?」
ナナバ「あんた達の立場もあるからね。一部の人間以外は知らないんだよ」
ハンジ「そうなんだ」
リヴァイ「……」…ズズ
319 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/05(金) 22:43:33 OGvbnlrk
ハンジ「私達って仲良かった?」
リヴァイ「……」ブフッ
ナナバ「良かったよ。所構わずいちゃいちゃするくらい」
ハンジ「へ?」
リヴァイ「ゴホッ……ナナバ、テメェ嘘ついてんじゃねえ」カチャンッ
ナナバ「嘘なんかじゃないでしょ」
リヴァイ「覚えがねぇよ」
ナナバ「無自覚でいちゃいちゃいちゃいちゃしてたからねぇ」
リヴァイ「してねぇ」
ナナバ「無自覚はこれだから」ヤレヤレ
ハンジ「……」
ハンジ(二人仲良いなぁ)
〆
322 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/07(日) 22:30:23 QQFhtqJ.
◇【悲鳴】
パシュッ、ギュイィィィ……
ハンジ「おぉー! 凄い! 飛んでる飛んでる!!」
リヴァイ「あれが立体機動だ」
ハンジ「ほぇー」
リヴァイ「身体が覚えているとは思うがまずはバランスからやっていくからな」
ハンジ「はー」ボー
リヴァイ「あとはエルヴィンの所に行って終わりだ。行くぞ」
323 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/07(日) 22:31:22 QQFhtqJ.
ハンジ「すげぇ……」ボー
リヴァイ「おい、メガネ」ガシッ、グイッ
ハンジ「きゃっ!?」ビクッ
リヴァイ「!?」パッ
ハンジ「あ、あぁごめんなさい。いきなり腕掴まれたからびっくりして///」
リヴァイ「そ、うか。悪かった」
ハンジ「も、もう、行くんだね。行こうか」ギクシャク
リヴァイ「……そっちじゃねぇよ」
〆
324 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/07(日) 22:31:58 QQFhtqJ.
◇【別人】
エルヴィン「どうだった?」
ハンジ「ええっと……」
ミケ「すぐに思い出せるというものでもないだろう」
エルヴィン「そうだな。今日は案内だけだ。あとは部屋でゆっくりしていてくれ」
ハンジ「はい、分かりました」
リヴァイ「行くぞ」
325 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/07(日) 22:32:35 QQFhtqJ.
ハンジ「うん、待って」
パタンッ
エルヴィン「……」
ミケ「……まるっきり他人を見る目だな」
エルヴィン「仕方あるまい。彼女の中では赤の他人だ」
ミケ「リヴァイは辛いだろうな……」
エルヴィン「……そうだな」
〆
326 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/07(日) 22:33:13 QQFhtqJ.
◇【彼】
――ハンジ自室――
リヴァイ「夕飯時に迎えに来る。それまで部屋でも探索してろ」
ハンジ「リヴァイは?」
リヴァイ「俺は仕事だ。何かあったら研究室に来い。そこにいる。場所は覚えてるな?」
ハンジ「うん、大丈夫」
リヴァイ「じゃあな」
パタンッ
ハンジ「ふぅー。ちょっと疲れたな……」
ハンジ「あ! 机の絵姿、絵姿」パタパタ
ハンジ「これこ……れ……」カタッ
*リヴァイの絵姿*
327 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/07(日) 22:34:48 QQFhtqJ.
ハンジ「リヴァイ……」
ハンジ(やっぱり彼氏なのか……少なくともこれを飾るくらい私は好きだったんだよね)
ハンジ(なのになんにも思い出せないや)
ハンジ「……」
ハンジ(意外と優しい笑顔だったな……)
ハンジ(ちょっと分かりづらいけどちゃんと優しいし、こけかけたところを抱き止めてくれて……)
ハンジ「……凄い筋肉だったな」ボソッ
ハンジ「――っ!///」
ハンジ(違う!! そんなことはどうでもいい!!)ブンブン
ハンジ(えーっと、あとはその、いきなり手を繋がれて驚いたな。背のわりに大きな手で堅くて……)
ハンジ「暖かかった……」
ハンジ「……」
〆
328 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/07(日) 22:35:25 QQFhtqJ.
◇【安眠道具】
ハンジ「寝室……」カチャッ
*リヴァイくま*
ハンジ「……えっ? これリヴァイ? ぬいぐるみをリヴァイにしてるの? 何それ」
ハンジ「どんだけリヴァイ好きなんだよ」
ハンジ「ハッ!?」
ハンジ(もしかしてリヴァイの寝室にも私に似せたぬいぐるみがあったり……?)
ハンジ「……ぶふー!!」
ハンジ「あっははははははは!!! そんなのあったらイメージ崩壊甚だしい!! でも見たい!!」
ハンジ「あははははは!!」ギュッ
*リヴァイくま*グニョンッ
329 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/07(日) 22:35:57 QQFhtqJ.
ハンジ「あ、これ気持ちいい。なんかピッタリフィットする」
ハンジ「肌触りもいいなー」スリスリ
ハンジ「あー……なんか眠く……」スヤァ
―――
――
―
リヴァイ「……」
ハンジ「」スヤスヤ
*リヴァイくま*
リヴァイ「不安とかねぇのか、この馬鹿は」
〆
330 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/07(日) 22:39:11 QQFhtqJ.
◇【気を遣う】
――次の日――
ハンジ「よっ……」ギシッ
リヴァイ「バランスは大丈夫のようだな」
ハンジ「立体機動って気持ち良さそうだね」
リヴァイ「遊びじゃねぇぞ」
ハンジ「うん、分かってるけどさ」エヘヘ
リヴァイ「……壁の上に上がる許可をもらった」
ハンジ「えっ?」
リヴァイ「行くぞ」
ハンジ「うん」
331 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/07(日) 22:40:09 QQFhtqJ.
――壁の上――
ハンジ「うっわぁぁぁ!! 眺めいいー!!」
リヴァイ「俺達はこの壁から向こう、外へ遠征する」
ハンジ「はぁー……あ、」
壁|巨人「……」ジッ
ハンジ「あ……れは……」
リヴァイ「巨人だ」
ハンジ「……」
壁|巨人「あー……」ガリッ
332 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/07(日) 22:41:42 QQFhtqJ.
ハンジ「……っ」ゾクッ
リヴァイ「……」
ハンジ「怖い……ね」
リヴァイ「……戻るぞ」スッ
ハンジ「あ、うん」ギュッ
ハンジ(手をいきなり取らないで差し出してきた。昨日驚いたからかな)チラッ
リヴァイ「……」スタスタ
ハンジ「……」
ハンジ(ふふっ、いい人だなぁ)
〆
335 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/09(火) 22:29:39 T88sJm/.
◇【おとなしくない】
リヴァイ「今日はモブリットと行動してくれ。俺は立体機動の演習がある」
ハンジ「うん、分かったよ」
リヴァイ「……おとなしくな」
ハンジ「嫌だな。子供じゃないんだから。それにまだよく分からないから何もできないよ」
リヴァイ「まぁ、そりゃそうか。モブリット、頼んだ」
モブリット「はい!」
―――
――
―
336 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/09(火) 22:30:52 T88sJm/.
リヴァイ「――で、これはどういう状況だ?」ガチャッ
モブリット「猫が木の上にいると知って登られまして」
リヴァイ「枝のギリギリまでいって身動きできなくなったと」
モブリット「はい」
ハンジ「たーすけてぇぇ!! 枝が折れちゃうぅぅ!!!」
猫「にゃー」
リヴァイ「……前にも猫を捕まえに木に登ったことがあったな」
モブリット「その時は枝折れましたね」
リヴァイ「まだ立体機動の演習中で良かった」ガチャッ
モブリット「お呼び立てしてすみません。お願い致します」
リヴァイ「分かった」パシュッ
〆
337 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/09(火) 22:31:25 T88sJm/.
◇【本質】
ハンジ「あー、怖かった」
リヴァイ「おとなしくしておけと言っただろうが」
ハンジ「いやぁ、今にも落ちそうだったからつい」
リヴァイ「……本質は変わらねぇんだな」
ハンジ「えっ?」
リヴァイ「いや、なんでもねぇ」
ハンジ「立体機動って凄いね。早く使えるといいなぁ」
リヴァイ「また練習を見るか?」
ハンジ「うん! 見たい見たい!!」
リヴァイ「モブリット、悪いが付いてきてくれ」
モブリット「分かりました」
〆
338 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/09(火) 22:32:08 T88sJm/.
◇【才能】
パシュッ! ギュイィィ……!
ハンジ「おぉ……凄いね!」
モブリット「厳しい訓練を受けて、ある程度自在に操れるようになります。
また、調査兵団では命綱ですから訓練は怠りません」
ハンジ「そうなんだね……」
リヴァイ「オルオ! 出来るからといって先行するな! 今回は連携だろうが!」
オルオ「す、すみません!!」
ハンジ「うおぉ、上手くやってるように見えたけど厳しいね」
モブリット「連携に失敗するのも命取りですからね。一部の飛び抜けた力の持ち主は別ですが」
339 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/09(火) 22:32:37 T88sJm/.
ハンジ「飛び抜けた力?」
モブリット「リヴァイ兵長やミケ分隊長ですよ。個人の能力も遥かに高いですし、他を邪魔せず補助もできる方達です。
まぁ力のある者は基本討伐担当ですが」
モブリット「昔からいる、いわゆる古参と呼ばれる方達に多いんですよ」
ハンジ「へぇー」
モブリット「特にリヴァイ兵長は人類最強なんて言われるくらい凄いですよ」
ハンジ「えっ? あんなちっちゃいのに?」
モブリット「シィー!!!」パフッ
ハンジ「もがが!!」
モブリット「生き急がないでくださいよ!!」
〆
340 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/09(火) 22:33:03 T88sJm/.
◇【余計な事を】
ハンジ「リーヴァーイー!!」
モブリット「ハンジさん、待ってください!!」
リヴァイ「ちゃんと面倒見てろ、モブリット」
モブリット「記憶無くしててもアクティブすぎますよ! この人!」
ハンジ「ねぇ、リヴァイが飛んでるところ見たい!!」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「立体機動装置つけてるからいいでしょう? 見たい!」
リヴァイ「さっき見ただろう」
ハンジ「あれは木から下りれなくなった私を下ろしただけだろ。ちゃんとした立体機動を見たいんだ!」
341 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/09(火) 22:33:32 T88sJm/.
リヴァイ「……」
ハンジ「聞いたよ! 貴方、人類最強とか言われてるんだって?」
リヴァイ「……」ジロッ
モブリット「……」フイッ 目線→
ハンジ「そんな風に言われてるって事は物凄いって事だよね!? 見たい!!」キラキラ
リヴァイ「……」
リヴァイ(昔、追いかけ回されてた時の事を思い出すな……)シワー
ハンジ「他の人でさえ凄かったのに貴方はどれだけ凄いんだろうねぇー」ワクワク
リヴァイ「……」
リヴァイ(まぁ、何かに夢中な方がコイツらしいか)
〆
342 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/09(火) 22:34:13 T88sJm/.
◇【風のように】
パシュッ! ギュイィィ!!
ハンジ「うおっ!? 速ぇ!! なんだあれ!?」
オルオ「リヴァイ兵長、さすがです!!」
ペトラ「本当に凄い!!」
グンタ「どうやったらあれだけ素早く動けるんだろうな」
エルド「俺本気出した兵長に付いていけなかったなー」
ネス「あいつに付いていくのは無理だろ」
343 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/09(火) 22:34:57 T88sJm/.
ハンジ「わっ、なんか人集まって来たね」
モブリット「リヴァイ兵長が立体機動をするとこんなもんですよ。みんな見たがるんです」
ハンジ「へぇ、人気者だねぇ」
ギュイィィ……ギュルル、ザシュッザシュッ!!
ハンジ「……」
オルオ「おぉ、あの角度から一気に二つも!!」
グンタ「すげぇな」
ハンジ「…………綺麗」ボソッ
〆
346 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/12(金) 22:35:41 nD2tPmVA
◇【芽生える】
――夜:ハンジ自室――
ハンジ「……」ゴロンッ
ハンジ(リヴァイの立体機動、凄かったなぁ。誰よりも綺麗だった。鳥みたい)
ハンジ(私もあんな風に飛べるかなぁ)
ハンジ(あ、いや、無理か。リヴァイは特別凄い人みたいだし)
ハンジ(そんな人が私の恋人なのか……)
ハンジ「……」
ハンジ(早く……思い出したい……な)ゴロンッ
ハンジ(みんな……それを……望んでる)
ハンジ(頑張らない……と)トロンッ
ハンジ(早く……あの人の……隣に立ち……たい……)…スー
〆
347 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/12(金) 22:36:08 nD2tPmVA
◇【恐怖】
ハンジ「立体機動!」ワクワク
リヴァイ「いきなりスピード出すなよ?」
ハンジ「うん!」
リヴァイ「返事だけはいいな。やってみろ」
ハンジ「うりゃっ!!」パシュッ!!
モブリット「わっ、上手く操作できてますね」
リヴァイ「身体は覚えてるようだ。だが完璧じゃねぇ」
モブリット「確かに少々危ういですね」
ハンジ「ひゃっほーい!!」パシュッ!!
ハンジ「!? あ」スカッ
348 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/12(金) 22:36:32 nD2tPmVA
リヴァイ「!?」パシュッ!!
モブリット「アンカーをはずした!? 落ちる!!」
ハンジ「い、きゃあぁぁぁ!!!」
ハンジ(やばい! 死ぬ! 死ぬ!! 死ぬ!!!)
――ヒュンッ!! ガシッ!
ハンジ「――っは」
リヴァイ「……このクソメガネが! お前――」スタッ
ハンジ「リ、リヴァ……」ガタガタ
リヴァイ「……っ」
ハンジ「こ、怖かっ……」ブルブル
349 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/12(金) 22:36:59 nD2tPmVA
リヴァイ「……」フゥー
ハンジ「リヴァ……イ?」ガタガタ
リヴァイ「もう大丈夫だ……怪我はねぇか?」ギュッ
ハンジ「……っ、うん」ギュッ
リヴァイ「そうか。楽しいからといって無闇に操作をするな。下手をすれば死ぬ」
ハンジ「ごめん……なさい」
リヴァイ「反省したならいい」スッ
ハンジ「……リヴァイ」
リヴァイ「……次は気をつけろ」ポンッ
ハンジ「うん……」
〆
350 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/12(金) 22:37:44 nD2tPmVA
◇【息抜き】
ナナバ「ハンジはどう?」
リヴァイ「今は自室で資料や本を読んでる」
ナナバ「立体機動中に落ちかけたって?」
リヴァイ「ああ。……肝が冷えた」
ナナバ「……記憶は?」
リヴァイ「さっぱりだな」
ナナバ「そっか……」
リヴァイ「今度街にでも連れ出してやってくれ」
ナナバ「私が?」
351 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/12(金) 22:38:27 nD2tPmVA
リヴァイ「お前の方がいいだろ」
ナナバ「んーまぁそうだね。たまには女同士もいいかもしれないな」
リヴァイ「……少し休ませてやってほしい。気負っているようだからな」
ナナバ「そんなつもりはなくてもせっついてるように見えるだろうね……」
リヴァイ「気分転換させておいてくれ」
ナナバ「分かったよ。普通に遊んでくるさ」
リヴァイ「……好きに使え」スッ
ナナバ「! わぁお、太っ腹だね」
リヴァイ「頼んだ」
ナナバ「了解」
〆
352 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/12(金) 22:38:52 nD2tPmVA
◇【少し違う】
ハンジ「街かぁ。何着ようかなー」ガタッ
ハンジ「うーん……」
ハンジ「ズボンだらけだな。おっ」
ハンジ「スカートあった! これとー、ブラウスとー」フンフフーン♪
ハンジ「髪はこれでよし、と」
コンコンッ
ハンジ「はーい!」ガチャッ
リヴァイ「ハンジ、今日だ……が……」
ハンジ「あ、街に行っていいんでしょ? ナナバと一緒だよね?」
353 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/12(金) 22:39:16 nD2tPmVA
リヴァイ「……ああ」
ハンジ「これどう? あんまりスカートとかなかったけど似合う?」ヒラッ
リヴァイ「……」
――『なんかヒラヒラで落ち着かないからね』
リヴァイ「……」
ハンジ「リヴァイ?」
リヴァイ「ああ……悪くない」
ハンジ「何それー」
リヴァイ「……ナナバが門で待ってる」
ハンジ「もうこんな時間! いってきます!」
リヴァイ「……ああ」
〆
354 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/12(金) 22:39:39 nD2tPmVA
◇【知らない】
――街――
ハンジ「ねぇねぇ、これ似合わない?」ヒラッ
ナナバ「スカート? 似合ってるよ」
ハンジ「リヴァイがさー“悪くない”としか言わなくて……」
ナナバ「あぁ、それ“似合ってる”って意味だよ」
ハンジ「へ?」
ナナバ「あいつの“悪くない”は大体が良いって意味だよ」
ハンジ「そうなんだ……」
ナナバ「あいつの事を私がハンジに教えるって変な感じだね……」ボソッ
ハンジ「えっ?」
355 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/12(金) 22:40:13 nD2tPmVA
ナナバ「なんでもないよ。それより何か食べない? 軍資金はあるからなんでもいいよ」
ハンジ「軍資金?」
ナナバ「リヴァイからね」
ハンジ「うわぁ、悪いなぁ」
ナナバ「いいんだよ。紅茶と掃除道具にしか使ってないし……たまに紅茶を経費で落としてたりするんだし」
ハンジ「そういやよく紅茶飲んでるね。好きなんだ?」
ナナバ「そ、でもって潔癖だから掃除道具」
ハンジ「潔癖なんだ」
ナナバ「部屋に行かなかった? 居心地悪いくらい綺麗だよ」
ハンジ「そうなんだ」チクッ
ハンジ(……っ、なんか……私の知らないリヴァイばっかりだ……)
〆
360 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/15(月) 22:35:02 .5/10/h6
◇【お礼だから!】
ナナバ「美味しかったね。何か見たいものある?」
ハンジ「そうだな……リヴァイになんかおみやげ買いたいな」
ナナバ「! ほ、ほー」ニヤニヤ
ハンジ「な、なんだよ」
ナナバ「いいやぁー?」ニヤニヤ
ハンジ「ニヤニヤやめろ!/// お世話になってるからお礼も兼ねてだよ!」
ナナバ「ふふっ、そっかそっか。じゃあ何にしようか? 紅茶?」
ハンジ「うーん……でもこれリヴァイのお金だしなぁ」
ナナバ「買った紅茶淹れてあげれば?」
ハンジ「それだけじゃ……あ」
ナナバ「ん?」
361 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/15(月) 22:35:57 .5/10/h6
ハンジ「毛糸……マフラーでも編もうかな。寒くなってきたし」
ナナバ「編み方覚えてる?」
ハンジ「……なんとか」
ナナバ「じゃあ、そうしようか。何色かな」
ハンジ「モスグリーン!」
ナナバ「即決だね」
ハンジ「緑が似合うと思うんだ! 明るいより少し暗めの」
ナナバ「うん、いいと思うよ」
ハンジ「だよね! 編み棒も買わないと!」キラキラ+
ナナバ「……」
ナナバ(ただの女って感じだね)クスッ
ハンジ「ナナバ! 早く!」
ナナバ「はいはい」
〆
362 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/15(月) 22:36:33 .5/10/h6
◇【来訪】
ハンジ「ふんふふーん」アミアミ
ハンジ「ふむ、編み方覚えてるな」
ハンジ「全生活史健忘か」
ハンジ「多分思い出せるよね……」
ハンジ「……」
ハンジ「……思い出したら“今の私”はどうなるのかな」
ハンジ「“ハンジ”に組み込まれる? それとも……」
――コンコンコンッ
ハンジ「あ、はーい」
ガチャッ
ハンジ「リヴァイ。どうしたの?」
363 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/15(月) 22:37:45 .5/10/h6
リヴァイ「明かりが漏れていたから寄った。何をしていたんだ?」
ハンジ「えっ? あぁ、ちょっと編み物してて……あ」
リヴァイ「編み物?」
ハンジ「あー、えっと、そのぅ……リヴァイに……お礼を、と///」モジモジ
リヴァイ「……」
ハンジ「出来上がるまで黙っておくつもりだったんだけど」ハァー
リヴァイ「口が滑ったか」
ハンジ「あー、しまったよ」
リヴァイ「少しの間、見ててもいいか?」
ハンジ「へ? ま、まぁもうバレちゃったからいいけど」
リヴァイ「そうか、邪魔するぞ」
ハンジ「うん……」
〆
364 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/15(月) 22:38:47 .5/10/h6
◇【ふとした笑み】
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「……」アミアミ
ハンジ(……や、やりづらい)
リヴァイ「……今日はどうだった」
ハンジ「へ? あ、あぁ、楽しかったよ。ナナバとおしゃべりしたり色んなお店覗いたりしてさ!」
リヴァイ「そうか」フッ
ハンジ「――っ///」
ハンジ(不意打ちのように笑うのやめてよね! 心臓に悪い!!)
365 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/15(月) 22:39:23 .5/10/h6
ハンジ「そ、そういえばナナバに軍資金とか渡してたみたいだね。ありがとう」ニコッ
リヴァイ「……それはその礼か」
ハンジ「うん。他にも色々お世話になってるし……元々リヴァイのお金だからなんか違うかもしれないけど」
リヴァイ「いいや。それはお前しか作れないものだからな」
ハンジ「編み方さえ覚えれば誰でも作れるよ」
リヴァイ「お前が編んだものはお前にしか作れねぇだろ」
ハンジ「……確かに」
リヴァイ「俺に作ってくれているというだけでもありがたい」
ハンジ「そ、そう……なら良かったよ///」アミアミ
〆
366 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/15(月) 22:40:22 .5/10/h6
◇【これはこれで】
ハンジ「……」アミアミ
リヴァイ「……」ジッ
リヴァイ(こうやって見ているとただの女だな……いや、女に違いはないが)
ハンジ「……」モジモジ
リヴァイ「……」ジッ
リヴァイ(いつもと様子が違うな)
ハンジ「……ね、ねぇ」
リヴァイ「なんだ?」
ハンジ「そ、そんなに見ないでよ」
リヴァイ「……何故だ?」
367 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/15(月) 22:40:47 .5/10/h6
ハンジ「なんか……恥ずかしいから。ねぇ、見ないで」
リヴァイ「断る」
ハンジ「――っ、照れるからっ」サッ
リヴァイ「顔を見せろ」
ハンジ「……嫌だ」
リヴァイ「……」ガタッ
ハンジ「……」ビクッ
リヴァイ「……隠すな」グイッ
ハンジ「あ……」
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「――っ///」
リヴァイ(悪くない、な)
〆
368 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/15(月) 22:41:39 .5/10/h6
◇【やりすぎた】
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「ね、リヴァイ……」
リヴァイ「……」サラッ
ハンジ「――っ」ビクッ
リヴァイ「……」ナデ…
ハンジ「――っや、やめてくれ!」
リヴァイ「……」ピタッ
ハンジ「今の私はあなたの恋人じゃない! あなたを好きなわけじゃないんだ!」
リヴァイ「――っ」
ハンジ「あっ……」ハッ
リヴァイ「……」
369 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/15(月) 22:42:24 .5/10/h6
ハンジ「ご、ごめんなさい」ズキッ
リヴァイ「何故謝る。本当の事だ、気にするな。俺の方こそ悪かった」
ハンジ「そんな……こと」
リヴァイ「……戻る。邪魔した」
ハンジ「う、うん」
パタンッ
ハンジ「……」
ハンジ(凄く傷ついた顔してた)ズキズキ
ハンジ「…………」
ハンジ(好きなわけじゃないなんて……嘘、なのに……)
ハンジ「リヴァイ……ごめん」
〆
372 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/17(水) 22:33:45 Nchj9SU6
【惑う】
ハンジ『今の私はあなたの恋人じゃない! あなたを好きなわけじゃないんだ!』
リヴァイ(…………少し触りすぎたか)
リヴァイ「……」
リヴァイ(まだあんな目で見やがる……いや、初めより幾分親しみはある)
リヴァイ(だがあんな目じゃない。アイツが俺を見る目は……あんなじゃねぇ)
リヴァイ「……」クシャッ
リヴァイ(せめて……せめて俺のことだけでも……)
373 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/17(水) 22:34:22 Nchj9SU6
リヴァイ「…………っ」
リヴァイ(そうじゃねぇだろ……それじゃダメだろうが)ガシガシ
リヴァイ「チッ、情けねぇ」
リヴァイ「……」
リヴァイ(なんであんな所に記憶を落っことしてきやがった。あそこに行けば拾い戻せるのか?)
リヴァイ「……はっ」
リヴァイ(そんなわけねぇだろ。どこまで馬鹿だ、俺は)
リヴァイ(…………ハンジ)
リヴァイ「……………………戻ってこい」
〆
374 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/17(水) 22:35:00 Nchj9SU6
◇【似た者】
ナナバ「リヴァイが忙しくなったからしばらくの間、私が世話役だよ」
ハンジ「そうなんだ……よろしく」ニコッ
ナナバ「喧嘩したみたいね?」
ハンジ「喧嘩……ううん、違う」フルフル
ナナバ「?」
ハンジ「私が一方的にリヴァイを傷つけただけだよ……」
ナナバ「……」
―――
――
―
375 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/17(水) 22:36:10 Nchj9SU6
ナナバ『私に世話役代われってどうしたのさ』
リヴァイ『一時だ』
ナナバ『何かしたの?』
リヴァイ『……』
ナナバ『全く……まぁいいけどね』
リヴァイ『助かる』
ナナバ『でも一時だよ? 放置しすぎて他の男に言い寄られたり目移りされても知らないからね』
リヴァイ『……だからお前に頼んだ』
ナナバ『……その辺も見ろってか。そういやハンジに恋人だって言ってたよね。そういう意図もあったんだ?』
リヴァイ『……』
ナナバ『……忘れられて言うのが怖いとか思わなかったの? 拒絶されたらとか』
リヴァイ『……少しは思ったが……他にくれてやる気がしなかった』
ナナバ『……』ヒュゥー♪
リヴァイ『茶化すな』
ナナバ『茶化しちゃいないよ。感心しただけさ』
376 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/17(水) 22:36:48 Nchj9SU6
リヴァイ『はっ……』
ナナバ『ま、私もハンジがあんた以外に連れてかれるのを見たくなくなっちゃってるから丁度いいよ』
リヴァイ『なんだそれは』
ナナバ『さぁね。よくわからないけどそうであるといいと願うよ』
リヴァイ『……』
ナナバ『だから早く仲直りしなよ』
リヴァイ『……喧嘩したわけじゃねぇ』
ナナバ『はいはい』
リヴァイ『……』チッ
―――
――
―
ナナバ「お互いに自分が悪い、ねぇ。真逆のようで底は似た者同士だよ、あんたら」
ハンジ「?」
〆
377 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/17(水) 22:37:24 Nchj9SU6
◇【誰?】
――ハンジ自室――
ハンジ「……」アミアミ
ハンジ(早く完成させよう……そしてお礼言って、謝って……)アミアミ
ハンジ「……」アミ…
ハンジ「忙しい、か」
ハンジ(リヴァイにしばらく会えないのか……)
378 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/17(水) 22:37:56 Nchj9SU6
ハンジ(これって避けられてる、よね?)
ハンジ「……」
ハンジ「私があんなこと言ったから……」
ハンジ「彼なりに気を遣ってくれたり、優しくしてくれてたのに……私に…………私に?」
ハンジ「――っ!」ハッ!?
ハンジ「……彼が優しくしてたのは……誰? あの時、彼は……“誰”を見て……“誰”に手を伸ばした?」ゾクッ
ハンジ「彼が、求めたのは…………」
〆
379 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/17(水) 22:38:51 Nchj9SU6
◇【怯え】
ナナバ「おはよう、ハンジ」
ハンジ「おはよう……」
ナナバ「どうしたの? 元気がないね」
ハンジ「昨日なんだか眠れなくてね」
ナナバ「……あんまり考え過ぎないようにね。リヴァイだって分かってるさ」
ハンジ「うん……」
ハンジ(ごめん、ナナバ……違うんだ。リヴァイの事ではあるけど……今、私は別の事で……)
380 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/17(水) 22:39:22 Nchj9SU6
ハンジ「……」
ハンジ(……が……怖い)
ナナバ「ハンジ?」
ハンジ「!!」ハッ!!
ナナバ「本当に大丈夫?」
ハンジ「だ、大丈夫さ! ちょっと考え事をね! この前中庭で見つけたカエルが気になって!」
ナナバ「熱中し過ぎないでよ? 部屋中カエルだらけとか嫌だからね」
ハンジ「えぇー」
ナナバ「やる気だったの……」
〆
381 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/17(水) 22:40:16 Nchj9SU6
◇【名前】
――ハンジ自室:寝室――
ハンジ「……」
ハンジ(みんな優しい)
ハンジ(親しげな笑顔で、態度で接してくれる)
ハンジ(でも……それは“誰”に対して?)
ハンジ「……」ゴロンッ
『分隊長』
『ハンジ分隊長』
382 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/17(水) 22:40:57 Nchj9SU6
『ハンジさん』
『ハンジ』
ハンジ「……」
ハンジ(親しみを込めて呼ばれる)
ハンジ(何故かそれだけはしっくりきてて……すんなり受け入れられた)
ハンジ(ハンジ・ゾエ)
ハンジ「私の名前……」
ハンジ「……!」ガバッ
ハンジ「……リヴァイは…………」
〆
385 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/20(土) 22:31:17 dV.998fE
◇【でばがめ】
――数日後――
ハンジ「あ、リヴァイ」
リヴァイ「……メガネ」
ハンジ「えっと、久しぶりだね」ヘヘッ
リヴァイ「数日しか経ってねぇ」
ハンジ「そうだけど退院してからほぼ毎日一緒だったから……」
リヴァイ「……」
ハンジ「まだ、忙しいの?」
リヴァイ「……いや、もう忙しくなくなる」
ハンジ「そっか、じゃあナナバと交代かな?」
リヴァイ「そうなるな」
386 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/20(土) 22:31:57 dV.998fE
壁|ナナバ「おや、ハンジに……リヴァイ」ピタッ
ミケ「どうした」
エルヴィン「いきなり止まると危ないぞ」
壁|ナナバ「しぃー」コソッ
ミケエルヴィン「「??」」
ハンジ「……」
リヴァイ「……」
ハンジ「…………嫌かい?」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「私の傍は嫌なんだろう?」
リヴァイ「お前、何を……?」
387 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/20(土) 22:33:00 dV.998fE
ハンジ「私が貴方の“ハンジ”じゃないから?」
リヴァイ「――っ」
ハンジ「貴方を好きな“ハンジ”じゃないから嫌になった?」
リヴァイ「おい、メガネ……」
ハンジ「――ハンジだよ!!!」
リヴァイ「――っ」
ハンジ「メガネじゃない! “私”はハンジ! 私だって“リヴァイのことが好きなハンジ”だよ!!」
リヴァイ「!?」
ハンジ「私だって……」ギリッ
リヴァイ「ハ…………っ」グッ
388 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/20(土) 22:34:19 dV.998fE
ハンジ「……リ……ヴァイなんか」
リヴァイ「……」
ハンジ「リヴァイなんか大っ嫌いだあぁぁ!!」ウワァァン!!
リヴァイ「!!?」
ハンジ「うわあぁぁぁ!!」
リヴァイ「――――」
壁|ナナバ「……あちゃぁ……リヴァイ、目ぇ見開いたまま固まってるよ」コッソリ
壁|ミケ「あれは狼狽えているな」ヒッソリ
壁|エルヴィン「珍しく相当狼狽えているな」ソロリッ
〆
389 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/20(土) 22:35:03 dV.998fE
◇【女の力】
ハンジ「リヴァイのバーカ!! 刈り上げ野郎ぉぉ!!!」ダッ!
ダダダダダ……
リヴァイ「おい……それ悪口か?」
ナナバ「……そんなこと言ってる場合?」コツッ
リヴァイ「……ナナバ」
ナナバ「名前、呼んであげなよ」
リヴァイ「……」
390 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/20(土) 22:36:49 dV.998fE
ナナバ「……リヴァイはさ、常に女のハンジに戸惑っているだけでしょ?
私もそうだったからわかるよ。しかもあの目にずっとさらされてキツかっただろう?」
リヴァイ「……」
ナナバ「でも、目はともかく、“ハンジ”もあんたの前では女だったんじゃないの?」
リヴァイ「――っ」ハッ!?
ナナバ「……ハンジは任せといて。あんたも落ち着いたら来な」スタスタ
リヴァイ「…………」
壁|ミケ「……出にくいな」
壁|エルヴィン「完全にタイミングを逸したな」
〆
391 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/20(土) 22:37:25 dV.998fE
◇【混乱】
――ハンジ自室――
布団の塊「うー……」
ナナバ「ハンジ」ソッ
ハンジ「うー……」
ナナバ「……やっぱりリヴァイのこと好きだったんだね」ナデ…
ハンジ「う」ピクッ
ナナバ「マフラー、お礼だけじゃないよね。込めてる気持ちは」
ガバッ!!
392 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/20(土) 22:37:53 dV.998fE
ナナバ「おっと」
ハンジ「な、なん」///
ナナバ「何その反応。思いっきり告白してたくせに」
ハンジ「こくはく……?」
ハンジ「……――――」
ハンジ「!!!?///」
ナナバ「えっ、今更?」
ハンジ「いっやぁぁぁ!! リヴァイと顔合わせらんないっっ!!!///」ガシガシ
ナナバ「大丈夫大丈夫」
ハンジ「大丈夫なもんかぁぁ!!!///」
〆
393 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/20(土) 22:38:28 dV.998fE
◇【説得】
ハンジ「あぁ、もう最悪だ……」
ナナバ「ハンジ」
ハンジ「ナナバ……どうしよう……私、物凄い面倒臭い奴だ。
好きって言いながら大嫌いとか言っちゃってるし……ああもう!」ガシガシ
ナナバ「……リヴァイに好きになってほしいからそうなってるんでしょう?」
ハンジ「――っ/// そ、れは……」
ナナバ「大丈夫だよ」
ハンジ「…………大丈夫じゃないよ」
ナナバ「どうして?」
ハンジ「私は“ハンジ”じゃない」
ナナバ「ハンジだよ」
394 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/20(土) 22:39:10 dV.998fE
ハンジ「違うよ!」
ナナバ「違わない」キッパリ
ハンジ「――っ」
ナナバ「リヴァイを信じてあげな」
ハンジ「……ナナバ」
ナナバ「目付きと口の悪い男だけどあんたが心底惚れてた男だ。信じて」
ハンジ「……」
ナナバ「きっと大丈夫」
ハンジ「そんなに……リヴァイを信用しているんだね」
ナナバ「信用してるのはあんただよ」
ハンジ「へ?」
ナナバ「記憶があろうがなかろうが私はハンジ・ゾエを、あんたを信じてる。あんたの見る目を」
395 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/20(土) 22:39:58 dV.998fE
ハンジ「ナナバ……」
ナナバ「自分も信じてあげなよ、ハンジ」
ハンジ「……」
――コンコンコンッ
ナナバ「おっ、刈り上げ野郎のお出ましだね」
ハンジ「!!」ビクッ
ナナバ「ハンジ」
ハンジ「……話をしないと始まらない、よね?」
ナナバ「今のあんたも知ることが好きでしょう? 知らないままでいいの?」
ハンジ「………………嫌だ」
ナナバ「ふっ、そうこないと」
〆
396 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/20(土) 22:40:34 dV.998fE
◇【呼んで】
ナナバ「じゃ、ごゆっくり」
パタンッ
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
リヴァイ「…………ハンジ」
ハンジ「!」ビクリッ
リヴァイ「悪かった」
ハンジ「……」
リヴァイ「名前」
ハンジ「……うん」
397 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/20(土) 22:41:12 dV.998fE
リヴァイ「思い出してほしいという気持ちが強かったのだと思う」
ハンジ「それは……分かるよ。仕方ない」
リヴァイ「それでも区別するようなことではなかった」
ハンジ「……」
リヴァイ「すまない」
ハンジ「これからはちゃんと名前で呼んでくれるんでしょ?」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「ああじゃなくて」
リヴァイ「分かってる……ハンジ」
ハンジ「――うん!」
〆
400 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/22(月) 22:19:27 3l1oTsFQ
◇【私は……】
ハンジ「……ごめんね、リヴァイ」
リヴァイ「何故お前が謝る」
ハンジ「私の記憶が中々戻らないのって私の所為かもしれない」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「思い出す、のが、怖い」
リヴァイ「ハンジ?」
ハンジ「だって思い出したら“私”はどうなるの?」
リヴァイ「……」
ハンジ「ナナバは私を“ハンジ”だと言ってくれたけど……私は“ハンジ”じゃない」
リヴァイ「いや……お前はハンジだ。行動力がありすぎて好奇心もありすぎて集中しすぎて考えすぎるところも変わりがない」
401 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/22(月) 22:20:04 3l1oTsFQ
ハンジ「……それ褒められてるかな?」
リヴァイ「一応な」
ハンジ「一応かよ」
リヴァイ「おそらく、だが、お前は兵士であるために無意識に女であるお前を隠していた。
記憶を失ったことでお前が表に出てきたんだろう」
ハンジ「私が……?」
リヴァイ「ああ。だから、お前はハンジだ、別人じゃない」
ハンジ「私は、ハンジ……」
リヴァイ「情けねぇことに他の奴に言われて気づいたが……女のお前は俺がよく知っている」
ハンジ「リヴァイ、が?」
リヴァイ「ああ、お前を知ってる……知っていた。だから怖がるな。俺の前にお前はいつもいる」
402 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/22(月) 22:20:48 3l1oTsFQ
ハンジ「消えちゃわない?」
リヴァイ「消えない」
ハンジ「……ねぇ、リヴァイ」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「私のこと、好き?」
リヴァイ「……っ…………ああ」
ハンジ「そっか……ふふっ、うん。私も好きだよ、リヴァイ」
リヴァイ「そりゃ……良かった」
ハンジ「そこは“悪くない”じゃないんだ」クスクス
リヴァイ「たまにはな」
ハンジ「あはは! なんだよ、それ」アハハハ!
〆
403 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/22(月) 22:21:35 3l1oTsFQ
◇【ハンジ】
ハンジ「はぁ、なんか安心した。よくわかんないけどほっとしちゃったよ」
リヴァイ「そうか」
ハンジ「うん。思い出せるようもっと頑張るよ」
リヴァイ「無理はするな」
ハンジ「大丈夫」
リヴァイ「……ハンジ」
ハンジ「何?」
リヴァイ「……触れていいか?」
404 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/22(月) 22:22:15 3l1oTsFQ
ハンジ「へ?」
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「う、うん……」
リヴァイ「……」スッ
ハンジ「……」ピクッ
リヴァイ「……」ナデ…
ハンジ(うぅ……頬撫でられてる……リヴァイが近い……照れる)
リヴァイ「そういう顔もしていた」
ハンジ「へ?」
405 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/22(月) 22:22:43 3l1oTsFQ
リヴァイ「俺の前でだけだ」ナデ…
ハンジ「――っ」
リヴァイ「ハンジ……」グッ
ハンジ「あ……」
リヴァイ「――――」
ハンジ「ん……」
リヴァイ「っ……その顔も」
ハンジ「……はぁ……リヴァイ」
リヴァイ「俺だけの――――」
〆
406 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/22(月) 22:23:17 3l1oTsFQ
◇【限界】
リヴァイ「……」
ハンジ「ん……」
ハンジ(なんだろう……これ知ってる)
リヴァイ「――――」ヌルッ
ハンジ「!?」ビクッ
ハンジ(し、舌入ってきた!)
リヴァイ「――――」ヌチュッ
ハンジ「んん……」
ハンジ(何これ何コレ!?)
リヴァイ「は、――――」クチュッ
ハンジ「ふ、んんっ」
ハンジ(離されたと思ったら塞がれたー!!)
407 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/22(月) 22:23:55 3l1oTsFQ
リヴァイ「――――」
ハンジ「ん……」
ハンジ(長い……なんかクラクラする)
リヴァイ「――――」ヌチュッ
ハンジ「ん、んん……」
ハンジ(ちょっ、も、もう無理……)
ズルッ
リヴァイ「――っ、おい」ガシッ
ハンジ「」///キュゥ
リヴァイ「ハンジ? おい、ハンジ!」
ハンジ「」///キュゥー
〆
408 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/22(月) 22:24:22 3l1oTsFQ
◇【これは……】
ハンジ「手加減、手加減ってものをしようよ」ハァハァ ←ソファにいる
リヴァイ「悪かった」
ハンジ「あなたはなんでそういきなり手加減なしでくるかな? “前”もこうやって酸欠にしてくれたよね」ハァー
リヴァイ「……色々と我慢を強いられた後だったからな、その時……も?」
ハンジ「ん?」
リヴァイ「お前、クソメガネ、思い出したのか?」
ハンジ「だからハンジだってば! 思い出したって何を?」
リヴァイ「今言っただろう。“前”に、と」
ハンジ「えっ? あ……あ!」
409 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/22(月) 22:24:48 3l1oTsFQ
リヴァイ「ハンジ?」
ハンジ「ううーん……ごめん、なんとなく以前もこうされた感覚がパッと浮かんだだけで思い出したわけじゃ……」
リヴァイ「そうか……」
ハンジ「な、なんかごめんね」
リヴァイ「いや………………」フム?
ハンジ「? どうしたの?」
リヴァイ「今まで欠片も思い出せなかったものが今ので感覚だけでも思い出せたんだよな?」
ハンジ「えっ? い、いや、なんか見覚えがとかそういうのはあったよ、他にも!」
リヴァイ「試す価値はあると思うが……?」ズイッ
ハンジ「な、何をだよ!? ちょっ、リヴァイ近い! 狭い! ソファが狭いからー!!」
〆
410 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/22(月) 22:25:26 3l1oTsFQ
◇【刺激】
ハンジ「だ、だからリヴァイ、近いからっ!」
リヴァイ「医者が言っていたんだが……」ズズイッ
ハンジ「ひゃあぁ! 近い近い! 近すぎる! 腰を抱かないで!!///」
リヴァイ「ハンジ」グッ
ハンジ「ひぅっ! み、耳傍で話さないで!///」ビクッ
リヴァイ「記憶を取り戻すには“刺激”が必要らしい」ボソッ
ハンジ「や……そ、そういう“刺激”って意味じゃないと思うよ?」
リヴァイ「ほぅ? どういう“刺激”だと思ったんだ?」グッ
ハンジ「ひゃうっ!? み、耳に唇引っ付いちゃってるからっ……ぁ」
リヴァイ「……答えろ、ハンジ」
ハンジ「ふ、ぅっ……や」ビクンッ
411 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/22(月) 22:26:29 3l1oTsFQ
リヴァイ「ハンジ」チュッ…ツー…
ハンジ「首……やめっぁっ」
リヴァイ「ハンジ」レロッ…
ハンジ「あ、あぁっ……んっ」ピクッ
リヴァイ「あぁ……その声も俺しか知らない」ツー…
ハンジ「んぁっ……や……」
リヴァイ「ハンジ……」サワッ
ハンジ「――だっ」ビクンッ
リヴァイ「……ハンジ」ツ、
ハンジ「ダメだぁぁぁぁぁ!!!////」
リヴァイ「!?」
ハンジ「ま、ままままま待ってよ! おおお落ち着いてよ、リヴァイ!!!///」グイッ
リヴァイ「……落ち着くのはお前の方だと思うが」
〆
414 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/24(水) 22:20:10 LraryUGk
【逃げてっ】
ハンジ「そ、そりゃ、こ、恋人だったんだからそういう……こともしてたんだろうけど、
今の私には刺激が強すぎると言いましょうか……///」ワタワタ
リヴァイ「妙な話し方をするな。刺激が強いなら好都合じゃねぇか」ズイッ
ハンジ「ぎゃあぁぁ!!/// 待って、待って! 迫ってこないで!」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「なんだじゃねぇし!/// 心の準備ってものがあるんだよ!」
リヴァイ「ほう……そりゃいつ整う?」
ハンジ「う……い、一ヶ月後とか?」
リヴァイ「待てねぇな」ズイッ
ハンジ「うっぎゃあぁぁ!!/// 分かった! もう少し早めるからっ! 今日は勘弁してぇ!!」
リヴァイ「……いつだ」
ハンジ「ええーっと、ええっと、えっと、」
リヴァイ「遅い」ズイッ
415 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/24(水) 22:20:55 LraryUGk
ハンジ「わあぁぁぁ!!/// い、一週間後で!!」ギュッ ←目を瞑った
リヴァイ「……」
ハンジ「~~~~っ///」
リヴァイ「……」フム
ハンジ「……? リ、リヴァイ?」ソロー
リヴァイ「分かった。一週間後だな」スッ
ハンジ「ほぇ?」
リヴァイ「一週間後にお前を抱く」
ハンジ「!!?///」
リヴァイ「逃がさねぇからな」
ハンジ「――――///」
リヴァイ「それまで精々、心の準備とやらをしておけ」ポンッ
ハンジ「!」ビクッ
リヴァイ「……安心しろ、はじめは無茶をしない」ナデナデ
416 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/24(水) 22:21:24 LraryUGk
ハンジ「う……うん……///」
リヴァイ「……」クイッ
ハンジ「あ……」
リヴァイ「――――」
ハンジ「ん……」
リヴァイ「……今日のところはこれで勘弁してやる」ポンッ
ハンジ「……っ///」
リヴァイ「じゃあな、ハンジ」
ハンジ「あ、う、お、おや、すみ……///」
パタンッ
扉|リヴァイ「……一週間後、か」
リヴァイ「エルヴィンに休暇届を出しておかねぇとな」スタスタスタ…
〆
417 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/24(水) 22:21:53 LraryUGk
◇【その後は?】
ハンジ「ううぅぅぅ///」
ハンジ(うおわぁぁぁ!!!)ジタバタ
ハンジ(い、いいいい一週間後、一週間後だ、抱かれちゃうっ!?)
ハンジ(リ、リヴァイに!?)
ハンジ「~~~~っ///」ジタバタ
ハンジ「……はぁ、はぁ、はぁ……やばっ、心臓止まるかも……」
ハンジ「落ち着けー、まだ一週間ある。それにはじめは無茶をしないって言ってたじゃないか」
ハンジ「そう、はじめは……」
ハンジ「……」
ハンジ「…………はじめ、は?」
〆
418 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/24(水) 22:22:30 LraryUGk
◇【葛藤】
――次の日――
ハンジ「はぁぁぁ」ペショッ
ハンジ(刺激が強すぎてまだ立ち直れない)
ハンジ(なんか物凄いキスされたし、だ……抱く宣言されたし、無茶されそうだし)
ハンジ(……リヴァイと顔合わせるのが恥ずかしいぃぃぃ///)ガシガシッ
ハンジ「ぬおぉぉぉ!!」
ナナバ「奇っ怪な行動と奇声を発してどうしたの」
ハンジ「ナナバ……」チラッ
ナナバ「机にへばりついて何してんの」
ハンジ「うぅ」
ナナバ「リヴァイとは仲直りしたんでしょう?」
419 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/24(水) 22:24:09 LraryUGk
ハンジ「仲、直り……」
ナナバ「あいつ律儀にも私に礼言いに来たし」
ハンジ「ま、まぁ、仲直りはしたよ」
ナナバ「…………何かされたんだ」
ハンジ「――っ!!///」ビクッ!
ナナバ「ま、あれで何もなかったらおかしいよね」
ハンジ「な、なななななんのことだか!?///」
ナナバ「顔真っ赤だよ」ツンッ
ハンジ「~~っ!///」ペチーンッ!! ←両手で頬を
ナナバ「ふふっ、ハンジ、可愛いな」クスクス
ハンジ「か、からかってる! ナナバ、からかってるでしょう!?///」
ナナバ「巻き込まれたんだからこれくらい許してよ」クスッ
〆
420 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/24(水) 22:24:58 LraryUGk
◇【脱兎】
ハンジ「うー……ナナバのばかぁ///」
ナナバ「ごめんごめん」ナデナデ
リヴァイ「何してる」
ハンジ「うひゃあぁぁ!!!///」ビックゥッ!!
リヴァイ「……いきなりうるせぇな」
ナナバ「あらリヴァイ。お迎え?」
リヴァイ「ああ。研究室に連れていく」
ハンジ「……」プイッ
リヴァイ「おい、ハンジ」
←ハンジ「な、何かな?」
421 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/24(水) 22:25:23 LraryUGk
リヴァイ「何かな、じゃねぇよ。行くぞ」
←ハンジ「う、うん」
リヴァイ「……おい、そりゃどういう態度だ。こっち向け」
←ハンジ「いやぁ、寝違えたかなぁ? はっはっは」
リヴァイ「ふざけるな」
←ハンジ「いやいや、こっちしか向けなくて」
ナナバ「……」
リヴァイ「くだらねぇことを……おい」グイッ
ハンジ「!? やっ……」
リヴァイ「!?」
ハンジ「~~~~っ///」←涙目
422 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/24(水) 22:25:50 LraryUGk
リヴァイ「――ハ」
ハンジ「うあぁぁぁ!! リヴァイのばかぁぁぁ///」ダッ!!
リヴァイ「おい!?」
ナナバ「……あんた何しでかしたの」
リヴァイ「あ? あぁ…………襲いかけただけだ」
ナナバ「……そりゃまた今のハンジにとって刺激の強いことで。まだ代わっておこうか?」
リヴァイ「いらん」
ナナバ「そう、頑張って」ニコッ
リヴァイ「……ああ」タッ
ナナバ「……」
ナナバ「……やっぱり二人でいてくれないとね」フフッ
〆
423 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/24(水) 22:26:23 LraryUGk
◇【口封じ】
リヴァイ「おい、ハンジ!」ガシッ
ハンジ「!!」
ハンジ(あっさり捕まったぁぁ!!///)
リヴァイ「……こっちにこい」グイッ
ハンジ「えっ? ちょっ」
ガチャッ、バタンッ
ハンジ(あ、空き部屋に連れ込まれた)
リヴァイ「……おい」シワー
ハンジ「ひゃい!?」
ハンジ(なんか睨まれてるぅ! って逃げ出したから当たり前か)
リヴァイ「そんなツラで走り回るんじゃねぇ」
ハンジ「……へ?」
リヴァイ「そのおかしなツラだ」
424 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/24(水) 22:27:04 LraryUGk
ハンジ「お、おかしなって失礼だな!」
リヴァイ「……そんなおかしなツラを見せびらかすな」
ハンジ「は?」
リヴァイ「収まるまで走り回るんじゃねぇ」
ハンジ「……」ポカンッ
リヴァイ「……クソみてぇなツラになったぞ」
ハンジ「どんな顔だよっ!! 今あなたの気持ちを理解できた気がしてびっくりしただけだよ!」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「それって“自分だけのものだ”ってことだよね?」
リヴァイ「……」
ハンジ「“他の人に見せたくない”ってことでしょ?」フフッ
リヴァイ「…………」
ハンジ「おっ? 当たり? 当たりなんだね?」ンフフー
リヴァイ「………………」
ハンジ「無言は肯定だよ。ねぇ? 実はリヴァイって結構独占欲強っ――――んぅ!?」
425 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/24(水) 22:27:45 LraryUGk
リヴァイ「――――」
ハンジ「んん! んー!」
リヴァイ「――――」ヌルッ
ハンジ「ん!? ふ、んぅ……」
リヴァイ「――――」ヌチュッ
ハンジ「ん…………///」
リヴァイ「――――」クチュッ
ハンジ「…………///」
リヴァイ「――……っ」
ハンジ「は……///」クタッ
リヴァイ「……黙れクソメガネ」
ハンジ「……///」クッタリ
〆
429 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/28(日) 23:47:40 LlO3lkWw
◇【治まらない】
ハンジ「い、一週間後じゃなかったのかよっ!」←まだ腰抜けてる
リヴァイ「抱くのが一週間後だ」
ハンジ「――っ/// 口にするなよ!」
リヴァイ「? 口にしないでどこにする? 違う場所でいいのか?」
ハンジ「ちがっ、そうじゃない! 口付ける場所じゃない!! 言葉にしないでって言ってるんだよ!」
リヴァイ「……あぁ、“抱く”という言葉か」
ハンジ「それ、言われると意識しちゃうでしょうが///」プイッ
リヴァイ「してもらなければ意味がないだろう」ズイッ
430 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/28(日) 23:48:42 LlO3lkWw
ハンジ「ちょっ!? また近いしっ!!」
リヴァイ「覚悟を決めるんだろう? ハンジ」スッ
ハンジ「っ……///」
リヴァイ「まぁ、覚悟ができていなくとも一週間後に抱くがな」ナデ…
ハンジ「~~~~っ!!///」
リヴァイ「違えるなよ?」
ハンジ「う……わ、わかって、るよ……///」
リヴァイ「……まだここから出せねぇな」
ハンジ「はい?」
〆
431 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/28(日) 23:49:31 LlO3lkWw
◇【迫る】
ハンジ「と、とにかく、一週間後、なんだからそれまで大人しくしててよ」
リヴァイ「ハンジよ」
ハンジ「何?」
リヴァイ「一週間の間、何もしねぇとは言ってねぇ」
ハンジ「!?」
リヴァイ「しねぇどころか慣らす必要があると思っている」ナデ…
ハンジ「!?!!?」
リヴァイ「早く慣れろよ……ハンジ?」グッ
ハンジ「んん!?」
〆
432 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/28(日) 23:51:41 LlO3lkWw
◇【なるほど】
ハンジ「うー……」クッタリ
ナナバ「…………屍?」ツンツン
ハンジ「ナナバ……」
ナナバ「死にかけてるけどどうしたの?」
ハンジ「それが……! ……なんでもない」
ナナバ「言いかけて止められると気になるね」
433 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/28(日) 23:52:13 LlO3lkWw
ハンジ「…………察してくれ」パタリッ
ナナバ「また沈んだ」
ハンジ「……迫られると困るよ///」
ナナバ「……なら逆に迫れば?」
ハンジ「なっ!? そんなことしたら食われ……なんでもないっ!!///」
ナナバ「まぁ、せっかく仲直りしたんだし楽しめば?」
ハンジ「楽しむ……」フム
〆
437 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/30(火) 12:07:02 1hjzrj/o
◇【やりたい放題】
ハンジ「リーヴァーイー!」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「追い付いたー!」ガシッ
リヴァイ「――っ、おい」
ハンジ「さぁ、運べリヴァイ」ノッシー
リヴァイ「背に乗るなどけ、重い」
ハンジ「失礼だなー」
リヴァイ「鬱陶しい」グイッ
ハンジ「あー」
リヴァイ「いきなりなんだ。この奇行種が」
438 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/30(火) 12:07:36 1hjzrj/o
ハンジ「ん? いやね、ナナバがせっかくだから楽しめばって言うからそうしてみようかと。
一週間は手を出さないだろうからって言ってたし」
リヴァイ「……人の背を乗り物代わりにするのが楽しいのか」
ハンジ「違う違う」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「リヴァイに甘えることだよ」
リヴァイ「――――あ?」
ハンジ「あ、関係大っぴらにしてないんだったっけ? ごめんごめん」
リヴァイ「……」
ハンジ「二人だったら手を繋いだり、腕を組んだりしてもいいかな?」キラキラ+
リヴァイ「………………好きにしろ」
ハンジ「やった! ありがとう、リヴァイ!」ガバッ
リヴァイ「……ここは廊下だ、クソメガネ」
〆
439 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/30(火) 12:08:02 1hjzrj/o
◇【夢中】
リヴァイ「……」フゥー
ミケ「リヴァイ、一人か」
リヴァイ「メガネならクソだ」
ナナバ「いや、その返事はちょっと」
ミケ「……なんだかくたびれているな」
リヴァイ「ああ」
ナナバ「おや、肯定?」
リヴァイ「……女全開のアイツの相手は思ったより大変だ」
ミケ「何があったんだ」
リヴァイ「いろんなものが俺にぶつけられている気がする」
440 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/30(火) 12:08:47 1hjzrj/o
ミケ「いろんなもの?」
リヴァイ「やたら絡んできやがる。ナナバ、お前ハンジに楽しめとか言ったらしいな」
ナナバ「言ったねー。普通の女として恋愛楽しんでるのかな?」ニマニマ
リヴァイ「普通……普通なのかあれは」
ミケ「何をされているんだ」
リヴァイ「いや、普通……のときもあるんだろうがやたら引っ付いてくる上、巨人を相手にしている時のような目をされたりだな」
ナナバ「あぁ……もしかしたら巨人に向かってた熱意や執着、使命感やらなんならが全部リヴァイ向かってるのかな」
リヴァイ「中々にキツいぞ、これは」ハァ
ミケ「ハンジの全力を一手に、か……」ゾッ
ナナバ「でも“他にくれてやる気はない”んでしょ?」クスッ
リヴァイ「……当たり前だ」
〆
443 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/31(水) 22:28:39 nWhmRAQA
◇【まだ手は出せない】
――ハンジ自室――
ハンジ「ふふふー。リヴァイは温かいねぇ。頭と背中がほこほこだよ」ノッシリ ←胸に頭を置いてる
リヴァイ「……」
ハンジ「後頭部からも分かるくらいの胸筋すげぇ」グリグリ
リヴァイ「グリグリするな」
ハンジ「よっと」グルンッ
リヴァイ「何してる」
ハンジ「今度は正面からがいいなと思って」ニコー
リヴァイ「……」
444 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/31(水) 22:29:00 nWhmRAQA
ハンジ「ふふっ、リヴァイあったかーい」スリッ
リヴァイ「……生殺しか」ボソッ
ハンジ「ん?」
リヴァイ「いや」
ハンジ「……なんか」
リヴァイ「?」
ハンジ「これ、覚えがあるなぁ」
リヴァイ「!」
ハンジ「あなたの心臓の音、安心する」ギュッ
リヴァイ「……」ナデ…
〆
445 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/31(水) 22:29:24 nWhmRAQA
◇【あわよくば】
ハンジ「あ、そうだ」バッ
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「リヴァイの部屋に行ってみたい」
リヴァイ「唐突だな」
ハンジ「行ったことないから行ってみたい。かなりの潔癖だからすげぇ綺麗っぽいよね」
リヴァイ「別に構わんが覚悟はできたのか?」
446 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/31(水) 22:29:48 nWhmRAQA
ハンジ「は?」
リヴァイ「俺の部屋に来るということはそういうことだと思え」
ハンジ「な」
リヴァイ「どうする?」
ハンジ「き、期限までお待ちください……///」
リヴァイ「……チッ」
ハンジ「舌打ち!?」
〆
447 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/31(水) 22:30:20 nWhmRAQA
◇【テンパる】
――前日:夕方――
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「ん、何?」
リヴァイ「明日は休みだ」
ハンジ「うん、そうだね」
リヴァイ「そしてあれから一週間経った」
ハンジ「うっ///」
448 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/31(水) 22:30:53 nWhmRAQA
リヴァイ「風呂に入ったら俺の部屋にこい」
ハンジ「う、うん……」
リヴァイ「なんなら迎えに行くが」
ハンジ「い、いい///! 行くよ、行く」
リヴァイ「そうか、待っている」
ハンジ「お、おう、首洗って待ってろ」
リヴァイ「……決闘でもする気か」
〆
449 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/31(水) 22:31:34 nWhmRAQA
◇【準備】
ハンジ「風呂入り済みよーし!」
ハンジ「歯磨きよーし!」
ハンジ「し、下着よーし!」
ハンジ「準備は整った……整ってしまった」ドキドキ
ハンジ「う、よ、よし、行くぞ」
ハンジ「……うぅ……」
ハンジ「か、身体ひとつで行くってなんか……///」
ハンジ「ええーっと、そうだ!」
ハンジ「確かこの前この奥で見かけた……」ゴソゴソ
ハンジ「あった! これを手土産に持っていこう」
〆
450 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/31(水) 22:32:04 nWhmRAQA
◇【不安】
――リヴァイ自室――
コンコンッ
リヴァイ「開いてる」
ガチャッ
ハンジ「こ、今晩はー」ソロー
リヴァイ「とっとと入れ」
451 : ◆uSEt4QqJNo :2016/08/31(水) 22:32:27 nWhmRAQA
ハンジ「う、うん」パタンッ
リヴァイ「何を持ってる」
ハンジ「あ、ワインだよ。飲もう?」
リヴァイ「……飲みすぎるなよ?」
ハンジ「? 大丈夫だよ。一本だし」
リヴァイ「ならいいが……」
ハンジ「?」
〆
454 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/01(木) 23:46:11 QIDS2nFc
◇【きょろきょろ】
ハンジ「おいしー」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「ふふっ」ポスッ ←肩に頭
リヴァイ「……」
ハンジ「恋人同士の夜って感じだねぇ」
リヴァイ「……そうか」スッ
ハンジ「うん」
455 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/01(木) 23:46:45 QIDS2nFc
リヴァイ「……」ナデ…
ハンジ「頭撫でられるの気持ちいい」フフッ
リヴァイ「そうか」ナデナデ
ハンジ「リヴァイの部屋って本当に綺麗だねぇ」キョロキョロ
リヴァイ「……ハンジ」グッ…
ハンジ「あ!」バッ
リヴァイ「……なんだ」
ハンジ「寝室見ていい?」キラキラ
リヴァイ「あ?」
〆
456 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/01(木) 23:47:18 QIDS2nFc
◇【飛んで火に入る】
――リヴァイ自室:寝室――
ハンジ「ほー……、やっぱり綺麗だねぇ」キョロリ
リヴァイ「……」
ハンジ「んー……無いのか」
リヴァイ「何がだ」
ハンジ「私の寝室にリヴァイに似せたくまのぬいぐるみがあったからもしやと」
リヴァイ「ねぇよ。あってたまるか」
ハンジ「あったら滅茶苦茶笑ったのに」
リヴァイ「お前」
457 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/01(木) 23:47:51 QIDS2nFc
ハンジ「そうだ! 絵姿は?」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「私の絵姿はあるの?」
リヴァイ「お前が置いてった」
ハンジ「あるんだ! でも飾ってないの?」
リヴァイ「公にしていない」
ハンジ「あ、そっか。立場があるんだっけ」
リヴァイ「一部にはバレまくっているがな。それよりハンジ」
ハンジ「ん?」
リヴァイ「自ら寝室に足を踏み入れるなんざ覚悟はできているらしいな?」
ハンジ「へ?」
〆
458 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/01(木) 23:49:24 QIDS2nFc
◇【きかない】
ハンジ「ひゃっ!」ドサッ
リヴァイ「ハンジ……」
ハンジ「え、あ、ちょっ、リヴァっ」
リヴァイ「――――」
ハンジ「んん!」
リヴァイ「――――」ヌルッ…
ハンジ「ふ、んん……」
リヴァイ「――――」ヌチュッ
ハンジ「待……ん……」
リヴァイ「は、――――」
ハンジ「――っ」ペシペシ!
459 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/01(木) 23:50:06 QIDS2nFc
リヴァイ「っ……なんだ」
ハンジ「はっ、はぁはぁ……ん、リ、リヴァイ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「あ、あなたねぇ……」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「なんだじゃねぇし! 精神的には未経験だってば! いきなり来たら戸惑うよ!」
リヴァイ「知ってる。大丈夫だ」モゾモゾ
ハンジ「だぁぁ!! 続けないで! なんなの!? ムッツリ!? リヴァイってムッツリ だよね!?」
リヴァイ「……自分の女に 情して何が悪ぃんだ」
ハンジ「よっ……!?///」
460 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/01(木) 23:50:29 QIDS2nFc
リヴァイ「お前の良いところは把握している」
ハンジ「良っ……!?///」
リヴァイ「だから安心しろ」
ハンジ「できないよっ!? とにかく待てよ! リヴァイ!!」
リヴァイ「待っただろう?」
ハンジ「う……」
リヴァイ「もう待たねぇ」ナデ…
ハンジ「――っ」
リヴァイ「ハンジ……」
ハンジ「あ……」
〆
461 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/01(木) 23:51:06 QIDS2nFc
◇【無自覚】
リヴァイ「……」プチプチ
ハンジ(うぅー脱がされていく)
リヴァイ「……先に言っておくが」プチプチ
ハンジ「えっ?」
リヴァイ「隠すなよ?」
ハンジ「へ?」
リヴァイ「……」スルッ
ハンジ「あ……っ」ピクッ
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「う」ピタッ
ハンジ(目だけで“動くな”って)
462 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/01(木) 23:51:41 QIDS2nFc
リヴァイ「……」ジー
ハンジ「~~~~///」
ハンジ(舐めるように見られてる! 恥ずかしいぃぃ)
リヴァイ「……」ジー
ハンジ(も、もう無理! 見られてるだけとか恥ずかしくて耐えらんない! 早くなんとか……)
ハンジ「っ……ねぇ……リヴァイ、早く」モジッ
リヴァイ「……ほぅ?」
ハンジ「?」
リヴァイ「自分からねだるとは殊勝だな」
ハンジ「ねだ……」
ハンジ「!!?///」
リヴァイ「期待に応えてやる」
ハンジ「ち、違、ねだったわけじゃ――ひゃんっ!!」
〆∬
476 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/02(金) 23:51:09 qkSkeTqM
◇【これは名推理】
ハンジ「――ん」パチッ
チュンチュンッ
ハンジ「あさ……」ボー
ハンジ「ん?」シュルッ
ハンジ「……何も着てねぇ。でもってここは……」キョロッ
ハンジ「あまり物がないが見慣れた寝室、ベッドは乱れているものの綺麗なシーツ」サラッ
ハンジ「そして腰辺りが気だるい。ということは」
ガチャッ
リヴァイ「ハンジ……起きたのか」
ハンジ「リヴァイの部屋だ!」ビシッ
リヴァイ「ああ?」
〆
477 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/02(金) 23:51:37 qkSkeTqM
◇【一体何が】
ハンジ「あれー? 私なんでここにいるの? なんでリヴァイに抱かれたの?」
リヴァイ「ハンジ?」
ハンジ「あぁ、いや、リヴァイに抱かれたのが嫌ってことじゃないよ?
むしろそれは嬉し……ああいや、その、いつのまにーって」
リヴァイ「……おい、お前はなんだ?」
ハンジ「はぁ?」
478 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/02(金) 23:52:20 qkSkeTqM
リヴァイ「いいから答えろ。お前はどこ所属の何者だ」
ハンジ「調査兵団第四分隊隊長ハンジ・ゾエだけど……なに? リヴァイおかしくなっちゃったの?」
リヴァイ「おかしくなっていたのはお前だ。最近のことで覚えていることはなんだ」
ハンジ「最近……? えーっと、確かモブリットと買い出しに出掛けて……あれ? それからどうしたんだっけ?
なにがどうしてリヴァイの部屋に? そういや何故朝?」
リヴァイ「思い……出したのか」
ハンジ「へ? 何を?」
〆
483 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:04:13 C6tmknMk
◇【弊害】
ハンジ「はー……そんなことがねぇ。全く覚えてないや」モソモソ ←着替え中
リヴァイ「……そうか」
ハンジ「とりあえずリヴァイの紅茶が飲みたい」
リヴァイ「着替えたならこっちに来い」
ハンジ「へーい」
ガチャッ
ハンジ「あ!!」
484 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:05:29 C6tmknMk
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「な、なんでこんなところに私の秘蔵のワインが……!?」
リヴァイ「秘蔵……どうりで美味いわけだ」
ハンジ「ああぁ!! 空だ!! そんなぁ! 一滴も飲んでないのにぃ!!」
リヴァイ「お前の方が飲んでたがな」
ハンジ「覚えてなけりゃ意味無いよ! あぁもう!」ワシャワシャ
リヴァイ「頭を掻きむしるな。一番いい紅茶入れてやる」
ハンジ「うぅ、頼むよ……」シクシク
〆
485 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:07:25 C6tmknMk
◇【赤裸々に】
ハンジ「はぁ、リヴァイの紅茶は美味しいねぇ」
リヴァイ「落ち着いたか」
ハンジ「まぁね。しかし記憶喪失、ね。喪失してる間を覚えていないのが悔しいな」カチャッ
リヴァイ「……」ズズズズ
ハンジ「ワインの味思い出せねぇし」
リヴァイ「根に持ってるな」カチャンッ
ハンジ「だってあれ本当に取って置きだったんだよ」ムー
リヴァイ「お前の栄養にはなっている」
486 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:08:10 C6tmknMk
ハンジ「嬉しくねぇ。でもまぁリヴァイと飲めたってのは良かったよ」ハァー
リヴァイ「……ハンジ」
ハンジ「何?」
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「?」
リヴァイ「ハンジ……」スッ
ハンジ「ふふっ、なぁに?」
リヴァイ「……」グイッ
ハンジ「わっ」
リヴァイ「よく……戻ってきた」グッ
ハンジ「……うん、ごめんね」
487 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:08:48 C6tmknMk
リヴァイ「いや」ギュッ
ハンジ「ふふっ……あ!」
リヴァイ「……今度はなんだ」
ハンジ「いや、これさ、どうやって報告する?」
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
リヴァイ「そのまま言うしかねぇんじゃねぇか?」
ハンジ「言えるか!」
〆
488 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:09:52 C6tmknMk
◇【計算はどこまで?】
エルヴィン「朝起きたら思い出していた、と」
ハンジ「うん」
エルヴィン「なるほど」チラッ
リヴァイ「……」
エルヴィン「やはりお前に任せて正解だったということだな」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「?」
エルヴィン「お前が一番刺激になったんだろう?」クスッ
リヴァイ「お前……どこまで……いや、いい。聞きたくねぇ」
エルヴィン「聞かせてやってもいいんだぞ?」
489 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:10:57 C6tmknMk
リヴァイ「聞きたくねぇと言っているだろうが。気持ち悪ぃ顔してんじゃねぇ」
エルヴィン「昔からこの顔だ」
リヴァイ「チッ」
ハンジ「なんの話?」
エルヴィン「いいや。記憶を失っている時のことは覚えていないのか」
ハンジ「うん……その時の記憶が無いのは物凄く残念だよ。でもすぐにでも仕事に戻れるよ!」
エルヴィン「いや、今日は休みになっている」
ハンジ「えっ? そうなんだ?」
エルヴィン「ああ」チラリッ
リヴァイ「……」
ハンジ「そうか……それならみんなに話しに行こうかな」
エルヴィン「それがいいんじゃないか?」
490 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:11:32 C6tmknMk
ハンジ「うん、そうするよ! リヴァイ、あなたは仕事に戻っていいよ」
リヴァイ「……俺も休みだ」
ハンジ「あれ? そうなの?」
エルヴィン「リヴァイがお前と休みたいと言い出したからな」ニッコリ
ハンジ「あはは! なんだよ、そ……れ………………」
リヴァイ「……」
エルヴィン「……」ニコニコ
ハンジ「――――」
ハンジ「!?!!?!?」
リヴァイ「……」
ハンジ「う、うあぁぁぁあぁぁあぁぁ!!!///」ガシガシ!!
リヴァイ「うるせぇ」
491 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:12:16 C6tmknMk
ハンジ「知られてるなら言えよ!! リヴァイ!!!///」
リヴァイ「訊かれなかった」
ハンジ「訊かれなかったから言わないってことでもねぇだろ!! このくそ刈り上げ!!」
エルヴィン「俺の執務室で暴れてくれるなよ、二人とも」
リヴァイ「分かった。連れていく」ヒョイッ
ハンジ「あ、こら! 担ぐんじゃねぇ!! 離せ! リヴァイ!!」ジタバタ
リヴァイ「暴れるな」スタスタ
ハンジ「リヴァイのばーかばーかばーか刈り上げ野郎!!!!」
パタンッ
エルヴィン「……騒がしい奴らだな」クスッ
エルヴィン「何にしても、戻ってきてくれて良かったよ。ハンジ」
〆
492 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:15:56 C6tmknMk
◇【あれは別人か】
ハンジ「――ということなんですが」
ナナバ「朝起きたら」チラッ
ミケ「戻っていた、か」チラッ
リヴァイ「……」
ハンジ「――っ/// 二人は知ってる方か……」ペショリッ
ナナバ「あ、机と一体化した」
ハンジ「今リヴァイの首を絞めたい」
リヴァイ「物騒だな」
ミケ「まぁ、なんだ。戻って良かったな」ポンポンッ
ハンジ「うん、まぁ、それはそうなんだけど」
ナナバ「みんなにはもう知らせたの?」
ハンジ「さっき私の班には言ったよ。班員はさすがに知らなくてホッとした。
でもモブリット達が半泣きでニファが号泣してて大変だった」クスッ
493 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:17:31 C6tmknMk
ナナバ「そう、みんな心配してたからね……おかえり、ハンジ」
ハンジ「ただいま」フフッ
ナナバ「覚えてないってのは本当に残念だね。リヴァイが結構面白いことになってたのに」
リヴァイ「おい」
ハンジ「えっ? 何それどういうこと?」
ナナバ「あんた記憶無いとき、常に女って感じだったんだよ」
ハンジ「へ?」
ナナバ「調査兵団分隊長じゃなかったからね。それに戸惑ういろんなレアリヴァイが見れて面白かったよ」
ハンジ「レアリヴァイ!! あっははは! 見たかった! すげぇ見たかったなぁ!!」
リヴァイ「……」チッ!
ミケ「……ナナバなりにお前達を心配していた。安心した所為でテンションが少し異常なんだ」
リヴァイ「……知っている。世話にもなった」
ミケ「今は目を瞑ってくれるか。まぁ暴走はしないように見張って……」
ハンジ「あ、ねぇ、リヴァイ」
494 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:18:05 C6tmknMk
リヴァイ「あ?」
ハンジ「あれ浮気じゃね?」
リヴァイ「…………違ぇだろ」
ハンジ「だって常に女な私なんて私じゃないだろ」
リヴァイ「いや、お前だった」
ハンジ「ナナバー、リヴァイが浮気したー」
ナナバ「リヴァイは悪い奴だねー」
リヴァイ「おい」
ミケ「……そこまでにしてやれ、ハンジ、ナナバ」ハァー
ハンジナナバ「「はーい」」
リヴァイ「……」シワー
ナナバ「ごめんごめん。ちょっと安心しちゃってつい。もうからかわないよ」クスクス
ハンジ「……」
〆
495 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:20:13 C6tmknMk
◇【複雑】
――ハンジ自室――
リヴァイ「これで知っていた奴、全員に伝えたな。このまま休むか? それとも外に――」
トンッ
ハンジ「……」ギュッ
リヴァイ「……どうした」
ハンジ「記憶、無くしても私を選んでくれるんだね」
リヴァイ「……」
ハンジ「ちょっと複雑ではあるけど」フフッ
リヴァイ「……お前だった」
ハンジ「は?」
リヴァイ「はじめはお前じゃない気がしてナナバの言うように戸惑った」
496 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:21:16 C6tmknMk
ハンジ「……」
リヴァイ「だが、よく見てみればお前だった。女のお前は俺といる時にいつもいたと気づいた」
ハンジ「リヴァイ……」
リヴァイ「……それもナナバに気づかされたんだが……」
ハンジ「ふふっ、ナナバすげぇ」スリッ
リヴァイ「ああ」
ハンジ「リヴァイ」
リヴァイ「ん?」
ハンジ「少し複雑ではあるけど嬉しかった」ギュッ
リヴァイ「……」ナデ…
ハンジ「これで安心していつでも記憶無くせるよ」
リヴァイ「……無くすんじゃねぇ、クソメガネが」ギュッ
〆
497 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:22:09 C6tmknMk
◇【かわいい人】
――数日後――
リヴァイ「結局、記憶喪失時の記憶は戻らず終いか」ズズズズ
ハンジ「んー、まぁ仕方ないね。残念だけどさ」
リヴァイ「……そうだな」カチャンッ
ハンジ「ああ、そうだリヴァイ」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「これ、あなたに編んでたんだ。はい」
リヴァイ「――っ」
ハンジ「いつ編み始めたか覚えてないんだけど昨日やっと仕上げてさ。
マフラーだよ。マントと似たような色だけど似合うと思うよ」
リヴァイ「……お前」
ハンジ「ん?」
498 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:22:33 C6tmknMk
リヴァイ「……いや、ありがとう」
ハンジ「どういたしましてー。……あれ? そういや私なんでマフラー編んでたんだろう?」
リヴァイ「……俺への礼だろう」
ハンジ「あ、そうか。そうだった。ありがとう、リヴァイ」
リヴァイ「……“ハンジ”」
ハンジ「……えっ……?」
――『私だって“リヴァイのことが好きなハンジ”だよ!!』
ハンジ「――っ!?」ズキンッ!
リヴァイ「ハンジ?」
ハンジ「いっ、つぅ……」ガタッ
リヴァイ「!? ハンジ!?」ガタッ
ハンジ「うっ……」
リヴァイ「おい、大丈夫か!?」
499 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:23:06 C6tmknMk
ハンジ「……はぁ……大、丈夫……」
リヴァイ「そうは見えねぇが」
ハンジ「……ふふっ、あはは」
リヴァイ「おい、頭でも打ったか」
ハンジ「名前呼んでくれないなんて酷いじゃないか、リヴァイ」
リヴァイ「!! お前……」
ハンジ「失ってた間を失って、また戻るとかややこしいね」
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「かなり迷惑かけたみたいだねぇ。変な感じだなぁ、これ」
リヴァイ「……」
ハンジ「あー……っ!///」
リヴァイ「何を思い出した」
ハンジ「うぅ……女な私と口説きにくるリヴァイ///」
リヴァイ「……」
500 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:23:38 C6tmknMk
ハンジ「これ恥ずかしいな、もう!/// ……まぁでも良かった」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「ワインの味思い出せた!」
リヴァイ「それか」
ハンジ「いやいや、大事だよ。あれ結構高かったんだから」
リヴァイ「……今度買ってやる」
ハンジ「マジで!? やった! ありがとう、リヴァイ!!」ギュッ
リヴァイ「……」
ハンジ「本当に……ありがとうね、リヴァイ」
リヴァイ「……ああ」ギュッ
ハンジ「私も独占欲あるからあなたが記憶無くしたって絶対逃がさないからね!」バッ
リヴァイ「……俺も逃がさねぇよ」
ハンジ「? うん、逃がさなかったね」
リヴァイ「俺が、記憶を無くしても逃がさねぇ」
501 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 00:24:14 C6tmknMk
ハンジ「――っ/// そ、んなの分かんないじゃないか」
リヴァイ「そうか?」
ハンジ「う……」
リヴァイ「……逃がさねぇよ」ナデ…
ハンジ「……うん。私も逃がさなかったし逃がさないでくれると嬉しいよ」
リヴァイ「ああ。ハンジ……」グッ
ハンジ「ん……」
リヴァイ「っ……ハンジ」ギュッ
ハンジ「はぁ……リヴァイ、ただいま」
リヴァイ「遅ぇ」
ハンジ「戻ったんだからいいじゃないか。拗ねないでくれよ」クスクス
リヴァイ「……うるせぇ」
ハンジ「本当に……あなたってば……」ギュッ
〆◇
506 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 23:20:32 C6tmknMk
【突然の】
エルヴィン「ハンジ、突然ですまないんだが王都に行ってもらえるか?」
ハンジ「そりゃ命令とあらば。いつ?」
エルヴィン「9月5日なんだが……」
ハンジ「9月5日……急だね」
エルヴィン「すまない。リヴァイと約束もあるだろうが先方がどうしてもこの日しか空いていないと言うものでな」
ハンジ「いや、仕方ないさ」
エルヴィン「悪いな。当日早朝出発で一泊だ。巨人について聞きたいとのことだから暴走せずほどほどにな」
507 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 23:20:57 C6tmknMk
ハンジ「私一人なの?」
エルヴィン「すぐ終わる案件だからな。その日の内に帰れないこともないだろうが強行軍になるから一泊した方がいいだろう」
ハンジ「分かったよ」
エルヴィン「必ず償いはさせてもらうよ」
ハンジ「償いなんて……そんなのいいよ。仕事なんだし。じゃあ準備もあるから行くね」
エルヴィン「ああ」
パタンッ
エルヴィン「……」
〆
508 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 23:21:41 C6tmknMk
【出張】
ハンジ「出張だってさ」
ニファ「残念ですね……誕生日の日に……」
ハンジ「まぁ、仕方ないけどね」
ニファ「準備は任せておいてください」
ハンジ「うん、頼むよ」
ニファ「はい!」
ハンジ「しっかし、朝早くに出なきゃいけないなんてなー」
ニファ「前日は早めに就寝されてくださいね」
ハンジ「はーい」
ニファ「……」
〆
509 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 23:22:05 C6tmknMk
【さぁ準備です】
――誕生日:早朝――
ナナバ「はい、おはよう」
ニファ「おはようございます」
ハンジ「……はい?」
ナナバ「準備の手伝いだよ」
ハンジ「へ? いや、後は着替えて出るだけなんだけど」
510 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 23:22:36 C6tmknMk
ニファ「着替えはこちらです」ブワッ
ハンジ「……何故スカート。ってかお洒落」
ナナバ「軽く化粧もするよ」
ハンジ「いや、なんで」
ナナバ「ニファ、やるよ」
ニファ「はい!!」
ハンジ「なんて良い返事……ってうわぁぁぁ!!」
〆
511 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 23:23:05 C6tmknMk
【計略】
ハンジ「……」キラキラ
ニファ「うわぁ……ハンジさんお綺麗ですっ!」
ナナバ「おー、化けたねぇ」
ハンジ「人を化物みたいに」
ニファ「エルミハ区の宿で一泊ですから、お帰りは明日になります」
ハンジ「う、うん」
ニファ「帰りの着替えはシンプルなものにしてありますので」
ハンジ「お、おう」
ニファ「お迎えの方がいらっしゃいますのであちらでその方と合流されてくださいね」
ハンジ「うん」
512 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 23:24:23 C6tmknMk
ナナバ「んじゃ、まぁ馬車来てるし、いっておいで」
ハンジ「なんでこんなにお洒落……」
ナナバ「いいからいいから、ほら早く!」
ハンジ「う、うん」
パタンッ
ナナバ「ふぅー、行ったか。あいつは?」
ニファ「先にいってらっしゃいます」
ナナバ「そう」
ニファ「ふふっ、驚かれるでしょうねぇ」
ナナバ「そうだろうねぇ」クスッ
〆
513 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 23:25:07 C6tmknMk
【どうしたのかな?】
――馬車の中――
ガラガラガラガラ……
ハンジ「一体何なんだろう……」
ハンジ「こんな完璧なお洒落……リヴァイもいないのに」
ハンジ「……リヴァイ」
ハンジ「いつもなら見送りぐらいしてくれるのにいなかった」
514 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/04(日) 23:25:42 C6tmknMk
ハンジ「ここ数日、あっちも忙しいみたいでなかなか会えなかったし……」
ハンジ「……」
ハンジ「前日にお祝いもしてくれなかったな……」
ハンジ「…………いや! きっと忙しかっただけだ」
ハンジ「今は出張に集中!」
ハンジ「貴族に巨人の話をするだけって話だ。しっかりやらないと」
ハンジ「うまく話して支援金を貰わなきゃ」
〆
519 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/05(月) 22:10:54 ztQrNzoE
【なんでどうして】
――エルミハ区:街――
ハンジ「はぁー、着いたー」
ハンジ「直で王都じゃないってことは馬車でお迎えなのかな?」
ハンジ「お迎えはどこに……?」キョロキョロ
「遅かったな、クソメガネ」
ハンジ「!? リヴァイ!?」
520 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/05(月) 22:11:26 ztQrNzoE
リヴァイ「待ちくたびれた」
ハンジ「なんで!? あなたがここに!?」
リヴァイ「うるせぇ、喚くな。行くぞ」
ハンジ「行くってどこに」
リヴァイ「とりあえずは飯か」
ハンジ「確かにお腹すいてるけど」
リヴァイ「決まりだな」
ハンジ「えっ、ちょっ、何がどうなってんの!? 貴族は!?」
〆
521 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/05(月) 22:12:03 ztQrNzoE
【プレゼント】
――街のレストラン――
リヴァイ「ニファが話を持ち掛けてきた」
ハンジ「ほうほう」
リヴァイ「それをナナバが聞いていた」
ハンジ「なるほど」
リヴァイ「エルヴィンは面白がって協力してきた」
ハンジ「ごふっ! エ、エルヴィンも協力してんの!?」
リヴァイ「出張を言い渡したのは誰だ?」
522 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/05(月) 22:12:46 ztQrNzoE
ハンジ「……エルヴィンだった」
リヴァイ「しばらく街を散策して飯食って一泊してこいだと」
ハンジ「あぁ、デートしてこいってか。手が込んでるねぇ」
リヴァイ「何なんだろうな、あいつら」
ハンジ「何なんだろうねぇ?」クスッ
リヴァイ「よくわからん」
ハンジ「でもありがたいよ。ここなら滅多に知っている人に会わないし」
リヴァイ「……」
ハンジ「せっかくのみんなからのプレゼントだ。楽しまないとね」
リヴァイ「俺はその一つということか」
〆
523 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/05(月) 22:13:18 ztQrNzoE
【ただの男と女で】
ハンジ「ふはー、お腹いっぱい! どこに行こうか?」
リヴァイ「ここには詳しくない。てきとうにぶらつくか」
ハンジ「あはは、そういうのいいねぇ」
リヴァイ「……本屋は最後だからな」
ハンジ「行ってはくれるんだね」
リヴァイ「止めても無駄だろ」
524 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/05(月) 22:13:51 ztQrNzoE
ハンジ「当たり」
リヴァイ「なら制限を設けるだけだ」
ハンジ「ふはは! いいねぇ、リヴァイ」ガシッ
§
リヴァイ「……おい」
ハンジ「腕を組むくらいいいだろう? せっかくのデートなんだ」
§
リヴァイ「……」
ハンジ「さ、行こう!」
§
リヴァイ「ああ」
〆
525 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/05(月) 22:14:52 ztQrNzoE
【否定はしない】
――本屋――
リヴァイ「おい、決まったのか」
ハンジ「うん。これとこれとこれとこれとこれと」
リヴァイ「そんなに持てるのか?」
ハンジ「リヴァイがいるし」
リヴァイ「当然のように使うんじゃねぇ」
ハンジ「あはは! まぁ自分だけでも大丈夫なくらいしか買わないよ。これお願いしまーす」ドサドサッ
店主「あいよ」
526 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/05(月) 22:15:59 ztQrNzoE
リヴァイ「……これで頼む」スッ
ハンジ「えっ」
店主「かしこまりました」
ハンジ「ねぇ、自分で出すよ?」
リヴァイ「誕生日祝いだ。黙って受け取れ」
ハンジ「で、でも結構するよ」
リヴァイ「うるせぇ」
ハンジ「……~~っもう、最っ高だよ!」ガバッ
リヴァイ「……現金なヤロウだな」
店主「ははっ、太っ腹な旦那だねぇ」
527 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/05(月) 22:16:38 ztQrNzoE
ハンジ「だっ!? あ、えっと、あはは、まぁ///」
リヴァイ「……」
店主「はい、お待たせ。気を付けてな」
ハンジ「ありがとうございます」
リヴァイ「……」ヒョイッ、スタスタ
ハンジ「えっ、あ、ちょっと」
店主「お幸せに」クスッ
ハンジ「あ、いや、あの、あ、ありがとうございます///」ペコリッ
ハンジ「ちょっと待って!! ねぇ!」タッ
店主「仲の良い夫婦だねぇ……新婚かね」
〆
528 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/05(月) 22:17:16 ztQrNzoE
【甘え】
ハンジ「少しは持つよ」
リヴァイ「いい」
ハンジ「でもさ」
リヴァイ「お前への贈り物だ。ホテルまで運ぶ」
ハンジ「それも凄くありがたいけど手を片方空けてほしい、かな?」
リヴァイ「あ?」
529 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/05(月) 22:17:47 ztQrNzoE
ハンジ「その、せっかくだし……ねぇ?」
リヴァイ「……」モソッ…スッ
ハンジ「えっ!? 片手持ち!? 重すぎない? 持つよ」
リヴァイ「大丈夫だ。それより……ん」
ハンジ「っ……うん」ギュッ
§
リヴァイ「これでいいんだな?」
ハンジ「うん……ありがとう、リヴァイ」
§
リヴァイ「……」スタスタ
〆
535 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/06(火) 23:32:39 .cysroL.
【そして夜】
ハンジ「ふわぁー……良い宿だねぇ」
リヴァイ「エルヴィンが手配したらしい」
ハンジ「へぇ……あ」
――エルヴィン『必ず償いはさせてもらうよ』
ハンジ「償いじゃなくてプレゼントか」クスッ
リヴァイ「あ?」
ハンジ「いや、エルヴィンも太っ腹だね」
リヴァイ「ミケやナナバも噛んでいるらしいが……まぁ多くを出したのはあいつだろうな」
ハンジ「こりゃお土産物奮発しないとね」
536 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/06(火) 23:33:19 .cysroL.
リヴァイ「……土産、か」
ハンジ「ん?」
リヴァイ「俺はこの場にいるから土産はいらねぇな」
ハンジ「うん?」
リヴァイ「すぐにくれるんだろう? なぁ、ハンジよ」ズイッ
ハンジ「あ、あれ? 私を祝うんだよね? なんで食われそうな状況なんだ」
リヴァイ「嫌か?」
ハンジ「……分かってて聞くのはずるいだろ」
リヴァイ「まぁな」グイッ
ハンジ「ずるい奴」クスッ
〆
537 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/06(火) 23:34:33 .cysroL.
【大事な時間】
――ホテル:明け方――
ハンジ「ん……」モゾッ
リヴァイ「……起きたのか」
ハンジ「リヴァイ……えっと」
リヴァイ「エルミハ区だ」
ハンジ「あ、あぁ……」
リヴァイ「まだ時間がある。寝ていろ」
ハンジ「あなたは起きてるのに」
リヴァイ「俺は元々早起きだ」
ハンジ「睡眠時間が短いんでしょ」
リヴァイ「そうとも言うが。まだキツいだろう、寝てろ」
538 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/06(火) 23:35:01 .cysroL.
ハンジ「誕生日だというのに何故か激しく求められたからね」
リヴァイ「馬鹿言え、お前もねだっただろう」
ハンジ「ねだるように仕向けたくせにぃ」
リヴァイ「はっ……」
ハンジ「ねぇ」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「朝日が昇るまでベッドでのんびりしていよう?」
リヴァイ「……お前がそれでいいなら」
ハンジ「うん。いいんだ。リヴァイが隣にいて、リヴァイの腕の中でゆったりしていたい」
リヴァイ「そうか……」
ハンジ「そういうのもたまにはいいだろう?」
リヴァイ「……そうだな」
〆
539 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/06(火) 23:38:47 .cysroL.
【お楽しみでしたね】
ニファ「おかえりなさい!」
ハンジ「ただいま」
ナナバ「どうだった?」
ハンジ「楽しかったよ! 思いっきり街散策してきたしね」
ナナバ「誕生日プレゼントも貰った?」
ハンジ「街で色々買ってくれたよ。本とか本とか本とか」
540 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/06(火) 23:39:20 .cysroL.
ナナバ「本だけじゃない」
ハンジ「あとでリヴァイが持ってきてくれるんだ。とにかく本当に楽しかったよ。ありがとう」
ニファ「喜んでいただけて何よりです!」
ハンジ「疲れちゃったから今日はもう部屋にいって休むよ。お土産は明日ね。それじゃ」
ニファ「あ、はい」
ハンジ「……」スタスタ…ヨロッ…
ニファ「ちょっと腰庇ってましたね。馬車移動で疲れたんでしょうか」
ナナバ「あぁ……そうかもね」
〆
541 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/06(火) 23:39:52 .cysroL.
【万が一には破壊】
ハンジ「逃げ道確認!」
ハンジ「窓全開おーけー!」
ハンジ「扉全開おーけー!」
リヴァイ「薄汚ぇ部屋で何吠えてやがる」
ハンジ「やぁ、リヴァイ。防災のために確認しているんだよ」
リヴァイ「そんな暇があるなら片付けろ」
ハンジ「まだ大丈夫さ」
リヴァイ「大丈夫じゃねぇよ。何が基準だ」
ハンジ「リヴァイがキレるかどうか」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「その時に逃げるための確認していたんだ!」ドヤッ
リヴァイ「てめぇが悪ぃくせに災害扱いか。それと逃げ道に窓を選択肢に入れるな」
〆
542 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/06(火) 23:40:31 .cysroL.
【謎くじ】
ハンジ「くじ引きだ!」
リヴァイ「またやるのか」
ハンジ「なんとなく意地だよね。変なもんばっか当たるからまともなものを当てたい」
リヴァイ「今まで貰ったのは……」
ハンジ「紐みたいな下着にハイヒールと網タイツ」
リヴァイ「……」
ハンジ「一等を当ててやる!! おじさーん!」
おじさん「はいよ」
ハンジ「とりゃ!!」
543 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/06(火) 23:41:05 .cysroL.
おじさん「お、これは……」
ハンジ「なんだい!?」ワクワク
おじさん「三等のセクシィ大根だよ!」
ハンジ「……」
リヴァイ「……」
おじさん「ほらよ」
*悩ましい形の大根*
ハンジ「……」つ大根⊂
リヴァイ「……まぁ、食えるもんだしな」
ハンジ「何故……わざわざこの形……」
〆
546 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/10(土) 22:30:36 MkTYUnFg
【あと少し】
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……」ナデ…
ハンジ「ん……」スースー
リヴァイ(……よく寝てる)
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……」サラッ…
ハンジ「……ん、リヴァ……」スースー
リヴァイ「……」
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……」…ギュッ
ハンジ「んん」モゾモゾ
547 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/10(土) 22:31:14 MkTYUnFg
リヴァイ「……」
ハンジ「ふー……」ギュッ
リヴァイ(……わざわざ正面に向き直りやがった)
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……正面が好きなのか」ツンッ ←髪を一房摘まんだ
ハンジ「」スースー
リヴァイ「…………起きねぇな」
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……」
ハンジ「」スースー
リヴァイ(……俺ももう一眠りしておくか)フゥー
ハンジ「」スースー
〆
548 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/10(土) 22:31:46 MkTYUnFg
【離さない】
ハンジ「……ん」
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ「……」ボー
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ(抱きついて寝たっけ……?)
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ「……」ジッ
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ(ふふっ……あどけないな)
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ(よく寝てるなぁ)
リヴァイ「」スゥスゥ
549 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/10(土) 22:32:16 MkTYUnFg
ハンジ「……」ナデ…
リヴァイ「ん……?」
ハンジ「あ、ごめん」
リヴァイ「……」ボー
ハンジ「もうちょっと寝てて大丈夫だよ」
リヴァイ「……ん」ギュッ
ハンジ「うん?」
リヴァイ「」…スゥ
ハンジ「……」
リヴァイ「」スゥスゥ
ハンジ「……ふふっ、おやすみ」ギュッ
リヴァイ「」スゥスゥ
〆
550 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/10(土) 22:32:52 MkTYUnFg
【そこはタオルで】
リヴァイ「また眼鏡が薄汚れてるぞ」ヒョイッ
ハンジ「わっ」
リヴァイ「これじゃ見えるもんも見えねぇだろ」キュッキュッ
ハンジ「いやぁ、まぁまぁ見えるよ? 部屋にいる分には問題ないしね」
リヴァイ「問題あるだろうが。ほら」スッ
ハンジ「ありがとう。おークリアだ」
リヴァイ「……」ジッ
ハンジ「? 何?」
リヴァイ「お前も薄汚れてるな」スチャッつタワシ
ハンジ「!? 待て! タワシで何する気だ!!」
リヴァイ「磨く」
ハンジ「なんでタワシでだ!!」
〆
551 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/10(土) 22:33:17 MkTYUnFg
【助ける】
――立体起動演習:森――
調査兵(女)1「きゃあぁぁ!!」ガッ
リヴァイ「!」パシュッ
調査兵2「おい、大丈夫か!?」
調査兵1「いっつ……うん、大丈……痛っ」ズキッ
リヴァイ「おい」スタッ
調査兵2「リ、リヴァイ兵長!」
リヴァイ「足をやったか」
552 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/10(土) 22:33:43 MkTYUnFg
リヴァイ(……医療班は入り口で待機だったな)
調査兵1「あ……だ、大丈夫です。これくらい……」
リヴァイ「あ?」
調査兵1「う……」ビクッ
リヴァイ「その怪我じゃ足手まといだろうが」
調査兵2「! リヴァイ兵長……!」
リヴァイ「行くぞ」ヒョイッ
調査兵1「ひゃっ!?」←横抱きに抱えられた
調査兵2「あ、えっ、リヴァイ兵……長?」
553 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/10(土) 22:34:12 MkTYUnFg
リヴァイ「入り口まで運ぶ。訓練は一時中断だ。お前達はここで待て。こいつを下ろしたらまた続きを行う」
調査兵1「あ、あ///」パクパク
調査兵2「は、はい……」
リヴァイ「下手に動くなよ。お前達も、お前も」
調査兵1「は、い……」
リヴァイ「待ってろ」
パシュッ!
調査兵2「……」
調査兵3「すげぇ、人一人抱えてんのにあっという間だ」
〆
554 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/10(土) 22:34:40 MkTYUnFg
【ちょっぴり嫉妬】
ハンジ「聞いたよー! というか見たよー!」ニヤニヤ
リヴァイ「?」
ハンジ「怪我した新兵の子だよ」
リヴァイ「あぁ……運んだだけだろ」
ハンジ「そうだけどカッコイーって言われてるよ」
リヴァイ「くだらねぇ」
ハンジ「賞賛なんだから素直に受け取っておけば?」
555 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/10(土) 22:35:14 MkTYUnFg
リヴァイ「怪我した奴を運ぶのは当たり前だろうが」
ハンジ「ま、そりゃそうだ」
リヴァイ「あのガキは巻き取りが早すぎだ。それで木に勢いよくぶつけやがった」
ハンジ「んー、スピード上げたくて焦ったのかな? 基礎強化させないと、かな?」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「……」
ハンジ(……横抱きしてた……いや、あれは運んでるんだから……)ブンブン
ハンジ(うん、仕方ないというか当たり前当たり前)ウンウン
リヴァイ「? 何してんだ、お前」
〆
559 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/13(火) 22:27:36 ixsQ/KGk
【多分ミカサも嫌がる】
*注射を手に入れた後*
ハンジ「注射か……」
リヴァイ「調べられそうか?」
ハンジ「分からないけどやってみるよ」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「……それで」
リヴァイ「?」
ハンジ「やっぱりファミリーネームはアッカーマンだったの?」
リヴァイ「……そうらしい」
ハンジ「そう」
リヴァイ「……妙な力もあるらしい」
ハンジ「あぁ、あなた言ってたね。ケニーにもあなたにもミカサにも突然力が湧いて出た時があったって」
560 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/13(火) 22:28:17 ixsQ/KGk
リヴァイ「…………」ジッ
ハンジ「……別に実験したいなんて思ってないから」ムゥ
リヴァイ「どうだか」
ハンジ「何か血で受け継がれるものがあるんだろう。レイス家もそのようだし」
リヴァイ「……」
ハンジ「……それよりさ、ファミリーネーム分かって良かったじゃないか」
リヴァイ「そうか……?」
ハンジ「良かったんだよ」
リヴァイ「……そう、だな」
ハンジ「あ」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「これからリヴァイはミカサに叔父さんって呼ばれるの?」
リヴァイ「誰が呼ばせるか」
〆
561 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/13(火) 22:30:47 ixsQ/KGk
【仕返し】
ハンジ「ふぅん、叔父さんは嫌か。兄さんの方がいいのか。そうか」ウンウン
リヴァイ「馬鹿か。姓が同じというだけだ。何も変わらん」
ハンジ「冗談だよ」
リヴァイ「くだらねぇ」
ハンジ「いいじゃないか、これくらい。リヴァイ叔父さん?」
リヴァイ「やめろ、クソメガネ」
ハンジ「ごめんごめん」クスクス
リヴァイ「その流れだとお前は叔母さんになるぞ」
ハンジ「あはは、叔母さ……――っ!?///」
〆
562 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/13(火) 22:31:28 ixsQ/KGk
【奇行】
ハンジ「あなたってば……本っ当に突然ぶっ込むね……///」ハァー
リヴァイ「知らん」
ハンジ「知らばっくれかよ」
ハンジ(全く、こんな状況で……)フゥー
ハンジ「……」
ハンジ(アッカーマン、か)
ハンジ(……リヴァイ・アッカーマン……なんか違和感だな。その内馴染むかな?)
ハンジ「…………」
563 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/13(火) 22:32:03 ixsQ/KGk
ハンジ(……ハンジ……ア)
ハンジ「~~っ! ~~っ!!///」ブンブンッ!!
リヴァイ「!?」ビクッ
ハンジ(今! 今私は何を考えた!? 子供か! 十代の子供か!!///)ガシガシッ
リヴァイ「いきなりなんの奇行だ。びっくりしたじゃねぇか」
ハンジ「な、何でもないよ。ちょっと頭がイカれそうになっただけだ」
リヴァイ「イカれてんのはいつもだが」
ハンジ「失礼な。いつもは巨人に夢中なだけだよ」
リヴァイ「……自覚がねぇのはどうしようもねぇな」
〆
564 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/13(火) 22:32:36 ixsQ/KGk
【気が休まる】
~~そよそよ
ハンジ「あー、風が冷たくなったねぇ」
リヴァイ「ああ、涼しくなった」
ハンジ「動くと汗かくけどね。立体機動もしやすくなるよ」
リヴァイ「お前に気を揉まなくてすむ」
ハンジ「? なんで?」
565 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/13(火) 22:33:02 ixsQ/KGk
リヴァイ「お前、無駄に脱ぐだろうが」
ハンジ「人を露出魔みたいに。薄着してるだけだろ」
リヴァイ「下着を脱いでそこらに放置するから言ってる」
ハンジ「ぐっ」
リヴァイ「せめて鍵を掛けろ」
ハンジ「ぐぬぬ」
リヴァイ「……当たり前のことだと思うんだがな」ハァー
ハンジ「……スミマセンデシタ」
〆
566 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/13(火) 22:34:46 ixsQ/KGk
【信用無し】
カッ!
ハンジ「うわっ、あっつ!」
リヴァイ「今日は暑いな」
ハンジ「最近涼しくなったねーって言ってたのにね」
リヴァイ「まぁ、長くは続かんだろ」
ハンジ「いやぁ、でも暑いねぇ」プチッ ←ボタン一個はずした
リヴァイ「……」
ハンジ「ふぃー」パタパタ
リヴァイ「……」
ハンジ「……」パタパタ…
リヴァイ「……」
ハンジ「いや、ここまでだから。脱がないから気を揉まないで」
〆
571 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/16(金) 22:52:53 JCJSlxmk
【目的変われば】
ハンジ「あー……面倒臭い」
ナナバ「そう言わない」
ハンジ「毎回同じドレスでもいいじゃないか。そうしたらこんな衣装合わせなんて必要ないのに」
ナナバ「良くはないよ」
ハンジ「男共は代わり映えしないじゃないか」ムスッ
ナナバ「多少は変わってる。中のシャツとかね」
ハンジ「私はメインが変わるんだよ。面倒臭い」
ナナバ「ドレスは目に入りやすいからね。あまりないことだから楽しめばいいじゃないか」
ハンジ「研究してたいよ」
ナナバ「綺麗なドレスを着るのは楽しいでしょうに」
ハンジ「んー?」
572 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/16(金) 22:53:24 JCJSlxmk
ナナバ「……リヴァイのためって思ってみたら? 大抵一緒に行くんだし」シュルシュル
ハンジ「……」ピクッ
ナナバ「はい、終わった。どう?」
ハンジ「…………リ」
ナナバ「ん?」
ハンジ「リ、リヴァイ、は」ボソッ
コンコンッ
ナナバ「あ、はい、どうぞ」
ハンジ「……」ゴニョゴニョ
ガチャッ
リヴァイ「ナナバ、俺の所にこれが……」
ハンジ「や、やぁ、リヴァイ」
リヴァイ「……」
573 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/16(金) 22:53:51 JCJSlxmk
ナナバ「あぁ、コサージュが届いてないと思ったらリヴァイの所に行ってたのか。ありがとう」
リヴァイ「……ああ」スッ
ナナバ「……ハンジ、綺麗だろ?」ニヤッ
ハンジ「ナ、ナナバ」
リヴァイ「ほう……」ジー↑
ハンジ「う」
リヴァイ「……」ジー↓
ハンジ「……リヴァイ?」
リヴァイ「……悪くねぇな」フム
ハンジ「そ、そうかい?///」ヘヘッ
リヴァイ「ああ」
ナナバ(……どっちも嬉しそうだね)クスッ
〆
574 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/16(金) 22:54:31 JCJSlxmk
【掃除マニア】
コンコンッ
ハンジ「エルヴィン、私だけど」
エルヴィン『あぁ、入れ』
ガチャッ
ハンジ「この書類……ってリヴァイ何してんの」
お掃除リヴァイ「見りゃ分かるだろ。掃除だ」
ハンジ「いや、分かるけど何故団長室」
エルヴィン「自室は磨くところは無いし、君の所は最近したというのでね。それならばと」
ハンジ「休みだってのに……」
お掃除リヴァイ「……」ゴシゴシ
エルヴィン「私としては助かっている」
ハンジ「お互いがいいんならいいけどさ」
575 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/16(金) 22:54:58 JCJSlxmk
お掃除リヴァイ「終わった。隣の応接室やるぞ」
エルヴィン「頼むよ」
お掃除リヴァイ「ああ」スタスタ
バタンッ
ハンジ「……この間は廊下掃除してたね」
エルヴィン「今回の休みは掃除に費やしたいらしい」
ハンジ「まぁ、あれも発散のひとつなんだろうけど」
エルヴィン「廊下だとそこを行く兵士が戸惑うからな」
ハンジ「あぁ……だから引き入れたのか」
エルヴィン「あれも趣味なんだろう」
ハンジ「うーん……楽しんでる節があるからいいか」
お掃除リヴァイ「……」ゴシゴシ
〆
576 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/16(金) 22:57:15 JCJSlxmk
【時刻は昼】
ゴオォォ!
ハンジ「うひゃぁ、天候荒れてるねぇ」
リヴァイ「夜会は延期だな」
ハンジ「だね」
リヴァイ「なら今日は空いてるということか」スルッ
ハンジ「あ、こら。腰を抱かない」
リヴァイ「暇だろ」
ハンジ「暇じゃないよ。処理しておきたいものがあるんだ」
リヴァイ「……チッ」
ハンジ「夜に、ね?」
リヴァイ「……忘れるなよ」
ハンジ「忘れないよ」クスクス
〆
577 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/16(金) 22:58:04 JCJSlxmk
【ここに良いものが!】
黒猫「……ニア」
ハンジ「やぁ、久しぶりだね」
茶トラ猫「ニャー」
ハンジ「茶トラも一緒かい?」
茶トラ猫「ニャーニャー」
ハンジ「ん? 来いってことかな?」
茶トラ猫「ニャー」ガサゴソ
578 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/16(金) 22:58:38 JCJSlxmk
ハンジ「茂み? また怪我してたりしないよね?」ガサゴソ
茶トラ猫「ニャーン」
黒猫「ニァ」
ユラユラ……
ハンジ「あぁ、秋の狗尾草(あきのエノコログサ)か」
茶トラ猫「ニャーニャー」
ハンジ「……これは遊べってことなのかな?」
茶トラ猫「ニャー」
黒猫「ニァ」
〆
579 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/16(金) 22:59:50 JCJSlxmk
【奇襲】
ハンジ「仕方無いなぁ。ちょっとだけだよ」プチプチッ
茶トラ猫「ニャッ!」キラキラ
黒猫「ニァ」
ハンジ「行くぞー! うりゃうりゃ」パタパタ
茶トラ猫「ニャッニャニャ!!」
黒猫「ニァ!」
ハンジ「うりゃりゃ!」パタパタ
白猫「ミャッ!」
長毛猫「ミュッ!」
茶猫「ニャッ!」
灰猫「ニャニャ!」
580 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/16(金) 23:00:18 JCJSlxmk
ハンジ「うわっ!? どこにいたんだよ! わわっ!!」
ドサッ!!
仔猫's「ニャー!」ノッシリ
茶トラ猫「ニャウ!」
黒猫「ニァ」
ハンジ「あはは! 参った参った! 君達の勝ちだよ」
リヴァイ「お前、何してやがる」
ハンジ「やぁ、リヴァイ。猫達から遊びに誘われたんだ」
茶トラ猫「ニャーン」
リヴァイ「……薄汚ぇな」
ハンジ「猫なんだから仕様がないだろ」ボロッ
リヴァイ「お前がだ」
〆
584 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/20(火) 22:53:48 gU8D1xAU
【遊びたい】
リヴァイ「これは?」ヒョイッ つ猫じゃらし
ハンジ「エノコログサ、通称猫じゃらしだよ」
リヴァイ「猫じゃらし……」ユラッ
茶トラ猫「ニャッ!」ペシッ
リヴァイ「……」
ハンジ「ありゃ、奪われちゃったね」アハハ
茶トラ猫「ニャウニャウ」ガジガジ
リヴァイ「……美味いか?」
ハンジ「まぁ、食べれないことはないけどね」
585 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/20(火) 22:54:21 gU8D1xAU
リヴァイ「そうか」ヒョイッ つ猫じゃらし
仔猫's「ウニャッ!?」ピクッ
リヴァイ「……」
黒猫「……」
仔猫's「ウニャニャ……」ウズウズ
ハンジ「ぱたぱたしたり突然方向変えたりすると飛びついてくるよ」
リヴァイ「……」パタパタ
仔猫's「ウニャニャニャーウ!!!」バッ
黒猫「……」ジッ
ハンジ「あはは! 仔猫がいっぺんに来ちゃったね」
〆
586 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/20(火) 22:55:01 gU8D1xAU
【うずうず】
仔猫's「ニャウニャウ!!」ガジガジ、ケリッ
ハンジ「全部取られたね」
リヴァイ「……これ足りねぇんじゃねぇか?」
ハンジ「その辺に沢山生えてるから追加しちゃえば?」
リヴァイ「これか……」プチッ
黒猫「……」ウズッ
リヴァイ「! こっちは……」グッ…
ハンジ「あ、その黒っぽいの採りにくいと思うよ」
リヴァイ「……確かに。緑のやつと違うな」グッ
587 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/20(火) 22:55:28 gU8D1xAU
ハンジ「それエノコログサに似てるけどチカラシバっていう違う種類。同じイネ科ではあるけどね」
リヴァイ「へにゃへにゃになったな」
ハンジ「なかなか千切れないから茎がねぇ。緑のにしときなよ」
リヴァイ「……黒いやつには黒いのがいいかと思ったんだが」
ハンジ「まぁ、ムラサキエノコロっていう黒っぽいというか紫色のもあるけどここにはないねぇ」
黒猫「ニァ」
ハンジ「ははっ! 早く遊びたいみたいだから待たせちゃ悪いよ」
リヴァイ「そうか」
黒猫「……」ウズッ
〆
588 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/20(火) 22:56:39 gU8D1xAU
【流れる緊張感】
リヴァイ「黒猫」パタッ…
黒猫「ニア!」シュッ!
リヴァイ「――っ」サッ↑
黒猫「ニァ……」スタッ
リヴァイ「……」
黒猫「……」
ハンジ「ほれほれ」パタパタ
茶トラ猫&仔猫's「「ニャー!!」」ビシビシッ!!
リヴァイ「……」パタ…
黒猫「……」ジリッ
ハンジ「ちょっと疲れたねー」ナデナデ
茶トラ猫&仔猫's「「ニャー」」
589 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/20(火) 22:57:18 gU8D1xAU
リヴァイ「……」シュパッ!→
黒猫「!!」シャッ!!→
ハンジ「あ、黒猫おしい」
茶トラ猫&仔猫's「ニャー……」
ハンジ「休んで見てようか」
茶トラ猫&仔猫's「「ニャ」」
リヴァイ「……ほぅ……やるじゃねぇか」
黒猫「……ニア」
ハンジ「……何を真剣に遊んでるのかねぇ」
茶トラ猫「ニャッ」
仔猫's「」スヤスヤ
〆
590 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/20(火) 22:57:44 gU8D1xAU
【歩かない】
ハンジ「いやー、遊んだ遊んだ」
リヴァイ「無駄に時間を使った」
ハンジ「楽しんでたくせに」
リヴァイ「……」チッ
ハンジ「さって、部屋で本でも――」
ガシッ
ハンジ「!?」
リヴァイ「……汚ぇ」
ハンジ「えっ」
リヴァイ「猫と遊んで汚れただろうが」
591 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/20(火) 22:58:17 gU8D1xAU
ハンジ「い、いや、ちょっとだし」
リヴァイ「服も汚れている」
ハンジ「え、あ、いやいや」
リヴァイ「外も中も丸洗いだな」グイッ
ハンジ「えぇー!? 待って! タワシはやめてよ! タワシは!!」ズルズル
リヴァイ「……」ピタッ、ジッ
ハンジ「な、何?」
リヴァイ「まぁ、タワシは勘弁してやる」
ハンジ「よ、良かったぁ」ホー
リヴァイ「行くぞ」グッ
ハンジ「はーい」ズルズル
〆
592 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/20(火) 22:59:01 gU8D1xAU
【考えてみる】
――森:立体機動演習――
ピィーチチチ……
ハンジ「お、鳥だ」
リヴァイ「よそ見するな、クソメガネ」
ハンジ「そういや狩猟解禁日だっけ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「リヴァイちょっと立体機動で鳥捕まえてきてよ」
リヴァイ「テメェ鳥舐めんな。立体機動くらいあいつらかわすぞ。音するしな」
ハンジ「狙えばやれないことないでしょ」
リヴァイ「……そりゃそうだが」
ミケ「まともに返すな。演習中だ」
〆
595 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/24(土) 22:29:35 xXGuhbGQ
【香りに包まれて】
リヴァイ「準備できたか?」
ハンジ「できたよ。あ」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「リヴァイ、ちょっとタイが曲がってる」スッ
リヴァイ「ん?」
ハンジ「んー」クイクイッ
リヴァイ「……!」クンッ
ハンジ「はい、できた」ポンッ
596 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/24(土) 22:29:59 xXGuhbGQ
リヴァイ「この香り……」
ハンジ「あぁ、分かった? 前にリヴァイから買って貰った香水だよ。リヴァイの香りのやつ」
リヴァイ「……勝手に俺の香りにするな」
ハンジ「あの時リヴァイっぽいって言ったじゃないか」
リヴァイ「そう言ってたな」
ハンジ「今回は結構個人で動かないといけないだろ? リヴァイの代わりだよ」
リヴァイ「……」
ハンジ「さぁ、ぐずぐずしてられないよ。夜会に行こう。馬車が待ってる」
リヴァイ「お前待ちなんだがな」
〆
597 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/24(土) 22:30:24 xXGuhbGQ
【任務だから】
――夜会――
ハンジ「……ふぅ、話疲れた」
エルヴィン「大丈夫か?」
ハンジ「愛想笑いが疲れるよ。あと少しだから大丈夫」
エルヴィン「ならいいが」
ハンジ「あれ? リヴァイは……」キョロッ
エルヴィン「あっちだ」
ハンジ「おぉ……男女に囲まれてる……」
エルヴィン「いつもの事だがな」
ハンジ「今日はミケがついてるんだ。リヴァイの援護」
エルヴィン「私は話す相手がいたんでな」
ハンジ「……やっぱり女性が多いね」
598 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/24(土) 22:31:04 xXGuhbGQ
エルヴィン「……気になるか?」
ハンジ「気にならないと言えば嘘になるけど気にしてる場合でもないよね。資金援助を増やさないと」
エルヴィン「そうだな」
ハンジ「エルヴィンは休憩中かい?」
エルヴィン「小休止だ。そろそろ行かねば」
ハンジ「そっか」
男性貴族「あの、ハンジ・ゾエさん……でいらっしゃいますね?」
ハンジ「あ、はい」
男性貴族「よければお話を伺いたいのですが」
ハンジ「私でよろしければ喜んで」ニッコリ
ハンジ(じゃあね、エルヴィン)ヒラッ
エルヴィン「……」ヒラヒラ
エルヴィン「……獲物を見つけたって顔だったな」
〆
599 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/24(土) 22:31:43 xXGuhbGQ
【愛想を振り撒く】
男性貴族「どうぞ」スッつY←ワイン
ハンジ「ありがとうございます」
ハンジ(しっかしお貴族様ってのは凄いね。流れるようなエスコートをしてくれる)
ハンジ(身に染みついちゃってるんだろうな)
男性貴族「ゾエさんは調査兵団では巨人の研究をされているとか……」
ハンジ「ハンジ、でよろしいですよ。ええ、巨人研究を任されています」
男性貴族「分隊も任されているとお聞きしています。素晴らしいですね」
ハンジ「いえ」
男性貴族「あぁ、私としたことが申し訳ありません。どうぞこちらにお掛けください」スッ
ハンジ「まぁ、ありがとうございます」フワッ
男性貴族「……良い香りですね」
ハンジ「えっ? あぁ、お気に入りの香水なんです」
男性貴族「清潔で清楚な香りでハンジさんによくお似合いです。それにドレス姿もお美しい」
600 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/24(土) 22:32:14 xXGuhbGQ
ハンジ「……そんなことは」
ハンジ(これリヴァイのイメージなんだけどな……でも似合ってる、か。嬉しいっちゃ嬉しい)
ハンジ(それに美しい、ねぇ。本当に口が上手いね。さすがだ。それにいろいろさりげなく女性として扱ってくれてる)
ハンジ(……たまにはいいものだね)
ハンジ(これがリヴァイだったらもっと……)フフッ
ハンジ(もっと嬉しいけどないな)クスッ
男性貴族「? どうかされましたか?」
ハンジ「あぁ、いいえ」ニコッ
ハンジ(……話をした限り調査兵団に悪い印象がないどころか良い印象をお持ちのようだ。悪い人でもない)
ハンジ(これは私にかかっているな。より良い印象にしておかなければ)ニッコリ
リヴァイ「……」チラリッ
〆
601 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/24(土) 22:32:52 xXGuhbGQ
【売り言葉に買い言葉】
ハンジ「はぁー!! 疲れたー!」ドサッ!
リヴァイ「ドレスのままベッドに倒れ込むんじゃねぇ。シワになるだろうが」
ハンジ「脱ーがーせーてー」パタパタ
リヴァイ「ベッドの上で暴れるな。埃が舞う」
ハンジ「話疲れたよー」
リヴァイ「……そんなに話が弾んだか」シュルッ
ハンジ「んー……弾んだというか良い印象を持たせつつ、資金が必要なんですーって見せるのがねー」
リヴァイ「……楽しそうに見えたが」シュルシュル
602 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/24(土) 22:33:17 xXGuhbGQ
ハンジ「えー? 巨人の話は楽しかったけどねぇ。でも抑えて話さなきゃいけなかったしね」
リヴァイ「そうか」スルッ
ハンジ「あ、でもすんごい女性扱いしてくれた。まぁ、あの場ではそれが当たり前なんだろうけどなんか新鮮だったねー」
リヴァイ「……」ピクリッ
ハンジ「本当に女性! って感じがした」アハハ!
リヴァイ「……嬉しそうだな」
ハンジ「ん? んー? 香水を褒められたのは嬉しかったかなー」
リヴァイ「くだらねぇ」
ハンジ「な」カチンッ
リヴァイ「ちょっと褒められただけで浮かれてんのか」
603 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/24(土) 22:33:54 xXGuhbGQ
ハンジ「はぁ!? 浮かれてないよ!」ガバッ
リヴァイ「随分機嫌良さげにしてやがるじゃねぇか」
ハンジ「それは商談がうまくいったからだよ!」
リヴァイ「どうだかな」
ハンジ「何なんだよ! 自分だって女に囲まれていいご身分だったくせに!!」
リヴァイ「ああ?」
ハンジ「こんな女性を適当に扱う奴だなんて知ったらいなくなるだろうけどね」ハンッ
リヴァイ「ハッ、お前の本性知ったら女扱いなんざしねぇだろうよ」
ハンジ「あの方はそんなことしないね! 場と空気をちゃんと読む方だし、紳士だし! 誰かさんと違って!」
リヴァイ「あ゙あ゙?」
〆
604 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/24(土) 22:35:02 xXGuhbGQ
【扱いの違い】
ハンジ「大体リヴァイは私に対する扱いが雑なんだよ!」
リヴァイ「普通だ」
ハンジ「普通じゃないよ! あの時だって扱いが私と違った!」
リヴァイ「あの時?」
ハンジ「訓練中に女性兵士が怪我したとき!」
リヴァイ「あぁ……あれがなんだ? 普通だったろ」
ハンジ「横抱きに抱えてたじゃないか!!」
リヴァイ「そりゃ肩に担ぐわけにはいかねぇだろ」
605 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/24(土) 22:35:42 xXGuhbGQ
ハンジ「私は担ぐじゃないか!」
リヴァイ「そりゃお前だからだろう」
ハンジ「ほら、私だけそんな扱いして!!」
リヴァイ「ああ?」イラッ
ハンジ「ぞんざいすぎるだろ!!」
リヴァイ「……じゃあ、今度から他の女もお前と同じ扱いすればいいんだな?」
ハンジ「……えっ?」
リヴァイ「肩に担いだり頭掴んだり気を失わせたり」
ハンジ「ちょっ、ちょっと待ってリヴァイ! それは兵法会議にかけられる!!」
リヴァイ「あ゙!?」
〆
610 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/27(火) 22:37:08 rtG/giPM
【そういうこと】
リヴァイ「同じ扱いすりゃ気がすむんじゃねぇのか」
ハンジ「いや、逆って言うか……。しかしそう聞くとリヴァイってば色々あれだねぇ」ハァー
リヴァイ「あ?」
ハンジ「いや、今言った事を他の子にやったら本当にいけないからね? 訴えられちゃうからね」
リヴァイ「お前は何故そうしない」
ハンジ「えっ? そりゃリヴァイが気を許してるからそういう行動してるって知ってるか……ら……」
リヴァイ「分かってるじゃねぇか」
ハンジ「……くそっ、その髪まとめて天辺で結んでやりてぇ」
リヴァイ「…………やめろ」←想像した
〆
611 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/27(火) 22:38:11 rtG/giPM
【リヴァイの甘え】
リヴァイ「大体、よく考えなくても分かるだろ。ハンジよ」
ハンジ「ん?」
リヴァイ「俺が女兵士を肩に担いでみろ。どうなる?」
ハンジ「……まずいね。お尻が顔の横にきちゃうし」
リヴァイ「……。そもそも怪我の具合によっては担いでねぇだろ、お前でも」
ハンジ「……そういやそうか」
612 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/27(火) 22:38:40 rtG/giPM
リヴァイ「他のもお前だからだろう」
ハンジ「つまり、肩に担ぐのも頭鷲掴みもこっちが理解して許すからこその行動で
気絶に至っては心配だからだよね」
リヴァイ「……」
ハンジ「ある意味甘えだよねぇ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「リヴァイの甘え方ってねじくれすぎてるよ」
リヴァイ「……甘えてねぇ」
〆
613 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/27(火) 22:41:25 rtG/giPM
【ハンジの甘え】
ハンジ「あーもう、やめやめ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「全く、馬鹿馬鹿しい。要は互いに嫉妬しあってるだけじゃないか」
リヴァイ「……」
ハンジ「こんなことで喧嘩するなんて本当に馬鹿らしいよ」ガシガシ
リヴァイ「……まぁ、そうだな」
ハンジ「じゃ、着替えの続きお願い」
リヴァイ「自分でやれ」
〆
614 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/27(火) 22:41:53 rtG/giPM
【リヴァイだらけ】
リヴァイ「それで、楽しく何の話をしていたんだ?」シュルッ、パサッ
ハンジ「うわぁ、まだやんの?」
リヴァイ「喧嘩じゃねぇ。質問だ。俺の答えにお前は納得したみてぇだが俺はお前の答えに納得してねぇ」ムギュー
ハンジ「いひゃいいひゃい、ほっへはひっひゃらないへ」(痛い痛い、ほっぺた引っ張らないで)
リヴァイ「嬉しそうにしてやがっただろう」パッ
ハンジ「嬉しそうに……? あぁ」サスサス
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「リヴァイイメージの香水が似合うって言われて、まるでリヴァイとお似合いだって言われた気がしてねぇ」ヘヘッ
リヴァイ「……」
ハンジ「それから女性扱いがうまくてさ」
リヴァイ「……」ピクッ
615 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/27(火) 22:42:25 rtG/giPM
ハンジ「もしリヴァイがそうだったらと思ったらおかしくなっちゃって」クスクス
リヴァイ「……お前は」
ハンジ「ん?」
リヴァイ「……下着のままだと冷えるぞ」ギュッ
ハンジ「脱がす途中で妙なこと言い出すからだよ……へっくし!」
リヴァイ「ほらみろ」
ハンジ「ほらみろじゃないよ。リヴァイの所為だよ」
リヴァイ「責任とって温めてやる」ギシッ
ハンジ「おっさん臭いなー」ケラケラ
リヴァイ「うるせぇ」
〆
616 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/27(火) 22:42:56 rtG/giPM
【知ってる】
ハンジ「機嫌が直ったってことはご納得いただけたんだね?」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「それは良かった。ねぇ、リヴァイ」
リヴァイ「なんだ、ハンジ」
ハンジ「好きだよ」
リヴァイ「……知ってる」
ハンジ「そっか」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「……リヴァイは?」
617 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/27(火) 22:43:35 rtG/giPM
リヴァイ「……俺もだ」
ハンジ「あ、ずるいな」
リヴァイ「……」
ハンジ「ずるいよ」
リヴァイ「……知ってるだろ」
ハンジ「……ずるいなぁ」フフッ
リヴァイ「……」
グイッ
ハンジ「おわっ」
618 : ◆uSEt4QqJNo :2016/09/27(火) 22:43:57 rtG/giPM
リヴァイ「……」ギュッ
ハンジ「……」
リヴァイ「……」ナデナデ
ハンジ「……ふふっ、本当にずるい」
リヴァイ「うるせぇよ」
ハンジ「ずるいのが悪いんだよ」スリスリ
リヴァイ「くすぐってぇ」
ハンジ「甘んじて受けろ」クスクス
リヴァイ「……チッ」ナデナデ
ハンジ「ふふふ」スリスリ
〆
626 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/02(日) 23:06:28 Fc1cu3iM
【寝ぼけ?】
ハンジ「リヴァイ、おはよう」
リヴァイ「ああ、先に起きていたのか」ボー
ハンジ「うん。リヴァイ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「お・は・よ・う?」
リヴァイ「……おはよう」
ハンジ「うん、いい子だ」
リヴァイ「誰がいい子だ、クソメガネ」
ハンジ「じゃ、悪い子なの?」
リヴァイ「……どちらかと言えば」
ハンジ「ぶわはははは! そっちじゃないだろ! リヴァイ、子に反応しないと!」ケタケタ
リヴァイ「朝からうるせぇ」
〆
627 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/02(日) 23:07:18 Fc1cu3iM
【ちょっと掛けてみよう】
――ハンジ研究室――
リヴァイ「おい、ハンジ……」
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……」
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……クソメガネ」スタスタ
ハンジ「」スースー
リヴァイ(眼鏡、掛けたままじゃねぇか)カチャッ
628 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/02(日) 23:07:41 Fc1cu3iM
ハンジ「う、ん……」スースー
リヴァイ「眼鏡がまた薄汚れてやがる」キュッキュッ
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……」
リヴァイ「……」スチャッ ←眼鏡掛けた
リヴァイ「……っ」クラッ
リヴァイ「……相変わらず目が悪ぃな」カチャッ
ハンジ「」スースー
リヴァイ「……運ぶか」スッ ←眼鏡を胸ポケに
〆
629 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/02(日) 23:08:11 Fc1cu3iM
【おやすみ】
――ハンジ自室――
トサッ
ハンジ「」スースー
リヴァイ「ここまで一度も目を覚まさなかったな」ナデナデ
ハンジ「んー……」
リヴァイ「……」
ハンジ「……」スースー
リヴァイ「……」ソッ
ハンジ「……」
リヴァイ「っ……ゆっくり寝ろ、ハンジ」ナデ…
630 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/02(日) 23:08:58 Fc1cu3iM
ハンジ「……」スースー
スタスタスタ…パタンッ
ハンジ「……」
ハンジ「――っ///」
――――――――――――
リヴァイ「……」スタスタ
リヴァイ「!」
リヴァイ「……チッ」
リヴァイ「……」クルッ
リヴァイ(眼鏡持ってきちまった)スタスタ
リヴァイ(起こさねぇようにしねぇとな)スタスタ
〆
631 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/02(日) 23:09:25 Fc1cu3iM
【身悶え】
ハンジ(まさか!)ボフッボフッ ←枕殴り
ハンジ(あんなそっとおやすみのキスするとはっ!///)ジタバタ
ハンジ(たまにかわいいことするな! あのおっさん!!)ゴロンゴロン
ハンジ(しかもなんだあの声!)ボフボフボフッ
ハンジ(くっそ優しい声だった!!///)ジタバタ
ハンジ(うわあぁぁぁ!! もーー!!!)ゴロゴロゴロ
リヴァイ「……」
ハンジ「は」
リヴァイ「寝起きがいいな」
632 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/02(日) 23:09:49 Fc1cu3iM
ハンジ「うぎゃあおおぉう!!? い、いいいつ(からそこに)!?」
リヴァイ「ちょっと前からだが」
ハンジ「け、気配(なかった)!!」
リヴァイ「起こすのは悪いと思ってな」
ハンジ「にしても気配無さすぎるよ!」
リヴァイ「眼鏡」
ハンジ「へ?」
リヴァイ「置いておくのを忘れた」カチャッ
ハンジ「あ、あぁ、ありがとう」
〆
633 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/02(日) 23:11:27 Fc1cu3iM
【ホッとする】
リヴァイ「で、何をしていたんだ?」
ハンジ「えっ? い、いや、別に何も」
リヴァイ「……起きてたな?」
ハンジ「ふへ?」
リヴァイ「寝てなかったな?」
ハンジ「ね、寝てたよ」←フイッ
634 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/02(日) 23:11:56 Fc1cu3iM
リヴァイ「……どこから起きてた」→グイッ
ハンジ「寝てたって」←目線
リヴァイ「嘘をつけ」←ヒョイッ
ハンジ「うぅ……キ、キスされるちょっと前」
リヴァイ「……そうか」
リヴァイ(眼鏡で遊んでたのは見られてねぇのか)
ハンジ「? リヴァイ?」
〆
638 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/05(水) 23:20:00 YEYgs4.w
【それか】
リヴァイ「……そのことで悶えてやがったのか。足りなかったか?」
ハンジ「別に足りなくないよ! キスだけで暴れてたわけじゃないし!」
リヴァイ「ほう?」
ハンジ「あ」
リヴァイ「他に何があった?」ギシッ
ハンジ「ちょっ、乗り上げてくるな!」
リヴァイ「何に悶えていたんだ」
ハンジ「なんでもないよ、大したことじゃない」フイッ
639 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/05(水) 23:20:27 YEYgs4.w
ハンジ「なんか、優しい声だったから……」
リヴァイ「……」
ハンジ「……リヴァイ?」
リヴァイ「別に……普通だ」
ハンジ「普通ではなかったよ。凄い優しくて」
リヴァイ「うるせぇ、黙れ。寝ろ」ガッ!
ハンジ「ぬあっ!?」ボフッ!
リヴァイ「クソメガネ」
ハンジ「眼鏡してねぇし! いきなりなんだよ、もう!」
リヴァイ「……チッ」
〆
640 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/05(水) 23:21:07 YEYgs4.w
【会いに行こう】
ハンジ「ふーむ……」
ハンジ(最近リヴァイとまともに会ってないな)
ハンジ(ちょっと忙しかったからなぁ)
ハンジ(でも今は落ち着いてる)
ハンジ「……ふむ。モブリット」
モブリット「なんでしょう?」
ハンジ「資料室行ってくる」
モブリット「分かりました。そのまま時間になったら昼食に行かれてくださいね」
ハンジ「了解。じゃ」
スタスタスタスタスタ……
ハンジ「さってと」
ハンジ(リヴァイはどこかなー)
〆
641 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/05(水) 23:21:42 YEYgs4.w
【捜索】
ハンジ「んー?」キョロキョロ
ハンジ「執務室にいなかった。どこ行ったのかな」
ハンジ「今日は演習はなかったはずだけど……」
ハンジ(ちょっとだけリヴァイ補給しようと思ったんだけどなぁ)
ハンジ「戻るかな……」
ハンジ「……」
ハンジ「リヴァイ成分だけでも補給しよう」
―――
――
―
642 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/05(水) 23:22:17 YEYgs4.w
*リヴァイ自室*
ハンジ「合鍵が役に立つなぁ」
ハンジ「相も変わらず綺麗な部屋だな」
ハンジ「リヴァイ成分無さそう」
ハンジ「とりあえずベッドへダーイブ!」ボフッ
ハンジ「あー、サラサラ気持ちいいー! さすがリヴァイのベッド」
ハンジ「リネンの香りがリヴァイっぽい」スゥー
ハンジ「……リヴァイ」ウト…
ハンジ「」…スヤァ
〆
643 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/05(水) 23:22:57 YEYgs4.w
【きょろきょろ】
リヴァイ「……」キョロッ
リヴァイ「おい」
モブリット「はい」
リヴァイ「ハンジはどうした」
モブリット「資料室に行かれたはずですが」
リヴァイ「資料室か」
モブリット「あ、もしいなかったら図書室かもしれません」
リヴァイ「分かった」
スタスタスタスタスタ……
―――
――
―
644 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/05(水) 23:23:23 YEYgs4.w
リヴァイ「……チッ」
リヴァイ(どっちにもいねぇし、自室にもいねぇ)
リヴァイ(どこ行きやがった)
リヴァイ「……」
リヴァイ(もしや)
―――
――
―
ハンジ「」スピー
リヴァイ「居やがった」
ハンジ「」スースー
リヴァイ「俺の部屋に」
ハンジ「」スヤァ
〆
645 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/05(水) 23:23:53 YEYgs4.w
【切り替えは早い】
ハンジ「」スヤスヤ
リヴァイ「……」ハァ
リヴァイ「おい、メガネ。起きろ」
ハンジ「うーん……」
リヴァイ「もう昼だ。飯食え」
ハンジ「あー……寝てた」
リヴァイ「さぼってんじゃねぇ」
ハンジ「ちょっとだけ横になろうと思たんだけど」フワァー
リヴァイ「人の部屋で横になるな」
ハンジ「リヴァイ補給に来たんだよ。リヴァイが見当たらなかったし」
リヴァイ「……立体機動の指導を頼まれた」
ハンジ「あぁ……どうりで見当たらなかったはずだ」
646 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/05(水) 23:24:35 YEYgs4.w
リヴァイ「飯、行くぞ」
ハンジ「ん」スッ
リヴァイ「……両手広げて何だ」
ハンジ「ん」
リヴァイ「……」スッ
ハンジ「んふふふふー」ギュッ
リヴァイ「……」
ハンジ「リヴァイ補給ー」ギュー
リヴァイ「……」ギュッ
ハンジ「よっしゃ! 行こうか!」パッ
リヴァイ「……クソメガネ」
ハンジ「?」
〆
648 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/09(日) 23:15:45 oughNStk
【そりゃ少しは】
ハンジ「今日さ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「裏庭で女の子と一緒だったね」
リヴァイ「あぁ……」
ハンジ「モテるね!」ヒューヒュー
リヴァイ「うるせぇよ」
649 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/09(日) 23:16:08 oughNStk
ハンジ「あ、大丈夫だよ。今更そんなことで気にするハンジさんじゃないからね! 私は成長した!」フフン
リヴァイ「ほぅ?」
ハンジ「……」フフーン
リヴァイ「……」
ハンジ「……」チラリッ
リヴァイ「……」
ハンジ「……もっと人目に触れないところに行けよ」フイッ
リヴァイ「気にしてんじゃねぇか」
〆
650 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/09(日) 23:16:48 oughNStk
【距離感】
ハンジ「――そして! 次は痛覚の実験に移行した!!」ズイッ
新兵1「ひっ!?」
新兵2「っ!?」ビクッ!!
調査兵1「あーあ、新兵捕まったか」
調査兵2「まぁ、通過儀礼みたいなもんだ」ハハッ
リヴァイ「……」
ミケ「どうした? リヴァイ」
リヴァイ「いや、気の毒だと思ってな」
エルヴィン「あぁ……毎回幾人かは犠牲になってるな」
リヴァイ「“第四分隊隊長は変人だから近寄るな”と周りが言ってはいるんだがな」
651 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/09(日) 23:17:10 oughNStk
エルヴィン「普段は普通……というより人当たりがいい気さくな人柄だからな、ハンジは」
ミケ「“噂程じゃない”と思ってしまうんだよなぁ」
リヴァイ「ある意味罠だな」
エルヴィン「違いない」クッ
ミケ「確かに」スンッ
ハンジ「――というわけなんだよ!! 分かるかい!?」ズズイ
調査兵1・2「「は、はいー!!!」」
リヴァイ「…………近ぇんだよ、クソが」ボソッ
エルヴィン「……」フッ
ミケ「……」スンッ
〆
652 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/09(日) 23:17:46 oughNStk
【諦め】
ハンジ「――でさ! あの反応がまた良くってさ!」ズイッ
リヴァイ「……」
ハンジ「分かるかなぁ? 愛らしさもそこにあるんだよ!」
リヴァイ「……」
ハンジ「やっぱり捕まえてこそ分かることってあるよね!!」ズズイ
リヴァイ「……」スッ
ハンジ「!?」
653 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/09(日) 23:18:14 oughNStk
リヴァイ「……」
ハンジ「――――」ポカンッ
リヴァイ「……なんだそのふざけた顔は」
ハンジ「ふざ……いや! 今何した!? キス? なんで? なんで今??」
リヴァイ「隙が多い」
ハンジ「はい?」
リヴァイ「だから、した」
ハンジ「……さすがによく分からないよ、リヴァイ」
リヴァイ「……だろうな。理解したところでお前は変わらん」フゥー
ハンジ「何故溜め息」
〆
654 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/09(日) 23:19:00 oughNStk
【闇じゃなくて夜だろ】
ハンジ「リヴァイ、なんか古い本を見つけたよ!」
リヴァイ「汚ぇ本だな。また禁書か?」
ハンジ「分からない。まだ中身をちゃんと確認していないんだ! でも店主が確か技の指南書のはずだって言ってた」
リヴァイ「どこから買った」
ハンジ「古い書店で埋もれてたのを発掘して格安で買った。すんごい汚れてるからね」パタパタ
リヴァイ「汚れを拭いてから持ってきやがれ、クソメガネ」シワー
ハンジ「タイトルも汚れてて読めないんだよね」ゴシゴシ
リヴァイ「袖で拭くな」
ハンジ「おっ、タイトルが見えてきた」
リヴァイ「……それで、何が書かれてあるんだ」
ハンジ「えーっと、タイトルは“暗闇の指南書、四十八手~愛とは~”」
リヴァイ「今すぐ捨てろ」
〆
655 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/09(日) 23:19:30 oughNStk
【墓穴】
リヴァイ「とんでもねぇ本買ってんじゃねぇ」
ハンジ「うーん、格闘の技における四十八手じゃないんだね」ペラッ
リヴァイ「開くな。捨てておけよ、そんなもん」
ハンジ「いやまぁ……色んな体位があるもんだね」パラパラ
リヴァイ「おい、見るんじゃねぇ」
ハンジ「もったいないかと思って。へぇー」ペラッ
リヴァイ「……幾つかはやったことあるだろう」
ハンジ「あ、これ乱れ牡丹っていうんだ」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「あなたがわざわざ鏡用意してやったやつだよ」ジトッ
リヴァイ「……あぁ、アレか」
656 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/09(日) 23:20:23 oughNStk
ハンジ「名称知らないの?」
リヴァイ「いちいち覚えてねぇよ」
ハンジ「そんなもんかー……あっは! これ見て! 松葉崩しだって。難しそう」
リヴァイ「そうでもねぇだろ。……なんだこの形は」
ハンジ「うおっ、アクロバティックな体位だね。これで快感得られるのかなぁ」
リヴァイ「……」ピクッ
ハンジ「Σはっ!?」
リヴァイ「ほう」
ハンジ「待った! 無理! 身体壊れるから!!」
リヴァイ「この辺はイケるだろ」
ハンジ「捨てる!! 捨てるから!!」
リヴァイ「幾つかは覚えた」
ハンジ「覚えるな!!!」
〆
660 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/11(火) 22:36:04 w4o4ZmAc
【ちょっと不満】
――夜会――
リヴァイ「……ハンジは?」
エルヴィン「やっとお嬢さん方から解放されたか、リヴァイ」
リヴァイ「機嫌が悪いと察したらしくてな、散った」
エルヴィン「……眉間にシワ寄せたな」
リヴァイ「さぁな。自分では分からん」
エルヴィン「上手くあしらってほしいものだが」ハァ
リヴァイ「ハンジはどこだ」
エルヴィン「あそこだ」
リヴァイ「……」シワー
661 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/11(火) 22:36:41 w4o4ZmAc
エルヴィン「ダンスに誘われたんだよ。断りにくい相手でね」
リヴァイ「……」シワシワー
エルヴィン「ただの外交辞令みたいなものだ」
リヴァイ「……」シワー
エルヴィン「……リヴァイ、口があるんだから目で……眉間か? それでものを言うのをやめないか?」
リヴァイ「何も言ってねぇ」
エルヴィン「“なんで踊ってる”“断れ”“分かるがイラつく”って顔に出てたが」
リヴァイ「…………少し違う」
エルヴィン「大筋は合っているだろう? 俺にはハンジ程の翻訳力はないからな」
リヴァイ「……」
エルヴィン「一曲だけだ。よくあることだろうに」
リヴァイ「……分かっている」
〆
662 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/11(火) 22:37:07 w4o4ZmAc
【所有権】
――夜会後――
ハンジ「疲れたねぇ」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「? どうかした? なんか不機嫌?」
リヴァイ「……」グイッ
ハンジ「おわっ!?」
リヴァイ「――――」チュウッ
ハンジ「――っ!」チクッ
リヴァイ「……」フム
ハンジ「ちょっ、何してんだよ。こんなところにキスマークつけて」
リヴァイ「鎖骨ががら空きだ」
ハンジ「いや、だからって痕つけるかね」
663 : ◆uSEt4QqJNo :2016/10/11(火) 22:37:48 w4o4ZmAc
リヴァイ「誰のものか分かるようにな」ナデ…
ハンジ「――っ。痕、撫でないでよ」
リヴァイ「これから撫でる所が増えるな」
ハンジ「……どれだけ付けるつもりなんだい?」
リヴァイ「嫌と言うほど」スッ
ハンジ「あ、ちょっ……っ」チクッ
リヴァイ「……」レロリッ
ハンジ「ん……」ピクッ
リヴァイ「お前も好きなだけ付ければいい」
ハンジ「……もう、そういう問題じゃないだろ。付けるけど」
リヴァイ「……好きにしろ」クッ
ハンジ「全く、困った人だよ」クスッ
〆
次回 ハンジ「戯れは」リヴァイ「終わらない」 後編
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